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58回国会参議院1968/04/25

外務委員会 第10号

発言数
177
登壇者
11
会派数
2
開催日
1968/04/25

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。昨二十四日、近藤英一郎君が委員を辞任され、その補欠として杉原荒太君が選任されました。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 沖繩がこの条約の中でどういう地位になるのか。と同時に、その沖繩の船舶の日本に入ってくる一体出入りの実態みたいなものがあったら教えてください。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 沖繩船舶の日本への出入りの実態につきましては、特連事務局のほうでお答えいただきます。  沖繩のこの条約上の地位につきまして簡単に御説明いたします。現在一九三〇年の満載吃水線条約がございまして、この現在の条約によりましては、これは非常に古い条約でございますので、ことばとしては「殖民地」とか「海外領土」ということばを使っておりますが、締約国は、その植民地あるいは海外領土あるいは委任統治のもとにある地域について適用を宣言することができるという定めになっております。現在米国が現条約一九三〇年の当事国でございますので、米国がそういう宣言をし得る立場にある国でございますけれども、やっておりません。したがって、条約上の関係を申しますと、現行条約上は沖繩は条約の適用地域には入っておらないという関係でございます。ただ技術的には、沖繩の琉球政府のほうから日本の運輸省に対しまして、新造船をつくる場合に常にこの満載喫水線に関する技術的な検査を依頼してまいりまして、それに基づきまして証書を発給いたしておりまして、したがって、条約上の法律関係はございませんけれども、日本のそういう技術的な能力を十分評価しまして、その沖繩船舶が外航に従事します場合に適当な考慮を加える、実際上のトラブルは起きないという関係にございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この条約は七月の二十一日に効力が発生するわけだな。そうすると、日本は旧条約に加盟しておって、そして新たにこの六六年の条約に有効に加入するためには、三カ月内だから、四月の二十一日ぐらいまでに国会の承認を取りつけて寄託をすれば、七月二十一日の発効に間に合うわけですね。そうすると、いまこのような状態であると、七月二十一日に間に合わないわけです。というと、ちょっとある期間、旧条約と新条約と重なる時期があるわけだね。外務省もそこらは事務屋だから抜け目はないだろうから、古い条約と新条約の空白の期間をどんなふうに調整する施策を持っているのか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この一九六六年の新条約におきましては、現行条約を廃棄する規定がございませんで、この条約採択の際に、一つの決議を採択いたしまして、この条約発効後の二年間は、新旧両条約を並存させるということを予約いたしております。今後二年たった後に、二年たった日において、新条約に入った国が同時に現行条約を一斉に廃棄するという一つの決議を採択いたしております。したがいまして、日本が国会の御承認を得まして、たとえば――たとえばでございますが、四月二十五日に加入の手続をいたしますと、三カ月後の七月二十五日に日本については発効いたしまして、七月二十五日から一九七〇年の七月二十一日までの間は、日本は新条約の当事国であり、かつ同時に、この一九三〇年の旧条約の当事国であるという関係に立ちます。その二年間の条約適用関係について申し上げますと、日本が新条約に入ったわけでございますので、新条約に加入した国との関係におきましては、もっぱら新条約によって律せられる。それから、依然としてその二年間に、新条約に加入しないで旧条約にのみ加入しておる国との関係におきましては、旧条約によって日本とその国との関係が律せられる。そういう関係を二年間続けまして、二年たった後において旧条約を一斉に廃棄いたしまして、新条約一本で、これから進むというたてまえになっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そういう日本と同じような立場の国はどのくらいあるのですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 現在までのところ、この新条約に対しまして加入の手続をとった国が二十カ国ございます。で、旧条約参加国は七十五カ国ございます。日本を含めまして、日本がごく最近に加入いたしますと、そのような立場にある国は二十一カ国ということでございます。これはしかしどんどんと加入の手続が進みますので、その状態は常に変わるものと考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 こういう満載喫水線条約なんというのは、国交のない中共のような船が日本に来た場合の規制は、どういうふうな規制をしているのか。また、入ってきた中共の船は日本の規制に対して諦かにこれを順守しているのかどうかということですが。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この条約によって律せられない国と国との関係におきましては、もっぱらそれぞれの国の国内法によって律せられるというのが原則でございます。中共につきましては、現在一九三〇年の条約につきまして中華比国が一九三五年に加入いたしておりまして、その後ずっといまだに当事国でございます。ただし、中共を承認している国は、中華民国ではなくって中共がこの条約の当小国であるということを主張している国もございます。そういう関係で、実際におきましては、中共もこの現行一九三〇年の条約に基づきます満載喫水線の表示の手続をいたしておるとわれわれ承知いたしております。日本と中共との…におきましてはもちろん国交もございませんし、そういう法律上の権利義務関係は生じませんが、実際上の取り扱いにおきまして日本の国内法を通用し、かつまた、日本の船が先方に参りました場合に向こうの国内法によって律せられても何ら実際上トラブルは生じないという関係に立つわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この問題で、日本・中共間にトラブルはいままでなかったんですね。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(春永盛生君) 船舶局長はただいま運輸委員会へ出席いたしておりますので、かわりまして御説明申し上げます。  現在まで、中共関係につきましては、わが国から参ります船も、向こうから参ります船につきましても、トラブルが生じた例はございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 さっきの説明の中に、中共を承認している国はこの条約の当事国は中共なんだというような解釈をしているという話、おもしろいんだが、もう少し説明してください。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 本来、一つの国につきまして一つの政府が代表いたしまして多数国条約の当事国となるわけでございますけれども、たとえばこの条約、とにかく戦前にできた古い条約でございますので、戦前に中華民国として加入いたしましても、一九四九年に中共政府が成立いたしまして、その後、こういう多数国条約におきましては承認関係が非常に複雑になっております。したがって、たとえばイギリスなんかの場合を考えますと、イギリスは国民政府は承認せずに中共を承認しているという関係に立ちますので、イギリスといたしましては、中共はこの条約の当事国として中華民国を継承したものだという立場をとっているわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そういう立場、イギリスだけですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 中共政府を承認しこれと国交関係のある当事国でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いや、そういう立場はイギリスだけですか、国で言えば。そういう解釈のしかたをしている国は。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 中共を承認している国はすべてでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、満載喫水線条約でなくて、その他一切にもこれは適用され得る。同じ立場をとり得るわけですね。中華民国がサインした国際条約は全部これは中華人民共和国であるというたてまえでいくんなら、あらゆる国際条約で中華民国が入っているものは、みなそれは中華人民共和国だというふうな解釈をとりますか、とりませんか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは多数国条約の内容いかんにもよりますし、したがって、中共が戦前に国民政府の加入いたしましたものを継承するかいなかという意思ももちろん関係いたします。ただ、戦後の特別な国際環境の結果、中共を承認している国と承認していない国との関係が、同じ中国でありながらも、そのいずれの政府が当事国であるかという点につきましては、いろいろな条約につきまして、その態様は違いますけれども、常にいろんな争いがあることは事実でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、それはおもしろい。もう少しまた勉強してみましょう。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この三十一条にある自国の「重大な利益に影響を与える敵対行為その他の異常な事態の場合には」云々とあるのですが、具体的にこれはどういうことを言うのですかね。どういう場合を想定してこういうあれ…-・。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これはもちろんこの締約政府が判断する事態でございますけれども、通常われわれ考えておりますのは、非常に重大な武力紛争その他の、そういう国家間の紛争が生ずるというような事態を通常考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それはわかっておるのですよ。それがこの条約とどういう関係があるか。そういうことが起こった場合に、なぜ特にこの条約上それが問題になるのか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この条約締結の際の経過におきまして、そういう事態が生じた場合には厳密にこの満載喫水線というものを守り得ない事態だから、そういう場合には締約政府の判断において停止してもやむを得ないというのが当事国の真意でもございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そうすると、戦争中はその制限なり制約以上にたくさんの物を積んで条約の規制以外のことをやるようなことが起こっても戦争中はやむを得ないと、そういう意味ですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) そのようなことを行なう権利を締約政府が認めたというのが趣旨でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それからもう一点だけ。旧条約が「殖民地」なんということばがあって条約の表現上まずいということはわかりますが、この改正したことによるプラス要因はどういうことですか。一口でいいですよ、そんなこまかいこと一々……。全体としてどういうことが改正のプラス要因になるかということ。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 先生の御質問の趣旨は、条約全体のプラス面でございますか。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 え、重点ですね。重点はどこにあるか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(春永盛生君) まず第一点は、船舶の技術、造船技術の向上に伴いまして船の性能がよくなった、これに伴いまして適正な満載喫水線の位置を定めますので、従来の条約よりも有利になるという点が一番重要な点でございます。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 委員の異動についてお知らせいたします。  杉原荒太君が辞任され、その補欠として堀本宜実君が選任されました。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって、全会一致をもって本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 公海に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これまたアジア=オセアニア郵便条約と同じように、まあ、会議には参加したがたいへん批准がおくれているわけですね。その理由をやはり、どこが入らないほうがいいのか、入れないのか、入らないことによって、ほかの国に日本の主張を強く押しつけるために入らない手段をとっているのか、入らないためには強い理由があったと思うんですね。それが今日、効力発生してから約六年かな、いまさらおそるおそると入っていこうと決心したのは一体どういうことか。どうも海洋会議では非常に演説はぶつようだが、入らない。見ると、だんだん人がたくさん入っちゃって恥ずかしい、恥ずかしそうにこそこそと入っていくのは一体どういう……。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 一九五八年及び一九六〇年にジュネーブで国連主催の海洋法会議が開かれまして、一九五八年の会議で四件の海洋関係条約が採択されました。そのうち、ただいま御承認を求めておりますのがこの二条約でございまして、これ以外に大陸棚に関する条約、それからもう一つ、公海漁業に関する条約と、もう二件ございます。で、われわれといたしましては、この会議で採択されました四件の条約につきまして全体としてどういう態度をとるべきかという観点から検討を加え、かつ、各国の加入ぶりを見てきたわけでございます。このジュネーブの会議におきましては、領海条約及び公海条約ともに日本は賛成いたしました。大陸棚条約につきましては反対いたしました。公海漁業に関する条約につきましては棄権いたしました。そういう当時の状況からいたしましても、日本といたしましてはこの公海条約及び領海条約につきましては大体加入するという方針のもとに、自来、内容の検討、その他国内法的な措置につきましての検討を加えてきたわけであります。特にこの領海条約につきましては、領海の一番大事な問題である幅員につきましてさらに一九六〇年に会議を開いたわけでございますけれども、その段階でもなお幅員についての解決は見られず、いまだに国際的には非常に無秩序状態にあるというのが現状でございます。そういったこともございまして、かつまた、この領海条約及び公海条約は、いずれも従来の慣習国際法をそのまま成文化したものであって、本質的に、この条約に加入する加入しないにかかわらず、このような国際慣習法によってわれわれは国際的に、国内的に律せられるという立場でございますので、問題はもっぱらこの条約を実施するために必要な国内的措置は何かという観点からの検討に時間を当てたわけでございます。現に公海条約におきまして、海底電線及びパイプラインの敷設に関しまして、それを損壊した者に対する処罰の国内的措置を必要とする規定がございます。これに基づきまして今回別途それを実行するための国内法を提案しておる次第でございます。そういう観点もありまして、いろいろな考慮からいままでかかったというのが実情でございます。なお、公海条約は六二年に発効し、領海条約は六四年に発効しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 日本の領海、公海なんかに対する態度は、慣習を大事にするというたてまえで来たわけですね。入らなくてもいいのじゃないですか。入らなければどれだけ損がいくのか、メンツが立たないのか。慣習でいくなら押し切っていく。領海なんかでは幅はきまらなかったが、低潮線を領海の幅をとる基点にするということまではまあきまっておる。それなら、もう少し話が進んでから、おそく入ったってけっこうだし、入らなくても一向どこの国も文句をつける国はない。一体何で……。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 先生のおっしゃるとおり、法律関係だけから判断いたしますと、まさに現在においての海洋関係とこの条約の加入後の海洋関係におきまして何ら差は実体的にないわけでございます。ただ、国連の一つの重要な任務といたしまして、国連憲章にもございますけれども、総会は、「国際法の漸進的発達及び法典化を奨励すること」という一つの国連憲章第十三条に規定がございまして、国連がそのような目的のもとに従来の慣習国際法を成文化する事業及び立法論的根拠から新しい条約を作成する作業、そういった国際連合の作業に日本も協力するという観点から、慣習国際法の成文化に賛成し今回加入するということになった次第でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 国連でこの慣習を国際的な法典化するということは、日本ももう十二分に理解をしているのだと思うのだが、そこに思いつくまで六年もかかったということですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) そうではございませんで、そういう趣旨から日本は加入するという基本方針を立てていたわけでございますけれども、この条約加入にあたりまして、いろいろ国内的な措置が必要ではないかという観点から、各省との連絡会議その他を開きましていろいろ検討を加えた結果、今回ようやく加入することになったというのが実情でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 何か海洋法関係においてははっきりしない。ソビエトやその他の韓国、アメリカら、いろんな漁業その他国防上の問題から公海、領海の問題が非常にむずかしい、自由な立場でいたいのだというのが私は日本の態度だと思う。あまり拘束されたくない、慣習でいくのだということを守りたかったと思うのですね、いままで。それがほんとうの腹だと思う。しかし、くたびれてきて、それもやはり大勢に押されていま入ってきたのだろうと私は解釈するのです。そういう点もあるでしょうね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 海洋四条約のうち、他の二条約と比べまして――他の二条約は非常に立法論的要素が多い条約で、いわば国際法の漸進的発達、国連憲章で言う「漸進的発達」という分野に当たるものだと私は存じておりますが、こちらのほうの公海条約、領海条約はむしろ国際法の法典化ということで進められた作業の一つだと思いますので、そういう観点から、慣習国際法がそのまま大体においては採択されているように考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そこで一つ伺うのは、公海の自由ということは、日本がいかなる場合でもとって譲らない大原則であり、これでもって各国との関係が成っておるわけですね、航行にしろ、魚をとるにしろ。また「公海の自由」、この条約の二条にもありますが、空についても公海の上空を飛行する自由というのがちゃんとうたってある。そこで質問は、去年の七月だったと思うが、日本からアンカレッジまで五千七百六十キロの距離、これを日航の飛行機が飛んでおる。ところが、アメリカ側の軍当局側の意向でしょう。自分が飛行するのに、現在日本の飛行機あるいはアメリカの飛行機などが通っている道が一番都合がいい。そこで、そこは自分だけが通る、民間航空機は横へよけてくれないかという話し合いでその合意ができている。現在は最短距離というか、最も適当なルートをはずれて南寄りに、別なことばで言えば、やや距離も遠くなった、時間もかかる。そういう不便をあえてしのんでおるわけですね、公海の上空でありながら。しかも、その飛ぶ飛行機は八千六百メートル以下を飛べとか、飛行機の速度はマッハ〇・七八でおそい飛行機なんだな。ボーイング707とかDC8はもっと早いから通れない。そういうことを日本の飛行機あるいはアメリカの民間機は押しつけられて、公海の自由や公海の上空を飛行する自由というのが制限を受けておるという問題があるんですね、問題が。そこで、一体だれとだれとの間にそういう話し合いをしたおか。アメリカのほうは何が当事者で、日本は日航もあるだろうし航空局とかいろいろな関係もあるでしょう。そういう、協定というか話し合いというのか、それはどうなるのか、まず伺います。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) ただいま先生の御質問に対してお答え申し上げます。  これはわれわれがノ1パック1と称しております航空路についてのお話だと承りました。東京を中心といたしまして北太平洋の航空交通量が過去五、六年間非常に増加してふくそうしておりまして、昭和四十一年末に調査いたしましたところ、なかなか航空機が機長の希望します高度で飛行することができませんで、そのためにふくそうというような事態がわかりました次第でございます。それに対応いたしますために、飛行機の速度によりまして飛びますところをきめようということになりまして、第一回は東京、第二回も東京一第三回はアンカレッジ、航空当局及び関係航空会社の話し合いをいたしまして、航空機の速度によりまして航行するルート空域をきめたわけでございます。これは別に軍用航空機を優先しようということではございませんで、軍、民間を問いませず、スピードによりまして、いわば高速道路の車線のように、高速の航空機はどこを通り、それから低速の航空機はどこを通るということにいたしまして、その間のふくそうを避け、それぞれの機長の希望する路線で飛ぶようにする、そういう考え方に帰着いたしたものでございます。具体的に申しますと、東京とアラスカの間でございますが、最短の路線は、民間航空機を主とします高速のジェット機にリザーブされておるわけでございます。その南に幅二百マイル、二百海里のノーパック1――北太平洋1という空域といいますか、帯状の空域を設けまして、そこにマッハ〇・七八以下の低速の航空機を集中させる。それからさらに、その帯状の空域のまた南側には民間機を――北側の一番短距離のところを飛べません場合には――高速の民間機を飛ばせるということで、低速の、軍を主にいたします輸送機は、幅二百マイルの一番短くはない場所に押し込めた、そのような協定にしたわけでございます。ただし、これは政府間の協定ではございませんで、航空管制当局間の協定でございます。で、出席いたしましたのが、第一回は運輸省の航空局管制課長が出ておるわけでありまして、それからあと、アメリカのFAAと申しまして技術方面をやっております連邦航空庁がございますが、そこの者、それから日本航空、それからアメリカの各航空会社とか、フランス航空、それからその他欧州諸国の関係の航空会社がみな出席いたした次第でございます。さらに国際民間航空機関、これは政府間の機関でございます。これの代表者、それから各世界の航空会社の協会でございます国際航空運送協会――IATAの代表も出席して取りきめたわけでございます。ただし、これは別に強制力のあるものではございませんで、ふくそうを避けるためにお互いに話し合いをしてそのようなことをしておりますわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私がいままで聞いたり、あるいは新聞なんかのうろ覚えであるけれども、日本の場合を限って言えば、日航、日本の飛行機に限って言えば、ルートを限られたために非常に時間もかかり、ガソリン代も、したがって人間の手当もかかる、非常に迷惑だというようにわれわれは理解をしているんですが、いまのお話だと、どうも最短距離を飛んでいくのは、アメリカの軍用飛行機が日本、極東に往来する道は遠慮して、それより遠いところを飛んでいるようなお話というふうに聞いたんですがね、ということは、最短距離があってその南のほうだとこう言いますが、低速飛行機の、速度のおそいものはなるべく距離が短いことが必要なんですね。それが最短距離は早い飛行機を飛ばして、長いほうは輸送機のようなものが飛ぶというふうにあなたのお話を私は受け取ったのだが、これは逆で、やはり一番いいところ、楽なところ、安全で短いのは軍用が取って、アメリカの軍用機が通っている。そうじゃないところは、早い飛行機。民間の飛行機はどいてもらうというふうなのが実情じゃないんですか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 先生のお話にございました新聞報道、私が読んだものと同じだと思いますが、必ずしも正確でなかった点もあったように記憶いたしております。数字をあげて申し上げますと、アラスカの西端から日本に向けまして一番短い高速のジェット機が飛べます距離でございます。これが三千四十五海里でございます。それからマッハ〇・七八以下の航空機が飛べますのが三千百二十六海里でございます。それからさらに、北の短いルートが使えません場合に使いますまん中の帯状の空域よりも南の空域が三千二百八海里でございます。したがいまして、それほど大きな差はございませんけれども、高速のジェット機――民間のDC8、ボーイング707はみな高速のジェット機に入るわけですが――に保留されております一番北のルートが一番短い、そういうのが事実でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、あなたの御説明ならば、日本が飛びたいと言っているルートですね、それは全然自由は拘束を受けていない、非常に最も望ましいコースを現在とっておるんだというふうに理解していいんですか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 先ほど申し上げましたように、この制度ができます以前は、高速の航空機、それから低速の航空機が同じところを飛ぶということになっておりましたので、機長が、たとえば三万五千フィートの高度で東京からアンカレッジに行きたいと希望しましても、少し前にどこか米軍基地なら米軍基地を出ました低速のジェット機がおります場合には、なかなかその希望する高度がとれなかったわけでございます。したがいまして、その希望する高度を固執いたしますれば待たざるを得ないということで、違うところを飛ばされたということもございます。で、これができましてからは、はっきりといわば車線のようなものが分かれたわけでございまして、したがいまして、離陸前の待ち時間、それが非常に短くなっております。これは事実でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、私がいつか読んだ新聞の報道というのは事実と違うと理解していいですか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 本日実はこの問題だと思いませんでしたので、もう一度読み直して来ませんでしたが、私のその当時受けました印象は、ニュアンスが相当違うということです。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ニュアンスの問題でなくして、ルートを、どこを通るのかという問題で、ニュアンスというムードみたいな話ではないので、私はやはり地図でもあればはっきりわかりやすいのだけれども、どうも軍用機の通行のためにやはり民間機――日本及びアメリカあるいはフランス航空も入るのでしょう――そういうものが制限を受けているという感じが強いので御質問をしている。したがって、公海の自由を行使する他国の利益に合理的な考慮を払わねばならない。一番便利なところを何のこだわりもなく自由に飛べる公海の上空、これが自由でない。他国の制限を受けざるを得ない。この場合、アメリカが他国である日本の利益に合理的な考慮を払ってやらなければならないのだろうと思うのだが、私は日本が損をして、不便を感じ、自由に飛べないというように理解しているので、それならば一体アメリカは、これに対して日本の利益にどんな合理的な考慮を払っているのか、そんなことを聞きたいわけです。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) ただいま担当課長に確かめまして、もう少し、詳しく御説明させていただきたいと思います。  この会議の過程におきまして、アメリカ側が一時一番いい空域を要求した時代もございましたが、日本の航空当局、日本航空、それから、その他北回りで欧州に行っております航空会社、それからIATAそのものの代表、それからICAOの代表などの発言がいろいろございまして、一番いい空域は結局民間航空が保留するということに成功したわけでございます。で、その後日本のわれわれのほうへは、国際民間航空機関――ICAOからも、自分のことを申し上げましてあれでございますが、感謝状も来たりなどいたしております。そのほか、日本航空を含みます民間航空会社の機長からも感謝のことばが来ております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 何と書いてある。

泉靖二運輸省航空局管制課長

○説明員(泉靖二君) お答えいたします。  ICAOの太平洋地区を代表いたします事務所がバンコックにございまして、ここの責任者をP・C・アーマーと申します。その人から、このときの会議を日本でやりましたことにつきまして、「管制のよきリーダーとして会議を成功させたことに心から感謝の意を表します。おめでとうございました」という文言のものが来ております。

大和与一日本社会党

○大和与一君 本案とちょっと違うのですけれども、いまの森さんの質問が出てその御答弁があったが、ちょっと私ふに落ちぬからお尋ねいたします。  いまおめでたい感謝状の話がございましたが、ブルー14というのはいまどうなっておりますか。この事実といまの答弁と違うとぼくは見ておる。

泉靖二運輸省航空局管制課長

○説明員(泉靖二君) ブルー14はICAOで規定されております航空路の通常の設定の方法に従いまして設定いたしました。設定の方法は東西に走ります航空路をグリーンとレッドと申します。グリーンのほうが交通量が多いのであります。南北に走る航空路をアンバーとブルー、それでアンバーのほうが交通量が多いのであります。ブルーと申しますのは、いまの範疇で南北に走る交通量の少ない線、そういう設定をいたしております。このブルー14というものは特別に軍用のために使用されているものではございません。だれでも任意に使うことができます。ただ、御承知のように、あの空域には立川、横田、入間川、厚木という四つの軍用に使われている飛行場がございます。ここは相当たくさんの航空交通がございます。われわれはこの航空交通をさばきますために、四つの異なった飛行場としてこれを扱わないで、四つ滑走路のある一つの飛行場として扱っております。すなわち、一つの飛行場が北向きに離着をいたさなければなりません場合には、残りの全部の飛行場が北向き、一つが南に使わなければならぬときは全部南向き、こういう使い方をいたしておりますけれども、何ぶんにも交通量が非常に多いので、このエーリアを突っ切りましてまっすぐに西のほうに行くことが非常に困難でございます。現在までのところは、四、五年前に、一定の高度をとりまして、羽田のホーマーの上で高度をとりまして、高いコースを突っ切って西に行くようなルートを設定いたしました。さらに最近に至りまして、横田のレーダーと羽田のレーダーが性能向上いたしまして非常に使いよくなりましたので、もっと低高度でここを突っ切るような方法を考えております。ブルー14は以上のようなものであります。

大和与一日本社会党

○大和与一君 それで民間一般的な話し合いは、これはどこかでおさめることができると思うのです。だけれども、アメリカの軍が実際やっておる場合には、それによって日本の国が被害を受けるあるいは損をする、遠回りをしなければならぬ、こういう事実があるということがいまのブルー14だと思うのです。それが最近になって新聞に出たのは、そのうちの一部が少しやわらかくなった。こういうふうに書いておるのですけれども、そうかといって、軍が自分が非常に頻度の激しい離着陸をやってるわけですから、その間はやはり日本の一般の航空機は非常にそれに対してじゃまにならぬようにしてくれと、こう言われて、おそらく損をしているわけです。その事実があるのに、どうしてえらいこう何でもないようなことをおっしゃる。そこのところがわからぬと聞いているのですよ。

泉靖二運輸省航空局管制課長

○説明員(泉靖二君) 私たち管制の立場で申さしていただきますれば、航空交通があればそれをぶっつけないように安全にさばくのが管制の任務でございます。ですから、あの東京の西の区域で南北の相当激しい交通がある。それと東西の交通がある。南北の交通が、おもに立川、横田、入間川、厚木でございます。東西の交通が民間の航空が多いわけです。その間で、あまり正確な比喩ではないかもしれませんが、たとえば十の縦の交通と三の横の交通がある。そうすると、そこの区域では十の交通、つまり、量の多いほうがたくさん使うというのは、管制の立場から言えばやむを得ないかと思います。

大和与一日本社会党

○大和与一君 私はその交通のゴー・ストップを聞いているのじゃないのですよ。質的な問題。ですから、いままでの常識としては、アメリカがあそこをかってにどんどん使っているから日本の航空機は全部それを避けて西のほうに行かなければならなかった。これは事実でしょう。このことは認めざるを得ないのじゃないか。そうすると、それが若干でもゆるやかになったということは、一つには技術が進歩した、一つには、日本の国の国民の力で、なるべくそういうことはやめて平等にやろうじゃないか、こういう世論をバックにしてあなた方が話をしなければならぬと、その二つがあると思う。それでもやっぱりゼロになったわけではないと私は思うわけです。ですから、森さんにお答えになりましたのを聞きますと、えらい感謝状をもらって、何でもないと言ったけれども、そうじゃないのじゃないか。そういう事実は認めながら、悪いなら悪いと、幅を縮小して、これは日本の航空機がどっちへ行ってもいい。これは自由です。自分の国ですから。こういうふうになるべきであると、そう考えますから、さっきの御答弁が少し怪しいじゃないかと、こう言っておるのですよ。そういう点、詳しいことはわからぬならわからぬで、あとから詳しく返事してもらえばいい。きょうでなくてもいい、宿題にしておくから。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) ノーパックの場合には、民間航空優先の形を相当はっきりと出すことに成功いたしましたわけでございますが、ただいまの米軍が使用しております四つの飛行場とそれから縦の交通量、それから民間航空機が使用しております羽田以西の交通量、その規制の問題はノーパックの場合と違いまして、直角に交差しているというところもございますので、いままでのところ、まだそれほど民間航空機優先の形で解決されていないわけでございます。まだ今後の宿題として残されておることは私たちも十分認識しております。今後ともまた努力したいと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この公海に関する条約とまた沖繩の船舶との関係、沖繩の船舶の旗との関係ですね。この条約に新たに今度加入すると、第六条には、「船舶は、一国のみの旗を掲げて航行するものとし」と、一国のみの旗を掲げて航行するとか、「公海においてその国の排他的管轄権に服するものとする。」というようなことが六条にありますがね。こんなところから見ると、沖繩の船もあやふやな――国旗の上に三角の流れ旗みたいのがくっついていますね。あれは一つのセットだと言うのだな。国旗かというと国旗じゃないと言う。国旗と同じかっこうをした日章旗と、それと上に三角の旗をくっつけて沖繩の標識にしたのですが、この条約に加入すると、それとの関係はどうふうふうになりますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 船舶の国籍につきましては公海条約第五条に規定がございまして、船舶とその船舶の属する国との間に真正な関係が存在しなければならないというたてまえをとっております。この「真正な関係」と申しますのは、その旗を掲げる船舶に対して、その船舶の属する国が、「行政上、技術上及び社会上の事項について有効に管轄権を行使し、及び有効に規制を行なわなければならない」というたえまえでございます。こういう関係から申しまして、沖繩船舶は沖繩に船籍がございまして、沖繩を統治しております米国との間に「真正な関係」が存在するということでございますので、沖繩船舶は、公海上を航行する際には、当然沖繩に施政権を持っております米国の管轄下にあるというようなことになります。先生の御指摘の、沖繩船舶に掲げております旗は、沖繩船舶で沖繩船籍を持っているということを示す標識でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 「一国のみの」――ステート――の「旗を掲げる」ということですね。アメリカのステートの旗を掲げるか、日本がステートでなくちゃならないと思うが、沖繩はステートには入らないでしょう。そうすると、どういうことになるのかな。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) ここで、この条約で、旗を掲げなければならないというのは、必ずしもその国の国旗でなければならないということではないというようにわれわれは解しております。たとえば商船なんかの場合にも、商船が必ずその国の国旗を常時掲げていなければならないということではなくて、その旗を見ればその船舶の属する国・が明瞭である、客観的に明瞭であるということが証明されればそれで十分であるというように考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 客観的に明瞭なのは国旗なんだよ。客観的に明瞭なのは、だれが見ても国旗なんだ。だから国旗を掲げるので、そういうのに当てはまる明確な国旗じゃないやつで、しかも、どこの国に属する旗なんていう例があったら教えていただきたい。ありますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは商船の場合、商船旗というものがございまして、商船旗というのは、その公海を航行する商船同士お互いにどこの国に属するものであるということがわかっている関係にあります。  それから、沖繩の船舶につきましても、沖繩船籍を持っているということを表示する先生の御指摘の旗につきましては、関係各国に、アメリカが外交機関を通じまして全部周知徹底させてございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 一方的にアメリカが関係国に、これは沖繩所属の船舶のしるしだよという通告をすることはかってだけれども、やっぱり一国の旗を掲げるということは、これはもう常識中の常識なんですよ。あそこは特殊な関係でそういうことになったのだろうが、条約に入った以上は、これはアメリカに話を持ち出して旗をつけたい、いまのような旗はまずいということは、私は申し出ておかしくないと思うのですよ。いままで公海条約に入っていませんからいいかもしらぬが、これを誠実に条約を順守する以上、あやふやなこの三角旗などくっつけたものはまずいということを私は申し出るべきだと思う。あなたは沖繩へ行ったかどうか知らぬが、行ってごらんなさい。日米外務当局の専門家が苦心の末こんな旗みたいなものを了解したようだが、遠くから見ると、雨にぬれて、何かぼろきれつけてぶら下がっているようなんですねっそれで、遠くからはっきり肉眼で識別できるのは日の丸のほうなんですよ。あの三角旗だか四角旗だかわかりませんよ、遠くのほうにいたのでは。紙の上へ印刷してみれば見えますが、現実問題としてはああいうものはこれはもうごまかしであって、気休めであって、もうやめようと、もう沖繩返還の話し会いもいよいよあなた今年末からでも始めよう、向こうも承知しな継続してやろうというときに、それはもうきれいさっぱりあの三角旗だのワン・セットだなんていう旗だか何だかわからないようなものはやめるように私は話を持ちかけるべきだと思うんですよ。大臣どうです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) あれは私が外務大臣に就任した当初ですが、ああいうものでなしに、両方縫い合わした旗を持ってきた、最初ね。それで、縫い合わしたのはおかしいじゃないか。縫い合わした、こういうデルタ旗と日本の日の丸の旗ですな、日本の日の丸の旗を両方縫い合わしたものを持ってきたが、こういうものは、日の丸というものは日本の国家を象徴しておるものです。これが縫い合わしてあるというのは、アメリカ自身だって星条旗のような場合にこういうことをするということは国民感情上許されないだろうということであれを二つに分けたんです。両方分けて、縫い合わしてないんです。それでまあワン・セットというので、相当あれ、ワシントンとも交渉をして、そしてようやくあすこへ持っていったので、いまは完全ではありませんけれども、いま言われる点、ごもっともな点もあるが、そういういきさつがあってようやく両方分けて、最初は縫い合わしたもので、相当これはその交渉というものは時間かかった。そういういきさつもあるので、まあ、いろんな御注意も頭に入れておくというお答えだけ申し上げておきます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それで一歩は譲歩して、縫い合わしたのを離して国旗の上にということでしたな、両方のコミュニケみたいなのでは、国旗の上にデルタ旗がくっつくような感じの表現でしたよ。上にね。どうせ離したのなら、船尾あるいは一番明瞭にわかるところへ日本の国旗を掲げて、デルタ旗はどこか好きなところに、わかるところに掲げなさいと、もう少し遠く離せば一向差しつかえないんです。アメリカが、あんな力が世界一強い国が、全くこまかい芸当をやるんですね。アメリカらしくないですよ。さっぱりしない。もうちょっと離して、向こうの先端なら先端、うしろの帆柱なら帆柱に掲げる。堂々と日本の国旗ぶっ立てたらいいですよ。そういうふうに交渉してもらいたいと思いますが、どうですか、もう一度。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 離したということ、最初はまあ縫い合わして、それが船籍が日本にないですから、だから日章旗というわけにはいかない。日の丸ではあるけれども、それは日章旗そのものを掲げたというわけにはいかない。そこは非常にこうなかなか船籍の点から見て複雑な問題を含んで、まあ日章旗と同一のデザインと、こういうことで、しかもワン・セットでなければいかぬわけですから森さんの言うように、離れてどこかにデルタ旗があって、こちらのほうに日章旗のデザインを使った日の丸の旗があると、ワン・セットといってもあんまりこう離れておるとワン・セットにならない。全体として一つの国旗ということに――まあ沖繩のは国旗と言えるかどうか、それは沖繩を表示するワン・セットの表示ですから、あんまり距離があり過ぎてもワン・セットになりませんから、今後こういう問題をいろいろ話し合う機会もあると思いますから、これはそういういきさつもあることを頭に入れて、今後できるだけ改善はいたしますけれども、おまかせを願いたい。そういういきさつがあることだけ申し上げておきます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 もう一つ伺います。  第九条に「非商業的役務にのみ使用されるものは」の「非商業的役務」とは何ですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これはいわゆる政府船舶につきまして、もっぱら商業的役務に使われる政府船舶とそうでない政府船舶とございます。特に共産圏の諸国におきましては、すべての船舶が政府船舶でございますので、貿易等に従事して、政府船舶をもって商業的役務に使われる政府船舶、そうでない、もっぱら政府の公務に使います船舶を非商業的役務にのみ使われる政府船舶というふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それから、こっちのサインするところに、白ロシアだのブルガリアという共産圏が留保をつけていますね、留保条項。これはどういうことを言うのか。たとえば白ロシア・ソヴィエト社会主義共和国。「この条約中の海賊行為の定義には現行の国際法の下において海賊行為とみなされるべきある種の行為が含まれておらず、その定義は国際航路における航行の自由を保証するためには不十分であると考える」、これ、何かアメリカかどこか侵略国、帝国主義国家のやっていることを指摘しているのかとも思えるような文章があるのですが、これ、意味はどういうのですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) ソ連圏諸国の留保は二種類ございまして、一つは、政府船舶に関しまして、商業的役務に従事するものとそれから商業的役務に従事しない、もっぱら公務に従事する船舶との区別をすることについて反対した点が一つ。もう一つは、ただいま先生の御指摘の、海賊行為に関する定義が十分でない。これは海賊行為というのは慣習国際法で昔から固まっております概念でございますが、これを法文化したものがこの条約の規定でございますけれども、ソ連はそういう規定のしぶりでは、自分の考えではこれは不十分であるということを特に宣言いたしております。どういうように不十分であるかという点につきましては必ずしも明らかでございませんが、あるいはただいま先生の御指摘のようなことも考慮に入れた反対であったかと思います。いずれにいたしましても、これは留保として、われわれとしては、特にその条約の規定に反する規定を受諾しないというような意味の留保と考えておりませんので、特別に異議を申し立てる所存ではございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これはもう少し親切に説明してもらいたいのだが、「海賊行為とみなされるべきある種の行為」、これはおそらく海洋法会議の中でソビエト代表が発言したことがあると思うのですね、何回か。ただいまのこの条約ができたときにこういう留保の宣言をくっつけたのではなく、海洋法会議の中での発言があると思うが。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) ソ連として承認できないような国の政府の船舶、そういったものについて特に研究いたしまして、そういうものもこの海賊行為の中に含ましめるべきであるというような発言をしたことはございます。したがって、そういうことがおそらくソ連の見方で不十分であるということの真意であろうというふうに判断しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 判断じゃなく、何かもっと具体的な発言をしているのじゃないかな、留保宣言するのですから。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) かいらい政権ということばを使っておりますので、これはどこの国をさすかということはソ連としてははっきり申しているわけではございません。ただ、この海賊行為そのものは常に私人の行為でございますので、そういう政府の船舶、あるいは政府を背景にした船舶の行為をもって海賊行為というのは、いかにしても、従来の慣習法の観点から言っても無理であるということであろうと思います。ただしかし、ソ連が考えておりますのは、そういう意味でかいらい政権というものの船につきましてそういうような主張をしたという事実がある次第でございます。     ―――――――――――――

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 委員の異動についてお知らせいたします。  長谷川仁君が辞任され、その補欠として岡本悟君が選任されました。     ―――――――――――――

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 いまのに関連しましてお伺いしますが、はたしてそれは、そのかいらい政権だけでしょうか。たとえばキューバ事件のときに、アメリカは、ソ連からキューバにミサイルが運ばれるであろう、そういう想定のもとにあそこでもってソ連の船を臨検するというような宣言をした。ああいうこともソ連では考えてこの留保をつけたのではないのか。それはどうでしょう。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) ただいま岡田先生が御指摘のようなケースにつきましては、会議の過程においてソ連がはっきりした発言としては申しておりません。先ほど申し上げましたようなかいらい政権ということは言っておりますが、いまのような具体的なケースにつきましてそういうことは戒めるべきだという発言はいたしておりません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それでは、しておらないとすれば、ソ連はああいうことは認めるという態度だったのですか。そうじゃないでしょう。あのときにソ連はこれに対して激しく抗議をしていたと思う。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) ただいまの岡田先生の問題につきましては、これは海賊行為という問題として問題になるのかどうかという点は、私は別の問題ではないかと思いますが、あるいは別個の観点からソ連はそういう問題についてはこれはいかぬということはあったかもしれませんが、との海賊行為につきましては、そのような趣旨の発言はございません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それではかいらい政権ですね、まあどこの国がかいらい政権であるということは示しておらないけれども、ソ連がかいらい政権と認める国がたとえばそういう行為をしたときは、これは海賊行為であるということをソ連側では言っておるわけです臓。そうすると、一体そのかいらい政権なるものが、たとえば他の国によって承認されておる、そうして単にかいらい政権でなくて、合法的に他国からも承認された政権である場合に、このソ連の留保条項というものはどういうことになるのですか。ただソ連側でそれを認めないということだけ、そうしてその国が海賊行為をやったということを言って抗議をするだけのものですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) このソ連の留保の内容は、「この条約中の海賊行為の定義には現行の国際法の下において海賊行為とみなされるべきある種の行為が含まれておらず、その定義は国際航路における航行の自由を保証するためには不十分であると考える」ということでございまして、ソ連の言うような意味での、いわゆるかいらい政権の船舶の行動をもって海賊行為であるということは、従来からも、またこの会議におきましても、どの国からも支持されなかったことでございまして、そういう行為をもって海賊行為と言うことは、慣習国際法上言い得ないことであるというように考えます。したがって、ソ連の言うようなそういう行為につきまして、それがこの条約の海賊行為の問題とはいかなる観点からも関連がないというようにわれわれは考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、この留保条項というのはこの条約に対して何も影響がないと、それで、つまり、何らかの効力ですね、制限する力はない、こういうことなんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは留保一般の問題でございますけれども、留保する条約の規定を、ある条約の規定を全面的に適用しないとか、あるいは一部修正して自分の国に適用するとかいうようなのが普通の典型的な例でございますが、この本件の場合におきまして、この条約にございます海賊行為の定義とは別に、その定義そのものはもちろん従来からございますので、慣習国際法でございますのでそれは当然として、それ以外にこういうものも含まれるべきだろうという一つのソ連政府の宣言でございますので、そういう意味でわれわれは留保とは考えない次第であります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、これは法理論からいってこの留保というものは何の意味もない、こういうことですか。それはソ連だってわかっているだろうと思う。それなのに、なぜソ連系の国はこういう留保条項をつけたのか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) ソ連の留保は、先ほど申し上げましたとおり二つございますが、一つのほうは、もちろんこれは規定に対する修正でございますので、留保でございます。海賊行為のほうは、これはソ連の海賊行為に関する自国の定義がいれられなかったということに対しまする一つの抗議的な性質を持つ宣言でございまして、条約の規定そのものに対する修正とか、ないしは不適用とかいう問題とはなりませんので、そういう意味で、いわゆる国際法上の留保とは違うというように考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それで、なにですか、こういう条約が成立する場合に、こういうような何と言いますか、条約そのものに何ら影響ももたらさないような留保をつけることを認めるのですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 一般に多数国間の国際条約におきましては、留保を許容する場合に、明文の規定をもって留保を許容する場合と全然許容しない場合とございます。本件は特に留保を許容するとかしないとかいうことは何もない条約でございまして、参加国すべてがこの留保に対しまして賛成をいたしますれば、その限りにおきましてその留保はソ連の言うような意味で修正される、あるいは適用を除外されて全体の条約が適用されるという関係になろうかと思います。本件の場合、いままでどの国がどういうソ連のこのような留保に対しまして反対したかということは詳しくは存じませんが、たとえばこの政府船舶の地位につきまして、ソ連の留保に対しましてもし反対があるとしますれば、その国との関係においてはその留保は成立しない。しかし、それを認める国との関係につきましては、ソ連のそういう留保はそこで条約の規定が修正されて適用されるという関係になろうかと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、ちゃんとこういう留保づきでもって署名しているということになりますれば、これは各国が反対しないで認めたということになるのじゃないですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは各国が加入の際にソ連のこのような留保につきまして態度を表明することが可能でございます。日本といたしましては、この前段のソ連の留保につきましては反対するつもりでございます。これは条約の規定にまっこうから反対するものでございますし、従来の慣習法と合わないというような観点からわれわれとしてはその趣旨を認められないという意思を表示するつもりでございます。それから、海賊行為につきましては、条約の規定を何ら修正するものではございませんから、その意味は何ら変わりございませんから、特別に意思表示しないつもりでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、これは署名の際にこういう留保には反対であるということを日本側は明示するんですか、したんですか。するじゃない、したんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 日本は署名いたしておりませんので、これから加入いたします際にそのような政府の意思を表示した文書を付して加入の手続をいたす所存でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 次に、第二条の規定について伺いたいのですが、これは第二条の規定で、「公海の自由は、この条約の規定及び国際法の他の規則で定める条件に従って行使される。この公海の自由には、沿岸国についても、非沿岸国についても、特に次のものが含まれる」とあって、「1航行の自由」、「2漁獲の自由」、「3海底電線及び海底パイプラインを敷設する自由」、「4公海の上空を飛行する自由」とありますが、この「漁獲の自由」ですが、大陸棚の宣言というのは、その後ほうぼうで発ぜられておる大陸棚というのは公海の下まで及んでいるわけですね。そうすると、それと一体どういう関係になるのですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 先生お読みになった部分にございますように、「この条約の規定及び国際法の他の規則で定める条件に従って行使される」ということでございまして、われわれは、大陸棚に関しまして申しますと、大陸棚に関する条約というものがございまして、これを批准している国につきましては、そういう制限のもとで漁獲の自由が行使されるというように解釈いたしております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 たとえばその大陸棚の問題について何もこちら側で認めないという場合には、それはどうなるのですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) たとえば日ソ間で申しますと、日本は大陸棚に関する条約に反対し入らない。ソ連は現に入っておりまして、しかも、ソ連はそれを実施するための国内法も制定しているということでございます。日本とソ連との関係においては立場が違っておりまして、大陸棚に関する規制には日本は服しない。ソ連はこれに入っている国との関係においてのみそういう規制に服させることができる――法的には規制に服させることができるという関係でございます。日本といたしましては、そのような規制に服する必要がないという立場をとることができるわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 とることができるけれども、実際日ソ漁業条約等について特別にああいうものを結ばなければならない。しかも、カニの問題についてソ連がああいう提案をしてきた場合に、今後この問題が事実上の問題として起こってくる。それからまた、アラスカ沿岸のカニ漁の問題でも同じようなことが起こるだろう。そのほかの国においてもこういう問題が起こってくるのですが、一体大陸棚のそういう規制と、それから公海に関する条約とどちらが上なんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 上下の関係は、いま第二条に「公海の自由」というものをまず原則に掲げまして、ここで引用されておる「国際法の他の規則」に大陸棚に関する条約が該当いたすという関係に立とうかと思います。したがって、そういう意味では、公海条約に対します一種の特別法というようにわれわれは観念しておる次第でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 つまり、公海に関する条約というのはこれは基本的なもので、そうして、「他の規則で定める条件」というものは、これは事実上食い込んでいく、あるいはまた制限していく、そういう形になっているわけですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) そのとおりでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、たとえば大陸棚を各国でもってどんどん宣言していって、それがどこでも全部広がるということになると、この公海の自由の原則の第二条の2というのは、事実上大陸棚以外のところにだけしか適用されない、こういうことになるでしょうね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 現在大陸棚に関する条約につきましては三十七カ国が入っておりまして、六四年に発効いたしておりますが、大陸棚条約を批准している国相互間におきましては、そういう制約のもとで「漁獲の自由」というものが行使され、なお、大陸棚に関する資源の問題だけではなくして、たとえば最近いろいろ問題になっております漁業水域の問題も、やはりこれはそういう条約を締結している国との間におきましては公海のその部分が制限されておる次第でございますので、そういういろいろの国際法上の他の規則によって制限される範囲内で「漁獲の自由」が行使されるということになってきているのが傾向でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 いま大陸棚の条約に入っている国が三十七カ国、その海に面している国というのは世界じゅうで幾つあるんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 正確にお答えいたしかねますが、要するに海岸のない国、無海岸国というのが二十数カ国あったように思います。したがいまして、全部の国からそれだけを引いた国が海岸のある国という感じがいたしております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると約百カ国ぐらいですね。まあ、数は正確でなくてもいいですが、それくらいでしょうか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 正確には存じませんが、百カ国足らずという程度だろうと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、三十七カ国というのは、すでにその三分の一以上で、しかも、これからふえていく傾向があるんじゃないですか、どうでしょうか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは一九五八年に採択されて、その後いろいろの国が批准の手続を進めているわけでございますが、これまでの経緯を考えますと、すでに十年間たっているのにかかわらず三十七カ国が批准し、しかも、それが六四年に発効したということを考えますと、これから若干の国が入るということは考えられますけれども、そう多くの国がさらに追加して加入するということはわれわれとしてはあまり考えられない次第であります。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 日本としてはどう考えているんですか。日本としては、これは日本の漁業にとって不利であるからという考えもあるでしょうけれども、しかし、緯国の漁業なりソ連の漁業なりというものがその行動範囲を拡大してくるというと、やっぱりこういう問題も起こってくるのじゃないかと思うが、日本としては一体この問題に対してはどういう態度をおとりになるか、どういう考え方を持っておるのか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この大陸棚に関する条約の第二条におきまして「沿岸国は、大陸棚に対して大陸棚を調査し、及びその天然資源を開発するための主権的権利を行使する」というように書いてございまして、その「天然資源とは、海床及び地下の鉱物その他の非生物資源並びに定着種族に属する生物すなわち、収獲期において海床の表面若しくは下部で静止しているか又は海床若しくは地下に絶えず接触していなければ動くことができない生物をいうものとする」というように書いてございます。われわれとしまして、この大陸棚に関する「主権的権利」というものについて、もう全般的に一切がっさい認めないということでは必ずしもございません。特に「非生物資源」、つまり鉱物資源、石油その他の鉱物資源につきましては、沿岸国にそのような権利があるというのがいわば現在の国際慣行であるというところまでは認めております。ただし、生物資源につきまして、一切、しかもカニのような実際多いときには三百海里以上も移動するようなそういう資源までも大陸棚に属する資源であるというのは、いかにしても、海洋資源という観点からいっても、とても承服しがたいということで、この一九五八年の会議におきましては日本は反対いたした次第でございます。したがって、分けて考えますと、非生物資源については、そういうような国際慣行が除々に確立しつつある。しかし、生物資源につきましては、日本としてはそういうものは大陸棚に属する資源とは認めがたい。特に海洋における漁業の自由の観点から、とても承認し得ないという立場をとっておる次第でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 理論的には日本としてはそういう主張をするわけですけれどもね、現実の問題として、たとえば漁業のいろんな協定がありますね。そういう場合には現実の問題としては認めざるを得ないんじゃないですか。どうなんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) したがいまして、現在日米あるいは日ソ間で漁業交渉いたします場合に、日本としてはこの大陸棚に関する条約を認めないという立場で実際的な解決を求めているわけであります。もしかりに日本がこういう条約に入ってそういう生物資源の主権を認めるという立場に立ちますと、現在日米間あるいは日ソ間でわれわれが得ておりますタラバガニ等の協定における日本に与えられた収獲、漁獲高というものはさらにもっと制限される可能性が出てきはしないかというように考えております。いずれにいたしましても、われわれがそういう主権を認める国との間の交渉におきましてやっておりますのは、日本は認めないという立場で実際的解決を求めるという方法をとっているわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、向こう側はそれを主張する、こちら側は基本的には認めない、しかし、具体的な問題として現実的解決としてはまあ半分認めたようなかっこうだと、こういうことなんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 先生のおっしゃるように、認めたと言われますとちょっとぐあいが悪いのでございますが、そういう立場を相手の国がとっておるということは、もちろん、これは世間周知の事実でございますので認めるわけでございますけれども、日本としてはそういう立場を法律上認められないという立場でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 次に第二十二条についてお伺いをしますが、この問題は、この前、一月ですか、プエブロ号の問題、あれに関係のある条文だと思うんですけれどもね。もちろん、北朝鮮がこの条約に入ってるわけではないですから、この条約の条項に基づいてやってるとは思いませんけれども、慣習的な国際法に基づいてやったんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは、第二十二条に書いてございます追跡権は、条約審議の過程におきましての了解でございますけれども、軍艦についての規定ではなくて、軍艦以外の一般の船舶についての慣習法というように了解いたしております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 これはまあ軍艦についての規定ではないけれども、軍艦といえども、他国の領海の中へ入れば、入られたほうの国は追っ払う権利があるわけでしょう。そうすると、あのとき、プエブロが軍艦だかあるいは軍艦でないのか、 つまり、はっきりとアメリカの海軍に所属している艦であるかどうかということは、これは私ども知りませんけれども、とにかくあとで艦長、艦員が北鮮側にとらえられて、そして自白をしたり、テレビでしゃべったところを見るというと、北鮮の領海内に入って、そしてずうっと追跡されていって、そしてつかまったと、こういうことになるわけですね。で、まあ追跡権はあると、その追跡権に基づいてつかまえたんだ、こういうことでしょうか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 私、現在の段階におきまして、当時のプエブロ号がどのような行動をし、これに対しまして北鮮の船舶がどのような行動をしたかということにつきまして、何ら申し上げる立場にございません。ただ軍艦に関しましては、公海条約ではなくて、領海条約第二十三条に「軍艦が領海の通航に関する沿岸国の規則を遵守せず、かつ、その軍艦に対して行なわれた遵守の要請を無視した場合には、沿岸国は、当該軍艦に対し領海から退去することを要求することができる。」とあります。それから、追跡権の場合の、従来からございます慣習国際法を成文化したものでございますが、沿岸国の国内法に違反した外国船舶を領海から追跡を始めた場合には公海まで及ぶことができるという定めがございます。その観点から、われわれはこの追跡権に関する規定を解釈しております。現実にプエブロ号についてどのような説明をするのが適当かどうかについては、現在の段階では私どもとしては客観的に公平に申し述べる立場ではないと考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 まあ、なにですね、ああいう日本の近所で重大な事件が起こって、しかも、アメリカの海軍がエンタープライズをはじめとしてたくさん日本海に出動して、そしてあわや戦闘行為が始まるかもしれないというような事態。また、当時日本の漁船等も直接の損害を受けた。非常な不安を感じた。その原因をなす事件なんですね。だから、あなた方がこれに対して、何も申し上げることはできませんじゃ、私は済まない事件だと思うのですよ。それはあなたの立場はそうかもしれないけれども、これはやはりこういう問題はもっと日本としても十分に日本の立場で調査をし、そしてまた、これがどういう原因で起こったか、そしてどうしてああいうふうになったのかということなんかを国民にはっきりさせることが、やはり政府としての仕事じゃないかと思うのですが、これは外務大臣、どうでしょう。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま事務当局が申しましたように、これはまあアメリカあるいは北鮮側の言い分は非常に開きもありますし、また、現に拿捕されておりますから、一番大事なことは、航海日誌なども大事なんですが、それがなかなかいまのような状態では、それが公開されるということもむずかしい状態でありますから、いまの与えられた一つのわれわれの資料のもとにこの事件に対して日本政府がいろいろ意見を述べる段階ではないと私は思っております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 日本政府が述べる段階にはないと言うけれども、この事件が日本の国民に非常な不安を与えたということは事実だろうと思うのです。そういうことに対して政府は、その事件に対して政府としての考え方なり、あるいはまた政府としての態度なりというものをこれは明らかにするのが当然の責務じゃないのでしょうか。これは対岸の火災視していい問題だろうか、私は非常に疑問だと思うのですが。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) こういう点では、アメリカに対しても直ちに大使を通じて、平和的にこの問題が処理されることを希望して、あのプエブロ事件を中心として新たなる緊張が朝鮮半島でこ以上加わることに対して日本政府の憂慮、問題の平和的解決を申し入れたわけです。直ちにソ連大使を通じて、北鮮との友好関係があるソ連でありますから、この問題が平和的に解決をされて、新たなる紛争の拡大というものを日本政府は希望しない。ソ連はソ連の立場において北鮮等にも働きかけて、できるだけあの事件をあの事件として、切り離して解決をされるように努力をされたい、そうして、とにかく拿捕されているのでありますから、一日も早く拿捕されておる人間の釈放というものを希望する、そうして問題を平和的に解決する、こういう申し入れをいたしました、米ソ両国政府に向かって。いま岡田さんの言われるように、この事件そのものに対して日本政府がいろいろ申し上げるのには材料というものがいまだそろっていない。しかし、この事件をできるだけあの事件そのものとして平和的に解決をするし、拿捕されている人々もすみやかに釈放するように、そういう日本政府の希望、これをアメリカ、ソ連に申し出た、こういう行動はとったわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それは私も承知しているんですよ。それで、この問題について日本政府がどういう見解をとるかということについては、それだけの明白な材料がないから言えないということなんだけれども、あのときにジョンソン・アメリカ大使からいろいろ説明があった。そうすると、すぐそのときには、まあ、それがほんとうであるというようなことで、国会で佐藤総理をはじめ外務省も同じような見解を発表されておったんですね。そのときはさっとそういう見解を発表して、そうしていまになるというと、もうきわめて慎重というか、ものを言うのがたいへん憶病なんですが、これは一体どういうことなんでしょう。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 岡田さんも御存じのとおり、もし公海のできごとであるならば、日本は公海の自由航行というものに対しては非常な国益のかかっている海洋国家でありますから、もしそういうことであればまことに遺憾である、こういう条件を付して言ったわけでありますが、あとから考えたならば、条件を付さないでもものを言えるまでは待ったほうがよかったかもしらぬというような反省はいたしております。しかし、あれはすんなりアメリカの言うことを前提にして言ったんではなくして、もしそれが事実だったら、公海のできごとはまことに遺憾である、こういうことを言ったんで、そういう仮定のことはえてしてお読み落としになる場合がありますので、今後仮定を置かないでものが言えるまで待ってものを言ったほうが適当なのかなというふうに、いまはそういうふうに考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 じゃあ、私はこれで。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  公海に関する条約の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって、全会一致をもって本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条にまり議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。     ―――――――――――――  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 簡単に一、二お伺いいたします。  報道によると、日本政府は、スイス、ラオス等の第三国を通じて日中の政府間接触を考えておる、というのか、はかっておるということなんだか、これが事実かどうか。  それから、その場合、かりにそれが事実であるとすれば、中国に抑留されておるスパイ容疑者の釈放を目的としての接触というようにいわれているけれども、そういうことなのかどうか。  私は一度に聞いておきますけれども、まあ先にこれだけ聞きます。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、中共との間に外交関係はございませんけれども、在外公館が、通常外交活動の一環として、非公式に中共の在外使臣との接触をできるだけいままでも行なってきたわけでございます。最近もこのような非公式の接触もありますが、しかし、それは特に公式に接触するというのでなくして、いろいろパーティの場合とか、そういう非公式の接触であります。そういう接触を通じて何もいまのところ新しい動きはございません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 まあ、報道では中国のスパイ容疑者の釈放を目的としてというようなことがいわれでおるのですが、それは事実かどうかわかりませんけれども、かりにもしそうだとすれば、それは日本のほうが御都合がよ過ぎるので。それもけっこうですよ。そういう形での接触、いまなければ今後あってもけっこうですが、それをさらに発展させて、より深い接触まで進めでいく必要がある、こう思うのですが、しかし、まあパーティ等の接触なんということでなしに、もう少し進めて、相手側と、一昨日も申し上げたように、いかなる情勢の変化にもすぐ対処できるような条件というものをいまから用意しておくべきではないか、こう思うのですが、いま第三国を通じての事務レベルの接触、大使館を通じてですか、その事務レベルの接触というものはどういうことか。これは大臣でなくてもけっこうですが、どういうことをやっておられるのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) スパイ事件は、いまのような非公式の接触と関連があるものではありません。スパイのほうは日赤に頼んでおります。日赤を通じて釈放方の尽力を依頼しておるという段階で、そのスパイ事件に関連をして非公式に接触をする、そういうものとは性質の違ったものでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それはまあ当然そうあってほしいと思うのです。それはそれとして、それで、もしほんとうの日中間の接触、政府間の接触をはかろうとするならば、もう少し何か煮詰めて、私は、その場所とか、大使級とか、そういうことを言うわけではないのですが、どういう形にしろ、何かの用意を始めるべきではないかと思う。私は、一挙に日本外交が大転換できるかというと、これを要求しても無理だし、また、そんな大きな期待も持っておらないけれども、しかし、何らかの前進をせねばならぬのじゃないか。特に自民党の外交調査会ですか、あるいは自民党自身としても、近く対中共問題についての基本的な姿勢をまとめると言っておるのですから、その中には外務省の意向というものがやっぱり最も強く反映するものと思うのですが、おそらく自民党側の言う日中の接触、日中問題の打開というのですか、日中外交というのだか、どういうことか表現の方法は知りませんが、それは押えるということじゃなくて、前進を意味してのそれは発言だと思う。そうであるならば、何らかのもう少し具体的な――外国で接触するだけじゃなくて、貿易問題等で、この前申し上げましたような吉田書簡とか輸銀使用とか、いろいろ問題はあるけれども、特に何らかのそういう第三国を通じてなり、あるいは日中の直接の第三国においての接触なり、そういうことをもう少し進められていいんじゃないかと思うのですが、いかがですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまのところは、レセプションとかパーティとか、特に訓令に基づいて公式に会っておるという性質のものではないわけです。これはその問題だけを取り出してというわけにもいきませんし、もう少し中国問題というものは、私がしばしば申しておるように、アジア・太平洋というこの環境の中における日中関係として、そして改善を考えていくということで、いろいろな可能性というものを検討すべきであると思いますが、ただ一つの問題を取り上げて、そしてその問題を解決というのじゃなくて、もう少し広い視野から日中問題というものは取り扱うべき問題だと私は考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは基本的にはそれでいいんですよ。それは中国問題だけではない。ベトナム戦後の問題。それから、日本はとにかく直接関係はないにしても、アジア諸国の中には英軍のアジア撤退後の空白状態をどうするかという動きもあるようですから、幅広くアジア・太平洋――太平洋といいますか――全体の中に中国問題をその一環としてとらえることは、これはもちろん私けっこうだと思うのですが、ただ、そういうことによって中国問題が埋没してしまっちゃ困ると思う。それは外相の表現というか考えはわからぬわけじゃない。わかりますが、そういう幅広い問題の中の一環としての中国ということはわかりますけれども、そのことのゆえに中国問題が埋没してしまっては困る。これを私は言っておるわけであります。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは中国問題というのは、埋没するというほど軽い、まあ非常に小さい問題ではないと思いますが、ただ、中国問題だけを取り出して一気に解決ということの考え方には無理がある。やはりアジア・太平洋という一つの全体の環境の中で日中問題をとらえるというとらえ方をしないと、いきなり中国問題だけといっても、それは大きなそういうアジア情勢全般と相関関係を持っておるわけですから、したがって、中国問題、あるいはまたアジア・太平洋地域全体の情勢、こういうものと相関関係を持っておりますから、一気に何か問題をとらえてそれだけを解決するという行き方でなくして、もう少し幅広く中国問題をとらえて、これを改善するということがやはり外交の行き方としては正道だと私は思っております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 次はベトナム問題に関連する、アメリカと北ベトナムとの接触の問題ですね、接触の地点の問題。パリ説が有力になってきて、ウ・タント国連事務総長も、でき得れば一週間以内くらいにこれをまとめてもらいたいという要望もしておるようですねパリ説なんかについては日本政府としてはどう考えておるか。また、何らかの意思表示をするのか。その辺はいかがですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 日本政府の立場は、すみやかに話し合いに入るということを希望しておるわけです。したがって、アメリカとハノイが合意に達する場所に対して、どこでもいいという立場であります。まあ、これはジョンソン提案が行なわれてから相当日にちもたちましたし、直接ハノイとの間に折衝しておるようでありますから、できるだけすみやかに場所――といっても場所よりももっと話し合いの内容自体にこれから幾多の難関があるから、この場所がハノイとアメリカとの間に合意に達してすみやかに話し合いに入ることを希望する。場所に対しては日本は注文はない、両方が合意される場所ならばどこでもけっこうであるという立場であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もう一点だけ。これも簡単です。一昨日お尋ねした北ベトナムの友好協会の代表団の入国を正式に認められたようです。これは非常にけっこうだと思いますが、その際にも申し上げましたように、政府としては何か接触をされるお考えはないでしょうか。私どものほうは、昨日の中執でこれと話し合うことにしたわけですが、政府としてはどういうお考えでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまのところ政府としては友好協会の大会に出席を認めるということで、とにかくまだ手続が終わっておるかどうかは別といたしまして、入国を認めるという方向において手続を急いでおるのが現状でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは了解して、それは適切な措置だと思いますが、非常ないい機会なので、こういうときに、もし政府のほうから――といっても、向こうからかりに求められたらどうされるか。それは私一昨日申し上げたとおり、外相、はっきり答えられたでしょう。いつでもハノイに参りますと答えたでしょう。それが向こうから来たのですから、この機会に接触されてはどうでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) おいでになるのは作家とお医者さんですからね。しかし、いろいろな状態、そういうことで大会に入国を認めたということですが、これは適宜のいろいろな場合――いろいろの場合といいますか、そういう仮定をおいていろいろお尋ねですが、これは羽生さんの仮定ですから、これに一々お答えすることもどうかと思うが、われわれとして適当だと思うような判断であれば、その判断に従って行動するということでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは確かにこの前、関連の私の質問に対する御答弁だったのですから。しかし、あれは公式の席で公式にお答えになったことですから、すべてそれが――やはりそれはあの時点ではそう答えたが、なかなかこういうことはむずかしくてということになると、これはもう外相の発言の信用にも関連することだと思いますので、無理なことは言いませんよ、しかし、必要に応じては十分その点を考慮してもらいたいと思う。接触はすべきである、相手側の意向もいろいろ聞くいい機会ではないかと思いますが、これだけで私の質問は終わります。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはハノイでもどこでも行くと言ったが、それはベトナム和平に関してですから、今度おいでになるのは、日本とベトナムの友好協会の大会ですからね。和平に関してならばこれはもうその労を私はいとうものではない。これは今度来られるのはその大会に作家と医者が出席されるというのですから、そのことで、前の考え方と違ったと言って責めることは少し無理じゃありませんか。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それじゃ向こうが和平に関して三木外相の意見を聞きたいと言ったらどうですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは私はこの国会で言ったことに二言はございません。

大和与一日本社会党

○大和与一君 簡単なんですが、アメリカと中国がいままでもワルシャワで非公式接触を百五十回以上やっておるのです。それは御存じだと思います。そのことは全然ないよりもいいというふうに見ておられるのか、あるいは、内容によっては具体的な事実があって、若干前進するとか解決するとかというところまで手ごたえがあるというふうに具体的につかんでおられるか、それを聞きたいのです。  あとは、いまさっきの話で、パーティとかなんとかと言っておるが、風船を大臣が上げた。ところが、いまの話みたいに、東西の圧力の中でのき然たる外務大臣の姿勢――風船を手放しては困るのですよ。これは希望ですよ。これは絶対に放すな、こういう希望です。前段のほうを……。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 米中会談――ワルシャワ会談は何ら進展がないようです。内容的には。何らの進展なし。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 羽生君のこの日中の接触の問題に関連してですがね。まあ、LT貿易が結ばれて五年間、中国側の代表が日本に来た、日本側もこれは向こうに代表を出しておる、そういう状態です。また、それが切れても、今度、日中覚書貿易・といいますか、これが始まったわけです。これもかりのものですから、いずれまた交渉が行なわれるだろう。ああいう機関が東京にあるわけです。そうすると、よその国でパーティやなんかで接触するよりも、もっと接触が容易なんじゃないかというふうに思うし、また、日本側の向こうの事務所の代表もある種の接触ができるだろう。それから、この間古井さんなんかが行かれたときも、ちゃんとその前に政府の意向を聞いて行っておるわけなんです。帰ってきてからも、政府にその意向を伝えておるわけですね。自民党の中にそういうちゃんと政府とつうつうで行かれる人もあり、向こうからこちらに派遣してきておる人も、これは周恩来首相なり、陳毅外交部長なりにつうつうの人が来ておる、こういう事態があるのですね。これは事実がある。そうすると、第三国、たとえばラオスとかどこかで、パーティの場合の接触というよりも、もうちょっと高いといいますか、高い段階というか、そういう接触もできるのじゃないですか。それをしたからといってふしぎじゃないと思うのですがね、どうでしょう。今後そういうおつもりであるかどうか。もし、接触を続け、深めていくとするならば、そのほうがいいんじゃないかと思うのですがね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまのところ、岡田さんの言うようなものは考えておりませんが、いろいろ自民党の議員の人たちも北京に行かれるわけですから、そういうことを通じていろいろ情勢というか、情勢を聞くような機会は非常にあり得るわけでありますから、それも一つの大きな参考になると考えております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 情勢を聞くというだけでなくて、これはもう一歩突っ込んで意見の交換ということもこれはあったっていいんじゃないかと思うのですがね。とにかく自民党から行かれる方々、自分かってに行かれるのじゃないと思うのですよ。行く前には総理なり外務大臣なりにお会いになって、それからまた自民党の幹部ともちゃんと話をつけて行かれるのでありますから、ただ一方的にこっちが向こうへ行った方から情報を得るということでなくて、多少、意見の交換という段階まで進めて行ったらどうかと、非公式なものですが、そういうことはどうお考えになりますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 御意見として承っておきます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 少し大臣に水をさすような質問になっちゃうけれども、事実を伺いたいのだが、接触ということ、これは私も新聞記者で第二次大戦の前ヨーロッパにいて、目に写るようなんですが、おそらく中共の在外公館の方とどこかで会う。いままでは顔をそむける、すっと別れるとかいうのが、ぱっと目と目を合わせてくれるか、どっちかでときには口もきくでしょう。そんなふうにあっちこっち、スイスなり、あるいはビエンチャンなりどことかいう名前書いてありましたね、新聞に。各地でそういうのが一斉にちょっと違うぞという空気が看取されたということがおそらくけさの新聞の報道だと思うのですが、もっと深いのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) そういう事実はないのです。まあ、いままででも、いま申したように、何か正式に接触するという問題じゃなく、まあ、いろいろなレセプションとか、そういうふうな機会ですから、いま森さんの言われるような軽いものでしょう。その間、特に最近になってきて中共側の態度が変わったとか、そういう事実は何も新しい変化というものはございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 要するに、寄って来て話し合う機会もいままでおそらくなかったと思うのです。すっと別れる。それが、会えばやあくらいは言えるくらいな現象があっちこっちに最近出てきたということがけさの新聞の根拠だと思う。それを外務省の情報文化局か大臣自身か知らぬが、それがお話しになって記者がこれを書いたというふうに理解するんですがね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私が受けている報告の中では、特に変化というふうなことの報告はありません。また、事実私はないと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そうすると、けさの新聞の行き方は少しく進み過ぎているような印象を受けるのだが、それでよろしゅうございますな。少し進み過ぎていると、大臣の御答弁と。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま言ったように、そういう機会で接触するというので、そう非常に大きな変化が日中関係にできて、そのことで接触が深まったとか、特に接触に大きな新しい動きが出てきたということはございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私は何も大きな変化が出たのだろうということを大臣に言わせようとすることじゃなく、接触ということばが軽い人間的な関係、普通のあいさつのできるくらいにおそらくいままではなかったはずですよ、全然。あるいは向こうでレセプションをやる場合に、両方がぶつかるような場合は、何とか場所も違え、時間も違えるなり、片一方を呼ぶとか、呼ばないとか、いろいろな手はありますよね。そういうところの接触というのだから、人間と人間が在外使臣が話し合うぐらいのことも最近ぼつぼつ出てきたというのですかと聞いておる。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 内容的にどうこう変わったというわけではないのですが、文化革命などで外交官も引き揚げていったところも多かったようですけれども、それがまあみんな帰ってきて、そうしてそういう顔合わせの機会もあるということで、その間何かいままでと態度が特に変わってきたというような顕著なものはないようです。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 大臣わからないから小川君、政府委員ね、接触とかなんとか変わってきたというのは、あなた専門家だからね、口もきくようになったというふうに私は理解するのだが、違うのですか。

小川平四郎外務省アジア局長

○政府委員(小川平四郎君) ただいま大臣からお答えになりましたように、文化革命の間、ほとんど全部の在外公館から大使その他上級者は引き揚げておったようでございます。最近ぼつぼつ帰りだして、そういう意味で顔合わせの機会というものがふえてきたという程度でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 これはまあ話が違うのですけれども、きのう沖繩で基地に働く労働者のストライキがありました。ストライキとは言っておりません。年次休暇闘争と言っておりますけれども、事実上ストライキ。で、要求と回答が非常に違っているので、二次、三次のそういう事態が起ころうと思う。で、布令一一六号の一部が改正されて、そうして団体交渉権は認められましたけれども、アメリカ側のほうの合同委員会なるものがどうも当事者能力が欠けているような状態で、まあ、なかなか話し合いもうまくいかないようです。二次、三次の問題が起こってくる可能性がある。一方において布令一一六号の罰則は生きている。ストライキをやると体刑を含む厳罰に処せられる。また、いつでもどんどん首にされることにもなるわけですけれども、もしこの罰則が生きておるとして、これが今回の事件に適用されるということになると、これは基地労働者の生活というものは破壊されるばかりでなく、これは大きな社会問題政治問題にもなってくると思うのです。アメリカのほうでも布令一一六号を変えることを考えておるようですけれども、いまだそれが具体化しておらぬ、とりあえず一部団体交渉権を認めるというだけのものにすぎなかった。しかし、こういうことが今後繰り返されていくということになれば、これはやはり日米間の、あるいは沖繩にとっても重大な問題だと思います。与野党とも布令一一六号の撤廃を要求している状況で、もちろん琉球政府も与党の要請に基づいて布令一一六号の撤廃を望んでいるようですが、この問題はまあ今度のストライキと関連して重大な問題だと思うので、政府側としてはもちろんアメリカ側に正式にこれの撤廃なりあるいは大幅改正を要求するという交渉ということではなくて、何かこの問題について今後起こるべきことを考えて注意を喚起するとか、あるいは非公式に何か話し合いをするとか、そういうおつもりはないかどうか、お伺いしたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、アメリカが団体交渉権を認めるという新たな改善を加えたわけであります。その後の進展については私ども注目しているのですが、いまのところ、アメリカとしても相談しているようでありますから、この問題が現地で円満に解決されることを望んでいるわけです。しかし、これに非常に関心を持っているということは、これは当然のことでございます。日本政府が関心を持っているということ。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 関心を持っているというだけでなくて、何かもう少し積極的な態度をとれないものでしょうか。たとえば諮問委員会の委員、これは諮問委員会の正式の議題として取り上げなくても、アンガー高等弁務官に会って話をすることはできるでしょうし、南方連絡事務所長もアンガー高等弁務官に、あるいは民政府長官等に会って話をすることもできるだろうと思うのですが、そういうようなことで、日本側としてもこの問題の解決に何か手を打てるのじゃないですか。また、打ったほうがいいのじゃないですか。ただどうも静観している、関心を持っているだけでは、どうも私は済まないような問題だと思うのです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは現地においてもこれは重大問題ですから、だから、正式の議題というのでなくして、いろいろ話し合いが行なわれていることは当然でございます。議題にするしないにかかわらず、また、われわれとしても、これがいろいろ日米間の話し合いのときに一つのやはり話し合いの議題になる、これは当然のことで、じっと関心を持っているということではないことは明らかです。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会      ―――――・―――――

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