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58回国会参議院1968/05/21

地方行政委員会 第16号

発言数
53
登壇者
6
会派数
2
開催日
1968/05/21

会議録

船田譲自由民主党

○理事(船田譲君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  理事の補欠互選についておはかりいたします。  去る五月十五日の委員の異動に伴い、理事に欠員が生じましたので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は投票の方法によらないで、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、さよう取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

船田譲自由民主党

○理事(船田譲君) 御異議ないと認めます。  それでは、委員長から、原田立君を理事に指名いたします。     —————————————

船田譲自由民主党

○理事(船田譲君) 地方行政の改革に関する調査といたしまして、特別区の区長公選問題に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 特に本日この委員会で区長公選の問題を取り上げていろいろ質疑をしようということは、私たち東京に住んでおります間に、いわゆる都内版という新聞の面を見ますと、いろいろの区におきまして、区長の選任がなかなか行なわれていない、あるいは行なわれないという実情があるのであります。問題となっております区長が退任し、もしくは死亡した、そういうところにおきまして、その区長の選任が行なわれていないという区は幾つあって、かつまた、どういう理由で今日まで選任がおくれているのか、これをまずお伺いしたい。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 残念ながら選任が難航しております区が四つございます。それは新宿、文京、品川、練馬、それぞれ事情があるわけでございますが、おのおのの事情につきましては、行政課長から御説明させます。

林忠雄自治省行政局行政課長

○説明員(林忠雄君) 新宿区につきましては、ことしの三月一日現在の調べで、すでに百三十日選任をされておりません。その理由は、結局、いろいろ区でもって政争と申しますか、公選運動がだいぶ激化しておりまして、選任が非常に困難となっており、そこで決定された区長候補者が個人的にそういう事態に入るのをちゅうちょいたしまして辞退をしたという問題がございまして、現在のところ、まだちょっと解決の見込みがついておりません。  それから文京区、これは三月一日で百六十日でございますから、現在約二百日近い間空白になっておりますが、これはこれまでずっと同じ方が五期続けて区長をやっておられました。それを六期出るかどうか、前区長は六期出られる御意思がおありのようでございましたが、その六期の是非に関して、区長の与党の内部で分裂を来たしまして、この結論が出ていない、こういう事情のようであります。  それから品川は、三月一日現在で六十一日、現在ではもう百日こえる空白になっておりますが、これは公募方式というのがございまして、区長を議会で選任するにあたって一般に公募するという事実上の手続でございます。一応これをやって予定者が出たのでございますが、これが議会では不適当ということで否決をされ、その後いろいろな話し合いがついていないという段階のようでございます。  それから練馬区は、これが実は一番長くて、三月一日現在で二百四十六日でございますから、すでに二百八十日をこえたということになっております。で、ここは一番いままでにも区長選任で問題が多いようでございまして、すでにその後、二人、三人といろいろな候補者が出ましたけれども、ここでは区長公選運動を進める動きが非常に強く、したがって、区長候補者が出まして、それを選任しようという段取りになると、議会の開会が不可能になるとか、いろいろむずかしい事情がございまして、いまだに選任に至っておりません。なお、ここでは、区長選任を直接公選に法律化する前に、区の条例でもって一応直接公選と同じような、住民の投票によって候補者を選び出すということをきめようという条例制定の直接請求が出ましたが、これが法律上制定できない条例であるということで、在住代表者証明書の交付を却下する、これに関して訴訟が起こるというような事態を現在来たしておる次第でございます。  なお、江東区と江戸川区では、三月一日現在ではなお選任されておりませんでしたが、江東区については三月九日、江戸川につきましては三月十五日に、現行法の手続による選任が完了いたしましたので、現在区長が選任されておりません区は、大臣の答弁どおり、四区でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 区長がそのように長期にわたって職務をとることができないということの、行政上のいろいろなむずかしい点があると思うのですけれども、具体的にどういう点に一番大きな影響がございますか。   〔理事船田譲君退席、委員長着席〕 まあ区長がいなければ、区長代理なり、あるいは、その他の人々がかわって職務を遂行することができるということにはなっていると思いますけれども、具体的また実際的に、区長がいないということの法的あるいは実際上の問題点、これをひとつ話していただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 区長がいなくても、日常の事務そのものにはさして支障がないと考えられますが、しかし、大事な政策の実現にあたっては、やはり中心がありませんと、どうしても進みかねることは当然でございますので、そういった点では、一日も早く区長の選任が望ましいというふうに考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 大臣も個人的には、こういうことは非常に、まあ首都の区長が欠けているということは恥ずかしいことだというふうに御発言にもなっているということを聞いておりますけれども、具体的にこういう空白の事態をできるだけ短くするとか、あるいは、なくすとかいうことに対する御所見というものはございますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) ただいま行政課長が説明いたしましたとおりに、多くが、まあ多数党である自民党の内部分裂などが原因している面が多いものでございますから、私も自治大臣に就任いたしました当初から、この問題を心配いたしまして、ずいぶん党のほうにきびしく、区長をきめることを東京都連のほうへ要求したわけでございます。大体、この前自治大臣やりましたときから、区長の選任の問題がやかましくて、当時は練馬についてずいぶん陳情を受けたりしたわけでございますが、しかし、区長を選任する権限はあくまで議会にあることが法律で明らかになっておりますので、それがきまらぬということは、やはり議員諸君の職務が怠慢であると考えざるを得ませんので、非常にやかましくいたしました結果、六つ欠員である、こういうものが最近になりまして二つはできまして、なお早急に区長を選任するという動きが起こっておりまして、もう数日のうちに新しい区長さんができるというような報告も受けております。いずれにしても、一日も早く実現をさせなきゃならぬと思って、少なくとも私の所属いたしております党に関係する限りにおきましては、やかましく申しておる次第でございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いま、自民党の内部のいろいろの事情についてお話がありましたけれども、昔は自民党が絶対多数を各区会において占めていた。だから、議会が議決して選任するということは非常に簡単に行なわれてきたと思う。いま大臣が言われましたことのほかに、多党化ということがあると思うのですね。その多党化が、いい悪いは別として、多数を占めておる自民党だけで無理押しをすることはできない事情が新しく加わってきた。その点はいままでにない新しい情勢だと思うのです。このことについて何かお考えがあったら。区長の公選が困難になったということの理由の一つとして。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) これは、中央地方を問わず、議会が多党化の方向に進んでおると、こういうふうに言われております。かりに多党化になりましても、少なくとも地域住民に直接関係のある区長を選任いたします際には、党派にはとらわれないで、やはり区内でこの人ならという人が見つかりました場合には、妥協をして、そうして議会が選任すべきものである。都知事の同意を必要といたしますけれども、むしろ、都知事も中に入って、そうして、その区内にある適当な人をあれこれ選別いたしまして、これならどうかというふうに話を進めていけば、最後には、区民の、住民のためを思って必ず一人にしぼられるはずのものである。しかるに、それがなかなかきまらないということは、やはり政党人が未熟であると考えるよりいたし方ないと思うのであります。これについては、やはり制度が悪いというよりも、住民のために政治に携わる方々がもう少し反省をなさる必要が各党を通じてあろうと考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 都知事が中に入って両方の話を聞いて適当な人を議会で議決するようにしたらいいじゃないか、それも一つの方法かと思います。また、大臣が非常に心配のあまり、そういうことはけしからぬと言っておおこりになる気持ちもよくわかるのです。しかし、多党化の時代において議会で議決をするということが、二十七年ですか、区長の公選が廃止されて、いわゆる現在のような、議会が議決して都知事の同意を得て選任されるという形になったと思うのですが、その時分と現在とは情勢が非常に変わっておるのに、大臣は非常に憤慨されて、区会議員といいますか、区議会議員の政治的な見識がまだ足りない、あるいは都知事が中に入って話し合いをしたらどうかというようなことを大臣が考えていらっしゃっても、ちょっとやはりむずかしい時代の動きというものがそこにあるのじゃないかというふうに思いますけれども、そういう区長の空席の一番大きな原因が、言ってみれば、区議会議員の気持ちというか、あるいは考え方というか、それが原因だというふうに一がいに言えないような気がするのです。やはりそこが一番大きな原因ですか。もう少し時代に即したような考え方というものがあってもいいのじゃないかと思うのですけれども。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) やはり投票で争うということもあるが、なかなかきまりかねるときには、それに解決を求めるような方法がない場合も確かにあり得ると思います。しかし、政策を争うより、まださらに大事なことは、こういう住民が首長を選びますような場合においては、やはり調和と申しますか、話し合いで円満にきめるということが、行政を円滑に運営いたします上において最も必要だと思うのです。だから、多少政治的に時間を要しましても、これならという人に落ちつきましたら、そのほうが住民の福祉に通ずると考えるわけでありまして、とにかく、一発勝負でそれをやってしまえばケリがついてしまうのじゃないかということは、算術上はつくかもしれませんけれども、私はやはりもっとここで話し合って、みんなにいろいろ不満があっても、これなら住民から見てりっぱな人を選んでくれたという考え方を持たれる人をみんなの話し合いでおきめになるというところに、私は大きな意義があると考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 話し合いで区長を選ぶということ、これはまあ非常に法律が——これは法律の運用を話し合いでするということは、民主主義の一番理想的な形なんですが、現実としてそういかないところがむずかしい問題だと思うのですよ。現在はしかし、いま申しました多党化の時代、そして自治体の長は住民の投票によって選ぶということが民主主義の第一の前提であると思うのです。区はもちろん完全な地方自治体というわけではなく、いわゆる特別区というような形ですが、しかし、問題を根本にさかのぼって考えてみるならば、やはりわれわれとしては、区というものが完全な自治体として、議会の議員も住民の意思によって選ぶ、また、区長も住民の意思によって選ぶ、いわゆる公選という主義を徹底させるということが、まあ従来二十七年までの新しい憲法のもとにおける地方自治体の長及び議会に対する考え方であったと思うのです。それを、現在のような選任の方法にしたというところに、その時分は、先ほども申しましたように、自民党が絶対多数を占めていて、区政を自民党の思うがままに牛耳ることができた。しかし、現在は多党化になってきて、そうもいかないという、つまり、そういう二十七年以後の、その当時の考え方が現在の情勢というものに適しなくなったというふうには考えられませんか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) なかなか選びかねて、もう数百日も空白ができておるということは、先生御指摘の点を物語っておると思います。しかし、御案内のとおりに、東京都の特別区は、いわゆる憲法が考えております一般の地方公共団体とは性格が違うわけでございます。その違う理由は、やはり東京都は都という名前ですけれども、これは市としての機能を持っておる、その一部の区であることは言うまでもない。そこで、やはり東京都というものを分解して、たくさんの市の集合体であるという形にしてしまうのがいいのか、それとも、やはり東京市というものを一つの有機的なものと考えていくのがいいのか、それはなかなか議論のあるところでございまして、やはり首都制度全般を検討いたします際に、十分将来を見通して考え直してみなきゃならぬ点ではあるとは思います。しかし、私はいまの制度で区長ができないとは思わないわけです。ですから、最近にはぼつぼつ、もうやかましい状態になってまいりますと、区長がだんだんきまっていきつつある。あと残っております四区も、私は遠からず議会の諸君の良識によってきまっていくものと、かように考えておりますが、全体としてこういう多党化の傾向に入ってくると、一発勝負でやったほうがいいのではないかという考え方もわからなくはありませんけれども、国政などと違いまして、やはり住民の福祉に直接関係のあるこういう自治体にありましては、やはり話し合いということが一番先に立つのが妥当であると考えまするので、できれば、この制度を続けて実を実らせたい、かように考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 練馬のように二百八十日、もうほとんど一年空目ができているという実情であります。そこで、条例をつくるという動きがあるわけでありますが、それは自治省のいれるところとならなかったということは、どういうことなんですか。そういう条例は、区としてつくることができない事情があるのですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 条例は、やはり法律の許された範囲内でつくることは当然のことでございますが、直接公選できめてしまうという、一発勝負をやるという意味の条例であります場合には、それは、やはり現行法で選任権というものが区議会にあるわけでございますもので、この権限に対して一つの圧力になるわけでございます。そういうことから、やはり私どもとしましては、いまの段階、現行法のもとにおいては、この条例は私は正しくない、かような判断をいたしているということでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 いまこの問題について訴訟が起こっているという話ですが、現在は係争中の問題でありますから、内容に立ち入ってお聞きするわけにもいかないと思いますが、表面の理由はどういうことになっておりますか。

林忠雄自治省行政局行政課長

○説明員(林忠雄君) 現在起こっております訴訟の内容、原告側の主張としては、直接請求の代表者証明書を、これは区長——現在区長がおりませんので区長代理がやるわけでございますが、区長が交付することを拒否したことに対する争いということになっております。論点は、その場合の区長は内容にわたっての実質審査権はないはずである。選挙人名簿に登録されている有権者であるかどうかだけの確認によって交付すべきものであるという主張でございます。それに対しまして、争いを受けております被告側の主張は、いずれも法文にはその点は明記してございませんけれども、法の趣旨として、法律で制定を許されていない条例、つまり、条例として成立する余地のない条例については、直接請求権は与えられたものではない。そこで、それに対しては、代表者証明書交付のときに、そういうことについての実質的な審査権は当然あるのが妥当であるという解釈、その解釈での争いがあるようでございます。判決はまだ出ておりませんので、それに関しての見通しは、現在わかっておりません。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 そのこと自体については、私たちも是非の論議をすることはできませんけれども、それほど住民の中に強い意思というものがあるということは、やはり考えてみなければならぬ。いつまでも現状のように、二百何十日も区長が空白でいるということは、事務の処理上は差しつかえないとしましても、先ほど大臣が言われましたように、区長というものは、完全な自治体でないにせよ、やはり区政の中心であって、政策的な将来の計画なりあるいは事務の指揮命令というような、そういう大きな職責を持っているその区長が、区議会だけで決定できるというところに、住民としては、いても立ってもたまらないという、そういう気持ちのあらわれが、そういう条例制定という運動に発展してきたのだろうと思うのです。その是非は別としまして、自治省としましては、やはりそういう気持ちをくんでやらなければいけないと思います。法律上くめないと、こう突き放してしまうことも一つの方法でしょうが、しかし、それほどまでせっぱ詰まって考えているのであれば、何かやはり国としても、直接介入はできないにしても、何らかの方法を考えなければいけ互いのじゃないか、そういう気持ちになられるのが当然だと思うのですけれども、そういう気持ちにならずに、なお上のほうから、指揮命令をされるということではありませんけれども、それは区議会の議員が悪いのだというふうにきめつけてしまうことは、事態の収拾にならないような気がしますけれども、そういう気持ちの点で、大臣としてはこの条例の問題についてどのようにお考えですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) いつでも地方自治のたとえば府県合併その他の問題を議論いたします際にも、憲法九十五条の地方自治の本旨ということが問題になる。これは、考え方によりましては非常に範囲が広いことばでございますので、その概念をきめるのはむずかしいと思いますが、いま係争になっておりますものの判決が、最終のものが出るにはなかなか時間がかかると思います。いずれにいたしましても、やっぱり地域住民の福祉のためにどうあるべきかということを考えてみました場合に、先ほど申しましたように、一発勝負でやるという形がいいのか、それとも、少なくともそういう東京都の特別区みたいな場合は判例できめたのがいいのかということは、地方自治の本旨ということから照らしましても、いろいろ議論はあろうかと思います。条例についての判断でございますけれども、私は先ほどから申しますように、現行法でけっこう区長は譲り合えばできるはずのものである。それをやはり政治の運営の未熟なためにきまりかねておるわけでございますから、それぞれ区議会の諸君にも反省を求めて、一日も早くきめていただくということで事足れりという判断を持っておるわけでございまして、いまこの条例を出すことの当不当につきましては、係争の段階でもございますので、私としては結論的なことを申し上げることは差し控えたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 区が完全な自治体ではないというところから来る問題もあります。そこで、先ほど大臣が言われましたように、東京都というものの将来のあり方、これは大臣だけできめられる問題ではありませんけれども、現在問題となっております都の性格、あるいは、したがってまた、区の性格ということは、いわゆる根本的な首都制の問題、あるいは都制の問題、あるいは府県の問題、そういうものと関連して解決されなければならないと思うのであります。聞くところによりますというと、自治省の一部には、区長を議会で議決して東京都知事の同意を得てきめるという、そういうやり方もめんどうくさいというか、あるいは、もう少しいわゆる簡単な方法で区長を選任するというふうに、あるいはまた、区議会を廃止してしまって、完全な行政区にしてしまったほうが楽なんじゃないかというような意見が一部にあるということを聞いておりますが、自治省の中には、そういういわゆる行政区に現在の特別区をしてしまうという考えが出ているんですか、この点はどうですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 非常にやかましい問題でございますので、言うまでもなく、省内でも盛んに議論をしております。中には、それほど選任がむずかしいなら行政区にしてしまったらどうか、これはきわめて割り切った、簡単なことを言うものがあるやに聞いておりますけれども、やはり東京都の特別区の場合は、しばらくの歴史もありますし、かといって行政区でやっておる他の大都会はたくさんあります。大阪、京都、名古屋それぞれ行政区で何も渋滞、遅滞なく事務をやっておるわけでございますので、東京でもそれでやってやれないことはないのであるという議論は成り立たないことはありませんけれども、私は、やはり東京都の特殊な性格にかんがみまして、それをとりたくないと考えておるわけでございます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 地方制度調査会などの中には、単純な行政区にしてしまったほうがいいというような意見も出ているんですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) そういう議論もありますし、首都圏についての諮問をいたしました際の第何次だったか、第八次か七次の答申にも出ておりますが、それはやはりまず前提は、都と特別区との事務の再配分がまず先決である、それを再検討した上で結論を出すべきであるというふうに答申はなっておったと思います。それ以来、この事務面につきましては、いろいろ手を加えまして、だいぶ当時から変わっておるわけでございますけれども、いまの段階においての特別の東京都の区制のあり方についての諮問はいたしておりません。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 そうしますと、将来都をどういうふうにするかと、たとえば首都制といいますか、あるいは首都圏といいますか、そういうものの抜本的な解決なり、あるいは解決の見通しなりをつけた場合におきましては、現在の区のあり方というものも当然に変えられる、変わってくるというふうにお考えですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) そう考えております。これは首都制度を変えますのは、単に区長の選任制度などが中心ということではなくて、やはりこれだけ過密についての弊害も随所にあらわれておるわけでございまするので、そういうことを中心といたしまして、やはりいまの首都制度というものは根本から再検討しなければならぬ、その過程でやっぱりただいまの区長選任なども入ってくる、かように考えております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 現在の都制は、戦争前に急に国家的な要請に従って、東京府、それから東京市というものが合体したような、そういう形で急遽でき上がったもので、ああいう何といいますか、府みたいな性格、市みたいな性格、あるいは、あと郡が存在していると、そういう非常に複雑怪奇、むずかしい性格を持った行政の体系として、今日までその運営がされてきた点につきましては、われわれ、むしろ非常に興味を持ってながめているわけであります。現在都制がこのままでいいというふうには私どもとしては考えませんけれども、しかし、その首都制というものを考える場合に、区を行政区にしてしまう、あるいは現在の二十三区ですか、これを一括して、一まとめにして行政区にして区長は任命制でやる、区議会は置かないというようなことをしてしまうことは、むしろ時代逆行だというふうにも考えられる。事務を迅速に処置するということからいえば、財政の権限も行政の権限もみんな中央——首都に集中しくあと行政区にするということは、単純で非常に簡単だと思いますけれども、しかし、それでは、地方都市よりももっと大きな人口を持ち、もっと大きな仕事をしている、そういうところにおいて、区民の意思というものが全然区に反映しないという点では、これこそ全く時代逆行だと言わなければならない。ですから、大阪や、あるいは神戸など行政区だけでやっている、だからといって東京の区も行政区にしてしまうというような、これは大臣のお気持ちでないように先ほど承ったので、よそでそういうふうにやっているからといって東京都という特別の性格を持った地方自治体の中における区というものは、他の単純な市の中における区というものと違った性格があるということはもちろんおわかりと思います。この点をやはり私たちは助長していって、区自身が、相当の地方都市よりももっと大きい人口あるいは財政力を持っている区が、完全自治体として区長の公選ということを断行することが、いわゆる区長の空白というようなことをなくす一つの方向だと思う。そういう方向を考えることは間違いでしょうか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 何でもとにかく区長さえつくればいいというのなら、これは公選で一発勝負でやったほうがいいにきまっておりますけれども、先ほどからるる申し上げますことは、東京都が一つの市として一つの有機的な団体でございますので、その部分をなす区というものの性格がどうか、その区長がどういう形で選ばれるかということは、有機性と関連した私は大きな問題であると思うのであります。ことに、東京都のように、俗にいうドーナツ現象を起こしているとか、夜はからっぽだが昼は人が一ぱいいるとか、その反対の現象が周辺には出てきている、また、周辺にはいわゆるスプロール地区というものが至るところにできつつある、こういう状態でありますので、やはりこれをどう運ぶかということはなかなかむずかしい問題です。ですから、そういった問題も含めて、単に区長を一発勝負できめればそれで事は済むのだということになりませんので、やはりそういった問題を一括いたしまして、この首都制度というものを根本から考え直す時期に来ている、いままでいろいろやろうとしても、どういうふうに移り変わっていくかということがよくわからなかった点もあるけれども、大体将来の方向というものもつかみ得る状態になってまいりましたので、急速にやはりその方向を検討して、そうして結論を出さなければならぬ、かように考えているわけであります。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 先ほどから大臣、一発勝負ということばをよくお使いになりましたけれども、これは正確に言って、どういうことなんですか。公選で一発で勝負することもいけないというのですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 一発勝負ということばはおかしいようですけれども、まあ区長がきまりかねておるのは、公選制でやってしまえばあっという間にきまってしまうでしょう。あっという間にきめた、そういうことがいいのか、それとも、よく話し合いをして、難航はしたけれどもついにこの人だということで区民に紹介するのがいいのか、これはなかなか問題のあるところでございます。特に地方団体の場合は、そういうことが非常に問題であると思います。大きな北海道だとか、あるいは、そんなところとは別に、東京は人口は多いといっても、地域的には狭いところでございますので、私はやはり話し合いの道も大事だということを言っておるのです。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 どうも聞いていて、一発勝負ということは公選制のことのように考えられる、受け取れるのです。そこのところ、ちょっと説明を加えていただかないと、一発勝負すなわち公選制、それがいけないということであったらこれは——やはりそういう意見があるということですから、そこのところ、もう少し何かじょうずに言っていただかないと。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) どうも一発勝負ということばがまずかったか知りませんけれども、公選にしさえすればこれは機械的にすぐきまるわけでございますが、そうやることがいいか悪いかという問題があるものでございまして、そのことをるる御説明申し上げておるわけでございます。

津島文治自由民主党

○委員長(津島文治君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

津島文治自由民主党

○委員長(津島文治君) 速記をつけて。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 先ほど区議会の議員のあり方について大臣から御所感があったわけですが、その際、都知事が話し合いの中に入ったらということも言われました。しかし、現在の美濃部知事は、必ずしも自治省の言うとおりにばかりなる人とも違い、また、都知事にそういう問題を解決させる以前に、制度の問題として、自治省なり、あるいは自治大臣なりが考えるべき点が多々あるのじゃないかと思います。根本的に言えば、首都制の問題、その解決の方向というものをはっきり打ち出すこと、同時にまた、一発勝負がいけないというようなことでなしに、住民がそれほど要望していることであるならば、地方都市ですらやはりそういう形をとって市長を選挙しているわけですから、むしろ、その時代のほうに制度の改革を進めていくということ、つまり、区は完全な自治区ではありませんけれども、これを完全な自治区にするとか、したがって、区長も公選にするとかいうように 民主主義という基盤、あるいはまたは、地方自治の本旨というその基盤の上に制度を考えていくということが一番大切なんで、それを区会議員がしっかりしないからいかぬのだというふうな何とも、赤澤自治大臣としての発言ということになると、区会議員の人だって黙ってもいません。ですから、そういういわゆる前向きの姿勢といいますか、時代の流れに即応したような方向で制度の問題を、または財政の問題を処理していくことが一つの進歩的な解決方法だと思います。これは大臣と多少意見の食い違いがあるかも——多少どころじゃない、大きな意見の食い違いあるかもわかりませんけれども、しかし、いかにすれば区長の空白をなくし、あるいは区政の円満な進展、発展を期待するかということの解決策として、そういう一つの冒険もしてみる必要があると思うんです。この問題を私たちはやはり貫いて、地方自治の本旨というところに結びつけて、区は現在のような中途はんぱなものでなくて、完全な自治体としての区というものを考えていくということが、自治省としても、あるいはまた、住民の意思を尊重する上からいっても適当な考え方じゃないかと思うんです。まあ締めくくりの意味におきまして御意見を伺っておきます。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) やはり民主政治は話し合いの政治だと言われておりますが、やっぱりこのことをできるだけ話し合える場をつくって、そして、そういう形で進めていくことは、私は望ましいと思いますし、また、諸先生御異論のないところだと思います。知事が革新であるとか、保守であるとか、そんなことは問題でないのでございまして、知事に何も言うことを聞かせようと思っているわけでもないですし、しかし、いずれにしても、美濃部知事とたびたびいろんな会合でも会いますし、先般も特別区の区長がきまらないであなた困ってるだろうなと言ったら、いや困っています。そうしたら、区議会で選任してきたものに単に同意不同意ということでなくて、やっぱりあなたは対話のじょうずな人なんだから、もう少し対話して、そして円満にきまるように、あなたのほうから働きかけたらどうですかと言ったら、なかなか考えておりますけれどもむずかしいのでということばでしたが、私は知事であれ、あるいは議会であれ、とにかく住民がこれはりっぱな人を選んでくれたなという人を話し合いできめていくということは、私は不可能でないと思っているものですから、しつこくこのことを言っているわけです。ちょっと余談のようですけれども、先般大臣になりましたときに、例の議員報酬の問題がやかましくなりまして、世論は、自治法で、また、さっきの一本勝負でぴしゃっときめてしまえということでございましたけれども、それでは、地方自治という本旨から考えてまずいだろうという私の判断で、審議会制度をつくりました。しかし、どうもこれがなかなかうまくいっておらぬから、がっかりもしておりまするけれども、そのうちに、だんだん良識も生まれてきましょうし、形はついていくものではなかろうかというふうに思っております。ですから、これはやっぱり話し合いがうまくいっておらぬということは、党派間のいろいろな感情、または、いきがかりもあるでしょうし、また、これが多党化になってから、なおさらむずかしくなっている。私どもの党の都通には非常にきついことを言いましたけれども、私どもの党の皆さん方にも、党派根性は多少こういう際にはゆるめて、そうして話し合って適当にきめようというふうに指導していただければ、私は、そう大過なく早い機会に区長はできる、かように考えておりますので、何ぶん諸先生におかれてもよろしくお願いいたします。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 時間もないようでありますから、関連したことで一、二お尋ねいたしたいと思いますが、いまの大臣のお話の中にも、首都というもののあり方、したがって、その中のいまの区、こういうものの検討というようなこともございましたが、そういうことを実際に自治省ではおやりになっているんですか、どうですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) それはもちろんやっております。行政局中心でいろいろ検討しておりまして、その検討の過程でいろいろなことが漏れるものですから、それが自治省の考えであるかのごとく誤り伝えられていることもあるわけでございますが、これは真剣に取り組んでおります。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 そのいまの大臣のまたおことばに続けますが、その検討されたことの一つに、いまのような形での特別区、こういうものでなしに、二十三区を含めた東京市ですね、市として考えていき、したがって、いまの特別区を完全な行政区にする、こういうふうな方向で進められているやに伝えられているところもありますが、その点はどうですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) それは私ども逆に考えております。事務の再配分なんかで、いままでは都が握っておりましたものを逐次ずっと委譲いたしまして、ただ、若干のものがなかなか再配分しかねる事務もあるわけでございます。そういったものを将来どういう形をつけるかということをいろいろ検討いたしております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 いや、単に事務を区にやらせるとか、都自体でやるとかいう、そういうことから区に事務をいわば委譲するといいますか、そういうことと、もう一つは、いわゆる自治区としての性格、特別区としての性格をなくして、したがって、首長の公選問題とか、議員の選任問題とかいうことがなくなるような方向で、ほんとうに、よく言われるように、行政区として位置づけていったらどうかということを検討しているやに伝えられたことがありますが、そういうことはどうか、こういうことです。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) そういうことはございません。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 政府部内でいまのたとえば事務委譲といいますか、事務の再配分、都と区の。そういう場合も、どうも区に仕事を移してやるということに対して、自治省でなしに、政府部内のある省なんかでも反対をしているところがある。私はっきりいま年月日を言えるだけ記憶が確かになっておりませんが、数年前に都から区へ相当な事務のいわば委譲ということをやりました。と同時に、財源の問題についてもいろいろ調整するところの措置をとったわけなんでありますが、その際に、当然区にやらしていい仕事、たとえば厚生省関係の仕事なんか、こういうものを厚生省が非常に反対をして、とうとうそれが区に移されなかった、こういうことがあるんですが、そういうことから政府全体として、どうも事務委譲あるいはもっと進んで、いまの特別区をより充実した自治区とする、そういうことに対して反対の意向があるんではないか、こういうふうに思うんですが、そういう点について何か所感ございませんか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 御指摘のとおりのものが残念ながらあるわけでございまして、私どもも行政機構の改革の案を来月末までには出さなければならぬことになっておりますが、自治省といたしましては、これは長年そういった問題でいろいろ議論をしておりますけれども、一括して最終的な案をつくって提出する、その前段階でやはり関係各省の協力を得なければなりませんので、そういう手は実は尽くしつつあるわけでございますが、ただ、鈴木先生の御指摘のような厚生省関係が主だと考えておりますが、住民に身近なものは、これはやはり区でやらせるのがほんとうである、このような判断に立っております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 大臣は、今年度のまあ一つの自治省としての、あるいは大臣の考える、政府の考える一つの施策と言ってはことばがあるいは適当でないかもしれませんが、一つの大きな目標として、地方団体における事務の合理化あるいは簡素化、こういうことをあげられて、それぞれ指導やら、いろいろ御検討なさっておるようであります。そこで、私として大臣に要請したいことは、単にいまの地方団体——各都道府県なり市町村なり、そういうことにおける個々の団体におけるそれということと同時に、さらに東京都のこの状態の中で、一体、首都としての東京都がどういう姿で制度的にどうあるべきであるのかということをひとつむしろ中心のテーマに考えてほしいし、検討してほしいと、こういうふうにまあ思うんですが、それにつけ加えて、その場合に、私はやっぱりさっきからいろいろお話がありましたように、現在の東京都の特別区という、どうも煮え切らないかっこうで残っておる。一方においては、あたかも自治区であるかのような形もしております。議会の議員の公選制度その他いろいろね。これはもう完全な自治体としてのそれなんです。ところが、区長の問題なり、あるいはまた、もっと内部的に言うと、事務関係の問題なり、どうも中途はんぱなかっこうになっている。精神は自治区とするためのそういうことでつくった当時のそれなんですが、中途で区長公選なんかが廃止になったものですから、もういかにも変なかっこうで宙ぶらりんのかっこうになっておるのですね。ですから、いま申しましたように、東京都のあり方、これをさっき申しましたように、一つの自治区——東京の現在の特別区をさらに自治体としてのりっぱなものにするための方向でひとつぜひ検討すべきであろうと、こういうふうに思うんです。これはまあ私の意見でありますし、また、要望したいことでありますが、これについて一つの大きな私どもにサゼスチョンを与えるものが、先般東京都で行衣われましたロブソン教授の東京都制等についての報告があるんですが、あれを見ますと、やはりいま私が要望しておりますような、こういう線で東京都というものをもう一度検討すべきであるというふうなことが書かれておるので、私はいろいろ参考になるのじゃないだろうかと、まあ外人の言われたことでございますし、内部的にもっと突き詰めて言えば、しさいに検討すれば、東京の、現在の日本のこういう状況についての完全な把握ということでもないようなところもありますけれども、しかし、方向として私は教えられるものがずいぶんあるのじゃないかと思いますので、そういうことについて、私は非常にいわゆる一つの示唆を与えてもらえたと思うのですが、大臣はあの問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのですかね、ひとつ。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) ロブソン報告を見まして、中は全部記憶いたしておりませんけれども、方向としては、私は鈴木さんの言われることに方向は私も考えておるわけですが、ただ、やはり区長公選問題に返りますけれども、やっぱり東京都というまあ妙な一つの公共団体の称号があるわけで、前には東京府であり市であったわけなんですが、私どもはやはり数十個の独立した市の結集体みたいな形をとった場合に、その中核になるものがどういう姿のものが一番いいかということは、なかなかこれは問題があると思う、行政的にもそれから財政的にも。そういうことで、首都制度のあり方というものを申しましたけれども、そのことを再検討して結論をもう得べき段階にいま来ているということを申したわけでありますが、方向としては、鈴木さんの御指摘のことは十分考えて進もうとしているわけであります。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 くどいようでありますけれども、東京都というものをどうするかの検討の際に、さっきもちょっと触れましたように、たとえば大阪みたような大阪府、大阪市、その他の市町村、こういうようなかっこうで東京都というものを考えて、さっき言ったように、いまの特別区を行政区にするというような考え方になりますと、いわば、安の首都制度——東京都制、こういうものを考えた時点と考え方ががらっと変わったものになっていくわけですね。これは並みのいま言ったように、大阪あるいはその他愛知でもいい、大都市のあるところね、そういうもの——ほかのほうの道府県と何ら変わらないことになってしまうのですね。ところが、いわゆる東京都——首都というものを考えた場合には、それではいけないのだというようなことから、いまのようなことになってきている。まあ、いまさっきも言ったように、いまのような状態というものは必ずしも万全じゃございませんし、中途はんぱなものになっているのですから、ですから、そこをひとつ、今後の検討の問題としてどうするかという場合に、当初首都、東京都、都制というものを考えたその考え方だけは、やはりはっきり持ってですね、他の道府県とは異なるところである、そういう性格を持たせるということで考えていかなければならないのじゃないかと、こういうふうに思いますが、そこら辺について、もう一度最後にお考えをお聞きしたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 先ほど申しましたとおりに、やはり東京都には一つの歴史があるわけでございまして、これを、きわめて簡単だから、行政区に直してしまえは、いろいろなやっかいなことは消えるじゃないかということには、私は同調いたしません。やはり鈴木さん御指摘の問題を十分頭に入れて、そういう方向で解決をはかっていきたいというふうに考えております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 最後に、大臣、部内で行政区を中心に御検討なさっているというようなお話でありますが、けっこうだと思うのですが、部内だけの検討、そうして、そこに出た結論、こういうものを、いわば最終的な政府の態度とするのか、あるいは何かこの問題について、たとえば既存の地方制度調査会とか、あるいは何か首都圏のあれもありますね。ああいうものにさらに検討、審議してもらうというようなことをとるのか。あるいは新しく何かこの問題のために一つの審議会とか調査会とかいうものをおつくりになろうとしているのか。そこら辺——これからのことでございますが、何か考えがありましたら、ひとつ。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 制度調査会に諮問いたしましたのはしばらく前でありましたために、実は私、それをちょっと失念しておってやりそこなったわけですけれども、一応は諮問してある。しかし、その結論を見ましたところ、まだこれはきわめて中間的なものであって、前段階としてこういうことをまずやるべきであるという答申になっております。そういうことを漸次やってまいりまして、もういまこういう状態でありますけれども、そのままでほうっておくわけにはまいりません。もう大体解決しなければならない時期に来ておると考えまするので、この間から単に自治省あるいは国会だけでなくて、たとえば制度調査会その他そういった方面にどういった形で諮問すべべきかということを——実は諮問することにきめたわけではありませんけれども、どういう形でこの問題を提起すべきであるかということを検討いたしております。

津島文治自由民主党

○委員長(津島文治君) 本件に関する本日の審査はこの程度にいたします。  次回は五月二十三日午前十時三十分開会の予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。   午前十二時散会      —————・—————

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