物価問題等に関する特別委員会 第11号
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- 開催日
- 1968/05/09
会議録
○八百板委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。武部文君。
○武部委員 私はきょう、五月の一日から税金の値上がりに伴って値上がりをいたしました酒、ウイスキーあるいはビール、こうした問題について、国税庁及び経済企画庁、さらには公正取引委員会の見解を求めたいと思います。 そこで最初にお伺いをいたしたいのは、五月一日に値上がりをいたしまして以来、清酒の再値上げの申請が相次いでおるという報道が毎日のように出るのでありますが、現在全国的に清酒の再値上げの申請は一体どの程度出ておるのか、それをひとつ最初にお伺いをしたいと思います。
○佐藤説明員 清酒の値上げでございますが、五月一日に増税になりましたのは一級と特級でございまして、一級は一・八リットル当たり四十円、特級が六十円という増税になりましたために、五月一日からその分だけ、増税分だけは値上がりいたしております。その後、群馬県あるいは秋田県等の清酒製造業者から、価格を上げたいということで各税務署に対しまして価格報告書というものが出てきております。それを私どものほうで受けまして、その後の状況でございますが、現在、これは八日までのものでございますが、百四十七の業者からそういう価格報告書が出てきておりますが、その中身は、大体二級を主としておる製造者でありまして、生産者、卸、小売り全体を含めまして二級について三十円という価格の変更をしたいという報告書が参っております。
○武部委員 私どもの承知するところでは、ここ数日来、全国的に非帯に急テンポでこの申請が各税務署になされておる、このように見ることができるのであります。国税庁からきのう私のほうへいただいた資料によりますと、全国の清酒の製造業者数は三千六百五十六、こういう非常に大きい製造業者数になっておるのであります。いまのところ百四十七業者という報告がなされましたが、これは一日に相当数がふえておるということになると私は思う。というのは、たとえば六日あたりでは、わずか三十から四十ぐらいしか新聞に報道されておりません。そういうところを見ると、これは一日のうちに相当多数の業者が全国的に各税務署にそういう申請をしたということが、ほぼ想定できるのであります。したがって、三千六百五十六の業者がこれからどういうテンポで値上げの申請をするかわかりませんが、いまの状態から察するところ、ほとんどの業者が相次いでこの際値上げの申請を各税務署にするであろう、このようなことが想像できるのでありますが、この今後の見通しについて国税庁はどういうふうに見ておりますか。
○佐藤説明員 この申請と言っておられますもの、これは私ども価格報告書と言っておりますが、これは、これによりまして別にこちらが認可をいたしますとか、あるいはこれを却下いたしますとかという性質のものではございませんで、三十九年の秋にいわゆる基準価格制度というものがなくなりまして、その後私どもとしては価格の状況について一応各業者の状況を見ておく必要があるということで、これを届け出ということで価格報告書をとっているわけでありまして、これに対してどうこういう措置をとる何らの権限もございません。 それで、こういうふうに価格報告書が出ている状況からしますと、今後連続してそういう報告書が出てくることが予想されるわけでありますが、私どもとしましては、この五月一日の増税のほかにさらにコストアップによる値上げにつきましては、できるだけ時期を増税の時期と違えまして、その間隔をできるだけ延ばすように指導をしておったわけであります。たまたまこういう増税の時期と連続して出てきておりますので、私どもとしても業者に対しまして、組合を通じて、そういうコストアップによる値上げの事情はよくわかるけれども、コストアップによる値上げについてはできるだけ慎重に、世論の動向もよく見て処置をするようにということを申し伝えております。そういうことでございますので、コストアップによる値上げの状況というものは、非常に苦しい業者の声ではありますけれども、特に連続的にこれが出てくるということもないのじゃないか。ただ、そういう事情がありますだけに、あまり長い時期をおかせることは無理ではないかというふうにも考えております。
○武部委員 値上げについて法的にどうとかこうということはまたあとにいたしますが、いまの答弁を聞いておりますと、値上げの申請いわゆる報告書は、これから相次いで軒並みに出てくるであろうと予想できる、こういうふうに理解してよろしいですね。
○佐藤説明員 いまのところ出ておりますのは、いわばメーカーの中では非常に小さな、なかなか内容の苦しいところが多いようでありますので、特に大手の業者につきましては、当初指導しておりましたように、できるだけ時期を増税の時期とずらすようにというようなことを申し伝えておるわけであります。
○武部委員 そういたしますと、現在報告書が提出されたり、あるいはこれから出るであろう、そういう予測ができるわけですが、あなたがいまおっしゃったように、理由はコストアップだ、そのように国税庁ははっきりと言明できるのですか。
○佐藤説明員 清酒のコストアップの事情でありますが、昨年の十月に原料米というのが、これは製造原価の中で約六割程度を占めるわけでありますが、この原料米が石当たり、百五十キロ当たりでありますが、千六百六十円上がっております。そのほかに労務費の関係が、いままで清酒生産者というのは農閑期の季節労働を使ってきておるわけでありますけれども、これが全般の労務事情等によりまして、非常な労賃の値上げを呈しておるわけであります。そのほか包装材料等につきましても、そういうコストアップの事情がございます。それこれを私どもいろいろ検討をしておるわけでありますが、業者自体からは、組合としてことしの初めごろから生産者については二十三円何がし、また卸については九円何がし、それから小売りにつきましては、これまた人件費等のあれでありますが、十五円何がしのコストアップ事情があるということを私どものほうに事情を説明しておるわけでありますが、合わせますと四十七円九十何銭というような状態の事情説明がございました。私どもいろいろ検討しましたところ、生産者、卸、小売り、全体合わせまして大体三十円程度というものは、合理的な一つのコストアップによる事情があるだろう、こういうふうに考えておるわけであります。そういうふうな線を踏まえまして、いろいろと値上げの幅等につきましては指導してまいったということでございます。
○武部委員 それでは重ねてお伺いいたしますが、時間の関係で私のほうで承知しておる金額を言いますから、間違っておれば訂正してください。 清酒二級の一・八リットル製造原価が二百六十三円五十六銭、先ほどあなたがおっしゃったように、二百六十三円五十六銭の製造原価ではいまの段階では困難なので、業者の言う二十三円何がし、包装その他の雑費、人件費、そうしたものを合わせて大体二十三円。そうしてこれから申し上げますが、二百六十三円五十六銭が製造原価、それと税金が百五十四円四十四銭、卸のマージンが四十六円、小売りのマージンが八十六円。そうすると、現在の五百五十円という清酒二級の製造原価というか、五百五十円の内訳というのは、いまあなたが言った製造原価二百六十三円五十六銭、酒の税金百五十四円四十四銭、卸のマージン四十六円、小売りのマージン八十六円、これではやっていけない。したがって、あなたがいまおっしゃった二十三円の製造原価のアップ、さらに九円何がしの卸のマージン、十五円程度の小売りのマージン等もいろいろ勘案をして、その結果、二級酒については大体三十円程度の値上げは、コストアップとしてはやむを得ぬというふうに国税庁としては見ておる、このように承知していいですか。
○佐藤説明員 コストアップの額といいますか、そういうものにつきましては、生産者で二十円、小売りで十円、合計いたしまして三十円程度というふうに考えております。
○武部委員 このコストの問題は、酒造界というのは非常に大、中、小のメーカーが入りまじっておるわけですね。したがって、そのコストについては、メーカーによって非常に大きな開きがあるように思うのです。したがって、いま出されておる申請の内容等を見ますと、たとえば二級酒で四十円、特級酒では七十五円、こういう報告書を税務署に出したメーカーがありますね。御存じですか。税金が上がったほかに七十五円の特級酒の申請をしておる、こういうメーカーがあることを御存じですか。
○佐藤説明員 特級酒につきましては、一般的に原料の関係その他が非常に良好なものを便っております。その他びん等についても特殊なびんを使っておるなど、諸経費が違いますので、大体において特級につきましては一・八リットル当たり五十円というものが、コストアップの事情ではないかというふうに私ども見ておるわけでありますが、中には、いろいろ特級等いわば非常に高級なものにつきましては、多少それを上回るものもないわけではないのではないかというふうに思っております。
○武部委員 現在まで出てきた価格の報告書によりますと、大体特級酒で五十円から最高七十五円、一級酒で四十円から五十円、二級酒では三十円から四十円、こういう金額が各税務署に報告をされておるようであります。もちろん銘柄によっても違うでしょうし、メーカーによっても違うわけですから、これは一律になっておりませんが、大体平均をして、私がいま申し上げたような、最高は特級酒七十五円という金額が出ておるところがあります。したがって、これを四月三十日現在の、いわゆる五月一日からの値上げにならないときの金額と比べてみますと、これはたいへんな額になるのです。たとえば特級酒は、おっしゃったように六十円上がりましたね。そのほかに七十五円上げるということになってくると、百三十五円上がるわけです。それから一級酒にとっても、四十円上がったところに持ってきてまた五十円上がる、九十円ですね。こういう点を数字の面であらわしますと、二つ合わせますと一〇%、一割というような値上がりになるのです。これは五月一日から、きょうは九日ですが、旬日を出ずして軒並みにこういうような申請がなされる。そして、いまの段階であなたの答弁を聞きますと、これがほとんど法的に何ら規制することができぬのだから、報告書が出て五日目にはこれは成り行き上上がってしまうんだ、こういうかっこうになるわけですね。 そこで、私がお伺いをしたいのは、国税庁としてこの値上がりについて、法的には何らの制限をする根拠がないとおっしゃる。確かにそういうふうになっている。しかし、現実にあなた方は、行政指導とかあるいは要望とか要請とか、いろいろなことをおっしゃっておる。新聞にも非常にたくさん出ておりますが、そういう法的には阻止する手段はないけれども、現実に原料米の割り当て等について、国税庁なり大蔵省というものは相当大きな権限を私は持っておると思う。そういう点があるからこそ、あなた方が行政指導なり適切な指導というものを業界に対して行なっておると思うのです。一体、そういう点は具体的にどのようなことを酒造界に対して行なっておるか、具体的にひとつおっしゃっていただきたい。
○佐藤説明員 この価格問題についての指導でありますけれども、御承知のように、先ほども申し上げましたのですが、原料米がそういうふうに上がっておりますし、また労務費につきましても上がっておるわけであります。あるいは付属のいろいろ包装材料等につきましても、びんとか箱とかいう問題がございますので、これがそれぞれ上がっております。そういうことで業者のほうからは、組合を通じてでありますけれども、ことしの二月中ころ——これは二月から大体新酒というものが出て、古酒は大体一月ごろでなくなるわけであります。昨年の秋からつくりました酒が二月から大体市場に出回る、こういうことでありますので、やはりそういうコスト高の要素を含んだ清酒が二月から出るということで、これを値上げをどうしてもしなければ経営の面で非常に困難な状態になるという事情のあれがあったわけでありますが、私どもとしましては、いろいろな合理化をはかるとかその他経費の節減等によりまして、できるだけそういうものを吸収できないかということで、二月からのそういう値上げをするというあれに対しましては、できるだけこれをおくらせるように要請してきたわけでありますけれども、何しろ二月、三月、四月と、だんだんそういうコスト事情というものを含んだ清酒が出てまいります関係上、私どもとしてもこれをいつまでもそのままにしておくわけにいかない、業者のほうとしても、どうしてもがまんができないというようなところで、こういうふうになっておるものというふうに考えておりますので、われわれの指導とかいろいろいいましても現在法的なあれはないわけでございますので、やはり限度があるということでございます。
○武部委員 そうしますと、現実には、国税庁が行政指導とかいろいろなことを言っておられるけれども全然効果はあがっていない、こういうふうに私どもは理解せざるを得ないのです。いまお聞きしておりますと、法的に何の根拠もない。したがって、行政指導とか、善処を要請するとか、慎重に世論の動向を見てきめるとか、そういう程度ですね。それ以外に、あなた方にとっては、規制する、タッチする、こういうことは全然ないということですか。
○佐藤説明員 ただ、最近物価事情というのが非常にやかましい際でございますので、私どもとしましては、その値上げの金額の範囲もできるだけ妥当な、合理的な範囲のものにとどめていくということのために、税務署を通じまして各業者の資料をとって検討を続けてきたということでございます。
○村山(喜)委員 ちょっと関連してお尋ねいたしますが、あなた方がその届け出を受けられた場合に、いろいろ企業の内容等についても調査をされていると思うのです。私は実態を見に行きましたが、びん代は、確かに去年までは上がっております。ところが、ことしになってからびん代は下がっておるのです。その事実を、あなた方確認をされたかどうかというのが一つ。それから、株式あるいは合資会社等になっておるわけですが、会社のいわゆる配当金関係、どういうふうに適正利潤というものをあげているとお考えになっているのか。中には一割五分から二割を配当している会社があります。現実に見に参りまして、そういうような状態のところもある。そういう企業経営の実態というものをどのようにあなた方は認定をしておられるのか、これが第二点。第三点は、最近、中小のメーカーにつきましては相当近代化されております。人件費を節約するために近代的な設備、びん詰め等についても機械化されておるし、それからベルトコンベアで材料を上のほうに上げてやるような設備等をつくることによって、人間を使わなくても、そのような点からはコストを下げていく可能性が生まれている。それについてはわりあいに配当金等もよろしいわけです。しかも地方の銀行その他ともつながりがありますので、そのようなところから設備資金等も借り入れて合理化、近代化をやっている。こういうような、いわゆる従来の古い企業形態を近代化していく実態というものから、そういう労力面のコスト減というものが出ている。あなた方が認定をされる場合に、二級酒は三十円、一級酒四十円、特級酒五十円という算定を、これが正しいものだ、こういうようなことで認可をされる、この程度であればやむを得なかろう——私は、そこに何らかの、そういうような一つの基準を設定された場合に合理的な基礎がなければならないと思うんだが、そういうようなものがはたしてあるのかどうか疑わしいのでありますが、そのあたりの説明を願います。
○佐藤説明員 第一のびんの問題でありますけれども、びんは、御承知のように、東京その他の大市場に詰められて持ってまいりまして、あとあきびんが各所に返っていくという状態でございます。各地区の状況は、それぞれいろいろ違いがございます。 それから企業の現在のいろんな経営の実態でございますが、昨年の私どもの調査によりますと、二百九十社程度はもう赤字の状態でございます。私どもは、こういういろんな実態に対処しまして、三千六百以上の業者に対しまして、できるだけ近代化、合理化を進めるべきであるという考え方に立ちまして、三十八年に中小企業の近代化促進法の指定を受けまして、三十九年から近代化計画をつくりまして、ことし第五年度になっておるわけでございます。ただ、御承知かと思いますが、清酒の企業といいますのはいわゆる醸造業でございまして、水と米とその他の副原料をもって精製をいたします関係上、非常に古いしきたりのもとにつくられてきておる。古来からのいろんな醸造をやっておるところもございます。そういう関係で、近代化、合理化の面につきましては、いろいろ進行面のテンポがおそいというような面もあることは事実でございますが、ただ、この近代化計画の進行過程におきまして、約百くらいの業者が合併等をいたしてなくなっておるわけであります。そのほかに、いわゆる共同化というものを進めておるわけでありますが、同じ機械を二社が共同で使うというようなやり方等も考えたらどうかというようなことで、これにつきましては、現在のところそういうものに参加しておるものが約百六十内外あると思いますが、だんだんこういう形で合併あるいは共同というような方向に持っていくことによって、できるだけ企業の近代化あるいは合理化を進めてまいるという方向だけは見失わずにやっておるわけであります。 何しろ、御承知のように、五百キロリットル以下の小さな製造者が九〇%以上を占めておるわけでございます。これが三百キロリットル以下ということにいたしましても、約八割くらいの業者がそこにおるわけでございます。こういう小さな業者としましては、それ自身では合理化もなかなかむずかしいという事情がございますので、そういう共同あるいは合併という形によってコストをダウンする方向へできるだけの資金的な援助等もやっていくということで、低利資金等の問題も考えながら近代化促進の方向に持っていっておるわけでございます。
○村山(喜)委員 関連ですから私これでやめますが、そういうような中小零細なメーカーの製造品はコストが高い。ところが、大企業の何万石も生産をする清酒メーカーの場合にはコストは下がっておる。そこで、中小のメーカーの製造分の清酒については価格を引き上げても、比較的大きなメーカーの分については、コスト上昇分を合理化等によって押えている、そういうような場合には値上げは当然認めない、こういうような方式であなた方はやられるつもりなのか。いまの考え方でいけば、二級酒の三十円というのは標準的なものとしておやりになるのか。大体いまの法律自体が、保税的な措置だけがいまの法律ではとられて、消費者価格の問題というのは全然考慮されていない法律体系になっておりますからそういうような問題が出ることは当然でありますが、その問題については、そうでなければ、大きなメーカーも小さなメーカーも一緒くたにして一律に三十円、四十円となると、行政カルテルが大蔵省の手によって行なわれているというふうに認定をされてもしようがない、私はそう考えるのですが、その規模の大小、合理化、近代化の達成率の問題についてのそういうような立場からの差異というものがあるのかどうか、その点についてお知らせ願いたいと思います。
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、やはり小規模の中小企業、もう九十何%が中小企業でございますが、その中でも特に小さなものが多いという状態でございますので、私どもとしては、そういう大部分を占める業者のいわゆるコストの状況というものをいまのところは基礎にいたしまして、やはりその経営が成り立つという限度ぎりぎりのところまで、いろいろ合理的な値上げ額というものを検討してきておるわけであります。そういうところから、まあ卸、小売りのほうにも同じような事情がございますけれども、卸につきましては、ことしやはり近代化の指定を受けまして、来年から近代化計画に移行しようということで準備をいたしておるわけでございます。そういう生産者、卸、小売りの状況を見まして、合理的に算定をいたしたものが合わせて二級について三十円、そういうことでございます。
○武部委員 法的な押える根拠とかいろいろな点については、ひとつ経済企画庁の御意見も聞かなければなりませんから、あとに譲ります。 そこで、公正取引委員会にちょっとお聞きいたしますが、これは大蔵委員会でも問題になったようですが、たる買い、おけ買いというようなことがいわれていますね。たとえば、私は山陰ですが、私のほうの小さな酒屋からおけごとに買って、それを灘の生一本で、結局灘へ持っていって、そこでいわゆる灘のレッテルを張ってそうして売り出す。これはもう常識ですよ。これは不当表示とは関係ないのですか。
○柿沼政府委員 現在行なわれておりますおけ買いにつきましては、それぞれそのブランドを使っておりますメーカーで吟味をいたしました酒を国税庁の監督のもとに使っておるので、原則といたしまして不当表示ではないというふうに考えております。
○武部委員 あなたのいまの説明、ちょっとわかりにくいのですがね。おけ買いなりたる買いという事実があるのを知っているんでしょう、公正取引委員会としては。しかし、これは国税庁がそれを認めてやっているんだから不当表示じゃない、そういう答弁ですね、現在の段階では……。これは少し論争がやはりあると思うのです。灘の生一本は、生一本じゃない、これは何本も入っておるんですよ。ですから、そういう点については論争もせなければいかぬ。公正取引委員会のそういう説明では、ちょっと私納得できませんからね。これは、きょうは時間の関係で省略いたします。 そこで次はウイスキーですが、今回の値上げは税金の値上げで、特級の角びんは、税金はたしか六十円の値上がりだったですね。ところが、実際にこの角びんの特級が上がったのは、百円上げていますね。それから一級のこれは、二十八円の税金なのにかかわらず五十円上げておる。このときに国税庁はこの問題についてどのような手を打たれましたか。
○佐藤説明員 これはウイスキーの問題でありますが、五百円あるいは千円、千百円、これが今度増税になりましたものの中の主力の商品であります。各社とも大体主力商品でありますけれども、この五百円、千円、千百円というものについては、増税分を吸収するといいますか、業者が負担するということにいたしたわけであります。これが、増税分の中でシェアとして申しますと、大体七七%くらいになります。それで現実に増税分以上に上げたということになりますと、七百九十円のものでありますが、これが増税分が約三十円でございます。これを当初八百五十円という報告をいたしておりましたが、これは八百四十円にしておりますので、その間ちょっと増税分以上に上がっている面があります。 それからあといわゆる特級関係につきましては、吸収をしたのも中にはございますが、値上げが増税分以上になったものもある、こういうような関係でありますが、その特級その他の分は、きわめてシェアとしては小さなものであります。 大部分の五百円、千円、千百円については、約七割五分くらいになりますが、むしろ増税分を業者が吸収しているというやり方をとっておりますので、やはり全体の企業の態度からしましても、私ども、この程度のものであればやむを得ないというふうに考えておるわけであります。
○武部委員 私は、いま増税分を業者が吸収するとおっしゃる、そうして税額よりも、特級については税金が六十円上がっておるのに百円上げておる、こういう点について、あなたのいまの説明は納得できません。いかにウイスキー業界がもうけておるかということ、これは私のあとで木原委員のほうから詳細にひとつ説明がありますから、私はこの点は省略いたします。しかし、現実に税金の値上がりよりも、六十円の税金の値上がりに加えて四十円も一緒に上げておる、こういう具体的な事実があったわけです。いまの説明を聞くと、ほとんどこれはもう国税庁としては認めてしまっておる。行政指導とかそういう点についての手直しとか、そういうことについてはほとんど何らなすところがなかったというふうに私は理解せざるを得ないわけです。 そこで、今度はビールについてお伺いいたしますが、先回当委員会で、ビールが七円上がるときにここでいろいろやりとりいたしまして、七円というはしたの問題についていろいろやったわけです。したがって、この百二十七円という現在の末端小売り段階の価格、これについて国税庁は、その後ビール業界から何らかの意思表示があなた方についてあったかどうか、その点をちょっとお伺いいたします。−おわかりにくければ、もう一ぺん言います。百二十七円というようなことでは困るから百三十円にしてくれというような、業界から国税庁に何かそういう相談ごとがあったかなかったかということをお聞きします。
○佐藤説明員 百二十七円という価格であると、非常に取引には支障があるというような話はございました。
○武部委員 取引には支障があるということは、三十円にしてくれということでしょう。その辺もうちょっとはっきりしてくれませんか。
○佐藤説明員 これは、この百二十七円になります、そのもとでありますところの増税分の七円ということにつきましては、私国税庁でございますので、実際は七円にしなければならなかった事情というものについては、立法をやっております主税局のほうからお答えをしたほうがよろしいのではないかと思っております。
○武部委員 これは宮澤さんと少しやらなければいかぬ問題ですから、あとに譲ります。 そこで、ビールの総生産高は、国税庁から資料をきのういただきました。それによりますと、昭和四十二年度のビールの販売数量は、キリン、サッポロ、アサヒ三社で二百三十一万六千キロリットルという数字が出ておりますが、二百三十一万六千キロリットルとは一体大びんに直して何本ぐらいになるのですか。
○佐藤説明員 約三十八億本になると思います。
○武部委員 三十八億本というのは、当然生ビールとかあるいは小びんとか、そんなものをみな合わせてそれを総体的に割った、こういうふうに理解してよろしいですね。
○佐藤説明員 そういうことです。
○武部委員 わかりました。 そこで、宮澤さんにお伺いをいたしたいのであります。 先ほどから国税庁のほうにも、いろいろ酒の問題あるいはウイスキーの問題、さらにはビールの問題等についてお伺いをしたわけであります。私が長官にお伺いいたしたいのは、前回百二十七円のビールの問題が出たときに、三円の値上げの動きがあるが、このことについて長官はどういうお考えなのか、こういう質問に対して、三円の便乗値上げは絶対に反対だ、こういう答弁がございました。いまのところ表立ってビール業界からの動きはありませんが、これはあとにまた具体的に事実を述べることにいたしまして、一昨日、閣議後の記者会見の模様が大々的に報道されました。それによりますと、先ほど国税庁のほうは、各税務署にそういう報告書が来れば、五日たてば自然的にこれは上がるのだ、さらにコストアップの点から見てこの程度はやむを得ない、こういう答弁がされておるわけであります。長官のほうは、新聞の報道はそれぞれニュアンスは違いますけれども、そうした届け出があった場合には突き返すべきだ、それでも業者が値上げをする場合には、法律上政府はそれを押えることは権限上できない、しかし、少なくとも政府はこの値上げについて賛成していないのだということは国民にわかってもらえる、こういうような答弁をしておられましたが、ひとつこの際、いま私が申し上げた酒やビールやウイスキー、そうした税金値上げ後の再度の値上げについて長官は一体どういうお考えなのか、それをお伺いをしたい。
○宮澤国務大臣 実は今回の問題について、私も先刻初めて国税庁のお話を聞いたわけでございます。まあなるべく値上げの幅を小さくするようにというので、国税庁は大いに善意では努力をしてくれているということは、私も認めるにやぶさかでないのでございますけれども、それにもかかわらず、さっきの説明を聞いておりますと、どうも武部委員や村山委員が持たれたような疑問を私自身が多少実は持つわけであります。 最初にこの五月の八日までに百何十件の価格報告書というものがあって、それがみんな二級で三十円という報告をしてきたということを言っておられたので、百五十ものものが一度に偶然に三十円、同じことを言ってくるのは、これはまさか共同行為があったのではあるまいがなあと思って聞いておったわけですが、あとのほうで聞きますと、組合が生産者、卸、小売りという数字を持ってきて国税庁に相談があって、そこで国税庁が、これは全体で四十何円、五十円近いものになるのを、三十円というところが——これでがまんしろと言われたかどうか、どうやらそういうニュアンスの話であったように思いますから、それでなるほど三十円ということが読めたわけです。しかし、そういう行政指導をやっても独禁法との関係はよろしいのか。行政が入るからよろしいという説明になるのでありますかどうでありますか、その点は別にしまして、やるのならばひとつしっかり指導してもらいたいと思うのでございます。 そのかわり、もしほんとうにしっかり指導してくれるのなら、これは政府の関与し得る価格ということになりますから、これは私どもの役所も相談を受けなければいかぬということになります。それから、そうでないのなら、もう全然妙なことを、むしろしてもらわないほうがいいのではないか。それは企業の規模によってコストが違うことはもう明らかであります。どうも少しことばは悪うございますが、行政指導というものが、都合のいいときだけ業界に利用される結果になっているようなことはないのだろうか。私は、国税庁の善意は少しも疑っておりませんし、こういうときにできるだけ小幅にしようと思ってくれていることも疑っておらないのでありますけれども、どうもやっている行政が——私も戦前に税務署長などをいたしましたが、そのときとあまり観念が変わっていないのではないだろうか。政府部内でこんなことを申し上げるのは、私は非難をする意味でなくて、少し問題を提起して相談をしてみたいと思うから申し上げるのでありますが、全体の問題としてそういう感じが実はいたしておるわけであります。
○武部委員 私も実は独禁法との関係で若干問題を提起したかったのであります。先ほどお聞きいたしますと、酒造組合はたしか四十七円九十銭だとおっしゃったと思うのですが、コストとしては、二級酒は四十七円九十銭程度を上げねばならぬというような内容を持ってきた。その中からいろいろやって三十円にした、こういうことをおっしゃったのです。私は、この点にやはり独禁法との関係は存在すると思うのですよ。 それでは、公正取引委員会のほうとしては、この問題について、何か独禁法に触れるということで御調査をなさっているようなことはございますか。
○柿沼政府委員 行政指導は一応独禁法には違反しないたてまえになっておるわけでございますけれども、実際のいろいろな業界を見てまいりますと、その背後に実際は業者の協定がございまして、それが行政指導というかっこうでもって、独禁法に触れないかっこうで出てきているという例が過去において相当見られたわけでございます。昭和三十九年に基準価格を廃止いたしましたという趣旨は、やはりそれぞれの企業の採算の違いもございますし、一面、酒税を確保しなければならないという目的があるにいたしましても、その辺に自由価格のいい面が出てくるようにということで基準価格がはずされたのだと思われる次第でございますので、その行政指導が非常に画一的に行なわれるということには、私は相当な問題があるのではないかというふうに考えております。ただ、特に二級酒のメーカーというのは三千幾つの数がございまして、そのうち北関東ないしは東北地方のごくわずかな業者の値上げが行なわれたという事実だけを見ますと、それが直ちに独禁法に違反するような協定があったという判定はできないわけでございますけれども、続々と値上げが行なわれて、しかもその背後に団体があるということでございますと問題がございますので、私どもといたしましてもその成り行きを現在注視しておるという状況でございます。
○武部委員 行政指導が画一的に行なわれた場合は独禁法に触れる、こういう点をいまあなたはお述べになったと思うのですよ、行政指導が特に二級酒について画一的に行なわれる。二級酒は五月一日の増税分に入っていないのです。そのことについていままでずっと調べてみると、二級酒は大体三十円値が上がる。そういう点から見ると、国税庁の行政指導が画一的に行なわれておると私どもは判断せざるを得ないのですよ。こうした場合、明らかに、これから先を待たずして、あなたのほうの公正取引委員会はそういう疑いがありとして即刻調査するのが当然じゃないですか。
○柿沼政府委員 行政指導自体は独禁法の対象にならないわけでございます。 それから、先ほどおけ買いの話が出たわけでございますけれども、現在清酒の流通ルートというのは、三十九年の自由化の影響もございまして相当変化をいたしてまいっております。おけ買いというようなかっこうで有力メーカーに流れる場合もございます。都市の大きなスーパーに直結して、卸なしでもって売るというようなケースもございます。それから、現在お話の対象になっておりますように、卸、小売り段階を通ずるというようなルートも出てまいっておるわけでございまして、流通関係も非常に複雑になってまいっております。それから、たとえ行政指導をいたしましても、現在の特に夏場に向かいます清酒の需給関係からしまして、はたしてそれが実際の市場で通用するかしないかという問題もあろうかと思われます。三千六百幾つのメーカーのうちで、百幾つというようなメーカーの値上がりでもって直ちに独禁法違反だという判定は、私どもといたしましてはいたしかねておる次第でございます。
○武部委員 私、牛乳のときにも申し上げたのですが、これはあなた方テレビでごらんになったか知りませんが、公正取引委員会について非常に大きな不満が出ているのですよ。審判の非常に遅々として進まぬ点を消費者団体は非常に歯がゆく思って、公正取引委員会に何か抜本的なことをしてもらわなければならぬ。それは、緊急停止命令が今日まで一ぺんも行なわれたためしがない。したがって、後手後手といっておるのですよ。ですから、牛乳は去年の四月から上がったけれども、もう一年数カ月たっても何にも結果は出てこない。すでに牛乳は上がったままで、消費者は高いものを飲まされておる、こういう事実をあのときも指摘したはずなんですよ。それで、緊急停止命令について一体どう考えるか、こういう点においても、何か委員長の新語によれば、国民がなじまないからだめだとか、そんなような新語で済まされてしまって、そのままになってしまっている。しかし、現実に、あなたは百三十何社しかないとおっしゃるけれども、厳然たる事実が目の前にあらわれておる。これが波及しそうだといったときに、もうちょっとあらわれるのを待ってとか、そんなことをしたらまたぞろ同じことなんです。ですから、公正取引委員会は、そういう行政指導が画一的に行なわれて、明らかに業者の協定が行なわれておるであろうと想定した場合には、即刻調査をして未然にそういう点を防ぐ、それが私は公正取引委員会の任務、仕事でなければならぬと思うのです。これから先どのくらい、いつごろになったら上がるだろうか、そういう点を見て後手後手と回る、そういうことであっては困ると思うのです。委員長もお帰りになったようですが、私は、そういう点について公正取引委員会がいまの現状を即刻調査して、もし独禁法違反ならば適切な措置をとっていただきたい、そういうことをひとつ強く要望しておきたい。 そこで、長官にお伺いいたしますが、あなたのおっしゃったことであげ足をとるわけではありませんけれども、法的に押える権限はない、突っ返せ、しかし突っ返してもこれは上がるだろう、しかし、政府は反対をしておるのだということが国民にわかってもらえる。私は、これはちょっと何か政府の責任転嫁で、とにかくわしらは反対だ、反対しておるのだから上げるということが悪いのだ、そういう政府の逃げ口上にとられるように思われてしかたがないのです。それと同時に、あなたがおっしゃった中に一つだけこういうことばがあります。この酒の値上げを国税庁に届け出ればいいという手続自体がおかしいと思う、こういうことをおっしゃっておるのですね。このことは、酒、ビール、ウイスキー、そうしたもののいまの値上げのやり方、このことについて長官自身として何か規制をする、いわゆる消費者保護の立場から抜本的にそういう点をお考えになっておる、そういうふうに思えるので、あなたの御発言の中にそういうニュアンスの発言が報道されておりますので、この際お聞きしたい。
○宮澤国務大臣 現在の酒の行政のあり方について私が疑問を持っておることは、先ほど申し上げたとおりでございます。そこで、この間、突っ返す云々ということを申しましたのは、確かにそう申しましたので、わざわざ法律用語でない突っ返すということばを使ったわけでございます。これはいまのたてまえでいえば、行政指導というようなことをとことんやるのなら別でございますけれども、そうでないといたしますと、実際政府は関与はできないということになるのであろうと思いますが、しかし、それを黙って政府が受け付けるか、あるいは政府としては賛成しがたいがという意思表示をするかということで、中には上げなくても済む、うちはやっていけるというメーカーがあるに違いないのでありますから、そうすればそれで自分のシェアをふやしていこう、こういうチャンスもあるわけでありますから、政府がどうもいいこととは考えていないという表示をするのとしないのとでは、それはやはり結果として幾らか違うであろう、こう思ってああいうことを実は申したのであります。もしほんとうに強い行政指導ができるのならば、これははっきりだめだ、いいということを言うべきだと思いますが、現在ではそれができないというのが実情でございましょうから、やはり政府の意思というものは何かの形で言っておくほうがよろしいのではないか、こう思ったわけでございます。
○武部委員 私は、最後に長官にぜひお願いをしたいのでありますが、ビール業界の現状については、非常に詳しい資料を国税庁から提出をしていただきました。配当は、麒麟に至っては一五%、税引き前の利益は、麒麟だけで九十四億、一年間に三社で二百六億の利益をあげておるわけですね。売り上げ高は一年間に四千二百億、非常に膨大な売り上げ率であり、利益であります。同時に配当であります。 そこで、百二十七円の論争をいたしましたときに、一体なぜこんなはしたをつけたのだ、こういう点をたしか私は言ったと思うのです。実はきょう、私のところにいなかの小売り業者が来まして、実はつりに困っておる、百二十七円で買いに来る、まあはっきりいってつりの三円がないというときには、顔見知りの者ならまけておくとか、おつりがないからかんべんしてくれということで済むが、子供が買いに来たときに困る、こう言うのです。まさか子供にうそついて、やれ三円のつりを出すとか出さぬとか、そんなこともできぬし、たいへん困っておる、なぜ百二十五円にしてくれなかったか、はっきりいえばこう言うのです。この百二十七円の七円の値上げのときに、そういう政治的配慮があってしかるべきではなかったか、これはいなかの小売り業者のことばなんです。百二十七円にしたことは、むしろ政治的な配慮と逆にとれば、百二十七円にしておけばつりがなくて困るから、百三十円にするための政治的な配慮だ、こういうふうに私たちはとらざるを得ません。三円上げれば、三十八億本とかおっしゃったが、約四十億本、三円上げれば百二十億円が三大メーカーのふところに入ることになるのですよ。そういうむしろ逆な政治的な配慮が、この百二十七円というはしたになってあらわれたのではないかと疑いたくなるのです。ところが、長官のほうは、三円の便乗値上げは絶対反対だとおっしゃっておるが、さっきのようなていたらくを見ておると、どうもそのうちに行ってみたら百三十円になっておった、こういうことになりかねない。したがって、この際きっぱりと——私は、この間の参議院の物価委員会の議事録を読んでみました。あの列車の食堂で、百七十五円のビールを百八十円に許可した。なぜそういうことをしたかといったら、五円なんというのははしたでだめだ、十円のほうが切りがいい、これは国鉄の管理者の答弁ですよ。五円でも十円のほうが切りがいいというのですから、三円ならなおさらでしょう。こういうことを考えると、やはり政府の中には十円単位、こういうようなものの考え方があるように思えてしかたがないのですよ。この際ひとつビールの問題について、再度長官からお答えを願いたいと思います。
○宮澤国務大臣 私は依然として百三十円ということには反対であります。 ただ、先ほど、二級酒のことで国税庁の話を聞いておりますと、私どもが反対反対と言っているのに、三十円というならこれで泣けというような行政指導を実際しておったとすると、これは行政でうそをつくことはできないのでございますから、そんな事情があっては困ると思いますが、私は、ビールについてはそういうことはないだろうと思うのでございます。と申しますのは、実は百二十七円というのは、ちょっとこれはなきがらの数字でございまして、いきさつがありまして、当初最終価格を百三十円にするという考えが一部にあったわけでございます。そうしてその二十七円までが税金で、三円は、これもまあ小売りとか卸売りとかメーカーというような話もあったようなんですが、それにしようという話があったようでございます。それで、それは絶対に困る、ことにメーカーにさらにマージンをやるなんということは絶対に反対だというようなこと、そういういきさつがございまして、それで増税分に乗っけないままでその三円をすっ飛ばしてしまったものですから、百二十七円という奇妙な価格ができたわけであります。それでも私は百三十円よりはいい。確かに、いなかでありますと、ビールを一本買うということもときどきはあると思いますけれども、まあまあそうしょっちゅうあることでもございませんですから、多少不便であっても、私は、百二十七円ということでやっていくべきだというふうに思います。
○武部委員 これは二をかけたって三をかけたって四をかけたって、みんなはしたが出るんですよ。一本か二本買いに行ったって、はしたが出るんですから、それは話にならぬのです。小売り業者がそう言うのですよ。一本で百二十七円、二本だってそうでしょう、みんな出るのですから。だから、あなたの善意を信じまして、絶対にそういうことをしてもらっては困る。この点は先ほどそういう答弁がありましたから、ぜひそういう点は厳守していただきたい、ひとつはっきりとした態度で臨んでいただきたい。 最後に、公正取引委員会に申し上げておきますが、先ほどの問題について、次回十六日の委員会で、公正取引委員会としての正式見解の回答として述べていただきたい。よろしゅうございますか。 以上で終わります。
○八百板委員長 木原実君。
○木原(実)委員 長官にいろいろお伺いしたいことがあるわけですけれども、時間もございませんので、同じ問題をもう少しお伺いいたしたいと思います。 先ほど来御答弁を承っておったわけでございますけれども、どうも酒のことにつきましてはあまりにも——特に大蔵省は、保税が主でございましょうから当然そういうことになるかと思いますけれども、消費者の立場というものに対する配慮があまりにもなさ過ぎるのではないか、こういう感じがするわけでございます。 先ほど村山議員のほうからも関連質問がございましたけれども、今度の値上げでは、だれが見ましても非常に疑いが存するわけです。その疑いの根源の中には、第一に、先ほど行政カルテルではないかというふうな発言が同僚委員からございましたけれども、その疑いをぬぐい切ることができないわけです。同じ業種がいろいろあるのに、どうしてこの一律三十円で上がっていくのか、背景の中に組合なりあるいはグループなり、相談があったという疑いは当然存するわけです。それらに対して、いまの御答弁ですと、これは手続上は違法ではない、こういうふうなことで、半ばこれをやむを得ないように認める御見解があったわけですけれども、その辺につきまして私が一番心配するのは、酒のことに関してのいろいろな法律を見まして、消費者の立場を保護するという名目のある法律がないわけです。ここに、たとえば酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、こういうのがございます。この目的の項を読んでみますと、「この法律は、酒税が国税収入のうちにおいて占める地位にかんがみ、酒税の保全及び酒類業界の安定のため」云々、こういうことを冒頭にうたいまして、この目的のどこを読みましても消費者の保護はないわけであります。たまたまわれわれは、たいへんこの委員会で苦労いたしまして、このたび消費者保護の基本法を成立させました。そういう観点からいたしますと、酒に関しては何らかの措置をとりませんと、先ほど来長官から今度の値上げについてのたいへん善意の御見解の表明がありましたけれども、これを裏づけるものがないわけですね。そうしますと、いま御発言がございましたように、酒の値上げについての手続はこれでいいのかという長官御自身の御疑問を裏づけていくためには、やはり酒に関しましても、消費者基本法との関連において、何らかの形で酒飲みの保護を考えるような一項目が少なくとも関連法の中に挿入されてしかるべきではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
○宮澤国務大臣 ちょうどその辺のことを私も実は考えて御答弁申し上げておったわけでございますが、いまのその法律でございますが、つまり前のように、戦前から戦後しばらくの間、酒の価格あるいは酒そのものが非常に厳重に管理統制をされてきておりまして、それでこれを急に野放しにすることについては、監督官庁である大蔵省、国税庁にも不安がございましたでしょうが、業界にもやはり相当実は長い間の保護——きびしい面もございましたですが、やはりそれが逆には相当の保護にもなっておりました。それから急に抜け切れない業界のほうにも不安がありまして、両方から実はそういう法律ができたのが経緯ではなかったかと思います。そうだといたしますと、その底に消費者的観点が入っていないのは当然のことなのでございまして、極端に申せば、酒屋さんがつぶれれば酒税の保全ができないという、そんな観点だけが出ておるようなことになって、ですから、何かこの辺で考え直さなければならないのではなかろうか。私、この法律を主管しておる人間ではございませんから、これ以上述べましたら出過ぎになりますが、私どももひとつ、私どもの立場から検討してみたいと思っております。
○木原(実)委員 御答弁をいただいたわけでございますから、これはぜひそういう方向で御検討いただきたいと思います。 酒というのは、私はあまり酒を飲まないわけでございますが、飲む人間にとりましてはこれは必需品でございます。飲まない人間にとりましてはどうでもいいことなんでありますが、飲む人間にとりましてはほんとうに必需品でございますから、そうすると、国民の必需品がメーカーサイドからだけ、あるいは保税という面だけで措置されるということでは、消費者保護という問題がやかましくなっておる段階でございますから、おそらくこの委員会としてもこのままでは見過ごせない。たまたま今度の値上げの措置の背景の中には、これから直ちに究明しなければならない問題もございますが、しかし、このままでもある意味では問題が提起されたわけでございますからぜひ長官等のお骨折りをいただきまして、何らかの形で消費者サイドの保護という項目を入れるように御配慮いただきたいと思います。それを第一番に、これはひとつしかとお願いをいたしまして、次へ移りたいと思います。 先ほど来お話がございましたように、今度の値上げの問題で一番納得がいかないのは、いま申し上げましたように、これはほとんど同じ値段の値上げを同じ時期にやってきておる。その間に行政指導云々のことがございましたけれども、先ほどの発言もございましたように、行政カルテルのにおいがする。業者は多様でございますから、当然、値上げの要求が来ましても値上げ幅についての違いがあってしかるべきだ。それが出てきたものは同じ値上げになっておる。これはだれが見ましても、独禁法との関連が出てくるわけでございます。先ほど武部委員のほうから、公取委のほうで正式に回答をせよ、こういう御要求がございました。これはひとつ見解を出していただくと同時に、少なくともこれについて調査をするという御確言をここでいただきたいと思います。いかがですか。
○柿沼政府委員 私どもといたしましては、本問題、決して無関心でおるわけではございません。ただ、現在までのところ、三千六百余社のうちで本日までに百四十七社という値上げでございまして、それも地域的に申しますと北関東ないし東北という、どちらかと申しますと小さな酒屋さんの値上げ、その酒造場は相当ぱらぱら離れておるような状況でございます。それがただいま国税庁からの答弁にございましたように、ある程度全国的規模で行政指導が行なわれているという話もございますので、その辺のところは十分調査をしながら注視をしておるわけでございます。
○木原(実)委員 行政指導の問題につきましては、これはたとえば話が少しそれますけれども、昨年の十月、長官御案内のように消費者米価の値上げがございましたときに、やはり便乗値上げの問題がございまして、十月の消費者米価の値上げに続いてしょうゆの値上げがございました。そのときに当委員会で問題にいたしました際にも、当然しょうゆ業界はかなりもうかっておるはずだ。そうなると、特に大きなメーカーの場合には、社会的な責任もあるんだから、便乗値上げは許さないという線でひとつ行政指導というか、話し合いをする、こういう話もあったわけですが、実際はその際に、たとえば代表的なメーカーと話し合いをしたのかどうか、私は寡聞にして政府と話し合いがあったというふうには聞いていないわけです。そうなりますと、これはいままでたびたびこの種の値上げの問題が出たときに、実際は自由価格だからどうにもしようがないんだけれども、政府との接触が強いんだから、それから基本的な消費財であるから、こういうことで値上げをしないように、こういう行政指導といいますか、そういう努力をするということが言われたんですが、ほとんど実効があがっていないわけですね。実際しょうゆの場合にもおそらく何にもやらなかったんじゃないかと思うのですが、ちょっとその辺いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 あの当時、私が倉石農林大臣から聞きました話では、食糧庁でございますか、業者に来てもらいまして食糧庁としての話をした、こういうことを事後に農林大臣から私伺ったような記憶がございます。ですが、結果は、私どもの期待するようにならなかったことも御指摘のとおりであります。これは農林省としょうゆ醸造業界とどのくらいなにがございますか、それは国税庁と酒屋さんといったような関係とはおそらく問題にならぬ、薄いと申しますか、いわゆる指導ということもできにくい関係にあるのではないかと思います。酒の場合は、国税庁自身、間税部長がある程度指導しているということを言っておられるわけでございますから、これはまあ関係がだいぶ違うのではなかろうかと思っておりますが……。
○木原(実)委員 そこで、これは間税部長さんにお伺いしますけれども、結論から申しますと、今度の場合、ウイスキーの場合も値上げについてはどうしようもないというわけですね。
○佐藤説明員 ウイスキーにつきましては、先ほど申し上げまたように、五百円、千円、千百円のものにつきましては増税分まで食い込むという状態になっております。またウイスキーにつきましては、昭和二十五年ぐらいから、もう公定価格がはずれまして自由な価格形成の状態に入っておるわけであります。そういう状況があります。 また清酒の関係でありますが、清酒につきましては三十九年までは基準価格制度が残っております。その後三十九年の秋にこの基準価格もはずしまして、できるだけ自由な価格展開をはかっていこうという考え方できておるわけでありますが、ただ値上げが、消費者の納得が得られないような合理的でない範囲内の値上げが行なわれるというようなことは、私どもとして極力これをチェックしていく必要があるだろうという考え方で、価格面につきましてはいろいろと私どもも検討をしておるわけであります。今度の場合は、御承知のように、やはり食管によりまして百五十キロ当たり千六百六十円という原料米の値上げがあり、これが酒の製造原価の中で六割以上を占めておるわけであります。そういう関係と労務の関係でございますので、私どもとしては、対象者の関係では非常にいろいろ問題もございましょうけれども、やはりそういうコストアップの事情がある以上、どうにもいつまでもこれを押えておくといいますか、そういうこともできないという状態でございます。価格報告書なるものの性格は、先ほど申し上げましたような性質のものであります。いまのところ、二月から新酒の出回るときに値上げをしたいという話があったわけでありますが、これを自粛するように要請をしてきた点もありますが、もう私どもとしても、ここまで来ますとやむを得ないのではないかというふうに考えておるわけであります。
○木原(実)委員 これはそうおっしゃいますけれども、いろいろ問題があると思うのです。清酒のほうからあれしたいと思うのですが、二月ごろからいろいろ値上げの要求があった。これはまあ自粛するように要請をしてきた。それならば、何でこの税金分が上がる時期に、ある意味では、客観的にいえば便乗させて値上げを許したのか。二月からいままで押えてきたというならば、せめてあと三月なり半年なりは、これは政治的配慮の上からいっても、政府の立場からいっても、やらせるべきじゃないのではないですか。これは政府が率先して、逆に言えば、二月。ころから要請があった、コストを見てこれはどうしてもやむを得ないのだ、こういうふうに判断をされるなら、むしろ税金を上げるのを延ばすべきですよ。そのほうが、業者保護というならばすっきりすると思うのです。税金を上げました、これではだれが見ても便乗ですから、その辺の政治的な配慮を含めた指導ができなかったのですかね。これは少し与党質問みたいになりましたが、どうでしょう。
○佐藤説明員 これにつきましては、長官からも業界に対しまして、増税の時期から相当時期をずらしたところで、そういうコストアップの事情はあるけれどもやってもらいたいということを要請をしておりました。しかし、こういうような状態になりまして、実は私ども自体も遺憾に思っておるわけでありますけれども、こういう価格につきましては、私どもそういう価格報告書を受け取るという状態になっておることでございますから、現在のような状態になっておるということでございます。
○木原(実)委員 まあ確かに受け取るだけでございましょうけれども、長官が先ほどちょっとおっしゃいましたように、大蔵省と酒のメーカーとの関係というのは、なかなかもっと密接なはずなんですよ。ですから、私のほんとうに申し上げたいことは、確かにコストが上がっているというのならば、これは選択の問題ですけれども、税金も上げました、コスト分も上げましたじゃ、これはだれが見ても、消費者におこれと言わんばかりのことですよね。たまたま参議院選挙を前にしまして、与党の皆さんだって、大蔵省どっち向いているんだと言いたくなるようなやり方なんですよ。だから、そういう配慮もできないぐらい大蔵省がメーカーサイドになり過ぎているのじゃないか、私が申し上げたいのはこのことなんです。ですから、大蔵省の中ではなるほど保税のほうが先でしょう、その意味で業界の保護ということが先行する面がやはりあるでしょうけれども、しかし、少しは消費者の面を考えるような配慮をすべきではなかったか、これからすべきではないか、こういうことを申し上げているのですが、いかがですか。
○佐藤説明員 現在まで出ております百四十七社というのは、ほとんど地方的な銘柄のものでございまして、全国的な銘柄になります灘、伏見等の大手のものにつきましては、十分に自重するように、国税庁の次長から業界にまた再び反省を求めておるという状態であります。
○木原(実)委員 そのことを重ねてお伺いしますけれども、そういう一つの要請を出して、これはかなり大手のほうの業界に対しては、拘束力とは申しませんけれども、影響はある、こういう御判断でございますね。つまり、他のメーカーから相次いで値上げ申請が出てくるのじゃないかという、これは酒飲みの心配があるわけですけれども、どうですか。
○佐藤説明員 できるだけ時期を延ばすように要請いたしておるわけでありまして、その間のところを御了承賜わりたいと思います。
○木原(実)委員 われわれも国会に出てきて、物価問題等特別委員会の委員に顔を並べておりまして、野党でありましても選挙になりまして、物価のことで、おまえ何だ、酒を上げてしようがないじゃないかと言われましたら、これは与党の諸君と同じでございますから、これを大蔵省があまり——大体そういうところから大蔵省は憎まれるわけですよ。そうでなくても税金は持っていかれる、おまけに値上げを黙認するというのじゃ、あまりにも配慮がなさ過ぎる、こういうことです。 清酒のことはそれぐらいにしまして、ウイスキーのことですが、ウイスキーもいまちょっと御説明がございました。なるほど、大衆向けのものは増税分も含めてかぶって値上げしないで、中高級品についての値上げが行なわれておる、こういうことなんですが、これも、大衆品は値上げしないで置いておいたのだからいいじゃないかというのは、これまたたいへん酒飲みといいますか、大衆をなめたやり方でございまして、それでは、大体五百円のウイスキーしか飲めない者はいつまでも五百円のを飲んでおれというような、何か聞いたような論理につながるわけなんですよ。酒飲みというのは、少しふところがあたたかくなれば、やはりいい酒を飲みたいという心理があるわけですから、これは私、値上げの会社側の発表があったときに憤慨をしたわけですけれども、国民経済的に値段をとどめておいてやったんだ、高級品はそのかわり上げたんだから大衆はしんぼうせい、これじゃわれわれ大衆はいつまでも中高級品は飲まなくてもいいという論理で、これは商売人の言うことばじゃないというふうに感じたわけなんです。それ自体たいへんおかしなことなんですが、それぐらい、ある意味ではウイスキー業界もかさにかかってきていると思うのです。 それから、大衆品については値上げをしなかった、中高級品については値上げをしたといいますけれども、ウイスキー全体は、御承知のようにたいへん消費が伸びているわけですね。これからも伸びる趨勢にある。その伸び分の利益、こういうものを考えましても、私もいろいろ調べてみたわけですけれども、少なくとも大手三社につきましては、値上げをする必然性というものはどうもないという感じですね。いかがですか。
○佐藤説明員 今度の場合におきましては、増税分による生産者のいわば吸収といいますのは相当に大きな額になるわけであります。先ほど申し上げましたように、五百円、千円、千百円といいますのは、増税分の中では七割七分でありますが、また全体の商品の中におきましても相当大きなウエートを持っておるわけであります。これによってかぶる額というものは相当大きい。ただ、やはり販売のやり方その他いろいろな点を勘案してこういう措置をとったものと思いますので、私どもとして、経営の実態等から見まして相当無理をしたものであるというふうに考えております。
○木原(実)委員 これはきょうはあまりやりたくないのですけれども、私は前二回、サントリーの問題を詳しく申し上げました。私企業のことですからあまりやりたくありませんけれども、これはこの前も、私はサントリーについての査察を要求したわけです。と申しますのは、サントリーの一社の中でのたとえば広告等を見ますと、非常に経理内容に疑問の点があるわけです。つまり利益をあげておるということのほかに、いわゆる経費として落とされる分野のワクが広過ぎまして、私どもから見ますると、その中でたとえば広告というような問題についての支出が非常に大きなウエートを占めておる。いろいろ詳しいことは時間もありませんので申し上げませんけれども、これらについての税制面からの何らかの調査をして、それからコストの構成とか、いろいろな問題がございましょう。ございましょうけれども、いわゆる企業の合理化によって値上げ分を何とかカバーするような余地は十分ある、こういうふうに私は従来考えてきたわけですけれども、その辺についての何か御見解はございませんか。つまり、いろいろコストが値上がりした、こういいますけれども、では、たとえばサントリーならサントリーの経理内容について税制面からも御調査なさっておるわけでありますから、その面で企業の合理化によってコストのアップ分を吸収してもらう、こういう、勧告というのはおかしいのですけれども、そういう余地があるというふうにはお考えになりませんか。
○佐藤説明員 ウイスキー等におきますところの広告宣伝費でありますが、売り上げ金額に対する広告宣伝費の割合というものを見てみますと、やはり薬でありますとか、そういうものの広告よりは非常に高いわけであります。また、ウイスキーといいますのは、何といいましても酒の業界の中ではいわば後発的な産業でございます。また将来の自由化という問題もございまして、現在のしばらくの間に相当販売網を確立しておく、あるいは相手方に対するいろいろな販売上の配慮というものもやはりそのためにも必要でございましょうし、そういう後発的なものでありますだけに、ほかのものに比べますと多少高くはなっておりますけれども、現在おいおいと生産数量、販売数量もふえてまいっておりますので、その間におきまして合理化の線に漸次進んできておるということは事実でございます。
○木原(実)委員 これは抜本的な問題がまだ残ったままですが、きょうは長官せっかく御出席なんで、ぜひ長官にひとつ御判断をいただきたい問題があるのです。長官の御出席がなかった当委員会で、私は二度ほど、この広告のことに関しましてサントリー株式会社の問題を取り上げたわけなんですが、私どもの判断では、私が使いました会社側の資料は、四十一年度でございますから少し資料は古いのですが、株式会社サントリーの年間の総売り上げ高が五百四十億近くある。その中でいわゆる税法上経費として落とす、つまり私はそれ全体が広い意味の広告宣伝費という解釈をしたわけなんですが、百三十五億、パーセンテージにしまして約二割四分が販売管理費と称する項目ですけれども、広い意味の広告宣伝費に使われておる。こういう事実が会社側の資料でも明らかになったわけであります。幾ら何でもひどいじゃないか、こういうことで——特にいま大きな広告を出しておりますのは、大手十社なんというものが広告業界でいわれておりますけれども、大体酒、薬、それから自動車メーカー、それから電気器具でございますね。この四つの業種などがたいへん大きな広告を出しておるわけなんです。この広い意味の広告宣伝費というのは、結局は消費者のところでかぶるわけでありますから、広告のあり方の問題、あるいはまた広告業界との関連の問題、いろいろ出てくるわけですが、いずれにしましても多額の販売促進費といいますか、販売管理費あるいは広告宣伝費、これは広い意味、狭い意味の問題もありましょうけれども、そういう一つの構成になっているわけなんです。私は、これは非常に不健全だ。もともと酒なんというものは、間税部長さんおっしゃいましたように商売ですから、企業の商売を発展させるためには大いに広告も必要でしょうけれども、別の面からいえば、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、あらゆるものを通じて、これはもう毎日毎日酒飲め酒飲めの宣伝が行なわれているわけなんですから、考えようによっては広告倫理上からいってもおかしい。アメリカなどは、酒の広告については一種の禁止の規定がある。だから、これはその辺から当委員会の消費者保護の立場に関連をするわけですけれども、そういうコスト面の問題と、それからまた、酒飲め酒飲めの多額の宣伝が毎日毎日行なわれているような日本の社会というものはこれでいいのかという問題。それからもう一つは、広告業界はたいへん大ざっぱな業界でございまして、サントリー問題をいろいろ私が取り上げましたきっかけになりましたのは、サントリーの広告を担当しておるある社員が、いわゆる広告代理店から多額のリベートをもらっていた、こういう問題が出てまいっておるわけです。この社員は、ごく最近会社側のほうから大阪地検に告訴をされたそうでございますけれども、この社員が一億をこえるリベートその他を不正にとっていた、こういうような問題が相重なっておるわけなんです。そうしますと、酒の値上げがこれほど問題になる中で、宣伝費あるいは販売促進費にいろいろな名目で多額の費用が支出をされておる。そのことで広告業界とのいろいろなスキャンダルめいた問題も出てきておる、こういうことが相重なっておるわけなんですけれども、そういうことに関連をいたしまして、一つには、酒というものの企業の中のコスト構成の問題について、健全な方向を打ち出すような何らかのタッチの方法が必要なのではないかということ、それから、広告の関係についての野方図なやり方をチェックするためには、他に方法がないわけですから、新しい方法で広告課税その他の道を開いて、税制の面からでもチェックをしていく必要がないのか、こういう主張を申し上げてきて論争のままになっているわけですけれども、そういうことをかいつまんで申し上げまして、大ざっぱな言い分で申しわけないのですけれども、長官の御判断をいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 それは非常にむずかしい問題であろうかと思って伺っておりました。結局広告というのは利益を増大する目的でやるのであろうと思いますので、広告費限界——広告費よりは利潤のほうが多ければ、広告した価値があるというような理屈になるのでありましょうから、そういう立場からいいますと、広告を悪だときめつけることはなかなかできない。ただ、先ほど言われましたように、やはりものによってはあまり広告を、ことに家庭内に持ち込んだりしないほうがいいようなものも確かにあるという考え方も一つの理屈でありますし、実際そうやっている国もあるわけでございますから、そういう考え方がわからないわけではありませんが、一般的にどういうふうに考えるべきか、ちょっと私も何とも申し上げることができません。
○木原(実)委員 突然のことであれですが、少し話がそれますけれども、私どもは、過剰な広告についてはやはり一定の課税をすべきではないか、こういう主張を持っておるわけなんです。その主張に基づいて、いま申し上げたような事例をこの委員会でも展開をしたわけです。広告業界についての主務官庁は通産省でございますけれども、事実上広告関係については、官庁がほとんど行政的にはタッチする場がないわけであります。しておらないわけなんであります。これはやかましくいえば言論の自由というようなものに関連をいたしますから、行政的にタッチするのがいいか悪いかという問題は残ります。しかしながら、広告の年間の売り上げが大体四千億から五千億近くになっている、こういう産業としましてもたいへん大きな規模にふくれ上がってきているわけです。これに対してほとんど一この中には業界として、政府の援助もほしいいろいろな問題があります。零細な代理店の問題だとか、あるいは広告倫理の問題であるとか、あるいはまた取引慣行等が、かなり大量の金額の問題でもほとんど口頭契約で、いま私どもが取り上げましてから文書契約にするのだということが広告業界の問題になっておるようでありますけれども、言ってみればたいへん非近代的な要素が広告業界の中には多いわけです。きょう新聞社の諸君もおりますけれども、マスコミの恥部といわれるような側面が強いわけです。そうなりますと、われわれは何も広告の持つ言論の自由について官僚的にどうこうしろ、こういうことではございませんけれども、少なくとも消費者保護の立場から、やはり過剰な広告や過大な広告については一定のチェックをしなければならないのではないか、その場は、広告課税というような方法がまあ考えられるさしあたっての最適のことじゃないのか、そういう主張を持っているのですが、いかがでございましょうか。
○宮澤国務大臣 それは確かに一つの考え方であるとは思います。一定額以上の広告について、おそらく間接税をお考えになるわけでありましょうが、考えられることだと思いますけれども、もう少し検討いたしてみませんと、公の席では、私何とも申し上げかねます。
○木原(実)委員 これは私ども年来の主張でございまして、しかも広告業界その他にタッチしてみればみるほど、何らかのそういう措置が必要だということを痛感いたしております。別の機会にこれはまた少し詳しく展開いたしたいと思いますけれども、そういう見解を持っております。 それとあわせて、酒のこれだけの値上がりの問題がこういう形で問題になっているわけですから、大きなメーカーについての、特にウイスキー、ビール等についての広告のありようというのは、値上げを考えるならば少し広告が過剰ではないか、こういう見解を持つわけなんです。そしてまた、事実企業の経理に多少立ち入って考えてみますと、いろいろの名目での広告宣伝費というものが、構成のウエートが多過ぎるという考え方を持つわけなんです。ですから、それらの点についても、これはもう行政指導をする場が、どうも先ほど来大蔵省の話を聞きましても、あるようなないようなことで、たいへんわれわれも不本意なんでございますけれども、そういうことを含めて、コストダウンの問題についての行政指導あるいは話し合いが、大蔵省とその業界との間にできるような配慮をしてもらいたい、こういう希望を持つわけなんですが、御見解を承って、終わりたいと思います。
○宮澤国務大臣 それは、先ほどいわゆる近代化促進法のことを国税庁の間税部長も言っておられたわけでございます。これはやはり、ことに二級酒の場合そうでございますが、御承知のように家と倉が一緒である、地方ではそれが多いものでございますから、集中生産をするといったようなことがなかなかやりにくいわけでございます。ことに、おおむね一代ではない、やはり何代目かになったりしております。しかし、できるだけ近代化促進をしていくこと、これは国税庁もだいぶ努力しておられるようでありますが、やはりそうあってほしいと思います。そうでありませんと、このコストというものはなかなか下がっていかない、先ほどのような話になるわけであろうと思います。やはりこれは進めていかなければならないことだろうと思っております。
○木原(実)委員 最後に、公取のほうにこれまた先ほどの関連でお願いするのですが、ウイスキーの場合は談合ですね。談合と言うとおかしいのですが、やみカルテルですね。同じ時期に大体似たような線を出してきておるわけです。それで会社側に聞いてみますと、どうしてもそういうことになるんだ、話はしておりません、しかし、こういうことで値上げをする、旗を上げると、すぐ大手三社はお互いに横目で見ていて同じようなことになるのでございます。こういう話なんですけれども、それにしては、だれが見ましても便乗の値上げである。おそらく話し合いといいますか、あるいは了解があったと疑うのが当然だと思うのです。幾ら何にしましても、消費者をものとも思わないやり口に対しましては、この辺できちんとした姿勢を示しておく必要があると思います。ですから、これはあわせましてウイスキーの値上げの背景等についてもとくと御調査をしていただきたい、これをお願いしておきます。
○八百板委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十三分散会