予算委員会第一分科会 第4号
- 発言数
- 373 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/03/15
会議録
○上村主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 森山主査が所用のためおくれますので、主査が出席されるまで、指名により私がその職務を行ないます。 昭和四十三年度一般会計予算中、内閣、防衛庁及び経済企画庁を除く総理府所管予算を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。 この際、念のため申し上げます。質疑時間につきましては、理事会の協議により、原則として質疑に対する答弁も含め、本務員一時間、兼務もしくは交代で分科員になられた方は三十分となっております。多数の質疑希望者がございますが、できる限り御希望に沿いたいと存じますので、恐縮ながら、質疑時間を厳守いただき、質疑及び答弁はできる限り簡潔を旨とする等各位の格別の御協力をお願いいたします。質疑の通告がありますので、順次これを許します。川崎秀二君。
○川崎(秀)分科員 総務長官がようやくおいでになりましたが、少し休憩をしてもらって、小さい問題から始めましょう。 青年の船は成功して帰ったように伝えられております。わが国初めてのことでありますので、非常に注目をされたと思いますが、私の見るところは、成功を上中下に分ければ、中成功というところですね。なぜならば、非常な欠陥は、港に停泊して、奥地に行けない。そのために外国青少年との交歓というものはほとんどなかった。団員からも非常に不満はあがっておるけれども、それはあらかじめ知っておることですから、そういうような点で今後どういうふうに修正しますか。
○安嶋政府委員 ただいま川崎先生からお話しのとおり、船を拠点として活動いたしました関係上、内陸に深く入って、実地を見るということができなかったわけでございますが、これは当初から予想されたことでございまして、そういう前提に立って、全体の計画を立てているわけでございます。これはまあ船というものを利用いたします以上は、やむを得ない制約であろうかと思います。しかし、全体として考えてみますと、その制約にもかかわらず、私は、現地青年との交歓は、その制約の範囲内におきまして十分行ない得たものと考えております。
○川崎(秀)分科員 たとえばバンコクで三日ということになりますと、一日は見物ですね。それから一日は外国青少年との交歓、それでほかの官庁や何かにあいさつに行って、ほとんど交歓ができなかったということですね。したがって、率直に言えば、まあ洋上大学あるいは洋上勤労大学、勤労者が多いから。こういうことに今後も主点を置くのですか、それとも外国青少年との交歓も相当に行なう。これは比重はどうなるのですか。三つのうち、洋上大学的なものと外国青少年との交歓、第三は現地視察、私の見ておるところではこのランクは、外国青少年との交歓は三番目のように思うので、本来ならばフィフティーフィフティーでいけるやつが、そういう効果があがっていない。
○安嶋政府委員 船を利用するということに伴う基本的な制約があるわけでございまして、今回五十三日の航海を行なったわけでございますが、陸上活動の日数は約二十三日でございまして、残りは洋上と申しますか、航海中でございます。したがいまして、航海中何をやったかと申しますれば、これは各種の研修活動、これは現地事情でございますとか、あるいは現地のことばでございますとか、それから青少年団体の指導に関する理論的な問題でございますとか、あるいは青少年指導者として必要な救急訓練でございますとか、体育、レクリエーションでございますとか、そういったことに時間的にはかなりの部分がさかれておるわけでございます。陸上活動は御承知のとおり二十数日でございまして、その間は視察見学と交歓に充当するわけでございますから、時間的な振り割りから申しますと、いま川崎先生がおっしゃいましたような洋上大学的な部分がかなり多かったわけでございます。しかし、これも繰り返し申しておりますように、船を使うということからくる制約でございまして、それはいたし方ないことだと思います。
○川崎(秀)分科員 もう一つ指摘しておきたいのは、女は乗せないいくさ船ではないが、青年の船といわれて昨年非常に問題を起こした。与党からも野党からもまた国民全般から修正しろという意見で、われわれなども相当政府に申し入れたりしました。おかげで今度は百名足らずのものが、八十名ですか行ったわけですが、私の経験によると、男女の比率というものは六対四が一番理想的です。女子のほうからも、今度は半々にしてくれという強い要望が佐藤総理大臣直接にあったということをきのうおととい聞いております。しかし、一緒に旅行すると荷物を持ってあがるようなのはみんな男が引き受けなければならぬ、雑役はみんな男なんだ。だから、どうしても団の主体になるものは、男性が主で女性が従ということになるのですが、しかし、現地における外国青少年との交歓などでは男は喜ばれるわけはないので、したがってスムーズにやるためには女性も入れなければならぬ、こういうことをあんばいすると六対四の比率にすることが一番効果もあがり、女性も、そういう荷物運搬その他のことは男性がやってくれるんだから、このくらいの比率が当然だと思うのです。今度北米などへ派遣するときには、そういうことを勘案したらどうですか。
○安嶋政府委員 お話の御趣旨はよく理解できるわけでございますが、北米に参ります際に使用する船はやはり「さくら丸」ということにならざるを得ないわけでございます。「さくら丸」を使うということになりますと、船室の関係から女子を収容し得るキャビンというものにおのずから制限がございます。これはCキャビンという四人部屋が二十四ございますが、それが限度でございます。その中に、たとえば同乗の新聞記者のスペース等をとりますと、やはり今回実施いたしましたように、女子一般団員といたしましては九十名、その他班長、助手等を含めまして約百名というところが、これは理論的に望ましいというよりは、実際上の限度であろうというふうに考えます。
○川崎(秀)分科員 田中総務長官にお尋ねをいたします。これはすでに通告もいたしてありますことでありますから、十分なる御答弁をいただきたいと思うのですが、昨日予算の第四分科会におきまして、私は、一九七〇年の万国博覧会の際に、世界青年文化祭を開け、これは中青連その他各青年団体の非常に大きな希望でございまして、昨年の秋ごろからいろいろと積み重ねて練ってきたものであります。一九六四年には東京オリンピック大会が行なわれ、一九六七年にはユニバーシアード大会、一九七二年には札幌オリンピック大会が行なわれようとして、スポーツの祭典はこのところ矢つぎばやに開かれているわけであります。若人のシンボルはやはり行動力でありますし、躍動する力でありますから、スポーツの祭典がかように開かれたことは決して過剰だとは言いません。けれども、日本の青年が、他の一面である文化、芸術、産業面における活動力を世界に紹介して、そして文化への探求ということを外国の青少年とともに考えてみるという機会がほしかったわけであります。その象徴として万国博が開かれるわけでありますから、万国博の際に外国青少年を招いて、ともにやったらどうかという考えであります。外国の青年団体の中にも、ぜひ日本へ行ってその躍進ぶりを見たいという考え方を持っておる国がかなりたくさんある。いま万国博は二十数カ国しか参加がないので非常にさびしい現状で、きのうも総理大臣は、八十八カ国へ招請を出しやっきとなっておられるようですが、これを盛り上げるためにはやはり万国博にふさわしい文化的な行事が必要であろうということを考えまして、この世界青年文化祭の提唱となったのであります。昨日通産大臣は、これに対して全く賛成である、ぜひ盛大にやりたい、自民党の特別委員会も昨日の午前中にこのことを了承してくれましたので、これから先はやはり文部省並びに内閣総理府の責任ある御支持を得なければならぬというふうに考えるのであります。すでに二、三回折衝はいたしておりますが、この機会に、かような大会が青年各団体を中心にして行なわれようということであるならば、内閣総理府としてこれを支持していただけるものかどうか、はっきりした御答弁をいただきたいと思います。
○田中国務大臣 川崎先生もその件について総理府のほうにお見えになったこともございます。私は非常にいい構想だと考えております。特に青少年の国際交歓ということはこれから非常に大事だろうと思いますので、この点につきましては、具体的にひとつ御相談し合って計画もつくり、また進めてまいりたい、かように考えております。
○川崎(秀)分科員 ただいま青年文化祭について賛成だということであります。 そこで一つの問題点は、総務長官でもよろしいし、青少年局長が専門的に知っておられると思うのですが、大阪には宿舎が適当なものがないんで、そのとき来日する観光客あるいは一般の外人とはやはり性格が違うわけでありますから、できれば関西青年の家というようなもの、国立青年の家というものをつくらなければならないのではないかというふうにも考えているわけであります。実は文化祭は大阪で最後にやるわけでございますけれども、宿舎の関係で東京の代々木のセンターも利用して、東西でやるという考え方もあるわけです。これは八十カ国ぐらい参加する可能性があるわけですが、平均三、四十人来るということになると、もうすでにドイツなどは、二つのチャーター機で来たい、そういうようなことがあれば二百八十人というような希望も申してきておりますから、したがって頭をどのくらいで押えるかは別にしても、世界青少年キャンプのときでも頭を百八十で押えたわけですが、それでも千四百人、今度はおそらく三千人ぐらいになる。それを収容するところは代々木のセンターしかないわけです。東京では開けるけれども、大阪ではなかなか開きかねるということもありまして、通産当局の参事官は何とかしてでもそれだけ大阪で収容するようなものを持ちたいと昨日答弁はいたしましたが、こういう機会に関西に、東京のようなりっぱな施設まではいかないにしても、二千人やそこらの外国青少年を収容するものを平素つくっておったらどうだという考え方を私は持っておるわけです。そういう点に対して、あるいは総務長官のほうが、そういう大ざっぱな問題になりますから御答弁いただけると思いますけれども、いかがでしょう。
○田中国務大臣 宿泊施設の問題はお説のとおりでございまして、この問題はさらに万博その他の問題とも関連しまして、特に具体的な話の詰めは、やはり文部省だろうと存じますけれども、われわれのほうも中に入りまして、いろいろと協議をしてみたい、かように考えております。
○川崎(秀)分科員 これをやる場合に、やはり今度の万博そのものは通産省が管理しておるわけですが、青少年祭ということになると所管はどちらになりますか。私は、東京オリンピックの際に行なった世界青少年キャンプのように総理府がやってもらえばいいのじゃないかというふうにも考えておるわけですが、この点は、総務長官でも、青少年局長でも、どちらでもよろしゅうございます、御答弁いただきたい。
○田中国務大臣 ただいま申し上げましたように、青少年対策というものは総理府でございますが、同時にまた、文部省のほうも十分関心もあることでございますから、各省庁の連絡調整をいたしますのも私のほうの役所でございます。ひとつだんだんとお話が進むにつれまして御相談をし合ってまいりたい、かように考えます。
○川崎(秀)分科員 非常に専門的なことを聞いても無理な点もあるかと思いますので、この程度で大体青年文化祭の問題は終わりたいと思っております。 青少年局長に伺いたいのですが、総理府は他省に属せざる青年の問題を取り上げてやっておるわけですが、いまの青少年の海外交流のうち、青年の船はぜひ総理府のほうで続けて管理をし、将来事業団的なものを外郭につくってでもやるということの構想もあるようですが、それもひとつ考えておやりになったらいいと思うのです。ただ、私の立場からいうと、たいへん言いにくいことなんですけれども、しかし、私が世界青少年交流協会というものの責任者で、過去四、五年の間いろいろと実情を知っておるものですから申し上げたいが、皇太子の記念で始められた青少年の派遣ですね。だいぶ改良はされておるけれども、わずか九十人ほどのものしか派遣しないわけであって、帰ってからの活動というものもあんまり効果があがっているようにも私は思わないし、またヨーロッパの大公使館などでは、交流協会も来るし、総理府のものも来る。総理府のほうのは、特にまじめなりっぱな青年だと思いますけれども、どうも語学力が十分でない。それから、交換でないので、向こうではあまり喜んでおらない。そのほかに各大学がいろいろ頼んでくるので、それはもう断わるようにしておる。最近ではただ案内ぐらいにしておるのですけれども、何とかこれを一本化してくれないかというのが、フランスの大使館、イギリスの大使館などの希望なんです。交流協会は解散してあなたのほうへ合併してもいいわけですが、そうはいかない。民間事業というものは根強くやらなければならぬし、非常に効果をあげつつある。むしろ、はなはだ恐縮であるが、外国に与えておる効果は相当に総理府の派遣を上回っておると私は自信を持っておるのです。そういう点で、どうですか、将来は総理府の海外派遣というものをやめて、そうしてあれだけの費用をやれば、自己負担を少し取れば、相当な人数を海外に派遣できるわけです。交流協会では二千五百五十万円の補助をことしもらっておるが、六百五十人も派遣する大規模の計画を立てて実施をしておるわけであって、そして外国からの青少年も受け入れる、こういう奉仕的な仕事もしているわけです。そういう意味で限界が来つつあるのではないかと私は思うのですが、はなはだ言いにくいことでありますが、御答弁があれば御答弁を賜わりたいと思います。
○安嶋政府委員 総理府が行なっております海外派遣の効果でございますが、事後活動につきましては、これは私ども十分気をつけておる点でございまして、大いに活発にやるように言っております。これはたいへんりっぱに行なわれているというふうに言いますことはあるいはできないかもしれませんが、できるだけのことはやっておると私は考えております。外国におきまする行動につきましても、私どもが在外公館から受けております報告によりますと、たいへん規律正しく効果のある交歓視察をしてくれたというような報告を受けておりますので、その点はそう格別問題はないのではないかと思っております。ただ、川崎先生の世界青少年交流協会の海外派遣との関連の問題につきましては、私どもも実は気にしておるところでございます。したがいまして、訪問国の選定でございますとか、あるいは時期でございますとか、そういったことにつきましては、計画を立てる場合に十分念頭に置いておるつもりでございます。 それから、将来これをやめる考えはないかというお尋ねでございますが、率直に申しまして、これをやめるという気持ちはただいま持っておりません。こういう形でいつまで続くかということは問題でございますが、おそらく近い将来これをやめるというふうには考えておりません。私どもの事業は御承知のとおり全額負担でございます。したがいまして、人選等は、個人の負担能力ということにかかわりなく、真に適当な人が得られるというふうな長所があるわけでございますので、やはりそういう形で続けてまいりたいと思います。 それから、語学力の点でございますが、確かに御指摘のような問題もございますので、さらに検討して改善をはかりたいと考えております。
○川崎(秀)分科員 これは、個人で負担する能力がない者に与えるということは非常にいいことですから、そういう意味では一つの長所もあり、また、勤労青年だけですから、学生というものは入っていないという点で多少違う点がありますけれども、非常に考慮すべき問題も出てきているので、あまり強くこの場合は主張いたしませんが、そういう問題点が起こっておるということだけは指摘をしておきたいと思うのです。 この際、ちょっとオクターブが高くなりますが、一つの新しい構想として、青年の町というものを考えてみたらどうか。近来御存じのように、日本の青年層のあらゆる領域における発言というものが目立ってきておる。その一番強い発言は全学連に集約をされ、さらにその先端は三派全学連に集約されておると思うのです。私は、あの連中の暴力的行為は絶対に許すことはできないと思っておるけれども、そういうものが出てきておる背景は、やはり日本の国家の将来の進路というものに非常に疑いを持ち始めたところにある。これはわれわれ政治家の責任だと思って非常に反省をしておる者の一人であります。こういうことを与党の議員が言うのは少ないと思う。非常に私は反俗をしておる。ああいう考え方が出てくる基礎が、いまの政治の中にあるわけです。 そういう点が一つと、もう一つは、若いエネルギーを発散させる場所がない。そのためには、年来私は、もっと大衆的な運動場をつくれ、いまのような選手本位の運動場ではいかぬということ万言ってきたのですが、その効果があがっていないのは残念です。これはまた文部省の体育局長や文部大臣あたりにいずれかの機会に集約的に質問しますが、きょう私が言おうとしておるのは、ソビエトロシアでは、近ごろシベリアの開発のためにスンガイトというところに青年の町というものをつくってみた。シベリアがいつまでたっても大きく開発されないので、開発心を植えつけるためには、青年だけでひとつこの自然と戦ってシベリアを開発しようというので、バクー油田から約四十キロのところにこれをつくったそうです。三十五歳以下の青年ばかり集めた。それが非常に成功して何万という青年が全国から集まってきた。もちろん共産党のことでありますから、推薦制でしょう。北海道開発ということが言われて非常に長く、日本の他の地域の人口とアンバランスであるし、いまだに大きな構想が出ておらない。北海道でもいいが、富士山のふもとでもいい。しかし北海道のほうが有効的である。そういう意味で青年の町というものをひとつ考えてみたらどうかと私は思うのですが、田中総務長官、どうですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。 ただいまの川崎さんの御構想は、まことに斬新なものだと存じます。なお、私の見た限りにおきましても、アルゼルチンに少年の町があります。それから少し性格は違いますが、イタリアのチビタベッキアの非行少年の町、そういうふうなことで、私どももただいまの川崎さんの御構想とはいささか違ってもおりますけれども、まあ、一つのアイデアとして、小笠原が国立公園に指定になったというような場合に、青年の島でもつくったらどうかというふうな話もしたことがございます。そこに一つのいわゆる青年の家みたいなものをつくって、ほんとうにキャンプファイヤーも自由にできるし、集団生活もできるというようなこともございます。その問題は、またひとつ川崎先生といろいろとこれから御相談してまいったらどうかと存じますが、非常に斬新な御構想に対して敬意を表します。
○川崎(秀)分科員 文部省に来ていただきましたのは、先ほどの青少年交流の問題とダブるわけでありますが、文部省でも世界青少年交流協会あるいはボーイスカウト、その他有力な団体の横の連携による大会へ補助費を出しておるわけですが、総理府の全額負担とは違って、ほんとうの涙金ほどの補助金ですが、あの柱をだんだん拡大して、そうして優秀な青年学生、日本は青年といっても七割から八割は学生なんですから、学生の中で自由に旅行のできる者あるいは富裕な者は別ですが、チャンスのない中産階級以下の者に機会を与えるために、選抜して外国へ行かせる。また向こうから青年学生が来たときには十分引き受ける。総理府の青少年局長に従うと、実施団体というのはあくまでも文部省が中心だというわけですから、ひとつ来年度予算からは飛躍的な考え方を持ってこれに対処する気持ちはありませんか。
○木田政府委員 御指摘のように、文部省は主として民間団体の自主的な国際交流活動というものを、その目的に応じて援助するという仕事をしておるわけでございます。したがいまして、川崎先生の推進していらっしゃいます世界青少年交流協会の活動の中でかなり大きな仕事に、スポーツという観点から、あるいは青年の国際交流という観点から御援助も申し上げております。そのほかにいま御指摘がありましたようなボーイスカウトあるいは健青会等の団体が、団体の自主的な活動として国際的な他の友好団体と協力して事業を行なっておるものに援助しております。所管が文部省の中でも社会教育局のほか体育局にもわたっておりますし、さらに件数は一番多くユネスコ国内委員会の関係で処理をしておるものがございます。その中にはAIESEC、いわゆる国際経済奨学学生協会でありますとか、あるいは通称IAESTEと呼んでおりますが、国際学生技術研修協会でありますとか、あるいは日本ワールド・フレンドシップ・アソシエーション、シビル・サービス・インターナショナル日本本部、こういう関係の団体等が積極的に国際的な活動をいたしております。さらに、これは日本では受け入れ団体が中青協だったかと思いますが、世界青年会議の日本委員会が国際的な活動をするというのにも昭和四十二年度補助をいたしておるわけでございます。私のほうの社会教育関係団体に対する補助金の総ワクは一億ほどでございますけれども、本年度さらにまた一千万強の増をいたしまして、金額から申しますとこの約四割前後が国際活動というもののために充当されております。今後も青少年の団体のこうした国際活動というものに充実した努力を注ぎたい、このように考えております。
○川崎(秀)分科員 こまかに伺いましたが、今後拡充する意図があるということは非常にけっこうです。実はこの問題については、この財政硬直化の中にもかかわらず、大蔵省方面でも非常に理解があるのです。まだまだ拡充してしかるべしという考え方を持っておりますし、受け入れるほうもそういう気があるし、自民党でも大いに飛躍させようという気持ちになってきておりますので、来年度予算、つまり、昭和四十四年度予算では十分飛躍をするように、いまから積み上げ方策を開始してしかるべしだというふうに私は思っております。 さらに今度は、一番最後に、これは自分自身にも言い聞かしておるわけですが、メキシコ・ユース・キャンプに百三十五人出す。非常に大きな部隊である。これは百人出すのも百三十五人出すのも、チャーター機で行けば百三十五人のほうがやや安いという割合もあって、そういうことになったと思うのですが、体育協会に私どもは、グルノーブル・オリンピックの惨敗からして、もっと選手を縮小しろ、入賞可能なものに限れ、入賞しなくてもそれに迫るものに集約しろということを注文をつけておる関係から、メキシコ・ユース・キャンプに日本の代表団が参加することは一番いいことだし、また提唱者でもありますし、百三十五人行くのはいいわけですが、どうも自分が会長をしておって何ですけれども、青年団体の代表だけではいかぬ、やっぱりでき得れば、一般の青年からも公募をするとともに、その中にはスペイン語、英語の十分たんのうな者を多くとるようにということを私は言うております。文部省でもひとっこれは委員会にも勧告をしてもらう。最近国際交流をやっておって一番残念なのは、日本の選手はほとんど英語ができない。あれだけの代表団の中で多少しゃべれるのは長距離の沢木君だけです。だから、いろいろな会合があったって、外国の選手と全然なじまない。選手はしゃべれなくとも、技能さえあればいいわけですけれども、しかし、ユース・キャンプへ行った者がしゃべれないで外国の青年と交わるなんということは、これは実に愚の骨頂でありますから、青年団体から選ぶ者の中には相当優秀な語学能力のある者を重点で選べということを、文部省から逆に私は勧告をしてもらいたいと思っておるわけです。入賞可能でない選手とか、あるいはしゃべれない青年なんというものは意味がないと思うのですが、あなたはどういうふうに思っておられますか。
○木田政府委員 今度のメキシコ・オリンピックに対しまして、日本の青少年団体が青少年キャンプの派遣団員を構成される。私どももそのために一千万円を上回ります補助額を予定して応援をしたいと思っております。 その構成につきましては、いま御指摘のございましたこと、私どももわかる話でございます。もっともこれは中央青少年団体連絡協議会が各青年団体の意向を結集して行なう行事でございますから、私どももその際にいろいろと意見を求められることがあろうかと思います。実情に沿うように私どもも考えるようにしたいと思っております。
○川崎(秀)分科員 最後の質問を田中長官に注文を発しつつ申し上げます。 青少年局が格下、げになったときに私は一番がっかりしました。 〔上村主査代理退席、主査着席〕 国民もがっかりしたと思うのです。佐藤内閣の金看板のようにいわれておって、総理府の中で一局削減が青少年局、何とも残念千万であって、露骨な話が、われわれが党の主流に近ければ、これは何としても通さない、がんばろうと思ったが、すでに総務会に出てくる前に大勢が決しておって、非常に残念千万であります。 この間久しぶりに二回ほど青少年局へ行ってみたら、なるほど格下げになっておったはずです。いままで青少年局長の部屋は四階にあったのが一階におりた。これは格下げでなしに、格下げである。どこのビルでも四階というものは、局長あるいは総裁というものがおって、一番の何でしょう。 どちらにしても、この格下げについては将来やっぱり回復しなければいかぬ。ヨーロッパのどの国でも青少年省というものは——青少年だけではありませんが、家庭青年省とか、スポーツ青年省というもので一つのミニストリィをなしているわけです、ドイツにしてもフランスにしてもフィンランドにしても。ですから、第二次大戦後の世界の動向からして、青少年問題というものは非常に重大だ、これに家庭とかスポーツとかいうものをつけて一省を形成するだけの重さを持ちつつある。戦争というものがなくなればなくなるほど、平和の時代であればあるほど、青少年問題というものは比重を増してくる、エネルギーをどこへ発散するか、あるいはその知能をどの職域が受け入れるかということが大問題となってくるのは当然でありまして、そういう意味で青少年局が対策本部で、実際は佐藤総理大臣が対策本部長であるから内容は充実したんだと言いわけしておるのですが、それではなかなか一般には通らないので、どうか内容も充実した青少年局が再び復活をし、さらに将来は青少年省へもいくような大きな構想を持って進められてはどうかと思うのですが、田中総務長官に最後の御答弁を求めるものであります。
○田中国務大臣 その点は、一局削減という一つの時期に行なわれましたことが、これはタイミングが非常にまずかったと存じますが、実態的には決してそういう御心配は要らない。むしろこの際八条機関にいたしますることは、さらに能動的な内容を与え、そうして佐藤内閣の一つの大きなビジョンであります青少年問題とより積極的に取り組んでまいろうというふうな気魂を持って今回の改正をいたした次第でございます。どうぞ御安心いただきとうございます。
○森山主査 次に西風勲君。
○西風分科員 この間予算委員会で問題になりました同対審の完全実施、そのための特別措置法という問題について、総理大臣及び関係閣僚に八木委員のほうから質問があったわけですけれども、あの印象によれば、あるいは従来からの経過によりますと、今度の国会には少なくともこの措置法を必ず提出して、今国会で通過せしめるというように私どもは見てとっておりますし、またそれが当然ではないか、政府の責任ではないかというふうに思うのですけれども、まずその点についてお伺いしたいと思います。
○田中国務大臣 その際お答え申し上げましたように、ただいま協議会のほうにおきまして、本件につきましては各方面からも案が出ておりまして、法制部会において審議中でございます。協議会の御審議を待ちましてわれわれは善処いたしたい、かように考えております。
○西風分科員 私どもの聞くところによりますと、私ども個人は、あなたは非常にこの問題について熱意を持った人だというふうに思っているのですが、世間のうわさによりますと、措置法の提出にあなたは非常に消極的である、政府部内、自民党の中で、この問題についてむしろ今国会に提出しないというほうの急先鋒であるといううわさがあるのですが、そんなことがありますか。
○田中国務大臣 私は、御案内のとおりに、同和の問題とは久しい間取り組んでまいっております。このいまの措置法の問題につきましては、御案内の堀木さんあるいは八木さん、その他関係各位とも今日までもいろいろと御相談をしてまいっております。同和の問題が、あるいは環境の整備にせよ、あるいはまた社会的な地位の向上にせよ、何とか一日もすみやかに解決したいということにつきましての情熱におきましては決して劣るものではない、かように御安心をいただきとうございます。
○西風分科員 政府が、総理府が中心になって、政府の案をまとめて今国会に提出するというように理解していいわけですね。
○田中国務大臣 ただいまも申し上げましたように、協議会がございます以上は、われわれは協議会の答申を待ってすみやかに善処いたしたい、かように考えております。
○西風分科員 官房長官はまだですか。
○森山主査 では官房長官が来られるまで質疑を留保されて、次の方にやっていただきましょうか。——よろしゅうございますか。
○西風分科員 いいですよ。
○森山主査 次に、柴田健治君。
○柴田分科員 時間がございませんから簡単に御質問申し上げますから、答弁のほうも簡潔にお願いしたいと思います。 まず、田中総務長官にお尋ねしたいのですが、災害対策基本法ができて、もう七年になるのです、三十六年に発足したわけですから。この災害対策基本法により、中央には中央防災会議ができ、都道府県には都道府県の防災会議がある。市町村には市町村の地域防災会議があって、それぞれ基本計画ができておると思うのです。いま都道府県においては、どこの都道府県も防災の基本計画ができておると思うのですが、市町村の地域防災基本計画は、いま全部できておるのか、何%くらいできておるのか、まずその点をお尋ねしたいと思います。
○田中国務大臣 災害対策基本法に基づきます組織の問題でございますが、ただいま御質問の市町村段階に何%すでにできておるかということにつきましては、私、詳細心得ておりません。担当者もただいまこちらに参っておりませんので、後ほど明確に調査いたしまして、直ちに御報告申し上げます。
○柴田分科員 数字的にはあとからお答え願うといたしまして、問題は、この災害対策基本法のねらいは、まず、災害が起きてからの処置、またその後の復旧対策。しかし、われわれ考えておるのは、真のねらいは災害を未然に防止する予防対策、これが重点にならなければならないのじゃないか、こう解釈しておるのですが、それが当局のほうの考え方は、災害が起きた、起きた後、こういうことで、後手後手に回るような考え方があるのじゃないか、こういうことを末端では強く感じるわけです。要するに今度の市町村の地域の基本計画を見ましても、普通の火災、また特定の市町村においては、たとえば石油コンビナートのような基地を持っておる市町村については、十分な防災の基本計画を持っておるということは理解できるのですが、その他の市町村においては、水防なら水防の対策、また普通火災なら普通火災だけの対策、これだけに重点を置いて、山林のほうについてはもうお手上げだというような実態なんであります。山林火災に対して、総理府のほうではあまり関心を持っていないのじゃないか。個々の市町村の基本計画の中を見ましても、山林に対するそうした災害対策というものは、あまりにもないのじゃないか、こういう感じを持つわけですが、この点についての取り組み方、見解をひとつ聞いておきたいと思います。
○田中国務大臣 御指摘の山林災害は、これは町村にとりましても非常に重大な問題でございます。私ども災害関係を扱う者といたしまして、重大な関心を持っておりますが、御指摘のように、山林の防災につきましては、まだ十分でないという気が私自身いたしておりますので、今後ともにこれにつきましては指導をしてまいりたい、かように考えております。
○森山主査 官房長官が御出席になられましたので、柴田君の質疑は中断をいたしまして、西風君の質問を続行していただきたいと思います。
○西風分科員 ほんとうはこれは総理大臣に、あるいは外務大臣に聞きたいのですけれども、分科会その他の仕組みの中でそれが不可能でありますから、佐藤内閣の中心であり、右腕と左腕というようにいわれております両長官がおられるわけですから、両長官に率直にお尋ねしたいと思うのです。 官房長官、あなたは、三月六日の毎日新聞によれば、現在沖繩で行なわれているB52の撤去の運動は一部に行き過ぎがある、したがって、こういう行き過ぎがあるならばこれは沖繩の早期復帰にとって障害になるおそれがある、こういうことを言ったと——新聞の報ずるところですからあなたの真意かどうか知りませんけれども——そういうことが書かれているのですけれども、これはどういう意味であなたはこういう発言をされたわけですか。
○木村(俊)国務大臣 私が発言いたしました趣旨はこうでございます。沖繩の直訴団の方でこられて、そのとき持ってこられた文書、ビラでございますけれども、それに、B52が水爆を積載しておる、これはたいへんに危険だというふうに書いてございましたので、そういう文書をお出しになることはかえっていろいろ不安をかもすことになるであろうし、また——私もこれは新聞で知ったのでございますけれども、高等弁務官が、あまり事実に基づかないよけいな憶測はかえっていけないというようなことを話したように新聞で報道されておりました、そういうこともあるから、そういうようなあまり極度に不安をかもすような文書はかえってお出しにならぬほうがいいでしょう、こういうことを直訴団の方に私のほうから御注意を申し上げたこともございますので、そういうことを中心に話したものと私は記憶しております。
○西風分科員 あなたは沖繩に行かれていないからわからぬと思いますけれども、最近沖繩から来た人々、沖繩から帰った人々に聞きますと、B52の問題で、極端な意見では、これは本土に疎開しなければ報復爆撃その他で非常にあぶないのではないかというような意見が出るほど、B52の問題について神経質になっておるわけです。また、感情的に神経質になっておるのではなしに、B52という飛行機は原爆、水爆を積んで飛ぶことのできる能力を持っているのみならず、むしろこれを積むためにつくられた飛行機だというように言っても過言ではないような内容を持っておるわけですね。しかも沖繩の現地で報ずるところによりますと、この飛行機は通常三機編隊で飛ぶそうですけれども、嘉手納から飛び立つときには四機編隊で飛んでいる、帰ってくるときには三時間半ないし四時間後に三機編隊になって帰ってきて、一機はおくれて帰ってくる、あるいは早く帰ってくるというふうに伝えられているわけです。大体通常B52というのは三機編隊で飛ぶのが作戦の計画になっているようです。この一機は、通常の常識によれば、おそらく水爆ないし原爆を積んで朝鮮、あるいは太平洋地域ですか、日本に近い地域を飛んでいるということが半ば常識のような状況が生まれようとしておるときに、沖繩の現地の住民が政府に出される直訴団という名前の抗議団の中で、そういうことが表現されるのは当然だし、そういう不安を持つことに政府はむしろ積極的にこたえる、不安をなくするために政府が積極的な努力を払うことこそ、政府の義務ではないかと思うのです。 現に、三月十日ですか、ワシントン・ポストのウィルソンという記者が出しました記事によりますと、嘉手納の基地から出るB52は、ベトナム作戦独特の迷彩を施した飛行機である。ベトナム戦に使っている爆弾を積んだトラックがその飛行機に横づけになって、この爆弾を搭載している。あるいは、B52が飛び立っていくかなたは南の方向で、帰ってくる時間その他から計算すると、北爆ないし南ベトナム民族解放戦線に対する爆撃というように考えるのが常識であるということを言っておるわけです。そういう中で、B52の撤去の問題について、政府がもっと積極的な立場をとるということがなぜできないのですか。
○木村(俊)国務大臣 御承知のとおり、B52が沖繩に移駐しておりますことから生ずる沖繩住民の不安、これは私ども非常に重大な関心を持つと同時に、十分理解しております。しかしながら、沖繩は、御承知のとおりアメリカの施政権下にございますし、法的には、B52の撤去を要求する権限は日本政府にはございません。しかしながら、いまお話がありましたとおり、沖繩住民の不安に対する十分な理解、これは当然日本政府として持つべきものでございます。その限りにおきまして、先般も外務省を通じまして、沖繩住民の不安について十分な配慮をしてくれるよう、申し入れをしております。
○西風分科員 最近アメリカは、戦術核兵器の専門家でありますリチャード・ガーウィン博士を中心にした科学者のチームを派遣して、南ベトナムの解放戦線の地域で、あるいは局部的な戦闘のある地域でも、戦術核兵器を使用する問題について調査研究を行なって、すでにアメリカへ帰ったということが報ぜられておるわけです。これらの戦術核兵器の使用というようなものが、沖繩の基地との関連においても考えられますし、それ以外にも考えられるわけですけれども、そういう状況の中で、沖繩問題を解決していくためには、政府もたびたび言明しておられるように、ベトナム戦争が早期に解決する、平和的に終結するということがその大きな前提条件であります。ところが、戦術核兵器が使われるというようなことになりますと、アジアの緊張は、予測することさえ困難なような状況が出てくるわけです。そういう可能性があるわけです。 そういう点で、政府はアメリカに、ベトナム戦争で戦術核兵器を使うな——いままでの政府の言明によりますと、アメリカは戦術核兵器をまさか使うことはあるまいということですけれども、しかし、従来の経過から見ますと、必ずしもそうは言えぬわけです。そこで、政府はアメリカに、ベトナム戦争で、その他の戦争でももちろんそうでありますけれども、特にいま中心になっておりますベトナム戦争で、戦術核兵器その他大量殺戮のための兵器を使うな、というような申し入れくらいやるのが当然だと思いますけれども、そういう意思がありますか。
○木村(俊)国務大臣 ベトナムにおきまして、アメリカが戦術核兵器を使わないということは、むろん累次にわたりまして、ラスク国務長官またマクナマラ国防長官が言明しております。したがいまして、わが国よりそういう申し入れをするまでもなく、国際世論となっておりますことは、アメリカも十分承知していることだと思います。また、いまお話のありました一種の調査団をアメリカが出しましたのは、私が聞いております限りにおきましては、アメリカにおきましても、どこの国とも同じようにタカ派がございますので、そういうタカ派の、そういう戦術核兵器を使うべきだという国内的な一部のそれを静めるために、わざわざ調査団を出して、使っても決して有効でないという結論を持ち帰るためにむしろ派遣したという、消極的意味を持つ派遣であった、こう承知しております。
○西風分科員 しかし、ドゴールも最近の記者会見で、アメリカは戦術核兵器を使おうとしている、その計画を持っているというようなことを言っておりますし、国際的な世論からいっても、アメリカが戦術核兵器を使う可能性が非常に多いという疑惑の見方をしておるほうが多いわけです。そういう点では、政府はもっと積極的なかまえでアメリカにだめ押しするということが必要であります。同時に、アメリカは、佐藤内閣の考えているよりもはるかに急速な勢いで、変化が起こり始めております。ここ二、三日の大統領選挙をめぐる状況、ロバート・ケネディが大統領選挙に立候補するかもわからないというような意思表示をする、あるいはその可能性検討の声明の中で、ベトナム戦争終結について、積極的な手だてをアメリカが講じる必要があるということが、むしろそういうものを検討する上での直接的な動機になっておる。アメリカ自身に非常に大きい変化が起こってきているし、まかり間違えば——まかり間違えばじゃなくて、実際そういう可能性があるのですけれども、ジョンソンが再び大統領に再選されないというような可能性さえ出てきておるわけであります。そういうときに、日本がアジアの領域において、もっと積極的な平和政策をとる。特にB52が日本から直接飛び立つというようなことは、日本がアジアにおいて、これから平和的な経済計画、建設計画、あらゆる計画をやっていく上において、イニシアチブを失うことになるわけです。そういう点で、そういうアメリカの変化その他も考慮して、B52その他の問題について、あるいはベトナム戦争の問題について、もっと積極的な姿勢で、アメリカに、対米交渉というような名に値するくらいの内容の交渉を持つ意思があるかどうかということをお伺いしたい。
○木村(俊)国務大臣 これはベトナム情勢のみならず、非常に国際情勢は流動的でございますので、政府といたしましても、当然持つべき基本的な態度、これは動かし得ませんが、それ以外において、国際情勢に柔軟に対処するだけのかまえ、これは必要だと思います。御意見はよく承知いたしました。それに対応するような考え方でいきたいと思います。
○西風分科員 沖繩のB52の問題については、沖繩問題懇談会というようなものは何も権限を持っていないわけですが、こういう人々が調査団をつくって、政府がやったというような足跡を残すだけの形式的なやり方なら、やめておいたほうがましだと思います。これは政府が中心になって、むしろ総理府がかなり重い責任を持たねばならぬと思うのですけれども、もっと総理府なり政府なりが責任を持った調査団、代表団というものを送って、むしろ沖繩の現地で憂慮すべき事態であるということを確認したら、直ちに高等弁務官と交渉して、その不安を静めるような、そういう積極的な権限と積極的な情熱を持った調査団を送る意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。
○田中国務大臣 御案内のとおりに、大浜委員会、これは総理の諮問機関でございまして、同時にまた各方面からの権威を集めておるものでございます。これらの方々が沖繩のほうの調査においでになりまするのにあわせまして、このB52の沖繩を基地としておることについての、沖繩の民心の不安あるいはまた現状というものをお調べ願うということにいたしましたことは、私はまことに適切なことだ、かように考えておる次第でございます。
○木村(俊)国務大臣 いま総務長官からお答えしましたとおりでございますが、ただ私どものいまの考え方としましては、B52の現在の駐留について非常に不安が高まっておる、この事態をやはり政府としても率直に認めなければなりません。そのために、この間来られました直訴団の方々が、ぜひひとつ現在いまの実情を視察してほしい、本土におる政府としては実感がわかないから、まず実情調査をしてほしいという非常に強い御要望がございますので、政府から調査団を出すのも一つの考え方でございますが、現時点におきましては、たまたま大浜調査団が現地に行かれて、一体化の問題とともに、こういう実情調査をせられるという機会がございましたので、まず、その大浜調査団に対して、実情をぜひ見てきてほしい、それを総理に報告していただきまして、われわれとしても、十分沖繩の住民の方々の不安をはだで感ずるような一つの機会にしたい、こういう目的でお願いをしたわけでございます。
○西風分科員 調査団の問題は、この際強く要求しておきたいと思うのです。やはり、政府の責任のある調査団をすみやかに送ってもらいたいというふうに思うわけです。大浜調査団もいいですけれども、それだけじゃ問題は解決しないわけです。それでは、政府がやったというかっこうを世間に見せるためのサル芝居だという取りざたも世の中にはあるわけです。だから、そういう点で、政府が責任のある調査団をすみやかに送ってもらいたいということを要求しておきたいと思うのです。 それからもう一つの問題は、いま沖繩で非常に重要な問題になっておりますのは、こういう問題が起こったときこそ、より必要性を感ずるわけですけれども、沖繩県民の国政参加の問題です。この問題は、伝えるところによりますと、政府と自民党では、西ベルリン方式というものを現在検討中である、こういう話ですけれども、西ベルリン方式というようなそういう消極的なものではなしに、この程度のことはアメリカと大胆に話をつけて、日本本土で行なわれておるのと同じ方法で、沖繩の県民が直接日本の国政に参加するというような、そういう立場をとれないかどうか。また同時に、この問題の検討がどういう状況になっておるか、お伺いしたいと思います。
○田中国務大臣 国政参加の問題は、沖繩の県民の方々が日本人である以上、特に近い将来において本土に復帰する、なおその間における一体化問題等につきましても、当然沖繩の方々の日本国会におきまする発言、これは当然の御要望でございます。で、それを受け入れるべく、われわれとしましてはいろいろ検討中でございます。あるいは潜在議席の問題、その他オブザーバー方式等々、いろいろと調査をいたしておりまするが、同時にまた、これは現在の施政権下におきまして、日本の公職選挙法が直接先方に適用できないことは、これは当然でございます。同時にまた、代表権の問題にいたしましても、これはむしろあるいは衆議院規則、参議院規則あるいは国会法、そういうふうな国会関係の問題が非常に中心になりますので、この点につきましては、国会側のほうとも十分に御相談をしてまいらなくちゃならない、かように考えておる次第でございます。
○西風分科員 日米琉諮問委員会の問題について、若干お尋ねしたいと思うのですけれども、当初この委員会が発足したときに、政府は、経済的、社会的事項と並んで、関連事項について勧告することができるということをたてにして、この関連事項というのは、政治的な問題も検討することができるのだ、というような説明が各所に行なわれておりましたけれども、実際日米琉諮問委員会が発足してみると、発会式の中でアンガー高等弁務官が明確に発言しておりますように、これは政治に関する事項は含まない、問題は三つである、経済開発、教育、保健福祉、この三つの問題以外は、この委員会では取り扱わないということが明らかになっておりますし、同時に、アメリカがこの諮問委員会で非常な強いイニシアチブを発揮する。先ほどの高等弁務官の発会式における指示ということも、そのことをあらわしておりますし、また、諮問委員会の議長にアメリカ側がなるというような状況の中にも見られております。この諮問委員会で、先ほど言いました三つの問題はもちろんでありますけれども、国政参加の問題とか、あるいはいま問題になっておりますB52の問題とかいうようなものを取り上げることのできる機関にしなければ、これは存在の意味が非常に希薄になるわけですけれども、そういう点、どう考えておられますか。
○田中国務大臣 この諮問委員会は、御案内のとおりに、共同声明によりましてできたものでございます。同時に、高等弁務官の諮問機関として設置されておるわけでありまして、高等弁務官の権限外事項についてのいろいろな発言をいたしました場合におきましては、これはあるいは高等弁務官から米本国に、あるいは大使館を通じ、日米協議委員会なり、あるいはまた外交交渉に移されるわけでございます。当初のような非常に狭隘な諮問機関ではなく——普通、諮問機関と申すならば、諮問事項がありまして、それにこたえるのですが、そういう姿の諮問機関ではなく、勧告もし、意見も述べることができる、さらにまた、関連事項につきましても主張することができる、いうことにいたしましたのは、諮問機関といたしましては例外の非常に大きな意義を持っておる、かように私は考えます。なお、日本代表が諮問機関でいろいろな意見を申す場合におきまして、冒頭申し上げたような権限外事項は、これはあるいは外交交渉に移されましたり、あるいはまた、米国のほうに連絡いたしまして協議することに相なります。大体さようなことで御了承いただきとうございます。
○西風分科員 この諮問委員会の中で、日本の政府がもっと積極的なイニシアチブを発揮するというふうにする必要があるわけですけれども、私どもは、この諮問委員会の議長は、日本が、本土政府がなる。本土政府が議長になることによって、この委員会の運営のイニシアチブをとると同時に、あらゆる発議について、日本政府の用意する発議が——琉球政府と連絡の上でやることになるでしょうけれども、発議するものが中心的な議題になって、むしろこの機関を通じてアメリカを説得するというぐらいの積極的なかまえがなければ問題にならぬと思うのです。従来のような交換公文によりますと、経済計画その他についても、日本が、本土政府が非常に消極的な立場に置かれておるというような状況になっているわけです。ましてや、いまアメリカが直接押さえております開発公社とかあるいは金融関係とか、あるいは水道、電力公社というようなものの移管の問題なんかは、かなり積極的なこちらの側のかまえというものがなければ、なかなか解決できませんよ。そういう点で、そういうような積極的な立場をとるべきだと思いますけれども、そういう点について、総理府に具体的な計画があるかどうかということをお伺いしたい。
○田中国務大臣 日本代表に対しましては、出発にあたりましても、非常に積極的な意図のもとに活動するように示唆もしてございます。なおまた、この諮問委員会の議長は、御案内のとおりに互選であるけれども、民政府、さらにまた琉球政府もともに、法的にはアメリカの機関でございます。そういうふうなことから、国際慣例に基づきまして、先方から議長が出たのだろうと存じます。しかしながら、日本政府の代表といたしましては、御指摘のような意図のもとに、積極的な発言をいたすことに相なっております。
○西風分科員 沖繩の直訴団が来ましたときに、三木外務大臣は、B52の事故が沖繩で起こった場合も、政府はこれについて責任をとる意思は全然ない責任を感ずる意思はないようなことを発言しておられるわけであります。私どもは、B52の撤去を要求すると同時に、これが沖繩現地におる間に起こります一切の事故については、これは最終的にアメリカ側に要求するということになるわけですけれども、日本政府はもっと積極的な立場でこういう問題に対処していく必要があるのではないか。戦争で重大な犠牲を沖繩の県民にしい、さらに二十数年間にわたって日本に復帰できないという二重の責め苦を負わされている沖繩県民に対して、こういう問題で政府が積極的な立場をとるということは当然なことであり、われわれが考えなければならぬ問題だと思うのですけれども、そういう問題が起きたときに、日本政府は全然責任をとらないという、三木外務大臣の直訴団に対する説明というようなものは、政府の見解かどうか、お伺いしたいと思う。
○田中国務大臣 われわれは、そういうような忌まわしい事故が起こらないことをあくまでも念願をいたしておりまするし、仮定の上に立っての意見をお求めいただきましても、私は即答はなかなかむずかしいと存じます。しかし、潜在主権を持ち、また沖繩の住民が日本国民であるという以上におきまして、私どもは、政治的な責任と申しますか、これは当然果たさなければならぬ、かように考えます。
○西風分科員 最後に、二、三要望しておきたいのですけれども、一つは、先ほどから繰り返して申し上げておりますように、B52の問題に関する調査団を、政府の責任のある構成においてすみやかに派遣してもらいたいと思うのです、大浜調査団だけではなしに。これは非常に切迫した問題です。あなたは仮定の問題に答えられない。これは本土におる者の気楽な考え方であって、現地にいる沖繩の県民の諸君は、毎日B52の支配のもとにおそれおののいているわけです。人権問題その他たくさん起こっております。そういう状況に対して、本土政府はもっと積極的なかまえを示して、その中でB52だってすみやかに撤去さすようにすべきです。そういう点について、政府がもっと責任のある処置をとることをまず要求しておきたい。 第二は、日米琉諮問委員会に対しては、その経済計画、建設計画あるいはすべての計画において、日本の本土政府がイニシアチブをとって、その計画が中心になって、日米琉諮問委員会が運営されるというような内容にしていただきたい、こう考えるわけです。 時間が来たようですから、以上御質問申し上げて、終わります。
○田中国務大臣 第一点は、御要望として、拝聴いたしておきます。 第二点につきましては、おっしゃいますとおりでございまして、われわれは経済の建設の将来に責任を持たなければならぬというようなことから申しましても、この諮問委員会の日本代表は、非常に強い発言と意思をもって派遣されておる次第でございます。
○森山主査 次に、柴田健治君。
○柴田分科員 総務長官に、引き続いて御質問申し上げます。 先ほど、山林災害に対して、重要な問題であるから十分配慮していきたいということをお答えになりましたが、しかし、事実は、末端ではそう受け取っていない。それは何かと言うと、各市町村の地域の防災計画の中には、山林に関する対策についての計画は全然載っていない。これはどういうことですか。
○田中国務大臣 先ほど御質問がございました御答弁を、先にさしていただきます。 都道府県段階の防災計画は一〇〇%できておりますけれども、市町村防災計画に相なりますと、昨年の十一月十日現在で、三千三百一カ町村の中で二千六百四十八カ町村、計画の八〇%の状態でございます。 それから、山林災害につきまして、これは御承知の山火事とかなんとかいうふうなことで、非常に実はむずかしい問題でございまして、消防庁その他におきましても、林野の火災の計画というものはなかなか立てにくいような実態でございます。しかしながら、この消防体制の整備につきましては、従来からも、連絡をとりながら推進してまいっておりますので、御指摘の山林防災というものにつきましては、われわれも今後ともに、計画立案につきましても、防災対策につきましても努力をしてまいりたい、かように考えております。
○柴田分科員 先ほどお尋ね申し上げた、八〇%いまできておる中においてすら、山林に対する防災計画というものが実際載っていない。それはあなた、災害対策基本法を十分読んでないんじゃないかという気がするのです。第二条にも明確にしてあるし、第三条にも明確にして、中央本部が「勧告し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。」と書いてある。指導しなければならぬとあるが、基本法ができて七年にもなるのに、今日までどういう方法で指導をやられたか。 もう一つは、建設省が水防関係、自治省のほらが普通消防のほう、農林省のほうが山林資源の確保の対策を持っておる。三つの省にまたがっておる。その調整も総理府がやらなければならぬことになっておるが、どういう調整をやっておるのか、具体的にひとつお答えを願いたい。
○田中国務大臣 担当官から、その指導の問題につきましては、具体的にお答えいたします。なおまた、消防庁の担当者も来ておりますので、山林消防等につきまして、お答えをさしていただきとうございます。
○橋口政府委員 お答え申し上げます。 御指摘がございましたように、災害対策基本法の所管官庁といたしまして、各省を通じて指導をいたしておるわけでございますが、各府県におきます防災計画の作成あるいは市町村における計画の作成等につきましては、会議の機会等を通じまして、当方の係官が出張いたしまして指導もいたしておりますし、また中央におきましては、消防庁等とも連絡をいたして、指導いたしておるつもりであります。ただ、御指摘がございましたように、山林火災につきましては、現在の防災計画においては十分配慮がなされておりませんので、総務長官からお答えがございましたように、さらに指導を強化してまいりたいと考えております。
○柴田分科員 すなおに率直に認めていただいたので、御質問申し上げたかいがあると思います。つべこべ言われると、こちらも反論しなければならぬが、山林災害に対する対策の方針というものが、まだ末端においては明確になっていない、指導が非常に不十分であったということを率直に認められた。今後そういう点について十分配慮していただきたい。特に林野庁についてはもっときびしく言ってもらいたいのですが、ただ、森林保険法があって自分のなわ張りだけ守ればいいのだ、こういう考え方では、林野行政の中での山林災害というものは防止できない。要するに総理府が、こういう基本法があるのですから、これに基づいて調整をやっていただくなり、また農林省のほうにもきびしく言っていただいて、もっと山林災害に対する予算計上をしたらどうかと思うのですが、この点についてのお考えはどうですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。先ほど申し上げましたように、この点は非常にウイークな点でございます。なお計画を立てますると同時に、当然予算の問題につきましても努力をいたしてまいりたい、かように考えます。
○柴田分科員 次に叙勲の関係について総務長官にお尋ねしたいのですが、戦前と戦後の叙勲の考え方が変わっておることは、われわれも認めておるのですが、今日の叙勲についてのものの考え方を、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○田中国務大臣 昭和三十八年の閣議決定によりまして、生存者に対する叙勲が開始されて以来、われわれといたしましては、これをできるだけ対象を広く、国民各界各層に及ぼしたいというので進んでまいっておる次第でございます。なおまた、その対象におきましても、御承知の七十歳以上の高齢者から手を染めまして、戦後二十年間の空白を補ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。 また、この叙勲と褒章との関係並びに叙勲の基準等の問題につきましては、賞勲局長が参っておりますので、詳細なことは、賞勲局長をしてお答えいたさせます。
○岩倉政府委員 補足して御説明申し上げます。 各界各層の功労者の中で——功労者と申しますのは、結局国家あるいは社会公共に対するサービスをよくやられた方というふうに理解いたしておりますが、その場合に、消防団の団員というような方々は、ほんとうに無償の行為、非常な高いサービスを地域社会に対して尽くしていらっしゃるというふうに考えまして、従来から団員につきましては黄綬褒章、あるいは消防団長の方につきましては藍綬褒章が、勲章再開以前においても実施せられておったわけでございます。ところが、ただいま長官のおっしゃいましたように、原則的には七十歳以上の基準で叙勲をやっておりますけれども、第一線的な団員のような方々につきましては、五十五歳以上の方に叙勲を実施するということが昭和四十一年から始まりまして、従来黄綬褒章を差し上げてまいりました団員の方々につきましては、五十五歳以上の功労者の順序によりまして、直接叙勲を始めるということに相なったわけでございます。それから、次の団長の方々につきましては、これは名誉職的な団長の方と、現に火水の中に飛び込んでいかれる団長の方と、大きく分けましてそういう二つぐらいに考えられますので、その火水の中に飛び込んでいかれるような団長の方につきましては、団員の方と同じく五十五歳以上で叙勲を実施する、しかし名誉職的な方につきましては、やはり高齢順で七十歳以上の方についてやっていく。そこで五十五歳以上七十歳未満の団長の方で直ちに叙勲せられない方につきましては、暫定的に藍綬褒章をなお運用していくというふうな方針のもとに、本年も、消防法実施二十周年ということで、昨年の人数に比べましてほぼ倍増に近い藍綬褒章を実施いたしました。 そのようになっておるわけでございます。
○柴田分科員 賞勲局のほうにお尋ねしたいのですが、四十二年度の各省の受章者の数、その数字があれば、ひとつ御発表願いたいのですが……。
○岩倉政府委員 実は各省の数というのは、ただ手続上の数でございます。たとえば一人の叙勲候補者につきまして、数省にまたがって推薦せられるというような方もいらっしゃるわけでございまして、各省の数と申しますより、むしろ功労の類別の数というふうに申し上げたほうがおわかりがいいのではないかと存じます。 たとえば、昨年度の春、秋の叙勲者が合計約五千人いらっしゃいますけれども、その中で文教関係は七百八十人、社会福祉関係が六百八十人、農林水産関係が三百二十人、中小企業関係が百九十人、消防関係が四百十人、警察官が四百二十人、勤労者等が七百九十人、その他議員の方とか地方自治功労者とかいうような方々が千八百人ばかりいらっしゃいます。そこで、この消防関係の四百十人と申しますのは、消防プロパーで消防庁が推薦せられた方々でございまして、そのほか地方自治功労者でありますとか、あるいは篤農家でありますとか、そういうことで各省から推薦せられました方の中に、相当高い意味においての消防功労がある。そこで、たとえば勲五等瑞宝章が農林功労でいかれる方について、消防功労を加味して、それが旭日になるというような、隠れた消防功労者の方を含めますと、この四百十人プラスアルファで、相当の消防功労者が入っていらっしゃる、そのように相なっております。
○柴田分科員 私は主体は消防に関してお尋ねしたいのですが、消防関係がよく出ている、全くそのとおりだと思うのですが、いま消防関係者と言われるのですけれども、市町村合併等で、広域的な一つの消防体制という立場で、団の機構改革が行なわれて、団員が年々減っておる。ここ数年の間に四、五十万減ってきたことは間違いない。しかしある半面から言うと、都会の非常勤の消防団員と農村地域における消防団とは、いまだいぶ違ってきておる。この点は御理解願いたいと思うのです。終戦までは、都市におけるあの戦争の犠牲−当時は警防団と言ったのですが、常設消防の制度が少なかったために、やれ空襲警報だとか警戒警報だとかいう場合には、ほとんど非常勤の消防団員が、自衛消防という立場で毎日のごとくかり出されて、相当の犠牲を払い、殉職者も出ている。ところが今日では、都市のほうは常設消防のほうがだんだん整備され発展して、都市のほうの非常勤の消防団の方は、半ば応援的な後援的な一つの組織になってきた。ところが農村のほうは、終始一貫いまでもたいへんな労力を費やしておる。現在、非常勤消防団員は亘二十二、三万人おるわけですが、消防職員を含めると百四、五十万人おるわけです。百四、五十万人の中で非常勤のほうを取り上げてみますと、百三十万余りの団員の中で、三十年以上の勤続者がいま約五万五千人くらいおるのですね。その中で三十五年以上、四十年、五十年とつとめておられる方があるわけですが、農村のほうは、御承知のようにいま若年者がおらない。他の産業に流出して、若い人がおらない。それは御承知だと思いますが、その場合、何年たっても地域に住んでいる人は、消防活動に常に出て、犠牲を払っておるわけです。いよいよこれは犠牲団体なんですね。そういう犠牲団体に、組織の人員からいうと、三百か四百出したからというて、あながち十分配慮していただいておるとはとうてい考えられない。ただ民生委員の皆さんにも出しておられる。全国で十二万七、八千名おられるのですが、その十倍以上消防団員はおるわけです。そういう場合、もっと消防に対して、当然のことだからやったらいいのだという考え方でなしに、そういう考え方はやはり人を使うという、論理よりか心理ということで、心理学的に見て、もう少し優遇措置という立場で、それなら金銭的に団員の待遇改善を十分してやるか、いま退職団員の報償制度もできておるささやかな、ただ気分的な面で支給をしておるわけですけれども、十分とはいえない。報償制度くらいは充実して、その中で黄綬褒章を廃止しちゃった、こういう点について団員なんか非常に不満を持っておる。だから、警察官と同じような取り扱いをしたらいいのだ。警察官というものは、それはもう生活の基盤で完全なる職業としてやっておる。消防団のほうは職業としてはいない、いろいろな職業を持っておる。その職業の中で、自分が全部犠牲を払ってやっておる。出動手当なんて話にならない。一日二千円も三千円もなるやつを棒に振って、訓練にも出動し、火災やいろいろな、伝染病が発生したというたら消毒まで——いま農村では、伝染病が発生したら、消防団が全部出て、無報酬で消毒作業に従事するのですよ。だから、ほかの産業に携わっておる、地域社会に貢献しておるいろいろな人々がありますけれども、しかし消防はそれだけけ殉職者もたくさん出ておるわけです。一年に百七十人以上殉職者——殉職者を出すということは、すなわち危険度が高いということです。その作業そのものについて危険度が高いということ、その危険度が高い、そういう方々に、三十年も四十年も勤務したのに、ただ数で比例配分的な、そういう考え方で褒章制度を適用していく、そういう考え方自体が私どもにはよくわからない。もう少し認識を新たにしてもらいたいと思うのですが、その点についてどうですか。
○田中国務大臣 お答えいたします。 ただいま御指摘の地域消防につきましては、ほんとうに奉仕の職業でありまして——職業と言えるかどうかわかりませんが、奉仕の生活でございまして、私どもは消防団員の方々の御苦労に対し、また永年勤続の問題に対しまして、今後十分に意を体してまいりたい、かように考えております。
○柴田分科員 聞くところによれば、藍綬褒章まで将来やめて、叙勲に切りかえしてしまうというお考えがあるということを聞くのですが、そういうことは事実ですか。
○岩倉政府委員 勲章と褒章との関係でございますが、ただいま、叙勲は七十歳以上の原則でやっておるわけでございます。しかし、この年齢は、いつまでも七十歳以上というようなことではないと思います。イギリスなんかは、昨年私も向こうへ行って見てまいりましたが、二十六歳のビートルズ、そういうのにも叙勲されておる、あるいは三十四歳のデザイナーにも叙勲されておるというようなことで、年齢制限はいつの日か撤廃されるだろうと思います。そういう場合には、藍綬褒章の領域と勲章の領域とが重なります場合に、どちらを実施するかということは、将来のことでございますけれども、あるいは現在勲章にかわって運用しておる意味における藍綬褒章は、これは叙勲に切りかわるというような将来の大きい計画はあるわけでございます。しかし、いま直ちに藍綬褒章を、消防に関してのみやめてしまうというようなことは考えておりません。
○柴田分科員 消防の団員の立場から申し上げると、何も報いてもらえない。現今の社会思想の中で、資本主義の社会ですから、ほとんど物質オンリーで、すべてが物質万能主義になってきておる。その中で、肉体的、精神的だけで奉仕しろという、そういう風潮というものはそれは過去のものであって、これからはそうした一つの組織を運営し、一つの組織を守っていくためには、相当いろいろな角度からみんなして協力してやって、援助していくという、そういう社会全体の中のムードをつくってやらなければならぬ、こう思うのです。それが、ただ地方交付税の中で、基準財政需要額の中で、団員一人当たり出動手当はこう見てあるのだから、こういうて、盛んに言うておるのですけれども、それが末端では完全実施されていない。一方では、被服費も一切出さない。またその他恩典というものはない。その中で、やはり長い歴史を持っておる一つの褒章制度の中で、三十年つとめたら何らかの気持ちを持って報いてくれたんだ、そういう精神的な安定法の一つだと思うのです。そういうものを、ただ形式論であったり、数字論なり、また他の省との関係、他の産業との関係というくらいのことで配分をしてもらうということは、団員としては割り切れない感じを持つわけですね。黄綬褒章だって廃止したこと自体に、非常に不満を持っておるわけです。黄綬褒章を廃止したその点についてのお考えを聞きたいと思います。
○岩倉政府委員 黄綬褒章の運用を叙勲に切りかえ得る、つまり五十歳以上で叙勲ぜられるように一般団員の方はなりましたので、それで黄綬褒章の運用を叙勲に切りかえた、そのようなことでございます。 それから数につきましては、これは半年に一ぺんずつ実施せられまして、もうすでに八回目、来たる四月にはまた九回目があるわけでございますが、そのように毎回毎年の恒例の行事と相なっております。諸外国、ヨーロッパ諸国の例などを参照いたしましても、またあまりにたくさんの叙勲者が出ますということは、乱賞のおそれもございますので、よく御意見を体しまして、十分考えながら実施していきたい、というふうに考えておる次第であります。
○柴田分科員 賞勲局の局長にお尋ねしたいのですが、いろいろ申請を出すけれども、あまり数をたくさん出してくれては困るという賞勲局のほうの意向があるのだ、大体およそこの程度出してくれ、数出してくれたんでは、事務的な処理ができない。それから、このきりはこの程度出してくれ、そういう何か考えがあるということは、事務能力がないのか、調査能力がないのか、それだけの人員が足らないのかどうかわかりませんが、どこかに欠陥があるのではないか。数はあまりたくさん出してくれたんでは困るのだ。短期間の間に調査が十分できないとか、またそれだけの事務の消化ができないのだとか、何かそういうことがあって、数をある程度事前に押える可能性があるのか、それを伺いたい。
○岩倉政府委員 春秋の叙勲、毎年二回ずつあるわけでございまして、その人数につきましては、すでに高い勲章をおもらいになりましたいわゆる各界の長老の方々、ただいま十二名の方々に御相談をいたしまして、実施数がきめられておるわけでございまして、毎回二千五百人以上、大体三千人以内というような数で実施いたしております。したがいまして、ある領域の方だけが非常にたくさんの数を御推薦になるということになりますと、またそれぞれの領域におきましては、自分たちの功労というものを十分認めてほしいとおっしゃるわけでございまして、また調査にひまがかかるということも、これもやはり恩賞でございますから、慎重にいたさなければなりません。そういう意味でやっておるわけで、各省と緊密な連絡を保ちながら、いたしておるのでございます。
○柴田分科員 時間が参りましたから、最後に総務長官にお願いをしておきたいと思います。 先ほど来、私が申し上げたように、百三十万の消防の諸君が非常に苦労しておる、その点に特に御理解いただいて、最大の御配慮をしていただきたい、このことをつけ加えて、私の質疑を終わります。どうもありがとうございました。
○森山主査 中谷鉄也君。
○中谷分科員 沖繩問題は、人権問題であるといわれております。私は特に、すぐれて沖繩の問題というのは、人権の問題として把握しなければたらないと考えておりますが、大臣にお伺いをいたしたいのは、沖繩の県民がどのような形で人権を侵害されているか、日本国憲法が適用されているならば当然保障されているはずの沖繩県民の人権が、類型的に見て、どのような点で人権保障がされていないか。これらの点についての概括的な、当面緊急の課題としての沖繩県民の人権問題を、ひとつ御列挙いただきたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。 一口に人権問題と申しましても、ただいま御質問がございましたように、非常に多岐にわたっております。あるいは裁判管轄権の問題で、沖繩の方々は、沖繩県民は沖繩県の、琉球政府の裁判によって裁判を受けたいのだ、こういうふうな問題がございます。それを分解いたしますと、いわゆる民政府の裁判制度と、それからいわゆる軍法、軍の裁判制度と、それから琉球政府の裁判制度と、裁判だけでも三つございます。それから、また警察の問題も、やはり人権に関連がございます。と申しますのは、現行犯でなければ逮捕できないというふうな問題、またそうでない場合には捜査の権限もない、こういうふうな問題、これは警察権上の問題でございます。それからもう一つ、損害賠償法に基づく、演習その他に基づきまする障害がございます。これは裁判制度ではございませんで、軍司令官に付与されました権限の行政事項でございます。そのほか、さらにまた、渡航の制限の問題でありますとか、ちょうど終戦直後におきまする占領治下の日本で行なわれたと同じような、そういうふうないろいろな問題が、人権問題といわれる中にはたくさん伏在いたしておる、かように考えております。
○中谷分科員 さてそこで、いまおおむね大臣のほうから当面の人権問題について御列挙いただいたと思う。それらの具体的な問題、事件、件数、あるいは沖繩県民のその問題に対する不満、こういうものについては、どの程度調査が進んでいるか。これらの問題については精力的に調査を進めるべき問題だと思うけれども、かりに、詳細な調査が済んでいないとするならば、これらの問題について調査の力点を置くべきであると思うけれども、いかがでしょうか。
○田中国務大臣 米軍によります犯罪行為は、数次にわたりまする注意喚起等に基づきまして、だいぶ減少いたしておりますことは、喜ばしいことでございます。 なお、また、そのいまの犯罪種別の詳細な統計は、担当官からお答えさしていただきとうございます。
○中谷分科員 答弁はけっこうです。 渡航制限を、人権侵害の一つの例としておあげになりました。この問題がどうなっているか。さらにまた、演習による公害等の被害の現状はどうかという問題、さらにまた、外国人補償法の頭打ち、あるいは司法手続によることができないということによる問題はどうか。これらについては、米軍犯罪の問題については、かなり調査が進んでいるということは私も承知いたしておりますが、人権の問題というのは、一日といえどもゆるがせにできない。ところが、二十年放置されておった。そういうことで、これらの問題について力点を置いて今後調査を進め、あと二、三お聞きいたしますけれども、これらについての対策をまず講ずる。これらについてのお心がまえがおありだと思うけれども、御所信を承りたい、こういう質問でございます。
○田中国務大臣 渡航制限の問題は、御案内のとおりに、施政権下にございまする関係から、出入国の管理の一部が向こうのほうにゆだねられておるという点で制約を受けておる面がございます。なおまた出国の分につきましては、これはまたいろいろなパスポートその他の料金等の問題も実はからんでおります。それから、その次に御指摘になりました演習被害等の問題、あるいはまたその損害の限度の問題、これは先ほど申し上げました第三の、軍司令官に権限が付与されておりまする損害賠償補償法の問題でございまして、いわゆる行政措置として行なわれておるのでございます。これらの問題につきましては、われわれのほうといたしましては、総体ひっくるめまして、人権の問題として、強く高等弁務官にも私からも申しましたし、また数次にわたりまして、総理府といたしましては、先方に交渉をいたしております。
○中谷分科員 大臣に対するお尋ねがさらに続くのでございますが、官房長官と実は時間のお約束をいたしましたので、失礼ですが、官房長官にこの機会にお尋ねをいたしたいと思います。 実は、次のような問題です。人権問題に、私は沖繩問題にその側面から取り組んでまいりましたが、いわゆる混血児の問題、この問題について、混血児が年次別にどの程度出生しておるのか。その数は三千といわれておりまするけれども、一体どういうことになっておるのだろうか。詳細な把握が、総理府あるいはまた琉球政府その他においてなされておりません。そういうふうな実情の中で、どうしても私が納得のできない問題、それは、非常にいやなことばですけれども、残念なことばですけれども、いわゆる置き去り妻子の問題というのがございます。要するに、相手の、主として米国の軍人、軍属がアメリカへ帰ってしまう。そういうふうな状態の中で置き去られたところの妻とその子供については、扶養料の支払い、送金がない。そういう状態の中で、非常に苦しい生活をしておるという実態であります。そこで、これらの問題について、私自身も何らかの措置を考えてみました。ところが、御承知のように国際私法の立場からは、裁判の管轄権がアメリカにあります。貧困な生活をしておるこれらのいわゆる置き去り妻子というものが、アメリカの裁判所へ行って扶養料の請求の訴訟などということは、全く不可能なんです。法務省の民事局も、それらについての手の打ちようがないと言っておる。しかし、これらの問題は、そういうことで放置しておいていい問題ではないと思います。置き去り妻子の個人の問題として、私は捨てておいていい問題ではないと思う。たとえば外交ルートによる保護、解決の方法等を私ははかっていただきたい。こういうことを、ひとつ政府の立場から、官房長官にお答えをいただきたい。これは本土のレミの問題でもあろうかと私は思う。 したがいまして、私、要約をいたしまするけれども、沖繩、本土を含めてのいわゆる混血児の問題、そうして置き去り妻子の苦しい状態についての実態把握の御努力をされるかどうか。さらに国際私法という厚い壁の中で、扶養料の請求ができない状態でいるところのこれらの母と子のために、政府として何らかのあたたかい手を差し伸べる善処方を私はお願いをいたしたい。 以上であります。
○木村(俊)国務大臣 沖繩におられる方は皆さん同胞でございますので、いまの混血児、また置き去りにされた子供さんのこと、これは政府としては本土の国民と同じように考える気持ちに変わりはございません。ただ、いま施政権下にあるという状態から申しまして、それには一定の限度があると思いますが、しかしながら、沖繩と本土の一体化が進むにつれまして、琉球政府のやっております公的扶助の制度もだんだん進むことでございましょうし、また今回できます日米琉諮問委員会にはそういう社会福祉、人権的な問題も当然取り上げられることと思いますので、高等弁務官の権限に属する範囲における日米琉諮問委員会の今後の討議のあり方、またそれが日米琉諮問委員会の権限外に属する問題につきましては、また当然政府といたしましても外交ルートを通じて今後前向きに善処したい、こう考えております。
○中谷分科員 次のような問題があります。この点に限ってひとつ御所見を承りたいと思います。 要するに、国際私法の観点からいうと、どうしても裁判所はアメリカにならざるを得ない。アメリカへ渡航していって裁判をするなんということは、これらの苦しい生活をしている母子家庭にとっては絶対に考えられないことなんです。ところが日本の法制によりますと、訴訟扶助の制度は、アメリカの裁判所で裁判をするという場合にはございません。しかし日本の裁判所であれば訴訟扶助の制度があり、法律扶助の制度がある。こういう問題も含めて何らかの形で、法改正という方法によるのか、あるいは単なる措置ということによるのか、いずれにしても、前向きの形において善処方を私はこの機会に強く訴えたいと思うのです。御答弁をいただきたいと思います。
○木村(俊)国務大臣 私も裁判管轄の詳しいことはよくわかりませんが、いまお話がありました点はごもっともだと思いますので、今後前向きに善処したいと思います。
○中谷分科員 沖繩問題は人権問題であるということを、私本日の質問の冒頭に田中さんに申し上げました。そういうことで日米琉諮問委員会の中に人権問題として、先ほど大臣がおあげになりました問題を当然提起されるものと私は思いまするけれども、これらの問題について提起されるかどうか、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。 いま一つは、そのお答えを踏まえまして官房長官に私はお尋ねをいたしたいと思いまするけれども、復帰研のほうの発表が最近ございました。非常に良識的な人たちの集まりであると私は聞いておりまするけれども、その復帰研の発表によりますると、本土のいわゆる佐藤内閣の沖繩問題に対するアプローチのしかたが、施策権返還よりも防衛問題にウエートが置かれているのではないか、一言にしていえば、そのようなことについて非常に不満を持っておる、また危倶を感じておるようなところの発表でございますが、この点について官房長官はどのようにお考えになるか、質問が重なりましたけれども、それぞれお答えをいただきたいと思います。
○木村(俊)国務大臣 昨年アメリカへ参りまして総理がアメリカ当局と折衝いたしました際、まず何をおいても祖国復帰が前提であるという考えのもとにアメリカと交渉したことは、もう御承知のとおりでございます。したがいまして、決して防衛問題のためにこの返還がおくれるようなことはないということは、もう私から申し上げるまでもございませんが、ただ沖繩の施政権返還と日本及び極東の平和の保持ということは一つの不可分的な関係にございますので、その意味におきまして、アメリカとの交渉の際に防衛問題も出てまいりましたが、決していまおっしゃるような防衛問題のために沖繩の復帰をおくらせるというような考えでは毛頭ございません。
○中谷分科員 田中さんに私お尋ねをいたしたいと思うのですが、先ほどお答えがあったと思うのですけれども、念のためにいま一度お尋ねをいたします。 日米琉諮問委員会に、先ほど大臣のおことばとして列挙された当面の人権問題、これらの問題は当然提起さるべきだと思います。また同時に、調査団の調査項目の中にも大きく掲げらるべき問題であろうと私は考えますが、これらの点についての御所見を承りたい。 同時に、重ねてお尋ねをいたします。先ほど官房長官にお答えをいただきましたいわゆる沖繩の混血児の問題、いわゆる置き去り母子家庭の問題、これらの問題の実態把握についても、総理府として私は特段の御努力をお願いいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。官房長官に対するお尋ねは私はございません。どうもありがとうございました。
○田中国務大臣 お答えいたします。 先ほど私は、人権問題を分類いたしましてあのように申し上げたのであります。 なお、先般高等弁務官に交渉に参りました際におきましても、人権問題を包括的に主張いたしております。日米琉諮問委員会ができまして、その中におきましての経済問題、社会問題並びにこれに関連する問題ということに相なりました場合、これを考えてみましても、高等弁務官の権限内でやれます問題は、当然日本政府あるいは琉球政府のほうから主張せられてまいって、同時に弁務官の権限で解決が着々となされなければならぬ、こういうふうに考えます。 それからまた、制度上の問題等々になりますれば、これは弁務官の範疇外でございますから、これは弁務官のほうから諮問委員会の意見が、こういうふうな意見が出たということを、本国政府のほうにも当然通報されるでございましょうから、この点につきましてはまた外交交渉なり何なりにゆだねていたすであろうと存じます。 なおまた、レミの問題につきまして、あまり詳細な統計もございませんけれども、一九六四年の沖繩の社会福祉協議会の調べの結果によりますと、混血児の中で実父母のもとで養育されておる者が一三・五%、百一名、実母に養育されておる者が六〇%、四百四十七名、両親以外の人に引き取られて暮しておる者が二六・四%、百九十六人で全体の四分の一以上を占めておる、こういうふうな統計がございます。あわせて申し上げます。
○中谷分科員 この問題に私は関心を示しまして、六四年の、しかも社会福祉協議会という外郭団体の統計しかないということに非常にもどかしさを感じました。同時にまた、これらの問題が平野さん個人の努力でこのような問題は解決さるべきものでもないと私は思います。政府があたたかい手を差し伸べるべき問題だと私は考えます。したがいまして、総理府にお願いをしておきたいと思いまするけれども、児童福祉法が制定されているけれども、沖繩における実際の適用状況はどうかという問題、さらに乳児院とか保護施設の状態、さらにまた教育などの問題、社会的な差別を受けていないかどうかというふうな問題、これらの問題をあわせ調査されるよう、この機会にひとつ要望しておきます。 次に私は、先ほど大臣の御答弁の中にありました外国人補償法、外国人損害補償法、呼び方はいろいろありますが、この問題についてひとつ基本的な見解を承っておきたいと思います。 要するに、近代法の一番基本的な原則は、私人同士の争いについては、最終的には裁判に訴えることができるというのが基本的な人権であり、原則だと思うのです。ところが外国人補償法は裁判に訴える方法を閉ざしております。外国人補償法の法構造というのは、単なる恩恵として損害の査定をする、こういうことです。一万五千ドルというのが上限であって、アメリカの連邦議会の承認があったときに限って一万五千ドルを上回ることができるという規定、これは外国人補償法の法構造として私がつとに分析をしたところです。こういうふうな、裁判をすることができない、補償金額が妥当かどうかの以前の問題として、米軍人あるいは米軍の行動によって沖繩県民が受けた損害について適正な第三者のもとにおいて裁判を受けられないということは、これは一番大きな基本的人権の侵害だと思う。たとえば燃える水の問題について嘉手納の住民が補償の受領を拒否したという問題も、その金額が少ないということと同時に、自分たちの訴えが正当な第三者の機関において査定されておらないということに対する不満だと思う。外国人補償法という問題について、早急にこれらの問題について解決がはかられるべきだと思うけれども、大臣の重ねての御答弁をいただきたいと思います。
○田中国務大臣 御承知のとおりに、この補償法はあくまでも行政的、政治的なものでありまして、いわゆる司法制度上の問題ではございません。占領地におきまする軍司令官権限の問題でございます。いま御指摘のような点につきましては、われわれのほうといたしましては、その改正方の要望をいたしております。
○中谷分科員 次に、本土と沖繩との一体化ということで、私は次のような問題を一応提起をしておきたいと思います。 在日米軍のいわゆる電波制限の問題をめぐりまして、国会においてたいへんな論議が戦わされました。しかし、重大な問題ではありまするけれども、電波制限について、本土のわれわれは、契約によってそのような電波制限を承認をする。そしてまた、それらについては補償を受けることができる。契約をしない限りは、そういうような電波制限には断じて応じられないということは言えますけれども、一応そのような法的な構造をわれわれは持っているわけです。ところが、沖繩の軍事施設、通信施設周辺の住民は工作物を建ててはならない、いろいろな電波制限を受けている。こういう問題について米軍に対してそのようなことの文句を言いに行くわけにはいかない。アメリカ本土においても、そのような文句が言えないような状態のままで通信施設が電波制限をしているということは私は聞きません。アメリカにおいて行なわれないことが沖繩において公然と行なわれている。これは電波制限という問題一つをとってみましても、いかに本土と沖繩とが人権の擁護において違うかということだろうと思うのです。これらの電波制限などを中心とする、してはならないということでの多くの権利の制限がございます。電波制限が一つ、さらに沖繩近海において漁業をするときの演習との関係においての制限、これらの、してはならないということについての制限等も重大な問題であると思うが、これらの問題についても、私は精力的な御調査をお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中国務大臣 その電波の問題につきましては、私、申しわけない次第でございまするが、詳細に存じておりませんので、担当官からお答えをいたさせたいと存じます。
○山野政府委員 軍用地におきます先生御承知のいわゆる黙認耕作地の地域におきましては、これは一定の条件がありまして、耕作を許されておりますから、したがいまして、その条件を取り消される場合はしようがない。たとえば電波の問題が起きましても、これは黙認耕作地の性格からいって文句は言えないんじゃないかという気がいたします。黙認耕作地以外の地域で電波障害その他のそういう被害関係がどうなっているかということにつきましては、これは私どもまだ実はつまびらかに承知しておりません。 それから、沿岸漁業のいわゆる演習等による被害の問題でございますが、私どもは事前の演習の通告が適正敏速に関係者に示達されることを励行してもらいたいということを要請しておりまして、いまのところ、そうさして大きい問題は私どもは承知しておりません。事実上の問題としてはいろいろあると思いますが、なお、これらにつきましては、これからも十分調査していきたいと考えております。
○中谷分科員 人権問題についての政府の御調査というのが私は非常に不十分だと思うのです。たとえば、これは大臣の御答弁をいただきたいと思いますけれども、米軍の考え方から申しますと、漁業権は物権でないから、日本の漁業法のような権利として、明確なものとして認めていない。そこで漁業権補償は認めないという立場をとっているということで、これは沖繩住民、特に沖繩の漁業関係者の中では非常な不満となっており、この問題についての解決を早急にはかってもらいたいという問題なんです。米軍は、漁業権は物権でないという立場から、漁業権の補償を認めていないという前提を持っているというふうに私は理解しておるけれども、そうでなければけっこうです。いずれにいたしましても、漁業権補償というものはきわめて不十分でありますけれども、これらの問題がもし私の指摘したとおりであるならば、当然解決されるべきだと思いますが、沖繩の、ことに漁業従事者のためにも特段の努力がされるべき問題と思いますが、いかがでしょう。
○田中国務大臣 漁業権の法制上の問題は私あまりよく承知しておりません。担当者からお答えいたさせますが、われわれ本土との一体化という上におきまして、沖繩の漁民の生活を保障し安定しなければならぬということで、先般も、電波の関係や市況調査にこちらのほうの電波が使えるようにということで、郵政省といろいろ交渉したこともございます。なおまた、物権か何か、それに対する補償の問題等は、存じております限りにおきまして担当官からお答えいたさせます。また、もしさようでない場合におきましては、われわれは当然漁民の保護の上から申しましても、努力いたさなければならぬ、かように考えます。
○中谷分科員 では、お答えいただきます前に、時間がないようですから、最後に一点だけ大臣にお尋ねをしておきたいと思います。 冒頭に人権侵害の問題としてあげられました、米軍人軍属の沖繩県民に対する公務外の犯罪の問題、その場合、沖繩の警察官は、米軍人軍属に対する特定の犯罪に限っての現行犯逮捕権は持つけれども、本土でこれだけ大きな声で叫ばれている交通事故等については逮捕権がない。同時に、逮捕しても捜査権がない。私の調査したところによりますと、ちょうどこの程度の大きさの紙に現行犯逮捕の要旨を書いて米軍に直ちに引き渡す、こういうようなことでは現地住民の中から非常に不満が出てまいります。要するに、米軍人軍属の犯罪についてはうやむやに終わってしまうのだという不満が出ておる。これらの問題について、米軍人軍属の公務外の犯罪について、少なくとも当面逮捕に伴うところの、逮捕に近接したところの捜査、その程度まではあすからでもできるように、ひとつこれは早急に提案していただきたいと私は思うけれども、いかがでしようか。
○田中国務大臣 米軍の構成員に対しまする非常な制約の問題につきましては、これがやはり人権の問題の中心的な課題であろうと存じます。これらの人権につきまして、私どもは今後ともに努力をしてまいらなくちゃならぬ、かように考えております。なおまた、交渉の過程におきましても、さような問題が諮問委員会にも出ましょうし、また外交交渉にも相なるだろうと存じます。要は、私ども沖繩の一体化の問題につきまして根本を貫く考え方は、ほんとうに愛情をもって包んであげるということが私は根本であろう、それに向かってわれわれは万般の問題につきましていろいろの御意見を承り、また事務的にも交渉を続けてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
○山野政府委員 漁業権につきましては、御指摘のように、米国のほうでそういう物権としての漁業権の概念がない関係で、そのような解釈になっておると思いますが、まあそれはそれとしまして、現実にその補償の問題が起きれば、これは別の問題として要請していくべきものであるし、また、できる問題だと思います。いずれにしましても、将来本土へ返ってくる場合を想定しまして、将来の漁業権をどうするかという問題は今後慎重に検討してまいりたい、かように考えております。
○森山主査 午後は正一時から再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○森山主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣及び総理府所管に対する質疑を続行いたします。 この際、念のために申し上げます。質疑時間につきましては、理事会の協議により、原則として、質疑に対する答弁も含め、本務員一時間、兼務もしくは交代で分科員になられた方は三十分となっております。多数の質疑希望者がございますが、できる限り御希望に沿いたいと存じますので、恐縮ながら質疑時間を厳守いただき、質疑及び答弁はできる限り簡潔を旨とする等、各位の格別の御協力をお願いをいたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。折小野良一君。
○折小野分科員 私、この前の一般質問の際に、長官にはおいでいただいておったのでございますが、時間の関係でたいへん失礼を申し上げました。そういうような関係もございまして、ひとつ大臣に敬意を表したいと存じております。 その際の質問で、都市化という問題を私取り上げました。都市化の反面に、過疎問題があるということにつきましては申し上げるまでもないわけでございますが、それは端的に申しますと、農村地帯から農民が流出する、都会に出てくる、こういうところに一つの大きな原因があるわけであります。その原因の一つに、災害という問題がございます。非常に災害に弱い日本の農業、そしてまた、経済的な基盤の弱い日本の農民、こういうものが一たん災害を受けますと、あと何ともならない。そういうようなことで、都会にでも出たら何とか食えるのじゃなかろうか、こういうことで都会に出てまいります。また、後進地域におきまして、最近いわゆる出かせぎ問題というのが一つの大きな社会問題になっておるわけでございますが、こういうものもやはり災害に一つの大きな原因がある、こういうふうに私ども判断をいたしております。したがって、まず基本的に、災害対策あるいはいろいろな復旧対策、こういうものは国民の生活を守るんだ、こういう基本的な立場でなさるべきだと思うのでございますが、長官の御所信をお伺いいたしたいと思います。
○田中国務大臣 お説のとおりでございます。
○折小野分科員 災害対策につきましては、災害対策基本法というものができまして、それに伴いましていろいろな災害対策の法制ができておるわけでございます。したがって、国民はひとしく、こういう災害復旧の場合において、国の援助もいただいて、そうして何とか早く立ち上がろう、ういうふうに考えておるわけでございます。ところが、現実には必ずしもそれがうまく行なわれないと申しますか、そういうことがございます。もちろん災害対策そのものは、地方の公共団体であるとかあるいは土地改良区であるとか、こういうものを通じて行なわれるのが通常でございますが、帰するところは被災者個人ということになってまいります。一つの例を申し上げますと、たとえば農地災害でございます。これは農業の基盤でございますので、そういう意味におきましていろいろな角度の災害復旧についての対策並びに援助、こういうものが行なわれる。したがいまして、受ける側の農民として見ますと、ある災害の場合におきましては、たいへん国の援助もいただきまして、そうして自己負担もそう多くなくて、何とか災害復旧ができ、立ち上がれる、こういうようなことがございます。ところが、ある場合におきましては、その、国からの援助が非常に少ない。したがって自己負担が非常に多くなりまして、そうして復旧にも、またそのあとの生活にも非常に困窮する、こういうことがございます。それからまた、さらにひどくなりますと、国とか公共団体あたりの援助がほとんど受けられなくて、そうしてその災害そのものはほとんど自分の負担でやっていかなくてはならない。かねてたくわえもない。そういう面からその復旧も遅々としてはかどらない。生活もそれによって破綻する、出かせぎに出なくてはならない、こういうようなことがあります。そういうふうに違うのでございますが、その受ける本人にとってみますと、同じ程度の災害を受けている、そうでありながら、その規模の大きな災害の場合には相当な援助が受けられる、そうでない場合には援助が受けられない、こういうようなことになってくる。あるいはまた、自分の場合には、こういう災害であったからこういう援助が受けられる、他のある人の場合にはこういう災害であって、こういう援助が受けられた、その間にその人の受ける災害の程度というものは同じでありながら不公平な措置が出てくる、こういうのが現実にあるというふうに考えるのでございますが、そういうような点はお認めいただけますか。
○田中国務大臣 そういうことがしばしばあり得るのではないかと考えております。
○折小野分科員 あり得るのではないかということでなしに、災害対策の主管大臣でいらっしゃるわけでございますから、そういう実態というものをほんとうに把握して対策を講じていただかなければいけないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。私が、災害対策は国民の生活を守る、それを基本にして考えなければならないんじゃないかというふうに申し上げました際に、大臣は簡単に、そうでございますというふうにおっしゃった。ということになりますと、国民に対してそういう不公平な国の政治というものが行なわれていいということは言えないわけであります。たとえ全体の災害の規模は違いましても、同じ程度の災害を受けました場合には、やはり同じ程度の援助というものが受けられる、そうすることによって国民はひとしく立ち上がる意欲を持つことができる、こういうことになるのじゃないかと思うのでございます。こういう災害対策に対する大臣の所信をさらにお伺いいたしたいと思います。
○田中国務大臣 さようなことがあってはならないということは当然でございますが、しかし災害にいろいろと種類がありましたり、特別なことがございます。私の出身地も災害頻襲地帯でございまして、始終災害を受けておりますが、一例を申し上げますれば、たとえば今度のえびのの災害等におきまして、激甚災害を指定したい、かように存じましても、被害額が非常に僅少で、激甚災害のB部門の最低が二百三億でございますか、今度のような非常に局地的な六億何千万円という程度では、激甚災害を何とかして指定して差し上げたいと存じながらできないとか、あるいはまた、天災融資法なんかの場合におきましても、御案内の、銘柄が指定してございまして、それにはずれております先般の竹林の災害について、これまたなかなかできなかったり、そういうふうな不都合な点が多々生じてまいります。そういうのを一つ一つ克明に調整してそういうふうな不公平がないようにぜひともいたしたい、かように念願いたしております。
○折小野分科員 ただいまの大臣のお考えからいたしまして、直接大臣の御答弁にございました激甚災害でございます。 激甚災害につきましては、災害対策基本法の九十七条に規定がございまして、この規定を受けて激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、こういうものができております。この激甚災害援助特例法によりますと、いま大臣のお話しのように、ある程度の差別をつけざるを得ない、こういうようなことになっております。これは、先ほど申し上げましたように、確かに災害にはいろいろな規模がございます。非常に大きな規模の災害、そうでない災害、こういうのがございます。しかし、その災害を受ける国民にとって考えてみますと、その規模の大小にかかわらず、みずからの受ける災害の程度というものは同じでございますし、したがって、それによって受ける国からの援助はやはり同じく受けたいと念願をするでございましょうし、またそれらの被災者が立ち上がるにつきましては、その規模が大であるから小であるからということで差はない、そういうふうに存じます。したがって、大規模な災害について、この特例法によりますと、国民経済に著しい影響を及ぼす、これはすなわち大規模な災害だと思っております。またこういう趣旨に基づきまして、政令その他によって一定の基準を定められておる。これも制度の技術的な立場からすればやむを得ないことだというふうに考えます。しかし、かといって、そうでない災害の場合の被災者に対する対策を不公平なままほっておいていいのかということになりますと、そうはならないんじゃないかというふうに私ども考えます。また、災害対策基本法の九十七条におきましても、大規模の場合はどうせよ、小規模の場合は打ち切ってもいい、こういうような規定のしかたはないはずでござます。したがいまして、今後、大臣のただいまの御所信に基づきまして、小規模な同じ程度の激甚災害、こういうような場合におきましても十分な援助が行なわれ得るような法の改正あるいは新たな立法、こういうものをお考えになっておられますか、お伺いをいたしたいと思います。
○田中国務大臣 激甚法指定の問題もさることでございますが、激甚法という一つの法律だけでなく、今日まで、あるいは農業関係あるいは漁業関係あるいはその他公共土木関係、いろいろな単行の母法がございますし、また融資の方法もございますので、激甚災に該当しないものでありましても、できるだけ各母法を動員いたしまして救済に充てなくてはならぬ、かように考えております。ただ、前々から懸案になっておりますのは、たとえば公共土木災におきまする五万円以下の小規模災害でありますとか、あるいは中小企業等の個人財産の問題でございますとか、こういうふうな問題はいまだ救われざるままになっておることは残念でございます。
○折小野分科員 大臣のおっしゃいますような配慮あるいはいろいろな制度の運用、こういうことで現実に相当見ていただいておるということも私ども承知をいたしております。しかし、それですべてが見られるということになりますならば、何もこの激甚災害に対するこういう特別立法というものは要らないわけでございます。それが十分でない、激甚災害の場合は、この法の適用によりましてある程度有利な援助が行なわれる、こういうことを国民は期待いたしますので、激甚災害の指定をお願いいたしたい、こういうふうに申しますし、その指定がないということになりますと、なかなか十分な援助がいただけないのじゃないか、こういうことになるわけであります。したがって、その他のいろいろな法の運用だけでできるということになりますならば、大体この法自体も要らないわけです。しかも、この法自体が必要だということでございますならば、やはり小規模災害についての配慮というものが同じような制度の中で生かされていかなければおかしいのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますので、この点さらにお考えをお伺いいたしたいと思います。
○田中国務大臣 そこが一番むずかしい問題であろうと存ずるのでありますが、法の適用範囲にはどうしても一つの線が引かれるわけでございまして、その線を上回るものは救われるが、下回るものは救われない、こういうふうな結果に相なるのでございまして、それをどういうふうな調整規定によって当てはめていくかということは、これはもう法の適用の上からいって一番困難な問題だろうと存じます。また今後ともに御協力をいただきまして、災害対策の万全を期してまいりたい、かように考えております。
○折小野分科員 現実のわが国の災害を見てまいりますと、災害日本といわれるほどいろいろな災害が多いのでございます。しかも、最近の災害の態様を見てみますと、いわゆる集中豪雨であるとか、あるいは大臣もおっしゃった先ほどのえびの地震であるとか、こういうふうに、その範囲からいたしますときわめて局地的である、しかしながら、その災害の内容、程度というものは非常に激甚である、それによって受ける国民の損害あるいは苦しみ、これは大規模であろうと小規模であろうとほとんど変わりない、こういうような問題がたくさんあるわけであります。したがって、こういう面につきましては、ただいま大臣の御所見もございましたが、ひとつ実態を十分御検討いただきまして、そうしてそのような災害に際しましても、十分な救済策が講じられる、その被害者に対してもあたたかい手が伸ばせる、こういう制度をひとつ確立をしていただきたい。災害対策はあくまでも国民を守るのだ、国民の生活を守るのだ、単に規模が大きくて、そうしてわが国経済に影響があるかというと、もちろんそれもないとは申しません。しかし、その前に国民を守る、国民の生活を守る、そういう立場から十分な御検討をお願いをいたしておきたいと考えております。 次に、公務員の給与制度につきまして少し御質問を申し上げたいと思います。時間がございませんので十分な御質問ができるかどうかと思いますが、明年度の予算につきましては、その編成の当時からいわゆる財政の硬直化ということがいわれてまいりました。あたかも降ってわいたような、まあいわば天災のような言い方をされておるわけでございますが、しかし財政の硬直化という問題は決してそういう問題ではなしに、これはつくられたものである、こういうふうに私どもは考えていくべきであると思います。その財政の硬直化の一番の元凶のようにいわれておりますのが人件費、給与費でございます。給与は毎年毎年上がっていく、これは物価が上がっていけば給与も上がっていかなければなりませんし、また、お互いに国民が人間らしい生活をするためには給与は高く払ってもらうように配慮してもらわなければならない、こういうことになりますでしょう。しかし、それが財政の硬直化の一つの大きな原因である、こういうふうなお考え、その基本的な考え方自身に一番大きな問題があるのじゃなかろうか。もちろん、いろいろな事業をやって国民にサービスをするということは大切なことでございます。そういうような弾力性が多いこと、もちろんけっこうなことでございます。しかし、行政というのは、本来それに携わる人がおって、その人の活動によって国民に対するサービスを高めていく、これが一番基本的な問題でございます。したがって、ただ単に給与が予算の硬直化をもたらしておるのだというような考え方でなしに、いかにこの給与費を、人件費を活用して、効率的に配慮して、そうして国民に対して大きな行政効果をサービスするか、こういう考え方になってもらわなければならぬのじゃなかろうかと考えるのでございますが、給与費に対する基本的な考え方を大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○田中国務大臣 給与費あるいはまた恩給、扶助料、こういうふうなものばかりが財政硬直化の原因だとは私考えたくないわけでございます。財政硬直化の原因というものは、そのほかにもいろいろ、公共土木の問題にしましても、何にしましても、たくさんあると存じます。しかし、義務的経費という名称をもって縛られておる点におきましては、これはある程度まで当然の支出でございますので、その点につきましては、また財政当局としては別な見解も持ち得るかもしれません。
○折小野分科員 ただいまの御答弁は、私がお尋ねいたしております質問に的確にお答えになっていないと思うのであります。私も何も給与費だけが財政の硬直化だ、こういうふうに申し上げているわけでもございません。そういうような硬直化の一つの原因が給与費にある。しかも、これはいわゆる義務的な経費である、当然増の経費である、こういうような判断だけで給与費というものを考えるというところに基本的な間違いがあるのじゃないか。給与費が支払われる、これは形の上ではあるいは消費的な経費であるとか、そういうような言い方もなされております。しかしながら、国の行政によって国民に福利を約束する、その一番基礎になるものは公務員の人たちの活動である。それに払われる給与費であってみれば、これは、ただいま申し上げたような硬直化の原因だというようなことで片づけるのでなしに、これをどれだけ効率的に運用するかということが特に必要なのじゃないか、こういう点を特にお伺いをいたしておるわけでございまして、この点は再度ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○田中国務大臣 御指摘のとおりに、国家活動の源泉でございます。さような意味において私どもは扱ってまいりたい、かように考えます。
○折小野分科員 そういう立場から給与というものは非常に大切なものであると考えております。そしてまた、この給与の運用と申しますか、こういうものが行政効果をあげる上におきまして非常に大きなファクターになる、こういうふうに申していいのじゃなかろうかと思うのであります。そういうような点から考えますと、給与制度そのものにもいろいろな角度からの検討というものがなされなければならないのでございまして、とりあえず、財政の硬直化ということがいわれております時期におきまして、この給与費というものをより効果的に活用する、こういう立場からいたしますと、それに応ずる給与制度というものがあっていいのじゃなかろうか。ところがわが国の国家公務員の給与制度は、申し上げるまでもなく、いわゆる年功序列型といわれております。もちろんその中にはいろいろな要素が考慮されておるということは、これはわからないじゃございません。しかしながら、基本的に年功序列型の賃金体系をとっておる、こういう点は争われないことでございまして、こういうようなことが行政能率というものを阻害しておる一つの原因になっておるのじゃなかろうか、こういうふうに考えます。そういう面からのこの給与制度に対する御検討がございましたか、あるいはこれに対するお考えがございましたかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○田中国務大臣 一がいに年功序列ということは、必ずしも悪いことでもないと存じます。当然永年勤続の方々はそれだけの豊富な経験をお持ちになり、あるいはまた、統括能力もお持ちになっておられる。さような意味で、これを非常に定型化した年功序列と一がいに言ってしまいたくないのでございますが、なお、その間にまたいろいろ御高見も拝聴いたしまして御答弁申し上げます。
○折小野分科員 確かに大臣のおっしゃるような要素もございます。それも全然無視するわけにはまいりませんでしょう。しかし基本的に年功序列型の賃金体系というものが能率をあげる上におきまして相当程度マイナスになっておる、こういう点もひとつ十分お考えをいただきたいと思うのでございます。今度の国会におきまして、地方公務員につきましては定年制を採用するということで、地方公務員法の改正案が出ております。そしてまた、これにつきましては、地方公務員だけじゃおかしいじゃないか、こういうような意見も出ておりまして、国家公務員についてもさらに定年制を検討すべきじゃないか、こういうような意見もあるわけであります。この定年制を採用するということの奥にどういう問題があるかと申しますと、年をとって能率が悪くなった、しかし賃金だけは高くなっていく、これじゃ不経済だから、したがって、ある年齢に達したらやめてもらおうじゃないか、こういう素朴な考え方があるわけであります。これは何も定年の際だけの問題じゃございません。そのほかにも、同じ職場で同じ仕事をしておって、そうして、ある人は一の給与を受けておる。それに対しまして年配のある人は三の給与を受けておる。もちろん大臣のおっしゃるように、年配の人はそれだけの経験も積んでおる、したがってそれだけ能率をあげることもできる。しかしそうばかりじゃない。これは、国家公務員の仕事にはいろいろな態様がございますから、まあそれぞれの実情に即して考えなければなりませんのですが、しかし大体同じ仕事をやっておって、片一方の若い人は一の給与を受け、年配の人は三の給与を受けておる、こういうようなことが人事管理上いろいろ問題があるということにつきましては、これは申し上げるまでもないわけでありまして、そういう多くの場合におきまして、大臣のおっしゃる経験とかなんとかいうことよりは、むしろ人事管理を阻害するような不平不満というものが職場で起こる、そのことの考慮のほうが重大じゃないか、私はそう考えるわけでございますが、こういう面についての大臣の御所見をお伺いいたします。
○田中国務大臣 お説のとおりでございまして、高齢化傾向というものは各方面にも出ておりますので、これにつきましては、お説のように新進気鋭の方々の登用ということをはばむようなことがありますれば、行政能率の上から申しまして非常な低下でございます。かような意味におきましていろいろと検討がなされておる次第でございます。
○折小野分科員 最近民間におきましても、この給与の効率化ということは非常に大きな関心をもって考えておるわけであります。したがいまして、最近いろいろな企業におきまして、いわゆる職務給であるとか、あるいは職能給の採用とか、こういうようなことがいろいろ行なわれております。また同一労働同一賃金、こういうような基本的な考え方もいろいろいわれておるわけであります。もちろん、給与制度をきめるにつきましては、いろいろな要素を考えてまいらなければならない。まず公務員自身の生活、それから職務の内容、それから能率と責任、基本的にそういうようなものを十分考えて、適切な制度というものを考えていかなければなりませんのですが、少なくも現在公務員にとられておりますいわゆる年功序列型といわれておりますこの給与制度というものは、現在から将来にわたって、やはり相当程度改善されなければいけないんじゃなかろうか、こういうふうに考えます。そういう立場で、今後改善するという立場で御検討になりますかどうか、ひとつ所信をお伺いしておきたいと思います。
○田中国務大臣 お説のとおりでございます。なお人事院におきましては、その問題を専門的に検討いたしつつある次第でございまして、今後ともにこれらの人事管理の面におきましては十分に戒めてまいらなくてはならぬ、かように考えております。
○折小野分科員 給与制度並びに人事管理、関連する問題につきましてはいろいろな問題もあるわけでございますが、限られた時間でそのすべてに触れるわけにもまいりません。いずれにいたしましても、最初に申し上げましたこの人件費、給与費、こういうものが行政の効率化に非常に大きな影響がある。そしてまた、国民は国家活動そのものによるサービスの増大、こういうものを心から期待をいたしておるわけでございまして、そういう立場で十分御検討をいただき、そして、より能率的な行政というものを確立していただきますように要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○森山主査 次に、岡田利春君。 この際、まことに恐縮ながら岡田君に念のため申し上げます。質疑時間は三十分となっておりますので、あらかじめお含みおきの上御質疑をお願いいたします。
○岡田(利)分科員 私の質問の本題に入る前に、一つだけ総理府総務長官に見解を承っておきたいと思うわけです。 それは昭和四十年の十月五日に北海道の訓路の新富士海岸で旧海軍の爆雷が漂流をいたしておりまして、これを炊事遠足をした児童が誤って火に入れまして、この爆発によって四名の児童が死に、二十三名の児童が負傷いたしたわけです。当時佐藤総理から死亡者に対して二十万円のポケットマネーがお見舞いであるという形で出ておるわけですが、これを救済する法律が実はないわけです。しかし何とか救済をしなければならぬのではないかということで、昭和四十一年の十一月の解散国会前に、連合国占領軍等の行為等による被害者等に対する給付金の支給に関する法律、これが議員立法によって改正が行なわれ、特別給付金が出されたわけです。そのときに、これを適用できるように努力をしたのでありますけれども、法体系が違いますから、この中で救済はできなかった。したがって、そのままこの問題は放置されておるのが実情であります。いま各政党間で意見の調整をして議員立法として見舞い金の支給の法律を出したい、こういう形で作業を進めておるわけですが、こういう議員立法が出された場合、特に現時点では総理府がこれらの問題について調査もされておるわけですが、この議員立法に対して協力をするお考えがあるかどうか。当時の安井長官は議員立法をなされる場合には十分ひとつ誠意をもって協力をし、政府も実現の方向に考えましょう、こういう答弁をいたしておるのでありますが、長官はどう考えられるか。 それと、施設庁に対して、こういう事故というものが——戦後は終わったというけれども、依然として、そう数は多くないけれども、たまたまこういう問題が起きるのであります。こういう救済について議員立法をする場合、十分ひとつこれに対する理解を深めていただきたいと思うのですが、こういう救済をされていない問題について一体どういう見解を持たれておるか、この点お尋ねをいたしたいと思うわけです。
○田中国務大臣 先般訓路の地元の方々がおいでになりました際に岡田さんともお目にかかったと存じます。その後、これらの問題につきまして検討もいたしたのでございまするが、ただいま御指摘の議員立法によりまする救済措置に対しまして、これはまあ議員立法でございますから、政府としてそれに容喙するわけでもございませんが、しかし、できるだけこういう気の毒な方々の救済措置は考えていかなければならぬ、こういうふうに考えております。なおすでに本件は弔慰金、お目舞い金はお贈りいたしたのでございますが、しかしこの種のような問題はまだまだいろいろとあるのではないかと考えられるのでございまして、今後ともに一そう研究してまいりたい、かように考えます。
○高橋(儀)説明員 議員立法につきましては今後国会で御検討があろうかと存じますが、ただい季のところ、その内容については、防衛施設庁としては御意見を申し上げる段階でないので、御了承願いたいと思います。そういった事故につきましては、北海道のこの炊事遠足は承知しておりますが、その他たくさんの事故についてはよく調べてみないと、どのくらいの数があるか、いまのところはっきりいたしておりません。
○岡田(利)分科員 時間がありませんから本題に入ります。 官房長官にお尋ねをいたしますが、政府はすでに臨調の答申も受けて、公団、事業団あるいは特殊法人の廃止並びに統合について方向を示している、しかも、具体的にすでに閣議では民間改組とかあるいは統合問題について決定がなされておるわけです。政府がこういう方針を示す以上、廃止並びに統合に関する基本的な方針というものがたければいかぬのではないか、こう実は思うわけです。したがって、これらに対する政府の基本的な方針をぜひお示しを願いたいと思うわけです。
○木村(俊)国務大臣 いまお話しがありました特殊法人の整理統合でございますが、臨調の答申に従って鋭意努力をしてまいりました。まだはなはだ不満足な結果には終わっておりますが、その基本方針としましては、すでにもう目的を果たしておる法人、また実績上どうも芳しくない法人、第三には類似の目的また事業内容を持っておる、こういうものを統廃合するというのが基本方針でございます。その方針に従って、いろいろ行政管理庁を中心として各省と連絡をとってやっております。 もう一つわれわれとして注意しなければならぬのは、これは確かに整理統合もいまの基本方針でやることは必要でございますが、それなりにやはり特殊法人が存在する意義もあれば、また社会的機能も果たしておるわけでございますから、ただ机の上で機械的に数だけ減らせばいいというものではないと思います。そういう実質面の検討もあわせてやらなければならぬと思いますし、また、整理にあたりましてそこにおります職員の方、これに出血といいますか、馘首その他が行なわれないような配慮、これも基本的態度の一つでございます。
○岡田(利)分科員 いま長官が三つの基本的方針を示されましたが、先般閣議で決定をされました北海道地下資源開発株式会社は、この三つのうちのどれに該当するのか。それと同時に、職員に対するいま基本的な考え方をお示しになったわけですが、この場合も同様、いま長官が述べられた立場に立ってこの問題は扱うということについては間違いがないと思うのですが、いかがですか。
○木村(俊)国務大臣 北海道地下資源開発会社の統合の趣旨といいますか、これは統合と申しましても民間企業に改組する方針でございます。その内容につきましては、むしろ私より行管長官からお答えすべきものと思います。それから、職員の問題についてのお話しがございました。これはもちろんお尋ねの趣旨のとおりでございます。
○岡田(利)分科員 行管長官即北海道開発庁長官で、二重人格みたいな立場にあるのではなはだ質問もしづらいわけですが、少なくともこの会社ができて十年間たったわけです。なかなか内容的に当初の目的どおりにいかないということで、昭和三十七年に一部法改正をして対象区域を全国に広めた、こういう積極的な態度を示しながら今日までまいったわけですが、今回この会社を民間に改組するのだ。ただ私は、いまどこの会社でも人手が足りないという条件もございますし、企業の本体を変えるという場合は相当の準備、そしてまた、そこに働いておる労働者に対してはいかに完全雇用するか、こういう措置をした上で民間に改組するとかしないとか、こういう方向を労働者側に示すというのが通例だと思うわけです。少なくとも政府が、ほぼ一〇〇%と言ってもいいほど資本金を出しておるこの会社を民間に改組をするというのであるならば、事前にそういう検討をされたものがあって、こういう方向でいけば、いま長官が示されたような基本方針からいっても労働者の権利は守られるし、また、こうあればこの企業は安定をする、そういう方向で政府としては、この会社について民間なら民間に改組をするのだ、こう出てまいらなければならないと私は思うわけです。ところが、民間に改組をするほうが先行しちゃって、あと一体具体的にどうするのかというものがついていないと思うわけです。特にこの地下資源開発株式会社というのは特殊な会社なんです。そういう特殊性を考慮しないと、非常に多くの問題が発生してくることは、きわめて私は当然だと思うわけです。私は、そういう意味において、政府自身が過去十年間この会社を管理してまいったわけですから、その責任上からもそういう点について明確にすべきではないか、このように考えるわけですが、長官の見解はいかがですか。
○木村(武)国務大臣 二重人格じゃないです。二枚鑑札なのです。 その地下資源の問題ですが、岡田さんから御指摘になりましたとおりに、一番頭を痛めておるのです。その頭を痛めておるのはどういう点かといいますると、二重鑑札を持っておる、こういうことになるのであります。この地下資源開発株式会社は特殊法人ですから、やはりその名の示すとおりに、これをつくるときにはそれだけの大きな使命を持ってできたのだと思います。ゆえあってできたものであって、ゆえなくしてできたものではない。ところが、時代の変遷によって、その時代の変遷に即応していけなかったということも一つ大きな理由があると思います。その過程において、監督官庁でありまする北海道開発庁だとか通産省というものは、それらの人々に向かって方向を示し得なかった、それから監督の十分な行き渡りも行ない得なかったということにつきましては、岡田委員の指摘されましたとおり、これはおわびをする以外に方法がない。全く申しわけありませんでした、手落ちでしたと言っておわびをする以外には方法がないのであります。そして地下資源開発会社のいままでを見ておりますると、その所期の目的を達成していなかったのであります。それだけでなく、今後これを存続せしめてみても、また所期の目的を達成することができないだろう、こういう判断がついたものですから、民間会社に移行するという方針をとってみたのであります。民間会社に移行するにあたりましては、民間会社に移行するから、ひとつ会社としてみては、民間会社に移行してなおかつ十二分に生きられるような案をつくってもらいたいということを再三北海道開発庁長官として申し上げましたけれども、残念ながら当路の人を得なかったために、ほんとうに満足な、岡田委員のおっしゃるような結論を持って臨み得なかったことも、またおわびを申し上げなければなりません。しかし、現段階におきましては、やはり民間に移行いたしまして、そして民間会社として大きくそこで創意くふうして、生きてもらう方針をとっておもらいしたい、そのための諸般の便宜は北海道開発庁長官といたしましてはばかってみたい、こういう考えでいまこの問題と取り組んでおります。
○岡田(利)分科員 これは企業でありますから生きているわけです。しかし、この問題が出てから、発注者もどうなるかわからぬ会社に仕事を頼むわけにはいかぬということで、五月になれば仕事はもうなくなってしまう、こういう事態に追い込まれているわけです。しかも二百名以上の人がここに生活をしておる、そういう面から見て、閣議では決定したけれども、民間改組のための法律廃止の法律でありますか、これはまだ別に国会に提示をされていないわけですが、いまの構想と関連してこれはいつになりますか。
○木村(武)国務大臣 法案もつい最近の間に出したいと思って、鋭意急いでおります。
○岡田(利)分科員 民間構想というのは、いままでいろいろお話も聞いておったわけですが、どう考えてみても、民間に改組して現在の人員をその民間会社に吸収できるのは、おそらく多くて三分の一、少なければ二割程度ではないか、こう私は考えるわけです。それとも、大きく構想を描いて、ほとんどの人が吸収できるという案ができる可能性がありますか。
○木村(武)国務大臣 何も創意くふうしなかったならば、現状のままで民間移行ということになりましたならば、私は全部の人員を吸収して、なおかつ成績をあげられる会社にするということは無理だと思います。しかし、民間に移行いたしまして自由に活躍できる会社になりまして、束縛もあまり受けない会社になりまして、そうして労使が一緒になりまして、ほんとうに乏しい中で創意くふういたしましたならば、あながち生きられないものではない。そのくふうが大切なんじゃないだろうか、私はいまこういうように考えております。
○岡田(利)分科員 官房長官にお尋ねしますけれども、北海道開発庁というのは、ほかの省と違って、一つの北海道地域に限っての開発の行政機関であるわけです。ほかのたとえば通産省とかあるいは運輸省とか、大きい省の所管の特殊法人の場合ですと、民間に改組する場合でも、人員その他の問題については、ほかにも公団もございますし、その省の中である程度消化ができるという場合もあり得ると思うのです。ところが、北海道地下資源開発株式会社の場合には所管官庁が北海道開発庁でありますから、いま長官が言われたように、民間に改組してもぜいぜい三分の一程度の人員しか吸収できない。そうするならば、少なくとも政府の機関に働いておった者は、民間ですら完全雇用の方向で、しかもむしろ退職する方については優遇するという措置を民間の場合はとっておるわけですから、政府として失敗をしたという責任があるとするならば、当然内閣全体の問題として、政府の機関がたくさんあるわけですから、まず希望者があればそこに吸収するんだという姿勢が、先ほどの長官の基本的な方針からいってもなければならぬではないか。ここに、いまこの問題が前向きに進まない大きな理由があるんじゃないかと思うのです。この点について、所見はいかがですか。
○木村(俊)国務大臣 行政改革の中でこの特殊法人の統合をおあげになっておりますが、行政改革全体が佐藤内閣にとりましてもたいへん大きな問題として扱われておりますので、したがって、この特殊法人の整理統合に際しましては、北海道開発庁とかあるいは通産省とか、そういうなわ張りを全部取っ払いまして、政府全体の事業として推進したい、こう考えておりますのが現在の内閣の姿勢でございますので、そういう御心配はないようにいたしたいと思います。
○岡田(利)分科員 官房長官は、きわめてあっさり御心配はないようにしたい、こう言いますけれども、現実は、もう事態は深刻に進んでいるわけです。そして来年度、四月一日以降一体どうするか。これはたとえ法律が出ても、そういう点が明確でないものは、法律を出しても国会審議には応ぜられないと思うのです。だから私は、そういう方針をきめるならば、付随して、こういう点については大体アウトラインはこうするんだというものが明確に示されないと、働いておる人々との話し合いでも相互の信頼感でも、できてこないと思うのです。たとえば長官のいま言われたことを一歩進めると、どうしても余る人については、まず政府のいろいろな公社、公団、そういう面で内閣としてはできるだけ希望者があればあっせんをするとか、できるだけ吸収します、そして吸収できない面については責任を持ってその人の生活、仕事について保障します、こういうものがぴちっとないと、いまの長官の答弁は、言うだけであってさっぱり一つも中身がないということになると思うのです。先ほど、同じ木村さんでなかなかめんどうなんですけれども、北海道開発庁長官のほうは、北海道開発の庁というサイドから努力をするんですと言うけれども、これではもう消化できないのですよ、はっきりしているのです。これはむしろ、開発庁長官はかぶとを脱いだほうがいいと思うのですが、そういう面で、私は、官房長官が内閣として受けとめるという姿勢をこの際示すべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○木村(俊)国務大臣 いま申し上げましたとおり、これは内閣全体の仕事でございますので、非常に困難は伴うと思いますが、政府全体として考えていきたい、こう考えております。
○岡田(利)分科員 この会社はすでに閣議では廃止をきめておるのですが、これと同種の事業団があるわけですね。たとえば金属鉱物の探鉱事業団、これは金融だけをいま扱っておりますけれども、こういう事業団がある。それから海外についても事業団がある。大体こういうものが地域別やそれぞれの省別で出てくること、でき上がってきたこと自身に私は問題があるのだと思うのです。むしろこういう点については、廃止をする前に一歩次元を高めて統合をする。こういう統合をする姿勢がまずなければいかぬのではないか、私はこう思うのですが、そういう統合については内閣として十分検討されたのかどうか、伺っておきたいと思います。
○木村(俊)国務大臣 具体的には行管長官からお答えしたほうが適切ではなかろうかと思いますが、そういう面も十分検討いたしました。ただ、同じような類似の事業の中でも、やはり何と申しますか、非常に技術的な面と資金的な面と、いろいろ特徴を持っておりますので、あながち採鉱あるいは地下資源開発、そういうカテゴリーに属しながらもその点に相当性格上の差異があるものでございますから、そういう面からも検討をしております。
○木村(武)国務大臣 ただ単に整理するだけが能ではないと思いまして、事後処理の問題でも、似通った機関の中へと合併ができないものだろうか、合併できなくともそれらの人々の若干の人員でも収容できないものだろうかと思って、八方手を尽くしてみたのであります。しかし、非常にむずかしい、こういうことを発見してしまったのであります。それでありますから、地下資源開発株式会社にいま働いておいでになりまする方々に対しましては、万一の場合には、他の民間会社に就職しようとする御希望の方の就職だけは全責任を持ってやってみたい、こういう決心をしておるのであります。それから退職される場合の手当なんかもほんとうに十二分に考えてみたい、こういう気持ちを持っておりまするが、何せいろいろないざこざがありまして、特にきょうなんか新聞のようなものを見ますると、四十八時間ストなんということをおやりになるようでありまするが、ああいうことをおやりになりまして、かりにそのために契約破棄などというものが行なわれまして、損害賠償なんかを要求されるようになりますると、せっかく万一の場合に備えて確保しておったような金までも失う危険がありまするので、私としてはその点で非常に心痛をいたしております。しかし、事、個人の生活の問題に対しましてはほんとうに万全を期していきたい、こういう考えでいまこの問題と取り組んでおりまするが、難航いたしております。
○岡田(利)分科員 私は私なりで、この民間に改組して民間会社をつくった場合に、これが成立するかどうか非常にむずかしいと思うのですよ。だから、言うなればこの会社は一応目的に向かってさらに強化をして、北海道のみならず日本の地下資源の採鉱をやる会社として、そういう形でさらにこれを伸ばしていくか、それともこれはもう一ぺんにやめてしまわなければならぬのではないか。中小企業的なボーリング会社にするなら考えられますけれども、おそらくそこには、いままで働いていた人が行くなんという気持ちにはなれませんでしょう。これは先般調査された結果明らかに出ておるわけです。ですから、百かゼロかのような感じが私はするわけですね。だから残さないならば、むしろ人については、政府は公社、公団、特殊法人をたくさん持っておる、政府機関もあることだから、原則としてそういう面で、あなた方の希望も聞きながらこの点については責任を負います、こう言ったほうが、話はゼロか百かで早いのじゃないかと思うのですよ。そういう思い切った——これは統合廃止の第一弾なんですから、そのくらいの腹を示さないと、私は今後の統廃合の問題についても重大な影響があると思うのです。行管の長官と北海道開発長官を兼ねておられるわけですから、あなた自身がそういう大きなところを見せて、まず範をたれるべきではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○木村(武)国務大臣 岡田さんのおっしゃるとおりでございまして、そういうようにやり得たならば非常に幸いだと思っておりまするが、何せ人の問題でありまして、私自身ほんとうに苦慮をしたしております。しかし、原則は、そこに働いておいでになる人々の生活を守ってあげよう、この点で考えておりまして、ほんとうに苦慮いたしております。一か八かのことをやってみたらどうだ、こういうお話でありますが、それは私の性格に合っておるかもしれませんけれども、なかなかいまそうですという御返事はいたしかねております。
○岡田(利)分科員 そういたしますと、とにかく働いておる労働者の生活なり基盤というもの、それをはっきり責任を負う愛情というものを示さない限りこれを廃止しませんと、逆にとればそういうとり方ができるのですが、そういう理解でよろしいですか。
○木村(武)国務大臣 民間会社に移行するという根本方針は曲げるわけにはまいりませんけれども、民間会社に移行をしても、なおかつそこに働いておいでになります人々の生活だけは必ず確保してあげたい、こういう決心でこの問題と取り組んでおります。
○岡田(利)分科員 もしこの廃止の法律を出しても、これはかくやるべきだということになりました場合、法律が通らなかった場合ですね、そのような場合にはどうなるのですか。
○木村(武)国務大臣 通ることを予測しておりまするから、そのときには、具体的な問題で話し合いに入りまするから、どうか法律は通さしてくださるようにお願い申し上げておきます。
○岡田(利)分科員 問題は四月——まあ四月一日がすぐ来るわけですね。年度がわりなわけですね。計画は、会社の役員はもう全然立てていないわけですよ。五月で仕事は終わってしまう。国会は五月で終わるんですけれども、もし通らぬ場合は来年度どうするんですか。通るか通らないかわからないんだから、むしろ来年の仕事についてはある程度考えておかなければいかぬじゃないか、それとも、もう無理やり方針をきめたんだからこれは民間に改組するんだ、こういう強欲な決意でこれに臨んでいるんですか。
○木村(武)国務大臣 法案は国会に出しまするから、皆さまと御相談申し上げて、通るように御協力をお願いいたしますが、そういう事態に立ち至った場合には、困ったと申し上げる以外にことばはありません。
○岡田(利)分科員 とにかく、非常に困ったと申し上げる以外にないと言うのですけれども、しかし、長官は、人の問題については、あなたは責任を負うと胸をたたいたわけなんですが、これはあなたの考え方では、民間に移行し、あとは余った人は民間の会社にとにかくごあっせん申し上げましょう、単なるこういう程度のものですか、それとも、先ほど官房長官も言われたように、むしろ内閣として受けとめて、そういうものも含めて評価をするという決意なんですか、内容についてお聞かせを願いたいと思うのです。
○木村(武)国務大臣 原則はあくまでも民間会社で自後の生活の保障をしてもらう、こういうやり方で参るつもりでありまするが、他の特殊法人に対しても、収容する場所がないかと言って交渉はしておるのであります。しかし、これは非常に困難で、はっきりした御返事は申し上げかねておりまするが、民間に対する見通しの問題だけは、責任を持って就職のごあっせんを申し上げることができますと、こういうことだけは申し上げておきます。
○岡田(利)分科員 時間がないですから、またいずれ別な委員会で議論する時間もあると思うし、あとから島本委員が同様この問題を取り上げてお尋ねする予定になっておりますから。 この際、官房長官に、いま行管長官の木村さんが言われたように、なかなか困っておるわけですね、はっきり言って。たいへんなんですよ。なかなか音を上げない人ですからね、この人は。しかし、困っておることは間違いないわけですよ、北海道開発庁だけなんですから。この点、官房長官として、第三万なんですね。したがって、そういう意味では、官房長官も内閣を背負っておるわけですから、一歩前に出てこの問題の消化にあたる、こういう決意があってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
○木村(俊)国務大臣 これは一応政府全体の立場で受けとめて処理をしたいと思います。
○岡田(利)分科員 では終わります。
○森山主査 では次に、久保三郎君。 久保君に申し上げますが、まことに恐縮でございますが、質疑の時間は三十分となっておりますので、あらかじめお含みの上、御質疑をお願いいたします。
○久保分科員 最初に木村行政管理庁長官に、新聞によりますと、今回の愛知用水及び水資源公団ですか、合併に伴って役員がふえるという話が出ていますが、大体役員の多い会社ほど成績が悪いのです。その例に漏れず、それでなくても非能率的な公団、公社が、まあ合併だから両方の役員を調整するために多くなるのだということかもしれませんが、そういうのはこの際はあまり通用しないことだと思うのです。英断を持って合併するというか、統合するということになりますれば、やはりそういう形だけのものじゃなくて大いにやるべきだと思うのですが、どうでしょう。
○木村(武)国務大臣 愛知用水公団と水資源公団を今度統合することにしたのでありまするが、人員は決して多くなるのではないのです。愛知用水公団のいままでの理事は六人おったのでありますが、その四人を減らしまして、二年間だけ二人そのまま存置しておく、まだいろいろな残務で整理しなければならぬものがあるものですから、二人だけこれを存置しておくというだけのことでありまして、決して人員が多くなったのではないのであります。
○久保分科員 結果的には多くなったのでしょうね、二年間そのまま置くというんだから。そういうことでなくて、やはりもう少しそういうところにくふうをめぐらすべきだと思うのです。全然片方の公団から役員が入らぬでは、合併するのでありますからこれは無理だと思うのですね。でありますから、両方から減らすとかいうことだと思うのですね。大体えらい人が多いと、その下部機構もだんだんぜい肉がついてくるわけです。そういうことも考えてやるべきだと思うのです。あまり世間からふしぎに思われるような態度は、この際とるべきじゃないと私は思うのです。 それからもう一つは、今回組織法改正を提案されました。その中で私は観光行政にからんでの質問をしたいのでありますが、御承知のように、いわゆる国際収支の赤字というか、これをよくするために、言うならば観光、いわゆる貿易外収支を改善しよう、観光で一かせぎしようということで、いまいるわけでしょう。そういう方針でしょう。昨年は国際観光年といって、世界的に観光の評価をし直してお互いの国は出発しよう、そういう際に観光関係の部局が一局削減という簡単な割り切り方というか、そういうことで、今回は運輸省では観光局、厚生省では国立公園局ですか、あとは文部省の文化財か何かの、そういうのがそれぞれ減ったわけじゃなくて格下げ、これは対外的に与える影響もあまりよくはないだろうと私は思います。むしろこれは、そういう形だけの格下げみたいなかっこうをとってお茶を濁すということじゃなくて、観光行政を一元化するというところに持っていかなければ何にもならぬのではないかと思うのです。これを観光庁にするか局にするか、これはいろいろ考えもあるとは思うのですが、まあいろいろな行政も統合すべきものはたくさんあるわけです。だけれども、私はいま、きょうは観光だけにわかりやすく話を持っていっているわけなんですが、各省庁に分かれていて、実際はあまり芳しい成績はあげてない。本来ならば、林野庁の問題も含めたりあるいはその他の分野も含めて、観光としての資源の確保あるいは文化財を保護していく、そして日本にある財産というか、あるいは先祖から伝わった遺産というか、そういうものを中心にして、国民生活の中に重要な分野としてこれを位置づけていく、かたがた国際収支を改善する方向に持っていくということだろうと思うのです。そんなことは長官は百も承知だと思うのです。何でこんな簡単なことをおやりになっているのか。また、おそらく答弁は、きっといや久保君、それはあとで統合するんだよというお話でしょう。あとでやるんだったらいまなぜできないのか、こういうことを聞きたいのです。どうでしょう。
○木村(武)国務大臣 久保さんのおっしゃることは、どうも私が言いたいと思っておったことをみんなおっしゃってしまいましたし、それから私がやりたいと思っておったこともずばり御指摘なさいました。しかし、愛知用水公団の問題、水資源との合併の問題なんかについての人員の問題なんか、やろうと思いましたけれども、そういう事情でやり得なかったことを御指摘になりましたけれども、私は非常にありがたいおことばだと思って、これからの大きな問題に処してまいりたいと考えております。 観光行政の問題も全くそのとおりでありますが、一省庁一局削減のときになぜやらないのかというお話でありますが、それをやろうといたしますと、やはり一省庁一局削減の問題ができなくなってしまいますので、一省庁一局削減の問題を片づけまして、それから今後三年の間に行政改革の根本策を樹立いたします中で、お話しのような観光行政の一元化を実現していきたいと思いまして、いまその問題と鋭意取り組んでおる最中なのであります。そういうことをずばりおっしゃるものですから、どうもありがとうございましたと御返事を申し上げる以外にはないのであります。
○久保分科員 一局削減というのは、見ようによってはたいへん英断をふるってやったように見えますが、中身はごまかしですよ。長官がおっしゃるように、非常にむずかしいと思うのです。むずかしいことをやらなければ政治家じゃないでしょう。一局削減というか、局長を部長に格落としをするくらいのことは——と言っては語弊があるが、まあだれにでもできるのじゃないですか。もっとも、だれにでもできるからやってみたんだろうが、口は悪いけれども。これはもう少し考えなければいかぬです。まだ法案は提案したばかりでありますから、別に恥も何もありませんよ、一元化はそういう御方針のようなんですから。ただ、もうこれはおっつけいわゆる一元化の態度をきちっと出して、まだ予算は通ってない時期ですから、どうでしょう、これはおやりになったらどうですか。一つでいいですよ。幾つもやると、長官、たいへんですよ。観光なら観光一つやってみなさいよ。あとのものも、それもこれもとなると、これは長官一人だけですから、なかなかたいへんだと思う。しかし、一つならばできると思うのです。だから私は、見本に、もしも佐藤内閣そのもとにおける木村長官が実力者とするならば、観光行政だけは一元化ができたというふうなことを考えてみたらどうか、みんなに見せてみたらどうか、こう思うのです。優秀な木村長官だから、引き続いてずっと閣僚のいすにおすわりになることはゆめ間違いはないと思うのでありますが、ここで一局削減だけで腰を折ったとするならば、これはたいへんな不名誉になりはしないか。ぼくの考えと長官の考えもそんなに隔たりはなさそうでありますから、この際ひとつ一元化をあわせてやったらどうか。もちろん、提案者が提案しておいてあとから出し直すのも変だというならば、国会のほうで、与野党を通じて——御案内のとおり、観光の問題は、すでに基本法ができるときに、これは自民党のほうも野党であるわれわれのほうも一元化に賛成というか、そういう方針を出しているのです。だから、いまでもその方針にはあまり狂いはないと思うので、そういう意味からいって、何なら国会のほうで修正して通してもいいのではないかと思うのですが、そこまでいっては長官の権限に触れるようでもあるので、ここは実力者、木村長官の腕の見せどころということでいかがでしょうか。この期間中におやりになるということが一番いいと思うのですが、どうでしょう。
○木村(武)国務大臣 久保さんと私の考えは全く同じなんですけれども、久保さんのほうは、私よりもどうも数歩前進しているようであります。この一省庁一局削減にいたしましても、実は簡単なようであまり簡単じゃなかったのです。これを実現し得て初めて自信がついたようなものなんであります。そうでありますから、どうか一年間しんぼうしてくださるようにお願いを申し上げておきます。
○久保分科員 どうも長官は強気のようだが、一年間待てという話だが、これは非能率的ですね、一年待つというのは。ここまでおやりになったならば、一気かぜいに最初の関は抜いたようでありますから——なるほど私のことばは訂正しましょう、これも簡単なものではなかったでしょう。だから、その関を抜いたんだからその勢いに乗じてやれば、一つや二つのその次の関は抜けるはずだ、これはやはり考えるべきだと思うのです。そうすれば、後世に名を残す木村長官ということになるであろうというふうに私は思っているわけです。いずれにしても、これは一年間待つというのではなくて、参議院選挙でも終わったあと、筆硯を改めてやるというようなことでどうですか。もう少し距離を縮められないのですか。縮めなさい。
○木村(武)国務大臣 どうもありがとうございます。一つの仕事をやりまして、それからわれを振り返ってみて、もっと大きなことをしたいと思っておりますから、しばらく時間をかしてください。
○久保分科員 それでは、そのほうは木村長官の腕に信頼をして先に参りましょう。 次には、田中長官に交通安全の問題でお尋ねするのでありますが、御案内のように、交通事故については、もはや何もつけ加えて言うことはないほど国民の生活には一大脅威となっており、だれもが深い関心というものを持っておる。いままで政府のやってまいりました施策は、全部だめだとは申し上げませんが、言うなら散発的事故の現象にあとから追いかけていくような、後手後手の対策が非常に多かったことはいなめない事実だと思うのです。そこで、昨年は、議員立法ということで通学学童に関する安全措置あるいはダンプカー対策、こういうものができてそれぞれ出発をしたわけでありますが、交通事故というのはより複雑になり、より数が多くなる傾向にあることは事実であります。そうなりますと、やはり長期展望に立って抜本的な対策を立てる必要がある、それにはどうしても、いわゆる統一的な、総合的な視野に立った基本的な方針を国として持たれる必要があると私は思うのです。ところが、いままで、それぞれの委員会というか、諮問機関というか、そういうものから政府に対して、交通安全のための基本法を制定すべきである、こういうような答申というか、結論が出ているわけでありますが、いまだに政府といたしましてはそういう基本法の提案がないのだが、これはどういうふうな考えでいまおられるのか、基本法というものをおつくりになる考えであるのか、どうしておそいのか、それとも必要はない、こういうようなことで今日まできているのかどうか、どうです。
○田中国務大臣 お説のとおりに、だんだん交通禍というものがはなはだしくなってまいります。さような意味から、基本法の制定につきましては、目下各省庁を督励いたしまして、できる限りこの国会にも基本法を提出したいというので、鋭意努力をいたしておる次第でございます。
○久保分科員 そうしますと、いまのお話だと、あなたのほうが中心になって基本法の制定をしようということで各省庁に働きかけをしておる、こういうことでありますが、それではその中身はどういう構想でおられるのか、そしていつごろまでに各省庁の協議がととのう見込みなのか、めどはどうなのか。
○田中国務大臣 お答えいたします。 大体、基本法の大綱でございますが、お話しのように、多岐にわたります交通災害というものは、これを防ぎますために総合的かつ計画的な交通安全行政の推進をはかろう、こういう目的のもとに、国及び地方公共団体にもいわゆる統一的な組織をつくっていかなければならぬ。われわれは、この基本法の制定につきまして非常に急いでおる次第でございまして、総理府を中心といたしまして、総理が会長になり、各関係行政機関の長を委員といたしまする中央交通安全会議を置きまして、この基本計画の作成につきまして努力をいたしつつある次第でございます。
○久保分科員 あなたのほうでお考えなのは、聞くところによりますれば、陸上交通についてのみの基本対策なんとかだというのですが、そういうことでありますか。
○田中国務大臣 お答えいたします。 陸上交通をまずやりたい。もちろん、あるいは空の問題もありましょうし、あるいは海上の問題もございまするが、陸上交通だけでもなお多くの問題をかかえておりますので、陸上交通からかかってまいりたい、かように考えております。
○久保分科員 交通安全の問題は陸海空全体を通しての問題であるわけでありまして、いまの交通事故といわれるものの一番多いのは何といっても陸上でございますから、これはわかります。しかし、だからといって、陸上だけ基本的な方針を立てればあとはうまくいくということではないにしても、少しくこれは総合政策としての名に恥じるではないか。たとえば臨海地帯一つとっても、これは陸と海とのいわゆる接続点にございます。そうなりますと、陸上の交通安全、海上の交通安全というものは、表裏一体の形に関係がなっているわけです。空港一つとっても同様であります。たとえば空港を拡張するというにも、その付近にある道路その他、これを無視して拡張はできません。そういうものはまた必然的にまわりにあるわけですから、やはり陸海空全体を通しての安全対策というものが必要だし、それからもう一つ、車、飛行機、船、こういうものを操縦する者全体を見ても、それ以外の仕事に携わっておる者とは違う要素がございます。 これはまず第一に、適性の問題があるわけですね。空を飛ぶ者も、船を運航する者も、車を運転する者も、機関車を運転する者も、やはりそれぞれ必要な適性というのは、他の勤労者に比べればもっと要求されるわけですね、正確、敏速というものが。 それからもう一つは、労働条件一つとりましても、他の労働者、勤労者にしますれば一般的な労働基準法で律していけばいいかもしれません。しかしながら、長時間の連続運転あるいは操縦というものが事故の原因になりますから、そうなりますと、やはり自動車の運転手も、飛行機を操縦する者も、あるいは船を運転する者も、同じような特殊な労働基準で縛る必要がある。 あるいはこれらの生活全体を通ずるいわゆる生活の環境その他、あるいは健康保持、そういうものにしても、ほかの勤労者、何か物をつくる勤労者であるならば、少しかぜけであるというなら、かぜ薬、アスピリンを飲むということでいいかもしらぬ。ところが、飛行機を操縦する操縦士、あるいは列車を運転する運転士、あるいは船をあやつる船長、こういうものが、そういうことでかぜ薬としてアスピリンを飲んだ場合には、これは眠けが出てきます。こういうものをはたしてそういう人に与えていいかどうかというと、非常に疑問がある。もっと厳密な健康管理がこれらには必要である。 これは何の区別もないのですね。陸上であろうが、空であろうが、海であろうが、同じような基準にしておかなければこれはたいへんだ。しかも事故でもいろいろある。船のほうは、全損といって、船がひっくり返ればもう全部だめになっちゃうのですね。飛行機もしかりなんです。そういう、起きたらば大きなものに発展するというのが、空や海の事故に非常に多いのですね。そういうことからいけば、当然、陸だけでなくて、陸海空全体を通じての基本政策というものを確定すべきだと思うのです。私はいまの田中長官のお話はちょっと承りかねる。陸上が多いから陸上だけというなら、それは基本法がなくてもいいのでしょう。いまやっているような、後手後手と言っては語弊があるが、局部的なものだけをやっていけば用は足りるというふうにも思うのですよ。どうでしょう。
○田中国務大臣 交通と名のつきますものには、陸もあれば、海もあり、空もあるわけでございますが、空にいたしましても、海にいたしましても、相当整備された単行法もあるわけでございます。ただ、ここのところ急速に伸びがまいりました陸上の交通の問題、さらにその被害状況の問題、特に歩行者保護というような人命につながりまする問題、こういうふうな、いわゆる大都市の、マンモス都市の交通問題というものが一つの大きな穴になっており、百鬼夜行の状態になっておる。それを当面、まずひとつ片づけなければならないというふうな緩急の度合いがあると存じます。それはお説のとおりに、交通問題といたしますれば、陸海空全般の基本法でなければなりません。しかし、当面は交通災害から発しまして、そして歩行者の保護やら、あるいはまた交通の環境整備の問題やら、道路網の整備、こういうふうな問題からひとつ着手してまいりたい、かように考えております。
○久保分科員 いまの御説明では納得しがたいものがあるのであります。何で陸だけに限定しているのかということなんでありますが、いまのお話だと、やはり陸上で一番交通事故があるから、そういう単純なものでしょうかね、これは。海や空はどうでもいい、陸だけ。しかし、こういうものは、陸だけやって手一ぱいなんで、空や海には手が回りませんということじゃ決してないのですよ。基本法をつくるのに、海や空まではとても手が届きませんので、これは陸だけでやりましょう、こういうことじゃないと思うのです。何かを集めてくるとか、つくるということじゃないですからね。建物をつくるというのならば、手が間に合わないので、飛行機をつくったり船まではつくりませんから、まず自動車だけにしましょうとでも言えるかもしれませんが、そういう意味じゃないでしょう。 まあいいです、長官、あなたのほうでは、まだ論争しますけれども、少なくとも基本法がいまごろ、しかも陸に限定して出てくるのでありますから。もちろん、政府が出してきた基本法というのは、いつでも、口が悪いことでありますから御容赦いただきたいが、基本法と名のつくもので前進のあった政策はないのです。観光基本法もそのとおり、農業基本法もそのとおり、その値いろいろありますな。たくさんありますよ。みんなこれはもううまくないものだけだ。あなたがお出しになろうというのは、そういうものじゃないのですね。もっとりっぱなものなんですか、どうなんです。ちょっとその片端でもちらっと見せてください。
○田中国務大臣 ぜひともりっぱな、御満足のいくものをつくりたいと考えております。
○久保分科員 もはや時間でありますが、最後に、そのりっぱなものはいつのころ出るだろうか。国会が終わってから出てもちょっと困るのです、参議院選挙もありますから。てまえどものほうは、去年の国会に、陸海空全体を通じました安全基本法を提案いたしました。しかし、これは与党のほうでは何かあまり見向きもしないんで、ちょっとたなざらしのかっこうでありますが、あらためてあなたのほうからいくならば、わがほうでも出そうと思っているんです。今国会にいつでも出せるのです、私のほうは。前のを持っているのですから。どうでしょうか。みんなの判断でいいものをやはりつくってもらうし、われわれが提案したから、われわれのほうだけ通ればいいなんというけちくさい考えはしていません。私のほうの案はまだお読みにはなっていないでしょう、長官。どうですか、
○田中国務大臣 資料としては役所のほうにちょうだいいたしておりますが、精細な検討はまだ私遂げておりません。なお、こちらのほうの基本法の問題も、ぜひともこれは今国会にはまとめたい、出したい、かように考えておりますので、どうぞ今後ともに御協力をいただきとうございます。
○久保分科員 いただいておりますが、まだということでありますから。もちろん田中長官、いろいろおやりになること、総理府というのはたくさんありましてね、容易でないと思うのですよ。だから、われわれの提案を勉強するといったってむずかしいかもしれませんが、提案理由をお読みになっただけでもけっこうです。つたないものではありますが、一ぺん——そうね、十分もあればみんな読めるでしょう。頭のいい長官でありますから、御理解いただけると思うのです。てまえどもは、陸海空通じたものをこの際つくるべきであるし、それからいつか新聞に出たあなたのほうの要綱では、事業者の責任というのが公害基本法と同じように抜けています。これはけしからぬことでありますから、やはりそれぞれの業を営む者はそれに応じて、しかも人間の命に関係することでありますから、どうかこれは企業者の責任というものを一項目設けていただきたいと思います。単なる基本法だけじゃ私は困ると思うのです。それから、基本法と同時に関連法を幾つか出して、いわゆる安全対策の具体的な方針をお示しになることを要望しておきます。てまえどものほうでは関連法を幾つか一緒に出す所存でありますから、どうぞよろしくお願いします。 以上であります。
○森山主査 次に、鈴切康雄君。 この際、まことに恐縮でありますが、鈴切君に念のため申し上げます。質疑持ち時間は三十分となっておりますので、あらかじめお含みおきの上、御質疑をお願いいたします。
○鈴切分科員 行政機構のあり方という観点から木村長官にお伺いします。 首相が訪米前に宿題を残しました一省一局削減は、非常に大きな話題を呼び、その答案は注目に値していたことは事実であります。ところが、ショック療法はむしろ行政改革のほうよりも、これを期待しておった国民の受けたショックのほうが大きいと思うのでありますが、これは期待はずれという一言に尽きるのではないか。行政機構の簡素化及び能率をはかるという観点から、すでに総理府設置法等の一部を改正する法律案が国会に提出されましたが、一局削減が局の所掌事務そのものの整理を含んでいないのに、簡素化、能率化がはかれるという理由は何であるか。
○木村(武)国務大臣 一省庁一局削減の問題でありますが、これだけをお取り上げになってごらんになりますると、そういう御批判もまたゆえなしとしないのであります。しかし、一省庁一局削減の問題はこれだけではありませんで、これを端緒として行政全般にわたる改革をやってみよう、そうしてそれは決して長い時間をかけないで、向こう三年の間にりっぱな行政改革をやってみようという端緒が、今度の一省庁一局削減案であります。魚で申し上げまするとタイの頭のようなものでありまして、タイの頭だけをごらんになりまして、タイの頭だけをお食べになりますると、あまり肉もついていないようでありまするけれども、身も全部お食べになりますると非常においしいものになりまするし、なかなか肉づきもいいものでありまするから、これだけをどうか御批判にならないで、そうして自後に続くもの全般を御批判くださったならば非常に幸いだと思います。
○鈴切分科員 長官が言われたその姿勢を多とするものではありますが、しかし、それかといって荒療治ですべてが済ませる問題ではないので、こまかいことにつきましては当然内閣委員会においても一々質問をし、またその点についてのお話し合いをしたいと思いますが、しかし、行政機構のあり方という観点から、きょうは少しお尋ねをしたいと思うわけです。 総理府青少年局を青少年対策本部とする理由はどういう理由であるか、そのことについて。
○木村(武)国務大臣 一省庁一局削減の問題は、各省庁に対して一局削減の具体案を求めたのでありまして、行政管理庁といたしましては何ら内政干渉はしていないのであります。すべて各省庁の良識によりまして行なわれた問題なのであります。したがって、総務長官といたしましては、どういう気持ちで青少年局を青少年対策本部にしたか真相はわかりませんけれども、仄聞したことを申し上げますると、大体こういうことだったようであります。これも内部的に非常に苦慮されたようでありまするけれども、青少年対策の問題は非常に大きな問題である、これからますますこの問題は取り上げまして、りっぱな青少年対策をしなければならない、この結論には少しも変わりがなかったのでありまするが、局のあり方から見ますると、今日局を廃止いたしましてもその仕事の本質にはさして変わりがない。のみならず、今日局を廃止いたしまして、そうして青少年対策本部といたしまして、しかもただ単に行政だけの仕事でなく、これを大きな民間の団体と結びつけることによって本来の使命を果たしたほうが一番堅実なんじゃないだろうか、より以上の使命を果たすことができるのではないだろうか、局にたよらないで大きな使命に重点を置いてみよう、こういう考えから局を廃止いたしまして、青少年対策本部を第八条に基づいてやったようであります。そのためには、みずから青少年対策の必要を力説されましたいまの佐藤総理であります。自分の時代につくったものではありまするけれども、甘んじて一省庁一局削減の対象にはするが、そのかわりみずから青少年対策という大きな荷物は背負って立ってみよう、自分が陣頭に立って青少年対策をやってみよう、こういう気持ちになって対策本部長をお引き受けになったようでありまして、局そのものは一見削減されて小さくなったようでありまするけれども、使命の中に本来の大きな意義を生かしたのが今度の問題だ、こういうように私は仄聞しておるのであります。
○鈴切分科員 確かに青少年という問題は、今後重要な問題であることは事実であります。しかし、総理府本府の内部局である青少年局が国家行政組織法第八条の機関たる青少年対策本部となり、青少年局の所掌事務がそっくり同本部に移り、その本部長は総理大臣が当たる。副本部長には総務長官が、そして次長は新設されることになるわけであります。 〔主査退席、上村主査代理着席〕 総理が本部長となってやるということは、一局削減の名前に隠れてかえって強化をさせるものであって、これが機構の簡素化、能率化にはならないのではないか、そのように思うのでありますが、いかがでありましょう。
○木村(武)国務大臣 局を廃止いたしましたこと自体がやはり非常な大きな整理統合になっております。しかし、局は縮小いたしましたけれども、大きな使命の中に在来の主張を生かそう、こういうことなのであります。
○鈴切分科員 かつて総理みずから、激務の中で内閣補佐官というブレーンを新設しようとしたわけでありますが、本部長となることは、はたして実際にそれがやれるのであるかどうかという問題、そしてかえって複雑、非能率化させるのではないか、そのように懸念をされるわけですが、その点についてはどうですか。
○木村(武)国務大臣 御説のとおり、総理みずからがこの問題を担当されましたということは非常に荷が重くなったことでありまして、それだけに困難だとは思いますけれども、あえてイバラの道を歩いてみようと決心されました総理の気持ちは、国民として大いに買っていいのではないかと私は思います。そして、補佐の万般は、副本部長であります田中総務長官が負うようになりますから、私は御懸念の点はないと思いますけれども、何せ青少年対策というものは非常な大きな命題であります。そして、ほんとうに微に入り細にわたって、かゆいところに手の届くような対策を行ないませんと、せっかくの善意も悪政になる危険がありますから、どうか、そういう点では、鈴切さん、お気づきの点がありましたならば中に飛び込んでくださいまして、万全を期するように御協力くださることを私からも特にお願い申し上げておきます。青少年問題は、決して一党一派の問題ではありません。これからの日本を背負って立つ人の問題でありますから、特にお願いを申し上げておきたいと思います。
○鈴切分科員 機構の問題でありますが、府の所掌事務というものは内部局に第一次的にはおさまるわけです。その所掌事務の規定のしかたが、青少年局と青対本部と全く同じであって、そしてしかも八条機関だということは、これはどういうことなのでしょうか。
○木村(武)国務大臣 そのほうが青少年対策本来の使命を果たすに都合がよい、こういうように判断してやったようであります。
○鈴切分科員 こういう方向で進むと、いわゆる本部と称されるものが今後さまざまな形になって出てくるのではないかと私は思う。このことは国家行政組織上、本部と称されるものの性格をどのように定義をされるかということ、はたして機構の簡素化、能率化と言えるかどうか。行政組織を預かる長官として、好ましいことであるかどうかということについてお伺いしたいわけです。こういうふうなことを許すということは、どんどんと今後は本部本部という姿になって出てくるということが懸念をされるわけでありますから、その点についてお願いしたい。
○木村(武)国務大臣 御説のように、これを野方図に進めてまいりますと、その心配が多分にありますが、たとえば、土地整備に関するいろんな本部がありますが、そういうようなものは将来統合していきたい、こういう考えを持っております。統合するものもあり、出るものもあり、それはそのときの行政、政治の消長に応じてやらなくてはならない問題と考えておりますが、在来のように整理もしないで、そのまま本部本部でつくってまいりましたならば、あなたのおっしゃるとおりになりまするが、そういうことは分後厳に戒めてまいりたい、こう考えております。
○鈴切分科員 防衛庁教育局を廃して人事教育局とすることについてお伺いいたしますが、確かに局と局長の数は減っている。しかし、参事官の数は、昭和四十三年度の予算書では昭和四十二年度と同様であると思うのですが、その点について……。
○木村(武)国務大臣 私も具体的に知らなかったので、いまうしろの者に聞いてみましたところが、無任所参事官であって、数は変わらないそうであります。
○鈴切分科員 そのとおりだと思うのです。官房長、局長、参事官——指定職六、一等級四、合計十で、何ら変わりはないわけであります。つまり参事官の数は減ってない。これはどういうことなのですかね、一局削減だといいながら、実際には何ら内容は変わっていないということ、これについてはどうでしょう。
○木村(武)国務大臣 だんだんと変えたいと思っております。
○鈴切分科員 この点、確かに経済企画庁の水資源局の削減は、一等級局長が一人減っているということに比べれば、全然異なるわけでありますから、その点について、やはり名前だけをやってごまかされないように、人のいい木村長官でありますから、ついそういう点でごまかされてはならぬと私は思うわけでありますが、この点について、行政管理の衝に当たる木村さんとしては、しっかりと目を届かしていただきたい、このように念願するものであります。 次に、公庫、公団、公社等の特殊法人の整理のほうがあまり進んでいないように思うわけでありますが、その経過についてお伺いいたしたい。
○木村(武)国務大臣 監理委員会で話題にしたのが二十であります。そのうち九つを整理したのであります。そうしてまだ十一残っておりますが、御説のとおり、いまだあまり進んでおりません。私の時代になりましてから進めなかったのは、私自身の勉強も足りなかったのであります。それだけでなく、一省庁一局削減の問題と即座に取り組んでしまった。定員三年間に五%減の問題ともまた取り組んでしまった。それだけでなくて、向こう三年間にわたる行政改革の根本問題とも取り組んでしまったのであります。したがって、特殊法人の問題を実は私自身に勉強する余裕のなかったことが一つであります。もう一つは、行政管理庁の能力にも限度があるのでありまして、大きな問題と取り組んでおりますと、それ以上に人員をさいてやるというわけにはなかなかいかなかったのでありますが、幸いにも二つの法律案は今度の国会に提案の運びに至りましたので、時間にも若干余裕が出てまいりましたから、この問題とは取り組んでまいりたいと思っております。ただ、鈴切さんにも申し上げたいのは、あなたのおっしゃるとおり私は年はとっておりますけれども、人がよ過ぎるんじゃないかと思っております。ところが、私以上に頭のいいお役人の人がたくさんおいでになりまして、あまり言わないほうがいいだろうなんていって隠しておるものが相当あるんじゃないかと思います。そういう点で、あなた方からそういうことを指摘してくださいますと、私が行政改革を進めてまいります上には非常に役に立つのでありますから、どうかそういう点はひとつ御遠慮なく、どしどしとおっしゃってくださいますように、私の返事があいまいでありましても、りっぱなものは全部取り上げまして行政改革の中に織り込んでまいりまして、ほんとうに国民から喜ばれるような、納得してもらえるような行政改革をやってみたい、こういう考えでおります。
○鈴切分科員 一省一局削減並びに定員の削減自体が、財政硬直の是正のために大きな役割りを果たすということは、今度の行政改革には、一つの大きな柱として打ち出されておるわけでありますけれども、しかし私は、公団、公社、そういう中の特殊法人の統廃合ということもこれはかなり大きな財政硬直化を是正するものであると思うのですが、その点いかがですか。
○木村(武)国務大臣 お説のとおりでありまし財政硬直化のためには、公社、公団の統廃合も大いに役に立つと思っております。そうでありまするから、ぜひやらなければならないと思いまするけれども、私どもの立場は、財政の立場からこの問題を取り扱っていない。やはり行政は行政独自の立場において行政改革をやらなければならない。それが財政の硬直化に幸いしたならば非常にけっこうなことだ、こういう気持ちで取り組んでおります。
○鈴切分科員 そこで、特殊法人の整理について、今後の具体的な計画、すなわち年次計画というものができているかどうかということについて、具体的にできておりましたら、そのことについて明細にお答えを願いたいと思います。
○木村(武)国務大臣 つくっておればよかったのでありますけれども、年次計画はできていないようであります。しかし、やはり御説のとおりに、年次計画も持つべきものである、具体性を持たずして政治をやるということは間違いだと思っております。それで具体性を持ちまして、それを皆さまに、国民に提示をして納得してもらって、やはり行政改革を進めていくのが筋だと思いまするから、御説のとおりに、年次計画もつくってみみたい、こういう考えをいま持っております。
○鈴切分科員 特殊法人の整理について、行政監理委員会の整理案より、これまでに整理の決定されたものを見ると、非常に後退しているように思うわけですが、それはなぜですか。
○木村(武)国務大臣 後退しておるのじゃないのです。一生懸命になってやっておるのでありまするけれども、遅々として進まないのでありまして、後退しておるのじゃないのであります。
○鈴切分科員 それで遅々として進まないということに対して、長官としては今後どのような御決意でお進みになるか、お伺いしたいと思います。
○木村(武)国務大臣 駑馬にむちうって、思い切ってやってみようと思っております。
○鈴切分科員 今回の一局削減によってどれだけ経費が削減されるかということは、やはり国民の非常に関心を持つところであります。また、予算にどのように反映されるかということは、非常に重要な問題だと思うのです。 そこで大蔵省にお聞きしたいわけですが、一局の削減によるところの経費としては、推定どれくらい削減をされるか、また、定員減によるところの経費は推定してどのくらい削減をされるか、また、増設を食いとめたことによるところの経費の節減は推定どれくらいであるかということについてお伺いしたい。
○高橋(元)説明員 ただいま手元に資料を持ち合わせませんので、至急取り寄せてお答えをいたします。
○鈴切分科員 次は予算のことで少々お伺いをしたいと思いますが、ここにあります行政管理庁の昭和四十三年度重点要項としての予算額の調べの中に、統計専任職員の委託費、統計調査事務地方公共団体委託費というのは十八億九千三百万円ですか、本年度は四十二年に比べまして四千三百万円ふえているわけでありますが、この性質についてお伺いいたします。
○上村主査代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○上村主査代理 速記を始めて。 鈴切君。
○鈴切分科員 では続けます。 いまの一省一局削減の経費の推定につきましては、書類で出していただきたいと思います。
○高橋(元)説明員 お答えいたします。 一局削減の経費につきましては、具体的な積算はなかなかむずかしいかと思いますが、その辺が正確な数字でない場合もあると思いますので、後ほど書類をもちまして提出さしていただきます。
○鈴切分科員 それでは、先ほどちょっと中断しましたので、またもとに戻ります。 行政管理庁の昭和四十三年度予算のうち、統計調査事務地方公共団体委託費十八億九千三百万円はどのような性質のものであるか。
○高橋(元)説明員 お答えいたします。 統計調査員の手当とおっしゃいますのは、統計調査員の地方公共団体の委託費のことかと思います。統計調査員の地方公共団体委託費につきましては、超過負担の解消という形で、ずっと毎年増加いたしておるわけでございます。本年は国家公務員のベース改定もございますので、四十二年度の予算単価三万二千九百円を三万五千五百六十二円にアップいたしております。
○鈴切分科員 その給与の算定の基礎は何ですか。
○高橋(元)説明員 これは、ちょっと具体的な年度は存じませんが、記憶しておりませんけれども、かなり前に、地方公共団体に統計事務を委託しております職員の平均給与をとりまして、それで具体的に委託事務費の単価というふうにいたしまして、その後国家公務員のベースアップにつれて地方公共団体の委託費のほうのベースも改定して、今日に及んでおるわけでございます。
○鈴切分科員 私はそういうことを聞いているんじゃないのです。国のほうとしては、この給与費の算定を何号俸に見ているか。また、都道府県としてはどのような状態であるかということをお聞きしているわけです。
○高橋(元)説明員 御質問をちょっと取り違えて失礼をいたしました。 六等級五号俸というふうに考えまして、三万二千九百円で四十二年度予算単価をはじき、ベースアップをいたしまして三万五千五百六十二円にいたしました。これに対しまして、現在わかっておりますあれでは、全国平均の都道府県の委託職員の給与は四万百四十五円というふうに承知いたします。
○鈴切分科員 実際には各府県の持ち出しになっているということなんですが、いま聞いたその持ち出しに対して、国としては当然国の委託統計にかかわる所要経費は全部国が負担をすべきであるし、また、市町村の専任統計職員に対しては当然国から委託費を全額交付すべきであると私は思うのですが、その点について伺いたい。
○高橋(元)説明員 お答えいたします。 予算に計上いたしております単価と実際に都道府県で受けております現給の単価との開きにつきましては、申し上げましたように、相違があるわけでございます。しかし、全額が超過負担に属するかどうかということを検討してみないと、なかなかわからない。と申しますのは、一、二点でございますが、例示的に申しますと、たとえば、国の公務員と都道府県の公務員の給与ベースに差がございます。全額直ちに国の委託費に取り入れるべきかどうかという理論上の問題、それからもう一つは、都道府県の統計職員が、そのすべての勤務について委託事務をやっているかどうか、県単の事務をやっている部分もあるのではないかという点、それらの点は、実際の超過負担は幾ばくかということを算定をいたします際、具体的に検討いたしてみる必要があるわけでございます。したがいまして、近々のうちに実態調査をして、実態調査の結果に基づいて適当な措置を検討してまいりたいというふうに考えております。 それから、市町村の統計職員につきましては、御承知のとおり交付税で措置をいたしております。これも、いま申し上げましたような調査の結果に基づいて、自治省とも相談をいたしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○鈴切分科員 これが最後です。最後に質問しますが、この問題は決していま始まった問題じゃないわけです。ゆえに、これからいろいろ調査をして云々というお話でありますが、この実態というものを大蔵省としては早く調査をした上において、やはり算定もしなくちゃならないし、悪いところにおいては当然是正もしなくちゃならない。地方公共団体にこの問題のしわ寄せをするということについては、私は非常に疑義を感ずるものでありますがゆえに、もう一度その点についてお聞きしたいと思います。以上。
○高橋(元)説明員 お答えいたします。 統計調査事務の委託費の単価につきましては、先生から御指摘のありました点をよく勘案いたしまして、実態調査の結果によって善処いたしたいというふうに考えております。
○上村主査代理 次に、兒玉末男君。
○兒玉分科員 科学技術庁並びに水産庁にお伺いをしたいと存じます。 まず、技術庁長官にお伺いしたいのでございますが、現在、科学の進歩に伴いまして、宇宙開発ということが各国の共通の問題としてクローズアップされているわけですが、わが国の科学技術開発の一元化ということが前長官からもたびたび言明されておりまするが、いまだに一元化の方向というものが十分にその目的を達していない、こういう感を深くするわけであります。鹿児島県の内之浦の東大ロケットにしましても、糸川教授の退陣以降開店休業の状態になっている。そういうふうな状態の中から、さらに種子島の、科学技術庁のいわゆるロケット基地が設定をされておる。このような一元化の問題について、現在どういうふうな状況に置かれているのか、この点まず長官にお伺いしたいと思います。
○鍋島国務大臣 お答えいたします。 宇宙開発の一元化につきましては、昨年の十二月に、内閣にございます宇宙開発審議会から答申が内閣総理大臣に出されました。その大要は、御承知のとおり、一元化の問題と、宇宙開発に関する今後の実施計画の問題でございます。通信衛生その他を打ち上げる実施計画の大要でございます。その中におきまして、まず、一元化するためには、国において、その中枢部となる宇宙開発委員会というようなものを、日本における最高のスタッフでつくって、内閣に設置して、これによってその行政あるいは全般にわたる重要項目を行なうこと、続いて、結局打ち上げ実行になりますので、打ち上げの面につきましては、いわゆる学者グループも、あるいは民間も、それに国家官庁も協力をして、一元になってこの実行をすること、その事務をつかさどる事務局を設けること、というようなぐあいの答申があったわけでございます。それに基づきまして、科学技術庁といたしましては、種々各省間と——大体郵政省あるいは運輸省、あるいは建設省等、各関係がございますが、それらの関係各省と打ち合わせをいたしまして、本年度、今期国会に御提案申し上げておりますのが宇宙開発委員会の設置法案でございます。これに基づきまして重要項目を進め、さらに打ち上げのためには、科学技術庁にございます宇宙開発推進本部を拡充強化して進めてまいるわけでございます。 ただ、この間において、学術研究の場合の文部省の御承知の糸川教授がやっておりました宇宙航空研究所の問題がございます。したがいまして、これらの実際に打ち上げに関して一元化していくことは、おそらく今年末あるいは来年にはぜひそういう機構にしていきたい、あるいは事業団等を一緒にしてつくっていきますか、そういう形で実行の段階に移したい。しかし、このために大学における研究の自由、それらのこととは全然別にして、大学における自由は、研究は研究としてやっていただきまして、国の大きなプロジェクトである宇宙開発、通信衛星の打ち上げという具体的な問題には、それらの方々も御協力願う体制をつくっていきたい、こういうように思っておるわけでございます。 なお、内之浦、種子島の基地は、現在いろいろ漁業問題等で御承知のとおり中止をいたしております。しかし、これらのこともできるだけ早く誠意をもって漁民の方々との間に交渉を持って片づけ、そうして内之浦、種子島とも科学技術庁が両者責任をもって実は現在それらの交渉を鹿児島県知事を通じてお願いをしておるというような状態にございます。本年度からようやく軌道に乗り、宇宙開発委員会の設置というものの法案を出して、そうしてここ一、二年できるだけ早い機会に一元化の実体を現実のものとして進めてまいるという気持ちでございます。
○兒玉分科員 漁業問題との関連につきましては後ほどお尋ねしますが、第二点としてお伺いしたいのは、先般わが党の山内議員も指摘されましたが、平和目的のための科学技術の開発ということは、全国民が願うところであり、しかもわが国の科学技術対策というのは、西欧の各国に比べて非常におくれている。しかも予算におきましてもその比率がきわめて少ない、あるいはまた技術開発についても、民間への研究委託というのは非常にウエートが高いということが指摘されておりますが、これらの点について最高責任者の長官としては、今後の宇宙開発なり科学技術の振興に対してもう少し前向きの姿勢で取り組んでいくべきであり、先ほど申し上げました一元化の問題も、やはりまだまだ各省間のなわ張り的な根性が支配している。これが日本の今後の科学技術の発達に大きな障害になっているのじゃないかという点が十分懸念をされるわけでございます。予算対策あるいは民間委託の度合い、こういう基本的な点等の解決にどういうふうな御所見をお持ちか、お聞かせをいただきたい。
○鍋島国務大臣 非常に大きな問題でございまして、私としてもいま御指摘の点は、科学技術庁長官に就任をいたしまして痛切に感じておるところでございます。大きな問題として、宇宙開発がようやく軌道に乗ろうとしておるのが現状であり、原子力関係等におきましては、その平和利用におきましてはようやく軌道に乗ったというところでございます。しかし、全般的な科学技術の予算あるいは個々の宇宙開発、原子力平和利用の予算にいたしましても、いわゆる先進諸外国に比べますとはるかにといいましょうか、残念ながら十分ではございません。原子力予算等におきましても、ドイツあるいはイタリア等でも四百億、五百億の予算を組んでおる。ソ連とかアメリカになりますと、軍事利用等も入りますので、数千億になった由でございますが、これは別として、ドイツ等に比べても日本の二百億前後と比べると倍近く違うというようなのが残念ながら現状でございます。特に宇宙開発等におきましては、先進国に比べますとまだまだ日本の予算は大体東大関係で四十三年度におきまして三十数億、科学技術庁関係三十数億、それから運輸省及び郵政省関係等の通信衛星の実体、たまのほうでございますが、これに合わせましても約百億というような状態で、残念ながらまだ十分追いついておりません。なお、民間と国家の支出の割合も、外国では国の支出が大体六〇%あるいはそれ以上あり、他を民間が補っておりますのにかかわらず、日本の場合におきましては逆に国が四〇%程度で、あとの六〇%程度を他に依存するというような状態でございます。この点につきましては、いま御指摘のとおりでございます。したがって、今後やはり一般的な御理解を得ますとともに、どうしても国の大きな力が入りませんとでき得ない大型プロジェクトがあるわけでございまして、宇宙開発、原子力、海洋開発、それらの点におきましては、また別途本年度御提案申し上げております科学技術基本法等によってさらにひとつ全般的な御理解を深めて、そうしてその実態計画を立てて、それによってひとつ国の財源等も投入して進めてまいるというような気持ちをもって全力をあげたいと考えております。
○兒玉分科員 次にお伺いしたいのは、四、五年前から科学技術庁が開発研究を進めておりますコールドチェーンの一環として、南九州の生鮮食品等の輸送、こういうことについて冷凍船の開発が進められておるわけでございますが、現在どのような状況に置かれているのか、また、これの開発等、さらに関連する生産地と消費地との連関関係、こういうものとの整備が並行的に行なわれなければ、せっかくの冷凍輸送の効果というものは期待できないと思うのでございますが、現在はどういうふうになっておるのかお聞かせをいただきたい。
○鍋島国務大臣 コールドチェーンにつきましては、特にあたたかい地帯、宮崎、鹿児島方面から大都会、東京あるいは大阪あるいは北九州というような地点にいわゆる冷蔵をして輸送するというようなことで、数カ年以来技術庁といたしましては予算を出して、これの試験研究段階を約二年でございますか、やってまいったわけでございます。大体これはコンテナに入れて冷蔵をして東京なら東京に持ってくるというような実験段階を終わりまして、そうして現段階におきましては、科学技術庁としては、これを実際行なっていただく農林省のほうにお願いをして、これを実行段階に移していただくというような段階に至っておるわけでございます。しかし、ただいま御指摘の冷蔵船といいますか、いわゆる船そのものが冷蔵庫になって、その中に南の国から、あるいは暖地から野菜そのほか蔬菜、果実等を入れて送るというようなことになりますと、やはりその面に対しては生産の問題あるいはそれを集荷をする問題あるいは貯蔵する問題、それに流通機構の問題がからむわけでございますけれども、それらの点におきましてはまだまだ——実は運ぶほうのことは大体コンテナそのほかでできまして、そうして試験段階も終わってこれを実用段階にするというので、農林省のほうへお願いしてこれを実行化していただく。しかし、やはりその次の段階に至ります貯蔵の段階、中期貯蔵といいますか、長期ではございませんが、生産集荷されたものをしばらく貯蔵をしておいて、船に載せるなりトラックで運ぶなりというような貯蔵の段階の試験を、今年度からさらに科学技術庁としては予算を持って進めてまいりたいと考えております。 なお冷蔵船につきましては、これはいまの貯蔵の問題等もございますので、農林省とひとつよく連絡をしながら、これは実現のほうにお願いをしたいわけでございますが、技術庁としては一応輸送部門の試験研究はもう実行段階に移してよろしいというような段階に来ておるわけでございます。
○兒玉分科員 次に、ロケット基地に関連をしまして、種子島の基地設定をめぐって、現在まで関係漁民との間においていまだに了解が成立をしないで実験中止の状態に置かれておるわけでございますが、大体この種子島近海というのは唯一の漁場であり、私の出身である宮崎県漁業界としては死活の問題であるわけでございます。この点について、科学技術庁としては、種子島以外にロケットを発射する基地はできないのかどうか。また、現在まで紛争が解決できないという情勢から判断しても、他に私は適当な場所が当然考えられてしかるべきじゃないかと思うのですが、この点についてまず長官の見解を承りたいと存じます。
○鍋島国務大臣 種子島のロケット基地の問題につきましては、現在まで宮崎及び鹿児島、そのほか数カ府県の漁業問題が解決をいたしませんために、約一年数カ月実験が行なわれないで今日に至っておる状態は、御承知のとおりでございます。また、大切な漁場のために、われわれも慎重を期して各県知事そのほかにお願いをして御納得のいくようにひとつできるだけの対策は講じながら、種子島の打ち上げも行なっていきたいというふうに考えております。 なお、ロケット基地としての種子島の地位でございます。この点につきましては、すでに工事も始めておることでもあり、さらに私の前の長官時代から詳細に科学的に、四十六年度実験実用衛星、四十八年度静止衛星、通信衛星という打ち上げ計画に基づきまして、しかもその裏にはインテルサットといわれる世界商業通信機構の実現化の本条約の問題もございまして、急いでおるわけでございます。そういう点から見て、やはり種子島の基地というものがどうしても今日端的の問題として必要であるというふうに科学技術庁は考えております。遠い将来におきまして、さらに赤道直下とかなんとかというようなことで考えられることはあるいはあるかもしれませんけれども、現段階におきます種子島のロケット基地の点を他に選定をするとかどうとかということは、すべて調査した結果、慎重にこれをきめたものでございますし、今日の宇宙開発の現状から見て、一日も早く漁業の方々の御理解を得て打ち上げることができるようにというふうに考えておるわけでございます。
○兒玉分科員 水産庁長官もお見えでございますので、この際、漁業に関連する問題としてお伺いしたいのでありますが、聞くところによりますと、科学技術庁としては、漁業振興という名のもとに約三億五千万円程度の予備費がこれに充てられるということがいわれておりますけれども、現在のこの種子島海域においては、少なくとも二十五億前後の水揚げがあり、漁民にとりましてはまさに死命を制するという重要な課題であります。しかし、いうところの三億五千万円程度の漁業振興策というのは、少なくとも現在の情勢からこの漁場が失なわれた場合に、はたしてその程度の資金で他にこれに相当するくらいの漁場なりまたは漁船の改造、そういうことが実際に可能であると思われるかどうか。この辺の関連について専門担当である水産庁長官の御所見を承りたいと思います。
○久宗政府委員 お答えいたします。 この問題につきましては、兒玉委員は非常にお詳しいわけでございまして、私どもも何回かお答えをいたしておるわけでございますが、率直に申しまして、水産庁といたしましては、昨年の前半あるいは一昨年の後半の時期におきましては、科学技術庁のほうの行き方につきまして必ずしも満足をいたさなかったわけでございます。おなれになれないという点もございましたでしょうし、十分実態がおわかりにならなかったという点もございまして、若干の行き違いがございまして、ちょうど昨年のいまごろの時期であったかと思いますが、打ち上げをすべきかどうかということでついに一つの危機を迎えたわけでございます。当時、その段階におきまして、私どもといたしましても、政府部内におきまして相談をいたします機構ができまして、突っ込んだ検討をいたしました結果、やはり十分まだ政府側の施策も固まっておりませんでしたし、関係漁民に若干の誤解もございまして、十分な御納得が得られないということで、打ち上げを一応中止する、科学技術庁とされては非常な英断で思いとどまられたわけでございます。その後、御承知のような経過で、私どもも各省集まりまして、政府といたしましてのできる限りの施策というものを固めまして、漁民との交渉と申しますか、お話し合いを進めて今日に至ったわけでございまして、私どもといたしましては、やはりこの段階におきましては、政府といたしましてできる限りの施策をあの中に盛り込んでおりますので、これを正当に評価していただきまして、お話し合いが進められることを水産庁といたしましても期待しておるわけでございます。 ただいま御質問にございました当該漁場におきます水揚げ高の問題につきましては、いろいろな数字があり得るわけでございまして、今後これから問題を詰める段階でもございますので、数字の評価につきまして、この段階で私が申し上げることは必ずしも適当でないと思いますので、御遠慮さしていただきたいと思うわけでございますが、政府といたしまして、振興策として用意いたしておりますものは、少なくとも現段階におきましてまずぎりぎり一ぱいできることは全部書き上げたというふうにお受け取りいただいてけっこうかと思うわけでございます。
○兒玉分科員 科学技術庁長官にお伺いしたいのでございますが、前長官からも十分申し送りがあったと思うのですけれども、少なくとも宮崎県漁民にとりましては、日米安保条約に基づくところのリマ水域の制限あるいは先ほど触れました内之浦の東大ロケット基地、それに佐多の辺塚における陸上自衛隊の実弾射撃場、また航空自衛隊の実弾射撃など、とにかく広範な水域、漁民の漁場が制約を受けておるわけでありまして、南種子は唯一の残された好漁場であります。もしこれが強行されるとするならば、一体漁民はどこに行けばいいのかというきわめて深刻な立場に置かれておるわけでありまして、国の科学技術の振興策に反対する意思は毛頭ないわけでありますけれども、やはり漁民の生活権の問題として私は強くこれに反対しております。 しかも、過去における内之浦の場合におきましても、当初の場合は大体年間二、三基ということが約束をされた。ところが実際には四十一年においては四十基も打ち上げられておる。しかもロケット打ち上げの時期というのは、ちょうど漁業においてもやはり好天で波がない、こういうふうな条件が常に一致するというところにも問題があるし、また、現在まで打ち上げ基数の調整等についても政府が一ぺんだってほんとうのことを言ってない。これが漁民の非常な不信を買っている。また、現在までの補償をすればいいじゃないかということをいわれておりますが、たとえばリマ水域や内之浦にいたしましても、正常にとれるところの——大体これは県漁連等があらゆる角度から出した数字によっても、わずかに三%しか要求額はいれない。こういう政府の措置に対して根強い不信感もある。このような状況下にあるわけでありまして、少なくとも私は、先ほど水産庁長官も言われましたが、やはり漁民の十分な理解と、納得のできる誠意ある政府の処置ということに強く漁民は期待しているわけであります。 しかも、いままでいわれていたところの県知事等のあっせんの内容というものは、いま申し上げましたように、全く政府の言っていることはいままで一ぺんも実行されていないという不信感、あるいは補償対策、または漁業振興等においても、いわれているところの内容というのは当然水産振興上政府がしなければいけない問題であって、この宇宙ロケット基地の問題にかかわりなくなすべき問題ではないか、こういう感を深くするわけでございますが、これに対する技術庁長官の御所見を承りたいと思います。
○鍋島国務大臣 漁業対策の問題につきましては、ただいまのいろいろの御発言につきましては十分承っておきたいと思います。 科学技術庁といたしましてというよりも、政府といたしまして、漁業対策協議会をつくりまして、これに対して万全の策で臨むべく現在行なっておるわけでございます。したがいまして、先般の予算の場合におきましても、とりあえず、とにかく種子島基地あるいは内之浦で何とかひとつ漁民の方々の御納得のいく漁業対策をお示しすることによって打ち上げ実験をさしていただきたい、しかも打ち上げる場合におきましては全部公開をいたしまして、今日まであるいはあったかと思います不信感がもしあれば、それを払拭するような誠意を持った態度で政府は臨むというようなことにいたしまして、今日漁業振興対策を水産庁にお願いをしてやっておるわけでございます。したがって、あの三億五千万円もそういう意味で計上をいたしたわけでございますので、今後さらに水産庁とは緊密に連絡をいたしまして、水産庁の御納得のいく漁業対策を数カ年計画なりなんなり立てることによって、ひとつ内之浦及び種子島基地を、一面における国の大きなプロジェクトとして、ただいま申し上げました必要性もございますので、何とか御納得の上で使わしていただきたい。しかも政府は誠意を持ってできるだけのことはいたすというようなことで進めてまいることをひとつ御了承願いたいと思います。私自身も、そういった面に御納得のいくように全力を尽くしたいと考えております。 なお、リマ水域等の問題につきましては、対米軍との問題でございまして、できるだけ返還が早いことが、私自身の立場から見てもいいと思います。しかし占領下から続いてきたリマ水域の問題でございますが、やはり政府とし、あるいは科学技術庁としまして、これらのことが一日も早く解除され得るように努力もいたしてみたいというふうに思うわけでございますし、自衛隊そのほかいろいろな関係がございます。したがって、そういう点とも連絡をして、漁民の方に御迷惑をかけないように、——まあ御迷惑がかかることは、事実打ち上げるわけでございますからございますけれども、できるだけそれを排除して、御納得の上でわれわれの実験もやらしていただきたいという気持ちを強く持っておるわけでございます。
○兒玉分科員 現在までとってきた政府の措置では、とうてい漁民は理解し、納得もできない。また、先ほど長官が答弁されました漁対協関係は、現在何回ほど対策協議会が開かれておるのか。さらにまた、もう一点お聞きしたいのは、この漁対協の構成メンバーはかなり広範であるようでございますけれども、一体いままでどういうふうな方向づけをやっておるのか、その辺の経過についてお聞かせをいただきたい。
○鍋島国務大臣 高橋審議官から詳しく申し上げます。
○高橋(正)説明員 お答えいたします。 漁対協は、構成は十省庁でございまして、事務次官もしくは担当部局長が入っております。現在までに開催いたしました回数は七回でございます。漁業振興策並びに打ち上げの調整等につきましての基本的な問題につきまして、従来まで討議をいたしております。以上でございます。
○兒玉分科員 時間の制限もございますが、特に私が技術庁長官にお伺いしたいのは、私たちが非常に懸念するのは、いままでいろいろと情報を受けますと、とにかく漁民が何と言おうとも、われわれは断行するのだ、こういう一つの非常な圧力といいますか、そういうものがいわゆる漁連幹部、現地の漁政対策等の幹部にもかけられたようないろいろな話も聞くわけでございますが、もし技術庁が十分漁民の意見を聞かないで強行するようなことになりますならば、これはとんでもない結果を招く。おそらく漁民は死を賭してでも出漁する、こういう悲壮な決意を持っているということを十分御理解をいただきたいと同時に、いま県知事が中に立っておるあっせん案の内容というものでは、これはとても漁民の理解と協力を得ることはできないだろう。これは断言的に私は言えると思うのですが、こういう情勢についてせっかく漁対協等も構成されておるようでございまするが、常に私は一番弱い立場にある漁民の立場ということにすべてをかけて、ひとつこの問題に取り組んでいただきたいということを強く私は長官に要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○上村主査代理 次に、八木一男君。 この際、まことに恐縮でございますが、八木君に念のため申し上げますが、質疑持ち時間は三十分となっておりますので、あらかじめお含みの上、御質疑をお願いいたします。
○八木(一)委員 田中総務長官はじめ総理府の政府委員の方々、また、いま直前に御通告申し上げましたが、できるだけ早く来ていただきたいと思っておりますが、木村官房長官に、同和問題に限って御質問をさせていただきたいと思います。 田中総務長官は、きのうはかぜで腰痛を伴ってお休みのようでございました。私も実は同様の症状でからだのかげんはあまりよくないのでございますが、重要な問題について熱心に応答していただいていることについて、敬意を表したいと思います。 実は先日の土曜日に、予算委員会の一般質問で、内閣総理大臣はじめ各大臣、ことに田中総務長官に、同対審の答申の急速な完全実施の問題と、その中の中心課題でございます同和対策特別措置法の十二分な内容のものを、今国会に成立の間に合う早い時期において御提出願うことを中心に御質疑を申し上げました。総理大臣はじめ各大臣が非常に熱心にお答えをいただきました。総理大臣の今国会に成立させることのお約束をいただいたことを、私は非常にうれしく存じておるわけでございます。それにつけましても、その法律の提出について中心的な役割りを持っておられます田中総務長官には、いろいろと他の要務をお持ちになって非常にお忙しいことは十二分に承知をいたしておりまするが、数百年来の問題であるこの問題であり、また明治百年といわれている今日、民主主義が完全に浸透していなければならない今日に、いまだに差別と非常な貧困がある。明治百年の一大汚辱であるこの問題を、少なくとも百年目の今日にそれを完全に解決する基盤を、十カ年計画と同和対策特別措置法、その両方において完全に固めて、最後の年には民主主義のその非常に暗い影が明るくなりかかったというふうにぜひやっていただきたいと思うわけであります。その点でぜひ総務長官が御熱心な御推進を、そしてこの本委員会における内閣と国会の約束、国会を通じて国民との約束の実現のために、最善の御努力をしていただけるものと思いまするけれども、その焦点に立つ田中大臣でいらっしゃいますので、再度、力強い、そして必ずやり抜くという御決意をひとつ承らせていただきましたならば、幸いに存じます。
○田中国務大臣 この問題につきましては、先般も八木先生とこの席上におきましていろいろとお答えいたしましたり、御相談を申し上げた次第でございます。私ども同和の問題に取り組んでおります者といたしまして、御案内の同和対策審議会ができ、それから協議会が生まれ、その協議会におきまして、 前期五カ年、後期五カ年の計画を調査いたしておる次第でございます。なおこれと並行いたしまして、御案内のとおりに、法制部会、法律部会を持ちまして、その前期五カ年におきまする生活環境の整備あるいはまた教育並びに社会的な地位の問題、さらに経済問題、こういうものを取り入れました法制の準備をいたしておるわけでございまして、私どもも、同対協の答申が早く出てもらいたい、かように考えておる次第でございます。
○八木(一)分科員 現時点におきましては、この法律の推進の問題について、同和対策協議会が非常に重大な役割りを持っておることは申し上げるまでもないところでございます。私は、同対協という機関は、社会保障制度審議会や社会保険審議会のように、政府のほうが、その案件の立法とか行政とか、あるいは運営の大綱をきめるときに、あらかじめはからなければならないという成文によって権威づけられた機関でございませんから、必ずしも同対協の結論が出ない場合でも、政府の責任で、当然出されて成立させなければならないと思いますが、現時点で、同和対策協議会が努力をしておられる以上、非常に権威者が熱意を持ってやっていられるその結論が早く出て、それが尊重されて、政府の施策になるというのが、現時点においての順当な行く道ではないかと思うわけであります。その順当の方向でございまするが、同和対策協議会の任期は、本年三月三十一日と伺っております。総理府の設置法で、延長法案が出ておりまするけれども、私は早くそれが成立することを望みますが、しかしながら、先のことについては予測がつきませんから、そういう点で、一応は三月三十一日で任期が終わるという危険も頭に入れておかなければなりません。それとともに、同対協の答申が出ましてから、内閣のほうで御準備になるのに、最大の努力をされて、急速に十二分なものを御準備になられなければなりませんが、それについても二、三日は御必要でございましょうし、またある場合には四、五日御必要の場合もあろうかと思います。法制局のほうでは、内閣の法律要綱が提示をされましたときに、約二日間でこれを完成するということを、法制局長官がこの本委員会で約束をいたしました。法制局自体における事務的な点で、そういう制約はないはずでございまするけれども、いろいろとそういう準備の時間があろうと思います。といって、それでおくれました場合には、国会ではすべての案件は通常の会期で審議が完了することが正当な姿でございますが、往々にして、以前の国会においては、会期延長ということが国会の決議によって行なわれております。しかしながら、その会期延長というものも、会期延長に私ども反対でございますが、もしそれが別な理由で提起をされることがあると想像しましても、ことしの場合には、参議院選挙ということを控えまして、その時期に限りがございます。そうなりますと、完全に成立させるのに十二分な余裕を置いてということで、法律を出される約束を総理大臣がしていただいたわけでございまするから、そのためには、私は少なくとも三月の下旬くらいまでには提出をしていただかなければならないと思います。そのためには、三月の中旬ぎりぎりぐらいまでには同対協の答申を出していただかないと、それが役に立たない。その点で、時間的に非常にブレーキをかけることになろうかと思います。その点で、内閣総理大臣も、同対協に、熱心な審議をして早く結論を出してほしいという強い要請をするということを、先日、大原君の質問に対してお答えをいただきました。田中総務長官は、先日私の質問に対して——私が、十二日の同和対策協議会に御出席をいただいて、会長のみではなしに、全委員にその政府の熱意を、早く結論を出してもらいたい、その早い結論というのは、形式的に二、三時間開いて多数決できめたというのじゃなしに、早い時期に結論を出すために、早い時間に十二分の審議の時間をひんぱんに持って、そして早い結論を出してもらいたいということを田中総務長官から要請をしていただくように、お願いを申し上げたわけでございます。田中総務長官は、十二日の協議会に出席して、そういう要請をするということははっきりお約束をいただけませんでした。しかしながら、堀木会長に、その旨を十二分に強い熱意を込めて要請をするということを言っていただいたわけでございます。どのような方法で、総務長官は堀木会長にそのような要請をしていただいたか、そして、それに対して、堀木会長がどのようなお答えをなさったか、伺わしていただければしあわせだと思います。
○田中国務大臣 十二日の法制部会は、堀木さんがお出になりまして、最終のまとめをするということでございまして、私のほうもそのつもりでおりましたところが、八木さん御承知のとおり、かぜをお引きになったそうで、お出になられません。それで、堀木さんのほうには、十一日の晩でございましたか、あしたはひとつまとめていただきたいということも御連絡いたしたのでありますが、ちょうど八木さんも私も堀木さんも、三人そろってかぜを引いてしまいまして、私もそれからずっと三日間休みまして、今日初めて出たような次第でございます。それで、同対協があれだけ一生懸命に勉強していただいておる。のみならず、ただいまお話が冒頭に出ました二年間延長の問題でございますが、これは東北、北陸方面御出身の方は別といたしまして、少なくとも西日本のわれわれ一同は、この問題につきましては、与野党ということがないので、超党派でございます。ことに協議会があれだけ熱心に活躍をしていただいておりますので、ぜひとももう二年間の延長はやっていただかなければならない、ことにきめのこまかいいろいろな行政指導もやってもらいたい、こういうふうなことで、どうかひとつ設置法の改正の法案が出ました場合におきましては、少なくともそれだけでも、与野党ともにすみやかに通過さしていただきますように、この機会にお願いを申し上げておきます。
○八木(一)分科員 同対協の二カ年延長は、私もぜひそれが成立してほしいと思っておりまして、私なりに努力をいたしたいと考えております。そうでございますが、これは前期五カ年、後期五カ年計画を早く完成されるために必要な延長でありまして、また完成された後のその推進のために必要な延長でありまして、同和対策特別措置法については、本国会で成立するために早く提出するということになっておりますので、延長とはかかわらず、三月の中旬ぎりぎりぐらいにはぜひ結論を出していただくように、総理大臣、総務長官のお約束どおり、熱意を込めて、それからどうしてもしてもらわなければ困るという決意を込めて要請をしていただきたいと思います。いま堀木会長にどのようにその意思をお伝えになったかということについてはあまり明確でございませんでしたけれども、かぜということで、それがブレーキがかかったかもしれません。しかしながら、総務長官もかぜを押して出てきておられる、私もかぜを押して一生懸命御質問申し上げておるわけであります。堀木さんのほうがお年寄りのことはわかりますけれども、その問題の責任を持たれた方で、非常に重病のときは別でございますけれども、やはりこの中旬までにどうしてもそうしていただくということが国会で約束になっております以上、その重大な役割りを果たされるために、それはほかの用事は断わっても、命に別条あるような重症であればこれは別でございますけれども、ぜひやっていただくように強く要請をしていただきたいと思います。また、御病状がそういうような御病状でございましたら、磯村さんというりっぱな会長代理がおられまして、堀木さんと同じように熱意のある方でございまするから、そういう病気、事故のときには会長代理がどんどん御推進になって、たとえ長年御苦労になった会長がおられても、そういう病気、事故のときには副会長の司会のもとの協議会で決定するということがあってしかるべきだと思います。それこそがまた、会長のほうも御熱心であれば、病気で事故があったときには、副会長その他の人が同じような気持ちでやってほしい、早く間に合うように完成してほしいというお気持ちだろうと思います。そういう点で会長並びに副会長それからまた各委員の方々に、政府、総理府の熱心な審議のもとに、三月中旬ぎりぎりぐらいまでに早く完成してほしいというとを総務長官のほうから正式にお伝えをいただきたいというふうに思うわけであります。 時間とそれから審議の内容がございます。時間の関係があるからといって、粗雑な審議ではこれはたいへんな問題であります。したがって、もし二十日に答申を出そうとされましたならば、十八日、十九日、二十日ぐらいには連続に総会を開くというような、そのくらいの意気込みでやっていただかなければ、ほんとうに任務を果たされたことにはならないと思います。また、各委員の方もそういう御決意をお持ちだと思います。ただ慣例上、いままで総会が月に一回とかそういうスローぺースでやっておりましたので、それを、そうやらなければならないと思う委員が大部分でありながら、その慣例にいささか遠慮して、そういうことになっておるおそれがあるわけでございます。そういうことは、国の政治のために最も残念なことでございます。ですから、総理府もまたその総理府から出て事務局を担当している宮崎君も、そういう点でほんとうに同対協の役割りを果たすために、そこのところは連続会議を開いてやるようにしていただきたいということを総理府も言われ、また事務局もそれを推進する、そして堀木さんがいわれるときにきめたいという気持ちはわかりますが、堀木さんにはぜひ出ていただくし、また病気で出られないときにはそういう感傷、センチメンタリズムを捨てて、堀木さんがほんとうに熱心に取っ組んでおられることを早く完成するために、いないところでも会長代理の手で審議して、それをやるというふうにやっていただきたいと思います。その点についての田中総務長官のお約束を願いたいと思います。
○田中国務大臣 八木さんの本件に関しまする御熱意のほどは重々わかっております。 それからまた、私のほうにも実はお願いがあります。と申しますのは、どの党におきましても、議員提案の法律案をお出しになります場合におきまして、党の政審なりあるいはまた党の機関におはかりになって、国会のほうにお出しになるのでございます。また、われわれのほうも、御承知のとおり、与党でありまする自民党にもこれをはかりまして、成案といたしたいと考えております。先ほど冒頭に申しましたように、この同和問題は、ほんとうにみんなが部落の問題について関心を持っておる者ばかりでございまして、そういう点ではひとつ超党派でバックアップをしていただきたいと存じます。八木先生からもわが党のほうの諸君にもどうぞ緊密な御連絡のほどをひとえにお願い申し上げます。
○八木(一)分科員 先ほどの私のお約束を願いしたいと申し上げた要望についてはすぐお答えがございませんでしたけれども、私はお約束を願えたものと理解をいたしたいと思います。 それから、総務長官のほうの御要望については、私も、これは超党派で完成をしなければならない問題でございますから、微力でございますが、一生懸命にそういう点はいたしたいと思います。 ただ、そこでもう一回重ねて私のほうのお願いがあるわけでございますが、田中総務長官は与党の中で非常に先輩であり重要なメンバーでございます。それから、もちろん佐藤総理大臣は与党の中の総裁でおられます。与党の総裁が三年間にわたって確約なさった問題でございますから、私は佐藤内閣総理大臣の約束は政府と国会の約束と存じておりますが、同時に、実際的に政治を動かしておられる第一党の総裁の約束でもあると私は考えているわけであります。党内にいろいろな機関がおありになることは、他党のことで存じませんけれども、わが党でもいろいろな段階がございますから、そういうことは推測するにやぶさかでございませんけれども、どうか田中総務長官やそれから特に佐藤総理大臣の指導力で、そういう問題が与党の中においてもスムーズに推進できますようにぜひ最大の、十二分の、一〇〇%というよりは一〇〇〇%ぐらいの御努力をお願いをいたしたいというふうに考えているところでございます。 その次に、ちょっと具体的な内容に入りますが、私は同対協の中でいろいろの案を審議をされておりますること、私なりにも非常にその点に打ち込んでおりますので、いろいろと耳に入ります。耳に入りますけれども、ばちばちとは耳に入らないで、おくればせに耳に入るわけであります。 実は、昨日、ちょっと気がついてびっくりいたしたことがございまするが、堀木さんが出された第一次試案というものになくて、それで後の試案の中に入った項目がございます。それについては、どなたがどう発言されたとか、どういう経過がどうなったということは存じません。ですから、そんなことはどうでもいいのでございまするけれども、岸内閣総理大臣と国会の論議を通じてお約策をいただいたこと、それからその後佐藤さんとお約束をいただいたことに、根本的に違う文言が不用意にちょっと入っているところがあります。それは、田中総務、長官ももちろんそれを申し上げたら、そうだ、私の意見のとおりだと思われるところがあると思うのですが、実はその草案でございまするから決定じゃございませんが、「同和地区住民は、白らの社会的経済的地位の向上のために努力を怠ってはならないものとすること。」という項目がございます。第八の「施策の実施上の配慮等」の二項であります。そこでこれは、実は同和問題に熱心じゃない人が見ると何げなしに読むのですけれども、総務長官、実は国民は全部経済的社会的の地位の向上のために、みずからの向上のためにあらゆる意味であらゆる場所で努力をしておるわけでございます。すべての国民が努力をしているわけであります。特にこういう文言を出せば、同和地区の住民は怠惰である、あるいはまた投げやりであるというふうに反面解釈できることになるわけであります。すべての人間は、そのときの能力や何かに違いはあります。能力に違いはありますけれども、自分の社会的地位の向上をはかりたい。はかるための努力を百やる人と二十やるという人とあると思いますが、だれしも自分が経済的や社会的に地位が低下することを望む人はありませんから、すべて努力をしておるわけであります。それにもかかわらず、こういう文言を入れるということは、その地区の人たちが非常に怠惰である、投げやりであるということを表現したことになろうと思います。現在同和地区の人たちは差別を受けております。非常に貧困であります。しかし、その貧困の原因というのは、明治改革のときに農地を分けてもらえないから農民として成り立てなかった。差別があるから公務員その他安定した職業労働者になり得なかった。そうして差別があるから都会の土地や家を借りて中心地区で商売をしたり工業をする機会に恵まれなかった。そういうような基盤を、最初のスタートからものすごい状態でおくらされたために、努力にかかわらず貧困であり、そして差別が消え得られないのであります。本人は努力をしておるわけであります。それにもかかわらず、こういう表現があると、そうではなしに、投げやりであって怠惰であるという表現をしたことになります。岸内閣総理大臣と、この部屋で、いまからちょうど十年前に言いましたときは、この差別と貧困は同和地区の住民の責任では一切ない。これは徳川時代以来のすべての政府の施策の、身分上の差別をしたり、実際上の差別をしたり、そういうことの結果でございまして、これを解決するのは、の努力で解決をしなければならないし、具体的には、あらゆる政府が責任を持ってやらなければならないということが根本的なものとして、岸内閣総理大臣と国会との約束になり、あらゆる内閣に申し送るということになっております。佐藤さんも、それを繰り返して申し上げましたら、そのとおり確認をしておいでになります。でございますから、岸元内閣総理大臣なり佐藤現内閣総理大臣なり、歴代の大臣が、いつも御質問のときにお答えになった趣旨とは違う趣旨になっていると思います。別にこれは悪意で書かれたとは、私申し上げません。不注意で書かれたと思うわけであります。これをぜひ取り去るように、総理府として御努力を願いたいと思います。不幸にして入っておりましたら、先ほども申し上げましたが、同対協の答申がよいものであれば、それは十二分に尊重していただきたい。不十分のものであったら、総理府自体がそれを充実するようにしていただきたい。もしそれまでに一こういうちょっと逆のようなものが出てくると予想しておりませんが、逆のようなものが出てきたときは、必ず——もし答申にこれが間違って入っても、総理府で削除をしていただきたいというふうに思うわけであります。内閣総理大臣も、法案の提出の前に、非常に僭越で恥ずかしい気がしますが、法案の内容については八木の意見を聞いて提出をすると言われましたことを、いまだに私は覚えておりますし、法案の提出の前に、私の意見も総理府から聞いていただけるとお約束になっていると思いますが、そういうことも関係がございますけれども、事前に、同対協の中で、そういうものが削除されたよい結論が出るほうがより望ましいと思いますので、そういう点で、総理府の代表として同和対策協議会のメンバーとして御出席になる橋口さんもおられるわけでございまするから、その橋口さんはそこでそういう主張を極力される、そういう点の主張と、先ほどの、早く十二分な審議をして、早く結論をされる、主張をされるということをぜひしていただきたいと思いますし、総務長官は、総理府として、会長なり委員にそういう御要誌をなさると同時に、総理府のメンバーとしての橋口さんに、そういうふうに起草をするように、ひとつ指令をしていただきたいと思うわけであります。
○田中国務大臣 ただいま、あの草案を見せてもらったのでございますが、これは第一項目に相対する第二項目ができたのだろうと存じます。しかし、第二項目は、八木さんがおっしゃるとおり、平たく見ますれば何でもない問題でございます。そうでない、何でもない問題が、八木先生がぴんとくるところに、同和問題の持ち味がある、かように思う次第でございまして、御趣旨のほどはよく注意をいたし、また、改めるべきものは改めたいと存じます。
○八木(一)分科員 同対協の中で、何といいますか、重大じゃなしに、ひょっとした意見でこういうのが出たんだろうと思いますが、総務長官のいまの御答弁は、私の意見に御同意いただいて、総理府として、また総理府の代表の公務員の方々にそういう努力をさせるというお気持ちだと私は理解をいたしたいと思いますが、それでよろしゅうございますでしょうか。
○田中国務大臣 第二項の問題は、八木先生の御注意もございますので、別に、第二項がなければ第一項が死んでしまうという問題でもございません。いまお話しのように、審議の過程において、一つのアクセントとして入ったのかもしれません。しかしながら、同対協、これはなかなか——堀木先生もがんこでございますから、それからまた、同対協に対しましては、解放同盟のほうも、同和会のほうも、またいろいろな方面から案が出てまいっておるようでございますから、最終段階におきましても、いまのような、感覚的にぎらつくようなことはできるだけ慎みたい、かように考えておりますので、また、同対協のほうに対しましても行政指導をいたしたい、かように考えます。
○八木(一)分科員 実は、いま出ましたように、全日本同和会の委員の方々、それから部落解放同盟の委員の方々、私もその会議の模様を全部知っておるわけではございませんが、全日本同和会の委員の方々が、これに非常に憤激をされまして、反対をしておられる、こう傍受をいたしました。ほんとうにこれは、やや簡単に間違って入ったと思いますが、ぜひこれを取り去るように、協議会の中で取り去るように、橋口委員ですかの努力を願いたいと思いますし、また総理府の御指導を願いたいと思います。もしかりに入っておりましたら、ほかの点に十二分にするということと同時に、これを総理府の原案から削除するようにお願いをいたしたいと思います。たいへん、おかぜのところを——まだまだ申し上げたいことはございますが、ここで総務長官が熱意を込めてお約束をしていただいたことを、ぜひ十二分にやっていただいて、同対協のよい結論が早く中旬までに出て、早く総理府の準備体制が整って、少なくとも三月下旬に、いいものを出していただいたというものが出ますように、田中総務長官のお力で佐藤内閣の約束が実現できた、というふうになりますように、ぜひ御努力を強くまた熱心にお願いをいたしまして、私の質問を終わることにいたしたいと思います。
○田中国務大臣 八木先生とは、いろいろと御相談をしながらまいっておりましたものでございますが、八木先生もおかぜのところを、わざわざお越しいただきまして、御質問ありがとうございました。
○八木(一)分科員 どうもありがとうございました。
○上村主査代理 次に、永井勝次郎君。
○永井分科員 開発庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 北海道の二十年後のビジョンについて、開発庁、北海道庁、経済企画庁の地域部会あるいは建設省、そういうところからいろいろ発表があったわけでありますが、それぞれにいろいろ違います。もちろん、内容においては、現状そのままきびしくとったもの、あるいは七色のにじの夢を多く将来に嘱したもの、いろいろな計算基礎はあるでしょうし、あるいは計量モデルによるところの経済予測、そういうような計算のしかたもあるでしょうが、これらについて、それぞれの違いをどのように判断されておるのか、そうして、基本的にはどういうビジョンを持っておられるのか、お答えをいただきたいと思います。 三十分という短い時間の中で、いろいろお尋ねをしたいので、詳しいことはまた別の機会でよろしいですから、大まかに、基本的な点だけ、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○木村(武)国務大臣 日本は狭くなりましたが、狭くなった日本の中でどこに一番希望が持てるかと、こう言われますると、私は率直に北海道に希望が持てる。それは何も、北海道開発庁長官なるがために言うのではありませんです。政治家として、現在の日本のすべてを見た場合において、一番希望の持てる場所はどこだとこう言われますれば、率直に、北海道だと、こういうふうにお答えを申し上げます。したがって、北海道に寄せる期待は、私といたしましては非常に大きいのであります。しからば、どういう点で北海道に一番多くの期待を寄せるかと、こう言われますると、各地区に比較いたしまして、北海道は土地は非常に広いのであります。それに人口がわりあいに少ないのであります。戦前の日本が非常に苦しんだのは土地問題と人口問題でしたが、それをかみ合わしてみただけでも、北海道の将来に大きな期待を寄せることができる、こういう気持ちになって、私はいま北海道を見ております。したがって、開発庁が出しましたビジョンが、北海道の一番妥当なビジョンだ、こういうように考えております。
○永井分科員 夢は大きいほど好ましいし、またはなやかであればあるほどよいわけですが、そこにはやはり現実の政治として、あるいは行政として、あるいは経済、文化として、きちっとした土台がなければならぬと思うのです。そこでお尋ねをいたしますが、北海道はことし開道百年であります。明治も百年であります。北海道の開発は明治とともに歩んだということが言えると思う。まだ第二期総合計画は進行過程でありますけれども、百年という歴史的な時点に立って、後半の第二期計画に筆を入れるお考えがあるかどうか。それから国際情勢、国内情勢は、経済的には非常な急展開をしておると思うのであります。そういうファクターを入れて、改定の時期にあるのではないかと思うのですが、それはいかがでありましょう。さらに、そういう作業を通して、第三期の総合開発計画樹立の準備に入らなければならない時期であろうと思うのですが、あわせて、これらについてどういう計画を持っておられるか、お示しをいただきたい。
○木村(武)国務大臣 いま二期計画が半ばまで進んでおります。その立場に立ちまして、二期計画をほんとうに計画どおりに果たしてみたい、こういう考えを持っております。だが、その二期計画が終わらない現段階においても、三期計画に対しておおよその予想を立てまして、過去の進み方の現実に即して、将来の問題と取り組んで、三期計画もより以上りっぱなものをつくってみたい、こういう気持ちを持っておりまするが、三期計画とはいまだ取り組んではおりません。
○永井分科員 第二期計画の後半に入るわけであります。またそういう進行を通して、第三次計画への準備に入るわけであります。その土台となるのが、現在まで進めてきた開発計画の実績であろうと思うのです。そこで、第二期計画半ばを過ぎたいまの時点で、計画に対してどのような進捗状態であるか。これは、文書によりますと、予算面からだけ、四十何%達成したというような数字の示しはあるのですが、これは予算はそうであるかもしれませんが、事業の進捗率はうんと落ちているのではないか。物価指数の上からいって、修正がなさるべきだと思うのですが、事業の進捗率は大体どういう状況になっておるか。もし大臣がこまかいことを御存じでなければ、事務当局からでもけっこうです。
○木村(武)国務大臣 現段階の事務の進捗状態は、事務当局をして説明させます。それに対しまして、あとで私のそれに対する意見を申し述べさせてもらいます。
○馬場(豊)政府委員 第二期計画の進捗についてお答えをいたします。 四十三年度予算をいま予定しておりますが、四十三年度予算を終わりますと、二期計画の進捗に対して約八五%終了することになります。この御字につきましては、名目だけの数字ではございませんで、物価の値上がり等を勘案いたしまして、計算して立てた数字でございます。
○木村(武)国務大臣 いま事務当局の報告のとおり、万全の進み方をしておるとは言えないことを非常に残念に思います。したがって、これに拍車をかけまして、そうしてほんとうに万全と言い得るような進み方をやらしてみたいと存じております。何と申しましても、北海道の持つ諸般の条件は、いろいろな発展政策を行なうためには非常によい場所だと存じておりますので、その点については、思い切ってこれから努力をしてみたいと考えております。
○永井分科員 そういたしますと、第二期計画の後半は、現在の延長として、そして量的に多く時間的に早く、こういう方向でいく、こういうことですか。もしそういうことであれば、第三期開発計画の基調は、現在の計画の延長としての性格のものでありますか、あるいはもっと違った基調に立つ計画を考えておるのかどうか、その点についてお答えをいただきます。
○木村(武)国務大臣 もちろん、第二期計画の上に立って第三期計画は立てますけれども、私も長官として赴任してまいりました以上は、私なりの構想もそこにつけ加えてみたいと考えております。したがって、北海道に持つ私の希望は、在来よりも大きいと思っておりますので、第三期計画は、現在を基調にして、より以上雄大な構想もつけ加えて考えてみたいと思う、こういうことであります。
○永井分科員 この第一期計画、第二期計画は、大体第一次産業を基盤としていると思うのです。農業、林業、漁業あるいは石炭、そういった過去百年北海道の開発をささえてきた力、そういうものが基調になっておる、こう思うのです。ところが御承知のように、農業も、政府自民党の米に片寄った政策のために、畑作であるとか酪農であるとか、こういうものは非常なひずみの中であえいでおります。漁業はもう魚を沿岸でとり尽くしてしまっておる、石炭は斜陽である、林業も木を切り尽くした、過去百年、北海道をささえてきた大きな力というものが、これはもう斜陽になって、新たな方向へ転換しなければならぬ。その新たな方向として、重化学工業であるとか、いろいろ第二次産業といっておりますけれども、現状はとてもそういうところに及ぶものではない。たとえば機械工業を全国の比率で見るならば、北海道は〇・五%、もう一%にも上がらない、そういうふうに、重化学工業はもうがた落ち、やはり第一次産業が現在は基礎、基調になっておる。このままでいきますならば、私は農業は、離農者が出て経営面積が広くなるのですから、かえって人口を入れるというよりは、過疎の地域の問題として問題が新しく出てくるというような関係に立つだろうと思うのです。でありますから、私は、第三期開発計画というものは、第二期計画のいままで過去百年の開発で一つ区切りをつける、終わった、新たな基調で新たな発展に出発しなければ、北海道の今後の開発の大臣の構想が何ぼ大きくても、またビジョンがどのようにハラ色のものであろうと、中身のない空莫なものになってしまう、こう思うのであります。いま一つの転換期にあたりまして、過去の百年に対するきびしい分析と、今後におけるたくましい、そうして英知のある展望を持たなければいけない、私はこう思うのです。その点について、重ねて第二期計画から第三期計画に移行する一つの基調、それから展望、それからその計画を推進するための環境、これらについてお尋ねをいたします。
○木村(武)国務大臣 さすがに永井さんでありまして、過去百年の北海道をささえてきた諸般の産業はもう斜陽産業になってしまった、これを土台にして今後の北海道の展望を持つことは非常に危険だというお話は、私は卓見だと思います。全くそのとおりだと思っております。 新しい産業はやはり化学工業でありまして、その化学工業の発達の経路を見ておりますと、大体太平洋岸がみな発達しております。戦前の、東京湾を間にはさんだ千葉県の発展ぶりなんかはまさにそのとおりであります。瀬戸内海の発展でも、名古屋、伊勢湾の発展でも、太平洋岸の海岸地方が見違えるように発展いたしましたのは、みな化学工業でありまするから、北海道はやはりそうした例にならって進んでいくべきだと存じております。そうでありまするから、私は釧路港が一日も早く築港に乗り出すことを期待いたしておるのでありまするが、残念ながら地元の調整がおくれておりまして、この点ははなはだ遺憾に存じております。早くこの問題なんかが解決をいたしますると、その点の見通しが非常によくなるのじゃないかと思っております。これは一日も早く、私も一生懸命になって取り組みまするけれども、北海道今後の百年の展望のために、どうか解決してもらいたいと存じております。苫小牧なんかは、あれだけの築港をやりますると、今度日本軽金属なんか向こうに参りましたし、そういうようなやり方をいたしてまいりますると、第三期計画の見通しというものは非常に明るく成り立つのじゃないだろうか。特に第一期、第二期計画の中には、シベリアの開発問題などというものは含まれていなかったのだろうと思いまするが、このシベリアの開発というものは、当然日本とソ連との間で受け持たねばならない大きな課題であり、将来の課題になりますと、北海道の果たす役割りが非常に多くなってまいりますので、そういう点で、永井さんのいまの御指摘は同感でありまして、私は第三期の計画はそういう方向で樹立してみたい、こういう考を持っております。
○永井分科員 いまの北海道の経済的なファクター、そういうものを分析しますと、ほとんど七割近く公共投資に依存しています。非常に民間投資というのが少ない。ですから、今後とも、北海道の経済を先進地域に近づけていくためには、より早く、より多く追いつくためには、公共投資が相当にふくれてこなければいけない。その仕事は、開発庁長官の手腕、力量、識見に待たなければならない。それから、そういう公共投資は、従来は公共投資そのもので終わっているという点も多かったわけであります。公共投資は、道路は道路のままで終わるべきでなくて、その道路が地域の産業の振興と発展のためにこれが活用されなければならない。そういう点が先行投資のままで眠っているという条件が非常に多いわけであります。ですから、今後の開発は、やはり公共投資がその主軸にならなければならない。あわせて民間投資を誘引するところの魅力あるいろいろな施設にしていかなければならぬ。そうしてその方向は、第一次産業から第二次産業への転換でなければならない、こう思うのですが、しかしこの第二次産業にいたしましても、たとえば、東洋高圧の硫安であるとか尿素であるとかいう工業は、北海道をやめて本州のほうに移る、あるいは内陸産業である国策パルプは、原木が内部で少なくなったから、本州のほうにその主力を移していくとか、あるいは歴史ある帝国製麻はもう影がなくなってしまった。あるいは木材加工あるいはパルプその他にいたしましても、多くは輸入材に待たなければならない。こういうふうに北海道の第二次産業というものの方向が——苫小牧に日軽金が来たあるいは出光が来たというだけの部分的なものでは、引き勘定マイナスになっていく、私はこう思うのです。従来は北海道の工業というのは原料に指向した。木材のあるところに木材加工、水産のあるところに水産加工、農産物のあるところに農産加工、そういうふうに指向したのです。いまは半分は、北海道に原料を求めてくるところの企業が、本州から触手を伸ばしてきておる。半分は、北海道の消費を対象にして進出してくる、こういう投資傾向が明らかになっておるのであります。そういう傾向になっているわけです。そうしますと、いまシベリア開発、サガレン開発、こういうところまで、構想としては大臣が観念的には拡大いたしましても、これが実際の条件として、北に進む前進基地に北海道をするためには、こんな条件では及びもつかないことだ、こう私は思うのです。ですから、構想は大きくてもいいが、現実の歩みはワン・ステップ・アンド・ワン・ステップで、堅実な積み上げをしていかなければならぬ。そこで、構想は伺ったわけですが、その構想の到達していく積み上げの土台は、どういうふうにこの重化学工業を持っていくのか、構想として具体的なものがあれば、ひとつ伺いたいと思います。
○木村(武)国務大臣 後進地域の開発に先立つものは公共投資であります。政府が思い切って公共投資をやって、道路でも諸般の面目を一新して、産業を持ってまいりましても、そこに樹立された産業がそろばんが成り立つ、こういう条件をつくらなかったならば、民間産業は、来いなんて言ってみても、決して来るものじゃありません。したがって、公共投資を思い切って優先させまして、そしてそろばんが成り立つようにするということが一番大切だと存じております。その場合において、道路がただ単なる道路としてだけでなく、そういう万事万端の面で役に立つような施策を行なうということが非常に大切だと思っております。まずその公共投資というものを思い切って先行させまして、そして諸般の産業がそこに成り立つような条件をつくって、そして北海道のビジョンの持つ役割りを果たしていきたい、私はこういう考えを持っておりまするが、そういう万事万端の問題につきまして、何と申しましてもすべてを行政にだけまかしておりますると、行政というものはそんなに全部について責任を持つものではないのであります。やはり行政と政治が一緒になりまして、行政の足らざる点を政治で補ってもらう、そして常に常に政治が行政に先駆して、こういう地方の開発をはかっていくことが大切だと思っております。そういう点では、北海道開発というこういう問題になりますると、与野党などというものはありませんから、どうか、北海道に住んで北海道で苦労をされました皆さま方が、思い切って洗いざらいの知恵を出してくださいまして、行政の足らざる点を補ってくださったならば、非常に幸いだと存じております。そういう点では、私は非常に役に立つ役割りを果たすんじゃないか、こういう考えで、これからのビジョンに生きていきたいと考えております。
○永井分科員 私はこの公共投資が先行投資されて、そして民間投資を誘う、そして一つの幹線にいろいろな多角的な産業の花を咲かせる、こういう魅力あるものでなければならないと思います。そのためには、たとえば農業でいいますならば、基盤整備、土地改良、寒地農業はことに土地改良が必要であります。光線の足りない部分は土地改良によって補っていという、科学的な基礎に立つ土地改良が必要であります。しかし土地改良は、土地改良そのものが農家の収入を上げる決勝点ではないのでありまして、収穫を上げるための手段としての土地改良。ですから、増産されたものが、農家にとって収益がふえていく、こういう価格政策がそれに伴ってこなければ、何ぼ土地改良をやればたくさんものがとれるといったって、たくさんものがとれたら値段が下がるんじゃ、だれも土地改良をやる魅力がなくなる。そういうことで、寒地農業の確立ということは、何といっても、私は北海道の基盤としての農業の振興のためには、これは絶対必要条件だ、開発庁は直接の公共の所管ではありませんからなにでありますが、それにしても、総合開発の立場からいえば、農業はそういう点に重点を置かなきゃならぬし、あるいは工業の点については、地域的な条件あるいは中央市場に対する距離の問題、後進地域でありますから、開発途上の地域でありますから、最初は不利の補整をして、そうして自立させる。そして自立できる条件ができるまでは不利の補整をするというようなかまえがなければ、私は、どんな構想を持ったって、これはいけないと思うのです。したがって構想としては、北海道を日本の国土の北の端にしないのだ、北海道を北への前進基地にするのだ、こういうかまえは大臣と同じ意見でありまして、たいへんけっこうな考えであります。それには、言っているだけじゃだめなんで、それに値する内容の充てんをしなければいかぬ。道内の産業については、所得が住民の生活の向上に結びつくような形で、農業でも漁業でも林業でも、そういうものが施策されなければならない。そうして重化学工業については、先進地域との不利の補整をしてやる、そういうかまえをもって、今後はこれからの百年を発足する。そうして一日も早く一人立ちができて、そして先進地域に追いつき追い越す、こういう基本的な考えで、そういう基調で構想していかなければ、ただ単にばく然と言っていたってだめだ、私はこう思うのであります。時間がありませんから、重ねて答弁をお願いします。 それから、これはそういう要請が非常にあるときに、だんだん北海道の特殊事情というものが消されて、補助率でも何でも本州並みにしていく、こういうふうな逆行をしています。それから開発庁という特殊なところが、経済企画庁の地域部会のように、だんだん影が薄くなってくる心配が非常にあります。北海道のわれわれとしては、非常に残念でたまらないので、この点については、ここにいる山内君なんかも、国会の中でなぜ開発庁の予算を説明し、質問を受けないのかと言われ、独立の省庁として、議会の中でもう少し独立の地歩を、大またで、もう少し勇ましく、ひとつ木村大臣はラッパを吹いたらどうか、こう思うのですが、いかがでありますか。
○木村(武)国務大臣 北海道開発に関する限りは、知識は、永井さんでも山内さんでも島本さんでも、私の百倍、千倍くらいお持ちになっております。ただ、私は長官としておる限りは、皆さまよりも権力を持っておるようでありますから、この私の権力と皆さま方の北海道に対するすばらしい知識と一緒に合わせまして、同一歩調でひとつ北海道の開発を思い切ってやってみたい、こういう考えを持っておりますから、足らざる点だらけでありますが、どうか御指導、御鞭撻くださるようにお願いを申し上げます。
○上村主査代理 次に、島本虎三君。
○島本分科員 私は長官に対して率直に答弁をお願いしていきたいと思います。それは、私はどうも政府の考えがわからないから、この際、一目瞭然ではございませんが、すぐわかるように御説明を願いたい。 昭和三十九年の九月でしたかの臨調答申の民間移行というもの、それに対して行管庁は、特殊法人として存続。そうなりますと、昭和四十二年の八月、これは行管委の答申の事業団への統合に対して、今度は行管庁は、廃止、民間改組、二階堂前長官は、北海道開発審議委員会で大いにこの存続を強調されましたし、われわれも賛意を表しましたが、今度木村新長官は廃止、そうなりますと、いままでどの省におきましても、大臣がかわっても、前の大臣が確約したことは、あとに来た大臣が守っていかなければならないし、守りますというようなことを、われわれは十分これを聞かされておりました。そして私はそういうふうにいまでも信じておるわけであります。大臣は、かわったからといって、これは当然放言してはなりませんし、言ったことは大臣として責任があるはずなんでございます。そうなりますと、前の二階堂長官はやはり責任を持って存続を主張した。そしてわれわれはそれが正しいと開発審議会委員としてもそれに対して答えた。新長官は、今度は廃止、こういうようになりますと、その前からのこの決定が、長官がかわるたびごとに変わる。何らこの間に歯車が合わない。これが開発庁の行方なのかと思いますと、私は、他の省と違って、ここはわからないのでございまするけれども、これはどういう仕組みになっているものでございますか。
○木村(武)国務大臣 特殊法人の整理改廃をやるということは、基本方針になっておるのであります。したがって、その中の一つでありまする北海道地下資源の問題でありまするが、前の北海道開発庁長官の二階堂君と前の行政管理庁長官の松平君との間におきまして、まあ懸案事項になっておったのであります。懸案の内容を大体分析してみますると、いまだ一致点には達していなかったようでありまするけれども、大体七分三分じゃなかったろうか、こういうふうに考えております。民間に移行するほうが七分、それから残すというほうが三分、そういう状態のもとで、懸案事項になっておった、こういうことなんであります。そこに、私が行政管理庁長官と両方を兼務させられたのであります。したがって、どっちに比重を置いたかと言いますると、七分のほうに比重を置きまして、民間に移行すると、こういうことに決定したのでありまして、この前の長官同士の間では、いまだ懸案事項であって、残すとも残さないとも決定した問題ではなかった。そいつを私が受け継ぎまして、比重の重いほうに重点を置いて、民間に移行することにした、こういう経過であります。
○島本分科員 去年の七月か、夏のころだったと思います。北海道開発審議会が招集されまして、そのおりに、やはり意見として、北海道開発審議会では、存続ということで強力にこれを答申してあるはずです。それを受けた二階堂長官が、これを懸案事項にしてまかせるということは、私はないと思う。諮問委員会にこれを諮問されて、はっきりそれを存続にきめたんですから。それが懸案になっておったというのは、私は理解できないのです。懸案ということは、どっちにもつかない。これはもうちゃんと結論が出ていたんです。出ていたにもかかわらず、そういうような引き継ぎだということは、開発審議会を侮辱するものじゃないかと思うのです。いまでも開発審議会は、会長は黒澤酉蔵氏であります。私も委員の末席を汚しております。これは、答申といま長官の言うこととは、何か私はちぐはぐなような気がして、侮辱されたような気がするのですが、この点いかがでございますか。
○木村(武)国務大臣 侮辱したのじゃないと思います。答申はしてみましたけれども、通らなかった、これだけのことであって、決して侮辱したんじゃない。十二分に、答申案については、思い切っていろんな角度から検討して、尊重しようとは努力したのでありましょうし、二階堂開発庁長官も、存続せしめるように非常に奮闘されたようであります。二階堂開発庁長官がそのまま留任されましたならば、あるいは通ったかもしれませんけれども、政変がありましておやめになったものですから、それより以上主張することができなくなった。そこに、二つを兼任した私が出てまいりましたということは、ある意味においては不幸であったかもしれませんけれども、やむを得ないことであったんじゃないか、こう思っております。
○島本分科委員 北海道開発庁長官が、ある意味では不幸であった……。不幸な開発庁長官がそのままおるということは、これは困るのです。これはちゃんと法律によって定められ、それによって大臣として任命される。不幸な大臣を任命なんかいたしません。あなたのほうで、もし北海道を思い、地下資源開発のことを思い、一生懸命努力するならば、もっともっといい結論もあったはずであります。出ないから不幸なのか、または行管長官のほうと兼任しているから、そちらのほうに重点を置くから、七分三分ですか四分六分ですか、三分しか北海道のめんどうが見れないからでは困る。これでは北海道民は納得しません。また、こういうような考え方では、開発庁長官としてはわれわれは困るのです。いまのようなことばは私はいただけません。ちょっと失言になるかもしれません。
○木村(武)国務大臣 地下資源開発会社で働いておいでになりまする方々に、いろいろな動揺を与えました点で、私は不幸であった、こう申し上げるのであります。しかしその点は別といたしまして、他の北海道開発という大きな問題につきましては、足らざる点はより以上補って、より以上北海道開発のために努力してみたい、こういう決心のほうは非常に強いのでありまするから、その点だけはどうかお許しくださるようにお願いを申し上げておきます。
○島本分科員 それは許されません。十年間で廃止しなければならないような特殊法人をつくり、そして特殊法人によって北海道の地下資源を大いに開発しなければならない、こういうような至上命令を発し得る席にある人が、できなかったから、これはお許し願いたいということは許されない。十年間で廃止しなければならないような特殊法人だったら、初めから何か別なかっこうで考えなければなりません。それが、やはりこれがいいとか悪いとか、最後になって民間移行、こういうようなことである。だからその内容についてはどうなのか。一体内容はどうなんですか。私はこの内容についてはまことに残念なんだ。時間もあまりありませんから、少し急ぎまずけれど、端的にでいいんですが、これはほんとうにだめなんですか。民間移行してよくなるんですか。
○木村(武)国務大臣 特殊法人をつくるときには、おおよそ三つの目的があるんであります。その目的があって、特殊法人というものはできておるのであります。したがって、その目的を達成いたしましたときには、その法人はなくなるのが当然なんであります。一つの目的を掲げながら、それが目的どおりに進まなかった、それから目的どおりに進む見込みがない、こういうときには、やはりそれは改めねばならないのであります。地下資源開発会社は、私が調べてまいりますると、なるほど、北海道の地下資源を開発しなければならないという大命題はすばらしい命題なんでありまするけれども、そのためにつくられました北海道地下資源開発会社というものは、約十年近くの間に、その目的というものを達成していなかったのであります。これより以上存続せしめても、とうてい所期の目的というものは達成せしめることができないと、行政管理庁として判断いたしましたがために、この際は、これより以上国家の金を食わせるのはどうか、こういう考えで、民間移行ということを決定したのでございます。したがって、民間移行をやったからといって、そこにおいでになりまする幹部の人々や組合の人々が、ほんとうに乏しい中で真剣にお考えになりまして、そして創意くふうされましたならば、国家権力のもとでお働きになるよりも、もっともっと広範な点で働いて、会社の再建が可能になりはしないか、こういう考えで、民間移行、こういうことにしたのであります。所期の目的どおりにそれが進んでおったならば、おそらくは地下資源開発会社は民間移行というまでにはならなかったのだろう。現時点に立って、その目的達成が可能であるという判断がつきましたならば、そういうことにもならなかったんだろう。やった結果に基づいて、それから現時点に立って、とても所期の目的は達成いたしかねる、したがって、国家の費用をこれより以上に使いたくはない、こういう立場に立って、今度の問題が決行されたのであります。
○島本分科員 私は、いまの答弁ではまだ納得できません。と申しますのは、私はこういうようなものは多額の金をつぎ込んで、時間をかけて、そうしてそれによって成果を得なければならないものであろうと思います。多くの時間と多額の金をかけて何年か後に成果をあげなければならないものを、初めから黒字を見込むようなやり方をさせるというような、この指導の方法が間違っていはせぬかと思うのであります。国策会社ですから、長官、もしほんとうに北海道の開発長官として北海道の地下資源を開発ぜんとするならば、まず準備が必要である。準備のためにはそういうような地図が必要であるとするならば、北海道のどこの地点には何があるかを、四億か五億じゃございませんで、十億でも二十億でもかけて、あなたの在任中でも、あなたの手によってでも、完全に北海道じゅうの資源を把握するような状態にしておけば、二十億をかけました、三十億をかけました、これが国の損になりますということにはならないと思います。国策会社であり特殊会社であるならば、なぜ四億か五億の金でつぶさなければならないような、業績も残らないような、こういうような指導のしかたをしたのか、私はこれは政府の責任じゃないかと思います。そうしてその罪の償いをしようと思うならば、この際考え方を改めて、廃止、民間移行なんということじゃなくて、もっと強力なものにして、北海道の地下には何があるのかということを全部調べ上げ、これに十年も二十年もかけて、これで全部使命は終わりまして、はい、さようなら、これで解散したというならばいいじゃございませんか。これは赤字になったからだめだ、この経営の方針が悪いというならば、経営の持っている宿命が、多額の金と時間が必要なような、こういうような仕事に、黒字でなければならないというような経営方針を与える、このやり方がおかしいのじゃないか。ここを指摘してちゃんと立っていけるようにするのが国策に沿うゆえんじゃないか、私はそう思うのです。いままでのようなやり方では、これは赤字が出ないのが、長官、ふしぎなくらいです。赤字が出るようにしておいて、出したからやめろということは無能にすぎるものだ。それ以上の考えがなければならない。北海道じゅうの、積丹の山や大雪山の山やそのほか領海内の海の底には何があるか。開発資源としてこういうようなものがあるから、ほかの会社でも来るべきである、この点は有望だからもっと掘るべきである、いろいろと調査と、それから指導が必要なのは、長官、私は開発庁として当然じゃないかと思うのです。それをやっていないじゃありませんか。またやる方法も教えないじゃありませんか。ただ赤字であるから、見込みがないからやめよ、こういうようなことでは、政府が責任回避するものである。いたずらに、これは、歴代の長官と申しませんけれども、自分の責任をなすりつけるものである、私はこう思わざるを得ないわけなんです。私が言うような点は、北海道開発の点から展望して無理でしょうか。これをやれないでしょうか。自衛隊だって現在ああいうふうにしているのですよ。そうして自衛隊がどんどん築城訓練の名前において、あの平和的な雪像をつくって、三日間、四日間ではございますけれども、これはやはり道民の文化財として提供しておるんですよ。地下資源開発会社ができないわけはないですよ、自衛隊ができて。これをするのがほんとうの開発ですよ。長官、この辺をはっきり、自分自身が行管長官になって、自分自身をもう一回監査してくださいよ。
○木村(武)国務大臣 いまの地下資源会社が誕生するときには、やはり誕生するだけの理由があって誕生したと思います。しかし、いろいろな条件が変わってまいりましたが、その移り変わりする条件に相応する能力がいまの地下資源開発会社にはなかったようであります。それだけでなく、せっかく生んだ会社でありまするから、それをじょうずに指導していく、それからじょうずに方向づけていく上級の官庁でありまするけれども、そういうような点で指導を怠ったということだけは、これは御非難のとおりでありまして、その点ではもう謝罪する以外に方法はないのであります。ただ私も現在の時点に立って見まして、北海道の持っておりまするいろいろな資源の開発というものは非常に必要だと存じております。しかし、その開発というものを現在の地下資源開発会社におまかせするということは無理だと、私はこういうように感じております。これはこれで解決いたしまして、そして北海道開発の大きな命題でありまする諸般の開発の計画は別途立てるほうが、より以上能率のあがるりっぱな北海道の開発ができる、こういうように考えまして、今度の処置を講じたのであります。
○島本分科員 それは民間ならできるという意味ですか、長官。
○木村(武)国務大臣 私の申し上げましたのは北海道地下資源の会社でありまするが、現在のままで政府が現行どおりの援助をいたしましても、とても所期の目的を達成することはできない、こういうように判断したのであります。そういうような権力の上でものを考えないで、やっぱり民間に移行して自由な身になって、自由な立場においてほんとうに創意くふうをしてみる、人にものを依存しないで、金なども政府などからもらおうなどという気持ちは持たないで、自分の苦労の中でほんとうに創意くふうをされましたならば、あそこに立てこもっておいでになりまする人々はみんな優秀な人々でありまするから、その可能性がある、こういうふうに判断したのであります。
○島本分科員 私はそうならば、初めからこの経営の主体を勧告すべきじゃなかったかと思います。真に成果あらしめるためには、多額の金と長時間を要するものであります。それを、単年度の黒字をあげなければならないような命題を与えたやり方は過酷にすぎるし、初めからこれは成り立たないようなやり方をして、これでやれと言うにひとしいものであります。私は、長官、そこは厳密に反省しなければならない点だと思うのです。もうけた金でやりなさい、それでなければやめなさい一やめる運命です。これでこういうような採鉱の仕事ができるものですか。おそらく七年も八年も赤字に赤字を重ねながらもやって、ようやくさがし当てました、それがいまや栄えておる例さえあるじゃありませんか。そういうようにして見ますと、私は指導の不手ぎわだ、こういうように思わざるを得ません。それでまた、かわいそうなのはそこに働いている従業員であります。この従業員のいま思っていることは、第二会社へ行っても、たとえば民間に改組されても、その案がどのように出るだろうか、これでやっていけるだろうか、ここへ行っても同じような状態を知っていますから、はたしてこれでやっていけるだろうかという心配であります。そしてほんとうに長官のほうで愛情を持って処理してやる、こういうように言うならば、鉄道建設公団もありますよ、もうすでに現在やっておる最中です。道路公団もありますよ。また水資源公団もあるはずですよ。そういうような各公団でそれぞれ技術を活用できる場所があるはずですよ。この要請によって、こういうほうに行きたい人に対しては、やはり愛情を持ってあっせんしてやるべきじゃないか。そしてその人たちは、もう御存じだと思いますが、ほとんどが工業高校卒業の技術者ですよ。やっぱりその技術を生かさなければならない。その場合に、私はやはり皆さんのほうで考えてもらわなければならないと思うのです。ほんとうに長官これはだいじょうぶですか、だいじょうぶな案ができておりますか。この案とそれから従業員に対するあたたかい思いやりは、こういう同じような特殊法人または事業団のほうに行きたい人はあっせんしてやる、これも並行しなければならないと思うのですが、これは考えられませんか。
○木村(武)国務大臣 指導の不手ぎわでありまして、これはおわびを申し上げる以外に方法はありません。 それから、ほんとうに愛情を持ってそういう技術を持っておられる人々の技術を生かすために、あらゆる場所をさがせ、こういうことに対しましては、全力を傾倒してそれらの個人の方々に不安を与えないようにやってみたいと存じております。公団で採用する場所があったならば、公団にも採用してもらう。それから民間に移行して、移行した会社がこれからひとつ創意くふうしながら生きていこうという場合には、あらゆる角度からいろいろな点で仕事のあっぜんもしてみたいと存じております。会社をおやめになる人々の退職につきましても、就職の点でも思い切ってやってみたい、こういう考えであります。ほんとうに愛情を持ってこの問題だけは取り組んで解決していきたい、こういう考えであります。
○島本分科員 諸般の事情によって、あともう残すところ時間が九分でありますけれども、ひとつ九分間だけあとに延ばして、私の質問はこれで若干留保させてもらいたいと思います。これで切れたんじゃないのです。私の質問はこれで保留、中断ということにさせていただきます。
○上村主査代理 島本君の質問は暫時中断をいたしまして、次に、岡沢完治君。
○岡沢分科員 最初に、交通局長がお見えでございますから、交通局関係の質問をさせてもらいたいと思います。時間が三十分でございますので、私も簡単に聞きたいと思いますが、お答えも質問に対する答えだけ簡略にお答えいただいてけっこうです。 もうすでに新聞等でも報じられましたけれども、昨年度、四十二年度の交通事故の概要について簡単にお示しいただきたいと思います。
○鈴木(光)政府委員 お答えいたします。 昨年の交通事故につきましては、たいへん事故件数がふえましてまことに残念でございますが、数字で申し上げますと、事故の件数につきましては年間五十二万一千四百八十一件でございまして、これによって死者が一万三千六百十八名、それから負傷者が六十五万五千三百七十七人ということでございまして、四十一年に比較いたしますと、件数で二二・四%増、それから死者は若干減っておりますが、負傷者につきましては二六・六%の増ということになっております。
○岡沢分科員 局長もそこにおって聞いていただいたほうが時間的にロスがなくなると思います。 いまお答えいただきました事故のうちで、無免許運転による事故の件数はどれくらいございますか。
○鈴木(光)政府委員 無免許運転による事故は一万六千八百四十六件ということでございまして、全体の事故件数のうちの三・五%という数字になっております。
○岡沢分科員 それでは免許所有者の事故につきまして、免許取得後の年数と事故件数との関係、たとえば免許をとって一年以内、あるいは二年以内、あるいは十年目くらいというふうに分けて、その発生状況はそれと何らかの関係が認められるかどうかについてお答えいただきたいと思います。
○鈴木(光)政府委員 免許を取りましてからやはり一年未満の者の事故が非常に多うございまして、次いで一年以上二年未満、二年以上三年未満というふうに、順次経験年数を経過するに従ってやはり低くなっておるという、まあ常識的にもそう考えられるわけでございますが、数字の上でもそういうことが出ております。 数字を若干申し上げますと、四十二年の統計でございますが、一年未満の者で事故を起こした者は、これはいろいろな車種がございますが、合計いたしますと八万六千三百三十三名が一年未満の者でございまして、一年以上二年未満になりますと七万一千九百二十六名、二年以上三年未満になりますと六万四千二百五十一名というように順次減っております。それでこの三年未満の者が合計をいたしますと全体の四六・七%でございますから、全体の半数近くの三年未満の者が大体事故を起こしているということになるわけでございます。
○岡沢分科員 それでは最近の一年間に運転免許をとる人の数、それからそのうちで、いわゆる指定自動車教習所の卒業生はどれくらいになるか、お答えいただきたいと思います。
○鈴木(光)政府委員 四十一年におきましては合格者の数が年間二百八十三万四千八百二十名でございまして、そのうち教習所の卒業者数が百九十七万四千七百六十七名ということでございまして、パーセンテージにいたしますと六九・七%ということになっております。これはいろいろな免許の種別を総合したものでございますが、教習所で教習を受ける者の一番多い普通免許につきましては、大体八六・四%が教習所の卒業者ということになっております。四十二年におきましても大体同じような傾向でございまして、六九・九%、約七〇%が教習所の卒業生で、普通免許になりますと八五・一%というような割合になっております。
○岡沢分科員 運転免許の試験はだれがどのような方法で、またどのような科目について行なっておられますか。
○鈴木(光)政府委員 免許試験は、御承知のように適性試験と法令学科試験と技能試験と、三つに分かれておりますが、適性試験につきましては、警察職員が適性試験の内容であります視力、聴力、運動能力等を各受験者についてやるわけでありまして、学科試験につきましては、県によっていろいろございますけれども、おおむね二百名ないし三百名の者を収容できる試験室の中で学科試験の問題を出しておるわけです。学科試験の内容につきましては、法令の問題が二十問程度、大体四十分でやっております。それから構造の試験は十問程度を二十分くらいの時間でやるというペーパーテストの方式をとっております。技能試験につきましては、公安委員会が指定した警察職員が試験車に同乗いたしまして、警察庁で示した技能試験の実施要領というものがございまして、全国統一した方式によってなされておるわけでございます。
○岡沢分科員 試験問題、特にいまおっしゃいました法令、構造についての試験問題、これはだれが、いつつくられるのか、どのようにしてつくられるのか。最近各地でかえ玉事件その他の免許資格の取得につきまして不正取得が行なわれておるように報道されておりますけれども、これの実態につきまして、お調べいただいている範囲内でけっこうですから、お答えいただきたいと思います。
○鈴木(光)政府委員 免許試験のうちの法令と構造の試験問題につきましては、警察庁で作成いたしました試験問題のモデルがございまして、法令につきましては大体二百問、構造につきましては百問、これは実は試験問題がマルチョイ式でございますので、いたずらに落とすための試験という批判もございまして、どうしても運転の免許を取るために必要なものだけというものにしぼりまして、警察庁で法令二百問、構造百問というものをつくりまして、その中から各県の公安委員会が法令問題審議会のような組織をつくりまして、を組み合わせて、法令の場合には二百問の中からいろいろな組み合わせをつくりまして、相当数作成して準備しておる。その中から試験の当日に試験場長が適当に選んで、決裁を得て出題している。大体どこの県でもそういうような方式でやっておる次第でございます。
○岡沢分科員 かえ玉事件と不正事件のことについての御答弁がなかったようですが。
○鈴木(光)政府委員 かえ玉事件、不正事件につきましては、まことに遺憾でございます。試験をやる場合に、試験官の監督というのは、いかなる試験におきましても厳重にやるわけでございますが、いろいろな知恵を出しまして、かえ玉、不正試験ということがなされておるわけです。いままで出ましたいろいろな事例をしさいに分析検討いたしまして、そういうすきがわれわれのほうにあるということで、その防止対策につきましては、試験官の配置にくふうをするとか、試験場の施設等について改善を加えるとか、その他いろいろ、たとえば写真の照合の問題につきましても若干手落ちがあったわけですが、そういうことのないように、それから試験問題の種類とか配付方法等につきましても、かえ玉とか不正取得の乗ずるすきのないようくふうをしてやるように、いろいろこういう事例が起こりますと、私どものほうで全国の警察本部にそういう事案の内容を紹介して、防止対策の参考にしているということで、今後ともこういうことのないように心がけたいと思っております。
○岡沢分科員 路上実習についてお聞きしたいのでございます。路上実習を最近お始めになったようでございます。これは指定自動車教習所の教習生には義務づけられておるようでございますが、いわゆるオープンの受験者、直接試験場に行って受験をする者には路上実習の制度がないようでございます。この間に格差と申しますか矛盾といいますか、ほんとうに必要なものならオープン受験者にも路上実習をさせるべきだと思います。その辺について局長の御見解を聞きたいと思います。
○鈴木(光)政府委員 教習所に路上教習を義務づけたわけでございますが、御指摘のようにオープンの一般受験者につきましても路上教習のようなものをやるか、路上試験をやったらどうかという意見もございまして、路上試験をやるか、それとも一般のオープンの受験者につきましては一応試験場の中での試験は仮免許ということで、指定の自動車教習所等で路上教習を受けてきたことの証明を持ってきた者には本免許を与えるとか、そういったようないろいろな考え方がございまして、ただいませっかく路上教習というものを指定自動車教習所に義務づけましたそれとの関連におきまして、直接運転免許試験場でやる試験につきましても、それと矛盾しないような方式を導入するための検討を現在やっておる次第でございます。 〔上村主査代理退席、主査着席〕
○岡沢分科員 先ほどの御答弁によりましても、年間の免許取得者二百八十万から三百万前後だと思いますが、そのうちの百万くらいはいわゆるオープン受験者、自動車教習所を経ない受験者であるわけでございます。ことに四輪の場合は二〇%弱がそのオープンの受験者になるわけでございますが、この人たちは、考え方によりますと、どこかで無免許運転をやってきた。そうでなければ、練習する場所がいまの日本の土地事情からいって考えられないわけでございますから、そういうふうな推定もできるわけでございますし、逆に、その人たちに路上実習を課しておられないということは、むしろそれを暗黙に了解しておられるというような解釈すらもできますし、また先ほど御答弁いただきましたように、無免許運転による事故者が年間一万七、八千名もおるということになりますと、このオープン受験ということには問題があるのではないか。実際問題として、現在の日本で自動車教習所あるいはそれに類するもの以外の場所で練習をするようなところはちょっと見当たらない。そのことから関連いたしましても、いわゆるオープン受験者の大多数は無免許運転ではないか、これがやはり事故と結びついているというふうに感ずるわけでございますけれども、この辺についていかがお考えでございますか。
○鈴木(光)政府委員 御指摘のように、いわゆるオープン受験者の中には、無免許運転によって練習している者が皆無だとは言えないと思います。私どものほうでは、大体考え方といたしましては、未指定の自動車教習所、それから公営の運転試験場といったようなものもございまして、そういうところで練習した者が受けにくる、あるいは一度仮免を取って道路で練習した者が受けにくるということを期待しているわけでございますが、しかし、無免許運転が皆無だとは言えないと思います。そして、無免許運転による練習は、何としても許さるべきことではないのでございまして、やはり無免許運転の取り締まりを同時にやらなければいかぬということで、取り締まりをやっておるわけです。年間大体、これは四十一年の統計でございますが、無免許運転の取り締まり件数が四十三万一千余件ございまして、大体全取り締まり件数の一〇%程度を無免許運転ということで取り締まっておるわけでございます。この問題につきましては、教習所との関連において、このオープン受験者をどうするかということは確かに問題だと思いますので、一つの検討の問題として検討はしておるわけでございますが、たとえば指定自動車教習所を出てこない者については受験させないという一つの考え方があるわけですけれども、そうなりますと、また別の問題が出るということで、なかなか制度的に割り切れない問題がございまして、検討はしておりますけれども、現在の段階ではオープン受験者を認めていくということはやむを得ないことだというふうに考えております。
○岡沢分科員 この問題はもう少し掘り下げたいわけでございますけれども、時間の関係で次に進ましていただきたいと思います。 現在、指定自動車教習所は、どの官庁がどのような根拠法令に基づいて所管をされ、どのような指導監督をしておられるか、お尋ねいたします。
○鈴木(光)政府委員 教習所につきましては、道路交通法の規定に基づきまして、当該教習所の検査等、具体的な管理、指導、監督を公安委員会がやっておるということでございます。ただしかし、この教習所の中には、各種学校の形をとっておるものもありますし、それから私立学校法の適用を受けておるものも若干あるようでございますので、そういう観点からの監督は、また当該官庁からなされるということもあるわけでございますが、原則といたしましては、公安委員会が道交法の規定に基づいて、管理、指導、監督を行なっておるということになるわけでございます。
○岡沢分科員 指定自動車教習所の指定そのものあるいは運用あるいは免許試験の実施方法等について、府県によってだいぶ格差、差異があるようでございますが、その実態と、こういう問題は、当然全国一律に統一した制度、運営がなされるのが必要ではないか。申し上げるまでもなく、取得した資格については全国に適用されるわけでございますが、試験の方法とか指定の基準とかに各府県においてだいぶ差があるようでございますし、いまお答えの中にもありましたように、自動車教習所の主体につきましても、各種学校の指定を受けておるもの、個人、法人ばらばらのようでございますが、こういう点についていかがお考えでございますか。
○鈴木(光)政府委員 御承知のように、教習所の指定基準につきましては、道路交通法の施行令並びにそれに関連いたします施行規則に詳細に規定されておりまして、それに基づいて指定がなされておるということでございます。またその指定基準を満たさなくなった場合には、公安委員会が指定解除をするということができることになっておりますので、各都道府県でまちまちであるということは、この指定基準の問題につきましては、ないと思います。ただ、運営の問題につきましては、御指摘のような点が私どものほうでもあるというふうに考えますので、教習の内容なんかにつきましては、カリキュラム的なものをつくっていく必要があるということで現在検討しておるわけでございますが、指定基準につきましては、繰り返すようですが、全国でまちまちであるというふうには考えておりません。
○岡沢分科員 文部省とそれから総理府の方、できましたらこちらに来ていただきたい。 最初に、文部省のほうにお尋ねをいたしますけれども、最近、学校における交通安全教育につきましては、かなり積極的に取り組んでおられるようでございます。しかし、いまお聞きのように、全国で指定自動車学校というのは大体千二百校あるわけでございますが、そこから年間二百万人のドライバーが生み出されるわけでございます。お聞きのように、そのドライバーの中で事故を起こす人々は、免許取得後一年、二年、三年ぐらいの間の人が五〇%近い比率を占めるということも聞いておられたとおりでございます。私は、文部省所管の社会教育という観点からいたしましても、また、いま国内における社会問題の一番大きな問題の一つ、物価とか住宅、公害とあわせまして交通事故というのはきわめて大きな問題だと思いますが、この事故防止の関連からも、やはり教育の面から文部省としては指導や関心を、この指定自動車教習所を出る新しい運転免許資格者について向けられるということが必要でないかと思うわけでございます。これについて文部省の御見解と、従来自動車教習所に対してはどういう権限をお持ちであったか、何か根拠的なものがあればお示しいただきたいと思います。
○田説明員 いま御指摘のございました指定自動車教習所の問題でございますが、これは、先ほど交通局長から御答弁がございましたように、各種学校になっておるというようなものにつきましては、これは知事部局のほうの監督をその面から受けるわけでございます。御指摘のありました指定教習所の教育につきましては、私どもも非常に重要な問題を含んでおると考えます。したがいまして、今後警察庁のほうとも十分お話し合いをいたしまして、法令でできる範囲におきまして、御趣旨に沿うように努力いたしたい、こういうように考えます。
○岡沢分科員 総理府にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、いままで聞いておられたとおりでございまして、先ほどの交通局長のお答えにもありましたように、自動車免許資格の試験には、法令、技能、構造の試験がございます。しかし、交通道徳ということについては全然試験もございませんし、また指定自動車教習所の教習基準の条件にも入っていないわけであります。先ほど来申し上げましたように、交通事故の防止の必要性については、ここで重ねて申し上げる必要はないと思いますけれども、従来は道路の問題から、あるいは交通安全施設の問題から、あるいはまた取り締まりの問題から、あるいは罰則を強化するという問題から交通事故防止を論じられたようでございますけれども、私は年間二百万人、指定自動車教習所を経ない資格者を合わせますと年間三百万人に及ぶ新しい免許資格取得者に、交通道徳と申しますか、ルールを守るという、人の面での交通事故防止が従来忘れられておったのではないかと思うわけでございますけれども、これについていかがお考えでございましょうか。
○宮崎(清)政府委員 交通安全対策全般の立場から申しますと、運転者の資質の向上ということは何よりも望ましいことでございます。したがいまして、政府といたしましても、総合的な交通安全施策の一つの大きな柱といたしまして、道徳を含みました交通安全教育というものを強力に推進いたしたいと考えております。これの内容といたしましては、先ほど文部省からも御答弁がございましたように、学校におきます教育、それから地域社会におきます教育とあわせて、運転者の教育ということがその内容となるわけでございます。そこで、先ほどから交通局長もお答えしておりますように、現在の運転免許取得者の約七割が指定自動車教習所の卒業生でございますので、一般的に運転者のそういう面の資質を向上させるには、やはりこの指定自動車教習所におきます教育というものをさらに充実強化することが必要ではなかろうか、かように考えております。
○岡沢分科員 ここで交通局長も含めましてお尋ねといいますか、意見を述べたいのでございますけれども、従来指定自動車教習所の所管は公安委員会、警察庁のいわば専属的なものでございました。いま総理府なり文部省からお答えがございましたけれども、現実にはこの指定自動車教習所を出る二百万人のドライバーには、全く文部省も、総理府も目を向けておられなかった。それだけではなしに、新しく免許をとる三百万人の運転者全体について、いわゆる交通道徳的な面からの施策は、国として全くなされていないと申し上げてもいいくらいではないかと思うのです。先ほど文部省のお答えの中で、法令の範囲内でとおっしゃいましたが、法令の範囲内では、道交法の規定からいたしましても、試験の内容にも入ってないし、指定自動車の教習の基準にも入ってないし、現実には自主的に交通道徳教育を行なっている学校もないことはございませんけれども、いままであまりにも技術あるいは法令、構造等に重点が置かれ過ぎまして、交通免許取得者の人格と申しますか、人間性と申しますか、交通道徳を守るという点での教育が忘れられておったのではないかというふうに感ずるわけでございまして、二百万人の卒業生を出す指定自動車教習所の根拠法令としては、法律的には、道交法の第九十八条があるだけである。しかもこれによって二百万人の新しい運転者が生まれて、御承知のとおりの大きな事故、多数の事故で死傷者が毎年生まれておるという悲劇を繰り返しておる。道路の問題あるいは安全施設の問題、先ほど申しました取り締まりの問題、刑罰の問題も大事でございますけれども、やはり人の面についての制度上の改正も必要ではないか。時間の関係でこれ以上ちょうちょうすることは避けますけれども、やはり私は交通事故防止の観点からした場合に、従来忘れられておった運転免許取得者に対する、あるいはまた、更新時のドライバーに対してでもいいと思いますけれども、交通道徳教育というものをぜひ私は、単に警察庁にまかせきりにしないで——警察庁の場合は、どういたしましても取り締まりが対象でございます。また道交法のたてまえからいたしましても、基準に合うかどうかとか、監査とか、資格の解除とかいう問題はありますけれども、教育的な面は全くうたわれておりませんし、またその能力についても適格ではないと思います。そういう面から、私はぜひ文部省も、あるいは総理府も一体となられて、この二百万人の新しい運転者を生んでいく指定自動車教習所の制度については、大所高所から、場合によったら単独立法というような面からの御検討もしていただく必要があるのではないかと考えるわけでございます。 時間が参りましたから、終わります。
○森山主査 次に、大原亨君。 この際、まことに恐縮でございますが、大原君に念のため申し上げますが、質疑持ち時間は三十分となっておりますので、あらかじめお含みおきの上、御質疑をお願いいたします。
○大原分科員 私は、時間の範囲内で警察官の超過勤務手当の問題を中心にひとつ質問いたします。 警察官は国民の生命、財産を守る、人権を守る、こういうことが役割りですが、最近しばしば治安問題で大きな問題になっております。しかし善良な警察官は、駐在所や交番等の第一線で働いているわけであります。あるいは交通その他の整理や取り締まりに当たっているわけでありますが、やはり警察官のそういう生活や人権が尊重されないと、ほんとうに国民のための警察官というか、国民の人権を尊重することはできないだろう、こういうことを私は痛感するわけです。 そこで、警察官の超過勤務の実態あるいは超過勤務手当の実施の状況、これについて最初にお答えをいただきたいと思います。
○雨森説明員 御指摘のように、一線の警察官はなかなか忙しゅうございまして、超過勤務に及ぶことも相当あるのでございますが、全国的に全般的な調査をいたしましたことがいままでございませんので、ここでその実態につきまして、全般的な結果を正確に御報告申し上げることができないのでございます。 ただ、一部の府県につきまして調査いたしましたところでは、一カ月相当な時間、たとえば六十時間ぐらいにも及んでおるというような状況がございます。これに対します超過勤務手当の実施の状況でございますが、地方の警察官につきましては、地方財政計画で超過勤務手当の財源を確保いたしておるわけでございまして、一応一般の府県の県庁の職員の方々が、大体本俸、調整手当の総額の六%程度の財源になっておりますのに比べまして、警察官は捜査関係では一二%、それ以外の勤務では九%、かなり多く財源は見ていただいておるわけでございます。しかし、実施上いま申し上げましたように相当な超勤に及んでおりますので、これを全部カバーできるかどうかということにつきましては、かなり困難な点もあるというように聞いております。
○大原分科員 私が取り上げるのはこういうことなんです。私はある人から——これは警察官のおとうさんなんで、非常に勤務が激しいために病気になった、こういうことで非常におそるおそるというか、事情を書いてありました。つまり問題はこの中にたくさんあるわけですが、下級の第一線の警官は非常に超過勤務の時間が多いのに、上級者に比べて非常に超過勤務手当の支払われるのが少ない、こういう問題が一つ出ております。 それからこの文章から見、あるいはいろいろな私の知人等を通じて聞いてみますと、はたして超過勤務の実態に即して客観的な基準を設けて超過勤務手当を出してあるのであろうかどうか、これは基準があるのかどうか。こういう場合に、こういう命令を受けて仕事をした場合には、超過勤務を出すということは、これは国家公務員、地方外務員で直接には警官には労働基準法の適用はないわけですが、しかし労働基準法は最低基準ですから、やはり超過勤務を命ずる以上は、これに対して超過勤務手当を払うという基準がなければならない。人事院規則、条例その他でなければならない。そういう条例に基づいて超過勤務の際には超過勤務手当が払われているのかどうか。いまお話を聞きますと、一カ月六十時間ぐらいあるのもあるように思われる、こう言われるのですが、いまの九%というのを、いただいた資料で見てみますと、これははるかに及ばないと思うのです。十四五時間しかない、こう思うわけですが、その間のことは一体どういうふうに処理されているのか、こういうことです。
○雨森説明員 超過勤務手当の支給は、ただいま御指摘のありましたように、地方の職員の給与条例によりましてきめられておるところによって支払うことになっております。先ほど申し上げました数字は一人平均の数字でございまして、平均いたしますと一人一カ月十九・五時間あるいは十四・五時間程度になっておるわけでございますが、それぞれ勤務の非常に忙しいところとそうでないところがございますので、これが実施上は必ずしもこういう平均の数字ではなくて、非常に長いところには多く、また少ないところには少なくいっておる、こういう結果になっておると存じます。ただ、ただいま御指摘のありましたようなことは、超勤手当の支払いをきめております法の趣旨には全く沿わないことでございまして、そうしたことがないように、十分指導いたしたいと存じております。
○大原分科員 外国でありましたら、たとえばILOなんかで議論されるときには、警察官といえども団結権までは認める、団体交渉、ストライキ権は禁止する、こういうふうに国際通念として議論されるわけです。しかし、実際に意思表示をする道がないわけですから、私は日本の場合においては、その議論は別にいたしますが、実際に超過勤務を命ぜられる場合には、その裏づけがあるようにすることが基準法の精神であり、憲法の精神であり、そのことを守っておかないで、そうして法を守ることを国民に言うということは、今日のような民主主義の時代においては当てはまらないであろう。したがって、第一線のそういう僻地の農村やあるいは繁華街やあるいは生命財産——最近あんまり警察官に問題が多過ぎるわけですが、ピストル事件やあるいは無免許運転や酒に酔って運転をやったり、いろいろなことがあるのが非常に新聞種になっておるのですが、しかし、それは別の議論といたしまして、私はやはり一定の勤務に応ずるような、そういう裏づけのある超過勤務やその他の諸手当の措置をとることが、警察官を民主的に運営をしていく基本ではないか。そういう点をおろそかにしておいて、そうしてかりそめにも、上の者が非常に楽をして、そうしていばっていいことをしているというふうな、そういう不公平な印象を与えることは厳に戒めなければならぬ、したがって、警察庁としても、勤務の態様、実態を十分調査をされて、それに応ずるような財政的な裏づけの措置、納得できるようなそういう措置をとられることが大切ではないかと私は思うわけです。勤務の実態を調査されて、その態様に応ずる超過勤務の——超過勤務がないほうが一番いいわけですが、しかし、これは夜昼いろいろな問題が起きるわけです。生命、財産、国民の生活の中にはそういう問題があるわけですから、いつ電話が鳴ってくるかわからないし、あるいは事件が起きるかもわからないわけですから、そういうことの勤務の態様については皆さん方が熟知のとおりであるから、それをもう一ぺんこの際十分調査をされて、そうしてこれについては、当然の措置については公平な措置をとられることが必要ではないか、こう思うわけですが、これにつきましてひとつ御所見を伺わせていただきたい。
○雨森説明員 先ほど申し上げましたように、残念ながら超過勤務につきましての全般的な調査がまだ完全にできておりませんので、その勤務がそれぞれ非常に複雑になっておりますので、近く、調査の方法をよく検討いたしまして、十分実態をつかみ得る調査をいたしたいと考えております。
○大原分科員 それで地方公務員である一これはきょうは議論しませんが、別の機会で議論しますが、地方公務員である機動隊の職員に対しまして、国が超勤手当を出すということでいろいろ議論があります。法律的にもいろいろ議論があるわけです。これは政策的に、そういうデモやその他を規制するのが非常に大切であるから、そこでここへだけはたくさん出そう、こういうふうなかっこうで、いろいろな問題があるのに出されるというふうなことは問題ではないか。やはりそういう点では、法律のたてまえに従って、そうして公平にやって、かりそめにも、そのほうへいろいろな金がどんどん回るために、必要な、そういう仕事をしている第一線の、国民に最も身近なそういう警察官の活動が手薄になるようなことは絶対に戒護してもらいたい、そのことを私は強く要望し、私も関心を持って今後これのいろいろな研究や調査をしていきたい、こういうふうに思います。 それから第二の問題は、私は日本の警察官は、暴力団の警備については非常に積極的にやっている、この点は日本の警察官はかなりりっぱである。これはよけいなことをやっている、やらされているということはあるのですが、しかし暴力団については、なお問題はあるけれども、日本の警察はりっぱである。暴力団について根絶できないで、暴力団の言いなりになり、あるいは暴力団を背景とする政治勢力に屈するようなことがあれば、私は民主警察とは絶対に言うことはできない。そういうことは絶対言えない。特にそういう暴力団とか封建的なそういう親分、子分の勢力の中に政治勢力が入り込んで警察官の行動を妨害するというふうなことが間々あるわけですが、しかしそういうことは、私は断固として警察官はその方針を守って暴力団の検挙については当たってもらいたい。そういう基本方針に対する考え方と、最近の暴力団の状況、もう一つは検挙の状況等についてひとつお答えをいただきたい。
○内海政府委員 暴力団の問題についてお答えを申し上げたいと思います。 ただいま御質問がございましたように、私どもここ数年来、暴力団の犯罪あるいは暴力団の組織そのものを壊滅させるという目的をもちまして、全力をあげて暴力団に対する対策をとってまいったのであります。その結果、暴力団による犯罪も相当減少をしてまいりました。しかしながら、まだ実際の犯罪の面におきましては全部を絶滅するというところに参っておりませんのみならず、後刻御説明申し上げますように、知能的な犯罪というものはむしろ悪質化してだんだん大規模な形でも行なわれつつある、こういうふうに考えられるのであります。私どもは、暴力団に対しましては、単にその犯罪を押えるというだけでなく、組織そのものを壊滅させるということが最も大事なことでございまして、若干数字をあげて申し上げてみますと、昭和四十一年には百六十二団体が解散をいたしておりまして、それの構成員が六千三百余名、昭和四十二年になりましてからさらに五十七団体、約二千名の者がこれに入っておるわけであります。相当解散をしておりますけれども、なおかつ現在全国で、私どもが調査し得ているもので三千七百五十二団体、そういう団体に属する構成員と申しますか組員というものが十四万余名まだおるわけでございます。すでに御存じのように、全国的な規模を持って活動をいたしております柳川組などはその最も大きなものでありまして、多数の下部組織を持ちまして現在も活発に活動をいたしております。 これらの動向でございますけれども、私どものほうの非常にきびしい取り締まりによりまして、いわゆる組同士が対立して抗争をするとか、あるいは非常に悪質な目に見えるような犯罪というものは減ってまいりましたけれども、反面、非常に知能的な犯罪、たとえば恐喝でありますとか、あるいは金融事犯でありますとか、あるいは乗っ取りでありますとか、そういうふうなものがむしろどちらかといいますと増加の傾向にある。犯罪は巧妙化し、かつ複雑化してまいっておる。またこれらの、何といいますか、われわれの非常なきびしい取り締まりに対応いたしまして、いわゆる一般的な企業に進出いたしておりまして、たとえば金融業であるとか、あるいは不動産業であるとか、さらにタクシー業であるとか、あるいは飲食店営業、映画館の経営、土建業、さらに最近ではビル営業というふうなものにまで進出いたしております。これがこの組の一つの、何といいますか、資金源になっておるわけでございます。 また一方、政治団体と結びつく、あるいは政治団体を仮装するというふうな傾向が見えておりまして、非常に暴力的ないわゆる組織が一見政治団体であるかのごとき装いをいたしまして、そういう傾向が最近見えております。数字を申し上げてみますと、私どもで把握いたしておりますものが、本来暴力団であるものが政治団体を仮装しておるというものを四十一団体私どもは把握いたしておりますし、また、本来は政治団体として生まれたものと思いますけれども、非常に暴力的な色彩が強くなっているものが二十四ある。これらに対しまして私どもは、企業に対する徹底的な措置、あるいはそういうふうな本来政治団体でないにかかわらず政治団体を仮装して暴力行為を行なっておるこういうふうなものに対して、仮借のない取り締まりの措置を目下講じておるところでございます。
○大原分科員 四十一団体、政治団体を名のっている暴力団を背景とするそういう団体の名前、それから二十四団体を指摘されましたが、それを後刻ひとつ資料としていただきたい。あとでよろしいです。いまはいいですから。 それから、その暴力団の経済的な基盤で最近の特徴をあげられたわけです。金融業や不動産業や土建業やビル業。確かにそういう傾向が一つあると思います。それで私が特にこの際注意を持って一つ考えていきたいと思うのは、暴力団と麻薬との関係ですが、暴力団と麻薬との関係はどういうふうになっておりますか。
○鍛冶説明員 暴力団と麻薬との関係でございますが、これは実はだいぶ古い話になるわけでございますが、麻薬犯罪というものが日本でかなりの増加を示しましたのは昭和二十九年でございます。以後麻薬犯罪はずっと高い水準で横ばいの状況にあったのでありまするが、ちょうどそのころ覚せい剤使用の犯罪が非常に多く見られまして、この覚せい剤使用の犯罪というものが昭和二十九年を頂点といたしまして、その後覚せい剤対策によりまして覚せい剤犯罪が減少いたしまするまで、かなり見られたわけでございます。それで、この覚せい剤犯罪に暴力団が非常に関係しておったというような状況が見られたのでございまするが、この覚せい剤犯罪が三十三年ごろまでに逐次減少してまいりまして、これと対応いたしまして覚せい剤に介入しておりましたところの暴力団が麻薬に転向してまいったのでございます。三十二、三年ごろから暴力団が介在いたしまして大きな密組織となりまして、繁華街であるとかあるいはスラム街等において麻薬が使われるという事犯が非常に多くなりまして、特に三十七年から三十八年にかけましてはこれが頂点に達したというような状況でございます。このときに、暴力団が非常に大きな密売の組織となっておるということで、このような状況ではほっておけないということで国会でも麻薬対策強化に関する決議というものを三十七年になされておるのでございまするが、さらに政府は三十八年には麻薬取締法の三法を改正いたしまして、世論を背景にいたしまして警察はこれらの法改正と相まって強力な取り締まりをしてまいったのでございます。その後暴力団が介在いたしまする麻薬犯罪というものは非常に減るようになってまいっております。すなわち、昭和三十八年の麻薬禍の最盛期におきまする暴力団の麻薬事犯に関係いたしまして検挙されました数字は九百二十九人という多い数字であったのでございまするが、昭和四十一年におきましてはこれが五十二人に減っておるというような状況でございまして、最近では麻薬犯罪に関連するところの暴力団、密売組織としての暴力団というものはほとんど壊滅状態になっておる、かように考えてよろしいかと思います。
○大原分科員 いまお話しのように、昭和三十七年当時、国会で非常に議論になりましたし、総合対策についても国際的な規模における麻薬の取り締まりについても議論になりまして、これはかなり成績をあげていると思います。よく亡国病といわれる麻薬患者あるいは性病患者。性病のほうはこれは最近昭和三十五年ごろを中心にふえているというふうにいわれているわけですが、これと暴力団等についても議論をしたいわけですけれども、きょうは時間の関係もありますので、この点については私は問題提起だけにとどめておいて、将来機会を得てひとつこれらの問題のこまかい議論をいたしたいと存じます。 私が最初に申し上げましたように、きょうは第一線の国民に密着しておる善良なる警察官の勤務の態様については十分調査をして、点取り主義とかあるいは検挙主義ということではなしに、ほんとうに勤務の態様に合うような、そういう人権を尊重するような公平な措置をとるために実態調査をするということと、そしてそれらの問題について十分の財政的な配慮をするような、そういう関心を示されたい、こういうことを私は一つのことから痛感いたしましたので、この点を特に強調いたしまして、私の質問をきょうは終わります。
○森山主査 次に、島本虎三君。 島本君に申し上げますが、持ち時間の残りは七分でございますので、その点をお含みの上、御質疑を願います。
○島本分科員 開発庁長官に、あと余す時間がございませんから、ほんとうに端的に私はお伺いしてまいりたいと思います。 それは先ほどから申しましたように、現在までのような状態で民間にこれを落としましても、採算が合うというような見通しは、いまわれわれが調べたところでは立たないのであります。立たないのをそのままやるということは、結局はそれに携わる従業員を首にすることと同じような結果に相なってしまうのであります。私はそういうような場合にはこれは重大だと思います。したがって、今後見通しとして採算の合うりっぱな解決、民間に委任してもいいというような案がいつ出せるのか、これもはっきりしていただきたい。それが一つであります。 もう一つは、そういうようにして、もし民間改組にあたって責任ある処置をとるとするならば、この社員の身分の保障を完全にしてやらなければならない、これがやはり責任だと思います。したがって、そのためには人員整理を行なわないことの確認もあるでございましょう。それからまた職場の保障は当然でございますけれども、これは言われなくともやるのですから、あるはずです。 それともう一つは労働条件、これも十分考えてやらなければいけません。保障してやらなければなりません。それと転職するにあたってのいろいろな問題があります。退職金、年金、こういうようなものの継続するような問題も解決してやらなければならないのじゃないか、こういうような点を十分配慮した上でないとこれはできない。 まず、りっぱな案であるということが一つ。この案はいつ出せるか。もし民間に改組してこれを全面的に落とす場合には、いま言ったような条件を十分兼ね備えてやらなければならない、こういうように私思いますが、これについて、時間があまりございませんから、ひとつ端的に長官の誠意ある御意見を伺いたいと思います。
○木村(武)国務大臣 民間に移行した場合にどういうような運営方針をとるかということは、いま開発会社のほうで鋭意検討中であります。私の大体承知しておる範囲内におきましては、二つの会社をつくるというような案を持っておるようであります。私は大体それでいけるのじゃないか、こういうような気持ちを持ってはおりまするけれども、万一の場合、いけないときには、やはり島本さんのおっしゃいましたとおり、事後の処置を講じなければならないと存じております。その際において一番大切なことは、何と申しましても、十年間その職場で働いておいでになりました方々に対して非常な不安を与えたのでありまするから、自後不安を与えないような立場でものを考慮してみたい、こういう考えなのであります。したがって、残られる人々に対しまして、残られる会社がほんとうに生活していけるように、北海道開発庁長官といたしましてはあらゆる手段、方法を講じてみたいと思っております。 それから、やめられる方が出ました場合においては、それに対する退職手当の問題なんかも十二分に考慮しなければならないと思っております。そして他に就職を求められて、われわれが責任を持たなければならない問題は全責任を持ってこれは解決したい、こういう考えでおります。私のものの考え方は、やはり今日までそこに働いておいでになりました従業員の人々の生活を主にして考えております。ただ、いまの経営者の方々にそれだけの能力があってくれたならば非常に幸いだと念願いたしております。
○島本分科員 私はそういうような答弁は前から再々聞いておりました。しかし、この際長官に、あくまでもその誠意を期待いたします。いままで長官として、大臣として、歴代の一あなたじゃございません、あなたも含みますけれども。しかし、どうしても特殊法人として、国策会社として落としておきながら、これは十分業績をあげ得なかったと、こうおっしゃいますけれども、あげられないような仕組みにしてあった。この仕組みをとらなかった責任は大臣にある、こういうふうに私は思っておるわけです。特殊法人として、事業の範囲の限定であります。これはもう多角経営は一切させておりません。それと同時に会社法の附帯決議があって、民間中小企業を圧迫しないということにして営業活動が制限されておる。そのほかに許認可事項がありまして、官庁の許認可が必要で、そのために臨機の措置がとられておらない。それと大臣報告、会計検査報告、こういうようなもののために特別の人員を配置して管理費の増になっておる。こういうようなことが数々あるわけです。臨機応変にいっておりません。したがって、これと同じようなものをやったならば、まただめであります。だめでありますから、そうでないりっぱな案を早く出すべきであります。もし案としても同じような経営、同じような方法であるならば可能性がない、こういうふうに思いますから、この点は私は長官に勧告しておきたい、逆にこういうふうに思うわけでございます。願わくばこれは十分に予算をつけて、北海道の資源開発のために十分後世にその資料を残し得るように、経営陣を新たにしてそういう仕事を堂々とやらせるようにすべきである、そして閣議をもう一回変更させるべきじゃなかろうか、私はそういうように思います。しかしながら、これもいろいろ問題があるとするならば、他の公社、公団に行きたいという人——長官も考慮すると言いますけれども、たくさん技術を使える公社、公団はありますから、その辺も十分配慮してやる、こういうようなことにして、この問題は解決すべきじゃなかろうかと私は思います。長官の御意見を伺っておきたいと思います。
○木村(武)国務大臣 島本さんのおっしゃったことは一々ごもっともでありまして、指導監督の不行き届きだけは何と責められましてもおわびする以外に方法はありませんです。したがって、自後の処理の問題につきましては、この委員会でこれだけの話し合いをして終わるというものではありませんから、これからもあなたの力をおかりいたしまして万全を期してまいりたいと考えております。何と申しましても生活が何よりも大切である、それを守ってあげなければならない、こういう気持ちでこの問題と取り組んでまいります。
○島本分科員 最後に要望があります。もう時間ですからこれ以上できないのです。これはやはり金をつけるか、公社、事業団に行きたい人に十分手を施してやるか、そして残ってやる人にはやらしてやるか、この三つ以外にはございません。これを十分そつなく行ない得るようにしていただきたいことを最後にお願い申し上げます。この決意を私は承ってやめたいと思います。
○木村(武)国務大臣 全力を傾倒して、不安を与えないようにしたいと存じております。
○島本分科員 これで終わります。
○森山主査 次に、山中吾郎君。
○山中(吾)分科員 私は予算委員会の総括質問で、明治百年のことについて十分に長官からその意図をくみ取る機会なしに終わっておるし、この明治百年というのは、これからの日本の国民に対する一つの社会教育でもあるので、その趣旨を明確にしておく必要があり、非常に私にとっては重大なものだと考えておるので、その点明確にしておきたいと思い、あえて取り上げておるわけであります。 まずその前に、私申し上げておきますけれども、この明治時代というのは、日本の近代化をするためには、通過しなければならない必然的な過程であったということは、私は十分認めております。また戦後二十年における敗戦から立ち直った力も明治の遺産であるということも、私は確認をしておるのです。しかし、これからは現在のこの平和憲法によって打ち立てられた、この国民によってささえられた民主主義、平和主義というものに、政治家が自信と責任を持って、具体的に日本の進むべき道を国民に示さないと、これは国民自身がいたずらに、その目標をとらえることができないで、いまのように世相の退廃が来たされておるのであるから、政治家の責任は重大であると思うのです。そういう意味において、この明治百年に対する政府の考え方が明確でない、あるいは十分に検討してないままに、思いつきでこれが実施されるということについては私はまことに遺憾であると考えておるので、あえて、おそくなりましたけれども、長官からの御意見をお聞きしておきたい。 その要点は、明治百年は、明治八十年、戦後二十年の間に断絶がある。旧憲法、君主主権制の国家体制と、国民主権の国家体制の中に断絶がある。その断絶を、日本の歴史の中において、連続性をどういうふうにとらえて、そして現在と今後の日本のあり方に対処するかということを明確にしておく必要がある。この明治百年についての政府の行事の中に、明治八十年の記念をし、そしてこの新憲法をどういうふうに生かすように考えて、これが企画をされておるか、それを明確にお答え願いたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。 先般申し上げましたように、この明治百年の記念行事をいたすにあたりまして、一つの史観、一つの哲学というようなものに立脚いたしまして、この百年を祝するというのではございませんので、さような意味から、ある特定の人物なりある特定の事件を対象にいたしておらないということは、よく御承知のとおりであろうと存じます。しかもこの明治百年というものは、政府がまずイニシアチブをとってやろうというよりも、各界各層におきまして、明治百年というものを何らかの記念行事をしたいという、ほうはいたる世論にこたえて、この行事をいたすわけでございまして、さような関係から明治百年の準備会議というものをごらんになりましても、各界各層からの方々に集まっていただきまして、何をするかということそれ自体も、その準備会議においてきめたわけでございます。 そこで、ただいま御質問のような、いわゆる封建制度を脱却した、そうして新興国家になりました前期八十年、あるいはまた敗戦という未曽有の苦杯を喫して、そうして国民主権に切りかわりました二十年、こういうふうな一つの考え方ではなくて、むしろその百年前、その間におけるわれわれの先輩なり何なりが、あの一小独立民族国家というものを築き上げて、そうして伸びてまいりました過去の足取りというものを、ほんとうにその繁栄を心から祝い喜ぶ、と同時に、またその間の経験に対しては、あるいは反省もし、あるいはまたさらにそれに対して景仰する、顕彰するということは当然であろうと存じます。繰り返して申しますが、一定の、一つの史観に立ってこの行事を見ておらない。ただその過去百年の先輩の輝かしい業績をほんとうに感謝し、また発展を心から祝うというのがこの百年の行事の根本でございます。
○山中(吾)分科員 長官のお答えは、何も考えがないという答えに私には聞こえるのですよ。それは現在一つの憲法によって国民がいま生きておるわけですから、そして政府は、九十九条ですかによって、憲法擁護の義務があって、ここを起点として明治百年をお考えになるのですから、そのイデオロギーとか哲学ということは、それはもちろんいいです。この憲法をどう生かすかという目的が明示されてないと、今度の予算に計上された政府の主催の行事なんですから、民間じゃないから、この憲法というものをどう生かすかということが意図に入っていないならばこれは明治百年、政府の行事にはできないのではないのですか。そこのところを明確にされないと困る。
○田中国務大臣 民主政治でございますから、民主政治は多数の方々の意思によって政治をし行政をしてまいるのでございます。そこで、ちょうど振り返ってみまして明治百年、この輝かしい足取りをみんながお祝いしたいというその気持ちをくみ取って、政府といたしまして、その行事をいたすこそ、ほんとうの民主政治を具現したものだ、私はかように考える次第でございます。
○山中(吾)分科員 輝かしい明治、明治と言いますけれども、明治の終着駅は大東亜戦争の破局で終わってしまっておるのではないのですか。この論議を長く続けてもしかたがない。長官は、それで自分でおわかりになったように思っておられる。私はまことに残念なんですよ。明治時代の輝かしきものをお祝いをする、あと何もない、そのことがイデオロギーもない、哲学も前提としていない一これは私の答弁になっていないので、政府が国民の税金によってお祝いをするこの明治百年は、明治以来からのいいところ、それからまずいところを教訓として受け取って、この行事を通じて、この憲法の、新しい国の進む道をどう生かしていくかということの御説明がなければ、私に対する回答にはならない。むしろそうでなくて、ただ輝かしい部面あるいは天皇主権というイメージだけをお出しになるならば、ある意味においては、憲法違反行事といういわゆる極論をもって批判をするという者も出てくると私は思うのですよ。それについてどうもお答えにならないようで、何回聞いても同じようにお答えになるようでありますから、一応行事について、なお私お聞きしたいと思うのです。 私は、この記念行事及び事業を見ますと、ここから見ますと、どうこの憲法を生かすか、明治百年の催しの中で、この新憲法の精神をどう生かしておるかという点が見当たらない。どうしても見当らない。その行事の中で、この憲法の精神が、明治百年を顧みたあとどこに生きておるかということを、一、二例をあげてひとつ御説明願いたいと思います。
○田中国務大臣 私が申し上げておりますことは、この過去百年間の輝かしい足取りと申しましたが、たとえばおかごで行き、人力車で走っておったものが、これが汽車ができ電車ができ、高速鉄道ができ、そうして世界にまれなような近代国家を完成したこの過去百年というものは、私はたいしたものだと存ずるのでありまして、それをつくり上げました日本民族というものの、そこには大きな過去の先輩の業績がある。その間に、あるいは戦争があり、あるいは敗戦の苦杯をなめましたが、それからわずか二十年で、世界を驚かすような、こういうふうな回復もいたしております。でございますが、先ほど申し上げたように、これは国民の中からほうはいとして、この百年をお祝いしようということにこたえての行事でございまして、政府が行ないまする記念の式典以外は、各県におきましても各団体におきましても、おのがじし、そのお祝いをいたすわけでございます。ただいまお話が出ましたような、この新憲法に基づきますお祝いを、反省をいたしたいという方は、またその姿においてお祝いをしていただいたらよろしいのでございまして、やはり国民おのおのが、ほんとうに喜びと過去の先輩の業績を誇りとして、新しい百年をこれから創造してまいりたい、これがこの記念事業の根本の考え方だと私は存じます。
○山中(吾)分科員 事例をあげてと申しましたが、おあげにならないでお答えになっておるし、私はほんとうは情けないのですけれども、この点については、同じようなことを繰り返しません。ただ私は、いま国会論議というものが、いろいろな論議をしておっても、非常にむなしく思っている人間なので、せめて具体的に、日本の今後のあり方について、こういう明治百年祭をやるとき、やる責任者だけはもう少し責任を持った、明治百年に対する一つの考え方を持って、国民に訴えるような迫力のあるものを出すべきであるということを念願しておるので、その意味において、長官のお答えについては、涙が出るほど私は情けないと思うのです。ただし申し上げません。 ただ、いままでの中で、私は朝鮮民族その他の民族から考えて、この百年をどう見ておるかということをいろいろと考えてみた。そこで総括質問のときに、朝鮮民族は屈辱百年ということばで、日本の民族がいい気持ちになって明治百年の光栄をたたえておるということを、向こうで言っていることも聞き、大蔵大臣に、せめて千円紙幣の伊藤博文を、幣原喜重郎氏に変えたらどうかというサゼスチョンの提案をしながら、ある程度の啓蒙をするつもりで言ったのであります。また中国からいえば、日清戦争以後、われわれからと違って、向こうからいえば、侵略をされた五十年、沖繩に対しても、沖繩の人はどう思っておるかということを、総括質問の際に、私は疑問を出しておいた。そうすると案の定、きのうの新聞を見ますと、お祝いに青年の船をつくって東南アジアを見せたが、おまけに沖繩まで立ち寄っておるようでありますが、NHKの一〇二のあの朝七時三十五分からの放送で、青年の船から帰ってきた青年諸君の話を聞き、それを批判をしている、テレビ批判の新聞ですが、こういうことを団員が語っておる。さくら丸がデラックスなので、そんな余裕があるならば、もっと実質的な援助をしてくれたほうがよいと言われたとか、沖繩の人たちは親善訪問を単純には喜んでくれず、話し合う機会も十分に持つことができなかったという発言で、青年諸君が沖繩に行ったときの沖繩の人々の受け取り方を反省をしておる、こういうことが出ておるのです。私は最初から心配をしたのです。そういうことをお考えにならないで、一人よがりに明治時代の光栄だけをたたえて、そして日本民族が隣人の同じアジア民族にいろいろの武力侵害をし、また自信過剰から大東亜戦争で破局におちいったという方面の反省、そして三百万の同胞の犠牲のもとに生まれたこの憲法に対して、真摯にこの憲法を評価するということを考えないで、いまのようなおことばでは、まことにまことに残念である。その点はわれわれ政治家全体として、もう一度考え直すべき段階にすでに来ておると思うので、田中長官に対して、私はもう少しまじめに日本の具体的な道について考えていただいて、この行事を立てるような場合には、確信のあるところを持っていただきたいと思います。私は、これはこれで終わります。 行事についてお聞きいたしますが、これは農業祭あるいは豊漁祭、商工祭、明治百年記念大芸術祭あるいは高齢者のいろいろの調査、あるいは明治天皇に対する伝記の編さん、森林公園明治の森等等書いてありますが、これは懐古的なものばかりなんです。どこか未来に向かった姿勢が出ておるかと見ましたが、なかなかそういうものがない。それについてお答えにならないからけっこうでありますが、一、二これについて私の見解を述べながら、御意見も聞き、是正すべきものはしていただきたいと思います。 明治百年記念事業の中に、歴史博物館、民族博物館の建設がある、これは賛成であります。しかし一方に今度の予算を見ますと、国立博物館、国立美術館の入場料の値上げがございます。わずかな財源でありますけれども、そういう一方で値上げをしておって、今度は歴史博物館をつくる、つくったあとは、運営については入場料でまかなえというふうな思想で、いま明治百年記念事業として、こういう民族の文化を普及し保護する博物館を設定しても、それ以前に、博物館そのものに対する思想が不在である、そう思うので、バランスがとれていない。そこで私はお聞きいたしますが、文部省の文化局長は来ておりますね、国立博物館、美術館の入場料がどれだけ上がって、そしてその上げた分の財源は幾らなのか、簡単に説明をしてください。
○安達政府委員 現行の国立博物館と国立の美術館の観覧料は、現在おとなが五十円、団体の場合は四十円ということになっております。これは昭和三十四年ごろに設定されたものでございますが、その当時の物価の関係を考慮いたしまして、現行の観覧料の決定のとき、すなわち昭和三十四年との消費者物価指数の伸びを考慮いたしますと、三十四年のときの一〇〇に対しまして一五六でございます。そういうような諸般の情勢を勘案しまして、おとなの観覧料の一般五十円を八十円に、そして団体は四十円を五十円に改正する。ただしおとな以外の学生生徒、児童の観覧料につきましては、青少年に対しまして芸術鑑賞の機会を容易にするという見地から、据え置きということでございます。これに伴いまして、この六つの館を通じまして、入場料収入の増は二千二百万円でございます。
○山中(吾)分科員 たとえばフランスのルーブル美術館などは学生生徒は無料、休日その他はたしか無料ですか、私も向こうに行ったことがありますが、日本の博物館のようではなくて、自由に模写を認め、家族がそこに行って、家庭教育の機会に使ったりして、ほとんど民衆に開放されておる。アメリカの博物館その他もほとんど無料である。そのときにたった四十円、五十円を、物価が値上がりした、こういうときにスライドして八十円にする。学生はそのままでもですよ。そしてその財源は、国立博物館だけで入場料を値上げしたために三百万ですか。美術館が何か五百万ぐらい、そんな財源を捻出して——こういう博物館の入場料値上げなんてみみっちいことをなぜする、こんなものを……。大蔵省の主計官おられますか。一体予算編成をするときに、一率主義で、ものに対する何らの価値観を持たないで、財政硬直化というと、たった数百万円を値上げして、一般の国立博物館、美術館を見る人に値上げをする。物価スライドだ。そんな価値観のない予算編成って一体どこから出ているのか、私は情けない。一方にこういう博物館を——明治記念事業として、歴史博物館を一方につくるくらいなら、むしろただにしてやればいいじゃないですか。学生は無料だ、そういう考え方をどうして大蔵省の主計官はお持ちにならない。こういう小さいことだから、おそらく主計官の判断できまったことでありますから、大臣は何でもない。一ぺんあなたの御意見を聞きたい。
○小幡説明員 この問題は、実は大蔵省としましては、歳入予算の見積もり調整という立場から関与しておりますが、文部省、経済企画庁その他関係の機関と十分御相談して、そうした次第でございます。もちろん先生のおっしゃる趣旨もわかりますが、何ぶん現在の入場料は三十四年からずっと据え置かれておりまして、大体こういう施設の利用者が施設の維持運営費の一部を、少しではありますが、ある程度負担していただくということはやむを得ないのではないかと思っておりますので、維持運営費が三十四年以降相当増額しておりますし、また内容もいろいろ充実を見ております。それからまた、先ほど先生は、四十三年度における博物館の経費が少ししかふえないじゃないかとおっしゃいますが、美術館、博物館全部合わせますと、収入増が平常展の場合、大体千三百万円ばかり見込まれるわけでございますが、これに見合う程度の内容の改善は、予算で措置しているつもりでございます。 それから、先ほど文部省から御答弁がありましたように、おとなだけを今度上げまして、学生とか児童生徒の料金は従来どおり二十円、三十円と低額に据え置いておりますし、また諸外国の例を見ましても、ルーブル美術館その他いろいろ比較しまして、(山中(吾)分科員「ルーブル美術館を言ってください」と呼ぶ)ルーブルはおとな七十三円でございます。もちろんこれは一フランでございます。一フランでございますから、換算いたしますと七十三円くらいになるわけでございます。これはおとなの例でございますが(山中(吾)分科員「学生生徒は」と呼ぶ)その辺の資料はちょっといまございませんが、その他各国を見ましても、おとなの場合で比較いたしますと、必ずしも今回の改定が高くなり過ぎるということもございませんので、まあこの程度の改定の場合は、やむを得ないものとしまして、御納得いただけるのではないか、こういうふうに考えた次第でございます。
○山中(吾)分科員 主計官、ぼくは非常に情けないと思うのですよ。たった千三百万なら、そんなけちくさい、千三百万を一その分何か修繕その他施設を充実するから、その分は入場料で何とかしろ、そんな、だから思想不在だと私は見る。平和憲法を持っている日本の国の、文化国家を主張する予算編成の方針に、一つも入っていない。それで、文部省も、そんなことで値上げをいたしますなんて、そんな考え方を持っているから、日本の文化政策が一つも進まない。これが大きい日本の財政に影響するような問題なら、ぼくはこんなことは言いませんよ。非常に小さな問題だけれども、こういう編成のものの考え方の中に、いわゆる憲法感覚がない。憲法感覚がないからこういうことになる。全体がみな憲法軽視の思想があるから、こういう予算編成が依然として続いて、施設、設備を充実するから、その分だけは入場料で出せという思想が、何らの反省をする余地もないような常識中の常識だという考え方で、ずっと慣行がそのまま継続をしているということはまことに遺憾である。いまルーブル美術館の話が出ましたけれども、あれだけの膨大な、あれだけの大きな世界的なルーブル美術館でも一フラン。そうして学生生徒がただなことを主計官は言わない。むしろゼロにしてやる方向に、予算編成を改善すべきではないのですか。そういうのが一方にあって、今度はここに博物館がまた開設をされてくるのですけれども、これも一体その入場料をどうするか、あとは大蔵省がだいぶ値上げをして、高い値をつけるのだろうと思うのですが、それならもうつくらぬほうがいいじゃないか。そういうバランスのとれないことが、こういう中にも私は出ていると思うので、明治百年を、昔の明治百年に対する一つの回顧と同時に、明治百年という近代化の超スピード化されたあの力は日本の教育の力だという一つの観点があるならば、その博物館をつくったときに、同時に一方の予算についてはそういう入場料値上げをしないという考えがあり、そうして入場料というふうなものがもっと安い方向に発展するという前提があってこそ、私は前向きの行事だと思うのであります。その点も、こういうものを持ってきて、内容を分析すると何もない。私は非常に遺憾に思うのであります。 そこでいま一度主計官にお聞きいたします、将来のことを。こういう文化施設の入場料は、物価と同じように上げるとかいう思想でなく、できるだけ学生生徒を少なくして、最後はゼロに持っていくのだというふうな思想で予算査定をさるべきであるから、そういう考えで今後してもらいたい。その点についての御答弁を聞いて、次に移りたいと思う。
○小幡説明員 先ほど少しことばが足りなかったのでございますが、現在の入場料で、博物館、美術館の経費を一切まかなえということではございませんで、もちろんなるだけ低額であることが望ましいのでございますが、現在全体の経費の大体一割程度になっているわけでございます。それをそう言わないで全部無料にしろという御意見でございますが、しかし、やはりこういった施設はそれぞれ相当大きな役割りを果たしておりますので、それぞれの役割りに応じまして、利用者がある程度負担するということは、やむを得ないんじゃないかと私どもは考えております。
○山中(吾)分科員 学生、生徒、これはもう近代国家、先進国家の常識ですよ、そういう人たちを無料に持っていくというのは。まあそういうことを言われるんで、これはまたあなたと対話をしたいと思いますが、一ぺん思想を変えなさいよ。いまのような日本の憲法の精神を頭に置いて予算編成をするように、やはりこういうわずかな財源問題の場合については、それはお考えがなければ明治百年は懐古趣味にすぎないということにもなるので、次の機会に主計官と私は対話をしたいから、これはその意味において保留をしておきます。 そのほか明治の森というものが出ておるのですが、明治の森をつくる、ただそれだけならば、昭和に生まれた人から文句が出るんじゃないか。あるバスの中で高等学校の生徒が対話をしていて、明治百年というのはわれわれに対して無礼だ、昭和が四十何年もあるのにどうした云々というような対話があったということが新聞の記事に載っておりましたけれども、ただ明治明治と言ったって、いまの若い人は失礼だと思っている。それは別として、それならば、この憲法のつなぎをもって明治の偉大さをたたえることはけっこうである。しかしまた、その失敗の結果生まれてきた新憲法というものに、どう断絶しながら連続せしめるかということを考えたならば、なぜ平和の森というふうなイメージの森をお考えにならなかったかと、私はまことに遺憾に思うのです。おそらくこれは農林省、林野庁の発想かと思うのですが、それはいずれかわかりませんけれども、こういう明治の森をつくるなら、平和の森もおつくりになったらどうか。これは長官、何かこういう決定の過程の中に論議でもあったのかどうか、それだけはお聞きしておきたいと思います。
○田中国務大臣 準備会議の過程のいろいろな議論の問題につきまして、責任の局長がおりますので、当時の話をひとつお聞きいただきとうございます。
○岩倉政府委員 お答えいたします。実は賞勲局の担当というわけではございませんで、私が兼任の官房付という立場でこの仕事の担当を命ぜられましたので、この準備会議の庶務を担当いたしておりました関係上、お答えいたします。 明治の森という名前の明治でございますが、実は準備会議の際に、明治以降の急速なるわが国の近代化に伴いまして、自然が非常に被壊されておる。特に戦後著しく高層建築というものが櫛比いたしております。大都会には人口が集中しておる。ところが青い緑がすっかり失われてしまった。しかし、私も大正生まれでございますので明治時代のことは存じませんけれども、早稲田大学のありますあたりには、昔はたんぼであって、カエルが鳴いておった。そういう自然の環境を取り戻そうではないか。そういう意味で明治の森という、明治というイメージがあらわれたのでございまして、これは準備会議の先生方がこういう名前をおつけになった、そういうわけでございます。
○山中(吾)分科員 あなたは大正の生まれだが、準備会議の委員は、全部明治生まれの六十をこえた人ばかりだろう。そうでしょう。だから明治のことしか出てこないのです。明治の記念事業で国土がそういう状況になるのならば、その森はいいのです。しかし、平和の森くらい、一人か二人そういう発想が出ないようなところに、この明治百年というところの問題がある。 たとえば、明治時代の人が江戸三百年記念行事を構想したときに、徳川家康が幕府の実権を握ったというときに、徳川家康の伝記をつくったり、家康の森をつくったりはだれもしないだろうと私は思うのです。いまこの時点において明治百年記念行事をするときには、この時点でいわゆる前向きの構想をし、発想をするというのが普通なのであるけれども、ちょうど明治の一定の時期に江戸三百年祭を開くというときに、徳川家康とか何かのそんなことばかり考える、それと同じような行事しか出ていない。これは憲法不在の行事であって、私は、その意味においては国民の税金をもって主催する行事は憲法違反行事であるとさえ、皆さんに批判をしておきたいと思うのであります。政府自身に憲法軽視の体質があるからこれはこういうことになるのだろうと思って、私はまことに遺憾である。国民の合意を求めるのはもう憲法以外にはないので、いまのようなやり方をしておれば両極化して、クーデターの道しかない。もう少し総理府においても、こういう行事を考えるときには、やはり国会において審議をした——アメリカのサゼスチョンはあったところでも日本のわれわれが受け入れた憲法を源泉として、政策も構想も国民教育の目標もここから出発をしなくてはならぬと思うので、ひとつ政府に対して私は厳重に批判を申し上げます。田中長官の答弁は得ても大体前進しないようでありますから、申し上げておきます。 次に一点だけ、なお行事に関連をしてお聞きしたいと思うのですが、この記念行事の中で、日本文化研究国際会議その他の議事録の刊行、そういう国際的行事もあるようであります。これは私は賛成であります。実施主体がユネスコであるようでありますが、私は、こういう機会に、アジア全体がヨーロッパの植民地政策の中で貧困と無知だけを残されて、ようやくいま民族独立運動で立ち上がっておるときであるから、また日本も罪滅ぼしの意味をもって、アジア国際友好大学というふうなそういうイメージで、何かこういう機会にこそ国際大学を構想してはどうかと思っておったのである。灘尾文部大臣は、経済協力ばかりでなくて教育協力をすべきだという意見も述べておったようでありますが、そういう構想がないことはまことに遺憾に思いますので、ユネスコの——ここにおられるようですが、これは文部省、総理府及びユネスコも、こういう平和友好国際大学というふうなものを構想することを、提案を含んで、私は明治百年の一つのこういう機会に考えるという意思がないかということをお聞きしたいのでありまして、長官、それからユネスコの責任者の人の御意見を聞いておきたいと思います。
○田中国務大臣 お答えいたしますが、大学教育の新設というようなことも非常に重大であろうと存じます。御案内のとおりに、準備会議におきまして大体各方面からいろいろな意見が出まして、それで一応行事の内容は決定をいたしておりまして、さらにまた、その行政官庁なりあるいは自治体、公共団体、自分でできますことはまたそれらの団体がおのおのやるというふうに相なっておりますが、山中先生のただいまの御高見は拝聴いたしておきます。
○伊藤説明員 山中先生のアジア友好大学の構想につきましては、昨年もお話をちょっと承ったことがございますし、私たちも、文部大臣もアジアの教育協力につきましては御関心も深いのでございまして、こういった形の協力のしかたということも考えなければいけないんじゃないかというふうに私は考えておりました。しかしながら、これは実際に国際ユネスコ大学と申しますか、というものを具体的に考えていきます場合に、こういったケースがいままでユネスコでも取り上げられておらなかったこと、それからまた、経費も非常にかかるんじゃないかという点もおそれられております。したがいまして、こういった構想の具体化につきましては、非常な難問題をかかえているわけでございます。ただいま国内委員会といたしまして、こういった面でやっております仕事は、たとえて申しますと、工業大学に大学院程度のコースの化学工学というような分野につきまして、アジア並びに世界の発展途上国から人を集めたりいたしまして、研修をやったりいたしております。また印刷技術につきましても、そういった研修コースを持ちましたり、教育の調査研究という面につきましてもコースを持ったりいたしております。現在、日本におけるそういった大学並びにそれに類する研究機関におきまして、そういう形で国際協力をする。アジアの人にも、そういう形でこの日本の、たいへん差し出がましいかもしれませんが、進んだ科学技術とか、そういったものを学んでもらうという体制が現在の具体的な考え方でございまして、ここにおきましては、英語等を一応教育語といたしまして教えているわけでございます。ユネスコ本部におきましても、こういう施設のやり方というのは、現在世界で二十一こういう機関がございます。国際大学院のコースと称しておりますが、現在こういったものを拡充していく段階でございまして、まだ機は熟していないんじゃないかと思っておりますが、しかしながら、先生の御承知のように、昭和四十一年にはタイのほうからユネスコの協会に向けまして、国際大学、これは厳密な意味の大学というよりも、アジアの諸大学間におけるリンクをするクリアリングハウスのような、あるいは研究の結果を持ち寄るコースというものを中心にいたしました大学でございますが、そういった提案をいたしました。これに対しましては、日本政府も、当時中村大臣が御出席で、御協力を約されまして、このプロジェクトが、やはりそういった——いま申しましたユネスコの本部の大勢は賛成しつつもなかなかむずかしいものですから、まだ具体化に動いておらないのでございます。しかし、私たちこういう情勢を踏まえまして、今後研究させていただきたいと思います。
○山中(吾)分科員 アジアの民族に対するそれくらいの雄大なる教育的な熱意を持つことが、大東亜戦争における異民族への罪滅ぼしであるし、文化的にアジアの民族に影響を与える。そういう世界的な夢を国民が持つようでないと、日本の民族はしぼんでしまうと私は思っておるものだから——思いつきじゃないのですよ。富士のすそ野であろうが、筑波であろうが、やはり日本が国費をもってアジアの民族の文化の向上のために国際大学をつくるくらいのそういう構想が、この憲法にこたえる道だと私は思っておるのです。時期が熟さないからどうだというよりも、やはりユネスコの精神を普及する立場からは、そういうムードをつくり、努力をするという姿勢が、批判的でなしに、私はほしいと思うのです。 そこで、この間も三木外務大臣は、国務大臣としても、外務大臣としても、私は努力をいたしますと私に答えておる。文部大臣その他に聞く機会はないですけれども、ユネスコ自身がもう少し積極的にならないといかぬと思うのです。 そこで私が思うのは、いま英語という話になったけれども、私は現在のアジアの民族は、一つの国家の中に、日本のようにもう単純に統一された一つの母国語というものに恵まれた国は少ないので、植民地時代においては、その支配をした国の、英国の植民地は英語、フランスの植民地はフランス語を公用語に使い、一方に他民族であるから、数カ国の国語をもって、そうして多くの外国語に類するような多様の国語をもって国を形成している。そういう実態を思うときには、幸いいまあるエスペラント語などを教育用語にして、そうして日本の国語をもって教育すればやはり日本が大東亜共栄圏のように権力支配という不信感を持たれるので、この機会に一つの共通用語としてエスペラント語を教育用語にして国際大学をつくり、ほんとうのアジア民族の共通の広場をつくり、ヨーロッパ共同圏と同じようにアジアの共同圏を考えるくらいの雄大な教育理想を持った国際大学のイメージを出すべきではないか、そういうように私は思うのですが、せめてユネスコの責任者はそれくらいの考えをお持ちになってしかるべきだと思うが、どうですか。
○伊藤説明員 激励を賜わりまして、さように感じている一人でございますが、先生のお話しのエスペラント語につきましては、アジアの特に高等教育機関を考えるような場合には、これを教育語にしたらいいのではないかというお説も承っております。われわれ国際会議等に出ましても、日本語というのは使われませんし、あるいはアジアの諸国民の土着語というものは生きておりません。したがいまして、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語が国際語として現在ユネスコでも認められております。アジアの人たちと手を握っていくという私たちの基本的な態度で教育、科学、文化、ユネスコのこの三つの大きな分野につきまして、ひとつ大いにやっていきたいと思っております。エスペラント語につきましては、普及度がまだ非常に伸びておりません。それで、これを普及さすことにつきましては、NGOと申しまして、ユネスコの友誼団体というのが、御承知のように、ございますので……。
○山中(吾)分科員 あまり長くなくていいから……。
○伊藤説明員 それでは、これで……。
○山中(吾)分科員 これでもう終わりますけれども、もう少しユネスコの責任者はロマンを持つべきだと思うんですよ。あまりそう事務的に考えなくて、やはり新しい世界の歴史を文化的に進めていくというのがユネスコの精神でしょうから、総理大臣級の識見をお出しになっていいのじゃないですか。そのくらいの気概を持ってやらなければ、敗戦のあとの日本民族のプライドというものは伸び上がらないのだ。あなたはそれくらいの気概を持たなければ——いま聞くと、終わりころにだんだん弁解になってくる。弁解なんて要りませんよ。いま総理大臣とやっていないのはまことに遺憾ですが、これで終わりますけれども、ユネスコの人もいるから申し上げますが、それから明治百年を実施する責任者の田中さんもおるので申し上げますけれども、私は、いま世界で自分の民族以外に影響を与える国は三つあると思うのです。アメリカとソ連と中国だ。とにかく他に何らかの影響を与えている。しかし、全部ヨーロッパ文明から生まれた国なんですね。ヨーロッパの資本主義というものの遺産をそのまま受け取って、そうして影響を与えているのがアメリカで、ヨーロッパ文明の摘出子だと思うのです。しかし、ヨーロッパ文明のあの搾取という暗い面に対するアンチテーゼとして、やはりヨーロッパの生んだ反逆児としてソ連の社会主義国家があると思うのです。ところが、一方にまたアジア民族は、ヨーロッパの植民地政策に搾取をされて、ひどい目にあって、その中から反植民地、反帝国主義の立場で、ヨーロッパに向かって民族主義の立場で革命を起こしておるのが中国だと思うのです。やはりヨーロッパの文明の反逆児として生まれておるので、全部ヨーロッパから生まれた一つの新しい世界的国家だと私は思うのです。ところが日本は、アジアのそういう植民地の中でしいたげられた民族の一員であるが、同時にヨーロッパの近代文明を吸収して、いわゆる極東の極西といわれ、逆にいわゆる東洋のヨーロッパといわれる。そういう世界的な文明を吸収して、そういうやはり独自の日本の国際的地位がある。その中にこの憲法が生まれてきているので、幸いこれは天から恵まれた憲法だと思うので、そこで東西南北のかけ橋という一つのイメージを国家の使命に考える人もありますけれども、そういう立場を歴史的に考えて、この憲法を高く評価をして、そして平和、偉大なる不戦国家というイメージをもって、資本主義からも社会主義からもいいものをとって、日本の独自の道を考えていくという中でこの憲法を高く評価をして、日本の民族の伝統をもってこれを発展せしめる、そういう日本のイメージを持つべきだ、そのときにはこの憲法は天から恵まれた憲法だと思っているのです。アメリカから押しつけられたとかいうふうな次元の低い問題じゃない。私はそういう意味において、いわゆるアメリカ、中国、ソ連のように世界的に影響を与える三つの国があるとすれば、四番目の世界国家というイメージを民族に与えて、そうして世界に影響を与える偉大なる不戦国家としての道を歩んでいく。憲法によって認められても国際的に認められていなければ、この不戦国家というものを国際的に認めさす努力が日本の外交でしょう。国際的に認めさす。そしてその不戦国家を守るために必要ならば、われわれは国防論を論議をすればいい。その侵略のための戦力でなくて、不戦国家という光輝ある理想を守る戦力は検討すべきだろうと思うのです。そういう憲法に対する評価をやはりまじめに考えていく段階に来ておるのに、いまのようなくだらぬ論議ばかりしていてはどうにもならぬ。そのときにこの明治百年が生まれてきている。そして長官のお話を聞いておると、明治百年に対して深刻にものを考えて、どら日本の国を進めていくかというお考えが、私聞いておると一つもございません。私はそういう意味においてまことに遺憾であります。で、十月二十三日にこの行事の中心があると思いますけれども、まだ数カ月あるのでありますから、この明治百年の現在きまっておる行事の中にもう一つ何かを加えて、日本民族にこの国の誇りを持つようなもの、未来に対して展望を待つようなもの、そういうものを一つお加えになって、そうして何か前向きのものにするような努力をされてはどうであろうか。検討される用意があるかどうか。いまの行事を否定はしないが、まだ数カ月あるのですから、何か新しいものをプラスする。皆さんのグループの中でもけっこうですから検討して、何かを一つ加えて、そうして民族の未来に向かって進むようなものをプラスされる意思はあるか。私はされるべきであると思うが、そのお答えを聞いて、私の質問は終わります。
○田中国務大臣 行き詰まっております物質文明、それは資本主義でもあり、共産主義でもあるかもしれませんが、そういうふうな物質文化に対しましてわれわれが伝統として持っておりまする精神文化、この物質文化と精神文化とを融合統一するのがわれわれ日本の世界的な使命だろうと存ずる次第でございます。かような意味におきまして、山中先生の今日の御示唆に対しましても、今後、これこそほんとうの明治百年の金字塔であろう、われわれ日本民族が世界に貢献する大きなよすがであろうと存ずる次第でございまして、まことに御高見のほどは厚くお礼申し上げます。
○山中(吾)分科員 十月二十三日まで数カ月の期間があるから、そういういまのような論議が生きるような新しい行事、記念事業を一つプラスするための検討をなされる用意があるかどうかということの御答弁がないので、それをひとつ言っていただいて、終わりにします。
○田中国務大臣 行事の内容につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、準備会議でずっと網羅的にきまっておりますが、やはりその間におきましても、各省庁なり各団体なり、おのおのが自主的に行ないます行事等もございます。さような意味におきまして、ただいま仰せられました精神文化と物質文化との融合についての世界人類に及ぼす大きな理想につきまして、行政指導の面におきましてもいろいろと積極的に取り組んでまいりたい、かように考えます。
○山中(吾)分科員 終わります。
○森山主査 以上をもちまして、本分科会における質疑は全部終了いたしました。 —————————————
○森山主査 この際、おはかりいたします。 昭和四十三年度一般会計予算中、皇室費、国会、裁判所、内閣、防衛庁及び経済企画庁を除く総理府、法務省及び文部省所管並びに他の分科会の所管以外の事項、昭和四十三年度特別会計予算中、文部省所管並びに他の分科会の所管以外の事項、昭和四十三年度政府関係機関予算中、他の分科会の所管以外の事項に対する討論、採決は、予算委員会に譲ることといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。 この際、一言あいさつ申し上げます。 分科員各位の格段の御協力によりまして、本分科会の議事が無事に終了することができましたことをここに深く感謝いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時八分散会