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58回国会参議院1968/03/06

産業公害及び交通対策特別委員会 第3号

発言数
32
登壇者
6
会派数
2
開催日
1968/03/06

会議録

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について報告いたします。  去る三月一日、秋山長造君及び大橋和孝君が委員を辞任され、その補欠として中村順造君及び柳岡秋夫君が選任されました。     ―――――――――――――

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十三年度交通対策関係予算及び交通事故の概況に関する件について、総理府から説明を聴取いたします。宮崎総理府陸上交通安全調査室長。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) それでは最近におきます交通事故の概況と、昭和四十三年度におきます交通安全対策関係予算の概要を御説明いたします。  お手元に資料をお配りしてございますが、まず「交通事故の概況」につきましては、この四枚つづりの資料がございます。これは非常に簡単でございますが、これに基づきまして概要を御説明申し上げます。なお詳細につきましては、同じくお手元に警察庁交通局から、「昭和四十二年中の交通事故発生状況」という資料をお配りしてございますが、これを御参照いただけば幸いでございます。  昭和四十二年、これは歴年でございますが、昭和四十二年におきます交通事故は、この大きな表の第一表。ここには件数がちょっと出ておりませんが、件数といたしましては、五十二万千四百八十一件でございます。これは対前年、つまり昭和四十一年に比べまして、九万五千五百三十七件、二二・四%増と相なっております。  次に、交通事故による死者数でございますが、これはこの大きな表の一番右の欄に出ておりまして、昨年は一万三千六百十八名でございます。四十一年は御承知のように一万三千九百四名という犠牲者を出したわけでございまして、これが従来の交通事故によります死者数の、史上最高といわれた数字でございますが、幸いなことに昨年はそれに比べまして、二百八十六人、二・一%減少いたしております。これは史上第二位ということになるわけでございます。しかしながら、反面、負傷者数が、ここにもございますように、六十五万五千三百七十七名という非常な数でございます。これは昭和四十一年に比べまして、実に十三万七千六百二名、二六・六%の増加を見ておるわけでございます。こういったわけでございまして、昨年のわが国の交通事故では死者数におきましては幸い若干の減少を見たわけでありますが、負傷者数が大幅に増加をいたしておりまして、わが国の交通事故の状況はなお楽観を許さないということでございます。  なぜこのように負傷者数がふえたかということにつきましては、現在警察庁等におきましてもいろいろ分析、検討中でございますが、一つ、考えられますことは、最近追突事故が相当ふえております。いわゆるむち打ち症に関しまして追突事故がふえております。しかも、追突事故で従来軽微なものにつきましては、必ずしも警察に事故として届け出なかったものも相当ございました。しかしながら最近は、例のいわゆるむち打ち症が非常に大きな問題になっておりまして、軽微な衝突事故で軽微な負傷であってもいろんな問題がございますので、事故として届け出る。したがって、従来、闇件数として隠されたものが相当顕在化したというのも一つの理由ではないかと推定しております。この負傷者につきましてはまだ十分な分析ができておりませんが、重傷者よりも軽傷者の数が非常にふえているという事実は、ある程度そういうことに原因があるのではないかと推定いたしております。  それから交通事故の最近の特色でございますが、これはこの数年間あまりたいした差は見えておりません。十分御承知のことと思われますが、わが国の交通事故の一つの特色といたしましては、たとえば死亡事故につきましては、歩行者の死亡事故が非常に多いということでございます。これは最近、大体ここ数年間死亡者のうちの約三割――三三、四%、歩行中に自動車にはねられて死亡した者の数でございまして、これはたとえばアメリカ等に比べますと、その構成率が相当高いというのが一つの特色でございます。これらの点に関連いたしまして、政府といたしましては、従来から特に歩行者保護ということに重点を置きました交通安全施設の整備を強力に推進しておるわけでございまして、このような交通安全施設の整備と相まちまして、この歩行者の死亡事故を、当面極力これを押えていきたい、このように考えております。そういった点から、交通安全施設の整備も最近着々と進捗いたしておりまして、わずかでございますが、最近の傾向といたしまして、車対車の事故のほうがだんだんふえてきている。こういった観点から見ますと、わが国の交通事故も次第に車対車の事故、つまり欧米型の事故にだんだん変わっていくのではないかという傾向も見受けられるわけでございます。それからまた、交通事故負傷者の発生は、現在のところ全国的に見ますと、七大都府県にやはり絶対数としては圧倒的に多うございまして、東京、大阪、愛知というようなところが絶対数としては非常に多いわけでございますが、これもここ数年間の傾向といたしまして、これらの七大都府県におきます事故発生率、死傷者の発生率はだんだん伸びが小さくなり、あるいは頭打ちの傾向を見せております。これに対しまして、七大都府県以外の中小府県におきます交通事故の発生の伸びが最近非常にふえておりまして、絶対数はもちろんこの七大都府県のほうが多いわけでございますが、わが国の交通事故はだんだん地方のほうに移行しているんではないか。これは同一府県内におきましても、たとえば東京都を例にとりますと、環状線の内側のような地域におきましては、事故の伸びが非常に減少している、あるいは頭打ちになっている。反対に環状線の外側あるいは三多摩方面等に相当に事故が伸びておる、こういう現象が見られるわけでございます。これらの原因につきましてはいろいろございますが、政府といたしましては、最近におきます、あるいは将来におきます交通安全対策としては地方の末端にまで浸透するような、きめこまかな対策を立てなければならないだろう、こういう観点からいろいろの施策を講じておるわけでございます。  それからなお、諸外国との比較でございますが、これはいろいろ条件が異なりますので、単純に比較ができないわけでございます。ただ非常に大ざっぱに申しますと、たとえば自動車の保有台数千台で比較して一体死者がどれくらい出ているであろうかということが、非常に大ざっぱな比較になるわけでございまして、これは一番最後の表の右の欄に書いてございます。ごく最近の統計がございませんので、ちょっと比較のしようがございませんが、たとえば一番右の欄の一九六五年を例にとりますと、自動車千台当たりの交通事故による死者の数は、オーストラリア〇・八、カナダ〇・八、フランス一・〇、オランダ一・六、イギリス〇・八、アメリカ〇・六というのに比べまして、日本は二・五というような非常に大きな数字が出ているわけでございます。ただ、日本のこの場合の千台当たりの死者数の「死者」と申しますのは、下の欄外に注をいたしておりますが、交通事故が直接の原因となりまして死亡した者の数でございます。これに対して、先ほど来私が申し上げております交通事故の死者数と申しますのは、これは警察でとっております統計で、交通事故発生後二十四時間以内に死亡した者の数のことでございます。したがいまして、どうしても交通事故が直接の原因となりまして死亡した者の数は警察統計を上回るわけでございまして、大体毎年の例をとりますと、二割五分程度上回っております。この最後の表に出しております死者数は、これは国連統計におきましては、交通事故が直接の原因となりまして死亡した者のすべての数をとっておりますので、日本の数値も、これは警察統計とは変わった、より大きな数字を使っているわけでございます。したがって、これが二・五という数字になっているわけでございます。  こういったわけで、わが国の死者数は、千台当たりの死者数を諸外国と比べますと、条件が非常に異なりますので一がいに比較はできませんが、少なくともこの死者数から見ますと、わが国はまだまだ事故防止をしなければならないという余地が残されているのではないかと思われるわけでございます。  しかしながら、国内的に見ますと、この自動車千台当たりの死者数というものは年々非常に減少いたしております。これは先ほど申し落としましたが、第一表の一番下欄にこれが書いてございますが、たとえば昭和三十一年――これは十二年前でございますが、昭和三十一年におきましては、自動車の台数が約百七十一万台でございまして、これに対する死者数が六千七百五十一人、自動車千台当たりの死者数は三・九名でございまして、これが毎年だんだん減少いたしまして、史上最高という数字を出しました一昨年におきましても、自動車台数が九百三十三万台でございますので、千台当たりの死者数は一・五人、昨年は自動車台数がついに千百万台を突破いたしておりますので、死者数は一昨年より減っておりますので、一・二名という数字でございます。  このように、国内統計――もちろん、これは国連統計でも大体同じ傾向が出ているわけでございますが、自動車千台当たりの死者数というものは逐年的に減少の傾向がある。で、もう一ふんばりすれば、この数字も西欧の先進諸国に追いつけるのではないかと、私たちもそれを目標として今後大いに努力いたしたいと考えておるわけでございます。  交通事故の概況につきましては、まだいろいろ御説明申し上げべき点もございますが、時間の関係もございますので、一応この程度にいたします。  次に、昭和四十三年度におきます陸上交通安全対策関係予算の概要を御説明申し上げます。  「昭和四十三年度陸上交通安全対策関係予算調書・昭和四十三年三月六日・総理府陸上交通安全調査室」という表がございますが、これに基づきまして、御説明申し上げます。御承知のように、現在政府におきます交通安全対策関係の予算はそれぞれ関係省庁に分かれております。そこで、どれをもって交通安全対策関係予算というかはなかなかむずかしいわけでございますが、一応ここ数年来、総理府におきまして、交通安全に直接関係ありと思われる各省庁予算を抜き出しましてまとめましたのが、この表でございます。したがいまして、これ以外にも交通安全に間接的に関係ある予算というものはそれぞれ各省庁にあるわけでございますが、ここでは便宜上直接関係あるものだけに限定して列挙してございます。  結論を申し上げますと、昭和四十三年におきます、ただいま申し上げた意味の交通安全対策関係予算は、総額約五百九十七億でございまして、これは昭和四十二年度の当初予算額四百六億に比べますと、約四七%増加いたしておるわけでございます。私たちももちろん、これで完全なものとは考えておりませんが、財政硬直化がいわれておりましたおりから、このような伸びを見せましたことにつきましては、これによって相当な施策が実施できるのではないかと考えておるわけでございます。  交通安全対策につきましては御承知のように、かねてから政府といたしましては何本かの柱を立てて、それらを総合的に推進するということにいたしておりますので、この予算調書も便宜上七つの柱に分けております。以下その七つの柱のそれぞれにつきまして御説明申し上げます。  第一が道路交通環境の整備に関する予算でございまして、これは五百三十二億でございます。前年度が三百五十九億でございまして、約百七十二億の増でございます。  内訳を申しますと、まず最初が交通安全施設等の整備でございまして、これは警察庁関係と建設省関係に分かれております。警察庁関係は、御承知のように、都道府県公安委員会が設置いたします信号機それから横断歩道あるいは道路標識等に要する経費でございまして、約十四億でございます。四十二年度が八億でございますので約五億六千万の増でございます。それから建設省関係の予算は、これは御承知のように、横断歩道であるとか横断歩道橋でございますとか、あるいは街路照明灯その他に要する経費でございまして、百九十六億でございます。昭和四十二年度が百七十一億でございまして、二十五億の増でございます。これらを合計いたしますと総額二百十億になるわけでございまして、この二百十億は昨年国会で成立いたしました「通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法」に基づきます通学路における交通安全施設の整備を含めまして「交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法」に基づきます三カ年計画の四十三年度分の予算に該当するわけでございます。この三カ年計画は、御承知のように昭和四十一年度から開始されまして、昭和四十三年度が最終年度に当たるわけでございますが、この最終年度におきましてこの二百十億を投入いたしまして交通安全施設の整備を行なう、こういうわけでございます。なお、通学路に関しましては、同じく先ほど申し上げました緊急措置法に基づきまして、市町村道につきましては従来の補助率の二分の一を三分の二にアップいたしております。これを当然含んだ額でございます。このような結果といたしまして、交通安全施設等整備事業三カ年計画につきましては、当初は事業費六百三億をもってこれを実施する予定にいたしたわけでございますが、昨年しばしば申し上げております緊急措置法に基づきます通学路の安全施設の整備計画の分がふくれました結果、改正されました三カ年計画の総事業量は約七百八十二億となっております。なお、それ以外に、これも同じく緊急措置法に基づきまして地方公共団体が単独事業といたしまして昭和四十二年度、三年度におきまして通学路におきます交通安全施設の整備をいたすことになっておりますが、これに要します事業費が約百七十億ほどでございまして、これらすべてを合わせますと、この三カ年間に約九百五十億の経費を投入いたしまして交通安全施設整備が行なわれるということでございまして、私たちといたしましてはこの三カ年計画が完成した暁には、既存の道路におきます交通安全施設の整備は、おおむねこれによって行なわれるのではないかと、このように期待をしておるわけでございます。  次に、第二が踏切道の立体交差化等でございまして、これは踏切の保安設備の整備と、それから立体交差化と構造改良のこの二つに分かれております。総額二百九億でありまして、昨年度の百七十二億に比べまして三十六億の増でございます。  最初の踏切保安設備整備でございますが、これは主として運輸省関係の補助金でございます。現在、踏切道におきます保安設備、これは遮断機でございますとか警報機でございますが、これを整備すべきものは原則として鉄道、軌道の事業者でございます。しかしながら、鉄道、軌道の事業者、特に私鉄のうち大手私鉄等は別にいたしまして、赤字私鉄につきましてはこのような保安設備を整備することがなかなか財政的に困難な事情がございますので、これに対しましては従来から国と公共団体がそれぞれ三分の一の補助をしておるわけでございます。しかしながら、昨年の緊急措置法に基づきまして、これら保安設備を緊急に整備しなければならないということに相なりました結果、政府といたしましてはこの補助率をアップいたしまして、従来、先ほど申し上げました国が三分の一、地方公共団体が三分の一、事業者が三分の一という負担を改めまして、国が二分の一の補助をいたす、地方公共団体は従前どおり三分の一でございますから、したがって事業者のほうは六分の一の負担で済むわけでございまして、このように赤字の会社につきましては補助率を上げまして、それによって保安設備を急速に整備するということでございまして、これに要する経費がここにございますように一億三百万でございます。  それから踏切道立体交差化等でございますが、これはさらに踏切道の構造改良、つまり拡幅とかをいたす構造改良と、それから、いわゆる立体交差化と分かれております。ここにはこまかい内訳数字を出しておりません。総額二百八億でございますが、そのうち、構造改良に要します経費といたしまして約二十七億見込んでおります。したがいまして、残りが立体交差化の費用と相なるわけでございます。この構造改良も、先ほど来申し上げております緊急措置法に基づきまして踏切道の緊急整備計画を立てまして、これの実施に要する経費でございます。総額といたしましては六十四億あまりございますが、そのうち、鉄道事業者が約十二億を負担いたしまして、あと五十二億、さらにそのうち九億あまりは昭和四十二年度の予算の流用におきましてもう片がついておりまして、残りの四十三億に対しまして国費として約二十七億を計上いたしたわけでございます。この場合の補助率も――これは直轄分、地方道に対してそれぞれ国が直接出す場合、補助いたす場合とございますので、市町村道に対する補助率は、先ほどの通学路にかかる交通安全施設と同じく、在来の二分の一の補助を三分の二アップいたしております。それの込みでございます。  (3)が交通安全対策特別交付金百二億でございますが、これは御承知のように、昨年の国会におきまして道路交通法の一部が改正されまして、新たに交通反則金という制度が設けられたわけでございます。御承知と思いますが、軽微な道交法違反におきましては反則金を納めれば刑事訴追されることがない、こういうことでございまして、これによって国庫に収納されました金は交通安全対策特別交付金といたしまして地方公共団体に交付され、交通安全施設の整備等に使われるということになっております。これは法律でそうきまっているわけでございます。これが本年の七月以降実施されますので、大体百二億の金額が見込まれておりまして、これが交付金といたしまして地方公共団体にまいりまして、地方公共団体はこれを使いまして交通安全施設等の整備を行なう、こういうことになるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました、たとえて申しますと、通学路にかかる交通安全施設等の整備のうち、地方公共団体の単独事業分が百七十億あるということを申し上げましたが、それらの一部にこの交通安全に関します特別交付金が充当されることになろうかと思いますので、そういった意味におきましても交通安全設備の整備は、昭和四十三年度におきましてはさらに強力に推進されると考えております。  四番目が児童公園等の整備でございまして、これは現在、子供が遊び場がないために道路等でつい遊んで、そのために交通事故にあうケースが非常に多いわけでございまして、これを防止するために、やはり子供が安心して遊べる施設をつくるということから、これは主として建設省の所管でありますが、数年来年次計画をもって児童公園等の整備を推進いたしております。四十三年度は約九億七千万でございまして、内訳を簡単に申しますと、児童公園約七百カ所、それから運動公園五十カ所、河川敷緑地が約十九カ所という予定で、これらのものを整備いたし、児童の遊び場を確保するということでございます。  以上が、第一の項目でございまして、次に第二の項目に移ります。  第二の「交通安全思想の普及」と申しますのは、あまりたいした経費ではございません。総額で四千四百万でございまして、前年度が千七百万でございまして、二千七百万の増でございます。  第一は、交通安全広報事業等の委託費、これは警察庁が全日本交通安全協会に対しまして、いろいろの交通安全に関します広報事業を委託する経費でございます。前年度千五百万円で百万円減っておりますが、これは経費節減をあらかじめ見込んだわけでございます。  それから、第二の交通安全教育センターの設置、これは文部省関係でございますが、これは昭和四十三年度から初めて発足いたします新しい予算でございます。内容を簡単に申しますと、各都道府県におきましてモデル校を選びまして、そのモデル校に小規模な交通公園を設置いたします。つまりミニチャの信号でございますとか、道路の絵を書きますとか、あるいは小さな車を用意いたしまして、これらに子供を乗せたり歩かせたりいたしまして、即物的に交通安全教育を行なうということでございまして、従来ただ教室だけで交通安全を教えているのに比べまして、これは相当な効果があるのではないかと、私たちも期待いたしておるわけでございます。さしあたって昭和四十三年度におきましては、全国で四十六の小学校にこれを設置する予定でございます。したがいまして経費を当初は二千八百万円でございますが、将来はこれを年次計画をもちましてふやしてまいりたい、こういうように考えております。  それから、第三番目は交通安全指導の研究推進、これも文部省でございますが、これは主として学校の先生のための講習会等の経費でございまして、額も二百万と、きわめてわずかでございます。  三番目の柱が安全運転の確保でございますが、これは総額五十三億、前年度三十八億でございましたので、前年度に比べまして約十五億の増でございます。  第一が運転者管理センターの設置でございます。これは警察庁関係でございますが、これはあるいは御承知かと思いますが、現在警察庁におきましては電子計算組織によりまして全国の運転免許台帳をすべてこれに収録する管理センターの設置を三年計画で実施中でございます。今年がちょうど三年目にあたりますので、これによって一応運転者管理センターが完成いたします。こうなりますと、従来は各都道府県の公安委員会がそれぞればらばらに処理しておりました運転免許台帳がすべて警察庁に集中されるわけでございます。なお、それだけでなく、その後の運転者の事故歴、違反歴等が逐一この電子計算機に記憶されますので、これに基づきまして今後警察におきましては合理的な運転免許対策が講ぜられることになるわけでございます。実際にこれが動き出しますのは来年昭和四十四年度の秋ごろからの予定でございます。いずれにいたしましても、こういうものが完成いたしますと、現在若干問題がございました運転免許制度は画期的に合理化されるであろうということを期待しておるわけでございます。  二番目が交通取り締まり用車両の整備でございまして、これも警察庁関係でございます。交通取り締まり車両と申しますのは、御承知のように交通パトカー、白バイ、事故処理車等でございまして、一億七千三百万でございます。これも年次計画で整備をいたしておりますので、前年度に比べまして昭和四十三年度は七百万減になっております。内容を簡単に申し上げますと、パトカー八十七台、白バイ二百二十二台、事故処理車五十大台というのが内容でございます。これらによりまして交通取り締まりの機動化強化をはかろうということでございます。なお、この警察の交通取り締まり用車両の整備につきましては、警察法の規定によりまして全額国庫負担となっております。  それから、三番目が交通取り締まり等の強化に要します経費といたしまして、これも警察庁関係でございますが、七億二千七百万でございまして、これは対前年比一億六千八百万の増でございます。内容は非常にこまかなものが多うございます。いろいろ取り締まり用機材でございますとか、教養資材でございますとか、こういったものでございまして、これはおおむね補助金でございます。これも警察法の規定によりまして二分の一の補助ということに相なっております。  それから、四番目が交通事件裁判処理体制の整備でございまして、これは千二百万でございますが、主たる内容は簡易裁判所におきます判事、書記官の増員でございます。御承知のように交通事故違反がふえるに従いまして、裁判所におきます交通事件も逐次増加の傾向にございます。したがいまして、次に申し上げますように裁判官、検察官、ともに人手不足で困っているわけでございますが、まず裁判所につきましては、昭和四十三年度におきまして、簡裁の判事五名、書記官五名、計十名の増員を見込んでおります。  それから五番目は、これは検察庁関係でございまして、交通事件処理体制の整備でございますが、二億九千百万、その主たる内容といたしましては、交通事件検察処理要員といたしまして副検事二十名の増員をはかることが、この主たる内容になっております。  それから、六番目がダンプカー事故防止対策でございまして、これは昨年国会で成立いたしました「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」、俗にダンプ規制法と言われておりますが、このダンプ規制法の実施に必要な陸運事務所要員の増員が主たる内容でございます。この委員会におきましても、この点はいろいろ御議論されたところでございますが、結論といたしましては昭和四十三年度におきまして陸運事務所の定員七十二名、それから賃金職員三十名、一応頭数にいたしまして百二名の増員が認められまして、これによりましていわゆるダンプ規制法の運用には必要最小限度の人員は確保できたのではないか。このように考えているわけでございます。  それから、七番目が自動車検査登録業務の処理体制の強化でございまして、これは運輸省の関係でございますが、三十七億六千九百万、前年に比べまして十二億四千九百万の増でございますが、内容は検査場の増設、それから検査要員、登録要員の増員でございます。検査要員、登録要員合わせまして約九十名の増員を見込んでおります。これが主たる内容でございます。  それから八番目は自動車乗務員手帳制度の普及等でございまして、これは労働省の所管でございます。金額は一千万で、たいしたことはございませんが、これは現在労働省におきましては、主としてトラック運送をやっております事業所の運転者に対しまして来年度から運転者手帳を交付いたしまして、これによって適正な労務管理、運転管理をはかりたい。こういうことでございます。昭和四十三年度におきましては事業所といたしまして千三百八十カ所、対象人員といたしまして約二万人にこの手帳を配ることを一応目途といたしております。  第四番目の柱は、被害者救済対策でございまして、第一が救急医療施設の整備等でございます。これは主として厚生省の所管でございます。御承知のように最近一番問題になっておりますのは、交通事故によりまして特に頭部をけがした人をすみやかに適当な病院に運びまして、これに適切な処置を加えるということでございます。このために、政府といたしましては年次計画をもちまして、このような脳神経外科を中心といたしました救急医療センターというものを全国に約百十カ所、これは主たる国公立の病院に設置する予定でございますが、これを計画中でございまして、それに要します経費として三億七千万を計上いたしておるわけでございます。前年に比べまして七千八百万の増でございます。現在すでに国公立の病院には全国で十六カ所程度この救急医療センターが整備されておりますが、先ほど申し上げましたように、政府といたしましては通説にしたがいまして人口百万につき一カ所、したがって大体、百カ所から百二十カ所の救急医療センターを年次計画で整備いたしたいと、かように考えているわけでございます。なお、これ以外に、一般の開業医の方がそういうことが起こった場合に救急病院にある医療器具を容易に借りることができるという救急医療サプライセンター、これを主要都市に整備してまいりたい。このような予算も計上されております。  それから二番目に、むち打ち症対策に要する経費でございまして、労働省が四千百万を計上しております。いわゆるむち打ち症は最近大きな社会問題になっておりますが、これにつきましては、まだ治療方法でございますとか、治療の範囲、障害の認定等に関しましていろいろ問題が多うございます。そこで労働省といたしましては、主として労働災害補償の見地からこれらの点を調査研究いたすための経費として、昭和四十三年度におきまして四千百万を計上しております。これは、要するに調査研究のための経費でございます。なお、これ以外に、まだ確定いたしておりませんが、厚生省といたしましても若干の経費を使いまして、このむち打ち症対策の調査研究に当てるようにいたしております。額はまだ未定でございます。  三番目が救急業務施設整備でございまして、これは消防庁の関係でございます。昭和四十三年度は一千万でございまして、対前年で三千万減っております。これはどういうことかと申しますと、従来消防庁が補助金を出しまして救急自動車の整備につきまして補助をいたしております。消防業務は、御承知のように一定の市町村が行なうことになっておりますが、これらの市町村が救急車を整備する場合に消防のほうで補助金を出しておるわけでございますが、昭和四十三年度からはこれらの救急車は、もちろん例外は若干考えておりますが、原則といたしまして、先ほど申し上げました交通安全対策特別交付金によってこれを整備してまいろうと、こういうことにいまのところ方針が相なっておりますために、従来の救急車に対する補助金の額が減ったわけでございます。これが三千万円の減の原因でございまして、残りの一千万円は何かと申しますと、これは救急指令センターの新設に要する経費でございます。救急につきましては、先ほど申し上げましたように、交通事故が起こりました場合にすみやかに患者を救急車で、しかも適当な病院に運ぶことが大切でございます。これらを円滑に行ないますためには、中央に指令室を設けまして常に各方面と十分に連絡をとって、どこで事故が起こった場合にはどこの救急車が現場へ行け、そこで患者を収容したら、どこの病院に行けということがすぐにわかるようにしておく必要がある。これを救急指令センターと申しておりますが、すでに東京都、それから大阪市等では採用されておりますが、これを今後次第に各都市に及ぼしてまいると、こういうことでございます。  それから、四番目が交通事故相談活動の強化でございまして、これは私どものほうでやっておりまして、都道府県の行なっております交通事故相談所に対する補助でございます。昨年の七月以来、総理府が補助金を出しまして、全国の都道府県にそれぞれ交通事故相談所を設置させましたところ、非常に好評を博しまして、現在押すな押すなの盛況でございます。そこで必然的に相談員の数が非常に少ない、足りないということになってまいりましたので、来年度は昭和四十二年度の五千万に対しまして二千万増の七千万の経費を計上いたしまして、全国平均一カ所、相談員一名ずつの増と、それから補助職員の賃金分の補助を見込んでございます。  なお、従来は――去年発足いたしましたときには、この相談所はすべて都道府県に置いたわけでございますが、指定都市のうち北九州市は県庁所在地でございませんので、これ以外に北九州市にも来年度は一カ所相談所を設置する、これを内容といたしております。  それから、五番目に法律扶助事業の補助でございまして、これは法務省の関係でございますが、法律扶助協会に対する補助金でございます。なお、法律扶助協会と申しますのは、御承知と思いますが、貧困のために訴訟費用がない者に対しまして、その訴訟費用を立てかえることを仕事としている協会でございます。この場合、最近におきましては交通事故による訴訟が非常に多くなってまいっておりますので、この法律扶助協会に対します補助金をさらに上げまして、そういう交通事故にあわれた被害者の方が金がないために訴訟が起こせないという場合に、これに金を貸してあげるということを、さらにもっと積極的にやろうということでございます。なお、この点は次にあります自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助でも一部この法律扶助協会に補助いたすことになっております。  六番目が自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助金でございまして、これは運輸省の関係でございますが、自動車損害賠償責任保険におきましては、御承知のとおりに保険業務そのものの仕事でございます保険業務と、それからひき逃げにあった被害者に対して国が補償いたします保障事業とに分けておるわけでございますが、幸いひき逃げは相当検挙率が高まっておりまして、この保障勘定のほうに若干の黒字がございます。その利息を使いまして交通安全にいろいろ助成をいたそうというのが、この経費でございまして、昭和四十三年度におきましては約二億四千三百万、対前年八千三百万の増でございます。内容といたしましては、この金額を使いまして救急医療機器の整備に対して補助をいたすとか、あるいは弁護士会の行ないます交通事故相談について補助をいたすとか、あるいは先ほど申し上げました法律扶助協会に対して助成をいたすということが、主たる内容となっております。  それから、五番目が交通事故防止に関する科学的研究の推進についてでございます。  これにつきましては、主として警察庁におきましては科学警察研究所におきまして、(1)、(2)にございますように六百万、二百万でございますが、交通事犯の鑑定方法に関する研究でございますとか、交通安全施設の効果測定に関する研究でございますとか、あるいは大都市におきます交通制御の実施に必要な調査用機器の整備等に要する経費でございます。  それから、三番目が自動車安全研究の強化でございまして、これは通産省と運輸省の両方でいたしておりますが、通産省におきましては主として自動車の安全性の向上に関する基礎的な開発研究、それから設計基準の作成、JISの制定等に関する研究を分担いたしておりますし、これに対しまして運輸省におきましては自動車交通の高速化、高密度化に対処して車両自体の安全性の向上を目的とする研究をいたしておるわけでございまして、両者は若干異なっております。ダブってはおりません。ただ金額的に申しますと、通産省の分は二億三千四百万でございますが、これに対しまして運輸省の分は三千三百万円ということでございます。  五番目は脳神経外科の充実でございまして、これは文部省関係の経費でございますが、先ほど来申し上げておりますように脳神経外科につきましては専門医が現在まだ非常に不足しております。したがいまして今後、この専門医を急速に養成する必要があるわけでございます。最近におきましては各大学におきまして逐次この脳神経外科の創設を行なっているわけでございますが、四十三年度におきましても三千三百万をもちまして二つの大学に脳神経外科を設置する、それから一つの大学病院に救急部を設けるということを内容といたしたものでございます。  六番目が「その他」でございまして、これは私どもの総理府の関係でございます。交通事故実態調査委託費等となっておりますが、総理府におきましても総合的に交通安全対策を立てるという見地から、交通事故の実態その他について、あるいは将来の対策等につきましていろいろ調査研究をいたすことになっております。ここには千三百万と書いてございますが、実は調査委託に要します経費は八百万でございまして、残りの五百万は私どものところのいわゆる生活費ともいうべき庁費等でございます。  以上総計いたしまして、冒頭に申し上げましたように五百九十六億八千二百万、約五百九十七億でございまして、昭和四十二年度は四百五億でございますので、対前年比四七%増ということになっております。  以上が私どものほうで一応交通安全対策に直接関係ありと思われる各省庁の予算を拾い上げたわけでございますが、これ以外にも間接的に関係あるものといたしましては、たとえば自動車損害賠償責任再保険特別会計でございます。これは千八百億という非常に大きな数字が出ておりますが、まあこういうものがございます。  また、国鉄は、国鉄といたしまして列車の運行等につきましての保安関係の経費、これは踏切の構造改良等も含んでおりますが、この経費を計上いたしておりまして、まだ最終的には確定いたしておりませんが、昭和四十三年度におきましては約二百八十億程度の経費をもちまして踏切道の立体交差化、踏切保安設備等の整備、並びに運転保安設備等の整備を行なう予定にいたしております。  なお、それ以外に、私鉄に対しましては日本開発銀行の融資がございますが、これは昭和四十二年度には六十五億でございましたが、昭和四十三年度につきましては現在計画中でございますが、まだ決定いたしておりません。  以上が、昭和四十三年度におきます交通安全対策に関します予算の概要の御説明でございます。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは、説明は以上で終わりました。質疑のおありの方は順次御発言願います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 時間がないようですから簡単にお尋ねしますが、いまの説明の中にもあったのですけれども、この前の国会でできましたダンプ規制法、これが二月一日から実施されているはずでございますけれども、その後のダンプ規制法の実施に伴う施策あるいは指導等の経過について、あるいは現状について御説明願いたいと思います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 御指摘のいわゆるダンプ規制法は、去る二月一日から施行されております。で、その後の実施経過でございますが、何ぶんまだ一カ月ちょっとしかたっておりませんので、あまり御説明申し上げるようなデータに乏しいわけでございますが、一応簡単に申し上げます。  もちろん法律が二月一日から施行されておりますので、それまでの間に、この法律に基づきます所要の政令、命令はすべて制定施行済みでございます。  それから、このダンプ規制法の眼目のまず第一点は、ダンプカーの使用者はすべてこれを陸運事務所に届け出まして、一定の番号をもらう。その番号をダンプカーの側方及び後方に大きく表示する。たしか二十センチと十五センチの大きさの字だったと思いますが、しかもこれを業種別に表示するということに相なっております。この届け出の義務は、二月一日以降新しくダンプカーを使用しようとする者は直ちに届け出なければなりませんが、すでに二月一日以前に現にダンプカーを使用している者につきましては、附則によりまして三カ月間の猶予期間が置かれております。したがいまして、この四月の末までに届け出すればいいことになっておりますので、このダンプカーがすべて届け出られまして、背中に番号をしょうことになるのは本年の五月一日以降になるわけでございます。しかしながら、二月一ばいにおきましては約三万二千台につきましてすでに届け出が終わっておりまして、この大型ダンプカー等の車両数は約十五万台前後と推定されておりますので、五分の一強はすでに届け出済みでございます。  それから、第二の眼目でございますダンプカーの使用者等が一定の労働基準法違反をした場合に、あるいは運転者が非常に悪質な交通違反を起こしまして人身事故を起こしました場合には、それぞれダンプカーの使用者に対しまして車両の使用を停止することができるという規定がございます。これはダンプ規制法の第二の大きな眼目になっておりますが、この点につきましては、この一カ月間に現在まだ事案は一つもございません。一件だけ警察のほうで通報したという話を聞いておりますが、その結果がどうなったかということにつきましてはまだ連絡を受けておりませんので、一応二月一ぱいまでにはこの事案はないということを、とりあえず御報告申し上げておきます。  それから第三番目は、このダンプカーにつきましてはすべて自重計をつけさせることになっております。この自重計につきましてはいろいろ問題もございましたが、たいへん必要であるというところから五月一日以降自重計をつけることになっておりますが、この場合も先ほどの番号の表示と同様でございまして、五月一日以降新車を使用いたします場合には、この自重計のついた新車を使わなければなりません。現在使用しておりますダンプカー等につきましては、同じく三カ月間の猶予期間がございますので、この自重計がすべてのダンプカー等に取りつけられますのは、本年の八月一日以降ということになっております。本年の二月五日に通産省、運輸省の共同省令をもちましてその基準が出されております。私も、こまかいことはまだ承知いたしておりませんが、すでに一、二のメーカーが現実にものをつくっているように聞いておりますので、大体所定の期間にはこの自重計の取りつけが可能である、このように思っております。  それからダンプカーの規制につきましては、運輸省、特に陸運事務所につきまして非常に要員が要るわけでございまして、この点もこの法律の立法の際に大きな問題になったわけでございますが、この点につきましては先ほど予算の説明で申し上げましたように、百二名の増員が四十三年度から認められておりますので、これによって大体の事務処理は順調にいくのではないか、このように考えております。  なお、ダンプカーの実態につきましては、率直に申しましてまだ解明されてない点がございまして、これらの点につきましては、総理府におきまして、昨年特定の都道府県に調査を委託いたしておりまして、相当こまかい調査を現在実施中でございます。都道府県段階におきます調査は年来に終わりまして、現在都道府県でいろいろ集計をしておる最中でございますが、三月末までにこちらのほうに上がってまいりますので、それによりましてダンプの実態等につきましてさらに詳細な御報告ができるものと考えております。以上簡単でございますが、この一カ月間におきますいわゆるダンプ規制法の実施状況を御説明申し上げました。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ、この法律ができてからあと、やはり依然としてダンプカーによる事故というものは絶えないことが新聞に出ておりますが、ダンプカーによるところの事故の概況ですね、この法律の施行後におけるところの。こういうものについても一応御説明願いたいと思います。資料はないですか。

鈴木光一警察庁交通局長

○政府委員(鈴木光一君) ダンプカーによる事故の数字はいま手元に持っておりませんけれども、いわゆるダンプ規制法に基づく陸運事務所に対する通報の事案につきましては、先ほど宮崎室長からお話が若干ございましたが、二月一日以降あの規制法に基づく陸運事務所に対する通報は二件ございます。一件は二月十七日に兵庫県の姫路で事故を起こして、これは赤色信号の無視でダンプが走りましてタクシーに衝突して、タクシーの運転手を即死さしたという事案でございます。もう一件は、京都の東山で起きた事件でございますが、これは対交してくる歩行者に対しましてダンプが衝突いたしまして即死さしたという事案でございまして、この二件についてダンプ規制法に基づく行政措置の基礎になる通報を私どものほうからしてございます。なお、先生のお尋ねのダンプ事故の件数につきましては、手元に資料がございませんので、後ほど調査して差し上げたいと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 要望を申し上げるのですけれども、なるほどワッペンをつけたり、自重計をつけたりする期日については相当の余裕があるのですけれども、問題は、これをつけさせるということも大事ですけれども、その間におけるところのこの法律の趣旨に基づくところの指導ですね。これもやはりやってもらわなければいかぬと思うのです。私は、町でよく見かけるのですけれども、あまりワッペンをつけたダンプは見かけません。依然として相当乱暴な運転をするダンプがたくさんあります。あるいはまた過積みのダンプもあります。ですから、こういうワッペンをつけることも、むろん法律に基づいてやれば効果があるのですけれども、その間において何といってもやはり指導が大事でありますから、ダンプの指導については特に重点的と申しますか、力を入れて指導をしてもらいたいと思います。ダンプの事故はほんとうに悲惨な事故がたくさんありますから、これはひとつ要望しておきます。  それから、もう一つは、先ほどちょっと御報告がありましたけれども、土砂等を運搬する大型貨物自動車というものの定義ですね。これは、私が各地方に行って、陸運局長さんやあるいはその他の担当の方に聞くと、まちまちの解釈をしておるところがあるのですね。たとえば、あるところは、これは主としてそういうものを運搬するというもの、こういう解釈をしておるのですけれども、それはいま法律をちょっとおっしゃっておりましたけれども、趣旨は政令で書いてあるような、こういうものを運搬するものが大型自動車であるから、一般の貨物自動車ではない、こういうぐあいに解釈すべきものだと思うのですがね、この点はどういう解釈になるのですかね。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) ただいまの定義でございますけれども、まことに政令だけ見ますとわかりにくうございます。そこで、これの具体的な解釈でございますが、これにつきまして一月の末に運輸省の自動車局長名でもって各陸運局から陸運事務所に、わかりやすく書いたものを役所のほうでは出しております。それによりまして説明をしておるわけであります。そういった具体的にわかりやすいものが、たとえば一人一車持っておるというような方たちに徹底しておるかどうか。そういう努力はしておりますけれども、この点につきましてさらに周知徹底をはかっていきたいというふうに考えておるのでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 内容はどうなんですか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) ちょっといま私手元に持っておりませんので、まことに恐縮でございますけれども、通達の非常に詳しいものができております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 内容を、要点だけでいいのですけれどもね。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) いまここに持っておりませんので、恐縮でございますけれども。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これはさっそく早急にひとつ統一してもらいたいと思います。というのは、いなかへ行きますと、この法案の審議のときに言いましたけれども、例外的な仕事があるのですね。いなかの駅へたまに一車砂利が着いた。そういった場合に、そこにダンプカーがないという場合ですね、普通の貨物車でその砂利が運べるかどうか。こういう場合に、ある解釈では、主として土砂等を運搬するのであるから、だからこれは、そういう雑貨を運搬しておってもいいのだと、こういう解釈もあるのだという解釈もあって、まあこれは拡張、拡大解釈でもって、つけなくてもいいのだと、こういうような解釈の向きもありました。ありましたが、これが事故を起こした場合ですね、事故を起こした場合に、この法律によってきちんとけじめをつけなければならねという、そういう段階になるというと、なかなかやっかいな問題になると思っております。ですから、これはひとつ、ぜひともさっそく、統一した解釈を出すようにしてもらいたいと思います。  それから警察庁のほうに要望するのですが、どうも最近見ておりますと、駐車違反とか、あるいはその他の規制の取り締まりといいますかね、これにはだいぶ目こぼれがあるのじゃないかという気がするのですよ。狭い道で駐車禁止のまるい標識が立っている。立っているが、駐車をずっとやっておるもんですから、車が行っても行き帰りができない、そういう場面がたくさんあるのですね。そういうようなことがちょっと最近手が抜けているのじゃないか、こういう気がするのですけれども、そういう面はありませんか。どうもそういう感じがするのですよ。ですからこういう点はやっぱり駐車禁止なり、あるいは一方交通なり何なりといった場合には、この標示を出した場合にはやはりきちんとやらせる、そういうくせをつけぬというと、まあドライバーは、どうせ警察はたいしたことはやらぬわいと、こう思っているんですから何にもならぬわけです。それがひいては法を軽視するという習慣になり、事故が起きる。こうなるので、そういう規制あるいはその他の事故については、やはりきめた以上はちゃんと守らせる。こういったことが必要だと思うのですけれども、こういう点について私はちょっと最近手が抜けているような気がするのですが、こういう点はいかがでしょうかね。

鈴木光一警察庁交通局長

○政府委員(鈴木光一君) 御指摘の点につきまして、私どものほうもいろいろ努力をしているわけでございますが、最近の一般的な私どもの問題点といたしまして、先ほど来から事故の件数等の御説明がございましたが、非常に事故がふえまして、交通警察官が事故の処理に追われがちであるということが一つ問題点でございます。したがって、そういうことですから、街頭の指導、取り締まり体制にあるいは不十分な点がある、御指摘のような不十分な点があろうかと思います。極力私どものほうは事故処理体制というものを簡素合理化いたしまして、街頭に警察官を立てて指導、取り締まりに当たらせたいということで、いろいろ苦心をしているわけでございます。  それからもう一つ、御指摘の駐車禁止の問題につきまして、駐車禁止違反に対する指導、取り締まりということにつきましては、技術的に非常にむずかしい問題がございまして――むずかしいというか手間がかかるといいますか、そういうことがございまして、やや指導、取り締まり体制が消極的になるきらいはあるのでございますが、せっかく御指摘のこともございますので、なお努力をいたしたいと思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 きょうは、あと要望だけでやめますけれども、確かに駐車違反は点検しにくいものもあろうかと思うのですが、中にはシートをかけて堂々と常駐するのがおるのですよ。こういうものは、そういうものを見ると、いや駐車違反がきまっておっても差しつかえないわい、こういう気持ちが、ひいては法規その他を軽視するという傾向になる。これで事故発生が多くなり、これの処理にまた追われる。こういう悪循環になると思うのですね。ですから、困難であろうが、そういう点についてはちゃんとやっていくという、こういうことにひとつ特に御努力を願いたい。これは要望しておきます。

原田立公明党

○原田立君 いまダンプのお話があったわけですけれども、この標識を車両のうしろの車体のところにつけるようになっているはずなんですが、その点どうですか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) ダンプの白い標識でございますね、これは左右両方と、それからうしろということでございます。

原田立公明党

○原田立君 そのうしろのところが、土砂のほこり等によって非常に見えなくなっちゃって、非常にきたなくなっている。そのために、つけても何の益もないというような意見がありました。それからまた、うしろに続く車がライトを照らしても、あの位置がちょっとぐあいが悪くて、うまくライトに当たらない、かえってまずいのじゃないか。こんなふうな意見があったのですが、そういう点、研究なされましたか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) これは少し実施してみて、非常に弊害があれば私ども技術的に直さなければいかぬと思っておるのでありますけれども、いまのところは、こういうことでやってみようということでございますが、研究して改良する意思はございますけれども、いますぐ直すということではございません。

原田立公明党

○原田立君 研究して改良する意思があるということで、大体納得するわけですが、それと、現在使われているダンプカーは非常に強力で、構造も堅牢なために、非常に優越感を持ってこれが他の車両に臨む、事故が起きるということで、車両の改造論ということも世論の中に大きくあるのですけれども、そういう点は研究なさっておりますか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) どうも車両の構造から申しまして、高さも高うございますし、大きいものですから、それにさらにああいうものをつけますと威力があると思いますが、その点でいま直さなければならぬとは現段階で考えておりません。

原田立公明党

○原田立君 現在まだ考えてないということですけれども、ダンプの事故は非常に大きい問題でありますし、それらをあわせ含めて、ひとつ研究改良に努力するということにしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) 何ぶん初めてのものでございますので、やってみまして、非常に悪いところ、意味をなさぬところがございましたら、これはぜひ改めてやっていきたいという意思でございます。

原田立公明党

○原田立君 それから、先ほど室長の宮崎さんのほうから御説明があったのですけれども、事故が起きた場合の施策はこうこうであるというような救急業務であるとか、取り締まりとかいうことが大半でありました。そのもっと手前の、車両の安全装置に対する開発研究、これが先ほどの予算書の中には一つもなかったように思うのですが、それはどういうふうになっておりますか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 先ほどの御説明は、あるいは舌足らずであったかとも思われますが、いま先生御指摘の車両の安全性の向上に関しましては、先ほどの御説明の最後から二番目に申し上げました「交通事故防止に関する科学的研究の推進」の中に一応含まれております。この通産省で考えております二億三千四百万、それから運輸省で考えております三千三百万の研究費は、いずれも大部分は車両の安全性の向上を目的といたしました研究に関する経費でございます。それからなお、すでに使われております車両につきましては、この点検整備が非常に必要なわけでございまして、これにつきましては、先ほど自動車の検査登録業務の処理体制の強化というところで所要の経費を計上いたしまして、この点検整備につきましてもこれを強力に推進いたす、このように考えております。

原田立公明党

○原田立君 私、先ほど聞きそこなったようでございますが、この車なんかをつくるときに、より経済的、より効率的というようなことが要求されるのであろうと思うのですが、やはりそれよりももっと重いのは、人命保護ということが重いと思うのです。それで御研究であろうと思うのですが、どちらかといえば通産省は品物をつくって売るほうの側でありますし、それから運輸省のほうも大体同じようなことになると思うのですが、こういうところ以外で、もっと人命保護という立場に立って――たとえば警察関係とかあるいは厚生省とかいうようなところで、もっと人命保護の上に立っての研究ですね、そういうことがもっと立案されていいんじゃないだろうか、研究されていいんじゃないだろうかと、こう思うのですけれども、その点どうでしょうか。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○政府委員(宮崎清文君) 一般的な交通安全の施策に関しますいろいろの研究が必要であることは御指摘のとおりでございまして、先ほども若干触れておりますが、たとえば総理府におきましては調査委託費といたしまして約八百万計上いたしまして、交通事故の実態調査、これは実態を調査いたしましてどういう対策を立てるかというその前提でございますが、それからどういう総合的な交通安全施策を講ずべきかということの学問的な調査研究につきましても、従来から若干やっておりますし、昭和四十三年度以降はさらにこれを強力にやってまいりたいと考えております。なお、そういう意味の対策関係、施策関係に要します調査研究は、技術的な調査研究に比べますと一般的に経費がそれほどかかりませんので、各省庁におきましてもそれぞれ既定経費のワク内で所要の調査研究をやっているところでございます。

原田立公明党

○原田立君 車自体の安全装置の開発ということを私申し上げるのですが、たとえばアメリカ向けの車両については非常に安全装置の規制がきびしい。だから、それをつくらざるを得ない。ところが国内向けについてはそういう法的規制があまりきびしくないから、経済的というのでしょうか、安くしてそのままで出しちゃう。それが大きい事故の要因の一つじゃないかと思う。それにあわせてドライバーの意識の低下というのでしょうか、そういうようなところから事故が多発するのじゃないか。まずそのうちの一つの安全性の開発、これはもっと強力にすべきじゃないか。これには若干前年よりか予算は多くついているようですけれども、ただこれも一年間だらだらしておったのでは、いつまでたっても交通事故は解決しないし、ちょっと迂遠なようではありますけれども、まず大もとの車のほうの安全装置の開発ということにもっともっと重点を置いてしかるべきではないか。そういうことについて具体的にどういう点をいま研究なさっておられるのか、その点いかがですか。

鈴木珊吉運輸省自動車局長

○政府委員(鈴木珊吉君) ただいま御指摘の件は、特に運輸省の自動車局の技術関係におきまして非常に重要な仕事でございます。私も最近自動車局長を拝命したのですけれども、特にこういった安全関係の技術の向上という問題につきましては特に重点を置くようにということでやっていきたいと思っております。そこで少し詳しくなりますけれども、つい先月の中ごろでございますけれども、車の構造、設備につきまして現在やっておりますいろいろな保安基準上の安全規制につきまして、さらに一段と強めようということで、実は十四項目ばかりわれわれのほうで研究いたしました結果をまとめまして、現在これを三月の末ごろにはぜひ省令で規制の義務づけをしたいという準備をしております。それで、その案は技術関係のものでございますので、私どもだけでは考えが足りないと思いますので、実は自動車工業会、それと専門筋の方にも私どもの案を検討してもらっております。これがもう近く答えがまいりますので、それを勘案しながら、いまの十四項目につきまして実施できるものから義務づけていきたい、これは第一段階で考えております。その中には全自動車に適用するものもございますし、大型車だけに適用するものも、いろいろございますけれども、たとえば運転の視野の関係で、直前の障害物を確認できるような反射鏡、これは現在バスがつけております。これは義務づけしております。これを大型トラック、それから自家用バス、それにつけようというふうに考えております。これは一つの例でございます。あるいはまた、燈火類でございますが、高速道路上におきまして緊急停車した場合に事故防止にあてるために、非常点光点滅標示燈というものを新たにつけるということも考えております。それから、あるいはまたブレーキの関係で、高速から、あるいは長い坂道で急ブレーキをかけられるような空気のブレーキ、これも基準をつくっておりまして、これも義務づけを考えております。それからたとえば後退燈につきましては、車が後退する場合に、いま音を出すのもありますけれども、後退する場合に特別な燈火が出るようなことも考えております。それから方向指示器も、全車両につきまして現在あるようなもの以外に、さらにもっとはっきり見やすいようなものをつけるように、これも考えております。こういったことが全部で十四項目ございます、全部は申し上げませんけれども。これを全部三月末をめどに省令を出しまして、これは車両法の省令でございますけれども、義務づけしたい。第一段階を終わりまして、なお二年度に入りまして、さらに第二段階の分につきましてやっていきたい。これは外国で現在実施あるいは研究しております事例も取り入れまして、さらに第二段階のこういった安全装置なり設備等につきましても、保安基準の義務づけをやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。  それからなお、先ほど総理府のほうから御説明がございましたけれども、なお私どものほうの自動車の技術関係の研究所におきまして、もう少し長い目で見た研究を実は進めておるわけでございます。  それから、いまのように十四項目ございますが、特にこれは新聞記事に出たのでございますけれども、十四項目の中に、言い忘れましたけれども、シートベルト、安全枕、これも義務づけにしようという案もございます。それからスクールバスの色を特殊の色に規定してしまうということも入っております。いろいろ考えておりますので、先生御指摘のように、私ども、これにつきましては前向きに取り組んでいきたいという覚悟でおります。  なお、先ほどの総理府の御説明でちょっと落ちているのでございますけれども、今度ダンプ規制法の施行に伴いまして、四十二年度の、要するに予算で予備費をいただきまして、それでつい昨日三月五日現在で、陸運事務所のダンプ規制を扱います定員が七十二名正式につきましたのでございます。これは、もちろん四十三年度からの定員も七十二名を要求しておりまして、一応つきましたのでございますけれども、さかのぼって、四十二年度の三月五日からも一応七十二名づきましたので御報告いたしたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 本日はこの程度とし、これにて散会いたします。    午前十一時五十分散会

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