外務委員会 第12号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/05/09
会議録
○委員長(三木與吉郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 去る七日、山本利壽君が委員を辞任され、その補欠として竹中恒夫君が選任され、また咋八日、竹中恒夫君が辞任され、その補欠として山本利壽君が選任されました。 —————————————
○委員長(三木與吉郎君) 関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百六十七年)及び関係交換公文の締結について承認を求めるの件 関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件及び 千九百六十七年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件 以上三件を便宜一括して議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○羽生三七君 このただいま議題となった三件全部に関連をして総括的に宮澤長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、このガット関係の協定については、昨年ジュネーヴの会議の際、宮澤長官が御自身が出席なさって、たいへん奮闘された経過があるわけなので、当時の事情と比較しながら、現時点における評価を承りたいと思うのです。 そこで、ケネディ・ラウンドに基づく諸協定が一応でき上がったわけですが、その間にアメリカにドル危機が起こり、それから世界通貨体制の重大な問題も起こって、御承知のように、金プール七カ国会議あるいはIMF十カ国蔵相会議等があり、SDRの創設等も行なわれ、いろんな重要な事態が国際経済の上に起こっておるわけです。ところが一方、そのケネディ・ラウンドの基本精神と背反するんではあるまいかと思われる動きがアメリカにあるので、たとえば輸入課徴金の問題とか、あるいはASPの問題あるいは繊維輸入割り当ての問題等、広範な保護貿易政策がとられようとしておるわけです。もっとも、これはアメリカの国内における増税問題等とも関連をしておることですが、いずれにしても、そういう問題が現在アメリカにあるわけで、それが発展いかんによっては、逆にケネディ・ラウンドの根本精神というものと背反することになって、逆に国際貿易全体を停滞に導くんではないかと思われる節も相当あるわけです。ですから、この条約の個々の審議に入る前に、いまのような問題があるこの際、全体としてこのケネディ・ラウンドに関する諸協定、これのプラス要因、マイナス要因、それからアメリカの動向、これらをどういうふうに把握なさっておるのか、いずれこの輸入課徴金はどうなりそうなのか、あるいは繊維輸入割り当て問題はどうなるのか、これが通過すれば、さらに鉄鋼その他にも及ぶということも聞いておるし、しかしまた一面には、大統領は増税法案が通れば繊維の輸入割り当て問題なんかについて拒否権を発動することはなかろうともいわれておる。そういうふうな情勢がいろいろある中で、一体アメリカの動向はどうなるのであろうか。また、全体としてこの協定——三協定を一括してですが一にどういう評価をなされるのか。実はこれは外務当局だけではなしに、大蔵、通産、農林、経済企画庁全般に及ぶ問題で、各省の方々それぞれ出ていただくべきでありますけれども、総括して企画庁長官からひとつ御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ケネディ・ラウンドが妥結したこと自身は、わが国のような輸出入構造を持っております国にとりましては非常に有利であると考えておりますし、まだ、ガットの性質から考えまして、自由無差別という貿易が世界的にさらに推進されるということであろうというふうに考えておりますので、ガットの立場からも歓迎すべきことであるというふうに考えておるわけでございます。 ただいまのお尋ねの点でございますが、どうも私の率直な感じでは、ケネディ・ラウンドそのものがケネディのイニシアチブで始まったわけではありますけれども、どうもアメリカ全体の——アメリカの議会ばかりではなく、国民全体と申しますか、そういう観点から言いますと、かなりケネディ・ラウンドの交渉というものは、意識が全体の平均の意識よりも先に進んで、いわばケネディ及びその周辺の人たち——政府と申し上げるのがいいかと思いますが——それが議会なり国民なりをかなり意識的に引っぱったという感じのものではなかったかと思うのでございますが、その結果、ともかく妥結はいたしたわけですが、本来アメリカ人の平均の意識から言えば、十分このことを理解できたわけでもありませんし、また、ほんとうに自由貿易というものがアメリカのためにも必要なんだというような認識は、実際はケネディ・ラウンドで見られたほど高くはないのではないか、平均の意識が。そういう感じが当時から実はいたしておりました。それで、したがって私どもは、ケネディ・ラウンドをアメリカみずから主唱したにもかかわらず、いまのアメリカの国内の輸入制限の動きはおかしいではないかということをしばしば申しますが、政府当局者は、まさにそのとおりであるということを言うのでありますが、議会なり国民なりがはたしてその辺をどの程度まで理解しておるかということには、もともとかなり問題があるような気がしておるわけであります。議会の中にも、もちろん、いろいろな関係から自由貿易を主唱する人々はかなりはおりますけれども、本心から非常にそれが多数であるかどうかということは、私はときどき疑いを実は持つわけでございます。そこで、もう一昨年ごろから輸入制限の法案というものが議会にちょこちょこ出されておるわけでありまして、それに対して行政府は、当時は、ともかくケネディ・ラウンドをいま妥結させようとしておるのであるからまあ待ってくれ、反対だということを言っておったような感じがいたします。したがって、ケネディ・ラウンドが済んだではないかということで、逆にいままで待っておったものをいよいよ輸入制限の動きをしようではないかという、そんな要因が上院にも下院にもあるように思うのでございます。ことに本年は御承知のように選挙の年でもございますから、ますますその動きが強くなってきておる、こういう感じでおるわけでございます。いずれもそれらの動きは、非常に残念なことでありますが、政府に対してそれを私どもが表明いたしましても、政府はわれわれとほぼ同じ意見でありますのですぐその意見が一致してしまうのですが、問題はその奥の議会あたりなんでございます。そこにわれわれの反対が届いてそれを動かすということはなかなかむずかしゅうございます。ジョンソン政権としては、昨年でございましたか、たくさんの閣僚を動員いたしましてその非なるゆえんをしきりに説明しておるわけでございますが、議会にはまたなかなか議会のお考えがあるようでございます。 それで、その輸入制限の具体的な動きがどうなるかということでございますが、まあ増税法案が両院協議会で何かの形で片づきそうであるという際に、それに輸入制限の法案をライダーとして——附帯条項としてくっつけるか、くっつけないかというところに当面の問題はあるわけでありまして、御承知のように、アメリカの上院では、非常にライダーを無関係なものにくっつけることができるような運営になったりしておりますので、もしこのライダーが増税法案に万一くっつきますと、大統領としては拒否権を使うことがおそらく非常に困難であると考えるのです、その全部を拒否しなければならないことになりますから。で、いまといたしましては、しかし、ここは何とか両院協議会の良識で当面のホリングズ法案でございますか、この法案だけは何とか落としてくれることを期待しておるわけですが、しかし、それがそうなりましても、そのあとに控えておりますのは、一般的な、どう申しますか、品目を限らない、俗にオムニバスといわれております、そういう一般的な輸入シーリングを設けるような法案というものが、かなりこれは支持者があって、計画されておるらしく思われます。まあ、ある程度成長に見合った程度の輸入増を許すという、方式はいろいろあると思うのでございますけれども、そういったようなものが出てくるおそれがその第二段にはあるのではないかと思っております。この場合には、よほど大事な法案のライダーでない限りは政府は拒否権を使うことができるはずでございますけれども、しかし、何にくっつけてくるかということは全く私どもに予測ができませんので、そうなりますと、結局アメリカの——ジョンソン政権の良識に信頼をする。もちろん、外務省の出先も非常によく動いておりますし、私どもとしても、いろいろなところからただいま働きかけをしておるわけでございますけれども、現状はそういう現状でございます。まあ、これはケネディ・ラウンドを始めたときの精神とは明らかに沿わないものでございますけれども、やはりアメリカ国内に意識の落差があるというような感じを常に持っております。
○羽生三七君 アメリカの一部指導者と全体としてのただいまの認識上のギャップといいますか、落差といいますか、これは私もあるということはよくわかりますが、そこで、そういう動きがある場合、たとえば一九六四年に英国が輸入課徴金を賦課したとき、これはガット第二十五条に基づくウエーバーの申請を行なわなかったわけです。それは申請しても承認されないということを見越してあえて申請を行なわなかったのじゃないかと思う。それは結局ガット違反を承知の上で課徴金を課したと、こういうことだと思うのですね。それで、もし米国が今回幸いにしてそういうことがなければよろしいのですが、課徴金を課するというようなことになれば、私はガット違反を承知の上でやることになると思う。そうなれば、それだけじゃない。アメリカの議会におけるいま申し上げた各種の制限、あるいは保護貿易の動き、これは全体としてやはり私はガット精神に違反すると思う。したがって、一方で関税一括引き下げということを行なっても、他方でこういう障壁を設けるということになれば、これはケネディ・ラウンドは意味がなくなるだけではなしに、これはガット体制そのものに重大な問題を提起するのではないか。何かケネディ・ラウンドが一応まとまったということで、これがいかにも世界貿易の拡大に重大な発展を招来するように一般にいわれておるけれども、しかし、いまのアメリカの動きを見ると、逆にこの精神を殺し、あるいは貿易の拡大を阻害する要因がかなり強く動いておると、そう考えざるを得ぬわけです。そこで、そういう意味から考えて、一体日本政府としては、先ほど長官から外務省の出先当局もよく動いておるというお話でしたが、実際にそれでは輸入課徴金問題の見通しはどうなのか。また、どういう働きかけをしておるのか。あるいは繊維製品の割り当て問題についてはどうなるのか。もしこれの一角がくずれれば、鉄鋼、ガラスにも及ぶといわれておる。これは日本貿易の重大な障害になっておるといわれておるわけです。そういう問題で、ほんとうにガット体制を守るという意味で正攻法でアメリカとぶつかっておるのか。何かもみ手をして陳情しているのではだめだと、これは私はそのくらいガット問題については重大な障害であると思うのですが、そういう点についてはこれはどうなのか。どうですか。これは外務大臣のほうですか、これは宮澤長官からお聞きしたほうがいいですか、最近の動きもあわせて、日本外交はどういう努力をしておるのか。
○国務大臣(三木武夫君) 羽生さんの言われるように、この問題に関してはもみ手ということはないのですね。これはアメリカの弱みですよ。ケネディ・ラウンドの妥結に対してあれだけやはり指導的な立場に立ってまとめることに努力したんですよ。いま、これはケネディ・ラウンドに反するのではないか。だから、非常に弱みですから、そんなことにもみ手をしたりする必要はない。どうしたってアメリカは非常に批判される立場ですよ。ですから、日本はこの問題に関する限り、いろいろと下田大使が会う場合でも、われわれがジョンソン大使に会う場合でも、向こうのほうがごもっともな話だということで、国会がいろいろあってということですから、だから、日本の立場は弱い立場ではないのですけれども、しかし、これは国会など国内政治との関連もある。国内のやはり政治、選挙の年、国際収支とのいろいろな関係ということで、非常にやはり国内政治上の背景を持っておりますから、われわれは両方とも——課徴金の問題にしても、ホリングズ法案にしても、こういう問題がやはり実施されないということを期待しておるわけで、実際問題としてはなかなか困難じゃないかと思っていますがね。相手のあることですからね。ここでだいじょうぶだということを私が言う立場ではない。こういう状態です。
○羽生三七君 かりにもし、日本をはじめとして各国の努力にも一かかわらず、各種の輸入制限なり保護貿易的な諸政策がアメリカで実施された場合、これは日本やEEC諸国が提案したケネディ・ラウンド繰り上げ実施の問題、そういうものも御破算となって、その結果、結局報復措置を各国としてもとらざるを得ないというようになるのではないですか。ですから、その場合には、外務省としては、これはアメリカとしても一良識を発揮して、そんな無理なことはしないだろうという期待をかけているのか。かりにもし私どもが心配しておるようなことが現実の事態となった場合に、それは黙ってアメリカの動きを、もみ手をする必要はないけれども、やむを得ざる結果として見てそのまま過ごすのか。あるいはEEC諸国等は何らかの報復措置を講ずるのではないかとも考えられますね。それは内容にもよります。それから事態のその問題の比重にもよりますけれども、しかし、いずれにしても、その問題をそのまま見過ごすものではない、必ず何らかの報復措置をとるのではないか。そういう報復措置をとるような場合に、実際に一体このケネディ・ラウンドというものはどうなのか。貿易の拡大というものが、安定的拡大がそもそもの出発点であったものが、逆の結果になるのではないかと思いますが、その辺はどう考えられますか。
○国務大臣(三木武夫君) まあEECが、ケネディ・ラウンドの繰り上げ実施なんかも、こういう課徴金などの貿易制限の処置も思いとどまらせようとしてやったのですからね。日本だってそうですからね。これはやっぱりやらないということにアメリカがなれば、いろいろ報復手段も考えられるでしょうしね。したがって、これは実際その場合どうするという羽生さんの手回しのよい御質問ですけれどもね、やっぱりいまは、まあ大いにこれだけの世界が積極的に協力しようとしておるのだから、アメリカはやっぱり思いとどまってもらいたいということを強くわれわれ日本政府としても期待しておるのだという御答弁にとめておきたいのですね。
○森元治郎君 いま羽生さんの聞いているのは、趣旨は、私も伺っていると、たぶん五月一日だったと思うが、ガット事務局長のウインダム・ホワイト氏が声明の形で、われわれは繰り上げてやる、アメリカは繰り下げてやるというような条件でひとつアメリカも考えろ、課徴金の問題を考えろとか、ASPの問題を考えろとかいうような声明を発表しましたね。だから、げたはアメリカに預けた形できように至っているのでしょう。だから、いまの羽生さんの質問の要点は、預けられたアメリカがどう出るかということを外務大臣なり企画庁長官はお考えになっておるかということを伺っておるのだと思うので、その見通しを御説明になったらもっと明快になると思うのです、答弁が。
○羽生三七君 特に、そのホワイト事務局長の試案といいますか、提案の場合には、外務省が中山現地大使に支持するように訓令を発しておるとも伝えられておりますね。ですから、その成否はこれは非常な問題になると思うし、何か外相は手回しよくと言いましたけれども、しかし、いまこの条約を審議しておるのだから、問題点を質問するのはあたりまえの話でね。
○国務大臣(三木武夫君) 質問が、どういう手段で報復するのだというようなことをお聞きになっておったから、それを手回しよくと言ったのです。(笑声)これは鶴見君のほうから説明してもらいましょう。
○政府委員(鶴見清彦君) ただいま羽生失生の御質問になりました点でございますが、失ほど宮澤長官もお答えになりましたし、また外務大臣もお答えになったわけですが、この問題につきましては、昨年、多くのいろいろな輸入制限の法案が出ましたときにも、正式に下田大使からラスク長官に申し入れいたしまして、その後、ジョンソン大統領が、ラスク長官ら五閣僚でございましたか、議会に出席させてその反対の意思を表明しました。したがいまして、昨年中はその輸入割り当ての法案は全然通らなかったということでございますが、しかしながら、ことしになりましてから、選挙の年になりましてまた出てまいっておるわけでございます。それから先ほどのウインダム・ホワイトの五月一日の声明、これは要するに、EEC諸国が、日本等もこれを支持いたしましたケネディ・ラウンドの繰り上げ実施という問題でございまして、これは一年繰り上げて実施をしよう、これにはしかしアメリカが輸入課徴金と輸入制限の措置をとらないということが一つの条件になっております。それからまた、EECとASPの問題でございますが、この前のケネディ・ラウンド交渉自体でEECとアメリカの間で約束ができております。アメリカはこれの廃止に努力する。ただし、議会の関係がございますので、はっきり廃止するというコミットまではしておりませんが、そういう形になっておるわけでございます。そこで、このウインダム・ホワイト声明が出る過程におきまして、ジュネーヴで三回ないし四回ばかり主要国の代表の会合がございまして、その間にウインダム・ホワイトの出した声明は、初めはこれを共同声明にする形だったんですが、結局、事務局長自身の声明ということになりましたが、その過程で若干いろいろ表現等に変更がございまして、四月二十九日でございましたか、最終的な案を出しまして、それに対して異議がなければ事務局長が五月一日に発表しますということを通告しておったわけでございまして、これに対してアメリカも結局異議はもちろん申しておりません。したがいまして、この事務局長の声明というものが出ました以上、アメリカの行政府といたしましては、法的効果というものはないわけでございますが、少なくとも道義的にはこれを支持していくという形になっておると私どもは考えております。したがいまして、問題は、先ほど宮澤長官が仰せられましたけれども、例の増税法案との関係が一番デリケートな関係になっておりますが、けさほど入りましたニュースでは、昨日の両院協議会で、増税法案は両院協議会を通ったということでございまして、あと、上院と下院の本会議でこれを可決すれば増税法案はそれで通るという形になっておりますが、問題は、それに付着しておりますホリングズ法案、先ほど外務大臣が御答弁いたしましたが、繊維の割り当ての問題、この扱いがまだ残っておるのでございまして、昨日の両院協議会はこれについて結論を出さなかったようでございます。伝えられるところによりますと、本日九日の両院協議会でその問題を取り上げるということが伝えられておりますが、話によりますと、増税法案に関連いたしまして、先生御存じのとおり、支出の削減の問題がございます。これが下院の歳出委員長といいますか、歳出委員会のほうでは四十億ドルの削減——ことしの七月一日から来年六月末日までの来年度予算の支出を四十億ドル削減ということを承認したのでございますが、上院のほうで、かつて六十億ドル削減ということを言っております。結局、昨日の両院協議会の内容では結局六十億ドルの削減ということに落ち着いたようでございます。問題は六十億ドルの削減ということに相なりましたので、おそらく増税法案に付着いたしておりますそのホリングズ法案も、六十億ドル削減ということになりますと、ホリングズ法案、増税法案全体の支持者もたくさん獲得し得るのではないかという見通しが若干ふえるということでございます。そういたしますると、ホリングズ法案という繊維の輸入割り当て法案をつけなくても、増税法案はそのまま通る可能性というのは少し強まったという見方が出てきておりますので、私どもといたしましては、おそらく増税法案が、上院、下院の本会議におきまして、ホリングズ法案がつかない形で通る可能性が強まるというふうに見ておるわけであります。また、それを期待しておるわけでございます。現在の状況はそういうことでありまして、昨日のウインダム・ホワイトの声明に対してアメリカが異議を申し立てていなかった点、それから、いまの増税法案との関連、両方相まちまして、おそらくアメリカのほうとしましては、課徴金あるいは輸入割り当て法案的なものは、もし増税法案がそういう形で無事通りますれば、おそらく、たとえ議会のほうでそういうものを上げてまいりましても、大統領としてはその段階におきましては拒否権を使いやすくなるというふうになるんじゃあるまいかと見ているわけでございます。しかしながら、まだ増税法案が本会議自体を通っておりませんので、そこのところを現在注視しておる段階でございます。
○羽生三七君 それは、増税法案が通った場合に、他の制限措置を阻止し得る条件がふえるのか、それがむしろ逆に作用を及ぼすのか、その辺の評価は私若干いまの局長さんの答弁と違った印象を受けておりますが、しかし、これはあえて深くは申しません。とにかくいずれにしてもいま大事なときですから、積極的な外務当局の努力を要望したいと思います。これはまたあとからもう少しお尋ねしますが、そこで宮澤長官のおいでのうちにもう一つ承って——これは長官自身に承らなくても聞き取っておいていただきたいと思うことは、今度穀物協定に関連をしてですが、これは別の穀物援助規約ですか、規定で、平年度五十一億円ですね、援助することになっておる。これは低開発国に対する援助のGNP——国民所得でもいいんてすが——その一%の中に入るのかどうかという問題。それからもう一つは、四十三年度予算に計上されている二十五億七千四百万というものは、援助対象はどこの国でその品目はどういうものか。予算に計上するからには何か具体的なことがなければうそだと思うんですが、その辺は、これは外務当局なのか企画庁なのか……、前の一%の中に入るかどうかという問題、これを長官から。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは入るというふうに承知しております。
○羽生三七君 あとの二十五億余の四十三年度予算に計上されている部分の援助対象国と品目は一応どういうふうに想定しておるのか。
○政府委員(鶴見清彦君) この点はただいま御指摘のとおり、五十一億のちょうど半分ということになっております。と申しますのは、この国会で三件全部御承認いただきました場合は、七月一日から穀物協定も実施、発効するという形になるわけでございますので、本年度の三カ月は済んでしまいますし、これはまた新しい形での食糧援助の形でございまするので、今日段階で若干ひまもかかるだろうということで半年分の予算になっておるわけでございますが、これの対象国といいますものは、特定国を現在しぼってはおりませんけれども、大体私どもぼ食糧援助と考えていますし、日本は留保いたしましたけれども、日本が自主的に考えている対象国というものは、主として東南アジアの諸国でございます。先生も御存じのとおり、かつて緊急援助の形でインドあるいはインドネシアに食糧援助をやったこともございますので、大体方向といたしましては、インドネシアとかインドとか、そういったようなところを頭に置いております。しかしながら、はっきり断定的に幾ら幾らどこの国というふうにはまだきめておりません。今後それぞれの受け入れ国との話もこれは進めていかなければならないわけでございますが、御承認を得まして発効いたしましたならば、そういう受け入れ国と話し合いを進めてまいるつもりでございます。 それから、内容の品目でございますが、これは先生も御存じのとおり、日本政府が一方的に意思表明いたしまして、それをアメリカ合衆国、これは穀物協定の寄託国でございますが、そこへ通報いたしました書簡によりまして明らかなごとく、相当部分を米を含む食糧ということにいたしております。それで大部分米を含む食糧の場合は、われわれの考え方では米ということで考えておりますが、そのほか受け入れ国の希望によりまして、ほかの肥料とか農機具というものも考えておりますが、これは今後受け入れ国との話し合いによってきめてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○羽生三七君 あとにこまかいことをたくさんお聞きしたいのですが、これに関連して、これはあとで、フィリピンとの三千万ドル援助とかいう問題は森委員から御質問があるようでありますが、インドネシアの六千万ドル・プラス・二千万ドル説、これは外務省で否定されておるようですが、これはどうなっておるのか。 それからもう一つは、けさの一部新聞に、中国政府が——これは正式に政府なのかどうかわかりませんが——吉田書簡の破棄を日本に要求してきておる。こういうふうに言われております。それでこのガットと関連をして中国貿易——これは中国はガットに入っておりませんからこれは適用外ですが——これは日本の特恵関税との関係で、衆議院で行なわれた質疑を速記録で見ました。だから、これは一応私はこれ以上は聞きません、大体わかりましたから。ただ、この場合承っておきたいことは、それはまあ今後の発展があるとしましても、中国貿易の関税上の取り扱いについてはさらに一そうの改善が加えられるとしても、けさ伝えられておるこの吉田書簡破棄云々の問題については、一体外相はどう考えておるか。これは宮澤長官も聞いておいていただくとはなはだいいと思うんですが、これはおりおり問題になることですが、いまも外相に申し上げたように、あえて私たちは参議院の外務委員会では多くこれに触れなかったわけです、実を言うと。というのは、政府が積極的な善処をやると思うんで、これを政治問題化するよりも、黙って様子を見ていようという、こういう配慮で来たわけですね。ところが、現在の時点では、実質上輸銀の取り扱いはケース・バイ・ケースでいいと思うが、しかし、いまや必要なことは、この吉田書簡は明らかに無効になったということを——破棄という表現がいいかどうか——それを明らかにすることがいまや必要になったんですよ、いまの時点では。ですから、それをやらないと、これは実質上は、中曽根運輸大臣は参議院の予算委員会ではっきりとこれは野べ送りが済んだと言っている。それから、椎名通産大臣もできるだけ輸銀は活用しようと、こういうふうに答えられておる。ですから、輸銀使用そのものはケース・バイ・ケースでいいと思うんです。しかし、政治的に見るならば、いま必要なことは、この吉田書簡の効力というものは、これは実際に吉田さんもなくなったんだし、正式の、公式の政府の文書ではないんですから、そんなものはどっちでもいいと言えばそれまでのことですが、相手方でこれだけ問題にしておるんだから、それを現時点でどう処理するかというところに非常に政治的に重要な意味がある。ですから、現実に台湾に与える影響はあるかと思うけれども、いまや、もう勇気を持ってここらではっきり済んだことは済んだと言われたほうがいいんじゃないかと思うんです。これをもたもたしておるところにやはり問題がある。特に対米貿易が阻害されるような場合には、対中国貿易の拡大も問題になると思うので、この際たまたま中国側からそういう問題を提起してきた際であるので、あらためてひとつ御見解を承っておきたいと思います。前向きでお考えください。
○国務大臣(三木武夫君) ああいうときに吉田書簡が出たという歴史的事実というのは、これは抹殺できないでしょう。しかし、吉田書簡というものは、二国間の取りきめとか条約とかいうような性質のものではないんですから、個人の書簡ですから、だから、それに日本政府が拘束されるという性質のも一のではない。具体的な問題が起これば、いま羽生さんの言われるように、そのときに具体的な問題として輸銀は自分の自主的な判断で輸銀を使う問題はきめたらいいと、こう考えております。
○羽生三七君 それだけですか。——私が輸銀の使用をケース・バイ・ケースでいいと言ったのは、中国だけに言うんじゃない。どこの国に対してもそれはケース・バイ・ケースだろうという意味も含めて言っておるわけですね。だから、いま必要なことは、政治的な意味で吉田書簡の取り扱いをどうするかということに意味があるんで、これはもう勇気を持って、こんなものは効力は過ぎ去ったということをはっきり言われたほうがいいんじゃないですか。私はそう思いますね。これはもうことばの表現のちょっとの問題ですが、そこが政治的に勇断をするかどうかという問題だと思います。まあ、一部台湾に若干の波紋があるだろうと思いますが、そこはもう踏み切るべきじゃないですかね。
○国務大臣(三木武夫君) これはまあ個人の書簡ですから、吉田書簡がいま効力を失うとか、吉田書簡のそれを緩和するとか——どうでしょうかむ、そう言うのは。私はあまりとらわれないほうがいいんではないか。これをね、吉田書簡というまあ取りきめがでておる、吉田書簡という書簡が出たわけですからね、それを取り消す、あるいは緩和する、そういうふうにこの吉田書簡というものを取り扱わないほうがいいんじゃないかと、私は個人的にそういう意見です。
○羽生三七君 いや、それは個人的な書簡だから、政府の公式なあれじゃないんですからね。それならそれで、はっきりそれを言えばいいんです。あれは個人の書簡で何らの拘束力はない、すでに過去のものだ、これはっきり言われたらいまの表現をもっと明確にすれば、それでいいんですよ。もたもたと個人的な感想みないなことを言っておられるから……。
○国務大臣(三木武夫君) だから、ああいうときに吉田書簡が個人のものであっても出たという歴史的事実は抹殺できぬですよね。しかし、それは私、いわゆる両国間の取りきめとかあるいは協定とかいう性質のものでないから、そういう拘束力がこの吉田書簡にあるとは思わない。そこで、吉田書簡を取り消すとか、吉田書簡の拘束力を緩和するとかいう性質のものだとは考えておりません。こういうふうに申し上げたら筋道は立つんじゃないでしょうか。
○羽生三七君 筋道は立っても政治的にとっても通らないので、私のいま重点を置いているのは、政治的な現時点における問題点を指摘しておるので、これはあんまり言わなくても外相にはおわかりになると思う。これは勇気を持ってやっていただきたい。もう結局これ以上言っても、外務大臣からこれ以上の答弁はこれはなかなかむずかしいですから、多くを言いませんが。 それからもう一つ、実は外相が東南アジアの会議に行かれておる間、椎名さんが外相代理をやった。そのときに予算の分科会で私の質問に答えて、ココムは制限緩和すると、そういう方向に進みたいという——それは緩和を意味するかと言ったら、そのとおりだと答えた。これは速記録に載っている。その点は御異存ございませんか。
○国務大臣(三木武夫君) 異存はありません。通産省でも検討しておると思います。
○羽生三七君 そこで先ほどの点に戻るのですが、インドネシアの援助問題はどうなっているのか。一説には、ロッテルダムで開かれた債権国会議ですね、この会議の際に出席したインドネシア代表が日本が八千万ドルの援助を約束したと本国に打電しているというんですね。それから一部には六千万ドル・プラス・二千万ドルという報道も伝わっているが、それを何か取り消したような、そういう説を否定したような報道も伝わっているし、一体その辺はどうなのか、ひとつ具体的にお聞かせいただきたい。というのは、予算委員会の際にも申し上げたように、スハルトさんが日本に来られたときに、国会開会中だから金額を言うのは困難でしょうと、こう言われている。ところが、間もなく国会が終わるので、国会が終わったとたんにプラス何千万ドルというのが出てきたらずいぶん国会というものがなめられた話で、やはりある程度私はこの機会に明らかにされておくべきじゃないかという感じがいたします。どうでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) ロッテルダムの会議で非常に責められたわけですよ、金額を。金額をやっぱり日本が提示するように責められた。みんなにしいられたわけですね。あの会議の環境というものは、羽生さん考えられておるとおりです。しかし、日本政府として、まだ基金法の改正も通らないでしょう。だから、正確に言えば六千万ドルでもコミットできぬということですね。しかし、まあいま六千万ドルをああやって出していますから、基金法の改正が通れば六千万ドルは出すということは言えるので、それプラスは、何か基金の中でいろいろくめんがつけば、もう少しやっぱり六千万ドル・プラス・アルファということを政府はいろいろ考えたいとは思っておりますけれども、まだそのものの基金法の改正も通らぬわけですから、金額というものはコミットせなかったんですよ。その八千万ドルというのが出ておるようですけれども、それはロッテルダムで日本の政府がそれをコミットしてそれが伝わっておるのではないということでございます。それが実情でございます。
○羽生三七君 そうすると、この国会開会中と閉会中とにいろいろな動きの差は出てくると思いますがね、それはそれとして、政府としては六千万ドルにある程度の上積みをするということは方向としてはさまっておるんですか、額がきまらぬというだけで。基金法が通る通らぬという問題は別ですよ、いずれは通るでしょうからね。
○国務大臣(三木武夫君) 基金法が通らないと、金利の点なんかでも問題にならぬです。基金法が通らないと問題にならぬというのは、何か非常なやっぱりほかの方法を考えなければ、インドネシアの国際協力もやっぱり金利水準というものがきまっていますから、これをどういうふうにするか、通らぬということでは非常にやっぱり支障を来たすでしょうね。だから、これはもう実に与野党を越えてお願いをしておきたい。基金法はこれは通してもらわないと困る。そうでないと、国際的な約束というものが果たせないわけですから。それだから、その基金法が通れば、六千万ドルはこれはみな言っておるわけです。しかし、実際は六千万ドルだけでは、国際会議なんかでももう少し寄与してもらいたいという強い声があることは事実です。そこで日本としては、その基金法改正、基金のやっぱり資金量などともにらみ合わしてみて、非常な無理はできませんけれども、何かやはり日本が、方法があれば、もう少しやっぱり六千万ドルにプラス・アルファをしたいという意図は持っていると申し上げておいたほうがいいと思う。
○羽生三七君 それは、この前宮澤長官でしたかな、予算の分科会のときに、どなたか、椎名さんかな、一千万ドルか二千万ドルというようなことを言われたが、まあそれはよろしいんです。とにかくその程度のことを考えられておるということだと思いますね。 それからもう一つは、実はフィリピン問題は、森委員それから岡田委員、私たち——まあ加藤さん、それから佐多委員等が七、八年前にさんざやった問題ですね。これはあとから森委員から詳しく御質問があると思いますが、ただ、きのうの新聞見ると、外務省の牛場次官が三千万ドル供与を申し入れて、駐日大使に言って、大蔵省がこれに抗議をしたということが出ているんですが、これはまあありそうなことなのです。これはあとから森委員とともに御質問しますが、これはまことになめられた話と思うんですが、まあ、その大蔵省の抗議云々は別として、その間の経緯を少し説明していただきたい。
○政府委員(鶴見清彦君) このフィリピンの問題につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、最近に例の商社の営業許可の取り消し問題というようなものが起こっておりますことは御存じのとおりだと思いますが、たまたまラウレル大使が、たしか昨日ですか、本国へ帰ったはずでございますが、一時帰朝したはずでございますが、その前日、牛場次官のところへやってまいりまして、その際、商社の問題につきましても牛場次官のほうから、ああいうふうな事態が起ることは——まあフィリピンの政府自身がどういうふうにするか、大統領の指令というものも出ておりますけれども、その内容を見守っているわけでございますが、商社の地位というものが非常に不安定になることは困る問題だから、そういうことのないようにひとつ帰国の際に十分大統領等にも伝えて善処してほしいということは申し上げておるわけです。その際に、かねてフィリピン側から要請のあった、いわゆる友好道路建設問題がございますが、佐藤総理が訪問されました当時にもこういう問題あったわけでありますが、その問題についてどういう話になるかというようなことが出たということは私も聞いております。しかしながら、その際に、はっきり幾らのものを出すということを具体的に言ったということは事実ではないというふうに私は了解いたしております。この問題は、したがいまして、日本の政府といたしまして、この友好道路というものに対してどの程度の協力になるということは最終的にきまっていないわけでございますから、したがいまして、三千万ドルというのが出た、決定をしたというものではないというふうに私は了解いたしておる次第でございます。
○森元治郎君 ちょっと関連して。大蔵省の人来ていますかね、だれか。全然いまの鶴見政府委員の答弁では、そんな話は根も葉もないことのように受け取れるんだが、新聞の報道じゃ、大蔵省じゃかってにそんなことをきめられたら困るということが一つ。それからあとは、輸銀にも金はないし、海外経済協力の金がないのに外国の政権のてこ入れなんというのはちょっとおかしいじゃないかといったようなことをはっきり言って、遺憾であるなんという強いことばで。全然ないというのはおかしいのだが、まず事実だけは明らかにしてもらいたいと思う。牛場君あやまったんじゃないか。
○羽生三七君 これは、大蔵省が抗議を申し込むくらいだから何かあったんでしょう。明確な外務省声明だな。
○国務大臣(三木武夫君) 外務省声明ではございません。私のところにまだ——毎日国会に出ておりますから、牛場君から直接話を聞いておりません。メモでこういう報告を受けておるわけであります。それはいま鶴見局長が話しましたように、ラウレル大使がちょっと本国に帰るものですから、そのあいさつに来て、五月七日ですか、牛場次官が来て会談をした。そしてこのときに道路建設についての話し合いが出たわけですね。そこで、いろいろ経済協力に関して、帰るについて日本側がどの得度協力できるかということを明らかにしてもらいたいという、向こうは当然に言ったと思いますが、牛場次官は、日本側の方針が固まってないので金額どれくらいの協力をするかということは正式に具体的にまだ見ていない、いろいろ事務当局の間に考え方もあるけれども、しかし、正式にきまったものではないということもあったわけです。なぜそう言ったかというと、マルコス大統領から佐藤総理が行ったときに要請があったものですから、日本側としてどういうふうに協力するかということを調べに行った調査団の報告をいま検討している最中です。だから、もう少し——これは三千万ドルだけでは済まないですからね、相当やっぱり大きな計画ですから、いろいろな全体としての計画に対してもわれわれとして承知しておく必要があるし、そういうので、まだ正式に金額はきまっていないことは事実ですけれども、こういう案があるという中に、多少金額のことは触れたかもしれない。しかし、正式の決定ということではない。だから、新聞のことでありますけれども、大蔵省が何とかかんとか言ったというようなことは、これは大蔵省もあわて過ぎるのじゃないかという感じを受けたのです。
○羽生三七君 それじゃ、なぜわれわれがこれを問題にするかというと、額の問題じゃないのです、必ずしも。これは外務省の事務当局の皆さんも、宮澤長官もぜひ聞いておいてください。これは外相には申し上げた。昭利三十六年当時、委員会で口比通商航海条約を審議する際に——当時はガルシア大統領だった。ガルシア大統領は当選するかどうか、批准されるか、どうか、念を押しました。それは絶対に間違いありません、当選します。何回も森委員とわれわれとで押し問答やったわけですよ。絶対に間違いございません、これは批准します。そこで、それならということで、八年前に、さんざん何回もここの委員会で審議した結果、この条約を採択したわけです。ところが、続いてマカパガル大統領、そしていまのマルコス大統領、三代八年を経過してなおかつ批准しないのみならず、商社に対してああいう取り扱いをしている。実はそのときたまたま議員をやめられました永野護さん、当時の参議院議員が、ここで発言を求めた。ところが、ちょっと考えておって、私発言をやめますと取り消して、そして委員会閉会後食堂で、永野さんは何回も行きましたが——内容を聞きました。けしからぬ話があるわけです。しかし、これも私いまここで申し上げません。言うべき筋のことではないですから申し上げませんが、そういう経過があるわけです。実にけしからぬことがいろいろあるわけです。そういう経過を経ておるのに、商社側に欠点があったかどうかは別として、そういう閉鎖等の命令を下し、批准が済むまでこれを続けると言っておる、向こうは。向こう側が批准するのですね。その上にまた三千万ドルか幾らか知らぬが、また援助。ほんとうにこれはどういう関係か知らぬけれども、あまりにもひどい話だ。国際間の信用問題にも——向こう側ですよ——これは関連する重要な問題だと思います。ですから、そういう意味で、もう少し日比関係については、基本的に相手側のほんとうの真意といいますか、約束というものを取りつけなければ——これは取りつけたってこういうことになるんですから——よほどの警戒心といいますか、確固たる方針を持って臨まないというと、なめられほうだいということになるんじゃないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) フィリピンも国内政治というものはやはりなかなか複雑なようでありまして、いろいろ日本との関係も国内政治といろいろ関連している面もあるということは事実でしょうが、したがって、今後、フィリピンは日本に近い国でありますし、日本とフィリピンとの関係というものは、地理的に見ても非常に大事なことでありますので、何とか日比関係というものをもっと正常な形にするために努力をしなければならぬと考えております。いままで不自然なところが非常にありますから、ほかの東南アジア諸国よりもやはり問題が多いのですね、フィリピンは。そういう点で羽生さんの御注意もありますように、日比関係というものを正常化するために一段と政府としては考えてみる必要があるというふうに考えております。
○森元治郎君 関連して。確かに羽生委員から申されたような経過——そこで一策ですが、やはり両国国際関係は大裏なんです。日本は悪いことをやったと言ってフィリピンにはさんざん恨まれたけれども、二十三年間もフィリピンに対しては経済面、政治面でも誠実な態度でやってきたと思う。これはフィリピンも認めると思う。にもかかわらず、こういう商社に対する態度でも、まことに私らは不満足、ふんまんを感ずる。そこでお尋ねしたいのは、ともすれば現政権てこ入れだ、金を出してやれば何とか条約でも批准してくれるのじゃないかといったようなことがちらほら新聞に見えること、これは内政干渉にもなるし、たいへんな間違いである。この際、日比友好道路三千万ドル、あるいはもっとかかるという大臣のお話ですが、そういうことはしばらく差し控えて、それから本年度予算でも百八億くらいの賠償を払うことになっているのですね、本年度の予算で。これを一切とめてしばらく事態を見る、こうして初めて向こうもしゃっきりして——けんかにもなるでしょうが、そこで初めておまえはどうだ、おまえはどうだと言って、雨降って地固まるということになると思うのです。はっきり私はフィリピンに対してはそういう対策に出るべきだ、いかがですか、大臣。
○国務大臣(三木武夫君) これは非常に重要な問題ですから、今日のところ、森さんの御意見として承っておきます。
○森元治郎君 これは御意見として承る、だけじゃない。国際問題ですから、大臣の発言は十分慎重であってしかるべきだけれども、やはり日本は向こうの空気に対してはそのまま納得はできないという表現は、この席上であって、しかるべきだと思う。私は鞭撻的質問だと思うのですね。これを利用しないでは、私は外交はできないと思う。利用してやりなさいよ。ちょっと強いこと、表面は外交的辞令でけっこうですけれども、いかがですか、もう一ぺんひとつ大臣。
○国務大臣(三木武夫君) フィリピンの、商社に対する態度というのは、まことに遺憾な処置である。われわれはフィリピンに対していままで賠償その他できるだけの協力はしてきたわけでありますから、この日本国民の善意、それは必ずしも向こうの期待するような金額にならぬ場合もあったでしょうけれども、われわれのフィリピンに対する善意は間違いない。この善意をフィリピンの政府も受け取って、そうしてこういう日比関係というものを正常なやはり軌道に乗せるということに努力をされることを強くわれわれは期待をするのでございます。
○森元治郎君 もう一点。 それでさらに踏み込んで、先ほど大臣も申されたように、フィリピンが東南アジアとの関係でもいろいろ問題があるというお話だったから、これは政治的に高いところで、もうざっくばらんに、大臣クラスでも、あるいは政府代表でも、どうしたら日比関係が策略なしに明朗に話がいくような会談を提唱すべきだと思うのですね、なるべく早い機会に。このお考えはどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 何らかお互いの間に誤解もあるわけでしょうから、われわれ善意であってもそれが素直に映っていないという面もあるかもしれない。また、向こうの国内事情もあるかもしれませんから、これは常にそういう両国間にまたがる誤解は解かなければならない。そこで、今後どういう段取りでいたしますか、とにかく必要があれば会談なども開くような場合も有効な場合があり得ると思いますので、今後日比関係を正常な関係に戻すということで、あらゆる方法を検討してみることにいたします。
○羽生三七君 そこで、八年間も相手側がこの種の重要な日比通商航海条約を批准しない理由は一体何なのか。それはいまお話しのように、相手国の内部事情もあるでしょう。あるにしても、いやしくもこの種の、どっちでもいいような条約なら別ですが、通商航海条約といえば基本的なこれは条約ですね。それを八年間も批准しない。しかも、次々といろいろな問題を出してくる。どうすれば向こうが批准をしようとするのか。たとえば今度のいまの三千万ドルか、金額はいざ知らず、そういうものを出せば批准するというのか。あるいはフィリピンの与党、これは与党の中にもいろいろあると思いますが、じゃ与党がと言うのが悪ければ、多数が取ればそれで批准になるのか、全然、これはかいもく見当つかぬわけですね、今後といえども。八年間は過ぎたが、今後といえども、いつになれば批准されるという見通しはない。問題は幾らも残るでしょう。どう打開するのか。見通しも含めて、どこに原因があるのでしょうね。
○政府委員(鶴見清彦君) ただいま先生御指摘のとおり、通商航海条約、これは一九六〇年十二月に署名ができまして、国会では御承認いただいたわけでありますが、それ以後フィリピンのほうで批准が行なわれないという非常に遺憾な事態が続いているわけでございますが、フィリピン側で申していることは、それをこのままの形で批准しますると、彼らのことばを使いますれば、日本の経済侵略ということにさらされることになる。要するに、フィリピン側の国内の産業活動がかなり押えられてくる可能性があるというようなことを心配しているようでございます。そういう関係で、この通商航海条約を批准する前に、そういった面の国内的な法律を通して、手当てをした上でやりたいということで、いわゆる関係六法案というのがございます。その六法案のうち、すでに三つは先方の国会を通過いたしておりますが、御参考のために申し上げますると、一つが、外国人の自由職業従事に関する法案、二番目が移民法の改正法案でありまして、三番目が政府関係機関との契約締結資格に関する法案、以上の三つのものがすでに成立いたしたわけでございますが、あとの三つ、一つは外国企業の事業活動に関する法案、五番目が関税法の改正案、それから第六番目が銀行法の改正案でございますが、このあとの三つがまだない、これを早く通すことによって批准もしたいということを、ここ一年ばかりの間、フィリピンの政府当局が盛んに言っておりますし、先般佐藤総理が訪問されましたときも、わがほうからこの通商航海条約の早期批准ということを強く要請したわけでありまして、先方の行政府当局としましては、早くこれを通したいという意思を持っておると了解いたしておりまするが、何ぶん、先ほど先生ちょっと御指摘になりましたが、あそこの上院の三分の二以上の承認を必要とするわけでございますので、現在の上院の構成はちょうどぴったり現在三分の二になっております、与党が。しかしながら、なかなかそういう国内政治情勢がめんどうなことと、ただいまの関係国内法案の三つがまだ通っていないというようなこともありまして、現在のところまだ批准がされていないという状況でございますが、私どもといたしましては、随時、常々早期批准ということを先方に対して要請してまいっておりますし、今後ともしていくつもりでございます。
○森元治郎君 それでは宮澤長官お帰りになるなら伺いたいのだが、一番最初、羽生君はケネディラウンドの評価をしょっぱなに聞かれた。これは理想主義のケネディさんの考えというものが、時間の経過とともにだんだんベトナム戦争が激しくなり、したがって、今度できた結果は、値下げの幅も平均して三〇%か三五%ぐらいにい五〇%より下がったわけですね。所期の目的は達しない。これはジョンソンの現実主義と理想主義の合わさったものだから、ケネディ・ジョンソン・ラウンドという内容だと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 当時聞いた話でございますけれども、このラウンドをケネディ・ラウンドと名づけることをケネディ大統領は当初あまり好まなかったようでございます。というのは、おそらく、これはアメリカではあまり人気のいい政策とはなるまいという予見があったということでございます。私の聞きましたところでは。それでございますから、どうもケネディの意識がアメリカをかなり引っぱったわけでございますが、やはりアメリカの平均の意識よりはかなり先へ出たことをやって、そうして途中でなくなって、ジョンソンに引き継がれた。確かに、でき上がりで申しますと、ケネディが考えておったところとは違う。一ぱい一ぱいはそういうふうにならなかった。もっとも、当時ケネディは御承知のようにいわゆるグランド・デザインを考えておったわけでございまして、それが、フランスがああいうことになりましたので、そのことも多少影響したかと思われますが、アメリカ全体の平均の意識よりはだいぶ先へ進んだ試みであったように思いますので、交渉していくうちにそれがやはり後退していったということではないかと思います。
○森元治郎君 貿易拡大ということ、関税一括引き下げによる世界の貿易の拡大という大きなねらい、これは結局は中心たるアメリカのドル防衛であり、国際収支の改善から起こったことですから、これはアメリカが単なる貿易的措置だけではなくて、国際収支の改善をするということがねらいならば、やはりベトナム戦争ということのすみやかなる終息ということもアメリカ立て直しの大きなことだと思うのです。ところが、それはうっちゃっておいて、ただ関税引き下げということに入り込んでも、肝心の問題の中心であるアメリカのドルの立て直し、安定ということはこないと思うのです。そこで、これはどうしてもベトナム戦に関係するということは、関係国、ことにEECの方面では大いに会議の中でも外でも演説していると思うのです。ベトナム戦終息、これについての和平交渉が会議会場がきまった段階、そこで始まろうとするとサイゴンの騒ぎになり、大いなる攻勢がある。私は、ここで日本が、外務大臣がとるべき道としては、どうしてもアメリカが何か対抗措置をとって、北ベトナムのサイゴンなり南方攻勢をはね返そうとしている。苦しまぎれに、もうじっとしていられないから、また北爆への誘惑にもかられている、追い込まれているといったような情勢であるので、日本政府として和平に協力すると言う以上は、北爆ということの再開などということはやるべきではないということを私は強く世界に訴え、アメリカにも一訴えるべきだと思うのです。新聞の報道では、北から南へどんどん北爆部分停止のうちに入ってきたというのですが、私らの見ているところでは、戦争が、向こうが優勢になると、人が入ってきたというような言い方をアメリカがしがちでありますが、どうも人が来なくても、戦争のやり方がうまいのかどうか知りませんが、北、ベトコンのほうが攻勢であると思うので、それがただ単に北から来たのだという理由をつけて北爆へ変わるようなことがあったならばたいへんな大きなことになりまたまた戦火は拡大し、和平の方向から遠ざかると思うので、外務大臣は、北爆などの誘惑にかられているアメリカも気分が強いようですから、北爆再開ということは絶対にやるべきではないと思うのですが、大臣はどんなふうにお考えになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は森さん、こういうふうに思っているのです。あしたの、十日からパリで予備会談が行なわれる。そのときには、やはり北爆停止というのは第一の議題になりますね。そうして、アメリカはそれに対して、北から南への浸透というものを持ち出すでしょう。したがって、北爆停止の問題というものは、あの会議が今後本格化するためのスタートのラインになりますから、当然アメリカも北爆というものを腹をきめて停止してもいいから話をつけたいという決意じゃないか。世界の世論も、やはり和平への一つの大きな潮流というものが世界に流れていますからね。これをもう一ぺん、ハノイにしてもアメリカにしても、あの戦争をもう一ぺんエスカレートして、そして御破算に戻すということは、してもらいたくないし、私はできぬと見ています。日本もそういうことはしてもらいたくないし、できぬと思っておりますから、そういう考え方に従って今後われわれとしてできるだけの努力をしていきたい、こう考えております。
○森元治郎君 それにつきまして宮澤長官、長官は穀物協定の場で大いに奮闘をした。演説、私はりっぱだと思っていたんですよ。あなたのおっしゃったのはこんなことでしょう。この穀物協定に——あれは小麦の貿易規約と食糧援助規約の二本立てでできているわけですね。その食糧援助の問題が出たときに宮澤代表は声を大にして、場が違うと、論議する場が違う、これは別な場、たとえばソビエトの言うように、国連貿易開発会議ですか、ああいうような場でやるようなものではなかろうか、これは元来は商品協定であるべきである、援助は人道上の問題だとか、いろんな理由を述べられた。また、輸入国である日本が食糧援助というのもおかしいというような説を述べて、別個の協定にすべきであるという主張を強くされたんだが、とうとう、どういう理由か、負けてしまって入ってしまったわけです。この間のいきさつはどうなんですか。私は、元来これは別個であるべきだ、ケネディ・ラウンドにちょっとつけ足したようなことをアメリカが強引に押し込んできて、宮澤さんの奮闘のかいもなく——あなたは英語がうまいから、十分外人にわかったはずですよ、へたなやつだと、これは何言っているのかわからないから、これは理解できなかったといえばそれまでだが、あなたはわかるはずだから、どうしてその姿勢がつき抜けなかったのか。これは私はソビエトの立場がほんとうだと思うのです。他国の開発途上の国を援助するということと、小麦の価格帯をきめたりする従来の小麦協定を一緒に押しつけてしまうというのは、気持ちはわかるけれども、これはまずいと思うのですよ。どうなんですかね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が申しましたことはいま仰せられたような趣旨のことでございますが、そのほかに、ほんとうにそういう国のことを考えれば、農業基盤というのをやはり整備するような、そういう手伝いをするのが本来本筋ではないかということも実は申したわけでございますが、肥料とかいうようなものはそういう性格のものでございます。ほかの国の立場は、この四百五十万トンでございましたか、これだけのものを毎年援助してやれば、国際小麦市場からつまりそれだけのものが一つ別になりますから、それで小麦の取引量がそれだけふえることになるであろう。ということは、小麦生産国が増産することができる。そういう考え方をしておるわけであります。イギリスあたりは反対しそうなものでございましたが——内心はあるいは反対であったのかと思いますが——しかし、ちょうどEEC加盟という御承知の問題があったりいたしますので、強くは主張はあまりいたしませんで、結局、わが国だけの主張になったわけであります。わが国のそういう主張に対しては、アルゼンチンとか、オーストラリアとかカナダ、みんなかなり攻撃的でありました。これは小麦産出国のやはり立場からだと思います。で、結局しかし、わが国といえども、先ほど鶴見局長が答弁されましたように、在来、インドなりインドネシアなり、食糧援助をしておるのでございますから、援助をしないというのではない。しかし、商売と援助というものはやはり別に考えるのがほんとうである。こういうことを申しておったわけで、結局、わが国だけが留保をする結果になったわけであります。
○森元治郎君 それであなたは、その援助をすべき国々は小麦なんて食わない国が多いのだ、米など、そういう穀物なんだと言って反発したのはそれはそのとおりでね。これは私はあすこらあたりで相当がんばって、別の場でやれ、うんと援助すると、もっと突っぱってよかったと思うのです。人の顔を見てすっと引き下がって、変な留保なんかつけちゃって引っ込んじゃった。これはやはり何かどこか痛いところでも持っているのかどうか知らぬけれども、私は残念だと思うのですね。私は、あれは別個の場ですよ、別個の場。片一方は貿易関係のケネディ・ラウンドと直接の大きな関連があるが、これがなければケネディ・ラウンドの趣旨が達成されないということではない。別の場でやはり十分趣旨は達成できたと思うのですね。これは非常に残念だと思います、この小麦の問題は。
○国務大臣(宮澤喜一君) もう少し詳しく申し上げるべきでございましたが、交渉の最終の段階では、工業製品の関税一括引き下げとこの小麦協定がいわゆる。パッケージ・ディールになったわけでございます。これは一括引き下げ国が非常に少ない。工業国だけでございますが、したがって、その他の国——カナダ、オーストラリア等々でございますが、これはこの農産物のほうに関心が非常にあったわけでございまして、アメリカ、フランスは両方に関心があったわけでございますが、そこで、このパッケージ・ディールになりましたから、この小麦協定のほうがもしできないということになりますと、工業製品の一括引き下げも妥結しないと、こういうことでございました。その要素が一つ。 それから、この協定の中に、ごらんのように、価格帯の問題が入っておりますが、わが国としては、この価格帯はなるべく低いほうがむろん有利でありますが、関税は当時これより上がっておったので、そこで、多少引き上げることはやむを得ないが、その引き上げの幅をできるだけ小さくしたいということ、それから、太平洋岸の積み出し港における価格というものをなるべくわが国に有利にしておきたいということがありまして、そこで、価格の問題でやはり輸入国との間の協調を保っていきませんと、輸出国だけの立場が最終的にきめられてしまう、こういうことがまたございました。そこで、私どもとしては、この工業製品の一括引き下げがこれがこわれるということはわが国にとって不利である。それから、価格帯を非常に高く上げられることも不利である。そういうことと、いまの援助の問題、それがパッケージ・ディールになっておりましたので、結局、全部をこわすよりは、この程度の形でまとめたほうが、総合的にはわが国では有利だ、こういう判断をいたしたわけであります。
○森元治郎君 それからもう一つ、大臣が、援助額は五十一億ぐらいになるのですかね、それが三年間、この協定の期間中続くというと、まあ百五十三億か、三年間で。まあ、財政上の負担が大きいというようなことを宮澤代表はおっしゃったと思うのですが、財政上の負担、五十億ぐらいは財政上の負担としては軽いほうですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国としては、道義的には、発展途上国への援助をいつの日にかは国民所得の一%にするという、道義的にはそういう立場を持っているわけでございますが、そこで、毎年予算を見ておりますと、実額としては大体ずっとふえてまいっております。そこで、この穀物援助は、先ほど申し上げましたように、一%の中に入るものでございますから、ある意味で、長期的にはやはり援助がだんだんふえていく。その一環として考えるならば、新しい支出だと必ずしも考えずに、いままでのコミットメントの一つの実行であると、こう考えていいのではなかろうか。まあ、五十億と申しますと、小さな金ではむろんございませんが、一千五百万ドルぐらいになりますか、千四百何万ドルかと思いますが、まあ、わが国としては人道的な見地から負担できない額でもない、こんな判断をいたしました。
○森元治郎君 こまかく一段下げて、それじゃ、日本は小麦じゃなくて別な米及び農業資材ですか、農業資材をもって応援をする、援助すると言っておりますが、何か衆議院のほうでは、日本の余った米を回すようなことも言っているし、それから送るといっても、米は要らないと言う国もあるでしょう。現ナマのほうがいいと言うのが多いだろうとむしろ思うのだが、一体米はどういうふうなところから持ってきた米ですか。買って送るのか、日本の米なのか、相手がノーと言ったらそれでどうするのか、その辺はどんなふうに腹におさめてああいう留保条項をつけたのですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まあ、相手の何でも希望するものを希望する形で援助しようというのが基本でございますので、それで米を食う国もございますから、米もその中に入れることは別段われわれとして妨げない、こう考えたわけであります。ただ、いま現実の問題として、国内のいろいろな状況から、国内産の米を出すかどうか、また、それが先方の好みに合うかどうかということもございますが、農林当局の立場は、国内産米を外国へ出すということについてはまだしっかり決心ができていないのではないかと思っております。したがって、政府としてどうするかということが最終的にきまっていないというふうに私は承知しております。
○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。他に御発言もなければ、三案に対する質疑は本日はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会