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58回国会衆議院1968/05/22

文教委員会 第21号

発言数
63
登壇者
6
会派数
3
開催日
1968/05/22

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  参議院送付にかかる内閣提出の日本学校安全会法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。斉藤正男君。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 それでは、まず局長に伺いたいと思うわけでありますけれども、日本学校安全会法施行令第二条「法第十八条第一項第二号に掲げる災害共済給付は、同一人に係る同一の負傷又は疾病に関しては、医療費の支給開始後二年を経過した時以後は、行なわないものとする。」ということで、災害給付は期限を切って二年ということになっております。この二年という制限はどういう根拠から出たのか。と申しますのは、いろいろな災害給付がありますけれども、二年という給付よりも三年というような給付のほうが多いように私は承知をしておるわけでありますけれども、たとえばこれを三年とした場合にどういうことになるのか。と申しますのは、予算の関係からそういう長期の給付が不可能だとか、あるいは災害として適用される事項、ほとんど多くの事案が二年以内で片づいておるとか、二年ときめた客観的な条件というものがいろいろあると思うのでありますけれども、この根拠について局長から御答弁をいただきたい。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 この種のものにつきまして、一応年限を限って事態を整理する意味において、年限を限ってきめるということは、大体世のどの制度でもとっているところでございます。ただ、その後私ども一応検討してみた結果、二年というふうに限るのがいいのか、いろいろ調べてみますと、三年というほうが一般的であるようでございます。そこで二年を三年にする、こういうことについて現在検討いたしておりますが、まだその結論を得ておりません。二年を三年にすればどういうことになるか、これは私、ちょっとまだ資料がございません。いずれ安全会の理事長が見えますから、理事長にお尋ねいただきたいと思いますが、一年延ばしたことで給付の額が若干ふえるということは一応予想されますが、しかし、それほどたいした変動ではないのではなかろうか、こういうふうに考えておるのでありますが、いずれこの問題につきましては検討さしていただきたいと思っております。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 この際、おはかりいたします。  本案について、本日、日本学校安全会理事長西田剛君を参考人としてその意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 参考人には、御多用のところ御出席をいただきましてありがとう存じます。  なお、参考人の御意見は、委員からの質疑に対するお答えでお述べいただくよういたしたいと思いますので、さよう御承知を願います。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 いま理事長が御出席いただく前に、局長から給付の期間の二年について見解を伺ったわけであります。  そこで西田理事長に伺いたいわけでありますけれども、この「支給開始後二年を経過した時以後は、行なわない」という期限を切っての施行令でありますけれども、具体的に過去の実績として二年の時限がきて給付を打ち切ったという例が、たとえば四十年度において、あるいは三十九年度においてどのくらいあったのか、おわかりになったら教えていただきたい。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 ただいま継続給付の期間のお話がございましたが、二年を三年に延ばしたいということで目下検討中でございまして、そのことに関する調査をいたしております。まだ完全にまとまっておりませんけれども、大体いま集まっている報告によりますと、六十件見当じゃなかろうかというふうに考えておる次第であります。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 年間約六十件程度の打ち切りだという答弁でございましたが、その答弁を承って、さらに私は、継続給付を三年に延長するということはさして困難なことでない、なるほど給付のために費用が要るということは当然だと思いますけれども、それとても巨額なものではない。したがって、しかるべき機会にこの継続給付につきましては現在ある二年を三年に延長をして、本会の趣旨をより完全なものにするということで努力をいただきたいと思うわけでありますけれども、大臣、この継続給付延長に対する見解はいかがでありましょうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほど事務当局からもお答えをいたしましたし、また安全会の理事長からもきわめて積極的なお答えをいたしておるわけでございます。私もその線に沿って検討を進めるようにいたしたいと存じます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 次に、今回の法改正で国立高等専門学校の学生が対象になるわけでありますけれども、小、中、高さらに高専というような対象の拡大によっていろいろな問題が派生してくると思うのです。私のしろうと考えでは、国立高等専門学校の学生等は、本会の対象になるようないわゆる学校災害での被災率というものは低いのじゃないかというように思うわけでありますけれども、国立高等専門学校でもかなり高率な対象事案が出ると予想をされておられるのか、あるいは制度上きわめて宙ぶらりんな形にあるので一応対象にするというようなばく然とした根拠から出発をされたのか、しかじかかようであるからどうしても対象にしなければならないというお考えで法改正をされるのか、局長のお考えを伺いたい。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 御指摘の点は、いろいろ私どもで整理いたしまして、このような見解を持っております。  高等専門学校は、御承知のように高等学校段階と若干専門学校段階に連続いたしておりますので、これをどのように見るかという立場でございますが、私どもは、やはり高等学校段階が主でございますから、高等学校段階と見てよかろう、これが形式的な理由でございます。もう一つは、義務教育学校に接続いたしております。高等学校も義務教育学校に接続いたしておりますので、これは同様に見てよかろう、こういうのが形式上の理由であります。  もう一点は、いろいろ実態調査をいたしてみた結果、いま資料を申し上げますと、昭和四十一年度における国立工業高等専門学校四十三校の学生一万九千九百四十八人の災害発生状況を調べてみますと、負傷、疾病六百六十五件、学生百人当たりの災害発生率は三・三三%でございます。これは同年度における高等学校の発生率三・六三%とほぼ同じでございます。その点全く同様と考えてよい。  もう一つは、高等専門学校長等の会合に出てみますと、高等専門学校は非常に活発にクラブ活動なんかいだしておる、したがって事故の発生率も決して少なくはない、ぜひ安全会の対象にしてほしい、こういう要望がございます。  大体以上のような理由からこれを入れることにいたした次第でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 了解をいたしました。  そこで、次の質問をいたしたいと思うわけであります。過日川村委員の要請に基づき、私どものところへ「日本学校安全会に関する資料」なるものが配付をされ、私も一読いたしたわけであります。この中に、一四ページでございますけれども、「昭和四十三年度国庫補助金にかかる予算資料」ということで、日本学校安全会の関係のものが掲載をされております。これは国庫補助金にかかる予算資料でございますけれども、主として事務費等のものでありますが、一体全学校安全会の予算は、学童生徒一人当たりから集めてくるいわゆる掛け金の部類に属するものがどれだけであって、政府国庫補助にかかわるものがどの程度になっているのか、具体的な数字をあげて御説明をいただきたいと思うわけであります。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 安全会の経理は業務経理と給付経理に分かれておりますが、給付経理のほうは、ただいまお話のありましたように、設置者及び保護者から出します掛け金によって収入がまかなわれております。その総計が四十二年度で十二億六千三百五十九万円でございます。そのうち共済掛け金にかかるものが十二億四千四百九十七万七千円、それからその内訳がまた分かれまして、純粋に共済掛け金にかかるものが十二億二千三百四十一万六千円、それから国庫補助金、これは要保護児童に対する分がおもでありますが千五百二十五万一千円、それから国立学校の分につきましては設置者の分を国が持ちますので、交付金ということになっておりますが、六百三十一万円、それを合計いたしまして、共済掛け金としては十二億四千四百九十七万七千円、その他利息及び雑収入が多少入りまして、その総計が先ほど申し上げましたように十二億六千三百五十九万円という予算規模でございます。  なお、業務経理のほうは、主として国庫補助にかかっておりますが、これが人件費及び物件費、事業費を含めまして、総規模が三億一千四百九十八万円でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そうしますと、日本学校安全会の本部、それから各県に支部がございますけれども、支部のいわゆる業務的な経費といったようなものは、国庫補助金の中から各都道府県へ交付をされているのか、それとも加盟している会員の掛け金から上がってくる中で各県支部の業務費等は相殺をされ、予算が組まれているのか、この辺は一体どのようになっておられるのか、各県支部の経費の出どころ等についてもう少し具体的に伺いたい。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 本部の事務費につきましては、人件費及び物件費——これは普及のための事業費も含めてでございますが、すべて国の補助金によってまかなわれております。なお、支部につきましては、支部関係の職員が二百四十二人おりますが、この分の人件費は一切国の補助金によってまかなわれております。  そこで、支部における物件費がほぼ七千万円余り要るわけでございますが、これが従来は零細な掛け金によってまかなわれておったという状況でございますが、この二年来——昨年は一千万円国の補助金を出してもらうようになりましたし、ことしは二千万円の補助金がつきましたので、この零細な保護者からの掛け金でまかなわれておった支部の物件費を解消するという方向で、総規模七千万円見当のところ、現在は二千万円の補助金が出ておるという状況でございまして、引き続きこれの解消に努力をしてまいりたいという状況でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 了解できました。  そこで伺いたい点があるわけでありますけれども、零細な掛け金という表現でありますが、従来規則によりまして、設置者が十分の六ないし十分の四、父兄が十分の四ないし十分の六という規定を、半々すなわちそれぞれ折半をするという形で掛け金を徴収し、また掛け金に充ててきた、こういうように聞いておりますけれども、その点はそれで間違いございませんか。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 掛け金につきましては、規定にありますように、一応設置者が納めることになっているのですが、そのうち四割ないし六割については保護者から徴収することができるということでして、保護者からは四割ないし六割の間で徴収が行なわれておるという現状でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 保護者から集めるのが四〇%ないし六〇%、ある県によっては四〇%である県によっては六〇%だというのは、特に義務教育についてはおかしいと思うのです。具体的に隣の県は四〇%で、県境一つ越しただけで六〇%だというようなことは、事義務教育に関しては特におかしいというように思うのですが、現在もなおそういう差別がございますか。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 設置者が一応納めるわけですが、保護者からは四割ないし六割取る。したがいまして、逆に申しますと、設置者が四割出すところもあれば五割出すところもあるし六割出すところもあるという現状でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 そうすると、いま私が言ったように、やはり四〇%から六〇%までの間で、えらく差がついているということでしょう。それはおかしいと思うのですよ。設置者が納めるということになっておるけれども、そのうち四〇%ないし六〇%は父兄から集めてもいいのだということになっておるから、四〇%ないし六〇%を集めておるのだ、中には五〇%のところもある。こういう話ですけれども、それはおかしいではないか。四〇%なら四〇%という最低で全国が統一をされるということならばわかるわけですけれども、同じ義務教育の学校で、四〇%のところもあれば六〇%のところもあるということはおかしい。ここらで行政指導で、父兄負担の分は四〇%にしてほしい、あるいはせよというような指導をすべきだと思うのですけれども、現実に父兄が四〇%払っているところもあるし、六〇%のところもあるということになりますと、これはおかしいと私は思うのですけれども、法律でそうなっているから、規則でそうなっているからというしゃくし定木の考え方ではなくして、これを四〇%なら四〇%にすべきだというように思うのですけれども、局長は一体どういうように把握されていますか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 先生も御承知だと思いますが、いまの学校安全会は、各都道府県でそれぞれ個別にでき上がったものを集大成したような形ででき上がったものでございます。したがって、特殊法人ができ上がる前にそれぞれの県ごとにそれぞれの掛け金でやっておったその実績の上に立って、この掛け金率なり負担率なんかもきまった経緯がございます。と同時に、保護者と設置者が大体半半程度でいくということが大体この種の制度上のたてまえでございます。さりながら、実績をもって発足した安全会でございますので、四割から六割の間が主として多い、こういう実績を踏まえて四割から六割、こういう線できまった経緯があるのでございます。そこで、父兄負担をできるだけ少なくしたほうがいいというような観点で四割から六割になっているならば、父兄のほうを四割にし、設置者のほうを六割というふうなことも一応考えつくことでございますが、その前に、一応いま実績を調べて御報告いたしますと、五割、つまり完全に折半しておりますのが八一%ございます。それから四割台の市町村が四%、六割以上を納めております市町村が一三%でございまして、大体現上実からいいましても、設置者がよけい負担している事例のほうが多うございます。そういう事態を踏まえまして、あまり声を大にしてそのような指導をしたということはございませんが、大体においてその傾向がございますので、私どもとしてはさような実績を踏まえて、それほど問題がないのではなかろうかと一応考えておった次第でございます。  もう一点、この機会に申し上げたいと思いますことは、どういたしましても、公立学校と私立学校では事情が異なりますが、私立学校の場合は、設置者によけい負担をかけるということは、どうしても私立学校の加入率に影響いたします。現に私立学校の加入率は公立学校に比べて劣っているのでございます。したがいまして、もし設置者の負担率を高くせよということをあまり大きく申しますれば、私立学校の安全会への加入の機運が阻害され、その辺でちょっと困る点が出ておりますので、その辺いろいろと現実を踏まえまして指導いたしておるところでございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 設置者が五〇%負担をしているところが八〇%もある、それから六〇%以上のところも一三%もある、四〇%というところはわずかに四%程度だ、そういう答弁だったと思うのですが、それならなおさら、わずか四%の設置者四割負担というのは解消すべきだ。ただ、そこに私立の問題がからんでくる。これもまた、設置者という立場から見ますれば無視できない問題であろう。こういうように思うわけでありますが、これらをすべて解消できる方向にいくのが私どもが出した改正案であります。私どもは、この際、国と設置者で全額負担をせよという考え方を持っておるわけでありますけれども、それも義務教育の場合との問題が出てくるとは考えますけれども、やはりこうした共済制度、社会保障制度というようなものは国が本腰を入れて取り組むというところに前進があり、意義があるというように考えるわけであります。したがって、いろいろ問題がありますけれども、この際やはり全額国で見るという方向をたどる中で掛け金の問題は善処をすべきだというように考えるわけであります。ごくわずかの金であります。総額にいたしましても、給付経理が現状十二億、業務経理が三億といったような形の中で、もっと国が大幅に掛け金負担の問題で取り組んでもいい問題だというように考えるわけでありますけれども、局長の見解を伺いたい。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 父兄負担をできるだけ少なくするということにつきましては、一般的な御意見として、私ども尊重しなければならないことだと考えるわけでございます。ただ、現在御承知のように、たとえば高等学校についていいますと年額百円でございます。したがって、百円を半々で持つといいましたら五十円、五十円でございますし、まあ現実の問題として、それほど父兄の側からこれを高いから何とかせよというような声は私聞いておりませんし、また問題とする低所得層に対しましては特別の措置がしてございますので、それほどの問題はないのではないかと一応考えているところでございます。  それから、先ほど私、パーセントを申しましたのは、これは義務教育だけでございまして、非義務教育、高等学校、幼稚園、保育所も入っておるのでございますが、それらをずっと見てみますと、非義務教育になりますれば、私立学校はほとんど五割にも達しない。むしろ四割台が圧倒的に多いのでございます。したがって、もしこれをもっともっと設置者の負担を高めろ、こういうことになりますると、たいへん私立学校側からの不満と申しますか、先ほど申しましたように、それはとても困る、設置者の負担が非常に重なることであるから、そういうことをしてもらっては困る、こういうふうな問題等もやはり解決しなければならないといったようないろいろなことを考えますと、御趣旨の点はわからないことではございませんけれども、さようないろいろな点から考えてみますと、これはなかなか一挙にいき得る問題ではないのじゃなかろうか。やはり当面私どもとして考えなければならぬことは、公立はさておきましても、私立学校にも全部加入してもらうように指導することがまず第一の急務なのではなかろうか、こういうふうに考えております。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 全額国庫でやれば何でもないのですよ。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 掛け金全額国庫となりますと、これはまた全く議論が別でございまして、やはりお互いが掛け金で助け合っていくというのがこうした共済制度のたてまえでございますので、さような全額国費で見るということになりますれば、これはもはや学校安全会ではなくて、全然別の領域に入るのではないかと考えます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 答弁にありましたように、小中学校で五十八円ですか、高校で百円ということで、確かに年額でございますからばく大な負担だということはいえないかもしれません。それだけに、やはりそれならほかで見てもいいのじゃないかという議論もあるわけでありますけれども、実態は学校安全会費昭和四十二年度分あるいは四十三年度分ということで集めておるわけじゃないのであって、PTA会費等に一つの欄がございまして、支出の説明を見ますと、このうちから学校安全会費合計何円を納めるというような形になっていて、各現場におきましては、学校安全会費何年度分何円という形で徴収しているところは、私は現場の体験からいきますれば少ないと思うわけなんです。それだけに父母の負担になっているのだとかいうようなことも、なるほどよく説明を聞く人はわかりますけれども、そうでない人はわからない。うちのせがれが体操で足を折った、手を折った、校長先生から連絡があって、治療費は安全会のほうで払うからけっこうですよ、えっ、そんな会があったんですか、ということが実は父兄の認識の実態だと思うんですよ。したがって、それほど問題がないといえばない、しかしあるといえばあるものだ。非常にこのことによる共済制度の効果というのはあがっているというように私は思うわけでございますので、掛け金をなるべく父母負担を軽減をし、しかも適用範囲は広めていく、そのために金がかかるならば、国も地方公共団体も大いにめんどうを見るということで、安全会はますますその目的を達成できるというように考えますので、御努力をいただきたいと思うわけであります。  最後に、一点だけわからない点がありますので伺いたいと思うわけですが、過日も修学旅行に出かける中学生が乗ったバスにトラックが衝突をして、痛ましい犠牲者を出しておりますが、こういう場合、加害者から損害賠償が取れた場合に、たとえばお気の毒な話でありますけれども死亡給付十万円を支給するというようなことは、例の自動車損害保険からくる見舞い金、補償金等との関連においてどういうことになるのか、学校安全会法は安全会法の立場から見舞い金として該当額を出すということになっておるのか、それとも損害賠償金が取れたという場合にはそれは別建てにならないのか。また、一応払うけれども、それは損害賠償金の中から学校安全会が取り上げるのかというような、細部の点はどのようになっておるのか伺いたい。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 安全会法の三十七条で、損害賠償があった場合には、安全会は求償権を持つというような形になっております。したがいまして、安全会からの見舞い金十万円を出した後、もし自動車損保等で百五十万円の補償を得た場合には、それに対して私どもは十万円また戻してもらうという形になっておるわけです。非常にみみっちいのですけれども、法律がそういうふうになっておりますので、実際問題としましては、一度差し上げてまた取り戻すということが非常に困難なので、そうした場合には供花料と申しまして、この給付とは離れまして花輪代を三千円差し上げておるというのが実情でございます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 答弁にもみみっちいというようなお話がありましたけれども、一応差し上げて、自損その他で賠償があったという場合にはまた十万円返せという手続をとられる。どうも、むごくはありませんけれども、一度差し上げたのに、よそから入ったから返せという制度はあまり芳しい制度ではないと思う。そのかわり十万円取り上げるけれども、今度はとんでもない時期になって、花輪代として三千円は差し上げますよ、こういう形になるわけでしょう。どうも体面も悪いしばつも悪いし、あまりいいかっこうじゃないと思うのですね。これはひとつ——この際は何でありますけれども、十万円やったのをもう一ぺん取り上げるなんということを考えずに、学校安全会の災害対象給付だということで差し上げて、あとはどこのだれから見舞い金が来ようが、賠償金が来ようが、そのままにしてあげる。これをもっと言えば、香典がよけい集まったじゃないか、じゃ、うちからいった十万円よこせというようなものにも通ずるようなかっこうになってきて、私は、あまりにも文部省的な考え方ではないか、やはりこの辺は大目に見てあげるとか——大目ということじゃなくて、社会通念といたしましても見て差し上げるのが当然だというように思いますので、善処をいただきたいと思うわけであります。  その他逐条いろいろ審議をいたしますと、問題がありますけれども、いまの一点に触れてひとつ大臣の所信を伺いたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 お話のお気持ちは、私も同感の節が多いような気がいたしております。ただ、こういうふうな制度——これだけではないと思うのです。他にもいろいろ似たようなケースがあるいはありはしないかと思いますが、これはこれとして、そういう制度として立てたということを考えれば、必ずしも理屈がないわけでもないと思いますけれども、気持ちの上からいいますと、どうもあまりにも、先ほどみみっちいと言いましたけれども、もっとすかっとしたやり方がありはしないか、こう思いますが、いろいろ例もございましょうから、十分検討さしていただきます。

斉藤正男日本社会党

○斉藤(正)委員 ぜひ善処を要望いたします。  以上で私の質問は終わります。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 日本学校安全会法の一部を改正する法律案の審査にあたりまして、二つほど承っておきたいと思います。  一つは法案の中から、一つは運用の面からなんですが、今度の改正の十一条におきまして、役員となる人の資格について規定されております。この役員となる人の条件を変えた理由について承っておきたいと思います。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 国会議員が特殊法人の役員になれるかどうかという問題につきましては、いろいろ統一的な見解がございまして、政府全体の方針といたしまして、それは特に禁止条項にしなくてもいいのではないか、あとは任命権者におまかせしてもいいのではないか、それが国会法にも通じる一つの原則である、こういうことでございまして、さような方針を打ち立てまして、監事の規定と同様に、改正の機会にそういう改正の条項をつけ加えていく、こういう方針が打ち立てられております。したがいまして他の例、たとえば文部省関係で申せば、改正の機会に同趣旨の改正をいたしましたものとして国立劇場、日本学術振興会、これは最近の立法例でございますが、こういうふうに改正されておる次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 このようなスタイルに変更していくと、これが一つの慣例になっておられるようなんですけれども、これを旧の法に定められたその根拠はどうであったのですか。特に国務大臣、国会議員というものを役員の中から除くというところですね。前はそういうふうにしてあったわけですけれども、それがどういう根拠からそうなっておったのでしょうか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 当時の判断といたしまして、このような特殊法人の役員に国会議員がなるということは一応予想されないし、何となく、そういうものは別になれるようにしなくてもいいではないかというような一般的な判断でそうなっておったと思います。

有島重武公明党

○有島委員 何だか、何となく一般的にそう思われていたのじゃないか。——わからないのですが、もう一ぺんお願いします、いまの話を。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 その当時の提案理由をまだよく読んでおりませんので、正確にお伝えできませんが、国会の議員、地方議会の議員、これは立法府でございますから、行政府に関係するような職責には関係を持たないほうがいいのではないかといったふうな、あるいはそういう見解も一部にあって、でき上がっておったのではなかろうかと思います。

有島重武公明党

○有島委員 それは立法府として——国務大臣は行政府になりますね、国会議員のほうは立法府。いまのお話は何だかよくわからないのですが……。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 国会議員と地方議会の議員についていま申し上げた次第でございます。国務大臣、地方公共団体の長になりますれば、これは行政府の、故意にいえば職員でございます。特別の職員でございますが、一種の公務員という地位でございますので、指導監督をされる特殊法人の役員になるということはちょっとおかしい、こういうふうなことから入っていなかったと考えられます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、前のほうが何か非常に常識的なものであるというふうな判断になりませんでしょうか。今度こういうふうにお直しになったわけでございますけれども、昔のほうがより常識的であったのではないか。なぜこんなふうにお直しにならなければならないのか。それをお考えになった上でもってなさったのかどうか。

赤石清悦文部省体育局長

○赤石政府委員 国務大臣は、現行法でも除いてございます。したがって国会議員、地方議会の議員の問題であろうかと思いますが、これは先ほどから申しあげておりますように、確かに立法府の議員でございますけれども、しかし、憲法上の自由といったような観点から申せば、それを特殊法人の役員にするかしないか、それを法律でもって禁止するということまでは、これはなかなかおかしいのではないか。やはりそこは一応自由にしておきまして、あとは任命権者の判断にゆだねる、こういう法律的な立場をとることのほうがむしろ法律上正しい、こういう見解に立って改正させていただく、こういうことでございます。

有島重武公明党

○有島委員 あまり明確じゃございませんけれども、大体わかりました。  それでまだ学校安全会の中ではいわゆる変な話も聞きませんけれども、日本学校給食会なんかでは、せんだってからいろいろ聞くにたえないような話があった。そういうような本来の目的から逸脱したふうに一つの団体、特にこれはお金が集まってくる団体でございますから、そういうことのないようにということがおそらく込められてのこうした法文になっていたのじゃないかと思うのです。そういったような心配までするのはあまり行き過ぎじゃないか、新しいほうが常識的な感じはいたしますけれども、それと同時に、やはり俗なことばでいえば虫のつくゆとりがここにはできておるわけでございます。そういった点を、私どももそれは監視してまいりますけれども、十分気をつけられたほうがいいのじゃないか、そう思いますが、大臣から一言……。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほどのお尋ねにも触れて申し上げてみたいと思います。  これは私の理解があるいは間違っておるかもしれませんが、特殊法人の役員をどうするかという問題について、ときどき新しい特殊法人ができて、そしてそれが国会の問題になるというふうなこともございます。何も一律に国会議員を排除する必要はないじゃないか、こういうふうな御議論も相当あったと思うのでございます。そういうふうないろいろな沿革がございまして、法律上別に排除しなくても、その法人の性格、目的等に応じて任命権者が考えていけばそれで事足りるのじゃないかというふうな考え方がとられることになりまして、そこで政府としましても、その考え方に従って、新しくつくってまいります特殊法人については、その方針に従って役員に関する規定を設けるということでございますので、従来からのものになりますと、それと矛盾するものが出てくるわけでありまして、それについてもすぐ直ちにどうするということでなくて、何か適当な機会があったらその際歩調を合わせるようにする、こういう一つの考え方がございまして、それで今回のような改正になったわけでございます。もともとその特殊法人によりましては、議員さんがお入りになることが必ずしも適当でないというものもございましょうし、入られてちっとも差しつかえないというものもあり得ることでありますから、そういう意味で、法律上の一つの規定としては自由にしておく、そうしてそれぞれの法人に従って任命権者が適正な考え方のもとにさばいていく、こういうふうな考え方のもとに、いま政府としましては特殊法人の役員の問題を取り扱っておる。こういうふうに理解をいただきたいと思うのでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それでもって別な目的に利用されないようにしっかり見守られたいということです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 その点は所管大臣が十分考えなければならぬ問題だと思います。妙な目的のために災いされるということがあってはならないことでありますから、まかされておるだけに所管大臣の責任も重い、こう申さなければならぬと思います。人事の適正化ということについては十分注意してまいりたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 運用の面であります。これ一つですけれども、集団赤痢なんかの場合に、これは学校でもって起こった事件ならばこれを適用してくださるけれども、学校でうつったのかどうかわからない場合がございまして、適用されなかったというようなことが前にございました。うつったのはとにかくよそでうつったかもしれないけれども、そのうつった子供が学校に来て、それが発見されないで、間接的な場合が、非常に判定されにくいような場合が今後も起こると思います。こうした場合にも、その学級の生徒全部が入院する、一同が入院する、そういうふうな場合にはやはり適用するようになすったほうがいいのじゃないか、そういうふうに思います。いま一つだけの例をあげましたけれども、さらにその適用を拡大していく方向にお考えになっていただくほうがいいのじゃないか、そう思いますが、理事長のほうから……。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 ただいまのお話の場合、学校安全会法では、その原因である行為、給食なら給食という行為、それが学校の管理下で行なわれた場合にのみ出すという形になっております。そしてそのこともいささかきびし過ぎるようでございますけれども、それが明らかであるということが必要だということにいたしまして、ただ推量の程度の場合には起因性を欠くから認めないというような線に現在なっております。したがいまして、学校給食によりまして、たとえば赤痢が出たとか中毒を起こしたというような場合には当然対象になってまいりますけれども、それ以外の、学校の管理下以外で起こったかもしれないという場合は、起因性を立証することができない場合、これは遺憾ながらいまのところ除外されておるというような関係です。この関係は、管理下の行為なり、管理下に起きた事故ということを源にしておりますので、お話しのような場合、運用上ゆるめていくということはちょっとむずかしいのではなかろうかというふうに考えます。やはり学校の管理下として考えるのには、管理下内のものかもしれないということで管理下内に入れるということは、目下のところ考えられないのではないかというふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 現在のたてまえではそのようになっているわけでございますけれども、実際問題として、父兄側といたしますと、やはり出すものは出すわけでございます。それで困ることは困るわけであります。安全会のほうとしては、そう無制限に何もかも責任を持つわけにいかない、それは十分わかりますけれども、現在のそうした直接の起因性、学校から出したもの以外はだめだというようなことをもう一ぺん御検討なさって、もう少し幅のある適用ができるようにすることはできないかどうか。現在の制度ではできませんね。そういったことを運用面でもってもう少しゆるめることができないか。それにはお金が足りないからそうなのか、絶対に今後もそういうことはしないとおっしゃるのか、その辺のことをもうちょっと打ち明けていただきたい。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 学校の管理下で起きたという原因がすっきりすれば、これはやはりお金との関係とは別にしまして、今後運用面あるいは少なくとも近い機会に救済の対象にしていくという考えでまいるべきだと私は思いますが、いまのような場合、たとえば学校の給食その他の事情によらないという場合、家庭などの責任によったかもしれないというような場合を救うということはちょっと無理ではなかろうか。私どもの考えとしては、およそ学校の管理下というようなことにこだわらず、家庭での事故等も救ってやりたい気持ちではございますけれども、いまの法律のたてまえからいいますと、遺憾ながら、運用面でそこまでかぶるというのも、少なくとも現行法のたてまえのもとではいささか脱するのではないかと思います。

有島重武公明党

○有島委員 ちょっと西田さんのおっしゃるのは違うのですよ。個人的に家庭の食べものでもって病気を起こした、そこを責任持てというわけではありません。その人がまだ外にあらわれた発病状態でなくて、友だちと遊んでおる、学校に来ておる、そういうことによって感染する場合もあるわけでしょう。そういたしますと、それは考え方によっては、やはり学校の管理下でもって早期に発見されなかった、それでもって——給食の場合とは少し違いますけれども、やはり学校として責任を持つべき状態にあった、そういうように認められる場合もあると思うのですがね。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 たいへん混乱して恐縮ですが、実際はもう伝染病そのものにつきましては、伝染病予防法によりまして設置者——設置者と申しますか、市町村がこれを公費でカバーすることになっておりますので、したがいまして、強制的に入院隔離されるわけでございます。その場合は公費ですべてまかなわれるたてまえになっておりますので、安全会としてはそこまでまいりますと見ません。それまでの段階の、伝染病ということがはっきりするまでの治療費は、安全会として見ておるという状況でございます。それでいまの有島先生のお話しのような場合、たとえば保菌者の子供が一人いた、それでやはり学校でうつったとしか考えられない、こういうふうな場合は、やはりその伝染病と確定されるまでの分は私どものほうで見るのですけれども、伝染病と確定されまして隔離されるようになりますと、すべてこれ公費で見ていただくということになっておりますので、そういうたてまえから、別の角度から配慮されておるのが現行法の取り扱いでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、やはり学校でうつされたということになりますと、その病原菌の起こりが家庭から起こったものであっても、やはり扱うことはできますね、いまのお話だと。

西田剛日本学校安全会理事長

○西田参考人 具体的なケースにつきましては、その辺の立証はお医者さんのほうから出てまいりますので、それを見まして、個々のケースでそれに該当するものは救済するというたてまえにいたしております。

有島重武公明党

○有島委員 あとはお医者さんのせいにするわけでございますけれども、そういったどっちだろうという段階のときに、なるべく出さない方向でいままでこられたようでございますけれども、積極的な方向になさるべきじゃないか、そのように指導なさったほうがいいのじゃないか、ややゆるめる方向に……。これは非常に判定つきにくい問題で、あとからそうではなかったということがあるかもしれませんけれども、もう少しゆるやかにどんどんこれを活用される方向になすったほうがいいんじゃないか、そのように思います。大臣から一言……。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 なかなかデリケートなところがある問題のような気がするのですが、理事長もお答えいたしましたように、問題がはっきりと法定伝染病、こういうふうなことになりますれば、それから先の扱いは伝染病としての扱いを受けるということになります。それ以前の問題ということになりますと、つまり確定しておらないというようないわば下痢患者がだいぶ出た、こういうふうな場合に、もしそれが学校の管理下であるという解釈ができるならば、これは学校で取り扱っていいものだと私は思います。

有島重武公明党

○有島委員 さらにその積極的な運用を要望いたします。  以上で……。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 こういう問題は、やはりどこまでも子供のために親切に考えるという気持ちだけは、いかなる場面においても持ってしかるべきものと思いますので、お気持ちに反するようなことはやらないようにいたしたいと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 参考人には、長時間貴重な御意見を拝聴いたしましてありがとうございました。  ほかに御質疑はございませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  内閣提出の日本学校安全会法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しま  した。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会

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