物価等対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/03/13
会議録
○委員長(大森久司君) それでは、ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。 当面の物価等対策樹立に関する調査のため、参考人として畜産振興事業団の役職員の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認めます。 なお、日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大森久司君) これより、当面の物価等対策樹立に関する調査中、公正取引委員会の物価対策に関する件を議題といたします。 質疑に先立ちまして、公正取引委員会委員長から発言を求められております。山田公正取引委員会委員長。
○政府委員(山田精一君) 前回の当委員会におきまして、私が昨年七月の総理大臣の御発言につきまして申し上げましたことは、はなはだ不適切でございまして、ここにつつしんでおわびを申し上げまするとともに、取り消させていただきたく、お願いを申し上げます。
○委員長(大森久司君) 本件に関し、質疑のある方は順次発言を願います。木村君。
○木村美智男君 いま公取委員長のほうから、前回の私の質問に対しての件で取り消しが言明をされましたが、私、それであの件については了解します。ただ、そのことは、要するに、委員長も御承知のように、再販規制法というものは当委員会としても一応決議をしておる問題であります。それから総理も明確に、必ずこれは法制化すべきものだと、速記録に明確に書いてある問題であります。そういう意味で、したがって法制化問題はもうこれで今度の運用強化によって消滅したんだということにはならないということは、明確にこれは委員長のほうも御理解を願った上でいまのような取り消しがなされたのかどうか、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(山田精一君) 私の前回のことばが非常に足りませんでございましたのでありますが、今後とも、公正取引委員会といたしましては、違法な再販行為の取り締まり、あるいは再販許容商品における個々の再販行為の監視に万全を期しまするとともに、あわせて、再販行為規制に関する基本的な制度のあり方につきまして常時検討を続けてまいりたい、かように存じております。今回御報告申し上げました措置は、さしあたり当面の措置といたしまして、現行法の範囲内において運用を強化いたし、少しでも役に立ててまいりたい、かような考えでございます。
○木村美智男君 大体わかるような気がするのですが、またあとでいろいろ問題を起こしてはいけませんから、もう一つ突っ込んでお伺いしておきますが、委員長の言う、基本的な制度のあり方について今後とも検討をしていくという意味は、場合によってはそれは法案に手をつけることもあるし、ということを少なくとも含んでいると理解をしてよろしいかどうか。そうでないと、これはやはり、先ほど私申し上げたように、今度の規制強化というのは、当面の措置として運用を強化するということを言われているのであって、そういう必要は全然ないということには委員会としてもなっておらないように私も伺っておりますので、そこのところをひとつもう一回、くどいようですが……。
○政府委員(山田精一君) 検討いたしました結果、現行法の条文の削除、追加あるいは改正になりまするか、あるいは単行法の制定をも含めまして検討をいたしてまいりたい、かように考えております。
○木村美智男君 ただいまの御答弁でたいへんけっこうでございます。そういうふうに私のほうも了解をいたしておきます。 そこで、公取委員長にお伺いをしたいわけですが、多少この前の委員会の続きになると思うのですけれども、実は、この間、八日の日の衆議院の予算委員会で再販問題が取り上げられて、委員長出席をされて、いろいろお答えになった。で、まだ速記録ができておりませんので、私は新聞をもって知る以外に道がないので、あるいは受けとめ方に不正確な点があれば、十分これは正確なお話をいただきたいと思うのです。 その中で、読売新聞などによりますと、とにかくたいへんな、再販問題について大英断をふるって何かりっぱなことをやるように実は載っかっている。私はびっくりしたわけなんですけれども、「再販制度で政府新方針」というような、まさにこれは新法、単独立法以上の、これから受ける印象は、そういう印象を受けるような見出しなんで、目をさらのようにして中をいろいろ読んでみたのですが、中身はそんなものではないですよ。やはりこの間委員長が談話で発表されたような、そういうことなので、大体そういうふうに理解をして委員長にお伺いするのですが、二月の二十九日の日に衆議院の物価の特別委員会で、委員長はこういうふうに言われているのです。再販制度は従来ほどウエートはなくなったけれども、今日でもある程度必要である、中小企業や零細業者を守る法益があるのだ、法律上の利益があるのだ、ということを答えた。同じ三月八日の予算委員会では、法律に認められている限度で必要だと思う、家庭電気製品など、法で認められていないやみ再販はいけないけれども、医薬品であるとか化粧品などは、これは大型店だけしか扱わないようになるというのでは困る、というふうにも言われている。これは委員長、私、この二つの答弁を伺う限り、再販制度をあなたは肯定をしている。まあ端的にいえば再販制度肯定論だ、この意見というものは。 そこで委員長、しかし現状のままでいいと思っていないから、現行法で運用を強化して規制をしていくのだ、こうつけ加えられているわけですが、そうすると、ひとつ聞きたいのは、第一に、北島前委員長時代の公正取引委員会の公式な見解というやつは、これは私、速記録を持ってきているのですが、去年の七月五日に、当委員会で私の質問に対して北島さんはこういうふうに答えている。つまり、物懇の提案を受けて、「その御提案をできるだけ実現するためには、現在の独占禁止法の二十四条の二という規定では不十分でございます。」、ことに物価問題懇談会が取り上げております各段階のコストだとかマージンだとか、こういうものを物懇は登録して一般の閲覧に供するようにと、こういうふうに言っているので、この点はどうしても法律の改正が必要になります、と、これが一つ。それからもう一つは、それ以外のいわゆる再販売価格維持契約あるいは維持行為——これはやみ再販をさしていると思いますが、これについては必ずしも現在の独禁法の規定では規制が十分でない、取り締まりが十分でない、というふうに言っておるわけであります。それから考えますと、どうも私どもとしては、何とも公正取引委員会というのは——委員長さんがかわりましても、大体独禁法の運用あるいはこれを用いていろいろ取り締まり規制をしていく方針というものは、人がかわっても大体これは踏襲をされていって変わらないと、一般常識としてそういうふうに考えておるわけなんです。そうなってくると、一体これは北島前委員長の意見が適当でないのか、それとも最近情勢が変化してきたんで公取が考え方を変えたのか、ここら辺について、一体北島意見はこれは間違いなのかどうかということをひとつお伺いしたい。それをまず先にお伺いしておきます。
○政府委員(山田精一君) 私ども公正取引委員会の基本的な再販に対しまする考え方は、北島前委員長時代におきますると現在におきますると、変わっておらないと、かように存じます。ただ、方法論といたしまして、ある時期におきましては、単独法を制定いたしませんというと、いわゆるやみ再販の規制がむずかしいのではないか、と申しまするよりも、むしろ概念をはっきりと明確化したほうがよくはないかという案がございました時代があったわけでございますが、その後検討をしさいに続けました結果、従来の審決例その他に基づきましていわゆるやみ再販の取り締まりは現行法規をもってできると、かような結論に達しましたわけでございまして、その政策の内容と申しますか、方針におきましては変わっておらないと、かように存じます。
○木村美智男君 委員長のいまの、基本的な考え方は公取として変わっておらないという点は、わかるような気がするんです。そこのところは私はいいと思うんですが、方法論として、再販に指定をすべき範囲というものをどういうものにするか、あるいはその品目についての具体的な判断のものさしをどういうものをつくるのかという問題が明確化したほうがいいという議論が過去にあったと、こう言われておりますけれども、これは、きょうは企画庁長官来ておられぬから、ちょっと私うまくないと思ってるんですが、企画庁長官も実はそういう考えで、今日の法の中でその点は不備だ、少なくともそれは、法律改正ができないならば、何かの運営の細則みたいな形で、しかも公取内部でだけわかってるんじゃなくて、公に出せる、こういうもので、あるべきものさしをはっきり示したい、そのために経済企画庁としても検討をしたいという答弁を私にしてるんです。これは了解してるんで、長官にはその後の検討の結果を実は伺いたいと思っておったわけですが、きょうは残念ですがそれはできませんが、この考え方というものは、依然としてこれは、きいていないどころか、現実の問題としてはますます必要性を増してきている。したがって、この、方法論として現行法規で十分なのかどうかについては、この間私少し時間の関係で先を急いだから十分できませんでしたので、きょうの質問という形の中ではやらないけれども、次回あたり、いまのやみ再販を取り締まるのに現行法規で十分なりやいなやという論争を、ぜひ委員長、これはこれだけでもって、私、ほかを抜きにして、質問をそのうちさせていただいて、委員長からも御高見を承りたいと思うのです。ですから、きょうは、現行法規で十分だと委員長はおっしゃるが、私はそうではない、そんなことであるならば、もっと具体的に、たとえば松下のやみ再販にしたって的確な手が打てるはずだが、それが一年たっていまだ何もできないということは、やはりこれは公取がサボっているのでもなければ、あるいは審査の関係でどうこうしているのでもない、今日のこの取り締まるべき、何というか、武器がないのだ、そこに欠陥があるのだということを私は言おうとしているわけですから、これはぜひ次の機会の議論に譲ることにします。 もう一つ委員長に伺いたい。それは、やはり委員長は基本的にいま言ったように変わりないと言っていますけれども、ほんとうに委員長がそう思っているのならば、実はちょっとふしぎにも感じている。それはどうしてかというと、今日の公取の結論がこうなったということについて、逆に、何というか、いま言ったような気持ちになっているという意味なんですが、四十二年の十一月ですから、三カ月ばかり前ですが、財団法人公正取引協会発行の雑誌「公正取引」の「独禁政策への期待」というこの座談会の中で、委員長、これはたいへん恐縮ですが、そのときの本をそのまま、私、一部分だけ委員長の御意見を読ましていただいて、なお委員長に、この本来のあなたが個人でものを言っているときの気持ちに実は立ってもらいたいという、そういう意味で申し上げる。この中で委員長はどういうふうに言っているのかというと、一般論として再販というものをどう考えるのか、こういう質問に対して、要するに、安売りというようなこと、ダンピングあるいは不当な安売りというふうに言われているようなものは、これは不況期に換金投げ売りの押し込み販売がメーカーなりあるいは問屋から行なわれるために起こるものであって、したがって、これを救済するために恒久的な再販制度を使うということは、これを合法的に使うということは、これは間違いだと委員長は実は言っているわけです。そして、私が指摘したと同じようなことをこの中でも言っていますし、二十八年改正のときに、経済の実態の上からどうしても再販契約というものが必然的に必要なものであるというならば、法律の改正が施行されたら、もう待っていましたとばかり、ぱっと来るはずだったと思うのです、こう委員長は言っているわけです。ところが、そのときには、利用したのは一社だけなんです。大正製薬が、薬屋さんが一社使っただけなんです。そうして委員長またいみじくも正しく指摘しているわけであります。昭和三十九年ごろになりましたら、もう、バスに乗りおくれまいという調子で、ぱっと殺到した、あの時期から再販に対して数十社が飛びついていって、品目は何千ということになっていった。このことを委員長は指摘しているわけです。もし、さっき言ったようなことで、何といいますか、購買力が一時的な不況で落ちるというようなことであるならば、あなたは、不況カルテルなり合理化カルテルなりで一時の安売りというものを押えようと、これは容認できますと、こう言っているわけです。ところが、再販維持という恒久制度でもってそういうものを合法的に使っていくということはこれは間違いなんだ、そうして、国民経済の立場からもそういう再販契約はやめてもらわなければならない、こう言っているのですよ、委員長。私は、これを読んだときに、山田公取の委員長は、まさにこれは今日の経済の実態に即応した打ってつけの委員長だと思って、心の中で快哉を叫んだ、この文章を読んだときにね。ところが、あなたの率いる公正取引委員会が間もなく出してきた結論は、このことは変わってきて——変わってきたというか、基本的には変わらないと言っているんだけれども、私はやっぱりこれは、表に出たところだけが変わっているとか、あるいは方法論だけが変わっているとは見ないです。残念ながら、委員長の御意思とは違った方向に今日公正取引委員会の考え方があるというふうに受けとめざるを得ない。この間、そのためにわざわざ五人の委員の皆さんに来ていただいて、有賀委員だけは退席されましたからお答えをいただくことはできませんでしたが、いろいろ書いておられること、しゃべっておられることを聞いて、委員長と大体同じような、むしろ積極的に再販制度否定論をとっているように私伺っております。あとお三人の方々については、私がこの間質問した限りでは、やっぱりこれは再販肯定論で、委員長よりはるかに強い肯定論です。だから、そういうような状態で来ていますと、どうもあなたがものに書いたり言っておられることと、実際に公取委員長という立場に立ってやられていることとの間に違いがあるので、これは一体どういうことでそういうふうに心変わりをされたのか、それとも何かの事情変更があってこういうふうに変わられたのか、そこを委員長にぜひ聞かしていただきたい。
○政府委員(山田精一君) 「公正取引」の記事をお読みいただきましてありがとうございます。そこで、私が強調いたしておりますのは、現在再販維持契約が認められておりますところの商品の中に、似て非なる夾雑物、すなわち不況カルテルにかわるべき、かわりの手段として使われておる夾雑物がかなり入っておるのではないかということを実は申しました次第でございます。したがいまして、今度の品目の洗い直しにおきましては、この似て非なるもの、これは全部排除をいたしたい、そして最小限必要な品目のみに限定をいたしたい、法律がすなわち認めておりますところの、一般消費者が日常使用いたし、また自由な競争が行なわれておりまして、零細な小売り業者がこれを取り扱う、それによって消費者も利益をする、この目的に必要にして十分なる限度に削減をいたしたい、こういうふうに考えておりまして、考え方が変わりましたわけでは決してございませんのでございますことを御了解いただきたいと思います。
○木村美智男君 そういたしますと、委員長が答えられている中で、私はちょっと了解ができない点があるんですが、それは、何といいますか、衆議院の予算委員会の際に、おとり廉売の話が出たでしょう。これについては現在の独禁法でも取り締まれるじゃないか、こう言われた際に、あなたは、これは新聞だから必ずしも正確じゃないと思いますけれども、法的にそれはやれる、やれるけれども、実際上はたいへんだから再販を認めたほうがいいという意味のことを委員長答えられているんですな、この新聞では。この辺はどういうことですか、真相は。
○政府委員(山田精一君) おとり廉売につきましては、確かに独禁法でこれを規制いたす道がございます。ただ、二十四条の二で定められておりますような、一般消費者が日常使用いたすところのものは品目の数もはなはだ多うございまして、しかもおとり廉売の具に使いますのには最も適しておると申しましてははなはだ表現が妙でありますが、一番使われやすいところのものでございますので、それらについては再販を認めることが零細な小売り商の利益をも保護いたし、それがはね返って消費者の利益をも保護いたすことに相なる、かように考えておるわけでございます。
○木村美智男君 そういたしますと、そのいまのお答えについて二つやっぱり問題があるような気がするのです。それは、一つは何かというと、数がたいへんだから、これを取り締まるのにこれは実際上たいへんだから再販を認めて、安定価格で売らしたほうが消費者のためになるのだという、こういう考え方というのは、気持ちはわかるけれども、これはしかし、何というか、独禁法の番人としての公取の委員長のお答えとしては私はいただけないのだ。これは少し、横着な者が言うようなことばですよ。取り締まるのにたいへんだからそいつは認めたほうがいいと言うなら、こそどろだって、つかまえるのはたいへんだから——例は不適当に思うかもしれませんが、私はそういうふうに思うのです。これも、やみ再販というのは経済事犯だと、私はそうきめてかかっているから、だから、こそどろがつかまえるのがたいへんだからこれは取り締まらぬで認めておいたほうがいいというようなことに通ずるような議論は、これは公取委員長としては、私はちょっとどうもいただけない。それは、気持ちはわかりますよ。何とかそういうことによって、ある程度現実の上では安定的な価格で品物を売らせることによって消費者の利益を守るのだという気持ちは。しかし、実際問題としては、この法の運用に当たる委員長としては、それはうまくない。なぜかというと、あなたたいへんだとみずからおっしゃっていることについて、洗い直しをしようと言っているのだから……。これはまたあとで伺いますよ。 それからもう一つは、やっぱり新聞の中で、いろいろ言っているが、そのおとり廉売という問題ですね、これはある意味では私は幽霊みたいなものだと思うのです。委員長、ほんとうに、このおとり廉売という問題について、現実の問題として、そういうものがどういう形で、今日こうあるこうあると、具体的にやっぱり公正取引委員会として把握されておるのかどうか。なぜそういうことを伺うかというと、このおとり廉売だ、乱売だという、このおどかし文句で、再販制度というものを今日までずっと、これは維持してくるための常套手段として、常におとり廉売ということが言われ、乱売ということが言われてきた。そんなら、じゃ一体わが国にそういうことがあるのか。それは、国際的な歴史の経過を見ればそういういきさつもありましたよ、幾つかね。しかし、日本の場合に、そういう問題がそんなにたくさん過去にあったのか。過去にあったというよりも、今日の経済事情の中で、そういうことが具体的に緊急の問題として発生する状況になっているのかどうか。ここをほんとうに突っ込んで公取として検討されたのかどうかということ。 なぜ私はそういうことを言うかというと、それは、キャラメルにしろ、雑酒にしろ、あるいは襟つきワイシャツというのが、これは取り消しされましたね。これらのものが取り消しされたときに、そういう問題は一つも発生してなかったですね。そんなものは実際上使われていなかったから問題は起こらなかったと委員長は答えられるかもしれない。使われもしないようなものを指定したことにも問題があるのじゃないかということになってきますけれども、その話は。しかし、いずれにしても、とにかくキャラメルとか雑酒というものでも——お酒ですよ。これだって、やっぱり再販から取り消した場合に、何らかのかっこうが出るべきであって、それが現実やっぱり出ていないという、そういう条件が一つ現実にないというところに、われわれは、単におとり廉売だ、あるいは乱売だということだけでおどかされても、なかなか信用できない。むしろ、口実にしているきらいのほうがこの点は強い。だから、極端な言い方をすれば、おとり廉売、乱売のあることを事前に十分に頭に置いてその対抗策を講じながら、一回ばらしてみなさいというのが私の意見なんですよ。なるほど、ばらしたら、とたんにそれはもう市場が、流通秩序が大混乱をするという、そういう関係が出てきたら、即座に手を打てるだけの準備をしたらいいので、私はそういうことは起こり得ないと思っている。今日の再販制度をどういうふうにやっているかといったら、すでに寡占化の形で、それは卸売りをしぼり、販売店をきちっとしぼっているから、そんなに簡単に乱売状況が、化粧品にしろ薬にしろ、出てくるなんということはない。むしろ、厚生省なんか言っているのは、品質の悪いものが出てきて、はだを荒らしたり、胃腸を荒らしたり、薬を飲んでそういうことが起こるんじゃないかというので、お役人も業者と一緒になって、この再販維持のために一生懸命そういうことを言っている。だから、一回、事実そういうことになるかどうかということを、公取としてやってみるべきだ、もちろん準備を十分してね。出たらすぐ規制する、あるいは取り締まる、そういうだけの準備をしてね。それぐらいのことでなければ、今日いわゆる消費者のほうを向いた、いわば消費者行政とか独禁政策とかいうことにならぬのじゃないか。これが実は私の言いたいところなんです。 したがって、そういうようなことで、むしろ私は、最近は安売りがなくなっちゃったという話を実はしているわけです。現実に見てみなさい。スーパーマーケットだって、もう一年ぐらい前は相当の安売りというものがあって殺到したのです。いまや、もう値幅もへちまもない。全部締めつけられて、安く売ったときには、もう、監視員がいる、組織自体が、ナンバーまで品物に打ってあって、どこの卸のどこの小売りで買ったかということがわかるようになっている。試買員というのがある。自分はたいしてその品物はほしくないのだが、一般のお客さんに化けて買って、安くしていたら、それをネタにして、また上から締めつけるという、こういう関係になっているから、スーパーマーケットだって、あまり安くしない。今日の実態は。そういうことを委員長つかんでいただかぬと……。おとり廉売という問題を、もう何だか、幽霊みたいなものを、一生懸命、それが流通秩序を乱すことになるのだということを、抽象論、一般論としていつまでも頭の中に入れておいたんじゃいかぬのじゃないか。もっと実態の中に飛び込んでいって、そして実際にそうなったらどうするかということも準備をしながら、消費者行政を守るという立場で、この際やっぱり腹をきめるべきじゃないかと私思うのですけれども、もし、いまのおとり廉売あるいは乱売というようなことになるという必然性と緊急性が科学的にあなたが証明できるなら、ひとつ御説明をいただきたい。
○政府委員(山田精一君) 仰せのごとく、一般の小売り業者あるいはメーカーが申しておりますところのおとり廉売、それと、私どもが考えておりますおとり廉売とは、これは非常に大きな範囲の差があるように私は心得ております。しかし、おとり廉売のケースが絶無である、かようなわけにはいかないように存じます。また、現在の段階におきまして、おとり廉売が比較的少ないといたしましても、景気のいかん、特に消費財部門でございますが、消費財の需給関係あるいはメーカーが製品の押し込みをいたしますとか、そういう関係等を考え合わせまするというと、おとり廉売の懸念は絶無とは言えないと存じます。私どもの役所で、昨年、ある消費財商品につきましてやみ再販を指摘いたしまして勧告をいたしました。当該商品は、すなおにその勧告を受け入れまして再販をやめたわけでございますが、その商品につきまして私どもは関心を持って見守っておりましたところが、いままでのところは特におとり廉売という現象は起こっておらないように思います。それを御報告申し上げておきたいと思います。
○木村美智男君 だから、委員長、私も絶対におとり廉売なんというのはあり得ないとは言っていないのですよ。あるいは多少これが、いままであった再販制度ですから、これをはずした段階でのその以降の過程では若干のそういうこともあるだろう。しかし、それが、要するに通常の状態としておとり廉売が行なわれて流通秩序が破壊をされると、こういう状態は、とにかくこれは私もほんとうのとこ言って、わかりませんし、委員長だって、いまの答弁から考えてみると、懸念がないとは言えないという程度のやっぱり見方だと思うのですよ。そうしてみれば、結局、今日の時点の中で、じゃ再販というものの実態が一体どういうことになって、どれだけの法益をもたらし、どれだけの弊害をもたらしておるかという実態把握にかかってくると思う。したがって、ここのところは、委員長、この前から私二回くらい言っていると思いますが、寡占化が進んできて、市場支配的な企業が、やっぱりいまの再販によって、私、略して縦のカルテルという言い方をしておりますがね。こういう状態で、とにかくブランドのイメージ競争はありますよ、テレビやなにか一生懸命やって。しかし、あの中には価格競争というものは一つもない、自由競争は。もうそのままぴたっと、上から下まで垂直的な販売系列によってきちっとなっているわけですから。そうすると、一体日常使用されるもの、あるいは自由な競争が行なわれているものといったような大ざっぱなことから考えてみても、今日では、そういうことの実態にもう再販は置かれていないんじゃないか。むしろ、メーカーの利潤吸い上げのてこにこの再販制度が使われているということを私は具体的に指摘しているわけです。だから、このことについて、きょう、そういうことで論争をしてどうこうというよりも、一回公正取引委員会としていま指定をしている代表的な品目について、あるいはそのメーカーから卸から販売店の関係がどういう状態になっているかということをお調べ願えませんか。私も具体的な例を持ってきます。そうすれば、単に机の上や委員会の議論、論争じゃなしに、やはり実態議論をやらないと、これはどう見ても、委員長、それは水かけ論になってしまって、だめなんで、そういうことではこれは済まされない問題だから、実態論議をすれば、これは一目りょう然、明らかで、全面的に私の言うような縦のカルテルになっているのもあるし、それらしきものもあるし、ものによっては、私は、私的独占としてこれは規制しなければならぬ程度のものまで今日あると、こう私認識をしている。 それから、委員長のおっしゃるように、私が言うような縦のカルテルまでは至っていないが、それらしきおそれのある程度のものもあります。いろいろ千差万別です。しかし、そこまで複雑に今日なっておるが、全体として見た場合には、やはりそこには価格の自由競争はないし、日常使われておらぬようなものまでどんどんやられる。あるいは公取が指定をしないいわゆるやみ再販がやられておる。これに対して有効な取り締まる法規はない。こういう実態というものを、委員長、これは一回この問題はよく調べていただきたい。私は、せっかく総理も必ず法制化すると言った問題だし、それから公取でもそういう方向について基本的には変えていないということだから、ずっとこの問題は独禁法運用の問題として、私、物価に席を置く限り、これは委員長、いつまでもやっていくつもりですからね。実は執念に近い。私、物価対策としてこれすらもやれないようなら、もう今日の政府なりあるいは政府関連の一連のお役所に物価対策はゼロだと言わざるを得ないのです、この程度のことがやれぬようならば。したがって、そういう意味で、ひとつ委員長にお願いしたいのは、実態を具体的に把握してもらいたい。これはなかなか、いまの公取の人員なり構成の中では困難であるかもしれませんが、できるだけひとつ、一カ月ぐらいのところで、できれば幾つかを調査をして、そして調べていただく。その上で、これはあらためて今日の縦のカルテル論というものをもう一回、再度委員長、これは私提起したいと思います。この点いかがでしょうか。
○政府委員(山田精一君) ただいま御指摘のございましたように、従来の再販品目の指定は、何と申しますか、一つの商品の分類で指定をいたしておりました関係上、御指摘の点の判断につきまして十分でない節があったように存じます。したがいまして、今回の洗い直し作業によりまして品目の数を減らし、それからそれをきめこまかく常時管理いたしてまいりまして、別の角度から、品目が適合しているというだけでなく、御指摘のありましたような自由な競争が行なわれているかどうか、あるいは消費者の利益を著しく害しているようなことはないかどうか、そういう点につきまして、品目ごとに常に審査をいたしてまいりたいと、かような覚悟でおりますことを申し上げておきたいと思います。
○木村美智男君 それでは、先ほども申し上げたように、この十九条によって、あるいは二条七項に列挙されておるような、こういう問題を十分現行法でやれるやれないという議論と、それからいま言った実態について把握してもらったあとで、これは宿題にして、きょうはお預けにしておく。 そこで委員長、いま品目を洗い直すということを言われたから、ここのところを少し伺いたいのですが、有賀委員は、物価の委員会でこういうふうに答えているのですよ。あの人の意見というのは、さっき言ったように、再販というものは今日弊害のほうが多いから、これはできるだけやめたほうがいいんじゃないかという、まあそれがどの程度の法律化をするのかなにかということは別にして、大ざっぱに言えば、そういう考え方、御承知のようにそういう立場ですが、現行法の規定を厳格に適用していけば、指定品目のうちほとんど残るものがないと思うと、こういうふうに答えておるわけです。私も大体、委員長もこの間から言っておるように、相当厳密に洗い直しをやると言っているから、そういう立場をとれば、おそらくこの作業の終わった段階の結果は、有賀委員の言われているようなことに近いものができ上がるんじゃないかというふうに期待をしているわけです。 そこで、それはそれとして、これからの問題ですからお伺いしたいと思うが、まず第一に、一体公正取引委員会として、私は去年の七月から法案でやりとりやっているうちに洗い直しのことで逃げられ始めて、——それはことばはちょっと、逃げられるというのは語弊があるかもしれませんが、ところが、もう洗い直しと言ってから七カ月、半年以上もたっているのですよ。この間、一体委員長、去年から言っているやつだから、少しは洗ったんじゃないかと思うのですが、どれくらい洗い直しをやられたか、それとも全然やられないのですか、これからやる計画なんですか、そこら辺をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(山田精一君) 一応の洗い直しは、ほとんどここ約一カ月内には完了いたす予定でございます。それから今後の方針といたしましては、これは長いことそのままにいたしておくということなく、常に洗い直しの作業を、いつも振り返って洗い直しの作業をいたすようにしてまいりたい、かように存じております。
○木村美智男君 そうすると、いま言われたようなことは、その対象はいまの指定品目全部ですか。
○政府委員(山田精一君) ただいま洗い直しをいたしております対象は、四千何百でございましたか、全部につきまして作業をいたしております。
○木村美智男君 そうすると、これは私がしろうとで、よけいな心配をしているのかもしれませんけれども、とにかく、あの指定品目ですね、四千五、六百でしょう、きっと。これをとにかく洗い直すといったら、私は、これは容易な仕事じゃないと思っているんですよ。あの中には、簡単にあのものさしからはじいてみて、たとえば、もともと医家向けの薬品なんというものは指定したのが間違いなんだから、こんなのははじき出すのはわけはないですよね。だけれども、あの中には、ほんとうにビタミン剤だとか何とかということで、まぎらわしいものやなんかいろいろあるわけですね。それをある程度医学的な、薬学的なものを頭に置きながらこれを洗い直すわけでしょう。そうすると、基準をどこに置くのかという問題、ものさしは一体何なのかという問題、これだって、きちっとしなければ、なかなかそう簡単には私いかぬと思うんですよ。それで、そのものさしができたら、そのものさしに応じて、これははたして妥当なのか妥当でないのか、一つ一つ適否を検討していくわけでしょう。そうして洗い直しをするといったら、これはもう相当な、何というか、時間と、あるいは人手が必要だと、これは私の想像ですよ。だから、そういうことで考えてみれば、これは、この間委員長に、冒頭に、今度の四十三年度予算で、まあ実質は八人だが表向きは五人という話を、増員計画を聞いたんですがね。そんな人員じゃ、とうていこれは一カ月間にやりおおせるということには、私どうもしろうとなのかもしれませんが、想像がつかぬので、私のそう言うことがもし当たっているとすれば、これは公取の職員泣かせになりますよ、こんなものを一カ月でやるというんだから。一カ月後には完了する予定だというんでしょう。まあ予定だから、多少のズレはあってもいいですよ。しかし、それだけの期間内にこの四千数百の品目を洗い直す作業なんというものは、これはやり方で、適当にやっちまうなら別ですけれども、適当というわけにはなかなかいかぬ。それがほんとうにできるのかどうか。それから、もしそういうことだとすると、これはたいへんな職員の労働過重になると思うけれども、酷使になると思うけれども、これはどう考えておられるか。 それからもう一つは、いまも委員長言われたし、この間の記者会見でも洗い直しのあとも不断に監視を行なう、こういうふうに言われているわけです。一体さっきも言っているように、洗い直しをして、有賀委員が言われているように、ほとんど消えてしまうならまだやりようがあるけれども、どうも新聞に出た程度では、見出しはたいへんやるようだけれども、中身を見たらさほどでもないように見えるんだ。そうすると、やっぱり少なくとも三けたぐらいのものはどうも残るんじゃないかという気がするけれどもね。そういう場合に、これは、一つ一つ、ほんとうに検証できるのかどうか。指定品目から落としたら、それで済むわけじゃないでしょう。不断にこれをチェックするわけですね。そうなれば、おそらく、あなたのほうは特別の監視員か、あるいは調査員のようなものを出して、この四千の品目にわたって一々出して、きょうは何と何と何をだれとだれがやるかということで……。不断に監視をすると言っているわけですから、委員長は不用意にそのことばを使っているわけじゃないと思うんだが、私は、何かたいへんなことをしごく簡単に委員長は言われているような気がするんですよ。 この二つの点、ちょっと心配があるものですから、お聞かせ願えませんか。
○政府委員(山田精一君) 洗い直し作業は昨今始めましたわけではございませんで、昨年来引き続きやっておりますので、一応約一カ月後には作業を完結いたす予定でおります。 それから、今後の洗い直しでございますが、再販品目に届け出をいたしております商品につきましては、定期的に私どもで報告書を取っております。したがいまして、まず報告書で荒審査をいたします。それで足りない面につきまして、先方に出向きまするなり、あるいは招致して調べをいたしますわけでございますから、初めから白紙でこちらが調べるわけではございませんので、極力能率をあげまして、これを常時チェックしてまいるようにいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○木村美智男君 そうでしょう、大体。だから、報告書を求めて、それによって洗い直しをするということはわかりますが、しかし、それにしても、やっぱりこれは何か品目の分類の違いごとに、多少洗い直しの基準となるべきようなものがきちっとないと、これはちょっとうまくはないのじゃないですか。やる人の主観によって、あるいは判断によって変わっていくなんということになったら、これはやっぱり大問題でしょう。そうすると、客観的なものさしがやはり必要だということになると思うのですよ。これは、去年の委員会では、少なくともまだそういうものができていない、したがって、そういう必要はあると、こう言われたのですけれども、ぼくらはさらに一歩を進めて、それはだれにも公表のできるようなもので、したがって、それがあるがゆえに、ああこの品目についてはずされたのはこの基準だからしようがないなということになるような、そういうものでなければいかぬじゃないかと、こう言ったのですよ。そういう基準があるのかないのかということです。ないのに、いま委員長が言ったように、簡単にすいすいと事がいくのか。もしそういう基準がなくて、洗い直しのあとで、いろいろ混乱なり、あるいは紛争になったときにはどうするのか。こういう問題もあるから、その辺はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(山田精一君) 洗い直しをいたしまして、はずす必要がございますような商品につきましては、取り扱い者の恣意にゆだねるようなことは決していたしません。委員会に付議をいたしまして、慎重に検討いたしたいと思っております。 なお、この具体的な目安でございますが、これは、今後の洗い直し作業を通じまして、積み上げ的にこしらえてまいりたい、かように思っております。
○木村美智男君 委員会で最終的にきめるということは、これはたいへんいいと思うのですね。そこで、その基準については、実際作業をやっていく中で、あとからまあおのずからでき上がるのだという、こういうおっしゃり方なんですが、それでもいけないということではないのですけれども、そうしますと、委員長、そいつができましたら、これはいわゆる、何といいますか、山田委員長がかりに任期満了してだれかと交代をされても、あるいは実際に審査を担当する人がかわっても、それが一つの基準となり、ものさしになって運営をされるという、そういうものをつくり上げられるということですか。そうでないと、ただ委員長が今度洗い直ししたときの説明の材料にする、こういうことでやったのだということでは、これは私の申し上げている趣旨とはちょっと違うのでね。そこのところをひとつ明らかにしてください。
○政府委員(山田精一君) むろん、その場限りの説明の資料というような気持ちでは毛頭ございません。今後継続的に洗い直しの審査をいたしていきます上の基準といたしてまいりたい、かように存じております。
○木村美智男君 大体与えられた時間に近づいてきておりますから、しぼりますが、そこで、委員長、また先ほどの公正取引委員会としての態度決定の問題について、やはりどうしても委員長に……。委員長は、基本的な考え方として、前委員長なり、あるいは従来の公正取引委員会として持ってきた態度から変わっていないのだと、こう言われて、ただ、その規制なり、あるいは運用のしかたというものの方法論として、当面ひとつ現行法の運用強化でいこうと、こういうことになったのだと、こう言ってますが、それも一つの答え方でしょう。だけれども、やはり前回いろいろと、せっかくほかの委員の方にも来ていただいて質問をした限りにおいては、どうも委員長、言ってみれば、今日の公正取引委員会が合議制である、したがって、委員長はそういう考えを持っておったけれども、全体を見ればなかなか委員長の言うようなことにならない、もし委員長が言うようなことを無理に通せば前の北島委員長のような結果になっていく、——ざっくばらんな話をすればですよ、というようなこともいろいろと配慮をされて、これからの運営もうまくやっていこうというようなことから、あなたはあえて公正取引委員会の中で採決をとらずに、まあ運用強化ということで融和政策をとったのじゃないかと、妥協の道を選んだのじゃないか——これは私の考えですよ。この観測は、私は、委員長、ずぼしだと思うのですが、どうですか。
○政府委員(山田精一君) 私どもは、公正取引委員会を行政委員会の性格に忠実に運用いたしておりますつもりでございます。
○木村美智男君 行政委員会の運営に忠実にということのお気持ちはわかります。ですから、まあいまの質問に答えろということのほうが無理かもしれませんが、ただ、今日の、とにかくこの前の委員会でも私申し上げたように、いまの物価の状況の中で、何といってもやはり注目をして見ているのは、それは公正取引委員会を国民は注視をしておるということです。で、ある意味で言えば、角度を変えて言えば、新法とか、あるいは今日の独禁法を改正をして再販をどうするといったようなことを、行政委員会である公正取引委員会が取り上げたことがはたして適当であったのかどうかという問題も私はあると思うのですよ、これは。だから、きょうは企画庁長官にぜひそばにいてもらって、実は企画庁長官に対して次の問題に入っていきたいと思っておったのですけれども、まあ公正取引委員会委員長としてはいま言ったようなことだろうと思いますから、とりあえずは、私は、新法なり、あるいは改正問題について、きょうの委員会で、どうしろということは、あなたにこれ以上申し上げません。ただ、あなたのほうで言われたことについてだけは責任を持ってもらわなけりゃならぬから、その面では、ほんとうに十九条の「不公正な取引方法」でやっていけるんだという委員長確信あるようだから、これはやっぱり法律論争をどうしてもやらなきゃならぬ。この問題は、私はこれではだめだと言っているんだ十九条では。大体この間、ててなし子を親がどっかから引っぱってきて認知したようなものだと言ったけれども、この十九条なんというものは、公正取引委員会があとからくっつけた解釈論として、これはこじつけなんであって、あの二十八年の大改正前の独禁法と、そのあとの独禁法とを見れば、そんなものではないのです。ですから、この議論はあらためていたします。それが、現に委員長が言われているような調子で、松下もどんどん解決をする、やみ再販も片っぱしから快刀乱麻のごとくいまの独禁法でやっていけるというようなことならいいですけれども、「不当に」とか、あるいは「正当な理由なくして」とか、そんなことで、不当とは何ぞやというようなことからごちゃごちゃやっておって、審判事件を見なさいよ。この審判事件が長引いて、一つも問題が解決しない。やみ再販も解決をしない。そういうような状態になっておって、運用を強化すれば今日十分なんだと言われるならば、法規的な結びつきと、現実のこれから具体的なやり方と、それから審判の現実おくれていることを、どう説明をしていただけるのか、この辺の問題は次の時間に私譲りたいと思うのです。 で、再販の実態だけは、ぜひこの次とは申し上げませんから、大体一、二カ月のうちに十分つかんでおいていただきたい。と申しますのは、もう私の予想したとおり、化粧品の関係やら、薬の関係やら、小売り店から私にじゃんじゃん来ております、いま。抗議みたいなものやら。しかも、裏は全部印刷して同じもので商店のはんこをペタッと押したものが来るから、あんまり感じが薄いんですけれども、あれはほんとうに私の店はこうで、これがなくなったらこうなりますという書面が来る。私は、一つ一つ検討するのもたいへん勉強になると思うのです。あの印刷をバラバラとやって、表だけ商店の名前がベタベタ押されたやつではだめですけれども、そういったような形が、もうすでに、どこによってやられるかといえば、もうメーカーのほうからどんどんやれというかっこうなんです。常に私が言っているように、おどかしで、そうして、おとり販売、廉売ということを理由に再販制度を今日まで維持してきたのです。今日、自民党の福田幹事長は、いまでこそですが、二十八年の独禁法改正のときには、私のいま言っているようなことと同じことを福田さんも言っている。これはほんとうに二十四条の二なんというあいまいなものを入れてやってやらなければ、例外規定を認めてやらなければならないような実情になっておるのかどうかということを……。福田さんあのとき珍しいと思いました。また調べていただいたら出てきます。いま、そういうことを考えているかどうかわかりませんよ。当時はそういうことを言っていた。そういういきさつのある問題だから、私はこれは、委員長、ずっと歴史的な過程と、それから現状と、そしてこれからこの経済の民主化という問題と財政金融、それから独禁法と、この三つの政策をとって今後の経済民主化に運用していくのかという立場から、根本的に委員長にもぜひこれはお考えをいただきたいし、御検討いただきたいし、私も一生懸命勉強さしていただきたいと思うのです。 きょうは、残念ですが、経済企画庁長官が来ておられませんので、まあ委員長に対しては、二、三の要望と、それから次の段階でのことをお願いして、きょうは私質問をこれで終わります。
○委員長(大森久司君) 田代君。
○田代富士男君 引き続きましてお願いしたいと思いますが、いま木村先生から、ずいぶんと激励あるいは何をやっているかと、そういうあらゆる面を含めまして、お話があったと思います。私も、この物価の委員会におきましては、いままで一つ一つの事実の上から、実際どのように運営されているかという問題点を、反対のほうから問題を提起してまいりました。いま、やみ再販の問題一つにしても、どうなっているんだと言われたんですが、私も、実は前回に松下のやみ再販の実態を、この場所で実験をして、皆さんにやっていただきたいとわざわざ実験までしました。その後何らの進展もなされてない。まあ、いろいろな問題もあるかと思いますけれども、そこで、これは山田委員長も現在よくがんばっていらっしゃることはよくわかっております。ある人に聞けば、山田さんは強気であると。山田さんのような人でなければだめだと。今度Bさんに聞けば、あんな腰くだけはないと。そうしますれば、一体那辺にありやと私も感じておりますが、この委員会における山田委員長のお人柄を見ておれば、まじめな、ただ単に消費者の味方として、全大衆の願いを一身に受けている自分だと、気概を持ってやっていらっしゃるということはお見受けすることができるのですが、さまざまな意見が出てくるわけなんですね。そういう面で、いまいろいろな強い御意見も出てきたんじゃないかと思いますが、私も、この物価の委員会に入りました以上は、これはこつこつとやってまいりたいと思います。また、薬の問題にいたしましても、私はある程度具体的な問題をあげております。抽象論じゃありません。具体的な問題を通じ、ある程度のヒントを与えて、その実態を提起しております。そういう面で、今後ともひとつ、いまの木村先生のあれじゃありませんが、あわせてがんばっていただきたいと思います。で、やりたいことはたくさんありますが、一つ一つやってまいりたいと思いますが、きょうは私は、不当景品の問題と、それから不当景品及び不当表示防止法等の問題につきまして、いろいろお尋ねをしてまいりたいと思います。 ちょうど、公正取引委員会のいろいろな活躍を、「公正取引」という雑誌に出されておりますが、その二百号でございますが、その二百号に、事業者に対する景品規制の公聴会の様子が、ここに記載されてあります。これは、公正取引委員会として、流通段階における招待旅行等の景品類の提供について、不当景品及び不当表示防止法の第三条の規定に基づいて規制を行なうために、同法第三条の規定に基づいて、関係事業団体及び一般の意見を聞こうじゃないかというわけで、東京では四月の六日公正取引委員会の場所において行なわれて、四月の十四日は大阪の商工会議所において公聴会が開かれました。そこで代表として出られたメンバーが、東京が、産業界を代表して七名、旅行あっせん業界を代表して一名、消費者代表が三名、学識経験者が三名、関係官庁三名及び自由発言で旅行あっせん業者二名の十九名。大阪では、産業界の代表として二名、消費者代表が二名、学識経験者が三名及び自由発言という立場で産業界を代表して二名の九名、合計二十八名の人人からいろいろな意見を出されたのが載っておりますが、私もそれを読まさせていただきましたが、ここに出てくる問題点は、二十八名の人々からこの景品類の規制強化の趣旨に対してどうであるかということに対しまして、賛成した人が二十四名、残りの四名が反対であったという、そういう結果が出ているわけなんです。まあ、この結果がすべてであると見ていけば……。これがすべてであるということは、一概に論じられませんが、一一の場を通じて、一応、大衆のそういう声じゃなかろうかと見ていくことはできるのじゃないかと思うのです。その中で、おもな反対論者は、運輸省関係のあっせん業者の方でございます。また、賛成を唱えられた人の中で、この原案がゆる過ぎるからもっときびしくしてほしいというような意見を出された人が、賛成者二十四名の中で十二名になっているわけです。まあ、このような、こういう公取を中心としました最近の声というものの一応の結論と見てこれは悪くないのじゃないかと思うわけなんです。そうしますと、そのまた強硬意見の賛成意見十二名中七名の人が、景品の限度額十万円が大き過ぎると主張していらっしゃるわけなんです。まあ、そのように考えていきますと、二十八名というのは、それはへんぱであるというような見方があるかわかりませんが、このような各界を代表された人々であります。一応、その中から多数が、もっとこの十万円の基準を少額にしなさいと言われているにもかかわらず、十万円の原案のままで実施をされた。まあ、その間にいろいろな理由があると思いますが、まず最初に、十万円の原案のままで実施された理由をお聞かせ願いたいと思うのです。
○政府委員(山田精一君) ただいま御指摘の事業者に対する景品類の提供に関する事項の制限でございますが、これは、その前に、懸賞による景品類の提供に関する事項の制限のところで十万円という金額がございましたので、これを踏襲をいたしましたわけでございます。さて、幾らが適当であって、幾らになると多過ぎるかというのは、なかなか線の引きようがございません。総体的にいろいろな考えがございますものでありますから、前回の事業者景品の制限額十万円を一応踏襲をいたしたというわけでございます。ただし、これは絶対のものではありませんから、常に状況に応じまして検討してまいりたいと存じます。
○田代富士男君 いま、前回の十万円を踏襲した、まあそれにはいろいろ相互関係があるのだ、そういう御趣旨でございますが、この問題に対しまして、経企庁国民生活局は、こういう問題につきまして、十万円でなくて五万円にしたらどうだという、そういう主張をしているわけなんです。まあ、これはそれぞれの立場があると思いますが、公取のお考えでは十万円を踏襲した。しかし、経企庁は五万円と主張した。そのように主張された。それをば何とか実現しようとせず、努力をしなかったのは、あまりにも、いまさっきから山田さんは弱腰だとか、あるいは強腰だという、いろいろな意見がありますが、一面から見ていくならば、山田委員長は弱腰じゃなかろうか、こういうふうに私は見ているわけなんですが、強腰だという人もありますよ。しかし、この点からいけば、前回がそうだったからこうやったんだ、しかし、五万円にすべきだという強硬な打ち出しもあるわけです。それを努力しようとせずに、従来のままを踏襲したということは、山田さんの弱腰じゃなかろうか。公取として、それに対していかがでございましょうか。
○政府委員(山田精一君) これは、御指摘の十万円と申しますのは事業者に対する景品でございますので、業種により、また、その規模のいかんによりまして、一年間の商品の取り扱い額も非常に大きなものから小さなものまでございます。したがいまして、十万円が悪くて五万円が正しい、あるいは十万円が正しくて五万円が悪いと、きちっと割り切れるものではないような気がいたします。
○田代富士男君 割り切れるものじゃないと言ってしまえばそれまでですけれども、じゃ、この十万円・五万円の問題点につきまして、まあ事業者に対するというのでありますから、あるいはそういう一年間あるいは半年間の、あるいは会社でありますならばそれぞれの四半期四半期ごとにおいて多額の金額をやっているところもあるでしょうが、それは一概にいかないと思いますが、一般的に言って、これがどのように、はたしてこれだけ出せるところがあるかどうかという、これも横道にそれますけれども、あとでも話したいと思ったのですけれども、出せるところと出せないところとあるわけです。そうすると、独禁法の根本でありますところの公正な取引というものがなされるかという問題点に振りかかってくると思うのですが、そういう点において、いま一つの例をあげますと、この五万円・十万円の問題は後ほどにするとして、今度は反対に、十万円は小さ過ぎる、もっと上げろという、そういう意見を出されたお方があるわけなんです。それはどういう関係の人かと言えば、ここに出てきておりますところの国際旅行業者の協会、あるいは藤田トラベルサービスあるいは東京航空サービス、こういう業者が訴えているわけなんですが、業者でありますから、それはいろいろなことを自由に発言はわりあいできると思うのですが、しかし、ここでわれわれは考えなくちゃならないことは、運輸省の観光局が、このような業者と同じように、十万円は小さ過ぎるとか、あるいは国際観光の年をきめて大々的にPRをやっているのじゃないか、そういう規制をするのはよくないとか、まあ、業者が言う分には自由でございますから、われわれも云々するわけではありませんが、こういう業界を代表するようなことを言うようなことは私は不見識じゃないかと思うわけなんです。そういうわけで、政府の機関の一つとして、しんからこのような規制をしたほうが——私たちはよいのじゃないかと思うわけなんですが、そういう意見も出てきているわけなんですが、そういう業界を代表するような言い方ととられてもしかたがないと思いますが、そういうふうなとり方が国民の経済的にもプラスであるというならば、その理由を明確に運輸当局から聞かしてもらいたいと思うわけなんです。業者が言う分には、これはわれわれ云々する資格はありませんですけれども、少なくとも、政府機関の一つの責任官庁としてそういうことを言うのは、われわれはちょっと不見識じゃないかと思うのですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(深草克巳君) 御指摘の点でございますが、私どももこの問題の意見を聞かれましたときに、省内全体としても実は検討いたしたわけでございます。基本的には、私どもの考え方は、消費者物価対策の一環として公正取引委員会がこういった点を打ち出されたということについては敬意を表しておりますし、私どももできるだけ協力したいという基本方針は堅持をいたしておるわけでございます。たまたま国際観光年で、これは国際連合で唱えられました国際観光年でございます。特に国連の意図したところは、旅行の制限ということはいけないと、国際旅行がお互いに各国の親善、ひいては世界の平和に非常に貢献をするのだということが第一点、それから第二点は、特に後進国の援助という問題を国連の一つのスローガンとして取り上げておるわけでございますが、ただ金を後進国に与えるということでなくて、先進国のほうから後進国に出かけて行って、そこで金を落としたのが、後進国は先進国から物を買う金として返ってくると、そういう後進国援助の一つの形としての旅行の意義ということもあると、この二点で国連が強く取り上げたわけでございます。私どもは、したがいまして、いかなる形にしましても、国際交流を阻害してはならないという立場から、公取の案に対しまして反対の意思を表明したわけでございまして、少なくともことしはやめていただきたいということも申し上げておるわけでございます。 それから金額の点でございますが、これは一般的に旅行の価格というのがございますが、十万円では、せいぜい韓国、台湾あるいは香港程度、これもチャーター機を利用した場合に香港程度まで行けるというような程度でございますので、ほんとうに国際旅行といいますか、異なる民族と接触をして、ほんとうに国際旅行の意義をあげるためには、やはり若干風俗習慣の違ったところにも行くことに意義があるわけでございますので、そういう点で十万円では足らないのではないかという意思を表明いたしたわけでございます。
○田代富士男君 いま国連において国際観光年ということをきめられて、それで各国の親善平和につながる国際交流というものを阻害してはならぬと、また後進国の援助にもなるのだ、そういうようなことでこれはやっていくのだということですが、いま御承知のとおり、京都へ行ってみなさい。どうですか。京都のホテルはじゃんじゃんキャンセル続きだ。私は京都の事情を一番よく知っております。京都のホテルの関係の人も私は知っておりますけれども、その人々がいま申されるのに、国連においてそういう意思を達せらるということでいっていますけれども、御承知のとおりに——ここでは横道にそれますから多くは語りませんが、ポンド切り下げ、ドル防衛の立場から、どんどんとそういう旅行については、すでにきまった団体の旅行でさえもキャンセルなさっている。そういう時の流れというものを、きまったのだからきまったというのじゃなくて、時の流れというものに相応していかなければならないと思います。私は、そういう点、国際交流というものに対してはわからないわけではないのですよ。しかし、現時点においてどうか。まあ、そういう点に対しては、ことし一年間だけはこうしてもらいたいということは、来年からはこれはやめてもいいということなんですか。また、そういう諸外国がもうすでにそういう対策を講じておりますけれども、これと何ら関係なしに運輸省はいまのままでやっていく方針か、その点もちょっと詳しくお聞かせ願いたい。
○政府委員(深草克巳君) 京都のみならず、東京におきましてもキャンセルが続いておりますが、これは特にことしのお正月、いわゆるジョンソン大統領が年頭教書に発表して以来の、いわゆるドル防衛の一環としての旅行の制限、これはまだ法律として成立したわけではございませんが、特に政府筋に近い大会社あたりのいわゆる招待旅行というようなものが、すでに自粛という形で断わってまいっております。去年の国際観光年で、とにかくことしだけはやめてもらいたい——というのは去年のことでございますが、ことしはどうかというような御質問でございますが、私どもも、日本の観光収支もアメリカとはけた違いではございますけれども、若干悪化の傾向にございますので、何らかの措置を講じなければいかぬ、しかし、基本的には、やはり海外に行くことを法的に制限をする、あるいは税金をかけるとか、こういったことについては基本的に反対でございます。しかしながら、不急不要の旅行というような問題につきましては、先ほど問題になっております、たとえばデパートの舶来コーナーとか、そういった国産品愛用にもつながる問題と一緒にしまして、国民の自粛を求めようというようなことを考えております。法的な規制につきましては、現在のところ、とるべき手はないというふうに考えています。
○田代富士男君 その問題は深く突っ込みはいたしませんけれども、ひとつこれは当然考えるべきじゃないかと思うのです。ことし一年とおっしゃることも、そのもの自身が、十万円だからどう、五万円だからどうでなくして、これは全部の声というものを聞いていかなければならないし、これをつかさどっていくところの公取委員会がもうちょっと私はしっかりしてもらいたいと思うのですね。こういう関係航空会社、旅行業者等はそう言うかもしれません、香港へ行くにも、あるいは東南アジア旅行に行くにも、行けないかわかりませんが、それがどういう弊害をもたらすかということをはからずして、その一面だけで見ていたならば、わからないと思うのです。やはり政治だとか言っても、すべてを言っても、国民生活にどう影響を与えるかということに目を置いていかなかったならば、どんなりっぱな政策、どんなりっぱな規則をつくっても、何の役にも立たないと思います。 そういう面におきまして、運輸省が、航空会社や旅行団体から、まあ何とかやってくれというような、そういうあれで、十万円以上というようなことで、運輸省観光局の方もこういう会合に出席して反対しております。観光年に規制するのはよくない、十万円は小さ過ぎる——私はこれは考えなくちゃならぬと思う。対外的には、航空会社、あるいは旅行業者に突き上げられ、政府部内では、原案をまとめる段階において、経企庁はそういうことをやっちゃならぬと言っているにかかわらず、運輸省とか、そういう圧力に妥協して公取が十万円でというふうに、前回を踏襲したということを言っていらっしゃるのですけれども、これは検討する余地があると思うのです。これのみならず、ここにいま申しました二十八人の人は代表の人でありますが、大衆の声を代表するところの東京の商工会議所、あるいは全国中小企業団体、あるいはそういうあらゆる方面の人々、この制度を直接利用する側から強く要求を出されるところを無視してはならぬと思うわけです。こういう点に対しましてはいかがでございますか。前回のを踏襲したということで、いまさっきの答弁は終わっているわけですが、こういう声があるにかかわらず、一面では、いま運輸省の一つの事例をあげましたけれども、こういうところで、いつまでやっていてもしかたがないと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(山田精一君) 私どもといたしましては、十分公聴会におきまして各界の意見をしんしゃくいたし、特に国民全般の意見というものをどこまでも尊重してまいりたい、かように考えます。なお、先刻取引が半期または四半期というおことばがございましたが、この十万円は年に一回限りでございますから、申し添えておきます。
○田代富士男君 四半期と言ったのは、会社の取引の金額を出すときの参考に言っただけのことですから、わかっております。いま、意見を聞いたとおっしゃられますけれども、私は、ここでいま、一面は公取委員長はこういう弱腰じゃないか、また一面では、強気の公取委員長が、山田さんという人が一人いらっしゃる。そういうわけで、私は強気の、ここで思い切って五万円という、経企庁からも出ておりますし、下からも五万円、五万円——せり市みたいなことではありませんけれども、限度額をこの際大幅に圧縮する考えをお持ちであるか。声があったから、前回を踏襲したから、じゃなくして、ここで委員会においてもこれだけ出されてきた。だからここにおいて、いま過去のことを論じてもしかたがありませんから、今後の面においてこれを圧縮するお考えありやいなや、あるいは前回どおり踏襲してきましたと、そのような考えでいるのか、その点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。いかがですか。
○政府委員(山田精一君) 十分そのときの実情に即しまして常に検討いたしてまいりたいと存じます。
○田代富士男君 実情に即してという、日本語じゃないかと思うのですけれども、実情に即してといえばそうでございますが、じゃ、いま言うように実情というのは、経企庁の立場——経企庁もわれわ消費者を守ってくれるという唯一の機関です。公取の山田さんのお立場も同じじゃないかと思うのです。それがなかなかうまくいかないということは、消費者は、われわれは、だれをかたよりにしていったらよいだろうという気持ちになりますし、また、いろんな機関が全部そのような声を——二十八名中二十四名がそのように言っている。賛成者の中にさえ、またその半数が、もっと下げるべきであると、こういう実情じゃないかと思うのです。「実情に即して」となりますならば、その十万円より、多数決でいくならば、これは下げるべきが当然じゃないかと思うのですけれども、実情に即してとおっしゃればそれまでですけれども、何とかならないのですか。その点もうちょっと。
○政府委員(山田精一君) 各方面の意見も十分聞きまして善処してまいりたいと考えます。
○田代富士男君 まあこれ以上、時間が……。きょうは一時間ということでございますから、これはまた具体的な問題点をあげまして質問したいと思いますが、いろいろ問題点になってくるのは、第二項の除外の規定じゃないかと思うのですね。これがしり抜けになるとか、悪用されるとかの理由で、これを削除ないしはしぼれという主張が業界の代表あるいは消費者団体からも言われているわけなんですが、この主張がどのようにいれられたのか。まあ、これも、いまさっきのお話のとおりに、前回どおりに踏襲してきたとおっしゃればしかたがありませんけれども、そういう意見を採用したのか、もしも採用しなかったならばどうして採用しなかったかという、そういう理由を明らかに説明をしていただきたいと思うのです。
○政府委員(山田精一君) この除外の条項につきましては、公聴会の席上においては格別の意見の表明がなかったというふうに承知いたしております。
○田代富士男君 ここにおたくの雑誌のあれがありますが、公取の意見要旨の中で、全国中小企業団体中央会、これは賛成の人ですね。十万円は大き過ぎる、第二項第二号が抜け穴になるおそれがあると、これは条件です。それからほかの人も言っています。主婦連合会、十万円は大き過ぎる、第二項を限定せよ。それから日本生活協同組合連合会、これも十万円は大き過ぎる、第二項は悪用されるおそれがある。また、全国地域婦人団体連絡協議会、この第一項ただし書きを削除しなさい、第二項第二号、第三号削除。関西主婦連合会も同じです、第二項をさらに限定せよ。それから灘神戸生活協同組合、これも限定せよ。このように、あまり出てないとおっしゃるけれども、意見が出ているわけなんですが、これに対して、まああまり意見が出なかったということでございますが、ここに一応の結論が一覧表として出ているわけなんですが、これを採用——まあ現実においては採用されなかった。採用した上にそういう結果になったのか。採用されなかった理由ですね。いまそういう意見がなかったとおっしゃるのですけれども、こういう意見があろうとも、二十八人の意見の中の一つは、この下につながっているところの意見ですから、少数意見でなくして、多数意見として聞いていくのが当事者の立場じゃないかと思うわけなんです。その点もうちょっと。
○政府委員(山田精一君) 第二項の除外の場合でございますが、それぞれ限定がございまして、第二項の第一号でございますると、たとえば「事業活動を助成するため、必要と認められる」、それから第二号でございますと、「当該事業における正常な商慣習に照らして適当と認められる」というような文言がございますので、これによりまして適切に判断をいたしてまいりたい。この条項が乱用されるようなことがないように十分注意をいたしてまいりたいと存じます。 なお、申し添えますが、公正競争規約などの場合には、この辺につきましてもっと具体的に制限の条項を入れるように指導いたしておりますことを申し添えます。
○田代富士男君 じゃ、公取とすれば、まだこれは検討の余地は今後ありますか。
○政府委員(山田精一君) 現実に照らしまして、これは決して固執いたす考えはございません。常に検討いたしたいと存じます。
○田代富士男君 それからまた、いまの十万円の問題に戻りますが、まあこれも、前回を踏襲したとおっしゃいますから、なんでございますが、算定された方法等を時間があればお聞きしたいと思いますが、あまり時間もありませんが、この十万円に固執するわけではありませんが、何回も、これで三回、また聞こうと思っているのですが、これを、じゃ公取としては大体妥当な線だと正直思っていらっしゃるのか。本心はなかなか言えないかもわからぬが、下げるべきであると思っていらっしゃるのか。妥当であるのかどうか。
○政府委員(山田精一君) 先ほども申し上げましたごとく、事業者の場合でございますものですから、年間における取引が多いものもございます。少ないものもございます。したがいまして、十万円が絶対にこれでいいので、ほかの金額はいけないとは申し上げませんけれども、おおむね妥当である、かように考えております。
○田代富士男君 まあ、何回聞いても同じような、大差ないようなあれですけれども、そこで、じゃ次に進みますけれども、昭和四十二年の五月二十日付の公取委の告示第十七号ですか、「事業者に対する景品類の提供に関する事項の制限」、五月二十日の。第一項には、原則的に取引の相手方である事業者には景品を提供することを禁止しているけれども、いまさきも言いましたとおりに、ただし書きで、「相手方事業者一名につき年十万円をこえない範囲内の景品類であって、正常な商慣習に照らして適当と認められるものを提供する場合については、この限りでない。」というようなことが告示第十七号にうたわれているわけなんですが、こういうようなことがうたわれておりますと、正常な商売上の慣習の上に照らして適当であるかどうかという見解ですね、これが問題になってくると思うのですが、まあ見解ですから、それぞれの習慣によってずいぶんの違いがあると思うわけなんです。このような見解について、いまどういうお考えであるか。それぞれの考えがあると思うのですが、いかがでございましょう。
○政府委員(山田精一君) この「正常な商慣習」と申しますのは、経済界全般ではございませんで、当該業種、たとえば、めん類でございますればめん類、キャラメルでございますればキャラメル、かような業界において、同じような業種に属する他の企業一般に商慣習としてある期間継続して行なわれておるかどうか、これによりまして判断をいたしてまいるわけでございます。
○田代富士男君 そうしますと、一つのケースをあげますと、いまも質問いたしましたが、いま国際観光年というわけで運輸省自身がP・Rをなさっていらっしゃるわけなんですが、まあ招待旅行が流行しているわけなんです。その招待旅行の問題ですが、招待旅行に行った人々がどういうことをやっているかというわけなんですね。私も、この前東南アジアへ行ったときに、飛行機に乗り込んでも日本人が多いし、香港なんか、朝ホテルの食事に行きますと、日本の食堂と変わりがないくらい多いわけなんです。そういう人々がどういうことをやっているかといえば、バンコクへ行ってもそうですけれども、いろいろバンコクの知り合いの人に聞きますと、旅の恥は捨てていけというところで、わからないところで、いろんな日本人にあるまじき非難を受けている者が一ぱいいるわけなんです。そうして、それぞれ日本人の特徴というのは、みやげものを一ぱい買う、おまけに今度は、きめられたお金以外の日本円を持っていきまして、現地で両がえをして、いろいろさまざまなことをやって、そうして、帰りには、今度は羽田の税関を出るときにはさんざん苦労をしながら、法の目を盗みながらも、そういう悪いこと、と言えば語弊があるかわかりませんが、そういう法という面からいきますと、きびしく見ていくならば取り調べなくちゃならないような、あるいはトラブルが起きるような、そういうものを誘発するような、そういう海外旅行なんです、実態は。これは、最近の週刊誌でも雑誌でも、台北の様子とか、いろいろ出ております、日本人の海外旅行の。ところが、業者は、海外旅行となりますと、やはり提供を受ける者にとりましては、それは魅力です。どうしても、そういうものを出されますと、つい誘われてしまうわけです。やはり、行ったことのない東南アジア、あるいはアメリカへと——アメリカまではちょっと航空賃が高かったならばハワイまでと。そうしますと、行きたいなという気持ちになるわけなんです。そうしますと、これは第三条にいわれてあるところの不当な顧客の誘引となるんじゃなかろうか。本人はそれがなかったら行こうという気持ちは起きませんですけれども、そういうような第三条に照らしてこの問題はどうであるか、その点いかがでございましょう。
○政府委員(山田精一君) 私どもの公正な競争を維持いたすという見地からは、金額を規制いたしておりますので、それが何に使われるか、十万円ではハワイへ参ることはできません。おそらく香港どまり、しかもチャーター機でだけ、と存じますが、その使途が適切であるかどうか、あるいは外貨の事情に照らして、いま外貨を使うことが適切であるかどうか、これは別の政策でもって規制せられてしかるべきものではないかと、かように存じております。
○田代富士男君 だから、別の政策でやるべきであると、そのように申されますけれども、そのような基準があるならば、基準の範囲内でやられるならば、そういうただ単に私の所轄違いでありますからそちらでやってもらう以外にしかたがありませんと、そのように逃げ道があるわけなんですが、その直接の責任はないにしましても、そういうふうな因を起こさすところの根本は、やはりそのように認めてやるところの盲点にあるんじゃないかと思うんです。そういう点から、そういうことが大衆に対してどのような悪影響を及ぼしているかという問題なんですね。だからこれは大きな問題じゃないかと思うんです。そのような、香港まで行く、それが十万円でなされたとします。これは事業者に対する問題でございますけれども、それじゃ、その人が香港へ行きたいために品物を多量に買ったとする。すぐ売れる品物はよろしいのですが、その品物が売れなかった場合に、保管している、品質が低下してくる、そうすると、品質の低下したその品物を消費者は買わされなくちゃならない。消費者あってのすべてのものじゃないかと思うんですよ。消費者は顧みない、事業者だけを考えた、そういうことがあってよいだろうかと思うわけなんです。また、少なくとも、それだけの経費をかけるには、必ず原価計算において何らかの形でその品物に対する経費というものは含まれております。一部の業者を招待するために、そのしりぬぐいを一般の消費者がめんどうみていかなくちゃならない、こんなばかげたことはないと思うわけなんです。そういう品質の低下したものを買わされる。そういうことで、全部の声をちゃんと私も聞いております。大衆の声は天の声です。あの常勝をなし遂げたナポレオンでさえも、戦場に行っていながら逐一国内の声を聞いていた。そこでナポレオンがあれだけの業績をやったということがありますけれども、いま言うように私は声だけは聞いております、そのように尊重して、各界の代表の声も聞いて実情に沿ってやっております——そういうことをいまも話を聞いたわけなんです、そういうことを何回も聞きましたけれども、私はふに落ちない点があるんです。消費者の味方であるというならば、もうちょっと力を入れるべきじゃないか。 そこで、特にこういうような、社会的にも経済的にもはなはだしく好ましからざる影響を与える種類の景品というものに対しては、私は禁止すべきじゃないかと思うんですが、これはまた、どのようなものが好ましからざる影響を与えるかという規定の論争になるかわかりませんが、一ついまの海外旅行を取り上げましても、それで利益を受ける人々がどういうことをおかしているか。また、それに一連するところのいろいろな問題で、そういう種類の景品を禁止すべきである、こういう点に対して逐次検討を加えていきますということを申されましたけれども、何らか一歩前進した御意見を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(山田精一君) ただいま御指摘のございました、事業者に対しまして景品類を全面的に禁止をいたすというのは、即座に切りかえますということは……。これは、販売業者、特に小売り業者などがやはり顧客に対するサービスに励みます一つの刺激といたしまして、インセンティブといたしまして、ある程度のものはこれは認めざるを得ないかと存じます。しかし、御指摘のような金額が適切であるかどうか、また、その景品の内容がいかがであるかどうかということにつきましては、常に検討いたしてまいりたいと、かように存ずる次第でございます。
○田代富士男君 そこで、またもとへ戻りますがね。いまさきの十万円の金額が問題になっているわけなんですが、それに一連しまして、そこで、たしかこれは昨年の五月ごろであったかと思いますが、この告示の立案された段階におきまして、限度額は、公取の立場としても五万円ぐらいが見当であったのじゃなかろうかと、そういうことも聞いておるわけなんですが、ところが、そういう五万円云々というのが、検討の段階であったときにですよ、いち早く、こういう海外旅行招待をやっている業者だとか、それで利益をあげているところの会社あるいは団体等が、すみやかに阻止運動を行ない、そうして関係官庁に働きをかけまして、そうして公取に圧力をかけて十万円に引き上げさしたという話もあるわけなんですが、そういうことになりますと、公取としては、十万円は妥当な線であるということをいまさっき言われましたけれども、私は妥当な線ととるわけにはいかぬと思うんです。こういういきさつをいろいろ聞いたわけなんですけれども、その点につきましていかがでございますか。いまは妥当な線であるとおっしゃったのですけれども、私は妥当な線ではないというわけなんですけれども、それに対していかがでございますか、そういう経過の面から。
○政府委員(山田精一君) この十万円にきまりました経過、ただいまいろいろお話がございましたが、これは、実は私就任以前のことに属しますので存じませんが、さような、ただいまおっしゃいましたようなことは決してなかったと確信をいたしております。 それから現在の段階において判断をいたしまして、十万円は絶対妥当であるとは申し上げませんが、おおむね妥当であると申し上げた次第でございます。
○田代富士男君 まあその程度にとどめて、今度は、いま小売り業者の励みになるというようなことでございましたが、こういうようなものは、一般業者は、逆に悪習がエスカレートすることに非常に困っている業者が多い。ここは、そもそも独禁法の根本の精神からいかなくちゃならないと思うのです。独禁法の第一条の目的には、消費者の保護ということが掲げられているわけなんです。今回のこの不当景品類及び不当表示防止法に至りましても、これはあくまでも消費者の保護と公正な競争の確保ということで、どちらの立場を考えてみましても消費者の利益の保護ということに通ずるのじゃないかと思うわけなんです。ところが、そういうことを申されますと、いまさっき言いましたとおりに、じゃ直接消費者にそういう景品が渡ったものと仮定してみましょうか。それは一時的にはよいかしりませんが、これがだんだん長期的になってきますと、必ずや、それは物価の値上げの誘因につながってくるのじゃないかと思うわけなんです、業者に対してはもちろん。そうしますと、独禁法のたてまえからいきまして、大資本の持ち主はどんどんやれるでしょう。そうすると、小資本の人はそういうことはやれないのです。これはもう、すでにここにおいて公正なる取引というものは成り立ってこないわけなんです。そういうようなことで、一般の業者も、この悪習がエスカレートすることに対して困っているわけなんです。こういうときにあたって、航空会社の意向を代弁することや運輸省の圧力等に負けてそういうことを認めるというようなことがあっては、弱腰の山田委員長だなあと言われるのが浮き彫りにされてくると思うわけなんです。私は、そういうことで、最近の海外旅行が目に余るようになるわけなんです。私がいまさっき申したとおりなんです。これを放置するわけにはまいりません。景品類の限度額を五万円以下に下げる規制措置を講ずべきであると、いまさっき何回も言っておるが、講じない、しかし検討する余地はあると申されたのですけれども、私は、あえてこれは講じてもらいたいということを、これは、時間もあと少々ですから、要望しておきます。 それで、もう一つは、時間がありませんから飛ばしまして、厚生省の方も見えておりますから、一つは、開業医に対しますところの医薬品業者、医療器具業者が行なう景品類の提供に制限を受けているわけなんですが、私は、その制限の問題につきましては、昨年の十二月も、それから昨年の一番最初は七月も、この問題に対しては具体的な例をあげまして申してきました。最初は、活性ビタミン剤の問題に始まりまして、一〇〇%添付、二〇〇%添付、そういう問題から、いろいろな薬品の名前あるいは会社の名前を堂々と当委員会におきまして発表してやってまいりました。一番最後の委員会において私が申し上げたのは昨年の十二月の二十二日だったかと思うのですが、最近このように追及してきたけれども、一時はとまった、活性ビタミン剤の添付の方法において。大手の薬品会社の添付はとまったけれども、そのすきをねらって中小の薬品業者が、このときとばかり市場獲得のために、また一〇〇%、二〇〇%の添付をやった、そうなったならば、市場を荒らされたなんというので、大手会社がまたこのような不当景品類等をもってそういう獲得ということをやっているということをつぶさに申し上げました。自来私は、今日までずっとその状態を調べてまいりました。まあ、これも時間があればと思っていたのですが、最近の状況を一口で申し上げますと、ちょうどいま厚生省の調査期間に当たっておりますから、そういうような薬剤の添付というものは自粛されております。しかし、自粛されておる中におきましても、まだまだ強引になされておる面があります。昨年、大きい問題、どういうことがあったかということも一通り調べてみましたけれども、私のまとめた中で何といっても一番大きかったのは、一つの病院で車二台、薬を買ったために二台車をもらっております。これは大きなところです。年代は違いますけれども、二台、病院です。これは薬を買っただけですよ。そのように薬はもうかるかということになります。この問題に対しましては、もう私が過去の委員会においてたびたび言ってきましたけれども。また、カラーテレビの景品ですが、これも事実はやられております。これもあります。これもある会社です、カラーテレビをやっております。いまちょうど厚生省におきましては調査をやっていらっしゃるときでございますから、皆さん方調査していただいたならばおわかり願えると思いますが、そのように私が言ってきたにもかかわらず……。また、再三言って、厚生省といたしましても、厚生省からの通達あるいは次官通達等もお出しになられ、また、全国の業者を集められましていろいろ行政指導もされたということを聞いております。しかし、まだこういうことが行なわれているということに対しまして私も再三注意してきたのですが、厚生省としてこういうものをなぜ摘発しないか、また公取委としましても、再三私は具体的に申し上げておるわけなんです、これに対してなぜもっと強く取り調べを強化していかないか、これは今度別の変わった立場ですけれども、この点に対しましてはいかがですか。まずひとつ、厚生省と公取委の両方に意見をお聞きしたいと思います。
○説明員(信沢清君) ただいま先生仰せられましたように、当委員会におきまして再三にわたりまして具体的な事実をあげていろいろ御教示をいただいておるような状態にありますことは、まことに私どもとして、みずからを顧みてふがいないという感じを持っておるわけでございます。しかしながら、御指摘がございましたような事項につきましては、ただいまお話がございましたように、私どもとしては、いろいろな機会に通知その他をもちましてその趣旨の徹底ということは及ばずながらやっておりますことも御了解いただけるかと思います。しかしながら、いまお話しのような事実は、実は私不敏にして、具体的に、どこのどういう事実であるかということを承知いたしておりませんので、仰せられるように、これは私どもの怠慢であるということになろうかとも思いまするが、私どもとしては、いま申し上げておりますように、御指摘のございましたつど、あるいは機会を得て、かような不当な景品類等を事もあろうに一番公共性が高いと思われる商品である医薬品について行なうことは絶対にやめてもらいたい、こういう心組みではただいま取り組んでおるわけでございますが、残念ながら、いまのようなお話が出ますことはまことに遺憾である、このように考えておるわけでございまして、何とかして私どもの気持ちが徹底いたしますような方法をさらに具体的に考えていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。なお、この種の問題につきましては、やはり業界自身の自粛の問題が一番必要かと思いますので、従来から、先ほど来お話に出ておりますように、不当景品類の防止法に基づく公正競争規約というものを何とかつくれぬかと、こういうことを申してきたわけでございます。業界の一部ではかなり乗り気になって、その作業も進んでいるように聞いておりますが、なかなか意見がまとまりません。したがって、ある程度私ども行政的に介入し、あるいは公取等とも御相談をいたしまして、まずもって業界の自粛態勢をそのような形で具体化するということを当面の目標に掲げて進んでいきたい。同時に、それから漏れますような、お話のございましたような大メーカーから漏れた小さなメーカーの暗躍と申しますか、陰に回ってごそごそするようなやり方についても監視をしていきたい、かような気持ちで取り組んでまいりたいと思っております。
○田代富士男君 これは、ほんとうに大きな問題だと思うのです。私はこの前から一つ一つ手がけておるわけなんですが。で、私が大阪選出なもんですから、大阪の薬品会社に、ある一説によれば、大阪だけは気をつけろよと、そういうような、これは裏話ですけれども、これは真実かどうかわかりませんが、そういう話も出ている。私は、何もそういうメーカーをいじめようとか、そういうものは毛頭ありません。大衆を中心とした上に立って、いかにあるべきかという点を述べているわけなんですが、ひとつその点は理解していただきたいと思いますが、それを指導していかなくちゃならない関係の官庁がもっとがんばっていただく以外にないと思います。業者に対して自粛してもらうべく、公取とも相談してやっていると、それはわかりますよ。しかし、やっていますよ、やっていますよと言っても、証拠がなくちゃ。文証——こういう通達が行ったとすれば、文証ですよ。あるいはそういう法的な理論の上からの理証。そういう文証、理証よりも現象にしかず。現実において、ここにおいて取り上げた問題を自粛するようにいたしますと再三言っている。これをやってくだすったんですかという証拠がどちらにも見当たらないのです。この点に対して、ひとつ委員長、いかがでございますか、私もよき協力者の一人じゃないかと思うのですけれども、その点、いかがでございますか、委員長。
○政府委員(山田精一君) 私どもも、景表法の運用につきましては、医師が事業者に入るかどうかという問題がございましたが、最近は、医師も事業者とみなすという解釈をとっております。したがいまして、十万円をこえます、しかも正常な商慣習に照らして適当でないと認められました場合には、私どもといたしまして、これを取り上げて処理をいたしたいと思います。ただ、御指摘のようなケースが、これはなかなかうまい、何と申しましょうか、逃げ道と申しては非常に俗なことばでございますが、たとえば、薬品を納付いたしましたのは薬品問屋でございまして、それから御指摘の、自動車がございましたそうですが、自動車を贈与いたしましたのは薬品メーカーであるというような場合には、この贈与行為と取引との間の関連性を立証することはむずかしいと思います。いろいろめんどうな問題がございますが、できるだけこの不当景品に該当いたしますものは規制をいたしてまいりたい、こういう考えでおります。
○田代富士男君 言われた時間がもう過ぎたですから、あと一問にいたします。 で、いま委員長が言われたとおりに、薬を納めたのは問屋だ、車を贈ったのはメーカーだ、だから違うんだ——そういうところをひとつ公取としても目を光らしてもらいたいと思うんですよ。そういうことでよいのか、一連のものですから。じゃ、納めた商品がそのメーカーの商品だけですから、そのメーカー、最近の問屋というものは……。もう時間がありませんから、それもやろうと思ったんですが、最近の問屋というものは、問屋の成り立っているのはバックマージンで成り立っていますから、これにもまた問題があると思います。バックマージンだけで成り立っている問屋のあり方というものに対して、これは再販問題と照らして大いに関係のある問題です。きょうは時間がありませんからそちらに入れなくて私も残念ですけど、これも大いに関係がありますが、厚生省といたしましては、私は、この前からるる図表を書きまして、健康保険の薬価の問題とそういう問題点につきまして、事実をつかんでもらいたいと再三言っておりますけれども、まだいま言うとおりに、これ検討してますとか、再三のことでございますけれども、ほんとうに徹底的に、人員の不足等もあるかわかりませんけれどもね、私はやるべきだと思うんですよ。そうして全般的な空気は、いまは調査の期間中だから自粛しておる、これがしばらくして終わったならばと、手ぐすねを引いて待っているような状態です。こういうような状況です。 まあ、そういうわけで、テレビも出されております。二月の上旬まで出されております。これは事実がある。二月の上旬まで。二月から三月だけ調査があるからといって自粛しています、二月の上旬まで。テレビとなりますと、金額は十万円以上ですよ。そうしますと、また逃げ道がある。小売りは十万円以上であるかもわからぬが、仕入れたときは十万円以下で仕入れたんだから、それには不正がありませんと言い抜ける気かもしれませんが、これはだれが見ても、一般的に見ても当然じゃないかと思うんです。そういうところをひとつどしどしとやって、全部が納得できるような、そういう行政指導をやっていただきたい。やっております、やっております、ここではそれだけの返事で、裏では業者とナアナアである。そういうことを言われている。——課長さんには済みませんよ。きょうは坂元局長いらしたら坂元局長に、あなた、私があんなに、何回言ったですか、と申し上げようと思ったんですけれども、きょうは局長見えていませんから、課長さんに申しわけないと思うんですが。もっとやりたいと思いますが、その点に対してお考えをお伺いいたします。時間が過ぎましたから、私はこれで終わりますけれども。
○説明員(信沢清君) 再三同じような御指摘を受けて、たいへん恐縮に存ずるわけでございますが、私どもも、この機会に心を新たにして、御指摘いただきましたような事項につきまして十分努力をしてまいりたい、このように考えております。
○委員長(大森久司君) 他に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十七分散会