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58回国会参議院1968/03/30

逓信委員会 第8号

発言数
191
登壇者
15
会派数
4
開催日
1968/03/30

会議録

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、理事会の協議の結果について御報告いたします。  本日の委員会は、前回に引き続いてNHK予算に関する質疑を行なうことになりましたので御了承願います。     —————————————

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 次に、委員の異動について御報告いたします。本日付けをもって紅露みつ君及び和泉覚君が委員を辞任され、その補欠として新谷寅三郎君及び田代富士男君が選任されました。     —————————————

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) これより議事に入ります。放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 これから質問をいたしますが、すでに私の前に質問をされた問題について、もし私の質問が重複するところがあれば、簡単に結論だけこうであったということだけ御説明いただければけっこうでございます。  そこで、まずこれは郵政大臣にお尋ねいたしますが、暫定予算が十六日までですか、一応組んであるわけでありますが、いま本予算を審議中でありますが、もしいま審議しておりますこのNHK予算が三月三十一日までに通過しなかった場合、一体どういうことになるのか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) 放送法の三十七条の二によりまして、「三箇月以内に限り、事業の経常的運営及び施設の建設又は改修の工事に必要な範囲の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、郵政大臣の認可を受けてこれを実施することができる。」、こういうふうになっております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 それではわかりました。暫定予算にかわる方法として郵政大臣の承認で、それはやれるということですね。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) そのとおりでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そういたしますと、必ずしも三月三十一日までにこの予算を上げなくともいいということになりますね。別にそういう措置は講じられる、こういうふうに解釈していいと私は思うんですが。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) たてまえはそうでございますし、それからこれにつきましては、電波監理審議会に諮問をいたさなければなりませんということもございまして、ぜひとも今月中に御承認、可決するようにしていただければということで、私どもそういうふうに期待をしておるところでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そういたしますと、これは仮定の問題でありますが、この年度内にこの予算が承認を得られなかったということになると、すぐ郵政大臣の承認を得て暫定的な支出の方法を考えなければならないと思うわけですね、それを審議会に送る。それが一日に間に合わなかった場合に、その一日の支出行為はできるんですか、できないんですか。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) 理屈としてはできないと思います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 これはそうなりますと、やっぱり慎重に検討していただいて、その用意だけはしておかないと非常に危険だと思うんです。と申しますのは、この予算案はいつ出されたか私つまびらかにしておりませんが、御承知のとおり、三月一ぱいまでは衆議院及び参議院で次の年度の予算の審議でほとんどこれはもう費やされる可能性が強いと思うんです、これは従来の実績です。そういうことになると、いわゆる国の予算が三十一日までに成立するとは、これは保証されないわけです。そうなりますと、それは優先的に審議されますから、どうしてもNHK予算というものはその後の審議になる可能性が非常に強いわけですね、これは例年の例ですから。そういうものを勘案すると、昨年もこれは大あわてで審議したわけです。そういうことでは困ると思うので、いやしくも値上げの内容を見ますと物価の引き上げということに関連をしてまいりますから、慎重にこれは審議しなければならぬと思うのです。本来ならこれは聞いたり見たりする聴視者大衆の意見を聞くための公聴会ぐらい当然あって私はしかるべきだと思うのでありますが、それがないままに審議を急ぐということは、やはりこれはあまり国民のためには好ましい姿では私はないと思うので、そういうようなことを勘案をいたしますと、この提出の時期についても相当検討してもらわなければ困ると思うのですが、一体そういう点について郵政当局はどのような指導をしようとしているのか、基本的な問題だと私は思いますので、ひとつこれを御答弁いただきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまの問題は他の委員よりお話がありまして、提出時期がおくれておると、十分な審議期間がないということは私ども大いに責任を感じておりますが、次の機会からはもっと早く出したい。したがって、NHK自身に対しても一月中にはもう予算は郵政省へ出してもらいたい。そうして郵政省でも、これは意見書その他でこれを検討する必要があるから、さようなはからいをしたいと思っておりますが、今回の事態におきましては、あしたは日曜日、万一これが通らない、こういうことがありますれば、あしたの時間もありまするし、急いでこれの編成もできますし、また電波監理審議会は持ち回り等も可能でありますから、一日にもしそういう措置がとれれば間に合う、こういうことであるから、さようなことも必要によって考えるといたします。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 他の委員から質問があったようですが、おそらくこれは掘り下げて質問されたと思いますので、次に移りたいと思います。  この予算を承認したということはどういう結果になるかということですが、つまり承認をされたということは、カラーテレビの料金なり白黒の料金なりというものが、そのまま即認められてこれを縛るということなのか、それともこれは最高限を押えるということになるのか。したがって、次に郵政大臣の承認を得る手続が私は残っていると思うのですが、郵政大臣は必ずこの金額で押えなければならぬのか、その以内で認可してもいいのか、この効果はどういうことになるのかをお尋ねしておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 料金のたてまえは、現行法では予算を承認することによってその計画が認められる、こういうことになりますから、この予算をお認めいただければこの金額で実施する、郵政大臣の別段の承認は要らない、こういうことになります。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そうすると、これは法的効果と大体同様と理解されるわけでありますが、普通の場合は、たとえば国鉄の定期の料金等もそうですが、暫定予算で認められたから即そのままの金額にはならぬわけですね。必ずしもそうならぬわけですね。その範囲内で政令でこれは定期の料金をきめることになっておりますから、交通の料金でも同じことじゃないかと思いますが、政令できめられる料金というものは、予算がきまったからそれを必ずしもそのとおり低くやっちゃならぬということにはならぬと思うんですが、もし、これを法的効果と同様となるというと、郵政大臣を縛るということになりますか、そうすると、年度の途中で増収があったと、料金を下げたいという場合には、もうだめなんですね。そいつはできないんですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) この料金はほかのものと違いまして、たとえば国鉄の料金などはやっぱり運輸大臣の許可がなければできないと、こういうことになっておりますが、この料金だけは特別のものでありまして、予算が認められれば、その予算の歳入の根拠になる料金がそのまま認められると。その事のよしあしの問題はあります。あるいは世間では、いまの予算がきまったら、料金がそのまま実効を有するなどという間接的な方法でなくて、もっと直接的な方法でもって、料金だけは予算から取りのけて、そうして法律に定めるなり、あるいは政府の認可を要するなり、そういうふうな方向に改めることがよいではないかという、こういう御意見もあるのでありまして、現行はいま申し上げたようなとおりになっております。しかし、その是非についてはいろいろな議論があると、こういうことでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そういたしますと、NHKの予算書に対して、大臣からの意見書が出ておりますですね。これはおそらくその意見書の趣旨というのは、増収等があった場合には、下げるように努力しろということじゃないかと私思うんですけれども、それは年度途中じゃ無意味なんですね。そのつど、それじゃ国会の開会の時期ですね、言うならばそれのときにしか効果はあらわれないということですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまはそのとおりであります。だからして、これがたとえば将来法律できめるとか、あるいは郵政大臣が認可するとか、こういうふうな問題になればまた別の方法になりますが、いまのたてまえでは、これはもう予算がきまればその年度はそのままこれを実施して、中途において変更ということは考えられないと、こういうことでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 したがって、これは非常に承認の効果というものはたいへん重大な意義になると思うわけでありますが、これだけの料金改定をする——いままで私とも聞いておった限りでは、あまり料金をいじらないようなことであったわけですが、急にこれを、料金をいじることによって、重大影響を一般大衆に及ぼすことになるわけですが、この決定に至っての大衆といいましょうか、そういうものの意見は、いかなる方法で聞いておるんでしょう。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは予算というものはNHKがつくって出すと、したがって、料金そのものも、予算の根拠になる料金もNHKが発議をしてこれをきめてお出しになると、それを郵政大臣が国会へ意見を付してお取り次ぎをすると、こういうことになっておりまするから、これをまず発議されるNHKがよく世論にも聞いておきめになると、われわれもこれをお取り次ぎする場合には、同様なことでありまするが、発議者はあくまでもNHKであると、こういうことでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 それでは発議者のほうのNHKのほうの会長さんにお尋ねいたしますが、そういう聴視者の、大衆の意見というものはいかなる方法で聞いておいでになるのかお伺いいたしたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 私どもといたしましては、前国会でも申し上げましたように、私どもは従来の聴視者との懇談会等を通じると同時に、この問題については、特に昨年の秋以来、全国八地区に聴視者を中心として経営懇談会をつくりまして、私ども、私自身も出向きまして、慎重に御意見を伺いました。その結果として、大体それでいいではないかという聴視者のお考えが表明され、それに従いまして私どもは一応の基礎的な案を経営委員会に提出して、経営委員会の審議を経て、議決を経て、今日皆さまの御審議にゆだねているわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 その大衆の意見を聞く方法としてのいろいろなブロックに分けての懇談会等はわかりました。しかし、その懇談会の意向を受けて、経営委員の意向でこれはきまるだろうと私は思うのですが、そこにまた経営委員の構成に問題があるのではないかと思います。今日の経営委員の実態を見ますと、必ずしも聴視者のいわゆる大衆と申しますか、そういう立場に立ってこれが高いとか安いとか、こうしてもらいたいというような意味で、あまり反映できないような階層の方々ばかりじゃないかと思う。見ていると、会社の社長であったり、あるいは大学の校長さんをなさった方というようなことで、いわゆる私どもが頭のイメージに描くところの大衆層というものの意見が、ほんとうに経営委員の中に反映しているかどうか、私はわかりにくいと思うのですが、そこをかねてから私ども問題にして、そういう意味では、おしゃもじのおばさんとか、また勤労大衆の層からあるいは入れるようなことがいいのじゃないかということをしばしば言ってきたわけですが、会長さんはどのように考えておりますか。私どもは人が足りなければ数をふやすべきだし、数に限定されれば、その中の構成を変えるべきだし、もっともっと深い大衆層の意見を聞くべきだと思うのでありますが、どのようにお考えになっておりますか。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) この点につきましては、当委員会においてもこれまで数回御質問をいただき、また正式には政府のつくりました臨時関係放送法制調査会においても、NHKとしての公式見解を述べております。その要点を申し上げますと、私どもとしては現行の経営委員会の構成は、必ずしも一般に批判されるようなものでなく、全国八地区に分けますので、その地区における有識者と申しますか、聴視者の完全な代表をなされる資格を持たれている方が任命されているというように考えており、したがって、私は現行制度を基礎とする経営委員会の構成は、きわめて良識的であると思います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 私どもも必ずしもいまの会長の言うような意味には、その個人個人の能力は別といたしましても、選ばれてくるその階層から見ると、必ずしもカラーテレビを見る大衆層あるいは普通のテレビを見る大衆層から見ますと、適切ではないのではないか。もっと大衆層に意見を求める道を開くべきじゃないかということをいまだに私ども変えておりません。特に何回も申し上げますが、将来は検討されるといたしましても、この予算を審議するにあたっても、公聴会も開く余裕もないということになりますれば、よけいに経営委員会の構成のメンバーというものが、非常に私は重要視されてくるわけでありますから、特段のこの点については検討をいただきたいということを要望しておきたいと思うのですが、この点について、今後もこの方針を変えるという意思はないのですか、これは重ねてお尋ねをしておきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 経営委員の任命は、政府の所管事項でありまして、政府が候補者を定めて、両院の御承認によって内閣総理大臣が任命する。したがいまして、私どもの立場としては、直接経営委員の任命にタッチする場にございません。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 手続の問題は、会長の言うとおりだと思うのです。ただやっぱり受ける感じとして、当事者としてやはり私は適当だと言わざるを得ないところがあるのじゃないかと思うのですが、その意味では郵政大臣にお尋ねすることになるかと思いますが、もう少し構成の数をふやすとか、あるいは数をふやせんというのであれば、その中で多少配慮すべき段階にきているのではないかと思いますが、将来の問題として、郵政大臣に私はそういう要望をしているわけですが、検討の気持ちがあるのか、それともいや絶対動かすべきでないというかたい方針なのか、あわせてお伺いしておきたいと思うのです。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは立法事項になっております。いま言われるような御意見あるいは批判も相当にございます。私も現状はこのままでよいとは思いません。したがって、次の法律改正等の際にこれは再検討すべきものと、かように考えております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 大臣からそういうお答えをいただきまして、将来ぜひ早急な機会にそういう実現を期すようにお願いを申し上げたいと思うのです。  次に、これはNHKのほうにお尋ねしたほうがむしろ適当かと思うのでありますが、料金収入を過少に見積もっておるのではないかという懸念を私ども持つ者の一人であります。私どもそうでないことを望むわけでありますが、そういう見地から、これについてもおそらく前の委員の皆さんから御質問があったことかと思うのでありますが、若干この点は重要でありますのでふえんをして質問をしておきたいと思うのであります。この私ども調べました資料によりますと、これはどこから出ているのですか、JNNですか、ここからの資料によりますと、そうですし、また電子機械工業会の生産台数を見ましても、昭和四十二年末、去年の末ですが、カラーテレビの生産されたものが百九十五万余であります。そのうち国内向けのものは百二十一万になっております。輸出は五十五万ということになっているわけですが、四十三年末におきまして二百十五万になっております。国内向けが百六十万台ということになっております。輸出が五十五万でありますが、そうしますと、この四十二年末、四十三年末合計いたしますと二百八十一万のカラーテレビの機械が出ていると、こういうことになる。もちろん途中でこわれたから買いかえをするというものも多少あるかと思うのでありますが、カラーテレビの機械ですから、一年たたないうちにそうかえるということもなかろうと私は思うのであります。二百八十万台がすでに市販されているということになれば、この四十三年度のカラーテレビの収入について過少な見積もりをしているのじゃないかと思うのでありますが、その点はどのようにNHKは理解をいたしておるわけでありますか、お尋ねいたしたいと思うのであります。

佐野弘吉日本放送協会理事

○参考人(佐野弘吉君) 業界筋からいろいろの数字も出て、御発言のような数字も出ております。ただ、初期のカラーテレビジョンの機械が、おそらく不安定等の事情もございまして、機器故障、不良等の頻度が、ごく最近安定いたしました機械と比較いたしますとかなり相違があろうかと思います。私どもは、現在この三月末現在実際に流通在庫、それからただいま申しました廃棄というようなもろもろを差し引きまして、三月末現在の台数の累計を二百五十万と踏んでおります。したがいまして、国内出荷の累計を二百五十万と見まして、これに対する流通台数等を差し引いた、実際に普及している——家庭に及んでいるという普及の台数を二百二十万台と見まして、これに対する開発率おおかた七〇%ということで、昭和四十三年度百四十万の契約が可能と見ると、このような推計を立てておるわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 私、二百八十万という数字を申し上げたわけでありますが、これは間違いない数字であると私は思うのですが、いま、NHKの資料によりますと、二百五十万ですか、書かれておって、そのうち契約されるものが百四十万と、こういう見方をされますが、ちょっと少ないじゃないでしょうか。それはどういう根拠で二百五十万が百四十万という見方をしているわけなのですかね。そのおおよその見方、考え方を御説明いただきたいと思うわけです。

佐野弘吉日本放送協会理事

○参考人(佐野弘吉君) もう一度繰り返します。来年の三月末に二百五十万台の出荷になろうという大体の推定で、この中で、先ほども触れましたような流通在庫あるいは廃棄台数等を差し引きまして、普及台数を二百二十万台と、このように見ております。この二百二十万台からごくわずかではございますが、学校等の免除いたしますものの六万台を引きまして二百十万台になるわけでございますが、これが現実にNHKが把握し得る加入対象数ということになります。で、この加入対象数に先ほど申しましたように七〇%をかけまして、来年大体百五十四万台の契約をいたします。しかし、これまで協会の過去十五年白黒テレビの契約の傾向を見ますと、年々九%の廃止がございます。これは世帯の消滅その他の理由をもちまして廃止がございまして、これを十四万と見まして、百五十四万から十四万を引いた百四十万を来年の三月末までに契約ができると、こういう推定をいたしております。それでは少ない、七〇%というものが開発率、契約率が低いじゃないかと仰せられるかと思いますが、率直に申しましてそのとおりでございます。現状ですと、おそらくたとえて申しますと百軒くらいの世帯のうち三、四軒、大げさに申しますと一軒一軒当たって、おたくはカラーをお持ちでございましょうかというような形で契約をお願いしていきますので、初年度においてはどうしても七〇%くらいに歩どまりを見る。しかしこれは将来四十七年度の六百五十万というような台数のときには八五%から九〇%までに契約率を高めていくことができる、そういうふうな大体考え方をしておるわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 ある程度安全度を見積って予算を計上しなければならぬということは私にもわかりますが、郵政大臣のこの意見書にもあるように、将来これは予期せざる、予想外の増収があったならば、聴取料の引き下げ等についても検討しろというような意味のことを大臣は出しておるのだろうと思うのですが、十分検討してもらいたいと思うのであります。これと関連してお尋ねしたいわけでありますが、四十三年度において九億円の固定資産、これを売却しておるようでありますが、他にこれに類するものが今日のNHKの中にあるのか、あるとすればどういうものがあるのか、およそどの程度の見積もりができるのか、この点もあわせてこの際、明確にしていただきたいと思います。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) 四十三年度におきます収入の一部といたしまして資産の売却代金を計上いたしてございます。この内容といたしましては、現在手持ちの資産の中で、すでに会館等の建設を終わりまして、旧会館の処分をいたすもの等がございます。それから、職員宿舎等につきまして非常に環境が悪くなりましたために位置を変えて建設をするということで、その元の部分について売却をするというようなものがございます。いまお尋ねの、本年度九億円を一応予定をいたしてございますが、そのほかにこれに類したものがあるかどうかという御質問でございますが、いまのところでは多少、四件ばかりそういうものがございます。広島の大崎のテレビのサテライトの移転後の局舎及び札幌の北広島の受信所の土地、それから律和野のラジオ中継所の土地、それから浜田の無線中継所の土地及び局舎、これらが現在見込みがございます。しかし、いずれも非常にへんぴなところにございまして、処分につきましていろいろ検討をし、地元にも当たっておりますが、なかなか買い取りたいという者が出てまいりませんので、なお、今後とも努力をするということでこの四件につきましては、四十三年度の収入見込みには計上し得なかった問題がございます。  以上でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 およそどの程度の見積もりになりますか。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) 現在額といたしましては、非常に坪数も少のうございますし、へんぴなところにございますので、約七百万程度かと考えております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そういう資産があれば、できるだけこれを活用するように、特に要望しておきたいと思うのであります。  ついでに、この放送債券の償還の問題についてお尋ねしたいと思いますが、これもしばしば国会において論議になっておるわけでありますが、放送債券の償還積み立て金の取り扱いについて、何か新しい方法を考えてしかるべきじゃないかと私は思うのですが、その点については、どのように考えておるのか。この四十三年度において、また、NHKとしては、どういう方針でおるのか。具体的にきめられておれば、その方針をこの際明確にしていただきたいと思います。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) お尋ねの放送債券の償還の積み立て金の返還の際の取りくずしの方法につきましては、お手元の予算で四十三年度からやり方を改めてございます。従来の方法といたしましては、放送債券の償還のための積み立てにつきましては、すでに御承知のとおりに、法律できまっておりまして、放送法に定められましたとおりに放送債券の発行回数別に積み立て、毎年年度末にその残高の十分の一ずつを累積をしていくということに相なっております。で、これの償還の際にここから取りくずしをして返還をするわけでございますが、従来は、償還のために取りくずしをいたします際には、その債券の十分の一ずつを積み立てたものの中から償還をするという方式を、直接取りくずしの方式を、従来、とっておったものでございます。で、今回、四十三年度から改めましたものは、積み立て金を発行回数ごとに個別に管理するという方式でなしに、全体として、積み立て金全体といたしまして、その中から必要な償還財源を取りくずしをしていくという方式をとったものであります。で、お手元に御提出申し上げてあります予算では、明年度放送債券の償還のために、三十七億を計上いたしてございます。これは過去六カ年間に発行いたしましたものの返還のための財源でございますが、これにつきましては、現在約七十億の手持ちの積み立て金の中から全額をここへ取り出しまして、明年度ここから償還をするという方式に改めてございます。  以上でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 それは、この放送法の四十二条の規定にあるようでありますが、ただ、単なる解釈ですか、運用ですか、運用によってそういうことができるのか。それとも、従来からそうしてもよかったのか。その辺の四十二条の解釈は、従来、どのように解釈しておったのですか。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) 四十二条につきましては、積み立てにつきましては、毎年度末に十分の一ずつ積み立てるということをはっきりきめてございますが、取りくずしにつきましては特に明文はなかったわけでございます。従来は、非常にかたい方法をとって、積み立てたものの当該の回数の分の中から返還をしていくという方式をとっておりましたが、何分にも、七十億、八十億というような積み立て金になりまして、全体といたしましても相当の額の財源にもなっておりますので、これを資金的にも有効に利用するということが、経営全般のためにも、また、特に料金問題等を検討いたします際にも必要であろう、こういう考え方をとりまして、そういうような方式をとった次第でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 この取りくずしの——これはどこか使うことになるんだろうと私は思うのですね。それは、私もこの予算書を詳しく見てないので、たいへん恐縮なんでございますが、従来と違って、これはどういうふうに運営されることになるんでしょうか。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) 申し落としましたが、この積み立て金につきましては、減債のために積み立てたものでございますので、法律におきまして、返還のため以外には一切使用ができないことになっております。それで今回三十七億を四十三年度に計上いたしましたのも、四十三年度の償還のために充てるということにいたしておるものでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 いま私の理解が誤っておれば訂正をしていただきたいのですが、毎年一億ずつになりますか、一割ですか、積み立ててやる、それが七十億ぐらいになるのですから、少し大きいではないかということで、これをプールにして何か考えておるというように私ども理解したわけですね、その必要ばないのじゃないかと。 したがって、この償還に充てる金額を少なくしていくというふうな方法もあろうかと思うわけですが、法律上はそれを禁止されているわけですから、そのとおり積み立てなければならぬと思うのですが、そうしますと、返済に充てる分だけを別に抜いてこう置いてあるわけですね。そうすると、あとの残りはどうなるのですか。残りの運用というのは、従来とどのように違ってくるわけですか。それをちょっとお尋ねしたい。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまの問題は、もう前々からあんなに積み立てる必要ないじゃないかというのが国会でもあり、そのほかからもそういう御意見がありますので、昨年におきまして、これらの御意見にどういうふうにしたら沿えるかと、こういうことで郵政省も一緒に検討した結果、そのようなことにいたしたのでありますが、その内容等はちょっと事務当局から説明させます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 関連。この問題は去年私も質問したのです。ことしも質問しようかと思ったのでありますが、私には質問の時間がないようですから、関連して。  現在NHKには放送債券の残高が二百三十四億円あり、その償還積み立て金の発行残高の三分の一に当たる八十四億円にも達している。この数字はNHKの経営がいかに余裕しゃくしゃくたるものであるかを示すものであるということですね。だから、去年の質問のときも、私はしろうとであんまり知りませんでしたが、よそから金を借りたり高い利子を払うよりか、これを使ったほうがいいじゃないかという質問をしましたら、借りるより高い利子でやっているというお話であったわけです。いま永岡委員からも質問がありますように、こんなに八十四億という余裕しゃくしゃくたる金があるのだから、もっと有効に使うようにできないか、去年もこういう質問をしたのですが、大臣の答弁はちょっと忘れましたけれどもね。いまの永岡委員と同じように、もっと有効にこれが使えないものか、法律に禁止されているのなら法律を改正したらいいじゃないかという意見を持っているのですが、どうですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはいまお話のように、光村委員からもそういう質問、疑問を出されまして、ごもっともだと存じましたので、差し向きこれの取りくずしということについて、便法というか、従来ほどの窮屈な考えでなくして、ひとつ適当な措置をしようと、こういうことで郵政省のほうでもって大蔵省との話をして、まあいま四十三年度出たようなものをやったと、こういうことでありますので、また内容については詳細にはひとつ局長から……。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 関連して御説明申し上げます。これは昭和二十五年に放送法ができたその環境から、NHKは政府の保証債といったようなものは発行できないわけであります。したがいまして、その債権者の保護のためにこの放送法の規定はきわめて厳重だったわけであります。簡単に申しますと、とにかく総額の毎年度末一割を積み立てろ、そうしてこの項目は債券の償還にのみ使用せよということになっているわけでございます。しかし、その後NHKの債券というのは、戦後全くゼロになったNHKの事業もようやく聴視者の支持によって回復し、同時にその後の国内の経済情勢その他が変化してまいっているわけでございますので、この項目に関しては、将来は放送法の改正の一部として、この問題を根本的に再検討していただきたいという考え方を持っておりますが、しかし、これを立法事項にのみ待っていることは、実情から申しまして、この部分に関する限り経営の硬直化を……まあ最近のことばですけれども、来たしているわけでございます。したがいまして、郵政大臣の御意見もあり、私自身も郵政大臣にお願いしまして、この部分を活用する方法を考えたというのがただいまのやり方でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 ついで、まあこれと経営資産関係は関係あるわけですが、NHKの減価償却ですね。固定資産の耐用年数というものは大体どのくらいに見ておるのですか。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) 固定資産の耐用年数でございますが、放送設備等につきましては六年でございます。それから自家発電装置等のようなものにつきましては十五年でございます。それから空中線装置、鉄塔、円管柱等のものにつきましては三十年でございます。それからなお鉄筋コンクリート等の建物等につきましては六十五年でございまして、いずれも法人税法に定められておりますところの一般事業会社が採用いたしております耐用年数に準拠してやっております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そういたしますと、これら重ねて念のために聞くわけでありますが、いまのこの法定といいますか、規則の上できめられている、それに従って耐用年数をきめておるというわけですが、これは民放その他についても同様なことは言えるわけでしょうか。と申しますのは、私の聞きたいのは少しこう甘いというか辛いというか、どっちが表現は適当なのか知りませんが、要するに非常にぜいたくな見方をしているのじゃないかということになると困るので、その点をちょっとお尋ねしたいと思って聞いているのです。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) お尋ねのような問題もございますので、NHKは法人税法には縛られてはおりませんけれども、一般の事業会社が法人税法でやっておりますものに準拠してやっておるわけでございます。先ほど申しました耐用年数を、大体一年にどの程度のパーセンテージでやっておるかというパーセンテージで換算をいたしますと、一五・六九%ぐらいに相なります。これはまあ資産の建物が多いか、機械が多いかあるいは鉄塔が多いかというような建物の構成の内容によって変わってまいるわけでございますが、私どもの調べましたところでは、通信業として民放四社及びKDDとを含めまして、このやっております比率の平均が一五・七六%というふうに伺っております。ただいまNHK側で試算いたしておりますのが一五・六九%ということでございますので、ほぼ同じというふうに言っていいかと思います。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 大体まあその算出の根拠と申しますか、そういうものはほぼ見当ついたわけですが、ところで、少し私が甘くというか辛くというか見積もりが過小ではないかということを冒頭申し上げたわけですが、その意味で予算を中心にNHKの考え方を聞きたいわけでありますが、ここ五年間の一応の長期の見通しを立てたとして、このカラー料金をそういう考えで現在の料金でこのままいった場合、今後五年間続けた場合、この現在の料金として、それを新しい料金で算出見通しをとった場合と、どのくらいどういう数字になるのかですね。これもおそらく前に聞いたのじゃないかと思いますが、(「まだ聞いてない」と呼ぶ者あり)聞いてないですか。ちょっと説明を願いたいと思うのです。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) 現行の料金でまいりますと、今後一応五カ年問をタームにいたしまして御説明を申し上げますと、現行料金は甲につきましては三百三十円、乙につきましては五十円でございます。これを今後この受信料総体といたしましてば五カ年間に四百二十万、さらに世帯数の中から契約者がふえるというふうに算定をいたしておりまして、これを根拠にいたしました受信料の算定でございますが、四千三百六十八億の収入がこの五カ年間にあるというふうに一応算定をいたしております。これが三百三十円とラジオ五十円の場合の今後の見通しでございます。これに対しまして今回改めました三百十五円及びそれにカラーの付加分といたしまして百五十円、この両建ての受信料でまいりますと四千三百五十九億、これはカラーを六百五十万、五カ年間に増加させるということを目標にいたしました数字でございますが、四千三百五十九億という収入が入る見込みがございます。これを先ほどの現行でまいりますと四千三百六十八億、それから新しい料金体系でまいりますと四千三百五十九億ということで約九億円、新料金体系のほうが少のうございます。なおこの六百五十万のカラー料金、すなわち付加料金百五十円につきましては、その分だけ三百十五円に対しまして四百六十五円という料金になりますので、これらにつきましての料金の収納の経費もまたかかってまいりまして、これらを若干上回らせる必要があるわけでありますので、これらを算定いたしますと、この期間中には約二十九億というふうに見込まれますので、現行の場合で推移をする際と、それから新料金でまいります際には、合わせまして約三十八億の差が生ずるという見込みでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そうしますと、現行料のたてまえでいくのと、新しいのでいくのと、新しいのでいくのが減収になるという説明ですね。その減はどういう方法でこれを埋めていくんですか、その処置方法ですね。

志賀正信日本放送協会理事

○参考人(志賀正信君) このカラー料金の付加分につきましては、今度百五十円を算定をいたしたわけでございます。これは四十三年度に百五十円あればいいということで、四十四年度においても、百五十円あれば採算がとれるというふうに考えたものではございませんで、五カ年間を見通しまして、その間に六百五十万のカラー契約がふえるということを予定をいたしまして、この期間中のカラーに今後かかる総経費を逆算いたしまして、この五カ年間を平均して百五十円の料金をちょうだいしよう、こういうふうに考えたものでございます。当初からその分につきまして、不足金があるわけでございまして、いまお話しのようなこの現行受信料と新料金体系とのその差額というものを合わせまして、初年度には約三十八億程度の不足が見込まれるわけでございます。このうちで二十三億程度につきましては、まず事業費全般の節減をいたしまして、これで会議とか部内の印刷費とか旅費とかというものの縮減をはかりまして、約十億円を捻出をいたします。そのほか借り入れ金の返還の繰り延べとかあるいは予備金の減少、そういうことをいたしまして、二十三億円を捻出をいたしましたが、なお十五億円程度につきましては、どうしても不足をいたしますので、その分につきましては将来返還をするということを予定をいたしまして、事業収支のために本年度は借り入れ金を計上いたしてございます。そういうようなやり方をいたして採算を合わせておるわけでございます。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) 先ほどの償還積み立て金の取りくずしの方法についてでございます。本年度までは個別管理方式をとっておりまして、たとえば三十七年度に二十億放送債券を発行いたしましたといたしますと、この十分の一の二億をずっと積み立てるということでございまして、七年でございますから十四億積み立てられるわけでございます。二十億から十四億引いた六億は受信料から積み立てる。こういうかっこうになっておりますので、どんどん積み立て金がふえていくと、こういうかっこうになったわけでございますが、今度の方式は全体管理方式にいたしまして、そういった一回ごとの発行額に着目することなしに、全体の発行残高の一割を残せばいいと、こういうことで、いままで積み立てられた金額を一割になるまで償還していこうと、こういうことでございます。取りくずしていこう、こういうことでございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 いまのに関連。  志賀さんのさっきの五年間の説明ですが、三百三十円と五十円で四千三百六十八億円とおっしゃいましたがね、五十円というものは取らないということは、去年の国会でこれはきまっているんです。それをカラー付加料金を取った場合でも四千三百五十九億円になるんだという、これを前面に押し出して、いかにも値上げをしても少ないんだというあんたの数字はごまかしですよ。五十円はもう取らないんだということは去年法律できまっているんですから、これを引いたやつで五カ年の平均を出すのが当然です。そうするとたとえばラジオ料金が九億とします。あと五年間に五、九、四十五億、四十五億円引かなくちゃいけない。そうするとやはりカラー付加料金をつけたというほうが大きくなる勘定になるんで、法律できまったやつを五年間も取るんだという数字のごまかしを言ったってだめですよ。  それからもう一つは、五年間で六百五十万に努力するんだとおっしゃいましたが、先ほども永岡委員から、どのくらい普及するんだというお話がありましたが、取るほうは確かに低く見積るのが当然です。これは将来の話を、あまり普及率を高く見て、財政に穴があくようなことがあってはたいへんですが、あまりに私は低く見過ぎていると思うのです。去年からことしの七月にかけてカラーテレビはどのくらい売れたか、調べておられますか。私の調べたんでは相当にカラーテレビ売れています。ことしには私は二百八十万台ぐらいなると思います。そうしますと、五年間で六百五十万台というようなことはこれはとても考えられない。七年ほど前に、私たちがラジオ料金でテレビ普及、発達のほうに金を使ってもらっては困るという、いまに考えれば幼稚な意見を出しましたが、それから数年ならずして、ラジオ料金はもう要らないんだ、テレビ料金一本でやるというぐらいに普及しましたね。カラーテレビが十万円切れるようになってごらんなさい。これは私の考えでは膨大にふえると思います。これは考えの相違ですから議論になりますが、もう少しそういう点を検討をしていただきたい。これは私の希望です。さきのは答弁してください。あとのは希望です。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) お説のとおりでありまして、まあ経理担当としては、いま申し上げたようなたてまえできわめて実直に御説明申し上げたわけでありますが、明らかにこの四月一日からはラジオ料金は全廃されるわけでありますから、その計算を加えたことはいささか思慮に欠けたというように考えます。その点は、私どもは実際運営のほうではそれを計算に入れてはおりません。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 そうしますと、結局はこの四千三百六十八億円から引かなきゃならないという計算になります。そうすると、結果的には、付加料金を取った場合のほうがふえるという勘定になりますね。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) こまかい数字は私記憶しておりませんが、大体五カ年間で、志賀理事が御説明申し上げたようなたてまえをとって逆算してみますと、大体三十五、六億のところじゃないかと思うんです。そうしますと、少なくとも私どものただいまのカラーの捕捉については、今後の問題でございますが、現在の想定でまいりますと、大体五カ年後にほぼ同額程度になるんじゃないかという考え方を持っております。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 持ち時間があまりございませんから、あと二間ばかりで私の質問を終わりたいと思います。  これは郵政大臣にお尋ねしたいわけでありますが、その前に、いまの見込みより、いまの計算でいくとちょっと減収だというわけですからね。それがどこかにしわ寄せになるという——まあ経費の節約あるいは合理化あるいは借り入れ等になると思うのですが、やはり、もしそうだとしても、私どもはそうでないと思うけれども、かりにそういう場合があったとしても、対象になるものは、何といってもこれはNHKというのは特別な性格を持った機関でございますので、難視聴地域等についてはこれはもう極力解決していただかなぐちゃなりませんので、その面を怠るということになってはこれは困りますので、ひとつその点はこの際明確にしておきたいと思うのです。要望しておきたいと思うのです。あとでけっこうです。  それで、郵政大臣にお尋ねするわけでありますが、いや、郵政大臣じゃない、NHKの会長にあわせてお尋ねしたいのでありますが、カラーテレビの増加等を勘案の上、国民の受信料負担の軽減という見地から、これら適正化についてさらに考慮すべきであるということを意見書に大臣はうたっているわけです。そうしますと、予想よりある程度増収になったときにこういう措置が講じられるわけです。大臣は、途中ではまあだめだ、やはり国会が開かれる時期でないとこれはだめなんだとおっしゃられるわけなんですが、それにしても、そういう国会に対する申請をする場合、NHK当局としては、大体どの程度のパーセンテージというか、何というか、増収になったときにそういう軽減の措置を講ずるように申請するのか、これをひとつ会長さんからお答えいただきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) これはたてまえを申しますと、これは御承知のことなんで申し上げる必要もないかもしれませんが、きのうも新谷先生からも御質問がありましたが、重大な事業計画、したがって、その基礎となる財政計画が変更を必要とする場合には、当然国会に、郵政大臣を通じて提出すべき責任を私どもは持っていると思います。そのたてまえに立って事業計画というものを立てるわけでございますが、まあ五カ年構想といった点から見ますと、私どもが最終的に考えている、対象となる世帯の総数は二千四百万でございます、概算して。現在ば二千万とちょっとで、明年度は、御審議をいただいていますように九十一万世帯をふやしたいという考え方に立っております。したがいまして、私どものごく簡単な想定から申しますと、この五カ年間のたてまえで考えますと、少なくともそのカラーの契約世帯数が、総契約数の二千四百万世帯に対して一千万世帯をこえる時期にならないと、まあこれは非常に概括的な話ですが、根本的な改定はむずかしくはないかというのが私の想定でございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 これは最後にNHKにお尋ねいたしますが、全国民的なこれは機関でありますから、ただ放送しっぱなしということじゃいけないということで、いろいろな教育の普及にもつとめておるようですし、いろいろな視聴者のグループをつくっておいでになるようですが、この予算書にも、そういう意味の計上もされておるようですが、今後それをふやす方法はどういうことを考えておるのか。それから、それに何を期待をしておるのかですね、この際明確にしていただきたいと思うのです。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) ちょっと失礼ですが、何をふやすか、ちょっと……。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 視聴者のいろいろなグループをおつくりになっていますね。今後もつくろうというわけですね。そういう計画があればこういう計画、あるいは構想を持っておる、それから、それについてとういう考え——期待するということは、あるものを期待するからそういうグループをつくるわけですが、どういう観点からそういうグループをどんどん育成強化しようというお考えなのか。この点を国民にわかるようにしてもらいたい、こういうことで質問しているわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 従来も、たとえば学校放送の番組利用に関する全国的組織あるいは地域的組織、またここ数年は農村の近代化を目標として農事番組、これと関連する番組との関係での視聴者グループというものを育成してまいる。また社会的活動を目標としての婦人の聴視者に対する番組利用という観点から、婦人の聴視者グループというものをつくってまいりました。  それからまた、定時高校生を中心とする問題等についてもそういうことをやっておりますが、このねらいは、NHKの放送は、ほんとうに国民というと少し大げさですが、聴視者と血の通った直結したものでなければならないというたてまえがございます。御審議をいただいている根本的な問題につきましても、私どもの場合は、契約はすべて民法に基礎を置く一対一の契約でございます。したがいまして、NHKの放送が、契約してくださる世帯にとって必要なものであるということの御理解をいただかない限り、ただ計数的な机上の計算で世帯がふえるということは、私どもの経験から言って期待されません。そういうような意味で、今後もいま申し上げた種類、あるいはさらに種類を拡大しながら聴視者との直結を考えていく、同時に聴視者からはね返ってくるいろいろな御意見を承りながら、番組の質も改善してまいりたい、こういうように考えているわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 最後に要望いたしますが、郵政大臣からの意見書にもありますように、将来にわたっての料金の軽減に特段のひとつ努力をしていただくということと、それからいまも会長の話の中にありましたが、番組の編成にあたっては、国民大衆に迎合することなく、やはり相当検討していただきたい、この二つだけをこの際要望いたしまして、私の質問を終わります。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまの永岡委員の御質問に関連して私の意見を申し上げておきますが、先ほど光村委員が言われたように、ラジオ料金を勘定に入れるということは、これは不合理であって、当然初めから排除すべきであるということは、お話のとおりであります。  それからもう一つは、カラーの受像機の問題、これはやはり一種の見込みでありますから、私どもはやはり相当にこれよりふえる、こういうことを考えておるのでございまして、前回の第二次計画においては、最終年度がNHKの見込みより二百万台ふえておった事実があります。最終年度においてこれくらい大きな見込み違いが出ておるのでありますから、今度の六百五十万台というのも、これはある程度ふえるであろう。そういうことになると料金収入が非常にふえてくる。こういう場合においては、毎年とにかく国会にこれが出るのでありますから、その際にまた検討して適正化する必要があるというのが私どもの意見であります。  それからもう一つは、いまのきめ方が、NHKの受信料というのは長期安定化、固定化しておるとは言えない。と申しますのは、毎年とにかく国会が予算さえ認めれば、その副作用か裏作用かで料金がきまるということになっているからして、もともと固定しておるとは言えない、料金というものはですね。したがって、いまのようなきめ方は国会が責任を持つ、こういうことに現在なっておりますから、何も予算が計上された、提出された場合でなくとも、常に料金そのものについては、それの適正であるかどうかということについては、国会においても十分ふだんからひとつ関心を持って検討していただく必要がある問題だと、こういうように思うのであります。いまのきめ方から言えば、料金に関しては国会の責任は非常に大きい。こういうことは私ども特に申し上げておきたいし、また料金というものは、必ずしもいまのきめ方から言えば、固定した観念にとらわれるものではない。したがって、必要に応じてやはり変更し得るものだと、こういうことを私どもは考えておりますから、その辺のところをひとつ意見として申し上げておきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう大体皆さんから多くの質問が出ておると思いますので、私は若干の質問をしておきたいと思います。  最初に、大臣にもう一回念を押しておきたいのですが放送法、電波法の改正ですね。これはこの前の委員会ではややまだ未練のあるお話でしたが、この段階になったらもう今度の通常国会で提案するということは非常にむずかしいと思うのですが、まあ断念せざるを得ないと思うのでありますが、まだ未練を持っておるのですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはお話のような経緯を経てまいっておりますが、ただいままでのところ、与党との調整がまだついておらぬ。したがって、事実上今国会に提案することはできない、かように考えますことを御了承願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点わかりました。  それから、この前の委員会でも御質問しておりますから、少しくどいようですけれども、NHKの予算の審議にあたって、いま一回確認をしておきたのは、あなたが放送法の改正に関連をして、臨時放送関係法制調査会の答申になかったたとえばNHK会長の政府任命制それから料金の法定化、こういった問題について御見解を御表明になられました。これは大臣としてそういう見解を発表することは、私は差しつかえないことだと思いますが、事はやはり放送法に基づく公共放送でありますから、その問題が出てまいりますと、各方面から多くの批判が続々出てまいりました。特に放送番組介入というふうな見地からいたしまして、最近の政府の一連の動きの中にわれわれが心配をするような幾つかの具体的な問題があるように私どもは見ておりますから、そういう問題との関連で、善意であってもそれが非常に受け取り方によりまして危慎を受けるような場合があると思います。ですからこの二つの問題については前回、大臣は、会長任命制についてはそう考えたが、どうもそうもいかないので、これはやらないという趣旨だと思いますが、受信料の法定化については、いまもお話がありましたように、予算総則をわれわれが承認することによって同時に料金が変わっていくという、こういうたてまえをとっておりますね。ですからこれを放送法を変えてやるのか、おそらくそういうことでしょう、法制化するということになりますと。そうなりますと、公共料金——電電公社あるいは国鉄と同じような形になると思うのですが、まあ私はあえて法制化ということを考えなくても、郵政大臣がおっしゃったように、国会が少なくとも予算総則を認めるというたてまえですから、その際に十分検討すればいいことであって、あえて法制化ということは必要ないと思うのです。ですからこの点についてもひとつ大臣の率直な考え方を聞かしてほしいと思うのです。  あと、経営委員会の改組とか、番組審議会の改組等については、これはいろいろ意見があると思います。われわれは、願わくば調査会の答申というものがあるわけでありますから、この答申を基礎にして、来たるべき日に法改正をする場合には、これに準拠してやっていただいたほうがいいのじゃないだろうか、こう思うのでございますが、それらの基本的な考え方をあわせてこの二つの問題、もう一回たいへん恐縮ですが、大臣のお考えを聞きたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはお話のように答申を中心としてやるべきである。しかし、その後電波関係についても事態の変化があるから、それに応じたようなものはこれは追加をしなければならぬ、こういうことでございまして、お話のようなたてまえでいくべきであると思います。  料金の問題は、やはり何といいましても常に二千万の方々からいただくということ、ほとんど全世帯、こういうことになりますから、非常にいわゆる公共性といいますか、準公共料金という性格が強くなってきておりますから、これらの適正ということについては国民は非常に大きな関心を持っている。したがって、いまのやり方のような間接的なやり方でやることは、私は国民の期待にこたえるゆえんではないのじゃないかという疑問を持っております。国会が実はいまのように料金そのものを問題にすることよりも、ほかのことを問題にすることが非常に多いから、この予算とか  こういうものから抜け出して料金だけをある程度検討するほうが慎重を期する上において私は適当じゃないか、こういうふうな考えを持っておりますが、いずれにいたしましても、これはもう立法事項でございますから、十分これは世間の声も聞かなければならぬし、国会の御審議も仰ぐことでありますから、そういう意見があるということだけをひとついまお含みおきいただければそれでよいことでありまして、私どもはその結果については、すべていろいろの機関を経ての問題になるからして、どうなるかということについてはわかりません。これは十分御審議を願わなければならぬ問題であると、かように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 会長の任命制はやめたわけですね。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはいま、私ども前にも申し上げましたように、私どもの考えに入っておらない、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはまあ大臣がそういう御所見を持っておりますから、私も法制化の問題については放送法を改正してNHK料金を幾らにするということを法の中にうたうことがいいかどうかということについては、やはりいろいろ問題があるだろうと思います。ですから、大臣のお考え方ですからね、これは私どもも大臣がそういうお考えを持っているということはわかりましたが、これをやる場合には、私はもう少し大所高所からの検討が必要でしょうし、慎重にやる必要があるだろうと思います。  それから協会のいま予算をわれわれ審議するわけですが、残念ながら四十年度決算なり、あるいは四十一年度の決算が国会の都合で承認されてないわけです。そういう中でこの四十三年度予算の審議をしているのでありますが、世上、NHKの経営に対する、基本の問題について閣議等においてもいろいろな意見が出ているように聞いております。私はある情報で知りましたが、宮澤企画庁長官が四十三年度予算に関連をしてかなりきびしい批判をNHKにしておるようにも聞いております。また、この四十年度の業務報告と、郵政大臣の意見書というのがございますし、同様に四十一年度もNHKの業務報告、意見書がついて国会に出ております。これを見まして財政の状況はどうなっているかということを拝見しますと、法第三十八条による四十年度の報告事項については、郵政省が出しております意見を見ますと、資産総額は概略九百三億でございますね。前年度に比して約百億の増加になっている。負債の総額は三百四十九億、前年度に比して三億の減少になっている。それから損益計算においては、事業収入が七百十三億、それから事業支出が六百六億で、資本支出充当が八十七億となっておりますが、当期剰余金が十八億あるというので、四十年度段階ではかなり財政の状況は健全であると、こういうふうに報告では述べてあるわけですね。ところが四十一年になりますと、財政の問題についてはほとんど意見書の中にないのですね。ただ、ありますのは、経営の近代化ということを三項目に取り上げて、電子計算組織を導入するような画期的なことをやれとか、それからこの電子計算機の活用によって番組内容の質的向上が確保されるようにしてほしいとか、あるいは経費の節約をはかることを期待するとか、こういうように変わってきておるわけでございますけれどもね。ですから四十年と比べ四十一年度は、NHKの経営そのもの、財政的な面から見た場合にかなり窮屈になってきておるのじゃないかというふうにこの報告を見ますとわかるのですがね。それから、いま四十二年度やっていただいておるわけですが、中間報告的にもしおわかりになれば、財政的に見て一体協会の経営というものはどうなのかという、そういう点を私は知りたいわけですよ。大臣も、何か宮澤経済企画庁長官が閣議で御発言になって、それに対してまたいろいろと御意見を発表しておるようでありますが、いろいろまだ検討を加える必要があるやの御意見も持っておられるように聞きます。私は、NHKが、放送法第一条の「目的」、さらに関連して第七条の「目的」を達成するために設けられておる特殊法人だと思います。したがって、この内容についてはわれわれは、基本的な計画、基本的な財政問題、こういうことに対してきびしく決定をし、またその実施を理事者に迫る必要があると思いますが、その具体的な執行段階における内容については、私はその理事者を信頼して、その方々に全責任を持ってやっていただくという、そういう筋だと思います。だけれどもなかなかわれわれはそこまで日常見ることができません、われわれ国会の立場において。しかも受信料によってまかなうNHKの経営というものは、会計検査院のもちろん監査もありますが、チェックする機関としてはこの逓信委員会が一つと思いますね。あとは、もちろん内部監査の点もございますが、そういうわけで世間からいろいろな話が出ますと、そうなのかそうでないのかわれわれは非常に判断に困るわけですよ。われわれは会長を信頼し、理事者を信頼しておりますから、さっき申し上げましたような基本的な問題は審議をいたしましても、あとは理事者を信頼してまかす。平常においてあまりつべこべこまかいことはくちばしをいれない。私はそういう考え方が公共企業経営には絶対必要だと思う。中途はんぱな、なまじっかな経営権というものを与えておると非常に問題があります。NHKの場合はそれはそうでない。電電公社や国鉄と違った、予算的な面を見ると経営者にほとんどまかしてある。ここで承認を得た以上は全部理事者にまかすと、そういうシステムをとっておられます。私はいろいろいま悩んでおるわけでありますが、一体どういうふうにしてその面を解明できるのかということになりますと、まあ理想的にはわれわれが必ず直接、たいへん失礼ですけれども、いろいろな問題についてもう少し内容を聞かしていただくということも必要でしょう。と同時に、それを監督というか、業務を見ております大臣として、国民に向かって、いささかも経営の中に問題はないのだということを国民に発表するのと、多少なり問題があるのだというような発表をする場合とではたいへん国民の受け取り方において問題を起こすと思うのです。特に経済企画庁長官がああいう御発言をなさるということになりますと、やはり国民は非常に協会に対していろいろな目で見るようになる。これは私はたいへん協会側としても問題にすべき点だと思いますが、そういう意味で私は、きょうこの予算を審議するにあたってこのような世上において言われております問題の根源は、この閣議の中で論じられた、あるいは閣僚の皆さんが述べられた、そういった意見を中心に出てきておると思います。ですから、きょうはその点について私は大臣の率直な御意見を承って、その御意見のいかんによりましてはわれわれ委員会としてまたそれぞれの処置をする必要があると思います、こう思います。ですから、ひとつこの予算を承認するについては、この経営について十分把握をされておると思うわけです。私がいま非常に困るのは、御説明を聞きましても、大臣の説明の中には第二次六カ年計画が終わって、これから一体NHKはどういう長期構想で仕事をしていこうとするのか、その展望が明らかになっていない。会長の説明ではそういう長期展望の上に立ってことしの予算を出したとおっしゃるのだが、一体その長期展望はどうなのか。永岡委員からも言われておりましたように、われわれは放送法第七条のあまねくどこでも受信できるような設備をこの法律は要求しているわけですね。ですから、一体いつになったら難聴地域を解消してくれるのか、あるいはFMなり中波との混信の問題について、いつになったら一体混信がなくなるのか、そういった私は見通しを立てて、その長期構想に基づいて、協会がいまこれから新しくどういう仕事をしなければならないか、それに対する費用は一体幾らになって、そのためには料金もこうしていくのだと、そういう筋が私はなければいけないと思うのであります。あとからまたいろいろ私は伺いますが、会長がこの前この委員会で御発言になりましたように、従来、四十四年までは少なくとも料金については手をつけないという御発言、われわれはそれを信頼しておったわけでありますが、中途で変更されたということを聞きました。ですから、私はそのことについてはおそらくUの開発あるいは宇宙衛星通信、放送通信等の放送衛星をつくる問題を含めて国際的な番組の問題も出てくるでありましょうから、そういった客観情勢の変化に基づいて会長の考え方が変わってきたものと思うわけであります。ですから、FMの問題等についても、私はこの意見書が非常に不満です、これは。法律第三十七条との関連も出てきますから、これはあとで私はまたお伺いしますけれども、そういうUHFの本放送の段階に突入する場合に計画をする。その計画が今後免許方針との関連で変更するなんというのは、そんないいからかげんな意見書なんというのはないと思う。これは第三十七条に関連して、大臣はどういうふうに受けとめておるか。もし第三十七条に該当するとすれば、私たちはこの委員会として協会の意見を正式に聞く、こういうたてまえがありますから、そういうようなわけで料金値上げについても、そういう長期構想の上に立っておると思いますが、そういう全貌をやはりわれわれがここで明らかにしてもらわなければ、どうも審議のしようがないと思います。料金問題を論ずる場合でも、そういう展望に立った話がなければ、私たちは論ずることができません。ですから、それはちょっと私問題を飛躍させておりますから、大臣の基本的な協会に対する経営の判定といいますか、所見といいますか、そういうものを私は聞かしてもらいたい。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 大体において私はNHKの経営というものは非常な健全財政であるということには変わりはないと思っておるのでありまするし、しかし、この問題につきましてわれわれがやはり経営そのものについてどれだけタッチできるかということについても非常な問題があります。立ち入り検査とか、あるいはいろいろなことをすることが許されていない。会計そのものは会計検査院が見る。そういうわけで私どももある程度やはり第三者と言ってはおかしいが、その程度しか見られないというのが実情じゃないかと思うし、また法律もそういう考え方をしておるし、国会もそういうふうな考え方をされておるのじゃないか、こういうふうに思います。したがって、われわれが実質的に業務そのものを監査するとか、立ち入りするとか、そういうことはできません。したがって、ある程度の報告を聞いてこれを了承する、こういうことにとどまっておるのであります。われわれとしてはよく世間からいろいろなことを聞きます。どこへ行ってもNHKの建物はぜいたく過ぎる、あるいはNHKの報道等についても、取材活動などはぜいたくきわまるというふうなことを、これは民放あるいはそのほかの新聞社からもお聞きするのでありまするし、放送センターを見た者はびっくりして帰ってくる、こういうふうなことをみんな言われるのであります。これはただそういううわさを聞いておる話でございます。で、経済企画庁が言うのは、やはり計算が非常に大まかにできておって、内容を書類だけでは十分検討することができない。これはそういうきらいもあります。そういうきめ方をしておるのでありまして、大まかにできておるということは、これは確かにそのとおりだろうと思う。  それから仕事そのものにつきましても、ことし問題になったのは、NHKがカラーテレビを二時間半増して十時間にするということによって相当経費が余分にかかるし、こういうことをそんなに急いでやらなくてもいいのじゃないか、もっと漸進的にやってもいいのじゃないか、そういうことをやればカラー料などはことしは取らぬでもいいというふうな御意見も出てきているんでありまして、要するにNHKというのは、前から申すように、NHKが何をやるか、こういうことを受けて、何をやるかによってどれだけ要るか、したがって、それが料金にどういうふうに影響するか、こういう問題になってくるのでありますから、一番大事なことは仕事であります。これだけのものはどうしても国民のためにやらにゃならぬ、こういうことをきめてから、それをまた国民なり国会の了承を得てからしてその仕事にどれだけ金がかかるかということで結果的に料金というものは出てこなければならぬ、料金を先にきめてそして仕事をするというのでは、私は本末転倒であると思う。したがって、やっぱり長期構想なり計画というものが大事であるというふうに思います。そういうわけでありまして、ことし経企庁などが言うたのはカラーテレビなどをもう少し漸進的にするならば、ことしこういうものを取らぬでもいいじゃないかという御意見が相当強かったということは申し上げておきます。  もう一つは、計算書類が非常に大まかで、内容を知ることはきわめて困難である。これらについても考えてもらいたい。また有価証券報告書とかそういうふうなものが、どこにもあるものがNHKにはない、こういうようなことを言われておるのでありまして、いずれにしましてもこれらの意見も、NHKも十分に参考にされたと思うし、私どももそういうことは、経企庁の考え方というものは十分しんしゃくする必要がある、こういうふうに思っております。料金というものは、私はいろいろ考え方がありますが、相当安定することが非常に好ましいものであるが、しかし、いまのきめ方が、とにかく事業計画をきめて、その結果として料金はきめるという間接的なことになっておりますから、私はこの制度としては、そう固定しておる、安定しておるものとは思わないのでございます。したがって、もしこれを長期化するためには十分に仕事を、長期計画をもって、そしてきめればこれはきまると思うんでありますが、NHKの長期計画なんかがほんとうに私どもが実現性をもって五年先までいまできるかというとそうでない。と申しまするのは、この中におきましてある程度、FM放送などというものはある程度かっこうついてきておりまするし、また、国際放送をどうするとか、あるいは難視聴地域を解消するなんということはもう十分いまからでも予定ができます。ただ予定のできない一番大きな問題はUによる第三の教育放送をどうするか、この問題をやることになればまた相当な経費がかかるし、このことがまだ政府の中できまっておらぬ、こういうことになると、これは非常に大きな不確定要素になってきますから、これを計画に入れてそうして料金まではほんとうに正確に割り出すことは困難であります。  それからもう一つの問題は、NHKが従来希望しておりました佐賀とか高松に県域放送がきまっておりますが、またそのほかにも相当県域放送を考えているところがある。これを全体として県域放送を政府が認めるかどうかということについて、まだ確定しておりません。これらも非常に大きな不確定要素であると思いまするからして、五カ年計画につきましてもいろいろなまだきまらない要素がある、こういうことであるからして、したがって、料金についてもそう正確なものができておるとは思わないのでございます。  結局のところ、いまのカバレージの問題なんかはラジオなどは九八・九までいっておる。テレビも九七にもいっておる、こういうことになると、一体新規の計画がなければ将来はどうなるかといったら、NHKは減価償却だけでもって、減価償却とそれから経営費、いわゆる人件費、物件費の経営費だけでやっていけるという事態も、もし新規のものがなければ出てくるぐらいで、減価償却だけでやっていけるということになると、また料金にも非常に大きな影響を及ぼすと思いますが、そこへ新規のものをやると、どうしても減価償却だけではできない。ある程度の借り入れなり料金から差し向けるものも必要になってくる、こういうことになってくるのでありまして、将来の新規の仕事をどれだけやるかということが非常に大きな要素になってくると思うんでありまして、その計画がまだ確定できないからして、まだ非常に料金そのものについても不安定である。こういうふうに私は考えておるところであります。しかしNHKの経営そのものは健全経営をしておるし、おおむね妥当な経営をされておると、私どもはさように考えておるということは申し上げておきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま御発言の中にありましたように、まあ世評に言われておるような点がたまたま閣議の中だけで論議をされたとすれば、これは非常に私は問題だと思います。あなたもおっしゃるように、なかなか協会の内容についてつかみにくいということが前提であるならばなおさら言えると思います。それは的確に把握をされて、その上に立って批判されるならばまだしも、そこらで聞いた話を寄せ集めて、その上に立っての意見が出てくるということになりますと、これは私は重大問題だと思うのです。まあ必ずしも、大臣の言うように、いやどうも報告が出てきても立ち入り権もないし何もないから調べられないのだと、こうおっしゃるのですけれども、実際には協会から業務報告が詳細に出てくるわけですし、あなたの意見書の中に、「事業の運営にあたってはその経費の効率的使用と節減に努めるべきである。」ということをみずから述べておられるならば、一体どこにその節減をはからなければならない要素があるのか。これはひとつの皆さんの自信のある検討の結果出た結論に基づいて、私は、資金、経費の効率的な運用とか節減ということにつとめるべきだ、ということを述べておられると思うのですよ。ですから、形式的な話でなくて、実際に大臣として、もちろんその放送の中立性、協会の性格というものは国民よく知ってるわけでありますから、そういうものを逸脱して政府がやるということになりますと、これは問題でありますが、大臣としては、日本放送協会の業務をつかさどるという設置法における精神と、いろんな問題に対する仲介役的な立場に立っての任務というものがあるわけですから、その任務の中で詳細にできるだけのお話し合いをしていくということはできるのじゃないですか。強権を発動してやるということになると、これは実際できないわけです。報告がくるわけですから、この報告を中心にいろんな御意見を伺っていけばおよそのいいとか悪いとかいう判定はつくわけでしょうし、その判定に基づいての正しい批判というものは必要であるし、そうでないとあいまいな根拠に立って、いまの大臣の御答弁ですと出ているようにも伺えますが、そういう点はことしの意見書の中に出ているような点もありますので、そういうようなことではなく、どうですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはもうよく御存じのように、われわれが正確にできることは電波の割り当てがわれわれの一番大きな仕事である。また民放についても同様であって、電波の割り当てをする以外には、いまでは経営自体についても何ら関与できない。これも私は適当であるかどうか非常に疑問を持っておりまするけれども、電波が国民のものであるというならば国民のためにこれが適正に使用される、活用される。そのためにはやっぱり経営の安定ということもある程度必要だし、これらについても、いまはただ、いわば子供を産みつばなし、電波の割り当てをしつばなし。こういうふうなしかたもどうかと私は思っております。しかしNHKについても一番正確なことは電波の割り当てをできる。こういうことが一番根本的な問題であって、それ以上にいまのいろいろのそういうものを取り次げと、こういうことを言っておりますが、それじゃ私どもは、NHKは料金はこんなに高いからいかんと言っても、NHKが聞かなければわれわれはこれをお取り次ぎする以外にない。そういうふうなたてまえになってるということでありまして、われわれの力にもおのずから限度がある。こういうことであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは料金の問題はそのとおりですよ。あなたがどう言おうとも意見書を国会に出さなければならない、仲介役の立場ですからそれはいいんですけれども、私はさっきから公共企業体、協会の特殊法人としての性格なり経営というものに対する国会なり国の立場というものは申し上げておりますね。そういう精神に基づいて経営者にまかすわけでしょう、まかしておるわけでしょう。まかされた経営者が自信を持ってあなたに報告する報告書の中に、もし疑義があると判定されたならば、その段階でものを言うべきでしょう。そうでなく、どこかから話が出てきた。経済企画庁長官がどこかで言ったとか、まあ建物はよくなった。それは確かにいってみていい建物だと思うかもしれませんが、電電公社の場合だって、電電公社はもうかっているからどこにいっても局舎が新しくなっているじゃないか、そういう批判を受けますよ、私たちは。しかし、それはやっぱり電話というものがそういうりっぱな局舎の中に入らないと機械が冷暖房をやらなければ行使できないと、そういう事業の特性からくるものでありますから、その特性というものはやっぱり考えた上でものをしゃべらないと、人が言ったからそうだというふうに肯定するようなことになると、やっぱりそこにいろいろ疑惑を生むように思うのですよ。ですから、もしまかした経営者が能力がないというなら、これは経営委員会の責任ですから、経営委員の任命に対しては、政税が国会の承認を得てやれるわけですから、そういう道は残されていると思います。だから私は端的にいって、まかした以上はすべてまかす。そのかわり、まかした人が能力がなくて仕事ができないならばかわってもらう、これが公共企業体の基本ですよ。そういう基本の問題をやっぱりはっきりいっていただいておると思うが、どうもああいう発言が出てきますと、国民に非常な疑義を与えます、協会に対する。そういう点を私は心配するわけです。これこれ、これこれこういう事実があって、これについては確かに行き過ぎだということであればこれまたいいですけれども、そうでないと、どうもうわさがうわさを生んで、世上いろいろな問題が出てくるので、これがやっぱり協会の経営全体に対していい効果を与えるか、悪い効果を与えるかということはみなわかっていることですから、その辺の協会に対する大臣としての考え方の基本を私はきょう承りたかったのです。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはいまのようなことは、世間が見るのは素朴な意見しかないようです、むずかしいことを知らんから。建物を見たり何か見たりして批判するというのは当然のことでありまして、そういう批評はこれはNHK当局も、世間の批判としてお聞きになればいいことでありますし、そんなむずかしい批判は一般の間に出るはずはありません。みな素朴な意見しか出てこない。こういうことですから、これらも事実仕事をする上においてはわれわれもNHKもみな参考にすべきであると思うのであります。いまのたてまえが、NHKというのはNHKの経営におまかせしておるということでありますから、その方面に対するわれわれが特別の干渉とか、そういうことをいたしておりませんから、あるべき姿においてNHKが運営されている、こういうふうに私は思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと大臣も述べられましたけれども、私たちはそういう批判を聞いたときに、じゃあ第一期工事、第二期工事に分けて、放送センターというものをつくることを一体承認したのはだれだというのですね。協会の経営に対する承認を得て国会に出してきたのはだれだ。それをまた承認したのはだれだ。結局われわれは事業計画等については責任を持っているでしょう、この委員会というのは。大臣もまた持っているはずですよ。ですからそういううわさが出たときに、われわれは協会にすべてをまかし、全責任においてやっているのだ、その計画はわれわれが了承したのだということを、やっぱり合わせて言わなければならぬと思うのですね。ですからそれだけにまた、少し強くなるかもしれませんが、会長以下の経営者に対しては、われわれもともに承認したことによって、いささかなり予算執行上に問題があるとすれば、これはやっぱり直してもらわなければならない。これは当然のことですよ。そういうやはり態度で、私たちは共同の責任としてNHKの経営というものは見ておりますから、そういうわさが出ると、それならわれわれもそういうことに参画しているのだから、もう少し協会の内容についても聞きたいなというような気もするわけです。どういう方法でするかは別として、そういう気持にも私たちはなるわけだ。だけれども、会長以下を経営委員会が任命して信頼してやっていただいているわけですから、そういうことをやることがいいか悪いかもよほど考えないと、またいろいろな面の誤解を生みますから、私はさっき言ったように、悩んでいると、こういうことばを申し上げているのですけれども、そういうやはり基本の考え方がないと人ごとでないと思うのです。これは大臣同感でしょう、そのことは。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはもう十分御承知のように、こういう決定権というものは国会しかない。事実上あなた方が責任を負っておられる。われわれは意見を述べると、こういうたてまえにあることは御承知のとおりだ。しかし、意見というのは国会に対して述べるということになっておりますが、しかし最終責任者は国会であるということは御承知のとおりであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから、これは論争してもしようがないですからね。要は、そういうたてまえに立って事業の経営をするし、またやったことに対してはあなたに報告して、そしてそれに意見があればつけてやるわけです。だから協会がどうもこういう点はまずいという点があれば、報告を聞いて、これはいけないといったら、これは書いてくるわけでしょう。この点はよかった、この点は悪かったという報告書に対する見解というのはあなたは法律的に述べられる。述べるからにはその問題について相当やはりあなたがNHKとの間にそういうことをもっとやれるわけです、その報告がどうなったんだということを。そういうわけでしょう。そういう、あなた大臣としての職責というものがあるわけだから、その職責に基づいてはっきりした判定をして、そしてこの国会なり国民に対して言ってもらうという態度がほしいと私は思うわけですよ。ですから宮澤さんは料金問題なんかにからんでいろいろいきさつがあったようですね。だから多少協会との間に考え方の相違なり感情的なものがあったかもしれませんけれども、はたから見ると、上げる必要がないというのを何で四百六十五円にカラーを上げなければならぬかというやはり疑問を持つのは、これは当然ですよ。私はそういう意見を聞きます。それは郵政大臣は権限がなくて意見書をつけて国会に出すだけの権限しかないわけですから、あなたを責めてもしょうがないんだが、そういう閣内における有力な、しかも経済を扱う閣僚の中からそういう意見が出たということになると、この予算に対してかなり不満も持つでしょうし、疑義も持つ、疑問も持つという、そういう感情もあるものですから、私はこの際やっぱりこの時期に先立ってはっきりした考え方を国民に示す必要があるだろう、こう思って大臣に所見を求めておったわけです。この際まあ会長も一言あると思うんです。ですから率直な私は意見をこの際述べておいてもらいたいと思うんです。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 私はお説のとおりに経営委員会によって任命され、協会を代表して放送法の原則を忠実に実行する義務を与えられておると思っております。その原則は放送法の第一条、それからまたNHKとしては第七条、その事業の、それに基づく事業の項目は第九条だと思っております。したがいまして、私としてはこの放送法に基づく論拠に立って責任ある方も、それから一般の方もNHKを批判していただくことはまことに幸いだと思っております。しかし、まあ一般の方については私どもがわかっていただく努力をしなければならないと思いますが、しかし、この法律をおつくりになった国会もしくはこの法律によってNHKとの接触を持たれる政府におかれては、まず第一にやはりこの法律の精神を御理解いただきたいという考え方を持っております。  それからまた、会長個人としてはこの基本的責任が達し得ないときは私自身が辞任すべきであるという強い考え方を持っております。それからまた、私自身と経営委員会との関係が何かの意見の相違がある場合には、この放送法によって経営委員会は私を罷免することができる、私はそのように理解しております。私としてはそういう精神で全力を傾けてNHKの経営をやっていきたい、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ、会長としては当然なことだと思います。ただやはり、お話のありましたように、世間の風評なり批判というものに謙虚に耳を傾けて、足らざるを補い、またさらにいい方向へと努力をしていくということは当然考えの中に含まれていると思います。したがって、私どもも国会の責任で四十、四十一年度の決算の承認が出ていないということは非常に残念です。われわれはこの問題についても決算の段階であらゆる角度から御質問をし、そのことを通じて国民にもNHKの予算執行に対する考え方というものを知っていただくようにすべきだと思う。ところが、たまたまそういう二つの両年度にわたる意見書をつけた決算が承認されていない段階でありますから、私もまだ多少、こういう点について自信を持って国民に言えるだけのこともありませんでしたから、われわれはきょう少し時間をかけましたけれども、この問題を私はお尋ねしたわけです。ですから、会長以下ひとつ放送法の精神を体して、なおひとつ合理的な、しかも能率的な、そうして国民の期待に沿えるような運営をやっていただくように特にお願いして、あと多少の質問を続けさしていただきます。  そこで、長期構想が立てれない、そういう中で料金をきめたのだ、大臣の御発言ちょっと誤解があれば私も訂正をいたしますが、何か料金をきめて、計画をそれに合わしていくのだ、というふうにとれましたけれども、もし、そうであるとすれば、これは私は非常に問題だと思います。ただし、いまあなたのおっしゃったUの第三放送としての教育放送、こういったものが免許更新との関連でどういうふうになるかわからない。不安なことはわかります。ですからこれが一つの不確定要素として、もし、昨年十一月第一次のUHF免許をしましたが、さらに第二次のUの免許を大臣はおやりになるように聞いております。その範囲はわからないが聞いております。私は、それはやめたほうがいいと思っておりますが、やるように伺っておりますので、それとの関係でUの教育放送ですね、NHKの第三放送的なそういうふうな問題がかりにこの十一月なら十一月にやれることになった場合は、その予算は一体どうなるのですか。かりにこの予算、大臣の言うように言われているならば、そういう免許を与えてもよろしい段階になっても、来年の四月以降四十四年度の予算の計画の中でしかできないということになるのですか、そういうことがこの意見書の中のFMとUテレビの免許更新の関連の中において、変更が生ずる場合があるということになっているのでしょうが、こういうことも私は、まずNHKはこの点については長期構想を含めて計画を持たなければうそだと思いますから、いままで持っているというのじゃないですか、あなた方。ですから、まさか本年度だけのことを考えてこの予算を組んだとは私は思いません。これは会長の説明の中にありますように、「第二次六カ年計画の成果を基礎」として、 「事業経営の長期的構想のもとに、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及の早期達成につとめますとともにと、」こういうふうに述べてありますから、長期構想がないとは思わない。また、ないとすれば、こんなナンセンスはない。だからその長期構想の中で一体、FMとNHKのテレビジョン放送についてはいまどういう計画を持っていられて、たとえばUの第三教育放送的なものを考えておるのか。それは考えておるのだが、免許ははっきりしないので来年になってもやむを得ぬと言うのか、四十三年度中にやると言うのか、そういうことを含めてその場合には、いまの料金との関連で、あるいは一年度だけは借り入れ金をするか、あるいはいろいろな方法で資金調達をするかは別としても、それに基づいて方向のつく資金の獲得をするのか、そこらは一体どうなんですか。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) お説のとおり、私どもも長期構想の中には、もし、国策の決定がこれを許すならば、UHFの第三の教育網を持ちたいという願望を潜在さしております。ただし、この時期がまた国策の決定の内容が私どもには当面、想像を許さないわけであります。私どもとしては、強くこれを期待しているということには変わりはございません。したがいまして、長期構想の中でこういう特にUHFというようなものが第三の放送として与えられる場合を想定いたしているわけでありますが、これは結局、建設ということから始まるわけでありますので、一挙に全国放送網というものはでき上がらないわけです。したがいまして、私どもとしては、少なくとも一応本格的に国策の決定がNHKにやらせるという場合に、正式にスタートし得る年度を、おおよそ昭和四十五年度くらいではないかという想定を持っております。で、それ以前に、たとえば免許された場合にどういう措置をとるかというのは、まあ、簡単に言いますと、四十三年度内に免許された場合に、これは仮定の問題でございますが、それはやはり私どもとしましては、現行放送法と、これに基づく予算の編成方式からいいますと、予算総則とそれからまた予備費等の関係の活用にあるというふうに考えられるわけであります。しかし国策の決定というものは、やはり慎重に、あらゆる面を検討して行なわれるでしょうから、私どもとしてはこれも仮定でありますが、四十三年度内に非常に大きな規模でこの問題が起きてくるであろうという予想をしていないことも事実でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この長期構想の点について、いま少しく会長に伺いたいんですがね。そうしませんと、さっきも永岡さんから、五カ年間で現行料金と改正料金でどうなるんだという計数的な質問もございましたが、なるほどそうだと思うんですよ。ですから、一体百五十円カラーを付加したということ、そして十五円だけ料金を安くしたという、そういうことの相対的な関連の中で、やっぱり五年後に一体どうなるかという想定ですね。そういうものの中で料金もおそらくきまったんだと思うんですよ。ですから、たとえば国民が一番期待しているのは、難視聴地域というものをいつ、一体解消してくれるのか。これは九五%とか九八%……あと二%だと簡単に考えたら困るのです。二%がたいへんなんだ、これは。二%、三%を三年も四年も足踏みしながらここまできているわけですよ。ですから、これからコンバーターを使わなくても、Uが少微電力としてどんどん開発されていけば、そういうものを割り当ててもらえばできると思いますよ。だから国民はこの料金改正を機に、しかも六カ年計画が終わったときに、協会は混信対策あるいは難視聴対策というものを、いつになったら全国どこでも実現してくれるのか。最近、ビル陰問題とか基地周辺問題とか、いろいろ出ております。そういうことを国民は期待していると思いますね。それからあなたが年来の主張である放送衛星の打ち上げですね、こういったことについても、一体どうなのか。われわれが見るところ、従来の第二次六カ年計画までの間に、なるほど局舎の整備とか、そういった問題についてはやや完了したと見るわけです。あとは置局の問題ですね。こういった問題を一体全国的にどうやっていって、どこでもあまねく見れる第七条の精神を、協会は実現してくれるんだということを期待しておりますよ。その見通しぐらいこの国会ではっきりしてもらわなければ、全く国民としてはやるせないですね。いつまで待たせるんだ、こうことですから……。だから、それと混信対策ですね。こういった点についても、まあ、大電力化で混信を防いでいくと言っているんだが、そうすればまた相手側が電力を増すというので、依然として混信が消えない。そうなったらFMと中波との間をどう使い分けて混信をなくしていくかということも、国民がひとしく注目しているところだと思いますが、そういう点は、電波監理局の周波数の割り当てとの関係がありますから、協会がいまここでにわかに言えないとしても、そういった点は、私は第三の教育放送についてはわかりました。そういう点がありますから、協会の考え方と行政措置上の問題として聞いてなかったことはわかりました。あとの問題についてはやれるはずです。これは電波監理局長もまだわずかの間ですが、やっぱりこれは周波数の割り当て単位を大いに考えてもらいたい。やっぱり第二次の割り当ては完了したと四十一年度に書いてありますね。その後新しい割り当ての中で、難視聴地域の解消をやっているわけです。そういう点については監理局側も十分協力してやらなければならぬと思います。そういう意味で、大体の話はしているのじゃないですか、ここで言わぬだけであって。だから、私はそういう点はやっぱりはっきり出したらどうかと思うのですけれども、どうでしょう。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) きわめて現実的には、五カ年計画構想の中で、たとえば極超短波と中波の問題については、簡単に言いますと中波の混信を防ぐ方式としては、大電力主義でまいります。これは現在の第二放送を中心にして大電力になりますと、全国同一番組という結果が出てまいりますので、第二放送を中心として大電力主義を推進する。したがいまして、御審議いただいております明年度予算の中でも、大阪の第二放送の大電力を完成するという点が出てまいります。FMと中波の問題については、重大な国策の決定と関連する問題が内在していると私は考えております。たとえば、現存する中波とFMを併用することによって、立体的な混信防衛の方策をとるのか、あるいは単に技術的に中波をFMに置きかえるのか、あるいは単に技術的にFMを中波の補助的機関プラスFM本来の放送と考えていくかというような問題が含まれていると思いますが、NHKの立場から言いますと、過去四十三年にわたって投資した中波を、一挙にこれをFMと置きかえるということは、聴視者に対する責任の忘却になるということを、私は強く痛感いたしておりますし、そういう意味での重大な問題についての国策の決定というものは、これは私は行政当局におかれても、なかなかここで申し上げることば至難の問題ではないかと思います。したがいまして、現実に立脚してこの問題を五カ年間でどう解決するかと言えば、率直に言ってFM放送も本放送にしていただいて、そうして中波とFMを相関的に駆使することによって、一方では中波の混信を第二放送の大電力主義で防ぎながら、さらにきめのこまかい放送をしてまいりたい。この構想は五カ年間の中にも盛られておりますし、とりわけこのテレビジョンの難視聴地域の解消につきましては、御審議いただいている明年度予算におきましても、本年度と比べますと飛躍的な置局の数となっております。明年度におきましては、今年度の五〇%を上回る措置をとっております。この方針は五カ年の構想の中でも強く推し進めてまいりたい。ただこの五カ年間の中で派生してくる社会的問題との関連で、この置局計画をどのようにしていくかという問題については、こればやはり社会情勢の変化に応じて、流動的な実施計画を立てるべきであるという基本的な考え方を持っております。私どもとしては、こういう見地に立って、それでは料金を、この事業計画から財源としての料金をどう決定すべきかということを考えたわけでありますが、少なくとも私どもとしては、第二次六カ年計画をスタートさした第一次五カ年計画、第二次六カ年計画を継続して行なった段階でも、私どもとしては、たてまえから、私どもの側から発言することを、気持ちを申し上げることを許していただければ、昭和三十七年の四月に、ラジオ料金においては三十五円、ラジオ料金とテレビ料金を含めたものについては、五十五円の値下げを断行して今日に至っております。その後物価指数は御承知のような騰勢をたどっており、今日までたとえば運賃の値上げあるいは社会保険の料金の改定、これと関連するいろいろな問題が出ておりますが、私どもはすべてこれを経営の中に吸収して、私どもとしては姿勢を正した財政計画を立てて今日に至っております。で、こういう環境の中からこの五カ年の基本的責任の遂行のために、いかなる料金が必要であるかということと、先ほども先生からも御指摘ありましたように、物価騰勢が依然として年々少なくとも四・一%前後は今後五カ年間もこの騰勢は続くということを計算に入れますと、私どもとしては、やはり聴取者の負担がこの際低くなることが望ましいということが第一の原則であろうと考えました。で、その意味で、料金の高さについては非常に異なる御意見があるかと思いますが、私どもとしては、御審議をいただきますように、いわゆる大衆料金という形における二千万に達する世帯契約においてはこれを一月十五円逆に値下げするという方法をとったわけであります。ただし五カ年後のあるいは五カ年間の歩みを考えますときに、私どもとしてはやはりカラーか——カラーの問題が単に国内はかりでなく国際的にもこれが重要な問題になるということを考えながら、この点について内外の情勢をしさいに検討いたしまして御審議いただくように、明年度末にはこの放送時間を十時間にいたしたい。それからまた五カ年の構想の中では一日十五時間にする必要があるという考え方のもとに、一方では社会情勢を反映させて、われわれの大衆料金と申しますか、二千万世帯を中心とする料金の値下げを断行し、今後五カ年間に内外の情勢を通じて予測できるカラーの進展に対しては、今後やはり再び受益者負担の原則によって、カラーを楽しまれる方から御負担していただくというたてまえをとったわけで、そのコスト計算がおおよそ百五十円になるというのがその背景でございます。もちろん先ほど来の御質問、あるいは昨日の御質問にもありましたように、このわれわれの想定の中でカラー世帯が急激にふえるということであれば、私どもにとってもまことに好ましいことであり、われわれの任務は特別の利益を得ることではありませんので、その部分はいろいろな形——値下げをも含む形において聴取者に還元いたしたいと、このように考えております。第二次六カ年計画の遂行中、計画を立てた当初に比べて二百万世帯のテレビ聴視者の急増があったという御意見もございますが、これは当然でありまして、その期間にNHKは実に予定の五〇%の置局増を断行したわけでありまして、置局をふやさずして世帯数がふえることは、原則的にはまず第一に絶対にないという、われわれの経験はこれを教えているわけでございます。したがいましてわれわれの予想が甘いか辛いかは別として、社会経済生活が文化生活との関連において、私はこの五カ年間の予想を上回る急激な変化がある場合は、当然われわれの責任においてその問題を解決し、皆さんの御批判を仰ぐべきであるというかたい決心を持っているのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ、非常にこう抽象論ですからわかりにくいんですけれども、やっぱり具体的に難視聴地域の解消あるいは混信対策ですね。こういったものについて、あるいは放送衛星の問題についても、一体五年の問に年度別にどうやっていくのだという、そういう大まかな構想をお持ちになっていると思うんですよ。いま私ここで、時間がもうないようですから詳細について伺うことはできませんが、これはもうこれからのNHKの第二次六カ年計画が終わった初年度の予算の審議にあたっては、当然のこととして私は考えるべきであって、むしろわれわれにもっと親切に協会は五カ年間にこういうふうなことをやりたいというくらいの資料は出していただいて、そしてわれわれにも検討の機会を与えていただきたかったんですよ、率直に言って。これからそういった膨大化していく、しかも国際化していくこの番組編成等の問題とかあるいは組織、機構の問題とか、いろいろ当面問題になってくると思いますが、時間もありませんので少し、ことし百四十名くらいの増員になっているようですが、機構改革ですねNHKの、これは会長がしばしば言明されておるんですが、従来の考え方に変わりはないんですか。そして六月から九月ごろの間に新体制へ順応できる組織、機構の改善を考えておられるように聞いておるんですけれども、それらの御構想はどうですか。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) これはお説のとおり第二次六カ年計画の当初に計画いたしました機械化が、番組制作及び技術運用の面にわたって全面的にこの六月ごろには完成の方向に向かうわけであります。こういうことを踏んまえまして、実はこの聴取料の額とも関連を持たしたわけでありますが、私どもとしてはこれを機会に近代経営の組織をつくり上げたいということを考えております。したがいまして、この予算の御承認をいただいた暁には、その後この問題に具体的に取りかかりたい。簡単に申し上げまして、その実施の時期がいつごろになるかということになりますと、放送センターの完成が六月の末になります。で、いまの本館と放送センターをさらに機械的に結びつけるわけでありますから、大体七月以降八月の間にすべての体制は完成するのではないか。それに先立っていろいろといま組織、職制等の検討をいたしておりますが、最終的に最高経営協議会もしくは組合との関係を処理していくのは、早くても七月中ごろになるのではないかと、こういう考え方を持っております。百四十名の新規採用については、御審議いただく予算の中ではそれを提示申し上げてあるわけでありますが、これは当面明年度に必要な人員でありまして、今後はその機械面の効果を測定しながらこの定員の問題には新しい見地から取り組みたい、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはまあ従来からの構想ですから、一応念のために伺っておいたわけですが、それで私はもう少しこのNHK本来の業務と、いま外郭団体あるいは関連会社といいますかね団体との間にやっておる仕事との関連で、私はもう一つ突っ込んだ実は意見を聞きたいんですけれども、ちょっと時間的にそれがないようですからまた次の機会にいたしましょう。しかし、私はできるだけ協会が本来的にやり得るような仕事も、いまの外郭団体の中にあるように思うんですね。それらの取捨選択については、もう少し再検討を加えていただけませんでしょうか。結局会長がこれはNHK交響楽団の理事長をされておるわけですね。これは一つの兼職でありましょう。しかし、営利を目的としないわけですから、放送法上の兼職は許されておりますが、その他いろいろございます。外部団体も幾つもありますが、これに助成金をかなり出して、ことしの予算にも約四億何がしですか、五億近い予算が計上されておるように思いますが、放送協会の健康保険組合とか日本放送協会の共済会、こういうようなものはよくわかりますが、そのほかの問題については、もう少し検討していただけませんか。私は特に株式会社日本放送出版協会のこの経営の問題については少し聞きたいことがあります。ありますけれども、時間がありませんので、私は次に譲りますけれども、これらの問題についてももう少し、本来的に協会がやるべき仕事なんだが、こうしたほうがよろしいと、外郭団体にやらしたほうが非常に合理的であるし、効率的であるし、経済的である、そういう立場に立ってそれぞれつくられておると思いますけれども、そういうことはわかります。わかりますが、もう少し仕事の分野について検討してほしいと思うのですけれども、この点全然考慮の余地はないものでしょうか。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 外郭団体と申しておるものについては、それぞれ設立の意味があったわけであります。非常に簡単に御説明申し上げますと、たとえば通信高等学校のためのNHK学園、あるいは社会福祉のための文化事業団、あるいはまた御指摘の健康保険組合あるいは共済会等につきましては、それぞれそれの性格に応じまして助成金を出す場合あるいは労使双方で分担する場合がございます。それからサービスセンター及び美術センター等につきましては、助成金は出しておりません。これは委託する事業に伴う計算でありまして、助成ではございません。それから放送出版協会等は完全な株式会社でありまして、そこには一銭の助成金も出しておりません。助成金を出しておりまして、しかも同時に私が関係しておりますものは、交響楽団でございますが、私自身は、あの理事長になることを欲しなかったのでありますが、楽団員がどうしてもなってほしいということで要望やみがたくなっております。しかし、これは放送法第九条と、それからまたNHK本来の目標、日本の文化という点からいってこれには助成金を出すべきである。ただし、無限の助成金ということは不可能ですから、その能力に応じてやはり自営の精神も発揮させようという方針で今日に至っております。それからNHKの者がこれらの外郭団体に、名ばかりのものですが、理事であるとか取締役であるとかいう形になっているものについては、これは将来そういうことをやめていきたいと、私自身もN響すらやめたい、前回は学園の理事長もやめました。そういう気持ちでおります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私はそのことについて言っておるのじゃなくて、それぞれの必要がある、理由があってつくられたことはわかりますよ。だけれども、もう少し内容を検討してみないとわかりませんよ。助成金を出しておるのも、私はできだけは資料もいただいておりますからわかっておりますけれども、いずれにしてもよく政府が本来やらなければならないものを、外郭団体をつくってそこにやらしておるというケースがありますよ、これは各省に。私はそういうものは公務員の定数がふえるとか、予算がかかるとか、いろいろな一面から批判があるでしょうから、官庁組織よりも、そういった法人的な組織においてあるいは会社組織において、官庁がやるより以上に効率的にやれる、そういうことでスタートはするのですけれども、やはりやってみると、そういうものがだんだん、だんだんでき上がりまして、やはり何といいますか、回転が悪くなって所期の目的が達成できない形になっていくものがたくさんあるのですよ。そういうものが先般行政管理庁からも問題になって、郵政大臣は募金の事業団は廃止するとみずから言われたように、そういうことが官庁の外郭団体の中にございますね。だから、私はNHKがそうだとは言いませんが、本来NHKがやるべき、たとえばN響の問題にしても、厚生文化事業団あるいは送放協会学園の問題にしても、まあいろいろここにございますが、そういう問題でもう少し検討をして、仕事の分野についての検討をする余地はないかどうかということを私は聞いておるんですけれども、必要があればそれはいいでしょう。そうして国民が納得し、われわれが納得できるものがあれば、その形態をとっていただくほうがよりベターですから、それを私は是認した上において、なおその仕事の分野について検討する余地はないわけですか、ということを聞いておるわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) そのとおりでありまして、その点についてはすでに検討を開始しております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 時間がありませんので、あと私はたくさんのあれがありましたけれど、これはまあまた決算の場合もできますから、あと当面一、二の問題だけを伺っておきますが、一つは参議院選挙放送対策でございますが、これは三百何十万円か、交付金が予定されております。これだけで選挙放送対策ができるものなんでしょうか、これになおNHKが自前でプラスをして放送をしようとすることになるのですか。  それから大臣にお伺いしたいのは、現行放送法では、テレビにおける政見発表等はなかなかこれはできないわけでありますが、ラジオではやっておりますね。そこで公職選挙法との関連もありますが、ラジオと同じようにテレビを活用して政見放送ができるようなことをやってみたいというようなお考え方の過去御発言がございましたが、これはまあ公職選挙法が改正になるかどうかちょっとわかりませんけど、大臣として、そういうふうな措置をとって、来たるべき参議院選挙に、より候補者の意見というものを国民に知っていただくというような方向に持っていくような考え方はないのですか、それとの関連でNHKに伺いたい。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはぜひ今後の問題としてテレビも選挙放送に活用できるようにしたいと、こういうことをよく関係の委員会でも申しておりますし、また関係者もそういうことを強く希望している。ただ、これがすぐできるかどうかということになると、現在の広域放送制度をとっておる際に、きわめてまだ不便と申しますか、困難な事情がありまして、むしろこれをきめても、ある程度期間をおかなければ、放送施設のほうが整備できないのじゃないかと、こういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、今度のまあ七月の参議院選挙には無理だということですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) そういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 無理だということでなくて、私はいま選挙制度審議会のほうからの答申もありますし、できるものは改善していくということで、政府も努力されておるように聞いております。ですから、そういう改正の見通しがあるならば、この際大臣も御賛成いただいているようですし、われわれも賛成ですから、こういう問題をひとつ改正の中に入れてほしいと思うのですよ。そうして広域放送をとっていますけれども、現にラジオではやっていますからね、ラジオでは。だから、いまからNHKに協力してもらって、第一放送をうまく活用すれば、この全関東エリアの中でやれるわけなんですよ。ですから、その点は私は技術的に可能だと思いますから、できるならばそういう機会があったらば、大臣から積極的に意見として出していただいて、関係閣僚の方にも相談していただいて改正方に努力していただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはお話しのとおり、もう一度ひとつ自治大臣とも協議をして、できるだけそういう方向に持っていきたい、かように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ぜひひとつお願いします。  あと、メキシコのオリンピック対策についての現在の準備状況、これは簡単でいいですから……。それからまとめてやりますが、職員の待遇改善についてはどうなっているか、職員の待遇は、先般何か部分的なストライキですか、そういうようなストライキというか、実力行使というか、よくわかりませんが、そんなこともやられたやに伺っておるのですが、労働組合とは最終的に決着をして、この予算に組んでおりますのは、大体何%程度の、額にして幾らぐらいの給与改善費というものが組まれておるか。この二つ。  それから大臣には、たいへん恐縮ですが、別途法案が出ておりますから、そのときでもいいのですけれども、予算ですから念のために聞いておきます。沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案というものが出ております。内容を拝見しました。これは前回政府がおやりになった沖繩の模範農場と放送設備の無償貸与についての……、無償供与ですね、これは。贈呈ですね。これについては単独立法を出して、金も政府が出して、これに電電公社が協力してやったわけですよ。私は、沖繩は日本の国民ですから、この国民に対してOHKという公共放送が設立されたことも聞いておりますので、協力することについては大賛成です。ただ、しかたが、どうも少しNHK  にかぶさってしまって、たとえ三億円であっても、いま料金を変えなければならぬ段階に、私はちょっと筋が通らぬと思うのです。沖繩援助の一環としてやるならば、どうして政府がそのお金を前と同じように出してもらえなかったか、こういう疑義を持っておるわけです。三億の金を書いてありますからね。そこでおそらくNHKとOHKとの関係ですから、同じような性格ですし、政府としてはそこにやったほうがいいじゃないだろうかということでやったと思いますけれども、将来これは沖繩祖国復帰が実現します。いつになるか、佐藤さんは両三年と言っているのだから、もう来年にくるかもしれませんが、とにかく復帰しますから、復帰したときに、一体日本にOHKとNHKの二つの公共放送が、部分的ですけれども、存置することになる。そういう場合に、依然として沖繩OHKというものが存続していくのか、あるいはその場合には、協会、NHKというものが日本における唯一の公共放送ですから、まあことばは悪いのですけれども、それとの調整をして一本化していくというようなことがあらかじめ考えられておるのかどうなのか。これは相手方があることですから、こういう公の席上で質問することは、多少私もはばかるのですけれども、日本国民として、沖繩が復帰してくれば、領土的にも復帰してくれば、私はそういう形式にはこだわらないで、沖繩の島民の人たちも満足していただけると思うものですから、それとの関連でNHKにやらしたのですか。その点をちょっとだけ聞いておきたい、大臣に。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまのお話でありますが、先島地区については、現在民放も全然聴取不可能、こういうところでありまして、これは非常に急いで、そうして全然民放がないということにかんがみて国で都合して援助した、こういうことになりますが、那覇のほうにつきましては、もう御承知のように現在民放もある。そうして特別に今度は、昨年立法までしてNHKと全く同じ性質のOHKというものをおつくりになった。そうして、これの将来というものについてのいろいろな考え方がございます。いまの、復帰の際にはどうなるか、こういうようなことはいま別段話し合いがありませんが、おのずからこれは常識的に解決されるであろうと、私は考えておりますし、また、いまのNHKの番組をできるだけたくさん流すことによって、放送文化においては内地と沖繩との格差をなくそう。こういうことから言いましても、この際はひとつ向こうが、OHKというものが同じ性格のものであるから、ひとつNHKにお願いしたらどうか、こういうことで、方法としては財政投融資でやるとか、あるいは政府援助でやるとか、いろいろな方法があったのでありますが、将来のこともある程度考えて、これが一番いい方法ではないかということで、向こうの政府からもさような依頼があったり、向こうのOHKからもさような要求があった、そういうことでかような方法に落ちついたということであります。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 私についての御質問、一括お答え申し上げます。  選挙放送につきましては、公職選挙法に基づく経歴並びに政見放送、この分の交付金でありまして、私ども自体が行なう選挙に関する取材その他は、大体四千一百万円を計上してございます。  オリンピックにつきましては、放送権料は六十万ドルでございますが、それに対して、民放に差し上げる分として、大体交渉がまとまりかけているのは、民放さんから五千万円をいただくということになっております。また、オリンピック放送そのものにつきましては、NHKは、技術、あらゆる種類の職員を含めて百二十名を現地に派遣し、総額およそ六億を予定いたしまして、カラーを中心とする宇宙中継を中心としての放送実施を行ないたい、このように考えております。  それから待遇改善につきましては、すでに組合との間において交渉が妥結しまして、御審議いただいている予算の中に織り込んでございますベースアップの率は五・七二%でございまして、これと関連する人件費の増は十八億円に相当いたします。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 午前の質疑は、この程度にいたしまして、午後は二時まで休憩いたします。    午後一時十六分休憩      —————・—————    午後二時十五分開会

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 まずNHKの当局に簡単に伺いたいのですが、NHKの聴視者は男性、女性というふうに分けましたら、女性のほうが多いんじゃないかと思うのですけれども、どうですか。何かそういう御調査といいますか、そんな数字はございましょうか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○参考人(赤城正武君) 一般的に申し上げますと、これはやはり女性のほうが多いんじゃないかという感じは持っております。放送時間と放送内容によりまして、一がいには申し上げられないのでございますが、NHKの世論調査所では定期的に聴視者の世論調査を行ないまして、あるいはその意向調査を行ないまして、そういう調査におきましては、たとえば職業別とかあるいは年齢別あるいは男女別のやはりいろいろなデータが出ておりますが、午前中朝早いときは、これは大体NHKは農業関係を中心にして放送しておりますが、七時から八時半ぐらいまではこれは家庭婦人がやはり朝のお仕事で忙しいというふうなことで、大体午前八時半から正午まで、これが非常に家庭婦人に向いている町間でございまして、そのためNHKとしてもその時間は婦人向けの番組を集中的にやっております。それから正午になりますと、これまたその他の農業従事者とか、あるいは商売を自分のうちでやっておるとかいう人に非常に向いてきて、もちろん家庭婦人もその中に入りますが、午後一時から夕方の五時半ごろまでがやはり家庭婦人に非常に向いている時間でございまして、この時間もしたがってNHKのテレビ、ラジオを通じてわれわれは家庭婦人向けの番組を組んでおります。それから夕方になりまして、一時子供関係の時間がありまして、夜間はこれは家庭一般でございますから、婦人も男子も聞いておる、大体そういう非常に概略の調査でございますが。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 女性の聴視者が相当多いというお答えをいただいたんですが、そこで、いま時間の割りによる編成の話があったんですが、特に婦人の要求といいますか、それを番組の上に反映させるようになさるために、何かNHKの中で特別な配慮といいますか、努力といいますか、それを払っていただいておりましょうか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○参考人(赤城正武君) これにつきましては、そういう先ほど申し上げましたようなことでございますので、全国の視聴率調査をやっておりますが、それにはもちろん男女別、職業別等の分析と、それから婦人対象につきまして特に意向調査、婦人の聴視者の意向の調査などを付帯調査としてやっておりまして、そういう結果を番組の編成、作成の上に反映させております。ことに女性の方々の非常に聞きやすい好適時間といいますか、そういうのを中心にいたしまして、女性対象の各種の教養あるいは実用になる番組等を、そういうことで放送しておるわけでございます。ことにNHK婦人学級というような聴視グループをつくっておりますし、あるいは暮らしに生かす放送利用運動というものをずっと展開しておりますが、こういうところに集まりました婦人の方々、もちろんこれはNHKの番組の利用促進のためにやるわけですが、そういう機会を利用してやはりその番組に対するいろいろな意向、御意見等を十分聞きまして、それを番組編成に反映させる、そういう方法をとっております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 NHKには中央番組審議会と、それから各地方地方に番組の審議会がおありになりますね。それの名簿をNHKの報告でずっと拝見したのですが、どこにも一人くらい女の人が入っているのですが、これはどういう意味でお入れになっているのですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) ただいま御指摘のように、番組聴視者の中に占める女性の地位というものは、きわめて量的にも質的にも重要なものでございます。番組審議会が中央、地方を問いませず、聴視者の意向を十分に取り入れるために、法律上配意された機関でございます。そういった意味合いから申しまして、女性の放送番組視聴に対するいろいろな要望等も十分に取り入れたいというような意味合いから、現在中央放送番組審議会におきましては、お二人の女性の方にお願いをいたしております。各地方の番組審議会にも、それぞれそういったような配意をいたしておるのが現状でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 まあ一人、二人では私は少ないから、もう少し、少なくとも二、三名ぐらいずつにはしていただきたいと思うのです。  それからNHKの職員の総数は、この報告書で拝見しますと、年度末で一万四千五百七十二人おありになりますね、この男女別の数は報告書に出ていないのですが、これはどんなふうになっていますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) この数字は四十三年度の予算の数で申し上げますと、総数が一万四千八百七十人になっております。そのうち男が一万三千八百六十名でございます。女性の方が千十名でございまして、女性の方が全職員に占めますパーセンテージは六・八%ということになっております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 そうすると、千十人ほどですね。そこの中で婦人で管理職についている人は、どのくらいありますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) ただいま五名おられます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 そのうちで一番上の職というのは何ですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 科学産業部のチーフプロデューサーと申しますか、これは教育局に属しておりますけれども、そこのいわゆる専門部長、私どものほうの呼び名では専門部長と称しておりますが、これはこういった専門の職の関係でございますので、そういう名称を用いておりますが、行政職でいえば、これは部長でございます。この方、篠崎さんという方でございますが、この方と、解説委員室の解説委員として縫田さんが、これも同じく専門部長でございます。NHKの中におきましては、かなり上位に位する職員ということになっております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 全体の職員の中で占める婦人の職員の数も非常に少ないと思いますし、管理職はなお少ないのですが、これは一体どういう意味ですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) NHKも他の職場と、女性の勤続年数その他の点から申しますと、大体はその傾向を同じくしておりまして、一生の仕事でもって通されるという方は非常にりょうりょうたるものでございます。やはり結婚その他の事情によりまして、非常な才能を持たれながらやめていかれるのが常態でございます。そういうような関係から申しまして、総数千十名の中の管理者、五名というのは少ないようでございますけれども、これは案外やはり若年の方が多うございまして、そういったやはり管理職になることの前提は、やはり永年勤続の維持にあるのではなかろうかと思いますが、そういうグループの全体から比べますと、決してその。パーセンテージは低くはない、こういうふうに判断をいたしております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いまの副会長の御意見が妥当であるかどうか、ちょっと私に判断いまできないのですが、これは私も別の機会にもう少し詳しく伺ったり、実情も調査してみたいと思うのですが、しかし、まあいままではどちらかといえばそういう傾向があったのですが、これはほかの分野でもだんだん婦人の勤続年数が長くなり、だんだん夫婦ともかせぎでやるのも多くなってきておりますし、ただ腰かけというのではなしに、そういう傾向になっていると思う。ただ雇うほうで、やはり女というものに対するいままでの偏見があって、そうして上のほうには採用しないというか、そういう人をとらないという傾向があって、NHKにもそういう傾向があるらしく私はちょっと耳にしているのです。これはまあ私は事実を調査してから申し上げたいと思います。  それからもう一つNHKの役員、理事の中にも女の人おりませんね。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 現在、理事の中には女の方はおられません。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 これは私ごとでたいへん恐縮ですけれども、私は二十一年高野会長時代に理事をしていたことがあるのですよ。その後何か理事がないみたいですけれども、ことほどにだんだんいろいろの有能な方もおられるし、やはりNHKも私は婦人を理事の中にも入れていくべきだ、入れてほしいと思いますが、きょう会長おられないのですが、ひとつ会長にそれをおっしゃっておいていただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) お説のとおり御趣旨には全く同感でございまして、現在たまたまおられませんことは、これは偶然のことでございまして、方針としては女性の方は理事にしないというような気持ちは、毛頭持っておりません。もちろん適格な方が理事になっておられることは好ましいと思っております。ことに先ほど御質問のありましたいろいろな放送事業を受けられる対象の中に、女性の占められる地位がきわめて重いという点から申しましても、適当な人があれば、これはこれに越したことはない、むしろ願ってもないことだろうと思います。現在のものは方針上の問題ではなく、現にそういうような地位に向く方が、たまたまおられないというようなことで、そういうような現状になっておると思います。また先般、もう一つ前の御質問でいずれ調査してその上でとおっしゃいましたが、私ども決して男女の間に差別感を毛頭持っておりません。管理職になり得る方があれば、どしどし女性の方にもなっていただく、こういう気持ちを持って運営をいたしておるわけでございまして、決してその間の差別はいたしておらないわけでございます。他の一般の企業の関係にも、御承知のとおり女性の方でも長くつとめてその職場に一生を終始したいという方もふえつつあることは、NHKについても同様だろうと思いますので、今後はやはりそういう中でも管理職になられる方もどしどし出てこられると思いますし、現状の千十名のうちの五名という比率は、将来も続くとは思っておりません。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 郵政大臣にお伺いいたしたいと思うのですが、NHKは十二人の経営委員がおありになるようですが、経営委員は総理大臣が任命し、国会が承認することになっておるようですが、経営委員の任務といいますか、これは放送法に書いてはございますけれども、郵政大臣から一ぺん教えていただきたいと思うのです。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 放送法にいろいろ書いてありますが、要するにNHKにとっては最高の機関と申しますか、基本的な経営その他一切のことをここでおきめになる、法律の上では一番大事な機関になっておるわけでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 その大事な経営委員が総理大臣の任命なんですけれども、実際上は郵政大臣が人選をなさるんじゃないかと思うのですが、それで、その経営委員の資格といいますか範囲といいますか、それは十六条で一応あげられているのですけれども、郵政大臣がその選定をなさる場合、どんなふうにして選定をなさるか、具体的に少し伺いたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは、どの委員をお選びする場合にも、なかなかこれはむずかしい問題で、適当な方を得るということに種々苦心をしておる。ことにまあこの規定では八地区から一人ずつ選べと。なおさら地方から全体の代表者として適当な方を選ぶということで、非常に苦心をしておる。しかも、じゃ結果がはたして非常に妥当であったかどうかということは、それぞれ批判があるわけでございます。私どもは、これが一番適正で、適任だと思って選びましても、いろいろの問題がございます。十分注意してまいりたいと思いますが、結局まあこれにいろいろ資格が書いてあっても、これは最低条件をきめているだけでありまして、一番いい人を選ぶという方針であるが、なかなか意に満たない、世間の意にも満たない。これは十分に注意してまいりたいと思っておりますが、非常にむずかしい問題であるというふうに考えております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 あれですか、非公式にでもNHKのほうとあらかじめ多少御連絡なさるようなことがありますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 必ずしもまあ御連絡を申さなければならぬということにもなっておりません、御意見をお聞きすることもございますし、お聞きしないこともあると、こういうことでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 現在の経営委員の中に女の人は入っていませんね。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 昨年の十一月でございますか、それまで四国の方が一人入っておられましたが、 この方がおかわりになってから、 いま入っておりません。しかし、やっぱりお一人はおられるほうがよいと思っておりますから、今後も考えたいと存じます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 まあ法的には女を入れろとは書いてはないみたいなんですが、やはり聴視者を代表するというか、あるいは聴視者の中に女が多ければ、経営委員にもぜひ一人か二人、十二人もいれば二人くらいは少なくとも私としては入れてほしいと思うので、ぜひこの次の機会といいますか、もう現在は任命されちゃっていますから、この次の機会にぜひお入れくださるようにお願いしたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 私もそういたしたいと思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 経営委員の選任は、大臣いま非常にむずかしいとおっしゃいましたが、これはなるほどそうだろうと思うのですが、その人選によってはNHKの基本である不偏不党というのが、少しどっちかへ傾くこともあり得ますね。そういう心配もやっぱり国民としては持っているといいますか、持ち得るのですけれども、その点は大臣はどういうふうにお考えになりますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) それはもう当然やっぱり人選においてそういうことを考えなければならぬし、また、この法律の中にも、たとえば一つの政党から五人以上入れちゃいけない、こういうようなことが書いてありますので、法の精神は、やはり不偏不党の方を選ぶ。それだけに非常にむずかしいと思いますが、そういう配意はぜひしなければならぬ、かように思っております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 国会が承認をしなければならないことになっているのですが、ずっといつでも満場一致に承認されておりますか、多数決ですか、反対になったことありますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これはいままでの慣例では大体満場一致で、特別な人のあった場合は別でありますが、大体満場一致でまいっております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 新聞によりますると、大臣はこの経営委員の手当を国から出したいとおっしゃっておりますが、そうですが。そうしてその理由はどこにあるのでしょうか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは私どもの意見でもありまして、まだこれがどういうふうにするか、むろん国会の問題でございますからわかりませんが、要するに国が任命して、そうしてその仕事をしてもらうということである以上は、ある程度その機関から独立するのがいいのじゃないか、国が任命しても一切国がめんどうも見ないで、その機関にお世話になっているということはどうか、こういうふうな考え方があるわけでございます。これはほかにも問題は、日銀の政策委員あるいは電電公社の経営委員もみな同じ問題があるのですが、そこの機関において、ある程度いろいろな拘束というか、そうういことを受けないで自由に仕事をする場合には、やっぱり政府任命ということで、要するに独立して、そうしていろいろな情実、因縁にとわれないで意思決定をしていくのがよかろう、こういうようなことから、いまのような意見が世間にもありますし、やっぱりこれは一考すべき問題だとこういうふうに思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 私は、この委員会にも最近伺ったので詳しいことわかりませんけれども、経営委員というのは、任命は政府だけれども、やはりNHKの最高機関ですね、そうして会長を選挙するのだから、経営委員というのは、やはり会長を助けて、NHKが放送法で規定してあるような任務を果たすように努力すべき立場にある、こういうふうにちょっと考えるのですが、そうすると、一体政府の側に属するのか、NHKの側に属するのかといえば、私はNHKの側に属するのだ、だから政府からもし金をお出しになるということになると、何だかこれは政府のほうに属するみたいになって、ある程度の何か政府のほうからの命令を聞かなくちゃならないといいますか、そっちに近くなるということになっては、放送の独立性が少し心配になるような気がするので、やはりこれは政府からは手当なんかをお出しにならないほうがいいのじゃないかという気がするのですが、どうですか、その点。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) いまのことを端的に言えば、これは政府側とかNHK側とかを問わず、国民の側に立ってNHKの運営に当たるということだと思うのであります。それがたとえば一つの組織の中に、それになずんでしまって、そうして、しかし平常の業務はまたNHKの機関が業務を運行する、それで、それを監督するというか、企画するとかというのがNHKの経営委員だということになると、ある程度独自の立場というものが必要じゃないか、すなわち国民の側に立つというか、そういうふうなことも考える。これはいろいろ考え方ですから、市川さんのようなお考えの方もあるし、そうでない考えの方もある。これは多くの人がこれから論議をして、いいか悪いかきめていただくことでございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 その問題は私も少しこれから勉強さしていただきたいと思いますが、もう一つちょっと大臣に伺いたいのは、いま政府、特に自民党のほうで、国会議員の選挙の際に確認団体に対して、政策の宣伝普及を目的として、運動員の戸別訪問を自由にするということが協議されておることは、大臣も御存じだと思う。政党の政策の宣伝普及については、それこそNHKのテレビを通じてするのが最も適当だと思いますし、有権者もそれを歓迎していると思うのですが、いかがでしょうか。むろんNHKを通じては、私は無料でやっていただいていいのではないかと思いますが、宣伝普及が、去年の衆議院のときには立ち会いをほとんどなされませんでしたねNHKが。これをもっとはっきりと、イギリスのBBC放送で、私選挙のときに行ってみたんですが、イギリスでは政党の議員の数に応じて、各派に選挙のとき時間を割り当てて、もちろん無料でそしてそれにどう宣伝をするかということは党にまかせる。こういうやり方でやっていたんですが、日本は法的なもちろん規定もないのですが、これは有権者の側からいうと、またNHKの性格からいっても、私はぜひそういうことを実現してほしいと思うのですけれども、これは大臣とNHKと両方から御意見を伺いたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは前々からラジオ、テレビというものを選挙関係の活動に活用すべきであるという意見もあります。私もぜひそうすべきである。これは公職選挙法を変えて、そういう道を開くことによってわれわれ受け身の形でそれのできるような施設を整備する、こういうように考えておりますから、ぜひそういうふうにしたい。また、これをするためには、もう少し放送施設の配置を考えなければならぬ。したがって、選挙法を早くひとつ、いまのイギリスのように一定のルールをつくってきめてもらいたい、こういうことを私は自治省にも要望いたしておるのであります。そちらができれば、それに応じてNHK  にしても、郵政省にしても用意をいたしましょう、こういうことを申し上げております。早くしてもらいたい、こういうふうに考えます。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) テレビの普及の今後の趨勢から見まして、国民生活に最も重要な、非常に緊密な関係があります選挙法にこれが利用されますことは、当然な一つの帰趨ではないかと思います。特に、そういった選挙に制度的に利用いたします場合につきましては、ラジオについてはすでにそうでございますが、国の方面でこれを立法化されまして、これによって実費をいただいているというのが現状でございます。おそらくテレビについても同様な配意を国としては下されるように思います。また、制度的な法令的な問題ではございませんけれども、私どもといたしましては、テレビのそういう有益な方面に果たし得る役割りは、きわめて重要でありますことにかんがみまして、選挙等の関係につきましては、いわゆる政見放送とかなんとかいうような型にはまったものではございませんけれども、選挙時はテレビを大いにその方面に役立ち得るようにこれを運営してまいっております。そういうだけでなしに、おそらく政党単位の政見の発表のチャンス、かようなものは早晩、これは早目にテレビが利用されることになろうかと思います。私どもそれを非常に歓迎するところでございます。立候補個々の方々の政見発表のためにテレビが開放されますことは、これはやはりそういう効果を十分上げ、しかも公正にこれが効果をあげ得るようなカバレージの、ある段階のものが必要でございます。しかし、今日のテレビのNHKのカバレージから申しますと、私、そういう時期に近いのではないかというような気もいたします。そういう面につきましては、ただいまNHKは公共機関としてそういう面については無償でというようなお話がございました。私ども必ずしもこういうことについて金銭的なことをとやかく言うことではございませんけれども、国でそういうことを必要とせられ、立法せられて、制度化せられます場合には、やはりそこに一応実費計算というものはされるようでございます。私どもとしては、そういうものがなければこれがやれないとかいうようなことはもう申すつもりはございませんけれども、おそらくそういうような趨勢に漸次なってまいるであろうと思います。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 大臣からいま法制化してというお話があったのですが、私いま申し上げたのは、個々の候補者の政見の発表といいますか、それはいまラジオでやって、あるいはテレビで写真だけはやっているのですが、そのほうでなくして、そのほうも将来テレビで立ち会い演説会なんかもできるといいけれども、これは技術の問題、お金の問題があって、すぐやりにくいかもしれませんけれども、私が申し上げたのは、各政党の政策の発表といいますか、これはNHKいまおっしゃいましたように、いままでもなすってはいらっしゃいますけれども、それはNHKの自発的なといいましょうか、計画が、ある程度できているのですが、そしてそれはプログラムの中ですから、別にお金をおとりになっているわけじゃない、むしろ謝礼を出していらっしゃるのだろうと思うのですが、だからその程度で、私はそれをもっとはっきりと、これは法によらなくても、それは各政党とそれから政府——政府のほうといえばこの問題は自治省のほうになりましょうね、所管は。それとNHKとお話し合いの上で、協議をなすって、この間の衆議院の選挙みたいなことにならないで、あれは立ち会い演説会が、共産党を加えるからいやだとかなんとかいう話でつぶれたんだろうと思うのですけれども、そういう立ち会い演説会もあるけれども、各党派に時間をあげて、それを好きなようにその党が宣伝するといいますか、有権者に呼びかけるような方法がイギリスではとられているのですけれども、そういうことならば、私はまあすぐできる。参議院の選挙でもうすぐできるのじゃないかと思うのですが……。だから、いわゆる戸別訪問なんということで政党の政策の宣伝普及と、しかも運動員が、その家庭の場合からいうと、これは迷惑しごくだけで、そしてそんなところに政策なんかはやっぱり聞かないのだ。だからやっぱりラジオ、テレビを利用しておるのが一番ありがたいものですから、そちらのほうで積極的にそういうことをしていただくと一番いいと思って意見を伺ったわけです。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) おそらくそういう問題をスムーズに行ないますためには、やはりいろいろな現実的には割り切れないめんどうな問題がございます。NHKといたしましても、いろいろの国の制度的な確立に先立ちまして、そのような方面の放送はできるだけつとめて生かすようにはいたしておりますけれども、政党のやはり政策発表の機会というような意味合いにおいてそれをとり上げますと、政党の定義、これは選挙時において非常に数が多くなります。それをどう扱うかという基本的な問題があろうかと思います。そういう面はやはり法律上十分な定義が下されて、私どもが扱いやすいような状態になりますことを実は私どもは念願をいたしておるわけでございまして、そういう状態があれば、活発にそういうような面で御協力申し上げることは決してやぶさかではございません。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 私はこれで……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 午前の質問のうち、一つだけ伺いたいのですが、この前の委員会で、都心に最近出てまいりましたビル陰問題、いわゆる高層建築物によってテレビの映像が非常に悪くなるという問題がございまして、この前私は当委員会で質問いたしましたが、その後、きょうの新聞を見ますと、千代田区議会が満場一致意見書を採択しておる。それをちょっと見ますと、意見書の理由として言っているのは、「公害対策基本法の中で、電波障害にはふれず放任している。」この電波の問題については。「しかし大都市ではビルはじめ航空機などの通行による障害のため、文化的生活を営めない家庭がふえているので、すみやかに行政指導の基準を確立してほしい」という、こういう趣旨の意見書を採択をして、総理と東京都知事に出しておるわけです。これはただ東京だけでなくて、高層建築物がどんどん建ってまいりまして、日本の随所にこういう問題が出てきている。したがって前回、私、質問いたしましたところが、法制的に多少検討しなきゃならぬだろうという意見もありましたが、郵政省としては一体これに対して基本的にどういうふうに考えているか。電波監理局の関東のほうでは、当局も日照権の立法化について考えているというふうな、そういう意見も述べられているように聞いているのですけれども、これに対して政府は、法的な措置としてどういうふうなものを考えているのか。それからその法的な措置を講ずる前の段階で——現に見えないわけですからね、これは。見えないわけですから、その見えないところを見えるようにするのが、これはNHKの任務でしょう。ですから、確かにいままでは見えておったんだが、建物を建てられたために見えなくなったということですから、それはNHK側だけの責任でもないと思いますから、しかしそこへ建てる権利はあるわけですからね、土地の所有権者には。そこで、一体この問題をどうするかという問題で、具体的に、もう新宿の東口、西口では二百戸ぐらいの商店でも全然見えないという問題が出ておりますね。これが千代田区のほうに波及をしてきているわけですから、いまできる道は共同アンテナを立てて、それに補助を出して、見てもらうという方法がございますね。そういうような方法を協会としてはこれをすぐとってもらえるのですか。どうですかね、この辺をひとつ両方から伺いたいのですが。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) 法的措置につきましては建設省の所管でございますので、建設省のほうに法的措置について依頼と申しますか、要請と申しますか、そういうことをしているわけでございます。それからその法的措置ではございませんが、実際にどういう対策を講ずるかということにつきましては、NHKだとかあるいは建設省だとかあるいは住宅公団だとか、関係者が相寄りまして、雑音防止協議会を結成いたしまして、この協議会においてどういうふうな措置をしたらいいかということを検討しているような次第でございます。

小野吉郎日本放送協会副会長

○参考人(小野吉郎君) 都会におけるビルの高層化によりまして、電波障害を起こしつつありますことは事実でございまして、今後ますますこのような事例が多くなってまいろうかと思います。建築基準法上、これをとやかく制限いたしますことも、これも非常にむずかしい問題でございましょう。建築は一つの文化の象徴でございましょうし、特にいまの住宅事情その他の客観情勢から見まして、漸次建物を高層化することは、これは否定できないことでありまして、そういう情勢に対処いたしまして、NHKといたしましてはそういう高いものによって障害を受ける、それを克服いたしますために、高いところへ塔を建てて、できるだけのものを救済していこうというような措置をとっておりますが、今後の趨勢を考えますと、おそらくこれでは間に合わないだろうと思います。おそらく世界の主要な高層建築を持っておりまする都会におきましても非常なこれは悩みでありまして、むしろ非常に原始的ではございますけれども、有線方式といったようなものが都心においてはとられなきゃならぬじゃないかというような解決策さえ考究されつつあるような、あるいはむしろ考究よりもそういう必要が痛感されつつあるような趨勢に向かいつつあります。こういう情勢に対処いたしまして、現在の共同でアンテナを立て、それによって障害を克服するという以外に、あるいはそういった有線方式、それによっての、それも抜本的に解決策として検討を用意をいたしておく段階にもうすでにまいっておるのではないかと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 石川監理局長ね、建設省の所管でちょっとその点については法制的な措置をとるとしても、いま答えられないところですがね。八百九十メガサイクル以上の周波数の場合、電波法でこれは電波障害防止区域というものを指定して、そして地上三十一メートル以上の高層建築物を建てるときには郵政大臣に届け出なければならぬという法律を変えたのですよ。不備だったものですからね。高層建築物がどんどんふえてきたときにそういう措置をとったのですよ。そうして一年でしたかね、政令か何かでその間に話し合いをして電波が遠回りして逃げていけるような方法を考えるという法的措置をとっているわけです。ですから建設省のほうは高層建築物の建物の高さをどうするかという問題でしょうね。だから電波を守っていくのはあなたのところの責任でしょう。だからその電波が遮蔽される場合に、一体どういう法的措置をとるか。この八百九十メガサイクル以上の周波数の場合はそういう措置をとっているのでしょう。だからそういうものに準拠してやはりやらないと、知らぬうちにぱっと建てられてしまって、そのためにその付近の人たちが全くテレビが見えない、ラジオが聞こえない、カラーなんかは全然見えないという、そういうことで悩んでいるわけですから、もうちょっとあなたのほうでも検討する余地があるでしょう。建設省と相談する必要はもちろんあると思いますけれども、基準法上の問題としてはありますけれども、現にあすこに三十何階の建物だのああいう建物が建ってきているわけですから、三十一メートル以上といっても、これは四十メートルも五十メートルもどんどん伸びていくわけですから、そういう場合に、電波全体に対する防衛措置というものをつくっているわけですから、テレビの場合だってできるでしょう。

石川忠夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川忠夫君) 建設省所管と申し上げましたが、建設省のほうに申し入れまして、建設省におきましては日照権の問題だとかそういった問題と、それから所有権との関係の調整ということで研究しているように聞いております。郵政省といたしましては、これを解決するために具体的な問題としましては、先ほどNHKからお答え申し上げましたように、技術的にアンテナの位置をどういうように変えるか、あるいは共同アンテナを立てて解決するかというような解決策を指導をして、その具体的な措置をする場合に、負担をどうするかということで、NHKが間に入ってもらいまして、受信者、それから建築主、それからその両者折半、それぞれの負担の方法があるわけでございますが、最近四十一年度の実績によりますと、半数が受信者が負担し、三割が建築主が負担している。その残りの大部分が折半でやっているというような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣、これは少し事務当局の話を聞いておりますと、やや消極論なんですよ。現実にもう見えないのはわかっているのですから、それをてきぱきと処理をするということがやはり行政の妙味でしょうね。ですからもう少し大臣の指導力で、こういう問題はもう私は三月の十二日の日に質問したのです。法制的な措置をするならするで、どんどん進めてもらうとか、具体的に郵政省としてはこういうふうにして難視聴地域をカバーしてやるという、そういうやはり積極的な姿勢で電波の交通整理をしてもらわないと、NHKだって一生懸命やっているようだけれども、そういうものの指導というものは、私は少し欠けているように思いますから、その点はもう少し積極的に、前向きでこの問題に取っ組んでいただけませんか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) そういたしましょう。

田代富士男公明党

○田代富士男君 私は、いまいろいろ議論も尽くされたところでございますし、最後に国民の代表の声をばこの委員会で申し上げまして、いろいろ善処していただく点は善処方を要望したいと思うわけなんです。その点につきまして、きょうは時間等も制限があるそうでございすし、まあ私の質問時間等もきめられておりますから、いろいろ質問申したいと思っておりますが、その問題等もできない面もあるかと思いますから、その点よろしく最初にお願いしておきたいと思います。  まず最初に、いままでいろいろ受信料の負担の軽減の問題につきまして検討されてまいりましたと思いますが、これはここにもありますとおりに、NHKの受信料というものは公平を期さなくちゃならないという趣旨で進んでいらっしゃると思います。で、この四十三年度収支予算、事業計画の概要の中に、受信料体系が記されてございますが、これを見ますと、国民の受信料負担の軽減と公平を期するために、受信料の月額を普通契約三百十五円、これは従来の三百三十円を十五円値下げ、それからカラー契約が四百六十五円、普通契約より百五十円上げに改める、またラジオのみの受信契約は廃止するというふうな、あとにずっと説明がしてございます。この問題につきましては、もう時もかけて検討されたことでございますから、私は多くを申し上げませんが、まず最初に私がお聞きしたいことは、NHKの経営のあり方というものは、国民からの受信料によってまかなわれているということが本来のたてまえになっていると思います。国民全体を対象にしたものでございますので、いまNHKとの契約数はどの程度になっているか、あるいはいまから契約されるであろうという未契約数はどのくらいになっているか、最初にその概要を御説明願いたいと思います。

佐野弘吉日本放送協会理事

○参考人(佐野弘吉君) ただいまの受信体系は、御存じのように甲乙になっておりまして、乙はあす限りをもちまして、四月一日より消滅いたします。したがいまして、契約甲の現在数は、二月末をもちまして有料二千万という数字になっております。ちなみに、今後五年間の趨勢を見ますると、けさほど来から何回か出ましたように現在のこの数は、四十三年度予算におきましては九十一万の増高を目標にしておりますので、四十三年度の末には二千百万ということが、いわゆる白黒の契約の数字になりまして、もう一つ別に、おそらくはこの中から百四十万がカラーに転換する部分が出てくると思います。したがいまして、あれこれ相殺いたしますと、来年の三月末には白黒、今回の受信契約では普通契約になりますものが千九百六十万台になろうかと思います。五年後には、実はけさほど来出ておりますように、その数字は、現在の時点から四百万ふえて二千四百四十万ないし五十万ぐらいに相なろうかと考えます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま将来の概要の説明をしていただきましたが、いままでの結果論でありますが、それを見てみますと、大都市の契約率が非常に低いように思われるわけなんです。ここにNHKから出されました都道府県別の契約数がございますが、これで見てみましても、甲乙の契約合計数、東京都の場合あるいは大阪府の場合、大都市とそれから農業県、そのように称される中小県の関係を調べてみますと、そういう中小県の農業県、そういう県が非常に多い、大都市が非常にこのような契約数が少ないというのが、だれが見ても一目りょう然とここに出ているわけなんです。これはいかなる現象であるか。しかし、御承知のとおりに、放送法の三十二条によりますと、テレビを持っている世帯というものは、NHKと受信契約をしなくちゃならない。そういうたてまえになっておりますが、すべての経済成長を考えてみましても、人口とすべてのものは正比例していくのが自然の流れになっておりますが、これは逆の現象を示している。グラフに書いたら一目りょう然にわかりますが、こういうことに対しまして、どのようなお考えをお持ちであるか、お示し願いたいと思います。

佐野弘吉日本放送協会理事

○参考人(佐野弘吉君) お説のとおり今日NHK契約甲の契約普及率は八三・五%、全国的平均でございます。この中で、御指摘のように東京都等におきましては七〇%強というような数字で、いわゆる大都市圏におきます普及率の低下が憂えられておりますのは、ただいまの御意見のとおりでございます。しかし、同時にお触れになりましたように、高知県で今日七〇%がちょっと切れる六九・数%かと思いますが、鹿児島県でも同様に七一%強というくらいの数字になっておりまして、大都市圏と、ある意味で、そう申し上げることは少し差しさわりがあるかと思いますが、後進的な多少経済的要件を持っております地方におきましては、そのような低普及率になっておるということでございます。大都市におきますこの普及率の低下は、私ども営業を担当いたします者にとって非常に今日大きく悩ませられておる問題でございますが、ただ、一つには、この昭和四十年の国勢調査をもとといたしまして、単身世帯等がことごとくその分母になっておりますので、それに掛けました場合に、勢い大都市圏におきましては契約率が非常に低いと、たとえば全国の平均を見ますと、単身世帯というものは地方の府県では大体一〇%くらいでございますが、東京都等におきましては二一%強になっておる。この単身世帯は、同時にテレビの普及の率が三〇%どまりになっております。かような一つの都市構造といいますか、生活環境からまいります状況が、協会と聴視者との契約の低下という現象としてその数字を見せておりますが、かような事情が伏在しているということを御理解願いたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまの御説明では、東京の世帯というものは四十年の国勢調査によってやったと、特殊事情として大都市は単身世帯が多い。東京は約二〇%である。普通は約一〇%くらいで、その単身世帯の普及率というものは三〇%に満たないと、そういう御説明でございますが、このNHKの受信の契約の単位というものはどのようになされているのか、単身世帯であろうと普通世帯であろうと。その点をもうちょっと詳しくお願いします。

佐野弘吉日本放送協会理事

○参考人(佐野弘吉君) 受信契約によりまして、御承知のようにラジオ並びにテレビジョンともども受信機の設置場所ということが原則になっておりますが、同時に、普通の世帯におきましては、その世帯構成員が利用しますラジオなりテレビなりのセットは、それぞれの住居の中には何台ありましても一契約というとらえ方をいたしております。また同時に、いまの御質問に関連して申し上げますれば、大きな商店等で、その同じ棟の中に従業員等がお住まいになりますれば、勢いその同一世帯の中の一契約という中に吸収されておりますが、これが別棟等に独立して住居を持っておるという際には、また個別的に契約をいただくという場合も当然でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまのお話では、たとえば住み込み店員が同じ家におきましてテレビを持っていた場合には、それは同一契約とみなしていくとおっしゃいますが、大都市の場合は、部屋の数からいきましても、大きいビルでしたらばたくさんの部屋数がありますし、ホテル等におきましては、これは同一建物というわけにはいかないと思うのです。やはりホテルは一つの独立した立場として考えていかなければならないのですけれども、こういう大都市であれば、多いにもかかわらず、単身者が多いということでございますけれども、この点はもっと検討する余地があるのじゃないかと思うのですが、ただ単に、単身者が多いからというだけでなくして、もっとそういう三十二条の精神からいうならば、NHKの立場としてこれは検討する余地が残されると思うのですが、この点、会長さんとしていかがでございますか。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) まことにお説のとおりでありまして、ここ数年来の推移を見ますと、従来は、簡単に言って、東京が全国の契約数の約半分、残りの契約数の約半分が大阪であり、そのまた残りの約半分が名古屋地区であるという現象がずいぶん長い間続きましたが、ここ数年来の都市構成は急激な変化をいたしまして、原則としては私どもは変えておりませんけれども、世帯数において急激にふえてきた。その点については、ただいま佐野理事から御説明申し上げましたが、今度は、ここ一、二年の傾向は、逆に職場が都内にあっても、住居はまた別の地点に移るという状況が出てきております。これに対しまして、私どもとしては、放送法第三十二条の原則を守るために、営業体制をより実地に適するものにするという考え方で、東京都内等においても、特に東京営業局というのを例にいたしますと設けまして、その営業局のもとに数カ所の支局と申しますか、営業所を設け、緻密に把握していくという努力を最近始めてきているわけでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま東京都を中心としてのお話がございまして、三十二条の精神に基づいて鋭意努力していらっしゃるというお話でございますが、四十二年三月三十一日現在の財産目録の中に、四十一年度の未収の受信料の欠損分の金額がここに——そちらにも資料があると思いますが、約五億近くの相当金額がここにあげられているわけなんですが、これだけの大きな金額が、いま鋭意努力をなされて掌握をした上において、これだけのものが実際計上されているわけなんです。これに対してどのようなお考えであるか、お聞かせ願いたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 御指摘のとおりでありまして、明年度単年度の予算の中でのその総額は約五億ということになっております。しかし私どもは、まず第一に、この五億の捕捉を明年度限りで放棄するという考え方は持っておりません。これは累年それを一種の追跡調査と申しますか、それを行ないまして、できるだけこれを回収するという努力を続けてまいっております。これまでの経過から明年度のその五億を御説明申し上げますと、従来はかなり、八億ぐらいにも達したことがございます。これに対して、累年努力を継続いたしまして、今年度、それからまた、御審議いただいている明年度予算においては、この額がかなり低くなってきているというのが実情でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 過去には八億ぐらいの金額に達したこともあると、で、この金額は現時点でとどめることなく追跡調査等、まあことばの、語弊はあるかもわからないけれども、そのようにしてやっていきたいということでございますが、実は、いまここにもいらっしゃいます前郵政大臣でありました新谷先生が奈良出身でありますし、私は、奈良県、和歌山県の実際こういうNHKの集金にかかわっていらっしゃる人々の声を聞いてみまして、これは、徴収することについて、あなたたち何か意見ありませんですかと、ちょうど新谷先生が大臣のときだったものですから、ちょうど大臣のこのひざ元で、NHKのこういう郵政問題に対する声を聞いて、その時点で大臣に私もいろいろお聞きしょうと思っていたのですが、まあ逓信委員会でなかったものですからそのままにしておりましたが、その後もまた、私はつい最近会いまして、大都市よりもそういう奈良県、和歌山県の人の声を聞いてみましたが、現在こういう集金、そういう面に従事している人々は、従業員は、職員と同様の仕事をしている人々の中で委託形式あるいは嘱託の名義の人が非常に多い。そして一様に嘆いていることは、待遇が非常に悪いです、もっとわれわれにも張り合いのあるような、将来に希望のあるような、そういうことを与えていただけないでしょうか——。で、その人の言っていた意見ですが、その人は、上部のことはあまり詳しいことはわかりませんが、上部のほうでは、詳しくわからないからそういう末端の人は無にしてよろしいというわけにはまいりません。やはり中心者であり指導的監督的立場にある人は、そういう最末端の声こそをば大地に耳をつけて聞きながら、それを行政指導の上に、あるいは監督していく上において生かしていかなければならぬ。その声というものが大きいのじゃないかと思うのです。ところが往々にして、そのような最末端の声というものは、もうここにいらっしゃる前田会長あるいは小林大臣等には届かないと思うのです。だから私は、そういう人々の声もあわして言いますが、一様に言っていたのは、物品費であるとか、あるいは接待費等を節約するならば、もっとわれわれの待遇も改善できないのでしょうかと、これは切なる声です。もっとそうすれば私たちとしても張り合いがありますよ、と言うのです。特に三月に私会いましたら、いろいろなことを言っておりました。時間がありませんからここで省略しますけれども、まあここで言えば、そんなこともあったかなと言われるように、御承知のとおりに三月は予算の切りかえのときですから、それはもう私がここで説明するまでもなく、あらゆる会合が持たれて、そういう最末端で戦っている人々が、いろいろなこういう意見を言っていたわけなんです。そういうわけで、こういう人々の身分保障をある程度してあげて、希望を与え、張り合いのあるようにさしていく方法はなかろうか。あるいは、現在でもう精一ぱいであるか。あるいは、もう一歩でも前向きの姿勢を与えることができるか。その点について、ひとつ会長から御意見を伺いたいと思うのです。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 全く私は同感の気持ちで実は伺っていたわけでございます。私ども不敏でありますが、また物理的に私自身が各地を回るということについてはかなりの制限がございますが、私としては、できるだけそういう現場の声を聞きたいという考え方で今日に至っております。したがいまして、営業の会議等には私はできるだけ出席するというたてまえをとっておりますが、ただいまのお話の根本問題としては、NHKといたしましては、何種類かの委託制度をとっております。その委託制度の種類に応じてその適格者に委託するわけでありまして、これは本人との関係においては契約でございます。これらの場合、たとえば郵政委託の場合は郵政委託の方式、あるいは何種類かの委託の方式——というのは実情に合わせた方式でございますが、これらは主として手数料あるいはそれらを基礎とするものでありますから、もとより固定給というものの考え方はない部分もございます。しかしながら、たとえば社会保険であるとか、これらについては、一応私どもの考え方を、皆さんの考え方を聞きながらできるものは実行するというたてまえでおりますが、同時に私どもは、現在まだ結論には至っておりませんが、そういう声を背後に聞きながら、私どもとしてあるべき新しい制度の姿を検討中でございます。もちろろん個々の方々の希望の一〇〇%に応じ得るとは考えておりませんが、私どもの考え方としては、お説のとおりの方法で進みたい、このように思っております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま会長から新しいあるべき制度を検討中である、まあ全部の要望にこたえるわけにいくかどうかわからないとおっしゃいますけれども、時間があれば具体的な問題とはどういうことですか、ということも具体的に質問をしたいと思いますが、きょうは時間がありませんから省略をしますけれども、いま営業部門の部会には出席して声を聞いているとおっしゃいますけれども、一つの声でございます。もう一つの声は、今回、申しましたとおりに、受信料体系によりましてカラーテレビが百五十円値上がりをいたします。それにつきまして、まあ当委員会におきましてもいろいろの議論があったと思います。私は、NHK内で言われているこの百五十円値上げによって起こってくるであろう危惧される問題を技術者の代表から聞きました。NHKはある程度はそういう技術面においても善処していらっしゃいます。新幹線の周囲に対するテレビ等の受信機の技術改良等もやってらっしゃいますが、この技術者の一番の悩みというものはどうであったかといえば、ただいま鈴木委員からも、大都市周辺のビルが建ったために、テレビが見にくいという問題点に対しての意見が出されました。この苦情というものは、もう私が言わなくても会長はじめ大臣は御承知だと思いますが、そのいままで白黒テレビでもこれだけの苦情があった。さあ今度カラーテレビになって百五十円値上げした。値上げしたからそのテレビの画面というものは改善できるかといえば、さほどの違いがない。そうすれば値上げをしてもまだまだ依然として変わりがないとなった場合に、いままで以上に技術部門に対する批判の声というものは、百五十円上がった以上に多くなってきます。この問題を、私たちは技術者の立場として部内にも強く言っておりますけれども、これに耳を傾けてもらうわけにもいきませんと。内部干渉だと言われるかもわかりませんが、やはりわれわれは国民の代表として議会にも来ております。NHKの問題を取り扱う場合には、やはり営業部会にも会長は出席するとおっしゃるのですから、百五十円値上げすることによって、はたしてそれだけのものが解決できるか。この点の技術者の切なる声に対しましては、その人に対してNHKの態度は、こうこうこういう理由でこうだという、その疑問を持った人に対して——私ではありませんが、その人に対して、この場所を通じまして安心をさせ、このようにやっていくというひとつ会長の所信をお聞きしたいと思うのです。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 私、率直に申しまして、そういう悩みがあるならば私にも知らせてもらいたいという気がして伺っておりましたが、本人に直接……。ただそうういことは別として、ただいま御審議いただいております明年度予算の中の研究費の中で、このカラーテレビジョンの受像面あるいは送信面でのより高度の安定のための開発、研究という項目を一項目入れてございます。研究費は総額十五億円に達しておりますが、そのうちの一部が、ただいま御質問の問題と関係する部分でございます。もちろんこれはメーカー等の協力も得なければならない問題でありまして、送信技術だけでは解決できない問題がございます。それらにつきましては、私どもはすでに東京、大阪の主たるメーカーの最高責任者と会いまして、それの面についての御協力もお願い申し上げております。まことに私は、理論としては当然そういう方向を考えるべきだし、そういう意味では、私どもとしては、一応明年度予算の中でその方針を打ち出しているということを御理解いただきたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 時間がありませんから——私にそういう声があったら聞かしてもらいたいとおっしゃいましたが、当委員会の最初に、私がきょうはそういう声をばこの委員会に反映させますから、こういうことを前もって言っておりますし、日ごろそういう声もお聞きにならないと思いますから、代表で私が言っておるわけなんです。  それともう一つは、現在白黒のテレビの受信者の所在もはっきり掌握することは困難である、これが偽らざるNHKの第一線で働いていらっしゃる皆さんの率直な意見でございます。それに今度カラーテレビの所有者を確認しなくちゃならない。白黒でも未払い者があり、不満が多い、そういう映りが悪いという。それにあなたのうちはカラーテレビですかどうですかと、一々行くだけでもたいへんだと、これはもう私たちとしての最高の悩みですよと、この問題に対しまして、もういとも簡単に、このようにやっていけという、具体的なそういう人々に対する行政指導をどのようにおやりになったのか、あるいは具体的にやった結果がこのようにあらわれてきましたという、そういう証拠あるいは効果という点があったならば、具体的に教えていただきたい。

佐野弘吉日本放送協会理事

○参考人(佐野弘吉君) 先ほど来協会と聴視者の間の契約関係についていろいろ御示唆をいただいておりますが、契約関係が非常に能率が低くて、そうして未契約の状態で放置されているというものが、いまおっしゃられてお聞きした感じほど大きくはないつもりでございます。先ほど会長もお答えいたしましたように、東京都内が七二%ぐらいに普及率が低いと、それと条件反射のように、たとえば千葉県におきまして八九・七%、埼玉県において九六・一%というふうに、この二人以上の世帯が都心から近郊に行くと、要するにドーナッツ型のような形で一つの都市構成が変化していくというようなことが、直ちにこういう普及契約の数字にあらわれてきております。したがいまして、私どもとしては非常に努力をし、契約困難なところは——たとえは都内等では流動的でありますし、不在がちでもありますから、徴収上の困難には逢着いたしておりますが、契約的にはかなりの努力を払いまして、ただいま明示したような数値が、この近県に非常に高い契約率としてあらわれてきている、こういうお答えができるかと思います。ただ全体的には、先ほども触れましたように、三月三十一日をもちまして、大体二千万強という普通白黒契約がなっておりまして、それをさらにこれから一年間九十一万、これをふやしながら、あわせて百四十万のカラーを二千万世帯の中から発見開発していくということは、たいへんな努力であることは事実でございます。したがいまして、昨年の秋、暮れ、ただいままでかけまして、この半年間、この御審議でNHKの新しい受信料金がお認め願えるという前提で、部内のこれに対する諸般の準備は進めてまいりまして、非常に異例なことでございますが、これまでないわけでございますが、全国各中央局の営業部長会議を、単なる会議でなしに、これがために三日間特別の研修を施す、あるいは日常会議としては認められておりません係長クラスまでも、ごく最近におきまして全国から呼び集めて、そうしてこれに対する対策を練っておるというような形で、たとえばカラー契約の困難も想定はされますが、山以来四十三年の営業あるいは加入業務の経験を通じて、これを達成し得るという確信を持ち、単に確信でなしに、日常的な業務の積み上げもすでにほぼ終わっております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 時間がありませんから、まだ具体的な問題点はいろいろございますが、これは省略しまして、そのかわりに、会長並びに理事である担当の佐野さんにも、この問題について、より以上声を聞いていくこともお忘れなく実施していただきたいことをお願いしたいと思います。  それから受信料の徴収困難という問題の中には、いまの高層ビルの問題もございましたが、飛行場の基地周辺のジェット機の影響によりまして映りが悪いという問題から、いま大きな社会問題として、テレビでも、ラジオでも、あるいは新聞でも取り上げられております。この問題は、いま始まった問題ではございませんが、この受信料減免措置については、過去からたびたび当委員会あるいは運輸委員会におきまして、関係の委員会で、公害関係においても取り上げられてきておりますが、この問題に対して、第五十五特別国会の席上、大橋運輸大臣が、テレビ受信者の受信料減免措置については努力するということを約束なさっていらっしゃるわけなんです、はっきりと。これはその時点で起きた問題ではございません。ずっとあらゆる経過をたどってきて、もうここらあたりでひとつこれは何とかしなくてはならないという結果論の上から出た御発言じゃなかったかと思うわけなんです。これにつきまして、今日までどのように——まあ大橋運輸大臣は、運輸省の所管でございますが、ただ単に運輸省だけの問題ではございません。やはり全部のかかわり合いがありますが、まあ所管の運輸省としてこの問題に対してどのように努力されておいでになったか、まず運輸省の、大臣はきょうお見えになっておりませんが、運輸省代表としてお聞きしたいと思います。

梶原清運輸省航空局飛行場部管理課長

○説明員(梶原清君) 民間空港の周辺におきまして、ジェット機の運航に伴う騒音の影響を受けましてテレビが聞こえない、また見えない、映像がちらつくというような苦情が非常に大きくなっておるわけでございます。一昨年、昭和四十一年の十二月十五日に、航空審議会から、航空機騒音対策につきましての答申をいただきましたが、その際にも、ラジオ、テレビの受信障害につきましても、その障害対策を十分に講ずること、ということにつきましての指摘を受けておるわけでございます。先ほど御指摘のありましたように、五十五特別国会におきましても、大臣から善処方をお約束を申し上げておるわけでございまして、私どもとしましては、それ以来、政府部内におきまして鋭意努力を続けてきておるところでございます。ところが、この問題は非常に大きな困難があるわけでございます。問題点があるわけでございまして、公害問題全般につきましての考え方、単に航空機騒音対策だけでなくて、都市騒音その他の公害問題一般に対する考え方というものを整理しなければいけない。また、民間空港につきましては、防衛庁の飛行場と違いまして、航空会社が関係してくる、こういうような関係がございまして、慎重に検討を要する問題でございまます。私どもといたしましては、内部でいろいろ議論をしておるところでございますが、いろいろの減免措置と申しますか、救済措置というのが考えられると思うのでございまして、まず第一番に従来防衛庁や米軍の基地においてとられてきておりますような放送法第三十二条の第二項の規定に基づく減免措置をやっていただく、これがまず一つの方法として考えられると思います。  第二としまして、減免措置をしていただいたあと、飛行場の設置管理者がNHKさんに対して補てんをするという一つの方法があります。  それから第三番には、何か法律的な制度を一つつくりまして、損失補償を考えていく、これが一つの方法でございます。  それから、実質的に減免効果をあげるために、一たんNHKさんに対して料金を納入をしてもらったものに対して、割り戻しをするという一つの方法も考えられると思います。  私どもとしましては、政府部内でもいろいろ議論もし、お願いもし、NHKさんにもいろいろと協議をいたしておるところでございますが、最近の、案といたしましては、当分の間、割り戻しの方法でこれの活路を見出していってはどうだろうか、こういうことで考ええまして、この防衛庁における減免措置と同じような程度の減免措置をやることにいたしまして、その財源といたしましては、NHKさんに御協力をちょうだいすると同時に、航空会社あるいは地元の団体からもお金を出してもらう、こういうことで折衝を続けてまいりましたが、残念ながら地元の団体からの御協力が得られない、こういうことで、もう一度考え直さなければいけない、かような状況になっておるわけでございます。しかしながら、周辺受信者の迷惑ということを考えますと、防衛庁あるいは米軍の飛行場の基地の周辺と全く同様の措置をやらなければいけないわけでございまして、今後政府部内あるいは政府関係機関内部におきまして、慎重に早急にこの対策が実施できますように努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまも委員長から時間が来ているということでございますから、きょうは、この問題を私はほんとうは主題にしたがったわけです。ここに私持参しましたのは、この一部でございます。ごらんになっていただきましたならば、ここにこれだけございますが、これは大阪府の池田市それから豊中市関係です。この関係者のこれは署名です。これはまだ一部分です。これまだいまとじるところをはずしてまいりましたけれども、これはほんの一部分です。全部これ以外に向こうから近々に送ってくる予定になっておりますが、これだけの大ぜいの人々の今回のテレビ料金の問題に対する声がございます。NHKの前田会長も、そういう末端の人々の声があるならば聞かしてもらいたいと、そういう謙虚な姿勢を示していただきましたが、これだけの多くの人が、まだあと二、三日しますならば、おそらくこれの三倍、もっと四倍でしょう、これだけの人を集めるというのは並みたいていのことじゃございません。集まってしまえばこれだけの一重ねの束でございますが、これには真剣なる大阪府民の、特に池田市、豊中市の人々の切なる願いが、国政に反映してもらいたいという、反映させてもらいたいという声の結晶です。これは私は無にするわけにはいかぬと思うのです。  そこで、いま運輸省を代表いたしまして、第五十五特別国会における運輸大臣の決意から、いままでこのようにやってまいりましたといって、まあ時間の関係上省略されて、四つの立場について、いま運輸省の立場から説明していただきました。運輸省の立場はわかりましたが、これに対しまして、NHKの立場としてどのようにお考えであるか、あるいは郵政省の立場として、郵政大臣として、ここに持ってまいりましたこれだけの人々です。池田市、豊中市のこれだけの人々が、郵政大臣に対して何とかしてと言っております。こういう人々に対して、姿は見えませんけれども、ここにあるこれだけの人々に対しまして、郵政大臣は、どのようにこういう人々を納得さし、あるいは希望を与えていただくか、所信を伺いたいと思います。特に、普通の大臣と違いまして、小林郵政大臣ば、大臣の中でもベテランです。ほかの大臣の方とは、実力の点においても相当違いますし、そういう点もあわせた上であらゆる方面に通達していらっしゃいますから、ひとつそういう点も、前は厚生大臣もおやりになって、こういう人間性という問題については、特に深い御理解のある方でありますから、先に、NHK、そして厚生大臣の——元厚生大臣の郵政大臣のお答えをお願いしたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 御趣旨は私も深く理解できます。ただ、NHKの立場を中心として考えますと、御指摘の三十二条においても、減免することが本質ではございません。取れということが最後にも書いてございます。これらの問題につきましては、従来免許基準というものを設定いたしまして、郵政大臣の認可を経て減免する。現在十四項目ございますが、その十三項目は、すべて社会政策的なものでございます、国民の福祉……。したがって、生活困窮者あるいは身体障害者あるいは長期の病気の方々あるいは辺地の教育との関連、それらを中心として行なってきたものが十三項目でございます。ただし、数年前に十四項目、第十四番目として、いわゆる日本国民全体の責任であると思われる問題、すなわち、安保協定と、これに基づく行政協定に基づいた結果に対しては、NHKはみずから進んで減免するという体制をとって今日に至っているわけでございます。ただいま御指摘の点は、すべてこれらの観点と異なるものでございます。ただいま伊丹地区のその膨大な書類を拝見したわけでありますが、われわれにもきております。しかし、今後十年を考えるときに、すべての商業空港がジェット機を中心として運営されるということを考えれば、これらの数字はびょうたるものにすぎないと私は考えております。今後、何百万世帯あるいはもっとそれを上回ることが今後十年間には実現されるのではないか。しからば、この点について、三十二条の免除基準だけをお責めになることはいかがかというのが私の率直な考え方であります。こういう意味を土台とし、しかし、実情を勘案しながら、ただいま運輸当局からお話がありましたような考えについては、積極的に御協力を申し上げているわけでありまして、率直に言いますと、その飛行場を利用するものは、ほとんどが商業航空会社でございます。この商業航空会社にはたして責任なきかどうか。われわれは協力するにやぶさかではないけれども、商業行為に対してもわれわれが国家的責任を代行しなければならないかどうか、これが放送法の根本的理論の問題でありまして、そういう意味では運輸当局と密接に連絡をとりながら、応分の御協力を申し上げるが、その形が大事であるということは、私たちが申し上げている点でございます。この点については、郵政大臣はきわめて率直簡明でありますから、何とかならぬかと私にもおっしゃっております。しかし、私としては、一応事の性質というような点から、NHKの本質という点から考えながら、なるべく大臣の御意向にも近づきたいが、その方法は、まず運輸当局とお話し合いを申し上げているというのが実情でございます。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) これは、もう長い問題ではなはだ申しわけないことでございます。運輸省が何かなかなかめんどうなことに初めから頭を突っ込んでしまった、それで片づかない。私は最近、衆議院の逓信委員会でもさような質問があったから、まず基地周辺と同じようにNHKが半分減額をひとつしなさい、その補てんをひとつ運輸省が適当な方法でやったら、そうしたら早く問題は片づく。うしろのほうから問題をやっていてもいつまでたっても片づかない。まだいまのところたいした金じゃありませんから、NHKがまずひとつこういう措置をとって、その補てんを、いま運輸省がせっかく心配されているから、あとから、多少半年や一年おくれてもいいからやる、こういうふうにすれば早く問題が片づく。それをうしろからやっているからなかなか片づかない。要は、この減免をどうするかということだから、まずそれをやって、それを埋めるようにひとつ運輸省がおやりになったらいいと思うけれども、自分のほうが片づかないからいつまでも片づかない。初めからめんどうなところに持っていってしまった、こういうふうに考えます。私は、したがって、NHK当局には、まずあとの責任は運輸当局に持ってもらって、NHKがまず他の基地周辺と同じような方法をとってもらえばいいという話をして、それが一番の解決策だ、これしかないと考えております。運輸省にまかせておれば、いつまでたったって問題は片づかない、こういうふうに思っております。したがって、さような趣旨で私はNHKにはお話を申し上げているわけであります。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまのはさすが実力大臣でありますが、小林大臣の声をこの約四万人——これだけで四万人です。まだあと続々くると思いますが、その人にも、いま犯人はだれであるか聞いた人が、運輸省はけしからぬと、全部の大臣が小林大臣のようであったならば全部解決できるだろうと思うかわかりませんが、これは大きな問題で、いま大臣が申されたとおりに、基地周辺と同じようにと申されましたが、これは三十九年四月に措置が講じられたと思うんです。十六カ所減免措置が講じられたと思うんですが、これは国防的見地からということでございますが、この三十九年四月のこれは、私は根本的には公害の補償の問題が基盤になっていたんじゃないかと思うんです。そうしますと、いま小林大臣おっしゃるように、基地周辺と同じように、そういうふうに減免措置をするのにNHKがまず半分出せ、そうしてもう運輸省は別の方法に持っていってしまったからというお話でございますけれどもね。十六カ所と同じようにやれとおっしゃるならば、その問題点は私は要するに——それをNHKの前田会長は、安保協定や、行政協定に基づいたものは即座に実行すると、かようにいまもお話しなすっていらっしゃるわけですけれども、そういうところはそれとして、ここでそういうことをやっていたら一時間でも、二時間あっても始まりませんから。問題はテレビの画面が映るか映らないかという問題ですから、そこに焦点をしぼるならば、ジェット機がどれだけ飛んでいるかというのを一応見る必要があるわけなんです。それで私が調べてみたところが、十六カ所全部というわけにはいきませんが、ここには十六カ所の平均の資料がありますが、時間があれば一カ所、一カ所取り上げる予定でございますが、委員長から、時間がないということですから、代表的なものを取り上げますと、厚木が、四十二年十月から十二月までの九十二日間で三千七百六十回発着、一日推定四十一回です。木更津が千九百二十七回、一日推定二十一回。岩国六千百九十四回、一日推定六十七回。横田が七千八百十七回、一日推定八十五回。立川が三千三百四十八回、一日推定三十六回。三沢が三千七百五十五回、一日推定四十一回。板付が千九百三十二回、一日推定二十一回です。これはこのような資料を私調べた中で出てきております。  そこで、この伊丹の空港がどのくらいの、いま言いました基地周辺の関係と伊丹の関係はどういうふうになっているかといいますと、伊丹が民間機が現在百五十機発着しております。定期便が百二十九機、だから百二十九かける二とすれば約二百六、七十回、不定期便が二十一機であります。その中で、ジェット機は定期便で五十四機です。そうしますと発着回数は一日に百回以上です、そうしますと、ここに出てまいりました基地周辺の発着回数よりも伊丹空港のジェット機の発着回数のほうがはなはだ大きいんです。これは羽田の資料も持ってこようと思いましたが、まあここで出せば混乱しますから、伊丹の問題を取り上げておりますから伊丹だけに焦点をしぼりますが、激しい時間は——いまの数字は三月十五日一日の例をとりました。そうしますと、午前九時から十時まで、この間は二分四十秒の発着状況です。それから午後四時から五時までの間は二分五十秒、この間に発着状況がなされているわけなんです。そうしますと、基地という名前のもとに、発着回数は少ないけれども減免されて、二分の一——五〇%になっていたと思うんです。ところがこれだけの、四万人の——もっとまいりますけれども、これだけの声もあります。ところが、ただ基地でないということで——三十二条をたてまえにとってもらっては困るということもございましたが、いま小林大臣の強い要望もありますし、そういう点からこういう人々に対しまして、いま申し上げたことも含んで、時間がありませんから、もう一度運輸当局の見解とNHKの御見解を聞かしていただきたいと思うわけなんです。

梶原清運輸省航空局飛行場部管理課長

○説明員(梶原清君) 運輸省といたしましては、郵政省、大蔵省その他関係機関並びにNHKさんとよく御相談をさしていただきまして、早急にテレビの受信障害対策が実施できるような最善の努力をしたい、かように考えておるわけでございます。

前田義徳日本放送協会会長

○参考人(前田義徳君) 私どもも、先ほど申し上げましたように、この問題を逃げるという気持ちはございません。ただ、たてまえは貫きたい。海外諸国でも同じような形をとっておりますので、ただいま運輸当局からお話がありましたように、非常に密接に連絡しておりますので、なるべく早く運輸省の方々とお話し合いをしながら、この問題を解決してまいりたい、このように考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 これで終わります。この問題は、運輸省なら運輸省、あるいは郵政省なら郵政省と、一省で解決できる問題じゃありません。やはり横の連絡といいますか、協調というものがなくてはならないのじゃないかと思うわけなんです。そういう面では、やはり中心となるのがNHKあるいは運輸省、郵政省でございますが、これを何としてでも、これだけ四万人の人の声に対しても、要望にこたえてもらいたいと思いますし、最後にそういうものを全部含めまして、小林大臣の将来の見通し並びに決意をお聞かせ願いたいと思うわけなんです。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) 先ほど申し上げましたように、運輸省のいまのくふうでは容易にこれは片づきませんので、私はやはり、いま申し上げたように、郵政省としてはNHKとよく御相談して、その補てんをぜひしてもらう、こういう方法で片づける以外に、早期を期待することはできない、かように私ば考えておりますので、そういう努力をいたします。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 速記を起こしてください。  他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

西村尚治自由民主党

○西村尚治君 ただいま議題となっております放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対して、私は自由民主党を代表して、これを承認することに賛意を表するものであります。  日本放送協会より提出せられた昭和四十三年度収支予算、事業計画及び資金計画を見ますと、第二次六カ年計画の成果を基礎として事業経営の長期的構想のもとに、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及をできるだけ早期に達成しようとする意図がうかがわれるのでありまして、意見書にもあるように、全体としておおむね妥当なものと認められます。  新年度予算の特色としましては、ラジオ聴取料の全面的な廃止のほかに、テレビジョン聴視料の徴収方法を改めて、普通契約とカラー契約の二本立てとしたことでありますが、このことは国民の受信料負担の軽減と公平を期するという見地から適当なものと考えます。ただ、実際問題としてこれが適正な徴収にはかなり困難が伴うのではないかと思われるのであります。今回配付せられた資料によりますと、四十二年三月末現在においても受信料未収金が八億八千万円にのぼっている実情でありますので、新受信料制度の実施にあたっては、聴視者の支持と理解を得るようにつとめるとともに、これが収納につき、できるだけくふうをめぐらして十分な成果をあげるよう一そうの御努力を期待いたします。  なお、今後カラー受像機の普及その他によって計画を上回る増収がある場合は、何らかの形において聴視者に還元する方途を講じていただきたいものと思います。  また、ここ三日間の審議において各委員からいろいろ有益な意見や要望が述べられたわけでありますが、これらを十分参考にせられながら、公共放送としての使命達成に遺憾なきを期せられるよう希望いたしまして私の討論を終わります。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 私は日本社会党を代表いたしまして、次の附帯決議案を付しまして賛成をいたします。  その案文を朗読いたします。   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承   認を求めるの件に対する附帯決議(案)  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施につとむべきである。  一、本件収支予算、事業計画等については、国   会における審議が十分につくせるよう早期に   国会に提出すること。  一、難視聴地域の解消並びに受信障害防止対策   を積極的に推進すること。  一、協会は、カラーテレビジョンの番組及び放   送時間は国民生活向上の度合に即応せしめる   ようにするとともに、経営の合理化、能率の   向上をはかり、将来の受信料の減額について   も検討すること。  一、放送法の精神にのっとり、表現の自由と放   送の不偏不党の方針を堅持すること。   右決議する。  理由を申し述べさしていただきます。  今度のNHKの予算は料金の改定でございますから、例年でしたら公聴会を開く、あるいは参考人の意見を聞くとか、あるいは経営委員の方に来てもらって経営のあり方等を質問して慎重審議するのがほんとうでございます。しかしながら、料金の改定という問題がございますので、NHKの御努力を考えますならば、なるべくやはり年度中にあげなければならないという意向が各党にあるようでございます。そういう面で、私たちはずいぶん審議に協力はしてまいりましたが、私もまだ質問すべき事項もございますので、二、三いままで問題になりました点、私の意見や希望を理由として申し述べさしていただきたいと思います。  私たちの今度のこの法案に対する賛成というものは積極的賛成ではございません。NHKとか、あるいは自民党さんの考えておられる考え方と若干違うのです。私たちはカラーテレビの料金に付加料をつけることは反対する。ただし、いままでの白黒テレビを十五円減額されるから、これと引きかえに賛成するという消極的の意見なんです。自民党さんのことを申し上げてたいへん失礼だと思いますが、日本の三大新聞の一つの三月二日の読売に、だいぶん自民党の政調会をたたいておられる記事がございます。内容は私はほんとうかうそか知りませんが、大臣の出したいわゆる参考意見を自民党のいわゆる通信部会が差し戻しをやった。全面的にNHKの言いなりになれということだということが書いてあります。これはけしからぬじゃないか、国民の側に立っていない、いわゆる電波族じゃないかとまでこきおろしてあるのです。いわゆるこの委員会がNHKのひもつきであるとまで極論されている。そうまで言われて、われわれはなぜカラーテレビの付加料に賛成をしなければならないか。私は昨年もこのカラーテレビの料金——カラーテレビを実施するのにどうして白黒テレビの料金からこれを負担しなければならないかという質問を再三繰り返しております。NHKのおっしゃるには、番組とか放送に対する—四十一年度は八億一千万円しかかかっていない、四十二年度は設備費が十八億、番組とか放送、そういうものに十三億しかかかっていないのだ。だから、別にカラーに対する付加料をつける必要はないのだという考えがこの委員会でも表明されていました。私どもは、当然付加料をつけるべきじゃないかという意見も出ていたのです。それが、NHKではささいな金だからつける必要はないのだとおっしゃったのが去年まで。ところがどうですか、ことしになってから、カラーテレビに百五十円付加料をつけなければ経営が成り立たないとおっしゃっているのですね。私どもは納得できないのですよ、これに対しては。これも新聞報道でたいへん会長には失礼ですが、いわゆる新聞の「記者席」のかこみの中に、衆議院におけるいわゆるこの審議の中で、NHKの前田会長は、しろうとが何を言うかといって高姿勢だということを書いてあります。そんなことはおそらくないだろうと思うのですが、去年まではいわゆるカラーに付加料金をつける必要はないのだとおっしゃった前田さんが、ことしはどうしてカラー料金に付加料をつけなければならないかということは、私はふしぎにたえない。去年われわれが言ったことは実際上しろうとになっているというような感じになるわけです。ただし、先ほど申し上げましたように、十五円を値引きするから賛成なんだということですから、その点もよくお考えになっていただきたいと思います。  時間があまりないようですから簡単に申し上げますと、このカラーの伸び率に対しても、あなた方のほうと私どもとは考えがだいぶ違っております。先ほどの永岡委員の質問の中で、私は関連して申し上げましたが、ラジオ料金のときでも、私どもはラジオ料金でいわゆるテレビジョンの普及発達をはからなければいけないと申したのですが、数年ならずしていわゆるラジオ料金は全廃されて、テレビの料金がうんと伸びました。これと同じように、私は数年ならずして白黒テレビの料金はもう要らないのだ、カラー一本でいいのだという時代が早晩来るのじゃないかと思います。しかし、五カ年間に六百五十万台にしようというNHKの努力も買わなければなりません。二千四百万のうちの四分の一、これを六百五十万にしょうとおっしゃるのですから、相当な努力だと思いますが、私どもが調べました資料によりますと、相当のカラーテレビの受信機が民間に出回っております。これからしましても、五年後の先には、私はもっともっと伸びるのではないかということが考えられますので、当然カラーテレビが伸びた場合には付加料金というものも徐々に下げていただくように附帯決議にも希望しておりますが、その点もよくお考えを願いたいと思います。  それから、いままでの審議の中で、一体料金の性格は何だという意見が、これは毎年出ております。一体契約料なのか、税金なのか、許可料金なのか、公共負担なのかというのがいままでずいぶん出されております。放送法第三十二条によりますと、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」はNHKと契約しなければならない、こういうことになっております。それですから納めない者は、これはやはり訴訟を起こさなくちゃならないのです。かつて私どもが議員になりました十二年前ぐらいの幼稚な意見では、いわゆるNHKのテレビを見られないテレビをつくって、つまり東京でしたら一つの番号、大阪でしたら二の番号、あそこを回せないようなテレビをつくって、NHKの放送は見ないのだ、そうすれば契約しなくていいじゃないかという幼稚な意見も——幼稚かどうか知りませんか出ております。カラー料金を入れて四百六十五円という高い料金になりますと、NHKは見たくないのだという国民も私は出てくると思う。だからそうなりますと、毎年毎年私はこの滞納料金がふえる。いままでも八億幾らという滞納料金があるとおっしゃいます。これは訟訴を起こして取ったという話も聞いておりません。だんだんこういうのは私はふえてくると思います、四百六十五円になれば。だから大臣、次の放送法あるいは電波法を改正されるときに、はっきりとこれは電波税なんだと、テレビを持ってればどうしても納めなければいけないのだということを、法律をつくるか、私が言いましたようにNHKを見ない者からは放送料金は取らなくていいのだというような、はっきりした制度を出してもらいたいということを、私は一つ希望しておきます。  それからもう一つは、いままで議論になりました問題は、会長の任命制だとかあるいは料金の認可制だとか、経営委員会のあり方という問題が出ております。大臣は、会長の任命制というのは白紙だとおっしゃっていますが、これはもう相当論議されていると思います。時の権力者が自分の権力を広げようというのは、これは当然だと思います。だから私は、郵政大臣が会長を任命したいとおっしゃるのは、これは当然だと思います。社会党が天下をとって、私が郵政大臣になれば、私もやはり会長を任命してやろうと考えるかもしれない。共産党はこれは完全に任命なんですね。しかし、NHKというのは公共機関なんだから、一つの政党が天下をとったからといって、時の大臣が会長をぽんぽんかえるということになれば、これは放送の公共性というものは貫けません。一党一派に偏した私は放送ができるという懸念がありますので、こういう点、私は大臣の考えておられるような点は賛成できませんから、なるべくこういうものは、白紙よりもう考えないということにひとつしていただきたいと思います。それからもう一つは、料金の認可制ですが、これも公共性だから、公共機関が介入するのは当然だとおっしゃるが、公共機関というものは、一党の大臣じゃなくて、私はやはり国会でなければならないと思います。いまのこの料金のきめ方は、だいぶ皆さんの意見を聞いていますと、不満があるようだ。承認するか承認しないかだけなんですね。そういうような考え方で、国会に責任があるという問題がありましたら、われわれが承認しないと言ったって、またもう一ぺん出てくればどうなるかということなんです。だからこの点、私はもう少し国会に権限を持たして、法律にすべきじゃないかという意見も私どもは持っております。少なくともNHKがやっておられる、番組に何億かかっているようなものは、これは多過ぎる。こんなものはもっと削れとか増せとかいうような、そんなことまで国会が私は介入すべきじゃないかという意見も持っております。  それから経営委員会のあり方ですが、私どもどうも社会党は、いまの経営委員会のあり方に賛成しておりません。と申しますのは、全国を八つに分けた地区から、あるいは会社の重役とか弁護士だとか学校の先生だとかいうのが出ておられるということを永岡委員からも申されましたが、この人たちがほんとうにわれわれ庶民階級を代表しておられるかということです。会長によれば、常識のある方だ——もちろん常識はあられますが、私はこういう人たちはほんの上流階級の代表だと思います。そうしてこういう実業家連中だとかあるいは学校の先生だとかいうような忙しい方が、片手間にNHKに月何回か出てきている。出てきてそうして一千億にのぼる予算の経営のあり方なんというものが、これはできるはずは私はないと思います。その点では少なくとも十人あるいはそれより多いか少ないか知りませんが、十人前後の専門にこれをやる経営委員会のあり方のほうが、私は妥当じゃないかという意見を、社会党は持っております。  それから監査のあり力といたしましても、いわゆるNHKの職員である監査室の人が、ほんとうに実際上の監査ができるかどうかという点も疑問であるということを私は過去においても再三申し上げておりますので、経営委員のあり方あるいは監査のあり方等については、いわゆる放送法が近い機会に出されると思いますので、こういう点も考慮をしていただきたいということをお願いいたしておきます。  もっと他にいろいろ申し上げたいこともあるのですが、予算委員会のほうもあるそうでございますので、以上で終わりたいと思いますが、なぜNHKの人たちがカラー料金の付加料をつけるかということを私は考えますと、いまの料金ではあと二年か三年したらおそらく赤字になるでしょう。そのときになれば、当然値上げをしなくてはならないということになる。値上げという問題はこれはたいへんな問題ですから、いわゆるカラー料金の付加料というのに月をつけて、これは私は相当な頭のいい人が考えた問題だと思うのです。付加料をつけておけば、毎年毎年さっき言ったようにカラーテレビを見る人がふえますから、知らず知らずのうちにこれは値上げをしたということになってきます。こういう点からもあまり積極的に賛成はできないのですが、以上のNHKの努力を多といたまして、消極的ながら賛成だということをひとつつけ加えまして私の賛成討論を終わらせていただきます。

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 他に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 全会一致と認めます。よって本件は、全会一致をもって、原案どおり承認すべきものと決定しました。  次に、討論中に述べられました光村君提出の附帯決議案を議題といたします。光村君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 全会一致と認めます。よって光村君提出の附帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久保等日本社会党

○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は、四月四日木曜日午前十時の予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十三分散会      —————・—————

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