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58回国会衆議院1968/03/12

予算委員会第三分科会 第1号

発言数
393
登壇者
34
会派数
4
開催日
1968/03/12

会議録

田中正巳自由民主党

○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  私が第三分科会の主査をつとめることになりましたので、皆さま方の御協力をよろしくお願いいたします。  本分科会は、昭和四十三年度一般会計予算中、厚生省、労働省及び自治省所管並びに昭和四十三年度特別会計予算中、厚生省、労働省及び自治省所管につきまして審査を行なうことになっておりますが、審査の順序といたしまして、本日及び明十三日は厚生省所管、十四日は労働省所管、十五日は自治省所管について審査を進めてまいりたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。  それでは、昭和四十三年度一般会計予算及び同特別会計予算中、厚生省所管を議題といたします。  まず、説明を求めます。園田厚生大臣。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 昭和四十三年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について御説明申し上げます。  厚生行政につきましては、日ごろ各位の御協力をいただき、逐年予算の増額を見、厚生行政の進展がはかられつつありますことはまことに喜ばしいことでありまして、この際あらためて厚く御礼を申し上げたいと存じます。  さて、昭和四十三年度厚生省所管一般会計予算における総額は、七千六百八十六億七千五百四十一万六千円であります。  以下、詳細については印刷をもって申し上げます。     —————————————  これを、昭和四十二年度において国立療養所関係経費が国立病院特別会計に移行したものといたしました場合の同年度の補正後の予算六千八百十三億三千二百八十一万二千円に比較いたしますと八百七十三億四千二百六十万四千円の増加と相なり、前年度予算に対し一二・八%の増加率を示しており、また、前年度当初予算に対しましては一七%の増加と相なっております。  なお、国家総予算に対する厚生省予算の比率は一三・二%と相なっております。  以下、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。  まず、第一は、生活保護費関係の経費であります。  生活扶助につきましては、その基準額を一三%引き上げることといたしており、また、教育扶助及び住宅扶助につきましても、それぞれその改善をはかっております。  このほか、保護施設職員の待遇改善を行なうなど、生活保護費として総額一千六百四十億二千百余万円を計上しており、前年度予算に比し、百八十四億三千六百余万円の増額となっております。  第二は、社会福祉費関係の経費であります。  まず、児童保護費でありますが、収容施設等の飲食物費、日常諸費及び重度加算制度の改善を行なうほか、保育所及び収容施設職員の待遇の改善をはかるとともに、職員の増員を行ない、また、新たに小規模保育所の運営に必要な経費を計上しております。  また、重症心身障害児(者)の保護対策につきましては、従来の施策をさらに強化するため所要の経費を増額するほか、重症心身障害児(者)及び進行性筋萎縮症児(者)の病床の整備並びに心身障害児(者)コロニーの整備をはかるため所要の経費を計上するとともに、新たに在宅重症心身障害児(者)に対し特殊寝台の貸与制度を設けるなどの所要経費を計上しております。また、母子保健対策の強化並びに身体障害児、結核児童等の療育対策に必要な経費をそれぞれ増額するなど、児童保護費として四百二十九億八千三百余万円を計上いたしております。  また、社会福祉施設の整備につきましては、保育所、心身障害児(者)施設、老人福祉施設及び老朽民間社会福祉施設等の整備に必要な経費として三十六億円を計上しております。  このほか、身体障害者保護費、老人福祉費、母子福祉費及び児童扶養手当等の経費をそれぞれ増額するほか、新たに精神薄弱者相談員の制度及び身体障害者施設入所者の社会復帰促進のための訓練諸費の支給制度を設けるとともに老人の社会活動を促進するため、簡易な仕事の相談及びあっせん等の事業を行なうなど施策の強化をはかり、社会福祉費として総額七百八億二千五百余万円を計上しており、前年度予算に比し、八十三億六千六百余万円の増額となっております。  第三は、社会保険費関係の経費であります。  まず、国民健康保険助成費についてでありますが、昭和三十九年度以降四カ年計画をもちまして、進められていた家族に対する七割給付の実施につきましては、昭和四十二年度をもちまして計画どおり完了いたしましたので、本年度は従来の施策をさらに推進することとし、事務費補助金の基準単価を引き上げるなど国民健康保険助成費として二千二百五十二億八千九百余万円を計上いたしております。  次に、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰り入れに必要な経費として、政府管掌健康保険の財政の健全化に資するための二百二十五億円を含め、五百八十五億五千三百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し四十七億三千百余万円の増額となっております。  また、国民年金につきましては、障害福祉年金及び母子、準母子福祉年金の年金額をそれぞれ月額二百円、老齢福祉年金の年金額を月額百円引き上げるとともに、扶養義務者の所得制限等の支給制限の緩和をはかるなど、国民年金国庫負担金として一千二十八億九千五百余万円を国民年金特別会計へ繰り入れることとし、社会保険費として総額三千八百八十二億五千五百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し四百七十五億五千六百余万円の増額となっております。  第四は、保健衛生対策費関係の経費であります。  まず、原爆障害対策の経費でありますが、従来の施策を一そう充実するとともに、被爆者のおかれている特別の状況にかんがみまして、新たに、特別手当、健康管理手当及び介護手当の支給を行なうほか、原爆被爆者保健福祉施設を設置するなど、被爆者対策の総合的な施策をはかることとして四十五億四千四百余万円を計上いたしております。  また、救急医療対策の経費につきましては、救急患者の収容治療に必要な医療施設の整備、医師等専門職員の養成訓練を行なうなど施策の充実強化をはかるための所要額を計上しており、へき地医療対策につきましても、従来からの施策を推進するとともに、特にへき地患者輸送車等機動力の強化を主眼とした施策の充実をはかることとして所要額を計上しております。  このほか、食生活改善対策として、在宅栄養士の活用によるへき地栄養対策等を新たに計上するほか、保健所職員の給与改善に必要な経費及び疾病予防費等、保健衛生諸費として百一億六千百余万円を計上しております。  さらにまた、結核医療費として三百七十一億五千余万円、精神衛生費として二百四十八億四千九百余万円をそれぞれ計上するなど、保健衛生対策費として総額一千七十九億三千四百余万円を計上いたしておりますが、本年度において国立療養所が特別会計に移行することとしたため、前年度予算に比し五十六億四千九百余万円の減額となっております。  第五は、遺族及び留守家族等援護費であります。  戦傷病者戦没者遺族等について遺族年金等の年金額を増額するなど、遺族及び留守家族等援護費として総額二百六億七千八百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し二十四億五千六百余万円の増額となっております。  第六は、生活環境施設整備費であります。  環境衛生施設の整備をさらに強力に推進するために、水道水源開発等施設整備費補助金として八億三千九百余万円を計上し水源の確保をはかることといたしております。このほか、し尿、ごみ処理施設についても増額をはかるなど清掃施設整備費補助金として二十九億七千八百万円、簡易水道等施設整備費補助金については十七億四千百万円を計上し、生活環境施設整備費として総額五十五億五千八百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し七億三千余万円の増額となっております。  第七は、公害防止対策その他の経費であります。  まず、公害防止対策でありますが、公害対策基本法の具体的な推進をはかるために、環境基準の設定及び公害防止計画の策定を早急にはかることとし、また、新たに移動監視測定車を設けるなど地方公害防止体制の強化をはかるとともに、公害患者の救済措置としての公害医療研究費をも計上し、公害防止体制の強化をはかることとし、所要の経費を計上いたしております。  また、公害防止事業団に対しましても、新たに、出資金一億円を計上するほか、貸し付け金等の金利の引き下げをはかるなど公害防止対策に必要な経費として五億九千七百余万円を計上いたしております。  このほか、医師臨床研修費でありますが、現行のインターン制度にかわる新しい臨床研修制度の実効を期するため、公私立大学病院及び大学病院以外の教育病院における指導体制の整備、その他臨床研修に必要な経費として六億一千九百余万円を計上いたしております。  さらにまた、新たに社会的に強い要請のある特殊疾病など重点的な研究を行なうための特別研究費として五千万円を計上いたしております。  以上、昭和四十三年度厚生省所管一般会計予算案についてその概要を御説明申し上げました。  次に、昭和四十三年度厚生省所管特別会計予算案の大要について御説明申し上げます。  まず、第一は、厚生保険特別会計についてでありますが、一般会計より五百六十六億五千七百三十七万六千円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。  第二は、船員保険特別会計についてであります。  船員保険特別会計につきましては、十八億九千五百七十七万一千円の一般会計よりの繰り入れを行ない、歳入三百五十九億九千二百七十六万一千円、歳出二百四十億十六万八千円を計上いたしております。  第三は、国立病院特別会計についてであります。  まず、病院勘定でありますが、一般会計より四十七億四千十八万三千円の繰り入れを見込みまして、歳入歳出とも四百四十九億三千十三万八千円を計上いたしております。  次に、療養所勘定についてであります。国立療養所は、主として、国の結核対策の面でその重要な使命をになってきたものでありますが、今後は結核、精神病等に加えまして重症心身障害及び長期慢性疾患等の新規医療需要に応ずる新しい使命を持つべきであり、そのためには、早急に施設の近代化をはかるとともに、医療内容の向上、また、患者サービスの改善をはかる必要があります。したがって、借り入れ金の導入、土地その他の資産を活用するなど、財政的にも経営的にも弾力性が期待できる特別会計制度を採用し、本年度より発足することといたしたのでありまして、一般会計より二百五億七千五百六十五万五千円の繰り入れを見込みまして、歳入歳出とも四百二十億一千四百四十万一千円を計上いたしております。  第四は、国民年金特別会計についてでありますが、一般会計より一千二十八億九千五百八万円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。  最後に、あへん特別会計についてでありますが、歳入歳出とも十億一千六百五万九千円を計上いたしております。     —————————————  以上、昭和四十三年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計の予算案につきましてその概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格段の御協力をお願いいたす次第であります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 以上で説明は終了いたしました。     —————————————

田中正巳自由民主党

○田中主査 これより順次質疑に入るのでありますが、この際、分科員各位に申し上げます。  議事進行の円滑をはかるため、質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となったお方は三十分程度にとどめていただきたいと存じます。  なお、質疑者も多数あることと思われますので、各位におかれましては、開会時間を厳守するよう特に御協力をお願いいたします。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に、要領よく、簡潔に行なわれますようお願いいたします。  それでは、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原分科員 財政硬直化ということが昨年急転直下言われ出しまして、本来硬直性を持っておることは当然なんですが、社会保障の予算に対しましても圧力がかかってまいりました。しかし、日本の社会保障の現状は、大蔵大臣などもしばしば言うように、言うなれば貧乏におちいったときにこれに救済の手を差し伸べるという救貧政策であります。これが中心であります。佐藤総理は社会開発などというような大きなことを言いながら、実際にはこれに対しては不熱心であることは御承知のとおりであります。だが、その救貧政策から防貧政策へ、こういうことがやはり大きな日本の社会保障の課題であるべきでありますが、これが依然として停滞をしているというのが現状だと思うわけです。  園田厚生大臣は、大臣になられましてから一生懸命勉強されたと思うのですが、もうぼつぼつ習熟されたときですから、本来のあるべき姿について私はしっかりした考えを持ってやられるべきであると思います。佐藤総理も、かつて社会開発を主張しておりましたころは、救貧政策から防貧政策へということを言っておったわけであります。したがって、何といっても生活保護費だけ、公的扶助だけで施設を含めましてやるということでは消極的であります。また、重要ではあるのですが、予算のむだづかいにもなります。  それはなぜ血清保護の適用を受けるようになったかという開始原因を分析してみれば、もう傷病者とか年寄りが多いのは当然であります。したがって、やはり何といっても総合政策を立てて日本の社会保障政策を前進させることが必要です。長期政策と総合性を持った政策を立てなければ日本の社会保障は一歩も前進しないだろう、こういうことであります。  長期政策については、御承知のように経済社会発展計画はあるわけです。この社会保障の問題については、いろいろ議論になったのですが、他の部面においては出ておってもこれが出おくれておる。結局はその日暮らしになって、しわがそこに寄ってくるということになるのであって、政治の中心というふうな、そういうものになることができない、こういうことになると思います。したがって、私は社会保障の長期計画についてしばしば指摘をしてきたのです。これは前の坊厚生大臣も、その前の鈴木厚生大臣も、そのことはしばしば言ったわけですが、いまだに実行してないわけです。社会保障の長期計画について大臣がどういうふうな考えを持っておられるかということについて、ひとつ簡潔に所見を述べていただきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりに日本の社会保障制度が水準が低いこと、なおまた各社会福祉保障の制度が必要に迫られて個々に出てきたという関係上、分類的、個別的に発展してきているものでありますから、この際総合的、体系的な長期計画をつくることが必要であります。したがいまして、御指摘の救貧政策から防貧政策に移るというその第一歩も、その計画成立にあると考えております。  政府としては、近く考えております保険の抜本対策及びこれに引き続く年金の再検討——年金、保険が社会保障制度の二つの柱になりまするので、これの案をつくると同時に、総合的な体系的な計画をつくりたいと検討いたしております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それはいつごろおつくりになりますか。坊厚生大臣も鈴木厚生大臣も、つくるつくると言って、そば屋の出前みたいに一つも持ってこぬわけですが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 すでに保険の抜本対策の試案がただいま出ておりまするが、これの再検討を幹部に命じております。その際、保険としてではなくて、厚生行政全般の面から体系的なものをつくって、その中の保険としてつくれ、このように検討を命じておりますから……。

大原亨日本社会党

○大原分科員 いつごろやるのですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 命じましたのは一カ月前でありまするから、今年中にでもかっこうだけはつくり上げてみたいと考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 国民所得の中に占める社会保障の予算、あるいはこれは振替所得でいうのがしばしば慣例になっておるのですが、そういうものについて大きな目安をきめなければ、その予算の中にあるいは国の所得の中に社会保障をどう位置づけるかということができないのではないか。そういう総合政策、長期計画をつくる目安はどこに置かれますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりに予算にありまするので、明年度予算を目当てにしてやりたいと思いますが、しかし予算の面だけでありますと、ただいままでの水準が低い水準にありまするから、結局それを基礎にして出ることになりまするから、それを重点にしながら明年度予算から長期計画を考えるようにやりたいと考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 ですから、たとえば国民所得の中における振替所得の割合でいうか、あるいは国民所得の中における社会保障費の割合をどうするか、こういうことですね。あるいはこれは防衛費で一%ということをよくいわれるのですが、これはいつもまかり通っておるわけです。あるいは総予算の中における社会保障費の比率をどれだけ確保する、こういうふうな目安をつくってそして大臣が指示しないと、下では作業はできぬと思うのですが、そのことについては経済企画庁をはじめ総理大臣とも、あるいは閣議においても十分積極的な発言をするということを厚生大臣が受け持つべきじゃないか。予算折衝その他で非常に忙しくて日常の仕事に追われておると思うのですけれども、私は、そういうことを大臣がしっかり押えてやるべきではないのだろうか、こう思うのですが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 政府がつくっております開発計画では、振替所得の二%引き上げを四十六年度までに考えております。しかしながら厚生省が案をつくる場合では、それでは不十分であると心の中で考えておりますので、その点をしんしゃくしてやりたいと考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 大臣、こういうことですよ。国民所得の五・五%前後であるのを二%引き上げる、こういう厚生大臣の答弁だったと思います。七・五%ぐらいにしよう、こういうことでしょう。それだったら四十六年で幾らですか、予算規模は。

首尾木一厚生大臣官房企画室長

○首尾木説明員 大体三兆六千億程度でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 現在幾らですか。

首尾木一厚生大臣官房企画室長

○首尾木説明員 四十一年度実績見込みで振替所得が一兆三千八百三十億でございます。それを三兆六千億円でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 ことしは昭和四十三年度の予算でしょう。四年、五年、六年でしょう。この三年間の間に三兆六千億円の予算規模でやろう、こういうのですよ、経済社会発展計画は。  しかし佐藤内閣は、宮澤君はそう言ってないけれども、経済企画庁長官は、これは行き詰まっておるから、いずれ経済社会発展計画は変えると思うのですよ。もうこれはだめですよ。突然財政硬直化や宮澤構想が出るようになっているのだから、あらゆる点からこれはだめになっている。それは経済企画庁の分科会で議論しますけど、それにしても昭和四十六年に三兆六千億円の予算の規模をもって社会保障全体の切り盛りをやるという一つの構想があるわけですよ、いままでの積み上げが。これは事務当局もこれをつくるときには、いままで数年来の議論というものを相当ディスカッションしたと思うのですよ。だからこれは、いま、一兆三千億円が、インフレ上昇で物価が上がったにしましても、予算規模がふえたにしましても、四十六年に三兆六千億円というものは相当膨大な規模です。少々のことではこれはできないわけですね。それに基づいて長期計画を立てられることは、経済企画庁が閣議で決定した構想なんですから、これは当然各省を拘束しているわけですから、私はその中において積極的な提案をされることが必要だろうと思う。これ以上だというふうなことを坊厚生大臣も、おそらくあなたも、他の公式の席上で言っておられるのですよ。いまも言われた。五・五%の現状に対して。プラス二%以上の長期計画を努力してつくるのだと言われたわけです。それをきちっとひとつ。プラスアルファをして、われわれはそれに満足するわけじゃないですが、プラスアルファをして努力をしていただきたい、こう思うわけですが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 了承いたします。誠意をもってやります。

大原亨日本社会党

○大原分科員 大蔵省はこの間、財政制度審議会へけしからぬ文書を出しているわけです。あなたが書いたのでしょう。「社会保障の現状と問題点」といって、財政硬直化に対応して社会保障をぎゅうぎゅう締めろ、こういうものを出している。あれはひどいのだ。全くめちゃくちゃなことを書いている。保険主義とか、受益者負担とか、所得の再配分とか、社会保障の本来のことからいうとこの議論はもってのほかだ。しかしこの間の大蔵大臣の答弁では、厚生省は詰まらぬということになるのだが、硬直化に対する大蔵省の財政的な見解である。それに対しては厚生省からも意見が出るだろうというようなことを言っておって、厚生省がさぼっておるようなことを言っておった。こういう議論だったわけです。いろいろなことがあって、時間の関係もあって言わなかったのです。せっかく皆さん方努力されておるので言わなかったわけですが、財政硬直化のしわを社会保障に寄せるということでなしに、やはり社会保障をより前進させるために、佐藤内閣の公約からいえば前進させるために、硬直化の対策をどう立てたらいいか、こういうことであるべきだ。  社会保障の予算が本来硬直化するのは当然なのです。たとえばイギリスだって、医者の処方せん料を個人負担にしたということで大もめしているけれども、しかし、お産をしても、ただです。子供や妊婦に対してミルクの割引をやる、主食のようなミルクについて割引をやる、こういうことをやっている。日本と水準が違うわけですからね。大蔵省もそういう点については経済社会発展計画等の拘束を受けるわけですから、私はそういう点の財政的な見解を述べられるのはいいが、そういう点については積極的に協力をしてしかるべきではないかと思うのです。主計官、いかがですか。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 社会保障を、長期的観点に立ちまして制度の整備なり、あるいは給付の充実をはかっていかなければならないことは御指摘のとおりでありまして、その基本的な方向につきましては経済社会発展計画に示されているとおりでございまして、できるだけその線に従いまして充実をはかってまいりたいと考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 第二は、今度の予算を見ますと、小規模保育所が出ているわけです。これは確かに善政である。小規模保育所は百カ所、八千万円でしたか。しかし厚生大臣、きょうは防衛庁長官がおられませんが、大型戦車を三次防で二百五十台つくるのですよ。計算してみましたら一台に七千九百万円かかるのです。非常に厚生大臣が努力されて八千万円とられたのですが、戦車一台分ですよ。戦車一台分が百カ所の保育所だということなのです。なぜ小規模保育所をつくったのですか、あるいはそれを将来どういうふうな考え方で進めていかれるのかという点について、厚生大臣のお考えを伺いたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 明年度の予算で保育所の規模を小さくいたしましたのは、社会の実情が、働く婦人がどんどんふえてまいりました。しかも実際上の問題として、子供を預けに行くと時間なり費用等の関係で手近なところへ預けたい、こういう要求に迫られておりますから、さらに保育所の施設の規模を小さくして数をふやしたい、こういうふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それで、いま俗にいう東京やあるいはその他のいわゆる過密地帯に労働力が集中しておりまして、そういうところを中心に保育所の要求が非常に大きいわけですが、いわゆるこれは、ことばは画一でないのですが、俗称無認可保育所というのが御承知のとおりあるわけです。これは政府委員でもよろしいですが、無認可保育所というのは一体どのくらいあって、どのくらい児童を収容しているのですか。これはいろいろ観点があると思うのですが、そういう現状についてひとつ御答弁願いたい。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 一昨年の五月末日現在の調査がございますが、その調査によりますると、いわゆる無認可保育所の数は全国で二千二百九カ所、そこに通っておりまするところの子供の数が十一万五千八百十三名、かように相なっております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 児童福祉法の二十四条によりますと、御承知のとおりいつも議論になるのですが、乳児、幼児等の保育とありまして、「市町村長は、保護者の労働又は疾病等の事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがあると認めるときは、それらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない。但し、附近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護を加えなければならない。」こういうふうに無認可保育所のことに関連いたしまして、憲法二十五条等を受けまして、国の児童保育に対する責任あるいは地方公共団体の児童保育に対する責任を明らかにしております。また第二条を受けております。第二条は、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」こういうことを受けているわけですが、無認可保育所に対しまして、国としては基本的にどういうふうに考えておるのか。この点について好ましいと考えておるのか、つぶすべきであると考えておるのか、あるいは積極的に助長すべきであると考えておるのかどうか、この点ひとつ……。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 御指摘のとおり、子供を健全に育成するというたてまえに基づきまして、保育に欠ける児童を保育所に入所させるということは、当然児童福祉法にも明記してありますし、そのように進めていかなければならない、これが基本でございます。  ところで、同時にまた、そういった施設におきましては、十分な設備と十分な構造なりあるいは適当なる資格を持つ保母の手によりまして子供を保育するという、別の児童福祉という立場におきまする要請がございます。  したがいまして、私どもといたしましても従来ともに正規の保育所——設備、構造にも、あるいは資格ある保母をもちまして、正しい健全な保育ができるような施設を保育所として認可いたしておるわけでございます。したがいまして、現在ありますところのいわゆる無認可保育所の中でも、そういうふうな設備、構造なりが、あるいは担当の保母等が資格を持っているという状況であるならば、これを正規の保育所として認可するように進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  しかしながら、時と場合によりますると、そういった子供の福祉、子供の保育にまずいような条件にある保育施設もございます。したがいまして、そういった施設に対しましては、これらを正規の保育所としての条件を満たすような指導をいたしてまいらなければならない、かように考えておるわけでございます。  なお、二十四条のただし書きにございますような正規の保育所でないものに対して、保育に欠ける場合に市町村長が適切な保護を加えなければならないという条文がございますが、こういった条文によりまして、先生御承知のように、僻地の保育所でございますとかあるいは季節の保育所というものを、市町村をしてやってもらっているというのが現状でございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 それで、農村なんかでやっている季節の保育所とか僻地の保育所などで簡便な方式がありまして、これが憲法との関係で議論になったのですが、特に東京都でも、最近御承知のように無認可の保育所ということで議論になったのです。無認可とか認可という法的な根拠は何なんですか、これを簡単にひとつ……。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 児童福祉法に基づきまして、児童福祉施設の最低基準というものを省令に委任しております。したがいまして、省令で最低基準を規定してあるわけでございますから、その最低基準に満たないものが無認可の施設ということに相なるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 つまり最低基準に合致をして、国の予算措置その他の予算措置がなされておって、国が直接、間接に監督しているのでしょうね。児童福祉法にそういういろいろなことがあるのでしょうが、まあそういうことだと思うのですが、実際には、御承知のように全国で二千二百九カ所、十一万五千名余りの認可を受けない保育所で保育をしなければならない社会的な要求がある、こういう実情から生まれた保育所があるわけですね。それに対して東京都が助成措置をした際に、これは憲法の問題が出てきたわけでありますが、しかし、私は問題は二つあると思うのです。知事が委託をする委託料を保育所の経営者に出すということ、それからもう一つは、無利子の貸し付けをやって設備の改善その他の助成をしていく、こういう二つが問題になります。現在決着したのは別ですが、この二つの問題があって、この問題は全国的な大きな問題になっておるわけです。この二つの問題について厚生省としては、児童福祉法その他の主管省としての見解はどういう見解なんですか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 御指摘の東京都でいま議論になっておりまする無認可保育所の助成の問題につきまして、憲法八十九条との関係で議論が行なわれておるわけでございます。もちろん憲法の有権的な解釈につきましては、政府におきましては法制局によるところでございますが、お話しのありました委託費の問題と低利の貸し付けの問題がありましたが、委託費につきましては、東京都と施設との間の委託契約に基づきまして、その事業の執行に伴う費用を実費弁償的に支払うというふうなことでございますが、この点につきましては、私どもの考えといたしましては、一般的には憲法八十九条による公金の支出には該当しないのではないか、かように考えるところでございます。  それから、第二の低利の貸し付けの問題でございますけれども、低利の貸し付けの問題につきましては、いままで私どもが解釈しております例によりますれば、憲法八十九条によりまする公金その他公の財産を支出するということになると解せられるわけでございます。ただ、憲法八十九条によりますると、先生御指摘のように、この対象となるものが公の支配に属する場合におきましては、憲法の規定に抵触しないわけでございまして、公の支配に属するかどうかという点につきましては、ただいままでの私どもの通常の解釈によりますれば、公の支配に属せしめるために、たとえば児童福祉法の第五十六条の二でありますとか、あるいは社会福祉事業法の五十六条という規定によりまして、たとえば、社会福祉法人でありますとか、あるいは民法上の法人というふうなものに対しましては、これに公金あるいは公の財産を支出することができるように相なっておるわけでございます。したがいまして、低利の貸し付けでありますとかあるいは公金の助成等につきましては、そのような取り扱いが行なわれるのであるならば、憲法八十九条の規定に抵触しないというふうに私どもは解釈しているわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 やや具体的に明確になったわけです。つまり、一人一カ月幾らというふうに出す委託料については、これは当然に委託契約として無認可の保育所に出すことについては憲法上、法律上の疑義はない。特に、保育所については地方公共団体も責任を持っておるわけでありますからそういうことはない。それから助成金、いわゆる低利融資の問題については利子を補給するということになるのだと思います。そういうことで補助に該当するし、憲法八十九条の問題が出てくるのですが、民法上の公益法人、社団、財団の公益法人でありあるいは社会福祉法人、こういう場合にはよろしい。そういう場合にはよろしいが、一般的にはやはり問題が起きるのではないか、大まかに言うとこういうことでありますね。  それからもう一つは、そういう民法上の法人やあるいは社会福祉法人で設立の準備をしている、設立の意思がある、そういうものはどうかということが一つ。設備改善その他を助成するということの目標。それからもう一つ、私は問題を提起して見解を伺いたいのは、これはいま申しました児童福祉法の二十四条からも二条からも、当然保育に欠ける児童については、そういう設備を設け条件を整えてやる、そういう責任が国や地方にはある。これは児童手当とか、児童福祉施設とか、いろいろな総合的な一環として、子供を国や社会の責任で守るということから当然であると思うわけです。その際に、いわゆる無認可保育所で国が措置費を出さない、財政上あるいは法律上の措置をしないという、あるいはできないという、そういう無認可保育所が実際上全国に十一万五千名、二千二百九カ所あるわけですが、それらを野放しにするよりも助成していくという観点の上に立って、都道府県知事が条例をつくって、いわゆる所長や責任者やあるいは保母に財政について報告させ、あるいはこの報告に基づいて不適当なものについては是正を命ずるというようなそういう簡潔な、いわゆる憲法八十九条の精神に抵触しないように、公の支配に属するというふうなそういう形態を条例においてとり、そういう無認可の保育所について低利の金を融資するというふうな措置を都道府県知事や市町村長がとった場合においては、この憲法違反の疑いは出てこないのではないか、私はこういう一つの見解を示して、それに対して御意見をお伺いいたします。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 三点についての御質問でございました。  第一点に関しまして、私が先ほど御説明申し上げましたのは、児童福祉法の五十六条の二というのがございまして、それには、社会福祉法人なり民法上の三十四条の公益法人につきまして、児童福祉法におきまして公の支配に属さしめておりますので助成ができる。それから社会福祉事業法の五十六条におきましては、社会福祉法人につきまして公金の助成ができるということを規定しておるわけでございまして、そういう例を申し上げたわけで、その例は、つまり公の支配に属する団体に公金が支出される場合についての御説明をしたわけでございます。したがいまして、今回のいわゆる東京都で実施されるように伺っておりまする施設につきましては、それが一体児童福祉法の五十六条の二に規定されるものであるかどうかということは、これは実態的に検討しなくちゃいけない、かように考えるわけでございます。  それから第二点の、まさに社会福祉法人にならんとするところの保育施設につきまして、これが公の支配に属さしむることができるものであるかどうかというふうなことでございますけれども、この点につきましては、一般的にいえばやはり社会福祉法人として現存をしているというふうな施設、法人の経営するところの施設について、まあ公金の助成をするという言い方のほうが、そのほうが憲法の規定には合憲的であるというふうに解釈するわけでございます。  それから第三点の、条例によって定めればそれによって公の支配に属さしめることができるのであるから、公金を支出することができるのではないかというような点でございますが、この点につきましては、実は自治省等とも相談をしているわけでございますが、従来の自治省の取り扱いにおきましては、都道府県あるいは市町村の条例によりまして公の支配に属さしむることができるかという点につきましては、消極的な考え方でございます。つまり、相手方が個人であるならばこれは明らかに憲法の規定に抵触するし、法人である場合にはその法人の認可権が国にあるのだ、したがって、都道府県あるいは市町村の条例におきましては、その法人の設立あるいは監督というものが問題があるのじゃないか、こういうふうな見解に基づきまして、地方公共団体の条例によって公の支配に属さしむるということには問題がある、というふうな解釈を自治省がとられておるわけでございます。したがいまして、多少条例による支配ということには問題がある、かように考えておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 いま時間がないのですが、社会福祉法人としてあるいは公益法人として認可申請の意思があり、将来そういう設備改善を目標としている、こういうものに対して条例が一定の制限を設けながら設備の改善に、認可できる条件を整えるためにそういう改善について努力をするということを前提として、人事や予算について監督をするという条例を設け、一方においては財政的な支出をしていく、あるいは低利の融資をしていく、こういうことは、私は住民の立場から見ると、国民の立場から見ると、子供は社会の子である、あるいは憲法や児童福祉法や社会福祉事業法その他の精神からいって、憲法八十九条にいうところの単なる慈善、博愛の事業云々という規定には、私は触れないのではないかと思う。こういう意思が明確であり、目標が明確であり、やっている仕事について一定の責任を負うという場合においては、これは当然国がやるべきものを、一定の法律の根拠なしに厚生省の設置基準によってやっておるものに対して予算が限られて——小規模保育費だって八千万円しか取れなかったわけだから、そういうようなものを地域公共団体がその穴を埋めるということになる場合においては、私は憲法抵触の疑義がないのではないか、疑義がないばかりでなしに当然これは助長してやるべきものではないか、かように考えますが、いかがですか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 ただいま御指摘のように、準備中の社会福祉法人なりあるいは準備中の民法法人につきまして、それが明らかにその設備も構造も児童福祉法に定める基準に適合することが明確である、あるいはそこで雇われて働くところの保母さんの確保が明確であるというふうなきわめて具体的な問題が御指摘あったわけでございますが、そういった具体的な事実の問題につきましては、いわゆる憲法八十九条の解釈及びその規定に抵触しないように運営をする、そういうふうな場合もあり得るかと考えます。

大原亨日本社会党

○大原分科員 抵触しないような場合があり得る。たとえば私は無認可の保育所——無認可の保育所というのはことばがおかしいのだけれども、政府が横着して力が足らなくてやっていない、その範囲を出ておって住民の中から出てきておる問題だから、しばしば言われておるから言うのだけれども、無認可保育所、そういうものについて一定の目標なり設置基準を設けておいて、そしてその範囲内で条例が運用された場合においては、公の支配、監督下に置いて将来そういう目標を達成するという場合においては、地方自治体が住民の税金を払うというふうなことは、特定のものにだけ——慈善、博愛の事業あるいは宗教活動その他に対しての国の干渉や介入という趣旨等から出てきた憲法八十九条からいえば、私は違反をしないというふうに解釈すべきではないか。だから無認可の保育所の設置基準というふうなものを設けて、そして地方自治体がやるべき方向づけをしていくというふうなことを厚生省はやってもよろしいのではないか、こう思うがいかがですか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 きわめて具体的なお話なんでございますが、いまの具体的なそういった施設がどうであるかということをもう少し具体的に判断をいたしまして、それが憲法の規定に適合するかどうかということをきめなければならない、かように思うわけでございます。  ただ一つ大きな問題となりますのは、もちろん都道府県等がその条例によって、いまお話しのような人事及び予算について相当の介入権を持つということに相なりましても、別に——別にといいますか、きわめて貧弱な施設あるいは貧弱な構造を持った設備におきまして、全然その経験のないような方、たとえば非常なおばあちゃんでありますとか、そういうふうな方が小さな部屋でたくさんの小さな子供を預かって、ほんとうに子守のような、あるいは従来の古くからいわれておる託児所的なやり方でやるということが、また別の見地から言いまして子供の福祉の向上になるかどうか、こういう別の問題も実はあろうかと思うのでございます。したがいましてそういったやり方につきましては、具体的にその個々の施設、施設につきまして十分に子供の福祉がはかられるような観点も考えていかなければならない、かように思っておるわけであります。

大原亨日本社会党

○大原分科員 八十九条の憲法の精神はあるわけですから、それに対しましては一応それが排除できるようにして、そして無認可保育所を助長するような方向で、実際上たくさんできているその保育所について一定の設置基準等を設けて、それに対する育成措置、助成措置を講ずるというふうなことは、もう少しきめこまかくきめて——たとえば自治省だって、季節の保育所その他の問題について、この場合については八十九条の適用外だというふうな見解を示したものがあるわけです。だから、私はそういう点について区画整理をしてやるべきではないかと思う。東京都はその問題を解決しているのだから、私はもうそのことは言わない。言わないのだけれども、一般的な問題として私は言っておるわけです。その点について大臣、ひとつもう少し検討してみてください。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの問題は、事の本質上憲法に抵触するおそれがあるからこれを防止するという意味ではなくて、逆に助成をできるという意味で、憲法に抵触しないように指導する、必要があれば基準等についても考慮する、こういうふうに考えております。

大原亨日本社会党

○大原分科員 所定の時間が短いので、最後に防空法の関係です。  消防庁長官お見えになっておりますが、これはしばしば議論したことですが、総動員法やその他の問題についてはいままで議論して、戦傷病者戦没者遺族等援護法ができたわけです。しかし防空法は、占領時代の特殊事情から考えてこれは廃止されたわけです。そこで、これは私は議論はしないけれども、援護局長見えておるが、法律的には非常な政府の手抜かりである。戦傷病者戦没者遺族等援護法という法律も間違っておる。うその法律である。閣議決定の日付が間違っておる。閣議決定を隠しておったものだから、実際に起案した人が間違えて、一人間違うと軍事機密みたいなものでずっと間違えてしまって、法律がうその日付になっておる。二十二日というのは実際は三日なんです。一本足らぬわけです、閣議決定の日付が。だから根拠法規がうそになっておる。閣議がない日に閣議があるというように法律に書いてある。  そういうことはともかくとして、その議論は別にいたしますが、たとえば広島市の市役所の上におって防空監視をやっておった者、七人か八人おったらしい。その中には警察官もおったし兵隊もおった。ここにその遺族の人の文章があるのです。おとうさんが出しておるのですが、そのむすこもそこにおって、警戒警報解除の形になったが、まだ上におったものだから吹っ飛ばされた。それで数日後に死んだわけです。これは防空法による防空監視員なんだけれども、これをほっておくのは全くおかしいのです。  だから、防空監視員とか警防団員とか医療従事者というふうに、防空法上個人に対して従事令書を出されておったのと、一般的な防空法の義務を負った者がおったわけです。少なくとも個人に従事令書を出したのは、人間をつかもうと思えばいまでもつかむことができる。戦後二十何年たってこれを放置しておくことはおかしいじゃないかという主張を従来からしておって、そのことは前の自治大臣も、それはもっともであるから調査をする、何とか検討しましょう、それから従来の厚生大臣もしばしばそういうことだし、いま主査の席にすわっておられる田中さんもよく御承知のように、社労においても社会党もいろいろその点について案を出し、それで戦傷病者戦没者遺族等援護法についての附帯決議を、田中主査自体が筆をとって附帯決議を満場一致つけた。これは時間がたっておって実態がつかめないということがあってむずかしいけれども、しかし可能な範囲はあるわけです。だから私どもは実態調査すべきである、こういう点について最初の段階として主張しておったわけですが、これについて消防庁長官、これは警防団その他の仕事の後輩だから——あなた方はいまは先輩だけれども、それは責任があるだろうということです。迫水自民党の幹事長にしても、あれをほっておくのは、国民義勇隊と同じだったのだからけしからぬといまでも言っておる。迫水久常、当時鈴木内閣の書記官長をやっておって、当時の国民義勇隊発足、防空法、警防団との関係をよく知っておる人であります。それがそう言っておられる。その点について、これが最後ですがお答えいただいて、実態調査あるいはこの考え方についての大まかな点についてお答えいただきたいと思います。

佐久間彊消防庁長官

○佐久間政府委員 ただいまの問題につきましては、先生から昨年の国会でも御質問をいただきまして、私どもといたしましても防空従事者につきましては何らか解決の方途を講ずべきものである、かように考えておるわけでございます。そこで、先生もおっしゃいましたように、私ども消防団は警防団の後裔でございますので、前身の問題につきましては、消防庁といたしまして実態調査をいたしました上でそれに応じた措置を講ずる、かような方針で考えておるわけでございます。  そこで、従来一応の大まかな調査は、県に照会などいたしましてとったのでございますが、なお非常に不完全なものでございまするので、四十三年度におきましては若干の調査費を予算に計上いたしましたので、これを使いまして正確な調査をし、できるだけ努力をいたしまして実態を把握いたしたい。その上で、厚生省とも御相談をいたしまして処置をしたいと思っております。  なお、私どもは警防団を対象として考えておったのでございますが、先住の御指摘もございまして、他の防空監視隊員なりあるいは医療従事者も一緒に調査したらどうか、こういうような御意見もございますので、その点につきましては、私も調査の便宜上関連していたすこともいいのじゃなかろうかと思いますので、厚生省のほうとも御相談をしてまいりたい、かように思っております。

実本博次厚生省援護局長

○実本政府委員 先生御指摘の援護法の誤謬につきましては、先生御指摘のとおり今国会に改正案を出しております。  いまの消防法の従事者の関係につきましては、佐久間消防庁長官からお答え申し上げましたように、消防庁で一括調査の上厚生省と慎重協議する、こういうふうなかっこうで進めてまいるつもりでございます。

田中正巳自由民主党

○田中主査 只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 大臣は博学の方でございますから、昔うば捨て山という話があったのを御存じだと思います。昭和四十三年の現在にも、そういうきわめて悲惨な悲しい状態なり話があるということを御存じですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 定年制の問題だと思います。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 定年制の問題というよりも、あとで順次お聞きしますが、平均余命がきわめて長くなっておる。しかし依然として五十五歳の若年定年制というのが施行されておるわけです。   〔主査退席、登坂主査代理着席〕  そこでまず最初に、現在の日本の平均余命というのは幾つになっておりますか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 昭和四十年の簡易生命表によります平均余命は、男子六七・七三、女子七二・九五でございます。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 新しく出ておりますのは、男子六八・三五、女子七三・一三、こうなっておりませんか。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 失礼いたしました。ただいま申し上げましたのは四十年の簡易生命表でございまして、四十一年の簡易生命表で申しますと、先生のおっしゃるとおりでございます。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 いま答弁の誤りからも明らかになりましたように、一年の違いでもこうやって〇・五ずつくらい平均余命が伸びてきておる。四十三年の現在はもっと伸びておるわけでございます。  それでは諸外国の平均余命はおよそどのくらいか、日本と同じような国家水準なり国勢のある国家についてひとつお示しをいただきたい。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 多少数字は古くなりますが、スウェーデンにおきましては、一九六二年、男子七一・三二、女子七五・三九でございます。アメリカの白人は、一九六三年におきまして、男子六七・五、女子が七四・四でございます。イングランドウエールズは、一九六一年ないし三年の間におきまして、男子が六八・〇、女子が七三・九等でございます。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 大臣、いまお聞きのとおり、日本は大体そういう先進諸国家と同じ平均余命、ちょっと長かったり短ったりしますが、前は第二グループといわれていた部類に入っておったのでありますけれども、いまはほとんど第一グループに入ってきている、こういうことになっております。  しかし先ほどから言いますように、定年は依然として明治ながらの五十五歳です。  労働省だれか来ておりますか。——現在の日本における定年制の状態を、ひとつ概要でけっこうですから話してください。

佐竹一郎労働大臣官房企画室長

○佐竹説明員 民間企業におきまして定年制を実施しております企業は、規模によってかなり違いますが、大企業におきましてはほとんど大部分の企業、一〇〇%近い企業が定年制を実施されております。ただし、中小企業になりますと半分以下の実施率でございます。  定年制を実施しております年齢を見ますと、大体五十五歳という年齢が一番多うございまして、たとえば五千人以上の規模でございますと七五%、大部分が五十五歳のとこにろ集中しておるのが現状でございます。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 政府の公務員関係はどうなっているか。

佐竹一郎労働大臣官房企画室長

○佐竹説明員 公務員関係は私ども調査いたしておりません。現在、法律上は定年制はないことになっております。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 そんなでたらめなことを言ってはいかぬ。勧奨退職とか、五十五歳でやめさせられている状況を労働省が全然つかんでいないというのはどういうことか。

佐竹一郎労働大臣官房企画室長

○佐竹説明員 私のほうではそういう話は聞いておりますが、具体的に何歳でというような詳細なところまでは資料としてとっておりません。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 労働省がそんなでたらめを言うのだったらしようがない。これは労働省関係でやります。ここでやったってしようがない。  厚生大臣は、まあ所管事項ではなくとも、そういういろいろな民生事項をお扱いになっていらっしゃるので、政府関係のことは御存じでしょう。何歳ですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 大体、勧奨を五十五歳基準程度でやっていると思います。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 だから五十五歳というのは、いま公務員には法律上は定年制はないわけでありますが、勧奨退職として五十五歳というのがある。これは明治初年の平均余命が大体四十歳ぐらいだ、そのころにこの五十五歳というのが適用されておるわけなのです。それがそのまま踏襲をされて、慣習的に行なわれておる、こう言っても過言ではない。何か法的な根拠なり具体的な根拠があって五十五歳というのが実行されておる、こういうふうにお考えですか。何が根拠で五十五歳というのが行なわれておりますか。

佐竹一郎労働大臣官房企画室長

○佐竹説明員 法律的な根拠はないように承知しております。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 君は黙っていろ。知らないと言ったではないか。大臣、答弁してください。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 覚えておりませんが、ないと思います。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 法的な根拠もなくて、慣習的に五十五歳定年というのが日本では行なわれておるわけなのです。  それでは、諸外国の定年というのはどういう形で行なわれておるか、あるいはおおよそ何歳で定年になっているか、厚生省のほうで知っている限りお示しください。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 諸外国の例を特に調査をしておるわけでございませんが、年金支給開始年齢は六十五歳でございますので、おおむねその時点前後であろうと考えております。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 これも時間がありませんからそう深くは突っ込めませんが、日本は社会保障制度関係が六十歳から施行されますね。しかし、定年は五十五歳です。諸外国は定年の一番早いので六十歳、平均は大体六十五歳、アメリカの事務部門では七十五歳というような、定年制の非常に長いところもあるわけですね。  定年制そのものは知らなくても、社会保障制度をどう実行するかという場合には、当然諸外国の社会保障制度をあなたたちは勉強するだろうし、定年制関係のことも勉強するだろう。そういうことを何もしないでおる。五十五歳から定年制、六十歳から社会保障制度を施行して、安い退職金をもらおうがもらうまいが、ちっとも関係ないということで、あなたたちは熱心でないわけだと思う。防衛庁や何か天下りするなと言っても、五十五歳で首を切られて六十歳から安い社会保障制度を施行される。あなたたちはそうだろう。どっかに行かなきゃしようがないだろう。そういうことのすべての根源というのは、定年制の問題に現在の日本の矛盾の一つがあるわけです。あなたたちはこういう問題にもう少し真剣に取り組んだらどうですか。  厚生大臣、厚生省は単に医療問題だけでなくて人生万般の、特にいま平均余命が長くなってきて、日本の社会全体の問題として、老後をどうするかという問題は、ある意味できわめて大きな問題だ。ある側面から見るならば、そういう困った人、弱い人々の立場を保護していくというのが政治だし、特に厚生省の関係はそういう任務に当たられておるわけです。そういう問題の調査もたいしてしないで政治をするなどというのはナンセンスだ。もう少しそういう問題に真剣に取り組んでもらいたいと思うが、どうですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御指摘のとおりに、日本国内においても寿命が延長しつつありまするし、ひいては労働力も延長しておりまするから、そういう観点からも、民間企業の定年制については検討し、各国の制度と同様に定年制延長の方向に持っていきたいと考えております。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 定年制そのものの問題は主として労働省所管でありますから、いずれ労働省の所管のときにお伺いすることにいたしますが、結局、そういう若年定年制が日本で施行されております。そういうことでいろいろな社会問題が出てくる。  さっきちょっと申しましたように、たとえば防衛庁の汚職問題にしても、私たちから見るならば、こういう問題の本質の一つは資本主義社会というものにあります。それと同時に、五十五歳で首になれば、もう五十二、三歳なり五十四歳になれば必ず自分の行き先というのを考える。考えなきや、人間だからしようがない。死んでしまうわけにいかないから。あるいは官庁におる人でも、大体は局長や何かになるが、そういうふうに五十歳過ぎたらしりがもそもそして、どっか行き先を見つけなきゃならない。ここにおるような人はみなそうだ。ここにおるような人は行き先を見つけることができる。ところが、ここにおらないような人は行き先を見つけることができない。ここにいるような人々はどういうようなことをするかというと、行き先を見つけて、なければ、局長としていばっていたのが、民間に行って頭を下げるのがいやだということになって、公社、公団を続々つくる。だから、幾ら天下りするな、あるいは防衛庁の機密を持ち出すなと、こんなことを言ったって、自分が行く会社に素手で行って頭を下げて使ってもらうのがいやなら、その前に機密事項を手みやげの一つとして持っていくのは当然のことだ。あるいは公社、公団をつくってそこへ行く。そこなら自分たちがいばっておれる。政府の金を出せばよい。あるいは財投から出せばいい。そこでは大将になっておれるから幾らでもつくる。幾ら行政管理、行政管理といっても、どんどんつくっていく。これは当然です。  だから、こういうものも、ある面から見ればあらゆる根源といってもいい。一つの問題は、部課長どまりになる人は、安い賃金であれだからといって汚職をどんどんやっておる。  このようにして、いまの日本の社会の悪の根源は五十五歳の若年定年制にあると私は思います。これが六十歳まで働けることになれば、大体人間も、枯れていくといってはどうか知りませんが、人生観をはじめ、肉体的にもすべて一つの山を越した形になります。どんなにおそくても、子供も大体高校なり大学を出るという形になるが、五十五歳では——特にぼくらのように戦争に行ってきた人間は、全部結婚もおそい。園田さんも小さい子供がおありだと思います。そういうことで、五十五歳で首切られた後にどうするかということはだれもが考えておる。いま日本の最大の問題ですよ。ところが、政府はそれにほとんど取り組もうとしておらない。  私は、毎年この定年制問題をどこかの委員会で取り上げて、一つのライフワークとしてやってきておるわけですけれども、昨年は、私の友だちが労働政務次官をやっていたりいろいろな関係で、労働省で定年制をできるだけ延長してくれというように、会社に通達というか要望事項を出しております。そのくらいまで主張してきたが、もっとこれを積極的に労働省においてもあるいは厚生省においても、そういう側面から取り上げていく。あるいは単なる一片の通達ではなくて、そういう労働、厚生その他何省かが集まって、調査機関みたいなものをつくって労働の面から取り上げれば、日本の年功序列賃金というものときわめて重大な関連を持っておるわけですから、一挙にこれをやろうといっても、財界や何かなかなか言うことを聞かない。そのくらいなことはぼくらは百もわかっておるわけだ。そうするならば、そういう問題とどういう形で取り組んでいくかということをやはり考えなければならぬ。  そういう問題について、私は労働省のほうにもまた別の角度から要望しますけれども、厚生大臣として大いにハッスルして張り切って——張り切る面もいろいろありますが、この老人対策、平均余命の延長に対する問題はきわめて重要な案件でありますから、そういう御意思がありますか、どうですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 定年制の問題は、年金の問題とも関連をしてきわめて重大な問題でありますし、なおまた一方、人口が老齢化しておって労働力も不足しておりまするし、世界各国の趨勢もそのとおりだと思いますから、積極的に民間企業その他についても、定年制を延長するように努力したいと考えております。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 あなたのほうで本年度予算に計上されておるのですが、全国に十一カ所ばかり無料職業指導所というようなものを計画されておりますが、これは本年度できるわけですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 それはただいまの趣旨とはやや違いますが、老人の就職勧奨のために準備したものであります。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 これは別の角度から、そういう老人問題に対する一つの前進だと喜んでおるわけですけれども、こういう問題をもっと広げるなり——私はもう一つ質問いたしますので、この問題にだけ深く突っ込むことはできませんけれども、私が言っている意のあるところを体して、ぜひひとつ厚生省側から見た、また取り組める問題、特に社会保障制度が非常に安いにかかわらず六十歳ですから、五十五歳と五年間そこに適用のブランクがありますね。よくいわれているように、たとえば毎日新聞でおととい非常に大きくこういうふうに取り上げていますね。結局五十から六十歳は人生の徒歩連絡だ、そういうことがいわれておって、会社におるときはバスだ、だけれども六十歳になるまでは徒歩連絡だ、こういうことがいわれている。  日本では、税法上は五百万円まで、私たちは大蔵委員会で無税にしましたけれども、しかし、実際上五百万円退職金をもらう人はきわめて少なくて、百万、二百万そこそこが多いわけです。特にいま問題になるのは、自民党、佐藤政府の財政政策、いわゆるすべてインフレートさしております。高度経済成長をごまかすためにインフレートさせておる。このインフレーションと老人対策というものがまたきわめて重要な関係を持っておる。百万なら百万でも、これがインフレーションにならなければ、これはそれなりに三年なら三年食っていける。五年なら五年何とか食おうという方法を考えるわけですね。ところが、いまみたいにどんどん貨幣価値が下落いたしますと、百万や二百万もらっておっても、これは五年先はどうなるのだろうか、そのときむすこでも入学するときにどうなるのだろうというようなことで、終始不安動揺をしていなければならない、こういうことがあるわけです。  こういう問題にまで関連させてあれしますとたいへん長くなりますから、私はそういう問題はしませんけれども、ぜひひとつそういういまの政府の経済政策ということと、社会保障制度の日本における六十歳という、それは厚年の適用、こういうことも十分ひとつ検討をして、徒歩連絡といわれているその間にどうやってそういう人たちを——一挙に自治省の関係においても五十七、八の定年制をしこうとしているくらいですから、政府が六十歳の定年制をしき得る勇気があると私は思いません。ほんとうにしなければならないけれども、佐藤内閣がそれをやり切るとは私は思いません。しかし何らかの形で、さっきから言っているそういう側面を非常に重く受け持たなければならない任務の厚生省において、ぜひそういう面に努力していただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 定年制の問題につきましては、先ほど来先生の御指摘のとおり、厚生省としては非常に重要な関心を持っておる問題でございます。特に人口問題研究所の立場、人口問題の立場で申しますと、五十五歳前後と申しますのがいわゆるライフサイクルといたしまして、先生御指摘のように子弟が高校、大学等に参っておりまして、非常に重要な時期になるのでございます。この意味におきましても、すでに三十七年の厚生白書におきまして、その定年制の問題を厚生省としても取り上げておるわけでございますが、今後とも御指摘のように労働省とも協力いたしまして、この問題の解決に乗り出したいと考えておるのでございます。  なお、先生御指摘のように、この問題につきましては、たとえば賃金体系でございますとか、あるいは労働慣行でございますとか、あるいは退職金の有無、あるいは額その他非常に複雑な問題を含んでおるのでございますが、十分研究し、努力いたしたいと考えておるのでございます。  なお、年金の支給年齢でございますが、現在のところ経過期間中でございまして、ただいま四十五年までは五十八歳でございます。四十五年以降五十九歳ということになるのでございますが、この間に定年制が漸次延長ないし再雇用制度が採用されておるのでございまして、定年到達者の状況を見ましても、雇用就業者が七二%を占める等の状況にはなっているのでございますが、引き続き努力をいたしたい、かように考えておるのでございます。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 時間がありませんので、次に問題を移したいと思います。  御承知のように、税法上の青色申告が今年から完全給与制を国税において実施をするようになった。地方税においても大体その方向へ進んでまいり、本年度大幅の、かつてない五万円を引き上げました、十七万円まで給与を認めることになりました。これはどういう問題か、あるいはどういういろいろな現象を来たすかといいますと、御承知のように日本の税体系の矛盾から、八百屋、魚屋、いろいろなそういう人々もいわゆる株式会社を組織したりして法人成りをいたします。おやじが社長、じいちゃん、ばあちゃんが専務、かあちゃんが常務というような形で株式会社を形だけ整える。こういうときには、完全にそういう人たちは給与を払うことができます。あるいはあとでお尋ねいたしますように、そういうように完全に法人成りをいたしますと、退職金の問題にいたしましても、いろいろな問題が曲がりなりにもいっておった。今度は、結局そういう必要がなくなりまして、青色申告をすれば会社組織にしなくても、全部給料をおじいちゃんでも、おばあちゃんでも、奥さんでも、むすこでも、払うことができるように、本年の四月一日からなります。地方税も来年からおそらくなるだろうと思います。  そういたしますと、会社にならない個人で退職金問題あるいは労災保険、健康保険、厚生年金、失業保険、こういう社会保障関係の諸問題にいろいろな問題点を生じてくるわけでございます。こういう点について、厚生省の所管の事項においていろいろ検討されておって、現在までおよその方針が出ておれば、まず最初にそういう問題の諸点について、ひとつお話しをいただきたいと思います。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○加藤政府委員 ただいまの先生御指摘問題につきまして、社会保険関係の適用関係が問題になるというぐあいに考えられます。主として零細企業で、八百屋さんとか魚屋さんという零細の事業をやっておられる方で、家族の従業員を使ってやっておられる方に、社会保険の適用がどういうことになっているかという問題であろうと思いますが、確かに従前はそういう社会保険の適用等につきましては、そういう事業所でありましても法人格を取得せられ、そうして家族従業員をその従業員ということではっきりさせて社会保険の適用を受けておられるという面が多かったわけでありますが、ただいま御指摘のように、所得税法の改正ということになりますと、そういうことをやる必要がなくなった。  その場合にどうなるかという問題でございますが、私どもの考え方といたしましては、結局、健康保険でもあるいは厚生年金でも、被保険者というのはある事業所に使用されているという雇用関係があるかどうかということが、被保険者であるかどうか、あるいはその適用をするかどうかという一つの基準になるわけでございます。使用するということはどういうことかといいますと、具体的に申し上げると、結局、給料をきちんきちんと払っているかどうかということが一つの大きな問題になると思います。それから、就業時間というような問題も、ちゃんと何時から何時までという時間をきめて働いておるかどうかというようなことが、一つの目安になると思うのでありますが、そういうただいま先生御指摘のような零細企業でございましても、とにかく給与がきちんきちんと払われておるということが、客観的に見まして、まあ家族でありますけれども、使用されていると見られるという場合には、これは社会保険の適用をしてしかるべきであるというぐあいに考えております。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 個々にはいろいろなケースが出てくると思いますが、青申の場合には給与規程を税務署に届け出ることになっておりますね。税務署側が給料をこういうふうに支払うということを認めた上でないとなかなか給料として認めない。御承知のように、税金は国会議員だってのがさないぐらいに税務署はきびしいわけですから、税務署のそういう査定というものは非常にきびしい。ある意味では税務署は日本の法律を施行する場合の一番きびしい役所ではないですか。そこでこういうようなものを認めるわけですから、あなたがおっしゃった給料を支払っているか支払っていないかということは、第一点のその問題はこれで相当明らかになります。  それから、労組法上の雇用関係というのは、これは時間がありませんから私はここで論議しませんが、いろいろ考え方によって問題点が出てくるかと思います。しかし、これはいま移行過程ですから、いままで法人成りをしておったのが法人成りしないで、そういう三人なり五人なりあるいは七、八人なりの小規模商店なり零細企業というものがそういう形を、完全給与制をとっていくわけですから、あまり労働法上の、労働者とは何か、労働とは何かというような面からだけ見ないで自民党も中小企業、中小企業と口を開けばおっしゃっておるわけですから、その政府のもとにおいてですから、初めのうちは多少あたたかい気持ちで見ていく必要があると思う。  まず全体としてそういうことを要望しておきます。  時間がありませんから、具体的に二、三お尋ねしておきますが、たとえば退職金の問題で、中小企業退職金共済に入れるかどうか。これも大体労働省のほうでは入れるような話が進んでおるようでございます。ただ奥さんや——まあ奥さんが退職する場合には大体離婚ということになるわけですが、あるいはおじいさんなり、おばあさんが退職というようなことになると、これは問題があるだろう。しかし、むすこや娘さんや親戚の人は、やはりいま相当明確な雇用契約なり賃金形態をとらないと働かないわけです。こういう人には退職という問題は具体的な問題になってくる。ですから、そういう点は多少の色分けがあろうと思います。そういうことで、たとえば奥さんは小規模退職金共済に入れるというような形で便法を講ずるとか、多少そういう取り扱い方に皆さん方のほうでも考えられる点はあるかと思いますが、一応こういうふうに民主主義社会になって、妻でもむすこでも娘でも、各人権が確立した現在は、この給料の支払いに準じてやはり退職金関係も取り扱っていく、こういうふうにすべきじゃないかと私は思うのですが、どうですか、そういうふうにしていただけますか。

加藤威二社会保険庁医療保険部長

○加藤政府委員 大体、先生の仰せられた御趣旨に沿って私どもも行政をやっていきたいと思いますが、私の所管いたしておりますのは医療保険でございますけれども、厚生省としてはそのほかに厚生年金がございます。また失業保険もある。したがいまして、そういったそれぞれの制度で、一つだけが適用してほかが適用しないということは——厚生省では、健康保険を適用すれば当然厚生年金も同じ歩調でやりますが、しかし、失業保険が適用されていないということになりますと、平仄が合わなくなるという問題もございますので、関係各省とも十分連絡をとりまして、なるべくそういう中小企業の家族労働者が不利にならないように取り計らってまいりたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 健康保険、そうすると当然に厚生年金もそうですが、政府管掌のほうにいまは五人以上だとはいれますし、以下でも任意にはいれる。上のほうはわりとそういうふうに話がわかるわけですが、現場に行くと二人や三人やなんか、あるいは家族関係が何とかかんとか言って、なかなか加入させないことが多いようですね。  だから、さっき言いますように、税法上から見ればことしは会社と同じ形の取り扱いをする、明年は地方税も全部、そうなりますと法人と同じ形が出てくる。税法上は法人と同じ形をとる。ところが、社会保障関係はそうじゃない。こういうことになりますと、これは別な意味の大きな矛盾が出てくることになります。  時間がきましたので、また別な機会に大蔵委員会にでも来ていただいてそういう問題を詰めた質問をしようと私は思います。   〔登坂主査代理退席、主査着席〕 きょうはそんな詰めた話はできませんけれども、ぜひひとつそういう点をよく御研究していただいて、健康保険にも自由にはいれる、こういう形にひとつ努力していただきたい。そういうことになれば、厚生年金、失業保険というのは、それほどこういう零細企業者にとっては重要問題ではなくなる。いまそういう面でも確立しておかないと、娘さんやむすこさんは、皆さん方自分でも経験があるように、そう簡単に親の言うなりに、親に隷属して聞く時代ではないわけです。やめる、おれはほかの会社に行く、そのときはおやじ、退職金は退職金でちゃんと出せ、こういうことになるし、あるいはおれはおやじのところを飛び出したけれども、次に職業がない、それならしばらくその間失業手当を出せ、こういう話になるのが実情でございまして、だから、いままでの昔ながらの家族関係——核家族ということがいまいわれておりますように、家族の単位というのが、世帯も分散し始めている。これはぼくは時間がありませんから聞きませんでしたが、日本の家族構成も、五人ということを政府は常に発表するが、五人じゃなく、すでに四人を割るというような状態に家族の分散が始まっている。諸外国では二・何人か三人というぐらいに家族構成が低くなっている。日本も当然そういうことになるわけです。それに伴って、やはり関係のこういう諸法規というのも、実態に合わして適用されなければならない。昔ながらの大家族主義のもとにおける法の適用というものであってはならぬと思います。十分そういう点について御配慮いただきたいと思います。大臣、どうですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの問題はその方針に従って検討いたします。  なおまた、先ほどの定年制と年金との問題につきましては、定年制は逐次延長されるとしても、そのスピードがおそい、一方年金はその支給年齢をきめておる、そういうすき間がございますから、そういう行政上のすき間についても、十分ただいまの御意見の方向に従って検討をいたします。

只松祐治日本社会党

○只松分科員 時間がありませんから、労働省関係はこの次に質問をいたすことにして、これで終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 小川三男君。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 時間がありませんので、厚生省関係、明確に答えてもらいたい。  四十二年、昨年の四月下旬から六月中旬にかけて、千葉県血清研究所で国家検定不合格の日本脳炎ワクチンを一万九千六百三十九本、これは約四十万人分ですね、それが不正に販売された事実があるが、厚生省はそれをお認めになりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 そのとおりでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 この事実を厚生省が知ったのはいつであるか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 十一月一日に千葉県知事の報告を得て承知をいたしました。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 薬事行政の根本を握っている厚生省が、福岡県の三万九千を最高に、北海道を除いて、全国にわたって不正な日本脳炎ワクチンが配布された。しかも四十万人、正確にいえば三十九万何千かですよ、こういうような不正品を注射しておいて、これを厚生省が十一月でなければ事実を把握できないなどということで、どうして日本の薬事行政をあなたのほうでやっておられますか。これは重大な犯罪でしょう、どうなんですか、その点は。千葉県の報告を聞かない前にどうしてこういう問題について処理できなかったのか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ただいま大臣から申し述べましたように、千葉県知事が報告をいたしてまいりましたのは、事件発生後相当、数カ月たった後であったわけであります。  そこでこの問題、なぜ厚生省が事前に察知できなかったかというお尋ねでございますが、本件につきましては、私どもとしまして内容をしさいに調べました結果、確かに先生おっしゃるように、不正販売ということは事実でございますが、その製品自体の効果なり特に副作用等について私どものほうに報告がない限りは、一般国民が接種しても特に大きな問題がなかった、こういうことが結果的にわかったわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、千葉県知事の報告がある以前においてはこの事実を承知できなかった、こういうことに相なっておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 力価が不十分であるという以外には差しつかえないというのですが、一〇〇%の力価がなければならないものが、これは何%であったのですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 本件の、不正販売されました日本脳炎ワクチンは、力価の点だけが不合格になったわけでございます。したがいまして、その他の安全試験、無菌試験等のすべての七項目にわたる試験は合格したわけでございますが、力価の点だけが不足していた。その力価は、合格品の場合に比べますと大体七五%、つまり標準力価の七五%くらいの力価を持っていたということが判明いたしております。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 そうすると、不正であるというのは、力価が不足であって国家検定に合格してないものが事実使用されたので、不正であるということになるのでしょう。そうでしょう、その点は。そうすると、力価が二五%不足している。たとえば七五%としても二五%の力価が不足しているものを市販して、それを使用して副作用の報告がなかったから間違いなかったのだということをあなたは言っているが、そういうことはおかしいじゃないですか。では副作用があってから初めて不正だというのですか。そうじゃないでしょう。最初から不正品を流しているのでしょう。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 副作用がなかったからといって、たださなかったというわけではございませんで、最初のお尋ねが、なぜ事前に察知できなかったかというお尋ねでありましたので、私どもとしましては、力価が不足であるという点だけがこの製品の致命的な欠陥であったわけであります。したがいまして、そういう点で不合格品ということになっているわけなんです。不合格品は、法律のたてまえ上からいいまして、御承知のように絶対一般市販に出してはならない、つまり販売してはならないという法律の規定に相反するわけでございますので、そういう観点から申しまして、この製品は不正な薬品である、こういうふうなことになるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 これに国家検定の合格の証紙を張りつけて市販したのです。そうすると、国家検定合格の証紙というのは——国家検定というのはだれがやるのですか。だれがやるかという点が一つと、合格の検定証紙をどこへだれが保管しているのか、その点。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ワクチン類についての国家検定は、法令に基づきまして、国立予防衛生研究所というものがございますが、国立予防衛生研究所でワクチンの検定をやる。つまり、検定機関は国立の予防衛生研究所ということになっております。  それから、ワクチンの検定を受けまして合格になった場合の合格証紙というものの保管の責任は、国立予防衛生研究所でございます。ただそれは、合格のつど国立予防衛生研究所のほうから各都道府県知事のほうに保管がえをすることになっております。したがいまして、都道府県知事が予防衛生研究所のほうから管理がえを受けまして、都道府県知事というものが保管、管理の責任を実際上は持っておる、こういうことになるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 そうすると、千葉県の場合は千葉県知事が検定証紙を保管しなければならないということに理解していいわけですね。  そうすると、たとえば千葉県内にあったどこかの製薬会社がこういう仕事をしておった場合に、検定証紙はだれが保管するのです。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 千葉県知事でございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 そこで非常に重大なのは、千葉県知事は検定証紙を保管しなければならない責任者である。その責任者が不合格のものに検定証紙を張りつけてそして市販したということは、これは重大な犯罪でしょう。これは犯罪以外のものではないでしょう。その後厚生省はこの報告を受けてどんな処置をとったのです。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 十一月一日千葉県知事から報告を受けまして直ちに厚生省がとった措置、それから今後絶対にこういうことが二度と起こらないように今後の対策という二点だと思います。  第一点のほうの、とりあえずの措置としましては、全国的に実態調査をして、そして千葉血清研究所以外にこのような事故、事件が過去においてあったかどうかというような点、それから副作用の調査、こういうものをとりあえずやったわけであります。  それから、後段のほうの、今後このような事故が二度と起こらないようにということについての規制の措置としましては、全国的に事務次官通達という依命通達を出しまして、もろもろの規制の強化、監督の強化、先ほど来問題になっております合格証紙の保管、管理の徹底ということの通達を出しまして、同時にまた、千葉県知事に対する行政処分としましては、日本脳炎ワクチンの製造販売の一カ年の営業停止ということについて厚生大臣から正式に勧告をいたして、千葉県知事はこれを了解して今日に至っております。こういうことになっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 国立予防衛生研究所で検定して不合格だと決定したワクチンを、何でそのまま製造所へ保管さしておくのか。不合格品は使えないでしょう。使えなかったら廃棄処分なり何なりしなければいけない性質のものでしょう。それをそのまま検定合格証紙と製品とを一緒に同一人に保管さしておくなんということがあり得ますか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ごもっともでございまして、本件の事件の発生の原因というものはそういうところにあったわけでございます。つまり不合格品というものは、法令のたてまえからいいましても早急に処分しなければならぬ性質のものでございます。それを処分しなかったということが第一点。  それからもう一つは、先ほど来問題になっております合格証紙というものの保管、管理というものが、千葉県立であったということとも相まって非常にルーズであった。この二点が本件のような問題が起こった原因になっておる、このように私どもは判断しておるわけであります。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 これは私の聞いておるのでは、千葉県知事が自民党員であるがために、自民党政権が千葉県知事をかくまって、すでに知っておったにもかかわらず、新聞発表したのは十二月の二十七日なんです。もう新聞やその他が休刊に入る時期に発表しております。四月から六月にわたって不正販売されたワクチンが、しかも十二月の二十七日になって発表するなどという、こんな怠慢な行政がありますか。しかも、千葉県知事は厚生官僚の出身なんです。だから、あなたのほうで知らないなんということはないでしょう。十分に知っていながらやっておる。どうなんです。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 私どもが承知いたしましたのは、先ほど大臣から言明されたとおりで、十一月一日でございます。それ以前は厚生省としては全然承知いたしていなかったわけでございます。ただ、いまおことばの中にございますように、自民党員云々ということについては厚生省としては全然関知いたしておりません。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 そうすると、不合格品に廃棄処分を命じないで、合格証紙と一緒に千葉県知事に保管させておいた責任はだれが負うのですか。これは当然厚生省が負わなければならないでしょう。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 不合格品は、先ほど申し上げましたように、たてまえとしましては、即時廃棄処分等をやるということになっているわけでございます。もちろん例外的に不合格品の一部を有効活用する部分もありますけれども、法令のたてまえはそのようになっております。  ただ、本件についての原因は、先ほど申しましたように、千葉県知事の指導監督というものが徹底をしていなかった。これは先生御存じのように、やはり千葉県の県立の機関であったというところに気のゆるみがあったというようなことも十分推測されるわけであります。したがって、私どもといたしましては、不合格品の処分、それから合格証紙の適正管理、ワクチンについての一番重要なポイントとなるこの二つの事柄が、残念ながら今回の千葉事件については徹底を欠いていたというふうに私どもは思わざるを得ないわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 一つ重大な問題は、不合格品を一部活用することがあり得るといま言われたが、この不合格品をどうして活用するのですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 不合格品といいましても、一般論としましてはいろいろな種類の不合格品があるわけでございます。したがいまして、せっかくつくったもので有効に活用できるという学問的の判断ができる場合もあるいはあり得るわけであります。したがいまして、本件の場合は別としまして、一般論としては、法令のたてまえで、国立予防衛生研究所のほうの学問的な判断を仰ぎながら再生することが法令上認められている。しかし、本件の場合は決してそのことをやったというわけではございませんので、その点はひとつ誤解のないようにお願いいたします。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 それでは二つ聞きますよ。  不合格品を廃棄処分しなければならないものを、合格証紙と一緒に千葉県知事に保管させた責任は、これは千葉県知事じゃないでしょう、厚生省にあるのでしょう。一つはその点を聞いておきます。  それから、不合格品を学問的に一部活用できるということはどういうことなんですか。学問的に検討した結果、不合格か合格かということを決定するんでしょう。どうなんです。その二点。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 第一点のほうの問題は、法令によりまして都道府県知事が合格証紙の管理なり指導監督をすることになっておりますので、不合格品の処分をはじめ合格証紙の管理、これはあくまでも都道府県知事が法律上の責任を持っているわけでございます。  それから第二の、不合格品の有効活用というのは、一般的に、もちろん学問的な根拠がある場合に限りまして認められているものでございます。たとえばPHの不足が若干あって、そのために不合格になったというようなものにつきまして、専門家のほうでこれを有効活用しようということが学問的に成り立つ場合は、それを全部廃棄処分することはかえってむだな資源の喪失になるということもあり得るわけでございますので、学問的な判断に基づきましてあくまでも厳正に再生措置を考えている、こういうことに相なっているわけであります。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 そうすると、千葉県知事が不合格品を所有し、合格検定証紙も所有していた。その責任はすべて千葉県知事にあって、行政上厚生省には何にもないということですか、どうです。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 もちろん法律全体の施行の最高責任は厚生大臣にあるわけでございます。したがいまして、全国的にかりにワクチン等についていろいろ不正な問題なり事故等がありましたときの責任というのは厚生大臣にもあるわけでありますが、法令上第一次的な責任というものは、先ほど来から申し上げているように都道府県知事というものが負っておる、こういうことを申し上げたわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 そうすると、これは千葉県立の血清研究所であったからということをあなたのほうでは言うが、では製薬会社に対しても合格証紙と不合格品とはそのまま管理、処理させておくのか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 普通の民間のワクチンメーカー等の場合の不合格の製品の廃棄命令等は、都道府県知事がいたすことになっております。それからまた、同様に合格証紙の保管、管理というものも、先ほど来申し上げておりますように、当該ワクチンメーカーの所在地の都道府県知事というものが保管、管理の責任を持っている。こういうことに相なっておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 ともかく、この問題は厚生省が重大な責任を負うべきだと思うというのが一つ。  それから、時間がありませんので先に進みますが、このワクチンが三共株式会社、畑中薬品、全国ワクチン株式会社、この三社に流れている。これは幾らで出すのですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 不正販売のワクチンがいま御指摘のように三つのワクチンメーカー、それぞれ三つの会社に流れているわけでありますが、これからそれぞれ末端の卸等に流通販売されているわけでございます。この金額というものは、千葉県の報告によりますと四千三百二万円ということに相なっております。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 このワクチンを使用された人たちはいわば被害者ですね、そうでしょう。その被害者に不正な不合格品を売りつけて、それを使用させて、そうして千葉県は利益を得ているのですよ。そういうことになるでしょう。その金は一体どういうことになりますか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ただいまの四千三百二万円というものは不正に販売されたワクチンの販売代金でございます。したがいまして、千葉県当局としましても、この四千三百二万円という販売代金を現在までのところ預かり金として保管をしておるわけであります。  この四千三百二万円の販売代金をどのような方法で有効に使途をきめるかということについては、慎重に考えなければならぬ問題でございます。ただいま御指摘のように、接種をされた方の心情等もございます。いろいろ対社会的な反響というものも、問題が問題だけに大きかったわけでございますので、この点につきましては、目下千葉県知事のほうで慎重にこの預かり金の使途を検討中でありまして、おそらく推測するところによりますと、県議会等と慎重に協議の上で最終決定をされるものと、私どもはかように承知いたしておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 これは千葉県の受くべき利益と、それから製薬会社が受くべき利益、得た利益があるでしょう。これは千葉県だけではないですよ。製薬会社その他が得た利益もあるのですよ。それは明らかに接種された人たちから詐取した金ですよ。詐欺によって得た金ですよ。したがって、千葉県だけではなく、関係した業者は全部この金を吐き出さなければならぬわけです。そういうことになるでしょう。その点はどうですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ただいま申し上げました四千三百二万円というものは、そのようなものを千葉県の血清研究所から三つの会社に販売いたしました当該不正ワクチンの販売代金でございますので、それの総額でございます。したがいまして、三つの会社の、この問題に関連して得ました販売代金等は、千葉県血清研究所というものが現在預かり金として全部保管をいたしておる、こういうことに相なっておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 千葉県は千葉県として、原価計算してこれを販売しているでしょう。それに問屋やいろいろな製薬会社が関与した分まで含むというのは、どうして計算できるのですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 もちろん、メーカーから卸なり小売りに一つの製品を販売する場合には、販売上のマージンなり何なりがあることは当然でございます。そのようなマージン等について、この三つの会社がどのような形でマージン等を取っているか、私ども承知いたしておりませんが、少なくとも会社自体よりも、千葉県血清研究所というものが、このような不正なワクチンを市販したというところにこの問題の根源があるわけでございますので、この点は、警察当局等の調べにおきましてもはっきりいたしているわけであります。したがいまして、私どもとしましては、少なくとも千葉県血清研究所というものが不正に販売したその代金というものを血清研究所の収益にあげるということだけは絶対避けるという基本方針で、今日まで千葉県当局と相談をしてまっているわけであります。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 これは千葉県が処分をすべき性質のものでなくて、接種した人たちに返さなければならないでしょう。そうでしょう。不合格の薬品を接種さしておいて、金を取っているでしょう。したがって詐欺ですよ。詐欺だということがわかったら、金を返すべきでしょう。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 もちろん、そのような販売代金の使用の方法もあるかと思います。先ほど来申し上げておりますように、被接種者等の立場も十分考えながら、現在千葉県当局でこの販売代金の使い方を慎重に検討いたしておる、こういう段階で、まだ結論は出ていないわけであります。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 まだ結論は出ていないと言ったって、これを使用したのは昨年の四月から六月にかけて使用して、いま三月ですよ。この問題が起こってから、間もなくもう一年になろうとしているのに、いまもってその対策を立てない、処理もしない。そんな行政がありますか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 決して怠慢であるわけではないのであります。千葉県当局も、問題が問題だけに、預かり金として保管している販売代金の適正な使い方を考えたい、こういうふうな方針のもとで、現在、千葉県当局もいろいろな角度から慎重に検討いたしているわけであります。  私どもも、まだ最終結論が出るところまでに至っていないという報告を受けておりますが、先ほど来御指摘のように、被接種者というもののお立場も十分考えながら、どういう有効な、しかも適正なこの預かり金の使い方があるかということについて、千葉県当局が、県議会等各方面の意見を聞きながら最終決断をする、こういうところに事態が相なっているというふうに報告を聞いておるわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 それはあなた、いまあなたの答えていることを聞くのなら、それは千葉県議会でやりますよ。そうじゃないですよ。厚生省としては、この問題に対してどんな対策、どんな処理の方針を持っているかということを聞いているんです。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 千葉県当局の考え方を、最終的な結論が出たところで、厚生大臣としてはそれについて判断をいたしたいというのが私どもの考え方でございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 しかし、薬事行政は厚生省が握っているのでしょう。千葉県知事じゃないでしょう。こういう事件が起こっているんだから、これに対しては厚生省としてこういう方針で臨みます、こうしますという方針がなければならないはずでしょう。それを聞いているのです。大臣いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 これは、御指摘のとおり返済するのが当然でありますから、その返し方を間違えないように、どのようにやるかということが問題だと思います。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 金を返せば済むという性質のものじゃないですよ。そうでしょう。親たちが非常に心配して、右往左往しながらワクチンを求めてやっているのに乗じて、不正のワクチンを注射しておいて、三十九万人以上に及ぶ子供たちに接種しておいて、そして、それが不正であった。一年になろうとしていても、いまもって何の対策も講じていない。金は取りっぱなし。千葉県当局は、少なくとも全国に対して謝罪すべきだけの責任がありますよ。そうでしょう。しかも両課長に全部責任を負わせて、両課長を諭旨免職にして、県の首脳部は平然としていでしょう。厚生省は、報告を聞かなければ何の対策もできませんと言あう。一体これはどういんだ。薬事行政不在でり、全くこれは行政だよ。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 千葉県知事としましては、本件の場合は二重人格を持っているわけであります。つまり、取り締まり監督の立場の千葉県知事と、千葉県血清研究所というものの開設者たる千葉県知事と、二重人格を持っているわけであります。  そこで、いまお話が出ましたところの、二人の課長だけに責任を負わしたというようなことになっているというお話でございますが、私どもが承知いたしておるところでは、決してそうではなく、千葉県知事、自分自身から行政処分をやっているのでございます。しかるべき県の副知事以下衛生部長、それから千葉県血清研究所の所長、そういうような本件に関する県の関係者の最高責任者みずから減俸処分等の行政処分をやっているわけでございます。したがいまして、二人の課長だけに千葉県当局は責任をかぶしたというような事実には相なっていないわけでございます。

小川三男日本社会党

○小川(三)分科員 厚生省を聞いているのですよ。千葉県知事が何を処分しようが——千葉県知事は二重人格者である、二重の立場であると言ったでしょう。したがって、厚生省が断固たる措置をすべきですよ。そうでしょう。最高の責任者である千葉県知事友納武人に対して、厚生省として十分な行政処分をきめて、それをやっておりますか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 先ほど来から申しておりますように、厚生大臣は、法律の施行そのものについての最終的な責任者であるわけでありますが、本件の場合の問題点は、おわかりのように、あくまでも千葉県知事というものの管理監督というものが非常に不徹底であったということから事件が起きたわけでございます。したがいまして、本件については、千葉県知事自身が、自分自身を行政処分の対象にしながら、しかるべき県の最高責任者等を行政処分いたしておるわけでございます。  このこと自体が厚生省にどのような関係を及ぼすかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、法律の施行の最終責任者というのは厚生大臣でありますけれども、当面の、本件の起きたいきさつ、原因等をしさいに調べました結果、あくまでもこれは千葉県知事自身が、自分でいままでの指導監督の不徹底さを反省いたしまして処分をいたしているわけでございます。厚生省自身が責任を免れるような気持ちは全然ないわけでありますけれども、本件については、第一次的な監督責任というものはあくまでも千葉県知事にある、その監督責任が若干不徹底であったということからこの事件が起きた。こういうことになっておりますので、さような点から申しまして、これまでの千葉県知事等の行政処分、それからまた厚生省のとった措置、こういうものについては妥当な線である、こういうふうに思っているわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山分科員 関連。質問者と答弁者の間が全然かみ合わないのですよ。大臣、質問者と答弁者の話、ちっともかみ合わない。質問者としては、厚生省としての責任、厚生省としてのこの問題を提起している。たとえばいまの中で、詰めなければわからぬけれども、たとえば不合格品の中でも使えるものがある。そういう判断をしておられる。しかも千葉県はその例ではあるけれども、こう言う。そうなると、厚生省としてまだやらなければならぬことがあるような気がする。それから厚生省として、これは不合格品だといったものについてのあとの念査の問題が何ら責任を感じておられない、こういう点がある。  それから、返済の問題については、いま大臣が初めてそれは本人に返すのがあたりまえだというふうにおっしゃったけれども、そのおっしゃったことについて局長は何らいままで答弁をしない。全部これは千葉県側の問題で、報告を聞いてやることだ、こういう言い方ですね。  要するに、厚生省としての最終責任のあり方について、質問者はそこに詰めを寄せようとしておるのだが、全然これは私のほうの責任ではない、具体的、事実的に、私どもの責任ではないという点がちっともかみ合わぬ。だから、その点を大臣からひとつはっきりしてもらえば、問題は終わる。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 第一番の再生品の問題でありますが、これは県で不合格品を再生する場合は、検定機関の長の承認を受けて再生することになっておりますから、それは特別の手続が要るわけでありまして、千葉県の場合には不合格品を温存することができなかったわけであります。でありますから、局長の答弁は、そういう場合もあり得るということを言っただけであって、千葉県の場合によろしいという意味ではございません。  それから次に、私としましては、千葉県知事に対しては、自治体の長たる知事を行政処分する権限はございません。ただ、開設者たる千葉県知事に対しては処分する権利はございます。したがいまして、一カ年間の営業停止という私どもの持っております行政処分の重い処分をいたしたわけであります。  次に、厚生大臣としての責任は、委任した千葉県知事の業務に対する監督の不十分は、十分責任があるわけでございまして、これは責任を感ずるとともに、今後このようなことがないように十分的確にしなければならぬ問題。その一つは、御指摘の不合格品を売り出した場合のその代金の問題及び被害者の補償等があればその問題。それからもう一つは、合格証紙の保管の問題、それから一つは、不合格になった場合に廃棄を知事が命ずること、これも委任はしてございまするが、その委任した事項を知事が的確にやったかどうかということを監査する仕組みをしなければならない。それから合格の証紙は、衛生研究所の所長が検査をして、合格をしたならば合格の通知を知事にするわけでございます。そうすると、知事は厚生省からもらっておる合格の証明書をその枚数だけ研究所に渡すわけでございます。ところが、いままでは事務上の便宜から、通知があって、正式にいえば研究所で何千何万合格しましたという通知を知事にやって、知事が厚生省に請求して、厚生省が知事に送って、知事は薬事監視員を立ち会いをさして、間違いなしにこの品物に張っておるかということをやらなければならぬわけでございますが、正直に申しまして、事務上の便宜上、合格証紙の前渡しをやっておるわけでございます。それは、年々ワクチン等のごときは数十万本の量でございますから、やはり前渡しをしておかぬと、事務上支障を来たすおそれがある。その前渡し分を知事は持っておったわけでありますが、その前渡し分の管理についての監督がどうであったか。また、薬事監視員が立ち会いをして符合する、あるいは廃棄も薬事監視員を立ち会わしてやるというようなことに対する知事の業務に対して監査が不十分であったわけでありまするから、この点については千葉県ばかりでなく、個々に各県知事あてに通達をいたしまして、今後このようなことがないように十分注意をいたしております。大臣の責任については十分感じておる次第であります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 本日は厚生大臣に、輸血の関係の問題と、今度問題になっております医師法改正に伴う予算上の問題と、身体障害者、自閉症等の問題について、三点お伺いをするつもりであります。  まず最初に、輸血ということは、もう大臣も御承知のように、現在の医学の進歩に伴って、大幅に実はその需要がふえておるわけでありますが、先般、わが国における輸血の問題というのは売血をやめて献血の方向で行なうという閣議決定が行なわれておると思います。  そこで厚生大臣にお伺いしたい最初の問題は、保存血液というのは三週間しか役に立たない。三週間以上たつとあまり役に立たないということで、一応三週間という限度が設けられておるのはなぜだとお考えになりますか。それをひとつ最初に大臣にお伺いしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 人体からなまの血液をとりまして、現在の医学でそれを保存する技術というのは三週間と心得ております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 それはそうなんですが、三週間に限っておりますのは、とった血液の中に生きた赤血球が七〇%なら七〇%残っているというのは大体三週間、そこからだんだん死んじゃって、もう輸血をしても効果が非常に下がるという目安が三週間になっておる。そのことは何を意味しておるかといいますと、要するに保存血といえども血液は生きものだということですね。われわれのからだから離れておりますけれども、これは生きた物質なんですね、生命の一部だ。こういうことをまずここではっきりしておきたいと思うわけです。  そこで大臣は、そういう場合、そういう人間のからだの一部である生きものが売買の対象になるかどうか、こういう点についてどうお考えになりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 これは売買の対象にはならぬと考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 私もそう考えておるわけです。そういう意味では、血液問題というのは、日本で最初に発達をしてきたのは、しかし、残念ながら、売買の対象の形で発展をしてきておりますから、今日このことにかかわり合いを持っておる多数の人が、実は依然として売買の対象商品であるかのように思い込んでおる部分が非常にたくさんある。いま大臣もおっしゃったように、要するに、生きた人間のからだの一部だから売買の対象にはならないのだというところで、ひとつその関係者に十分考え方を改めるような指導をまず原則的にやってもらいたい、こう思うのですが、大臣、その点についていかがでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 その問題については、いろいろ各方面から御意見、御批判等も承っておりますから、十分その方針で指導し、なお、今後血液に関する問題等も、その線をそこなわないようにやっていきたいということは深く決意いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、私がそういう非常に原則的な問題から始めておりますのは、実は医学の問題、人間の生命上の問題として非常に重要な血液の問題が、国の政治のかかわり合いでは、意外に小さな部分のように認められて今日に至っておるということなんです。今日の医学の進歩その他から見まして、そういう血液の需要というものはだんだん大きくなりこそすれ減っていくことはない。しかし、その大きくなっていくことは、われわれ国民の生命がそこなわれるものが救われることになっておるわけですから、本来私は民主主義の政治としては相当重要にこれを考えなければならない、こう考えておるわけですが、実は残念ながら、まだあまりそういうふうな全体の政治の中での位置づけというものが、私どもの願っておるようになっていないと思うのです。  そこで、まず大臣に伺いたいのは、大臣は、日赤がいま各地で血液センターというものをやっていますが、ごらんになったことがありますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ございません。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 大臣は、献血を御自身なすったことがありますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 やったことがございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 幸い献血はやっていらっしゃるというのは、非常に私その点では理解をしていただきやすいと思うのですが、まず私は最初に、日本の一番中心になっております東京に、日赤が輸血センターというものを持っております。この予算審議等が一段落をしたら、私も御一緒いたしますから、ひとつ厚生大臣、それから大蔵省の担当の主計局の次長、主計官も御一緒に、日本の中心的な機関である東京の日赤の輸血センターに、一ぺん見学といいますか、実情を見に行っていただきたい、こう思いますが、大臣いかがでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 非常に貧弱だと聞いておりますから、ぜひ拝見に参りたいと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 大蔵省も一緒に行ってもらえますね。——やっぱり私はそういう実態を、政治を担当していただく方に見ていただいて、ものごとは非常に重要であるけれども、それだけの重要なことをやるに値する施設があるかどうか、これはものさしとしては非常に重要なことでありますから、特に東京都、要するに一千万の人口に対して最も中心的な役割りを果たしておるのは何と申しましても中央輸血センターだと思いますので、これはいまお話がございましたから、ぜひ御一緒をして、見ていただきたいと思います。  実は厚生省が要求をしておられる予算をずっと見て感じておりますのは、厚生省自身も確信を持ってもう一つ要求がされていないように思うのです。なかなか大蔵省というところは予算査定のきびしいところですから、あまり出してもどうせ通らないだろうということがあるかもしれませんが、しかし私は、事の性質上、輸血に関する問題というものは、少し別格の扱いがあってもしかるべしと考えるくらい重要な問題であると思っておるわけです。  そこで、いますでに大臣も貧弱だということはお聞きになっておるようですが、実は私は大阪で、全電通という労働組合の皆さんが、自分たちの発想によって、約三万五千人の方が共同の形で献血をして、そしてその仲間と家族の方たちだけでなく、その余った分をかなり有効に市民一般の方にも提供しておられる、というような運動を一緒にやってきて、大阪日赤というものへもたびたび行っておりますが、ここもまことに貧弱なんです。やはり献血をするためには、私どもの考えでは、かなり清潔で、十分スペースのあるところで、献血に来られた方が、なるほどこれは衛生的に献血が行なわれておるなという感じがしてもらいたいのですが、いうなれば倉庫の片すみで献血を行なわしておるというのが実態なんです。ですから、そういう意味では、実は採血車その他についての予算もついておるようでありますが、私は来年度から国庫の補助をふやすなり、あるいは財政投融資等において協力をするなり、方法は何でもいいと思いますが、国として、私は本来は国がやらなければならぬ仕事じゃないかと思います。しかし、いま日赤がありますから、日赤にやってもらってちっとも差しつかえがありませんが、日赤がやっておるから国はいいんだでは、私は済まない問題だと思います。どうかひとつ、国の責任においてやれば当然こうなるであろうという程度の補助なり財政的な協力をぜひやっていただいて、少なくともそれを三カ年なら三カ年計画、何年でもけっこうです。そうして確かに充実した献血組織をつくり上げるということをひとつ考えていただきたい。  と同時に、いろいろと問題になりますのは、まだ依然として多少コマーシャルの部分が残っておるために、配送上の問題について必ずしもいま日赤が十分でない点もあるわけであります。献血だけでなく、せっかく善意の献血をされたものが、その善意が最終まで生きていくような方法を、やはり配送部分についても、厚生省として組織的な配慮をひとつ考えていただきたい、こう思うのですが、大臣、いかがでございましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 正直申し上げまして、私の知識が不十分でございまして、私も予算折衝中に、ただいま言われた全電通の労働組合の幹部の方とお会いをいたしまして、約一時間この話を聞きました。それ以来いろいろ各方面から意見を承って勉強をして、単にこれが救急上の問題ばかりでなく、健康保険あるいは一切の医療行政の根幹をなすものであるということが十分わかってまいりました。そういう意味で、今後十分注意をいたしましてやりたいと思います。  なおまた、配給機構、配送の問題についても、売血の問題などと誤解を受けるような点のあることも十分拝承いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、いままでのは一般論なのでありますが、実は私はこの全電通の労働組合がやっておりますところの、今度は全国組織になってやる献血運動の中で、特に一つ申し上げておきたいのは、今度は全国組織になりました全電通の輸血センターは、単に自分たちだけの組合員及び家族を守るだけでなくて、その余裕をもって、あるいは施設にある子供たち、あるいは老人ホームにおられるお年寄り、要するに直接献血を受けにくい人たちのために、人道的立場に立って協力をしたい、こう言っているわけですから、その点は私は大きく評価しなければならぬと思うし、同時にそういう運動が、さらに国鉄なり教員組合なり自治労なり、いろいろな大きな組織に広がっていくことが、日本の献血運動を軌道に乗せる点でたいへん役に立つと思うのです。  それらのやっている中で、一つ気のついたことがありますのは、国立病院で血液を扱っておる扱い方に問題があります。   〔主査退席、登坂主査代理着席〕 というのは、国立病院では各棟に病棟があると思うのですが、こちらのAという病棟で何型の血液型が要るからくれといって連絡がある。そうして持ってくると、何かもうほかから入ってしまって、いいとか、持っていったとこに、逆にこれはまた持って帰ってくれとか、病棟別で血液の処理がされております。これが、さっき私が前段に触れた、血液を商品だと心得ておるからこういうことが起こるのだ。そこで、これは国立病院は医務局長の所管でありますから、医務局長のほうで指導をしてもらいたいのは、国立病院で、要するに血液のセンター、そこで全部受け取って、院内のものはそこで全部一括処理する。病棟別の処理などすることは、まことにそういう手配でむだが多くて非常なロスになっておるようでありますから、それはひとつセンターで全部のその日に必要な血液をあれして、そうしてそれを連絡をして、ちゃんと準備をしてそこがやるという、もう少し合理的な処置を国立病院にはぜひとっていただきたい。これが第一点。  第二点は、場合によって国立病院といえどもコマーシャルのものを入れて——それはないときはしょうがないでしょうけれども、事実は献血、日赤のを使いたいといっても、コマーシャルのものが使われるという例もあるようでありますから、少なくとも私は、国立病院は原則的にまず順位としては日赤のものを使うという形を指導をしてもらいたい。これが第二点です。  それから第三点は、今度は国立病院以外で公立病院が全国にずいぶんあるわけですが、この公立病院でも依然としてコマーシャルとの結びつきというもののが強いところがある。これはこういう問題だと思うのです。そういうような組織的な処置ができていないために、看護婦長とかなんとか、そういう関係者が任意にやりますと、コマーシャルとの関係者、そこに対してリベートや何かが行きやすい。日赤としては一々そんなところにリベートなんか持っていくことはないために、どうしてもそういう個人的な配慮のようなことが入るすき間を公的な病院からは排除してもらいたいと思うのです。この点ひとつ大臣から早急に指示をしていただいて、われわれ現場でそういうのにぶち当たりますから、すぐ点検できるわけですから、ひとつそういうことのないように、前段でお答えいただいたように商品というような取り扱いでなくて、もっと貴重なものとしての取り扱い、そういう心がまえで、それによってリベートを取ったりなんかするようなすき間のない管理と運営をひとつぜひやっていただきたい、こう思いますが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 十分配慮いたしまして、そのとおり実施をいたします。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 まあ輸血の問題は、あと価格の問題が非常に重要な問題でございますが、同僚の島本議員がまた明日質問されるようでありますから、それに譲りまして、一応輸血問題は以上にいたしますが、どうかひとつ、私もこういう問題を手がけてまいりまして、何とか国民が清潔な献血によって十分な血液が得られて、そうしてそういう手術その他について不安なく治療が受けられるような世の中をつくっていきたいということで、今後私も努力してまいりたいと思います。どうか厚生大臣におかれても、十分御研究をいただいて、国民が喜ぶような輸血の体制づくりに御協力をいただきたいと思います。  次に、医師法改正に関する問題についてお伺いいたします。この問題は、法律案として現在社会労働委員会にかかっておりますから、法律案の中身の議論を私は本日ここでする考えはないのでありますが、予算に関する分についてちょっとお伺いしておきたいと思います。  今度臨床研修関係として、厚生省所管の一般会計と国立病院特別会計と文部省所管の国立学校特別会計にそれぞれこの問題に関する費用が補助として予算化をされておるように思います。この全体の総額は七億四千六百万円のようでありますが、これの基礎になっておる研修をするであろうと予想されておる人数は一体幾らですか。医務局長のほうでけっこうですから。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 四十三年度におきまして新しい法律に基づきまして研修を行なっていただく数を総ワクで二千二百八十一人と予算上計算いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 この四十三年度に国家試験を受けて医師の免許証を得られるであろうと予想される人数は幾らでありましょうか。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 試験ボイコットその他のいろいろな状態で流動いたしておりますので、正確なことはわかりませんが、私ども予算編成を行ないます時点におきましては三千七百四十二名と計算いたしました。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうしますと約千五百人ぐらい研修を受けない人があるというふうに考えられるわけですが、それはどういう理由に基づくものでしょうか。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 従来の実績によりまして、卒業して医師免許をとった人の中で大学院に進学する者があります。しかも大学院の進学率は大体その定員を一ぱい一ぱい毎年満たしておりますので、大学院の定数千四百六十一名をその研修から除外いたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そういたしますと、この大学院に残る人たちというのは研修の対象にはならない、こういうことですね。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 この法律による研修対象とは考えない。しかし、臨床関係の大学院で四年間のコースを終えた者は、当然その四年間の中で相当な臨床研修も行なわれるであろうということを予想いたしまして適切な処置をいたしたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 よくわかりました。そこで、各会計別に予算が組まれておるわけですから、これはもう当然文部省の大学の部分あるいは厚生省の国立病院の部分に行く者を想定しての予算がつくられた、こういうふうに判断をしますけれども、これは皆さんの判断なので、実際には一体大学に幾ら残るのか、国立病院に幾ら行くのかは、やってみないとわかりませんね、どうでしょうか。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 実際の志望がどうなってあらわれるであろうかというような予測は、なかなか困難であろうと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 私、この間参考人に来ていただいたときに、まあ大学に残りたいという人がたくさんできるだろう、こういうことを申し上げている。参考人の方からは、そういう場合にはセレクトをするのだ、こういうお話があったのですが、もちろんそれは能力には限界がございましょうから、全員残りたいといっても全員を教育するわけにはいかないかもわかりません。いかないかもわかりませんけれども、私は、たてまえはできるだけ大学の能力に応じて希望者をその希望した場所で研修をさせるのがたてまえではないか、こう考えます。大臣どうでしょうかその点。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 そのとおり、けっこうでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうなりますと、現在積算をしておられますものと実態とはかなり違ってくる場合もあり得る、こう考えるわけでございます。  そこで、厚生省の一般会計で予算化をしておられる分については、これは承るところ公、私立の大学と公、私立の病院の分が合計されているようですから、これはかりに公、私立の大学にかなり残られたとしても、ここはアローアンスが相当たくさんついているから比較的問題がない。こう見てきますと、一番問題なのは国立大学に問題があるのじゃないか。国立大学は現在幾らと予定しておられますか。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 国立大学につきましては六百三十六名を予定しております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 この国立大学の六百三十六名というのはもっとおそらくふえるだろう、こう私は思います。現在各大学での学生たちの動きを見ておりますと、できるだけやはり大学でやりたいという動きが強いようであります。  そこで、この点について大蔵省にお伺いをするわけでありますけれども、まあ予算についたものは一応ついたものでありますが、いまのように変動があるということは当初からおそらく予測がされておると思います。これは法律で何名どこへ行くときまってない限りは、一応積算の基礎でありますから動きはあると思うのですが、まあ減ったところはこれは不用額が立つだけだろうと思いますから、たいした問題はありませんけれども、人がふえてきたところに対する処置はどういうふうになるのでしょうか、ちょっと大蔵省の方にお答えをいただきたいと思います。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 新しい制度による研修生がどこの病院にどれだけ行くか非常に予測がむずかしい問題でございます。大蔵省といたしましては、専門家である文部省及び厚生省の御意見に従いまして、四十三年度予算ではそれぞれ所管別に会計を割り振った次第でございます。実行になりますれば、当然一人の狂いもなくこのとおりいくという保証もないわけでありますが、ただ現在の予算制度といたしましては、各特別会計間、各所管間の予算の移用ということはできないわけでございます。そこで、そういった事態が発生したときにどうするか、これはやはりそういった事態がどの程度の狂いがあるかということとも関連するわけでございますので、その事態で考えたいと思っておりますが、ただ四十三年度の予算は一応それぞれ、先ほど厚生省から御説明がありました人数につきまして、まあ十二カ月分を計上しておるわけでございます。この予算の範囲内でやりくりができるのじゃなかろうか、かようにわれわれ考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 やはり各大学に行きます人数、これも総ワクですから、大学によっては、これからどういう配分をするかということになるのですが、文部省はすでに大学に対する予定数というものをこまかく出しているわけですか。

吉田壽雄文部省大学学術局大学病院課長

○吉田説明員 ただいまのところ、そういう数はまだ出しておりません。   〔登坂主査代理退席、主査着席〕

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そういう数が出てないとすれば、実績に応じてやればいいと思うのですが、たとえば三割ふえたとかりに仮定しますね。予算執行上の問題としては、全部が三割減のものになって出すことになるのか、単価を別に見てずっといって、足らないところがごそっとできてくるわけだから、それは国立学校特別会計の予備費等によってそこを充当するということになるのか。この場合、文部省側はどうしたいと思いますか。

吉田壽雄文部省大学学術局大学病院課長

○吉田説明員 国立大学の医学部の卒業生の中には、自分の出身校において臨床研修を行ないたいという希望者が相当出てくるのではなかろうかということも一応考えられるわけでございますけれども、いまのところ、まだ各大学ごとに希望調査をいたしておりません。これはやはり指定病院の指定基準等が定められまして、具体的にどことどこの病院を指定するというようなことになりませんと、学生に対しまして、将来どこで臨床研修をやりたいかという希望調査はできませんと思いますが、いずれにしましても、もしもそういうような事態が出てきた場合におきましては、その受け入れの能力と申しますか、各大学で臨床研修生をどの程度受け入れられる、あるいは充実した教育ができるという、そういうキャパシティーの問題もあろうかと思いますので、大学側と十分相談したいと思っておりますけれども、かりに六百三十六人をこえて受け入れられる、あるいは受け入れるべきであるというふうに大学側で判断した場合に、そのこえる分の経費をどうするかということにつきましては、厚生省等とも十分協議して、実態に即して措置するように検討したい、こういうような気持ちでおります。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いまのお話を聞いておりまして、時間がありませんからあれですが、一体キャパシティーが幾らあるかということがまだ調査されてないわけですね。キャパシティーが調査されなくて六百三十六人の予算要求をしているというのは、私から言うと、キャパシティー以下なのか以上なのかという点、たいへん問題があるのじゃないかと思うのです。その点はどうなんでしょうね。これは時間がかかりますからいいかげんにしますけれども、ちょっと一言だけ。

吉田壽雄文部省大学学術局大学病院課長

○吉田説明員 文部省といたしましては、少なくとも六百三十六人は十分に受け入れられる、相当充実した教育ができる、そういうような確信のもとにこの数字を受け入れております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうしたら上限もわかっているはずじゃないんですか。六百三十六まではいけるということではなしに、さっきの話は、キャパシティーをこれから調査をしてきめるという話だったから、私はそう聞いたので、時間がありませんからこれまでにしておきますけれども、問題は、率直に申し上げると、結局ある程度実績が出たときに、あまりいろいろなものの中に不均衡がないようにしないとこれは問題が残ると思うので、そういうことについて、予算の執行上の問題で厚生省と協議するのもいいけれども、やはり大蔵省に、要するに予備費を使わしてもらいますよということで、きちんと一いろいろなあれがあるから、ちょっとくらいの不均衡はしかたがないでしょう。しかし、著しく権衡を欠くことがないような予算措置だけは、こういうもののたてまえ上とるべきだと私は考えておりますので、その点は、そうなったときには厚生省側としても十分そういう考えで対策を講じてもらいたいし、大蔵省もそういう点はあまり権衡を欠くことのないような措置をしていただきたいと思いますが、その点はよろしいですね。大臣と大蔵省、答えてください。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの問題、私どもでも当初から非常に心配をいたしましたところで、均衡を欠かないように十分留意をいたして連絡したいと思っております。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 現在のところ、予算で見ております範囲内で何とかやれるんじゃないか、かような見通しでございますけれども、実績が著しく予算の見積もりを離れるということになりました場合は、厚生、文部両省とも相談をいたしまして、各研修生に対する処遇が著しく権衡を失しないように、何らかの予算的措置を考えたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 時間がありませんが、最後に、実は身体障害者対策の問題に一言触れておきたいと思うのです。施設の問題については厚生省も年々努力をされて、ベッド数は最近徐々にふえてまいりまして、私その点はたいへんけっこうだと思っておるわけですが、実はその中に働く人たちの問題が、今後非常にむずかしいものになるんじゃないかと私は思うのです。これに対して厚生大臣は、今後の方向としてどういうふうに考えていらっしゃるか。予算上は何か二〇%ぐらい収入をふやしてあるとか、いろいろなあれがあると思いますが、私はやはり場合によってはパートタイム式に、朝から晩まで泊まり込んでやるということはなかなかたいへんなことですから、ある時間を限ってパートで働いてくださるような方が出られるような、それこそそういう方を研修する何らかの対策を考える。いきなりしろうとの人に来てやってくれというわけにいかない。いまだいぶ看護助手などの名前において不十分な看護をする人人が、人手不足でやむを得ずやっておるようなこともあるようですが、国として今後身体障害者対策を、特に入床をしておる人たちに、せっかく病室もできベットもできても、中に人がないから使えないなんということは、これは私は国費の面から見てもたいへん非効率なことになると思うのですが、厚生大臣のそれに対するお考えを承って終わりにしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 重症身体障害の対策は、施設もさることながら、そこにおられる医師はじめ職員の方が特殊技術を持つことと、その児童に対する親以上の愛情を持つことがきわめて大事でありまして、したがって、そういうところの職員の充足、及び充足するための処遇の改善、これが最大の問題であると考えております。  なおまた、その人員が足りないためにいろいろ方法を講じますると、おる職員の方々の話を聞きますると、素質が低下をして、そこに非常に間違いが出てくる。したがって、できるだけ素質の低下を来たさないように充足をしてもらいたい、こういう御意見等も承っております。かりに過渡期に別個の方法で充足しなければならぬとすれば、それは御指摘のとおりに、研修会をするなり、あるいは特別の職務に限るなり、そういうことにして、できるだけやはりほんとうの資格を持った方、しかもそういう特殊の教育をした方、こういうことを考えまして、将来のコロニー等については、そういう職員の技術の研修及び休養等についても考えなければ、ほんとうの重症心身障害児対策はできないんじゃないか。特に子供を預けて死んでいかれる両親の気持ちになりますると、特にその点は重大であると考えまするので、各方面の皆さま方の御指導を仰ぎつつ、万遺憾なきを期したいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 私も全く同感で、そうやっていただきたいのですが、ただここでことばでお話を聞いても、これが実績になってこないと、われわれとしては納得ができないわけです。これは次長もうしろにおられますが、やはり国の費用をいかにして効率的に使うかということになると、施設もさることながら、その施設をつくった以上は、それがフルに動くようなあとの配慮、そのあとの配慮というのは、あとからしたのではだめで、先にやっておかなければ人間の問題は簡単に解決がつかない。こういう問題でありますから、そこらはひとつ総合的に考えていただいて、大蔵省としても予算の措置については十分ひとつ配慮してもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 私は、いまわが国において大きな社会問題化しつつある、いわゆる生活保護者を相手どって暴利をむさぼる金融業者の問題、通称保護金貸しといわれる問題を取り上げて、それから大臣の所感と対策をお尋ねするものであります。  もともと生活保護制度の役割りというものは、憲法第二十五条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことができるようにする、そのことを国の責務において、またその理念を具現するためにあるものと私は思っております。  そこで、まず第一に大臣にお尋ねすることは、わが国の生活保護世帯数とその年間予算額、これは一体どうなっているのかということです。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 件数の問題でございますので、私から申し上げたいと思います。生活保護世帯数は、四十二年九月が一番新しいのでありますが、六十五万九千八百六十六世帯、これが四十二年九月の平均の生活保護全体の世帯数でございまして、人数といたしまして百五十一万五千四百八名というふうになっております。それから予算といたしましては、生活保護全体予算が、四十三年度予算におきましては千六百四十億二千一百万ということでございますが、そのうちのいまお話しになりました生活扶助、これが五百九十二億一千八百万、かように相なっております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 ただいま説明のとおりに、生活保護者の数もまたその予算額も膨大であり、ばく大でございます。これは佐藤政権のいわゆる政治の姿勢、その拙劣さ、貧弱さを物語っていることは間違いないことでありますが、さらに問題になることは、生活保護者の弱点につけ込んで一部の町の金融業者が高利で金を貸して、その生活保護者をいわゆる金縛りみたいに苦しめている。こういう事実がありますが、これが大きな社会問題として発展していることを私は非常に憂慮するものであります。  そこで、本日はこの実態を明らかにしまして、大臣の見解と対策をただすものでありますが、まず第一に、厚生大臣はこのような実情、実態を御承知になっているかどうか伺いたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 特に北九州においてそういう事実があることを承っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いま北九州というお話がございましたが、もちろん北九州は顕著な姿がございますが、私は全国的な姿だ、こう判断しておるのであります。あとでそれを順々とただしてまいりたいと思いますが、きわめて不明朗な金貸しというものは、現代の吸血鬼とまでおそれられているものでございます。その手口というものはきわめて巧妙です。  個条書きにまず内容を申し上げますと、一番目が、まず金を貸す場合は保護決定通知書、また受給票、印鑑というものと引きかえに九分の利子を天引きして金を貸す。それから二番目に、しかもこの借用証書というものを一月ごとに書きかえさせる。そのつど手数料だとか調査費、また印紙代などと称してさらに金をしぼり取る。したがって、実質的な利息が一割五分をこえるというような高利であります。三番目に、保護費の支給日はその事務所の周辺に業者がたむろしておりまして、まず預っている通帳を本人に返して、本人からじきじき窓口でその扶助料を受給させて、その当人はそのまま、また業者のところに行って再度金を借りる、その証書の書きかえをやる。徹底した業者というものはテントまで張って出張所よろしくやっている。四番目に、わずかな受給額から利子とかあるいは手数料などというものを差し引かれますので、残りの金ではとうてい生活ができません。したがいまして、再びそこで借金の借り増しをしていく。このような悪循環を繰り返していくのであります。そこで借金は雪だるまのように太っていって、半年もするうちには十万とか二十万、あるいはそれ以上の膨大な借金をかかえ込んで苦しんでいるという事実、簡単にいえばこのような特徴があるわけでございますが、そのことについては御承知であったでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いろいろ聞いておりまするが、そこまで具体的には存じませんでした。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 では、また一つずつお尋ねしますが、保護決定通知書だとかあるいは印鑑、それから受給票等を、表面上は担保というわけにはいかないと思いますが、事実、実質的に担保として取って、九分の利子を天引きする。しかも書きかえのときには手数料を取って、一割五分以上のものを利子として取っているというこの事実ですね。これに対して、厚生省という立場からこれをどのように考えられるか。また、きょうは大蔵省の方いらっしゃるでしょうか——来ていらっしゃいますね。そのお方からも御見解をお尋ねします。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 お答え申し上げます。  いまお話しのような事例、実は昔は東京都にも一部あったというふうに私ども聞いております。最近なくなりましたそうであります。  ことに問題になりますのは、北九州のいわゆる福岡県あたりの炭鉱の関係で非常に生活苦がきびしい状況になっておるというところで、ひんぴんと実は私どももそういう話を聞いております。  問題は、いまお話しのように、保護を受ける権利、受給権というものは担保にできない。してみたって裁判的にはどうにもならぬというものでございますので、そういうことはございませんが、やはり毎月市役所あるいは町村役場で金をもらいますと、ちょうど出てきたところに相当のこわいようなかっこうをした人がたくさんおりまして、ということは聞いております。私どもは、直接的に金銭貸借というものは非常につかまえにくいというので、はたして金利が何分か、あるいはあっせん手数料とか利息の天引きというものまでは詳細にはつかまえておりませんが、おおむね先生のおっしゃいましたような程度というか、非常にひどい程度でやっておる。私ども福祉事務所長に申しておりますのは、生活保護の中でも、たとえば生業扶助、たとえば臨時に金が要るというような場合には、生業扶助あるいは技能修得費というものも出せますし、それから、それでも足りない場合には世帯更生資金というものがございますので、これは県社協、民生委員を通じて貸すわけでありますが、最高三十万まで貸せますが、そういうふうなものにたよるように、ケースワーカーを通じて個人個人にはできるだけそういうPRをしておるのでございます。ただ、ちょっと言いにくいのですが、こういう高金利金貸しの人たちというものは相当こわいかっこうをしておりますので、ふらふらっというようなかっこうでつい借りるというような事例、それは直接的には絶対借りてはいかぬということは法的には言いにくいものですから、ケースワーカーが一軒一軒家庭訪問をして、そんなことをしては身の破滅になるということで、話し合いで別な方法に切りかえるというような指導をいたしております。

船後正道大蔵省主計局次長

○船後政府委員 問題は銀行局の所管でございますので、私の専門外でございますが、御指摘の事項は、おそらく出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律の規制の対象となるわけでございます。いわゆる町の貸し金業者になろうと思います。御承知のとおり、この法律は都道府県知事に、届け出から監督の段階、全部委任していろわけであります。  福岡県につきまして、生活保護階層を対象とするそういった事案につきまして、おそらく銀行局のほうでも詳しい実態はただいまのところ知らないのじゃないかと思いますから、帰りまして、さっそく銀行局に連絡をいたしまして、実情を調べさせたい、かように考えます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いまの、保護決定通知書だとか印鑑を業者が預かるということについては、どういうふうに思われますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 生法保護法の五十九条で、保護受給権は譲渡できない、それから五十八条で、受給した金品または受給権差し押え禁止ということがありますので、法律的にはそういうことは許されないということに相なっております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 事実は、現場の役人などもそのことを知っているわけですね。しかし、いま言うように法的には法的にはということで、どうにもならずに放任されている。みすみす被保護者がそういうからめ手におちいっていくということを見ながら、どうにもできないというような現状でありますが、これはやはり先ほどの憲法第二十五条の立場からいっても、何とかこれを守らなければならぬと思うのですが、そういう点、何かあなた自身の考えはありませんか。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 これは、私自身の考えはまだ固まっておりませんが、こういうことはございます。というのは、ある県で、やはり市役所の窓口で行列をつくって待っておって保護費をもらうというのは、どうも人目にもつくし、ぐあいが悪いというので、これを本人払い、銀行払いにしたらどうか。本人はその通知を受けて、好きなときに銀行に行く、いつでもいいというふうなかっこうにした例がございます。  ただ、この保護費の支払いというのは、これは都道府県知事、あるいは法の実施責任者市長の権限ということになっておりますので、指示はできませんけれども、たとえば自宅にそういうものが銀行から来て、本人がいつでもそれを取りに行ける、あるいは自分の口座にすぐ振りかえておくということにすれば、行列をつくって待っておって、もらって出てきたところでとっつかまるというふうなことはなくなる可能性があるのではないか、それも一つの方法かなというふうに実は考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 銀行払いのお話はまたあとに譲りますが、実は私の居住区ですけれども、飯塚のほうを調べてみますと、いま飯塚市内だけで四カ所で支給しております。市内と、二瀬、鎮西、幸袋というところで、それに関係しております係員の数が五十六名です。ところが、その事務所のまわりにたむろしているそうした業者が、何と四十八名から五十名ぐらいいるのです。それで、そのほとんどが印鑑と通帳を持っているわけですね。正規に届けられている業者ならば法的に見てあるいは通るのかもしれませんけれども、この中にはやはりもぐりといいますか、やみ業者もいるということですよ。こういうことについて、これはほんとうに重大な問題だ、何とかしなければならぬということで、現地の議員を通じまして手を打たせるのですけれども、先ほど言いましたように、法的な問題ではどうにもなりませんということで、役人は何もできない。事実は、いまあなたがおっしゃったとおりに、金貸し業者そのものがふうさいの上から見ても非常にこわそうな相手ですので、何も言えないというのが実情のようであります。また、一たびこの金を借りると、しょせん余裕のある金をもらっているわけじゃありませんので、ずるずると先ほど言うように悪循環を繰り返して、抜き差しならぬようになってしまうわけです。これについてほんとうに対策を立てねばならない。同時に、通帳、印鑑等を彼らに預けなくとも済むような方法をとらねばならぬがと、こう思うわけであります。  そこで、いま銀行払いのお話が出ましたが、東京都ではすでに実施されているように聞いておりますが、実施して以後問題はなかったか、スムーズにいっているかどうか、こういう点について御説明願いたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 それは現在は非常にスムーズにいっているということでございます。ただ、実施するときに、どうも非常に零細な人方がたくさんおってというので、引き受け手がちょっとやっかいだというふうな気持ちを持った点があったのが一つと、それからもう一つは、受給者自身が、ちょっと銀行とは縁が遠いので、どうも敷居が高いというような気持ちも若干あったようでございます。やってみると非常にいい、こういうふうな評判を聞いております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 最初はトラブルがあったというわけですか、どういうトラブルがあったのでしょう。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 いや、トラブルというよりも、そういうふうな面で、たとえば銀行との関係では、手数料の問題とか、あるいは事務的に非常に人手を要するので引き受けられないとかいうふうに、被保護者との関係ではなしに、銀行のほうの話でございます。それは解決がついております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 確かに銀行側としては、銀行の品位を下げるのじゃないかなんというようなお話も一、二聞いたことがございますが、そういう立場からは、現在は何も問題は起こっておりませんか。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 ございません。むしろ、そういう社会福祉の関係にタッチできているといって喜んでいるところが多いのだというふうに聞いております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 銀行にお金を引き出しに行くのは、たとえば当座か何か設けられて、普通の預金者と同じようなあり方で行くのか、それとも日にちが何日と何日というようにきめられて行くのか、その点はどうなっていますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 これは普通の預金と同じだと思いますが、しかし、現実問題としてはそう何日も預けっぱなしという状況じゃございませんので、それはやはり一週間以内とかということに事実上はなるのじゃないかと思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いままでの説明を聞けば、銀行払いあるいは信用組合等も使っていることだと思いますが、非常に効果をあげてきたということでございますけれども、お金を引き出すときは、だれが行ってもその通帳ないしは印鑑を持っていけば引き出せるわけですね。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 さようでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 ということになれば、やはり実質的な解決にはならぬような気がするのです。たとえば銀行の前までは業者が判こと通帳を握って、銀行の入り口で本人に渡して、そうしてまた同じことを繰り返す、こういうことになるのではないかと思いますので、銀行払いだけでは真の解決になりそうもないという感じも受けるのですけれども、この点はどうでしょう。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 その辺、端的に申し上げますと、いまのお話は生活保護の問題というよりも、例の出資の受け入れ、金利等の取り締まりというふうな問題をどこまでやるかという問題が一つございます。それで、福祉事務所の人方も、権限がありませんのでそこまで一気に踏み切れないというので、関係の県知事がこれを主管しておるわけでありますけれども、方々に話はいろいろしてあるという状況でございます。  ただ一つ、いまおっしゃいますように、なるほど本人を銀行の前まで引っ張って行って、さあ受け取ってこい、受け取ってきたらよこせ、こういうしかけも当然考えられると思います。しかし、いまのように、たとえば市役所に何月何日にたくさん集まって、受けて出てくるところを待っておってどんどんやってしまうというところから見ると、被保護者が一体いつどこへ行くのかわけがわからぬというので、一々足を運んでいくというのも非常に手数がかかることだし、それから無理にそれを引っぱり出そうといたしますならば、これは一種の刑事事件に近いようなことにもなります。そうなりますと、現在の問題は、その点からも非常に弊害は減ってくるのではないか、こういうような気がいたします。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 いままでの説明を総合すれば、完全な対策ではないけれども、大部分は解消できそうな気配だ、傾向にあるという感じを受けました。そこで大臣にお尋ねしますが、このような銀行払いあるいは信用組合等、こうした金融機関を通じての保護費払いというものを全国的にやられようという気はありませんか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまのものは、いまの実施の状況を聞きますと、非常にいいようでございまするが、行政上のたてまえから、直接私が管理しているわけではなくて、委任している事項でございますから、相談等によって逐次そのほうに持っていきたいと存じますが、画一的に全国的というわけには、行政上の本質から都合が悪いと思います。ただし、御趣旨の方向に従って検討しつつ逐次進めてまいりたいと存じます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 もう一つお尋ねしますが、低率融資の問題であります。民生保護の立場からいろいろと融資の制度がある。最高三十万円ぐらいまでは借りられるのだというお話がありましたけれども、そんなに簡単に借りられるものならば、こうした保護者の皆さまが高利のお金を借りにいくわけはないと思うのです。その点はどうお考えになるのです。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 それはお話のとおりでございます。そこでさっき私が申し上げましたのは、一ぺんちらっと借りますと、金をもらったときに出口にがんばっておって、いろいろすごいかっこうをした人がおるものですから、つい逃げかねる。これは意思の問題があると思います。その辺がございますので、ほんとうならば世帯更生資金あたりに切りかえれば、ほとんどもう利子というほどのものでなしの金を借りられるのです。それを逐次相当数切りかえておるという状況でありますけれども、なかなかそれは一気に参りません。別にそれは刑事事件というほどではないと思いますけれども、その辺の問題があると思います。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 世帯更生資金というのは、その融資の最高額は幾らでしょう。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 これはいろいろでございますが、更生資金、たとえば何か商売を初めてやろうというふうな場合の生業費というのがございますが、これは普通十五万円であって、特に一式そろえるというようなときに最高三十万円というのがございます。それから技能修得費なんというものもございます。それからたとえば住宅資金最高十五万円、それから修学資金が、これは高校まででございますけれども月々千五百円、病気の場合には療養資金として十万円まで、それから災害援護資金というものが十万円までというふうな限度になっております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 こういう制度があるのですから、もう少しそうした方々に対してその内容をPRする必要があろうと思います。  問題は、生活保護者が突発的な支出の問題が出まして必要とする普通のお金というものは、二万か三万程度までですね。それからそれにひっかかりますと、抜けられなくなってたいへんなことになっていく。実例ですけれども、五十万円もそれ以上も借金がかさみまして、そして生活保護を受けながらやむを得ずその借金払いのために他に仕事をやる。しかし、それが見つかりますと、収入認定で削られてしまう。あれやこれやで思い悩んでいくけれども、結局借金がたまっていって、最後には家庭の娘さんだとかあるいは奥さま方が犠牲になっているという。これはほんとうにゆゆしき問題でございますけれども、そういう事実まであるのです。  したがいまして、私は、これに対して二万円、三万円程度をもっと気軽に借りられるような制度を設けるべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、それに対する御意見をお伺いいたします。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 実はそれが世帯更生資金でありまして、これが民生委員——県の社協にやらしておりますが、実態は地方地方におります民生委員がいろいろ困った人たちの相談に応じて貸し出しをするということで、そういう実情がわかりますならば、借りかえの場合もありましょうし、新規の場合もありましょうし、そう手間をかけないでせいぜい一週間か、県のほうに持ってきて相談しますので十日前後、というところでけりがつくように指導いたしております。なるべく足まめに民生委員さんにも動いてもらって、そういうふうな相談にも乗って、早くけりをつけるというふうなかっこうにしたいと思っております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 時間の関係がありますので、きょう警察当局からだれか来ていらっしゃいましょうか。——こういう生活保護者を相手取って暴利をむさぼった金融業者を摘発したというような事例はありますか。

鍛冶鉄人警察庁保安局保安課長

○鍛冶説明員 ただいま私の手元にこまかい資料がございませんので、対象が生活保護者であって、それらの人に高金利でもって金を貸しておるという事案については、はっきりした数字はわかっておりませんですけれども、各県において御指摘のいろいろ高金利事犯の取り締まりをいたしておるわけでございます。その中には主婦であるとかサラリーマンであるとか、あるいは小企業主たちを対象にした事犯であるとか、あるいはまた勤労者あるいは一般大衆というような人たちを対象にして高金利で金を貸しておるというような事犯等も取り締まりをいたしております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 実は最近、高利貸しのある商事会社の宣伝ビラでありますが、これは写しですけれども、こういう宣伝ビラが団地等にまで毎月一回くらいほうり込まれている。その内容を見ますと、「月賦返済一覧表」というのが下についておりまして、最低五千円から三万円まで貸し付ける。そして二カ月から長いのは十二カ月、一年貸すんだということで、金額まで一覧になっておるのですが、その利子を見ますと大体六分程度でありますけれども、この宣伝内容を見ますと、「団地社宅と直結した親しみやすく手軽な金融システムです。」「営業案内」として「団地・社宅にお住の方なら職業に差別なく又、生活保護を受けている方には特別な相談に応じております」ここが問題だと思うのですが、「生活保護を受けている方には特別な相談に応じております(通帳不用)」とは書いてあります。なお、「お電話一つですぐ現金がお手許に」そして「特典」としまして「保証人不要、貸付期間自由、勤先近所絶対秘密、お金は即時其の場にて渡します。」こういう宣伝文句なんですけれども、実は私が心配するのは、この中にある「生活保護を受けている方には特別な相談に応じております」、つまりお金を貸すことについての相談ですね。生活保護者は、言うならば生きているのに精一ぱいの生活でありまして、金を借りて利子を払えるほどの余裕はないはずなんです。そういう人を対象に出しているこういうビラが現実にあるわけですね。  ここから私が推察するには、やはり何かここにうまみがあればこそ、こういうふうなことをやっているのだ、こういう立場から厚生省としても対策を立ててもらいたいし、また警察当局としても、今後この問題が変なふうに発展しないように内々手を進めてもらいたい。これは一つの要望です。それから、こういう問題が起きてきたというのは、しょせんは生活保護率が低いからだと思うのですよ。今度厚生大臣は一三%アップなさったようでありますが、要するに、生活保護費は現在もう生きているというだけの内容のものだと思います。したがいまして、突発的な支出が起こりますと、どこかにかけ込まなければならない、金策に走らなければならないということですので、もう少し人間らしい生活を維持するための保護費にまでその基準を引き上げていく方針はないか、これはひとつ大臣にお願いします。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御存じのとおりに、生活保護の水準は西欧諸国に比べると、いまなお低い。したがって、審議会等の答申もあって、逐次引き上げていくことに相なっております。明年度は、財政硬直のおりからではありましたが、大体いままで国民生活水準の向上、物価の動向等と見合って引き上げることにいたしておりますが、大体昨年の一月から六月までの実績からしますと、賃金のアップが八・六%、明年度の経済企画庁の予想します雇用賃金のアップを計算しますと、一人当たり大体九・八%、なお物価の国民生活の消費水準が一四%になっておりますが、人口増の関係で、個人別にしますと一二・九%であります。したがいまして、一三%引き上げたわけでありますが、十分とはいえませんけれども、財政硬直のおりからは十分留意したものと考えます。  しかしながら、それでもなお十分であるとは決して考えておりませんので、なお住宅手当、教育手当というものを加えますし、なおまた、ただいまの御意見等もありますし、各方面の御意見等もありますので、突発的な事故等のために借金等ができないように、たとえば天災、交通事故等の災害等による補償、あるいは保険料をもらった場合に、これが生活保護からただいままで差し引かれておりました。それを緩和して、そうしないように、四月一日から改定をするように事務当局に検討を命じ、それぞれ手配を命じておるところであります。したがいまして、以上のような観点から、御指摘の水準の引き上げは逐次毎年引き上げていくべきものであると考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 私がいままでお願いしてきた問題は全国的な問題だと思いますけれども、特に福岡県においては、政府の経済政策の失敗から中小企業者がばたばたと倒産しまして、失業者が出るし、また石炭政策の失敗から炭鉱の多い福岡県ではそれに従って失業者がもう山ほどおるわけです。その大部分の失業者の皆さんが、働くに職なく、また食べるに金がないという状態から、やむなく生活保護費を受けているという状態でおるわけであります。生活保護者が日本一だといわれるほどの汚名を持っているこの福岡県に対して、特段の配慮のもとに、たとえば調査班をつくるくらいの態度で今後臨んでいただきたいと思うのであります。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御意見は十分相わかりました。したがいまして、私のほうでも現地の関係地方庁を指導するとともに、特に現地に派遣いたしまして、調査するなりあるいは打ち合わせるとともに、警察、大蔵等とも十分連絡をして、このような取り締まりを厳重にしたい、このように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 それでは今度は問題を変えますが、無医地区の実態について、その対策についてお伺いしたいわけです。現在無医地区が三千カ所とか二千カ所とか、ずいぶんあいまいな話を聞くわけでございますけれども、厚生省では最近無医地区調査をなさったということを聞きましたので、その内容をここで聞かしていただきたいのです。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 最近の調査といたしましては、四十一年の四月一日現在において、各都道府県を通じて無医地区の調査を実施いたしました。この調査のやり方といたしましては、医療機関のない地域で、およそ半径四キロ以内の地域、そういう地域で五十人以上の方々が住んでおられるというような地域を拾い出すというやり方でやっております。しかし、このやり方では、どこからどこまでを見るかという、現実にはいろいろなむずかしい点がございますので、その結果、交通事情その他も考えまして、条件がきわめて悪いという地域で、人口三百人以上が住んでおられて、しかもそのまわりに医師がいないという地域が六百十三地区ございました。右に準ずるような地域が五百九十地区。なおそのほかに五十人以上三百人未満の地域が千七百十七カ所あったわけであります。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 国民健康保険中央会のお話によれば、現在無医地区は三千カ所もある。また、いわゆる辺地にある市町村営の国保病院あるいは診療所では、定員三千に対して七百五十人が不足している。また、四十二年には七十七人の医師が就職したけれども、その給与は最高額三十万円にも達したのだというようなお話を聞いたわけですが、国民の健康保持、いわゆる保健ということは、いまや社会権として認められているわけですね。そういう事柄が今世紀の一つの特色になっておるわけでありますが、そういう立場からいきますと、医療サービスの普及や充実というのは国の義務だ、こう私は思うのです。その国の義務という立場から、いまの無医地区の現状を見てまいりますと、非常にはだ寒い思いがするわけであります。同時に、わが国の医療サービスの普及またその充実というものは、医療行政のずさんさを無医地区の姿からあらわしていると思うのです。したがいまして、私はここでいわゆる医療行政、特に無医地区解消に対する政府の基本的な考え方を、簡単でよろしいですが、お尋ねしたいと思います。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 現在無医地区が多数あるということは、私ども自身も非常に遺憾に思っております。この無医地区の総括的な状況を申し上げますと、昔からやはり無医地区というものは多数あったわけでございます。昔はどちらかといいますと、医療に恵まれない地域の人々が気の毒であるという慈恵、慈善的な考え方から主としてこの対策が行なわれておりました。しかし、最近になりますと、皆保険が達成されまして、掛け金をすべての方々が納めるようになりますので、当然医療の機会も保障してやらなければならないということから、そういう不足感が非常に実感として強くあらわれ、また、当然権利として主張されるというようなことになってまいりましたので、問題の性格が非常に変わってきたということがございます。  しかし、私どもはそのような状況の変化とかかわりなく、三十一年ごろからこの無医地区の解消のための努力をしてまいったわけでございまして、最近までに約四百カ所の無医地区に診療所を国庫補助をもって設立いたしましたし、そのほかに先ほどありましたような国保の直営診療所が相当多数できております。なお、これらのものだけではなかなかカバーいたしきれませんので、巡回診療等を行なって、さらに小さな集団に対する補足をやってまいったわけでございます。  しかし、何といいましても医師がそれほど潤沢にはございませんし、また、医師を使う場合の効率的な使い方というとおかしいのですが、医師が仕事をする場合の効率ということも考えなければなりませんので、そういう意味では、私どもは、最近は医師をへんぴなところまで全部行ってもらうというかわりに、へんぴなところの住民が交通機関等を活用して医療機関のあるところへ出てきていただくというやり方で、輸送力の確保という方向にかなり大きな方針の転換をして、実施している状況でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 特に辺地の診療所は非常に悪条件が重なるわけでありますが、やはりこうしたところには国・公費をどんどんつぎ込んで整備をしていかなければならぬのじゃないか。設備が貧弱でしかも良心的な医療ができないというのが、特に辺地の診療所あたりにつとめている医師の共通した意見であります。したがいまして、こうした設備に対する——輸送力のほうももちろん大事でありますが、そちらのほうにも強力に手を打ってもらいたい。  それから、一つの実例でありますけれども、三十八年に岩手県の和賀郡というところに一人の若いお医者さんを招いたというわけですね。その村をあげてバックアップをして、診療所としては最高の設備まで提供した。したがって、その結果は非常に成績がよくて、その年は乳幼児の死亡がゼロであったというほどの成果をあげたということが一流新聞の記事の中にあったのを見たわけですが、このように辺地には特に施設、設備に対して国・公費をどんどんつぎ込んでやってもらいたい。これに対して大臣の気持ちを聞かせていただきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 僻地、辺地の診療、無医地区の診療等については、御指摘のとおりに診療所の増設あるいは機動性の付与と、逐次つとめてはまいりましたが、いまなお不十分であります。特に一番問題になりますのは、診療所をつくりましても、そこにお医者さんがいついてくれない。それはやはり僻地の生活環境が悪い、あるいは自分の地位に対する将来の不安定さがある、あるいは子弟の教育の問題がある、勤務の状態が一定していない、あるいは研究ができない、いろんな事情でなかなかいついてくれません。  したがいまして、いままでやっておりますのは、いま局長が述べましたとおりに努力はしておりまするが、僻地、辺地の場合は、最初のでき初めがいろいろ問題が出てきたものでありまするから、やはり御指摘のとおりに、各所各所に充実された診療所をつくって、その診療所と、もう一つ母体になるべき病院または診療所と、それをつなぐ機動性と、三つの問題の関連性によってこれを充実していかなければ、ただ診療所だけあるいは機動性だけの孤立ではいけないのであって、将来そういう三つの関連性からやっていきたい、このように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 よくわかりましたが、医者をお金でつるというようなことじゃ失礼だと思いますけれども、やはり、まず生活ががっちり保障されなければ医者も行かないのじゃないかと思います。これは私の一つの考えでありますけれども、そういう僻地の診療所等に対して一定期間、三年とか五年という期間辺地勤務をやらせて、その後に開業するもよし、また希望ならば研究室に入るもよしというように、ある程度医師の辺地勤務というものを義務づけるような考えは大臣にはありませんでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの御意見は非常に貴重な御意見として、将来検討してみたいと考えております。  なおまた、いまの問題で医師の待遇の問題でありますが、これはさらに再検討しなければならぬ問題であって、特にただいま公務員である医師、いわゆる国立関係の病院等に勤務する医師等の待遇は決していいほうではございません。これが人事院の所管しまする一般の公務員のベースの中に入っております関係上、これはやはり特殊な技術を持った特殊な職業であるとして、一ぺん人事院と相当な議論をやって相談をしなければならぬ、こういうように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 時間がありませんので次に移りますが、本年度の厚生省としての重点政策として僻地対策が出ていると思います。いままでの話によれば、機動力等の充実をはかっておられるようでありますが、やはり辺地、島嶼等に対する緊急医療という立場から、将来はヘリコプター等の使用といいますか、そういう措置も必要ではないかと思いますが、大臣のプランの中にそうしたヘリコプターを使うようなことはございますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ごもっともでございまして、特に離島その他に対しては必要でございますので、特に救急の患者あるいは応急の治療等には必要でございまするから、そういう点も必要であると考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 では次にいきますが、いま非常に病院が混雑しておりますけれども、患者数に対する医師の配置、これは大問題だと思います。特に国立病院等の医療の実態はどうなっておるのか、簡単でけっこうですから教えていただきたいのです。というのは、お医者さんは相当オーバーワークになっているのじゃないかと私は心配して聞いておりますので、そういう立場から説明していただきたいと思います。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 確かに最近医師の労働がオーバーワークになってきておることは事実でございます。といいますのは、十年前等に比べますと、患者を扱う量がほとんど倍加しているというのが実情でございます。医師それ自体の数は年々増加しておりますし、医師一人当たりの国民の数も改善されてきております。にもかかわらず、医療需要というものが、社会構造の変化、社会生活の向上あるいは国民皆保険、その他医療保障の強化等によりまして、医療を受ける機会が非常に多くなってきておりますので、そのために医師の働く量が非常な勢いで増加しているということは事実でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 国立病院などでは、一人の医者が平均で大体どのくらいの患者を見ているのかということですが……。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 昭和四十一年度の計算でございますが、国立病院におきまして医師一人当たりの入院患者数が一二・九名、外来患者が一五・三四名、それが国立病院で一人の扱う患者でございます。国立療養所におきましては、入院患者を三〇・五三名、外来患者を三・二〇名扱っておるのが実績でございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 私は、名前は差し控えますけれども、Kという病院につとめている医者に聞いたのですが、その人は火曜日と金曜日とつとめている。午前は外来の患者を四十名から五十名見て、それで午後から入院患者を三十人前後見ている。こう言っておりましたが、私はそれを聞いてほんとうに驚きました。患者というのは品物じゃないのですから、流れ作業みたいにやられたんではたまったものじゃない。要するに、そういう姿であれば十分な診療もできないだろうと非常に心配するわけであります。こういう医師不足に対して、何かもっと抜本的な施策を講じなければ、これはほんとうの国民医療の立場から問題ではないかと思います。  時間がありませんので、最後にもう一件お尋ねいたします。  保健所の問題ですけれども、そこで働いているお医者さんが非常に不足をして、深刻化しております。国民の疾病、特に予防、治療、公衆衛生という立場から考えた場合、医者の不足というものは非常に問題だと思うのです。昨年四月の保健所医師及び歯科医の充足率を私調べて見ましたら、定員に対して四一%の充足率なんですね。これはゆゆしい問題だと思うのですけれども、これは間違いないでしょうか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中政府委員 ただいま御指摘のございました保健所医師の充足状況でございますが、四十二年、昨年の十二月末で、定員三千九百名に対して千七百三十四人、約四四%になっております。いまお尋ねの歯科医師を加えますと、あるいは御指摘のような数字に近い、こう考えます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 保健所にはどうして医者が行きたがらないのでしょうか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中政府委員 私自身も最近まで現場で仕事をいたしておりましたが、実際に第一線で疾病の予防というふうな仕事をやっておりますと、いろいろな隘路が出てまいるわけでございます。一番基本的な問題として考えられますことは、従来の医学教育の中心から相当ずれている。言いかえますと、疾病の予防というふうなことは、最近でこそ医学教育の相当なウエートを占めるようになりましたが、いままで教育し育ってまいりました医師というのは、そういう疾病の予防というふうなことはあまり教育されないできているというふうな問題が一点あると思います。  もう一点は、先ほど来いろいろお話がございましたが、現在の保健所の施設が、自分の持っている技術を十分発揮できるような、そういう内容に必ずしも整備されておらない。ある言い方をいたしますると、相当施設の整備については立ちおくれがある。  さらに次の問題として考えられますことは、特に技術者において共通だと思いますが、医師の場合においては大学との提携、ある仕事の区切りをつけながら、技術の練摩のために大学に勉強に行く、そういうふうな研究の機会が、比較的保健所の場合には恵まれがたい、というふうな問題がいろいろ考えられているわけでございますが、こういう点を一つ一つつぶしながら、保健所の医師の確保というふうな問題と取り組んでいるわけでございます。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 それでは最後に大臣にお尋ねしますが、保健所というものは、いわゆる公衆衛生の最も中核的な機関として住民の健康を守っていっている。また、仕事の内容は非常に多岐にわたって、これはほんとうに大事な機関だろうと私は思っております。こう見てきますと、非常にこれが軽視されているような感を受けるのですね。そこにつとめておる皆さんの話を聞きますと、そういうことはびんびんとはね返ってまいります。  そこで、いわゆる予防医学、また疾病に対してここに力を入れることこそが大事なことであって、つまり病気にかかってしまえばこれはもう非常に不幸なことでありますし、長引けば金もかかるということですので、防貧対策といいますか、ここを充実するということは社会保障に直結する問題じゃないかと思うのです。ですから、特に保健所業務についても強力な手を差し伸べてもらいたい、こういうことでございます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 医療行政の重点が、治療対策から予防対策に移ることは当然でございます。しかしながら、現状は、御指摘のとおりに全国の保健所がすでに老朽化しておりまして、少なくとも近代医学の予防などというものをやるべき場所じゃないという印象を与えております。したがいまして、逐次これを整備して——辺地、僻地は別でございまするが、大都会、交通等の便利なところでは、なるべくこれを集約をして総合的な内容の充実をはかる。と同時に、医師の待遇の改善及び大学との連携強化、あるいは公衆衛生を修学する学生に対する資金の貸与、その他のことをはかりながら、医師の充足もはかりたい。要するに、御指摘のとおりに保健所というものがきわめて大事であって、医療保険の財政の安定というものも、保健所を強化することによって、病人を少なくすることによって、財政の安定をはかるべきが至当である、このように考えております。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 もう一点だけで終わります。現在の保健所を規制する関係法令は五十数種類に及んでいると聞いているのですが、このような複雑なものを整理統合して、行政の事務の簡素化をはかっていかれるように要望します。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 十分研究いたしまして、御指摘の方向に検討いたします。

大橋敏雄公明党

○大橋(敏)分科員 終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 本会議散会後再開することとし、憩いたします。    午後一時四十七分休憩      ————◇—————    午後三時二十五分開議

田中正巳自由民主党

○田中主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。  質疑を続けます。吉田賢一君。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 私は、献血につきまして少しく大臣並びに政府当局の各位に伺ってみたいのであります。  これは申し上げるまでもなく、人間の血を採血しまして、そして病気その他医学的にこれを利用するというのでありまするので、いろいろな角度から考えまして、きわめて公共性に富んだ重要な課題であると信じております。そこで、昭和三十八年に、採血につきまして日赤に相当大きな権限を付与しまして、そして日赤は全国的に採血センターをつくったようでございますが、そういうような経緯にかんがみまして、この際一段とその事業を促進し、また充実していくという時期に来ておる、こう考えます。  つきましては、私は、根本的に献血事業は、これはもうこの段階に来ましたら立法化して、そして公共性を十分に守りつつ目的を達し得るような体制を整備する段階に来ているんじゃないだろうか、こういうふうに考えます。こういう角度から伺ってみたいのでございます。  立法化については最終結論として御答弁をいただくことにいたしまして、第一に献血の情勢、これは事務のほうでよろしゅうございますから、需給関係の情勢はどういうふうに最近推移しておるのでございましょうか。簡単でよろしゅうございますから、数字だけあげてください。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 保存血液の製造、需給関係でございますが、御案内のように三十八年、三十九年ころはいわゆる売血というものが非常に大量を占めていたわけでございますが、閣議決定以来今日まで売血量が極端に減りまして、現在のところ保存血液の総製造量のうちに占める献血の割合は、最近の実績によりますと七五%から七六%あたりまでまいっております。  しかしながら、いまお尋ねの需給のバランスということになりますと、現在実績としましては年間四十三万リットルくらい製造されておりますが、現実に医療機関等ではこの程度のものでどうなっているかという点につきましては、必ずしも十分な量ではないということはいえるかと思います。したがいまして、私どもの目算では、四十七、八万リットルから五十万リットルまでのところが製造されますと、大体需給のバランスというものは何とかなるのではないか、こういうふうに考えている現状でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 採血された血液を供給しておる機関は、私の次にあげる以外にあるのでしょうか。一つは、全国的に設置されております、各都道府県に五十くらいできておると思いますが、日赤のいわゆる血液センター。それから第二は、商業の預血センターと申しますか血液銀行ですね。それから第三番目には、直接に患者の親戚等から採血をし供血する分。第四番目が、直接に売血をする人。こういうように大体において四つが採血をするルートになっておるのじゃないかと思うのですが、この辺はいかがでございましょうか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ただいまおっしゃいました点は、いろいろな要素をかみ合わせてございますので、一口に申し上げますと、現在の採血の機関といいますのは、日赤でやっております日赤の血液センター、これが一つと、それから都道府県のほうで、県自体でやっております県立のセンター、これが第二。それから第三番目としましては、おあげになりました民間の商業血液銀行というものが、いわゆる預血とそれから売血というもの、両方をやっておりますが、売血のほうは極端に量が少なくなりました。大体この三つの採血機関をもって現在やっておる、こういうことでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 交通災害等がだんだんふえてまいりまして、そういった面の需要が相当ふえているんじゃないか、こう考えるのですが、いろいろそういう数字からにらみ合わせまして、推定で製造量と需要するものとは十対七くらい、こう踏んだらいいのかどうか、そこはいかがですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 先ほども申しましたように、現在の実績は四十三万リットルというぐらいな実績を示しておりますが、これでは現実の医療需要というものに応じ得るかどうかについては若干私どもも疑問を持っております。したがいまして、過去の実績等から大体勘案いたしますと、四十三万リットルというものをもう少しふやしまして、四十七、八万から五十万リットル程度までまいりますと、大体日本の現状における医療需要というものは充足できるんじゃないか、こういうふうに考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 日赤の血液センターは若干私も見たんでありまするが、これは最近、一つの典型的な採血機関としての傾向をあらわしているものと思いますが、これ自身がまた製造全量の大体六〇%ないし七〇%くらいを占めておるのじゃないかと見るのですが、政府でおつかみになっている数字はいかがでしょうか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 先ほど申し上げましたように、血液の総製造量のうち、ごく最近の実績では大体七五、六%までいりております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 ところで、全体ではありませんけれども、少し調べてみますると、この重要な採血機関になり、政府の閣議決定に基づいて設置されたような経緯にもかんがみまして、この日赤のセンターがかなり赤字になっておるということが伝えられるのであります。そういうことを聞いたものでありますから、私も試みに調べてみたのでありまするが、昭和四十年度には九千万円の赤字を出しております。それから四十一年はと見ますると、四十一年は大体五千万円、累計はどうなっておるのかと見ましたら、ざっとした計算ですけれども、これは一億四千百万円をこえておるようです。そうするとこれは商業血液銀行がないんだから、日赤団体はどうするんだというふうに、いろいろ部外の人ですけれども様子を聞いてみたのでありまするが、なかなかこういう点は苦慮しておるらしいのであります。  試みに各府県の状況を見てみましたら、神奈川県なんかもかなり県として財政援助をしているようでございますね。そういうところもある。あるいはまた福井県のごときは、採血しても需要がこれに伴わず、したがって他県へ持っていかなくちゃならぬ。よけいな経費を使っておる。何か全体から見ますると、採血し保存し供給するというような、その辺の機関運営がスムーズにいっていない。これは設備機関にあるだろうか運営にあるのだろうか、一体どこに原因があるのだろうかということを一つ考えるのでありますが、そういうような概観いたしました一つの欠陥、そういう点については政府はどういうふうにおつかみになっていらっしゃいますでしょうか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 三十九年以来、日赤を中心として献血事業を担当させているわけでございますが、いま御指摘のように、若干日赤自体の事業面の運営がスムーズにいっていない点があることは事実でございます。したがいまして、御指摘がありましたように、赤字県もありまするし、また黒字県もある。あるいはまた福井県としてお名前をあげられましたが、余裕がある県もございますし、それからまた配給面の活動も十分でないというような県もあることは事実でございます。  したがいまして、私どもとしましてはもうそろそろ、今日四年くらいたっているわけでありますので、日赤の全体的な採血、配給全般にわたる活動を円滑に能率的にやらせるために、いろいろきめこまかい施策を講じなければならぬ段階にきているというように直観をいたしているわけでございます。  したがいまして、昨年くらいから配給機構の問題あるいはブロックごとの血液の相互調整の問題、そういう問題について一応いま試案をつくっておりまして、近くこれを新年度あたりを目途にしまして具体的に実施に移したい、こういうところまでいまきている段階でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 日赤のことでありますが、日赤の血液センターは各独立採算制をとっているらしいのでございますね。したがいまして、私はそれならば、こういう赤字はどうしているのだろうというふうに聞いてみますると、やはりどこかの県で無利息で借りている例があるということを聞いて実はびっくりしておるのでございます。これは具体的にはまだわからぬのですけれども、そういうように毎年、年間神奈川県のごときは千五百万円くらい出しているらしいんですね。こういうような実例にかんがみますると、この独立採算制をとって、そして採血の事業を完遂しようというところにも無理があるのじゃないだろうか。一体独立採算というようなものは半面収益を考えながら、半面公共性の目的を達しようという両方の目的を負わなければいけません。こういうこともやはりいまの段階では具体的にえぐって、より改善する必要があるのじゃないだろうか、こういうふうにも思うのですが、この点はどうでしょう。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 日赤の全般的な活動が、いま御指摘のように独立採算制というものを過去ずっと堅持いたしてきているのは事実でございます。これはひとり献血事業だけでなくして、日赤自身がやっております病院活動にしてもしかりでございます。私どもとしましては、そういうような過去の日赤の伝統というものは伝統として、非常にいい面もあるわけでありますけれども、しかし献血事業に関する限りは、少なくとも独立採算制というものはもう再検討すべき時期にきているというふうに考えているわけでございます。いま日赤当局とこの独立採算制の可否の問題について話し合いをしておる段階でございます。いずれ近く結論を出したい、こういうところまできております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 大臣、この献血を主にした血液事業、しかして献血の実績が次第に上昇しつつある、非常にこれは好ましい傾向と思うのでありますが、文明国としてはこれは当然であると思うのであります。したがいまして、独立採算が不可能である、赤字が次第に累積していく、そして重要な機関として活動を続けておる、こういう点にかんがみまして、根本的にこれは財政的な措置を反面において講じる必要があるのではないか。この財政措置は、国かあるいは地方公共団体とともか、これは別といたしまして、いずれにいたしましてもこの目的及び事業の重要性、及び今日の困難性等々から考えあわせまして、財政措置を至急に講じていく必要があるんじゃないか。したがって、根本的に財政面から検討して、そしてその機構、運用等に遺憾なきを期していくということが、献血行政の大きな目的にならねばならぬ。厚生省といたしましては、この段階におきましてもう一歩進んでそこまで踏み切っていくということが必要ではないか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御意見のとおりの段階にきておると私も判断をいたします。  なおまた、一般の献血事業についてもそうでありますが、特に日赤については、この献血事業を取りはずしてみましても、世間が伝統から期待する日赤の病院等が必ずしも成績がよくない。これは日赤自体の財政上の問題もあると思います。そこへ一番大事な献血事業を日赤だけの独自の財政上の責任でやることは、これはきわめて問題があるのであって、御指摘のとおり総合的な財政的な検討と総合的な計画と相まってやらなければならない段階である、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 それから、採血しました血液が、便宜たとえば薬局とかその他の薬を販売する機関を通じて使用者の病院等に運ばれる、配給されるというようなことを聞くのですが、これも必要であり、あるいは便宜であり等々するかもわかりませんけれども、ともしますと、大切な血液が、そういう場合に、保管の面から見ましてあるいは遺憾な実情が伴うおそれもある、こういうふうに思うのですが、その辺についてのいままでの観察あるいは実情等について御意見等がでございますか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 採血されました保存血液をどういうような形で配給するかということでございますが、確かに人命にかかわる重要な血液でございますので、迅速に、しかも円滑に事を実施しなければいかぬということであります。  したがいまして、過去閣議決定以来、私どももその配給問題については頭を悩ましてまいったわけでありますが、過去はどうも先生御指摘のようにその点が十分でなかったということでございますので、昨年の暮れから日赤と相談いたしまして、この配給機構というものの確立をやりたいということで、いま御指摘のように直配方式をたてまえとし、それに、一部県内の事情等によりましてできないというようなところは委託方式をとるというようなことをたてまえとしまして、今後いろいろ実行に移したいというところで、大体もう結論に近くなってきております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 それから、各府県によりまして、たとえばこれを使用する病院等の医療機関が偏在しております。都市に集中しておるような関係もあり等々からいたしまして、需給の関係のアンバランスが見られます。この格差をなくするということも、これは国民の医療のため、あるいは保健のため、あるいは血液を完全に利用し得るために必要でないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 ただいまの配給機構の整備と相まちまして、いま先生御質問の需給の調整というものも非常に大事な点でございますので、これにつきましても、昨年暮れから今日まで検討を進めまして、需給調整要綱というものをつくりまして、これを新年度あたりから実施に移したいという考え方を持っているわけでございます。  確かに、一部の県においては血液が余る、また隣の県においては足らないというようなことがあってはならぬし、また医療機関ごとにそういうようなアンバランスがあってもならないわけでございますので、そういうものを総合的に検討いたしました結果、日赤を中心とする需給の調整というものを組織的に実施をしたいということで、これもほぼ成案を得ましたので、新年度くらいを目途にして実現いたしたい、かように考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 それから、献血者の保護の問題でございますが、ただいまの例の採血法、採血及び供血あっせん業取締法第一条には被採血者の保護という規定はございますけれども、これはきわめて不完全でございます。あれはおととしでございましたか、岡山県で供血者、献血者が死亡した事件が起こっております。これはきわめて重大視すべきことでございます。やはり日本人は血に対しては特別な感覚を持っております。ともかく身体の一部を外に出すということでございますので、いやしくも生命にいささかの影響でもあるような事件がございましたならば、その原因を探求いたしまして、今後絶滅を期して進んでいかねばなるまい、こう考えます。その他、経済的に考えてみましても、やはり供血者、献血者の立場を十分に保護しなければならぬ。身体、経済、両面から、私はこの献血者の立場を保護していくということが、この公共性の重要な使命を達成する上においてきわめて緊要な一つの課題である、こう考えますが、この点いかがですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 御指摘のとおりでございます。現行の法令によりましても、採血をする場合の健康診断等の方法、基準がきめられているわけでございます。したがいまして、こういう健康診断等の基準に従いまして、医師の立ち会いなり、医師の監督のもとにおいて間違いのないように採血をしてもらうということが、とりもなおさず供血者の保護に相なるわけでございます。一方、経済的な保護につきましても、そこらは十分間違いのないように、しかも適正に献血者というものを遇してまいるということが必要でございます。  最近よく聞かれますように、手術等の場合に相当自己負担をしながら血液を集めるというようなことがよく言われるわけでありますが、こういうことのないように、できるだけ国民の善意に基づきましてこのとうとい血液というものを出していただくように、今後ともPRなり何なりをやっていきたい、かように思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 それから、各地方に献血推進協議会というものが知事の委嘱を受けまして、これは法規に根拠を置くものではないと考えますけれども、県別に、民間におきまして相当自発的に、積極的に献血の思想あるいは事業等の普及に協力しておるように思われるのですが、こういう運営につきましても、しかるべき配慮をしながら、さらにその機能を十分に発揮し得るように行政指導をする措置も必要でないか、こう思うのですが、いかがです。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 各都道府県にあります献血推進協議会というものが、まだ十分に機能を発揮していない面もございますので、先生御指摘のように、そういう問題については今後効率的な運営がはかれるように監督をすると同時に、また県単位ではなくして、市町村にまでこういうものをつくっていくように指導いたしてまいりたいと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 今度は立法の問題でございますが、フランスの立法について私の友人が翻訳したものがあるのですが、ちょっと時間がないのでこれはとりやめておきますが、やはりこの段階において、この重要な事業に対しましては、もっと法律的に整備をいたしまして、そうして法制の根拠に従って、これは国並びに地方の財政措置がとり得るところの法律上の根拠、こういうものも明らかにいたしまして、私はおよそ五つの目標で立法化する必要があるのじゃないかと思います。  第一点は、日赤に見られるがごとく、もし独立採算を維持するならば、あるいはまたそうでないとするならば、いずれにしても採算面についてもっと合理的な措置が必要でないかという点。第二点は、血液の管理に遺憾なきを期するような方法をとらねばならぬ。第三点は需給の調整、格差解消の問題であります。第四点は、いま申しました献血者の身体並びに経済につきまして、これに適当な保護を与える必要がある。その次は、国または地方の公共団体の財政措置の根拠を明確にすること、そしてこの推進機関につきましても、それの運営の適正を期するということが可能でありますように。  かくいたしまして、いままではこれは採血業の取り締まり並びに薬事法などがこれらの問題に対する法律関係の根拠であったらしいんでありますが、この血液についての採血とか供血のあっせん業の取り締まりというのは、要するに取り締まりの法律でございます。ですから、要するに供血とか献血とか高い次元を持った事業というものの観点に立っておりませんから、営業の取り締まりということでありますので、こういう点から考えてみましても、この際一歩進んで立法化する必要があるんじゃないか。  なお、私の得た資料でありまするけれども、去年でありましたか、日赤から厚生省に向かって一つの意見書が出されておりまして、意見書の中にも、読んでみると、やっぱり献血事業に関する立法措置ということについて一つの希望意見が述べられております。この内容につきましても、しごく適切であって、あるいは採血であるとか、あるいは血液製剤の製造あるいは保存、配給は営利を対象とすべきではない、使用は医療あるいは医学的目的に限定すること、こういうようなおよそ血液事業に関する立法措置についてかなり適切な意見が出されております。どういう人かと思いますというと、これは朝野のかなり有能な代表的な人が寄りました懇話会が出しました結論らしいのでございますが、こういう点にもかんがみまして、いまの事業の進展、需給の将来性、いろいろな角度から見まして、私は厚生省といたしましては、大臣先頭になりまして、ひとつ近い機会にこれが立法化の措置に出られますように、ぜひそうせられんことを御希望申し上げたいんですが、いかがですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいままでの血液関係の法律が取り締まり、保存を主眼とした法律であって、この面の法律の検討も必要ではあろうと思いますが、さらに進んで、御意見のとおりに献血者を保護し、献血された血液を有効に保存し、これを適切に配送するという点から、すでに今日のお話のごとく労働組合でも組合全体の問題となり、あるいは厚生省は本年二月には文部省に協力を求めておりますが、国民全体の仕事になってまいりました関係から見れば、その重大性からいっても、もうすでに国が主体となって責任を持ってやるべき段階であると考えまして、立法についても検討いたしておりますが、ただその立法の技術と、立法のために人権問題などが起こるようなおそれなきにしもあらずでございますので、まだ踏み切ってはおりませんが、その方向に向かって検討すべき段階であると思います。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)分科員 別の問題で、児童手当の問題ですが、これは時間がありませんからちょっと一分間だけお許し願いたいと思います。  私は、児童手当制度がわが国に施行されるということは、文明国として当然の義務であるし、また、だんだん作業は進んでおるものと信じておりますが、児童手当制度はどうなっておるんでしょうか。先般も懇談会でいろいろと審議せられるということも聞き、あるいはまた審議作業は相当進捗しておるようなことも聞き、あるいは予算化されるだろうという推測もいたしておったのでありますが、そこまで至っていないということでありますので、児童手当制度、これは児童に関する社会福祉の角度から見ましてきわめて重要な基礎的な一つの問題でございまするが、一体どういうふうにただいまは進められておりますか、この点について御説明を伺って、私の質問を終わります。

首尾木一厚生大臣官房企画室長

○首尾木説明員 児童手当につきましては、四十二年十一月に児童手当懇談会を発足いたしまして、ただいま児童手当懇談会で制度の基本構想につきまして検討していただいておるわけでございます。四十二年十一月二十八日に第一回の会合を開きまして、その後隔月一回、三月には三月二日に行ないまして、また今月二十九日に予定をされております。大体いままで五回ほど行なっておりまして、そろそろ総括的な問題につきまして懇談会の各位の御意見がそれぞれ出ておりますが、まだ最終的に皆さんの御意見を固めるというところまでには至っておりません。  内容としましては、支給の対象とする児童をどうするか、あるいは財源構成をどうするか、制度の立て方をどうするかといったようなこと等をめぐりまして、現在の児童の養育の実態の検討でございますとか、あるいは諸外国の制度の現状でございますとか、そういうことを審議の材料といたしまして、目下検討している次第であります。  私どもとしましては、この児童手当懇談会の結論をなるべく早く出しまして、制度の発足を早期にやりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの問題は、日本の社会保障制度が、内容、水準は別といたしまして、児童手当ができれば大体各種目のかっこうだけはそろうということで、児童手当だけ抜けておるわけでございます。この問題につきましては、再三委員会あるいは本会議等において、総理あるいは各諸代の大臣が、四十三年度までにやりますという言明をしたそうでございますが、それがおくれておりまして、まことに申しわけないと考えております。  問題は、四十四年度は年金の財政再検討の時期でもございまするから、そういういきさつもありまして、気弱なようでありますが、ぜひかっこうだけでもこれはこぎつけたいと考えておるところでございます。

田中正巳自由民主党

○田中主査 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 私は船員保険の問題で実はお伺いしたいのであります。  それで、ただいま児童手当についてお話がありまして、これが出そろえばわが国も文明国として云々というお話もありました。たいへんにけっこうだと思うのでございますが、船員保険については、すでに御案内のとおり、基本になるものは船員法でございまして、一般の船は五トンまでは、乗り組むところの船員は船員保険の適用になるわけでありますが、一方漁船については、二十トン以下のものはそういう保険にははいれない。言うならば一般の国民健康保険というか、そういうものによって保険が実施されている。これは単に保険ばかりの話じゃないのでありますが、いわゆる片方は五トンまで、片方は二十トンまでというような差別がついていることが、いろんな点に問題をかもし出しているわけであります。  そこで、三十八年かと思いますが、その当時までは三十トンまでが漁船の適用範囲であります。そこで二十トンに下げて、これはまあ一歩前進ということであります。ところが、それからもう数年、今日までたっているわけであります。なかなか政府関係筋においてはその前進が認められないというので、私はその後の事情をあわせてお聞きしたいのであります。  まず第一に、保険の問題でありますが、船員保険を先ほど申し上げように漁船の適用を二十トンまで広げた際には、表向きにはそうではございませんでしたが、内々の話では、厚生省保険局の、言うなら抵抗と言っては語弊がありますが、いろいろやっぱり保険財政というか、そういうものもあって、なかなかはかばかしくその当時もいかなかった。しかし最終的には、さっき申し上げたとおりに現在なっているわけでありますが、一番われわれが問題にするのは、その船員保険でありますから、今後一般の船と同様に切り下げるとした場合、保険行政の中で船員保険をやっていく場合いかなる支障があるものか、率直にお答えをいただきたい。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先生おっしゃいましたように、前回におきましてはいろいろこの船員保険の特別会計につきまして、確かに厚生省といたしましては財政状況の問題があったと思います。いろいろ財政が赤字のさなかでございますので、この点を問題にしたと存じますが、最近の財政状況から見ました場合に、四十年度におきましては、疾病部門につきまして約十五億の赤字になっております。ただし特別会計全体におきましては一応黒字という結果になっておるわけでございます。そういう点で、前回にいろいろ申し上げたと思いますその財政赤字問題につきましては、当時の状況と違いまして、非常に緩和をされておるというふうに考えるわけでございます。   〔主査退席、登坂主査代理着席〕 結論といたしまして、われわれの船員保険の被保険者の範囲を、先生おっしゃるように拡大をするというような問題につきましては、今後、運輸省におきます船員法の関係で範囲が適用されました場合には、船員保険法の被保険者の範囲も、それに応じまして広げてまいりたいという考えでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 保険財政というか、そういう面では、前と違ってそんなにも問題はない、こういうお話でありました。  そこで、もう一つお聞きしたいのは、午前中に他の分科会で水産庁の見解を確かめてまいりましたところ、はっきりはいたしませんが、当時やはり問題になりました実態を把握することが困難であるような話を理由の一つにいたしておりますが、もしもこれを拡大していく場合に、厚生省として、実態の把握について困難がたくさんあるのかないのか、見通しはどうなのか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 ちょっと観点が違うかと存じますが、御承知と思いますが、特に船員保険全体では——船員保険は御承知のように総合保険でございますけれども、現在、船員保険でありますと疾病部門でございますが、医療保険全体につきまして、御承知の抜本対策というのを検討いたしております。その一つの重要な柱といたしまして、被用者保険につきまして、五人未満事業所を被用者保険に適用するという一つの問題を検討いたしております。これは直接船員保険と関係がないわけでございますけれども、これは数年来いろいろ国会その他の方面でも言われてきた問題でございますので、その点は今度の改正におきまして、われわれのほうとしましては、被用者保険のほうに適用するという考え方で、現在いたしております。これの一番問題点は、従来から、やはり把握の困難というふうな問題が一つの重大な難関であったわけでございますが、今後、いよいよそういう点に踏み切るという段階になりました場合には、そういう把握の困難というようなことは言っておられませんので、われわれのほうとしましては、そういう五人未満の零細事業所というふうなものにも何らかのくふうをし示して、全力をあげて把握をしていきたいというふうに考えております。  御指摘の船員関係の問題につきましても、従来から把握の困難な問題、確かに相当あったかと思いますけれども、今後の問題としましては、先ほどの五人未満の適用と同じような観点で、できるだけ把握をするという形でくふうをして、抜本対策のときには解決をいたしたいというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 お話がありましたように、船員保険は総合保険でありまして、その点で、小さい船に乗り込んでいる漁船船員をやはりこういう保険の制度の中にかかえ込むというのは当然なされなければならぬだろう、こういうふうにわれわれは考えておるわけであります。御承知のように、漁船の操業の実態を見ましても、二十トン以上の船と同じ漁場で同じ漁法で同じ魚をやはりとっている。これが片方はそういう恩恵には浴し得ない。これは、法のもとに平等であるべきというか、そういう制度の中で当然平等でなくてはならないものが、ことさらに二十トンという人工的な限界を設けて区別していることは、これは考えなければならぬ。それと同時に、また二十トン以下の小さい船に乗っている者ほど、保険ばかりでなくて、たとえば労働条件あるいはその他の一切の問題で、問題が多いわけですね。だからそういう点を考えれば、これは厚生省の責任というか、範囲ではないのでありますが、やはりその一端を握る、担当する厚生省としても、これは前向きで解決すべき問題だろうと私どもは思っているわけです。  ついては、あとから、運輸省船員局長においでをいただきましたから、運輸省の見解もあわせて聞きますけれども、まずもって厚生省としてこの問題を解決するために前向きで今後努力していこうという気がまえであるのかどうか、この点お伺いしたい。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほど申しましたほかに、疾病保険につきましては、先ほど申しましたように抜本改正を企図いたしております。その抜本改正の一つの柱といたしまして、われわれのほうで柱を立てておりますのは、国民皆保険下におきまして、あらゆる国民が一応何らかの保険の被保険者になっておる現在でございますので、その被保険者につきましていわゆる保険料の負担の公平、それから給付割合の不均衡がないようにというのが今回の抜本対策の一つの目標でございます。そういう意味におきまして、先生御指摘のような点は、今後抜本対策の中におきまして、そういう点を解決をいたしてまいりたいというふうに考えております。  ただ、先ほどとの関係におきまして、今後その抜本対策が実現しました際におきましては、あらゆる被保険者について、給付の割合なり保険料負担が、均衡がとれて不公平のないようにするというのが目的でございまして、そういうふうになるはずでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、五人未満の事業所というふうなところを被用者保険に適用するという点を検討いたしておりますが、一番最初に御答弁申し上げましたように、これを船員保険の中に、いわゆる給付の割合も不公平がなくなった状態において船員保険の中に入れるか、あるいはその他の被用者保険の中でこれを救済していくかというふうな問題につきましては、先ほど申しましたように、やはり船員保険法の範囲が拡大をされるということと、従来から並行してまいりましたので、その点は今後検討していきたいと思いますが、現段階におきましては、船員法と歩調を合わせていきたいというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 私は保険のほうはあまり知らない。あなたのほうの説明を聞いていると、やや私の話を取り入れ、それから保険の抜本的改正のほうにやや重みをもっているという、どうも成り行きまかせ、船員法のほうは隣にいる船員局長の責任だから、それが改正すれば入れます、これは当然の話ですよ。当然の話をされたのでは困る。はっきりしろうとにわかるように説明してください。こういう差別があっては困る。抜本改正は私は決して否定しません。保険制度が抜本的に改正されるのはいいことです。負担の公平もいい。しかしいまの船員保険というもののあり方自体に、二十トン以下は入っていない、それ以上は入るのだ、こういう不合理さもあるのだから、それをまず第一に解決してほしいというのが私のいまの希望なんです。意見なんです。かたがた並行的にそれは抜本的改正もおやりになるだろうけれども、まずもっていつになるかわからないが、そのほうで解決しますからというのでは、話がちょっと違うのだが、どうですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 ただいまの御質問が、現在船員保険からはずれておる非常に零細な漁民、そういう人たちが船員保険に入れないで、あるいは普通の健康保険なりあるいは国民健康保険というふうなところに入っておる、それは非常に気の毒でもあり、船員保険に比べて、いわゆる待遇が悪いといいますか、語弊がございますが、そういうふうな御観点で御質問だと思いますが、ただその点は、先ほど抜本対策で申し上げましたように、抜本対策というのは、現在健康保険なり船員保険の特例法が四十四年八月末というふうに、昨年の夏の国会で御修正になりまして、もう一年半あとぐらいになっております。それまでの間に抜本的に改正をして、そして四十四年の九月一日から新しい法律に移行せざるを得ないというふうに、国会のほうの御決議で、そういう進行の過程に現在あるわけでございまして、そう将来の話ではございません。  そこで考えておりますのは、そういう船員保険の適用をはずれておるいわゆる零細な事業所に働いておる人々の問題につきましては、全般に皆保険になっておるのですから、その給付の割合、それから保険料の負担の公平というものを企図いたしまして、いま制度の抜本的な改革を検討いたしておるわけでございまして、おっしゃるような御趣旨の点は、その中で当然解決をしなければならぬというふうに考えておるということを申し上げたわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 そうしますと、結論的には、四十四年中に一応抜本的な改正は結論をつけるということであるから、それまで待っていてもらうが、それまでは、中間において船員法の適用を拡大するがごときは、それはめんどうである、と言っては語弊がある。そうは言いませんでしたが、そういうことはやらぬので四十四年までひとつ待ってもらうという結論になろうかと思うのですね。いまのお話は、そういう意味ですか。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 先ほ申し上げましたように、その零細な被保険者の方々を船員保険に取り込むということにつきましては、やはり従来からのいきさつもございまして、船員法のほうで範囲を広げられました時点に、われわれのほうとしては船員保険の中に取り込んでまいりたいということでございます。それが四十四年の八月までにできないという事態のときには、そう遠い話ではございませんので、現在抜本改正、医療保険全体の制度について検討いたしておりますので、そのときには、いわゆる給付割合あるいは保険料の負担について不公平のないようにということを目的にして、あらゆる制度を検討いたしておりますので、そういう目的が達成されれば、先生おっしゃるような零細な被保険者であっても、別に船員保険に入らなくても、国民健康保険の被保険者であっても、あるいは健康保険組合の被保険者であっても、保険料負担なり給付の割合なりが公平になれば、それで皆保険下におきましては目的を達せられるのではないか、こういう趣旨の改革を、われわれの事務当局としては現在試案を天下に公表して検討を進めておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 あなたの説明がややこしいので、よくわからぬ。というより、ごまかされているようですな。あなたのほうは、船員法が改正になれば二十トン未満のものも取り込みます——あたりまえの話ですよ、そんなことは。そんなことにするためには、やはり前向きで考えてもらわなければいかぬということを前もって言っているわけですよ。あなたに言うのは、何というか、協力してもらいたい一わきにいる船員局長はあまりやりたがらないようだけれども、やらせるつもりでおります。そんな不合理な話あるものかと言っているのですよ。  そのときにあなたは、四十四年のうちに抜本的に総合保険の改正をやるので、船員保険に入らなくても同じだというふうになるかもしれませんが、それまで待ってくれという抵抗を必ずするに違いない。これは前に経験しているのですから。だからきょうは、わざわざ分科会に来て、大臣いらっしゃる前で僕が言っているのは、このことなんです。隣の船員局長がやるというときには水産庁が反対します。それからその次に、厚生省がまた反対します。これは過去の経験からいって、そうなんです。そういう経験を持っているから、前もって石を一つ一つ置いていこうというので、きょうは分科会へ出てきてやっているのですよ。おわかりでしょう。保険の仕組みの中身はわかりませんよ。わかりませんが、不平等でしょう、こんなもの。だからこれを改正してほしい。  きょうは大臣にあとで一言御意見を承りますが、船員局長に申し上げましょう。船員法の問題を中心に考えているわけですが、厚生省の席へ本物の運輸省から出ていただくことは私もどうかと思ったのだが、やはり話はできる限りよけいにしておいたほうがいいと思って出席を要求したのです。船員法の二十トン未満を一般機船と同様にするというか、一般の船と同様にするという考えは、運輸省の中にはいまあるのかないのか、その点返事をしてもらいたい。

河毛一郎運輸省船員局長

○河毛政府委員 先ほど来の久保先生の御質問の中にもございますように、現在の船員法は、商船につきましては五トン以上、漁船につきましては、こまかい点はございますが、大ざっぱに申し上げますと二十トン以上ということで、その適用範囲に相当大きな差があるということはそのとおりでございます。  そこで、これらの問題につきましては、前回の昭和三十七年の法改正におきまして、漁船は三十トンより原則的に二十トンに下げられたということがございます。それから、そのときの船員法の改正理由といたしまして、根本的に申し上げますと、やはりこの新しく適用対象になります船というものが非常に沖合いに進出していくということで、やはり海上における労働の特殊性というものが非常に顕著になってきたということが、その法改正の理由であろうと考えております。そこで、この法改正の理由でもわかりますように、やはり船員法というものが、一つの海上労働に対しまして特別の立法がされております理由は、やはり陸上から隔絶されまして長期に航海する、そういった長期に航海するという事実からくる特殊な海上労働の保護が行なわれなければならないということが、根本的な船員法の制定理由であろうかと存じます。したがいまして、私どもはあくまでも、船員法を今後どのようにするかということを考えます場合に、基本的にそのような考え方に沿ってこの問題を考えていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。  そこで、先ほどから御質問でございますが、それでは現在船員法を適用されていない二十トン未満の漁船についての実情はどうであるかということでございます。これにつきましては、御承知のとおり労働基準法が適用されておりまして、私どものほうで直接的に二十トン未満の漁船につきまして実態を把握するというよりは、むしろ直接これについて監督されております労働省あるいは水産庁からの資料、あるいはそのときどきに起こるいろいろな現象を通じまして、概括的な把握をいたしておるわけでございますが、そういったいろいろな状況を判断いたしますと、二十トン未満の船といえども、こういった船員法の本来持っております海上労働の特殊性という観点から見て、やはり船員法というものを適用すべきものがあるという実態があるということは申し上げられるのではなかろうか。したがいまして、将来、現在の二十トン未満という範囲を拡大していくということは、私どもといたしましても前向きの方向で検討を必要とする問題であると考えております。ただ、私どもといたしましても、今後早急に、現在概括的にそのような必要性は認めておるわけでございますが、やはり船員法を適用拡大する以上は、二十トン未満の漁船につきまして、基本的に労働省、水産庁、あるいは場合によりましては厚生省ともいろいろ共同に二十トン未満の就労実態というものを徹底的に調査してまいりたい。その結果、船員法をどこまで適用拡大することが適当であるかということを海上労働の特殊性から検討いたしまして、御趣旨のような点に沿えますよう今後検討をしてまいりたい、こう考える次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保分科員 長いお話がありましたが、結論としては、お話は直ちに手がかけられないということ、長期に航海するというのがその船員法のたてまえである、そんなのないですよ。昔、制定当時はそうだった。いまは違うんですよ。海の上で働く者は船員法で律するというのが正しいやり方なんです。  というのは、労働条件一つとっても、御承知のように、たとえば勤務時間がおかのほうとはもうまるっきり違うんですよ。勤務時間というか労働時間、それから休日についてもそうなんですよ。しかも船員法については、漁船船員については労働条件の主要部分であるいわゆる労働時間、休日、そういうものの条項は適用除外になっているわけですね、そうでしょう。それから、船員法の中で漁船船員というのは特殊な扱いになっているわけです。だから、それ以上に今度はおかのほうの労働基準というもので律することは——いままでいわゆる時代が古い、ずっと過去においては大体二十トンぐらいの船はそんなに遠くへ行けない、おかの見えるところで操業している。最近はおかの見えるところはもう魚はとれないわけであります。今度性能もよくして沖合いへ行くということでありますから、全然違うんですよ。そういうことは長期に滞在するかどうかの問題ではなくて、海の上で労働するかどうかの問題で、それをきちっときめるのが一番正しいんですよ。そうでなければ、機船は五トン以上は全部ですよ。五トンという船はどういう船ですか。五トンぐらいの船で長期に海上でやっていますか。おそらくやっていないですな。五トンなんて船はやってないですよ。もともと漁船については特殊な扱いをしてきたんです。だから、これはやはり時代に合ったように改正していくというのがたてまえだと思うんです。  それから、いまこれは保険の話から入ってきているのでありますが、保険一つとったって、先ほどのお話では何かうまいぐあいになるような話をしておりますが、ちっともうまいぐあいになるようでないんです。疾病の保険、それは給付と待遇が同じになるかもしれませんよ。ところが、いま一番必要なのは何だろうかというと、こういう零細漁業の中に働いている、しかもこの一番気の毒な漁民、漁船船員の生活、それは失業したときの失業保険の問題なんです。もらえない。それから年金も何とかしてもらいたい。これは当然だと思うのです。そういうのから除外されていいはずのものは私は何もないものと思うのです。だから、あなたのおっしゃる長期に海上で労働するとか船を動かすというのなんか、そんなのは基準法は古い。大体船員法ができた当時の話ですよ。いままさに日進月歩であります。そういう基準法は捨てなければならぬ。捨てないとするならば、五トンの機船というのか、一般の船と、漁船の二十トン未満の船とはどんな違いがあるのだろうか。たとえば北氷洋で鮭鱒か底びきか知りませんが、七トンか八トンの船を安全の問題もありまして就業規則の改正によって縛らねばならぬという御意見もあるようでありますが、縛る前にこれは安全の装置をつけるべきなんです。七トンや八トンの船が百海里、二百海里も先に行って操業しているのです。これが日帰りできますか。おそらく漁場につくのに二日も三日もかかる。そこで操業して帰ってくるのに一週間やそこらかかってしまう。そういうのは船員法から除外されて、よってもって船員保険から除外される。そういう不合理な点を直すことがさしあたっての任務じゃないでしょうか。  私は、二十トンにするときは妥協しました。一歩前進ということで涙をのもうということでやった。ところが、その当時運輸省の力も、いまより幾らか強いかもしれませんが、弱いし、やろうといってやったんだ。厚生省というか、保険庁というか知りませんが、そのほうの抵抗もたしかあった。水産庁はなおさらあった。とうとう二十トンで押し切られた。この次はというところで適用除外になっておる漁船船員が九万人から十万人いるのですよ。だからそういうことを考えれば、こういう不合理だけくらいは、理想的な保険のあり方を検討されてつくり上げることも非常に大事だと思うのであります。いま救わねばならない者が不平等の中で呻吟しているとするならば、それを引き上げてやることがやはり行政じゃないですか。あなたがやることだと思う。その意味でひとつ前向きで考えてほしいと思うのです。  突然の質問でありますからどうかと思うのですが、厚生大臣いかがでしょう。こういうものは何とかひとつ手をかしていただきたいと思うのです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 厚生省のほうは、いま局長の答弁でもいままで困難であった財政上の問題、実態調査の問題等必ずしも困難ではないという状態でありますから、御意見承りまして、関係各省より話があれば前向きの姿勢で検討したいと考えます。

田中正巳自由民主党

○田中主査 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 私は、特に社会の底辺と申しますか、一番恵まれない立場にありますハンセン氏病患者の対策の問題につきまして、幾つか大臣にお尋ねいたしたいと思うのです。  園田厚生大臣は御出身が熊本でありますが、熊本には菊池恵楓園もございまして、ハンセン氏病患者の実情なりあるいは国立療養所の実情につきましては、十分御存じだと思います。園田厚生大臣の任期のうちにぜひとも画期的なハンセン氏病対策を進めていただくことを冒頭特にお願いいたしておきたいと思うのです。  それで、質問に移りたいと思いますが、結核患者に対して支給されますところの日用品費につきましては、かの朝日裁判で憲法論議を巻き起こした重大な一つの問題になったわけでありますが、この日用品費が、昭和四十三年度予算で月額幾ら支給されることになるのか。また、障害者加算については一体幾ら支給されますか。あわせてハンセン氏病患者に対する本年度予算の支給金額をお尋ねしたいと思うのです。月額でありますが、慰安金はお幾らであるか、それから不自由者慰安金は幾らか、生活物品費は幾らであるか、現物支給は幾らか、それから外国人に対する慰安金は幾らであるか、まずその点をお聞かせをいただきたいと思います。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 支給する金額、種類、いろいろありますので、一番目の日用品費と称するものでございますが、これは生活保護法では日用品費と言っておりますが、私どものほうでは患者生活物品費及び被服寝具費と称しておりますが、これは現物給付になるものでございますが、この金額が合わせて五百四十七円、患者慰安金は通常のベースのもので九百五十円、さらに作業賞与金につきましては、特別作業賞与金の甲と乙と二つに分けてあります。甲といいますのは特別作業、乙というのは単純な作業でございますが、甲が百五十七円、乙が五十五円ということになっております。なお、外国人の慰安金は、普通の慰安金は先ほど申しました九百五十円でございますが、これに不自由者慰安金として外国人その他年金等を受け取っていない患者に対する分として月額千二百五十円であります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 それから、結核のほうはわかりませんか。生活保護……。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 この方面は社会局でやっておりますが、社会局長がおられませんので、さしあたり私お答えいたしますが、四十二年度は生保の日用品費は二千七百五十円でありましたが、これはまだ明年度の金額はさだかにはきまっておりませんが、ある程度の改善をするという予定になっているはずでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 そうしますと、結核で生保で入院しておられます方、そして障害加算を受けておいでの方は昭和四十二年度ベースで四千九百五十円、この金額もたいへん少な過ぎるというので憲法裁判まで起こした問題であります。ところがハンセン氏病患者の方々につきましては、この憲法論議を起こしました結核の生保入院患者の方々に支給せられる金額よりも現実に少ない、こういうケースがたいへん起きるわけですね。ハンセン氏病患者の方の場合、昭和四十二年度ベースでいって障害年金を二千二百円受けている。それから慰安金を九百五十円支給される。ことしは物品費が五百四十七円だそうですが、昨年度ベースでいけばこれが四百十二円、それから不自由者慰安金が二百五十円、こういうものを考えていけば、結局四千円にならないわけですね。そういたしますと、この昭和四十二年度ベースで朝日裁判を起こしたようなきわめて非人間的な、憲法二十五条にいうところの健康にして文化的な生活などは全く保障し得ないということで問題になりました。この結核の生保入院患者の方々よりもさらに少ない支給でもって、しかもハンセン氏病という——ハンセン氏病は伝染病だということになっておりますが、しかし、まだまだ日本の現状ではこれは遺伝ではないかというような偏見すら多いわけであります。   〔登坂主査代理退席、主査着席〕 そういう中で非常にみじめな思いをして暮らしておられる方々、しかもこれらの方々に支給されます金額というものは非常に少ない、こういうことについて私は問題ではないかと思うのですが、大臣どうですか。少なくともハンセン氏病の方々に対して給付せられます慰安金、あるいは不自由者慰安金、現物支給、こういうものを大幅に改善をして——この生保患者の方々よりも下回るというそれ自体が問題だと思います。しかし私はこの議論はここではおきたいと思いますが、少なくとも結核で生保入院しておられます方々よりも下回るというようなことだけはすみやかに私は改善をしていただきたいと思うのですが、御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 改善すべきであると考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 ひとつこれは明年度予算におきまして必ず改善をするという強い決意で当たっていただくことを特にお願いをいたしたいと思うのです。そういうおつもりで拝聴してよろしゅうございますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 けっこうでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 ひとつ事務当局のほうもその決意でやってもらうように、これはお願いしておきます。  それでは、次に問題にいたしたいのは、外国人の方々の場合であります。日本の国立療養所には朝鮮の方々が数多く療養しておられることは大臣も御存じだと思います。それからまた、沖繩におきましてはハンセン氏病患者が非常に多い状況でありますそ。してまた、沖繩出身の方が内地の国立療養所にも数多くおいでであります。しかし残念ながら、この日本人である沖繩の方々が外国人と同じような取り扱いを受けておるということは、私はこれは絶対に不合理ではないかと思うのですが、こういう点は一体どうお考えでありますか。——福祉年金の場合そうですよ。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 沖繩におきましては、福祉年金の制度のうち老齢福祉年金の制度はすでに発足しておりますが……。(山口(鶴)分科員「障害福祉年金」と呼ぶ)障害福祉年金が始まることと相なると思います。ただいま準備をしております。琉球政府でやっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 ですから、日本国内におられる沖繩出身の方は障害福祉年金の支給の適用から除外されておる。この現状をお認めになりますね。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 日本国内にいらっしゃる方につきましては、もちろん日本の福祉年金を支給しております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 現行そうですが、間違いありませんね、それは。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 間違いございません。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 それは現在、沖繩の国籍というのもおかしいですが、沖繩籍の方は一体どうかということですよ。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 間違いございませんで、その方々は沖繩にお帰りになったときは日本の障害年金の支給は停止せられる。日本国内に居住しておられる間は障害年金を支給する、こういうことになっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 沖繩には日本の内地以上の高率でハンセン氏病患者がたくさんおられることは、皆さんも御案内だと思うのです。そういう方が日本内地においでの場合はよろしいけれども、現在沖繩に居住されておられます場合におきましては、この福祉年金についてはこれから始まるということでありまして、その点はたいへん私ども残念に思うのです。ですから、この点につきましては準備しておるということでありますが、現実にいつからその支給が開始される予定でありますか、あわせてひとつお聞かせいただきたいと思います。

伊部英男厚生省年金局長

○伊部政府委員 沖繩の福祉年金につきましては、老齢に関するものが昨年の七月一日から実施をされておるのでございますが、障害及び母子につきましては今年の七月一日から支給される予定でございます。なお、これに対しまして八五%が日政援助になっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 この韓国籍の方は、障害がいかにひどかろうと障害年金の適用は受けていないわけです。したがって、一千円ですか、外国人の方々に対する慰安金並びに、不自由な方々であっても不自由者慰安金の二百五十円、合計千二百五十円、これだけの支給しかない。もちろん慰安金の九百五十円はありますけれども、年金に相当するものはない。したがって、障害の程度がいかにひどかろうとも、この慰安金九百五十円と千二百五十円、二千円ちょっとの手当しか支給されていないで、他の方々に比べて非常に不自由な思いをして療養されておるという現状だと思うのです。  これを改善するために外国人の方々、特に障害をお持ちの方々に対して、もう少し同じ——日本の国の療養所の中におられるわけでありますから、これは朝鮮の人たちといわず、他の国の方も若干おられます。ロシア人の方もおられるようでありますが、そういう方々についてもやはり同じような取り扱いをすべきではないか、かように思うのですけれども、その点はどうでしょうか。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 現在国民年金法のたてまえといたしましては、日本国民に対しましてしか適用しないということになっておりますので、まことに残念でありますがそういうことであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 ですから、私は年金でやれと言っているのではない。だけど、年金ではそういう点で差別がございますから、そのかわり厚生省の国立療養所の経費においてそういった差額を埋めるための外国人に対する慰安金と申しますか、そういうものを増額してこの落差を埋める、そういったあたたかな配慮というものを考えないかということです。そういう点はどうでしょうか。医務局長のほうから……。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 私どもも、同じ療養所の中に住んでおりますのに、適用を受けます年金の種類によって非常に格差があるということは必ずしも適切でないし、また療養所の運営上もいろんな問題がありますので、できるだけこの格差を縮めたいという意味で、先ほども千二百五十円というものを外国人その他年金非適用者だけに特別に認めている制度がございますので、この点を少しでも伸ばしてできるだけこの点の落差を縮めてまいりたいと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 その点はひとつ大臣も、先ほどの生保結核の入院患者の方に対する差別を埋めていくという御決意の一環として、この外国人の方々に対する慰安金についても配慮いただくようにお願したいと思うのです。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 了承いたしました。  なお、先ほどの質問の中で沖繩の方々のお話がありましたが、これは原爆の治療などでときどき出先で事務上の手違い等もありますからもし何かありましたらお申し出を願えれば検討いたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 それでは、次に福祉年金と、それから国民年金の障害年金等の関係についてお尋ねをいたしたいと思うのです。  ハンセン氏病患者の方々は、ほとんどといっていいくらい障害があるわけであります。視力ゼロの盲人の方が一万人の患者の方々のうち一二%に当たる千二百名に達している。それから年金法によるところの一級障害の方々をこれに含めますと二千人、全患者の二割の方々が盲人だ、こういう状態であります。ところで、昭和三十六年の四月一日以降いわゆる拠出制の年金制度が発足をしたわけでありますけれども、それ以降に入院されて盲人であるという場合はこれはよろしいわけでありますけれども、問題は、障害の発生した時点が——ハンセン氏病の患者の方は国立療養所に入所されたときがすなわちこの障害の発生した時点だという取り扱いを受けているようであります。そうしますと、二千人もおられる盲人の方々のほとんど大部分が、結局この入所した時点の関係から拠出制の障害年金の適用にならない、いわゆる福祉障害年金の適用である。したがって、六千円の支給にはならない、こういうことになっているようであります。したがって、この点につきましては、このハンセン氏病の患者の方の病気の発生は、初めて入院した初診日が発生したときなのか、あるいはその後盲人になったのが一体いつなのか、こういう点の認定のしかたで、拠出制年金適用か福祉年金適用かということで大きく違ってくると思うのでありますが、こういったものについては配慮ある措置をやってもいいのではないか。特にハンセン氏病患者の方は普通の盲人とは違うわけです。通常の盲人の方は確かに視力はないかもしれぬ。そのかわり触覚といいますか、これは非常に発達している。またそうでなければ暮らしていけないと思うのです。ところがハンセン氏病患者の方は触覚すらない、そうしてめくらである、また指なんかもほとんどない方が多い、こういう状態であります。ですから、普通の盲人の方に比べてこの障害の度合いたるや、はかり知れないほど多いと私は思うのです。そういう方が拠出制ではないほうの福祉障害年金の月額今度は二千五百円かの対象にしかならぬということでは、いかにもかわいそうではないか。これは人道の上からいっても許されぬのではないかと思うのですが、この点は何とかなりませんですか。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 先生の御指摘になりましたように、拠出年金になるかどうかということは、結局障害の認定をいつにするかということにかかるわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましては、そこはおっしゃいますとおり親切な気持ちで判定をして、もしも拠出年金に認定できるというものであったならばそのようにするように指導いたします。  それで、その結果、国立療養所に入っておる患者さんの中で昭和四十一年の二月一日に拠出制の障害年金をもらった方は七名しかおりませんでした。それが新しいことしの二月一日現在では二百六十四名の方が拠出制の障害年金の受給者になっておられます。  そういうふうに、認定の問題でございますが、これは実は昭和四十一年の国民年金法の改正によりまして、従来初診日を中心にして、その以前における被保険者期間をとりましたところ、それを  一応改正して認定日の前までにどのくらいの期間があるかというふうに改正になりましたので、この結果相当救われるようになった、こういうふうに存じております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 しかし、盲人の方が先ほど私が申し上げたように二千人からおるわけです。ハンセン氏病全患者の二割です。いまのお話ですと二百六十四人しかこの拠出年金の対象にはなっていない。これは盲人の方ばかりでなくて、他の障害もあるかもしれませんね。そうしますと、現に視力が全くない。しかも先ほど申し上げたように触覚も、知覚と申しますか、そういうものも非常に乏しい、こういう方が二千人もおられるのに二百何十人かの方しか拠出制年金の対象になっていないということになり、大部分はこの二千五百円の少額の福祉年金の適用になっているということは、まだまだ私は実情から見て不十分じゃないかと思うのです。  しかも、大臣は御案内だと思うのですが、療養所の中にみな一緒に共同生活をしてやっているわけですね。障害の度合いたるやみんな同じなわけです。ところが、認定のしかたによって、片や六千円ですか、あるいは六千円ないしは五千円の年金がもらえる、片や二千五百円だ。これでは共同生活を営むにあたって、私は非常によくないと思うのです。ですから、この点につきましては法律もございましょう、法律の三十条の解釈、運用をどうするということもあろうと思いますが、できる限りこの三十条の適用、運用というものを幅広く御理解をいただいて、そうして特にハンセン氏病患看の方々の認定にあたっては十分配慮いただくように、私はこれはお願いをしたいと思うのです。そういうお気持ちはありましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 そのような方針で処理いたさせます。  なおまた、年金の差額は逐次縮めていかなければならない、これは年金の仕組みに差があるわけでありますから、ただいま出しております法律案もこの年金の引き上げの法律案でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 漸次この拠出年金と無拠出の年金と福祉年金との差が詰まっていきますならば、そういう点での状況というものは改善をされていくと思うのですが、そういった制度の上からこれを改善をしていく方法が一つ。それからいま一つは、現行法の中にあって、先ほど私がお尋ねをしたような運用、適用のしかたにおいて、いわゆる行政的な措置において、その共同生活の円満を期すような方向で御努力をいただき、両々相まって私はやっていただきたいと思うのです。そういう意味でお願いをいたしたいと存じます。  それから第五十一国会の社会労働委員会の附帯決議で「年金加入前の障害についても拠出制年金の支給対象とすること等社会保障の精神に従って改善を図ること。」という決議がされておると承っておるわけであります。先ほど私がお尋ねをいたしましたのも、一つにはこの附帯決議の精神を生かして措置していただきたいということでありますが、この点につきましては行政当局としても附帯決議の趣旨を実現する方向で努力をしているということでございますね。

中村一成社会保険庁年金保険部長

○中村政府委員 去る四十一年五月三十日におきますところの附帯決議の第二項に書いてございますことにつきましては、もとより私ども行政当局としては誠意を持って検討にあたっておるつもりでございますが、実施の場合におきまして、いま先生の御指摘になりましたように障害の認定等につきまして、その時期等につきまして範囲の問題はございますが、制度といたしましては年金加入前の障害についても拠出制年金の支給対象にするということは、国民年金制度のたてまえ上、これはなかなか困難なことではないか、こういうふうに考えておるわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 内容的には先ほどの質疑応答のような趣旨で御努力をいただきたいと思います。  それから、時間もありませんから、もう一点だけ最後にお尋ねしてやめたいと思うのです。  これはいま科学技術の進歩、医薬品の進歩等によりまして、無菌状態になっておる方々が非常に増加をいたしております。このことは私は非常にけっこうなことだと思っておりますプロミンの投与、その他薬品の改善によりまして、無菌状態の方が非常にふえておる。問題はこれらの方々のいわば今後の生活設計というものを一体どうしたらいいかという問題であります。  先ほど申し上げたように、ハンセン氏病患者の方々につきましては、まだ偏見が非常に多いわけであります。伝染病だという認識が非常に乏しい。何か遺伝だというような偏見が多いわけであります。しかも、無菌状態になりましても、毛髪が抜けた者はそのままである。あるいは指等が欠けました場合は、やはりそのままであります。そういたしますと、菌は出ていないけれども、外見上患者らしい痕跡というものを非常に残しているということであります。それからまた知覚等につきましても、無菌状態になってもこれが改善されるわけではありません。そうなってまいりますと、無菌状態になった、いわば病理学的にいえば治癒したかもしれませんが、なかなか一般社会に復帰して職業につくということは困難である。これはもう御理解をいただけると思うのです。そういたしますと、そういう方々に対して、職業指導をし、所内で生活をしながらいろいろな職業の指導をし、所内においてできる仕事をあっせんすることによって、できる限り通常の社会の方々の所得と変わらぬようなそういう所得が得られるような、そういう指導というものが必要じゃないか、そういう対策が必要じゃないかと思うのですが、そういう点について厚生省当局では一体どうお考えで、どういう計画でございますか、その点をひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 お話のように、無菌になった者で社会復帰できる者についての職業訓練的な作業をやらせてはどうかという御趣旨でございますが、私ども、できるだけそのような社会復帰に備えて技能を身につけさせてやりたいという趣旨で、自動車の運転、その他できるだけ所内でできる作業の便宜をはかるように取り計らっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 同時に官庁等で、こういう方方——特に偏見もあるわけでありまして、なかなか一般の職業におつきになるということが困難なことは私も十分予想するわけでありますが、そういった偏見を断ち切っていくためにも、私はこういう無菌状態になった方々を、官庁等で雇用していくということは当然考えていいんじゃないかと思いますが、そういう点はどうですか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中政府委員 先ほど来御指摘のようにハンセン氏病の型別の分類を見てまいりますと、七五%程度が、これは現在入所しておる者でありますが、結節系の患者でございまして、この中で大体一〇%前後が感染性の可能性があるのではないかというふうな学者の資料、数字が出ております。  全般的に、御指摘のように薬物の非常な進歩によりまして、最近、外見上健康者とほとんど変わらないようになっております。そういうことから見まして、ここ数年来、私どもは全般的なハンセン氏病対策といたしまして、できるだけ社会とのつながりを持たせるというふうな基本的な姿勢で指導をいたしております。昨年も一昨年もそういうふうな趣旨から里帰りというふうなことを通じまして、できるだけ生まれた故郷と患者との交流というようなことを考えて、こういう形で将来はだんだんハンセン氏病の軽快者、治癒者については社会復帰をはかっていくべきだと考えております。  ただ、御指摘のように、長い療養生活のために社会と隔絶してしまって、なかなか一歩飛び込んで社会に入っていくということが患者自身に非常に気骨が折れるというふうな問題もありまして、中には一応病状は固定ないし軽快しているけれども、まだ当分療養所の中で生活を続けたい、こういう希望者があるわけでございますが、これらにつきましては、先ほど医務局長が申しましたような所内での生業をできるだけはかっていく。所外に出る希望者については、生業資金等の制度を設けまして、現在処理をしているわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)分科員 これで終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 広沢賢一君。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 私は、婦人相談員の常勤化の問題、それから、身体障害者の問題、それから、同和対策について、この三つをお尋ねします。時間が短いですから、少し欲ばり過ぎているのですが、まず、婦人相談員の問題についてお聞きします。  厚生大臣、いま、日本でもって性病患者はどのくらいいるかよく御存じですか。どのくらいいると思いますか。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中政府委員 性病患者は、現在、国内にどのくらいいるかということのお尋ねでございますが、現在、性病予防法に基づきまして、妊娠している婦人の方、それから、結婚する男性、女性、こういう人たちは、できるだけ血液についての健康診断を受けるようにというふうな、法律に基づいた指導を現在いたしております。   〔主査退席、登坂主査代理着席〕  この数字から類推いたしますと、大体一ないし一・二%前後の血液の陽性者というのが出ております。御承知のように、血液が陽性になったからといって、そのまま性病、梅毒であるというふうにはつながりにくい、現在の検査の能力の限界があるわけでございます。そういうことで、これをもとといたしますと、一億の国民といたしますと、大体百万前後の性病というか、血液の検査の陽性者がいるというふうなことになろうかと思います。ただ、ある学者によっては、五百万人というふうな、そういう調査をした方もおられますが、この辺の信憑性というものは、まだ、よく承知いたしておりまん。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 とにかく、正式には百万人というのですけれども、よくものの本では、五百万人、というと、一億の人間の中でたいへんな数の性病患者がいる。  例をあげますと、この原因ですが、東京都でトルコぶろの女の人ですね、これが、四十二年の警視庁の調査だと、大体四千三百名、これは、性病患者じゃないですよ、赤線時代の従業婦は四千四百名で、ほぼこれに追いついている。ベトナムの帰休兵相手の売春婦が目立っていることは、もう御存じだと思うのです。こういうような状態は、これは国を滅ぼすもとだといわれておりますが、この仕事は、それじゃ、どうやって防止をするかというと、売春防止法の発動以来十一年間、表面は売春は減ったけれども、潜在化し、悪質化するということは、いろんな本に書いてあります。これに対して、警視庁、警察で取り締まっただけでは、これは根本は解決する問題じゃないですね。問題は、どういうことかといったら、こういうことに対して非常にいろいろと、こうしたことに転落しそうな婦人、それから、転落したあとの対策を非常に親切に、一生懸命やっている人が、これが婦人相談員。これは厚生大臣もよく御存じだと思うのですが、この婦人相談員、こんなたいへんな仕事ですが、朝から晩まで、それからひもにおどかされて、それで苦労している。その婦人相談員の、大体非常勤ですが、給料はどのくらいか、厚生大臣、御存じでございますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 四十三年度で一万七千八百円でございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 全く一万七千八百円で食べていかれないことは、あたりまえだと思うのです。非常勤だといいますが、この婦人相談員の仕事を見ていますと、東京、福岡で見ておりますと、もうすでに福岡では常勤化されました。なぜならば、こういう大都市で非常に重要な仕事をされている婦人相談員は、朝から晩まで、非常勤じゃなくて、常勤に近い実働時間をかけております。それで、福岡としては、常勤にしまして、三万八千四百六十一円の報酬を出しております。ところが、同じ福岡でも、先ほど言ったように、柳川市なんというのは、一万五千円ですね。  それで、東京でも、婦人相談員の常勤化というのは非常に大きな問題になっているのですが、地方自治体の条例で常勤にできるのです。ところが、東京の場合の返事でございますが、東京で美濃部さんが、これを常勤化しようということで骨を折りました。で、予算も計上したのです。わずかですから計上したのですが、そうしたらば、法改正をしていないから、つまり、売春防止法の中の第十七条の四項でございますが、「婦人相談員は、非常勤とし、社会的信望があり、かつ、前項に規定する婦人相談員の職務を行うに必要な熱意と識見をもっている者のうちから、都道府県知事又は市長が任命する。」この非常勤ということですが、これに対して、常勤化することもできるということばを一言入れれば、東京なんかはもうすぐ常勤化することができるのです。福岡のようにちゃんときちっと恵まれたような形にすることができるのですが、厚生大臣、この条項を変えるということについては、どうお考えになりますか。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 実情を申し上げます。これは十分御存じだと思いますけれども、三十一年に売春防止法ができます当時は、普通の県や市の常勤職員ということでなしに、相手の対象が対象でありますだけに、相当経験も積み、年輩もいっているというふうな人、たとえば家庭の主婦であってもりっぱな人がおれば知事さんや市長が委嘱する。しかも、四六時中縛りつけるのじゃなしに、週に三回でも四回でも来てもらってと、いわば非常に専門的な、民生委員さんのようなものの考え方が非常に強くて、それで法律はやはり非常勤として、広くそういう経験者を集めようじゃないかということで、こういう第四項の規定ができたわけでございます。  いまおっしゃいますように、常勤の問題となりますと、当然これは「婦人相談員は、非常勤とし、」というところを直さなければなりませんが、私ども、そういう御要望がありますので、いろいろ県とも相談をいたしております。実は迷っておりますのは、たとえば県は強制設置、それから、市のほうは置いてもよろしいという規定でありますが、年齢別に見ますと、五十歳未満が、全部が四百七十五名に対し、百五十三名、五十歳以上は三百二十二名と、非常に圧倒的に五十歳以上の人が多いので、こういうふうな人の場合に常勤化するということは、非常に県なり市なりでいろいろ問題があるということ。それから、婦人相談員の場合におきましても、常勤ということになりますと六日間つとめなければならない。そういう事情にない家庭の人も相当入っておられますので、その辺どういうふうに踏み切るべきか、私ども、県といろいろ相談をしている、そういうふうな段階であります。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 いろいろ婦人相談員の実情をよく聞きましたら、こういうことがわかりました。というのは、こういうことですね。最近、大都市では、非常に名誉職のような、おばあさんみたいな方がだんだん役に立たなくなってきた、仕事は非常に重いし、たいへんな仕事ですから。そこで、経験豊かな中年もしくは若い方が大都市ではつとめるというような傾向、能率をあげているという傾向が出てまいりました。定年制になるんじゃないかということを心配しまして、常勤化すると定年制に引っかかると困るということを相談しましたら、こういう御返事がまいりました。つまり、いまでもたとえば東京都の結婚相談員の平均年齢が六十八歳で、八十をこえる者もいる、それで、これが二十代の人の結婚相談に適当かというと、全然適当でなくて、家庭裁判所の判事さんが耳をこうやって傾けて何回も念を押さなければならぬような、そういうお年寄りは、遠慮をしてもらいたいという声が非常に強いそうです。  私が申し上げましたのは、定年制がひっかかりそうな、そういうお年寄りで、豊かな方が二、三人おられると思うのですよ。それは差しつかえないのです。つまり常勤化することができるということ、ですから非常勤の人がいてもかまわない、そういうような条項にすれば——相当もう、すでに進んでいます。常勤実施の県は福岡、石川、新潟それから広島、群馬、尼崎、その他母子家庭の相談を兼ねたりして、とにかく常勤している人がいるのです。それから東京では与野党満場一致で常勤化請願を採択しまして、昭和四十一年の十月でございますが、各大臣にあてて意見書を送りました。四十二年都庁より福祉審議会に諮問して常勤化を適当とするという回答が出ております。こういう問題について、もうすでに結論が出ておりますから、厚生省としては前向きに善処をすべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまの御意見の婦人相談員、それから御意見には出ておりませんが民生委員、こういうものができた当初は、やや余裕があって有識者ということになっておりますが、その階級が逐次変身してきております。それから、御指摘のように非常に老齢化してきておって、若い者の悩みなどは聞くような態勢は非常に少ない、そういうことからいろいろ諸問題になって出てきておりまして、厚生省の行政と第一線の国民との間のパイプが切れかかっているのはそこらに問題がある。なおまた、地方自治団体は、申しにくいことでございますけれども、選挙等のこともございまして、そういった古い人がいつまでもおるというようなところに、なかなか端末まで事務がまいりません。こういう問題、両者とも入れて前向きで、しかも大きな問題として検討したいと考えております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 前向きに大きく前進するということを期待しまして、私どもも努力をいたします。  次に身体障害者の問題についてお聞きします。身体障害者の問題は、御承知のとおり、すでにこれも新聞並びに世論が大きく盛り上げて与野党あげてこの案をつくっております。したがいまして、この問題について大きく前進する機会だと思いますし、たとえばいろいろな家庭の悲劇、身障者をかかえたお医者さんがとうとう悩みあぐんだ末、子供を安楽死させたという事件があります。そのためにきゅう然たる同情が集まって、減刑の運動が非常に広がっております。これは警察署の署長さんをはじめとして、与野党あげてやっておりますが、しかしこういう悲劇があとを断ちません。それ以来、またあそこでお母さんが子供を殺したとかという悲劇はずっと新聞に出ておりますが、この身体障害者の問題については、七カ年計画というのを社会保障制度審議会等で設定しまして、これから本格的に取り組もうという動きが出ております。それについて厚生省としてはどういうようにお取り組みになっておりますか、まずお伺いしたいと思います。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 御質問の重症心身障害児の対策につきましては、まず正確にその心身障害児あるいは重症心身障害者の数を把握することが必要でございまして、一昨年その調査を全国的に行ないましたところ、施設に収容を要すべき数が一万六千五百名ということに相なっておるわけでございます。こういった数の方々を収容するということで、現在厚生省におきまして、都道府県なりあるいは社会福祉法人の方々等の御協力を得ましてやっておるわけでございますが、昭和四十二年度末、本年度末までにおきまして二千八百八十九床、内容的には国立の施設といたしまして千百二十床、それから社会福祉法人あるいは都道府県立の施設が千七百六十九床、合計いたしまして二千八百八十九床を擁するということに相なるわけでございます。したがいまして、一万六千五百人に対しましてまだ二千八百八十九床というような現状でございますが、来年度におきまして現在御審議をわずらわしております予算におきまして、国立施設といたしまして八百八十床、公法人立、社会福祉法人立あるいは都道府県立の施設が六百床、千四百八十床を整備する予定でございます。こういうようなことでございまして、このようなテンポで進むことに相なるとしますならば、いま御指摘の七年間で全部収容できるかどうかという問題につきまして非常に明るい見通しが出てきた、かようにわれわれは考えておるところでございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 身障者全体からいうときわめてわずかだと思います。  それで、大蔵省の担当官にお聞きしたいのですが、厚生省からことし四十三年度にどのくらい要求が出て、大蔵省としてはどういうように査定をされたか、金額でもひとつ申していただきたい。

辻敬一大蔵省主計局主計官

○辻説明員 御指摘の重症心身障害児対策につきましては、従来と引き続きまして四十三年度において一そうの充実をはかっているところでございます。四十二年度の予算は補正後で二十一億一千三百万円でございますが、四十三年度にはこれを三十億八千六百万円に大幅に増額いたしまして施策の充実をはかっているところでございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 厚生省の要求に対して大蔵省はどういうふうに査定しましたか。厚生省はどのくらいの要求になっておるのですか。

渥美節夫厚生省児童家庭局長

○渥美政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、昭和四十二年度までで二千八百八十九床でございますので、一万六千五百床のうちからこの二千八百八十九床を差し引きまして一万三千床程度をほぼ七年の間に完成したいというふうな観点から要求をしたのでございます。その結果、先ほど御説明しましたように、国立施設が八百八十床、公法人立が六百床、合計しまして千四百八十床でございますので、こういった姿でさらに毎年毎年前進しておりますので、七年間計画というものが今後明るくなってきたというふうに考えておるわけでございます。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 結局、そうすると大蔵省に要求して全額認められたということはないと思いますね。新聞にもはっきり出ているわけです。これはやっぱり厚生大臣も不満があったと思いますが、大臣はどう考えられておりますか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 幾ら要求して幾らになったと、ちょっと数字は覚えておりませんが、重症心身障害児の問題は、当初から重点事項として大蔵省と折衝いたしました。大蔵省としても心身障害児対策については、財政硬直化のおりからでありますが、大幅に理解してくれたものと考えます。  ただ、正直に申し上げまして、心身障害児に対する対策は、いままでの基礎額がきわめて貧困でございますから、昨年と今年度の予算を比べますと飛躍的に上がっておりますが、全般的な水準としては、まだまだ全国にはその施設に入れないのがたくさんおるわけでございまして、これは率直にいいますと、厚生省自体のいままでの心組みがやや足らなかったと心得ております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 そのとおりだと思います。私はあとですぐ御質問しようと思います部落解放政策、つまり同和対策の予算も同じですが、大蔵省に特に申し上げたいのです。つまり、結局このようにベッド数を増加しても、お医者さんや看護婦さんにこういう非常にむずかしい、一日つきっきりでいなければならない、たいへんな仕事になる、なり手がいないということなんです。つまり予算を増額するのは当面の急務です。初めからやるのだから、うんと増額して、少しぐらいふえたから、伸び率がいいからということで自慢にならない。同時にベッド数がふえても、お医者さんや看護婦さんになり手がない。そろばんずくではこれはやれない、たいへんな仕事なんです。しかも、これによって何万、何十万の家庭悲劇が解決されるのですから。  そこで、特に大蔵省に要求したいことは、つまりこの問題の重要性をよく認識して——たとえば厚生大臣のように非常にまじめに取り組む人が一人犠牲になるのですね。たとえば、さっき言ったお医者さんでもそうだし、看護婦さんでも、そろばんずくでない人たちがこういうことをささえていると思うのです。そのささえている人たちの一方、たとえば大蔵省でいうと、これは主税局のほうですが、交際費六千億円がわずかしか税金が課税されていない、飲めや歌えやという状態に対して。こういうところに出すお金は、満額厚生省の要求したとおり出したってこれは全然むだではないし、一番大切なことです。身体障害者の方々でも非常にりっぱな仕事をしているのです。決してむだめしを食っているわけではなくて、キャバレーで飲んだり食ったりしている連中よりはずっと国の学術文化その他の前進になっていると思うのです。そういう点から考えて、大蔵省としては、この身障者はこれから始めるという大事なときですから、ひとつ満額要求額は認めるようにお願いしたいと思います。  その次に、私がいろいろお聞きしたいのは、年金制度は考えられないだろうか。美濃部さんは身体障害者の年金制度を考えて、親御さんがなくなったあとでも、その子供さんの身障者が生きていける、国のために憲法で規定してあるとおりやっていけるということがわかれば、ほんとうに一色重荷を背負っているのがずいぶん緩和されると思うのです。美濃部さんも、そういう点からいって、いろいろ調査費を組んで研究しておりますが、国としてはどういうことをお考えになっておられるでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの保険の問題御指摘のとおり神戸あるいは岡山等で両親が心配のあまり実施をいたしておりますが、こういう問題は、地域的な自治団体よりも広域に及ぶことが、当然その効果も成果もあるわけでありますから、ただいまこういう方面について検討いたしております。  ただ、一言申し上げますと、この心身障害児の年金の問題にいたしましても、障害児の職員の問題にいたしましても、心身障害児の対策は、施策よりもそれに付き添っている者の愛情が大事でございまして、これは特殊な技術と特殊な心情を必要とするわけで、親として安楽死以外いろいろ子供の将来を考えて死ぬに死ねないという状態でありますので、これは一般の社会施設とは別個に特別な考え方でやらなければならぬ、このように考えております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 そのとおりだと思います。愛情をささえる制度、予算については、厚生大臣のおっしゃることを大蔵省は全部無条件で認めることが一番大切だと思います。  次に、時間がもう迫っておりますので、同和対策の問題についてお聞きします。  御承知のとおり、これは詳しく申し上げるとたいへんですが、厚生大臣も熊本ですから、よくこの事情はおわかりだと思う。つまり、もう何百年、明治以来百年、いわれのない身分差別のために号泣するばかり、一生重荷を背負って悩んできた人たちがいるわけです。   〔登坂主査代理退席、主査着席〕  その何百万という方々のために、先ごろ総理府で同和対策協議会がみごとな、非常にいい答申を出しました。その答申の中には、差別というのは封建的な観念ではないのだ、それは毎日の生活条件から生まれるんだ、実在しているんだ、制度として、たとえば、申し上げますと、関西以西における未就学児童、学校を長期欠席する児童の大部分が部落の少年であり、生活環境が極端に悪く、道路は狭く、排水は悪く、便所は共同便所、共同施設はなくて、倒れかかった住宅に一畳当たり一人以上、みんな雑居している。そういう環境、浴場、便所の施設の悪さ、これがトラホームや結核を蔓延させて、衛生状態も悪い、こういう状態を見ると、やはり差別が再生産される、この悪循環を断つためには、もう思い切ったお金が必要だ、予算が必要だ、十カ年計画を立ててやれ、ということであります。  そこで、八木委員の質問に対して総理は、山口出身でよく事情を知っておりまして、重ねて今度の国会で答申どおりに一いろいろの案が出てますから、その案を全部つき合わせて、今度の国会で同和対策の特別措置法をつくるということを約束しました。御存じのとおりだと思うのです。本会議で約束しました。それに基づいて十カ年計画を立てられて本格的な予算が出るのですが、当面、この十年間くらい厚生省が中心になって——これはりっぱです。——厚生省が中心になって、各省に働きかけて、遅々として予算を増額してきました。ことしの予算は大体どのくらいになるか、お答え願いたいと思います。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 お答え申し上げます。  同和関係全般としましては、四十二年度予算が九億六千一百万というのが、来年度、いま御審議いただいておりますのが十三億四千四百万ということで、約三億八千二百万の増額、こういうことになります。  このうちで、二つありまして、地方改善の隣保館とか、地区道路あるいは井戸とかいうような施設整備関係が、四十二年度八億九千三百万というのが十二億五千百万というので、三億五千七百万円の増、これはちょうど四〇%増ということに相なっております。そのほか事業費の補助金といたしまして、隣保館運営費が五千六百万が七千七百万ということで二千百万ほどふえておりますが、これも人件費をふやし、あるいは運営の事務費をふやしということで、総体としましては十三億四千四百万ということで三億八千万ほど増というようなことに相なっております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 そうしますと、たとえば、一つの例を取り上げますと、日本の部落は四千一百六十部落あるのです。それで、たとえば地方改善事業費の補助金が九千二百万、それから隣保館の運営費補助金が七千七百万、これを割りますと、一部落にわずかに二万円から約一万円ぐらい、一万円ちょっとしか渡らないのです。これではもう全然足りないのです。これから予算を組むという段階ですから、これから十カ年計画に基づいて組む段階ですから、ともかくいままでの増額という観念を払拭いたして、十カ年計画に基づいて本格的に組むというようにしていただきたいと思うのです。これは各省にわたると思いますが、厚生大臣として、やはりこれはいままでの伸びで満足しないで本格的に組むのだということについてお答え願いたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいま各県の具体的な十カ年間に対する要望調査をやっております。それに基づきましてやりたいと考えております。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 十カ年計画がこれから発足して、これは総理をはじめとして非常に肩を入れている問題ですから、ましてりっぱな厚生大臣ですから、抜本的にこれを組む、いままでの増額の比率ではなくて、十カ年計画に基づいた理想案どおり抜本的に取り組むということについて、もう一言お願いします。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 御意見のとおりに努力したいと思います。

広沢賢一日本社会党

○広沢(賢)分科員 どうもありがとうございます。終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 帆足計君。

帆足計日本社会党

○帆足分科員 厚生大臣はヒューマニズムに理解のある方だ、各議員口々にそのように申しておりますから、せっかく庶民のためによい御業績を立てられて、よい実績を残されんことを、党派を越えて切望する次第でございます。  由来わが国では、社会福祉関係の仕事となりますと、施設も貧しく、その関係の従業員の給与は薄く、そして弱肉強食は世のならいであって、その自由競争の敗残者に対して恵みをたれるという封建観念が強かったのでございます。しかし、社会保障の問題は、そういう狭い主観的独断で見るべきでなくて、たとえば厚生大臣が今日健康であられ、御夫人が聡明な方であられましても、そのお孫さんが何かの機会に身体障害者にならないとも限りません。また一定の確率をもって精神薄弱児が生まれないとも限りませんことは、水上勉君の池田首相に与えた書簡にも書いてあるとおりでございまして、これは偶然で、一定の確率をもって不幸な環境におちいることは非常に多いのでございます。親子三代続いてきわめて健康な者ばかりが続いたという例はまことにまれでございまして、人生はあざなえるなわのごとしでございます。したがいまして、社会保障の問題は、これはきょうは他のことでございましても、あすはわがこととして、すなわち社会全体、国家全体の安定のため、繁栄のためとして考えなければなりませんから、私は、まず厚生大臣の閣内における地位は宮中席次第一位であってしかるべきであると思います。  先年デンマークに参り、スウェーデンに参りましたが、スウェーデンでは、六十八歳になりますと男女の別なく四万数千円の年金が与えられる。その施設を見てまた驚きました。どうしてこういうことができるのかと厚生大臣に聞きますと、それは単に富めるから、貧しいからではありません。日本は世界第三位の工業国と聞いておりますけれども、スウェーデンは貧しい国で、それほど豊かな国ではありませんけれども、予算の立て方が、まず第一に教育と社会保障関係の予算を組んで、残りの金で、自給自足できる人たちや、軍備その他のことを配慮する予算を立てる。予算の組み方の配慮のしかたにあるのでないでしょうか。結局それはスウェーデン社会党の自慢話にも相通じたのでありましょうけれども、私は確かにこれは根本問題の一つであると思いまして、切に厚生大臣並びに厚生省当局の人道主義的自信、自負の念をひとつお願いいたしたいのでございます。  時間がありませんから、三つほど御注文いたします。私どもは別に政府に授業料を払っておるわけではありませんから、質問をいたしませんで、むしろ要望をいたします。問いただし要望いたすというのがわれわれの任務と思いますが、第一に、身体障害者の数は昨今かえってふえております。その原因はいろいろありますことは、もう諸兄の御承知のとおりでございますが、衣食住といいますけれども今日、住食衣といってよいくらい住宅問題が緊切でございます。したがいまして、私は、身体障害者に対しまして、第一には教育の機会を与えること、保護の機会を厚くすること、それからさらに雇用の機会を与えること。一般雇用法がありますけれども、営利事業においてそれをふやすことは非常に困難でございますから、官庁または公団、非営利団体等におきましては、できる限り身体障害者の率を民間の率の倍くらいにしていただきまして、またその下請事業においても、身体障害者の経営している事業を特に優先的に採用するような心がまえを持っていただきたい。厚生省に参りましても、一体どのくらいの身体障害者をお使いになっておるのか。身体障害者でできますことは、厚生省などは至るところに小児麻痺の方もおるし、また盲の人も、ろうの人も、厚生省ではうまく適所適材に使いこなしておる。また、文部省においてもさようであってしかるべきであるし、各種の外郭団体、公団等においても、もっと雇用することができやしないか、こう私は思っておりますが、これはひとつ御検討を願いたい。  住宅の問題については、これは日本の根本問題でございます。  住宅の問題と重税、インフレーションの問題、この三つが日本の悪の根源でございます。住宅さえあればこのインフレーションでも何とかやっていけるのですけれども、この物価騰貴の時代に、重税の時代に、しかも身体障害者、また二重、三重、五重の身体障害者すら相当の数おるのでございます。私はときどき目をつむって考えますが、目があいていてすらこれほど生きがたい世の中に、目の見えない人は一体どういう思いで朝日をさますであろう、病気して熱の高いときなどは、一体目の見えない人はどういう思いがするであろう、こう思うと、いても立ってもおれない気がいたしまして、外務委員に籍を置くことすら私は恥ずかしく、厚生委員にならねばならぬという気持ちが油然としてわくのでございます。しかし、和戦のかぎの分かれるときでございますから、過去の履歴上外務委員に籍を置いておりますけれども、心はいつも厚生の問題に走るのでございます。どうぞ園田さんの御在職のうちに、少しでもこの面のことを、党派を越えてひとつ実績を残していただきたい。すなわち、身体障害者に対する公団住宅の優先提供のワクをさらに大きくしていただきたい。また、身体障害者の老人こそあわれでありまして、特に年をとって後の盲、ろう、その他の身体障害者は一そうあわれでございまして、その人たちに対する老人ホームはわずかしかありません。老人ホームとともに住宅の優先提供を私は切望いたします。  また、身体障害者の中には、案外、チック症その他で首を始終振っておる子でも非常な秀才がおるのでございます。抜群の秀才が盲、ろう、身体障害者の中にはおるのでございます。したがいまして、それが上級学校に入学を志望いたしますときに、その道を開くように文部省ともう少し懇談してもらいたいと思います。ソ連におきましては、身体障害者で上級学校にいける能力のあると思う子供には五名の学友がついて指導することになっておりまして、もちろん就職に対しては優先採用になっております。私は、外国の事例でもよいことは学ぶべきであると痛感いたします。ぜひ厚生省関係の方が、ソ連と中共の社会保障の状況を——最近子供病院ができて非常にいいことでありますけれども、北京とモスクワの子供病院をぜひとも参観をしていただきたい。すでに北京の子供病院をごらんになった厚生省の方がおられれば、それもお尋ねいたしておきたいと思いますが、私は、イデオロギーを離れて、この子供病院を見てほんとうにため息をついて喜びました。すばらしいものでございます。こういうことが、後進国でできますことが、鉄鋼六千万トン、造船英国の四倍をこえ、殺人の凶器といわれる自動車産業でさえ世界第二位、その国がそういうことにおいて立ちおくれて、国民の生活水準は世界二十一番目、かのチャキリス君の生まれ故郷のプエルトリコよりおくれておるということは、ほんとうに厚生省当局として心すべきことであると思います。  最後に、第一項目については、老人の自殺率が多いことです。これほど人の心を痛めるものはありません。その原因の多くは、貧困と老後をはかなんで、特に住宅難が影響いたしておりますから、七十歳以上のおじいさま、おばあさまをかかえる孝行むすこには隠居部屋つきの公団を優先的に提供することが絶対に必要であると思うのでございます。家つき、カーつき、ばばあ抜きなどというのはもってのほかのことでございます。こういうやつらの結婚式には私は決して祝辞など述べません。したがいまして、われわれもまた日本人でございますから、社会党は最も日本人らしい日本人とわれわれ皆さまとともに自負しておるものでございますから、お年寄りのためには隠居部屋つきの公団を優先的に配給するというぐらいの心がけがあってしかるべきだと思います。他にもっと重要な質問がありますから、まず第一段として、これらの点について厚生大臣は激励を受けた、野党の中にも厚生省に対するほんとうの理解者がおり、激励者がおる、シンパサイザーがおるとお考えくださって、ひとつよい御答弁を——御答弁だけじゃなくて、よい実績を御在職中に残されていただくようにお願いします。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ただいまは非常に高邁なる識見のもとに激励をいただきましたことを心から御礼申し上げます。  私も社会福祉事業について一言申し上げますと、これはいままでの慈善事業であるとか、あるいは治安対策の一部としての民生安定のための事業であるとかいう考え方がそもそも間違いであって、憲法十二条、二十五条に規定することが国家存在の目的である。したがって、政治の主体というものは厚生行政であって、この厚生行政を円満に遂行するためにもろもろの施策があると考えて、せっかく努力をしておるところがあります。  なお、老人、身体障害者についての住宅の問題は貴重な御意見でございまして、身体障害者の住宅入居については優先的な方法を講じております。なお、特に身体障害者は特別な施設が必要でございまして、便所、廊下、ベッド等に手すりその他の特殊なものを政府の力で助成をしてつくろうと考えておりましたが、明年度の予算では残念ながら実施できませんでしたが、次はぜひ実施をしたいと考えております。  なお、老人の自殺あるいはその他の諸問題につきましても、いろいろ御意見の中にも拝聴いたしましたし、またそれは当然なことであると考えますから、これを具体的に、しかもさらに検討をして、各方面の御指導を賜わりつつ、実際の行政面に生かしていきたいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足分科員 お心がまえのほどは拝承しましたけれども、願わくば実績がそれに伴うことを。プディングの味は食うにあり、という有名なことばがあります。プディングをどんなに論じても、食へなければ意味をなさないわけであります。したがいまして、厚生省当局の皆さんには、ひとつ自信を持って大蔵省に迫るほどの迫力を示していただきたいと思います。  大蔵省の主計官殿は、一体ただいまの厚生大臣の答弁を何と承ったか。常に大資本援助または死の商人への協力等については、ほとんどノーズロースで通しながら、スズメの涙ほどの社会福祉については四の五の言うて、いつも通さない。アイスであるか質屋であるか、何というさもしい心がけであるか。厚生省の宮中席次をずっと高めて、大蔵省の諸君をしばらく落とす必要がある。今後身体障害児その他不幸な人たちに対して、あたたかい涙を持たないならば、涙を流さして、その涙の温度を寒暖計で計って、ワニの涙を流すやつは、これは爬虫類のたぐいの中に入れてしまって、月給を下げるほうがいいと思うのです。よく承っておいてもらいたいと思う。李承晩に賠償金、経済協力合わせて三千億円も払ったり、職業軍人または旧地主等に、これもほんとうに助けねばならぬ方々が二、三割はあります。しかし、残った七、八割の者は別に急いで助ける必要はないわけです。そういうものに何千億の金を大蔵省は惜しみなく使いながら、厚生省から来た人たちをばかにしている。私はきょうこの席に出席しておられる主計官殿は福祉関係の方であろうと思いますから、御苦労のほどお察しいたしますけれども、全体として質屋根性が抜けてないということは衆目の見るところでありますから、ひとつ大蔵省は自粛自戒していただきたい。  第二にお尋ねいたしたいことは、日雇い健保の問題でございます。健康保険の問題が、この自由競争の世の中に徹底した社会保障が行なわれるということには、非常に制度上の矛盾と困難があることは御承知のとおりでありまして、だれが探究いたしましても、この健康保険の前進ということは非常にむずかしい課題でございます。いまや健康保険制度は臨時暫定の改正ができましたけれども、医師諸君も、患者のほうにも、至るところに不満がございます。保険審議会にかけてはかりましても、従来は首都圏整備委員会とちょうどさながらでありまして、政府の都合のいい人を集めて、そうして連絡協議のゼスチュアをするというのがおおむねの審議会でありますから、医師会もまだ参加していないように聞いております。はなはだ遺憾なことでございます。私は、保険につきましては、どちらかといえば総合的に問題を考える側に賛成でありまして、この点につきましては多少大産業のほうに当たりさわりがあるかもしれません。また、総評の諸君にも多少意見の違いがあるかもしれませんけれども、なるべく全体の均衡をはかっていくという方向に進むことが正しいと思います。労働組合の言うことでも、われわれは政治家でございますから、言うことばの意味はよく理解しますけれども、しかし、言うがままに社会党員がなると思うと、そうではありません。労働組合に対して苦言を呈すこともありますし、その他に対して、科学者、技術者に対して苦言を呈することもあります。みずから反省せねばならぬこともございます。政治家というものは国のむすこでございますから、すべて働いている人たちの、各界各層の均衡をとって、それが協調、合理的に順調に発展するように心がけねばならぬ。政治家というものは風格を持って、一家言を持たねばならぬ、私はそう思っているものの一員でございます。  その中でも、日雇い健保の問題について私は深い関心を持っておりますが、日雇は労働者というのは、これは職安だけではありません。今日建設産業の従業員を日雇い労働者と申しておりますが、建設産業労働者は、この建物のほとんどすべてをつくった偉大なエネルギーを持っておる。大工さん、建具屋さん、壁塗りさんから、また土を掘る人、その人たちの力と技術と能力というものは偉大なものでございます。それが、建築ができたその翌日には、建築祝いにも招かれず、また次の職場に移ってしまう。そうして労働日が天候によって制限され、住む場所は分散し、老後の安定はなく、激務でありますから、軽いかぜでも非常にからだにこたえることは、会社の暖房冷房のもとで仕事をしている人たちの比ではありません。私はこの日雇い労働者諸君のことを思うと、現在まで健康保険制度があったからやってこれたと思うのでございます。また、自分で家をつくり、壁を塗りながら、住宅もない。住宅難で困っている日雇い労働者の諸君も多いのでございまして、自分は家をつくりながらわが家を持つことができないということを思うと、胸が痛む思いすらするのでございます。  したがいまして、今次健康保険法が改正されるにあたりまして、日雇い労働者につきましては暫定的な一部分の猶予も行なわれました。まことに御理解のある措置だと思っております。今後改善の過程におきまして総合調整いたしましても、日雇い労働者の生活に対して頼みの綱になっておるこの健康保険制度、健康あってのみようやく生きていける人たち、この人たちに対する健保制度が後退しないように、格別の御配慮をお願いしたいと思います。多少後退いたしましても、大銀行、大会社の場合には、ある程度経営者、民間でなし得る余地がありますけれども、日雇い労働者の多くは零細業者が多いのでありまして、五名、十名のような場合が多いのでございますから、特に注意をしていただきたいのでございます。また、一月に十六日働いていなければ、十六日が欠けたならば健保がその月は取り消しになります。ところが、その月によって、その状況によって十六日働けない月がございます。現在これを擬制適用といって、組合で雇用したという形にいたしまして、慣例的にある程度の寛容な措置がとられておりますけれども、この問題についても、現在よりも状況が悪化しないように、善意でもって働いて、そして十六日を切れたようなときにも応変の措置がとれるような点についても、新制度ができまして一律になったために日雇い健保が後退したということのないように、聡明な厚生大臣には特にお心におとめを願いたいと思います。現在改正試案がつくられておるということでございますけれども、国家負担は相当額組まれて、前より減らされないということも私は速記録で読みました。ややこれをもって安堵いたしましたけれども、しかし、とにかく会社員、銀行員の場合と違って日給でございます。日給と月給との間には万里の長城があることをお忘れないように。日給で働いておる人たちを、月給で働いている会社員や冷暖房で守られておる銀行員と同じようにお考えにならないように。よく日雇い労働者諸君がしのつく雨をついてデモンストレーションをしている姿をごらんになることもおありでしょうけれども、それは何も好きこのんでしているわけではございません。その特殊事情をよくこの際園田厚生大臣に御理解を願いたいと思うのでございます。この点について、ひとつ御心境のほどを承って、私も、この点については特に御理解があるということだけでも承って、安心のできるようにいたしたいと思うのでございますから、御答弁を願います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 日雇い健保の被保険者が就労形態が不安定である、しかも低賃金であって、しかも日給である。こういう点は、いま御意見の数々もいれながら、十分考慮して抜本策の改善をやりたいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足分科員 御理解のある御答弁で、これもまた実績によって御証明を切に願いたいのでございます。  と申しますのは、先年私は郵政大臣と文部大臣に列席していただきまして、今日のテレビの改善について要求したことがございます。私は三年前までテレビをうちに置きませんでした、子供が大学を出ておりませんから。しかし、二年半前にテレビを置きまして、ついあのばかげたものを見るようになりまして、学力とみに低下いたしまして、そして一億総白痴の仲間入りをしたのでございますが、かくも下品なテレビ、かくも数多くのテレビ、かくも時間かまわずのテレビは、世界にアメリカをおいてどこにもありません。イギリスに行って、テレビ局はたった二つ、そして午後の四時ごろから始めるということも見てまいりまして、日本のテレビの愚劣きわまること。しかも悲劇ハムレットで、オフエリアが狂うあの恋うたを歌う瞬間にインスタントラーメンが——悲劇を聞いている最中には、人間の大脳はナイアガラの爆布ほどの電流が流れておるそうでございます。それをインスタントラーメンでもって断絶する。不良少年が生まれることは必至でございます。したがいまして、ラジオ・テレビ審議会に厳重な警告を発して、もう少し見てためになる、美しい、そして興味の持てるようなテレビ番組編成にして、商業主義から徐々に脱却するようにしてもらいたい。もしそれがいやならば、私は文部大臣のうちの玄関に行って、テレビを石でたたき割ってみせる、軽犯罪法で帆足計が拘引されたということになれば、金ライフル銃事件以上に世の注目を集めるであろう。割ってもいいかと言いましたら、文部大臣は、割ってもけっこうです、必ず警告して直します……。あとは、あとかたもなくすぐ転任なさいまして、ことばは美しいけれども実績伴わず、巧言令色仁あること少なし、全くそれを実証するかのごとき文部大臣の態度でありました。郵政大臣に至っては、もう全然お忘れになっておるようでございます。  こいねがわくは、大体予算分科会というものが予算議決のその前夜に、かくもあわただしく行なわれるのが間違いでありまして、予算を組む前の九月ごろに臨時国会を開いて予算分科会をやって、その言論を組み込んで予算ができる、こういう順序になるのがほんとうなのであって、実は分科会をやったときはもうどうにもならぬ。言わすだけ言わしておけ、くたびれてやがてうちへ帰るだろう、船は出ていく煙は残る、こういうのが日本の予算分科会のやり方だと思うのです。昔の第一読会、第二読会のときのほうが——私は明治の生まれではありますが、育ったのは大正リベラリズムの時代に育ったのでございますから、封建制の血の一滴も持っていないつもりでございますけれども、なおかつそのときは、昔の第一読会、第二読会のほうがすばらしかったように思いますが、そういう点で今日ほんとうにつまらぬと思います。  また、事務次官が出席しておりません。事務次官というのが実権を持っておりまして、みずから、大臣ははげ頭の上にとまったハエのようなもので、事務次官が権限を持っておるぞということを、私は冗談に聞いたことがあります。次官会議、次官通牒というものがいまだに横行ばっこしている。ここは聖域になって、議員はここを爆撃することができません。速記録も読んでおりません。したがいまして、これはどうしても事務次官を一月に一ぺんは、一日だけは呼び出す権能をわれわれは持たなければならぬと思って法律を研究しておりますけれども、国会法ではいま適当な案がまだないのでありますから、いずれこれは議運で研究していただこうと思っておりますから、次官は速記録だけは読んでもらいたいということを、ひとつ大臣から事務次官に言うていただきたい。政務次官はシャボン玉のようなものだと公然といわれておって、あれは名誉職で、次の選挙のためちょっとなるだけだよ、こういう失礼なことがいわれておりますから、政務次官おられましたらどうぞごめんください。しかし、そういわれておりますから、そういうことにならぬようにしていただきたいと思います。  話が横道にそれましたが、最後に、いまの医療制度の問題でございますが、医療審議会も半身不随になっておる状況でございます。また、私のむすこも実は医者の卵でございますし、私の岳父も岡山医大の学長をしております。したがいまして、医療には私は理解があるつもりでございますが、今日の医療点数制度はやむを得ないのですけれども、もっと実務的に簡素化することはできます。あの正邪を調べるためには抽出統計をつくることもできます。こういう科学的方法が使われておりません。基金制度のあの事務所に参りますと、三年前には冷房装置もないところで六十、七十の老博士がこれを何万枚とくって、一週間も勤務している姿を見て、私は世にもこういう残酷物語があるかと思って驚きました。また、医師各位には経費のある。パーセントの免税が行なわれております。私はこれは当然のことであろうと思いますが、最近は雇い人を得ることがむずかしゅございまから、奥さんやお嬢さんや、家族労働でもって医療の手伝いをしている分量は、一月のうちに一週間ないし十日も手伝いをいたしておる現状でございます。そういうことも医療制度に私は加味していただきたい。  医師諸君が裕福であると言う人がおりますが、これは月給の低賃金な者が自分に比べて言うことでありまして、冷暖房の整っている病院などというものはごくわずかでございます。この一つの事実をもっても、医師諸君が裕福でないということはわかるでしょう。しかも、参りますと、いつも伝染病であるとか、熱気を吐いて苦しんでいる病人のところに夜中でもかけつけねばならぬ、まさに死のうとする人たちの手を握って慰めねばならぬ。医師にして、なお牧師の仕事もしなければならぬ。こういう苛烈な職業でございますから、私は、私の長男を医師にしたことは牧師にしたことのように考えて、むすこよ許せとまで心に思いたいほどでございます。でございますから、医は仁術なりという古くして新しいことばは、私はやはり半面の真理であると思います。これは崇高な仕事です。崇高な仕事であるからこそ、経済的にも後顧の憂いのないように、安んじて天職に励むように、医師の生活は多少普通の生活よりよいといってうらやまれるごとくあってしかるべきであるまいか、こう思うのでございます。今日むすこを医科大学に入れますと、帆足さん、おたくの次男やお嬢さまは成績がよくて東大に入れたけれども、坊ちゃんのほうは成績が悪いのでしょうか、医者なんかにして、こう言われるくらいでありまして、ああいう損なところに入れなくても、大貿易会社でも、三井三菱にでも入れればいいのに、なぜ医者などにしたのでしょうと、人からかく言われるような医師の状況でございます。したがいまして、現象形態を見て錯覚を起こされないように、町の医師諸君が安んじて業務に従事をし——これが非常に老後の安定のない、苛烈な労働であるということ、精神的にも肉体的にも心安まる機会のない労働であるということをひとつよく御理解を願いたい。すなわち、医師の待遇は多少われわれ俗物から見て、サラリーマンから見てうらやまれるくらいの待遇であっても私は多過ぎることはなかろうと思うのでございます。もちろん保険制度となりますと、国家予算が必要ですし、また基金が必要でございますから、それほどぜいたくは言っておられませんけれども、そういう心がまえがなければ日本の医療というものは低下し、はね返ってわれわれの不幸になるということを思うのでございます。  したがいまして、最後に、時間がございませんから、お伺いいたしますが、眼科の技術料の問題はもうすでに御承知のとおりでございますから、これは再び抜本対策のときには、最近の眼科の非常な進歩ということをお考えくださいまして——眼底鏡のことなども御承知でございましょう。昔は目医者歯医者も医者のうちというような愚かなことを言う者もありましたが、最近における眼科、歯科の進歩はすばらしいものです。そしてまた、耳鼻咽喉科の技術もすばらしい進歩を示しました。この認識を深くお持ちくださいますように。  それから、子供のときから歯をよくせねばなりません。私のうちの例では、これに気をつけまして一人も虫歯がなく育てることができました。子供はあばれますから、歯科の点数を子供のときに少し多くする必要がある。そしておとなの虫歯がそのために減りましても、子供のときに多少費用をかけましても、国家予算の総体としては変わりはありませんし、また国民の健康のためによいことでございますから、児童の歯科の問題についてひとつ心におとめ願いたい。  それからインターン、医局生の問題は御承知のとおりでありまして、むすこはことし卒業をしますが、おとうさんまだあと七、八年すねをかじるよと言われて、きょうはほんとうにびっくりしました。今度は二万円ばかり金が出るといわれておりますけれども、あれだけの長い勉強をしまして、そして二万円ではやっていけません。よそでこっそりアルバイトをせなければやっていけないでしょう。インターン時代でも他でアルバイトをしないで医療に専心し得る、そういう制度にしていただくのにそれほどの予算が要るわけではありません。また、無給医局員の問題も、同時にこの際抜本対策のときに解決していただきたい。  また、博士号の問題につきましても、カエルのホルモンを研究いたしまして結核の医者になってみたところで、しかたのないことでございます。こういう名目的な博士号よりも、専門医制度を確立することのほうに医局員を、インターンを向けたらどうであろうかと思うのでございます。だれもかれも医学博士と言いさえすればいい、これはもうこの際頭を切りかえるべきであって、特に臨床医につきましては専門医制度のほうを重視し、従来の医学博士の称号については再検討を加える必要がある。カエルのホルモンを研究してガンの医者になったところで、それは無理なことでございます。博士号の問題について根本的に——過去の御実績を奪う必要はありません。——今後は再検討をお願いいたしたいと思います。  いずれにいたしましても、抜本改正の今日の案に医療界も賛成しておりませんし、患者も賛成しておりません。これを総合的に勘案して、合理的健康保険制度を、この苛烈な資本主義の制度と貧弱な財政のもとでつくることは容易なことではございません。これは厚生大臣の今後の御苦労は察するに余りあると思っておりますけれども、しかし、ほんとうによくしようとする意思があるならば、よい人の意見をお聞きになって、各方面の専門家の意見をお聞きになって、そして患者も喜び医師も満足するというような案をつくっていただきたいと思うわけでございます。これにつきまして厚生大臣の所信の一端を伺うことができれば幸いでございます。また、関係の局長殿におかれましては、私どものむしろしろうとの意見も速記録を通じてひとつお目通しのほどをお願いしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 医療保険改善の抜本対策について、一言で私の考え方を申し上げます。  医療保険の抜本対策は、生命を守る医療行政の手段として保険がある、こういうことであります。と申しますことは、保険というものは、もちろん社会保障すべてが税金か保険か、国家の支出から出るところでありますから、保険財政を無視してやるわけにはまいりませんけれども、保険の抜本対策が、保険財政の安定のみが重点に置かれておってはたいへんでありまして、そうではなくて、医療行政を円満に遂行するという点からどのようにやればいいか、こういう点からものを考える、せっかく各方面の御意見をいただきながらやりたいと考えております。  その中で個々の意見が出ましたが、いろいろのいきさつ等は一切白紙に流しまして、私が最も御意見の中で感銘を深くいたしましたことは、生命を預かる医師の技術に対する正当な報酬を考えなければならぬということであります。なおまた、耳鼻咽喉科、歯科と医師の中の特殊なものについての適正なる診療報酬というもの、技術に対する報酬というもの、これも十分考えていきたいところであります。  インターンにつきましては、御意見のとおりではございますが、いままで医局員の無給者あるいはインターン等があのようなことでございまして、二万数千円という金額は、今日の状態からは専念して医学を研究する額には足りないかもわかりませんが、第一歩を踏み出したということで御了解を願えれば幸いであります。  博士の問題等につきましては、これは文部省の問題でありますから、御意見承っておきます。  なおまた、いろいろ御注意がございましたが、私のほうの政務次官はきわめて優秀でありまして、政策的な補助をし、皆さんから檄を受けるゆえんはその一つでございますし、事務次官も当初からうしろのほうで御意見を拝聴いたしておったのでありますが、ただいま参議院のほうの公務で中座をさせましたので、どうか私同様御激励を賜わりますようお願いいたしまして、答弁を終わります。

帆足計日本社会党

○帆足分科員 時間が過ぎましたから、これで失礼して、ただいま第二分科に参りますが、朝鮮人帰国の問題につきましては、両国赤十字が人道的見地からきわめて常識的な範囲で意見の交換をまた続けたいという意向のようでございますから、そのような段取りに進みましたならば、政治的雑音から離れた純粋の人道問題として、この問題が円滑に解決いたしますように、厚生大臣のお骨折りを重ねてお願いいたします。一言だけ、前向きでそのように努力される意思があるかないかということだけをお答えを願います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 ほかの場所でも発言したところでありまするが、御承知のとおり人道上の問題であります。人道上の問題でありますから、その観点から前向きで処置をいたします。

田中正巳自由民主党

○田中主査 河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 私は、目下問題になっております東京北区王子の米軍野戦病院設置問題について若干お尋ねを申し上げたいと思います。  私どもがこの問題を特に重要視いたしております点は、一つにはアメリカのベトナム戦争協力といった基本的な問題がございます。それからいま一つは、やはり学生と警官隊の激しい衝突、これも決して無視をしてはならぬというふうに考えます。それからいま一つは、すでに御承知のように、東京都議会におきましても、社会、公明、民社、共産党によりまして、王子野戦病院開設に対します反対の意見書が多数で採択された、こういうような問題点がございます。なお具体的な諸問題につきましては、逐次申し上げてまいりたいと思いますが、いまのようにこの問題が非常に重要視されてまいりました。  ところが、たまたま承るところによりますれば、この王子におきます野戦病院の設置が、一時的かどうかわかりませんけれども、延期をされたというふうに仄聞をいたしております。これは一体一時的な延期であるのか、あるいは中止を意味するのか。あるいはまた一時的な延期ないし中止というものがどういう原因によって起こってまいったのか、それらの理由等につきましてひとつお聞かせをいただきたい、かように考えます。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 王子の病院につきまして、本日各新聞紙等開設が延期になるのではないかという記事がございますが、本日在日米軍司令部にその事実関係を問い合わせしたわけでございますが、米軍からは明確な回答を得ておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 そういたしますと、当初三月中旬には開設したいという意向であったかのように私どもは仄聞いたしておりますが、準備がいまだ整わないということで開設が見送られておるのか、あるいはまた、先ほど申し上げましたような延期であるとか、中止であるとか、そういう意図も含んで明確なお答えが得られなかったものか、その間の事情をひとつ御報告願いたい。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 開設がおくれておるということは、どうもあの施設につきまして数カ月前より補修工事を行なっておるわけでございますが、その工事が若干予定よりも延期しておるという関係で開設がおくれておるのではないかというふうに想像いたしております。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 そういたしますと、いまお答え願いましたように、補修工事のためにおくれておる、それが完了するまで延期したいという意図であるのか。また、このジョンソン基地におきましては、第七野戦病院において日本人の従業員が百二十名おるといわれておりますが、その百二十名の従業員の移動がこれまた一応延期をされておるわけでございますが、そういった問題はこの施設の完了がおくれておるというのが理由であるのか、あるいはやはり何らかの変更をいたしたいというのが理由でそのようになっておるのか、その間の事情についてもひとつお聞かせ願いたい。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 この王子の病院開設につきしては、ただいま先生おっしゃいましたように、ジョンソンの施設が相当老朽化いたしまして、一方王子の施設につきましては、まだ補修をすることによって使用できるという関係から、王子の施設を改補しまして、ここに病院を開設したいというのが米側の意向でございまして、それに伴う米駐軍の労務者の移動ということも一応考えられておったわけでございます。その予定といたしましては、二月の中旬から三月の初旬にかけて労務者を配転換したいというようなことも、私どもの労務部に内々の連絡があったわけでございますが、現在のところ、駐留軍労務者の移動も行なわれておりませんし、なお若干の補修工事が残っているというふうに見受けられます。したがいまして、開設がおくれておりますのは、そういう原因によるのではないかというふうに想像されるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 いま一つ問題になりますのは、いまのような理由でございますと、依然としてジョンソン基地の野戦病院は残す、そうして新聞に伝えられておりますように、王子におきます野戦病院の要員というものはアメリカの本国からやってくるというふうに理解すべきであるのかどうか。この点は、やはり冒頭に申し上げましたように、ベトナムの戦線というものが非常に深刻になれば負傷者というものも多くなるだろう、そういう意味で野戦病院の規模なり構造というものが拡大される。そういう意味にもなってまいりますので、私どもは、このジョンソン基地の野戦病院が移動するのか、あるいはまた本国から来て新しく病院というものが設定されるのかというようなことは、非常に大きな意義を持っていると思うのです。そういう意味で、いま施設庁のほうのお答えによりますと、どうもジョンソン基地の野戦病院は野戦病院であり、それからさらに王子の場合は、補修工事が完了をし、開設の準備が完了したならば、あらためて米本国からやってきて開設する、そういうような意味にもとれるわけですが、その辺の事情はいかがですか。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 これは先ほどお答え申し上げましたとおり、ジョンソンの病院施設は建設後約二十年を経過しておりまして、非常に老朽化している。中にはかまぼこ兵舎もあるわけでございまして、その提供施設中の建物を有効に利用したい、活用したいということで、キャンプ王子の施設を改補いたしまして、そこに病院を設置したい、かように米側から聞いております。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 そうしますと、そのジョンソンの野戦病院が王子のほうに移駐する、そういう意味でございますか。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 米側からはそのように聞いております。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 そこで、いろいろ具体的問題に移ってまいりたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、基本的な三つの問題で私どもも重要視いたしておりますが、具体的にはやはり治安問題、防衛問題、騒音問題、そういういろいろな問題が問題になるだろうと思います。  そこで、いろいろそれぞれきょうは関係各省の御出席をいただいておりますから、逐次お尋ねを申し上げてまいりたいと思いますが、時間の制約等もございますから、ひとつ簡明にお答えをいただきたいと思います。  まず第一にお尋ねをいたしたいと思います点は、いま住民の方がいろいろな意味で心配をされ、不安を抱かれているわけでございますが、その一つとしていわれております問題は、この王子に設置を予定されております陸軍病院の地域というものが文教地域である。東京家政大学、成徳短大、十条中学、都立王子養護学校、都立北療育園、こういったように学校ないし福祉施設というものが非常に多い。そういうような地区にこの米軍の野戦病院が設置をされて、一日に二回ないし三回もヘリコプターが発着をするということになると、騒音に悩まされ、そのために一つには学業が阻害される。また一つには福祉施設が多いわけですから、福祉施設の皆さん方が非常に迷惑をする。これは一般住民もそうでございますけれども、いま申し上げすように、特に福祉施設が多かったり文教地域であったり、そういうような特殊な地域であるがゆえに、やはり住民の反対の声というものも非常に強かろうというふうに私ども考えておるわけでございます。そこで、そういう点についてどういうふうに対処されようといたしておるのか。もちろん私どもは反対でありますけれども、やはりそういう住民の不安というものは除去してもらわなければならぬ。そういう点について、ひとつ御見解を承りたい。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 病院を設置することにつきまして、風紀上の問題あるいは衛生上の問題、いろいろ問題が考えられるわけでございますが、ただいま先生の御質問のヘリコプターを利用することによる騒音の問題、これも一応当庁といたしましては検討いたしておるわけでございまして、かりに病院が開設されまして、傷病兵をヘリコプターで毎日あそこに運び入れるということになりました際に、周辺の教育施設等に相当の騒音の被害を与えるのではないか。そうなりますと、先生もすでに御承知のとおり、一昨年の七月に防衛施設周辺の整備等に関する法律なるものが制定されまして、その整備法の三条によりまして、そういう教育施設等の防音工事、こういうことにつきまして助成をいたしてまいりたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 いま施設庁から、騒音対策については整備法三条で助成していきたいということですけれども、今日までの騒音対策というものがいろいろ欠陥を持っておったことは、十分お聞き及びのとおりだと思います。なるほど騒音対策にいたしましても、夏のごときは非常に蒸し暑くて、かえって、この騒音は防がれるけれども、今度は気温が非常に高まって、そのために教育が阻害されるというような問題等もございます。いろいろ具体的に例をあげますると数限りございませんが、単なる整備法で解決するだけの問題ではないことは、私どもあえて申し上げる必要はないと思う。ですから、いまのお答えのように、整備法三条の助成によって解決するというようなことではないということは当然だと思うのです。  ですが、実はもう時間もございませんので、これから先本論に入りたいと思うわけですが、私は、いま一番住民が不安がっておりますのは、特にこの分科会は厚生でございますから、そういう意味でそこにしぼって申し上げたいと思います。それは日本におきます国内法、一つには検疫法がございます。それから一つには伝染病予防法がございます。いま一つには医療法がございます。ところが、こういう衛生関係法というのが行政協定、地位協定によってことごとくネグレクトされておる。そこに私は住民が不安を持つ一番大きな要素があるというふうに理解をいたします。そこで、本来からいいますと検疫上の心配があるということでございまするが、日本の検疫法が適用されればそれらの問題は解決するわけです。それから伝染病についての心配がある。それも国内の伝染病予防法が適用されれば解決できる。それから、この病院を開設することが是か否かという問題は、日本の医療法が適用されれば都道府県知事が認可を与えるわけですから、これまた日本の国内法が適用されれば解決される、そういうことだと思うのです。ところが、そういう一切の日本の国内法というものが地位協定によって否認をされる。そこで今日のいろいろな不安なり疑惑なり混乱なりというものが起こってまいっておるわけですから、私は、この行政協定、地位協定によってそういう国内法が否認される、だからお手あげですということでは済まぬと思うのです。  それでは、一体、そういう地位協定のもとにおいて国民の、住民の不安を解消するためにはどう対処するか、こういう姿勢というものが私は当然必要になってくると思うのです。そういう意味で、ひとつ政府側の御見解を承りたい、かように思います。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中政府委員 お尋ねの中で、伝染病関係についてお答を申し上げます。  ただいま御指摘のとおり、第一点考えられますことは、私ども検疫伝染病と申しております御承知のペスト、コレラ、発疹チフス、そういうような従来国内にない伝染病が外国との交流によって発生する場合、どうやってそれらに対する措置をとったらいいか。これは御指摘のとおり検疫法に基づくわけでありますが、「外国軍用艦船等に関する検疫法特例」というのが昭和二十七年に出ております。これに基づきまして、負傷軍人等が外国軍用艦船または航空機によって入国する場合には、所轄の区域の検疫所長が基地内のしかるべき担当官と連絡をとって、担当官がかわって検疫の業務を実施する、こういう法律ができておりまして、これによりまして検疫伝染病の国内侵入防止を現在措置いたしております。  それから、その他の伝染病につきましては、これも昭和四十一年の八月に日米合同委員会において、日米両国が伝染病の基地内の処理について取りきめをいたしました。これに基づきまして、管轄区域の保健所長と所在の基地の中での、この場合ですと病院長になるわけですが、病院長と連絡をとって十数種類の伝染病をきめまして、これの発生についての週報、あるいは多発の場合には即時連絡をとって、相互連係をとって措置をするというような取りきめが行なわれておりまして、この二つによって伝染病関係は現在処理されておるわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 そういう認識だから困るんですね。というのは、一例でございますけれども、伝染病についてはこういう協定があるわけです。日本駐留米合衆国軍との伝染病情報の交換について、原則的には、この伝染病が出たか出ないかということは、一週間に一ぺん週報で日本側に情報を提供するということですね。ですから、それを確認する方法はないわけですよ。実はきょうも基地の労働災害についていろいろ委員会で論議をしたわけですけれども、向こうが判断をして一方的な処置をとる。日本側の立ち会い検査ができないわけですね。それだけにいろいろ追及いたしました結果、アメリカ側の手落ちということでこの問題を処理することになりましたけれども、この伝染病が発生しても、七十名以上というような多発した場合は別ですが、一般の場合は一週間に一ぺん原則的に情報を交換する。ところが、それを確認する方法がないわけです。一方的に向こうか円もらうわけです。そういうところに住民が非常に大きな不安を持つゆえんがあると思うのです。これは私は時間がございませんから単に一例だけ申し上げましたけれども、このすべてについて言えると思うのです。そこでやはり、日本の国内法でございます検疫法、伝染病予防法、それから医療法、こういう国内関係の衛生法というものは、基地内においてはことごとく認められない。そこにやはり非常に大きな問題があるわけですから、問題がある、問題があるということでほうっておけば、いつまでたっても住民の不安というのは除去できないと思うのです。ですから、地位協定によって日本の国内法が否認されるならば、それなら一体どうするかという日本側の態度を、きちっと整理しなければならぬと思うのです。そういうことをしないから、住民はいつまでも不安を持っておると思う。  そこで、時間がありませんから次に申し上げたいと思いますが、たとえば、WHOの取りきめによりますれば、国外から日本の国内に伝染病患者を持ち込むことはできないわけです。ところが、持ち込んだか持ち込まないかは、日本の法律では検疫をやらぬわけですから、向こうがかってにやるわけです。なるほどWHOの取りきめでは、国外の、たとえばベトナムならベトナムから日本の国内に伝染病を持ち込むことはできないわけですけれども、実際は、それを実施しておるかどうかということは確認できないわけです。そういうところに、住民の伝染病に対する不安感があるわけです。ですから、国内法が否認されるならば、政府としては、一体どういう態度をとるかということを、きちっときめておかなければならぬ。とろこが、まあそうでございますというようなことでございますから、住民がいつまでたっても騒ぐという結果になったと思うのです。  そこで、申し上げておきたいと思いますが、この九日の日本経済新聞には、これは局長が談話発表されたかどうかわかりませんけれども、いま住民が伝染病に対して非常に心配をしており騒いでおります。ところが、それらに対して、伝染病の心配はないというふうな談話を発表されておるわけです。それは国内法が適用されればそれだけの自信と確信というものが出てくるでしょう。ところが、国内法は一切適用されないわけですから、あなたまかせでしょう、向こうの情報を聞くだけですから。そこで、はたして伝染病の心配はないと言い切れるのかどうか。私は、こういうふうに言っていただきたいと思うのです。「伝染病の発生の心配はございます、ございますけれども、残念ながら地位協定によって、日本の国内法は全部認められないようになっているので、困っております。」これならけっこうです。ところが、厚生省みずからが伝染病の心配はないんだと言い切る自信と確信が、日本の国内法というものが否認されている今日、ありますか。ないでしょう。向こうの情報を聞くだけで、確認できぬわけですよ。それにもかかわらず、伝染病の心配はないんですというような、アメリカのちょうちん持ちをするような談話を発表することについて、われわれは納得できません。確信があれば、何で確信があるか言ってください。

村中俊明厚生省公衆衛生局長

○村中政府委員 先ほど申し上げましたように、日本駐留米合衆国軍との伝染病情報の交換についくというこの取りきめに基づきまして、伝染病の発生の場合には、それぞれ種類に応じてお互いに通報し合う。現在の防疫の技術的な面について、Aというグループが三〇%その防疫対策を実施する、Bというグループが一〇〇%実施をするというふうなことは、私はあり得ないと思います。たとえば、ペストの発生にいたしましても、あるいはコレラの発生にいたしましても、御承知のとおり、この発生に対する防遏措置には、洋の東西を問わずあらゆる努力を払うのが常識だと私は考えております。そういう意味からは、特に検疫伝染病のようなものについては直ちに日本国側に連絡をする。連絡をする段階としては、国際検疫伝染病につきましての基地の中の措置というのは、当然できるだけやられていると思います。さらに物資あるいは人、そういう面について必要な援助というのは、相互で協力し合って防遏をするというふうな形になっております。私は、伝染病に関する限りは、国内法と国際法とを問わず、発生の場合には、適切な技術的な常識によって処理されるものだ、こう考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 そういうように、基地内の事情に全く無知識なことで答弁されることについては問題があると思うのです。  施設庁の次長がおられますから申し上げますが、きょうも社会労働委員会で、基地における労災問題について追及をした。いままでは一方的にその労務者の責任だということで、業務上過失致死罪ということで、刑事責任を追及して書類が検察庁に送検されているのです。ところが、私どもがいろいろ追及した結果、爆発物を何らの基準を設けずにやったというアメリカの手落ちがわかったわけです。そういうアメリカ側の手落ちで、とうとい人命を失うような事件が基地内に起こっておるわけです。私どもはそれを見過ごすわけにいかぬというので、去年の九月から今日まで長い間追及してきました。やっとその実態が判明して、きのう政府がアメリカ側に勧告をしたという事例がある。ですから問題は、それを確認するということになれば、情報交換けっこうです。それは確認ができれば自信と確信が出てくると思うのです。ところが、できないわけですよ。この基地の災害についても、立ち入り検査もできないんですよ。労働省のごときも、立ち入り検査ができぬものですから、見学という形で入って調査してきておるんです。それが基地の実態ですよ、あなた、そういう基地の実態を知らないで、情報をもらってそれが確信の論拠になるなんていう、それだから私は心配をするんです。私どもの言いたいところは、地位協定によってこの伝染病情報交換についての取りきめが行なわれておりますから、情報交換をし、それについて確認し得る手段が残されておりますればそれは安心できるということです。その確認ができないから心配があるわけです。本来日本の国内法が認められておりますれば、検疫をして伝染病予防法で確認ができるわけです。ところが、それがネグレクトされておるために心配があるんです。住民も心配しておるわけです。ですから、向こうの情報があるからそれで確信が持てるなんてそんな認識だから、ここで追及をするんです。それはあなた不勉強ですよ。一ぺん施設庁に連れていってもらって、基地の状況を勉強してください。全くそれは不勉強ですよ。そういう実態をよく踏まえて対策を立ててほしいから、あえてこの問題を取り上げておるわけです。  そこで大臣、いまのような認識では困るので、私どもは日本の国内法が——特にいま住民が心配している問題の中には、学校の騒音の問題とか、風紀の問題とか、検疫の問題とか、治安の問題とかあります。特にここは厚生に関する分科会ですからしぼって申し上げますけれども、今後のいろいろな問題点の中で、やはり日本の国内法が基地内では認められない、治外法権になっているというところに、住民の非常に大きな不安なり心配なりというものがあると思う。それは安保がある間はいたしかたないということでしょう。それならば一体どうすればいいのか、そこをきちっと国民の前に示さない限り、国民の心配は消えないと思うんです。ですから、厚生大臣として一番望ましいことは、国内法が基地内において適用されることでしょう。ところがそれができないわけです。それは一体どうするのかということをここで国民の前にお示しになることが、今日の騒ぎを静める一番大きなゆえんだと思います。そういう意味で、最後に厚生大臣の御見解をお聞かせいただきたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 いまの問題は、明瞭に基地内の病院には国内法は適用できません。したがいまして、それでは不安でありますから、覚え書きを二度ほど交換しました。その交換も、これで見ますと一々正確を期するためにやっておるようでありますが、その最終段階においても、御指摘のとおりに情報交換だけであって、しかも入国の場合の検疫は、一般の空港や港に入るものはこちらのほうでやりますが、基地内に直接着陸するものあるいは基地内の施設に直接入港するものは、向こうの検疫官がやるわけであります。なおまた、その後発生した病気、持ち込んだ病気等についても情報交換で知るだけであって、ただその中にない場合にも通報すること、あるいは必要に応じて、定期的でなくても通報することを要求することがでさるという点だけで、全くこれは東西にまたがる医師の良心、及び病気に対する両者の被害が同様であるという点から信頼しておるだけであって、確認するという点、その点はできないわけであります。  したがいまして、野戦病院及び病院施設をやる場合には、いずれにいたしましても、性病の問題からいたしましても、なるべく住民の不安を除去することが必要でありまするから、この点については、これを確認するための方法、覚え書きあるいはさらに相談をするとか、そういう点を検討してみたいと考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)分科員 いいです。

田中正巳自由民主党

○田中主査 唐橋東君。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 私は、配置売薬と僻地医療についてお伺いいたしますが、私がこの問題を取り上げた動機にちょっと触れてみたいのでございます。  先日、災害対策特別委員会の一行に加えていただきまして、豪雪地帯を視察しまして、そのときにある村長さんが、医者もなかなか呼べない、保健婦はなかなか巡回できない、もう富山の薬はなくなってしまった、しかも、その薬代一戸当たり三千円、五千円というのがもう通常になっている、保険制度の中でこれだけは保険に入っていない、こういうような点、これをほんとうに解決できないんだろうか。それならば、その陳情書の中にそういう項目が入っていますか、と言って聞いてみますと、これは入っていない。入っていないところに、やはり私は非常に問題視せざるを得ない点があるんではないかというので、あえて取り上げたわけでございますが、少なくとも配置売薬制度が日本のこの医療の歴史の中において占める位置はきわめて大きいと思うのでございます。ここにおいでの皆さん方、富山の薬を飲まないで育ったという人はおそらくないと思うのです。もしあったとすれば、よほど若くて都会に住んでいた人、こういうようにいわざるを得ないのでございます。  他方、御承知のように、医療制度というものが非常に近代化されてきておる。そういう中においても、まだまだこの配置売薬が国民の健康管理の中において占める位置というものは非常に大いのではないか。しかも、それは病気の最も大切な初歩のもの、あるいは他の疾病の原因となるような第一次的な病気に対するその医薬品として占めておりますし、特に僻地、農山村の僻地医療としての中心的な任務を持っておると言っても決して過言ではないと思うのでございます。ことに、いま申し上げましたように、積雪地帯における病気の発生率は、やはり非常に高いと思われるのでございまして、この常備薬が唯一の医薬品として使用されておるというのもまた、これはやむを得ない事情だと思うのでございます。いま申しましたように、保健婦の巡回もままにならない。もう薬にたよって、一部落が全部かぜ薬が切れてしまった、こういう中で、重病人やあるいはけが人だけが医者にかかっておる、これが一つの実態ではないか、こう思うわけでございます。  しかも、二、三日前の新聞が報じますように、出かせぎ家庭の場合、あるいは、さらに秋田の実情が報道されておりますが、今度はおかあさんまでが出かせぎをしておる。年寄りと子供だけだ。こういう中における健康管理というような場合には、私は何かまだまだ——他面、近代的な医療制度の完成、同時にその設備の充実等は国会において取り上げてきておりますけれども、最も底辺にあるこの種の問題については、あまりにも等閑視されているのではないか。こういうような考え方から、この問題を取り上げてみたわけでございます。  したがって、私の質問の第一は、この積雪寒冷地帯の冬季間の住民の健康状態等はどうなんだろうか病気の発生状態等は、冬季間においてやはり一定の傾向を示していると思う。病気の発生率と申しますか、罹患率と申しますか、そういうのは、地域的にやはりきておるだろうと思うのでございますが、これらについては、厚生省はどのように現在までとらえておるのか、このことをまずお伺いしたいと思うのでございます。

若松栄一厚生省医務局長

○若松政府委員 僻地における冬季の疾病の発生状況は、通常よりは濃密ではないかというお話でございますが、常識的にそのように考えられますが、現実に私ども、そのような地域の疾病発生数等を計数的に掌握したものがございませんので、ただいま申されましたような資料を持ち合わしておりません。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 そのございませんというところに、実はやはり大きな問題があるのではないか、こう思うのでございまして、こういう点について今後、これはあとで大臣にも申し上げますが、やはり非常に重視していただかなければならない一つの盲点でないか、こう思います。たとえば私のほうの、私は福島県でございますけれども、乳幼児の死亡率は、阿武隈山系が非常に高いのです。これは県内一です。しかし、その反面、結核の罹患率は最低なんです。ということは、医療制度が非常に薄い地帯は、結核の患者が非常に発見されない、つかめない。そういう点がある反面、乳幼児の死亡率が非常に高い、こういうことがやはり数字の上からだけは出てきますけれども、そういう地域こそ、いわば無医村的な、あるいは無医村の地域であって、その無医村の地域こそが、実は配置薬の売薬の消費率というものが非常に高い、やはりこういうふうに私たちは受け取らなければならないと思うのでございます。  したがって、第二の点は、配置売薬の地域的な消費率というものを、実は厚生省でつかんだことがあるのか。厚生省に、年間の生産量はどのくらいだということを聞いてみますと、生産量は少なくとも年間百億と推定されますと、こういうことなんです。百億と推定されるその推定の数量その他にはいろいろ問題があるんだろうと思いますけれども、ともかく百億としても、それがどのような地帯に大きく消費されておるか、その消費率の高さと同に乳幼児死亡率、あるいは、私が申し上げましたそういう資料がございませんという冬季間の疾病の傾向というものが、大きな関連を持っているし、そのことが国民の健康管理の中で最もいままで手をつけられてなかった大きな一つの盲点でないか、こういうふうに思うのでございますが、ともかく、配置薬の消費率を地帯ごとに、地域ごとに調べておる、こういう資料はいままであります。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 配置売薬の実態でございますが、いま御指摘のようなそういう資料そのものはございません。私どもとしましては、一般的な客観論としていろいろデータは持っておりますが、いま御指摘のように、地域別とか、そういう詳細なデータは、いままで調査したことがございません。  ただ、私どもがやっておりますのは、配置売薬の製造業の業態の実態、こういうようなものについては、昭和三十九年に全国的な調査をやったことはございますが、そういう業態の実態というものはつかんでおりますが、それが末端にどのような消費実態を持っているかというような、お尋ねのような資料は現在まで持っておりません。これは確かに御指摘のような御意見もございますので、調査自体は非常に困難かと思いますが、研究をいたしてみたい、かように思っております。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 やはり私が予想していたような答弁なので、この点もまたあとで結論として大臣に要請したいと思いますが、時間の関係もあるので質問を進めさせていただきます。  その次に、配置売薬業は、いま申されましたように、確かに厚生省のほうでつかんでおりまして、四十一年末で一万八千七百九十二、こういうような数字が配置売薬業者として資料に記載されております。その同一の資料の中に、全国の薬局の数が二万一千八百七十でございますから、配置売薬業者と薬局の数は、全国でたった三千しか違わないのです。これほど配置売薬業者が多いわけでございます。と同時に、それに伴う販売員というのですか、それを配置してくる人の数を厚生省の資料で見てみますと二万人、こういうようになっております。私は福島県の実態等も県に問い合わせてみましたが、時間がないのでそういう特殊例は除きますが、少なくとも二万人の方々が毎日毎日各農家を回り、山村を回りして、その薬を置いて歩く。ただ置いて歩くだけではなくて、この薬はこうなんです、これにききますよ、こういうことで、いわゆる平素の日常の中で、非常に薬に対する知識を与える最先端の任務を持っておると思うのです。したがって、この人たちが——やはり配置売薬の基準等は、急激なものだとか非常にゆるいとかいうような基準はございませんが、劇薬的なものとか急速にきくというような基準にはなっておりませんけれども、少なくともやはり薬品としてある効果を持つもの、それに対してやはりいろいろな説明をして歩く。こういう人に対しては、それなりの資格なり、あるいは行政指導の中において、厚生省が医薬品に対する正しい知識を与えておかなかったならば——医療思想の普及とでも申しましょうか、それは厚生省あたりが最も力を入れなければならない、また力を入れていると思われます。この国民の医薬品に対する正常な知識、こういうものを、自由に読む本だけでなしに、毎日毎日歩いている二万人の人たちが与えておる任務というものは非常に大きいと思うのでございますが、いわゆるこれら配置販売員に対する指導なり、再教育なり、資格なりというものに対しては、どのようにいままで処置されておるのか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 確かに配置販売業というものが、古来わが国の農村、山村等で、国民医療上も非常に大きな貢献をしてきたことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どももそういう配置販売業の持っております本来のあり方、また過去のおい立ち、こういうものから見ましても、この業界というものを今後健全に育成しなければならぬというふうに考えております。したが  いまして、配置販売業者なりあるいは配置員というような者についての講習会、研修会、こういう技術修得なり技術向上の機会は、各都道府県ごとにやっておりますし、また配置販売業の全国団体がございますが、そういうところでも、しょっちゅうそういう技術修得、技術向上の研修、講習をやっておる、こういうことになっております。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 そうすると講習程度で、多少なりともこの資格要件その他——少なくとも薬品を使用する場合、販売する場合の許可条件というものは、御承知のように、申し上げるまでもなくいろいろな種類の許可条件があるわけですね。一般販売業にしたって、薬種業の販売条件にしたって、そういうものに対して与えておる業種別のものはあるとしても、いま申しましたようないわゆる販売員、直接薬品の効果やその他のものに対する販売員の資格要件というものは、全然いままでなかつたということに理解していいのですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 配置販売業の資格要件というのは、法令できちんときめてございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 その資格要件が法令にきまっている、こういうことですから、あとで私はその法令を見たいと思うのです。時間がありませんので、それじゃその点についてはあとでいたします。  いま申しましたように、この配置販売業について健全に発達させたい、こういうような意向もございましたが、薬品についても、いまさら私が申し上げるまでもなく全く日進月歩だと思うのです。そういう日進月歩の中で、その配置薬品基準を見てみても、やはり新しい薬、種類をいろいろ取り入れていかれることもできると思うのですが、要は、この種の制度を、厚生省として内容を充実させながら、薬品のいろいろな新しい進歩というものも取り入れさせながら進ませていきたいのか、それともまた、近代医学の進歩によって非常に都市化されてくるので、これは大体漸次なくなってくる方向のものだ、こういう中において消極的な態度をとっておるのか。このことは、やはり非常に大きな問題になると思うのでございます。この現状の中において、これをどのように把握し、そしてこれを充実させていく方向なのか、それとも自然に消極的に漸次なくなっていくような方向、消極的な態度で見守っていって、最小限度の中でこの対策を立てておるのか。このことは、やはり基本的な問題の一つとしてとらえておかなければならないと思うのでございますが、それに対してはどうですか。

坂元貞一郎厚生省薬務局長

○坂元政府委員 御指摘のように、配置販売業というものが長年の伝統に基づいてわが国の農村、山村等の僻地等において果たしております役割りというのは、非常に高いわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、配置販売業のそういう社会的、本来的な任務というものに着目をいたしまして、やはり今後配置販売業としての役割りというものが十分に果たされ得るように、品質の改善等をはかっていくと同時に、また配置販売業を近代化していく、あるいは合理化していくように、そういうような措置も片一方において講じながら、先ほど申しましたように、健全な方向に配置販売業が育成されるように厚生省も指導してまいりたい、かように思っております。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 それからもう一つ、これは重要なことだと思うのですが、一つの例をあげますと、福島県下のある山村地帯の町の資料を見てみますと、年間二月一万円の医療費だ。こういうような数字の中で、そのほか先ほど村長が述べた例を申し上げましたが、やはり三千円ないし五千円、これはほんとうに配置薬に対する費用として消費される。しかも、それは保険制度の中には全然関係がない、こういう点の矛盾が、一番最初申しました村長のことばとして出ておるのです。まあ考えてみますと、都会では、ちょっとしたかぜでもすぐ医者にかかる。あるいはまた会社の重役さんは、飲み過ぎても医者にかかるし、ゴルフの疲れでも医者にかかる。それはすべて保険制度の中で消化される。しかし反面、いま申しましたように、一つの村全体が熱さましやあるいはその他の薬がなくなってしまうほど冬季間の健康という問題があるのにもかかわらず、医者も呼べない、もちろん保健婦も巡回できない、こういう中において、この種のものは一切保険制度の中に考えられていないということ、これはやはり放置すべき問題でないし、いまの保険制度の中でひとつこれは手をつけて、そうして解決の方法——いろいろこれは困難な点はあろうと思うのですが、少なくとも私が先ほど申し上げたような状態の中で、盲点ではあったとしても手をつけるべき面である。僻地の医療制度、少なくともそれは薬を使う国民の、先ほど大臣は事、生命に関すると申しましたけれども、やはり生命に直結してくる薬品、これに対するものとして考えるときに、保険制度の中においてこれを取り上げていくべき方途を、やはり研究すべきだと思うのでございます。  どんなふうにやるかといえば、これはいろいろ問題があると思うのです。ちょっと考えてみますと、保健婦とお医者さんが、村全体で今度かぜがはやったというならば、その消費量がすぐわかりますから、その一部は、市町村を通じて薬価を負担させていくということは、これはやはりできると思うのですが、何かしらこれに対する基本方針というものをやはり立てなければならないし、立てていくことが、やはり厚生省の今後の問題ではないだろうか、こう私は考えますので、この点について、ひとつ保険局長さんのほうですか、これはあまり法律的だけでなしにお伺いし、さらに最後にもう一つ、大臣に結論としてお伺いしたいと思う。

梅本純正厚生省保険局長

○梅本政府委員 御承知のように、国民皆保険になっております今日、国民がひとしく診療を受けるという機会を確保するということは、従来から叫ばれてきたことでございます。しかし、その盲点は、先生最初からおっしゃっておりますように、無医村でございますとか、いわゆる積雪が非常にひどくて医者の受診の機会がないというふうな場合の対策でございます。その点につきまして、保険の分野におきましては、たとえば冬季間で積雪のために受診に非常な困難が伴うということが常態になっておるというような地域につきましては、特別往診料という制度を設けております。通常の往診料のほかに特別の加算を行なうというふうな制度を持っております。  そのやり方を、この際少し申し上げておきますと、たとえば、往診の距離が片道十六キロメートルをこえた場合、または海路等によりまして特殊の事情があります場合には、都道府県知事が厚生大臣の承認を得て指定した地域においては、通常の往診料のほかに往診時間に比例して定めてございます特別往診料を加算することができるという制度を現在持っております。それで、昭和四十三年の二月現在におきまして、こういう特別の地区というものは三百二十七地域、二十六都道府県にわたってございます。先ほど申しました特別の事情というような合場には、冬季の積雪の期間、通常の車両の運行が不能のために往診に相当の長時間を要するというふうな事情も含まれてございます。先生の地元でございます福島県におきましても、東白川郡七つ、耶麻郡五つ、大沼郡四つというふうに、相当数の地区を指定しておることは御承知のとおりでございます。  こういう制度のほかに、先ほどから問題になっております売薬にしかたよれない事情の点でございますが、これは実際の実施につきましては相当きびしい条件がついておりますけれども、まず無医村であるために療養の給付ができないで売薬治療をした場合、あるいは緊急の場合に売薬を服用した場合、またはこういう緊急の場合でありまして、いろいろの状況によって療養の給付がなすことが困難である——療養の給付というのは、ちょっと専門的になりますが、いわゆる現物給付で療養の給付をなすことが困難ということで、保険者が認定をした場合には、療養費の支給をして差しつかえないというふうな態度をとっておるわけでございます。そういうふうに保険の制度におきましても、いまあげましたようないろいろの諸施策を考えておりますが、おっしゃる点十分含みまして、今後診療報酬の適正化あるいは制度の抜本改正、そういう点につきましては十分配慮をめぐらして制度を立てていきたいというふうに考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋分科員 往診料の加算や、あるいはそういう売薬を使用してもいいんだというような点は、すべてお医者さんの判断なんですよ。ですが実際私が問題にしているのは、お医者さんが行けないところなんですよ。そしてお医者さんが来るようなときにはもう重病人なんですよ。そこが問題なんですよ。そういう点をやはり市町村行政の中において——あるいは保健婦制度がありますが、しかし、保健婦なんというのがほんとうに巡回なんかできない地域こそが、この家庭薬の消費量の大きなところなんです。そういう点において、いま申されましたように三十六年以来国民皆保険制度が実施され、そしていま抜本改正が問題になっているときに、大臣、ひとつ所見をお伺いしたいのですが、この僻地の医療問題、そしていまの質問でおわかりのように、製造業のほうは厚生省はつかんでいる。しかし、いわば消費の実態というものまではつかんでいない。消費の実態こそが、消費者こそが私は非常に大切だと思うのです。これらの調査はめんどうでしょう。めんどうでしょうけれども、これは、はっきりしている。資料が、集める気ならば幾らでも市町村やその他を通じて集められますよ。ですから、消費者の立場に立って、いわば農山村の人々の立場に立って、この抜本改正の中において、この問題をほんとうに改正の中に入れていく、こういうことこそが私は非常に望ましいと思うのでございますが、それに対する大臣の所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 わが国の乳幼児の死亡率が先進国並みに減っておりますが、しかしながら、各県の差、特に郡部と都会との格差が大きい。これはすべていま御指摘のとおりだと思います。したがって、乳幼児ばかりでなく、母子家族等に対する健康もそのとおりであると考えます。配置販売の薬については、私もそれで育ってきた者でありますから、十分実情は心得ておりますが、薬務局長が言いましたとおりに、この制度は逐次なくなるべきものではなくて、制度、やり方は変わってくると思いまするが、やはり穴を埋め、あるいは豪雪、洪水、あるいは長期にわたる交通途絶等の間、本格的な医者の治療を受けるまでの応急の治療として、あるいはまた生命の危機を救う場合の治療として、いろいろまた生きる道があると思いまするので、厚生大臣は、製薬については企業育成の仕事も持っておりまするから、その点から指導していきたいと思います。  なおまた、資料につきましては、これは単に配置薬ばかりでなく、保険その他の重要な資料になりまするから、あるいは地方自治団体等の協力を得て、時期を見て資料を集めて検討したいと考えております。  なおまた、その配置販売薬を使った場合の保険に対する適用については、いろいろむずかしい点はあると思いまするが、むずかしいが実用上必要なわけございまするから、事務当局とも十分相談をして検討したいと考えております。

田中正巳自由民主党

○田中主査 次回は、明十三日午前十時より開会し、本厚生省所管に関する質疑を続行することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後七時十分散会

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