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58回国会参議院1968/04/12

決算委員会 第11号

発言数
134
登壇者
18
会派数
2
開催日
1968/04/12

会議録

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  四月十一日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として柳岡秋夫君が選任されました。     —————————————

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) これより昭和四十一年度決算外二件を議題といたします。  厚生省の決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 時間がごく短いので端的にお答え願いたいのですが、各種の洗剤について柳沢医学博士によりその有毒性が指摘されて以来、国会においてしばしばこの問題が取り上げられてきましたが、最近においても、かなり改善されたという意見があっても、依然としてその有害性が指摘されておるわけです。したがって、この問題については、国民に対して厚生省が責任の立場において明確に結論を出すべきだというふうに考えるわけですが、その点いかがでしょう。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 洗剤についての被害は御指摘のとおりでございまして、これはドイツ等ではすでにアルコール性洗剤に切りかえております。家庭の主婦はゴム手袋をはめなければならないという状態でございまして、しばしば指摘を受けておるところでありますが、いままでの審議会等ではこの問題はあまり取り上げられていなくて、むしろどちらかというとあまり害はないというような印象できたわけでございます。そこで私のほうでもそういう観点から、特に洗剤は一切のものを検討するよう事務当局に命じましてただいま検討いたしておる段階でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 きょうの質問は、事務当局よりいろいろと経過ということについては後刻お聞きいたしますが、端的に……。  有毒、有害性について依然として論争はやまっていません。そういう段階でいま検討されているというけれども、もう過去において、数年この問題は論議されておるという状態で、したがって、端的に言って、広範かつ毎日使用されておる現状で、しかも各種多様です。したがって、これに対して決断をくだすということは非常に困難な点もあるかとも思われますが、しかし、及ぼす影響というものを考えたときに、これは勇気を持ってやはり志向する点を厚生省がはっきりさせなければならぬと考えるわけです。その点でいつごろまでにこの問題について結論を出すのか、その点をとくと伺いたいと思う。放置され過ぎている、これは勇気を持ってやらなければだめですよ。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 私のほうで設けてあります審議機関、食品衛生調査会では、問題が起きましてから一応検討した結果は、いまのような使用方法であるならばよろしいという概略の意見が出たようでございますが、私は御指摘の柳沢博士に数回来てもらって直接意見を聞いて、どうもその意見に納得がいきませんので、私も岡委員と同じように、これの害は相当なものであって、しかもほかのものよりも皮膚から内臓に浸透して、そして奇形児等の原因になるのもこれではないか、現にドイツのほうで一斉に取りやめに切りかえた事実がありまするから、一面、いままでの、私のほうで持っております食品衛生調査会の学識経験者は、まあたいしたことないというような意見でございまするが、私はそうではないと、こう思っておりますので、通産省とも連絡をして、これをアルコール系に切りかえるかどうかということをやっておりまするが、仰せのとおりに、いままで相当多量に売っておりますものを、的確なものがなければなかなか行政上困難なところもございまするが、しかしながら、飲む薬の判定と違って、飲む薬の場合にはやはり万分の一でも危険があればこれは慎重でなければならぬが、害がありそうだというものでは、害がないということの判定がつかぬまではこれは製造して売るのは私は間違いだと、そう思っておりますから、そういう観点から、御意見に従いまして、私も勇気を持ってこれを処置したいと考えております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 時間がありませんので、まあ相当科学的に進歩しているドイツにおいてこの問題はつとに開拓されてきているわけです。私は巷間伝うるところを聞けば、これは間違っていたらいさぎよく取り消しますけれども、私たちが聞いているところによれば、かなり業者の圧力というものがここにある。そういうような点でなかなか微温的な、探求の進め方を積極的にしてないのが現状ではないか。しかし、この身体に及ぼす害というものはかなり的確にドイツ等においては指摘されておるわけです。したがって、これをめぐる業界自体においてもかなり危険性というものについてやはり改善をしなきゃいかんということで、中性洗剤の中においてもこれをどういうふうにソフトにしていくとか何とか、いろいろと検討されていることは現状ですよ。したがって、私はその内蔵するものはやはり危険であるという前提に立つから、何とかしてこれを改善しなければならぬというところにあるというふうに考えるわけです。したがって、繰り返しますが、ドイツ等の例を見て、私はやはり危険であるという立場に立っているわけです。したがって、いま厚生大臣が言われるように、ひとつこの問題については力を傾けて、やはり即座に出ない問題であるけれども、日常的に広範に影響しているんではないかという危惧の念を払拭できない。そういう点でいま厚生大臣が言われたように、積極的にひとつやってもらいたいと思うんです。この問題の結論を出すことは非常に重要だと思うんです。いろいろな薬剤がありますが、厚生省の言う一つの価値判断としては、害がなければ無害であればいいという薬事法上の問題であるとか、衛生法上の問題であるとか、いろいろありますけれども、それぞれの基準自体についても問題があるけれども、それはいまここでは触れません。端的に言うて、私は害を持っているという科学的に立証されている根拠を見て、やはり日本の厚生省としてこれは十分検討してその問題についての解明をすべき責任がある、それをすみやかにすべきであるという意見です。もう一ぺん……。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 私個人としても、これは害があるという考え方のもとにこの問題を処置してまいりたい。なおまた、いろいろな方面の習慣とか、惰性とか——あるかもしれませんが、いまのところ私のほうには何らそういう意見は業者のほうから聞いておりませんが、しかし、御意見のようなことは十分、いま売られている品物でありまするから、想像せられるところでありまするから、その点については特に配慮をして御意見のとおりにすみやかに取り運んでまいります。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 厚生大臣にお尋ねをいたしますが、社会保障制度というものの拡充強化ということは、今日の社会においてこれはもうどうしてもやらなけりゃいかぬことだと私は思うんです。ところがこの悪用されることの余地も非常に多いと思います。先般来いわれておることでございますが、イギリスの国内事情、いろんな問題がありますけれども、これらもやはりイギリスの社会保障制度そのものの問題にあるんじゃないか、イギリス病の原因はそこにあるんじゃないかというようなこともいわれておるのでございます。特に生活困窮者対策としての生活保護の問題、これが悪用されると惰民養成ということになりかねない。一方においてまた健康保険の問題、これはもう従来から議論をされておるところでございまするけれども、乱診あるいは乱受診ということがやはり健保財政の危機につながるというようなこと、こうしたことで悪用されることによって非常にいろいろ問題が出てくると思う。そこで私はこの社会保障制度そのものの拡充強化というのはこれはもう当然必要ですから、これにブレーキをかけるという意味で質問するのではなくて、むしろこうした悪用を是認することによって、世論から社会保障制度は何だというようなことを言われないように、もちろんこうした決算委員会の場において決算審議という観点から、やはりこういうことに、悪用ということについてのきびしい態度というものがやはり厚生省当局にあってしかるべきだ、こう私は思います。したがいまして、そのことについて大臣のひとつお考えをお聞きいたしたいわけでございます。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 社会保障の長期計画がなければならぬことはこれはもう当然でございまするが、現実を申し上げますると、残念ながら日本の社会保障制度は個々まちまちに必然に迫られて看板を上げてきた程度であって、その内容も必ずしも充実していない、したがって、個別的に発展してきた社会保障を、今日の段階ではいろいろな困難がありまするが、これを体系的に長期的な計画に切りかえていかなければならぬことは御指摘のとおりでございます。そこで近く、手をつけております医療保険の抜本改正の問題につきましても、事務当局とよく研究いたしまして、社会保障の二本の柱が年金とそれから保険である。しかしながらこれはあくまで保険制度そのものを守る意味ではなくて、社会保障制度の目的を達成するための二本の柱であるから、保険としてだけ改善するといろいろな問題が出てくる、したがって、この保険の改正を契機にして、それぞれ各局は横に連絡をして体系的な長期的な計画をつくって、その計画の中で保険の改正をやれと、このような検討を数カ月前に命じたところでございます。  なお、社会保障制度のたとえば生活保護につきましても、あるいは新聞等に出ておりましたように、ある地域では暴力団の親方がこれをもらっておったとか、あるいは医療保険についてもいろいろな問題があるようではございまするが、しかし、やはり私としましては社会保障制度というものはそういう方法、一部の方法に目をつけるべきではなくて、やはり御指摘のとおりに社会保障の充実に向かってやらなければならぬ。ただし運営をする場合にはその点はきびしく取り締まっていきたい。その取り締まり方としては厚生省が直接取り締まったほうがいいか、あるいは医療保険についてはお医者さん同士のやり方をしたらいいか、あるいは今度の改正の際に、そういう乱診、乱用ができないようにどのようにやるか、こういう点は十分研究してやりたいと考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 昨年の三月に政府で発表された経済社会発展計画、これを四十三年から四十六年の期間における経済運営の指針とするということが決定されているわけでございます。その中でこの「社会保障の長期計画を策定し、それにもとづいて体系的整備を行なうことが不可欠である」——いまちょっと私の前段の質問について多少お触れになったようでございますが、これについてもう一年を経過しておるわけでございますから、何か具体的な計画がいま現在あるのかどうか。あればひとつこの際お示しをいただきたい、こう思うのでございます。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 先ほど申し上げましたとおりに、長期計画はただいま作成中でございます。約三カ月前だと思いますが、事務当局に検討を命じたところでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 大体いつごろの、めどはいかがでごございますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 抜本改正の試案が出ておりまするが、これはしばしば言っておりまするとおりに事務当局の試案であって、各方面の御意見等も承って一つの成案をつくりたいと考えておりますが、抜本改正の案のでき上がるころと並行してそのやや直前にこれは計画を一応つくってみたいと、こう考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 あと一つだけお聞きしますが、同じくこの計画の中で、老人福祉、心身障害者対策及びガン対策などの、従来立ちおくれの著しい社会福祉及び保健公衆衛生等の部門についてもその拡充に格段の努力を払うということがうたわれておったわけですが、こうした社会福祉の伸展をはかろうとするそのお考えですね、これもあわせてひとつお聞きいたしておきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 心身障害児の問題は、私最重点施策の一つに考えまして、ただいま御審議を願っておりまする予算では、それぞれの部門で二〇ないし四〇%の飛躍的な数字の増加を見ておりまするが、しかし、それは数字の上からでございまして、実際におきましては、いままでの内容が充実をしていないので、なおこれを総体的に比べてみますると非常に不十分なことでございます。なお、今日心身不自由児が、大ざっぱに言って、収容すべきもの、通園施設その他も入れて約十六万数千もおりますが、本年度の予算の御審議を願ったあとでもなお、ようやく四万に達するぐらいであって、あとの十万近くのものはまだ収容できないという状態であるという状態でございまするので、この点はさらに充実をして六カ年計画をつくっておりまして、年々二千名というふうに考えておりますが、それでもなお交通事故その他によるいろんな心身障害の方々がふえておりまするから、六カ年計画ができ上がってみてもなお不十分であると考えまして、このほかに、そういう手段とかその他言っておられませんので、民間団体の協力も得て早急にこれは達成したいと考えております。老人の対策につきましては、御審議を願っておる予算では百円の手当の増加でございまして、これも老人の方々からおしかりを受けておりまするが、今年の予算ではこれで精一ぱいでございます。したがいまして、ただ手当ばかりでなく医療の公費負担、こういうことも保険改正の場合にこれに取り入れて、各方面から老人の方々の福祉をはかりたいと考えております。  なお、ガンその他小児の特別な病気に対する問題でございまするが、この点は、今年度からは、いままであまり手をつけられなかった研究助成費あるいは専門技術者の養成等に、ごくわずかではございまするが、予算の御審議を願っておる状態でございまするが、これも御指摘のとおりに、非常に大事な問題でございまするので、十分注意をしていきたいというふうに考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 だいぶ時間をお急ぎのようでありますから、要約だけひとつ大臣に伺って、あとはゆっくり質問をいたすことにいたします。大臣に伺いたいことは、非常にもうこのごろ交通事故が多うございまして、救急医療というものが非常にいまおくれておる。このようにして日に日にどんどんと死亡者もふえ、あるいはまた被害者もふえておる状態で、この救急医療というものに対してほんとうに厚生省としてこれに対しての積極政策をしてもらわなければ非常に大きなこの事故を防ぐことはできないと、こういうふうに考えるわけでありますが、この問題については非常にいろいろな問題があるわけです。私はまず大臣に伺っておきたいことは、この救急医療を拡充するために、政府としては緊急に公的な医療機関に対して、十分その整備の、まあいままでは何か七カ所か八カ所の計画を立てておられるようでありますが、その計画では私はいまの救急——このような状態を救うのにはまだまだ不十分だと、そういうふうなことを考えますので、この救急対策に対して私はその公的医療機関などをどのようにして動員するか。最近はどの新聞なんかにも出ておりますが、公的医療機関そのものが満床だとか言って救急患者を断わって、そのために非常に被害者が迷惑をこうむっているという点がたくさんあるわけです。こういうことに対して、もう少し公的医療機関をいかに早く整備あるいはまたこれに対する対応策をするかということについてのお考えをひとつ聞いておきたいと思うわけであります。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 救急医療及びセンターにつきましては、先生よく御承知のとおりに、一番端末から申しますと、医院に指定される、それから地方のほうでは、あるいは地方の負担になったり、あるいはその病院の負担になったり、あるいはベッドをあけて待たなければならぬというので、経営上非常に問題があるということが多いと思います。政府としては、四十三年度で前年度に引き続いて対策を考えておりまして、センター予算等もお願いしてございまするが、将来は人口百万について一カ所、これだけのセンターをぜひつくりたい。そのセンターを中心にして個人経営の病院をやっていきたい。なおまた、これと同時に、いろいろな脳関係の高度な外科治療等の必要も出てまいりまするので、この研究費も審議をお願いをしておりまするが、実際今日の数から見ると、これは非常に交通事故の急増に比べてまいりますると、まだまだ不十分でありまするから、十分努力をしたいと考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いまの計画は私もよくわかるし、たいへんそれに対して大臣も今度はこれを重点施策としてやっておられることもよく認識しておるわけでありますが、緊急の問題として早く手を打たなければ、私はこのままでは、また現在の加害率を見ましてももう最高度を示しておるわけでありますから、これに対して、その計画だけではなくて、計画を何か早めるなり、あるいはまた特別な運営の方法、特に私は公的医療機関、大きな公的医療機関ですらその急救患者を断わらざるを得ないというところに非常にいまの制度の大きな誤りが、欠点があるのだろうと、こういうふうに考えられるわけでありますが、そういう意味においても、たとえばいま大臣もおっしゃったような、空床にしておかなければならないとか、夜間に、二十四時間とも当直なり、あるいはまた手術する要員を用意しておかなければならないと、こういうような状態にあるものに対しては、こういうようなことをするというような裏づけを早く処置するほうが、そしてまたそういうことをしてはいけないという、いつでも受け入れができるような態勢を持っておるとかいうふうなかたい指導がなければ、いまのような矛盾を含んだままの状態で指導をしておるようなことでは、やはりそうしたことが先行して、そして患者を断わるというような事態が起こってくることは、そうしたことで非常に問題があるのじゃないか。ことに大きな病院でそうしたことが如実に拒否されておる例があるわけであります。それは故意の拒否ではなくて、ベッドの満床だということになればそれは拒否になるわけでありますから、そういうことは問題じゃないか。少なくとも救急病院であれば、いつでも持ってこられるところの三ベッドなり五ベッドくらいのものはあけて待機をするのでなければ、その患者が来たときに、あちらへ振られこちらへ振られしておったんではたいへんな問題だと思うのでありますが、そういう根本的な処置をするということに対して大臣はひとつ特に考えてもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) ただいま国または地方公共団体が設置する医療機関六百五十と、それから救急病院の医療機関三千七百カ所があるのでありますが、地方公共団体の設置する医療機関に対しては、地方公営企業によってこの医療を確保するために一般会計から繰り入れが認められております。なおまた地方公営医療についてもこれは特別の考慮を払うようになっておりまして、医療機械等を整備するための費用は国庫補助や地方債で優先的に助成するということにいたしておりまするが、今年度も相当これは増しておりますがそれでも不十分でありまするから、本年度の予算案におきましては、運輸省の自動車損害賠償金特別会計からと、それぞれのほうから一億四千万円、それから予算において三億七千万円計上しておりまするが、これでは十分ではないと考えまするので、早急にそういう制度を急ぎたいと考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 まあこの問題につきましては、あとから、もう少しいろいろ煮詰めまして、そして次官のほうからまた大臣のほうにお願いしていただきたいと思っておりますが、この救急医療と重なりまして、その一番また緊急な問題になっているのは輸血だと思います。輸血がないために非常に困っている例がたくさんあるわけでありますが、現在の輸血の制度では私はそうした救急の場合に間に合いかねると思うわけでありますが、こういう点で、私はこの救急献血によって七五%もいま実績は上がっておるという、日赤だけにこれを依存するというのではなくて、いま持っておるところの、血液をとることのできる公的な施設もありますし、あるいはまた民間のいままでやっておったのが預血として非常にうまくやられておる。これなんか、今度のカナダで行なわれております学会で報告されているのを見ましても、預血も献血も、あるいはまた全然預血によるところの観点に対しては影響がないという報告も出ておるわけでありまして、むしろ預血のほうが優秀な成績が出ておるのが大学の発表の中にあるわけであります。こういう観点からいって、預血に私は必ずしもこだわる必要がないと思います。やはり献血は私は非常にいいと思いますから、献血一本でかまわぬと思いますけれども、その献血を日赤に依存して、日赤のサイドにまた血液の配給事業団とかいうあいまいな法人をこしらえて、これをやらしておるということであっては、私はいまの血液行政を完全にすることはできない。少なくとも配給のコントロールセンターと申しますか、もう少し高度のものを考えて、これには厚生省が責任をもって入る。あるいはまた地方の府県の衛生部のほうが関与をする。こういうふうなものが入って、そこが責任をもって血液の需給を満たしていく。それに対しては、もちろん七五%を占めておるわけでありますから日赤さんに十分にやってもらうか、あるいはまた公的な血液の機関も、あるいは民間の機関も一緒にそこに加わって、そして高度のコントロールセンターならセンターにもっと指導監督をして、血液というものがほんとうに、売血のような非常に悪いものではなくて、献血そのものとしてのりっぱな血液を需給できる。少なくともいままでのように血液が足らなかったりなんかしないように、電子計算機なり、あるいは通信の新しいものを取り入れて、そして国の中央では、全国にどれぐらいの血液の型の品物がある、あるいはまたそれが必要であるということのコントロールをしながら、必要であればすぐそれが入るという、各府県にもそういう機関ができて、そして各府県のすみずみまでこれをやるというくらいの、このセンターの高度な能力のあるものをつくらなければ、私は現在のままではたいへんじゃないか。これにはまたいろいろな私の考えもあとに詰めまして、ありますが、中心となることはそういうことであります。たとえば北海道で——心臓の手術を東京でしようと思ったら、飛行機で何十人もの血液がなければ間に合わぬ。こんなことをやっておったんでは、いかに公費でそういう心臓の手術もやってあげようという意向を漏らしても、金がなかったら手術ができないということになるわけでありまして、いまの血液の問題、いろいろ救急で出血しているというような状態に、ぱっぱっとそれが間に合うためには、私はそういうふうな高遇なコントロールセンターというか、統制するところの一つの機関が要るのではないか。それは私はその民間の会社あたりに、公益法人ぐらいでやらしておいたんでは私はこれはいけないのじゃないか。もっと責任をもって指揮できるような、やはり最終的に厚生省に私は責任があると思うわけでありますから、厚生省がそれに加わってやるところのりっぱなセンターをこしらえてもらう。これが民主的に運用されて、全国津々浦々まで一ぺんにこれがわかっていくという、その必要があると、こう思うのでありますが、その点はひとつどうでありましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 血液の問題は御指摘のとおりでありまして、幸いに労働組合等でも主体になってこの運動を推進していただいておりますし、文部省等とも相談して、国民的なお力を借りて、推進していきたいと考えております。ただ御意見のとおりに、一番これで問題になりますのは、やはり配給とか搬送、こういう需給調整が一番問題であって、現実にも問題を起こしております。したがいまして、将来早急にこの需給コントロールをやる機関というか、そういう場所をつくる必要があるということは、私も同様に考えておりますので、これは至急に検討したいと考えております。  なお、この預血、一般民間業者でございますけれども、これに献血を扱わせるということについては、いろいろ御批判もあり、問題もあるようでございますが、できればこれは、血液の問題は一般の営利の機関ではなくて、公共団体あるいは国の責任においてやればいいと思いますけれども、過渡期におきましてはこういう方々にもやはりある程度任務を負わせなければならぬと考えておりますが、ただいま日赤だけではなくて、将来は都道府県、地方公共団体を主体にしてこれを推進していきたいと考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 その考え方に対しては私は、異論を申すわけではないのでありますが、しかし、非常に民間といえども、相当採血の能力を持っておる。ただ、それが商売のベースでやってはいけないということでありまして、だから、私はもう少しそういうものを規制して、能力のある者、六十万リットルもとれるような能力を持っている者をほっておいて、そうして何も、献血をどんちゃん騒ぎをして能率があがっていない。しかも、考えてみれば高等学校とかそういう団体のほうにもやっていかなければ血が集まってこない。ある意味においては、自発的にほんとうにやってくれる状態であればいいのですけれども、非常にとりやすいところにとりに行かなければ血液が足りないようになるから、自衛隊のほうにもずいぶん無理をして行って、血液を集められておるようであります。もっとひどいのは、発育盛りのそういう中・高等学校あたりまでこれが行かなければ血液が集まらないというような献血運動だったならば、これは国民の健康に対しては非常に問題がある、こういうことも考えられるわけでありまして、むしろ、その意味でそういうような商業ベースのものを食いとめられるということをもう少しぴちっとして、そうしてこれがもし、公的なものでいかなければ全部公益法人にするとか、あるいはそれが公的なものでいけなければそういう個人の血液銀行のものも何らかの改良をして使っていく。何でも生きたもの、生きておるところの能力をつぶしていく必要はないのじゃないか。それをいかにして規制するかのほうが問題である。少なくとも私はそういう意味において、預血ということが入って悪ければ、献血をして、こういうレベルのものでやりなさい、また商業ベースでいかなければ、いま日赤でやっているような範囲のものでこういうふうにしてやりなさい、やらないものに対しては日赤だって責任がある、ほっておけないのです。こういうところから持ち出すわけでありますから、持ち出すためには別な方法を考えてもらうというような形できちっと規制してやはりやっていかないと、能力を十分に出していけないのではないか、こう思うのです。  ただ、いままで昔の古い売血のイメージの点で、いつまでもそれに拘束しているべきじゃなくて、それをむしろ、いまの段階では血液の事情が非常に悪い事情でありますから、そういうものをいかにして規制して、そうしてやっていくかということが大事じゃないかと思うのです。一時の方法で間に合わしていこうという状態ではなく、むしろ、そういうものをきちっとした国家の——厚生省の考えておられるような献血の清らかなもの、そういうものを育てていくという形が私はいいと考えている。そういう点についてはひとつよく考えていただきたい。むしろ、日赤が一緒になって、そういう場合教育するような、あるいはまたそういうふうな規定をして、日赤と同じようなベースで動いていくようなシステムにしたならば、どれほどいいんじゃないかと私は思うし、そのくらいなことをいまやらなければ、血液事業というものはなかなかルートを追っていたのでは実際の間に合わない。だから、いままでもまだずっと一部には売血があるわけですから、これをいまやることはいろいろな意味において大事じゃないか、こういうことを考えますので、救急医療というものと血液の預血という問題とは切っても切れない関係にある問題であると思いますから、私は救急の問題をここで明確にひとつ何らかの手を打っていただくとともに、預血というものに対しても手を打っていただきたい。それをひとつ十分お願いをしておいて、大臣に対する質問を終わります。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 医療救急制度に対して血液の大事なことは御指摘のとおりでありまして、しかもそれが現実に間に合うということが一番大事でございますから、この制度あるいは預血の問題につきましても、仰せのごとく生命の一部である血液を売って金もうけをするという印象が多いわけでありまして、その制度その他についてももう一ぺん検討して考えていきたいと考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 関連して。私、さっきちょっとつけ加えることを忘れましたが、心身障害児総合基本法というか、そういうものを制定してくれというようなことを民間の各関係団体からも出ております、意見が。そういうことについて、ひとつ立法化の動きがあるのかどうか。政府としてどういうように考えているか、それだけをひとつお答えをいただきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 心身障害児の基本法については、当然政府が早急に立案すべきものではございまするが、残念ながらいままではその準備がございません。ただいま各党で意見が出されて、共同提案でこれが提案されようという模様があるということを漏れ承っております。そこで政府としては、自分の責任のものをできずに国会が出されることは、体面からいえばまことにおかしな話でありますが、しかし、現状からいうと、手っとり早くそういうものが早くできるという目的を私は大事に考えておりますから、各党から提案されるならば、自分が提案したと同様な気持ちを持ってこれに協力をしたい、こう考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 心身障害児の問題についてお聞きしたいと思いますが、児童福祉対策の中で、心身障害児あるいは心身障害者に対する援護は、ほかの施策に比較していままでおくれておった。先ほどの大臣の答弁でも、いままでおくれておった。これからは、四十三年度でもこうこうしかじかにしているんだ。予算の面についても触れられたのでございますが、重症心身障害児のための収容施設の現状と、在宅重症心身障害児に対する施策についてひとつお聞きしたいと思います。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) 重症心身の障害児で収容保護を要すると認められるものがおよそ一万六千五百人ほどある、こういうふうに推計されております。これらの障害児に対します収容施設は、四十二年度末現在で国立及び公・法人関係、これらの施設で合わせておよそ三千床足らずという状況でございますので、引き続き本年度におきまして、国立療養所で八百八十、また公・法人立の重症心身障害児の施設をさらに増設をする、こういう状況になっております。在宅の重症心身障害者が、したがいましてかなり多くなるわけでございますが、これらの人たちに対しましては、児童相談所等の家庭訪問の指導、さらに特別児童扶養手当の支給額の引き上げ。今年度、いま予算でお願いいたしております新しい方策といたしましては、いわゆるギャッジ・ベッドと申しますか、その在宅の重症身障者に対してもギャッジ・ベッドの貸与をいたす、こういうような対策の充実をいたしたいと考えておって、進めておるわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 重症心身障害児対策並びに進行性筋萎縮症対策として四十三年度三百四十二名の増員を行なったのに対して、国立療養所の増員というのが二百五十二名しかたしかもらわれていなかったと、こう思うのですが、その辺の事情をさらにお尋ねしたい。と申すのは、こうした国立療養所とか、こうした医療施設従事者の確保の問題、それから待遇の問題、こういうことにもいささか関心を持つものでありますから、ちょっとお聞きしたい。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) その国立療養所の増員の問題と、重症あるいは筋ジストロフィーに対します必要な人との差が問題になっておるかといういまの御質問だと思います。これは一方におきまして、国立療養所の中の、たとえば結核等の病床が非常に減っておりますことからしましての人員の減が片一方にございまして、したがいまして、そういう片一方の増と結局総計いたしますと、療養所全体としての数字が変化したものと考えておりますが、詳しいことは担当者のほうからお答えさしていただきたいと思います。

上村一厚生省医務局総務課長

○説明員(上村一君) 昭和四十三年度の予算案におきまして国立療養所の増員は二百五十二名になっております。御指摘のように、重症心身障害児なり、進行性筋萎縮症対策としましては三百四十二名増員をしましたし、それから直接関係はございませんが、らい療養所における不自由者の付き添いとして百名、合計いたしまして増員といたしまして四百四十二名になるわけでございますが、一方、いま政務次官から御説明申し上げましたように、結核患者の減少などで百九十名の減員がございます。差し引きまして二百五十二名が国立療養所全体としての増員ということになるわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 これからの心身障害児対策の重点というものは発生予防というか、予防措置、そうしたことにひとつ重点が置かれてしかるべきだと、こういう意見も多いわけですが、そうした点についてどう考えられますか。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) 御指摘のとおりだと思います。ことに妊娠中及び分べんの前後の対策、あるいは栄養の片寄りというような点におきまする指導がきわめてこれらの心身障害児の発生をいたします際における予防と申しますか、対策に重要な問題があるかと思います。それらの点につきましての対策を進めていかなければなりません。詳しいことを担当局長のほうから……。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 政務次官が御説明いたしましたように、妊娠中あるいは分べん周辺期、さらに新生児、乳幼児、こういうふうに一貫をいたしまして、おかあさんとか、あるいは小さい子供さんに対する健康の管理を強めていかなくてはいけないわけでございます。したがいまして、厚生省におきましては、たとえば保健所を中心といたしましての妊産婦の保健指導、あるいは新生児に対する訪問指導、あるいは三歳児検診、かようないろいろな施策を行なっておるわけでございますが、特に妊娠中のおかあさんにつきまして、そのからだが異常である場合、たとえば妊娠中毒症であるとか、あるいは妊産婦の糖尿病であるとか、こういった場合におきまして、経済的な理由によりまして医療が受けることが非常に困難であるといった場合におきましては、公費負担によりますところの医療を行なうということもやっておるわけでございます。また新生児等につきましても、たとえば重症黄だんの子供につきましての交換輸血の実施をやっておりますとともに、新生児、乳幼児が、たとえば代謝異常であるとか、フェニルケトン尿症であるとか、ウィルソン氏病、こういった病気にかかりますと精神薄弱の状態になるわけでございますので、こういったものにつきましても昭和四十三年度からは公費負担によりましてその疾病を治療するという対策も講じようとしておるわけでございます。なおまた三歳児検診におきましても知能の発達を調べて早くその精神薄弱の状態を把握しようという施策も昭和四十三年度においてはとろうといたしておるわけでございます。まあ、あれやこれやいたしまして、こういった重要な心身障害児の発生予防についてはいろいろな手を用いようとしております。なお、先ほど大臣も御説明申し上げましたように、昭和四十三年度におきましては、こういった重症心身障害児に関係のありますところのいろいろな医学的研究、たとえば進行性筋ジストロフィーの研究でございますとか、脳性麻痺の研究でございますとか、あるいは蒙古症に関する研究でございますとか、こういうふうな研究につきまして新しく相当大きな金額を計上いたしまして、関係の医学者に対しまして補助を行ないまして、その研究を進んでやってもらうということも計画しておるわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 それから、さっきもちょっと触れました肢体不自由児のうち、その障害が、進行性筋萎縮症ですか、それに起因しておるということが言われておるわけなんです。進行性筋萎縮児の実態と、それに対する施策、これは最近非常にいろいろあちこちで取り上げられておりまして、新聞にもときどき出ておる問題でございます。救いの手はないのかというようなことでいろいろ記事にもなっておるわけですが、実態と、施策についてひとつお伺いしたいと思います。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○政府委員(渥美節夫君) 御指摘の進行性筋萎縮症でございますが、その中で、特に一番難病であると称せられておりますところの進行性筋ジストロフィー症の対策につきましては、最近こういった子供たちに対する施策が軌道に乗ってきたわけでございます。現在進行性筋ジストロフィー症の患者として推定される数は約三千五百名程度でございまして、昭和三十八年以来国立療養所におきましてこの治療を始めたわけでございます。現在までのところ、これらのベッドが五百八十床ばかり十カ所の国立療養所におきまして付設されておるわけでございます。来年度におきましても、おとなの分も含めまして二百四十床のベッドを国立療養所に付置いたそうと、かように考えておるわけでございます。  なお、昨年の八月一日からは、この筋ジストロフィー症、進行性筋萎縮症の施設も児童福祉法によりまして肢体不自由児施設といたしまして法定化いたしたわけでございます。したがいまして、これらの収容された子供たちに対しましては、公費をもってその治療、指導が行えるということに相なっておるわけでございます。しかしながら、まだまだ在宅の子供さんが相当多いわけでございます。こういった子供につきましては、児童相談所による訪問指導でございますとか、あるいはまた特別児童扶養手当の支給、こういうようなことによりまして、その教育なり指導を行なっておるというのが現状でございます。  なお、先ほど触れましたようなこの筋ジストロフィー症の研究につきましては、昭和四十三年度におきまして相当多額の研究費を投じましてその原因の追及と治療、研究に当たるということをやる予定になっておるわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 四十三年度では相当まあお金もかけてそういう調査研究もなさるということも聞いておりますが、非常に皆不安に思っておりますので、心配をしておることでございますので、やはりタイミングということもございますし、大げさにいえば一つの社会不安というか、そういうことにもなっておりますので、そういう専門的なことは私わかりませんけれども、段階的に何か中間報告的に発表されるとか、次から次へとこういう研究を積み重ねておるのだというようなことをやはり厚生省で適切にこう広報していただく、PRしていただく、国民に教えていただくということをお願いいたしておきます。  それから社会保険庁にちょっと一点だけお聞きして私の質問を終わります。日雇い健保——日雇い健康保険の問題ですが、二十八年に制定されてから数回にわたって給付の内容の改善が行なわれてきたわけですが、しかし、政府管掌あるいはその他の被用者保険と比較してまだ非常におくれているのじゃないか、きわめてお粗末じゃないかというようなことがいわれておるわけです。低所得者層に対する医療対策という観点から、これはちょっとお粗末過ぎるのじゃないかと、こういうふうに私は思うわけですが、四十一年度の日雇い健保の決算では三百十五億の累積赤字ですね。それから四十二年度では四百五十三億、こういうことです。そして四十三年度のまあ見込みですが、累積赤字というのは六百二十七億くらいになるのじゃないか、まあこういうことがいわれているわけですが、この状態が引き続きずっと推移していくということになりますと、これはやはり相当大きな問題だと私は思うわけです。そこで、まあ四十四年度の抜本改正を目前に控えてということになるかもしれませんが、それ以前に何か積極的な手を日雇い健保に対してやはり打たなければ、日雇い健保の何といいますか、保険財政は何かくずれてしまうんじゃないかというような非常な大げさな表現でございますけれども、そういう心配をするわけですが、ひとつその辺のことについて保険庁のお考え、実情と対策ですか、それをひとつ最後にお聞きしたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○政府委員(今村譲君) 保険庁にお尋ねでございましたが、保険局長のほうからお答え申し上げます。先生御指摘のとおり、日雇い健康保険につきましては、ほかの制度に比べまして非常にいろんな点で不十分であるというのは御指摘のとおりでございます。それからまた財政面につきましても、御指摘のとおり、四十三年度の見込みといたしまして累積赤字が六百数十億になることも事実でございます。で、この点につきまして、実は数年前から日雇い健康保険はもちろんのこと、政府管掌の健康保険、あるいは船員保険という点につきまして、財政上も非常に赤字が累積をいたしまして、何とか制度の立て直しをしていかなければならないというふうな情勢になってきておったわけでございます。それで四十年の十月でございますが、健康保険と日雇い保険、船員保険、この政府管掌の三法につきまして、当時といたしましては相当根本的な制度の改革をやる必要があるということで法律で定められます手続といたしまして、まず社会保険審議会に諮問をいたしたわけでございます。それで社会保険審議会におきまして相当いろいろ御審議を願ったわけでございますが、この社会保険審議会にはついででございますが、日雇い関係の団体を代表される委員二名も含まれたものでございますが、その社会保険審議会におきまして答申を四十年の十月にいただいたわけでございます。で、そのときの答申といたしましては、政府管掌健康保険、船員保険、この二つにつきましては一つの御答申をいただいたわけでございますが、日雇い労働者健康保険の改正につきましては、医療保険の抜本的な改正の際に根本的な検討を行なう必要がある。したがって、今回の答申からは触れないという形になりまして、本文どおり読んでみますと「この際は制度の改正を行なうことなく、赤字は国庫負担並びに借入金によって措置することが適当である。」という御答申をいただいたわけでございます。したがいまして、この答申をいただきまして、四十一年の通常国会には、政府管掌健康保険と船員保険の二法の改正案をお願いをいたしまして成立をいたしました。ついででございますが、料率をアップしましたことと標準報酬の上限を上げたというふうな改正でございます。それからその後におきまして、また政府管掌の健康保険を中心にいたします財政状況がきわめて悪化の状況になりましたので、御承知の昨年の夏の臨時国会までお願いをいたしまして、政府管掌の健康保険につきまして応急暫定的な財政対策をお願いしたわけでございます。そのときにおきましても社会保険審議会あるいは社会保障制度審議会におきまして、この四十年の社会保険審議会の答申がございますので、やはり健康保険と船員保険だけの対策にいたしまして、日雇い健康保険につきましては抜本の際に根本的に取り組むという形で、昨年の特例法にも日雇い健康保険は触れていなかったのでございます。したがいまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、日雇い健康保険につきましてはいろいろ問題もございます。そして累積赤字も御指摘のとおり非常に重なっておりますので、早急に抜本改正とあわせまして制度の根本的な検討を行ない、改革を行ないたいという考え方でございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 そうするとやはり四十四年度においてということになりますか。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) 抜本改正につきましては、厚生省といたしまして昨年、事務当局の試案なるものを自由民主党の医療基本問題調査会に提出をいたしております。で、ただいま政府側と与党側とでこの基本的な線についていろいろと話し合いが行なわれ、あるいは党において審議が行なわれておるわけでございますが、その案ができましたならば関係の審議会に厚生省といたしましては諮問するという段階になろうと思いますが、その諮問の答申を得まして法案にして国会でお願いするということでございますので、その辺のいろいろの手続につきましてわれわれのほうといたしましてはできるだけ早急に進行をさせていただきたいというふうに思っておりますが、いろいろそのむずかしい経路がございますので、その点につきましてはできるだけ早くということを申し上げるよりちょっと予測がつきませんが、ただ、御承知のように健康保険の特例法が時限立法でございまして、四十四年の八月末までということになっておりまして、したがって、医療保険の抜本的な改正案につきましては、やはり四十四年の九月一日からそういう新しい法律に移行していくということがまあ最低の限度であるという意味でございまして、それを最低の目標としましてできるだけ早く抜本改正の案をまとめたい、そういうふうに考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 先ほどちょっと大臣にお伺いしましたが、きょうはちょっと救急医療の問題についてお尋ねを申し上げ、続いて血液の問題についてちょっと触れさしてもらいたいと思います。  で、前にも私、社会労働委員会においても質問さしていただいたのでありますが、非常に、政府のほうの救急医療に対する考え方をお尋ねしても、理想的なことはお話があるわけでありますが、しかし、なかなか現在の非常な事故多発に対する処理が十分にできるだけの受け入れ体制がない、こういうふうに私どもは感ぜられるのでありますが、この体制について一体いまどのように把握をしておられるのか、それを第一番に尋ねて、それからお伺いしたいと思います。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) 大橋先生の御意見の中にありますように、この救急医療の対策がきわめて重要でございますけれども、非常なスピードのある、スピードのあるというとたいへん語弊がありますが、非常に急速な数の増加その他事故の発生がございまして、それに対する現在の対策は十分とは決して言えない状況でございます。先ほど大臣からお答えをいたしたと思いますが、現在の救急病院、あるいは診療所等の施設がおよそ三千七百カ所、そしてまたかなり高度の対策、手術のできますいわゆるセンターをつくっていっておる、こういう状況でございます。で、ことに脳神経その他高度の対策を必要とするそういう専門的な医師そのものの数が、現在の事故多発に対しまするというと不足をいたしております。したがいまして、その対策はこれは各大学病院、あるいは大学等にお願いをして、そういう専門の医者の方々の数を確保していただきたい、こういうことでお願いをいたしておる状況でございます。  また、いろいろ問題がございます中に、この被害者の施療に関しまして、非常に過大な医療費がかさむというふうな問題がございます。これは施設の問題とは別でございまするけれども、やはり医療の対策といたしましては非常に大きい問題だと思います。これは当然保険が適用されるわけでございまするけれども、しかし、同時にまたかなり高度な対策を要求する、あるいは要望されるというふうな点もありまして、自由診療のような形で、ある場合に非常に大きい金額が負担になってくる、こういうような状況がございます。これらの問題に対しましては、また確かにPRだけでなく、何らかの対策が必要であるということを私たちも痛感をいたしておりますが、現在のところこの自動車賠償保険の問題と、健康保険の問題と、それからいわゆる自由診療の問題と、これらの問題をあわせての具体的な方策というものは何がいいだろうかという点につきましては、まだこれ検討を要する点が非常に多いと思っております。  まあこういうような状況でございまして、確かに御指摘のような救急医療体制というものが現在まだ進行中の状況でございます。決して十分な状況でないのは残念でございますが、先ほど大臣が申しましたように、人口百万について一カ所ははっきりした、しっかりしたものができ上がるようなことを目標にいたしまして進めておるのが現状であります。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 消防法の改正が行なわれて、救急病院はいまのところ四十一の都道府県でも三千近くあるわけでありますが、その病院はみな救急病院の省令によって何かされておる。事故による負傷者の医療については相当の知識と経験のある医者がいつもおってそして診療に従事しなければならないというような、省令で定められてやられておるわけでありますが、日曜、祭日に待機しているところの医者を確保するためには費用もたくさんかかる。特にこのごろは相当手術のできる医者をかかえようと思えば一日一万円ぐらい出さなければならぬ状態にあります。それですからして、非常にこういうふうな救急病院は自己負担を、相当大きく経費等の面においてもかかるような状態になっておるわけです。こういうふうな人件費の補助としてなんでも、私は記憶がさだかではありませんが、四十一年度あたりは三億何ぼかそういうふうなものの補助として予算が組まれていたのではないかということを聞いておるのですが、予算の面で、こういうふうな人件費に充てるというものではなくして、何かのそうした補助として組まれているのかもしれませんが、こういうふうなものは私はもっと理論的にはっきりさせて、こうしたことが合理的にこういう救急病院で行なわれるような措置がされないと、公的病院であってもなかなかそれがうまくいかない。これはドイツなんかの例を見ましても、公的病院、診療所は八五%くらいは国が持っているわけです。こういうふうな疾病に関しましては、その一五%は患者が出しているところの保険なんかでまかなわれておるというような現況もあるわけでありますからして、私はここらのところはもっと明確にならなければいかぬではないかと、こういうふうに思うわけです。で、前には方針として何かの機会に救急病院の深夜手当について、健康保険の中でも点数を十点くらいつけるとか何とかいうお話があったように記憶しておりますが、こういうようなこともあわせてひとつ相当真剣に具体化してもらわぬ限り——やはり省令できめて、そうして一定の経験と技術を持っている医者が待機しておるということについての負担なりは大したものがあるのじゃないかというふうに考えられるわけであります。そのところをもう一ぺん保険診療について、こういうものに対してどういうふうなかまえでいくのか、この点一もう一度伺いたいし、それからまた、こうしたことに対して一体救急医療に対してのそうした非常な経費のかさむ面、また人が必要であるという面について、もう少し具体的にどういうふうにやったらいいのか、こういうふうなことも、ひとつこれからどういうふうにされるのかということも私は十分に一ぺん詰めて考えていただきたい、そういうことをひとつお伺いしておきたいと思います。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) いま先生の御指摘がございました人件費の補助は、おそらくないと思います。施設の補助といたしまして四十三年度に三億七千万、それから先ほど大臣がちょっと触れておりましたが、自動車損害賠償のほうの保険からの補助金といたしまして一億四千万を予定いたしております。これはただし、人件費の補助というよりも施設費の補助という形になっております。保険のほうの問題の、夜間の点数、その他の歩増しの問題につきましては保険局長のほうからお答えさせたいと思いますが、いろいろいま御指摘のように、常時待機の姿勢が必要でございますし、特に夜間の発生に備える対策が必要でございます。そういう問題、さらにまた、こういう救急の場合の措置でございますので、医者のほうから言えば患者から取りはぐれるというと語弊がございますが、いなくなるというような状況の場合も予想せられるのでございまして、ほかの一般の施療とはやはり相当に状況が異なっておることを私たちも痛感をいたしております。これらについてどういう措置をとるかということにつきましては、自動車損害賠償の問題ともひっからめまして検討させていただきたい、こういうふうに考えております。保険の問題につきましては保険局長のほうから申し上げます。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) 現在の医療保険から医療機関に支払います診療報酬の組み方につきましては、先生最も御承知のように、個別的な出来高払い方式をとっております。したがいまして、行なわれました治療行為あるいは使用しました治療材料あるいは薬剤に関する経費、そういうような行為数、使用量に応じて支払いが点数に表現されまして払っておるということでございまして、御指摘の交通災害についてこの点数を特別にどうこうするというふうな問題につきましては、現行制度におきましてはそういう仕組みになっておりますので、その原因によってこの点数を増減するということは、いままでの考え方におきましても、現行の制度におきましてもちょっと不可能ではないかというふうに考えております。その点でございますが、先ほども深夜というお話が出ましたが、現在の制度におきましては午後十時から午前六時という一応時間を切りまして深夜加算というものを認めております。初診料、再診料、それから施術料、特に施術料の深夜加算は四〇%増しというふうな制度をとっておるわけでございますが、保険局長といたしましては、保険局でとります一つの考え方といたしましては、こういう深夜の点数について加算を設ける、御指摘のような個々の行為に、事故原因が自動車事故であるから点数を増すということは不可能であるというふうに考えるのであります。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 外国の例を見ましても、こうした待機の姿勢、重症なり、あるいはまた、そういういろいろなもろもろの急激な病状に即応したような態勢をととのえておる、こういうようなものに対しては、外国ではかなり公的な方法でやっているわけでありますが、私はこのいろいろな状態から考えてみまして、もう少し国がこういうものに対して責任を持つ必要がある。そういうことを明確にしない限り、やはりあれよこれよといって省令なり何なりに規定されておっても、これからはみ出すものも出てくる。それはたくさん新聞にも問題になっておる。老婆がけがをして、そうして日赤に運ばれたけれども、断わられたために死んでしまった。そういうことに対して日赤を相手どっていろいろするとか、これはまたこの間の新聞をにぎわしておったわけですが、こういうふうなことが起こってくる。それは医者が悪いとか医療機関が悪徳であるとか、あるいはまた、その医者が勝手をするとかいうことばかり——幾らかそれはあるかもしれないが、けれどもその裏には、もっとそうした制度的な間違いが非常にあると思うわけです。きょうは賠償のほうは運輸省のほうの関係の人がいませんので、それのほうの話はできませんけれども、いまちょっと触れたのも賠償金計算のときに少しあったかと思うからでありますが、私はもっとそうしたことを円滑にはからうためには、もう少しそうした国家責任を明確にしなければならぬのじゃないかと思う、こういうことに対して。そういうことが私はつくづく感じられるわけでありますが、やはり公的責任、公的扶助といいますか、こういうものをもう少しして、救急医療が円滑に行なわれるためのカバーをしていく、私はまたそれをして、いろいろ指導していくという形が相まっていく必要があると思います。こういう点はひとつ十分に配慮してもらいたい。それがなかったら非常にいけないのじゃないか。私はいまのところ一番問題は早くそういうことを国においてやらなければいけないんじゃないか。これはもうどういうふうなことでもってやられるか、非常にむずかしい問題ではあろうが、法律だけはできても実際のうしろのほうが行なわれていないというところに私は非常な問題があると思うわけでありますので、こうした問題について特に私はお願いをしておきたいと思います。同時にまた、予算面を見ましても、そういうふうなところの予算面が、施設ではありますけれども、非常に少ない。私はいまちょっと保険の医療のほうを考えてみましたけれども、そういうものがあるだけで、やはりいまの保険業務が、保険のワクの中でこうした非常な高度の治療ができにくいために、このごろでは、この間も何か新聞にも出ておりましたことは、百何十万円の請求をされて非常に困っておる面がある。また逆に補償する側、加害者のほうでも金がずいぶんかかっちゃってこれは破産しなければならぬとか、あるいはひどい人は責任を感じて非常なノイローゼになって自殺をしたとかいう例もあるわけでありますが、こういうようなことを考えてみるだに私は非常に問題がいま直面してたくさんあるんではないか、それだからして、こういうふうなことは予算面から見ても私は非常にさびしい感じがするんですが、今年度の予算は施設費でわずか三億、それはみな公的医療機関であります。私的医療機関に対しては何らの補助もない。それはまた公的医療機関だけでもってそれが十分にできないという現状で、非常に救急システムそのものが矛盾だらけであります。だからこれをひとつどういうふうにしてやられるのか、いわゆる整備長期計画を立てられて、そうしていまのお話で百万人ぐらいの都市において一つセンターをつくるというその構想は非常にいいと思うのでありますが、それをつくる過程において、もう少し何かいま早急にやることがあるんではないか、そういうことで、私が提起したような問題を含めて、何かひとつそこらのことを前向むきに早急に手を打って、いまでもそうした問題に一歩前進できる処置をしてもらいたいと思うが、いかがですか。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) いま先生おっしゃいました諸点、同感でございます。先ほどの自動車賠償の問題にいたしましても、被害者とそれから加害者、それからまた施療をしていただくところとの問題、これらがまあいわばいまのところぐるぐる回りをするような形にもなっております。これではとても円滑なものにならないという問題があろうかと思いますが、現在のやり方ではそういう形になってまいりました。そういうようなことで、いまいろいろ新聞等で言われておりますことが、確かに施療をされる医者の責任で、非常にばく大なものを要求してどうにもならないと一方的に言うことは、私はこれは間違っておると、つまり、それら全体を含めましての自動車事故を中心とする救急対策の全体系を考えてやっていかなきゃなりません。で、国の責任をどの程度に考えていくべきか。方向としましてはこれは公的な立場でこの対策を考えるという方向へいくと思いますけれども、しかし、加害者との関係をどういうふうに見るか、被害者の立場をどういうふうに守っていくかという問題も含めまして、救急対策の、医療だけでない面も含めた対策を考えていく必要があるんではないかと私は考えております。で、医療対策だけの問題から見ましても、これは確かに多くの問題が残されております。関係各省にそれぞれ関係があることでございますが、しかし、それだからといって、ことに厚生関係が担当いたしております負傷その他に対します応急措置が怠られるようなことでは申しわけでございませんので、極力、先生の御趣旨、私たちもそのとおりのことと思っております。これを推進してまいりたい覚悟でおるわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 たいへんこの問題はまだ根の深い問題ですから、よほどうまくやらないと解消はできないと思うのですが、私はまた保険の業務のほうから考えて、いま非常に問題が残る、いま問題があると思うのですが、それは、ちょっと端的に言うならば、たとえば自賠法があるので保険を使わないと、そしてあとから金が相当かさんできたので、自賠をオーバーしておるからして保険を使っておる、しかるに保険証を使うというのは、保険証を出されたら当然保険で診療しなければならぬ規則になっておるから、診療するわけでありますが、その移行の関係でいろいろな問題があるように思うのですね。だから一面からいえば、保険証で受ける治療においては、自賠のほうからはもちろん医療費は抜いておるのでありますけれども、医療費を抜いてやったから、逆に、その補償費、あるいはまた慰謝料といいますか、そういうものが自賠の中から支払われるわけです。それに対してのプラスアルファを要求されたり、あるいはまた逆には、今度は保険診療で初めからやって、そして保険診療の金額も相当かさんで、ふえてきておる。しかし、また保険でやるのでは、非常に被害者のほうがもっといろんな要求をして、あるいはまたいいベットにも入りたいし、あるいはまた治療もいろんなものをしてもらいたいというので、保険をやめて、あとからまたその保険を使うことを要求をして、何といいますか、療養費払いのようにして、後に多かったとか、少なかったとかいら非常にトラブルがあるわけでありますが、私は保険診療の、こうした救急医療に対する保険医療というものがもう少しPRされていない、ぴちっとした区切りがつけられていないので、この保険診療というものを含んでのトラブルが非常に多いんじゃないかと思うのです。だから、こういうことに対しては、もう少し明確に最近は自賠が先行して、あと、払えない人だけに保険診療を適用するのだというようなふうな指導をしているところもあるようであります。ところが、保険のほうを先にやるべきだというふうに指導しているところもあるようでありますが、こういうふうなことは、保険局のほうでは見解を正しくして、そして保険のほうはこういうような救急医療に対してはどういうふうに指導していくのだ、どうやっていくのだということを明確にしていく必要があると思うのですが、そういうふうに明確にされているのか、あるいはどういうふうに指導されているのか、その点をひとつ。

梅本純正厚生省保険局長

○政府委員(梅本純正君) 御指摘のように、いろいろ各現地におきましてそういうお話のあることは事実でございます。で、私のほうのたてまえといたしましては、健康保険の制度につきましては一応皆保険という形が完成をいたしておりますので、被害者のほうから要求がありまして、保険証が提示されれば治療を行なう、そして、あとで被害者の賠償請求権を保険者のほうが代位いたしまして、加害者なり、あるいはその賠償の会社なりに請求するというような一応手続関係が明確になっておるというつもりでございます。しかし、先生御指摘のように、やはり自賠法のいわゆる限度額とか、そういう関係、あるいは御指摘にありましたとおり、患者さんのほうの御要求というふうな形で、個々のケースにつきましては、やはりその自賠法のほうが非常にいいベッドにも入れるというような形で、少しいろいろと形が変わってきたのじゃないかというふうに思いますのと、それからやはり率直に申しまして、健康保険あるいは一定の診療表によりまして支払い基金の審査を経て支払われる。その辺、自賠法につきましてはそういう制度が確立をいたしておりませんようでございますので、その辺につきまして、いろいろ患者においても、診療される側においても、いろいろの話し合いにおいて選択が行なわれるというふうなケースが出てきたのが問題点だと思います。まあ御指摘の問題の解決につきましては、われわれのほうとしては皆保険というたてまえで一応指示してきたつもりでおりますけれども、今後の問題としまして、自賠法とのいわゆる関係というふうな点を関係省ともよく相談をしてみまして、いわゆる国民の側で、迷いなり、選択なりというようなことがないように、はっきりしていく方向で相談をしてみたいというように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それから、次に私お聞きしたいのは、この公益法人を含むところの地方公共団体、これらのものの責任の分担でありますけれども、たとえはこの間あれが出ておりました——神奈川県では交通救急センターというようなものを県でつくっておるわけです。そしてこれは五十床ぐらいの規模で、一億数千万円をかけて、これを開始されたと思いますが、これが四十年ですが、四十一年ですか、千七百万円だかの赤字になっております。こういうふうな赤字で非常に困っておるというような話も聞いたわけであります。またあるいは、東海交通災害コントロールセンターと申しますか、あれもできたわけでありますが、ここでは救急車も建造されつつあるし、また、ここに何か動く手術場というような形で相当りっぱなものもいま建設されているということでありますが、これについても、しかし、一部の建物、コントロールセンターですか、そういうふうな建物にするために、資金難で非常に困っておられるという話も聞いたわけであります。こういうふうなものは救急的なセンターをこしらえるについては、公共の団体がやられても非常に赤字で困っておられるわけですね。それからまた同時に、予算のほうを見てみましても、救急医療サプライセンターとか、あるいはまあ公的機関の整備のために、いまおっしゃったような、三億なんぼ予算をつけられておりますけれども、こういうような予算は一体どういうふうにして分配されておるのか、どういうところにどれほど予算がつけられて、そして、言うところの目的、いわゆるそういう設備の拡充に用いられておるのか、ぼくはもう少しそういうことを明確に聞きたいと思うわけでありますが、そのほか、こうしたようにして、非常に国の病院も、かなり国のほうからもそうした設備費を出しておられるのでありますが、公的病院のほうに対してはいろいろにして——公的機関ですね、こういうものに対しては補助をしておられるのかどうか。それからもう一つは、公的機関も赤字であり、国もそういう設備費に補助を今度されるということですが、個人の医者あたりでこれをやっている場合に対しては、これは個人の問題に対しては何にもやられていないと思うわけでありますが、こういうことにおいて私はやはり大きな格差があって、やはり公的病院でも赤字、国でも補助するということであれば何かの形で私的病院に対しても融資をするなり、あるいは何かの施策をしなければならぬのではないか。私はこう考えるのに、前にも、保険局のほうでは御存じだと思うが、健康保険の単価が上がらない、だからしてこれは単価を上げることは非常にむずかしいからして、今度は税の措置をしようということで二十八の特別措置が講ぜられてきた。ああいう過去のこういう例もあるわけでございますが、何かのものによってこの公的に、公に不公平にならないようなものをつけなければ、公的機関あるいはまた国家の機関に対してはそういうような補助をしているけれども、個人のものに対しては何にもしない。しかし、この省令ではきめられて、こういう設備もしろ、こういうような医者を置け、こういうようなベッドもあけておけというような規制がどんどんされている。それだからして、やはりそういうことが原因をなしてこの救急というものの医療が円滑にいっていないのじゃないか。こういうふうに思うわけでありますが、だからして、予算の分配のしかたをどういうふうに考えておられるのか。公共的な機関の責任に対してはどういうようにされるのか。そういうふうな点についてひとつ詳しくお聞きしたい。

上村一厚生省医務局総務課長

○説明員(上村一君) まず予算に計上いたしました公的医療機関に対する補助金でございますが、特に救急医療のためにと銘打ちまして計上いたしましたのは四十二年度からでございます。四十二年度から補助をいたしておりますのは公的な性格を有する病院、端的に申し上げますと都道府県立病院とか、あるいは市立病院、それに日本赤十字社が経営する病院等でございます。これに対しまして診療棟、それから病棟の整備に要する費用、それから脳血管連続撮影装置その他の高額な医療機械、そういったものを整備するのに要する費用につきまして三分の一の割合で補助いたしております。それから運営費の問題でございますが、公的な医療機関に対しましては、先ほど大臣からも申し上げましたように、地方公営企業法上一般会計からの繰り入れを認める規定がございますし、地方交付税のほうでも特別な扱いがなされているわけでございます。それから個人の関係、救急医療センターは、先ほど申し上げましたように公的な医療機関に付置する形で設けるようにいたしておりますから、私的病院に救急医療センターをいまのところ設ける考えはございませんが、告示の救急病院というものが非常にたくさんあるわけでございます。これに対しましてはこれまでのところは何らの助成措置も購じてなかったと申し上げざるを得ないわけでございますが、四十三年度医療金融公庫の融資の面である程度の助成ができればということで、いま話し合いを進めている最中でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 時間もあまりないので、簡単にしたいと思いますけれども、ちょっとお聞きしたいことがたくさんあるのですが、できるだけ詰めて話を聞こうと思います。  次に、救急医療の中での、事故を起こしたあとのリハビリテーションの対策ですね。これはむち打ち症にしてもそうだろうし、あとのいろいろな問題があって、これに対する指導というものもたいへんな問題だと思うのでありますが、これに対しては、いま積極的にこれもなかなかやられておりません。だからこれに対しても私は十分な大きな手を差し伸べなければならぬと思うのでありますが、いま考えられているのはおそらく計画されているところのセンターでもってこれも一緒にやろうということであろうと思いますけれども、非常に数が多いし、非常に複雑化しているわけでありますから、これに対しては一体どのようなふうな考え方でこれに進まれるのか。ちょっと概略をひとつ。

上村一厚生省医務局総務課長

○説明員(上村一君) 交通外傷患者等に対するリハビリテーションに対しましては、先ほどお話がございました救急医療センターというよりもむしろ一般の病院のリハビリテーションの部門で扱う考え方でございます。たとえば国立療養所等もそういった交通外傷後遺症等のためのベッドというものも整備して、そこでリハビリテーションをやりたい。繰り返して申し上げますと、交通外傷の後遺症等に対するリハビリテーションは救急医療センターというよりもむしろ長期慢性疾患を扱うような病院で行なうようにしたいという考え方でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 この前衆議院のほうで八田委員長が、いろいろトラブルがあると、この救急患者に対してのいろいろな問題があるので、ことにこういうものに対して大蔵省とか、あるいはまた厚生省あたりと話を進めて不当な、あるいはまた非常にたくさんかかっているところの医療費の請求があったようなものに対しての実態調査をする、あるいはまたいろいろな報告を求めて、自動車の保険料率の算定会あたりの意見を求めて、そしていろいろなものをやろうというような話をしてまとめておられることを聞いているわけであります。これはこういうような問題に対していろいろ厚生省のほうにもそういうトラブルに対しての報告もあると思うのですが、ことにこの自賠責についていろいろ厚生省のほうもどういうふうに考えておられるか、少し私は聞いてみたいと思うわけでありますが、特にフィンランドとか、あるいはスエーデン、イギリスとかずっと見てみますと、これは比較をして見ると、日本に比べて非常にいろいろな死んだ場合とか病気した場合の補償率が高いわけですね。ところが日本ではわりあいにこういうものが低いわけでありますけれども、これはやはり厚生省のほうでも治療の中でそうした補償の方面に対してもいろいろ配慮ができるような治療内容も確定していかないと、ますます賠償の額が高まっていくというふうなことにもなると思うわけでありますが、そういう意味で救急医療というものの内容を充実していくというか、そうしたことに対しての問題、特に私はそういうことをするためには事故が起こった発生のごく初期に処理することが大事だと思うのでありますから、そういうことに対するいわゆる移動するところの外科処理とか、あるいはまたそれをコントロールするところのものというもの、これはいま考えておられる百万人に対する一つの救急センターということが一つの考えではあろうけれども、たとえばいまの状態のままで、救急設備でこういうものがもっとできるのじゃないか、たとえばそうした都会とか地域をまとめて、そこには少なくともそういうことの指導のできるような、たとえば通信とか、あるいはまた自動車とか、そういうものをそこに持てば、そうしたことが一貫したセンターをつくるまでの応急の処置というものができると思うのですが、こういうものに対してもう少し積極的にやってもらうことができないか。そういうようなこともひとつ。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) 厚生省のほうにおきましても救急医療に関しましての調査をいろいろといたしております。最近の調査によりますと、先ほど大橋先生の御質問にありましたように、いろいろ自費でやっておりますもの、自賠法でやっておりますもの、いろいろございます。大体やはり保険が一番多いようでございまして、保険で三九%程度、自費が二六%、自賠でやっておりますのは少し減っておりまして一九%程度というような状況でございますが、確かにこの問題をやります場合に、保険とそれから自賠の問題、あるいは自費負担の問題、これが非常に問題であろうと思います。この自動車損害賠償法の賠償保険の額をどの程度にするのが適当かどうかという問題に関しましては、これはちょっと運輸省なり、大蔵省なりのほうからお答えするのが適当かと思いますので、差し控えさしていただきますけれども、しかし事故が起きまして、その傷害に対する対策の面から申しますと、早くいい処置をすればある程度の額でとまりましょうが、なかなかこれだけ大きなけがになりますと、はたしていまのままでいいかどうか、厚生省としても多大の関心を持っておるところでございます。ただ、ちょっと私のほうから額のあれを申し上げるのは、いささか出過ぎると思いますので控えさしていただきたいと思います。そういうふうにいろいろと問題がございまして、私たちもいま大橋先生の御指摘になっておりますような諸点について、これは早急にひとつ対策を考えていかなければならぬ。確かにいままでの対策はこれで決して十分と思っておりません。これから進めていかなければならぬ際におきまして、御指摘の点も十分に検討さしていただきたいと、かように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 この救急医療の中に占める血液の輸血の重要性のことは、先ほど大臣に申し上げたのでありますが、そのいまの血液行政が円滑にいっていないという点を重要視して、これに対する措置をひとつ考えてもらいたいという点から、しぼってひとつ質問をしてみたいと思うのでありますが、ついこの二、三日前に行なわれておりました血液病理学会で、輸血学会のほうで論議されたのでありますが、その発表を見てみますと、預血とか献血とか、こういうものについての、いわゆる血清肝炎の発生状況、こういうものの報告があるわけでありますが、研究があったのを、私ちょっと見せてもらったわけでありますが、これなんかを見てみますと、発生率はいままでは非常に高かった。それが、今度献血、そういうもので、そうして売血を禁止したためにだんだん下がってきている。下がってきておりますけれども、つい最近の状態を見てみますと、一番初めの輸血がいまほど行なわれなかったときから比べてみますと、まだまだ高いわけであります。輸血がだんだん行なわれるようになって、売血が盛んに行なわれるようになる前から比較してみますと、まだ三十七、八年ごろと比較してみますと、現在まだ高いわけです、血清肝炎が起こるのは、献血になってしまっても。またその献血の場合と預血の場合とを比較してみましても、むしろ献血の場合のほうが血清肝炎が起こっていないという発表になっているわけですね。それから血清肝炎が起こるという起こり方については非常に疑義があって、いま研究がその方へ向けられていおる。血清肝炎は、また別の意味であるのではないかというふうなことで、献血にしてもやはり血清肝炎が起こるのじゃないかということがいま言われているわけですが、そういう点から考えても、これは献血と預血とを分けて、献血でなければならないといってやかましく言うのは、そこらの学会の報告によってもある程度ぼくは裏書きされるのじゃないかと思う、まだ未知な点はあると思いますが。しかし、またそういうことだけでもって、預血と献血とをえらい差をつけて言うようなことは、議論されているわけでございますけれども、これは考えてみれば預血も献血も同じことだと思うわけです。私はむしろそういうことにこだわらないで、献血でいいということでいま始めておられるし、まあ何と申しますか、閣議決定もあるわけでございますから、私はそれを尊重して献血でいいと思うのですが、私はむしろ厚生省としては献血一本でやれと、そういうふうなことで指導してそれでいいと思うのです。そういうふうにして、しかし献血をすべてのところにやらせる、こういうようなところで指導していけばいいんじゃないか、私はそういうふうに思うわけです。  それから私はここで特に煮詰めて御意見を伺いたいと思うのは、日赤は公的病院だからといって、あるいはまた日赤という一つのイメージから、これは非常に清らかな献血がやられるのだというイメージがある。しかし、私はここで先ほどちょっと救急病院でも指摘したように、やり方によって赤字になれば、赤字が赤字を蓄積していくということでは思うようにできないというわけですから、いかに公的病院であっても赤字ではいけないわけです。それに対しては幾らか日赤のほうからの、もし赤字に対しては補てんをして会計を埋めておるとすると、預血に対しても同じことが言えるのです。それならば私は公的機関の輸血に対しても、公的病院、たとえば地方の県立病院だとか府立あたりで、血液を採血して、献血業務をやるとすれば、そこについても同じことが言えるだろうし、個人でもそういうことが言えるだろうし、血液銀行でも同じことが言える。そこについての赤字があるならば赤字を国のほうで補てんしてやる。幾らか補助してやるかわりに、個人の血液銀行であっても公的の日赤並みにやりなさい、こういうようなことの裏づけさえすれば、私はぴちっとできるのじゃないか。先ほどちょっと大臣にも申し上げたのでありますが、そういうふうなことの裏づけをして、せっかくとるところがあるわけでありますから、これについてひとつ利用してはどんなものだろうか。民間の血液銀行というのはいまはたぶん二十六カ所ぐらいあるはずなんですが、そうして各府県にまたがってあって、とっているのは現在五万本、五、六万リットルぐらいですが、これの最高能力は六十万リットルといっていたわけですし、現在でも五十万リットルの能力があるわけです。こういうふうなものを遊ばせないで、指導なりによっては私はぴちっと献血と同じことをここにやらせることができるのではないか、ぼくはそういうふうに思うのですが、その点どうなんですか。こういう血液銀行だったら、どうしても売血みたいのにつながるのですかどうですか。それを食いとめることができるかできないか、こういう点を私はひとつ伺っておきたい。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○政府委員(坂元貞一郎君) わが国の献血——わが国の血液の体制が、昭和三十七年の閣議決定以来、国が責任を持ちながら推進していくということに相なったわけでありますが、その際は大橋先生御専門家であられるから申し上げるのもどうかと思いますが、血液というものは人体の一部だ、こういうようなものについてやはりそれらしい扱いをしなければいかぬというような考え方で、日赤なりあるいは地方公共団体というような公共的な団体等でこの血液を扱わせるというようなことに相なって今日まで至ったわけでございます。そこで先ほど来御指摘のような献血と預血の関係、あるいは日赤なり地方公共団体と民間の商業血液銀行との関係、こういう関係をどう考えていくべきかという点につきましては、私どもはやはり国民の善意に基づいて献血事業というものがなされているという基本的なたてまえからいいましても、先ほど申しましたように、公共的な性格を持っている団体等がやはり取り扱うのが本来の姿であろう、こういうことで考えているわけでありますが、ただ御指摘のように、民間の血液銀行というものが、過去今日までわが国の血液史上いろいろな役割りを演じてきたということは事実でございます。そういうような民間の血液銀行というのがまだ二十何カ所ございますが、そういうようなものの今後の新しい情勢に対応した役割りなり何なりがどういうふうにしていったらいいかという点については、確かに両方の見方があるだろうと思います。しかしながら、私どもとしましては、やはり民間の血液銀行というものは献血事業というようなものに本来ならばなじみがたいのじゃないか。一般の国民の考え方もおそらくそうじゃなかろうかというような基本的な考え方を持っているわけであります。したがいまして、献血事業と民間血液銀行というものとをいきなり結びつけるというのは確かに現在の時点においては非常に問題があるし、また諸外国等の先進国等の例を見ても、この点は献血事業一本やりで、それを扱う団体としましては赤十字なりあるいは軍なり何かそういうような、あるいは政府自体がやっている、公共的なところで取り扱っているという例もあります。したがいまして、民間血液銀行というものを、献血事業と結びつけていくという点については非常に慎重に考えなければならぬ点が多々あるわけでございます。しかしながら、逆に民間血液銀行というものの現時点における一つの機能というものは、やはりそれなりに一つの面を持っているわけでありますので、そういう面は預血なら預血というような形でいこうということについては、本来の正しい意味の預血というものがなされる限りにおいては、私どもとしましても、決してこの存在を否定するというような気持ちは現在持っていないわけであります。したがいまして、日赤なり都道府県を主体とした献血事業と、それから民間血液銀行を中心とした預血事業この両方の面をどのように今後調整していくかということはいろいろな面から相当慎重に考えてまいらなければならぬ問題だろう、かように思っておるわけであります。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 これで終わらしてもらいます。最近はこの預血が円滑にいっていないというせいもあるのでありますが、ちょっとした設備の整った大きな病院は、病院内の何といいますか、採血ということが非常に行なわれておるわけであります。これも四十年ごろには五十余りしかなかったと思うのでありますが、四十二年では百六十四ぐらいふえておると、報告されておるわけです。ですから、やはりちょっとした病院は自分の病院で採血をしなければまかなえないという状態になっているわけです。私がいまこういうようなことを申し上げているのは、必ずしも民間をいままでのような悪い状態でこれを云々せよということは毛頭申し上げていないわけであって、その民間の血液銀行でも指導さえぴっちりして、監督さえがっちりとすれば私は献血と同じことができなくてはおかしいのではないかと思うのです。もしそういうものができなければ、それこそ私は預血をやらせること自身にも問題があると思う。だからして、私はそういう意味で、献血と同じことが完全にできるように指導をする。そのためには、私は同じように商業ベースでやらせないということが必要だと思うのです。だからして、私はいま先ほども例を申しましたように、その日赤でやりまして、もあるいはまた公立の病院で、府県でやりましても、これは実態はプラスになるか赤字になるかにきまっておるのでありまして、これと同じことを民間においてこれでやっていけるようにしていく。少なくとも日赤だって赤字をほうっておくわけにはいかないから、どこかから補てんしなければならない。日赤で補てんするか、あるいは国が補てんするか、あるいは公共団体でも公共団体の一般会計から補てんするかしなければ、それが独立採算はできない問題でありますから、こうしたものを民間のほうにも多少公的に援助をして、あるいはまたそうすることによって同じようなベースでやっていける。これを公的なものとして資格を与える。たとえば公的な法人とするとか、あるいはまたそれでもし成り立たなかったら、それを公的な府県のものにその民間のそういうものを吸収しても私は差しつかえないと思うのです。必ずしも個人にしておく必要はないと思うのです。ただ、ぼくはそういうものをこれは数によっても示したように、六十万リットルもとる能力もあるのだけれども、いまはわずか五万ぐらいしか使っていないわけでありますから、一方血液は足りないわけでありますから、もしも府県病院、診療所がかってに採血するほうがもう少し深みがあるかもしれないと私は思うのです。そういうことから考えて、非常に私はこの血液行政をいま考えるべきじゃないか、こういうふうに考えているのであります。  それからいまの話で、ちょっとつけ加えてお尋ねしておきたいと思うのですが、日赤がやると無料だというのでありますけれども、日赤はいま採血をするために手帳だとかバッジとかいろいろなものを差し上げている。金は出しておりません。しかし、この配給はやはり献血の配給事業団というのが財団法人でできているわけです。これはまた薬局に同じように卸しているわけです。これの間にはおそらく百円か二百円のマージンをとって薬局に卸しているわけです。マージンがあるようにして、こういうふうにして事業団が運営をしているわけでありますからして、これは私はこの事業団を通して法人にやらしておかないで、これらに対してはもっとぴちっとした公共団体のような、もう一つハイレベルの、レベルの高いところでコントロール・センターというようなものでもってこういうことをやらしたらどうか。ことに、このごろは電子計算機やあるいは通信機もいろいろな進歩があるわけでありますから、全国的にもこの血液はどうなっているのかということが中心部には毎日報告がされて、何型がなんぼある、どこになんぼあって、どの方面にどのくらい必要だということがすぐ計算できて、これがスムーズにいけるものができたら、その目的でこの事業団もできているわけでありますから、もっと高度なものをここで考えなければならないと思うのです。それから特にいま日赤で献血をやっている。血液というものは肉体の一部だとさっき局長さん言われました。私もそのとおりだと考えておりますが、このようなコントロールのセンターが十分な機能を発揮しないために、二万五千リットルだったか、たしか五万リットルだと思いますが、使えない血液、廃液を日赤の地下室の倉庫の中にほうり込んでおるものが五万リットルあると思う。献血で体の一部の大事なものを国民から献納させて、これを有益に使わないで廃液になってほうり込んであるということになると、これは私はたいへんな問題だと思う。このことは人間の体の中の一部として考える血液をお粗末にし過ぎるのじゃないかと考えられるので、だから私はコントロール・センターと申しますか、電子計算機や通信機械を入れて、中央にまず持って、各府県もそれを持って、各府県はすみずみまでこれができるような配給なり連絡をする、こういうように配給ができるようなセンターの高度なものをつくっていかなければ、現在血液が少ないといっておるのに、廃液がどんどんできるということは大問題だと思いますので、そういう点も含めて、私はあらゆる能力を集中して、これが合理的にできるようなものを考えていただきたいと思いますが、それを最後にお尋ねして、これについての相当積極的なお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 血液の需給調整並びに配給の適切な調整ということの必要なことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私ども昨年から日赤を中心としまして、この需給の調整並びに配給機構の整備、この点についていろいろ案を練ったわけでございます。ようやく昨年の年末ごろに案ができまして、本年からそれを実施に移しているわけであります。いま実施に移している考え方だけを申し上げておきますと、血液は血液型というものが一番ポイントでございますので、この血液型の型別な調整というものが一番問題になるわけでございます。いま先生御指摘のように、どうも従来われわれ都道府県単位で血液の需給調整というものを考えていたわけでありますが、最近の実情からいいまして、都道府県や一つの行政区画ではどうも問題が狭過ぎる。むしろブロック単位というようなものを基礎のベースにおいて、そして全国的な立場で需給のコントロールをしていく必要があるというような観点からしまして、各ブロックに先生御指摘のようなコントロール・センター、いわば調整センターというものをことしからつくりあげたわけでございます。全国を大体七ブロックに分けまして、機関の中心的なセンターをこの調整センターに指定をして、そのブロック間の血液の需給関係の実情を十分に把握しながら、型別な調整、その他コントロールしていくというような役割をするセンターが本年一月からすでにでき上がっておりますので、残念ながらまだ全国的にこれがすっきりした軌道に乗った形になっておりませんが、一応そういうような形で、本年一月から調整センターというものが実現いたしておりますので、これを私どもは今後できるだけ早く内容、機構を整備しながら、御指摘のような全国的な需給の調整をはかっていくというのが第一点でございます。  それから第二点の配給組織、配給機構の整備でございますが、確かにいろいろな従来円滑を欠く点が多々ございました。したがいまして、これも今年から私どものほうと日赤が相談をいたしまして、配給機構の整備ということについて、一つの整備要綱というものをつくりまして、実地に移すように、いま指導をしているわけでございます。これは、内容的には各都道府県にあります血液センターというものの内容を少し整備しまして、供給部なりあるいは供給課というような特別な部門を血液センターの中につくっていく、そうしてできる限り血液センターが自己の力で直配方式をとっていくというのが基本的な考え方でございます。しかしながら、直配方式というものには、それぞれの管内の実情なり、交通関係、地域関係等からいって、なかなかなじめない地域もあろうかと思いますので、そういうような地域にはできる限り民法法人による公益法人をつくらせまして、配給団体、配給センターというものを、そういうような地域にはつくっていくということを一つの指導理念として、現在指導しているわけでございます。そこでおあげになりました東京なんかについては、財団法人で献血供給事業団というのがすでにできております。また岡山県なんかでも供給センターというのができて、それぞれの活躍をいたしているわけでございます。今後できるだけそのような直配方式及び財団法人なり、公益法人による法人立の供給センターというものを整備をしながら、全国的な配給機構の拡充をはかっていきたいというつもりで、現在、現実に都道府県等を通じて指導をいたしているわけでございます。そのような需給調整なり、配給機構を逐次整備していきながら、やはり公共的な立場において、この血液問題は考えていくのがやはり至当じゃなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。  それから最後にお述べになりました廃棄血液の処理の問題でございますが、若干日赤等に現在在庫として残っているのがございます。最近のデータによりますと、四千リットルぐらい液状結晶という形で日赤が保管しております。これは日赤の中央センターと北海道の血液センター両方にあるわけでございます。四千リットルぐらいのものが液状結晶として残っておりますので、御指摘のように献血者の善意というものを無にすることのないように、こういろ廃棄血の処理というのは適正にやるということは言うまでもないことでございますので、私どもとしましては、現在民間の血液銀行等で能力を持っているものが一、二ございますので、そういうところとよく連携をとりながら、廃棄血の処理をやっていくということが一つと、それから公益法人で能力を持っている血液銀行もございますので、そういうところとも相談をしながら、日赤の能力以上の廃棄血液の処理は、そういう形で適切にこれを管理し、また処理していくということが献血者の善意に報いる方法でありますので、できる限り今後この廃棄血液の処理の問題については、もうちょっときめのこまかい検討をいたしまして、民間なり、公益法人の方面と連絡をとりながら適切な運営をやっていきたい、かように考えているわけでございます。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) ちょっと時間がおそくなって恐縮だが、さっき大橋君から五万リットルが日赤の地下に眠っている。いまあなたの説明だと四千リットルですか、何か数字が非常に違うようですが……。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 私の間違いでございます。CCです。訂正いたします。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○政府委員(坂元貞一郎君) 私のほうはリットルでございます。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) それじゃ合っておるわけですね——じゃ大橋君、最後に一つ。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いま局長からお話を聞きまして、  いまいろいろ手を打たれているということはよくわかりました。しかし、いま言ったことを繰り返すことはないと思いますけれども、もう少し、何と申しますか、配給だけじゃなくて、監督もできる、そうしてまた信頼できる血液を配給することができるような監督も合わせ、そうしてまたそういうふうなもう一つ高い次元で監督と同時に配給と、あるいはそのすべての血液業務の全般に責任を持てるというものを、私は、政府がつくってもらいたい。特に厚生省でそれをぴちっとしてもらいたい。責任は日赤にあり、地方の公益法人にありというふうじゃなくて、やはり最終的な責任は厚生省が持つという段階で、そうしたハイレベルのものをこしらえてもらって、まずぴちっとやっていかなければ、なかなかいまのような行政の分断したあり方では、私は、血液というものに対して不安がある、こういうふうに思いますので、そういう点をひとつ次官のほうからも大臣のほうによく伝えていただきまして、そうした高次元でもっと血液というものを完全に処理していく、こういうことにしておいていただきたい。これを最後に要望いたしまして、終わります。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○政府委員(谷垣專一君) 血液が確かに非常に大切なものであり、また、扱いにつきまして、ほかの薬剤とは違った考慮を払わなければならぬということは当然でございます。その方針で私たちも進めておるわけでございます。先ほどお答えいたしましたように、いわゆるブロック別のセンターもようやく出発いたしました当初でございます。このやはり運営をながめながら、大橋先生の御指摘になりました監督も十分に伴って、安心のできる血液が、しかも過不足のない状況で配給できるその責任を最終的には国が持ってやるべきだ、この点を十分考えながら、現在の制度の運用をもうしばらく見守っていかしていただいて、御指摘の点も十分に検討の中に入れてやってまいりたい、かように考えます。その旨を大臣ともよく連絡をいたしたい、かように考えます。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 午後二時四十分まで休憩いたします。    午後一時三十七分休憩      —————・—————    午後二時四十五分開会

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十一年度決算外二件を議題といたします。  労働省の決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 労働大臣にお尋ねいたします。  午前中、厚生大臣から社会保障制度そのものについての考え方をお聞きしたのでございます。労働省の場合も、これとの関連も深うございますし、実は社会保障制度とか社会保険制度というふうなものは、近代社会には欠かすことのできない大事な制度、非常にいい制度、こういうことは異論はないわけですけれども、こうしたいい制度が悪用されるとたいへんなことになる。また、悪用される余地が多いということも、これは言われておることです。まあ健康保険の問題とか生活保護の悪用の問題、いろいろありますが、失業保険もその例に漏れないのではないか、こう私は思うわけです。労働の意思、能力があるにもかかわらず働く場所を求めることができないという者に対して失業保険の適用を行なうということになっておりまするけれども、働く意思、能力はなくても適用されておるというような例も多いのではないかということも言われておりますが、そういうことについて、私はもしそうした者に対しても適用されているとすれば、決算審議の立場から、これはやはり一つの問題だと、こう私は思うわけです。したがいまして、職安事務ということで、現地で、それぞれの職業安定所等で、この人間は労働の意思があるかないか、そういうようなことを見きわめるのは非常に苦労しておられると思いまするけれども、ひとつ全般的な、その社会保険制度を善用をしているという、悪用におちいらないそういう立場から、失業保険についてはどのようにお考えになっておられるか、それをひとつお聞きしたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 働く意思を持たない人に対して失業保険の給付がなされるということは、これは申すまでもなくあってはならないことであります。したがいまして、本人の意思を確認するということは、実はずいぶんむずかしい問題でございますけれども、いろいろな客観的な基準によりまして、本人の内心の意思を確認するということには特に力を入れるようにやっておるわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 そこでですね。まあ、そういう確認をひとつ徹底してやっていただいて、厚生大臣もその点については、きびしくやるというお答えをいただいたわけであります。ひとつ悪用におちいらないように徹底した方法をおとりいただきたい。しかし、それが社会保障の中の、あるいは社会保険制度としての前進を阻害するということにならない程度に、これはもう全然別の問題ですから、そういうことにおいてひとつお考えいただきたいと、こう思います。  そこで、先月の災害対策特別委員会で、総理府を通じまして私が質問をいたしたことでございまするけれども、この際あらためてお聞きいたしたいのですが、失業保険の擬制適用の問題、このことについてお尋ねをいたしたいと思います。一人親方に対する適用についてです。これは法律外の措置ということで、私ども漏れ聞いておるところでは、恩恵的な考え方で通達としてそのつどということで、毎年度やっておるのだというようなことも聞いておりますけれども、この制度の現状及び問題点、そういうことについてひとつお尋ねいたしたいと思います。  さらに、先ほどちょっと触れましたように、毎年度通達によってこういう処理がなされておるわけですが、将来どのようにされるおつもりなのか。毎年毎年通達でもってやっているのか、そんなに毎年毎年通達でやっているなら、ひとつ法制化されてもいいのではないか、失業保険法の改正が近いうちに当然行なわれると思いまするけれども、そうした際に、これらを織り込んでやられるおつもりなのかどうか、その辺も含めてひとつお答え願いたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 一人親方はもっぱら積雪寒冷地を主としまして一定の条件のもとに失業保険が適用されておるわけでございます。この現状につきましては、ただいま安定局長からお耳に入れることにいたしますが、おことばにございましたとおり、いまやっておりますことは一つの擬制であり、フィクションでございます。これをさらに一歩進めるような法律の改正という点についてはいろいろむずかしい点もございますので、その点もあわせまして安定局長から御説明申し上げます。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) 一人親方の失業保険適用の現状を簡単に申し上げます。  現在適用されておる被保険者の数は約九千六百名ございます。年間に三億二千万円の失業保険の給付を行なっております。この法律関係は、御指摘のように、雇用関係がないのでございまするけれども、擬制をいたしまして、親方の組合との間に雇用関係ありという擬制をすることによって、失業保険法の適用をいたしておるわけでございますが、これを法制化するということになりますと、非常にやっかいな問題が実はあるわけでございます。それと同時に、最初に御指摘のありましたような悪用乱用の問題というのがこれに付随をいたしておりまして、失業保険は、御承知のように、雇用関係が消滅した、しかもそれが遇発的な事故であるというところに保険が成り立つわけでございまするけれども、ほかの保険事故と違いまして、雇用関係の存続消滅ということは多分に本人の意思によってきまってくる、あるいは雇うほうの側とのなれ合いによって悪用もできるというような、いろいろやっかいな問題がございまして、われわれとしてはこういう悪用を防止すべく最大の努力をいたしておりまするけれども、ややもすると、ほかの保険と違って、そういう余地が一般的にあるわけでございます。そこでもってこの一人親方という日本独特のような職人形態の、何といいますか、労働者とは言い切れませんが、実態は労働者の実態を備えた方々がおるわけでございまして、こういった方々に失業保険の制度をわざわざ擬制をしてまで適用するということは、私どもとしては、そういう実情に着目をいたしましてこれを適用しておるわけでございますけれども、できるだけ雇用関係を近代化して、そして労働者としての失業保険の制度を正面から適用していくというふうに持っていきたいと思いまするけれども、何せまあ一人親方というような形態で現実は就労いたしておりますので、当面はまあこういう通達指導でもって対処をしていかなければならぬ、しかもまあ悪用を防止しつつ健全な適用をはかっていく、こういう措置を踏襲といいますか、続けていきたいと思います。なお将来法律改正という問題が出てまいります場合には、この一人親方の問題のほかに、農業の適用問題とかあるいは漁業の適用の問題とか、いろいろ根本的な問題がございますので、それらとの関連も検討しながら法制面での検討を続けてまいりたい。当面は通達指導でもって実情に合うような措置を講じていくと、こういう方針でいきたいと思います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 それから、この委員会でお聞きすることが適切かどうかわかりませんが、農村の出かせぎ対策等について、これはまあ今日の社会において、一つの社会問題というか、そういう様相を呈しておるわけですが、出かせぎ問題の特に農村地帯におけるところの出かせぎ問題の解決策というものは農業という産業一つだけではなくて全体的な産業、全産業的な見地から、産業構造という見地から、そういう点から考え方を進めていかなければなかなか解決はできないのではないかというきわめて抽象的な一つの問題点としての取り上げ方はできるのですが、労働問題を担当しておられる労働省として、大臣のひとつお考えを、季節労働者の雇用安定対策とあわせてもしここで多少具体的なりともお考えをお示しいただけるものならばひとつお聞きしたいと思います。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) 私から出かせぎ問題のごく大ざっぱな問題点を先にお答えさせていただきたいと思います。  御指摘の出かせぎ問題は非常にやっかいな問題でございまして、出かせぎ者の数につきましても百万以上あるという見方もありますし、私どもは保険の立場から推定をいたしまして約六十万見当いるのではないか、こういう推定をいたしております。これは長年の問題でございまするが、問題はやはり農業の構造改善対策、あるいは出かせぎ就労先のおもな業種でございまする建設業あるいは食品加工業、こういった産業が近代化するというふうな両面の改善対策がなければこれをすっきりした形で解決するということは非常にむずかしいと思います。しかし、これはとことんまでいきましても、やはり農業に農閑期があり工業が現在のような調子で成長していきますならば、雇用の需要が拡大しこそすれ減らないわけでございますので、あくまで農業と工業との間にこういった形で労務の調整が必要になってくる、これをゼロにするということはなかなかむずかしいのではないか。したがいまして、私どもとしてはできるだけ現状改善をいたしまして正常雇用につける者は正常雇用につけて、そして失業と雇用が繰り返されるということのないように指導していく。農業に従事しながら農閑期に出かせぎに行くという者については明るい出かせぎ態勢を確立していく、就労のやり方につきましても、あるいは出かせぎに出た就労先の職場におきましても、あるいは帰ってくる場合の扱いの問題、留守家族の問題、こういった出かせぎ全体についてできるだけごめんどうを見て、出かせぎの問題を明るい方向に解決していきたいということで出かせぎ対策を関係省とタイアップして進めておるわけでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 職業訓練の問題についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。まあ雇用需要というものが非常に増大している反面、供給労働力の大宗を占める新規の学卒就職者の減少とかあるいは技能労働力の不足、そうした問題、それから技術刷新の進展に伴う技能の質の変化、そうしたようなことから職業訓練を取り巻く労働経済諸条件といいますか、いろいろ大きな変化を今日来たしていると思います。そこで、職業訓練がこうした情勢の中で一体どうなっているのかという問題、職業訓練行政の拡充強化というか、そうしたことはもう当然必要であるということは、もうどなたも異論のないところと思いますけれども、ひとつこの職業訓練というものに課せられた使命、それを達成するには、一体労働省としてはどんな手を打っておられるのか。また、これからそのテンポも、その諸条件の大きな変化とさっき申し上げましたけれども、そのテンポも非常に速いと思います。これに対処してのお考え、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま技能労働力を中心として若年労働力が非常に逼迫いたしておることは、おことばのとおりでございます。したがいまして、ここで不足している労働力を質的に高めていくという要請は、一段と強まっておりまするし、また御指摘のように技術革新も絶えず行なわれておりますから、これに対応していく必要も、この際痛感されておるわけでございます。現にこの目的を達成いたしまするためにやっておる制度というのは、非常に広範多岐にわたっておりますので、訓練局長からその概略をまずお耳に入れさせます。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) ただいま大臣からお答えを申し上げましたような線に沿って訓練行政を進めておりますが、概略を申し上げてみますると、年間公共職業訓練におきましては大体十二万八千ぐらいの訓練を行なっております。それ以外に、事業内で労働省が認定をいたしております訓練は八万四千程度でございます。しかし、両方合わせまして二十万をこえる程度の数でございますが、昭和三十六年以来技能労働力の不足は毎年百万人をこえておりまして、昨年の六月の調査では百五十七万人の不足を来たしておるというような状況でございます。今後におきます技術革新の変化による技能内容の変遷及び人口構成からしまして新規労働力がだんだん減ってまいるということになりますと、どうしても量を補うには質で補っていかざるを得ない、こういうことがあるわけでございます。そのためには、いま申し上げましたような職業訓練の規模は毎年拡充はいたしておりますものの、まだまだ産業界一般の需要に応じ切れないというのが実際の姿でございます。こういうたいへんな問題を控えておりますので、いままでやっております約十年間、現在の職業訓練法のもとで職業訓練を運営をしてまいりましたが、状況は非常に大きく変わっていくということで、昨年の六月に中央職業訓練審議会に対しまして、今後の状況変化の中で職業訓練をさらに拡充していくためには、基本的にどういう問題をどう変えていったらいいかということにつきまして、大臣から諮問を申し上げました。ただいま訓練審議会においては、せっかく御審議が進んでおるところでございます。その基本的な方向として審議会でいろいろ御議論がありますのは、何といいましても技術革新あるいは出生率の低下、進学率の向上からくる労働経済の全体の変化に対応するためには、どうしても訓練というものを、現在より以上に体系的に段階的なものをつくりまして、技能労働者になる皆さんが将来に希望を持ったそういう訓練制度を確立するというのがまず第一必要であろう。第二としましては、そういう訓練制度とあわせまして、技能検定と申しまして、先生御承知でございましょうが、国が一定の技能について公に証明する制度がございますが、そういう制度を活用することによって、技能労働者の皆さんの位置づけ、労働条件の改善、向上というようなことに対する有効な措置を講ずべきであろう。第三点といたしましては、何といいましても現在の日本にりあますものは、とかくいわゆる学歴偏重と言われております。しかし、物をつくる力を持っておりますのは、まさに技能労働者でございます。その社会的な地位を正当に評価されるような施策を講ずべきであろうというのが第三点でございます。  以上申し上げましたような三点を重点として現在訓練審議会で御審議が進められておりまして、近い将来答申が出るだろうと予想されておりますが、それらの答申を拝見をいたしました上で、いま申しましたようなことにつきまして、鋭意労働省としては今後の施策を立ててまいりたいと、かように考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 公共職業訓練の拡充強化ということになりますと、一応その施設あるいは制度の運営に当たる職業訓練指導員、この指導員の問題もこれは大きな問題点になっておるのではないかと思います。指導員の充実をやっぱりはからなきゃいかぬということ、まあたとえば、この高度の技術者を指導員として勤務してもらうためには、その待遇の問題ですね。これはもうやはり当然焦点を当てなきゃいかぬ問題だろうと思うのです。また指導員の養成機関であるところの職業訓練大学校ですか、これについてもいま十四科二百名という現状だということを、私ども聞いているわけですが、これももう少し拡充する方向で具体的に検討がなされなきゃいかぬのじゃないか、こう私は思うのですけれども、その点はいかがでございましょうか。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) ただいま佐藤先生御指摘のとおりのことでございまして、職業訓練がその内容を充実していきますためには、施設とあわせて先生である指導員に優秀な人材を導入することができるということが、何より大切でございます。そういう点にかんがみまして、私どもとしましては専門の養成機関としては、いまお話にございました職業訓練大学校において専門的に指導員の養成に当たっておりまするとともに、検定制度を設けまして、検定試験によりまして指導員を確保する、こういうようなことをやっておりまして、積極的に各界から有能な人材を指導員になっていただけるような措置を講じてもらいたいと思っております。ただいろいろの関係がございまして、なかなか待遇につきまして思うにまかせないというのが、実際の姿でございます。もちろん、昭和三十五年には指導員のための職務手当を本俸に対して七%ふやすとか、あるいは四十一年におきましては予算で、これは主として地方の指導員のためのものでありますが、四一%のベースアップをするとか、あるいは毎年適当なベースアップの財源を確保するというようなことをいたしておりますが、まだまだ不十分な点が多うございます。それらにつきましては、指導員の持っておる能力との関係において、ぜひ待遇の改善をしてまいりたいと思っております。また訓練大学校につきましては、ただいま定員は全部で四百八十人が長期訓練、それから八十人が短期訓練でございます。長期訓練と申しますのは、高等学校を出まして四年間教育をいたしましてこれを卒業していくのを長期、すでに一定の技能を持っております者について、半年間の訓練をやりまして、出て指導員になるのが短期でございます。四百八十人でございますので、一学年百二十人、現在指導員は五千七百人ばかりの定員でございますが、これは公共訓練指導員の定員がそうでございまして、民間の事業内訓練の定員はさらに相当数ございますが、とても補充もつかないという状態でございますので、この訓練大学校の拡充というのが、焦眉の急になっていると思いますが、先ほど申しましたような全般の訓練制度に対する審議が行なわれておりまして、その中で、いま先生の御指摘の指導員の待遇問題、確保の問題というのが議論されております。それらの結論を見まして、ぜひ指導員の優秀なものが得られるような制度をつくり上げていきたい、かように考えておる次第でございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 いま局長も民間の職業訓練についてちょっと触れられましたが、公共職業訓練に対する施策というものは、逐年だいぶ濃度が濃くなってきた、発展してきたということはわかるのですが、民間のいわゆる事業主のやる事業内職業訓練というか、これは非常におくれているのではないかということが、しきりと言われているわけです。日本の国で非常におくれているという理由ですね、特に諸外国と比べて。それは一体どうなのかということを、どんなふうに把握しておられますか、お聞かせいただきたい。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) 公共訓練、事業内訓練につきまして、だいぶ古い話でございますが、三十五年に長期計画をつくりまして、十年間の長期計画をつくりましたときに立てました公共訓練につきましては、まあ政府の施策ということもございまして、非常に順調に伸びてまいりまして、計画に対しまして、まあ九七%ぐらいの率で現在行なわれておりますが、事業内訓練は、御指摘にございましたように、当時計画をいたしましたものに対しまして、現在全部を通じますと、五一%程度の達成率、それが逐年率が低下をしておりまして、全体で五一%で、最近になりますと四〇%を割るような状態になってきております。  これに対しまして私どもといたしましては、共同職業訓練の運営に対する補助だとか、あるいは市町村が経営をいたします共同職業訓練施設に対する財政的援助だとか、あるいは雇用促進事業団におきまして、雇用促進融資の中に訓練施設に対する融資のワクを設けまして、三億八千万ぐらいでございますが、そういうような援助をいたしておりますが、その金額がなお産業界のいろいろの需要に応じない点が多々あるためでございましょうか、事業内訓練は、相変らず率直に申し上げて不振でございます。これにつきましては、単にそういう財政的援助だけでなく、現在の事業内訓練制度が持っておるいろいろの問題があるようにも思います。さような制度それ自体に伴いまして内在する問題点もございますし、財政援助のしかたにも問題がある。また業界のほうにおきましては、最近の人手不足を反映をしまして、逆にすぐ使いたいというような面も出ておるようでございまして、諸外国に比較しますと、非常に低率になっておりますが、そういう内在する問題、財政的な援助の問題、こういうものを合わせましてぜひ事業内訓練が振興するような施策を講じたい。そのためには、やはり相当現在の事業内訓練について抜本的な改正をしなければならぬ。特にいまの事業内訓練は、先生御存じのように中学校を出た者を主たる対象として事業内訓練をやっておりますが、御存じのような進学率の向上ということで、中学を出ただけで職場につくというのが、非常に減ってまいっております。これが達成率に非常に影響を来たしておりますので、今後は単に中学の卒業生だけでなくて、高等学校卒業生というようなのが生産現場にずいぶん使われるようになってまいります。それらをにらみ合わせながら、この事業内訓練の振興策を講じてまいりたい、かように考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 高校生の話が出ましたが、これは公共職業訓練所にも関連する問題ですが、共通する問題だと思いますが、中卒の訓練生は、定時制高校ですか、そこに行かなければいけないということで、そうでないと資格をもらえない、高校卒になれないということで、肉体的にも経済的にも大げさに言えば二重の負担になっているということがやはり言えるのではないかと思う。そうした点について、訓練課程でひとつそうしたことを取り上げてこれから考えていったらどうかと、これは拡大をしていかなければならぬわけですが、これはすぐできるならばけっこうなことでしょうけれども、そういう方向で検討が進められているのかどうか。確かに二重負担になると思うのです。そのことについてお考えなり見通しをひとつお聞かせ願いたい。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) 高等学校と職業訓練というのは、一応基本的な目的が違いますので、両者を完全に一致するということは、現在の段階ではなかなかむずかしいのではないかと存じます。しかしやっておりますことが、ともに教育訓練のことでございまして、そして対象が中学校を卒業して三年間ということで、同じ時期に教育をしているわけでございますから、しかも、学校のほうはいろいろ基礎学科とか専門学科いろいろございますが、訓練のほうにおきましても、当然基礎学科あるいは専門学科あるいは実習、こういうようなことをやっておりまして、両者で共通する面がある程度あるわけでございます。その点は、いま先生の御指摘のように、一人の子供が同じことを二つの制度のために両方で習わなければならないということは、私どもとしては、そういう青年諸君に無用な負担をかけておるということでございますから、ぜひその負担を軽減をしたいということで、文部省とよりよりお話し合いを進めておるわけでございます。従来から、事業内訓練教育期間三年のものにつきましては、一部につきまして重複を避けるような措置を講じてまいりましたが、それ以後におきますいろいろの状況から考えまして、また世の中の人が、いま先生御指摘のような御意見が非常に多くなってまいりましたので、昨年来文部省と私どものほうでいろいろ御相談をいたしまして、最近になりまして、従来は、両者の単位について三分の一くらいまでしかお互いが、たとえば職業訓練で、ある単位を履修したときは、定時制高等学校で同じものについてその単位を履修したものとみなして、定時制高校の単位は受けなくてもいいというようなことを、全学科の三分の一についてやっておりましたのを、今度はそれを二分の一までその範囲を広げることができる、従来は三年ということでありましたのを、一年以上の期間のものについてならよろしいということにいたしまして、いま御指摘のように、青年諸君の負担を無用にかけない、こういう趣旨で、新しい考え方を文部省のほうでも導入をしていただいております。今後この方向は、両者の高等学校教育につきましてもいろいろの意見があるようでございまして、文部省のほうでいろいろお考えでございましょうし、私どものほうも、先ほど申しましたように、職業訓練制度につきまして検討いたしておりますが、その両者の検討の中で、いま申しましたような方向を改善するということで、両者がだんだん歩み寄りのできるような方向で努力してまいりたい、かように考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 それは文部省の問題とも関連するので、いずれ文教委員会でこの問題を取り上げたいと思いますけれども、どうですか、見通しを、もう少し具体的に労働省としての考え方を、しかもある程度これはやはり期限を切る、ということは非常にきびしい言い方になりますけれども、たとえば四十三年度中にはその詰めを文部省とひとつどうしてもやってみたい、実らせてみたい、そういうお考え、私どもも文部省当局に対してそういうことを進言するのはやぶさかでございません。もう少し、まだそこまでいってないというなら、これはやむを得ませんけれども、もう一度お聞きしたい。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) ただいまもお答え申し上げましたように、四十二年の終わりから三分の一を二分の一にするとか、三年期間でなきゃならなかったものを一年期間でもいいというふうなことで、一ついわゆるワンステップを進めたわけでございます。これからは現行制度のもとでは一応この程度であろう。しかし、後期中等教育問題が非常に議論をされておりますし、訓練制度につきましても、いま申しましたように、非常に議論をされております。これらの制度改善ということにつれて、また新しい問題がいま申しましたようなことについて出てくるのではないか。両者の制度改善がいつ最終的に終わりますか、なかなか問題がございますので、時期的に四十三年度ではここまでまいりますということを、いまちょっと申し上げることもできないかと思いますが、先生の御趣旨のようなことで、私どもは努力してまいりたいと思っております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 そうすると、中央職業訓練審議会でやはり問題になっておりますか。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) 訓練審議会で制度改善問題を議論されまして、一番大きなウエートがその学校教育と職業訓練との関連の問題というのが、非常に大きなウエートで議論されております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 少しこまかい点になりますが、まあ私の郷里の新潟県でも、地理的な条件とかそういうことを考慮して、一般職業訓練所に寄宿舎というものを設けて、そうして便をはかっているわけですが、この寄宿舎の設置運営に関する費用、これが国庫補助の対象にはなっていないと思うんです。で、これは含めたらどうかなという考え方を持ってるわけですが、その点についてはどうなのか。また、職業転換訓練を受ける訓練生には寄宿舎手当というものが支給されているわけですが、それ以外のものに対しても、そういうような配慮をするということがはたしてできるものなのかどうか、やろうとしておられるのか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。

和田勝美労働省職業訓練局長

○政府委員(和田勝美君) 公共職業訓練で一般訓練所におきます補助は、ただいまのところは実習場、教室を含めた本館施設及び実習に伴います諸施設を設けるようなものに対しまして補助対象ということになっておりまして、寄宿舎につきましては、いまお話にございましたように、国庫補助の対象にはなっていないわけでございます。これは高等学校教育その他いろいろのほかとの関連もございまして、なかなか問題の多いところではございますが、ただ私どもとしましては、現在のところ、豪雪地帯とか、離島というようなところで、ある時期あるいは一年間を通じて非常に通所がむずかしい、訓練所に通ってくることが非常にむずかしい。しかも、採用エリアが相当広いというような、そういう地点につきましては、寄宿舎につきまして何らかの補助対象というようなことを考えるべきではないかということを、ここ一、二年考えておりました。しかし、財政負担の増に伴うことでございますので、なかなか一がいに言い切れませんが、労働省としましては、そういうような観点で寄宿舎のある部分について、何かの補助対象にすることができればということで検討いたしてまいりたい、かように考えております。  それから、寄宿舎手当のことでございます。これは現在は中高年離職者あるいは炭鉱離職者、そういうような特別のものに対しましては、家族から離れて訓練所に通うために寄宿舎に入るという人たちのためには世帯との関係、そのものが世帯主であるというようなこともありまして、寄宿舎手当を支給をいたしております。これを若い養成訓練の諸君にまで広げるということになりますと、これもなかなか問題がございます。一般的の学校教育における寄宿舎の費用の問題、その他いろいろのことがございますので、ただいまのところ、ちょっとそういうようにいたしますと言うのには、あまりにも問題が多いようでございますが、単にそれも養成訓練の若い子供全体ということでなくて、何か的をしぼって検討をするということも必要かと存じます。そういうようなことにつきましては、今後検討さしていただきたい、かように考えております。

佐藤隆自由民主党

○佐藤隆君 いろいろお尋ねしてまいりましたけれども、お答えの中に、いま審議会で問題になっているとか、法改正の時期とか、いろいろそういうことに結局結論がいくようなお答えが多いわけです。私がこの職業訓練の問題をこうしてなぜお聞きするかというと、本来、いままでの例を私なりに見ますと、この決算委員会において取り上げられるべき問題は、国の金の使い道、それが一つも効果をあげてないとか、マイナス要素があるのではないかとか、おかしいじゃないかとかいうことで詰められているというか、責められているところが多いのです。この職業訓練の場合は、これだけ投資効率の非常に高い私は施策はないと思う。というのは、公共職業訓練所から出てきた人間は、もう引く手あまたなんです。そうしたことで、私はこうした決算審議の場で、投資効率の高いものについて、さらにひとつ政府を督励するということも必要なことだ、こう私は考える。  ところで、話は戻りますが、中央職業訓練審議会で検討されておる問題全部関連があるわけです。そこで、昨年の十二月に中間報告が出されておりますが、この結論が一体いつごろ出るのか。しかし、それは審議会のことで労働省は知らぬと、こういうことになるかもしれませんが、一応見通しです。そしてやはり職業訓練法の改正というものは、いま私がいろいろ御質問申し上げたそれらのことを含んで当然改正案というものが近い将来に出されるとは思いますけれども、それもやはり審議会の結論を待つということになるかと思います。その時期についてひとつお伺いしたいということと、やはり審議会の結論待ちということだけではなしに、労働省自体の積極的な姿勢がやはり必要だろうと思います。そういうことがその審議会の場にもにじみ出ている。そして効果をあげているんだと考える。最後に、労働大臣からそのことについてお答えをいただきたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) この国民経済の発展という見地から、職業訓練の果たす機能というもの、非常に高く御評価になって、そういう観点からただいま種々の御要望を承ったわけでございます。私どももこれから先、ますます施策の充実につとめてまいりたいと存じておるわけです。審議会の答申は、およそ六月ごろには得られることと期待をいたしております。決してこの審議会にまかせっぱなしという態度で臨んでおるわけではないのでございます。先ほど局長からお耳に入れました幾つかの大きな問題点、これを解決すべく一歩でも二歩でも進めたいという見地から、労働省といたしましても、今年度はとりわけ真剣な態度で立ち向かっておるわけでございます。  御指摘のございました学校教育との調整と申しますか、これも確かに大きな問題で、現にやっておりますことは、先刻お耳に入れたとおりでございますけれども、もう少し研究の余地がないだろうかということで、私どもいろいろ苦しんでもおるわけでございます。ことにこれから先、現にとかく技能を軽視する、技能労働者をばかにするという風潮がございます。これを是正するということは非常に大事でありまして、こういう趣旨から、先般特に優秀な技能を持った方々を労働大臣が表彰するというようなことも初めて実は試みた、その一助たらしめようという考えから初めてやったようなわけでございます。そういう問題もございます。また、技能を持った人たちに対して、社会的経済的に正しい評価が与えられるような仕組みを何とかつくりたいということ、これも私どもが非常に大きな関心を持っておる点でございます。答申を待ちまして、本年度はぜひ御趣旨に沿うような方向で根本的な改正をやりたい、かように考えておる次第でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 北海道の地下資源開発株式会社についてのお話を承りたいと思うのであります。  もうこの北海道地下資源開発株式会社廃止に対しては、いろいろの問題についていままで何回も質疑が衆参両院でもう行なわれておるのでありますが、私はきょうは、北海道開発庁それから行政管理庁それから労働省、この三者の御出席を願っておりますので、ひとつ、この三者のほうから煮詰めていろいろ論議をしてみたいと思うわけでありますので、どうぞひとつ具体的に明確にお答えをいただきたい、こういうふうに思うわけです。  まず、政府は責任を持って、この北海道地下資源開発株式会社におるところの全員に対して、二百十四名と伺っておるのですが、この全員に対しまして政府の機関の中に再雇用をするということが、まずもって第一番目に必要なことだと私は思うわけであります。これにつきましては、木村官房長官は、政府全体の問題であると、こう言明しておることでもありますからして、労働省の次官のほうからも再就職については心配ない、こう言っておるというようなことも聞いておるわけでありますが、実際は、再雇用計画はまだまだ不明確であるし、木村北海道開発庁長官だけしかこれに当たっていないというふうでは、これは話にならないと、こう思うわけであります。政府の特殊法人であるところのすべての機関、ことに政府は同じくたくさんあるところの特殊法人、公団とか公社とかあるいはまた事業団、こういうものに対して再雇用をさせていただくべきではないか、こういうふうに私は思います。明確なこれに対してのお考え方を三者の方からひとつお話を願いたい、こういうふうに思うわけであります。また、これはもう一つつけ加えて言うならば、通産省とか建設省、農林省、外務省、まあ広い範囲にわたっても最終的には国のそうした機関によって受け入れるべきではないか。これはもう基本方針だと思いますので、こうした問題についての明確なひとつお答えを出していただきたい。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 北海道地下資源開発株式会社の職員の再雇用問題でございますが、御存じのように、当会社は昨年の十二月の閣議口頭了解で民間企業に改組するという方針がきまりました。したがいまして今国会に、北海道地下資源開発株式会社を廃止する法案を提出してございますが、それに伴って、まず第一段階といたしましては、民間企業に改組する具体的な方法を政府、各省で連絡打ち合わせの上きめまして会社に提示をして、なるべく閣議了解の線に沿って民間会社に改組できるように指導しているわけでございます。再雇用問題は、この会社に全員が移る、民間に移るならば起きないわけでありますが、その中に新しい会社に移る人とそうでない人と起きた場合の話だと思いますが、もし新しい民間会社に移らない人があった場合は、開発庁の長官も、再就職について一番重点的な仕事として考えますというお約束をしているところでございます。ただ、現段階ではまだ、先ほど先生もおっしゃったように、二百名ばかりの職員がおりまして、そのうち何名が再雇用に該当する人であるかというようなことは具体的にきまっておりませんので、その中で政府機関にまた再就職することを御希望の方があれば、開発庁といたしましては、できるだけのお世話をしたいと、かように考えておる段階でございます。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) ただいま開発庁のほうから御答弁がありましたとおりでございますが、私どもも、子会社に吸収できる方々のほかに若干残りますので、この方々につきましては、公的機関に再就職していくということが第一義でございますけれども、それでもなおかつ公的機関に再就職ができないというふうなことも予想されますので、私どもとしましては、転職の訓練とかあるいは広域職業紹介体制を確立いたしまして、再就職に万全を期してまいりたいと思います。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○政府委員(大国彰君) 行管といたしましては、特殊法人の整備統廃合、行政改革の一環といたしまして昨年から検討いたしまして、いろいろ実施に移してまいっております。その場合にも、この該当する特殊法人に勤務しております職員につきましては、十分その生活に不安を与えないように、そういった配慮を十分していくことにしていろいろ結論を出してきたわけでございまして、なお具体的なその再就職等につきましては、それぞれの主管の官庁のほうで主としておやりになるわけでございますが、私どものほうといたしましても、できるだけそれに協力したいというふうに考えております。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 関連でちょっとお伺いしますが、前に行管の審査のときに開発庁もおいでいただいていますからね。法律案が提案されていますね。まあ近く商工委員会でやられるわけですが、これ、あの地下資源開発会社を廃止するに伴う善後措置というものは、私はこの間、特にはっきりしたものを出した上でこの法律案を提案することに対処してほしいという注文をつけたわけなんですけれどもね。いまお答えをいただく限りにおいては、特にこの労働問題、雇用問題に関する確たる一つ方針がないようですね。どうもはっきりしたお答えでないのですね、三者三様とも。ですから、その点もう少し、北海道新聞等を見ますと、第二会社にそっくり再雇用する、そういうような見通しが立った上で法案を国会に提出をする。これは三月八日の北海道新聞に書いてありますが、そういうようなかっこうにおいて、この法律案がまだ衆議院にも提案されていませんけれども、正式にいっておりませんけれども、この法律案はわれわれ見ております。その点はどうなんでしょうか。特に主管官庁としての開発庁としては、この間衆議院の社労委員会で矢島取締役は、民間移行ではやれないというような参考人として意見を述べております。そういう点も含めまして、もう少しはっきりしたものを出さなければ、事人間の雇用に関することなんですから、いつまでも不安動揺を続けるというようなことでは好ましくないと思うんですけれども、閣議で国会提案をきめて、なおかつ、そういうわけのわからぬことを言っておってはなんですから、もう一度その点はっきり答えてください。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 北海道地下資源会社の民間改組の具体案のお尋ねでございますが、法案を提出する段階で政府案を一応つくりまして、それに基づいて改組の実現をはかろうとしているわけでございます。  具体案の骨子をざっと申し上げますと、まず、昭和三十三年につくられた会社でございますが、累積赤字が、ことしの三月末で約四億ぐらいになる見込みでございまして、新しい民間会社にこの赤字をしょわせないために、赤字解消のための減資を行ないたい。現在の資本金は十億でございますが、それを純資産に見合う額に減資を行ないたい。その際廃止法施行時の評価額で純資産を出すわけでございますが、退職する方の退職金は、債務として差し引く予定でございます。それから現在の会社、親会社と小会社に分けまして、親会社は、機械、事務所等の諸設備の貸与を行なう会社となります。子会社は、従来どおり試錐及び物理探査というような業務を目的につくるわけでございます。その子会社に従業員の大半が移ってもらいたいというのが第一の段階でございます。私どもの見通しとしましては、現在二百名余りの職員——現在と申しますか、一月段階では二百名ほどの職員がおったわけですが、現在やや少し減少しているようでございますが、大体百五十名程度の者は子会社に移るのが一番よろしいんではないかというようなことで、具体案をつくっております。したがいまして、新しい子会社に移る方がきまってから、そうでない、子会社に移らない方が出てくるわけでございます。その前者の子会社に移る職員に対しては、民間会社に移る時点、つまり法が施行される時点で全員に退職金を払いたいと思っております。それから子会社に移らないで、この際ほかに就職を求められるこの方々にももちろん退職金を払うわけでございますが、これに特別な割り増し等を考えて退職金を払いたいと思っております。  なお、新しい会社に移る時点の必要な資金でございますが、退職金については、現親会社の資産売却によって手当てをする。それから子会社の運転資金は、新しく市中金融機関などから借り入れることによって措置をしよう、かように思っているわけでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いまの関連質問にもあったように、ある程度雇用者に対する完全な見通しをつけてやらなきゃいけない。いまお話しのあったことをちょっと聞いているわけですが、子会社といえども、これはワンクッション置いて、次にすぐ、何といいますか、また赤字会社になっていって、先のほうも非常に不安定であるというようなことも見透かされるわけなんですね。そういうような意味で非常に民間改組ということに対しても、先の見通しは相当暗いというふうに考えられるわけです、私ども考えるところでは。そういうことから考えて、やはりこの雇用されている分は、まだほかにたくさん政府機関があるわけですね、公団等いろいろと。もう少し私は——いま北海道地下資源開発会社の従業員あたりも、平均年齢からいったらかなりまだ若い、二十四歳何ぼと聞いているわけですから。こういうようなものであるならば、もっと誠意を持って、いま関連質問にあったように、こういう改組をする前には、そういうことを慎重に考えなければならないのじゃないか。ことに私は、そういう政府のたくさんな機関をつかさどっているところの行政管理庁あたりでは、もっとそこに広い視野でこういうものをやるということを、政府の中でこういうものの体系を守っていくというほどの見通しをつけることが必要じゃなかろうか。そういうことに対してもっと積極的な話を聞かしてもらいたい。同時にまた、地下資源開発会社のほうにしても、もっとそういう見通しをつけなければ、私はいけないんじゃないか、こういうふうに考えます。ということは、労働省のほうなんかでも、雇用の問題はこれから起こってくるわけでありますが、この完全雇用、再雇用ということに対しては、もっと積極性がなかったらいかぬのじゃないか。もうないかもしれません、また職業指導でもやります、というような、そういうようなことじゃなくて、もっと労働省はやはりこうした問題は、労働者の身分を守るという立場にあられるわなけんだから、もっとそういうことに対しては、各庁に対して強くいろいろ働きかけて、ほんとうにやはり労働者の権限を守るということに徹してもらわなければいけないと思うんですが、その点もう一ぺん所信を聞かしてください。あいまい過ぎて——この基本問題があまりあいまいにされていることが、私は、そういうところに働いている労働者に対して非常な不安を与えているのじゃないか。今後こういうようなことが起こったら、まじめに政府機関に働いている者も、いつ何どきそういうことが起こるかもしれないという不安を持つとしたらたいへんだと思う。かなりそこには技能、技術を持っている人が、また若い人が多いというんだから、もう少しそういうところに対して、まじめに考えてもらわなければいけない。そういう点について、御所信を聞かしていただきたい。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○政府委員(大国彰君) 私どものほうの権限は、特殊法人に対しまして、新設、改廃について審査をする点でございまして、改廃の場合には、先ほど申し上げましたように、そこに従事する職員につきましても、その影響を十分考慮するということになっているわけでございまして、なお、各公団につきましては、それぞれ担当の各省庁において直接内部の人事その他の監督をし、指揮する権限がございますが、私どものほうにはその権限がないわけでございます。ただ、この前、官房長官も申されましたように、この問題は政府全体として考えるとおっしゃっておりますので、その点内閣においても御了承いただいていると思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 最後のほうは……。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○政府委員(大国彰君) 私どものほうといたしましては、その具体的な人事につきましての権限はございませんわけでございますが、この前も官房長官のほうからお話のございましたように、それにつきましては、内閣として取り組んでおられるというふうに考えております。

有馬元治労働省職業安定局長

○政府委員(有馬元治君) 先ほど申し上げたことに尽きるのでございますが、こういう合理化の場合の解雇者について、やはり従来の雇用主であった会社なり、官庁というものが第一義的に再就職について万全の措置を講ずるということは、もうこれは民間の場合においても当然のことでございます。まして、こういった公的機関を整理されるのでございますから、そういう点については、関係者の間で十分再就職の万全を期するために、連絡をとりながら、できるだけ役所その他の公的機関に再就職をはかっていくということを第一義としながら、それでもなおかつ公的機関に再就職できないということも予想されますので、それに対処しまして、われわれとしては広域職業紹介態勢を確立しながら、再就職の万全を期していくということを申し上げました。これは数においては、まあ先ほどの御説明にありましたように、数十名の問題でございますけれども、絶対に失職することのないように、再就職の万全を期していきたい、かように考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 労働大臣にもちょっとお話聞きたいんですが、こうしてまあいろいろ統廃合、合理化の線によっていろいろやられますね。これはまあある意味においては必要かもしれません。そういうようなことになってくるかもしれませんが、私はそういうたびごとに、いまいろんな事態があちらこちらに起こっておるんですね。そういうところに働いている人たちは、そういうところに働いておったときは、いままで心血を注いであらゆる労働の力をその事業のために貢献をしてきた、ほんとうにつちかってくるというか、いままでその事業をやってきた根本のエネルギーを持っておった人なんですね。こういう人は、いわば自分の一生を、あるいはまた自分の家庭のしあわせから自分のなにから全部そこへほうり込んで、命がけで働いてきたわけですね。こういう人が、ことにこの北海道の地下資源開発会社なんか、案外会社のほうは放漫な経営をして、そして財政がうまくいかなくなったから、今度は統廃合をしてくると、こういうようなことになってきたときには、まじめにやっておった者は、一生懸命に働いてきて、最後には、じゃ、たてまえとしては、政府の機関に受け入れができなくなったら、しようがないから何とかしますということでは、ほんとうに働いてきた人は、まじめにやっておった人は、心血を注いで命がけでやっておった人は、最終的にはもう非常にあれに追い込まれる、こういうふうになったら、だれが一体それを守るのか。いま行管のほうから聞けば、もう私どもは人事権はありませんと、何か政府がやると思ってますと、こういうようなことで逃げてしまう。最も根本的な開発会社のほうでは、もうあいまいな態度でもって逃げてしまっている。もうだれも寄りつく島がないわけです。弱い者が、働いているまじめな方がばかを見るという状態が起こってくる。ここで一番歯どめをしてくれるのはだれかというと、私は労働省が責任があると思うんですね。労働省というのは、働いている人たちのしあわせのためにいろいろ配慮してもらう責任があるわけですから、だから私は、労働大臣は、この問題に対してはどういうふうに対処してくれるのか。ことにこれは行管あたりでは、広い意味ですべての事業を見ておられるところなんだから、ここらあたりがほんとうに力を入れて、こっちにも使ってやれ、こっちにも使ってやれということでもって、ほんとうに初めて私は完全再雇用ができると思う。少なくともこういう働いている人たちにしわ寄せされるような安易な形で統廃合がされることは、許される問題ではない。そういうことがへっちゃらに行なわれるようになったら、まじめに働いている人がばかを見るようになったら、もう風向きを変えて適当に働かなければばかを見るということになったら、世の中はたいへんな状態になると思うんですが、労働大臣あたりは、そういうところはもう少しきびしいところを出してもらって、こういう働いている人たちは、最終的にはこういうふうに守るんだういう線を出してもらいたいんです。その点をひとつ御所信を聞いておきたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) おことばにございましたように、労働者の福祉の向上、地位の安定をはかることが私どもの最大の関心事であり、かつ、つとめであると存じておりますから、本件に対しましても積極的に対処してまいるつもりでございます。先ほど説明がございましたように新会社へ移る人、しからざる人、方針をさっき聞いたわけでございますが、この方針に沿って具体案が作成されつつある段階であると存じます。私どもといたしましては、御本人がその結果離職なさることが確定した場合には、御本人の意思も十分伺い、転職先の労働条件等についても配慮いたしまして、あとう限りのことをいたす所存でございます。そのように御了解いただきたいと思います。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 法案審議のときに詳しくやりますけれども、開発庁でも行管でもどっちでもいいですから、この地下資源開発会社を廃止をした後の具体的な、先ほど総務監理官が百五十名云々、その他の者云々と言われましたけれども、実際に移行でき得る見通しの者は何名なのか、それからもう見切れないと想定される者は何名なのか、そういう具体的なやつをちょっとひとつ質料として出してもらえませんか。いまお答えできるなら、なおのこといいですが。で、私はそういうことがほんとうはお答えができる上に立って法律案というものは出されているものだと了解をしておったのですけれども、先ほどのお答えではそれがありませんから。ですから、開発庁の長官も行管の長官も一人の人なんですからね。木村さん、しょっちゅういろいろなことをやっているわけでしょう。地下資源の開発会社をなくしても、北海道の地下資源開発は必要なんです。第三次北海道開発計画の中に盛り込んでおる。それだったらこのまま置いておいて、総合開発の中にどう生かそうかと考えたほうがよさそうな気がする。そうでないと、何か赤字になっちゃったからどうだこうだ、今後廃止をしてしまって、民間会社にしてしまう。従業員も全部そっちに移行してしまって、その会社がどうなろうとあとは政府の手が離れたのだから、われ関せず、こういうことになっていく可能性があるのです、地下資源開発会社のいままでの経緯から考えて。ですからそういう見通しと、それから民間会社をつくるといったって、政府の責任において肩がわりしたものをつくるのですから、先行きちゃんと見守っていかなければならぬ責任が政府にもあるのですね。だからそういうはっきりしたやつで、職員もこれならば安心できるような措置というものを具体的に示した上で法律案というものを提案されなければ、これ審議にもならぬわけですから、そういうものを出していただけますか、資料として具体的なやつを……。それから退職金その他、移っていく者に対する身分保障ですね。そういうものも含めて、政府としてはかくかく考えているのだ、それひとつ出してください。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 竹田先生のおっしゃること、よくわかりますが、実は先ほど百五十名というような数をあげましたが、これは一案でございまして、必ず百五十名ということではございません。私どものものは、民間会社でございますので、新しい経営者、それから従業員等、御希望もございますし、業務の範囲もございますので、百五十名にとらわれるつもりはございません。したがいまして、詰まった段階で御審議をいただくと一番けっこうなんでございますが、いま前段で申し上げましたように、会社に政府案を示しましてその回答を待っている段階でございまして、現在は、先生のおっしゃるような詰まった資料を持っておりません。ただ、まあ御審議される趣旨はよくわかりますので、そういうものを伺って、さらに資料として提出したいと考えます。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 先ほど触れましたように、会社の矢島取締役は、民間移行ではやれないと、衆議院の社労でお答えになっているのですね。そうすると、政府案を提示されて会社側の回答をもらってくるといったって、やれないという会社側が、はいよろしゅうございますと回答するわけはない、どう考えたって。だからその点がはっきりしないわけです。ですからその点はいまはっきりできないのであれば、いまの地下資源開発会社と開発庁なり行管なりですね、政府側が折衝している見通しというのはいつつくのか。それから会社の大まかな輪郭、あるいは、先ほど注文をつけたようなことも、四月なら四月一ぱいにめどはつけます、その上に立って具体的に提示ができるのだという、こういうことを言わないと——たしか私は、これは三月の初めだったと思うんですが、行管の審査のときに、二月二十何日ですか、そのとき以来ですから、もう一カ月半以上たっているわけです。この問題に関する何らかのことをはっきりしてくれと言ったのに、一カ月半たってもまだわからない。法律案は国会に出ている。これではどうにもおかしいじゃないですか。ですから、その見通しをはっきり示してください。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 矢島取締役がやれないと社労で言ったという話ですが、実は私も出ておったのですが、明確でない点がございまして、私どもは非常に困難だと思いますというように返事をされたと思っております。やれないということがはっきりしてまいりますと、先生のおっしゃるようにどんどん責められてくる。そこいらがちょっと明確でないので、現実にはまだ残念ながらはっきりしていないという事情でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いつまでにわかるのだ。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 先ほど申し上げたように、会社はそういう再就職の問題が大事だとわれわれも思っておりますので、早く見通しを立てるようにということを前々から言っておりますが、けさあたりの連絡ですと、来週には見通しを立てていくというような返事がございました。そういう返事がまいりましたならば、もっと具体的に御説明ができると思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 これは行管のほうも、ぼくは、もう少し積極的にこういうようなものの話の煮詰めもひとつ力になってもらいたい。あなたのほうも、こういう場合には指導する任務もあるわけでしょうから、ですから人員を統合することは別問題としても、この見通しなり何なりということも、もう少し積極性を持ってもらいたいと思います。先ほどから竹田委員のほうからも指摘になったこうした問題は、早く煮詰めて話を進めないと、そこにおる者に、労働者には非常に大きな不安を与えるものですから。まだそれが煮詰まっていない側から聞けば、そんな条件はやっていけないとかいけるとか非常に問題がある。それには法律が出ているというようなこういう矛盾を犯してまで、私はことさらに不安な状態におってもらうということに対しては、私はその人たちに非常に気の毒じゃないかと思います。そういう意味で、ほんとうにこの問題は基本的な問題でありますから、早く見通しをつけて、どういう条件でどうする、そうして少なくとも全員政府機関でこれが再雇用ができるというくらいまでの強い見通しを早くつけてもらいたい、こういうふうに思ってお願いいたします。  それから同時に、またこうした不安な気持ちにおる労働者に対しましては、私はやっぱり政府の責任で再雇用が保障されるまでは、現在の身分及び給与を保障するというものを与えておかないと、私は不安だと思います。できればそういうことに対しての明確なかまえを示してもらいたい。私は、また労働省のほうには、そうしてもらうように指導もしてもらいたいし、また行管のほうでも、そういう話し合いの中で話を煮詰めていっていただきたい。だからそういう観点から、三者の方に対して、そういうことに対しても、保障してやれるかどうかということも端的に示していただきたい、こう思うわけです。お返事願います。お三人からちょっと返事をください。

大国彰行政管理庁行政管理局長

○政府委員(大国彰君) 先ほど申し上げましたように、直接の第一義的の監督官庁は北海道開発庁でございますが、この整理の調査をいたしました関係がございますので、十分検討をいたしまして協力いたしたいと思っております。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 従業員の給与の保障でございますが、もちろんそういうことを考えて会社のスケジュールをやっておりますので、その計画どおりいきますと、現在の会社でいる間じゅうはもちろんでございますが、切りかえ等がありましても、従業員の給与の面は保障することが可能であると考えております。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 今回のことに関連をいたしまして摩擦が生じましたり、あるいは現に働いておられる方々が非常にお気の毒な状態におちいるというようなことが万一にもありませんように、労働省としても、あとう限りの配慮をいたすつもりでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 当の開発庁のほうでは、そうするということでありますから、特にそのようにして大いに話を進めていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  それから先ほども申したように、平均年齢のほうも比較的若いし、若手の技術職の人も比較的おられるわけです。こういう方は比較的再雇用が容易であるけれども、一般的にいって中高年齢層や事務職の人が非常に再雇用がむずかしいという、そういう点もあろうとは思うのでありますけれども、やはり労働条件も絶対低下しないということが——万一にもそうなったような場合でも、しないということが最も私は必要であるし、また、こうした人たちは特に優先的に、先ほどお願いしておったように再雇用さしていくということが行なわれなければならぬと思うのでありますから、そういうことを特に注意してやってもらいたいと思いますが、おのおのやはり働いている人たちの希望もあるわけでありますからして、そういう希望も十分反映をして、そうしてそういうものが保障されるようにしていかなければならぬし、特に労働条件が低下するようなことは、いかに中高年齢層の人であってもないようにするということが、私は一番必要だと思うのですが、最低このことは確実にやれるという御回答をひとついただきたい。これがやはり働いている方々の非常に安心感をつちかう上においても、私はいまの時期において必要じゃないかと思うのですが、そうしたことについて、一言お考えを聞いておきたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) この点につきましては、ただいまおことばもございますので、鋭意研究いたしまして、何とか御趣旨に沿える方法を真剣に考えてみたいと思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 特に労働条件を保障しないと私はいけないので、鋭意考えてもらうことは非常にけっこうですけれども、それは最低条件ですから、絶対こういうことだけはひとつすべての問題に対して押していく、少なくともこうして改廃合したり合理化していくたびごとに、そのしわ寄せにならないように、いままでの条件、いままでのすべての条件をより高めていくことはあっても、それを下げるということなんかは、非常に私は苛酷なことだと思います。先ほど言ったような問題、それからして絶対そういうことだけは確保してもらうということを明確にひとつしていただきたい、特にお願いをいたしておきます。  それからまた、こういうふうな会社法を廃止する時点において、全員に特別退職手当の支給を保障すべきであるというふうに私も考えるわけであります。先ほどちょっと触れられて、そういうふうにするようなお話がありましたが、これに対しては十分の措置をするような用意がいまあるのかどうか。それからまた、この廃止をする際に、特に特別な退職の手当を厚くするということが私は非常にやらなければならぬことだと思うのでありますが、こういうことについて、ひとつ責任のあるような答弁をしていただきたい。これはもう政府の責任でむしろやっていただかなければいかぬと思うわけでありますから、このようなことは、労働省のほんとうに、先ほどから申したような基本的なものを守る上からいっても、あるいはまた働いている人たちに不安を与えない意味からいっても、どうでも必要なことだろうと思いますから、どうかひとつその点のお考えを明確にしていだきたいと思います。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 退職金の扱いでございますが、先ほど申し上げましたように、政府案では、全員に通常退職金を払いまして、子会社に行かない者には、特別の配慮をすることを考えております。ただ、民間会社の経営者等がきまりますれば、それを政府案で指導いたしまして、なるべく従業員に御迷惑のかからないように配慮したいと思いますが、そこいらが確定いたしました段階ではっきりしてくる問題になると思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いまそれは確定した段階でというので、まだ確定してないというわけですか。ある程度退職金というものは十分やるという方針だけは間違いないんですね。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 政府案では、そういう案をつくっております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 行管のほうでは認めますね、そうう点は。案をつくっていますといって、またあとで先ほどのような話でふわりふわりしておっては困るんですが、そういうところで三者ともけじめをつけておいてもらいたい。開発のほうではそういう案をつくっております、こっちは知らぬでは困るんだから、きちっとしておいてもらいたい。

馬場豊彦北海道開発庁長官官房総務監理官

○政府委員(馬場豊彦君) 政府案をつくります段階では、関係各省と十分打ち合わせをやりましてつくったものでございますから、したがいまして、ここにおられない省にも了解をとっております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 もっといろいろ尋ねて詰めたいことたくさんあるわけでございますけれども、時間の関係もありますから、私はこの問題はこのくらいでとめておきます。  しかし、先ほどから繰り返して申し上げておるように、労働省におきましても、あるいはまた三者ともに、この問題を十分に把握をしてもらって、そして少なくとも働いている人たちにしわ寄せをしないように、また不安を与えないような状態でもって、こういうものをスムーズに話が進むようにしてほしい。特に私は、先ほど竹田委員からも言われたように、あいまいなことをするのだったらしないほうがましなんでありますから、非常に問題点は大きいと思います、今後。だからして、特に明確にこれをはっきりとして、三者のほうで十分な配慮をして、一つも間違いの起こらないように私はひとつがんばっていただきたいということを特にお願いをしておく次第であります。  続いて労働省のほうに少しじん肺の問題について、ちょっとお話を承りたいと思います。  実は、化学同盟に入っておるところの播磨カーボンという会社があるわけであります。これにつきましては非常にじん肺患者が出て、死亡している人も出てきているわけです。非常に問題は根っこが大きいと思うわけでありますが、この問題について、いまどのようになっておるのか、ひとつ御説明を先に伺っておきます。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 現状につきまして、安全衛生局長から説明をいたさせます。

大野雄二郎労働省安全衛生局長

○政府委員(大野雄二郎君) 播磨カーボンでございますが、ここは先生御承知かと思いますが、おがくずから活性炭をつくっているところでございます。おがくずそのものは粉じんではございますが、じん肺法でいうところの粉じんではございません。それに塩化亜鉛をまぜて焼きまして、そしてその焼きましたものを粉砕して梱包する。その間に乾燥した活性炭の粉じんが発生いたすのでございます。じん肺法が施行されましてから三十七年に監督をいたしておりますが、そのときはそういった問題について措置がとられておりません。四十一年に至りまして、基準審議会の労働側委員のほうの注意がございまして、ここからこの問題を意識した監督が行なわれ始めました。で、四十一年の暮れから四十二年、四十三年にかけまして、他と比較いたしますとかなり濃厚な監督が行なわれております。じん肺法に基づく定期健康診断は、結局、法を施行しましてから六年ばかりおくれたわけであります。おくれまして四十二年の初めに行なわれました。で、ことしに入りまして、それに基づく健康管理区分の申請がありまして、三月に決定が行なわれ、その中の一人は、管理区分四ということに相なっております。これは健康診断の関係でございますが、粉じん作業場に対しましてはそれ相応の対策が必要でございます。これにつきましては、四十一年の十二月の再監督の際に、全体換気とそれから保護具、すなわちマスクの使用について、口頭勧告をいたしております。その後二カ月ばかりたちまして、再び監督をいたしましたところ、全体換気と保護具の点は一応つけている、こういう段階に一応相なっております。しかしながら、今年の段階において再び監督いたしましたところ、そういった点は一応はできておりますが、防じんマスクにしても、その保守管理、洗たく、そういう点について遺憾な点がある。大体の概況はこういうようなところであります。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 ここの工場はごらんになりましたか。

大野雄二郎労働省安全衛生局長

○政府委員(大野雄二郎君) 私は見ておりません。大体のところの説明は受けました。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 ぼくはこれちょっと見に行きましたのですがね、まあしかしぼくは驚きました、いまこういうところがあるかということで。ぼくは、少なくともいまあなたの御説明の中にもありましたように、マスクをはめているといいますけれども、マスクはまっ黒です。それをはめていると苦しいから取っているのですからして、とてもできるような状態ではありませんですね。いまのような近代国家でああいうものがまだ残存していると言ったらおかしいかもしれませんが、ああいう状態でいいかということ、私は実にびっくりいたしました。だからそのものを見せましょう。なくなった人のこの写真、もう見たらびっくりするわけです。これは見まして、そのきたないじん肺の写真をごらんくだすったらわかると思います。あなたのほうにお見せいたしますよ。それから写真なんか私もとってきましたが、これは工場の中の様子です。これもひとつ見ていただいたらわかると思います。これは実にひどいものです。こういう状態であって、いま四十二年からじん肺の規則ができていてどうこうと言われておりまして、それでいいものかどうか、私はこれは非常に苦しく思うわけです。そういう点からいって、こういうふうなところはもっとやっぱり、私は働いている人の、何といいますか、健康と命というものに関係をするわけでありますから、やはりその地区の基準局、これは姫路のほうから行ってもらっているようでありますけれども、もっと徹底した指導をしてもらわないと、私はこれはたいへんじゃないかというような気持ちを持ってまいったわけであります。ですからその点について、もう少しどういうふうにしたらいいのか、どう考えていられるか、私もう一ぺんお伺いしたいと思います。

大野雄二郎労働省安全衛生局長

○政府委員(大野雄二郎君) 先生のおっしゃること、まことにごもっともなことだと思います。数回にわたる監督におきまして、粉じんの問題はもちろんでございますが、もっと目につく問題があまりに多過ぎたのでございます。で、違反の問題は、労働時間、休憩、それから回転部分の接触予防、そういう非常なたくさんの問題があります。それから、もう現場に行かれたならよく御存じだと思いますが、塩化亜鉛を使っている関係で歯牙酸食の関係もあります。こういうふうに悪い労働条件の見本のようなところだったわけでございます。そこで、やはり最も迫っている危険な問題から逐次手をつけなければならない、こういう関係がございまして、先生がごらんになるとまことに手ぬるいとお考えになった点もあろうかと思います。で、私のほうとしてはこういった問題を、その前に宇山カーボンの問題もございました関係で、じん肺というものに対して、やはり本格的に取り組まなければならない。いままでじん肺というと、典型はけい肺でございましたが、率直に申しまして、私どものほうも炭素というものは鉱物性粉じんであるという認識はございますが、それほど、けい肺ほど危険さは感じておらなかったわけでございます。これは分類からいたしますと化学工業に入ります。化学工業に入りまして、特殊健康診断で見ますと、化学工業の有所見率はほかと比べて低いわけであります。そこで、炭素に対するわれわれの警戒心は、ある意味において鈍ったということは反省いたします。そこで、今後どうするかという問題になりますが、第一は、これはその問題があるかないかということをキャッチするために健康診断というものをもっとしっかりやらなければならない。それから第二に、マスクはやはり一番、ほかにしようのないとき使うものであって、やはり局所排気というものをもう少し考えていかなければならない。密閉の方法もありますし、それから吸引による局所排気もございます。局所排気はこれは非常に学問的にむずかしいので、まだ私どものほうが各職場に行って十分の自信を持って指導でき得る段階には必ずしもきておりません。残念ながら率直に申しましてそういうことでございます。したがいまして、やはり若干のロスはあるかと思いますが、局所排気というものを何とか片づけていきたい。この点ことしでは、事前審査その他の手法をとりまして、局所排気に十分取り組んでいきたい。それができない場合には、今度はマスクの備えつけと着用、これもただ形式的に置いておくということでは意味がない。それから、御指摘のとおりマスクをつけて作業をするということははなはだむずかしゅうございます。むずかしいのはマスクそのものの持つ宿命がございます。それからもう一つは、マスクの選択が悪い、保守管理が悪い。いままでいろいろのマスクについての苦情を聞いておりますが、やはりかなりの部分が私は保守管理が悪い点にあると思います。この点に対する指導はもっと積極的にやっていかなければならない。  それから、管理区分三にいたしますれば、やはり職場転換もこれは考えなければならない。いままでは労使意見が一致したときでなければいたしませんでした。これはどうしても作業転換を行ないますと収入の低下を来たします。しかし、からだにはかえられない場合がございますから、この点については、近く開かれますじん肺審議会の委員の方の御意見を聞きまして十分の措置をいたしたい。いろいろそのほかございますが、大約このような方針のもとに積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 ずいぶんよく事情を御存じのようでありますから、私はいろいろのことをきょうは質疑したいと思っていたけれども、それはやめます、時間もありませんから。ですから、いまお話しになりましたように、ここは普通でいっていいものにしようと思ったらおそらく会社はつぶれてしまうだろうと思うのです。しかし、それを何とかしていこうと思えば、これは働いている者は健康、命というものに影響してくる、こういうふうな羽目に追い込まれている問題だと思うのです。ですから、私この間、どこだったか、東京のあそこで、何かあれをこしらえて、機械メーカーが集まってアパートのようにこしらえた非常にきれいになっているものを私は見せてもらいました。何というのか忘れましたが、開所式に行きまして私は見せてもらいましたが、そういうものを見ましても、かなり公害防止事業団から相当金をつぎ込んでそれをつくって、そしてそれが収益があがってくる見合い、五年なら五年も据え置きにして、それから徐々に二十年なり三十年なりで払っていくという形で、初め負担は要らないわけですね、公害防止事業団でやっているのは。そういうような形でもって、こういうようなところはもっと積極的に、もし何かそういう業態がもっとほかにあればそういうものは生かして、根本的にそういうごみを取るような装置を完全にしたようなものにしていかないと、これは私は見てたいへんな問題だと思いました。ただ行政指導したり、ちょっとしたものを変えるくらいじゃ、またちょっと金をぐっと締めたら、この会社はできなくなってしまうだろうし、あるいはほうっておけば労働者は困まるだろうし、それでしかもストライキが起こっているという形でいまハチの巣を突っついたような状態になっているわけです。それは事業もある程度守らなければならないだろうし、また働いている人もうまくなるようにしなければならぬわけですから、この問題については、相当労働省のほうで力を入れて指導あるいはまた、そういうような資金を充てつけてやるような方法を考えて根本的にやってやらなかったら、私はこれは両方ともやぶれかぶれになってしまうと思うわけです。私はこういう例はほかにもちょいちょいあると思いますが、私は皆さんの話も聞いているわけですが、こういうふうに各所に出ているわけです、中小企業メーカーは。ですから、それを事前的に指導をして、こういうところまで追い込まないうちにやらなければならない。確かに四十二年といまおっしゃいましたけれども、法律が出てきてからよりももっと早く手をつけなければいけないと、手おくれだと思います。いまになってしまったらどうにもならぬところにきてしまっているわけですから、これは私は労働行政としては特に注意していただかなければならない大問題だと思うわけでありますから、この会社につきましても、私は一つのケースとして、どういう方法でやっていくかということについて、私、見せてもらってもわかりませんでした、あまりびっくりしただけで。こんなことでいいのかということだけで驚いて帰りました。またもう一ぺん行ってみるつもりでおります。見に行って働いておる人とよく話し合いをしてみようと思っておりますが、その人たちも、もうかなわぬというだけなんです。なかなかもってこれは最近のサンプルとしては最悪のサンプルじゃないかと、こう思って私は帰りました。ですから、それにしても、どうぞ大臣のほうも、局長のほうも、十分考えていただいて何とかうまくできるような一つのケースとしてこれを取り上げていただきたい。そうして、こういう状態であっても、やはり労働行政の中で大きな示唆をもらったら、これが立ち直ってこういったというふうになるように私はこれを期待しておるわけですから、至急やり方をどうするかということをもっと徹底的に調べて、これに対する措置をしていただきたい。これをもって終わります。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 答弁は。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 やってもらえますね。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) おことばにもございましたように、炭じんの防除をするということは、相当高度の技術も要るしお金もかかるわけでありまして、中小零細規模の事業所ではなかなか負担ができないという一つの大きな問題点だと存じます。労働省といたしましては、技術の開発にもつとめておりますし、また、担当の対策指導員等も派遣をしてやってきておるわけでございます。これで問題が終局的に解決するわけではないと卒直に申し上げざるを得ないわけであります、問題は資金の面でございますから。なお、この会社の実態については十分研究いたしまして、さしあたって安全衛生、融資等で有効なお手伝いができないものか、そういう研究をやらせてみたいと思っております。  なお、この点につきましては、今後もいろいろ御高教を仰ぎたいと存じております。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 本日の審査はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後四時三十分散会      —————・—————

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