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58回国会衆議院1968/05/08

文教委員会 第15号

発言数
413
登壇者
13
会派数
3
開催日
1968/05/08

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  学校教育法の一部を改正する法律案及び外国人学校法案を一括して議題といたします。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 政府より、順次提案理由の説明を聴取いたします。灘尾文部大臣。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 今回政府から提出いたしました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本法案は、小学校、中学校、高等学校等における教職員の組織及び職務を明確にすること及び各種学校制度の改善、整備をその内容といたしております。  小学校、中学校、高等学校、盲、ろう、養護学校及び幼稚園の教頭は、教諭をもって充てられる職として取り扱ってまいりましたが、各学校における実態は、校長に次ぐ重要な職となっておりますので、この際、地位に応じて、教諭とは別の職としてその位置づけを明確にする必要があり、また、養護助教諭、講師、実習助手、寮母は、いずれも教育公務員特例法の適用については、教諭等と同様の扱いを受ける職員でありますが、その職務に関する法律上の規定を欠いておりますので、それを整備する必要があると考えます。  各種学校は、主として職業、家政その他実際生活に必要な知識、技術を習得させる実用的、専門的な教育機関として大きな役割りを果たしており、また、中学校または高等学校卒業後の青年のための教育機関として重要な地位を占めているものであります。このように各種学校はわが国民のための教育機関として社会の要請にこたえる重要な任務を持っているものでありますが、現行の各種学校制度は、その対象、内容、規模等においてきわめて多様なものを、学校教育に類する教育を行なうものということで、一括して簡略に取り扱っており、制度上きわめて不備であります。そのため各種学校の制度的な意義が不明確であるばかりでなく、各種学校の振興をはかるための適切な措置を講ずる上で障害になっているというのが現状であります。また、昭和四十一年十月に行なわれた中央教育審議会の「後期中等教育の拡充整備について」の答申等においても各種学校教育の改善、充実が望まれておりますところから、この際、各種学校制度の改善、整備を行なおうとするものであります。  まず、教職員の組織及び職務に関する改正内容について申し上げます。  小学校、中学校、盲、ろう、養護学校及び幼稚園には、原則として教頭を置くこととし、その職務は、校長を助け、校務を整理し、児童、生徒等の教育をつかさどることとするとともに、校長が欠けたとき、あるいは校長に事故があるときは、校長の職務を代理、代行することができるようにいたしました。また、高等学校につきましては、全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程には、それぞれの課程に関する校務を分担整理する教頭を置かなければならないこととし、その職務については、小、中学校等の場合と同様にいたしました。次に、講師及び養護助教諭につきましては、教諭または養護教諭が得られない場合にこれらの職にかえて置かれる職とし、その職務を明確に規定いたしました。また、高等学校に実習助手を置くことができることとし、その職務を規定するとともに、盲、ろう、養護学校に寄宿舎を置くこととし、これらの学校には寮母を置かなければならないこととしてその職務を規定いたしました。  次に、各種学校制度の改善、整備の概要は次のとおりであります。  第一に、現行制度においては、各種学校は「学校教育に類する教育を行うもの」とのみ定められておりますために、学校制度としての積極的な意義が不明確であるばかりでなく、その目的や範囲も明確さを欠いております。よって、各種学校の目的を「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ること」と明示するとともに、修業年限、授業時数及び生徒数の三点を基準にしてその範囲の明確化をはかることといたしました。  第二に、各種学校の中には、中学校または高等学校卒業後の青年に対しまして、後期中等教育または高等教育程度の有意義な教育を行なっているものが相当数ありますので、これらの教育を行なう課程をそれぞれ高等課程、専門課程として位置づけ、とくにその内容の充実、向上をはかることといたしました。  第三に、各種学校の設置者の要件、設置基準、教科の基準、教員資格等につきましてその特色に即した整備を行ない、各種学校の水準の維持向上をはかることといたしました。  なお、もっぱら外国人を対象として教育を行なう外国人学校については、従来そのための制度がないので、便宜的に各種学校として取り扱われてきたものがあります。しかし、今回各種学校の目的の明確化、基準の整備等の改正が行なわれますと、各種学校の制度と本質的に異なる外国人学校にも及ぼすことは不適当となります。したがいまして、外国人学校につきましては、本法案による各種学校の改善、整備とは別に、外国人学校制度として整備をはかることとしたのであります。  最後に、この法律の施行日は、各種学校制度の整備関係につきましては、公布の日といたしておりますが、小学校、中学校、高等学校等の教職員関係につきましては、公布の日から起算して三月を経過した日といたしております。この法律の施行の日に存しております改正前の規定に基づく旧各種学校につきましては、外国人学校をも含めて必要な経過措置を講ずるほか、関連する規定の整備を行ないました。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。  次に、今回政府から提出いたしました外国人学校法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本法案は、外国人学校制度の創設をその内容といたしております。  もっぱら外国人のための教育を目的とする教育施設、いわゆる外国人学校につきましては、これを対象とする適切な制度を欠いたまま、従来各種学校制度の中で取り扱われてまいりましたが、このたび各種学校と外国人学校の両制度を整備確立しようとするものであります。すなわち、このたび別に提出いたしております学校教育法の一部を改正する法律案によって、各種学校の目的を明確にし、教員資格、教育内容などについての基準の整備等をはかることといたしておりますが、この各種学校制度は、もっぱら外国人を対象とする外国人学校とは、本来性格を異にするものであり、この制度をそのまま外国人学校に適用することは当を得ないのであります。したがって、従来から各種学校として取り扱われてきたいわゆる外国人学校は、これを学校教育法の対象外とし、新たに国際友好関係増進等の観点から、外国人学校に法令上の地位を認めるための外国人学校制度を創設することとし、本法案を提案いたした次第であります。  このような趣旨によって、本法案で規定する外国人学校制度の概要は、次のとおりであります。  第一に、修業年限、授業時数及び生徒数を基準にして、一定規模以上の組織的教育を行なう外国人学校の設置を法令上認めることといたしました。  第二に、外国人学校では、自主的な教育を行なうことができることといたしました。すなわち、わが国に長期在留する外国人が、その子弟に母国語を授け、また母国語によってその国の歴史、地理等の教育を自主的に行ないたいという気持ちを尊重して、これを保障することといたしました。しかしながら、わが国内での外国人学校の教育活動でありますので、わが国の利益をそこなうような教育は行なってはならないという必要最小限の規制もまた設けてあります。  第三に、外国人学校については、国際的な問題でもありますので、文部大臣が監督庁として設置認可等を行なうことといたしました。監督上の措置としては、法令違反の場合にその是正を命じ、さらには閉鎖を命ずるなどの規定を設けておりますが、これは学校教育法による学校についてもほぼ同様な規定があるばかりでなく、その手続をより慎重にいたしております。また、法令違反の疑いが強く、これを是正する必要がある場合などには、明文の規定をもって職員に立ち入り検査をさせることができることといたしました。  最後に、この法律の施行日につきましては、公布の日といたしておりますが、この法律の施行の日に存する旧各種学校として取り扱われてきた外国人学校の教育を行なうものにつきましては、必要な経過措置を講じたほか、関連する規定の整備を行ないました。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。  何とぞ両法案につき十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 以上で両案についての提案理由の説明は終わりました。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  この際、有島重武君の発言を許します。有島君。

有島重武公明党

○有島委員 ただいまの理事会で貴重なお時間を御承認いただきまして、資料要求とそれから緊急質問をさしていただきます。  資料要求の第一番は、現在審議しております教特法につきまして、これは数年来超過勤務手当の是非につきまして数々裁判がありました、その裁判の判決資料をいただきたい。それが第一番でございます。第二番目は、先日大臣にいろいろ質疑をいたしました中でもって、文部省と日教組と話し合いをしよう、それがなかなか実現できないその大きな理由といたしまして、日教組側の倫理綱領についてのお話がございました。それで、この倫理綱領につきまして文部省側がどのような点についてこれを非常に不適当なものであると断定されておるかという、その個条書きのようなものでけっこうでございますから、一つの資料を提出していただきたいと思います。お願いします。  それから質問でございますが、第一番目に、昨日一局削減の問題をめぐりまして文化庁設置についての審議が衆院内閣委において可決されたようでございます。それで、このことにつきましては、私どもとしては、日本は文化国家でありますし、将来は文化省までつくるべきではないかという意見も出ておりますので、それに一歩近づいたのではないか、そのように受け取ればこれは大いに喜んでよろしいのではないかと思いますけれども、これにつきまして昨年の暮れでございましたか、灘尾文部大臣に御質問申し上げたことがございまして、それについてまだお答えがいただけなかったと思うのです。と申しますのは、今後の文化行政についての基本的な構想を文部大臣がいまどのように持っていらっしゃるか、そのことを伺いましたところ、いままだまとまっておらないのでこれは速急に考えておく、そういうお話でございました。その経過について、またその御構想の御一端を、時間の許す限り伺わしていただければ幸いだと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私は、日本の国といたしましていろいろ大きな基本原則を持ってその進歩発展をはかってまいっておると思うのでございます。その中に、やはりわが国は世界の中でりっぱな文化国家としてその地位を占めていかなければならない、かような点がやはり政治の上におきまして非常に大きな課題ではなかろうかと思うのであります。その目標に向かって国民はあげて進んでまいらなければならないと思うのであります。  ただいま私のこの文化行政に関する考えについてのお尋ねでございますが、御満足のいくような御返事ができるかどうかおそれるものでありますけれども、私は、行政の立場から見まして、いわゆる文化行政は、まずわが国の伝統のあるりっぱな文化的所産を保護するとともに、いわゆる芸術文化の向上と普及をはかり、さらにまた文化の国際交流を促進いたしまして、わが国の芸術文化の発展と国民生活の向上に貢献いたしまして、ひいてはまた世界文化の進展に寄与することが大切ではないか、そのように考えておる次第であります。先ほど申しましたように、いわゆる文化国家として今日の世界の中においてりっぱな地位を占めるために行政上の努力をしてまいりたいと思うのであります。このようなことを行ないますためには、あるいは芸術家の創作活動を一そう奨励しまた援助し、すぐれた芸術を育成していく、いわゆる芸術の振興ということも大切でございましょう。また広く国民にすぐれた芸術文化を鑑賞する機会を提供いたしまして国民教養の向上に資する、いわゆる芸術文化の普及ということも大事な仕事ではないかと存じます。さらにはまた、わが国の伝統的な文化財を適切に保存し、これを活用する施策をますます進めてまいらなければならないと思います。文化の性質上、これらの施策は一体的に推進する必要があるのではないか。現在における文化の発展、向上をはかる、それと同時にいわゆる過去のりっぱな文化的所産を保護、保存していくというようなことは、離れ離れではなくて一体的なものとしてこれを推進する必要があろうかと考えるのであります。  今回、行政機構の改革に際しまして文化庁という外局を設けることにいたしました趣旨もそこにあるわけでございます。もとよりこの文化庁の内容をもって決して十分とは考えません。いわゆる一局削減という問題に関連しての措置でございますので、大体において従来の文化財保護委員会の仕事と従来内局としてございました文化局の仕事を合わせた程度でありまして、それによって特別な進展を見るというわけのものでもない、これは率直に認めざるを得ないのでありますが、このような行政の一体化をはかることによりまして、今後積極的に施策の推進を進めてまいりたいという念願を持ってお次第であります。したがいまして、この設置を機会といたしまして、芸術家並びに国民一般の芸術文化活動のそれぞれの自主性を尊重しながら、これらの施策を効果的にかつ充実して進めてまいりたいという希望をいま持っておるわけでございます。今後、この機構によりまして行政の進展をはかると同時に、この機構そのものの内容の充実につきましてもせいぜい努力してまいりたいと存じます。  一応お答え申し上げます。

有島重武公明党

○有島委員 ただいま大臣のお答えを伺っておりまして、その大部分は従来の文部行政の中及び文化財保護委員会等において行なわれておりましたそれらの項目の範囲のお話であったように承ります。それをさらに充実していきたいという希望を持っておられる、そういうようなお答えだったと思いますが、世界に誇るべき文化国家をつくっていかなければならない、その一番の責任者であられる文部大臣でございますから、まずいまの御希望を、具体的には来年度の予算を、文化予算というものを大幅に増額することをお約束いただきたいと思うのでございます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 現在のいわゆる文化行政の内容がまだまだ不十分であるということは認めざるを得ないのでございまして、先ほど来申しておりますように、その拡充整備をはかってまいらなければならぬと思います。そのためにはもちろん予算的な措置が必要であることは申すまでもないことであります。ただ、予算の問題でございますので、私がここでお約束するとかなんとかいうわけにはもちろんまいりませんけれども、このような機会に一そう行政の進展をはかるために、予算の措置等につきましてもせいぜい積極的な努力をしてまいりたいと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 第二番目の問題でございますが、七日の閣議のあとで濃尾文部大臣が一枚のビラをお読みになった。その内容は、「教科書が改訂されるときはいつも戦争の起こる前ぶれだ」、そういった内容で、例の灘尾発言、国防教育の問題をやり玉に上げたものであった。これをお読みになったあと、大臣が、「物わかりの悪い教員もいるものだ。国民をまどわすのも、はなはだしい」と憤慨して、さらに「肝心の文教委が野党の抵抗で、教育三法の審議にはいれない。これではわたしの発言の真意を国民に伝えるチャンスがない」というようなことを言われた。そういう報道がございますが、その真偽のほどを伺っておきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私もけさその記事を見たのでございます。何か街頭等かどこかで配っておりますビラを私のところへ持ってきてくれた人がおりまして、それを読んでみますと、あまりにもどうも私どもの気持ちとかけ離れたことが書かれてある。そしてそれが一般に配布せられるというような事柄でありますので、それに対する私の感想を申したわけでございます。いろいろそれについていまお述べになりましたような委員会がどうであるとか何がどうであるということはすべて作文である、このように御承知願いたい。私はそのようなことは申しておりません。ただ、そのビラを見た感想を申しただけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 委員会のせいだと言われたのは、これは作文であると言われましたのでやや安心いたしましたが、これは先日もこの委員会で論議になりました点でございますが、大臣の意図が世間では非常に危険視されて理解されている。これについて、これは早急に大臣の真意を国民にわからせる努力が必要なのではないか、そう申し上げまして、大臣は、これは総合的に愛国心であるとかあるいは国を守る心であるとかについて考えをまとめられて発表なさるというようなお話でございましたけれども、これはさらに速急にやっていただきたい、そういうように思うのでございますが、いかがでございましょうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 機会あるごとに私の気持ちの御理解を願うように努力すべきことは当然のことだと思います。御注意もいただいたわけでございますが、できるだけそのようにいたしたいと思います。また、私の考え方をある程度まとめたものは適当な機会に発表もしてみたい、このように存じておるわけでございます。何さま、どうもあまりにも私の気持ちとかけ離れたことがでかでかと世間に振り回されるということが実は迷惑をいたしておるわけでありますので、せいぜいその機会をとらえて御理解を得るようにいたしたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 ただいま迷惑をしておると言われましたけれども、これは大臣が迷惑をされておることもあるかもしれませんが、むしろ多くの教員たち、または父兄あるいは学生生徒たちのほうがよほど迷惑しておる。適当な機会と仰せられましたけれども、これは非常に緊急を要する問題ではないかと思うのです。こういうことでもって、教育界を貫いて一つのコンセンサスが形成されなければならないというときだと思いますので、その機会がなるべく早いように、そのことを要望申し上げまして質問を終わります。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  理事各位の協議により、本法律案審査のため、明九日参考人から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 本案について質疑の通告があります。順次これを許します。唐橋東君。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 提案されておる法案、先回まで質問をいたしましたが、さらに続いて先回まだ了解のいかない点を質問するわけでございますが、その前に、きのうきょうの新聞にこのような報道がされておりますので、事重大でありますから大臣の意見をお伺いしたいわけでございます。  御承知のように、本委員会は先日国立学校設置法の一部を改正する法律案を審議してこれを通しましたけれども、それに伴う教員の定数というものは御承知のような経過で現在審議されておるわけでございます。それに関しましてきょうの新聞には、「教員増は行政法で」「絶望の「定員法」に対処」「政府方針」こういうような見出しで報道されておるわけでございますが、これに対して第一番には資料の提出をお願いしたいわけでございます。新聞に報じられておりますところでは、いま申し上げました国立学校設置法の一部改正、その法律に伴う大学の定員増という数が二千五百七十二人、こう報ぜられておりますが、これも私たちが審議したいまの法案の裏づけ、いわゆる表裏一体となっておるものでございますので、他の委員会には提出されておると思いますが、文教委員にも、この二千五百七十二人であるかどうか、その内訳はどうであるか、こういうような点に対する資料をひとつ早急に提出していただきたい。

吉里邦夫文部大臣官房総務課長

○吉里説明員 調製の上、お届けいたしたいと思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そのような人員が、現在の国会の審議の情勢の中で、絶望の定員法に対処するという、いま申し上げましたような政府の方針が確定されておるのかどうか。この点は非常に大きな問題でありますので、この間の事情をひとつ大臣から明確にお答え願いたいのであります。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 国会に政府として提案いたしております定員法に関する法律案の進行状況につきましては、私ども実はいささかやきもきいたしておるわけでございます。われわれとしましては、この段階において申し上げることは、この定数法を何とか早く成立さしていただきたいということでございます。それが通らない場合のことをいま私どもとしましてかれこれどうするこうするというふうなことを申し上げる状態ではございません。定数法をなるべく早く国会のほうで御審議を願って通していただきたいというのが私の考えているところでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 大臣のその希望は当然だと私たちも思いますし、また、私たちの立場に立って、学校の先生方の、特に大学関係の定数というものは確保しなければならないということも、私たちとしては望んでおるわけでございますが、現実としてこの法案が通らない。これは仮定の問題でないと思うのです。もうそのように新聞報道もしておりますし、また、私たちの審議日程という中においても、いわゆる総定員法というものは通らない。こういう場合に対処する方針というものがなければ、非常な混乱といいますか、あるいは教育の危機といいますか、起こってくると思うのでございますが、それに対しては希望意見だけでは持っていけない。こう考えますので、何か希望だけでなしに——新聞報道が、政府方針として国家行政組織法の第十九条二項によって行なうのだ、こういうことがほぼ決定されたやに報じておることは、この間の私が仮定でないと申し上げた事情を裏づけするものであると思うのですが、それについてはどうでしょうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 定員法の今後の扱い方というふうなことについては、少なくとも私はまだその扱い方が決定したとは聞いておりません。私は、やはり与党のほうにおきましても、国会内においてその成立を期して努力しておられるものと存じます。政府といたしましては、もとよりその提案が成立することをまず第一にお願いをしておるわけでございます。政府部内においても、その取り扱いをどうするというふうなことはまだ話し合いもございませんし、それによって決定したこともございません。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 具体的にもう四月から学期が始まりまして、各学校は授業に入っている。そして御承知のような日数の中で現在まで経過しておる。その場合、各学校ともこの総定員法が通らないためにすべて欠員にされているんです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 実はこの定員法の成立がおくれておりますので、非常に苦労をいたしておるのでございます。いろいろと便法を講じまして何とかしのいでおるわけでございますが、いつまでもそのような状態で置けるものではもちろんないわけでございます。先ほど申しましたように、この国会においてこの法律案の成立を心から期待するものでございます。  ただ、私としましては、もしこれがかりに流れてしまうというような事態が起こるといたしますれば、これはたいへんなことだと思っております。そういうふうな事態は何とかして文部省としては善処しなければならない問題であるということは申すまでもないことであります。私は、現在の段階においてどういうふうな方法でいくとかいうふうなことは決定していないということを申し上げましたが、この問題の解決については私は責任を持ってやってまいりたいと思っております。したがって、すでに予算においても御審議を終え御承認を得ておるわけでございます。予算を具体的に実現いたしましてそれだけの定数を地方に配当するためには、私は責任を持って善処するということは申し上げることができると思いますけれども、その方法等につきましては、まだかれこれ申し上げる段階でない。願わくは政府の提案している法律案をぜひ成立していただきたいとお願いしている次第であります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 責任者の立場に立って善処するというお気持ち、これは了解いたします。しかし、善処の方法というものが、単に法案成立を期待するのだ、こういう前提の上に立っていることが一つと、もう一つは、通らない場合にはあくまでも責任を持って善処だ、こういうことだけでは、私たちは現段階においては非常に了解し得ないし、そしていまこういう政府方針は決定されていない、こういうような答弁でございますが、その中において、私たちはその善処の内容というものに対する非常に大きな疑問が出てまいります。これについては、なお後日触れる機会もあるし、一応善処の内容等は後日質問するといたしまして、法案の質問に入らせていただきたいと思います。  第一に、人事院総裁にお伺いいたしますが、私が本会議において質問した事項と、さらに先回この委員会において質問いたしましたが、時間等の不十分のためにまだ十分なる御意見をいただいていないわけでございますので、私はもう一度、明らかにしたいためにお伺いするわけでございます。  一つは、国家公務員は、国公法附則十六条で労基法の全面適用除外を規定しているが、同法の第一次改正法律附則第三条で、当分の間労基法の規定が準用され、労基法に示す労働条件が生かされて人事院規則となっている。こういうことを本会議で御質問し、したがってこのことで国家公務員は現実時間割りによる超過勤務をもらっておるのではないかということをお伺いしたわけでございますが、それに対してはどうですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 趣旨は過日本会議でお答え申し上げました以上出ないのでございます。要するに労基法に対する特例の規定あるいは労基法の適用排除というようなことが国家公務員についてはきめられておるわけでございます。したがいまして、すでに人事院規則におきましてもあるいは一般職の給与法におきましても労基法にかわるべき規定を設けておるわけであります。逆から申し上げましたけれども、さかのぼって申しますれば、三十六条、三十七条という労基法の規定はもうすでに従前から排除されておるということでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それでわかったわけです。答弁の速記録を見ておりますと、「労基法の規定は準用にはなっておらない実情でございます。」このようなお答えを本会議でいただいておりますから、再度確認したわけでございますが、適用の除外はなっていても、労基法そのもののいわゆる時間割りによる賃金計算というものは、新しくあなたたちの規則によって生かして支給しておる、こういうように理解していいでしょう。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは法律論としては、労基法がかぶっておって、それに対して公務員法あるいは給与法あるいは人事院規則で特例ができるのやら、初めから労基法がかぶらぬのやら、これは根本論としてはあると思いますけれども、それはいずれにいたしましても、現実の三十六条、三十七条は適用もない、準用もない。それにかわるべき条文は一般職の給与法にあり、かつ人事院規則がございます。それによって完全にとってかわられておる、これが従来の現行法でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 他方、地方公務員は人事院の所管ではないとは思いますが、地方公務員も、地公法上一部適用除外はあるが、その大部分は適用されて、時間外の勤務制度が確立されておる。こういうことは私から申し上げるまでもなしに、所管外であろうとも、人事院は当然これはお知りになっておることと思いますが、国家公務員、地方公務員、同じく公務員である場合に、国家公務員は適用除外はあったとしても、それにかわるべきものが人事院規則にある。教員のみが、かわるべきものとして、いま提案されているように、いつでもどこでも時間計算によらない時間外手当制度という新しい制度が今度つくられるわけです。これは非常にその間均衡を乱しておる。このことは私は本会議においても取り上げたわけでございますが、この均衡を乱しておるということに対して、給与専門の立場に立っております人事院の立場からはどのようにお考えになるか。私はあくまでも不均衡であると思う。この不均衡を、これでいいんだ、あるいはもうこの前の答弁にもありましたが、当分の間だからまあがまんするんだ、こんなような趣旨のことも御答弁いただいたわけですけれども、この不均衡に対して率直に人事院総裁としてのお考えを伺いたいわけでございます。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 私どもは一種の独立性を与えられ、中立機関として、自分たちもそう思いますし、周辺からも立てられておる立場におるわけであります。そういう立場から申しますと、管轄外のことは一切もう口にしてはいかぬ、そういうよけいなことは言うもんじゃないという立場に徹しなければならないと私ども思っておりますから、そういう意味で、ただいまの御質問は御了承願いたいと思います。むしろ地方公務員の方々も、われわれ決して侵略戦争をたくらんでおるわけではありませんから、人事院のかさの下に入れていただいて、それからそういう御質問をしていただければ、喜んでお答えできるという立場におるものでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 職務権限外だということは、私もいま申し上げましたように了解した上において、国家公務員の全体給与をつかさどっている場合に、やはりこの不均衡というようなものが、現実としてできているんだ、こういうことだけは認められますか。いい悪いは別としても、やはり不均衡であるというこの事実だけは認めていただきたいと思います。これはどうなんですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 とにかく所管外のことは一切申し上げないという覚悟でまいっております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それならば文部大臣に。  地方公務員法の十三条に、公平にしなければならぬという趣旨の条文がはっきり規定されておりますね。そうした場合に、教員の場合と、いわゆる県庁職員、市町村職員というような地方公務員、この地方公務員同士というのも、先ほど人事院にお聞きしたように、やはり不均衡ができておると思う。片方はいわゆる割り増し賃金制をはっきりと、労基法そのものからは適用除外したとしても、やはり地公法の中においてとられておる。今度は教育公務員特例法によって、全く労基法の基本であるところの割り増し賃金制度というものを否定しておる。そうした場合に、私はこの不均衡ということは地方公務員法第十三条の精神にはっきりとやはり抵触する、こういうように理解するのですが、大臣どうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 この法律案で御審議をお願いしております教職特別手当と、一般の割り増し賃金制度と違っておるということだけは明らかなことであります。違っておることは明らかでございますが、しかし、これはやはり教職員の勤務の態様の特殊性というところに着眼いたしまして、このような制度を設けたわけでございますので、違っておることはもちろん認めますけれども、直ちにこれをもって不つり合いとか、不均衡とか、あるいは不公平とか、こういうことにはならない、そのように私は思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 何だかどうもいまのお答えは明確でないですね。違っていることは認める。しかし、私が聞いているのは、地公法の第十三条の平等取り扱いの原則ということは、人種、信条、性別ということを書いておりますけれども、私は当然このことは給与上においても明らかに含まれておると思うのですよ。そういう理解の上に立った場合に、この地公法十三条の平等取り扱いの原則ということにやはり抵触するのじゃないか。大臣はいま、違っているということを認められた。認められたとすれば、この平等取り扱いの原則に抵触するのじゃないか、こういうことを聞いておるわけです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 それぞれの職務に従いまして適当な給与制度を設ければ私はよろしいのじゃないかと思うのであります。それがむしろ平等の考え方ではないかともいえると思うのであります。形式的に同じような取り扱いをするということは必ずしもその原則に忠実だとは一がいにいえない、このようにも思う次第でありまして、今回の案は、教職員の特殊性にかんがみてこのような制度をつくったというところで御理解をいただきたいと思うのであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 いま大臣答弁されたように、それぞれの給与の差、いわゆる給与体系というものはそこに出てくると思うのですよ。各種の給与体系、技能職とか行政職とか、こういう給与体系というものは、これはいま大臣の答弁の上に立った考え方によって成立する。しかし、その中に貫かれているものは、やはり一つの給与について、たとえば時間外の給与についてそれも違っていいのだ、こういうことは成り立たぬ、こういうように私は考えておるのでございますが、その違いというものを、給与全体ということでなしに、限定された一つの給与の取り扱いの場合に、この公平の原則——なるほどこの十三条には給与とは書かれていませんよ。書かれていませんが、あくまでもこの精神の上に立った場合には、私は、地公法の精神を生かした一つの給与というものを立てなければならない、こういうように考えておるので、どうしても大臣の答弁では理解できないのです。違ってはいるけれどもそれは差しつかえないのだ、こういう考え方は理解できない。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 地公法の十三条についてのお話から出ておるようでございますが、十三条は、この法律の適用についての個々人の扱いの平等を規定しているわけでございまして、特に人種、信条、性別、社会的身分もしくは門地によって扱いを異にしてはいけないという規定と私理解いたしておるわけでございます。いま大臣申し上げたことは、教育公務員、これにつきましては現在特例法という法律がございまして、同じ地方公務員でありましても、教職員の職務と責任の特殊性に基づいて、それに適した規定は特例法で定めているわけでございまして、その限りにおいて一般の公務員と違う扱いはすでに法律上認められているわけでございます。この意味では違いがあるということを申し上げているわけでございまして、そのことは平等あるいは不均衡という問題とはちょっと違うんじゃないか。特例としてその職務と責任に応じたふさわしい規定を定めるというのが認められているわけでございまして、現に特例法が存在している、このことを申し上げているわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 いま局長が答弁したように、一つの特例を設けて、大臣答弁されたように差をつくっていく、違いをつくっていくというところに大きな問題がある、私はこういうことを考えているのですが、労働大臣もおいでになっておりますので、その問題はあとでまた議論いたします。   〔委員長退席、坂田(道)委員長代理着席〕  労働大臣にお伺いする前に、もう一つ人事院にお伺いしたいのは、本会議の答弁で、この特別調整額という、超過勤務手当を支給せずにこのような手当が一部にあった、したがって悪いとはいえない、前例もある、このような答弁をいただいておるわけでございますが、私は、この特別調整額というものと今度の手当というものは本質的に違う、こういうような考え方を持っているのですけれども、これは同じなんだ、前に例があり、したがって悪いとはいえないと、こういうことを唯一の根拠にされているのですが、この特別調整額というものの人事院のとらえ方、これをひとつお聞きしないと、今度の手当との比較ができないので、どういうように特別調整額を理解されているのか、お聞きしたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 ごもっともな御指摘だと存じます。特別調整額も、御承知のとおりに沿革をたどれば、もとは超過勤務手当をもらっておった人たちが後に特別調整手当の方向へ制度が切りかえられたという沿革を持っておるわけでございます。なぜそういうことになったかということには、やはり条件が二つあると思います。その意味では完全に教員の方々と全部が全部一致するかどうか、それは正確に科学的にはいえるかどうかわかりませんけれども、要するに管理監督者としての特殊の責任関係というものはその場合に一つあるということはいえますけれども、しかし本来超勤になじみにくい仕事だということも大きな条件になっておりますからこそ、超過勤務手当をいままでもらっておった人たちが、それをやめていまの特別調整額のほうへ移ってしまっておるわけです。その意味においては共通の面を持っている、そういう気持ちでこの間お答えしたわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 特別調整額を支給するときの考え方には、、そういういまお答えのような考え方が当然あったということも私は理解できます。しかし、今度は御承知のように労基法の適用を排除して全面的にこの手当に切りかえていく、こういうことが、しかも全国一律に、いつでもどこでもその職種にある限りは、時間にとらわれないで一斉に、今度割り増し賃金制というその基本までくずして出していくという手当と、いまおっしゃったような特別調整手当というものが同一の性格のものだという判断に対しては、私は理解できないのですけれども、もう一度、経過だけでなしに、特別調整手当というものは、それならば労基法の適用除外をしてこれを支給してやったのかどうか、こういう法的な根拠等もお伺いしたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 労基法との関係での法律的の根拠は、完全にこれは同じ根拠で、共通の性格のものだと思います。ただ、いまのお尋ねの中に若干疑問がうかがわれますのは、いままで超過勤務手当制度のもとにあった人たちをその制度からはずして、特別のいわば一括の形での手当の対象とすることはどうだということに御疑念がおありになるように思いますけれども、これについては、先ほどお答え申し上げましたように、先例もあるし、制度の問題として許されないこととは思えないというのがわれわれの信念でございます。ただ、その意味でこの法案が落第かどうかといえば、その意味でこれを落第だという判こを押すわけにはわれわれとしてはまいらぬということでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 私がお聞きしておるのは、特別調整手当は労基法の適用を明確に除外して、支給する根拠によって支給されたものか、ここが同じでなければ私は同じだといえないと思うのです。そこをお聞きしているわけです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 私どものお預かりしておる国家公務員の方々の面についていいますと、労基法関係では、超過勤務を命ずるという根拠の問題は全然別系統で、公務員法でできておる。あとは、それに対応する一種の手当的の措置をやるかやらぬかということについて、従来の公務員法系統では超過勤務手当ということで一応たてまえができておった。一方においては、先ほど触れました管理監督の地位にある者には超過勤務手当をやらずに特別調整額というものでまかなっておる。そういう二色の性格のものがいままであったわけです。そこで、一々時間当たりの超過勤務手当を支給せずとも、一括して考えていく手当の方法も現行制度上あるじゃないか、こっちからそっちへ乗りかえようというのに、それはだめだ、それは落第だということをわれわれとしては言い切れないということを申し上げておるわけです。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 特別調整手当というのは、すべて全員に支給してやったのか、それともこういう職種に支給する、こういうことであったのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 特別調整額は、おっしゃるとおり、特定の仕事をやっておる、いわば管理監督の地位にある者に対して現在は認めております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そのことは私は理解できるのです。管理監督の立場にある人たちに超過勤務手当が支給がない、時間計算しない、そのかわりに出ておる。たとえば教育公務員の場合だって、管理職手当というものが特別調整手当に匹敵する。しかし、今度の手当は少なくとも全員なんですね。こういう全員に支給される性格のものと——私からいえば管理職手当と特別調整手当というものは大体同じだ、だけれども今度の手当は別だ、こういう考え方を私は持っているわけなんです。したがって、そういう中で特別調整手当はあるんだから、このような例があるんだから今度の手当もいいんだ、悪いとはいえない、こんなような答弁について大きな疑問を持っているわけです。管理職手当、特別調整手当さらに今度の特別手当、この三つの関連をどうお考えになるか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 先ほど来のお答えを一ぺん裏返して裏から申し上げますと、かりに超過勤務命令は自由に出せるという体制に法律を切りかえておいて、しかも給与のほうの手当は、本俸の増額もない、特別の手当を設けるでもないというようなことであれば、われわれとしては断固としてこれは反対せざるを得ない性格のものであると思います。ところが、少なくとも国家公務員の場合について申しますれば、超過勤務手当にかわる手当の措置がやはり与えられておりますからして、その意味では落第点をつけるわけにはまいりませんということを申し上げているわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 本会議の答弁でもいまの答弁のお気持ちが少し出ているわけです。「人事院として残る問題は、超過勤務手当を支給せずに、特別の手当を支給することはどうかという問題が残るわけでありますが、」しかしこれは例がないわけでない。特別調整手当があるから、だから悪いとはいえない。こういうように御答弁されているわけですけれども、そうしますと、私は特別調整手当と同じ性格のものだからと、こういうようにこの答弁からは理解できたのです。しかし、私は特別調整手当と今度の手当とは性格がほんとうに違う、こういうように考えたのでいまお聞きしたわけです。やはり同じに考えていいのですか。同じに考えるとすれば管理職手当と特別調整手当というものは一応同じだけれども、今度の手当というものは違う。こういうように私は理解せざるを得ないのですが、そういうふうに総裁は理解できないのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 本会議の演壇の上での答弁は、あまり長々とこまかく申し上げるわけにもいかず、できるだけ簡潔にという心組みで申し上げております。かたがた上がっておったかもしれません。したがいまして、手近かな例といたしまして今まで特別調整額のような例もございますしということで申し上げてしまったわけですけれども、しかし、ただ例があるからとかなんとかという問題じゃないので、その例の根本になっている基本の原理というものをたずねてみれば同じじゃございませんが、それを先ほど来たびたび繰り返し申し上げているわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そうなると、なお私は理解できないのです。基本の原理が同じだという考え方に立って例もあるんだ、こうお答え願ったと思います。もちろん時間がないのでことばの不十分な点は私たちも了解できます。だからお忙しいところ来ていただいてお聞きしているわけです。  立場が違うんじゃないか。管理職手当と特別調整手当は同じだ、しかし、今度の手当はやはり違うんじゃないか。そこを人事院総裁としてはどう理解されるんだ。違うとすれば例には引き出してこれないし、総裁がいま言うように、同じだというから例にされたというけれども、もう一度、私のほうの考えが違っているのか、私は、いま申しましたように特別調整手当と今度の手当というものとは性格は根本的に違う、こういうふうに理解しているのです。その点をくどいようですが総裁もう一度。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 くどく聞いていただければいただくほど私どもとしてはありがたいのでありまして、本会議の片言隻句だけで批判されてははなはだ心外なんで、ありがたいことだと思って私はお答えをしているわけです。  いまの基本の原理と申し上げましたのをさらに分析すれば、要するに、超過勤務の命令の出しっぱなしで、給与上の措置を何らとらないということはけしからぬことで、これならもう断固としてわれわれは反対しますと先ほど申し上げたわけです。ところで、それにかわるべき給与上の手当としてどういう方法があるかというと、御承知のように、たとえば若い人もみな含めて裁判官あたりには管理職手当もないわけですね。いわゆる特殊勤務手当もない。それから今度考えられているような手当もないかわりに、しかし本俸のほうをふくらましているということになるわけです。本俸をふくらます手もありますよ。それから管理職手当といわれているものは一種の特別調整額のことをいうのですけれども、特別調整額でまかなう方法もありますよ。それに似た形として今度の新しい形が出ましたよ。その間における基本原理は同じでございます。何も給与上の手当をしないというなら、たびたび申し上げましたようにわれわれとしては断固として反対すべきものであると考えております。それが手当化してあるものだから、落第点はつけられませんということを申し上げたわけです。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そうしますと、たとえば時間にとらわれないという一つの手当だ、そういう点で同じなんだ。これだけなんですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 超過勤務の手当の制度にはなじみにくいという性格はあるだろう、これはいえると思いますね。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 これは総裁にお聞きしなくとも、先ほど公明党の有島委員からもいままでの判例等も問題が出たようですけれども、いままで超過勤務については支給すべきだという裁判所の判決、それからあるいは人事委員会の勧告、こういうものが出ていたわけです。ただその場合、あくまでも割り増し賃金制度というものが基本に考えられていた。しかし、今度の手当は、その割り増し賃金制というものを全然考えないで、そうしていわば管理職のように時間にとらわれない、こういうことだけ、いわゆるなじまないといういろいろなことばを使いながら、この手当を創設をしたわけですが、ここに問題があるのは、人事院総裁にこれだけちょっとお伺いしたあと労働大臣にお伺いしたいのですが、ここでも非常にことば足らずに時間の関係で出ているのですよ。「人事院として残る問題は、超過勤務手当を支給せずに、特別の手当を支給することはどうかという問題」この問題は基本問題だと思うのです。いま私が言ったような性格を帯びながら、基本問題だと思うのです。だから今度はこの法案が通れば、必ずあなたたちの勧告事項にもなってくるわけです。ですから勧告するとするならば、この問題を解明しないで勧告できないわけですね。ですからいままで長い間この問題が出てきて、この手当について人事院としてのいわば見解、はっきりした結論、こういうものを最後にお聞きしたいのです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは三十九年の人事院勧告の際の報告書の中で、その当時、先生方の超過勤務手当の問題が非常に関心を集めて重要問題になっておりましたこともありまして、その際われわれはその問題を取り上げたわけです。これはかねて申し上げたと思いますけれども、教員の超過勤務の関係では、「現行制度のもとに立つかぎり、成規の時間外勤務に対しては、これに応ずる超過勤務手当を支給する措置が講ぜられるべきは当然であるが、」ということを一つうたってある。他方、というわけです。「他方、この問題は、教員の勤務時間についての現行制度が適当であるかどうかの根本にもつながる事柄であることに顧み、関係諸制度改正の要否については、この点をも考慮しつつ検討する必要がある。」問題点はそのときに指摘しているわけです。もっとも二本立てですから、超勤命令を出した以上は、現行制度のもとにおいては払うのはあたりまえだということと同時に、根本問題についてはやはり検討する必要があるということを指摘した、それにつながる問題であるということを申し上げたわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 そうだと文部大臣にお聞きしなければならないのですが、人事院が言うように、現行制度の体系においては超過勤務は支払うべきだ、しかし、給与の実態については根本的にやはり検討すべきである、こういうようなたてまえになっているわけですよ。そして今度の予算を見てみますと、給与の実態については予算を取って根本的に検討していくかまえをとりました。しかし今度は、他方人事院の勧告のほうでは、この基本ができるまでは現行法でやるべきだ、こういうような考え方が出ているのに、この基本は基本でこれから検討する。だけれども今度、基本ができないうちに、ほんとうに教職員としての給与体系はこうあるべきだという結論が出、それを実施されないうちに、この現行制度をくずしていく、こういうことは人事院の前から勧告されたものと非常に食い違ってくるのではないか、いわゆる本末転倒されているのじゃないか、こういうことを私たちは大きな疑問に持つのですが、いかがですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 政府の考えといたしましては、前から問題となっております教員の時間外の勤務に対してどう対処するかという問題でございます。現行法のたてまえから申し上げますれば、いわゆる労働基準法の関係の割り増し賃金制度というものがあるわけでございます。したがって、超過勤務を命じました場合にはこの制度によるということになろうかと思うのでありますが、それが適当であるかどうかということをいろいろ検討しました結果、われわれとしましては今回の教職特別手当のほうが適当である、こういう判断のもとにこの案を出したわけでございます。  一般的な教員の給与問題につきましては、なお十分調査もし、検討もいたしまして、願わくはりっぱな給与体系というものをつくり上げていきたいという希望のもとに調査を進めておるわけでございます。それまでの措置といたしましては、とにかく従来の法律のもとにおいて割り増し賃金制度というものを実施するということが必ずしも適当でないという考えのもとにこの案が出ておる、かように御了承願いたいと思うのであります。これもただ単に文部省だけでそのようにきめたわけでもございません。関係の向きと御相談もいたしました結果、これを出すことに決定いたしましたようなわけでございます。そういうふうにひとつ御了承願いたいと思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 根本的に教員の給与体系ができるまで、さっきの問題を繰り返しますが、そういう場合に現行の超過勤務は生きるんだ。しかし、それをくずして今度の手当にしたんだ、こういうことなんですが、これは一つの大きな変化だと思うのですよ。そうした場合、私お聞きしたいのは、公務員制度審議会というのがありますね、これの意見というものは、いま大臣は各方面の意見を聞いた、こういうことですから、当然公務員制度審議会の審議にかける、こういうような点はお考えにならなかったのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 今回提案いたしております教職特別手当の問題でございますが、この問題を公務員制度審議会にかけるというようなことは、私は考えておりませんでした。これは先ほど来申しておりますように、将来の給与の問題については根本的に検討いたしたいと思いますけれども、いわゆる超過勤務手当を出すことが必ずしも適当でないというので、少なくとも暫定的な問題としまして教職特別手当を出そう、こういうことに考えをまとめたわけでございます。この問題を公務員制度審議会にかけるというような問題とも私ども考えておりません。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それでは私も、公務員制度審議会の任務、構成、あるいはいままでどういうものを審議会の議題とされたかというようなことも検討してみたいので、公務員制度審議会の委員の構成、それから現在までどういう審議事項があったか、これをひとつ資料として出していただくように、委員長においてお取り計らいを願いたいと思います。

坂田道太自由民主党

○坂田(道)委員長代理 資料を提出させるようにいたします。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 労働大臣にお伺いしますが、本会議においては、やはり人事院の総裁からの御答弁のように、非常に時間が足りないし、そういう点で不十分であったわけでございますので、もう一度基本的なことから、ひとつ簡単にお聞きしたいわけです。  私は、この問題は、世上いろいろいわれておりますように、あるいは学者の見解等もありますように、憲法にまで及ぶ相当大きな問題だ、こういうふうに理解しています。憲法の二十五条、二十七条の二、そういう上に立ちながら労働基準法というものができている、こういうふうに私たちは理解しているのです。したがって、労働基準法に抵触するようなことになってくれば必ず憲法にまで及ぶ、こういうふうに理解するのですが、この点は私の理解でいいのかどうか、ひとつ労働大臣の率直なる見解をお伺いしたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 労働基準法は労働の最低基準を規定したものでございます。その最低基準の範囲内で他の法令によりまして基準が定められております限り、基準法の趣旨がそこなわれるということにはならないと存じます。したがって、憲法の趣旨に背反するということにもならない、このように考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 何か私の聞き方が悪かったのです。いま申しました憲法の条項から労働基準法というものは生まれているんだろう。したがって、一つの問題として労働基準法に違反してくる、こういう問題になってくれば、やはり直接憲法の生存権やその他にも違反というように結びつくだろう、こういう質問なんです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 法律の解釈に関する問題でございますから、私から申し上げますが、憲法二十七条第二項は「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」こう規定しておるわけでございますから、法律で定めればよろしい。ですから、たとえば船員については船員法で労働条件を定めておるわけであります。国家公務員については御承知のとおり国家公務員法、要するに法律で定める、こういうたてまえでございますから、直ちに憲法二十七条第二項違反の問題は生じない、私どもかように考えておるわけでございます。  先生の御質問の趣旨は、労働基準法の定めている範囲内からいろいろ抜けてまいりますということが、憲法二十七条第二項をいわばストレートに受けております労働基準法の体系と申しますか、この体系を維持するという観点からのお気持ちもあるのではなかろうかと思いますが、法律の解釈論といたしましては、船員法とか国家公務員法等それぞれ労働条件を定めた立法があるわけでございますから、法律で定めればよろしいというのが憲法の第二十七条第二項の趣旨であろう、かように考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 だから、その中にも労働基準法がある。したがって、労働基準法違反条項というものは、やはり違反が出る、出た、こういう条項になってくれば、憲法二十七条の違反にもなるし、あるいはいま大臣から御答弁いただいたように、この基準法の基準というものはあくまでも最低だ。そのことは憲法二十五条の最低生活の保障というような点を受けている労働法であるから——他の法律はありますよ。ですが、いまお聞きしているのは労働基準法についてです。したがって、くどいようだが、私は単純に考えて、やはり労働基準法の違反ということは憲法違反につながる、こういうふうに理解しているんですけれども、やはりこの理解は非常に大切だと思うのです。単純に理解していくということはですね。その個々のケース等についてはいろいろございますよ。しかし、法律のたてまえからいえば、憲法の条文を法律で受けているんですから、その法律の違反は必ず憲法違反になるんだ、こういうように単純に理解しているわけですが、それでいいだろうかという、多少愚問的なものなんですけれどもね。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、労働者の勤労条件に関する基準は、法律で定めるということが憲法の定めるところであります。労働基準法という名の法律でなければならないというたてまえにはなっていないわけでありますから、法律で定めれば憲法二十七条第二項の趣旨は満たすわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 ただ、そこで問題になるのは、やはり地公法であろうが、あるいは先ほど言いました船員法であろうが、あるいは今度の教特法であろうが、やはり労働条件というものに対するとらえ方、これはやはり労働基準法のあの最低であるという考え方と並んで生きていなければならないのではないのか、こう私は理解するのですがね。これはどうですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 労働基準法が、第二十七条第二項の規定を受けて制定された法律であることは、これはもう議論の余地はないのでありますが、この二十七条第二項の規定に沿うには、労働基準法以外の法律で労働条件に関する基準を定めてはいかぬかというと、そうではないのでありまして、法律という形式をとれば二十七条第二項の要件は満たすわけでございます。しかしながら、あとは、その労働条件の内容の程度がどうであるかということは、これは立法論になるわけでございます。そうしてまた、先生は憲法第二十五条のいわゆる生存権保障の規定との関連においても問題があると認識されておるようでございますが、これは結局それぞれの法律で定める場合に、この基準がどのような内容のものであるかということの判断になるわけでありまして、直ちにもって憲法違反だというふうにはならないのではないか、かように私どもは解釈いたしております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 直ちに憲法違反だなんというような問題でなしに、やはり憲法を受けてあらゆる法律ができてくるわけでしょう。だからその中にやはり私は、今度労基法の適用除外という問題が一番中心になる問題ですね、今度の教特法では。そうすると、適用除外されても、一部適用の除外で今度は教特法に入ったとしても、それにはいわば健康、福祉を害しない、こういう一項だけが入りさえすれば——基準法できめられておるあの最低基準という、こういう事柄の精神が何か薄くなっていく、こういう点もあるので、それはあとでいろいろ議論してみたいと思うのですけれども、要は、単純にいえば、やはり地公法であろうがあるいは教特法であろうが、それは勤務条件の中においては労働基準法との、一つの法律との関連の中において、基準法で明確に示されている最低基準、こういう性格を受けたときに、やはり基準法の精神を、同じ法律だから、これはこちらのほうに単独にそういう性格のものを入れなければならない。入っておれば何も問題でないのだというような考え方がとかくとられやすいというような点もあるので、私は少しくどいようだがいまお聞きしているわけです。やはり労働基準法の精神というものは、もう一度申しますと、地公法であろうがあるいは先ほど言いました船員法であろうが、教特法であろうが、これは一貫してやはりある。こういうように理解していいだろう、こういうことなんです。労働大臣、どうですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 各種の法令が労働基準法と趣旨においてバランスのとれたものであることは、これはもとより望ましいことだと考えております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 したがって、労基法の一部を適用除外して、そうして今度の教特法によって、教職という全員が——もちろん管理職を除いてですが、全員が一律に、いつでもどこでも四%で押える、こういう考え方は労基法の割り増し賃金制度というこの基本、一日何時間、週何時間、これが原則ですね。それと同時に、こえた場合には割り増し賃金制度だというこのもとの、この割り増し賃金制度というものを否定して、それで一律で、しかも全員を押えるのですから、こういうことについて本会議においてもお聞きしたわけなんですけれども、この点もう一度お伺いしたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 今回創設されまする教職特別手当なるものが、教職員の所定労働時間をこえる勤務の態様の特殊性ということに着目して創設されたものであることはしばしば御説明申し上げたとおりであると存じますが、この教職特別手当なるものが労働基準法における超過勤務手当に見合うものであり、あるいはこれを吸収するものでありまする限り、労働基準法の趣旨がそこなわれるということにはならない、私どもはそのように考えておるわけであります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 では逆に、こんなふうにお聞きしたいのです。四%で打ち切られていますので、現実は四%をこえることがしばしば出てくると思うのです。そうすると、労働基準法においては一日は何時間、一週は何時間、この原則が立てられているわけですね。やはり一日単位に労働を見ていくということが基本だと思います。今度はこの四%で、一日の勤務時間を見ないのですね。それから週も見ない。大体月くらいになるわけですね、月二千円という支給の方法ですから。そうしますと、私のお聞きしますのは、この原則、一日、一週、それをくずしてそうして月なり年なりに見ていく。こういうことはいわゆる割り増し賃金という、いまの私が申しました時間制度というものと全く矛盾しているので、くどいようだが、これについてはどうなんですか、明確にひとつお答え願いたいというのが私の質問なんです。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 所定労働時間外の勤務の態様が時間的な計測に適しない、こういう前提に立ちますときに、これは一律に支給するほかない、これはやむを得ざることだと存じます。その場合に、個々の教職員について超過勤務に非常に著しい差異が生じないように、この点については職務の分担等について文部省が適切な指導をなさる、このように承っておるわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 それではもう一つ。現実に一日何時間、週何時間、これはくずせないですね。これはくずせないと思うのです。今度はこえたものについて、私はこえました、こういうことで労働者が請求する権利が生じますね。その労働者が請求する権利は一日単位にあると思うのですが、大臣、その権利もないのですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 現行制度と立法論とのからみ合いで、そのアプローチのしかたによりましていろいろ違うと思うのでございますが、基本的な立場に立ちますと、もちろんオーバーワークに対してはペイされる、これは当然であろうと思います。そこで、現行制度におきまして三十六条協定を締結した場合には超過勤務を命ずることができるわけでありますが、その三十六条協定がなされなければ超過勤務をさせること自体が違法であるわけであります。現在超過勤務をしたと申しますけれども、三十六条協定をなさずに超過勤務をすること自体が違法であるわけであります。そういう現行法上から見た評価というのはあるわけですが、ただ長い期間にわたる教職員の問題につきまして、制度は一般の民間労組と同じように三六協定を締結して時間外勤務はなし得るのだ、かようにはなっておりますけれども、現実に三十六条協定を結ばない。しかも超過勤務の事実があって、そして超過勤務手当を払うかどうか、財源措置はどうなっておるかということについて問題があるという場合に、問題をどう考えたらよいのかという観点から提起せられた場合に、先ほど労働大臣からお答え申し上げましたように、制度はあるのだが現実には機能しない、そして払うべきものが払われない、そういう姿がよいのか。そうでなくて、超過勤務の時間が、たとえば家庭訪問のような場合に時間の計測が困難だという認識があるならば、そういうものをある程度考えて現実的に妥当な処理をするのかどうかというポリシーの問題があろうかと思うのであります。先生の御質問は現行制度のたてまえを堅持してはどうかという御質問でございますが、現行制度のよって立つプリンシプルやあるいはそれによっての判断というものはおのずからもう明らかでございまして、私からちょうちょう申し上げる必要はないと思いますけれども、長年にわたる教職員の問題につきまして、現実的にこれをどうするかというポリシーの問題として考えますときに、いろいろな見解がなされ得るわけであります。そのアプローチのしかたいかんによりましてその問題の把握のしかたが異なってくる。私どもも問題いろいろ考えておりますけれども、現実処理の問題として、先ほど大臣がお答え申し上げましたような考えもとり得る、こういう立場に立つわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 超過勤務を命ずること自体が原則でないのだ、極端にいえば違法だ、こういうことなんですね。それでいいですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 現行制度のもとにおきましては、地方公務員で一般の公務員につきましては、労働基準法第三十三条によりまして、公務の必要があります場合には超過勤務を命ずることができる、こういう制度になっておりますから、あえて三十六条協定を結ぶまでもなく、一般の県庁とか市役所、役場では三十三条でやれるわけでありますが、教員の場合は三十六条協定を結ばざるを得ない。同じ基準法の適用を受けておりましてもそこに違いがあるわけであります。でありますから超過勤務をなし得ないというのじゃなくて、三十六条協定を結べば現行制度のもとにおきましても超過勤務をさせ得るわけであります。三十六条協定を結ばずに超過勤務をさせる、命ずるということが違法になってまいる、かような意味であります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 大臣、いま局長からの答弁で三六協定を結ばないのに超過勤務をさせるのは違法だ、現実、教職員の場合は三六協定ないでしょう。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 制度としては存在しておりますが、現実には三六協定が結ばれたという事実はないと思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 先ほどの裁判や人事委員会の判決というような点で、ここで申し上げるまでもなしに、長い問いろいろ物議をかもしておりましたが、結ばなければならぬものを結んでいなかったということは、これは監督官庁は確かに文部省でありますが、労働大臣としての立場から、このような状態が放置されていたということについて、いま、だれの責任だとお考えになりますか。労働者という立場、私が先ほどくどいように基準法との関係でお聞きしたのですが、地方公務員であろうが国家公務員であろうが、労働者という一つのとらえ方はある。したがって、労働基準法との関係をさっきもお聞きしたのですが、そういう立場を踏まえながら、労働行政の最高の責任者として、当然法律でなされなければならなかった三六協定、それを結んでいなかったということは行政上どこに欠陥があったと思いますか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 文部省は、従来所定労働時間の範囲内において勤務させるような指導方針をとってきておると承知しております。この指導方針は適切であったと私は考えております。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 労働省の方針といたしましては、正規の時間内で労働がなされること、これが最も好ましいとしております。オーバーワークをするということは好ましいことではないわけであります。したがって、正規の時間内で勤務を処理ということが望ましいわけでございますから、私どもも工場、事業場に望む際に、三六協定を結んで超過勤務をしなさいといったようなことは申すべき筋合いのことではないわけであります。したがって、現行制度として例外の措置もありますけれども、その例外の措置をとるように行政官庁が云々するということは、労働者保護のたてまえから申しますと、これは逆でございまして、むしろ、そういう例外措置をとらずに、基本原則どおり労働してもらいたいというのが私どもの立場であるわけであります。したがいまして、いま大臣が申し上げた趣旨もそういう趣旨であろうかと存じまして、補足さしていただいたわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 例外でないんですよ。全国一律にこのような、私からいえば行政上の法違反、三六協定を結ばなければならないものを結んでいなかったということは、労働行政の最高の責任者としての労働大臣は、どこに欠陥があったと理解しているのか、こういうことをお聞きしておる。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 超過勤務を命じます場合に、三六協定の存在することが前提でなければならないことは当然だと思います。したがいまして、一般の事業等につきましては、労働省として従来そういう指導をいたしておりますが、何ぶん国家公務員には労働基準法は適用されておらぬことは御高承のとおりでございます。地方公務員については、一部を除いて基準法が適用されてはおりますけれども、基準監督機関の権限は及んでおらないわけでございます。したがいまして、所管外の問題でございますので、今日までの実情、実態等については私ども知悉いたしておらないわけでございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 所管外、所管外と言うのですけれども、現在までの行政の中において、いわゆる教員の立場からいうと当然三六協定を結ぶべき立場にあるのだ、それはそうですね。そうすれば、それを結んでいなかったということは、他方それは文部大臣の所管下にある者、あるいは地方教育委員会の身分の中にある教員であろうとも、労働大臣としては、そういう点について結ぶべきもの、三六協定すべきものをしていなかったということは、これは教育委員会の職員だから、これは文部大臣の職員だからといって、これは見のがしておくべきではないと思うのです。内閣というものは行政の一つの統一でしょう。そういう場合に、私は、いままでの中でそういうものが行なわれてきたのはどこに欠陥があるんだということを、これはやはり労働行政の最高の立場にある人からお聞きしたいと思うのですよ。これは文部大臣や局長あたりから聞けば、勤務の態様はこうでありますなんて理屈つけるんでしょう。そんな理屈じゃなくて、法のたてまえから見て、労働大臣の立場からは、それじゃどこに欠陥があったんだということを、私はやはりとらえていただきたい。これは当然とらえていたと思うのですが、どうですかということをお聞きしています。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 ただいま申し上げましたように、三六協定が存在せざるにもかかわらず超過勤務を命じたとすれば、これは明らかに違法であると思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 したがって、現在超過勤務の実態がある。これは文部省の正式調査においても明らかになっておる。現実は時間外勤務があった、三六協定はないんだ。その行政的な欠陥を私は御質問している。現実あったものを、三六協定がないから超過勤務を命じないんだ、こういうようになっていたところにいままでの問題があるのですけれども、こういう点を労働行政の最一高責任者として、これは文部行政だからといって投げておいたところに大きな欠陥があり、そこに文部省の一つの官僚独善的な——あらゆる部面にあらわれておりますが、大きな労働基本権の軽視、そういうものが文部省の中には横たわっていたと思う。それを労働大臣のほうではあくまでも所管外でございますと、こういうところにいろいろ問題の根源も考えられているのでございますが、くどいようですけれども、少なくともいままで投げておいたところに一つの新しい手当をつくる。そして関係の省で協議いたしましたということは、この前の答弁で出ているんですから、その協議やその他の中には、やはりいままでの欠陥というものはどこにあったか、こういうことは明らかに私は常識でも考えられると思うのですが、そういう点について労働大臣としてはどうお考えになっているんですかと、こういうことをお聞きしているわけですが、すなおな御質問だと思っているんですがね。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 文部省は従来超過勤務を生ぜしめざるような指導をしてきており、したがって予算も計上されてないわけですし、三六協定も締結されておらない。それにもかかわらず、現実には超過勤務の事実があるということで、各地で紛争が起こっておるというのが現在の事態であろうと思います。文部省は、こういう事態を放置すべきではないというお考えのもとに、当面の解決策として今回の改正案を提出なさっておる、このように承知いたしております。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 今度は四%だけ出してきた。四%をこえた場合だって私は同じだと思うのですよ。あなたは、いままでは悪かった、現実に超過勤務について命じなかったことは違法です、だから四%計上しました、予算の四%かと思ったら違うんですね。何もかも全部月二千円ずつだったのが、今度は働いた時間が多少その日は足りなくても、月は足りなくても、あるいは多くとも一律に四%、こういうことが労働行政の大元締めである労働大臣が許せますか、ということを私ははっきり言いたいのです。だから質問することは、今度四%引きましたよ、現実に今度四%をこえたときにはどうなるんですか、このことをひとつ結論的にお答えください。現実に四%、一日なり一週間なりにこえるのですよ。労働基準法では一日単位、一週単位でしょう。それをこえたときにどうなるんですか。この法律の前と同じ理論が、当然四%をこえた労働に対しては出てくる。こういうように私は解釈せざるを得ない。なぜこんな常識論——法律学者でも何でもない人だって、一年間一律に押えておいて、そうして今度は手当として支給する、こんなことが超過勤務という形でとらえられますか。四%をこえたらどうするんですか。私はそれを労働大臣から明確にお聞きしたいと思うのですよ。時間になじまないだのなんだのというのは、この現実を向こうで言いたいそうですか、それはあとで私は聞きますよ。単純に割り切って四%に線を引きました、しかし現実は四%をこえて出ました、出たならばこれは超勤としてやはり当然認めなければならないし、請求があれば当然出さなければならないだろう。これが労働基準法のたてまえであり、その大元締めである大臣の考え方でなければならない。ですから四%をこえたときにはどうするのですか。はっきりひとつお答えいただきたい。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 いまの御指摘の問題従来の時間外労働、これに対応する割り増し賃金という原則から見ますると、御指摘の点は確かに問題があるわけであります。ただ、地方公務員の具体的な事実に即して申し上げますと、労働基準法の場合は、これは先生御承知のように一日八時間、一週四十八時間という基準があるわけでございます。超過勤務手当の支払いの問題もそれをこえた場合に問題が生じてくるわけでございます。私ども承知いたしておりますのは、地方公務員である教員におきましては、一週四十四時間というたてまえをとっておるのが大部分であるというように承知いたしております。そこで労働基準法の四十八時間というものとの関連を考えました場合に、そこに差があるわけであります。そこでこの問題を労働基準法の四十八時間をこえる超過勤務手当というふうなことで考えていいのかどうか、こういう問題があるわけであります。しかし、それは問題点としてあるだけでありまして、現実に超過勤務をした場合に、それを法定時間超過のいわゆる超過勤務と所定外時間における超過勤務、二つの問題がありますが、それは別にいたしましても、それをこえた時間の測定をきちんとして、それに対応する超過勤務手当、労働基準法上の割り増し賃金を払う、こういう制度をとっていけるかどうかという問題になるわけであります。それについては今回の法案は一律制度をとったわけでありますが、しかし、これが金縛りのものでありますれば立法論としてもいろいろ問題があろうかと存じます。しかし、この点については、私ども、今回の改正法案におきまして、人事院の勧告という制度がそれとうらはらの関係にあるということを承知いたしておりますので、そういうものとのかね合いにおいて総合的に判断されるものではないかというふうに存じておる次第でございます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 その最後の総合的というのは少しもわからない、総合的というのは何か全然理解できないのです。私は一つずつ条項を整理していって、合わせて理解できればいいのです。一つずつお聞きすると全然わからなくなる。勤務の態様だ、こう言うけれども、これは労働省関係の方だから申し上げますけれども、実際それは勤務の態様がいろいろ特殊性があるのだ、特殊性があったとしても、必ずそれは時間的にはかれる場合と、はかれない場合はこういう点だということは、一つの教育の流れの中にわかるのですよ。はかれるものもはからないで、あえて一律でやって、あえて今度は時間外の手当は一切出さないのだ、こういうたてまえが労働省として認められるのか、簡単に申しますとこういうことなんです。何か総合的に判断してなんということはおかしいんですよ。私が聞いているのは、はかれる時間ではかって、そして時間外に出たときには当然これは超過勤務の対象だととらえなければならない、こういうように労働省はお考えなのでしょうということを聞いているわけです。簡単なのです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 現行制度の割り増し賃金制度から考えますと、一律制というのは問題があるということは先ほど申し上げたとおりでございます。ただ、公務員につきましては法的な扱いが基準法と違っておるという点があることは御承知のとおりでございますし、かたがた教職員につきましてはもう二十数年来のいろいろないきさつがございます。そういう問題点を踏まえまして、現実措置をどうするかという観点に立ちましたときに、労働基準法の場でわれわれが考えております考え方と違うような立法論と申しますか、ポリシーがあり得るということについてどう考えるかということになりますと、これは現行制度のプリンシプルだけの問題じゃございませんので、現行制度から申しますと問題がございますけれども、今回の法案につきましてはこれ以上のことは申し上げることを差し控えたい、お許しをいただきたい、かように存じます。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員 あなたたちの考え方の立法とは違って別の考え方の立法がある。こういうような点については、私たちとしては全くいわゆる行政の一貫性といいますか、そういう点については大きな問題がいまの答弁からも残っています。しかし、この点については他の委員のほうからも今後いろいろと問題が出されると思いますので、本日は時間もきておると思いますので一応——先ほど要求をいたしました資料が出ますれば、それらについてまた質問等の点があればしたい、こういうようなことだけを残しまして本日の私の質問を終わります。

坂田道太自由民主党

○坂田(道)委員長代理 この際、午後二時より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時七分休憩      ————◇—————    午後二時三十八分開議

高見三郎自由民主党

○高見委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、川村継義君より発言を求められております。これを許します。川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 午前中、唐橋委員の質問を聞いておりましたが、いままだ来ておりませんが、労働大臣、労働基準局長の答弁で非常に疑義を持っているわけです。  そこで委員長にお願いします。私は資料をお願いしたいと思います。委員長から労働省の局長が来ましたらひとつ申しつけていただきたい。  その資料は、たぶん昭和二十三年七月ごろに出されております基準局長の通達、基発一〇一八S九号、それから大体同じころだったと思いますが二〇〇四号、それから昭和二十五年の九月ごろと思いますが、同じく基発二九八三号、この通達をぜひひとつ資料として出していただくようにお頼みをいたします。これがないときょうの基準局長の答弁をされました解明ができないと思いますので、まずお頼みをいたします。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 労働省はまだ来ておりませんけれども、それじゃそういうふうに取り計らいます。  質疑を続行いたします。大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原委員 本論に入ります前に、二、三の点についてひとつ文部大臣その他に質問いたします。  この教職の特別手当の法律の立法の過程において、たくさん問題があると思うのですが、あとで逐次労働大臣が見えましたら質問いたしたいのですが、私は直接文教委員会にいままでおりませんでした点もあるのですが、外から見、あるいは新聞を見ておりまして、私は非常に遺憾なことであると思うのは、いままでの剱木文部大臣や中村文部大臣当時、国会において答弁をされたことがあるわけであります。これは超過勤務手当の実態調査や処理をめぐりまして御答弁があったわけであります。で、先月の二十七日でありますか、私はちょうどその日文教委員会におりませんでしたから、議事録の原稿を見ましたところが、やはりこれも若干質疑応答が触れられておるのでありますが、どういう点かといいますと、国会を通じて——日教組や組合との関係はまた別の問題といたしまして、国会を通じて大臣が答弁をしたことが、自民党内の突き上げや党内の事情によってこれが簡単にひっくり返る、変わってくる。こういうことは国会を重視して、国会の審議を通じて政治を考えていく立場にある最高の機関である国会の立場から見ると、これは私は納得できないのであります。そこで私は、その問の事情を簡潔に文部大臣のほうから最初に明らかにしてもらいたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 教員の時間外の勤務に対する処遇の問題につきまして、いろいろ国会におきましても論議せられたところでございます。文部省としましては、昭和四十一年にその実態につきまして調査をいたしまして、その結果、教員の時間外勤務の状態につきまして何らかの措置をとらなければならないということを、国会で当時の文部大臣が申しておったと思うのであります。調査の結果といたしまして、時間外勤務の実情も大体明らかになりましたので、これに関しまして給与上の改善を行なっていこうということになったわけでございますが、それからこの今回提出いたします法律案になってまいります過程においていろいろな議論がございました。文部省内にももちろんいろいろな議論もございますし、また党内においてもいろいろの議論があったわけでございますけれども、政府は政府といたしまして関係各省とも十分協議をいたしました結果、ただいまのような法律案として御審議をお願いすることになったわけでございます。与党のほうの側におかれましてもいろいろ議論はございますけれども、これを国会に提出することについて了解を与えていただいておる。こういうような状況でございまして、その間各種の議論はございましたけれども、今日当面の場合といたしまして、この取り扱い方がよかろうというのが政府部内における一致した見解でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私が質問を申し上げているのは、剱木文部大臣——中村さんのときは若干実態調査等を含めての議論がありましたが、剱木文部大臣は超勤手当を出すということを衆参両院でしばしば言っておられるわけです。抜本改正についてもやる、これは一千万円ほど本年計上してありますが、やる。それから超勤手当についても出す、ともかく出すのだ。こういうことで本年の予算編成、ずっと法律案ができますまでこのことは議論になりましたが、私どもが問題にするのは、国会で超勤手当を出すということをはっきり言っているのに、これがひっくり返るというようなことは、私どもは国会でいろいろ審議いたしてまいりますが、国会における審議というものがどういうふうに認識をされているかということになるわけであります。国会において大臣が文部省あるいは政府を代表いたしまして答弁をいたしますことは、一大原や一議員に対する答弁ではないはずであります。これは、そのことを通じて関係者はもちろん国民に約束をしていることになるわけです。その国民に対する約束が、大臣がかわったからといって、しかも佐藤内閣が続いておるわけですが、佐藤内閣のもとにおいてこれが簡単にひっくり返るということになれば、何を基準にして審議をするかということになるわけです。これからの審議において私どもはいろいろと議論をするわけですが、そういう点についてはもう少し理解のいくような政府側の答弁を求めたいわけです。つまり超勤を出すと言っておるのですから、そのことを国会を通じて国民に約束しているのですから、このことは政府も責任を持って——午前中のいままでの審議でも明らかになっておりますし、私も逐次やりますが、かなり問題がある。そういうことについて、この審議というものは時間つぶしである、最後は多数決でやる、きょうの新聞その他にありますが、そういうことでいくのでありましたら、私は国会というものは有名無実である、あってなきがごとしであると思うわけです。だから、超勤手当を国会を通じて約束されておるのに、これがどういう理由でできないのかというその点について納得できるような説明をしてもらわなければならないと思う。自民党や政府内部の特殊ないろんな事情だけでは納得できぬわけです。答弁が違うし、われわれは国会の場を通じて議論しておるわけですから、その点は納得できるような答弁がなければこういう審議について時間をかけるということはまことに意味のないことではないかと私は思うわけです。その点について重ねてひとつ御答弁を願いたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私の前の大臣が国会におきまして、教員の時間外勤務に対する給与の問題について積極的なお答えをいたしておることは私も聞いております。それは、私の承知いたしておりますところでは、いわゆる教員の超過勤務に対する給与というものについて実態調査をいたしました結果、その措置を検討する、こういうふうなことをおっしゃっておるように伺っておるのであります。この問題につきましてはもとより仰せのとおりでありまして、国務大臣がこの席で申し上げましたことが、そう簡単に変わってくるというふうなことは、ことに同じ政党のつくっております内閣でありますので、そういうことがあるべきはずのものではないというお話につきましては、私もそのとおりだと思うのであります。しかし、時間外の勤務に対する手当をどういうふうにしてやっていくかという問題については、検討の余地が残されておったものと私は承知するのであります。いろいろ検討いたしました結果、従来からいわれておりますところの労働基準法によるいわゆる割り増し賃金の制度というものは、教員の時間外勤務に対する手当としてふさわしくないという結論に到達いたしましたので、このような案を提出いたしたような次第であります。さように御了承願いたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 時間外勤務手当を教職員に対して支給することは適当でないという結論に達したからというふうなお話しですが、ことばじりをとらえるということでなしに、そういうことは十分審議もされて、実態調査も八百万円あまりの予算を使ってやられたわけですから、私はその議論を踏まえて答弁をされたことについては、当然政府は責任を持って処理すべきであると思うわけです。私どもは新聞その他を通じて承知をいたしておるわけですけれども、そういうことについては当然やるべきであるという事務当局や関係各省の意見は、私ども読んでおりましてあったわけです。これは私は一々名前をあげたり、その当時だれがどういうことを言ったということについては言いませんが、あったわけです。あったわけですが、一つの政治的な事情や政治的な圧力で、適当でないのだというだけの議論をもってこの方針が変わるということになれば、私はこれは国会のあるべき姿としては非常に遺憾なことではないかと思うわけです。政府委員のほうで、剱木さんが衆参両院で答弁されたことをもう一回ここで読んでください。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 この問題は、先ほども申しましたように、時間外の勤務に対する処置としてどの方法がよろしいかということがいろいろ比較検討なされたわけでございます。その中には、もちろんいわゆる超過勤務手当という方式も十分に検討せられた問題であります。その問題を決してないがしろにしておるわけではございません。いろいろ検討しました結果、中にはまた本俸を何ぼか上げたらどうだ、こういうふうな議論もございました。かれこれいろいろ検討いたしました結果が、今日の場合、今回提案いたしておりますような方式によるのが適当であろうという結論に到達したわけであります。根本はもちろん教員の時間外勤務というものを踏まえての手当であるということはいまさら申し上げる必要もないと思いますが、一つの考え方としてこれが適当であろうということでこのようになった、こういうふうに御了解を願いたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 政府委員、ちょっと当時の剱木さんの議事録を読んでください。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 教員の超過勤務手当の問題についていろいろな機会に質疑がかわされておりますので、去年の秋の十月ごろのものですが申し上げます。これは長谷川委員の御質問に対する答弁です。「根本的に教育公務員の給与体系を考えるということで、これが予算的な措置ができるという状態であれば、それを採用するのに私としてはやぶさかでございません。しかし、いま申されましたように、予算編成過程におきまして、これがそう簡単にいかないという場合もあり得ると存じます。これは今後の研究でございますが、そういう場合におきまして、私どもの、たとえ暫定的にしろ、根本的な給与体系をつくりますまでの暫定的な措置としましても、この超過勤務の問題解決なしに四十三年度の予算を編成しようとは考えておりません」こういう御答弁です。

大原亨日本社会党

○大原委員 だから超過勤務の問題を解決する——実態調査もしたし、超過勤務問題を解決するんだ。これはずっと人事院に対しましてもそうですし、また文部省に対しましても、あなた方が教職員組合を認める認めないにかかわらず、そのことについては今日まであらゆる機会に強く要望されておったことなんです。これは実際考えてきわめて不公平ですよ。ですから、あるいは国会においても議論になったわけです。ですからそういう経過を踏まえて施策をするということを約束してそういう答弁になっておるわけですから、私は、そういう問題については十分納得できるようなそういう措置がない限りは、つまり超過勤務手当を出すということ以上に教職員の優遇措置になるということがない限りは、私は問題は解決しないと思う。あるいは教育の正常化ということをいわれておりますが、そういうことはできないと思うわけです。  それからもう一つは、そういうことと一緒に、予算上の問題についていま政府委員の答弁のように議論になっておるわけです。大臣も言っておるわけです。予算上の措置は超過勤務手当として大蔵省に要求されていたわけです。これは大蔵省の諸君がある機会に言っているのです。法案ができるどたんばになって、こういう一斉昇給やあるいは特別手当というふうな問題が出てきたわけです。そういう経過を見ておりまして、こういうことで文教行政の中で共通の場ができるというようなことは想像しないわけです、想像できない。この文教委員会とか文部行政ぐらいいびつなと言うか、どう言いますか、他の省に比べて共通の場がないところはないわけです、私はいろいろなところを見ておりまして。だからそういうことについて、問題は、一つ一つあとに返すような、ひっくり返すようなそういうことが重ねられるということについては、私はきわめて遺憾であると言わざるを得ない。  それからもう一つの問題は、この論議の中で、また今日もそうですか、教職特別手当の中で基準法の適用除外をする際に議論になりました——これは法律論ではなしに政治論をいま私はやっておるわけですが、つまり聖職論ですね。教職員は聖職である、聖職というのは一体どういう意味に理解をされておりますか。政府委員でもよろしいし、文部大臣もお答えいただきたいと思うのです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 文部省の予算要求についてのお話でございましたが、予算の概算要求をいたしました当時には私はまだ文部大臣になっていなかったわけでございますけれども、私も記憶するところによりますれば、概算要求の際には、いわゆる超過勤務手当を出すという趣旨の予算ではかったように記憶いたしております。まだ内容が固まっていないというままに約六十億でございましたか予算要求をいたした、こういうふうな経過になっておる。今度の案がきまりましたのはそれよりずっとおくれての話である、このように御承知を願いたいと思います。文部省が最初から超過勤務手当を出すという趣旨での予算要求をしていなかった、こういうふうにお考えをいただきたいと思います。  聖職とは何かという御質問でございますけれども、これにつきましては、いろいろな方のいろいろな考え方があろうかと私は思うのであります。私もはっきりと聖職ということばに対する定義は持ち合わせておりません。神聖な職であるというのがあるいは聖職ということであるかもわかりませんし、あるいはまたお寺さんみたいな方々が聖職といわれておるのかもしれません。いろいろな使い方があるのではないか。正確に聖職とはこういう意味だというふうなことをお答え申し上げる用意は私にはございません。ただ、学校の先生方の仕事というものは、やはり国民もそのように思っておりますし、尊敬すべき職務であり、また非常に大切な仕事をやっていただいておる方であるという気持ちは、おそらく全国民がみな持っておると私は思うのであります。そういう意味において、非常に尊敬すべき大事な仕事だ、こういう意味にもし聖職ということばが使われるとするならば、私はそれは了解のできる話ではないかと思うのでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 聖職というのはどういう意味なんでしょうか。私は、非常に大切な仕事だ、こういう意味ならばこれはわかるんですよ。人の子供の命をかかえておる。それではひとつ大臣伺いますが、労働者とか農民、これは聖職じゃないのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほど申しましたように、私自身が聖職ということばに対する定義を持ち合わせておらぬということを申し上げたわけであります。大事な仕事である、神聖な仕事である、こういうふうな気持ちを皆さん持っておる、こういう意味において聖職ということばが使われるならば私もそれはわかります、そういうことを先ほど申し上げたのであります。労働は神聖なりということばがあるとおりであります。したがって、労働ということばを使うことによって労働が卑しいものであるというふうな意味は毛頭私はないと思います。同時にまた、それでは一般労働すべて皆さんが聖職ということばで表現せられるかというと、そうは言っていないように私は思います。これは法律上のことばでもございませんし、一般世間でいわれておることばでございますから、その使われる方々の気持ちによってまたいろいろ違った点もあろうかと思います。私の気持ちは先ほど申し上げたとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 大切な、ということになれば、私は政治家も聖職じゃないかと思うのですよ、人の命と生活を扱うのですから。これはいかがですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 こういう議論になりますと、なかなかむずかしくなってくると思うので、私も骨が折れるのでありますが、やはりことばにはそれぞれの意味があろうかと思うのであります。政治家を聖職と申しましても、これは世間ではなかなか通用しないことでございます。これは政治家の仕事も神聖だということにおいてはそれは否定する理由はございませんけれども、世間一般で聖職というふうなことばを使いますときに、政治家を聖職というふうに言われる人はあまりいらっしゃらぬと思うのであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 教職員は聖職であると政治家が、内藤君やその他が言っているわけです。それはいつも新聞に出ている。私どもは、文教行政の中において聖職だと言われいるのです。だから政治家は、人の命とか生活について全責任を持って生殺与奪の権を握っているのです。これは私は聖職だと言っていいと思うのです。いかがでしょう。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 別に聖職ということばについて私は定義を持ち合わしておらぬということを申したわけであります。これを聖職だと言いたければおっしゃってもいいと思うのであります。世間一般では、政治家をまさか聖職とはおっしゃらない、聖職ということばはそういうふうには使われておらない、こういうことを申し上げたわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は辞海という辞典を見たわけです。聖職とは何か、それほど非常識なことがわれわれの中で言われているのですよ。これはやはりあなたが言われたように神職とか僧職のことを言うのですよ。キリスト教のこと、神に仕える者、仏に仕える者、理想と現実の境の橋渡しをしている人のことを言うのですよ。政治家を聖職とは言えない。政治家は聖職ではなくて汚職だ、こう言う人があるかもしれない。いま大臣だって否定しているじゃないですか。政治家をまさか聖職と言う者はおらぬだろう、こういうことを言っている。聖職というのは、これは常識を離れて議論されているのですよ。聖職であるからこそ、労働の基本権、基本的人権を尊重するのが自由、自由民主党の自由というものですよ。大切な仕事というのが聖職であるからこそそれに匹敵する待遇をすべきだと言っている。しかし教職員は、いうところの聖職に値する待遇が今日の歴代自民党、保守党内閣において、あるいは佐藤内閣において実践されておる、実行されておる、こういうふうにお考えでしょうか、どうでしょうか。それに値する待遇が与えられておるかどうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 どうもお答えが非常にしにくいのでありますが、教職員が聖職であるということばの意味が私にははっきりしない。したがって、それを前提としての議論ということになりますと、はなはだお答えがしにくい問題でございます。私どもが今回提案いたしておりますこの法律案において、教職員が聖職であるとかないとかいうふうな、その聖職ということばの意味も先ほど申しましたようにはっきりしませんけれども、そういうことばでもってそれを前提としての法律案ではございません。この法律案は、いわゆる働く人としての教職員に対する処遇の問題として出しておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 労働大臣、なかなか約束の時間に見えぬようですが、これは決してこれでごてるという意味じゃないわけだけれども、憲法二十八条は勤労者の権利について御承知のように規定しているわけですね。この勤労者の権利の保障の中に、やはり教職員は入っておりますか、いかがですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私は入っておるものと考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 勤労者というのは——これは条約でありませんから権威を持っているのは日本文ですけれども、英文に直しましたら、これは政府委員の人でいいですから、村上基準局長でもおったら、これに答弁してもらいたいと思うのですが、勤労者は英語に訳しましたら、どういうふうに訳しますか。この逆だけれどもね、この逆を持ってこなければいかぬ。これは普通日本の憲法を訳しましたならば、国際的にどういうふうに通用しておりますか。政府委員でよろしいですよ、これはとんち教室とは違うのだから。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 私不敏にして存じません。

大原亨日本社会党

○大原委員 知っていない。どなたでもいい、政府委員でも説明員でも、だれでもよろしいから、どういうふうに翻訳して外国に出してなにしていますか。だれでもいいですよ。説明員でもだれでもいい。——二十八条は、御承知のように基本的な人権として団結権、団体交渉権、団体行動権を勤労者の権利として保障しているわけですね。それはどういうふうに普通訳しているかといって調べてみましたら、ザ・ライト・オブ・ワーカーズと書いておりますね。ザ・ワーカーズといって、これは労働者ということなんです。これは三つも四つも当たってみました。それで、この憲法第二十八条の中に基本的な人権、つまり自由民主党の自由だ、自由です、そうなんです、自由権の一つとして保障されておる中に、これは教職員も入っておるわけです。これは大臣の答弁のとおりです。これは勤労者の権利というふうに日本語では書いておりますが、これはやはり国際的には労働者の権利というふうに、労働者も勤労者も同じです、勤労者のことを労働者というのですから。だから、これはあまり聖職とか労働者とかという議論にこだわって何かやっているということは、私は非常に非常識だと思うのです。聖職であるとかなんとか言って特別のもののようにして、しかもそれにふさわしい待遇は大臣の言われるように、やっておらぬと言われる。それにふさわしい待遇は今日まで努力しておらぬ、だから努力しておるのだ、こういうことでしょう。大臣、いかがですか。抜本改正もそのためにやる、こう言われるのでしょう。いかがですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 働く人たちに対する処遇の改善ということは、ひとり教師のみの問題ではないと思いますけれども、私どもとしましては、教師の処遇の改善ということについては今日までも及ばずながら努力してまいりましたし、今後もまた努力してまいりたいと思っておりますこういう意味におきましては、決して現状を直ちに満足すべきものというふうには申し上げかねるのでありますが、この問題は、やはり社会の進運とともに考えていかなければならぬ問題だと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 労働大臣はそば屋の出前みたいにいま来る、いま来ると言うてからにさっぱり来やせぬ。とにかくいま来る、いま来ると盛んに言っているのだが、さっぱり来ない。これはやったらもう一回やるようになるのですよ。文部大臣と質疑応答をやりますと、また同じようなことをやるようになるのですよ。これは基準法の有権解釈をするのは労働大臣ですからね。  けさほどの労働大臣やあるいは労働基準局長の御答弁をいろいろ聞きました。私は、そういうことがあるだろうというふうに——これから具体的にさらにこの質問を続けていきますが、あるだろうと思って、私は官房長官の出席を求めたんです。この法案の扱いをどうされているかということについて、これはぜひ聞きたいと思っていた。しかし、遺憾ながら官房長官は、非常に用事があるか、あるいは教育三法は、これはどうせ流れるだろう、こうお考えになっておるのか、それはわからぬ。軽視されておるのだろうと思いますが、政府として、こういう法律案の取り扱いについて私はぜひ聞きたいと思っていたわけでありますけれども、これはひとつ委員長にお答えいただきたいと思うのですが、官房長官に質問をする機会をぜひ持たせてもらいたいと思う。いかがです。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 官房長官は、きょうはどうしても出れないようでありますから、それでは別な機会に官房長官の出席を求めまして……。

大原亨日本社会党

○大原委員 それで、きょうは労働大臣とそれから局長の御答弁を聞いて、私の質疑応答の順序もあるのですが、労働大臣、労働基準法あるいはこれと同じような労働条件を決定をしておる法律というのは、法律という形であればどういう形の法律であってもきめられるんだ、こういうお考えを明らかにされたと思うのです。それは一体どういうことなんですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 労働条件が法律で定められる限り、憲法の趣旨に反するものではない、かような意味で申し上げたのであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 それなら労働大臣、あなたは自信を持って答えられたからひとつ答えてもらいたいのですが、労働基準に関するつまり労働基準法と、国家公務員法や地方公務員法やあるいは教育公務員特例法、そういうふうな法律の関係はどういう関係なんですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 労働基準法なり国家公務員法あるいは地方公務員法、いずれも憲法の条章を具現するための規定を持った法律だ、このように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 もう一回具体的に言いますよ。わかっているかと思って私ははしょって言ったのですが、労働基準法と他の法律と矛盾、抵触する場合においては、どういうふうに解釈をすべきなのか、こういうふうなことを私は言ったんです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 私から答えさせていただきたいと思うのですが、これは申すまでもなく、それぞれの法律は適用範囲が当該法律で明らかにされておるのが一般でございます。したがって、労働基準法の適用範囲、船員法の適用範囲あるいは国家公務員法の適用範囲、おのおのきまっておるわけでございますので、御質問の趣旨あるいは間違って私のほうで解釈しているかもしれませんが、要するに、憲法二十七条第二項を受けまして、憲法のいわゆる勤務条件、一般的に労働条件と称しておりますものを規律する法律が幾つかあるわけでございますけれども、それはそれぞれの法律の適用範囲は明確にしておりますから、一般的にはそれぞれの法律と競合関係はないと私どもは理解いたしておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなたは法律の専門家か知らぬけれども、たとえば労働基準法の第八条の適用事業の範囲というのがあるでしょう。その中には、御承知のように第十二号に「教育、研究又は調査の事業」というのがあるでしょう。労働基準法はその範囲をきめているわけです。その範囲を踏まえてやっておるわけですね。もちろんこの適用除外もあるわけですよ。しかし、それに関する事項について、国家公務員法や地方公務員法や教育公務員特例法で規定するでしょうが。私は一つの例を言っているんだ。それぞれの法律の領域は互いに侵さず、矛盾しないとあなたは言うけれども、そういうことは法律の常識からはないですよ。これは矛盾するじゃないですか。この法律の適用領域と、特例法や国家公務員法や地方公務員法は、これは重複するじゃないですか。違ったことをやれば矛盾するじゃないですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 御質問の意味がちょっとわかりかねるのでございますが、労働基準法の第八条には、御指摘のように適用範囲を定めておるわけでございますが、その中で、御例示がございました第八条十二号の「教育、研究又は調査の事業」、これが教育公務員と重複するじゃないか、こういう御質問のように私、拝聴いたしましたが、この点につきましては、先生御承知のように、地方公務員法の五十八条の規定で、その適用関係については調整をいたしておるわけでございますから、この問題につきまして競合し合うという関係はないというふうに私は存じておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、法体系に一般法とか特別法というのがあるでしょう。そういう関係にやはり法律は組み立てられておるわけでしょう。特に労働基準法は憲法を直接受けて、第一条は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」第二条「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。」均等待遇その他ずっとあるわけですよ。つまり、言うならば労働基準法は母法でしょう。労働条件についての最低基準をきめた基本法でしょうが。だから労働基準法というのでしょう。だから、これに対して、地方公務員法や国家公務員法や教育公務員特例法で抜き出してやる場合には、これと関係なしに、抵触するような関係で法律を組み立てることはいけないのですよ。これはわかっているでしょうが。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 法律論と申しますか、いわゆる俗にいいます言い方を申しますと、労働基準法がわが国の労働者の労働条件を規律する基準的な法律、いわば労働条件基準法的な地位を占めておるということは、御指摘のとおりであろうと思います。ただしかし、制定法ができまして、労働基準法に対して別系統の立法がなされるという場合には、それ独自の存在と意義を持つものでありますから、重複しないで、それぞれの適用範囲なり適用関係が明確になりますならば、それぞれの分野におきまして機能を発揮するわけであります。したがいまして、従来基準法の範囲の中に属しておりましたものが、何らかの理由で別な法体系に属する、こういう関係になりました場合に、さらにそれを追及していきまして、基準法のワク内で事柄を処理するということは、法律問題としてはやはり無理ではないであろうかというふうに私は存ずるわけであります。趣旨としては、先生いま御指摘のように、終戦直後労働基準法が制定されまして、これが労働条件基準法であるという点につきましては、社会的にも非常に大きく評価されました。そういう意義を失わしめるということは適当ではありませんが、しかし、法律判断といたしましては、それぞれの法律ができまして、そして競合がないように定められている以上、それぞれの地位と機能を持つものというふうに存じておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 基準法や労働法自体を認めておるのですけれども、つまり労働契約に直接関係をしてここに条文があるわけです。労働契約が労働基準法を下回ってきめられた場合においては、これは無効だと書いてある。この条文にあるわけです。いま私が条文を読んだように、労働条件の最低基準をこの法律がきめているのですから、そこで各個に引き抜いて、郵政省じゃ、鉄道じゃ、どこじゃと、みな特殊性を主張して、全部引き抜いてやる場合においても、たとえやる場合においても、職種その他についてやる場合においても、最低基準を下回ってはいけない。立法の過程においてもあるいは立法内容自体においても、最低基準としてこれを下回らないように、上回るものでなくてはいけない。こういうふうにこの法律は書いてあるのです。そして特別に除外する問題については除外をしておるが、適用事業場については、ほとんどずっと並べてあるわけです。たとえば農林・水産——きょう労働大臣、人事院総裁に質問があったが、管理監督の地位にある者、そういう三つぐらいの例外があるでしょう。そういう例外はあるのですが、しかし、最低基準を保障しているのが労働基準法の法律の精神ですよ。それはあなたも午前中に言っておったが、憲法二十五条や二十七条を受けているのです。ですから、最低基準を下回るような労働条件を規定することはできないような、そういう仕組みになっておるわけですよ、この法律は。その点いかがですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 先生の御質問の趣旨は私はわかりますので、法律論でお答えするのはいかがかと思うのでございますが、法律論的に申しますならば、労働基準法第一条の労働条件の原則にいたしましても、第二条の労働条件の決定の原則にいたしましても、これは要するにこの基準法の適用を受ける労使についての原則でございますから、この適用からはずれたものに基準法のこの規定を推し及ぼすということは、法律論としてはいかがかと思うわけでございます。ただ、一般的にいえますことは、労働条件の基準というものは、そうむやみに低かったりあるいは高かったりということじゃなくて、その労働基準法の基準もございますし、しかもそれが国際労働条約その他の一般的な原則をも取り入れまして設定されておりますものでございますから、他に法律がつくられて、その分野において機能を発揮するにいたしましても、それがむやみに低いものであるとかどうとかいうことになりますと、別な角度から立法論としてはいかがかという問題は生ずると思います。しかし、気持ちの問題とは別にしまして、法律論としては、労働基準法の適用を受ける労使についての原則でございますから、適用のはずれたものについてとかく申すということは、気持ちの上ではわかるのですけれども、これはやむを得ないことで、法律的には別だ、こう言わざるを得ないと存ずるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 形式論理ですよ。形引論理を私はここで議論しておるのじゃないのだ。たとえば、私が触れようと思ったことにあなたは触れておるが、四十八時間労働をきめてあるでしょう、労働基準法三十二条できめてあるでしょう。このきめてある労働基準法の背景は、憲法二十八条の問題もちょっと議論したけれども、そういうきめてある背景というものは、たとえばILO条約の第一条あるいはその後の条約、勧告その他から照らしてみても、四十八時間労働について三十二条を下回るような、そういう法律をあちらこちらでかってにつくっていいのですか。国家公務員法だって、どこだって、いままでつくっておりませんよ。これからあとから質問するが、その当時は、ちゃんとそれだけの手当てをしておりますよ。労働大臣も文句をちゃんと言っておる、発言しておるのです。だから労働基準に関するそういう最低基準で重要な問題は、これはILO憲章、日本が戦後加盟を許されたときに守ることを約束したその中には、フィラデルフィア宣言、その宣言を踏まえてやはり憲章をやっておるのだ、条約と同じですよ。ILOに参加するということ自体がそういうことをやっておるわけだ。その中に労働時間の規制の問題も入っておるわけです。だから、そういう国際的な慣行その他を踏まえて労働基準法は労働条件の最低の基本法としてつくってあるのですよ。あなたはよく知っておるはずだ。私は法律論の形式論理を議論しておるのではないのだ。そういう国際的なあるいは歴史的な背景を踏まえて労働基準法というものが日本の憲法を受けて制定されたものであるから、この基準法の問題にかかわる問題は、これは基本法的な考え方をもってやらない限りは、この適正な労働基準その他を維持していくことはできないということになるわけでしょう。いかがですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 御質問の御趣旨は私はわかるのでありますが、要するに、いま労働基準法の適用を受けておりまして、三十二条の労働時間の原則の適用を受けておりますものにつきまして、これをほかに抜き出すとか、あるいはみだりにこの条件を低下するということにつきましては、私ども容認することはできないのであります。しかしながら、労働省の所掌に属しない地方公務員法の施行の問題になりますと、これは自治省の所管でございます。しかもその違反があるかどうかという点についての監督は、御承知のとおり人事委員会等で処理しておりまして、私どもは法律上権限がないのであります。そういう問題につきましてどうかということになりますと、法制上手の及ばないものにつきましてこの問題をどう扱うかということにつきましては、これはいかんともなしがたいということでございます。しかしながら、労働条件一般についてあずかっておる官庁としてどういうふうに考えるかという観点からの御質問と存じまして、先ほど来お答え申し上げておる次第でございますが、おのずから所掌がございますので、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 それじゃ労働大臣、いまの形式論理じゃなしに、具体的に、最低基準を下回らない労働条件をどういうようにして保障するかということが、やはり憲法の精神であり、基準法の精神でありあるいは法律の精神でなければいかぬわけだ。そういう前提があるわけです。だから地方公務員法や国家公務員法もそうだけれども、地方公務員法を改正する際においては、ちゃんと労使やその他関係者の意見が反映する措置をとったでしょう。地方公務員法で労働基準法を一部適用する際にそういう措置をとっているはずです。その資料を私はきのう私のところへ出してくれと言ったはずです。建議の形かあるいは基準審議会の答申を得て労働大臣の意見として出ておるはずですよ。つまりこの基準法の範囲を出ていって特別法をつくる際には、基準法を基礎にしてこれを下回らないような措置をとるような仕組みになっているはずなんです。各省がてんでんばらばらにかってにやって、多数決でやったらできるようになっているんじゃないのだ。特に基本法である基準法をあなたは精神的にも認めている。それだから精神としては母法であり基本法である基準法の成立の過程からいっても、第二条からいっても、労使対等の原則があるはずだ。それに基づいて基準審議会ができておるわけですよ。  ちょっと資料を見せてくれぬか。こういう資料を要求しておるんだから、ぼくが読んでやらなければだめだ、持ってこい。きのうから言っているのに資料が来ておるのに出さない。大切な資料だから要求しているんだ。地方公務員法をやるときにどういうふうに皆さん方はやったか、つまり二回にわたって建議をしているのです。だから自治省がかってにつくったというものではないんだ。法制局もタッチし、憲法上の議論もし、基準法に照らし、そうして法律をちゃんとつくっているじゃないか、そうでしょうが。違いますか。かってにあなたがつくれるようなことを言ったが、それはいかぬよ。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 かってに基準法からどんどん別な法律がつくれるという意味の答弁を私は申し上げたつもりはございません。

大原亨日本社会党

○大原委員 そういう精神はわかるよ。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 そういう答弁を私申し上げたつもりはございません。

大原亨日本社会党

○大原委員 どう言ったの。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 先ほども御答弁申し上げたとおり、現在適用を受けておりますものにつきまして、これを抜き出すとか、あるいは条件を下げるというようなことは容認できませんということは先ほど申し上げたとおりでございまして、その趣旨は御了解いただけると存じますが、ただいま手続の問題につきまして御指摘がございましたが、これは先生御承知のように国家公務員法が制定されまして労働基準法の適用除外という措置がとられましたときには、二十三年の九月十三日でございますが、労働基準審議会におきまして建議がございました。さらに昭和二十四年の二月一日に、地方公務員法制定にあたりまして、地方公務員法制定に関する建議がなされておりまして、その後さらに二十五年十一月七日にも地方公務員法案に関する第二回目の建議がなされた。こういう経過をたどっておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなたの答弁は少しずつ変わっているんだがね。つまり各省がかってにつくるのは処置なしだということを最初に言ったんだ。そういうことをやるんだったならば、ぼくらはこんな審議なんかしないよ。そういうつもりで何でもできるんだというたてまえで法律をつくるんだったらそれは重要な問題です。だから労働基準法の定めた最低基準を下回ることは容認できない。こういう労働基準法の主管官庁である労働大臣、有権解釈をする労働大臣の見解としてあとつけ加えたから若干これは問題が前進するようだけれども、たとえば人事院総裁、国家公務員法で労働基準法を抜け出す際にとった措置、見解、そういうものを言ってください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 国家公務員法については、けさほど唐橋委員から御指摘がありましたが、例の第一次改正法律附則第三条に非常にはっきり明快に規定しておりまして、

大原亨日本社会党

○大原委員 ちょっと読んでください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 「一般職に属する職員に関しては、別に法律が制定実施されるまでの間、国家公務員法の精神にてい触せず、且つ、同法に基づく法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及び船員法並びにこれらに基く命令の規定を準用する。但し、労働基準監督機関の職権に関する規定は、一般職に属する職員の勤務条件に関しては、準用しない。前項の場合において必要な事項は、人事院規則で定める。」たいへん僣越な形でございますけれども、労働基準法よりもう一つ上にあるような形になっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり人事院総裁が答弁されたとおりですよね。当分の間は人事院規則でやるのだけれども、労働基準法の内容を下回らない、こういうことはちゃんとやっておられるわけだ。代償機能だけあってりっぱなものですよ。りっぱだけれども、特別の法律をつくるということになっているのだ。当分の間と言っている。当分の間、特別の法律ができるまで、つまり公務員労働基準法というものができるまで、人事院規則で基準法を下回らないようなそういう内容の規定をつくるのだ、こういうことになっている。あなたの言われたとおりです。その内容だけはりっぱだ。しかし、当分の間というのは何年ですか。これは特例法に出てくるわね。「当分の間、」とか「健康」とか「福祉」とか、わけのわからぬようなことばが一ぱい出てくるが、非常に抽象的なんです。当分の間という当分は、もうたっていると思うのだけれども、特別の法律をつくるまではといって、つくっていないじゃないか。それはやはり第三者機関である人事院がこれに介在されている。人事院規則、こういうことにおいて、私どもは立法権については普通の政令よりもやはり信頼を置くわけですよ。客観的にも主観的にも置くわけです。だんだん人事院は信頼できぬようになったという人もおるけれども、それはあるわけですよ。あるわけですが、元来は公務員労働基準法というふうなものを一般基準法の外に、特殊性を考えながら、最低基準を下回らないように法律をつくっていくというたてまえでしょう。いかがですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 いま読みました条文の趣旨はおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、私どもとしてはりっぱなものをつくり上げるべく努力を重ねなければならぬ立場におるわけでございます。ただ、現在の条文に基づく措置として、公務員法、一般職の給与法あるいは人事院規則等において、要所要所はちゃんと押えた制度ができておりますから、そうあわててやらにゃならぬというものでもない、こういうように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなたが言っておるのは、それは二年とか三年とか五年とかいうならいいが、いま何年たっておるのですか。つくる意思がないというふうに私が断定したらあなたはおこりますか。こういう大切な問題を、憲法にかかる問題について、つくる意思がないと言ったらあなたはおこりますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 それはつくる意思がないなどと受け取られたらとんでもないことでありまして、私、先ほど申し上げましたように、それをつくるのは望ましいことでありますし、われわれとしては努力すべき事柄であるということは当然考えております。しかし、現在のところは、いまさきに申し上げましたような法律ばらばらの中に入っておりますけれども、要所要所は押えてある。人事院規則も一応できておりますから、それに対しての御批判はそのほうの御批判として承りましてまた改善すればいいのじゃありませんか。りっぱな形の整ったものについては、これからの努力を必要とするであろう、こういうことを申し上げておるわけです。

大原亨日本社会党

○大原委員 地方公務員における労働基準法のいわゆる一般法、母法に対する特別法の立法過程やあるいは国家公務員法制定の際の経過内容については、これは質疑応答を通じて少なくとも明らかになったと思うのです。私はそれに加えて条約の議論をしたいと思っているのです。しかし、あまりたくさん言っても何だし、私どもいままでいろいろ議論したことだからぜひやりたいと思うが、一応おいて、これは労働大臣にお尋ねいたしますが、今回の教育公務員特例法の改正は労働基準法の適用除外、こういうことなんです。実質的に何を適用除外しているのですか。適用除外するというけれども、何条と何条を適用除外するのです。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 今回創設されます教職特別手当なるものが基準法の割り増し賃金と競合する関係になりますので、競合する部分について基準法の適用を除外するわけでございます。条文が何条と何条になりますか、基準局長に——三十六条、三十七条でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 ほかにありませんか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 ほかにはございません。

大原亨日本社会党

○大原委員 三十二条の第三項「公務のために臨時の必要がある」云々、こういうふうな条文がありますね。それを適用する結果として三十二条も適用除外になるのでしょう。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 ただいま私、落としましたが、三十三条三項の読みかえの規定がございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 だから、そういうふうに適用除外をしたり、読みかえをしたりする法律案を特例法でつくるということになれば、これは現在の労働基準法の中身を変えることでしょう。改正でしょう。それはそうなんだ、それはそれでいいわけです。そのことだけは私は議論の余地はないと思う。それは改正でしょう。それは私がずっと前から一つ一つ最初に例をあげて質問したこと等を含めてはっきりしている。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 労働基準法の適用が排除されるのでございまして、地方公務員法の改正が行なわれるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり労働大臣が認めたとおり、結果として三十二条の適用除外、読みかえ、こういうことの改正を含めて三十六条、三十七条、これを適用除外をするということははっきりいたしました。つまり現在の労働基準法の管轄の変更でしょう。言うなれば現在の労働基準法の管轄、範囲が狭まることでしょう。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 私から答えさしていただきたいと思います。  基準法の適用と申しますか、範囲が狭められるということですが、適用対象の労働者なり使用者についてはすでに除外されておりますから、その分についてはあらためて狭くなるとか広くなるとかないわけでございます。つまり地方公務員法の領域に移されておるわけでございまして、労働基準法そのものの適用ということから見ますと、その間におきまして変形をされておるわけでございます。しこうして地方公務員法の中に労働基準法の適用関係が規定されておりますが、その部分について今回の改正を見る、こういうことでございます。したがいまして、現に労働基準法の労働省で所管しております部分については改正があるという趣旨のものではないというふうに私どもは理解しておるわけであります。つまりこの法律の所管関係につきましては、労働基準監督関係が中心になっておるわけでございます。先ほど人事院総裁からもお答えがございましたように、労働基準法を準用するにいたしましても、その監督関係は人事院で扱っておるわけでございまして、そちらのほうで所掌されておるわけでございます。準用する、そういう関係から申しまして、地方公務員法に関する労働条件に関する部分は人事委員会が監督権限を持っておるわけであります。そういう意味におきまして、いわゆる所掌と申しますか、その監督権限をいずれが持っておるかということによりまして実質的に判断せざるを得ない、こういう関係にあろうかと私は存ずるわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 法律というものは公平に施行されなければならないのですよ。法のもとに平等ということがあるのですよ。それから労働基準法を適用する官庁が人事委員会であろうが市町村長であろうが、そういうこととは関係なしに、労働基準法の主管省は、設置法によっても労働大臣なんですよ。だから労働基準法の有権解釈は労働大臣がやるのだ。解釈についてばらばらになっちゃいけないわけですよ。そうしてその上に適用除外を今度きめたわけだ、あるいは読みかえをきめたわけだ。このことは明らかに現行労働基準法の改正、広い意味においても狭い意味においても。特に広い意味において改正、そういうことになるんですよ。教育公務員について特例を設けるんですよ。だから基準法と関係がないというようなことはいえないわけでしょう。そんな議論なんか、これはもうほんとうに一年生の議論だから、序論だから、私はこんなところで議論をしようとは思ってないんですよ。あなたは、労働基準法の最低基準を割ることについては、当然日本の法体系の中からこれはあり得べきではない、そういうことを断言されたわけです。いかがですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 私は関係がないというふうに申し上げておるのではございませんで、この労働基準法の適用関係につきまして、関係官庁のいわゆる所掌関係を申しますと、特に労働基準監督の権限というものが中心になるわけでございまして、そういう意味から申しますと、地方公務員法の中に労働基準法の適用関係が規定されまして、いわば法律の一つのワクといたしましては地方公務員法になるわけであります。そこにニュアンスがございますので……

大原亨日本社会党

○大原委員 時間がむだだからもう一回質問する。つまり有権解釈、これはもう何回も質疑応答しているんですよ。労働基準法の適用にかかわる問題について有権解釈をする官庁は、設置法その他から全部労働大臣ですよ。これはいままで認めているんですよ。議事録を見ればわかるんだ。あなたもその趣旨のことを言っているわけですよ。有権解釈は、労働基準法に関する限りは労働大臣ですよ。ですから私どもが議論をしているのは、適用関係がどうあっても労働大臣に伺いを立てるわけですよ。そういう解釈その他について疑義がある際には基準局長の解釈通達なんか出しているでしょう。教員についても何についても出しているでしょうが。あなたはいままで出しておるじゃないですか。そこに法律や法律の解釈について統一性がなくてばらばらだったら、それは一つの国の法律体系じゃないですよ。あるいは基準法が母法として最低基準をきめているという意味はないです。そのことは内容的にあなたは認めておられるでしょう。あなたは解釈については通達を出しているじゃないですか。いかがですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 御指摘のように、たとえば三十二条、三十六条、三十七条、そういった基準法の関係条項についての行政解釈は、労働基準局長名で出しております。ただ、その適用につきまして違反があるとかどうとかいう監督の問題になりますと、私どもの手が及ばない。そういう関係で、一般民間の工場、事業場とは、いわゆる所掌の点については内容を異にしているということを先ほど来申し上げておる次第であります。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは一般法、基本法と特別法との関係で人事院総裁やその他の方と議論したわけですから、内容的にはその点は解釈について一致があるわけです。そこで、労働基準法の適用除外をきめるということは、これからの解釈の問題を含めて、法律の改正であるから、これは当然に中央労働基準審議会の議を経るべきものであるというふうに私は考えますが、いかがですか、労働大臣。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 現在国家公務員に対しては労働基準法の適用はないわけでございまして、地方公務員には一部を除いて適用がある。今回の改正は文部省が中心になられまして、教育公務員特例法の改正をして、まず国家公務員について超過勤務手当を廃止して、教職特別手当なるものを創設する、次いで地方公務員がこれに準ずるという形の改正が行なわれるわけでございます。したがいまして、私どもは、これを主としては公務員関係の問題だと考えておるわけでございます。これを基準審議会に諮問すべきかいなかという点については慎重に研究をいたしたわけでございますが、ただいま申し上げましたような考え方から、必ずしもこれは審議会に諮問をする必要はない、前例に徴してもその必要はないだろう。ただ、教職員の労働条件に関係する問題でございますから、閣議で法案が決定されます前日に、審議会をお開き願いまして、文部省と私どもの両方から経過について御説明を申し上げたわけでございます。その後に、一部の委員からこの問題を正式の議題として検討すべきだという御意見が出ました結果、審議会においては引き続いて本件について検討を行なっておる、こういう次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 内容的なことはまたあとやることだったのですが、いままでの質疑応答で、あなたは最初落とされたけれども、あなたもあまり詳しいことはないのだから、たとえば三十二条、三十三条の関係について、これはまたあとで議論もたくさんあるわけですが、そういうことを含めて労働基準法の生命にかかわるような問題があるわけです。四十八時間労働条約にも関係するわけです。主管大臣はあなたです。  それから労働基準審議会の規則をとってみましても、労働大臣だけに対して建議をするのじゃないのですね。審議事項は関係大臣は全部述べるわけですよ。基準審議会というのはそういう権限を持っておるわけです。だから特に労働基準法の非常に大きな柱になっている三十二条の四十八時間労働、これは国際的には四十時間労働になりよるわけです。そういう準備をもう何回も条約、勧告を通じてやておるわけです。これらの条約は、国連憲章その他から見て、多数国間の条約だから、条約は法律に優先するわけだから、この精神というものは無視してはいかぬ。当然これは教員であろうがだれであろうが適用さるべきなんです。それは労働基準局長が言ったとおりです。だからこれは無関心であってはならぬわけです。労働基準審議会というのは三者構成で、会長も選挙でやるわけです。会長代理も選挙でやるわけです。三分の二多数決とか、そういうことをこまかに全部規定してあるわけです。そういう政令、命令にいたしましても、これは法律によってきちっと九十八条その他でワクをきめておるわけです。ですから、そういう問題について、それにかわるべきものが立法過程の中において、改正の中において出てくるならば別ですよ。ですけれども、法律や憲法の精神からいって、現在の法体系の中で労働基準審議会がこれに対して無関心であるということは、これはいけないことである。その問題が一つと、労働基準審議会がこの問題を取り上げて建議をした、このことについての妥当性、いいことか悪いことかということを含めて、この二つの問題についてひとつあなたの見解を聞かせてもらいたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 これはただいま申し上げましたとおり、教職員の労働条件にかかわる問題でございますから、もちろん無関心でおるわけでございまして、それでありますから、審議会に報告、説明を申し上げたのでございます。審議会においてこれを取り上げられて、ただいま正式の議題として検討なさっておる、こういうわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは特例法を改正すれば、結果として基準法についての適用や解釈が変わってくるわけです。特に重要な面について、三十二条の問題について、三十三条との関係において、いままでの基準法に非常に重要な変更を加えるわけです。これは、内容についてはあまり混乱するからあとで分けて議論します。ですから当然に報告をした、こう言われるのです。そうしていま審議をしているのですね。審議の経過、これからの見通し、こういうものについてひとつお答えいただきたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 経過につきましては、ただいま基準局長から説明をいたさせます。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 中央労働基準審議会に対しましては、二月二十二日に、ただいま大臣から申しましたように報告をいたしたわけであります。その後三月八日に至りまして、中央労働基準審議会において、労働側委員からこの問題を審議するように提案がございまして、これをはかりました結果、これを議題として取り上げ、審議をするということになったわけであります。  その後におきまして、審議会委員の任期が満了いたし、改選手続を了しました後、四月十一日に新しい委員による審議会が構成されましたが、その席上、あらためてこの問題を議題として扱うかいなかはかりました結果、議題として取り上げるということに決定いたしまして、審議を継続するということに決定いたしたわけであります。その後審議会は開催いたしておりませんので、議題として取り上げ、審議をするという状態のまま今日に至っておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それで関連して、これは人事院総裁に答えてもらっていいのですが、文部省は労働省に対して、いつ教育公務員特例法の改正案について、教職特別手当の問題について、それに伴う基準法の問題等について労働省側に連絡があり、労働省側はそれに対してどういう措置をとったか、時間的な問題。あるいは人事院も、国家公務員である大学付属機関、小中学校、高等学校の教職員に関係があるのですから、それらに対して、人事院はいつ受けて、そうしてどういう意思表示をしたか、これを逐次、労働大臣と人事院総裁からお答えいただきたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 人事院の関係では、こういう法案の立案を研究しておるという話がありまして、わがほうとしては、非公式な技術的な協力という形で給与局の人々がいろいろと意見を言ったという経過が一つあるわけであります。それから最後に政府案としてお出しになるときに、文部大臣から……(大原委員「それはいつですか」と呼ぶ)答えたほうの日にちしか出ておりませんが、答えた日にちは四十三年二月十六日ですから、十四、五日ごろ聞いてきたのでしょう。ことしの二月十六日に答えたことになっておりますから、その前日か、その辺に照会があったのですね。要するに文部大臣から人事院総裁に対して、こういう法案を提案したいということで意見を承りたいという公式の照会がありまして、文部大臣が出されたのは二月十四日です。そうしてわがほうは十六日に総裁名で大臣あての回答をしているわけであります。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 文部省から話を受けました日付、あるいは協議いたしました日付等について、ただいま明確に記憶しておりませんので、基準局長から答えさせます。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 公式に文書のやりとりがございまして、労働省の見解を示したというのは二月の二十一日でございます。そういう日付になっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 向こう側から来たのは。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 その前に非公式の接触がございましたが、大体の経過はいま人事院総裁がお答えになりましたように、労働省も大体人事院と同じような時期に接触をいたしております。ほぼ同様であるというふうに御理解いただきたいと存じます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは記録にとどめておくのだが、それじゃ二月十四日人事院と同じように労働大臣に対しても正式に意見を聞きたい、こういうことがあって、二十二日に返事を出しておる。よろしいですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 二十一日です。

大原亨日本社会党

○大原委員 照会があって答弁するまで非常に短いのだが、その間に労働大臣はどういう措置をとったのですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 一月の下旬から両省の事務当局の間で事実上意見の交換はいたしております。正式に接触をいたしましたのは先ほど申し上げました二十一日でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 正式に文書を受けてどういう措置をしたか、こういうことを聞いているのです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 いま正確な日時は記憶いたしておりませんが、ただいま大臣からお答え申し上げましたとおり、一月下旬から非公式の接触は保っておりましたが、何ぶんにもいわゆる原案なるものが確定いたさせないというような状態で、相当期間経過いたしたような次第でございます。ようやく文部省のほうから正式に照会がありまして、それに対する労働省の見解を提示したのが二月の二十一日ということでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 労働省の見解を提示したのが二月二十一日、そういう経過をたどって。その文書を私の手元に出してください。秘密文書じゃないでしょう。それから人事院のも出してくれますね。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 わが方というか人事院といたしましては、先ほど来申し上げているように、ここに並んでおられる純粋の狭い意味の政府とはちょっと違うのでありまして、この政策に関するようなことについて、根本について、初めからこれにタッチして御協力を申し上げるという立場にはないわけであります。先ほど技術的にと申し上げましたとおりに、こういう方針でいくならばこういう点に問題がありますよということを横から助言をしただけのことでございまして、労働省の場合とは私のほうは違うわけでありますから、それをこまかく出せと言われることは、これはちょっと出しても実益がありませんし、御希望のようなことは出てまいりません。結論としてどういうことを申し上げたかということでけっこうじゃないかと私は思っております。ですから労働省の場合とは違うということをはっきり申し上げておきます。

大原亨日本社会党

○大原委員 労働省はあと回しにしておいて、人事院総裁、あなたはよそごとのようなことを言うけれども、全く関係のないようなことを言うけれども、しかし国立学校の国家公務員と小中高等学校の教職員には関係があるのですよ、あなたがそれをどう扱うかということは。地方公務員とは勤務の実態が違いますよ。国立学校の教員と地方の教員は違いますよ。違いますが、地方の公務員に給与に関係してはみな右へならえするのです。そして超過勤務の問題は、手当の問題は給与の中に入るでしょうが。給与の中に入るはずです。元来このことは人事院の勧告を待って——この法律ができておるように人事院の勧告を待って実施すべきなんですよ。均衡を考え、実態を考えながら、第三者機構として労働者保護の立場に立ってやるべきなんです。そういう立場に立つあなたのほうがいろいろな事情があって、このことについては私が言うまでもないことだが、そういう上に立つあなたのほうの見解というものはきわめて重要である、この立法においては。だからその資料を私は国会の審議上——あなたのところは国会に対しても非常に責任があるし政府に対しても責任がある。そういう意味において、人事院がどういう意思表示をしたかということは、これはきわめて重要である。こういうことについてほおかぶりしてこの審議を進めようということは許せないと思うのです。できないと思うのです。私が時間をかけて、理非をただして質問いたしておるのですから、その資料を出してもらいたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 ですから、どういう意思表示を結論として文部大臣に申し上げたかということを申し上げれば、それで万事おわかりいただけると思います。(「文書で出せ」と呼ぶ者あり)文書はいいですが、相手方がおられますから、これはやはり相手方の文部大臣の同意がないとちょっと困ると思うのですが……。

大原亨日本社会党

○大原委員 人事院は国会に対しても給与については勧告権があるのですよ。あなたは文部大臣と相談する必要はないじゃないですか。当然あなたの意思表示は勧告となった場合には国会に来るのですよ。勧告に匹敵する給与の問題について、あなたのほうがそういうことをぬけぬけということは、これがいかにどさくさの中に政治的に行なわれたかということを示すものであって、逆に言うならば人事院は職務を放棄している、こう言ってもよろしいのだ。これはけさほどの質疑応答からも、教職員の超勤についてはいままで問題があったが、原則的に承認しながら事実問題として研究課題としてあったということをあなたは答弁した。全然知らぬことでもないし、実態も調査しておるし、法文関係も明らかである、人事院の立場も明らかである、国会に対しても責任がある。当然これを出してもらいたい。いま出してもらいたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 総裁から文部大臣あての書面でございますから、一応やはりこれを受け取っておられる文部大臣には連絡をした上でないとお答えができないと思います。ですから大臣から御了解を得ましてから……。もちろん国会の御要求でございますから、私はそれがいけませんというようなことを言う筋合いでも何でもないと思いますけれども、しかし、ちょっと手続だけはとっておきませんと私どもの気が済みませんものですから、さっきあいまいなことを申し上げたわけです。ですから出します。   〔発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 お静かに願います。

大原亨日本社会党

○大原委員 文部大臣に出した文書は、こういう文書を出しましたといって国会に出してもいいのですよ当然。だから出すならいつ出しますか。——最初出さないと言ったんだ。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 いや、出さないとは言いませんよ。一応こっちと連絡した上でということを申し上げたので、出すも出さぬも——それじゃいま読みましょう。「教特法改正案についての文部省照会に対する総裁回答、教育公務員特例法の一部を改正する法律案について、昭和四十三年二月十六日、人事院総裁、文部大臣殿」名前は省略いたします。   標記について、下記のように回答します。     記   国立の小学校、中学校、高等学校等の教員に  対し、超過勤務手当を支給せず教職特別手当を  支給するという貴省の提案については、人事院  勧告制度の建前上問題の存することは改めて指  摘するまでもないところであり、その内容につ  いても、当院として、なお検討を要するものあ  りと認められ、にわかに精確な判断を下し難い  が、当面の暫定措置として行なわれるものであ  る限り一応やむを得ないものと考える。   なお、上記の措置案が実施される場合におい  ては、大学および高等専門学校の教員の給与に  ついても、均衡上特に検討する必要を生ずるも  のと考える。  以上であります。

大原亨日本社会党

○大原委員 これはひとつ文書で回してもらいたいと思います。これはあとで議論いたします。  それから労働大臣、労働大臣が二月二十一日に返事をしたという労働大臣の文書を出してもらいたい、

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 これは、二月二十一日付で文部省の初中局長と労働基準局長との問で交換いたしました覚書がございます。簡単でございますから朗読いたします。    教育公務員特例法の一部を改正する法律案について   第五十八通常国会に提案される教育公務員特例法の一部を改正する法律案に関し、文部省と労働省とは、下記のとおり了解する。     記  一、教員の勤務については、基本的にできるだけ正規の勤務時間内に行なうこととする文部省の従来の方針を堅持するものとすること。 この点は本会議等でも申し上げたとおりでございます。  二、改正後の第二十五条の四第一項の「その勤務の態様の特殊性に基づき、」とは、特に正規の勤務時間をこえる勤務の特殊性に着目したものであること。 正規の勤務時間外における勤務は、時間的に計測することが困難であるとか、あるいは管理者において実態を把握することが困難であるというような性質のものではない。特殊性は主として正規の勤務時間をこえる勤務の部分にあるのだ、こういう趣旨を申した。この二点でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 ちょっともう一回文章を読んでください。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 それでは記の部分だけ朗読いたします。  一、教員の勤務については、基本的にできるだけ正規の勤務時間内に行なうこととする文部省の従来の方針を堅持するものとすること。  二、改正後の第二十五条の四第一項の「その勤務の態様の特殊性に基づき」、とは、特に正規の勤務時間をこえる勤務の特殊性に着目したものであること。

大原亨日本社会党

○大原委員 これは文書で出してもらいたい。あとでまたあらためて議論するときがありますから、この問題については保留しておきますが、非常に抽象的でわけのわからぬ文章だ。  それで、私がここで序論的な議論で問題としたいのはどういうことかというと、労働大臣が二十一日に返事をされたわけですが、先ほど答弁がありました労働基準審議会に対して事情を報告されたのはいつですか。もう一回念のために答弁してください。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 二月二十二日でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 二月二十一日に労働大臣が文部省に答弁をしておいて、二十二日に基準審議会に報告をするということは、一体どういうことなんですか。それが一つ。それから、労働基準審議会が——これは拘束性のある諮問機関で、単なる諮問機関じゃない。それに基づいて建議をするということを決定して、現在審議中である、こういう報告があったわけです。それとの関係はどういうことか、こういうことです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 二十一日に回答を出しておいて二十二日に開いたのはいかなる事情によるかという御質問でございますが、中央労働基準審議会は二月の定例総会を九日に開いております。その九日の段階におきましても、教育公務員について例外的措置がとられるのではないかという話が出たわけでございますが、何ぶんにも原案が固まっておりませんので、報告、説明等をなすことを得ないという状態で経過いたしました。ところが、その後急速に原案が固まってまいったわけであります。そこで会議の招集権がございます審議会会長と相談したのでありますが、委員各位の都合もございますけれども、何とかして閣議決定をする前に報告するのが適当だという判断から、不在の委員も少なくなかったのでございますが、急遽二十二日に開催したという次第でございます。審議会の運営といたしましては、総会は三月に予定しておったのでありますが、急拠臨時の総会を開いた。こういう次第でございまして、時間的に余裕がなかったこと、委員各位の連絡等もございまして、やむを得ない結果であったという事情にございます。  それから、第二の点といたしまして、審議会で審議をしておるが、結論が出たらどうなるかという点に関してでございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、労働大臣の諮問という形ではなくて、委員の提案を取り上げまして、審議会として審議、検討することに決定いたしたわけでありますが、その後の取りまとめ等につきましては、審議会自体ではまだ結論を得ておらないわけであります。仮定のことを申し上げまして恐縮ですが、もし結論を得て意思を表明するということになりますれば、基準審議会の権限といたしましては建議という形があるわけでございます。しかし、それはそういう形をとりますかどうか、まだ予測できない状況にあるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 労働大臣、いままで地方公務員法の改正——国家公務員の場合は人事院が介在しておるが、地方公務員法の改正にあたっては、私の手元に来ておるように、二回にわたって中央労働基準審議会は建議をしておるのです。立法過程において建議しておるのです。それはなぜかというと、私が読まないでもわかっておるのだが、お互いにはっきりするために記録に残すためにやるのだが、労働基準法の第九十八条は「この法律の施行及び改正に関する事項を審議するため、労働に関する主務省及び都道府県労働基準局に労働基準審議会を置く。」これは別の法規で中央労働基準審議会、地方労働基準審議会があります。第二項として「労働基準審議会は、労働に関する主務大臣及び都道府県労働基準局長の諮問に応ずるの外、労働条件の基準」特に「労働条件の基準」と規定しておる、労働一般ではない。「労働条件の基準に関して関係行政官庁に建議することができる。」こういうふうにして自主性を持った拘束性のある機関にして、三者構成にして労使対等の原則を貫いた。労使公の代表を各サイド七名ということで中央労働基準審議会の構成はされておるわけです。それで、その審議事項は、読み上げましたように、この法律の施行及び改正に関して——改正部分の問題について議論があるとしても、これは大体議論は解消したけれども、施行に関して、これはそういうきびしい条件を設けて法律の九十八条第一項に目的を明示してやってあるわけです。ですから、この審議会は拘束性のある審議会であって、労働基準法の、いわゆる労働最低基準をきめた母法の第一条人間云々、第二条労使対等、そういう原則に基づいてやるべきである、そういうことが書いてある。その趣旨は憲法二十五条や二十七条や二十八条を受けておるけれども、たとえば先ほど言ったように——質問をできるだけ急ぐために申し上げるのだが、そういう三者構成というのは、目的が拘束を受けておるだけでなしに、三者構成、労使対等の原則ですから、そういう利害関係のあるものは労働者側の基本的な人権も尊重するのだ、こういうたてまえで三者構成にしてあるわけです。それでこの法律にこれは書いてあるわけです。ですから、この法律のたてまえから、いままでの地方公務員法の審議にあたっても基準審議会は立法過程においてしばしば建議をしておる。施行に関して、あるいは改正に関して。これは関係ないということはいままでの議論でいえない。有権解釈やあるいは主務官庁で設置法できめておる。労働大臣もその責務、権限がある。これはいままで解釈通達があったり、あるいは文部省の通知を受けておる。そういうことになっておる点を考えるならば、二十一日に回答を出しておいて、そうして二十二日に急拠招集をしてやるということは、これは基準法の精神が——あるいは他にこれにかわるものがあれば別だが、本審議会がそういう役割りを果たすように性格づけられておるたてまえからいっても、これは審議会を軽視するものではないか、基準法の精神をじゅうりんするものではないか。  もう一つ、このことに関係をして聞きたいことは、私の調査したところによると、二十二日の急拠招集をして報告をしたという審議会は成立していなかった、こういうふうにいわれておる。これらの関係に対して、私は意見をまじえながら所見を述べたのですが、労働大臣は労働大臣としての責務を果たしておるか。あるいは果たせるような状況になかったか、不可能であったか、そういう問題の議論もあるでしょうが、しかし、これは審議会の軽視であり基本法のじゅうりんではないか、こう思いますが、どういう見解ですか。重要な問題ですから、ひとつ腹をきめて答弁してもらいたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 法案が閣議で確定されるべく一応の最終的な姿として固まります前に幾たびか内容が変転いたしたことは事実でございます。したがいまして、二十一日にかような正式の覚書を交換したわけでございますが、引き続いて直ちにこれが閣議に上程されるという状況になりましたので、定例日ではございませんでしたが、急拠招集をお願いしたわけでございます。そのとき東京においでにならないために出席なされない方もあったわけであります。これに対しまして事実上御説明を申し上げた、こういう経過でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 このことの重大性は指摘をいたして、きょうあとでまた関係をして議論をいたしますが、これは経営者団体、日経連の代表者の七名を含めて、この問題は基準審議会で取り上げて議論をすべきである。それから労働代表は同盟、中立その他を含めて、基準法の重大性にかんがみてこれはきわめて重要な問題である。こういう各グループ一致の意見によって審議が進められておるわけですから、しかるべき建議がなされると私は思うのであります。基準審議会は、いままでの地方公務員法その他における取り扱いの慣例やあるいは法律の性格からいっても、私は当然責任を果たすであろうと思われる。その答申が出てまいりましたならば、労働大臣はこれをどう取り扱いになりますか、お答えいただきたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 今後の審議の経過によりましてあるいは建議がなされるかもしれないと存じますが、なされるかいなか、ただいまのところでははっきり予想はついておりません。また、その場合にいかなる内容の建議になるであろうかということも当面想像ができないわけであります。建議がなされました場合は、その段階で関係の各省とも協議いたしまして慎重に研究をしたい、こう考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 それではだいぶ事態がはっきりいたしましたが、この予想できる審議会の建議がまとまる、そういう最も近いチャンスはいつですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 労働基準審議会で議題に取り上げたのでありますが、その経過につきましては、私がその場におりますから承知しておりますが、いろいろ議論があったわけであります。ありましたけれども、重要な問題であるということで、改選後の審議会でも議題として取り上げることに決定いたしたわけであります。取り上げる経過につきまして、いろいろ意見もありました関係上、これがどのような形でまとまるものであるか、どういう内容のものになるかという点については、いま予測しがたいというのが事実であろうと存じます。  なお、基準審議会は現在のところ五月二十三日に予定をいたしておるような次第でございまして、この二十四日に意見がまとまるかどうかという点については、先ほど来申し上げておりますように予測がつかない状況にございます。この問題の扱い方が、先ほど来申し上げておりますように、委員の提案によりまして審議会が自主的に議題にした、かような経過もございまして、今後の処理につきましては審議会の自主的な判断におまかせしたい、かように考えておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私はいまの質疑応答の中から非常に重要な点を理解するわけですが、もう一つ私は聞きたい。  このままでいけば、五月二十三日に基準審議会の総会が招集されるということですが、その前に招集するとすれば、私が労働基準審議会関係の関係法令をとって調べてみると、労働大臣は会長に対して一週間の期限を置いて基準審議会を招集することができるという労働基準監督機関令、これは珍しい名前だが、この法規に言ってあるわけです。それからいま局長や大臣も答弁になりましたが、労働基準審議会というのは、たとえば労働安全その他小さな規定でも全部これにかかっておるわけだから、みな意見を言う機会があるわけだ。私はこの次に内容の問題点について議論をいたしますが、研究いたしますと非常に重要な問題を含んでおるわけです。そういうことから考えてみましても、あるいは地公法その他のいままでの例から考えてみましても、私は、基準審議会の議を早くやることがこの審議の促進にもなると思うわけです。二十三日以前に労働大臣は基準審議会を招集する意思ありやいなや、お答えをいただきたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 これは審議会で御検討になっておることですから、私どもとしては審議会の自主性を尊重すべきだと考えておりますが、ただいま御発言の趣旨は会長にお伝えをすることにいたします。

大原亨日本社会党

○大原委員 趣旨は伝えたい、趣旨は賛成だから伝えたいというのですが、しかし労働大臣は、一週間以内に招集してくださいといって会長に要請することができる。そういう権限がある。だから、事態は重大であるからその経過を知っている労働大臣がまっ先にそういうことについて意思表示をする、連絡をする責任がある。ただし、ぼくはいろいろな経過があるから四角四面の議論をしようとは思わないが、これはきわめて重大な問題であるからその経過をいま明らかにしたわけです。たとえば、この問題に関係してひとつ文部省にお答えをいただきたいのだが、文部省の初中局の地方課に野崎さんという人がいますか。ここに出てきていますか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 野崎事務官、地方課におります。

大原亨日本社会党

○大原委員 本省ですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 本省の地方課に勤務いたしております。

大原亨日本社会党

○大原委員 この人が「学級経営」の十二月号に「労基法適用除外の問題は当然労働基準審議会の審議事項になるのである」云々というて、文章でずっと書いておる。このことに関係して外部に発表した論文の中にこういうことを書いておる。文部省の中にもそういう意見がある。これは私がいまから内容的な問題点の議論を五つ六つに分けてするから、そこでも明らかになりますが、私はいま手続上の問題について議論をしたのですが、そういう議論もあるわけです。そこで労働大臣、あなたは会長に頼んでと言われたが、労働大臣の権限で招集をされますか。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 この法案の内容につきましては、労働省からも文部省からもきわめて詳細に審議会に御報告を申し上げておるわけでございます。審議会といたしましては、すべての事情を知悉された上で今後運営をしていかれるわけでございますから、やはりこれは審議会の自主性を重んじるという態度でいくことが望ましいと考えております。ただいまそういう御意見もございましたから、これは伝達をいたします。当面特に招集をするということはただいま考えておりません。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは一応労働大臣は、会長に話をするということだったのだが、特にその権限で、この規定に従って招集を要請するということはない、会長と話をする、こういう話です。一週間のあれもあるわけですが……。  そこで、地方公務員法を改正する際においてもそうですし、あるいは国家公務員法で特例を設ける際においてもそうですし、あるいは施行や改正について、四十八時間労働を条約にもかかわらず——条約の議論は非常に多面的ですが、条約が法律に優位していることは間違いない。条約に抵触する法律は無効なんだから、だから基準法の中で、そういう国際的な条約の中で中心的なそういう問題については、これはILO憲章の例をまつまでもなく、これはきわめて重要な問題だ。三十二条、三十三条、三十六条、三十七条もそういうことだし、これはきわめて重要な問題である。私は基準審議会はそういう観点でやると思う。したがって私が考えるのは、これはいままで地方公務員法を改正して基準法の特例を設ける際、特別法をつくる際においても、やはり二回にわたって建議をしているのだ。労働大臣の文書による意思表明と、そしてその意思表明を聞いて、成立はしていなかったけれども、これは重要だということで、労働者側は、三者団体も含めて、この問題を取り上げるということになったわけです、建議をするということになったわけです。建議が国会の審議が済んだあとで出たのでは、これは結局結果において、基準審議会、労使対等の原則、あるいはこれにかわるべき公務員制度審議会がどれだけの権限を持っているかということについてはあとで議論をするとして、そういうふうな審議会の場を経ないで独走するということは、結果、建議の内容がいかんにあれ、これは私はきわめて問題であると思う。したがって私は、その建議がすみやかに出るようにしてもらいたい。これは労働大臣も了承されました。そして建議を待って、きわめて重要な問題であるから、議論された問題であるから、われわれは国会においては慎重にこの問題を審議をして、結論を出すべきことが妥当であると思う。  ですから、私は委員長に対して要請いたしますが、石井照久会長はこれは普通の参考人とは違う。これは権限を持った政府のそういう機関です。ですからその会長の意見を聞くことを含めて建議を促進して、それらを十分考慮に入れた上において国会の審議を進めていくような手はずを理事会を開いてとってもらいたい。私は時間の関係で内容上の重要な問題について、三十二条、三十三条、三十六条、三十七条、そういう問題についてはなお議論することを残しておる。四十八時間労働に関係する問題、これは適用除外する問題です。国際条約の関係があります。ですからそういう議論は、いまこの話がつくならばその質疑応答はもちろん私は続けていきますが、しかし、ともかくもいままで逐一問題点と経過を明らかにしてきた。そういう点について、賢明にしてかつ民主的な委員長は十分了解されていると思うから、理事の問において相談をして、この取り扱い方についてひとつ十分理解のできる措置をとってもらいたい、その点を委員長に対して要望いたします。委員長の所見をひとつお聞かせいただきたい。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 大原君に申し上げます。後刻理事と協議をいたします。質疑を続けてください。   〔発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後四時五十五分休憩      ————◇—————    午後七時十五分開議

高見三郎自由民主党

○高見委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原委員 休憩前までは主として手続上の問題点について質問したわけです。  そこで、これから特例法の内容上の問題点を中心に若干質問いたします。教育公務員特例法で規定された内容が、労働条件の最低基準を決定した労働基準法に違反するかどうか、こういう点が問題の中心であります。  そこで、きょういままでわれわれの委員会席におられた、終戦直後労働大臣をしておられた加藤さんの話もあるのですが、労働基準法を制定するときに、労働法制審議会、こういうのが昭和二十一年、労使公益の三者構成で設置をされまして、そして基準法の原案についていろいろ討議をして、案をまとめて答申をしたわけです。むろん当時はGHQとの関係もありましたが、そういうふうになっておるわけです。そのときに、労働基準法はすべての労働者の最低の労働条件をきめる、こういうことが審議や答申の過程において強調されておる。私も別の、当時の立法経過の中でそのことを確かめたわけです。したがって、この労働基準法は、成立の経過、立法の趣旨からいいましても、やはり基準法と銘打っておるように、すべての労働者に適用するという、そういう心がまえ、準備の中でできた、言うなれば基本法であります。したがって、先ほど来基準審議会の決議による建議の議事進行についていろいろ議論をいたしましたが、そういう立法の経過から見て、この基準法の性格なりそういう問題についてあらためて私どもははっきりする必要があると思うわけです。  そこで、私はきょうは不完全な資料で走り読みをしたのですが、いま申し上げた二十一年の労働法制審議会のそういう審議の経過と結論についての当然の記録等について、労働省のほうからお出しをいただきたい。これはできるだけ資料として出していただきたい。きわめて重要な問題ですから、本文教委員会の皆さん方に十分審議の参考として取りまとめたものをこの際お出しをいただきたい、こういうふうに思います。労働大臣のお考えをお聞きいたします。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 お申しつけのとおりにいたします。

大原亨日本社会党

○大原委員 この教育公務員特例法という特別法をもって労働基準法や地方公務員法を下回る法律内容を規定するということは、私は原則的に許されない、こういうふうに考えます。いままで議論してきたことですが、内容上の議論をするにあたって、そういう点についてひとつ労働大臣の所見をあらためてここで明らかにしてもらいたいと思います。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 労働基準法の定めております基準をはなはだしく下回るような基準が他の法律によって定められるということは、申すまでもなく、好ましくないことだと存じます。

大原亨日本社会党

○大原委員 今回の教育公務員特例法の改正による問題を先ほど労働大臣との質疑応答の中で明らかにいたしましたが、もう一条ほど落ちておりました。  労働基準法の三十二条、三十三条、三十五条——これは休日勤務です。それから三十六条、三十七条の適用除外をするわけです。教育公務員については適用除外をするわけです。三十五条も入っておるわけですから、三十二条から三十七条まで、こういうことになって、かなり大きな問題であります。労働基準法の三十二条の適用が、読みかえその他の規定において除外をされるということに対して、最低基準を保障するという意味においてどのような代償的な措置が本法の体系においてなされておるか、こういう点について、これは政府委員でもよろしいから、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 所掌でございませんので、私から御答弁申し上げるのはいかがかと思いますが、この改正法案の原案におきましては、法案に示されておりますように、従来適用除外でございました第二条、第二十四条第一項、その次に第三十七条というのが入りまして、いわゆる割り増し賃金に関する規定が入ったということになっております。  それで、先生御指摘がございましたが、三十二条の労働時間に関する原則規定そのものは適用除外になっておりませんし、三十三条の第三項の規定に読みかえ規定が入ったということになっております。三十六条につきましても従来同様でございまして、そういった関係から見ますと、いま御指摘の点、やや私理解に欠けるかと存じますけれども、たてまえといたしましては、国家公務員である教職員につきまして教職特別手当が設定された、それにならうということで、地方公務員である教職員に教職特別手当が設定された。それとの関連におきまして割り増し賃金の部分が競合するので、その条文、すなわち労働基準法の第三十七条の規定が適用除外になった、こういうたてまえになっておるというふうに理解するわけであります。あと三十三条第三項の規定に読みかえ規定ができましたので、三十六条の協定を待つまでもなく、公務のため臨時の必要がある場合には超過勤務をさせることができるという制度ができた、こういうふうに理解いたしておるわけでございまして、御質問に十分お答え申し上げたかどうか、いかがかと思いますが、私どもさように理解をいたしておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 労働基準法の三十二条は、先刻来議論をしておりますように四十八時間労働を規定をしておるわけです。ただし、今回の特例法の改正によって、三十三条の第三項で、これはあとでこの条文自体が議論になりますが、「公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず」云々、こういうふうになりまして、その結果として読みかえ規定が御承知のようにあるわけです。三十二条の四十八時間労働というものはその結果として適用除外になるのではないか、四十八時間労働のそういう原則を教職員については適用しないようになるのじゃないか、こういうふうに私は申し上げておるのですが、いかがですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 その御指摘はまさに労働基準法の労働時間の原則と例外に対する理解のしかただと存じます。先生御承知のように、労働基準法におきましては三十二条の第一項において一日八時間、一週四十八時間の原則を確立いたしておりますが、同条第二項の規定で変型八時間労働制を設定しておるわけでございます。しこうして三十三条におきましては、災害その他避けることのできない事由による場合の例外規定、第三項では、先ほど来御指摘の公務のための例外規定を設けており、かつ三十六条におきましては、労働協約による例外規定、四十条においては、規則等で定めた例外規定、こういう原則と例外が並立した形で規定されておるわけでございます。しかし、そのことをもって直ちに三十二条の原則が否定されたというふうには一般的には理解していないのじゃないか、私はかように存ずるわけであります。  そういう意味合いにおきまして、三十二条の規定は今回の法律改正によりましても削除されておりません。したがいまして、原則は依然として原則でありまして、臨時の必要がある場合に初めて発動し得る例外的な規定でございますので、原則には変更がない。むしろ実態は、一週四十八時間が実態ではなくして、四十四時間が大部分であって、労働基準法の原則を上回った、もっとよい条件にあるというのがむしろ現実である、こういうふうに私どもは理解しておったわけであります。法律の解釈の問題といたしまして、あるいはおことばと違った点があるかと存じますけれども、さように私ども理解いたしておる次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それでは、これは非常に重要な問題になってきたわけですが、私が言っているのはこういうことなんです。三十三条の三項を制度化して、そしてこれからの問題はまた議論いたしますが、特別手当を四%つけたわけであります。そういう結果は、四十八時間プラス四%分を業務命令をもって時間外労働として命令することができるということを制度化したのではないか、つまり、これは一律ですから。それ以上のものについてはまだ議論がありますよ。それを制度化したことにならないか。結果として三十二条がたな上げされたのではないか。私は労働大臣のことばじりをとらえる必要はないけれども、私が質問に立った最初ごろに、その点を労働大臣も言われた。結果としては三十二条をたな上げしたことにならないか、こう言っておるわけです。法律論はあとでやります。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 ただいまの御指摘の点、そのような考え方あるいは御懸念があろうかと私どもも存じまして、前に大臣から二月二十一日の労働省と文部省で交換いたしました文書に記載しました事項を申し上げたのでございますが、その第一の条件といたしまして、「教員の勤務については、基本的にできるだけ正規の勤務時間内に行なうこととする文部省の従来の方針を堅持するものとすること。」ということを労働基準局長と初等中等教育局長の覚書といたしまして、本法案をつくるにあたりましての基本原則といたしておるわけであります。そのような精神もあわせて御判断いただければ幸いと存ずるのでありますが、法律上の制度論としては、現行の労働基準法でも、先ほど申しました原則と例外の状態にあり、今回の法改正にあたりまして、運用上いかにするかという点についての杞憂、懸念をなからしめるために、労働省といたしましても深甚の配慮をいたしまして、ただいま申し上げましたような基本原則の堅持を要望いたしておるような次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 法律は、こういうふうにありたいとか、そういう希望だけではだめなんですよ。権利や義務の関係、人権の関係は、そういう単なる希望ではどうにもならぬわけです。何の保障にもならぬのです。  そこで、正規の勤務時間内に勤務をとどめるのだ、そういう覚書を裏づけるような、そういう保障条文、そういうものがありますか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 制度的には、先ほど申しましたように原則と例外という形があるのでございます。それは今回の改正法案に限らず、現行の労働基準法でも原則と例外があるわけでございますが、たてまえとして原則が貫徹されることが願わしいことは当然でございます。したがいまして、法律制度として原則と例外がございますけれども、運用にあたりましても、その原則が貫徹されますように、私どもは心から期待いたしておるような次第でございまして、その点についての了解を両省の間にいたしておるということでございます。  なお、私が……

大原亨日本社会党

○大原委員 ぼくの質問に答えてください。希望を聞いているのじゃない。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 教員だけについていま申し上げたのでございますが、そういった問題につきましては、この改正法案の問題としてでなくて、現状におきましても、地方公務員の一般の行政事務を取り扱う人々につきましては、労働基準法の第三十三条第三項で行なっておるわけでございまするので、その運用の実態等とも関連いたしまして、特に教員につきましては、二十年間のいろんな経過等にかんがみまして、できるだけ従来の方針が守られますことを私ども御期待申し上げておるような次第でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それじゃ、これは少し方向を変えてやりますよ。超勤手当とそれから教職特別手当の関係はどういう関係ですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 私どもの理解といたしましては、従来の割り増し賃金にかわるものとして、今回の教職特別手当があるものというふうに理解をいたしております。念のために申し添えますと、先ほど申し上げました両局長間の覚書で、第二の条件を付しましたゆえんのものは、そういった考え方を明確ならしめるためにいたしたものでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 「かわるものとして」こういうことなんですが、それは法律上どういう条文に規定されておりますか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 改正法の第二十五条の四第一項の「その勤務の態様の特殊性に基づき、」今回新たに手当が設定されるわけでありますが、この文言解釈におきまして、超過勤務手当にかわるものかいなかという点について理解に食い違いがあってはいけない、私どもかように存じまして、その理解につきましては、「正規の勤務時間をこえる勤務の特殊性に着目したものである」という理解を明らかにしたいという考え方を持ち、この点については文部省との間に意見の一致を見ておる次第でございます。そういう観点からいたしまして、先ほど申し上げましたような考え方が成り立とうかと存じておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 文言解釈というのはどういうことなんですか。文言解釈ではなしに、法律上どこに裏づけられておるかということを私は言っておる。  それからもう一つ、この意味を明らかにするために質問いたしますが、個人個人の教員に対して、四%以上の超過勤務を三十三条の三項によって命令する、こういうことはないんですか、ありますか。四%相当分以上を命令することがあるのですか、ないのですか。文部省の実態調査によりますと、超過勤務の実態は四・三%です。八百数十万使ってやった実態調査はね。  そこで、私が議論をしておるのは、超過勤務というものは、割り増し賃金というものは一律何%というふうなものではなしに、個人個人の教員、教員個人について保障している権利です。その割り増し賃金を決定しておる三十七条をたな上げをするわけです。適用除外するわけです。それがどこに裏づけがあるか、こういうことを私は言っておるのですが、それに対して文言解釈とか、かわるべきものとかいう抽象的なことばでは、これは法律としては非常に不備なものではないか。四・三%という文部省の実態調査がある。個人個人が四%以上の超過勤務を三十三条の三項によって今度は堂々と——これはこのこと自体にまた議論がありますが、そういう勤務命令を出すこともできるだろうし、これはできるわけでしょう。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 いままでのお話、若干繰り返すことになるかもしれませんけれども、三十七条、あるいは国家公務員で申しますれば一般職の職員給与法の十六条、これは正規の勤務時間をこえた場合の時間外手当の出し方を規定しておるわけでございます。一時間幾らという時間計算で時間外の手当を出すという根拠でございます。これに対しまして、この法律の二十五条の四に規定しておりますように、「勤務の態様の特殊性に基づき、百分の四に相当する額の教職特別手当を支給する。」という新しい手当を創設し、それに対応しまして、この三項で従来の意味での超過勤務手当、休日給は支給しない、適用しない、こういう形になっております。要するに置きかえた形になっております。これで要するに正規の勤務時間外の勤務に対する給与上の措置としては新しい手当に置きかえた、こういうことが一つの原則でございます。  それから四%の問題は、先ほど四・三%というお話がございましたけれども、これもならしてみて、一応超過勤務と認められるものを考えた場合に、給与に直した場合に四・三%という、これは給与との比率で出た数字でございまして、全部ならした数字でございます。実態は、個々の教員についての時間外の仕事の量というのは、調査の上から見ますと非常に違っております。男女教員によっても違いますし、季節によっても非常に違っております。  しかし、時間外に行なわれている仕事を見た場合に、非常に時間計測できっちり把握できるものとそうでないものとが混在しておりますし、また、個人個人で見ましてもそういう差がございますし、また、一年の時期によっても非常に差がある。一番問題は、教員の場合には、いわゆる生徒の授業を行なわない日というのが、通常夏休みとか学年末とか春休みとかいう期間もございます。しかし、これも一応給与上は勤務に服しているという前提で俸給を支払っているわけでございますので、そういう年間の実態を考えますと、ある月ある日にある人だけが超過勤務、時間外の勤務をして、把握できるところだけを現在の時間計算によって賃金を支払うことは、必ずしも適していないのじゃないかという判断をいたしたわけでございます。その判断についてはいろいろ御議論があろうかと思いますけれども、われわれのほうはそういう判断をいたしまして、いわば量と質を吸収した一つの新しい手当にしたほうが教員の勤務の実態に適するのではないか、こういう前提で新しい教職手当を創設したわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 言っている限りにおいてはよくわかるのです。しかし、法律との関係でどういう規定をしておるのかということはわからない。というのはどういうことかといえば、超過勤務について、四十八時間原則の上に立って割り増し賃金を支払う規定、最低基準を設けているのは個人個人についてなんです。これは昭和二十四年の文部次官通達にもあるのです。教員個人について定める、勤務時間については個人について定めるんだ、こう言っているのです。個人について保障された権利なのかどうなのかということを私は議論しているのです、基準法との関係で。そういう場合に四%分をこえて業務命令を出すことができるんでしょう。今度特例法が改正されましたならば、三十三条の三項でできるわけです。いかがですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 おっしゃるとおりできます。結論的に申しますとできます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、こういうことを言うわけですよ。個人個人にとって、個人個人の権利をどういうふうに保障しているか、あるいは最低の労働基準を保障しているかということが問題なんです。そうしますと、いわゆる超過勤務手当にかわるべき特別手当の四%分をこえて業務命令を出すことができるのです。今度は合法的に三十三条三項でできるわけです。幾らでもできるでしょう。何時間こえてもいいでしょう。百時間こえてもいいでしょう。いかがです。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 先ほど来質疑がかわされております労働基準法で申しますれば三十三条、給与法で申しますれば十六条でございますが、三十三条の三項で、いわゆる三六協定によらず超過勤務を命ずることができるというこの規定は、おっしゃるとおり三六協定なしに命令するのですから、この限り読めば時間の制限は規定してございません。この規定は、先ほど労働省から御答弁がございましたように、県庁の職員とか市町村の職員、一般の行政職員がこの規定で運用されておりまして、その意味では三十二条の当然勤務時間というものがある。勤務時間があるという前提で現在の俸給制度ができておりますから、それは法律的には当然適用があるという、そういう前提でおるわけです。ただ三六協定がございませんし、四・三%という、これは金額に換算しての数字でございますが、四・三%分の時間というつもりだろうと思いますけれども、その時間で払うという手当でございませんものですから、要するに時間で計測しにくいからというので一律にしておりますから、勤務のほうは四・三%と結果的には関係はございません。別のことを申しますれば、四・三%上下という問題や時間の上下という問題、両方に出てくると思います。以下の場合でも以上の場合でも関係ないという形になります。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、特別手当は超過勤務手当にかわるべきものだと立法の趣旨は盛んに言っておる。しかし、法律上の裏づけはないじゃないか。というのは、業務命令とか割り増し賃金の支払いの最低基準の決定、そういうふうなものは教員個人の勤務について保障しておる条文なんです。だから超勤手当にかわるのだ、こういうことを言いながら教職特別手当をもって四%の打ち切り支給をするということは、実際上三十二条の四十八時間労働をたな上げすることになるのではないか。三十二条が実際あってもなくても同じだ。つまり四十八時間以上やる場合には、たとえば前には三つ例があったわけでしょう。災害その他不可避の事由、これは公共の福祉との調整をやったわけです、これはいつもいつも災害があるわけじゃないのだから。もう一つは「公務のために臨時の必要がある場合」ということで、これは特別の場合をやっておる。本特例法は特別の場合を制度化しようというのだ。ここに一つ問題がある。  もう一つは三六協定ですから、労使双方が職場の過半数以上の同意を得て勤務時間を決定することができる。四十八時間をこえた問題についてチェックすることができる、金額についても時間についても。そういうルールをきめることができるのです。それを取ってしまうわけだから、三六協定については実際取るわけだから、そして三十三条の三項に従って超過勤務を命ずることができるようになるのだから、実際には三十二条をたな上げしたことにならないか、こういうことを議論をしておる。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 三十三条の三項によって、超過勤務は三六協定なしに命令できます。ただその場合に、「公務のために臨時の必要がある場合」という、もちろん前提は立てております。これに対して、このたび、この臨時の必要がある場合においても、公務員の健康、福祉を害しないようにという規定も含めまして、両者の規定のもとに勤務命令を出すという、こういう考え方をとっておるわけでありまして、およそ勤務時間というものが前提に立っておる以上は、仕事は勤務時間内でやるんだという前提に立っておりまして、時間外に及ぶ場合は例外だというのが公務員の勤務の考え方でございまして、それとあわせてこのように理解いたしたわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 原則に対して例外だということはわかるのです。わかるのだけれども、例外をこのように決定することは労使対等の原則が保障されていないのだから、結果としては原則に例外が常に可能である、こういうことに持っていく結果にならないか。  それでは、もう一つ観点を変えて、私は午前中からの議論の中で起きた問題について、専門家の基準局長と質疑応答いたします。手当というかっこうで、超勤を含めて超勤にかわるべきものとして出しておる、そういう例は管理職手当があると人事院総裁言われましたね。その点、もう一回聞きましょう。管理職手当の例がある。あなた、うんうん言わずに答弁してください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 確かに申しました。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、それは私はこういうことだと思うのです。労働時間が適用されない職種として労働基準法四十一条があるわけです。それは三つの場合が主としてあるわけです。農林水産というのは、労働時間が季節その他天候との関係で測定できぬということがある。それから監視または断続的労働、踏切番その他のことを含めて。もう一つは管理監督の地位にある者です。裁判官もそういう点があるのですが、これは特別職ですね。しかし、一般職である管理職は、俸給の体系自体がプラスアルファしてあるわけです。責任の俸給があるわけです。そのほかに超過勤務その他の費用を入れて、八%ないし幾らかのプラスアルファがついて、超過勤務にかわるべきものとして管理職手当があるわけでしょう。これは労働時間が適用されない例外の事業、職種として指定しているわけでしょう。このことは、ひっくり返していえば、管理的なあるいは使用者的な立場でない被用者、使われている者、そういう一般労働者、そういう者に対してはそういう特別の手当等によって特別な扱いをしてはならぬ、することは許されない、こういう法律の精神です。ですから、管理監督の地位にある者は手当で超勤を含めてあるからといって、使われている者や一般の勤労者、労働者、公務員に対して、このことを前例として適用するということは、基準法なり、最低基準をきめておる基準法の精神を逸脱するものである。けさの議論を聞いていて、私はそれははっきりしているんじゃないかと思うのです。あなたの答弁は非常にあいまいじゃないですか。何というか、非常に逆説的で、手当でいいんだ、こういうことを積極的に肯定するためにつくり上げた議論ではないか、こう私は思いました。いかがです。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 たいへん鋭い御質問で、大いに敬意を表します。そういうこともあろうかと考えながら先ほどの御答弁は申し上げておるわけであります。ことに附則の第三条の関係では、大原委員からおほめのことばさえも承ったようなことで、私どものほうは労働基準法にとらわれる必要はないわけです。  そこで、たとえば労働基準法について、いまの管理監督の地位というものは一体どういうを具体的に予定してあるか、これも実は克明に調べてみると、そう明快なものは出てこないと思うのです。公務員の場合のどれとどれに当たる者が労働基準法でいう管理監督の地位に当たるかということ自体、私は相当疑問があることだと思いますけれども、それはそれとして、いま管理職手当なるものをもらっておる人々も、かつては超過勤務手当をもらっておりました。労働基準法ではそれはほっぽり出されているグループでありましょうけれども、超過勤務手当の対象となっておったんでございます。それを先ほど申し上げたわけです。そして、それが管理職手当という形に切りかわって、超過勤務手当は支給はしないという形になっておりますということを申し上げたので、ただいまの御質疑などもおそらく出てくるだろうということを前提としてお答えしておったはずでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 だから、それを例として教職特別手当、これは率も低いですよ。その職務の内容にふさわしい俸給体系あるいは手当の内容であるかということについては問題がありますよ。管理職とは何かといえばいろいろ議論はあるでしょう。あるのですが、使用者側に立つ人ですよ。あるいは特別に権限を持っておる人です。そういう人は例外として、本俸の体系へ全部入れておるのが特別職の裁判官です。本俸の体系にも考慮を払いながら、別な俸給表をつくりながら、管理職手当として超勤手当を包括的に含めているのです。しかしながら、そのことを前例として、一般の被用者的な立場にある人や、個人個人の権利を保障する基準法や基準法以上の人事院規則で保障しなければならぬという立場にあるそういう人々、使われているそういう立場にある人々、そういう公務員等に対しまして超勤手当にかわる手当を四%出したからといって、これは個人個人の請求権という立場からいえば、最低の基準と割り増し賃金を保障したことにならぬじゃないか、前例にならぬじゃないか。あなたが言われるのは、つまり基準法の精神に反しておりはせぬか、あなたの言われるのはそうじゃないか、そういうあなたが説明される理由にならぬじゃないか。むしろ逆に、管理職を特別に扱っているということ自体が、一般公務員について特別にそういう手当をやってはいけないんだ、こういうことの理由になるべきであって、あなたが言われるのは逆に説明されておるのではないか、こういうわけです。もう一回答弁してください。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 これは先刻唐橋委員も指摘されたことなんです。本会議の答弁で、管理職手当の例もあるから、それだけのことで一体説明として十分かという御追及がありまして、そのときも申し上げたことですけれども、これはたまたまそういう例もありますということは申し上げてちっとも間違いではありませんけれども、およそ給与制度そのもののあり方、あるいは給与制度の技術の問題から考えてみた場合に、いろいろな考え方がある。そこで一番極端な例をあげれば、たとえば超過勤務命令を出しっぱなし、しかしそれに対する給与上の手当ては全然しないということがあったら、これはもう給与法の、あるいは給与制度のテクニックの問題などではない、もっと根本的な問題でございますよ。そういうことであれば絶対反対いたしますということを申し上げたのは、そのことであるわけです。  そこで、給与制度上あるいは給与のテクニックとして、超過勤務に対応する給与上の手当てとしてどういうものがあるか、広く見渡せばこれは本俸をふくらます方法もありますよ。あるいは時間割りで、一時間幾らで超過勤務手当なるものを支給する方法もありますよ。それから、それを一括して今度の手当のような形で支給する。その態様は管理職手当なるものがテクニックとしては共通のテクニックである。だから、給与制度全体の上からいえば、われわれが致命的な問題と考えるのは、超過勤務を命じながら全然それに対する給与上の別段の手当てをしない、これが致命傷なんです。それ以外はテクニックの問題で、そのテクニックの問題が適当であるかないか、これは国会で十分御判断いただいてけっこうだと思います。筋は筋として成り立ち得る筋だ、こういうことです。(「それは人事院が判断しなければならない。」と呼ぶ者あり)

大原亨日本社会党

○大原委員 それはいま話があったように、人事院がかわって判断しなければいけない。三六協定、協定は労働協約じゃありませんよ。ありませんけれども、労使対等の原則で、就業規則その他できめることになっているわけです。だから、就業規則あるいは三六協定できめることになっておるわけです。だから、これは個人の権利を保障するというたてまえが法律に貫かれておらなければ、これは権利の保障、保護にならぬ、こういうことを私は言っているわけです。  そこで、この問題また返ってまいりますが、今回の特例法の第二十五条の七で、ずっと書いてまいりまして、「労働させることができる。」こういういままで議論いたしましたことが書いてある。「この場合において、公務員の健康及び福祉を害しないように考慮しなければならない」これはどういう立法の趣旨なんですか。文部省のほうからお答えしてもらいたい。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、時間外の勤務を命ずる場合は、公務の臨時の必要性ということが前提に立っております。そしてそれはもちろん具体的な公務の臨時の必要のときに命ずるわけでございまして、ただこの規定でまいりますと、しばしば御議論になるように、何の制限もなくて無定量に超過勤務を命ずることになるじゃないかという議論も出てくるわけでございます。そこで、この場合には教員の健康と福祉の保持を比較考量して超過勤務を命ずべきである、このように考えて例外の規定として入れたわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 もっともらしいことで健康と福祉を害しないように、こう書いてある。害したらどうなるのですか。健康や福祉を害したらだれの責任ですか。これは法律で保障する以上は、権利として主張できる裏づけがなければいかぬわけですよ。その前提としてだれが責任を負うかということになる。健康や福祉を害する、こういうけれども、害した場合にはだれが責任を負うか、こういう裏づけが要る。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 健康と福祉を害しないということは、およそ公務員の勤務の前提に勤務時間というものが定められております。これは四十四時間なら四十四時間あるいは四十八時間ということは、この仕事がその時間内でこなせるという前提の仕事なわけであります。それはそもそも基本的にはやはり公務員あるいは勤労者といえども、みんな健康並びに福祉を前提として勤務をしているわけでございますので、ある程度こういう規定の前提に立っているものの考え方があるわけであります。したがって、時間外勤務という場合に「公務のために臨時の必要」という例外の規定を定めてあるわけでございますので、私たち、これで一般的な勤務の実態からいって非常識なことが起きないと思うのでございますけれども、ただ考え方として、無制限になるということの押えとして、健康及び福祉の保持という考え方をとったわけでございます。  なお、具体的にどういうことが健康と福祉かということは、これはまさに具体的な事例で判断せざるを得ないと思っております。  それから健康、福祉を害したらだれの責任かということでございますが、この趣旨をはずれてむちゃな勤務を命じて病気になるということがあれば、これはまあ命じたほうがやはり間違いだと私は思いまして、この趣旨から申しますれば、健康、福祉を害しない範囲内で臨時に必要のある場合に超過勤務を命ずべきだ、このように考えております。

大原亨日本社会党

○大原委員 健康と福祉を害するようなそういう業務命令、労働基準法三十三条三項の適用による業務命令を出すほうが間違いだ。出した人は、それは責任を持つのですか。それはだれですか。責任を持つほうもたいへんですよ。しかし、害された場合に、それに対して、害する限度において、勤務上のあるいは拒否権があるとか、あるいは損害賠償の請求権が出るとかいうのが法律でしょう。そういう裏づけのないような法律は幾らつくったって——これは法律案を通すときにだけいいことを言うておいて、通ってしまえばこれは何も関係ないわけです。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 法律でございますから、ぎりぎり担保がなければどんな理念に立ってもだめだという御質問の前提があるんだと思うのでございますが、ほかの例に籍口するわけじゃございませんけれども、現在の規定は、一般の行政職につきましては、公務のために臨時の必要があるときには超過勤務を命ずることができるという形で公務員は動いております。県庁の職員、市町村の役場の職員は全部この規定でいっているわけでございます。この場合、それはおよそ公務員制度あるいは勤労者の勤務条件というもののおそらく共通の良識が前提になっているわけでございまして、その上で現行法があるわけでございますから、現行法による他の一般公務員にならったわけですから、同じような前提は是認されるものじゃないか、このように考えます。

大原亨日本社会党

○大原委員 たとえば地方公務員の場合には、業務命令を出す場合には、やはり予算の裏づけが必要なわけです。予算をちゃんとそろばんをはじいてやるわけです。これだけの予算があるから事務をこういうふうにあんばいして命令をこういうふうにするんだ、個人に対してやるのです。しかし、この場合は一律に四%の手当——これは四%が不当に低いということもある。そのことを含めて、四%の手当を出せば、四%相当分以上幾らでもやれるでしょう。健康と福祉が歯どめだと言うけれども、それは何の裏づけもないじゃないですか。それならば、言うならば無定量の責任を負わせるんだ、こういうようにいわれてもしようがないじゃないですか。地方公務員の場合は、予算上の裏づけがなかったら命令できませんよ。だから、地方公務員のやつを例にやるということは間違いじゃないですか。そうすると、私も前に言った議論に返るのではないか。四十八時間労働という歴史的、国際的——これがどこでも四十八時間が四十四時間になり四十時間になる、そういうときに四十八時間プラスの四%分を、ここまでは当然業務命令が出せるし、それ以上仕事をしても保障はない、こういうことになったら、健康と福祉の歯どめがついております。こう言っても、法律としては一つも法律の体をなしておらぬじゃないですか。いかがですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 ですから、最初から申し上げておりますように、この制度全体といたしましては、時間外の勤務について一時間幾らという計測になじまないという前提に立って、いわば時間と量を吸収して、年間をならして一律の新しい手当を創設するという前提に立っているわけでございます。   〔発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 静粛に願います。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 したがいまして、従来のような意味での、超過勤務を命ずれば一時間幾らという考え方をとっておりませんので、従来の超勤手当の根拠をはずした。それから新しく超過勤務を命ずる場合には、公務のため臨時の必要性という条件と、それに対して健康、福祉という条件をかぶせて、無定量な、あるいは過度な超過勤務がないようにという押えをいたしたわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、四十八時間を保障するという場合には、それ以上の勤務を命ずる、業務命令を出す場合には、割り増し賃金で一定の担保をするわけです。一定の最低基準をきめるわけです。そして手続上においても法律において——臨時突発の場合、災害等の場合は別ですよ、これは時間的な制約があるわけですから。しかし、これはやはり個人の権利を保障するかっこうでいままでやっておったわけです。それを今回は特別手当でやるということは、これは一切の担保をはずして、四%については四十八時間プラスアルファとして一律に支給することを通じて、そこまではできるんだという前提で法律を組み立てておるわけです。ですから、あなたがどんな希望を言ったり、あるいは基準局長が、双方の協約がある、こういうことを言ったって、これは保障にならぬ。保障は一体どこにありますか。これは基準法に抵触する重要な問題です。基準法の基本精神をじゅうりんする問題ですよ。つまり、四%の低目の打ち切り支給で、それを恒常化しながら、それ以上の勤務を命令することができる根拠をここに求めたのですから、歴史的に、国際的に、あるいは条約上——あとでいろいろ議論するけれども、そういうことを逸脱して、そうして重要な労働基準法の保障規定を切り下げるものである、こういう議論が当然出てくるのです。これを反駁する議論があったら言ってください。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 お答えをいたしたいと思います。  なるほどおっしゃるとおりに、法律の文句の上から申しますれば、二十四時間勤務を命じても差しつかえないような規定になっているといえばそうなっております。それは私も認めます。ただしかし、先ほど来繰り返して御説明を申し上げておりますように、われわれといたしましては正規の勤務時間というものを尊重したいと思っておるわけです。なるべく正規の勤務時間の中で勤労をしてもらうようにやってもらいたいと思って、公務のために必要があるとかなんとかということでむやみやたらに超過勤務を命ずるというふうなことを避けてもらいたいと思っておるわけであります。そういう性質のものでございます。御心配になるような点は、私は、労務管理の適正を期してまいれば、さようなことは起こってまいらないと思うのでございまして、もしかりにこのような規定を設けたというので、労務管理の任に当たる者がやたらにそのような過重な労務を課するというようなことは、およそ今日の時代において望ましいことじゃございません。そうあってはならないことであろうと思うのであります。そういう点における指導は十分にしてまいりたいと存じております。  また先ほど、これは決してあげ足をとるとかなんとかという意味で申し上げるわけではございません。十分なあれとは思いませんけれども、予算の問題が歯どめであるというふうにおっしゃったのでありますけれども、この予算が場合によればそれは歯どめにもなることもありましょう。しかし、また同時に健康あるいは福祉の面がやはり歯どめには私はなると思う。健康、福祉の問題と、それから予算の問題とは別の問題だろう、私はそのように考えるわけであります。予算は、予算さえつけば幾らでもやれるという問題になってまいりますけれども、健康、福祉の問題は、幾ら予算があってもそれは許されない、こういうような性質の問題ではないか、かようにも考えます。へ理屈を言ったようなことにもなりますけれども、そういうふうな考え方で勤労の管理を適正にやっていく、あるいはまた近代化ということばが適当かどうか存じませんけれども、できるだけ勤労管理というものをよきものにしていくという努力は、われわれとして常に考えていかなければならぬ問題だと思います。したがってまた、その責任の衝に当たる人たちに対しまして、その指導は十分にやってまいる。労働省との間のお約束の中にも、先ほど基準局長から御説明申し上げましたような条項が入っておる。私どもこの約束は十分守ってまいりたいと思っておりますので、そのようにひとつ御了承いただきたいと思うのであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 灘尾さんは将来総理大臣になられることもあろうと思うけれども、いつまでも文部大臣をやっておられることはない。灘尾さんが幾らここで御答弁になっても、総理大臣になられるとか、ほかの大臣になられるとか、いろいろある。まさか落選されるということは、私は同じ選挙区だから絶対に信じないけれども、これは絶対に安全だけれども、しかし、いつまでも文部大臣をやるということはないでしょう。そういうことはないのです。そこで制度として法律的な保障が民主主義では必要になってくると思うのです。労働基準局長、三十二条の四十八時間労働の規定に違反をした罰則は何ですか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 労働基準法三十二条に違反した罰則は、労働基準法の第百十九条の罰則の適用があるわけであります。すなわち第百十九条におきまして、第一号の中に第三条以下ずっと並べておりますが、その中に三十二条という条文がございまして、百十九条の適用があるということでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 中身は。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 第百十九条によりまして「六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。」こういう規定であります。

大原亨日本社会党

○大原委員 今度教育公務員特例法によりますと、こういうことが制度化されると、いまお話があったよにう公務ということと臨時、こういう条件はついておるが、これはつけようによるわけですから、その場合にはこれは罰則は全然ない。幾らやったってないでしょう。幾ら勤務したってないでしょう。勤務を命令したって、それらから金を払わぬで業務命令を出したってないでしょう。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 罰則の規定はございません。

大原亨日本社会党

○大原委員 そこで、罰則を好んでどうこうするということはないのですけれども、これは重要なる基準法と違った規定じゃないですか。非常に違った重大な規定じゃないですか。だから、これは特別手当を出す、そのことの是非はいろいろあるだろう。しかし、四%を支給すれば歯どめは全然なくなっちまう。そうすると、お互いの善意に期待するしかないということになるが、それは民主主義じゃないですよ。基本的人権の尊重でもないのですよ。自由権の尊重じゃないです。社会主義とか資本主義とかいうのじゃなしに、民主主義です。そういうことは四十八時間労働から四十四時間労働、さらに四十時間労働と、こういうふうにどんどん国際労働条約や国際的な慣行が進んでいるのですよ。そういうときに四十八時間プラス四%の手当を支給すればこれは歯どめは全然ない。こういうことは労働基準法の法体系からいって重要な変更になる。労働基準法をじゅうりんすることになる。労働条件の法定主義をじゅうりんすることになる。基準法を中心として組み立てられた法体系を乱すことになる。これは明らかにそうです。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 これはあまり私から申し上げたくないのでありますが、問題の点は三十三条の三項の読みかえ規定をつくってこういう制度を考えるがいいかどうかということが一つと、それから超過勤務をした場合に、割り増し賃金という制度をやめて新たなる制度を設けることがいいかどうかという問題でございますと、いろいろ先ほど来御議論があるようなことでございますが、ただ現行基準法のたてまえ云々と申されますと、これは私申し上げるのがいかがかと思うのですが、現行のたてまえが三十二条が本則になっておりまして、そして三十三条の三項では第一項の規定にかかわらず、つまり「災害その他避けることのできない事由によって、」云々、そういう場合に時間外勤務をさせるときに行政官庁の許可を受けるという第一項の規定にかかわらず、「公務のために臨時の必要がある場合においては、」第三十二条の労働時間を延長させることができる。こういう制度になっておるのでございまして、この規定には健康及び福祉云々というくくりもついてないわけであります。したがって、労働基準法のたてまえ云々を言われますと、この三十三条第三項の規定は、第三十二条の規定とのかかわり合いで一体どうなっているのか、現行の制度はどうなっているのか、くくりがないじゃないかという議論に実はなるわけであります。しかし、この規定を設けてなおかつ現在運営されておりますゆえんのものは、「公務のために臨時の必要がある場合において」その当該官庁の使用者が判断をいたしまして、時間外勤務をさせることを認めておる制度がいまあるわけでございます。したがいまして、そのたてまえの変更かどうかということになりますと、たてまえそのものについて現在あるわけでございますから、それをあまり云々するわけにはいかない。ただ、この三十三条第三項の規定を、読みかえ規定を使いまして適用さすことがいいかどうか。それから先ほど来申し上げておりますように、時間外の勤務をいたしましたその時間に応じた割り増し賃金を払うという制度を変更することがいいかどうかということについては、いろいろ御議論があろうと思いますが、現行の制度のたてまえと申しますけれども、それはただいま申し上げましたようなことでございますので、そういった関連との問題になりますと、これはまたいろいろ申し上げようもあろうかと存じます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私がいままでずっと議論したことは、つまり四十八時間をこえて労働させてはならない規定があるわけですね、三十二条。しかし、こういう場合、こういう場合、こういう場合、主として三つの場合をあげているが、そういうふうな条件の場合には、一定の最低基準を設けて割り増し賃金を払って業務命令を出すことができるようになっているわけです。それは個人の権利として保障されている。これを一律の手当として出す場合においては、この法体系を全部ひっくり返してしまうのじゃないか、そういうものをやることは。  たとえば、うしろにおられると思うんだが、新聞記者の諸君は自分の上司の目の届かぬところで仕事をしておられるのです。家庭訪門その他、勤務の態様でいろいろあるわけです。しかし、大体これはもういまここにおられたら超過勤務がついているわけです。新聞記者諸君も一カ月国会その他が忙しければ四万円、五万円ある人がずいぶんあるわけです。そうすると、超過勤務手当をもらえば、一ぱい飲むとかあるいは休養するとかレジャーするとか、そういうこともあり得るわけなんです。超勤でもらっているところもあるわけです。それは目が届かぬとか届くとか問題じゃないのですよ。だから働いたならばそういう問題については出しているわけですよ。打ち切りじゃないのですよ。だから、たとえば管理職の諸君だったら、朝私どもが電話をかけたって十時になっても来ない人もおる。時間を測定しようと思ったってできぬということもある。しかし、これは立場上、この人の立場というものは保護されているのです。責任でもあるけれども保護されている。それは一般の公務員や一般の労働者に対して一律四%という定率の手当を出したからといって、罰則もなければ、個人の請求権も、極端に言えばどんな業務命令を出したって、これについての裏づけもない。こういうことになれば、基準法の精神というものは、これはひっくり返ってしまうのではないか。基準法を踏みにじっておると言われてもやむを得ないのではないか、こういうことです。  そこで、あなたの答弁を聞いたって、これは言い回しをするだけであって、中身は一つも前進がない。これは重要な問題だ。つまり労働条件の最低基準を決定した基準法以上の特殊性を加味した保護をすべき特別法における措置としては、これは重大な欠陥があるのではないか。こういう点を文部大臣その他、そういうことはないし、労務管理を近代化します。こういう話ですが、なかなか社会的ないろいろの条件その他があって、やはり最低を保障されなければならないわけです。つまり労働基準法の三十二条、一日八時間一週四十八時間をこえてはならぬという規定を制度上保障しておるということは、労働時間の延長がそれだけ労働者の休養の短縮を物語る。こういう点から労働時間の歴史的な推移と現実的な意義について考察をして、労働者保護の立場から明文化したのが三十二条の規定であり、一週四十八時間は四十四時間になり四十時間というふうに国際的な取りきめをしながら、そしてILO憲章を承認しそして加盟したそういう各国々は、これは批准、未批准にかかわらず、ILO条約のそういう条約としての拘束、多数国間の条約だけれども、その拘束を受ける。こういうことで労働者の権利の保障が社会の進歩と平和に役立つようにというILOの労働憲章、国際条約、国連の専門機構としてのそういうものになっているわけです。ですから、その精神に逆行するようなかっこうでこの法律を軽軽にきめるということは——中央労働基準審議会の答申の問題を休憩前までは議論いたしましたが、これは文部大臣と労働大臣、人事院総裁との間において意見のやりとりがあったというだけでは、労使公益三者の構成でやっている基準審議会、拘束性を持った審議会のそういう制度をつくっているそのたてまえや、基準法の一条、二条の精神からいって、これは非常に問題となるべきことではないか。こういう制度については、少なくとも労働者側が理解をし承認をしなければやってはいけないことではないか。それを倉率の間において、予算その他のからみ合いにおいて国民の目の前で、いろいろ経過はあったけれども、こういうかっこうで出てくるということは、私は問題の一つとして、いま基準法の精神、三十二条の問題を中心に議論いたしておりますが、許すことができないのではないか、こう思うわけです。基準法の番人であり労働者保護の立場に立つ労働大臣に、ひとつ所見を明らかにしてもらいたいものであります。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 いままで答弁いたしましたことの繰り返しになるかと存じますが、労働基準法におきましては、提供された労務、この労働の時間に対応して個々人に即して割り増し賃金が支払われるたてまえになっておるわけでございます。ただ教職員の場合に、勤務の態様が特殊であるという点から時間で計測、計量するに適しない、こういう前提に立ちます場合に、これは一律に支給するほかない。時間に対応して割り増し賃金を払うということが事実上不可能である。さようなことから今回の教職特別手当が創設されたものだ、このように考えております。現行法のもとにおいても、労働が所定の労働時間内においてなされなければならない、こういう原則に対する例外は存在をしておるわけでございます。今度の場合もこの原則をくずすものではないという趣旨を明らかにいたしますために、条文の上には直接これが明示されておりませんから、特に労働省、文部省の間で覚書も取りかわしたようなわけでございます。個人の健康あるいは福祉を害してはならない、抽象的な規定ではございますけれども、個々の場合につきまして社会通念に従って判断をいたしていきますれば、教職員が無定量の勤務に服せしめられて、その結果健康をそこなうというような事態は万々起こらないであろう、このように考えておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 私は、労働大臣が労働者保護の立場に立ってものを言っておられるのが非常に苦しいことはわかりますよ。苦しいことはわかるけれども、そういう趣旨の答弁を期待することが私は無理かと思うのです。無理かと思うけれども、しかし、言うべきことは言っておかなければ、労働大臣としての職務を果たしたことにならぬじゃないか。このことは明らかにおかしいですよ。労働基準法の労働条件の保障と底を築くこととその組み立て、こういうものを大きくくずしていくものだ。これは先ほども申し上げたように基準審議会の議を経てやるべき問題です。欠陥があるなら直すべき問題ですよ。労働大臣は、議決によっていま審議が進んでおるが、答申があったならば、建議があったならば、これを関係大臣にそれぞれ連絡をして協議をする、こういうふうに言われたと思うのです。私は一点だけを取り上げたわけですけれども、そういう問題が労働代表を含めて、これは同盟の諸君も中立の諸君も、基準法がどんどんこういうことで穴があいていったのではたいへんだ、こういうことです。経営者の諸君も、これは議決をもって審議すべき事項だ、こういうことです。建議が決議されたならば、それは労働大臣は責任をもって善処してもらえる、当然すべきである。こういうことは先ほども答弁がありましたが、この問題について労働大臣からひとつ自分の見解を明らかにしてもらいたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、審議会においては、今後この問題について検討を行なわれるわけでございまして、その結果建議がなされるか、その場合その内容がいかようなものであるかということは、ただいまから予測することは困難でございますが、建議がなされました場合は、関係各省とも協議をいたしまして慎重に検討したいと存じておりますことは、先ほどお耳に入れたとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 もう一回重ねて申し上げることになるのですが、これは議事を進める上において申し上げるのですが、休憩前の質疑応答の中で申し上げたように、地方公務員法で労働基準法の特例を設ける際においては、労働基準法の一部適用を規定する際においては、二回も中央労働基準審議会の会長の建議がなされておる。しかし今回は、あなたの怠慢だけではない、いろいろな事情があることは私は知っている。しかしながら、労働省と文部省が打ち合わせをしたり覚書を交換したりする日付と、基準審議会を法律に従って運営する運営のしかたにおいて非常に大きなミスがあったのではないか。したがって、このような重要な基準法に関係をした問題についてわれわれが審議をする際には、その審議の権威を保つためにも、法律の権威を保つためにも、当然私どもが決定をした法律に従った手続がなされることが必要である、こういうことを私どもは言っておるわけであります。私は、その点は万々手抜かりなく労働大臣が措置されるものというふうに理解をいたしますが、その点につきまして見解を明らかにしてもらいたい。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、審議会に対しては、閣議決定の行なわれます前日に詳細に法案の内容を御報告申し上げておるわけでございます。審議会におかれては、法律案の内容を知悉された上で、自主的な判断に基づいて審議をなさっておるわけでございますので、これを拘束するような措置をただいまとることはいかがかと存じております。あくまで自主性を尊重する行き方が望ましいと考えておりますが、先ほど来御発言の趣旨は、ただいま国会ですでに審議が行なわれているという事実をもあわせまして会長に伝達をするつもりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 この問題を具体的にさらに一歩進めまして、これは一律四%という数字なのです。一般の公務員、中央官庁の政府の職員は人事院の関係ですが、これは一二%でしょう。そういうもの等から考えてみましても、あるいは給与体系の点から考えてみましても、これは納得できない低いものではないか。この点については、いままで組合の関係その他この問題についていろいろと折衝をしてこられたし、あるいは人事院が調査をして検討した結果については御答弁があったのですが、国家公務員と地方公務員との勤務の態様は違うけれども、しかし、給与の一つとして人事院の態度の表明や決定、これからの動向、行動というものはきわめて大きな影響があるのであります。これは四%ということについて通告を受け、そしてこれについての根拠あるいは給与全体の中のバランス、そういうもの等から考えて妥当であるというふうにお考えですかどうですか、人事院総裁の所見をひとつ明らかにしてもらいたい。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 いまのおことばに四%ということが出ておりましたが、これはこちらからかって御説明申し上げたのかどうか知りませんけれども、御承知のように国家公務員の仕事というのは、役所によって、またそれぞれの部署によってたいへんな違いがございまして、人事院の中でさえも、五時になったらきっちり帰れるところと帰れないところとあり、また季節的に違うということもございますから、これは一律に何%といっても意味がないことじゃないかと私は思います。  ところで問題は、いまの四%がいいか悪いかということにおそらく焦点があるのだと思いますが、先ほど文部大臣のお答えの中でもはっきりうたっておりますように、われわれはまだこれがはたして的確なものであるかということについての精密なデータはありませんから、これは十分検討を要することであるけれども、たとえば学校の先生の場合を一つの例にとりますと、もちろん国立学校ですけれども、これは地方の場合と違って超過勤務の予算がいますでについているわけですね。超過勤務手当は出ているわけです。もちろん大学の先生あるいは病院の診療を担当している教授などについては十分出ております。高、中、小関係の国立の付属の先生方についても出ておりますが、これはほんとうにお気の毒なことですけれども、現実に〇・六%くらい出ておるわけです。それと比べて四%というのは、決してこれは損にはならないということははっきり言えます。したがって、一応やむを得ないものとして——ここで人事院がむきになってこれに反対をし、阻止をして、せっかく一人当たり二千円の予算まで用意されているのがふいになったということでは、これはまた別の問題が起こりますから、筋が通らぬものならばこれは絶対反対いたしますけれども、けさからるる申し上げておりますように全然落第ともいえない。しかもいまの国立学校の小、中、高の先生方から見て決して損にはならないということであれば、まあまあ一応やむを得ざるものという結論に達したということを率直に申し上げておきます。

大原亨日本社会党

○大原委員 四十八時間労働の、あるいは労働条件の最低基準の重要性については、これはやはり私どもは国際条約、そういう点から明らかにする必要があると思います。日本の労働基準法が戦後、国際的な水準に達してない面が多々あるけれども、かなりの水準で日本の制度として採用されたわけですが、私はその背景には国際条約があると思うのです。労働時間を扱っている国際条約の種類と日本政府のこれに対する態度、こういう問題について労働省からお答えをいただきたい。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 いま手元に資料が全部整っておりませんので、ことごとく申し上げるわけにはいきませんが、一番基本になりますのはILO第一号条約が工業的職種における労働時間に関する条約として定められております。同様の内容のものがその後商業にも採択されておるわけでございますが、その第一号条約につきましてはまだ批准の手続はいたしておらぬわけであります。この点につきましては、わが国の労働基準法制定の際に、このような条約の基準を参考にいたしまして法案を作成いたしましたことは御案内のとおりでございますが、ただ労働基準法の適用範囲は御承知のごとく非常に広範でございまして、かつ規定しておる労働条件の内容も、その広範多岐なことは外国の立法例に比較いたしましても特色がある点でございます。労働時間につきましては、先ほど来御指摘がございましたように、三十二条の原則のほかに、三十二条第二項とか、第三十三条、四十条、四十一条といったような例外ないしは適用除外の規定がございまして、ILO第一号条約と比較いたしました際に、基本原則においては合致しておるのでありますが、例外措置については必ずしも合致していないという点がございまして、まだ批准をいたしておらないのでございますが、しかしこの問題の処理につきましては、中央労働基準審議会で取り上げまして、労働時間部会を設定し鋭意検討を進めておるという事情にございます。  簡単でございますが、骨子だけお答え申し上げました。

大原亨日本社会党

○大原委員 日本が戦後ILOに復帰するときに誓約書を言うなれば入れておるわけです。それはいまのILO第一号条約の四十八時間労働についての制限する条約は一九一九年に制定されているわけですから、日本が加盟をしましたときにはすでに基本的なILOの条約として存在しておったわけです。ですから、憲章やすでに批准をした重要な条約については日本は誠実に守っていくんだということを言っておるわけですし、たとえ批准してなくても多数国間の条約としてこれは加盟国を拘束するわけです。そういう点については、私どもはこの条約というものはこれは無視することができない。さらに世界人権宣言が出ておりますが、これは一九四八年ですけれども、人権宣言を二つの条約に分けまして、そうして条約として採択をしておるわけです。その中にも労働時間はできるだけ合理的に制限をする、こういうことが御承知のように載っておるわけですね。ですから、そういうことは批准をするしないにかかわらず、日本は憲法九十八条では、そういう国際条約を順守するということを宣言をしておるわけです。ですから私は、それらの条約も実質上われわれの立法やあるいは行政措置については法律に優位するものとして拘束性がある、こういうふうに考えてよろしいのではないかと思うのですが、労働省はどういうふうに考えておりますか。

村上茂利労働省労働基準局長

○村上(茂)政府委員 労働時間関係についての条約を先ほど第一号だけについて申し上げたのですが、第三十号、第四十三号、四十七号、四十九号、五十一号等がございます。この拘束性の点につきましては、これは先生御承知のように、憲法におきましても条約の効力というものを規定しておるわけでございますが、ただ国内法的に見ました場合に、御承知のごとく、批准していないというものについては、遺憾ながらいろいろ法的な意味におきまして拘束性を持つということについては否定的に理解せざるを得ないのでございます。  ただ趣旨論として、先生先ほど来御指摘のとおり、このような基準が国際的に設定されております以上、そのような趣旨を実現する方向に向かって進まなければならないということは一般的にいえるわけでございます。労働省といたしましては、法制化されない部分につきましても、行政指導等の面におきまして、指導上生かし得る点につきましては、ILO条約に定めておりますものを活用いたしまして、指導面に活用するといったような配慮をいたしておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 だいぶ時間が過ぎてまいりましたから、あとの質問もあることですから、私もぼつぼつ結論を急ぎたいと思うのですが、この労働条件の問題と一緒に、ILOでは基本的な条約としては、御承知のようにいままでいろいろ議論いたしましたが、九十八号条約や八十七号条約があるわけです。日本はすでに批准をしておるわけです。つまり私は今日は、たとえばキューバ危機を境として、アメリカとソビエトが話し合いをしてホットラインを設けた、あるいはベトナム戦争だって、アメリカと北ベトナムは和平のテーブルへ着いている。いろいろ日教組あるいは教員組合一般、そういう問題について議論があると思う。あると思うが、やはりこういう問題について私は人事院に十分聞きたいと思ったが、全体の審議に協力するという意味でやめるわけですが、とにかくやはり労使間のそういう問題については、意見は違い、主張は違っても、相互の立場を尊重する、こういうたてまえで運営しなければ相互信頼関係はできない。そういう点では、意見が違う、立場が違うといって、そして角突き合わしておったのでは、やはり教育の現場やあるいは実際の教育運営が支障を来たすのではないか。そういう面において、こういう問題について、やはり基本的な権利の問題について、そのために存在しておる組合の存在、主張というものを十分文部省や労働省はもちろん、あるいは人事院等においてもこれを尊重するというたてまえでなければ、とうていこういう権利の問題についての円滑な運営やあるいは保障というものはあり得ないのではないか、こう思うわけです。  私は、この問題はきわめて労働基準法という非常に重要な法律に直接関係のある問題であるから、慎重な上にも慎重を期して、これをめぐる各方面の議論を尽くしてこの審議を進めるべきである。その点について、委員長に私は強く要望をするわけです。したがって、そういうドライヤー勧告とかいろいろな問題があるわけです。政府は、これは勧告であっても、日本について勧告されたことについて承認しておるわけですから、相互信頼や定期会談等についてもあるわけだ。ですからそういう点を含めてやらなければ、これは決して国際的に見ても、あるいは具体的な問題を解決することにおいても、問題の解決にならぬのじゃないか。そして何か文教行政といえば、もっといびつなような印象を与えるということは、私はこれはとるところでないと思うのです。したがって、私は、そういう点について、それぞれの立場からこれから各委員から質問があると思います。審議が進むと思うのですが、そういう点を私はこの審議を通じまして、私の所見として申し上げておいて、そして私の質問は、たとえばこの法案の取り扱いについて官房長官あるいは総理大臣、当然百鬼夜行のようなそういう態勢でなしに、そういう点についての政府としての統一的な見解や扱いについて私は聞きたいと思っているが、しかしまだ法律的にも内容的にも解明されないであとへたくさん問題が残っている。こういう点を私は、私の質問の中で確認をしておきまして、私の質問を一応保留の形で、またあとゆっくりやるということで打ち切っておきたいと思います。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 小松幹君。

小松幹日本社会党

○小松委員 午前中から七、八時間連続やりましたが、これは大体労働省並びに人事院のほうにおもに論戦が向いておったようであります。ということは、これが重要な労働基準法の違反の問題に連なるからそうであったと思うわけであります。しかし、労働省なり人事院というのは、そばづえをくらっておると見てもいいんじゃないか。その元凶は文部省である。だから私は、文部省を中心に質問をしていきたいと思うのです。特に法律論よりも最初に政治論に入っていきたいと思います。  人事院総裁がおらなくなるそうでございますから最初に。先ほど人事院総裁の捨てぜりふ的なことばを聞いておりますと、超過勤務の内容は、とり方でいろいろある。給与に入れる場合もあるだろう。それはいろいろあるが、その内容については国会自身で考えてくれというようなことをおっしゃった。一体これはどういうことなんですか。こういう問題はもちろん国会でも取り上げます。われわれはだからこれを審議しているわけなんです。ところが人事院というものは、国会が取り上げてください、内容はこういう場合もあります、こういう場合もありますという問題の所在を提起をするだけが人事院の職務かどうか。そういうことを一体ここで議員に言われるべき問題か。それらをあえて言わなければならぬのじゃないか。だから私は捨てぜりふだと言ったのです。その辺どう考えているか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 捨てぜりふ的なことを申し上げた覚えは毛頭ありませんが、先ほど資料を出せとおっしゃったときに、文部大臣とちょっと連絡をしておりましたら、出さぬのか、国会軽視かというおしかりを受けたわけです。したがって、私は決して国会軽視の心がまえは持っておらない。かつて給与勧告について私が申し上げたことをはっきり覚えておりますけれども、おすがりするところは国会ということで、いつも国会を一番立てて、一番たよりにしてまいっております。捨てぜりふとお聞こえになりましたとすれば、さっき私に対して国会を軽視しておるというお声がかかりましたから、それを根に持って——根に持ってということばはいけませんが、根に持ってつい国会尊重のほうへうっかりことばが走り過ぎた、こういうことで御了解願いたい。われわれはわれわれとして、人事院としてこういう判断、これが正しいと思いますということをここでも申し上げておるわけです。これはしかし国会を拘束するだけの力はないわけです。それを御参考になさって最終的には国会のおきめになることで、給与勧告でも私はそうだろうと思うのです。今後ともよろしくお願いしたいと思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 人事院総裁を深追いして文句を言う筋でもございませんけれども、こういう問題についてこそ労働省が強くコントロールし、人事院が給与について責任を持って、そのために人事院という特別なワクで大きな責任を持っておるのですから、そういうような立場から、文部省が独善をやり、文部省がわがままをやるならば、同じ行政官庁のルールとしてもっとコントロールしていくのがあなたたちの責任なんです。その責任を中途はんぱにしか果たしていない。そしてこういうていたらくになってこういう問題が出てきておる。国会で追及されたら、もう私たちの能力はこれだから国会でどうぞというような言い方は、これはあまりにも言い過ぎだと私は考えます。もうこれ以上言いません。  そこで灘尾大臣に質問しますが、大臣はこの前、日経をちょっと見ましたら、日経の四月十五日にこういうようなことばをあなたの名前で書いてある。「教職員諸君の仕事を町工場の労働者諸君なみに一時間いくらではかるのは不適当だ。」こういう考え方を言っておりますが、これにはいろいろの意味があると思う。その二、三の意味を私は質問していきたい。あなたは町工場の労働者というものをさげすんでおるのかどうか、その点お伺いしたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 別にさげすんでそのようなことを申したつもりはございません。

小松幹日本社会党

○小松委員 それならば教職員と町工場の労働者を引き合いにして、そういうような超過勤はとらないのだという言辞は一体どこからおっしゃっているのか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 普通の工場の労働者でありますれば、労働基準法に定める制度によってやってさしつかえないであろう。ただ、学校の教師のいわゆる時間外勤務の態様というものはそれとは趣が違っておる。したがって、同じ方式で給与の問題を考えるのは適当でないという心持ちでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 こういうような場合に必ず肉体労働者、町工場の労働者というものを引き合いに出すということは、私は学校の先生と町工場の労働者は違うと思うのですよ。いわゆる頭脳労働者と肉体労働者はハンディがついているのだという差別観に基づいた古い人間の吐くことばなんです。かりにそれがほんとうであったとしても、こういうことは文部大臣として慎むべきことである。町工場の労働者が何で悪いのか、なぜ時間外一時間何ぼで要求したらそれは不遜であり、先生がこれを要求したらこれは不適当であるのか。その辺のところが、やはりもっと克明に考えてみると、あなたは肉体労働者というものを一段下がったものの見方で考えておる。だからこういうことばが必然的に出てくると思うのです。町工場の労働者が一時間何ぼで要求したら、学校の先生が一時間何ぼで要求したって同じじゃありませんか。どこが違うのですか。労働者に変わりはないでしょう。ただ片一方はハンマーを持ち、片一方はペンを持ち白墨を持つかもしれません。労働者に変わりはないのです。その辺のところをどう判断しておるのか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほどお答え申し上げましたとおりでございまして、普通の工場で働いていらっしゃる方々のいわゆる超過勤務に対する給与の制度は、労働基準法できめておられる制度でけっこうであろうと思いますけれども、それと教師の時間外勤務の勤労の態様は違う、必ずしも普通の割り増し賃金制度が適当でない、こういう考えを申し上げておるにすぎぬのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 普通の労働者と超過労働の態様が違う。それならば、ここでもう一つの問題点は、一体どのように違うか。小学校の先生の時間外の労働がどのように違うかというのを具体的に御説明願いたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 学校の教師のいわゆる時間外勤務の状態を見ておりますと、これは時間ではかって給与を出すということがふさわしくない、そのような性質の仕事をやっておられる、かように私は考えるのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 大臣、労働者の世界的な一つの基準というものは時間であります。労働者の働く基準というのは時間を抜きにして何がありますか。世界の労働者はすべて時間労働の中のワクに当てはまっている。そこに資本と労働者——肉体労働と頭脳労働は別として、宇宙があり、年があり月があり日があり時間がある以上、労働者の労働というものは時間を対象にものをはかっていくというのが世界の通念じゃないですか。その通念に対して何か違いがありますか。日本の教育者だけは時間を超越したものを持たなければならぬという拘束があるのですか、日本だけに。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 日本の教師にもちゃんと時間の制約はございます。御承知のとおりに一週四十四時間でございますか、それだけの正規の勤務時間というものはあるわけであります。その点につきましては決して時間と無関係でないということは明瞭だ、これが原則であります。ただ、この時間をこえた後の教師の仕事の状況というものを見た場合に、それを時間ではかって給与を出すということが必ずしも適当でない、このような判断のもとに今回の案を考えたようなわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 労働省にお尋ねしますが、労働基準の基本は時間ではないのですか。何か時間以外の尺度を持っておるのかどうか。それをお尋ねします。

小川平二自由民主党労働大臣

○小川国務大臣 一般的に時間を尺度といたしまして提供された労働をはかる、かようなことになっておるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 では灘尾文部大臣に聞きますが、日本だけじゃない、世界の通念として、労働者の労働の基準というものは時間なのでございます。   〔委員長退席、久保田(藤)委員長代理着席〕 その時間という観念を、日本の教育者だけ時間をはずしてものを判断するという根拠は一体どこにあるか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほどお答え申し上げたのでおわかりいただけたかと思うのでありますが、私は時間をはずしてというようなことは申しておりません。日本の教師も正規の勤務時間というものは時間できまっておるのであります。これが原則であります。その原則でなるべく仕事はしてもらいたいと思っておるわけであります。しかし、必要によって時間外の勤務をするというふうな場合に、その時間外の勤務の態様を見ましたときに、これは時間ではかって給与を払うということが必ずしもふさわしくない、そのように判断いたしますがゆえに今度のような給与の制度を立てたというわけであります。原則としましては時間によって給与が払われておるということは、もちろんおっしゃるとおりであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは時間を原則としている、原則以外に何があるのですか。原則なんて要らぬ余分なことを言っています。労働の基準というものはすべて時間なんです。だから四十八時間、生徒にもちゃんと一時間、四十五分で、あと十五分で昼めしを食うとか休養するとか、時間ではかっていっているじゃありませんか。そうしたならば、正規の時間は時間です、それから先は時間ではありませんというと、一体それから先は何ですか。時間じゃないのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 時間によってはかることが適当でない、そのように私どもは考えております。

小松幹日本社会党

○小松委員 時間ではかるのが適当でないならば、何ではかりますか。ものさしではかりますか、はかりではかりますか。はかる方法を言ってください。時間ではからないで何ではかりますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 時間ではかることが適当でないので、今度のように一律支給の手当制度を考えたのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 労働というものは時間ではかる以外にないのです。重さではかることもできなければ、仕事のできばえではかることもできないのです。それは技術の上なんです。労働というものは時間ではかる。それが正当であるかどうかはわからぬです。能率のいい者と悪い者はあるかもわからぬ。それはあるでしょう。あるけれども、時間ではかる以外に方法はないから時間制をとり、それをオーバーしたものは超過勤務の時間をとっている。それならば町工場の労働者が一時間の割り増しを取って、先生のほうが一時間の割り増しを取って違法はないと思う。それを違法だと感じておるところに、あなたたちの考え方が先生というものをちょっと違った労働者、何かかすみ食っている労働者か、時間をはずした労働者かのように考えているところに問題がある。すべて労働者は時間を基準として動いている。おてんとうさまが時間で動いておるのと同じだ。そうならば、あなたがおっしゃる町工場の労働者のように、先生は時間でものを考えてはいけないという論理は飛躍しておる。間違っておるし頭が古過ぎるというわけです。どうなんですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私は、割り増し賃金制度をとることが違法であるということは夢にも考えておらないのであります。割り増し賃金制度が適当でないと考えておるわけであります。もちろん勤務時間外の労働につきましても時間がかかることは明らかなことであります。一時間でやる場合もありましょうし、二時間でやる場合もありましょうし、三時間でやる場合もありましょう。ただ、その時間を標準にしまして給与をきめるということがふさわしくないという考えをとっておるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 教育と時間とを無視した考え方でこの法律案ができておる。だからちぐはぐなものなんです。時間ではかるところもあるし、時間ではからないところもあるから、こういうちんぷんかんぷんな案が出てくる。   〔久保田(藤)委員長代理退席、委員長着席〕 しかもこの教育公務員特例法の中で、時間ではからないのは高等学校と中学校と小学校の先生、大学の先生と高専の先生と幼稚園の先生は教育公務員特例法からはずされて、普通の労働基準のワクに入っておる。これは一体どういうことなんですか。どうして二つに分けたか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 大学とか、高専とかあるいは幼稚園というようなところの教師の問題につきましても、もちろん考えなければならぬ問題と考えております。これはさらに検討いたしたい、そのように存じておる次第であります。

小松幹日本社会党

○小松委員 考え方の基準に、先生の勤務の態様が特殊性を帯びておる、だから時間をはずしてここにプールしたのだ、こうおっしゃるならば、高等学校の先生と小学校、中学校の先生だけがそういう観念で支配されるということは、法の体系上から間違っておるじゃありませんか。少なくとも教育公務員特例法ならば、上は大学から幼稚園の先生まで、労働基準法の適用のワクをはずしてここに持ってくるならば、一応それなりに、労働者のそういうことについては、基準内は時間でいくが、基準外は時間の観念をはずした別のはかりでするのだというのならば、それなりに納得するが、労働者と先生と分けて、また、その先生のうちで大学と高専と幼稚園は別ワクで、高等学校と中学校と小学校の先生だけが特別に町工場の労働者と違うのだ、そういう分け方がありますか。そういう分け方が一体何の根拠で出てくるのか、それをおっしゃっていただきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私は、現在の制度が十全であるとは考えておりません。ただ、大学あるいは高専の教師あるいはまた幼稚園の教師というものと、高等学校、中学校、小学校の教師の勤務の状況というものは必ずしも同様とは思いません。そこにやや違ったものもあろうかと思っておるわけであります。今回は、御承知のように四十一年の調査の結果を踏まえまして、そして考えましたものでございます。これをもってすべてが尽くされておるとは、率直に申して私は申し上げるわけにはまいらぬ。大学、高専あるいは幼稚等につきましてもさらに今後の検討をまたなければならぬ、こういうふうに考えている次第であります。すべてが完備しておるというふうなことをあえて申し上げようとは思っておりません。

小松幹日本社会党

○小松委員 すべてが完備しないような中途はんぱなものを教育公務員特例法の改正案に出してくるのはおかしいじゃありませんか。高等学校と中学校と小学校だけに適用になって、それは労働基準法のワクをはしずて考えて、大学、高専そして付属幼稚園等の先生は依然として労働基準法の適用の中に安住させておる。これは法律をつくる者の観念として誤っておりますよ。教育公務員特例法として考えておるならば、私は、そういうちぐはぐな法律というものは考えられない。それは大学の先生あるいは幼稚園の先生、高専の先生は全く違った特別職であるならばいざ知らず、国家公務員一般職と違った特別職ならば別ですよ。しかし、一般職の給与に関する法律は、全部そういう教職員はばっとその中に入れる。大体特別職というのはわれわれみたいなのが特別職で、あと以下大ぜいは一般職の給与に入っておるのでしょう。そうしたら、教育公務員特例法の中に引き出してくるならば、当然その中の一般職の中に入ってくる教職の部類を全部引っぱってこなければ法律の体をなしていないじゃないか。どうしてそういう差別をしたり、いいかげんな中途はんぱな改正案を用意したのでありますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 繰返してお答え申し上げることになろうかと思いますが、今回は高等学校、中学校、それから小学校、国立、公立の学校でありますが、それに対する時間外勤務の関係についての給与制度の改善を行なったわけであります。そのほかの点につきましては今後の検討にまつということでありまして、言いかえますれば、従来どおりの扱いということに相なります。   〔「委員長、定足数を欠いております。」と呼び、その他発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 ちょっと……。  小松君、定足数がそろっておりますから質問を続けてください。   〔「議事進行」と呼び、その他発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 小松君、質問を続けてください。

小松幹日本社会党

○小松委員 小学校、中学校、高等学校の先生だけ特別扱いにして、そうして教育公務員特例法をつくった、それはどういう観点か。あとのものはあとでつくる、それじゃ先のものはなぜそう急いでつくるのか。その点をお伺いしておきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 これは先年来のいろいろな経緯もあろうかと思いますが、超過勤務手当の問題がいろいろ論議せられまして、それに従いまして実態を調査し、それに基づきまして今回のような制度を提案いたしたわけでございます。いわば調査が済みましたのでそれを実行に移したということでございます。仰せのとおりに、大学、高専あるいは幼稚園等はこのうちに含まれておりません。ただ、大学、高専、幼稚園等は、今回問題といたしております高等学校、中学校あるいは小学校等と趣を異にする状況があろうかと思うのであります。ことにいわゆる時間外勤務というような点につきましてはだいぶ趣が違っているように思うのであります。これを同一に律することが適当であるかどうか、そこにも問題があろうかと存ずる次第であります。この問題につきましては、なお検討をさせていただきたいと思うのであります。一番問題となっておりますところの高等学校、中学校及び小学校の時間外の勤務という問題に対する給与制度としてこれを提出いたしたようなわけであります。他の問題につきましては、繰り返して申し上げますが、なおよく検討させていただきたい、このように思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは、他の大学、高専の部類は後日にして、昨年来の経緯があるから特にこれを時間外勤務としてこの法律をつくったのだと言われる。昨年来の経緯があるならば、超過勤務手当をまともに認めたらどうなんですか。まともに認めるべき時期が来ているのではないでしょうか。特に昨年来の問題が出ましたから昨年来のことを申しますと、剱木文部大臣は、国会において再三再四にわたって昭和四十三年度からは超過勤務手当を支給をすると言明しているのです。これを職員団体であるところの日教組にも剱木文部大臣ははっきり明言しておる。超過勤務手当として明言をしておる。ところが、あなたの代になって、その前々からのいきさつがあることをほごにして、なぜ違った教育公務員特例法なるものを出してきたのかということになるわけです。少なくとも文部大臣は、世間でいうならば国の教育の中心であり、うそは言わない立場の人だと思う。ほかの大臣がいいかげんなことを言うても、文部大臣だけはいいかげんなことを言わないのがあたりまえじゃないですか。道義を説き、そうして人の師表たる、道徳を教科書にまで入れようとする文部大臣であります。それがきのう言うたことを、大臣が変わったからというて、きょう違う形ですり込んでくるというのは一体どういうわけですか。昨年来の問題は超過勤務手当として約束しておる。国会でも何回も言うておる。その点どう判断しますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 その点につきましては、さきにお答えを申し上げたつもりでございます。教員の時間外勤務の問題につきまして、労働基準法によれば、いわゆる超過勤務手当、すなわち割り増し賃金の支給の制度であります。それがよろしいか、あるいはまた大幅に本俸を引き上げるというふうな考え方もございます。あるいはまた今回私どもが提案いたしましたような考え方もあるわけでございます。この時間外勤務という問題に対しまして、いわゆる超過勤務手当を出すことがいいか悪いかの検討がなされたわけでございます。対象となるものは時間外の勤務であります。それに対してどういう方式でもって給与を定めるのがよかろうという検討をいたしました結果が、今度の案に落ちついたわけでございます。私は、剱木文部大臣ももちろんこの時間外勤務の問題に対して何らかの手当てを、措置を講じなくてはならぬということは確かにお考えになっていらっしゃったと思うのです。それの最終的結論が今度の措置になってきた、こういう経緯でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 超過勤務の調査をして、文部省は超過勤務手当を支給する方針をきめたのですよ。超過勤務手当というものを支給する方針をきめて、しかも剱木大臣はたびたび衆参議院において、超過勤務手当は来年度から支給する、こういう方針です、超過勤手当を支給するということは、いまの国内法から考えた場合には、労働基準法に基づく割り増し賃金以外にはないでしょう。それを約束してきたのです。その約束したのを、きょうあなたは大臣になってほごにして、すりかえた特別手当を持ってきた。その特別手当をむりやりに超過勤手当と、こう言っておる。これはすりかえておるだけの話です。いままでの文部省の方針は、超過勤務手当を支給するという方針に間違いはないのです。その点、どうあなたは解釈したのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 今日までの過程の中では、労働基準法のいわゆる超過勤務手当を支給すべし、そういう考え方も確かにありました。ただし、それが文部省ないしは政府の最終的決定にはなっていなかったということを申し上げることができると思います。剱木さんの時代においてもいろいろな議論があったわけであります。引き続いて私の代になりましてもいろいろな議論がありました。その中には超過勤務手当を支給すべしというような議論も確かにあったのであります。ありましたけれども、いろいろ検討いたしました結果がこのような案に決定をせられた、こういうことでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それでは調査の段階を質問しますが、相当な歳月、十万人からの教職員を対象にして一年がかりで調査をした。その結果は、教職員に超過勤務、調査の内容でいえばいわゆる規定内の労働時間以外の労働時間というものが出ておるはずであります。その出ておるという実態を踏まえて、その実態を超過勤務としてなぜとらなかったか。調査は出ておるはずです。超過勤があるということは調査の段階ではっきり出ておる。それをなぜ超過勤としてとらなかったのか、そのことを御説明願います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 文部省は、従来いわゆる時間外勤務は命じないようにという方針をとってまいりましたけれども、調査の結果は、そこに時間外の勤務という事実があるということが明らかになってきたわけであります。その時間外勤務という事実があるということを踏まえまして、それに対していかなる措置を講ずべきやということが考えられた。その中には労働基準法のいわゆる超過勤務手当の制度も考えられるわけであります。それだけではない、他のいろいろの措置が考えられました結果、いま出しましたのがさしあたりの措置としては一番適当であろう、こういうことで御提案申し上げているわけであります。  もし必要があれば、その実態につきましては政府委員から御説明申し上げます。

小松幹日本社会党

○小松委員 実態の説明をいたしてもらいましょう。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 昭和四十一年度に教職員の勤務状況の調査をいたしたわけでございます。これは条例、規則等によって一週間の勤務時間というものが定められておりますので、その勤務時間の終了までと、それからそれ以後に分かれまして、いわゆる超過勤務命令のあったかないかという問題は別といたしまして、とにかく時間外における仕事の状況を調べたわけでございます。年間にわたりまして延べ九万五千人対象にいたしたわけでございます。この場合に、一応正規の勤務の時間外の状況につきましてはいろいろな態様が考えられますので、学校の構内、敷地の中で行なわれている勤務と、外で行なわれている仕事と、それから外で行なわれる場合も宿泊をする場合、宿泊をしない場合、いろいろなケースがございますので、それらの場合を前提に置きましていろいろこまかく仕事の実態を調べたわけでございますが、結果といたしまして、これは先ほど申したようにいわゆる超過勤務命令があるかないかということは別にして、正規の勤務時間外の仕事の実態としては、小学校の場合に二時間三十分、中学校の場合に三時間五十六分という数字が得られたわけでございます。これは平均でございます。しかし、この調査の中身をよく見てまいりますと、必ずしも勤務の延長と考えられないものもございますし、また明らかに勤務の延長と考えられるものもございまして、また、それが学校の中で行なわれている場合、外で行なわれている場合によりまして、個々のケースが非常に違っております。  大体実態から出てまいりました事情は以上のようなわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 その調査の発表した実態を見ましても、小学校では服務時間外が二時間三十分で、学校行事の指導が十二分、補習、クラブ指導が九分、その他の課外指導が四分、間接授業指導が一時間十四分、間接課外指導が五分、命令の研修が十七分、これはもうたいへん小刻みに平均をとっておるのですよ。命令研修が十七分というようなとり方はあり得ないけれども、表の上ではそう出ておる。そしてなおかつ集計をして、五分とか三分とかいういわゆるクラブ指導などということはあり得ない。二時間も三時間もクラブ指導したのを五分とか十分とか削りつけて、二時間三十分のいわゆる勤務時間外が出ておる。それから事務活動おいても、管理職あるいは教務事務の分担があって十七分、学級経営の事務処理が二分、その他の事務処理が五分、こういうように三分、二分なんといういわゆる小刻みな時間外勤務を計算しても、なおかつ二時間三十分あるわけです。しかし、その実態はこんな二分、三分じゃありませんよ。これは現場に行ってみなさい。子供が書いた習字のマルをつけるだけでも、三十人や四十人マルをつけるだけでも一時間かかりますよ。子供の書いたつづり方、作文でも、五十人の作文を見れば三時間くらいはかかりますよ。それを二分、三分で見て、なおかつこれをやっておる。課外指導、クラブ指導なんて、駅伝だ、あるいは中体連だ、剣道の試合だ、柔道のけいこだと、土時間も三時間も課外練習をして、先生がついておらずに、きょうはもう時間外だから十分でやめて帰るなんという先生はおらぬですよ。みんな子供を帰らして、先生が最後まで残って時間外勤務をしておる。その実態を平均してこのような数字が出ておる。これはもうこの平均をとったとき、実態を知っている者からいうと、こんな数字があるか、ばかげた数字だと思うくらいに切り詰めた、五分、三分を集約してある。これが実態に合うなんという考え方はもってのほかです。実態以下ですよ。半分以下になっている。それでも小学校は二時間半です。中学校にいったら四時間ですよ。高等学校にいったら三時間三十分、これもたいへんな切り詰めだ。いまあなた、大学進学の指導なんといったらずいぶんおそくまでやっている。夏休みも棒に振ってやっているのですよ。そういうことから考えたときには、時間外勤務があるとかないとかは論外です。あるのがあたりまえです。実態はあるのです。それだったらすなおに時間外労働を認めて、基準外賃金としてきちっと——それには予算の範囲があるでしょうが、労働基準法に基づく正しい超過勤務をとってやるべきが親心であり、まともな考えである。それをすりかえてわずか四%にプールして、そして今後は無定量の労働をしているというようなことに追い込むことは何たることか。これが文部省の小中学校の先生をいたわるための法律案でありますか。こんなことをするから、小学校、中学校の生徒が文部省、文部大臣の言うことを信頼しない。いわゆる道徳教育をしようとしても、大臣そのものがうそ八百を国会で言うようなことで、何で小学校の先生が道徳教育ができますか。上が上なら下も下ということになるのかもしれません。少なくとも前の大臣が公約したくらいなことは率先してやるべきじゃありませんか、実態がこう出ているのだから。実態が出なければしようがありませんけれども、実態を一年がかりで調査した結果がこのように出ている以上は、すなおにこれを受けて次の大臣はやるべきである。あなたは官僚の大臣としては優等生であったと思う。私は尊敬しておる。しかし、あまりにも教員というものを知らなさ過ぎる。また、あまりにも官僚大臣に堕している。無抵抗主義というか、全く事なかれ主義にいっておる。自分が文部大臣になった以上は、このことだけは何とかしてやろうという親心があるならば、こういうていたらくはないはずです。すなおに超過勤務手当を出すように——それは超過勤務手当をもらう人もあるかもしれぬ、あるいはもらわない人もあるかもしれぬ。それは超過勤務の態様によっていろいろ違う。勤務の態様というものはそういうとり方をしなければいかぬ。先生の勤務の態様が何か別ワクで、時間を抜きにした、天体を無視したようなとり方、態様を考えているから問題なんだ。宇宙、天体は時間で動いておる。その時間の態様に従って文部大臣は考えればいいのだ。そうでしょう。時間で動いておる天体、宇宙なんです。何もそれに違反してわれわれが考える必要はないでしょうが。こういう実態があるならば、その実態をすなおに受けて、超過勤務手当を出すというのだから出せばいい。それをしゃにむにへし曲げて、こういうわけのわからぬ法律案をつくるところに、あなたの官僚主義かあるいは事なかれ主義があるわけだ。官僚であった剱木さんでもとにかくこれをつくり上げよう、超過勤務を出す——これは中村梅吉大臣のときにこの発想が出たのです。中村梅吉大臣は官僚ではなかった。官僚ではなくて、日教組と会いましょう、超過勤務があるならば実態を調査しましょう、そして実態調査をした結果として実態調査のように超過勤務が出た。出たから剱木文部大臣はすなおに受けて超過勤務手当を出しましょうと言った。それが国会で何回も答弁した。あなたはそれをすりかえておる。一体どういう魂胆が——がこれはもう魂胆と言う以外方法はない。すなおな考え方じゃない。おそらく自民党の特殊なものの、いわゆる聖職の圧力か何かがあったのでしょう。あなた自身が聖職を考え出してイニシアチブをとったのではないでしょうけれども、それならばそれらしき抵抗をして、自分は剱木大臣のあとを継いだ大臣として、このことをきちっと折り目正しくやるというのが正しい文部大臣のあり方じゃないですか。御所見を承りたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 小松さんと遺憾ながら考え方が違うのかもしれません。先ほど来お答え申し上げているとおりでありまして、私がこの問題を引き継ぎました際には、別に超過勤務手当を出すということが決定せられておったわけではございません。検討の過程にあったわけであります。私はそれを引き継ぎましていろいろ検討しました結果、このような案に到達したわけでございます。そのように御了承願いたいと思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 私は超過勤務と言う。あなたは超過勤務でないと言う。超過勤務らしき態様はあるということは認めますか、認めませんか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 それがあればこそこのような措置を講じたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それならば超過勤務、こういう形になれば、超過勤務というものは個人個人によって違うものなんです。実態調査もそのとおり、観念もそのとおり、労働基準法の法規も個人個人に違うものなんです。それを何で超過勤務として一括して固定的なものにしたのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 その態様が時間ではかるということが必ずしも適当でない、そのように考えたからであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 時間ではかることが適当でないといっても、文部省は調査の段階で、調査を時間ではかっておるじゃありませんか。はかりで、重さではかってきましたか、文部省の調査は。時間ではかっておるでしょうが。それならばあなたは時間ではかったものを時間で出さないでどうします。一体あなたのものさしは何ですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 教員の勤務の実態であります。

小松幹日本社会党

○小松委員 教員の勤務の実態というその実態のはかりは何ですかと言うのだ。はかりを言ってください。文部省の調査は時間ではかっている。あなたは何ですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 文部省の調査の結果に基づきまして、そのような時間外勤務の実態がある。これに対してどういうふうな給与を考えるのが適当であろうかといろいろ検討した結果が、ただいまのような案になってきておるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは教員の超過勤務というものがあることは認めておるのでしょう。あるからこの法律をつくったのだと言う。あるならば、そのあるのを何であらわすかあらわし方です。私どもは時間であらわす、文部省の調査は時間であらわした。あなたは何であらわしたのですか。そのあらわし方、つかまえようは何です。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 もちろん働いておるわけでありますから、その働いておるのには時間というものが伴っておることは、これはもう当然のことであります。そのことを否定するものでは決してありません。その結果は、調査の結果、先ほど来説明いたしておりますような時間が出てきておるわけでありますが、それだけの時間を働いておるという事実はあるのであります。その事実に対しまして、その時間によってはかったような手当を出すことが適当なのかどうなのかというところに問題があると思うのでありまして、いろいろ検討しました結果が、いまのように何時間残ったから何ぼとか、三時間働いたから幾らかというふうなことでなくて、一律の四%支給ということでこの問題の解決をはかった、こういうことでございます。  この四%云々の結論が出るまでの過程につきましては、お求めがあれば政府委員からでも御説明申し上げます。

小松幹日本社会党

○小松委員 もう一回聞かなければならぬのは、あなたは超過勤務ということは認めたが、超過勤務というものの一体何たるかを御存じあるのかどうか疑わしくなってきた。超過勤務というものを、外国の法令でもかまわぬけれども、日本の法令で考えたら労働基準法が超過勤務のよりどころなんですが、なぜ労働基準法のよりどころをとらなかったか、そのとらなかった理由を承りたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 正規の時間外の勤務の実態があるということは申し上げるまでもないことであります。その正規の時間外の勤務に対しまして——もちろんそれは時間がかかっておる問題であります。かかっておる問題ではございますけれども、その勤務に対していかなる給与を与えるべきであるかということの方式の問題であります。その方式としまして、時間ではかるような方式は適当でないのじゃないかというような判断のもとに今回のような案を考え出した、こういうことでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 そうすると、あなたは労働基準法を無視しているというか、労働基準法をじゅうりんしているというような立場をとっているわけですね、そうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 無視もじゅうりんもいたしてはおりません。ただ、そういうふうな勤務に対しましては、労働基準法に規定しておる割り増し賃金方式というものは適当でない、こういう考えを持っておるだけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 その適当でないという論拠がはっきりしないのです。適当でないという結果は、そういうことばでわかるでしょうが、しかし、その筋道が立っておらぬ。日本の国にはちゃんと労働基準法というものがあって、そうして超過勤務は時間で出ておる。それに、その労働基準法という法を適用できないで別ワクをこしらえよう、あなたのことばでいえば適当でないという、その適当でないという判断はなぜかというのです。判断をもうちょっと。ただ結論だけ言うたってしようがない、こうこうだから適当でない、こうおっしゃていただきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 教師のいわゆる時間外の勤務にはいろいろあると思うのです。そのいろいろな勤務の状態を考えましたときに、ただ単に時間といういわば量的な計算だけでは給与としてふさわしくないということも考えられます。その辺のことにつきましては政府委員からお答え申し上げます。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 この調査は、個人に正規の勤務時間外の仕事の状態を記入していただいたものでございまして、いわゆる超過勤務命令が出ておるかいなかということはとっておりません。したがって、出てまいりました時間、仕事の中には、必ずしも勤務の延長と考えられないようなものも入っております。また、それは別といたしまして、教員の勤務につきましては、現在勤務時間というものが四十四時間ときまっておりまして、その勤務時間内でいろいろ教師に与えられた仕事をやるわけでありまして、そのやり方はいろいろ多様かと思います。しかし、正規の時間外に出た場合に、たとえば家庭訪問いたしましても、非常に学校の近くの家庭ならば短時間で帰ってくるし、遠いところならば時間がかかるという場合も出てまいります。その時間の長短によってその効果をはかるということは必ずしも適当でないのじゃないか。また、答案の準備とかあるいは採点などにつきましても、校内で学校に残ってやっておる場合もありますし、家庭に帰ってやっておる場合もあるわけであります。そういうようなことは教員の勤務のやはり特殊な状況からきておる。こう考えまして、単に勤務対象から出てきた数字ですべて時間外の勤務の態様を全部把握しておる、カバーしておるという判断もできかねたものでございますので、正規の勤務時間外に勤務の延長と考えられるものはあり得るけれども、それを一時間幾らという形でとらえることは必ずしも適当でない、こう判断したわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたの説明を聞いておると、けさからたびたび超過勤務命令は出ていないからと、言いぐさのように言うが、出ていないのはあたりまえじゃないですか。だれも命令してないのはあたりまえですよ。あなたは超過勤務命令が出ていないからということを恩に着せたようなことを言うけれども、あたりまえじゃないですか。超過勤務手当も出ないのにだれが命令しますか、あたりまえじゃないですか。しかし、それであるにもかかわらず、命令をしないのにもかかわらず、そういう実態だということなんです。それから家庭訪問に行って、遠いのと近いのとあるのはあたりまえじゃないですか。そのくらいのことがあるのはあたりまえです。それはあなた、町工場の労働者といったって、お前はここでハンマーをみがけというのもあれば、お前はあそこに行って落ちた車を引き上げに行けといって、二十キロ、三十キロも離れたところに行けば、これは遠方に行って超過勤務をせなければならぬ場合もある。あるいはそこにあってじゃり上げをするようなものもあるでしょう。それは個人個人に、超過勤務というものはその持ち場、持ち場によって場所も違う、態様も違う、それはあたりまえなんだ。同じようなタイプライターが並んだようにぴしゃっと超過勤務をするようなそういう職場もあるでしょうが、大部分は違う。それは超過勤務というものはいろいろある。県庁だって、文部省だって、忙しい課もあればのんびりしておるところもあるでしょう。のんびりしておるところは五時になればさっと引きあげていくけれども、忙しい国会関係のところなんというのは、十二時までもやらなければならぬ。勤務の態様はいろいろ違うことはあたりまえだ。そこに超過勤務というものがあるのです。それがつかみにくいからといって——国会がきょうのように長引くなんということはだれが予想しますか。文部大臣だって、担当者だって、きょうは十二時までもなるということを予想した者はありませんでしょう。国会のここの諸君あたりでも居残りをしなければならぬ。事務総長かだれか、この態様を把握した者もなければ予定した者もない。そのときそのときによって超過勤務というものが変わって出てくる。超過勤務というのは当然そういうことがある。だから学校の先生が、家庭訪問に遠方に行く人も近いところに行く人もあるでしょう。あってあたりまえじゃないですか、あるのがあたりまえだ。なければうそなんだ。そこが超過勤務の超過勤務たるゆえんで、近いところに行った人と遠方に行った人と、先生で五時になればさっと帰れる人と——私は例を言うてもかまわぬが、ある小さな七学級くらいの学校の先生で、給食のたき出しをする人がおるけれども、カロリー計算やいろいろの値段やら、そういう統計書類を出す人がおらないから、受け持ちを持った女の先生が、その学校給食の一切の栄養やカロリーのはじき出しからやって、居残りをやってあしたの学校給食の計算までして、ぜにまでちゃんと計算をしてやっておる。そういう実態がある。それかといって三年生を受け持った先生で、さようならと帰れる人もある。そこにアンバランスがあることは当然です。だからアンバランスがあるから、よけいその学校給食の特別の担任をした先生は、ほかの者よりも二時間も三時間も過重労働をしておるならば、それに対して超過勤をやるのがあたりまえじゃないですか。つかみにくいということはない。つかみにくかったら国会職員なんかつかみにくいですよ、あしたの運命がわからぬのだから。それでもちゃんと超過勤務を出してやっておるじゃありませんか。つかみにくいとか、態様が違うというのは言いのがれにしかすぎない。いまの官僚組織だったら超過勤務がつかみにくいということはない。学校の先生だって、二十人や三十人の部下職員の超過勤務をつかみにくいという校長はありませんよ。そんな校長はやめさしたほうがいい。課長や課長補佐で文部省の職員の超過勤務がつかみにくいというのと同じだ。それはいろいろあるでしょう。そういうことは当然あることを予想して超過勤務というものが生まれる。それを一緒にプールしていくという考え方は、これは似て非なるものをつくっている。超過勤ではありませんよ、いまの四%というのは。どこが超過勤といえますか。文部大臣、四%は、超過勤ですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私は超過勤務手当とは申しておりません。教職特別手当と申しております。

小松幹日本社会党

○小松委員 それじゃおかしいじゃないですか。あなたは時に超過勤だと言い、時によって超過勤とは言いません、二枚舌を使っているじゃありませんか。自民党から一番最初に質問したときに、超過勤と思ってもいいと思いますと言った。いまでは超過勤とは違います。どちらですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私はいわゆる超過勤務手当とは考えておりません。これは時間外の勤務を対象とするものではございますけれども、教職特別手当としてやっているのでありまして、これを超過勤務手当と考えているのなら、別なことばを使う必要はないのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 それならば超過勤というものは別に存在してもよいのですね。違うものをここに持ってきたのですから、超過勤というのは別にあるということですね。どうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 時間外の勤務に対する手当の方式としまして、いわゆる超過勤務方式が一つございます。それをとらないでこのような方式をとったわけであります。したがって、いわゆる超過勤務手当に関する規定はとらないということを明らかにしているわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 ちょっとはっきりしない。超過勤務とはとらないと言いながら、あなたは労働基準法に基づくところの一切のそういうものを破棄しているじゃありませんか。そうして超過勤をとったようなとらないような、一体どちらなんですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 私の申し上げ方が悪いのかもしれませんが、時間外の勤務というものに対する手当であることは、超過勤務手当もその一つの方式でありますし、また私どもがこの考えをとりました教職特別手当も一つの方式である、このように考えているわけでございます。これがダブるというふうなことは適当でございませんので、いわゆる超過勤務手当に関する条項については、これを適用しないことにいたしているわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 それじゃ、超過勤務というものを認めて、そうして超過勤務をやらしておるという実態があって、そうして超過勤務を見ないで別なものを見る、そういうのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 時間外の勤務というものがあるということは、もうこれはお互いに認めておるところであります。それに対しまして労働基準法のいわゆる超過勤務手当を支給する方式をとならいで、この方式をとった、こういうことでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたはこういう方式をとったという、それは独善なんですよ。労働基準法というものがちゃんとあるじゃありませんか。その法律を飛び越えてこんなものをつくった、なぜこうおっしゃるのですか。四%という固定したものは超過勤ではありませんよ。あなたは四%という固定したものを超過勤とみなされますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 どう申したらいいのかよくわかりませんが、超過勤務手当という方式を採用しないで、いわゆる超過勤務と申しますか、時間外と申しますか、その勤務に対しまして、これを対象といたしまして今度のような一律支給の方式、制度をとったわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 超過勤務というものは個々別々な処遇にあるものなんです。それを一括プールして、固定した同じ四%というものを持ってくるというのは、もはや超過勤務の性格を離れておる、違ったものになっておるわけです。違ったものになっている以上は超過勤務というものを考えるわけにはいかないと思うのです。それは超過勤務を引き当てにしてこうなったんだけれども、超過勤務というのは別にあるんだ、こう考えていかれるわけですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 この手当はいわゆる超過勤務手当ではございません。これははっきりしております。超過勤務手当という制度をとらないで、このような制度をもって時間外勤務というものに対する給与の方法として考えたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 時間外勤務手当はとらないでこういう制度をとった。それならば時間外勤務というものは別にあっていいのかと、こう言うのです。別にあっては悪いのですね。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 超過勤務手当というものと、それからこの教職手当というものと両方出すということになりますれば、いわゆる超過勤務といいますか、時間外勤務といいますか、その勤務というものに対する給与制度がダブることになるわけであります。したがって、この法律におきましては超過勤務手当の制度をとらないということを明らかにいたしておるわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたはダブっておると言うけれども、ダブリはせぬでしょうが。いまのところ超過勤務を四%にしているというならば、ほんとうに超過勤務というものが四%にコンクリートできるものか、そこから判断し直さなければ、それをぴしゃっとイコールに結びつくならば別に超過勤務というものがあるわけだ。ダブっては払わぬ、ダブらないでオンリーワンでいくならば、その四%は超過勤務手当に見合うかどうかという問題になる。どうなんですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 超過勤務の事実がなければこの教職特別手当というものは案出せられなかったわけであります。超過勤務という事実があるから、それに対する給与の方式としてこういうものを考え出したということでありまして、見合うとか見合わぬということばが適当であるかどうかわかりませんけれども、いわゆる超過勤務に対しまして超過勤務手当という制度が確かにある。その超過勤務手当という制度をとらないで、超過勤務という事実に対しましてこのような手当方式をとった、こういうことでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 超過勤務がある。あるのに対してこういう手当をつくったのならば、見合うだけの金を持ってこなければならない。それが一つある。見合うだけの金を持たねばならぬ。それと、超過勤務というのは個々に違うものなんだ。しかし、この四%は個々に違わないで、四%という給与に対する比例配分になっているんだ。超過勤務手当というものは、給与に対する比例配分で全部に行くと限ったものは、これは超過勤務という観念とは違うのです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 確かに超過勤務手当とこの教職特別手当は違います。違う制度をとったわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それならば、違う制度をとったならば、労働基準法に基づく超過勤務というのは別にあってよいのではないかと言うのです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 それはお考えでさようにも考えられる問題であろうかと考えますけれども、私どもとしましては、教師のいわゆる時間外勤務に対する給与といたしまして、超過勤務手当という制度は必ずしも適当でないという判断のもとに、これに対しまして今度の教職特別手当というので、一律に四%支給することによって教師の時間外勤務というものに対する給与、このように考えたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは超過勤務ということをどのように考えておるのか。ここで労働基準局から出したのを読んでみます。「教育職員が使用者の明白な超過勤務の指示により、又は使用者の具体的に指示した仕事が、客観的にみて正規の勤務時間内ではなされ得ないと認められる場合の如く、超過勤務の黙示の指示によって定められた勤務時間外に勤務した場合には、使用者は労働基準法第三十七条の規定する割増賃金を支払わなければならない。」という、これは労働基準局から出た一つの通達になっておるのですが、この似て非なるものを与えたから——いいですか、超過勤務というものがあるのだ。ところが、似て非なる四%を与えたから超過勤務をやらないというのはどうしても納得できない。似て非なるものを与えて、これは超過勤務ではありません。それでは超過勤務は別にあるんだ、こう解釈してよろしい、私はそう思う。それをあなたは似て非なるものを与えて、そのもとはだめだ、それは抜く。それじゃこの四%は超過勤務でありますかといえば、それは違う手当だ。あなたはどっちのことを言っておるかさっぱりわからぬ。観念をはっきりしてくださいよ。これは超過勤務であるならある、あるならば超過勤務の論理で押していきます。そういう場合には、あなたは超過勤務ではない、これは手当だと言う。手当ならば超過勤務は別に存在するという見方をとっておる。それをあなたは違うものをやっておいて、超過勤務はあるが超過勤務手当ではないのだ、こう言っておるのはおかしい。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 ちょっと補足させていただきます。  本俸と申しますか、給与は勤務時間に対応して定められております。それから勤務時間外に対して勤務を命ぜられれば、これに対してやはり給与措置がなければならぬ。現行法では、その場合に一時間幾らで計測して支払っておるのがいわゆる超過勤務手当であります。このたびは一時間幾らではかるのに適さない、こう判断いたしまして、一年間を通じてこの時間と量と一緒に吸収した形で新しい手当をつくったこういうことであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは、五万円の平均賃金で、二千円だから四%だというとり方をしたのだと思う。それじゃあなたの実態調査で、中学校は十六時間、高等学校は十四時間、小学校は十時間の月のオーバーがある。計算をしてみると、大体一時間の計算が、五万円平均で二百五十円になりはしませんか、二十五日の平均労働で割って、それを八時間で割れば一時間が二百五十円になる。その場合にこれを十六時間オーバーしたら何ぼになりますか。四千円近くになりはしませんか。四千円近くになるところの超過勤務労働というものが実態調査にありながら、それを二千円のワクで押えてしまって、しかもそれを固定してしまってパーで分ける。パーで分けるというのは超過動じゃありませんよ。これは似て非なる別の手当です。似て非なる別の手当を出したならば、これは私は悪いとは言いません、四%の手当でも五%でも余分に出るのですからけっこうです。けっこうですけれども、その論拠が違う論拠から出ておるならば、超過勤というものは別ワクがあるはずだ、その超過勤という別ワクを削っておいて、似て非なるものをつくったところに問題点がある。そう思いませんか。ここにちゃんと調査の結果が出ておるでしょう。月に小学校は十時間、中学校は十六時間、高等学校は十四時間、定時制が八時間というオーバーワークが出ておる。それを賃金に直していっても、最低二千五百円から最高は四千円になるんです。そこに差があるでしょう。それを一括二千円でプールしてコンフリーにしておいて、これは別の手当だというたならば、一体労働基準法から考える超過賃金というものは似て非なるものとすりかえられた、こういうことになるわけです。あくまでもすりかえたことになりませんか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 ことばはどういうことばを使うか別でございますけれども、一時間幾らの超過勤務手当は支払わない。しかし時間外の勤務に対しては新しい手当によって給与の措置を講ずる、こういう考え方でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 だから二千円の大体の論拠は、何を論拠に二千円が出てきたのですか。   〔発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 静粛に願います。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 四十一年度の教職員の勤務状況調査の資料、その調査の結果、先ほど申しましたように小学校の場合一週間で二時間三十分出たわけでございます。これをもとにいたしまして、一応現在の給与をもとにいたしまして、この比率はどう定めるかいろいろ議論があろうかと思っております。あろうかと思いますが、一応時間外の給与が勤務時間内の一時間の給与に対しまして二割五分増しでございますので、その比率を使って計算いたしまして、逆に給与との関係で比率を見ますと大体四%、こういう数字が出たわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 その四%と出る論拠もはっきりわからないのですが、実態調査では最低小学校平均十時間、高等学校、中学校いろいろあるけれども、かなり十二、三時間の平均になるんじゃないですか。それから計算しても二千円というのは安過ぎるんじゃないですか。もう三千円以上に、四千円近くならなければ、その見合いでもこれは数字が誤っておる。値切っていますね。ちょっとけちな値切りをしているのです。二千円なんという計算はどこからも出ないんじゃないですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 別に二千円という金額をわれわれ申しておるわけではございませんで、時間外の実態調査から出てまいりました勤務の時間というものを、先ほど申したように割り増し賃金の率でもってはじいた金額というものを本俸との比率で見ますと四%になる。大体四%でございましたので、それを基準にして四%ということに定めたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 だが、あなたたちは五万円の賃金で考えたんでしょう。そうでしょう、違いますか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 それは結果としてですね。平均給与が五万円だから四%なら平均二千円になる。結果論でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それじゃ頭は何だったんですか。四%というのは頭は何ですか。給与の四%だけれども、二五%割り増しでしょう、そうでしょう。その頭は何ですか。平均賃金は何をとったんですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 平均賃金はもちろん実態でございまして、それを割り増し賃金の計算方法をかりに使おうといたしますれば、時間外の勤務につきましては一時間当たり幾らという比率がございます。それを使ってやったわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 その比率を使ってもこういう計算にはならぬと思うのです。計算方法をあなたたちは適当に当てはめていったかもしれぬけれども、割り増し賃金は二割五分の割り増し賃金でしょう。それだったらその平均賃金が実際幾らかということになりますね。そうでしょう。だからいま教員の最低の俸給は二万五千円くらいでしょうね。そうでしょう。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 初任給は二万六千八百円でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それをとった場合に四%といったら月に幾らになりますか。三万円としたら四%は幾らになりますか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 それは、給与は個々人によっていろいろなランクがございますから、初任給ではそれの四%をかけた金額でございます。ただ小学校で申しますれば、平均給与が現在——高い人も低い人もいますが、平均しました場合に大体五万円である。ですから平均的に見れば二千円という数字が出るのです。個々人については、もちろん自分の本俸の四%ですから、千円台の人もおりましょうし、三千円の人もおると思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 だから、あなたは平均五万円をとってみないで割り増し賃金、割り増し賃金と言うから、私は初任給の最低をとってみると千何ぼになる、こう言うのです。そうだったら、小学校の先生で新卒で初任給で入った場合には、十時間の超過労働をした場合に、超過労働が千何ぼではこらえられませんよ。幾ら高い初任給をとっても四%なら千二、三百円で実際はがまんしなければならぬと思うのですけれども、ところが、いわゆる超過労働の割り増し賃金でいけば実際は二千円にも三千円にもなるでしょう。だから、あなたが五万円の平均賃金でいくというなら、それは五万円の平均賃金でもいいですよ。一カ月に五万円の賃金をとる人だったら一日に何ぼとるかというと、一日二千円とるのですね。一カ月を二十五日間として。二十五日間働けば一日の日給が二千円になるでしょう。この二千円を八で割ると一時間が二百五十円、一時間当たりの労働が二百五十円になるわけです。それを月に十時間足したら、最低二千五百円はもらわなければ、いま言うた平均五万円の賃金でも合わぬ。最低二千五百円、そうでしょう。それなのに四%、二千円で押えられているところに問題があるのです。だから、このいわゆる超過勤務からくる計算による四%はたいへん率が悪い。超過勤務を見返りにしてすりかえたとしても、これは先生のほうが買い負けており、文部省のほうが買い勝っておるわけだ。すりかえて安く押えておる。だから問題がある。これを一〇%くらいに特別手当をしておればこうまでやかましく言わなかったかもしれない。こんなに大きな声でやかましく言わなかったかもしれない。四%にすりかえて、しかも労働基準法の適用をはずして、無定量の労働をしいるところに問題がある。文部大臣が言うように、特別だからといって、この手当を四%を一〇%、管理職並みに一二%にはね上げてくれれば、ほんとうは心の中では一二%もらえるのだったらまあがまんしようというて、大きな声を出さなかったかもしれないけれども、これでは大きな声を出さなければしょうがないでしょう。片一方では無定量の労働をしいられて、労働基準法を適用除外して、間違えば幼稚園の先生よりか程度を悪くしてしまう。そうして四%でくぎづけされたのでは泣くにも泣けぬということです。それでは四%を出すならば、それは特別ワクで、特別に教員の特殊性ということを考えるならば別ワクで、労働基準法の適用はあたりまえどおりにしなさい。それだったら灘尾文部大臣万才と、みんなから喜ばれる。それをやらぬでおいて、片一方では手をもぎ折って、そうしてわずかに四%をくれて、これで超過勤務の見返りでございますと言うたって、だれがそれを信用しますか。だれがこれをほんとうに思って、ありがとうございますと言いますか。だからこの法律案は本来問題にならぬと言うのです。  だから、結局あなたの基本的な姿勢が問題になってくる。町工場の労働者と先生は違うんだ、武士は食わねど高ようじでいけという論理になってしまっておるわけです。最初のところから、町工場の労働者とは違うと言いながら、町工場の労働者に保障されておる労働基準法の適用すら取り上げておるじゃありませんか。それ以下にしておいて、くれるものは四%という。一体何たることですか。これで文部大臣は、小学校、中学校、高等学校の先生の前に立って、私は特別手当を出しましたなんてぬけぬけと言われますか。大臣、どう思われますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 何か無定量の勤務をしいるというふうなお話でございますが、そういう前提に立てば、あるいはお話のようなことになるかもしれません。しかし、私どもは、無定量の勤務というものを毎日毎日しいるというふうなつもりは毛頭ございません。  問題は、正規の勤務時間というものをなるべく守ってもらいたいと思っておるのであります。必要やむを得ないときには超過勤務を命ずるということにもなりましょう。しかし、できるだけ正規の勤務時間というものを守るという考え方のもとにやっていきたいと思っておるわけでございます。また、居残りの問題にいたしましても、時間外の勤務の問題にいたしましても、毎日毎日そういうふうな勤務を命ずるということはまずあり得ないと私は思うのでございます。もしあったとすれば、それはきわめて不適当な勤労管理だと私は思います。そういうふうなことで、毎日毎日が常にそのような状態でもって教師の勤労が続けられるということになりますれば、これは勤労管理上の問題になってくると思うのであります。そういうことはできるだけないようにしていかなければならぬわけでございますし、また、学校そのものにおきましても、そのようなことではりっぱな教師、健康でしあわせな教師を得るということはできない話であります。りっぱな教師を得、そして、それに健康でしあわせの多い生活を営んでもらうことがわれわれの願いであります。そういう方針のもとに、勤労管理というものは進められていかなければならぬというふうにお考え願えれば、私は、この四%という問題について、それほどおしかりをこうむるような問題ではないと思うのであります。  ただ問題は、小松さんのお話は、四%が多いか少ないかというような問題であるようにも伺うのであります。多いか少ないかという問題は、実績というものを考えてみなければならぬと思うのであります。従来の実績の上から判断いたしますれば、平均した場合に、この程度のことで相当ではないかと考えておりますが、この問題につきましては、法律にも書いてありますように、われわれももちろん気をつけますけれども、人事院のほうからの勧告の道も開かれておるわけでございます。これが実情に合わないということになりますれば、将来是正せられる道もあり得るというふうにお考えをいただきたいと思うのでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは、いま三つの点について誤差を生じておる。一つは、無定量の労働をしいるというような考え方に立てばそういうこともあるが、実はそういうように考えていないのだと言う。大臣はそのように考えていないけれども、これは、超過勤務命令を出すわけにいかなくなっておりますから、だれも出しません。出しませんけれども、いまでさえもこれだけの過重労働を持っておるのに、いまから先は——研修ばやりの時代になってきております。各県の教育委員会は、再教育、中堅層の再教育、新卒の再教育、そして研修ばやり。これは公務員全体が——公務員だけじゃない、あらゆる大産業の企業もみんな企業研修をやっております。新任のサラリーマンを禅寺に引っ込めて座禅を組まして、さかんにやっておるのと同じように、国家公務員も地方公務員も研修ばやりになってきておる。先生もそのらち外に離れるものではない。研究会、研修会、こういうものに追いまくられて、指導案をつくり、カリキュラムも変わってくる。最近は指導要領も変わってくる。指導要領も変わってくるから、全く勉強し直さなければならない。このようにネコの目の玉が変わるように指導要領が変わってくるのですから、追いつくのに精いっぱい。いまの現場から考えたときには、あなたはいまこの国会で、適当に、そういうことはやらないと言うけれども、これは無定量の労働というものがどんどんいやおうなしにしいられてくる。しいられてきたら、おまえは四%もらっているじゃないか、何を言うかと、校長も言いはしまいけれども、言わぬでも、もらっておればしようがないから四%で……。校長が言わぬとしても、四%がいつも頭にかかってきているから、私は四%もらわぬ、要らない、私は超過勤務手当をもらうという先生がおれば別ですけれども、みんな四%をもらったら、いまの研修ばやりの時代には、超過勤務というものが非常にオーバーワークになってまいります。これは火を見るよりも明らかである。あらゆる休日等に出勤を要望させられてくる。いまでも日の丸校長などというものがあって、紀元節なんかには先生も生徒も学校へ出てこいといって命令を出しているじゃありませんか。日の丸校長というのは一人だけではない。何ぼでもふえてくる。一月一日には出ろとか、あるいは他の休み等にもどんどん出てこさせられます。そういうように無定量の勤労というものが現実にしいられてきている時代なんです。あなたがここで適当に、そういうことはないですなんて言ったって、現場は実際にはそういうことを信頼しませんよ。また、そうなっていきません。  それから、四%が低いけれども、それは低いのじゃない、そのくらいだと言うけれども、四%がそのくらいだなどというようなことでは、これは話になりません。四%はまことに少ないけれども、これは財政不如意のおりからこの程度にしぼりましたと言うならば、まだかわいげがあるが、四%があたりまえだなんて言い方でしたら、これはどうなんですか、大臣、もう一ぺん言い直してください。あたりまえなんですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 多いにこしたことはないと思いますけれども、私どもの調査の結果からいたしまして、まずこの辺で相当ではないかというふうに考えたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 第一、超過勤務をすりかえて、こういう特別手当みたようなかっこうにしてしまったということは、労働基準法から見ても、これはまことに違法な措置である。同時に、その四%というくぎづけされた額が低過ぎる。労働基準法の第一条の第二項にこういうふうに書いてある。「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」いわゆる超過労働の割り増し賃金というものは最低のものであるから、「労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図る」、こういうふうに労働基準法の第一条にうたってある。最低のものである、その最低よりもなお悪いものをあなたは出そうとしている。そして、これは超過勤務の見返りでございますと、ぬけぬけ言っているのであります。だから、これは労働基準法の第一条に抵触するところのものを出してきている。それでもあなたは、これは適当だとお思いですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 年間を通じて本俸の四%の増をいたしておるわけであります。労働基準法によるいわゆる割り増し賃金制度とどちらがいいか悪いかということはにわかに断定はできないと私は思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 それからもう一つは、四%は人事院規則で変えられると言う。人事院規則で変えられるならば、四%などわざわざ法律案に出さないほうがいいのじゃないですか。第一に、この法律案というものを見ますと、教育公務員特例法の第一条にこう書いておるのです。大臣、よく聞いてください。「この法律は、教育を通じて国民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基き、教育公務員の任免、分限、懲戒、服務及び研修について規定する。」と書いてある。そういうのに、ここにひょこっと附則の中に出てきている。附則の、しかも削除されたところにぴょこんと入ってきておる。しかもそれが給与の——任免でもなければ、分限でもなければ、懲戒でもなければ、服務でも、研修でもない。第一、教育公務員特例法の第一条、一番大事な一条の目的に沿わないものが附則の中にちょこっと入ってきた。一体これは何ですか。一条に入っておらぬじゃないですか。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 御指摘のとおり、特例法の一条はいまお読みになったとおりでございます。ただ、現在の特例法で給与の規定がすでに入っております。これは附則の二十五条の五に、公立学校の教員の給与の基準の規定があるわけでございまして、しかもここには当分の間、」という前提で、附則に給与の規定が入っております。この関連におきまして公立学校の教員の給与の問題を入れた、このように解しております。

小松幹日本社会党

○小松委員 大体法律というものは、一条の目的以外のものをそうやたらに附則にひっつけてはいけませんよ。これは御都合主義もはなはだしいじゃないですか。何かどこか入れるところはないのかとさがしてみたら、附則の二十五条の四が削除になってあいているからそこに入れておけ。こんな便宜主義の法律を出すから間違いがある。法律というものは一条が大事だ、目的が大事だ。その目的というのは、「任免、分限、懲戒、服務及び研修について規定する。」とある。この一条に全く関係のないやつを、附則ですよ。附則には何をつけてもいいでしょうけれども、法律の態様をなしていない。しかもあなたは第二十五条の五を言うでしょう。しかし二十五条の五は、「給与の種類及びその額は、当分の間、国立学校の教育公務員の給与の種類及びその額を基準として定める」、一つの基準をうたい込んだのだ。いわゆるものごとの基準をうたってあるのですね。ところが、ここに出てくる改正案は基準じゃないでしょう。四%を支給する、基準どころかパーセンテージまでいってきている。これは手当法なら別ですよ。超過勤務に代替する教職員の手当法ならこれを特別法にするなら特別法にしなさいよ。国家公務員の分限やあるいは懲戒や、そういうものを規定したところのものの中に便宜的に入れるということはまかりならぬ。法律の体をなしていない。どこか見つけて入ればさえすれいいのだ、法律になりさえすれば適当だ、法律の体系を乱しているじゃありませんか。給与の問題は、大体。パーセントというものは一般職の給与法に基づいている、一般職だから。それ以外のものは特別職、国会議員なら特別職。一般職の給与に関連のあることでしょう。それだったら、そこの中に突っ込んでくるなら話がわかる。けれども、教育公務員の分限やあるいは懲戒や研修のところに持ってきて四%入ってくるというのは、これは便宜主義もはなはだしい。どうなんですか、それは。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 いま御指摘のようなふまじめな気持ちでこの規定ができたつもりは毛頭ございません。特例法は、いま申したように、一条は御指摘のようなこの法律の趣旨が書いてございます。しかし、現実に教員の身分取り扱いの中で給与の問題は非常に大きな問題でございますが、当時、教員の給与のことに関しまして本質的にどういう制度を立てるべきかということがまだ議論として残っておりましたので、当分の間の措置として、国立学校の教育公務員の給与の種類と額を基準とするという原則をこの場合に当時としては立てたものです。しかし、本質的に教育公務員の給与をどうするかという問題は地方公務員の場合に残っておりましたので、附則において「当分の間、」、こういうやり方をいたしたわけであります。  なお、給与とか身分の扱いにつきましては、そのほかに三十二条で恩給法の準用の規定もございます。それから十七条には教育長の給与等についての規定も現在ございますわけで、別に作為的に特例法に給与の問題を入れたわけじゃございませんで、現行が教育公務員の給与に関してはこの特例法をもとにして使っているものですから……。  それから、二十五条の四は、たまたま削除された穴があいておった条文でございますし、給与の場所として前後から見て適当な場所だったということで、たまたま削除された条文であったということだけでありまして、どこかさがしたら穴があいていたから入れたということでは毛頭ございません。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたのおっしゃるのは、給与のことが入っているからというて、これはあなたたちが、文部省がおもに出してきたのに、大体法律の一条の目的に反するようなものをのこのこと入れてくるような法律なんというものはそうざらにありませんよ。目的に沿うところのあとの附則まで入れてこなければ、目的に沿わないようなものをどんどん入れてきたら、これは法律は適当なところにみなほうり込んでまいりますよ。それが一つ。  それから、これは基準に類するもの、それを曲げて、任免、分限、懲戒、服務、研修の中で何をやったらよかろうというので、服務だろうか、こう考えたら、どこも、分限も任免も服務も研修も給与のようなことは入ってこない。それならあなた、第一条に給与も入れなければいかぬじゃないですか。第一条を改正しなければ法律になっていませんでしょうが。しかもこれは基準の問題をいうてあるでしょう。だから、もしこれをしいてあなたたちが入れるならば、これは二十五条の四の削除した穴があいておったから入れたでなくて——入れてもいいけれども、超過勤務を除外するについては特別手当を支給して、その問題については人事院規則で定めるとかなんとか、基準をぴしゃっと入れておけばいい。それを基準もへったくれもありはせぬ。身動きならぬような四%をぴしゃっと入れてしまって、今度人事院が変えるといっても、人事院は、この法律を変えてこなければなりませんよ。わかりますか。人事院は、この四%の法律を変えてこなければ、人事院でも何とかしてくれるといったって、しようがないでしょう。そういうことでしょう。大臣、どうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 もちろん法律を変えなければこの数は改まらないわけでございますが、ただ、この問題については、人事院の勧告にかかわる事項といたしておりますので、将来人事院の御検討の結果、これを改める必要があるということであれば、その勧告があり得ると思うのでありまして、また、そういう勧告がありました場合には、政府といたしましても十分これを尊重してまいらなければならぬ、こういう筋合いのものだと思うのでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 こういう人事院の規則で、あるいは勧告によって変わっていくパーセンテージというようなものは、人事院にまかせるならば、法律の中に入れるべきじゃない。教育公務員特例法というものは一つの基準をうたい込んである法律です。基準なんです。これは教育公務員の任免の基準、分限の基準、懲戒の基準、服務あるいは研修の基準というものを入れてある。それに給与を入れるならば、ここの一条を改正して給与と入れるか、入れなければ、せめて給与の項を入れるならば、基準を入れるならばいい。基準を入れないで、特別手当のパーセントまでうたい込んで、そうしてこれを教育公務員特例法でございと改正案が出てきたところに、法律の体としてなさないというのです。法律としておかしいというのです。

天城勲文部省初等中等教育局長

○天城政府委員 たいへんおわかりになっておることを繰り返すようで恐縮でございますが、教育公務員特例法は、国家公務員である国立学校の教員と、地方公務員である公立学校の教員の身分に関しまして、国家公務員法並びに地方公務員法の特例で規定しているわけでございます。それが一つ前提で、国家公務員についても規定いたしております。ですから、基準だけじゃなくて、実質的な規定もあるわけでございます。  それから、いま二十五条の四について、四%云云ということは、国家公務員たる国立学校の教職員の特別手当のことを規定してあるわけでございまして、地方公務員の問題は基準でいくわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたの言いわけを聞いて、国家公務員は四%だから、あとは基準でいこうなんて、そんなことは話にならぬじゃないですか。しかも、国家公務員も分けておるでしょう。国家公務員を二つに分けて、大学、高専、幼稚園を入れておらぬで、小、中、高等学校だけ入れた。そういう中途はんぱな教育公務員特例法なんていうものをどうして出すのです。しかもそれをぬけぬけと、国家公務員は入れてあるけれども、地方公務員は基準であります。それなら国家公務員も基準でやったらどうなんですか。同じ基準というのなら、みんな基準でいく。そうして国家公務員を入れるなら、大学、高専、幼稚園までみんな入れる。これでなくちゃ法律の体をなさぬというのだ。便宜主義だというのだ。あまりにも便宜主義です。入れるについても、ちょこっと入れてみたり、そうしてほかのものは全部基準をうたい込んであるのに、四%をうたい込んで、それでしりは人事院にまかせるのだという。人事院は大きな迷惑だ。また法律を改正しなければどうにもならぬということになる。こういうような、ほんとうに出たとこ勝負の法律の改正案を用意してくるということは、いかに文部省があわてふためいて、どこかさがして、何かないかといって、こういうところに持ってきた。あまりにもいいかげんなものになれ過ぎてきているわけだ。第一、法律の趣旨に沿わないようなことをぬけぬけと入れてくるという法律の作成者がありますか。どうなんです、これは。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほど来政府委員から申しておりますように、必ずしも従来の関係を無視いたしましてやったことではございません。また、この問題はまことに便宜主義だとおっしゃられれば、あるいはそうかもしれません。便宜ここで規定したというふうにおっしゃられても、それはそういうふうに言われてもしかたがないかもしれません。ただ問題は、ざっくばらんに申し上げますけれども、これは御承知のように、当面の暫定的な措置として行なっておるわけでございます。そこで便宜この法律案の附則において規定をした、かように御承知いただきたいと思うのであります。立法論的にお考えになればいろいろ御議論はあろうかと思いますけれども、文部省といたしましては、この法律の附則において暫定的な措置としてこれを規定した、こういうふうに御了解をいただきたいと思うわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 これは特例を設けるならば設けるで、短い法三章でもかまわぬから、別個の法律ならあるいはそれも納得するけれども、教育公務員特例法第一条の目的に反するような、目的に何も関係のないような項を附則の中にちょこっと入れてきて、しかも基準に類するものの中に、四%というようなぴしっとしたものを入れてきたということは、法体系としてあまりにも便宜主義だというのです。それだったら、教育公務員特例法の一部を改正するならば、第一条から改正して出てこなければしようがない。第一条から、目的から変えてこなければならない。それとも基準に類するものだけ入れておいて、あとは四%など書き込まないで、しかもそれを高専、大学まで一緒に入れて、教育公務員というものの超過勤務はこうこうだからこういうようにするんだという基準をうたい込んで、あとは四%か六%かというのは人事院にまかせるというならば体をなしておるんです。ここだけ四%が入ってきて、基準でないものが入ってきておる。これはどうなんですか。人事院はどう判断していますか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 今回の法案については、御指摘のとおりに附則の中に入っておりまして、いわば非常にいじらしい形をとっておるわけであります。法律の効果の問題でございますが、これはどういうところにはまり込もうと、おそらく効果には影響ないと思いますけれども、いまのお話に出ておりますように、いずれ人事院で勧告するような場合がありますれば、そのときはいまのお話の筋を十分尊重いたしまして考えたいと思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 法律というものはどこへ入れてもかまわぬなんというものですか。目的に沿わないものをどこに入れてもいいのですか。もう一回お尋ねいたしますが、あなたは、法律であればどこへ入れてもいい、目的に沿わぬようなものを入れてもいいのですか。

佐藤達夫人事院総裁

○佐藤(達)政府委員 法律の立法形式の問題は、私は当面の責任者ではございませんが、ただ、私どもは、この実質は効力があるかないかということだけを申し上げたわけであります。これは私ども非常に考えておることでございまして、法律の効果の問題であります。それだけを申し上げておきます。

小松幹日本社会党

○小松委員 これは重大なる法律の体系として、こういうものをどんどん見のがしていけば、便宜主義でどこでも削除してあいたところへくっつけていくような習性になる。法律の第一条の目的に反するようなことでも何でも、あいておればどこでも入れて便宜主義でいくということになる。これはもう重要な問題だから、法制局長官でも呼んで、もう一回検討し直さなければならぬが、委員長それを了承してもらいたい。こういうことを許しておったら適当にどこでも入れますよ。しかも、労働基準法を踏みにじるようなことを、削除した附則にちょこっと入れて、法律の体系を乱しておるところに問題がある。もっと本格的にやるならば——これはいじらしいと言ったが、こういうのはいじらしいというよりあまりにも茶番劇ですよ。いじらしいというならまだいいところがある。こういう茶番劇みたいな、適当にどこでも入れてくるということ、どこか入れるところはないだろうかとさがしてみたら、ここがあいておったから入れておけ、こういうような考え方ではなかったかもしれませんけれども、そう思われてもしようがないでしょう。しかも給与のパーセンテージまで入れて、こういう法律を出すということはもってのほかである。委員長、いま言ったように法制局長官を呼ぶようきめて、再度質問をいたします。それでいかがですか。それでなければまだやらんならぬ。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 適当な機会に法制局長官を呼びまして質疑を続けます。よろしゅうございますか。

小松幹日本社会党

○小松委員 それならばこの辺でやめましょう。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 次回は明九日、木曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後十時五十一分散会

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