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58回国会衆議院1968/03/21

物価問題等に関する特別委員会 第4号

発言数
152
登壇者
10
会派数
2
開催日
1968/03/21

会議録

唐橋東日本社会党

○唐橋委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、都合により委員長が出席できませんので、委員長の指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。有島重武君。

有島重武公明党

○有島委員 先般来、独占禁止法並びにその中の再販売価格維持契約制度についてのことを伺いましたが、その中で、初めに、ことばの定義の上でもってちょっとわかりにくいところがございますので、いろいろきょうは教えていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  最初に、再販売価格維持契約ということについて、これは客観的に定義づけがあるのだと思うのでございますけれども、それについて教えていただきたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 再販売価格維持契約につきましてお尋ねでございましたが、法律的にございますのは、第二十四条の二にございます「生産し、又は販売する事業者が、当該商品の販売の相手方たる事業者とその商品の再販売価格(その相手方たる事業者又はその相手方たる事業者の販売する当該商品を買い受けて販売する事業者がその商品を販売する価格をいう。)を決定し、これを維持するためにする」契約、かように相なっておるかと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、いまのおことばで、この二十四条の二に書いてありますのには、「これを維持するためにする正当な行為」というふうに書いてありますので、これは非常にわかりにくく思ったのですけれども、山田委員長のいま申されましたのは、その点は抜いて、それでそうした行為について正当だ正当でないという判断は、これは別にやっていくのだというふうに、普通に受け取ってよろしいわけですね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 ただいま申し上げましたのは、再販売価格維持契約についてだけ申し上げましたので、二十四条の二では、そのほかいろいろな要件、すなわち「その品質が一様であることを容易に識別することができる」こととか、ただいま御指摘の「正当な」とか、それから「当該行為が一般消費者の利益を不当に害することとなる場合」でなければならないとか、販売する事業者がする場合におきましては生産者の同意がなければならないとか、かような条件があるもの、こういうふうに考えております。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、先日ここで粉ミルクの問題を少々伺いましたけれども、ああした粉ミルクの問題なんかは、私どもは、あれは一つの再販売維持契約の行為であるというふうに思ってお尋ねしておったのでありますけれども、まさにそれに該当すると考えてよろしいのでしょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 ただいまお尋ねの件は粉ミルクの件でございますが、これはただいままだ審判中に属しておりまするケースでございますから、私の口から、これが違法な再販維持契約に該当するかしないかということは、ただいま申し上げることは御容赦いただきたいと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 ただいま委員長、違法なというふうにおっしゃいましたけれども、違法か違法でないかということでなしに、ミルクの一連の事件というのは、あれは再販売価格維持の行為であった、それが正当なものであるか不正なものであるかとか、そういったことはあとの問題といたしまして、ただいま一番最初に委員長が言われました定義の中にあの事件がおさまるのかおさまらないのか、その辺のことを伺いたい。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 それに該当する疑いが濃うございましたので審判に付したわけでございますが、ほどなく最終の審決が出る予定でございまして、これで明らかにいたすつもりでございます。

有島重武公明党

○有島委員 それにと言いましたけれども、いま一番最初におっしゃった定義でございますね、生産または販売をする業者が、その商品の販売の相手方たる事業者とその商品の再販売価格を決定し、これを維持するためにする行為、そういう再販売価格ということの行為については、これは二十四条があろうがなかろうが、独占禁止法としてはもともとこれは禁止しておるんだ、その適用除外として二十四条の二があるのだ、そういうふうにわれわれ理解していてよろしいのでしょうか。これはあたりまえみたいな話なんですけれども、非常に基本的なことなので、念を押しておきたい。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 ただいま御指摘の行為は、独禁法の第十九条違反ということに一応なります。しかし、それに現実に該当いたすかいなかは、一般指定の第八の要件を充足いたしておるかどうかによって判断いたすもの、かように考えます。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、いまの粉ミルクの問題なんかは、第一番目に、これが再販売価格維持契約制度なのであるかないかということについての問題点があるわけでございますね。そういうことになるのでしょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 それに該当するという疑いを持ちまして勧告を行ないましたわけでございます。最後の決定は審決にまつところであると存じます。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、その疑いがある、あるけれども、これは再販売価格維持契約という範疇に入らないのではないかと思われるような余地が幾つかある、そういうことになりますのですね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これは審判によって決定するところでございますので、私の個人的の意見を申し上げますとこれを不当に拘束することになりましてもいかがかと思いますので、それは御容赦をいただきたい、かように存じます。

有島重武公明党

○有島委員 亀岡委員に伺いたいのでございますが、亀岡委員はたいへん古くからいらっしゃるというお話ですけれども、いまのこの独占禁止法でもって再販売価格維持契約という行為を、拘束というか、禁止することができるかどうか、そういった論議がいままでもずいぶんなされたのじゃないかと思うのですけれども、いままでなされた問題点と申しますか、そういったことについてお話しいただきたいのでございます。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 お答えいたします。  ただいまの粉ミルクの事件を離れまして、一般的に法律論として御説明申し上げたいと思います。  再販売価格維持行為と申しますのは、まず二十四条の二の適用除外になるかどうかという問題の前に、不公正な取引方法であるかどうかということになると思います。それについて法律的に申し上げますと、まず、十九条の「不公正な取引方法を用いてはならない。」という規定がございます。その不公正な取引方法というのは何かということは、二条七項の各号に掲げてある行為であって、公正な競争を阻害するもののうち、公正取引委員会が指定するものということになっております。ただいまこの二条七項の規定に基づきまして、その中の第四号「相手方の事業活動を不当に拘束する条件をもつて取引すること。」この規定に基づきまして指定八号という規定がございます。指定八号もいろいろな行為が規定してございますが、その中で再販売価格維持行為に該当する行為と申しますのは、正当な理由なしに相手方とこれから物資等の供給を受ける者との取引を拘束する条件をつけて取引することと規定されておる、これに抵触するのではなかろうかということであります。  なかろうかと申しました意味は、ここで法律上の解釈問題としてまず第一に問題になりますのは、八号にありますように、正当な理由なしにというのがあります。この場合の正当な理由なしにというのはどういう意味であるか。  それから、法律に戻りまして、二条七項四号の行為であって、公正な競争を阻害するもののうち公正取引委員会が指定するもの、こうございますので、その行為が公正な競争を阻害する行為であるかどうかという点が、第二に問題になると思います。  それから第三に、相手方とこれから物資等の供給を受ける者との取引を拘束する条件、具体的に申しますと、メーカーと販売業者と小売り業者と、こうあるとしますと、まずメーカーが自分の売った商品を卸売り業者が買い受けまして、その卸売り業者が本来なれば自主的に自分で決定する価格で売れるべきその価格を決定させないで、メーカーが幾ら幾らの価格でこの商品を売りなさいと言うこと、このことが、相手方とこれから物資等の供給を受ける者、すなわち小売り業者との取引を拘束する条件をつけて取引することになるかどうかということになると思います。この点については、ただいま御説明申しましたように、要するに卸売り業者が本来自主的に自分できめるべき価格、これを自分以外の者、すなわちメーカーによってきめられるということでありますので、したがってそれは拘束されているのではなかろうかということで、まず問題はないと思います。  それから第四に問題になりますのは、拘束する条件をつけて取引すること、こうございますので、この「条件をつけて」という意味はどういう意味かということが第四に問題になると思いますが、この「つけて」というのは、すなわちそういう条件なしでは取引しない、こういうふうに解釈するか、またそうでなくて、もう少しゆるやかに解釈するかどうかという点が問題になるかと思います。  いままで委員会なり公正取引委員会の事務局でいろいろ論議されました問題点と申しますのは、以上申し上げたとおりでございます。

有島重武公明党

○有島委員 第一番目のところは、正当な理由なしにというところのその正当な理由についての基準でもって論争が起こる、そういうようなことですか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 さようでございます。もう少し詳しく申しますと、一般指定の八号の冒頭に、正当な理由なしにと規定してございます。この場合の正当な理由なしにというのは、法律の規定の不当であるということと関係いたしまして、不当とは何か、不当というのは要するに公正な競争を阻害するということが不当であるとすれば、競争を阻害するような行為が正当な理由がない、したがって、正当な理由があるというのは公正な競争を阻害しない行為、こういうふうにかりに考えれば、正当な理由というものはそういうふうに解釈されるのではなかろうか、こういう意味でございます。

有島重武公明党

○有島委員 ただいまの正当な理由なしに、一般指定八号の冒頭にあるそのことは、正当というのは不当でないということで、不当というのは自由な競争を阻害する、そういうふうにそれでは決定づけてよろしいのでしょうか。ただいまのですと、そういうふうにすればそうだというお話でございましたけれども、私たちがそれを考える場合には、そういうように決定して考えてもいいものだろうか、決定しきれない場合というのが幾つかまたあるのですか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 お尋ねの点につきましては、一般指定の七号に同じようなことばがございまして、正当な理由なしに、これも冒頭に書いてあると思いますが、その正当な理由なしにということについての解釈は、東京高等裁判所の判決等によりまして、それは不当な行為、すなわち不当というのは公正な競争を阻害する行為である、こういうふうに考えられるという一応の先例と申しますか、解釈がございます。しかしながら、八号の正当な理由なしにという場合に、七号の正当な理由なしと同じように解釈すべきであるかどうかという点についてはいろいろ議論がございまして、ただいま私がこういうふうに解釈すればと申し上げたのは、そういう解釈が正しいとすれば、正当であるとすればという意味でございまして、個人的に私意見を持っておりますが、まだ公正取引委員会としても、それから裁判所においても、こうでなければならないというきまった結論は出ておりませんので——学説はいろいろございます。しかしながら、私の意見は別にして、公的にこういうふうに解釈すべきだということはまだ言えないのじゃないか、こう思っておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 非常にあいまいなことでもって、扱われる側でもお困りでしょうし、私どもも理解するのに、いまの話を聞いても一向に要領を得ないような気がするのですけれども、大ざっぱに申しまして、競争を阻害する、それだけできめ切れないというほかの要素がそれじゃあるわけですね。ほかの要素といいますか、いろいろまだ議論の余地を残すというのは、どういう場合があるわけですか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 非常にむずかしい問題であります。と申しますのは、事件になりましてある事件についてこれを判断する場合に、その事件として考えてみれば、その場合における正当な理由があるかどうかということはこういうことになるだろうということは、これはもちろん委員会の使命として判断しなければならないし、また判断できると思います。私がいま申しましたのは、冒頭に申しましたように事件を離れて法律の解釈として考えた場合に、正当な理由というものをしかくこれであるというように結論的に申し上げる、そういう考え方については、世の中の経済事象というものはいろいろな事態があり得ると思います。そういういろいろな事態に即応して、そしてその事件に対して判断すべき性質のものでありますので、正当な理由がないというのがこれこれでなければならない、またこれこれであるだろうということは、にわかに一つの見解として申し上げられない、こういう意味で申し上げたわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そこで、亀岡委員はたいへん古くからやっていらっしゃると伺っておりましたので、この不当ということについて、競争を阻害するということだけできめ切れなかったというような具体的な事例がありましたらば、教えていただきたいのですが……。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 一つの一番簡単な例を申し上げますと、メーカーがありまして、これが親会社と仮定した場合に、その親会社の子会社、これはもう全く一〇〇%の出資を受けて、役員も兼任をされているというようなことで、まさに子会社の立場というものは親会社の意向なしに自主的に価格を決定すべき立場でないというような場合に、親会社が子会社に対して、自分のつくって売るべき商品をその子会社が幾ら幾らで売るというようなことを考えた場合に、そういうことを価格拘束、いわゆる、再販売価格維持行為に該当する拘束すべき条件をつけておるというような概念から見て、正当な理由があるかどうかということを直ちにひっかけてそれが正当な理由がないと言えるかどうか、これは一例でございますが、そういう場合もあり得ると思います。

有島重武公明党

○有島委員 その場合にはあとの条文、何条ですか忘れましたけれども、明らかに役員を兼任する場合というのは何か条文が出ていたと思いますけれども、ほかにまだありますか。いま一例をあげられた、それはわかります。ほかにも何かそういったようなことでございますでしょうか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 まだいろいろあると思いますが、この席で、こういう行為がまさに正当な理由があるということについては、例をあげるのは控えたいと思いますが、もっと別の例を——これは別な考え方でありますが、たとえば刑法におきまして正当防衛であるとか緊急避難、それから一般法律論として自救行為というようなことがあり得ると思います。これは一般論として申し上げたわけでありますが、そういう場合に、かりに違法行為であってもその違法性が阻却されるというような場合に、その正当性をどういうように判断すべきであるかどうか。これを再販売価格維持行為について当てはめた場合に、そういう正当行為というものがどういう形であらわれてくるかということについては、これまた非常に複雑な困難な問題であるかと思いますが、かりに考えてみればそういう場合も考えられるのじゃないかと思います。

有島重武公明党

○有島委員 この問題は、またもう少し具体例を考えて、保留しておきます。  それから二番目の第二条の七項ですか、公正取引を阻害する、そのことについての問題点がある、そういうような考え方でございますね。それについて詳しくお願いします。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 お答えします。  先ほどそういうように問題があると申しましたのは、法律の二条七項におきましては、再販価格行為であって公正な競争を阻害するもののうち公正取引委員会が指定するもの、こう規定されております。ところで一般指定の各号列挙を見ますと、公正な競争を阻害するものという規定はございません。そういう規定がないというのは、その行為によって法律の二条七項にいう公正な競争を阻害するという概念が入り込んでいる、こう考えなければならないと思います。そうしますと、たとえば再販売価格維持行為について申し上げますと、それが公正な競争を阻害するというのはどういうことかということになりますと、メーカーが卸売り業者の販売する価格を拘束する。したがって、本来ならば自主的に価格を決定して競争ができる卸売り業者が競争できなくなる。また、小売り業者について見ますと、小売り業者の価格をメーカーが決定するということによって、本来ならば小売り業者が、自分の自主的にきめる価格によって他の小売り業者と競争できるのが、その競争が阻害される、こういう意味で公正な競争を阻害するということが再販売価格維持行為については考えられるのじゃないか、そういう意味で問題がある。しかしながら、この問題は問題にならないだろう、こういう意味で申し上げたわけであります。

有島重武公明党

○有島委員 ただいまのを確認いたしますと、本来は競争ができるはずである条件のもとに置かれていたのに一つの拘束を受けた、ところがこれは、大体本来的な意味からも競争ができないような条件に置かれていたというような場合も考えられるわけなんですね。そういうときにはこれは阻害したことにならない、そういうふうにおっしゃったわけですね。  それから三番目に、メーカーと販売と小売り、その間での問題を言われましたね。そのことをもう一ぺん聞かしていただきたいと思います。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 三番目に申しましたのは、メーカーと卸売り業者と小売り業者とありました場合に、拘束する条件をつけるという拘束ということが問題になる。その問題になると申しますのは、たとえばメーカーと卸売り業者の相互間において、卸売り業者が売るべき価格をメーカーが幾らにしなさいということは、これは単純に拘束ということが考えられると思います。ところが今度は、卸売り業者の手を離れて小売り業者にその商品がいった場合に、メーカーが小売り業者の売るべき価格をこれこれの価格で売ってもらいたいという場合に、メーカーと小売り業者との間の関係を拘束するという条件のもとにおいてどういうふうに考えられるか。それからもっと複雑な場合としては、三段階でなくて、たとえば総販売元があり、一次卸があり、二次卸があり、四段階、五段階というような取引方法もあると思います。そういう場合にメーカーが小売り業者の価格を拘束する、これは俗なことばで申し上げておるのでありますが、そういう場合にいまの法律でいいます相手方と、これから物資等の供給を受けるものとの取引を拘束する条件をつけて取引するということに当てはめた場合に、それをどういうふうに行為形態、行為類型として考えなければならないかということでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、拘束している、その拘束している主体が生産者にあるのか、それともどの段階にその拘束主体を考えるか、そういうような問題になりますか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 ちょっとことばが足りなかったので御理解いただけなかったと思いますが、たとえばある商品をメーカーが卸売り業者に売るということは、確かに取引でございます。ところが、その卸売り業者が買った商品を小売り業者に売る。この場合に、卸売り業者と小売り業者の間は、取引でございます。しかしながら、この場合にメーカーが小売り業者の価格をきめるという場合に、メーカーと小売り業者の関係、これは卸売り業者が中間に入っていますので、その場合にこれが直ちに法律でいっている取引に当たるかどうかというようなことが、一つ問題になるのではないかということでございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、これはいつでも中間のものが入っているのが普通でございますね。そうすると、どんな場合でも、いま言われたことは直接拘束しているのじゃなくて、間接といいますか、ワンクッション入って小売り店の値段を拘束しているという場合のことですね。そのときに条文にそれが当てはまるのかどうか、そういうようなことに問題があるのだ、そうおっしゃったのですね。そういたしますと、この条文そのものに現実問題を当てはめるのに、ややこれは不都合というか、不備である、そういうように解せられますか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 これは私の見解になりますが、いまの規定としては不備であると考えていません。具体的に申しますと、メーカーが小売り業者の売る価格をきめるという場合に、メーカーと取引いたします卸売り業者に対して、その卸売り業者が、小売り業者がメーカーのきめた価格でない価格で売らさないという拘束のしかたというものがありますので、そういう場合に法律の条項を当てはめた場合に、決していまの条項でもって不備であるとか適用はできないということにならないと思いますので、いまのままでいいんじゃないかと思います。

有島重武公明党

○有島委員 その条文に当てはまるかどうかということの判断が非常に困難であるという例を二、三あげていただきたいのですが、こういったことがあった……。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 一つ例を申し上げますと、いま言ったような取引を用いまして、そして今度はメーカーが卸売り業者に対して、自分の指示した価格そのままに小売り業者に対して——その小売り業者に商品を売ってはならないということを卸売り業者に命ずることはできるわけです。そういう意味で法律は適用に困難を感じないのでありますが、そうではなくて、かりに困難を感ずるとすれば、そういう取引停止の行為でなくて、たとえば指定販売価格を守らない小売り業者があった場合に、その小売り業者に対してメーカーが何らかの制裁を加える。メーカーが裁制を加えると申しますのは、たとえばリベート方式をとっている場合に、その小売り業者に対して何がしかのリベートを一般であれば支給するという場合に、小売り価格を守らなかったことによって支給しないというような意味で拘束をつけるという場合に、八号の拘束する条件をつけて取引するということにどういうふうに結びつけて考えられるか、この点についても、私自身の個人の意見としては取引として考えられるのではなかろうか、したがって、現行の規定で不備ではない、こういうふうに考えているわけです。

有島重武公明党

○有島委員 いまのお話ですと、四番目にあげられました拘束条件をつけてということは——四番目にあがっておりましたね、その問題とからみ合わないと三番目の問題ははっきりしてこない、そういうことになりますか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 お説のとおりそういうことにもなるかと思いますが、第四番目につけると申しましたのは、この指定再販売価格を考える場合に、普通メーカーが卸売り業者、小売り業者に対して意思表示をするわけであります。と申しますのは、これこれの価格で売った場合には取引を停止する、また、不利な取り扱いをするとか、いろいろな制裁を加えるわけであります。そういう意思表示をする場合がまさに「つけて、」ではなかろうか。そうではなくて、ある小売り業者が、またある卸売り業者が、自分の希望価格でもよろしゅうございますし、希望価格でない価格でも、ある自分の想定した価格以下で売ったということによってその業者との取引を停止するというような場合に、いまの行為類型としての八号において、また一般指定の一号、二号なりの関係においてどういうふうに考えなければならないかという問題があるという意味において、第四番目と第三番目は関係があると思います。

有島重武公明党

○有島委員 この問題も、あともう少しこちらも勉強いたしまして、また伺うことにします。  そういたしますと、委員長にお伺いいたしますが、再販売価格維持契約というものの定義そのものが非常にいろいろ解釈の余地が広い、そこで問題がきめ切れないことが多いのである、そういうような事情なんでしょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 再販売価格維持行為のバラエティーは非常にたくさんございますけれども、ことにいま流通段階は非常に大きな過渡期、変化期にございますものでありますから、いろいろな内容のものがあるということは、はっきり申し上げることができると思います。それに対しまして法律の条文なり概念構成をきちんと合わせたほうがよいではないかという御意見もございますが、ただいまのところ私どもといたしましては、現行法の解釈によりまして十分これに適用し得る、こういうふうに考えておりまして、格別不自由を感じるということはございませんのでございます。

有島重武公明党

○有島委員 前段のことですが、——後段のいま不自由を感じるかどうかという問題は、たびたび伺っておりますので、それは山田委員長の御見解はそうでしょうけれども、バラエティーが非常に多い、それでこれがはたして再販売価格維持行為なのであるかどうかということに問題があるのか、確かにこれは再販売価格維持行為なんだけれども、これを禁止するまでに至るだけの不当性があるかどうか、そういうことに問題があるのか、これは少し二つに分けて伺いたいわけなんです。  それで初めのほうの、定義そのものが非常にむずかしい。それはさっきの粉ミルクの問題でございますね。粉ミルクの問題、あれは一種の再販売維持契約である、そういうことがまず断定できるのか。先ほど委員長は、その疑いがあるのでというようなことでありますね。それで、その中には一つの価値判断を含んでのお答えだと思うのですが、これは不当なものであるという疑いがあるのじゃないかということまで入ってしまうと思うのです。そうではなしに、これは再販売維持行為の範疇の中に入っておる、これは再販売維持とは全然別のものである、その辺のリミット、限界がはっきりできるものなのか、それともしにくいものなのか、その辺のところを伺っておきたいのです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 前段の再販維持行為に該当するかどうかという点は、はっきりいたしておると存じます。ただいま御指摘の事件は、該当するものとして勧告をいたしたわけでございますが、先刻来申し上げましたごとく、ただいま審判に係属いたしておりますので、これは公正な見地から、過去における認定にとらわれずに正しい審決をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、まずあの粉ミルクの問題については、これは再販売維持行為である。それが今度は不当なものであるかどうかということについて、いま審判中と言ってよろしいのですかね、そういう状態にあるのである、そういうことですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これは個々の具体的な案件に触れまして申し上げることは御容赦を願いたいと存じますが、うち二件は一応審決案ができておりまして、委員会において最終的な審決をただいま起草しております途中でございますから、ほぼ遠からずこの審決を出すことができる、かように考えております。あと残りました一件につきましては、まだ審判中に属するわけでございまして、審決案も出ておらないわけであります。

有島重武公明党

○有島委員 それで、いまあと一つと申されましたが、三つあって、明治と森永と和光堂の問題でございますね。明治と森永については審決案がすでに出ている。それで、それに対しての異議申し立てがあったわけでございますね。それで今度、それに対しての審決案をいま作成中であると言われたんだと思いますけれども、ほとんどこれは一年近い時間が経過しておりますね。明治商事のほうは、異議申し立てが出たのが四十二年の四月であったというふうに聞いております。そういたしますと、その異議申し立てに対して審決を与えるまでに、これだけの長い時間がどうしてかからなければならないのか、われわれは非常にふしぎに思うところなんです。その点についての釈明をいただきたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 なるほど、御指摘の一件は非常に時間がかかりまして、まことに遺憾の次第でございますが、申し上げました二件のうちの一件はまだそれほど日数がたっておらないわけでございまして、目下鋭意審決文の作成に努力いたしておる段階でございます。

有島重武公明党

○有島委員 初めのほうは確かに四月であったけれども、あとのほうは十月というふうに聞いております。これもいまもう三月も終わろうとしておりますから、ずいぶん長い時間がかかっておりますですね。釈明というのは、それではいま委員長の言われたまことに遺憾である、それだけですか。それは釈明ではないと思うのですよ。どうしてこれだけの長い時間を要するのか、そのことをもう少し詳しくお話しいただきたいのでございます。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 その案件だけに取り組んでおりますると早くできるのでございますが、わずかの人員の審判官がたくさんのケースをかかえておりますので、これは釈明にならないかもしれませんが、ある程度司法裁判の場合にも相当の日数がかかるように聞いております。決してよいことだとは存じませんが、さような振り合いと申しますか、おくれておることは遺憾と申し上げて、おわびをいたすよりほかないかと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、おくれている理由のおもなるものは人手不足である。そういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 事件の数に比べまして人手の不足、また、最近に至りますまで審判事件が少のうございましたので、多少ふなれであったという点もあるかと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 これは現在において人手不足である、それで将来もやはりこういうふうに長引く場合も起こり得るのでしょうか。将来はもう少しこれがすっきりスマートにいくのかどうか。  もう一つは、この前のお答えではもう速急にこれは審決が出るというようなお話でございました。それから、この前の質問からもずいぶん時間がたっております。特に何か、いま亀岡さんからもお話しいただきましたけれども、こういった審決に至るまでの問題でもって一番困難をしておるのだ。いまふなれということを言われましたですね、それについて少し話していただけませんか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 今後の方針といたしましては、係官の研修もいたしておりますし、それからごく最近の機会に、法務省の御好意で現職の判事の経験者の方に出向して来ていただくことになっておりまして、その指導も受けまして十分能率の向上をはかってまいりたい、かように考えております。  それから、時間がかかりましたのは、格別その事案の内容につきまして問題があっておくれたというわけではございませんことを申し添えたい。ごれは近く審決が出ることを申し上げておきたいと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 そこまで申し上げていいかどらかよくわかりませんけれども、近いとか遠いとか、さっきの不当正当のような問題ですね。まだ非常にあいまいなお話のようですね。これは長くかかればかかるほど、いろんな疑惑も出ることであると思うのです。この前もそのことについては申しましたけれども、商品そのものはどんどん変わってしまうのだし、大体いつごろまでになさるおつもりなのか。近くというのはどのくらい近いのか、そのことをお話しいただきたいと思うのです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 すでに審決文の起草に着手いたしております。私は、自分で書いておるわけではございませんので、いつまでというお約束はいたしかねるかと存じますが、これはもうほど遠からず完成いたすもの、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 和光堂のことにつきましては、勧告だけ出ておって、これについてはまだ審決案が全然出ていないのですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これも近く審決案ができることになっております。

有島重武公明党

○有島委員 明治と森永は四十一年の一月で、これは二月というふうに聞いております。これだけが審決が出なかったということでございますね。特に何か理由があったのでしょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 先ほど申し上げましたごとく、現在まだ審決案が出ておりません。審判中に属するケースのものでございますから、司法裁判の場合で申せばまだ裁判係属中の事件でございますので、その内容につきましては御容赦をいただきたい、かように存じます。

有島重武公明党

○有島委員 明治や森永の場合は、四十一年の一月に勧告が出て、それから四十二年中に審決案が出て、同じく今度は異議申し立てが出た。またその上の審決案をいま起草していらっしゃるというふうに承りましたけれども、和光堂の場合には、これに対しての審決案が全然出ていなかった。これは二年間、結果が全然出なかったわけでございますね。これは前の二つとは少し性質が違うのかどうか。いまのお答えですと、同じお答えであったわけでございますけれども、この一つだけは扱いが違っておるのですか。何かその根拠があるのでございましょうか。そのことを伺います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 内容につきましては、先ほど来申し上げましたごとく御容赦をいただきたいのでございますが、担当官も違うことでございますし、諸般の事情でおくれたもの、かように考えます。この審決案も目下作成中でございますので、ほどなく出てまいることと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 そういたしますと、担当の委員によって二年もおくれる場合もある、それから諸般の事情もある、いまのお話ではそういうことになりますね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 担当は審判官が、担当官がいろいろあるということを申し上げたのでございまして、委員の担当というわけではないのでございます。

有島重武公明党

○有島委員 このことについて委員長は遺憾の意を表せられましたけれども、その審判官を督促するとか、そういったような権限と申しますか、義務と申しますか、それは委員長が持っておられるのですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これは広い意味における監督権として持っておりますので、十分いたしております。ただし、審判官のいたします行為は、裁判官と同じように、一応独立した権限によりまして仕事をいたしております。したがいまして、急ぐようにとは申しておりますが、これを何日までに仕上げよというような命令はできないものと心得ております。

有島重武公明党

○有島委員 そうすると、おくれていることについての責任所在はどこにもないのだ、ただ遺憾である、そういうことでございますね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 広い意味における責任は、私に帰属いたすものと心得ております。

有島重武公明党

○有島委員 広い意味におけるそれはそうかもしれません。だけれども、それじゃ責任分野といいますか、分担というものがはっきりしてない、そういうことになりますか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 これははっきりいたしております。審判官のいたします審判行為の内容につきましては、独立してその仕事をいたすわけでございます。私どもは、その訓練をいたしますとか、先ほど来申し上げましたごとく研修をいたすとか、あるいは人手の緩和をはかるとかいうことによりまして、間接に業務の促進をはかる責任を持っておるもの、かように存じております。

有島重武公明党

○有島委員 期限の遅延については、これは非常にあいまいである、広くいえば委員長にその責任がおありになる、そういうことでございますね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 期限につきましてあいまいとおっしゃいましたけれども、事審判の内容に関します限りは、審決案ができますまでは、審判官は独立してその仕事をいたしておるわけでございます。その時間がかかるということにつきまして、環境その他の点においておくれるような事情がございますならば、これは私の責任に属する、かように存じております。

有島重武公明党

○有島委員 これは条文でもってどういうふうにするという性質のものかどうか知りませんけれども、極端にいって、これが十年かかったのだったら、もうどうにもならないわけですね。特にいまこういった経済状態が刻々に変化している。この時間のおくれということについて、だれもどうすることもできないということになりますと、やはりこれは一つの骨抜きと申しますか、そういうおそれは十分にございますね。これをカバーして——これはやはり商品によって、かなり長くかけてもいいものだというものと、それから速急にやっていかなければ幾らそこでもって審決が下っても実効が薄い、そういう性質のものとあると思うのですが、そういう御判断は全部委員長のところでもってコントロールされる、このように解してよろしゅうございますね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 特におくれてもいいという案件は格別ないと思いますが、急を要しますものはできるだけ急いで審決を出すようにいたしたい、その方向に努力をいたしたい、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 大体これは、何年以内にはやらなければならないというようなことはあると思うのですよ。その方向に努力するといいましても、諸般の事情で延びちゃったというのではしょうがないわけですよ。だから、大体こういった性質のものについてはこれだけの期間内にしなければいけないというような判断は、これは客観的に下されるものじゃないかと思うのですけれども、それは客観性を持たすということは非常にむずかしいことですか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 ただいまおっしゃいました十年もかかるというようなものは、これはもう論外でございまして、さようなことは絶対にないと存じます。  客観的な基準というおことばでございましたが、私どもといたしましては、別によそにその責任を転嫁するつもりは毛頭ございませんけれども、司法裁判の所要期間等にかんがみまして著しくおくれるようなことがありましては、これはいけないことである、大体それに近いところであればやむを得ないところではないか、その範囲内においてできるだけ急ぐようにいたしたい、かように考えております。

有島重武公明党

○有島委員 いま一般の裁判との比較がございましたけれども、一般の裁判は、それは非常に長引く場合がございます。それでは困るので、特に公取委員に大幅な権限が持たされておる、そのように私どもは理解しておったのでございますよ。それを普通の裁判に準じてやられるならば、公取の意義と申しますか権威と申しますか、それは大半が少し危うくなるのではないか、そう思いますけれども、いまの、ほかの裁判を引き合いに出されたのはやや不適当ではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 勧告を当委員会といたしまして出します場合には、これは期間のかかりませんように、できるだけすみやかにいたさなければならないところであると思います。ただ、その勧告が不幸にして受け入れられませんで審判となりました場合におきましては、これは御承知のように、当委員会の審判は第一審の判決とほとんど同じ効力を有するものになりますので、その手続におきましては十分慎重にいたさなければならない、そのためにある程度の日数がかかるのはやむを得ないところかと存ずるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 ある程度の時日を要するのは、それはやむを得ない。それがどの程度であるかということがいま問題になっているわけです。  それから、その程度を推しはかるのに、一般の刑法にかかわる裁判の問題を比較に出されるのはここでは不適当なのではないか、そういうように伺ったのです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 できるだけ急いでおりますことは先ほど申し上げましたとおりでございまして、これは御指摘の事件が近々に審決が出ますので、それによりまして御了解いただけると存じます。

有島重武公明党

○有島委員 こちらで伺っているのは、一般の裁判を引き合いに出されるのは不適当ではないかと申し上げておるのです。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 一般の裁判と直接比較いたすのはあるいは不適当かもしれませんけれども、先ほど来申し上げましたごとく第一審とほとんど同じ効力を持ちます関係上、特に非常に早い期間にそれを仕上げるということはむずかしい点もあろうか、かように申し上げた次第でございます。

有島重武公明党

○有島委員 では不適当だと理解してよろしいですね。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 不適当ということばになりますけれども、まあ第一審に準ずるものという点を御理解いただきたいと存じます。

有島重武公明党

○有島委員 この問題はやめます。わかりました。  最後に、亀岡委員がこの間、もしも二十四条の二を全然削除してしてしまったらば、どういった不都合が起こるであろうかという点について三、四点お答えをいただいたのでございますけれども、それについて私、わからない点がございますのできょう伺っておきたいのでございますが、再販制度というものがなくなると、自由競争になって安売りが一般化するというようなことがございました。そういったような再販をはずして乱売になって困ったというような事例が、いままであったのでしょうか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 私が先般お答え申し上げましたのは、具体的事例があったからということではなしに、こういう問題の提起のしかたをしたと思います。一つは、ブランド商品、いわゆる品質が一様であることを容易に識別することができる商品、こういう商品については、生産業者がその商品の品質、価格について一応末端までそういう品質のものであり、また価格で売られる、こういうことで生産している。しかしながら、末端にまいりまして小売り業者がそれを乱売と申しますか、いろいろな価格で売るということになりますと、少なくとも生産者の意に反するということになりはしないか、しかしながら、再販売業者すなわち小売り業者が自分の決定する価格でその商品を売るということは、これは自由なのでありまして、また、そういう価格で競争しながら商品を売るということもこれまたもっともなことで、そういうことを否定できるわけではない。しかしながら、そのことによって消費者が、たとえばあるメーカーの商品の品質なり価格なりで選択を誤るということになりますと、そういうことによって生産業者の自分のつくった商品についての責任と申しますか、品位と申しますか、そういうものがそこなわれる、こういう意味でブランド商品については、ある程度再販売価格維持行為ということも認められてしかるべきではなかろうか、こう申し上げたわけであります。具体的にそういう事例があったかどうかということではなしに、ある商品、現在化粧品とか薬とかいうのは非常に多く再販売価格維持契約が適法行為として認められておりますので、必ずしもその例が考えられませんが、かりにこれをはずした場合、おそらく消費者がそういうものを買う場合にいろいろな場所で買うと思いますが、その価格が一定の価格であり、その消費者が選択を誤らないということが必ずしも保証できるかといいますと、それは保証できないのではないかということで、先般そういう意味でお答え申し上げたのであります。

有島重武公明党

○有島委員 一つのブランドの商品について、どこでも一定の価格でもって買えないと消費者のためにも利益をそこなう場合がある、そういうことになりますか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 私の説明したことを御理解いただきたいのでありますが、要するに、ある商品が小売り業者の段階に渡って、それが自由競争でもってできるだけ安く物を売るということは、これは消費者の利益になるのはまさに当然なことでございます。したがって、安く買うことによる消費者の利益がそこなわれるという意味で申し上げたのではなしに、消費者がその商品を選択いたします場合に、例をあげて申しますと、ある小売り店では百円で買える、ある小売り店では八十円で買える、こういった場合に、同じ商品であるにかかわらず、かりに八十円で買わされるということになるとその品質が違うんじゃなかろうか、また、百円で売っているところにおいては何かあるんじゃないか、こういう誤解を招くという意味において消費者の利益を害する。したがって、そのことはどういうことかと申しますと、そういうものをつくっている生産者から見ると、自分の生産した商品がほかのブランド商品と公正に競争してもらいたいという意図でその商品を売っているにかかわらず、小売り段階において違った値段がついているということになるとその公正な競争を阻害される、すなわち、そのつくった商品の品位が認められないんじゃないか、こういう意味で消費者の商品選択というものが誤るのではないかということを申し上げたのであります。

有島重武公明党

○有島委員 それは少々おかしいんじゃないですか。これは自由経済であるならば、その品質の選択の場合に、これは同じブランドなんだけれども、安いから悪いんじゃないか、消費者がそういうようなことを心配しなければならないということは、ほとんど例がないんじゃないでしょうか。アメリカなんかの場合だと、たばこでも裏通りで買うと安い、表通りで、買いやすいところで買うと高い、そういうことが行なわれているわけですね、一番極端な例だと思うのですけれども。それから、いまわれわれが買いものをする場合を考えましても、同じものをあっちの店、こっちの店と比べて買ってくる、それが普通だと思うのです。それがまずいということになりますと、これは自由経済の法則を無視したことになってしまうんじゃないか。そういったような場合がほんとうに起こり得るのかどうか。いままではそういう事例は別にないけれども、考えられるというお話でございますけれども、ということになれば、これはほとんど問題にしなくてもいい、そう理解できるんじゃないかと思うのでございます。  それから、自由競争にしておくと安売りが行なわれるであろう、そういうようなことが、この前、第二番目か三番目にございましたね。そのことについても、では必然的に安売りが行なわれるかどうか。これは、再販をはずしても安売りにならない例のほうが多いんじゃないかと思うのです。イギリスなんかの場合でもそういうふうに聞いておりますし、日本でもワイシャツですか、はずしたが、別にそれは乱売といいますか、メーカーが困ってしまうほどのことは何も起こっておりませんね。ですから、これもその根拠がどこら辺にあるのか、そういう場合も起こり得るであろうという空想に近い仮定なんじゃないか、そういうふうに思われるのですが、いかがでしょうか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 確かに、お説のとおり、一般の商品を考えた場合に、これはすでに自由競争でもって生産業者間における競争は公正、自由に競争してもらって良質廉価な商品を売っていただく、また販売業者について見ますと、その販売業者が競争してまた消費者に良質廉価な商品を提供する、これはまさに公正かつ自由な競争の原理であればこそ、法律がそういう競争をエンカレッジしているのではないかと思います。  ところで、私が申しましたのは、ブランド商品ということだけでなしに、そういう商品であって一般消費者が日常使用する商品というものはどういう商品であるか。具体的に言いますと、その商品を販売する販売業者といいますか、小売り業者が非常に数多く、その小売り業者の経営状況もまちまちである。いろいろな業者があると思います。そういう業者がいろいろな地域に散らばっているという事実が一つある場合に、今度は消費者の立場でものを考えた場合に、普通消費者がものを買います場合に、さっきアメリカの例をおあげになりましたけれども、一般の商品でありますと、安い店に行って品質のいいものを買ってくるというのは消費者心理であるし、まさにそのとおりだと思います。ところが、かりにそうではなくて、もより買い品というんですが、その消費者の近くでそのものが買えるというような商品が一いま全国的に非常にたくさんの小売り業者が分布している場合に、中には、安い商品、品質のいい商品を買うために時間をかけて交通機関を利用して買いに行く消費者もあるでしょうけれども、そうではなくて、一般消費者がその近くの店で日常ひんぱんに買ってくるという商品がかりにあるとすれば、その商品の価格がどういう価格であるかということになりますと、これは小売り業者の販売方針なり経営状況なりいろいろ違っておって、それが自由競争にまかされますと、ある地域における小売り価格とある地域における小売り価格が違ってくるということも、これまた否定できないのではないか。そうしますと、これがあるメーカーのある特定の商品だけでありますと、それは別に違っても、消費者がそういう商品を覚悟の上で買うんだから、放任しておいてもいいんじゃないかという問題に尽きると思います。ところが一方、生産者の立場から考えてみました場合に、これまた競争しているわけでございまして、ある小売り店でいろいろ生産者の商品が並んでいるという場合に、その小売り店における価格が、あるメーカーの製品の価格がこれこれである、またあるメーカーの商品がこれこれである、その価格がまちまちであるというか、非常にバラエティーがある。そうした場合に、消費者がその商品を選択するということの反映として、生産者がその品物を、自分が品質のいいもの、また価格の安いものをつくっているという競争の関係において考えた場合に、はたして適当な状況に置かれるかどうかということが一つ問題になってくるのではないか。かりにそういう商品があるとすれば、そういう商品については——私は再販がいいとは決して申し上げませんけれども、そういうブランド商品であって、一般消費者が多くの小売り店からもより買い品として買わなければならない商品、そういうものについては必要やむを得ない法律上の制度としてそれを認める余地もあるのではないか、こういうふうに考えているわけであります。これが一つ。  もう一つは、ブランド商品については、これは例があるかないかということでなくて、外国の過去の長年の経験、それから日本におきましても再販が実施される前のいろいろな経験から見まして、ブランド商品というものは、いわゆる乱売と申しますかおとり廉売、一つの目玉商品に利用されるという危険に置かれているわけでございます。こういう危険に置かれている商品があるとすれば、その商品を販売する多くの小売り業者の立場ということも考えないといけないのではないか。したがって、こういう商品が具体的に現実におとりに利用されているから再販に指定するというのではなくて、こういう商品については、そういうおとりに用いられる危険性、可能性が十分考えられるということで、未然に再販ということでもってやむを得ない措置として、したがって法律的に申しますと、一般消費者の利益を害しないという限度において再販を認めても、これまたやむを得ないのではないかという意味において、二十四条の二というものは、全廃ということではなくて、やはり必要最小限度に置いておく法律上の利益といいますか、法益というものがあるのではないか、こういう意味で申し上げておるわけでございます。

有島重武公明党

○有島委員 価格の上でいろいろな地域差が出てくる。まちまちになってくる。これは消費者にとっては、手っとり早く買うんだったら近所で買えばいいんだし、安く買いたいというときには安いところまで行けばいいんだし、消費者は別に困らない話である、こういう話ですね。けれども、今度は、生産者側については幾つかの不都合が起こるであろう、そういうことも考えられるというわけですね。ですから、亀岡さんの御発想はおもに生産者側の保護、それに関連してさらにもう一ぺんフィードバックして消費者の問題にまた立ち戻ってまいりましたけれども、そちらに重点がありということはわかりました。  それで、あとで言われた問題でございますけれども、おとり廉売というんですけれども、これはこの前も、おとり廉売の話はもうあまり論じないんじゃないかと言っておいたんですが、またここで亀岡さんの口から出ました。私は非常にふしぎに思うのでございますけれども、最近おとり廉売という問題で現実に非常に問題になるようなことがございますか。それはうんと昔の話であって、いまはそういったことは問題になっていないんじゃないかというふうに私は見るわけでございますが、亀岡さんはその点いかがですか。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 おとり廉売が目につかないという意味は、ブランド商品がおとりに使われているということとは別問題でありまして、現行法で、たとえば化粧品であるとか薬であるとか、そういう大衆に一般的に購入をされるというものについては、ある程度再販売価格維持行為が適法行為として認められております。したがって、そういうものについてかりにおとりがあるとすれば、それは生産業者がその業者に対して販売を拒否するとかいろいろなことがある。したがって、おとり廉売に使う道がないからおとり廉売が行なわれてないので、かりにこれを再販売価格維持ということを違法行為としておっぽり出しますと、そうすると今度は、大型小売り店であるとかスーパーであるとか、いろいろなところで目玉商品としておとりに使うという可能性といいますか、危険性というものは、これは過去のいろいろな経験から出てくるのではないか、こういう意味で申し上げたわけであります。  それから最初の問題に返るんですが、私は決して生産者を擁護しなければならないとか、小売り業者を擁護しなければならないとかいうことを申し上げているんじゃなくて、要するに、法律は公正かつ自由な競争を促進するということにあるのでありますから、そこに公正かつ自由な競争の促進がどこかでゆがめられているということであれば、そのゆがめられない限度において何らかの法律上の措置を講ずるということもやむを得ないだろう、しかしながら、法律というものは一般消費者の利益を害してはいけないということで、また、公正かつ自由な競争というものが一般消費者の利益を擁護することにあるのでありますから、そういう一般消費者の利益を害しない限度においてこういう法律の制度を認めていくという二十四条二の規定どおり、まさにただし書きによって一般消費者の利益を不当に害する場合にはこの限りでないと書いてありますので、決して私は、生産業者を擁護したり小売り業者を擁護したり、そういう観点でものを申し上げておるわけではないということだけ御理解願いたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 そのおとり廉売のことでございますけれども、いまは商品は数々ございますが、再販に指定されていないもののほうが多いわけです。それでりっぱなブランドであって、しかも指定を受けていないところがたくさんあるわけですね。ですから、しようと思えばいつでもできるわけでしょう。現実にある程度目玉商品的な扱いを受けているということは各所にある。それが、ただいま言われましたように、自由な競争を妨げている方向に使われているかどうか。そういった事例はいまほとんどない。しかもそういうことが起これば、これを規制することは独禁法だけでもってできる、そういった見解になっているという話がこの前あったと思うのです。にもかかわず、またここでもってその話が出てくるというのが、私としては納得いかないのです。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 ちょっと誤解があったんじゃないかと思いますが、おとり廉売の対抗手段になるという意味で申し上げたのは、おとり廉売というのは、よくよく考えてみますと、公正な取引法であるとか正当な手段であるということは決して言えないと思います。たとえば、一般指定の五号ないし六号の、不当に顧客を誘引するなり不当な価格で商品を売るというのに該当するのがおとり廉売である。したがいまして、おとり廉売をやります場合にこれを法律でもって排除していくということも、これまた当然なことであると思います。したがって、おとり廉売があるからといって再販を認めなければならないということを決して申し上げているわけではなくて、こういう再販を認められればおとり廉売によるいろいろな弊害、たとえば一連の小売り業者が非常に困ってくるとかいうようなことを防止できるでしょうから、したがって、そういう意味も再販は持っているだろうという意味です。おとり廉売があるから再販を認めなければならないということは決して申し上げていないので、それは私は、理屈としては逆の理屈だと思います。そういう意味で再販というものはおとり廉売にも役立っているということを申し上げているので、そこはひとつ御理解願いたいと思います。

有島重武公明党

○有島委員 時間が参りましたからもうやめますけれども、この前亀岡さんからも、もし再販というもの、二十四条の二を万一削除してしまったらば不都合が起こるであろうと言われましたね。その大部分のものはそれほど根拠が強いものではない、そういうふうにいま了解しました。よろしいですね。

亀岡康夫公正取引委員会委員

○亀岡説明員 私も積極的に再販を認めなければならないというようなことを申し上げているわけではないので、要するに、法律は公正かつ自由な競争というものを眼目にしている。しかしながら、公正かつ自由な競争というものが矛盾なく一般経済社会において通用するかといいますと、必ずしもそうではないので、そういう意味で、ある程度必要限度において再販というものもやはり残らなければならない必要性といいますか、余地というものは考えられる。したがって、二十四条の二は廃止することはできない。しかしながら、再販に指定される個々の品目については、必ずしもこれを全面的に認めなければならないということも問題があると考えますので、この品目については、先般来説明がありましたとおり検討している、こういう段階でございます。

有島重武公明党

○有島委員 以上で質問を終わります。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員長代理 木原実君。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 公取の委員長にお残りをいただきましたので、その関連からちょっと御質問申し上げたいと思います。  実は私は、昨年十二月の当委員会で、広告の問題でいろいろ関係の当局の方々に御質問申し上げました。その要旨は、消費者の立場から、いまの広告について、たいへん広告が盛んになっているのはいいわけですけれども、早い話が、たいへん大きな広告はそれぞれのコストにはね返ってくるもので、結局は消費者がかぶっていくものであろう、こういう観点から、行政的に何らかの形で広告というものについてアプローチをしていく必要があるのじゃないか。それには広告業界の近代化という問題もございますし、それから他の面では、非常に過大な広告についてはやはり課税の道ということも考えるべきではないのか、こういう観点から御質問申し上げました。その際に、たまたま私企業でございますけれども、株式会社サントリー、これは洋酒のメーカーあるいはビールの醸造メーカーとして名の通った会社でございますけれども、そこの中にいろいろ起こっております問題を例示をして質問をいたしたわけであります。きょうそれに関連をして、残された問題等について関係当局に御質問を申し上げたいわけなんです。  一つは、公取は主務官庁でもございませんし、いわゆる誇大広告という面あるいは不当表示というような面についてのチェックをする立場でございますけれども、前回伺いますと、広告というものについて、課税の面あるいは行政面でも法的な改善がどうもなかなか確立をしていない、こういう面もあったわけであります。したがいまして、まずお伺いしておきたいのは、公取のお立場で、これはおのずから限定をされるわけですけれども、広告一般について消費者保護の立場から何か御見解がおありかどうか、ありましたらお示しをいただきたい、こういうことなんですが、いかがでしょうか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 ただいま御指摘のございました広告の問題でございますが、非常に多くの問題を含んでおると私ども存じております。ただ、私どもの役所、公正取引委員会といたしまして広告を取り上げます場合には、独禁法の目的でございますところの、業界における公正にして自由な競争を確保いたす、この点に重点を置いて取り組んでおるわけでございます。したがいまして、先ほど御指摘ございましたような不当の表示、つまり消費者に選択を誤らしめるような不当の表示、あるいは同業者に比して自分のところへ不当に誘引いたすような広告、他社の製品を著しく傷つけまして、自社の製品だけが著しくすぐれておるというような広告、こういうものを取り上げて規制してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 ごもっともだと思うわけですが、いまお答えの中にありました、たとえば不当な表示の問題、あるいはまた、同業者の中で不当に自社の立場を有利にするためのそういう誘引をするような表示、こういうことがあったわけで、それに関連して、少し質問の順序が狂いますけれどもお尋ねをしたいわけですが、これは前回も質問をいたしまして、質問が中途になっておりますので続けたいと思うのです。  実は、これは国税庁の間税部長さんだと思いますけれども、株式会社サントリーから純生という表示をもってビールが売り出されておるわけですね。前回のお話ですと、生ビールというものは一体何だ、こういう議論になりまして、私どもしろうとなものですから、はっきりしなかったわけですけれども、生ビールというのは酵母が生きておる状態だ、こういうふうに解釈をいたしたわけです。  そこで、ビールのシーズンでもありますので、少しお伺いしておきたいのですが、国税庁のほうで、生ビールという銘柄について何かそういう基礎的なものはおありなんでございましょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 お答えいたします。  前に御質問のときでございますが、酵素が生きておる、酵母でなくて酵素が生きておるということを申し上げたのですが、ことばが足りなかった点もございました。生かどうかということでございますが、これは御承知のように、普通のびん詰めのビールでありますと、多少火入れという殺菌の過程を経るわけでありまして、殺菌をいたしますと、酵母はもちろん死にますし、また酵素といういわばたん白質のあれでありますが、これもまた活性を失うといいますか、そういう状態になるわけです。こういう火入れをしたものとそうでないものということで、火入れをしていないものについては、通常生ビールということでやっておるということではないかと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 おっしゃるとおりでして、私も少し勉強をしてみたわけですが、確かに一般のビールは、びん詰めにあたりましては熱処理をする。ところが、純生という表示で売り出しているビールにつきましては、これは火入れではなくて例のミクロフィルターですか、これを使用しておる、こういうことですが、ただそこで共通なことは、ミクロフィルターというものは酵母を排除するわけですね。だから、ここでも酵母はいない状態ですね。そうしますと、純生と称して売り出しておる商品は、これはある種の酵素が生きておる状態、それをさしておると思うのですね。ところが、一般の他のびん詰めビールも、技術者の話を聞いてみますと、これまた酵母は死ぬけれども、ある種の酵素というのは熱処理にもかかわらずやっぱり生きている、こういう見解があるのですが、いかがでしょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 酵素の中にはいろいろな種類があることは事実でございます。熱に非常に強いものもないわけではございません。しかし、一般的に酵素が活性を維持しておるというのは、やはり火入れ殺菌をしないというところにあるんじゃないかというふうに思っております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 ところが、これは他の問題になりますけれども、純生という表示を現在登録商標で出願中ということになっておりますね。特許庁方面の意向を聞いてみますと、びん詰めの場合にはある種の酵素というのは共通に生きておる状態だ、だから、純生というのがはたして特別な登録の対象になるかどうかということで、まだ結論が出ていないような話を聞いておるわけです。これにつきましては、他のビール業界からも異議の申し立てがあった、こういうふうにも聞いておるわけですね。それの技術的な根拠を特許庁のほうにただしますと、どうもやはり純生というのは特別な対象にならない、というのは、要するに酵母は死んでおるのだ、生ビールというのは酵母が生きておるのだ、だから、単に酵素が活性を持っておるということだけでは、純生というのではなくて、これはビールの普通の状態なんだ、こういう見解なんですが、いかがでしょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 いまお話しのように、純生の表示問題につきましては、昨年の八月三十一日に商標出願の公告がサントリーから行なわれました。ビールの三社がそれに対して異議申し立てをしておるという状態でありますので、これについての私どもの考えは申し上げないほうがいいかと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 そうしますと、国税庁では、現在純生という表示で売り出しておるのは、先ほどおっしゃったような意味において、やっぱり生のビールをびん詰めにして売り出しているのだ、こういう御見解ですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 ただいまのところは、私どもは、やはり生ビールというものは火入れ殺菌をしないものであるというふうに考えておりますので、差しつかえないものではないかというふうに思っております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 この議論はなかなか技術的な問題を伴って、そう言われるとそうかなということにもなりがちなんですけれども、そうすると、火入れをしないのは生ビールだ、こういう御見解ですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 いままでの生ビールという表示をしておるものをいろいろ見てまいりますと、やはりそういうふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 ところが、これは一つの技術過程であって、火入れをしないミクロフィルターというのは、前回は何かサントリーで新しく開発された技術というふうに承りますけれども、アメリカ等では早くからある技術だそうでございまして、これによっても、生ビールの根本である酵母そのものが排除されるということには間違いない。これは火入れをするか、フィルターですくうか、その技術的な違いであって、酵母がいないという状態は同じだ、こういうような説明があるのですが、どうですか。酵素が生きておれば、火入れをしなければ生だという見解、それだけのものですかね。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 これは、いままでの生ビールというのは通称でございますが、やはり火入れをしないものが生であるという考え方をとっております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 そうしますと、ジョッキで飲む、たるからの生がありますね。これとびんに入れた生とはやはり同じだという御見解ですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 それは、火入れ殺菌をしておるかどうかという違いではないかというふうに思っております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 どうもかみ合わないわけなんですけれども、ただ、その火入れが——私は、火入れもフィルターでやるのも、これは一つの技術的な過程であって、そして生ビールという中身の問題としては、何といいますか、技術的な処理のいかんにかかわらず共通の面は共通の面、つまり、生ビールというのは、たとえば商品であるビールを検査する場合に、やはり一定の酵母なら酵母が生きておる、そういう基準がなくちゃならぬと思うのですね。それからまた、技術的な処理にこだわって、何か火入れの問題で生であるかないかというふうな判断だけですと、これはやはり中身の問題というのは少し変わってくるのじゃないか、こういう感じがするのです。したがって、間税部長のほうで生ビールと言うのは、たとえば一定の酵母がこれくらいあるものだ、こういう基準は示されませんか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 生ビールというのは、通称そういう生ビールであるかどうかという点を表示しておるだけでございまして、特に法律的には根拠があるわけでもございませんし、やはり火入れ殺菌をしておるものと、そうでないものということでいままで使われておりますので、私どもそういうふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 そうしますと、もちろん法律的な根拠があるわけではないのですが、消費者のほうとしましては、技術を飲むわけではなくて中身を飲むわけですから、そうなりますと、やはりこの生という通称の呼び名があるわけですけれども、確かに生とびん詰めのあれは味わいが違うわけですね。そうなると、これは法律的な根拠を問うわけじゃございませんが、やはり問題は、中身の問題でかなり争われる面が出てくると思うのです。私の見解では、純生と称しましても他のビール、一般のびん詰めビールとさして変わらないのじゃないか。そうしますと、純生であるという表示は、特許庁の見解のように、普遍的な商品に対してやはり特殊な何か名称を付して、そして、先ほど公取委員長が言われましたような不当に自社の立場を有利にする、そういう誘因を引くような表示のしかたではないか、こういうふうに考えるのですが、どうですか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 先ほどから申し上げておりますように、通称、そういう火入れ殺菌をしておるものとそうでないものにつきまして、生であるかどうかという表示をしておるわけでございますので、別段私どもとしてはそれについて、生ビールという表示がおかしいというふうにはサントリー純生について考えておりません。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 わかりました。  それでは、大蔵省のほうは、別にこの表示の問題を問題にする官庁じゃございませんから、そうおっしゃるならこれ以上追及してもむだだと思うのですが、公取の委員長さんのほうにお伺いしたいのですが、お聞きのようなことなんです。おそらく、業界の中でもこの表示の問題について、いろいろな意見があると思うのですね。ですから、このビールを飲む立場でお考えをいただきたいと思うのですが、私どもの見解では、純生というものがびん詰めの中で特殊に存在する商品ではない。一般に確かに、技術過程の中では、熱処理を加えたもの、それから熱処理を加えないでミクロフィルターと称するもので酵母を排除するか、その技術的な違いがあるわけですね。しかし、びん詰めにされたものは、それほど他の、純生という表示をしてないビールと変わりはない、こういう見解が根強くあるわけなんです。したがいまして、これは、そうしますと純生という特殊な表示で売り出すことが消費者にとっていいのかどうか、むしろ純生というのは、純生というのではなくて「純せい」のビールだ、「なま」を「せい」と読めば通るような側面がある。これは特許庁の非公式の見解でありますけれども、そういうことがある。そうしますと、これは不当表示というお立場から御研究がいただけるかどうか、御見解を承りたいと思います。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 私、このビールの成分、それから生ビールとは何ぞやということに全くしろうとでございまして、ただいま先生のほうのお話で初めて承知いたしたわけでございます。これが不当誘引になりますかどうかは、大蔵省なり特許庁なり主務官庁の御意見も承りまして、その上で判断をいたしたい、かように存じております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これは、あまり議論をしますとむずかしい問題もいろいろあるようでございますし、私もしろうとでございますから、この辺で委員長の御配慮をお願いしたいと思うのです。  ただ、それに関連してお伺いをしたいのですけれども、どうもお酒に限りませんけれども、たとえば灘の生一本なんという表示、広告が行なわれています。ところが、灘の生一本という場合には、灘という酒の産地ですね。かなり伝統的に銘酒の生まれるイメージがあったわけですが、御承知のように、中身は必ずしも灘でとれたものではない。かなり地方の地酒を買い入れて、それから倉がえというのですか、何か中で操作をして、極端な場合にはレッテルを張って売り出しておる。どうも看板に偽りありというのが当たるのじゃないかという感じがするのですが、その辺の問題は何か不当表示という問題にひっかかりませんか。

山田精一公正取引委員会委員長

○山田政府委員 私、お酒のほうもあまり詳しくないのでございますが、灘の生一本とかあるいは秋田の銘酒とか、昔歴史的にはいろいろの意味があると存じます。ただ、御存じのように、ただいまのように大量生産になってまいりますと、灘の生一本というのは、何とかというブランドを引きつける、また秋田の銘酒と申しましても、それは秋田でできたお酒というよりも、秋田に本舗を有する何がしという酒のブランドである、こういう意味のほうが強くなっておるのではないか、かように存じます。たとえばフランスの香水だといって喜んで海外へ行った人が買ってまいりましても、実はスペインでできたものがかなりあるように聞いておるわけでありますが、さようなわけで、もしかりに、何ら製造過程において自分の会社の責任において管理をいたしませんで、そこいらにある酒を手当たり次第に買ってまいりまして自分のレッテル、しかも灘の生一本という表示をいたしまして売ったといたしますと、これは不当表示の問題が出てくるかと存じますが、ある程度こういうような規格でもって酒をつくれというような監督をいたしまして、自社の責任において灘の会社が秋田でつくらせまして、それを買ってまいりまして自分のレッテルを張りましても、一がいに不当であるかどうかという点はかなり疑わしいのではないか、こういうように存ずる次第でございます。もしかりに、品質においても非常に劣りました酒を、自社の灘の生一本であるというレッテルを張って、しかも同じ高い値段でもって売ったといたしますれば、これは問題になる可能性が非常に濃いかと存じますが、さようではなくて、ほとんど同じ規格の、しかも味わいにおいてもそれほど違わないものを、レッテルを張って売りました場合には、直ちに不当性がありとは言えないのではないかというふうにただいま考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 われわれは酒飲みに対して寛容であるという伝統を持っておりますけれども、あわせまして、酒飲みのほうもいろいろな意味で寛容な面があるわけです。そしてまた、酒飲みのお酒の問題を特に消費者の立場だということで擁護する義務があるかどうか、はなはだ疑わしいわけなんです。ただ、私どもがいろいろ断片的に伺っている範囲の中では、確かに看板は灘の看板を掲げたり秋田の看板を掲げたりいたしておりますけれども、実際の中身はおっしゃるように管理が行き届いているかどうか、これはまた大蔵省なり何なり、主務官庁のほうのお仕事だと思いますけれども、どうもかなりかき集めてやっておる疑いがなきにしもあらずなんです。これをここで一々明らかにすることはできませんけれども。そうしますと、非常に寛容であるし、酒飲みは、口はうるさいけれどもなかなか自分の利益を主張する者はないような状態なんですが、おっしゃったように、やや慣行的にきちんと系列の中に入って技術的な指導をし、管理をするというシステムができておる場合と、そうでなくて、たまたま地方の地酒屋に文字どおり表示の包装その他を出しておいて、そこから動かしておるという場合も間々見受けるわけなんですね。ですから、もし委員長の御発言でございましたならば、幾つかの典型的なところをお取り上げになっていただいて、はたしてきちんとした管理のもとに、つまり、看板に偽りなく生産がされているのかどうか、ぜひひとつお調べをいただきたいと思うのです。と申しますのは、たいへん税金も上がりますし、それに関連いたしまして値上げの問題等も取りざたをされている時期でございますから、酒、ビールというようなことにつきましても、ひとつ不当なことのないように取り締まりを願いたい、これは要望を申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、これも前回大蔵省のほうに御質問申し上げましたけれども、ウイスキーの原酒——モルトと申しますけれども、その問題があるわけです。この前も若干御質問申し上げましたが、これまた株式会社サントリーが、広告の中で、在庫十万だるという広告をいたしておるわけなんです。そうしますと、当然株式会社サントリーの中には十万だるないしは十万だる以上の原酒をかかえているということになるわけなんですけれども、どうも私どもがいろいろと調べてみますと、はたして十万だるあるのかどうかという疑問がわくわけです。したがいまして、これは国税庁の方にひとつ伺いたいのですが、前回伺いました場合にはこういう御答弁がございました。四十二年九月三十日に申告をいたしましたサントリーからの申告ですと、確かに二万四千八百四キロリッターの原酒がある、こういう申告が行なわれておる、これは会社のほうでもこういうことを申しておるわけですが、大体そういうことで間違いございませんでしょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 先般の御質問のお答えといたしましては、昨年の九月三十日現在では二万五千以上あったというふうにお答えしたと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それに関連をしてお伺いをしたいのですけれども、私どもが調べますと、昭和三十二年から四十一年までのウイスキー三社の総モルト量が五万七千九百二十三キロリッター、こういう数字が国税庁の数字でございますけれども、あがっているわけです。それを基礎にいたしまして、サントリーの生産のシェアは平均六〇%くらいではないかということで計算をいたしますと、大体これが三万四千七百五十三キロリッター、それに年間消費量の平均は年間生産量の八〇%、こういう仮定を一つ立てまして計算をしてみますと、どうしてもサントリー一社が、四十二年度九月の段階で二万五千キロに近いモルトを持っているというふうな数字は出てこないのですが、いかがでしょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 昨年の九月三十日の現在量につきましては、在庫量を個別に発表することは差し控えたいと思いますけれども、先般お答えしましたように、これは六十度換算でございますけれども、二万五千以上あったということだけは申し上げていいと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これは会社のほうからの申告でございますか、それとも当局でお調べになった結果の数字でございますか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 私どもは、現在量につきましては常時把握することになっております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私どもの計算方法はかなり仮定の上に立っておりますから、根拠は必ずしも科学的にあるわけではございません。しかしながら、いま私が申し上げましたような大まかな見当、つまり三十二年ごろからの約十年間の生産総量は間違いないと思いますが、その中でのサントリーの占めるシェアというものから差し引いてみますと、どうしても二万五千キロリッター以上のものがあるという計算は出てこないわけです。したがって、もし二万五千キロリッター以上のものがあるとすると、モルトのふだん使う量は薄められていたのかという疑いも起こってくるような感じがするわけです。  それからもう一つ申し上げたいのですけれども、昭和三十二年以前の過去三十年くらいの蓄積は、多目に見て大体六千キロリッターくらいではないか。そうしますと、サントリーの持っている現在量というのは、お示しの数字の半分くらいの大体一万三千キロリッターくらいになる。多少の違いはありましてもそういうふうな計算になる。それからまた、現にサントリーが在庫として蓄積をいたしておりますのが山崎工場にほとんどある。こういう会社側の発表もあるわけですが、山崎工場を調べて実情を書いたものその他によりましても、大体五万たる見当ではないか、こういうことも公表をされておるわけです。ですから、おっしゃったのが、実際に当局のほうでお当たりになって調べたのか、会社側の御申請をそのままお取り上げになっているのか、その辺が疑わしいと思うわけですが、いかがでしょうか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 実は先般の御質問に対する答弁としましては、二百リッターあるいは二百五十リッターというたるを平均的なたるとしまして申し上げたわけでありますけれども、実際のたるは、先般も申し上げたかと思いますが、大きいものは五百リッターというのもございます。小さいものになりますと百七十とか、そういう小さなたるもあるわけであります。それをたるの数でなくてやはり平均的な容量のもの、そうしますと二百から二百五十ぐらい、そういうところで計算をしますと、約十万たるというようになるであろうということを申し上げたわけであります。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これはこれ以上申し上げませんけれども、原酒の含有量につきましては、昨年から含有量がふえておりますね。そうしますと、これは公取のほうの御関係もあるかと思うのですけれでも、原酒の含有量を商品の上にラベルとして張らせるというような方法はお考えになりませんか。

佐藤健司国税庁間税部長

○佐藤説明員 現在の税法の規定によりますと、二級のウイスキーでございますとモルトの含有率が一〇%未満ということになっております。別にそれを表示するということは、現在のところはないわけでございますけれども、今度提案をいたしております酒税法の改正におきましては、二級ウイスキーにつきましては将来モルトの含有率をもう少し底上げをしよう、そういうような案が盛られておるわけでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これはウイスキーをたしなむ人にとりましてはたいへんありがたいことなんですが、ただ問題は、モルトがこれだけ入っておると言われましてもどうもはっきりしないわけですから、公取の委員長にはお引き取り願いましたけれども、公取のほうにお願いをしまして、それだけの御努力が大蔵省にあるのなら、やはりきちっとした表示、いろいろなラベルが張ってあるわけですから、モルトの含有量を表示をする、そこまでひとつ御指導をいただきたい、これは要望として申し上げておきたいのです。  それから、少し質問があれこれいたしましたけれども、時間がないので話題を変えたいと思います。  実は昨年の十二月に、冒頭申し上げましたように質問を申し上げたあと、広告業界のあり方、それから広告行政のあり方、広告課税という問題について非常に業界のほうにも動きがあるやに聞いておるわけです。広告の問題は主務官庁が通産省であるわけでございますから、これは通産省にお伺いしたいのですが、昨年私がここで御質問申し上げました以降、何か行政的に業界の代表の方々と御懇談をした、こういうような話も承っておりますので、広告業界の近代化の問題なり、あるいはまた、それに付随をして行政面からの広告行政という問題について何か動きがございましたら、この際ひとつお示しをいただきたい。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 昨年の暮れに先生から、通産省はどうも広告の問題について、いろいろ問題があるにもかかわらず、あまり何もやっておらぬではないかというふうな御指摘がございました。先般も申し上げましたように、広告の問題というのは伝統的に、何と申しますか、表現の自由と申しますか、あるいはまた言論の自由と申しますか、そういうものを背景にいたしておる部面が相当ございますので、あまりそれに干渉がましいことはどうもすべきではないのじゃないかという感じではございましたけれども、確かに御指摘のような点が多いかと思いますので、広告の関係の方々と御相談をいたしまして、とにかく広告の問題について少し意思の統一と申しますか、今後の広告の持っていき方につきまして意見統一をはかろうじゃないかということで働きかけをいたしました。私どももその中に入りまして、一体今後の広告の役割りはどういうものであるかということ、あるいは広告取引の合理化について促進していくためにはどうしたらいいだろうかということ、あるいはまた、広告倫理の向上についてはどのような方策を講ずべきか、あるいはまた、中小の広告代理業の育成についてはどうすべきだろうか、あるいはまた、今後の国際化時代への対応策についてどのように考えるべきかというようなことについて、今後検討していこうじゃないかということで、すでにその会合を発足させております。まだ具体的な論議には入っておりませんが、一応そういうことで今後軌道に乗せていくということでございます。若干時間はかかるかと思いますけれども、そのように進めておりますので、さよう御承知おき願いたいと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これはこの前も御指摘申し上げましたけれども、何といいましても広告の取引量というものが膨大になってきております。一つの産業としましても、かなりいろんな面で影響するところが大きい。しかもその業界の中では、たいへん巨大な広告業者がある反面、零細な代理業といいますか代理店、そういう業者が数ございまして、しかも取引慣行その他がちょっとわれわれ常識で考えられないようなことが行なわれておる、そういう側面があるわけです。しかも、いまお話がございましたように国際的な交流もたいへん激しくなりまして、業界としてもいろいろ考えなくてはならない面があると思います。したがいまして、広告というような問題について、行政面でタッチするのにはおのずから限界があるだろうと思います。それはそれといたしまして、そのこととは別に、少なくともやはり業界の近代化、そういう方向でのアプローチが必要ではないか、こういうふうにいまでも考えるわけです。したがいまして、主務官庁としてのお役割りはいろいろございますけれども、これからの方向としましては、たとえば業界と具体的にどういうふうな連携をとる、あるいは御相談をする、どういう方向で行政的にタッチをしていくのか、多少の考え方がございましたらひとつお示しいただきたい。

下山佳雄通商産業省企業局次長

○下山説明員 ただいま先生のおっしゃいましたこと、全くごもっともでございまして、広告の関係の方々とお話し合いをいたしますと、広告に携わるもの、広告というものはそもそもPRであるにかかわらず、広告の役割りについて一般に認識されておらないということは、はなはだもってわれながら大いに反省しなくてはいけない、こういう空気も出ております。  それからまた、広告取引の合理化についてでございますけれども、これもいまお話しのように、今日までいろいろ膨大な金を使っておりますが、あまり近代化されていない。これは商習慣として問題がないからということで過ぎておるわけでございますけれども、それではやはり今後国際化時代に入りまして、そういう形で置いておくというのは好ましくないのではないかということで、これは数年前から、すでに業界の中ではいろいろ議論がされておったようでございます。特にこの際促進しようじゃないかという機運も生まれております。私どもといたしましては、やはり業界自身が、そういう自覚と申しますか反省と申しますか、こういうものをやり、そうして業界自身で姿勢を直していくということを、お手伝いをして仕向けていくということがわれわれのつとめではなかろうか、かように考えまして、昨年暮れ先生のお話もございましたので、努力している次第でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 あわせまして大蔵省の主税局の方が見えておりますので伺いたいのですが、広告に対する課税の問題ですが、どうも私、はなはだ不本意なのですけれども、業界等のいろいろな印刷物等を見ますと、広告課税の反対論が実は強く盛り上がっているわけです。私ども年来、過大な広告についてはやはり課税面から何かチェックしていく必要があるんじゃないか、こういう主張を持っているわけなんですけれども、どうも広告業界の中では、何か広告課税に対する反対の火の手が非常にあがっているように聞いております。あわせまして、大蔵省の中でも広告課税という問題について何か動きがあるように新聞その他で拝見をしたのですが、広告課税というような問題について何かお考えになっている筋があるのでございますか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 昨年の十二月、当委員会におきまして、木原委員の御質問にお答えいたしまして、私どもは広告に対します課税について現在いろいろ検討いたしておりまして、それに対してどういう問題点を考えておるかということをお答えしたつもりでございます。それに対しまして、その後ある新聞に広告に対する課税問題が掲載をされましたことを契機といたしまして、広告に対する課税問題について、広告に関係する企業側においてもいろいろこの問題を検討せられておることは事実のようでございます。もっとも、私どもといたしましては、当時申し上げました問題点を検討をいたしておりました以後は、実は昭和四十三年度の税制改正に全力をあげておる状況でございますので、その後新たに検討を加えたということはございません。  なお、税制調査会も、昭和四十二年度の税制改正につきましての審議を終わりまして、現在のところはお休みの状態でございます。おそらく四月以降これは再開されますから、その場におきまして広告に対する課税問題ということについての検討は行なわれるというふうには思いますけれども、その結論を待って私どももさらにこの問題の検討をいたしてまいりたい、こういうふうに思っております。木原(実)委員 これは先ほどの通産省企業局次長さんからもお話しがございましたように、私どもが課税を主張いたしますのは、幾つかの観点があるわけなんです。  一つは、これはいろいろな意味で行政的にタッチすることは好ましくない面が多いわけですけれども、しかし、それにしても業界の慣行というものはかなりひどい面があるわけですね。そこから私が例示いたしましたサントリーの内部の脱税の容疑が、非常に強い問題があると思うのです。つまり広告が経費として落とされているために、いろいろ大量の広告を行なう会社等の中では、どうも好ましくないような社内操作、そういうこともある。そういうような観点。  それからもう一つは、普通のサラリーマンは七十万か八十万かの年収できちんと税金を取られるような仕組みになっておるのですが、片方では、百万、二百万ないしは何百万という取引に対しまして、広告ということに関しては経費として落とされていく、こういう隠れみのがあるのですね。それからまた一方では、いわゆる交際費というものについては一定の限度を設けて課税をする、こういうことが出たわけですけれども、広告については、これは広い意味でも広告ということになりますと経費として落とされていく。こういう多少不公平な面もあるじゃないか。  いずれにしましても、せめて課税の面から多少やはり広告業界自体の取引慣行もきちんとしていくとか、あるいはまた、これが行政的にタッチしていく面が狭いだけに、せめて課税の面からタッチをしていって業界の健全な育成をはかっていくとか、いろいろな観点から申し上げているわけなんです。したがいまして、いろいろお考え方もあろうかと思うのですけれども、広告課税ということにつきまして、業界のほうの反論を読みますと、いろいろそれなりに議論もあると思うのです。それからもう一つ、広告課税というのはたいへんな見当違いだ、こういうことで、広告の旧主性、それから通産省の方の言われましたような言論の自由ということに対しての立場からの反論、いろいろ入り乱れていると思うのです。しかし、それにもかかわらずやはり私どもとしては、広告の取引量の非常に大きいということと、それからそのほとんどが口頭契約で行なわれているというような慣行、そういうものに対して、せめて課税という側面からきちんとした体系を整えさしていく必要があるのじゃないか、こういう考え方なんです。  そこでお伺いをしておきたいのですけれども、その場合に、広告ないしは広告宣伝費、中には販売管理、販売促進、いろいろな名目があげられているわけですが、そういうことを全部ひっくるめまして、広告というものについて何か概念といいますか、これが広告費でございますということについて、何か基準というようなものがおありでございましょうか。

中橋敬次郎大蔵省主税局総務課長

○中橋説明員 いま御指摘のような、広告に対しましてなぜ課税を行なうかという基本的な問題かと思います。広告が過当であるからこれを抑制すべきであるという観点は、これはまた別の判断の基準があってしかるべきものだと思います。私どもは、全く税から考えますと、先ほど先生の御指摘のように、企業におきまして損金であるから、必要経費になっておるから、それに対して何らかの課税を行なうべきであるということは、昨年申し上げましたように、経費でありますれば経費を受け取った相手方において課税を行なうべきものでありますから、そういう面だけから申しまして、広告に対して課税すべきであるという理屈は出てまいらないのではないかというふうに思います。  それから、それと関連しまして、よく交際費について制度上損金を否認しておる制度があるではないかという御指摘でありますが、これも確かにそういう制度を現在とっておりますけれども、これも昨年申し上げましたように、交際費につきましては、実はそれが真実交際費でありましても、交際をやりますものはやはり企業を構成しておりますところの個人でございますから、そこに本来個人に帰属すべき所得がまぎれやすいということでございますが、そういう場合に税法上課税を行なうという理屈もまた別にあるわけでございますけれども、その点に関する限りにおきましては、広告費というのは企業に本来帰属する所得になるということはないわけでございます。先ほど御指摘のように、課税上何らかの弊害を生むような操作が行なわれ得るのではないかという御質問でございますけれども、そういうことは実は制度としてはおかしいのでございまして、本来広告費でなければ広告費として損金になり得ないものなのでございますから、それはまた別途の調査上の判断が加わってまいると思います。  最後に、交際費なりあるいは広告費についての概念でございますけれども、これは基本的には、企業におきまして会計慣行として交際費あるいは広告費というものが成り立っておるわけでございますから、一応私どもとしては、その判断の上に立って調査をしてまいることになります。ただ、概括的に申し上げられることは、たとえば交際費と申しますのは特定の個人、特定の人たちの間におけるものを主として対象といたしておりますし、不特定な多数の人に対して自社の商品の効用を説くというような場合には、これは広告費になる、大体そういうような判断でやっておると思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それでは具体的なことでお伺いをいたしたいのですが、たびたび例示をするようですけれども、株式会社サントリーの場合に、調べてみますと昭和四十年度の税引き前の利益が十九億五千七百万、同じく四十一年度が二十二億四百万ですか、それに対しましていろいろ国税庁のほうの損金否認があるわけです。四十年度がそれに対しまして二十四億四千万、四十一年度が同じく二十九億二千七百万、この両年度は五億円近くのいわゆる損金否認が行なわれているわけですね。それで、きょう調査査察部長がお見えでございますけれども、この場合の損金否認をした根拠というのは一体どういうところにあるのでしょうか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 ただいま御質問になりました数字、若干問題があろうかと思いますが、私どもの調査いたしたところによりますと、サントリーの公表の利益は、四十一年三月期におきましては八億五千万、それからこれに対しまして申告した所得が二十四億四千万、それから四十二年三月期におきましては、公表いたしました利益が十一億三千万、これに対しまして申告をいたしました所得が二十九億二千万ということで、まるい数字で申し上げますと、四十一年三月期におきましては十五億円、それから四十二年三月期におきましては十七億円というような開きがあるわけでございます。おそらくはこの点を御質問ではなかろうかと思うのでございますが、これは一般の会計におきます損益の計算と税法上の計算とには、かなり違った点があるわけでございます。両年度とも最も大きな違いは、一般の企業会計上では法人税を損金として計算するわけでございますが、税法上は法人税は損金と認められませんので、税務上の申告といたしましては、一たん落としました法人税相当額を加算して申告をする、こういうことになるわけでございます。四十一年三月期におきましてはこの法人税の額が九億八千万、それから四十二年三月期におきましては十二億六千万あるわけでございまして、これが両者の違いの大部分を占めているわけでございます。  なお、そのほかに、税法上の計算とそれから一般の公表上の計算とにこまかい違いがありまして、自余はそういったこまかいものの積み重ねでございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 私が調査したのとだいぶ数字が違っているわけなんですが、これはおそらく当局のほうでお調べになった数字が信頼すべき数字だと思います。  そこでお伺いしたいのですけれども、私どもは、たまたまサントリーの経理の内容を調べてみましてたいへんどうも疑問に思いますのは、前回もその点を実は問題にしたわけなんですが、いわゆる販売促進費というような名目で総括をいたしまして、四十一年度で百三十億をこえる科目があるわけなんです。その中で、これはいろいろ名目が立っておるのですが、広い意味での広告宣伝費、中には販売促進費あるいはまた、何といいますか、小売り店に対するリベート、こういうようなものがいろいろ含まれているわけなんですが、大体経費で落とされておる範囲というのは、私どもが見当をつけたところでは広い意味での広告宣伝費ではないのか、そしてこの中に何かやはり問題がある、こういう感じがするわけなんです。これはたまたま、前回申し上げましたように、もとサントリーの社員でありました黒田某という人のいわゆる使い込みというような問題が起こりまして、そしてこの種の問題が表面に出てきたわけなんですが、そういういわば広い意味での広告費といいますか販売促進費、あるいは販売管理費、そういうようなものについて査察をされる上で、つまり広告という概念がはっきりしてないわけですから、どこまでを広告の経費としてお認めになるのか、その辺の基準といいますか、お調べになったことがございましょうか。  つまり、私が申し上げたいのは、前回にも申し上げましたから重複を避けますけれども、サントリーの黒田善寿という人がある広告代理業からリベートを取っていた、このことから退社をしているわけなんですね。その場合に、会社の言い分ですと大体三百五十万ぐらいの金の使い込みがあった。本人からの申し出もあって一応円満に退社を認めたんだ、こういうことになっておるわけなんです。ところが、どうも調べてみますと表面の金額はそういう数字をはるかにこえておる数字、業界筋なんかの印刷物その他によりますと、大体一億六千万くらいそこに金の不当な使い方があったのではないか。このことは、税務署のほうである広告代理業を調べましたところが、使途不明金があった、それに対して追徴金を課した、こういうところから問題が表面化してきたというふうに私ども聞いているわけなのです。そうしますと、大量に広告宣伝を行なう会社なんですから、一億六千万というのはたいした金でないかもわかりませんけれども、しかし、一社員がそういう大量の使い込みをやった、そうなりますと、やはり経費として落とされる大量の広告宣伝費ないしはその販売促進費あるいはリベート、こういう種類の中に何か経理操作上の問題があるのではないか。したがって、その辺にタッチされる税務当局の御見解というものを何とか聞きたい、こういう感じなのです。いかがでしょうか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 最初に、まず広義の宣伝費ということでお尋ねがあったわけでございますが、先ほどの御質問に対しまして主税局のほうからもお答えしたかと思いますが、そもそも税法上、広告宣伝費ということは明確な定義づけがございません。と申しますのは、たとえば交際費のように課税上特殊の扱いをするという場合には、これは正確な定義が必要なわけでございますけれども、広告宣伝費につきましては特殊な扱いはなくて、出たものは損金だ、こういうことになっておりますので、正確な定義をする必要も現行税法上ではないというようなことでございますので、おっしゃいました販売促進費その他につきまして、これを広義の広告費というべきかどうか、これは全く各人自由に定義づけて、ことばの使い方の問題でございますので、何ともお答えいたしがたいわけでございます。  次に、従業員の不正事件につきましてでございますが、この点につきましては御質問のような事態があったようでございます。ただ、これにつきましては、その節も申し上げましたが引き続き調査を進めておりまして、事実関係はだいぶ固まってまいりましたけれども、事柄は単純ではございませんし、現在まだ処理が完了しておりません。さような段階でございますので、詳細内容につきまして触れますことは、まだ現段階におきましては御容赦願いたいと思うのでございます。  私どもの調査に臨みます一般的な態度といたしましては、たとえば広告宣伝費が前期に比べて非常にふえているというような場合には、何かその辺に水増しはないかというようなことを、いわば机上の段階で目をつける、いわば調査の着眼点として、そういう点を念頭に置きながら調査をやっていくというようなことは通常行なっております。これは準備調査というようなことばで呼んでおります。しかし、それが非常に大きいからといって、すぐにそこに不正があると即、断ずるのはちょっといささか早計ではなかろうかという感じがいたしております。  なお、こまかい点でございますが、ただいま査察というようなおことばがあったわけでございますが、査察と申しますのは、刑事訴追を前提といたしましてきわめて特殊な調査でございまして、ただいまサントリーにつきましては査察の段階ではございませんので、ちょっとその点は御訂正願いたいと思います。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 時間がございませんので問題を変えたいと思うのですが、いまリベートのお話がございました。リベートには二つございまして、一つは、会社のほうから買う小売り業に対して、販売促進の意味を含めてリベートが出されるわけですね。これは計上されております。私の調べでは、四十年度に大体十四億八千万円くらいの小売り店に対するリベートが出されておるわけですね。この問題について聞きたいわけですが、そういう小売り店に対してリベートが出ているものにつきましては、具体的に税務上追跡をしておるんでしょうか。たとえば小売り店の段階で具体的に捕捉をして課税の対象にする、こういうことが明らかになっておりますか。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 一般的にこのような経費につきましては、出したほうの会社におきましては普通は損金として落ちます。その場合には資料を切りまして、どこそこに対してこのくらいの金額が出ているということを書きまして、受け取ったほうの所轄の税務署のほうに送るというようなことで、課税漏れがないように留意しておる次第でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それから、もう一つのリベートがあるわけですね。いま黒田何がしの問題もそうでございましたけれども、どうも広告業界の中で、かなり特殊的ではなくて、ほとんど商慣行みたいなことに近い形でリベートが行なわれているわけですね。こういうのは、まあ雑所得とかなんとかになるのでしょうけれども、何か調査の段階で捕捉をされることございますか。つまり、広告なら広告の業界からのやはりリベートですね。どうでしょうかね。

大島隆夫国税庁調査査察部長

○大島説明員 おっしゃいますのは、またさらに二つの場合があるわけでございますが、と申しますのは、発注した会社そのものに対してリベートが行なわれるというようなもの、それから、そうじやなくて個人に対して支払われるもの、こういう二つの場合があろうかと思います。御質問がいずれをさすのかよくわかりかねますが、いずれの場合におきましても、先ほどと同じく発見し次第資料を切りまして、それぞれ相手方の税務署に通報するという、先ほどと同じルートで課税漏れがないように努力している次第でございます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 これはなかなかむずかしい側面があると思うのです。ただ、私が問題にしたいのは、広告業界はかなりやはり非近代的な要素がございましてね、また、代理業なんというのが非常にスポンサーと媒体との間で立場が弱い、こういう特殊な状況がございまして、広告に関してもそういうリベートが行なわれる。その一例が、黒田というサントリーの元社員の問題ですね。しかもこれは、いまおことばがございまして、調査の段階で査察というのは取り消してほしい、こういうことなんですが、できましたらこの問題はひとつ査察の対象にしてもらいたい。きょうは刑事局を呼んでおりませんけれども、当然、かりに会社の言うように三百五十万程度の金であっても、これは不当な背任の問題も起こりますし、税法上の問題としても起こると思うのです。というのは、これはいろいろ私ども調べておりますけれども、黒田さんという人は、会社を退職いたしまして、すぐ銀座に五百万ほどの資本金でもってたいへんはなやかな事務所を開きまして、仕事をやっておる。とてものことには、表面上に出ていたようなことじゃないんですね。そういうようなことで、一例にあげて悪い面があるわけですけれども、たいへんどうも氷山の一角じゃないかという感じがするわけです。したがいまして、これはもうでき得ることなら私は査察の対象にして、白黒をやはり立ててもらいたい。会社にいたしましても、こういう席でわれわれが名前を出しましてこれだけのことを申し上げているわけですから、うしろ暗いところがないのならば、やはりちゃんとした査察を受けて、白黒を明らかにするのが望ましいことじゃないかと思うのです。そういうことで、私はたまたま広告問題の一例としてサントリーの問題を取り上げたわけですけれども、入ってみますと、たいへんどうも大きな広告という背景の中に捕捉しがたい何か刑事捜査上の問題が残っておる、こういう感じがするわけです。そういうことで、これはひとつ要望としてつけ加えておきたいと思います。  以上で終わりますが、最後に、広告の問題に関連をいたしまして、経済企画庁の方がいらしておりますので、一言お伺いをいたしておきたいと思います。  お聞きのように広告の問題は、前回もお話を承りましたけれども、課税の問題、それから行政的にも少しタッチをしなくちゃならぬ、こういう段階にあるわけなんですが、私どもこの委員会でこれを問題にいたしましたのは、結局大量の広告が、しかもますます大きな広告費が出るという状況なんですが、それを消費者の立場から望ましい広告、あるいは広告の限界、こういう問題について、これは消費者保護の立場から望ましい広告というような問題についてのアプローチがほとんどないわけなんです。そうしますと、たとえば私はたまたま酒の問題を問題にしたわけですが、広告の問題には、前回もお話があったと思いますけれども、たとえば表現の自由の問題とかいろいろな問題が関連をしてくる、こういうお話がございました。しかし、それとは別に、たとえば酒についてはアメリカでは一定の限界を広告については設けておる、こういうようなことですから、一つの問題は、消費者保護の立場からやはり望ましい広告のあり方、つまり限界ですね、量の問題として限界、それからもう一つの問題は、ある種の商品につきましては、たとえば薬につきましては広告の中身について、これは厚生省その他で一定の規制を行なっているわけです。そうなりますと、たとえば酒であるとかたばこであるとか、こういう問題につきましては、これは観点を変えて言えば、社会的に見まして必ずしも大きな広告をして売らなければならない商品ではない、そういう問題については何らかの形で広告の制限をする、あるいは広告の中身についても一定の制限を加えていく、こういうお考え方が成り立ちますかどうか、御見解を承っておきたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 広告の問題は、確かに最近のように、これはもう先生御承知だと思いますけれども、次第に大企業が大量生産の商品を販売するために非常に有力な武器として使っておるという状況で、段階的には過去といろいろ変わってきておると思います。もちろん媒体等につきましても、やはり重点の移動と申しますか、そういうものもございます。ただ、私ども、消費者が一般に広告についてどう保護してもらうべきであるかというような点につきまして、第一次的に、まず基本的には、広告の中に虚偽であったりあるいは誇大であったりということはやはり好ましくない。しかし、一方、広告からいろいろな商品の知識を得る、あるいは多様に商品の中身についての知識を得るとか、あるいはいろんな商品というものについての多様性を認識するとかいうようなことは、現在の消費生活の一般的な傾向として、これはやはり必要なことであろうというふうに考えておるわけでございます。  ただ、もう一つの問題は、広告費がしからばコストあるいは価格の中にどういうふうに影響するか。確かに、広告費が大きくなれば、したがってそれはコストなり価格なりに影響しておると思いますが、一方、いま申し上げましたように、これは釈迦に説法でございますけれども、大量につくって売るためにこそ広告が要るわけでございますから、逆に言えば大量生産の利便ということもあるんじゃないか。そういうことで、もちろんコストにつきましても、いわばもろ刃のやいばと申しますか、両方の問題があろうと思います。そういうことから考えまして、私どもは、現在の商品生産の社会、資本主義の社会、あるいは技術革新の趨勢ということから言いますと、正しい、虚偽でない、あるいは過大でない広告というものはやはり非常に存在の意義がある。そこで、しからば、たとえばどの程度までのものを量的に妥当と考えるか、あるいはそれ以上を過大と考えるか、これは商品一つ一つ、その商品の性質あるいは商品の価格等で異なってまいると思います。しかもその商品が、着目いたしましてもどれだけの量であるかというのは、なかなかむずかしかろうと思います。  それから酒、たばこ、たとえばたばこ等につきましても、肺ガンの問題でどうだこうだということもございますが、これはしかし、広告というサイドから考えるべき問題ではなくて、むしろそういう他の、いわば酒なら酒、たばこならたばこというものをどう社会が扱っていくかという問題でございまして、広告そのものにというアプローチではないのじゃないかというふうに考えます。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 時間がありませんのでもうこれで終わりますけれども、私が申し上げたいのは、たとえば広告という問題については税法上も、それから法的にも概念がはっきりしない段階ですね。そういうことから言えば、私が問題にしましたサントリーの場合は、私はそれは広い意味の広告宣伝費だと思うのですが、それが総売り上げ高の二割三分くらいを占めているわけですね。一方、現行法で酒の税金が大体三割四、五分かかるわけです。そうしますと、一本千円のウイスキーを飲みますと、大体六割までが税金と広告費だというわけですね。これで消費者は黙っていろというのは、酒飲みは人がいいのが多いからものを言わないのかもしれませんけれども、これはやはり言あっていいと思うのです。ですから、私が過大であると言うのは、基準の引き方もむずかしいですけれども、その商品について総売り上げ高の少なくとも一割をこえるのは過大じゃないか、こういう問題があるわけです。一割というのもいろいろございますけれども……。それから広告の趨勢を見ておりますと、大体大きな広告をやる業種というものはほぼきまっているわけですね。酒であるとか、薬であるとか、あるいは電気製品であるとか、自動車であるとか、こういう種類のものですね。いずれもこういう比較的限られたところが、たいへん大きな広告をやっておる。それならば、やはりその業種に対して広告という側面から、つまり消費者の保護という立場から何かのアプローチの道があるのじゃないか。特に酒、たばこというのは、これは好きな人は別ですけれども、やはり社会的に見てかなり大きな広告料を使って売り出すべき商品であるかどうかということは、これまた、資本主義社会の中でもおのずから倫理的立場というものもあるわけですから、そういうことも含めて、いわば消費者行政の中で、広告の自由を行政的に制限するとかどうとかいうことではなくて、消費者保護という一つの立場を据えて広告にアプローチしていく、そのことによって企業の中身を健全にしていく、あるいはまた、広告業界の中身もやはり健全にしていく、こういうふうな筋道が立つのじゃないかとも私は考えるのですが、最後にひとつ御見解を承りたいと思います。

八塚陽介経済企画庁国民生活局長

○八塚政府委員 私も、ただいま先生がお話しになりました筋道については、別に否定をするわけではございません。その筋道に従ってどういうふうに具体的に規制するか、あるいはどういう量でそれを判断するかということになると、これはやはりなかなかむずかしい問題があろうというふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原(実)委員 それではこれで終わりますけれども、最後につけ加えておきたいのは、広告の問題についていろいろきょうのような議論をいたしますと、何か広告についての自由を奪うのじゃないかという業界筋の反論があるわけです。ところが、これはとんでもないことで、いま言論その他につきまして一つの大きな圧力になっておるのは、むしろスポンサーであったり広告主のほうの面があるわけですね。ですから、逆に、どうも広告業界の中で、御自分の利益を主張するのあまり何か言論に対しましてとかくの操作を加えておる、こういうことがあるわけです。われわれがこういう場でこういう議論をいたしましても、一部の国会議員や一部の官僚が、何かアドバルーンのようなことをやるのに乗っけられて新聞が書いたり何かするのはいけないことだ、こういうようなことを会合の中でやっておるような報道も見えておるわけです。そうしますと、われわれとしてはたいへん不本意でございます。ですから、これはひとつ行政当局も、何か憲法上の言論の自由に対して行政的アプローチしていく、こういう観点ではなくて、むしろいま申しましたような広告業界の健全なる発展なり、あるいは業界の刷新なり、それから基本的には消費者の保護、こういう立場からぜひとも御努力をしていただきたい、こういう要望を申し上げまして、終わりたいと思います。

唐橋東日本社会党

○唐橋委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会

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