本会議 第4号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1968/02/01
会議録
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。 この際、おはかりいたします。 瓜生清君から病気のため十九日間請暇の申し出がございました。 これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました —————・—————
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国務大臣の演説に関する件(第三日)。 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します、成瀬幡治君。 〔成瀬幡治君登壇、拍手〕
○成瀬幡治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、財政、税制を中心といたしまして質問をいたします。 第一点は、経済の見通しの誤りと財政硬直化の政治責任についてであります。 政府は、一に、四十二年度に公債発行を伴う新財政政策を導入したが、四十二年度には国際収支が赤字基調になったので、九月には公定歩合の引き上げ、窓口規制、財政の繰り延べ、公債の削減などの一連の引き締め措置を講じたが、四十三年三月には国際収支は七億ドルの赤字となり、四十四年三月も引き続いて三億五千万ドルの赤字になる見通しであります。二に、元来景気調整の機能を果たさなければならない財政が硬直化し、機能が麻痺して、有効に発揮することが困難になりました。三に、だから、これから財政の体質改善に取り組みますから各界各層の御協力をお願いしますと言うのであります。赤字や硬直化は自然発生的なものではありません。それだのに、まるで人ごとのようなことを言っておるのであります。そこには何ら責任と誠意がないのであります。こうなったのはだれの責任でありますか。責任はだれが負うべきものでありましょう。経済の見通しの誤りは、四十二年度に中立型予算と称して八千億円の公債発行を含む、景気を刺激する大型予算を組んだことが根本的な原因であります。ここが間違っておったからであります。出発点が誤っておったからであります。硬直化は、すでにわが党が前々から指摘し、警告してきた点であります。税の自然増収があるにまかせて、圧力団体に屈し、計画もなく放縦に使ってきたことが原因であります。これは与党である自民党の全責任であります。 財政の体質改善について、一方では、各界各層の協力と理解をお願いしますと言いながら、またも、本年度予算編成にあたって、計画造船建設資金への補助金、軍人恩給の引き上げなどは、圧力団体と政治献金に屈しているのではありませんか。まことに情けない姿であります。そこには、反省の色もなければ、責任感もありません。佐藤総理、これは一体どうしたことでありますか。 景気過熱は物価高にはね返ります。国際収支の赤字にはね返ります。税の自然増収が九千五百億もあるのに、実質減税もやれません。金融引き締めは選別融資の強化となって、中小企業をなお一そう倒産に追い込みます。ことほどさように、経済政策の失敗のしわは、すべて国民がかぶるのでございます。財政硬直化と経済の見通しの誤りについて、佐藤総理は、すなおに国民に陳謝する勇気をお持ちではございませんか。遺憾の意を表する勇気をお持ち合わせではございませんか。この勇気と謙虚な心がまえこそが、経済の安定成長、持てる者と持たない者との格差の解消、そらして、総理が公約をされました人間尊重とか、あるいは社会開発を実現させる道に通ずると思うのでございます。また、水田蔵相が、今後財政金融に関する諸制度の根本的な検討と改善に取り組む決意であると述べ、また、宮澤経企庁長官が、四十四年度を目途に、新時代に即した新しい制度を国民的合意に基づいて確立すると決意を述べていることを、単にことばだけにせず、実現させる勇気と決意につながると考えるからでございます。佐藤総理、すなおに国民に陳謝されてはいかがでしょう。なお、水田大蔵大臣、宮澤経済企画庁長官からは、それぞれ財政演説でお述べになりました財政運営の姿勢、硬直化打破の構想、対策、プログラムなどについて、その概略の説明が承りたいと思います。 第二点は、本年度を調整の年と呼び、地固めの年としておりますが、はたして景気を調整し、国際収支の均衡回復になるかどらかということでございます。 政府は、抑制予算である、その理由として、一に、予算規模は一般会計五兆八千百八十六億円で、前年比一一・八%増で、これは経済の名目成長率一二・一%より低い。二に、財投は一三%増である。三に、公債発行は六千四百億円で、政保債も大幅に削減した。四に、地方財政規模は五兆六千二百億円程度で、一七・五%の伸び率である、などをあげて、抑制予算の理由にしておるのでございます。なるほど、大幅にふえたのは防衛費だけでございます。 そこで、大蔵大臣にお伺いいたしますが、一般会計四十二年度分の繰り延べ四百八十九億はどうしますか。これを四十三年度に上乗せする、既定の事実になっている米価の値上げなどを算入いたしますと、一一・八%より大きな数字になりはしませんか。公債を六千四百億円に削減しても、依存度はなお世界最高の水準であります。四十二年度分で四十三年一−三月の国債発行予定額は一千七百十四億円であります。一−三月の発行計画が承りたいのでございます。一千七百十四億円はとても売却することができないので、七百あるいは一千億も大幅に削減するとの話も出ていますが、何ほど削減をするのか、お尋ねをいたします。また、国債の発行条件の改定、長期金利体系はどういたしますか。国債非課税制度を採用いたされますか。 ドル防衛を中心とするきびしい国際環境を考えるとき、四十三年三月で七億ドルの赤字、四十四年三月も引き続いて三億五千万ドルの赤字に押さえることができるのか、多大の疑問があるのでございます。特に問題になるのは民間設備投資でございます。通産省は業界に自粛を要望したということでございますが、自己資金でやることでございます。すでに戦前のような財閥関係の状態が生じてきました。これらの企業と銀行は特別に密接な関係がございます。しかも開放体制下で、食うか食われるかの企業間の競争も激烈でございます。単に要望だけで民間設備投資の意欲を押えることはできないと思います。何か抑制対抗策をお考えになっておるのか。輸出振興を力説されますが、目新しい施策は何もないようであります。国内を不況にして輸出振興をはかるのが、ただ一つの施策のようでございます。佐藤首相に伺いますが、LT貿易は今後どうなりますか。古井代議士に対しまして、吉田書簡を超越してと、何かおっしゃっておるようでありますが、その意味はどういうことでございましょうか。また、本日帰国されるソ連の副首相は、政府が来日を要請されたということでございますが、対ソ関係についての積極的な姿勢と考えてよろしゅうございましょうか。お答えをいただきたいと思います。 物価は、値上げのきまっておる酒、たばこ、国鉄定期券のほかに、米価、バス代、タクシー代、ふろ代、私鉄運賃、公営住宅の家賃などの値上がりが予想されております。消費者物価は四・八%でなくて、もっと上がりはしないでしょうか。宮澤経済企画庁長官から四・八%を算出されました根拠の数字をここでお聞かせ願いたいと思います。 政府の予算案が発表されると、世論は、これは抑制予算ではないとして、もう公債は削減するのではないか、公共事業費は一〇%繰り延べをするのではないかと言っておるのでございます。政府提出の予算案は、またもや繰り延べが必至の予算になりそうであります。全く権威と信用のない話であります。自由経済だからしかたがありませんでは、済まされる問題ではございません。大蔵大臣は昨日、繰り延べの場合、公共事業費はやらないつもりでありますと、ここで答弁をされました。繰り延べをやるとするなら、何を先にお考えになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。抑制予算の名で、減税はやらない、社会保障費はふやさない、ふえたのは防衛費だけ、その上、景気の抑制もできないということになれば、ただ力の弱いところへしわ寄せをした、人情味のない、ねらいのぼけた予算案ということになりますが、大蔵大臣、いかがでしょう。 次に、宮澤経企庁長官にお伺いいたします。その原因は何であれ、四、五年も続いて物価が上がる状態をインフレと呼ぶのが、一般的常識ではないでしょうか。物価は上がっても所得もふえておりますとか、卸が、やれ消費者物価が、需給関係がなどと言わずに、いまの経済の様相を一般論としてインフレと呼ぶべきではないでしょうか。世間一般の人も、みんなインフレと呼んでおるのです。また、世界の一般的傾向も、クリーピング・インフレーションでしょう。いや、そうした経済政策を計画的に進めておるといってもいいのでございます。いまの経済様相をインフレとは呼ばれませんか、お伺いをいたします。 第三点は、総合予算主義のねらいについてであります。公務員のベース改定に備えて五百億円を予備費に計上したというのでありますが、人事院がこれ以上経費を必要とする勧告をしたときはどうなりますか。補正はやらないというのでありますか。とすれば、人事院勧告を事前に規制することになります。御承知のとおり、人事院勧告は、労働者の基本的権利である争議権と引きかえに生まれたものでございます。それを事前にチェックすることは断じて許されません。総合予算主義に名をかりた低賃金政策のはしりであります。予算という金の力による弾圧政策であります。政府は、人事院勧告は尊重するとしばしば言明をされてまいりました、このことに違反いたします。いつ君子は豹変されましたか。食言もはなはだしいものであります。総理、いかがでございましょうう。 また、政府は、食糧管理特別会計への繰り入れについては、米価の改定等、事情の変化があっても、補正予算財源を必要としない方式の確立を期すと述べていますが、これはスライド制の採用をさしているのか。スライド制の採用が米価の値上がりとなり、消費者物価の値上がりにはね返ることは当然であります。総理は、総合予算主義を新たに採用したことを大声に宣伝していますが、これは賃金を押え、米価を押えようとする、いわゆる低米価、低賃金の所得政策へのはしりではございませんか。布石ではないでしょうか。お答えをお願いいたします。食管制度廃止は日程にのぼったと見るべきであります。 第四点は、減税についてであります。一億国民、みなが税金は高いと痛感をしております。減税は国民の切実な要望であり、国民の声であります。税の自然増収九千五百億円は史上最高のものであります。政府は、財政硬直化の先制攻撃をかけて、所得税の減税一千五十億円はやるが、そのかわり酒と、たばこを値上げして、一千五十億円の増税をする。しがたって、実質減税はゼロであるというのでありますが、これはごまかしでございます。なぜなら、今日、大略的に言って、所得人口は約五千万人です。そのうち所得税を納めている人は約二千万人であります。所得税を納めていない、いわゆる低所得の人が約三千万人おるのであります。減税には全く無関係で、酒、たばこの値上げ、増税だけの被害を受ける人が三千万人おるのであります。三千万人は減税どころか、増税だけであります。実質減税ゼロとは看板に偽りがあります。ごまかしであります。全くむちゃくちゃな話であり、弱い者いじめであります。 政府は片方では、そうやりながら、相も変わらず配当所得で約四百二十億円、利子所得で二百三十億円などを分離課税にして免税しております。配当所得とか、利子所得は資産所得で、こたつに入って居眠りをしておっても入ってくる金であります。工場で働いて得た所得とか、店で働いて得た所得には汗が流されております。勤労所得です。全く性質が違っておるのであります。その資産所得だけを優遇しながら、酒、たばこの値上げをするとは一体何事ですか。どこかが狂ってはおりませんか。資産所得優遇措置は、税の公平の原則を破る天下の悪法であります。いまからでもおそくはありません。分離課税を廃止して、その財源を有効に活用すべきではありませんか。また、交際費の免税額は五千七百四十九億円であります。実に驚くほどの多額であります。この金は、社用という名目で税金が課せられずに使われておるのであります。国民総生産は世界で四番目とか言っております。しかし国民一人当たりの所得は二十一番目でございます。低うございます。こういうようなことは、こうしたことに関係をしておるのでございます。所得の再配分から見て、当然何らかの措置を講ずるのが善政だと思うわけでございます。大蔵大臣は、税制調査会に交際費の問題について諮問をするようなことは考えておいでになりませんかどうか、お伺いをいたします。どうして政府は、こういうような措置をして、あたたかい手を差し伸べられないのでしょうか。大蔵大臣、性根を据えた御答弁をお願いいたします。 第五点は、ドル防衛協力と自由化、後進国への援助、外貨準備についてであります。 アメリカのドル危機の原因は何でしょうか。ベトナム戦費であります。経済支配をねらった西欧への民間投資四十億ドルではございませんか。アメリカは、ベトナム特需の半額五億ドルを日本に協力せよと申し込みました。過般のホノルル会談で、ユーロダラーへの振りかえ二億四千万ドルなどを含めまして約三億ドルの話はついたと報道機関は伝えております。 そこで、佐藤総理にお伺いをいたしますが、残り二億ドルの中期債の購入、インドネシアへの援助の肩がわりなど、いろいろと取りざたをされておりますが、今後どうなりますか。過般スワップ協定で、日本が四億五千万ドルのいままでワクしかございませんでしたが、それを三億ドルも増額して七億五千万ドルにしたのは、アメリカ政府からかねて要請をされている中期債の購入を承諾することを前提として、それと引きかえに増額をされたとみられておるのでございます。どうなりますか、お答えを願いたいと思います。そして、この会談で、日本側は自動車の物品税と関税の引き下げ、エンジン、シャシーなど、物品の自由化、資本の自由化はいずれ実施するが、いまはその時期でないと答えたとのことでありますが、アメリカはドル防衛に名をかりまして、自由貿易主義に反したところの国境税の新設、対日輸入制限などをちらつかせるなど、全く非紳士的なやり方でございます。大蔵大臣にお伺いをいたしますが、国境税、対日輸入制限なんかがとられた場合、どうするかという対抗策をお考えになっておるかどうか、お伺いをいたします。自由化についでは、殷鑑遠からず、西独、イタリアに例がございます。西独の自動車産業はアメリカ資本に征服されようとしております。イタリアの自動車産業は、アメリカの攻撃に対して、ソ連と提携をいたしまして、いまソ連に進出をしておるのでございます。圧力は断然はね返さなければなりません。特に自動車関係について、いかなる態度で受けとめようとされておるのか、通産大臣にお答えをお願いいたします。 また、きょうから国連貿易開発会議がニューデリーで開かれております。ここでは一次産品の買い付け、特恵関税、援助などが取り上げられます。わが国の農業食品加工、繊維部門、国際収支などに重大な影響を与える問題でございますが、どういたしますか。対策を具体的にお持ち合わせでございましたら、これはほんとうは外務大臣でございますけれども、やはり佐藤総理からお答えを願いたいと思います。——ちょっとわかりませんですか、国連貿易開発会議ですね、ニューデリーで開かれている……。 ドル防衛と南北問題は、国際収支と外貨準備高に直接間接に響いてまいります。わが国の外貨準備高は約二十億ドル、金の保有量はたった三億三千万ドルであります。質量ともに問題があるのであります。外貨準備高に赤信号がつきそうであります。スワップ協定のワクは七億五千万ドルに広がっておりますが、IMFからの借款は今後予想される事態になりはしないでしょうか。IMF借款は、イギリスの例にもあるように、相当きびしい条件がつくものと予見されておりますが、いかがなものでしょう。外貨準備高の不足に対しての対策を立てておみえになりますか、大蔵大臣、お答えを願いたいと思います。 ドル危機は当面乗り切れるかもしれません。しかし、ドル紙幣の発行量、ドル債権とアメリカの金の保有量とのアンバランス、産金価格の点から見て、ドルの切り下げは近い将来必然のものと判断されます。ドルを中心としたわが国の外貨準備について、いまから質の向上についてその対策を考えておく必要があると思いますが、いかがなものでございましょうか。大蔵大臣、お答えを願いたいと思います。 第六点は、沖縄へのアメリカ石油資本の進出についてであります。これは主として佐藤総理にお答えを願いたいと思います。琉球政府は、一月二十日に、ガルフ、カイザー、カルテックス、エッソのアメリカ資本四社が投資額一億八千五百万ドル、日産二十五万バーレルの石油精製所を建設することを許可いたしました。沖縄への販売には輸入税を課するなどの五条件が付されているとのことでありますが、問題点は、一に、資本の自由化と最も関係のある外資比率には一言も触れていない点であります。二に、自由貿易地域制度を認めたことでございます。これは、経済的に治外法権を認めたことであります。ガルフの借地契約は九十九カ年といわれております。一つの島を九十九カ年借りるのです。これは事実上の租界ではありませんか。本土復帰の際はどうなりますか。終戦後、いまだわが国に行政権がないときに、アメリカの石油資本がわが国に進出してきました。民族石油会社を育てるために、石油製造法などを制定した苦い思い出があるのであります。沖縄へアメリカ石油資本の進出は、やがて国内の精製、流通の秩序を乱すことになりはしないでしょうか。松岡主席は、沖縄経済の自立のために免許したと言っておりますが、これは沖縄援助計画と関係のある問題でございます。今後どういたしますか、お答えを願いたいと思います。 アメリカが、アジアでドルのかさを広げるために、適当な基地を求めるのは当然のことだと思います。後進国家にはナショナリズムと政情不安のために適地がなく、沖縄がその基地としてねらわれたのではないでしょうか。石油のみではなくて、将来、他の産業が進出してくることも考えなければなりません。影響はすこぶる重大なものがございます。日米琉諮問委員会発足を目前にして、琉球政府が日本政府の要請を無視して急いで免許をしたのは、アメリカ側の強い圧力があったのではないかとさえいわれておるのであります。アメリカの沖縄への意識的な企業進出、経済進出を、単に沖縄だけの問題と限定して見るべき筋のものではありません。核のかさ、ドルのかさの下では、日本に自主もなければ、独立もありません。今後どのように対処していくのですか、お考えと対策を総理大臣からお答えを承りたいと思います。 第七点は、教育関係についてであります。文部省は、ベビー・ブームの最終年に当たる本年度の大学志願者数を、高校卒と浪人を含めて七十四万人と踏んでおります。そして、本年度の定員増は一万八千八百名です。したがって、大学、短大の入学定員は三十万六千二百三十名になります。これでは、合格率が四〇%以下になってしまい、空前といわれる受験ラッシュの解消にはならないので、私立の水増し入学に期待をして、水増し率を一・七倍として、入学総数を四十六万二千名、合格率を六二・五%と見込んでおるのであります。水増し率一・七倍が狂うと、たいへんなことになってしまいます。私大の水増し入学におんぶした、他力本願の急増対策であります。急増対策は、政府や文部省がやるのでなくて、私学に押しつけただけであります。ここでは、文部省は無用の長物になって、何の役にも立っておりません。一方、私大の現況はどうかといいますと、国立に比べて、教職員数、校舎面積、経費など、すべてが四分の一、二割五分であります。これでは、教える先生と教わる学生の間に対話は不可能であります。先生に公務員と同じようにベース改定をしようとすれば、授業料の値上げ以外に方法がないのであります。授業料値上げが、しばしば学園騒動の原因になっておることは御承知のとおりであります。また、父兄の負担を比較してみますと、国立大学の入学金四千円に対しまして、私学の納付金は、短大で十七万円、大学の文化系で二十万円であります。あまりにも格差がひど過ぎるではありませんか。こうした中で、文部省が本年度やったことは何かと申しますと、国立大学の定員増二千七百一名、貸し付けワクの十億円増と、研究費三十億円の新設、たったこれだけです。スズメの涙と言いたいところですけれども、スズメの涙より少ないのであります。親は、自分は義務教育だけで終わったが、せめて子供だけは大学へ進学させてやりたい。そのためなら好きな酒も、たばこもやめる、手内職をやるというのが親の気持ちではありませんか。しかし、大学への門はあまりにも狭く、しかも、私学はあまりにもたくさんの金がかかり過ぎると、世の親は嘆いておるのであります。また、PTAの負担や、給食費の値上げなど、親には大きな負担になっております。それだのに文部省は、教師には超過勤務はないとか——勤務時間があれば超過勤務のあるのはあたりまえです。やれ国防教育だとか、教育基本法は、御承知のように「不当な支配に服することなく」と明記し、国家権力の干渉を禁止しております。教育行政は条件整備が何よりの使命であります。文部省はピントはずれのことばかりに力を入れております。あきれ果てたことであります。内務官僚が文部大臣になるようになってから、特におかしくなりました。文部大臣、せめて親の気持ちを大事にする、まともな文部行政はできませんでしょうか。あなたにそれを期待することは、むだなことでしょうか。 最後に、物価は高い、税金は高い、そして上がるばかりです。何か下がったものはないか。下がったのは佐藤内閣株だけだという声があります。公害の被害はおそろしい、ますます広がるばかりであります。交通災害もたいへんなことです。奥さんは、夕飯どきに夫の顔や子供の顔を見て、きょうも御無事でしたかと胸をなでおろすというのが、きょうこのごろではございませんか。一世帯一住宅とはどこかの国のことで、住宅難もきびしいものがあります。中小企業は倒産の影に追い回されております。農民にはあすへの希望がありません。自分の子供があとを継ぐなどと思っている人は一人もありません。青年は生きる喜びより亨楽に生きがいを感じております。子供と母親は、入学に、進学に骨身を削っているというのが、これが今日の世相ではございませんか。佐藤総理は、かつて、人間尊重とか、社会開発などと、ずいぶんりっぱなことばをお述べになりました。一億国民が期待しているのは、そのことばではありません。その実行力に期待をかけております。 以上のことを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 成瀬君にお答えいたします。 ただいまいろいろ御批判もいただき、また、御鞭撻をいただきまして、私、謙虚にお話を承りました。御承知のように四十二年度予算は、私どもはいわゆる中立型予算、こういうことで編成をいたしました。その四十二年に先立つ四十一年、これは不況克復の予算でございます。そして、これはみごとに不況を克復いたしました。その後を受けまして四十二年の予算で中立型は編成いたしましたが、なお、経済成長率は九%という、相当高いところであります。したがいまして、この予算の遂行にあたって十分経済動向を見守る、そして必要があれば必要な手直しをする、かようなことを約束したのであります。私どもが憂慮いたしましたように、なかなか九%の経済成長、これにとめることができず、たいへん過熱の様相が続いておりました。また国際収支も悪化しております。そういう点から私どもは手直しをいたしました。お約束したとおりの手直しをしたのであります。これがただいま御指摘になりましたように、佐藤内閣が経済見通しを誤ったその結果だ、かように言われますが、私どもは、当時どうも四十二年の経済については、そういうような動揺があるのではないか、四十一年の次の年であるだけに、それらの点を心配いたしまして、予算編成の際にそれぞれの手を打っておったのであります。したがいまして、私は今日政府がとりました各種の措置について、これが見通しを誤ったものではない、かようにはっきり申し上げておきます。したがって、国民の皆さん方も、現状について非常に心配されることはないように私は思います。今日私どもがとっております政策は、昨年以来の金融引き締めは順次効果をあげつつあるように思いますから、今後私どもが国際収支の改善と、さらに物価の動向を中心にいたしまして経済を運営していく、その立場でこの点を十分見守ってまいりますので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。 なお社会党の方々は、予算硬直化については、かねてからおれたちは指摘していたのだ、かようにただいま成瀬君から御指摘がございました。私は過去の経済運営、いわゆる三十年代の経済運営、あるいは予算の運営、これはりっぱに成績をあげたと思っております。それぞれの成績をあげ、繁栄をもたらしたのは、その意味においては財政金融政策が誤らなかったと思います。しかし同時に、成瀬君が御指摘になりましたように、安易に財政に依存するという、そういう気風が国民の間にも政府の間にもできた、かように私は思います。この点は御指摘になりましたとおり、私もその点を率直に認めるものであります。こういう点が今回硬直化に対しての私どもの取り組む態度でもあります。したがいまして、ただいままだおそくはない、そういう意味で、ころばぬ先のつえとして予算の硬直化と真剣に取り組む、これがいまの態度であります。したがいまして、今回の四十三年度予算の編成にあたりまして、これらの点を審議の過程におきまして十分御批判も賜わりたいと思います。私はりっぱな予算をつくりたい、かような意味で、ただいまのお話を謙虚に伺ったつもりであります。 次に、硬直化予算に対する対策は、いずれ大蔵大臣から御説明いたしますので、私特に名ざしでお尋ねになりました点についてお答えしたいと思います。 これはLT貿易の問題であります。LT貿易が期限が到来いたしまして、その後話がとぎれております。実はたいへん私も心配いたしております。しかしこのたび、LT貿易の問題が中心だと思いますが、わが党の古井君、田川君、それから岡崎嘉平太君等が中共にも参りますので、これらの交渉に私は期待をかけておるような次第であります。もともと私自身日本のあり方といたしましては、いわゆる政経分離の形におきまして、中共とも経済交流、文化交流を望んでおりますので、これが十分実を結ぶことを心から願っております。その際に、吉田書簡のお話が出ております。私は吉田書簡というものを、この際にとやかく申し上げる筋のものではないように思っております。輸銀資金の使用等につきましては、これはケース・バイ・ケースでそれぞれ措置して考えていくというのが当然のことではないかと思っております。 また、対ソ関係につきましては、昨晩も私バイバコフのお別れのパーティにも出てまいりましたが、たいへんバイバコフさんもきげんよくいろいろ話をしております。それぞれの党の方々もいらっしゃいました。この一事を見ましても、対ソ貿易について非常な積極性のあることを、御了承いただきたいと思います。 その次に、今回の予算自身がどうも所得政策のはしりではないか、こういうような疑いを持って見られておるようであります。しかし、私は予算の硬直化、これを切り抜けるために予算の体質をよくするという意味で、いわゆる総合予算主義をとったのであります。人事院の勧告、これは申すまでもなく、かねてからその勧告は尊重する、こういう態度でありますし、予算がないというようなことでも、いろいろくふうをいたしまして尊重する、その態度で取り組んでまいりました。今回にさらに一歩進めて、いわゆる予備費においてそういうものを一応計上しておこうじゃないか。今回の予算は、どうも途中において新しい財源などは見つけにくいような、全部の予算をさらけ出した予算でありますから、そのために人事院の勧告等も予想される今日、これはやはり予備費の中にその部分をとっておこう、こういうことで、今回は新しい試みをいたしたわけであります。幾ら予備費が計上されておるか、かようなことは私も存じません。これはもちろん予備費でございますから、予備的支出、それらのものをあわせて、可能な範囲で人事院勧告を尊重していくという本来のたてまえでありたい、かように思っております。ただいま足らなかったらどうするか、こういうことでございますが、今日からそれを考えていく——それにお答えする筋ではないように思います。 また、米価そのものにつきまして、ただいまはっきり米価はどうする、こういうような態度はきめておりません。おりませんが、ただいまの食管会計のたてまえ等を考えてみますと、生産者米価が上がれば、幾ら幾ら消費者米価を上げるとは申しませんけれども、これはやはり、消費者米価も上がるものだと、かように考えるのが当然ではないだろうか、かように思います。いずれにいたしましても、ことしは初めての試みでありますので、これらの点を十分に勘案してまいりたいと思います。今回の予算は、言われるような低米価・低賃金、かようなものを前提としたいわゆる所得政策、そのもとに予算を編成したものではないということだけ、これだけははっきり申し上げてお答えといたします。 次に、ドル防衛についてのお尋ねがございましたが、これはいずれ大蔵大臣やあるいは企画庁長官からお話をすると思いますが、ただ一言気になりますのは、ドル防衛、その際に金が非常に少ないじゃないか、こういうことで、金中心に何もかも解決すべきだというお話をされたようにちょっと聞き取ったのであります。もちろん金は中心でございますが、何といいましても国際決済におきましては、信用が大事なのであります。信用こそ、これは生産力によりまして、初めて裏づけしておるものでありますから、そういう意味から見まして、私は、アメリカのドルそのものは、ただいま不安な状況にあるとは、かようには考えておりません。だいじょうぶだと、かように思っております。 ところで、具体的な問題で、ホノルル会談等においての具体的処置についてのお尋ねがございました。中期債は一体どうしたかというお話であります。あのホノルル会談というものは、特定の目的があって開催されたものではありません。もしも特定の目的があって開催されるならば、一国の責任者がその会議に出席をいたします。しかし、これは大臣以外に——その大臣のスタッフでやはり会議を持つのが、いわゆる日米経済協力会議、あの会議よりも事務的になお処理し得るものがあるのではないかというところで、ホノルル会議は開催されたのであります。したがいまして、これが具体的に何々の目的、こういうものではありませんで、両国の国際通貨の問題であるとか、あるいは一般経済情勢であるとか、それらを話し合って理解を深めるということがもとであります。したがいまして、もちろんドルの防衛あるいはポンドの防衛等の国際決済問題も話に出たことはもちろんであります。しかし、ただいま言われますように、中期債を二億ドル引き受けろとか、こういうような話は出ておりません。私はしばしば国会で申しましたように、ドルも大事だが、円こそは最もわれわれにとって大事なんだ、円を弱めるような処置をとることは総理として私はいたしませんということをたびたび申しております。したがいまして、いまの中期債そのものを引き受けるということは、現状における円の状態にいい結果をもたらさない、かように思いますので、さような話が出た場合には、私はこれについて、日本の円を守る立場から、はっきり私の主張をいたすつもりでございます。 また、インドネシアについての援助の肩がわりというお話がございました。ただいまインドネシアに対してはインドネシアに対する援助計画が、いわゆるアムステルダムで一応考えられたもの、IMFが指摘いたしましたものが三億二千五百万ドルと実はなっております。したがいまして、日本は大体その三分の一程度援助してくれないかと、かような言い方でございますが、なお、私は日本の力から見まして、これらの点についてはそのまま了承することにいたしかねております。いわゆる妥当なるインドネシア援助計画、そのもののもとにおいて日本が可能な範囲で協力する、かような考え方でございます。せっかくただいまこの点は研究中でございます。いわゆる肩がわり云々のような問題ではありません。また、近く開かれるアンクタッドの会議には椎名君が出かけることになっておりますので、椎名君から十分お聞き取りいただきたいと思います。 次に、沖縄の石油問題についてお答えをいたします。 ただいま沖縄はアメリカの施政権下にあります。したがいまして、アメリカが施政権下にある沖縄についてどういう処置をとろうと私どもがとやかく言う筋じゃないと、こういうことは一応言われるかわかりませんが、私は、近く沖縄は日本に復帰する。その復帰した際に混乱を引き起こすようなことは、この際はあってはならない、かように実は考えておるのであります。したがいまして、この石油が沖縄に進出するということについては、昨年の夏以前ごろからそういう話が出てまいりましたので、当時から関係者一同が、この沖縄が復帰したら一体どうなるか。ただいまさような点について突き進んだ考え方をしてもらっては困る。こういうような非常な心配をいたしまして、したがいまして、今回も私がアメリカに行って、ジョンソン大統領と話をし、沖縄復帰の基礎的な解決方向を踏み出した今日でありますから、田中総務長官が沖縄に参りました際も、これらの点について十分連絡をとったのでございます。その結論から申しますと、日本に復帰した暁において、当然わが国の石油政策、そのもとにアメリカの進出した会社も入る。このことは当然のことでございます。したがいまして、その際に摩擦を起こさないように、今日からくふうすべきではないかと思います。ただ沖縄では、御承知のように、なかなか産業の興らないところでありますから、外資、アメリカ資本の進出、それなどは地域開発のために非常に喜んでこれを迎えるという形がございます。しかし、ただいま申し上げますように、日本に復帰した暁において摩擦を生ずるようなことがあってはならない、かように考えまして、十分気をつけるつもりであります。御指摘のように、沖縄には自由貿易地域というものもあるようであります。また、ただいま御指摘になりましたように、ガルフなどは、今回のこの進出の場合に、九十九年間の賃借契約をしたということであります。しかし、これはいわゆるコマーシャルベースによる賃借でございますから、いわゆる公権による租借とは非常に違っております。したがいまして、この点をあまり心配することはないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、この復帰の暁に問題が起こらないようにくふうしなければならない。この機会に、私、はっきり申し上げますのは、復帰したら、この種の会社も当然日本の法律の適用下に入る、日本の石油政策のもとに入るのだ、このことをはっきり申し上げておきます。 また、石油以外の問題で何かないかというような御心配でありますが、ただいままでのところ、私はさような話を聞いておりません。おりませんが、今回のこの問題によりましても、今後進出の問題については非常に慎重になるだろう、かように私は思いますので、今後はおそらくこの種の問題は再び起こらないだろう、かように思います。 また、最後に、いろいろ私についての御注文がございました。私は別に人間尊重や社会開発を忘れているわけではありません。また、口頭だけでいろいろな説をなすものでもありませんし、私自身が総理といたしまして現実の政治に取り組んでいるのでございます。それらの点についての御注意は、ありがたくこれを拝聴しておきます。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 御質問が非常に多岐にわたっておりますので、順序が違うかもしれませんが、逐次お答えいたします。 まず、いわゆる硬直化打開にどういう努力をし、今後どういうふうに取り組んでいくのかということでございましたが、今度の予算編成にあたりましては、各面にわたって硬直化打開の一歩を私どもは踏み出しまして、総合予算主義をとったこともその一つでございますし、また、公務員の定員の規制をやりました。従来なら、毎年一万四千人くらいの増加があるのを、今年は増がなくて、逆に減があった、これは昭和二十九年以来のことと言われておりますが、こういうこともいたしましたし、機構の増設は一切これを行なわないということも貫きました。また、既定経費を、新規経費に各省庁の責任において組みかえるというような新しい試みもいたしましたが、これも非常に成功であったというふうに考えております。補助金の引き上げ、新設も、これを押えました。特に、三百五十件にわたる補助金の整理統合ということもやりましたし、一歩を踏み出したつもりでございますが、しかし、法律、制度、慣行というものに根ざした部分が非常に多うございますので、この問題はなかなか短時日には解決できないと思います。そこで、ただいま、政府の財政制度審議会というところにおきまして、この一月の二十五日に総会を開き、今後この問題と取り組んでくださる、まず歳入のあり方、歳出のあり方、定員、機構のあり方という問題から始めて、食管制度、地方財政、公共事業、社会保障、文教、科学技術、国際協力、国鉄、給与制度というようなものについて、部会が三つに分かれて、この制度の全面改正に取り組む、そうして本年の十一月までには結論を出すということをきめて、いま検討に発足しておるということでございますので、政府もこの審議会に並行しながら、今後さらに硬直化打開の解決については努力を続けるつもりでございます。 その次は、公共事業費の今年度の繰り延べ額をどうするかという御質問でございましたが、私どもは、もし経済情勢が変わってきたら、今年度に、この繰り延べを解除するつもりでございましたが、いまのような対外情勢、また国内の経済情勢からみまして、年度内に繰り延べ措置を解除するような情勢にはならないと、いまのところ考えております。そういたしますと、この繰り延べされた予算は四十三年度にこれを繰り越して執行するということになろうと考えます。で、その場合、先ほどの御質問の中に、経済情勢がかわっても今後公共事業の繰り延べはしないということを、私が言ったというようなお話でございましたが、こういうことを申したことはございません。やはり財政の運営等におきましては経済の情勢によっては弾力的、機動的な運営をする。その場合には、何といっても一番経費の弾力性を持ったものは公共事業でございますので、繰り延べを行なわなければならぬという事態が出たときには、やはり公共事業費が一つの対象になるということは当然であろうかと考えております。なるたけそういう繰り延べ自体をしなくても、相当押えた予算でございますので、本年度の予算執行によって国際収支の改善をはかりたいというのが、いまの私どもの考え方でございます。 それから、国債の発行についてでございますが、大体一月、二月、三月の間に七百億円の国債を発行しようと思います。そうしますというと、残額がまだ一千億でございますが、これはやはり年度末ぎりぎりにならないと処置がきまらないと思っております。税収等が多かった、かりに多いという——いま反対のことが予想されておりますが、そういう事態が出てくるとか、あるいは歳出不用という問題が出ましたというようなときには、これを充てることにいたしますし、また、預金部資金で一部は引き受けるということも考えられますし、また、来年度に一定額をずらせるということも考えられますので、この年度の最後にいかないと、この処置ははっきりしないと考えております。 それから、国債発行条件についてのお尋ねでございましたが、現在の国債市場の状況にかんがみまして、ことしの二月以降発行される国債については、発行価格を、これまで九十八円六十銭でございましたが、五十銭下げて九十八円十銭とすることにいたしました。これによって応募者の利回りは、従来の六分七厘九毛から一厘強引き上げられて、年六分九厘となろうと思います。それからさらに、昭和四十三年の——ことしの一月一日から昭和四十五年の三月三十一日までに発行される国債を、もし個人が取得したという場合には、その利子について別ワクの少額貯蓄非課税制度を適用しようということを考えております。額面金額の合計五十万円に限定するということと、非課税とする利子は発行後四回までの支払い利子とする。いまこういうことが私どもの考えておる内容でございますが、いろいろこの問題はむずかしい問題がございまして、七年までの利子免除という主張がございますが、こうしますと非常にこれは利回り的に大きい恩恵を与えるということになり過ぎますので、四回の利払いに限るという措置をとりたいと考えております。国債の発行条件を変えますと、当然国債と同じような立場にある証券、たとえば政府保証債以下の長期金利に影響が起こってくるのは当然でございますので、それらの条件改定の問題も関係当局間で検討しておるところでございます。しかし、長期貸し出し金利については、企業の金利負担を、これは過重することはこの際避けるべきでございますので、引き締めの効果が浸透しつつあることをも考えまして、現段階においては、長期の貸し出し金利は引き上げをしないという方針のもとに、長期金利の調整を行ないたいと考えております。 それから国境税のことについて御質問がございました。国境税というようなものの意見を、なぜ米国が考えておるかと申しますと、現行のガット規定によりますというと、どんなに大幅な黒字国であっても、事が間接税に関する限りは、税制改正を行なって、国境における税制の調整の範囲を拡大したりすることができるということになっておりますが、この点について、日本とかアメリカは、このEECのように間接税中心の国ではございませんので、非常に不利な立場に立っております。したがって、米国はEECに対して、そういうやり方はやめてくれいということをさんざん申しましたが、意見がいれられなくて、欧州はやはり依然としていまのような輸入制限措置をとる、しかたがないので、アメリカもそういう措置をとらざるを得ないという説明でございましたが、これは日米も同じ立場であるのだから、あくまて、EEC諸国に対して、そういう差別の撤回を迫るべきであって、それができないからといって、米国自身がやることは、非常に問題が多い。世界経済の縮小を来たすこと、いままでのケネディ・ラウンドの効果を全く無にするようなことを、米国自身はすべきではないというようなことを、ハワイ会談においても、私ども極力主張しておるところでございまして、米国も、このわれわれの主張も十分ハワイ会談でも聞いておりますので、この問題は、はたして踏み切るかどうか、私どもは、いまのところ、まだ疑問に思っております。米国の考え方も、いまのところ、確定しているのではないというふうに理解しております。 それから、IMFへかけ込むことになるのじゃないかというお話でございましたが、これをやりたくないために、私どもはいま苦労しているというのが実情でございます。で、御承知のように、英国にしろ、IMFに、いよいよ国際収支が行き詰まって、この資金繰りの世話になるということは、簡単なことではございませんで、国民に大増税の負担を負わせることを覚悟しなければ、これはできないことでございますので、私どもは、いままで資金繰りには、国際収支は赤字でございますが、資金繰りに苦労しながら今日まできましたし、もうこの引き締めの効果もようやくこれから出ようとしておりますので、国際収支の動向が変わりさえすれば、こういう資金繰りの世話にならなくて切り抜けられるのじゃないか、また、そうすべきだという考えのもとに、今回の予算編成におきましても、非常に苦労した次第でございまして、できるだけ、こういう事態にならぬことを念願して、今年度の経済運営をしっかりやろうというふうに考えております。 で、こういう時局でございますので、税金についてのお尋ねがございましたが、私は、本来は日本経済も、ことしあたりは増税をやっても、国債の発行を大きく削減するというのがほんとうの財政政策だと考えておりますが、なかなか、与党・政府の公約もございますし、国民の、中小所得者の負担の現状から見ましても、やはり所得課税最低限を十万円ぐらいは引き上げる必要があると考えまして、私どもは、あえて所得税の減税、一千億円以上にのぼる減税をやりましたので、その歳入不足を間接税に仰いだということはいたしておりますが、はたして、その程度の覚悟で、国際収支がよくなるかどうかということについては、私どもいま真剣に考慮しているところでございまして、できるだけいままでの効果、昨年来の効果が早く出てきて、国際収支の基調が変わってくれることを望んでいる次第でございます。したがって、今年度実質減税がないないといういろいろな御非難があるようでございますが、実質減税がある年ではないというふうに私どもは考えております。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 硬直化の問題につきまして、私が国民各層の議論を経てということを申しましたのは、何ぶんにも歴史の長い、関係者の多い諸制度でございますので、先走ってこの特定の案を出すといったようなことは、かえって事を破るゆえんであると、こう考えまして、昭和四十三年、四年にいわゆるコンセンサスに基づく改正が行なわれることが望ましいと、こう思っているわけでございます。現実にはそういう場がすでにいろいろなものについてできつつございまして、御承知のように、医療保険につきましては時間を切って抜本改正というものが検討されつつございます。それから中央、地方の行財政の調整の問題につきましては、地方制度調査会が今年半ばには財源の再配分の問題について答申を出されます。これによって初めて財源を伴う事務の再配分が可能になる、青写真ができるということになるわけと思います。 それから米価の問題につきましては、先般来農林大臣が新しく米価審議会を発足させて、そうして年に何日ということでなく、継続して随時この問題について、米価の問題について審議をしてもらいたい、こういうことを言っておられますので、ここにもそういう場が一つある、こういうふうに考えております。 次に、四・八%の消費者物価上昇の根拠を示せというお尋ねでございました。これにつきましては昨日も申し上げました。詳しいことは予算委員会等で申し上げたいと存じますが、前年度から持ち越します床と申しますか、この上昇した部分が三月になりませんとはっきりいたしませんが、おそらく四・八のうちで三以上ある——三ないし三・五あるのではないかと、こう考えております。したがって、年度内で許容し得る上昇は、それを引きましたたとえば一・五というようなこと、になるわけでございます。そこで、この消費者物価の上昇の見積もりは、一つ一つ積み上げ計算をするということがなかなかできませんわけで、いろいろな手法を使っておりますが、たとえば光熱費などにつきましては前年からの趨勢をそのまま延ばす、あるいはくだもの、野菜などについては五%ないし一〇%の平均で価格の上昇があろうといったような、いろいろな手法を用いておりますが、なかなか積み上げはむずかしゅうございます。 なお、この四・八%の場合、主食米の消費者米価は据え置くというふうに仮定をいたしております。それからたばこ、酒、鉄道運賃等、現在予定されておりますものはどのくらいになるかと申しますと、指数の上では〇・四ぐらいと考えております。で、できるだけここから便乗が生じませんように、関係閣僚にも協力を要請しておるところでございます。 何と申しましても、明年度の場合、総合予算主義をとり、そして、いろいろ御議論はございましょうが、財政が締まっていくということは確かと思いますので、この点は物価上昇の傾向に対していい影響を与えるであろう。しかし、四・八というのは、ただいま申しましたようなことで、なかなかきつい見通しでございます。これを安易にいたしますと、やはり私どもの態度が安易になりますし、便乗も誘いやすいということで、一番ぎりぎりのところを見ております。もとより肯定できないということは見通しに立てばいたしませんので、最大の努力をすれば不可能ではないという数字だと考えております。 それから、現在の状況をインフレと呼ぶか呼ばないかということにつきまして、これも委員会等で詳しく申し上げたいと思いますが、やはりインフレという状態は、特定の物、あるいは多くの物について、デマンド・プルかコスト・プッシュか、そのいずれかがあって、そして場合によっては換物運動が行なわれる、こういう状態を言うのであろうと考えます。そこで、幾つかの価格変動の著しい品物を具体的にとって考えますと、たとえば、土地であるとか、生鮮食料品であるとか、木材であるとか、綿糸であるとかいうものが考えられるわけでございます。このうちで土地については、これは確かにデマンド・プルがあるということはどうも否定はできません。造成部分についてコスト・プッシュがありますが、やはり需給関係がはずれておるということであろうと思います。これはまあ私ども土地というものを法的規制の対象にするという考えで、すでに先般御可決いただきました立法もございます。また御審議いただいております法案等もございますが、やはり、そういう基本的なことから問題を直していかなければならない。それには時間がかかることであります。土地については、したがって、現在、問題がやはり確かにあるというふうに考えます。その次に、生鮮食料品などについては、これは長いことデマンド・プルがあるという性質のものではございません。むしろ、あるとすれば、やはり一般的な労銀水準の向上から、どちらかといえば、コスト・プッシュがあると言うべきではありましょうが、まあ、そうたいしたウエートを持つものではなかろうと思います。木材につきましては、内需に関する限りは需給のはずれがあると思いますが、これは輸入という方法がございますので、輸入価格は累年上がってまいりますけれども、しかし、特にこれにまた大きなインフレ要因があるとも申しにくいと思います。綿糸につきましては、これは昨年わが国が初めて綿糸の輸入国になったわけでございます。これはやはり生産設備がないということではなくて、人を雇おうとする場合に、高い賃金を払っても、こういう種類の産業でありますから、なかなか雇いにくいということになってきたのではないか。したがって、コスト・プッシュとも一章えない。むしろ、発展途上国との間に国際的な分業が行なわれ始めるような、そういうところがあるのではないか。そういたしますと、これは輸入という形で片づくことになります。それでありますと、あまり需給関係ははずれておるものはございません。一般に重化学工業等につきましては、コスト・プッシュがあるかないかということは議論のあるところでございましょう。私は、一般にまだそういうものがあるというふうには即断しがたいと思いますので、したがって、結論として申しますと、わが国の状態をインフレとは見ていないということになるわけでございます。(拍手) 〔国務大臣椎名悦三郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(椎名悦三郎君) ホノルル会議は日米合同委員会の下部機構でございまして、ここでは具体的に問題を決議するという性質のものではない。両国に関心のある国際収支等の問題を中心にして、お互いに腹蔵なく話し合うという機会があるわけでございます。したがって、ものはさまったわけではございませんが、その際に、日米間の自動車問題も話に出たようでございます。で、わが国の自動車工業は、御承知のとおり、最近非常な進歩をいたしまして、昨年などはアメリカに次ぐ世界第二の生産台数をあげております。しかし、内容を分析してみると、だいぶアメリカなどとは違いまして、台数で第二位というが、しかし、乗用車は第六位。そして、御承知のとおり、非常に種類が多くて、したがって、各種類についての生産量が少ない、多種類少量生産。したがって、その企業の力というものも、だいぶアメリカの自動車会社とは非常な懸隔があるのでございます。いま、エンジンの自由化であるとか、そして、日本で組み立てて内地の市場で売られる、あるいは、自動車まるまるで自由化するというような状況になりますと、その力の差異が相当にございますので、相当打撃をこうむって混乱するという状況は、もう目に見えておるのであります。でありますから、今日の段階では、これはどうも国内産業を健全に守るという、これを育成するという点からいいまして、自由化に踏み切る段階ではない。ないけれども、やっぱりこの自由化の傾向というものは、これはどうも日本ひとりが孤立するわけにはまいりませんので、どうしてもこの大勢に順応していかなければならぬ。なるべく早く自由化に踏み切るという覚悟で大いに業界の指導をいたしまして、そして、ほんとうの力をつける。企業の合同であるとか、あるいは技術の開発であるとか、そういったような、あらゆる面において十分に競争力をつけまして、そうして自由化に踏み切るという必要があろうかと思います。それをただいまから、それじゃいつやるかというようなことは、これはまだかような席で申すべき段階に達しておりません。さような趣旨で、日本の自動車業界を指導してまいりたい、かように考えております。 それから、総理からお話がございました国連貿易開発会議、これはきょうから来月の二十五日まで約二カ月間、ニューデリーにおいて開催されていくのであります。百三十カ国が集まりまして、大会議でございますが、主として南北問題、すなわち、貿易の面で申しますと、特恵関税の問題、あるいは経済協力の量及びその条件といったようなことが、非常に熱心に論議され、そして、低開発国の主張というものがここにこう出てくると思うのであります。日本といたしましては、御存じのとおり、農業、中小企業というような低生産性の産業を内部にかかえておりまして、いわば、まだ先進国とは言えない、一部分においては、低開発国の面影をとどめておるというような状況でございますし、それからまた、財政力にもおのずから限度がある、しかし、何といっても、こういう低開発国の繁栄は世界の繁栄につながるわけでございますので、日本といたしましても、やはり相当の責任を持ってこの問題にあずかるということが必要でございますので、さような協力体制を十分に示してまいるつもりでございます。(拍手) 〔国務大臣灘尾弘吉君登壇、拍手〕
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答え申し上げます。 先ほどの御質問は、文教行政の貧困ということでのきびしい御批判、また御鞭撻と伺ったのでございます。私学が現在果たしております大きな役割り、また、人件費、物件費、設備施設の拡充等に要する経費の上昇に伴いまして財政難を告げておる、ひいては学生ないし父兄の負担が増加しておるということは御指摘のとおりであります。私ども重大な関心を持っておるところでございますが、御承知のように、臨時私学振興方策調査会の答申を得ております。財政の許す限りその実現を急いでまいりたいと考えておるような次第でございます。ひとり私学の問題だけでなく、文教行政全体を通じまして、私もまた決して十分ではないと考えております。われわれの今後の努力をますます強化してまいらなければならぬ問題と深く考えておる次第であります。ただ、過去十年間の文教予算の推移をごらんいただきまするならば、歴代の内閣が文教行政に重点を置いてきたということはお認めが願えるのじゃなかろうかと思います。決して十分とは申しませんけれども、重点を置いてやってきたということはひとつお認め願いたい。しかし、不十分な点につきましては、皆さまの御協力、御鞭撻のもとに一そう努力してまいるつもりでございますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 白木義一郎君。 〔白木義一郎君登壇、拍手〕
○白木義一郎君 私は、公明党を代表して、総理大臣並びに関係各大臣に質問をいたします。 今国会の再開にあたり、国民がひとしく期待していたことは、沖縄問題や原子力空母エンタープライズの寄港にからんで、国内への核兵器持ち込みに対する不安について、佐藤総理がどのように政府の立場を明らかにするかということでありました。この点について総理は、「核兵器の絶滅を念願し、みずからもあえてこれを保有せず、その持ち込みも許さない」と、その決意を披瀝しました。これに対し、木村官房長官は記者会見の席上、「総理の決意の表明は、核時代に日本国民が生きる道を示したある意味の非核宣言といえる決意を明らかにしたものである」と述べておりますが、佐藤総理も同じく非核宣言であると判断されているかどうか、お伺いいたします。 この非核宣言について、総理は国会での決議は必要ない旨答弁しております。中共を含めて対外的に、総理のいう三原則の効力を発揮させるために、いまこそ世界に向かって堂々と非核宣言をすべきであると思います。確たる御答弁をお願いいたします。 また、総理は核時代を迎えた今日、国民の前に、長期的視野に立って、核に対する具体的施策を明らかにすべきであると思いますが、所信をお伺いいたします。 次に、今回のエンタープイラズをはじめとする米原子力艦隊の寄港問題ほど、日本国民の平和への願いを裏切ったものはありません。公明党は、この寄港問題を核のなしくずし的本土持ち込みにつながるものとして重大視し、今回、初の二万人抗議大集会を開いたのであります。一方、数日間にわたる警官隊と学生の乱闘事件は、マスコミ関係者及び一般市民をも巻き添えにし、五百数十人に及ぶ重軽傷者を出したことは、まことに遺憾といわざるを得ないのであります。かかる状況に立ち至った原因は、一に政府が寄港を拒否しなかったのはもちろんのこと、その必要性について国民に納得のいく説明をしなかったという怠慢と誠意のなさに基因するものであります。かかる惨事を引き起こした政府はどのような責任を感じているのか、お伺いいたします。 次に、警備当局の過剰警備についてであります。一部過激的学生に対して佐世保市民は当初反感を抱いておりましたが、警官隊の過剰警備を見て、同情に変わったのであります。この無抵抗、無防備ではあっても、核を持ち込ませないという一般市民感情の強い盛り上がりがあったという事実を、総理は国政担当責任者として見のがしてはならないと思います。 政府は「日米安保条約上の義務を履行するという基本方針に何ら変化なく、今後も寄港の申し入れがあれば直ちに受け入れる」旨を国民に示しましたが、再度エンタープライズの入港時には、より以上の大惨事が繰り返され、混乱を呈することは必至であります。この点に対して、去る二十二日政府は、今後「このような混乱を起こさぬよう特段の反省と慎重な考慮が必要である」という統一見解を発表したが、その具体的なあらわれとして、もし寄港反対の国民感情が盛り上がれば、寄港を拒否することもあり得ると受け取ってよいかどうか、お答えを願いたいと思います。 また、エンタープライズの寄港に際しては、政府自体何ら確認せずして、米国側の核を持っていないという一方的言明のみを信じて、許可を与えたのであります。しかし、リー艦長は、「核装備の有無は米政府の政策によって答えられない」と語っており、核装備の有無の確認は何らなされなかったのであります。したがって、今後原子力艦船の入港に際して、政府は日本に核を持ち込ませないという協定をアメリカとの間に締結すべきだと思いますが、御意見をお伺いいたします。もしそれができなければ、一面では核を入れないと言っておきながら、他面では核兵器を入れる準備をしているというふうに国民は了解いたしますが、この点について総理の所信をお伺いいたします。 さらに、沖縄返還に関しても、総理はついに、核つき返還はないと明言しなかったのであります。これは沖縄の核つき返還を裏づけていると国民は理解しますが、重ねて総理の明快な御答弁をお願いしたいのであります。 次に、事前協議事項に関してでありますが、重要な配置の変更について、従来の政府の見解は、海軍の場合一タスク・フォース以上についてとなっておりましたが、去る二十九日の政府の統一見解によりますと、「一タスク・フォースか一タスク・グループであるかにかかわりなく、日本の港を根拠地としていると認定された場合に事前協議の対象となる」となっておりますが、これは政府の従来の態度が大幅に変更されたと見られますが、いかがでしょうか。この論でいう一タスク・フォースとはどのようなものであるのか。たとえば平時と戦時とは編成上格段の相違があると思われますが、その編成の単位、戦闘能力、編成人員等具体的な編成の内容について、今日まで国民に知らされておりませんが、この際明確に示していただきたいのであります。 次に、戦闘作戦行動についてでありますが、政府は「米軍が日本を離れる際に、戦闘作戦命令を受けていた場合をさし、日本の基地から爆撃に出動したり、上陸作戦が行なわれる場合」に事前協議の対象となると、今回統一見解を出しましたが、日本から発艦し、発進した航空機や艦船が、今日のプエブロ号事件のごとき不慮の事態が発生し、万が一戦闘行為に移った場合でも、事前協議の対象とはならないとするのかどうか、明快なる御答弁をお願いいたします。 また、戦闘作戦行動とは、米軍が日本の基地から爆撃に出動したり、上陸作戦を行なったりする直接攻撃行動の場合のみをいうのか。戦闘作戦行動には、支援作戦とか、補給作戦、哨戒等は含まれないのかどうか、具体的に御答弁願いたいと思います。 次に、ベトナム問題についてお尋ねしますが、政府は、核のなしくずし的持ち込みにつながるエンタープライズの入港を許可し、昨年末の日米共同声明で、北爆支持を行なったことは、明らかにアメリカのベトナム作戦を支持したという認識を国民に与えております。これは総理が、「わが国としても平和実現のためできるだけの努力を続けてまいります。」と述べられていることと明らかに矛盾しているのであります。もし政府が真にベトナム和平を望んでいるならば、すみやかに具体的な行動を起こすべきではありませんか。あるいは国民に対して、この矛盾を納得させるように、説得力ある説明をすべきであると思いますが、いかがですか。 さらに、旧正月停戦も返上し、予備役までも召集し、南ベトナム全土に戒厳令もしかれ、ベトナム戦争はますます激化の様相を呈しております。この現状から見て、米軍が十七度線を越えて北ベトナムに上陸することも十分に考えられますが、もしこのような事態が発生しても、アメリカの北ベトナム作戦の支持を続けるという、従来の政府の態度に変更はないのかどうかお答え願いたい。 次に、中共問題であります。政府は、昨年末の日米共同声明の中で、中共の核の脅威を確認しましたが、その意味は、中共の核について脅威を感じているのか、それとも中共自体を根本的に敵と見ているのかどうか、すなわち、アメリカの敵は日本の敵とするのか、総理の明快なる答弁をお願いしたいのであります。 さらに核拡散防止条約についてお尋ねいたします。まず、今回の米ソ等の新草案は、若干の手直しが加えられましたが、本質的には米ソなどの核保有国に有利なものであり、非核保有国の安全についてはなお完全な保障とならず、全面核軍縮にほど遠いものであります。それにもかかわらず、ジュネーブ軍縮委員会から国連に提出され、目下調印の運びとなっております。政府はこの不平等条約に賛意を表しておりますが、調印に参加する用意があるのかどうか、また今後、外交的にどう対処していくのか、具体的方針を示していただきたいのであります。また、中国及びフランスの参加しない交渉はおよそ理屈に合わないものでありますが、そのような条約でも、政府はほんとうに新草案の内容に満足しているのかどうか、また、この調印が真に世界平和に寄与すると考えているのかどうか、あわせてお伺いします。 次に、沖縄の一体化について伺います。総理は、施政方針演説の中で「沖縄の祖国復帰までの間、本土との一体化施策を進め、教育、経済、社会、文化などの各面で本土との格差を是正する」旨強調いたしましたが、真の本土との一本化とは、沖縄九十五万の住民の人権を守り、福祉を増進し、内地水準並みに早く戻すことこところにこそ、その意義があります。総理の言う一体化とは、まさか警察権力の一体化ではないと思いますが、具体的に政府の言う一体化の青写真を明らかにしていただきたいのであります。 次に内政問題についてお伺いします。 総理は施政方針演説の中で、「政治に携わる者は、国民の代表者たるにふさわしい道義感のもとに行動し、清潔な議会民主政治を確立して国民の政治に対する信頼を高め、その負託にこたえなければなりません。」と述べておられますが、清潔な議会民主政治の確立を妨げている元凶は、実に政治資金に対する政府自民党の意図のずさんさにあります。佐藤内閣発足以来、今日まで黒い霧の晴れたためしはなく、先国会もタクシー汚職をもって幕を閉じたのであります。にもかかわらず、政府自民党は、この政治資金の規制に対して何らの誠意を示さなかったのであります。本国会において提出する政治資金規正法の改正案が前回の改正案よりも大幅に修正、後退したものと聞いております。少なくとも、答申に基づく政治資金規正法の改正こそが真に国民の信頼にこたえる道であると思いますが、総理はいかに考えているか、お伺いしたい。 次に、教育問題についてお伺いします。灘尾文相は、一日分の国は自分が守るという国防教育を小学校のときから行なうようにしたい」と発言しておりますが、これは佐藤総理の自主防衛を強調した直後でもあり、沖縄返還問題とからんだ政府自民党の心の奥底にひそんでいる再軍備、核装備による防衛キャンペーンであるとの疑問を強くいたしますが、いかがでありましょうか。国の安全、平和国家を考えない国民は一人としておりません。それを知りながら国防教育を意図することは、軍国主義教育の復活にほかならないと思いますが、どうでありましょうか。およそ教育こそ国家の盛衰を左右する根本の問題であります。核開発された現時代の国防は、軍備だけで解決される問題でないことは御承知のとおりであります。政治、経済、文化、科学技術等のすべての面よりの民族の総合力の結集こそ、おのずと国力を決定するものであります。簡単に国防意識の高揚などと、安易な気持ちで論ずべきではないのであります。いまこそ大切なことは人間性の開発であり、民族の創造力の再開発のできる教育行政を実施することこそ、国防教育より急務ではないかと思いますが、総理の今後の教育行政に対する所信をお尋ねしたいと思います。 次に、政府は、四十三年度予算案については、景気抑制型予算であると自画自賛しておりますが、予算編成をきめる段階においては、米国のドル防衛措置等は考慮外であり、国際経済環境が急激に変化したにもかかわらず、予算編成の骨格は何ら変更することなく進められたのであります。政府は、新年度予算は景気抑制型であるとしているが、前年度と比較すると、実に一四・四%の伸び率となり、四十二年度の伸び率とそう大きな開きはありません。政府は、四十二年度予算をアクセルに足をかけた中立型だと宣伝したのでありますが、経済推移を見ると、財政の大型化が上り坂にあった景気を刺激し、景気の行き過ぎさえ招いてしまったという前科があります。ゆえに四十三年度も、一般会計規模を小さく見せるために、国立病院会計を一般会計からはずし、特別会計に移すなど、小手先のテクニックが隠されております。さらに、政府の景気調整策がその効果をあげていない経済の実情から見ると、抑制型というよりは、むしろ景気刺激予算と思われます。また、財政投融資計画についても同様であり、大蔵原案の段階においては、前年度に比べて一〇・四%の増加と、低目に押えていたにもかかわらず、政府案においては一三%と伸びてしまったのであります。これはまさに景気刺激の要因を一つふやしたと思うのであります。こう考えると、新年度予算案は、すでにきびしい国際経済に対処する景気調整の機能を失ったものと思われます。とすれば、今後、金融面においても引き締めが予想されるが、どうか。また、そうなれば、公定歩合の三度目の引き上げを考えているのか、総理及び大蔵大臣にお伺いしたいのであります。 また、景気抑制を目標に掲げながら、予算の一割以上の六千四百億円という国債発行を予定していることは、景気刺激、インフレ財政の本質であります。これは明らかに政府与党の政策の矛盾を暴露した何ものでもありません。(拍手)すでに、多量の国債発行により、市中金融を圧迫し、国債は発行価格を大幅に割り、二月から発行価格を五十銭引き下げて九十八円十銭にすることに大蔵省、日銀が合意に達し、発行条件の改定を迫られる段階に追い込まれたことは、国債発行の歯どめにぶつかったことになり、当然国債の財政依存度を大幅に引き下げるべきであると思うが、総理、大蔵大臣の御所見を伺いたいのであります。また、新年度は六千四百億円の国債発行にとどまったが、今後経済不況に当面すると再び国債を増額するのかどうか。 次に、経済見通しについてお伺いいたします。四十三年度の国際収支の見通しについては、米国のドル防衛策の影響等を十分織り込まないのみならず、戦後二十年にわたるドル、ポンドを基軸としてのIMF体制が根本的に激動し、国際金融関係は崩壊しかねないきびしい環境の中で、政府は、海外の経済情勢の変動を国際収支面でたった一億ドルしか影響がないと見ていることは、全く甘い判断と言わざるを得ません。少なくともこの影響は二億五千万ドルから三億五千万ドルと予想され、総合収支の赤字は、最低六億から七億ドルの赤字になりはしないか。かように判断すると、四十三年度の経済見通しは根本からくずれるのではないかと懸念されますが、この点について政府の明快なる見解をお伺いいたします。 また、四十三年度は、輸出目標額百二十一億五千万ドルとなっており、対前年度比率は一五・三%増加となっております。従来、わが国の不況時の輸出弾性値が高いのは、いわば国内経済と海外経済のすれ違いに恵まれていた結果であります。だが、四十三年度の場合は、米国のドル防衛強化、世界景気のデフレ化という可能性も十分考えられ、わが国と世界景気の波が重なり合う危険性が多分に予想されるのでありますが、四十三年度の輸出目標達成への自信があるのかどうか、お伺いしたいのであります。 次に、財政硬直化打開についてお伺いいたします。財政硬直化の打開は、本予算案の重大な要素であったはずですが、結果は、それらに逆行して、ついに硬直化にさらに硬直を加える新要因をつくったのであります。恩給費の強引な引き上げ、そうして再軍備につながる国防費の増額等は、財界や圧力団体の力ずくで強引に引き上げられ、財政支出は大きくふくらんで、一段と硬直化に拍車をかける要因をつくる結果となったのであります。これら財政硬直化の是正は全くの空文に終わっているのでありますが、公社、公団の整理、一局削減等、鳴りもの入りで宣伝したが、政府はどのような手を打ち、予算面にどう反映させたのか、お伺いいたしたい。 次に、物価問題についてお伺いいたします。本年度予算案は、消費者米価のスライド制の採用、酒、たばこ、国鉄定期代の値上げ等、公共料金を中心とした政府主導型物価引き上げ予算と言わざるを得ません。政府が消費者物価上昇率を四・八%に押えるというが、すでに本年に入って約三%上昇しており、このテンポでいくと、政府は実質上昇率一・三%から一・五%にしなければなりません。政府はほんとうに責任を持ってこの範囲内に物価上昇を押える自信があるのかどうか。また、卸売り物価についてでありますが、引き締めにもかかわらず、昨年五月以来、上昇の一途をたどり、十二月の指数は一一〇・八%となっているのであります。この分では、四十二年度政府見通しも二・三%を上回ることは確実であります。四十三年度の最大の課題である輸出振興の足を引っぱり、消費者物価上昇へ拍車をかけることは必至であります。政府の物価対策は看板に偽りありと思うが、新年度の物価対策はどうなったのか、具体的にお伺いいたします。 次に、減税問題についてお伺いいたします。政府は物価抑制も中途はんぱ、一千五十億の減税をしたものの、中身は酒、たばこ等の間接税引き上げで実質減税ゼロとしたことは、明らかに露骨な国民不在の政治の姿であります。間接税は一種の大衆課税であり、低所得者層にとっては大きな増税となります。わが国の国民所得が上昇したとはいっても、まだ国民一人一人の所得は諸外国に比べて低く、二十七番目の低位にあります。しかも、わが国の税金ははなはだ重税となっているのであります。物価高の今日、政府はすみやかに標準五人家族で所得百万円までの非課税を実施すべきでありますが、総理、大蔵大臣はどのように考えているのか、伺いたいのであります。 次に、住宅政策についてお伺いいたします。当初、建設省が要求していた五十三万戸を大幅に割り、四十九万六千五百戸としてしまったことは、政府の公約である一世帯一住宅を実現するという住宅建設の前途は、暗礁に乗り上げてしまったと言っても過言ではありません。明らかに国民は絵にかいたもちに踊らされていると言わざるを得ないのであります。わが党、年来の主張である公営を中心とする一世帯一住宅を実現するために、現在の民間自力と政府施策建設の六対四の比率を四対六に改め、これに必要な建設費を確保することこそ、政府の公約を実現する道だと考えておりますが、この点についてお伺いいたします。また、公営住宅建設用地として公共用地を大量に開放する方策を強力に推進すべきであると考えるが、政府の見解を示していただきたいのであります。 次に、社会保障政策についてお尋ねいたします。財政硬直化の名のもとに社会保障費は、総予算の一四%に圧縮されておりますが、例年その伸び率は一五%から二〇%であったのが、本年は前年度に比べ一〇・三%と大幅に後退してしまったが、その根拠をまずお尋ねしたい。 また、生活保護費については、四十三年度の経済見通しの個人消費率一四%はおろか、昨年度の保護基準一三・五%にも劣る一三%にとどめたことは、まさに総理が言うところの人間尊重、福祉国家の提唱とは全く逆方向と言わざるを得ませんが、この点についてお聞きしておきたいと思います。(拍手) さらに、児童手当についてお伺いしますが、佐藤総理はじめ歴代の厚生大臣は、四十三年度実施を公約したにもかかわらず、本予算案に計上されておりません。これは明らかに政府の公約違反であり、国民を欺く政府の姿が露骨に示されたものと断言せざるを得ません。政府はこの公約をどのように考えているか、明快な答弁をお願いいたします。 最後に、万博関係についてでありますが、現段階になって用地の未買収地が六千坪もあり、また会場周辺の道路建設工事の進捗状況が非常におくれておりますが、総理はこの国家的事業に対して本気になって取り組んでいらっしゃるのかどうか。また、地元では財政上の負担圧迫に悩み、地元民の直接関係のある住民福祉につながる予算の削減が大幅に実施されようとしております。政府はさらに財政援助を行なう考えはないかどうかお伺いして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 たいへん多岐にわたり、重要な問題についてお触れになりました。あるいは詳細にはこの席ではお答えができないかわかりませんが、さような点がありましたら、他の機会に、他の場所におきまして十分究明していただきたいと思います。 まず第一に、核政策についてのお尋ねであります。核政策につきましては、しばしば申しますように、日本は核武器を製造しない、持たない、持ち込まない、いわゆる三原則をはっきり立てております。また核軍縮にも努力する、かように申しておりますし、そのために日本自身が安全保障条約を必要とすると、このことも説明いたしました。しかし平和利用の点では一そう積極的にならなければならないということをしばしば申し上げております。で、これが一つの非核宣言であるかどうか、かように申されますが、この上国会での宣言を必要とするのではないかというお尋ねであります。私は、以上の政府の所信、方針を明確に声明しておりますので、ただいまそれより以上、いわゆる宣言というものは、ただいま必要がないのではないか、かように考えております。ことに中共に対してこういう点をはっきりさすべきではないかという公明党の御主張でございますが、私は、中共に対してだけではございません、世界各国に対しましてわが政府の方針、これをはっきり明示しておりますので、この点では誤解のないようにお願いいたします。 次に、持ち込みについて許される核とは一体何か、こういうお尋ねであります。これはもちろん核弾頭は、これはもう議論のないところでございます。さらにまた中距離ミサイル等のごとく、核弾頭の装着用の装備、これも持ち込みはしない。さらにまたミサイルの基地のような核装置の使用にもっぱら使われる基地の設定、これも私はしないということであります。以上三点を明確にいたしておきます。 次に、エンタープライズの問題につきまして、これはなしくずしで核の持ち込みをするのではないかというような疑いを持たれるようであります。私はこの席におきまして政府の所信を明確にいたしておりますので、その範囲に御理解をいただきたいのであります。ただいま申しますように重ねて申しますが、核の持ち込みは許さない、これをもうはつきり申し上げておきます。 そこで、一部の学生の暴挙でございます。これにつきましては、国民からもたいへん批判があります。また一部の国民からは、あるいは警察の行き過ぎではないか、こういうような批判があることも私は耳にいたしております。しかし、私自身は、政府はどういうように考えておるかと申しますと、どんな場合でも暴力行為は許せない、また、どんな場合でも社会秩序の破壊は、これを守らなければならない、これは政府の責務である、警察の任務である、かように私は考えております。したがいまして職権を扱うにしても、節度のあることは必要でございます。望ましいことであります。今回の佐世保事件につきましては、私はつぶさにその結果を調べておりますが、行き過ぎはなかったようであります。私は、そういう意味でこれははっきりと申し上げておきます。 次に、事前協議の対象になる点、入港が事前協議の対象とならないような場合には、政府は一体どう考えるかということであります。これについては、入港を拒否する考えはございません。したがいまして、国民もこの点を十分理解していただいて、国民は反対すれば政府が引っ込むんだ、かようにお考えにならないで、こういうような筋のあること、これは国民の盛り上がり、反対ということは私は避けていただきたい、かように思います。御指摘になりましたように、こういうような事態が起こり、こういう混乱が生ずるようなこと、それについては政府自身が、国民が納得のいくようにさらに積極的に説明すべきではないか。この点はお話しのとおり、私どももさらにこのPRにつきまして努力するつもりでございます。このことは、御指摘がございましたので、特に注意してまいります。(「国民は反対だ」と呼ぶ者あり)私は、今回の事件について国民が反対反対と言われますけれども、国民の大多数の者が支持している。このことをはっきり申し上げておきます。(「アメリカ追随だ」と呼ぶ者あり)さような認識で政治はいたしておりません。はっきり申し上げます。 次に申し上げますが、事前協議並びに戦闘作戦行動云々についてのお尋ねがございました。これはたいへん技術的な問題でございますので、担当関係大臣から説明さすことにいたします。 次に、ベトナムの問題でありますが、ベトナムの紛争、これはもう世界的な世論でありまして、できるだけ早く平和が招来されるように、かように申しておりますので、私どももその意味においての努力は、もちろんいたします。しかし、ただいま私どもが行なっておること自身が、アメリカの政策に対して積極的な支持をしておる、こういう御批判は当たらないのであります。私どもがただいまいたしておりますことは、日米安全保障条約に基づく義務を私どもが果たしておる、この点は、はっきり区別してお考えをいただきたい。また、これは北ベトナムに上陸する、こういうようなことはないのか、こういうようなお話でございますが、米軍自身が侵略的な意図を持っておりません。南ベトナムの要請によりまして、ただいま北方からの浸透に対処しておるのが現状でございます。したがいまして、北ベトナムに上陸するというようなことは考えられない、私はかように思っております。 次に、中共の問題についてお尋ねがございました。中共が核兵器の開発をしたということに対しまして、私どもは、しばしばその爆発を行ないますたびに、遺憾の意を表しております。隣国のことでありますし、ただいま、この中共が核兵器を持つということに日本自身が無関心でおられないのは、私は当然だと、かように思います。しかし、私ども日本は、戦後いわゆる平和国家として、いずれの国とも共存関係に立とうといたしております。そうしてお互いに独立を尊重し、内政に不干渉、干渉しないという原則のもとにおいて仲よくしようということが、平和国家の日本の行き方であります。したがいまして、中共だけではございません、いずれの国に対しましても、いわゆる仮想敵国というような考え方は持っておりません。これは日本の平和国家たるのゆえんでございます。どうかこの点におきまして、すべての国が、日本のあり方について十分理解していただきたいと思います。また、公明党の方も、たぶんこの中共の核開発については無関心だ、こういう状態ではないだろう、私どもと同じ立場だろうと思います。 次に、核拡散防止条約について、るるお尋ねがございました。この点は外務大臣に譲りたいと思います。 次に、沖縄に対しまして、沖縄が祖国復帰すること、まず、その祖国復帰について最善の努力を払いますが、復帰が実現するまでは内地との一体化をはかる、この考え方でございます。これは御指摘になりましたように、警察だけ一体化するという、そんなけちなものではありません。申すまでもなく、教育、経済、社会、文化、あらゆる面におきまして、内地の水準に沖縄の住民の生活を引き上げていく、これが私どものねらいであります。したがいまして、今度設置されます日米琉諮問委員会、これなぞは積極的にこの点と取り組むつもりであります。誤解のないようにお願いしておきます。 次に、政府の政治姿勢として、政治資金規正法にお触れになりました。私は、申し上げるまでもなく、前国会の経緯もございます。今度はああいう不始末、ああいうような状態にならないようにぜひ成立さしたい、かように考えておりまして、その成案を得次第国会に提案いたしますので十分御審議をいただくようお願いいたします。 次に、教育の問題であります。私は一国の総理として、国民にその国を守れ、その国を愛しろということを呼びかけるのは当然の責務だと思っております。どうも戦後、とかく国家というようなことを言ったり、愛国というようなことを言うと、昔の軍国主義につながるのだという反撃がございまして、ただいまこれが禁句になっております。しかし私は、かようなことがあってはならないと思います。いずれの人も自分の家庭を愛し、家庭を守る、国民はすべて自国を守り、自国を愛する、かようにあるのが私は当然なことだと、かように思っております。(拍手)したがいまして、ただいまこの愛国、これを申したり、あるいは独立の気概を持てとか、かように申しますと、一部で再軍備、あるいは核装備への事前のキャンペーンではないか、かように言われます。しかし、私はまことに残念に思います。かようなものを混同するような私ではございません。私は、はっきり申し上げておきますが、ただいま新憲法のもとにおいて、私どもは平和国民として立ち上がっております。この点ではっきりいたしております。また先ほど来、核についての私どもの認識、私どもの考え方も明確にいたしておりますから、どうか公明党の諸君も、ただいまのような御心配をなさらないで、政府自身を御鞭撻賜わりますようにお願いをいたします。また、教育に対する考え方は、これはすでに私の所信表明でも明らかにいたしております。また、先ほどは文部大臣からもお答えいたしております。重ねてお答えいたしませんが、どうか御了承をいただきたいと思います。 次に、この予算の問題についてのいろいろの御批判がございました。大蔵大臣から詳細についてはお話をいたしますが、二、三気になります点を申し上げておきます。 今回の予算がたいへん大型化の予算だ、かように言われますけれど、今回はさような大型化の予算ではございません。十分抑制的な効果をあらわすように、今回の予算を組んだつもりでございます。いずれその詳細については、委員会等におきまして十分御審議をいただきたいと思います。 また、公定歩合の点についてもお触れになりましたが、大体公定歩合というようなものは、経済の動向というそれを見て、そうして公定歩合を上げるとか下げるとかいうことをきめるのが日本銀行の仕事でございます。そういう意味で、この際に私がこれについてお答えするのは当を得ない、かように思っておりますから御了承いただきたいと思います。 また、公債の依存度は、御承知のように、今回引き下げたつもりでございます。さらにこの上引き下げろと、かような御意見であろうかと思いますが、これはやはり財政の需要度というものとも十分考えなければなりませんし、また、税のほうに、あるいは増税が可能であるかというようなこともありましょうから、これらの点を全部勘案して、しかる上で考えなければならない問題でございます。 国際収支の見通しについて、るる数字をあげてお話がございました。確かに私どもも楽観はいたしておりませんし、また、見通しを立てた以上、そのとおりになるようにいろいろとくふうはいたしますけれども、事柄の性質上、なかなか思うようにできない点もあります。しかし、今後のこの四十三年において最も力を入れるべきものは、国際収支の動向であります。そういう意味におきまして、絶えず注意をしてまいるつもりでございますし、総合的に対策を立てるつもりであります。まあ、そのためには、何といいましても、国民の協力を得なければならないと思います。これらは、数字も担当大臣からお答えをいたさせます。 また、輸出達成につきましても、このたびは相当大きな数字であります。一六%も伸ばすということ、これはなかなか困難でありますが、また、各国とも輸出に力を入れるだろう、そういう際でありますだけに、産業界の奮起、協力を心から望みますし、私どもが金融的に、あるいは税制の面で特別なくふうをするなぞも、輸出がやりやすいように、この上とも考えてまいるつもりであります。 また、財政の硬直化につきましては、後ほど大蔵大臣からお答えすると思いますが、もうこれはたびたび申し上げましたので、重ねて私が説明する労を省かしていただきたいと思います。ただ、国防費や恩給費についてのいろいろ具体的な御批判がございました。恩給費は、これは別にふやしたというものではありませんし、他の支出との関連上均衡をとる、調整をとる、というものでありますし、国防費自身も、いわゆる第三次防衛計画の年度割りにいたしますれば、もっと増額すべきような数字にもなろうかと思いますが、特に私どもは、今回の状態から、この防衛費につきましても抑制的な態度をとったつもりであります。 また、今回の予算は物価の値上げの予算だという、実はひどい批判を受けております。確かに、国鉄の定期運賃その他の、一部、酒、たばこ等も値上げをいたしますので、これはその意味においては値上げの予算であるというような批判も当たるかと、かように思いますけれども、これらの値上げは現段階におきまして緊急やむを得ないものでありますし、かつまた最小限度の引き上げであります。したがいまして、御了承をぜひお願いしたいと思います。また、予算そのもののたてまえは、長期的に見れば必ず物価は鎮静する、そういう形のものであります。ことに、おあげになりました卸売り物価なぞは、この予算が守られて十分効果をあげれば、必ず卸売り物価は鎮静してくるものだ、かように私は考えております。 さらにまた、四・八の消費者物価の問題でございますが、これも、しばしば経済企画庁長官が説明いたしますように、なかなか簡単な問題ではありません。したがいまして、総合的に十分対策を立てていき、油断はならないものだ、かように思っております。 次に、減税問題についてお触れになりました。全体としては水田君からお答えをいたさせますが、例の百万円公約事件につきましては、私はしばしば申し上げておりますように、政府は、苦しい中におきましても、低所得層のために、中小所得者のために、この百万円まではぜひとも減税をするように努力したい、かように考えております。その一歩として、ことしも千五十億の減税をいたしたわけであります。 次に、住宅問題についてもお尋ねがありました。私は、一世帯一住宅、この問題をあらためてもう一度確認をし、今日政策としてこれを堅持しておるということをはっきり申し上げまして、今回の予算におきましても、その意味で特に増加したことは御承知のとおりだと思います。また、公営住宅建設用地として公共用地を開放することという御指摘がありました。これは私最もたいへんないい事柄だと、かように考えますので、今後十分前向きでこれを検討してまいることにいたします。 社会保障全般についてのお話がありましたが、社会保障は、詳しくは厚生大臣からお答えいたさせますが、いわゆる今回の予算におきましても、社会福祉関係の予算は一三%以上でありまして、いわゆる平均率一一・八%の伸び率から見ますると平均以上であり、ここに私どもが考え、特に留意したということを御了承いただきたいと思います。 交通安全対策あるいは公害対策等も、前年度に比べまして倍額近い予算が計上せられておりまして、この点では、いわゆる私の人間尊重、社会開発、さような意味の予算が立てられておるということを御了承願います。 次に、児童手当につきまして今日なお懇談会が結論を出しておらないこと、したがいまして、これを制度化することができないことをまことに残念に思い、また申しわけなく思います。しかしながら、今日わが国の税制の面から見ますると、いわゆる児童手当とも考えられるような一部のものがございます。扶養手当制度であるとか、あるいは税法上扶養控除であるとか等の制度がございますから、ただいまの懇談会の結論はおくれてはおりますけれども、これが出ましたら、できるだけ早期にこれを解決するようにいたしたいものだと、かように考えております。 最後に、万国博覧会についてお話がありました。さすがに万国博覧会——日本万国博覧会、しかも、地元の方といたしまして多大の御関心があるようでございます。私は、これは椿君にもお答えをいたしましたように、万国博覧会は必ず成功さす、したがいまして、モントリオールに負けないような規模で参加国も招請もし、同時にまた地方の方々のしあわせになるような意味におきまして、国庫負担もいままでにないような、建設には三分の二というような援助をいたしておりますし、またその他におきましても、地方住民の負担にならないように、融資、起債等いろいろくふうをいたしております。この上とも御協力を得まして、ぜひ成功さすようにいたしたいと思います。 ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) 白木君のお尋ねは、事前協議についてお尋ねがありましたが、事前協議——いわゆる安保条約の交換公文にいう事前協議の中で、軍隊の配置というのには、やはり陸海空とも一定の、一つのユニットがあるわけで、陸の場合は一個師団以上、海の場合は一機動部隊以上、また空の場合は一航空師団以上という軍隊の配置が事前協議の対象になるわけであります。ただ寄港するということでは、これは事前協議の対象にはならない。そうしてお尋ねのありました海の場合でありますが、一機動部隊というものの内容でありますが、任務によってこれは異なりますが、普通、一機動部隊は五つの航空母艦、それがまた五つのこの機動群といいますか、タスクグループと言われておりますこの群に分かれて、その五つのグループには、航空母艦とこれを護衛するための三、四隻の駆逐艦、あるいは攻撃機、偵察機、戦闘機など、六十機から百機まで、こういうこのタスクグループが五つ寄って、そうしていわゆる機動部隊ということになっている。これが配置される場合には事前協議の対象になるということでございます。また、作戦行動については、単に補給であるとか哨戒ということが、事前協議のいう作戦行動ではなくして、直接戦闘を目的とした作戦行動に、日本の施設区域から出発をする場合には、事前協議の対象になるということであります。 それから核拡散防止条約についてお尋ねがございましたが、核拡散防止条約について、日本の政府は、核保有国も核軍縮をやるという意図を条約の中に明白にしなければいけない。核を持たない国の安全保障の問題というものが考慮されなければいけない。また、原子力の平和利用についての機会均等というものが保障されなければいけない。こういうことを日本の政府は主たる主張といたしまして、関係国と協議をしてまいったので、相当に日本の考え方というものも条約の中に取り入れられておる。先般ジュネーブの十八カ国軍縮委員会に提出された米ソ案の中には、相当日本の考え方も取り入れられております。ただ、非保有国の安全保障という問題は、これはこの条約の中に取り入れられることは無理だと、私も考えておったのであります。何らかの形で、国連の決議等を通じて、こういうことが保障されなければならぬということを最初から考えておったのであります。これは今後の検討に待たなければならぬが、大体日本の言っておったようなことが相当取り入れられております。しかし、調印するかどうかということは、これは最終的にどういうことになるか、まだ軍縮委員会でいろいろと討議されておるのでありますから、この原案が修正を受ける場合もございましょうし、条約の最終案を見て、各国がいかなるこの条約に対して態度をとるか、各国の態度等も検討して、これに対する最終的な政府の態度をきめたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 景気を調整するという観点から見て、ことしの予算編成は少し甘くはないか、景気刺激的ではないかということを中心にした一連の御質問でございましたが、私は、ことしの予算をそう甘いものとは考えておりません。予算総額の規模も、三十九年という例外の年を除いては、ここ十数年来最低の伸びでございますし、また、財政投融資の伸びの一三%が多いというお話でございましたが、過去十年間の平均は大体二〇%の伸びで、多いときには二八%近いというのが実情でございましたが、一三%という数字は、ここ十数年来の最低の伸び率でございまして、そう多いものとは考えません。で景気に一番関係のある政府関係の事業費でございますが、一般会計における公共事業費と歩調を合わせて、公社・公団の政府関係事業費も、六%増を中心とした非常な抑制のしかたでございます。したがって、国民経済計算上における中央・地方を通じた財政支出というものは、一一・七%ということでございまして、これも総支出の伸び率よりもずっと下回った数字でございますので、したがって、この予算が景気を刺激するようになっているというふうには、いまのところ考えておりません。 それから社会保障費が減っているというお話でございましたが、今年度の社会保障費の総額は約八千百五十億円でございますが、これは前年度より相当大幅に伸びております。ただ、伸び率の計算をいたしますと、御指摘のとおりの数字になろうと思いますが、これは本年度国立療養所を特別会計に移すということをやりましたので、もしこれを移さなかった場合はどうかというふうに基礎を同じにして考えますと、昨年度よりは決して後退しておりません。 それから税金についてのお話でございましたが、国際経済を背景にした日本経済の現状と、特に国際収支という問題を控えた現状から申しますというと、私は遺憾ながらことしは実質の減税がむずかしい年であるというふうに考えております。各国の行き方を見ましても、OECDの昨年の一年の伸び方は、成長率は約三%でございます。しかも「増税をドイツあたりはここ数年にわたってやるというようなことでございますし、日本が外国の二倍、三倍の伸び率を確保しながら、国内において減税がまだ行なわれ、しかもそのために国際収支の金繰りに困って国際協力を求めるというようなこともなかなかむずかしいことでございますので、自分の力で、自分の政策によってこの事態を切り抜けるよりほかしかたがないと思います。そういう意味におきまして、私は、実質減税ゼロということについての御批判がございましたが、むしろ国民に率直に実質減税がむずかしい年であるということを私どもは積極的に訴えたいとさえ考えておるところでございます。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 本年、少なくとも前半、アメリカが相当好景気であることはほとんど間違いないと思われます。それからドイツとフランスは、年内にずっと立ち直ってくると考えられますので、国際信用に多少の不安はありますけれども、わが国が一五%の輸出を増加するということは私は決して不可能ではないと思います。ただ、そのために、国内の財政金融について、そのときどきの局面に応じた、一本調子でない運営をする必要があろうと、こう思っております。 それから物価につきましては、消費者物価は先ほど成瀬議員に申し上げましたところを御参照いただきたいと存じます。卸売り物価につきましては、確かに人手不足の問題もございますけれども、何といっても総需要が締まってまいりますので、これは私、見通しで見たところで多少の余裕があるのではないか、こう思っております。(拍手) 〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
○国務大臣(園田直君) お答えを申し上げます。 昭和四十三年度の一般会計予算内における社会保障関係の予算の伸びは、前年度に比して御指摘のとおり一〇・三%になっておりますが、これは御承知のとおり、国立療養所一般会計三百数十億を特別会計に移行いたしまして、本年度よりは一般会計からの助成分二百五億を計算しておりまするから、これに百数億を計算いたしますると、実際は一二・四%の伸びになるわけでありまして、一般総額の前年度の伸びの一一・八%と比較いたしますると、きびしい財政ながらやはり社会保障関係を重要施策の一つとして配慮したことは御了解を願いたいと考えます。 次に、生活保護費の問題でございまするが、生活保護費は、国民生活の向上の度合い、物価上昇の度合い等を考慮いたしまして、一般世帯の消費水準に見合って改善をしてまいりました。四十三年度もこれを考慮いたしまして二二%に引き上げたわけでありますが、一級地東京付近での標準四人世帯の生活保護の額は、昨年は二万三千四百五十一円であったのが、今年度は二万六千五百円になっておりまして、初めて三千円を上回る引き上げをやったわけであります。なおまた、これに教育手当、住宅手当等も引き上げを考慮いたしておりまするので、実質はがまんをしていただく程度の、生活保護の引き上げには相当な重点を置いたものと考えております。児童手当につきましては、総理から言われたとおり、懇談会の結論を得まして早急に実現したいと考えております。(拍手) —————————————
○議長(重宗雄三君) 向井長年君。 〔向井長年君登壇、拍手〕
○向井長年君 私は、民主社会党を代表して、総理の施政方針並びに外交、財政経済演説に関連して若干の質問を行なわんとするものであります。 私は、質問の本論に入る前に、佐藤総理の真意をまずただしておきたいと存じます。それは、いま国民が何を考えているか、また、国民は何を求めているかということであります。その真意をすなおに理解し、これを政治の中に取り入れ、満たしていくことこそが真の民主政治であり、政府の責任であります。そのためには、激動する外交あるいは内政等についても野党の建設的な意見、あるいはその主張を十分取り入れ、それを尊重し、実施に移していく謙虚な考え方を持っておられるか、あるいはその度量があるか、まずお尋ねいたしたい。 それに伴って、私は、まず冒頭に、わが国の安全保障上の重要課題たる核問題について一言政府に提言いたしたいと存じます。 最近のプエブロ事件に端を発する朝鮮危機並びにベトナム戦争の激化に直面して、いま国民が最も心配している問題は、そのような緊急事態を口実とするわが国の核武装化ないしはアメリカによる核の持ち込みであります。特に、先般のエンタープライズ等原子力艦船の日本寄港並びに朝鮮危機に対処する米極東軍の急速な増強と移動は、この国民の不安に一そうの拍車をかけつつあるのであります。この見地から私は、この際、政府は国民の不安を一掃するためにも、アメリカとの間に核持ち込み禁止協定を早急に締結し、もって名実ともに、わが国への核持ち込みの危惧を封じておくべきだと考えるが、政府にその意思ありやいなや、佐藤総理の御所見をお伺いいたす次第であります。 次に、ドル防衛とベトナム和平との関連においてわが国が果たすべき使命についてお伺いをいたします。 アメリカの十年来にわたる慢性的な国際収支の赤字は、ベトナム戦争の激化に伴い増大の傾向を示しており、アメリカのになうべき短期の対外債務は三百八億ドルにも達し、そのうち、国際金融協力が実行されたとしても、なおかつゴールド・スペキュレーションの原因をなす民間ドル債務は百四十九億ドルにのぼっているのであります、これに対しアメリカの金準備高は百二十億ドルを割り、深刻な事態に直面しているのであります。しかも、かかる事態を招いた大きな原因について、反米、親米、中立と、その立場のいかんにかかわらず、ベトナム戦争によるドルの流出にあることは、一致した見解と言っても何ら過言ではありません。したがって、ドル防衛の成否がベトナム戦争の平和解決にあるとする世論は、もはや世界の大勢を占めつつあるのであります。 これを証左するものとしては、当のアメリカにおける指導的な経済学者であり外交官でもあったガルブレイス教授が、「輝ける自由主義経済を守るためには、ベトナム戦争をやめなければならない」ということを指摘しておるのであります。あるいはまた、アメリカ国内の反戦運動が、アメリカ経済との関連で、新たな角度から展開されんとしており、国民各階層の支持と共鳴を得つつあることは、アメリカ国民が自国の経済とベトナム戦争との関係を真剣に考えつつあることの表明であろうと思うのであります。その他、諸外国における世論は、あらためてここに引用するまでもなく、ベトナム戦争の平和解決を求めて真剣な議論と行動が展開されていることは御承知のとおりであります。 しかも、新聞等の報ずるところによれば、アメリカ政府自体も、平和解決を希求し、その道を求めて模索中とのことであります。このときこそ、政府が常に主張しておられる自由主義経済を守るため、その基軸をなしているドル、しかも、わが国の円がドルと密接な関係にあることを思うとき、ドルの価値防衛とアジアの平和実現のため、わが国はもはや傍観的な立場でいることは許されないのであります。 しかも、現地の南ベトナムの知識人がわが国に寄せる期待がまことに大きいとき、ベトナム和平の国際的協力は、わが国にとっても試金石になるものであります。世界の世論は、本年は和平の方向に進むか、ますます戦争拡大の方向に進むかの、まことに岐路に立った年と言わなければなりません。この意味において、わが国として、ベトナム和平への道を開くため、まずアメリカに、そしてソ連に働きかけを行なうべきであると考えます。特にソ連は、日本政府に対して、「日本はアメリカのベトナム侵略計画を援助している」と非難しているが、これに対して、外務省新関局長が、「政府は常に和平に努力している」と反論しているのでありますが、国民はそれを認めていないと私は思います。しからば、具体的に政府は今日まで何をやったか、この際お聞きしたいのであります。 いまこそ、堂々と、わが国が米ソ両国に対し、またイギリス、カナダ諸国等を含めた各国に対し、積極的に和平への行動を起こすべき時期であると思うが、総理並びに外務大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。なおまた、その意思があるやいなやをお尋ねをいたす次第であります。 次は、内政問題についてお伺いいたします。去る一月二十七日、本院においての総理並びに関係閣僚の演説を拝聴いたしました。それ以来、まことに私が心さびしく感じたのは、佐藤内閣が発足以来常に主張してこられた社会開発が、いずれにも見当たらず、一言半句すら聞くことのできなかったことであります。申すまでもなく、わが国の政治は政党政治であり、責任政治であるのであります。それゆえに、総理大臣がみずから主張され、国民に公約されたことについては、最後まで責任を持たなければなりません。その意味において、国民の失望と不満は、はかり知れないものがあると考えます。あたかも「偉大な社会」の建設をうたってアメリカ国民を指導してきたジョンソン大統領が、ベトナム戦争の重荷により、ことしの予算教書においては「偉大な社会」のことばすら完全に消してしまったことと、まさに軌を一にいたしておるのであります。総理は国民に対しどうお答えになるのか、所信のほどをお尋ねいたしたいのであります。 さらに、社会経済発展計画に関連してお伺いいたしますが、民間設備投資においては、計画年度より二年早く達成され、公的投資においては、計画より二年もおくれるとのことであれば、早くも計画は一年を待たずして大きくくずれ、民間資本と社会資本との不均衡はますます激しくなり、この間隙にあって不安定な生活をしいられる国民こそ、最大の犠牲者と言わなければなりません。政府はこの際、社会経済発展計画を再検討し、社会関発の充実を期する意思があるやいなや、総理並びに経企庁長官より明快な御答弁をお願いいたしたいのであります。 次に、わが国の景気動向についてお伺いいたしますが、思うに、ことしの国内経済並びに国際収支の悪化を招いた原因は、政府の経済運営の失敗から生じたものであると言わなければなりません。昭和四十二年度はまさに政府の言うとおり、経済の安定成長の年にすべきであったにもかかわらず、政府の無為無策により、民間設備投資は暴走して約三〇%の高い率を示すことにより、国際収支の大幅な赤字を招いたのであります。そこで、政府にお伺いいたしますが、昨年九月に公定歩合が引き上げられたにもかかわらず、依然として設備投資意欲が衰えなかったことは、金融政策による景気対策の限界を示したものであり、今後金融政策に過度に依存しないためにも、先進諸国で行なわれている法人税制による景気対策を講ずべきであると考えますが、総理並びに大蔵、それぞれの大臣の御所見をお伺いいたします。 さらに、もう一点お伺いいたしますが、国民の不安と産業界の動揺をなくするため、今回の景気回復の時期について政府の見通しを明瞭にお答え願いたいのであります。その第一点は、国際収支について、政府はしばしば本年末には黒字に回復すると述べているが、はたしてその可能性は確実なのでありますか。しからば、その根拠を国民の前に明確にされたいのであります。なお、公定歩合の引き下げについて、その明確な時期を明らかにしていただきたいと思います。 次に、私は物価問題についてお伺いいたしますが、最近における物価の上昇の基本的性格が、明らかに政府主導型の物価上昇に変わってきたと言わざるを得ません。すなわち、昨年後半の消費者物価の急騰は消費者米価の値上げに端を発したことは明らかであります。加えて本年の物価上昇を政府みずからが四・八%という、昨年より高い率を見込まなければならぬことは、酒、たばこ、国鉄定期代、電話設備料等、政府自体が公共料金を大幅に引き上げるからであるのであります。これによって本年度の物価上昇が四・八%にとどまると考える人は皆無と言わざるを得ないと思います。ましてや、今秋に予定される消費者米価のスライドアップを考えるときに、昨年の秋、宮澤長官が提案された公共料金ストップ構想に国民が賛意を表したにもかかわらず、これとは全くうらはらに減税だけは実質的にストップされ、公共料金は軒並みに引き上げられたのであります。佐藤総理並びに宮澤長官、水田大蔵大臣、あなた方は国民の期待を裏切ったと言わなければなりません。この責任をいかに考えておられるか、各大臣からそれぞれ御答弁をお願いいたしたいのであります。政府は本年度の消費者物価の上昇を四・八%で押えると言っておりますが、その根拠と政策をこれまた明確にされたいのであります。 最後に、私は自治大臣にお聞きいたしますが、参議院選挙を目前に控えて、公職選挙法の一部改正が本国会に上程されるやに聞いておりますが、自治大臣のこれに対する見解と、並びにその骨子はいかなるものか、お尋ねをいたしたいのであります。 以上の各点に対して、国民に十分理解できるように具体的な答弁を求めまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 向井君にお答えいたします。 ただいまの、プエブロ号拿捕事件以来、なかなかこの日本周辺に、危険と申しますか、いろいろ関心の事柄が次々に起こっております。 〔議長退席、副議長着席〕 そこで、ただいま、日本が核持ち込みをしないということをはっきりするように、アメリカとこの核持ち込み禁止の申し合わせをしたらどうかと、こういう御提案でございます。私は、いわゆる事前協議なるものがこういうことを心配してできておるのであります。どうも事前協議が守られていないような印象で今日まで論議をされておりますが、今日、私は事前協議は十分守られておる、かように思っておりますし、ただいま新しいものをこの際につくる必要はない、かように私考えております。御了承をいただきたいと思います。 さて、ドル防衛とベトナム問題についてのお話でございますが、確かにただいまのドル防衛、これはベトナム戦争も一因であります。大きなドル防衛の、ドルの枯渇の原因を生じておると私も考えます。しかし、ドル防衛のためにベトナムをやめる、ベトナム戦をやめるとか、あるいはベトナム戦が非常に激化してドル防衛が一そう必要になるのだ、こう二つを関連さすことは、いまの段階でいかがであろうかと私は思います。私どもはいままで、ベトナムはドル防衛があろうがなかろうが、これはもう平和を一日も早く招来すべきだ、こういう意味であらゆる努力をしてまいっております。 この点では、ソ連をただいま御指摘になりました。ソ連の力も大きく私どもも考えております。したがいまして、三木君が昨年参りました際、あるいはまた今回バイバコフさんが日本訪問の際も、これらについて十分の連絡をいたしておるようなわけであります。また、カナダ自身につきましても、三木君は昨年カナダにまで足を延ばし、これらの点について協力の方法はないか、その道をさがしておるわけであります。私どもの努力、平和への努力は、実はたいへんじみなものでございます。しかし、この外交自身が、じみな外交を続けていくところに一つのねらいがあるようにも思いますので、私はこのじみな外交をそのまま続けていくつもりであります。 昨日衆議院におきまして、また、きょう参議院におきまして、民社党から具体的な提案らしいものも伺います。このことも私は軽視するものではもちろんございませんし、民社党の御提案なども十分気をつけて、そしてベトナムに和平を招来するような事柄であれば、何によらずこれを検討していくという努力を続けてまいりたいと思います。御提案のありましたことについて厚くお礼を申し上げます。 また、ドル防衛はただいまの戦費だけでないということを申しましたのは、アメリカ自身が多額の海外援助をいたしております。また、戦争を一方でやりながらも、アメリカが観光その他で外国に支払っておる金は、これはばく大にのぼるものであります。したがいまして、ただいまのドル防衛も、その見地に立てばまだまだすることは幾つもあるようであります。今回アメリカ政府自身がとりましたのも、さような意味で、ベトナム戦争は戦争としての一つの目的がある。したがって、それとは別にドル防衛も、実効のあがるような方法をとろう、こういうことを計画したように思っております。 私は、いずれにいたしましても、ただいま国際通貨の問題から見まして、ドルも強くなければならない。しかし私どもの円——日本の円というものも、これも強くなければならない、かように考えておりますので、しばしば申し上げますように、この円の価格維持、これについては最善を尽くしてまいるつもりであります。いわゆるドル防衛の協力ということがしばしばいわれますが、私はさような意味で、この日本の円を弱体化さしてまで協力というようなことは考えられない。また、日本の円が弱くなればドルの足を引っぱるものだ、かように私は考えております。 次に、私の言っておる社会開発ということばが忘れられたじゃないかというおしかりであります。このたびは予算の面で社会開発ということばは使いませんでしたが、しかし、社会開発の内容をなすものについては、それぞれみんな触れたつもりであります。私が都市化傾向について大きく発言したことも、あるいは住宅問題について、さらに公害問題と取り組んだことも、その他、人間性豊かな社会をつくろう、かように申したことも、これなぞも全部いわゆる社会開発でございまして、さように御理解いただきたい。ことば自身は使ってないかわかりませんが、私は政策を変更したものではありませんし、この社会開発という政治目標を強力に進めてまいるつもりであります。 次に、経済社会発展計画についてもお触れになりました。しかし、この発展計画そのものはもちろん絶対的なものではありません。当時経済企画庁長官からも説明したとおりであります。したがいまして、このものは常時検討をする必要のあるものであります。しかし、今日この段階で私どもはこれを変える、かような考え方は持っておりません。しかし絶えず検討をするものだ、かように御了承をいただきます。 次に、予算並びに金融政策等についていろいろお触れになりました。いままでしばしば議論をした点でございますので、できますならば他の方々にお答えしたところでどうぞお許しを得たいと思います。ただ、私はこの際にお説の点から申し上げておきたいと思いますのは、税の問題と一緒にして金融政策をやれ、金融政策の限度にきたんじゃないのか、こういうような御意見がございました。しかし、これは水田君からお答えするだろうと思いますが、法人税の延納利子税等につきましては、これはもうすでに採用しておるのでございますから、一部は採用しておる、具体的にさらにこの範囲を拡大する要ありやいなや、こういうような点につきまして今後とも十分に検討してまいるつもりであります。 以上お答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣三木武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(三木武夫君) ベトナム和平について、いまこそ日本が努力をすべき時期ではないか——お説のとおりに考えます。日本は世界の諸問題に対して責任を感じなければならぬ有力な国であるし、アジアの一国である。アジアの一国であるということは、ベトナム問題についてよその国よりも以上に平和の回復というものを望みもし、努力もしなければならぬ立場にあると思うのでございます。そういう意味で、昨年私も外務大臣になって以来、まあアメリカ、ソ連、東ヨーロッパ、イギリス、フランス、こういう諸国の外務大臣、総理大臣との会談の一番重要な部分は、いかにしてベトナムに平和をもたらすかという話し合いが会談の主たる内容をなしたようであります。カナダにはベトナム問題だけでわざわざたずねてまいりまして、ピアソン首相やマーチン外務大臣と長時間話し合って、その後も緊密な連絡をとっておるわけでございます。今後とも、日本は、先ほど申し上げました立場においてベトナムの平和達成のために一そうの努力をしてまいりたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和四十二年度の設備投資が、経済社会発展計画の見込みよりはるかに高かった。しかし、これはおそらく四十三年度は、私どもの考えておりますようにまいれば、大体計画の線に戻ってくるはずでございます。 それから、今度は四十三年度で公共投資がこの計画の長期の年次割りに及ばないものがある。そういうものは確かにあるかと思いますが、これも、しかし、正常化すれば、次の年度には年次割りに戻っていく。こういう関係になろうと思いますので、先ほど総理が言われましたような意味において、この発展計画をいま変えなければならないということはなくて、むしろやはり、いまのところは、これが依然として指針として働くというふうに考えているわけでございます。 それから、いわゆる公共性の料金価格の引き上げについてどう思うかということでございますが、結局これは所得税の減税を行なうことがよかったかどうかということとのうらはらになっていると思います。私としては、非常に所得の累進の度合いが、これは十年余りのものでございまして、非常に急でございますから、減税をいたしませんと、勤労意欲なり企業意欲なりにかなりやはり支障がある。一方で酒、たばこ等々には多少消費者側の選択もあるわけでございますが、所得税というものはそういうことがございませんので、いずれかということであれば、やはり現在のようなことに踏み切るほうがよかろう、その財源をいまのような形で求める。その場合、最低のもの、たとえば酒で申すと二級酒のようなものでございますが、これだけはひとつ据え置いておこう、こういうことにならざるを得なかった、そういう見方をいたしております。片方で減税をしながら、これを国債増発でまかなおうとしなかったということについては、やはり評価をしていただいていいことではなかろうかと、こんなふうに考えております。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 景気調整のためには金融政策には限界がある、今日まで効果の期待できないことは政府の失敗ではないかというお話でございますが、確かに金融政策だけでは限界がございますので、したがって、財政政策をこれに伴わせる、そうしてお互いに機能を補完し合うことによって効果を期待する以外にはございませんので、国債発行以後におきましては、政策は常にいわゆるポリシー・ミックスにならざるを得ないものと考えております。そこで、特に設備投資についての金融政策でございますが、大企業が手元資金に余裕を持っている以上は、なかなか金融政策によって早い効果を期待するということはできません。公債発行以前におきましては、二カ月、三カ月、四カ月程度で効果が出てきたものでございますが、公債発行によって資金の流れが違ってきましたので、少なくとも六カ月、七カ月の時間を要するのじゃないかということは最初から私どもも予想しておりました。そうしますというと、中小企業に効果があらわれてくるのが今度は早過ぎる、きき過ぎるということになりますので、このことを私どもは非常に警戒いたしまして、金融引き締めを行なっている間でも、米が未曾有の豊作でございましたので、九百五十万トン以上買い上げるということによって多額の金が出されましたので、金融引き締め政策に若干の抜け穴を持ったということもございますが、しかし、中小企業に特に犠牲を負わせないためにということで、公共事業の繰り延べをやっていながら、政府三機関の貸し出し事業を対象のワクからはずすというようなことをいたしましたり、年末に及んで、特に一千億円以上の金を放出しますし、民間市中銀行からもこの十倍に近い九千億の年末資金を出させるというようなことをやって、私どもは引き締め政策とあわせて、むしろ中小企業については反対の政策をやらざるを得なかったということで、効果が相当減殺されるといううらみはありましたが、しかし、私は、これが政治であって、一本調子の金融の引き締めというようなことはいたずらに犠牲をしいるものであって、むしろ国際収支が悪くても、金繰りに苦心しながら、若干調整の時期が延びても、国内産業に犠牲を負わせないようにやることが政治であるというふうに考えまして、この年末を中小企業が混乱しないように切り抜けるために、むしろ非常に骨を折ったという実情でございまして、これらの点は、私は、政府の政策の失敗であるというふうには現在考えておりません。 また、金融政策、財政政策だけじゃなくて、税制によって景気調整機能を強化したらどうかというお話でございましたが、先ほど総理大臣からお話がありましたように、一定の条件のもとに法人税について延納利子税率を引き上げるというようなこと、重要産業の合理化機械の特別償却を停止するというようなことができる制度を去年の税制改正でいたしました。公定歩合を二回引き上げましたので、法人税の延納利子税率を引き上げることは自動的にやっておりますが、合理化機械の特別償却の停止はまだ発動しておりません。これはなぜかと申しますと、この法律は、私ども、つくるときには非常にいい法律だと思っておりましたが、設備投資をこれからとめるということにはあまり役に立たんで、必要に迫られてすでに設備投資をした一般産業に特に負担を強化するということになりますので、国際競争を前にして、また、国際収支の改善、輸出を促進しなければいけないという事情を前にして、そのために行なった日本の設備投資、設備の合理化へ大きい税金をかけることがいいかどうかという産業政策の立場から、もう少しこの法律の発動については私は考える必要があろうと考えております。(拍手)また、場合によったら、この法律自身をもう少し合理的に、いまおっしゃられたような、ほんとうの景気抑制に役立つような税制に変える、改正の必要があるのではないかと、いま、この点を検討している最中でございます。(拍手) 〔国務大臣赤澤正道君登壇、拍手〕
○国務大臣(赤澤正道君) 第五次選挙制度審議会の答申では、選挙運動の方法の改善などにつきまして、ある程度の内容を示しておることは御承知のとおりでございます。しかし、改正法律案として取りまとめますためには、なお具体的に検討しなきゃならぬ点も少なくありませんので、答申の趣旨を尊重しながら目下鋭意立案中でございます。成案を得次第、今国会にはすみやかに提出したいと考えておりますので、いましばらくの御猶予をお願いいたします。(拍手) —————————————
○副議長(河野謙三君) 野坂参三君。 〔野坂参三君登壇、拍手〕
○野坂参三君 私は、日本共産党を代表して、二、三の問題について総理の所信をただしたいと思います。 第一に、総理は、明治百年の歴史を盛んに賛美しておられます。しかし、この百年の歴史で消し去ることのできない事実は、日本の支配階級が国民に対して残酷な搾取と圧迫を行ないながら、朝鮮、中国、東南アジア国諸に対して無謀な侵略を行なったことであります。ところが、総理は、この事実を単に挫折の経験と言っているだけであります。しかも、総理は、昨日稲葉君の質問に対して否定されておりますが、本年度の自由民主党の運動方針では、富国強兵策をたたえ、祖国愛の名のもとに国民を軍国主義的な防衛意識であおろうとしております。このことは、総理や自民党が、日本帝国主義の侵略の歴史を少しも反省しないばかりか、逆にわが国とわが国民を再びあの危険な道に引き込もうとする意図を示すものであります。総理はこうした過去の侵略の事実を認められるのかどうか、はっきりとお答え願いたい。この事実を認めて反省することなしに、次の百年に向かって正しい出発をすることは絶対にできません。 第二に、アメリカの狂暴きわまるベトナム侵略戦争はむろんのこと、最近のエンタープライズ号の行動やプエブロ号の事件、在日米軍の臨戦体制など、アメリカの朝鮮民主主義人民共和国に対する戦争挑発行為も、わが国を直接の基地として行なわれております。このような事態は、わが国がすでにアメリカの核戦争政策に直接深く引きずり込まれていることを示すものであります。しかも政府は、このようなアメリカの行動を支持し、自衛隊の派兵を除くあらゆる援助をアメリカとそのかいらい政権に与えております。こうして日本は軍事的に圏外に立っているのではなく、事実上の参戦国となっているのであります。総理は口では日本の安全と極東の平和のために努力する云々と言っておられますが、言うことと実際にやっていることとは全く反対ではありませんか。総理の答弁をお願いしたいと思います。 さらに重大なことは、安保条約によれば、わが国や在日米軍が攻撃されたという口実で、在日米軍が日本の基地を利用して戦闘行為に入った場合、国会や国民の意思がどうであれ、日本の自衛隊は自動的に米軍と共同作戦をしなければならない義務を負わされております。ですから、もしアメリカがベトナム戦争をさらに大規模に拡大したり、朝鮮で再び戦争を開始した場合には、日本全土がこれらの戦争の最前線基地にされることは明らかであります。そして三矢作戦やブルラン作戦の計画が実行に移されて、人民と民主勢力に対する戦時弾圧体制がしかれ、自衛隊が直接戦争に動員されることさえ十分に予測されるところであります。国民の意思に反するこのような危険な事態が起きる根本の原因は、言うまでもなく日米安全保障条約があるからであります。また、その条約を中心とするいわゆるサンフランシスコ体制によってわが国の主権が侵され、独立が奪われているからでもあります。すなわち、沖縄、小笠原はアメリカに完全に占領され、日本には百数十個所の治外法権の軍事基地が設けられ、さらに軍事、政治、経済、文化のすべての面にアメリカの干渉と支配を受けております。こうしてわが祖国は、事実上アメリカの従属国になっておるのであります。このようにして戦後の二十三年は、わが国二千年の独立を汚すかつてない屈辱の歴史となっておるのであります。これは日本民族として、自由民主党も含み、とうてい許すことのできない事態であります。ところが総理は、このような売国的な安保条約の堅持を主張し、「日本人としての誇りと独立の気概を持て」などと言っておられますが、これこそ、民族の悲劇と屈辱を礼賛することを国民に押しつけようとするものではありませんか。総理の答弁を願います。 以上から明らかのように、国の独立がないところに真の安全も平和もないということは、もはや明らかであります。したがって、わが国の真の安全は、何よりも安保条約に基づく日米軍事同盟を解消して、完全に独立を回復することによってのみ実現されるのであります。 第三に、わが国は独立をかちとったとき、その安全を保障するためには、世界のすべての国とも友好関係を結び、どのような軍事同盟にも加わらず、平和中立の政策を貫かなければなりません。この中立は、それを破壊しようとする内外の反動勢力に対して、わが国民が強力に戦うことによって保障されます。さらにこの中立政策は、全世界の平和愛好諸国とその国民によって歓迎され、保障されることは明らかであります。その際の国際的保障は、そのときの条件に応じて適切な条約その他の方法によって得られます。日本共産党は、この政策こそ、日本の真の安全を守る最も現実的なものであると確信します。総理は、この政策を「現実的でない」と言っておられます。もしそうならば、一体どこの国が日本の中立を脅かそうとしていると言われるのか、具体的にお答え願いたい。 次に、自衛権の問題であります。いかなる民族も、外国の侵略を排除する固有の自衛の権利を持っております。日本共産党は、日本の独立と安全を守るための自衛権を擁護する立場を一貫してとってきました。二十二年前の憲法制定議会の質問で、私はこの立場を主張しました。しかるにどうです。これを有害だとして否定し、自衛権を放棄したのは、ほかならぬ時の吉田総理であり、今日の自民党の諸君であります。この歴史的事実を皆さん方否定することはできません。ところが今日、総理や自民党は、盛んに自主防衛を唱えておられます。しかし、日本の現状のもとでの自主防衛なるものは、真の自主防衛とは全く反対のものです。それは、アメリカに従属した憲法違反の自衛隊の増強や、軍国主義の復活を合理化し、日米軍事同盟を強化して、アメリカのアジア侵略政策に、日本を一そう協力させようとする企てにほかなりません。いまわが国民にとって正しい自衛権の行使とは、何よりも民族の主権と安全に対するアメリカの侵害を排除するため戦うことであります。 そこで、日米軍事同盟を打破した後の独立国日本が、他国の侵略を受ける危険がある場合どうするかという問題があります。これに対してわが党は、国民の総意に基づき、必要適切な自衛の措置をとることが当然であると考えております。 最後に強調したいことは、今日、わが国にとって何よりも重要なことは、サンフランシスコ平和条約の売国的条項や、日米安全保障条約など一切の不平等条約を破棄して、沖縄、小笠原を即時無条件全面的に返還させ、アメリカ軍と基地を日本本土から追い払い、自衛隊を解散して、わが国の真の独立と安全をかちとることであります。これこそ、日本を侵略戦争の温床から、アジアと世界の平和のとりでに変えるただ一つの道であり、日本とアジアの人民の心からの願いでもあります。四十五年間、終始一貫、侵略戦争と反動政治に反対して戦ってきた政党、日本共産党は、以上のことを主張します。 これをもって、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤栄作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 野坂君にお答えいたします。 私が、明治百年を申しましたのは、あの施政演説の末尾にもありますように、私どもは、いたずらに復古調あるいは回顧趣味におぼれるというのではありません。過去百年を顧みて、これから先の百年をいかにわれわれが生きていくか、それをひとつ考えようというのでございます。したがいまして、これらのこと、過去百年が何ら役立たないと言う共産党の方に、私は無理にこれを考えろと、かように申すわけではありません。だから、そのことは誤解のないようにお願いしておきます。したがいまして、私はこれで当時申しましたように、過去におきましてはわれわれは挫折したこともあるし、その点がまた納得のいかないものもあるだろう、そういう点を十分考え、役立つものを生かす、そうして次の百年と取り組もう、こういうのでございます。 第二の問題につき、何らか、アメリカ自身が極東において、アジアにおいて領土的野心を持っているような表現がございました。私はかようには考えておりません。日本と同じように自由を守り、平和に徹する国柄だと思います。その意味におきまして、この民主主義を守っておる、かように私は考えております。したがいまして、共産党の方とはこの点でどうも認識が違うのであります。しかし、アメリカとかような状態で私どもはお互いに提携いたしまして、そうしてアジアの諸国、立ちおくれた国々、これに対しての経済協力、技術援助をして、飢餓、疾病からこれを救い、そうしてここに安定をもたらし、お互いに繁栄の道をたどろう、これが私どものいまの態度であります。この点はもうしばしば私どもこの日本のいき方について説明をいたしましたから、重ねて多くを申し上げません。 第三の問題といたしまして、日本が安全保障条約をアメリカと結んだこと、これはとらない、そうして共産党は中立主義をとるのだ、こういうことをはっきり声明されました。しかし私は、政治はしばしば言われておりますように選択だ、こういうことを言われますが、私は遺憾ながらただいま言われたような中立主義は選択をいたしません。日本自身が国力国情に応じた自衛力を持つ、その範囲で安全を確保するために必要な——そのために日米安全保障条約を結んでおる、いわゆるアメリカの核の抑止力にたよっておる、このことをはっきり申し上げておきます。 今日の状況のもとにおいては、一国が一国の安全を確保する、かようななまやさしい国際情勢ではございません。アメリカにしてもソビエトにいたしましても、一国だけで安全を確保する、こういうことは私困難な今日の状況ではないかと思います。そういう状況のもとにおきまして、私どもは志を同じゅうするものが相提携して安全を確保する。これは別に独立をそこなうものではない、また、国民の独立の気概をそこなうものでもございません。私はそういう意味で、安全保障条約を締結し、そうしてわが国の安全を確保していく、かような考え方に立っております。 ただいまの野坂君のお話のうちにもありましたが、中立論をとる、自衛力も持つんだ、かように申されました。よもや、憲法違反を考えておられるんではないでしょうか。私はそれらの点を十分勘案いたしまして、ただいまの考え方では私自身が納得がいかない。私は今日ただいまのように考えておりますから、以上をもちましたお答えといたします。(拍手) —————————————
○副議長(河野謙三君) 山高しげり君。 〔山高しげり君登壇、拍手〕
○山高しげり君 私は婦人の立場から、佐藤内閣総理大臣に御質問を申し上げたいと思います。 まず第一にお尋ねをいたしたいことは、今度の施政方針では、かつての佐藤内閣の重要政策の一つでありました人間尊重が、たいへん影を薄くしたように感じられますがいかがでございましょうか。総理は、明治百年を迎え、新しい決意のもと、長期展望に立って重要政治課題を述べられ、国民の理解と協力をお求めになりました。婦人や子供の問題は、政策面に少しも浮き彫りをされておりません。農村も含めました都市化の問題の中で、農村婦人の労働過重や、子供も産めない都市の住宅問題、子供の生命にかかわる公害、交通難の問題、また、台所に直結をした米価問題や公共料金の値上げを含む物価問題などの政策は、ごく大まかな扱い方で片づけられておりまして、弱い者へのしわ寄せは予算の面で明らかでございます。これでは、再び、「国のため」の美名のもとに、教育も家庭も人権も、埋もれるのではあるまいかと、すでに婦人の不安は高まっております。そして、この不安を裏づけるような事実が、現在すでに足元に起こっております。たとえば、エンタープライズの寄港によって明るみに出た佐世保保健所の、外人バーのホステスの血液検査実施のようなこと。総理は、これらの不安を除くための人間尊重の政策はもはや放棄をなさったのかどうか、この点について明らかな御答弁を願いたいと思います。 第二に、総理の所信表明の態度についてお伺いをいたします。 あの表明はあまりにも抽象的でありまして、ちょうど修身のお講義をお聞きするような思いがいたしました。 ここに一つの短い文章があります。これは、佐世保事件の直後、ある新聞に載った一主婦の投書でございます。——「警官も学生も幸せな家庭の一員であるはずです。家族の方はどんなに心配していることでしょう。もう止めて!と叫びたくなるような惨状を、基地のアメリカ兵が笑いながら見ていたとか。ベトナム戦争につながるアメリカの冷い一端をみたようでゾッとしました。佐藤さん、こんどこそ本当に暴力はごめんです。どうしてもっと話し合いをしないのでしょうか。法と権力だけではもう限界です。学生も警察官も日本人、あなたはその代表であるはずです。」——私も、この日本人の代表であるはずの佐藤さんに申し上げるわけでございますが、あなたは、国民に対して、なぜもっと率直に親切な態度で話し合いをなさらないのでしょうか。 最近、国民の中には、アメリカからお帰りになってからの総理のことばは、何だか奥歯に物がはさまっているようだと感じている人が非常に多いのでございますが、御存じでしょうか。これがもしも誤解でございますなら、総理は、その誤解をお解きにならなければならないと思いますが、いかがでしょうか。 総理は、核兵器について、つくらない、持たない、持ち込みも許さない、と、いわゆる三原則をお示しになりましたが、国民は、あなたの核持ち込みへの絶対反対を、あなたの態度で、行動で示してほしいと、心から望んでおるように思われます。なぜ、エンタープライズの寄港が拒めなかったのかと、こういう素朴な、国民の、ことに婦人たちの疑いを晴らす責任が、あなたにおありだと私は思いますが、いかがでございましょうか。その疑いこそ核アレルギーだよと片づけておしまいになることはなりません。世界ただ一つの被爆国民、ことに命を産み育てる婦人が核アレルギーにおちいるのは、私はむしろ当然とすら思うものでございます。胎内での被爆が原因といわれるあの小さい頭の小頭症、あの小供たち——もう子供ではございませんが、あの人たちが、やっと二十三年目になって、どうやら援護対策がこれから講じられようという日本のその現在の政治の中では、核アレルギーも時には社会的良心の役割りを果たしているように見えますが、いかがでございましょうか。あなたのお求めの核アレルギーの解消は、実はあなた自身のお仕事であります。それにはお説教ではとうてい無力であると私は存じますが、あなたはその責任をおとりになる決意をお持ちでございますか、お伺いをいたしとうございます。 最後に、私は、総理がその所信について真剣に国民に協力をお求めになるのでございましたらば、総理の演説の一番最後のところで、たいへんことば短かにお触れになった政治的道義の確立こそ、謙虚にお取り組みになるべき問題だと思いますが、いかがでございましょうか。そのためには、みずからの姿勢を正すと言われました。残念ながら、そのおことばはもう何度も国民はお聞きをしております。そうして一向に正されない実態に憤りを感じております。国民の政治的不信、ここに始まり、その雲は広がり、だんだん厚くなっていく一方でございます。幾ら総理が国家百年の計を説き、民族意識の高揚をお叫びになりましても、政治資金規正法の改正、選挙制度審議会の原案に近い、骨を抜かない政治資金規正法の改正、あるいはまた大阪タクシー汚職事件のような、ああいう問題の解決に、あなたを先頭にして、政府並びに与党が積極的にお取り組みになってこそ、姿勢は正されたと国民は認めるのではないでございましょうか。この際、総理の御決意を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 山高さんにお答えいたします。 私のかねてから主張しております社会開発、人間尊重、もちろん忘れたわけではございません。また、今回の予算をよく精査していただけば、これらの点が十分具体化されつつあることはお気づきだろうと思います。ことに御婦人や子供さん方、これなぞはなかなか積極的に御意見を発言なさいません。山高さんはきょうはたいへん積極的に発言なさいましたが、一般にさようではございませんので、この点につきましては、特に私どもが近づきまして、そうして皆さん方のお話をよく聞き、その事情につきまして十分理解を持つことが必要だと思います。そうしてただいまお話になりましたように、弱い者いじめになる、弱い者にしわ寄せされるような、さような政治をしては絶対に相ならないと、私かように思いますので、その点ではこの上とも努力してまいります。しかし、いずれにしても、具体的にこの予算を十分御検討をお願いいたしたいと思います。 次に、第二の問題といたしまして、佐世保の主婦のお話まで、投書までここでお読みになりました。私もたいへん残念なできごとであったと思います。私はただ単に暴力だけを非難しておるわけではございません。私は、なぜ政府がこう考え、核兵器に対する三つの原則というものがあるにかかわらず、どうしてこれを信用してくれないんだろうか、実は私ほんとうに残念に思うのであります。私は、これが皆さんに御理解がいただけて、信用されれば、ただいまのような心配はもちろん起こらないのであります。私どもはいわゆる日米安全保障条約のもとで今日の安定と平和を来たしておる。さように考えると、日米安全保障条約の義務をやっぱり忠実に履行する。エンタープライズが入ろうが、私は核の持ち込みは許さない、このことをはっきり申し上げておりますので、この点を御信用いただく、そうすると、いまのような御心配は要らないように思います。 私は、いま御発言になりましたうちで、特に気になりますのは、この保健所の方々が、血液検査の問題と取り組んでおるということであります。私は、この際に、三悪追放ということを特に申しまして、この性病の追放を強く叫んでおる一人でございます。これは人間尊重のたてまえからも、そういうことが言えるわけであります。私は、そういう意味からも、今回の事件について申すわけではありませんが、われわれ血の純潔、清潔なる血を維持する、こういうことにつきましては、さらに、あらゆる努力をしなきゃならない、かように思います。積極的なお尋ねではございませんでしたが、率直に対話の形におきまして、かようなお話を申し上げるわけでございます。 次の問題といたしまして、政治資金規正法にお触れになりました。確かに、私は、道義の確立、これをしなければならないと思います。しかし、このことたるや、一朝一夕にしてなかなか直らないのであります。私自身も、総理として率先すること、これは当然であります。そういう意味で御激励、御鞭撻を賜りたいと私は思います。どこまでも誠心誠意、みずからをむなしくして、政治に取り組んで、そうして党の近代化を推進し、国民の政治に対する信頼を高めるように、この上とも努力するつもりであります。したがいまして、問題の政治資金規正法は、成案を得次第、国会に提案いたしますから、十分御審議願いたいと思います。(拍手)
○副議長(河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第二、国務大臣の報告に関する件(昭和四十一年度決算の概要について)。 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。水田大蔵大臣。 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 昭和四十一年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十一年度予算は、昭和四十一年四月二日に成立いたしました本予算と昭和四十一年十二月二十日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和四十一年度本予算は、公債政策の導入及び大幅減税の断行等により、積極的に有効需要を喚起拡大して、景気の早期回復をはかるとともに、社会資本の整備等、長期にわたる安定成長の基盤を培養することを基本として、住宅及び生活環境施設の整備拡充、社会保障施策の推進、道路、港湾等の社会資本の計画的整備拡充、災害復旧の促進、治山治水対策の計画的実施、農林漁業及び中小企業の近代化・高度化、文教の刷新充実、青少年対策の促進、科学技術の振興、輸出の振興と対外経済協力の推進、雇用対策の強化、労働力移動の円滑化、物価安定のための諸施策等の重要施策を推進することとして編成されたものであります。 なお、本予算成立後、給与改善費、災害対策関係費、農業共済再保険特別会計への繰り入れ、食糧管理特別会計への繰り入れ、稲作改善対策特別事業費、石炭対策関係費、商工組合中央金庫出資金、地方交付税交付金、臨時地方特例交付金、その他義務的経費の追加等に関し、所要の予算補正を行なったのであります。 昭和四十一年度におけるわが国の経済を顧みますと、昭和四十年の経済の停滞状態は徐々に回復過程に移行し、さらに、さきに申し述べましたような昭和四十一年度予算における公債発行及び大幅減税を中心とする政府の積極的な財政運営と民間経済界における自主的努力とによって、不況は完全に克服され、経済は順調な拡大過程をたどるに至ったのであります。 このような経済の推移の結果、昭和四十一年度の国民総生産は、三十六兆六千六百十四億円となり、前年度に対し、一六・九%、実質一二・三%という著しい増加となったのであります。 また、鉱工業生産は、前年度に対し一五・九%の増加となり、国際収支は、輸入が国内景気の回復に伴い大幅に増加しました反面、輸出も前年度に引き続き着実な伸びを示し、貿易収支では二十億ドルの黒字となったのでありますが、貿易外収支及び資本収支の赤字が大きかったため、年度間の総合収支では、五千八百万ドルの黒字にとどまったのであります。 以下、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は四兆五千五百二十一億円余、歳出の決算額は四兆四千五百九十一億円余でありまして、差し引き九百二十九億円余の剰余を生じました。 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和四十二年度の歳入に繰り入れ済みであります。 なお、昭和四十一年度における財政法第六条の純剰余金は二百二十七億円余であります。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額四兆四千七百七十一億円余に比べて七百四十九億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和四十年度の剰余金の受け入れが、予算額に比べて四百四十七億円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きますと、昭和四十一年度の歳入の純増加額は三百二億円余となるのであります。これは、租税及び印紙収入、専売納付金、雑収入等において九百四十八億円余を増加いたしましたが、公債金等において六百四十六億円余を減少いたしたためであります。 一方、歳出につきましては、予算額四兆四千七百七十一億円余に昭和四十年度からの繰り越し額四百二十六億円余を加えました予算現額四兆五千百九十七億円余に対しまして、支出済み歳出額は四兆四千五百九十一億円余でありまして、その差額六百五億円余のうち、昭和四十二年度に繰り越しました額は三百九十億円余となっており、不用となりました額は二百十五億円余となっております。 次に、昭和四十二年度への繰り越し額の内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定によりあらかじめ国会の議決を経て繰り越しましたもの三百七十六億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため繰り越しましたもの九億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割額を繰り越しましたもの四億円余であります。 次に、予備費でありますが、昭和四十一年度一般会計における予備費の予算額は四百八十億円でありまして、その使用総額は四百七十九億円余であります。 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は千百九十七億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は千百四億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額千百九十四億円余を加え、昭和四十一年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額千百八億円余を差し引きました額千百九十億円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は百億円でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は三億円余でありますので、昭和四十一年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額二億円余を差し引きました額九千万円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。 次に、昭和四十一年度特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十五でありまして、これらの特別会計の歳入歳出決算額の合計額は歳入決算において八兆六千五百八十三億円余、歳出決算において七兆六千六百九十八億円余であります。 次に、昭和四十一年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、資金への収納済み額は三兆四千七百四十四億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は三兆四千六百八千億円余でありますので、差し引き六十三億円余が、昭和四十一年度末の資金残額となるのであります。これは、主として国税にかかる還付金のうち支払い決定済み支払い命令未済のものであります。 次に、昭和四十一年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。 以上、昭和四十一年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
○副議長(河野謙三君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次、発言を許します。大橋和孝君。 〔大橋和孝君登壇、拍手〕
○大橋和孝君 私は、ただいま御報告のありました昭和四十一年度歳入歳出決算外三件につきまして、日本社会党を代表いたしまして、総理並びに関係大臣に対し質問をいたします。 まず第一にお伺いいたしたいのは、決算審議の主眼は、憲法にいうところの財政民主主義の原則に立ち、予算執行が適法かいなかの点のみならず、納税者たる国民の目から見て納得のいく、適正かつ効率的な予算の執行がなされたかどうかの見地に立って、行政万般にわたり広く政策批判を行なうことにあると考えるのであります。すなわち、決算は予算と相まって行政執行の重要な二つの指針であります。政府は、決算審議にあらわれた国民の声に率直に耳を傾け、くみ取るべきはくみ取り、改むべきは改め、行政の全きを期さねばならぬと信ずるのであります。 政府は決算に対し軽視の傾向があり、これは総理以下各大臣の決算審議への出席が低調であり、かつ、資料要求に対しましても拒む傾向があることからも、うかがえるのであります。今後、総理以下各大臣におきまして、決算審議に積極的に参加され、審議にあらわれた国民の意思に真摯に耳を傾ける気持ちがあるかどうか、総理の気がまえについてお伺いいたしたいのであります。 次に、国会における決算審議のタイミングの問題であります。従来、決算審議は非常におくれ、はなはだしきは、三、四年前に行なわれたところの財政経理のあとを追及するという形で行なわれてきたのであります。責任を負うべき内閣はすでになく、追及すべき大臣はとっくに去り、国民の立場からぜひとも不正をたださなければならない高級公務員はさっさと栄転して安全地帯にいる。これではただすべきものがただせないのは当然であります。本院決算委員会におきましては、この点に着目し、なるべく決算を早い時期に審査すべく、昨年六月末に三十九年度決算、十一月には四十年度決算いままた四十一年度決算に早くも取り組み、でき得れば、本年前半にこれを議了せんとの姿勢であります。こうした努力を政府はぜひとも考慮に入れ、決算作成の事務を手ぎわよく行ない、国会に早く提出することにより、前年度決算の結果が翌年度の予算に反映するという形に持っていけるよう、努力すべきではないかと思うのであります。 昭和二十二年財政法制定以来、今日まで、提出期日を早める努力がなされておりません。なるほど、国の予算も大型化し複雑になってきていますが、交通、通信の発達、電子計算機等の発達による能率的な行政運営の面が出てきておるのであります。これらの技術革新を取り入れたならば、もう少し早く決算を確定し、国会へ送付することが可能であります。 財政法四十条では、内閣は決算を翌年度開会の常会に提出するのを常例とするとなっておりますが、決算ができ上がっているにもかかわらず、この規定にこだわって、政府部内にとどめ置くというような不合理なことがないように、法改正等の思い切った措置を検討されたいと存ずるのであります。また、先国会の決算委員会審議中に、総理から、政府より決算報告書を検査院へ提出する期限を一カ月早めるとの言明があったのでありますが、その趣旨に従って、財政法三十九条の規定を一カ月早めるよう、法改正をするべきではないかと思うのでありますが、総理のお考えを伺いたいのでございます。 次に、昭和四十一年度の景気見通しの誤りと経済、財政運営の失敗と、その責任についてでありますが、佐藤内閣は、昭和四十年度、不況のあおりから、四十一年度に入ると、国債発行を一挙に七千三百億円にふくらまし、予算規模も一七・九%も伸ばし、財政投融資に至りましては二五%増というような、積極的な景気振興予算を組みました。そして、同年度には、不況克服の名のもとに、公共事業推進本部を設け、公共事業を繰り上げ、予想外の経済過熱を来たしたのであります。 四十二年度においては、景気の情勢にかんがみ、中立型ないし抑制型予算を組み、国債発行を減少させる好期でありましたにもかかわらず、政府の経済見通しの誤り及び総選挙対策によって、国債を八千億に増大させた積極膨張予算を組んでおります。その結果、四十二年度予算が現実に動き始めたときの日本経済は、火を吐かんばかりの高圧投資ブームとなったのであります。 このような経済の原則を無視したところの経済政策によって過熱状態を来たし、物価の上昇はとどまるところを知らず、公共投資三千億をこえるところの繰り延べを実施せざるを得ないようになったのであります。しかも、このしわ寄せは、生活困窮者、中小企業者、地方団体にあげて寄せられたために、その犠牲は、きわめて深刻な事態を現出するに至っているのであります。この責任はまさに重大であり、国民とともにきびしく糾弾しなければなりません。池田内閣の批判者として、経済の安定成長を一枚看板としてスタートしたところの佐藤内閣が、このような公約違反を惹起したことについて、その責任を国民にどのようにとられんとしておるのか、特に御説明をお願いしたいのであります。(拍手) 第二に、今日深刻な問題となっているところの中小企業対策の問題についてお伺いしたいと思います。四十一年における倒産件数は六千百八十七件に達し、零細企業の倒産が著しく目立っているのであります。このような倒産現象の底には、多分に政府の政策の貧困による構造的、政策的要因が働いていることを重視しなければなりません。昭和四十一年度の通産、大蔵、労働三省の中小企業対策費は二百九十三億にすぎず、予算総額のわずか〇・七%というものであります。さらに驚くべきことは、四十一年度における通産省所管の中小企業対策費は、八十九億円の予算額のうち十一億円が不用額となって使用されていない点であります。また、中小企業の三つの金融機関における融資額がきわめて少ないにもかかわらず、その大部分が不用額となっているのであります。こうした巨額の不用額を出すような死んだ行政のために、生きた対策費として資金が十分に活用されていないのであります。これをどう説明されるのか。特に零細企業は選別融資等により、これらの恩恵を受け入れられない状態にかんがみまして、特別の施策が必要と思われるが、大蔵、通産両大臣のお考えをお聞きしたいのであります。 第三に、社会保障関係についてであります。国民所得に対する社会保障支出の割合は、四十一年度では五・七%にすぎないのであります。それに比べ西欧諸国は一〇%から二〇%であります。先進諸国の水準に到達させるためには、すみやかに予算を思い切って増額する必要があるのであります。政府は、みずから招いた財政硬直化を口実に、受益者負担を押し出して、国民負担を重くしようとしているのであります。これは社会保障による所得再分配機能を低下させることであります。政府は、口先ばかりで社会保障を唱えておるが、この現実をどう考えるのか。一方、軍人恩給や交付国債が増大し、四十一年度の振りかえ所得の総額の一三%に達し、所得格差是正に逆行しているのであります。社会保障のバロメーターの一つとして生活保護基準がありますが、昭和三十七年の社会保障制度審議会の答申は、昭和四十五年に少なくとも三十六年度の水準の実質三倍になるように年次計画を立てて実施せよと言っておるのであります。そのためには、年々一五%以上のアップをしなければならぬと強調いたしておるのであります。先ほどお話もありましたように、現実は四十一年度の生活保護世帯の消費水準は一般勤労者世帯の五一・七%にしかならず、飢餓的水準に取り残されているのであります。食費に至りましては、東京、大阪などの一級地で一人一日当たり百三十六円に計算されております。ライオンやチンパンジーはいうに及ばず、ペリカン以下に押えられていると言われております。また、昨年八月末、神奈川県大磯におきまして、有料老人ホームで一老女が死亡し、十六日間も放置されていたという事件が起き、大きな社会問題になっているのであります。百十人の老人に三人の管理する人、こういうアンバランスがこうした悲劇を生んだわけであります。四十一年度のように経済過熱のときも、今年度のように財政硬直化のときにも、社会保障が置き忘れられているところに問題があると思うのでありますが、総理及び厚生大臣のお考えを聞きたいのであります。 最後に、海外経済協力についてお尋ねしたいと思うのであります。四十二年度における政府ベースの協力額は三十九年度に比べ、実に二・五倍に当たる総額一千二十七億円にわたり、今後さらに増大するのが政府の方針であると聞いております。経済協力が発展途上国の経済自立と国民的交流、友好の促進に貢献するものであれば、わが党は反対するものではありませんが、政府の行なっている協力は幾多の問題があるのであります。 その第一は、経済協力締結のあり方であります。四十一年七月、対韓国への二億ドルの経済協力協定において、韓国言論界をして屈辱的と言わしめたところの条件をのまされ、また、四十二年六月、インドネシアに対する六千万ドル借款では、当時、訪日したマリク外相とのひざ談判で一方的に押し切られるといった無原則、無方針をもたらしているのであります。かかる事態は、経済協力があたかも総理の対外交際費であり、協定交渉はバナナのたたき売りまがいの値切り比べの感を抱かせるのであります。政府が協定の取りきめをもっぱら外交上のかけ引きに依存していることに基因するものであり、政府は、このような国民不在の協力のあり方を改めて、協定を国会議決事項とする考えはないのか、御見解を伺いたいのであります。 また、協力の内容についてでありますが、わが国の経済協力の内容は、大資本の生産物供与にもっぱら重点が置かれ、輸出振興に主眼が置かれ、技術協力が著しく弱体であるのが実情であるのであります。三十七年から三年間、技術協力は総額のわずか二・六%であり、OECD諸国中最低の水準にあるのであります。政府は、かかる現実を改め、技術協力を大幅に拡大する用意があるのでありましょうか。 次に、協力の実施方法であります。今日の協定によりますと、わが国の政府の協定義務は円貨、人材の提供をもって終わるのでありますが、かかる取りきめが国民の血税のむだ使いという重大な結果をもたらしているのであります。フィリピン賠償におけるカガヤン鉄道建設計画資材の十六億円余りは、いまだに野積みになっておると聞いております。また、マリキナ・ダム開発百二十七億円は、いまだ建設されていないとも聞いております。また、インドネシアにおいては、予定されていた三つのダム建設はいずれも未完成のまま放置され、下流の住民に対しましては危険な状態にあると聞いております。このような計画の遅延、国民の血税のむだ使いは、政府が協定締結において計画に対し十分な検討を行なわず、実施においてまた相手国に一方的にまかせて、政府が何ら義務を持たないことに基因するものであります。このこと自体、政府の協力政策がいかに計画性のないものであるかを如実に示すものであります。政府は、計画策定及びその実施状況に対し、相手国政府と共同の責任を負うべく、協定内容を変更すべきであると考えるのでありますが、総理並びに通産大臣の御見解をお伺いしたいのであります。 これをもちまして私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 大橋君にお答えいたします。 決算は、ただいま御指摘になりましたように、まことに重大な意義を持つものであります。仰せになりましたように、適当に、また適法に使われたかというばかりでなく、効率的に予算が執行されたかどうかと、これを十分審査し、そうして次の予算の編成にもこれを役立たす、かようなものでございます。そういう意味におきまして、十分尊重し、決算の御協力をこの上とも得なければならないと、かように私は考えております。各大臣とも、そういう意味で、決算を軽視するような考え方は毛頭持っておりません。また、そういう意味の御遠慮のない御叱正を賜わりたいと、かように思っております。 次に、決算の提出時期の問題でありますが、これは御指摘になりましたように、できるだけ早くやらなければならない。最近は機械もたいへん新しいものができてまいりましたから、これを取り入れることによっては、さらに決算の提出時期を早めることができるのではないかと思います。法律を改正する要ありやいなや、これは十一月末日までに出せということになっておるようでありますから、一カ月早めるという、そのためには法律改正必ずしも必要ではないだろうと思います。しかしいずれにいたしましても、もっと一カ月程度でなしに、画期的な改正があってしかるべきだろう、かように私も思います。そういう意味で、さらに検討することをこの機会にお約束しておきます。 また、具体的な内容についていろいろお話がございました。私はそのうちの一、二の点についてお答えをいたしたいと思います。 主として海外協力の問題、これが私がお答えすることではないかと、かように思います。海外協力の問題で、その中には国会の議決を必要とするものもあろうかと思います。これがずさんに取り扱われるというようなことがあってはならないと思いますし、私自身のポケットマネーがあるわけではありません。すべては国民の負担でございますから、そういう意味で、厳正に、適正に使われなければならない。そのためには何よりも計画性を持つこと、ただいま御指摘になりました点を特に私は考えてまいりたいと思います。 また、こういう意味では、外交の問題ということだけでルーズに扱わないで、基本的な原則を立てるためにも、これからくふうすべきではないだろうかと思います。ただ、この機会に申しますのは、相手国、開発途上にあります国々にはそれぞれの事情がございます。私どもが要求するような資料がなかなかできかねるものもあります。また、時間的にはこれを非常に急いでおると、こういうことでありますために、なかなか私のほうと相手の国との間に十分の連絡もとりかねるものもあります。連絡がとりかねないうちに経済協力をすると、こういうわけではありませんが、非常に急いでおる、そういう意味から、私どもがこういう経済協力に取り組む場合もあります。また、御指摘になりましたように、いわゆる財政的援助よりも技術的援助、その他のくふうがあってしかるべしだと、かように思います。ただいまの御注意などは十分これから検討して、御注意のありましたこと、ありがたくお礼を申し上げておきます。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 中小企業対策についての御意見は全く同感でございます。予算も必要でございますが、何しろ中小企業は数が多い企業でございますので、やはり対策の中心は金融であり、税制であるというふうに私は考えております。 そこで、本年度の私どものとりました処置は、昨年度つくられた中小企業振興事業団の貸し付け規模を大幅に拡大するということ、それから、政府関係の中小企業金融三機関の貸し付け規模を、引き締め下ではございますが、約二〇%程度伸ばしまして八千億近い規模の拡大をはかることにいたしました。中小企業信用保険公庫に対しましても、前年度に引き続いて約百億円の追加出資をいたしておりますし、また、設備近代化資金の補完となっている機械類貸与制度についてもまた大幅に拡充いたしました。そういうふうに、中小企業に対する所要資金の充実ということには、特に本年度は配慮したつもりでございます。同時に、税制の面におきましても、中小企業についての特別措置をただいま準備しているということでございます。(拍手) 〔国務大臣椎名悦三郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(椎名悦三郎君) 四十一年度の決算に基づいて、中小企業対策が適当でなかったように思われるという御質疑でございました。 まず、対策費が十分でなかったためではないかというお話でございますが、四十一年度の一般会計予算におきましては、前年度比三六%増の二百五億五百万円、それから、財政投融資につきましては五千二百五十六億円、対前年度比二〇%増でございまして、この面からは、私はそう遺憾な点はなかったように思われます。 それから、不用額が生じたではないかというお話でございましたが、これはまことに遺憾でございまして、その原因は、どうも引き続き不況の影響をこうおりまして、中小企業者の設備投資意欲が非常に低調であったということが一つの原因である。それから、また、計画に着手したけれども、どうも経営の悪化であるとか、あるいは情勢の悪化等によりまして、その計画を中止し、あるいは繰り延べるというような、どうもやむを得なかった事情がかなりあったように思われます。 それから、もう一つ、制度上の問題としては、中小企業高度化資金、これは共同工場その他の協業の問題であります。お互いに力を合わせてやろうというのが企業高度化でございます。この助成資金の割合が五〇%となっておりますけれども、いろいろな制約が働いて、実質上三五、六%ぐらいの効果しかあげられなかったという点が、どうもこれが十分の効果をあげなかった、したがって、資金の剰余を来たすような一つの原因になっておったようにも考えられます。そこで、この問題につきましては、四十二年、四十三年にかけまして制度の改善をいたしまして、つまり小規模企業者の設備近代化を進める制度といたしまして、四十一年度から中小企業機械類貸与制度、それから、高度化の問題として、共同工場を建設してこれを貸与する、こういう施策を創設をいたし、あるいは強化をいたしました。そうして、一方においては、高度化資金の貸与制度につきましては、割合が低いために問題点がございましたので、中小企業振興事業団を設立して、その解決をはかるというような施策が行なわれましたので、私は、四十三年度におきましては、中小企業対策費はよもや不用額を生ずるようなことはないだろうと、こう考えております。しかし、今後とも、予算の効率的な運用につきましては十分に気をつけてまいりたいと思います。 それから、インドネシアに対する問題等は、すでに総理から御答弁を申し上げましたので、私は触れません。(拍手) 〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおり、わが国の社会保障制度の水準は欧米先進国にかなり立ちおくれておりまして、年々努力をいたしてまいったところでありますが、明年度の予算におきましても、一般会計の総額の伸びが一一・八%に対しまして、社会保障関係は一二・四%伸びております。なお、また、生活保護の問題も、明年度は一三%、実質一級地で三千円の引き上げを行なっておるのでありまして、政府としては苦しい財政硬直のおりから重点を指向したものとは考えておりまするが、しかし、御指摘のとおり、経済の変動に伴う国民生活、特に低所得者層の生活の安定はきわめて重大な問題でありますから、御趣旨のとおり十分注意していきたい、今後ともおりあるごとに充実改善をはかりたいと考えておりますが、なお、また、福祉年金、各種の福祉施設、福祉制度等を総合的に運用する、あるいは、生活保護の問題にいたしましても、しばしば新聞等を騒がせましたごとく、一面には、非常に生活に困った人がその戸主または家族が死亡または災難にあった場合、その補償料が収入とみなされて生活保護が停止をされたり、また、反面には、生活力を持ったなまけ者が非常にずるい考え方でこれを悪用したりするなどという制度の両面がありまするから、行政運営上の面については特に検討して御趣旨に沿うようやりたいと考えております。(拍手) —————————————
○副議長(河野謙三君) 黒柳明君。 〔黒柳明君登壇、拍手〕
○黒柳明君 私は、公明党を代表しまして、四十一年度決算について質問したいと思います。 御承知のように、昭和四十一年度は、わが国の戦後財政史上初めて財政法第四条ただし書き条項を発動して、本格的な公債発行という借金政策で国の一般会計歳入をまかなったきわめて重要な画期的な年度であります。このような昭和四十一年度の予算が実績として先ほど報告されたわけでありますが、私は、まず第一に、佐藤内閣の本格的公債発行政策の打ち出しにあたっての経済見通しと、その実績とを比較しなければならない、こう思うものであります。四十一年度予算案の国会審議のとき、政府はどういう経済成長率を基本として設定していたか、佐藤総理は記憶しているでしょうか。六%といい、ぜいぜい七−八%といい、参議院予算委員会の四十一年二月の時点で、当時の福田大蔵大臣は、低圧経済から中圧経済への浮揚という基調に立つことを言明し、その経済浮揚力のバネとして公債発行の必要性を強調したのであります。しかるに、実績はどうであったでしょうか。四十一年度の経済成長は一六・八%なのであります。名目的部分を割り引きしたとしても、政府の経済基調の見通しはみごとに大狂いに狂ったわけであります。佐藤総理は、この経済成長に対して、いかなる所感を持っておられるか。施政方針演説において、政府は、今後の経済の運営にあたっては、引き続き景気を抑制する基本的態度を堅持すると述べ、また、国民各位に対しても、投資及び消費について節度ある態度を強く要望されたのでありますが、四十一年度のこの大狂いした経済基調がいかなる原因によってもたらされたか、四十一年度政府の財政政策の功罪を明確にしなければならないと思うのでありますが、率直な答弁を求める次第でございます。 次に、私は、財政硬直化の観点から、政府及び関係機関の物品及び工事等の発注購入における自由競争原則の停滞について質問するものであります。先国会において、日本電電公社の工事入札及び追加工事のしかたについて、明らかに談合と思われる幾多の事案について、わが党の委員から質疑が行なわれました。その際、電電総裁は、そういう事態があれば厳に戒めると答えたのみで、無責任な態度を示したのでありますが、その後の事実を糾明し、どのような改善が加えられたのか、郵政大臣に明らかにしていただきたいと思います。これはひとり電電公社のみならず、各省庁の工事担当者は、ほとんど個人的には談合の事実を認めているのですが、公式にはだれも談合とは言わない。むしろそれを隠すのにきゅうきゅうとしているのが実態であります。私もかつて、国立病院の薬の購入の実態をあげて、大蔵大臣に自由競争原則が失われようとしていることを指摘したのであります。政府の使用する資金は、言うまでもなく国民の血税によってまかなわれ、その価格の適正は、まずもって実質的な自由公正な入札競争の実現によって確保されるのであるから、徹底した自由競争の実現に政府は意を注ぐべきであります。このように財政の質的硬直化を放任し、硬直化、硬直化といって国民大衆への行政サービスの低下や、公共料金の値上げをはかる姿勢を改むべきであると思うのでありますが、総理及び関係大臣の答弁を求める次第であります。 次に、綱紀粛正について聞きたいのであります。総理は、施政方針演説で、「公務に奉仕する者は綱紀を厳正に維持し、職務に精励することが大切だ」と述べているわけですが、佐藤内閣発足以来の綱紀は、はたして改まったでありましょうか。総理出身の省である運輸省ではどういう状況であるか。私が申すまでもなく、LPG事件に関係して、中曽根運輸大臣は、勤務に支障のあるウイークデーゴルフ及び関係業者との招待ゴルフを禁止すると、こういう通達を出しておる。ところが、このウイークデーゴルフや招待ゴルフの実態というのは、ひとり運輸省のみじゃない。法務省も、大蔵省も、通産省も、農林省も、各省庁にわたって、全部の政府の機関が、高級役人がこれをやってる。しかも、業者、民間人との間では無数のコンペがつくられ、ウィークデーでもゴルフといえば、役所ではむしろ大目に見ておる。また、待合での供応にかわるこういう業者の接待ゴルフがあるにもかかわらず、高級職員は、これはむしろ高級なレジャーである、健康のためにいいと、このようなことでやっておるわけです。この高級公務員の間で行なわれているウィークデーゴルフ、このゴルフに行く職員、そうして残る職員との間では貸し借りの関係、こういうふうなことが行なわれるわけです。業者の接待による弊害のみではない、こういうふうなことが各省内職員間のなれ合いをも生んでおる。これが、いまの各省庁における高級公務員官僚のなれ合い、白昼行なわれているウィークデーゴルフ、業者の招待ゴルフの実態です。総理は、このような高級職員の間で一種の流行現象のようになっているウイークデー・ゴルフに対して、どのような措置をとられるか。私は、ここで池田総理のゴルフに対する態度を思い起こすのです。池田さんが総理になられたときは、ゴルフをやめた。これは確かに総理としての一つの見識だと思う。私は、何もここで総理に対してみずからのゴルフをやめろとは言いません。しかしながら、総理といえば日本の柱であり、タイだ。ちょっと腐ってあまりたよりになりませんが、そのタイが動くときには必ず影が動く。しかし、みずからきちっとした襟度をもってもらうことが、こういうウイークデーゴルフ、招待ゴルフをなくすことだと思う。私は、このことについてすでに調べた資料がこのくらいございます。関係各官庁の局長、課長にわたってずらっとみな持っております。もしここで総理がこの招待ゴルフ、ウイークデーゴルフに対して、思い切った、そしてこれを全面的に綱紀粛正の方向に持っていかないような態度、発言をするとしたらば、この資料を委員会に持ち出して、関係局長、課長をずらっと並べて、一人一人追及をすると、こういうふうに思っているのですが、これではおとなげない。当然総理たる者、こういうことを知ったからには、思い切った措置を講ずる、私はこれを期待するし、また、ここにいらっしゃる皆さん方も当然期待することは、これは明らかだと思いますし、これこそ綱紀粛正の一端をなすものである、こう思います。ひとつこれに対しての思い切った総理の善処、また、これを実行に移すようにしていただきたいと思います。総理が、飯能、武蔵、あるいは中山、藤沢、戸塚に行きますと、官庁ナンバーの車がずらっと並んでいる。あの姿を一般国民が見たら、これはと思う、私もそれを非常に遺憾に思って、この場でそういう発言をするわけです。 同じく綱紀粛正の問題について、私は、かつて郵政省の高級公務員の旅費の二重取り問題について予算委員会で追及しました。ところが、その後この高級公務員、郵政省の局長、課長あるいは次官までも、この不正を働いたあとは、返したものやら返さないものやら、あるいはこの最高の責任者である人は依願退職、要するに全然罪にならない、もしも総理大臣が口で言っている、先ほども山高さんがおっしゃいました、また総理も思い切った発言をしました綱紀粛正ということをほんとうに実行するなら、罪をやった官僚に対してどうして罰しないのか、どうしてこれを一体無罪放免のままにするのか、私は非常に解せない、このことについても総理及び郵政大臣の答弁を願いたいと思います。 最後に、私は決算の国会提出の方法、意義について総理の見解を聞きたいのであります。御承知のように、政府は、憲法に、国会に提出するとあるだけだから、報告として提出しているということがきまり文句となって、従来新味のある答弁もなかったのであります。そして現実の提出の方法も意義も、明治憲法時代と同様になってきているわけであります。そして明治の体制下における決算軽視、先ほども言われましたこの風潮が、政府の伝統となっているわけでありますが、ひとつ明治百年を期して、国会が国権の最高機関と規定された事実に合致した決算の提出の意義と方法を確立され、決算重視の実をあげられたらいかがかと思う次第でございます。かつての憲法調査会においてすら、決算を承諾案件として国会に提出すべしとする意見が開陳されているわけでありますから、積極的な検討の方向に、この歴史的課題を進めていかれるよう要望し、御所見を承って私の質問を終わります。以上です。(拍手) 〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 黒柳君にお答えいたします。 四十一年度の予算、これは一体どういうことが目的であったか思い起こしていただきたい。四十年がたいへんな不況の年でありました。私は四十一年で必ずこの不況を克服する、これから出ていくのだ、こういうことをお約束いたしました。そのために、ただいま問題になっている本格的な公債発行にも踏み切った、こういう実情でございます。したがいまして、当時のこの経済成長率、これはなかなか立てにくい状態であったと思います。最終的に決定いたしましたのは七・五と、こういう数字であっただろうかと思います。これは実質成長でございます。ところが、幸いにいたしまして、たいへんな不況を克服することができた、これから脱出することができました。その結果が、ただいま御指摘になりますような、非常に大きな成長を示したと、こういうことでございます。私は、この功罪という点から見れば、不況を克服するというその目的は達した、かように思っております。しかしながら、私どもが予測した以上の実は不況の脱出方でありました。あるいは一部で、公債を発行しなくても実は景気は立ち直ったんじゃないか、こういうことすら考えられる人もあるように思っております。ところで、この四十二年、さらに四十三年と引き続いて参りますと、この不況克服のその成果から見まして、私どもはたいへん今日悩みを一ついたすものであります。これは経済の過熱が依然として引き続いている。昨年の予算におきましても、こういうこともあろうかと思いまして、絶えず経済の動向を注意して、そうして適正、適切なる、適宜な処置をとるという、これが予算編成の当初における考え方であります。したがいまして、昨年は公定歩合を引き上げたり、あるいは金融引き締めをしたり、あるいは予算の繰り延べをしたり、それぞれ景気を鎮静さすような処置すら実はとったのであります。 私がお尋ねでない四十二年についてのお話までいたしましたのは、四十一年のこと、それが、顧みまして十分効果はあげたが、私どもが予期した以上のものが実はここに出た。そういう点で、あと始末を実はしているということであります。したがいまして、これをさらにもっと軌道に乗せることはできないか、もっと計画的な数字を、信頼できるような数字を政府は持つことはできないかという、かような意味の御注意だと伺って、私は一そう注意するようにいたしたいと思います。 次に、電電公社の問題につきましては、後ほどお答えがあろうかと思います。しかし、大事な国民の負担になる問題でございますから、法律で定めましたように、どこまでも競争による公平、公正な自由入札、これが原則でなければなりません。この点も追加しておきます。 次に、綱紀粛正の問題につきまして、いろいろ御提案がございました。最近私はことごとに綱紀粛正を唱えております。ことにまた決算の皆さま方からは、しばしば決算の不当あるいは不正、こういうような点から、各省の綱紀が弛緩しているんじゃないかというおしかりを受けております。そのたびに、同じようなお答えをいたしておりますが、まことに残念に思っておりますのは、十分効果のあがらないことであります。しかし、最近起こりましたLPGの事件以来、運輸省におきましては、率先して、招待ゴルフ、これについて断を下して、一切さようなことをしてはならないというようなことを申しました。私はこのことが各省にも影響して、ただいま善処していることだと思います。しかしながら、私自身もこの席におきまして黒柳君から指摘され、善処を要望されておりますので、総理といたしまして善処する、もちろん、それはただ単に口先だけのことではございません、実行に移すということを、この機会にお約束しておきます。 綱紀粛正の最も大事なことは、何と申しましても、信賞必罰だということであります。いい者はほめる、悪い者は罰していく、これでなければならないと思います。この点につきまして最近の勤務状況等から見まして、なかなかこのことはむずかしくなっております。あるいは逆コースをいくものじゃないかというような批判もあろうかと思います。この点について勇気を持つことが、私どもに課せられた大事なことではないか、かように思っております。ただいまの御指摘もございますので、十分この点では取り組んでまいります。 また、決算を承認事項にしろというお話でございましたが、これは私は、簡単に実は賛成いたしかねます。まあ予算は議決、あるいはまた事前に承認すべき事項、そういうものが事後に承認を求めるというようなこともあります。しかし、決算はとにかく信頼して予算を実施する。それが承認にかかるということでは、ちょっと理解しかねるのでありまして、そこで、法律も提出ということばを使ったと思います。しかし、提出だけではたいへん力がないのじゃないか、おしかりが十分徹底しないのじゃないかというような御心配であろうかと思います。私はこうして各大臣が引っぱり出され、皆さま方から率直なおしかりを受けておる、これだけで十分その目的を達しておるように思います。 なお、ただいまの提出の点について、いい方法があるかどうか。これはさらに私どももくふうしてみたい、かように思います。ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 四十一年度の経済運営の意味合いにつきましては、ただいま総理が答弁されたとおりでありますが、その後かなり長い時間たちまして、統計類が全部整備されまして、その結果、二つのことがわかってまいりました。 一つは、当時デフレ・ギャップということばが、御記憶のようにございました。政府の考えておるデフレ・ギャップは、どうもまだ小さ過ぎるという御批判が大部分でありましたが、統計類が整備されて、あとでわかりましたことは、実はそうではなくて、それほどデフレ・ギャップがむしろなかったという点が第一点であります。 それから、景気の谷が、底が、実は昭和四十年の十月から十二月の期であったということはあとになってわかってまいりました。ですから、規模と時期において多少の推定に問題があったということになるわけであります。 これからの反省としては、そういう統計がもっと早く整備するということがやはり必要なのてございますが、なかなか複雑なものはそうもまいりませんから、その中から信頼できる先行指標を、できるだけその暫定数字でも早く幾つかつかむということが一つと、それから四半期ごとの動きをつかむ。これは実はパイロットモデルもできまして、電子計算機を使ってちょうどいまごろから数字が出てきております、この四十三年度につきましても。まだしかし、お目にかけるようなものでございませんので、私ども部内でだけ使っておりますが、そんなことが教訓になって生かされてまいっております。(拍手) 〔国務大臣水田三喜男君登壇、拍手〕
○国務大臣(水田三喜男君) 財政につきましては、体質の、硬直化を打開することも必要でございますが、御指摘のように、競争入札の公正な執行というようなことによって財政の運営面の硬直化を打開することを、これはもっともっとわれわれ真剣に努力しなければならないと考えております。(拍手) 〔国務大臣小林武治君登壇、拍手〕
○国務大臣(小林武治君) 電電公社の工事請負の問題でありますが、電電の仕事が一種の独占事業である、また、その工事がきわめて専門的、特殊なものであるために、請負をするものにおいてもおのずから限定されておる、こういうことでお話しのような疑惑を受けるきらいがあるのでありますが、これは当事者としてはあくまでも気をつけてやらなければならぬのでありまして、いやしくも世間の疑惑を招くようなことのないように、十分配慮するように、私から電電公社に申し入れておりまするし、また、さようなもし事実があるとするならば厳重に処置すべきである、こういうふうに申しておるのであります。 また、先般予算委員会で、郵政職員が航空機に搭乗した問題についてでございますが、これは、これらの航空機搭乗ということについては、目的はおのずから限定されておるのでありますが、お話しのように、私は必ずしも適切な運用でなかった、こういうふうに思うのでありまして、自来、航空機搭乗については、その目的にかなうものだけに強く限定する指示をいたしたし、また、それに搭乗する場合には旅費は支給しない、こういう扱いをいたしておりまするし、また、御指摘の、当時の次官の問題につきましては、私どもは、実は旅費そのものの返納ということは、旅費法上の義務でない、かように考えておりますが、当時の前次官は自発的にこれの返納を申し出て、昨年八月、十三万余円の返納受け入れの処理をいたした、こういうことを申し上げておきます。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 綱紀粛正に関しまして、公明党の叱吃御勉励に対しましては常に敬意を表しております。御趣旨を体しまして、戦々恐々、薄氷を踏む思いで戒心させるようにいたします。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。 —————・—————
○副議長(河野謙三君) 日程第三、参議院予備金支出の件を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長徳永正利君。 〔徳永正利君登壇、拍手〕
○徳永正利君 今回御報告いたします予備金の支出額は、昭和四十二年度分三百万円でありまして、これは、議院運営委員会の承認を得て支出した議員の御遺族に対する弔慰金であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。 本件を問題に供します。本件は、委員長報告のとおり承諾することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本件は承諾することに決しました。 午後二時四十六分散会