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58回国会参議院1968/04/16

外務委員会 第8号

発言数
120
登壇者
10
会派数
2
開催日
1968/04/16

会議録

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  日本国とシンガポール共和国との間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件  日本国とマレイシアとの間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件  千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の締結について承認を求めるの件  以上三案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) ただいま議題となりました日本国とシンガポール共和国との間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、第二次大戦の間の日本軍のシンガポール地域占領中に生じた不幸な事件に由来する問題が昭和三十七年ごろからシンガポールにおいて提起されて以来、この問題の解決のため交渉を行なってきましたが、昭和四十一年十月に椎名前外務大臣がシンガポールを訪問した際、ラジャラトナム同国外務大臣との会談において、シンガポールの経済開発のためにわが国より有償、無償合わせて五千万シンガポール・ドル相当の生産物及び役務を供与することにつき原則的な意見の一致を見るに至りました。その後政府は、シンガポール共和国政府との間に無償二千五百万シンガポール・ドル相当の日本の役務及び生産物の供与についての協定作成の交渉を進めました結果、その成案を得るに至りましたので、昭和四十二年九月二十一日にシンガポールにおいてわが方、上田大使とシンガポール側ウーン外務次官との間で、この協定に署名を行なった次第であります。  この協定は、本文三カ条から成っており、その内容は、シンガポール共和国の経済開発に資するため、わが国より同国に対し、二千五百万シンガポール・ドルに相当する二十九億四千万三千円の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務を原則として三年間にわたり無償で供与することを定めるとともに、第二次大戦に起因するすべての問題が完全かつ最終的に解決されたことを明らかにしております。  この協定の締結は、わが国とシンガポールとの間の多年の懸案であったシンガポールの対日要求の問題に決着をつけるものであり、両国間の経済協力の増進を含む全般的な友好関係の促進に多大の貢献をなすものと考える次第であります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、日本国とマレイシアとの間の千九百六十七年九月二十一日の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は第二次大戦の間の日本軍のマレイシア地域占領中に生じた不幸な事件に由来する問題が昭和三十七年ごろからマレイシアにおいて提起されて以来、この問題の解決のため交渉を行なってきましたが、昭和四十二年五月にラーマノ・マレイシア首相が来日した際に、両国間の経済協力を促進する目的でわが国より外航用貨物船二隻を含む二千五百万マレイシア・ドル相当の生産物及び役務を供与し、もって問題の解決をはかることについて原則的な意見の一致を見るに至りました。その後政府は、マレイシア政府との間に協定作成の交渉を進めました結果、その成案を得るに至りましたので、昭和四十二年九月二十一日にクアラ・ランプールにおいてわがほう小島大使とマレイシア側ラーマン首相兼外相との間でこの協定に署名を行なった次第であります。  この協定は、本文三カ条から成って分り、その内容は、マレイシアとの間の経済協力を促進するために、わが国より同国に対し、外航用貨物船二隻を主体とする二千五百万マレイシア・ドルに相当する二十九億四千万三千円の価値を有する日本国の生産物及び日本人の役務を原則として三年間にわたり無償で供与することを定めるとともに、両国間の良好な関係に影響を及ぼす第二次大戦の間の不幸な事件から生ずるすべての問題が完全かつ最終的に解決されたことを明らかにしております。  この協定の締結は、わが国とマレイシアとの間の多年の懸案であったマレイシアの対日要求の問題に決着をつけるものであり、両国間の経済協力の増進を含む全般的な友好関係の促進に多大の貢献をなすも一のと考える次第であります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  最後に、千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  国際航海に従事する船舶について、その積載限度を国際的に規制する条約としましては、現在、千九百三十年に作成された国際満載喫水線条約があって、わが国を含め約七十カ国の間で実施されていますが、この条約は、作成後すでに三十七年余を経て、近年における著しい造船技術の進歩等に必ずしも即応しない面が出てきております。そのため、新たに現状に即した条約を締結する目的をもって、千九百六十六年三月、ロンドンで国際会議が開催され、その成果としてこの条約が作成されたのであります。  この条約は、海上における人命と財産の安全を確保する目的のもとに、国際海運に使用される船舶について一定の構造上の要件を課し、この要件を満たす船舶には所定の方式に従って計算される積載限度を指定するとともに、この積載限度を守って航行する締約国の船舶には、港湾内における取り締まり検査をほとんど免除することを規定しているものであります。  主要な海運国であるわが国としましては、このような条約によって船舶の積載限度が国際的に規律され、もろて国際海運の安全が増進されることはきわめて望ましいことであるものと考えます。よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につきまして何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あられんことを希望いたします。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 以上をもろて説明は終了いたしました。  三案件に対する質疑は、後日に譲ることにいたします。     —————————————

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 航空業務に関する日本国政府とレバノン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 レバノンの協定について一番先に伺いたいのは、協定締結は昨年の六月ごろだったと思うのだが、その後一カ月おいて八月くらいにはすでにレバノンの貨物専用線が日本に飛んで来ていたが、まだ協定発効前ですね。その状況、理由を明らかにしてもらいたい。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) ただいま森委員から御指摘がございましたとおりでございまして、昨年の八月十五日からレバノンの貨物専用の航空会社、トランス・メディタレーニアン・エアウエイズ、俗にTMAと申しますが、これが日本に週二便乗サ入れを開始しております。最初の使用機材はPC60でやっておりましたが、その後カナデーアのCL44というものにかえております。  なお、運航路線といたしましてはベイルートからバーレン、カラチ、ボンベイ、バンコック、台北、大阪と東京に乗り入れております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 協定発効前に飛行機が飛んでおるというのは、どういう理由で飛ばさせておるのですか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 協定締結交渉の際に、行政権の範囲内で両国の航空企業の乗り入れを認めるというような合意に到達いたしておりまして、これは一般に航空協定締結交渉のときにはそのような合意を結ぶことが多いのでございますけれども、それに基づきましてレバノン側から強い要望がございましたので、運輸大臣が航空法の規定に基づきまして許可を与えたわけでございます。しかしながら、もちろん協定は発効いたしておりませんので、協定による裏づけがございません。したがいまして、非常に不安定な暫定的な基礎に基づきまして乗り入れを認めておる、そのような次第でございます。  なお、日本航空も一本年の八月からベイルートに寄航することにいたしておりますので、時期につきまして約一年の差はございましたけれども、相互乗り入れということを考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いまの御説明で、向こう側の強い要望があったので運輸大臣はこれを航空法に従って行政的に許可をした。日本は協定を結ぶ以上、同じ強い要望があって初めて航空協定が合意に達したわけだ。こちらは弱い要望なんですか。やるんなら同じにやったらどうですか。向こうは八月から始まっている。こっちはことしの八月から始まるというのでしょう、一年間、週二便。一体そんな要望がなければ、協定結ばなければいいのだ。結びたいという以上は、飛行機を飛ばしたいのだから、向こうが飛んで来るならば、こっちも飛んで行くのがあたりまえなんだが、何で一年延びちゃったのか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 日本航空は、南回り欧州線では、中近東ではただいまテヘランとカイロと両地点に寄航しておるわけでございます。南回り欧州線は日本航空の国際路線の中で非常に採算性の悪いものでございます。それから、途中でいろいろな国と種々の交渉をいたしまして、その最大公約数で飛ばすというので、非常に細いものにならざるを得ないような性質の路線なわけでございます。したがいまして、ベイルート寄航が非常におくれまして、いま現在、南回り路線は日本航空で週三便しか実施しておりませんので、ことしの八月にやっと週四便にふやしました機会に、ベイルート寄航を始めることができるようになりましたわけでございます。確かに御指摘のとおり、同時乗り入れができませんで、その間約一年の差がつきましたのですが、何ぶん相手方のTMAは貨物専用の航空会社でございまして、しかも、日本航空がベイルートに乗り入れておりません現在におきまして、一方的な向こうの乗り入れを認めましても、日本航空に与えます損害と言うか、悪い影響が非常に小さいものでございますから、したがいまして、御指摘のとおり、時間の差はございましたけれども、あらかじめ昨年認めたわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 そういう小手先をやるから、すべてがごちゃごちゃする。日ソ航空で日ソの単独運航実施の問題もあるように、動かなくなってきてしまう。片一方ではゆるめている。片一方ではなめられている。これはやはり同時にやるということが大事なんで、ちょっと待ってろと。レバノンあたりから、何だか知らぬが、金の延べ棒みたいなものが入ってくるルートですね、レバノンが持ってくるかどうか知らぬけれども。そういうところがら週二便、どんどん一年間も一飛ばしている。飛ばせば、日本に入る収益はどういうことの収益があるのですか。飛ばさせることによって日本はどれだけの収益があるのですか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 飛ばさせますことによりまして航空上日本に与えます利益というものはないかと思いますが、ただ航空の面で日本航空に与えます損害も非常に小さいということではないかと思います。さらに、たまたまこの時期が昨年の中東紛争と機を一にしまして、その後スエズ運河が御承知のような状態でございますので、TMAが非常に成績がいいというように承知しておりますが、その点では、航空輸送によりまして、日本とそれからレバノンを中心にします地域との運輸交通の手段が、物品運送の手段としては役に立っておる、航空以外の面でプラスがあったのではないか、かように考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 こういうものはやはり一緒にやるべきだと思うのですが、相手が強い要望があれば、航空法百二十九条か何かで許可してしまうということは、私はとるべき方向じゃないと思うのだね。いろいろな交渉にこれが影響してくると思うのです。その点あなたはどう考えますか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 確かに先生の御指摘のとおりでございまして、実は、昨年八月にTMAの日本乗り入れを認めました当時は、日本航空のベイルート乗り入れももう少し早いのではないか、ことしの四月一日ごろではないか、かように考えておりましたのでございます。その後、同社の事業計画その他からまたさらに四カ月ばかり延びまして、十二カ月差がつきましたわけですが、確かに先生の御指摘のとおり、相互利益が同じくなるような形で、時期もなるべく同時に行なったほうがいいのではないかと思います。以後そのように取り扱います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それから向こうは、いつこの協定を批准する予定ですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) レバノン国会は、つい最近選挙がございました。来月に選挙後の最初の国会がございます。通常国会はことしの十一月に開かれます。その冒頭には提出する予定であるということを伺っております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 運輸省のほうにも——林さんにも伺いたいけれども、おかしいと思うんだな。協定ができないうちに早く向こうは飛びだした、八月に。そうして批准はあとだ。こちらはおそく飛びだして、批准は早い。実におかしな、だらしのない交渉だと思うのだが、どうお考えになりますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) もちろん、最初からそういう意図でもって協定を結んだわけじゃ決してございません。たまたま先方の国会の都合等の事情もございましてこういう結果になったわけでございます。そういうことでございますので、これは、結果的にわがほうの批准が先になり向こうの批准があとになったということでございますけれども、最初からそういうことで協定締結を交渉したということでは決してございません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これはやはり政府内部の連絡の不統一なんだな、そういうことをやるのは。外務省は運輸省のほうに教えてやる。そうして両々相まって整斉たる行動をしないと、これは不統一です。事務当局、あなたね、外交というのは、たとえこういう小さいことでも、やっておかんと、ことにソビエトの外交なんかの場合に大事なことは、向こうはこまかいことをよく勉強していますから、やっているじゃないか、この航空機のほうは、ということをすぐ引っぱられるわけです、交渉では。あれは特別なんだと言っても、言いのがれはできない、ソビエトはこまかいですから。こういうのはきちんとやらなければいかんです。  そこでもう一つ伺いたいのだが、こんなふうな協定、要らないんじゃないですか。両方で、不安定だ、不安定だから協定を結んでがっちりした基礎のある約束をしようというのがこの協定だという御説明だ。しかし、お互いは大いに好意があって、協定もできないうちにでも、どうぞお通りなさい、あなたはおそく批准しても、こちらは早くやってあげよう、同じにやらなくてもいいという、たいへん穏やかなあれなら、協定は要らない。すべて行政措置によってやれるじゃないですか。協定はなぜ要るのですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) レバノン側に対しまして暫定運航を認めましたのも、この協定を締結したからでございまして、もし、たとえばこの協定の締結がなかったならば、そんな暫定運航の許可も出し得なかったとわれわれは考えております。実は、そういう方式で暫定運航というものを従来各国との間で認め合っているわけでございまして、協定なしに暫定運航だけを認めるということは、政府の方針はとっておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは、ここで提案されて審議していて、政府側の態度は、いま外務当局の御説のとおりかもしらんけれども、審議するほうの側からいけば、これは事後承認みたいな感じなんだな、事後承諾を求める。それじゃやはり審議するほうはいい気持ちはせんな。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 航空協定だけでなくて、二国間の協定あるいは多数国間の協定の中で、どうしても承認後直ちに、暫定的にしろ、しなければならないような種々の協定がございます。たとえば漁業協定などもその一つでございまして、これも、協定を結んで発効するまでの間、漁業をしなくてもいいというわけにもいきませんので、暫定的に行政権の範囲内で実施する、つまり、漁業法を適用して漁業の規制を行なうという必要がございます。この航空協定もそのような例の一つでございまして、どうしてもやむを得ない場合そのような暫定運航許可を行政権の範囲内でお互いに許可し合うという一つの国際的な慣行がございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この問題については、先ほども申し上げたように、よく政府間の調整を密にして整斉たる行動をしてもらいたいという意見にとどめて、次に、中に書いてある航空路線の中の、例によって中国本土の経路、ルートの中に中国本土のポイントというのが入っている。多分昭和三十四年ごろまでは日仏と日英協定などにはこれは入っていると思う。その後しばらく、ほかのアラブ連合、イタリアとかその他の国々の協定にはしばらく入らなくなったのが、また今度「中国本土における地点」というのがこの協定に入ってきたようですね。これは締約国双方でどちらからか言い出すのでしょうが、これは何かおもしろいですね。前はずっと入ってきた。中になって、なくなって、またそれが入ってきた。その関係を御説明願いたい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) これは協定の交渉でございますので、日本側で要求いたしましても相手側から拒否されれば路線の中に入っていないという関係もございます。現在までに日本が結びました航空協定の中で中国本土における地点というものを明示してあります国は、ただいま先生の御指摘の英国、フランスのほかに、オランダ、スエーデン、ノルウェー、デンマーク、タイ、ベルギーとの航空協定の附表の中に全部入っております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 日本側から言い出したことはあるのですか、いつも相手側から言い出してこれに入っているのですか、どちらですか、従来の経過は。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) レバノンとの航空協定では、わがほうから提案したものであると考えております。ただ、それ以外のいままでの航空協定の中で、ただいま私が申しました国との協定の附表にございます中国本土における地点は、大体におきまして先方側から要請がしてあったというふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 たいへんおもしろいですね、だれが考えついたのか知らないけれども、去年あたりから、中国との関係でもこの辺から少し掘り起こしていこうかという大きな政策から出たのですか。あるいは、航空関係の人がたいへんアジア問題に御関心があってやはり入れておけとしたのか。その間はどういうことですか。これはめずらしいですね。大臣、こういうことなんだ。中国本土の地点というのは航空協定の中に路線が入りますね。この中に入っているんですね。相手側から言われたこと。今度のレバノンは日本側から言い出して入れたというのです。たいへんけっこうなことなんです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) ちょっと経過を調べさしてください。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 後刻詳しいことにつきましては経過をよく調べました上で御返答いたしますけれども、私の記憶では、いままでの航空協定で、先ほど申しましたような国々、中国本土内における地点というのが入っておりまして、そういう観点から、その型に従って日本のほうで入れた。そうしたら向こうのほうで、それに対しまして特別の反応もなくて受け入れられたという経過だったというふうに聞いております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 後刻というのはどういうことですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) この委員会がやっておる間に……。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 ちょっと関連して。いま参事官の話ですと、型に従ってと、これは何ですか、型に従えばもうそういうことはどんどんやれるわけなんですか。そうすれば、いままでのだって型に従ってやってよかったはずでしょう。とにかく必要性があってやったのじゃないんですか。型に従ってだけなんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 型と申しましたのは少し極端な言い方かも存じません。型と申しますのは、現実及び将来の必要性を見込んだ上での一つのこういう路線についてのタイプと申しますか、そういうものを考慮した上で、入れることをお互いに認め合ったというのがいままでの経緯であると考えます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、将来の必要性ということを認めたということになると、たとえばレバノンにしろあるいは他の国の飛行機にしろ、日本を通ってそうして中国に行くことを認める、こういうことになると、日本と中国との間、日本の飛行機でなくても他の飛行機が直通できるということを予想しているわけなんですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 中国本土における地点という指定は、これはもちろん、当然将来日本と中国との間に国交を開きまして、その段階で日本と中国との間の協定に基づいて特定の地点が指定され、それを日本とレバノンの間で認めようという結果になるかと思います。でございますので、これはただレバノン側に将来この中国内における地点を指定することについてあらかじめの了承を求める、求めた意味の路線でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうすると、レバノン側にそういうことをあらかじめ了承を求めるということは、日本が将来中国との間に国交を結んで航空路を開き得る状態にする、だからレバノンさんのほうもそのときには東京を通ってそちらへおいでください、こういうことですね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この附属書にございます路線をごらんになるとおわかりのように、日本側の路線にだけ「中国本土における地点」がございまして、レバノンの路線にはそれがございません。したがいまして、レバノン側は、日本側が中国本土における地点を将来通過することについては賛成するけれども、レバノン側のほうとしては関心はないというのがこの附表に示された路線でございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 そうなってくると、いよいよ日本のほうでは中国本土を通って行くということを相当積極的に意思表示したと、こういうことですか、どうですかそれは。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 大臣と事務当局が違う。事務当局のほうが進歩的だよ。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私が答えます。  これは積極的な意思表示ということではないと思いますよ、それは。どうせ、この交渉は事務当局がやったのですから、しかし、将来はそういうことはむろん考えられるけれども、この御審議を願っておる条約の中に、「中国本土における地点」という中に、中国との航空路開設という積極的な意図がこの中には含まれていない。この条約を離れて、それは将来においてそういうことは考えられるでしょうが、この条約の中には積極的な意図を含まして条約の交渉をしたものとは考えておりません。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 おかしい。示唆しているじゃないですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いや、これは示唆はしていますけれども、いま岡田さんのおっしゃるのは、もう非常に日本政府が中国本土との積極的な意図を持ってこの附属書というものを書いたという、その積極的意図という、これはなかなか航空路の開設というのは容易でありませんからね、あなたの言うその形容詞が、ちょっと私にはチェックしておかないと、積極的な意図という、それほどのことはないでしょうけれども、すなおに、そういうことがあり得るということでここに附属書に入れたものだと思うのです。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いや、それは岡田さんの形容詞の問題でなくて、協定というものは、これは国会の承認を経るんでたいへん権威のあるものなんですね、衆参両院で。ですから協定というものはすべて積極的な前へ進もうとする内容ですから、大臣のその御説明は、何か水をかけようとなさるが、これは当然のことで、けっこうなことなんです。その日の一日も早からんことを望むくらいだが。進歩的なやり方としていいと思うんだがね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは私、水をかけようという意図ではないですけれども、これを中国だけを積極的な意図という、そういうふうにすると、何か違った意味が出てくるのではないか。やはり、だから、すなおに前向きに考えておるから条約を結ぶわけですからね。そういうことで前向きに考えておることは事実でございます。特にアクセントをつけて積極的な意図と、こういうことはちょいと……。これはもう前向きに考えることは当然だ。こういうことを、心にもないようなことをここに書くわけはないわけでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それはおかしいや。心にもないということはちょっとおかしい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いや、ここに書くわけはないということです。そういうことはないでしょう。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 事務当局はやはり運輸省航空局。実際は運輸省の航空当局が案をつくって外交的に折衝するんだから、入れるほうは、まさか外務省が入れたのか、あるいは運輸省の事務当局が、航空当事者が入れたのかね、これは。運輸省の方に聞きたいが、どんなふうにあなたは考えていられるの。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) ただいま交渉のいきさつにつきましてちょっと調べましたんでございますが、従来日本といたしましては、交渉の際にはなるべくたくさんの地点をとる。さしあたり近い将来に乗り入れるような場所でなくても、航空協定が成立いたしますと、あとで改定することはなかなかむずかしゅうございます。日米航空協定の改正の例をとりましても、むずかしゅうございますので、将来十年、二十年にわたって考えられる地点は全部なるべくとっておこうというような態度をとります。しかも、日本の近くのアジア地域につきましては、特に考えられる地点全部とっておきたいという態度で交渉に臨むわけでございます。で、レバノンとの交渉の際にも、考えられます地点を従来のパターンに従いまして全部要求いたしたわけでございます。これに対しまして、ほかの国との交渉の場合には、向こうから、これを削れとかあれを削れとかいうことを言ってくるんでございますが、この場合には大体全部認められたというようなことになっております。そのかわりに、向こう側がソバノンの近くのドハとかバーレンとかいうような地点を要求いたしまして、これをまたわがほうとして認めたと、そういうような経緯でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それでは、日ソ航空協定においても、これは便利だから中国本土の数地点、各地点、北京とか上海、あの辺の名前を全部入れたって差しつかえないんじゃないでしょうか。日本、北朝鮮、北京、それから満州、イルクーツク、全部ぐるっと巡回ラインかなんかどんどんやったらいいんじゃないですか。それをやらないところを見ると、やっぱり将来その可能性が若干でもありそうで、有効で、しかももうかる路線ということが頭にあるから、ちょいと入れようと。だから、私は事務当局は非常に進歩的だと思うですよ。どうですか、大臣。いかがですか、大臣。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 進歩というか、非常に前向きだと思うんです。前向きで、やはりこれは将来あり得べき、中国だって将来のことはそんなに夢物語ではないですからね。だから、当然やはり附属書の中に入れておくということは、航空路の開設を事務当局が前向きに考えておるという証拠だと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それでは、前向きでたいへんけっこうなんですが、これからこの種の航空協定が結ばれる場合に、やはりこのことはすべて日本側からちゃんと提案する方針ですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私、していいと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それじゃ、これからも積極的にそういう方針をとっていかれるように私たちも希望しておきます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 その場合に、その路線名を中国ということを明らかにする場合には、当然外交折衝というものは起こるわけでございましょう。当然でしょう。今度の場合だって、附属書の中に、中国という他国の領土の名前を入れたんですからね。それはこっちではいいと思っても、向こうの了解なしにこうやって入れたんですからね。これは将来のことを考えて、前向きといえば前向きに違いないけれども、その場合には国交回復とかなんとかいうことは別としても、当然外交折衝が起こるということが前提でなければ話ができるはずはないんですから、当然そういうことは予定されたことだと思うんですが、いかがでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはそういうことになればむろん外交交渉が起こる。外交交渉がなければ航空路の設定というものはできないことは御指摘のとおりでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 その場合の外交交渉というのはどういう性格のものになるかですね。それはその場合にはどういう形になるんですかね。全然国交とは別に単なる技術的な問題ででき得る、たとえは気象協定のような場合と同じ性格のものなのか、両国間にある種の国交上の接触が事実上起こるということになるのか。その辺はどうですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは国交のない国との間の航空協定というのは、私はまあできぬという……これは非常にできにくいでしょう。事務当局、どういうふうに……

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 できにくいけれども、日本の場合、名前入れてあるんですからね、附属書の中に。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 従来、中国との間のいろいろな取りきめにつきまして、郵便とか気象等の業務取りきめのような性質のものにつきましては、主管官庁間で必要があれば技術的に取りきめすることが可能であるということを政府はしばしば申しております。ただ、航空協定のようなものにつきましては、これはまさに政府対政府との間の約束でございます。したがいまして、その国家の、あるいはその政府の承認ということを意味しないでこのような協定を結ぶことはできないということは、これも政府がしばしば申しております。したがいまして、そういう観点から、この航空協定につきましては、日本と中共との間で現状において締結するということは不可能であるという意味に考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 じゃ、これに関連して、日ソ航空協定をこの前この委員会で審議したときに、岡田参事官だったと思うが、政府として出席して、この協定について、日本の単独運航については二年後に日本に許すと日本の希望を了承したと。了承とはどういう意味ですかと聞いたところが、ロシア語の翻訳では、了承とは同意するという意味であると非常に強い発言。用意とは、形式的なことばで言えば、合意ということばで言えるでしょう。それを実行する。これはどういうことなんですか。

北原秀雄外務省欧亜局長

○政府委員(北原秀雄君) 日ソ航空協定では、共同運航を開始いたしました、すなわち昨年の四月十六日から二年を経過するまでの間に自主運航を開始すべくあらゆる努力をする、二年経過するまでに、二年後に自主運航が行なわれることに対して日本政府は強い希望を表明し、ソ連政府はその強い希望を了承したというのが原文のとおりでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 最近また話し合いをやってるようだが、どうも不同意——同意なんかにはるかに遠い態度のように見えるが、どういうふうに判断しますか、政府は。

北原秀雄外務省欧亜局長

○政府委員(北原秀雄君) 日本政府といたしましては、この航空協定締結に際して議定書において明確に示しましたソ連の「了承した」という意思と善意とを信じまして、来年の四月十六日差でに必ずこの自主運航が実現するということを強く期待しております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 逆に言えば、必ず了承し同意したことを実行してくれると確信しているという意味ですね。では大臣、これだけの強い御返答があれば、もしそれが実行されないということになると大きな外交上の問題になると思うので、しっかりこれは記憶にとどめておいていただきたい。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それからちょっとこのレバノンの航空協定に戻るのですが、とにかく金の、ゴールド・ラッシユ、それから例の一オンス、三十五ドルと、それから金の自由市場の価格が常に乖離している。日本国内においても、最近金の自由取引の値段というものは相当高くなってきている。こうなると、またレバノン・ルートでどんどん金の延べ板とか延べ棒が入ってくるおそれが十分あるのですが、この一体取り締まりはどうなっているのですか。効果をあげて絶滅できるという確信を持ってやっておるのですか。それとも、ときどきあげる程度で、あるいは実際に行なわれている密輸人の何分の一かにすぎないのかどうか。その点どうなんでしょうか。

田村秀治外務省中近東・アフリカ局調査官

○説明員(田村秀治君) レバノンからの密輸ルートは、レバノン大使館とわが検察当局の密接な協力によって相当効果をあげてきていますために、レバノン・ルートのほうがいまのところ少なくなっているというのが実情でありまして、今後とも検察当局とレバノン大使館を通じまして十分成果をあげるように努力しているところでございます。万全を期していますが、たまにはそういうルートに乗ってくるものも必ずしも否定はできないものと思います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 向こうのほうがうまくなるのじゃないですか。

田村秀治外務省中近東・アフリカ局調査官

○説明員(田村秀治君) レバノンから直接来るルートはいまのところほとんど完全に取り締まってるようでございますが、ほかを経由して来るものには見のがしが生じてくるのじゃないかと思うのです。レバノン・ルートはほとんど検察当局とわがほうの大使館との密接な協力で十分成果をあげているようでございます。

鈴木邦一大蔵省関税局監視課長

○説明員(鈴木邦一君) 金の密輸の経路といたしましては、船舶によって持ち込まれる経路と、航空機によって持ち込まれる経路があるわけでございます。このうち、航空機によって持ち込まれる金塊は、ほとんどヨーロッパから来るわけでございますが、特製のチョッキとか、あるいは特製のコルセット等に金を仕立てまして持って来るわけでございます。仕出し地は、ロンドンなり、パリなり、チューリッヒなり、そういうところでございますが、この運び屋のうち、かなりのものがレバノンにいるボスの指令によって動いていると、こういうふうに推定されるわけでございまして、通称、私どもこれをレバノン・ルートと称しているわけでございますが、各国の取り締まり機関との情報交換を密にするとか、あるいは税関の取り締まり体制を強化いたしまして、密輸の防止には各段の努力を今後もしていきたいと考えておる次第でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 貨物専用便というのだけれども、飛行機で運ぶ貨物というのはどういうものがありますか。木材なんていうようなことも聞いたようなんだけれども、何を運んで来るのですかね。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) ただいま詳しい数量別の資料を持ち合わせておりませんのでございますが、単にレバノンと日本の間の物資の輸送だけでございませんで、レバノンの首都のベイルートを一つの集散地にいたしまして、近隣の中近東諸国から集めましたものを持って来る。それから、あるいは日本から持って行きましたものをあそこで分散するということ以外に、同じ航空会社、TMAが欧州線を持っておりまして、欧州と日本の間のものをベイルート経由で輸送しておる。たとえば、西独あたりと日本の間の貨物も相当輸送しておる、そのような実情でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 主たる物は何だと、あちこち集めると言うが、骨とう品も入るだろうし、何を集めるのだかわからない。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 機械、書類、それからサンプルのようなものが多いと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それ、資料であとで出してください。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) 外国の航空会社でございますので、そのものずばりでなかなか資料徴収がしにくい面もございます。実は昨日ある程度の資料を持ってこようと思いましたのですが、いろいろ言を左右にして応じないようなところもございますのですが、できるだけの資料を集めまして御要望に沿いたいと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 何か、資料提示を拒むったって、税関を通らないで物を持ち込むわけでもないのだろうし、数量、値段、内容は明示されて輸入されてくるのだろうと思うのだが、それが出し渋るというのは、渋るのじゃなくて、出させる、出さなければ通さないというくらいでなければ監視はつとまらないのじゃないか。

林陽一運輸省航空局審議官

○説明員(林陽一君) そのように努力いたします。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記とめて。   〔速記中止〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  航空業務に関する日本国政府とレバノン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって、全会一致をもって本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 船員の厚生用物品に関する通関条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは船員だけれども、航空機の搭乗員、航空機の乗員は、非常なひんぱんな世界の航空機の飛びかう状況から見て、この同じ種類の通関条約なんかもあって悪くないような状況になってきたと思う。この点の必要性はどう考えますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 船員と航空機搭乗員とは、その仕事の性質がかなり違いますので、船員の場合は長い間船中で生活しなければならないし、その間、相当にやはりレクリェーション用の品物が必要であるという事情がございます。一方、航空機搭乗員のほうは、非常に短時間の間に地点と地点に飛行することができますし、そのような搭乗期間中に一定のレクリェーション用の品物が必要だという事情はとうてい考えられませんので、将来とも航空機搭乗員について同様の性質の通関条約ができるというなには私どもも考えておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 どこの国でもまだそういう要望は出てないようですね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この条約は一九六二年に国際労働機関、ILOのほうから特に要請がございまして、関税協力理事会が中心になって作成した条約でございます。航空機につきましてそのような要望はILOのほうから出されておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これはちょっと見るというと、ソビエトの白ロシア、それがサインしているんだな。これは国連加盟国だからやったんだろうが、これは船員というと、白ロシアとしてこれを必要とするのか。ソビエト連邦という中では、ソビエト社会主義共和国連邦が結べば白ロシアにも及ぶと思うんだが、あえて白ロシアが入っているのはどういうことですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 従来、多数国間条約では、ソ連が入ります場合に、ソ連一国だけでなしに、国連と同じように、三国が同時に入るというのが例でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それからこれに入らないところ。大きい国で、主として海洋国のうちで入っていないというのがありますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 海洋国で、大きな国で入っていないという国といたしましては、アメリカ及びソ連でございます。ただいま白ロシアは署名の欄に国の名前が出ておりますが、署名いたしておりません。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ソ連は入っていない。そして小さい国連加盟国の白ロシアなんかという、あとどこか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) 白ロシアもソ連と同じように入っておらないのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 おらない。  アメリカという国は、よく国際機構というようなことを言っておりますけれども、いろいろなものに入っていないのですね。いろいろなものというのが結局何と何だと言われると、急に間に合わないが、これはどういうことなのかね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○説明員(高島益郎君) この条約の関係で申しますと、ブラッセルに本部のございます関税協力理事会が中心になってつくった条約でございますけれども、このブラッセルの関税協力理事会の大体メンバーにアメリカはなっておらないわけでございます。関税制度が非常に特殊性が強くて、関税制度の国際的統一をはかっておりますブラッセルの関税協力理事会に入っておらないというのが実情でございまして、そういう観点からこの条約に入っておらないというように聞いております。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと諦めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  船員の厚生用物品に関する通関条約の締結について承認を求めるの件を議題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって、全会一致をもって本件は承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。  御質疑のある方は、順次御発言を願います。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 これは沖繩関係の問題ですが、前々から私も予算委員会、外務委員会等で取り上げてきたんですけれども、沖繩における人権じゅうりんの問題、特にアメリカの軍人、軍属及びその家族が沖繩の住民に与える犯罪ですね、この問題について、沖繩には犯人を逮捕する権利も捜査する権利も裁判する権利も何もない。これはひどい話なんですが、との問題について、まあ日琉一体化というような観点からも何とかしなきゃならない。総理も外務大臣もしばしばこの問題についてアメリカ側と話をするというお話でしたけれども、これについて何らか具体的な交渉をするおつもりがあるのかどうか。たとえば、日米協議委員会に持ち出して、そうしてこの問題について日本側からこうこういう点についてこうしてもらいたいというような交渉を始めるおつもりがあるかどうか、この点。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは現地の米合衆国  軍人と現地人との間にいろいろな問題も起こります。だから、こういう現地人との諸問題については、日米協議委員会でこれを、この問題を取り上げてみたいという考えでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 これは平和条約第三条に基づくアメリカ側の施政権の問題との関連もあるわけであります。原則的にはなかなかむずかしい問題でしょうけれども、しかし、人道上の問題から見ると、あるいはまた、アメリカ側の主張しているいわゆる民主主義の政治原理という問題から見るならば、当然アメリカ側でも認めなければならぬ問題だと思うのであります。これはひとつ強く主張をして実現をしていただくようにお願いしたいのと、それから第二にお伺いしたいのは、いわゆる国政参加の問題ですが、この国政参加の問題についても、これはまあ自民党側の案が示されておりますが、これに現地側が不満である。私どもも案を持っておりますけれども、これはもういずれも施政権の問題に触れてくる問題ですが、この国政参加の問題についても、日米協議委員会に持ち出されて、この問題について何らかの解決をはかられるおつもりであるかどうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは私も何らかの形で沖繩の人たちの意見が国政の上に反映することは好ましいと、いまでも委員会にたまたま上京しておるんだという形で出席しておりますが、もう少しやはり意見を——そういうたまたまというのでなくして、この国政に沖繩の問題全般というわけにも、適当でないかもしれませんが、沖繩の問題については、本土一体化の問題についてはいろいろと意見を述べることが好ましいと思うのです。ただしかし、いろんな国会法のたてまえもあって、岡田さんも、自分もいろいろ意見を持っておるという御意見で、私も、これをどういうふうに処理することがいろんなたてまえと、沖繩の人たちの意見を国政に反映できるのにやはりいろんな条件を踏まえて一番適当であろうかという点では非常に頭を悩ましておる点ですよ。だから、岡田さん自身意見を持っておるのを御開陳願えれば、非常に参考になると思うのです。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 それはいまの機会でなく、私、沖繩特別委員会等でいずれかの機会に述べたいと思いますが、いずれにせよ、これは施政権の問題に触れる問題ですから、日米協議委員会の問題として取り上げられなければならぬというふうに思うのです。  それから第三にお伺いしたいのはB52の問題です。三月三十一日のジョンソン声明以来、とにかく北爆は限定されることになったはずです。実際はどうも限定されていないようです。これははたしてあのジョンソン大統領の声明なるものがペテンなのか、それとも、軍部が言うことを聞かないで行動をやっておるのか、その辺のことはわかりませんけれども、依然として北爆が行なわれておる。しかしながら、北爆の限定ということは、大統領の声明で明らかなんです。それで、まあこれからたとえば予備交渉が——これもなかなか難航するでしょうけれども——始まるということになれば、さらに北爆のデスカレートということも考えられるのですが、その際に、B52の沖繩からの発進ということもこれは重大な問題だと思うのですが、この点、情勢もそういうふうに変わったことですから、B52の発進を何かアメリカに対してもう一度考え直すように日本側から話し合ってみるつもりはございませんか。とにかくB52はいま限定されてくるとすれば、何も沖繩から発進しなくてもいいわけだし、アメリカ側としても、日本国民との間のいろいろなトラブルを起こさないで発進できる所もたくさんあるんだから、そういう際をとらえて私はアメリカ側に交渉するという、あるいはアメリカ側と話し合いをするということがやはり外交の一つの手ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) B52が移駐されたときに比べて極東情勢というものは相当改善されていますから、向こうも永久の基地にするという意図はないのだということを明らかにしておるし、まあこの問題は日本の要求とかなんとかいう形でなしに解決のできるものだという期待を私どもは持っておるわけでございます。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 期待を持っておるのはいいですけれども、なかなか軍人さんというのは、黙っているとでんと居すわって動かぬものだししますから、やはり相当執拗に話し合いをしなければならぬのじゃないか。特に私は、昨年の佐藤・ジョンソン会談以来、まあ私どもに言わせればアメリカがあれに基づいて少々居直った形でエンタープライズの入港を求め、王子の野戦病院の問題しかり、あるいはまた沖繩のB52の問題しかり、とにかく日本人の首をさかなでするようなことを平気でやっておるのですね。だから、こういうことは非常に好ましくないことなんで、やはりもちろん条約上の問題とかなんとかいうようなことは別として、両国間の政治問題としてやはり早急に外務大臣としていま手を打っていただくと、極東における平和をもたらすためにも、小さい問題であるけれども、やはり一つの手だろうと思うので、どうかひとつその点についてはすみやかに、交渉とは言わない、あるいは要求とは言わない、話し合いをしていただきたいと思うのです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) われわれも日米関係、これの関係を続けていくためにいろいろ気を配らなきゃならぬ時期だと思います、いまの時期は。そういう点で、絶えず日米の間に非常に考え方の開きがある諸問題については、外交交渉でお互いの意思の疎通をはかって、日米関係を害さないような努力をいたすことをいたしたいと思っております。

岡田宗司日本社会党

○岡田宗司君 最近の日米協議委員会はいつごろ持たれるでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま予定はしておりませんけれども、これは開きたいという考えで、時期はまだ決定しておりませんが、しかし、いろんな都合もあるでしょうから、多少の準備時間もかかりますが、開きたいと考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 簡単に一、二お伺いいたしますが、それは、先日の予算の分科会で外相不在中、椎名外相代理にお尋ねした問題を確認する意味で一、二簡単にお伺いいたします。一つは、この七月キャンベラで開かれるASPACに対して臨む日本政府の態度、これは第一回の会議のときに椎名外相にいろんな御注文をつけて、それでこれは軍事的な性格のものにしないということで臨まれてそのとおりになりました。それから第二回目は三木外相が行かれて、これも政治問題も幅広く討議するけれども、しかし、内容は軍事的なものにしないということで、そのとおり進まれてきたわけです。ところが、まあ報道によるというと、今度の第三回の会議では無力化したSEATOにかわって新たなる軍事機構に改編しようという動きが韓国あるいはその他一部にあるということも聞いておるので、日本が従来の態度を変更することはないかどうかというお尋ねを椎名外相代理にした。ところが、そんなような提案を向こうがするとは思わぬが、もしするならば完全に拒否すると、こうはっきりと答えられているんですね。この点については、三木外相はいかがでございましょう。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 羽生さんね、あのASPACを軍事組織にしょうとすれば、ASPACは私はこわれてしまうと思うんです。それは必ずしも、いろいろそういう意図を持った国があっても、ASPACの会議出席国のこれは賛成をとてもかちえられる問題でもありませんからね。そういうふうにして無理なことをすればASPAOの会議はこわれてくる。日本は従来の立場を変えるようなことはいたしません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 次の問題は、いま岡田君もちょっと触れられたけれども、ベトナム戦争も、予備交渉から本交渉になっても、実際に今度はアメリカとハノイだけの問題でなしに、南の解放戦線からそれから現在のサイゴン政権、これがどういう形で会談に参加するのか、した場合に連立政権というようなことも起こるのか起こらぬのか、中立化ほどうなるか、それから、アメリカの数十万の兵が撤退するには、これもなかなか長い時間もかかるから、したがって、すぐ急激な変化が起こるとは思いません。しかし、まあ会談がいろいろなジグザグなコースをたどっても、もとへ戻るということはなかなかないでしょう。漸次デスカレートの方向に行くことは間違いないと思います。そういう場合に、これも椎名さんにちょっとお尋ねしたのですけれども、また先日総括質問の際に私、関連質問でちょっとお尋ねしましたが、このベトナムの戦争というものが片づいたあと、それから、イギリスがアジアから撤退したあと、この問題はなかなか私、将来日本にとって非常に大きな問題になると思うんです。先日の関連質問の際には、英連邦関係諸国で何らかの会議が開かれるだろうというお話でありましたが、まあそれはそれとして、それからもう一つは、私の総括質問の際か、外相は、いまのような軍事力をアメリカがアジアになおかつ維持することを欲しない、こうお答えになっている。それはいまのような膨大な数量をという意味かもしれませんね。まあいずれにしても、将来この日本にはいろいろな要望が出てくると思います。それで、まあ完全に軍事的なものがすべて終わって、そして日本が経済援助、ひもつきでない純粋な意味の経済援助でこのアジア諸国に援助ができるようになれば、いまのような戦争にかわる新たなる東南アジアの一つの新しい発展の形態もできるとするならば、たとえこの国連の決議にある先進国の一%という低開発国に対する援助というものが、負担が、日本の国内でいろいろ問題があっても、そのくらいのことはやるだけの価値が十分あると、私はそう思うわけですね。そこで、まあそういうことも考えて、はたして将来そういう純経済的な問題だけで行けるのかどうか。私たちは、もう軍事的な力が、アジアにいつまでもアメリカの力が残ることを欲しない。私たちは絶対に欲しない。しかし、アジアの中にはいろいろな国がありますから、いろいろな要素が出てくると思う。そこで、その場合に、日本の政府がいつも、アメリカの動きを見てとか、情勢の推移を見た上でというお答えになるけれども、ここで私は、自主的であるとか追随的であるとか、そういうようなことは絶対に言いません。まじめに考えて、アメリカがどうあるかは別として、日本としてね、やはり長い展望を持って、イギリス撤退後のアジア、ベトナム戦争解決後のアジア、これにどう対処するかということをまじめにいまから検討を始める必要がもう十分あると思うのです、これはもう相当な展望を持って。これは私は非常に前々から関心を持っておる問題で、この機会に、しかも外相が就任の当初、アジア太平洋の新しい地域協力をうたわれたという関係もあるので、それから約もう二年近くなるでしょう。したがって、それらとも関連をして、あるべきこのアジアの姿、それに臨む日本の態度、こういうものについてですね、ひとつお考えがあればこの機会に承っておきたいと思います。というのはですね、外相。もうあと外務委員会も何回もないのです。そうして、もうしばらくはこういう論議もできる機会もないと思いますので、この機会にひとつ聞かしておいていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、やはり軍事的な要素というもの、これは無視はできないでしょう。だから、シンガポールなども、 マレーシアも、英軍の撤退後は東南アジア全体の安全保障機構というものは全然考えてないようですね。やはりイギリスとニュージーランド、それから豪州、マレイシアとシンガポール、これでこの問題を考えていこう、英軍の撤退後の安全保障の問題。それでまたASPAOだって、私、最初に言ったように、とてもそういう軍事機構というものはできるものでもない。その各国が自国のやはり安全についていろいろな安全確保の政策をとるということは当然だと思います。日本もまた、羽生さんとは意見が違いますけれども、安保条約というものはこういう国際情勢のもとで持続していこうという考え方、日米安保条約というものを持続していこうという考え方を持っている。みな各国それぞれにやはり自己の国の安全を確保する政策というものはこれは持つことは当然だと思う。しかし、日本はそれに対して日本自身が何らの寄与もできませんわね。軍事的によその紛争に介入するようなことは日本は将来においてもすべきでないと私は思うのですよ。そういうことになれば、日本が貢献のできる面といえば、やはり経済とか社会開発を通じてその国民の生活水準を高め、その国の、その結果、政治的安定もはかられていくということよりほかにないと思うのですよ。日本が平和に貢献するということは、平和といえばすぐに軍事的に結びつけて考えることは日本の立場としてできもしないし、結局は軍事力がすべてだという考え方には私は反対です。軍事力そのものがくずれてくる場合だってあるのですから、やはり基礎になるものは、その国の経済的な、社会的な安定というものがなければ、幾ら軍事力ばかりを増強しても、そのために国民生活をあまり犠牲にしますとね、その軍事力というものが案外保障にならぬ場合もありますから、そこでやはり日本の場合は、このベトナム戦後というものはアジアが平和を基調として動いていこうという空気ができることは事実でしょうからね。長い戦争のこの結果、アジアが動いていく大きなやはりその基調になるものは平和ということでしょうからね。それを確示するために経済の面で日本ができるだけの寄与をすると、しかし、日本には限度があるから、どうしても太平洋の先進諸国を誘い込まにゃいかぬ。だから、アメリカに対しても、私は昨年アメリカに閣僚会議で行ったときにも、ジョンソン大統領に、午さん会をしたから、彼を前に置いておいて、あなたがボルチモアの演説でアジアのために十億ドル出すと言ったことはわれわれは忘れてはいない、そのときにはラオスも含めるとあなたは言ったではないかということを、まあその午さん会のお礼のときに私は述べたんです。だから、日本がですね、やはりイニシアチブをとって、アメリカもやっぱりこのアジアのために平和的に寄与をするためにですね、アメリカもやっぱり誘い、カナダも相当太平洋国家——大西洋国家的な性格もありますけれども——しかし、太平洋に非常に関心を向けておることは事実ですから、そういうふうにしてアジアの動向に関心を持つ太平洋先進諸国というものをどうしてもやはり戦後のアジアの平和的建設の中にはできるだけ誘い入れる努力を、日本も十分にやると同時に、よその国も誘い入れる。そりゃ西欧諸国だってアジアに関心を持つようにわれわれとして誘い入れることは必要でしょうが、何といってもアジアの動向に一番影響を受けるのは太平洋諸国ですからね。こういうことでこれをひとつ結びつけていく。いますぐ大きな機構というものはむずかしいと思う、EECとは違うんですからね。東洋と西洋があり、それからその国の産業発展の段階も生活も全然違うし、一つの伝統、歴史というものが全然違うのですからね。こういうものが一つの大きな機構にすぐにできるということは望むほうが無理ですけれども、先進諸国の間の五ヵ国で今度またシドニーでやる太平洋経済委員会、その主たる題目がやはりアジアの開発に対する寄与ということになっているわけです。先進国同士の貿易を拡大しようということも議題だけれども、もう一つはやはりアジアの開発に対して寄与しようというのが二つの目標の一つです。こういう機運が出てきておるわけですからね。戦後におきまして日本外交がやらなければならぬのは、国内でもいろいろ問題は多いけれども、国民を説得して、できるだけアジアのために、やがて回り回ってくれば日本の繁栄にも通ずるのですから、アジアのために貢献しようではないか、それと同時に、太平洋先進諸国というものもやはり日本が先頭に立ってアジアのためにひとつ尽くしてもらいたい、こういうことですが、それに対して、ただムードとしてだけでなしに、計画が要ると思いますね。外務省も一いまこれとベトナムという問題は非常に大きな問題であるからというので、若い人の知恵も入れて一つの検討を指示してあるのです。そういう形でアジアがこれから当分の間はやはり国際問題の中心舞台だと思うのです。ここで平和が維持できなければ世界の平和は維持できぬという考えです。これはいろいろ低開発国——アフリカもあるし、あるいはラテン・アメリカもあっても、やはり国際問題の中心舞台はアジアである。この平和というものを維持するための努力がとりもなおさず世界の平和への寄与だと思いますから、そういう方向で今後日本が努力をしていくことが日本の平和外交といわれるものの内容のある方向でもあるし、またやりがいのあることだということで、これは全力を傾けたいと思っておることでございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もう一点だけ。  今度のベトナム戦争の経験で、この種の民族解放戦争には核は使えないということがはっきりしたですね。それから、中東戦争の場合でも、ソ連の何とか元帥が大演説しておりますけれども、やはり通常兵器にもう一度新しい関心を寄せたということです。通常兵器がいいと言うのではないのですよ。だから、核というものはやたら使えないものだということ、特にアジアのような地域においてああいう抵抗闘争が中心になっておる戦争に核というものはあまり意味がない。ですから、いま外相の言われたように、アジアにおける低開発諸国の今後の動向というものが、民生の安定が進むならば、中国の脅威云々なんということをあまり過大に言う必要のない条件ができると思うし、また、条件をつくらなければいかぬと思うのです。中国にそんな意思があるとは思っておるわけではないですが、一般的にいわれておるからそういう表現を使ったのですが、そういう意味で、先の話ですけれども、私のもう一点お伺いしたいのは、ベトナム戦後にアジアにアメリカがどういう程度の軍事力を維持しようとするのだろうかということです。しかも、どういう地域にどういう規模で。これは非常に私将来にもかかわる大きな問題なので、やはり私は、それらは英連邦関係諸国がどういうことを話し合いを進めるか知りませんが、全体として、やはりいま外相が言われたような、軍事力でなしに経済開発を中心にアメリカもそれに誘い込んで、全力をあげてこちらに振り向けていく、そういう努力をしなければ、ベトナムが終わっても、なおかつ次のまた危機が中国にある、北鮮にあるということで、際限のない緊張というものが続くならば、これまた沖繩返還に私は微妙な影響を及ぼすと思う。そういう意味で、こういうような機会にアメリカも誘い込んで、ほんとうの意味の低開発国援助に役立つような方式を、日本がみずからイニシアチブをとって関係各国に働きかけて、そういう体制というものをいまからつくり上げる準備をすべきではないか、そういう考えを持っておりますが、どうですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も同感で、外交なんかでも、よく自主性がない自主性がないと、こう言いますが、私は大きらいなんです。外交に自主性がない、自主性がない——自主性がない外交なんか、一体どこの国でも、みな国益というものに対しての評価のしかたが少し違うわけですから、やはり外交に自主性を持たない外交、こんなふざけたことはないと思っているんです。ただしかし、やはり日本が今後、国民から見ても、日本がイニシアチブをとってアジアの開発のために尽くすということは、これはやはりほんとうに日本のイニシアチブというのは、それだけアジアというものに国民が関心を持っているから、そういう点で非常に日本の外交の方向としてはこれに全力を傾けたらいい。ことにアメリカ自身も、今度のベトナム戦争というのは、いろいろな経験をアメリカはしたに違いない。ですから、あれだけのベトナムでもアメリカはしばしば撤兵をすると言っていますね。永久の基地を求めるものではない、アメリカの兵は撤退をするのだと言っていますが、それは私はそうだと思っているんですよ。あそこにあれだけの軍隊をいつまでも置いておいて、そのことがいろんな問題をアメリカの国内には投げかけておるのですから。そういうことで、アメリカが個別的にいろいろな安全保障条約を結んでおりますね、その責任はアメリカは回避しないのですよ。いままでいろいろな各国との間に結んでいる。そういうことでアメリカのプレスティージというのはなくなるとは思っていない。しかし、ベトナムにアメリカがあれだけの大きな軍隊をつぎ込んだああいう状態というものは変わってくる。撤兵する以外にない。時間はかかるでしょうがね、撤兵までに。あれだけの五十万の軍隊が撤退するというのですから、非常に時間がかかろうけれども、しかし、あそこの状態というのは非常な変化が来るということで、アジアというものは、せっかくベトナムが、紆余曲折はあるでしょうけれども、少なくとも戦線が縮小する傾向に動き始めたことは事実ですから、これを本格的なベトナムにおける平和的解決に持って行って、その一つの変わってきたアジアの空気というものの基調をとらえて、日本はやはりこの戦乱のアジアから平和建設のアジアヘアジアの基調を変えなければいかぬ。日本の外交の大きな責任だというふうに考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ぜひひとつ願います。これで終わります。

三木與吉郎自由民主党

○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十分散会      —————・—————

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