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58回国会衆議院1968/03/11

予算委員会 第16号

発言数
491
登壇者
38
会派数
4
開催日
1968/03/11

会議録

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これより会議を開きます。  まず、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  昭和四十三年度総予算審査に関し、本日午前十一時三十分に、日本放送協会会長前田義徳君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 昭和四十三年度一般会計予算、昭和四十三年度特別会計予算、昭和四十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行ないます。山内広君。

山内広日本社会党

○山内委員 最初に、科学技術基本法についてお尋ねしたいと思います。  これは二月二十七日にすでに閣議決定されまして、三月上旬には国会に提案されると文書も出ておるわけですが、いつごろ国会に出るのか、また、閣議決定の内容を変更して御提案になるならば、その内容の変更の部分だけをお示しいただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 すでに国会に御提案申し上げております。なお、閣議決定と全然変更がなく御提案申し上げております。

山内広日本社会党

○山内委員 実は閣議決定されました基本法は、私もそのプリントをここに持っておるわけであります。これを読んでみまして、実に私は驚きと怒りを禁じ得ない点があるわけであります。すでにこの基本法がいろいろ学界で問題になり、あるいは国会でこれが論議されまして長い時間たっております。この国会としても、科学技術振興対策特別委員会におきまして、一九六二年の四月にすでに第一次試案なるものが作成されました。それ以来六、七年の歳月を経ておるわけでありますけれども、今度提案されましたこの科学技術基本法と、六年前に第一次試案として国会がつくりましたそれとを読んでみますると、非常な差があるのであります。その点を私これから指摘して、どうしてこういう結果になったのか、その点を明らかにしていきたいと思います。  この第一次試案として国会のつくりました試案は、その前文でもうたっておるとおり、「世界平和の確立と人類文化の向上」に役立てるということを強調しております。ところが、今度出されました基本法には、平和ということば一つ出ておらない。この科学の憲法とうたわれておる基本法に平和ということがなぜ書けないのか。試案として出されたものに平和を強くうたっているのに、なぜこれを削除しなければならなかったのか、その点を長官にお伺いしておきます。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 お答え申し上げます。  いま御指摘のとおり、科学技術基本法は、ここ六、七年来いろいろ問題がございまして、当初の案からだいぶ変わっておることはいま御指摘のとおりでございます。これはその間におきまして各省――大体十省くらいにまたがる大きな法律案でもございますので、それぞれ折衝をいたしてその間の調整をはかったわけでございますが、主眼点といたしまして、いま御指摘の平和の問題でございますが、科学技術基本法と申しましても、当然もう現行憲法のもとにお願いをする法律でございますから、その憲法の範疇の中に属するということが一つございます。なお、基本法の内容におきまして、御承知のとおり、その精神のもとに科学技術の計画を立てる場合におきましても、公開あるいは国会に報告の義務があり、その計画を立てます場合におきましても、科学技術会議にはかって公開の席でこれをやっていく、そのように十分チェックできるわけでございます。なお、問題がございます原子力の問題等におきましては、はっきり原子力基本法に平和利用がうたってございますし、そのような意味におきまして、平和を書かなかったから、そこに何かあるというものでは決してございませんで、率直に申しまして、平和における科学技術基本法であることは、そういった内容から見て当然であるというようなことから文字が抜けておりますが、精神においては決して間違いないと考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 長官はきれいごとをおっしゃっていますけれども、これは決して文字に書かないから平和の問題をおろそかにしないということではないのです。これからだんだん一時間半にわたって、いま日本の科学技術がどういう動向にあるのか、政府の施策が前向きでなく、うしろ向きになっているという事実を、これから申し上げていきたいと思うのです。  そこで、三原則をうたったといま長官は言われておりますけれども、第一次試案には確かにこれはあります。「研究者の創意と自主性を重視し、その成果は、原則として公開し」と、こううたってある。この文字もみな抜けております。この三原則は原子力基本法にはちゃんとうたってある。ところが今度の科学技術基本法は全然――原案は確かに三原則をうたいながら、出されたものは抜けております。これはどういうわけですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 確かに当初の草案と申しますか、数年前の案にはそういうふうに書いてございますが、現在御提出申し上げました科学技術基本法にはそのものが書いてないことは事実でございます。しかし、その内容におきまして、十分いわゆる自主、公開、民主という三原則を取り入れてございます。いま申し上げましたように、自主的にこれを開発していくこと、あるいはあくまで科学技術基本計画というものは公開の席においてこれが論議されていくこと、あるいは科学技術会議あるいは国会に対する報告、そのほか公開をしていくこと、しかも、民主的にこれをきめていくということに、何らそこに――ただいま三原則の趣旨をそのまま取り入れてございますので、あえてそれを書いてない次第でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 精神として貫いておるとおっしゃるのですけれども、これからだんだん立証していきますが、この三原則は守られておらぬのです。また、守らぬで済むようになっております。特に産業機密と称して、科学技術がだんだん民間に活用され、研究の成果が利用されるようになりますというと、これは業者のほうでこの公開の原則を守らなくてもいいようになっておる。これは、まああとでだんだん説明していきたいと思うのです。  もう一点、この第一次試案では、自然科学のほかに、人文科学、社会科学、それらも同列に置いて基本法ではうたっておったんですが、これが消えてなくなった理由はどういうわけですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 当初の草案におきましては、確かに人文科学あるいは社会科学等も含めた科学技術基本法を制定したいという意図があり、また、その文章も入っておりましたことは事実でございます。その後、科学技術基本法としての成案を得るために、政府部内におきまして、あるいは与党間におきまして慎重な、長年にわたる議論があり、いろいろな議論がなされて今日の御提案申し上げた基本法になったわけでございますが、今回の基本法の内容が、全般的な科学技術、いわゆる広義の意味の、人文科学を除いた自然科学方面における振興といいますか、その自主開発をはかっていく、しかもその重点は、御承知のとおり、今日問題になっておりますたくさんの大型プロジェクト、宇宙開発でございますとか、原子力でございますとか、そういう問題に国の人材とそれから財源、金と、そのほか機構その他に全力をあげて注いでいくというようなことになり、その計画をあらかじめ立てて科学技術会議にはかって、計画的にその開発を進めていくという内容になっておるわけでございます。したがって、人文科学等におきまして、やはりそういうふうに計画を立て、基本計画を立てていくことが、はたして人文科学そのものの実態から見て適当であるかどうか、なじまないのではないかというような意見がいろいろ出、あるいは包含すべきであろうという意見ももちろん出たわけでございますが、最終的には、政府といたしまして、人文科学を除いて基本法をつくって、人文科学の面は、別途文部省におかれてでございますか、やはりその振興をはかっていくのがよろしいのではないか、そのように決定をいたした次第でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 はなはだ奇怪な御答弁なわけです。科学技術基本法なんですから、いまの御説明であれば、技術振興基本法ぐらいで、科学という名前をつけるに値しないものになるわけです。私どもは、いろいろな科学、特に原子力なんというものを平和利用するのか、軍事利用になるのか、もういまの段階では紙一重だと思うのです。どっちにでも使えるのです。こういう危険の増大している今日、人文科学をこれから削除したといったら、どこで平和の守りをしますか。これは技術振興の基本法ですよ。科学じゃないです。平和のチェックをするのは社会科学であり、人文科学である。発達した技術をどうしてコントロールして平和利用に押えるか、これは技術じゃない。はなはだこれは残念な長官のお考えだと思う。これは大学のほうもこの基本法から抜けているわけですけどれも、文部大臣はこの点についてどうお考えになりますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 大学におきます研究は、御承知のとおりに真理の探求を目的といたしまして、研究者の自主的な判断に基づいて進めらるべきものであると考えるのでありますが、この法律は、政府として必要な科学技術に関する基本計画の策定あるいはこれが計画的推進をはかりまして、国民経済の発展、国民福祉の向上の要請にこたえる、こういうことを目的といたしておるのであります。したがって、大学における自由な、自主的な研究を直接これが対象とすることはどうも必ずしも適当と言えないのではないかというような考えのもとに、原則としてこの法律の対象外とせられたのであります。しかし、大学における研究で、国の計画研究の一環としてその参加を得ることにより大きな効果が期待されるものにつきましては、大学の自主的判断により参加を得る道を特則として設けてあるわけでございます。また、人文科学の研究につきましては、これを自然科学の研究と同じ姿において推進策を講ずることは必ずしも適切でないのではないか、これにつきましても、この法律の対象外としておるわけでございます。  なお、文部省といたしましては、大学における研究及び人文科学の面における研究条件の整備充実、研究体制の整備等の学術振興の基本的な施策につきましては、これももとより必要なことでございますので、目下学術審議会に諮問中でございます。その結論を得まして、適当な措置を講じてまいりたいと考えておるような次第でございます。御了承いただきたいと思います。

山内広日本社会党

○山内委員 科学技術庁長官は、最初は確かにこの平和の問題あるいは三原則をうたったけどれも、与党からいろいろ話し合いもあってこれが削除されたといういま御答弁がありました。こういう国の最も基本となる科学憲法に対して、いかに与党の圧力があったからといって、それに屈して、ゆがめられた憲法ができるようでははなはだ困ると思うのです。これはどうでしょう。原子力基本法と比べて読んでみて、あまりに間隔のあるのに驚くわけです。長官、ひとつ原子力基本法の第一条、第二条を読んでごらんなさい。これはりっぱなものを書いておる。今度出されたこの基本法は、極端に言って、申しわけないのですけどれも、学者をつくるのでなくて、職人をつくるということです。これはどうしても案を練り直す必要があると思う、国の憲法ですから、ひとつこれは練り直していただきたい。そうして、もっと国会の意思を、与野党の意見を聞いて、そうしていま堂々と世界に通用するような基本法に練り直してもらいたい。そのお考えがあるかどうか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 この科学技術基本法を御提案するまでには、長年それぞれ研究いたし、あるいは論議をいたして今日に至っておるわけでございます。与党から圧迫とかいうお話もございましたが、率直に申し上げまして、与党政府間にそれぞれの議論があったことは事実でございます。しかし、その議論の末に、平和の問題におきましても、現行憲法のもとにこの基本法を出す以上、その平和というものについては当然のことであり、さらに三原則の点は、十分基本法そのものの中に、具体的に自主、公開、民主といった原則も取り入れられておるわけでございます。そのような意味でございまして、それぞれの立場において、最終的に日本の科学技術の発展のために、しかも、特に今日必要といたします大型プロジェクトといいますか、国の力、財力をあげて開発に資さなければならない多くの問題につきまして、この基本法を中心に今後の開発を進めてまいりたいというふうになったわけでございまして、現在、出し直すといったような気持ちはございません。どうぞ御了承願います。

山内広日本社会党

○山内委員 この特別委員会が衆議院に設置された当時というものは、非常な高いイメージが私どもにあったと思うのです。おくれた日本の科学水準をどう取り戻して、そして外国並みに水準を高めていくかということに与野党とも最大の努力を傾けてきた。ですから、考え方として、あとで弔う一度詳しく触れたいと思いますけれども、一例をあげますと、いま原子力船が建造中であります。これに使うところの推進エンジンですね、これは国産化しようというあの当時の考え方であった。できるかできないかわからぬけどれも、とにかく日本の科学技術、基礎科学を推進するためにそこまで研究さして、そして国産のものを入れようという決議をした。ところが、そのあとすぐ何年もたたないうちに、これを外国から買ってきて、そのまま搭載しちゃう。これでは日本の基礎科学の水準を高める上に何の役にも立たなくなってしまう。これからどんどんたくさんの原子力を利用する船がふえてくると思うのですが、これでは全部外国から買わなければならぬでしょう。そして、これはまたあとで触れますけどれも、商業秘密と称して公開されない。その技術のいいところはわからない。そうでなく、国の機関に秘密があってはならない。あくまでも公開の原則で、いろいろな研究をして、その成果は広く開放して、民間がこれを活用し、そうしてどんどん科学水準を高めていこう。それが業者の手に渡れば商業秘密は私はあり得ると思うのです。けれども、国の機関で公開のできないものはあり得ないので、これは政策のとり方なんですから、平和に徹して、平和を守るというならば、どんどんその成果は公開すべきである。そうしてどなたでも、外国だろうが、どんどんこれを活用していく、ここにこそ、日本のいろいろな産業も科学によって私は発展していくと思うのです。この公開の原則を貫けないような、堂々とうたえない、そういう基本法がありますか。もう一ぺんその点について、なぜ原子力船が国産できないで、外国のものを買わざるを得なかったのか。私はこれは少しぐらい時間がおくれてもいいと思う。そういうりっぱな研究課題を学界に投げて研究してもらって、その成果は広く今後日本の業者もそれを使って国産化するような、そういう方向に持っていかないで機密を伴うような舶用炉を外国から入れるなんということは、これは後退でありませんか。うしろ向きの施策じゃありませんか。長官、もう一度……。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 原子力第一船の建造につきましては、昭和三十八年から論議をされて、この間にいろいろ経緯がございまして、計画変更等がございます。ようやく本年、昭和四十三年に着工することになりまして、五年に完成をするかと思います。これの舶用炉におきましては、ただいま外国から買うようなお話があったわけでございますが、やはり自主開発をして、日本の国産の原子炉を入れたいと考えておるわけでございまして、そのようにいたすつもりでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 そんなうそ言ったってだめですよ。これは中に日本の業者が入るだけで、外国から本物は買ってくるのでしょうが。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 私は、日本の会社において、日本の技術でこれを開発してそれを搭載していく、原子力船に搭載するというふうに聞いております。また、そのとおりやるつもりでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 そうできないのですよ。これはもうちゃんときまっている。そして、これにはもう商業秘密がちゃんと伴っておる。研究の限界があるのです。日本で作製するなら、どこの会社で、予算から全部出して説明してください。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ただいまお話がございましたが、総体的な予算は、大体百億で原子力船をつくるようになっておると私思っております。なお、原子炉は三菱原子力工業にすでに発注済みでございまして、発注時期は昨年の十一月でございます。したがいまして、この間、もう率直に申し上げますが、多少のパテントに至らないノーハウ等の問題はあるかもしれません。しかし、あくまで日本における自主開発という線を貫いて、舶用炉の作製に当たりたいというふうに考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 最初三十六億で予算を組んだ当時、その当時から、先ほど長官が言われたとおりいろいろ経緯がありまして、これは研究の対象にならない。日本の科学技術の向上には役に立たないのです。そういう点、私は、いまここであまりその点だけに触れておりますと時間もありませんから、あとの機会に譲りまして、もう一つだけお聞きしたいと思う。  もう原子力発電の時代になりまして、現在工事にかかっているもの、あるいはこれから計画が出ると思われるもの約十三カ所ぐらいあると思うのですが、これらの動力炉も、もうちゃんと外国からみな買うのでしょう。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 お答えいたします。  いま御指摘のとおり、原子力発電の場合におきましては、それぞれ十数カ所の原子力発電がもう着工せられ、計画せられておることは事実でございます。ただ、その炉におきましては、まだ十分に日本の動力炉・核燃料開発事業団等において開発できておりませんので、やはり外国からの技術を相当分入れてやらなければならないという状態でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 この動力炉は、もうひもつきの動力炉なんです。これが今度の日米原子力新協定となって、はっきりと向こうから濃縮ウランを入れるようになっておるでしょう。こういうことでは、日本のせっかくの科学技術を向上させようと思う私どもの力――力というか、そういう考え方が全部外国依存になってしまう。そのことはもうでき上がっているものを買うんですから、利用する側にすればテンポが早くていいかもしれぬ。日本の科学技術がそこまで達成するのを待っておれない、そういう事情もわからないわけではないけどれも、これはもう全部外国のひもつきの原子力発電所になってしまう。そしてそれに使うウランというものも、売らぬのではなくて、アメリカから買え買え言われて、そして今度新協定ができたわけであります。そういう以上の観点から今度の新しい日米原子力協定について若干お聞きしておきたいと思います。  これは十四日にワシントンで仮調印が済みまして、いつ国会に批准を求めるのか、正式調印はいつごろになりますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 協定につきましては外務省で取り扱われておりますので、外務省にお願いいたしたいと思います。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 御承知のとおり二月二十六日に調印いたしまして、近く国会に提出して御審議を仰ぐことになっております。現在手続中でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 この国会に出ますか。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 この国会にもちろん提出いたします。

山内広日本社会党

○山内委員 この協定の中身については、新聞等で知るよりほかまだ方法がないわけでありますけどれも、古いといいますか、もう失効する直前にある協定では二・七トンのウランの輸入ということでありましたけどれも、今度の新協定では百六十一トンと六十倍にふえております。これは原子力発電所が将来どんどん建っていくのを見通しての協定でしょうから、それが多いのか少ないのか私にも見当はつきませんけどれも、とにかく六十倍にふえる。しかもこの協定で、私ふしぎなのは、これは三十年間有効な協定になっております。この日進月歩の科学技術のテンポの早い発展を遂げているときに、アメリカからどうしても三十年間このウランを買わなければならぬという、これはどういうことなんでございますか。長過ぎませんか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 原子力、これは長期計画とうらはらをなすものですが、アメリカ以外に濃縮ウランの製造能力、供給能力を持っておる国は世界にない。したがって、やはり安定した発電計画を推進するためには、ある長期の供給の保証があったほうがいい。したがって、これは供給の保証でありますから、引き取りの義務はないのであります。日本がみずから濃縮ウランをつくれるようになれば、何も引き取らなくてもいいし、アメリカ以外の国から濃縮ウランを供給を受けてもいいわけです。日本側が長い原子力の発電の計画を立てるについて、燃料というものの不安があってはいけないというので、長期にわたる供給の保証を受けたのでございまして、必要がなければ引き取らなくてもいいのであります。引き取りの義務は持ってないということでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 買うほうと売るほうですからそういうことにはなっても、現実に三十年間ちゃんと一カ年にどれだけというこまかい計画まであるでしょう。これは三十年というのは長過ぎるのです。なぜなら、やろうと思えば日本で濃縮ウランできますよ。すでにもう東海村にある原子力燃料公社では相当――私はどれほど進んでいるか内容は調べたこともありませんからわかりませんけどれも、先進国では全部ガス拡散法によって濃縮をやっておる。ところが東海村の着想は遠心分離法によってやる、こういうことは新聞にも出ております。これは建物も小さくて済む、電力もそれほど食わない、望ましい製法だ、こういうことで非常に注目されておるでしょう。これは実際に使われるまでに三十年間かかるわけはない。私は、政府がほんとうにやれ、研究せいと言ったら、ここ五年以内にできると思うのです。予算をしぼり、人をやらないから、研究が足りなくてできないだけで、もうすでに実用の段階に入っていると思うのです。科学技術庁長官、どうですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 濃縮ウランの製法につきましては、ただいま動力炉燃料公社におきまして遠心分離法によって研究を進めておることも御承知のとおり事実であります。二基持っておるかと思います。したがいまして、三十年もかかってできるとは思いません。もっと早く、できるだけ早くその製法、方法等研究をして、日本においても濃縮ウランの方法ができるように現在研究中でございます。あるいは五年でできるかもわかりません。現在できるだけそれに予算を上げて研究をやっていただきたいというふうに考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 そういう御答弁が出るので心配がまた出てくるわけです。いまどんどんアメリカからこの動力炉を買って据えつけてしまう。そして片方にはアメリカとの協定ができて三十仲間買う約束がもう結ばれておる。そうなると、国産の濃縮方法というものはどうしても力がなくなってしまう。そういうところに大きな科学の発展に対する障害が出てくる。特に遠心分離法は何年か前に西ドイツで開拓されたんだ。アメリカは驚いてそれに向かって圧力をかけたという事実があるのです。どうですか、日本の燃料公社が開拓しているこれは、いま秘密事項になるのですか。公開の原則はここでくずれちゃうのでしょう。これは全部公開しますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 現在におきましては、まだ遠心分離法で今後の計画が立つほど十分な研究までいっておらぬかと思います。しかし、遠心分離法を何とかして濃縮ウランに利用し、濃縮ウランができるように進めてまいりたい。しかし、もちろんこれは日本の技術でございますから、公開の原則に立つことは当然だと考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 最初のほうにも申し上げましたけどれも、もう原爆というものは紙一重のところまで日本の科学技術も進歩しておるわけです。ですからここで平和の――これはどんなところで何回しつこく平和に徹する総理の答弁みたいにうたっても、私はうたい過ぎることはないと思う。この肝心な一番大事なことをはずして科学技術基本法、科学の憲法をつくろうというのですから、これは問題になりませんよ。そういう点で、総理が核兵器はつくらないとおっしゃっておるけれども、つくろうと思えばもう日本の技術水準はそこまで来ておる。原料もある。そういう意味で私は非常な不安をここから感じないわけにいかぬのです。そういうことでこの基本法を練り直すお考えはないそうでありますけれども、はなはだ残念な、骨抜きな危険をはらんだ基本法であり、決してそのことは単に本文の中で精神的に読み取れるからということではなくて、そういう誤った方向に向く基本法が生まれようとしておる。非常に日本の平和のために残念に思います。  そういうことで、去年総理がアメリカへ行かれまして、ジョンソンとの間に共同声明ができたわけで、この中にはアメリカとの新しい協定が――その当時はまだ仮調印も済んでいないわけですけれども、話し合いを進めていることは日本の平和利用、科学研究のために喜ばしいことだということを高らかにうたっておりますけれども、以上申し上げたとおり、私はもっと実のある、日本のためになる声明がほしかったと思うわけです。もうアメリカのひもつきになって、まずまずこの濃縮ウランの研究は後退をするであろう、そういうことを非常に心配します。  その次に、いま建造の進められております原子力船のことについてお伺いしたいと思います。  この原子力船は、当初使用目的を海洋観測船、こういうことで国会の承認も受け、私どもも日本の原子力の平和利用としてつくられた船が海洋観測をやるならいいであろう、そういうことでこれは与野党とも賛成して、この予算は拍手をもって通ったものであります。ところが、いつの間にかこれが特殊貨物の運搬船と使用目的が変更になっております。この事情はどういうわけですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 原子力船の第一船の建造につきましては、御承知のとおり三十八年にこれが策定され原子力船開発事業団というものが設立せられまして、日本の国をあげてこれの建造に進む方向が出たことは御承知のとおりでございます。その後これの建造に具体的に着手いたしました際、いま言われましたように、海洋気象観測船といった名目で、その目的で建造をしようとしたわけでございますが、入札そのほかにおいていわゆる資金の不足あるいはその他幾多の困難が生じまして、現実の問題として入札できないという状態が起こったそうでございます。その後、その間いろいろ政府あるいは関係者において協議をしました結果、やはり将来における原子力船というものは当時の状況、今日の状況から見て、いわば高速船時代あるいはコンテナ船時代、そういうものが来るのではないか、二船、三船を建造していく際、そういう方向に沿うような第一船をつくって、そうして乗員の養成なりあるいはいろいろな研究を進めていくことがよかろうではないかというようなことに、海洋気象観測船からそのようにまあ目的が変更せられた、そのことが要するに今後日本における原子力船を二船、三船とつくって、日本の国益になるように持っていくには一番よろしいのではないかというふうに決定せられたと聞いております。現在におきましては、先ほど申し上げましたように、第一船はようやく本年度中には詳細設計が終わりまして石川島播磨造船所でこれに着工をする。原子炉のほうは昨年十一月に三菱原子力工業に発注をする。そうして四十五年度でございますか、八千三百トンの第一船ができる、こういうような状態になったわけで、経緯としてはそのように私承っております。

山内広日本社会党

○山内委員 この特殊貨物というのは何と何をさすのですか、具体的にあげていただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 第一船におきましては、特殊貨物船として使用する、一応核燃料物質の運搬そのほかに使用したい、しかしながら、その目的はあくまで、コンテナ船とかという、将来におきまする高速あるいは大型、しかもそれが経済的に成り立つ船への一つの段階として第一船を考えていくというようなことでございます。  なお、先ほど四十五年に完成すると申し上げましたが、四十六年完成でございますので、訂正を申し上げておきます。

山内広日本社会党

○山内委員 私は少し神経質になり過ぎているのかもしれませんが、ここにもまたおかしい問題があるわけです。平和利用ということで海洋観測船、そういうことで国会の承認を得て、そして予算もたしか三十六億組んであります。これは三十九年の年に。ところが核燃料を運搬する船にいつの間にかなっておる。非常に軍事利用に近寄っておるじゃありませんか。私もこのものが即軍事利用だとは申し上げません。これは、こういう重大な使用目的の変更を国会にはどういう形で承認を得たのか、その点を明らかにしていただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 これは予算審議の形におきまして、その年度年度において国会の御承認を受けておるということでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 そういう御答弁だろうと私は実は考えておったのです。これはとんでもない間違いですよ。ということは、最初、国庫債務負担行為でもって五年間に分割してこれは議決しておるのです。その五年間で使用目的が変更するのを、これは財政法でも流用を認めているから、それで予算措置だけでいいということ、これは大蔵大臣大事ですからひとつ……。私はこれからずっとこの国庫債務負担行為の予算の組み方についてお尋ねしていきたいと思うのです。ひとつ長官でなくとも、事務当局でもいいのですが、予算措置だけで、こういう国庫債務負担行為でもって承認を得たものが、途中で重大な変更があった場合――これは私も調べてみましたが、まだ財政法も不備ですから、どこでどうというきめ手はありません。けれども、ものの考え方として、普通の単年度で処理される予算ならばまだいい。繰り越ししたということでわかるけれども、五年間の――これは防衛庁長官のほうにも、他山の石ではありませんから、あなたのほうもたくさん持っておるのだから、ひとつ聞いていただきたいと思うのだけれども、これは正しいのだ、それでいいのだ、予算だけの承認を得ればいいのだ、そういうことであるならばその根拠を明らかにしていただきたい。政府委員でいいです、事務的なことだから。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 お答え申し上げます。  原子力船の問題につきましては、当初の計画をその後変更することになったのでございますけれども、海洋観測船をなぜ貨物船に変えたかということは、これはまだ推定でございますけれども、これが完成しましたあとの運航費というのは相当かかるわけでございます。四億円前後かかるのではないかと思っております。そこで最初の、つくります第一船の目的と申しますのは、これは結局原子力船の操縦その他いろいろな船員等の教育、訓練ということがおもな内容になると思うのでありますけれども、そうした場合に、できました原子力船の運航に非常に金がかかって、毎年相当な赤字が生ずるということはわれわれとしても非常に困るということで、科学技術庁その他といろいろ研究をしまして、結局将来における原子力船というのは、たとえば現在のアメリカのサバンナとかあるいは西独のオットー・ハーンのように、貨物船として非常に運航の持続能力を持っておる経済船ということが目的になるのでありましょうから、そういうことであれば最初から貨物船ということであったほうがいいのではないか。特殊貨物船というふうなことをいま科学技術庁長官はおっしゃいましたけれども、私たちとしましてはできるだけこの核燃料だけじゃなくて、いろいろなものを積んで、ある程度収入をあげて、できた原子力船というものの運航のコストができるだけ国の負担にならないようにということからこの目的を変更したというわけでございます。当初三十六億円の予算、国庫債務負担行為をとりましたときにも、その目的としては、先ほどもおっしゃいました海洋観測船ということは明記してないわけでございまして、その後この債務負担行為を追加するにあたりまして、そうした運航費のコスト高という点から、これをもっと経済的に運航するために、その目的を変えるということで、この追加をいたしましたので、これは御審議の途中でいろいろ御審査をしていただく、こういうつもりで追加の国庫債務負担行為を提出したわけでございます。   〔委員長退席、二階堂委員長代理着席〕

山内広日本社会党

○山内委員 大蔵当局の事務的な御答弁がありましたが、これはもってのほかですよ。というのは、最初三十六億出したときに何にも海洋観測船なんということをうたってない、そうおっしゃっていますけれども、原子力委員会は海洋観測船をつくれ、そういうことでちゃんと決定がなされて国会に報告が来ておるんですよ。それをかってに使用目的を変更して、それは変更でないんだ、予算措置だけでいいなんというのは大きな間違いですよ。科学技術庁長官ひとつい御答弁いただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ただいま大蔵省からの事務的な御答弁がございましたが、原子力委員会におきましても、その後三十六億をしてなかなか入札そのほかはできなくなりましたとともに、やはり将来の、先ほど申し上げましたように原子力船の、国のためにどういうふうな形において二船、三船等を考えるかというためには第一船の計画を変更しなければなるまいということから、昭和四十二年度におきまして基本計画を変更をいたして――四十二年度予算で出ておるかと思います。そのためにはやはり原子力委員会にはかりまして、当時の委員会におきまして変更が了承せられて、総理大臣に報告せられておるという事務的な手続はとられてございます。  以上でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 年間維持費が約四億かかる、それでは困るから使用目的を変更して収入をあげたいと大蔵当局はそう説明されておりますけれども、この建造ができ上がった場合のそれでは事業計画、年間どれだけ運航して、どういうものを運んで、収入がどれだけあって、そういうものがちゃんとこれは基礎になってあると思いますので、これはいまここで御説明を聞いて時間が長くなりますから、資料としてひとつそれを御提出いただきたいと思います。  それからその中に、船員の養成ということを、いま大蔵省から使用、建造目的にあげておられる。ところがこれは使用目的に反しております。その考え方があったとすれば。なぜなら当初の計画では、乗り組み員は六十五名と実験員を四十五名計百十名という計算であった。ところが今度は、現在の計画では乗り組み員が五十六名、それから実験員というのを二十名に減らしておるじゃありませんか。こういう点が、せっかく原子力を使用する商船を平和目的で私どもは考え、そうしてこれも協力して、ぜひこれをやろう、そう思っているのが、そうして国庫債務負担行為で五年間組んで、これはこの船ですから私五年かかると思います。その間に知らないうちに目的の半ばがもう全部変わっているじゃありませんか。実験員をなぜこんなに減少するんですか。船が今度は大きくなったのですよ、設計を見ると。そうしたらもっと乗り組み員を当初計画で――これは新しい船ですから特別な訓練もある。それからこれができ上がっても二年ぐらいはそのまま訓練のために使用するという計画も載っておる。どうしてこれは実験員という養成の船員を減らさなければならなかったのか、必要がないのか、その点も明らかにしていただきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 これはただいま御指摘のとおり、予算は相当制限せられておることは事実でございます。ただ問題は、建造をいたして、予算上の数字としてその計画を持っております。ただ目的はやはり私といたしましては第一船でございますから、どうしても第二船、三船、しかも経済的に利用できるところへ開発をしていく必要があり、それに備えて乗員の養成なり実験研究なりという形をとらざるを得ないというふうに考える次第でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 三十九年に三十六億組んだのは、これは全くの建造費ですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 お答えいたします。  当時、三十六億は船と炉の建造費のみであったと考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 三十六億で三十九年の年に建造費を組んだ、ところが三十九年、四十年、四十一年と建造することができなかった。非常にこれは安い見積もりをしたという一つのミスもあるわけです。逆にいえば業者のほうで非常に強気であった。そういうことで現在は建造費幾らになっておりますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 約百億でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 三十六億が百億にふえるというのも、これもあまりひどいじゃないですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 失礼いたしました。私の間違いでございますので、つつしんで訂正いたします。船だけで五十六億、約六十億前後、それからそのほか付帯設備、基地といいましょうか、係留地そのほかの整備、合わせまして約百八億と考えております。

山内広日本社会党

○山内委員 この三十九年の年に三十六億ということで、これは国庫債務負担行為で五カ年間にわたって分割して計上されております。この計画は私も承知しております。ところが、いま認めたとおり、非常に予算が膨大になっておる。それでしかも、これは予算措置だけで、国会の承認を得ないうちにどんどん国庫債務負担行為がふえております。これは大蔵大臣、この内容を御存じですか。   〔二階堂委員長代理退席、委員長着席〕

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 三十六億が、実際には建造費が五十五億六千七百万円、それから必要な定係港の岸壁等の建設費、これを入れまして六十一億五千万円、これを民間と政府で三対一で負担するというようなことで、政府の側として四十六億千二百万円の国庫債務負担行為を計上した、こういう数字だけしか存じていません。

山内広日本社会党

○山内委員 大蔵省でも了解しておるようですけれども、私、この予算の組み方で非常に疑義がありまして、実はその事業団の四十年度の財務報告、それに添付されたいろいろな書類を一通り見たんです。ところが、これは予算の流用が行なわれている。三十九年の三十六億は、もう入札も何もできませんからこれは使わなくてもいいわけです。それで四十年に繰り越した、四十年もまたできなくて四十一年に繰り越した、だんだんこういうふうになっておるわけです。そういうことで繰り越しが行なわれて、だんだんふえていっているわけですが、このことは、かりに一歩譲って国会の承認を得る事項でないとしても、これは大蔵省、大蔵大臣の正式認可が必要なわけです。これは正式な手続を公団からとって、そして正式の手続で回答したとしたら、その日時とその書類の番号をちょっと……。これは分科会で――私ちょっとそれをそれまでに検討したいと思うので、事務当局でけっこうです。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 後刻政府委員から提出申し上げます。

山内広日本社会党

○山内委員 これは三十九年に予算をする前の年に、三十八年度でまだ事業団が発足しない、協会という仮称を使っておった当時、一億の創立の費用を組んでおるわけです。ところが、三十九年はさっき申したとおり建造ができなかった、そういうことで四十年に繰り越しております。私もこれは専門家でないのでよくわからぬのですが、あなたのところからお出しになっておる――これは総理府ですな、三十八年に総理府と運輸省から命令第三号というのが出ております。もちろんこれは財政法からいっても、繰り越していってもあるいは流用しても、職員の給与費とか交際費とかは流用は認めていないでしょう。それは、項目というのは、下のところは国会にも出てこないのですから、その間あなたのほうで、あるいは事業団で流用するのはいいでしょうけれども、給与費はこれは流用できないでしょう。かりにそういう流用を認めてくれという申請があっても、あなたのほうはこれは認められないはずです。ところが、四十年度のあれは、三十九年度から繰り越して流用されております。これは事務当局どうですか、認めますか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 事業団の予算の実行につきましては、所管大臣が一次的に権限を持っておられまして、事業団の各費目の間の流用その他について所管大臣が大蔵大臣に協議をして認めるということは、これは差しつかえないと思っております。

山内広日本社会党

○山内委員 大蔵当局に聞くのは、財政法からいって給与費に流用できるかということを聞くのです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 一般会計におきましても、大蔵大臣の認可があれば移流用はきくことになっております。

山内広日本社会党

○山内委員 交際費や給与費はできないでしょう、流用は。それはあなたのほうで認可すればいいんですが、認可をしないでかってに事業所で、各省で使えるかということを聞いておるのです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 おっしゃるとおり、一定の科目につきましては、大蔵大臣の認可がなければかってに流用できないことになっております。

山内広日本社会党

○山内委員 だから、そのことがこの財務諸表でなされていることが、どうもおかしいと私は思うのですよ。しかしこれは、別にこの事業団も収益のある事業団じゃないので、いろいろそういう苦しい、給料を払わなければならぬというようなことがあると思う。だからそれはそれとして手当てをしてやらなければ、こういうところでどんどん予算の流用がかってに行なわれたり、特にこれは国庫債務負担行為で五年間もうすでに先取りしている、議決されている、約束手形を出しておるものなんです。それを大蔵省も知らない、国会ももちろん使用目的が変わろうが、予算だけが延びていっているのだ、これではたいへんだと思うのです。これはもう財政硬直化の一番の元凶はここにあるのですよ。最近の国庫債務負担行為だって何千億となっているのですから、約束手形を出して毎年――これはもう国の手形ですから、まさか不渡りにはならぬでしょう。こういうところに業者が飛びついて、そして何年間の約束手形をちゃんともらおうと――これはきのうの対談を聞いているとあまりもうからないとおっしゃっているけれども、そんなことはないのですよ。これは防衛庁にも非常に多いですよ。きょうは私、特に何か重箱のすみをほじくるような原子力船の話ばかりしておりますけれども、これは昭和四十七年までかかるのです。こういう将来の中間にある国庫債務負担行為でありますから、この際、こういう点は明らかにしておくことが国会としても当然の責務だ。この次はひとつ防衛庁の中身も少しお聞きしておきたいと思います。  そういうことになりますと、いま大蔵当局はこの予算の流用というものを認められた。それならそれでもいいのですよ。これは、この事業団は、ほんとう言えば私ここで責めるのは酷だと思っておるのです。何も事業をやってもうかるのじゃなくて、船を建造する、それだけにこれは平和目的に徹し、日本の科学技術の振興に寄与するような、そういう姿でやってくれば、これは国として大いに援助の手も差し伸べ、いろいろな手だてもしていいと思う。ところが、核燃料物質を運搬する船に変わってしまったり、こういう原子力の、今度どんどん将来建造される隻数が多くなりますから、そのための養成定員として考えられたその定員までも減らしてしまう。そしてこれから収益をあげようとする。これでは日本の科学技術振興に役立ちますか。そういう点を私強く指摘したいために、あえて重箱のすみをほじくるような意地の悪い聞き方を実はしておるのです。科学技術庁長官もその点は十分にお考えいただきたいと思う。  この計画書によりますと、これは延びればまだ延びる可能性が強いと思いますけれども、一応四十七年の一月に、炉もこれに据えつけられて臨界に達するわけですが、そうしますと、この国庫債務負担行為は、三十九年ですから、八カ年にわたって予算が組まれることになりますが、これは五年間でもう禁止されているのでしょう。国庫債務負担行為というものは五年より組めないのでしょう。こういう例外は、どこからそういうものを認めておるのか、八年も九年も。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 お答え申し上げます。  現在とっております国庫債務負担行為は、大体その計画年度である五カ年度以内にこれは支出を了して完成をいたすと思うのであります。国庫債務負担行為が五カ年という期限がございますけれども、これにつきましては一ちょっとこれは暗いので読めないのですけれども、十五条の三項に、一回限りにおいてこの年限を延長できる規定があったというふうに記憶いたしておりますが、それによって延長はできると思います。(「ちょっとそこを読んでみろ」と呼ぶ者あり)それじゃ読みます。十五条の三項に、「前二項の規定により国が債務を負担する行為に因り支出すべき年限は、当該会計年度以降五箇年度以内とする。但し、国会の議決により更にその年限を延長するもの並びに外国人に支給する給料」云々については「この限りでない。」と、こう書いてございます。国会の議決によって延長することができるわけです。

山内広日本社会党

○山内委員 その議決はいつされますか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 その規定によりまして、四十二年度に、日本原子力船開発事業団出資につきましての国庫債務負担行為を「昭和四十四年度以降三箇年間延長し、」というふうに、ここで議決を得て延長いたしたわけでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 ですから、そういう場合に予算だけでやってはいかぬというのは、私そこを言うのですよ、特別な議決をしなければ……。これだけは単にどんどんどんどん予算をふやしていく。ですから、これは防衛庁長官もこの間だいぶ苦しくなって、予算というのはどんどんふえていく仕組みになっているそうです、内幕はわかりませんけれどもと、正直に言われた。それはだいぶ与党では心配しておったようですけれども、私これは非常に正直で、率直に認められた点はやはり増田さんらしいと思う。この国庫債務負担行為でもって予算を議決しておいた事項というのは、いまずっとこう指摘したような形で、国会が知らないうちにどんどんどんどんふくれ上がっていく。使用目的もかってに変わってしまう。もしその使用目的が許せるならば、海洋観測船でとった予算で潜水艦をつくるかもしれないのだ。これは目別の下のほうになれば、議決にその中身も要らないのだから、国会にはからないのだから、予算だけでいいっていうのなら、これで潜水艦もつくれますよ。そういうところをチェックするために、法規はじょうずにできておるのです。それを怠っておるのです。ですから、長官が、知らないうちにどんどんふくれ上がる仕組みになっていますという答弁をせざるを得なくなってしまう。もう少し大蔵大臣、こういうのは、そういうことのないように今後ともまじめに考えなければいけません。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 国会の議決を経ないでかってに変更している債務負担行為というものはないと思っております。いま主計局長の説明されましたものも、結局国会の議決をお願いしたものでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 それは予算をふやしたというだけで、今度は特別に一カ年間――五年で制限の最高限度に達して、またそれを二年間延長するんだから、それは単独の議案として出さなければいかぬですよ。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、財政法の規定に従って期間の延長を国会に御提案申し上げ、議決を得ておるわけでございますから、さように御了承を願いたいと思います。(発言する者あり)国庫債務負担行為の文言は延長と書いてございますけれども、これはやはり新しい国庫債務負担行為として、議案として御提案申し上げておるわけでございます。(「いつ出した」と呼ぶ者あり)昭和四十二年度でございます。

山内広日本社会党

○山内委員 この問題は、政府が今後反省していただけば、私はこれくらいにとどめたいと思うのです。これは幾らでもやれば、一ぱいこういうことが出てくる。こういうところから事業団、公庫、こういうものを縮小しなければいかぬ。そうして天下り人事で、大蔵省のえらい、その道の裏をかけるような知識のある人がどんどん入っていって、そうして、法すれすれの線でもって国会をごまかして、みんな予算がふくれ上がっていく。大臣も知らない。何でこんなにいつの間にふえているかと驚くくらいの仕組みになっているのです。これが財政硬直化の一番の原因でしょうが。もうちゃんと年度でもって額がきまっているんだから、そして、それがふくれ上がった、それを大蔵省が、大蔵大臣がチェックしないで野放しにしておったら、日本の財政、国民の血税というものがどうして正しく使われますか。だいぶ大きな声を出したので、反論があったらお聞きしましよう。――御答弁がないようですから、今後こういうことのないようないろいろな措置が講ぜられるものと期待しておきます。  そこで、海洋観測船が特殊物資の運搬船になったということに関連しまして、海洋の気象の現状がどうなっているかということを私調べてみました。一体海洋観測船が不必要なのかどうか。大蔵省では、維持費がかかるから、これから収益をあげたいということで使用目的をかってに変えておる。これに原子力委員会も屈服して、とうとう使用目的を変更したということは、非常に私、残念に思うのです。それで、いま漁船の海難事故というものを、海上保安庁から出されたものに目を通してみました。この観測船の必要性を私はますます感じてきたのです。これは運輸大臣の責任、あなたの責任ではないかもしれないが、運輸省の責任でもありますよ、これは。必要があって組んだものを、かってに別のところへ持っていかれて、あなたのところはぼくっと穴になっちゃった。いまの、特に日本海の気象の観測あるいは通信、そういうものが万全だと運輸大臣はお考えになっておるのですか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○中曽根国務大臣 日本海の海洋観測は、舞鶴海洋気象台所属の清風丸及び函館海洋気象台所属の高風丸の観測船を用いまして、年四回の海洋観測を実施し、いろいろな気象の資料を得ております。近年、海洋開発の一端として海洋調査を強化する趨勢にありまして、われわれといたしましても、船やあるいはそのほかの設備等についても、もう少し整備していただきたいと思っております。

山内広日本社会党

○山内委員 これは整備の考え方を大臣持っておられるけれども、全く私どもの目から見ても、もっと海洋のいろいろな調査というものは必要だと私考えておるのです。海難事故の面からいっても、安心して漁民が働けるように、通信連絡、そういうことがもっと強力になされなければならない。私、ちょっとふしぎに思ったことは、これは防衛庁長官にお聞きしますけれども、あなたのところで海洋観測船の建造計画がありますね。事務当局から聞いてひとつ御答弁願います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 山内さんにお答えいたします。  四十二年度において海洋観測船一艦ございます。

山内広日本社会党

○山内委員 ですから、軍事目的はどんどんそういう海洋観測船ができてくる。これの成果は、何にも民間、一般国民には潤わないでしょう。これは軍が必要があって海洋観測をしておる。もうここにも予算の使い方から、せっかく民性安定のために組んだ予算をかってに、大蔵省の圧力というよりも、これはまた別なところから出ていると思うのですが、使用目的を変えたということは、非常に私、残念に思っておるのです。  いまちょっと観測船の配置の現状については運輸大臣からお話がありましたが、レーダー基地はどうなっておりますか。日本海に何カ所、これは、私のほうの調べでは十五カ所ばかりレーダー基地がありますけれども、日本海というのはほとんど手薄になって新潟ぐらいのものではないかと思いますが、もっとありましたらちょっとお知らせ願いたい。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○中曽根国務大臣 松江その他にもございまして、詳細には気象庁長官をして答弁させます。

柴田淑次気象庁長官

○柴田政府委員 日本海のレーダー基地は、現在松江、福井――福井は東尋坊でございます。それから新潟、その三カ所にございます。

山内広日本社会党

○山内委員 そうすると、全国十五カ所のうち日本海は三カ所、こういうことになりますね。

柴田淑次気象庁長官

○柴田政府委員 そのとおりでございます。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 山内君、持ち時間はあと五分ばかりでございます。

山内広日本社会党

○山内委員 持ち時間もなくなりましたので、はしょってお伺いしますけれども、特に日本海の冬季というのは、御承知のとおり非常に荒れるわけです。どうしても漁民の遭難事故を守るというからには、年間を通じて、特に冬季間の海洋観測というものは、重大な、私は必要があると思うのです。そういうことで、たとえば安保による地位協定の第三条の問題これでいろいろ制約を受けておるわけです。もうこういうふうに日本海が激化してくれば、中国では気象通報を送らぬ、アメリカに利用されるのがこわいですから。そんなことにでもなったら、ますます私は不安が増大すると考えておるのです。一体、こういうふうにだんだんに狭められていく、せっかくつくった予算までもよそへ持っていかれておるのですから、大臣は何かお考えがありますか。これは科学技術庁長官からも、何か構想があったらお聞きしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○中曽根国務大臣 中共からの気象情報は、ただいま北京及び漢口から放送されておりまして、これはわりあいに正常に運行しております。こういう正常な関係が今後とも永続するように、われわれも周囲の国際関係を平和裏にしておく必要があるだろうと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 気象観測につきましては、特に科学技術庁みずからやっておるものはございませんが、必要があればその調査そのほかは、特別研究調整費を持っておりますので、運輸省その他とよく連絡をとってお役に立つようにいたしたい、そのように思います。

山内広日本社会党

○山内委員 時間が参りましたので結論だけちょっとお話ししておきますが、これは御提案申し上げてひとつ長官の御判断を得たいと思うのですが、いまアメリカに開発されておるブイロボットという、これは海上の、中に人がいなくても風位、風力、波、すべてを自動的に送電する装置が開拓されて、これは私もある本で読んで、いまの非常に不足しておる海洋観測としてはちょっとおもしろい構想であり、こういうことがもし活用されれば、これはかなり役に立つのではないか、そういう判断に立ちました。これをひとつ御研究いただきたいと思うのです。  以上申し上げたとおり、日本の科学技術振興の方向がもううしろ向きになっておる、非常に私、残念に思うわけです。この間は、沖繩の返還にからんで核持ち込みの危険があるということを川崎委員がかなり強く指摘し、いまもって国民にはその不安が消えておらないわけです。また、持たない持たないと言っても持つじゃないかということは、これは楢崎委員が指摘したとおり。きょう私は力点を置いたのは、つくらないというけれども、こういう科学技術基本法を持っておって、そうして現実には、いろいろな方向がつくる方向に向いておるじゃないか、日本自身がもうつくらざるを得ないような、これは政策変更すれば直ちにそういう方向に向く、こういうおそれを私感じる。  そういうことで、ほんとうに総理が――これは木村官房長官は総理にお伝えいただきたい。ほんとうに非核三原則を貫こうというなら、総裁として与党を指導して、国会でこれははっきり非核三原則の決議をする以外に方法がない、これが日本の意思だと、これ以外に平和に徹する道はないと私思うのです。これはひとつ勇敢に与党の諸君もお考えいただいて、日本を誤らせないような国会の運営を今後考えていただきたい。希望を述べて、私の質問を終わります。(拍手)

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これにて山内君の質疑は終了いたしました。  これより小沢貞孝君の質疑に入る順序でありますが、一昨九日、折小野君の質疑のうちで、安保条約第六条に基づく地位協定第十七条及びその合意議事録の解釈の問題について、質疑及び政府側答弁が保留になっておりますので、この際、同君の発言を許します。  なお折小野君に申し上げますが、九日に持ち時間はすでに経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。折小野君。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 一昨日保留されております政府答弁をまずお伺いいたしたいと思います。

東郷文彦外務省北米局長

○東郷政府委員 一昨日の折小野議員の御質疑に対する説明の際に、私が引用した地位協定の合意議事録は、日本政府に本件のような被疑者の釈放を義務づけたものではないので、本件についての釈放の事情は、実情を承知しておられる当局からお答え願うことにいたしたいと存じます。

川井英良法務省刑事局長

○川井政府委員 一昨日は、本件の具体的事情を必ずしもつまびらかにしない外務省の政府委員からのお答えでありましたために、十分な御説明になりかねたと思われますので、私からあらためて実情に即して御説明をいたします。  この事件は、三月二日に警察において一たん逮捕の上、警察の取り調べ段階で身柄が釈放になりまして、その二日後の同月四日に横浜地検横須賀支部に書類送検された案件でございますが、検察庁から警察にその釈放の理由を照会しましたところ、本件につきましては、大ぜいの目撃者もある等の事情から、証拠隠滅のおそれも認められず、また逃走のおそれもないと思われました上に、さらに生後わずか九カ月の幼児を持つ女性という特別の事情も考慮されましたので、今後の取り調べには必ず出頭してこれに応ずる旨をかたく誓約させた上、釈放したものであるとの報告を受けております。  なお、本件につきましては、現在検察官において厳重取り調べ中であり、本人もすでに数回にわたって検察官の取り調べに応じておりますので、ごく近い機会に厳正な処理ができるものと確信いたしております。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 御答弁によりますと、事件の被疑者について逃亡のおそれがない、自殺のおそれもない、それから証拠隠滅のおそれもなく、今後の取り調べには十分応ずる、こういう日本側の判断に基づいて釈放された、こういうことでございますが、こうした場合においては、通例その判断につきましては、相当重大な、そしてまた慎重に考慮さるべきであろう、こういうふうに考えます。また、そういうふうにされるのが通常である、こういうふうに考えます。したがって、本件の場合につきまして、その確認について、いつ、だれが、どこで、どのような方法でこれを確認されましたか、明確にしていただきたいと思います。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 お答えを申し上げたいと思います。  この事件の釈放いたしました理由等につきましては、概要にただいま法務省の刑事局長からお答えを申し上げましたが、さらに私から、現地の釈放いたしました当時の状況、あるいはその理由等について御説明を申し上げたいと思います。  まず、事件が起こりました三月二日の早朝でございますが、この地域を管轄いたしております横須賀警察署の署長及びこれを事務的に主管をいたしております神奈川県警察本部の交通部の交通第二課長、この二人が現地に参りまして、その事故発生の状況あるいはその他の諸般の事情を十分調査いたしまして、総合的に判断をいたしました。そして、二日の午後四時四十五分に釈放いたした次第でございます。  経過的に申しますと、事故は午前四時に発生いたしておりますけどれも、その当時、この被疑者と申しますか、事故を起こしました米国婦人は、精神的にも非常に不安定な状態でありまして、直ちにその場において状況を取り調べるということが非常にむずかしい状態でありましたが、警察におきましては安定剤等を施して心気を静めさせまして、それから午前十一時に緊急逮捕をいたしました。そして調べをいたしまして、先ほど申したように、午後四時四十五分、横須賀警察署長、交通部の交通第二課長で諸般の状況を総合検討いたしまして、釈放をいたした次第でございます。  そこで、釈放をいたすことに決定いたしました理由でございますけどれも、まず第一点につきましては、事故を起こしました被疑者が、その事故を認めますとともに、被害者に対してもまことに申しわけない、こういうことで、いわば犯意を認めるとともにその事故を認めました。次に、同じ車に乗っておりましたトーマス伍長、それから被害者側である自衛隊の隊員、さらにこれを目撃いたしておりました人々の供述をとりまして、この供述と先ほどの被疑者の供述も一致いたしております。三番目に、事故の発生いたしました客観的な証拠でございますけどれも、スリップ痕、あるいは車体の損傷、あるいは本人についての飲酒検知器による検査、こういうふうなもの、すべて客観的な証拠も十分に整っております。四番目に、この婦人が生後九カ月の子供を持っておるというふうな事情、こういうふうなものを勘案いたしまして、自殺のおそれ、あるいは逃亡のおそれ、さらに証拠隠滅のおそれというふうなものは認められないというふうに判断いたしまして、釈放をいたした次第であります。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 客観的な諸情勢を判断をしてきめたということでございますが、結果的に見ますと、二名の死亡者、十数名の重軽傷者を出しておるという、きわめて重大な事故を起こしておるわけでございます。しかも、ただいま御説明のように、外国婦人であるというような特殊な情勢がからんでおります。こういうような重要な問題につきまして、通常日本人についてこれを処理した場合においてははたしてどういう扱いをされるのであるか、また、四十八時間の時間というのはまだ相当あるわけでございます。重要な問題につきましては、当然検察庁ともいろいろな御相談があってしかるべきじゃないかと思うのでありますが、今回はそういうようなこともなかったというふうに伺っておりますが、その辺はいかがでございますか。

内海倫警察庁刑事局長

○内海政府委員 お答えを申し上げます。  このような事故が発生いたしました場合、日本人でございましたならばどういうふうに処置するか、こういうことでございますが、現在こういうふうな交通事故が非常に重大な問題となっております場合、日本人の事故の場合におきましても、逮捕する、あるいは必要があればさらに逮捕を続けて、あるいは身柄つきで検察庁のほうに送致するということもございますが、また同時に、その事故の状況あるいは特に被疑者の状況によりましては、逮捕いたしましても、取り調べが一応終わって、証拠隠滅あるいは逃走のおそれというふうなことがない場合には、釈放をいたす場合もございます。釈放をいたします場合は、大体慣習といたしましては、責任のある身柄引き受け人から身柄引き受け書を受けまして、これを釈放いたすのを例といたしております。今回の場合、このアメリカ婦人につきましては釈放をいたしましたけどれも、やはりその身柄がアメリカ軍人の妻であるというふうなことで、アメリカの憲兵隊なども連絡に参っておりまして、もしこれが釈放というふうなことになりましても、自分たちのほうでもこの身柄について十分確保いたしまして、遺憾のないようにはいたしたいということで、警察署長に憲兵隊のほうからも申しておりまして、いわば身柄引き受けというものは、責任あるアメリカ側の憲兵隊でいたしましたので、私どもとしてはこれに引き受け人としての措置をとらしたような次第でございます。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 ただいまの御処置につきましては、私ども決して、正しい処置であった、適切な処置であったというふうには思われません。こういう面について、国家公安委員長はその事情をお聞きになり、それに対してどういうふうに判断をされ、また必要に応じてどういうような御指示をなすったか、そういうような点がございましたらお尋ねしたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 警察当局がとりました措置につきましては、その後しさいに検討いたしました。いずれにいたしましても、警察当局といたしましては、犯罪の捜査をいたすにあたりまして、日本人であると外国人であるとの区別はいたしておりません。米軍関係者だとて一点仮借はいたしませんので、厳正公平な態度で臨んでおる次第でございます。  具体的な事情に致りましては、先ほど事務当局が申し述べましたことで御理解いただきたいと思いますが、今後もこの基本方針は変えないつもりでございます。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 ただいままでの説明におきましても、外国婦人ということをいろいろおっしゃっております。私どもは、そういう点にまた特別な考慮が必要なんじゃなかろうかという点を考えないんじゃございませんが、また一面、相手が外国人であるから、もし逃亡したというようなことになった場合においては、属地主義をとるわが国の裁判権が及ばない、こういうようなことにもなる。また、外国人なるがゆえに国外逃亡というような場合におきまして、日本の官憲がこれを事実上チェックできない、こういうような事情もある。また、現に私どもは、外国人が日本人に対して犯した犯罪におきまして、結局国外に退去してしまったというようなことで事件がうやむやになった、こういう例も聞かないではございません。特に沖繩等におきましては、こういうような事件が頻発しておるがために、現地住民のアメリカに対する不信感というものを非常に大きくかり立てております。こういうような面を特に判断をして、正しい措置をとる、こういうことが特に必要じゃないかと思うのでありますが、こういう点についての御考慮があったかどうかをお伺いいたします。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 十分考慮しております。これにつきましては、本人の身柄の扱いにつきましては、所轄警察署長と米軍の責任者の間で十分話し合いをいたしまして、現在米軍でも重大な監視下に置かれてあるわけでございまして、折小野委員が御指摘になりますような海外逃亡のおそれなどはないものというふうに判断をいたしております。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 なお、これに関連をいたしまして、本件の民事的な処理と申しますか、そういう点に関連をいたしまして、防衛庁が中に入って、現在示談が進められつつある、こういうふうにお伺いいたすわけでございます。ところが、この点につきまして、一部週刊誌等においていろいろな判断が記事になって出ておるようでございますが、防衛庁あるいは自衛隊、こういうような立場において被害者――自衛隊員です。あるいはなくなった人もありますから、その遺族の意思を無視したり、これに圧力をかけたり、こういうようなことがないかどうか。決してこういうことがあってはならないと思いますが、そういう点についての長官の御決意をお伺いいたしたいと思います。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 今回の事故に関しましては、現在警察のほうにおきまして捜査中でございますし、それに伴いますところの各般の措置を講ぜられておるわけでございますので、私どもはその各般の措置に相まちまして、こちらとしての十分な対策を講じたいというふうに考えておるわけでございます。  そこで、先ほどお話しのような、これに伴います被害者の意思を防衛庁としてあるいは抑圧をしたりというふうなことは、毛頭考えていないのでございまして、これに対する十分な措置についての準備を進めておるというのが現状でございます。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 日本人がアメリカで同じような事故を起こした場合において、はたしてどういうような処理が行なわれ、特に損害賠償あたりにおいてどれだけのものを取られるか、私もよく存じません。しかし、巷間伝うるところによりますと、交通事故で人を一人殺せば、結局一生だめになるようなことになる、こういうような程度のことを聞いておりますが、そういうような事情を十分御勘案になって、そういうような面と不均衡にならないように、こういうような面も十分お考えになっておりますか、お伺いいたします。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 ただいま御指摘のように、日本人によりますところの事故の場合と同じような趣旨で、補償関係については考えていくつもりでございます。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 その点については、今後の問題でございますから、ひとつ十分考えていただきたいと思います。  交渉の途中においてこれ以上申し上げることを避けたいと思いますが、私どもは、この問題の推移あるいは今後の処理の結果につきましては、なお重大な関心を持って見てまいるでありましょうことをここに申し添えておきます。  以上によってこれを見ました場合に、今回の事故の非常な重大さ、外国人である点、こういうような点につきまして、その犯人に対する取り扱いは、先ほども申し上げましたように、無定見である、慎重を欠く、決して適当な措置であったとは言えない、こういうふうに考えるわけでございます。しかも、このことによって、日本人の国民感情、こういうものを考えました場合に、納得し得ないものがあるわけでございます。今後の措置において、そういう点が、国民が十分納得し得るような解決が行なわれますようにということを念願をいたしますが、関係大臣の所信をお伺いをいたしたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 先ほど申し上げましたとおりに、捜査という点では、言うまでもなく、内外人を区別するということはございません。  ただ、これをどう処理するかということは検察当局の段階でございますので、おそらくは厳正に日本の法律を適用されるということを信じております。

赤間文三自由民主党法務大臣

○赤間国務大臣 私は、日ごろから、いやしくも犯罪の取り締まり当局といたしましては、その犯罪を犯した者が日本人であろうと外国人であろうと、そういう区別をせず、あくまでき然たる態度をもって事件の適正な捜査処理をしていく考えでおりますので、御了承願います。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 この際、麻生良方君より関連質問の申し出があります。これを許します。麻生君。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 初めに、先ほど折小野委員の質問、警察庁長官に御質問をしておるのでありますけれども、長官に御答弁を願うことは御通告してあるのでありますが、本日お見えになっておりませんが、その理由を先に明らかにされたい。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 麻生君に申し上げます。  警察庁長官は病院へ行っておるということでございまして、ここには見えません。それから防衛庁長官は、ちょっとと座をはずしたのだろうと思うのですが、いま呼んでまいりましょう。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 私はなぜ警察庁長官のことを申し上げるかといいますと、これが法務省と打ち合わせの上で処理されておるなら、これは法務大臣及び法務関係の政府委員の御答弁でいいのです。しかし、先ほどの御答弁を聞いておりますと、そうではない。現場で処理しておる以上、現場の責任者は警察庁長官なんです。この問題の処置が、あらかじめ長官と現場と打ち合わせされた結果行なわれておるかどうか。この点については、長官の御答弁がなければ、これは議事進行できないのであります。したがって、長官の御答弁を要求するのでありますが、いま病気でおられないということであればやむを得ません。これは午後御出席されることもあると思いますから、この点についての質問は私は保留をして、この扱いは理事会に御一任申し上げたいと思いますので、警察庁長官に対する質問の一点だけは保留さしていただきたいと思いますが、委員長、お取り計らいをお願いしたい。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 さよう取り計らいましょう。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 防衛庁長官、どうした。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 すぐあらわれます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 防衛庁長官は、質問通告をちゃんとしてあって、初めにおすわりになっておったでしょう。どこに消えてしまったのか。これははなはだ不謹慎ですから、至急に善処してくださいよ。こういうことがあると、これは質問続行できないから……。警察庁長官はわかりましたから、先ほどのようにお取り扱いを……。(発言する者あり)私は、防衛庁長官が御退席されるならされるときに、あらかじめ折小野発言者に対して同意を得て御退席されるのが、いままでの慣例であるように承っております。しかも、質問通告を出しておるのであります。ところが、途中で何らごあいさつなしに退席されて、いまもってお帰りにならない。わが党としては、これをすなおに受け取ることはできません。といいますのは、この質問の発端の一昨日の折小野質問のときにも、法務大臣は、政府委員をして答弁させますと言いながら、法務省からは政府委員が出ておらないではありませんか。したがって、やむを得ず外務省から答弁が出ているから、こういう食い違いのことが起こるんだ。大臣、政府委員は一体何をしておるんだ。侮辱するのもはなはだしいですよ、わが党の質問を。   〔「休憩、休憩」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 この際、休憩いたしまして、午後一時から継続いたします。    午後零時十二分休憩      ――――◇―――――    午後一時十一分開議

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質疑を続行いたします。麻生良方君。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 けさほどの関連質問に関しまして、いま少しその問題について御質問さしていただきたいと思いますが、警察庁長官が本日御欠席になっている件につきましては、委員長から御発言がありまして、御病気療養のために、病院においでになっておるということでございますから、これは発言者も、また関連質問者の私も、これを了承いたします。しかし、先ほど申し上げましたように、後日しかるべき機会に、この問題は現場で扱っている事件でございますので、現場の最高責任者としての長官の御意向は、あらためて別途の機会にしかるべき御答弁をいただくようにいたしたいと思いますので、これはそのときまで保留をさしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 はい。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 防衛庁長官、あなた、どこにおいでになっていたんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 私は、ここに出ろという通告があったということが、ちょっと時間の関係が間違いまして――あったことは事実でございます。そこで、出なかったことについて遺憾の意を表します。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 たぶん、大臣勘違いをされてお出になったと思いますが、お出になるときにはやはりお出になるように、質問通告がしてあるのでございますから、質問者のほうにも了解を得てお出になる、また、お出になるときには、やはりあなたのしかるべき秘書官なり何なりにはっきりした居所、いつ帰るか、そういうことを御通告していただかなければ、漫然とお出かけになってしまって――私はどこにおいでになったかまではきょうは追及は申し上げません。申し上げませんが、委員長からしかるべく、この件については、大臣各位に御発言を願いたいと思います。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 ただいま麻生委員の御発言のとおり、先ほど議事が停滞をするというふうなこともございましたから、以後、閣僚諸賢におかれましては厳重に注意されますことを委員長から要望いたします。(拍手)

麻生良方民主社会党

○麻生委員 先ほどの折小野委員の質問に関連いたしまして、一点、二点だけ御質問をさしていただきます。  外務大臣にお尋ねをいたしますが、アメリカにおいてもし日本人がこの種の事故を起こしたときに、アメリカの裁判において受ける刑罰の内容、及び、それによって支払わなければならない弁償のおおよその概要をお教え願いたいのであります。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 これはやはり事故のいろんなケースによって違うと思いますので、ここで端的にこれくらいの補償が必要であるということを申し上げることは、せっかくのお尋ねでございますが、きわめて困難であることをお許しを願います。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 そんなことはありませんよ、外務大臣。私はアメリカに行きまして、わが国の総領事館に勤務している者がこの種の事故にあって、どれだけの損害賠償を受けているかという事実も知っておりますよ。外務大臣御存じないはずはない。いいですか。アメリカという国は、そういう点においては実に仮借ない法治国家であります。これは何も日本とアメリカの友好関係に関係のあることではないのであります。そういう点から考えましても、先ほど折小野委員が申し上げましたように、この種の問題について、あるいは刑事事件とは別個に示談の話が進むかもしれないけれども、その際におけるわが国のき然たる態度だけは、これは特に防衛庁長官、あなたの管轄下にある自衛隊の隊員が被害者であるのでありますから、あなたの御所見をこの際はっきり承っておきたいのであります。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 麻生さんにお答え申し上げます。  御指摘のごとく、自衛隊員が被害者でございます。そこで、加害者が内、外人のいずれたるとを問わず、被害者に対する適切なる措置をとる、これが私の所見でございます。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 最後に、関連といたしまして、自治大臣に御所見をただしたいことがあります。  先ほど折小野委員の質疑中に明らかになりましたように、この事件についての扱いは、現場において扱い、現場においてさような、先ほど答弁が出たような見解に基づいて釈放をした、その釈放した結果が米軍に預けられた、こういうことになっております。しかし、事件の重大さは、これは大臣の御答弁のとおりでありまして、もし、日本人がかくのごとき事件を起こしたときには、やはりいままでの判例その他から見て、もっと仮借なき追及が行なわれていることは事実であります。と同時に、また外国人である場合には、その間政府と政府との間の公式的な了解なしに、これを外国軍隊に引き渡してしまった場合、万が一逃亡された場合には、手の尽くしようがないということは、これは明らかである。日本の警察の捜査権のないところに彼女は住んでおるのであります。そういう点についても、当然現場の処置としては、あなたのほうに連絡があり、また警察庁長官とも協議し、政府の意思決定としてかくのごとき処置を下すべきが当然であったと私は思う。そうでなければ、万が一のときの責任は一現場における警察官が負わなければならないではありませんか。そうでしょう。そういうことについて、私は、今回の事件はともかくとして、今後かくのごとき事件、あるいはさらに悪質な事件が起こらないことを私は願うけどれも、万が一起こった場合の処置としては、今回の処置は必ずしも適切であるとは言えないということを先ほどの質疑の内容で私は感じとりました。この点について自治大臣、もう一度はっきりした御所見を承りたい、率直に承りたい。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 お答えします。  現場の責任者ということを申されますが、御案内のとおりに、いま自治体警察の制度でございまして、釈放はそれぞれ所轄の警察署長の権限でございます。これはさすがに相手が外人ですから、警察署長も判断をしかねたか、さらに慎重に県警へはかって、ここから交通二課長、これとともにこの事件の処理に当たって、先ほど申しましたような理由で、本人が逃亡または証拠隠滅のおそれもないという保証も得まして、あの措置をとったものと判断いたしております。  警察庁は、御案内のとおりに、都道府県警察の行政事務を調整するという役割りでございまするので、現場と申せば、県警の本部長になろうかと考えます。第一線は署長でございます。しかし、事がこういう外人にからんだ問題でありますし、将来にわたっては、少なくともいま御指摘になりましたように、何か事が起こりましては、やはり大事でございますので、十分関係各省と相談をいたしまして、善処いたしたいと考えております。

麻生良方民主社会党

○麻生委員 法務大臣、あなた一昨日の答弁では、事情をまるで御存じないようでございましたけどれも、ただいままでの質疑応答の内容の中で明らかになったと思います。私は、これは追及はいたしませんが、少なくとも現場における処置は、法務省、特に法務省の刑事局内部においては、事前には相談を受けなかったのではないかという疑念を持っておりますが、このことは追及をいたしません。しかし、事はかような国際間の問題になる問題でありますから、今後のかような事件に対する処置、そのことについて、法務省、法務大臣としての御見解を承って、私の関連質問を終わりたいと思います。

赤間文三自由民主党法務大臣

○赤間国務大臣 こういう事件につきましては、将来慎重にやっていきたい、特にお答えを申し上げておきます。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 折小野君、それではひとつ最後に締めくくって終わりをつけていただきとうございます。

折小野良一民主社会党

○折小野委員 今度のこのような事例は、今後あり得ることでございます。特にわが国の自主独立というような立場からいたしまして、ただいままでなされました各大臣その他の御答弁、必ずしも私ども満足いたしません。特に今後につきましてき然たる態度をもって事の処理に当たっていただきたいということを強く要望をいたしておきたいと思うのでございます。  したがって、そういう立場から、最後に私が申し上げたいことは、ひとつ警察官も検察陣も卑屈な気持ちを持ってもらわないように、それから裁判所も当然この点につきましては自主的な立場で処理をされると思いますが、かつての児島惟謙の精神を忘れないように、そして被害者を出しております防衛庁におきましては、長官並びに防衛庁は自衛隊員の誇りを傷つけるようなことをしてもらわないように、ひとつ日本国政府はしっかりしてもらいたいと思います。  終わります。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これにて折小野良一君の質疑は終わりました。  次に、小沢貞孝君。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 私は、民社党を代表しまして、先般防衛庁の高級職員が民間に天下った、こういうようなことからいろいろ問題を起こしておりますが、それ以上に、政府機関、公社公団等十数機関ありますが、こういうところで民間に天下りをし、それがまたいろいろ問題を起こすような状況になっておりはしないか、まず第一点はそういう問題、次は農村の二、三の問題、それから公労法関係、三公社五現業の労使関係、こういうような三つの問題について、若干の質問をいたしたいと思います。  まず第一に、国家公務員は百三条によって私企業からの隔離ができておるわけです。防衛庁のほうにおいてはやっぱりそういうような隔離ができておりますが、防衛庁と国家公務員の違いは、国家公務員のほうは、人事院という第三者の機関があって、それを審査をして、承認をして、一年間承認した者はこれだけでありますというように国会及び内閣に報告するようになっております。防衛庁のほうは、防衛庁長官がそれを審査をする、自分のところで自分で審査をする、こういうことになっております。官房長が、この間、この問題については再検討を要するというような新聞記事を見ましたけどれも、おそらくそういうような問題について再検討をしなければいけない、こういうようなことではなかろうかと思います。  ところが、専売公社、国鉄、電電公社以下政府機関十数機関については野放しであるわけです。最初から一例をあげたほうが事は早いと思いますので、冒頭に専売公社の役職員、これは最近どういうところへ民間へ天下っておるかということで、まず最初に、専売公社のほうから申し上げたいと思います。  三十八年の一月に、専売公社の本社の製造部長萩原昇、これは株式会社東京自動機械製作所社長に就任をしております。それから三十九年五月、白井波留次、これは理事でありますが、同じく株式会社東京自動機械製作所取締役、社長と取締役と二人が専売公社からいっているわけです。この会社はたばこ機械を専売公社へ納めているはずであります。それから三枝正勝、三十八年五月、これも理事であります。東京セロファン紙株式会社の専務取締役、これはセロファン紙の取引が専売公社とあるということは御承知のとおりです。それから下門辰美、これは三十九年八月、やはり理事です。東北フィルター工業株式会社社長に就任しております。この東北フィルター工業株式会社というのは、自分のところで製造したものを一〇〇%専売公社へ納めておって、ほかへは納めておるものはなさそうです。だから、専売公社の専売会社です。そういうような状態だと思いますが、そこの社長にこの理事は就任しております。それから高橋時男、本社総務理事、四十年の十月、日本通運株式会社監査役。これは先ごろ来問題を起こしておる日本通運で、専売公社は三十億前後、つまり専売公社の約八割のものは日本通運が扱っているのではなかろうか、私たちの調査ではそういうような状態になっております。それから大槻義公が四十一年二月、これは専売公社の副総裁、ダイセル株式会社顧問、これはアセテートの例のフィルターのもとを供給しているというのでしょうか、ダイセルはそういう化学工業です。それから長沼徹、四十一年五月、本社管理部長、これが日本紙工株式会社社長。包装印刷というのでしょうか、この会社の五〇%くらいは専売公社へやっておるのだ、こういうように私の調査では承知しております。それからいま一人、新井喜一、これは四十一年九月、本社総務理事、ネオフィルター工業株式会社の社長です。これは新しくわかばというたばこができて、新設の会社文例のフィルターをつくっておって、これは一〇〇%専売公社へ納めておるといいますから、この会社でつくったものはほかに納めるところはなかろう、こう思われますので、これは専売公社の専売会社です。そこの社長。まだたくさんありますけどれも、読んでいけばたいへん切りがありませんので……。  こういうようなぐあいに、国家公務員にはある程度の規制がある。不満足ながら自衛隊の特別職にもある程度の規制がある。これは地方公務員にもあります。しかし、政府機関であるところの公社公団には何らの規制がない、こういうように私は考えるわけです。こういう問題で、監督官庁の大蔵大臣、弊害が起こらないと、こういうようにお考えでしょうか。また、私の申し上げたのは事実であるかどうか、その点もあわせて最初に御答弁いただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 事実でございます。結局まあ、三公社いずれもそうでございますが、離職後の就職の制限というようなものを公社法でもしておりませんし、また国家公務員法の適用も受けておらない、こういうことでございますので、退職されたあと民間に勤務されるということについての制限はいまございませんので、やはりこういうことになっておると思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 委員長、声が小さくて聞こえない。弊害があるかないか。一つは答えました。事実であるという御答弁をいただきました。いま一つの弊害があると感ずるか感じないか、この点を明確に、一言で、イエスかノーかでいいです。大蔵大臣から御答弁いただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 好ましいこととは思いませんが、しかし人による問題でございまして、全部が弊害があることというふうにも考えません。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 好ましいことではないということは、これはこういう状態にあったのでは好ましくない、こう言われるのだから、これは改善をしなければならないとお感じになりますか。たとえば先ほど来申し上げているように、ある会社の社長に理事が就任しているわけです。専売公社の理事が就任している。ところが専売公社にいる者は、そのあとの後輩がいるわけです。それで、その理事が就任したその会社は、つくっているもの全部一〇〇%専売公社へ納めて、それを買ったりするのはかつての理事の後輩がやっているわけです。これは一億円で買うというのを、おい、おまえ――これは昔の部下ですよ。おい、おまえ、これはもう少し値をよく買えないかという一言でもって、取引がおかしくなってしまうのじゃないですか。好ましくないどころの騒ぎではないわけです。こういうことは全然やめさせなければならないことではないですか、どうでしょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは当然弊害のないようにある程度取り締まるべきものだと思いますが、さっき申しましたように、いまのところこれについての制限の規定はございませんし、これはやはり人により、いままでの関係によって、弊害のない形で処理されておるのがいままでの慣例だというふうに考えています。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 いまから何年か前までに専売公社法で私企業からの隔離、こういうものが規定をされておったと思います。それが何かの機会に廃止されたんではないか、こう思いますが、私企業との隔離をかつて専売公社法で規定されておったのが、どういう理由によって改正になったか、その点をお尋ねをしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 過去においては臨時物資需給調整法というものがございまして、これに基づく指定生産資材の割り当て業務、これに従事しまたはその業務を監督しているという公社の役職員については、退職後の就職に二年間の制限がございました。これは生産資材の割り当て業務というものが、もうこれは当時において純粋に行政分野に属するものでございましたので、したがってこういう制限を置いたと思うのでございますが、この臨時物資需給調整法がなくなりましたので、したがって、昭和三十年にそれに伴ってこの二年間の制限というものをやめた、こういういきさつでございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 大蔵大臣にはまたあとで聞きます。  専売公社総裁お見えですか。――いま私が読み上げた八人の方、そのうち萩原さんと白井さんは同じ東京自働機械に行っておりますから、会社でいえば七つです。この七つの会社と専売公社との取引は、年間おおよそ幾らですか。それからその会社が専売公社に納めているウエート、たとえばその会社が一〇〇の生産高とすると、そのうち幾らを専売公社が購入をしているか、取引をしているか、この点を専売公社総裁に御説明をいただきたいと思います。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 お答えいたします。  自働機械製作所六二・二%、日本紙工が五二・五でございます。東京セロファン一二、それから東北フィルター、これは九九・九ですから一〇〇でございます。それから日本通運は、これは三・一でございますからごくわずかでございます。そういうようになっております。ネオフィルターはこれは全部でございます。(小沢(貞)委員「ダイセルの割合は」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。――ダイセルの数字がちょっとはっきりわかりませんけれども、ほかのものもやっておりますので、割合からすると少ないと思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 これは会社が生産をしている生産額のうち、専売公社の購入したものは、その会社にとって、東京自働機械は六割二分そういう意味ですね。それから東北フィルターは一〇〇%、ネオフィルター工業は一〇〇%、日本紙工が五三%これだけのものをそこの会社と取引をしているわけです。そういう中にあって、あなたのところへつとめておった者が、特に役員である理事等がそこへ行って社長になっているわけです。そういうところの製品を購入する、契約をする、そういう場合に、もうそのままストレートでその会社へ社長として就任していって、そうして専売公社と契約をする、こういうことで公社の総裁としては弊害が起こらないと考えますか。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 お答えいたします。  いまの一〇〇%の例を申し上げたらいいかと思いますけれども、この東北フィルターにいたしましても、このつくっている製品がたばこ以外に使えないものなんです。それからネオフィルターにいたしましては、これは公社の開発になる新しい技術でございまして、これがネオフィルターがアセテートフィルターに変わるものという意味では、一〇〇%当然これは公社が買わなければならないものであります。それから東京自働機械にいたしましても、非常に割合が多くなっておりますけれども、これらのものによって出る弊害というものは、たとえばネオフィルターの場合はアセテートフィルターとの競合になります。したがって、この値段の割合が、それより高く買うというようなぐあいにはまいりません。これらの購入の分につきましてはもちろん厳重な監査を受けておりますので、そういう弊害はいまのところは私は認めておりません。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 われわれが考えると、専売公社の理事が社長になっていってその会社を運営する、そうしてできた製品を全部専売公社へ納める、こういうことになれば、これは専売公社の一出張所と同じような形じゃないですか、国民から見れば。そういうことで弊害がないと――もっとも弊害がありますとは言えないかもしれませんけれど、先ほど大蔵大臣は好ましくないとこう言っておられるので、まず専売公社はその程度にしておいて、次へ進みます。  次は、電電公社総裁いらっしゃいますか――電電公社で、大きなところだけでけっこうです。たとえば電電公社は建設費を約五千億一年間に使っていると思います。その内訳は、資材が約二千八百億前後、発注工事が千二百億前後、それから土地建物が一千億、こういうことで、資材関係で大きな会社は日本電気、沖電気、富士通信、それから発注工事関係約千二百億の受注会社で大きなところは、日本通信建設、協和電設、大明電話工業、こういうところだと思います。こういうところへ電電公社の役員あるいは局長、部課長で、最近就任された人がありますか。簡単には天下りの人事だ。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 お答えいたします。  電電公社関係は、大きく分けますと、いわゆる製造関係とそれから建設関係と建築関係、この三つに大きく分かれます。それで、最初御指摘がありましたが、製造関係につきましては、現在技術は最近ヨーロッパを抜きまして、アメリカと対等というところまでまいったのでありますが、製造の一番大きなのは日本電気株式会社でありまして、それからあと富士通信機株式会社、沖電気株式会社と、この三つが大きいのであります。それで、この日本電気に入っております人の名前でありますが、研究所から参りました染谷君、これは研究所の企画調査室長から参りました。それから三原裕登君、これは役員でございませんが、建設の室長をやっておりました。それから、日本電気でいま役員になっておりますのは、最近入りました、と言いましても二年前に入りました佐々木卓夫君、これがいま常務をやっておりまして、これは技師長をやっておりました。あと三人ばかりおりますけれども、これはどれも役員にはなっておりません。役員になっておりますのは佐々木卓夫君一人であります。それからその次に沖電気でありますが、沖電気では、研究所長をやっておりました早坂君、これが最近沖電気の常務になっております。あと二人最近入りましたけれども、松田君、増沢君と、これはしかしまだ沖電気の役員にはなっておりません。それから富士通信機におきましては、最近村田君、山本君、二人が入りましたが、これはどれも役員ではございません。それからその次に建設関係でございますが、建設関係の一番大きなのは日本通信建設、その次、ほぼ同じ大きさのが協和電設、三番目が大明電工、こういうわけであります。日本通信建設では、四十一年に船津君というのが入っております。これは関東通信局長であります。それから佐藤君、これが監査局長と、この二人が公社の理事でありまして、いまそれぞれ専務と常務になっております。それからあと小出君というのが、これは土木関係の人でありますが、これは日通建の役員になっておりません。それから遠藤正孝君、これは東京市外電話局長でありますが、取締役になっております。それから大明では、四十二年に入りました仙頭君これは保全局の室長であります。局長じゃなくて、次長よりちょっと下なのでありますけれども、それはいま常務になっております。それから協和電設は社長の平山君、これは総務理事で行っております。それからあと二人、飛田君、浦野君がいっておりますが、これはいずれも協和の役員にはなっておりません。それから建築関係は、これはほとんど役員になっておる人はないと思います。大体以上であります。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 日本電気の浅野敏夫常務取締役、これは電電公社におらなかったのですか。それからいま一つ富士通信常務取締役小島哲君。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 お答えいたします。  浅野君はたしか子会社が本務でありまして、日本電気そのものではなくて、日本電気の何か工事会社に入って、そっちのほうの常務で日本電気はたしか顧問みたいなことになっておると思います。小島哲君は少し古いのでありまして、これは三十七年ごろでありますか、六年くらい前でありますから、五年より前で、抜かしておりますが、小島哲君は富士通信機のいま常務をやっております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そこで電電公社の発注資材の中に占める日本電気のウエート、私が調べたところによると、約二千八百億のうち四百五十億が日本電気である。それから沖電気が百五十億、富士通信は百九十億、この三社で合わせて約八百億。二千八百億の八百億ですから、約三割はこの三社によって占められておる。その大きい三社だけを調べたところが、いま電電公社総裁の申されたように、もう公社におられた者が天下りして、そこの役員をやっている、あるいは重要なポジションを占めている、こういう実態になっておるわけです。電電公社法においては、国家公務員あるいは自衛隊法、そういうことに定められていると同じような民間企業との隔離という条文がないわけです。だから、こういう状態では当然にその契約について弊害が出てくるのではないか。あるいはまた建設関係でいえば、先ほど言ったように発注工事は約千二百億です。そのうち先ほどの日本通信建設が百十億ですから約一割。それから協和電設が百三十億、これは一割以上。それから大明電話工業が約八十億。以上三社で三割近いウエートを占めているわけです。だからこれ以下に、たくさんの会社があると思いますけれども、そういうところへどういう人が天下っていっているかは私はまだ調査していないし、いまも御答弁をいただいてないわけなんですが、この大きな三つの会社が約三割の受注をやっている。資材関係においてもこの大きな会社が約三割前後の受注をしている。そういうところの役員に最近まで公社の役員あるいは枢要な職員が天下っていっておる。こういうことについて、国民一般から見れば当然疑惑、疑念をもって見ざるを得ないわけです。御当人にとっては、そういうことが長い間続いておるからあたりまえのように考えておられると思います。しかし、こういうことについては当然これはやめなければならない。最近の防衛庁の問題にしてもそうです。国家公務員においては隔離がされております。だから一般民間人から見れば、政府機関である電電公社あるいは専売公社あるいは国鉄、これは役所と同じように見ているわけです。そういうところにおいて公然とこういう天下り人事が行なわれている。これが実態だと思います。公社の総裁これはどうです。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘がございましたが、確かに先ほど申し上げましたような人が、これらの会社に就職しておることは事実でございます。しかし公社の特殊事情と申し上げてはいかがかと思いますが、先ほど申し上げましたように日本の技術レベルというものが非常に高くなっている。それで、たとえば戦前では弱電機械の輸出というものはほとんど行なわれなかったのでありますが、戦後、ことに最近になりまして非常に外国へ物が輸出されるというようなことになってまいります。ところで、これらのいった人は大部分技術者、いわゆるエンジニアでありまして、会社の経営に入っているというよりも、いわゆる技術の面で会社で働いている、こういうのが大部分なんでございまして、そういう意味において、われわれといたしまして、こういう外部へ公社の人がいった際に、公社の発注あたりにまずいことが起こっては絶対いけないということを強く言っておりますし、また公社のいろいろな契約の仕組みというものは、外部監査もありますし、内部でも監査いたしておりまして、そういう点できわめて厳正にやっておるわけであります。先ほど申し上げましたように、そういう技術者が日本のほかにいないということ、あるいはそういうふうに輸出をやるために必要になってきた、こういう特殊事情があることは御了承願いたいと思いますが、いずれにいたしましても、こういう公社から出ている人に対しまして、公社の人が特別待遇は絶対しないようにということを強く指示しておりますし、またそういうふうに行なわれるというように思っております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 総裁、一日理事になって民間会社にいくという例があるのでしょう、どうですか。一日理事にしておいて、あくる日もう発令して民間会社にいくというの、があるのでしょう。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 ただいま御指摘になりましたように、そういう人もございます。たとえば先ほど言いました佐藤君というのは一日理事でやめました。そういう人もございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 電電公社のことは、きょうは郵政大臣を呼んでありませんので、監督官庁の郵政省からまた聞きたいと思いますが、次に国鉄。国鉄総裁から。  時間がかかるので、私のほうで読み上げます。これはたくさんおりますけれども、これを認められるかどうか。四十年十月、加藤一郎さん、東急車両の常務取締役、それから監察局長であった村松敏雄さん、近畿車両の常務取締役、自動車局長の宇都宮弘、日本運輸倉庫の常務取締役、それから施設局長の山口和雄、日本交通技術株式会社常務取締役、建設局長の田中行男、日本国有鉄道建設公団理事、あるいは伊地知堅一、これは施設局長、大鉄工業専務取締役、それから電気局長、斉数賢次郎、日本電気の事業部長、中国支社長の荒井誠一、富士車両の取締役の東京支店長、それから鈴木滋、鉄道建設常務取締役、その他たくさんございますけれども、そういう人が最近それぞれの民間に就職された。これは事実ですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 お答えいたします。  ただいまの名前は一々フォローできませんでしたが、実に多いのです。あえて無数とは言わぬが、非常に多数なんです。あなたが御指名になった以上に私はあると考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そこで、これはどこの監督官庁かわかりませんが、いまから申し上げるこういう公団公庫――国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、こういうようなところはやはり民間からの隔離が行なわれているかどうか、その公庫法なり何なり、これは官房長官から御答弁をいただくより、どうもきょうのところしかたないと思います。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○木村(俊)国務大臣 いまおあげになりました公団、事業団また公的金融機関、いずれも公社と同じような程度で、一般に法規制はございません。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 時間の関係ではしょりますが、さらに官房長官に聞きたいと思います。これはそれぞれの監督官庁に聞かなければいけないと思うが、国家公務員は、さっき言ったように特別職は、あるいは地方公務員すら民間からの隔離が行なわれているわけです。いま国鉄総裁も電電の総裁も専売の総裁も言われたように、これはもう全然隔離が行なわれてない。はなはだしきに至っては、理事にさしてやってすぐ民間へ行く、こういう実態になっているわけです。これによって弊害が起こってきているわけです。まだ弊害がないと言うならば、私はいまからこういうところにおける政治献金その他をだんだん申し上げなければならないと思います。こういうことについて政府としては、それぞれの公社法なり国鉄法なり、みんな別別に改正をしないと民間からの隔離ができないようになっているわけです。政府はどういうように対処をしようとしていますか。たとえば大蔵大臣は、好ましくない、こう明確に言われているわけです。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○木村(俊)国務大臣 現在のところ、一般的に法律でもってこれを規制することは考えておりませんが、ただ、やはり関係政府機関でございますから、国家公務員法の適用を受けない、また法律に特別の規定がありませんでも、部内的にある基準を設けて、そういう弊害を除去するのが適切であろう、こう考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 はなはだしいところでは、就業規則で、ほかの営利会社なり何なりへ行って就業をして報酬をもらうような場合には上長の許可を得なければいけない。いいですか。兼職すら上長の許可があればできるようなことにすらなっている。これは単なる就業規則です。これは私も調べが足りませんが、末端へ行けばおそらくそういうのがありはしないかと思うわけです。ましてや役員や高級職員の兼職だけではなくして、離職後の就職制限ということについてはいま言ったとおりです。だからこれは政府において統一して、ちゃんとそれぞれの公社公団に改正を指示しないと、あるいは監督官庁がそれをやらないと、こういう弊害はだんだん起こってくるのではないか。もう政治献金は明らかに行なわれているわけです。これは申し上げれば、もう電電公社なら電電公社から四百五十億、五百億という資材の発注を受けるところにおいて、ちゃんと政治献金が行なわれているわけです。こっちの会社はどうだ、こっちの政党へはどうだ、こういうことになっていけば、さらに弊害は拡大していくのだ、こういうように考えるわけです。防衛庁の例を見るまでもなく、これは当然政府としては統一して、政府機関については私企業からの隔離をしなければいけない、これは当然のことじゃないですか。

木村俊夫自由民主党内閣官房長官

○木村(俊)国務大臣 政府部内におきまして、今後の問題として慎重に検討したいと思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 慎重に検討しよう、こういうことなので……。これはそれぞれの法律で直さなければならないので、たいへん手続はむずかしいのではないかと思います。国鉄法においては国鉄法の改正、電電公社法の改正あるいは専売公社法の改正、それぞれみんなそれにつながることだと思います。しかし、官房長官から、善処する、こういうような御回答があったので、最近こういう問題をめぐって防衛庁をはじめその他にたいへん問題が出ておるときであるので、善処するということを私は信用して、この質問はやめて進みたい、こういうように考えます。  次に、若干の農村の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一には過疎対策についてであります。これは昨年の毎日新聞でありましたが、「人口流出に悩む農村」こういうことで、過疎の悲劇をこういうふうにうたっているのです。「「過疎地域」――それは新しいスラムの出現を暗示する。都会の吹きだまりに見られる在来のスラムとは発生も形態も違うが、そこで生活破壊が浸透しつつあるという点で、疑いもなくそれはスラム化への過程にある。経済成長から疎外された“先進国日本”の中のアウトサイダー――新スラムとはそのようなものだ。」こういう前置きのもとに、たとえば首都圏から五十キロ以内のところと過疎地域とのいろいろの比較が出ておるわけです。たとえば市町村の中における一般財源、一般財源の中の市町村民税の占める割合、首都圏から五十キロ以内のところは大体五割五分くらいは一般財源で占められている。しかし過疎地域に行けば一五・四%こういうのですから、約三分の一だと思います。保健衛生費のごときは、首都圏においては一人当たり千八百十七円、ところが過疎地域においてはその三分の一以下である五百八十円、土木費のごときは、首都圏においては三千五十七円が、過疎地域においては千八百四十五円、道路舗装率は五・二%に対して〇・九%、自動車通行不能道路が二四・九対七三・三、こういうような実態です。さらに乳児死亡率は、神奈川県等わりあいにこちらの都会地に近いほうは一四・八%だが、岩手、青森、高知、鹿児島というような過疎地帯に行けば二五から二八%、こういうようにたいへんな格差がついているわけです。そこで、過密過密ということで、過密対策だけはいままでずいぶん国会でも取り上げられ、政府においても一生懸命でいろいろ対策を講じられておられるようです。ところが過疎、人口急減地帯については、まとまった対策というようなものの見るべきものがないわけです。この全国のうちの二、三の町村を申し上げると、たとえば、私の長野県の美麻村のごときは、昭和三十五年から四十年の五年間に三千三百二十五から二千六百五十五と、六百七十人の人口が減っていってしまって、二一%の人口が減っているわけです。たった五年間にその村の人口の二一%が減っている。小谷村のごときは一四%、秋田県の矢島町のごときは一三%――これは農業人口ですが、東由利村のごときは一三%、五年間にそれだけの人口の急減があるわけです。そうして、こういう村は大部分のところは合併すらできない、合併不能村です。だれももらってくれ手がない、嫁に行く婚期がおくれてしまったような実態ではないかと思います。だから、五年間に二割一分の人口が減るということは、十年間には人口が半分になってしまうわけです。これでは村づくりも何もできない、こういう実態ではなかろうかと思いますが、この過疎に対する対策は、それぞればらばらに若干行なわれていると思いますけれども、まず、自治省あるいは経済企画庁あるいは農林省は、どういう対策を講じられているか、長い時間を要しないように、ひとつ簡単な御答弁をいただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 最近、農村部から大都会へ人口が流出いたしますので、地域的にいろいろな変化が起こっておるわけでございます。自治省といたしましても、やはり過密、過疎、両方へそれぞれ対策を講じておるわけでございますが、山村あるいは離島などは、特別の振興立法が御案内のとおりにございます。それから財政的な意味でも、財源の配分につきましても、われわれといたしましては、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律などというものをつくりまして、特に手厚く心配をしておりますし、また、国の財源を配分するという意味の交付税でも、傾斜配分方式をとりまして、できるだけ過疎地帯に多く流れるようにという措置は常々頭に置いてやっておるわけです。しかしながら、地域全体を対象とする総合的な意味での村づくり、町づくりが必要なわけでございまするので、とりあえずのところは、ただいま御指摘になりました道路の問題それから学校、医療機関、こういったものにつきましては、重点的にそれぞれ措置をいたしております。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 いま自治大臣の答えられたとおりでございますが、私どものほうとしては、振興山村に指定をいたしますと、それらの措置、及び振興山村に限って特例を適用することができますので、四十三年度も振興山村の指定を急いでまいりたい、こう思っております。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 過疎地域の基本的な体制としては、経企庁それから自治省等と連携をとりまして振興山村の指定とかその他の中で解決をしてまいりたい。ただ、限界生産の地帯がございます。生産してもどうしても意味のない農業生産、そういうようなところ以外のところで、しかも過疎地帯に対しましては、その地帯に合いますような特産、高冷地の野菜であるとかあるいは林業、園芸、こういったものにウエートを置きながら、なお市場との結びつきを考えてまいりたい、こういう農業政策をとっております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 自治大臣に具体的に聞きますが、合併不能村をこれからどうしようとしますか。たとえば、いま私が例をあげた、五年間に人口が二割一分減っていってしまった、十年間ではその人口が半分になってしまう。そうして、そういう貧弱な町村は合併のしようがなくて残されてしまった。この村はいまにつぶれていってしまうわけです。これは経済成長の中の人工災害と同じなんです。こういうものを具体的に一体どういうふうにしようとするか。村の者はぼう然自失して、何もすることができないでおるわけです。合併不能町村をどうしますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 合併不能と申しましても、厳として町村はあるわけでございまするので、われわれといたしましては、やはり地域住民がそこに定着するという措置をあらゆる意味で研究しておるわけでございます。もちろん、それぞれ都道府県がその所管地域内のいろいろな政策を調整いたしまして、そうして、たとえば過疎地帯あたりは、人口が都会に流出いたしますのは、やはり農業にしてみても、あるいは林業、漁業に従事する方々でも、収入が不十分だ、そのために、どうしても兼業の機会を付近につくらなければ遠くへ行くわけでございまするので、われわれとしては、中堅都市の構想なども持っておりますし、それを国のほうで指定するといったことでなくて、やはりそれぞれ都道府県にもその地域内の見方がございまするので、たとえば、自転車あるいは乗りもので通勤可能であるといった地域にそういう都市を新しくつくるということなども考え、また、どこへ行きましても、新産都市あるいは工特地域あるいは低開発地域工業開発促進法に基づく指定された地域等もございますので、そういうものを総合的に生かして、なるべくこの過疎地帯の方々もそこへ落ちついていただくという措置を考えていきたいと考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 合併不能町村の対策でまともな答弁ではありませんが、先に進みたいと思います。  これは自治大臣及び経済企画庁長官にお尋ねしたいのだが、たとえば、きのうだかおとといの読売にもこういう例が出ております。二人の子供に対して先生が一人いる。これはもう全くどうにもしょうがない。行政費ばかりかさんでしょうがない。こういうような問題になってくるのではないか。これはもうそういう山間僻陬の地の集落そのものを再編成するというようなことまで考えていかないとどうしようもないような問題になってくるのではなかろうか、こういうように考えるわけです。だから、集落再編成というところまで一歩進んで考えるかどうか、経済企画庁及び自治省から、そういう問題について御答弁をいただきたいと思うわけです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 ところによっては、そういうことを積極的に考えなければならない段階になってきておると思います。すでに東北でも山陰でも、四国の一部、和歌山県などにそういう具体的な動きがございまして、県もそれを指導しておりますし、私どももお助けしたいと思っております。現実に山形県のある――あれは小国でございますか、今度私ども豪雪センターというものもそこへひとつ補助をして置いて、そういう再編成を促そうと、こう考えております。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 集落の再編成につきましては、自治省も同意見でございます。しかし、なかなかこの人口の定着というものは自然的な条件、環境などに左右されるわけでございまするので、そういった意味でできるだけ定着していただくということを考えておりまするけれども、現状やむを得なければ、困難であっても行政的にやはりそういった措置をとっていかなければならぬ段階にきておると考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 さらにこれは自治大臣、経済企画庁長官に聞きたいのだが、いま経済企画庁が中心になっておる山村振興法、この問題について、その裏づけになるような地元の財政負担を援助するために辺地債なり何なりがあるわけです。この辺地債はまた自治省の関係です。ところが、これが十分に有機的な連関がないことや、生活関連的なことだけで産業関連的な要素がないというようなことから、この辺地債では十分な役目を果たしておらないわけです。これは経済企画庁等も、昨年の予算編成等のときにおいては検討をしたらしいのですが、これは山村振興のために辺地債を設けて、そして利子の問題あるいは交付税で元利償還をするなり、この山村振興法を中心に抜本的な対策を立てていかなければならないのではないか。それが第一点と、この指定町村については、この人口の経時的に減っていく状態というものは指定の仲間に入っておらない。だから、過疎対策にはならぬような面も出てくると思いますが、そういう要素も兼ねてこの山村振興法の裏づけになる山村振興債、こういうようなものを設けてやっていかなければ、十分な過疎対策にはならないのではないか。これは自治省と経済企画庁、やはり両方関係があると思いますので、御答弁いただきたいと思うわけです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 山村振興には御承知のようにいろいろな特別の措置がございますが、一般的な財源の問題として、やはり辺地債の山村振興分というものを従来やってきたわけであります。どうもしかし財政力が乏しいがために振興山村の指定を受け得ないという、そういうところが実は逆にあるようでございまして、どうかしなければならないのではないかということを私どもも寄り寄り実は研究をしておる段階でございます。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 辺地債につきましては、できるだけ多くの財源を確保する努力をいたしておりまして、四十二年度は三十億円、それから四十三年度は四十五億円確保はいたしておりますし、そのほかに指定山村につきましては、それぞれ林道、農道等につきましてもめんどうを見ておりますが、なかなかそういう金額ではまだ十分とは考えておりませんので、今後はもっとこの方向につきまして、いろいろ財政面におきましてもあるいは行政面におきましても施策を進めていかなければならぬ、かように考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 前向きの検討をしようということなので、時間がないから進みたいと思いますが、過疎問題を扱うのに、一体これは経済企画庁が中心にやるのか、自治省がやるのか。関係するのは文部省あり、厚生省あり、建設省あり、各省非常にたくさんあるわけです。ところがこれに取り組む政府の機構ができておらない、行政組織ができておらない、こういうところにこの問題がないがしろになっている理由が私はあるのではなかろうかと思います。先ほど申し上げたように、十年間で人口が半分になってしまうようなところは、これは一般の災害基本法でいうところの災害と同じなんだ。これは災害と全く同じ扱いでかまわないと思う。いろいろの建設工事をやるにしても、農林施策をやるにしても、災害基本法でいわれているような災害に入れなければならないような実態ではなかろうか、こう思います。それに、どうも過密対策、過密対策というけれども、過疎対策という原因のほうをちっとも追及していない、対策を立ててないので、過密だ過密だということで、過密のほうへみんな集中しているのだ、こういうかっこうだと思います。だから、ぜひともこれは――たとえばきのうだかおととい、経済企画庁では、六十年後の総合開発、都道府県制度も検討しようという大構想から始まって、また自治省では、先ほど言われるように中堅都市構想、いろいろあると思います。いろいろのものをひっくるめて、集中的に、人工災害であるがごとき過疎対策について、政府の行政組織を一本にして対策を立てなければいけない、こういうように考えられるわけです。これは経済企画庁長官、自治大臣、両方からお答えいただきたいと思うわけです。あるいは官房長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 新しい国土総合開発計画を、これから検討に入るわけでございますが、いわゆる過疎地域というものをどう考えるべきかということについても研究をいたしてみたいと思っております。行政の面としては、いままで御承知のように離島というものは十五年ほど経済企画庁がお預かりをして、各省との連携をとりながらやってまいりました。まあまあの成果はあげておると思いますが、過疎山村の問題も、私ども特に自分の所管で扱わなければならないとは思っておりませんけれども、何ぶんにも各省の関係が多うございますから、私どものところで各省と連携をとりながらやるのがまあいまの姿なのであろうと、こう考えて、せっかくやっております。時には、各省の補助金が非常に零細でございますから、それを一本にまとめるような施策もその中から打ち出したりいたしまして、しばらくこの仕事を私どものところでお預かりするということでやっておるわけでございます。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 過密、過疎対策の総合的な計画の樹立あるいは調整等は、これは企画庁でやっていただくわけですが、この問題と具体的に取り組みますのは、言うまでもなく、一次は当該市町村であり、さらには都道府県でございます。そこで私どもといたしましては、総合的とおっしゃいますけれども、やはりそれぞれの地方公共団体が関係省庁とよく協議、連絡の上、実施していくのが一番いいと考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 満足な答弁ではないようですが、先に進みたいと思います。  次は、農民年金のことについて農林大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  昨年の春の総選挙のときに、佐藤総理が、農民にも恩給と、こういうことから農民年金問題が始まって、現在まできておるわけですが、現在、一体これはどういうように検討されておるか、一体いつから発足させようとしているか、端的にその二つの点についてお答えをいただきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 農民年金の目標といたしまして大体検討をする中心は、内容の問題が一つございます。農業者の老齢の保障、それから後継者への経営移譲の促進、いわゆる農業体質の改善であります、こういうところから検討を進めておりますが、農林省におきましては御存じのとおり農民年金問題研究会というのがございます。それから厚生省の国民年金にも農民が入っておりますから、これとの関連で、このほうでも専門部会を持って検討をいたしておるのであります。そこで、国民年金のほうで専門部会でも検討を終えまして、同時に四十四年度の国民年金、厚生年金を中心にした再計算時期、言いかえれば国民年金の改正、これをめどに私どもは妥当な農民年金の実現のほうへと、こういう考えでございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 具体的に、農民年金問題研究会、ここの研究していることと、国民年金審議会でやっていることとは、どういう違いがあるわけですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私のほうの省並びにいわゆる私のほうの関係であります農民年金問題研究会、これはさっき申し上げましたような老齢の保障と、それから経営移譲、言いかえれば体質改善と申しますか、農業の近代化、これに利するようなたてまえから入っていっております。それから国民年金のほうの専門部会におきましては、厚生省のほうの付属機関と申しますか、審議会の専門部会でやっておられますから、一般の国民年金の中から特殊性を出そう、こういうように、スタートラインは多少違っているのじゃないかと思いますが、しかしいずれにしましても、大きな目的というものは私は一致してまいると思います。最終的には国民年金審議会の議を経て成案を得る、こういうふうになっております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 いままでの国会の答弁を聞いていると、佐藤総理は、農民の特殊性にかんがみて特殊な年金をつくりたいと、こう言う。厚生大臣の答弁はそうでない。国民年金を改善していこう、そういうような意図で答弁をしておるようです。政府の中でこれは一致していないのじゃないか、こういうように考えます。農林大臣は、構造改善の一環として、柱として農民年金をつくろう、こういうのがおよそ農林省及び農林大臣の立場ではなかろうか、こう思います。ところがそれが厚生省のほうへいけば、国民年金を若干改善していけばそれでいいのだ、こういうような形で埋没していってしまっているのではないか、こういうように考えるわけです。だから、社会保障制度を充実させるという目標の中に埋没させるのか、あるいは農林省の、構造改善政策をやらなければいけない、こういう柱として農林省はこれをやっていこうとするのか、農林大臣の御決意を聞きたいわけなんです。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私といたしまして、農林省のたてまえからは、もちろん老齢保障という見地もあります。同時に、構造改善的なものが柱になってまいります。ただ、これは両面から検討されておることは事実でございます。したがって、それはやがては成案を一致して得られる、こういう段階で研究をされておるのでございます。両者をいま別々に、全然切り離してこういう考え方ではないわけであります、現実に農家、農民自体が国民年金の現在加入者でもあるわけでありますから。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 農民年金についてもたくさんあるわけですが、たとえば農林省としては、曲がりなりかどうか、農地法の改正とか農協法の改正とか、例の領土宣言、農業振興地域の整備に関する法律とか、それから金融では総合施設制度とか、それから協業等集団生産組織の助長、こういうようなものの予算化とか、構造政策に関してそれぞれ今期に提案、または提案しようということで積極的なんです。ところがその柱である農民年金だけはいつの間にか厚生省のほうへお株をとられていって、重要な構造政策の柱である農民年金に取り組む農林省の姿というものはたいへん消極的だ、こういうように考えるわけです。せっかく総理大臣が選挙公約なんですから、もっともっと農林省は積極的に取り組んで、農民年金らしい構造政策を含めたりっぱなものをつくっていただく、こういうことをひとつ要望しておきます。四十四年度からやりたいという御答弁があったので、先に進ませていただきたい、こういうように考えるわけです。  次に、米価審議会の問題について引き続いて農林大臣にお尋ねをいたします。  倉石農林大臣が任命をした二十二名、これは私たちがこの米価審議会の一人一人のたなおろしをしてみると、過去に彼がどういう論文を発表した、過去において彼は米価審議会においてどういう発言をした、こういうようなことで、いままで政府が言っておったような中立の米価審議会委員だ、こういうようにわれわれにはどうにも見えないわけです。これは前任者の任命した委員だが、これではたして中立の二十二名だと言い得ますか、その点をまずお尋ねをしたいと思うわけです。私たちの見るところでは、これは妙な話なんですが、二十二名中ほんとうに中立らしい人が四・五人――コンマ五というのはおかしいかもしれませんが、いろいろの分析をして、まあ一人一人たなおろしをする時間がございませんが、各種農業団体に当たって彼の過去の発言を全部ずうっと拾い上げてみると四・五人はまあ中立という立場、あと十七・五人というものはこれはもう消費者を代表する側だ、こういうように見られないことはないわけです。これは前任者の倉石さんが任命された二十二名です。新農林大臣はこれをどう考えますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 中立委員というおことばでありますが、私どもは、現在発令されておる方々は学識経験者というような意味で発令されているのだ、こういうふうに考えておるわけであります。学識経験者として二十二名が発令されておる、こういうふうに考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 質問をしているところは、そういうふれ込みで発令をした二十二名を、よく過去の米価審議会の中の発言あるいは過去のこの人が書いた論文その他を調べてみると、これは中立ではないのだ、こう言っているのです。それに対する答弁がないわけです。前の農林大臣が任命した。あとはそのまま引き継ぎます、こういうようなおそらく発言だろうと思いますが、これは中立ではないのだ。こう言っているのです。それをどう考えるか、こういう質問なんです。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米価審議会委員というのは、御存じのとおり設置法に基づきまして米価決定に関しての基本をきめるための審議委員である。これを、それに関する学識経験者をもって充てる、その意味で二十二名は発令されておる、こういうのでありまして、中立であるとかどうとかというのは、私どもはあえてそういうことを言っているわけではない、学識経験者として発令申し上げておる。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 これは水かけ論だから、次に進みたいと思いますが、最近伝えられている米審のほかに懇談会を設けよう、こういうように発言されております。一体この懇談会は、たとえば生産者団体と政府とが団体交渉、協約の締結、こういうことまで積極的に考えるのか、朝めし会か昼めし会か、単に懇談をしようという性格なのか、その点をひとつ明確にしていただきたい、こう思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米審の構成につきましては、過日来私がここが正式に御発言申し上げているとおりの考え方でございまして、これの構成につきましては党と党の間で協議をされる、これの結果を尊重していきたい、こういう形でございます。私はその際にも、できる限り生産者あるいは消極的の意見も反映せよという意見については十分自分は耳にいたしておる、こういうふうに御答弁を申し上げたのであります。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 この団体というのは、私の仄聞しているところによると、全中、農業会議所、全販連、日農、農民同盟、消費者のほうは総評、同盟、東京主婦連、関西主婦連、米穀商、こういう十団体ですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 御質問の趣旨は、自民党のほうから中間的にと申しますか、党と党との間に御提案になっている米価懇談会の構成についてではないかと思います。いま御質問になっておられるのは、米価懇談会といわれている仮称の問題であります。これ自体は党と党との間の御相談事項でございまして、政府はその結論でいろいろ、どういうふうになるか待って考えていきたい、こういうふうに思っております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 この懇談会は閣議の了承を得てやりたい、こういうようにいっているが、農林大臣は何の相談にもあずかりませんか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私のほうは、正式にそういうようなことがきまりますれば、あるいはどういう形できまってまいりますか、その上でもって私はそれらに対する意見を立てたい、こういう考えでございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 農林大臣は、たいへん重要な問題について、もうみずからの意思というのは何も持っていそうもなさそうです。だから、これ以上いろいろ質問しても時間を食うだけですが、この十団体だとするならば、この十団体が、参加しないという団体が大部分じゃないですか、消費者も含めて。生産者団体はだれも出ようとしません。消費者団体すら、この五団体のうちで三団体ぐらいは出ない、こう言えば、この団体はもう意味のないものになってしまうのではないか、こういうように考えます。しかし農林大臣は何も自分の意思はなさそうなので、これ以上質問しても押し問答ですから、次に進みたいと思います。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 小沢君にこの際申し上げますが、ただいま参考人として、日本放送協会会長前田義徳君が御出席になっておられます。その点もお含みの上で御質疑をお願いいたします。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 当面の官公労の諸問題について、時間もないのではしょって質問をいたしたいと思います。  公務員制度審議会の、まず第一に早期再開についてであります。昨年の十二月二日に委員の任期が切れてしまって、ぎりぎりの日に第一次審議会の最終審議会を再開して、この審議会で、第二次審議会をすみやかに発足させ、審議を軌道に乗せる、こういうようなことが委員から強い要請があったことは御承知のとおりです。また、たぶん昨年の十二月の五十七国会だったと思いますが、私の質問に答えて田中総務長官は、政府は、改造前に公務員制度審議会を開きまして、今後さらにこれは継総審議していただくということにきめております。この方針に従い鋭意努力中であります。こういうように答えておるわけです。しかしその後まだ再開を見ていない、こういう状況でありますが、この再開の遅延の問題は前田会長の再任の可否、再任されるかどうか、こういうところにあるようであるわけです。今月に入ってから、新聞に出ておるところによると、この前田会長就任の内諾を得たようだ、こういうように出ております。  そこで、総理府総務長官にお尋ねいたしますが、一体、前田会長との交渉は進めておるのかどうか、この点をまず第一にお尋ねをいたしたいと思います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 お答えいたします。  お話しのとおりに、一日も早く既定方針に従いまして公務員制度審議会を開きたいという考えのもとに努力を続けておる次第でございますが、当該前田会長に対しまして、私から正式にお願いをいたす段階にまだ立ち至っておりませんので、その点はどうど御了承賜わりたいと存じます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 正式に交渉する段階でないということは、どっかできまって、前田会長が就任すると言ったらば、総務長官としては再開をしよう、こういうことなんですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 私どもといたしましては、人事の問題でございますので、その経過は詳細に申し上げかねます次第でございますが、われわれといたしましては、そういう期待をいたしておりますことは事実でございます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 ここでNHKの前田会長さんが御出席になっておりますので、私はNHKの料金その他の問題で質問をいたしたいと思いましたが、ちょうどよい機会でもあるので、前田会長、どういうように御交渉があったか、いつ就任されるか、そういう問題について御心境を披瀝していただければたいへんありがたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 私は、一昨年、前回の公務員制度審議会の会長の辞表を出しておりまして、今日まで依然として心境に変化はございません。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 田中長官、そうすると、前田会長が辞表を出した心境に変化がないということになれば、前田会長の就任を願うのを待っていても、いつまでたっても開けない、こういうことなんです。ほかにさがしますか、あるいは、さらに強力な交渉をするか、一体いっその第二次審議会を再開しようとするか、長官どうですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 一日も早く公務員制度審議会を開きたいという政府の方針は変わりはございません。  なお鋭意、今後ともに努力を続けたいと存じます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 ついでですから田中長官に聞きますが、この答申の中では、在籍専従について、さらに第二次審議会において継続審議する、こういうことになっています。それはいいですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおり、公務員制度審議会は、労使の基本問題について諮問にこたえるということに相なっておりまして、その具体的な審議の内容は審議会に一任してございますので、その点は御了承いただきます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 私、前から思っているのですが、官公庁の労使関係が、ほかの労使関係に比べて非近代的な要素がたくさんあるのではないか、こういうように常々考えているわけです。だから、公務員制度審議会を早急に開いて、そうして最も近代的な労使関係が結ばれるように、こういうことをわれわれはいつも願っているわけです。しかし、去年からの答弁によれば、早急に開きます、早急に開きます、こういうことですし、いま前田会長は、当時の心境に変わりない、田中長官は、まだ正式にお願いをする段階ではない、そういうようなことなんです。こういうことで、一体近い将来に公務員制度審議会を開く意思があるということは、ほんとうなのかどうかということを疑わざるを得ないわけです。一体、開く意思があるのですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ぜひとも近い将来に審議会を開きたい、かように存じております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 それでは、公共企業体関係の賃上げ問題について若干質問をいたしたいと思います。  現在、各関係労働組合はそれぞれ要求を提出して団体交渉を行なっております。例年のように企業体の当局は、この交渉の段階では、民間賃金を見た上で回答をする、こういうような状況になっておるのではないかと思います。いわゆる当事者能力なるものがほとんど見られないわけです。だから、外から見ていると、団体交渉というのは形式化して、全く身の入った交渉が行なわれない、こういうようなのが実態ではないかと思います。このようなことだと、ことしもまた賃金紛争がいまから予想される、こういうことだと思います。  そこで、まず第一に専売公社総裁にお尋ねをいたします。  本年のベースアップ分は、一般公務員のほうは予備費に組んである。これは人事院の勧告が出てから何%というようになるだろうと思いますが、組んであるわけです。専売公社のほうは、一体それを組んであるかどうか。この点からお尋ねします。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 お答えいたします。  これは予備費を計上してございますので、そういう問題が起こりますと、予備費からできるだけ支給したい、かように考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 私も専売公社の予算を見ると、たとえばおととしのベースアップのときは二十一億ぐらい要ったでしょうか、去年は二十四億ぐらい、ことしは三十億の予備費と、こういうことになれば、予備費が流用できるようなことになれば、これは労使間の話し合いによって、ベースアップはこの団体交渉だけで解決が可能だ、予算的にもそうだ、こういうように理解していいですか。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 ことしの問題につきましては、現在交渉しておりますけれども、その予算の範囲でまかなえるかどうか、これははっきり申し上げられません。ただ、予算に計上してある金額は、これはベースアップだけじゃございませんので、その他の分も予備として取ってあるわけなんでございますから、その中でまかなえればまかない得る、それで足らない分は他より流用する、こういうことになろうかと思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 だから、そういう予備費が去年より多額に組んであるから、交渉で話し合いをまとめる能力というものは総裁はあるかないか、予算的にもできておるのだから、こう言っておるわけです。私は、いつでもああいうような紛争を起こさなければ解決ができない理由はどこにあるか、こう言っておるわけです。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 その中でまかない得るようでございますと、それは調停段階で話し合いがつきますればなにでありますが、現在の制度では、仲裁裁定以外の方法ということになりますと、調停段階で話がかりについたといたしましても、これは別な規則によらなければなりませんので、現在では仲裁裁定以外では大蔵大臣の認可を得られない、かようになっております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そうすると、総裁、こう解釈していいですか。それは予算総則の問題でしょう。予算総則の中に仲裁裁定のことが書いてあるから、どうしても予算総則に縛られて、当事者能力を発揮できないのだ、こういうように理解していいですか。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 そのとおりだと思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そうすると、これはもう電電も国鉄もみなそうだと思いますが、大蔵大臣にお尋ねしたいと思いますが、当事者能力を出させるためには、この予算総則のここに書いてある文句がじゃましてできないのだ、こういうようなことになると思うのです。これはどうして仲裁裁定がなければ、大蔵大臣は、許可だか認可だか、流用を認めるとか、そういうことが認められないのですか。当事者だけで解決したならば、両方がそれに拘束されて、払うべきものは予備費の中から払えばいいのじゃないですか。予算総則にこういうように書いてあるものだから、どうしてもやはりあっせん、その次は仲裁という形式を踏まなければできないようになっておるわけです。これじゃ当事者能力を発揮しようとしてもすることができないのだ、こういうように理解せざるを得ないわけです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 予算総則の中にきめてある給与総額の範囲内でございましたら、あっせん段階において、調停段階においてその交渉がきまったという場合には、その範囲内において解決するということは可能だと思います。ただ、もしこの給与総額をふやして解決しなければならぬということは、いまの制度では、仲裁裁定があった場合に、企業経営に及ぼす影響等を考えて、主務大臣の認可によって、経費の流用とかあるいは予備費の使用、弾力条項の発動ということによって予算総額をふやすことができる、これによって対処するというのがいままでのやり方でございましたが、増額しなくて済む範囲内における労使の解決ということは、仲裁裁定を待たなくてできるというふうに思います。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 私は、労働大臣にお尋ねしたいと思うのですが、これは、当事者能力があって、この予算総則にこんなむずかしいことが書いてなければ、たとえばいまの専売公社の総裁の言われるように、予備費を組んであります、だから当事者同士で、話し合いで解決できればそれで支給できるようにしたほうが、それぞれ三公社五現業の当事者能力といいますか、当事者の交渉力を高める、こういうことになろうと思います。ところが、法律的にこういうように縛ってあるものだから、これは大蔵省が監督したいために、こういうようにどうしても仲裁裁定を経てこなければいけないというように縛ってあるものだから、当事者同士が話し合いで解決できないのだ、こういうことになろうかと私は思うのです。労働大臣、どうでしょう、毎年毎年これから紛争を繰り返していって、そうして、私が見ていると、労使双方が、大蔵省だか政府だか国民に対して一生懸命でデモンストレーションをやっているように見えてしょうがないわけです。話し合いの中で解決するにこしたことはないわけです。私は、それが近代化の道だと思うのですが、総則とか大蔵省の態度とか予算編成の方針がそのネックになっているのだ、こういうように見えてしかたがないわけです。労働大臣、どうでしょう。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 人件費を含む公共企業体の予算が国会できめられておりまするために、当事者能力が制約をこうむるということは、これは免れないことと存じます。このことが、自主交渉で問題を早期に解決することが望ましいという観点から一つの問題点であることは御指摘のとおりだと存じます。そこで、この制度の根本的なあり方、望ましいあり方いかんということにつきましては、政府としては、公務員制度審議会で御検討を願う、かように方針をきめておりますので、審議の結果を待って考えていきたい、かように考えております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 そういうことだから、私も公務員制度審議会を早く開いて、官公庁労使の関係を近代化していったらどうか、こういうことを盛んに言っておるわけだ。お隣にすわっている田中長官は、なかなかいつになったら開けるかわからぬようなことなんですが、時間がありませんから私はさらにお尋ねします。  違法のストライキはだめだ、これはもうはっきりしたことだと思います。ところが、そういうことを年々繰り返さないと、あっせんだ、それ仲裁だという段階に進んでいかぬ、あるいは、そういうのを待ってやっている、どうもわれわれ一般国民から見れば、そういうように見えてしょうがないわけです。そうしておいて、処分をすると、今度は処分撤回、反対闘争だ、こういうように悪循環を繰り返しているわけです。去年の本会議で私が質問したとおりです。ところが、せっかく処分をしたのを、今度は政府は二年か三年たつとそれをみんな回復してやっている。もとへ戻してやっているのだ。全体の流れというものを見れば、こうなんですよ。いまの予算総則かなんかでもって、どうしてもあっせん、それから仲裁というこの過程を踏まなければならないようにきちっと――これは大蔵官僚が押えているかどうか知らないが、きめておいて、そこまで持っていかなければ、私のところは、予備費を組んであるけれども、当事者能力がなくて交渉できません、交渉できません、そういう過程の中で、片方は違法ストをやる。違法ストをやるのは、労使一緒になって、大蔵省に言っておるのか、国民に言っておるのか、政府に交渉しておるのか知らないけれども、これだけ紛争ができたから何とかしろ、何とかしろと言うように見えてしょうがない。そうしておいて、二年か三年たてば、そのスト処分をまた撤回している、こういうことです。新聞等で伝えるところによれば、たとえば電電公社等は、去年だかおととし、一年間に十何億もかかるような実損回復というようなことも平気で回復してやって、ちゃんと昇給してやっている、こういう実態なんです。これは一体政府の姿勢というものが官公庁労使関係を近代化させようとしておるかどうか、そういうことを疑わざるを得ないわけです。どうでしょう、労働大臣。あるいは、これは専売公社総裁にも聞きたい。実損回復というようなことを専売公社側は、違法ストをやった、一年か二年たったらみんなもとへ回復してやるようなことをやったかどうか、電電公社、それもみんなお尋ねをしたいわけです。だから、私がいま申し上げたようなことについては、労働大臣及び官房長官から……。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 処分の問題でお尋ねでございますが、これは私どもの所管ではございませんので、所管大臣から御答弁申し上げるべきことだと存じます。  ただいまいろいろお話のありました事態は、現行の制度と関連のない問題だとは存じません。そこで、私どもといたしましては、現行制度のワク内で極力これを活用する方針で、労使とも誠意をもって早期に問題を煮詰めるという態度でやっていただきたいと思っておりますが、根本的には、先ほど申し上げましたとおり、公務員制度審議会で御検討願う、かような方針をとっておるわけでございます。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 小沢君、あと五分しかないのですが、どうしましょう、逐次……。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 電電公社総裁、専売公社総裁、時間がないから急いで。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 お答えいたします。  電電公社につきましては、三年前の四月に違法ストが行なわれまして、それに対しまして、公社としてはきびしい処分をいたしました。その後組合のほうでは、いろいろ近代化という問題について出てまいりました。一時、職場におきまして、たとえばパルチザン闘争が行なわれるとか、いろいろございましたが、組合側も公社と話し合って、従来の違法ストというようなものに対しましても、あるいは職場闘争等に対しましても、近代化の方向に前進してまいりました。したがって、二年前に公社と組合は、この問題についていろいろ組合側の要請によって話し合いをしたわけであります。その内容を詳しく申し上げましょうか。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 時間がないから結論だけ。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 私たちといたしましては、先ほど話が出ましたいわゆる公務員制度審議会の結論が早く出て、そうして紛争といいますか、何でもかんでも紛争じゃなくて、たとえば調停段階等において十分話し合いができていくことを希望する次第であります。

東海林武雄日本専売公社総裁

○東海林説明員 私のほうでは、先ほど御指摘のような事実はございませんから、お答えを失礼さしていただきます。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 これは官房長官のほうにお願いしておけばいいと思いますが、とにかく一回処分した者を――処分につれて昇給を延ばしたり何かするわけです。だから、昇給を延ばしたのを回復してもらいたい、こういうことを実損回復とか、実害回復とか、こう言うわけです。だから専売公社も、それをやっただろうし、林野庁もやっただろうし、電電公社もやっただろう、こういうように考えます。だから、これについてはひとつ官房長官のほうから、三公社五現業についての資料を提出していただきたい。これは委員長にお願いしておきます。  そこで、電電公社の総裁にお尋ねをしますが、いまあいまいなような御答弁がありましたが、ああいうことによって、労使関係が近代化していくのだ、こう言う自信がありますか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○米沢説明員 お答えいたします。  先ほど時間がないものですから十分申し上げませんでした。私たちといたしましては、この間組合と四つの問題について話し合ったのでありまして、それはすでに二年前になりますが、その一つは、いわゆる職場闘争とかパルチザン闘争というものはやらないということ。第二は、合理化に対して協力すること。第三は、いろいろ中央で協約しておるもののほかに、現場でまたその以外のものがありましたが、それを直すということ、第四は、夏期手当について調整する、こういうようなことで近代化をやるという実績を見ておりました。ほかの組合は別といたしまして、去年、おととし二度ともストが行なわれなかった。あるいはまたベトナムストも行なわれなかったということで、その様子を見て、その結果、いわゆる減給とか、あるいは停職、解雇、これはもう全然処分をいじったわけではありません。戒告も戒告を撤回したのではないのでありまして、戒告によって三カ月昇給延伸になっておりましたのを、労働協約によって昨年の六月から、その前は別として、今後四回に分けましてそれを回復した、いわゆる昇給延伸をもとへ戻した、こういうことでございます。戒告という処分は依然として残っておる次第であります。  今後といたしましては、その様子を厳重に見ながら、近代化の様子を見ながら進んでいきたいと思っております。

小沢貞孝民主社会党

○小沢(貞)委員 時間になりましたので、私は要望だけしておきます。  いま公社の総裁はそう言われましたが、私は、この問題は重要な問題があるのだ、こういうように理解しております。だから、追ってまた別な機会にこの問題については掘り下げてさらに追及をいたしたい、こういうように考えますので、きょうはこれで時間もありませんからやめておきます。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。  これより理事会の協議に基づき、さきに保留となっておりました質疑を順次行ないます。まず大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出委員 時間の関係もございますので、ずばり総理にひとつお認めいただきたいわけであります。先般の私の質問にあたりまして、増田防衛庁長官からのバッジに関しまする御回答の中身でありますが、私は、百三十億ということで始めましたバッジが二百五十三億というふうなことになるのは、まことにこれは奇怪ではないか、納得できないがという話をいたしましたが、答弁にいわく、これはだんだんふえてもいいしかけになっている――だんだんふえてもいいしかけになっているのだそうであります。ところが、だんだんふえても業者が損をしないしかけになっている、こういうわけであります。不愉快なんでしかったんだけれども、だんだんふえるしかけなんだ、しかもこれは会計法違反でないしかけなんだというわけであります。総理は、総理であるとともに国防会議の議長でもあられるわけでありますから、国防会議の議長という立場で、一体このことについて増田長官の答弁をずばりお認めになる筋合いだと私は思うわけでありますが、御回答をいただきたいのであります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私がちょうどその機会におりませんので、ただいまの防衛庁長官がどういうようなお話をしたのですか、私は確認しておりません。まことに残念で申しわけないことですが、この機会にもう一度防衛庁長官の答弁を求められるようにお願いしておきます。

大出俊日本社会党

○大出委員 時間がないので、私はあまり手数をかけていただきたくないのでありまして、新聞にもるる載っておりますし、長官の答弁というのは各所に出ておるわけであります。きのうも国会討論会の司会者が同じことを言っておるのでありますから……。だんだんふえる仕組み、あなたがそれをお認めになるかならぬか御答弁いただきたい。そのために総理を呼んだんだ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 そのだんだんふえるという仕組み、そういう仕組み、そんなことは私ども考えておりません。ただ、このバッジの問題がたいへん金がふえたという、そういうことでおしかりではないかと思いますが、当初予定しなかったような、機密事項でアメリカから公開してくれないのではないか、かように思ったものがありますが、しかし、それがアメリカのほうで、機密事項でないというので、日本のほうへそれを許してくれる、こういうことになりまして、その範囲のものは一つふえた、したがって、別にふえる仕組みではないので、ただいま申すようにバッジシステム、これは全部完成する、こういう意味において役立つこと、さように思っております。これは最初から、多分機密で日本に漏らしてくれないだろう、かように思ったものが、それがその後差しつかえない、こういうことになったのでふえた、こういうふうに私は理解しております。

大出俊日本社会党

○大出委員 もう一つ、だんだんふえても業者が損をしないしかけになっておる、こう言うのでありますが、この点は総理どうですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 損をしないしかけという、これはどうも、ちょっとそこが私は話がわかりにくいのですが、おそらく、あるいは会社がかわりましてもそれは同じだ、こういうような意味ではないか、かように思っております。その原因はただいま私が申し上げたとおりでございます。したがって、増田君がどういうような話をしたのですか、ただいまのところ私に理解しかねます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そういうことになると、私は不愉快だからしかったんだけれども、ふえる。何べんでも同じことを言っておる。不愉快だというのは五回くらい連発をされている。最後に、私の意見と全くその点は同感だという答弁をしている。議事録を私は持っております。全部調べてある。いま総理の言った二つの回答は、明確にこれは防衛庁長官の答弁と相反するわけでありますけれども、しかも、当時大蔵大臣に私は二回質問しておりますが、知らないと言う。明確にこれは答弁の食い違い。どういうことなんですか、これは一体。片や国防会議の議長、片や防衛庁の長官。どっちがほんとうなんですか、これは。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 大出さんの御質問に対しまして、当初私の申し上げたことは事実でございまするが、その同じ機会に装備局長からよく聞きまして、そこで損する得するという、そういうことでなしに、追加発注がございましたから自然ふえたのでございまして、会計法上も適法でございまするし、そのもの自体が不当ではない、こういうふうに私は答えておりまするが、なお明確を欠く点がございましたならばもう一ぺん申し上げます。  その当時装備局長が申し上げた線に私は合わせております。私はその線を聞きまして妥当であるということを申し上げたつもりでございまするが、この機会においてさらに妥当であるということを繰り返して申し上げます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そういう場当たり的な御発言は困りますね。私の言ったことは間違いない、数字については、事務当局の数字に、もし誤りがあれば訂正してもいい、しかし私はいまでも不愉快だ、その点では大出さんの意見に全く同感だ、あなたこう答えているのですよ。冗談じゃないですよ。何てことですか、国会を……。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  その後、その翌日から実はまる一日かかりまして勉強いたしまして、そうしてようやく私もわかったわけでございまして、その前は社会人に対するときの感じということをちょっと申し上げたわけでございまして、責任ある防衛庁長官としての発言は装備局長の発言をもってこれにかえるということでございまして、もしその点が不明確でございましたならば装備局長の発言で御了承を願いたい。  すなわち、いま総理大臣がおっしゃったように、本体は百三十億円でございまして、少しも変わっておりません。それから追加発注というのが百二十三億円ございまして、合計二百五十三億円でございます。そのうち米軍の支援というものが五十億円ございまするから、二百三億円をわが政府は支出すればいいのでございまして、その追加発注のおもなるものは電子妨害防止……(「電波だ」と呼ぶ者あり)いや、電子です。エレクトロニクですから電子妨害防止装置、これが一番大きな部分でございます。電波ではございません。電子妨害防止装置と米軍が供与してもよろしいということになりまして、そこでふえたわけでございまして、合法適切であったということをこの機会において繰り返して申し上げます。

大出俊日本社会党

○大出委員 それでは長官、審議ができませんよ。一つは、あなたいま何て答えたですか。責任ある答弁は装備局長の答弁、これをもってかえてくれ、あなたは長官じゃないんですか。それで一体、防衛庁をコントロールできますか。そういういいかげんな話はないじゃないですか。あなたここで何べん自分で答えたですか。新聞に全部出て、国民がみんな知っているじゃないですか。  それからもう一つ、追加発注の分は百二十三億とは何事ですか。冗談じゃないですよ、あなた。私も明確に調べてある。申し上げます。あなた責任をとってください。  佐藤総理が総理になられたのは昭和三十九年の十一月の九日だ。いいですか、昭和三十九年十一月九日に総理になって、十二月の三日の日に国防会議を開いてバッジの納入の一年延期と追加分の予算の決定をしたのです。それまでは三年国庫債務負担行為ということで大蔵省の承認を得てあった。大臣は知らぬとこの間二回も言う。このときに大蔵省に三年国債を四年に変えてもらった。問題があったのです、調べてみたら。防衛庁は最後の五十八億も払うつもりでいた。四年国債にしたのならばこれではだめだというので、二十四億だけは一年先に延ばしなさいという注意まで防衛庁はされている。そういうことがあって総理が決裁をしたのだ。その数字は四十七億なんですよ。いいですか、あなたが言ったいまのECCMというのです。エレクトロニク・カウンター・カウンターメジャーですよ。つまり、妨害電波が出てくる、これをカウンターする。防ぐ装置が一つある。ところが敵の電波はその防御の装置をまたこわす。だからそれに対してもう一つの装置をつくっている。だからエレクトロニク・カウンター.カウンター・メジャーという。だから、ダブルカウンターになっていることを知られたくない、これが秘密だったのですよ。したがって、中身の予算というのは電子妨害対策器材として十五億円、サイト交換費用として七億円、コンソール――いろいろだやつが入ってくる、サイトから入ってくるやつをそのまま映すのじゃなくて整理をする機械、コンソール、箱です。これが二億円、ECPこれは整備費です、これが二億円、その他が三億円、合計二十九億円。これに対して、相互援助協定でありましたからアメリカ側が十二億円、これはECCMの装置に対して十二億円出している。さらにECPに対して六億円出している。これが十八億。したがって、二十九億プラス十八億で四十七億、これが国防会議で追加決定を見た。佐藤さんがきめたのです。いいですか。十一月九日に佐藤内閣ができている。十二月の三日にきめたのです。あなたはいま百二十三億とは何ということを言うのですか。一番最初に出ていた三年国債というのは初めから百四十八億円あったのだ、一億や二億の相違はあってもいいけれども。この中には教材費以下はみんな入っているのですよ。本体百三十億組んでいる。いいですか、そういういいかげんな答弁で過ぎていくものじゃないですよ。予算審議できないじゃないですか、こんなことで。前言を全部あなたは取り消すのですか。取り消したんでしょう、いま。前言は全部取り消す、装備局長の答弁をもって責任ある答弁としてこれにかえる、そこへ持ってきて、またあとから、勉強したとおっしゃる数字が、アメリカの費用を入れて四十七億のものを国防会議がきめているのに、あなたは百二十三億とは何事ですか。審議できませんよ、こんなことでは。何を言っている。冗談じゃないですよ。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  国防会議は正式の国防会議ではございません。国防会議の……(「懇談会」と呼ぶ者あり)懇談会でもないです。事務官等がきめたのでございまして、あとで一年延ばすというところに初めて国防会議議員懇談会が開かれたわけでございます。それから、国防会議等におきましてはこういうこまかい数字まではきめていないのでございます。  それから私があなたに申し上げんとするのは、最初本体百三十億でホールセット来ると思っておったところが、合計いたしまして二百五十三億円になっておる。差し引きいたしますと百二十三億円の増でございます。その増にはそれぞれ理由があるのでございまして、その線は装備局長から聞いていただきたい。絶対に不法でもなければ不当でもないということをこの前も明確に申したつもりでございまして、新聞等にどういうふうに伝えられましょうとも――もし不明確でございましたならば、もう一ぺん申し上げます。  まず第一、本体の百三十億円は合法適切であったということ。それに対して何ら加わったわけではないという点については、私の誤解がございましたから、その線はこの前も修正してございますが、今回またあらためて修正いたします。追加発注の分につきましては、それぞれ適切でございまするが、その内容等は、一々のことはどうか装備局長から答えさせていただきたいと思います。なお、各科目についてそれぞれ適切であるという感じはいたしております。総合計で二百五十三億円かかったのだから、最初われわれがしろうととして見ましてホールセットで百三十億であがると思ったのにそれがあがらなかったのは、各般の事情がございます。その事情のうちに、いま総理がお答えになりました電子妨害防止装置等も入っておりまして……(「電波だ」と呼ぶ者あり)電子です。エレクトロニクスというのは電波とはいっていないということ、これもまた勉強した結果私が得た知識でございます。そこで、要するに二百五十三億から百三十億引くという、われわれが常識人として考えて百二十三億がふえたには、それぞれ理由があるのでございまして、そのことはどうか装備局長からお聞きを願いたい。私は別にうそを言っておりませんが、前に申した点と違う線があるならば、いま申した線でございまするから、つつしんで修正をいたします。

大出俊日本社会党

○大出委員 どうもそのたびに変わったのじゃ困るじゃないですか。また修正ですか。  私のほうから数字を申し上げましょう。最初に本体が百三十億円ときめていた。そしてこのうちアメリカの持ち分等があります。したがって、日本側は九十八億円です。教材が十六億円、データリンクが三十二億円、施設費が十一億円、通信整備費が十七億円、合計百七十四億円なんです。アメリカ側から本体分として三十二億円出ております。これを両方合計すると二百六億になる。これに先ほど国防会議で新たに追加をした四十七億円を加えて二百五十三億円になるのです。したがって、三年国債ということで組まれていたのは日本の側の百七十四億円、それからアメリカの側の三十二億円、合計二百六億円。当時の議事録を見てごらんなさい。ちゃんとそういうことで論議をされている。それをいま申し上げた三十九年十二月三日の国防会議で――それまでの経過はあなたの言ったとおりかもしらぬ、このときに一年間の国庫債務負担行為の延長と、それからあわせて追加分四十七億円がきめられているのです。間違いない。おわかりでしょう。このときの一年延長だって、非常に大きな問題がある。――いや、装備局長がいなくたって、そんなことはわかっている。この一年延長だって、あなたが言う業者が損をしないしかけになっている。一番最初に二次防をきめたときに、二次防のうちに納入を求めることになっていた。間違いない。昭和四十二年の三月三十一日までに納入をすることになっていた。だから三年国債で大蔵省は認めていた。これを一カ年延長したということは何を意味するのか。十二月三日に佐藤総理が国防会議議長として一年延長をきめて、その翌々日に日本アビオトロニクスとの間に契約を結んでいるじゃないですか。一年延ばしておいて契約を結んで、その契約書に何と書いているかというと、延滞条項がくっついておっておくれたら一日につき一万分の五延滞金を払え、最高は一割、ここまで払え。こういう条項をくっつけたって、最初の第二次防できめたところの三年国債を一年延長した翌々日に契約を結んでいる。延滞金なんかくっつけたって業者は損をしませんよ、一年延ばしているんだから。だからあなたの言う業者が損をしない仕組みにこれはできている。総理認めなさい、これを。お答えください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 大出さんにお答え申し上げます。  国防会議とおっしゃいますけれども、国防会議の議員懇談会が十二月三日に持たれたわけでございまして、国防会議ということを非常に重視されますが、これは内閣に対する、総理大臣に対する諮問機関でございまして、決定は閣議決定でいたしますが、そういうこまかい数字まではきめてはないのでございます。その点をお含み願いたいと思います。  それからあなたの御指摘になった線は私があとで勉強した線と大体合っているのでございまして、本体百三十億円は変わっておりません。あとはいろんなものが追加されました、いわゆる追加発注でございます。その追加発注が合計いたしまして二百五十三億円になっておる。だから社会人として見れば、普通本体で何かホールセットができるような感じがいたします。それがやはりできないわけで、百二十三億円というものが追加発注になったわけでございますが、その内容は合法妥当であったということが勉強の結果もわかりましたし、あの当時大出さんに私は、五日の日に装備局長の線がこまかい線であり、私の知らない線であり、妥当な線でございますからその線に修正をいたしますということをつけ加えて申したつもりでございますが、なお足りなかったならば、いまもう一ぺんでも申し上げます。装備局長が当時申し上げた線、それからいまあなたのおっしゃった線を私が繰り返す必要はございませんから、そのとおりでございますから申しませんが、その線は本体の追加にあらず、本体自身は増加してはいなかったのだということ、これを一般国民が疑惑を持たないために明確にする必要があるのでございまして、本体の百三十億に加わって百三十三億になったとか百五十三億になったということはないんでして、追加した各般の種々の発注したものが加わったから二百五十三億円になったわけでございまして、本体があたかもずるずるとふえてきたがごとき感じを国民に与えてはいけませんから、この機会において本体は百三十億少しも変わっていなかったのであるということを大出さんの御質問に対する回答という立場で、全国民の前に明らかにしておく次第でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 長官、全国民に疑惑を持たしたのはあなたの発言ですよ。何を言っているんですか、あなた。あなたの発言ですよ。さっき取り消しましたね。あなたの発言です。あなたは何と言ったかというと、私のほうの質問に対してあなたはお認めになった。当時はGE、リットン、ヒューズ、こうあった。GEは二百七億円、リットンは百七十億円、ヒューズが百三十億円、そうしてヒューズが安いからといって落ちた。一体これは、あなた考えてごらんなさい。リットンとヒューズとの間に同じもので四十億円違うんですよ。さらにGEとの間には七十七億円違うんですよ。百三十億で本体ができるというものが、同じものを求めて七十七億違う。いいですか。それから納入期限のおくれることだって、まだ完成品がないヒューズを選んだから当然でしょう。GEだってリットンだってアメリカの空軍、海軍が使っていたんだ。そうでしょう。初めから延納することがわかっておって、もしやがて延納を認めるからということでやったんだとするならば、これは重大な問題です。そうでしょう。そういう疑惑だってわくじゃないですか。なぜ一体七十七億も、まん中と比べれば四十億も差があったかという点、あなたのほうは見積もりを三回とっているはずだ。どこが違ったのですか。説明してください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 本体百三十億、これはヒューズの提供でございます。百七十億、これはリットンの提供でございます。二百七億、これはGEの提供でございます。その内容がどういうふうに違ったかということの詳細は装備局長をして答弁せしめますが、私は当時ヒューズにきまったのは、百三十億の本体で十二分にレーダーサイトから本部まで通信が来る、つまり半手動式の警戒管制が行なわれ得る、こういうふうにその当時の当局が考えた結果発注されたものと思っております。その内容がリットンと比べて四十億違う線、それからGEと比べればお説のごとく七十七億違いますその線は何ゆえでどんなものであるかということの説明は、装備局長にさせますから、お許し願いたいと思います。

大出俊日本社会党

○大出委員 装備局長に。この見積りを三回とっているはずですが、中身はあなた見ているかいないか、答えてください。   〔発言する者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 私こまかいものは全部見ておりませんが……。

大出俊日本社会党

○大出委員 こまかいものを見なければわからぬじゃないか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 はい。最後の集計の項目だけは説明を聞いております。

大出俊日本社会党

○大出委員 最後の集計の項目だけは説明を聞いているという程度で答えるのは、そんなものは答弁になりませんよ。見た人.がない。だからあなたのような答弁になる。無責任きわまる。それなら、三回見積もりをとっているのだから、GE、リットン、ヒューズ、何で七十七億違い、四十億違うかということを見積もり書を出してください。それから先ほどの懇談会でもいい、国防会議の集まりで、十二月三日にきめておいて、一日置いて五日に日本アビオトロニクス、日電とヒューズの合弁会社と契約を結んだ契約書を出してくだい。審議できないじゃないか。見てない人ができますか。だめですよ、そんなこと――人が死んでいるんですからね。審議できない。だめだ。見てもいないものを審議できますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 装備局長はいま百三十億の内容を検討したあとでお答えいたしますと言っております。それからいま即座にはできないわけでございます。  それからもう一つ契約書等は、差しつかえない限り、遅滞なく大出さんのもとまで、差しつかえなき限り提出をいたします。

大出俊日本社会党

○大出委員 見積もり書の内容、だれも見てないではあなた質疑になりますか。見ていないと言う。出してください。国民の疑惑を生むのはあたりまえじゃないですか。

加藤晟防衛庁装備局通信課長

○加藤説明員 装備局の通信課長、お答えいたします。  ヒューズの見積もり百三十億とリットン社の見積もり百七十億との違い四十億につきまして大体のことを申し上げますと、本機の器材のうち表示装置等の関連器材及び通信器材におきまして約十億、通信器材は符号伝送のための器材でございます。それからレーダー装置といわゆるバッジ器材との連結のためにレーダーを一部改修しなければならぬ部分が一応七億ほどよけいに見込まれております。それから全体経費との比率におきまして、初度品の見込み方、経費の見込み方、が多少ふえております。七億ふえております。それからロイヤリティ、これはイニシアルぺイメント等の計画が入っておりまして、八億ふえております。それから利益の見込み等が約十二億ほどふえております。それから組織管理の費用が若干、ヒューズの場合よりも七億ほど減っております。しかし輸送経費等について三億ほどよけいに見込まれておりまして、合計四十億ほどの差が出ております。  一応リットンとの比較について申し上げました。

大出俊日本社会党

○大出委員 GEは……。

加藤晟防衛庁装備局通信課長

○加藤説明員 GEにつきましては、総体の見積もり金額が非常に大きくて、データリンクその他の取得にとても余裕は充てられないということで、もう検討が第三次にははずされております。

大出俊日本社会党

○大出委員 いまの説明だけじゃわかりません。これは明確に、やはり国民の皆さんに疑惑を解く意味では、あなたが数字を並べてみて間違いがないのならば、なんで、どんどんふえてもいいしかけになっているとか、業者が損をしないしかけになっているとか、不愉快だからしかったけれどもふえるとか、こういう発言をあなたされるのですか。別に意図があるんじゃないですか。あなたはFXについての昨年の調査報告書を大室さんが持っていったら、絶対見ないと言って拒否しましたね。あなたのねらいがそこにあるのじゃないですか。とうとう拒否しましたね。まだ受け取っていないんでしょう。その後にあなたは記者クラブへ行って、絶対受け取らぬと、記者に会見をして言っていますね。受け取っていませんね、FX報告書。どうですか。なぜああいうことを言うのですか。言ってください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 FXのほうについてお答えしてもいいですか。――FXのことは慎重に扱わなければなりませんし、ことに一つ調査団が参りましたが、大体において向こうの出した仕様書を見てきた程度でございます。でございますから、まだ私が聞くには、相当忙しくもありますし、ゆっくり落ち着いてからよく聞こう、こういうことに相なっておるのでございまして、報告書を受けていないことは事実でございます。また報告書ができておるかどうかということもまだ私は聞いておりませんが、要するにカタログ程度のものは集めてきたという範囲においては、まだ報告書を見てもおりませんし、聞かないと言ったことも事実でございます。

大出俊日本社会党

○大出委員 そういういいかげんな答弁は困ります。あなたは記者クラブに行って、絶対受け取らぬと力んでおられる。記者の方々、異口同音に言っておられるのですよ。それをあなたは、できているかもいないかもわからない、そういういいかげんな説明じゃ世の中は通りませんよ。あなたはみんな知っている。この間私がこの席でそれを聞いたら、FXについては一切関係がないと、あなたはずいぶん力んで答えられた。あなたのところの小幡次官も記者会見をして、この件は絶対FXとは関係がないということを冒頭に述べている。わざわざ言った。あなたは山口さんという方がなくなられて、山口さんという方が――ある新聞が書いております。丸紅飯田のほうにこの調査報告の中身が漏れていることをあなたは知っておった。警務隊が調べているじゃないですか。始末書なんて書いているが、始末書じゃない。山口さんを呼んで警務隊が聞いている。調書ですよ、ですから。そこまでいっているじゃないですか。あなたはそれを知っている。知っているから、あなたは受け取らない、記者クラブに行って力む、そういうことですよ。ねらいがあなたは一体どこにあるのですか、この間のような答弁をする。この間の答弁でいけば、ヒューズをとことんまでたたくことになる、あなたの答弁は。ヒューズの代理店の伊藤忠をたたくことになる、あなたの答弁は。何をやっているかわからないという、あなたの答弁、そうなる。F104J、これについてだってこんなものはとつくの昔に出ているのですよ。あなたは日米相互協力に基づく機密だというけれども、見てごらんなさい、あなたはこの間ぼくが一月十八日にあなたに質問している内閣委員会の席上で広げて見ておられたじゃないか。一九六三年一月「インタラビア」これはスイスの有名な国際雑誌ですよ。この中に、見てごらんなさい、ザ・ナサール・システム・フォア・ザ・F104J、詳しく載っている、全部。しかもこれの八月号にもっと詳しく載っている。何が秘密ですか。F104Jの火器管制装置が捜索距離において短い、しかも標準照準可視距離、見ることができる距離、見ることができる範囲、これが小さい、欠陥だということはわかっているじゃありませんか。F104Jの問題を取り上げてこれを告発することについて「航空情報」に載っている記事を防衛庁が、それが真実であると認めたことになる。でたらめを書いたのなら告発の対象にはならぬから、つまりF104Jの欠陥がみごとに浮き彫りになっている。そうでしょう。F104Jはロッキードですよ、あなた、御存じのとおり。いま、丸紅飯田が扱おうとしているのは、CL1010、これもロッキードですよ。めくらのロッキード、軽装備で小さい。だからF104のナサールと同じなんだ、ホーミングを含めて、これを突き詰めていけば。しかも、この「航空情報」に書いたこの原稿の出どころをあなた御存じでしょう。何と伊藤忠にいる三人の人、一人は為我井さん、防衛庁から行った。為我井二佐。為我井さんという人はアメリカでボマークとナイキハーキュリーズの、いまの問題と同じような大きな汚職だ云々だという国民の間に争いがあった。そのときに自衛隊の調査機関におって、ボマークについての秘密情報を流したというので米国に調べられた。これを契機に為我井さんはやめて伊藤忠に入られた。そのあとに森富さんという三佐の方がまた行った。そのあとにもう一人、一尉の方がまた行った、庄司さん、三人行った。この三人と沖本なる諸君との間の話し合い、川崎一佐との話し合い、これがバッジの中心ですよ。その上が山口さん。だからこの「航空情報」を突き詰めていけば、F104Jの欠陥にぶつかる、それを掘り下げていけば、伊藤忠の三人の人にぶつかる。あまりにもその原稿の書き方がCL1010をたたこうという書き方だったから、関川さんという「航空情報」の編集長さんは、それをあなたのほうで問題にしてあげた青木さんに書き直してくれと言ったのですよ。いいですか、ここに持ち込んだこの伊藤忠からいった原稿というのは、相手の丸紅飯田をたたこうということだ。その証拠に伊藤忠はF5を進めているじゃないですか。そうでしょう。これでおまけにあなたが、山口さんの線からこう入っていって見れば、怪しい将補が一人いるなんということを、あなた記者クラブで言っておる、自殺の通知があったときに。そうでしょう。この間私がここで質問したときに、私の勘だと言った。怪しい将補が一人いるとあなたここで答えた。聞いておったと言う。それはどうしてだと言ったら、私の勘だとあなた言う。だから、あなたは森羅万象にお詳しいからそうでしょうと私は言った。そうでしょう。そうなると、これも突き詰めていけば、どこにぶつかる。当時の幕僚長浦さんはどこに行ってますか。丸紅飯田でしょう。山口さんと切っても切れない仲でしょう。バッジの浦調査団長でしょう。そうだとすれば、山口さんの下に川崎さんがいる。それと最も仲よくて、銀座のバーKであるとか築地の料亭のMであるとか、しまいには、防衛庁の前のスナックまでアジトにして、一緒になって歩いていたじゃないですか。これは明確な事実だ。そうなってくると、あなたがこの問ここで答弁をしたことも、私は必然にとれないです。いま取り消しているけれども、丸紅飯田にもつながってきますよ。これでいったって、F104Jの欠陥をたたくということは、CL1010をたたくことになる。同じロッキード。性能が似ている。そうでしょう。そうなると、最後に残ったところはどこになりますか。日商の線だけが残るじゃないですか。F4ファントムですよ。幕の方々はF4ファントムがほしい、高いけれどもそうでしょう。そういうことになったんじゃ、これは困るのだ。こんなことをすると、またロッキード、グラマンの争いが起こりますよ。だから、私はあえてここまで言うのだ。かつて、できてないグラマンを、あのロッキード、グラマンのときに、決算委員会でなくなった河野さんがたたいた。あのときは岸さんが総理大臣で、佐藤さんが大蔵大臣だ。変わった理由は、政治的理由と一言言ったらおさまったというのだけれども、性能の点で幕の諸君は残念がった。そうでしょう。いまになれば隠れもない事実ですよ。バッジのときだって、リットンというのはどこと提携していたかといえば、日商でしょう。さっき説明したリットンは日商でしょう。いまの線で二つたたかれて、残るのはどこが残るかといったら、日商しか残らぬでしょう。私がこう勘ぐることが無理ですか。だから、バッジ変じてFXになったけれども、相関連するから、私は、ここのところをはっきり聞きたいと申し上げている。私の疑或を晴らしてください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 大出さんの御質問が非常にに多岐にわたっておりまして私としては、なかなかすベてにわたってお答えしにくいのでございまするが、まず第一に山口空将補が、FXに関連して自決したとは思っておりません。空将補が直接監督しておる一等空佐がいま逮捕されておりまするから、そのことについての道義的責任を負ったものと私どもは考えております。そのときにも私は大出さんに申し上げましたが、大出さんもお聞きのはずでございます。本日またもう一ぺんはっきりと申し上げます。山口空将補はバッジ室におりまして、直接の部下としてその室の次長をしたり、そういうような関係で二カ年間同じ勤務をいたしておりました。その関係で、機密が漏れたという疑いをもってこの六カ月以前から自衛隊の警察隊とも称すべき警務隊で取り調べをいたしました結果が、この三月二日の逮捕になってあらわれたわけでございます。二日間逮捕いたしまして、その後には検事勾留の逮捕になっておるわけでございます。そういうことについて心を痛めて自決したものと思っております。道義的な死を遂げたのでございまして、正しいりっぱな人であると私は考えております。  それからFXは九種ございまして、その九種についてまだ選考中でございまして、いろいろしぼったというようなことが新聞に出ておりますが、すべてこれは誤報でございます。  それからいま捜査中の、ことに検事勾留等に付して強制留置して捜査中の内容について種々憶測することは、私どもは絶対に避けたいと思っております。

大出俊日本社会党

○大出委員 捜査中のものだからという理由で、あなたは一番最初の調査報告書について受け取らないということをしきりに力説をした記者クラブでのあなたの発言、これもあなたはお認めにならぬ。そこから始まって、全部あなたは捜査中ということばの陰で認めようとしない。しかし、問題は、F104Jというものをこの「航空情報」に書いた原稿がどこから出たかということも、もう明らかでしょう。あなたも知っているはずだ。みんな三人とも自衛隊にいた方々ですよ。そうでしょう。それを「航空情報」の編集長が頼んで、あんまり露骨だからといって書き直させたのも、おたくから出ていった方ですよ。いいですか。しかもバッジをきめたときの調査団長浦さん、この方は丸紅飯田に行っているでしょう。山口さんと当時一緒にやってきた方。海原さんも当時は内局におられた。みんな関係があるでしょう。そうだとすれば、あなたが断わった理由、調査書を受け取らない。事前に漏れていれば受け取りたくないでしょう。それはわかりますよ。また、漏れた場所にもよる。どこに抜けているかということもわかるでしょう。何しろ防衛庁の近所には、部屋までとって、商社がリコピーの用意までして、出てくる書類をリコピーをする時間を短縮をして、きわめて合理的にやっているなんということまで、いろいろな書類に載っておるでしょう。あなたはそれを知らないはずがない。だから、あなたがほんとうに伏魔殿だと思ったんだろうと私は思っている。百鬼夜行だとあなたは言っている。根本的に立て直すんだと言っている。そこまで立て直すつもりなら、いま私が申し上げた筋はでたらめではない。私も一生懸命、あれから今日まで足を使ってかけずり回って調べてきた。聞いてもみた。その上で私は言うっている。Kというイニシアルのあるバー、私もさがしてみた。あなたのほうだって警務隊があるんだから、そのくらいのことは調べればわかるでしょう。何しろ去年の春から行動がおかしいというので、あなたは一生懸命調べておったのだから。山口さんの給料は、おおむね月給十二万円ですよ。川崎さんの給料は十万三千ちょっとですよ。そんな川崎さんが、あんなはでなことができるはずがないじゃないですか。飲んだ金は会社につけておけというかっこうになっている。そういうことをもしやっているとすれば、たいへんなことです。あなたがほんとうに立て直すつもりなら、もう少し突っ込んだ答弁をしてくださいよ。立ち直せませんよ。だめです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 防衛庁から機密が漏れるというようなことがあれば、国家の存立に関係するということにつきましては、自衛隊の最高指揮監督者である総理からも御指示がございまして、防衛庁の警務隊、すなわち警察隊でございますが、警察隊を動員いたしまして、昨年の十月から真剣に調査をして、その結果が三月二日にようやく逮捕になって踏み切ったわけでございまして、ここが端緒になって相当の結果があらわれるかあらわれないか、これはいま検事にお取り調べを願っております。その検事の補助者として自衛隊の警務隊が活動しておる最中でございまして、捜査中のことは申し上げかねるわけでございます。  ただ、国民の皆さまの前に申し上げることは、自衛隊の大多数の者はりっぱである、防衛庁の大多数の者はりっぱであって、そのごく一部分の一部分であっても、もし不正な者があったり、国家機密を売るような者があれば、国家の存立にも影響するし、自衛隊自身が怨府と思われるようなこともあり得るわけですから、気をつける上にも気をつけなければならない、こういう態度をもって対処いたしておりますことを申し上げておきます。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 大出君、大出君、申し合わせの時間が過ぎておりますから、結論にひとつお入くりださい。

大出俊日本社会党

○大出委員 総理、この問題が金づるになっちゃいけませんよ。いいですか。ロッキード、グラマンのときもそう、バッジのときもそうですよ。当時の政治資金が、皆さんの側でないほうにどのくらい出ているかということも調べてみた。七百万、八百万なんという資金が出てますよ、伊藤忠からも、丸紅飲田からも。そうでしょう。力をかしてもらってバッジが取れた。あるいはロッキード、グラマンでロッキードにいったということになれば、そうなるでしょう。いまの世の中で、自衛隊法の五十九条という規制があるにもかかわらず、情報を流しているとすれば、反対給付がなければならぬでしょう。こんなことはあたりまえですよ。こういうことがまた伊藤忠、丸紅がつぶれる方向にいろいろなものが出ている。そうして最後のとどのつまりが日商だけが浮かび上がっていたなんということになると、あえて私は言うのだけれども、そうなると、このFX戦争、商戦というものは、またこれはとんでもないことになる。二兆三千四百億円の国庫債務負担行為を含む予算を組んできている。見当つけてきている。これはたいへんなことです。総理は、私にかって内閣委員会とそれから本会議におきまして答えておられる。内閣委員会のときは、「黒い墓標」をめぐる問題ですよ。「葬送行進曲」をめぐる問題、「汚職の道教えます。」の問題、怪文書の問題。あなたはここでいわゆる疑惑、不安、不信、こういうようなことがあれば、私の責任で絶対になくしてみせる、こうおっしゃった。これは四十一年六月二十三日です。それから本会議で、あなたは似たようなことをシビリアンコントロールの問題に触れておっしゃっている。あなたがここでおっしゃっていることは、「国防の最高責任者は私自身でございます。私がかわらない限り、ただいまいうシビリアンコントロールの問題は、防衛庁長官の任期いかんということとは関係がなく、私がかわらぬ限り間違いはございません。」とあなたは答ている。これは四十中年の六月の九日ですよ。そうでしょう。あなたはここのところ三年ばかりこう答えておいでになったけれども、現に防衛庁の二人の中心的な方がなくなって、なくなった方にはたいへん私もお気の毒だと思っているが、そういうことにしてしまった責任、このことを、与党も野党もない、そういうふうに、そこのところをどうするかということを考えなければ、ほんとうの意味の将来のシビリアンコントロールはできませんよ、これは。国民の疑惑は解けませんよ。だから、私はひっかけた質問のしかたもいろいろあるけれども、ここだけ言っておきたいのだ。総理、どうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、本会議におきましても、過日、この機密漏洩の疑いある問題について私の所信を表明いたしました、お答えいたしました。きょうまた、この席で大出君からいろいろお尋ねがあり、同時にまた大出君の御意見も述べられ、そうして自衛隊自身はもっと機密が保たれ、また不正があってはならない、こういう意味の御注意があった、かように私は伺っております。私も、国の国防に携わる自衛隊、そこで機密が漏洩したというような疑いが持たれておる、このことをまことに遺憾に思っております。何と申しましても、国民に対して、私、相すまないような気がいたします。すでに起きている問題について、これは私の信念でもありますが、どこまでもこれを糾明いたしまして、そうして厳正なる態度でこれに臨みたいと思います。そうしてりっぱな国民の信頼する自衛隊、これをつくりたい、かように思います。私は、そういう意味で、ただいまのお話を、ただ単に野党の政府攻撃と、かように聞いたわけではございません。私は、ただいまのお話、まことに国のために心配、深憂にたえないように聞いておりますので、これは与党、野党を問わず、りっぱな自衛隊をつくることに御協力願いたいと思います。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これにて大出君の質疑は終了いたしました。  次に、正木良明君。   〔委員長退席、二階堂委員長代理着席〕

正木良明公明党

○正木委員 まず、委員長、そして予算委員会の各理事に申し上げます。この前保留をいたしました私の質問に対しまして、本日追加質問をお許しくださいましたことを、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。  そこで、非常に時間も制約されておりますので、前置きはおいて、さっそくお尋ねをいたしたいと思います。  この前私が要求しておきました資料、自衛隊の治安行動教範の草案の提出がついになかったわけでありますが、その点の理由を防衛庁長官から承りたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 正木さんに申し上げます。昨年の内閣委員会におきまして社会党の武部さんから御質問がございまして、種々教範の草案と申すべきものの御提示をなされつつ御質問がございました。私はそれを聞いておりまして、自分が相当長い間警察のことに携わっておった、こういう経験から見まして、治安出動というようなことは、これは非常にまれな場合でございまして、多くの場合は警察機動隊が出動すべきものでございます。その警察機動隊、警察力をもってしては秩序が維持できないと認めた場合に、間接侵略もしくは緊急事態の場合に、国会の事後報告もございまするが、内閣総理大臣の命令を受けて出る、こういうような場合でございまして、そのきわめてまれなる場合に――警察機動隊ですら、そのときその場合に応じまして良識をもって判断して行動しております。ほとんど出るか出ないかわからないといったような場合、もちろんその規定はしてございまするが、そういう場合に、各種の教範等は設くべきものにあらず、こう確信いたしまして、昨年たしか七月でございましたが、教育局長その他を呼びまして、教範なんというものは検討中という答えが昔あるそうであるけどれも、私の長官のときにはそういうものはつくらせない、将来といえどもおそらく防衛庁では治安行動教範なんというものはつくるべきものではないということを厳重に申しつけてあるわけでございまして、したがいまして、正木さんの種々の御要求がございましたが、でき得る限りの答弁資料は申し上げておるつもりでございますから、その線で御了解を願いたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 私も治安行動教範についての資料をちょうだいいたしましたが、これはいま長官が答弁なさったような、検討を取りやめた、こういうことの趣旨の答弁書というか、弁解書というか、そういうものでありますが、記録にとどめるために、ひとつ私たちにちょうだいいたしましたこの資料を読み上げていただきたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 正木さんにお答え申し上げますが、これを全部読み上げるのでございますか、この機会において。――この提出したものを私が申し上げたということで記録にとどめていただきたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、この資料の中にこのようなことが書いてございます。部分的に申し上げますと「昨年七月四日の衆議院内閣委員会が武部委員から質問のあった直後に、厳に教範作成をやめさせた。従って、それ以後においては、検討をしていない。」と、このように書いてございます。ところが、私がこの二日に御質問申し上げたときに、二月でございますが、二月の九日、十日、十一日に、富士学校で重要な会議が行なわれておる。これは全国の第三部長が寄った会議でございますが、この会議の席上で――私は寄ったのか寄ってないのかということについては言及しないで、寄った模様であるが、この会議の席上で治安行動草案が検討されたのでしょうかという質問をいたしましたところ、長官が、「いま教育局長から聞きました。三部長が集まって各種の演習をしておる、そこで、各種のうちにはいまの治安出動の演習のことの打ち合わせもございましたということでございます。」とおっしゃっております。したがいまして、この治安出動の打ち合わせということは、現に行なわれたと私はこの答弁から確信をいたしておりますが、それに間違いがありませんか。

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 お答えいたします。  三月二日の御質問に対する答弁として私が申し上げましたことは、長官がおっしゃられましたとおり、教範の検討をしているわけでございませんので、その際には教育訓練関係の人たちのお互いの意思の疎通をはかるという意味における集まりでございまして、教範を審議したというようなものではございません。

正木良明公明党

○正木委員 もう一度確認をいたしますよ。二月の九日、十日、十一日に富士学校で全国の三部長の会議は、それでは持たれたということですね。これだけに答えてください。

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 お答えいたします。  二月の九日、十日、十一日と、富士学校で各師団の三部長の集まりがございました。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、この席上で治安出動の訓練、演習の打ち合わせはしたが、草案の打ち合わせはしなかった、検討はしなかったということですか。   〔二階堂委員長代理退席、委員長着席〕

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 ただいま先生おっしゃられましたとおりに、治安出動の訓練についての打ち合わせはいたしております。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、問題を変えます。  先ほど委員長を通じて防衛庁に対して資料の提出の要求をいたしておきましたが、防衛庁における各幕における教範はどれぐらいございますか。

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 お答えいたします。  約二百二十でございます。

正木良明公明党

○正木委員 二百二十に達するたくさんの教範がすでにつくられております。数だけを承ったわけでありますが、この中のおもな――全部二百二十というと時間がかかりますから、このおもな教範をおっしゃっていただきたいと思う。

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 お答えいたします。  陸上自衛隊では、普通科中隊、基本教練、通信法というようなものが、約百二十ございます。それから海上自衛隊では、操艦教範、航海術教範、それから応急教範というようなもので約九十ございます。それから航空自衛隊では、飛行点検業務、それから航法というような教範が約十でございます。

正木良明公明党

○正木委員 おもなものを各幕において三つづつぐらいいまあげていただきましたが、この代表的なものでも相当こまかいところまで教範によって規制をいたしておりますね。にもかかわらず、治安出動というのは自衛隊にとっては非常に重要な業務でありますね、これは私から申し上げるまでもないと思いますが、ちょうどあの占領当時朝鮮戦争が起こりまして、在日米軍がほとんど朝鮮へ参りました。このあと従来米軍が担当をいたしておりました日本国内の治安維持ということについて、兵力が非常に手薄になるというので日本がその肩がわりをしなければならないというので、あの吉田元首相の時代に警察予備隊というものができました。この時代から一貫して現在に至るまで、名前は三回ないし四回かわりましたけどれも、その任務の中で治安確保のための自衛隊の任務というものは枢要なものであるというふうに規定せられ、自衛隊法が制定されたときにも、治安出動に関する条文が四条にわたってこれが規定をされました。そのときの説明にも、このことが各委員会において述べられております。そこで非常にこまかいところまで教範ができましてそれを律しているのにもかかわらず、重要な自衛隊の任務であるところの治安行動についての教範が全くない。これについては私は非常に疑問に感じておるところでございますので、その点長官から、現に訓練は行なっておる、演習訓練の打ち合わせもごく最近に行なわれておる、ところが全然教範がない、教範があったとしても、その検討をとりやめさせた、非常に唐突にそのようにおっしゃいましたあなたの偽らざる心境というものを、ここで述べていただきたいと思うわけであります。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 正木さんにお答え申し上げます。  治安という関係のことも自衛隊に課されたる使命の一つであることは、お説のとおりでございます。すなわち、直接もしくは間接の侵略に対して国家国民を守るということが自衛隊の職務でございますから、しこうしてこれを受けまして出動するという場合には、七十八条で出動する場合でございまするが――私どもは、この自衛隊が存立し、そうして訓練に励んでおるという形によって侵略を未然に防止する、万々一侵略があった場合にはこれを排除する、そういう存在が自衛隊だと思っております。なるほど七十八条には「間接侵略その他の緊急事態」と書いてございまするが、これは三月二日にも正木さんに申し上げましたが、きわめてまれなる場合である。しこうして警察力をもってしては秩序を維持しがたいという場合でございまして、各種の条件がございます。国会の事後承認も受けなくてはなりませんし、内閣総理大臣みずからの御判断によって命令が下されるわけでございます。きわめてまれなる場合でございまして、過去十八年間何ら規範というものがなかったわけでございます。なくて済んできておりまするし、将来も私は、行動規範というようなものはごめんである、つくってはいけないという感じでございます。  しからばどういうことを準拠としておるか。これは国家公安委員長と防衛庁長官との万一の場合の治安出動時の行動の協定がございます。すなわち、後拠支援ということをもっぱらやるのである、万々一治安出動した場合でございますよ。それからなお府県知事の要請によって治安出動する場合もございます。その場合は、府県会の報告をもって十分でございまするが、その場合もやはり地方の公安委員会と地方のそれぞれの方面総監との間における協定はございます。それから元長官時代に出しました治安出動時における訓令というものがございます。こういうことを準拠としてやるのでございまして、われわれの行動はその範囲に縛られてございまして、国民が不安を抱くようなものではございません。万々一出動した場合でも、国民をお守り申すために警察力の補助隊として活動する、こういう範囲でございまして、警察が治安維持の任務を持っておりまして、機動隊等が出動しまするが、それについてすら規範がない。すなわち、それぞれの指揮官の良識にまつと私は思っております。また、警察官武器使用規定にもそういうことが書いてございまするし、自衛隊法にも万一の場合に、警察官武器使用規定を準用するということが書いてありまするが、あらゆる場合において、当該部隊指揮官の指揮監督によって初めて治安活動した場合の自衛隊は動くのであるということが書いてございまして、それ以上のものは私は必要がない。もちろん治安出動の場合を想定して訓練をいたしておることは、時間等のことはこの前も申し上げましたが、ちょっと調べてみましたところが、時間がちょっと違いまして、四十六時間というのが地方の部隊でございます、それからこの首都におきましては、四十六時間の倍プラスアルファ、大体百時間くらいの訓練はいたしておりまするが、準拠もないわけではございません。ただ、行動規範というものは、あくまで私は自分の信念から見ましても反対でございます。

正木良明公明党

○正木委員 私としましては、いまの長官の答弁は非常に頼もしいと思うのです、一面。あなたが相当な場合においても治安出動ということを考えない。しかし、自衛隊法の中には治安出動ということを規定いたしております。規定しておるということは、万が一にも治安出動することがあり得るということを想定しておるということです。同時にまた、あなたは、それは希有の場合であるとおっしゃった。私は希有の場合であることを願います。むしろないほうがいいと思いますし私も同感です。しかし、隊法でそれを規定し、万が一ということをおもんぱかって、そういうことがあるかもしれないという場合、希有な場合であればあるだけに、これは重要なことであるがゆえに、その行動を規範するところの基準がなければ、しかもそのための出動の訓練というものに基準がなければ、これは烏合の衆と同じではないかと私は言う。なるほどあなたがおっしゃったように、昭和三十五年には自衛隊の治安出動に関する訓令、昭和二十九年には防衛庁長官と国家公安委員長との間に協定が結ばれ、また昭和三十三年にはその通信の細部協定が結ばれております。しかし、これは非常に抽象的な文言でつづられており、これこそ実際の訓練にはこれを準拠としてやるわけにはいかない。もしかりにこれで訓練し、またこれで出動するとするならば、現場の指揮官の権限というものが非常に強大なものになると思わざるを得ないのであります。  そこで、あなたの答弁の中から何点か聞きたいことがあります。  いま申し上げました、まずあなたがおあげになった訓令並びに二つの協定、これを準拠として訓練が可能であるか。出動が実際問題として治安出動ですから、外敵と当たるのではありません。日本国民を相手にするのです。あなた方はこれを暴徒とおっしゃるかわかりませんが、かりに暴徒であったとしても、日本国民を相手にするわけでありますし、もしこれを拡張解釈し、権限が乱用されるということになるならば、憲法で保障されたデモ隊にもこの治安出動がなされるかもしれないというおそれが残されておるが、そこで、そういうふうに教範もない訓練を積み重ね、そうして現場の指揮官に強大な権限を与えるような治安出動がかりにあったとして、あなたはこれをどのように考えていらっしゃるのか、あなたの考えをはっきりとここで示していただきたいと思うわけであります。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 まず、正木さんに御認識願いたいのは、もちろんおわかりでございますが、過去十八年間にわたって規範というものはございません。規範なしで間に合っております。それから、警察官武器使用規程という法律がございまして、その法律に基づいて、万々一の場合に武器を使用するかもしれませんけれども、いま御指摘のようなデモ等には絶対に治安出動はないと私は考えております。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、もう一つお尋ねしたいのでありますが、防衛庁には教範に関する訓令というのがありますね。その教範に関する訓令の第二条にどういうことが書いてありますか。

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 第二条、「教範は、自衛隊の行動及び教育訓練を適切、かつ、有効に実施するために、部隊の指揮運用、隊員の動作等に関する教育訓練の準拠を示したものとする。」

正木良明公明党

○正木委員 長官、御存じでしたか。こういう訓令があるのを御存じでしたか。あまり遠い昔のものではありません。昭和四十年六月一日、防衛庁訓令第三十四号で出された訓令です。いま教育局長が読み上げましたように、「教範は、自衛隊の行動及び教育訓練を適切、かつ、有効に実施するために」必要だと書いてある。したがいまして、私は、先ほどお尋ねいたしましたように、二百二十に達するところの教範がすでに存在をいたしております。このように、この教範の訓令に示すように、教育訓練のためにもこの教範は必要であるということを防衛庁は明示をいたしております。にもかかわらず、最も重大であると思われる治安行動に対して、その教範がないということ自体がおかしいと思いませんか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 正木さんにたびたびお答えいたしますとおり、過去十八年間教範なしで訓練しております。私はおかしくないと思っております。  それから、長官がこれほど力を入れて、この治安活動関係において教範なんかはつくってはいけないと言うのに、つくれとおっしゃることは私はおかしいと思う。私は、教範なんというものは――もう治安出動なんということはほとんどないのですから、訓練はいたしておりまするが、それぞれの良識に従って訓練をいたしておる。しかも、警察官武器使用規程だとか、そういうようなもので、厳重に各種の準拠とするところはございます。訓令があるからぜひつくれという命令規定ではございません、第二条は。私もいま読んでみましたが、命令規定ではございません。各般の常識とかその他訓令とかあるいは協定とかいうものに準拠いたしまして、また法にのっとりまして、治安関係のことについての訓練を一年間に四十六時間いたしておるということは無理がないと私は考えておる次第で、教範なんというものは、めったに、出動はほとんど考えられないくらい希有な場合に、教範をつくらなければならぬということは私はないと思うのです。

正木良明公明党

○正木委員 どうかひとつ誤解のないようにしていただきたいのです。私は、何も教範をつくりなさい、そうして治安出動をせいぜいやりなさいなんて言っているわけじゃないんだ。いいですか。あなたが非常に希有な場合とお答えになった。私はそのことに賛成です。むしろないほうがいいんだ。しかし、希有な場合であるということは軽々に出動してはならないということです。一一〇番へ電話をかけるとすぐパトカーが飛んでまいります。これと同じように何かあったときに自衛隊がすぐさま出動するというようなことがあってはならないのです。それは私もあなたも同じ意見だ。しかし、希有な場合であるだけに、それは重大な場合でしょう。重大な場合であるだけに、よけいにきちんとした訓練を日ごとにしておかなければならないのではないか。だから、やみくもに、ただ何となく――私は何となくとしか思えませんね。教範がなくてもいい、現場の指揮官が判断するのだというような形で訓練が行なわれているということ自体が、おそろしいことではないかと言っているのですよ。だから、そういうものは、むしろ必要であるならばつくって、そうして国民の批判にたえられるようなものを国会に提出しなさいと言っているのです。それをあなたは、ありながら、ないとしらを切っている。あったとしても、それは取りやめさせた。こういうこと自体に大きな問題があるのではないかと思うのです。私は、真実のシビリアンコントロールというのは、防衛庁長官が文官であったらいい、それを指揮するところの総理大臣が文官であったらいいということではなくて、いわゆる主権在民の今日、主権者である国民から負託を受けた国会が、それをチェックし、そのあらゆることを知っておるということが、真実のシビリアンコントロールだと思うから言うのです。(拍手)それをあなたに要求しているのです。いいですか、それをわかってもらいたい。同時にまた、そのことに、私の質問に答えて真実の答弁をしてもらいたいと思うから、私は力を入れて申し上げておるのです。  そこで、言ったっても、あなたはおそらく老いの一徹で同じ答弁を繰り返すだろうと思いますが、あなたはあの答弁の中で、実際に行動するところの警察の機動隊だって教範がないじゃないかとおっしゃった。ここにあなたの大きな誤解がありますよ。実際出動する警察の機動隊はまる腰なんです。このことについて国家公安委員長に証明をしていただきたい。二点ありまして、一点、現在いろいろなところでデモがあります。それに機動隊が出ておりますが、いまのところ、拳銃は持っておりませんね。飛び道具は持っておりませんね。将来にわたってこの武器の使用ということはこの機動隊にはあり得ますかどうか、これが一点。  もう一点、先ほどからおっしゃっておるように自衛隊が治安出動する場合は、警察の手に余ったときに治安出動するのだとおっしゃった。あなたは、どういう点が手に余るという時点であるか、限界であるかということを、あなたのお考えでここでお述べいただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 警察官は、勤務中は拳銃を携帯いたします。しかし、デモの取り締まりに拳銃は不要でございますから、このときは全部はずして一部の指揮官が持っておるという程度でございます。  それから、非常事態と申しますか、治安出動なんかありました場合にどうかということでございますが、国民はやはり法秩序を守っていこうという良識がありますので、私は、治安確保のためには今日の警察力をもって十分であるという判断をいたしております。警察で不十分だという事態が起こるのかどうか知りませんけれども、私どもは現状でそういうことは考えておりません。

正木良明公明党

○正木委員 いま国家公安委員長は、飛び道具を持たないと言った。日ごろは持っておるが、デモ隊の鎮圧に当たるような、防御に当たるようなときには、そういう拳銃等は帯用しないと言っている。そこが違うのですよ。だから、自衛隊は治安出動する際にまる腰で出ますか、長官。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 いまあなたの御質問のデモ等には絶対に出ることはないと思います。

正木良明公明党

○正木委員 これは非常に重要な発言を聞きました。また同時に、喜ばしいことであろうと思います。したがいまして、いまの防衛庁長官のお答えは、デモ隊等いわゆる憲法で保障された大衆行動に対しては自衛隊の治安出動はあり得るものではないと受け取ってよろしゅうございますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 自衛隊法七十八条所定の厳格なる規定のもとに想像されるだけでございまして、現実の問題としては、初めからあなたに申し上げておりますとおり、希有である、ほとんどない。全然ゼロかというと、それはゼロということは言えませんが、七十八条の規定はございます。その規定に従って厳格に規制をしておるものである。厳格に自衛隊の治安出動というものは規制のもとに置かれておる。  それから、シビリアンコントロールというのは、もとより、私はいつも衆参両院において申し上げておりまするが、国会のコントロールを受けることであり、自衛隊といたしましては、シビリアンである内閣総理大臣の指揮監督を受けることであり、また防衛庁長官がシビリアンであるということである、こういうふうに考えております。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、先ほどの答弁の中からもう一、二点お聞きしておきたいのでありますが、あなたは、三つのいわゆる治安出動に関する訓令並びに協定並びに細部協定に準拠して、それによって演習を行なう、訓練を行なう、同時にまた、治安出動のある場合にはそれにのっとってやると仰せになった。したがいまして、私は、草案がないということでありますから、その点についての質問をいたしませんで、あなたがおっしゃったかみ合う議論をしたいので、その訓令の内容について二、三御質問を申し上げますから、お答えを願いたいと思います。  まず第一に、訓令の第七条、(出動計画の作成)というのがございますが、この治安出動の出動計画というものはおつくりになっていらっしゃいますか。

今泉正隆防衛庁防衛局第一課長

○今泉説明員 お答えいたします。  作成いたしております。   〔「課長は政府委員か」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 説明員です。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 治安出動に関する計画は作成いたしております。

正木良明公明党

○正木委員 この出動計画の内容について御説明願えますか。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 治安出動に関する計画は、非常に私どもとしては、秘密と申しますか、内容が秘密の部分を含んでおりますので、内容について御説明いたしますことは差し控えたいと思います。

正木良明公明党

○正木委員 おかしいですね。先ほど長官は、国会のチェックを受けることが真実のシビリアンコントロールであると、私の意見に賛成なさった。そうして草案は、いわゆる教範はつくらない、こういうふうにおっしゃった。しからば、あなたが準拠するとおっしゃったこの訓令の中に、出動計画の作成というものを「常に物心両面にわたり、出動に関する準備を整えておかなければならない。」というふうに書いてあるから、あるかと言えば、あると言う。その内容を国会に公開することができますかと言えば、秘密だと言う。これはどういうわけですか。   〔発言する者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。――静粛に願います。

島田豊防衛庁長官官房長

○島田(豊)政府委員 治安行動に関します訓令におきましてはそういうふうな規定になっておるわけでございますが、したがいまして、それの訓令に基づきまして、年々これは防衛計画もつくっておりますけれども、そういう警備計画的なものもつくっておるわけでございますが、この中には具体的な計画の内容を含んでおりますので、この席では申し上げられない、こういうことであります。

正木良明公明党

○正木委員 この出動計画は、どの方面についてどういうことをやるかということをいっておるのか、それとも具体的な行動についてまで書かれて、ある、だから言えないのか、その点は言えますか。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 この際、防衛庁長官に申し上げますが、防衛庁長官におかれましては、事務当局とよく打ち合わせの上、御答弁を願います。   〔発言する者多し〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 いま政府委員から秘と申し上げましたのは、治安出動時における隊員の動作、権限等は、これは自衛隊法に定められております。でございますから、これは定めたものではございませんで、治安出動を要請された場合における各部隊における派遣可能な人員とか、あるいは装備の員数とかいうものを定めたものでございまして、これは管理としては秘という処理をしておりまするから、政府委員の立場におきましては、秘ということを申し上げたわけでございます。

正木良明公明党

○正木委員 私は繰り返して申し上げますが、ほんとうにこの点については国民が非常に不安を持っておるということです。したがって、先ほども申し上げたように、軽々に出動すべきものではない。しかし、あなたは出動するかもしれないというある一点を残しておられるような答弁をなさった。したがって、出動するということは願うことではありませんが、あり得るということも言えます。それは、過去において出動した経験はない。一回もそういう前例はないとおっしゃいますが、しかし、出動直前までいったという事例は幾つかあるということは、あなたも御承知のとおりであろうと思います。したがって、もしかすれば、そのことがあり得るかもしれない。特に一九六〇年の時点におきましては、ここに並んでいらっしゃる閣僚の中にも、そのことを強く要請なさった人があるようでありますが、当時の赤城防衛庁長官が断固としてこれを拒否したと伝えられております。堂場さんという記者がいらっしゃいますが、この人が書かれたことで、私は非常に感心しているところがある。   〔発言する者多し〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。

正木良明公明党

○正木委員 いいですね、ちょっと読んでみます。「鶏を割くに、牛刀をもってすることは、侵略国に対する防衛出動の場合は別として、国内の治安確保を目的とする場合には、許されることではない。」同感です。「むかしの軍隊は、天皇の軍隊であるという名分があった。いまの自衛隊はだれのための“軍隊”かといえば、国民のための“軍隊”であることはいうまでもない。ところが、この「国民の軍隊」という定義は、はっきりしているようでいて一実は非常にアイマイだ。特に最近のように、政治、経済、外交、あらゆる面で国論が真二つに割れているときには、ますますむずかしくなってくる。自民党内閣を支持する者も国民だが、野党を支持する者も国民である。」しかもこれは過半数ですね。「こういう混乱期においては、“軍隊”の国内出動は、とくに慎重でなければならない。純粋に治安を確保する目的で出動したにもかかわらず、結果的には、政争解決のための道具として自衛隊が特定政党に使われた、という非難を受けるおそれが少くないからだ。もちろん、外国からの直接侵略と相呼応して、国内で暴動または内乱が起こった場合とか、明らかに間接侵略による内乱のような場合に自衛隊が出動することは当然だし、そういう場合には、国民の大部分が自衛隊を支持するに違いない。しかし、国内の政治、経済等の原因から発生した暴動に対しては、慎重の上にも慎重でなければならない。」「自衛隊がその本来の使命を達成するためには、国民大多数の支援を受けなければならないことはもちろんだが、現在でもかなり多くの国民層から冷眼視されている自衛隊が、国内の政治、経済問題から発生して起こる問題に武力介入することは、“冷眼視”を更に深刻な“敵視”に変える結果となるだろう。そのため国内の三十八度線は、ますますそのミゾを深めることになるかも知れない。同胞相撃つというような治安出動は、自衛隊のためにも、また日本全体のためにも決してプラスになるはずがない。」私は同感です、ある部分については。  そこで、そういう不安はぬぐい去れない状態だから、真実に国民の批判にこたえられるようなものをあなたが明らかにすべきである。それが真実のシビリアンコントロールではないかと私は申し上げているのに、秘密だ秘密だというふうにお逃にげなる。ここに私は大きな疑問を感じるわけであります。したがって、もしどうしても秘密で公開できないというならば、所定の手続を経ていただきたいと私は委員長に申し上げたいと思います。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 防衛庁答弁ありますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 万々一の場合に出るかもしれぬというようなことを増田が言ったと言われますが、私は、七十八条と八十一条とが存在いたしておりますと、この所定の手続をもって治安出動をするのであって、そういう場合はきわめて希有である、ほとんどないのではないか。しかしながら、法第七十八条と第八十一条とはございます。それから、各般の訓練をいたしておりますが、その訓練の教範がないのは不安ではないかとおっしゃいましたし、正木さんもまた、私も拝聴いたしておりましたが、教範があってはたいへんであるということもおっしゃっております。私は、教範があってはたいへんであるというその良識に従って、長官として、防衛庁に対して教範なんというものはつくってはいけない、部隊の指揮官の良識にゆだねて各般の訓練をいたしておることは、これは法の九十何条に定めておるとおりでございます。

正木良明公明党

○正木委員 出動計画のことにつきまして、あなたはどうしても秘密で出せないというような御答弁でありましたが、私は要求したいと思いますので、これはひとつ委員長、理事会ではかっていただきたいと思います。  いたずらに混乱させることが私の目的ではありませんから、質問を進めてまいります。いまあなたがおっしゃった、現場の指揮官にまかせる、確かにこれは訓令の中にございます。「権限の行使」という中で、武器の使用ということについても現場の指揮官にまかされております。「武器の使用を命ずる部隊指揮官は、事情の許す限り現場における上級の部隊指揮官とし、かつ、当該部隊指揮官は、現地における最高の部隊指揮官の命令がなければ武器の使用を命じてはならない。ただし、状況が緊迫して最高の部隊指揮官の命令をまついとまのない場合は、自己の判断でこれを命ずることができる。」とある。現場の指揮官が武器を使用することが可能ともし判断すれば、武器を使用することができるのですよ。そういうときに、ただこういうばく然とした規定だけではなしに、こまかい規範をつくって、教範をつくって、日ごろからそれを訓練し、精神的にも、また物理的にも、その訓練をはっきりとしておかなければならないのではないかと私は申し上げている。しかも、それがないで済むならば私はけっこうでございますけれども、なしでは、これは済まないと思いますね。しかも、それがないというならば、それでは何で律するのか、私たちは、この訓令をもとにするとあなたがおっしゃったから、この出動計画でしか判断できないのではないかと私は考えている。その出動計画の中でそういう規範が定められているとするならば、この出動計画で公開すべきではないかと私は申し上げているのです。したがって、あなたがいま、こまかいことについてきめてある、したがって、それは秘密だとおっしゃいましたが、そのこまかいことまできめてあるからこそ、それは公開すべきではないかと私は思うのです。だから、私はそれを要求しているのです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 繰り返して申し上げますが、計画は訓令にのっとってできておりますが、マル秘ということでございます。内容は、規範なんかは書いてあるわけではございません。派遣可能人員だとか、あるいは装備の員数とかいうものを書いてあるわけでございまして、政府委員等は役人でございまするから、機密保持の責任上ああいう答弁をいたしたわけでございます。あとは皆さま方においてそれぞれ所定の関係で――われわれもマル秘には拘束されておりまするから、所定の関係でこれを公開せよとおっしゃれば、公開は、それぞれ手続に従って私は行動したいと思っております。繰り返して申し上げます。私は警察官の経験を相当長く持っておりまするが、武器使用規定等は、最後の場合には、万々一という場合しかないのでございまして、そういう場合でも、治安の維持ができないという場合に、警察の方面の公安委員長から要請があって内閣総理大臣が必要と認めた場合と、警察力をもってしては治安の維持ができない場合というのですから、ほとんど考えられないくらい希有な場合でございます。でございますから、そういう場合の教範をつくるということは、私がどだい反対でございます。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 この際、正木君に申し上げますが、先ほど御要求の資料の件につきましては、後刻理事会にはかってこれを措置いたしたいと思います。どうか質疑をお続けください。

正木良明公明党

○正木委員 委員長に申し上げますが、いま私は、秘密であるならば秘密であるという所定の手続を経ていただきたいというふうに申し上げましたところ、防衛庁長官も、所定の手続を経るならばという御答弁がございましたが、この点はいかがですか。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 その点も後刻理事会でよく御相談をいたします。

正木良明公明党

○正木委員 それでは次に移りますが、やはりこの訓令の中の第三条第二項第三号です。「暴動の直接制圧に関して警察力が不足する場合においては、出動部隊等は、警察と協力して暴動の直接制圧にあたるものとする。この場合、出動部隊等は、主として、中核体と目される暴徒の制圧に努めるものとする。」というのは、どういうことを意味するのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 正木さんにお答え申し上げますが、第三条というのは項はないのでございますが、第五条でございますか。(正木委員「第五条です」と呼ぶ)第五条の関係の訓令はございますが、われわれの国家公安委員長との協定は、万々一出動した場合でも後拠支援を目的とする、こういうことになっております。そこで、警察力が不足してどうしても困るという場合に、中核と目される暴徒の制圧につとめる、これはやはりなるべく犠牲を少なくするために、そうして治安を確立して国民をお守り申すための規定であると考えております。

正木良明公明党

○正木委員 非常に具体性を欠いておるのです。そのような程度しかこれはきめていないということになるのですよ。あなたがおっしゃった、防衛庁と国家公安委員長の間に結ばれた協定の中にも、このことが書かれておりますよ。これは「治安出動の際における治安の維持に関する協定」で、2の任務分担の(1)のハ、「自衛隊および警察は、任務特に行動地域または鎮圧目標を区分して、自衛隊は、主として、中核体と目される暴徒の鎮圧に努めるものとする。」と、協定の中に同じことがうたわれております。だから、詳しいことを承りたいと言っているのです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 この中核体というのは――警察力をもってしては鎮定しがたいという場合になるべくわれわれは警察隊の後拠支援ということが目標でございます。そこで中核体というものを、どうしてもやむを得ない場合には受け持ちますが、その場合でも、PRとかあるいは説得とかいうことが中心でございまして、法九十三条に書いてございますような武力の行使ということは避けたいという趣旨でございまして、その意味からも、武力を行使する場合にはこうやるんだ、ああやるんだという細目の規範なんかはつくりたくないというのが私の考えでございます。これは私の信念ではなくて、長い間の経験から出て、そのほうがしかるべきものである。私は警察の経験が相当長いのでございますが、自衛隊が武力を行使するために出動するなんということはきわめてまれでございますし、そのまれな場合におきましても、警察官武器使用規定というものがございますが、その武器使用規定にのっとっていろいろするというようなこともほとんどないという前提から教範をつくらせない、こういう立場に立っております。

正木良明公明党

○正木委員 どうかひとつ、誤解のないようにしていただきたい。私は、そんなに常時出動されるというようなことを想定して言っているのではないののですよ。しかし、万が一ということをおっしゃったから、その万が一の場合が非常に重大なときで、その万が一の場合を想定してこの訓令の中に書かれてあるような行動をおとりになるのであるなら、それは具体的にどういうことですかとお聞きしているのであります。それに対して答えていただかないと、これはますます私たちは不安が高まるばかりであって、安心し、納得するわけにはいかないわけですから、その具体的なことをお答え願いたい。先ほどは、それは現場の指揮官にまかせる、これじゃ、あぶなくてしょうがないというふうな感じを私は持っておるから申し上げておるから申し上げておるのです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 七十八条はあくまで間接侵略とか、そういうことを目標としております。その他のことにつきましては、大規模なる内乱とか騒擾とか暴動等でございまして、警察力をもってしては鎮圧しがたい、それで出動いたしましても、われわれは後拠支援が目標でございます。その後拠支援が目標でございまして、いろいろな可能性をさらに突き詰められまして、煮詰めてあなたは御質問でございまするが、中核隊と目される暴徒の鎮圧につとめるという場合もございます。それはここに協定にもございますし、訓令にも書いてございまするが、これはなるべく犠牲を少なくして、そうして秩序を回復して国家国民をお守り申す。大切なのは国家国民でございますから、それをお守り申すために書いてあるのでございまして、こう書いてあるから、なるべく凶悪犯人なんかはほったらかしておいて、逃げたほうがいいということにはならないと思います。

正木良明公明党

○正木委員 全然私の聞いておることにお答えくださってないのですよ。私の聞いておることは、先ほど申し上げましたように万が一という場合を想定して、それでいて、なおかつ自衛隊の行動、治安出動ということが重要であるがゆえに私は申し上げておるのですから、私が納得するように御説明を願いたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 治安出動がまずきわめて希有であるという前提から、どうも御質問のことに直接にお答えするというと、ほとんどこれは希有でなくて、日常行なわれ得るようなふうに考えられますが、そうではないということを国民の皆さまに明瞭にお答えいたします。  まず、万々一に出動した場合でも、警察が暴動の直接鎮圧に当たるのである。そこで警察力をもってしては――不測の場合に治安出動するわけでございますから、警察も相当疲れておるとかいろいろな場合がございましょう。その場合には、イ、ロ、ハというハの場合において、もし自衛隊が直接鎮圧の目標を選ばなくてはならぬという場合には鎮圧に出ますけれども、その中核隊とおぼしきものに鎮圧の目標を向けるのである。どんな鎮圧をするかというと、大体説得が鎮圧でございます。その次には、警察官と同じ職務を与えられておる逮捕でございます。治安を撹乱する中核隊と認められる者に対して逮捕をする、これが目標でございまして、武器使用規定があるから武器を使用するのじゃないか、そんなことはほとんど絶対にないといってもいいのじゃないかと私は考えております。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 正木君、大体申し合わせの時間がきております。

正木良明公明党

○正木委員 長官、あなたのおっしゃったことは、やはり訓令には順を追うて書いてありますから、私はその訓令を読んで了解した上で質問をしているのです。すなわち、一番最初は警察力の支援後拠として行動するのですね。それはわかっております。しかし、それでなおかつ警察力をもって鎮圧できない場合に自衛隊が実力行使をするのです。その時点で自衛隊が説得をしたり何かするのじゃないのですよ。説得や何かは、その前の支援後拠のときにもうやっておるのです。そうして実力行使に入ったときに、具体的に自衛隊は何をするかということを、ここでは非常に抽象的に規定をしてあるのです。その具体的なことをどのようにしていくのか、これは治安行動草案――かつて暴露されたときに実に詳しく載せられていて、私たちは非常に不安であるから、そのことをお尋ねしているのです。草案がないならば草案がない、教範がないならないで、ここであなたが明らかにしなければどこまで明らかにしようとしているのですか。何でもかんでもまかせろというのですか。それではシビリアンコントロールではないのではないのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  正木さんも、希有のまた希有のその希有の場合を想定して、お互いに問答しておりまするけれども、この問答している間に国民が不安を抱くというようなおそれがございまするから、きわめて希有な場合は問答はほんとうはしたくないのですが、お聞きでございまするからお答え申し上げます。  まず中核隊を受け持つような場合が万々一の万万一という場合にあった場合には、私は後拠支援だけが説得ではないと思っています。そういう乱暴なことはやめたらどうですかということを、一生懸命、万々一の万々一の場合に出動した場合に、その中核隊を受け持ったその自衛隊員が説得をする、お説教をするということは、これは私は当然だと思います。それでいけない場合には、まあだんだん押し返していくとか、そういうところに入ってもらっちゃ困ると押し返していくとか、最後に、どうしてもいけない場合には逮捕するというようなことであろうと私は考えております。

正木良明公明党

○正木委員 そこで、あなたのおっしゃるお話を聞いておると、非常に平和的な話だ。説得をし、そうして押し返してなんて話をすると、それじゃ相手はデモ隊かということになるじゃないですか。あなたのおっしゃっている万が一の万が一の万が一の、私が先回りして答えるようで申しわけありませんが、間接的侵略の場合ということになれば、それじゃ間接侵略の定義はどのようになってくるかということもおのずから明らかでしょう。私はそのつもりで話をしているのに、あなたは、説得をして、それで聞かない場合に押し返して、そうして逮捕する、相手が何だということに、私はまた疑惑が生じてくるじゃないですか。その点をはっきりしてください。そういうその場限りの答弁をしないで、安心ができるように答弁をしてください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 私は、まず間接侵略と間接侵略にあらざる、つまり一国もしくは数国の使嗾、扇動、干渉、支援に基づく暴動、騒擾の大規模なるものを間接侵略ということは、正木さんにこの前お答えをいたしました。御了解をいただいておると思います。その場合の態様と、それから外国の使嗾、扇動、支援、干渉に基づかざる国内的の暴動、騒擾等であって、しかも、警察力をもってしては治安の維持が困難なる場合、こういうふうに前提してお答えいたします。間接侵略の場合は正木さんも区別していらっしゃいますから。しかし、同じ七十八条で規定してあることは、これは事実でございます。八十一条のごとき場合を私は考えております。地方の知事の要請で治安出動に出るという場合もございますから、そういう場合には、なるべく中核隊を、最後の最後の場合には受け持ちますが、説得に説得を重ねていく。それからその次は押し返すとかあるいは逮捕する。これは司法警察官の職務を治安出動の場合には与えられていますから、逮捕をする。そして逮捕した場合には、直ちに一般の警察官に引き渡す。こういうようなことは良識でございまして、協定にも書いてございまするし、訓令にもございまするが、これが準拠でまずまずあらゆる場合が想定されまして、あらゆる場合に通ずるような教範というようなことは、私は、各場合場合、ケースケースで違うのでございますから、教範を書いてないからといって、国民に不安を与えない。むしろ治安出動をしない、ほとんどあらゆる場合においてしないということが、国民の皆さまが心を安らかにされるゆえんであると考えておる次第でございます。

正木良明公明党

○正木委員 こうなってくると、また話が変わってくるのです。あなたが八十一条なんてものを持ち出すと、これは完全なる、国内におけるところのいわゆる大衆行動に対する治安出動というふうに解釈せざるを得なくなってきます。だから、私たちは不安なのですよ。そういうふうに変わってくるから、あなたの話が……。あなたは、先ほどは、そういう憲法で保障された大衆行動のようなデモ隊には絶対出動はしませんと言いながら、それではあなたの万が一の話というのは、このような場合も万が一だというふうに考えざるを得なくなってくる。その場合に、あなたがいまおっしゃったようなばく然とした行動であってはならないから、当然その出動部隊等については教範が必要であろう、そのような声があがって教範の検討をなさったのだと思う。その教範に基づいて訓令をしているにもかかわらず、また、そのような場合が想定されるにもかかわらず、あなたはそれをやめさせた。私は、そのやめさせたということが信用できなくなってきている。したがって、あなたのところには必ず治安行動教範というものがあるし、それを出してもらいたいと言ったら、それは差しとめた。それならば、あなたが準拠するという訓令というものに基づくならば、その訓令の中に書かれておる出動計画またそのほか抽象的に書かれておるものを具体的に説明した資料を出してもらうよりほかに道がないということになるのです。これを委員長に要求します。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 正木君に申し上げますが、申し合わせの時間が来ております。そこで、あなたの先ほど来の御要求にかかわる資料の問題は、後刻理事会にはかって措置することにいたします。   〔発言する者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 正木君、では一問に限ってこれを許します。

正木良明公明党

○正木委員 どうですか。いま委員長を通じて要求いたしましたが、あなたはお出しになりますか、出しませんか。この前もそういうことで検討をお願いした。私は、委員長や理事の皆さん方に御苦労をおかけしたと思います。しかし、出てきたものはこんなつまらないものしか出てきてないのです。だから、私はその点について確言を求めておきたいと思うのです。この前も申し上げましたように、実例があるのです。自衛隊の治安出動はありませんでしたけれども、警官隊においての過剰防衛と思われるようなものが事実起こっておるのです。しかもそれは訓練未熟のために起こったと説明しているのです。だから、治安出動においてこのようなことが起こってはならぬから、私はそれを心配して質問しているのですから、それを国民の前に明らかにするということをあなたが約束してもらいたいと思うのです。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 防衛庁、御答弁ありますか。――増田防衛庁長官。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 正木さんに申し上げておりますのは、七十八条による内閣総理大臣の治安出動と八十一条による府県知事の要請による治安出動があるということだけでございます。しかも、その場合はきわめて希有であって、デモ等には出ないこれが良識であるということを私はたびたび申し上げております。  それから、教範なんかをつくって、いたずらに国民に不安を与えるということはいけないのでございまして、警察官が武器使用をする場合の規定も法律に基づいております。法律以外の武器使用がいいなんというものはないのでございまして、それこそおかしな、教範に従って何か武器使用なんということがあると、とんでもないことでございまするから、私の経験と信念に基づいて、自衛隊は治安出動した場合の教範なんかをつくってはいけない、警察官も武器使用規定という、法律に基づかずして何か教範なんかをつくってやるというようなことがあれば、これは非常な人権じゅうりんにもなりかねないわけでございます。法に基づいて判断して行動するということが最良の道である、国民の皆さまが御安心がいく道であると私は確信をいたしております。

正木良明公明党

○正木委員 私の要求の答えではありませんよ。そんなこと何べん繰り返してもらったって同じだ。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これにて正木良明君の質疑は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 先ほどわが党の大出委員が、防衛庁の契約等を中心とする非常に黒い霧的な問題点を指摘されました。私が先月二十八日の日に質問をしましてから今日まで、私自身非常に首をかしげるようなことが起こっておるわけですよね。私が質問した二十八日の夜、例の大出君が指摘しました「航空情報」問題、F104Jのナサール、これは機密事項だということで青木さんが取り調べを受けました。全く偶然かどうか知りませんが……。そして佐藤総理は、私の質問と関連をしまして、機密漏洩事件を徹底的に調べろという言明をされたそうですね。どうも私が受ける印象は、われわれが自衛隊のいろいろな問題について内容を追究する、その内容の重大さをごまかすために、機密漏洩したのがいかにも悪いように、機密事項を審議するのが悪いように問題をすりかえられておるような印象を受けるのですよ。私は印象を受けるのです。  そこで労働大臣、一番最新のデータで、わが国の勤労者のうち、年間収入八十万円以下の勤労者は何割ぐらいになっておりますか。まずそれをお伺いしたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 私はただいま数字を持っておりませんから、すぐ取り調べて答弁申し上げさせます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私がなぜそのことを先に聞くかといいますと、正確に私も指摘をしたいからであります。  御承知のとおり、三次防は二兆三千四百億、これは二次防の経験からいくと、おそらく最終的には二兆六千億から七千億になるでありましょう。そうすると、これはお年寄からオギャアと生まれた赤ちゃんまでは五年間で国民一人二万五千円の負担をするのですよ。一年間に直すと、年寄りも赤ちゃんも全部含めて、一人五千円の国民に負担を与えておるのですよ。いいですか。そうして本年度の予算はどうですか。四千二百二十一億。そうすると、これは一日について十二億が消えていくのですよ。一分間に八十万がおそらく消えていくのです。見てごらんなさい。いいですか。日本の勤労者の八割は年収八十万円以下のはずです。一分間に日本の勤労者の八割の人たちの年収分が消えていくのですよ。これほど国民生活に重大な影響のある問題ですから、私どもは、この防衛庁の問題なり自衛隊の問題、あるいは国力に応じた自衛力の増強とは一体どういう程度なのか、こういうことを審議する責任があるのですよ。それに、いたずらに機密とか秘密とかいうことによってわれわれの審議をチェックするということは、国民が知りたいことを知らせない、こういうことになるのです。私は、まず冒頭それを申し上げまして機密漏洩の問題点はどこにあるか、これだけ指摘しておきます。  これは、私がお願いをして出していただいた資料であります。四十二年度の統計は出ておりませんから、四十一年度の統計をここへもらいました。それは、防衛庁と取引のあるいわゆる調達費の中、これで一番取引高の高いところから順に十番まであげてもらいました。御承知のとおり、防衛庁の調達方式は一般競争入札、それから指名競争契約ですね。そして随意契約なんです。この随意契約に問題があるのです。いままで問題になったのは全部そうでしょう。随意契約でしょう。バッジにしてもあるいはF104にしても、あるいはこれから問題になりますFXにしてもそうですよ。そうしてこの随契というものは、全体の契約の件数からいったら三九%ですけれども、金額からいったら七四%という金額を占めておるのです。  そこで私は、ここに一般契約とそれから指名契約と随契、それから全体の契約高と四種類、第一位から第十位まで出してもらいました。そこで、私は驚くべきことをここで見たわけです。これは契約高総額です。一番から三番までちょっとあげてみますと、三菱重工業、これが百八十九件、約二百億です。二番が石川島播磨重工、これが七十七件で七十億、三番が川崎航空、これが九十一件で六十七億です。ところが、随意契約を見てみますと、その順番は変わっておりません。随意契約はやはり三菱が一番で、二番が石川島、三番が川崎航空。そして三菱重工業の場合は、全体の契約件数が百八十九件のうち随意契約が百八十二件ですよ。ほとんどが随意契約なんです。そして金額は、二百億のうち随意契約は百九十八億円ですよ。ほとんどがもう随意契約なんですよ。石川島でいきましょうか。七十七件の全部の契約のうち随契は六十八件、金額は七十億のうち六十九億五千万円ですよ。ほとんど全部なんですね。三番目の川崎航空からいきますと、全部で九十一件のうち随契が八十七件ですよ。金額からいくと、六十七億のうち六十六億九千万、契約高の三位までがほとんどが随契なんです。ここに問題があるのですよ。いいですか。そしてその三つの会社だけあげてみますと、その三つの会社に陸海空から一佐以上の方がどのくらい行かれておるかというと、三菱重工業には、陸から二、海が三、空が二、これは将官です。石川島は、海が将官一名、空が一佐二名、川崎航空は、空が一佐一名、こういうふうになっておるのです。  そして、それらの三位までの会社が、一体、政治献金をどのくらいしておるかというと、これは私はもう中身は言いません、総額だけを言いましょう。いいですか。三菱重工業が四十一年度に四百九十三万円、四十二年度に二百六十八万円、合計七百六十一万円、これは日本鉄鋼経営者連盟に献金をして国民協会に入れておる部分は抜けてあるのですよ。こっちのほうが多いのですけれども。それから石川島のほうは、これは四十一年が百二十万、四十二年度が九十万、これはある派閥にそのままいっております。それから川崎航空のほう、これはどういうわけか、右翼と思われるところへ出されておりますね。ここに問題があるのです。つまり、佐藤総理いいですか、政界と産業界、防衛産業と防衛庁、この政産軍の結合、政産軍の相互依存の体制、これが機密漏洩の基本なんですよ。ここに佐藤総理はまず目を向けなくては、いかに小手先の技術的な機密漏洩防止の方法をとったってだめなんです。政治の姿勢はここにあるんですよ。そして、この献金先のほとんどが、残念ながら政府の与党でありますね。ここに私は問題があろうと思います。私はこれをここで追及する気持ちはありません。問題の所在はどこにあるかということをはっきりして、ひとつこの点についての佐藤総理の御見解をまずお伺いしたいと存じます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、こういう事件が起きたことをたいへん残念に、また遺憾に思っております。国民に対して申しわけないように思っておりますから、しばしば申し上げますように、事態を究明したいし、また厳正なる態度でこういう問題の解決に取り組むという私の決意を表明しております。したがいまして、これはよく調べてみないと、どういうところにあるか、その原因はなかなかつかめないだろうと、かようにも考えます。しかし、ただいま楢崎君から政財軍、そういうところにあるんだという御指摘がございましたが、その御意見、御注意も、ひとつよく伺っておきます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そのことをまず指摘をいたしまして、本論に入りたいと存じます。  私が過去に二日間にわたって特にお時間をいただいて指摘をしてまいりましたのは、総理が提唱なさっておるいわゆる非核三原則がはたして実効のあるものであろうか、これをみんなで考えたかったわけです。そこで、私はまず冒頭にこの非核三原則に関連をしまして、私どもにとっては非常に重要であると思われることをお伺いをいたします。総理もそのつもりで御答弁をいただきたいと存じます。  まず、外務大臣、一月二十九日に午後三時から外務大臣は佐藤総理と木村官房長官など首脳部がお集まりになって、いわゆる事前協議の問題について具体的な、いろいろな打ち合わせをされたということが新聞に載っております。そこで、私は一点だけお伺いをしておきます。いいですか、外務大臣、一点だけ。そのときに、あなた方は、もし第七艦隊でも核を装備しておれば、当然装備の重要な変更になるから、入港はお断わりする。ただし――いいですか、ここです。ただし、領海の無害航行はこれに含まず、そういう御見解でございますか。下段のほうを私は特にお伺いをいたします。領海の無害航行は核装備をした軍艦でも、これは事前協議の対象にならず、つまりこれは認める、こういう御見解ですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 認めるということは、いかにもこれは適切な表現ではない。公海上における行動に対して、われわれがとやかく言うことはできない。(「領海は」と呼ぶ者あり)領海はいけない。領海は断じていけない。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 よろしゅうございますね。じゃ、領海の場合は無害航行でもいけない。よろしゅうございますね。もう一ぺん確認をしておきます。これは重大ですから、ひとつ正確なところを答えてください。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 私の答弁、訂正することをお許しを願いたい。従来、従来の政府が、領海内の無害航行に対しては事前協議の条項にかからないという答弁をいたしておるのでありますから、私もその解釈に従うものでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それみてごらんなさい。これは重大な問題なんですよ。それはあれですか、私が一日目に質問しましたアメリカとのゼントルメンズアグリーメントでそうきめられておるのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 これはアメリカのゼントルマンアグリーメントというよりかは、ゼントルマンアグリーメントという話も、これは安保条約の話のときにあったと思いますけれども、とにかく、一般的にそのように日本が解釈をしておるということでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 外務大臣、いまの答弁はおかしいですよ。一般的な問題はあたりまえですよ、領海の無害航行は。そんなことを私はことさらにここで時間をかけて聞きますか。重大な事前協議の事項にかかわる、核の持ち入れの問題と関連をして聞いておるのですよ。一般的な問題を聞いておるのじゃないのですよ。そういうあいまいな答弁では困ります。有害航行がありますか。核の有害航行なんといったらたいへんなことですよ。冗談じゃありませんよ。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 国際法上の解釈としてそういう解釈をとっておるということでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は国際法のことを聞いておるんじゃないですよ。日米安保条約の第六条、事前協議事項との関連においてお伺いをしておるのです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 日米安保条約の第六条も、こういう国際法の解釈によって、事前協議の対象にしないという解釈をとっておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで問題があるのですよ。じゃ、ポラリスが領海内に入ってくることは、無害航行の場合はいいというのですか。そうですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 条約局長から答えさせます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは政府の最高政策に関することですから、ひとつ外務大臣からお願いします。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 それは領海の無害航行の場合はいいということでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは私はたいへんな問題であろうと思います。そこで私は、こういうことがあろうかと思って、引き続いて、この前質問できませんでしたけれども、総理に、総理の非核三原則の適用の範囲はどうですかということを聞いたわけです。この問題があったからです。あなたは領土、領海、領空とおっしゃいました。つまり施政権の及ぶ範囲には核は入れない、持ち込まない。だからそれを聞いたのです。領海だって無害航行だったらいいというのですか。核の有害航行なんというのはないのですよ。これは領海に入っていいかどうかの問題です。有害か無害かの問題ではありません。総理から御答弁をいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 この領海内の無害航行、これは国際法上ちゃんと認められた、各国に与えられたる権利です。そういうものはひとつ私どももそのまま認める、さような立場でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 全く、総理、だから私は重大だと思ったのですよ。無害航行という名によって領海の中に入ってくることはお認めになるのでしょう。これはそういうことになるのですよ。これは非常に危険な解釈だと思います。それじゃ、あなたのおっしゃる非核三原則と完全に矛盾する。これはほんとうに重大な問題ですから、もう一度総理の御見解を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま私、政府の立場をはっきり申しましたが、国際法上各国が認めておる事柄でございます。したがって、わが国におきましても、この領海内の無害航行、これは認めざるを得ないということであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 この事前協議事項は日米安保条約の第六条の問題ですよ。一般国際法の問題ではないのですよ。一般国際法の概念でそういうことをお許しになるならば、まさに事前協議というものはなきにひとしいではありませんか。そして、あなたのおっしゃる非核三原則というのは、まさにごまかしではありませんか。そういうことになるではありませんか。そういう答弁ではだめですよ。納得できませんよ。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 領海内においても、無害航行の場合はこれを事前協議の対象にしない国際法の慣行によって、これをしないというのが政府の態度でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はこのことを当初から心配をしておったのです。というのは、いいですか、総理はだんだん答弁が変わってきたのですよ。最初あなたは、核の政策で、非核三原則とアメリカの核抑止力ということばを使われております。そして、いいですか、三月二日の松本善明委員の質問に対して、さらにあなたはやや具体的になりました。非核三原則を国会決議するようなことがあれば、安保条約を拘束するとあなたはおっしゃいました。私はその議事録を読んでもよろしゅうございます。いいですか、正確に言いますと、あなたはこうおっしゃいました。「ただいまのような約束をすることは、」これは国会決議であります。「おそらく安全保障条約の中身について拘束を加えることになるのじゃないか、」安全保障条約のどこを拘束するのですか。それを明らかにしてください。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、核政策については、一つだけの、禁止三原則だけ、核兵器についてだけの決議にはどうも賛成しかねるということを申しましたが、ただいまのお話で、これはやはり法律的な問題じゃございませんが、政治的に何だか規制、安全保障条約に影響をもたらす、こういうような意味ではないかと私は実は心配しているのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 たいへん総理のおことばはあいまいであると思います。この問題は、私どもの審議の一つの中心であったわけです。それで私は、御答弁は正確に表現をしていただきたいと思うのです。なぜならば、安保条約の中身を拘束するということであれば、われわれはすぐ思うのは第六条の事前協議事項です。事前協議事項を拘束するとあなたはお考えではないか、――いや、そうなんです。だからいま、領海の中も無害航行だったらいいのだ、こういうことになってくる。そうして、さらにあなたは、三月六日の外務委員会において穗積委員の質問に答えて、さらに今度は具体化されました。どう答えておられるかというと、非核三原則を決議することはポラリスの日本近海行動を制約する、こう変わってきたのです。非常に明白になってきました。いいですか。だから私どもは、こう思わざるを得ません。推理が違っておったら違っておると言ってください。沖繩の核につき返還の問題について、もうメースBは七〇年で撤去される。三BといわれるICBMをあそこへ置くということは考えられない。残るのは何か。ポラリスです。あなたは沖繩の返還問題について、基地をどうするか、この際あなたは、このポラリスの自由寄港、これでいわゆる妥協をされようとしておるのではないか。いままでの答弁を整理してみますとそうならざるを得ないのです。だから私は、このポラリスの問題をいまお尋ねをしておるんです。そして、日本の領海には入っていいということは、まさに日本も沖繩も、いずれはポラリスの寄港にこれは通ずる突破口の見解である、こう思わざるを得ないんです。どうでしょう。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 これはたいへん想像をたくましくしておられるようですが、私どもはいまそういうことは考えておりません。私どもはただいまそんなことを考えておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで私は、総理はたいへんな背信的な答弁をされておると思わざるを得ないんです。なぜならば、あなたは二月六日の、野党第一党たる日本社会党の山本書記長が党を代表してあなたに質問をいたしました。そうしてあなたは、この非核三原則の国会決議の問題について、いろいろと問題があった後、休憩後あなたは当委員会に見解を表明されました。私はここで念のために読んでみます。「先ほどいろいろ山本君からも御意見を交えてのお尋ねがございました。私もまた、政府としての、総理としての所信もいろいろ申しました。しかし、いずれにいたしましても、国会が国権の最高機関であること、これは私も尊重するところであります。当然国会の意思として決議されたことは、私は尊重するのがあたりまえでございます。さように御了承をいただきたいと思います。」そこでわが党の山本書記長が重ねてお伺いをしました。「そうすると、私から念のために確認しておきますが、いまの御答弁をこう理解していいのですか。国会の非核決議に対しては、国会の意思として尊重いたします、なお総裁として民主的に党議をまとめる努力をする、こういうふうに理解していいですか。」これに対して総理は重ねて答弁をされました。「もちろん、国権の最高機関である国会の決議というものは、私は当然尊重する、これはもう間違いございません。同時にまた、私が総裁として私の職責を忠実に果たす、これは御指摘になるまでもなく当然のことでございますから、さような意味の最善の努力をすること、これは私の仕事でございます。」あなたは、わが党の代表山本書記長に対しこういう約束を二月六日にされたんですよ。それに、いいですか、その後のあなたの答弁は何ですか。全く、この国会決議を、総裁としても党内をまとめようという言明にもかかわらず、あなたは、先ほど指摘しましたように、安保条約を拘束するからこれについては批判的であるようなことをおっしゃり、また、ポラリスの日本近海行動を制約するからこれは批判的であるというような御答弁をなさっておるではありませんか。これは背信行為でありますよ。この矛盾をどう総理は解明されますか。背信ではありませんか。一党の書記長に答弁されたことに対して背信ではありませんか。これは答弁が違っておりますよ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私は、国会で決議されたらそれに従う、これは当然だということを申したのです。まだいまきまらないうちから、私の発言なり私の思想を拘束するわけにいかないだろう、これはひとつお許しを得たい。また私が、私の党内においてどういう意見が出ているか、まだはっきりしておらないのです。だから、こういうものをやはり私がまとめるというその責任は、これは私自身に課せられた責任だ。この委員会において私の意見を求められて、私はそれに答える。私がそれを拘束をされて、制限をした発言をする、そういうものじゃないと思います。もし楢崎君そういうふうにお考えなら、まず決議されて、そして私を縛るようにひとつしてもらいたい。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 総理は誤解されておるのではありませんか。(発言する者あり)黙っておってください。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはわからないのだから黙っておってください。いいですか。   〔発言する者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いいですか。私が言っておるのは、国会が決議すればこれは縛られるのはあたりまえの話なんですよ。私が問題にしているのはその次なんです。山本書記長も指摘されておりますとおり、なお総裁として民主的に党議をまとめる努力をされますかと言ったら、あなたは、当然である。そうすると、あなたのお考えというものは、当然その方向へいくような御答弁を答弁の中でもされることが私は妥当ではないかと思うのです。しかしあなたは、個人としては逆のことばかり答弁されておるのです。そこで私は、不信行為ではございませんかと申し上げておるのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 私の話は不信行為ではございませんかと楢崎君は確かに丁寧なお尋ねでございます。しかし私は、ただいま申し上げるように民主的というのは、およそ、とにかくきぬを着せないで自分の意見を率直に申し述べること、これが一つの民主的な方法だ、かように考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは重ねてお伺いをしておきますが、あなたは自由民主党の総裁として、この非核三原則が国会で決議が行なえるように自分の与党をまとめる努力はなさらないのですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 社会党の山本君の質問も、そこまでは私を縛られたものではない、私はかように思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 山本書記長は、いま読みましたとおりです。私が申したように理解をしてあの質問を終えたんです。いまになってそういうことを言われるということは、公党に対する私は背信的な行動ではないか、このように思わざるを得ません。  しかし私は、さらに、そういう総理のお考えであるから、あなたの非核三原則の内容について問題を深めてまいりたいと存じます。  二月二十九日に防衛庁から、私が要求をいたしました技術研究開発計画、これの資料をいただきました。非常にごまかしが多いということで私は二、三問題をあげてみました。そしたら、その計画はあるという御答弁でありました。そこで私は、資料を書きかえておいでなさいと申し上げました。三月五日の日にその資料が出てまいりました。私は思うのです。増田長官も御年輩でございますし、いま防衛庁でいろいろ問題が起こっておるからたいへんであろうと思うのですけれども、しかし、小さなごまかしを最初やると、次から次にそれは取り返しのつかない矛盾に拡大していくのです。そういうふうに私はこの二番目にいただきました三月五日の資料で思わざるを得なかったのです。  そこで、この内容についてもう一問だけお伺いしておきます。  SUM、これはホーミング魚雷を弾頭とする射程五十キロメートルの艦艇攻撃用のミサイルでございますが、四十二年度は委託をして三千万、四十三年は部内試作で一億二千万、四十四年度はそのまま技術試験、四十五年度は試作をする、二億六千万、四十六年度は試作をやる、八億四千万、この計画は抹殺されたのでございますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 SUMは当初考えないわけではございませんでしたが、予算も取れず、全部やめたわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、私が特に問題にいたしましたGM、誘導兵器は、四月の段階は八項目であったけれども、SUMとAMMが除外されて六件になった、こういうことですね。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 AMMもやめたことは、前に申し上げたとおりでございます。そこでGMの件数は大体六件である、こう考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そこで、大蔵大臣にお伺いをいたしますが、四十三年度技術研究開発費七十一億二千四百万、これが計上されております。防衛庁から出されました資料によりますと、技術研究開発項目の費用は五十六億二千三百万になっております。この差額の十五億一百万というのは一体、この予算書から説明していただくならばどういうことになるのでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 主計局長に説明させます。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 お答え申し上げます。七十  一億と五十六億との差額の十五億円につきましては、これは試験研究費及び開発試験費七億四千九百万、研究用機械器具費五億二千七百万、それから施設等の金が二億三千万、こういうことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いまので十五億になりますか、あなた。私はあなた方からいただいておりますこの予算書で説明してくれと言っておるのです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 お答え申します。予算書という意味がよくわかりませんけれども、このお手元に差し上げた資料ですか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これです。これはどこが出したのですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 それは私どもが出しておりますが、これはプロジェクトごとに載っておるわけではございませんで、これは使途別に、人件費とか物件費とかというふうに、それぞれの項目を分解してございますので、それと合わせるのにはすぐ突き合う数字はないわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうしたら、私どもはどうしてこれは予算審議するのですか。私どもは皆さん方からいただいた資料でしか審議できぬじゃないですか。それじゃ、あっちこっちその金額が違っておったら、どうして審議するのですか。だめじゃないですか、そういうことじゃ。解体したなら解体したものを持ってきなさい。だめですよ、そんな。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 それでは御説明申し上げますが、七十一億の中の五十六億は、研究開発費の中の目の試作品費十二億七千百万円、対潜飛行艇試作費二十六億四千五百万、中型輸送機試作費五億一千五百万、技術調査研究委託費三千八百万、中型輸送機設計研究委託費四億九千百万、高等練習機設計研究委託費六億六千三百万、そこまでが五十六億二千三百万円であります。そのあとの十五億は、その下の研究用機械器具費五億二千七百万、試験研究旅費三千二百万以下が十五億になるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 なりますか。私計算してみたのですよ。ならぬのですよ。ちょっと計算してみてください。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 ならないというのは、おそらく八十四億になるというお話かと思うのでありますけれども、それはこれらの研究……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 違います。十五億になりませんと言っているのですよ、あなたがいま述べられたものを合計してみて。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 研究開発費七十一億二千三百万とここにございますね。その中で、私がいま読みましたものは五十六億になるわけですから、差し引きますと十五億になるはずでございますが、もし計算が違っておればこの予算書の計算が違うということになりますけれども、私はなると思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 十五億一百万にはならぬのですよ。これはならぬわけがあるのですよ。あなたは一部の金を、約三億に近い金をちょいなちょいなしておるのです。(笑声)――ちょっとことばが悪うございましたが、わかりやすく申し上げたのです。技研本部でぐあいよくしておるのです。合うはずがないのです。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○村上(孝)政府委員 非常に科目の振り分けが技術的にこまかく細分してございますので、いまおっしゃいましたような計算のわずかの端数の差があると思うのでございますけれども、これは試験研究費のここにございます五億二千万の中で、この十五億のほうに足しますのは、人当研究費の三億六千万と特別研究費の二千九百万が十五億のほうに振り分けられるわけでございまして、そのほかの運搬費、油購入費は先ほど申し上げました八十四億と七十二億の差額のほうに入るわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は、この問題でこまかくせせるつもりはありません。しかし、あなた方からいただいた、われわれがこれをもって検討すべきこの資料は、ほんとうのところ、これじゃわからないのですよ。審議のしようがないのですよ。それほど要求しなくてはわからぬのですよ、これは。それじゃ私は、こまかい点は分科会でやって明確にして、また総括でお願いしますが、いまのものは局長さん、合わないのですよ。  次にお伺いしますが、この五日にいただきました資料ですね、長官。この資料は、最初二十九日にあなたが出したときには、誘導兵器は二項目で十八億だったのです。ところが、私が指摘をしましたから、ここでは書き直してまいりました、利が言ったとおり。そして決定計画はSAM、ARMを入れて、それにロケットターゲット、ロケットエンジン、四項目追加して合計六件、金額は一十九億九千一百万円、こう出してこられたのですね。どうしてこんなに変えられるのですか。最初のやつは私をごまかそうと思ったのですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 御説明いたします。  二月二十九日の日付の資料では各項目とも代表的なものをあげまして、最後にその他で三次防全体で百十三億というふうにあげております。その中に入っております。  それで、先生から特に誘導弾関係の御質問がございましたので、三月五日の資料につきましては全容を出しました。これが全容でございます。総計で六件三十九億ということで、前のは各項目とも代表をあげまして、こまかいものはその他に入れてあります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何を言うのですか、あなた。大かたあなたはそう言うであろうと私は思っておったんですよ。いいですか。あなたおもなものをあげたと言ったですね。あげないほうに十九億八千四百万、サムの値段は十九億なんですよ。これがどうしておもな項目に入らないのですか。一番大きな項目をなぜあげないのですか。問題になったからやっとあげてきたんでしょう、あなた。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 お答えします。  SUMにつきましては、過去の段階ではございましたけれども、三次防ではもうあげておりません。そういう関係で、われわれは重要項目でないという関係で落としております。三次防では計画しておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何ですか、三次防では何とおっしゃったのですか、いま。十九億八千四百万と大きな金額があるではありませんか。何を言っておるのですか、あなた。ごまかしちゃいかんですよ、そうたびたび。仏の顔も三度だ。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 どうも失礼しました。私、SUMというサムと聞いたもので三次防でやってない、こう申しました。地対空のSAMというサムは三次防で考えております。しかし、申しましたように、おもなものをあげまして申したので、この資料についてはそういう意図は全然ございません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いいですか。あなた方はおもなものとして空対空の十四億、それから地対地の四億、これをあげたんです。一番大きな金額の地対空がなぜ抜けるんですか。私が指摘したから出してきたんじゃありませんか。そういうことをやるからいけないんです。いいですか。総理、済みませんが聞いておってください。私はいまGM、誘導兵器だけについて言っておるのですよ。これは全部で項目は十五あるのですよ。私はそのうちの一つだけあげておるのです。あとの十四項目について全部いまのようなことがあるのですよ。こういうことで予算の審議ができますか。冗談じゃありませんよ。こういうことでどうして予算の審議ができますか。私は単なる計画なら、あなた方言いのがれもできるかもしれないが、四十三年度の予算に七十一億二千四百万という研究開発費が組まれておるのです。これとすべて関連をするから、私は予算委員会だから、当然の責任としてこれを追及しておるのです。こう一々言ったことしか出してこない。言わなくちゃ出さないというようなことでは審議できませんよ。だめです、そんなことでは。出してないのです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 装備局長に答えさせます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 SAMを落としましたのは、確かに額が大きかったのでございますけれども、実は四十三年度で予算がついておりません。われわれ実はSAMの研究をしておりますけれども、ナイキ、ホークが入ってまいりまして国内でもう少し勉強したいということで、四十三年度予算に組んでなかったのでございます。その関係で資料の代表から落としてあるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そういう言いのがれをしてはいけませんよ、あなた。私は三次防全体の問題として質問しておることはわかっておるではありませんか。私が言ったから出してきたのでしょう、こんな大きな金額を。一番大きいのですよ。六項目のうちで一番大きいでしょう、防衛庁長官。だから、私はGM関係だけでもこんな問題があるのだから、十五項目のうちあと十四項目にわたってやるなら、これはあと十日間ぐらい時間をいただかぬと予算審議はできないことになります。いや、審議をするなとおっしゃるのだったら、いいですよ。制限するのですか、審議を。不明のまま、わからないまま、これを通せというのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 楢崎さんにお答え申し上げます。  最近の資料として提出したのが、これが正確な資料でございまして、これは五年間にわたるものでございます。そこで前に中間的な報告は、本年度の開発計画のうちに地対空誘導弾はなかったわけでございます。しかしながら五年間のうちには十九億八千四百万円がございますから、五年間のものとして提出せよという楢崎さんのあとの御指示にこたえて申し上げたのがこの数字でございます。  それから、GM誘導弾の関係は、全体として六種あることは御指摘のとおりでございまして、それに見合う数字がここにあがった合計三十九億九千一百万円でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が言っておるのは、あなた方は言わないと出さないということを言っておるのですよ。だからごまかしというものがこれに含まれるのですよ。まだ納得がいかないなら、私はその矛盾をずっとこれから追及してもよろしゅうございますよ。こういうことで予算の審議ができますか、総理。私は何回も言うようですが、長官をいじめるつもりはないのですよ。しかし私はこの点だけ明確にしておきます。あなたは二十八日でしたか、私の質問に対して、私が持っておる資料は草案の草案の草案の草案と四回おっしゃいましたよ。そして四月の次の五月にあれは変えたんだとおっしゃいました。それはうそなんですよ。二兆六千九百億のときには、この計画は確かにあったとあなたはおっしゃいました。そしてその資料をもとにして私が指摘したASMなりあるいはAMMなりSUMも入れた計画二兆六千九百億、その計画をひっさげて四月五日に当時の島田防衛局長は記者会見をしておるのですよ。二兆六千九百億を基礎にしてやっておるのです。そうして私は六月の段階で内閣委員会で松野防衛庁長官に質問をしました。そのときも、この二兆六千九百億円という数字は変ってなかったのです。でたらめを言っちゃいけませんよ。何が一月後の五月に変えました、何が草案の草案ですか。そういうことを増田さん、答弁でおっしゃっちゃいけないのですよ。いいですか。  それから、これはついでですから言っておきますが、さっきの正木さんの治安行動の件にしても、正木さんも指摘したけれども、去年の、日にちをはっきり言いますと七月四日の日ですよ。あなたもおられました、私もおりました。そうして私のほうの委員が質問しているのですよ。中井教育局長は、治安行動教範はもうずっと研究を重ねてほぼ成案に近づきつつありますと答弁しているのですよ。あなたは、それを聞いておって、何でそのとき立ち上がって、この前みたいに、あるいはきょうのように、なぜそれはやめると言わなかったのです。代々の長官が、これはつくれとおっしゃっておるんですよ。いいですか。あそこにおられる西村農林大臣、当時の防衛庁長官のときから始まって、松野さんのときもこれはつくらしておるという答弁をしているんですよ。それをあなたはこの二、三日になって、急にそんなものはだめだと言うておるなんて言われると、あなたの部下はどう思いますか。いままで長官から言われたから、ふうふう言うて一生懸命つくってきたのにあなたからそう言われたら部下はどう思いますか。その辺をあなた考えなくちゃいけませんよ。私はあなたが真剣でないとは言いません。お疲れだろうとは思いますけれども、もう少し実のある答弁をしてもらわないと困りますよ。私はいたずらに時間を延ばしているんじゃないんです。これでもずいぶん許してあげているんですよ。だからこれからお伺いしますから、そういう態度でひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。  それで技術研究開発の問題は、先ほど申しましたように分科会で明確にして、また総括でやらしてもらいます。  そこで、私はこの技術研究開発計画の中にある、いわゆるCBR作戦の問題についてお伺いをしたいと思うのです。三月の五日にいただきましたこの資料によりますと――これを読みますと。まず(ア)として、対CBR用検知測定装置としては化学剤自動警報器、これが一千七百万、化学剤検知器、これが一千三百万、直読式線量計、これが四百万、中性子線量計、これが四百万、合計四件で三千八百万。それから(イ)として、共通防護装備品としては防護マスター千七百万、対熱被服六百万、合計二件、二千三百万、それから今度は対CBR用予防治療装備品として白血球病発生予防治療剤七百万、精神障害予防治療剤一千四百万、C用新皮膚防護剤一千四百万、G剤予防治療セット九百万及び野外エックス線装置四百万、合計五件、金額四千八百万、こういうCBR作戦用のものが出ておるんです。そこで、一体CBR作戦とはどういうものである、総理は御存じでございましょうか、どういう作戦であるか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 正直に申しますと、質問を受けるというので防衛庁から教えられました。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  繰り返すようですけれども、正木さんに対する私の答弁は、私の信念と経験から出ておるのでございまして、これは教範によって初めて武器使用ができるなんというものではございません。法律に基づいて初めてできるわけでございまして、そういう疑いが持たれますから、私はやめさせたわけでございます。絶対に私の信念でやっておるのでございまして、うそをついておるわけではございませんし、国民に不安なからしめるためにも、私は教範はつくるべからずという信念を持っております。  それから、いまのCBRというのは、ケミカル、バイオロジカル、レイディオアクティビティー、そのイニシアルをとった字でありまして、化学、生物学それから放射能。バクテリアという人もありますが、バオロジカルというふうに普通いっております。バイオロジカル、それからケミカル、レディアクティビティー、それに対する防護的の研究をいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 なかなか私どもにはなじまない、これは作戦ですよ。国民もおそらくよくわからないと思うのです。いま中身をおっしゃいましたから、ややわかってまいりました。化学戦、これは毒ガスや毒薬の作戦ですね。それから生物戦、これは細菌、ウイルス、バクテリア、こういったものをまく作戦ですね。それから放射能戦、これは核戦争、核作戦であります。これらのCBR作戦を自衛隊は訓練し、日夜やられておるわけですね。そしてこういう予算を組んでその防護あるいはいろいろな科学武器を備えようとしていらっしゃるのですね。そうですね。ここに、技術研究開発計画の中にありますから……。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 われわれのCBRというのは、Cすなわち化学関係で、毒ガス等で、あるいはイベリット等でやられた場合にどういうふうにして防ぐか、あるいはこれを検知する、こういう関係の研究をしております。調べ、知るわけでございます。それから、バイオロジカルというのは、これは御指摘のバクテリアもございましょうし、リケッチアもございましょうし、ウイルスもございます。そういうものに対する防護ということを主として考えておるわけでございます。防護関係の研究をいたすわけでございます。それから、レディオアクティビティーというのは、これは放射能に対する防護のことを技研で研究をいたしておるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これも私は、佐藤総理のおっしゃる非核三原則と関係があるから、これを明らかにしたいと思うのです。いいですか。陸上幕僚監部は昭和三十一年十一月六日、当時の陸幕長筒井竹雄陸将の名前が、次に申し上げる、恐縮ですけれどもここで教範が出てくるのです。各教範を制定をして、関係の部隊に配られました。言ってみますと、一つ「CBR訓練」、これは全文が二五六ページからなっております。次に「CBR除毒」、これが全文一〇二ページからなっております。次が「CBR戦の戦術と技術」、これが一八六ページからなっております。こういうものはありましたね。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 これは自衛隊本来の活動である防衛出動の場合に備うべき各般の研究をしてありまして、いま草案の段階だそうでございまするが、教範になってもしかるべきもの、よいと私は考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これが教範になってよい、しかるべきものとあなたはいま言明をなさいました。そこで、時間がありませんから、私はその中から摘出をしてみます。いいですか。三番目に申しました「CBR戦の戦術と技術」、これは「教範十四の八の一号」であります。これはどういうものかと言うと、「戦線指揮官用としてCBR戦に必要な戦術、技術及び需品所要量に関する知識を付与するために制定された」こう書いてあります。そしてまず冒頭にどう書いてあるかというと、作戦の原則が書かれております。いいですか、このとおり読みますよ、原文を。「陸軍、海軍及び空軍は」こんなものはないのですよ、日本には。いいですか、「陸軍、海軍及び空軍は、CBR戦遂行のためには独立または総合的に編成される。統合幕僚会議議長は、毒性物質を使用する戦争を遂行するための方針を決定して、陸海、空各部隊に命令を発する。各部隊は、CBR戦の任務の遂行が全般の軍事的達成のため必要とされる場合は、時と所を問わずいかなる場合もこれを使用しなければならない。」こうなっておるのです。これをあなたはしかるべきものと考えておられますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 まだ私は草案であるということを申し上げました。それで草案をまだ読んでおりません。  それから、御指摘のようなことばがあるとすれば、陸軍、海軍、空軍というものは、陸上自衛隊海上自衛隊、航空自衛隊と読みかえていただきたいと思います。積極的にこちら側からしかけるというようなことについて、CBR作戦ということは考えないのでございます。また考えさせません。われわれは防護関係におきまして、CBRの作戦をいかにしてこれを排除し、これを防止するかということの研究をいたさせておる次第でございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはさっきは、これはしかるべきものとして採用したいとおっしゃった。いまは見たこともない――何をおっしゃるのです。だから、そういう答弁をしてはいけませんよと前、言ったじゃありませんか。どうしてそういうことをおっしゃるのです。見ないものが、しかるべきものとどうして結論が出るのですか。おかしなことをおっしゃらないでください、時間を制限されておるのですから。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  私はうそをつかないために正直に申しておるのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、さらに進めます。  この教範は、いいですか、要らぬところは省きますが、第四章が「戦用ガス」、第五章が「煙」、第六章が「火炎及び焼夷剤」、第七章が「生物剤」、第八章が「放射能剤」、第十章が「攻撃におけるCBR戦術」、第十章が防御における――ここで出てくるのです。「防御におけるCBR戦術」、第十二章が「特殊作戦におけるCBR戦術」、第十四章が「化学、弾薬、所要量」、こうずらっとあるのです。それでこれも一部を出してみます。いま申しました第十章の「攻撃におけるCBR戦術」、どう書いてあるかというと、「敵陣突破作戦における原子兵器の使用にはまず敵陣との問(味方の前線)に百メートルごとに発煙筒で煙幕を張ったあと、敵本陣に原爆を撃ち込む戦術」が図示されておるのですよ。「この煙幕により原爆の熱の七五%が吸収され、味方の損害を防ぎ得る」というのであります。いいですか。あなたは、しかるべきものと、そう簡単におっしゃいましたが、こういう内容を含んでおるのですよ。そしてこの教範で規制されておるCBR作戦は、戦術的使用にだけ限定されておりまして、戦略的使用については「別に指示される」ことになっております。核兵器における戦略的攻撃は、当然総理がおっしゃる、アメリカの核戦略体制にまかせるわけであります。私は、こういう訓練が行なわれておることを、国民は知らないと思うのです。いいですか。自衛隊は海外派兵をいたしません。海外派兵をしないとするならば、当然国内におけるいろいろな作戦をやっておるのです。  総理大臣にお聞きいただきたいのですが、CBRの作戦を自衛隊はしておる。そしてCBR戦争に生き残る訓練をしておるのです。しかしCBRというものは、普通の弾頭と違って、広範囲に敵も味方も影響を、損害を受けるこれは兵器なんです。そういう意味では、核の威力と同じくらいの威力があるのです、安上がりで。各国は、だから研究をしておるでしょう。しかし、日本の場合は、日本の国内でそれが予想されるということは、一体どういうことになるのですか。自衛隊だけが核戦争に、あるいはCBR戦争に生き残る権利があるのですか。国民はどうなるのです。国民は生き残る権利はないのですか。どうです。私は、だから、ここにCBR作戦関係の教範を資料として出していただきたい。国民もそれを知る権利があります。国民も、CBR作戦からのがれる権利がある、生き残る権利がある。自衛隊だけが生き残る権利があるのじゃありませんよ。だから、このCBR作戦に関連する教範を全部出してください。国民は知る権利があります。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 いま「陸軍、海軍、空軍」なんてあってあまりおかしいじゃないかということを政府委員に聞いてみましたところが、はたせるかな、これは米軍の教範を翻訳して一時見ただけの話だそうでございます。でございますから、CBRで攻撃するなんということはないのです。最初からくどくど申し上げておりますとおり、CBR関係で防護用のこととして研究をいたしております。この防護が徹底した場合には、私どもは、たとえば放射能から国民を守るというところまでいま薬の研究もしております。その薬はある程度成功しておりまするが、これは衛生関係の防衛医学として技研で研究しておるわけでありまして、相当成功いたしております。要するに、CBR攻撃なんということばや、陸、海軍なんということばが出てくるだけでもどうもふに落ちないと思って聞いたところが、それは翻訳した米軍の教範だということでございます。われわれは、われわれの教範をつくるときには、長官が承認しなければ教範ではございませんから、まぎらわしいおことばはぜひ御使用にならないようにお願いいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何を言うのですか、あなたは。まぎらわしいことばを私がどこで使いました。あなた方が各部隊に配ったやつを私は読んだのですよ。何をあなたは言うのですか。何を言うのですか。私がどこにでたらめを言いましたか。私は、あなた方が各部隊に――もう一ぺん言いましょうか。いいですか。昭和三十一年十一月六日に陸幕長が各部隊に配ったのですよ。これを私は言っているんですよ。読んでいるんですよ。何が私がでたらめを言っておりますか。冗談じゃありませんよ。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 教範の草案ということも間違いでございまして、ただ翻訳したものでございます。  そこで、われわれは教範をつくるときには、長官が承認したものが教範でございまして、ことばの過程におきましては、あなたも教範教範としきりにおっしゃいましたが、そういう教範は、草案としても存在いたしません。われわれはCBR関係の教範をつくってもしかるべきだと思いまするが、それは私がよく見まして、しかるべきものと思ったときに初めて許可をいたすわけでございます。そこで公文書になるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それでは、現在あるやつを指摘しましょうか。「化学防護教範」があるでしょう。いいですか。読み上げてみますよ。(「あるかないか聞け。」と呼ぶ者あり)あるんです。あるんです。これは翻訳じゃないのです。いいですか。その中に、この教範の八十九から九十一にかけてどういうことが書いてありますか。「防護の手段、(A)爆発前の処置1、停止したなら必ず掩壕を掘る。2、つとめて掩蓋を設ける。3、熱線反射のため白色の紙、白布等を使用する。4、皮膚の露出部をつとめて少なくする。それから(B)、爆発時の処置。1壕その他地形、地物を利用して直ちに遮蔽し、寄るべき地形がないときはその場に伏せる。2、家屋の近く、大木の付近等、爆風による二次傷害を受けやすいところを避ける。3、露出部を少なくしてからだをおおう。4、飛散物がおさまるまでは静止する。」以下ずっとあります。もう時間がかかりますから……。これはあるでしょう。

中井亮一防衛庁教育局長

○中井政府委員 お答えいたします。  化学防護教範、おそらく御指摘のものは草案かもしれませんけれども、そういう名前のものはかって草案の形でございましたが、現在はございません。現在ありますものは、特殊武器防護という名前でつくられている教範がございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 局長さん、そこで立っていてください。これは新入隊員必携の中にちゃんとあるじゃありませんか。そしてこれが次に、新隊員教程になっておるのです。これは、みんな新入隊員は持っておるのですよ。何がないんです。そんなでたらめを言っちゃだめですよあなた。何で言っているんですか。これは機密文書じゃないですよ。本屋で売っているんです。こんなことでは質問はされませんよ、こんなばかにしたことじゃ。せっかく佐藤総理大臣が非核三原則といって言っておるときに、自衛隊は核戦争を予想して、こういう訓練をやっておるんですよ。それを、だから非核三原則と矛盾しそうにあるから、ないとか、草案の草案とか、そんなことばかり言うのですよ。だめですよ。これでできますか。全部出してください。国民はそれを知る権利があります。国民はCBRから生き残る権利がありますよ。われわれ国会議員は、憲法第四十一条、国権の最高機関たる国会に席を置いているわれわれは、国民のためにそれを明らかにする責務がありますよ。責任があります。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 教範で入隊した者に与えておるもの、あるいは市中で販売をいたしておるもの、全部提出いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そう私をばかにしちゃいけませんよ。ないと言ったじゃありませんか。何を言うんです。そういうことではだめですよ。何を言っておるのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 いま教育局長の答弁は、化学防護教範という名称のものはございませんが、特殊武器防護教範というものでしたならば、その中に含まれておりますという答えをいたしておるわけでございます。しこうして、そういうものは公刊されておりますから、もちろん提出いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そんなことばの上の言いのがれをしたってだめですよ。あるでしょうが。私はそれを見て、それを明らかにして、以下自衛隊が持っておるCBRの武器、それと関連して、いま問題になっておるCNを明らかにしたいんです。出してください。いま出してください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 いま教育局長の申した化学云々という表題だけで、内容はあるのでございますから、その点の不適正なる発言でしたならば、私が長官として局長の答弁を訂正いたします。その特殊武器防護教範はございます。その中にCBR対策も含まれておりますし、即刻提出いたします。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 楢崎君、大体申し合わせの時間が過ぎておりますが、その点を……

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 何回もごらんになっておるとおり答弁がおくれて、それで時間時間と言われたらかないませんよ。こういう重要な問題を時間ということで途中で打ち切られるのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 ここに取り寄せましたから、これ公刊されているものです。提出いたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が要求をいたしました化学防護教範はないですね。ないのですね。それは廃止になったのですね。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 表題だけのことで、いま局長がそういう表題のものはないと申し上げましたが、内容は、いま私が提出した中にCBR対策のことは防護対策として書いてあるわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 CBR作戦は、あなた方は防護だけと言っておりますけれども、そうじゃないのです。私が先ほど読みましたとおり、そういうことを考えておるのです。総理は御存じないかもしれませんが、そういうことなんです。いいですか。  そこで私は、時間がないそうですから、次に移りますが、佐世保で使われました例のCN、クロルアセトフェノンでありますが、これは自衛隊も催涙ガスとして用意されておりますね。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 催涙ガス等の研究はいたしておりますし、また水にまぜてやるということの研究もいたしておりますが、私の調べたところでは、必ずしも、警察庁で使用されたものとは違うということを申し上げておきます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 自衛隊はどこからそれを買っておられますか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 関東化学株式会社から買っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そのほかに買っていらっしゃるところはありませんか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 催涙剤のほうは関東化学でございますけれども、筒のほうについては細谷火工から入っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 細谷火工から買っておるんです。警察も買っておるんです。同じものを買っておるんです。何が警察と違うんですか。長官、どこが違うんですか。私は、この会社の名前は言うつもりはありませんでした。しかし、あっちが言われたからしようがありません。言えないものは言えないと言うじゃありませんか。私はこの細谷火工まで行ったのです。全部見てまいりました。同じものなんですよ。どうして違うとおっしゃるのですか。どこが違うのですか。――いや大臣が違うと言ったのですから……。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 私が次官以下を督励して調、へたところによりますと、発注先は同じでございまするが、内容は警察庁の使用しておるものと違うということでございます。どこが違うか、こんはテクニカルな、専門的なことでございますから、政府委員をして答弁せしめます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 よろしゅうございます。長くなるから、私のほうから言います。筒と手りゅう弾と違うだけです。中身は同じなんです。全く同じです。そしてこの細谷火工はアメリカと関係があるのです。取引があるんです。御存じないでしょう。御存じですか。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 その関係は存じておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はなぜこれを問題にするかというと、このクロルアセトフェノンはベトナム戦争で使われておるのです。いいですか。そしてこれはいまから三年前にAPの通信から暴露されて、そして全世界に反響を巻き起こしました。さっそくマクナマラ長官、ラスク長官が弁明をいたしました。そしてこのCNでオーストラリアの兵隊が死んでおるのです。このCNというのは毒ガスなんです。そうでしょう。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 CNということはよく私にはわかりませんから、政府委員から答弁させます。   〔発言する者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 静粛に願います。静粛に願います。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 いまの関東化学と細谷火工とアメリカ軍の関係は、私存じておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これは私がなぜそれを言うかというと、このCNというのは、長官、自衛隊のこのクロルアセトフェノンの呼称なんですよ。そのくらいのことを知ってもらっておかなければ困りますよ。いいですか。そうしてこれはアメリカで開発されたんです。だから、アメリカと自衛隊と警察の関係を私は明らかにしたいんです。これは毒ガスなんですよ。毒ガスでしょうが。かつて旧陸軍が、有名な広島の大久野島というのですか、毒ガス島、ここでつくっておったんです。当時の旧陸軍の呼称は、緑一号と言っておったんです。毒ガスなんですよ、これは。毒ガスということを御承知ですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 政府委員が御答弁申し上げます。

蒲谷友芳防衛庁装備局長

○蒲谷政府委員 現在使っております、持っておりますCNは、毒劇物取締法の対象外になっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は、毒劇物取締法の対象になっておるかどうかを聞いておるんじゃないですよ。毒ガスかどうかということを聞いておるのです。どうしてあなた、そんなに時間を食うのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  クロルアセトフェノンというのだそうでございまして、これは催涙ガスでございまして、国内法の毒劇物の中に入っておりません。すなわち毒薬ではないのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなただけです、世界じゅうでそんなに言うのは。アメリカの毒ガス一覧表には書いてあります。かつての日本陸軍の一覧表にも書いてあるのです。いいですか。クロルアセトフェノンは、その前はクロルピクリンだったんですよ。クロルピクリンは、これは毒劇物指定になっております。それも使っておったが、さらにそれよりも性能がいいということでクロルアセトフェノンになったのです。毒ガスなんです。あなたは毒ガスでないというような認識ですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○増田国務大臣 お答え申し上げます。  クロルアセトフェノンは、日本の法律の毒劇物取締法に入っておりません。したがって、毒ガスではないし、催涙ガスである、こう考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それじゃ外務大臣にお尋ねします。国際法との関係についてちょっとお伺いしておきます。非常にこれは重大です。このCNをベトナムでアメリカが使っただけで、全世界の反響を、起こしたのですよ。それを日本の自衛隊なり警察が持っておるし、警察はすでに使っておるんですよ。戦争で人殺しに使っておるやつを、警察はデモに使っておるんですよ。だから、私はこれは重大だから、いま問題にしておるのです。外務大臣、この毒ガス類に関係する国際法は幾つありますか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 条約局長からお答えをいたします。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 お答えいたします。  毒ガスに関してこれを使用することを禁止している条約は、古くから四つばかりございまするが、一八九九年のヘーグ宣言、一九〇七年のヘーグの陸戦法規の附属規則、それからワシントン条約、それからジュネーブ条約と、四つばかりございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 まあいろいろありますけれども、ジュネーブ議定書にこれは該当しますね、CNは。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 お答えいたします。  ジュネーブ議定書は、御承知のとおり「窒息性、毒性」というふうに書いてございまして、そのCNというものがこれに該当するかどうか、私存じておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはごまかしてはいけませんよ、外務官僚のくせに、何を都合のいいところだけ言うのですか。いいですか、この議定書は、毒ガス、細菌学的戦争手段の使用に関する議定書、中身は「窒息性、毒性」そこまでしかあなたは言ってない。それから先があるのです。「又はその他のガス及びすべての類似の液体、材料又は考案を戦争に使用すること」を禁止し、さらに細菌学的戦争手段というものを明白に禁止しておるのです。何を言うのですか、あなたは。日本の外務省の見解は、CNはこれに該当しないというのですか。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 おっしゃるとおりでございます。「その他のガス」ということばもございます。ただし、これは当然戦時に関する条約でございまして、殺傷用の武器の制限に関する条約でございます。したがって、殺傷性のあるものでないと、これは対象にならないわけでございます、私、そのCNと申しますのが、殺傷性のあるものであるかどうかということを存じませんもので……。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そういうことをおっしゃっちゃいけませんよ、あなた。何回言わせるのですか。殺傷性があるかどうか、これはこの議定書の中には何も条約としてないんですよ。「窒息性、毒性又はその他のガス及びすべての類似の液体、」これだけになっておるのです。国際法に違反しないんですか、この使用は。冗談じゃありませんよ。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 楢崎君に申し上げますが、申し合せの時間から、中断の時間を差し引きましても、すでに超過しております。そこで、あなたは先ほど分科会等にも質問をされると言っておりますので、ひとつしかるべく結論にお入りください。

佐藤正二外務省条約局長

○佐藤(正二)政府委員 先ほどの答弁を繰り返すようで、まことに相済みませんが、戦時に関する条約でございますから、当然戦争手段に関する制限の規定でございますから、そういう意味で、私、先ほど殺傷性のあるものと申し上げたのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それは私の問いに対する答弁にはなりませんよ。これは国際法違反です。全世界の世論がそうでございました。アメリカのCN使用について、そういうことをあなたはおっしゃっちゃいけませんよ。  それでは厚生大臣にお伺いしますが、なぜクロルピクリンが毒劇物指定になって、それよりも効能の強いクロルアセトフェノンがなぜ指定にならないのか。この指定になるのは、いいですか、工業用、農業用、医薬用に使われると予想されるものが指定の対象になるのです。まさかこのクロルアセトフェノンが人間にぶっかけられるということは想像していないから、厚生省も指定のしようがなかった。指定されてなかったからということをにしきの御旗にすることは間違っております。そうではありませんか。厚生大臣のお考えを聞きたい。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 劇物毒物に指定してない理由は御指摘のとおりでありまして、一般工業用、農業用、薬用に使っていないからであります。しかしながら、問題が起きてまいりましたから、直ちに分析検討を命じておりまして、しかるべく処置をしたいと考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それではあと少しでやめます。ちょっとしんぼうしてください。  もう一つ問題があるのです。いま厚生大臣は、これは直ちに分析検討して指定するかどうかきめるというお考えのように承ります。いいです。これは厚生省としては当然だろうと私は思います。また、法的にも根拠はないけれども、そういう精神になっております。  そこで、お伺いしますが、労働大臣にお伺いします。いいですか、警察は佐世保あるいは昨日成田で使いましたが、この中身は、せんだっての答弁によると、クロルアセトフェノンが五%、四塩化エチレンが九五%、その原液を六十倍に薄めて使ったという。いいですか、四塩化エチレンはどういうものか御存じですか、労働大臣。溶剤としての取り締まりの規定に触れるかどうか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 四塩化エチレンというお尋ねだったかと思いますが、これはいわゆる四エチル鉛と同じものでございましょうか。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これはテトラクロールエチレンともいいます。それからパークロールエチレンともいう。過塩化エチレンともいう。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 ちょっとこの場でお答えできませんから、調べて御返事を申し上げます。

園田直自由民主党厚生大臣

○園田国務大臣 クロルエチレンは、有機溶剤または駆虫剤等に使っておりますが、この原液は、やはり炎症または腐触を起こします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が労働大臣にお伺いしておるのは、これは労働大臣の所管なんです。有機溶剤中毒予防規則というのがありますね。これに該当するかどうかをお伺いしておるのです。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 いま御指摘のありました薬品がそれに該当するかどうか存じませんので、すぐ取り調べて御返事を申し上げます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これはすぐわかることです。事務当局でもよろしゅうございますよ。  それでは国家公安委員長にお伺いします。あなたはこれを使った張本人だから、この有機溶剤の取り締まり規則に触れるかどうか、お答えください。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 四塩化エチレンは、アセチレンにクロールガスを作用してつくったものですが、これは普通の洗剤の原料として使われておりますけれども、ただいま申されたものに該当するかどうかということはそこまで調べておりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなたはそういうことも調べないので、それを人体実験したのですか。どうですかこういう法的な関係を全然警察は調べもせずに佐世保で使ったのですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○赤澤国務大臣 クロルアセトフェノンの五%の液を四塩化エチレンに溶かしまして、それをリパールで六十倍に水で薄めて機械的に放水しておるわけでございまして、これは各種の濃度につきまして、長い間警察でも研究した。このクロルアセトフェノンというのは、御指摘のとおりに、ずいぶん昔に開発されたものでありまして、こういう薬剤としては比較的に毒性もない。そこで、いろいろ試験をいたしまして、一過性の刺激のあるガスであって、そう生命に別状があるとかいうものでないということで、承知をいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 困りますよ、こういう答弁は。私は、クロルアセトフェノンのことを聞いていないのです。四塩化エチレンのことを聞いているのです。あなた方が使った催涙液の五%がクロルアセトフェノンで、九五%が四塩化エチレンじゃありませんか。四塩化エチレンのことを聞いておるのです。何をそういう答弁をするのですか、時間がないと言われておるのに。あなたはこれを溶剤として使ったのでしょうが、溶剤として使うことはあなたは責任をもって命じた。だから、これは有機溶剤の――いいですか、有機溶剤中毒予防規則に該当するかどうか、これを聞いておる。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 お尋ねの四塩化エチレンは、有機溶剤中毒予防規則の第二種に該当いたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま労働大臣御指摘のとおり、これは第二種に該当するのです。取り扱いについては非常に大きな制限があります。それを御存じなくお使いになっておったとするならば、当然この予防規則に触れておることになります。労働大臣の御見解を承りたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 これを使用いたしまする場合に、一定の許容量が規定してございますし、またこれを使用いたしまする場合の労働時間等にも規制がございます。実は規則をいま広げたばかりでございますから、詳しいお尋ねの場合は少し時間をかしていただきたい。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私はいじめるつもりはありません。これは相当毒性があるから、溶剤として使う場合にも気をつけろという意味なんですよ。いいですか、使ったあとで気をつけたっておそいです。何を言うのですか。いいですか、毒性について言いましょうか。短い時間に多量の蒸気を吸入すると急性中毒を起こすことがある。その初期症状として、目、鼻、のどに刺激を感じ、次いで頭痛、目まい、混迷、悪心、嘔吐などが起こる。このとき直ちに蒸気から離れないと人事不正になるおそれがある。この溶剤に使われた四塩化エチレンというものはこういうものです。だから、これはドライクリーニングあたりに使っているけれども、そういう場合も注意しているのです。ずいぶん事故が起こっているのです。いいですか、私がなぜこれを問題にするかというと、警察が液体にして人間にふりかけたときに、衣服にかかれば、この四塩化エチレンは気化するのですよ。蒸気になるのです。だから、鼻に近いところですぐ入るのですよ。こういう有毒な物質をいまあなた方は佐世保で日本で最初に使われました。そして、これは国際法にも違反する。いいですか――もう時間はとらせません。結論に入ります。そして現実にこれほどの被害が起こっておるのです。いいですか、一月以上まだ働けないのですよ。これは三派の人ではありません。正規のデモコースを行った労働者なんです。いいですか、委員長、私は正式にこれを見ていただいて、そしてこれから、こういうものを使用したことによってこれほどの被害が起こっておる、人権擁護を預かる法務大臣に御見解を承りたい。中学の先輩でございますけれども、きょうはお許しをいただきます。

赤間文三自由民主党法務大臣

○赤間国務大臣 この件につきましては、福岡法務局をして十分審査をさせていきたいと考えておりますから、御了承願いたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 福岡法務局はまだこれを取り扱っておりませんよ。法務大臣、何をおっしゃるのですか。福岡の人権擁護局が扱っておるのは、博多の過剰警備の問題を扱っておるのです。警職法の二条の問題を扱っておるのです。

赤間文三自由民主党法務大臣

○赤間国務大臣 真剣に、この審査のことについては、私のほうから十分申し伝えたいと思います。ただ、こういう事件が起こりましたときに、希望として申し上げたいことは、こういう害を受けた人が直接法務局に何らかの方法で連絡をとってもらうと、非常に人権侵害のいなやがわかりやすいが、多くの場合におきましては、実際に被害を受けた人がなかなか申し込んでこないために、審査がおくれる、こういう事実があることを御参考までに私は申し上げておきたいと考えております。福岡の法務局をして、お述べになりました趣旨を十分体しまして調査をさせてみたい、こういうように考えておりますので、御了承願いたい。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 もう結論に入ります。問題は、結果がこれほど明白に出ておるのです。これをごらんになってこれで行き過ぎがなかったとは私はおっしゃらないと思う。ほかの問題は私は言いませんよ。このクロルアセトフェノンの問題について言っているのです。いま法務大臣から仰せのとおり、本人は国家賠償法によって国に賠償を要求するそうです。  そこで、私は結論に入りたいと存じます。佐藤総理にこれは私からお願いをします。少なくともこのクロルアセトフェノンは、いま責任者の厚生大臣が分析をして検討をすると言っておられますし、法務大臣は人権の問題としてこれを調べたいとおっしゃっております。これは総理としては、問題が明らかになるまで警察にひとつこの使用は当分取りやめろ、その他の方法で警備はできるはずですから、少なくともこのクロルアセトフェノンについてはそういう措置をとっていただきたいと思います。そのことと、もう一つは、国家賠償法による賠償要求があるときには、総理としてはどのようにこれに対処されるか、二点だけお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいまの楢崎君の御意見は、御意見として十分伺っておきます。また、警察にいたしましても、こういうものを使用することは、これはもう慎重の上にも慎重にやらなければならない、これは当然でございます。同時に、私は、社会秩序維持、これにはやはり国民の皆さんも御協力願いたいと思います。このことを申し上げて、この扱い方についてはさらに慎重を期するようにいたします。  もう一つの、ただいまの国家補償の問題でありますが、この問題は法律的な議論がいろいろございます。私は、ときに犯罪人といえども国家に補償の要求がある、そういう事実もございますから、こういう事柄につきましても十分考えなければならない。まあ、大体いままで見舞いで済むような場合もございますし、そういう処置についても善処したいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私が言っているように、厚生省なりでこの分析結果がわかるまでは、これほどの被害を与えておるんだから、それまではこの使用を見合わさせる、そういうようなお取り計らいを願いたい。私は、これはまことに妥当な総理に対するお願いであると思う。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤内閣総理大臣 ただいま申しましたように、それも含めて慎重に扱う、かように申しております。

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 これにて福崎君の質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 この際、御報告申し上げます。  一昨日、分科員の配置及び主査の選任につきましては、委員長に御一任を願っておりましたが、各分科会の主査を次のとおり指名いたしましたので、この際御報告いたします。       第一分科会主査 森山 欽司君       第二分科会主査 野原 正勝君       第三分科会主査 田中 正巳君       第四分科会主査 植木庚子郎君       第五分科会主査 松浦周太郎君 以上でございます。  なお、分科員の配置につきましては公報をもって御承知願います。  なお、この機会におはかりいたします。  分科会審査の際、最高裁判所当局から出席発言の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎自由民主党

○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  明十二日より、昭和四十三年度総予算について分科会の審査に入ることといたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時四十八分散会

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