文教委員会 第16号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/05/14
会議録
○委員長(中村喜四郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 教育、文化及び学術に関する調査中、福岡県における教員の人事に関する件を議題といたします。 なお、政府側より久保田政務次官、天城初等中等教育局長、三井警察庁警備局警備課長が出席いたしております。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小野君。
○小野明君 初めに初中局長にお尋ねいたしたいと思います。先ほどの福岡県におきます定例の人事異動におきまして、特に高等学校の校長人事につきまして、自後かなりトラブルがあるかのように報道をされておるわけであります。そこで、この経過につきまして、文部省のほうでお知りになっておることを要約をして御説明をいただきたいと思うのであります。
○政府委員(天城勲君) いま小野先生から御質問のございました、福岡県の教育委員会が四月一日付で発令いたしました新任の高等学校長の人事につきまして県の高教組が反対をして、校長の着任ができないという事情が新聞で報道されておりますことは、私たちも了知しております。この間のいきさつ、それを私たちが知っている範囲で御報告申し上げたいと思っております。 本年四月一日付で新任の校長が十五名福岡県では発令されておるわけでございます。この十五名の新任校長の発令に対しまして、県の高教組のほうから、この十五名のうち組合が推薦していたと見られる三名を除く十二名に対しまして着任阻止を行なって、結果的に申しますと、十二名の新しい校長が円満に校務——学校に行って仕事を行なうという状態ができていないのが現状でございます。 このいきさつでございますけれども、私たちが了知しているところでは、当初県の教育委員会が新任校長の選考にあたっては面接程度のことはしたいということを組合との話の場で申したことがあったそうですが、それについて種々交渉、話し合いが行なわれた結果、教育委員会としては面接は取りやめようと、従来もしていなかったそうでございますが、面接は取りやめて従来のとおりでいこうと、こういう回答になっておったそうでございます。ところが、この従来の、新しい面接を通しての選考でない、従来どおりというところの理解のしかたが違っていたようにこちらで聞いておるのでございますが、従来の慣行は、福岡県におきましては組合の推薦した者のうちから校長を選考するという慣行があったそうでございます。そこで、新しい面接制度によらないならば当然それによるはずだという前提でこの話し合いの結果を理解しておったのに対して、県教委のほうは任命権は教育委員会にあるのであるから独自な判断をするということで、いま申したような十五名のうち、組合が推薦していたと見られる三名の方に対しては特に着任阻止ということはなくて、他の十二名に対して着任阻止という事態が起きてしまっているようでございます。 その後、校長も実際に職務をとれないわけでございますので、当該校長は学校と電話連絡をしたり、あるいは事務長の連絡等の間接的な方法によりまして、最小限学校運営の支障を来たさないようにという努力は続けているようでございます。 その後、校長の着任につきましていろいろ個別にも話が進んでいたようでございますが、五月の四日には二校に一応校長が着任というか、登校ができたということでございますが、五月八日、残る九校につきまして県教委の職員を派遣して校長の着任をはかったようでございますが、その九校のうち六校はやはり激しいピケにあって着任できないという形で五月八日は終わったそうでございます。五月の十一日に県教委は、校長未着任の学校のうち三校の校長に対して業務命令を出して入校をはかったわけですが、組合に阻止されたため、警察官の出動要請という事態が起きまして、三校長は警官に付き添われて学校に入るというようなたいへん残念な事態が起きているわけでございます。一人の校長は病気のために着任できないという状況のようであります。したがいまして、一応最初の着任という形ができた学校は幾つかこういうふうなふぞろいな形でございますけれども、結果としては、現在依然として病気の校長さんを除きまして十一名の校長が、正常な形で学校で仕事を続ける状態は行なわれておらないような状況の報告を受けているわけでございます。
○小野明君 順次お尋ねをしてまいりたいと、こう思うのであります。しかし、最初にただしておかなければならぬ問題は、任命権は教育委員会にあるのだからと、こういう御主張でありますし、それはまた私も当然であろうかと思うのです。ところが、高等学校の組合がこの県教委の任命権、任免権というものを否定してかかっておるかのような印象をちょっと受けたのであります。その点は私は事実と反するのではないか、こうまあ考えるのであります。その点についてはどう理解をされておるのでありますか。
○政府委員(天城勲君) これはまあいまの経過を申し上げたわけでございますが、あらためて教員の人事権の問題に入りますと、これはもう先生もいま御指摘になりましたように、法律的には任命権者として、県立高校でございますから、県の教育委員会が持っている、これは自明のことだろうと思うのであります。
○小野明君 そこで、高等学校のこの組合としても、県教委の任命権を否定しておるのではないと、こういうことは、そのように文部省のほうも握られておるのかどうかですね、再度この点を確かめておきたいと思います。
○政府委員(天城勲君) 県教委のほうがどういう考えか、私も直接は了知いたしませんけれども、おそらく法律上の県の教育委員会の任命権を否定している考えはもちろんお持ちではないだろうと、こう思っておりますけれども。
○小野明君 そういたしますと、ここの福岡の教育長というのは、先ほどの京都の教育長のように文部省が承認を澁ったとかいうようなかっこうではなくて、スムーズに承認ができておる教育長だと思います。というのは、文部省から、どういう経緯があるか知りませんが、出向しておる教育長なんですからね。それで、この教育長については私も詳しいことは知らぬのでありますが、何か文部省の課長をされておったとかいう話なんです。で、この教育長はどんな経緯で福岡に出られたのか、それと同時に、この教育長のおもな職歴といいますか、最近の職歴を御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(天城勲君) 現在の福岡県の教育委員会の教育長は吉久勝美氏でございますが、吉久氏が福岡県の教育長に就任したいきさつにつきましては、特別な事情というようなことは私もよく存じておりませんが、成規の手続に従って教育委員会から、何と申しますか、こういう場合によくある例でございますが、要望と申しますか、割愛してくれというお話がございまして、あとは成規の手続に従いまして就任したわけでございます。そういうことでございますので、特殊な事情がどうこうということはちょっと私も存じておりません。ほかの県に出向している場合もございますので、手続的にあるいは事情はそれと同じような方法であると思います。 それから、吉久氏の経歴でございますけれども、私もちょっと履歴書を持ち合わせておりませんので、詳しいことは存じませんけれども、文部省の採用の年次もちょっと私、年も覚えておりませんけれども、文部省に入りましていろいろな仕事をしておったと思うのですが、三十三年に岐阜県の教職員課長に就任いたしております。これが二年ほど岐阜県に在職いたしまして、その後本省で職業教育課の課長補佐をやっておりまして、それから一時大臣の秘書官をやっておったと思います。それから初中局の教科書検定課長をしておりまして、教科書検定課長をしておりますときに福岡県に要望がありまして教育長に転出した、これが概略の彼の経歴でございます。
○小野明君 文部省から、請われて出ていったということでありますが、いま福岡に教育長として出ておられるのですがね、そのほかに全国に文部省から出られておる教育長というのは、何県、何人ございますか。
○政府委員(天城勲君) 現在都道府県の教育長で、かつて文部省におった者、これは県で七県でございます。ただ、その就任のしかたについてはいろいろな形式になっておりますが、一応県と名前を申し上げますが、秋田県の教育長伊藤忠二氏、それから宮城県の教育長の安倍辰夫氏、千葉県の教育長の鈴木勲氏、岐阜県の波多江明氏、和歌山県の荒木修三氏、福岡県の吉久勝美氏、鹿児島県の鮫島文男氏、この七県に教育長が出ております。
○小野明君 岐阜県の教職員課長の経歴が二年あるわけですね、三十三年から三十五年。そういたしますと、その前は文部省におられたわけですね。そうですね。それで、岐阜県のほうで、私どものほうの手を通じまして若干私も調べてみたのであります。教職員課長ですから、教職員の人事を当然やられる立場であります。 で、その際に、岐阜県の教員組合がこの吉久教職員課長の手によりまして非常な攻撃を受けておる、いわば組織分裂を起こしておるわけであります。いわゆる日教組攻撃、こういう方面に重点を向けておやりになったわけです。その結果、非常に文部省から高く評価されて本省に引き取られた、こういう話を聞くわけであります。現に岐阜県の教職員組合の組織率を見ますと、初中局のほうから出された資料によりましても、日教組関係二一・〇%、その他の教員組合三五・八%、非加入四三・二%、こういう数字が出されておるわけであります。 こういうことから見ますときに、いわゆる教員団体——まあユネスコの「教師の地位に関する勧告」というのもあるわけですけれども、こういった趣旨から見て、教員団体に対しましてきわめて理解のないといいますか、それよりもきびしい、分裂工作をおやりになったということが聞かれるわけであります。そういった岐阜県における組織を分裂させた功績によって文部省で評価され、あるいは抜てきをされて、また課長になっていった、こういう事実なりあるいは評価というものが文部省においてあるものかどうか、お尋ねしておきます。
○政府委員(天城勲君) 吉久氏は、われわれも優秀な行政官だとは思っております。ただ、いま先生の御指摘の因果関係、過去の仕事との結びつきの問題につきまして、岐阜の在職時代のいろいろお話が出たわけでございます。確かに岐阜は、現在日教組の加入者の比率はほかの県に比べて低いことは事実でございます。これにつきまして私も始終は存じておりませんけれども、時間的に見ましても、おそらく岐阜県における組合組織に非常に変動がございましたのは三十八年だったと私は思っております。吉久君のいたころではなくて、ずっとあとの話だったと時間的には記憶しておりまして、大体三十八年ごろに岐阜県においては組合の非常に大きな編成というか、変動があったわけでございまして、吉久君が大体先ほど申しましたように三十三年から三十五年までの在職でございますので、そういう在職との関係で御指摘でございますれば、直接に因果関係は持っておらなかったとも言えると思うのでございます。 特に課長でございますし、教育長がおるし、教育委員会制度のもとで、政策は教育委員会が決定するわけでございますから、一課長でというとあるいは語弊が起こるかもしれませんが、一人の課長だけの力ですべてが、行政上のことが大きく変わるというようなほどの責任あることもなかなかできないことじゃないかと思うのでございまして、その意味では、岐阜県におけるこの問題と吉久君の個人の行政の仕事のしかたないし力量と、そう結びつけて私たちは考えられないのじゃないかと、かように考えております。 そのほか全体としまして吉久氏が優秀な行政官であることはわれわれも認めておるわけでありますけれども、以上のように理解いたしております。
○小野明君 岐阜県では、この吉久さんが教職員課長をされ、そのあとを継がれた人はやはり文部省から出られていま福岡の北九州市の教育長になっておられます高石という人、この人が吉久氏の後任になっておると思います。そうですね。連続してそういった方によって教職員の人事がやられておる。こういう事実から、いわゆる三十七、八年からの分裂工作の下工作がされたのではないかということがまあ推定をされるのであります。 そこで、私が申し上げておるのは、お尋ねをしたいのは、そういった岐阜県の教組なり、あるいは各県教組でも同じでありますけれども、文部省から七名の方が教育長に出ておられる。そうすると、こういういわゆる教組関係の組織攻撃、組織を分裂させることが文部省において高く評価をされるという事実がありますかどうですかと、この点をお尋ねをしたいところなんです。
○政府委員(天城勲君) 教育長は、先ほど申したように、七名が県に出ておりますけれども、それぞれの県の事情によって要請があり、また適当だという人が就任しておるわけでございまして、それらの教育長がりっぱに教育長の職責を果たしてもらうことを、われわれも十分期待をいたしておることは当然でございます。その教育長の仕事のしかたにつきまして、すべて組合対策等の面でものを考えるというような考え方は毛頭持っておりませんで、広い意味での当該県の教育行政ないしは教育水準の向上ということを、あくまでも基本的な考え方に立っておるわけでございます。
○小野明君 そういたしますと、この吉久教育長は常々現地におきましてもこういうことをおっしゃっておられるらしいんであります。私もこれは新聞報道です。おれは福岡県に二年ぐらいいて、また文部省に昇任人事で迎えられるんだと、のぼるほうのね、いわば栄進をするんだと、こういうことを現地でいろいろお話しになっておるようなんですね。これはことわざにも、いま局長はそういうふうにおっしゃいますけれども、語るに落ちると、こういうことがありますので、実際はそういったいわゆる組合攻撃というものが評価をされるという暗黙のものがあるのではないか。そうでなければ、この吉久さんのこういう考え方は間違っておるんだと、こういうことが言えますかどうか、お尋ねをしておきます。
○政府委員(天城勲君) 過去の実情から見ましても、また一般の慣行となっておるかどうかはわかりませんが、動きを見ましても、本省から、請われて地方の課長や教育長に就任したものが、何年かたってまた本省に帰ってくるということはかなり通例な姿でございます。しかし、また人によりますと、現在県に行っておられる教育長でも、実はかなり長く行っておられる方もございます。出向と申しますか、県に行くときには、教育長でないあるいは教育次長ですとか課長ですとかいうポストで行きましたけれども、その後当該県で非常に買われてそのままずっと五年以上おられる方もおられますので、これは私たちの考えではやはりそれぞれの人の能力と、その当該県における評価、両方から結びついて、異動と申しますか、そういうことが行なわれるのではないかと思っております。また、行っている諸君につきましても、特に出身の郷里の関係で請われて行っている方もございまして、あとのことは顧慮しないで、現在の職に専心しているという方もかなりおられるのでございまして、いま先生のおっしゃるような、すべての者が二年たって昇任して帰ってくるんだという前提で仕事をしていると私たち思っておりませんし、現に地方におられる教育長の方も、そういう気持ちを持っておられる方もおられるのです。したがって、吉久氏がどう言ったかということはちょっと私もわかりませんけれども、地方に行っている教育長については、私たちも人事のことですから、いつまでどうということを最初から予測できませんけれども、少なくともその仕事にある間は、当該県の教育長として、当該県の教育振興に最大限に努力してもらうということは、行くときにもみなその自覚を持って行きますし、われわれもその前提でわれわれなりに応援できるところは応援すると、こういう態度でおるわけでございます。
○小野明君 後段に局長が言われた点は私も正しいと思うのです。それで、前段は、文部省から出られたんだからまた文部省に引き取る、あるいは自治省から出られたから自治省に引き取るというのが通常の姿であると、こういうふうにおっしゃられた点が私にはひっかかるのです。 これは政務次官にお尋ねをしておいたほうがいいと思うのですが、これはやはりおれは文部省から出たんだから、ここで点数を上げて、組合分裂をさせたりして、二年ぐらいやったら帰るんだ、こういう腰かけ式でやられたんじゃ福岡県民はたまりません。やはり出られた以上は、主権者である国民の、福岡県民の教育に奉仕をしてもらう。そこでやはり全身全霊を打ち込んで、そこの教育に、出先の教育に貢献をしていく、それが先でありまして、腰かけでやっていくというようなことは、これは本人も考えるべきではないし、そういうことは全くもう誤りではないか。そういうことで文部省が地方に出すということは、これは問題があると、このように私は言わざるを得ぬのですが、その点は、政務次官、いかがでございますか。
○政府委員(久保田円次君) 小野先生の御意見は私はもっともな点がうかがわれます。地方自治というたてまえから、やはり教育行政におきましても、あるいはまたその他各県自体におきましても、行政のあり方というものはそういうものがたてまえだろうと思います。ただ、そこに最も適任者をどう求めるかということが最大の問題でありますので、なかなか、地方を見ましても、教育行政につきまして真に精通しておる方がいないということはもちろんないと思いますけれども、特に文部省関係におきましては、国全体から見て、この人ならばその地域において非常に適任者ではないか、これは長い経験から推してそういうことも言えるわけでございます。そういうふうな点で、県の教育委員会のあり方というものは、教育委員会自身におきましてやはり教育長というものは見つけるべきが当然だろうと思いますが、やむを得ず、どうもやはりその適任者がないと、これはどうしても文部省のほうにやはりお伺いを立てて、そして求めることによって真の教育行政がうまくいくということになりますれば、これは第二次的にやはり文部省のほうにお願いを申すべき筋合いだろうというぐあいに私は考えます。 たぶん、いままでの時点におきましても、文部省といたしまして、上から押しつけて、こちらのほうから、とにかくこの人は非常に教育長として適任者であるからということは私はしておるということは、もちろんまだ聞いておりませんけれども、そういうことは考えられません。地元からの要望によりまして、そうして教育長の推薦というような形にでもなるのではないか、そういうぐあいに判断するわけでございますが、原則的な考え方からいきますれば、やはり地方の教育行政につきましての教育自治という面から見ますれば、小野先生の言われることももっとも女御意見だろうと私は考えるわけであります。
○千葉千代世君 関連。県から文部省に適当な人をお願い申すべき筋合いだということをおっしゃったのですけれども、それはどういうことなんでしょうか。もっと端的に申し上げれば、先ほど天城局長が、いまの福岡県の教育長が岐阜におったときは、昭和三十三年から三十五年だから、組織分裂の頂点であったのは三十八年ごろだから、関係がないようなことをおっしゃったのですけれども、それは違うわけです。私は岐阜に行っておりますから。ただ、詳しい書類を持っておりませんけれども、御承知のように、勤務評定の問題が出まして、これはたいへんよくないものだと、だからこれで反対していこう、そうして何とかしてやっぱり教員が自主的に安心して職場で働けるような体制をつくっていきたいというので、ずっとこれは昭和三十一年ごろから一生懸命に、表面に浮かび出て、それぞれ教育委員会と交渉したり文部省と話し合いしましようと、これを続けておったわけです。それで、昭和三十三年に東京で一番初めの勤務評定に反対する闘争があったわけですね。それと前後して、そのあと続いて福岡はじめ各県で行なわれたわけです。そうしますと、岐阜県もその例外ではなくて、三十三年、三十二年、ずっとその時点においてこの勤務評定の意図するところは何であろうかということが職場でも討論されておったわけです。そこにおったこれは教職員課長でございます。ですから、このレールを敷いた者は一体だれなんだろうか。三十八年、三十七年のレールを敷いた者はだれであったかということになっていきますと、ここではすでに三十三年、三十四年なりの岐阜県における教職員組合に対する教育委員会の異常な措置というものは数々あるわけです。ですから、そういう意味合いにおきまして、もっと具体的にいえば、そういう方を福岡県が文部省にお願いするのが筋合いだというあなたの、政務次官のようなお考えで要請したとすれば、これは問題だということを私はしみじみ考えるわけです。 教育委員会のあり方というもの、これは教育二法のときに十分に語り尽くされているわけです。あなたはほんとうに、このお願いするのが筋合いだと思っているのですか。
○政府委員(久保田円次君) 教育長をまず選任するという点につきまして、第一点として、教育委員会が教育長を見つけて、そして文部省の文部大臣の承認を求める、こういう筋合いだろうと思います。で、そこで求める範囲でありますけれども、どこから求めるかということは、これは限定されておらないと思います。全国におきまして、どこの地域から求めるにいたしましても、あるいはその中で、文部省の中におきましてやはりこの人が教育長として非常に適任であるということならば、何も——文部省の中から求めてはいけないというそういう規定がありますれば、これはいけないことでありますから、これはやっちゃいけないと思います。そういう規定がなければ、全国至るところ、どこから求めても私は差しつかえない、こういうふうに判断いたします。
○千葉千代世君 私が伺っているのはそういうことではないのです。広く人材がありますから、どこから求めてもいいわけなんです。 ですから、もっと端的にいえば、福岡県なら福岡県に一ぱい適材がいると思うのです。私は、しかし、そんなことはいま論議の的ではなくて、あなたのおっしゃったように、文部省にお伺いを立てていくべきが筋道だということをさっきおっしゃったでしょう。何でお伺いを立てるのだということなんですよ。文部省にいるから、行っちゃいけないとか、やっちゃいけないとか、そんな規定を別に言っているのじゃないのですよ。その姿勢なんです、問題は。教育委員会制度を論ずるときに一番争点であったのです。この教育の地方分権ということと、中央集権というのは、一体教育にどういう効果を及ぼすかということがあんなに論議されて、あんなに問題になって、そうしてみな処分されてまでやったじゃありませんか。国会の中に警官導入したじゃありませんか。忘れたのですか、あんた。
○政府委員(久保田円次君) 私が、その文部省のほうにお伺いを立てるということは、一つの筋合いではないかというようなことは、これは確かにそのとおりです。それは確かにそういうようなことをやってはならぬというぐあいに考えます。ただ、その適任者がないために、文部省にお伺いを立てるということは、これはやっても差しつかえないのではないかというふうに私は考えます。
○小野明君 ですから、お伺いを立てる態度もよろしいではないかというのは、これはちょっと問題のことばじゃないですか。これは戦後変わったのですよ。文部省は上級機関じゃないのですよ。上の役所じゃないのですよ。地方自治の精神というのは、先ほどもおっしゃられたように、これは福岡県の教育は福岡県の教育委員会がすべての責任を持ってやるわけですからね。そのことばは、ちょっと、政務次官、取り消してもらわぬとぐあいが悪い。
○政府委員(久保田円次君) どうも答弁にまことになれないので、お伺いを立てるということと、依頼をするということの差ではないかというぐあいに考えます。その点で御了解なすっていただきたい。
○小野明君 それなら了解します。そういう気持ちで文部行政をおやりになると、私が言おうとしていることがいろいろなお心配になってくる。いまそういう御説明がありましたから、私も了解しますが、初中局長、福岡県のこの問題で何か御指導をなさったことがあるのですか、どういう御指導をなさっておりますか。
○政府委員(天城勲君) 福岡県の教育行政について、吉久君が赴任するにあたりまして、私ども特にどこをどういうふうにしろというようなことを、具体的には何も申しておりませんし、ましてや、人事にあたりまして特別な指示のような、指導のようなことまで私いたしておりません。まあ率直に申しまして、福岡県の県政がいろいろ大きな変革を遂げたときでございますので、いろいろな問題が起きるだろうけれども、教育行政は教育行政の筋で仕事をするようにというような一般的なことは話したことはございます。それ以上特殊なことは申したことはありません。
○小野明君 そうしますと、たとえば京都の教育長問題で、こういう管理規則の制定、勤務評定の制定、こういうようなことが言わず語らずのうちに文部省の意向として伝えられる。こういった吉久教育長に任務を与える、こういうふうな御指導はなさっておらぬわけですね。
○政府委員(天城勲君) 吉久君も、現在の教育行政のやるべき仕事が何であるかということ、また県の教育行政の行政上の立場から見て何をすべきかということについては、十分心得ている人間だと私思っておりまして、具体的にどのようにどうするかというようなことを私たち何も教育長に申しておりません。
○小野明君 その心得方がなかなか私は問題だと思うんですがね。それで、ひとつ局長にお尋ねをしたいのは、警察官に連れられて着任をする、こういう姿が望ましくないということは十分おわかりであろうと思うんです。しかも、きょう、そういった警察官から連れられて、もっと上部で話し合いをしてもらいたい、こういう現地の教師の意向を無視して、その校長を連れて教育庁の職員なりが校長室に行く。そして五分間おって、判をついて帰っていく。その場はそれで済むかもしれません。しかし、この意味が一体どういうものなのか。警察官に守られて着任しなければならぬというような指導をすることがはたして事態の解決になるのかどうか。こういう点に私は吉久教育長の考え方に疑問を持たざるを得ぬわけですね。この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(天城勲君) 校長さんが新任の学校に着任するのに警察官に保護されて入っていくというようなことは、まことに悲しむべきことだと私も思います。こういう事態が教育の場で行なわれるということは、まことに考えるのもいやなことだと思うんでございます。しかし、ここに至りましたにはそれぞれの理由があると思うんでございますが、私も個々の事情は詳しく報告を受けておるわけではございませんが、四月の発令でございますから、いま御指摘の警察官付き添い云々の問題は五月に入ってからの問題で、すでに一カ月以上もたっております。この間に教育委員会としてもかなりいろんな方法でもって学校側に話は続けてきているようでございますし、その間に学校によりますと、PTAの方々の御協力があったというところもあるようでございまして、やみくもに強権でもって校長を運び込んだというような態度が終始とられたと私も思っておりません。少なくとも、四月一日の発令で、五月の十一日という日にこういう事態が起きてしまったわけでございますから、四十日にわたっていろいろな努力を行なった。最後の方法としてこういうことをとらざるを得なかったんではないか。とらざるを得なかったということについては、おそらく不本意でもあったろうと思うんでございますが、私たちもこういう措置がとられることはほんとうに残念なことだと思いますが、ここに至りました事情はなかなか複雑なものがあるように思います。
○小野明君 まあ一カ月ばかり空白があった。それで、こういう事態をとった背景にはいろいろな複雑なものがあっただろうと、こういうふうにまあおっしゃるわけであります。それで、私もそういった事情があっただろうと、こう思うんですが、やはり教職員の人事というものは相互信頼の上に立って行なわなければならない。校長と教師と、こういう教育をやる第一線でありますから、相互信頼の上に成り立つような人事でなければならぬと思うのであります。そうしますと、ここまで事態がなったということは、この人事にやはり大きな無理があったのじゃないか、こういう感じがするわけです。非常に無理をして強行しようとしたところに問題が生じたのではないか、こう私は思うわけです。 これは任命権は県教委にあるということは、この高教組も否定しておらぬわけでございます。それだけに、そういう権力を持った人がこういう人事をやればここに無理が生ずるだろう、こういう人事をやればこちら側に無理が出てくるのじゃないかと、いろいろ配慮をしながらこの任命権を行使するというような姿でなければならぬ。やはり政治というものは国民全般のその意を体して行なわなければならないように、特に教育行政の面ではそういった配慮が私は必要じゃなかろうかと思うのであります。戦前は、局長も御承知のように、任命権一方の押しつけでどんどんやってきた。戦前と戦後の変わり方というのはどうなのか。これはそこに多くの民意が、あるいは行政の意図が反映していくという人事でなければならぬのじゃないか、こう考えるわけです。この点はどうでしょう。
○委員長(中村喜四郎君) 天城局長、なお声がちょっと聞き取りにくいところもございますが、大事なところですから、はっきりお聞かせください。
○政府委員(天城勲君) たいへん恐縮でございますが、のどをちょっと痛めておりまして声が不正常でございますので、失礼いたします。 法律上の根拠というのは、それぞれ制度ですから明らかにあることは御承知のとおりであります。また、それに従って行政が行なわれなければならないことも当然であります。ほかの行政もそうだろうと思いますが、教育行政におきましては、私はやはり関係者の間の信頼感というものが前提に立ちませんと、ただ法律上の権限だけだということで済まされない場合が実際にはずいぶんあるだろう、こういうことは私たちもささやかな経験を通じて存じております。そのことはそれぞれの立場の人の相互信頼ということになるわけでありますので、私たち、吉久君が福岡県でやっている仕事のしかたにつきましても、福岡県のいろいろな特殊な事情を前提に置きながら、彼なりに最も妥当な方法というものを考えてやっているのだと。その場合に、ただ任命権が県にあるからといって、一方的な恣意的なことをしているというふうには私は毛頭考えておりませんし、諸般の事情、特に当該県の特殊な事情というのは各県にあると思います。その点を十分前提に置いた上で公正な教育行政を実施しようということでやっているものと考えております。
○加瀬完君 関連。
○委員長(中村喜四郎君) できるだけ短くお願いいたします。
○加瀬完君 私の質問はいつも短いですから、御安心ください。 行政権限の問題ですが、警官導入といいますか、警官に案内されて校長に着任したという問題で、教育長の職務権限というのは法令に基づくのはもちろんでありますが、教育委員会から特に委任されていない事項については、これは教育委員会の決議なり意向なりというものに基づいて行なわれるというように解してよろしゅうございますね。
○政府委員(天城勲君) 非常に原則的な法律論からすれば、教育委員会が行政権のもとでございますから、教育長に法定委任されておる事項、あるいはそれを根拠にして概括的に委任されておる問題、あるいは内部執行という形で、専決委任ということばでよく言われておりますが、内部的にまかされておる問題、それぞれの議決に従って行動すべきものと、こう思います。
○加瀬完君 福岡県の条例には、何かの場合には警官を学校に導入してもよろしいという委任事項がございますか。ないとすれば、教育委員会でそういう決定が行なわれない限り、教育長はそういう行為を行なうことができないわけですね。第二には、教育委員会で、校長を赴任させるために警官の導入もやむを得ないと、そういう決定がなされておりますか。
○政府委員(天城勲君) 教育委員会と教育長との権限の行使のしかたに関する規定は、これは条例ではなくして教育委員会規則になってあります。したがって、福岡県の教育委員会規則にどう書いてあるか私もいま記憶にございませんので、個々の場合はわかりませんし、特にいまの御指摘のような問題についてどうなっているかということはお答えできませんが、おそらく教育長は、学校運営について教育委員会から、教育委員会との関係ではかなり教育長の権限に教育委員会規則で規制されておると思います。したがって、正常な学校運営を実施するという意味で、校長が登校できないという状況あるいは校長が執務できないという状況に対して、教育長がそれに対する——ここに報告されておりますように、職務命令で校長に学校へ行けと、こういうことを強く出したようでございますが、それの執行という意味で、それを阻害されることに対して警察官の出動を要請したのじゃないかと、このように理解しておるわけでございまして、警察官の出動を一々教育委員会規則で規定があるということじゃなくして、職務の執行の上からこういうことが必要であると、こう判断をしたのじゃないかと思います。ただ、教育委員会規則の中身については私は存じておりませんので、教育委員会規則についての説明は省略させていただきたいと思います。
○加瀬完君 かと思いますということでは、あなたが前に御答弁なさいました行政権限に基づいてという根拠も何もないのですね。教育長が行政権限に基づいておやりになったとあの行為を御認定なさるなら、教育委員会でそういう決議をして、職務命令を教育長に出したのか、あるいは職務命令を教育委員会から送らなくても、そういう職務権限を初めから持っておったのか、いずれかが確定しなければ、さっきのようなお答えが不確実になると思うわけであります。 問題は結局、教育長は教育委員会にはかって、民意というものを十分聞いて、校長の赴任というものをどういう形にすべきかということは、当然これはこの段階では教育委員会の指示を待つべきですよね。教育長自身でかりに職務権限があるからといって、警官をぱっと導入すべき筋合いのものではないと、これは第三者的には判断すべきではないですかね。そういう点もっと確実に御調査の上、後ほどでけっこうですから、ひとつ御回答をお願いいたします。 —————————————
○委員長(中村喜四郎君) この際、委員の異動について報告いたします。 本日、久保勘一君が委員を辞任され、その補欠として塩見俊二君が選任されました。 —————————————
○小野明君 非常にあいまいな答弁で、焦点がはっきりしないのですが、たとえば、人事につきまして、具体的にいいますと、この高等学校長の人事について、現場の教師、あるいは教組、これは現場の教師の意向をそのまま伝えておるわけですから、それが教組の意見がこうなっておると。この現場の教組の意見を全然いれないと、こういうことがよろしいものかどうか。逆にいえば、現場の教師の意見を尊重しながらこの任命権を行使をすると、こういう配慮があってしかるべきではないかと私は考えるのですが、初中局長、いかがですか。
○政府委員(天城勲君) 先ほど申したように、法律上の権限に従って行政を行なうわけでございますけれども、やはり関係者の間に相互信頼の気風がなければ、この仕事はなかなかうまくいかないものでございます。ただ、具体的な人事について、やはり任命権を拘束するような形で他の要素が入るということはやはり問題ではないかと。最終的には任命権者が判断を下して、公正と思う人事をすべきでございまして、私はその点についての判断を正しくすることが任命権者の一番大事な仕事だと、このように考えているわけでございます。
○小野明君 拘束したかせぬかということは、きわめて微妙な判断になると思うのですね。そこで、私は、もっと、そういうことではなくて、こういった教師の意見を尊重すべきではないかと、端的にお尋ねをしておるわけです。ひとつ再度お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(天城勲君) 教育行政を行なう場合に、現場の意向、これはもう十分私も尊重して行なうべきものだと思います。そのことは私は何も否定しておりません。ただ、具体的な人事行使というものにあたって、任命権者はやはり公正な立場から最終の責任を持って判断すべきだということでございまして、その間にどういうことが行なわれるか、あるいはどういうようないきさつがあったかということについてはつまびらかにいたしませんけれども、原則論でおっしゃれば、私はそのように考えております。
○小野明君 この福岡県の慣行といいますのは戦後二十年続いたと、こういうふうにいわれているのですが、これがはたして悪い慣行であるかどうか、ここにも一つ問題があると思うのです。この慣行というのは、御承知のように、この戦後の教育界というのは、第一に、アメリカから教育使節団が参りましたね、その際に教育改革をやられた。アメリカの実情というのは、大部分の州が校長というのは教員の推薦の中からとられるようになっておる。こういったことからこの慣行ができたと、私はこう聞いておるわけであります。そこで、こういった教師の意見、組合の意見というものを大きく尊重すべきであるということ。 理由の第二には、いま大学におきましては、局長も御承知のように、教授会の投票で学長は選ばれておりますね。大学は学問研究の自由を守る場であるから、この大学の自治を守るというたてまえからこういうことになっておるのだと、こういうふうに言われればそれまででありますけれども、それでは高等学校の教師には学問研究の自由を守るということはないのか、あるいは大学においてこういう慣行は行なわれておるのだと、それは任命権者が違うから高等学校の場合には頭からぴしっと押えつけてよろしいのだと、こういうことになるものかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(天城勲君) 大学の例をお出しになりましたけれども、大学の先生が研究してほかの人は研究しないのだということが前提じゃなくて、大学という機関が研究機能を持っておるということから、小・中・高等学校と違ういろいろな扱いがあると思います。高等学校以下の先生においても研究なさるということは当然のことでございまして、私はそのことを何も区別して言っているわけじゃなくて、大学という一つの機関が本来の機関としての仕事で研究と教育がある、こういうことから来ておる違いだろうと思います。 いま福岡県で慣行があるというお話でございますし、また慣行の原因についてお話がございましたけれども、私はそのいきさつはよく存じません。アメリカの教育委員会の例をいろいろ御指摘になりましたけれども、そういうことで始めたのかどうかという点については私も存じておりません。ただ、先ほど来申し上げておるように、教育行政上現場の意向というものは最大限に尊重されるということはけっこうでございますし、また聞くべきものは十分聞く、そういうことは当然あっていいことではございますが、最終の判断は、やはり人事については公正に任命権者が判断して決定するという形をとりませんと、かえって人事というものは適切に行なわれない。人事というものはやはり信頼をもって見てもらわなければならぬものでございますので、その点については任命権者というものは最終の判断は特に公正にすべきだ、このように考えておるわけでございます。いろいろ県については長い事情が、それぞれの県の事情があったり、あるいは従来からいろいろな習慣や慣行といわれておるものがあると思います。それらについても十分それぞれの県でそれぞれの実情を前提としながら行政は進められておると思いますけれども、要は公正な人事行政が行なわれるということに私は尽きると思いまして、その点で誤りなき処置を尽くされることを期待しておるわけでございます。
○小野明君 そこで、吉久さんはこういうことを言っておるのですね。「簡単にはこの赴任拒否の闘争も解決いたしますまい。ここで正しい解決のしかたをしておかなくては」と。この人の言う正しい解決のしかたとは何か。それは警官導入でもなんでもやって、そうして自分の発令をした人事をあくまでも守り通すと、たった五分間の着任でもそれをやらせるんだと、強行させるんだと、こういう解決のしかたであるわけですね。そこで、公正にお考えいただいて、そういうことでおやりになって、それは先ほども申し上げたかと思うのですが、あす以後のこの現場の教師と校長の信頼関係、あるいは生徒も大きいものですから、生徒に与える影響も非常に大きいものがある。そういった影響というものも考え合わせて、この吉久教育長の言う考え方がよろしいのか、あるいはもっと信頼関係を回復するような解決のしかたというものはないものかどうか、その辺の指導、助言をなさるのが私は文部省の立場ではなかろうかと思うのです。 そこで、天城さん、あなたでしたらどう解決をしますか一この問題をどう解決をしていこうと思いますか、あるいはどう指導していこうと思われますか、ここまで来た事態をですね。いかがですか。
○政府委員(天城勲君) これはすでに四月一日の発令が四十日以上たっておるわけでございます。五十日近くたっておるわけでございます。この間に、年度当初の人事異動というのが県の教育行政上は非常に大きな仕事でございますから、教育委員会としてもかなりいろいろな点は考えて、最も妥当な方法としてとられた措置だと思いますし、しかもその後すでに五十日近くこういう状態が起きているのでございますので、その間にもそれぞれいろいろな考え方をとり、いろいろな処置をし続けられてきていると思うのでございます。それはそれぞれの県のいろいろな特殊な事情に基づいていることと思います。私、それらの事情を抜きにして、いまここで形式的なことを申し上げることは、かえって事態の実態を知らないことになるわけでございますので、先ほど来御質問ございまして、原則論につきましては、一般論につきましては私も申し上げたのでございますが、この福岡のケースにつきましては、まさに福岡の事情に基づいての事態でございますので、これは福岡県の関係者において賢明に処置されることを期待しておるわけでございます。
○小野明君 この警官導入をしたり、一カ月も空白ができたという事態が望ましい事態でないということは十分おわかりですね。そういたしますと、やっぱりここで何らかの解決策を講じなければならぬ、こういうこともおわかりいただけるかと思うのです。ただ、私が申し上げたのは、吉久教育長は警官を導入をして、そうしてあくまでも強行突破するのだということで、福岡県の教育界をますます混乱させようとしている。これが正しい解決策だと、こういうふうにお考えになっておると考えられますので、この点について私は文部省としてはどうなのかということをお尋ねをしておるわけです。くどいようですけれども再度お答えをいただきます。
○政府委員(天城勲君) 最初から先生の出された問題でございますし、教員人事がもつれて、結果として警官を伴わなければ学校に着任できないというような事態はまことに残念なことだと、私も基本的に思っております。ですから、こういうことのないように、またこういう事態が一日も早く解決されるようにということは基本的には念願いたすところでございます。 ただ、すでにこれだけの時日がたっているということは、無為にしてここまで来たのじゃなくて、それぞれいろいろな努力が重ねられた結果、ついに一部でこういう事態が起きたということで、おそらく県の教育委員会においても望むところではなかったろうと思うのでございます。基本的には、先ほど来ここで質疑がかわされたような基本的な考え方については、福岡県の教育委員会でも十分御理解の上でございますので、福岡県の特殊な事情はあろうと思いますけれども、それを前提にしながらも、一日もこういう思わしくない、望ましくない姿が解決されて、正常な教育が行なわれることを心から念じておるわけでございます。
○小野明君 この事態はきわめて急迫しておるわけですね。それで、県の的確な指導方針というものがお聞きができないわけです。で、この問題は、きょう大臣がお休みでありますから、大臣が見えますまで結論というのは保留をしておきたいと思います。再度この問題についてはお尋ねをしたいと思っています。 ただ、ここで申し上げたいのは、教組がこういうことをやるからこうなんだと、なっておるのだと、こうもしお考えになったら、それは間違いだ。執行部が旗振ればそのとおりやるか。高等学校の先生というものは、御承知のようにみな最高学府を出られておる方ばかりです。執行部が間違ったことをやれば、やっぱりここまで来ないわけですね。これはある党の総会でも、総裁が進め進めと、幹事長が進め進めと号令かけたら、そんなおれたちは昔の兵隊のように上官が命令したからといって進めるか、こういうふうな異議も出たということが新聞に出ておりますが、まさにそのとおりでございまして、決して教組がどうだこうだと、こういうふうに考えるのも、これは私は間違った考えであると、そういうふうに申し上げておきたいと思うのであります。 で、最近ちょっと聞くところによると、文部省に教科書関係の課長さんに何とかいう人がおられて、福岡県の出身らしいのですが、この人が終始組合の悪口を言っておる。近く省内で福岡県の教育長に出ていくんだという話も流れておる、こういう話も聞くわけです。で、吉久氏のことばも、おれは二年ぐらいおって本省に帰るんだと、こういうようなことを新聞記者諸君にも言っておるようなんですが、あなたのほうではもう後任の人選をお考えになっておるのですか、どうですか。
○政府委員(天城勲君) いまのお話は私全然存じておりませんし、大体いまの教科書関係の課長がどこの出身かも私存じておりません。まして福岡県には現に教育長がおるのでございまして、任免権は福岡県の教育委員会が持っております。何もお話がないことについてどうこうということは、毛頭考えておるわけではございません。どういうととろのうわさか、いま初めて伺って、むしろびっくりしたような感じでございます。
○小野明君 それでは、先ほど申し上げましたように、この問題は大臣がお見えになってから再度ひとつ結論を出したいと思うのです。 若干警察庁のほうに御質問申し上げておきたいと思います。 五月十一日に先ほどからお聞きのように警察官が出ておるわけですね。これは宗像にあります水産高校、それから久留米にあります久留米聾学校、それから北九州にあります北九州盲学校、三校に出ておるようであります。これはここに出動をされたのは一体だれからの要請があり、それはいつか、あるいは出動されたのは何の理由であるか、この点をお尋ねをしておきたいと思います。
○説明員(三井脩君) ただいま御指摘のように、五月十一日に警察官が現場に出ましたのは水産高校、北九州盲学校、久留米聾学校の三校でございます。この出動にあたりましては、先ほど来お話しのような状況でございまして、ことに五月九日の日には水産高校で小指を骨折するというような傷害事件容疑の事案も発生しておるということで、四月初め以来の問題がこういうふうになってきておるのかということで、警察としてはかねて心配をいたしておりました。 五月十一日当日につきましては、早朝に県の教育長から、またこの三校につきましてはそれぞれの校長から、きょう学校へ行くときにいろいろ問題が起こっても困るので、そのときには警察においてもよろしくお願いいたしたい、こういう文書による依頼書と申しますか、要請書と申しますか、これは早朝にございました。当日、警察はそれぞれ所轄の警察署におきまして、こういうような要請もあり、また事態もここまで来ておるということで注意をいたしておりましたところ、大体各校とも午前八時過ぎにはそれぞれ校長さんが現場へ行かれるということでありましたが、この際校門の入り口あるいは校舎の玄関口等で高教組の組合員等によるピケその他の方法で中に立ち入れない、こういうことで、あるいはスクラムの形、あるいは隊を組む形、あるいは押すというようなことでありました。そういう事態が発生いたしました。 そこで、あらかじめ早朝に要請及び依頼がございましたが、そういうような事態が発生いたしましたその現場でそれぞれの校長さんから、こういう事態なのでぜひ警察官が出て措置をしてもらいたい、こういう要請が再びございました。 警察におきましては、この状況を見まして、これは放置できないという事態でもありましたので、現場で警察官から警告をいたしました。こういう状態ではいけないという警告を何度かいたしたわけであります。なお、それでその警告に応じないという人たち数名、あるいは多いところで二十名というような事態でございますが、この人たちを警察官がいわゆる実力規制という形で排除いたしました。三人の校長さんはそれぞれ学校の中に、校舎の中に入られた、こういう事態でございます。 この場合の警察のこのような措置をとった根拠なり考え方という点でございますが、先ほど来お話がございますように、警察といたしましては、いわゆる治安維持という観点からものを見ておるわけでございまして、ことに教育委員会の措置をめぐる問題というような点につきましては、この内容につきましては、警察としては何ら関知するというような性質のものではないわけでございます。ただ、先ほど申しましたような傷害事案やその他の実力でぶつかる、こういうような事態、事案が発生するという場合には、やはり警察としてその責務の立場から措置をしなければならぬという意味で関心を持ち、当日におきましても警戒をし、あるいは警告をしというような措置をとったわけでございます。 具体的にとりました警察官の実力規制なり警告なりというような点につきましては、警察官職務執行法第五条というものを根拠にいたしまして、犯罪が行なわれ、それによって生命、身体に危害が及ぶと、これはほうっておけないというような事態の場合には、警察官がこれに対して警告を発する、あるいは制止をする、こういうことでございます。 以上のような観点から措置をいたしたわけでございますが、もとより、この種の問題につきましては、警察としてはできるだけすみやかに事態が起こらないように、平穏な事態に立ち戻ると申しますか、問題が解決するように念願いたしておるわけでございまして、ことに学校は教育の場でございますから、当日は土曜日ではありましたけれども、また具体的に警察官が実力規制をいたしましたのは午後ではありますけれども、学校の生徒等もいるわけでございますので、そういうような点については細心の注意を払いまして、できるだけ慎重に措置をし、また事態が早く解決するということを念願しておる次第でございます。
○小野明君 そうしますと、最初に要請がありましたのは教育長のほうから要請があったわけですね。その時期は、教育長と校長の要請のあった時期というのはどういうふうなズレがありますか。
○説明員(三井脩君) 十一日当日早朝でございました。要請は、県教育長とそれぞれの校長の連名による文書でございます。これは早朝で、早いところは六時過ぎだったと思います。
○小野明君 十一日ですね。
○説明員(三井脩君) 十一日でございます。そこで、校長が出勤されようとして、その現場では校長だけの名前で文書で出された、こういうことでございます。
○小野明君 そうしますと、やっぱり教育長のほうから指図をいたしまして、同じような指導をして、こういうふうにやれという指示が出ていることは明らかですね。
○説明員(三井脩君) 私たちが承知いたしておりますところでは、先ほどお話がございましたように、もう数十日にわたって職務ができない、こういう事態でございますので、人事権者として発令をされました教育委員会の教育長という立場で、着任をするように指示をされたというように承知をいたしております。
○小野明君 それで、課長も御説明になっておりますように、事は教育の現場でありますから、要請がありましたら、すぐおっ取り刀で出るというようなことではやはり困るわけですね。その間で若干やはり配慮もなさったという事実をお聞きもしておるわけであります。で、警職法の第一条後段にも、必要最小限度にとどめなければならぬと、こういうことが規定をしてありますし、その辺の配慮といいますか、そういった点について、職務は別であるからおれのところはそうしたのだというようなことではなくて、やはりこの事態の抜本的な解決はどの辺にあるのか、どうすればいいのかということを十分お考えの上に、そういった措置をおとりをいただきたいと思うわけであります。その点について再度お尋ねをしておきます。
○説明員(三井脩君) 御説明のとおりでございまして、内容には警察的に関知をいたしませんけれども、私たちとして事の正しい判断をするという意味で、推移等については十分関心を持っておるわけでございます。また、要請があったから直ちに出るということではございませんで、要請があったということは、被害者側としてたいへん被害というものを感じておると、こういうことについての有力な警察の判断の材料になりますけれども、それに応じて警察官が出動するかどうか、あるいはどの程度の警察官を現場に派遣するかというのは、全体の状況を見まして、警察が独自の立場において判断をするわけでございます。 したがいまして、この点につきましては警察法並びに警察官職務執行法というような法の精神にのっとりまして、事態に応じてできるだけ少ない範囲で、またどうしても出なければならない、措置をしなきゃならない場合におきましても、慎重な配慮をもって事に臨みたいというのが方針でございますし、将来ともそのように配慮をして、事態ができるだけ早くおさまることを待ち望みたいと考える次第であります。
○小野明君 それでは、最後に政務次官にお尋ねをしておきます。この福岡県の事態というのが、こういうふうに非常にきわめて憂慮すべき事態であるということは、もうおわかりをいただいたと思うのであります。結論は、私もきょうの質問は保留をいたしまして、大臣が参られた際に再度お尋ねをしたいと思うのでありますが、それまでにおきましても、政務次官のほうで大臣と御協議の上、やはり教育現場の相互信頼を回復するような解決のしかたをひとつ御配慮をいただきたい、このように考えているわけであります。最後に政務次官の御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(久保田円次君) 小野先生の言われるのはもっともだと思います。福岡県におきまして教育行政が一日も早く正常に復するということは、これは福岡県全体に対しても県民が望むところであると思います。大臣にも小野先生の申し出をよくお伝えをいたしまして、なるべく早く解決ができるように取り計らいたいと思う次第でございます。
○委員長(中村喜四郎君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会 —————・—————