物価等対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/03/01
会議録
○委員長(大森久司君) それでは、ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 これより、当面の物価等対策樹立に関する調査中、公正取引委員会の物価対策に関する件を議題といたします。 まず、本件について公正取引委員会当局より説明を聴取いたします。山田公正取引委員会委員長。
○政府委員(山田精一君) 昭和四十二年におきまする公正取引委員会の物価対策関係業務について御説明を申し上げます。 御承知のとおり、ここ数年来、物価問題が非常に大きな課題として取り上げられ、物価対策の面から公正取引委員会の果たすべき役割りというものが再認識されてまいりました。独占禁止法等の運用を通じて、いかに物価の安定に寄与するかと申しますることが公正取引委員会に与えられた大きな課題であると考えております。 物価対策の面で公正取引委員会の果たすべき役割と申しますると、独占禁止法等を厳正に運用いたしまして、公正かつ自由な競争を促進することによりまして経済の発展を促し、究極において一般消費者の利益をも確保するという本来の任務に尽きるわけでございますが、具体的には次の四点に重点を置いてまいっております。 第一点は、価格協定等違法なカルテルの取り締まりとともに、独占禁止法の適用除外となりまするカルテルの許容につきまして主務大臣等からの協議に当たりまして厳しい態度をとったことであります。第二点は、最近問題となっておりますところの再販売価格維持行為の規制についてであります。第三点は、いわゆる管理価格など硬直的な価格の実態を究明いたしまして、その対策を考えることでございます。第四点は、商品の不当な表示を排除いたしまして、過大な景品つき販売を規制することによりまして、消費者の商品選択にあたっての価格意識を高めるようにつとめることでございます。 まず第一点の、違法な価格協定等の取り締まりでございますが、独占禁止法ではこれを「不当な取引制限」と申しておりまして、事業者が協定によって価格を決定したり、維持したり、引き上げたり、あるいは生産数量、販売数量などを決定いたしますることによりまして、一定の取引分野におきまする競争を実質的に制限することでございまして、第三条においてこれを禁止いたしております。 昭和四十二年におきまする審査件数百六十七件のうち、価格カルテルに関するものが八十八件を占めておりまして、審査した事件のうち法的措置をとりましたものは九件でございますが、価格に関するものは七件にのぼっております。 なお、三洋電機ほか五名によるテレビジョンの価格協定事件等十一件につきまして審判を行なっております。 次に、独占禁止法では、原則としてカルテルを禁止いたしておりますものの、例外といたしまして、中小企業関係として中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、または貿易対策の見地から輸出入取引法など四十の法律によりまして合法的にカルテルを認めておりますが、この数は、昭和四十二年十二月末、千一件にのぼっておりまして、これらのうち、中小企業団体の組織に関する法律に基づくカルテルが最も多く、五百九十件、次いで輸出入取引法に基づくカルテルが二百十三件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づきますものが百二十三件となっておりまして、これらがその大部分を占めておるわけでございます。 公正取引委員会といたしましては、これらのカルテルの認可にあたりまして主務大臣から同意あるいは協議を求められました場合には、それが必要最少限度のものであるかどうか、あるいはそれが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害するおそれがないかどらかを厳重に審査いたしました上同意または協議に応じております。 そのほか、独占禁止法自体にも不況カルテルの制度が認められておりますが、現在では不況カルテルを実施しているものはございません。 第二点は、再販売価格維持行為の規制の問題でございます。 再販売価格維持行為は、製造業者が卸売り業者、小売り業者の販売価格を指定し、これを守らせる行為でございまして、これは原則として独占禁止法の「不公正な取引方法」の態様の一といたしまして禁止されているところでございますが、特定の商品につきましては、製造業者と卸売り業者間あるいは卸売り業者と小売り業者間の再販売価格維持契約を独占禁止法の適用除外としております。 一昨年の物価問題懇談会におきましても、再販売価格維持契約が物価に与える影響が大きいといたしまして、その規制の強化を提案しておりますが、公正取引委員会といたしましても、この制度に対して何らかの規制を加えることが必要であると考えておりまして、昭和四十二年中には、規制すべき問題点の検討、諸外国の立法例及びその経済的背景の調査検討並びに指定品目の実施状況及び法的要件の適否につきまして検討を行ないましたほか、指定商品以外の商品につきましての再販類似行為について、その実態を把握いたしまするため、全国のスーパー、農協、百貨店等、約二百五十を対象に「日用品の小売り価格拘束に関する調査」を行ないました。また、違法な再販売価格維持行為につきましては、昭和四十二年中に十八件につきまして審査を行ない、二件について法的措置をとりました。 第三点は、いわゆる管理価格の調査の問題でございます。これは、比較的少数の大企業で業界を支配しているような業界におきまして、生産性が向上しているにもかかわらず価格が硬直している商品につきまして、その原因がいずこにあるかということを探求することでございます。申すまでもなく、公正取引委員会は、単に価格が硬直しているからと申しまして価格の引き下げを命ずる権限を有するものではございませんが、調査の結果価格協定などの事実が明確となりましたものにつきましては、独占禁止法違反として排除措置を講ずる所存でございます。 また、新規企業の進出をはばむなどの行為が行なわれているようなことがございますならば、これは不公正な取引方法として排除措置をとることと相なります。 公正取引委員会といたしましては、昭和四十一年に引き続き、昭和四十二年にもこの調査に着手しております。 その方法といたしましては、日本銀行の卸売り物価指数の対象品目七百七十のうち、昭和三十五年から四十年に至りまする六年間における価格の動向を調査し、その中で価格の変動回数の少ないもの、変動の幅の少ないもの、あるいは上昇一方のもの三百三十九品目を取り出し、さらに大企業製品で管理価格といわれる疑いの深いものを選別いたしまして、そのうち、現在、合成洗剤とバターにつきまして精密調査を行なっております。 公正取引委員会といたしましては、この問題の重要性にかんがみ、今後とも真剣な努力を続けてまいりたいと存じます。 第四点は、過大な景品つき販売及び不当な表示の規制でございます。 過大な景品つき販売、虚偽誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、いたずらに事業者の景品競争、表示競争の激化を招き、その結果、正常な品質や価格による能率を中心とした競争を阻害することとなりますため、公正取引委員会としましては、消費者の価格意識を高め、消費者を保護するという立場から不当景品類及び不当表示防止法を厳正に運用することにより、これらの規制につとめております。昭和四十二年中には、過大な景品の提供二件、不当表示二十七件につきまして排除命令を行ない、また、景品二件、表示二件の公正競争規約の認定を行ないました。 以上が、昭和四十二年におきまする物価対策関係業務の概要でございますが、この上とも皆さま方のあたたかい御鞭撻、御支援をお願いいたしまして、私の御説明といたします。
○委員長(大森久司君) 以上で公正取引委員会当局の説明を終わります。 本件に関し質疑のある方は順次御発言を願います。
○木村美智男君 きょうは、過去の委員会の運営からいいますると、ちょっと異例に感じたのですが、質問者としては、公正取引委員会が独立の行政委員会だというような立場で、国会の論議というものも十分それぞれの立場で了解をしていただいて、そして今後の委員会運営にあたって参考にできるものがあれば大いに取り入れていただきたい、こういう気持ちで実は御出席をわずらわしたわけでございます。この点は、たとえば人事官の場合なんかもそうなんでありますが、やっぱり、公正取引委員会が委員会として合議制をとっている以上は、私、委員長が政府委員で、あと事務局長だけが出るというようなシステムをこの際ひとつ変えていただいて、そのときの御都合で出席できるかどうかは別として、委員五人の方々がみな政府委員ということに、委員長のほうで、必要な手続その他があるならば、ぜひひとつおとりをいただきたいということをつけ加えて申し上げまして、せっかくおいで願いましたから、まあ委員長中心で従来どおりいろいろお伺いしますが、他の委員の皆さん方にもお伺いをいたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 で、きょうは時間をだいぶいただきましたので、事務的な問題から最初入っていきたいと思うのですが、委員長、いま委員長のごあいさつにもありましたように、独禁政策というものが非常に重要視をされ、再認識をされる情勢になってきた。したがって、公正取引委員会としても物価安定に寄与するということは当面の重要な課題だと、委員長おっしゃられます。そこで、私みたいにしろうとというか、はたから見ると、どうもいまの公正取引委員会の陣容では、それだけの大きな任務を背負っていくのには、率直に言って不十分じゃないか、こういう気持ちがありましたために、前の国会で、私、四十三年度の予算要求にあたっては、年間の、何というか、公正取引委員会の作業全体を展望をして、そしてその中から必要人員を、これはやっぱり堂々と要求をしてほしい、そのために必要ならば、委員会として、私どもも微力ではあるが、その要員獲得についても協力を惜しまない、こういうことを申し上げてある。したがって、この問題、私はもうそのときだけの質問にしませんで、これから、これは参考までに申し上げますと、関連をしてずっとこの問題というものをやっていきたいと思っていますから、そういう意味で、四十三年度予算の編成の中で、一体この要員問題はどういうふうになってるかということを、まずひとつお聞かせをいただきたい。
○政府委員(山田精一君) 前回木村先生からあたたかいお励ましをいただきましたわけで、私どもといたしましては、当面の仕事の重要性から推測を立てまして予算の要求を内閣に出しましたわけでございます。むろんその原案どおりにはまいりませんで、今回国会に政府案として提出されておりまするところの金額は私どもの要求額を下回るものではございますが、しかし、ある程度の定員増加も一応この政府案に盛り込んでいただいております。私ども公正取引委員会だけの立場から申しますると、私どもが要求として出しました案をそのまま御採用をいただきたい気持ちはやまやまでございますが、他方、財政全般の事情もこれは考えなければならないことと存じますので、ただいまの政府案の範囲内において、私ども全職員は一致して能率をあげまして、少ない予算の範囲内ではございまするが、私どもの使命を十全に果たしてまいりたい、かように考えておるわけでございして、この上ともよろしく御支援をお願いいたしたいと存じます。
○木村美智男君 いまのお答え、ちょっと抽象的なんで、要求はどれくらい出して、今度の政府案にどれくらいのことが取り入れられているのだということと、それから、前のほうは要望で申し上げたのですが、委員長の考えもひとつ聞かしていただきたい。政府委員に手続をとることの問題です。
○政府委員(山田精一君) 予算の点からお答えを申し上げます。 私、ただいま御説明申し上げましたのが不十分でございましたかと存じますが、当初要求をいたしました金額は四億五千七百二十一万五千円でございまして、これに対しまして、政府案においては四億一千四百九十七万一千円が計上されてございます。なお、御参考までに申し上げますと、前年度における予算額は三億五千八百六十七万円でございまして、今回の政府案は前年度予算額に比べますると五千六百三十万一千円の増加と相なっております。 それから、先ほどの前段のお尋ねのございました政府委員の件につきましてでございますが、政府委員の任命は、御承知のごとく、内閣において人選を行ないまして、両院議長の御承認を得て発令をいただいておるわけでございます。私どもは、その候補者名簿を内閣に提出をいたす手順となっておるのでございます。過去数年来、先ほどおっしゃいましたごとく、委員長と事務局長の両名が政府委員の任命をいただくという慣例になっておりますために、そのようにしておるわけでございますが、過去におきましては、委員のうち、さらに一両名を政府委員に任命していただきました先例も、これはそのときの法律改正案とか、それぞれの関係でございましたが、さような先例もございまするので、今後その実際の必要に応じまして適宜善処いたしてまいりたい、かように考えております。
○木村美智男君 山田委員長、ちょっと誤解をされているのじゃないかと思うのですが、金額もさることながら、私は、公取の陣容がどうかということで、人員の増員要求をどれくらい出して、結果として幾ら認められたのか、それを言ってくれと言ったのです。
○政府委員(山田精一君) 当初要求いたしました定員増は七十三名でございましたが、そのうち政府案に認められました数は五名でございます。
○木村美智男君 たいへん大事なことを、そこを聞きたかったのですがね。あなたの七十三名というのは、私も、まずそれくらい、しろうとでも必要じゃないかというふうに実は考えておったわけです。今日のいろいろ新聞発表その他をされている作業の問題なり、あるいは審判の動きなり、いろいろ考えてみますと、どうもやはり、もっと公取を充実せなければならぬという、おぼろげながら、そういう感じでおりましたのですが、まさに要求の七十三名ということは、そういう気持ちからいうと私を満足させる数字であります。ところが、政府案としていま国会に出されている増員が、わずかにその要求の十分の一に満たない五名なんですね。そうすると、過去二年、三十名からの増員をもらってきておって、公正取引委員会の重要性が認識をされてきておるという経緯の中で、二年も三十名ずつ増員をされてきたのが、ここへきて大幅に五名に削られたということは、これはたいへん大事な問題だと思っているんです。単なる公正取引委員会の職員が要求から十分の一以下だったという、単に数字的な問題だけじゃなしに、委員長、先ほどごあいさつの中でも言われましたように、たいへん世の中も公取というものを再認識をしてきているし、自分たち自身としても大事な仕事をやっているんだという立場で——御承知のように、佐藤内閣は、物価安定という問題は、これは少なくとも今日の中心的な政治課題として大きく取り上げているわけです。その独禁の政策を推進する公取の増員要求が一割に満たないというんじゃ、これは私は、単に政府が要員不増という方針を持っているからだということだけでは片づけられない問題だと思うのです。少しこの点は、要員不増の方針を立てていたって、一方では、じゃ防衛関係はどうなんだ、警官関係は一体どうだということになれば、そちらのほうは満ぱいにしておいて、大事な、国民もいま物価問題を騒いでいるときに、この公正取引委員会の要員要求については、それは十分の一も要求を認めてくれぬということについては、あなた自体の実は要求する態度の中に問題があったのではないかという気持ちも多少は考えなければならない。ほんとうに独禁政策を推進するという気魄があるならば、それはやはり大蔵省と、とにかく座り込みやっても——委員長がだよ。座り込みというのは具体的なことを言っているわけじゃないが、そういう気魄を持ってあなたは要員要求折衝をしたのかどうか。聞くところによれば、柿沼事務局長は大蔵省出身だ。事務局にこの要員問題をまかしておかなかったかどうか、これを聞きたい。そうだとすれば、これは、専務局長大蔵省出身で先輩がたくさんいるんだから、それは行ったって頭を下げて帰ってくるのが関の山だ。そうなれば、認証官であるあなたが直談判する以外にないんじゃないか。そういうことからいって、あなたは、委員長として少なくとも公取の陣容強化という問題についてはほんとうに熱心に要員要求の問題で折衝したのかどうか、経緯を含めてひとつお伺いをしたい。
○政府委員(山田精一君) ただいまおしかりをいただきましたが、私といたしましては、私の全力をあげて復活折衝をいたしました。大蔵省その他関係方面にしばしば出向きましてお願いをいたしました次第でございます。ただし、先ほど申し上げましたごとく、財政全般の御事情をこんこんと伺いまして、俗なことばで申せば、涙をのんで引き下がったと、かようなわけでございます。 なお、先刻の御説明、ちょっと足りなかったかと思いますので、補足させていただきとうございますが、七十三名に対して五名、五名はこれは純増の数字を申し上げまして、実際は八名が認められておりました。ただ、うち三名が、従来の定員の中で三名がいわゆる凍結されておりましたために、これを差し引きしまして純増五名ということでございます。この凍結されました三名は、従来から欠員のままにいたしてございますので、八名増員と申し上げてもよろしいかと思います。
○木村美智男君 決して委員長をしかっているわけじゃないのですよ。この物価の委員会として公正取引委員会に今日期待するところは非常に大きいのです。その気持ちが私にあるので、多少あるいは聞きようによってはおしかりのように感じたかもしれませんが、実はそういうわけじゃない。ただ、委員長の答えている中で多少気に食わぬところがある。財政全般を考えたと、佐藤総理大臣みたいなことを言っていますが、あなたは、これは財政全般を考えるなら、防衛費の警察のほうの予算も考えるのが——人のことを、よく全体を見て、ほんとうにあなたがそう感じたというようなことになっていれば、私はあなたの答弁で了解するけれども、そうなっていないじゃないですか。そうしたら、あなたはやはり気持ちの上ではやったように思うけれども、客観的にはやったということにはならぬと思う。これは来年もあることだから、委員長、任期は五年あるのだろう、だからきょうのことをひとつ忘れんでおいてもらいたい。 で、なぜそういうことを言うかというと、最近、公正取引委員会は、それはなるほどマスコミの上に乗っていることも、ある意味でこれも一つの大きなやはり独禁政策の一環だと思うから、それはいいと思うけれども、しかし、あなたは、それは不当表示の問題や、やみ再販の摘発などは、とにかくあなたが、まあはなばなしくあれしているけれども、ほんとうにそれが実になっているかということになると、マスコミの宣伝だけでお茶を濁しているのじゃないかという——ものをよく知っている人の中には、そういう見方もあるのですよ、一部に。これはあなたに言うべきことかどうか、適当なことかどうか、私はわかりませんけれどもね。しかし、そういう意味で、いまのこの情勢にほんとうに適合した独禁政策が進められているのかどうか。むしろ独禁政策は後退の方向にあるのじゃないかという悲観的な空気もあるのですよ。そういうことを考えれば、なお私はこの際強化をしなきゃいかぬと思うので、去年委員会で、もうすでに四十三年度予算の問題で人員要求の問題を言ったじゃないですか。だからあなたが、じゃ、全体を見てしょうがないと考えたのならば、これからの公取の仕事を進めていく上において、これを責任を持ちますか。それは人手がなかったからできませんでしたというようなことは、今後一切ここで言わない、こういうふうにあなたは明言をされますか。そうすれば私は了解する。
○政府委員(山田精一君) 私ども職員全力をあげまして、できる限りの能力を発揮いたしまして、これに対処してまいりたい決意でございます。
○木村美智男君 この問題は本論でないですからね。よくひとつ腹に入れていただいて、ぼちぼち問題の質問のほうに入っていきますが、委員長、これはひとつ重要にこの問題は考えていただいて、来年度は——私はずっと物価をやるつもりでいますから、またもう一回同じことを言われぬようにしてもらいたい。 それで、さっきのごあいさつにもありましたけれども、再販の問題で実は委員長からごあいさつは伺ったわけですけれども、去年の委員会からのずっと経過、いきさつから言うと、どうも私どもが、別に私個人が質問したことについてどうこうということはございませんが、国会で議論をするということは、委員長、少なくとも国民の代表として、今日当面している問題をそれぞれのところにものを言っているという形ですからね。そういう意味で言えば、相当やはり重要視してもらわんきやならぬと思うのです。 そこで委員長に、二月の二十二日の新聞記者会見の問題について少し伺いたいと思うのです。この新聞記者会見で言われたことは、これが委員長の言語と、ごろぐらい違っているかもしらぬが、大体私はそういうことじゃないかと思うのですが、「最近わが国における再販行為は、流通段階における不当な価格拘束を通じて小売価格の硬直化をもたらし、消費者物価の下支えの一因となるばかりでなく、消費者の利益を無視した流通段階におけるゆがめられた競争をもたらす要因となり、公正な競争を阻害するという弊害が顕著となってきている。」——まず再販の弊害を認めているわけですね。そこで委員会としては「消費者保護の見地を重視して、再販行為に対する規制を今後一層強化しなければならないと考える。」、こういうふうに言われてきているわけです。ところが、この再販行為の規制を一そう強化するという、ここだけが新聞の見出しに出てるから、たいへん皆さん期待を持つわけです。内容は、そのあと一、二、三、よく読んでみると、何のことはないんだ。これは何のことはないと言っちゃ悪いけれども、どういうことかと言ったら、一つは、あなたがいろいろ言ってきたこと、これはぼくは多少腹が立っている問題だから、あとで、ことばにあれがあったらかんべんしてもらいたいと思うけれども、まず新しい立法措置は講じないということが一つ、ここで言っている。二つ目には、まず現行法二十四条の二というものは、これは改正はしませんというのが二つ目。三つに、運用の強化でやっていきます、これだけのことを言っているわけです。 そこで、去年の十一月九日の本委員会で、私が質問したことについて、これは速記もあるから読み上げてもいいんですけれども、長くなるから一そのときに、再販の法案というものを、規制法案というものをすみやかに出すべきじゃないかということで、いま公取はどうなっているんだということを申し上げたら、経済的基盤ないし流通との関係でいま背景をいろいろ全力をあげて調査、詰めをやっているんだということで、なかなか時期を明らかにせぬもんだから、三回も立ったりすわったりして私はあんたに食い下がったんだ、ほんとうの話。そうしたら、少なくとも二、三カ月後には、二、三カ月のうちには成案を得られるものと確信をしていると——これは逃げようによっては逃げられますよ。成案を得られるものと確信をしているんだから、おれは法案を出すと言ってねえんだと、こう言うかもしれない。しかし、これには長いいきさつがある。そうして、そういういきさつの上に立ってこういう文句を言ったということは、大体二、三カ月ごろには規制法案を出す、そういう成案ができるということを私は確信をしています、こう言ったわけです。これにつべこべ言うんなら、あなたはごまかしを言ったということになるから、これからあなたが言うことには一つ一つつばをつけて聞かんきやならぬ。それからあなた、さらに就任をされたとたんに言っている記者会見です。これはいまも新聞記事があるから、これも新聞の記事を一言一句同じだとは言わぬけれども、いま実態調査をしている、したがって、適正な法案をつくって、早い機会に国会に提出したい、これは明瞭に就任の際の記者会見で言っている新聞記事です。だからこそ、委員長、いま消費者団体なり国民は、ほんとうに物価の問題についてはどこへ向いていると言ったら、政府よりも公取のほうに目を向けているんだよ、あんた。そのことをあんたはどういうふうに考えるかわからぬけれども、したがって、委員長が言ったことについては大きな期待を持ったし、それを信じてきたんですよ。ところが、あなた、二十二日の記者会見では、新しい立法措置は講じない、こういうことで、たいへんがっかりしている。けさの朝日新聞の「ひととき」という囲み欄を読みましたか。国立の一主婦が——まさにあれは単なるしろうとでしょうが、ああいう人まで、みんな再販に、もはや今日関心を持っている。それだけに、今日の物価問題ということは国民の重大なやはり関心事なんですよ。それから言ったら、あなたのいままでの言明なり、あるいはとってきた態度と、今回公取として態度決定をせられたものとは、これは全くのごまかしじゃないですか。この点、どう考えますか。
○政府委員(山田精一君) 私の就任当初並びに十一月の当委員会においてお答え申し上げました点が、まだ私非常にふなれでございましたために、ことばが足りませんで、けさほどの朝日新聞の投書欄のような一種の失望感を消費者にお与えしたということは、これはまことに私といたしまして残念なことでございまして、厚くおわびを申し上げる次第でございます。私は、就任当初から再販問題をきびしく規制してまいりたいという考えを持っておりまして、それに基づきまして、洗い直しの作業、それから外国における事例等、実際の運用等の調査を進めてまいりましたのでございますが、それでお約束どおり先ごろ一つの結論に到達をいたしました。その結論の内容と申しまするものは、当初の線から後退をするとか、そういうことは決してないと私は確信をいたしております。ただ、その方策に到達いたします手段が変わったということにぜひ御理解をいただきたいと思いますのでございます。昨年来いろいろの作業を続けてまいりましたが、消費者の利益を守りますために再販行為を強く規制をいたしてまいりたいという目標、目的につきましては、何ら変わっておらないわけでございます。ただ、再販行為に関する過去の審決例とか審査事件に基づきまして禁止すべき再販行為の類型について種々検討いたしました結果、現行独占禁止法のもとにおける運用の強化をはかることをもちまして、当面は十分必要にしてかつ十分な措置がとれるものという結論に到達いたしました次第でございます。すなわち、従来同様、いわゆるやみ再販につきましてはきびしい取り締まりを続行いたしますことはもちろんでございます。また、現行法第二十四条の二によりまして適用除外となっておりまするところの再販行為につきましては、現行指定商品が指定以来すでに十数年を経過しております事情がございますので、指定当初においては法律の要件をことごとく備えておったものと存じまするけれども、現時点におきましては、客覧情勢の変化によって法律上の指定要件を欠くに至っておりますものもございますので、これを検討いたしまして、大幅な削除を行なうことといたした次第でございます。さらに、再販行為が許容される商品につきましても、たとえば流通段階における過大なリベートの提供等によりまして、一般消費者の利益を不当に害することと相なります場合には、本条ただし書きの規定によりまして、その再販行為を規制するように十分監視をいたしてまいりたいと存じます。 このように、当委員会といたしましては、再販行為規制に関する当面の措置といたしましては、新しい立法を行ないまするよりも独占禁止法体制のもとにおける運用を忠実に強くいたしてまいるということをもって、これが急務であるという結論に到達いたしましたものでございます。また、再販許容品目を大幅に整理いたしまして、さらに再販行為が許される品目につきましても、その監視をきびしくいたしまするならば、一昨年の物価問題懇談会の御提案の趣旨にも沿い、一般消費者の御期待にも十分におこたえすることができると確信をいたしているわけでございまして、今後の私どもの実行をぜひごらんをいただきたいと存じまする次第でございます。なお、今後は、違法な再販行為の取り締まり、再販許容商品における個々の再販行為の監視に万全を期しまするとともに、あわせて再販行為規制に関する基本的な考え方につきましても常に検討を怠らないようにつとめてまいりたい、かように存じております。
○木村美智男君 委員長、それは私も、いまあなたがおっしゃられたことは、この間の記者会見の内容として、たいへん失礼ですけれども、十分承知しているのですよ、それは。だけれども、その問題に入る前にもう一つ聞いておきたいのですけれども、この問題は、委員長が大体その約束をしたというだけの問題ではないですよ。七月十一日の衆議院の物価の特別委員会で、佐藤総理大臣は、同僚の武部君の質問にどういうように答えているか。「この国会では、非常に時間的な余裕がないために提案をいたしませんけれども、必ずこれは法制化すべきものだ、」——いいですか、「必ずこれは法制化すべきものだ、かように思っておりますので、次の機会まで待っていただきたい、」——これは速記録ですからね、新聞記事ではないのです。こういう佐藤総理の意見というものは、公正取引委員会と無関係にこういうことが言われているとは思わぬ。どういうことがあろうとも、少なくとも総理が、一つの法案を出します、必ず法制化するのだという意見を言うからには、これは多少あなたの意見というものも聞かれているはずだと、私はしろうとであっても、そう考えますよ。そうすると、これは単なる規制強化とか、洗い直しとかいった話をする性質のものではないのです。客観的に言っても、社会的にも、あるいは政府の方針からいっても、あなた方の今日までとってきた公取の方針からいっても、新しい規制強化の法案をつくるということは、これは公の、言ってみれば、ほんとうに日本の目が集中した形の中で実は約束されていることなんです。一体これを公正取引委員会はどういうように受けとめておったかということは、たいへんこれは重大な問題です。公取の委員長が言い、総理が言って、そのことがそうならないとなれば、国民は、何だうそつき野郎と、こういうことになるじゃないですか。このことについて、あなたは、あるいはある意味で言えば、経済行為といえども背任行為だと思うのですよ、こういうことは。これはどういうような責任をとりますか、あなた。
○政府委員(山田精一君) ただいま御指摘の七月における総理の御発言の経緯につきましては、私、その事情をつまびらかにいたしませんが、もしも当公正取引委員会の事務局において、総理に対する補佐の責任において欠けるところがございましたといたしましたならば、たいへん相すまないことと存じております。
○木村美智男君 その相すまない程度では、これは実は済まされないので、もう少し、委員長、私もあなた方のような専門家ではないけれども、あとで十分突っ込んで議論をしたい。私が言うのは、何も一つの言いがかりをつかまえて新法をつくれと言っているのではない。今日の独禁法の中に、新法をつくらなければならない欠陥があるじゃないかということを実は言いたいわけです。その点はあとからお伺いします。 そこで、委員長の談話の中で言われていることですが、「現行指定商品はすでに十数年を経ている」——二十八年からですから十数年を経ておるわけです。ところが、この中で、いろいろと掘り下げて検討した結果、「特殊な用途に使用される品目や、現在この制度が有効に利用されていない品目等については」と、こういうことを言われた。これは委員長、聞きようによってはおかしい。特殊な用途に使われておるというのは。独禁法を読んでごらんなさい。「日常使用されるもの」と書いてあるのですよ。日常使用されるべき再販指定商品が特殊な用途に使われておるということは一体どういうことですか。これは、指定したのが、それ自体がもう間違いなんだということを意味していはせぬかと思うのです。公取のあなたの談話というものは。これが一つです。 それから、「一般消費者の利益を不当に害する場合には」——これは、不当ということが審判でも、どこまでが不当で、どの程度が不当でないかということは、いろいろと問題があるところだけれども、「一般消費者の利益を不当に害する場合には」という問題は、これは何もいま始まったことじゃなくて、現行法律の中で、二十四条の二の一項の、あなたただし書きをよく御存じでしょう、ただし書きの運用問題で、これは何もことさらに新しく言わなくたって、現行法で取り締まれるのですよ。それをもっともらしく言っておるから、私はさっき、多少あなたに聞きづらいようなものの言い方をしたわけで、私から言わせれば、言ってみれば、ここの辺のところは、公正取引委員会が今日までやってきたことについて、行政庁のミスを含めての自己批判じゃないかというのだ、これは。こんなものは——こんなものと言っては悪いけれども、こういうものは、ぎょうぎょうしく、再販を強化するものになるのだということを世の中へ発表するのじゃなくて、あなたの委員会で五人でひざを突き合わして自己批判するものだ。こういうことはお互いにないようにしましょうねということなんです。これは私の言い方がきついかもしれませんよ。それだけ私は、いま全国民があなた方によって裏切られようとしておる再販問題だから言うので、これはぼくが言うことばが荒いのじゃないのですよ。そういうふうに国民はいま物価問題を非常に痛切な問題として受け取っている。あなた方は、それを、私から言わせれば、こういうことばかり言っておると、象牙の塔にこもって世の中の事情を一部のルートからしか知らないで、ものをやっちゃってはせぬかと、こういうことまで言いたくなりますよ。そこら辺をどう考えますか。
○政府委員(山田精一君) ただいまの特殊用途の商品がまじっておったということにつきまして、これは分類の方法等が適切でございませんために、法律の規定しておりまするところの一般消費者の日常の用に供するものの中にまざっておったという結果を招いておった次第でございます。したがいまして、今度の洗い直し作業におきましては、分類の角度を変えまして、かような夾雑物が一切入らないようにいたしてまいるつもりでございます。そうして、かように品目を、何ぶんただいま指定されております品目の数が多いものでございますから、これを法律の認めまする最小限度にとどめまして、最大限度と申しますか、法律の要件を備えましたものだけに限定をいたしまするというと、品目の数が相当減ってまいります。この減ってきたことによって、指定をするときだけでなく、指定後の事後管理、これをきめこまかくやってまいりますことによって、消費者の利益を十分に守ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○木村美智男君 それからこの中で、もう一つある。最後のほうに、委員長言われたように、いわゆる規制を強化することによって物懇の提案の趣旨にも沿うと言っておる。「一般消費者の期待にも十分応えることができると考える。」——これは自己満足というものなんです、結論から言えば。あなた方それは物懇の提案に沿っているというなら、物懇の提案を引き出しますよ。これは、物懇の提案は一昨年でしょうか、出されたのが。これは私も、いろいろしろうとながら読んでみましたよ。しかし、この中で最も再販について重要なことを言っておるのは何かといったら、再販制度の原則的禁止の問題、再販行為の範囲を明確にしろという問題、それから類似再販に対する規制を強化しなさい、さらには、適用除外要件を明確にしろ、こういう四つのことが実は物懇の提案の再販問題についての要点であります。ここから言ったらね、あなたが言っておる今日の公正取引委員会の態度は、この中の一つだってほとんど重要視してない。これでどうして物懇の提案に沿ってるなんということが言えるんです。沿っていると言うんなら、具体的に論争してもいいんですよ。たとえば、適用除外要件を明確にするという中では、コスト、マージンの事後、事前の審査とその公表もある。これは、多少あなた方も言われてますよね。ですから、この辺はいいでしょう。リベートの禁止については、不当に害する場合にはということを設けて、不当ということで争っているうちに、リベートなんというものはほとんど禁止されなくなっちゃう、実態は。値幅制度の問題も言ってますよ。再販価格のその表示という問題、生協等に対する出荷どめの禁止、こういう具体的なことを各項目について、あなた方がどうしても提案の線に沿っていると言うなら、私も少し論争をし、聞いてみたいと思うんです。物懇の提案で、とにかく再販の問題が問題になっているから、現状ではいかぬから、とにかくいろいろと何とかしょうという程度の研究をしたということならばいいけれども、物懇の提案に沿ってるんだというようなことを言うんなら、私は、それは自己満足であって、客観的には、そんなことは公取だけでかってにそう思い込んでいるだけで、だれも認めない、そんなことは。こういうふうに言わざるを得ない。そういうことだからね、委員長、特に反論があるならそれを言ってもらってもいいけれども、そうすりゃ、ぼくのほうも、もう一回この問題についてあれしますがね。これは、ちょっと委員長、国民、消費者の期待にこたえるなら、あの「ひととき」のようなことが……。あの「ひととき」というのは、投書をするということは、これは容易なことじゃないですよ。一人の家庭の主婦があれだけのことを書いて、そして投書をするということの陰には、何か人に頼まれてできるようなことや、あるいは簡単にできるようなものじゃないですよ。身近に感じていた、あるいは期待をしておったものが裏切られた気持ちでやったんじゃないかと思う。そういうことから言ったら、あまり、これをもって消費者の期待にこたえられるとか、あるいは物懇の提案に沿ったんだなんということを、これはやっぱり言われぬほうがいい。この点は、しいて反論がなければ答弁を求めません。しかし、公正取引委員会としては、少しそこら辺は、私のいま申し上げているようなことを、むしろ考えねばならぬのじゃないかというふうに思います。 そこで、いま言われてるんだが、私、ここまでくると、一体公正取引委員会は、ほんとうに今日の再販の実態というものをつかんでいるのかどうかということが疑問になってきます。そこで、少しこの点については伺いたいと思う。 端的な例を申し上げますと、最近、小売り店だとかスーパーなどで安売りというものがなくなってきました。いままでは、スーパーマーケットへ行きますと、いろいろ札がかかっていて、定価と実際の、特別な価格と言うのか何かしらぬが、そういうものが、特に薬屋だとか、スーパーだとか、たくさんあったんですよ。最近は、あまりもうどこへ行っても、これが見当たらなくなってきている。それにはいろいろな理由が私はあると思う。ところが、実はいろいろ調べてみるとね、これは再販制度の弊害、要するにメーカーによる一つの弾圧です、言ってみれば。締めつけが非常にきびしくなってきているという、そのあらわれが、安売りがなくなってきているということにあらわれてきているということを私は指摘します。それはどういうところにあるかというと、まず第一に、流通ルートの整理という問題があります。これは、昔は、メーカーというのは大体問屋までしか品物を売っているのがわからなかった。問屋から先、どこの小売り店まで行ってるかということは普通は知らなかった。最近はこれがどういうふうになっているかというと、全然知らぬどころの騒ぎじゃない。再販対象品目については、問屋がどこにあって、その問屋が何軒の小売り店を持って、と、そういうことがきちっと、一方では制限をし、一方では整理をされるという、そういう形になって、しかも問屋は幾つかの小売り店を担当地域として持っている。練馬あたりに行くと、練馬のこっち側半分はここの問屋が全部この小売り店と、それ以外ほかの問屋との関係は一切まかりならぬ。こういう仕組みになっている。何のためにそういうことをやっているかわかりますか。つまり、安売りをするような、安卸しをするような、卸なり小売りなりがあったらいつでもチェックできるという、こういう仕組みにしている。だから、かりにそれが発覚して一たび出荷停止をくらった場合には、担当地域がきまっているから、いままではそれまで頼んでなかったほかの問屋に行って品物を引き受けてきたのです。ところが、これがいまはもう、その問屋は今度指定をされた小売り店だけしか出さぬから、一回出荷停止をくらったら、その小売り店はもうおじゃんということになる。そういうことになって、安売りができなくなってきておる。それだけじゃないですよ。それ以外に、まだまだ、品物に製品番号をつけて、どこで安売りをしたかということが、その番号を調べ、問屋を洗い、どこから行ったかルートを洗う、何番から何番までどこの問屋で、その問屋の中で何番から何番まではどこの小売り店に行く、ちゃんと調べると、だから、安売りした小売り店はどこだということがすぐわかるようになっている。もっとひどいのになると、試買人というか、ためしに品物を買う人間をきめておいて、そういう遊撃隊を動かして、あそこに行って買ってきたら品物はこういうことになったという制度になっている。これは何のため。再販の弊害というのは、ここまできたら、もうどうあっても問題じゃないか。特に薬屋なんか、五〇%以上は大体再販の品物を扱っております。これは別に調べたやつあります。全都の中で、小売り店の再販の大体その店における扱い分量はどのくらいあるかというものもありますけれども、化粧品なら、資生堂だあるいはカネボウだという、こういう関係の品物が大体半分以上。そういう店にとっては、もう一たび出荷停止をくらったら店はつぶれてしまうから、こわくて安売りは一切いたしませんという関係になってきている。ほんとうに小売り店ではもう少し安く売ってもいいという気持ちは持っているのです。事実それでももうかるようになっている。なぜかというと、公取でも言われているように、マージン以外にリベートが出ているのですから、もっと安く売ってやりたいという気持ちは持っているが、それをやったらだめだ。新宿の三平ストアが去年から安売りの問題で出荷停止をくらって、ライオン油脂との問でけんかをやって、署名をやったり、あなた方に陳情が来ているでしょう。そういう元気のある卸しなりスーパーなり小売り店がだんだんなくなってきて、長いものには巻かれろということにだんだんなってきているから、あっちでもこっちでも安売りはなくなってきている。こういう実態をあなた方はつかんでおられるかどうかと言うのです。 リベートの問題だってそうです。何か私は、再販というのは小売りを擁護するんだという、そういう一面を否定はしません。しかし、今日の時点では、小売りを擁護するために再販があるということは、まっかな偽りですぞ。なぜかというと、実際には小売り擁護ではございません。価格はメーカーがきめるでしょう。そのきめた価格というものを、それを今度販売ルートに乗っけていくのです。販売ルートに乗っけて、それを今度は規制をするためにちゃんとリベートを出すでしょう。そうすると、小売り価格というものはその指定した値段そのままにいつでも売れていくという形で、高値で販売されていく。結果は、高いものを消費者は買わされる。メーカーのふところにそれが入っていくというだけで。もしこれを、再販を削ることによってほんとうは小売り店が困ると言うけれども、実際には小売り店は、リベートとマージンとの関係を考えれば、もうちょっと余裕がある。あるいはメーカーのほうが多少減るという関係はあります。メーカーは、もうかるからこそ再販にしがみついている。それを保持するためには、小売りをたきつけて、小売りに、お前たちがつぶれるぞとおどかさなければ、なかなか小売り店は一生懸命にならないから、小売店を一生懸命おどかして、それでメーカーが再販を維持しているのであって、いま再販をやることによってもうかっているのはだれだということになれば、それは公正取引委員会、どう認識していますか。やっぱり私は、再販によって最大のもうけをしているのはメーカーであると思う。それは、小売店はいまの関係でやっていれば、きわめて安定的な商売ができるから、したがってそれは、そういう意味で多少のプラスを得ているということになるが、ほんとうの本能寺はメーカーです。しかし、一面から考えれば、政府はたとえば流通の合理化ということを言っておる。ところが、そういう古い形のままでやっていけば、これは何というか、実際には小売りの近代化だとか流通の合理化なんというものは、これはできていきませんよ。こういう政府政策からいったって、再販の問題は私はやっぱり検討し直さなければならぬ時期にきているのじゃないか。いままで指定されている商品の中で、それなら公取としては、一つ一つ、原価が幾らで利潤が幾らでマージンが幾らでリベートが幾ら出ている、こういうようなことをきちっとちゃんとつかんで、したがってこれは適正な価格だということで小売り価格をきめてきているやつをよろしいといっているのかどうか。この点だって、実は、事前事後の審査といっていますけれども、ほんとうに的確にそれがなされているのかどうか、この点はやっぱり疑問だ。ましてや、第三者がそういうことを知るような方法は一つもとられていない。そうでしょう。そうなってみれば、どこから考えてみたって、これはメーカーを擁護することになっていると思う。メーカーを擁護するだけであるならば、これは商売のやり方だから、一面からいえば何が悪いのだという話が出るかもしれません。しかし、そのことが小売り価格の高物価を維持する、言ってみれば、公取の言っておられるように物価の下ささえになっている。こういうことになっている。そうして消費者は高いものを買わされて、あるいは売りつけられている。一体、こういうような実態にある再販問題について、ここで私は、委員の皆さんから、一人一人、今日の再販制度というものはそういう意味のものでいいのか悪いのか、あるいはそのいい面もあるが弊害が多いのか、そこら辺の問題を、御意見を実は聞かしていただきたい。委員会として統一されている意見は新聞発表でよくわかりますから、それはもうけっこうでございますから、皆さん個人の、委員の立場でどういうふうに再販というものについて考えられておるのか、その点お伺いをいたしたい。
○政府委員(山田精一君) 私、一委員といたしましての意見は、先般の二月二十二日に新聞記者に語りましたところと全く同一でございます。 先生ただいま御指摘になりましたような再販制度の弊害、これは、どこまでも規制をいたしてまいる、こういう強い決意をもって今後の運用をしてまいりたい、ぜひ今後の運用に御期待をいただきたい、かように思っておる次第でございます。一つの例を申し上げますというと、リベートの問題のお取り上げがございましたが、リベートは、よく御承知のように、非常に各種のバラエティを持っておりまして、簡単なものではございません。したがいまして、法律でもってリベートを禁止するということだけでこれがなくなるということは、なかなかむずかしいように存じます。したがいまして、先刻申し上げましたごとく、指定品目の数を減らすことによりまして、ただいま御指摘もございました事後の管理、これを徹底的にきめこまかくいたしまして、具体的のケースについてリベートがいかがに相なっておるか、これを的確につかみまして、それが消費者の利益を不当に害するような場合にはこれを削除をする、かような措置をとってまいりたいと思っておる次第でございます。
○木村美智男君 ほかの委員の皆さんから意見を……。
○説明員(菊池淳一君) お答え申し上げます。 委員会は御承知のとおり合議制でやっておりますが、この再販の問題に関します限り、私も、この規制の必要性について、またどういうふうにしていったら具体的に早急にその成果をあげることができるかという点につきましては、委員長と全く同じ考えております。私どもも、個人生活におきましてはやはり消費者の一人でございまして、家内等からも物価の高騰を聞いておりまして、この再販規制の問題については、決して、個人的にも、また職務の上におきましてももちろんのこと、重大な関心を持っておるわけでございます。その上、ただいま懇々とお話を承りまして、さらに身が引き締まるというような思いがいたしたわけでございます。ただ、具体的にどうしたらいいかということにつきまして、先ほども自己満足ではないかという御指摘がございましたけれども、とにかく、ただ何か法律をつくる、かっこうをつけるということが効果を達するゆえんではなくて、現在の法律でできることならばそれを徹底的に実行していくということが、まず先決問題と申しますか、第一歩ではないかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この実行をして、そのほかにさらに解決できない問題があるか、そういう点につきましては、根本の問題といたしまして、これはさらにもうこれでいいのだということは考えておりません。ただ、現在の状態におきましては流通機構等も非常に変革しておりまして、たとえば、メーカーが自分で直売するという形をとる、あるいは委託販売をする、あるいはそういう法律形式をとらなくても、返品は自由である、金融は長期の金融をつける、あるいはそれに資本を出資させまして、親会社、子会社という関係をつけていくとか、いろいろ、純然たる昔の問屋、小売りという整然と分けた時代から実態が非常に変化しておると存じます。そういう状態、また、動きつつある状態に法律をどう適用していくかということにつきましては、私も非常にこれは重大な関心を持っておるわけでございますが、非常にむずかしい問題でございまして、従来の法律で運用できるところは極力それを厳正に運用してまいるのが、さしあたりの効果をあげる第一歩ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○木村美智男君 他の先生方からもだんだんお伺いしますが、菊池委員いまお答えになられたわけですが、その中で、基本的に委員長と同じだということ一体どういうことか、少し掘り下げて聞きたいのですが、つまり、あなたは、再販というものが最近実態が変わってきているということは、変化は認めておられる。しかし、現実にこれはどういう法律を適用していったらいいのかということはたいへんむずかしい。だからとりあえず現行法の運用を厳格にやることによっていくのだ、こう言われているわけです。その運用という問題について、内容をひとつ聞かせてもらいたい。運用というものは、あなたのおっしゃる運用というものは、内容は具体的にどういうことなのか。実は、この問題は、この前の本委員会の中でいろいろ各方面から聞きました。厚生省からも意見を聞いたし、通産省からも聞きました。そのことが、また、例の前国会に実は法案が提出できない、流産になった経緯に関連をしている問題なので、実はそこら辺のこともあるから伺いたいのですが、速記録をそのままあれしますと、去年の委員会で通産省の下山企業局の次長がこういうふうに言っているわけですよ。通産省の意見として、大量販売流通の場合にブランドイメージづくりは重要だと、この場合価格が別口では困る、安定的なことが大切と思う。製造業者の代理店なり卸なり問屋等に価格指示をしたり、輸出商品の再販指定も古くからの商慣習である。これは通産省のいままでの理論的なよりどころなんですけれども、従来から問題になっていない、その点では従来からの問題になっていないんだと、商慣習は。しかし、おとり廉売という問題がある。これに対抗して自分の社の商品の信用を確保するために荷どめまで禁止するのはどうかと、こういうことを言っているわけです。そうして、古くから商慣習として行なわれて、従来取り締まられなかったものまで取り締まるのでは流通に混乱を来たす。こういうことで実は私とやり合った。それで、しかし、結論は、あとで次官が出てまいりまして、木村先生のおっしゃるとおりで御異議ありませんということに実はなったんですけれども、しかし、いま申し上げたこの下山次長の見解と、あなたの言っている運用ということの意味するところは同じなのか違うのか、こういう考え方に対して賛成なのか反対なのか、この点について、これは率直にひとつ答えてもらいたい。
○説明員(菊池淳一君) お答え申し上げます。 私の申し上げました運用と申しますのは、法律を厳正に施行していくという意味で申し上げたわけでございまして、個々の事件についてどう扱っていくかという意味ではなかったわけでございます。御承知のように、この独禁法にはカルテル禁止というような規定がございまして、これはもうお互いに価格なり生産数なりを協定すれば、はっきりとそこに違反という事実があるわけでございますが、不公正な取引方法と申しますのは、従来は一般的に行なわれておったようなことの形の上におきまして、ある行為がいわゆる競争手段として公正な競争を阻害するということでございまして、それをこういう類型で規定してしまうということについて非常な困難があるのではないかと考えます。たとえば、取引の拒絶の場合におきましても、相手が金払いが悪い、で、取引拒絶をする、そんなところにはもう品物は出せないという場合もございましょうし、また、再販価格を、こういう価格を維持しろといって、それを言うことを聞かないから拒絶するというケースもございます。それを、ただ取引拒絶という形だけで、こういう類型できめてしまうことについては、これは一般に商慣習その他いろいろな事情がございますので、そこに非常にむずかしさがあるという意味で申し上げたわけでございます。 再販全般につきましては、これはただ、ブランドの信用の維持とか、あるいは小売り業者の過当なおとり廉売等に対する防御とか、いろいろ理論づけはございまして、あるいはそれはそれなりに一つの理屈がないとは考えませんけれども、現在の事態におきましては、その再販を足がかりにした、流通段階内部におけるリベートとか、あるいは景品とか、あるいは招待とか、いろいろそういう内部における売り込み競争、結局、小売りや卸の手を使って自分の製品をたくさん売り込みたいという売り込み競争のためにそういう手段が行なわれて、それが最終消費者に渡るときの小売り価格の競争に反映されていないという点についての弊害を私は最も強く感じておりまして、こういう弊害を除かなきゃならぬということにつきましては、委員会のほかの委員の方々も全く同感で、それをいままで必ずしも十分にやっておったかどうかという点につきまして、これは反省いたしますとともに、たとえば指定商品につきましも、たとえば分類上の非常にむずかしい問題がございまして、本来の趣旨をはみ出たというものもございました。そのほか、本来の趣旨から見まして、それを整理していくとか、あるいは指定されておりましても、リベート、これはリベートなどというものはなかなかっかみにくいものでございますが、結果的には小売り価格においてあらわれざるを得ないと思いますので、そういう点を足がかりにしてつかむということもできるだろうと思います。 それからやみ再販と申しますか、認められていない再販制度につきましては、従来ももちろんこれを審査、審判の対象にしてまいりましたが、だんだんやっておりますうちに、その行為の形、態様というものがわかってまいりまするので、これはおそらくいろいろ高裁にまた行ったりして、証拠関係等固めなければそれは軽々しくはできない問題でございますが、そういう点につきましても、そういう類型というものがわかってまいりまして、そういう証拠等のつかみ方もなれてまいりましたと申しますか、強力に実行しやすくなってきていると思います。そういう点においてもさらに力を入れてやっていくということで、大体現在指定されておる品目も、全商品にしてみれば、いま整理されておりまして、さらにそれを内容的にも洗う。それからそれ以外のやみの再販については徹底的にやっていくということで、さしあたりの弊害は大いに除去されていくのではないかというふうに確信しておるわけでございます。
○木村美智男君 いま運用と言った趣旨は、通産省の見解をどういうふうに考えるのかということについては的確にお答えをいただけなかったのですが、言われた運用という中身はわかりました。その中で、いま菊池さんは、やっぱりこの再販の弊害というものを認められて、その弊害というものは除去しなきゃならぬということをいま言われたわけですね。私、ここでどういうやり方をやるかということまで私が伺ったり、論争しようとは思ってないですが、この弊害を除去する場合にどういう措置をとるべきだと考えているのか。それから、品目を洗い直すということならば、一体洗い直しをしたらどういう結果になるということを想定をされているのか。洗い直しの結果、ほとんど該当品目がなくなされるという見通しに立っておられるのか、あるいは委員会としてやってないから、きょうはものを言えないということかもしらぬが、しかし、きょうはぜひ個人としてできるだけ私はお答えいただきたい。委員長はさっき、新聞記者会見のときの発表が私の一〇〇%の意見だと言ったけれども、私はそうは思わない。あなたが書いておられる論文やその他を見ると、決してあれと同じだということは……、委員長の立場からああいう記者会見はされたと思うので、あれと全く同じだということを答弁されても、信用は一〇〇%できません、それは。 それはそれとして、いま菊池委員は、私が申し上げておるように弊害を除去するということであるならば、具体的にどういう措置をとるべきだと考えておるのか。品目を洗い直すというようなことは結果としてどういう結果になるのか。それから、実際全部現在の該当品目というのは大体なくなるような方向になるだろうか。それとも大して減すようなことにならないのか。そこら辺のことは、大体、運用によって洗い直すということを前から委員会としては言われているんだから、それぞれにお考えがおありだろうと思う。その辺もちょっと聞かしていただきたい。
○説明員(菊池淳一君) 最初に、先ほど通産省の一つの提案の問題についてどうかという御質問がございまして、ちょっと私もその内容について理解し得ないのですが、やっぱり個々にケースバイケースで判断しなければならないということがあるかと思いますが、ただ、たとえば、いろいろな形態がございまして、品物によりまして、また相手によりましてかりにメーカーが直接需要家と話をして値段をきめてしまって、あるいは輸出価格などについてもそういうことがございますけれども、あと、それをただ、一つの眠り口銭と申しますか、従来の流通経路を通してただ一定の口銭だけやる、ただし、受け渡しの実務とかなにかをやらせるという関係がございますときに、それはただ従来の慣習だからということでジャスティファイされるとは思いませんけれども、その実体におきましては、それを一体価格の拘束と言えるのかどうか、あるいはそれは公正な競争を阻害するおそれがあるのかどうかというような点につきましては、やはり個々に判断してきめていかなければならない要素があるのじゃないかというふうに個人的に考えております。 それから具体的にどうかという点でございますが、これはまだ委員会としてきまっておらない問題でございまして、今後いろいろ私も意見をもちろん申すわけでございますが、また、ほかの方の意見であれを考え直すという、そういう討論ということが委員会の一つのいい点でもあると存じますので、いまここでどこまで減らすのだと、そうすればどういう効果があるのだということにつきましては、ただいまの段階では、私といたしましても、まだはっきりとした結論を持って国会でお答えするに至っておらないわけでございまして、どうぞ御了承いただきたいと存じます。
○木村美智男君 聞きたいことに答えてもらえないので非常に残念ですが、まあ答えられないという理由がどういうことであるのかというやつは、皆さんが洗い直した結果おのずから出てくる問題だと思う。そのときには、どういうわけでこうしたのだということを明確に私は聞くことにして、きょうはこれ以上、時間の関係もあるので、申し上げることを差し控えておきます。 ただ、亀岡さんに実はお伺いしたいわけですが、きのう、あなたは衆議院の物価の特別委員会で盛んに事務局案ということを言われておるわけです。事務局案ということで私ちょっとやっぱりつっかかるところがあるものですから、これは明らかにしてもらいたいと思いますが、当時の北島委員長は、これは公取案と、この国会で言ってるわけです。私も、その三月段階で事務局の試案ができ、四月で事務局案なるものができ、六月段階で法制局との関係でいろいろ打ち合わせをした結果、そうして少なくとも公取としての案になったように実はいままで聞いておったわけですが、それを事務局案だということについては、どうもいままでの国会の発言なりあるいは新聞等の関係もあり、各省と折衝したいきさつもあり、こういう関係から考えると、どうもちょっと事務局案というものは、考え方ということについては、何としてもこれは私は国会軽視みたいなことに通ずるような気がするものだから、ことばづかいとして穏当でないので、これは一体どういうことなのか、真意がそういうところにないというならば取り消してもらいたいし、いやあくまでも事務局案だと言うなら、あらためてもう一つ聞きたい点がありますので、その点をお答え願いたい。
○説明員(亀岡康夫君) 昨日の衆議院の物価対策委員会で私が事務局案と申し上げたことは事実でございます。ことばが足りなかったので誤解を招いた点についてはおわびいたしますが、その間の経緯を御説明申し上げて御了解願いたいと思います。 あの当時できました案と申しますのは、最終的に委員できまった案ではございません。と申しますのは、委員会で一応きめたことは事実でございますが、通産省、経済企画庁、それから法制局にも、もちろん下交渉いたしまして、第何次か、折衝はした案でございますが、しかしながら、いま申しましたように、問題点が残されておる段階で、そうして通産省なり経済企画庁なり、関係各省、厚生省も含めまして、御了解を得て、その結果法制局に話をいたしまして、それで最終的に委員会にはかって、委員会の決定、その結果、法案のかっこうで内閣提出という段取りになると思うわけであります。そういう意味で、昨日事務局案と申しましたのは、そういう意味で事務局の案という意味ではなくて、委員会で最終的に決定になっていない案である、こういう意味で御了解をいただきたいと思うのでありまして、非常にことばが足りなかったので、申しわけなかったと思っております。
○木村美智男君 あまり事務局案そのものの議論はしませんが、もう一つ亀岡さんに伺いたいのは、あなたやっぱり、きのうこういうことも言っておるわけですね。北島時代の規制法案では、これは行き過ぎた規制にならないかどうか疑問になったというような意味合いのことを述べられておるでしょう。で、私はそれを聞いて、実はこのことについてはびっくりしているわけです。それはなぜかというと、このことについて本委員会でも議論をした際の宮澤企画庁長官の答弁も実はここに持ってきておりますが、経済企画庁がどういうふうにあの当時の、いわばいまおっしゃられた案というものを見ているかということからいっても、まるっきりあなたと違うのです。違うというのは、私もそのときに、実は腹の中では、世の中では規制法案がつぶれちゃってうまくなかったと思ったけれども、私は腹の中では、あんないいかげんな規制法案ならそう惜しくはないと、私ほんとうのところ思った。なぜといったら、規制がまるっきり……、当初の事務局案であった段階、事務局の骨組みであった段階では、まあまあ提案にも沿っておるし、これなら多少いけるなと思ったんですよ。ところが、だんだん、だんだん、通産省と折衝をし、厚生省と折衝をしている間に、その背景には、小売りの組合から、メーカーから、盛んに通産省に、厚生省に圧力がかかったこともよく承知していますよ。そういう形の中で、当初の案がだんだん、だんだん後退をしている。そうしてでき上がってきたのが例の六月の段階のものなんですから、そういう経過をずっと対比して見てきたら、私にも実は期待はずれになってきた。腹の中ではさほどがっかりしていないのです。このことについて、やっぱり経済企画庁長官は同じようなことを言っているのです。どういうことを言っているかというと、これは七月の十九日だったと思いますけれども、現状よりも一歩前進という意味で企画庁のほうとしては賛成だということを言ったんで、現状よりも一歩前進とは何だということを聞きましたら、多少いきさつがあったためだ、経済企画庁事務局としては、できればもう少し強い規制、再販についてもう少しきびしい考え方に立てないかという意見を持っていたんだ、こういうふうに明瞭に実は言っているわけです。ただ、一歩前進になるならばという意味は、ここでつぶれてしまうよりはこれは出たほうがいい、そういう意味で公取に協力し、原案に賛成だという意味で一歩前進だと言ったんだと、明瞭に、これは速記録の写しだから、あとであれしてもいいですが、そういうふうに言っているわけです。宮澤さんのそういうことと、私もむしろ、さっき申し上げたような気持ちでおったわけですが、そういう意味で、あなたのきのうの衆議院の物価特別委員会で発言をされたことはたいへん重要だ、今日の独禁政策をあずかる公取委員として、そういう考え方であったんでは私は困るという考えを実は強く持ったんです。これは、あなたが適当だとか適当でないということを言っているのではないですよ。今日の再販の実態というものを考えてみて、消費者の安定ということを公取としては独禁政策推進の中で考えなければならぬ、こういう使命を、さっき委員長があいさつで言ったけれども、そういう立場から言えば、私は、あなたが、もしきのう言ったことがそういう趣旨だったとするならば、これはたいへん問題だ。そういうことだから、再販問題というのはいつまでたってもだらだらしておって、けりがつかないのだということになるし、今日また国会に提案もされないような事態になってくるのだということにもなってくるのだ。せっかく一年間かかったこの中で、厚生省のおとり廉売についても大体納得をしてもらっておる。通産省の商慣習の問題についても、大体そういうことでそれではけっこうでございますということに——委員会の議事録をあとで読んでいただいてもけっこうですが、そういう状態になってきているときに、またあなたみたいな考え方を持っておられる人が出てこられたんでは……。そうすると、あなたも前の北島さん当時の委員であったんじゃないですか。もしそうだとすれば、あの当時の法案についてすら、やっぱりあれには疑問があったんだという話になったんでは、これは全くもって、公取じゃ規制強化なんていうことを世の中に向けて言ってもらいたくないんだ、そういうことならば。なぜかといえば、国民は、消費者大衆は、期待している。ところが、肝心かなめの委員の皆さまが、それとはちょっと違った、そういうことでは少し行き過ぎになるのだという考えを持っているなら、これは、国民の思っていることと全く逆だからだ。これは、あなたを人間的に個人として責めているわけではないんですよ。公取としての立場、その役割りという観点からいくならば、私は、そういう意味ではいろいろの意見のあることはわかりますけれども、今日の物価問題、再販問題というものをやるのについては——これは私の意見だからお答えはいいですが、これはきわめて重要な問題なので、あなたにいろいろさっき私が申し述べたような再販の実態というようなこともほんとうによくお調べをいただきたい。今日菊池さんが言われましたが、奥さんが物価の問題でどういうことを言っておられるかということも、家庭でもお話しされていると思うから、そういうようなことから考えて、ほんとうに今日の時点ではどうなのかということを、もう一回ひとつ考えてみてもらいたい。これは一つ要望です。 いろいろ申し上げたんですけれども、実は、運用の問題について、これはまた梅田先生もいらっしゃるのですけれども、時間の関係で、きょうはちょっと省かしていただいて……。いろいろ考え方はありましても、運用強化ということを盛んに言われているので、運用強化ということをすれば、今日の再販問題というものはほんとうに処理することができるのかということについて少し聞かせてもらいたいと思う。 なぜかというと、さっきもいろいろ言われていましたが、たとえば、今日、審判の中でも、じゃ一体松下のあのやみ再販問題というものは、あれは運用を強化すれば早く片づく、こういうことに結論がなるのか、ならないのか。そういうことが私は疑問になってくると思う。なぜそういう疑問を持つかというと、今日の独禁法の運用それ自体の中に新しい立法をしなければならぬ欠陥があるんじゃないかということを私先ほど申し上げたのですが、そのことに触れていきたいと思うのですけれども、松下は、平たくいえば、大体薬や化粧品というものとおれたちのほうと、日常使われているのだし、あるいは自由競争をやっているのだから、これは何もあっちがよくてこっちが悪いというようなことはない、同じものなのに、なぜ電気製品のほうだけ悪いのだ、というような腹があると私は見ているのです。そのことが悪いのだということを公取委員会は何をもって悪いとしているかというと、これは例の二十四条の二によって要するに指定をされていないから、おまえのところのものは悪いのだ、これだけですよ、言ってみれば。ここが一つ問題なんです。おまえさんのところは認可をしていないのだから違反なんだ、悪いのだ、ただこういう強権的なことだけでは、ぼくは、ほんとうの独禁法の運用として、これは、皆さんがおっしゃるように、運用を強化すればちゃんとなるとか、松下問題なんというものはもうどんどん片づいていくのだというふうには簡単に考えられない。それどころじゃないんですよ。松下は何と言っているか。定価をちゃんと守ってアフターサービスをきちんとやっているのだから、むしろアフターサービスを強化しさえすれば、定価をきちんとして売ってやったほうが消費者の利益になるといって、逆にあなたたちに反撃しているじゃないですか。そういう理屈はどこから出てくるのかということを、実は公取でも考えてもらいたい。私は、明治や森永の育児用粉ミルクのあの事犯なんというものは、これは公取委員会にとっては非常に貴重な資料であったと思うのですよ、ある意味では。だから、そういうことをよく考えてみれば、ただ単に指定商品を洗い直すというだけじゃ私は不十分じゃないかということを言っているわけです。 で、それを今度は法的に少し詰めてみたいと思うのですけれども、あの独禁法上の二十四条の三の不況カルテル、それから四の合理化カルテル、この二十四条というものは一体どこに根拠があって、どこから出てきているのですか。これは、いま私が申し上げた松下問題に関連をして、公取は立法必要なしと言うし、私はちょっと必要があるんじゃないかという立場だから、ここのところの、何というか、ひとつ中身についての意見を聞かせてもらいたい。二十四条の三と四は何条から来ている条文ですか、こう聞いているわけです。
○政府委員(山田精一君) お答え申し上げます。 二十四条の三及び四は、元来、法律の条項から申し上げますと、第三条によりまして、「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」ということで、原則的に禁止されておるのでございますが、これの例外としてこの除外規定ができておるものでございます。
○木村美智男君 それはわかりました。そうすると、二十四条の二という規定、再財売価格維持行為、これはどこから来ているのですか。
○政府委員(山田精一君) こちらのほうは、もとは第二条第七項の「不公正な取引方法」として取り締まられておるわけでございます。それの除外規定になっております。
○木村美智男君 二条の七項というやつ。これは、いまあなたは、この二条の七項から来ていると言われたけれども、不公正な取引方法をしてはならないということは別にあるわけです。二条の七項というやつは、その不公正な取引方法というものはどういうものだということをこれは説明したにすぎない。だから私は、さっき二十四条の三なり四をなぜ聞いたかというと、第三条のような、そういう基本になる禁止規定は一体どれなんですかと伺っているわけです。
○政府委員(山田精一君) 先ほど私のことばが足りませんで、第十九条で「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」と禁止されておるわけでございます。
○木村美智男君 十九条というやつは、これは少なくとも、何と言うんですか、いわゆる二十四条の二というものはこの十九条の「不公正な取引方法を用いてはならない。」という規定から出てきているとおっしゃるんですか、これ。二十四条の二。
○政府委員(山田精一君) その除外規定と……。
○木村美智男君 いや、これは公取委員長ね、私はここら辺が実は問題だと思っているんです。本来、この二十四条の二というやつは、これは改正の経緯その他から考えていくと、歴史的なものがあるんじゃないか。で、この点については、二十八年の実は改正の際に、これは旧四条というものがあったんでしょう。それが削除をされたと、そういうような関係から、この問題が出てきているんじゃないですか。その二十八年の大改正まで、独禁法がつくられてからずっと、少なくともこれは公正取引委員会としては、私がこの前も委員会で指摘したように、たとえば横の関係だけじゃなしに、縦のカルテルについてもこれは禁止をして、そしてそういう一貫した運用をやってきた。ところが、二十八年のこの大改正の際に、実はこういう除外規定、緩和規定がここに生まれた。で、本来ならば、これはそのときに、何かの規定というものがそこにあって、そうして二十四条の二はそこから生まれてこなきゃならぬのに、実はいまあなた十九条ということを言われたけれども、これは私は、言ってみれば、ててなし子をあとから認知して、親になったのが十九条じゃないか、これはいきさつ上ですよ。したがって、いま公正取引委員会としては、つまりかつてあったいわゆる事業者団体の場合は別ですが、個人の場合には、もう横の関係はある程度この三条によってやっていけるけれども、いま言ったように縦のカルテルについては、何というんですか、根拠とすべき禁止規定というものを失っている。それで、あとからあなた方やっぱり十九条を持ち出してきて、そしてこれが親だと言う。いわばあとから認知した。で、それだけじゃ追っつかないから、二十八年に公取の告示十一号というのが出ていますね。これと合わして、そうして解釈論として、あなた方は——あなた方って、当時委員長おったわけじゃないけれども、公取としてはそういうつじつまの合わせ方をした。こういういきさつのあるこれは条項じゃないですか。 したがって私は、やはり、今日の独禁法の問題の中では、どうしてもそこのところが一つ抜けているから、言ってみれば、市場支配的な事業者と、それから卸、小売りが一体になって、そうしてやっているいまのいわば縦のカルテル形態というものを、これを捕捉をして規制をしていくためには、今日どうやっても、いまの第三条というものから二十四条の三、四が生まれているのと同じように一つの根拠となるものがないと、どうしても弱いということが出てくる。つまり、そういう縦のカルテルというものを不当な取引制限ということでつかまえていかなければ、これはなかなかうまくいかぬ。だから、審判といっても、さっき言ったように松下の言い分が出てきて、公取のほうとしてもなかなかそれに対する立証がむずかしいとかいろいろあって、そうしてすでに一年にもなろうとしている。牛乳の問題もしかり。こういうことをずっといまから考えていきますと、私はやはり、ここであまりそういうことについて、法の改正というようなもの、二十四条の二というものについて、これを削除をしたり、そんな必要はないのだ、法の運用だけでやっていけばいいのだというようなのんきな実態ではなくなってきているのじゃないか。二十八年の改正をしたその当時なら、まだ私は間に合ったと見ている。それが、いまの段階では情勢が一変している。だから、したがって、ここのところはひとつ検討すべき問題があるのじゃないかということ。しかもそのことは単に法律問題として検討するのじゃなくて、実態もこれを裏づける問題が現に出てきているのじゃないか。だからここを正確に把握して立法措置を講じなければ、ほんとうに独禁政策というものを運用することにならぬじゃないかというのが実は私の主張なんです。そういう意味で、これは二十四条の二を取って何かの形にでもするか、あるいはその旧四条を復活させるか、いずれにしても、そのことについて委員長はどうお考えになりますか。
○政府委員(山田精一君) 旧四条との関係でございますが、旧四条は、御承知のように、事業者の共同行為によります対価の決定とか、生産数量の制限等につきまして、すべて画一的に、——ごくわずかな、競争に対する影響の軽微なものは除外しておりますが、ほとんど画一的に禁止をいたしておりましたわけでございます。したがいまして、有効な競争が行なわれておる場合にも、これらの共同行為が形式的に違法として取り締まられるという弊害がございましたために、これを削除されたと聞いておる次第でございます。独禁法の目的は、申すまでもなく、有効な競争が公正自由に行なわれておりますれば、これをもって目的を達したものと考えておるので、旧四条のような形式的な取り締まりという法律条項の復活は、ただいまの段階におきまして、将来情勢の変化がさらにございました場合にはいざ知らず、当面必要はないように私どもは考えております。 それから先ほど御指摘のございました松下の審判の件でございますが、個々の審判は、ただいま係属中でございますので、ここで云々いたすことは避けたいと思いますが、あの案件に関しまする限りにおきましては、旧四条がございませんでも十分に捕捉し得るという確信を持っておりますということだけを申し上げておきたいと思います。
○木村美智男君 委員長、この十九条の問題ですがね。「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」。で、再販は、私は、事業者側が一方的に拘束をしているという関係だけで見られないのじゃないかということを言おうとしているのですよ。というのは、なぜかというと、いまの再販というやつは、少なくとも市場支配的なメーカーと、卸と、それから小売りとが一体になって、そしてそこには、ブランド競争はあっても、ブランドイメージアップはやっても、自由な価格競争はないじゃないかと言っている。そうでしょう。そうすると、あなたが言うように「事業者は、不公正な」ということが、事業者側の一方拘束だという立場しかこの十九条にはないじゃないか。事業者と再販売業者とが一体になって価格維持をはかっているわけなんだから、したがって、これは、事業者側の一方拘束としてとらえ、それが公正にしてかつ自由な競争を阻害をしているという観点から違法だというだけでは、私は不十分じゃないかと、こう言っているわけです。この点はどうなんです。
○政府委員(山田精一君) なるほど、独禁法の制定の当初の段階におきましては、実質再販行為に該当いたしますものを旧四条の違反として処理いたしてまいりました例がございましたのでありますが、昭和二十八年三月に東京高裁の判決がございまして、これは当事者の一方にだけ拘束を加えるような行為であって、第四条に違反しないという判決がございましたことがありました。私どもは、この第十九条の「不公正な取引方法」として、自来ずっと処理をいたしてまいっておるわけでございます。 なお、再販行為につきましては、いろいろな内容のものがございます。実質相互拘束になっておるものもございますが、これも十分第十九条をもって規制してまいりたいと、かように考えております。
○木村美智男君 だから、判決のあったことは私も承知をしておるので、それは委員長だって、そのことを、その前までどうなっていたかを知っているでしょう。判決の前までは、少なくとも縦と横と、これは第四条を根拠として、そして規制をしてきたわけなんです。その判決があってから、大体四条は一応それを理由にしておそらく改正をしたと思うのです。だから、縦の行為はこの中には含まれてないのだという解釈をとってきている、ここは。経緯上からわかる。しかし、それは今日の時点の中では一体どういうことになっているのか。そんならあなたに聞くけれども、公正取引委員会は、単に、もう現行法は現実の事態に適合しようがしまいが、これはできている法律だからといって、そのことだけでやっていれば、もうそれで事足れりというのかということが言いたくなる。そうではないでしょう。だからこの時点で、これだけ社会問題になってきて、弊害も非常に多いのだから、したがって、かつては死んだ——死んだことはほんとうにあれが正しかったかどうかわからぬのですよ。だから、当時判決を出したその客観情勢というものとは今日変わっているのだから、そこのところを突っこんで、公正取引委員会としては、その検討をしなければいかぬじゃないか。もしそのことを検討したというなら、それなりの答えがあると思うけれども、そうなってくれば、また逆に戻ってきて、二十四条の二は一体どこから出てきたのかという議論を繰り返さざるを得ないことになる。やはりここに法律的な欠陥があることだけは、新法をつくるかつくらぬかという技術問題を別にして、一つの問題点であるということだけは、委員長おわかりでしょうか。
○政府委員(山田精一君) 私どもは、決して現行の独禁法を改正しないで墨守していくというような考えは毛頭持っておりません。経済情勢、それから国民経済全般の条件の変化に適応いたしまして、随時適切な改正を加えてまいりたいと、かように考えております次第でございます。先般、当面新しい立法は御提案いたさないということを決定いたしましたのも、ただいまの段階においてすぐに法律の改正を、新法の制定をいたさないでも所期の目的を達成し得るという結論に到達したからでございまして、先般の新聞記者会見の席でも、ちょっと私申し述べましたごとく、再販問題、それから広く独禁法全般の問題につきまして、私どもは日々常に反省を重ねてまいりまして、情勢の変化が新法を必要といたしまする段階に到達いたしましたならば、ちゅうちょすることなく新法を御審議を願うようにいたしたいと存じます。何も将来にわたって一切新法はつくらないとか、現行法の改正はしない、こういうことではないのでございますから、御了承をいただきたいと存じます。
○木村美智男君 その将来にわたっては、私が言っているようなことも含めて考えているようなお答えなんですがね。私は、将来の問題は、もうほんとうの話、どっちでもいいのですよ、そう言っちゃ何ですけれども。いま、とにかく物価の問題が国民の最大の関心事になっている。しかも再販は、設けた当初から見れば、多くの弊害を生んできている。最初は、こんなものがあったって大したことはないということから、薬は大正製薬一社しか使っていなかったのですよ。化粧品屋だって限られておったのです。いまや、大メーカーがみんな使っているということは、この再販が、何というか、利潤追求というか、あるいは販売の大きなてことして、このメーカーを利益する制度に変わってきて、それがしかも全体の物価の下ざさえになるというここの役割りまで来たから、ここで根本的に手をつけなければいかぬじゃないか、再販問題に。こういうわけで言っているやつを、将来影響がひどくなってきたらというような、のんびりしたようなことを言っておるのじゃ、そこにずれがあるので、これはどうも、きょうの時間の中で埋め合わすことができぬような気もするわけです。だから私は、もう一回理事さんのほうから、あるいは委員長のほうからも、大体六日に引き続いてやったらどうかという意見もあるので、この辺で、きょうはあまりこれ以上突っ込むこともどうかと思いますが、あなたおっしゃられているように、それは北島さんの見解からすれば、横よりもいまは縦のほうがなお悪いのだという認識を持っているんだよ。公正取引委員会委員長が交代したら、認識がまるで逆になったというのじゃ、わしらどっち向いて進んでいったらいいかわからぬわ。何ぼ汗を出して、国民のためだ、物価安定のためだとやったって、委員長が変わるたびにくるくる方針を変えられたんじゃ、わしらどうにもしようがないよ。そういう意味で、北島さんの言っていることだって、これは委員長だって全然見解が違うんじゃない、それは理解ができるんだ。いま、横よりも——横といったって、今日の寡占化の時代に、横の関係なんというものはむしろ大したことはない、北島さんの意見に私は賛成しておる。いま寡占化ができているから縦が問題になってきているのであって、その問題の縦をなおすことについてやらないとするなら……。罰則を見てごらんなさい、罰則を。あまり大したことのない横のほうは不当な取引制限でからんで、それで罰則だけはばんばん加えておって、最もいま大事になってきているこの縦の問題については、まず勧告をするとか、こういうことでしょう。直接の罰則はないのですよ。勧告受ける前に、私のほうはこれはやめますと言って頭下げちゃえば、それで終わりですよ。そういう経済犯——言ってみれば重大な経済犯ですよ。いまや、そういうものが罰則一つ食わないというような法の構成になっているということは、これはあまりにもバランスがとれてないのじゃないか。立法論的な立場からいったってバランスがとれてないですよ、これは、その点も考え、現実の再販の実態も考えてみれば、これはやっぱり、どうしても私は、それは佐藤総理が約束したからというようなことや、あなたが言ったからというようなこと、そのことも一つのそれは言い方ではあるが、もっと実態的な面の事情をとらまえて、私は、新しい立法規制をするとか、二十四条の二を削除するか、ここら辺のことをやらない限り、あなた方が何ぼ国民に向かって、一生懸命やっています、ここに重点を置いてやりますと言ったって、力を持たないじゃないかと言っている。力を持たぬで、何ぼ規制するの、あるいは取り締まるのと言ってみたところで、それじゃあなた、頭下げてしまえば終わりだ、終わったら、またやりやいいんだからね。やって、言われたら頭下げてしまえばいいんだ。それが、断固として聞かないということでやっていったときに初めて罰則を——その罰則もまた軽い罰則だ。こんなことで、再販を規制できますとか、あるいは洗い直す程度でやれば何とかこれはやっていけるんですというようなことで認識をされているとするなら、ほんとう言って、私は公正取引委員会を不信任せざるを得ない、これは。そういうことなら、世の中の公正取引委員会に対する見る目を変えてもらわなければならない、私はそう思う。今日まで、少なくとも、公正取引委員会に、これは言ってみれば、今日の政治の場面の中で、経済のこの状態の中で、私はある場合には同情的であり、ある場合には積極的に協力的である、そういう立場をとってきたけれども、こういうことがわかってもらえないというなら、公正取引委員会に対する認識を変えなきゃならぬ。あなた方、独禁政策を推進していく上に、演説は消費者を擁護するんだなんという、えらそうなことを言っておるけれども、そうではないということを言わざるを得ない、そうなれば。だから、きょうはここで時間の都合で打ち切りますから、次の機会に、もう一回私はじっくりと、この委員会の皆さんと問題点について議論をしたいと思います。 委員長から催促が先ほどからありまして、ちょうど経済企画庁長官もおられたから、ほんとうは、いまの問題は経済仕画庁長官に言えばいいんですが、これは去年からの続きの問題です。これは次回に譲りまして、私、これで質問を終わらしていただきたい。
○委員長(大森久司君) 本件に関する質疑は、この程度にとどめたいと存じます。 —————————————
○委員長(大森久司君) これより、当面の物価等対策樹立に関する調査中、物価対策の基本方針に関する件を議題といたします。 まず、本件について政府当局より説明を聴取いたします。宮澤経済企画庁長官。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本年度の消費者物価は、政府が当初見通した四・五%の上昇の範囲内におさまる見込みでありますが、昨年秋以降騰勢を強めております。卸売り物価につきましては、昨年夏以降強含みに推移しており、本年度は一・五%程度の上昇になるものと思われます。 政府は、明年度において、消費者物価の上昇を四・八%程度にとどめ、卸売り物価の上昇を一%程度にとどめるよう努力してまいる所存でありますが、最近の物価動向から見て、この目標を達成することは決して容易ではありません。 物価は、国民生活に直結する問題であり、その安定は当面する最も重要な政策課題であります。したがいまして、第五十七回国会に続き、このたび、参議院に物価等対策委員会が設けられ、物価問題について特に御審議いただくことは、きわめて意義深いことと存じます。政府といたしましても、当委員会の御審議の結果を十分物価対策に反映させ、物価の安定のために一そうの努力を払ってまいる所存であります。 近年における物価の上昇は、わが国経済の急速な構造変化に根ざしている面が少なくありません。したがいまして、物価の上昇を抑制するためには、経済活動の水準を適正に維持するとともに、経済の各分野における生産性の向上をはかり、労働力の流動化を促進し、競争条件を一そう整備するなど、各般の施策を引き続き総合的に推進する必要があります。 政府は、昭和四十三年度の予算編成にあたり、財政規模及び公債発行額を極力押えるとともに、新たに総合予算主義をとり、財政の健全化をはかることといたしました。このような措置は、総需要の抑制を通じて、国際収支の改善のみならず、物価安定にも資するものと考えます。 さらに、明年度予算におきましては、物価対策のために、引き続きできる限りの配慮をいたしております。特に、家計に直接つながる生鮮食料品については、野菜の指定産地の拡充、食肉対策の強化などの対策を実施するほか、流通機構の合理化をはかるため、卸売り市場の整備を促進し、農林漁業金融公庫等に特別融資制度を設けることといたしました。 また、物価問題と並んで国民生活に身近な消費者行政につきましては、消費者の啓発活動の強化、中央、地方を通ずる消費者行政の体制整備を重点的に進めてまいります。 政府は、このたび、たばこ、国鉄定期運賃、間接税の一部について最小限度の引き上げを行なうことといたしました。これは、明年度におきましても所得税の減税を行ない、また、財政体質の改善をはかるため、公債依存度を引き下げることとしたのに伴い、やむを得ずとった措置であります。これらの措置は、当面、物価に好ましくない影響を与えるものと思われますが、他方で、政府が、今回の予算編成にあたり、財政の健全化に向かって第一歩を踏み出したことは、長期的には、物価問題解決への糸口になるものと考えます。 なお、昨年来、政府は、内閣総理大臣を中心に関係各大臣が一体となって物価問題に対する国民各層の意見を聞くため、物価安定推進会議を開催しておりますが、すでに、米価、公共用地の取得等について示唆に富む提案がなされております。政府といたしましては、これらの提案の実現に努力するとともに、今後引き続きこの会議の積極的な運営を行ない、有効適切な物価対策を推進してまいる所存であります。 本委員会におかれましても、このような政府の考えを御理解いただき、今後とも、よろしく御鞭撻と御協力を賜わりますようお願いいたします。
○委員長(大森久司君) 次に、昭和四十三年度経済見通しと経済運営の基本的態度について政府委員より補足説明を聴取いたします。赤澤調整局長。
○政府委員(赤澤璋一君) 長官の発言を補足いたしまして、最近の経済情勢と昭和四十三年度の経済運営の基本的態度及び経済見通しにつきまして概要を御説明申し上げます。 お手元に配付してございます「昭和四十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」を御参照いただきたいと存じます。 まず、当面の四十二年度の経済情勢について申し上げますと、御承知のとおり、四十二年度のわが国経済は、個人消費支出の堅調、企業設備投資の増勢を中心に予想を上回る拡大を続け、一方国際収支は海外景気の低迷とも相まって、年初来赤字基調を続けてまいりました。このため、四十二年九月には、御承知のとおり、一連の景気調整措置を実施し、また、本年一月には公定歩合の再引き上げが行なわれましたが、これら景気調整の本格的な影響は次第に経済全般に浸透してまいりつつあるものと考えております。 反面、国際経済面におきましては、海外景気の停滞に加えて、スエズ運河の閉鎖、ポンドの切り下げに続き、英米等諸国の公定歩合の引き上げ、さらに米国のドル防衛策の強化等、国際環境は急速にきびしさを加え、わが国の国際収支を圧迫することになりました。 すなわち、輸出の伸び悩みと輸入の大幅な増加によりまして、貿易収支は十二億ドル程度の黒字と前年度を大幅に下回り、総合収支は七億ドル程度のこれまた大幅な赤字になるものと見込まれております。 物価について見ますると、卸売り物価は、年央以来騰勢に転じ、年度間では前年度比一・五%程度の上昇が予想されます。消費者物価は、年度後半にはかなりの上昇となる見込みでございますが、年度当初比較的落ちついていたこともありまして、年度問の上昇率は、四・五%の範囲内におさまるものと見込まれます。 わが国経済の現況は以上のとおりでございまして、四十二年度の国民総生産は、ほぼ四十二兆六千八百億円の規模となり、経済成長率は実質一一・六%程度となる見込みでございます。 次に、四十三年度の経済見通しについて御説明を申し上げます。 四十三年度は、ただいま申し上げましたような高い成長を遂げた反面国際収支の大幅な赤字を記録いたしました四十二年度経済のあとを受けまして、それを安定的な成長路線に乗せるための、いわば調整の年という性格づけをいたしております。 まず、国際収支の均衡回復についてでございますが、財政規模及び公債発行額を極力押えるとともに、金融引き締めの効果を一そう浸透させることによりまして、総需要の抑制と輸入の減少をはかり、特に輸出振興につきましては、政府、民間一致協力して、あらゆる面にわたり格段の努力を傾注してまいる必要があります。また、貿易外収支の改善につきましても同様でございます。しかしながら、他方、このような国際収支均衡回復のための内需抑制の結果、国内経済が過度に沈滞するようなことは、これを避ける必要があることは申すまでもございません。したがいまして、特に国際収支の推移と国内経済の動向とを慎重に注視しながら、財政金融政策を中心とする経済政策の弾力的運用をはかることといたしております。また、これとともに、四十三年度におきましては、消費者物価が昨年秋以降騰勢を強めているおりから、その安定に格別の努力を必要といたします。この点につきましては、ただいま長官から御説明いたしましたとおりでございます。 要するに、四十三年度におきましては、国際収支の均衡回復と物価の安定とを二つの柱といたしまして経済の運営に当たるのでありまして、こうした経済運営態度のもとに見通しの作成をいたしておるわけでございます。 まず、見通しに関する主要な結論だけを申し上げますと、四十三年度の国際収支は、年度間としてはなお総合収支で三億五千万ドル程度の赤字を残すといたしましても、年度後半におきましては、ほぼ収支均衡の状態を達成し、また、経済成長率は実質七・六%程度になる見込みでございます。 次に、この場合におきます経済の主要項目につきまして簡単に御説明を申し上げます。 まず、個人消費支出は、基調的には堅調を続けるものと予想されますが、経済活動の鎮静化に伴いましてその伸び率は鈍化し、前年度比一四%程度の伸びになるものと見込まれます。企業設備投資につきましては、景気調整措置の効果の浸透によって伸び率は九・七%程度、投資規模は七兆九千億円程度になるものと見込まれます。また、在庫投資は九千億円程度の規模、民間住宅建設は、なお二〇・八%程度の着実な増加を示すものと見込まれます。次に、政府の財貨サービス購入は、前年度に比べ一一・七%増の九兆五千五百億円程度になるものと思われます。 このような需要面に対応する供給面でございますが、まず、鉱工業生産は、国内需要の落ちつきに伴いまして、前年度比九%程度の上昇にとどまるものと見込まれます。農林漁業生産につきましては、全体として高水準であった前年度をやや上回る程度の生産が見込まれております。 次に、国際収支でございますが、輸出は、国内経済活動の鎮静化が見込まれ、また、欧米を中心とする海外景気が徐々に立ち直りを示すものと予想されることから、年度間百二十一億五千万ドル程度、前年度比一五・二%程度の伸びになるものと期待される。輸入は、国内経済活動の鎮静化に伴いまして百一億五千万ドル程度にとどまるものと見込まれます。したがいまして、貿易収支は前年度をかなり上回る二十億ドル程度の黒字になるものと期待されます。したがって、また経常収支は六億ドル程度の黒字へと好転するものと予想されます。他方、長期資本収支については、前年度を若干上回る九億五千万ドル程度の赤字になるものと見込まれます。 この結果、四十三年度の総合収支は三億五千万ドル程度の赤字になることは避けられないものと思われます。 最後に、物価につきましては、先ほど長官から御説明いたしましたように、卸売り物価は、経済活動の落ちつきに伴いまして安定的な動きを示すものと予想されますが、前年度の上昇傾向のあとでもございますので、前年度比一%程度の上昇になるものと見込まれます。また、消費者物価については、その騰勢はきわめて根強いものがあるのですが、先ほど御説明いたしましたように、各般の物価対策を強力に推進することによりまして、前年度比四・八%程度の上昇にとどめるようつとめるものといたしております。 以上、四十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明申し上げた次第でございます。
○委員長(大森久司君) 次に、昭和四十三年度物価対策関連予算について政府委員より補足説明を聴取いたします。八塚国民生活局長。
○政府委員(八塚陽介君) ただいま長官からごあいさつ申し上げました中にございますとおり、物価の上昇を抑制する、物価を安定的に推移させるということはきわめて大きな問題でございますが、その対策の一つとして、あるいは基本的な問題といたしまして、経済の各分野における生産性の向上、特に低生産性部門の生産性を向上させることが必要である。低生産性部門と申し上げますと、これは、農林漁業、あるいは中小企業の一部というようなもの、あるいは一部のサービス料金等が含まれると思います。これはお手元の「物価対策関連予算」の一番上に書いてあるのでございます。 それから競争条件、低生産性部門の商品ないしは低生産性部門でございませんでも、その商品が競争条件を十分生かして販売される、流通するということが必要であることは先ほど来からのお話にもあったことでございます。主としてこれは公取関係の予算でございます。 それから最近の労働情勢が、労働力の流動化、過去におきますきわめて労働力の過剰でありました時代の経済構造から、ここ数年来のいわば労働力の逼迫状況、あるいはもう少し適切に流動化することが必要であるという状況に対応いたしまして、労働力の流動化を促進させる必要があるわけでありますが、その関係の予算、これはもちろん労働省関係の予算でございます。労働センターあるいは労働者の地域周の移動のための宿舎の建設等でございます。 それから物価の中できわめて大きな、いわば問題を投げかけております家賃、特に地価等の問題につきましては、主として建設省の仕事でございますが、その点についての予算がその四でございます。 それから流通の問題でございますが、もちろん、物価が一般的に根強く上昇いたしております原因の重要な理由は、生産性の問題にあること、あるいは労働力の流動化の不十分であること等にあることは言うまでもないといたしまして、さらに、流通のいろいろな制度あるいは慣行等が従来の態勢のままでは非常に物価の上昇に寄与をいたしておるというような事情もございますので、流通対策というのが必要であるわけでございますが、たとえば、卸売り市場、あるいは地方の市場の整備、あるいは食肉センター等の施策がこの流通対策でございます。そのほか、物資によりまして、と申しますか、端的に大きな例をあげますれば、米につきましては、生産者価格と消費者価格の、いわば乖離と申しますか、消費者価格を抑制する意味においての価格補給金的なものが出ておるのでございますが、そういう端的な制度以外にも、消費物資の安定のための諸種の制度がございますが、それに関連いたします予算がその六でございます。 それから、消費者行政、これはまあ、消費者の方々の声をよく聞いて政府の施策に反映さす、あるいは消費者の方々の勉強されるのにお手伝いをするというような予算でございます。 物価対策の関連予算を、どこまで、どの範囲で考えるかというのは、これは原因が原因でございますから、たいへん考えようによりまして、もっと落ちているという面もあるかと思いますし、少し概念を広げ過ぎているのではないだろうかということもございますが、交通施設の整備等は、とりわけ、生産性の向上、あるいは遠くからの物資の運搬、あるいは都市地域内における卸その他の活動の円滑化のために非常に必要でございますので、交通関係の施設の整備というのも物価対策関連予算としてここにあげておる次第でございます。 なお、その次のページから一々について御説明を申し上げるべきかとも思いますが、あるいはまた、その資料の書き方といたしましてやや不親切なところがございますので、十分説明をいたさなければならないかと存じますが、非常に長くなりますので、ごく概略、この資料のいわば考え方程度を申し上げまして説明にかえたいと思います。
○委員長(大森久司君) 以上で政府当局からの説明聴取を終わります。 本件についての御質疑がおありの方もあるかと存じますが、都合により、これを後日に行なうことにいたしまして、本日は説明聴取にとどめたいと存じます。 別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四分散会