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58回国会参議院1968/05/24

外務委員会 第17号

発言数
155
登壇者
9
会派数
2
開催日
1968/05/24

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について報告いたします。  大谷贇雄君及び内田芳郎君が委員を辞任され、その補欠として田村賢作君及び佐藤一郎君が選任されました。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件  及び原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件  以上二案件を便宜一括して議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 きのう大和君が日米の原子力協定についてやったのだけれども、日英も残っておる、また原子力政策全般の質問がたくさん残っておりますが、外務大臣はときどきちょろちょろと構想などというものを出すので、つい触れざるを得ないのです。これは外務委員会で原子力委員会じゃありませんから、だから伺うのですが、けさの新聞を見ると、きのうあたりから見ると、二つの違ったことがある。一つは、ベトナムの復興開発基金構想というのを大臣が持っていて、それを事務当局に指示したというのが大きく報ぜられ、一方では民間の海運会社の正和海運というのですか、それの光徳丸――三千トンクラス発ベトナムの港へ入っている。外務省は行かないでもらいたいということを言ったのだけれども、それを振り切って行っておるという二つの相反するような記事も出ておるのですが、それにちょっと触れて、しかる後原子力協定に入りたいと思います。  大臣のものの考え方で、何かあせって、ベトナム、アジアの平和の安定、北ベトナムの紛争処理後の日本の政策というものについて盛んに新聞を通じて報道され、それは休戦監視団ができたならば人を出すだろうというようなことも出るし、日本がベトナム紛争終局後のアジアの問題について主導権を握りたいというような表現でも出ておるし、きのうあたりは具体的に、ベトナム復興の基金をアジア開銀の中に信託基金として置くのだという構想、何かこう、乗りおくれてしまうといけないのでこの際割り込んでいく、ベトナム紛争の解決後のアジア問題について日本は一口大きな発言権を取りたいというようなあせりが見えます。あせってもいいんだけれども、いまパリで会談中で、どうなるものか、成功を信じながらも、相当の曲折も経て、時間もかかるだろう。こっちはもうあなた、まだ鉄砲の音でもするかもしれぬというときに、北ベトナムの資金援助をしようというのは少し早いのじゃないか。そういうことは当然外交当局としては考えておかなければならぬが、いまはむしろ、北爆を完全停止したらどうかとアメリカに言うくらいの、会談成功へ援助する側面援助が大事であって、紛争処理の話はまだどこの国も言っていないのです。アメリカがおととしあたり十億ドルくらいベトナム復興に投入したというふうに言ったことがあるかもしれぬが、ほかはどこも言っていない。私は、むしろそういう構想の前にベトナムの話し合いが成功をするように側面援助の方策を構想したほうがいいんじゃないか。たとえばこの北爆も、十七度線の北二百キロですか、百キロだかの限られた地域を越えてはやっていないようだし、戦火もやや下火。これならば、いまそれぞれ発砲を停止せよ、しばし撃ち方やめというくらいのことを側面から大きな声で吹き込んでやることもいいのじゃないか。現実にはもうサイゴンの中でもそう激しいこともない。各戦線小康状態。むしろ撃たないのじゃないか、両方で。そこらを援助するほうが先ではなかろうか。ものの先あとを私は伺っておるわけですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、森さんね、一番自分でいやなことは、バスに乗りおくれまいとする外交のものの考え方、これを非常に私は自分自身でもいやなことだと考えておるんです。それはなぜかというと、そういうふうな考え方からすると、どうも何か外交というものの一つの正常な進め方を失う場合もあるということで、自分は非常にいやなことであります。きょうの記事も、新聞記者会見を朝したときに私は言ったのですが、何ら指示をしたことはない、どうして新聞には指示をしないものがああいうふうに出るのかと、けさ記者会見のときにも言ったのですが、一つだけ、渡辺アジア開銀総裁とつい数日前にいろいろ懇談をして、私が聞きたかったのは、アジア開銀の総裁という地位におって、その経験を通じて、アジアの経済開発というものをどういうふうにその地位を通じて見ておって感じられるかという、いろいろ意見を聞きたいということで話し合ったときに、何か、ベトナム戦後というものに対してもアジア開銀というものがいろいろこれに関与していく場面が出てくるのではないかというような話はあったのですよね。そういうふうな話はあったけれども、森さんの言われるように、ああいうパリでいまパリ会談が行なわれて、いま必要なことは、やはりわれわれとしては、どちらか一方を非難したり一方を弁護したり、第三者がそういう形ではよくない。当事者にまかして、そしてやはり世界の平和を早くもたらしてもらいたいという声、これを背景にして、善意、忍耐、良識ある解決を両当事者にアピールするということがやはり第三者の道だと私は考えています。いま会議がどういうふうな収拾をするかもわからぬときに、ベトナムの復興の基金制度とかなんとか、非常に先走った感じで、そういう外交のものの考え方には不安定なものを感じさせられますね。そういうのは私はよくないと思う。そういうことで、けさも記者会見でそういうことを言ったので、私が指示したことはない。渡辺アジア開銀総裁との間に、まあアジア開銀というものがベトナム戦争が終わったときの役割りというものはどうであろうかという話はあったけれども、ああいうふうな形で、復興基金を設けるということで外務省に指示したことはないのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 まあ、この問題はそれ以上触れないでいいだろうと思う。そのときになってから伺うことにして、せっかくいま静かになって、日本の民間の船がホンゲイ炭を取りに行ったか何を取りに行ったか、とにかく光徳丸が向こうへ行く時期としては、北爆もないのだし、穏やかな通商をやることは、従来北鮮あるいはその他と違って政府もこれを許しておったと。それを、最近第一船が入っていったので、第二船後は困ると――第一船も困ると言ったのだけれども、光徳丸は入っていった。運輸省のほうがこれを行ってもいいという立場を、外務省が押えた。押えたにもかかわらず、光徳丸は入っていったということですが、これは新聞によれば、アメリカ側からのそうしないでくれという要請に外務省は従ったように報道されております。そういうことも多分にあるだろうとは想像されるが、いませっかく静かになっておるときに行くことは、これまたムードの上からいって、ベトナム和平会談を助けるような雰囲気づくりにたいへん役立つのじゃないかと思うのですが、大臣、外務省はどう考えておられるのか、伺いたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) この問題については、いろいろ情報というものを、政府部内のことでありますから、事務当局で情報を提供したり、されたりしておるようなことはあると思いますが、しかし、これを外務省がアメリカに頼まれてどうこうしたということはございません。アメリカ自身でも日本に対してそういう形でこういうのを言ってくるということは、これはそういう事実はございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 アメリカのほうの何か要請があったという事実はないとして、民間の船が商売に北ベトナムへ入って仕事をすることは、外務省としては慎んでもらいたいという態度ですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) ああいう戦争が非常に激化されておるようなときにはいろいろ問題を起こしますから、そういうふうな配慮はあってしかるべきだと思いますが、これはしかし民間のことでもありますので、民間自身の判断もあって、いまのところ、外務省がこれはどうしても差しとめる、戦闘が行なわれておる地域だという、そういう考え方で外務省がそれを差しとめるようなことの指示を運輸省にしたということはございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 海員組合あたりは初め乗船拒否なんかもしましたが、最近はその態度は改められておるし、しかも大臣がそういう立場を表明されるのですが、現実にはみんな、船が行っちゃいけないという日本政府の態度のように受け取って、そういう記事は連続してずっと今日まで来てるんですよ。何かそこになければならないと思うんですが、運輸省にもそういう話をしたということもないとすると、これは誤りですかね。どんどん船は行ってもいいんですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 外務省の事務当局でいろんな情報や判断というものがありますから、運輸省に対してそういう外務省の判断や情報というものを事務当局で伝えたことは私はあると思います。しかし、私自身から、差しとめるようなことの指示といいますか――指示あるいは要請というものを運輸省にしたことはございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それでは、事務当局の情報なり判断なりを各省間同士で話したことはあるということは、民間船の北ベトナム入港について、適当であるとか、不適当であるとか、慎んでもらいたいとかという判断、それから戦局の情勢、情報などをさすんだと思うんですが、事務当局の情勢の判断なり情報なり判断とかいうものはどういうことに関連しておるものですかね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 従来キューバなどにもいろいろ問題がありましたからね、キューバなんかの場合、そういうふうな過去のいろんないきさつなどもあって、そういうこととも関連をしての情報などもあったかと思うんですが、しかし、私自身が運輸省に対して要請をしたことはないわけで、事務当局同士では、いろんな情報というのは外務省が各省に提供しておるわけで、そのときにはいろんな話し合いが行なわれると思います。しかし、こっちゃのほうからは、私からは、こいつを差しとめてくれという、そういう筋合いのものでもないし、そういうこともしてはいない。したがって、これは森さんは、どしどし行くことを歓迎かと言うが、歓迎もいたしません。しかし、これは差しとめるような指示も私はしたことがないということが事実でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私の質問の趣旨は、片方で指示はしないにしても、ベトナムの復興について日本が援助もしたいと言っておるおりから、片方で通常の通商関係に終始しようというものはちょっと押えるというのでは話が違うんじゃないかというのが質問の大きな趣旨なんですね。歓迎もしないというお話だけれども、商売がどんどん平和裏に行なわれることは、これは大臣といえども歓迎であろうと思う。さあどんどん行きなさいと言って、行きたくないやつまで行って大いに商売やってこいということは、これはないのはあたりまえのことであって、だから一向民間事業を押えていないから、そういう指示は出していないから、商売があって行く者はどんどん行ってよろしいということに簡単に了解してよろしゅうございますな。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 外務省の立場ですから、これは行きなさい、行っちゃいけぬと、そういう外務省が指示する権限は私はないと思います、いろいろな情報なんか提供することはあっても。それは外務省が配船について指示を与えるという立場ではないと思います。したがって、これに対しては、いま言ったように、必要がないのに、どしどしいらっしゃいということもないわけですし、これは外務省としてやめてもらいたいというふうなこともない。それはやはりその間のいろいろな日本の配船に対しての仕組みがあるわけですから、われわれは、特に外務省が出て行って、これに対してどうせよこうせよという指示は与えないつもりでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 運輸省のほうでは、理解ある態度というか、行って差しつかえない、何らこれを押える必要もないという態度のようですから、これはむしろ新聞の報道が少し本質と違っているのかなというふうな感じもしますが、そんなふうに見て間違いありませんか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私自身が言っておることは、運輸省に対してああしてもらいたい、こうしてもらいたいという指示は、外務省はしないつもりでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、問題は、運輸省と関係業者との間の話し合いで処置すべきものと、こういうことですね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 現在のところはそういうふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは同じ閣僚ですから、中曽根君も外務大臣も、同じ閣議で一心同体となって内閣の方針のもとに動くのですから、意見が違うとなれば、これは昔なら不統一で辞表を書くほかないのですが、いまは新憲法のおかげでそういうのは助かるのですが、どうして新聞記事が――私もかつては商売だけれども、たいへんそれたように出たようなことが数多く出るのですね。想像といいますか、これは大臣の記者会見がへたなのか、あるいは大臣と文化局長との連絡が悪いのか、あるいはだれかスポークスマンの人の話し方がまずいのか、それらの人々と大臣との関係が不十分で大臣の意図をくみ取れない、そんなところにも問題があるような気がするのですね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) どれも、森さんもやっぱり、昔は新聞をやられておったのですが、昔とは違って今は熱心ですね。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 われわれだって熱心だよ。(笑声)

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 昔も熱心だったけれども、今も熱心で、こういうことですよ。いろいろな話の過程において記事になる。一つの結論が出ない前にいろいろな過程がありますね、ものがきまっていくのに。その過程が一部始終記事になっておる。これがいまの大きな特徴です。それはある意味において民主主義が徹底しているということでもあるのでしょう。しかし、何か、結論が出る前にそれまでの間にいろいろな過程がありますね、それが全部記事になる。これはやはり新聞記者諸君からすれば、非常に取材活動が熱心であって、その過程がいろいろこうわかるということは読者に対しても親切な面もあるのでしょうけれども、外から見れば、森さんの言われるような、結論が出ないんですからね。過程のことが一々記事になるものですから、いかにも何かその間ちではぐな感じを与えて、われわれとしてはもう少し、競争はわかるけれども、過程の記事はちょっと控えてもらえたらどうかという感じは率直に持っておる。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 大臣、これは私は見ておりますと、東郷という外務大臣がおりました。私は尊敬します。理由は、ニュース、いわゆる種をくれたことがないんですよ、あの人は。種はくれないが、こっちだという方向は新聞記者を間違わせないでずっと持っていったんですね。つまり羊を追い込むようにずっと流れを引っぱっていった。これはちょっと珍しい人だったと思うのです。これはやはり確固たるものというものがまず確立されておらぬと、いろいろ仮定だの、プロセス――プロセスという過程と、観念という仮定、こんなものが散見して外交が思わぬところによたよたすることになる。国会でも終わってひまになったら、大臣、どこか山の中に入って座禅でもやるといいですな。そういう考えでなければ外交というものはできないですよ、事務官みたいなことを言っておったのでは。そこら辺で北ベトナムは終わりにします。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ついでに一、二お伺いしますが、今国会の問題の海外経済協力基金法、これは商工の関係で、間もなく審議が始まるわけですが、そこでインドネシアの援助ですね、あれ、一億一千万ドルというのは、この間、外相は否定されたことはないと、ところが、予算の分科会だったと思いますが、宮澤長官は、大蔵大臣もおりましたが、大体二千万ドルくらいと、こういうことを言っておられたんですね。そこで一億一千万ドルというのは、それは目標額で、あの基金法が通れば一回に出すというのではなしに、それを目標にしてとりあえず二千万ドルなら二千万ドル出して、それから徐々に一億一千万ドルの線に近づけていくということを意味しておるのか。その辺の事情は、どうせあの基金法が通れば始まることなんですから、一体どういうことをお考えになっておるのか。非常に重要法案の一つとして今国会の問題点になっておるですから、この機会に、何月に幾らということを言う必要はありませんが、一応の目標というものをこういうふうに考えておると、いまの余裕からいけば二千万ドルくらいじゃないかということを宮澤長官は私に言っておられましたけれども、その辺はどうなんでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま基金法の中で一億一千万ドルということは、羽生さん、考えても出っこないのですよ。だから、やはり将来の目標とすればそういうことは言えるでしょうけれども、しかし、現在のところは六千万ドルにプラス――できるだけのことはプラスしていこうというのが政府の意向ですけれども、とても一億一千万ドルというものは基金の中から出すことはできない。したがって、ああいうものは、一億一千万ドルというのが二、三の新聞に出たんですけれども、どういうところからそういうものが、一億一千万ドルという数字が出てきたのか私にはよくわかりません。しかし、一億一千万ドルの援助ができるだけの基金は余裕がないということでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それで、基金からそれを出す、それだけの額を満たすわけにはいかないにしても、その辺を目標にして、そのためのいろいろな手段を講じてその線に沿うような援助を考えておられるのか、あるいは六千万ドル・プラス二、三千万ドルというのか、その辺はどういうことなんですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはロッテルダムの会議でも、そういう一億一千万ドルくらいのことは日本に期待するという声がたったようですけれども、しかし、日本自身としては日本自身の財政事情もありますから、だから、目標というと、もうそこで、何かロッテルダムやなんかで出たそのことが、日本自身としてもその案を認めてそれに近づけていこうということになるわけですから、目標と言えるかどうかはこれは別として、六千万ドルの援助だけでは済まないことは認めておるわけですから、なるべく日本の事情の許す限りインドネシアの援助はふやしていこうという意向のもとで、これからどれだけのことが可能なのかということを政府部内で検討をいたしていきたいと思っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これはこの委員会で論議すべきことじゃないでしょうが、この間、当委員会でガットに、ケネディ・ラウンドに関連する三協定の審議の際に、大蔵大臣それから通産大臣に来てもらって私質問しましたが、もうまるで大蔵大臣は、この日本の国際通貨体制についてきわめて楽観的な――楽観的というほどでもないけれども、そんなにむずかしく考えておられなかった。ところが、数日前ですね、宇佐美日銀総裁が帰ってきて、欧州の情勢を見ていかに国際経済が激しい流動性を持っておるかということで大蔵大臣にいろいろな話をしていますね。そういうきびしい情勢の中ですから、私はどういう手段をもっておやりになるか知らぬけれども、国際収支も必ずしもそう余裕ができるとは思わないし、それから金の将来についてもなかなか大蔵大臣の言ったようなことになるかどうか、SDRがはたして必ず成功するかどうか、いろいろな問題があると思うので、ロッテルダム会議で一億一千万ドルという線が出ても、それから、外相としてはできるだけ海外援助はしたいであろうけれども、諸般の情勢から相当むずかしいんじゃないだろうかという感じがいたします、これはそういう意見だけですが。  もう一つ、これは、ここへ外務大臣いらっしゃる前に衆議院の外務委員会であるいは質疑あったかと思いますが、外務政務次官が近く外地で中国と何らかの接触をするやに伝えられておりますね。実は私、前々からそう思うのですが、日中貿易は、今度日中覚書協定に基づく貿易もあるけれども、友好商社方式が相当大きなウエートを占めていますね、従来。これは率直に言って、私あまりノーマルな姿じゃないと思うのですよ。それからまた、日本側から相手側の世界観に沿うようなことを関係商社が言わないとなかなか目的が達成されない。こういう状態が好ましくないのに、そが現に続いておるという理由は、それは日本が正式な折衝をしないからですね。しかも、それは国交回復をすぐやって通商航海条約をすぐ結んでということはいますぐできっこないにしても、それにしても、もっと接触のやり方があると思うのです。その意味で私は、その外務政務次官の今度の発想がこれが事実なら、これは一つのおもしろい考え方だと思うのですが、これは外相と何らかのお打ち合わせがあったのかどうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは、きょうの新聞に出ておったようなことでもないようですよ。本人は、今度大使会議に出席をする機会に、まあレセプションとかいろいろな非公式の機会に中国の代表とも会うような機会があって、そのときに話をしてみたいという意欲を持っているようですけれども、きょのは何かちょっと、外交交渉というような、そういうような新聞記事であったようですが、むしろ外務政務次官という立場から、そういうことならば政府の方針もちゃんときめなければならぬ。ですから、政務次官という形で外交交渉をするという立場ではないわけですから、非公式に、機会があったら接触をしてみたいという希望を持っておるので、あの新聞にあるように、いろいろな問題に日中間の懸案というものを踏まえて、そうして現地で向こうの大使と話をするというようなことは本人の意図でもないようでありますから、そういう点ではあの記事は正確ではないということであります。しかし、本人は日中関係の改善というものに熱意を持っておる政治家であることはこれは明らかでありますが、しかし、それは何も政務次官という肩書きのもとに何か大使との間に正式な接触を持つ、そういうのでなしに、機会があれば、そういうあまりたくまざる機会において話し合う機会があったら接触をしてみたい、そういうふうな本人の考えでもあるし、それならそれなりとして意味があることですから、われわれとしてもそういう形で接触の機会があれば、それは何も悪いことじゃないのですから。だけれども、いまの新聞に出ておるような、何か向こうで現地の大使と政府間で交渉する、そういうものではないのです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それにしても、外務政務次官なので、正式なそういう重要な外交的接触を意味しない軽い意味の接触になるにしても、これは外務大臣何も打ち合わせがないのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いや、私向こうで、現地でレセプションのような機会に、中共代表も来ておったときにいろいろその場で話するようなことはそれは差しつかえないということは言ってあります。しかし、正式に向こうの大使との間に接触をして日中間の懸案をいろいろ話し合うという、そういうふうな形の接触は、私との間に話ができて外務大臣がこれを承諾しておるものではない。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それで、それはわかりますが、そうすると、レセプションでもあればお茶を飲むと、レセプションがなければ会わないというそんな意味でもないのじゃないですか。もう少し何か、場合によったら話し合うということも含まれていなければ、先ほど森君から新聞の問題が出たけれども、新聞だってそんな出ほうだいを書くはずもないんですから。それは重要な国際会談にならないにしても、ある程度の中国側の考え方や日本側の考え方を相互に話し合ってみるというようなことを含めていると理解していいですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 本人もびっくりしています。あの記事がどうしてこんな記事になったのだと言っていました。だから、あの記事は彼の意向そのままが記事になったものではないと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 関連して。  大臣、在外大使が何十人といますがね、いろいろの形の会合で中国側の政府代表など、そういうものと会ったときに、あるいはカクテル持って部屋のすみくらいに行って何かの話をしたことなんというのはあるのですか。あるとすれば、それはたとえばアルジェリアであった、あるいはパリであった、あったとすれば何回くらいあったのか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは森さん御承知のように、レセプションというのは、中共なども来ておる――承認しておる国もありますから、それはもう会えばやあやあと言って立ち話をするような機会は私はあると思います。何回か、勘定したことはありませんけれども。だけれども、そういうことはあり得ることです。いままででも何か各地でそういう場面もあったようです。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 折り入って問題に触れたようなことはないでしょうね。いや今日はいいお天気でという日常のお話だけでしょうね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) そのときの感じがいろいろあるでしょうよね。それは一つの基本もあるかもしれぬけれども、折り入った話というのは、いまの御承知のような日中関係の中で、折り入った話というものは、いわゆるいまの時点ではありません。折り入った話はありません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それで、先ほどの北ベトナムの敗戦の問題にしても、いまの問題にしても、それは責任ある外務大臣が一々、それはもうこうだ、ああだと言えないこともあるでしょう。事務レベルの接触もあるでしょうし、わかりますが、いまのその外務政務次官の接触を通じて、より前進の姿勢でやはりそういうものは深めていくべきだ、そういう意味での接触でなかったら私はほんとうに意味ないと思うのです。これは、出先でレセプションがあれば顔を合わせて天気のあいさつするのはだれでもやることで、そんなこと新聞記事にするほどのことも何もありっこない。だから、何らかの前進的な意味の――政務次官もそうでしょうが、外相もお持ちになって、そういう機会にはさらに相手方の考え方を聞く、日本の考え方もいろいろ言うということでなければ意味がないと思うんですが、そういう意味の考えを外相自身もお持ちになるべきではないか。みんなそれは新聞記事で、さっきお話に出たように、過程に出てくるそのときのいろいろな問題だということでそう簡単に片づけられないように、もう少し勇断を持って前進の姿勢を示されたほうがいいんじゃないですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、ものごとというものはうしろに向いてすることはないと思います。実際に前向きだ。人間は目が前についておるのですから、うしろに向いて歩くということはできぬ。前向き、前向きと言うのはおかしなことで、前に行く以外に行く道はあるのかと思っているんです。日中関係でもこれは前向きよりほかない。うしろに行くということは、それはうしろに行きようがないんですから、やはり前向きで考えるよりほかない。いろんな制約があるわけですからね。だから、それで無理をすることはいけない。しかし、できる範囲内で接触の機会を持ち接触をしていくということに対しては、われわれもこれはけっこうなことだと考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは外相おかしいですよ。前向きでうしろ向いてないと言いますが、きのうも私申し上げたように、池田総理が組閣のときに、郵便、気象協定を結びましょうと大胆に打ち出しておる。それから見たら後退しておるじゃないですか。だから、必ずしも前進だけじゃないですよ。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはいろいろな見方、そのときそのときでいろんな判断があるでしょう。やっぱりうしろ向きでは、羽生さん、いかぬですよ、世の中は。やっぱり外交というものはそのときそのときの時点があって、それは全体を歴史的に見ればそういうふうな批判もあるのでしょうけれども、しかし、やっておる者としては前向くよりほかないんです。

大和与一日本社会党

○大和与一君 きのう外務大臣に中国問題でいろいろお尋ねしたんですね。基本的な態度わかったんだけれども、そのときにも私ずいぶん言ったはずです。きょうの新聞に出るようなことがあったら、もっと親切に、実はこういうこともあると言ってもいいと思うんだ。ずいぶん冷談ですよ。外務大臣として、きょう新聞に出ることをきのう知っておったら、いや、ちょっとこういうふうなことがあるということ言ったっていいじゃないですか。それが第一。  第二は、新聞に出たことが日本の国にとってプラスになるのだったらいいですよ。しかし、これがもしマイナスになるとすれば、外務省と報道関係とのパイプが悪いのだから――この前もあったでしょう。この前も私たち言ったときに、えらい、外務大臣は、そんなもんじゃない、ひたすら何か押えつけるような、隠すような――ちょっとさわるぐらいだと。おかしいと思うんだ。二回もそんなことを言う。きょうも新聞はうそだと言わんばかりで。私は、そうであったならば、日本全体としてああいう発表があることはプラスじゃないですよ。その辺はもっとパイプを完全につなぐようにしてもらいたい。  第三は、そういうふうなことになるから、私はやはり、外交のイロハで、相手のほうが何を考えているかわからぬのに、こっちは、個人プレーか日本的スタンドプレーか知らぬけれども、そんなことで何になる。それはだめですよ。それは注意しなければならぬ。相手の気心も知らないのに――非常に困難な大問題であったことはわかりますが、それならばなおさら、かってにこっちから新聞に出るようなことをして、内容があるようなことを言って、これは日本の国としてプラスじゃない、こう思うんですが、その辺はどうですか。おかしいですよ。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 一つは、発表したと言うんだが、発表ではないんですよ、あれは。一つの新聞しか出ていないでしょう。発表ということじゃないんです。私がきのう知っておれば、なぜ言わないか。むろんあんなこと知っておるはずないですよ。発表でもないんです。私は、やっぱり日中間の接触というものは考えなければならぬけれども、あまりかね太鼓の――それはいま言われたように、向こう自身の立場もあるでしょうから、そういうかね太鼓の接触というのは私は好まないです、私自身が。やはり静かに、いろいろなそういう機会に、あらゆる機会にお互いに日中関係というものは改善していかなければならぬでしょう、長い長期的展望ならば。それだから、非常にその間慎重な配慮が要るということで、前から知っておるならこれは申し上げるし、発表ならね、発表ということなら、これはもう各紙に出ている。そういうことでございます。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 午前中はこの程度とし、午後は一時に再開いたします。  それでは休憩いたします。    午後零時十一分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十五分開会

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件  及び原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件  以上二案件を便宜一括して議題といたします。  午前に引き続き、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 こまかいことを聞いてから、まとまった質問をします。  第一点の、アメリカは濃縮ウラン二百十五トンをユーラトムに供給する。それから日本には百六十一トンですね、供給が。この違いは、もちろんユーラトムの各関係国の発電計画によって違うだろうが、この量の違いをちょっと教えていただきたい。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 日米協定のウラン二三五、百六十一トンは、附表に掲げております十三基、すなわち今後五年間に着工いたしまして大体昭和五十年までにでき上がる設備を対象にいたしまして、それが三十年の間運転するに必要な燃料を積算をいたしまして向こうに要求いたしましたものを向こうが合意してくれた、こういうものでございます。ユーラトムの積算につきましては、私ども直接タッチしておりませんので、わかりませんが、やはりそれらの関連のある国の所要量を積算したものではないかと想像いたしますが、外務省のほうで何かお答えがあるかもしれません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ということは、向こうのほうは、イタリアでもベルギーでもみんなやっていますね。やっているからわりに多くない、差があまり多くないので、もっと向こうはほしいのじゃないかと思うのだが、量が比較的少ないような感じを受けたので聞いたのです。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ユーラトムの六カ国で二百十五トン、これはこの協定の期間が三十五年でございますから、日本より五年長い期間であり、しかも六カ国に対して二百十五トン、日本は三十年で、日本一カ国で百六十一トン、お説のとおり、日本の量が非常に多いわけでございます。ちなみに、ほかの国との協定――ユーフトム以外の国とアメリカとの協定を考えましても、一番多いのはスウェーデン、これは協定は三十年間でございますが五十トンでございます。非常に少ないのでございますが、こういうわけで、百六十一トンというのは、ほかの国に比べまして非常に多い量であるということだけは申し上げることができると思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 やはり日本は自分のことばかり考えているのじゃなくて、欧州のこういう国々の各国別のウランの必要量というものが、何かどこかに出ているのじゃないですか。もうできているもの、いま建設中、将来の計画、そういったことで、合わせれば二百十五トンになるのだというようなことでね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ユーラトムは六カ国一緒でございますが、実はユーラトム内部でどういうふうに割り振り、あるいは二百十五トンの積算の基盤がどうであるかということは、実は私どもいまのところ資料を持っておりません。各国相互的な協定においては、おそらくその国々の計画に合わせたのだと思いますが、いま申し上げましたとおりに、日本と比べると非常に少ない量になっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 聞きたいことはとうとう聞かしてもらえぬが、やはりそれぐらいのことは当然知っていていいことなので、少し怠慢の傾きがあるような感じがします。このくらいのことはさっと覚えておかなければいけない。御注意だけ申し上げて次に移ります。  例の免責規定というのが、古い日英協定と、いまの新しい日米協定にもあるはずですね。燃料が引き渡されたあとに、それから生ずる損害賠償の責任ということが、日米協定では八条の一に書いてあるわけだが、賠償の責任ということの意味はまずどういうことか知りたいと思います。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 日米協定の免責八条Ⅰ項でございますが、これはまず第一に、両国政府間の免責でございます。そして、一方的じゃなくて一応双務的なかっこうになっております。政府間の免責であり、それからまた、これは免責が問題になるのは、所有権が移転する場合ではございませんで、たとえばアメリカ政府から日本政府が核燃料その他の賃借りをする、そういう場合だけの問題でございますが、なぜその場合だけを問題にしたかと申しますと、これは国内法でも国際法でも同じでございますが、賃借りの場合は、所有権がまだ向こうにあるわけでございます。したがって、占有権と申しますか、実際の核燃料が日本の手にあっても、そこで問題を起こした場合には、所有権がまだアメリカに残っておりますので、それでその所有権を理由に責任を追及されるというようなことでは困る。これは国内法でも起こる問題だと思います。したがって、日本政府に所有権を移してしまったことについてはこの免責の問題はないわけでございます。賃借りの場合だけです。そして八条Ⅰ項は政府間だけの問題でありますが、民間の場合はどうなるかと申しますと、これはもちろん日本の民間とたとえばアメリカ側という場合には、そのときの契約できまるわけでございますけれども、やはりその場合でも、所有権を移転する場合は問題ないけれども、賃借りの場合はそういう問題が起こり得るのではないか。これは交換公文の4に念のためにそういうことは書いてあります。すなわち、免責は賃借りの場合の法律的な必要からここに規定されてある、こういうことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、民間と政府の契約でまた新たに契約をして、賃借りの場合どう、所有権が移転した場合どうというふうなことで、民間の会社とかりにAECとやれば、その間の契約でどっちともなるわけですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) おっしゃるとおりでありまして、この八条Ⅰ項は政府間で賃借りする場合だけでございまして、一方、民間の場合は契約によるのがたてまえであるけれども、そういう問題が起こり得るということを念のため交換公文で書いてある、こういうことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 その古いイギリスとの協定――現行のイギリスの協定にはこの条項が、日本と対等のような――損害があった場合の保険の制度ですか、対等であるがために削除し、日本とアメリカではそういう損害の保険の制度が違うためにこの規定がアメリカの場合には置かれた。イギリスの場合には、日本とイギリスが同じなためにドロップされたのだというようなことを聞くのですが、どういうことなんですか、その損害保険制度とかというのは。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) この日英の現行協定には、御指摘のとおり、これと同じような規定があったわけでございます。それは現行協定を結びましたときには、日英両政府間で核燃料の賃貸ということが考えられておったわけでございます。しかし、現状におきましては、日英両政府間で核燃料の賃貸が行なわれるという情勢にはないものでございますから、したがって、日英協定の新協定ではこの条項が落ちたということでございますが、日英協定も日米協定も、現行の日英とそれから日米協定と比べますと大体同じで、まあ文章上は双務的に書いてあるわけでございます。すなわち、日本政府とアメリカ政府がお互いにそういう場合は免責する。そういう意味では双務的になっておるということでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 その原子力災害について、アメリカでは五億ドルまで国家の賠償の責任があるということになっており、日本の損害の保険制度では五十億とかいうのですが、私は詳しく知らないもので、そういう説明をしてもらいたい。突っ込むだけ詳しく知りませんから、その五億ドル、五十億という制度の問題。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) おっしゃるとおり、アメリカの損害賠償制度では五億ドルということを限度にした制度になっております。わが国におきましては、原子力損害賠償法に基づきまして、その原子炉等を設置する者に無過失責任が集中をされてきまして、原子炉の許可条件の一つに五十億円を限度とす損害賠償の措置をとるということが義務づけられておるわけでございます。しかしながら、それを上回るものにつきましても、法律上の責任は設置者に集中されておるという形になっておるわけであります。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 総体的に見ると、この日英と日米との協定を比べてみますと、なかなかおもしろいのは、日英協定というのは、何が書いてあるのだかわからない。日英協定のほうは、こたつで一ぱい飲みながら読んでも、なるほどと、こうわかるようにできている。もともと問題がむずかしいところへ持ってきて、非常にややこしいのですね。しかし、また相違点は、日英のほうは何となく、日本のメンツをつぶさないように同じような条件になっている。日米のほうは、いろいろなところで注釈みたいなものがあって、よく何べんも聞かなけりゃわからない。それでもわからないというような、注釈みたいなものがごてごてとこれはくっついている。これはもっとすっきり日米のはできなかったのかどうか。条約の形式で申し上げるのだが、内容はあとから尋ねますが、どうしてこういうようにややこしいのか。もっと整とんできなかったのか。これは専門家の皆さんはわかりますよ。外務省は原子力のことは、内容はわからぬけれども形式は知っているでしょうし、科学技術庁は、内容さえ入っていれば形式はそっちにおまかせするというので、科学技術庁に聞いてもあまりこれは条約そのものはわからない、説明は。明快にできない、実体は説明できても。外務省は、実体はできないが、形式ができる。こういう形式がどうして片一方の日英のほうはこうすっきりしているのか。だれかのお話によると、日英交渉にあたっては、日本でこしらえた協定案文をイギリスにのませたからよくわかるようになっているのだと手柄のようなお話も聞きましたが、なぜこういうふうにややこしいのか、交渉の経過、その説明を、まずひとつ形式論の代表のほうから聞きます。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 日英協定が非常にわかりがいいのに日米協定がわかりにくい点は私どもも同感でございます。それで、その原因でございますが、まず何と申しましても内容が非常に違っております。なぜ内容が違っておるかと申しますと、一番の問題は、日英は、言ってみれば両国間の技術協力という面が非常に強いわけでございます。ところが日米間の条約では、一番の問題は、百六十一トンの濃縮ウランをアメリカが日本に売る義務を負っておる、それに対して日本がそれを買い取る義務を負っていないというところから非常にこまかい問題が起こってくるわけでございます。と申しますのは、百六十一トンを売る義務は負ったけれども買う義務がないという法律関係の場合に、それを実際に実施します場合に実施上の問題が種々起こりますから、それに対していろいろな規定を加えてきたというのが日米協定の非常に技術的に複雑になっておるゆえんでございます。たとえば百六十一トンを売る義務があるけれども日本が百六十一トンを買わなかったらどうするか。あるいは計画の変更というものができるか。これは八条等に書いてあります。こういうような日英協定にない問題が入ってきたということが、これは条約の実体の違うということがやはり一番大きいわかりにくい複雑な規定になった理由であると考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 イギリスのほうはやさしくすうっと頭に入るというのはどういう理由なんですか。単なる技術的だということですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ただいま申しましたように、日英協定においてはいわば両国の技術協力ということで、百六十一トンを売る義務を負ったけれども片一方は買う義務がないという、そういうような関係が日英にはないわけでございます。それで非常にすっきりしておる。こういうことは言えると思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 日英の場合は、読んで字のとおり文章のとおりに双務的に万事がなっておりますね。違うところは、イギリスが燃料を供給するというところだけが片道になっていて、あとは全部双務になっているからすうっと書ける。片方の日米の場合は、保障措置あたりは、アメリカがイギリス式にやるならばすうっと同じ文章で書けるのがそう書いてない。こういうところが大きな違いじゃないかと思うのですね。それともう一つは、日米協定を読んだ感じでは、ひがみかもしらぬが、何か後進国日本が原子力で追いついてくるということを規制しようというつもりはないかもしらぬが、うれしいようなちょっと心配なような、それから、何といったって二十三年前はけんかをやっていたのですから、その国を急にかわいがって応援するといったような気分がにじみ出ているのですが、これはひがみかな。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 私どもはそれはちょっとひがみじゃないかと思うのでございますが、先ほど申しましたように、日米協定は、アメリカが百六十一トン――まあその他もございますが――これを供給する義務を負っておるけれども、日本はそれを受け取る義務を負っていない。そこからいろいろ複雑な問題、あるいは保障措置の問題にいたしましても、アメリカが供給するということがこの協定の骨子でございます。それにつれられて、この保障措置の一部が、日英と違いまして、アメリカの査察を受けるというような規定になっている。これは、相手がアメリカだからとか、そういうのではなくて、アメリカはイギリスと違って、日本の現在のこの計画にあります十三基の三十年分の濃縮ウランを供給することをコミットしておる、しかも、日本はこれを買う義務を負っていない、そこから来る問題だろうと私どもは考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これをもう一回説明してください。よくわからないのですが、原子力機関の査察という問題、日本は原子力機関の査察を、いずれこの協定を結んだあと原子力機関の査察を――アメリカ、日本と組んで契約をするのでしょうが――とにかく日本は受ける。アメリカはこれを受けるのでしょうね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) この協定ができましたあと、日米及び原子力機関でつくります査察の協定は、これは日本に関する査察の問題だけでございます。ただアメリカは、核防条約ができて、非核保有国の査察一般について国際原子力機関との交渉の後、一般的な査察ができてくれば、自分の国の平和利用については査察を受ける、こう申しております。したがいまして、その段階になりますれば、アメリカと原子力機関との協定ができて、それによって査察を受ける、こういうふうになるわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは説明を聞いているんですよ。そうすると、核防条約ができたあとはアメリカも原子力機関の査察は受ける、こういうことですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) アメリカの原子力の平和利用の部門については査察を受けるということになっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それまでは日米のこの協定ではアメリカはこの適用を受けない、こういうことですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) そのとおりでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連。  これは一部の外電の報道なんですが、核拡散防止条約に調印しないかあるいはまた査察を拒否する国については、平和利用についての援助をしない、ただし、それをおどしと見られるのは困るので、表現はあからさまなことばは使わないといわれておるが、そういうことがあるのかどうか。これは外電が伝えておる。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 外電に伝えられたことは承知しておりますが、アメリカ側がそういう意図を持っておるということはないとわれわれは考えております。そういうことをアメリカがわれわれに言ったこともございませんし、ほかの国に言ったこともない。もっとも核防条約に入らない、そうしてアメリカからたとえば核燃料をもらう場合には、アメリカとしては、いま御審議を願っておるような双務協定、これなしに援助をしない。そうすると、こういう協定というものは、すべてアメリカが結んでおる――イギリスもそうで言いますが――双務協定は、必ず査察ということを条件として協力しておる、こういうことで、ございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、核防条約が、かりに必要の参加国をもって成立したときに、日本がたまたままだ加盟してなかった、その際でも、この約束は二国間の協定によって履行してくれるのですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) これは当然でございまして、現行協定にかわって新しい協定ができれば、その協定に基づいてアメリカ及び日米間が協力するわけでございますが、もちろん、御承知のとおり、この協定でも、査察の部分等は核防条約ができたら改正するということになっております。それだけのことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ただいまお話のあった改正条項の意味を説明してもらいたいのです。交換公文の8「両当事国政府は、協定の規定がその時に存在する新しい状況に対処するに不適当となったときはいつでも、協定の規定を改正する目的をもって相互に協議する。」、よく答弁を聞いておりますと、必ず協議するんだというふうなことを簡単に言っていますが、必ず協議するんではないですね。まず、その一点を先に聞きます。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) いま御指摘になりました8項の前半でございますが、これは言うまでもなく、協定が三十年でございまして、原子力の平和利用が技術的に言って三十年間どのように発達するかということは、いまからなかなか予測ができない。したがって、この協定の問題になっております原子力平和開発というものが技術的に非常に変わってくるということがいまから予想されるわけでございます。したがって、原則として、そういう場合は両国が協議して改定するということでございまして、具体的に一方の国が事情が変わったと言い、他方の国が事情が変わらぬと言う、こういうことまでこの文章で解決されてないわけでございますが、原則だけうたっておるわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それで、その次の段階で、ただしということになるんでしょうね。そういう協議する場合には、お互いが核防条約の当事国によってしてもらわなければ困る、こういうことですな。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) この後半のところは、前の原則を受けまして、両当事国が核防条約に入った場合には、これは入ったことだけで新しい状況になったんだと認めるんだということでございます。したがって、この場合は、必ず協議が行なわれるということでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、前段の「その時に存在する新しい状況」というのは、核拡散防止条約だけをさすのですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) そうではございませんで、前段はいま申しましたとおりに、原則を言っておるわけでございます。そして後段は、かりに核防条約ができても、ほかの技術的なものがまだ進歩していないという状態があっても、核防条約に入ったということがあれば、これはそれだけで解決するんだということでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすれば、これから日本も入る核防条約の成立に必要なる参加国があって効力が発生する、それが来年の暮れとすれば、この協定に、この点を考え直してもらいたいという点があったならば、相談は行なわれるんですね、直ちに。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) おっしゃるとおりでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この日英のほう、ちょっと聞かしてもらいたいのだが、日英のほうには、このように百六十一トンをもらうんだということが書いてない。ただ抽象的に、原子力の開発に協力しようとなっていますが、これはいままでは東海村にある原発には十六万六千キロワットの発電所の燃料の供給であったと思うのだが、その燃料の量を引き続き三十年間にどうしようと言うんですか。ただその一基だけの燃料を今後とも上げましょう、あるいはまた、もし日本が、書いてないからそうはないんだと思うのだが、日本がイギリスから原子炉でも買えば一番いい例と思うのだが、イギリスから原子炉を買う、そうしたら燃料も上げましょうというようなことも含んでいるのか、その事情だけを説明してください。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) お話にありましたように、イギリスから買った原子炉に使う燃料については、日本側が要求すれば供給しましょう、こういうことでございますので、東海村の原子炉以外に、今後イギリスから原子炉を導入するとすれば、そこに入れる燃料も対象になり得るわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 現在どのくらいこれまでイギリスから買い、あるいは、これから三十年間に、いまある炉の燃料だけと仮定して、年次別でもいい。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 現在東海村に動いております原子力発電所の燃料につきまして、原子力発電会社はさしあたり三十八年から十年間の契約をいたしておりまして、燃料は七百五十トンになるわけでございますが、いままでに入れましたのは、まず最初に炉の中に入れますものとして二百十トン、それからその次に七十トンくらい、二回に分けて投入をいたしております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 三十八年から四十九年の十年間――そうすると、四十年からいまは四十三年、その後はどうなっていますか。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 三十八年から十年間に七百五十トンを入れる、こういうことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 四十九年まで、それまでの、いまの分は契約できて、あとのことはきまっていない。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) はい。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは炉の問題ですが、イギリスが、いろいろな新聞でもありました、ときどき事故を起こしているのですがね、今後とも英国の輸入というのはあるのか、やはりいま軽水炉のほうがぐあいがいいという状況なのか、値段の点もあるし、それから能力の点もあるし、経済性、そういう点から見て、買おうとしている、あるいは建設中の軽水炉のほうがいいのですか、質の問題。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 日本原子力発電会社は当初の企業もくろみに沿いまして、イギリス型の炉を一基、それからアメリカ型の炉を一基入れる、こういう方針のもとに進められてまいりまして、イギリスからのものは、いまお話の出ました東海村に運転しておりますいわゆるコールダーホール型の天燃ウランガス冷却タイプでございます。引き続きまして二つ目を敦賀に建設中でございますが、これはアメリカの軽水炉で低濃縮ウランを使うものでございますが、ところで、そのあと引き続いて建設を計画しております九電力会社においては、現在のところ、技術的に経済的に、やはりアメリカの軽水炉型がよりよろしい、こういう判断でその大部分が当分の間軽水炉で計画されているというのが実情でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで、平和利用の中に核爆発装置ということばが出てまいります。核爆発そのものは、これはまあ兵器の実験に当たるのだろうが、核爆発装置というもの、これもいまのところでは、軍事的と平和的との区別がつけにくいからだめだとされておりますね。そのうち、技術の進歩で平和と軍事との区別がはっきりわかるようになってきたという場合には、平和利用の促進というときに、どしうてもこれをやりたくなるでしょう、やらなくちゃならない。いまはそういう時期が近くに予想――近くとは、五年なり十年には必ずできるのじゃないかという技術的な可能性はどうなっておるのかが一つ。  それから、その核爆発装置というものは、これは平和維持に、軍用と区別できるというなら、ぜひやりたいというものの大きな一つに入ると思うのだが、その点を伺いたい。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 核爆発装置につきましては、現段階におきましては、軍事利用と平和利用とによりまして、その装置の区別がつけがたい、こういうように考えております。核防条約もそういう考え方から核爆発装置をとらえていると了解しておるところでございますが、お話しのように、将来この核爆発装置が、たとえば地下資源の開発とか、あるいは大規模土木工事等に使用される可能性はあるわけでございますので、そういう事態に至りますれば、わが国におきましても、そういう利用につきまして当然研究し、考えていかなければならないと思います。現在聞くところによりますと、アメリカ等におきましては、試験的な形で、先ほど例示しましたような平和目的への利用について努力が重ねられておる、こういうことを聞いておりますが、現段階におきまして、わが国においては、まだそこまでいっておらない段階でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 現在の、このいまでき上がった米ソ核防条約草案は、これは平和と軍事が分けられないのだというたてまえでできている条約ですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) おっしゃるとおりでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすれば、もしそういうことがはっきり実証されるような時期が来れば、条約のたてまえも――たてまえと言っちゃ大げさかもしれないが、この点に大きな改正が平和利用の面で行なわれなければならない、核防条約の改正ですね、そう思うのですが、改正の規定はどうなっているのですかね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 改正の規定は核防条約にございますが、三分の二の賛成、そうして核保有国でその条約の当事者である国の賛成を含む、こういう手続で改正されることになっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 核兵器国――加盟国でいま持っておる核兵器国を含めてということになると、ちょうど安保理事会のようなもので、事実上の拒否権が行なわれるのじゃないですか。三分の二以上の国の賛成があっても、入っているのがソ連、アメリカ、フランス、イギリス、まあ中国はないとすれば、こういう国のどこかが困るとすれば、三分の二があってもつぶれてしまうわけですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) おっしゃるとおりでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで、鶴岡大使が国連で核防条約――核拡散防止条約の問題について演説をした。わりによくできていると思うのです。たまにはほめろと言うから、少しはほめておきます。しかし、ここだというところは表現が弱い。たとえば有効期限の「二十五年という非常に永い期間、この義務を負うよう要請されているのである。これは、非核兵器国にとっては極めて深刻な問題であり、」と、非常に深刻がっているのですよ、あっちこっちで。その次のページの初めから三行目ぐらいにも、「一層この問題は深刻である。」と、深刻だからどうするのだということがどこにも書いてない。一通りやさしくずっとなでている。ここだということがなければワサビはきかない。しかし、まあ、ねらいは一応国民が言いたいことも取り入れられているようです。しかし、解決案がない。  そこで伺いたいのは、ここでいろいろなでてさわっておりますが、ここで演説をした趣旨とこの日米協定はどの条項もぴったり合っているのですか。ここで演説した気分と日米協定が違う点、気持ちを、具体的に協定にした場合には、思いのとおりにはいってないという個所があったら、鶴岡演説を中心に、そういう面からひとつあなたの感想を聞きたい。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) このニューヨークで審議されている核防条約は、これはこの取り扱っている問題はいまの日米間の現在審議願っております協定よりも非常に広いわけでございます。したがいまして、日米協定と、それから鶴岡代表が触れられた諸問題との関係ということになりますと、どうしても平和利用の問題ことに査察の問題が主眼点になると思います。それで、鶴岡代表の強調された査察の問題点から申しますと、元来日米協定における査察の規定というものは双務協定でございますから、アメリカが日本を査察する、実際上はそうなっております。そして査察そのものの規定は相当厳格に読めるような協定になっております。しかし、実際は国際原子力機関でやられているのでございますが、核防条約ができたときの査察の問題を鶴岡代表は問題にしておられるわけでございますが、もちろん、昨日来ここで議論になっております査察の簡素化――簡素化というのは、かりに日本が査察を受ける場合に、日本の商業機密その他を取られては困るという、それから、ほかの国との差別があってはいかぬという、こういう点を強調されておるわけでございますが、その点においては、現行協定そのものでいいという立場ではないのでございます。これをもっと簡素化する。それから不平等があってはいかぬというのは、実は日米間の協定の規定とは関係ございませんが、これも鶴岡代表が非常に強調した点でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 まあ査察の点など読んで見ると、偏見をなるべくとって、冷静にとつとめながら読んでも、大いにこの鶴岡代表が国連総会決議を引用してがんばった「一方的な義務が非核兵器国に課せられてはならない」、持っている国と持たない国、核兵器を持つ国と持たない国の相互の責任と義務というものは均衡しなければならないのだという、演説の冒頭に強く主張した点、これはやはり日米協定に、アメリカの原子力の行政といいますか、違いはあるにしても、強調したそのままの均衡がとれていないということは言えるんじゃないか。鶴岡さんが曲調したようなことが査察の条項、保障措置のところにはっきりうたわれていないということは言えるんじゃないかな。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ただいま申しましたとおり、鶴岡代表が強調されました査察の問題は、この日米協定と同じような規定の査察を受けることは将来困ると言っているのでございます。そういう意味で、日米協定の内容と鶴岡代表が希望されました査察の内容が違っております。ただ、経過的に申しますと、日米協定が実際上交渉の結果できましたときには、まだ核防条約の査察の条項はなかったのでございます。その直後に入った核防条約の査察の条項に対して鶴岡代表は意見を述べた、こういうことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、私もそう思うのだが、それを直したければ、核防条約でもできたら入ってこい、入ってくれば、そのときにはいつでも協議するという条項が発動して平らにすることもでき得るわけですね。だから、何か前のほうに囲いがしてあって、文句があれば入ってこいと言わぬばかりに感じられるが、どうですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 前から申し上げておりますように、日米協定の査察の条項は、実は実施されていないわけでございます。実際上は国際原子力機関の査察で行なわれる、こういうことでございますから、いまおっしゃたように、核防条約に入ってこなければ、これを変えないと、そういうことではないので、交換公文に書いてありますのは、原則として情勢が変われば変わるのがあたりまえだ、核防条約に入ったときにはもちろん変わるのだ、これだけのことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いまの規約改正のところでちょっとひっかかるのは、新しい状況――日本語で新しい状況になったら相談すると、核防条約にでも入れば、もちろん強い相談もできるのだという二段がまえですね。前段と後段は二段に分かれていると私は思うのですが、それでいいですかね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) さようでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 鶴岡演説の反響はどういうふうであったのか、また、新聞ではたよりないことが出ているのか、いまの国連の審議の中で、二、三の国々はいろいろな批判をしております。その中で、日本は一体どういうような態度をとるのかとうかがって見ていると、自分の言いたいことはそれぞれの国の批判の中に少しずつ入っているから、あえて言う必要もないという、このあちらこちらに入っていることでは弱いのだな。やはり自分の言いたいことを強くやることが決議、レゾリュートするのだから、やはり大きな会議場でたくさんの国を引っぱるときは、決議案を出す、あるいは自分がよその国の、ちょこちょこ入っている国々を引っぱり込んで共同提案国にして、決議案で国連の場で大いにそれこそ主導権をとっていくというようなことにはならないのですか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) おっしゃるように、日本が主張する以上は、それを貫かなければならぬという気持ちのもとに、いままでもそうでございますし、いまもそれに全力をあげておるのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これはまだ審議の過程だからそこまで、これからの時間も見なければならないが、不拡散条約に対する鶴岡演説、すなわち、外務省の方針から見ても、そうやすやすとは飛び込んではオーケーはできないことだろと思うが、この不拡散条約は、賛成国、いつころまでにつくろうと米ソはばかっておるのですか、タイムリミットというか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) これは大きな会議でございますから、この中でアメリカなりソ連が自分のスケジュールをつくったところで、なかなかそのとおりにならない。ただ言えますことは、なるべく早くあげたいと思っておるということは明白であると思いますが、それじゃどういう、あと何日間くらい、何週間くらいでということは、残念ながら見通しがつかないというのが実情ではないかと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 話は飛びますが、アメリカが日本やスペインやその他の国々、イタリアなどと結んでおる原子力利用の協定がありますね。これはいつも何かやれば一言なかるべからずのソビエトが批評をしてないようでありますね。日米原子力協定、これまた、ウランをえさにして帝国主義がまた何かやっておると言いそうなものだが、何も言わないところを見ると、この原子力に関する限りは、米ソ間は相当深い両方で話し合いができていて、目をつぶっておる。この程度の協定ならば、まず、かつての帝国日本も原子力平和利用に名をかりて、プルトニウムをどんどんこしらえて、へたをすれば変なこいをやりはせぬかという心配がないような安心感を持っておるように見えるのだが、私の見通しは違いますか。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) 御承知のように、いま出ております核防条約は、米ソの間で非常に長い期間にわたって交渉が行なわれ、その結果出てきたものでございます。そうして現在国連で審議しておる状況から考えましても、お説のとおり、この条約に関する限りは、アメリカもソ連も意見の違いはなく、両方でこれを推進しておる、こういうふうに了解をしております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ちょっと私も不勉強なんですが、核防条約ができたときには、アメリカは国際原子力機関の査察を受ける、平和利用に関しては受ける、ソ連はどうでしたかね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ソ連は、いままでそうした要望、方々から出ております。日本からも盛んに出ておりますが、査察を受けることをいままでは拒否しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いままでは拒否している。その拒否している理由は、自分は核兵器を持って製造してやっているのに、平和利用なんかの査察なんということは、軍事利用から見れば小さなことだ。持っておるものが持たない国の平和利用のような査察は必要ないということなんですかね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ソ連側の説明は、この核防条約は核の不拡散の条約である。そうして核兵器を持っておる国には初めから査察が要らない理屈ではないか、こういうふうに申しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 なるほど、あそこは理屈っぽい国ですから、不拡散と書いてあるのだから、持たない国が持つからあぶなくなるのだから、持たないやつを押えようという条約だから、おれは関係ない。これは私はもっともだと思う。そんなら条約を別個に提案したらどうですか、持っておるものだけを縛る条約を、弱いやつが全部集まって、おまえやれというやつを、国連参加国百三十になったか――百二十五くらいか集まって、二つつくるということもできるのですね。別個の条約、持っておる国の軍縮をやれの、査察を受けろのということも言えるわけだな。そんな決議案もできるわけですね。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) ソ連の態度に対しまして、われわれの考えは、なるほど、核兵器の不拡散ということがこの条約、核防条約でございますが、目的の一つではあるけれども、しかし、軍縮の促進というのも目的の一つであることには変わりはない。そうしてソ連といえども、軍縮をやっていくためには、やはり査察というものを受けてしかるべきではないかという態度をとっておるわけでございますが、しかし、いままでのところは、ソ連はアメリカ、イギリスと違いまして、査察を受けるということは言っておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは、核防条約の行くえというのは、これからの経過はどういう経過をたどっていくのか。いま国連で審議しておりますが、どういう順序でこれが成立するようなことになるのか、その想像される過程を言ってください。

重光晶外務省国際連合局長

○政府委員(重光晶君) このいま審議しております――第一委員会でございますが、そこでは、公式に言いますと、米ソの条約案を認めるという決議案が、米ソ及び約二十五、六カ国の共同提案で出ております。しかし、実際は、各国が一般討論と申しますか、それを初めからいままで続けておるわけで、今日まで大体五十カ国ぐらいこの演説を終えております。あと三十カ国ちょっとぐらいが残っておる。そうして、そういう一般討論が終えたならば、それでは具体的にどういうふうにするか、それから現在正式に提出されておるいま申しました決議案以外に、いろいろな決議案を出そうという動きが、ことに非核保有国の間にいろいろございます。いろいろございますが、これがまだ具体的なかっこうになって正式に議場に提案されるという状態にはない、これが現状でございます。したがって、これからどういうふうになるかということ、それから、どのくらいかかるかということについては、先ほど申しましたとおりに、ちょっと見通しがつかないという状態でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それでは、核防条約から離れて、また電力会社のほうに話を戻して、九電力でこれから大いに張り切ってやるわけです。人の問題もたいへんな問題だと思います、ことに新しくつくるんですから。そんなに人が余っているとも思えない。大学生の青田刈りぐらいやらなくちゃ間に合わないくらいでしょう。どうやって人員を集めていくのか。それからまた、十三基以外に三十数基もたぶんここ十年くらいでつくらなければならない。つくり始めるんでしょう。これは土地の手当てもたいへんだろう。金の手当てもたいへんだろう。そこらのところをもう少し詳しく系統的にお話をしてもらいたい。人、金、そういう敷地が一体あるのか。九電力といえば、全国にまたがって広がっているんですから、ある場合には東北電力が、中部電力は少し遠過ぎるけれども、東電のほうの地域内に、配電区域内に入りたいときもあるでしょう。立地条件というものも限られますからね。そう山奥の不便な羽黒山のてっぺんに東北電力を建てるというわけにはいくまい。きまってくる。土地の確保、道路、そういうことはどういうふうにおやりになろうとしておるのか、確信のあるところをひとつ御説明をしてもらいたい。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 九電力会社におきましては、年々五千億前後の投資をいたしまして、水火力発電所その他の設備をやっておるわけでございまして、年々建設される発電所も四、五百万キロに及んできておるわけでございます。原子力はその一部であるわけでございまして、将来やるべき火力発電所が順次原子力発電所の建設に振りかわっていくと、こういうことにいま考えられるわけでございます。原子力の技術者は各方面にわたるわけでございますけれども、電力会社で必要とする技術者は、その大部分は、従来火力発電所等の建設、運転に必要であったような職種でまかなわれるわけでございます。現在までも原子力研究所でありますとか、あるいは海外派遣等によりまして、原子炉の建設、運転ということに携わるべき人材の養成につとめてきております。現に福島地点あるいは美浜地点、敦賀地点等で建設中の発電所の工事につきましても、将来の建設要員あるいは運転要員の養成も兼ねまして行なわれておるということでございまして、将来の原子力発電所の計画を遂行するに必要な人員確保につきましては、各電力会社責任を持って行なわれておる、こう考えております。  なお、資金の点につきまして申し上げますと、かりにこの協定の附表に掲げられております十三基をとってみますと、大体これが六百万キロワット強になるわけでございますけれども、これを行ないます総建設資金は約五千億程度になるものと考えられるわけでございまして、これが昭和五十年ごろまでの建設に必要な金と、こういうことになるわけでございまして、現在の全体の電力会社の建設投資の二割ぐらいは占めていくであろう、こういうふうに考えられるのでございます。これらは現在の電力会社の資金調達方法、具体的に申しますと、増資とか、あるいは内部留保とか、あるいは社債とかということによりまして確保できるものと考えております。なお、開銀資金等の融資につきましても、できるだけ行なうよう、通産省を中心といたしまして検討されておるのでございます。  なお、立地の問題でございますが、この附表に掲げられております建設中のところはもちろんでございますが、計画中のものにつきましても、たとえば東京二号、関西二号等につきましては、それぞれ福島あるいは美浜地点への増設の形で行なわれますので、土地の確保はすでにできておると考えてよろしいわけでございますし、その他の電力会社につきましても、一、二の候補地点をすでに交渉中であるとか、あるいは準備中である、こういう状態でございまして、おおむね所期のスケジュールに沿って計画を進めることは可能であろうかと考えます。  なお、お話のとおり、この十三基だけでは足りないわけでございまして、次々と追加されていかなければならぬ、そのための用地の手配等につきましては、もちろん非常な努力は必要とすると思いますけれども、それぞれの電力会社でも幾つかの候補地点を調査することに努力しております。それからまた、国のほうといたしましては、数年前から予算を持ちまして先導的な概略調査を行なっておりまして、すでに全国二十カ地点ぐらいにわたりましての概略調査を終えて、今後も継続する計画も持っておるわけでございますが、それら国の概略調査の地点の中から、すでに具体的に電力会社が企業者調査として取り上げて実施に移そうとしている地点も数カ地点にあらわれてきておるというような現状でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これで質問終わりますが、一つ補足質問します。さっき人員の話で具体的に何名くらい要るんだとか、あるいは、いまの電力会社の人で間に合うというようなふうにも聞こえるし、これほど大きな大事業ですから、原子力大学、短期大学も必要だろうし、あるいは各官公私立の大学でも理工学部の学生を特に養成するという、採用人員の増加とか、いろいろ計画もあるだろうと思うんです。いまのままでやっていけないことは確かだと思う。その点はどんなふうになっていますか。これで終わりにします。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) 原子力開発を進めていくにつきましては、電気事業者だけでなくて、原子炉や、あるいは燃料をつくりますメーカーのほうに相当専門の技術者を確保しなきゃならぬという問題がございますし、さらに関連の基礎研究を行ないます原子力研究所でありますとか、あるいは動燃事業団でありますとか、そういう開発部門に優秀な技術者が必要である、こういうことになろうかと思います。それらを総合をいたしますと、この原子力委員会で去年つくりました長期計画にも載っておりますように、たとえば原子炉専門技術者は昭和五十年までに三千人程度要るとか、あるいは燃料関係の技術者といたしまして二千人程度要りますとか、あるいは、やや違った面で放射線利用科学技術者としては一万一千人要るというような一応構想はございまして、それらを大学あるいは大学院における原子力専門講座の養成に待つ面とか、あるいは原子力研究所等に附置されております養成機関の養成に待つとか、あるいは先ほど触れました電力会社等におきましては、それらの新しい新人のほかに、従来火力発電所の建設や運転に従事しておりました機械技術者、電気技術者等を原子力の部門に振り向けていくというようなことによりまして大体確保すると、こういう構想になっておるのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 持っているのは何。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) これは四月に出ました原子力委員会の原子力開発利用長期計画の。パンフレットでございまして、後ほど先生のお手元にお届けいたします。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私のは簡単で一、二問であります。  そこで、いまの原料供給の主たる国はアメリカです。そこで、今後日本の自主開発も含めてアメリカを主たる供給国とする現状をいつごろ脱却し得るかということですね。たとえばソ連は余力があっても供給しない。イギリスも限度がある。フランスはまだそういう輸出はしてない。カナダには若干の力がある。そこで、日本の自主開発を含めて今後、何もかもほとんど大部分アメリカに依存しているというような状態です。いつ脱却できるか、これはソ連の輸出が可能かどうかという問題、フランス等の現状にもかかわりますけれどもね。どの程度を想定されておりますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 大体四十五年前後までには、これから五年前後までには十三基でございます。そこで、やはり軽水炉を使っていく場合にも、濃縮技術者が現在日本にございませんから、どうしても五十年代後半前後で、あるいは濃縮技術が日本で開発でき実用に供される時代になるのではないか。また、他の方面から見ますと、軽水炉あるいは転換炉あるいは増殖炉というのが実用に供せられることになりますと、脱却して、いわばアメリカから微濃縮なり濃縮ウランの供給を受けないで済むだろう。それも、大体転換炉にしましても四十九年前後、増殖炉にしましても五十年ないし五十一年、それくらいに原型炉ができる計画を立てておりますから、それが実際実用になっていくということになると、昭和五十年代の半ば前後、大体昭和五十五年といいましょうか、その前後には少なくとも加工技術等も相当日本ではできてきておると思いますし、これはもっと早くできると思います。したがって、その前後から脱却の時代に入るのではないかと一応考えられます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから現在は電力が中心で、わずかに原子力船が一隻というのですが、船のほうについては、今後この電力のような計画というものが、さらに新しい建造の計画はないのかどうか。ついでにお伺いしますが、この電力、船以外に、さらに原子力燃料を使って何らかの工業上の用途に供するというような計画はいまあるのかないのか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 原子力船につきましては、大体本年起工、そして四十七年前後に第一船が建造される。これは特殊貨物船と言っているわけでございますが、この点はまだまだ、いわば訓練用あるいは操作用試験船の域を脱しません。したがって、原子力船事業団で日本が国としてやるわけです。そこで、先般来二回ほど、日本船主協会あるいは日本造船工業会そのほかとお集まりになっていろいろ協議をして、第二船の建造をどういうふうにするか、一つの問題は、将来におきまして、いわば原子力船というものが今日のコンテナの高速船時代に入っていくであろう、あるいは輸送船の時代、そういったいわゆる重油にかわる高速船時代が、実際にペイする、経済的に成り立つ時代というものはいつであるか。これも昭和六十年と言われる方があり、あるいは、もっと早いのじゃないかと言われる方があり、大体そういう時代でございます。したがって、第一船が昭和四十七年にできますので、やはり五十年を越えた五十年代の前半前後には、少なくとも第二船をつくらなければならぬのではないかというような意向でございまして、具体的な設計とかどうとかいうわけではございません。そういう形で入ってきております。したがって、やはりコンテナ船とすれば、三十五ノットくらい出て、十万トン、二十万トンくらいで経済的にいける船である。そういう施設を整えるかどうか、そういう時代が必ず飛行機の発達とともに来るであろう。いっそのいまの重油の船とクロスしていくかというのが問題であります。こういう話を詰めておりますので、第二船の話がだんだん固まってきつつあるという段階でございます。  そのほかには、現在、御承知のように、日本として考えるべきは、やはり淡水化の問題これは発電に付設されますものですけれども、やはりもっと早く、もう東電では第二号炉は七十万キロワット出ますが、五十万キロワットくらいの発電所は数カ所できるのであります。やはり淡水化の問題は、もっと日本として積極的に取り組んでいく必要があるのではないかと考えます。そのほか、現在、原子力としてのアイソトープの利用はもちろんでございますが、大体そんなところではないかと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ソ連が原料を供給し得る見通しは、輸出するような可能性は近い将来あるのかどうか。それからフランスは、矢田部課長さんがフランスにおられるとき、案内を受けて原子力発電を見てきたことがあるのですが、なかなか行ったときにはずいぶん、だいぶ自信満々たるものであったけれども、聞いてみると、どうも余力もなさそうなんですが、つまり、主たるアメリカ以外の国から供給し得る今後の見通し、これをひとつ聞かしていただきたいと思います。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) ソ連、フランスから原料を近い将来入手し得る見通しは考えておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 こっちでなしに、向こうに力があるかどうか。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(藤波恒雄君) その点につきましては、私からちょっと答弁できるだけの資料を持ち合わせておりません。現在。主としてカナダのウラン鉱山を目当てにしておりまして、現に電力会社では十年契約をもちまして一万五千トンくらいのウラン原料を確保しております。さらに、カナダの鉱山会社と日本の電力並びに鉱山会社との共同出資による探鉱をやりまして、見つかった場合に折半してその原料を入手する、こういういわゆる共同開発方式につきましても、すでに一件は契約が成立をいたしました。これらの方法によりまして、当分の間のウラン原料をまかないたい、こういうのが現在の計画でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ちょっと最後に総まとめして、これは総まとめだ。  たいへんな原子力関係は大きな仕事で、資金量でも規模でも、これは宇宙的なというくらい大きな仕事。資金量だって、こういうこの兆を単位とする、とても科学技術庁なんというものではこれはやり切れないと思うのですね。この行政機構の複雑さから言ってみたって、たいへんなものだ。政府部内の連絡も容易じゃない。民間との接触、それで九電力は大小があって、みんなそこに金のそろばんの高いものを持ってやられたら容易なものじゃない。これは大臣やってみて、よくわかったと思う。そこで、これは原子力省でもいいし、科学省でも、やはり防衛庁の増田さんの国防省じゃないけれども、科学省のほうが先だと思うのだね。これは三木さんあたりもよく考えておられたらいいと思う。これはほんとうに省の担当すべき内容を持ったものだと思うが、経験から鍋島長官の感想ですね、この国会終わるにあたり。それからまあ三木さんもいろいろな立場の人ですから、これはどうですかね、省に昇格。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 先に申し上げます。  省に昇格云々は、これは内閣のきめることだと思いますが、仕事の量から言いまして、実は増殖炉と転換炉を開発するここ十年ばかりの段階だけで二千億、それから十三基の原子力発電をつくるだけで約五千億以上、おそらく一兆近い金だと思います。したがって、昭和六十年度の四千万キロワットないし三千万キロワットということは百数十基の原子力発電になりますから、たいへんな、金だけでも容易ならぬことになります。そこで、いま言われますように、いまの問題はやはり庁を省に直すとかどうとか言いますよりも、やはり各省間に実際、現在は事務的配分、指導体制等々がまたがっております。たとえば一つの問題で通産、科学技術庁、運輸省あるいはそのほか各省にまたがっておる。そういう事務体制をもっとやはり、ある意味においては簡素化して、そうしていくということも、この庁を省に直す、あるいはそれ以上に必要じゃなかろうかということを痛感しておるのが現状でございます。したがって、森先生のいまの御議論には私も非常に同感する点が多いということを申し上げておきます。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 単に庁を省に昇格ということだけでは意味がないですから、原子力行政の一元化、科学技術行政というものをできるだけ一元化していくと、こういうことで省ということなら意味がある。ただいまの庁から省というだけでは、そんなに意味がない、こう思います。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 多数と認めます。よって、多数をもって本件は承認すべきものと決定いたしました。  次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 多数と認めます。よって、多数をもって本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 次に、請願第九五五号、下田駐米大使の罷免に関する請願外百六十八件を議題といたします。  まず、専門員から請願の趣旨について説明を聴取いたします。瓜生専門員。

瓜生復男常任委員会専門員

○専門員(瓜生復男君) 現在までに本委員会に付託されました請願は百六十九件でございます。  まず、九五五号外三件は、日本国民の大多数が米国のベトナム政策を支持しているとの発言をした下田大使の罷免要求を参議院で決議されたいというものであります。  次に、北鮮帰還関係は、在日朝鮮公民の帰国の権利が引き続き円滑に保障されるよう、適切な措置を講じられたいというもの、協定の無条件延長を要求するもの、及び日朝両赤十字間の会談の早期再開を要望するものであります。  次に、三三〇六号外四件は、今国会で非核武装宣言をされたいというものであります。  三五一八号外一件は、国会が北爆の即時無条件中止を要求する決議を行ない、政府をして米国にその実行を迫らせる措置をとられたいというものであります。  三五九〇号は、米国の輸入課徴金阻止のため、すみやかに強力な対策を講ぜられたいというものであります。  以上で御説明を終わります。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記を中止してください。   〔速記中止〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけてください。  それでは、請願第三五九〇号は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) それでは次に、継続調査要求についておはかりいたします。  国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十九分散会

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