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58回国会衆議院1968/05/24

文教委員会 第22号

発言数
73
登壇者
5
会派数
1
開催日
1968/05/24

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  本日の請願日程及び本日付託になりました大口市立曽木小学校のプール設置に関する請願(第七一五九号)、学校図書館法の一部改正に関する請願(第七一六〇号)、私立学校振興会法の一部改正に関する請願外一件(第七一六一号)、外国人学校制度創設反対に関する請願(第七一六二号)、(第七一六三号)、(第七一六四号)、(第七一六五号)の請願を議題とし、審査に入ります。  各請願の内容については文書表で御承知のことでありますし、先ほどの理事会において御検討願いましたので、この際、各請願について、紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  本日の請願日程中、第五ないし第一一、第一四ないし第六四、第六六ないし第一八九、第二二一ないし第二四三、第二四五ないし第二五九、第二六六、第二七九ないし二第九〇、第二九二ないし第三〇六、第三二一ないし第三三〇、第三四八、第三五七、第三七八ないし第三九〇、第三九四ないし第四〇四、第四一〇、第四七二ないし第四八九、第一〇四八ないし第一〇五〇、第一〇八四ないし第一〇八六、第一二一六ないし第一二一八、第一三二九ないし第一三三三、第一三四四ないし第一三五三、及び本日付託になりました学校図書館法の一部改正に関する請願(第七二八〇号)、私立学校振興会法の一部改正に関する請願外一件(第七二八一号)、以上の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は全部で二十九件でございます。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  文教行政の基本施策に関する件  学校教育に関する件  社会教育に関する件  体育に関する件  学術研究及び宗教に関する件  国際文化交流に関する件  文化財保護に関する件以上の各件につきまして、閉会中もなお審査を行ないたいと存じますので、この旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、閉会中審査案件が付託されました際の諸件についておはかりいたします。  まず、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の人選、派遣地、期間並びに承認申請の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、委員会において参考人より意見を聴取する場合の期日、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次に、現在設置されております文化財保護に関する小委員会につきましては、閉会中もなお存置することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員長及び小委員の人選につきましては従来どおりとし、小委員及び小委員長の辞任の許可、小委員及び小委員長の辞任に伴う補欠選任、並びに小委員会におきまして参考人より意見を聴取する必要が生じました場合のその期日、人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 学校教育法の一部を改正する法律案及び外国人学校法案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。谷川和穗君。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 法案の審査に入る前に、委員会運営につきまして、私はこの際一百委員長に申し上げておきたいと存じております。  百五十日に及びました国会が、あと十日の会期延長を昨日決定をいたしまして、本日この委員会となったわけであります。しかしながら、国会法並びに衆議院規則によりますと、国会の運営は、少なくとも法案の審査に関する限り委員会審査というものを非常に重視し、これを中心に組み立てられている、私はそういうふうに判断をいたしております。しかるにただいま質疑に入ろうといたしておりますこの二法案は、実はこの時点まで委員会で審議がなされなかったのでありますが、それには一つには、この法案をめぐっていろいろと与野党それぞれの立場でそれぞれの議論がかわせられておって、審査に入るのが本日になったという理由もございますが、委員会審査として委員長にお考え置きいただきたいことは、少なくともこの法案が本委員会に付託されるまでの期間が非常に長かったというこの事実、私は、これはやはり正常な国会運営が委員会中心、特に戦後の常任委員会制度が採用されましてからの国会運営からいきますと、必ずしも好ましい姿であったとはいえないと思っております。したがって、今国会における議論をここで申し上げようとは思っておりませんが、どうか委員長におかれましては、次期国会も国民の負託にこたえてわれわれは重要法案を審査しなければならない責任と義務があるわけでございまして、こういう意味で委員会運営をこの際十二分にお考え置きいただきたい、かように考えておる次第でございます。委員長から一言委員会運営について御所見をまず承っておきたいと存じます。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 谷川君の御質問にお答えを申し上げます。  お話しのとおり、国会は委員会中心に運営をされるというのが日本の国会のたてまえになっております。しかるにこの法案が政府提案が行なわれまして以来一カ月半置かれた。したがって審議の期間が非常に制約をされた。その結果今日に及びましたことは、国会全体の問題として私は遺憾千万なことであると思う。少なくとも国会法にのっとって委員会に直ちに付託されるべきものであると信じておりますが、現実にそういう状態でなかったためにかくのごとき事態を引き起こしたということにつきましては、私は私なりに責任を感じておりますと同時に、これは国会全体の問題として考えなければならない問題であると考えております。非常に時宜を得た御質問でありますので、私の所信を申し上げておきます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 私が、法案の審議に入る前に委員会運営につきましてただいまのような発言をいたしましたのは、実を申しますと最近の新聞紙上、特に国民の政治に対する気持ちが直蔵にあらわれてまいりますたとえば新聞紙上の投書欄などに、この国会に提案されております法案をめぐって非常に活発な、言うならば紙上討論会のごとき様相を呈しておるような傾向さえ見受けられるわけでございまして、そういう意味からいいますと、私は、国民が議会に提案されました法案の内容について、これを非常に気にしながらその内容の審議が十二分に尽くされ、国会の審議の内容を通じてその法案が明らかにされることをいかに望んでおるかということのあらわれであろうかと思っておるわけでございます。そのうちの一つの例をとりますと、日付はたしか五月十日ではなかったかと思いますが、横浜市のある主婦の外国人学校法案の内容についての投書がございました。たまたま自由民主党の河野洋平委員がこの投書欄をごらんになって、そうしてわれわれ内々でいろいろ話をいたしましたわけでございますが、その投書の内容は、私の記憶に間違いございませんでしたらば、たしか東京都美濃部知事が朝鮮大学校を認可した、それを契機にどうしてもこの種の法案を出して国会で通して、それで東京都知事が認可した朝鮮大学校を——文章はどういう文章であったか、いま記憶しておりません。資料として私持っておりますけれども、取り消すということばを使っておったかと思いますが、そのためにこの法案の審議が国会で急がれているのだというような趣旨の投書であったかと思っております。本日は、学校教育法と、それから学校教育法に関連がございまして、当然その関連としても審議をされなければならない外国人学校法と、この二つの審議に入るわけでありますが、私といたしましては、実を申しますと、この法案が東京都の美濃部知事が朝鮮大学校を認可したがゆえに国会に提案された法案だとは思っておりません。当然のことだと思います。また、美濃部知事の認可について非常にその当時論議をわかしました。これも各紙で報道されたのでありますけれども、東京都私学審議会の答申、こういう問題もやはりこの種法案を審議しようと思えば、当然委員会でわれわれ委員としては熱心にこれを審議しなければならないものであったと思っているわけでございます。そういうような観点からいたしますと、先ほど私が申し上げましたように、戦後の日本の国会は新しく常任委員会の制度を採用して、そうして委員会審議を中心に国会運営を進めていく国会法の精神からいいましても、重ねてくどいようでありますが、委員長におかれましては、今国会はどうという意味ではございませんけれども、将来にかけてひとつ委員会運営について十二分に御配慮いただきたいと思っております。  それでは法案の審議に入りたいと存じます。  まず、最初に学校教育法の問題でございますが、学校教育法の問題はすでにいろいろな時点におきまして二、三触れられている点もございますので、特にその中の問題点となるようなところだけ拾い上げてお尋ねを申し上げてみたいと思っております。  最初に、学校運営上の問題でございます。今回この法案の政府提案理由によりますと、教頭はすでに管理者としての位置づけがはっきりいたしておるので、それに応じた法的地位を教頭に与えるのだという説明がございました。私は最初にこの教頭の問題についてお尋ねをいたしたいのでありますけれども、今日学校教育というものは、たとえば先ほど採択されました請願にも一番最初にそういう請願が出てまいっておりましたが、都市周辺の社会増の問題をかかえておる学校においては、いままでなかった学校管理運営の新しい側面があらわれておるわけでございます。さらには先般来たびたび当委員会において質疑がされまして、採決をされました学校安全会法をめぐっての審査にも出てまいりましたけれども、今日の学校安全という問題は、いままでのごく少数の人々が自動車の運転免許を取る時代から、もうすでに義務教育レベルを終える子弟の男女含めて七、八割はみずから運転免許を取るであろうといわれるような時代になってきたときには、これはまた新しい意味で学校教育の非常に大きなテーマとなってきておるわけであります。さらには最近、自由民主党、社会党、民社党、さらには公明党四党の共同提案となりました消費者基本法、この問題を考えてみましても、学校教育の中における消費者教育というのは、これまた非常に大きな問題となっていま浮び上がろうといたしております。こういうふうに義務教育レベルにおきましても、社会の中の中心にあります学校が果たすべき社会的役割り、機能といったものは刻々と変化をいたしておりますし、ますます複雑になっておる、かように考えております。  こういう観点に立って、今回の教頭職の位置づけを中心にいたしましてまず最初にお伺いしたいと思うことは、いままで教頭は、こういう複雑化し、多岐にわたって行なわれようとしておる学校運営の中でいかなる地位を果たしてきたのか、さらには今後こういった法制化がなされた場合には、教頭はそういうむずかしい近代的な学校経営の中でどういうような仕事をすることが望ましいというふうに考えておられるのか、その点についてまず第一にお尋ねをいたしておきたいと存じます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 その点につきましては、政府委員からお答えをさせていただきます。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 教頭につきましては、いま御質問の中にもお触れになったことでございますけれども、学校の運営上きわめて重要な仕事をいたしております。これにつきまして、実は現在の状況を最初に申し上げますが、昭和三十五年以来この教頭の職責の重要性ということにかんがみまして、給与上は管理職手当を支給しております。また、四十一年以来管理職員ということに指定されておりまして、実質的に教頭の仕事というものは認められてきているものと私たちは思っておるわけでございます。ただ従来、その法律上の職といたしましては、学校教育法上独立した職としての管理職という考え方がとられておりませんでしたので、今回学校教育法上の一つの独立の職といたしまして、その身分の安定化をはかりまして、重要な職責を果たしてもらいたい、このように考えておるわけでございます。  いま御指摘のように、学校も地域によりましてきわめて大規模化し、複雑な社会情勢の中で運営されなければならない状況でございまして、一つの組織体としての学校の運営はきわめて複雑になり、むずかしい問題を絶えずかかえておるわけでございます。その意味で、もちろん校長が最高責任者でございますけれども、校長を助けてこれらの面に携わる教頭の職責の実質的な——従来いろいろ調査してみますと、校長に準ずるきわめて多忙な、責任の重い地位というのはわかるわけでございまして、その点を実態に即して法律上今度明確にしていきたい、こういうのがこのたびのおもな考え方でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 局長にお尋ねいたしますが、校長は、児童生徒の学習指導の面に携わる責任を持っておりますか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 法律上の表現で申しますと、校長は、校務をつかさどるという規定でございまして、これを形式的にとりますと、校長は、いかにも児童の教育にタッチしないように見えますけれども、校長は、最終の学校の責任者でございますから、広い意味では児童の教育に当然責任を持っておる。ただ主たる仕事を法律上は規定しておりまして、全体の責任者ということを規定いたしているものと理解しております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 教頭の職務としては、はっきり今回の提案の中でも、学校管理の面と児童生徒の学習指導の両方を担当させることにいたしておるようでありますけれども、これは間違いございませんか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 このたびの御審議をお願いしております案では、「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び児童の教育をつかさどる。」という規定のいたし方をしておりますが、これは御指摘のとおり、いわゆる学校の管理事務を校長を助けながら行なうと同時に、児童の教育をつかさどるという両面の性格を持っているわけでございます。これは学校の性格から申しまして、いわば校長と教員との橋渡しというような面がどうしても教頭に期待されなければならぬものですから、児童の教育を全然離れた意味で教頭職を規定しないほうがいいのではないか、このように考えたわけでございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 学校統計を調べてみましても、確かに学校の規模が非常に区々まちまちであるということは事実だと思います。しかし、いまの局長の御答弁の中にございましたが、特に大規模学校が都市周辺地域には多くふえてきている現状であるようでございます。そういうようなことを考えて、すべての学校にそうすべきであるかどうかは別の問題といたしまして、この際、教頭は校長と同じように学校管理の職務だけに従事するようにするというような地域あるいは周囲の学校、こういうことも考えてみたらどうかと思いますが、その点はいかがでございましょうか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 確かに実態に即して考えた場合には、そういう御意見も出るかと思います。教頭の勤務状況を調べてみましても、学校によりますと、末梢的な学校の管理事務に時間をさいている実情の学校もございます。しかし全国の学校を見ますと、全部が全部そういう形で教頭の性格を規定することは現在の段階ではいかがか、このような考え方を持ったために、一応職務といたしましては、児童の教育もつかさどるということにいたしたわけでございます。もちろん、個々の学校によりまして、その勤務の時間のウエートの差というものはおのずから出てくるのではないか、このように考えております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 私は、今後の学校運営のことを考えてみますと、これはあまりなじまない表現になりますが、非常に生硬な表現で恐縮ですけれども、やはり学校運営の近代化をはかるということが一つの大きな命題であろうかと思います。その意味からいたしまして、将来にかけて文部省当局とされても、この学校運営という角度から、新しく教頭職というものを取り扱ってみていただきたいというふうに考えております。  それについては、この際あらためて念を押させていただく意味で質問をいたしたいと思いますが、今回の改正案では、教頭職の法制化に伴って教員の定数改善が行なわれておりません。教頭を管理職の仕事に専念できるようにするためには、この際、教頭職とは別ワクで算出するような定数法の改正をしたらどうかと思いますが、これについて格別のお考えがあれば、この際、聞かせておいていただきたいと思います。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 率直に申しまして、教頭を別ワクにいたしますと、公立の小中学校で約三万三千人近い教頭定数が必要になってまいりまして、教職員の定数の増の問題が関連してくるわけでございます。教職員の定数の改善問題は、教頭の問題だけではなく、従来いろいろな角度から議論が出ております。養護教員の問題も前からありますし、事務職員の問題もあります。したがいまして、定数の問題につきましては、今後教員定数改善の全体の中で十分検討していきたい。今回一挙にそのために三万人からの教頭の定数の増加ということは、事実問題としても、またこの制度の趣旨からいきましても、必ずしもいますぐやることは適当でないと考えたわけであります。将来の問題といたしましては、教員定数改善の問題の中で広い角度から取り上げていきたい、このように考えております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 この際一挙にはなかなかできにくいが、将来に向かっては大いに考えてみたいというような御答弁でございました。教育公務員特例法の一部改正の法案をこの委員会で審議をいたしましたときにも、これは私が取り上げましたような学校運営の近代化という角度からではございませんでしたけれども、やはりその定数の問題というものは非常に大きな問題として論議がなされたわけでございます。その意味から言いますと、いま局長は、教頭職ばかりでない、その他の養護教諭あるいはその他の問題につきましても触れられましたが、やはり義務教育学校の教員の定数という問題は、今後非常に大きな課題であろうかと存じます。ひとつこの際、本法案が提出される時期に、文部当局としても、この定数の問題について思い切って新しい角度から取り組んでいただきたいと思っておるわけであります。  さらに教頭の問題につきまして、給与の問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。今回の法案の趣旨は、教頭職を管理職として位置づける。これで、この法案が成立をいたしますれば、それはそれなりに明らかになるわけでありますが、問題は、いままでの教頭が、いわば教諭の中から当てられた職責であって、給与上の措置というものは全然考えられなかったと思うのであります。教頭が校長に次ぐ地位であるという以上、こういったこの時点におきまして、校長と教諭の間に新しく教頭のための等級を新設する考え、こういう給与上の措置というものはお考えになっておられるのかどうか、この点についてひとつお尋ねをいたしておきたいと存じます。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 御指摘のとおり、教頭の果たす重要な役割りにかんがみますと、ふさわしい待遇をすることはもちろん当然のことだと思います。現在までの段階におきましても、管理職手当の増額その他については非常に努力してまいったわけでございますが、今後どのようにやっていくかということでございます。これにつきましては、いま御指摘のような点は、従来とも人事院にいろいろお話はしてまいっておりまして、教員の給与体系上においていろいろ問題がございますが、その一環といたしまして、教頭の給与上の格づけについて人事院に申し入れをいたしてきておるところでございます。今後とも教員給与の全体の改善の問題、われわれの大きな課題でございますが、それとともに、この教頭にふさわしい待遇改善のためにいろいろ努力したい、このように考えております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 法案が教頭の問題でございましたので、私は教頭に限って給与の問題について触れましたが、いま局長は、教員全体の処遇改善をどうするか非常に重大な問題であるという御答弁がございました。そこで、一口つけ加えさせていただきたいと思いますけれども、私は、やっぱり近代化を達成しつつある国においては、少なくとも義務教育レベルの学校の先生という職は、だんだんと青年の魅力のある職場とはならなくなってきておるという点で、先進国すべての国がやはりこの問題について悩んでおると思うのであります。私は、そういう意味から、ひとつこの問題につきましても、文部省は、こういった法案が提案されるのを契機に、省内で思い切った改善策、それから、この新しい時代にどういうような新しい給与体系を打ち立てることが最も望ましいことかということについて、積極的に取り組んでいただきたいと存じております。  それでは、最初にこの問題についてちょっと一点だけ触れさしておいていただきたいと思います。この問題につきましては、すでに私は一般質問の中で触れましたので、ただこの際あらためて確認をいたしておきたいという意味で質問をいたしたいと思います。  それは教頭以外の職、たとえば教務主任だとか教科主任だとか学年主任だとか、こういうような教頭を補佐して、あるいは学校長を補佐して重要な職務をになっている者が今日多いわけでございます。今回教頭がこういうふうに法制化されるというこの時期でございまするが、その理由としては、校務の複雑化、多様化に伴ってそういうような法的措置を行なうんだという御説明がございました。それであるならば、いま私があげましたような校務を分担する者の占める地位がだんだんその重要性を増してきておる今日でございます。これらの者についても法制化する考えがあるかないかということ、これは将来の問題だと思いまするが、その点についてお考えを聞かしていただきたいと思うことが一点。  それからもう一つは、用務員だとか学校給食婦だとか警備員だとか、こういう学校の機能がだんだんと多岐多様にわたってくるに従って、新たに浮び上がってまいりました重要な職員、これも学校運営において非常に重大な責任を負っておると思うのであります。こういう方々は、今回講師だとか養護助教諭、実習助手、寮母を法制化したわけでありますけれども、それに伴って、やはりいま私が指摘をいたしましたような方々も職責として法制化する意図はないのかあるのか、この辺をちょっとお尋ねをいたしておきたいと思います。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 いまの御質問は二点でございますが、最初の、学校の校内におきます重要な職務として、校長、教頭のほかに、教務主任とかあるいは学年主任その他の校務を分担する職があるではないか、これの措置をどうするかという点でございますが、御指摘のように学校も一つの組織体でございますし、複雑な仕事をいたしておりますと、内部に校内組織を定めることは当然でございます。そうしてそれに従ってそれぞれ職務の分掌を進めていくことも、先ほど来御指摘の、学校経営の近代化ということばで言われておりますように、学校の合理的な運営をはかるために必要なことでございます。そのことは私たちも十分理解をいたしておるところでございます。しかし、現在は、これらのことは校内のいわば職務分掌組織という形で行なわれ、その職が特に法令の根拠に基づくことはないので、実体はまちまちでございます。これを将来の問題としてどのように制度として整備していくかということにつきましては、学校の内部の非常にこまかい機能との関連がございますので、どういう内部組織が一番望ましいかというようなことにつきましては、しばらく検討をさしていただきたい、その上でどうするかという問題を考えさしていただきたいと思っておるわけでございます。  それから第二番目の、用務員とかあるいは学校給食婦ですか、あるいは警備員というような職員の問題でございますが、これも学校が一つの組織体として複雑な仕事をしております現段階におきましては、それぞれ重要な職責を持った職でございます。現在でも、学校教育法上は「その他必要な職員を置くことができる。」という形で、その他の職員の置かれることを予想し、その根拠を設けたわけでございますが、この職務内容というのは必ずしも定型化されておりませんで、特にこの財源問題あるいは定数などというものをあわせて考えませんと、単に職務を法律上規定することはむずかしい、このように考えておりまして、これも恐縮でございますが、将来の研究課題にさせていただきたい。今回は御案内のように校長以外に養護助教諭、講師、実習助手、寮母について法律上の根拠を与えたわけでございまして、これらの四つの職員は、現在教育公務員特例法上も校長、教諭と同じ扱いがきれており、また定数の標準も定められておりますので、少なくともこの範囲の職員は同じような扱いをしていいのじゃないかという考え方で取り上げたわけでございます。その点につきましては将来の研究課題として研究させていただきたいと考えております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 それでは法案のいわば次の点に移らせていただきたいと思います。  各種学校の整備の関係であります。この問題は特に私は大臣にお尋ねを申し上げてみたいと存じておりますが、各種学校は、確かにいわれておるがごとく非常にさまざまの態様を持った学校形態になっておりますが、特に大臣にお尋ねをいたしてみたいと思うことは、義務教育を終えて後に学校教育体制の中で言うならば教育される子弟の中に、各種学校に学ぶ者たちが非常に多いというこの事実、特に日本の女子教育の現状を考えてみますと、この女子教育の中に果たしておる各種学校というものは確かに相当大きなウエートを占めておるというふうに考えるべきだと思っております。これにつきまして、おそらく今回この法案を提案をきれました大臣としては、積極的に各種学校制度の将来についてお考えをお持ちであろうかと存じます。たとえば国の助成策などを含めまして、各種学校助成に関する将来の大臣のお考えにつきまして、この際、ひとつぜひお承りをいたしたい、かように考えておる次第でございます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 わが国のいわゆる各種学校というものが、いろいろな内容を持っておりますけれども、今日までそれぞれの面におきまして大きな役割りを果たし、また、国民の教養を高める上におきましても効果をあげてまいっておりますことは御指摘のとおりであります。現在この各種学校に学んでおる人たちの数もかなり大きな数に達しておるわけでございます。時世とともにだんだんと各種学校の内容も向上し整ってまいっておるものも数あるわけでございますので、文部省としましては、今回のこの各種学校制度の整備ということを、いわば後期中等教育の整備拡充というふうな事柄の一環として考えておるわけでございます。これを契機といたしまして各種学校の改善向上を一そう促進いたしますとともに、このような制度を設けることによりまして、従来にも増してその振興のために政府としましても援助の道を考えてまいりたい、かように存じている次第でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 私の友人で各種学校を経営している方がおられます。その方のお話をお伺いいたしますと、もしこれが短大であったならば当然私学振興資金を借りることができるのだ。私のところは実は三年も学生を預かっておるのだけれども、形が各種学校という形であるがゆえに、短大の二年に比べてなおかつ一年も長く教育を担当いたしておるけれども、この私学振興資金関係がなかなかむずかしいのだというお話もございました。振興というのは必ずしも国が積極的に金を出すということ、これだけではないと思いますけれども、いま大臣が後期中等教育の拡充という点で各種学校教育をとらえられましたが、それと同時に、日本の現在の義務教育を終えた子供たちを教育いたしております各種学校の振興は、やはり日本の教育の大きな課題であろうかと存じます。つきましては、管理局長にお尋ねをいたしたいのでありますけれども、各種学校といってもこれはほんとうに各種学校であって多々あると思いますが、各種学校の中で私立学校でない各種学校というものが現在ございますかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 特殊な職業教育につきまして私立でないもの、つまり公共団体がつくるもの、それからたとえば看護婦の養成所、そういうものについては国立のものもございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 いま私がお尋ねを申し上げましたのは、そういうものはごく限られたものであって、各種学校の大半は私立学校であるというふうに判断してよろしいと私は思っておりますので、ただいまのようなお尋ねをいたしました。さような判断をいたしてよろしゅうございますか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 そのとおりでございます。正確に申し上げますと、昭和四十二年五月一日現在で各種学校総数七千九百二十五ございますが、うち国立が六十八、〇・九%でございます。公立が二百二十七、二・九%に当たります。残りは全部私立でありまして、これは学校法人立、準学校法人立、民法法人立、その他法人、個人立と分かれておりまして、実は個人立がまたその過半を占める五千四百二十一になっておりますが、合わせまして私立が七千六百三十、九六・二%、つまり大部分が私立という現状でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 戦後の日本の教育組織というのは、やはりなるだけ教育の中で地域性をくむことができるものはその地域性をくんでいきたい、くんでいくべきであるという形になっていると思うのであります。したがって、いまお尋ねをいたしますと九六%余りが私立学校である。私立学校が各種学校で認可申請をいたしますときには、当然これは知事部局の認可ということになると思いますが、その知事部局で認可をいたしますときの考え方としては、まずこの地域性を尊重するということも多分に含まれているというふうに判断をしてよろしいかどうか、この点をお尋ねいたしたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 私立の各種学校の監督庁、認可権者は都道府県知事でございます。都道府県知事が認可する場合には、文部省令で各種学校規程というものがございまして、それで一応基準がきまっておりますし、また、それぞれの都道府県ごとで各種学校の認可につきまして規程あるいは内規を設けておりまして、それに照らして認可をいたします。しかしその場合、地方的な実情なども考慮することもまたあり得ることと思います。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 昨年の七月五日閥工委員会で貿易大学校法案なるものが審査をされたことがございます。この中で中谷委員がこういう御発言をいたしております。「学校教育法において、大学ということばは、学校教育法にいう大学以外のものについてそのような名称を用いてはならないということが法によって明定されております。したがって、各種学校、たとえば栄養大学校であるとか俳優大学校であるとか、そういうふうな名前をことさらに僣称するということはあり得るわけです。この点については、学校教育法によって、法違反にはならない。取り締まる方法はないということがある。ただ文部省の考え方としては、これは当然のことだろうと思いますけれども、みだりに大学校などという名前は使うべきではないのだという考え方があるだろうと私は思う。」そして実はこの貿易大学校法案は名称の点で修正されておるわけでございます。すなわち、同年七月の二十日、これは同じく商工委員会におきまする田中武夫委員が、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表して、その修正案の趣旨説明をされております。その中には「貿易大学校は、このような特殊な教育研修機関であるにもかかわらず、これに大学という名称を付することは、各省庁等の付属機関として設置されている各種の大学校類似の機関と誤解されやすい難点があると思うのであります。」それから「大学校という名称の教育研修機関を特別法により設置することは、他の各種の大学校との関係あるいは学校教育法等、教育機関体系との関係において、無用の論議を誘発するおそれが多分にあると思うのであります。このような見地から、貿易大学校の名称は実体とかけ離れた不適当なものと考えざるを得ません。」、私は名称の問題はたいして大きな問題ではないと思いますけれども、ただここで議論をいたしたいことは、各種学校とは何ぞや。学校教育法によりますると、一条校以外のものは、八十三条でございましたか、各種学校と、こういうことになるわけだと思いまするけれども、各種学校振興を意図するときに、各種学校とは一体どういうものであるかということを、やはりこの際相当はっきりさせておく必要があると思うわけであります。そういう意味からいいますると、私の理解は、やはり各種学校というものは積極的にこれを振興させる意義が大いにある。それは、さっき大臣の御答弁にございましたが、後期中等教育の拡充改組に役立つし、あるいは私がちょっと触れさせていただきましたが、義務教育を終えた後の教育機関ということになれば、各種学校に学ぶ子弟が非常に多いという現状から、そういう意味でこれを大いに振興することが必要だ、こういうふうに考えるわけでございます。したがって、この際ひとつ明らかにさせていただきたいと思いまするが、この法案では、いままで比較的はっきりいたしておらなかった各種学校を、たとえば人数あるいは教科あるいは教員組織、そういったものである程度はっきりさせておこうという意図がおありになるように理解をいたしておりまするが、その点につきまして少しく詳しく御説明をいただきたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 まず名称の点でございますが、現在各種学校につきましては、先ほど御説明申し上げました文部省令の各種学校規程で、その第十二条に「各種学校の名称は、各種学校として適当であるとともに、課程にふさわしいものでなければならない。」という規定がございます。さらにそれを受けまして、各都道府県の規則あるいは内規でさらにこまかく規定し、それによって認可しております。そこで大学に大学校という校という一字をつければ、学校教育法上の名称の禁止規定には形式的には触れませんけれども、これはまぎらわしいということで、文部省は避けるように指導いたしております。そこで各種学校としては大学校という名前で認可されたものは最近に至るまではなかったわけであります。これを国立で、しかも法律などで規定する場合には、文部省としては依然として望ましくないという意見を持っておるわけでありますけれども、法律をもって議決されればそれに従うという態度で対処しておるわけであります。  それから第二点の各種学校の改正の趣旨でありますが各種、学校の現在の趣旨が、御指摘のように一条学校以外のもので学校教育に類する教育を行なうものという、非常に幅の広いとらえ方をしておりまして、その結果、ある意味で八千校、百四十四万人というくらいにできたという面もございますが、反面、卒業生の資格などにつきましても、あるいは教育内容につきましても、また各般の助成の措置を講ずる面におきましても障害となっておった面もありました。そういうことからいたしまして、すでに臨時行政調査会でも、各種学校の社会的有意義な点は認めつつ、その制度の改善を示唆されておりますし、中央教育審議会の後期中等教育の改善に関する答申におきましても、同じような趣旨から制度の改善を勧告されておるわけであります。  そこで今回の改正案におきましては、現在のようなばく然とした各種学校の性格をまずもってはっきりさせる。すなわち、職業教育、家庭生活に必要な教育あるいは教養教育というぐあいに、教育目標をはっきりさせる。それからまた、学校自体の規格も、あまり小さい私塾的なものも含めておっては、行政の対象として助成措置など講ずる場合にはいかがであろうかということからいたしまして、たとえば修業年限が一年以上、あるいは生徒数が四十名以上、それから年間の授業時数も一定の時間以上という、ある程度の規模、内容を整えたものを各種学校といたしまして、これを対象に指導なり助成の措置を講じて、各種学校の発展をはかっていこう。そのために、特別な場合には、たとえば専門課程とか高等課程とか、課程の種類に応じた名称も与える、そのような課程を持ったものについては専修学校というようなとらえ方もする。いずれも形を整えてさらに今後の助成の起点としていきたいというのが、今回学校教育法を改正いたしまして各種学校制度の改善をはかる趣旨でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 一つに職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、二つに教養の向上をはかることを目的とし、三つに修業年限一年以上、四つに一定規模以上の組織的な教育を行なう施設、これを各種学校として今度新たに、言うならば基準としたいというような法律要綱がございましたが、その中で、ただし、そういった施設の中で「当該教育を行なうにつき他の法律に特別の規定があるもの、」これは先ほど局長がお触れになった点だと思います。その次に、「当該施設の設置、目的又は教科につき他の法令に規定があるものであって政令で定めるもの」、それからもう一つが外国人学校、この三つは除くんだという御説明がございます。この点について少し詳しく御説明をいただきたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 いわゆる実質的に各種学校的なもの、つまり、学校教育法一条以外の教育施設で、組織的な教育を行なっているものはかなりあるわけであります。そのうちで各種学校制度から除こうというものを三つあげてございます。  一つは、法律で当該設置について規定があるものでございます。その例としては、たとえば農林省設置法による水産大学校ですとか、あるいは防衛庁設置法による防衛大学校とか、そのものずばり設置法がきまっているものがございます。  次に、設置は法律できまっていないけれども、教育目的あるいは教科等につきまして法律に根拠規定がある、学校教育法に規定すると同じような規模の根拠規定があるものといたしましては、たとえば児童福祉法に基づきますところの保育所、職業訓練法に基づくものもございます。それからまた看護婦の養成のごときは、これは保健婦助産婦看護婦法というような規定に教育目標が定められ、それに基づきまして指定規則というような法令に基づきまして設置ないし教育目標がきまっておるものがございます。このようなものは各種学校制度として文部省が所管をして制度の整備なり変更をはかるまでもなく、実は他の各省のほうでおやりになっておるその実績も尊重いたしまして、今度の改正法案につきましても、従来そのように各省でそれぞれ所掌しておるものにつきましては、文部省所管の各種学校からは除いて、それぞれ振興をはかっていただく、こういうことにしておるわけでございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 それでは少し統計的な問題についてお尋ねいたしたいと思います。現在各種学校として認められておる中で教育を受けておる子弟の数は大体どれくらいあるのか。それからこの法案が成立した場合に、各種学校として認められるであろう資格を持ってそのまま新しい各種学校へ移行できるものがどのくらいあるのか。それから、そうでなくて、今後は各種学校ではなくなると思われるものに該当するものが大体どのぐらいあるのか。それから、いま御指摘のありました三つのカテゴリーに入りますそれぞれの学校がどのくらいあるのか。これを、学校の数でもけっこうでございますし、生徒の数でもけっこうでございます。おおよそでよろしいと思いますけれども御説明をいただければありがたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 まず、性質上各種学校でなくなるもの、これはいわゆるもっぱら外国人の教育を目的とするものでございまして、これは現在百二十二、三校程度でございます。それから規模の点で、今度は各種学校として認可できないと認められるものは、生徒数にしまして、各種学校の全体が約百四十四万人くらいでございますが、その二、三割は小規模ということで改正後の各種学校制度からははずれていくと考えられます。その残りは、一応規格上は改正後の各種学校制度の対象になるわけでございまして、あとは具体的に認可の申請があって、できるかどうかという行政上の問題になってまいります。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 そうすると、一番大きな人数から申しますと、外国人学校というものが、今度新たに制度化されればそっちへ移るというものの数が一番多いのであって、それは百四十四万人のうちの幾らかである。あとは大半各種学校というカテゴリーの中だ、こういうふうに考えてよろしいのでありましょうか。それから、もしそうであるとすれば、外国人学校というものになるべき各種学校に現在学んでおる外国人の子弟の数はおおよそどのくらいなのか、その辺をお伺いさせていただきたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 人数で申しますと、新しい各種学校制度の対象にならなくなる可能性のある一番大きい部分は小規模校になります。これは、全体百四十四万人の二、三〇%でありますから、大体三、四十万人ということになろうかと思います。いわゆる外国人学校が百二十二、三校ありますが、それに在学する者の数は現在約四万人でございますので、これは人数からいきますと小規模各種学校よりはかなり少なくなっています。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 そうしますと、いずれにしましても百十万から百二十万程度の日本人の子弟が、この法律が国会を通過をすれば、将来各種学校として積極的に助成の道が開ける体制になる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 大体そうでございます。百万をこす程度でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 百万をこす日本人の子弟が、今日そうした新しい各種学校制度の整備というものを待ちこがれておる。すでに臨時行政調査会においても、行政改革に関する意見として、制度改善の必要ありと指摘した、さっき局長はそういう答弁をされております。さらに昭和四十一年十月三十一日の中教審における「後期中等教育の拡充整備について」でも、この各種学校のことが触れられている。また、大臣の御答弁の中にも、各種学校の整備拡充というものは後期中等教育の拡充と整備を土台にして考えたいのだという御答弁もあったわけでございます。私は、そう考えてまいりますと、百何十万の日本人の子弟が待ちこがれているこの制度の整備というものが、むしろおそきに失したという感すら持っておるものでございまして、さらに一そう、この各種学校の整備は、今回の法案の提案を契機として、特に文部省でも重点的に力を入れて見ていただきたいというふうに考えております。それから、先ほどからの質疑で明らかになったところによれば、この各種学校の大半は私立学校であるということも承りました。したがって、ある意味では私学振興という大きな日本教育の振興の中でもこの問題をとらえていっていただきたいと思っておるわけであります。  それでは、この法案に当然直接に関係のあります外国人学校法案に移らせていただきたいと思いますが、今回この各種学校制度の整備を契機として、なぜ外国人の子弟を教育する外国人学校は各種学校から外へ出したのか、これにつきまして、ごく簡単でけっこうでございますが、局長からその要点について御説明いただきたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 現在の各種学校制度は、前にも御説明申し上げましたように、学校教育に類する教育を行なうものは何でも取り入れ得るようになっております。そこで、他方日本に長期在住する外国人が、自分らの子弟のために自主的な教育を何とかしてやりたいという希望が、非常に大まかといえば大まかな各種学校制度の中に入ってきておった、それが百二十校程度出ておったというのが従来の経過だと思うのでございます。従来におきましても、各種学校制度が非常にばく然としておったために、外国人の教育も入り得る余地はあったのじゃないかと思いますが、よく考えてみますと、各種学校制度といえども、日本国民の育成を目的としておる制度であることは申すまでもないことでありまして、もっぱら外国人の教育を行なうものがこの制度の中に入っていることは、必ずしもすわりがよくないのじゃないか、かように考えておった次第でございます。そこへもってきて、今回のように各種学校の制度、規模も整備し、目標も立て、さらに今後は助成もはかっていきたいというようなことになりますと、従来も不自然であった外国人の教育をそのまま置いておくことはますます不自然さを増すことになる。ひるがえって考えてみますと、わが国に長期在住する外国人の自主的な教育のためには、むしろ各種学校というような形ではなしに、国際的な友好関係を増進するという新しい角度で、新しい制度を設けたほうがよろしいのじゃないかという考え方が年来出てまいっておりまして、この機会に各種学校のほうは学校教育法の改正で、外国人のそのような自主的な教育を友好関係裏に認めるという制度は単行の外国人学校法によって提案するということにきめて、御審議をわずらわした次第でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 一点お尋ねしたいと思いまするが、もし今回のこの法案が通過をいたしますると、外国人の子弟をもっぱら教育する機関は、各種学校としては申請をいたしましても認可は得られないわけですか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 今回の学校教育法改正案に、もっぱら外国人の教育を行なうものを除くとしておりますので、新しい各種学校制度には外国人教育は入らないことになります。したがいまして各種学校としては取り扱えなくなります。それから、外国人学校法案が成立すれば、外国人学校制度ができるわけでありますが、両法案とも成立しないということになりますと、これまた望ましくないけれども、まあやむを得ないといいますか、やむを得ず各種学校制度の中に入ったままになる、こういう実態になります。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 管理局長にお尋ねすることが適切であるかどうか存じませんが、ちょっと一点重ねてお尋ねします。外国人の子弟の教育をもっぱらする学校であっても、一条学校の学校として条件を整えさえずれば、認可を得ることは不可能じゃございませんか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 一条学校でありますと、小学校にしましても中学校にしましても、学校教育法の中で教育目標がはっきりきめられております。こういう教育目標に外国人の子弟の教育を行なうものがなじむことは論理的に困難だと考えております。したがいまして、はっきり申しますと、一条学校としてもっぱら外国人の教育を行なう学校は認可できない、こう考えております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。事柄が国と国との問題を引き起こす可能性のあることに大きな問題でございますので、いささか私見をまじえながら大臣にひとつお尋ねいたしておきたいと存じます。  特に第二次世界大戦後、世界的な傾向として、一つの民族が二つに分かれてしまって別々の国ができ上がるというこの姿、わが国の近隣にもそういう国が数多く今日あるわけでございます。あるいはヨーロッパにもそういう姿の国がございます。さらには、一つの国の中に、そこの国の国民にはなりたくない、しかし、そこから出ていこうとしても出ていくわけにいかない、いろいろな諸般の事情がある、だから相当の長期にわたって、中には永住権を獲得してでもその国にはおりたいのだという相当数のグループがこの国の中におるという問題。この二つの問題は、特に第二次世界大戦後特異な現象として国際的にあちらこちらで見られる問題だと私は思っております。この問題については、基本的にはいままでの過去の国際法あるいは国際慣例ではなかなか解決し得ない複雑な問題をかかえておると思うのであります。  近代国家の特質というのは、いろんなとらえ方があると思いますけれども、一つには近代国家というのはやはり主権国家であるというところにその特質がある。国家として主権を持っておる。これは少なくとも三百年以上あるいは四百年の長きにわたって、当初イギリスやフランスやあるいはスペインあたりから主権国家としての国家の体をなすような運動が起こり始めてから実に四世紀近くにわたって、これまた第二次世界大戦後の特異な現象だったと思いまするが、その後ようやくに地球全体をいま主権国家がおおいつつあるのだ、こういうふうにいえると私は思います。言うならば第一次世界大戦後の民族自決主義、第二次世界大戦後のアフリカあるいはアジアにおける独立運動、こういうものがようやく四百年にして全世界をおおいつつあるというのが、これが近代国家の特徴なんだというふうに判断をいたしたいと思います。  もう一つの近代国家の特徴は、それらの家国が多種多様な民族から成り立っているにせよ、やっぱり民族意識を非常に強く持ってきておるという点であると思います。一つの国家を形成する中に、自分らはこういう民族なんだという民族意識を非常に強く持つ集団が存在し得るというのは、これは何も特定な国に特定な現象であるわけではないのであって、たとえば今日のキプロスの問題あるいは中近東に見られたシオニズムの問題あるいはポーランドの内部の問題あるいはヨーロッパで古い国であるイギリスなどにすらやっぱりこういった問題はみんなあると思うわけであります。  こう考えてまいりますると、特に今回の外国人学校法案を提案をされました文部大臣に私はお尋ねをいたしたいと思いまするが、この外国人学校法案の第二条、外国人とは何ぞやという中にかっこ書きで「日本の国籍を有しない者をいう。」、これだけしか書かれておらないわけであります。したがって、日本の国籍を有しない者であるならば、それがただ単に短期的に日本に立ち寄った人も外国人であるし、先ほども申し上げましたように日本に長いこと滞在をしていたいという外国人もあると思うのです。この問題について二つに分けてお尋ねをいたしたいと思うのであります。  まず第一に、自分には帰る国がある、わずかの期間だけこの国におって、この国で仕事なりあるいは何らかのことで滞在をするのだ。そこで子供がおる、だからその子供に対する教育は、自分の国へ帰るときのことを考えてその準備として教育を授けたい。立場をかえて言いますると、今日東南アジアで最もたくさん日本人のおるタイ国のバンコク、四千人近く日本人がいるが、百八十名以上の日本人子弟が義務教育就学適齢児童としてバンコクの日本人学校で学んでおるわけであります。こういう人たちはみんな親がバンコクへ行って仕事をしておる、ある一定の期間だけたまたまタイという国で少年時代、少女時代を過ごしておる、いつか日本に帰る。そういう意味での日本人、日本語教育だと思います。ですから、こういう人々に対する外国人学校制度の適用というものはどこの国でも起こる問題でございまして、比較的問題ない。むしろ今回のこの外国人学校制度は、そういう意味では、普通どこにもあるそういうようないわゆる滞留外国人といいますか、その教育を保護しようというならば二国間協定でやるのがあたりまえだが、これを国内法の宣言立法的な性格でやるというところに、立法技術としてはなかなか新しい見方があるとは思っておりまするが、しかし、これは国際的に見てそう大きな問題ではない、こういうふうに判断いたしております。  むしろ、この際特に大臣のお考えを確かめさせておいていただきたいことは、そうでないグループ、すなわち日本という国に現在おられる、日本から出ていきたくてもなかなか諸般の事情があって出ていくわけにはいかない。しかしながら、いろんな理由があって日本人になろうにもなれないし、なりたくもない。こういう方々がおられるといたしましたならば、一番問題は、私はこの問題のとらえ方であろうかと思います。言うならば、先ほども申し上げさせていただきましたようなヨーロッパの多くの国々にもやはりこういう問題をかかえた国は数多くあるわけでありまして、これはむしろ第二次世界大戦後の世界的な現象であるとすら思うのでありますが、その中であえて日本において外国人学校法を制定する、国際的に見ましても、これは一つの新しい試みともいうべきことであろうかと思います。したがって、この法律をつくり上げて新しく外国人に、自主的教育をさせたいという親権者の素朴な意思、あるいはその気持ちを尊重して、この種の学校教育を制度として認める場合と、それと全然観点を逆にして、日本人は日本人の全く単一の国家をつくりたいのだから、その中でどんな形であろうと外国人が入ってきて、外国人が自分のことを主張し、自分の国のことばを教え、自分の国のことを勉強することはまっぴらごめんである、そういう意味でこの外国人学校を取り上げておるのだということで、まことに同じ法律でありながら観点が違った問題になると思います。したがって、たいへん長くなりまして恐縮でありまするが、この外国人学校制度を新たに創設するにあたりまして、いま私の指摘をいたしましたような、日本の民族が過去において経験しなかったことをいま現在経験をしつつあるわけでございますが、こうした問題について、文部大臣はいずれの立場に立ってこの法案を推進をされようとしておるのか、その点について一言お伺いをいたしたいと存じます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 戦後の各国におけるいろいろな問題につきましては、御指摘のとおりの事実があるように思うのであります。また、それに関連しまして各国それぞれ問題をかかえておるということもいえるであろうと思うのであります。この教育の問題につきましては、ちょうど日本人が外国に行きまして、外国に滞在いたしております間、その子弟の教育をどうするかということはお互いやはり共通の問題でございます。たとえばタイのバンコックに相当数の子弟がおる。こういうものに対してわれわれとしましてもやはり日本流の教育をしたいという希望を持っているわけであります。各国それぞれの事情によりまして取り扱いは違うと思いますけれども、日本人は日本人としてのそういう希望を持っておるということは、これはいなめない事実であろうと思っております。それと同じように、日本に滞在しておる諸外国の子弟にしましても、その父兄なりといたしましては、やはり自分の国の教育をしたいという気持ちはそれぞれ持っておられるだろうと思うのであります。そういう気持ちは私は根本的に申し上げて尊重しなければならぬ。一時滞留と、長期居住ということになりますれば問題はおのずからウエートも違うかと思いますけれども、日本の場合として考えますときに、やはり戦前におきましては経験をしなかったことでございますけれども、今日の日本といたしましては、日本に国籍を持っておらないいわば外国の人たちが長期にわたって日本に居住するというこの事実は否定すべくもないことであります。そういうふうな人たちに対して、やはりそれぞれの民族がそれぞれの民族の国民性を持った教育をしたいというこの希望というものはやはり尊重してまいらなければならぬと思うのであります。今回のこの外国人学校法も発想の根底においてはそれがあった。各国の民族がそれぞれ自分の国の事情に即した教育を行ないたいという願望に対して日本としてもこれにこたえていかなければならぬ。それが、やはりよく引き合いに出される問題でございますが、世界人権宣言等の精神から申しましても、取り上げてまいらなければならぬ問題ではないかと存じます。そういう意味におきまして、この法律の根本の趣旨といたしますところは、特に日本に長期に滞在せられておりながら、同時にそれぞれの国の民族性を涵養していく、国民性を涵養していく、あるいはよく民族教育ということばが使われるわけでありますが、民族教育ということばの意義は必ずしも明確とは思いませんが、そういうふうな教育を行ないたいというその希望にこたえて、日本の国情の許す限りにおいてこれを認めていこうというのが今回の法案の趣旨でございます。そのように御了承いただきたいと思います。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 十九世紀の中ごろ、後半でしょうか、オランダの独立に関係があることでございますが、ユトレヒト条約というのがございます。これは十九世紀における、私はそういうことばはいろいろな響きを持っておるので使いたくないのでございますが、言うならば、とりあえず少数民族問題ということばを使わしていただきますと、これは当時のカソリック、カソリシズム対カルヴィニズムの対立であって、宗教的少数者と宗教的多数者といいますか、これが争った後に結ばれた条約であります。すなわち宗教的少数者をも非寛容と迫害から保護しよう、これがオランダ独立の源になった。二十世紀に入るまでは、少なくとも少数民族問題というのはこういった思想とか良心とか門閥だとか、そういうような姿であらわれてきておったと思うのであります。むしろ十九世紀以後、たとえばイタリアに生まれたイレデンティストーイレデンティストというのは、イタリアに住んでいないイタリア語を使う人々をおれたちイタリアと一緒にしてイタリア統一するのだというあの運動であります。あれがムッソリーニにまでつながったわけであります。あるいは。ハンゲルマニズム、汎ゲルマン主義、これがやはりヒットラーのナチズムの根幹になったわけであります。さらには、今回は姿は変わっておりますけれども、確かに長い歴史の中には汎スラブ主義というものもあったわけであります。こういうものはやはりみんな民族意識というものをかき立てて、そこへ焦点を合わせて、また自分らの行動の規範を、民族意識をかき立てることに大きな意義がある、こう考えて生まれた主義だと思います。かつて戦前の日本にもこうした主義がなかったとは私は言い得ないと思っております。  今日の、先ほど私が指摘をいたしました一つの国家の中に、ある一つの民族意識を持っておって、自分らはその国家の国民にはなり得もしないし、またなりたくもない、いろいろな理由があってなりたくない、しかしその国から出ていきたくないのだ、この問題は同じ少数民族の問題——少数民族ということばは非常に別な響きを持っておりますから使いたくございませんが、とりあえずそういうようなことばで表現しますと、この問題はわれわれが現時点において新しくタックルしなければならない第二次世界大戦後に世界的にあらわれてきた新しい現象だ、私はこういうふうに考えます。したがって、一部でそういう大多数の中に自分らは少数なんだという気持ちで少数の人がかたまることを、今度は、さっき申し上げましたいろいろな、たとえばイレデンティズムだとか。ハンスラブ主義だとかあるいは汎ゲルマン主義だとか、こういう意識を持っておる方々がそれを圧迫する、こういう時代はもうすでに過ぎておるのであって、むしろ、われわれとしては、もしそういうような問題を国内にかかえておるとするならば、しからばどういう観点でこの問題をどういう角度から取り上げてこれを解決すべきであるかという姿勢が論ぜられなければならぬと思うのであります。  今回、そういう意味で、外国人学校制度の創設というのは、私は私なりにこれがそういう問題の終着駅をここでつくり上げるために提案されたとは思いたくない。むしろ日本の国内の昭和二十七年法律百二十六号の適用を受けておる方々、その大半が朝鮮半島の出身者、その子弟、少しが台湾、膨湖島及びその周辺の方々並びにその子弟、この問題は好むと好まざるとにかかわらず現実として今日この日本にあるわけでございます。したがって、今回この外国人学校制度を創設するというのは、こうした問題をここで終着、終点、終止符を打ちたいがために政府として新たに提案したのだとは私は思いたくないのでございます。むしろ逆に、その問題をどういう形でタックルするか、新しい問題としてこれを解決しようとしているか、という出発点として判断をいたしたいと存じます。  たいへん前置きが長くなりまして恐縮でありますが、それについて文部大臣に一点申し上げたい。人間すべて個人的にはおそれもにくしみも対立も心の中に持っておると思います。こういったおそれとかにくしみとか対立をほんとうに解決し得る——まあたいへんな楽観主義かもしれませんけれども、何か制度があるとすれば、それは教育制度以外にないと私は思っております。したがって、日本の教育制度の中に新たに外国人学校制度を創設するというならば、日本に短期来て、またすぐ日本から出ていくという外国人の子供さんの問題もあると思いますが、それはさておきまして、日本に長期あるいは永久滞在をいたしたいという方々の、自分の子供たちの教育に対する問題のとらえ方といたしましては、私は学校教育制度で新たに外国人学校制度を創設すれば、それですべて問題が解決するとは絶対にいえないと思います。  そこで、さっきの問題に戻りますけれども、個々人の過去のいろいろないきさつその他から、対立も抗争も、あるいはおそれもにくしみもあるかもしれないが、これを一つのものに溶かしていこうという積極的な意義で新たに外国人学校制度が創設され、スタートされたのだ、こう私なりに判断をさせていただくならば、問題は、それらの外国人の子弟が今日日本においていかなる社会的立場におるか、どういうような社会環境におるか、この問題までつかまえなければ、この問題まで理解しなければ、私は、端的に申し上げますると、外国人学校制度を創設してもその実績はあがらぬと思っております。いかに学校制度の中で、言うなれば新しく——あえてあたたかいということばは使いませんが、とにかく新しい環境の中でそういった外国人の子弟が伸び伸びと教育を受けられるような制度を考え出そうとしても、いよいよ学窓を出た後にほとんど就職の可能性がないとか、あるいは社会から非常に冷たい仕打ちしか受けられない、こういうような日本の国の社会というものがかりに残存していくことが前提になるならば、私は外国人学校制度なんというものはおよそその方々に対しては意味がない、かように考えております。  どうも話が長くなっちゃって恐縮なんでありますが、特にこの問題につきましては委員長高見三郎先生のほうがお詳しいと思いますが、私は高見先生から直接お伺いをいたしました。数日前、朝鮮人の御婦人が高見委員長のお部室にお見えになった。今回のこの外国人学校制度について自分は反対であるという意思の表示にお見えになったのだそうであります。この話は高見委員長自身の口から聞いたほうが正しいのかと思いますが、私が高見委員長からお聞きしたのはこういうことだったのです。自分は日本で生まれた、したがって日本語でずっといままで生活してきた、自分の子供は朝鮮人学校に行かしている、そして朝鮮語を一生懸命習わして、自分の家ではなるたけ朝鮮語を使うようにしている、晩の食事のあとで朝鮮語で互いに親子で話すときに何ともいえない融和感を感ずる、親と子供が非常に近くなった気持ちがある。民族というものはこういうものだと思う。それからその後の話があるわけであります。自分の子供が朝鮮人学校を卒業して、静岡県のある中小企業へ就職した、就職するにあたって非常な苦労をして就職した。日本ではほとんどの企業体で朝鮮人の子弟というものは雇わない。それで非常に苦労した。ただ、その経営者が理解がある方であったために、その企業に入ることができた。それは中小企業で何か物を生産しておる町工場だそうでありますが、そこでその朝鮮の青年は非常な成績をあげた。日本の学校教育を経て出てきた者は、どうせ中小企業だからいつつぶれるかもわからぬという気持ちがあるのかもしれないが、適当に仕事をする。これは高見委員長のことばでありますが、ところが、その朝鮮人の青年は、あるいは少年かもしれませんが、実に一生懸命になって仕事をした。なぜそんなに一生懸命になって仕事をするのだということをその企業主、雇い主の方が聞かれたら、その青年の言われたことには、朝鮮はいつか一つの国になるかもしれぬ、そのときには自分は帰って、日本で学んだこの技術を大いに自分の国で役立てたいと思っているから、いま一生懸命あらゆる努力をしてでも仕事に精出しておるのだという答えが戻ってきた。この話を私は高見委員長からお伺いしまして、今日の外国人学校制度を創設するにあたって、これはわれわれが十二分に心していかなければならぬ問題を含んでおる一つのエピソードだという感じがいたしました。  たいへん話が長くなりまして恐縮でありますが、大臣にお伺いいたしたいと思った点は、このように新しく積極的に外国人学校制度を創設しても、その学窓を出てくる子供たちに対する社会全般の態度というものが、新しいこの問題の取り扱い方として日本全国民の共通の理解ということにならない限り、この種の人々にとって必ずしもそれが大きな恩典にはならないのじゃないか。むしろ逆にいいますと、教育をあずかられる文部大臣とされては、今回のこういう種類の制度の創設にあたっておそらくその方面にまで心をいたしておられるのじゃないかと思いますが、その点について大臣から一言御所見をお伺いいたしたいと存じます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私は、先ほど来谷川さんのお話の中にありましたいわゆる少数民族というような問題につきましては、これは国々によっていろいろ事情が違おうかと思うのであります。日本という国の中に幾つかの民族がおる、その中に少数の民族がおるというような問題として問題を考えますときには、私は現に外国において民族問題で悩んでおる国とは事情がだいぶ違うであろうというふうに思うのであります。問題はむしろそうではなくて、日本という国の中に外国の人がおる、しかも長く日本に居住していくというふうな状態のもとに外国の人が相当いる、こういう問題としてやはりとらえていかなければならないのではないかと思うのであります。その人たちが本国へお帰りになることは御自由でありますけれども、しかし日本にいわば永久に居住したい、子々孫々まで居住したいという希望を持っておられて、しかもなおかつ本国をお持ちになっておられる。そしていわゆる外国人として日本に居住せられるというふうな場合に、いかにこれに対処するかということが政治の上の大きな問題ではないかと思うのであります。私どもとしましては、それらの人たちが日本にいつまでおられようとけっこうだと思っておるわけであります。ただ、おられます限りにおいては、やはり日本国民とともにしあわせな生活が日本内地において送れるように配慮していかなければならぬと思うのであります。学校教育の上から申しますると、御承知のように、現在でも外国人でいわゆる外国人学校に学んでおる数は少数であります。多数の諸君は日本のいわゆる通常学校に学んでおるのであります。これは御自由なんであります。日本の学校に進みたければ進んでいかれてけっこうであります。と同時に、いまのような外国人学校へ行きたいということであればそれも認めていこう、こういう立場をとっておるわけでございますが、学校教育のみをもって終われりとすべきものではない。そういう人たちが現に日本にいる以上は、お互いに親善関係を持ち、友好関係を持って、ともどもに協調してやっていかなければならぬ。こういう角度からそういう人たちに対する国民の理解を深めてまいらなければならぬでしょうし、また、それらの人たちも、そのような姿において日本におられる以上は、やはり日本国民とともに平和友好の関係を持って生活をしていかなければならぬ、こういうことにもなろうかと思うのであります。  外国人学校におきましても、その人たちが外国人学校を卒業して本国へお帰りになるというならば、これは幾らか事情が違うと思いますが、いわゆる民族教育を受けて、しかも日本に長く滞在されるという場合においては、やはり日本国民の利益、日本国民との間の友好親善関係ないし日本の国の進み方というふうなものについて協調してお互いに平和にやっていく、こういう姿であってほしいと思うわけです。したがって、この問題は日本国民としても考えなければなりませんし、同時にまた、日本に住もうとせられておる人々の側においても十分考えられて、お互いに協調親善の実があがっていくようにありたい。そのためには単に学校教育の問題だけじゃなしに、いまおっしゃいましたような職業上の問題もございましょう、そのほか社会生活全般にわたりましてわれわれとして配慮しなければならぬものがたくさん残されておると思うのであります。そういう問題につきましても、政府としましても、また国民全体としても、今後ますます理解を深めつつ検討していかなければならぬと思います。この外国人学校制度ができたら能事終われりというような問題ではもとよりないと思うのです。せっかく民族教育をやりたいということでありますならば、その趣旨を認めて、同時に、お互いに日本に住むのですから協調親善の関係を阻害することなく、ともどもにやっていけるような姿の教育をぜひやってほしいものと念願しておるわけであります。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 大臣、古い話で恐縮でございますが、一八六八年にイギリスの宰相の印綬を受けられた初代のビーコンスフイールド卿すなわちベンジャミン・ディズレーリ、ディズレーリのおとうさんの名前はDのあとにアポストロフィがついておりまして、そのベンジャミンのおじいさんも同じベンジャミンという名前で、これはイタリア系のユダヤ人、おかあさんはオランダ系のユダヤ人。そのユダヤ人であることに誇りを持ってド・イズラーリーイスラール人の、という名前を守からつけた。それがイギリスに渡りまして、生まれた子供がアイザック・ディズレーリ、有名な文豪でございます。さらにその子がベンジャミン・ディズレーリーティスレーリは当時のイギリスのビクトリア女王に最も信頼された宰相の一人でありましたが、みずからがユダヤ人であることの誇りを最後まで持ち続けた人だといわれております。  また今日、少なくともアメリカ国会には二人の日本人の名前を持った国会議員がおります。さらには中南米のある国では、少なくとも二十年以内にあるいは日本人の名前を持った大統領が出現するかもしれないというようなこともいわれております。いろいろ国際的に考えてみますと、私は、その国に滞在した外国人がその国の国民となりたい、そのときに、なった場合にその国の国民と全く同じ待遇を受けられるという国が確かに日本の国の外には数多くあることは事実だと思うのです。  問題は、政府が政治的権力をもってしてそういった方向に政策を持っていっても、いまだかつて歴史的に成功したためしがない。いわゆる同化教育で少数民族というものを同化せしめようと思ってやった歴史が過去には幾つかございます。いまだかつてたった一つも成功したためしがない。当然のことだと思います。したがって、私は、みずから日本の社会にとけ込んでいきたいんだと思っている長期滞住の外国人、特に将来は日本人の国籍を取りたいというような方々、こういう方々は、そういう方々として当然のことでありますけれども、日本人は日本民族的潔癖さがあり過ぎるように考えられますけれども、やはり世界の趨勢として、日本としてはその方々をあたたかく日本の社会に迎えていくべきだと思いますが、この外国人法案創設にあたって一番大きな課題となることは、日本には長いことおりたい、しかし日本人にはならないのだ、こういう相当数の外国人が日本におる場合に、その外国人の方々の心理をどういうふうに理解し、その外国人と日本国民とどういう形でともども社会生活をしていくのが好ましいか、この問題はまだこれから考えなければならぬ問題であるし、これから解決をしていかなければならぬ問題であるし、これから新しい道を見つけ出していかなければならない全く日本民族の長い歴史の中で初めて出てきた大きな政治的課題であるという感じがしております。  そこで、私自身感ずるのでありますが、まことにくどいようで恐縮でございますが、今回のこの外国人学校法案の提案というものは、日本に一時的に来られてすぐ帰る方々はそれなりに問題はございますけれども、その問題はあまり大きな社会的問題ではない、あまり大きな社会的問題を内包してないということを考えまして、特に日本の敗戦と同時に、日本がポツダム宣言を受諾して、その後にあらわれてきたポツダム政令によって新しい身分を獲得した日本に現在滞在しつつある主として朝鮮半島並びに台湾諸島の方々並びにその子弟、この問題を考えまして、私は、今回の外国人学校制度の創設というものは、こうした問題について積極的にわれわれとして取り組んでいきたいという姿勢のあらわれだというふうに理解をいたしたいと思っております。それで、この問題につきましては、いまこの時点で文部大臣に一々お尋ねをすることをやめまして、われわれがそういうふうに——これは私だけの理解かもしれませんが、そういうふうにわが党としては理解し、それから文部省としてもその方向で進めておるというふうに理解をいたしたいと思っておりまするが、この問題について、さっき冒頭に私が取り上げさせていただきました新聞紙上をにぎわしておりまする読者欄のこの法案の取り扱いにいたしましても、何かわれわれが新しい時代のいわば戸口に立った新しい考え方をいまここで創設しなければならない時期に入っておるのだという問題のとらえ方をせずに、言うならば一部の誤解だと存じますけれども、この問題について限られたものの考え方が出てきておることにつきましては、非常に私としては憂慮をし、残念に思っておるわけでございます。したがって、そういう方向からこの法案の質疑をさせていただきたいと存じます。  まず、最初に管理局長にお尋ねをいたしたいのでありますけれども、現在外国人の子弟で日本で勉学をしておられる方々の数はおおよそどのくらいであって、その中のどのくらいの方々が日本人の子弟と同じような正規の日本の学校で勉学をされておられるのか、どのくらいの数の方々がいわゆる現在各種学校として認められておる外国人学校の中で勉学を続けておるのか、この点について御説明をいただきたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 ごく大ざっぱに申し上げますと、在日外国人で学校に子弟の在学しておる者は約十五万人でございまして、十一万人が日本の学校、四万人がいわゆる外国人学校というような割り振りになっております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 現在各種学校で認められております外国人学校は——外国人学校ということばはまだないのでございますが、外国人の子弟をもっぱら教育する各種学校は、設立はことごとく私立学校でございますね。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 さようでございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 私立学校であるとしますると、その設置に関しては私学審議会のいろいろな形のごやっかいを受けるわけでありますか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 私立の各種学校でございますから、都道府県知事に設置認可の申請をして、都道府県知事は当該都道府県の私立学校審議会に諮問をして答申を得て処理をする、そういうことになっております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 学校教育法の八十四条、その二項の後段に要するに中止命令の規定がございます。「当該教育をやめるべき旨を命ずることができる。」、それで三項には、ただし、都道府県知事がそれをやるときにはあらかじめ私立学校審議会の意見を聞かなければならない。」、こうございます。すなわち、私立学校が認可の申請をしたときの審査をするだけでなく、一種の行政委員会のような性格を持っておって、少なくとも中止命令に関する限りはこの意見を聞かなければならないという法律が、どの程度の拘束力があるのか私は存じませんけれども、その私立学校の外国人学校が何か不当な措置を受けると考えた場合にも、当然この八十四条第三項、私立学校審議会の意見を聞く条項は生きるわけでございますね。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 都道府県知事が認可の処分をする場合、閉鎖命令、中止命令、不利益処分をする場合、いずれも私立学校審議会の意見を聞かなければならないことになっております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 今回の法案によりますると、各種学校から外国人学校を取り出してしまうのだ、いままで私学審議会というもので不利益処分を受ける場合にもある意味でいうならば保護をされておる。保護というのはおかしな表現かもしれませんけれども、とにかくそういう措置はなされておった。今回その措置から外国人学校を取り出して、もし不利益処分が起こった場合に、外国人学校というものは一いままで私は主として日本で一番多い外国人の子弟であるいわゆる朝鮮人学校の問題のことだけを論じておったのでありますが、ここであらためて全外国人学校の問題を取り上げた場合に、その相手としては外国人学校法第二条によって、外国人というものは「日本の国籍を有しない者をいう。」、それならばすべて外国人であり、承認国の子弟であろうが、未承認国の子弟であろうが、みな外国人学校がつくれるわけでありますが、その場合に、未承認国の子弟の場合にはいろいろむずかしい問題がございますから別にいたしまして、承認国である相手国の子弟の学校を日本で外国人学校として認めておきながら、いままでそういう不利益処分なんかに対する私学審議会のごとき立場のものをつくっておきながら、今回それを引っぱり出してしまって、新たに外国人学校制度を創設する場合に、事と次第によっては非常に大きな国際問題を惹起する可能性があると思いますけれども、そういう観点からいいまして、そういうような処分がなされる場合に、この法案は十二分にそういうような、言うならば一つの行政的な判断の誤りがあるために国家間の友好的な親善関係を阻害するようなことが起こらないような配慮がなされているかどうか、この点について一点お伺いをいたしたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 学校の設置、廃止は、私立学校の場合のみならず、大学の設置の場合には、国立学校につきましても、大学設置審議会の意見を聞いて処理することといたしております。その趣旨は、学校の設置、認可というのは、あるいは廃止の場合も同じでありますが、単に基準に合う合わないというようないわば機械的といいますか、単に行政的判断のほかに、教育的、専門的判断にかかる部分が多いということからいたしまして、単に行政的判断だけではなしに、そのように審議会の専門的判断にかかわらしめているのが現行制度の趣旨だと思います。ところで外国人学校の場合には、そのように教育的判断よりは、この法案にもありますように、外国人学校設置の可否というのはもっぱら国交上の問題あるいは国益を害しないというような、そういう判断が、これは主観的に判断を要するところでありまして、あとは修業年限が一年以上であるとかあるいは生徒数が四十人以上であるとかいうことは、これはもう機械的に判断できます。したがって、機械的な判断と国交上プラスであるかマイナスであるかというような高度な政治的判断との二つで、その間に中間的、教育的、専門的判断が入る余地がございません。そこで外国人学校の設置、廃止等の可否につきましては、審議会の判断にかかわらしめることなく、もっぱら政府の行政的判断によって処置する、こういう考え方でございます。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 私はあえて不利益処分をこうむる時点においてのみ論議を進めてみたいと思うのですが、第八条と第九条、すなわち是正命令並びに閉鎖命令、この二つが不利益処分の問題が起こるとすれば一番大きな問題だと思います。そのほか十一条に中止命令がございますが、これは内容についてというよりも、その資格といいますか、条件といいますか、それを満たさなかった場合の問題であるから、比較的大きな問題ではないと思います。大きな問題と思うことは、やはり第八条の是正命令と第九条の閉鎖命令であると思うのでありますが、ただ、ここで特に私が論議を重ねてみたいと思うことは、第十条に、いわゆる立ち入り検査権があらわれております。すなわち「前二条」、つまり第八条の是正命令と第九条の閉鎖命令のことですが、「又は前二条の規定による権限を行なうため必要があると認めるときは、当該職員に、外国人学校に立ち入り、その運営の状況若しくはその帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。」 この十条の読み方は、いまのような不利益処分を行なう場合に、現行では私学審議会にあたるようなものがある。しかし、今度新たに各種学校から外国人学校を取り出してしまえば、そういったものがないのであって、念には念を入れなければ、これはどういう事態が起こるかもしれぬ、国と国との大きな問題にまで発展をしてしまうかもしれぬという感覚で私はこの第十条の立ち入り検査権はあるのだというふうに判断いたしたいと思うのでありますが、その点はいかがでございましょうか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 御指摘のとおりでありまして、外国人学校法案におきましては、設置認可の場合はもちろん、閉鎖命令といったような場合にも、審議会の判断にかかわらしめておりません。そのかわり手続を非常に慎重にしておりまして、たとえば弁明の機会を与えるとか、あるいは何か処分をする場合にも、理由を付した書面をもって設置者に通知するとか、手続を非常に慎重ならしめております。さらに閉鎖命令というような最終的な処分をする前の段階に、事態を正確に把握するために、たとえば立ち入り検査というような規定を設けておりますし、それから一挙に中止、閉鎖というようなことなく、途中に是正命令があるというぐあいに、段階的に処理することによって手続を慎重ならしめ、段階的に処理することによって、審議会にはかかわらしめませんけれども、処分の慎重さにおいてはそれと均衡をとって、政府の責任において慎重に処理していくというたてまえにいたしております。

谷川和穗自由民主党

○谷川委員 よく了解できました。  委員長に申し上げますが、すでに一時を回っております。したがって、私の質問はあと一点にいたしまして、残余の質問は留保しても私はけっこうであります。  それではもう一点、いまの問題に関連をいたしますので、この際重ねてお尋ねをいたしたいと思いますが、罰則規定でございます。学校教育関係の法律の中で罰則規定を麗々しく掲げるのは、いかにも何かのどに骨が詰まるような書き方だという感じがするじゃないかという言い分がございます。特に「六月以下の懲役若しくは禁錮又は一万円以下の罰金に処する。」とか、あるいは「五千円以下の罰金に処する。」とか、十三条並びに十四条は、いかにもぎらついた表現のような感じがします。法律というのはえてしてそういうような感じのものだろうと思いますけれども、他の日本国内の学校教育関係の法律に対比して、必ずしも特別に重いものだとか、特別にぎらついた表現ではないのかどうか、この点についてあらためてお聞きいたしておきたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 外国人学校法案におきましても、検査ですとか、閉鎖命令ですとか、あるいは届け出義務などを課しております。義務を課した以上は、やはりその違反については、状態に応じて罰則をもって担保するというのは法律の共通に考えるところでございまして、罰則の程度につきましては、日本の学校教育法とのバランスを考えまして十三条、十四条をつくっておるわけでありまして、たとえば十三条の閉鎖命令違反の場合は、学校教育法第八十九条の閉鎖命令違反の罰則とほぼ同等でございます。学校教育法では、閉鎖命令違反に対しては「六月以下の懲役若しくは禁錮又は一万円以下の罰金」ということになっておりまして、全く同じ状態であります。届け出義務違反につきましても、たとえば学校教育法では、子女使用者の義務違反の罪であるとか、保護者の就学義務違反の罪であるとか、あるいは学校の名称専用違反の罪等類似の規定がございます。それらとの権衡も考え、それは文部省ではなく、むしろ法務省の判断におきまして担保刑として必要な程度の量刑判断を行なって、この規定を設けておるわけであります。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時十三分散会

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