物価問題等に関する特別委員会 第12号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/05/16
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
○砂田委員 薬務局長に伺っておきたいと思います。 消費者保護基本法案が、御承知のように参議院の物価の委員会で審議をされておりますが、当委員会でこの消費者保護基本法案を採決いたしましたときに決議をしております。その一つの項目にこういうことをわれわれは決議をしたのです。「薬事法については、その規定する医薬品について、既許可のものであっても予期せざる副作用が発生した場合には、すみやかにその情報を把握し、製造、販売の停止等必要な措置がただちに講ぜられるような体制を整備すること。」こういう決議をしたのでございますが、きわめて最近の新聞の報道によりますと、クロマイのことが問題になっている。これは五月十三日の朝日新聞で私は見たのですが、アメリカ政府のFDAが十二日に医師、病院に対して、抗生物質のクロラムフェニコールの危険性について、非常な警告をしたことを明らかにした。妊娠中、授乳中の婦人がこれを飲むと白血病、貧血のおそれがある。そういう注意を要請をしているのでありますが、私どもが決議をいたしました薬事法についての「予期せざる副作用が発生した場合」、全く予期しなかった副作用であるのか若干予期をされた副作用であるのか、薬品にしろうとの私はそこら辺のところはちょっとわかりませんが、いずれにいたしましてもアメリカでは、一九五二年以来、薬剤のレッテルには、この薬品を使用すると重症場合によっては致命的な血液の病気を起こすおそれがあるということが、その薬品には明示されているようでございます。 そこで、こういう情報をキャッチされた厚生省としてはどういうふうな措置をなされましたか。その後の新聞報道では若干承知をしておりますけれども、ひとつ当委員会に、消費者保護基本法を議決いたしましたこの委員会でもございますし、この問題についての厚生省のなさった措置を、表示の問題も含めて詳細に報告をしていただきたい。
○坂元政府委員 お尋ねのクロラムフェニコールの使用についてのアメリカのFDAが医療機関等に警告を発したということが、五月十三日の午後AP通信によりまして情報が入ったわけでございます。そこで私どもとしましては、さっそく必要な措置を講じたわけでございます。 その第一点は、このAP通信の情報ということは、いま先生もお述べになりましたようにやや抽象的に書いてありますので、これの詳細な情報を早急にキャッチしたいということで、厚生省からさっそくその日の夜、アメリカ連邦政府FDA当局に対して、電信をもちましてそのような詳細なデータの入手について依頼をいたしました。と同時に、また外務省に対しまして、在外公館を通じまして、同じような旨の情報を早急に提供してほしいという旨の公式文書を外務省当局にお願いをいたしたわけであります。これが当日の措置の第一点でございます。 それからその翌日、さっそく私どものほうで扱っております中央薬事審議会の副作用調査会というものを緊急に開催いたしまして、学識経験者の方に、そのような情報の確度及びそのような事実がどういうような根拠に基づいて出てきているかというような点について国内学者の立場から意見交換をし、結論を出していただくようにお願いをいたしたわけでございます。このような調査会の結論は新聞等にも出ているとおりでございます。 簡単に申し上げますと、このAP通信だけでは正確な情報でないので、さらにより詳細なデータを早急にとらないと日本の現状においては的確な判断ができない。したがって、国際間の情報を早急にとってほしいということが一つ。同時にまた、国内的には、先生もお述べになりましたように、白血病なり何なりの重篤な副作用がいままでのところ日本の国内には出ていないわけてございます。若干の予期しているような副作用、つまり胃腸障害なりあるいは下痢等のそういう障害は最初から予期していたわけでございますが、AP通信に述べられているような重篤な副作用というものは、国内的にまだ現在そういう事例が見られていないというようなこともございまして、国内的なデータをもう少し調べるという意味において国内調査というものを早急にやっていきたい。このために専門の方に集まってもらいまして、調査方法の検討から始まりまして、国内的な調査の体制を早急につくり上げていくというのが、十四日の副作用調査会の結論でございます。これが第二の点でございます。 それから第三の措置としましては、調査会でそのような結論が出ましたので、さっそくその日のうちに厚生省から各都道府県知事及び関係業界に対しまして、クロムラフェニコールを含めましていわゆる要指示医薬品の厳正なる販売実施、販売の点について法令の規定どおり厳正にやっていくという旨の警告を、重ねて当日の夜出したわけでございます。 そういうようなことが、今日までわれわれ厚生省当局が実施したおもな措置でございます。いずれ早急にデータを集めまして、国内的な副作用の対策を研究してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○砂田委員 たいへん早くいろいろ措置を講じておられるのはまことにけっこうだと思うのです。消費者保護基本法案を審議いたしたときも、どうも現行薬事法が、薬を承認するまでのいろいろな手続等非常に厳格に規定をしておられるけれども、一ぺん承認してしまったものがそれこそ予期せざる副作用があった場合に、それを取り消すとか、そういった体制固めができていない現行法というふうな感じをわれわれ持っていたものですから、そういうことを当時薬務局長からいろいろ御意見も伺ったわけですが、アメリカのFDAからこういう警告が出ております事実からして、この問題はまだ副作用調査会でのとりあえずの結論しか出ていないようですが、国内的な副作用モニターの制度もつくられたことでございますから、早急にそういった制度を利用されて、万全の措置をひとつ緊急にとっていただきたい。 もう一つだけ伺っておきたいと思うのですが、日本の国内では重症な血液症がいままで出てきていないからというようなことで——アメリカでは一九五二年以来表示をさせておりますね。そういうことはわが国ではやっておられないと思うのですが、こういったことについては、国内ではいままで事例が出ていないから、十分な国内での調査が済むまではそのままにしておいていいかどうか、私どもはちょっと不安に思うのです。こういう表示をするということの新聞報道がちょっと伝わっているようですが、とりあえずのところは、何かそういう措置はなさいませんか。
○坂元政府委員 後段のほうからまず申し上げます。クロラムフェニコールについての注意書き等については、現在まで、クロラムフェニコールについては白血病等の重症な副作用というのはなかったわけでございます。したがいまして、ごく一般的な、先ほど申し上げましたような程度の副作用があるということは注意書き等に書いて言っているわけでありますが、アメリカの政府の警告等もございまして、実は当日の副作用調査会でも、この注意書きを早急に書かせることについて一応議論していただいたわけであります。ところが、何ぶんにも十四日の現時点においてはまだ十分な情報がわからないので、早急に今日の段階においてこのような注意書きを記載させるということについては、まだ調査会としては踏み切れない。しかしながら、早急に情報を求めまして、その情報に基づきまして副作用等についての注意書きを記載させるということについては、ぜひやる必要があるというような御意見でございますし、私どもとしては、今週の十八日に第一回の調査会がまたございますので、そこらあたりの意見を参考にいたしまして、早急に添付文書についての注意書きを書かせるかどうか判断をいたしたい、かように思っているわけでございます。 それから、最初に御指摘の副作用の体制の問題は、私どもが現在やっておりますのは、モニター制度が第一点でございます。それから、昨年の十月以降新しく許可した医薬品について、二年間の副作用の報告義務というものをメーカーに課するようにしたということで、二、三日前にも一新聞に出ておりましたような措置を、現在、昨年の十月以降とっておる。このモニター制度とそれから副作用の二年間の報告義務というようなものと、両両相まちまして副作用の体制を早急に整備してまいりたい、かようにいま思っておるわけでございます。
○砂田委員 終わります。
○八百板委員長 武部文君。
○武部委員 去る九日の当委員会におきまして、酒、ピール、ウイスキー、こうしたものの値上げの問題についていろいろ質疑を行なったわけであります。特に酒の再値上げの問題についていろいろ国税庁の意見、あるいは経済企画庁の意見等を承ったわけであります。 そこで最初に、前回保留になっておりました公正取引委員会の見解をお伺いしたいわけでありますが、あの席上では委員長は退席になっておりまして、事務局長が出席をされておりました。そこでいろいろ論議が行なわれました際に、私どものほうから、国税庁の行政指導に関連をする共同行為、このことと独禁法との関係、したがって今回の一連の再値上げは独禁法違反ではないか、こういう質問を行なったのでございますが、これに対しては本日の委員会で公取の統一見解をひとつ示してもらいたいということにしておりましたので、最初に公取の委員長のほうからこの問題について見解をひとつ述べていただきたいと思います。
○山田政府委員 お答え申し上げます。 もともと行政指導は、役所におかれまして個々の業者に対して行なわれるたてまえでございますので、それ自体につきましては、独占禁止法に直ちに違反をいたすということにはならないわけでうざいます。もともと独占禁止法は、事業者または事業者団体を規制いたす法律でございます。したがいまして、個々の事業者または事業者団体が役所の行政指導を受けて、たまたまその結果がある水準になったということは、違法にはならないと考えるわけでございます。ただ、昔例がありましたように聞いておるのでございますが、形式だけ行政指導であるような形をとりまして、実質においては事業者団体において価格協定をいたした、あるいは生産協定をいたしたとかいう場合には、これは実質的に独占禁止法に違反をする、かようなことに相なるかと思うのでございます。
○武部委員 あとで具体的に質問をいたしますが、この問題が起きてから、公正取引委員会としては国税庁に対して、この再値上げの経過について聴取をされた上でのいまの答弁でございますか。
○山田政府委員 この前の御質問のありましたときよりも前であったかと記憶いたすのでありますが、事情の御説明を十分伺いましたわけでございます。
○武部委員 いまの御答弁によりますと、九日の前にそういうことを国税庁から聞いた、そのことについていまの御答弁だった、こうおっしゃったわけですね。五月十一日の報道によりますと、九日の当委員会の翌日の十日に、公正取引委員会は国税庁を呼んでその間の事情を聞いておる、こういう報道がなされておりますが、いまの御発言と違うようですが、どうでしょう。
○山田政府委員 その報道は事実に反しております。
○武部委員 それでは、公取の見解についてはあとで具体的にさらに御質問いたしたいと思います。 そこで、国税庁にお伺いをいたしますが、去る五月九日の当委員会における再値上げの、いわゆる価格報告書なるものが各税務署に出ておる数字として、百四十七業者という数字をお示しになりました。今日の一番新しい段階で、各業者から価格報告書なるものが出ておる数は一体幾らくらいになりましょう。
○高柳政府委員 五月十五日現在で、税務署に出ている報告書は七百五十五件でございます。
○武部委員 前回私どもが指摘したように、矢つぎばやにおそらく出てくるだろう。前回の数字でも、国税庁が言われましたように三千六百五十六の業者がある。非常にテンポが早くなって、おそらく全業者が一斉に報告書を提出するだろうということを私ども一予測しておったわけでありますが、いまの報告を聞きますと、一週間足らずのうちに百四十七が七百五十五になっておる。おそらく今日も、ただいまも相次いでそういう報告書が各税務署に出されておると思うのであります。そこで、いろいろ行政指導について国税庁の見解なりあるいは企画庁の見解を承ったのでありますが、大手の、たとえば灘とか伏見だとか、そういう大手の報告書なるものはどの程度でございますか。
○高柳政府委員 いわゆる大手というのがどの程度までを言うかわかりませんが、灘、伏見という関係からお答えいたしますと、ただいま申し上げました七百五十五の届け出のうち、大阪国税局管内の報告書は三十三件でございますので、この三十三件の中に、世間の方が御承知のような大きなメーカーというものが入ってまいるように思います。
○武部委員 それでは、先ほど公取の委員長から事業者団体ということがございました。私、お伺いをいたしたいのは、酒造業者の組合、そういうものはどういう仕組みになっておるのか。たとえば、全国に一つの大きな団体があって、その団体には各府県の業者が——どこの県も、私の県もそうですか、町には酒造組合というのがあります。たとえば、県庁の所在地には何々県の酒造組合連合会というものがある。そしてその上へずっときて、中央に一つの団体があるというようにほぼ推定されますが、どのような仕組みになっているかということをお伺いしたい。
○高柳政府委員 大体お話しのような状況でございまして、税務署の管轄しておる製造業者ごとに一つの地区の清酒の組合がございます。それから、県単位でその組合の連合会がございます。さらに全国を一丸とした連合会が、日本酒の場合でございますが、日本酒造組合中央会、こういう連合会がございます。
○武部委員 そうすると、このように理解していいわけですね。各税務署の管轄ごとに——私がこれから申し上げるのは清酒です、酒造組合があって、県単位に連合会があって、そのまとまったものが中央の日本酒造組合中央会というものだというふうに理解してよろしゅうございますね。
○高柳政府委員 原則はお話しのとおりでございますが、若干例外もございます。その例外と申しますのは、税務署単位に酒造業者が非常に少ないような場合には他の管内と合併するとか、特殊な大きな団体だけで地区的につくっている組合も若干ございます。
○武部委員 そういたしますと、三千六百五十六の業者があるわけですが、日本酒造組合中央会に加盟しておる業者は三千六百五十六業者のうち幾らですか。
○佐藤説明員 日本酒造組合中央会の構成者となっておるものは、清酒製造者では三千六百四十一でございます。そのほかに、しょうちゅう乙類製造者四百十、みりん二種製造は四十六、全部合わせますと四千九十七社になります。
○武部委員 それでわかりましたが、三千六百五十六のうち三千六百四十一が加盟をしておる。したがって、これはまず一〇〇%加盟しておるというふうに理解できるわけです。 そこで、行政指導のことについてお伺いをいたしたいのであります。このことについては、経済企画庁長官もいろいろ意見を述べておられたようであります。当日は次長はお見えになっておりませんでしたが、間税部長はその席におられてよく知っておられるわけです。私がお伺いをいたしたいのは、国税庁が行政指導なるものを行なっておる、こういうことでございました。そこで、まずその指導のやり方をお伺いするわけでありますが、その前に、九日にお示しになった、業者の側がコストアップを理由に、二級酒で四十七円九十七銭とちょっと聞いたわけでありますが、コストアップに基づいて四十七円九十七銭、これくらいは上げてもらわなければ困るという非常に強い要望があった、こういうことでありましたが、二級酒、一・八リットルが四十七円九十七銭コストアップの内訳を、この際説明していただきたい。
○佐藤説明員 これは各生産者段階、それから卸段階、小売り段階から、それぞれ現在の実情というようなものは大体こういうものであるということで出してきておる数字でありますけれども、メーカー段階で出てきておりますのは二十三円三銭、卸段階では九円四銭、これは卸業者のほうから実情を説明するために出ておる数字でありますが、小売り段階では、小売り業者のほうから出てきましたものは十五円九十銭、それを単純に集計いたしますといまのような数字になるということでございます。
○武部委員 メーカー二十三円三銭、卸九円四銭、小売り十五円九十銭、こういう数字が一応各サイドから出ておるとおっしゃった。そうすると、さっきの日本酒造組合中央会からは二十三円三銭、こういう金額があなたのほうに出たというふうに理解していいわけですね。そうすると、この卸とか小売りとかいうものは、それぞれまた連合会が全部中央にある、こういうふうに承知してよろしいわけですか。
○高柳政府委員 御質問のとおりでございます。
○武部委員 そうしますと、先般の御答弁によりますとこの金額を三十円にしたということをおっしゃったわけですが、四十七円九十七銭が三十円になったという根拠をお示しいただきたい。
○高柳政府委員 内訳については後ほど御説明いたしますが、三十円になったというふうに御理解いただくと私どもの考えと若干違いますので、補足させていただきます。 酒税法の値上げの段階でも長官から御答弁申し上げておりますが、値上げについては、合理的な範囲で国税庁としては指導をしてまいりたい。その国税庁が考える合理的な範囲と思われるコストの諸上がり等の計算をすればこういうふうな形になって、合わせて三十円程度が合理的な範囲ではないか、こういうふうに言っておるわけであります。 内容につきましては間税部長から……。
○佐藤説明員 これは先般も申し上げましたとおり、生産者段階につきましては約二十円程度、卸、小売り含めまして販売段階におきまして約十円程度ということでございます。
○武部委員 この三十円程度ということにした理由の中に、物価問題が非常にやかましいおりでもあるから、メーカーサイドの言うような四十七円九十七銭では物価に与える影響も大きい、したがって、国税庁としては三十円程度ということにした、こういう説明がありました。内容も、いまお聞きいたしますと二十円と、卸、小売りで十円の三十円、こういうことでわかりましたが、問題は、国税庁がどういう行政指導をして、各税務署に報告書なるものが行くといった場合に、おそらく、三十円を全部そのまま持ってきて、二級酒は三十円に上げますと言ってきたとは思えないのであります。それぞれのメーカーとしてはそれぞれコストは違うわけですから、そういう段階で報告書なるものを税務署へ持ってくる。そのときに、期せずして三十円というものが全国的に二級酒について一律に並んでおる。そのことはどういう経過をたどって、全国ばらばらになっておる税務署で、三十円がきちんと線をそろえてくるのか。これはどういう仕組みになっておるかということを説明していただきたい。
○高柳政府委員 製造業者といたしましては、いろいろな事情から、ただいまお話しのありましたように、値上げ幅を大きくしたいというのはやむを得ない点がありますが、役所の計算からいって大体メーカーの場合には二十円という線が出ておりますと、頭打ちの行政指導になっておりますので、それに近いような形で値上げの通知が行なわれていくのが実際だと思います。
○武部委員 端的にお伺いいたしますと、国税庁は各税務署に対して、製造業者からたとえばこれこれ、これだけ二級酒を上げたいという申請といいますか、相談があった場合には、二級酒については三十円の値上げ、これで大体話をして、それで業者を納得させようという行政指導をしておるというふうに理解してよろしゅうございますね。
○高柳政府委員 若干説明を要するかと思いますが、先ほどからお話の出ています製造業者からの価格はあくまでも建て値の報告でございますので、今回何月何日からこれこれの値段でうちの銘柄の酒を売りますという通知を税務署にいただくことになっているわけでございます。また、私たち内部のほうから税務署には、業界からこういう値上げの要望があるということは知らしておりますし、また、その値上げ幅について、国税庁として試算して、合理的な範囲と思われるものはこの程度が適当であると思うということも知らしてございます。そういたしますと、税務署のほうでそれを頭に置いて、業界の方々から届け出があったときにそれが著しく相違があるというふうな場合に、こちらとしても行政指導をするという意味合いからも一つのめどを与えているのであって、三十円でよろしゅうございますか、三十円でよろしゅうございます。こういう形の行政指導はいたしておりません。
○武部委員 私は結果から逆算をして話をしているのですが、結局あなたのほうは各税務署に対して、再値上げの動きがあるということはすでに御承知でしょうから、したがって、大体中央会等との話し合いの中で——これはもうあなた方は否定できないと思うのですよ、連合体があって、すでにいろんな意味において国税庁と中央会との間にはつながりがあるわけですから。その場合に、清酒の再値上げの動きはある。しかし、現実のいまの段階で、さっき申し上げたように、これこれこういうようなコストアップということを言っておるけれども、物価のいまの現状から見て、三十円程度が二級酒としては妥当な線である。したがって、そういう指導をあなたのほうは各税務署にやっておるというふうに理解できるでしょう。そういうことをおやりになっておるわけでしょう。税務署に対して通知を国税庁はお出しになっているでしょう。その点は否定できないと思う。そうすると、たまたまあなたがおっしゃるように、あるAというメーカーは五十円と言ったかもしれません。Bというメーカーは三十五円と言ったかもしれません。しかし、これが現実に、三十円に線がそろっているのですよ。全国どれを見ても二級だけは三十円なんですよ。特級酒については、五十円から七十五円という開きは確かにあります。しかし、現実に、おそらく七百五十五業者を全部お調べになったら、二級酒はみんな三十円だと思う。そうすると、あなたのほうと日本酒造組合中央会との間には、二級酒については三十円という話し合いがちゃんとついて、あなたのほうは税務署に御指導になり、酒造組合の中央会は、加盟の三千六百幾らの業者に対して二級酒は三十円という指導をされるから、四十円で持っていったって税務署で三十円と言えば、上からそう言われておるからというので、三十円でよろしゅうございますといって価格報告書を提出しておる。これがいまぴちっと線がそろっておる原因なんですよ。だれが見てもそう思えるのです。それを御否定なさいますか。
○高柳政府委員 まだ全体の一五%でございますから、全部がそうなっておるかどうかなんでございますが、全体の姿になったとき、はたしていまお話しのように三十円ポッキリで全部そろうかどうかというのは、必ずしもそうはならないのじゃないかと思うのであります。現在の値上げ以前の二級酒の小売り販売価格のばらつき等を見ましても、必ずしも全部が全部、同一の価格で売られているような状況ではないのが実情でございます。
○武部委員 私が言うように、特級酒なり一級酒については確かに全額に差があります。しかし、二級酒については差がないということについてはどうですか。差がありますか。
○高柳政府委員 二級酒についても差がございます。
○武部委員 どの程度の差ですか。
○高柳政府委員 昨年二月に値上げをいたしまして、ことしのようなケースに当てはまる一つの建て値が、五百五十円というのが一応の相場でございますが、それを形成しておるのは全体の七割五分程度でございます。あとの二割五分は、高いものも一あれば安いものもございます。
○武部委員 私が質問しておるのは、このたびの再値上げの二級酒の金額を聞いておるのですよ。前のじゃないのです。今回の五月一日からの酒税の引き上げ後における再値上げの価格報告書なるものは、二級酒については三十円以外に出たのがございますか。国税庁はそういう点を知っていますか。
○高柳政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、ただいま出ておる件数は七百七十五でございまして、まだ全体の姿を見ていないので、見ないと全部が全部一斉に同一の額になるということは言いがたい、こうお答えしたわけであります。
○武部委員 わかりました。わかりましたが、七百七十五業者については三十円なんでしょう。その点はどうなんですか。
○佐藤説明員 業界のいろいろな実情からしますと、相当大きなコストアップの事情があるということが一般にいわれております。私どものほうとしては、値上げ幅につきまして合理的な計算をいろいろいたしました。これは過去の値上げの場合も同じようなことでありますけれども、特に二級酒につきましては全体の中に占める割合が非常に大きい。そういう点からして、値上げ幅は極力押えてまいりたい。低物価政策の観点もございますし、そういうことで値上げ幅の点については、先ほど申し上げましたように三十円程度ということでやっておりますので、二級酒につきましては、それ以上に出てくるようなものがありましてもそのようなところで、過去においてもそういうことが行なわれております関係上、最初に三十円ということで福達磨、秋田誉も出てきておりますから、そういうことで、あとのものは大体その程度のものであるということが出てまいりますし、役所のほうとしては、そういう動きが出てまいりましたあと今後の指導の面もありますので、内々に税務署のほうにはこの程度のものでチェックするようにということを言っておるわけであります。
○武部委員 いまの答弁を聞きますと、やはり三十円だということについては間違いないようでございます。しかし、現在では七百五十五しかやっておりませんから、これからあとのを見なければ総体的には結論は出ない、これは当然だろうと思います。そこで、問題は、これからいろいろ行政指導なるものが一体どのような法的な拘束力を持ってくるのか、法的な根拠がどこにあるのか、それが共同行為による独禁法違反なのか、こういう点が出てくるのは当然だと思うのです。 そこで、公取委員長にお伺いをいたしたいのでありますが、先ほど冒頭に委員長は、個々の業者に対する指導がたてまえとなっておれば、これは独禁法違反ではない、こういう御説明でございました。いま私が国税庁といろいろやりとりしておるのをお聞きになったように、これは明確に日本中央会との間の話し合い、あるいは税務署に国税庁の通達が行っておる。したがって、そういう背景の中でこのように三十円という線がそろい、全国で一斉にこうした行為が行なわれておる。これについて、先ほどの個々の業者に対する指導がたてまえとなっておるというふうにお考えでございましょうか。
○山田政府委員 酒の行政指導の実情を私、特別に詳しく存じてはおりませんけれども、いままでの御説明を承りましたところでは、各地の税務署が個々の酒造業者に対して指導をして、三十円程度ということに御指導をしていらっしゃると承知をいたしております。その前に、本庁のほうから個々の税務署に対しまして御指示があったかもしれませんが、行政指導は、どこまでも税務署の段階において個々の酒造業者に対して行なわれたものと承知をいたしております。
○武部委員 国税庁から税務署に指導が行き、税務署はその申請されたものについて三十円という金額を示す、したがって、それを受けて——それがいろいろ背景があるのですね。これは言わなくてもわかっておるから私は一々言いませんが、そういう行為がずっと行なわれておるのですよ。これでもなお独禁法違反とは断定できませんか。
○山田政府委員 その辺のところはなかなかむずかしいところであろうと存じますが、これは国税庁でお仕事をなさいます上において、中央会から資料なり何なりをおとりになるということは当然あり得ることかと存じますわけでございます。
○武部委員 あなたはおられませんでしたからちょっとぐあいが悪いのですが、これははっきり申し上げましょう。会議録がきょう間に合いませんでしたが、宮澤さんは「単にそこに行政がはいったことだけで価格カルテルでないと断定できるかどうかには疑問が残る。」とおっしゃった。ここのところが問題だと思うのです。私は、ここでしつこく聞いておるのですが、そういう疑問が非常に強いのです。したがって、あれから一週間たつわけですが、当初百四十七がさっき言ったように七百五十五になっておる。これからおそらく軒並みに出てくることは明らかですよ。このときに、ただ単になかなかむずかしいとか、そういう程度でこの問題を公取はほっておく気持ちですか、どうでしょう。
○山田政府委員 その問題につきましては、十分調査をいたしたいと思っております。
○武部委員 私は何べんも言いたくないけれども、牛乳のときにも緊急停止命令のことでやりとりしたわけですよ。ただ、この問題について、そう緊急停止命令ができるかどうかということについては、それは私は一がいに言えないと思います。言えないと思いますが、現実に公取ではいろいろ疑問があるとか、どうもおかしいとか、こういうことをおっしゃるけれども、結論が出るのは、とてもじゃないが、いつも先の話なんです。したがって、牛乳はいまだに審判が下らない。この問題についても、いま公取委員長の言うように、なかなかむずかしいとか慎重にとか厳正にとか、非常に慎重におやりになるのはけっこうですが、このテンポ、速さですね、これはたいへんな速さです。そうすると、あなたのほうから、いわゆる独禁法の疑いがあるとかなんとか言ったって、現実に旬日を出ずして三千幾らというものが、ほとんど足並みがそろうとしか思われないですよ。これについて法的に、公正取引委員会として何らかの態度を早急に打ち出すべきだと思うのですが、いかがでしょう。
○山田政府委員 御意見十分よく承っておきます。ただ、個々の問題につきまして私どもの役所が審査に乗り出すかどうかということは、申し上げることを差し控えさせていただきたいと存じます。
○武部委員 独禁法違反の疑いはきわめて強いというふうにお考えになりませんか。
○山田政府委員 問題の余地はあるようでございます。
○武部委員 ちょっとわかりませんでしたが、何ですって。
○山田政府委員 問題の余地はあるようでございます。
○武部委員 非常に慎重で、私どもようわかりませんが、余地がある……。これはだれが見ても、宮澤さん自身もそう思っておるのですよ、この説明をお聞きになって。われわれもどうもそういうふうに思える。したがって、そのあとにはあなたしかないわけでして、私がここで何べんも独禁法違反だと言って大きな声を張り上げたって何にもならぬ。問題はあなたのほうなんです。したがって、国民はこの再値上げについて非常に疑問を持っておる。同時に、二級酒なるものが、一律に三十円にずっと線がそろっておる。それに、そういう行政指導がずっとなされておる法的な根拠の問題もあります。これについて公正取引委員会がどういう判断を下すかということは、これは注目の的だと思うのです。したがって、これ以上あなたに言ってもさっきのことばの繰り返しだと思うのですが、先ほどから申し上げておるように、次から次に報告書が出されておるわけですから、早急に、それこそ早急にひとつ結論、見解を示していただきたい、こういう点を申し上げて、私の質問を終わります。
○八百板委員長 和田耕作君。
○和田委員 最初に、経済企画庁に御質問いたします。 いまの日本の価格をきめていくきめ方はたくさんあるわけですけれども、幾つぐらい種類があるのですか。たとえば自由価格だとか、いまの行政指導だとか、再販価格だとか、たくさんありますね。幾つぐらいの価格決定の機構がありますか。
○八塚政府委員 十分に体系的にお答えはできないかと存じますけれども、大きく分けますと、自由価格、自由に市場で形成される価格、それから政府ないしは地方自治体が、大部分は政府だと思いますが、関与する価格、公共料金ないしは公共料金的価格、大分けをすればそう言うことができると思います。実際問題としては、その間に、自由価格でありながら、一方では特別に法的に認可するとか許可するとかいうことがなくても、いろいろ指導を行政上やっていくというような場合もあると存じます。それから公共料金といいましても、政府が直接に認可するという以外に、あるいは受け身で届け出を受理するというようなものもあろうかと思います。大きく分ければ、公共料金あるいは公共料金的価格と自由価格ということになろうかと存じます。
○和田委員 いま値上げを中心にして価格の問題が非常に混乱していると私は思うのですが、いま日本にある価格としては、相当完全に近い自由価格がありますね。そしてまた、いろいろな法律によってきめられておる公定料金、公共料金のきめ方がありますね。その間に幾つかの種類の価格決定のシステムがあると思うのです。その第一の問題が、つまりいま問題になっている行政指導による事実上の価格の決定のしかたがありますね。もう一つは、再販売価格の問題がございます。そしてもう一つは、最近問題になっている寡占価格の問題がございます。このような種類の、自由でもなくあるいは公共的なものでもない、途中の価格決定のシステムがあると思うのですけれども、このような問題を、企画庁は、つまり物価の問題について総体的に責任を持つ官庁としてどのような方針を持っておられるのか、これはまあ一般的な政策としてまずお聞きしたいと思います。
○八塚政府委員 いまお話しになりました行政指導の入った自由価格、あるいは再販売における価格等は、やはり政府等が若干関与しておるというものだと思いますが、最後の寡占価格というのはむしろ経済学的な概念であろうかと存じます。そういうことで必ずしも三つは一緒でないかと思いますが、一般的に私ども、まず公共料金、これはおそらく役務なり商品の割合としてはあるいは少ないかと存じますが、政府が少なくともその場合に何がしかの意思を入れるわけでございますから、これは非常に影響が大きいということで、かつまた、責任があると同時に、責任を果たし得る能力もあるわけでございますから、公共料金についてまずかなり厳格な態度で臨むべきである。 自由価格につきましては、これはやはり全体の経済の機構、あるいは経済の論理で動くものでございますから、たとえば国民生活に非常に影響の大きい生鮮食料品等につきましては、これは流通機構の問題もございますが、いわゆる低生産部門といわれるような意味において、まず生産体制を整えていくというような、いわば基礎固めをやって価格の高騰を防ぐというような、ある意味ではやや迂回的な方法で対処していくというようなことになろうかと思います。
○和田委員 いまおっしゃらなかった問題で、しかも私がこれから問題にしようとしている中間的なもの、つまり行政指導の問題とあるいは再販の問題はきょうは問題にいたしませんが、寡占価格の問題、これにつきましていろいろな、たとえば公取法違反だとか違反でないとかいう議論は一応別にしまして、現在の政府の、いまの大蔵省の明らかに行政指導ですね。しかも形式的には公取法違反のおそれ十分というよりも、違反の実態を持っていると私は思うのですけれども、そういう問題のほかに、つまり大蔵省の行政指導というのは価格を引き下げようとしているわけですね。ほうっておけばもっと上がるものを、大蔵省の行政指導によって下げようとしておるという、実態はそうですね。現在日本の、われわれがやらなければならない課題としては、めちゃくちゃに上がるものを価格を押えなければならないということです。こういうふうな面から見て、しかもそういうことがあるのに、いままでの公取の山田さんの答えも、大蔵省のほうの答えも、そのことについての政府の態度なり判断が非常にあいまいだということですね。逃げの一手というような感じを受けるわけですけれども、この問題について、つまり上がろうとするものを押えようとする行政指導を、政府はどういうように考えておるかということです。企画庁としての考え方はどうなんですか。
○八塚政府委員 一般に自由な商品につきましては、やや経済原論めきますが、やはり原則的には競争条件というものを阻害しないように十分に整備をしていく。そしてそういう形で合理化も進められる。そういう形で価格が安定するということが、原則的な私どもの考え方でございます。ただ、その他のいろいろな行政目的によりまして行政指導がその間に行なわれる、そうしてそれには、それぞれの意味なり目的なりにもよりますし、また、いま先生がお話しになりました物価政策の面から見ましても、なるべく低位に押えていこうという、そういう観点の行政指導が十分あり得ると申しますか、そういう観点が入っておる行政指導があるわけでございます。ただ、そういう行政指導がそういう観点からスタートいたしましても、時間がたち、条件が変わりますと、逆の形に働くという危険が絶えずございます。したがいまして、私どもやはり絶えず初心に戻りまして、競争条件の整備、自由な競争ということを大前提にいたしまして、そして個々の行政指導がいま申しました逆の形に働かないように、働きそうであれば、やはりそれは根本から再検討していくというふうに考えておるのでございます。
○和田委員 その一般的な方針としてはわかるわけですけれども、たとえば昨年から問題になっている牛乳の問題ですね。牛乳の価格について、いままで農林省が行政指導をしておられた。そしてずっとやってきたわけです。昨年、物懇その他のあれもあり、行政指導をやめた。やめて一年以上たちます。その結果、牛乳価格は自由な条件になったはずですけれども、実際に自由な条件になっていないし、また価格も、維持もできなければ下がってもいない。上がっておる。その上がっておる牛乳の問題について、公正取引委員会としては有効なチェックがいまだにできていない、これが実情ですね。自由な価格形成の条件を整えることによって価格の引き下げをはかりたいという気持ちはわかるのですけれども、現在の日本の諸条件から見て、そのようなことができるかどうかということです。たとえば、いまのお酒の値段でも同じことです。お酒の値段でも、ほうっておけば五十円近く上がってこようとする傾向がある。また、それを突き上げてくる業界の団体もある。また牛乳の問題だって、事実上七割くらいの小売りは大きなメーカーの系列下の小売り業者であって、自由に価格操作ができるようなシステムがある。これをそのままにしておいで自由な価格形成条件をつくろうとしたって、これはできる話じゃない。事実上現在できていない。こういうようなことですから、そういう場合に、ただ一つの物価を上げないという面からだけ見ると、行政指導というものが実際問題としてただ一つの手がかりになる、そういうことですね。しかし、そういうふうな行政指導というものは、事実上いまの公取の公式見解からすれば、いろいろ説明はなさっても、いけないということになると判断されるんですね。こういう問題についての政府の確固たる基本的な方針をいま確立しないと、ますます混乱をすると思うのです。 長官がちょうどお見えになりましたけれども、そういう問題についての御方針をひとつ聞かしていただきたいと思うのです。
○宮澤国務大臣 行政指導というものの性格でございますが、これは酒の問題についても過日来御議論のとおりなことがございましたし、鉄鋼につきましては在来からやはりそういう問題があるわけでございます。しかし、それが価格面の問題になりますと、どうも私自身の感じでは、ほんとうに行政官庁が正当の権限を持ってやるのならば、それはそれでよろしゅうございますが、中途はんぱな立場でやるということは、得失いろいろございますけれども、私はどうもあまり好ましくないのではないだろうか。牛乳について一度議論がございまして、これを野放しにした結果、牛乳の価格が上がったのではないかという批判が当時ございました。価格が上がったことは確かでありましたが、それは野放しにしたから上がったのではなくて、上がるような経済事情があったからではなかっただろうか。どうも行政指導というものは、私自身は、はっきりした権限に基づかない限りやらないほうがいいのではないだろうかという考えを持っております。
○和田委員 この前の宮澤長官の、つまりいいかげんな形での行政指導には弊害がある、やるならばやるではっきりした根拠を持ってやれという、そういう御意見かと思うのですけれども、私もそういう感じがするのですね。現在では行政指導はいけないといいながら、自由価格のシステムに戻して価格が安定したり引き下がったりする条件が一つもないということですね。そういう状態のもとで行政指導をはずしておるということですね。そういう問題について政府ははっきりした見解を示していないという、この問題をあれするわけですから、必要な物資を限っての行政指導の権限を政府に与えるとかいうような法律改正の必要があるのじゃないかと私は思うのです。特にこれは、あとで申し上げる寡占価格の問題でもその問題が必要だと思うのですけれども、その点どうでしょうか。
○宮澤国務大臣 ことに価格についてはと先ほど申し上げましたのですが、価格について行政指導をするのであれば、当然コストというものをつかまなければいけないわけですが、政府に権限がない場合に、業者がコストを政府にほんとうのことを言う必要はありませんし、私なら少なくとも申しません。自分の企業のコストを人に言うような——これは義務ならしかたがありません、そうでない場合には、私なら少なくとも申さないと思います。ですから、権限に基づかない行政指導というものは、おそらくは正確にコストを把握することができない。それから、かりにコストを把握することができたとして、どれだけの価格が適正であるかという、そのバルクラインを引くのか、あるいはもう全部の業者の最高のコストのところでものを考えるのか、その辺のことも、全くこれは何ら行政の基準がないわけでありますから、根拠の権限がないわけでありますから、そういう行政指導というのはきわめてあいまいなものであるという感じが私はいたします。したがって、やるとすればきちんとした法令に基づいて、そうして指導の方式もきめてやるべきものだというふうに考えますが、その際といえども、なお生産のコストを正確につかまえられるかどうかということは、私は疑問だと思います。
○和田委員 私がこのような質問をいたしますのは、つまり現在の公正取引委員会が、たとえば再販の問題にしましても、いまの牛乳等の国民の必需関係の問題にしましても、現在ある価格決定のシステム、つまり潜在的な独占的な、寡占的な組織があるときに、これを現在の公取でもって的確に、しかも時期を失しないようにこれをチェックできるかと言えば、事実上できていないし、また今後もできる可能性も非常に少ないということですね。自由な価格を決定していくための公取のシステムというものは、ものによっては、経済の発展の方向に逆行するような面すらある点が一つあるわけですね。したがって、従来公取が自由な価格形成の条件を見守ってチェックする機能を私は否定するわけじゃないのですけれども、すでに独占的な価格決定のシステムが潜在的にもできておる状態に対しては、別途の価格決定の影響を持つシステムが必要だ。そういうふうな意味でいまの行政指導という問題を取り上げておるわけです。 いま長官から御答弁があったのですが、行政指導の問題は一応それとしまして、次は寡占価格の問題ですね。非常に関連した問題ですけれども、移っていきたいと思うのですが、この前私、消費者基本法の最後の委員会のあの採決のときに、総理大臣にこの問題について御質問を申し上げた。一般の価格としては自由価格を形成する、公取がそれを見ておる。そして公共料金は公共料金で違ったものがある。しかし、その中間に、一般の自由な価格形成の対象でもなく、また公共料金でもなく、しかも重要な一つの価格の分野として寡占の問題がある。八幡、富士の合併、その他の大企業の合併が急速に行なわれようとしておる。これに対して価格をチェックできる監視機構が必要ではないかという質問をしたのですけれども、総理大臣は、必要があればそれをつくりたい、つくろうと思うという趣旨の答弁がございました。この問題について、その後だいぶ時間がたつわけで、新聞その他でもいろいろと議論されておるようですけれども、政府としてどのような監視機構というものが考えられると思われておるのか、もしそのような腹案がございましたらお示しいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 具体的な鉄の会社の合併がかりに許されるといたしました際に、私は、管理価格というようなものはそこからは生まれないであろうという考えを持っております。寡占というのは文字どおりオリゴポリーでありますから、その間に競争関係がなくなると考える理由はない、競争関係が十分に存在し得ると考えております。したがって、そこから直接に監視機構というようなものが必要になるかどうか、もう少し事態を見ていないと、にわかに結論は出せないと思います。私が心配しておりますのは、そういう監視機構というものをつくった場合に、価格の形成に第三者が介入をするという結果に非常になりやすい。それが所期した効果をあげ得て、それ以外の弊害を生じないでそういう行政がやっていけるかどうかということをよほど見きわめませんと、よくない結果になりやすいと思いますので、もう少しこの問題は考えてみたいと思っております。総理大臣が、必要があればそういうものを設けると言っておられるのでありますから、そういう線では考えておりますけれども、弊害なしにそういうようなものがどういうふうにしたらできるかということは、なおもう少し研究する必要がある、こう思っております。
○和田委員 先ほど長官は、コストという問題で、業界から正しいコストの報告をとられるかどうかというポイントの問題としてお答えがあったわけです。つまり監視機構といっても、基礎産業として他の産業あるいは国民生活と最も関係の深いものについては、先ほどから申し上げているとおり、自由な競争があって、その競争によって公正な価格がつくられてくるというシステムがあれば、競争というものを一〇〇%重視してもいいわけです。しかし、実際の問題として、現在ある各業界、ほとんど全部だと思うのですけれども、ある業界において競争条件が残っていれば、大企業においては実際の正しい競争が行なわれて公正な価格が生まれてくる、あるいは価格の引き下げすら生まれなければならないのですね。そういうことが期待できるかということです。その点は長官、どういうふうにお考えですか。
○宮澤国務大臣 たとえば現在鉄の価格が低迷しておりますのは、やはり私は競争の結果であるというふうに考えておりますから、モノポリーの場合は非常に御指摘のような問題がありますし、デュオポリーの場合にどうかということは相当問題があろうと思います。オリゴポリーの場合には、私は競争というものは十分存在し得る。したがって、自由な価格の形成があると考えていいのではないかと思います。
○和田委員 一つの議論みたいになりますから、これでやめます。 また、問題をかえまして、八幡と富士の問題は、最近いろいろ実態がよくわかってきたように思うのですけれども、政府としてはあの合併は好ましいと考えておるかどうか、あるいは認めていいと考えておるかどうか、この二つに分けて御答弁いただきたい。
○宮澤国務大臣 政府といわれますときに、私はそれを狭い意味の政府というふうに解釈して申し上げます。公正取引委員会は独立の機関でありますから、独自の判断を持たれるべきものであります。狭い意味の政府としては合併は好ましいものである、そうして公正取引委員会がそれを承認されることを望んでおります。けれども、これは独立の機関が独自に判断されることであって、それについて私どもとしては何も申し上げることができませんし、申し上げるべきでもない、こういう立場であります。
○和田委員 山田委員長はどういうふうにお考えですか。
○山田政府委員 先般来繰り返して申し上げておることでございますが、私どもの立場といたしましては、合併が何でもかんでもいかぬと言っておるわけではございません。法律の定めるところによりまして、その合併が一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるかどうか、この点から可否を判断いたすわけでございまして、この見地から、当面出てまいります問題につきましては慎重にかつ厳正に判断を加えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○和田委員 この問題につきましては、私ども経済発展の傾向から申しまして、国の鉄鋼業の発展から申しても、私ども一も好ましいと思うのですよ。思うけれども、と同時に、同じようなウェートで寡占価格が生まれる可能性も非常に強いと思うのですね。長官は寡占価格はたぶん生まれない、競争条件はあれするだろうという楽観的な見通しなんですけれども、私どもはそうは思わない。これは寡占価格的なものが出てくる可能性が非常に強い。この二つの見解を前提にしてこれに対する対策をとらなければならない、こう私は思うんですよ。したがって、この合併について、法律的ないろいろな文句をつけてチェックをすることは適当でないと思う。もっと前に進んで、しかし、これには独占的な価格が生まれる可能性が非常に濃厚だという認識に立っての監視機構をわれわれは求めているわけなんです。その上に立って、コストを点検する権限を政府が持つとか、あるいは経理をできるだけ公開するとかいうことだけは、重要な基礎産業ですから、政府としてはやらなければならないことじゃないか、こういうふうに私は思うのですけれども、その点、長官いかがでしょう。
○宮澤国務大臣 それは、先ほど申し上げましたとおり、弊害を生じないで適正に行なわれるような仕組みを考えなければならない。そういうことが考えられるようであれば——それは万一そういうことがあってはならぬわけでありますから、必要であろうと考えます。
○和田委員 本来こういう問題は、もしこういうようなことが出てくれば国有化の論議が非常に盛んになるところなんですよ、こういう産業については。しかし、国有化した場合の先進諸国の例からいっても、国有化必ずしも適当ではないのだという実績があるわけなんです。といって重要産業ですから、そういう危険性が非常にある場合に、やっぱり国有化をしなければならない面もあるけれども国有化は適当ではないということですから、それにかわる監視機構というふうな配慮は、これは私は軽く見てはいけないと思うのですよ。その問題について今後一そうの御注意をいただきたいと思うのです。 以上で終わります。
○八百板委員長 有島重武君。
○有島委員 長官お急ぎのようですが、初めに一つだけ、これは新聞報道に出ておりましたが、宮澤長官は大企業の合併について、場合によってはあとからでもこれは分割命令が出せるというようなことをおっしゃっておった。もう一つ、以前に物懇の提案の中で、「わが国でも最近、生産の大規模化を要請する声が高い。また、販売面での系列化が進む傾向にある。それらは、技術進歩への順応または国際競争力の強化を意図するものとしても、あるいは、流通の面からみて合理的なものがあるとしても、産業の寡占化が管理的価格の採用につながり、消費者の利益を損なうという危険に対しては、それに対処する有効な手段を整備しておく必要がある。これはむしろ私どもは、セーブしていく、あるいは有効な手段をまず整備しておく、そういうふうないわゆるブレーキをかけるというふうに受け取っておったわけでございますけれども、最近は、分割命令が出せる、だから、むしろ積極的にやっていってもいいんじゃないか、そういうような一つの変化が認められた感じがするのでございますが、その御真意を承っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 参議院の委員会でお尋ねがございましたときに、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、これの読み方、解釈の問題としてお尋ねがありまして、ちょうどそのときに公正取引委員長、公取の方々、どなたもおられませんでしたために、私自身がこの法律を有権的に解釈できる立場ではございません、したがって、もし正確なお答えが必要であれば後日公正取引委員長にお尋ねをいただきたいと思います、こういう前提を申し上げた上で、どうも私の感じでは、第七条、私的独占または不当な取引制限の禁止、この排除措置は、「規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。」というのでありますから、その必要な措置の中には、少なくとも理念的には分割というものが入るのではないかというふうに考えますということを申し上げたのであります。しかし、これは先ほど申し上げましたような前提に立ちまして、私の解釈が公の解釈だと申すわけにはまいりませんので、むしろ公式の解釈は公正取引委員会からお尋ねをいただきたい、こうつけ加えておいたわけでございます。そこで、こう読むのが正しいのか正しくないのかということと、もう一つ、かりに必要な措置にそういうものが含まれるとしても、現実にこういう挙証をするというようなことは実際にはなかなかむずかしいことであろう。だから、法解釈はともかくとして、現実にはそういうことは行なえないという立場もまたあろうかと思います。その辺のところは公正取引委員会の御解釈に従うべきものである、こう考えております。
○有島委員 公正取引委員会の御解釈は、ほぼ分割命令を出せないであろうというようなお話でございましたけれども、現実の問題、これはいろんな企業形態を研究なさっておられる長官だと思いますので、そういうことは合併してからでも十分できるというような条件も考えられますでしょうか。こういった条件のもとにあれば、たとえば一緒になった、合併も可能な場合もあるんだというようなこともあるでしょうか。分割されたのを私どもが一番知っているのは、戦争で全部一網打尽にやられてしまって、あのときは非常な外部からの力があって分割というような形態になった。これが製紙業の場合は、昔のさやにまただんだんおさまりつつあるような状態でございますが、分割の条件といいますか、そういうことを伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 それは、立法論としては私いろいろあり得ると思うのでございます。わが国の独禁法は、これまた私が直接の立場でございませんのですからあるいは不正確かもしれませんが、全体の書かれ方は、門を入るときに非常にきびしい審査をする。入ったあとは、原則としてもうそれでパスという、こういう考え方に立っておるのではないかと思います。立法論といたしましてはそういう考え方もありましょうし、一応門を入れておいて、しかし、その後に事態が発生すればそれを強制する力を公正取引委員会に与える、こういう立法も私は考えられると思います。これは立法論の見地からでございますが、わが国の独禁法は、概してはやはり入り口のところできびしく審査をする、そして失格のものは入れない、こういうたてまえをとっておるのではないかと思いますので、いま御指摘のようなことは、一般的にはなかなかやりにくいということは事実ではなかったかと思います。
○有島委員 私ども伺いますところでは、立法論よりも現実論といたしまして、一つの合併をしてしまいますれば、経理の面であるとかあるいは情報を集めるのが中央に来てしまうとか、それを今度また分割していくということは、何か非常な無理が起こるのじゃないかというふうに思うわけでございます。それで、こうこうこうしたような条件であれば分割ができるのだ、そういったような何か具体的な目安といいますか、措置といいますか、そういったものが考えられますでしょうか。
○宮澤国務大臣 その辺のところを、私は第七条が排除措置ということでいっておるのではないだろうかと思ったのでございますが、この点の解釈はやはり公正取引委員会にしていただかなければならないことで、私がとやかく申せることではございません。 現実の問題といたしまして、たとえば富士と八幡が合併をした場合に管理価格が生じるか生じないかということは、これは生じると見る見方もありますし、生じないと見る見方もあると思います。しかし、ほんとうのところは、それはやってみなければわからないということになるんでございましょう、両社の共通の合意をさがすといたしましたらですね。けれども、門を通してしまったら、かりにそういうことがあってもなかなかそれを排除することができないというような現在の法律のたてまえであるといたしますと、議論してもなかなかわからないことはやらせてみて、そのあとで強制ができるということになっておれば、もう少し弾力的な考え方ができるのじゃないだろうかな、しかし、これは主として立法論でございますね、というような感じがいたしております。排除措置がその場合にでもきくように読んではいけないのだろうかということを、せんだっての参議院の委員会で申し上げたところだったのであります。
○有島委員 大体長官のお気持ちはわかるようですが、こういうことでございましょうか。全く新しい事態がこれから起こりつつあるのである、それを論議している段階はもう限度まで来ておるのだから、これは試行錯誤というような意味で前向きにひとつやってみようじゃないか、そういった意味でございますか。
○宮澤国務大臣 そういう法律であったら、このような事態に至ったときに、かなり弾力的に処理できるんではなかったかなということを思っているだけでございます。
○有島委員 私の伺いたかったのは、むしろ立法論よりも現実論のほうを伺いたかったわけなんでございます。現実に一つの管理価格というお話が出ましたけれども、管理価格ということで、解釈がやや角度が変われば管理価格になるか管理価格にならないかというような問題も、管理価格そのものを相当厳密に規定してあっても、多少の逃げ道はできると思うのです。ですから、そういったたてまえ論というようなことを離れまして、現実に立法措置として七条ですか、そういった排除命令が出せるとしまして、ある程度固まってきた、合併されて大きくなったものについて、今度またこれの分割命令を出した場合に、相当な被害をこうむるのではないかということは十分考えられると思うのでございます。そういたしますと、それだけの被害をこうむるんだったら、むしろちょっとくらい悪くても現状のままのほうがいいのじゃないか、そういうような議論も当然また起こってきて、結局前向きと申しますか、合併肯定論ということにぐんぐん体制そのものが大きく進んでしまっていくのじゃないか。ですから、長官がこういうようにおっしゃっても、これはむしろ分割命令が出せるんじゃないか。だから、まずいときはこういうことができるんだと言われましても、それほど意味がなくて、先ほど言いました物懇の提案なんかにいわれておりましたようなお態度とは、だいぶ違った態度にいまなられたんじゃないか、お変わりになったんじゃないか、そういうふうな印象を受けるわけでございます。そうであるとすれば、変更なさったそのお心というのですか、きっかけと申しますか、そういうことが伺えれば今後の問題を理解していくのに非常に役に立つと思うのですが、その辺いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 独禁法が一番発達しておりますのはおそらくアメリカでありますが、これは御承知のように、十九世紀の終わりにシャーマン・アクトというのができておりまして、実際の要請、それから時代の移り変わりに伴ってそれがだんだんいまのように変わってきておるわけですが、その途中の段階では、いわゆるトラスト・バスティングという非常な大変革を企業にしいるようなことを何度かやっておるわけです。ですから、本来独禁法というものは、企業にとっては相当致命的に近いような排除措置を、現実にアメリカなんかの場合は何度もとってきたわけでございます。それがいいかどうかということは別でございますが、立法論としてはそういう立法論もあり得るのではないか、こういうことを申し上げておったわけであります。 それから富士、八幡のことについて、物価問題懇談会等々にある考え方を私が途中で変えたのではないかというお尋ねでありましたが、そうではございません。私は、この合併によって管理価格が生じるとはどうも自分に考えられないものでありますから、むしろその他のメリットを考えるときは、これは合併をしたほうがいいと思っております。その点は経済社会発展計画の中で議論されておりまして、計画にも書いてございますが、いわゆるオリゴポリーになっていくことは決して望ましくないことではない。ただ、その場合競争が制限されるようになる。事と次第によっては可能性もあるので、その辺はよほど管理価格等について監視と申しますか、起こらないような体制をつくっておかなければならない、こういうことが書いてございますので、私は、今度のできごとは大体その線に沿っておるというふうに見ておるわけでございます。私は、当初から考えは変わっておるとは思っておりません。一貫した考え方をしておるつもりでございます。
○有島委員 お忙しいところをどうもありがとうございました。この問題につきましては、また大きな問題になりますので、きょうはほんとうに糸口のところを質問さしていただきました。 間税部長のほうに伺います。これは去る三月八日の予算委員会で広沢委員から、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、八十六条だと思いますが、再販売価格維持契約という条項がございまして、これについて水田国務大臣は、こんなことは大蔵省としては再販売価格は要らないというお考えでございました。これを別に使っておるわけではないので、このことについてはあとでよく調査する、全然要らないという結論が検討の結果出れば、これは削除しよう、そういうようなお答えがあったのでございますが、それについてその後調査なさったのか、調査なさってある結論が出ていらっしゃるのか、そういったことについて伺いたい。
○佐藤説明員 この再販維持契約の問題でありますが、御承知のように、三十五年の十二月でありますが、大蔵省告示で、清酒とビールというものが種類として指定になっておることは事実であります。ただ、これを運用しますということになりますと、さらに大蔵大臣の認可を受けまして、これにつきましては公取の同意を要することも御承知のところだと思います。現在のところ実際に運用したことはないわけでありますけれども、御承知のように、統制価格が廃止されましたのは三十五年でございます。その後基準販売価格というものをつくりました。これを三十九年まで基準販売価格というもので持ってまいりました。三十九年にこの基準販売価格も廃止をしたわけでありますが、そういう関係で、いわば一つのささえが三十九年まではあったということが言えるわけであります。三十九年に基準販売価格を廃止しましてからは、いわば自由価格というたてまえになっております。その関係で三十九年まではそういう状態でありますので、ほとんどこれを運用する必要もないということで、現在まで何も使っておらないわけでありますけれども、今後の状況というものは、これから販売競争が価格面からもいろいろ行なわれることが予想されますので、自由な価格のたてまえになりましたのが三十九年の秋ごろであります。そういうことで今後の状況等もまく見ていかなければならないというところから、一がいに現在のところ指定をやめるということもどうかと思いますし、また、制度として再販売価格維持契約という制度を、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の中に置いておく必要性というものは、やはりこれからの事態の推移を見なければいけないことになりまして、やはりこういうものを置いておく必要があるのではないかというふうに私どもは考えております。なお、この点については、公正取引委員会ともその面についてよく事態の推移、それから今後の方向等については相談をしてまいりたいというふうに思っております。
○有島委員 幾つかのお答えがありましたので、一番最後のことから伺いますと、結論は、それについては置いておく必要性があるという確定的な理由づけはまだないけれども、時代の推移を見ていかなければならぬ、そういうふうなことでございますね。そのことについて、もうすでに企画庁なり公取のほうとお話し合いをなさいましたのですか。
○佐藤説明員 これにつきましては、公正取引委員会のほうといわば下相談といいますか、現在清酒、ビールにつきましては種類指定という指定がございますので、それらの点等も含めまして下相談をしております。
○有島委員 その下相談の範囲でよろしゅうございますけれども、中身は大体どういうようなことだったのでしょうか。
○佐藤説明員 私どもとしては、先ほど申し上げましたように、統制価格が廃止されたのが三十五年、それから基準販売価格ということで価格の維持というものをやってまいったのが三十九年までであります。完全に自由な価格のたてまえというものをとってまいったのはここ三、四年というところでございますので、販売競争というものは、その後非常に大きく出てくるようなきざしもあります。今後のそういう事態の推移というものを見まして、販売競争が、極端な乱売というような事態が起こってまいるとか、いろいろなそういうものに対するかまえとしまして、現在の指定そのものを置いておくかどうかという点につきましては、私どもは、現在のところは別にいま指定をやめるという必要はないだろうと思っておりますけれども、なお公正取引委員会の御意向等も、さらに突き詰めてお伺いをするという段階にこれからなるだろうと思います。
○有島委員 公正取引委員長の山田さんに伺いますけれども、実際は三十九年に基準価格が廃止されて自由価格になっておるということでありますけれども、小売り店なんかではほぼこれは一定になっておると思うのでございますが、そういった点はどうでございましょうか。
○山田政府委員 仰せのとおり、小売り価格は大体において同じ歩調をとっておるようでございますが、これは再販売価格維持契約に基づいておるものとは考えておらないわけであります。また、大口の取引におきましては、ずいぶん価格に競争が行なわれておるように承知いたしております。
○有島委員 大口のものについてはかなり競争が行なわれておる、小売り店に出てきた段階においては、いまのところは一定の様相を持っておる、そういう御判断でございますね。このことにつきまして一応確認しておきたかったので、以上でもって私の質問を終わります。
○八百板委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後零時二十三分散会