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58回国会衆議院1968/03/15

文教委員会 第4号

発言数
43
登壇者
5
会派数
2
開催日
1968/03/15

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。臼井莊一君。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 貴重な時間を拝借して、できるだけ簡潔に緊急に御質問を大臣に申し上げたいと思います。  それは、すでに問題になっておりますいわゆる三派全学連の非常に暴力的な行動に対して、この際、破防法を適用することが適当ではないかという世論も一部にございまするし、政府においてもその問題を取り上げ、また自民党においても私どものほうでも取り上げている、こういう事態でございます。実は私も、テレビや新聞のニュース等で、あるいは見聞、視察、調査をされた方々のお話で、大体の想像はしておったのでありますが、去る三月十日の成田市における三派全学連並びに成田第二国際空港の建設反対の集会並びにそれに引き続いてのデモにおける状況を、私も千葉県の議員として、また一つには全学連の行ないこういう観点で、文教的な立場からも視察にまいったわけであります。  その三派全学連に対する感想を一言にして言えば、聞きしにまさる暴状といいますか、というのが率直な、百聞は一見にしかずというが、見てみますと、実に嘆かわしい状況ということがつくづく感ぜられるのであります。いろいろそういうことをいまさらここで並べる必要もないかと思うのでありますが、たとえば四百人からの者が二十円区間の切符を買って、早稲田から成田へ無賃乗車と同様な行ないが力によって行なわれて、どうにもしかたがないという問題、また成田市の庁舎、そのかたわらの空港公団の分室、これを襲うというあらかじめの三派全学連の主張に対しての理事者側の金網や、あるいは有刺鉄線によってのものものしい防御、それに対して力でこれにぶつかるという、こういう状態でありまして、まことに遺憾千万な状況であることは申すまでもないのであります。そのいろいろ原因とかなんとかというものは別として、いやしくも法治国家として、しかも良識ある大学の学生の所業としては、私は論外な行ないだと言わざるを得ないのでありまして、彼らも確かにこれはよくないということを知っているのでしょう。たとえば角材なども、新聞の報道のとおり、あらかじめ集会場のグラウンドの近くのあき屋に隠しておいて、そうして行動を起こす。その際にそれを取り出して武装するとか、あるいは石が取られないようにというので、あらかじめ鉄道路線に金網を張っておくと、成田の一つ手前の酒々井で降りて、そしてまた石を拾う。それはいわゆる武装するというような状況でありまして、したがって、彼らも公にいいとは考えていないのだとは思うのでありますが、こういうようなことは、ことに文教的な立場から見ると非常に残念なことであります。しかも、これが追われるというと、第三者の家屋にまで飛び込んで行って、土足で踏み荒し、非常な損害をかけ、成田では商店は店も締めて、実に町をあげて休業せざるを得ないということであります。しかもこの計画が、いま言ったように、若い者の一時の感情から発したというのではなくて、すべてが計画的にやられる。聞くところによると、この次の二十日の休日にも一部中核派の者は他の党の集会に参加する。さらにそれを上回って、三十一日の日曜には、集会デモにかこつけて、三月十日に劣らない同じような暴状が行なわれようというのであります。  こういうようなことでありますので、したがって二回にわたる羽田、さらに佐世保、王子、二回にわたる成田、こういうようなすべての過大なる計画的な不法きわまる行為に対しての破防法適用ということが問題になるのも当然であり、破防法を適用するということも、法律の上では、またこれらの実情を見た上では、これは適用はできるであろうし、そうすべきであるという議論も成り立つのであります。しかしながら、文教という立場から見るというと、そういうものが適用されるということは、一部の学生ではあっても、これは学生界における恥辱、また教育界における恥辱とも私は考えるのであります。私に言わせると、学生諸君がもうすでに学生の立場を離れての社会人としての暴行だと一般には見られるわけであります。しかし、実際には学生だというので、大学という学問の自由という城に立て込もって、学生という立場のたてを持って暴行を行なうということは、考えようによってはまことにひきょう千万な行動だと考えざるを得ないのであります。しかも学校側が、こういうものに対して自制をさせ、そしてこれを何とかそういうことでなく、許された言論により、またデモにしても、そういう暴状がなくやるような方向に導けないということは、教育界における非常な痛恨事だと私は思うのであります。  しかも、すでに御質問があったから、私はここでは申しませんが、大学においての学校経営なり管理の能力を喪失した学校もあるように見受けるのであります。一番いい例は中央大学だと思います。学生会館を学生の管理にまかせたということ、理事者みずからが大学構内の学生会館の管理能力を喪失して、学生にこれを渡してしまったということ、逆に教授なりあるいは理事者というものが学生の管理のもとにあるような感を与えるというようなこと、そうしてその後の授業料値上げにおける全面的な理事者の敗退、学長の辞職、これは中央大学にはまことにお気の毒でありますが、一例をあげれば、そういうような名前まであげて言わざるを得ないということ、こういうことが全国の大学においてあるということは、今後文教政策を担当する——いかに学問、大学は自主的にやれといいながらも、私は文部大臣としてもいろいろな問題で大いに決断を要する場面にも到達せざるを得ないと思うのであります。昔よく言われたように、戦前は、袞竜のそでに隠れる、天皇の御名においてわがままをほしいままにしたということがひきょう千万な例として言われておりましたが、今日は学問の自由といういま申し上げたようなそでに隠れての暴状、学生という立場を隠れみのとしての暴状というものは、私はまことにひきょう千万なことだ。こう考えざるを得ないのでございまして、ペンは剣よりも強しということわざがありますが、そのペンを捨てて、剣とは比較にならないような弱いものではあるけれども、角材とか石を、原始時代に返ったようなそういう闘争方法をもって、一つの闘争本能を満足させるようなデモ、未開発的な行動をするということは、私は今日までの教育における一つの結果がここに大学においてあらわれてきたと思うのでありまして、単なるいま言ったような大学だけの責任ではなくて、小中高等学校の今日までの一つの教育の結果であると思います。これは、もとより一部でありますから、全般ではありませんけれども、しかし、そういう者が一部にあるということについても、これは教育界としても十分反省したらいいのではないか。また、文教の政治行政の立場にあるわれわれとしても大いに反省しなければならぬというように考えるのであります。  そこで、こういうようなことを緊急質問として申し上げて、時間をあまりとることはいいかげんにしたいと思いますので、これらについて、ひとつ文教的な立場から大臣の御感想を伺って、そうして破防法適用という、考えようによってはまことに恥辱とも考えられるようなことをせざるを得ない今日の状況下における大臣の今後に処するひとつお考えを伺いたいということで御質問申し上げる次第であります。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 いわゆる三派全学連の行動に対しまして破壊活動防止法を適用したらどうであるか、こういうような声がだんだんと高まってきておるように思われるのであります。三派全学連の行動につきましては、われわれといたしましてまことに残念に存じております。大学の内部において、また大学の外において、きわめて矯激な運動を展開し、そのために警察力の出動をわずらわさなければならぬ、双方ともに負傷者を常に出しておるようなきわめて激しい行動に出ておる。同時にまた、一般の平和な市民の生活まで脅かしておるというような事態、あるいはまた国際的に非常に危険性の多い行動をして顧みない。このようなことはだれがやりましても大きな問題でございますが、特に大学に学ぶ若者たちによってこのようなことが計画的に継続的に公然と行なわれておるというふうな事態は、まことに現在及び将来の日本にとりましても憂慮にたえない事態であると存じます。  文部省といたしましては、明らかに大学の自治会活動の範囲を逸脱した、いわば暴力団体とでもいわなければならぬような状態になっておりますこの全学連の状態に対しまして、大学当局を督励いたしまして、何とか事態の改善をはかるために最大の努力をしてもらいたい、また、いわゆる大学として最も大切な大学自治の原則に対して大きな脅威と不安を与え、大学に対する社会的な批判も次第に高まっておる現状にかんがみまして、大学はその最も大切な原則である大学の自治を守るためにも懸命の努力をしてもらいたい、そして多数の学生諸君とともどもにりっぱな学園を具現化してもらいたい、同時に三派系全学連に加入しておる学生に対する教育指導について一そう積極的な配慮をわずらわしたい。こういうことで、大学当局と密接な関連を持ちながらその善処を要望してまいったわけでございますが、先ほど申しましたように、あの状況に対していわゆる破防法の適用ということが問題となってきましたということは、われわれとしましてもまことに残念に存じておる次第でございます。  この破防法を適用すべきかどうかという問題についてはいろいろと意見のあるところでございます。私といたしましては、今日積極、消極いずれとも結論を持っておりません。ただ問題がこのような問題になりましたので、最も慎重な態度をもってこの破防法適用の問題に対しましては検討をいたしてみたいと存ずるのでございます。あくまでも問題を慎重に取り扱っていきたい、こういう心境にあるわけでございますが、それはそれといたしましても、われわれとしましては、やはり教育の問題に関係を持つ者といたしまして、あくまでもこれら学生諸君の行動を是正するために努力を傾けてまいらなければならないと存じます。わきめて困難な問題であるということは申すまでもございません。簡単な問題であれば破防法なんて話が出てくるはずはないのであります。しかく困難な問題ではございますけれども、しかし絶望することなく、各大学の当局者とともどもに事態の改善のためにさらに努力を継続してまいりたい、こういう心持ちで今日おりますことをお答えといたしたいと思います。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 大臣のお考えよくわかりました。今日までも非常にこういう方面で御努力されていること、ことに戦前と違って文部大臣としての限られた範囲の権限と申しますか、においてやっておられる御努力よくわかりますが、今後ともひとつそういう意味において、この上さらに教育界においての恥の上塗りのようなことのないように、端的に言うならば、学生諸君はそれぞれ理由はあるでしょうが、やはり法を守ってペンと弁によって世論に訴えるということを徹底的におやりいただくことはけっこうでありますが、少なくとも世間のひんしゅくを買うような暴力行為に訴えるということは、口において平和を名としながら、今日昭和元禄といわれるようなこの日本の現状の中で、ひとりああいう行動をやるということは私どもはまことに不可解にたえないわけでございまして、大学によっては、先般も国立大学の学長のいろいろ共同しての声明もございましたように、御努力されていることはわかりますが、今後なお一そう大学方面と協力を願って、学生の本分に従い、また日本公民としての、よき市民としての立場から、社会的にも彼らが正常な活動をするように指導を各大学においても一そう努力せられるようにお話し合いを願いたいということを申し上げておきます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 及ばずながらできるだけの努力はしてまいるつもりでおりますが、ただこの際、大学の状況は必ずしも一様ではございません。多くの大学の中にはいろいろ特殊の事情を持っておる、あるいはまた状況が違っておることも考えてまいらなければならぬと思います。また、何と申しましても現在の大学生のごく一部の人が三派全学連のメンバーとして動いておるという状況でございまして、大多数の学生については、そのような心配は現状においてはないと思うのでありますが、われわれとしましては、一面におきまして三派系全学連の諸君の反省を求めますとともに、多数の学生諸君が、みずからの学園をみずから守っていくというような心持ちでもって自治会のほんとうの意味における民主的活動に一そう積極的な努力もしてもらいたいと思います。言いかえまするならば、大学当局並びに学生打って一丸となってよき学園をつくり上げるという方向において努力してもらいたいと思いますので、どうか皆さん方におかれましても、そういう人たちに対する鼓舞激励を惜しみなく与えていただきたいと存じます。  また、学生だからというふうなことでただ甘やかすというふうなことがあっては私はいけないと思うのです。もちろん根本には深い愛情を持って考えなければならぬ問題と存じますけれども、学生の行動だということで甘やかすとか、あるいは陰におってこれを扇動するとかそそのかすというふうなことがあれば、これはたいへんなことだと思うのであります。そういう意味におきまして、事は将来の日本を背負うべきりっぱな素質を持っておる学生があのような行動に出たということの原因その他については、もちろん広範であり、複雑であり、お互いによく検討しなければならぬ問題と思いますけれども、いまのような、いわゆる暴力ざたに訴える、こういうふうな行動はいかにしても容認することができない事態でございますから、このような事態に対しましてはきびしく、ひとつ世間一般の方々がやはり関心をお持ちいただきまして御協力をぜひいただきたいものと念願をしております。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 最後にお願いしたいのは、やはり子供ではないのですから、彼らには彼らなりの考えがあると思うので、これは思想調査という意味でなく、何がゆえにそういう考えを持っておるか、できればわれわれも、ひとつ彼らの意見も聞いてみたいと思いますが、しかし、大学の学長さえも閉じ込めて、カン詰めにして、暴力的に圧力を加えての対談をするような状況で、なかなか静かに対談をする、いわゆる対話をするということができないようでありますが、一部には、いまや日教組の革命の戦士を養成するという倫理綱領の効果があらわれてきたんだというようなことを言う人がありますが、私は、とにかくそういうことが真実かどうかは別といたしまして、ひとつ大学の、学問を研究するという場において、多くの優秀な教授がいるのですから、そういう心理的なり何なりの背後の実情をよく分析して、十分その原因を突き詰めて、そうして良識ある対話なり行動なりができるようなふうにするにはどうしたらいいかということを——われわれもひとつ大いに、そういうことで反省すべきものは反省して、そうして単にこう薬ばりにそれを押えるというのではなく、何かそういうような方法をと考えているわけで、どうぞひとつ文部当局でもよろしくそういう点をお願いいたします。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 長谷川正三君。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 ただいま臼井委員から、全学連三派の最近の行動に関連して御質問がありましたが、特に最後に日教組の倫理綱領に触れて御質問がありまして、私はどうもこれはちょっと聞き捨てならないことばであります。文部大臣の御答弁は慎重を期すということであり、また、たいへんそつのない御答弁で、あまり言うところないわけなんで、私はきょうはこの問題は触れまいと思ったのですが、最後に臼井委員からそういうことばがありましたので、私は、いま日教組の倫理綱領が革命の戦士を養うことを考えておるというようなことばは、これはたいへんな誤解をなさっているのではないか、これはよくひとつ御勉強いただきたいということを申し上げまして、それ以上この議論をしたいとは思いません。  ただ、せっかくこの問題に触れましたので、文部大臣のたいへんそつのない御答弁で、それでけっこうだとも思いますが、しかし、ただ言えますことは、ある全学連三派の青年諸君も、その行動にいろいろ批判がありましても、その信条、思想を考えますと、少なくとも大学の府に学びながら、学問をそっちのけにし、あるいはマージャンに明け暮れたり、レジャーに明け暮れたり、あるいはまたアルバイトにただ追い回されるだけでその日その日を過ごしているというような学生がかなりあるのではないかということで、私ども文教の問題について責任を負う、その一端をやはりになっている者として、非常に心を痛めるわけでありますけれども、そういう中で、あの青年たちは、少なくとも主観的には、これで一もうけしてやろうとか、あるいはまた国家の問題についていいかげんに考えているのでない。それがああいうところへ行くということについて、特に政府並びに文教行政の府にある者としては、十分な反省、それに対する深い認識、いま大臣のおっしゃったように、愛情を持って、しかも学生全体の自主的な健全な自治会活動というものが十分に発揚されることを通してそういうものを是正したいというようなおことばがございまして、その点はまことにそのとおりだと思います。が、私は、あの青年たちがああいう行動に入っていく原因について、これをひとつやはり深く掘り下げて把握することが一番肝要であり、それでなければほんとうの正しい対策というものは出てこないのではないか。この点については今後また十分本委員会においても討論を深める機会があろうかと思いますが、一言だけ文部大臣に、その原因について、もう一歩深めてどうお考えになっており、そしてそれに対してどういう施策——ただ精神的に各大学の学長、総長を集めて要望するというようなことだけで問題が解決しないと思います。もっと十分物的な要件も含めて施策を立てなければこの問題は解決しないのではないか。そういう立場で大臣の御所見を、せっかく臼井委員の質問がございましたのでお伺いしたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 今日の学生の、あの行動をなすに至った原因は、私はいろいろあろうかと思うのです。決して単純なものではないと存じます。教育面からきた原因もございましょう。また、行政面からきた原因もあるかもしれません。あるいはまた、ものの考え方からきた原因もあろうかと存じます。いろいろ複雑多岐にわたっておるわけでございますので、教育の面からいいましても、ただ現在の大学だけを責めるというわけにもいかない事情もあろうかと思います。したがって、非常に広く、かつ深い、また複雑な問題でございますが、それらの原因につきましては、やはりそれぞれ考えていかなければならない問題であるということは、これは申すまでもないと私は思うのでございます。また、簡単に片づけられる問題でもないと思います。しかし、そのような結果を生ずるような原因の是正ということにつきましては、お互いにやっていかなければならぬ問題だと存じております。ただ問題は、いわば恒久対策として考えれば、きわめて複雑ではあるけれども、いろいろ措置していかなければならぬものがあろうということは考えられますけれども、当面の問題としまして、理由が何であれ、考え方が何であれ、今日の日本の中においてあのような乱暴な行動というものが是認せられる理由はない。それが一時の暴発というようなことならまだしもでありますけれども、きわめて慎重な計画のもとに、しょっちゅう機会をとらえてあのようなことをやっていく、しかもその目標は、よく言われることでありますが、あの連中はトロッキストだとかなんとか言われておりますが、そういうふうなものの考え方のもとに行動をしておるあの状況に対しましては、どうしてもこれはひとつやめてもらわなければならぬ性質のものじゃないか、かように私は考えます。ことに学生でありますから、大いに真理の探究ということで勉強せられることはけっこうでありますけれども、勉強をないがしろにして、外へ出てああいうふうな状態を繰り返しておることは、どう考えてみましても、これは何とか措置しなければならない問題ではないかというふうに私は考えるわけでございます。そういうことでございますから、われわれとしましては、いわばおとなの責任として、その原因をなすいろいろな問題については、十分検討の上に、お互いに協力をしてこれを是正することにつとめなければなりませんけれども、あのいまの状態だけはストップしてほしいということでございます。そのようにひとつ御了承いただきたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣の御答弁、いろいろほうぼうに原因があるということでございます。私が伺いたかったのは、そのいろいろなもののうち、もう一歩突っ込んで、こういう点、こういう点があるのじゃないかというようなことをあげていただきたかったわけでありますが、本日はこれについてはこれ以上追及することを避けまして、またこの問題は、国立学校設置法等の法案審議もいずれあるでしょうから、あらためてそういう中で十分にやらせていただくことにしまして、本日は大臣の所信表明に関連して、当面しております文教政策全般にわたって御質問申し上げたわけですが、前回からの引き続きもありますし、緊急な一つの問題になっております京都の教育長の任命に関します文部大臣の承認問題につきまして質問をまず申し上げたいと思います。  結論から申しますと、過般の予算委員会におきます山中吾郎委員の総括質問、あるいは私の一般質問のときにもこの問題については御質問申し上げて、大臣の御答弁をいただいておりますが、その後、一日も早くこの問題が解決することを願って今日に及びましたけれども、依然として解決をしておらないようであります。その後の経過につきまして、まずどうなっておるのか、どう考えておられるのか、どう処理されるのかにつきまして質問を申し上げたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 この問題につきましては先般お答えをいたしましたとおりでございまして、現在私の手元におきましては、まだ格別変わったことはございません。目下慎重に検討をいたしておるという状態でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私は、きょうの委員会でこの問題について相当決着のつくところまでひとつ質問をいたしたい。と同時に、こういう事態を引き起こす根源になっております法規について、すなわち地方教育行政の組織及び運営に関する法律自体の中にこれは原因が伏在しておりますから、この法規自体を何らかの処置をしなければならない時点にもはやきておる。そういう認識に立って、その問題についても本国会中にこれは解決をしていただかなければならない、そういう二つの観点に立ちましてこれから質問申し上げたいと思います。  第一は、先般も質問申し上げたのですけれども、今回の問題は、私が実際京都へ行って調査をしたところによりますと、先般の天城初中局長の御答弁は、それを否定されたような表現をとっておりますけれども、事実上事務当局の段階では事前の協議が進んで、そうして書類提出という段階に立ち至っていたのに、途中から自民党の文教関係のグループの方々から横やりが入って、そうして黒い雲が出てきたようにこの問題が混迷におちいった、こういう把握がどうしても払拭できないのであります。私は政党の内部の問題に容喙するようなことを申し上げようとするのではありませんけれども、行政の上にそれが事実となってあらわれている以上は、この問題に触れざるを得ないのであります。このことは私が感じているだけでなくて、すでにこの問題を報道した当初から、私はここにたくさん新聞の切り抜きを持ってきておりますけれども、一般商業紙の見方がもうそういう見方をしておるのですね。たとえばその端的な例は、毎日新聞の「教育の森」の中にもこれが書いてございます。先般の予算委員会では私は読み上げることを差し控えましたけれども、どうしてもこの問題は解決をしていかなければならない。私は決して自民党を単に非難すれば足りると思っておりません。それぞれの党にはそれぞれの党の考えがあり、そうしてそれを政府の施策の中に生かすように努力するということは、これは当然でございますから。ただ、それが特に文教行政において行き過ぎますと、これはあやまちをおかすのではないか。私は社会党でありますけれども、社会党もそういうあやまちをおかしてはならないのであります。同様に、与党である自民党は、その点については十分なる御自重を願わなければならないと思います。  そこで、ちょっと「教育の森」の表現をかりてみますと、こういうふうに書いております。「自民党の教育正常化委員会は、政務調査会の文教部会とか、文教制度調査会のような党としての公式の機関ではなく、非公式なものである。その会長は栃木県選出の森山欽司氏で、森山氏は最近の大阪、京都の問題について、こう言っている。」云々。次に森山さんのことばが出ておりまして、そうしてそれを受けてこう書いているのです。「この話の正否は別として、ここに見られることは、与党の判断の中で認められること以外は、すべて危険視される実情である。今日の教育の状況を判断する場合、与党の立場でも左翼の立場でもなく、純粋に「教育」の立場でする判断があるということに思いをいたさないわけにはいかないし、最も重要なことがそれである。」そう書きまして、最後にこういうふうに言っております。「また「最終的には文部大臣の決めることだ」と言っても、今日の文部大臣は党人であって、与党の考えに反対の行動をとる自由を持っていない。文部大臣も、文部省も、教育について自主的な判断をし、それを実行に移すことはできない実情である。その実情が、京都府教育長人事の問題で明らかになったのである。京都府教育委員会と文部省との間には、両者の間の「事務として」了解ができていた事実が、それを物語る。京都府教委と、自民党の教育正常化委員会の間の板ばさみになって動きがとれなくなっているというのが、今日の文部省の実態である。そのように、自主性を与えられていない文部省が、教育行政の中枢である場合、教育が常に政治の道具となるのは避けられない。今日の教育の混乱の最も大きな原因はここにある。国民に対して直接責任を持つ教育行政が、最も責任を持たなければならないのが政党に対してであっては、すべてが狂ってくるのは理の当然である。」これは毎日新聞の「教育の森」に村松さんが書いているのを御紹介したのであります。しかし、これはやはり非常に一般的な国民の見方であるということを私は言わざるを得ません。こういう見方に対しまして、文部大臣は、やはりき然として、そういう圧力に屈していただきたくない。私が京都から帰りましたら、さっそく翌日NHKの一〇二に出てくれということで行きましたところが、自民党を代表してかどうかわかりませんが、私と対談のような形でおいでになったのがこの森山さんでした。やはりNHKは報道の感覚から、この問題の実体というものを洞察して、私と森山さんとを一〇二で対談さしたんだと思いまして、このことも自民党の介入ということを端的に国民に向かって語っていることだと思うのです。こういう点について、私は大臣の信念をお伺いしたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 この京都の教育長の承認に関する人事の問題は、私は端的に申し上げますというと、まことに不幸な経過をたどっておるような気がいたしております。本来、こういうふうな行政部面における人事は、いわば京都と私どもとの間で話をすればそれで済む問題でございます。それがいかにもいろんなところから御意見が出て大っぴらになってしまって、実際問題として、文部省としてもなかなかやりにくくなってきたというふうなことを申し上げたくなるのであります。いまのお話の中に、この問題はもう事務的には話がついておったんだ、それを自民党が介入してこういうことになったんだというようなお話のようであります。いわば事務的には済んでおるものが途中でひん曲げられた、こういうふうな問題でございますが、私は、それを前提としてのお話はいかがであろうかと実は思うのでございます。もしそういうことであれば、これは私就任後の問題でございます。私がそういうことをやったということになってしまうわけでありますが、私の承知するところでは、普通ならばこの種の人事のときには、正式に書類が出て、それからその書類に対する回答が出ていくのが、一週間か十日あれば出ていくのが普通だろうと私は思うのであります。従来しばしば文部大臣をつとめましたけれども、教育長の人事でそう込み入ってきたというふうなものもあまりなかったのであります。しかし、正式に話をする前に、お互いにやはりこういう問題については事前によく打ち合わせをしておく、そうして書類を出したらそれで片づけるというふうなやり方であったと思うのであります。今回の場合は、その辺のところが実はうまくいっていなかったんじゃないか、こういう気がいたします。京都からお話のあったのも、ちょうど私の就任前後のお話のようでございました。その辺のことは、あとからまた局長から経過を申し上げてもよろしゅうございますが、そういうふうなことで、持ってこられて、どうしてもあと三日、四日のうちに承認してほしい、こういうふうなことであったというふうにも伺うのであります。また事務当局としましても、従来とちょっと違いますから、また事務当局には事務当局の意見もあったと思いますけれども、その書類を置いていかれちゃ困る、一ぺんよく話し合った上で、というふうな気持ちであったように私は聞いておるのであります。そうでなくて無理やりに置いていかれた。そうしてその月じゅうに何とか片づけろ、こういうふうな御注文で帰っていかれたというふうにも聞くのであります。それがそのとおりにいかなかったということでございます。その辺のところがスタートからちょっと話が普通の場合と違っておるような気がいたしております。同時に、この人事につきましては、自民党の中にもいろいろ御意見を持っていらっしゃる方はおられます。また、外部の方もおられます。いろいろな批判がなされたわけでございます。私といたしましては、私が責任を持って決定する事項でございますけれども、その決定についてやはりいろいろ批判があるとするならば、その批判に耐えるだけのものは持たなければならぬ、こういうふうなつもりで事務当局に慎重に調査するようにという命令を下したわけでございます。その後いろいろな経過はございましたけれども、いまなお結論を得るに至らないというのが実情でございます。確かに自民党の内部にもいろいろ御意見を持っていらっしゃる方はおられますけれども、このような人事について、これは行政府として私の責任において解決すべき問題でございます。政策上の問題というふうなことになれば、政府・与党の関係で緊密な連絡をもってお互いにやらなければならぬと思いますけれども、個々の人事について行政府の責任でやるべきことを、それをだれがどういう御意見を持っていらっしゃろうと、帰するところは私が私で考えてそして結論を下すべきものである。よしんばそれが私の与党と意見が違っておっても、これはやむを得ないことであるというぐらいな気持ちは持っております。そういう意味におきまして、格別与党側からの圧力とか何とかというふうなことで私は結論を渋っておるわけじゃございません。しかし、十分自信を持っての人事をやってまいりたいという意味におきまして、いろいろ調査検討を命じておる。その間に、暮れのことで予算の編成の問題がありましたり、あるいは国会の問題がありましたり、そういうふうなことで、こちら側からいいましても、多少調査の進行がおそかったということもございましょうが、同時にまた、その間の経過から申しますと、京都府側においてももう少しあっさりと御協力を願ったら、こういうふうな面もあるわけでございます。その辺がなかなかしっくりいきませんので、大臣としての結論を出す上にまだ自信が持てない、こういう状態にあるのだというふうに御承知を願いたいと思うのであります。これは私は、自由民主党という与党がどうであるとか、あるいはまた皆さん方の野党の諸君がどうであるとか、政党がかれこれ言われることによって問題の決着をつけるべきものではない、どこまでもこれは文部大臣の独自の判断によって、その責任において解決すべきであって、もしその結論がよくないということであれば、よろしく文部大臣の責任を追及してしかるべきものじゃなかろうか。こういうつもりで実はやっておるわけでございますので、いろいろ御意見は承りますけれども、最後には、私の独自の判断でもって問題の解決をやってまいりたいということでございます。そのように御承知願いたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣は、自民党内でももう長老格でおられると思いますし、また、文教関係でも第一人者と申し上げてもこれは言い過ぎでない方であります。したがって、いま御答弁を伺いまして、文部大臣としてあれしか答弁はできないだろうと思います。私も質問しているときから、おそらくそういう答弁しか返ってこないであろう、自民党の圧力に屈しまして延ばしておりますとは、それはおっしゃれないでしょう。そのお立場はよくわかります。わかりますけれども、しかしいまのおことばで、それじゃ私や一般社会の疑念がすっと晴れるかと申しますと、そんな簡単なものでないということだけは、ここにはっきり申し上げざるを得ないのであります。しかし、何としても灘尾文部大臣は十分御経験も豊富で、文教行政に精通された方でありますから、筋道をそう曲げられるとは考えられませんので、その点を信頼して、私は一日も早いこの解決を望むわけです。しかし、まだ自信が出ない、まだ自信が出ないと、これをいつまでもそういう状態に置かれるつもりですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 期限を切るわけにもまいりませんけれども、もちろん事柄としましては、それはなるべく早く解決したいということは申すまでもないことでございます。いつまでにと言われましても、その御返事はちょっといたしかねます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 なるべく早くというお考えのようですが、そこで私は、先ほどの経過についてもこまかく調べてまいりまして、それについてもいろいろ言い分がありますけれども、いまそういうこまかい問題をほじくり出していくことが本旨ではありませんので、日本の地方教育行政の運用という大筋から、やはり問題をただしていく必要があると思います。そういう観点から、何回相談に来たとか来なかったとか、書類を受け取らなかったとか言わなかったとか、そういうことはこの際これ以上私は申し上げません。もちろんあの内閣改造が、たしか十一月二十五日前後にあったと思いますが、そういう時期ですから十一月中に、十一月三十日にやめるから即日発令ができるということに若干無理があったということも想像がつきますから、おそらく京都府教育委員会も、そういうことで、十一月中に承認しないのはけしからぬというようなことは決して言っていないと思います。しかし、十一月、十二月、一月、 二月、そしてもう三月に入っておるのです。それで大臣が、何と申しますか、内輪の気持ちでざっくばらんにおっしゃったと思いますが、要するに京都府教育委員会と文部省としっくりいっていないところがある、そのために問題がちょっとこじれてしまった、それがますます大きくなっていっている、何とか円満解決をしたいのだけれども、まあ冷却期間もいるのじゃないかという意味にも受け取れるおことばだと思いますけれども、 ただ私、気になりますのは、先般の予算委員会の総括質問での山中委員の御質問に対して、大臣の答弁された大部分が、京都府教育委員会の今日までの行政について、文部当局としては必ずしもおもしろくないという幾つかの条項をあげて答弁をされたのであります。そうすると、教育委員会の行政に対して、文部大臣の指導を十分聞かないというようなことに対して、人事の承認権をもってそれを屈服させる、こういう権力機構あるいはこの法律の制定当時の説明からはたいへん離れた権力乱用がそこに芽を出しているのではないか。私はこの点が非常に気になりますので、その点をまず念を押しておきたいのです。教育委員会の教育行政について、文部省がほんとうにこうしてもらいたい、ああしてもらいたいと思うのだが、そのとおりにならない。それに対して人事権をもってこれを是正しようというふうにお考えになっているのか、それをまず伺いたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 京都府の教育委員会の今日までの教育行政のやり方につきましては、京都には京都のいろいろ言い分もあろうかと思います。あろうかと思いますけれども、文部省の立場から考えますと、決して満足すべきものではないのであります。何とかお互いの間の関係が、もっと協調的になり、もっと協力して教育行政を進めることができるような姿になってほしいということは、これはわれわれ年来の実は希望であります。どうもその辺はうまくいっていない、これは率直に私は申し上げたほうがよろしいと思います。いろいろな文部省からのいわば指導と申しますか、助言というふうなものに対しましても、京都府のこれに対する反応はまことに冷たいものがあるように存じます。他の府県では行なわれていることが京都に限って行なわれないというのも、一体その特殊な事情というのは何であろうかというふうなことをわれわれとしては疑問とせざるを得ないのであります。もちろん、京都府には京都府の考え方もありましょうけれども、そういう姿で全体の教育行政を進めるということは、やはり望ましいことではないと思います。無理に押しつけるということも、現在の制度の上においてむずかしいということはわかっております。わかっておりますけれども、やはり中央と地方とがお互いに協調しながら全体の教育行政を進めていくということは、われわれから考えますと、希望する姿であります。それはお互いによく話し合って何とか直したいということは何もいまに始まったことではございません。文部行政に携わる者としましては前からの希望であったと思うのであります。今度のこの人事を、これとからめて、そうして何か交換条件にでもして無理にでも押しつけるのか、こういうお尋ねであろうかと思いますが、私はそういうことは考えておりません。この人事と従来の京都府の教育行政というものを直ちに一種の取引の問題にして、直せとか直すなとかいうふうなことを、そういう下品なことをやるつもりは実は私にはありませんけれども、その地方の教育行政において重要な地位を占めている教育長というものが、こういうふうな問題について一体どういう考え方をしておられるだろうかというふうなことは私ども知りたいところであります。また、御承知のように、教育長はいわば中央と地方の行政を緊密にやっていく上から申しますと、きわめて大事な役割りを持っておると思うのであります。そういうような意味もあって、私は、都道府県の教育長の人事については文部省の承認を必要とする、こういうことにもなっておろうかと思うのでありますから、その教育長となるべき人が一体どういう方であろうかということは、文部省としましても深い関心事であります。従来の京都府の教育行政について、あるいはそれが京都府においては多数の支持を得ておられるのかもしれませんけれども、しかし京都府の教育行政については、いろいろ批判のあるところであります。その問題について、私どもとしましては、教育委員会のいわば非常に大事な役割りを持っている教育長さんが、そういうふうなとかく批判のある問題についてどんなことを考えておられるか、また、この方のいろいろの過去の言動についての批判もあるわけでございます。そういうことがはたして事実なのかどうなのか、また御本人はそういうことについて一体どう考えていらっしゃるのかというふうなことも知りたいところであります。私が先ほど申しましたように、この人事についてはいろいろ批判がある。したがって、私はこれを決定するに際しましては、そういう批判があっても、なおかつこの方はこういう人なんだというふうなことを、御本人にもあるいはそういう批判に対して弁明をしたいという気持ちはおそらくおありじゃなかろうかと思います。お互いによくわかり合った上で採否いずれとも決定するということが一番よろしいのじゃないか。事務当局の調査の経過から申しましても、結局はやはり一ぺん御本人にお目にかかったほうがいいのじゃないかというふうな結論が事務当局から出ておりましたので、それじゃあひとつお目にかかるようにしたらいいじゃないかということを私は申したわけでございます。それがなかなかスムーズにいかないので、しかも、その間文部省と京都府との間のやりとりというふうなことがかなり新聞等にはいろいろな形で伝えられておる。そういうことが出れば出るほど、実はそんなむずかしい問題にしないで、一ぺんひとつあっさりと出て来られて、事務当局同士よく話し合いでもしたらどうなのか、というのが私どもの実は偽らざる心持ちであります。非常にそこらがこじれてきているというところにまた結論が得にくい大きな原因がある。私はざっくばらんに申し上げまして、そういうふうな気持ちもしてならないのであります。もう少しそこの間に協調的な気持ちで、何かえこじにならないで、問題の処理に向かって協力していただけるならばたいへん好都合だと思うのであります。次第次第に、地方の事情を新聞あたりで見ますと、またにぎやかなことになっておったり、実は率直に申し上げまして私、非常にやりにくくなってきたような気持ちがしてしょうがないのであります。いずれにしましても最終的な結論は私がつける問題でありますし、取引の材料にこの人事を使うという、そういうみみっちい考え方はいたしておりませんけれども、人事を慎重にするためには一度お目にかかりたいというわれわれの事務当局の希望も、京都の教育委員会においては積極的に考えてほしい、こういうふうな気持ちがいたしております。どうもこれは困るとかいうふうなことではね返されておったのでは、これは前進がなかなかむずかしいというふうに思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 いろいろ大臣がお述べになりましたが、要約いたしますと、京都府教育委員会のしている教育行政は文部省の考えていることと必ずしもしっくりいっていない。しかし、人事にかこつけて文部省のほうの考えを押しつけるというようなそういうみみっちいというか、きたならしいというか、いやらしいことは考えていない、こうおっしゃる。これは、大臣は行政官としてはたいへん長い経験をお積みですから、それですらっと通っているようですけれども、一般の素朴な国民は、私を含めて、そういうのはやはり言いのがれとしてしか思われないのです、常識で考えてですよ。お話を聞けば、たいしたことではなかったのだ、ちょっとした行き違いからばかに問題が大きくなっちゃった。すぐ承認をして問題を解決して、それで指導するならしたらいいじゃないですか。ですから、口ではそうおっしゃるけれども、やはり何かことでチェックしようという、つまり権力的な政治的意図があるというふうにとられるのは、とるほうが悪いのじゃなくて、これはあたりまえじゃないでしょうか、それが常識というものじゃないでしょうか。  もう一つは、京都と文部省とがしっくりいってないこと即文部省が正しくて京都のほうが悪いのだということにはならない。これはならないですね。私はどっちがいいとはここで言いません。もともとこれは文部省が正しくて京都が悪いのだというふうにはならないのですから。そうして教育長の任命権は、先日も申し上げたとおり、厳として京都府教育委員会にある、これはお認めになっている。その淵源は京都府民の意思である。憲法が厳粛に保障している地方自治の本旨であり、また戦後の民主的な教育制度の根幹をなしました前の教育委員会制度、そうしてその精神を決して没却していないということで提案されてまいりました現在の地方教育行政組織法、この精神からいきまして、もしこの申請に疑義があるならば当然これは教育委員会に向かってなさるべきであって、政府文部省みずからが直接首実検をするということは、あの法律の趣旨ではないのです。これは明々白々たる事実です。それを何でそういうふうに渋るのか。常識論としてはわかりますよ。まあ一応顔ぐらい知っておきたいのです、ちょっと文部省としっくりいかないのだからどんな人か見ておきたい、それは常識論としてはわかるけれども、これを何か必須条件のようにして持ち出すから、来ないうちは承認しないのだということにいたけだかになったのは、もともと京都府教育委員会ではなくて文部省ではないですか。まあひいき目に見ても、少なくとも一方的でなくて双方でしょう。そうだったら、まずこれは最高責任者の文部大臣が解きほぐす責任があると思うのです。私は、従来の法規の精神からいって、どうしてもここで人事にかこつけて承認を渋っておるということは正しくないと思いますけれども、もう一ぺん大臣、率直に、まあたいしたことではなかったのだけれどもちょっとまずくなったのだ、こういうことではなしに——もしそうであるならば、すみやかにこの承認をして解決して、そのあとでまたいろいろお話があればやったらいいと思うのです。もし教育委員会自身に文部省として注文をつけたかったならば、それは教育委員会になさるべきだ。京都府教育委員会が憲法や教育基本法やその他の教育諸法規に明瞭に違反したようなことをやっているのですか、やっているとすれば、それを見過ごしている文部大臣は責任重大です。法の管囲内の制度運用の中で、多少地域性に立って、住民の諸要求に立ってやっている教育行政が、文部省としっくりいっていないからといって向こうが悪いと直ちにきめつけるとすれば、これはおかしなことだと思うのですね。これは文教行政の基本姿勢にかかる問題です。その点について大臣、もう一度、単にことばのやりとりでなく、率直に日本の地方教育というもの、国民教育というものが正しく運営されるにはどうしたらいいかという意味で、ひとつお答えいただきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 その辺になりますと、長谷川さんとやや意見を異にしているところもあるように思うのであります。教育長の任命はもちろん教育委員会の権限であります。しかし、この任命行為というものは文部省の承認ということが伴わなければできない話です。つまり京都のほうがもちろんイニシアチブをおとりになるわけでありますが、文部省と意思が合致しなければこの任命ということができないたてまえになっているわけでありますので、任命権はもちろん尊重しなければなりませんけれども、同時に、承認権というものも、その意味におきましてはどちらが上だとか下だとかいう問題ではなくて、両方が合わなければ任命ができないというのが現在の法のたてまえになっているわけでありまして、私は、法律論をかれこれ言うつもりはございませんけれども、そういうたてまえのものであることはひとつ御承知を願いたいと思うのであります。(長谷川(正)委員「それは絶対重要だ、対等だと言ったら重大な問題ですよ」と呼ぶ)条文を読んでごらんなさい、法律論からいえば、そうすればよくわかる問題であります。そういう問題でございますから、誤解のないようにお願い申し上げたいと思うのです。私に与えられましたこの承認という義務を、仕事を、責任を持ってやっていかなければならぬ。その責任を果たす上において必要な調査だけはしていかなければならぬということを御承知を願いたいと思います。決して余分なこと、むだなことをやっておるわけではないつもりで私はおるわけであります。あくまでも私に与えられた承認という仕事をまじめに責任を持ってやりますためには、ということで今日まで推移してきておるわけでありますから、そういうふうにひとつ御了承願いたいと思うのであります。  また、この経過におきましていろいろなやりとりがあったというふうなことについては、直接その話をしました初中局長から御説明申し上げさせてよろしいと思うのであります。私どもといたしまして、もちろん相手方は京都の委員会であります。京都の委員会が相手方であることはもちろんでありますけれども、問題になっておるのは個人である教育長の候補者である。その候補者がどういう方であろうかというふうなことについては、候補者自身について必要があればひとつ調査をするということもあり得ることというふうに思うわけであります。お話の相手はもちろん教育委員会であることは当然のことであります。候補者を相手にして承認するとかしないとかいう問題が出てくるはずのものじゃございません。その点は、われわれも教育委員会相手にお話をしているつもりでございます。教育委員会相手にお話をいたしまして、ひとつ教育長を上京さしていただきたいということは、教育委員会から実は断わられておるというのが今日の状況でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私は、大臣はたいへん重要なことを言われたと思います。いまの大臣の御答弁だと、各都道府県の教育長の任命権というものは、必ず大臣の承認ということが伴うんだから、これは同等なんだ、上下の関係もなければ同等なんだとなると、事実上各都道府県教育長の任命権は文部大臣が全部握っている、こういうことになりますが、そうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 各都道府県が任命権を行使いたします場合には、文部大臣の承認というものが一つの要件になるわけです。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 要件というか、それでは結局決定権と同じじゃないですか。承認ということばを使っているのは任命権ではないのでしょう。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 任命権そのものではございませんけれども、その任命をするためには、文部大臣の承認がなければその任命権の行使ができないということであります。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 ここに文部省の、あるいは自民党の文教政策の、教育の国家統制ということをあの法律がやはりねらったということをここではっきり証明してきたわけです。当時の提案説明や審議の過程における清瀬文部大臣の説明などはどこかへすっ飛んだということは明らかです。それだけではないのです。やはりこれは確かに形式的にはあなたの言うことが私はわかるのです。そういう矛盾をはらんだ法律なんですよ、これが。だからこれは法律としてまずいのです。いま笑っている人は全然国会の権威も何も知らないのです。文部大臣、あなたにお伺いしますがね。臨時行政調査会、それから地方制度調査会、ここでこの問題は非常に論議をされて、明確な答申がなされている。意見まで出されている。これはもうとっくに政府は法律改正しなければいけないはずですよ。今日までサボってきているんですよ。それを逆にまた乱用するなんということは絶対に許せない。申し上げましょうか、知らぬのでしょう。いま笑った人は何んです。臨調というのは、御承知のとおり戦後行政改革についてはずいぶんいろいろやってきました。昭和三十六年の第五次のこの審議会で、これは抜本的にもっと権威のある機関を持って改革をしなければだめだということになって、そうして政府提案でこれが三十八国会、三十九国会まで持ち越されて、圧倒的多数をもってこの調査会をつくる法案が成立をして、そうして三十七年の二月から発足をしまして、二年七カ月もあらゆる資料を求め、あるいは国民の声も聞きながら、この権威ある存在として国会の決議に基づいた調査会が、最後に結論を出して三十九年の九月に答申をしております。その中に、特に行政事務の配分に関する改革意見の中に、これは一貫して行政改革の、特に中央地方の関係において、戦後知事・市長の公選制によって中央政府が地方を信用しない、それに対して地方はまた中央を信用しないという、この不信感から出る行政の非常な繁雑さというものが、改革の中で一番先にメスをふるわなければならないことだということは、これは行政改革全般にわたっての思想です。そしてこれは七人の権威ある委員が一致してつくった報告ですよ。その中の行政事務の再配分の一番トップですよ。しかも教育関係ではほとんどこれ一つといってよい。厳密にいえば二つの事項ですけれども……。全文を私読んでみます。これは「III勧告」というところにあるのです。  1 行政事務の具体的再配分   行政事務再配分に関する基本的方針に従い、主要な行政分野に関し、国および地方公共団体に再配分すべき行政事務を具体的に示すと次のとおりである。  (1)教育関係   教育行政については、現在、義務教育の第一の責任を市町村としており、国および都道府県は若干の権限を保留するにとどまっている。しかし、地方公共団体がなお一層自主的に教育行政を行なうために、教育長の任命について、市町村の場合における都道府県教育委員会、都道府県の場合における文部大臣の承認制度を廃止すべきである。明確に書いてある。いかがですか、これは総理大臣に答申されているんでしょう。臨時行政調査会のこの答申というものを政府は尊重しないのですか。文部大臣はこれについてどうお考えですか。  それだけではないのです。その次にさらに地方制度調査会、ここでも「行政事務再配分に関する第2次答申」が四十年九月十日に出ています。その第1の八の「教育行政」、そしてその1として「教育委員会(地方教育行政の組織及び運営に関する法律)(関与是正)」の問題としてこう書いてあります。   都道府県教育委員会が教育長を任命する場合は国の承認を、また、市町村教育委員会が教育長を任命する場合は都道府県教育委員会の承認を要することになっているが、この承認制は廃止することとする。 となっているのです。こういう答申が出ている。そもそもこの法律がおかしかったのです。しかし、あのときは何とかごまかして通した。だから、いまこうしてちゃんと国会が法律に基づいてつくったこういう調査会が、権威のある報告をそれぞれ出しているのです。それについてなぜ文部省は直接担当としてこの法の改正を提案しなかったのか。また、それを総理大臣はなぜ指示しなかったのか。これは重要な問題ですよ。文部大臣にその見解を伺います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 各種諮問機関の答申は、それぞれ御努力の結果出されたものでありますから、原則としてこれを尊重することは当然のことと思いますけれども、何もかも答申どおりにしなければならぬというものでもないと私は思います。従来からそういう例はたくさんあることでございます。したがって、その問題については、いまこれを改正しようとかなんとかいうふうなことは考えておりません。  また、つけ加えて申し上げますが、私は先ほど少ししゃちこばったことを申し上げたようでございます。法律論としては、そういうことになるのであります。しかし、法律論を振り回してかれこれやるというふうなことはあまり好ましいこととは私は思いませんけれども、お前の権限はどうなんだ、こうおっしゃられれば、法律上はこういうことになりますよ、ということを申し上げるわけであります。そういう点もありますので、従来から、この種の人事をやりますときには、行き違いのないように、妙なことにならないようにということで、事前の打ち合わせを十分遂げられた上で承認ということが行なわれてきておるというのがいままでの多くの例であろうと思うわけでございます。今回は、先ほど申しましたように、スタートからいささか出方がまずかったと申しますか、不幸な経過をたどってきたような気がするということを私は申しておるわけでございますけれども、何にしましても、やはり、ただ地方の教育委員会が言ってこられたら、それはそのまま何でもかんでものまなくちゃならぬというのなら、ここに承認という字を国会の意思においてお書きになりました理由はないと私は思います。事柄は、もちろん平素しゃちこばらないでものが片づくようにやっていかなくちゃならぬと思いますけれども、しかし、必要があれば、やはりこの承認を間違いのないようにする意味において検討を重ねても、これは許されることじゃないか、このように私は思っておるわけでございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣はたいへんやわらかくおっしゃるときは、私はそれでけっこうだと思うのですけれども、えこじになっているのは大臣のほうじゃないですか。しかし、私はいま二つの問題を提起しているのです。一つは、私も、とにかくこれはもう改正されるべき法であるけれども、現にそれが法としてまだ生きているということは認めるのです。したがって、文部大臣が承認するという項がないとは言っていないのです。しかし、それは最小限度の関与であってしかるべきだということを言っているのです。それから、全然めくら判を押せとは言っていない。多少何か疑義があれば、その責任があるから、仰せになることも私は全部否定しているわけじゃないのです。しかし、それはあくまで責任ある機関が承認を申請してきたのだから、聞くことがあればそこに聞くのがたてまえじゃないかということを申し上げた。それはやられているじゃありませんか。ですから、そこでどうしても悪いことがあって承認しないというなら、ひとつはっきりしていただきたい。  それからもう一つは、再三あなたは、そういう審議会や調査会、こういうものは、いろんな御意見が出るのだけれども、聞きおく程度だ。政府の態度はそんな軽視した態度なんですか。そうならば、私は佐藤総理大臣の出席を求めます。佐藤総理大臣の出席を求めます、委員長。私は、こういうものに対して、特に臨時行政調査会などは非常な重要な意義を持って、権威を持たせて、国会がきめて、法律をつくって、発足したものですよ。それをそんな軽く扱うということであれば、私は納得できない。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 決して軽く扱うつもりはございません。先ほどのお答えもそういうつもりで申し上げたわけではございません。政府がお願いをして、そして多数の方が努力をして出された答申でございますから、原則としてこれを尊重するのは当然のことだということを申し上げておるわけでございます。しかしまた、御答申を一々何から何まで政府が採用しなければならぬということもないであろう、これは従来からもそういう例がある。諮問機関の答申は全部そっくりそのまま政府が採用しなければならぬというふうにも私は思っておりませんけれども、原則論としては、これを尊重するのは当然のことだと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 ちょっと議事進行。  いまお聞きしておりますと、これはたいへん重要な問題だと思います。この臨調の答申を受けた、その管轄をしておる総理府の長官かあるいは行政管理庁長官が、文部省に対して、この項目についてどういうような指示をしたのか、どういう連絡をしたのか、それを実は明らかにしたいと思います。文部省が単に勧告の中には尊重するものもあるし、やらぬでもいいものもあるというような考え方に立っておるのか、あるいは何ら臨調の答申を受けたときにやっていないのか。実は答申があると、その責任者は、それぞれの官庁に対して指示するはずです。そこで、これはぜひ呼んでいただいて、この場で、いまの長谷川委員の質問に対して明らかにしてもらいたい。でなければ、これは重大なる問題を含んでおると思いますので、議事進行として私はお願いします。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私は、いまのことはどうしても明らかにしてもらいたいのです。なぜかというと、これは私さっき申し上げたとおり、最終的には、こういうことの大事な決定権は京都府民にその根源を持つのですよ。それで実は今朝の朝日を見ますと、こういう報道がなされている。「京都府議会は十四日夜、本会議を開き、府教育長の文相承認問題について、文部省と自民党に抗議する社共両党、純政会三派の共同提案による決議案を可決した。決議文は「承認がいままで遅れていることは明らかに憲法と教育基本法に違反し、地方自治権の侵害である」とし、さらに「これは一部政党の不当介入に起因する」として、自民党に対する抗議の意思を表明している。」こういう報道がなされております。おそらくおっつけこれは自民党並びに文部大臣のところに届けられると思いますけれども、こういうような事態になってくる根源は、いま私が指摘したように、こういう権威ある臨時行政調査会でも、あるいは地方制度調査会でも答申がなされておる。これについて大臣の御答弁は、尊重すると言いながら、ただ一般論を言っただけで、具体的に一つも答えていない。ですから私も、川村委員がいま議事進行で申されましたように、どうしても総理以下関係大臣の出席を求めて、この点を明らかにしない限り、先へ進めません。

川村継義日本社会党

○川村委員 議事進行。  いま私が議事進行でお願いしたでしょう。臨調の答申、地方制度調査会の答申には、このような承認というのははずしなさいと書いてある。その答申を受けているはずです。それを文部省はやっていない。いま問題になっておるところの任命権と承認の問題との論争というものは、へたすると平行線をたどる。政府がこれに対して一体どう対処しておるかということを聞かなければならない。そうなると、これは臨調の答申を受けたところの責任者、総理大臣あるいは管理庁長官、総務長官、責任者は必ず関係の各省に対して何らかの指示をしているはずです。それがやってあるかないか、これも明らかにしなければならぬ。受けて文部省がやらぬのか、受けたけれどもほおかむりしているのか、受けていないのか、そういう点を明白にしたあとでないと、論争はできない。だから、ぜひその点を取り上げて明らかにしてやっていただきたい。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 川村君に申し上げますが、ただいまの川村君の御発言、これは後刻理事会で取り扱いを協議することにいたしまして、長谷川君の御質問をひとつ続けていただきたい。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それは納得できません。これは日本の教育行政の基本にかかわる問題ですよ。この問題をこんな形でいいかげんにされてはだめです。それでは、この委員会でやっていけないなら、いま直ちに理事会を開いてください。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 議事進行について。  いまのお話は、委員長の言うとおり、理事会においてあとでその点は懇談することがけっこうですが、大臣のおっしゃっていることははっきりしていると思うのですよ。臨調の答申は尊重はするけれども、しかし、何から何まで全部やらなければならないということではない。しかし、この問題についてやはり文部省でも検討はしていると私は思いますが、その点ははっきりしているので、したがって、内閣に出された答申についてですから、文教については大臣が答弁されて足りると私は思うのです。   〔発言する者あり〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 この際、文部大臣より発言を求められております。これを許します。灘尾文部大臣。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 先ほどの御質問に対する私のお答えが不十分な点があったように思います。補足させていただきたいと思います。  臨調ないしは地方制度調査会の答申が政府に出されました場合には、関係各省に対して、こういう答申があったという通達がくるわけでありまして、各省としましては、それを拝見いたしましていろいろ検討するわけでございます。もちろん、先ほど申しましたように、答申の趣旨は原則として尊重すべきものではございますけれども、各省の立場においていろいろ検討した結果、必ずしもそのとおりにいかない場合もある。これは御承知のとおりの例がたくさんあると思うのであります。  いまの教育長の承認に関する事項につきましては、文部省としましては、答申の通達を受けましたので、いろいろ検討をいたしたところでございます。まだその答申の趣旨に沿うべしという結論に到達いたしておらないということを私は補足して申し上げる次第でございます。手続としましては、そういうふうな通達を受けておる、そしてそれを検討した。そういうことでございますから、そのように御了承いただきたいと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それでは再度お尋ねしますが、答申は通知を受けた、そして検討したけれども、沿うべしという結論にならない。そうすると、文部省に関する件に関しては答申は尊重できない、こういうことですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 今日までの検討の経過といたしましては、そういう結論に到達しておらぬということを申し上げておるわけであります。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 表面はどうありましょうとも、こういう答申は無視するという態度で今日まで来ておるというふうに受け取らざるを得ない。そうであれば、私は再度これは総理大臣並びに行政管理庁長官の出席を求めて、この臨調あるいは地方制度調査会の答申についての基本的な態度をたださないうちは——これは日本の教育行政の根幹をなす問題ですから、私はそれを要求します。

川村継義日本社会党

○川村委員 関連。いま長谷川委員が要求されておるのは、私はもっともだと思うのです。いま大臣がおっしゃったように、答申は受けた、検討をしておる。しかし、これを法制化する等の、言うならば結論にまだ達していない。答申というものはやはり尊重するというのがたてまえでなければならぬ。ところが、先ほど大臣の答弁をお聞きしておりますと、いわゆる任命、承認について、全く高飛車ないわゆる現行法そのものの解釈というものを持っておられる。この答申を尊重するということがあれば、行政的運用においても、承認というものは任命というのが中心となって考えらるべきであって、決して大臣のさきのような答弁は生まれてこないのではないか。私は、大臣のようなりっぱなお方がそういう偏見を持たないと思うのです。ところが、さっきの大臣の答弁を聞いてみると、どうも承認をはずせという答申を全く無視しておるというような文部省の態度であると言わざるを得ません。そこで長谷川さんが当然これは要求なさることだと思います。ぜひ委員長においてそのように取り計らっていただくことを私はお願いをするわけであります。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○灘尾国務大臣 答申を無視したというふうに仰せになるのは、少しおことばが強いんじゃないかと私は思います。各種の諮問機関の答申は、先ほど来申しておりますように尊重するのがたてまえでございますけれども、さて現実に責任ある政府として何かのことをするということになりますれば、やはり十分検討の上においてその答申を採用すべきであるかどうであるかとか、あるいはどこか変更する必要はないかとか、こういうことを政府が検討するのは当然のことでもあるし、従来もそういうふうな扱いをしてきておると私は思うのであります。これを無視した、こうおっしゃるのは少しおことばが強いんじゃないかと思います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣の御答弁でありますが、私は、三十九年に答申が出、さらに四十年に答申が出て、今日まで放置してあるということ自体、無視しておるというふうに解釈されてもやむを得ないと思う。特に今回の京都の問題を考えますと、全くこの答申の精神を尊重していないばかりか、これを無視しているというふうに断定されてもしかたがないんじゃないでしょうか。だから、もう私は大臣に伺うよりも、これはこの答申を受けた総理大臣が一体どういうお考えでこの答申を受けているのか、また、直接の担当者である行政管理庁長官は一体これをどういうふうに受け、文部省の態度に対してどういう指導と申しますか、要請と申しますか、そういうことをしたのか。その間二年以上たっておるのですから、もう四年目になっておりますね、臨調のほうからいえば。しかも、これには相当の経費がかかるとか、相当の準備期間が要るとかいう問題であればまた了といたしますが、これはやろうと思えば決してむずかいし問題ではない。また、もし法改正について若干の手続その他で時間がかかるとすれば、その間は運用面で少なくともこの答申は最高度に生かされるべきであると思うのです、尊重しておるなら。それと全く相反する現象の露呈したのが今日の京都の教育長問題である。したがって、私は大臣の御答弁はもうそれでわかりました。おそらくこれから何回大臣と押し問答してもそれ以上出ないと思う。これは国会の権威にかけても、私は総理大臣並びに行政管理庁長官の出席を求めて、この問題についてただしたい。それが私の責任である、また私に与えられてある権限である、こういう立場で要求をいたします。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 ちょっと理事会を開きますから、暫時休憩いたします。    午後零時四十六分休憩      ————◇—————    午後一時四分開議

高見三郎自由民主党

○高見委員長 休憩前に引き続きまして会議を開きます。  長谷川君の質疑を留保いたしまして、本日はこれにて散会いたします。次回は公報をもってお知らせ申し上げます。    午後一時五分散会

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