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58回国会参議院1968/03/13

産業公害及び交通対策特別委員会 第4号

発言数
41
登壇者
8
会派数
3
開催日
1968/03/13

会議録

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ただいまから産業公害乃び交通対策特別委員会を開会いたします。  産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、産業公害対策に関する件につき調査を行ないます。  まず、通商産業大臣より所信を聴取いたします。椎名通商産業大臣。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 第五十八回通常国今における産業公害及び交通対策特別委員会の御審議をいただくに先立ち、通商産業大臣として、所信の一端を申し述べたいと存じます。  公害問題は、現在緊急な解決を必要とする国民的課題であり、国としても社会開発の重要な一環として、これが対策に積極的に取り組んでいるところであります。公害問題を解決するためには、何よりも、事態の的確な認識に基づいて、企業も、国も、地方公共団体も、そして住民も一体となって対処することが必要でありますが、この基本的姿勢は、第五十五国会で成立を見ました公害対策基本法で明らかにされているところであります。  通商産業省といたしましては、今後、この基本法を軸といたしまして、産業及び生産技術の実態に即した実効ある公害対策を一段と積極的に推進する所存でありますが、昭和四十三年度においては、特に次の点に重点をおいてまいる考えであります。  まず第一は、産業公害総合事前調査の拡充と工業立地適正化対策の推進により、公害を未然に防止することであります。公害対策のうち、通商産業省といたしましては、以前から、未然防止対策が最も効果的であり、かつ、重要な施策であるという考え方のもとに、大規模な工業地帯等について、産業公害総合事前調査を実施し、その成果に基づいて、適切な公害防止措置を企業及び地方公共団体に指導してきております。昭和四十三年度は、この調査地点を拡大するなど、その充実をはかることといたしております。  さらに、この対策を一歩進め、無秩序な都市化、工業化が公害問題激化の重要な一因となっていることにかんがみ、工業立地適正化対策を強力に推進するため、現在「工業立地適正化法」の制定を準備中であります。  第二は、公害対策基本法に基づく「公害防止計画」策定のための調査を実施することであります。  公害対策基本法の制定に伴い、特定の地域につきましては、「公害防止計画」の策定が必要であり、国は、その基本方針の策定、防止計画の承認を行なうこととなっており、そのための調査を昭和四十三年度から開始することといたしております。  第三は、以上の措置とともに、発生源である企業等に対しては、規制措置等を一段と拡充強化する必要があります。  このためには、基本法に基づく環境基準の策定を行なうほか、ばい煙規制法、工場排水法等に基つき、逐次規制措置の強化をはかるとともに、騒音、悪臭等、未規制公害の防止対策を拡充強化することといたしております。  第四は、亜硫酸ガス、自動車の排気ガス等による公害問題の根本的解決をはかるため、公害防止技術の立ちおくれを克服することであります。  この点につきましては、通商産業省は、これまでも、特に重点を置いてきたところでありますが、四十三年度は、さらに、公害防止技術開発費を大幅に増額し、昭和四十二年度に引き続き、亜硫酸ガス対策としての脱硫技術および自動車排気ガスの防止技術等抜本的な防止技術の開発とその実用化を一層促進することといたしております。  第五は、ばい煙処理施設、排水処理施設等公害防止施設の設置の促進をはかるため、企業等に対する助成措置を拡充強化することであります。この点については、従来から、公害防止事業団、日本開発銀行、中小企業金融公庫、中小企業振興事業団の低利融資等によって、公害防止施設の設置の促進をはかっているところであります。  四十三年度は、公害防止事業団の事業規模の拡大、金利の引き下げ、業務対象地域の拡大等をはかるとともに、石油精製業の脱硫装置の建設に対し開銀融資の道を開くことといたしております。  第六は、砂利の採取に伴う公害対策を強化することであります。近年の山砂利、陸砂利の採取の増加に伴い、洗浄汚濁水の排出など各種の砂利公害が問題となっており、これに対処するため、現在、砂利採取法の抜本的改正案を準備中であります。  以上申し上げました施策を通じまして、今後公害対策の推進をはかる所在でありますが、委員各位におかれましても、一層の御支援とご協力を賜わりますようお願いする次第であります。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 次に、運輸大臣から所信を聴取いたします。中曾根運輸大臣。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸大臣といたしまして、公害対策の所信を具体的に申し述べたいと存じます。  今日運輸省が直面している運輸公害のうち、主要なものとして、船舶による海水の油濁、自動車による排気ガス、並びに航空機等の交通機関による騒首の三つが特に指摘されるのでありますが、私といたしましては、これら公害問題の解決のため、格段の努力をいたし、一日も早く国民各層の期待に沿い得るよう最善の努力を尽くす、決意であります。  次に、この機会に運輸省の公害対策に関する具体的施策について若干申し述べたいと存じます。  まず第一に、船舶による海水の油濁につきましては、第五十五特別国会におきまして、「船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律」の成立及び同法関係条約の承認を見ましたので、同法に基づき、船舶からの油の排出の規制、廃油処理事業等の適正な運営の確保及び廃油処理施設の整備が実施に移されております。  特に、廃油処理施設の整備の促進をはかるため所要の補助金支出あるいは財政融資等につき予算措置を講じております。  第二に、自動車排気ガスによる大気汚染の防止につきましては、昨年九月以降の新車はすべて一酸化炭素濃度を三%以下とするように規制しました。  また、使用過程の自動車につきましては、整備基準を制定すべく、目下調査研究を継続実施中でありますが、とりあえず、現在までに得られた調査結果をもとに、昨年末に「排気ガス対策点検整備要領」を定め、これにより自動車使用者及び整備関係者の指導を行なっております。  第三に、航空機等の交通機関による騒音対策についてであります。  航空機騒音につきましては、従来から東京、大阪両空港における夜間のジェット機の離着陸禁止措置等を講じてまいりましたが、第五十五特別国会におきまして「公共用飛行場周辺における航空機の騒音による障害の防止に関する法律」が可決成立をみましたので、同法に基づき、航空機の航行時間、航行経路等に関する指定、学校、病院等の防音工事に対する助成、共同利用施設の整備に対する助成、空港周辺の建物等の移転補償及び農業経営上の損失に対する補償等を積極的に講ずることとなっております。  また、自動車の騒音につきましては、道路運送車両法に基づき所要の規制を行なっているほか、自動車メーカー等を強力に指導いたしております。  第四に、交通公害防止技術の研究につきましては、その重要性にかんがみ、技術の研究開発の一そう推進する所存でありますが、特に自動車の公害防止につきましては安全性の向上とあわせて、その研究体制の強化をはかってゆくこととなっております。  なお、大気汚染の防止に関連して、気象庁では必要な気象情報を提供しておりますが、このための体判並びに施設を今後とも一そう整備していくこととしております。  以上、当面の重点施策等の一端を申し述べまして、私の所信表明を終わります。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは産業公害対策に関する件について、質疑のある方は順次御発言を願います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 両大臣がおられますから、ただいま意思表明のありました内容に限って簡単に二、三の点についてお伺いしたいと思います。  五十五国会で公害対策基本法が成立をされて、本格的に国といたしましてこの公害防止、こういう点について努力をするということになったわけでありますし、いま両大臣から所信の表明があり、対策というものが打ち出されたのでありますが、どうもこの実態というものはなかなか進行しない、大臣が考えるほど進行していないのであります。その欠陥は——やはり私は、非常に広範に各省にまたがってやられている関係上、そういういわば運用上の欠陥があるから、大臣がおっしゃられるところがなかなか実際に実行に移されていない、こういうふうに考えるのですけれども、この公害防止に関する一元化を大臣はどう考えておられるか。やはり各省をまとめて、そういうものに対する具体策を講じていく必要があるんじゃないかと私は思うのですが、一元化方式について通産大臣、運輸大臣はどういうふうに考えておられるか、その点をひとつお聞かせ願いたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 公害行政の一元化についての御質問でございますが、まあできるならば所管官庁を一つにして、すべての公害はそこで片がつくということにすることも一つの方法だと思いますけれども、しかし、それぞれの所管官庁の管掌する公害の範囲というものはみな異なっておりますので、これを無理に一元化しても実際の効果はあがりにくい。やはり最もその問題に関係の深い、そして一々の行政でその状況を詳しく知っておる官庁の所管に置いて、出てくる公害というものに対する対策を講ずるというのが、やはり実際的だと私は考えます。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 公害対策基本法によりまして公害対策会議と公害対策審議会というものが各官庁を網羅してできておりますが、そこで調整をとるのが当面の方針としていいと思っております。各官庁みな連関をしておりまして、たとえば排気ガスの例を一つ考えましても運輸省、それから厚生省、いろいろなふうに牽連関係があるわけでございます。しかし、それを一つの官庁だけでやると申しましても、厚生省が自動車までやるというわけにはまいらないわけです。したがって、連絡会議をつくりまして、その中継地点をうまく接続するように監督していくのがいいのではないかと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いまの両大臣の答えですと、現行のままでいいんだということですが、私はこれでは決して十分ではないと思います。たとえば、これは一例でありますけれども、宮城県に塩釜という港がありますが、ここに最近、石油基地がどんどんできていっているわけです。そういうことに対しまして、ひとつこの石油基地の防災対策をやろうということになると、一つは消防関係になる、一つは建設省関係になる、一つは運輸省関係になる。一つの取り組み方について各省に全部またがっているんですね。そういうときに少なくとも何らかの形で、まあこれは公害省とは言いませんけれども、それに準ずるような——ここまで事態が深刻になってくれば、政府もやはり、これはほんとうに公害対策基本法に基づいて具体的な実効というものをあげていこうというならば、そういういわば機構上の整備を、当面そういう実効と相まって、やっていかれるのが至当ではないか、こういうふうに考えるのでありますけれども、いまの両大臣の話ですと、いずれも現行のままでよろしいということですが、その辺の具体的な悪例について、しからばどう考えるのですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) いまの石油基地の問題でございますが、その場合は、知事なりあるいは公共団体の長あたりが主催をして公害対策の地元の会議をつくっていただいて、そうして各本省と連携しながら対策を講じていくという以外に、ちょっとやむを得ないのではないかと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 ちょっと関連質問。いまのような話なんですけれども、私は公害基本法を立法した基本精神というものはどこにあるのか。何といっても私は人間の生命、健康というものを第一義に置いて、他の各省においてその第一義を守っていくために公害基本法というものができたと思う。きょうは厚生大臣が見えてないわけですが、主権在民国家における人間の生命というものの保持、健康保持というたてまえに立って、自動車産業であろうと、通産の工業であろうと、いろいろのところでそれに焦点を合わせて、公害防止対策をきめていくということにならないのか、自分の主管庁だけの一般論としての公害対策ということだけでは、まず私は少し公害というものに対する見方というものが違っていやせぬか、こう思うのですが、それに対する所感はどうですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 公害は、御承知のとおりいろいろな形で出てまいります。決着するところ、人間尊重の立場からどうしてこの公害を防止するか、できた公害をどうして排除するかということになるわけでございますが、そういう趣旨において何が一体公害として行政的に取り上げるべきものであるか、その範囲であるとか、それに対する国の責任であるとかいったようなことについて、基本的にまず一つの基本立法をいたしまして、そしてそれの総論に対する各論というような形においてそれぞれの公害というものを規制する、こういう進み方にしようということで、公害基本法というものがまずできたわけでございます。目的は人間の生命とかあるいは健康というものに関連しますけれども、その公害のよってきたる根源というものは、いろいろな行政官庁に分かれておりまして、目的は同じでも、その目的を達成する手段というものはおのずから違う。その手段方法というものを最も有効適切に発揮して、そして公害の対策を講ずるという意味において所管はおのずから分かれておるが、ただ、いろいろ関連するところがございますから、自動車から出てくる排気ガス、工場から出てくる亜硫酸ガス、同じガスでもその出どころが違う、しかし空気汚染というものに対する場においては共通のものがありますので、そういう点では共通の協議の場をつくりまして、そうしてこれを円滑に遂行していくという仕組みをとるのは、これはもうやむを得ないことではないか。これ以上私は、もしいい方法があるならば、別にいまの方法に固執する必要はありませんけれども、さしあたりわれわれの研究ではなさそうでありますので、こういう仕組みでやろう、こうしているわけでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 その公害のよって出てきた基本というものは、人間の生命、生存、そして健康を保持する、それから国民が生存上障害になることを公の害として考えるということになってきたのじゃないですか。各省の所管において公害をなくそうという、そのものさしの一番頂点にあるのは人間の生命、健康という、こういう形で公害対策というものが前に進まなければ意味がないと思うんです。産業はこれだけ伸ばさなければいかぬから、人間の生命と関係なしに、多少これなら公害が出るだろうぐらいのところで議論をしていちゃどうにもならぬ。だから、私は公害基本法に基づいて、そのものさしの基本に基づいて人間の生命をあずかっている厚生行政、厚生省というものが、人間の生命、生存、健康上に、大気汚染から水質汚濁から、あらゆるものから、人間の生命、生存上に障害が起きるというのなら、そこに何としても公害対策は集中的にそれを基本にしてやっていかなければ意味がないんじゃないか。だから、いま通産大臣の言われた、いろいろの各省に分かれている業務の中で公害の問題をおやりになると、そうせざるを得ないでしょう。厚生省が何もかも業界に命令を出すわけにもいかぬ、総理大臣ならともかく。しかし、そこにピントを合わして各省でおやりになるということにならなければ——私は二、三の公害問題で議論をいたしましたけれども、厚生省の業務事項は環境衛生局が担当している。厚生省の業務事項以外のことは——それは厚生大臣、厚生省としての業務事項のことはおやりになるけれども、それ以外の公害については各省がおやりになるというようなものの考え方で、公害基本法全体の公害防止対策をどうしていくかということになってくると、たいへんなことだと私は思う。しかし、そういう認識で——公害基本法に基づく公害最高会議があって、事務局というまとめのところがそういう認識で公害対策を講じられているということになれば、真の公害基本法にうたわれている大精神が生きてこないんではないか。だから私は人間の生命、生存、健康というものに、ものさしを合わせて、そのものさしに沿って公害対策というものを立てていかなければならないんではないか、こう思っているのだけれども、いま、先ほどの話を聞いていると、その基本的なものが言われず、いや別々にやるのじゃと、どこへものさしを合わすかということもおっしゃらない。だから私は、ちょっと関連ですけれども質問したのです。そこのところをはっきりしてください。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) お説に私も共鳴いたしたいと思います。何と申しましても、人命尊重と申しますか、被害を受ける国民の立場になって行政をやるというのが主であり、内閣は一体でありますから、そういうお気持ちで内閣として扱わなければならぬと思います。具体的には総理大臣あるいはその下における厚生大臣が人命尊重や保健衛生の問題に一番主任務を持っておるわけでありますから、厚生大臣が中心になって、そういう点によく気を配って、まあ万全なように、事前に、あるいは事後に国民の健康を保持するという点によく注意していただいて、各省にも警告を発するとか、事前の措置を要望するとか、そういうところを会議で厚生省のほうから指導してもらえば、私は非常にいいのではないかと思います。  それと同時に、環境基準というものをつくりまして、これは各省が寄り集まって、自動車ならば一酸化炭素は何%とか、あらゆるそういう環境基準を国の権威においてこれを確立していく。その環境基準を厳守するという点について、それは各省力を合わして行なう。実行するのは主管の各省各省でありますけれども、そういう環境基準を国民の保健に合わせてつくるのは厚生省等が中心になって各省一致してつくる、そういう考え方でものを進めていったらいいんではないかと思っております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いずれ機会を見まして、次回にただいまの一元化の問題については具体的に質問ないし討議をしてまいりたいと、こういうふうに考えますが、どうかひとつ両大臣がおられるのですから、そういった一元化の問題について、まあいろいろと公害対策基本法とかいろいろつくるのでありますが、それが実際思うように推進をされておらない。いずれ具体的な事実をもって再度またやりたいと思うのでありますが、そういう事態が数多くあるわけであります。防止ではなくて、むしろいまの段階は、この発生したものを追いかけ切れないという、そういう事態だと思うのです。事態はきわめて深刻なのでありますから、どうかひとつ、そういう面についての検討を、この機会に要望しておきたいと思います。  それから、第二の問題は、この三に、「産業公害総合事前調査の拡充と工業立地適正化対策の推進」、こういうことがありまして、「四十三年度は、この調査地点を拡大する」とありますが、具体的にどういう内容に向けての調査の地点を対象としているのか。その地域についておわかりであれば、ひとつお伺いをしたいと思います。  それから次に、この工業立地適正化法の制定と砂利採取法の抜本的改正案をいずれも準備中である、こういうことをおっしゃられたのでありますが、この見通しは具体的にいつごろですか。この点について大臣からひとつ伺いたい。  それから、助成措置の拡充ということでいろいろ、ただいま運輸大臣からも、通産大臣からも言われたわけでありますが、最近の騒音あるいは大気汚染、こういうことによって学校の被害がきわめて多くなっておるわけであります。文部省の学校公害に関する資料によりますると、おおむね東京都で二十校、神奈川県で八校、大阪で三十七校、三重県で三十八校、こういうぐあいにあるわけですが、結果的に国の補助率は三分の一なんですね。ですから、実際にかかった経費よりはるかに下回ると思うのですが、両大臣は、いずれも、この助成措置の拡大ということを言っておるわけですが、具体的にどの点まで考えておられるか。その辺の助成措置の内容等について大臣の考えをひとつお聞かせ願いたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 砂利採取法の改正案は近く提出するつもりでございます。それから工業立地適正化法はただいま準備をしております。申し上げるまでもなく、公害あるいは過密化、そういう点からみて、これ以上は工場の設置は無理であるというような地点には工場の新しい設立を認めない。そして、ただ認めないというばかりではなしに、どういう適地が準備されておるというようなことも親切に言えるような、そういう制度でございますが、多少他の省との所管の関係がございまして、それの調整にいまかかっておる状況でございますので、これもそう遠からず提出したいと考えます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 助成措置の内容は。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 助成措置につきましては、予算の関係もございますので、十分には大蔵省とも話がついておりませんが、大体万遺憾なきを期したい、こう考えます。その他の点については事務当局から御説明申し上げます。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 航空機の騒音対策につきましては、昨年度は三億円でございましたが、ことしは五億三千万円補助金をつけました。学校の数は昨年が十カ所、ことしは十四カ所であります。そのほか公民館とか共同の子供が遊ぶ場所とか、そういう共同利用施設は四十二年度、四十三年度おのおの二カ所ずつであります。それから廃油の処理施設の補助金を四十三年度におきまして三億八千四百万円を出すことになっております。

矢島嗣郎通商産業省企業局立地公害部長

○説明員(矢島嗣郎君) 第一に御質問の事前調査の件でございますが、事前調査はすでに四十年度からやっておりまして、毎年調査個所を増加しておりまして、たとえば四十年度は三カ所、四十一年度は四カ所、四十二年度は五カ所、これは大気汚染関係であります。四十三年度は四年目にあたりまして、大気汚染の関係につきましては五カ所が六カ所に相なります。六カ所の中身は最終的にきめておりませんが、たとえば北海道の苫小牧とか、秋田県の秋田湾地区とか、千葉県の君津とか、広島県の福山、福島県の小名浜、山口県の宇部というような六カ所を考えております。第四年度になりますので内容的にも経験を十分積んでおりまして充実した調査ができるものと期待をしております。  それから、川の関係につきましては、四十二年度——本年度は四カ地点でございますが、来年度は五カ地点、一カ地点ふやしました。たとえば徳島、それから兵庫県の加古川、愛知県の東三河、千葉県の木更津、あるいは北上川を考えておりますが、最終的に場所はきまっておりません。  以上であります。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 最後に一点だけ運輸大臣にお伺いしたいことは——原田委員の質問もまたあると思いますので、私はこれで終わっておきたいと思いますが、国鉄労働者の不満の高じた問題がいろいろと労使双方で検討されておるようでございますが、この見通しがきわめて暗い。結局多くの問題がありますけれども、安全対策につきまして、従来二人乗務というものが一人乗務に削減されてくる、こういうことがやはり問題の焦点だと思う。現在二人乗務しておるわけですけれども、これらの問題について一名にした場合は非常に危険の度合いというものが多い。たとえば新幹線を見ましても二百キロ近いスピードであのとおり走っておるわけです。これが脳溢血やなんかで運転士が死亡する、こういうような状態になった場合に起こる被害というものは、これはなまやさしい問題一じゃないと思う。幾つかそういう事例が実はあるわけです。そういういわば安全保持上、運輸大臣は一人削減というものについてどういうふうに一体考えるか、詳しい内容については次回にやりたいと思うのでありますが、その点だけひとつお聞かせを願いたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 合理化の問題は労使の団交の対象になっておりまして、この点について運輸大臣が所信を表明することは団交の進行上うまくないんじゃないか、そういう気がいたします。経営者を利してもいかぬし、労働者側がマイナスになってもいかぬ、ともかくいま団交がどういうふうに進行するか見守っておる状態なのであります。しかし、合理化の話は、だんだん話のつくのもだいぶ出てまいりまして、大体いま二つの、御指摘の機関助士の問題と検修の問題に大体決着してきておるようです。この問題も労使でよく話し合って時間をかけていけば、いずれは話がつくものだろうと私は期待しております。

原田立公明党

○原田立君 通産大臣にお伺いしたいと思うのですが、所信表明を読ましていただきまして、第一ページのところですが、「事態の的確な認識に基ついて企業も、国も、地方公共団体も、そして住民も一体となって対処することが必要でありますが、」と、こういう一節があるわけですが、この「住民も一体となって対処する」ということは、どういうふうに御認識になっておられるのか、お伺いしたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ公害を受けるほうの住民も一体となってということは、やはり協力していただくと公害を受ける程度もよほど違っていくのじゃないかと私は思いますので、そういったようなことを念頭に置いて、これが書かれておるものと私は了解しております。たとえば何も防備しないと、もろに空気汚染の公害というものを受けなければならぬ。これをなるべく出さないように工場のほうでも気をつける、また出させないように地方公共団体もこれを監視する、公害を受ける人もまあできるだけ気をつけて、その公害を受ける程度というものを軽減するということにやはりつとめる、こういうことが必要ではないかというような点を、例として適切かどうかわかりませんけれども、そういうことだろうと考えております。

原田立公明党

○原田立君 どうも、いまの御説明でははっきり私納得いたしません。「企業も、国も、地方公共団体も、」というところまでは私十分納得するんですけれども、被害者の住民が、これも一体となって対処するだなんて、これはどうも私納得がいかない。いつも住民のほうは被害者の立場なんです。それを「一体となって対処する」だなんて言ったら、通産大臣は、産業の健全なる発達ということのみを頭に置いているんだから、住民のほうの問題については軽くさっと流されたんだと思うんですが、ここいら辺の認識をあらためてもらわないと、公害問題は今後も続発するおそれがあるんじゃないかと、私、非常におそれるんです。それで、いま通産大臣が、住民のほうも準備しておけば公害の発生は少なくなるじゃないかというような議論は、私はどうしても納得しがたい。もう少しはっきりとした御答弁をいただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 基本法の第六条に、「住民は、国又は地方公共団体が実施する公害の防止に関する施策に協力する等公害の防止に寄与するように努めなければならない。」と、こう書いてあるんです。それで、結局、被害を受ける側に協力させるとは何だと、こういうことだと思いますが、やはり下水道の汚染を来たさないようにということは、工場ばかりでなしに、そこに住んでいる住民もやはりともに協力するという気持ちになって、なるべく汚染するようなことは差し控えるとか、あるいは自動車の排気ガスにいたしましても、絶えず使うほうの側で気をつけるといったようなことで、やはり住民もともに協力する、しかし、無理な協力をしいるという意味じゃありません。ともに協力するということが望ましいと、こういうことがこの六条に書いてあるものと考えます。

原田立公明党

○原田立君 あまり時間がないようですので、いまの御答弁では、たいへん私、納得しがたいんですが、次に進みたいと思います。  二ページ目に、「工業立地適正化法の制定を準備中」であると、こういうことがあるわけでありますが、通産省で考えているこの工業立地適正化法案は、公害がひどいから産業公害防止のためにつくるのか、あるいはまた、産業の健全な発達、産業効率を考えてつくるのか、どちらのほうが主体になっておるのか。要するに、私がお聞きしたいのは、今度の工業立地適正化法案というものが、現在、いまやかましく言われている公害防止、その面に重点を置いてつくられるものであるのかどうか、あるいは産業の効率化ということ、そっちのほうが重点なのか、その点はいかがですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 公害防止と、それから過密防止ですね、過密防止のために工場の設置を規制すると、こういう趣旨でございます。

原田立公明党

○原田立君 そうすると、産業公害防止のために今回この法律をつくるんだと、こう理解してよろしいんですね。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) それと過密防止、両方であります。

原田立公明党

○原田立君 ここで、厚生省のほうでいま公害基本法をもとにしていろいろ法律をつくろう、こういうふうにやっているまっ最中なわけですね。そのときに、この通産省のほうから工業立地適正化法案が出てくると、お互いに競合し合うのじゃないか、あるいはまた、お互いに、悪いことばですけれども、なわ張り争いみたいになって、へんな工合になっていって、結局国民の望んでいる公害防止ということがあやふやになるおそれがあるのではないか、こういう一般の人たちの声が強いのです。その点、大臣はどうお考えですか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ、つくらんですむなら、つくらないほうがいいと思いますが、やはり産業の見地からどっかにつくらなければならぬ、そこが適当な場所でなければ、他に工業を発展さしていかなければならない、こういう見地から通産省としては、その具体的な問題についてどういう地点が適当であるかというような点も十分に調査をいたしまして、そうしてそういう方面に誘導する。こういう行政も一緒にかね行なうということにしないと、産業対策上どうもそこに欠陥が出てくるのでございます。これは、ひとつ通産省でやってしかるべきではないか、こういう考え方でありまして、これに関して、とにかく空気汚染あるいは騒音、過密の防止といったような点だけを取り上げれば、これは厚生省でやったほうが適当だというような意見もなくはないようでありますので、その点の調整をただいま行なっている最中でございます。

原田立公明党

○原田立君 あと、いろいろとお聞きしたいと思ったのですが、運輸大臣にお伺いしたいのですが、自動車の排気ガスを、大臣は運輸公害の三つの重要公害の中の一つに入れておいでになっておるのですが、昨年九月以降の新車はすべて一酸化炭素濃度を三%以下とするように規制している。この三%というのは、はたして人体に影響のない濃度なのかどうか。以前から自動車の排気ガスによる公害ということが、かまびすしく言われている最中でありますので、その点お伺いしたいと思うのです。  それと、いま日本からは、アメリカに大量の車が輸出されておりますけれども、これには非常にきつい規制措置が講じられております。それと対照して現在のこの三%というのがどういうふうな関係にあるのか、その点お伺いしたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 亜硫酸ガス、一酸化炭素等に関する環境基準というものがよく確定していないらしいのです。それででき得る限り早期に安全率をとった基準をつくることが望ましいので、厚生省と各省と連絡をとっていま鋭意検討している模様であります。とりあえず、現在放置しておいてはいけませんので、三%という基準をつくってやっております。それで新車については、もう現に実施中であり、それから新車でない車につきましても、運輸省で約三万マイル自動車を走らせて実験いたしまして、大体自動車の点火せんとかエンジンとか、そういう部分にある一定の工夫を加えれば、かなり一酸化炭素を減らすことができるという実験結果がありましたので、その基準をいまやるように鋭意措置を進めております。十万マイルぐらいやってみて、その数値を確定してやりたいと思って、いま検討中なのであります。アメリカでは、大体二・三%の模様であります。

原田立公明党

○原田立君 ごく簡単なことでいえば、アメリカ二・三%、わが国は三%。どのくらいの差があるのか私よくわかりません。わかりませんけれども、向こうから見れば確かに濃い部類に入りますね。それを御承知で三%というふうにきめられたのかどうか、どうも納得がいかない点なんですが。  それからなお、旧自動車については整備基準を制定すべく目下調査研究を継続実施中である、こういうことでありますけれども、これはいつごろでき上がって、なさるのか。厚生省のほうとも連携をとられておやりになることだろうと思いますけれども、あわせお答え願いたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は、説明員より御答弁申し上げさせることにいたします。

堀山健運輸省自動車局整備部長

○説明員(堀山健君) アメリカの規制でございますが、アメリカの規制は高いのが二・三%ということになっております。ただアメリカの場合はむしろスモッグのほうの影響が大きいということで一酸化炭素のハイドロカーボンの規制のほうに重点があるということでございます。日本のほうは将来そういうふうになってまいったら、そのような方向で規制をいたしますが、当面の問題としては一酸化炭素の問題のほうが大きいので、その方面の規制をしておるということでございます。  それから、現在すでに走っておる車に対する規制の問題でございますが、先ほど大臣から答弁がありましたように、昨年当初から実験車を走らせまして、三万五千キロ、これほどの距離を走らせまして、その結果——従来、車の点検整備につきましては安全という面に重点があったわけでございますが、六項目ばかりエンジンについて点検すべき項目をきめておったわけでございます。ところが、いろんな検討の結果、十項目について新しくつけ加えれば、さらに排気ガスの条件がよくなるということを一応頭に置きまして、全然整備をしない車、それから従来のきめられた定期点検をやった場合、それから新しく十項目をつけ加えてやった場合、この三つにつきましておのおの三万六千キロ走らせたわけです。毎月チェックをいたしまして、この三つの方法でやった場合にどのような変化があるかということを調べたわけです。その結果、新しく入れました十項目をつけ加えますと、従来の、極端にいいますと、動けばいいという程度の整備状態に比べますと、車の排気ガスの悪い状態が約半分になった。こういう結果がわかったのであります。ただ、その実験結果は、三万五千キロの結果でございますので、さらにもう少し追跡調査を続けまして、少なくとも今年中には、これをはっきりした定期点検基準ということで制定したいと思います。しかしその間、放置するわけにもまいりませんので、とりあえず、こういう結果が出たということがはっきりいたしましたので、これを指導要領ということで車の持ち主なりあるいは整備工場に指導しているというのが、現在の段階でございます。

原田立公明党

○原田立君 これで終わりにしたいと思いますが、船舶の油による海水の汚濁防止のところには、「所要の補助金支出あるいは財政融資等につき予算措置を講じております」、こうあり、自動車排気ガスのところにはその点がない。第三の航空機の騒音対策のところでは「補償」云々、こう出ておりますが、自動車排気ガスの除去のための研究、それらの所要費用等には——こうやって公害問題で項目をあげておられ、重要問題、重要課題としておられるのでありますから、調査研究には非常に予算をつけておやりになっておると思いますが、その点いかがですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) その点は、船舶技術研究所におきまして専門官をつけまして検討をやらせております。  なおそのほか、自動車のメーカーともいろいろ連絡いたしまして、メーカーのほうでもいろいろ実験研究を連携してやっていただいております。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をつけて。  本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後二時十六分散会

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