本会議 第15号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/04/24
会議録
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省 略いたします。 —————————————
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。 日程第一、国民年金法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)。 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。園田厚生大臣。 〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
○国務大臣(園田直君) 国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 国民年金制度は、昭和三十四年に創設され、同年十一月から福祉年金の支給を開始し、現在ではその受給者数は約三百万人に達しております。この間、逐年、制度の改善を行なってきているところでありますが、この福祉年金が老齢者、障害者及び母子世帯の福祉に貢献する役割りが大きいことにかんがみ、なお一段とその内容の充実をはかる必要があります。 児童扶養手当は、昭和三十七年に創設され、また、特別児童扶養手当は、昭和三十九年に重度精神薄弱児扶養手当として発足したものでありまして、逐年その内容の改善をはかってまいっておりますが、支給の対象となる児童の福祉の向上をはかるためには、なおその改善が望まれるところであります。 今回の改正法案は、以上の趣旨にかんがみ、福祉年金、児童扶養手当及び特別児童扶養手当につきまして、その額を本年一月の改正に引き続いてさらに引き上げるとともに、所得による支給制限の緩和をはかろうとするものであります。 以下、改正法案のおもな内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、額の引き上げについてでありますが、国民年金につきましては、障害福祉年金の年金額を現行の三万円から三万二千四百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を現行の二万四千円から二万六千四百円に、老齢福祉年金の額を現行の一万九千二百円から二万四百円に引き上げることといたしております。 次に、児童扶養手当及び特別児童扶養手当につきましては、その月額を現行の千七百円から千九百円に引き上げることといたしております。 第二に、所得による支給制限の緩和について申し上げます。 その第一点は、福祉年金、児童扶養手当または特別児童扶養手当の支給対象者本人の所得による支給制限の緩和でありますが、地方税法における老年者等についての非課税限度額が引き上げられる見込みであること等を勘案して、現行の限度額二十六万円を二十八万円に引き上げるとともに、支給対象者が子や孫を扶養する場合において、その子や孫について加算する額を現行の一人につき六万円から七万円に引き上げることといたしております。 第二点は、福祉年金、児童扶養手当または特別児童扶養手当の支給対象者の配偶者または扶養義務者の所得による支給制限の緩和でありますが、扶養親族が五人の場合で、その限度額を現行の九十三万二千五百円から百五万五千円に引き上げることといたしております。 最後に、実施の時期についてでありますが、所得制限の緩和に関する事項につきましては昭和四十三年五月分から、額の引き上げに関する事項につきましては同年十月分から適用することといたしております。 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。佐野芳雄君。 〔佐野芳雄君登壇、拍手〕
○佐野芳雄君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました国民年金法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係閣僚に対して若干の質問を行ないます。 今日、国民の最も重大な関心事は、物価の安定と生活の安定であり、そして毎日の暮らしをどのようにして向上させるかということであります。佐藤総理も、この国民の素朴な願望をよく承知されているはずでありまして、それゆえに、総理は常に、福祉国家の実現を公約し、社会開発に対する構想を強調し、その施策を強力に推進すると述べてきておられるのであります。ところが、実際は、総理の今日までの公約に反して、国鉄定期代の値上げをはじめ、公共料金は軒並みに値上げされ、それにつれて消費物価は値上がりし、国民の生活は向上するどころか、低下の一途をたどっているのであります。そういう実態の中で、国民大衆の社会保障を中心とする厚生行政に対する期待と関心は、まことに強いのであります。にもかかわらず、四十三年度予算に示された社会保障関係の予算は、財政硬直化を理由として、日陰者の予算と言わざるを得ない実情であります。 四十三年度の一般会計予算に占める社会保障関係費は八千百五十六億円余であって、その占める割合は一四%、対前年度比の伸び率は、国立療養所の特別会計移管分を加えても一一%であり、昨年をも下回るところの、まさに戦後最低のものであります。しかも、国の予算そのものは二・八%の増大を示しているのであるから、これは明らかに社会保障の後退を意味し、総理の公約であるところの福祉国家実現の政治とは、全く逆の結果を示しているのであります。それに引きかえ防衛関係費は、債務負担行為と継続費を加え、その予算額は、対前年度比二〇・五%増であって、しかも、公務員の五%削減に比し、二万四千人の人員増が認められているのであります。また、広義の社会保障に含められる恩給関係費中の軍人恩給も、二百八十八億円増の二千三億九千万円で、その対前年度比は実に一七・三%を示しております。これでは、政府与党に組する圧力団体の要求は通っても、恵まれない社会の片すみの、声なき声はむざんに押しひしがれ、貧しい庶民のための社会保障は、全く犠牲にされておると言わざるを得ません。 去る四十一年八月、社会保障制度審議会は、その要望の中で、「打つ手が常に後手後手に回る場合が多く、そのために余分の費用を負担することとなる。公害はその適例である。」と言っております。また、「思いつきのばらばらの改正が多く、社会保障全般にわたる均衡のとれた前進がない。」さらに、「強大な圧力団体の要求はいれられるが、声の低い社会的弱者は置き去りにされている。医療保険の行き詰まりはその象徴的なものである。」と指摘されておりますが、本年度予算は、またしてもその悪弊を踏襲して、身体障害者対策や老人対策などの総合対策が全く不十分で、圧力団体の要求は尊重されても、生活保護費は二二%に押えられ、総理が四十三年度から実施すると約束した児童手当は見送られ、さらに、国立療養所を特別会計に移管して独立採算制をねらい、また、医療保険の抜本改悪が着々と準備せられております。これでは、佐藤総理の言う人間尊重、社会開発は、単なる口頭禅にすぎないと言わなければなりません。総理の率直な御所信をお聞きいたします。 さらに、わが国の老齢人口とその対策について総理にお伺いいたしますが、今日、日本における六十五才以上の老人の数は六百九十一万三千人で、全人口の六・八%、昭和九十年には人口の二〇%、二千三百八十四万八千人が六十五才以上の者が占めることになると、厚生省人口問題研究所が指摘しております。戦後、家族制度の崩壊は、老人家族の単一世帯の急増、核家族化の拡大と相まって、老人の置かれた立場は非常に不安な状態となっております。東京都民生局の最近の調査によりますと、一般の男の老人は六七・八%がつとめに出たり自家営業に従事しており、その働く理由は、働かないと暮らせないという者が四一・九%、生活保護を受けている老人では、働かないと暮らせない者が八七%を占めております。また、経済状態は、十分食べていける者がわずかに三二・一%、どうやら生きていける者が三二・九%、食べられないという者が三五%にのぼっておるのであります。年金の受給率は、一般の老人で、共済組合二七・三%、恩給二三・六%、国民福祉年金が二九・一%となっているが、生活保護を受けている老人の年金受給率は四三・七%にしかすぎないのであります。このように、現在の日本の社会保障の中における老人の位置は低く、過去において国に幾多の貢献をしてきた老人に対して、その待遇は冷たいと言わざるを得ません。 国民年金の拠出制年金は、将来二十年とかそれ以上の期間を経なければ国民のものとならないものであり、そういう意味で、無拠出制の老齢年金の位置は、現時点の保障という観点から、はなはだ重要なものであることは言うまでもありません。しかるに、現在の無拠出制年金の全部について言えることでありますが、特に老齢福祉年金の額の低さは全くお話にならないものであります。そもそも、国民年金が発足した昭和三十六年当時、老齢福祉年金は千円から発足して、このたびの改正案が通れば千七百円になるのでありますが、八年もたって七百円しか上がらない。この間、諸物価の上昇は天井知らずであります。総理は、この制度の重要性と現実の額のギャップをどのように考えておられるか、お尋ねをいたします。 福祉年金の位置づけは、社会保障の一環であり、現在の額の低さは、この意味からいって、ほど遠いものであります。社会保障制度審議会は、本年二月十四日に次のように指摘しています。「福祉年金などについては、従来しばしば本審議会が問題点を指摘しているところである。また、現行法においては、福祉年金は本来の拠出年金の経過的、補完的な制度とされているが、その性質についても再検討の要がある」と。その上、福祉年金には所得制限があり、これが制度をゆがめている。また、生活保護との併給はなされていない。こうした制度の矛盾をどのようにお考えになるのか。つまり、福祉年金は、将来二十年とか三十年とが先の保障ではなく、現在の生活をどう助けていくかが重要な課題となるのであります。現在の福祉年金は、とうてい老人対策として所得保障の体をなしていないのであります。 また、年金受給者に対する医療は無料にするというのが、西欧先進諸国の常識であるのでありまするが、日本では、昨年十一月十七日の厚生省抜本改革試案では、七割という給付であります。老人、乳幼児等の医療をどうお考えになっているのか。 障害福祉年金、母子、準母子福祉年金についても同様のことが言えるのであるが、今後、福祉年金というものを年金保険体系の中においてどう位置づけ、どのように推進していこうと考えておられるのか。総理並びに大蔵、厚生両大臣にお伺いしたいのであります。 第二に、社会保障計画についてであります。社会保障制度の充実は、佐藤内閣の最重点施策として取り上げられておりますが、わが国の社会保障は、西欧先進国の水準に比べると、全般的に見てまだかなり低い水準にあります。すなわち、制度の面では児童手当が欠けており、さらに、一応まとまっていると言われる医療保障についてみても、各種医療保障の内容がアンバランスであって、体系的に整備されていないのであります。したがって、来年度医療保険の抜本的対策を行なわなければならないことは、御承知のとおりであります。まして、西欧諸国の水準にはるかにおくれているといわれる年金制度については、社会保障の給付の面では、医療保障の給付が六〇%以上を占めているのに対し、わずかに年金給付は七%にすぎない状態であります。 政府は、昨年三月発表した「経済社会発展計画」の中に「わが国の経済社会の実態と、その将来の進路に即した適切な社会保障長期計画を策定し、これに基づく体系的整備を行なうことが不可欠である」と述べております。一年余を経過した今日、当然、社会保障の長期計画がなくてはならないのであります。もし、いまなお、社会保障の長期計画が作成されていないとすれば、政府は公約を守らないのみならず、経済社会発展計画は単なるうその作文であり、社会保障に対する熱意がなく、怠慢と言わざるを得ないのであります。この際、社会保障の長期計画について、総理並びに厚生大臣の御所見をお伺いいたします。 次に、公的年金制度全般の問題であります。各種公的年金制度においても給付水準に格差があり、政府は、公的年金制度調整連絡会議で検討しているようでありますが、その進捗状況はどのようになっているのか。これらの公的年金制度の総合調整改善について、基本的な考えを明らかにしていただきたいと存じます。 また、国民年金制度は、数次の改正により、一応軌道に乗ってきたとはいえ、他の公的年金制度と比較して、すべての点において大きく見劣りがしている現状であります。しかも、改善すべき点は、毎年、国民年金法の改正案を可決する際に、委員会における附帯決議事項によって明らかにされているところであります。この際、あわせて、国民年金と被用者年金との均衡について、どのように考えているのか、総理並びに厚生大臣の御所信をお聞きしたいと存じます。 次に、年金のスライド制でありますが、スライド制については国民年金審議会で検討中であり、また、恩給制度審議会の答申もあります。従来、五年ごとの再計算期等に際しては、生活水準等の諸事情を勘案して、物価の上昇に見合った改善をしてきたが、この問題について、国民年金としてはどう考えるのか。また、さきの審議会の答申や、他の公的年金制度については、どのように考えられておるのか、大蔵、厚生両大臣に御説明をお願いいたします。 次に、来たる昭和四十四年度においては、医療保険はもとより、年金制度についても抜本的対策が行なわれることになっており、さらに児童手当の創設や、農民年金の構想が実施されようとしている年でもあります。これらは、いずれも重要な課題であり、どのように解決しようとするのか、この際、具体的に大蔵、厚生両大臣の見解をお伺いしたい。 続いて、通算年金制度について申し上げます。 まず第一は、国内における公的年金制度には、現在老齢年金の通算制度がありますが、遺族年金や障害年金には通算の制度がなく、この問題を今後どのように解決しようとするお考えなのか。 いま一つは、公的年金の国際通算の問題であります。近年、長期にわたり海外において職務に従事する者が著しく増大し、在外日本人の数も、現在では、昭和三十五年の調査によるアメリカ合衆国三万六百五十八人、カナダ九百六十五人、イギリス七百四十二人、フランス四百六十七人、ドイツ三十六人、オーストラリア五百八十一人をはるかにしのいでいるものと推定されます。一方、日本には昭和四十二年六月末現在、アメリカ人一万六千六百四十七人、カナダ人千三百三十二人、イギリス人二千二百七十六人、ドイツ人千九百四人、フランス人八百三十五人、イタリア人五百三十二人、オーストラリア人五百四十九人の人々が在住しております。このうち、被用者については厚生年金保険法が適用されるたてまえとされています。なお、国際趨勢を見ても、一九三八年にILO総会において「年金権の保全に関する条約」、一九六二年には「社会保障における内国人及び非内国人の均等待遇に関する条約」がそれぞれ採択され、労働者の国際移動に伴い必要な社会保障上の権利の保全について考慮が払われてきておるのであります。また、実際にもEEC諸国内における一九五八年「外国居住労働者の社会保障に関するEEC規則」が締結されております。一九〇四年、イタリアとスイスの間に互恵協定が締結されたものを初めとして、現在まですでに二国間条約の締結国は三十カ国以上にのぼっているのであります。わが国においても、二カ国の制度間の公的年金の国際通算を行なう必要に迫られているが、これに対し、厚生大臣はどのように考えているのか、お伺いをしたい。 次に、年金積み立て金の運用についてお伺いをします。 厚生年金保険及び国民年金の制度は、その財政方式として積み立て方式を採用しておりますが、給付が全面的に行なわれるようになるまでには、毎年、保険料や、保険料の運用から生じる収入等により、ばく大な積み立て金が蓄積されるのであります。すなわち、昭和四十三年の末、厚生年金二兆八千四百五十二億円、国民年金四千二百八十一億円に達する予定であり、これらの積み立て金は今後年を追って増加し、たとえば、厚生年金保険では積み立て金の額は、現行のまま制度を改正しないものとしても、将来のピーク時には約三十四兆円の巨額に達するものと見込まれています。 問題の第一は、年金積み立て金の使途を明確にすることについてであります。厚生年金保険及び国民年金の積み立て金は、現行制度では大蔵省資金運用部に預託され、郵便貯金その他の国家資金とともに一元的に管理運用されているため、年金積み立て金を他の資金と明確に区分して、その運用の実態を明らかにすることができていないのであります。このことから、使途別分類表に示された年金資金等の使途は、当該年度の積み立て金増加額についてのみであり、既往の蓄積分の運用状況、特に年金積み立て金の回収及び再貸し付けの状況は全く不明であります。また、当該年度分の使途につきましても、厚生年金保険、国民年金等の原資別の使途は不明であり、また、融資対象機関の資金量は不明であります。これらの点を解決するためには、年金積み立て金を独自に運用するか、特別勘定を設定すべしという意見が多くあり、昭和三十五年、社会保障制度審議会の要望は後者のほうを述べているのであります。 以上の点について、総理大臣、大蔵大臣の御所見をお伺いいたしたいと存じます。 厚生年金保険及び国民年金の毎年度の積み立て金の増加額は、強制的に徴収される保険料であり、しかも、国民の零細な保険料であるので、その使途については保険料を負担する被保険者の福祉増進のためにのみ明確に運用すべきものであることは、言うまでもありません。しかるに、この点が不明確であり、積み立て金の自主運用の議論が被保険者、事業主側及び国会で強調されてきたので、諸般の情勢により、大蔵省、厚生省の両省間において積み立て金増加額の二五%は直接被保険者の福祉増進のために還元し、残りの七五%につきましても民生の安定向上のためにその使途を明らかにすることとして、財政投融資における使途別区分を明らかにすることによって、さしあたり特別勘定設置と同一効果をもたらすこととして、今日に至っているのであります。しかるに、最近の動きを見ると、毎年度積み立て金は大幅に増額しているにもかかわらず、二五%相当の還元融資の分に、本来七五%相当分でまかなうべきものが、四十三年度六百五十億も食い込んできていることが発見されますが、これは絶対に承服できないところであります。もしこの情勢が推移せんとするならば、積み立て金の自主運用、少なくとも特別勘定設置の実現をはからなければならないと思うのであります。この問題を処理するためには、二五%相当の還元融資のワクは、特別地方債及び年金福祉事業団を通じて需要の多い住宅、厚生福祉施設及び病院等に充当するものとすべきであり、さらに、上下水道、清掃事業等、生活環境の整備、医療金融公庫、国立病院整備等、国民生活の安定向上に直結する分野の資金需要に対しては、還元融資以外の七五%相当分を優先的に充てることであり、以上の措置が明確でない以上、特別勘定設置の措置をとるものでなくてはならないと考えますが、この点について大蔵大臣、厚生大臣の御所見を承りたいと存じます。 最後に、児童手当と児童扶養手当法、特別児童扶養手当法の関係についてであります。 政府は、昭和四十四年度から児童手当の実施に努力目標を置き、目下児童手当懇談会において立法化すべく検討中であるようですが……
○議長(重宗雄三君) 佐野君、質問を急いでください。
○佐野芳雄君(続) もう終わりです。その進捗状況はどのようになっているのか。児童手当実施を目前に控えている段階では、具体的に児童手当の構想を明らかにされたい。また、児童手当法が創設された場合には、現行児童扶養手当法、特別児童扶養手当法はどのように取り扱われるのか。特別児童扶養手当は、重症心身障害者の置かれている実態にかんがみ、法の性格を所得保障として考えるよりは、むしろ介護料に切りかえ、手当の額を大幅に増額し、所得制限を廃止すべきではないか。厚生大臣の御所見についてお伺いして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 佐野君にお答えいたします。 社会保障政策は、わが内閣の重要施策の一つでございます。したがいまして、こういう財政硬直化時代、あるいは圧縮予算を必要とする際でも、特に私どもは社会保障の充実につきまして意を用いたのでございます。ただいまも御指摘になりましたように、ことしの予算では八千百五十七億が計上されております。これは、昨年の七千二百十五億に比べまして九百四十二億の増でございまして、当初予算に対しまして大体一五・三の増加でございます。他の項目とは違って、特に社会保障については私ども意を用いたつもりであります。したがいまして、今回は、生活扶助基準の引き上げ、あるいは福祉年金の改善、老人福祉対策、心身障害児対策、さらにまた、原爆被爆者対策等々を行なったわけであります。 ただいま、その各対策について具体的にお尋ねがございました。これについては、いずれ厚生大臣からお答えすることにいたしたいと思います。 また、老齢年金について御指摘がありました。特に老人について、この際注意を喚起されたことについて、私も同感の意を表するものであります。私が申し上げるまでもなく、お話にもありましたように、家族制度がいわゆる核化するという方向に変わってきた、ここに老人についてさらにわれわれが意を用い、児童対策と同様に、老人福祉対策についてさらに意を用いなければならない、かように思います。 児童手当の問題については、ただいま児童手当懇談会におきましていろいろ審議しております。これの結論が出次第、早急にこれを実施するつもりであります。 その他の点については、各大臣にお答えをいたさせます。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 特別勘定についてのお答えをいたします。 昭和三十五年に資金運用制度を根本的に改正しようというときに、この資金運用部に、厚生年金及びそのほかの国民年金等の運用は、特別勘定をもって経理するようにというのは、社会保障制度審議会の要望でございまして、これについて、資金運用審議会においては、また別個の意見を出しまして、問題はこの資金の使途が明確であればいいんだということで、特にこの年金類と郵便貯金のようなものを区別して資金の区分をはっきりし、そうして使途別の分類表をつくればいいということで、昭和三十五年の改正をやって現在に及んでおります。したがって、現在では、毎年の年金等の増加分、増加見込み分を他の資金と区別しまして、そうして使途別分類表をつくっていま明確にしております。そうして二五%は、御指摘のとおり、還元融資としまして地方債に運用すると、それから年金福祉事業団を通じて住宅、生活環境整備、あるいは厚生福祉施設というふうに、国民の生活に密着した分野に運用することにいたしておりますが、おっしゃられますように、過去の蓄積の残が相当ございますし、それが現在どういうふうになっているかというようなものも、今後これは明確にすることがいいんじゃないかと思いますので、この点は十分考えたいと存じております。 それから、このスライド制の御質問でございましたが、恩給審議会から答申がございました、物価の上昇に見合って年金の額を調整するということは、恩給だけではなくて、各種の公的年金制度全部にこれは及ぶ問題でございますので、いま政府としましては、各種の審議会にこの審議をお願いすると同時に、政府自身の中にできております公的年金制度調整連絡会議——各省が参加している会議がございますので、この会議でいまどう取り扱うかを検討中でございます。問題は、この給付がふえる、年金額が調整されるということと負担の問題でございまして、追加費用の負担をどうするか、ここにむずかしい問題がございますので、この問題が合理的に解決すれば、ひとり恩給だけではなくて、公的年金の全体の問題が解決されるんじゃないかと考えておりますので、各種の審議会にも諮問すると同時に、政府自身の機関において、できるだけ早くこの結論を出したいと考えております。(拍手) 〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
○国務大臣(園田直君) 御質問が非常に早くて問題が多うございましたから、落ちがあるかもわかりませんが、もしありましたら、速記録を十分拝見してお答えを申します。 第一の老人対策の問題は、御指摘のとおりでございまして、年金は、明年度は百円引き上げでございます。したがいまして、老人の置かれた地位を考えまして、医療については、御意見がありましたとおりこれを公費負担にするよう、ただいま準備をいたしております。なおそのほか、老人の方が長生きをされて健康で働かれるように職場のあっせん、または補導のための新しい予算を組む、あるいは家庭訪問などの制度を設けております。 次に、福祉年金の改善についてでありますが、審議会の答申の線に従って改善したいと考えております。 社会保障の長期計画は、御指摘のとおりでありますが、御承知のとおりに、その社会保障の二つの柱である保険の抜本改正と年金の改善充実を目前に控えておりますので、この改善と抜本改正を中心にしつつ、ただいま長期計画を作成中でございます。 次に、公的年金制度の調整連絡会議はどうなっておるか——委員会を五回、幹事会を八回開いて、慎重に、いま急いで検討してもらっておりまするが、なお、結論が出ておりません。したがって、これは早急に結論を出していただくように調整連絡会議に相談する予定でございます。 次に、各種年金の格差の調整をやれということでございまするが、仰せのとおりでございまするので、それぞれの御意見を聞きまして調整をしたいと考えております。特に四十四年度は年金の財源の再改正の時期でございまするから、この際、十分検討したい。 年金のスライド制でございまするが、私のほうでは年々物価その他の変動に見合って年金を引き上げるということよりも、基礎の、内容の充実をしなければならぬ段階でございまするので、私のほうではスライド制の問題は、それを上回る充実のほうに重点を置いていきたいと考えておるわけであります。 児童手当につきましては、すでに申し上げておりまするとおりに、懇談会の答申を求めておりまするが、これの答申を受けて早急に検討したいと考えております。大体の方針は、児童手当は二十一世紀の国の将来を背負う子供でありまするから、一律に手当を出すべきであるという方針であります。したがいまして、御指摘になりました特別扶養児童手当と児童手当は、その趣旨を異にするものでありまして、答申を得た上で検討はいたしますが、たぶん別個のものになるのではなかろうかと考えております。 農民年金につきましては、農林省と審議会の両方で専門部会を設けて検討しております。私のほうでも年金のほうに相談をしておりまするので、この結論ができ次第に結論を出して検討したいと考えております。 遺族年金の通算については、その方針で検討いたしております。 公的年金の海外その他の通算保全については御指摘のとおりでございまして、本月一月アメリカに、三月ドイツに係官を派遣をして、相互通算の検討実施の交渉をいたしております。EECはすでに相互通算をいたしておりますので、この点につきましては、十分御指摘のとおりの方向で早急に解決をしたいと考えております。 年金積み立て金の運用につきましては、国会の附帯決議あるいは審議会の答申で、しばしばあなたの御意見のとおりの御意見を承っておりますが、何しろ国家財政全般に関する問題でございますので、なかなか結論が出ないわけでございますが、これも十分意見を述べ、その線に沿うようにしたいと考えております。その使用についても御指摘のとおりでございます。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 小平芳平君。 〔小平芳平君登壇、拍手〕
○小平芳平君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました国民年金法の一部を改正する法律案について総理並びに関係大臣に若干の質疑を行なうものであります。 社会保障制度の重要性及びその大幅な改善の必要性については論ずるまでもないところでありますが、わが国の制度の現状は、社会保障制度の本義にもとり、福祉国家の建設とは名ばかりの、きわめて貧弱なものであると断言せざるを得ません。 昭和四十三年度予算で、国民生活と密着した社会保障関係予算は、政府のいわれもない財政硬直化を理由に、総予算の伸び率より低く押えられ、わずか一一・三%にとどまったのであります。しかも、四十三年度予算で厚生省の要求も、肝心な要項はみな大蔵省に削減され、まさに国民大衆の犠牲によって財政硬直化の是正を行なおうとしているとしか受け取れません。たとえば、社会保障の重要な柱である生活保護は、最低限に見積もっても、国民の消費支出一四%増を基準とすべきであるのに、保護基準を二二%にとどめたことは、生活格差が再び拡大し、貧困家庭の悲劇を生む要素をつくっているのであります。この際、政府は、国の財政事情によって切り下げられるようなことのない経済的な裏づけを持った社会保障制度の充実の年次計画を立てるべきであると考えますが、この点について総理より大筋の考え方及び大蔵、厚生両大臣より具体的な答弁をお願いするものであります。 第二に、今回の国民年金法の一部改正についてであります。 社会保障制度審議会でも、「単に物価の上昇との調整を行なうものにすぎない」と答申しておりますように、大体この程度の引き上げでは、物価の上昇に見合うどころか、全く誠意のないきわめて不満なものであります。特に現行制度は、各般にわたり抜本的な検討を要する段階にあり、政府のその場のがれの対策は、もはや許されないと考えるのであります。 まず、障害福祉年金でありますが、月額二百円の引き上げで、月二千七百円で何の充実と言えましょうか。わが党がすでに発表したとおり、心身障害者の福祉に対する根本的な検討をなし、まずその基本理念を明らかにする必要があり、また、心身障害者の範囲の拡大とともに、国の責任のもとに行政の一元化をはかるべきであります。しかして、心身障害者保険扶養制度の創設等を含む基本法を制定する考えはないか、厚生大臣にお伺いしたいのであります。 第三に、老齢福祉年金についてでありますが、この年金に至っては、わずか百円の引き上げ、月額千七百円であります。最近の核家族化の進行、老齢者の増加、寿命の伸びなどを考えますと、国家社会に貢献した老人の生活保障は、今後重大な社会問題となることは必然であります。しかも現実に扶養意識の薄れ、老人ホーム等の施設不足のため入所できず、心細い思いをしておる多くの老人に対し、支給年金額の飛躍的充実こそ、年金制度の目的である老後の保障と言えると思うのであります。また、老人の病気、たとえば、脳卒中にかかる老人は、年間約三十万人にも及び、このため老人の自殺率は、女子が世界で一位、男子が七位という状態が、如実に老後の保障の不備を物語っておるではありませんか。関係審議会も、「制度開始以来の問題の取り組み方に、不十分な点が認められる」と遺憾の意を表明しておりますが、このような少額の引き上げでは、全く消費者物価の上昇に解消され、所得保障の本義に反すると思うのでありますが、大蔵並びに厚生大臣の見解をお伺いしたいのであります。 第四に、母子福祉及び児童扶養手当でありますが、初めにお尋ねしたいことは、政府が過去二十余年にわたり公約を無視してきた児童手当について、先ほども御答弁がありましたが、昭和四十四年からはっきり実施するということをおきめになっていらっしゃるものかどうか。この点について総理から、はっきり御答弁をお願いいたします。 厚生大臣からは、全児童を対象にすると御説明がありましたが、厚生大臣としても、四十四年から始めるか、さらに具体的な内容々御発表願いたいと思います。検討中では答弁にならないことを申し上げておきます。さらに、わが党がすでに発表したように、昭和四十四年度から児童手当制度が確立されれば、法の趣旨において同一とも見られる母子福祉年金及び児童扶養手当は、これを調整統合し、一元化して児童手当に併給して所得保障をさらに充実すると、このような考えに対してどうお考えか。しかしてILO百二号条約の批准体制が整うと考えますが、以上総理、大蔵及び厚生大臣に所信をお伺いしたいのであります。 第五に、特別児童扶養手当についてであります。 すでに御承知のとおり、公明党は心身障害者の福祉増進のための施策として、その総合基本法を提案しておりますが、特別児童扶養手当そのものを、わが党の主張のごとく介護手当に改め、新たに創設する児童手当に併給する、このような制度を立てるべきであると考えますが、厚生大臣の御見解を求めるものであります。 第六に、国民年金のスライド制についてであります。 そもそも年金の目的とするところは、所得保障であり、生活水準を維持することにあることは申すまでもありません。したがって、近ごろのように消費者物価が一年間に四、五%も上昇するような経済状態のもとにおいては、所得保障のたてまえからして、当然物価にスライドする年金制度に改めていくべきであります。ちなみに恩給法においては、物価、生活水準、公務員給与などの上昇に応じて改正しなければならないという具体的な規定があり、さらに公務員に対する各種の共済年金法の中にも同様な規定があります。比較的生活の安定している公務員等にはかかる保障の規定がありながら、一方、一般の農漁民等の収入の不安定な国民年金対象者には、スライド制について何らの規定がないということは矛盾であり、真の所得保障制度とは言えないのであります。したがって、国民年金法にスライド制の導入を確立すべきであると考えますが、大蔵及び厚生大臣の見解はどうかお伺いしたいのであります。この点については、先ほど御答弁がありましたが、私が申し上げていることは、このスライド制を法制化する意思があるかどうか、この点についてお伺いしているのであります。 第七に、支給対象者の年齢制限についてであります。 共済年金の場合は五十五歳、厚生年金の場合は六十歳、拠出年金の場合は六十五歳、福祉年金の場合は七十歳でありますが、最も老後保障を必要とする福祉年金において、七十歳まで支給制限するということは、憲法十四条の「法のもとに平等」の精神に反するものと考えますが、厚生大臣の御所見を伺いたいのであります。 最後に、配偶者または扶養義務者の所得制限についてでありますが、今回の政府の改正案によっても、なお相当の受給漏れが生ずることは明らかであり、この程度の改正では年々その数は増高していくのであります。これはせっかくの法の目的に逆行するものと言わざるを得ません。したがって、わが党は大幅な制限の緩和と、特に生活保護世帯及びボーダーライン層などの低所得者に対しては、所得制限を撤廃すべきであると主張するものでありますが、厚生大臣の見解をお尋ねいたします。 以上、きわめて簡単に、国民年金法の一部改正にあたっての政府の見解をただしたのでありますが、具体的にかつ明確な答弁を要求いたしまして、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 先ほど佐野君にお答えをいたしたばかりでございますが、政府といたしましては、社会保障制度の充実を、特に重点施策といたしまして、力を入れておるつもりでございます。しかし、欧米先進国に比べれば、その間になお差のありますことは、私も否定はいたしません。さらにこの方向で努力しなければならないと、かように考えております。ただ、四十三年度の予算編成におきましても、先ほども申したのでありますが、九百四十二億円も昨年に比べて増額したのでございます。これは率にいたしまして、ややただいまの小平君の計算と違うようですが、私どもは昨年の当初予算に対しては一五・三、昨年は一昨年に比べまして一五・七の増加でございますから、大体昨年並みの予算増、かようにその率におきまして言えるのではないかと思います。御了承いただきたいと思います。 したがって、これら社会保障制度の年次計画について、この際説明しろということでありますが、先ほども厚生大臣がお答えをいたしましたように、まず、社会保障といたしましては、社会保険制度につきまして重点を入れ、そうしてこれの抜本的改正をしようと、これとただいま取り組んでおるのが第一であります。所得保障の面におきましては順次これを充実していく、ただかようにお答えするだけであります。 老齢福祉年金についてもまた、これは御指摘になりましたように、家族構成の点からも特に意を用いなければならないと思います。これも佐野君にお答えしたとおりでありますから、省略させていただきます。 次に、児童手当懇談会におきまして、児童手当をいかにするかという、ただいま検討を願っております。結論が出次第、早急に私はこれを実現するように努力するつもりでありますが、ただいま、四十五年から必ずやるかと、かようなお尋ねであります。私は、まだ結論が出ておりませんから、その点は保留させていただきす。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 財政硬直化を理由に社会保障費が大幅に切られているというようなお話でございましたが、そういう事実はございません。で、本年度の予算は、非常に規模が抑制されておって、二・八%という伸び率でございましたが、社会保障につきましては、昨年よりも比率をそう落としておりませんので、予算の伸びよりも、はるかに多い予算の計上でございます。昨年の七千二百十五億に対して、本年度は八千百五十七億円——約九百四十二億円、一千億円近い増額でございますので、社会保障制度が後退しているということは言えないのじゃないかと考えております。ことに、老人問題のお尋ねがございましたが、一年で五十五億円増、老人対策としては、ようやく日本の社会保障費の水準も六百億円台に及んできたということでございまして、相当社会保障はいま順調に進展しつつあるということが言えようと思います。 その次は、児童手当の問題でございましたが、先ほど厚生大臣及び総理がお答えになったとおりで、ただいま懇談会が開かれておりますので、いずれ結論が出てくることと存じますが、ここで、もう御承知と思いますが、私どもの考えを申し上げますと、この制度の沿革からいいまして、もし実施するとなるというと、この負担を、国の負担と雇用主の負担をどうするかという問題が一つございます。で、雇用主の負担につきましては、いま賃金として払われている扶養家族手当とこの問題との調整の問題、それからさらに、年功序列型というような賃金形態というような問題に本当然関係してくる問題でございまして、一方で雇用主との問題があるということ、それから、国のほうで見ますというと、御承知のように、日本の社会保障制度は、生活力の弱い人を助けるというところから出発して、いろいろな制度が積み重ねられております。したがって、母子福祉年金制度とかあるいは児童扶養手当、特別児童扶養手当というようなものをたくさん積み重ねて今日に来たっておりますので、それと、今度は一般の児童に、生活のいい人も悪い人も一律に子供に現金支給をやるということになりますというと、この制度との統制といいますか、調整というものが当然行なわれなければいけないという問題が一つございます。それに、さらに、たとえば税制で見ましても、児童手当というものを予想しておりませんでしたから、扶養控除というような制度をもってこれに対処してきたというようなことがございますので、この制度は、私どもは反対でございませんが、いよいよ日本の現行の社会保障制度の中へ取り入れようとしたら、これをすぐそのまま植えつけるということは困難であって、そのためには相当の全般的な調整という準備をしないというと、この制度は、日本の制度にそのままなかなか植わらないというむずかしい問題を持っておりますので、私は、社会保障制度をばらばらに積み上げるというのじゃなくて、今回の児童手当をもしやるにしましても、ごくわずかな金を出してお茶を濁すというようなことをやったら、社会保障制度がばらばらになって統一を欠く。やるのでしたら、現行の社会保障制度を合理的に統合整備するということをやらないというと、これはなかなかうまくいかない、こういう問題がございますので、政府側も、また一般も、十分これに対する準備をしてやらなければいけない制度だと、私どもはそう考えております。(拍手) 〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
○国務大臣(園田直君) 第一の社会保障制度の予算についてでありますが、御承知のとおりに、本年度の予算の伸びは一一・八%、私のほうの予算の伸びは一二・四%。生活保護につきましても、経済企画庁の国民の消費生活の伸びは一四%になっておりまするが、人口の増がありまするから、個人別にいたしますると一二・九%、それを上回っておりまするし、また、社会保障については、それぞれ新しい事業もやっておりまするので、十分とは申せませんが、今日の財政状態においては、政府は非常に重点を置いておるものと考えております。 次に、障害年金が二百円では不適当である、不十分であるということでありますが、これは四十年以降、毎年改正いたしまして、本年一月引き上げたことに引き続いて、さらに二百円引き上げようとしているものでありまして、これも十分とは存じませんが、今日の財政状態では配慮されたものと考えております。 次に、心身障害児のための基本法——御指摘のとおりに、心身障害者の対策が総合的な長期の計画をもってその基本に基づいていることは当然でありまして、政府は、身体障害者の福祉審議会に四十一年に答申を求めまして、その年の暮れに膨大な総合的な計画の答申を受けております。これに従って新規の事業を逐次進めておりまするが、基本法をつくることは当然でありまして、幸い、ただいま各省間でこれについての話し合いがあるようでありまするから、この点が早くできれば、これに協力をしたいと考えております。 次に、児童手当の問題でありまするが、児童手当の問題は答申を待った上で、それぞれの関係各省と調整をしなければならぬ点が多いことは、大蔵大臣のただいまの御答弁を聞かれてもわかるとおりでありまするから、その上で十分検討したいと思います。 スライド制については、すでに国年法には調整規定がございます。したがいまして、新しい法律化をする意思はございませんが、この調整規定に従って逐次改善をしていきたい。明年度の財源改善の時期にもこれを大幅に改善、検討したいと考えております。 次には老齢年金その他の年金の引き上げあるいは年齢の引き下げ、それから所得制限の緩和のようなことの御意見につきましては、明四十四年度に計画をいたしておりまする各種年金の財源その他の再検討の時期に十分取り入れて検討したいと考えております。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第二、南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案(趣旨説明)。 両件について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者から順次趣旨説明を求めます。三木外務大臣。 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 本年四月五日に東京において署名いたしました南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件に関し、趣旨の御説明をいたします。 佐藤総理大臣とジョンソン大統領は、昨年十一月十四日及び十五日にワシントンで行なわれた会談において、小笠原群島等の南方諸島及びその他の諸島の地位について検討し、これらの諸島の日本国への早期復帰を達成するための具体的取りきめに関して日米両国が直ちに協議に入ることに合意いたしました。よって、政府は、昨年十一月以降、米側との間に協議を行ない、協定案作成の作業を進めました結果、最終的合意に達しましたので、本年四月五日に東京で、外務大臣と米側ジョンソン駐日大使との間で協定の署名が行なわれた次第であります。 この協定は、本文六カ条からなっておりますが、以下簡単に逐条御説明いたします。 第一条は、米国が、小笠原群島等に関して、平和条約第三条に基づくすべての権利及び利益を日本国のために放棄し、日本国が、この協定発効の日から、これらの諸島の行政、立法及び司法上のすべての権力を行使する権能及び責任を引き受けることを規定しております。 第二条は、安全保障条約等日米間に締結された諸条約が、この協定発効の日から小笠原群島等に適用される旨を確認しております。 第三条は、小笠原群島等において米軍が現に利用している設備及び用地が、硫黄島と南鳥島にあるロラン局施設用地を除いて、すべて日本国に引き渡されることを規定しております。 第四条は、南鳥島にある米国気象局の測候所が、この協定発効の日に日本政府に引き渡されることを規定しております。 第五条は、日本国が、米国の施政期間中に小笠原群島等において生じた対米請求権を放棄するが、米国または現地の法令で認められる日本国民の請求権は放棄されないことを規定しております。 第六条は、この協定が、日本側の国内手続完了の旨を米国政府に通告した日の三十日後に発効することを規定しております。 この協定は、日本国民の多年の念願であった小笠原群島等の復帰を実現するものであり、日米両国間の友好関係の一そうの緊密化に資するものと考えられるのであります。 以上が南方諸島及びその他の諸島に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件についての趣旨でございます。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 田中国務大臣。 〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中龍夫君) 小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づく小笠原諸島の復帰に伴い、法令の適用についての暫定措置を定めますとともに、小笠原諸島の旧島民及び現島民の小笠原諸島における権利または利益の保護並びにこれらの者の生活の安定をはかるため特別の措置を講じ、あわせて、小笠原諸島をその区域とする村の設置及び現地における行政機関の設置等について所要の事項を定めようとするものであります。 以下、この法律案の概要につきまして申し述べます。 まず、第一に、小笠原諸島が二十余年にわたり無人島に近い状態で放置されていたことにかんがみ、国及び地方公共団体は、その責務として、旧島民の帰島及び生活の再建並びに現島民の生活の安定に配慮すべき旨を定めております。 第二に、現島民に対する措置といたしましては、まず、建物等の敷地として他人の土地を使用している現島民の居住の安定をはかるために、法律上、その所有者がその使用者のために賃借権を設定することとし、次に、現島民で漁業を営む者の利益を保護するために、小笠原諸島周辺海域における漁業について操業を制限し、また、合衆国軍隊の引き揚げによる離職者の生活の安定、就職促進等をはかるために、失業保険法及び駐留軍関係離職者等臨時措置法の規定の適用について政令で特別の定めをすることができることといたしております。 第三に、旧島民に対する措置といたしましては、まず、本土引き揚げ当時存在していた耕作に関する権利を保護するための措置をとることといたしておりますが、耕作に関する権利がこの法律の施行後一年を経過する日までに消滅している場合には、一定期間内に申し出ることによって賃貸借契約を締結させることとし、また、旧島民で漁業を営んでいた者の利益を保護するために、現島民と同様の扱いをすることといたしております。 第四に、小笠原諸島における行政組織につきましては、まず、小笠原諸島を区域とする地方公共団体として小笠原村を設置し、また、現地における国の行政機関としては、小笠原総合事務所を設置することといたしております。 以上のほか、小原原諸島の復興につきまして別に復興法を定めること、復興の計画的、かつ円滑な推進をはかりまするために、一定期間、特定の場合を除き、容易に原状に回復することができない土地の形質の変更、工作物の新築等を認めないこと、その他公職の選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査に関する暫定措置の政令への委任、旧鉱業権者に対する旧鉱区にかかる鉱業権の出願の優先的取り扱い等について規定いたしております。 なお、この法律の施行期日は、小笠原諸島の返還の協定発効の日といたしております。 以上が小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。西村関一君。 〔西村関一君登壇、拍手〕
○西村関一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件並びに小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案について、内閣総理大臣並びに関係各大臣に質問を行なおうとするものであります。 まず初めに、木協定が締結を見るに至ったのは、小笠原島民多年の悲願が達成せられたことであって、まことに喜びにたえません。沖繩の即時返還、北方領土の復帰がならなかったのは遺憾でありますが、事、小笠原諸島に関する限り、おそきに失したとはいえ、政府の努力を多とするものであります。しかし、本協定締結後に残された政府の責任は、まことに重大であります。 そこで、総理にお伺いをいたします。 もともと小笠原島民は、その大部分が日本政府の命令で強制疎開させられたものであり、また、終戦後残留していたものも、ごく一部の欧米系島民を除いて、米軍により本土に送還せられたものであります。これら引き揚げ者の中には、困窮の果て一家心中、親子心中したもの十二件、栄養失調等異常死したもの官名以上を数え、その他の多くのものも生活の基盤を失い、多大の犠牲を払ってまいっているのであります。これら島民の受けた精神的、物質的被害、損失について、政府はどのようにこれを償っていこうとせられるのでありましょうか。政府は、今後の総合的な調査に基づき、小笠原諸島の荒廃を復興するために、また、島民の福祉を増進するために、長期にわたる根本的な計画を立てられる必要があると考えられますが、この際、総理のこれに対するお心がまえのほどを伺っておきたいのであります。 質問の第二は、小笠原諸島は太平洋戦争の熾烈な戦場となったところであります。特に、硫黄島の激戦においては、二万のわが将兵が勇敢に戦い、最後に無念の涙をのんで全員玉砕したのであります。米軍側においても、海兵隊の多くの将兵たちの血が流されたのであります。政府は、このかつての日米相克の修羅場となった島々とその海域を、平和の島、平和の海とするお考えはお持ちでないでしょうか。風光明媚なこれらの島と海を、世界の楽園、平和公園とするお考えをお持ちでないでしょうか。また、米軍基地はもちろん、自衛隊の基地も設けないということについて、総理並びに外務大臣のお考えをお伺いしたいと存じます。 質問の第三は、外務大臣にお伺いをいたします。 本協定第三条第1項に記載されている「硫黄島及び南鳥島におけるロラン局は合衆国軍隊が使用する」となっているが、協定締結の際、これについていかなる話し合いがなされたか、お伺いいたしたい。また、わが国の領土に米軍のロラン局は他にどこにあるか、いかなる用に供せられているかについても、この際お伺いをいたしておきたいと存じます。 質問の第四は、運輸大臣に対してでございます。 協定第四条によれば、「合衆国気象局が運営している南鳥島の測候所は日本国政府に引き渡される」とあるが、台風常襲国であるわが国にとって、小笠原諸島の台風の観測はきわめて重要でありますが、これが引き継ぎ後は、どのように運営されるお考えでありますか。また、従来からあった測候所の復興について、どのような措置を講ぜられますか。気象観測の上から小笠原の重要性について、運輸大臣の御所見を承りたい。 また同時に、小笠原島民の復帰、島の復興開発について、港湾の建設、避難港の復興、飛行場の開発、定期船の運航、通船、はしけ等に対する援護措置等が要望されておりますが、これらの点に関しても、大臣の御所見を承りたいと存じます。 質問の第五は、小笠原復帰暫定措置法案について、総理府総務長官並びに自治大臣にお伺いをいたします。 本法案の骨子は、現島民及び旧島民に対する措置に関し、国と東京都の責任について規定されております。国と東京都は、旧島民の帰島を促進し、生活の再建をはかるとともに、現島民の生活の安定につとめるよう義務づけておりますが、これが単なる精神規定に終わることなく、国と都の責任において島民の生活基盤の整備拡充を行なうべきであります。たとえば、移転費用、住宅資金の全額支給、産業資金の低利長期融資、帰島者に対する一定期間の免税もしくは減税措置、ミカンコバイ等害虫の徹底駆除、農業の振興、魚族の保護について、緊急対策を講ずること。道路及び水源地の開発、医療施設、学校教育施設の復興、電力、電気、電信、電話施設等の復興等についても、十分に意を用いられたい。島づくりと帰島対策は、同時に帰島対策として、父島のみならず、他島の開発も同時に行なうべきであると考えます。また、欧米系現住民の就職あっせんにも、こまかい配慮が必要であると存じますが、政府のこれに対する御見解を承りたいと存じます。また、この際、土地の取得のみを見込んで、ほんとうに帰島の意思のない者、すなわち利権的帰島希望者の土地の取得を厳重に取り締まることが必要である。かりそめにも、一獲千金を夢みる、いわゆる一旗組の進出を許してはならないと思いますが、総務長官の御所見を承りたい。 質問の第六は、自治大臣にお伺いをいたします。 法案第二十六条に、現地の行政機関として、政府は、国の事務を処理するため、現地に小笠原総合事務所を置くとあるが、別に東京都小笠原支庁及び小笠原村役場があり、その上に自治省の総合事務所を置く理由は何であるか。第二十六条三項によると、「小笠原総合事務所は、自治大臣の管理に属するものとし、その内部組織は、自治大臣が前項に規定する事務を所管する国の行政機関の長と協議して定める。」とあるが、従来、たとえば農林省、建設省の出先機関が自治大臣の管理のもとに置かれた例はないと思う。小笠原に限って、このような自治大臣のもとに総合事務所を置く理由は何であるか。その他の措置についても、たとえば八郎潟の大潟村の場合と法令上の扱いが違っているのは、どういうわけか。革新都政に対する牽制と思われてもしかたがない。自治大臣の明確な御答弁を承りたい。 最後に、もう一度総理にお伺いいたします。 過去二十三年間、あらゆる辛苦報難をなめて、祖先墳墓の地に帰る日を一日千秋の思いで待ち焦がれていた島民の心情に深く思いをはせられ、一日も早く帰島ができるために、行政的、予算的措置が講ぜられるよう、また、単なる復旧ではなく、新たなる構想のもとに、新しい島づくりに努力をする。たとえばカンボジアのプリンス・シアヌークがジャングルを切り開いて、あのシアヌークビルというりっぱな港湾都市をつくったように、このジャングルに化しておるところの小笠原島の新しい島づくり、新しい村づくりをするという、そういう構想のもとに、総理が一大英断をもって当たられることを期待するものであります。 以上をもって私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 西村君にお答えいたします。 ただいまお話にありましたように、前戦争の結果、私どもが失った北方並びに南方領土——おそきに失したとはいえ、その一部が今日日本に返ってくるということになりました。これは、旧島民の方はもちろんのこと、日本民族といたしましても、その悲願の一部が達成せられた、かように思いまして、喜びにたえないところであります。この点は、西村君の御指摘になったとおりであります。さらに本番とでも申しますか、沖繩の返還を控えておる。しかし北方領土につきましては、まだ見通しが立たない。まことに私ども残念に思っておる次第であります。この小笠原の返還が実現すれば、日米友好関係、それがさらに増進されると、かように思いますし、沖繩の返還につきましても、必ず好結果をもたらすように、この小笠原の今後の処置を私どもも気をつけなければならないと、かように思っております。 ところで、ただいま御指摘になりましたように、小笠原には、現在欧米系住民百七十四名程度が住んでおられます。しかし、強制疎開をされた八千名近くの旧島民は、今回の処置によりまして、自分たちの昔のその土地に帰ろうというような、たいへん強い願いを持っておられるように私も聞いております。しかし、ただいまのところ、旧島民の方々の意識調査も終わっておりませんし、また、これらの方々のお帰りになった後に、その島をいかに扱うべきかという専門技術的な調査もまだ終わっておりません。したがいまして、これからの問題でございます。この旧島民の方々が強制疎開されて、たいへん苦しい生活をされた。この中には、あるいは自殺、一家心中等々のたいへんお気の毒な状態も、ただいまお話しになったとおりであります。これらの方々が帰島され、そうして生活を始められる、そのことは、これは政府並びに公共自治体の責任、責務において私は行なうべきだと思います。さような意味におきまして、政府並びに公共自治体が——はっきり申せば東京都でございますが、十分協力をいたしまして、りっぱな生活ができるようにいたしたいものだと、かように考えております。いずれにいたしましても、調査の結果を待ち、そうしてどの程度の方々がお帰りになるか、それらをつかんだ上で、新しい村づくりと取り組むつもりでございます。 さらにまた、この地域は、御指摘にもなりましたように、硫黄島においては二方のわれわれの仲間がここで血を流し、地下に眠っておる状態であります。またアメリカも、この地で約一万を失ったといわれております。したがいまして、三万近くの日米両国の国民が地下に眠っておるわけであります。私どもが平和国家を願っておる今日から、今回の小笠原島復帰、これを考えまして、まことに感無量なものがあるわけであります。私は、この開発等におきましても、硫黄島の古戦場をいかに取り扱うかという点、これは民族的な誇りをそこなわないで、そうして新しく前進する日本の姿としてこれを残していく、そういう意味でも十分考えたいと、かように思っております。 そこで、お話しにありますように、もう一切の軍備をしないで、平和の島としてこれを残しておけという御主張でございます。私も、積極的に施設を拡大するような考え方は持っておりません。ただいままでアメリカ、米軍自身が有しておりました施設、これを米軍が撤退をいたしますから、そのあとを私どものほうで引き受ける、その施設の維持管理、これは私どもの責任だと、かように思っておりますので、ただいま自衛隊におきまして、どういう部隊がこの地域に出かけるのが適当であるかどうか等の、具体的な検討をしておるのでございます。お話にありましたように、いまの施設そのものがございますから、全部をなくするというわけにもいかないかと思いますが、積極的にこれを拡大するような考え方はないことを、この機会にはっきり申し上げておきます。 さらに、ただいまお話しになりましたように、ただ単に返る、復帰というだけでなく、さらに復興、開発計画を立てる、こういうお話でございます。南方への窓であり、日本における唯一の亜熱帯、そういう地域だと、かように考えます。さような意味におきまして、私は開発計画と真剣に取り組むべき地域だ、かように考えておりますが、いずれにいたしましても、ただいままだ調査が終わっておりませんから、旧島民の方の意識調査並びにこの地域の専門的、技術的な調査を待ちまして、積極的に開発計画と取り組むつもりでございます。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 西村君の私に対する御質問は、ロラン局について今度の返還協定の中でどういう話し合いであったか、いきさつについてというお話でございました。 ロラン局は、硫黄島にロランA、C、南鳥島にロランCがあるわけであります。アメリカに提供すべき施設はこのロラン局、これを除いては一切日本に返還されるわけであります。このロラン局は、まあ電波灯台とでも申しますか、航行中の船舶、航空機に対してロラン局からこういう電波を発する、みずからの距離を測定するために電波を発するというのがロラン局の役割りでございます。このロラン局は、北海道の十勝太にロランCの局がございます。これを置きました理由は、一つには、ロラン局は、このロラン局の電波発信によって便宜を受けるのは、単に米軍だけではない。これは日米の区別はない。しかも、受信機さえ持てば、一般の船舶も同じようにこの電波の発信の便宜を受ける。現にロランAの便宜は日本の漁船もこれはたくさん受けているという。軍事施設といっても、一般も利用することのできる施設である。また、もう一つは、ロランCは、いま日本に移管を受けましても、これを日本で運用していくことは困難である。非常に精度の高いものでありまして、日本の運用は困難である。もう一つは、アメリカが、引き続いて維持し、そしてまた、これを運用することを希望した。 こうした三点から考えまして、安保条約第六条により、日本の安全のために寄与し、極東における国際の平和と安全のために寄与する、この安保条約の条文を適用して、アメリカに引き続いてロラン局の運用を許すことが適当である、こういうことで協定文案の中に、ああいう条項を入れたものでございます。また、日米間の安保条約によって——安全保障上の必要から安保条約を結んでおる、小笠原諸島が日本に返還されてきた以上は、安保条約の適用範囲にこれは機械的に小笠原が入ることは、当然のことと考えております。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、輸送の問題でございますが、当面起こるのは補給輸送と復興のための資材輸送でございます。これらの点は、国と東京都が分担いたしまして行なう予定です。それから、とりあえずは、父島の港湾施設を整備する必要がございまして、二見港につきまして測量を開始する予定でございます。なお、それと同時に、岸壁施設それから灯台、航路標識等も準備、整備していくつもりでございます。それから民営の航路も将来は考慮する予定でございますが、当分は欠損であろうと思います。そこで、船舶建造及び運営につきましては助成を行なう考えでおります。 飛行機の問題につきましては、父島の飛行場を整備いたしまして、いずれはここに民間空路も設定されると思います。しかし、これは現在のところ、まだ確定しておるわけではございません。硫黄島には三千メートルの滑走路を持つ飛行場がございますが、これは大型ジェット機の訓練飛行場として共用するつもりで現在調査を進めております。 気象施設につきましては、鳥島で火山の爆発が起こりまして撤去したことは御承知のとおりでありますが、現在、用船をもちまして海上観測をやっております。千七百トンの観測船を現在建造中でございまして、これができますとその方面へ配置しまして、だいぶ気象陣営は強化される予定です。なお、父島と南鳥島に測候所がございます。これを引き継ぎまして、その方面における観測施設を準備、整備していくつもりでございます。(拍手) 〔国務大臣田中龍夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中龍夫君) 私に対しまする御質問のまず最初は、この暫定法の立法にあたりまして、地方自治体の組織、権限等の問題に関しましては、東京都の事務当局と緊密な連絡をとってまいったのでございますが、今後とも、これらの自治体の問題につきましては、東京都と交渉を続けてまいるつもりでございます。 なおまた、ただいま御指摘の諸点の中におきまして、あるいは住宅資金の問題でございますとか、免税の問題でございますとか、さらに病虫害を防ぐ問題、こういうふうな諸点は、むしろ今回御提案申し上げました暫定法によりまして一応の軌道が敷かれました後に、小笠原に対しまするほんとうの復興法にこれらが規定されるべきものでございまして、この暫定法におきましては、後段御懸念になりましたいわゆる一旗組が行って乱脈になっては相ならぬ、また、いろいろ苦労を重ねた東京都その他各地におられます帰島者が、希望に従いまして島に帰るときに、その権利をいかに擁護して差し上げるか、あるいは、また、現在居住しておられます現島民の権利をどう守るか、こういうことがこの暫定法の主たる問題でございます。これらにつきましては、ただいま御説明申し上げましたごとく、現島民の方々の居住の問題、あるいは建物の権利関係、あるいは漁業権の問題、さらに駐留軍労務から離職されましたときの生活の安定、さらに就職促進、失業対策、こういうふうな問題につきまして、当面必要といたしまするものを暫定法で御審議を相願う次第でございます。さらに、また、旧島民の方々に対しましても、耕作権の保護の問題でございますとか、諸般の問題もございますが、当面、最も必要といたしまするのは、ただいま運輸大臣がお答えいたしました交通の問題とあわせまして、通信の施設が全くございませんので、これらの通信施設を行なう等、ほんとうの暫定法といたしまして、後に来たるべき復興法の前に一応の処置をいたす、これが御審議をお願いいたしまする今回の法案の要点でございます。よろしくお願いいたします。(拍手) 〔国務大臣赤澤正道君登壇、拍手〕
○国務大臣(赤澤正道君) お答えいたします。 全島を同時に開発したらどうかという御意見でございますが、御案内のとおりに、現在日本人が住んでおるのは父島だけでございまして、これもきわめてわずかでございます。小さい島がたくさんありますけれども、統一的な開発を行なうためには、当分は行政組織は一つにしたほうがいいと考えておりますし、将来相当数の住民が住みつくことになりますれば、その時点で分村すればいいことです。また、この復興につきましては、国と都が密接に連絡をとって、実情に即した開発を行ないたいと、かように考えております。 それから、村政の職務執行者につきましては、当分の間、都知事が自治大臣の同意を得て任命することといたしております。また、村議会にかわるものとしましては、村政審議会の意見を聞いて政務をとる、こういうことにいたしております。 それから、総合事務所の性格でございますけれども、これは国の総合出先機関でございます。給与の支払い、庁舎の管理などは自治省で所管いたしますが、その他仕事の内容や持ち分などにつきましては、それぞれ関係各省と検討中でございます。 全島の復興計画は、今後の専門的、技術的な調査の結果を待って立てるわけですが、単に戦前の集落を復旧するということではなくて、この地域の特殊な地理的条件の活用を主眼とした村づくりを検討してまいりたいと考えております。 総合事務所と都との事務の関係についてでございますが、法律上は、ただいま申しましたとおり、直接の関係はありません。しかし、都の出先機関が設置されます場合は、これと共同で事務処理ができますように形を整えるように都と相談をいたしたいと思っております。都政が革新であるかどうかということは、このこととは全然関係がないと考えております。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 田代富士男君。 〔田代富士男君登壇、拍手〕
○田代富士男君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨説明のありました二法案に対して、総理大臣並びに関係大臣に幾つかの質問をいたします。 昨年の佐藤・ジョンソン共同声明によって小笠原諸島の返還の合意を見、本年四月五日に小笠原返還協定の調印によりまして、小笠原諸島が二十三年ぶりに本土への復帰が決定いたしましたことは、まことに喜ばしいことであり、旧島民の喜びは言うに及ばず、日本国全体の喜びであります。 しかし、手放しで喜ぶわけにはまいりません。復帰に伴って起こってくる問題は山積みされており、小笠原諸島の開発は、われわれ一人一人の国民が一緒になって考えていかねばなりません。 まず、小笠原諸島の復帰が実現されることによって、最も国民が関心を示し、心配することは、米軍の基地をどうするかという問題であります。このことは、戦後二十余年にわたる長い間、祖国復帰を願ってきた小笠原諸島の現地住民のみの問題ではなく、わが日本の国民がひとしく注目しているからであります。しかし、返還協定の第三条によれば、硫黄島及び南鳥島における通信施設用地(ロラン局)は、日米安全保障条約に従って、アメリカの使用が認められることになっている点であります。これは、明らかに、政府・自民党が昨年の日米共同声明から始まったといわれている一連の右傾化現象であると思うのであります。このままで返還されるとするならば、本土へ基地つき返還を容認するものであり、沖繩返還を前に悪例を残すことにもなりかねないのであります。したがって、小笠原返還の第一歩は、米軍基地の撤去であると考えるのでありますが、総理はこの点どうお考えなのか、お伺いいたします。 さらに、また、硫黄島及び南鳥島のロラン局の撤廃を要請される意思があるのかどうか、もしその意思がないとするならば、その理由をお聞かせ願いたいと思うのでございます。 また、現在ある米軍基地の撤退後、防衛庁がこれを肩がわりするということでありますが、現在、硫黄島には、米軍の緊急着陸用飛行場と艦艇の航行を電波で誘導するロラン局など、また、基地隊の要員が若干名、父島には約八十人の米軍人及びその家族が住んでおり、気象観測施設と二、三隻の警戒用の哨戒艇がありますが、これら米軍基地の肩がわりを防衛庁が負うだけでなく、その他四十余の点在する島々の防衛まで行なうといわれているのであります。このようなことになれば、当然小笠原諸島が軍事基地化することは明らかではないでしょうか。そして、米国の極東における重要な防衛基地としての役割りを負わされることは必至でありましょう。七総理はこの点についてどうお考えなのか、御見解をお聞かせ願いたいと思うのでございます。 次に、政府の小笠原開発計画についてであります。現在、現地住民が最も望むことは、政府のあたたかい血の通った十分な開発計画であり、措置なのでありますが、政府の基本的態度をお聞かせ願いたいと思います。 今回の暫定措置法案を見ますと、米軍施設の縮小ないし撤廃によって、米軍労務者の離職については、駐留軍関係離職者等臨時措置法の適用によって、特例が設けられることになっておりますが、はたして住民の生活不安がこれによって解消されるでありましょうか。米軍労務が打ち切られた場合の退職金の問題、内地から産業、企業の進出が予想されるに伴って、再雇用が促進されたにしても、日本語が十分でない島民には不利な条件になってしまうのではないかという不安、このようなことに対して、総理の所信をお聞かせ願いたいと思うのであります。 次に、内地との航路を積極的に開放し、現地島民及び旧島民が安心して漁獲に取り組んでいかれるよう、国として特に開発の促進をはかるため、漁船の建造に資金援助をすべきであると思われるが、総理の明快なる御答弁をお願いしたいのであります。 医療問題については、現地島民は医療サービスの供給を受けてはいるようでありますが、これは特に本島が距離的に本土から遠く離れている実情を考慮に入れた医療供給体制を早急に準備することが必要であります。それによって医療供給体制の空白を埋めることにもなり、疾病等の予防面からも役立つと思われるのであります。また、これとあわせて、公衆衛生等の諸活動も積極的に行なっていくことが肝要かと思いますが、総理及び厚生大臣から明確に、医療供給体制の具体案をお聞かせ願いたいと思います。 また、電気設備については、現在の米軍施設に依存して電気の供給を受けておるので、復帰後すみやかに住民に対し電気供給が行なわれることが大事であると思います。電気施設の技術的な諸問題もあるので、国から専門家を派遣して調査を進め、電気供給体制の確立に早急に全力を尽くすべきであると思うが、この点についての総理の御見解をお伺いしたいのであります。 また、旧島民が帰島してからの生活の保障と住宅対策に関し、特に政府においては特例法を定める考えがあるのか、伺いたいのであります。この旧島民の帰島問題については、一九四四年の日本当局の強制疎開命令で日本本土に引き揚げた当時からなのであります。小笠原諸島の住民は、戦争が終わればすぐにでも帰島できるものと信じていたのでありますが、それ以来、小笠原諸島は日本から行政分離の措置を受け、現在では欧米系住民二百人余りの帰島しか許されていないのが実情であります。小笠原旧島民の終戦以来の悲願は、故郷に帰りたいということであります。今日まで幾たびか米国側に要請はしてきたものの、軍事上の必要性という理由のもとに、帰島断念を余儀なくされてきた現実を政府はどれだけ誠意をもって示してくれたでありましょうか。この際、帰島までのプログラムの明示こそ、政府に課せられておる責務かと思いますが、総理の所信のほどをお伺いしたいのであります。 さらに、今日まで帰島を許されないために、旧島民たちは、日本政府に対し、小笠原島民の意思に反して強制疎開を命じた責任をおもな理由として、損害賠償の要求をしているのでありますが、政府の見解はまだきまってないようであります。旧島民が小笠原諸島に所在する財産権を行使して生産を営み得ないで来た事実を直視し、早急に旧島民の補償要求を受け入れることが、住民福祉の第一歩と考えますが、総理の見解をお伺いしたいと思うのでございます。 また、これら旧島民が帰島については、小笠原に骨を埋める帰島者を優先し、順次政府の財政援助をもとに開発事業に参加させ、二、三年のうちに希望者全員を帰島させる措置を講ずべきであると思いますが、総理の所信をお伺いしたいのであります。 教育問題について言えば、現住民は米国の教育制度によって教育が行なわれているために、急に本土のような教育制度を強制することとなりますと、混乱することとなるのであります。返還後も米国式の学校教育を受けている子供たちはそのまま卒業させ、新しく教育を受ける児童から本土と同様の教育を施行すべきであると思うのでありますが、文部大臣は、このような実情に対しましてどのような施策を講じようとしているのか、お伺いしたいのでございます。 また、これら小笠原開発の促進のために、国、東京都、旧島民、現住民の代表者によって、仮称小笠原開発協議会を設置し、小笠原島民の繁栄と発展に代表者が一致し、積極的に平和な島づくりを検討し、調査すべきであると提案いたしますが、総理のお考えをお伺いしたいと思うのでございます。 最後に、政府は次の国会において、小笠原復興計画案を提出する予定と聞いておりますが、その復興計画はいかなるものか、具体的な内容を明らかにしていただきたいと思うのでございます。 さらに政府は、小笠原開発にあたって、どれだけの予算を見積もり、開発に乗り出すのでありましょうか。単なる離島の開発援助と全く性格が異なるのでありますが、この際、小笠原復興開発には、政府が十二分の措置を講ずることが必要であります。総理の所信をお伺いしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 委員会等であるいは詳細にお答えするかとも思いますが、ただいままでお尋ねのありましたことについて、私の感じを率直に御披露いたします。 ただいまお話になりましたように、今回の小笠原の復帰は、これは日本全国民の喜びであります。ややおそきに失したとはいえ、日米友好関係、信頼のもとに、これが実現したことは、何と申しましてもいいことだったと存じます。そこで私どもは、せっかく帰ってきた小笠原、これを日本国の本来のある姿において開発する、そうしてこの復帰に、その期待にそむかないようにしたいものだと、かように思います。 公明党におきましては、いち早く現地を視察されたと、かように聞いておりますが、これなども皆さん方のこの復帰に備えようという、たいへんな熱意のあらわれだと私は思います。そういう意味で喜びにたえません。 ところで、ただいままではアメリカがこれを占領し、アメリカが基地を持っていた。今回の調印によりまして、この日米安保条約による、いわゆる米軍のいま使っておる施設は本土の施設と同様になるわけであります。したがいまして、私、西村君に先ほどお答えいたしましたように、さらにこれを強化拡大するような考えは持っておりませんし、また、本土と特別な扱い方をするつもりもございません。その意味では、特別な軍事基地ができると、かようにはお考えにならないほうがいいんじゃないかと思います。四十の島々、したがって、これを守るということになれば、たいへん防備を強化しなきゃならぬのじゃないかと、こういう御指摘でありますが、四十の島々、これは日本の領土になるわけでありますから、その広いところにおきまして、この領土を守るのは政府の当然の責務であります。しかし、そのために基地を強化するというようなことは絶対にございませんから、御安心をいただきたいと思います。 次に、ロラン局の問題でありますが、先ほど西村君に外務大臣から詳細にお答えをしたとおりです。このロラン局はまあ電波灯台とでも申すべきものだろうと思います。航空機並びに船舶に対してその位置を、どこにいるかということを測定さすために電波で測定ができるようにしておるわけであります。ところで、電波の受信装置がただいま普及しておりませんから、ただいまの状態では軍用のみにこれが使われるということになります。そういう意味で、田代君からも御質問があったのではないかと思いますけれども、今日、米軍がこのロラン局だけは自分で管理し、そうして専門的な扱い方をしておりますのは、ただいまも申し上げるような、受信装置も普及しておらない特殊な装置でありますがゆえに、これを米軍が持っておるのでありまして、いわゆる核のような問題ではございませんから、その点もこれまた危険のないものだと、かように御理解をいただきたい。そうして受信機械がさらに整備すれば、私は一般の漁船等につきましても、これは使えるものだと、かように考えますので、そういうような平和的な方面にも、これは活用できるように今後すべきではないかと思います。 また先ほど硫黄島や南鳥島には飛行場のあることを申しておりますが、しかし、これなぞも現在米軍が非常に活発に使っておるわけではありません。若干の米軍がそこに駐とんしている程度でありますので、これを日本に引き継ぎました場合に、いまの施設の維持管理、それに必要なのはどの程度の部隊かということを、ただいま自衛隊におきまして検討しておる次第でございます。したがいまして、これを持つことがいわゆる施設の増強だとか、あるいはただいまの防衛計画をさらに変更を要するような、そういう問題になるとは私は思っておりません。先ほど申したように、これを拡大する考えのないことをこの機会にはっきり申し上げておきます。 また、今回の日本復帰が実現いたします際に、特に日米安保条約に加えるような約定は何にもございません。いわゆる密約なぞはもちろんございません。したがって、この点も今回御審議をいただきますその取りきめどおりにお考えをいただきたいのでございます。 次に、米軍労務者に対する問題あるいは帰島した後の旧島民の漁船の建造に対する国の補助の問題あるいは医療及び生活保障等についての問題、さらにまた、電気供給の問題あるいは住宅問題等についてお尋ねがございました。もちろんただいま意識調査をいたしております。さらにその上で専門的な調査も行ないまして、そして帰島された方々が、りっぱな生活を営まれるように、十分に私どももくふうし勘案していかなきゃならぬ、かように思いますので、ただいまの段階では調査にまず力を入れている。そしてどの程度の方々がお帰りになるか。その上でこれらの問題についても、あるいはこの島——父島に集中するとか、あるいは硫黄島はどういうようにするとか、こういうようなことを考えたらいいだろうと、かように思いますので、帰島される規模等も勘案いたしますし、また、これらの地域の特殊事情も考えて、そうして復興、さらに開発計画というものに乗り出したいと思っております。 また、最後に具体的提案として、関係の方々で小笠原の開発協議会を設けたらどうかという御提案でございますが、ただいま関係各省等を含め、また、旧島民の代表者等を交えて、小笠原復帰準備対策本部というものを設けて、いろいろ協議をいたしております。これをさらに強化しろというお話ではないだろうかと思いますし、また、役所だけで一方的に考えないで、関係者の意見を尊重するようにという御注意だと思いますので、この運営に当たりましては、そういう方向で私どもも対策本部を運営してまいることにいたしたいと思います。 失礼いたしました。(拍手) 〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
○国務大臣(園田直君) 医療につきましては、本土より医師、看護婦を派遣をして、現在の診療施設を活用して、医療に万全を期したいと思います。東京都で直接準備をいたしております。 なおまた、医療保険その他については、復帰後直ちに適用できるよう検討をいたしております。 生活の保障につきましては、生活保護制度その他の社会保障福祉の制度をそのまま適用できるよう活用するつもりでおります。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 小笠原の復興開発に関しまして、空路とそれから航路につきましては、西村さんに申し上げたとおりでございます。 海上保安の問題が残っておりますが、復帰後巡視船を南方に派遣いたしまして、付近の哨戒を行なう予定です。そうして父島にいずれ補給基地を設定いたす予定であります。 なお、漁業あるいは民営航路等が盛んになりますと、海上保安署を設置いたしまして、巡視艇を配属いたします。父島の灯台四個は、海上保安庁においてこれを引き継ぎまして運営いたします。 なお、それと同時に、沿岸の測量を行ないまして、航路標識あるいはブイ等の整備を行なっていく予定でございます。(拍手) 〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。 小笠原諸島の復帰後の教育でございますが、もちろん、日本国民育成という観点に立ちまして、今後の教育は行なってまいらなければならない、また、そのために必要な人的、物的の施設を整備してまいらなければならないと存じておりますが、現在、小笠原には、ラドフォード提督初等学校という九年制の学校がありまして、そこに学んでいる者が五十六人ばかりございます。なおまた、付属の幼稚園に四名ばかりいるようでございます。さらに、高等学校に進学いたします者といたしましては、グアム島に二十人ほど進学いたしているのであります。なお、若干名はアメリカ本土のほうのハイスクールに通っている者もいるようでございます。 そういう現況でございますが、これを直ちに現在本土で行なっておりますような教育に移すというわけにもまいらないと存じます。ことに日本語の能力が非常に不足もいたしております。その他、従来の関係もございますので、しばらくの間の移行の措置といたしましては、教育内容については、実情に即し、無理のないような形で移行させるために、特別の措置を講じたいと考えております。また、教員の配置につきましても、普通の基準よりも手厚くいたしまして、綿密な指導ができるようにいたしたいと考えております。学校の施設、設備の整備につきましても、特段の配慮をいたしたいと存じております。また、高等学校への進学希望者につきましては、これは本土の高等学校に受け入れることができるような特段の配慮もいたしたいと存じております。さらに、青年の日本語能力の問題もございますし、いわゆる社会教育方面につきましても十分配慮してまいりたいと考えておりますので、さよう御了承願いたいと思います。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第三、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件。 日程第四、日本国とシンガポール共和国との間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)。 日程第五、日本国とマレイシアとの間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)。 以上三件を一括として議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長三木與吉郎君。 〔三木與吉郎君登壇、拍手〕
○三木與吉郎君 ただいま議題となりました条約三案件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。 〔議長退席、副議長着席〕 まず、アジア=オセアニア郵便条約は、万国郵便連合憲章で認められた地域的郵便連合の一つであるアジア=オセアニア郵便連合の基本文書でありまして、連合の組織、任務、加盟国間の通常郵便物の取り扱い等を規定しております。 この連合は、地理的に接近し、つながりの深いアジア及びオセアニア諸国間の郵便関係の改善、利便の増大等をはかることを目的とするものでありまして、現在四カ国が加盟しております。 ————————————— 次に、シンガポールとの協定及びマレイシアとの協定は、第二次世界大戦の際、日本軍のこれら地域占領中に生じた不幸な事件に由来する問題を解決するため交渉が行なわれた結果署名されたものでありまして、わが国よりシンガポール及びマレイシアに対し、経済協力を目的として、それぞれ二十九億四千万三千円の価値を有するわが国の生産物及び役務を、原則として三年間にわたり無償で供与すること、マレイシアに対しては、これをもって、主として外航用貨物船二隻を供与することを定めるとともに、それぞれの協定において、第二次大戦に基因するすべての問題が完全かつ最終的に解決されたことを明らかにしております。 ————————————— 委員会におきましては、慎重審議、特に郵便条約に関しては、当初署名して今日まで加入しなかった理由、わが国と国交のない国との郵便関係の改善措置等につき、また、シンガポール及びマレイシアとの協定に関しては、第二次大戦中に生じた不幸な事件の概要、その他の国との戦後処理の問題等につき熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録に譲ります。 四月二十三日、討論、採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 まず、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 次に、日本国とシンガポール共和国との間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国とマレイシアとの間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件、全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、両件は承認することに決しました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第六、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案。 日程第七、酒税法の一部を改正する法律案。 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長青柳秀夫君。 〔青柳秀夫君登壇、拍手〕
○青柳秀夫君 ただいま議題となりました製造たばこ定価法の一部を改正する法律案は、たばこの定価が昭和二十六年以降据え置かれてまいりましたが、最近における所得及び物価水準の推移等に顧み、また、財政収入の確保をはかる見地より、製造たばこの小売り定価を改定するため、その種類ごとに等級別に法定されている最高価格をそれぞれ引き上げる等、所要の改正を行なおうとするものでございます。 ————————————— 酒税法の一部を改正する法律案は、酒税の税率が、所得水準、物価水準の変動にかかわりなく定額に据え置かれているため、税負担の相対的な低下を来たし、他の諸税負担との間に均衡を失しておりまするので、清酒特級及び一級、ビール並びにウイスキー類に対する従量税率を約一〇%ないし一五%引き上げるとともに、ウイスキー類の一級、二級にも従価税制度を導入しようとするものであります。 ————————————— 二法律案につきましては、衆議院においては施行期日を改める修正が行なわれ、酒税の税率の引き上げは五月一日となりました。この改正による増収額は、たばこにおいて五百五十億円、酒税において四百十億円が見込まれております。 委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。 質疑を終了し、二法律案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して柴谷委員より、公明党を代表して中尾委員より、民主社会党を代表して瓜生委員より、日本共産党を代表して須藤委員より、それぞれ反対の意見が述べられました。 二法律案についてそれぞれ採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 さらに、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案について、西田委員より、四派共同提案にかかる附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の附帯決議とすることに決しました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 両案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。柴谷要君。 〔柴谷要君登壇、拍手〕
○柴谷要君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました、たばこ定価法の一部改正案及び酒税法の一部改正案に対して、反対の討論を行なわんとするものであります。 まず、第一に、昭和四十三年度税制改正の最大の特徴であり、国民生活を無視したからくりは、いわゆる財政硬直化を口実として、所得減税の実施すら十分行なわず、しかも、その減税分を酒、たばこの増税で埋め、実質減税ゼロなどと称していることにあります。これは、政府みずからの政策の失敗によってもたらされた財政硬直化の真の原因を追求することなしに、失敗の犠牲を大衆に押しつけようとするものであります。まさに、国民生活を無視した、無責任きわまるやり方であり、国民とともに強く反対するものであります。 この減税ゼロの実態は、これまで本院においてもきびしく糾弾されているところでありますが、大衆にとっては、減税どころか、むしろ、明らかに実質的な増税となるものであります。所得税を納めていないような所得の低い階層にとっては、減税の恩典すらなく、増税による負担の増大だけを押しつけられることになり、とうてい減税ゼロなどとは言っておられないのであります。減税ゼロという政府の考え方は、こうした大衆負担の実態を見ることなく、国庫の収入だけを頭に置いた、冷酷な情け容赦のない考え方であり、今回の税制改正の国民軽視の本質をこの上なく証明しているものであります。 今日言われておりまする財政硬直化の根本原因は、明らかに資本蓄積型、高度成長型の財政、税制政策にあるということであります。勤労者には重い税金をかげながら、取るべき税金を取らず、大企業や個人の資産所得など、いろんな面で税の優遇を行なって、ますます税構造のゆがみを拡大し、税構造の硬直化をもたらしていることが原因の根本であります。取るべき税を取り、そのほか、個人の資産所得などの優遇措置をやめ、普通に税金を取るだけで、大衆減税などは十分できるのであります。それをしないで、酒やたばこにしわ寄せをすることは、本末転倒もはなはだしいと言わなければなりません。 特に、この際申し上げたいのは、大衆は、国庫の財源、国の金庫を当てにして生活しているのではございません。額に汗し、血のにじむ思いでかせいだ金から、税金を払い、生活費をまかなっているのであります。国民大衆は、もはや政府の減税ゼロなどというごまかしをやすやすと受け取るわけにはいかないのであります。 第二の問題は、低所得者に対して血も涙もないやり方であるということであります。 酒やたばこの税など間接税の特徴は、収入の少ない人ほど税負担の割合が高くなる、いわゆる逆進的な性質を持っていることであります。それだけに、低所得層の負担によって財源を調達しようとするものであって、財源としては最も悪質なものだと言わなければならないのであります。しかも、所得税を納めていない階層は全所得者のうちの五八%に及び、増税の大半はこれらの所得税さえ納められない人々によって負担させられるものであります。しかも、酒やたばこは消費者の選択の余地のない商品でありますから、物価値上がりの中で税負担の不公平を一そう拡大するものと言わなければなりません。 政府は、これらの増税政策を税負担の調整であると抗弁をしております。しかし、大衆の増税によって高額所得層の減税を行なうことが税の調整だとは、とうてい言えないのであり、むしろ租税の応能原則とその意味での負担公平原則を公然と踏みにじるものであると言わなければなりません。これでは租税原則が根本からくつがえされてしまうことになるのであります。 第三の問題は、酒、たばこの値上げには何ら正当な根拠はなく、政府が率先して物価値上げを断行しようとしていることであります。 政府の一連の公共料金の値上げの中で最もふしぎなのはたばこの値上げであります。政府は、原価の値上がりにもかかわらず、十四年間も定価を据え置いてきたからと言っております。しかし、たばこは、すでに需要の増大と銘柄の変化などによる値上げ政策によって実質的に増税されているのであります。専売益金は、その額においても、伸び率においても、増大をし、着実に増加傾向を続けているのであります。しかも、たばこの税率は、すでにハイライトで五八%、「しんせい」ですら五〇%に及んでいるのであります。言いかえれば、消費者の吸っているたばこの大部分が税金であり、三千億円をこえる利益をあげているのでありますから、これ以上値上げすることは悪質な大衆収奪と言わなければなりません。 また、政府は、物価値上がりの中で意図せざる減税の効果が生じているとして、酒、たばこの値上げを打ち出しているのでありまするが、ここには物価抑制に対する何らの努力もなく、また物価値上がりに対する一片の反省すら見られないのであります。特に、予算編成にあたって受益者負担原則を乱用し、国鉄定期の値上げをはじめ、電話架設料などの値上げを行ない、米価スライド制の導入など、一連の公共料金の値上げ政策をとろうとしております酒、たばこの値上げが、こうした値上げムードに拍車をかけるものであることは、火を見るよりも明らかであります。公共料金の値上げの抑制はむずかしいことではありません。まず何より、値上げをさせないという政府の意思と政治姿勢そのものにかかっておるのであります。大衆のための料金、間接税等は、これを政府の責任において抑制することこそ、とるべき態度ではありませんか。とりわけ酒、たばこの値段は、政府の意思のみによって抑制することができる数少ない品目であります。値上げの抑制、物価の安定を言う政府の宣伝が、全くのうそであることをみずから証明するものであり、今日の物価値上がりの中で、むしろ間接税はこれを値下げする方向をとることこそ先決であります。 第四に、今回の酒・たばこの値上げは、単に所得税の減税による税収補てんを低所得者層にしわ寄せすることによって所得の再配分という財政本来の機能を抹殺するものであるばかりでなく、そのねらいはきわめて危険なものがあります。実にこの点に今回の改正案の大きな落とし穴があると言わなければなりません。端的に申し上げますならば、今回の改正のねらいは、第一に、所得税においては相変わらず低い免税点を据え置いて、中小企業者や勤労大衆への重い課税に所得課税の中心を置き、大衆に重い税の体系を維持することであり、第二に、この大衆重課の所得課税の限界を突き破り、新たな財源を開拓するための間接税増徴政策に踏み切ったことであります。これは、昨年五月に行なわれた大蔵大臣の、「売上税創設が考えられてよい」との発言に象徴されるように、間接税の増徴と将来の成長財源としての売上税創設を第二のねらいとするものであり、いわばその布石であると言わなければなりません。昨年の印紙・登録税の引き上げに始まった一連の間接税増税政策は、財政硬直化を口実として、大衆の犠牲によって、アメリカのドル防衛への協力、第三次防衛計画による軍備拡大のための資金調達にそのねらいがあることは明らかであります。かつての間接税増税の歴史を見ると、間接税の増税が行なわれたのは、常に戦争と軍備拡大への布石であったことを思い返すとき、まことにりつ然たる思いにかられるのであります。 最後に、今回の改正案は、日本社会党を中心とする野党の追及と国民の広範な反対世論の前に年度内成立は不可能となり、酒の増税実施時期を一カ月延長せざるを得なくなったのであります。このことは、国民生活を軽視した政府の不当なやり方に対する国民の痛烈な批判のあらわれであり、政府の政治姿勢に対する不信の結果であります。 私は、国民とともに酒、たばこの値上げに強く反対をし、政府・与党の諸君に心から反省を求めて、私の反対討論を終わるものでございます。(拍手)
○副議長(河野謙三君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 これより採決をいたします。 両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、両案は可決せられました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第八、訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長北條雋八君。 〔北條雋八君登壇、拍手〕
○北條雋八君 ただいま議題となりました訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議の経過と結果を報告いたします。 本法律案は、物価その他諸般の事情を考慮して、民事及び刑事の訴訟における証人、鑑定人等の日当の最高額を増加するものであります。すなわち、証人及び民事訴訟の当事者の日当千円以内を千二百円以内とし、鑑定人、通事、通訳人、国選弁護人等の日当七百円以内を千円以内とするものであります。 なお、衆議院において、施行期日を修正し、「昭和四十三年四月一日」を「公布の日から起算して七日を経過した日」に改められました。 委員会においては、日当の性質と算出基準、増額について考慮した事情、日当、鑑定料の支給状況、訴訟費用に関する法律の整理統合、民事訴訟費用法の改正と司法書士手数料等の増額等について、熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。 質疑を終わり、討論には別に発言なく、次いで採決の結果、全会一致をもって本法律案は衆議院送付案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 以上報告いたします。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第九、社会福祉事業振興会法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず委員長の報告を求めます。社会労働委員長山本伊三郎君。 〔山本伊三郎君登壇、拍手〕
○山本伊三郎君 この法律案は、社会福祉事業振興会が社会福祉法人に対して行なっている福祉施設改造資金の貸し付け金に関し、さきに、四十二年度分について、利子の免除措置が行なわれたのでありますが、この措置を、四十五年度分にまで延長しようとするものであります。 委員会における審議の経過は会議録に譲ります。 昨二十三日、質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。 なお、本案に対して、社会福祉施設の計画的整備及び職員の確保を要望する旨の附帯決議が付せられました。 以上報告いたします。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第十、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長久保等君。 〔久保等君登壇、拍手〕
○久保等君 ただいま議題となりました法律案の内容を申し上げますと、最近における郵便切手類及び印紙の売りさばき人の業務の実情にかんがみ、買い受け月額十万円から五十万円までの間の手数料率を若干引き上げ、手数料率の不均衡を是正しようとするものであります。 逓信委員会におきましては、十万円以下の手数料率を据え置いた理由等について質疑が行なわれましたが、その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。 かくて、質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第十一、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案。 日程第十二、金属鉱業等安定臨時措置法を廃止する法律案。 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長金丸冨夫君。 〔金丸冨夫君登壇、拍手〕
○金丸冨夫君 ただいま議題となりました二法案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 まず、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案は、探鉱促進事業団の業務を拡大して、海外における探鉱資金の貸し付け、開発資金にかかる債務の保証、地質構造調査及び資料の収集等を行なわせようとするものであります。 ————————————— 次に、金属鉱業等安定臨時措置法を廃止する法律案は、本法の廃止期限が本年三月三十一日となっており、かつ、金属鉱業の現状にかんがみ、一応その目的を達しましたので、これを廃止しようといたすものであります。 ————————————— 委員会におきましては、両法案を便宜一括して議題とし、参考人の意見を聴取するとともに、海外鉱産物の探鉱、開発の実情と見通し、中小鉱山の助成策、鉱産物の需給安定対策等から、さらに金、硫黄等に関する鉱業政策全般にわたって質疑が行なわれましたが、詳細は会議録に譲ります。 質疑を終わり、討論なく、両法案を順次採決をいたしました結果、両法案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上御報告を終わります。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 まず、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 次に、金属鉱業等安定臨時措置法を廃止する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第十三、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長津島文治君。 〔津島文治君登壇、拍手〕
○津島文治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。 本案は、高層建築物、地下街等における防火管理の徹底を期するとともに、火災警戒区域の設定、消防学校の整備等、防災体制の整備をはかろうとするものであります。 委員会におきましては、防火体制の現状について視察するほか、参考人の意見を聴取する等、熱心に審査いたしましたが、詳細は会議録に譲ります。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、船田委員より、自由民主党、日本社会党、公明党の共同提案として、市町村は消防職員等の訓練機関を設けることができることとする修正案が提出され、採決の結果、修正案、修正部分を除く原案とも、それぞれ全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、本案に対し、各派共同による附帯決議を付することに決定いたしました。 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本案の委員長報告は、修正議決報告でございます。 本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員会修正どおり議決せられました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十八分散会 —————・—————