建設委員会 第6号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/03/14
会議録
○委員長(藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 昭和四十三年度建設省関係、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部、中部圏開発整備本部及び北海道開発庁の施策及び予算に関する件を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○瀬谷英行君 きょうは埼玉県の福岡町というところに参議院の文教委員会の視察があったわけです。で、中村文教委員長をはじめ各党の委員が参りまして、学童の登校の状況と全体の学校の位置、こういったような問題について視察をしておるわけでありまして、朝の七時半ごろから登校状況をずっと見てまいりましたが、私は途中でこちらのほうへ抜けてきたわけでございます。端的に言うと学校が足りないということ。学校が足りないというのは、福岡町というのは団地ができまして、従来農村地帯のようなところだったんですが、そこへ鉄筋コンクリートの四階建てのアパートがたくさんできまして、いわばこの種の団地のはしりのようなところなんです。人口が急増をしまして、人口の急増に伴って学校が間に合わなくなってきた、こういうのが実情であります。いま学校の用地を町が物色をしているけれども、地価が上がってしまって、容易なことでは土地を手に入れることができない。大蔵省のほうから国有地の払い下げ等を得て建て増しをした学校は、在来の学校の隣にまた小学校ができる。つまり第二小学校の隣に第四小学校ができる。つまり第一小学校が一番最初だろうと思いますが、第一小学校と第二小学校ができて、第三小学校ができ、第四小学校というものは地理的にはもっと別のところへ建てたいところなんだけれども、学校の用地がどうしてもないので、やむを得ず小学校の隣にまた小学校ができる。第二と第四が並んでいる、こういう状態になっている。だから非常に遠いところから生徒が通わなければならない。これは町の地図なんですけれども、まん中に東武東上線というのが走っております。学校は全部線路の東側にかたまってしまって、西のほうには全然ないわけです。西のほうの団地の子供たちは、毎朝行列をつくって鉄道線路をこえてこっちのほうの学校まで通うわけです。朝は駅前は車両の通行もひんぱんであるし、通勤者も多い。そこへもってきて、今度は学校の生徒は隊伍を組んで駅へ来て、駅にある跨線橋を渡って反対側へ通う。これが父兄にとっても先生にとっても非常に毎朝毎朝の難行苦行になっている。こういうわけなんです。だからどうしても学校を、もう少し人口の密集している地域にこしらえてもらいたい。こういうのが事の起こりなんです。だから学校の問題だから文教委員会、こういうことになったわけなんですけれども、学校の問題とはいいながら、事の起こりは学校用地がないということ、用地を求めようとしても、いまでは地価が暴騰してしまって、まとまった土地を手に入れるということがむずかしいということから、町当局が四苦八苦する、こういう状態になってきたわけです。これを考えてみると、これは福岡町の問題ですけれども、東京周辺の最近人口がふえてきた地域には、類似の問題が一ぱいあると思うのです。すでにほかの団地からも小学校が足りない、中学校が足りない、何とかしてもらいたいという声が持ち上がっております。こういう問題を解決するためには、これはすでに文教委員会の問題ではなくなっていると思うのです。どうしてもこれは都市計画といったようなことになってくると思うのです。なぜこうなったかというと、結局は人口が急激にふえてきた。それに伴う設備が間に合わないということからきていると思うのですから、根本的に解決をするためには、やはり人口の急増というものを何とかしてチェックするか、あるいは人口の急増におくれないような設備を整えるか、どっちかしかないと思う。非常に大きな問題になってくると思うのですけれども、これは単なる一現象にすぎないかもしれませんけれども、問題の根本は、やはり国土計画とか、あるいは都市計画とか、そういう点にあると思うのです。これは根本的にやはり政府として考えなければ、類似の問題はやたらと出てくるし、そのたびに地方自治体が四苦八苦する、こういうことになると思うので、まず建設大臣としていかにすべきであるかというところからお答えを願いたいと思うのです。
○国務大臣(保利茂君) 瀬谷さんの御指摘の福岡町の実情は、おそらくお話しのとおりであろうと思います。これは広い意味におきます都市密集地帯における全国的な共通の現象のようにもなっているんじゃないかと思います。と申しますのは、必ずしも人口密集、人口急増ということを別としましても、交通の混雑がどこでも一段と激しくなっておりますから、従前はたいして心配のないような通学路等におきましても、今日では非常に子供の危険を感ずるというような事態を、皆さんとともにしばしば目撃するところであります。これは都市計画が要するに、地についた計画がなかったということ、福岡町の場合はそれに当たるんじゃないか。そこで、そういうことが全国的な一つの現象にもなっているわけでございますから、大きい筋の引き方は、これは中央政府として当然の責任でございますけれども、やはり地元のほうにおかれて、実際地についた計画を持ってもらうということが非常に大事になってきているんじゃないか。といって、決して当局の責任を回避するものではございませんけれども、やはり総合的ないまもお話しのような、たとえば、首都圏内における東京、埼玉を含めての都市計画というようなものが、きちんときまってこないといかぬのじゃないかというように感ずるわけです。これは全国的な問題として考えていかなければならないのじゃないかと思います。
○瀬谷英行君 きょう私は福岡町に行って、文教委員会の人たちと別れてこちらへ来るときに、国会まで車で送ろうかという人がいたわけです。しかし、どのくらいの時間がかかるかと聞いたら、まあ一時間半はみておかなければならないだろう、こう言われたわけです。電車で来れば池袋まで三十分です。池袋からまた地下鉄で来ればまた三十分。一時間みればここまで来られるわけです。電車で来れば一時間だし、自動車で来れば一時間半だ。私は車のほうをお断わりして通勤電車に乗って来たわけなんです。もう第一、川越街道のような国道を通ってきても、電車よりもはるかに時間がかかる。交通の渋滞という問題が慢性的でありますけれども、出てきております。事の起こりというのは、住宅公団等で団地をつくる場合に、学校の用地まで考えておかなかった。これは町のほうにももちろん責任があるわけです。町長に言わせると、こんなに地価が上がって、人がたくさん住むようになるとは思わなかったということなんです。初め団地をこしらえたときは、周辺は何にもなかったわけです。何にもないところに団地ができた。だから学校の用地や何かに困るとは思わなかった。そうしたら急激に人口がふえてしまった。それで手を打とうと思ったときには、もはや間に合わない。いろいろ、地主のほうはできることなら高く売りたいということになりますから、いまでは動きがとれないという状態になっております。 それで最近の埼玉県の場合をあげてみますと、六年の問に人口が九十万人ふえております。九十万人ふえているということは、地方の一つの県の人口ぐらいになろうと思うのです。それで一年間には十五万人です。これだけ、この勢いでどんどん人口がふえると、しまいにはどこかの県は人がいなくなってしまう計算になるわけです。この勢いが、しかも電子計算機等による計算によると、やまないでどんどん続くというわけです。その電子計算機の計算で続いていったならば、十年後には東京周辺は動きのとれないことになります。そういうふうにしていいものかどうか。船だったら、これはこんなに人口が東海道メガロポリス地帯に集中すればひっくり返ってしまう。島だからひっくり返らないだけです。これはただ手をこまねいて、人口がこういうふうに固まってくるというのを見のがしておいていいものかどうか。この人口の平均化をはかるというためには、地方開発のほうにもつと重点を置いて、過疎地帯と過密地帯とのアンバランスがなくなるようにすることが——集まるなら集まるでしょうがないから、この集まったところは、人口の過密地帯なりの施策を講じていくようにするのか。これは根本的な方針をいまのうちにきめておかなくちゃならぬだろうと思うのです。その根本的な方針がはたしてあるのかどうか。少なくとも建設大臣あたりが中心になって、国土計画として、いまから方向をきめておかないと、これはえらいことになるという気がいたします。歴代の建設大臣、そこまではなかなか手は打てなかったようですけれども、この際に、日本の国土計画についての一つの方向をきめるということになれば、それを手がけた建設大臣というのは、後世に名前が残るだろうと思う。保利建設大臣は、後世に名前が残るだけの大きな仕事をやるときではないかという気がするのですけれども、その点はどうですか。
○国務大臣(保利茂君) 全国総合開発計画が持たれ、あるいは首都圏整備計画が立てられ、中部圏、近畿圏、それぞれ計画を立て、あるいは計画を立案、策定中であるわけでございます。のみならず、北海道、東北、中国、四国、九州、北陸、そういう各地域開発の計画等を試みられておりますゆえんは、やはり瀬谷議員が心配されるように、ひっくり返らぬような、心配のないような、均衡ある開発、発展を遂げて、バランスのとれた国土をつくっていきたいということにその精神があることだと、私も理解をいたしておるわけであります。ただ実際の、しからばあらわれている現象はどうかと言えば、ただいま御指摘のようにまことに懸念すべき状態である。そこで、三十七年に一応策定されました全国総合開発計画が、どうも日本の発展の度合いから見て、見直してみなければいかぬのじゃないかということで、ただいま経済企画庁でその見直しの作業を熱心に続けられて、この秋ごろまでには、その総合開発計画が策定をされると承知をいたしておるわけであります。これに相応しまして、とにかくバランスのとれた国土の開発ということを念願して、建設省のたとえば国土縦貫自動車道というようなものは、この狭い国土が有機的に経済利用ができるようにという、大きなねらいのもとに建設計画を進めておるわけであります。ところがそこに一つ、まあこれはざっくばらんに申し上げまして、大きな問題が横たわっていると思いますのは、たとえば近ごろやかましく言われております、国鉄の赤字路線をやめるとかやめないとかというようなことを言われている。一体赤字路線と言うけれども、そういうものが国の負担において運営されていくというところにいわゆる僻地の開発、あるいは地域格差の是正ということをねらってこれは持たれている、すなわち国土のすみずみまで開発していくということをねらっていると思うのであります。ところが、なかなかあそこは採算に乗らぬからやめちまえ、ここは赤字だからやめちまえというようなことが、向こうのほうでは、あまりそう深い反省なしに私は行なわれているような気がするわけなんです。それじゃいかぬのじゃないか。一方においては、このとおりです。さっきの福岡町の学校の問題だけでも、取り上げられるとどうにもならない状態です。それで日本の狭い国土でありながらも、十分開発する余地がまだ残っておる。一方においては過疎現象を生んでおるというようなところに、一体どういうふうに調整、平均をとっていくかということが、私どもの大きな課題であろうと思うのです。そういうことは、これはよけいな脱線でございますけれども、私はそういう点にも悩みを実は持っておるわけなんです。せめて都市密集過密地帯の対策としましては、何とか集中論とか分散論とか、議論としてはあるようでございますけれども、とにかく密集地帯にいなくても、また置いておかなくてもその目的が十分達せられるというようなものは、ひとつどこかにはずれてもらって、そしてどうでもこうでもやはりそういうふうにして、一方において分散方策をとりながらでも、それでもなお寄ってくる、これはどうも勢いというか、日本の産業経済の力からいいまして、どうしても管理中心機構というものは集中的に寄ってくる、これはいなむことができないだろうと思います。そうしますと、やはりいまの市街地といいますか、密集地帯といいますか、密集といっても平面的の密集であって、上はあいているわけでございますから、これをある程度高度利用が達成せられるようなものにして、そして適当の有効空地をつくり、都市環境を整備していくというような基本的なやはり考え方をもって取り組んでいかにゃいかぬじゃないか、それには、ただいま御審議願っております都市再開発法、あるいは都市計画法というものは一つの大きな役割りを果たし得るのじゃないか、たいへんどうも一生懸命で取り組んで、何とかお知恵をお借りして御鞭撻をいただいて、この難問題と政府も、総理もみずからも取り組もうという決意をしておるわけでありますので、私もひとつ御鞭撻をいただいて、何とか曙光を見出すために道を切り開いてまいりたい、こういう気持ちであります。
○瀬谷英行君 「文勢春秋」でしたか、田中角榮さんが、日本列島の青写真というような記事を書いている。まああれは大臣という立場で書いたんじゃないから、気楽に書いたんでしょうけれども、あの日本列島の青写真といったような構想は、私は少なくとも政府が持ってなきゃまずいと思うのです。閣僚を離れた場合に、気楽に構想を発表できるけれども、さて政府としてはそういうものはないということになると、私はまずいと思うのですね。都市開発法だとかいろいろ法律をいま準備されているようですね。だけれどもこの都市開発法なり計画法なり、こういう法律でもって問題が解決できるのかどうかという疑問を私は持つのです。いままでたとえば首都圏整備だとかいや近畿圏整備だとかいろんな法律ができて、そしてちびちび予算は計上もされております。しかし、首都圏が整備されたというふうに私は言えないと思うのですね。看板だけはりっぱなものができたけれども、実際は看板倒れで、いろんな法律がずいぶんできているけれども、問題はちっとも根本的に解決してないじゃないですか。この辺でやはり問題を根本的に解決をするという方向を打ち立てなければしょうがないじゃないか。中途半端な法律をこさえてみたところで、ばんそうこうを張るようなもので、これはなかなか前進しないと思うのですよ。だからあまり気の長い話をしないで、ともかく人口のほうは埼玉県だって一年間に十五万人ずつふえているのですからね。とんでもないことだと思うのですよ。この勢いでいけば、もうどうしても東京とか大阪とか名古屋とか、この辺を結ぶ地域が巨大な都市になって、人口がますますここへ集中する、こういうことになって、過密地帯と過疎地帯の格差がうんと開いてくると思うのですね。そうなれば、いまの大臣の話じゃないけれども、鉄道だって赤字線区と黒字線区がうんとはっきり分かれていくと思うのです。人間のいないところは、どんなにくふうしてみたところで赤字になるほかないわけです。幹線といえども私は赤字になると思う、人口が減ってくれば。片方のほうは黒字はいいけれども通勤地獄、輸送力が間に合わない。人間は荷物並みに扱われる、こういう状態になってくると思う。これは人口なり産業なりというものが、片方に偏在しないような方法を考える以外にないだろうと思う。もし偏在するものはやむを得ないと言うならば、偏在をしてもいいようにそれは先に手を打つ。あとから追っかけてどうしようかといってくふうするというのは、これは能のない話で、先に手を打つというのが、私は政治のあり方だろうと思うのです。だから国土全般の問題を考えたならば、一体根本的にどうしたらいいかということを、なるべくすみやかに明らかにしてもらう必要があると思います。きょう大臣からそれ以上の答弁が得られないのは、これはやむを得ないだろうと思いますが、予算委員会等において、これは総理も出席をしたところで、これらの問題についていま少し突っ込んだ見解というものを表明をしていただきたいということを希望しておきます。 それから次の問題に移りますが、いま大臣のお話しの中に、上のほうはあいている、空間はあいている、こういうお話があったわけですよ。過密地帯になっても、確かに東京はこれだけごちゃごちゃしてきておりますけれども、上のほうがあいているので、それで超高層ビルという問題も出てきたのだろうと思います。霞が関にあの大きなものができましたけれども、皇居の前に東京海上火災のビルができるといううわさがたった。ところが、これが佐藤総理のツルの一声で待ったがかけられておる、こういう話です。それにはいろんなうわさが出ておって、週刊誌等によれば、あそこに大きなものを建てられると、あの近辺の三井とか、三菱とか、何かそういったようなところが困るからだとか、変なうわさも出てくるわけですよ。超高層ビルを今度は規制をすると、建築基準法でもってまた規制をするという考えがあるのかどうか。もし規制をするんならば、どの辺までの高さは認めるけれども、どの辺以上は規制をしなきゃならないということになるのか。その理由としては、どういうことが理由になるのか。いたずらに妙なうわさだけをまき散らすのはまずいと思うので、皇居前の超高層ビルの建設をめぐって、一体どういう考え方で政府としては臨むつもりなのか、その点を明らかにしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(保利茂君) まだ私は具体的に考えておりませんけれども、また、どういうふうなことを総理が言われておられるか存じませんが、総理から何も私はそのことについて伺ったことはございません。私が感じておりますのは、東京に例をとってみますというと、二十三区の密集市街地がとにかく平面的にはもうどうにもならない密集であるけれども、まだ超高層とは言わないんですけれども、これが三階なり四階なり五階なりというように利用されれば、相当の空地を残して、そしていわゆる都市環境といいますか、都民生活の環境を改善していくくふうというものは成り立ち得るんじゃないか。まあ再開発法の一番ねらっているところはそこだと思うわけでございますが、そういうことで超高層を描いているわけじゃございませんけれども、とにかく一・半くらいのいま利用率ぐらいになっているんですが、それが少なくとも四か五くらいに利用されるということになれば、相当現在の収容力に幾らかプラスしても、まだ相当の都市環境をつくり上げるのに、十分な空地もとれるのじゃないかというようなのが、ざっぱくな頭にはあるわけです。そこで、超高層のことになりますと、これはまあたいへん収容力も大きい、しかも活動的なそこは源泉地になるわけでございますし、一万の人が入れば二万の動きになるわけですし、二万の人が入れば五万の動きになるんでしょうから、それは超高層も歓迎すべきものであろうと思いますけれども、また技術的に、今日の建築技術からいいまして、少しの不安もないわけでしょうからけっこうなことだと思うんですが、ただ現在の交通状態を一番私は心配をいたしております。たとえば霞が関ビルなどというものは、人によりますと、ちょうど逗子の町ぐらいのもので、電話にしても桑名市ぐらいの電話が全部入っているという状態です。これがほんとに動き出すということになったときに、この地帯の交通は一体どうなるんだろうということに非常に私は、少し心配症かもしれませんけれども、心配をしているわけです。そういう点等を考えてみますと、輸送施設がそれに伴って増強される。そして今日以上の交通上の圧迫を来たさないというようなことでないというと、ただ上へ、あいているから上を利用すればいいじゃないかという考え方だけは、私はとりたくない。 それから、いまお話しの具体的な海上ビルというのですか、超高層ビルの問題につきましては、とにかく歴史的な沿革があって、この一帯が東京都の美観地区といって指定を受けている。そういった美観地区というものはどういうものなのか。どういうふうな美観という観念で、どういうふうにすることが美観地区としてのその行政が全うできるかということについて、実は尺度は得られていない、つくられていない。それはまあすぽっとあそこへ、それは非常にけっこうだ、美観を添えるものだという見方もございましょうし、あるいはとんでもないという見方もございましょうし、これはいろいろ主観的に意見の分かれるところでございましょうし、そういう点等を考えてみますと、とにかく交通だけの利害から見ましても、かなりの収容力を持つ大きなビルになるわけです。当然交通というものを考えなければいかぬというような点から、十分ひとつ慎重に考えてみたいというのが、私の事実正直なところなんです。なかなかおつかなくて手が出せないでいるというのが、実際の状態です。
○瀬谷英行君 建築基準法の問題に関連してもう少しお伺いしたいのですが、高さを制限をするという必要があるとすれば、どういう観点から制限をするのかということも考えてみなければいかぬ。それと、構造上の問題が一つあると思います。きのう有楽町のサウナぶろで火事が起こっているのです。中に入っておるお客が死んだという話ですけれども。二階かそこらの低いところで、消防車が中に入れるようなところで火事が起きても人が死ぬというようなことでは。それがもし三十何階だというところで火事が起きたら、消防のはしごだって届かないだろうし、一体どういうことになるのだろうかという懸念が出てくるわけです。それは三十何階に限らないです。ここの議員会館だって、よく見ると非常口も何もないし、あそこで下のほうから火が出たら、だいじょうぶなんだろうかということを考えてみると、心もとないものがあるのです。ですから、このサウナぶろなんというものは特殊なものでしょうけれども、やはり幾らふろであろうと、何であろうとですよ。火事が出たときには逃げられるような構造にしておくというのが常識じゃないでしょうか。だから、そういう点をやはり、基準法上のこれは盲点になっているのか。あるいは設計をしたほうが、そういう点違法を承知で特殊な設計をしているものか。その点は一体どういうものか。ちょっとまあ担当の人に聞いてみたいと思うのです。
○政府委員(三橋信一君) お尋ねのサウナぶろの点でございますが、実は十三日の十一時四十六分ごろ出火いたしました。したがいまして、私のほうでまだとことんまでの調査は行き届いておりません。ただいま消防あるいは警察のほうで、いろいろその原因その他を調べている最中でございますから、ただいままで私ども調べましたところでは、建築基準法上の違反はないようでございます。これはまだはっきりは申せませんけれども、解剖等をしてみなければわからないというのが、先ほどここに参りますまでの状況でございましたが、ガスによる窒息死ではなかろうかということを聞いております。そのガスは何から出たのかというと、壁の熱を遮断しております材料がございますが、この材料が燃えましてそれからガスが出た。このガスによる窒息死じゃないか、煙に巻かれて窒息したと、そういうふうなことではなかろうかということでございます。なおそのほか、はたして火を消すための消火装置は完備しておるか、あるいは逃げるための誘導関係の標識その他が、あるいはそれなりの手当てができておったかどうか、これは消防のほうの関係になりますけれども、そういう点もいまいろいろ調べておるようでございますが、ここらにも問題があるようでございます。いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたようなことで、ただいまの建築基準法上は違反はないようでございますけれども、そういう材料の使用等につきまして、私どもまだ今後、これは学術上いろいろいま問題になっておる点でございますが、そういう点もきわめまして、私どもの立場なりに消防あたりといろいろ相談いたしまして、今後の措置をしてまいりたいと思っております。
○瀬谷英行君 基準法上違反がないけれども、ともかくまつ昼間火事が起きて、それも特別に変わったところ、うんと高いところであるとか何か特別のところじゃなくて、二階あたりにいた人間が裸のまま死んでしまうという話は、ずいぶんかっこうの悪い話だと思うのです。おそらくまかり間違ってもそんなことはないと、死んだ人は思っていたんじゃないかと思うのですよこれは。ところが、実際に火事が起きた、ガスが発生をした、窒息をした、こういうことになると、やはり材料なんかについても、許していいか悪いかということも検討してみる必要があるんじゃないかと思う。建築資材等について、やはり指導上危険のある材料は使わせないとか、もちろん火事のことだから、不注意でもって火を出せば、どんなつくりだってしょうがないけれども、不注意でもって火が出た場合でも、とんでもないところに被害を及ぼさないというくらいの配慮というものはなされておらなければならないと思う。詳細はまだわからないかもしれないけれども、やはりそういうものは、調べた上で必要な法的な措置ということも講ずる必要があるのじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(保利茂君) 法的な不備もあるのじゃないかと思う。とにかく火災防止というものに対しては、まずそこに焦点を置いてやっているわけですけれども、実際の被害の何は、お互いによくわかりますように、たいてい煙に巻かれるとか、あるいはガス中毒を起こすとかいう事例が、実は多いのでございます。そういう点については、建築基準法の配慮はどうも少ないのじゃないかというように承知をいたしておるわけです。今度のサウナぶろというものは、建築基準法のできる当時にはなかった、まあ新しい何といいますか、施設が考案されて近ごろできているようなもので、ですからそういうものを対象として、建築基準法は予想していなかっただろうと思います。でございますから、建築基準法も、先般も御論議がございましたけれども、せっかくただいま改正の準備をいたしておりますから、あわせましてそういうところを、——一体災害の多くは、建築物の中における災害は、火事よりもどうも煙に巻かれる。この間、私は名古屋の地下街を見に行きました。それをやはり心配しまして、どうなっておる、だろうか、ひょっとして火事でも起きたらと心配いたしましたが、何とか防火上の施設は十分とられている、その点は少しも心配がない——これならば心配がないと思った次第でございますが、煙とかガスとかというものがきたときはどうか、これはちょっとどうもやはり心配があるという点は免れ得ないことだと思います。建築基準法の改正にあたりましては、そういう点を十分ひとつ検討さしていただいて、法的にもし不備があれば、補うところがあれば補うようにいたしたいと思います。
○瀬谷英行君 個人の住宅の場合は、これは個人の責任——どんな設計をするかわからぬので、それは個人の責任ということになるかもしれませんけれども、公共の施設の場合はこれはまあ、たいがい火事になって煙に巻かれて死ぬなんということを考えないで、地下道でも地下街でもお互い歩いているわけですよ。だからそれは突発的に地下道あたりで、火事になったサウナぶろといったようなものはどういう構造になっているのか、私はよくわからぬけれども、おそらく密室にでもなっているのじゃないかと思うのですけれども、そういう構造のところで煙に巻かれるといったようなことは、これは想像していないだけに、とっさの場合には、運の悪いそういう立場になった人は、自分自身でどうしていいかわからないということになってしまうのではないかと思う。それから防火というか、要するに火災に伴うもろもろの事態に対処することができるような配慮というものは、建築の面で考えておく必要があろうと思うのです。だから、もし基準法改正等でもってそういう配慮まで行なうということであるならば、それはどの点まで配慮するのかわかりませんけれども、配慮の上で今度提案をされるということに理解をしてよろしいのか、その点伺いたいと思うのです。
○政府委員(三橋信一君) ただいま大臣からお答えを申しましたように、また先生からもいろいろ御説明がございましたように、確かに火事については非常の手当てがよくできております。ガスとか煙とかの面については、これからまだ手当てすべきものが相当あるのではなかろうかというふうに考えられます。したがいまして、そういう点十分慎重に検討いたしてまいりたい、織り込むべきものは織り込んでまいりたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 お役所式の解釈でいくと、火事と煙は別だということになりかねないですから、火事も煙もガスも、これはつながっているものだから、これは別々にしていくということはないでしょうね。
○政府委員(三橋信一君) 私も専門家ではございませんけれども、火の回り方とガスの出方と煙の出方というものは、学術的にはいろいろ違うようでございます。したがいまして、原因は火から起きましても、それに対する手当てというものはいろいろ違った手当てが要るようでございます。そういう意味で、ガスあるいは煙に対する手当てというものも学術的な究明というもの、いまだに究明されていない点があるようでございますが、そういう点を急ぎたいと思いますが、慎重に取り扱いたいと思います。
○瀬谷英行君 この前の委員会でもちょっと質問いたしましたが、砂利の乱掘の問題ですけれども、前の委員会では私は埼玉県における幾つかの例をあげたわけですが、東京都においても問題がある。たとえば東京都の瑞穂町で、砂利の乱掘によっていろいろと被害を受けている。大型のダンプカーが通行するので、道路の損壊がはなはだしく、水道管の布設が終わっても、検査が受けられない。宅地、畑地、排水溝等の損壊、侵害が目立っている。それから掘った砂利穴のあとにじんかいの廃棄を行なって、きわめて不衛生である。井戸水が枯れる。それから汚染をされる疑いがある。さらにたちの悪い製造業者は、じんかいだけじゃなくて、汚物まで廃棄をする。こういう問題が派生をしているけれども、被害に対する補償等は一切行なわれていない。こういう問題が東京都にもあるわけであります。これは東京都だけじゃなくて、神奈川県、埼玉県、どこでもこういう現象が非常に多くなってきているのじゃないかという気がいたしますが、この間も私、熊谷の周辺の砂利穴を見てまいりました。その市長なり市会議員にいろいろ質問をしてみたんですけれども、かなり大きな穴を掘られてしまっている。そのあとが少しも埋められる形跡がないわけです。それで、聞いてみると、許可なしに掘っているというわけですね、全然業者が許可なしに掘っている。話は反当たり十五万円ぐらいでもって、やはり土壌改良といいますか、地質改良というふれ込みで農民がひっかかっている。場合によっちゃ農地委員までひっかかっている。しかし、すでに大きな穴が掘られて、それがそのままになっていれば、田植えの時期に田植えができなくなるのじゃないか。その周辺、すでに井戸水が枯渇している、農道が使えなくなった、こんな問題が出ているわけです。大体許可もなしにこういう大きな穴を掘ってそのままにされるということは、地方自治体としても、ずいぶんこれは間の抜けた話になる。この種の業者に対する取り締まりというものが、いまのところ無法状態というのは、はなはだおもしろくないと思うんですけれども、聞いてみると、業者は、いよいよ問題になれば若干の罰金を払えばそれでいいんじゃないか、こういうことを言ってうそぶいているという話です。だから、こういう極端な砂利の乱掘というものを許さないための強い規制が、今回の砂利採取法の改正によって期待できるのかどうか。この点を、まだきまっているわけではないと思いますけれども、考え方についてお伺いしたいと思います。
○説明員(竹村豊君) ただいま先生御指摘の砂利の採取あと等につきまして、いろいろな問題が起こっておりますことは、非常に残念でございますけれども、その面につきましては、現行の砂利採取法と申しますのは、必ずしも的確に対処できるような法体制になっておりませんので、この前の当委員会におきましても御説明申し上げましたように、砂利採取法の抜本的な改正を行ないまして、そのような問題につきましては、十分対処できるような法改正を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。御指摘の東京多摩地区の瑞穂町等につきましては、御指摘がございましたように、現在垂直掘りといいますか、というふうな形で掘っておりまして、隣接の地盤の崩壊のおそれがございまして、現在通産局あるいは地元の役場、業者等で連絡会議を持っておりまして、これを指導中でございます。なお、一社につきましては、町の条例違反ということで告訴中というふうに承っております。 なお、埼玉県の御指摘の土地につきましては、昨年私も当委員会のお供をいたしまして現地をつぶさに見たわけでございますが、農地を転用いたしまして砂利を掘る場合につきましては、農林省と私のほうで覚え書きを結びまして、農地転用の許可の条件といたしまして、必ずあとを埋め戻すことということを確認できない場合には、農地の転用許可をおろさないというふうにしておるわけでございます。それも書類の上だけではございませんで、確実にここを掘った場合には、どこそこに埋め戻し用の土地が必ず用意されておるということを現実に確認してから農地転用の許可をする。また付近に学校等がございます場合には、やはり農地転用の許可をしないというふうな農林省との間に覚え書きを結びまして、現在そのように指導しております段階でございます。
○瀬谷英行君 しかし、すでにいままであちこちに掘られている砂利穴については、砂利穴だけじゃなくて山砂利でもそうですけれども、農地法違反、河川法違反、違反は無数なんですよ。その違反を承知の上でみなやっているわけです。そうすると、一体これ以上この種の砂利乱掘による公害を防止しようと思えば、型どおりの罰則とか取り締まりでは、もう間に合わないんじゃないかという気がするんですがね。これは一体どうしたらいいかという問題、いま砂利採取法の改正といったようなことで間に合うのかどうか。これは非常に大きな問題だと思うので、大臣のほうからこの点についての見解をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(坂野重信君) 先ほど通産省のほうからお答えになりましたが、河川の区域内の問題につきましては、御承知のように現在河川法で、河川の河川敷につきましては河川法の二十五条、二十七条、両方で取り締まっておるわけでございます。それから河川の中の民有地がございまして、それにつきましては、その民有地を掘さくする場合には、治水上支障あるかないかということを、河川法の二十七条だけでいま押えているわけでございます。私どもで相当何といいますか、中には手抜かりがあるかもしれませんけれども、河川の区域内につきましては、私どもが全力をあげまして、直轄の管理の区域につきましては、各工事事務所に河川の監視員もおりますし、それから各出張所長等も随時見回っておりますので、あるいは夜間等において若干のそういった盗掘ということがあるかもしれませんけれども、大体私どもとしては、できるだけの努力を尽くしているつもりでございまして、今後砂利の採取法の改正がなされますというと、それをさらに河川法と砂利採取法とのひとつ共同でさらに厳重に取り締まるようなことができるわけでございまして、それから府県の知事さんの管理に属する問題につきましても、砂利採取法が改正になりますと、いままで以上にひとつそういった規制ができるんじゃないかというぐあいに考えております。河川区域外のそういった一般の農地とか山地の問題につきましては、農林省あるいは通産省等でおやりになっております。そういう区域につきましては、先ほど通産省がお答えになったとおりでございます。
○瀬谷英行君 現実に公害が起きてるし、いまもどっかでこっそりと砂利穴が掘られているという状態にあると思うんですよ。だから、違反を承知でやるような業者に対する取り締まりを、法律の小手先細工だけの改正でもって何とかしようとしても、ハエたたきでもってハエを追っかけているようなもので、なかなか私は解決つかぬと思うんですが、だからまず大きな方法としては、砂利資源をどうやって保存するか、活用するか、こういうことからして考えていかないことには、やはり問題が解決しないのじゃないか。たとえば塩の専売のようなぐあいに、砂利のほうも専売制度にして、政府のほうでまとめて採取と販売を行なうといったような方法を考えるとか何とかして、もぐりの砂利業者あるいは業者として登録をされてない業者によって片っ端から砂利が掘られるというようなことを防止する根本策を講ずる必要があると思うのですが、その点は、やはり所管としては、建設大臣あたりの所管になってくるのじゃないかという気がするので、大臣どうです、その点、何か方法を考える気はないかどうかお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(保利茂君) 建設省——まあこれはなわ張りが、権限が、そういうことでものを申し上げちゃいかぬと思いますが、建設省の河川関係につきましては、ただいま局長が申しておりますように、私も自分で検分いたしておりますけれども、かなり励行されているようでございます。問題は丘砂利といいますか、山砂利といいますかにあるようでございます。瀬谷さんが言われますように、初めから罰金覚悟でやるようなものを業者として一体取り締まっていけるのかどうかということは、私率直にそう感じます。せっかく関係法を改正されようとするならば、とにかく法と秩序はもう初めから無視してかかるような人を、こういう大事な民生に影響を及ぼすような事業に携わらしめるということは排除するというくらいのことが必要じゃないかというように、私は考えます。そういうことが実際可能であるかどうか、これはまあいろいろ立法上の議論もありましょうけれども、私の希望としては、そうありたいものだと思います。
○瀬谷英行君 どんなに法を無視しても、とにかく砂利を掘りさえすれば、これは売れるから掘ると思うのです。掘ってみてもかってに売れないということになれば、おのずから問題は別になってくる。だから一つ一つの法律をいろいろひねくってみてやってみたところで、根本的には解決つかないということであれば、これは公の機関が、砂利の採掘なり、調査なり、販売なりというものを行なうということも考えなければならぬじゃないかという気がするわけです。それくらいの構想でいかないというと、いつまでたったって、これは砂利のある限りは、片っ端から穴を掘られるというのは、防止できないのじゃないかという気がするのですね。だからそういう点についての根本策を講ずるとすれば、これは建設大臣あたりが担当じゃないかと思ったから、私はお伺いしたわけなんですけれども、しかし現状は、通産省のほうの採石法、砂利採取法といったような法律が砂利の採取にはよりどころになっておるわけです。 そこで、今度は採石法について一つお伺いしたいのですけれども、砂利採取法の改正というものがいま案を練られている。しかし採石法のほうは、これは別に手を加える必要がないのかどうか、砂利採取法と同様にこれからはやみ採石の問題もたくさん出てくると思うので、従来どおりの採石法では、問題はこれは解決できないのじゃないかという気がするのですが、採石法については一体今後どのようにするつもりなのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(礒西敏夫君) 採石業者に対する監督の問題でございますが、その点につきましては、昭和三十八年にこの採石法を改正いたしまして、公益の保護という観点から、公害防止の方法の問題につきましていろいろと必要措置をとれるような形にしておると同時に、いままで単なる届け出であったものを、着手しようとするものが届け出るいわゆる事前届け出制度に変えました。公害防止につきましては、そのための必要措置をとれるような形にし、なお緊急事態の場合におきましては、事業停止命令を三十三条においてやれるような形に規定の整備強化をはかったわけでございます。したがいまして、現在のところこの規定の運用によりまして、十分に行政的に監督し得るものと考えておりますので、いまのところこの法律を改正するというふうには考えておらないわけでございます。 なお、採石の問題につきまして、これは地元の関係が非常に重大なことと思いますので、それも昭和三十八年の法律改正によりまして、都道府県知事の意見を聞くようにいたしております。地元と十分連絡をとるようにわれわれのほうも考えておりますので、その点もあわせて御答弁さしていただいた次第であります。
○瀬谷英行君 この前質問した飯能の中藤地区の問題は、地元の意見といっても、地元の市の見解と県の許可といったようなことが、まっこうから対立をしてしまった一つのケースなんです。そういう場合には、いまの採石法だけでもって問題を処理しようとすれば手が届かないだろうと思います。だから、砂利採取法の適用を受けるものの範囲を採石法のほうにも広げていくというふうな方法を講じないと、網の目をくぐる業者が出でくる。つまり公害を巻き起こすような場合には、十分に手が届かないといったようなことになるおそれがあるのじゃないか。現にそういう実例があるのですから、そういう点は砂利採取法の改正にあたって、適用の範囲を採石法の分野にまで広げるとか、あるいは採石法自体を砂利採取法と同様趣旨でもって改正するとかどちらかにしないと、ここに私は盲点ができるのじゃないかという気がいたしますけれども、それらの盲点については、一体どのように処置をするつもりなのかお伺いしたいと思います。
○説明員(礒西敏夫君) 採石といいますのは、いわゆるとり石の問題でございまして、最近骨材の需給上の観点から、とり石がそういうふうな形でいろいろと発達しておるとは思いますが、先ほども御説明申し上げましたように、都道府県知事と通産局長との間に十分協議をするということを明文化しておる状況でございます。ただしただいま瀬谷先生のおっしゃった市町村の問題が一つあるだろうと思います。その点につきましては、都道府県を通じまして市町村の意見、いわゆるその地元地帯の意見を十分聞いて、その意見を反映するように行政的にやってまいりたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 そうすると、採石法には規定がないけれども、行政指導で何とかやっていこう、こういうことだけでしょう、いまのところはね。そうすると、砂利採取法全面改正の趣旨から考えると、採石法も少なくとも砂利採取法と歩調をそろえるということでないとつり合いがとれないという気がする。いままで砂利採取法の適用を受けておった業者が、今度は採石法の分野に入っていくということは十分に想像されることじゃないかと思うので、その点砂利採取法と採石法とのつり合いをとる必要がなぜないのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(礒西敏夫君) ただいま非常に問題になっておりますのは、砂利の問題だと思います。先生すでに御指摘のように、砂利についての先ほど来の公害というのは相当起こっております。実はとり石のほうはまあ石をとるほうでございまして、その辺まで緊急になっておるかどうか、いささか全国的に見まして、砂利のほうまでいくかどうか、若干その点が異なるんじゃないかというような感じもいたします。したがいまして、砂利をとっておる業者がとり石をやるというふうなことになりますと、ほとんどその砂利の問題で相当規制ができるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。とり石のほうは石をとるための問題でございまして、それについては現在のところこのような都道府県と十分連絡をとり、かつ特に地元とよく接触をしてその御意見を聞きながら、公害防止の方向で方法書を出させるなりなんなりして、なおその公害防止の方法がうまくいっているかどうかを、十分こちらのほうで監督をしながらやっていくという考え方でいきたいというふうに考える次第でございます。
○瀬谷英行君 この採石法によると、通商産業局長がいろいろ監督をすることになっているわけなんですけれども、通商産業局長がこういう山の中の砂利業者の採石に実際問題として監督をするということが可能かどうかという気がするんですけれども、それは都道府県、地方自治体等に業務を委任する形でもって、通商産業局長の監督を完ぺきならしめることができるということなのかどうか。これは実際問題として運用面についての方法をお伺いしたいと思うのです。
○説明員(礒西敏夫君) 御承知のように、この採石法は採石業者の登録という設定行為がございまして、それから最近のいろんな公害問題もありますので、三十八年度法律改正をしたのでありますが採石業、いわゆるとり石業自体につきましては、十分こちらのほうに登録並びにそういうふうな業者の名簿がちゃんとございまして、それを各通産局長が十分見ておる次第でございますので、都道府県のその地元の御意見をお聞きすれば、ある程度いけるんじゃないか。ただし、いろんな問題の起きておるものにつきましては、直接通産局のほうでいくようにさせておりますので、いまのところとり石、いわゆる採石業につきましては、そう問題が起こっていないということでございます。
○瀬谷英行君 飯能の問題は、砂利採取法の適用を受けないという話をこの前聞いたわけです。だとすると、その適用は採石法だけだということになるんですけれども、あれだけいろいろ問題を惹起をしているわけでありますから、採石法だけではきわめて不十分だという感じがするわけです。通商産業局長の出先機関が、そんなに各地方にあるわけじゃないと思うし、出先機関としては、県の出先機関しかないわけなんです。そうなったら採石法自体が、もはやこれから起こるであろうところの新しい山採石の問題について、十分な法規と言えるかどうか疑問が持たれる、その点は一体担当者としてだいじょうぶだというふうに思っておるのか。今後の問題としては、砂利採取法にならって手を加える必要があるというふうに考えておるのか、その点はどうですか。
○説明員(礒西敏夫君) その問題につきましては、今後の推移を見て検討してまいりたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 今後の推移ということになると、まことにばく然としてくるわけでありますが、実際問題としては、やはり砂利採取法を改正する必要が生じたから改正する、その必要によって砂利採取法の改正をするならば、この適用を受ける類似の岩石、たとえば山採石等についても、採取法の適用を受けるというような方向に持っていくことが正しいのじゃないかという気がいたしますが、この点建設省としてはどのように考えておりますか。
○政府委員(坂野重信君) 確かに通産省の採石法でほとんど取り締まりができるのじゃないかと思いますけれども、山から石をとって、それを今度は砕石、ふるいにかけて、そうして運搬するということになると、ちょっとここら辺が盲点になるのじゃないかという気がいたします。しかし、その辺は確かに砂利採取法の範囲外でもあるし、また採石法の現行のままでは足りないような気がいたします。その辺はいま直ちにこういった採石法の改正ができないとなれば、行政的な運用でひとつ公害を及ぼすような問題が起これば、その時点においていろいろ判断し、河川法なりあるいは砂防法なりといったいろいろな法律の運用面においてやっていくよりいたしかたがないと考えております。ただ、一般の丘砂利とか河川の砂利よりもまさにケースが少ないということは考えられるが、飯能の場合にも確かに石をとるその行為自体は採石法でいけますが、それをどこかに持って行って砕いて運搬するということになると、砂利採取法のほうにはかからぬのですが、この辺に確かに問題があると思いますが、通産省のほうは事情があって改正されたので、だいぶ進歩していると思いますが、砂利採取法の今度の改正に比べれば、まだちょっとそのレベルまで達していないのじゃないかと思いますが、当分は行政的な運用でやっていくという点において、そう大きな支障がないのじゃないかと思います。
○瀬谷英行君 支障があるかないかは、これからの問題でわからぬわけですよ。河川砂利のほうが底をついたということになると、砂利業者はどんどん山奥に入って行く、畑は人目につくし、山の中はあまり人目につかないで仕事がしやすいということになる。そうすると採石法と砂利採取法の盲点というものをつかれた、規制が行き届かないといったような問題が、私は今後出てくる可能性が多いと思う。やはり砂利採取法の改正にあたっては、岩を砕いて砂利にするという場合には、砂利採取法の適用の中に入ると解釈をするほうが私は妥当だという気がいたしますが、その点まだはっきりしていなければしていないで、これからの立法措置の中で私は明確にする必要があると思う。これを明確にするということはできるのかどうか、その点を念のためにお伺いしたいと思います。
○説明員(竹村豊君) ただいま先生御指摘の点でございますけれども、いわゆる石を砕くと申しますか、砕き石業というものについて見てみますと、山で石をとりましてそれから一貫して石を砕くという場合、これが大体砕き石業の八割程度を占めておるわけでございます。残りの二割につきましては自分で山を持っておりません関係上、外から石を買ってまいりまして、たとえば山の岩石でありますとか、あるいは河川の玉石等を買ってまいりまして、自分で石を砕いておるわけであります。前者のいわゆる砕き石業の大半——大半と申しますか、八割程度を占めますものは、先ほど鉱政課長申されましたように、現行の砕石法の体系で処理いたしておるわけであります。残りの二割につきましては、いま申し上げましたように、自分で山を持っておらずに買石でやっております関係上、零細業者が非常に多うございまして細々とやっておりまして、現在公害問題等を起こしているということは私聞いておりませんし、それから砕き有業自体が、先生御承知かと思いますが、比較的新しい産業でございまして、いわばこれから成長していくという産業でございます。しかも一般に、公害問題を起こしていないというような見地に立ちました場合に、はたして砂利採取法で考えておりますような登録あるいは採取計画の認可、違反した場合にはかなり強い罰則をかけるといったような強い規制を、これから伸びなければいかぬ産業に対して、しかも公害を起こしていない産業に対してかけていくという点はいかがであろうかというふうに考えまして、先ほど河川局長申されましたように、砕き石業自体をやっている産業については、砂利採取法で当面手当てする必要はないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○瀬谷英行君 公害の問題が起きなければ問題にはならないわけなんですね。やはり問題が起きたら、われわれも砂利採取法なり採石法等について着目をするようになったわけですから、だから将来の問題はこれはわからないけれども、しかし飯能の山採石の問題なんか、一つのいい教訓になったと思うんですね。あれは、何もないのに市がことさらに騒いだわけじゃない。やはりいろいろな問題が地元で起きてきたとか、あるいは起きそうであるとかいうことから問題になったわけなんですから、こういう問題に対してわざとほっかぶりするような態度は、私は間違いだと思う。いかなる種類の公害であろうとも、公害が起きた、あるいは起きそうであるという場合には、それに対して手落ちのない規制というものは、当然これはやらなければならないと思うんです。その点、どうも建設省の河川局長の話を聞いてみても、岩をとってこれを砕いて砂利にすると言ったが、砂利採取法の適用があるというのはちょっとおかしいというふうな話がありましたけれども、その点は今後一体、立法措置を講ずる際に、公害防止のためにはどのようにするつもりなのか。これはあくまでも行政指導だけで事足りるとするのか、あるいは立法上の措置を考えていくのか、その点を再度聞きたいと思うんです。
○説明員(竹村豊君) ただいま申し上げましたように、現在の砕き石業のほとんど八割以上のものがとり石から砕き石を一貫してやっておるわけでございまして、先生の御指摘の中藤川の件につきましては、まさにそのケースでございますが、これは採石法によりまして現在公害防止対策は行なっておるという点につきましては、この前の委員会で申したとおりでございます。すでに一月の二十三日、採石法に基づきまして東京通産局長は公害防止法の認可を行なっておりまして、本件に関する公害を防止できるというふうに通産省では考えておる次第でございます。残る二割のものにつきましては、繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、非常に規模としては零細の業者がほとんどでございます。自分で山を持っておりませんので、ほかから買石を行ないましてやっております関係で、ほとんど——ほとんどと申しますか、私、公害問題を起こしておるとは聞いておりませんし、これから伸び盛りの産業でございますので、砂利と同じような強い公害防止といいますか、強い規制を加えてまいるということにつきましては、いかがなものであろうかというように考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 零細業者であるから強い規制を加えるのはいかがなものであるかというけれどもも、零細業者であるから公害の点について心配がないということであれば、それは規制する必要もないと思うのです。しかし公害の可能性なりあるいは危険性というものがあるならば、やはり業者が零細であろうとなかろうと考えることが、私は当然じゃないかと思うのですがね。その点はいかがなものであろうかという辺が、どうもあいまいでよくわからないのですけれどもね。じゃ今度は、公害の危険がない場合は規制する必要はないけれども、あるという場合には、やはり規制する必要があるというふうに判断をされておるのかどうか、その点です。
○説明員(竹村豊君) 先生御指摘のように、明らかに公害を起こすという事態に立ち至りますならば、当然これは法規制を行なわなければならないというふうに考えますが、現在のところではそのようなおそれがあるというふうに私聞いておりませんので、先ほど来申し上げましたように、行政指導その他によって的確に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(藤田進君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会