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58回国会衆議院1968/05/14

本会議 第33号

発言数
53
登壇者
16
会派数
3
開催日
1968/05/14

会議録

石井光次郎自由民主党議長

○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————

石井光次郎自由民主党議長

○議長(石井光次郎君) 御報告いたすことがあります。  議員小沢佐重喜君は、去る八日逝去せられました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。  同君に対する弔詞は、議長において去る十日贈呈いたしました。これを朗読いたします。   〔総員起立〕  衆議院は多年憲政のために尽力しさきに議院運営委員長外務委員長日米安全保障条約等特別委員長等の要職につきまたしばしば国務大臣の重任にあたられた公職選挙法改正に関する調査特別委員長議員正三位勲一等小沢佐重喜君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます      ————◇—————  故議員小沢佐重喜君に対する追悼演説

石井光次郎自由民主党議長

○議長(石井光次郎君) この際、弔意を表するため、北山愛郎君から発言を求められております。これを許します。北山愛郎君。   〔北山愛郎君登壇〕

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員小沢佐重喜君は、去る五月八日急逝されました。まことに痛惜の念にたえません。  ここに、私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、つつしんで哀悼のことばを申し述べたいと存じます。(拍手)  私のなき父は、小沢君が戦後最初の衆議院議員総選挙に立候補されて以来、常に君を支持しておりました。その後、私自身が君と選挙で相争うことになりましたが、私たちはいつも堂々たる争いに終始し、顧みて一点のわだかまりもなく、戦いはさわやかな思い出につづられております。(拍手)私は次の選挙にも君と男らしい勝負をしようと期待しておりました。しかじ、君はすでになく、党人政治家として半生をささげたこの議場において、君の追悼のことばを述べるにあたり、私はひとしお胸迫るものを覚えるのでございます。(拍手)  小沢君は、明治三十一年十一月、岩手県水沢市の農家に生まれました。経済的に恵まれなかった君は、小学校五年で退学し、職につかれました。しかし、向学の念やみがたく、生家の庭に一本の桜をひそかに植え、「咲け咲けやこの美しき桜花われ留守にても美しく咲け」と歌われて、郷里をあとにされたのであります。その後の君の生活は、文字どおり苦学力行の連続でありました。中学を経て、日本大学法科に学ばれた君は、大正十二年同校を卒業し、同年中に弁護士試験の難関をも突破され、そして、翌年東京において弁護士を開業するに至りました。時に、君はわずか二十六歳、苦闘がようやく実を結んだのであります。  少壮弁護士として君は、弁護料など払えないような人たちのために、いわばよろず法律相談を進んで引き受けられました。弁護士生活を通じ、恵まれない人たちがいかに多いかを知った君は、やがて庶民に光をもたらすことこそみずからの使命であるとの信念に到達し、政治に志を立て、いよいよ研さんを積まれたのであります。そして、昭和四年三十歳にして東京市議会議員に当選し、ここに初めてその長きにわたる政治生活の第一歩を踏み出されたのであります。さらに、昭和十一年には、東京府議会の議員をも兼ねることになりましたが、この間、君は若さと情熱を傾けて問題に取り組み、腐敗と退廃によどむ東京市政、府政に革新の風を吹き込み、大きな成果をあげられたのであります。(拍手)  昭和二十年、戦後の混乱の中で、君は、いち早く政党の再建に立ち上がり、同志とともに日本自由党の創立のために奔走し、同年十一月これが成るや、引き続き岩手県支部の結成に献身されるなど、その活躍はまことに目ざましいものがありました。  昭和二十一年四月、戦後第一回の衆議院議員総選挙に際し、君は岩手県から勇躍立候補されました。しかし、当時の君は、郷里岩手にとって全く未知ともいえる存在であり、苦戦を余儀なくされたのでありますが、そのすぐれた抱負経綸と誠意に満ちた戦いぶりによって、郷党の支持は急速に高まり、みごと当選の栄を獲得されたのであります。(拍手)  本院に議席を得るや、各派交渉会における日本自由党の代表として、また、大選挙区制から中選挙区制への改正の際、特別委員会の理事として、東京市議会時代からの政治経験を生かして活躍し、早くも小沢君の名は同僚議員のひとしく注目するところとなったのであります。  そして昭和二十三年、第二次吉田内閣の運輸大臣に抜てきされたのをはじめとし、吉田内閣の逓信、郵政、電気通信、建設の各大臣、さらに、第二次池田内閣の行政管理庁長官、北海道開発庁長官を歴任されました。なかんずく、吉田内閣においては、戦後の困難な条件下にもかかわらず、君は明確な展望を持って諸施策を果断に実施し、わが国の復興発展に多大の業績をあげ、よく国民大衆の要望にこたえられたのであります。(拍手)  小沢君は、国会運営のベテランでありました。確固たる政治信念を背景にして、理を尽くし、筋を通し、あわせて緩急の妙を備え、そのきわ立った力量は、自他ともに許すところでありました。君は、この手腕を買われて、議院運営委員長、外務委員長、日米安全保障条約等特別委員長あるいは公職選挙法改正に関する調査特別委員長等の要職にあげられたのでありますが、この間君は、小選挙区法案、ベトナム賠償協定、安保改定等幾多の重要案件の審議に取り組まれ、常に与野党激突の最も困難なる局面を担当し、多大の苦心を払われたのであります。私は、君と主義主張を異にし、そして、これらの諸問題に対する審判は、歴史によって下さるべきものでありましょうが、日本の波乱に富んだ戦後政治史にしるされた君の足跡は、いつまでも消えることはないでありましょう。(拍手)  党においても、かつて少数与党である自由党の国会対策委員長として敏腕をふるわれたのをはじめ、さらに自由民主党にあっても、二度にわたり国会対策委員長に就任して活躍されました。また、当時論客としてラジオ、テレビにおける討論会等を通じて、その面目を遺憾なく発揮されたことも周知のことであります。そのほか、代議士会長、国土開発調査会長、道路調査会長等、党務の面においてもかけがえのない存在でありました。  小沢君を語るとき、東北開発に尽くされた功績も忘れ得ないことであります。かねてから東北圏の総合開発の重要性に着目されていた君は、国土総合開発法に基づく東北開発事業を推進するとともに、さらに一そうの充実発展のため、東北開発三法の制定に尽力されました。以来、幾多の障害を克服して、東北の資源の開発、交通の整備拡充、産業の振興等に大きな成果をあげられました。いまや、社会、経済情勢の変転に伴い、東北開発もまた新たな段階を迎え、一そう君の活躍に期待するところ大なるものがあったのであります。  かくて、小沢君は、本院議員に連続して当選すること十回、在職二十二年一ヵ月の長きにわたり、わが国政の進展に残された功績は、まことに偉大なものがあります。(拍手)  思うに、小沢君は、きっすいの政党政治家でありました。お人柄もそれにふさわしく、重厚にして質実、そしてあらゆる人生の試練にうちかってきた不撓不屈の闘魂の持ち主でありました。しかも、清廉潔白、きわめて人情に厚い方でもありました。平素、君は郷土の生んだ平民宰相原敬をかがみと仰ぎ、「自戒」を座右銘として、常にみずからを戒めることを怠らなかったのであります。また、君には、苦労人にありがちな陰はみじんもなく、また人を非難攻撃することもなく、その豊かな人間性にはだれもが敬服し、称賛せずにはおかなかったのであります。(拍手)政治家小沢佐重喜には政敵はあっても、人間小沢佐重喜には、一人の敵もなかったと言うことができましょう。(拍手)  来たる十七日、水沢市でとり行なわれる自民党県連葬には、革新系に属する二人の市長が葬儀副委員長をつとめられると聞いておりますが、これこそ小沢君の葬送に、いかにもふさわしいことであるとともに、小沢君の幅広い人柄を、余すところなく物語っているものと存じます。(拍手)  小沢君は、去る四月十三日入院され、一時元気を回復し、病床にあって選挙法特別委員会の審議日程等を打ち合わせるなど、やがては親しく委員会に出席して、特別委員長の職責を果たすつもりでおられたのですが、不幸にも容体が急変し、五月八日、にわかに去ってゆかれたのであります。御年六十九。生命の灯のまさに消えようとする最後の瞬間まで、職務の遂行を念頭に置かれた君を思うとき、政治家の責務とは申せ、身の引き締まるものを覚えるのであります。(拍手)  現下、内外の情勢は激しい流動を続けております。このときにあたり、民衆の中から生まれ、常に民衆とともにある君のごとき政党政治家を失いましたことは、返す返すも残念なことであり、本院にとっても、国家にとっても、まことに大きな損失と申さなければなりません。(拍手)  ここに、小沢君の生前の功績をたたえ、その人となりをしのび、心から御冥福をお祈りして、追悼のことばといたします。(拍手)      ————◇—————  政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正   する法律案(内閣提出)の趣旨説明

石井光次郎自由民主党議長

○議長(石井光次郎君) 内閣提出、政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣赤澤正道君。   〔国務大臣赤澤正道君登壇〕

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、その趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。  昨年政府は、第五次選挙制度審議会の答申に基づいて、政治資金規正法及び公職選挙法に所要の改正を行なうため、政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案を提案いたしましたが、審議未了となったことは、御承知のとおりであります。  政府といたしましては、選挙制度審議会の答申の趣旨並びにさきの国会における論議の経緯等にもかんがみ、現実に即しつつ政治資金の規正の改善をはかるため、引き続き検討を重ねてまいりましたが、このたび成案を得てこの法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。  まず、政治資金規正法の改正についてであります。  第一に、政治資金の寄付の制限についてであります。  まず、寄付の総額につきましては、個人のする寄付にあっては最高額を一千万円とし、会社その他の団体のする寄付にあってはそれぞれの団体の規模に応じて制限を加えることといたしました。この場合、会社のする寄付については資本または出資の金額、労働組合等のする寄付については組合員等の数、その他の団体のする寄付については前年における経費の額を基準として、それぞれの団体の規模に応じつつ、ある程度弾力的にその限度額を定めることといたしました。  また、これらの制限額の範囲内において寄付をする場合には、政党及び政治資金団体に対する寄付については制限を設けないこととし、それ以外の政治団体または個人に対する政治資金の寄付については、同一の者に対し、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。しかしながら、現在の選挙制度のもとにおいて、直ちにこれらの規制を行なうことは必ずしも実情に即さないので、当分の間に限り、政党及び政治資金団体以外の政治団体並びに個人に対する寄付については、経過措置を講じつつ、政党及び政治資金団体に対する寄付の限度額の二分の一という別ワクを設けるとともに、その範囲内においては、年間を通じて、同一の政治団体に対しては百万円、同一の個人に対しては五十万円をこえて政治資金の寄付をしてはならないことといたしました。なお、法人その他の団体の負担する会費にかかる収支報告書の記載については、三年間に限り、寄付以外の収入と同じ取り扱いとすることといたしました。  次に、国または公共企業体と請負その他の契約関係にある者及び日本開発銀行等四政府関係金融機関から融資を受けている会社のする寄付につきましては、当該請負その他の契約にかかる売り上げ高または融資額がそれぞれ売り上げ高の総額または長期借り入れ金の総額の二分の一をこえている場合においては政治資金の寄付を禁止することといたしました。また、国から補助金等の給付金の交付を受け、または資本金等の出資を受けているいわゆる特定会社その他の特定の法人のする寄付につきましてもこれを禁止することといたしましたが、これらの場合において、国と直接の関係のない地方公共団体の議会の議員または長の候補者等に対してする寄付については、適用を除外することといたしております。  なお、地方公共団体と請負その他の契約関係にある者、地方公共団体から補助金等の給付金の交付を受けている会社その他の法人等のする寄付についても、国の場合に準じて、政治資金の寄付を禁止することといたしました。  さらに、三事業年度以上引き続いて欠損を生じている会社のする寄付、匿名及び他人名義の寄付並びに外国人等のする寄付につきましても、これを禁止するとともに、寄付のあっせんにつきましては、寄付者に威迫を加えたり、賃金、下請代金等から天引きして寄付を集めることのないよう措置することといたしました。  以上の政治資金の寄付の制限と関連して、その違反者に対する所要の罰則規定を設けることといたしております。  第二に、政治団体の届け出並びに収支報告及びその公表等についてであります。  まず、政治団体の届け出があったときは、その内容を公表して、これを国民に周知することとするほか、会計帳簿及び収支報告書に記載すべき内容等について改善、合理化を加え、政治資金公開の趣旨を徹底するとともに、政党及び政治資金団体の収支報告書には、当該団体の行なう自主監査の意見を記載した書面を添付することといたしました。なお、収支報告書の提出及びその要旨の公表につきましては、年二回を年一回に改めることといたしますが、政党及び政治資金団体並びに上半期の支出額が三百万円をこえる政治団体にあっては、さらに六月三十日現在における収支報告書を提出しなければならないことといたしました。  第三に、政党等の定義についてであります。  今回の改正によりまして、政治資金の寄付に関しましては一定の制限が加えられることとなり、かつ、政党本位の政治活動の推進をはかるため、政党に対する寄付と政党以外の政治団体に対する寄付を区別して制限することとなりますので、政党と政党以外の政治団体との区別を明確に規定することといたしました。  また、政党中心の資金調達を容易にするため、各政党について一の団体を限って政治資金団体を設けることを認め、これに対する政治資金の寄付については、政党と同様の取り扱いをすることといたしました。  このほか、党費、会費及び政治活動に関する寄付等についても、その内容を明確にして、規制の合理化をはかることといたしております。  以上申し上げましたほか、これらの改正に伴いまして、個人または法人が寄付を政党または政治資金団体に対してした場合には、その寄付金について課税上の優遇措置を講ずることとする反面、政治家の姿勢を正す意味において、政治家個人に帰属すると認められる寄付については、政治資金の寄付であることを理由として課税を受けないものと解してはならない旨を明らかにするとともに、その他必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。  次に、公職選挙法の改正について申し上げます。  第一は、公職の候補者等の寄付の規制についてであります。  すなわち、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党その他の政治団体または親族に対してする場合及び公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために当該選挙区内で行なう講習会等において必要やむを得ない実費の補償としてする場合を除き、全面的に禁止することとするとともに、この場合の講習会等には、参加者に対して供応接待が行なわれるようなものを含まない旨を明らかにいたしました。また、公職の候補者等がその役職員または構成員である会社その他の団体がこれらの氏名を表示しまたはこれらの者の氏名が類推されるような方法でする寄付についても、政党その他の政治団体に対してする場合を除き、一切禁止することとしたほか、後援団体のする寄付等の禁止期間を延長するとともに、後援団体以外の団体で特定の公職の候補者等を推薦しまたは支持するものについても、後援団体に関する制限に準じて制限を設けることといたしました。  第二は、連座制等についてであります。  いわゆる連座制につきましては、選挙運動の実態にかんがみ、数個に分けられた選挙区の地域における選挙運動または多数の選挙人が属する職域または組織を通じて行なう選挙運動を主宰した者をも連座対象者の範囲に含めるとともに、公職の候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をした公職の候補者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と同居の有無にかかわらず、連座対象者の範囲に含めることとし、同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と意思を通じているものと推定することといたしました。  また、選挙犯罪を犯し罰金の刑に処せられた者については、当該選挙犯罪がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により公民権を停止しない旨を宣告することができる制度を廃止することといたしました。  以上がこの法律案の要旨であります。(拍手)      ————◇—————  政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正   する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する   質疑

石井光次郎自由民主党議長

○議長(石井光次郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小松幹君。   〔議長退席、副議長着席〕   〔小松幹君登壇〕

小松幹日本社会党

○小松幹君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました政治資金規正法について、以下数点にわたって、総理並びに関係大臣に質問をいたしたいと思います。(拍手)  まず、冒頭、政界浄化の理想を放棄した佐藤総理大臣にお尋ねいたします。  このたびの政府提出政治資金規正法案は、自民党の党利党略をむき出しにした、政治献金奨励法となって提出されております。(拍手)これは、本来の規正法の精神に逆行し、世論に挑戦してきたようなものでございます。このもと起こしであった選挙制度審議会の答申の精神も無視しておる悪法になってしまっておるわけであります。この法案を見ますと、答申の線は全くくずれ去り、先般ハゲタカの問題が出てまいりましたが、ハゲタカならぬオオカミの群集によって食い荒らされて、まさに羊腸のみが残されたようなものになってしまっております。(拍手)総理は、しかしながら、この法案を現実に適したものだと、まさに居直っているようでございます。まさに無節操この上もなく、あきれ返る次第でございます。  総理は、勇断をもって答申を尊重する、あるいはこの席上から、小骨一本も抜かないと大みえを切ったのは、つい先ほどでございました。その舌の根もかわかないうちに、このような骨抜き法を提案してきたことは、全く厚顔無恥もはなはだしいといわねばなりません。(拍手)もしかりに、もしかりに、良心も理想もかなぐり捨てたハゲタカのごとき姿が、現実の保守政治家の実体であるとしても、指導者たる総理大臣は、なおかっこれに対して、政治家の良心を与え、金のかからない、近代政治への理想を教え、どろ沼のような金権政治への暴走をここで食いとめることが必要な時代ではなかったかと思うのであります。(拍手)そのことは総理大臣の責任である。こういう次元の高い政治家全般の問題、日本の国政の問題は、時の総理という人の政治姿勢に影響することが多いのであります。勇断をもって実行するということばは、この理想を追求することに勇断をもつべきであったのであります。しかし、あなたはその理想を放棄し、現実に即したと、こういうことばにすりかえてまいりました。私どもは理想に近づきつつ、漸次、近代政治へ脱皮していくことが一番現在の政治に必要なことであり、また、これが政治の筋であると思うのであります。(拍手)総理、あなたはなぜ政界浄化の大きな理想を捨てたのか、あなたの御答弁をお願いします。(拍手)  次に、ざる法を提案してまいりました自治大臣にお尋ねいたします。  あなたは、法案担当大臣として、第二次改正案をここに提出してまいりました。あなたは一体どういう基本的な態度と姿勢をもってこの法案をつくられたのか、第五次選挙制度審議会が、政界浄化、選挙粛正のためにせっかく答申を出されたその意図を、あなたは正しく踏まえて、これを受けて立ったのかどうか、公明正大に忠実に取り組んできたのか、どのような反省を持っておられるか、お伺いしたいのであります。  法案を見ますと、相も変らず、企業資本を政治資金の大きなポケットとし、あさり場として、少しでも多くの献金を自民党にかき集めようとする魂胆から、このような答申無視の独善きわまりない法案をつくってきのであります。第一次改正案の作成者であった藤枝前自治大臣は、それでも答申の線にまあまあ忠実に従おうと努力した良心が認められます。しかし、第二次改正案を提出してきた赤澤自治大臣に至っては、全く与党自民党に振り回され、答申の線を尊重するというよりも、自民党のもっぱら御意見拝聴に終始し、あさましくも醜いこのような政治献金法を提案してきたのであります。まことに無定見もはなはだしいのでございます。(拍手)  先日も本会議のこの席上から、公明党の質問に答えて、自治大臣は、こちらから半分の方の了承を得なければということを、得々と指さして言っておりましたが、行政府の長官として、まことに不見識きわまりない態度ではないでしょうか。(拍手)法案を提出した者が、この壇上から、法案の示す理想理念と法体系を説明する以外、何を語る必要がありましょうか。理想を語らずして多数にこびを売っておる大臣、これこそ三等大臣以下ではないかと私は見るわけであります。(拍手)  自治大臣にお尋ねいたします。法案の内容作成に最も基準となるのは、選挙制度審議会の答申でありますが、あなたが、この答申をすっかり変えて、程度を下げてしまったその最大の理由は何でございましたか。  そもそも、この政治資金規正法の問題は、一昨年以来たびたびの汚職事件の果て、企業と政治のあくどい結びつきによって起こる政治腐敗の悪弊を打破して、政界浄化をはからんとする目的のもとに発起されたものであります。第五次選挙制度審議会は、その答申において、政党の資金は個人献金と党費でまかなわなければならない、これが本体であるということを明らかにしております。かつ、企業よりの献金については、頂上を二千万円に押えてきておるのであります。  しかるに、提出されたこの改正案は、一体何たることでありましょうか。政治と企業資本との結びつきを答申の線に制限するどころか、さかさに企業献金を主体として累進増加をはかり、天井なしの青天井の無制限に引き上げてしまったのであります。さらに、この政治寄付金には、税金は全額免除の優遇措置を加え、なお、会費という名目でされる寄付金についても、届け出を両三年間にわたって免除する。寄付金の公開を原則としてやると何回も公約しながら、三年間目隠しをして、やみくもに国民の前に閉ざされてしまう。このようないわゆる政治の資金を不明朗にしてしまったということは、一体何たることでございましょうか。しかも、派閥資金までも別ワクに認めてきたに対しては、もはや言語道断でございます。総理自身は、派閥解消を何べん言ったのですか。口では派閥解消を言いながら、銭このほうでは派閥にたんと資金を集めるようなことをして、二重人格ではありませんか。これこそ、企業からの献金を、自民党やそれぞれの派閥にきわめて入りやすくし、多くの資金を有利に集めるために、悪質なやり方で集めようとするに間違はないのであります。政治資金規正法というよりも、むしろ政治献金奨励法といったほうが筋が通りそうであります。一体総理は、これらについてどのように考え、どのように理屈をつけているのでありましょうか、お尋ねいたします。  次に、総理は、政治活動には金が要る、だから現状、資金を集めることは、政治資金は悪ではないと、こう言い放っております。しかしながら、いま世論が政治に求め、私たちに求めておるのは何でございましょうか。金のかからない粛正選挙をしろ、企業資本におんぶしない政治資金規正法をつくってくれというのが、佐藤総理に対して与えられた命題ではないでしょうか。佐藤総理は、これを受けて、日本一の指導者としての責務として、これに対処するのが当然であります。企業からの献金量を減らす、そうして自粛していくことが、あなたに与えられたる最高の使命である。にもかかわらず、世論の要求に逆行して、大骨、小骨、背骨まで抜き取って、悪銭をたくさん集めようとする魂胆、これは一体どうしたことでありましょうか。  日本における優位の企業とすれば、八幡製鉄、富士製鉄あるいは東京電力など、一億数千万円の献金を可能に今日してしまっているわけであります。営利を目的とする企業が累進一億円の献金衣あえてする場合、企業が政治に見返りを求めることはまた当然であります。結果は、政治が企業に振り回される。政治家は企業の手先となって、その下僕となる仕事をしていかねばならない。大阪タクシー汚職事件、共和製糖事件など数々、いわゆる企業資本と政治家との結びつきがいかなるていたらくであったかということは、われわれたぐさんもう例を知っている。政治資金は善であると総理は言われる。そのとおりかもしれない。しかし、その集め方次第では、最大の悪であるということを、佐藤総理は身をもって知っておるはずであります。(拍手)政治の不明朗は政治資金によって起こることが多いのでありますが、総理のお考えをこの際承りたいと思う次第であります。  次に、政治献金の税法上の減免措置は、答申の中に考慮はされております。しかし、これは個人の寄付金の場合に限ってという条件つきであります。会社、法人の寄付については、答申は何本語ってはいないのであります。政党献金は元来個人のするもので、企業、会社のすべきものではないというのが本体であります。今度の改正案はそれでなくて、むしろ会社や企業がするのが政治献金の本体のようにしてしまっている。そうして税金は全額免除してしまっている。会社の行なう政治献金も、これは普通ならば損金算入の限度額というのがある。ところが政治献金だけは、その算入限度額の別ワクで、別に積み上げていくという免除方式をとっております。献金の額は天井なし、青天井にして、税金もまた全額無税とする。この答申の精神を踏みにじった、逸脱した暴挙であるともいわれるわけでございます。  今日、公共団体やあるいは日本赤十字社などに対する寄付でも、個人の場合でも、所得の一五%以下、会社の場合だったならば、損金算入の限度額以内に押えられて、それ以上した者は、日赤に瀞付しても税金をかけられておるのでありますが、政治献金だけは全く税法上別口にするということは、これは税法上の一貫性を欠き、社会正義の上からもおもしろくない、こう思うわけであります。そうしてまた、企業にしてみれば、税金を取られるならば政治献金をしたほうがいいんじゃないだろうか、税務署に納めるよりも、あの政治家に、頭を下げてきたのだから、出したほうが得をしやせぬかと思うのが、企業の心でございましょう。昔から「テンがとらねばイタチがとる」ということばがございますが、税務署が税金を免除したところが、佐藤榮作さんをはじめもろもろの保守党の代議士諸先生が、これを見のがしてはくれない。イタチの臭覚はなかなかはずすわけにはいかない、しかたがないからと、被害者献金が行なわれるようになるのではないでしょうか、皆さん。(拍手)企業がむしろここまで安心立命して落ち込んでくることを期待しているのが、悲しいかな現代保守党の政治家の魂胆かもしれません。だから、落ち込むようにこういろ法律案をつくってくる。このような全く悪魔のささやきにもひとしい税法措置こそ、最大のねらいどころがここにあったのではないでしょうか。総理大臣はこの点についてどのようにお考えになっておりますか。税の全額免除措置に対する理由を承りたいと思うわけであります。  次に、このようなはしにも棒にかからない骨抜き法を出して、一番恩恵を受けるのは、総理大臣佐藤榮作さん御自身でございます。この次、ことしのうちに総裁選挙もありますが、総裁選挙にはばく大な資金を用意せねばならないでしょう。しかし、これによって、いよいよ合法的に可能な線も出てまいりました。いままでは見え隠れして金を集めたが、今度は堂々と銭を集めることができるのかもしれません。かつて、造船疑獄に連座し、指揮権発動によって、かろうじて罪を免れた佐藤総理大臣、あるいは時効になったと言うかもしれませんが、あなたが、その心の中に、政治献金に異常な関心と執着を持っているのも、また過去の実績から来る当然の結論ではありましょう。(拍手)時あらば、合法的にこの政治献金を拡大していこうと考えるのも当然かもしれません。情けは人のためならず、やがてはめぐり来るわが総裁選挙の戦いの強化のために、ここは奮発して、自民党各位の意見に従って、ざる法、政治資金規正法をつくらねばと考えたのかもしれません。このことによって資金集めはやさしくなったとも考えられるわけでございます。  立ち入ったことを聞くようでございまして、まことに申しわけございませんが、総理は、この次の総裁選挙に、一体どこから、どれほどの金をお集めになる用意がございますか。これは、あなた個人の政治資金に一番関係する問題であると思います。公開の原則に従って……

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 小松君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

小松幹日本社会党

○小松幹君(続) まず、みずから、あなたの政治資金を国民の前に公開するの御用意はありゃなしや、お尋ねをいたします。  知能犯的な資金徴収法の性格を帯びたこの政治資金規正法は、佐藤総理や自民党には必要かもしれませんが、われわれ野党、社会党には絶対に必要のない、認められない法律案であります。総理は、即刻、勇断をもって、この法律案の撤回をはかってもらいたいと思いますが、御所見を承りたい。  最後に、総理にお伺いします。  総理は、この政治資金規正法に関しては、たびたび公約的な発言をいたしてまいりました。「答申を尊重し、実行には勇断をもって当たる。」「小骨は一本も抜きません。」「公開の原則は守ります。」「三月中には法案を提案します。」と、そのときどきに調子のいいことを言ってまいりましたが、結果として、何一つ守られたものはありません。(拍手)あまつさえ、政治資金規正法すらすりかえて、献金奨励法をつくり、白昼堂々、居直ってくるようなていたらくであります。しかも、この五十八国会の会期末、審議期間の短い会期末に、世間ていをつくろう意味に、言いわけ的に、いまごろこの法案を提案してきたのであります。国民を愚弄するもはなはだしい、国会を軽視するのもはなはだしいと思うわけでございます。舌先だけで政治をするという政治家も過去にはありましたが、現代の政治家は、舌先だけではしかたありません。実行することが政治家の最高のモラルでございます。(拍手)  私どもは、二枚舌ということは、過去幾たびか聞いたことがありますが、佐藤総理の舌は、一体二枚舌なのや三枚舌なのや、はかりしれません。最後にお伺いします。佐藤総理の舌は何枚あるのでございましょうか。(拍手)  以上をもって、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私は、政界の浄化の理想を捨てたわけではございません。今日も一貫して、政界の浄化を、また選挙の粛正をはからなければならない、これこそは真の、正しい民主政治を確立するものだ、かように私はいまなお考えております。しかし、この政界の浄化は、ただ政治資金規正のみによって達せられるものではございません。御承知のように、政界の浄化をはからんとすれば、まず、この政治資金の規正の問題もありますが、選挙制度の仕組みや政党活動の実際、同時に国民の政治意識の問題があるわけで、あります。これらと関連を持ちまして、一歩一歩着実に政界浄化の方向に進まなければならないのであります。小松君自身も、ただいま理想は高く持ち、同時に現実から一歩一歩脱皮していかなければならないと言われたではございませんか。私はそのとおりだと思います。(拍手)私は、ことにこの政治資金規正の問題につきましては、前国会の審議の経過等にもかんがみまして、やはりこの際は、いたずらに観念論に流れることなく、実際の問題として、実行のできる法案の成立を期する、そのことのできるものをまず取り上げること、かように思いまして、今回法律案を提出いたしたのであります。(拍手)  ただ私は、これを提出する時期がたいへんおくれましたことはまことに残念に思い、同時にまた、国民に対して申しわけなく思います。しかして、ただいまこの基本において今回提案いたしたのでございますから、その内容等につきましては、ぜひ委員会の審議を通しまして、国民に皆さま方の主張を明らかにしていただきたい。同時に、皆さま方もすでに提案をしておられることでありますから、これらと比較研究されまして、私が申すような実際的に可能な案を成立さして、現実の問題として取り組んでいくように御協力を願いたいと思います。(拍手)  次に、総裁選挙と資金についてお尋ねがございました。わが党におきましては、総裁選挙で金を集めるような政治家は一人もおりません。(発言する者あり)したがいまして、この点ははっきり申し上げておきます。  また、この法案を撤回しないかと、かように言われますが、私は、ただいま出したばかりであります、皆さま方の御審議を願う、かような立場でございますので、これは撤回はいたしません。一歩でも理想へ近づくこと、これが現実の政治家としての処断でございます。  次に、金のかからない選挙ということについてお尋ねがございました。私は、これこそ選挙制度の仕組みや政党の活動の実態等々に関連するものであると思いますが、基本的には政治家の自覚と政治の姿勢にある、かように考えます。その目標に向かってわれわれは一歩でも前進していくということを心がけねばならないのであります。  次に、派閥解消について触れられました。政党の近代化をはかっていくためには、派閥の解消はぜひとも実現しなければならないところであります。しかしながら、派閥の問題は、大きい政党ばかりでもございません、小さい政党にもそれなりの派閥があるようでございます。何と申しましても、基本的には、政党及び政治家の自主的な努力によってのみ派閥の解消はできると思います。私は、今回の政治資金規正にあたりましても、この方向に向かって、暫定的には猶予期間等を設けておりますが、その目標は失っておるわけでありません。政党の近代化のためにはぜひともこのことをやらなければならない、かように考えております。  同時に、いろいろ御意見等をまじえてお尋ねになりましたが、私は何枚も持っておるわけではありません。皆さんと同じように一枚でございます。その点だけはっきり申し上げておきます。(拍手)   〔国務大臣赤澤正道君登壇〕

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) ただいまこの法案を出すにあたって、たいへん後退した案であるが、この法案を出す基本的な態度は一体どうなんだということのお尋ねでございました。  総理もちょっと触れましたけれども、大体昭和三十九年九月十五日に、池田前総理が選挙制度審議会の会長に対して諮問第一号を発しました。その中身はよくお読みでございましょうけれども、選挙区制その他選挙制度の根本的改善をはかるための方策を具体的に示されたい、これでございます。この命題に従いまして、三年有余、学識経験者を中心にして検討いたしまして、去る四十二年の十一月二日に答申をいただきましたが、その中身も十分御承知いただいておると思いますが、「今日のような金がかかりすぎる選挙の実態から脱却し、個人本位の選挙から政党本位、政策本位の選挙に転換すべきであり、そのためには、中選挙区単記投票制の現行制度は改める必要があること、」について大方の意見は一致したと、明確に答申に書かれてあります。(発言する者あり)これは答申を読んだまででございます。  そこで、金のかからない制度には反対して、資金のみ規正しようとするから、いろいろな混乱が起こっております。これが原因になっておることは御案内のとおり。現在の選挙制度や政治の現実を踏まえながら、将来あるべき姿に向かって前進するという意味において、答申の精神をできるだけ尊重しながら、ある程度柔軟な規制措置をとることもやむを得ないものと考えて立案をいたしております。  次は、公開制を約束しながら三年間猶予するということはどういうことであるかというお尋ねでございますが、日本の議会政治が始まってから約八十年たちます。戦後、現行の政治資金規正法を策定いたしましてから約二十年経過するわけでございますが、しかし、残念ながら政界の一部に腐敗がありまして、国民の批判を受けるに至りましたことはまことに残念であります。ですから、審議会の答申もありまするし、今回初めて政党も派閥も個人後援会も一切の経理を公開して、国民の前にガラス張りにすることを決意したわけでございます。しかし、かような一大転換を行なう際には、多少の経過措置が必要であると考えるのでありますが、現在までの法人会費の取り扱いの沿革や実態から考えて、三年間に限って激変緩和という意味において、猶予期間を設けて、寄付をする側においても、寄付を受ける側においても、円滑に新しい規制に従うことができるよう配慮したにすぎません。以上、お答えといたします。(拍手)     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 本島百合子君。   〔本島百合子君登壇〕

本島百合子民主社会党

○本島百合子君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、佐藤総理をはじめ政府の所信をただしたいと思います。  今日はすでに五月十四日、審議日数もすでに残り少なく、会期はあと十日であります。このようにすでに審議時間もろくにない会期末に至って、重要法案が提出されるという政府の不誠実な態度に対し、深く遺憾の意を表します。(拍手)はたして政府自民党は、この法律案の成立を本気で考えて提出されたものであるのかないのか、まずもって佐藤総理にお尋ねいたします。(拍手)一部に伝えられておりますように、参議院選挙目当てのゼスチュアではありませんか。また、法案を提出したことによって、いかにも国民に対し公約を果たしたかのようにていさいをとりつくろおうとするのではないのでしょうか。穏健な政治評論家の長谷部忠氏さえ、今回の政府案に対して、「全くあきれ返る内容というほかはない、これほど大胆かつ悪質な改ざんがなされようとは思わなかった」と述べておられます。総理はこのような世論の悪評を何とお考えでいられましょうか。  民主政治は国民の信頼の上にこそ成り立ちます。その国民の政治への信頼は、総理をはじめ政治家の政治への姿勢、その誠意が大きく国民に影響するものであります。一昨年の政治資金をめぐる黒い霧事件、昨年の各級選挙を通じて、買収、供応等の悪質な選挙違反の多発により、急速に政治資金の規正が強く要望されたのであります。今回政府から提出されました法律案は、その提出の過程において、その中身において、大きく国民の期待を裏切るものがあり、国民の疑惑を一そう深めるものといわなければなりません。  そこで、私は、以下政府案の問題となっておる点についてお伺いいたします。  質問の第一点は、会社の寄付制限についてであります。  第五次選挙制度審議会の答申も、昨年第五十五国会に提出された政府案も、法人の寄付の限度を二千万円といたしましたことは、政治資金の規正に対する答申の第一の骨とも申すべき重要点であり、政治と金とのくされ縁を断ち切る唯一の柱でありました。にもかかわらず、今回の改正では、資本金の額に応じて寄付の限度額を規制するという方針がとられたために、資本金が大きくなれば寄付の額も無限に大きくなるという、いわゆる政治献金の無制限状態を招来するところとなったのであります。すなわち、この改正案によりますと、たとえばわが国の巨大資本会社である八幡、富士両製鉄が合併した場合は、新会社の資本金二千二百九十三億円でありますから、政党に対する献金可能額は一億五千七百万円、これに派閥、個人等に対する別ワクを加えますと、何と二億八千二百六十万円という巨額の政治献金が公然と、しかも免税が認められるというのが今回の政府案の内容にほかなりません。(拍手)従来の献金実績を見ますと、大会社でも、一社当たり三、四千万円が限度のようでありますが、今回の政府案では、各会社に対し寄付の最高限度額が明示された結果、あなたの会社はまだこれだけの政治献金ができますよといったぐあいに、その献金額のつり上げが行なわれることは必至といわなければなりません。(拍手)国民が最も不審に思っておる大企業からの献金が、従来ややともすれば、汚職の根源となり、温床となってきたのであります。  そこで佐藤総理にお尋ねいたします。答申並びに昨年の政府案は、ともに会社寄付については二千万円を限度額としていたにもかかわらず、今回の政府案ではこれが突如として変更され、二千万円という一番重要な柱が取りはずされてしまったわけであります。なぜこのようになされたのか、この際、その積極的な理由を明らかにしていただきたいと思います。(拍手)  同時に、この政府案は、二千万円という天井を取っ払った結果、大口政治献金促進法となるおそれがあるのではないでしょうか。さらに、派閥並びに個人への寄付が「当分の間」政党寄付とは別ワクとされたことは、ある意味では二千万円のワクをはずしたこと以上に重大な改悪というべきであると私は思いますが、この別ワク扱いを採用された理由と、「当分の間」とは一体どのくらいの年月を考えておられるのか。世間ではこれが半永久的になるのではないかと危惧されておりますが、もしそうであるならば、この措置はまさに派閥政治解消という国民の強い要求に逆行し、文字どおり派閥温存策になると思いますが、この点に対する佐藤総理の御所見をあわせてお伺いいたしたいと存じます。(拍手)  質問の第二点は、事実上の政治献金と見られる法人会費についてであります。  私は、政府案の大きなごまかしの一つがこの法人会費の取り扱いにあると思います。会費については、審議会答申にも、昨年の政府案におきましても、寄付と同様に公開の原則が貫かれており、これがまた答申の第二の大きな骨でもあったわけであります。しかるに、今回の政府案では、この公開の原則が完全にくずれ、三年間は会費という名の事実上のやみ政治献金が合法的にまかり通ることになったわけであります。たとえば、昨年の五大政党の総収入は九十億八千三百万円でありますが、この中で公開しなければならない寄付金の比率はわずかに二三%にすぎません。また、政党以外の政治団体の場合では、その総収入六十億七千五百万円、この中で寄付金は全体の三二%となっております。  問題は、政党の場合の七七%相当額、すなわち寄付金以外の六十九億五千万円という大きな収入は、一体何によって得られているかということであります。言うまでもなく、それは非公開の会費が大部分を占めているのであります。しかもこのことが、政治と資金の不明朗を助長している根本原因をなしているのであります。政治資金の明朗化をはかるためには、まず、政党収入の中で大きな部分を占める会費の公開化ということが絶対の条件になるのであります。政党の場合のみならず、たとえば自民党内のおもな派閥の収入も、非公開の会費収入が圧倒的に多く、特に佐藤派に属するといわれる育政会は八千百万円収入のうち、寄付収入はわずかに二百万円と報告されており、全体のたった二・五%にしか達しておりません。他の派閥資金もほぼこれと同様であります。かくして、会費収入は資金の隠れみの的存在となっているもので、私はこの際、政党も派閥、個人も、資金ルートを明らかにすることにより、政党活動は公明正大で、かつ選挙は明るく正しく行なわれることになると思うのであります。そして、これこそが答申の精神でもあったのであります。  そこで佐藤総理にお伺いいたします。あなたは、このような会費の非公開が、今日政治と資金の著しい不明朗を助長している現状をどのように反省し、改善されようとされておりますのか。特に総理は、たびたび公開の原則は貫くと国民の前に言明されながら、この前言をひるがえし、会費については三年間の経過措置をもって非公開としたことは、あまりにも無責任な態度といわなければなりません。なぜ政府は、今回の改正案提出にあたって、会費の公開を断行されなかったのか。特にこの点は、佐藤総理の裁断の結果といわれておりますので、この際、総理の率直な真意をお聞かせ願いたいと思います。(拍手)  また、赤澤自治大臣にお尋ねいたします。大臣は、かねがね、公開の原則を貫くことこそは法改正の最大のねらいと主張されておられたのでありますが、この際、国民の疑惑を解く意味からも、経過措置の条項を削除される意思をお持ちになっておられますかどうかをお聞かせください。  質問の第三点は、政治献金に対する課税の問題であります。  今回の政府案は、政治献金に対する課税について、個人であると会社であるとを問わず、政党に対する寄付は、その金額を損金算入できることとして課税の対象から控除されます。これは、あまりにも不当な優遇措置といわなければなりません。御承知のように、現行法上、寄付金で全額控除されるものは、教育または科学の振興並びに文化の向上、社会福祉への貢献等、公益の増進に寄与する一定の指定寄付だけであって、しかも、それは、きわめて緊急を要するものだけに限定されております。にもかかわらず、政治資金についてのみ全額損金算入措置をとることは、明らかに課税の公平の原則にもとります。国民の感情も断じてこれを許しますまい。先憂後楽ということばがございます。これは、政治家の心がまえとしても、最も尊重されるべき精神ではないかと私は考えますが、今回のこの免税措置を、国民は一体何と受け取るでありましょうか。それに、これは国民一般の納税意欲にも大きく響く問題として黙過できない性格を持っております。ところで、この措置が実行に移されますれば、税金で取られるよりは、見返りのある政治献金ということになり、大企業の政治献金に拍車がかけられ、政治献金催促法となることは、火を見るよりも明らかであります。(拍手)  そこで、水田大蔵大臣にお伺いいたします。政治献金を非課税とされた理由と、その影響としてどのくらいの税減収を見込んでおられますか。また、今後政治献金はむしろ出し得という風潮を招来し、これまで以上の政治献金が行なわれるのではないかと予想されますが、大蔵省当局としては、このような事態をどのように予測し、今後政治献金に対する課税を何らかの形で行なう方針があるのかどうか、具体的にお答え願いたいと思います。  最後に、佐藤総理にお伺いいたします。  今回の政府改正案は、選挙制度審議会の答申とは似ても似つかぬ骨抜き、むしろ骨なし案となり、政治資金の規正どころか、現状以上の政治献金を法的に合理化せんとする政治献金奨励のための改悪案であります。私は、このような結果を招いた根本原因は、赤澤自治大臣が、残念ながらいまの自民党の現状ではこれ以上の案はできないと嘆いた事実にいみじくもあらわれているように、今日の自民党の体質が大きな圧力となって反映した結果と断ぜざるを得ません。(拍手)総理大臣は、今回の政府案が、国民の意向よりも自民党の党略的意向によって大きくゆがめられた事実を真剣に反省すべきであります。同時に、この際、政府は勇断をもって政界浄化と政治腐敗の根絶のために、政府案を根本的に再検討し、第五次選挙制度審議会の答申の精神に基づいて、政治資金規正法の改正を断行すべきだと考えます。  この見地から、佐藤総理は、この際、メンツや行きがかり等にとらわれることなく、すでに、答申の基本線に沿って、社会、民社、公明の野党三党から共同提出いたしております政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案と真剣に取り組み、もって国民の期待にこたえるべきだと考えます。佐藤総理にその意思ありやいなや、そのことを最後にお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 本島君にお答えいたします。  今回の政治資金規正法の改正案の提出がたいへんおくれましたことは、まことに私残念に思い、また、国民に対して申しわけなく思います。先ほども小松君にお答えしたとおりの考え方でございます。提出がおそくなったために、本島君が御指摘のように、あるいは参議院選挙のために出したのではないかとか、あるいはまた、何か政治的な責任を免れるために出して、そうして糊塗しているのではないか等々の疑念を抱かしたこと、私はこれらのことをも含めて、たいへん残念に思います。私は、会期末にこの法案を出しましたが、皆さん方の御協力を得まして、ぜひとも成立させたい、ほんとうに本気でこの問題を提案しておるのでございますから、どうか野党の皆さん方も本気で御審議のほど、お願いをいたします。(拍手)  そこで、第一のお尋ねといたしまして、いわゆる会社献金の二千万円の最高、これをなくしたことは、一体どういうわけかというお尋ねであります。第五次選挙制度審議会の答申の骨子は、やはり分相応の寄付をするということでございます。これは私どもも採用したのであります。やはり分不相応な献金がありますと、汚職とつながるのではないかとか、あるいは特別な利権につながっているのではないかというような疑惑を必ず持たれるのであります。したがいまして、私は、今回の法案提出にあたりましても、分相応な献金が必要だと——ただいま会社の場合におきましては、その規模等において非常に差異がございます。したがいまして、この差異に応じて献金の額も違うのは、これは当然だろうと思います。ただ、私がこの際に申し上げて御了承を得たいことは、二千万円の限度というものは、本来、政治資金そのものをできるだけ小さい額にとどめようとしている、そこにねらいがあったと思います。しかし、今日の実情は、必ずしもそのとおりではございません。私は、この寄付者側の分相応なことは当然でございますが、同時にまた、選挙制度の仕組みや、さらにまた、政党の政治活動の実態等をも考えて、ただいまの状態におきましては、なかなか資金、金のかかる政党活動でございますから、それらの点におきましてもある程度の御了承を得たい、かように思っておるわけであります。  次に、派閥についての問題が御意見として出ました。私は、先ほどもちょっと小松君にお答えいたしたのでありますが、別に今回の献金は派閥奨励ではございません。私どもは、やはり派閥を解消することが党の近代化のために必要だ、かように感じておりますから、その党の近代化をはかる上において、派閥は解消されるようにと、かように思いますが、これは基本的にはやはり政治家そのものの姿勢であり、また政党の姿勢そのものだと私は思います。現状におきましては、人の集まるところ、ある程度の親疎——親しい者あるいは疎遠な者、そういうもののできることはやむを得ないと思います。その実情に即した処置をとるというのがただいまの私どもの考え方であります。したがいまして、当分の間、かような処置をとりますが、しかし、もうその必要がなくなって、政党中心に金が集まるようになった、こういうようになれば、そのときには、「当分の間」、これをも変えることにおいてやぶさかでございません。また、そういう時期が早く来ることを私は念願しております。  その次の問題といたしまして、いわゆる法人会費の問題であります。今回のこの改正案におきましては、いろいろ御批判を受けますが、私は、法人の会費、さような制度を認めない、いわゆる法人の会費も一般の寄付と同じようにすべきだ、したがって、会費としての非公開というようなことは考えないで、法人からの会費は寄付と同じように公開の原則によらなければならない、ただ、直ちにこれを行なうというのは現実に合わないように思うから、三年間という過渡的な期間を設けたのでございます。もちろん、これにつきましては、皆さん方の委員会においての御審議等を得まして、そして、この問題も最終的な結論を得たい、かように思っております。  最後に、私に対する希望といたしまして、政治資金規正法、同時にまた政界浄化のために真剣に取り組め、こういう御意見が述べられました。私も、さらに勇気を鼓して政界浄化のために努力したい、かように思います。ただ、その際に、政府案でなしに、野党三派提案の改正案、これを成立させろ、こういうお話でございますが、それらの点については御意見として伺っておきますけれども、どうか、委員会の審議を通じましてその主張を明らかにしていただきたいと思います。  以上、お答えいたします。(拍手)   〔国務大臣赤澤正道君登壇〕

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) お答えいたします。  三年間の猶予期間をつくりましたことにつきましては、総理もたびたび述べました。私も、 いま、小松さんの御質問に対して答えましたので、省略さしていただきます。  私は、この資金規正法を扱うにあたってどういう態度であったのか、今度の案というものはまるで無責任ではないか、こういう御質問でございまするので、私は、いまの骨抜き論も加えまして、どういう原則、また考え方で規正法を扱い、そしてこの成案を見たかということにつきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。これは小松さんの御質問にも答えることになると思います。  第一は、やはり、政治資金の規正は、あるべき政治活動のビジョンに対応するものでなければならぬことは言うまでもないところでございまして、この点につきましては、政治活動は、選挙運動をも含めて、ただいま総理も申しましたが、個人本位ないし派閥中心から政党本位に移行すべきものであることは言うまでもない。そこで、政治資金の規正は、その傾向を助長するものでなければならぬと考えまして、その措置をいたしております。この意味におきましては、政治資金の規正は、政党その他の政治団体、政治家個人の区別によって緩厳の度を異にすべきものと考えます。特に政党の政治資金に関する規正は、その政治活動の円滑または活発化を阻害しないように、十分配慮しなければならぬという考え方に立っておるものでございます。  二番目は、政治資金の規正は、明朗、健全な政治活動の実態に寄与するものでなければならぬことは言うまでもありませんが、この意味におきまして、政治資金の寄付は、あくまで寄付者の自発的な意思に基づくものでなければなりません。これは必要なことであると思う。その政治資金の寄付が、政党などの活動に不当な影響力を及ぼすものであっては絶対にいけないということ、このことが、ただいま総理も言われました分相応ということでございます。政治資金の収支が国民の前にガラス張りとされて、絶えずその批判を受けるようにすることが、これまた必要であります。ですから、ただいま申しました自発性と相当性、さらに公開性、この原則を貫くということで終始いたしておりますので、その目でひとつ審議の段階ではごらんを願いたいと思う。この自発性、相当性の確保も、できるだけ公開の原則を貫くことによってまかなうべきものであり、本来は、国民の批判、世論によってその理非をおのずから決すべきものが政治でありまするから、そういう公開の原則が中心であるべきであると思いますので、むしろ刑罰は第二段。これを公開することによって十分国民に見ていただく。そこからいろいろな、何と申しますか、政治資金として寄付が不適当であるかないかなどという判断は出てくる性質のものでございますので、そういうことを貫いておるわけでございます。  それから、天井がないないとおっしゃいますけれども、よくこの法案をごらんいただけばちゃんと天井はあるわけでございまして、無制限ということはございません。むしろ、この答申によりますと、資本金の千分の二・五という段階をつくるようになっておりますが、千分の二・五では上が際限もなく多くなるので、もう二千万円にしてしまえということで、腰だめ的に二千万円になりましたけれども、しかし、二千万円に何の意味があるわけではありませんので、もっと合理的に私たちはこういう問題を扱いたいと考えております。  それから、三年の猶予期間をいま引っ込めたらどうかとおっしゃいますけれども、いまの段階でこれを引っ込める意思はございません。  それから、税金のことをよくおっしゃいますけれども、これはもうきびしい条件がつけてありまして、政党に対し、しかも公開した寄付に限って一定のわずかな期間だけ免税にするというだけのことであります。公開したものが、それがその会社の損金算入限度額内であれば問題はありませんし、その外に出たものであっても、それが納めるべき税金が納まっていないということは計算なさればすぐわかることでございますので、こういつた点を明らかにいたすということのほうが、私は大事であるというふうな判断に立っておるものでございます。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男君登壇〕

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 政治活動に対する寄付金というものは、私は高度の公共性を持ったものだと考えます。したがって、たとえば福祉事業に対する寄付とかあるいは私学に対する教育寄付、科学振興に対する寄付というようなものと、公共性においてはそう劣るものではございません。したがって、個人の寄付に対しては、それらの寄付と同じような取り扱いをいたすことにいたしました。また、法人等に対する寄付金につきましては、青天井ではございませんで、いずれにしましても制限があるということと、それから今度は、いままでのようにたとえば党費とかあるいは会費として認められておった支出も、今後は政治資金とみなされて規制されることになりましたので、こういう事情との勘案から暫定的に特例措置を法人等には認めるという措置を今回はとりましたが、しかし、将来の規制といたしましては、やはりこの実施による実績と、今後選挙制度のあり方というようなものとの勘案において、慎重に検討していくべきものと考えております。(拍手)

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 日程第一、国立光明寮設置法の一部を改正する法律案、日程第二、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事藤本孝雄君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔藤本孝雄君登壇〕

藤本孝雄自由民主党

○藤本孝雄君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国立光明寮設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、九州地方における視覚障害者を収容し、その保護更生の事業を実施するため、国立光明寮を福岡県に設置しようとするものであります。  本案は、去る二月二十七日本委員会に付託となり、五月十日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  次に、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、身体障害者の更生の促進をはかるため、都道府県知事等の措置により、身体障害者更生援護施設に入所して訓練を受けている者に対して、更生訓練費等を支給しようとするものであります。  本案は、去る三月十六日本委員会に付託となり、五月十日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 両案を一括して採決いたします。  両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 日程第三、お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長古川丈吉君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔古川丈吉君登壇〕

古川丈吉自由民主党

○古川丈吉君 ただいま議題となりましたお年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する法律の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過と結果とを御報告いたします。  まず、改正案の要点を申し上げますと、その第一は、郵便はがき等につけられた寄付金の処理に関する事務を一元化するため、現在その事務の一部を行なっている郵便募金管理会を解散し、寄付金の処理事務をすべて郵政省において行なうこととすることであり、第二は、寄付金の配分を受ける団体の範囲を広げ、交通事故または水難に際して人命の応急的な救助を行なう団体を新たに加えること、また、第三は、年賀用はがきのお年玉の単価の最高限を二万円から三万円に引き上げることであります。  逓信委員会においては、三月十三日本案の付託を受けて以来慎重審議を重ねたのでありますが、五月十日、質疑を終了、討論を省略して採決の結果、本案は全会一致をもってこれを可決すべきものと議決いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 日程第四、大気汚染防止法案、日程第五、騒音規制法案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。産業公害対策特別委員長山崎始男君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔山崎始男君登壇〕

山崎始男日本社会党

○山崎始男君 ただいま議題となりました大気汚染防止法案並びに騒音規制法案の両法律案の産業公害対策特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  両法律案は、昨年制定いたしましたわが国公害行政の指針たる公害対策基本法の実施法の一環として、去る四月二十七日本院に提出されたものであります。  まず、大気汚染防止法案は、工場及び事業場からのばい煙の排出の規制を中心とした施策を講じている現行ばい煙規制法にかえて、大気汚染防止対策の拡充をはかろうとするものでありまして、そのおもな点は、  第一に、予防的観点から、ばい煙発生施設が集合して設置されることが予想される地域をも指定地域とすること。  第二に、排出基準について合理化をはかるとともに、これに都道府県知事の意見を反映させること。  第三に、著しく大気が汚染されている地域に新設される施設については特別の基準を適用すること。  第四に、スモッグ警報時における措置の強化をはかること。  第五に、新たに自動車排出ガスにかかる許容限度を定めるとともに、都道府県知事の汚染状況に関する測定について定めようとするものであります。  次に、騒音規制法案の概要について申し上げます。  従来より、騒音規制については地方公共団体の条例にまかされてまいりましたが、本案は、国の手による一元的な法律上の規制措置を講じようとするものでありまして、そのおもな内容は、  第一に、工場及び事業場の騒音については、都道府県知事が市街地及びその周辺を指定地域とし、規制基準を定めるとともに、施設の設置について届け出制をとるほか、規制基準に適合しない騒音を発生する場合の改善等の勧告及び命令について規定すること。  第二に、指定地域のうち、住宅地、病院及び学校等の周辺区域で著しい騒音を発生する建設作業を行なう場合、事前に届け出を行なわせるほか、基準に適合しない騒音を発生する場合の改善等の勧告及び命令について規定すること。  第三に、騒音にかかる紛争について、都道府県知事による和解の仲介の制度を設けること。  第四に、本法と地方公共団体の条例との関係を明らかにするとともに、飲食店営業等にかかる深夜騒音等についての条例による措置について規定するものであります。  両法律案は、去る七日本委員会に付託され、翌八日政府から提案理由の説明聴取後、直ちに質疑に入り、連日委員会を開会し、慎重審議いたしました。  その間、両法案提出のおくれた理由、届け出制と許可制、和解仲介員の構成、小規模事業者に対する配慮等について質疑が行なわれましたが、特に、十日には、佐藤内閣総理大臣の出席を求め、産業の発展と人間尊重との関係、公害行政の一元化、本法と現行条例の関係及び被害者救済紛争処理法等実施法の提出時期などについて総理の所信をただしましたが、これら論議の内容の詳細については会議録に譲ることといたします。  かくて、去る十日、両案に対する質疑を終了し、次いで、自由民主党を代表して橋本龍太郎君より、大気汚染防止法案に対する修正案並びに騒音規制法案に対する修正案が提出され、趣旨説明聴取後、採決の結果、両案はそれぞれ修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、両案に対し、それぞれ自由民主党、日本社会党及び公明党三派共同提案にかかる次の附帯決議を付することに決しました。     大気汚染防止法案に対する附帯決議   政府は、本法施行にあたり、次の事項について措置を講ずべきである。  一 ばい煙発生施設の設置の届出制について具体的規制力を失わしめないよう十分な措置をすること。    自動車の排出ガスに係る許容限度の決定にあたり、厚生大臣の意見は十分尊重すること。  一 ばい煙の排出基準について常に意を用いその強化につとめること。など、ほか四項目であります。  次に、騒音規制法案に対する附帯決議は、飛行場騒音については、早急に対策の強化を計ること。    交通機関等の騒音対策について特に意を用い、国においても十分考慮すること。など、ほか二項目であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————    騒音規制法案に対する修正案(委員会修正)騒音規制法案の一部を次のように修正する。第一条中「保全するとともに」を「保全し、国民の健康の保護に資するとともに」に改める。     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 両案につき討論の通告があります。これを許します。工藤良平君。   〔工藤良平君登壇〕

工藤良平日本社会党

○工藤良平君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公害防止二法案に対して、反対の討論をいたします。  近時、わが国の経済は、名目的には世界最高の成長をいたしておりますが、無計画な産業の発展が、人口の都市集中化、交通機関の高度の発達と相まって、必然的に公害の発生をもたらし、広域にして、かつ深刻さを帯び、いまや社会問題として重大な関心を払わなければならない事態に立ち至っているのであります。  産業とは本来、利潤追求を目的とするのではなく、人間の福祉を増進することを目標としなければなりません。その生産性がいかに高まり、国民所得がどんなにふえたとしても、産業のもたらす公害が国民の生命を破壊するという現状においては、真の意義は失われているのであります。  このような諸情勢に対処し、しかも国民の多くの期待にこたえ、さきの五十五特別国会におきましては、きわめて不十分ではありましたが、公害対策基本法が制定され、国民もまたこれに一つの希望を託し、関係実施法の早期成立に多大の期待を寄せてきたところであります。しかるに、本法案の提出が今国会のしかも会期末ぎりぎりに出されてきましたことは、おそきに失した措置であり、まことに遺憾といわなければなりません。御承知のように、公害対策基本法成立にあたっては、社会党をはじめ野党の強い要請によって、関係法案の早期提出が決議され、その後機会あるごとに、そのことは強調されてきたところであります。佐藤総理もまた、すみやかに関係法案の立法化の措置をとることをかたく約束してきたところであります。  そもそも、公害対策は、その予防、排除、救済を基本とした諸立法が必要であります。もちろんこの二法案は重要法案の一つではありますが、これと同様に提出されなければならない工場立地の規制、被害者救済の法案については、各省間の調整がつかず、ついに提出できなかったことは、政府の怠慢であり、公害対策の軽視といわなければなりません。(拍手)  第二の問題は、本法案を流れている基本的な考え方についてであります。  本来、公害防止対策は、国民の生命、健康の保護、そのための生活環境の整備が目的でなければならないのであります。しかるに、常に産業の健全な発展との調和をはかるということを名目として、国民の健康保護の立場を第二義的に考えようとするところに問題が残るのであります。調和ということが妥協に傾く危険性があるということについては、注意を喚起し、基本法審議の際に、多くの時間を費やして意見の調整を行なってきたところであります。調和という名のもとに、国会の決定を軽視し、事あるごとに企業保護の立場を省こうとする政府の態度は、厳にこれを戒めなければならないと思うのであります。(拍手)  第三の問題は、本法案の随所に見られる、関係各省間のセクショナリズムによって、その本来の目的がゆがめられ、骨抜き同然にされているということであります。  大気汚染防止法案に見られるごとく、排出基準の設定については、厚生、通産両省の共管という形をとり、自動車排気ガスの基準決定については、運輸省専管、厚生省の意見を求めるとされ、まさに本末転倒もはなはだしいといわなければならないのであります。(拍手)また、ばい煙排出施設の設置については、当然許可制度にすべきものを、各省の強い圧力によって、ついに届け出制に変更するなど、基本法の趣旨を完全に置き忘れた措置となっているのは遺憾千万といわなければなりません。  過日、富山県のイタイイタイ病について、厚生省の見解が発表され、公害対策に一つの曙光が見出されつつあることは喜ばしいことであります。しかし、このことによって、長い間にわたる論争に終止符が打たれたわけではないのであります。その結論が出されるまでの間、通産省をはじめ企業側の圧力が加えられ、いたずらに時日を遷延させたことは、当然反省さるべきであり、強力な公害行政の一元化を急がなければならないゆえんであります。  第四には、この二法案が、大気汚染、騒音防止の総合的な法案として提出されたにもかかわらず、電気事業、ガス事業に対する一部適用除外、飛行機、交通騒音などについて、十分なる対策が講じられていないことであります。  これらはいずれも生活環境の整備の中で主要な部分を占めるものでありまして、すみやかな法案整備と対策が必要であります。  第五に、和解仲介の制度についてであります。  大気汚染防止、騒音規制両法案ともに、和解仲介の制度が規定されてはいるのでありますが、いまだ利用されたことのない、また利用価値のないといわれる従来のばい煙規制法の規定をそのまま踏襲し、一歩も進歩していないということであります。  「群馬、栃木両県下渡良瀬沿岸の耕地に被害あるは事実なれども、被害の原因確実ならず」、これは明治二十四年、衆議院において鉱毒事件に関して出された政府の答弁書であります。公害闘争の初めといわれた田中正造代議士の指導した足尾銅山の鉱毒事件は、闘争実に一世紀近くにわたり、幾たびかの死闘が繰り返され、表面上の解決は見たものの、なお依然としてくすぶり続けているのであります。歴史的にも過去の公害事件を振り返ってみるとき、必ずといっていいほど、そこには流血の惨事が引き起こされ、なおかつ根本的な解決ができなかったことが数多いのであります。まして複雑多岐にわたる現在の公害は、水俣病をはじめ、阿賀野川の第二水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病など、原因の究明はもとより、救済の解決のめどさえ立っていないものがあります。  法の制定が骨抜きとなり、利用するに価値のないものであり、政治に期待の持てなくなったとき、被害者はやむなく訴訟にたよらざるを得ないのであります。もちろん訴訟によってその是非を問うことは、たとえそれが冷静であり、合理的であるとしても、すべての公害が、金のかかる、しかも長期化する裁判にたよらざるを得ないとするならば、一般の被害者は泣き寝入りする以外にそのすべはないのであります。したがって、一定の権威ある調停機関による紛争処理を行なうことを基本とする、被害者救済制度の確立を急がなければならないと考えます。  以上、この法案の問題点について触れてまいりましたが、公害が多発し、紛争処理、救済の措置がおくれるとき、被害者はより深刻な立場に追い込まれるのであります。一家の主柱を失い、あるいは廃人同様となり、生きる希望と生活のかてを断たれて泣いている患者とその家族に対して、政治がなし得たものにはたしてどれほどのものがあったでありましょうか。これらの人々に対しいまわれわれがしなければならない任務は、被害者に対するすみやかな救済であり、同時に、より高い次元において国民の期待に沿い得る法案をつくり上げること以外にないと信じます。  最後に、本法案が多数をもって決定されたとしても、政府と企業者は、いかなる企業も、みずからの利益のみを考え、健全なる経済の発展との調和をはかるという名のもとに、社会的責任を無視することはいまや許されないということを強く訴えて、私の討論を終わります。(拍手)

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) これにて討論は終局いたしました。  両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 日程第六割賦販売法の一部を改正する法律案を議題といたします。     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。商工委員長小峯柳多君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔小峯柳多君登壇〕

小峯柳多自由民主党

○小峯柳多君 ただいま議題となりました割賦販売法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の御報告を申し上げます。  一般消費者に対する耐久消費財の割賦販売が急速に普及、発展しつつありますことは御承知のとおりであります。この中で前払い式割賦販売は、ミシン、手編み機、家庭用電気製品等を中心として、年々相当の伸びを見せておりまして、現在消費者からの前受け金残高は約六百億円に達するものと推定されております。  このように前払い式割賦販売が広く利用される反面、販売業者の倒産によって購入者が不測の損害を受ける事例、契約解除等に関して販売業者と購入者との間に紛争が生ずる事例等が次第に増加する傾向にあります。  本改正案は、消費者保護の見地から、以上の実態に対処するため、前払い式割賦販売業に対する規制を強化しようとして提案されたものであります。  改正の第一点は、前払い式割賦販売業の登録制を許可制に改め、健全な財産的基礎を有し、販売契約約款が一定基準に適合する者に限って許可すること  第二点は、販売業者に対し、前受け金の三分の一相当額を、購入者への優先弁済のための営業保証金として供託すべきことを義務づけること  第三点は、販売業者に対し、財産状況または業務運営の改善命令、約款の変更命令等を出し得る規定を設け、購入者保護のための監督を強化すること等であります。  本案は、去る四月三日当委員会に付託され、同月五日に提案理由の説明を聴取し、同月二十六日から質疑に入り、参考人を招致するなど、きわめて熱心に審査を行ないましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて、五月十日に至り質疑を終了し、引き続き採決を行ないましたところ、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党共同提案による、前払い式割賦販売を通常の割賦販売方式へ移行せしめることについての検討、割賦販売金融関係等諸制度の整備、割賦販売価格と現金販売価格の表示の明確化、並びに不当に割高な割賦販売価格の是正、健全な中小規模割賦販売業者の存立基盤の確保策等に関する附帯決議を行ないました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 日程第七、昭和四十年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十年度政府関係機関決算書、日程第八、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書、日程第九、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書、右各件を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。決算委員長大石武一君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔大石武一君登壇〕

大石武一自由民主党

○大石武一君 ただいま議題となりました昭和四十年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過並びに結果を報告いたします。  初めに各件の概要から申し上げます。  まず、昭和四十年度決算でありますが、一般会計の決算額は、歳入三兆七千七百三十億円余、歳出三兆七千二百三十億円余、差引五百億円余の剰余金を生じております。特別会計の数は四十三、その決算額は、歳入七兆二千百六十億円余、歳出六兆四千六十三億円余、その歳入超過額は八千九十六億円余となっております。  国税収納金整理資金の収納済額は、三兆一千九十八億円余、支払命令済額及び歳入への組入額は三兆一千八億円余となっております。  政府関係機関の数は十三、その決算総額は、収入三兆三千三十二億円余、支出三兆一千三百四十五億円余となっております。  次に、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書でありますが、昭和四十年度中に増加した国有財産の額は、一般、特別両会計を合わせて一兆三千八百三十七億円余、同じく減少額は二千九百三十億円余、差引純増加額は一兆九百六億円余となり、年度末現在額は五兆八百六十億円余となっております。  次に、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書でありますが、昭和四十年度中の無償貸付の増加額は、一般、特別両会計を合わせて四百二十二億円余、同じく減少額は二十九億円余、差引純増加額は三百九十二億円余となり、年度末現在額は、六百九十三億円余となっております。  各件のうち、決算は四十一年十二月二十七日第五十四回国会に、国有財産関係二件は四十二年二月二十一日第五十五回国会に提出され、決算は四十二年六月一日、国有財産関係二件は四十二年二月二十一日委員会に付託されました。  委員会は、四十二年六月七日、各件について大蔵省当局よりその概要説明を、会計検査院より検査報告の概要説明を聴取した後、慎重審議を重ね、本年五月十三日決算外二件の審査を終了し、決算については、直ちに委員長より左記要旨の議決案を提案いたしました。  すなわち、一、本年度決算を予算の効率的使用及び不当不正  の防止という観点から見ると、次の諸点が特に  留意されるべきものと思われる。  (1) 行政機構の改革については、数年来その実現を要望してきたところであるが、いまだ実績があがっていない。    政府は、計画的かつ合理的な視野に立ち、機構の能率が十分に発揮されるようつとめるべきである。  (2) 青少年対策費は、総合的施策の樹立について、なお十分とは認めがたいところがある。    すみやかにこれら施策の総合計画を樹立し、相互協力のもとに事業の推進をはかるべきである。  (3) 移住振興事業については、送出実績が逐年低下し、移住者の生活は必ずしも安定したものといいがたい。この際、移住政策を再検討し、工業技術者の移住の推進をはかるとともに、移住者の定着援護に遺漏のないよう措置を講ずべきである。  (4) 国が地方公共団体等に交付する補助金には、同一ないし類似のもの、金額が零細なもの、及び実情に合致しなくなったもの等が見受けられる。これらにつき全面的に再検討を行ない、補助金の統合、整理等、予算の効率的使用をはかるべきである。  (5) 科学技術の開発途上における物品製造請負契約等の処理につき、製造に着手しながら契約書が作成されておらず、請負業者の参考見積もりがそのまま契約金額として採用されている事例が認められる。経理関係法規の整備、研究及び経理部門の一体充実をはかり、科学技術振興の円滑を期すべきである。  (6) 農業構造改善事業においては、国または地方の指導が不適切なため、設置された施設等が十分に活用されていない事例が見受けられる。事業計画等につき、現地に即する適切な指導を行ない、補助目的の達成につとめるべきである。  (7) 通商産業省所管の石炭鉱山整理交付金、炭鉱保安専用機器整備費補助金、中小企業高度化資金融通特別会計の高度化資金貸付金及び労働省所管の中高年齢者等就職促進訓練費補助金等の重要事業費において過大な不用額を生じているものが認められる。経費の予算計上、予備費の使用の決定にあたっては、現在の実態及び将来の推移を適確に把握するとともに、熱意をもって予算の執行に当たり、主要事業費につき、不用額を生ずるがごときことのないようつとめるべきである。二、会計検査院が指摘した不当事項については、本院においてもこれを不当と認める。   政府は、これら指摘事項について、それぞれ是正の措置を講ずるとともに、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう、制度、機構の改正整備をはかり、官紀を粛正して万全を期すべきである。三、決算のうち、前記以外の事項については異議  がない。以上が議決案の概要であります。  これに対し、自由民主党、民主社会党は賛成、日本社会党、公明党は議決案中に述べられている「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」という表現には同意できない、したがって、決算については不承認、警告事項については賛成である趣旨の討論があり、採決の結果、多数をもって議決案のとおり議決いたしました。  次いで、国有財産関係二件について採決の結果、各件はいずれも是認すべきものと多数をもって議決した次第であります。  以上で報告を終わります。(拍手)     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) これより採決に入ります。  まず、日程第七の各件を一括して採決いたします。  各件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、各件は委員長報告のとおり決しました。  次に、日程第八及び第九の両件を一括して採決いたします。  両件の委員長の報告はいずれも是認すべきものと決したものであります。両件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、両件は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件

山村新治郎自由民主党

○山村新治郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 山村新治郎君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  南方諸島及びその他の諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。外務委員長秋田大助君。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————   〔秋田大助君登壇〕

秋田大助自由民主党

○秋田大助君 ただいま議題となりました案件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  佐藤総理大臣とジョンソン大統領は、昨年十一月十四日及び十五日にワシントンで行なった会談において、小笠原群島等の日本への早期返還のための具体的な取りきめについて、両国政府が直ちに協議に入ることに合意いたしました。よって、政府は、昨年十一月以来、米国政府との間に交渉を進めてまいりましたところ、最終的合意に達しましたので、本年四月五日、東京において本協定に署名を行なった次第であります。  本協定のおもな内容を申し上げますと、米国が小笠原群島等に関して、平和条約第三条に基づくすべての権利及び利益を、日本国のために放棄し、わが国は、木協定発効の日から、これら諸島の行政、立法及び司法上のすべての権力を行使するための権能及び責任を引き受けること、小笠原群島において、米国が現に利用している設備及び用地は、地位協定に従って米軍が引き続き使用する二つのロラン局施設を除いて、すべてわが国に引き渡されること、わが国は、米国の施政期間中、法令によって認められる請求権を除いて、これらの諸島において生じた対米請求権を放棄し、また、米国当局の指令によって行なわれた行為を承認し、かつ、米国が島民の財産権及び所有利益の権限を移動する行動をとらなかったことが確認されること等を規定しております。  本協定は、四月十九日に外務委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、五月十四日、質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、本件は全会一致をもってこれを承認すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 採決いたします。  本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————

小平久雄自由民主党副議長

○副議長(小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。    午後八時十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣   内閣総理大臣        佐藤 榮作君   外 務 大 臣       三木 武夫君   大 蔵 大 臣       水田三喜男君   厚 生 大 臣       園田  直君   通商産業大臣        椎名悦三郎君   郵 政 大 臣       小林 武治君   自 治 大 臣       赤澤 正道君  出席政府委員   内閣法制局第三   部長            荒井  勇君      ————◇—————

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