農林水産委員会 第27号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/07/23
会議録
○足立委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 まず、昭和四十三年産米穀の政府買い入れ価格等に関する諮問及び関係資料について、政府から説明を聴取いたします。田中食糧庁次長。
○田中説明員 ただいま委員長から御指名がございまして、ことしの米価決定に関しまする各般の資料並びに諮問の説明という御指示がございましたので、これから概要をかいつまんで御説明を申し上げたいと思います。 なお、資料の関係につきましては、米価審議会に配付いたしました資料の中では、委員の各位にも御配付申し上げておりますが、「米価の変遷と現状」、それから「米穀需給の現状」、「食糧管理特別会計予算について」、それから「米価に関する資料」と、大体この四部をお手元に御配付申し上げておるわけでございます。これらの資料につきまして、短い時間でございますので、簡単にこれらの資料の概要を御説明申し上げてみたいと思うわけでございます。 まず、「米穀需給の現状」につきまして、御配付申し上げてあります資料の中で、特に最近の米の政府需給の推移ということが、従来と違った需給の様相になっておるわけでございます。特にこの中で、最近の需給関係におきまして、米の一人当たりの消費量が、最近の二、三年間急激に減少傾向をたどっておるということが、まずこの「米穀需給の現状」の中において一番注目されなければならぬ問題だと思うわけでございます。 最近におきまして、ここ約十年間、特に米の消費量の一番多かった年は昭和三十七年のときでございまして、これが一年間に一人当たりの米消費量が百十八・三キロ、こういうことになっておるわけでございます。これが従来のピークでございまして、三十八年から微減傾向をたどりまして、三十八年には百十七・キロ、それから三十九年には百十五・九キロということになりまして、それから四十年になりまして百十一・七キロ、それから四十一年は百五・八キロということでございますので、この足かけ約四年間に、一人当たりの消費量は十キロ以上減ってきているというのが出ているわけでございます。特に、ここ二、三年の減少傾向が非常に激しいということでございます。 もちろん、この背景につきましては、いろいろな原因があろうかと思うわけでございますが、食生活の変化というような問題もございましょうし、また、最近におきましての各種の食料品の非常な豊富な出回りというようなことが出ているわけでございます。食生活の変化に伴いまして、どちらかというとでん粉質食料の摂取量の比率というものが——これは世界的な傾向でもございまするけれども、そういうことが背景にございまして、その中におきまして、米が最近は特に顕著な減少傾向をたどっているということが一つ出ているわけでございます。 消費量のほうはそういうことでございますが、政府の買い入れのほうの問題につきましては、最近の生産の動向、それから政府買い入れ比率の増加というようなことが出ておりまして、昭和三十五年のときには約六百万トン程度の政府買い入れであったものが、昨年産米は、異例の豊作ではございましたけれども、九百八十万トンから九百九十万トンというような買い入れがここに行なわれているわけでございます。この間におきましての増加割合というものは、ここ六、七年の間に、すでに三割以上というような政府買い入れ比率が増大をしております。 こういうことからいたしまして、政府の需給の帳じりにおきましても、最近翌年度への繰り越し米が、その関係から非常に増大をしてきているわけでございます。いつも当委員会でいろいろ御審議もございましたのですが、この秋の十月末に繰り越すであろうところの四十二年度米の繰り越し米は約二百六十五万四千トン、全国平均配給量の六カ月分近くに相なるわけでございます。 もちろん、この間におきまして、当委員会でもいろいろ御指摘もございましたが、三十九年から四十二年の間におきましては、確かにその当時の生産状況、また食糧需給操作の状況からいたしまして、外米の輸入が相当規模行なわれたことも事実でございます。三十九米穀年度から四十二米穀年度の四年間に至る間におきましては、約二百六十万トン近くの外米の輸入が行なわれたわけでございますが、特にこの二百六十万トンのうち、三十九、四十、四十一、三カ年の米穀年度におきましては、約二百十五万トン程度になるわけでございます。この背景といたしましては、三十九年産米あるいは四十年産米、四十一年産米等におきまして、平年作を下回るというような生産が見られたことからいたしまして、政府の需給面におきましても相当この需給は窮屈になったということからいたしまして、輸入米をもって充てたということが、この経過途上にあるわけでございます。四十二年産米から平年作に回復いたしまして、そのときの繰り越し米が約六十万トン近くになっておるわけでございますし、また、ことしの秋におきましては、先ほど申し上げました二百六十五万トン近くのものになるわけでございます。 なお、ことしの米穀年度、ことしの秋の産米、これからの生産になるわけでございますが、農林省といたしまして大体千三百二十万トン程度、一応平年作と見込んでおるわけでございますが、この平年作がもし実現いたしたといたしまするならば、政府買い入れ量というものは、政府の予算には八百五万トンということになっておりますけれども、これは先のことで推定を出ないわけでございますが、八百八十万トン近くのものは政府買い入れが行なわれるのではないか、こういうような見込みも立てられるわけでございます。 なお、需要の面におきましては、先ほど申し上げました一人当たりの需要量の減少、また人口の増加という問題もいろいろございまするけれども、総体として、私どもこれから迎えるであろうところの四十四米穀年度の需要規模というものは、大体原米で、主食用、工業用合わせましても、大体七百七十万トン程度のものが需要規模になるのではなかろうか、こういうぐあいに推定をいたしているわけでございます。 すべてはこれからとれる米のことでございますので、一応現段階におきましての推定を申し上げますと、以上のとおりであるわけでございます。 これが大体需給の現状でございますが、それから、その他「米価の変遷と現状」という資料も、実はお手元に差し上げてあるわけでございますが、この「米価の変遷と現状」におきましては、食管法第三条の二項に基づきまして生産者米価、また第四条二項によりまして消費者米価、こういうものの算定の、過去から現在に至るまでの変遷の状況をここに掲げてあるわけでございます。これをごらんいただければよくわかると思うわけでございますが、最近の米価といたしましては、昭和三十五年に生産費・所得補償方式という方式を採用して今日に至っておるわけでございます。この間におきまして、昭和四十年には生産費・所得補償方式にのっとりながら、その方式といたしましては、四十年と四十一年につきましては、大体指数化方式というものを採用いたしておるわけでございますし、四十二年、昨年の米につきましては、積み上げ方式というものを採用いたしておるわけでございます。 なお、消費者米価の改定ということにつきましては、三十七年、四十年、四十一年、四十二年と、最近の消費者米価改定はこういうことで行なわれてきているわけでございます。 食管の運営という観点からいたしまするならば、少なくとも現在の米価体系が、末端逆ざやの状況を呈しているわけでございます。昨年の生産者買い入れ価格が百五十キロ当たり一万九千五百二十一円ということになっているわけでございますが、現在の全国平均の末端消費者価格を原米に換算いたしますると、一万九千六円ということになっておりまして、この間において、百五十キロ当たり末端において五百十五円の逆ざやということになるわけでございます。 過去におきまして、昭和三十七年のころは、大体政府買い入れ価格とそれから政府自体としての売り渡し価格、お米屋さんに売り渡す価格の関係が正常な形にあったわけでございますが、その後やはり生産者米価の上昇と、それから消費者米価は家計安定の範囲内にとどめるというようなことからいたしまして、だんだんと政府段階における買い入れと売り渡しの関係の正常な姿が、むしろ末端の逆ざやというところまで現在いっているわけでございますので、これらの点につきましては、今回の米価審議会のみならず、政府部内におきましても、なるべく食管の合理的な運営ということからいたしましても、これらの価格の正常なあり方ということについて、検討をいたしておる段階であるわけでございます。 資料については、まだほかに「食糧管理特別会計予算について」という資料もございますし、それから「米価に関する資料」もございますが、大体その程度にしておきたいと思うのであります。 最後に、食管特別会計の予算についてでございますが、今年度の予算につきましては、国会で御承認をいただいているわけでございますが、食管のこのいわば一般会計からの繰り入れということは、今年度におきましては、一応予算の立て方といたしましては、生産者米価、消費者米価、両者前年と同一の価格を採用いたしまして、その間におきまして繰り入れ額を二千四百十五億、前年の一般会計よりの繰り入れ額と同額を見込んでおるわけでございます。予算の執行にあたりましては、総合予算主義というようなことがたてまえとなっているわけでございますが、こういう条件下におきまして、今度の米価決定が行なわれるわけでございます。現在の一般会計からの二千四百十五億の繰り入れということが、この予算上の一般会計からの繰り入れ額になっているわけでございますので、一面において総合予算主義というものも念頭に置きながら、この両米価のあり方というようなことにつきまして、今後、政府部内においてこれを決定してまいりたいということでございます。 以上、お配りした配付資料等につきまして、概略御説明を申し上げたわけでございます。 それから、非常に恐縮でございますが、昨日から米価審議会が三日間の予定で招集をされまして開会をいたしているわけでございます。昨日、開会冒頭におきましてお配りいたしました諮問及び諮問についての説明が行なわれたわけでございます。例年でございますると、この諮問並びに諮問の説明の際におきましては、これに伴いまして政府の考えておる試算値というものを参考までにお配りしているのが、ここ二、三年の通例になっているわけでございますが、試算値につきましては、政府部内の意見調整に非常に手間どっておりまして、ようやくきょうの二日目の米審の開会にこれが配付できるというような段階になっておりますので、いま米審に配付をいたしておると思いますので、さっそく当委員会にも、いまこちらへ持ってまいる段階になっておりますので、参りましたら御配付申し上げたいと思います。したがいまして、試算値が出ておりませんので、諮問及び諮問の説明について、ひとつ御説明を申し上げたいと思います。 諮問につきましては、ここにございますように、 最近における食糧管理の運営の実情にかんがみ、今後米穀の政府買入価格の決定および消費者米価の改定を行なうにあたり基本的に留意すべき事項ならびにこれらとの関連において昭和四十三年産米穀の政府買入価格を生産費および所得補償方式を基本として算定することおよびこれに関し留意すべき事項について、米価審議会の意見を求める。 ということが諮問になっております。私から説明を申し上げるよりも、その次の諮問についての説明をひとつ朗読させていただきたいと思うわけでございます。 米穀の政府買入価格は、食糧管理法第三条第二項の規定により、生産費および物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を図ることを旨として定めることになっており、米価審議会のご答申に基づき、昭和三十五年産の米穀から生産費および所得補償方式によって算定いたしております。また、米穀の政府売渡価格は、食糧管理法第四条第二項の規定により、家計費および物価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めるべきこととなっており、消費者米価につきましてもこの規定の趣旨によることとし、米価審議会のご答申に基づき、消費者の許容しうる最高限度を示すものとしての家計米価の範囲内で、一般物価、コスト、生産者米価との関係、財政事情等を総合考慮のうえ、決定してまいりました。 ところで、近年政府買入価格につきましては、賃金、物価の上昇傾向を反映するとともに、方式の運用面で若干の修正を重ねてきたこともあって、年々相当の上昇をみてきており、また、これに伴い消費者米価につきましては、近年累次の改定をやむなくされてきております。 しかし、このような消費者米価の改定にもかかわらず、両米価の関係は、政府買入価格と政府売渡価格との間に大幅な逆ざやがみられるのみならず、政府買入価格が消費者米価をも上回るという価格関係となっており、このような価格関係のもとで、米管理に要する財政負担も二千数百億円に達することとなっております。 さらに、最近の米穀の需給事情は、四十二年産米の大豊作を契機として大幅に緩和するに至っており、とくに本米穀年度末の古米持越は、配給量のほぼ五カ月分に達するものと予想され、米穀の適正な管理を図るうえで、慎重な工夫配慮が強く要請される状況であります。 したがいまして、今後の米価決定にあたりましては、このような両米価の関連の正常化の問題をはじめ米をめぐる最近の諸事情に十分配慮してまいる必要があると考えられますので、これらを念頭におきつつ、今後米穀の政府買入価格の決定および消費者米価の改定を行なうにあたり基本的に留意すべき事項についてご審議願いたいということであります。 また、当面の課題であります昭和四十三年産米穀の政府買入価格につきましてこれを生産費および所得補償方式を基本として算定してはどうかおよびこれに関し留意すべき事項は何かということについてただいまお願いしました基本的留意事項との関連においてご審議願いたいということであります。 すなわち、米穀が農業生産および国民生活に重要な地位を占めている主要食糧であることにかんがみまして、本年におきましても、生産費および所得補償方式を基本として米穀の政府買入価格を算定してはどうかということでありますが、その場合におきましても、最近の需給事情にかんがみ、これを念頭において、米穀の政府買入価格の算定にあたるべき必要があると考えられるのであります。 以上申し上げましたような諸事情をご配慮のうえ、十分にご審議をいただきたいということであります。 以上、諮問並びに諮問についての説明を朗読さしていただいたわけでございます。間もなく試算値もこちらに届くことだと思うわけでございますが、以上でこちらの御説明を終わりたいと思います。 なお、先般の当委員会におきまして、角屋堅次郎先生から御要求のございました資料が二点あるわけでございますが、その第一点の資料につきましては、政府の試算値等がわかった場合におきまして、いろいろな条件のもとでの試算を実は御要求いただいているわけでございますが、何ぶんにもいまの政府の試算値が、きょうようやく配付できる段階でございますので、これらの点につきましては、いま鋭意作業中でございますので、きょうじゅうに間に合いかねるかと思いますが、できるだけ急いで提出するようにいたしたいと思っております。 それから第二点の、統計調査部の生産費調査農家の資料に基づいて、平均収量並びに政府が現在米価算定上考えております限界収量に基づいて、過去三カ年の生産数量のカバー率についての資料要求がございました。これは、現在印刷途上でございますが、午後の委員会には間違いなく出せる、こういうことでございますので、御了承いただきたいと思うわけでございます。
○足立委員長 以上で説明は終わりました。
○角屋委員 私の資料要求に対する説明ですが、私、去年の米審の際に、委員各位から要求があった各種前提条件に基づく米価算定の資料が十二項目出たわけですけれども、これの資料要求をしたところが、午前の段階に間に合わぬというのですね。間に合わぬのじゃなくて、やはり政府の試算との関連で、これが早期に出たらぐあいが悪い。間に合わぬでなしになるべくおそく出そうという、そういう気持ちがあるのじゃないですか。今日電子計算機時代ですし、私は前提条件はぴしゃっと与えてある。これは過去の米審の経験からいったって、前日に資料要求が委員各位から大量にあっても、それを翌日までに全部こなしているのですね。私の資料要求は土曜日ですよ。日曜日と月曜日がある。とにかく二日間があったのですね。出せるのだけれども、なるべくおそく出そうというのでおくれているのじゃないですか。これは午後までにぜひ出してもらいたい。
○田中説明員 御要求の資料につきまして、決しておそく出すということを意図したことは全然ございません。従来の米価審議会におきましては、諮問並びに諮問説明と同時に、この諮問の中におきまして生産費・所得補償方式によることとしてはどうか、こういうことで諮問申し上げて、その場合におきましての農林省の考え方を、一応試算値もしくは参考試算ということで、冒頭からこれを配付申し上げて御説明しているわけでございます。したがいまして、それらの試算の内容等につきましては、その前日とかあるいは前々日等におきまして、政府部内におきまして意見が調整されておったわけでございますが、今回そういう前提のもとで——前回の場合等におきまして角屋先生の御要求がございました各種の試算というものは、やはり前提になっております試算値の各諸元が全部固まっておったわけでございます。したがいまして、ことしの米価におきましては、試算値の諸元等につきまして政府部内での意見調整に非常に手間どったというようなことがございまして、ようやくきょう間に合ったようなわけでございますので、いまそれに基づいて鋭意御要求の資料につきましては算定を急がせておるわけでございます。 この機会に、部内のことを申し上げて非常に恐縮でございますけれども、食糧庁の部内におきましても、電子計算機はもちろんあるわけでございますが、職員のいまのこの試算値算定に至るまでの作業というものは、やはり非常に追われてまいったというような事情でございますので、誠心誠意ひとつ努力をさせて、なるべく早く出すようにいたしたい、こういうぐあいに御了承いただきたいと思います。
○足立委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○足立委員長 では速記を始めて。
○石田(宥)委員 実は、きのうの農民の要請行動について、いろいろけが人等が出ておりますので、若干御質問申し上げておきたいと思うのであります。 きのうの要請行動は、テレビなどで皆さん御承知のような状況でありますが、特に負傷者が出ておるわけであります。長野県駒ケ根市赤穂の小林克喜、三十八歳、左手親指手甲捻挫、同じく小沢一郎、これは三十八歳、同じ状況です。それから福島県会津本郷町の安部辰男、二十八歳、これは右背中打撲傷、こういう状況であります。さらに秋田県大曲市の小笠原敬一、三十二歳、これは左第三指挫傷で全治十日間の見込み、これは九段坂病院の工藤洋という医師が診察をし、治療に当たっております。その際、多少の混乱はあったようでありますけれども、警察官のほうから、このどん百姓なまいきな、というような暴言を吐いて一そう混乱を大きくしておる、こういう事実があるわけです。 そこでお尋ねしたいことは、きのうの警官の出動は、農林省から要請をしたものであるのか、あるいは警察のほうで独自の判断に基づいて出動したものであるか、この点が一点。それから、何のために出動したのであるのか。このけが人を出したのは正門の通路であります。通路といっても、通路からちょっと引っ込んだところであります。そういう状況でありますが、これは交通整理ということなのか、あるいはその他の目的であったのか。 この二点をまず承っておきたいと思います。
○安倍説明員 昨日の米審の会場におきまして、いろいろと混乱が起こったことは、たいへん遺憾に思っております。なお、警察官の出動につきましては、農林省からこれを要請したと聞いております。警察官に対しましては、農林省としても、米価審議会がスムーズに運営されるという配慮から、秩序を守るということで要請したようでありますが、ただいまいろいろの事故の内容については、農林省としても調査をいたしておる段階でございます。
○石田(宥)委員 経企庁長官が見えたようでありますから終わりますけれども、特に秋田県の小笠原敬一君のごときは、酪農をやっておるわけでありまして、それが第三指をどたぐつでけられて全治十日間ということになると、なかなか搾乳に支障を来たすのではないか。そういう者に対しては、特に農林省のどなたかが九段坂病院に案内をされて、いろいろ御配慮をくださったようでありますけれども、今後のそういう障害については、やはり何らかの補償というか賠償というか、そういった意味のことも含めて善後処理をしていただかなければならないと思うのであります。きのうのところはたいへん親切にしていただいたようでありますけれども、今後に残る問題であろうかと思いますので、それについての基本的な態度を伺っておきたいと思います。
○安倍説明員 昨日の問題につきましては、十分調査を進めまして、これに対して政府としても善処してまいりたいと考えております。
○足立委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○足立委員長 速記を始めてください。 —————————————
○足立委員長 引き続き、米価問題について質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鹿野彦吉君。
○鹿野委員 私はきょう宮澤長官に、過日の米の輸入問題について、私もちょっと納得いかなかったし、全国民の中にあって、ことに農業者の方々が納得いかないで、誤解されたままで過ごされるとたいへん困ると思いますので、これを中心として、わずかの時間、御質問申し上げたいと思います。 米の輸入の問題について、長官は、この端境期にどれほどのものが余るというふうに御計算なされておりますか。今年の十月に、日本の米がどれほど持ち越されるかということです。
○宮澤国務大臣 私が、農林当局から聞いておりますところでは、推計で二百六十五万トン程度と聞いております。
○鹿野委員 二百六十五万トンのほかに、輸入された米が二十一万トンほど、合わせて二百八十七万トンほどが持ち越される予定になっておるようでございます。それで、昨年の端境期からどうして輸入をとめなかったか、こういうことについて、長官の御意向では、これは貿易の輸出輸入のいろいろな関係からやむを得ない処置であるということも承りましたが、その間どのような努力をされたか。これは、米が来年は相当余るということが分明したときに、できる限り米の輸入をしないように努力をする。たとえば中共、台湾、そうした相手国に対しても、米でなくその他のもので輸入をするような方法はないかというような必死の努力というものが、一体あったんだろうかと私は思うのですが、このことについて、長官はどのようにお考えになるでしょうか。
○宮澤国務大臣 鹿野委員の御指摘のとおり、この米の輸入政策につきまして、誤解を生じることがあってはならないと思いますので、政府の基本的に考えておることをまず申し上げますと、私どもは、農産物の中には、国の自給度が場合によって下がるものが将来に向かって幾つかあると考えておりますけれども、米につきましては原則として、わが国は自給をする、そういう基本方針を立てております。したがいまして、先日も申し上げましたが、経済社会発展計画におきましても、また、ただいま策定中の新全国総合開発計画におきましても、米の自給率を一〇〇%、あるいは場合によっては一〇〇%をちょっとこえるのでございますが、そういう方向へ持っていきたい。ただいま、御承知のように一〇〇%までまいっておりませんので、そういう基本の方向をとっております。したがいまして、輸入で国内の米の需要を大きくまかなおうというような考えはいたしておらないわけでございます。 そこで、御承知のとおり、従来輸入をしております相手方を見ますと、中共、台湾、韓国、ビルマ、タイ等々でございますが、これらは、あるものは工業用の米であり、また、他のものはいわゆる貿易協定の数量に収支を合わせるといったような考え方、あるいはまた、タイ国、台湾などの場合には、わが国が出超になっておりますので、これを是正するといったような考え方、国によって多少違っておりますけれども、主としてそういう見地からいたしております。 しかし、ならばわが国が必要とする米以外のもので貿易を是正すればいいじゃないか、あるいは覚書貿易の拡大をいたせばいいじゃないかといわれますのは、私は御指摘のとおりであると思います。現に中共の場合には、御記憶のとおり、先般も結局、米以外にないというような交渉の詰まり方をいたしまして、ある程度の米をさらに買うということにいたしましたけれども、そこに至りますまでの間、通商当局あるいは政府といたしましても、できるだけ米以外のわが国が必要なものでこのバランスをとろう、こういう努力をしてまいったことは事実だと思います。
○鹿野委員 私は、企画庁長官にこの点を——中共貿易というものについては、日本の自由民主党が非常に冷淡であるというふうに誤解されておる向きが非常にあるわけですね。ですから、いまのように米以外のもの、代替物をこちらで輸入するということに努力をしてみたけれども、ほかにかわるものがない、こういうような実態があったならば、できる限り多くの宣伝機関を通じて、こういう実態を国民に知らせるような努力をすることが望ましい、こういうふうな気がいたすわけです。 ということは、私は自民党の党員で、あくまでも自由主義体制というものが国民をしあわせにするものだ、こういうような信念に基づいて政治活動もいたしております。ところが、ややもするとこれが非常に誤解されがちなわけでございます。いまのように必死の努力をして、中共から輸入するものについて、米が余っておるということを承知いたしつつ、これにかわるものがなかったというようなことを、もっと国民にはっきりわかるように、そうして農民諸君にもはっきりわかるように、説明をする必要があったんじゃないか、また、あるんじゃないかという気がするのです。 この際もう一つ、福田幹事長が農業者の大会において、だれよりもだれよりも自由民主党は農民を愛するんだ、自由民主党は米価の決定において責任をもってやる、こういう発言をなされたことに対して、どのように解釈をなさいますか、長官の考え方を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 まず、前段の問題でございますが、中共貿易は、御承知のように政府間の正常な貿易の形になっておりませんために、今年も現地に関係者が参りまして、長いこと交渉をいたしました。そして政府にも非公式な連絡がずっとまいっておったようでございます。私は、政府の直接の責任者ではございませんけれども、はたから聞いておりますと、最後のところは、結局、米をもう幾らかでもわが国が買うか買わないかということによって、ことしの協定ができるかできないかというところに話が煮詰まっていったようでありまして、政府としても、これについてはなかなか決心がし切れずに、かなりぎりぎりまでいきまして、多少米をよけい買うことを非公式にきめて、それを先方に通知をした、こういう経緯であったように思います。したがいまして、政府間の正面からやっておる仕事でありませんだけに、その間の最後の妥協をした点について、十分国民にこれを周知してもらうことができなかった、確かにそういうきらいはあったと思います。これは、交渉の性格からくるところもかなりあると思います。今後も、いろいろ制約はあると思いますけれども、ただいま御指摘のような努力はいたすべきものであると思います。 次に、第二段の問題でございますが、この点は先日、角屋委員でございましたか、たしか昨年の米価・審議会で私に対するお尋ねがあり、私が答弁を申し上げた点の概要を、当委員会で御紹介になりましたが、まさにあのとおり申し上げたわけでございます。すなわち、米を中心とする農業の生産性がきわめて低いわけでございまして、たとえば戦前の豊作、昭和八年ごろでございますか、ほぼ七千万石余りという数字がかなり大きな数字でございました。昨年一千四百五十万トン近く、九千数百万石でございますので、ほぼ三十五年かかって物的生産性の上昇がわずかに四割にすぎない、しかもぎりぎり働いて、そういうことが米づくりの現状であります。 したがって、これを価格政策で補ってまいりませんと、現在でも五百五十万戸ございますが、過去にはもっと多かったわけで、人口にして三千万余り、それらの人々の生活水準が都会、工業を中心とした経済成長にはなはだしくおくれていく。このことは三千万というような人口、あるいは農業就労人口で申せば今日なお一千万でございますから、全部の就労人口の二割になりますが、そういう大きな部分が経済成長から脱落するということは、社会不安の原因でもありますが、経済政策としてもきわめて好ましくないことであります。 のみならず、それらの人々が他の層と同じ購買力を持つということによって、今日わが国の重工業品の輸出が可能になった、こういうこともいえるわけでございますから、これは国民経済的に見て五十万とか百万とか、いわゆる圧力団体といったようなものでない、二割とか三割という部分はむしろ国民そのものでございますから、したがって、そういう見地から、従来私どもが価格政策で農業関係者の所得の向上をはかり、また、国民経済の成長からおくれないように配慮してきたということは全く正しかった、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
○鹿野委員 では、福田幹事長が発言されたことに対するあなたのお考えを私はただしたわけですが、そのことはいまの答弁でいいんですね。 私は、こういうふうに考えるのです。現在の日本経済の中にあって、生産性に見合わない所得で、はなはだしく考えなければならないのは公務員と農業者にあると思うのです。これは、日本の財政の硬直化を招き、非常に大きな経済問題になっておりますが、しかしこれについては、私は、農民自体に責任があるのでなくて、政府が、これまでの大きな施策において責任を負うべきものがあったのじゃないかと思うのです。農民諸君は一生懸命働きたい、生産性を向上さしたいと、与えられた条件の中において必死になって努力をいたしてまいりましたが、何といっても、日本の農業の根幹となりますものは小規模経営というところにあったわけでございます。この小規模経営の与えられた中にあって、必死の努力をしてきた。しかしながらどうにもならない。国民全体の所得の向上に比例して、どうしてもそれでは追いつくことができないから、やむを得ず米価の値上げというような、全く簡単な方法で農業者の所得を補償してきたというところに私はあると思うわけです。 ですから、この問題の根本的な、農業者の生産性というものが基本的に解決されるまでの間は、いまの状態を放棄できない。そういう意味において、過日、企画庁から発表された生産者米価のストップというようなことを、一体長官は真剣に考えられているかどうか、このことをちょっと承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 鹿野委員が御指摘になりましたことは、私は確かに真理であると思います。 〔委員長退席、熊谷委員長代理着席〕 他方におきまして、限界的な生産費を常に補償するということであれば、農民としては当然米をつくるということになると思います。ことに、近ごろは共済の制度もだいぶ進んでまいりましたから、比較的米作ということに、非常に苦労はございますけれども、危険度は少ない、安定しておるということから、限界生産費を上げていけばいくほど限界生産が行なわれる、こういうことになっておると思いますので、現在の需給状況が、過日農林大臣が言われましたとおりであるとすれば、ずっといつまでも限界生産費を続けていくということは、むしろ農業の選択の道をふさぐということになりはしないか。 もちろん農業でありますから、簡単に新しいものが選択できるというわけではありません。しかし、政府としては、そういう選択が可能になるような施策を、やはり従来ともやってきておるわけでございますから、それが十分でないということならば、私は十分でないということはよくわかりますけれども、やはりそういう選択の可能性というものを開いておいて、そちらへ限界的な生産は向かうように考えていくということが、いまの段階では必要ではないか。そういう他面もあるということを、先日申し上げたのであります。
○鹿野委員 私は、この問題については非常に重大な意味を持つものと思うのですが、時間もありませんから、そうした詳細な点については触れることはできませんけれども、ただ、企画庁長官にお願いしたいのは、自民党政府の国の総合的な経済政策を推進していく、五年先、十年先の経済政策を樹立していくという責任は、あなたにあるというふうに思う。当然これはそうでございますが、そうした意味において一刻も早く農業者の基本的な、生産性に見合ったところの所得の増進というものを解決する方策を立てておくことが大きな責任じゃあるまいか、このように思うのです。福田幹事長が農民諸君に対して、自民党はだれよりもだれよりも愛すという表現の中には、これは聞いたわけではありませんから私の推測ですが、非常に重大なる意味を持っておると思うのは、すなわち、資本主義に対する批判という中から発足しましたマルクス主義、こうしたものがだんだん発展しまして、共産主義を含むあらゆる社会主義的統制方式というものは、人間の幸福を実現する政治体制をつくることができなかったということが、ソビエトはじめ東ヨーロッパの長年の間の実験によって実証されてきた。その端的なる一番大きなあらわれは、チェコスロバキアを中心とするところの民主化、自由化への人間主義のもがき、この問題を見ますときに、われわれ日本民族は、これらの間違った、国民を不幸にするような道を歩んだらいかぬ。そのためには、ややもするとこの資本主義体制のおちいりがちであるところの、大企業中心になりがちであるところを是正していかなくてはならぬ。それは農業者、中小企業者、勤労者の方々、これらの人々のしあわせに重点を置く施策を積極的にやっていかなくてはならない。そういうところに根拠を置いて、農民諸君をだれよりもだれよりも愛するのは自由民主党だという発言があったと私は推測いたすものでございます。 すなわち、新聞あるいはその他の評論家の方々は、簡単に、米が高ければ輸入をしたほうが安いというようなことを発言いたしたり、いろいろな非常に責任のないことを発言いたしておりますけれども、しかし、われわれ自由民主党に所属するところの政治家としては、そのようなものではない、信念に基づいて国民を不幸にしないような方向に持っていかなくてはならない。そのためには農業者に対して、自民党に対する支持をますます得るように努力をしていく、これが民主政治の基本だと思う。どこにも遠慮は要らないと私は思うのです。 そういうような意味から、決して農業者諸君が無謀なる要求をしておると私は思わない。これは当然です。要するに、平均化されたところの所得の追求をしておると思うのです。 このことについてちょっぴり触れておきますが、池田勇人さんの、消費を刺激する月給二倍論に基、つくところの政策が誤っておった。このことが根本的に誤って、要するに、生産性に基づくところの国民所得の増進というところに重きを置かないで、消費を刺激するところの月給二倍論に誤りがあったと、私は十年前からかたく信じておるものですが、これは長官に私は答弁を求めません。しかしながら、その責任を自由民主党は痛感いたし、そしてこの誤りを一刻も早く是正するという体制に持っていく必要があるのではないか、心から私はそう信ずるものです。 過日、主婦連の代表の人々も、あるいはまた、総同盟の副書記長の下田さんという人の参考人としての発言、あなたは聞いておらなかったかもしれないけれども、この人々の発言の中にも、まことにわれわれは傾聴に値すべきところの参考意見があったのです。生産者米価ということについて、上がることに反対ではあるけれども、しかし、その奥底にひそむところの農業者のしあわせというものに非常に言及しておられた。それで春野さんは、三十五年のときに池田総理に対して、所得倍増推進の発足当時において御忠告申し上げたそうです。あなたのような所得倍増政策を推進いたしていくことによって、農民の方々の保障がどうなりますかということを御忠告申し上げた。そのとき池田総理は、絶対だいじょうぶだ、私にまかしておけと言うたそうです。しかし、これは誤りであった。昨年も春野さんはこういう発言をしております。ことしもまたこの参考人の席でそう言っています。あるいはまた、下田副書記長はこういうことを言っている。政府の施策の中に、農民の所得に対する根本的な解決策が明示されるならば、われわれ消費者はがまんをします。まことにこれは涙の出るほどまじめな、傾聴に値するところの発言であったと聞いておりました。 私は、こういうようなことを中心として、自民党の経済企画庁長官のあなたに、ただ消費者米価あるいは生産者米価をストップするなんというような簡単なことでなく、どうぞひとつ根本的な施策を立てるようにしていただきたい。長官の意見を承りたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほど、諸外国との関連についてお話がございましたが、確かに私どもが信じておりますことは、わが国において農業が国営であったり、あるいは大きな集団営であったりすることは好ましくない。そういう方向はわが国はとらないという意味において、基本的に考え方の違いがございます。もしそうであるといたしますならば、農業というものはそれ自身で経営が成り立っていくものでなければなりませんが、従来、御指摘のように生産性が低いために、それを価格政策で補ってきた。ただ、価格政策以外にいろいろとるべき生産性向上の道もあるわけでございますから、それは政府の施策としてやはり講じていくべきものだ、こう思っております。米は安ければ外国から幾らでも買ったらいいではないかといったような考え方は、私どもとりません。それは、現在もそう思っておりませんし、先ほど申しましたように、長期計画でもそういう考え方はとっておらないわけでございます。
○鹿野委員 与えられた時間がもうございませんので、要望だけいたしておきます。私は、今年度こうした際に非常に安易に現に二十七万トンも輸入いたしたということは、農民諸君に与えるところの影響、その他の国民に与えるところの影響というものからして、非常に大きな失敗であったと考えます。どうぞこうしたところの失敗を繰り返さないようにお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○熊谷委員長代理 次に角屋堅次郎君。
○角屋委員 今度の米価問題の際に、当委員会として宮澤経済企画庁の長官に二度にわたって出席を求めた。大蔵大臣にも、実際は大もととして御出席を願わなければなりませんし、さらに、私ども選挙公約として総理の出席を強く今日要求しておるところでありますが、特に宮澤長官の関連で申せば、戦後ずっと米価問題の経過を、国会並びに米審等を通じて私ども経験してきたところから、本年度の問題に置きかえて考えますと、従来は米価問題、特に生産者米価問題については、農政の直接責任者である農林大臣が中心になって米価問題を取り扱ってきた。ところが、ことしの場合は生産者米価問題、消費者米価問題について、特に経済企画庁の宮澤さんのほうから——これは宮澤さん自身あるいは経済企画庁として、非常に強くこれに入ってきておられるという印象を受けるわけです。先般議論が展開された中で、これは西宮さん、神田さんとのやりとり、特に神田さんとのやりとりの中で、私ども、質問に対する宮澤さんの反論が非常にけしからぬ、こういう気持ちがあって、最後に宮澤さんも、委員会の空気を察知して陳謝されたわけですけれども、これは一つのあらわれ方なんですが、西村農林大臣に置きかわって、宮澤さんが経済企画庁長官兼農林大臣のような、意識過剰で少し深く入り過ぎておりはせぬかという感じを、私は率直に持つのです。 そこで、この前の宮澤さんの答弁のうちから二、三点私はさらにただしたいと思うのは、一つは、特に神田さんとのやりとりの中で、生産者米価、消費者米価ストップ論、これは食糧管理法に違反をしないという趣旨の御答弁がございました。私は、その答弁の限りにおいては間違いじゃないかと思います。御承知の生産者米価、消費者米価については、食管法の第三条二項、第四条の二項によって、毎年これを決定するというたてまえに食管法上なっておる。私は、たまたま計算の結果が、生産者米価において去年とほぼ同じようになったということは、ずっと長い米価の決定の過程ではあるだろうと思うのです、毎年の米価の決定の過程では。 しかし、食管法に基づいて生産者米価は第三条二項で決定をしていく、こういうたてまえに厳然としてなっておるのに、そういうこととは全然別個の立場から生産者米価をストップする、そのことは食管法に違反をしないというのは、説明不十分であるのかあるいはそうでないのかは別として、食管法に違反しないという御答弁そのものが私は間違いだと思うのです。この点について、この前の追及の中で、違反でない理由をひとつ聞かしてもらいたいということでちょっともんちゃくがありましたが、それは別にして、私は長官の答弁そのものは、立法上から見て、食管法の第三条あるいは第四条の問題もありますけれども、ストップ論そのものは、食管法から見てこれは違反をする。要するに、私のストップ論というのは、政策的な視点で言ったという別の問題の議論なら別だけれども、その点もっと明確にしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 法律論でございますので、私もくろうとではございませんが、私の理解しております限り、米価を、毎年その年の産米について決定をしなければならないというのが、食管法のたてまえであると思います。しかし、その内容をどう決定するか、前年度と同じように決定するかあるいは引き上げを決定するかどうかといったようなことは、これはそのつどのことであって、今年は生産者米価を決定する必要がないというようなことになりますと、これは食管法のたてまえではないであろう、こう思っております。
○角屋委員 私の質問に直接答えられなかったのですが、時間の関係もありますのでさらに次に進みたいと思います。 算定方式の中のいわゆる積み上げ方式で、従来からとってきた平均反収あるいは限界反収問題で、従来は限界反収方式をとってきた。つまり、農林省の場合でいえば、全農家のうちから標本農家を採用して、それに基づいていろいろな米価の生産費調査をやる、あるいは反収についても農林省の統計調査部で調査をやる。そういうことに基づいて、いわゆる統計理論からくる一シグマを引いた場合の限界反収の農家戸数におけるところの占めておる比率が大体どうであるのか、あるいは総生産量におけるカバー率はどうであとかというのは、成規の調査に基づいて出てきておるわけですね。これは私は一昨日資料要求して、それに対して、農林省の統計調査部の資料に基づいて先ほど食糧庁の田中次長から答弁があった。長官は出席する前でありますが、それによると、いわゆる平均収量の場合の米生産対象農家についての米生産量カバー率というもので見ますと、平均収量の場合、三十九年度産では五八・八%である、四十年度では五九%である、四十一年度では六〇・五%である。そうして限界収量をとる場合においては、三十九年度が八八・七%である、四十年度が八九・六%である、四十一年度が八九・三%である。こういうふうに数字が、統計調査部の調査を基本にしてデータとして提出されたわけです。 本来、官庁統計というものはそれぞれ持ち分がございまして、米の生産費については農林省の統計調査部が直接国費を使って担当し、それに基づいて資料としての米生産費という統計資料が毎年出されておる。それに基づいての度数分布等の状況については、図表で毎年出されておることは私ども十分承知しておる。過般の長官とのやりとりの中で、限界収量をとる場合において、九八%という意味の数字が、私は長官の答弁の中にあったと思うのですね。これは農林省のほうに聞いても、一体どこを基本にして九八%と言ったのかよくわからぬという説明であった。私自身もあのときに、鹿児島大学の助教授梶井君の全国農業新聞に出たデータを提示するにとどまりましたけれども、長官の言う数字そのものは、少しおかしいのではないかという問題提起をいたしました。この問題について、限界反収をとるか平均反収をとるかという議論の前に、長官自身が示した数字がどうも私には納得がいかないので、それは誤りであったということであるならばそれまでですけれども、しかし国会の答弁を通じて特に長官が、あるいは経済企画庁が強く言っておる、限界反収をとるか平均反収に持っていくかという議論の、その基本の数字の問題について、もし誤りがあるとするならば非常に重大だと思うのですが、その点ひとつ明らかにしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 数字のことでございますので、もし専門家でない私が間違いを申しておりましたら、これは専門家から訂正をしてもらいますが、おそらく角屋委員のお持ちの資料と思いますが、その注にございますように、「十アール当たり収量分布の平均収量および限界収量にあたるまでの農家戸数の累積度数はそれぞれほぼ五〇%、八四%に相当する。」それから、「生産量カバー率は、米生産費調査の百五十キログラム当たり生産費高低別分布表から、農家戸数の累積度数約五〇%、八四%に相当する農家の米生産量累積度数を近似的に求めたものである。」したがって、現行の限界反収補償方式においては、米生産費調査の対象になる農家、そういう農家の八四%が都市並み以上の収入が得られるということになるわけであります。 そこで、四十二年度産米にかかる米生産費調査対象農家の実情を調べてみますと、このような農家は総生産量の大体九八%になる。それはなぜかと申しますと、申すまでもなく反収の多い農家ほど生産量も概して多いということでございましょうから、農家戸数では八四%であっても、生産量で見ればそれを上回って九十数%になる。それを私どもは九八%と申し上げたのでございますが、多少の食い違いがございましたら、これは事務当局、専門家のほうから訂正をしていただきます。
○角屋委員 いまの点はおかしいのじゃないですか。注の第一、第二——私はこのことで時間をあまり大きくとりたくないのですが、先ほどの農家戸数の累積度数の問題の、平均収量五〇%、限界収量八四%、こういうふうにまず注の一でいって、そうして注の第二のところで、米生産量カバー率の問題については、この累積度数の五〇%、八四%に相当する農家の米生産量累積度数の近似値を求めた場合に、平均収量の場合には約六〇%、限界収量の場合には約九〇%に近い量である。したがって、この考え方からは、先ほどの九八%という数字は出ないのじゃないですか。
○宮澤国務大臣 政府委員が補足をいたしますが、その注の二のほうの生産量カバー率でございますね。その場合に、累積度数で八四%に相当する農家の米生産量累積度数でございますから、つまり、その八四%の農家がどのくらいの米を生産しておるか、限界生産費の範囲でこういうことを申し上げたので、確かにこれだけの数字からは出てまいりません。
○角屋委員 だから私は、限界反収か平均反収かを考える場合に、簡単に九八なんという数字が、特に提唱をしておる経済企画庁長官あたりから出てくると、非常に誤解を生む点があると思うのですよ。しかも、米生産費調査の問題は、農林省自身がやっておる数字に基づいて、それを引用しながら一つの意見を言われるのならまだしも、非常に誤解を生む点がある。私は、疑問があったので特に資料要求をしてとったのだけれども、これは非常に誤解を生む数字であって、何か一シグマを引いて、そうして限界反収をとって平均生産費を割った場合に、そういうやり方をやるというと、九八%のものまでは生産費としてはカバーされているというような映り方のように聞こえるのですね。それは前提条件として幾つかのやつを飛躍しておるわけですね。そういう点で私は問題を提起し、そうして農林省に資料要求を求めた。いまのようなやりとりの中で、前段の幾つかを飛躍して言うと、何か非常に、もうほとんど一〇〇%に近く、一シグマを抜いた場合にはカバーをしておるのだという印象は、やはり前提条件をいろいろ考えておかないと間違いを起こす。こういう点は、やはり明らかにしておかなければならぬことだと思う。 次に経済企画庁の長官に伺いたいのは、どうも最近経済企画庁の長官もしくは経済企画庁から言っておるのは、できるだけ生産者米価を抑制したい、この一念で問題の提言をしておるように強く印象づけられるわけです。そうじゃないですか。経済企画庁から提言をしておる、あるいは経済企画庁長官として生産者米価、消費者米価の問題について意見を述べている点は、農政全体の立場から、とにかく大きくものを考えて言っておるのだ、こういうふうなことであるのか、その真意をもっと端的に明らかにしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 私の基本的な考え方は、昨年米価審議会で申し上げました、先日御紹介くださいましたところと変わっておりません。経済企画庁といたしましては、むろん私どもなりに農政のことも考えます。財政のことも考えます。また、消費者米価のことも考えなければなりません。そういう総合的な立場をとっておるわけでございます。
○角屋委員 一つ一つの問題について、急所をなるべくやわらかく逃げたいという印象を私は受けるのです。だから、冒頭の私の食管法違反かどうかという質問に対しても、私はいまでも食管法違反であるとは考えていないというような、端的なぶち当たり方をしない。 私は、さらに宮澤経済企画庁長官の御見解を聞きたいのだが、今日、財政制度審議会あるいは経済同友会、いろいろな、われわれから見れば、いわば財界の代弁者をもって構成するような審議会、あるいはまた財界の一つの経済団体というところから、間接統制論というものが非常に強くプッシュされてきておりますね。大体ここ二、三年の間に、間接統制に米を切りかえるべきである、こういう意見が積極的に出されてきておる。食管の問題で、これからあの御用米審がどういう検討をやるかわかりませんけれども、私どもは、今日のああいう御用米審の中で食管問題を議論するということは、農林省設置法から見ても、あるいは米価審議会令から見てもこれはできない、そういう見解を持っております。 それは別として、宮澤経済企画庁長官の頭の中には、米は早晩間接統制に切りかえていくという、そういう考え方が前提の中にあるのではないですか。政府は、選挙の中でも今日でも、一応表向きには食管制度の根幹は維持する、こういうことを言いながら、食管制度の根幹に触れることを、閣内においても議論がなされる、あるいはまたそれぞれの省からも意見が積極的に出てくる点は、私は、明らかに根幹に触れる問題を含んできておる、こう思うのですが、宮澤経済企画庁長官は、米の直接統制を間接統制へ切りかえる問題について、どういう判断をしておられますか、見解を聞きたい。
○宮澤国務大臣 先ほどから、経済団体云々のお話がございますが、確かにあの方々は、そういう方向の主張をしておられるようですが、私自身と一点違いますところは、わが国の農家が、わが国のその他の人々と同じ程度の経済成長をしてきた、したがって、同じ程度の生活水準に達しつつある、そのことは農家のためばかりでなく、わが国経済全体にとって、輸出までも含めて、過去十何年来の累積でございますけれども、非常に大きな影響を持ってきたという点についての評価が、経済団体の方々には足りないように思うのであります。その点は私、正面から論争しておる点でございますから、御了承を願いたいと思います。 次の問題でございますが、食管制度の根幹とは何かということは、先日、大蔵大臣がお答えになったとおりだと思います。そうして先々週の土曜日には、農林大臣がこの問題を取り上げられて、農政全般から時間をかけて慎重に検討すべき時期である、こういう判断をされました。私どもそれに基づいて、食管制度の根幹を維持しながらどのような改善が可能であるかということを、これから研究をしてまいりたいと思います。
○角屋委員 根幹を維持しながらということと関連して、さらにお伺いしたいのですが、米の直接統制を間接統制に切りかえることは、明らかに根幹を変化させるというふうに私どもは考えますが、その点はどういうふうに思われるのですか。
○宮澤国務大臣 それは、端的に直接統制、間接統制というような簡単なことばで内容を規定するわけにまいりませんから、私は一がいにはお答えできない問題ではなかろうか。よくわかりませんと申し上げるよりほかございません。
○角屋委員 それは、いまの政府が農家から全量買い上げる、他のものに売り渡すことはできない、こういう一つの全量買い上げの問題と、それから基本的に生産者米価、消費者米価の、第三条の二項、第四条の二項を見る場合の二重価格的性格というものを、私どもは食管の根幹という場合の重要な二つの柱である、こういうふうに見ておるわけですが、長官は、前段については必ずしもそう思わないということですか。
○宮澤国務大臣 詳しくは存じませんが、現在の法令を前提にする限り、生産者が政府に米を持ってきて買ってくれと言いましたときに、政府がそれを拒否できるかどうかということになれば、私は、現行の法令では、それはやはり無理ではないか。この法律は、できるだけ政府が多くの米を買おうというたてまえで、食糧を確保しようというたてまえで書かれ、また運営されてきたのでございますから、ここに至って卒爾として、都合により今度は買わないといったようなことは、やはり現在の法令では、私は常識的に考えて無理なことではないか、そう思っております。
○角屋委員 さらに、大蔵省が提唱しておられる自由米の問題、一部自由米を認める、これと食管の根幹との関係は、経済企画庁長官としては、これは根幹に触れる、あるいはそれは根幹に触れない、いずれの見解をとっておられるのですか。
○宮澤国務大臣 それも実は内容がない話でございまして、私どもどういう構想を大蔵省が持っておるのか存じません。ただ、一般的に、特殊な場合を除いて、いまのたてまえのもとで、米がかってに自由流通していいというようなことは、ちょっと私は現在の法令では読みにくいのではないかと思います。 ただ、どういう内容であるのか聞いたことがございませんので、大蔵大臣もそういう案は正式には持っていないんだと言われますので、中身を存じません。
○角屋委員 結局、参議院選挙の際に、あるいはそれ以前の国会の舞台で、あるいはその後においても、食管制度の根幹は堅持する、あるいは六月十日の全国の米価大会では、福田幹事長が食管制度を堅持するということを言われた。私もその大会に行っておりまして聞いておるのですが、そう言いながら、具体的にいろいろ提言のある中で、米の直接統制か間接統制かという問題、あるいは自由米を導入するかどうかというような問題、こういうことになると、根幹のものさしというものが、きちっと閣内で意思統一しておるなら、それは根幹の問題に触れてくるのか、あるいはその問題は根幹の問題に触れないのかということが、もっと明確になるはずなんです。間接統制という重大な問題についても、根幹に触れるのかどうかという答弁ができないということはどういうことですか。結局、根幹ということばだけを使っておるということですか。おかしいじゃないですか。こういう基本的な、自由米の問題はどうなのか、あるいは直接統制を間接統制に切りかえるという問題が、長官が、根幹に触れるのか触れないのかという問題も不明確なままで、そういう根幹を堅持するということが、責任ある政党内閣の政治家として言えるのですか。もっと明確にしてもらいたいし、少なくとも経済企画庁長官が経済閣僚としておって、こう判断するということは、もっと明確に言えないのですか。
○宮澤国務大臣 せんだって大蔵大臣が答弁されました食管制度の根幹ということは、閣内の意思の統一したところでございます。 そこで、間接統制というものがその根幹に触れないかどうかということでございますが、その間接統制なるものの内容を検討しなければ、抽象的な間接統制ということばだけでは、私は何とも自分には判断ができない、私には判断ができない、こう申し上げておるのでございます。
○角屋委員 結局、こういう基本的な、専門家から見れば性格を根本的に変えるような問題についてさえ、根幹との関連で答弁できないということは、私は、選挙の際におけるところの自民党の根幹を堅持するとかいろいろな点は……(「ペテンだ」と呼ぶ者あり)ペテンだというお話がいまございましたが、経済閣僚として、こういう点は触れるなら触れる、しかし、そういう必要が起これば、法改正をしてでもやらなければならぬ時期があるかもしらぬというなら時期があるかもしらぬという答弁、それに対してわれわれが、それは反対であるか賛成であるかは別にして、もっと明確にする責任が政府としてはあるはずなんですね。根幹ということを言い、あるいは食糧管理制度を堅持するということを言っておる。具体的な専門的な立場から言えば、こういうことを提言をしておるが、この問題は根幹との関連でどうだということに対しては、具体的な内容がという問題ではないでしょう。もっとやはり宮澤経済企画庁、長官として、どう考えるかという点を明らかにしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 その点は、いわゆる根幹というものの考え方が、政府が一定量の米を確保する、それによって片方で消費者側の国民生活の安定をはかりながら、他方で生産者側の再生産を維持する、こういうことが根幹であると思いますので、もしおっしゃいますところの間接統制、これは内容がはっきりいたしませんけれども、それがこの目的をそこなうようなものであれば、それは根幹に触れるということになるのだと思います。先ほどから申し上げておりますことは、その間接統制なるものの内容がもう一つ具体的ではございませんから、私にこの場で判断はできない、こう申し上げておるのでございます。 〔「わからぬことでラッパを吹くな」と呼び、その他発言する者あり〕
○角屋委員 わからぬことは言わぬようにしてもらいたいというお声もございましたが、そのとおりだと思うのです。それが、例年以上に経済企画一庁が乗り出してきておる、生産者米価のストップ論まで飛び出してくるということだから、一体農政あるいは食糧政策というものについて一定の定見をもって言ってきているのか、あるいは一つの目的意識をもって、介入すべからざるところまで意見を述べんとしておるのかというところに、私どもの強い反発があるわけです。やはり一つの農政に対するところの定見なり、食糧政策に対する見解というものをはっきり裏づけをして、私としてこういうふうに考えるということがあるならば、総合判断するという問題もあるが、米価問題について生産者米価にまで入ってくるということは、経済企画庁として越権行為だという感じが、率直に言ってする。 そこで、少なくとも三年連続で上がってきた消費者米価の問題について、経済企画庁としては、物価安定の立場から本年度は値上げしない、こういうことを明確にするなら、なるほど経済企画庁の長官としては、物価安定の立場から真剣に閣内でも提言をしておる、こういうふうに私どもは受け取る。ことしの消費者物価の四・八%の中にも、予算委員会その他で、いわゆる消費者米価が値上がりする場合には、そういう値上分は四・八%には含んでおりません、こういう答弁もあって、物価安定の立場から、四・八%に消費者物価を押えるためには、消費者米価は値上げすべきでない、四年連続は断じて私としては、これはあくまでも値上げをしないということを守る、これが経済企画庁の長官の本来の任務じゃないのですか。ことしもその点一点については、あくまでもがんばられるわけですか。この点明確にしてもらいたい。
○宮澤国務大臣 何か農政について、私どもがかってなことを申しておるようなふうに御解釈であろうかと思いますけれども、私どもの心がまえとしては、今回こういうことであったわけでございます。 現在、わが国の米の需給関係が非常にだぶついておるとか、あるいはこれは将来ともそうであろうとかいうことの判断は、これは経済企画庁がしてはならない、こういうことを基本的に従来考えてまいりました。これを判断されるのは、農林大臣の固有の職責であります。したがいまして、私どもがいろいろなことを考え出しましたのも、先々週の土曜日に農林大臣が省議を開かれて、そういう基本的な判断を示されましたので、それならばと、その上に立っていろいろな施策をし始めた、こういうことでございます。基本的な判断は、これは農林大臣の御判断が出ました後に、私どもがそれを基本にしていろいろなことを考え始めた、こういうことであったわけでございます。
○角屋委員 時間が参りましたので、私は西宮さんに譲りますけれども、いまの質疑応答を通じてでも、食糧管理制度の根幹を堅持するということは、看板であって、たてまえであって、実際の腹のうちでは、とんでもないことまで含めて考えておるということがあって、いまのように答弁がきわめて抽象、あいまいになる。この姿が、宮澤長官の答弁を通じて明らかにされたと思うのです。そういう点で閣内においても、食糧管理制度を守るという場合においては、これとこれとが柱である、これは明らかに守らなければいかぬ、その点はもっと明確に、具体的な問題も含めて意思統一をする必要がある。そういうことも答えられない前提で、単に食糧管理制度を守るとか、根幹を堅持すると言っても、これはうたい文句にすぎない、私は、こういうことを感ずる。 そこで、最後に注文しておきたいのは、米審の議論の中でも、生産者米価の算定の要素の中に労賃部分が六五%含まれるということを、長官自身去年も答えておられるですね。そういう点から見て、ことしの場合も春闘その他の問題を織り込んでいるわけではない。去年の例から見ても一二、三%の賃金の上昇がある。石田委員からも言われたように、生産費においては二五%のいわゆる増になっておるという前提に立てば、生産者米価の据え置き論、ストップ論というのは、私から言えば暴論であると思うわけですが、経済企画庁長官としては、消費者米価の四年連続については、財政支出の問題があっても、補正予算を組むということがあっても、これはあくまでも据え置きにする、物価安定の立場から、その一点だけを強く主張するのが、経済企画庁長官本来の任務であるということを申し上げて、私は質問を終わります。
○熊谷委員長代理 次に西宮弘君。
○西宮委員 私も、経済企画庁長官にいろいろお尋ねをしたいと思いまして考えておりましたが、非常に限られた時間でありますので、要約をしてお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一に、こういう米価の問題あるいはまた食管の問題にタッチされる経済企画庁長官の立場はどこにあるのかということを、まず明確にしていただきたいと思います。 特に、本年顕著な傾向としてあらわれてまいりましたのは、経済企画庁の長官あるいはまた大蔵大臣、こういう人が、農林大臣を抜きにして、米価の問題あるいは食管制度の問題等に非常に強い発言をしてきたということでありますが、先般、十九日の日に、この委員会でいろいろ問答をいたしておりますのを聞いておりますと、長官はこれに対して、要するに、こういう問題についてはこういう考え方もあるのだ、こういう考え方もあり得るのだということを、いわば御参考までにそれぞれ関係の機関に申し上げたにすぎないので、決してこれが決定的な意見ではないというようなことで、問題を非常に軽く見て、いわば単なる一参考意見にすぎないのだという答弁を盛んに繰り返しておったわけであります。 もしそうであるとするならば、要するに、米価の問題あるいは米審の問題、食管制度の問題、こういう問題に経済企画庁が取り組んでいくということは、本来間違いなのであって、ただ、いわば農林大臣にアドバイザーとして自分の気のついたところを御参考までに申し上げたのだ。この程度の態度なのであるかどうか。もしそうであるとするならば、ああいう重大な問題について、企画庁の意見として堂々とこれを天下に公表するというやり方は、私は全く越権行為だと思うのでありますが、その点についてどういうお考えであるかということをお尋ねをしたい。 しかし、もしそうではなしに——今回の米価問題、食管制度の問題、これは農業政策として論ぜられておるのではないと思うのであります。おそらく財政問題あるいは経済問題等と関連をいたしまして、そこから出発をして、今回の問題は、問題が従来と様相を非常に異にしておるわけであります。したがって、これは本来私の責任において判断し、決定すべき問題なんだという態度でこれに臨んでおるならば、それでけっこうでありますから、そのことを堂々と表明していただきたいと思う。それならば、先般のように、一参考意見として単に関係の方面に申し上げたにすぎないのだというような逃げ腰ではなしに、これはあくまでも私の責任において判断すべき問題である、あるいは私の責任において実行すべき問題である、こういうふうにまず態度を明確にしてもらいたいと思うのですが、そのうちのどちらであるか。
○宮澤国務大臣 いわゆる平均生産費をとって米価を計算する方法が、一つの方法としてあるということは、私ども自由民主党の内部の研究の際に、求められて申したことでございます。しかもその時期は、農林大臣が現在の需給状況、将来の見通し等々を述べられ、しかも制度を改善するための検討が必要であるということを、基本的に判断されましたその後であります。そういう判断が責任大臣の御判断であれば、それならば、それを検討するのにはいろいろな方法があるのでありましょう、そのうちの一つはこれではないかということを自由民主党に申したわけでございます。したがって、基本の状況の判断はあくまで農林大臣がなされたことで、これは先々週のつい土曜日のことでありますので、御記憶にも新たであると思います。私どもが、その前に何か言い出したことではございません。 それから経済企画庁の長官が、生産者米価の形成について議論をするということは、越権ではないかというお尋ねでございますけれども、私どもといたしましては、総合官庁の立場から、財政のあり方にも、消費者米価のあり方にも関心を持っております。それらとの関係において、生産者米価のあり方について関心を持ちますことは、これは越権ではないと思います。
○西宮委員 もしそうであるならば、この問題について、あるいは将来の食管制度の問題についても、経済企画庁としてこういう問題に介入すること、これは当然の権限でもあり義務でもある、こういう立場ならば、あくまでも責任のある態度をぜひとってもらいたいと思う。この前のようなああいう逃げ腰では、われわれはどこを相手にして議論をしていいのかわからない。したがって、その点は明確に責任をもって答えてもらいたいと思う。 私は若干の点をお尋ねいたしますが、その前に十九日の答弁の中で、長官の答弁が、一つは、私はあえて間違いとは言わないけれども、ことばが足りなかったので訂正をしていただきたいと思う。二つは、間違いであろうと私は思いますので、その点の見解をまず最初にお尋ねしたいと思います。第一の問題は、長官は、農業者の所得は勤労者世帯の所得を上回った、二年連続して上回った、こういうことを言っております。 〔熊谷委員長代理退席、委員長着席〕 これは、当時の統計に従っているわけです。あの統計がもし正しいとするならば、いわゆる農家の所得としてはそのとおりでありましょう。しかし、重大な点を長官は、故意か偶然か知りませんけれども、説明を省略しておるわけであります。すなわち、家族の構成員が違う。農家の場合には五・一一人が家族構成員、勤労者の場合は四・〇二人が家族の構成員であります。したがいまして、なるほど一世帯当たりの平均所得は、勤労者所得よりも農家が上回ったという事実が出ておりますけれども、一人平均にしてみるならば、これは完全に逆でありまして、一人当たり所得はいずれも——いずれもと申しますのは、所得の総体も、あるいは可処分所得も、いずれも勤労者世帯の世帯構成員の一人当たりの所得を下回っているわけです。これは、おそらく長官は、その米価を抑制しなければならぬという立場に立って、したがって、いわば都合のいい点だけを強調されたのだと思うけれども、これを説明してもらいたいと思います。
○宮澤国務大臣 その点は、御指摘のとおりでございます。世帯構成員は、確かに農家のほうが多いわけでございます。 そこで、さらに補足することが許されますならば、ただ農家の場合、いわゆる自家消費というものが、どれだけ正確にとらえられておるかということには、多少の問題があろうと私は思います。それが一点。 それから、いわゆる資産ということになりますと、これは勤労者世帯と農家世帯とではかなり大きな違いがある。ことに、固定資産でございますけれども、そういうことがあろうかと思います。ただ、いまの世帯の構成員は農家世帯のほうが相当多いではないかと言われますことは、そのとおりでございます。
○西宮委員 これ以上議論するつもりはありませんでしたけれども、そういう点を補足して言われるならば、たとえば、収入を得る形態が完全に違うと思う。たとえば、農家の場合は五・一一人というのが平均の構成員でありますけれども、これは家族総動員でかせいでこういう収入をあげているわけです。勤労者の場合にも、もちろん内職をしたり、そういう家庭がないわけではありませんけれども、全体から申しますと、世帯の代表者の所得によって構成されている。農家の場合は、全員が総がかりでこれだけの所得をあげている。そういう点にも基本的な違いがある。 さらに、もっと大きな違いは、いわゆる農家の所得というけれども、半分以上は農外所得であります。農業で得ている所得は半ばにも足りない。こういう実態なんで、もし長官がそういう説明をされるならば、当然そういうことを説明しなくちゃならぬと思う。どうですか。
○宮澤国務大臣 その点も、御指摘のことに間違いはないと思います。大体農業所得がほぼ五十万円、五十万円をちょっと上回っております。農外所得は五十一万円をちょっと上回っておりますから、半分より以上が農外所得である。統計は確かにそのとおりでございます。
○西宮委員 もう一つの点は、私は長官の説明が誤りではないかと思うのでありますが、あるいは私の不勉強であるかもしれませんから、もしそうであるならばお教えを願いたいと思うのであります。それは、長官は、たとえば政府が決定をした経済社会発展計画、この中でも食糧の自給をうたい、あるいは、いま作業中であるところの全国総合開発計画の中でも食糧の自給を標榜している。うたっている。こういうことを言っておりますが、はたしてそうですか。
○宮澤国務大臣 米につきましてはさようでございます。
○西宮委員 私が見た限りでは、たとえば、これは閣議決定に基づく経済社会発展計画でありますが、その中には、この問題についてはこういうふうに触れております。「端境期における政府手持ち米の増大をはかり、米の需給の安定化等に資するため、」ここまではたいへんけっこうですが、「資するため、当面準内地米の安定的輸入を行なう。」と書いてあるので、国内産米で自給するという姿勢はないわけですよ。どうなんですか。
○宮澤国務大臣 それは多少、そう書きましたことには沿革がございまして、経済社会発展計画をつくりましたときのいわゆるマクロモデルでございますが、これには昭和三十七、八年、九年、あの辺の農業生産の趨勢が当然出てきておりました。そこで当然、あのときには端境期に苦労したわけでございますから、いわゆる過去の実績を投影いたしますと、私どもパラメーターと申しておりますけれども、そういうことが将来もありそうな、そういう投射になるわけでございます。 そこで、そういうときにはそういうことも一必要であろうということを書いておるのでございますが、経済社会発展計画の目的はあくまでも、これは付表にもございますように、昭和四十五、六年の時期では、米の自給率を、たしか基準年次が九六か七であったと思いますが、それを何ポイントでも高めて一〇〇%を目ざしていく、そういう基本的な考え方に立っておりますことは間違いございません。
○西宮委員 長官のお気持ちがそういうお気持ちであったとしても、いやしくも閣議で決定された内容は、いま私が読んだとおりなんで、いわゆる、準内地米の安定的輸入によって端境期を過ごしていく、こういう考え方なんで、これは私は、経済企画庁長官がこういう考え方をとっているということは、今日までの政府の態度によってむしろ明らかではないかと思う。今日ほど食糧の自給ということを表面に出したことは、かつてないわけですよ。言うまでもなく、経済同友会その他、ああいう団体が自給にむしろ反対である、こういう態度をとってきておることは、これはもう明らかなとおりでございまして、それと政府はもちろん一緒ではないけれども、しかし、それに何らかの影響を受けているのではないかと思うのです。たとえば、農業基本法の中で、食糧自給度の向上、こういうことをうたうべきである、こういう主張を強硬に農業団体が主張をいたしましたが、しかし、ついにこれも農業基本法の中からは削除をされてしまって、あるいは挿入されないでしまって、単に「農業総生産の増大」、こういうことばで表現をされて——わけのわかったようなわからぬような「農業総生産の増大」、こういうことで表現されたにとどまってしまった。したがって、今日までそういう重要なる政府の基本政策の中で、食糧の自給ということが明確に打ち出されたということはかつてない。したがって、経済団体、いわゆる財界の考え方は、その点はきわめて明確でありまするから、そのことが政府の政策にもおのずから反映しているのではないか、こういうふうに私どもは考えておったわけであります。しかし、時間が足りなくなりますから次に移ります。 今回の米価決定にあたりまして、おそらくもうすでに米審には諮問は提出をされたのではないかと思いまするけれども、お尋ねをいたしたいのは、その米審に提出をされる諮問案と別個に何か、ことばは適当ではないと思いまするけれども、たとえば経済企画庁長官なり、あるいはまた大蔵大臣なり、そういう経済財政担当の官庁との間に、いわば一種の秘密協定みたいなものが行なわれているのではないかという想像をするわけですが、その点はどうですか。
○宮澤国務大臣 前段の問題でございますけれども、確かに、いわゆる経済団体の中には、米は安くてよければ外国から買ったらいいじゃないか、自給をする必要はないという意見が相当あるように私も承知しております。しかし、その点私ども反対でございます。そういう考え方はとりません。米についてだけはやはり自給をすべきである、こういう考え方でございます。その点は、先ほどお読みになりました端境期云々ということでもおわかりいただけますように、もし端境期に不安があるようであればという意味でありまして、輸入をやって国内の生産を減らしていこうといったような考えは、私どもとっておりません。 それから後段でございますけれども、おそらく今朝米価審議会に政府の算定方式を御提示したと思いますが、これは関係各省一致したものでございます。それ以外に私どもの間で、いわゆる秘密協定と申しますか、何か心裡留保があったということはございません。
○西宮委員 前段の問題は、時間がありませんからまた次の機会に、私はその問題を専門にお尋ねをしたいと思います。 第二の問題でありますが、いわゆる秘密協定、ことばは適当でないかもしらないけれども、今日まで新聞等で伝えられてきておることは——これは新聞だから責任がないと言われるかもしれないが、あらゆる新聞が報道してきたことは、たとえばこれは日本経済新聞でありますが、経済企画庁の宮澤長官は、ここで制度改正の足がかりをつくらなければ、米価の値上げは認められないとハッパをかけ云々というように、これは単に一例を読んだにすぎないのだけれども、こういうことは何回となく伝えられてきたわけであります。つまり、ことしの米価決定は、将来の食管の改革、改変、こういうことを前提にしなければ、それなしにはことしの米価の審議には応ぜられない、そういう態度を強く表明してきたことはまぎれもない事実だと思う。したがって、今度出される案は、案の内容そのものは各官庁の一致した見解でありましょうけれども、あれを出す過程において、それと引きかえに、それならば食管制度はどうするのだ、こういう問題がおそらくは当然に論議され、それが明確か、あるいは暗黙の了解か、どっちかわかりませんけれども、そういうことが議論をされたに違いないと思うのだけれども、その辺の事情を明らかにしてもらいたいと思います。
○宮澤国務大臣 先々週の土曜日の農林大臣の御決断によりまして、制度の改善についても、慎重ではあるが検討すべき時期が来た、こういうことが示されましたので、私どもとしてもその改善が実現することを望んでおります。また、そのために自分たちの考えもできるだけ農林大臣にも申し上げてみたい、こう思っております。できればその端緒を今回のこの際につかみたいと考えておりますことも、報道されておるとおりでございます。しかしながら、それがなければ今回の米価の、いわゆる政府算定方式の作業に協力しないといったようなことはもちろんございませんで、現実に算定方式は、おそらく今朝提示されたはずでございますし、改善について具体的な合意ができたということは、現在の段階では何らないのでございます。
○西宮委員 先ほど農林当局から説明のあった諮問を見ると、その説明は長いことばで書いてあるけれども、要約をしてみると、単に一つだけ、最近の需給事情にかんがみて価格の算定をしなければならぬ、こういうことが米審に諮問をされているわけで、要するに、需給の緩和ということが今回の米価決定の基本にされている。この中ではそれ以外に何もないわけです。それが基本にされているようであります。 それではお尋ねをいたしますが、今回は、その需給が緩和したということで米価は安くしてもよろしい、こういう議論が立つとするならば、それじゃ、かつて食糧が足りなかったときに、生産が不足をしたときに米価は高く算定をする、こういう方策がとられたかどうか、お尋ねをします。
○宮澤国務大臣 概して、ただいまのいわゆるシグマの方式でございますが、限界生産費をできるだけカバーしていこうという従来の考え方は、やはり増産をしてできるだけ政府が多くの米を確保しよう、こういう方式であったと思っております。
○西宮委員 次にお尋ねをしたいのは、先般の十九日の日に大蔵大臣が答弁をしておりまするけれども、この答弁は私は誤りだと思いまするが、長官はどのようにお考えですか。 つまり、食管会計の扱い方でありますが、これに対して大蔵大臣はこういうふうに答弁をしたわけであります。政府が買った値段は全部そのコストを消費者に負担してもらうことによって、この会計から赤字を出さないという考えで出発した制度である、こういうふうに答弁をしておりまするけれども、私は、これは認識の誤りだと思うけれども、長官はどうですか。
○宮澤国務大臣 それは、大蔵大臣の言われましたもう一つの意味が私によくわかりませんけれども、おそらくはこの会計が発足いたしました昭和十七年でございますか、価格というものはかなり統制されておりましたから、量をやはり確保したい。国民が当時要望したのは、米が食えないということでは困る、やはり量を確保したい。こういうことで発足したのであるから、必ずしも価格関係を考えたものではなかったと、こう言われたのだろうと思いますけれども、ちょっと私にもそれ以上のことはわかりかねます。
○西宮委員 それじゃ企画庁長官としてお尋ねをしますが、このいわゆる食管会計あるいは食管会計の制度は、そのために赤字が出る、こういうことがあってもやむを得ない、そういうふうにお考えですか。
○宮澤国務大臣 少なくともこの数年、やむを得ないということで運営してきたと思うのでございます。ただ、先ほど来るる申し上げておりますようなこういう状況になりますと、やはりそういう赤字は今後累増させることはいかがであろうか。全部納税者の負担でございますから、できるだけそれを縮めていくということが、やはり方向としてはいいのではないかと思っております。
○西宮委員 私は、私の持ち時間が来たということでありますから、やむを得ませんから結論だけ最後に一言申し上げて終わりにしたいと思いますけれども、長官に十分御認識を願いたいのは、このいわゆる三条、四条の関係です。三条、四条の二項の関係です。この関係を無視して両米価を凍結する、こういう考え方、あるいは生産者米価を上げるならば消費者米価も上げる、宗全なスライドの考え方、こういう考え方がそもそも三条、四条の二項の趣旨に反するということは、いまさら論議する余地もないと思うのだけれども、にもかかわらず、長官などはこういうことを堂々と打ち出しているわけです。私は、これははなはだしい法律無視だといわざるを得ないのであります。 そこで、長官も御承知ではありましょうけれども、一言だけつけ加えておきたいのは、先般も私は申し上げたのでありますけれども、この三条、四条の第二項が加わったのは昭和二十七年なのであります。それから、日本の食管会計に赤字が出始まったのも二十七年なのですよ。それは、要するに昭和二十七年に日本が独立国になって、いままでのような権力供出はできない、ジープ供出はできない、こういうことになったために、生産者には十分償える米価を支払って、消費者には家計の安定をはかる、こういうような政策的な立場から昭和二十七年にこのことが行なわれた。したがって、昭和二十八年から米価は一万円に引き上げられて、初めて二十八年に一万円になったわけです。それによって農民の生産意欲をかき立てて、それから生産が増強して、おかげで昭和三十年から豊作が続いて、それがために日本の食糧輸入が大幅に下がって、当時日本の経済成長に必要としたところの原材料の輸入が可能になった。こういうことになって初めて昭和三十一年、昭和三十二年ごろから、食糧の輸入がたいへん大幅に減ってきて、それがいわゆる日本の高度成長を可能ならしめた原因になっている。長官は専門の立場ですから、その点だけは少なくとも十分御承知だと思う。そういう点を十分に評価してもらわなければならぬ。 だから、あの三条、四条のそれぞれ第二項の規定は、今日の日本経済の高度成長をもたらした根源だといって一向に差しつかえないと思う。私はそういう点を十分に評価してもらいたいと思います。
○宮澤国務大臣 御指摘のように、そういう経緯であったと思います。昭和二十五年でありましたか六年でありましたか、ちょっとはっきりいたしませんが、当時、自由民主党といたしましても、党の方針として米の統制撤廃を決定した時期が一度ございます。しかし、これは朝鮮戦争のこともございまして実現せずに終わりましたが、その後にむしろ食管法というものを、経済成長におくれがちな農民の所得確保、こういうことで、従来の目的と多少違った目的をもって運営していこうというような意識が高まりまして、ただいまのような制度になってまいったわけでございます。 したがいまして、先ほど来るる申し上げておりますとおり、ことに三条の二項でございますけれども、これによってわが国の経済の今日における繁栄に貢献したことは非常に大きかった、私は正直にそういう評価をいたしております。
○西宮委員 私はある新聞、毎日新聞でありますが、そこに書かれた解説ですか、これを紹介して終わりにいたします。答弁は要りません。 昨年の十月に宮澤長官は、生産者米価あるいは消費者米価も含めて米価は凍結する、こういう宮澤構想なるものを発表されました。これに対して毎日新聞の解説は、これには三つの根拠があるという。第一は、要するに生産者米価を据え置くことによって生産を抑制しようというねらいである。第二は、食管会計の赤字を減らして消費者米価の引き上げを押えようとするねらいである。三番目は興味がありますので、原文のままに御紹介をいたします。三番目には、「自民党の選挙基盤を農民層から次第に都市生活者層に移行させてゆく」、つまり、自民党の選挙基盤を農民から都市層に移していくのだ、これが宮澤構想のねらいである、こういう解説が行なわれております。私は、たとえばこの間の参議院選挙の結果等を見ても、そういう現象はいまだあらわれておらないと思います。しかし、おそらく農民の諸君は、やがてこのことに気づいて、こういう事実を発見いたしましたならばがく然として驚いて、その宮澤構想のねらいあるいはまたいまの自民党の皆さんの考えておることに、非常な反撃をしてくるだろうということを私は考えますので、そのことを披露いたしまして質問を終わりにいたします。
○足立委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○足立委員長 速記を始めて。 玉置一徳君。
○玉置委員 それならばそれのように、ひとつ簡単にお互いにやりたいと思います。 では、長官にお伺いします。両米価の据え置きを主張してこられた。ところが昨日ですか、生産者米価に平均反収補償方式を採用して、両米価の関連が長期的に改善されることを条件に、政府試算米価に同意されたということが新聞に載っておるのでありますが、この両米価の据え置きを主張してこられた理由と、それから、このことが食管法の生産費・所得補償方式でもって再生産を償う米価を決定していくという精神と抵触しないかどうかということを御答弁いただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 その点は、せんだっての委員会から申し上げておりますので、時間の関係もございますし、重複を避けるために申し上げませんが、農林大臣が基本的にそういう判断に立たれたのならば、一つの考えではないかということで、自民党に私はその考えを申したわけでございます。 その際、試算をいたしますと、かりに平均反収あるいは平均生産費で計算をすれば、いまの米価でもなお十分にそれをカバーしておるというふうに試算の結果は考えられましたので、したがって、そういうことがあってもいいのではないか、こう申したのでございます。食管法に違反をするような結果にはならない、こう判断したわけでございますが、これはあくまで一つのものの考え方を実は示したわけでございます。
○玉置委員 そういうものの考え方もあり得ると思いますけれども、それは、こういう米価を決定するような重大な時期に言うべきことではないのかもわからない。平素、そうじゃないときにそういう考え方もあるということは、大いに勉強されてもいいけれども、時期が悪いんじゃないか。いま農家の方々は、農家の方々だけがあたかも罪悪を犯しておるような、いろんなニュースあるいは試算その他のあれが出まして、何か罪を犯しているようなこと、生産者だけに責任があるような言い方でもって、いままでの農政の間違いを一挙にそこへ転嫁しょうと思っておるような結果になっておることは、はなはだ遺憾じゃないか。それで、非常に不安を抱いておるということも事実だと思うのです。 そこで、時間がありませんから、あなたは今日の農家の所得が、農外収入がどんどんふえておって農家の収入がふえておるというあの数字を御存じであるかどうか。いわゆる農林省の農林白書で出ております農家の所得の増加ということは、大半が農外収入の増加による増加でありまして、農業所得そのものでそんなに農家経営の全般の所得が増加しておるのじゃないわけであります。 それから、ついでに聞いておきますが、きょうまで農業基本法ができましてから七、八年。これは当時の池田さんが一生懸命おつくりになった基本法でありまして、いろんな点でわれわれは指摘をしておった。その指摘をしておったとおり農家の就業人口は、あの当時想定されたよりも激減しておる。農業からの離脱がふえておる。にもかかわらず、その後の農家減少に伴う施策というものが遅々として進まない、こういうことは事実だと思うのです。こういうような形で、現在逆ざやの問題もあろうし、あるいは食管赤字の問題もあろうし、直さなければならない点もあることはわれわれもわからないわけではございませんけれども、農政全般をきょうまで何も——何もということはありませんけれども、徹底的なメスを、抜本的な方策を加えないで、そうして、できた生産費・所得補償方式のこの計算の問題だけに詰め寄ってきておるところに、私は農家の方々としては非常な不満もあり、政府の施策の至らない点も多いと思うのですが、どういうようにお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 農業所得と農外所得との問題でございますけれども、最近の農家経済調査によりますと、御指摘のように農外所得のほうが、少しでありますが多いわけでございます。これは御指摘のとおりです。ただ、昨年について農業所得の伸びと農外所得の伸びがどっちが大きかったかと申しますと、農業所得の伸びが二二%でございます。非常に大きな伸びでございます。勤労所得の伸びは一一、二%でございます。したがって、昨年についてみますと、農業所得の伸びのほうがはるかに大きかったということでございます。 それから後段の点でございますが、確かに農業基本法を考えましたときに、私ども見落としておったのではないかと思われる点は、いわゆる兼業農家が今日のように数が大きくなり、専業農家といわれるものが二割程度であるということです。したがって、この兼業農家について何をなさなければならないかということについて十分の施策がなかった、考え方もそこに及ばなかったということは、やはり反省をすべきことだろうと思います。
○玉置委員 私たちはそのことを当時から、農家人口は減るけれども、当分の間、十五年間くらいは農家戸数はなかなか減少しないということを指摘して、施策の足らないことを予見していろいろ御注文申し上げておったのですが、これはいろいろな施策が、自民党の二町五反歩の自立農家をつくるという考えだけではあたらないのだということも、十分お考えいただかなければならないと思うのです。それと、ことし確かに相当数の古米の残高が出ることが見込まれまして、そこで大騒ぎになっておりますけれども、二、三年前までは、農林水産委員会で端境期の米の不足を、すみやかに外国から買い付けなければ、何をいままでぼんやりしておったかということが当時の議論の花であったわけであります。 そこで、こういうものを一、二年の増加だけで、また違う施策をしなければいかぬということではだめじゃないか。将来を見通しすれば、いつも変わらなければならないようなことではだめじゃないか。かつて二、三年前に、東南アジアにそんなに米が残っておるのか、輸出能力があるのかと思って回りましたところが、タイ国ですら、ここ十五、六年すれば自給一ぱいであるという見通しがつきます。ましていわんや五億の民を擁するインドが、三食のうち一食しか大体の人間が食べていないというような現状を見ましても、当時だれかからか、東南アジアをプールいたしました米の一つの三角関係、四角関係の貿易をするようなプール機関をつくったらどうだろうかというような発想もあったと思いますが、そういうこともお考えなすってはどうだろうかというような感じもいたすのであります。 そこで、もう一つ最後に長官にお伺いしておきたいのは、八〇%をすでに割りました日本の農林水産物の自給度、これは七千億ないし八千億円の年々輸入になっております。その輸入は毎年一七%程度の増加を示しております。したがって、この自給度は徐々にやはり下降しておるというのが現状であります。日本の工業の伸びも——安い米という考え方も必要でありましょうけれども、やはり自給度のこれだけのなにがありますから、きょうまで強い一つの伸び方が示されたのではないだろうか。百億ドルの片道貿易でありますから、これだけの十六、七億ドルの輸入は何でもないのだという考え方が立つかもわからないけれども、このまま一七%ぐらいの伸びで進んでまいりますと、将来これは大きな問題にもなり得るのじゃないか、工業の伸びの、貿易立国の足を引っぱることにもならぬかとも思うのです。こういう点では、米代が高いから酪農もその他のものもやれないのじゃなしに、酪農にもあるいは基盤整備にも、きょうまで思い切った政府の投資というものはなかったし、価格の支持政策もなかったから、こちらのほうへいらっしゃいという政策がない以上、米だけがいいのだから、安定作物だからという考え方はまずいのじゃないか。そういうことをお考えいただいて、いまごろになってから総合農政なんて言わぬでも、これは当然しておくべきでありますし、こんなことは当然事項であって、これは米価を安くするためにおっつけるべき問題ではないと私は思う。 時間がございませんから、質問は、またいつか機会がございましたら、いろいろと教えていただきたいし、こちらの意見も申し述べたいと思いますけれども、そういうような意味で、総合農政は何も米価の問題と違って、関連なしに当然やるべき事項であり、農業基本法の精神はいまだ十分にいってない。それから米価だけを云々するのじゃなしに、その他の価格支持政策が、野菜にもあるいは果樹園芸その他酪農にも、それだけの基盤整備もしてあげない限り、そちらのほうに移行しろということは、米価だけ安くすればいけるということは非常に間違いであり、しかも、先ほど言いました自給度というものを、いたずらに下げるだけで終わるおそれが非常に多い。 こういう観点で質問なり御意見を申し上げたつもりでありますが、時間がございませんから、まとめてお答えをいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 現在の需給関係が、ごく一時的のものであるか、あるいはやや永続的なものであるかということは、確かにこれはこの問題のかぎになると思うのでございますが、私は、農林大臣がこれは一時的なものとはなかなかいえないといわれました判断に一応自分としては従う、こう思っております。ただし、わが国の将来を考えていきますと、また世界的な食糧需給を考えますと、米だけはやはりわが国は自給をしていくべきだ、こう思っておりますことは先ほど申し上げましたとおりでございます。 それから、農産物の輸入が非常に大きくなりまして、飼料なども含めますとことにさようでございますが、これはかなり私は心配をいたしております。したがって、たとえば畜産、牛の一千万頭飼育といったようなこと、これは百数十万ヘクタールの草地造成を今後必要といたしますけれども、そういうことについては、やはり積極的に私ども農林省に協力をしてまいりたい。いままで十分な農業基盤の整備がなしであったために、生産者が米へ米へと向かっていったという傾向は、確かにこれは、政府にも施策が十分でなかった点があったと思います。この点は農林大臣が、先日総合農政の展開ということを言われました。私どもそれに全面的に賛成をし、協力をしてまいりたいと思っております。
○玉置委員 最後に、こちらから申し上げて答えは要りませんが、一点御希望申し上げておきます。 これは経済企画庁の長官ではなしに、国務大臣としての宮澤さんにお願いしておくのですが、すでに植えつけが終わってから米価を、ことしのやつを云々するときに、あたかもそれが罪悪のごとき言い方であらゆるところから軽気球を上げる。農家は非常に不安である。私はやはりことしは、植えつける前に言うべきことが一つも言われてないんだから、これは農家の方々が心配しないように、しかも、あの米審を国会は認めておりません、野党は。こういう意味でも、政府の国務大臣なり総理大臣の責任において、あれを参考にせられようがせられまいが、それは皆さんの御自由でありますが、やはり今後、決定しなければならないんだということをひとつお考えをいただかなければいけません。それで、すべての今後の農政が、農民の方々が納得するような方向でもって、そして、先ほど申しましたように米よりも酪農の、ことにいまおっしゃいました飼料のごときは、いまのままでやっておれば世界の平均価格よりは、さやの大きさは米どころの話ではございません。思い切った克服のしかたをやらなければ、とてもおっしゃっているようなことはできないわけです。そういう意味で、ひとつ国務大臣としても、農家の皆さんの安心するような長期の展望の農政を、それこそ総合農政を、しかも思い切って原資を出して、口だけではなしにやっていただきたい。ひとついろいろなことの施策を講じてもらいたいということをお願いをしておいて、時間がございませんから御遠慮申し上げたいと思います。
○足立委員長 午後一時四十五分再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時十五分休憩 ————◇————— 午後一時五十七分開議
○足立委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、昭和四十三年産米穀の政府買い入れ価格の試算について、政府より説明を聴取いたします。田中食糧庁次長。
○田中説明員 それではただいまから、「昭和四十三年産米穀の政府買入価格の試算(積上げ計算方式)」、これの内容を御説明申し上げます。 一、算式でございますが、算式は下にございますように、求める価格Pということで、そのカッコの中に、生産費それから地代をそれぞれ別の項目として分子に立てて、そうしてそれを反収で割ってあるわけでございます。それに対して百五十キロ、一石当たりの価格を求めてPということでございます。求める価格がPでございます。 それから、次の欄にCバーということばがございますが、これは価格決定年の前三年の各年の米販売農家、この場合には災害農家、五俵未満の米販売農家を除いておりますけれども、十アール当たり平均生産費(地代を除く。以下「十アール当たり平均生産費」という。)について、家族労働費については都市均衡労賃により評価がえし、物財・雇用労働費については物価修正する等、価格決定年に評価がえしたものでございます。 その次のページでRバーがございます。これは価格決定年の前三年の各年の米販売農家の十アール当たり平均地代でございます。 それからHバーは、価格決定年の前三年の各年の米販売農家の十アール当たり平均収量ということでございます。 それから〇・九シグマというのが、前の表の分母のところにあるわけでございますが、これは、価格決定年の前三年の各年の米販売農家の十アール当たり収量の分布表から算出した十アール当たり収量の標準偏差に〇・九を乗じたものでございます。 それからNは三年。価格決定年の前三年ということで生産費を算定いたしておるわけでございますが、Nは三年ということにとっておるわけでございます。 次のページでございますが、算定でございます。この計算の数字の内容、先ほど申し上げました算式に基づいて数字を当てはめてまいりますと、求める価格ということでございまして、最初のカッコの中の四万八千二百八十六円、これは価格決定年の前三年の地代を除く平均生産費を評価がえしたものでございます。それをHバーマイナス〇・九シグマということにしておるわけでございますので、その収量が三百九十六キログラムということでございます。かりにこの〇・九シグマを従来のように一シグマということにいたしますと、これは三百八十八キロということになるわけでございます。それにプラス地代で、次の項目四千二百五十四円を四百六十八キロで割っておりますのは、これは地代でございます。地代につきましては、これは四百六十八キログラムは平均反収であるわけでございます。それの百五十キロ分ということで、求める価格は一万九千六百五十四円ということでございます。 これから基準価格を求めます場合におきましては、これが裸価格になっておるわけでございますので、実際には、検査場所あるいは農協の指定場所に至るまでの運搬費が、政府に売る場合にはかかってくるわけでございます。それを九十四円加算をいたしまして一万九千七百四十八円ということでございます。これが基準価格でございます。 それから三番目は、この基準価格は一−五等つっくるんだ形の基準価格になっておるわけでございますので、具体的に米価を算定する場合におきましては、各それぞれの等級の裸価格を出さなければならぬわけでございますが、この場合には、通常うるち軟質三等裸価格をこの基準価格から導き出すわけでございます。一万九千七百四十八円が基準価格でございます。それに三等の価格を足すわけでございますので、一万九千七百四十八円が一−五等平均ということになっておりますので、その一−五等平均と三等との等級間格差が、各等級の過去におきます比率によって算定いたしますると、六十七円という数字が出てくるわけでございます。それからマイナス四十七円は、これは歩どまり加算でございます。歩どまり加算は、百五十キロ当たり現在百円を計上いたしておるわけでございますが、これは軟質米でございますので、全国平均の歩どまり加算四十七円をそれから引くということでございます。それからマイナス五十八円、これは暫定加算でございますが、通常ここには、従来ならば時期別格差の全国平均の価格が出てくるわけでございますが、ことしは時期別格差につきましては、後刻申し上げますように、一応全廃ということにいたしまして、特に時期別格差の割合の非常に高いところ、全国十二県でございますが、そういう地帯に対しましては、それぞれの度合いに応じて暫定加算を一応予定いたしておるわけでございますが、これはまた後刻御説明を申し上げさせていただきます。それを引いたものがうるち三等の一万九千七百十円ということになっておるわけでございます。 そこで、従来の米価の場合におきましては、従来、ずっと政府の買い入れ価格ということで対外的に処理をいたしておりますのが、この四番目の一−四等平均、包装込み、生産者手取り予定価格ということで、各年のずっと過去からの推移をこれによって見るわけでございますが、その場合に、先ほど三等の価格が出ておりますので、これを一−四等平均に直します場合には、まず、一万九千七百十円のうるち軟質三等裸価格から、三等と一−四等平均との等級間格差三十二円をマイナスしまして、それに歩どまり加算、これは全国の平均の米でございますので、歩どまり加算四十七円、暫定加算を五十八円ということで加えまして、さらにモチ米加算、これは、現在政府がモチ米加算をつけて買っておるわけでございますが、もちろんこれは需要者と生産者団体との間において大体この加算額については協定のできた価格でございます。したがって、政府が買う場合には、その協定のできた価格で高く買って高く売る、こういうことになるわけでございます。それから包装代二百九十円ということで、一−四等平均、包装込み、生産者手取り予定価格は、ことしの場合におきましては、試算値といたしまして二万百五円で、対前年比は、一万九千五百二十一円に対しまして五百八十四円の増加ということになっておるわけでございます。 次に、算定要領のところを走り読みしてみたいと思うわけでございます。 一番目は、十アール当たり平均生産費の算定。農林省統計調査部の米生産費調査による昭和四十年、昭和四十一年、昭和四十二年の各年産米の米販売農家の十アール当たり平均生産費について、次により評価がえを行ない、これを平均して算定する。 (1)のところは家族労働費でございますが、家族労働は間接労働を含んでおります。都市均衡労賃により評価する。都市均衡労賃は、製造業全規模平均賃金(現物給与を含む)とし、労働省の毎月勤労統計調査報告等に基づき、製造業の常用労働者数規模五人以上の事業所の賃金を求め、これに現物給与相当額を加算して算定するということでございます。これは従来と変わっておりません。男女込み二百二十八円九十九銭、男子二百七十六円四銭、こういう都市均衡労賃が出ておるわけであります。 それから、規模五人以上の賃金につきましては、次のページでございますが、規模五人以上賃金(四十一年五月−四十三年四月平均)ということになっておりますが、これは四十一年は間違いでございまして、四十二年五月ということで、申しわけございませんが御訂正いただきたいと思うわけでございます。男女込み賃金、男子賃金はこういうぐあいに出ております。 それから、イのところは現物給与相当額。これは従来もこれを採用いたしておりますが、労働省の労働費用調査報告に基づき、現金給与総額に対する現物給与支給額の比率〇・九二%を求め、これを規模五人以上賃金に乗じて算定いたしております。 それから物財・雇用労働費は、それぞれ米生産費パリティ指数による昭和四十年一−七月平均から昭和四十三年一−五月平均、それから四十一年一−七月平均から昭和四十三年一−五月平均、それから四十二年一−七月平均から四十三年一−五月平均の変化率によって物価修正いたしております。これも従来の手法と変わっておりません。 それから、次のページの(3)の副産物価額でございます。副産物価額は、わら及び等外米の価格の変化率によって物価修正する、このやり方も従来と変わっておらないわけでございます。 それから(4)の資本利子のところでございます。これは、農林省統計調査部の米生産費補完調査の結果に基づき、借入金と自己資金の割合を三五・〇対六五・〇とし、利率は、借入金については年利六分二厘一毛、自己資金については年利五分六厘とする。これも、昨年の最終米価決定のときの算定方式と変わっておりません。 それから、変わっておりますのは、概算金にかかる利子相当額は控除するということがここに出ているわけでございます。 それから(5)の、租税公課諸負担。昭和四十二年産米生産費調査に基づき、租税公課諸負担のうち固定資産税等、収益の有無にかかわらず稲作を行なっていることにより賦課されるものの額に、稲作負担率を乗じて算定するということで、これは固定資産税、農業共済賦課金、農業協同組合費、部落協議費、合計五百五十円ということでございまして、これも従来のやり方と変わっておりません。 それから、(6)は付帯労働費でございますが、これは昨年の米価からこの算定の中に入っておるわけでございます。稲作に付帯して必要な集会出席、技術修得、資金調達及び簿記記帳にかかる時間に見合う評価額は、米生産費補完調査の結果に基づき、都市均衡労賃で評価して算定するということでございまして、集会出席、技術修得、資金調達及び簿記記帳にかかる時間二・六時間ということであります。それから算定値は、昭和四十年産につきましては、ここにございます四万七千五百六十三円、四丁一年産四万八千六十八円、四十二年産四万九千一百二十七円、平均が四万八千二百八十六円ということになっているわけでございます。それから、二番目の十アール当たり地代の算定でございます。ここが従来と変わっているわけでございますが、現行小作料の最高統制額(標準である六級地についての最高統制額)に基づいて評価した昭和四十年、昭和四十一年、昭和四十二年の各年産の作付地地代に、米生産費調査による米販売農家の昭和四十二年産米にかかる作付地以外の土地の地代に基づいて評価した昭和四十年、昭和四十一年、昭和四十二年の各年産の作付地以外の土地の地代を加えたものを平均して算定するということになっているわけでございます。変わっている点は、特に現行小作料の最高統制額に基づいて作付地については評価しているということでございます。その金額が、十アール当たりでここに出ているわけでございます。 それから、次のページにまいりまして、十アール当たり収量の算定でありますが、十アール当たり平均収量は、昭和四十年、昭和四十一年、昭和四十二年の各年産米の米販売農家の十アール当たり平均収量を平均して算定する。ことしの場合には、三年平均は、ここにございますように四百六十八キロということになっているわけでございます。これが平均収量であるわけです。 それから、十アール当たり平均収量から十アール当たり収量の標準偏差に〇・九を乗じたものを控除した収量ということで、この点につきましては、まず標準偏差を求めまして、その標準偏差に〇・九を乗じて求めるわけでございますが、その数字が、このところにございますように、昭和四十年産七十七キロ、四十一年産七十九キロ、四十二年産八十四キロ。平均収量の四百六十八キロからこの三年平均のものが一応差し引かれたものが、前段の一番最初に出ております標準偏差に〇・九を乗じたものの十アール当たりの収量になるわけでございます。 運搬費。運搬費は、米生産費補完調査の結果による運搬距離等に基づき、農家の庭先からもより政府指定倉庫までの運搬費及び受検に要する経費として百五十キログラム当たり九十四円を織り込むこととする。運搬費はこういうような内訳になっておるわけでございますが、内容につきましては、これも従来の内容と変わっておりません。経済の情勢に応じまして、これが昨年は八十三円ということになっておりますが、ことしは九十四円ということであります。 それから、一二ページ、一三ページにつきましては、統計調査の原生産費と価格決定年評価がえ生産費と二欄に分けてここに掲上しているわけでございます。一番下の欄には、家族労働時間のこの三年間の推移が出ているわけでございます。それから、収量の欄におきましては、平均収量が各年ごとに出ておりますし、マイナス〇・九シグマを引いたものの十アール当たりの収量というものがここに出ているわけでございます。 以上が、積み上げ計算方式によります四十三年産米穀の政府買い入れ価格の試算ということでございます。 それから、お手元にやはりもう一枚、参考という資料をお配り申し上げておるわけでございますが、これは参考ということで配付をいたしておるわけでございます。 積上げ計算方式に基づき政府買い入れ見込み数量と需要量との関係を考慮した試算ということでございます。 算式は、ここにございますように、 P=P1・ω1+P2・ω2こういう算式を設けたわけでございますが、このPが求める価格、先ほどの積み上げ計算方式の一−五等平均、裸、運搬費相当額を含むということになるわけでございます。 それから、積み上げ計算方式による試算において、十アール当たり平均生産費(Cバー)を除する十アール当たり収量として十アール当たり平均収量(Hバー)から十アール当たり収量の標準偏差相当分(一シグマ)を差し引いた収量を用いた場合の一−五等平均、裸、運搬費相当額を含む価格がP1でございます。 それからP2は、積み上げ計算方式による試算において、十アール当たり平均生産費(Cバー)を除する十アール当たり収量として十アール当たり平均収量(Hバー)を用いた場合の一−五等平均、裸、運搬費相当額を含む価格ということでございます。 それからω1は、昭和四十三年産米の政府買い入れ見込み数量に占める、これに対応する国内産米の年間需要量の割合ということでございます。これは後ほど御説明を申し上げます。 ω2は1−ω1ということであるわけでございます。 算定。P1の算定でございますが、まずその平均の生産費、評価がえした平均生産費四万八千二百八十六円を三百八十八キロで割ったものと、それに四千二百五十四円、これは地代でございますが、地代を平均収量で割ったものを百五十キロ当たりに直して、そうして検査場までの運搬費九十四円を加えまして、二万百二十五円というものがP1ということでございます。 それから、先ほどのP2は、この四万八千二百八十六円という評価がえした平均生産費に地代を加えたものを平均収量で割っているわけでございます。四百六十八キロの平均収量で割って、それを百五十キロ当たりに直して、さらに運搬費九十四円を加えますと、一万六千九百三十四円というのが出てくるわけでございます。 それで、求める価格につきましては、最初の一のところの二万百二十五円にこの〇・八七五をかけているわけでございますが、これは国内米の年間需要量約七百七十万トンの割合がこういう〇・八七五ということになっているわけでございます。それから、2の一万六千九百三十四円というものに、国内需要に見合う以上の買い入れ分の割合が〇・一二五という、これは後刻表で御説明しますけれども、その割合をかけたもので示しますと、一万九千七百二十六円ということになるわけでございます。 この求める価格に基づきまして、先ほど申し上げました前段の積み上げ計算方式と同じように、うるち軟質三等裸価格、それから一−四等平均ということで、ずっと算定をいたしてまいりますと、次の三ページの一番最後の式のところでございますが、二万八十五円、対前年比プラス五百六十四円、これがこの算式によりますところの一−四等平均、包装込み、生産者手取り予定価格ということでございます。 そこで、御参考までに、先ほどの年間需要に見合う数量、それと政府買い入れ見込み量というようなものを、次の四ページにω1の算出基礎ということで書いてあるわけでございますが、ω1は、農林省統計調査部による昭和四十三年産米の暫定平年収量、これがことしの秋の米の国として大体見込んでおります暫定平年収量でありますが、千三百二十二万一千玄米トンに基づく昭和四十三年産米の政府買い入れ見込み数量八百八十万玄米トン、一応本年度におきましては、過去の買い入れの状況から見て、八百八十万トン程度買い入れるであろうという見込みを立てておるわけでございますが、政府買い入れ見込み数量に占める、これに対応する国内産米の年間需要量、これは、この秋とれる米に基づきますいわば四十四米穀年度におきましての一般配給用米、それから工業用、酒米等、そういう特殊需要等も含めました内地米の年間需要量は、大体七百七十万トン程度ではないかということでございます。その割合を出しているわけでございます。したがいまして、その一番下の欄のω1は、八百八十万トンが買い入れ見込み数量でございます。それに対しまして、内地米の需給計画に基づくところの年間の需要量七百七十万トンを分子に置きまして、そういたしますと、〇・八七五ということになるわけでございます。したがって、一から〇・八七五を引きますと、八百八十万トンと七百七十万トンの差額の百十万トンが〇・一二五に該当するということになるわけでございます。 以上で、きょう米価審議会に提出いたしました試算値の説明を終わらしていただきます。
○足立委員長 以上で説明は終わりました。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○足立委員長 速記を始めてください。 —————————————
○足立委員長 引き続き米価問題について質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。湊徹郎君。
○湊委員 限られた時間でございますので、端的にお尋ねをいたしたいと思います。 最初に、過般来当委員会においても、食管制度の根幹をめぐる数々の意見の応酬があったのでありますが、どうも私は了解がまだまいらないわけであります。そこで、二、三の観点から大臣にお尋ねをしてみたいのであります。 その一つは、食管制度は、御承知のように長い経過を持っております。一つの歴史的な所産であります。かつては、日本の場合ほとんど米不足で、明治の中期以降ほとんどの時期、昭和八年当時を除いては米が不足しておった。で、戦前、戦中、戦後を通じて、特に強権供出を背景にして、低米価政策のささえの役を果たしておったことは、これは間違いのない事実であります。その場合には、一番安い形で米が安定しておった昭和九年−十一年、これを基準にして価格パリティ、こういう方式がとられ、あとになって所得パリティに変わる。その後食管法の一部が変わって、再生産の確保、こういうことが正面に出て、特に三十五年以降は、御承知のように価格所得政策というふうなたてまえで今日まで食管が運営されてきておる。こういう一つの経過から考えて、それから大臣は、特に制度の一貫性、連続性、こういうことを最近強調していらっしゃいます。そういう観点から見ましても、この食管のたてまえというものは、これは一つは歴史的に見て、一つはいまの一貫性、継続性、こういう観点から考えて、それからもう一つは現行食管法、その問題とのかね合いにおいて、大臣はずばり、食管制度の根幹というのはどういうふうに御理解なすっておるか、まず端的にお答えをいただきたいと思います。
○西村国務大臣 食管法の以前におきましては、御存じのとおり、非常に米の足りない時代、また米の余った時代、そのころにおきましては低米価、そこで米穀統制法というふうなものをつくった時代もある。その後シナ事変等を経過して、一時また米が出ないというような現象もあった。しかし、いよいよ戦時になりまして、米の供給量を確保して配給していく食管法というものが昭和十七年にできたわけであります。その後におきましてのいろいろな内容におきましては、ただいまお説のとおり変化してまいりました。 そこで、根幹についての考えでありますが、少なくとも今日、私は食管法の大事な点は、第一条の目的が一つあると思います。それから出てくるところの第三条、第四条等に書いてある再生産の確保、いわゆる生産者の再生産の確保、これが大事な点だろうと思う。それから第二は、何と申しましても消費者家計の安定、こういうことが一つの大事な基本になる。それからいま一つは、第一条にある国民経済安定上、需給調整上必要な食糧の確保、これが私は大きな柱だと思います。
○湊委員 ただいまお話がございましたが、その再生産の確保という点について、いままで大蔵大臣あるいは経企庁長官は、これは大きなマクロの見地から、国民経済上あるいは国民食糧の確保、こういう観点から必要な米穀を再生産する、こういうふうにお話しいただいておったのでありますが、最近の実態といたしましては、そうじゃなくて、むしろ農家の経済あるいは生活水準、そういう点から考えて、それを維持増進していきますために、大かたの農家の所得、あるいは生活、これを確保していくのだ、こういうところに私どもは再生産の確保という意味を考えたい、そしてまた考えておるわけなんでありますが、その二つの観点について、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○西村国務大臣 御存じのとおり価格調整の問題で、生産者の価格、それから消費者の価格と二つの大きな問題がある。そこで価格調整について、消費者については家計米価、それから片方は再生産の確保。この再生産をどう確保していくかという具体的内容については、これは考え方がいろいろあり得ると思うが、普通、通常考えられる状態においての再生産確保というのが、精神としては一応考えられるのじゃないかと私は思います。
○湊委員 時間がございませんので、次に、農林大臣は過般の委員会で稻富委員の質問に答えられて、例の買い入れ制限、裏返して申す自由米ということでありますが、これについて、米穀生産者に対して食管法は売り渡し義務を課しておる、したがってそれは農家の権利をきめたものではないのだ。もっと推察しますと、政府は必ずしも全量についての買い入れ義務はないのだというふうにとれるような御発言があったのでありますが、その点は、どうも私は納得がいかないのであります。 御承知のように、施行令の五条の五でもはっきりしておるように、米は政府以外に売れないたてまえになっておりますし、昔の法律の規定がそのままあるわけでありますから、生産者を縛るような、生産者に義務づけるようなこの規定のしかたというものは、明らかに個人割り当て、義務供出、この時代の法形式のいわばなごりみたいなものでありまして、事前予約売り渡し制度になった昭和三十年以降は、明らかに実質が変わっておる。従来の権力関係から契約関係にこれは変わっておるのでありますから、法律の理解のしかたも、全量を無制限に買うということは政府としての当然の慣行的な義務ではないか、こういうふうに私は思うのであります。ましてや、二十七年の改正で間接統制品目になった麦でさえも、政府の無制限買い入れ義務を課し、それによって運用されておるのが今日の姿でありますから、これは当然、新しい法律の形式をとるならば政府を義務づける、政府を縛る形で書かれてあるのがあたりまえなので、その点、大臣の過般の説明というものはどうも納得がいきかねるので、この点を再度明らかにしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 おそらく、これに対する食糧庁長官の発言は、米審等における質問を受けての理論的発言だと思います。そこで、誤解のないように申し上げたいのでありますが、まず、現実問題として申し上げておきたいと思います。 一時、一部の者たちから、今年度の米価をきめる際に、制限買い入れとか自由米とかいう意見があった。これは、当年度そういう問題があり得るわけがない。すでに植えつけの行なわれたものに対して、そういうことはあり得ない。ただ問題は、いろいろな理論が発展した場合においての想定問答、その中で生まれた議論だと私は思います。 その場合に、私どものほうのただいまの考え方は、食糧管理法第三条第一項の規定によると、生産者はその生産した米穀で、命令で定めるものを政府に売り渡す義務があると、こう書いてあるわけですね。そうすると、法律上は必ずしも無制限買入れというものを要求しているということには解釈ができない。ただし、政令その他において、あるいは買い入れされなかったものはそれではどうなるのだというと、それらのものはないわけでありますから、他に売り渡してはいけないとかそういうものがありますから、こういう理論が実体として起きるわけがないじゃないか、こういう解釈を持つ。 いわんや、もう一つ申し上げたいことは、あなたのおっしゃるとおり、政府が買い入れをしてきて、事実上全量買い上げをやってきておるという実態というものをよく見ながら、こういうものは検討を進めなければならない、こういうことでございまして、法理論として、一応法のたてまえからすれば、全部買い上げることを要求していると書いてあると解釈することは、法律上必ずしもそういう条文からは出てこないのじゃないか、こういう趣旨と解釈しております。
○湊委員 ただいまの問題、ちょっとまだ納得がいきかねるのでありますが、時間の関係もありますので、次に移ります。 今回の米をめぐるいろいろな問題の焦点について、先ほど農民代表の方の話もございましたが、どうも何かその焦点というもの、ポイントというもの、これについて納得のいきかねる点がたくさんあるのであります。特に、今回問題が大きく出ておりますのは、一つは、需給をめぐる問題というかっこうで出ております。二つ目には価格をめぐる問題であります。価格の場合には、物価の問題、あるいは国際比価の問題等々いろいろありますが、価格の問題それから財政事情、この三つが焦点になって、ことしの米価問題が発展しておるような感じがするのでありますが、特に大蔵大臣も企画庁長官も、継続的に過剰傾向にいまなっている、これはことしだけの問題じゃなくて、今後当分こういう状態は続くのだという、そういう農林省の判断、これをもとにして、あるいは、悪くいえばこれに籍口して、いろいろな議論が展開されておるわけであります。 そこで、私どもから見ますれば、なるほど食管制度の上で一つの考慮事項になっておる物価の問題あるいは財政事情、これはもちろん考えなければいかぬ問題ではございましょうけれども、それがあたかも主導的役割りを示して、それに引きずられておるような感じがしてならないわけであります。そして物価と財政が、さながら米価決定の主たる要素であるような印象すら最近受ける。特に、いろいろな議論を聞いておりますと、そちらのほうからワクがきめられて、つまり値上げ幅が大体きめられて、あるいは三%である、あるいは五%である、あるいは七%であると、何かワクが最初にはめられてしまって、逆算して答えが出されるような印象があるわけであります。 そこで、農林省の主たる任務である需給の問題、こういうことが農林省の使命であるならば、それについて当然、米は常に不足であると言うばかりが需給の調整じゃないわけでありまして、今日のような供給過剰、これに対しても具体的な対策を、同時に農林省としてはお示しなさるのが当然だろう。ところが、それについてはほとんど触れられていない。倉庫の問題がどうなっておる、あるいは実際の検査の実態がどうなっておる、配給制度をどういうふうに考えておる、あるいはアメリカじゃありませんけれども、場合によっては余剰米処理法ぐらいこしらえて、余剰米といいますと語弊がありますが、供給過剰の現在の古米に対してどういう対策を打つか、あるいはもみ貯蔵の問題、そういうことについて当然いまの時点で、いままでのような考え方が出されるならば、具体的なものが農林当局から明示されてしかるべきじゃないか、こういうふうに考えておるのですが、その点について大臣のお考えはいかがですか。
○西村国務大臣 まずはっきり、私は農林大臣でございますから、食管法の現行法の規定でやってまいらなければならない、これは当然です。それから生産者の再生産確保、家計の安定、この食管法の精神も貫いてまいる。したがって、今日ただいま試算を出しておりますが、それも再生産確保という観点から試算をされておるということは、これはもう間違いない。単に物価であるとか財政であるとかということだけでなく、むしろそれが主体になって、先ほどこまかに事務当局から申し上げたのも、再生産を一応これで可能ならしめるというデータに基づいてやっておるわけであります。 それから需給につきましては、なるほどいろいろな考えはございましょう。これから触れるべき問題につきましては、それはもみ貯蔵の問題もありましょう。現在は玄米になっておる、あるいは白米になっておるので、こういう問題もあります。そこで当面の、すでに政府のおさめておる需給状況は、もう御存じのとおり、出来秋には持ち越し米が二百六十五万トンと一応推定はされているのでありまして、この推定が誤りであるとかどうとかいう議論が立てばこれまた別でありますが、一応われわれの見当では、これはまずそうならざるを得ない。 それから、今後の見通しにつきましては、今年度平年作と考えましても、最近の技術からすれば千三百万トンは確保できる。同時に、今度需要の点から見ると、個人消費は最近ずっと落ちてきている。やや落ちる傾向がある。そうなると、それにさらにまた持ち越し米がふえていくという形は、当然想定しなければならない。長い目で見た場合においてはいろいろな条件が出てくるでしょうけれども、ここしばらくの間は、この状態に急激な変化はないという前提のもとに、いろいろな諸条件というもの、食管の運用のしかた、管理のしかたというようなものを考えてまいらなければならない、これが前提になっていくわけであります。
○湊委員 次に、時間がありませんので、先ほど説明のございました諮問並びに試算について若干の点をお尋ねしてみたいと思います。 一番最初に、今回の諮問は、従来の例を破って二重諮問のような形をとっております。その二重諮問の真意についてまずお尋ねをしてみたいと思います。特に、「最近における食糧管理の運営の実情にかんがみ」こういうことを最初に出していらっしゃいます。これはもちろん、需給の緩和だとか、末端逆ざやがあるとか、あるいは総合予算主義というたてまえがとられているというふうな意味なんだろうと思うのでありますが、そのあとに、「今後米穀の政府買入価格の決定および消費者米価の改定を行なうにあたり基本的に留意すべき事項」こういうふうになっているのでありますが、この「今後」というのは一体どういう意味なのか。特に聞きますと、ことしを初年度にしてこれから考えていくのだというふうな説もあるようでありますし、いや、これは昭和四十四年以降のことで、ことしのことはここには含まれないのだというふうな話をなさっている方もいらっしゃいますが、その「今後」というのは一体どういう意味なのか、この点をまず一点として……。 それから二番目に、「基本的に留意すべき事項」これは、再々問題になっております両米価の関連決定あるいは改定、そのたてまえの変更までも含んでいる意味なのか、あるいは両米価を関連さして決定すること、そのこと自体が実はこの意図なのか、そこら辺をひとつ明確にしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 私この席を通して申し上げるように、食管制度自体というものを将来——私自体は、将来に向かっては、現行の食管制度に対しては検討すべき段階が来たと判断いたしておりますが、しかし、食管制度、これをなくすのではなくて、むしろよい食管制度にくふうする、よい結論を得るために検討したらいいではないか、こういう趣旨でございます。したがって米価審議会に、食管制度をどうしてくれという意見を求めているつもりはございません。食管制度をどうしろということで諮問しているのではないので、ただいま御存じのとおり、四十三年米価というものをきめなければならぬ。しかも生産者米価をきめなければならぬ。消費者米価はただいまの段階ではございません。生産者米価に対して諮問をする。 しかし、生産者米価を当面きめる場合におきまして、それについては御存じのとおり、末端逆ざやとか、あるいはコストの逆ざやの問題とか、いろいろございましょう。あるいは、何といっても史上まれに見る初めての経験でございます。二百六十五万トンの持ち越しをするということは。昨年の六十五万トンから見れば四倍でございます。そういうような諸事情の変化、それから古米については、おそらく古米の格差問題等も当然出てくる。しかも、それがことしだけの問題ではなくて、今後も当分は続くであろうというならば、消費者米価との扱いの関連において、いろいろの御意見というものは承っておいていいのではないか。そして問題は、四十三年度の生産者米価について御答申を願う、こういうことでございまして、制度そのものを変えるという前提でわれわれは諮問しているわけでは何らないわけであります。
○湊委員 そこで、特に問題になりますのは、この二つの二段諮問のつなぎのところに、これらとの関連において四十三年度の米価をきめるのだ、こういうふうに書いてあるのでありますが、これから見ますと、明らかに、この前段にございます基本的な留意事項、これが主たる諮問事項であって、その大前提のもとに、あるいは前段のワクの中で四十三年生産者米価はきめるのだ、こういうふうにすっと読めるのであります。私どもの考え、それから、従来大臣が言われておった点からすると、四十三年の産米価格、この算定方式を諮問するのが実は今回の米審の主たる仕事で、それに関連して、前段のようないろいろな最近の特殊な事情に基づく考慮であるとか、あるいは食管の運用に関するさまざまな改善意見であるとか、それは当然今年度米価の諮問に関連して出てくる。それは、こちらからは積極的には聞かぬけれども、米審のほうから意見があればそれは受けて立つのだ、こういうふうに、私どもはいままで大臣のいろいろな説明から理解しておったのでありますが、この諮問の形式というのは、いかにも何か本末転倒したような、特にいままでの慣例からすれば、後段の諮問だけで、「これに関し留意すべき事項」というのがついているのでありますから、十分じゃなかろうか、こう思うのでありますが、そこら辺はどうなんでありますか。
○西村国務大臣 制度問題自体は、どう改変するということの意見を求めておるのじゃないのでありますが、当面の生産者米価をきめる。それにつきましても、事情というものに、今回はシビアーな事情があるわけであります。末端の逆ざや、それから総合予算制、需給の緩和、そして古米に対する将来の価格の問題等々、こういうようなものを考えますと、当面、ぼつっとただ生産者価格をきめても、やはり来年の——需給の緩和が——ことしだけで済めばいいのですけれども、あとやはり古米を処理しなければならぬ。さっきお尋ねの、古米をどう処理するかというようなものとも関連していく。いつもこの席で申しておりますように、両米価は絶対に別々にきめるべき問題ではございません。全然無関係ではございません。やはり無関係でない以上は、消費者米価というものも念頭に置きつつということをいつも申し上げておる。そういう関連等からも、少し長い目で見た意見というものがあってしかるべきだ。それらと関連しながら、しかし、当面の生産者の生産意欲を守る米価というものをさがしてまいりたい、それが私の考えであります。
○湊委員 もう時間が来たようでありますが、諮問に関連していろいろ説明がございます。この中でもお尋ねしたい点がたくさんあるのでありますが、この点は別な機会に譲りまして、先ほど試算米価が示されましたので、端的に、昨年度の算定米価とことしのこの試算米価との違っておる点、それから違っておる理由、これはおそらく限界反収の問題と、地代の問題と、それから生産性向上のメリット分をはずしたことと時期別格差と、この四点だろうと思いますが、これをひとつ簡単に御説明願いたいと思います。
○田中説明員 お答えします。 まず、昨年と違っております点は、先ほども御説明申し上げましたように、限界農家の反収につきまして〇・九シグマというようなものを採用いたしました。これは、先ほど大臣からもいろいろと御説明申し上げておりますが、最近の米の需給状況からいたしまして、適正に生産をカバーする農家層、従来の一シグマということではなくて、やはりその間にもう少し調整をする必要があるのではなかろうか、こういうようなことで〇・九シグマを採用した点が第一点でございます。 それから第二点におきましては、まずこの算定の中におきまして地代の問題が一つございます。地代につきましては、昨年は統制小作料がまだ改定される時期の前でございましたので、いわば実納小作料に近いものが地代として算定されておったわけでございますが、ことしは、統制小作料が実勢に見合うような形におきまして昨年改定されましたので、作付地地代につきましては統制小作料、それから作付地以外のものにつきましては、その生産費調査に基づく地代ということで算定をいたしたわけでございます。 それから、昨年の米価算定の場合におきましては、生産労働時間の減少傾向に伴いまして、生産性向上のメリットを農家に付与するというようなことで、二分の一の生産性向上のメリットを付与したわけでございますが、これも先ほども申し上げましたように、やはり米の需給緩和というようなことが一面にあることと、もう一つは、生産性向上のメリットというものは、米価の生産費関係におきましてはやはり生産費になじまない、生産費の中身をなすものではない性格を持っておるわけでございますので、本年度はこれを見ないということにいたしたわけでございます。 それからもう一つは、先ほどもちょっと触れましたが、ここにございます概算金の利子につきまして、従来はこの利子を控除しなかったわけでございますが、もともと自己資本につきましては、やはり一定の預金金利でもって算定をいたしておるわけでございます。概算金は、無利子のものを農家に概算金として支払う事前売り渡し申し込み制のたてまえになっておるわけでございますので、これも最近の事情からいたしまして、現実の事態に即応した形においてこの問題を処理するということでございます。 それから、最後に時期別格差の問題がございますが、時期別格差につきましては、御承知のように、やはり端境期における食糧を確保するというようなことから、この時期別格差奨励という制度が生まれて今日に至っておるわけでございますが、最近の端境期の実態等からいたしまして、時期別格差の問題につきましては、それらの地帯の農家の既得権というような考え方も実はあるわけでございますが、何ぶんにも食糧管理をしていくたてまえからいたしますならば、やはり早期に買い入れるということの必要性は減ってきておるということと、また、期限を切って早く米を買うということに伴いまする労務関係等で、やはりいろいろな弊害も一面なくはないわけでございますので、本年度におきましては、時期別によってそういうことをやることを廃止することにいたしまして、むしろ時期別格差を適用された、非常に割合の高い地帯の県につきまして、この暫定加算ということで算定をいたしたのであります。 以上のような考え方になっておるわけであります。
○足立委員長 関連質問を許します。小澤太郎君。 小澤君に申し上げますが、各党の申し合わせ時間がございますので、簡単にお願いいたします。
○小澤(太)委員 関連でもありますし、いま委員長の御注意のとおり時間もありませんから、私は簡単明瞭に御質問申し上げますので、大臣から、これまた直截明瞭に回答いただきたいと思います。 まず第一に、今回の平均反収農家をとった場合と、従来の限界反収農家をとった場合、それから買い上げの対象になる農家戸数が、生産農家の中で占める割合をひとつ御回答いただきたい。
○田中説明員 お答えいたします。 一シグマの場合には、四十一年産の統計調査部の調査で、対象農家に対しまするカバー率は八四・一%でございます。それから生産量のカバー率は八九・三%ということでございます。それから今回の場合、〇・九シグマの場合でございますが、これを一応試算してまいりますと、〇・九シグマの場合には、八一・六%の農家のカバー率になっておるわけでございます。生産量につきましては、統計調査の対象農家をずっとやってまいりますと八七・一%ということでございます。
○小澤(太)委員 それでは別のことになりますが、大臣は、食管制度の根幹をはずさない、これを貫き通すという方針で今回の米価試算もされた、諮問もされた、こういうことでございます。そこで、まず私は第一に法律論、第二に政治論として伺いたいと思います。 法律論といたしましては、食管法の第一条の中に、「国民経済ノ安定ヲ図ル為」とありますが、この国民経済の安定をはかるという中に、農家経済の安定ということは入っておるのか、おらないのか、この点を伺いたいと思います。
○西村国務大臣 たいへん大きな御質問でありますが、国民経済というものは国民全体の経済であります。しかし、それでは一体全体の経済を個々のものに——国民と申しますればいろいろな職種がございますが、それ全部を含めた総体の国民経済、こういうような解釈で、それが個々の農家の所得まで全部補償しているのだ、そういうふうには食管法の第一条は解釈すべきではないと思います。
○小澤(太)委員 国民の中に占める農家の割合というのは、相当高いものだと思います。中小企業に次いで農家です。この農家経済の安定ということが、広い意味の国民経済の安定の中に含まれないとはいえないと思います。しかも、その農家経済の安定と申しましても、一人一人の農家の経済の安定か集まって農家の経済の安定ということになるわけでございますから、個々の農家の経済の安定は考えないという、その考え方はいかがかと思います。もう一度御答弁願います。
○西村国務大臣 食管法の第一条をごらんいただきますと、「国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ」、国民経済の安定というこの国民経済には、もちろん農家も入りますが、同時に、他の職種の国民全体を含めての国民経済と、こう考えていかなければならぬと思います。
○小澤(太)委員 たいへんじょうずな御答弁で、ほかの経済もということを言われて、たいへん私の質問がはぐらかされておるわけでありますが、ここで法律論はやりません。 それでは第三条の第二項ですが、先ほど湊委員に対する御答弁で、「米穀ノ再生産ヲ確保スル」この再生産を確保するということは、普通にいわれている再生産を確保する、こう言われたのでありますが、その意味をもう少しはっきり言っていただきたい。と申しますのは、経済企画庁長官は、再生産を確保するというのは、国民経済上必要な、米の統制の上に必要な数量を確保する、その数量の範囲内において再生産を確保するのだ、このような、私からいえばとんでもない答弁をされておるのであります。普通にいわれる再生産の確保というのは、農林大臣はいかようにお考えであるか。
○西村国務大臣 私は農林大臣でございますから、生産者の再生産の確保。ただし、それではきわめて限界的なものまで全部拾い上げて再生産を確保するということは、第一条の国民経済全般から見ての中で判定すべきだ、こういうのが常識論だと私は思います。
○小澤(太)委員 それでは、先ほど最初にお尋ねいたしました平均反収をとった場合に五〇%、それから限界生産費をとった場合に八四%、これはこれにあります数字を私は申し上げておるのですが、そういう場合に、一体五〇%だけの農家の再生産を確保するということが、再生産を確保するという普通のことばに当たるものであるかどうか。平均反収の場合ですよ。限界反収の場合には八四%で、つまり三四%というものは再生産を確保できない、切り捨てるという考え方、このことが端的にいわれるものかどうか、これを伺いたいと思います。
○西村国務大臣 ですから、私は農林大臣としてお答えをいたしますが……(発言する者あり)静かにしてください。ちょっと聞いてください。答弁を聞いてもらったらいいと思うのです。私ははっきり申し上げますが、通常いわゆる限界なら限界というものの、極端な限界のものまで再生産確保ということは、さっき申し上げたような趣旨で無理だと思う。しかし同時に、今度は、かりにそれじゃ農家の生産性が米については無理であるというような地帯に対しては、他の手当てを十分見た形の中から、順次そういうものが変わっていくような形において平均反収ということばが使われるなら、これはいいと思います。農政としては、ただ数字の上で平均反収、半分は切り捨てる、そういうようなことは、農林大臣としては毛頭考えていないということをはっきり申し上げたい。
○小澤(太)委員 そういう御答弁が出るだろうと思って、私は法律論をまず聞いておるのです。いま大臣が言われたのは政治論だと思います。法律論として、一体私が御質問申し上げましたのに対して御答弁があったようなことが、食管法の精神として考えられるかどうか。つまり、食管法の根幹に触れずして、今回の政府の諮問の措置、あるいはとられるであろうところの米価の決定というのができ上がるものであるかどうか、法律の解釈上伺ったのでございまして、これは、時間がありませんからこれ以上申し上げません。 次いで政治論でございますが、私は、いま農林大臣が言われたとおりだと思います。私もまた五〇%、それからこえるところの三四%、農家の半分だけの生産費を補償する、再生産を確保するということを、政府がおやりになるとは思いません。したがって、今回は多少の考慮が払われておると思いますが、いまかりに多少の考慮が払われておるといたしましても、すでに農家は植えつけを終わっております。昨年の米価の考えで、それを予想して植えつけを終わっております。その時期に、何%になるか知りませんけれども、再生産を確保しないということを米価の上ではっきりさせるということが、政治としていかがでありますか、この点を伺いたいと思います。
○西村国務大臣 一シグマの〇・九ですから十分の一、それはなるほどその部分では、純粋な意味では再生産の確保にならぬかもしれません。しかし、その部分におきましても他の要素を含めて、赤字になるのではないのでございます。 それから、再生産の確保を旨とすると書いてございます。そこいらから解釈いたしましても、これだけ需給が緩和している場合におきましては——消費者米価をきめる場合にも、そこに「其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」とあって、これは両方にかけておるのです。消費者米価、生産者米価、両方の立場を考えつつ、需給緩和というものも考えつつ一シグマの〇・九、いわゆる十分の九というものは赤字は出さないで済んで、しかも、全体の中で米価がバランスがとれて決定されるということは、私はおかしいことではない、こう思います。
○小澤(太)委員 時間がありませんから、これ以上お尋ねするのは私は差し控えたいと思いますけれども、かりにいま農林大臣のおっしゃることがそのとおりであるとしましても、ことしの植えつけを済んでおる現在において、いまのような措置をとることが政治的にいかがであろうか。赤字は出さない、つまり殺さない、生かさない、こういう程度で三四%の農家をそのままにしておいて、それで政治であるかどうか、私は非常に残念に思うのであります。 したがって、私の申し上げたいことは、今回の米価の決定にあたりましては、従来どおりの限界生産農家をとるということ、このたてまえをくずさないでもらいたい。もしくずすとするならば、来年以後においてしてもらいたい。赤字にならない程度でと言われても、とんとんで、おそらく赤字にならないことはありますまい。そういう農家を救済する措置が政治の上でできたときにこの食管制度に手をつける、今回のような措置もその上でやる、これが政治だと思います。私は自由民主党の党員として、政府に対して心からこういう点を御忠告申し上げます。 これで終わります。 —————————————
○足立委員長 この際、前回に引き続き農林水産業の振興に関する件、特に米価問題について、参考人から意見を聴取することといたします。 本日御出席の参考人は、財政制度審議会会長小林中君でございます。 参考人には、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。 本委員会におきましては、米価問題につきまして調査いたしておりますが、本問題につきまして忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと存じます。 議事につきましては、参考人から御意見をお述べいただきました後に、委員から質疑があればこれにお答えいただくことといたします。 それでは小林参考人にお願いいたします。小林参考人。
○小林参考人 ただいま委員長から御紹介にあずかりました私、小林でございます。 米価問題が、最近は非常にクローズアップされまして、新聞等をにぎわしておりますので、われわれのやっておりますところの財政制度審議会におきましても、そういうふうな一種の刺激もあったろうと思いますが、第一部会におきまして食管制の問題が討議の対象となっておりまする関係上、米価の問題が部会において討議をされておるということは事実であります。 しかしながら、これは御承知のとおり第一部会でありまして、財政制度審議会の意見ではないのでありまして、これは一部会の意見でございます。この部会の意見がどういう形にまとまりますか、そのまとまった形におきまして、財政制度審議会の総会にこれをかけまして、両三度この問題を審議して初めて財政制度審議会の意見として政府なり何なりに答申をいたす、こういう段取りになるのでありまして、ただいまここで私は、財政制度審議会の会長としておまえはどう考えるのだとおっしゃられても、財政制度審議会を代表いたしまして、こう考えているのだということは申しにくい立場であります。それを御了承願いたいと思います。
○足立委員長 これより質疑に入るのでありますが、小林参考人は所用のため時間に制限がございますので、その点御了承の上質疑をお願いいたします。 石田宥全君。
○石田(宥)委員 ただいま財政制度審議会会長の小林さんから、これは第一部会で直接は審議したものであって、審議会で取りまとめたものではない、こういう前提がございましたので、私は、したがって部会の決定された細目について御意見を伺おうとは存じませんけれども、特に財政制度審議会が、ほかにいろいろ問題があるにもかかわらず、米価の問題、食管制度の問題を取り上げられたのは、一体いかなる理由によるものであるか。 私どもが考えるところによれば、財政の硬直化の主要原因は、むしろ租税特別措置法というような大企業に対する免税措置であるとか、あるいはまた十億、十数億というような脱税が、最近特に多く見受けられるような状況であるなどという理由、さらにもう一つは、農産物の輸入の量が激増してまいりまして、たとえば、日本の畜産を論ずる場合において、外国の飼料が入ってこなければ日本の畜産は壊滅的な打撃を受ける、こういう実情のもとにあるということが、財政硬直化の主要な要因ではないか、こう考えるのでありますが、まずこの一点をお伺いしたいと思います。
○小林参考人 ただいまの御質問でありますが、これはおまえの意見としてどう考えるかという御質問だと思いますが、それでよろしゅうございますか。私見を申し上げますということですよ。
○石田(宥)委員 けっこうです。
○小林参考人 御承知のとおり財政制度審議会は、昨年以来財政の硬直化打開という問題と取り組んでまいっておるのでありまして、昨年の十二月二十五日には、財政制度審議会の答申といたしまして政府に答申をいたしました。 その内容をあらまし申し上げまするというと、大体この財政の硬直化というものは、長年の間醸成をされてきたものでありまして、その幅は広く、根は深いものであります。そうして同時に、終戦後は税収等の非常な増加、いわゆる高度成長が続きましたので、まず、安易な考えからして従来の制度に積み上げてまいった。それが今日までまいりますると、もうにっちもさっちもいかない硬直性が起こってきたのだ、こういうふうな姿でありまして、これをどうして打開すべきかということは、非常にむずかしい問題だと私どもは考えております。 しかしながら、これをやらなければ国家財政というものは、あるいは破綻するかもしれない、あるいは極端な大増税をしなければならないようなことになるかもしれない、あるいは公債を乱発して大インフレを起こすようなことになるかもしれない。これは非常に重大な問題ですから、この際にひとつ十分その問題を討議し、大いに審議をして、硬直化をどうしたら打開できるかというめどを立てようではないかということでまいったのでありまして、ことしに入りまして、私どもはこの硬直化の問題をどういうふうなプログラムで討議を進めてまいろうかということで、ただいま申し上げましたように、第一、第二、第三の部会を設けまして、第一部会におきましては、ただいま申し上げましたように食糧管理制度の問題、地方財政の問題、公共事業の問題、この三つの問題を第一部会では討議をしていこう。第二部会におきましては社会保障、文教、科学技術、こういう三つの問題をひとつ爼上にのせていこう。第三部会といたしましては経済協力あるいは国鉄、これは鉄道建設公団を含んでの問題であります。給与制度、財政投融資、こういったような四つのものに対してひとつメスを加えて、抜本的に洗い直していこうじゃないか、こういうような決意をして今日までまいったわけでありまして、ことさらに特に食糧管理制度だけの問題を取り上げて云々しているわけではないのでありまして、いま申し上げたような問題は、ことごとく日本の財政の硬直化におきましては、非常に大きな問題となっておるものでありまして、こういうものからひとつ大いに研究していこう、こういうことでいまやっている次第でございます。
○石田(宥)委員 小林参考人からは、なるべく質問したことの要点だけをひとつお答え願いたいと思うのでありますが、大体趣旨はわかりました。 そこで、部会長でございませんから、私そう突き詰めた質問を申し上げようとは存じませんけれども、少なくとも米の供給が過剰の時代に入った、こういうことはよく言われておるようです。第一部会は、もちろんそのことを文章にまとめておるわけでありますが、米の供給過剰の時代に入ったということの理由はどのようにお考えになっておるのですか、伺いたいと思います。
○小林参考人 いま米は供給過剰だ、要するに需給のバランスがくずれているが、お前は一体どう思うか、こういう御質問ですが、大体食管制度というものは戦争中の昭和十七年につくられたものであって、その当時は、あの戦争のために、御承知のとおり食糧が非常に窮屈になった、そのときにつくった制度であります。その制度が、今日まで大体は残っているということです。したがって、私どもからいえば、こういう制度は一応再検討をすべき時期にきているのではないか、かように考えます。 と同時に、最近私どもが聞くところによると、政府の保有米といいますか、古米ですか、それが非常に多くなっているのだ、こういうことでありまして、これは私の考えですが、おそらく国民の食生活の内容が非常に変化をしてきたということが一つの理由ではないかと思います。また、そのほかには科学が非常に進歩をした。たとえば、農薬のごときものが非常に進歩をし、反当たりの収穫量が非常に多くなった。肥料も、戦前の肥料から見ると非常に質がよくなってきた。要するに、そういうふうな科学の進歩というものが、結局国内の米の産額を順次上昇させてきたのだ、その結果米が余ったのだ、こういまいわれているのではないかと思うのであります。
○石田(宥)委員 わかりました。端的に申し上げまして、ことしの米年度末には二百六十五万トンほどの古米の持ち越し量がある、こう新聞では伝えられておるのです。ところがここ三、四年、去年まで輸入した数量が、ちょうどそれと匹敵する数字になっておるのです。そうしますと、余分の米を輸入しなければ一つも残らなかったわけです。それからそのほかに、去年四百二十万トンの小麦を輸入しておりますけれども、米石に直せばこれは三百万トンになるのです。そういうことになると、一体過剰になったなどと新聞やテレビでいろいろ報道されておるけれども、実際は、国内における需給関係ではまだちっとも余っていないのです。二百六十五万トンも輸入したから二百六十五万トンも米が余っているが、そのほかに米石で、米換算で小麦を三百万トン去年一年で輸入しているんですよ。あなたはちょっと頭がどうかしていませんか。そういう考えでこの食管制度に手をつけなければならないなどと言われては、これは大迷惑な話です。 一体あなたは、この国際的な食糧事情というものをおわかりですか。たとえば東南アジアでは、いままでの輸出国が、一つだって輸出国はなくなって、全部輸入国になっているのです。国連のFAOのセンという事務局長は、世界の人口の約半分はいま飢餓状態にある、飢えている、こういうように警鐘を乱打しているんですよ。そういう時代に、米は過剰の状態であるから食管制度を手直ししなければならないなどという、そういう基本的な理解のしかたでこういう問題に口出しをされるということは、迷惑千万なんです。 これは、あなた方のような権威のある人でなければ、政府も西村農林大臣もあまり気にされなかったでしょう。ところが、財政制度審議会会長などというそういう偉い人が発言をされると、大蔵省も農林省もそれを気にして、そうしていままでの食管制度を何とかひとつなしくずしにしようなどという姿勢を示し始めているのです。あなたは財政制度の審議について、食糧問題や食管制度というものをもっと勉強して、それからひとつ来てもらわなければ、きょうのところはあまり参考になる意見はございませんでした。もうこれ以上質問申し上げません。
○小林参考人 あなたは、米で非常に専門家だという立場でそういうことをおっしゃるのでしょうが、いま私が農林省なり大蔵省なりのいろいろなデータから見て、結論はこういう結論であったということを考えているのです。 そこで、私どもいまやっております第一部会の委員というものは、あなたから見るとそれはしろうとかもしれぬし、あるいはものがわからぬとおっしゃるかもしれないが、他の世間から見ると相当りっぱな常識を持たれた方なんです。広く世の中のことを知っている方なんです。政治も経済も十分にわかっておる方なんです。(「会社の社長や銀行の総裁や新聞記者だけだ」と呼ぶ者あり)それは私個人の意見を言っているのですよ。そういう人たちが寄って、そういう問題をいま討議しておるので、私はあなたに結論を一つも申し上げたことはない、いままでここで。いま討議しているのだと申し上げておる。結論を申し上げていないんですよ、あなたには。そうでしょう。そうしてそれは、あなたは米の専門家に違いないと思います。思いますが、第一部会の専門委員の中には、これまた米の専門の委員がおられるわけだ。その連中も討議に加わっておるわけだ。これから結論を出そうというわけだ。おまえは出しゃばり過ぎるだとか、もう引っ込んだらどうだとか、それはまだ早いのです、あなたのそう言われること自体。私からいえばけしからぬ話だ、そういうことを言われるのは。 私はこれくらいで……。
○足立委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 小林参考人には、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席いただきましてありがとうございました。(拍手) —————————————
○足立委員長 引き続き米価問題について質疑を続行いたします。工藤良平君。
○工藤委員 私は、農林大臣に対しまして若干御質問をいたしたいと思います。 昨日と本日、米価審議会に諮問がなされているようでございますが、私は、まず冒頭に大臣に、審議会の諮問につきましては、これを尊重するというのが大臣の一貫した考え方のようでございましたが、その考え方は今後も、また今回の米審についても持ち続けるわけでございますか。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○西村国務大臣 もちろん、私どもが審議会に諮問するということは、尊重しないたてまえで諮問するわけにはまいらない、尊重はいたします。しかしながら、尊重いたしましても、あくまでも審議会は審議会の意見でございますから、米価等の決定は、政府の責任の上において十分判断をするわけであります。
○工藤委員 今回出されたこの諮問の内容というものは、需給関係を第一義に考えた、農民の食糧の再生産ということを第二義的に考えた諮問の内容ではないだろうかというように、私は率直に判断をいたすわけでございますが、この点に対して農林大臣の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 必ずしもそうではございません。需給も一つの要素でございますが、食管法に基づく再生産確保等々、いろいろな観点から諮問をいたしているわけであります。
○工藤委員 本日の試算を見ますと、昨年の米価に比較をいたしまして、一つの試算が二・九九%ということで、わずかに三%に満たないというような状態でございますが、これではたして全国の農民が了解をするかどうか、大臣はどのようにお考えでございますか。
○西村国務大臣 もちろん、現実の問題として価格は高いほうがいいということは、だれしもが、物を売る人、物をつくる人、これは当然であります。しかし、私ども農政をあずかる立場としては、再生産を確保する、同時に食管法の精神というものを十分生かしていく、こういうことでなければいかぬのであります。 それから同時に、ことしは、御存じのとおりに需給状態、古来の処理、また私ども政府としては、総合予算制というものをはっきり国会の場におきまして論議をいたしまして、一応私どもはそれをとっておるわけであります。そういうような中で米価を決定していかなければならぬと思います。
○工藤委員 そういたしますと、本日出されました試算の内容というものは、今後さらに政府の段階においても、変更されるというように理解をしてよろしゅうございますか。
○西村国務大臣 審議会の意見は意見なりに何か答申が得られると思います。またそれ以外の意見というものも、いろいろな意見を私どもは聞いてはおります。しかし、最終決定におきましては——現在の試算というものもやはり政府がやりました試算でございますから、責任はあります。これを基幹として、十分最終決定をいたしてまいりたいと思います。
○工藤委員 おそらく米価審議会は、この程度の値上げ率であれば了解をするだろうということは予測がつくわけであります。そのための米価審議会の委員を任命したわけでありますから、私たちはそのことは当然だ、こういうようにいまから予測をいたしております。しかし、そのことによって問題の解決ができるかどうかということ、これは私は大きく今後に残されるだろうと思います。 それでは、この諮問がどう出るかわからないけれども、諮問が出た段階で、政府決定までの期間に、農民なりあるいは消費者の意見は一体どこで聞こうとするのか、その点もひとつ明らかにしていただきたい。
○西村国務大臣 すでにもう各種団体の方々は、非常な御熱心さで私のところへ参って、それを一一事務当局に伝えてございます。また政府・与党は一体でございますから、与党のほうにおきましても十分な意見聴取をして、政府のほうへ反映してまいることと思います。
○工藤委員 米価審議会の委員の任命が国会でも問題にされましたときに、私どもは、その点については了解をいたしておりませんけれども、大臣のほうでは、生産者、消費者の団体の意見を聞くために、懇談会を持つとかいうようなことを言っていらっしゃったようでありますけれども、それらは、それでは具体的に何回持たれて、どのような意見をお聞きになったか、ただ単なる陳情ではなくて、正式な意見をお聞きになったか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 私としましては、あえてこういうものは、正式に聞くとか正式に聞かないとか、そういう形式の問題じゃございません。実質的によく事情を聞くことが一番大事だ。こういうことでは、もう回数を重ねることはちょっと計算にならないほどの回数で私はお目にかかっております。
○工藤委員 私は、それは大臣の言いのがれにすぎないと思います。米価審議会から生産者、消費者の代表を締め出した。そのことのために、農林省としては懇談会を設置して意見を聞くということを、あなたは言明をされたはずなんです。あなたが公式に発表したその懇談会を正式に持って、意見を聞いたのかどうかということを私はお聞きをしているわけです。
○西村国務大臣 懇談会を置くということは、私の口からは出ておりません。これは自由民主党のほうで、そういう御提案をされておったということを聞いておるだけであります。
○工藤委員 それでは、生産者、消費者の意見は正式には聞いていない、こういうことになりますね。
○西村国務大臣 農林大臣自身がお目にかかること自体が、すでに職責でございます。それによってもすでに承り、それをまたさらに、それぞれの担当の食糧庁長官以下に検討さしているわけであります。したがって、これはやはり権限の範囲内で行動していると思います。
○工藤委員 それでは、米審に生産者、消費者の代表を入れなかった一つの肩がわりというものは、農林省としては表面的には何ら手を打たれていなかったというように私は解釈をいたしますが、そういうことでよろしゅうございますね。
○西村国務大臣 米審に生産者、消費者を入れなかったということについては、もうこの国会でしばしば御論議いただきましたから多く申しません。これは両論あると思います。しかし、過去において二回答申を得られなかったというあの間の事情から、すでに私の着任以前に中立委員というものは発令になっておった。 そこで私としましては、今日までにできる限り生産者団体——消費者団体ももちろんでありますが、お目にかかっております。私個人として会っているのじゃございませんで、農林大臣としてお目にかかり、また農林大臣は食糧庁長官を同席させるなり、事務担当者にこれを渡して、また同時にそれぞれの機関においてお目にかかっておる、こういう形はとっておるわけであります。
○工藤委員 そういたしますと、すでに農林大臣は、この諮問以前に生産者や消費者の代表の意見を十分に聞かれた。聞かれた結果出てきたのがわずかに三%という値上げ。これが農林大臣としての職責でありますか。私はその点をはっきりしていただきたいと思うのです。
○西村国務大臣 消費者団体のほうは、据え置き、ゼロにしろという意見も多くあります。同時に生産者団体には、非常に大きな意見のものもあれば、そうでないものもあります。いろいろな意見があります。また関係省にもあります。これは財政の関係のものもありましょう。そういうようなものも勘案いたしまして、最終的に政府として試算をいたした。これは、参考資料として審議会に提案をしているわけであります。
○工藤委員 これはあくまでも試算である。したがって、この試算は当然修正をする——修正というよりも、別の形のものが出てくる、こういうことになるわけでございますか。
○西村国務大臣 私は、これは修正されるということは申し上げられません。これが一つの大きな基本であるということは、はっきり申し上げておきます。
○工藤委員 ここで農林大臣の腹の中を探ってもしようがないと思いますけれども、いずれ米審が終わりましたならば、自由民主党との間にいろいろな取引が行なわれて最終決定が出るだろうとは思いますけれども、少なくとも農林大臣がさっき申されましたように、農民の代表から多くの意見を聞いた上の一つの試算というものが、こういう程度であるということについて、しきりにこの席上で、私は農林大臣でありますという大臣の発言からいたしますと、私はきわめて遺憾であります。このような状態の中で、はたしてどのように農民の要求が達成できるかどうか、私は大きな疑問を持たざるを得ない。内容の問題についても非常に大きな問題がございます。 先ほどから再三指摘をされておりますように、すでに平均反収に近づけるための第一歩が踏み出されてきた。多くの農民は、みずから生産の放棄をせざるを得ないというかっこうに追い込まれるでありましょう。そういうことをやるのが農林大臣のつとめでございますか。もしもその道を歩むとするならば、農林大臣として具体的にどのような措置を農民に講じようとするのか、その点を明らかにしていただきたい。
○西村国務大臣 私は、先般も総合農政の思想を発表いたしました。主食としての米は大事であります。また、この扱いは慎重にせねばならぬ、これは当然のことでございます。しかし同時に、国民の総合食糧としては、まだ他にも重要な物がございます。そこいらをよく考えながら、財政上の必要な措置もとりつつ考えていくならば、米の生産としては限界生産になっておる地帯でも、他の酪農あるいはその他の方法によればやり得る地帯もあり得る。そういうようなことによって、いたずらに古米が非常に多くて、これの処理にまた金を使っていくというよりは、私は全体のためにもなるし、同時にその農家の将来のためにもなる。こういう中から施策を進めてまいりたいという考えであります。
○工藤委員 私は、農林大臣がそういった施策を進めるということは当然だろうと思います。しかし問題は、農林省がいままで米の生産については農民を指導してきた。米をつくってくれ、こういう指導をしてきたと思うのです。ところが、昨年の豊作によりまして、しきりに手持ち米が非常にふえたということがいわれておりますが、その需給関係というものは一体どのように立てるのか、長期的な需給の見通しはどう持っているのか。食糧庁の需給計画というものはしょっちゅう変わっているようでありますが、長期的な見通しをどのようにお立てになっておるか、その点を明らかにしていただきたい。
○西村国務大臣 数字の点は、必要あれば事務のほうから申し上げます。 長期見通しは、御存じのとおり、三十七年にたしか十カ年計画が立っておると思います。しかし、その後におきまして、かなり国民生活も向上してまいりました。また、農業をめぐる諸事情も変わってまいり、農業生産のいわゆる向上と申しますか、生産力と申しますか、そういうものも非常に上がってまいった。これは農民の各位の努力もありますし、技術の進歩等いろいろあると思います。そこで米生産というものは、かなり安定状態に来たことは事実。ただ私どもが心配しているのは、米の増産だけをやっておりますと、消費者の側からは、必ずしも消費が伸びない。こういう面もすでに起こっているわけであります。 そこで、できれば量よりは質のほうでなるたけ変わってもらいたい。これも時間がかかります。私が長く申し上げますと、皆さんの御質問の時間をとりますから失礼でありますけれども、農業というものは急激な変化を与えてはならぬ、それから農民の諸君に不安を与えてはいかぬ、これは当然であります。そういう中で、私は、この間もここで申し上げたのでありますが、ほかの方面からいろいろ急激な意見が出ているが、これはある意味じゃ参考になるけれども、ある意味じゃ、農林大臣としては迷惑であるということをこの席を通してはっきり申し上げた。そういう総合農政の中で米は大事だが、ただし、米の今日の自給率がどうかというと、四十一年はすでに九四%、昨年は一一〇%をこえておるでありましょう。しかし、少なくとも一〇〇%は維持していかなければならぬ。これは当然なことだ、こう考えております。
○工藤委員 具体的にお聞きをいたしますが、一昨日出されました「米価に関する資料」、これによりますと、ことしの古米の持ち越し高が二百六十五万四千トン、こういうことになっておりますが、これは同じ食糧庁の試算でございますが、四十三年二月に一応米穀の需給の概要というものが出されておりますが、このときに試算をいたしておりますのが二百三十四万五千トン、昨日の米審の、これは新聞報道でありますし、内容は私ども、非公開でありますからよく存じませんが、食糧庁長官が、手持ち米は三百万トンだということをおっしゃったということが出ておるわけでありますが、ここ二、三カ月の間に手持ち米がたいへん大幅にふえたということで、私どもは、どの資料をほんとうにすればいいのか、さっぱり見当がつかないわけでありまして、大きな疑いを持たざるを得ないわけです。これは故意にした宣伝だということも逆に出てくるわけで、この点は、食糧庁の需給計画はどうなっておるか、どれがほんとうなのか。こういうことで米価の算定あるいは需給問題を一般に公表されたのでは困る、迷惑をする。この点を明らかにしてもらいたい。
○田中説明員 ただいま御質問のございました、二月ごろに食糧庁が対外的に、翌年度への繰り越し見込みの数字を大体推定いたしておりますが、この二百三十四万五千トンというのは、予算の計画のときに見込んでおった数字でございます。 そこで、実は本米穀年度と申しますと、昨年の十一月から始まっておるわけでありますが、その米穀年度の見込みでまいりますと、今年度末が二百三十四万五千トンということで需給計画を立てたわけであります。ところが、昨年の十一月からずっと米の売却量が、非常に予想外に減退をいたしまして、三月ごろまでには、大体前年度対比で三十万トン近くのものの売却減が見られたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、大豊作下における十一月以降の売却異変かというような感じを持っておったわけでございまして、いろいろその辺を慎重に検討いたしておったわけでございます。四月以降は、大体予算に計画しております月別の水準に戻りつつあるということが、ようやく判明をいたしたわけでございまして、六月ごろになりまして、昨年の十一月から三月ごろまでにおける落ちくぼんだ数量は、ほぼ回復はできそうもないというようなことからいたしまして、最近の見込みといたしまして、二百六十五万四千トンという繰り越しを見ておるわけでございます。 それからもう一つは、長官が三百万トン近くのということでございましたが、これは二百六十五万四千トンを玄米のトン数に直しますと、大体三百万トンということになるわけでございます。二百六十五万トンというのは、精米のトン数でございますので、玄米に直すと大体三百万トンという数字になるわけでございます。
○工藤委員 確かにこの資料によりましても、買い入れ量は玄米トンで出し、消費量のほうは精米トンで出す。こういうことでどうも資料の出し方につきましても、非常に混乱をするようなところがある。 それじゃ、いままで持ち越し米は、玄米トンでいってきていないわけですか。全部精米トンでいってきたわけですか。きのうになって玄米トンで三百万トンという宣伝をする。一般はどういう受け取り方をしますか。いつの間にか手持ち米がふえたと思う。主婦連の方なんかおそらくまっ先に、こんなに余ったときに米価を上げるのはけしからぬということが出てくるでしょう。あるときは精米トンをとり、あるときは玄米トンをとる、こういうことをやるからこそ、非常に大きな統計上にインチキといわれる要素が出てくる。なぜ統一しないのですか。たいへん横道にそれますけれども……。
○田中説明員 需給計画につきましては、この「米価に関する資料」にもございますように、全部精米トンで統一をしてございます。ただ、政府の買い入れ量を一応あれします場合に、普通の場合には、大体玄米で買うわけでございますので、玄米トンでことしの買い入れ量が大体八百八十万トンとか、こういうことでやっているわけでございます。そこで、おそらく長官が申されましたのは、ことしの新米が八百何万トンという買い入れが見込まれるならば、その中におきまして、前年度からの繰り越しは、その玄米に対比しますと三百万トン近くのものが繰り越される、こういう意味で、むしろその買い入れのトン数を玄米ということでいっていることからして、それに関連して、持ち越し米を精米トンでなくて玄米トンで発言されたんだろう、こういうぐあいに思うわけでございます。
○工藤委員 そのようなことで、いろいろ言ってもしようがないと思いますけれども、とにかく食糧庁の需給計画が非常にずさんである。その犠牲を受けておるのはだれか、結局は農民なんであります。三十七年、八年、九年と統計的に見ますと、一万数千トンしか手持ち米がなかったということで、農林省はその点で、非常に一生懸命米の作付奨励をやっているはずであります。これは、土地改良長期計画を見てもわかりますように、そのことが明らかなんであります。 ところが、ことしの予算編成の際に、どういう考え方で出したのかわかりませんが、予算編成の際には、ことしの買い入れ量は八百五万トンというように出しているわけなんです。ところが、今度の米審に出てきた算定の基準になっておりますのは、八百八十万トンことしは買わなければならぬ。これは、当初の予算からいたしますと、すでに八十万トンの開きがあるわけでありますよ。これは、予算的な措置としてだれがかぶるのか。生産農民の生産者価格を押えるか、消費者価格を上げる以外に——大蔵省からは二千四百十五億という調整勘定の繰り入れで締められているわけでありますから、そういう問題については一体どうするわけですか、どういう方法を講じますか、明らかにしていただきたい。
○田中説明員 お答えいたします。 ことしの米穀年度の当初の需給計画におきましては、過去におきましての最高の買い入れ見込みを一応とったわけでございます。それは八百五万トンという数字になっておるわけでございますが、その後におきまして、十二月以降になりまして、農林省の中において、ことしの平年収量はどの程度になるかということで、一応正式に千三百二十二万トンということが、ことしになりましてきまったわけでございます。したがいまして、これは今後の作柄いかんによるわけでございます。平年収量そのものが実現するかどうかは、すべて今後の問題でございますが、その平年収量に基づきまして、過去の十何年間の買い入れ比率を一応乗じて算定いたしますると、少なくとも千三百二十二万トンの平年収量が大体実現するとするならば、八百八十万トンという買い入れの可能性というものが出てくるということで、八百八十万トンという数字を出しているわけでございます。 ただ、千三百二十二万トンという平年収量は、過去におきましても、去年の千四百四十五万トンに次ぎ、平年収量そのものが非常に高いわけであります。これらにつきましては、農林省部内におきまして、統計調査部を中心といたしまして慎重に検討した結果この数字が出たわけでございますので、かりにこの試算に基づいて買い入れの見込みを立ててまいりますと、そういうような数字が出る、こういうことでございます。
○工藤委員 ことしになって千三百二十二万トンが大体見込みがついたということでございますが、この統計によりますと、四十二年産の買い入れ量が八百六万トン、生産量が千二百七十四万五千トンですね。そうするとあなたのところは、一昨年八百六万トンだから、見込みをとって、大体八百五万トンぐらいでよかろうという試算をしたのか、長期的なきちんとした需給見込みの上に立って、来年度はどのくらいとれるであろうということで八百五万トンにしたのか、それとも総合予算主義の名のもとに、二千四百十五億というものにつじつまを合わせるために八百五万トンにしなければならなかったのか、その点を明らかにしていただきたい。重大な問題ですから……。
○田中説明員 四十二年産米というお話がございましたけれども、四十二年産米ではなく四十一年産米でございます。四十一年産米の買い入れが八百万トンをこえているわけでございます。そのときの生産が千二百七十四万五千トンであったわけであります。 そこで、予算編成のときでございますが、これは十一月ごろから予算編成をするわけでございます。その当時といたしましては、やはり過去の最高ということになりますと、四十一年産の買い入れ量が最高であるわけでありますので、この数字を一応とったわけでございます。したがいまして、その背景といたしましては、生産量の推定というものが、やはり過去におきましても千二百七十万トンから八十万トンが、大体その当時のほぼ前年あたりの平年収量というようなことにもなっておりますので、買い入れ量におきましては過去最高——その前の年でございますが、最高をとって一応算定したということでございます。
○工藤委員 この問題については大臣、どういうようにお考えでございますか。これからの長期見通し、あるいは米価をきめるにいたしましても、需要と供給の関係を算定するにいたしましても、非常に重要な問題でありまして、私はこの予算上の積算の基礎と、現実の問題とは大きくさらにかけ離れていくだろうと思うのです。それらの関係について、大臣の責任を一体どのようにお考えになっているか。
○西村国務大臣 私はこう考えております。予算を編成するときには、まだ次年度の需給推算というのはなかなかっかみにくいと思います。先ほどの千三百二十万トンというのは、大体今年度に入りまして、時期がいつであるかは説明させますが、いずれにしましてもこれは推定でありまして、これからの作況その他の場で確定するわけであります。九月にならなければ、作況も最終的には見通しは立たぬ。予算におきましては、したがって過去の最高の買い入れ数量をとり、大体そのころにおける平年作というものの検討、その後において今度は今年度においてのいろいろな資料を集めて、いわゆる今年度の平年作というものが千三百万トン、こういう数字を出して、そうして平年作に対する過去の買い入れ量というものによって八百八十万トンになった。したがって、予算におきましては、たしか八百五万トンか六万トンで計画を立てているわけでありますが、そのもとにおいての予算編成をやる。これは財政上の理由でありましょう。 確かに私は、総合予算主義そのものは直接農民に関係はないんだ、あくまでも財政上の理由として、いわゆる国民経済の運行の中における財政としては総合予算主義を貫くとして、国会で御審議を願って一応済んだわけであります。それを政府の姿勢としている、こういうことであります。
○工藤委員 それは、大蔵省を説得するためには確かに量を少なくいたしまして、予算を二千四百十五億に押し込んでしまえば、それで事は済むわけです。しかし、現実の問題としては八百八十万トンなり、あるいは九百万トンとれるわけでしょう。そのことのために、苦肉の策として自由米も考えなければならぬという結果になるわけでしょう。なぜそれを率直に打ち出さないのですか。表面的にいかに糊塗しようとも、現実の問題としては八百八十万トンも九百万トンも集まるわけです。そういう計画的なきちんとした需給体制のもとにおいて、初めて日本の食糧の問題も解決をしていくのではないですか。それはやはり根本に依然として、食糧庁長官がいみじくも言ったように、現行食糧管理制度の中で自由米が認められるという考え方に、私は端的に表明できているのだと思う。大臣はさっきからしきりにこの問題については、現行管理法の中でもできるという発言をなさったようでございますが、私は、この点については非常に大きな疑問を持たざるを得ないわけです。この点について、ひとつ解釈を明らかにしておいていただきたいと思うのですが、私が申し上げるまでもなく、第一条の、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧を管理シ其ノ需給及価格ノ調整並二配給ノ統制ヲ行フコトヲ目的トス」こうなっておりますが、この中で、需給の調整ということは、多い場合には含まれないのか、足らないときだけ食糧を集めれば需給の調整ということは済むのかどうか、その点を一点私はお聞きしたいと思うのです。
○西村国務大臣 もちろん食管法は、足らない場合にはそこに輸入ということも行なわれたし、それから多い場合でありましても、政府は当然今日まで買ってまいって、現行法が変わらない以上は、私としては、今年産米は一応全部予約をとって買っていくという姿勢をとっているわけです。もうすでに今回は、予約米が二日間で六百万トン以上あり、一週間で七百万トンの予約があった。しかし、これからの天候、作柄によってはまた変わってまいるかもしれない。 もう一つは、予算をつくるときには、言いかえれば、新米穀年度の開始間もなくもう予算編成でございます。ですから、これは計画経済ではないのでございまして、農民の意欲もありましょう、いろいろな形で変わってまいるわけであります。そこで、過去の最高をとってきた。しかし、その後においての推移を見てずっと計算をしてきた結果千三百万トンになる。そうすると、過去の最高と多少、八十万トンくらいの違いは起こっておる。しかし、総合予算制の中でこれを解決していかなければならぬ。したがって、八百五万トンが八百数十万トンになっているから、それをもとにして今年産米を自由米にする、私どもはこういうようなことを考えているわけではないのでございます。
○工藤委員 そういたしますと、食糧管理法は、あくまでも全量買い入れがその前提になるということを明らかにしていただきたいと思います。
○西村国務大臣 今年産米は、私どもは、現行食管法によってすでに予約を受け付けて概算払いもしましょう、こういう体制をとっているわけであります。
○工藤委員 本年産米はということではなくて、食糧管理法は、全量買い入れをあくまでも基本にしているのだということを明らかにしていただきたいということなんです。
○西村国務大臣 食糧管理法自体の法律的解釈というものは、先ほど申し上げたように、全量買い上げという形を一応とっていない。それは、命ずるところに従ってとあって、法律的には要求しておりません。これは法律論としては、また今後皆さんとゆっくり法律論をかわせばいいのであります。 ただし現実の問題として、私どもはそうでないのだ、少なくともことしの産米については予約を受け付けて概算払いをする、そうして産米を買い入れていく、こういう姿勢をとっているわけでございます。
○工藤委員 時間が参りましたけれども、この点はもう少しはっきりしておかなければ、どうもあいまいであります。 それでは、第四条の二以降に麦の買い入れの問題について規定をしてございます。この麦の買い入れの中には——麦は御存じのとおり間接統制であります。自由に売っていいわけであります。しかし、一定の価格でもって政府が買い上げる、それについては政府は無制限に買い上げるという規定がうたわれているわけです。米の問題について、なぜ無制限に買い上げるという規定をうたっていないのですか。ことさら麦の問題について無制限に買い上げるということをうたってあるということは、この第一条の目的の中には、当然米は無制限に買い上げるということが入っているという前提に立っておるからこそ、四条の二以降の中で、麦はことさらに条文にうたわなければならなかったわけじゃないですか。明らかにしてください。これは重大な問題です。
○西村国務大臣 私は、あなたとは解釈を異にするわけであります。麦のことにつきましては特に「無制限」と書いてあります。第三条の米につきましては、「命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シタル米穀ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府ニ売渡スベシ」これだけになっているわけでありまして、あえてそこが違うわけであります。
○工藤委員 それでは、その「命令」とは一体どういうことをさしておりますか、はっきりしてください。
○田中説明員 「命令ノ定ムル所」といいますのは、現在の食管法三条の一項につきましては、事前売り渡し申し込み制度というものが出ているわけでございます。それに乗っかったものは、少なくとも町村長が認定をいたしまして、生産量、それから従来の売り渡し量、保有米関係を見まして、そうして第三条による義務供出数量とみなすということで大体出ているわけであります。
○工藤委員 政府に売り渡すべき米穀に関する政令、この中に確かにそれはうたわれているわけであります。その中にどういうように書いてありますか。第十条、「市町村長は、農業再生産に支障を生じないように、農林大臣の定める生産者保有米穀及び種子用米穀を確保して政府買入数量を定めなければならない。」生産者が再生産に必要な保有米だけはまず確保しなさい、それと種子米を確保して、あとは全量売り渡すことになっておるのがこの一貫した趣旨なんですよ。そんなことは食管法の常識じゃないですか。それを、ことさらにいまここになって、なぜ全量買い上げしないということを言わなければならぬのか。私は、全量買い上げをしないために食糧管理制度を改正しますよということならば、それなりに筋が通ると思うんですよ。一貫してこういうようになっているじゃないですか。これはどのように解釈するわけですか。 それじゃもう一つお伺いしますが、大臣、食糧管理法によって他に食糧を売り渡してはいけない、買ってはいけない、こういう規定に基づいて、過去数十年にわたって何人の人間が何件罪を着せられて、食糧庁はどれだけの米を没収しておりますか、明らかにしてください。そんなことをやってきているのでしょう。
○西村国務大臣 私は、食管法三条の第一項の規定を正面から解釈すると、生産者はその生産した米穀は政府に売り渡す、命令で定めるものを政府に売り渡すとあって、法律は必ずしも、政府の側からは無制限に買い入れを要求していないのです。しかし、食糧管理法の運用の歴史もずっとありますし、それから、制限買い入れを実施することによってまた他のいろんな関連があります。それだけに、単に法律的な解釈だけではいけないから、事柄の当否については今後の検討問題である、こういうふうに私は解釈する。 それから当年産米については、予約について、無制限の予約の概算払いをいたしましょう、こういう姿勢をとって、すでに受付をどしどしいたしておるのであります。
○工藤委員 それは言いわけにすぎないと思うのです。農林大臣がそういうことを言うのではなくて、過去の歴史的な経過というのをさっき湊さんがおっしゃったように、昭和八年には米穀統制法というのができているわけでしょう。臨時米穀移入調節法が昭和九年にできている。米穀自治管理法、籾共同貯蔵助成法が昭和十一年にできているのです。これがそもそもの食管法のはしりなのです。このときは食糧があり余って、農民保護の立場でこれらの措置がとられてきているわけです。しかし、それ以降不足時代に入ってまいりまして、食糧管理法の運営というのは確かに、足らない食糧を確保するために農民に強制をし、ある場合には生産費を割り、ある場合には保有米までも徴収されていったわけなんですよ。そういう歴史的な経過を踏まえて、いま食糧管理法の本旨を私は考えていかなければならぬと思う。農林大臣、どうですか。いまのその文章にかかれた解釈は、まことに一方的な都合のいい解釈にしかすぎない。これは私は、できれば法制局長官を呼んで、それらの内容について十分に検討していただきたい。どうですか。
○西村国務大臣 私の解釈は、法律上はそういう解釈をいたしておりますが、過去の経緯というものはさっき申し上げました。これは一つの過去の経緯、あるいは実態とか、あるいはその他の関連するいろんな、たとえばそれじゃ買い入れないものはあとどうするんだというような、いろんな関連を考えた場合には、直ちにそれを実行するのだとかそういうことでなくて、こういうものはそういう解釈が一応理論上はあり得るのだ、こういうことを私は言っておるのであります。
○工藤委員 私は、少なくとも大臣は、現行食糧管理法というものは、米については全量買い入れというものが前提なんだ、したがって、第四条の二以降において、麦の特別な規定をうたわなければならないというのが食糧管理法の本旨なんです。もしもあなたが自由米をやりたいということであるならば、まず、食糧管理法の改正を国会に出すべきなんです。しかる後に、あなたは具体的な政策を打ち出すべきなんです。私は、そのことをはっきりと大臣に申し上げまして、時間も参りましたから、質問を終わりたいと思います。
○坂村委員長代理 玉置一徳君。
○玉置委員 ただいま食管法の問題につきまして質問が展開されておりましたが、私も農林大臣にお伺いしたいのですが、法律というものは、どういうように長らく国民の間に規範意識としてそれが浸透しておったかによってものを判断せなければいけないのであって、文字というものはどうとでも私は考えられると思うのです。だから、まず立法者の趣旨がどうなのか、それが習慣として国民の間にどういうように守られてきたかという点が、一番大事じゃないかと思います。 そういう意味では、いま農林大臣のお話しのようなことを、食糧庁長官の檜垣君が、米審の懇談会の席上、そういうことはでき得ますということは言うておりますけれども、農林省は、買い入れを農民が要求した場合には、これは買い入れざるを得ないのだというのが、多数意見のように新聞にも出ております。現在までの農民感情としては、一切政府の命ずるところに売らなければ、あるいは政府に直接売らなければ、これは一つの罪の行為であるということをみんなが思っておるわけでありますので、少なくとも、ただいまも御質問がありましたとおり、今後こういう解釈なりこういう法改正でやっていきたいと思うときは、率直にそれはそれで提案されていいわけでありますが、現在は、ことしの米価に限りというようなことでなしに、現在の法の解釈としては、どこまでもそういうように、いままで農民感情として、国民感情としてやってきたとおりを、やはり率直に認めておいたほうが正しいと思うのですが、いかがでありますか。
○西村国務大臣 私は、自由米を実行しようとか、そういう考え方を、いまここで結論を持っておるわけではないのでございます。 ただ、御存じのとおり法律論、法律上のあれからいえばそういうような解釈もできるが、しかし、実際はそれに伴うてのいろいろな歴史というものがあるじゃないか。だから、私はいつも、この間うちから申しますように、食管制度をかりにいじる場合におきましても、十分に時間をかけて広い観点からこれはやっていかなければ、国民生活になじんでいるものだ、こういう趣旨で申し上げた。 ただ、法律的にどうだと、こういうふうに責められると、私も専門家ではありませんけれども、一応法理解釈では、食糧庁長官も、これは法律上義務を与えておるのだ、こういうふうな解釈をいたしておるわけなんです。
○玉置委員 それは檜垣君の解釈であり、衆議院の法制局長もそういう言い回し方をよくしますが、私はやはり、法律をほんとうに学んできた人間は、そういう解釈はしないと思うのです。 そこで、順次伺ってまいりたいと思いますが、大臣は、食管制度の根幹は堅持する——堅持ということばは、そこまでおっしゃったかどうかわかりませんが、それからまた同時に、別な機会に、総合農政の展開のときに、ただし改善すべき点も多々見受けられるように感じるから、この点も将来に向かって改善すべき点は改善する、こういうようにおっしゃっておるわけですが、そこで、食管制度の根幹というものは一体どう解釈されておるか、それから何を指さすのか。同時に、改善すべきものというものが、何をほぼ想定され、指さしておいでになるのか。こまかい点になりますとその他の方でけっこうですが、お示しをいただきたいと思います。
○西村国務大臣 食管制度の根幹という抽象論からいきますと、いろいろ議論のあるところだろうと思います。したがって、これからも国会の場において、また私ども政府内部においても、大いに将来議論しなければならぬだろうと思います。 ただ、現行の食管法は確かに国民に根づいておる、浸透しておることも事実であります。しかし同時に、戦時中にできたいろいろな経過を考えて、今日までの状態、また今日の、当分の間における需給の緩和状況、これも考えた場合に、現状にとまっていていいということは少ないのではないか。だから、私はこういう表現を使ってもいい。改善ということがよければ、よい食管法にもう少し進むべきではないか。よい食管法の中で、消費者と生産者というものが安定しながら、いわゆる食管法によって国民経済の中で必要な食糧というものを安定的に確保していく、こういうようなことを守り抜いたらいいんじゃないか、こういう考え方であります。
○玉置委員 それならば事務当局にお伺いしたいのですが、米の買い上げの制限、したがって一部やみ米の公認ということばに置きかえられるわけですが、こういうことが、これはどの官庁からか軽気球のように上がったわけですが、これがはたして食管の根幹に触れるかどうか、簡単にひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○田中説明員 買い入れ制限、それに伴いまする一部自由米の承認というようなお尋ねでございますが、先ほどから大臣がお答え申し上げておりますように、例の命令の定めるところによって義務割り当てをいたしまして、農家に売り渡し命令をかけているわけでございます。そのことからいたしまして、その法律の裏には、無制限に買い入れを政府が負っているかどうかということについては、やはり解釈上の問題点があるということは、先ほど大臣も申し上げているとおりでございます。それから政令の第五条の五を見ますと、やはり食糧を確保するために第三条による売り渡し命令をかけているわけでございます。それを確保する一つの手段といたしまして、農家は政令の五条の五によりまして、売るときには政府以外には売ってはいけないというその項目を設けているわけでございますので、その観点からいたしまして、現在の体制下におきましては、やはりこれは政府以外には売れないということになっているわけでございますが、法三条の解釈問題につきましては、先ほど大臣が申し上げたとおりでございますので、その点については、無制限買い入れを前提とした解釈論が必ずしも成り立つかどうかということについては、やはり解釈上いろいろ問題がある、こういうことでございます。
○玉置委員 その話はあまりにも身がってな話でして、片一方には義務を完全に課しておいて、片一方はどうとでもいけるというような解釈は、これはまことに表裏一体にならない表現でして、身がってな三百代言的なあれだと思います。これは農林省でも、心ある職員諸君の大多数は、それは政府にしか売れないのだという点から考えても、この考え方は間違いであるというようになっているということを聞いておりますので、ひとつ国会答弁だけそうやって逃げることを事とせずに、ひとつほんとうにまじめな統一見解をすみやかにお立て願いたいと思います。 次に、もう一度同じことを聞きますが、両米価同時決定ということは、食管法の妙味というものをなくするものだと思います。したがって、今度諮問されたものは、おそらくいろいろな事情で同時決定は避けられたけれども、同時決定の一つの布石を完全に置いたものだ。こういう点では、少なくとも食管法の運用のうま味と申しますか、食管法の精神からいってあまり好ましくないものであると思いますが、官房長どうお思いになりますか。
○西村国務大臣 食管法で生産者米価、消費者米価をそれぞれの基準をもって決定する、これは御存じのとおりでありますが、しかし同時に、これは無縁のものだとか全然関連がないということではございません。しかし私どもは、消費者米価をきめることによって関連づけて、そうして生産者米価を抑圧しよう、そういう考え方はございません。あくまでも生産費確保、片方では消費者の家計安定。ただし過去におきましても、私の記憶が十分でないかもしれませんが、同時に関連づけて諮問した例はあるそうでございます。
○玉置委員 そこで米価の決定ですが、これは「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」、そして昭和三十五年から生産費・所得補償方式でやっておる、こういうことでありますが、ある省によりましては、需給に見合った分だけを生産費・所得補償方式にしておいて、需給に見合わない分は安く買い上げる。いわゆる七百七十万トンが必要で、八百八十万トンできるといたしますと、百十万トンだけは何らかの形で値を安くする。今度の政府試算にも一応そういうふうに出たように見受けますが、これはまた先ほどの話に戻りまして恐縮ですが、先ほど申しましたいわゆる食管、したがって生産費・所得補償方式できめるという精神からすれば、それにもとっておる、こう思うのですが、需給を考えてやれということは、これは運営のほうでありまして、米価決定の条項には入らぬと思いますが、どういうようにお考えになりますか。
○西村国務大臣 お話しのようなものは、今度の参考案にひとつ出ております。需給量とその他の米とを二段階で加重平均か何かしておる。そういう考え方は食管法違反じゃないかというようなお声もあるかもしれませんが、私どもはそう考えておりません。再生産確保、消費家計の安定という一つの基準の中において、経済その他の事情をしんしゃくし、そういう中には当然需給関係も入っていいし、物価関係も入ってよろしい、財政関係も入ってよろしい、こういうように考えております。
○玉置委員 要するに、食管法というものをかなり厳密に解釈をいたしますと、違反ということばは語弊がありますれば、その精神に若干もとるような、あるいはゆるめたような解釈を今度はとっていることが非常に多いと思います。そういうような軽気球がずいぶん上がったことも事実でありますので、ひとつ今後こういうことを考えられるときには厳密に御解釈いただいて、法改正が必要なものは法改正をするというような、すっきりした形でやっていただきたい、かように思います。 そこで、もう一つ事務当局にお伺いしておきますが、法解釈によらずに政令でもって変えられるようなものは、一体何と何と想像されるか。どういうことを検討しておるか。
○田中説明員 政令でいまございます問題につきましては、先ほど五条の五ということで、政府以外に売ってはいけないというような規定が実はあるわけでございます。それからまだ、食管法では三条に基づきますところの事前売り渡し政令、こういうものもあるわけでございます。政令で検討するもの等につきましては、おもだったものはそういうものでございます。
○玉置委員 農林大臣にお伺いしたいのですが、先ほども申し上げたのですが、米が余るときもあるけれども、ここ一二年前までは非常に逼迫して往生したというので、外国からの買い上げも一生懸命やって、ようやく端境期を乗り切ったというのもほんのこの間の状況でございます。そういうような意味では、需給が非常にだぶついてきて、古米の在庫の処理の問題も頭の痛い問題ではありましょうけれども、これは、いわゆる米の作付転換なり、あるいは値段を安くすることによって米価を押えようという形ではなしに、それはそれなりの、余ったときにはどう処理するかという有効な方法も、十分検討しなければならないのじゃないか。なるほど、こちらの米のほうが外国の米よりも高いですから、輸出はなかなか不可能だと思いますけれども、前からいわれております三国貿易、四国貿易の形でもって、十五万トン、二十万トン輸入するものをよそに回すという手もあるが、三百万トンになんなんとする古米問題をすりかえていくという方法もなきにしもあらずだ、こう思うのですが、こういう問題についてどのような熱意で御検討なすっておいでになるか。
○西村国務大臣 古米の扱いにつきましては、去年の米が来年のつゆを越すというようなことになると、二度つゆを越すということになり、味が落ちます。だからそういう点については、やがては古米格差の問題等も考えていかなければならぬ。そういうようなこと等も大きな問題だと思いますし、それから、保管につきましても大体同じであります。 輸出につきましても、私どもはいろいろくふうをしておりますが、ただ、御存じのとおり、率直に申しまして、当年度あたりに入ってまいりますのは、半分近くは中共の米でございます。これが、それではよその国へはたして簡単に三国貿易の形で行き得るかというと、行けないというような状況もあります。 それからもう一つは、これは国際価格の問題から見ると、それならば日本が特別な財政負担をするかという別途の問題が考慮されなければならないと思う。したがって私も、各方面の御意見を徴しながら、古米処理については——古米が多いからといって、古米は一面においては国の力だと私は言っているのであります。持ち越し米が多いということは、国の力であり、農民の努力でもあるということは、私がきょう閣議でも申し上げたところであります。国の力でもあり、農民に感謝すべきものでもあるのだ。米が多かったことは悪いことであるような印象を与えるのは、農民に対していけないことである。そういうようなことをして、先ほど申しましたように、生産者と消費者に背離感をつくるということは政府としてはとるべきではない。ただ、現実にある古米というものは、これは国民の負担において買った米でありますから、品質を変えたり、あるいは妙な処置をしないように、私どもとしては、率直に申しまして頭の痛い問題でございますが、あらゆる手段を講じていく。 それから、やがて出てくる新米等の将来の問題については、もみ貯蔵の問題とか、あるいは低温貯蔵とか、いろいろのくふうというものも、やり得るものならばやってみたいという考え方で、事務当局のほうも真剣になってこの問題は努力をいたしておる次第でございます。
○玉置委員 現在のいわゆる米審ですが、米審の答申はやはり政府としては尊重しなければならないと思うのです。私たちはこのことを、いろいろないきさつがございまして認めていないような形になっているわけでありますが、自民党には、そのほかに自民党の米価調査会、それから自民党の議員でおつくりになっております米価対策協議会等がございますが、先ほどもお話しのようにわれわれの立場からすれば、今度は政府がほんとうに責任をもってひとつこれを考えていただきたい、政府の責任で決定していただきたい、こういうように主張しているわけでありますが、どのような手続、方法で、大体いつごろ米価は決定になるものですか。
○西村国務大臣 米価審議会も、残念ながら、非常に強い御陳情がありまして半日ばかりおくれてしまいまして、そういうようなことがあまり続きますと、審議会もなかなか順調に運びません。しかし、きょうのような形で運ばしていただきますれば、一応明日か、おそくも明後日にかかるかかからぬかで御答申が出ると思います。それから、自民党は一応政府との関係が深いのでございますが、一体になっておりますから、十分意見を反映しながら、政府の責任において最終的には決定をいたしたい。いろいろ各方面から来ておられる方もお疲れになると思いますから、なるたけ円滑な形で決定をいたしたいと思うのであります。
○玉置委員 政府の顔に三つも四つもございまして、片方では渋いやつを出していき、米調のほうではぽんとにぎやかなものを出されるわで、農民もどれを当てにしてよいのか弱ると思うのであります。どうぞひとつまとまった形で、一番いい値段をお出し願いたいと思うのであります。 そこで、最後に御注文申し上げたい。要するに今度は、米価が非常に高いから、需給がだぶついてきたから、古米の処理が困るから逆ざやがどうだとか、いろいろな点で生産者農家だけが、この米価決定時期に罪を犯したような気持ちにならざるを得ないようなPRがあまりにも多過ぎた。だれがうまくあやつっておいでになるのか。農林大臣は、私は農林大臣です、こうおっしゃいますが、それはもうわかったことで、それをその他の大臣やいろいろなところで軽気球を上げたり、演出はまことに上手なもので、だれがやっておいでになるか存じませんが、こういうことでは農家の方々に、ほんとうに安んじて農政を託しているというような感じを持たせないと思うのであります。要するに、米の値段を下げて、米価でいやがらせをしたからといって酪農がよくなるものでは決してありません。飼料の少ない日本で、生産費の非常に高くかかるところを酪農に切りかえようたって、とてもできるものじゃない。もっともっと国の投資をしなければいかぬ。しかもそれは、いまの食管の赤字よりももっと多くを要するやり方でもってやったときに、初めてそういう切りかえができると思うのです。そういう意味におきましては、米作農家だけが悪者であるような印象を与えるようないままでのやり方、そういうことを今後厳に慎んでいただきたいし、事大きく農政を転換するような場合には、生産者の代表も入れて、納得ずくでものがやっていけるような——これは大臣もおっしゃるように、これから所得をよけいにふやすような農政に切りかえていける見通しがついたときに、農家の方々もきん然と協力をすることになるのでありまして、そういう算段がないところでやっても、学者やその他の方々が横からくちばしを入れたからといったって、実際につくる農家が納得いたしません。どうぞひとつそういう点もお考えいただきまして、今度の米価につきましても十分農家の実情を勘案されることを、心からお願いをしたいと思うのです。
○西村国務大臣 その点で、ちょっと一言申し上げておきます。 私は、農民から奪うとか押えるとか、そういうようなことはあるべきじゃないと思うのでございます。おっしゃるとおりでございます。長期の展望の中でものを解決しなければ解決をしない。しかし長期というものは、やはりきょうならきょうから連続して始まるということもまた事実でございます。そこをやはり考えつついかなければならぬ。いつも申し上げるように、農業というものは、きょう言ったから、工場生産のようにあした変えられるとか、計画でぱっと変えられるという簡単なものではございません。生活、歴史、それからそのところの土地、風土に根づいたものでもございます。 それから同時に、私の総合農政の中には、他の問題に対する、いわゆる基盤的な問題に対しても、もっと国家投資があってしかるべきだ。また、私は私の責任において財政なりを確保しなければならぬ。これはもう私は財政関係者とは違った考えに立っているということだけは、この機会にはっきり申し上げたいと思うのでございます。御協力をお願い申し上げます。
○坂村委員長代理 次は樋上新一君。
○樋上委員 時間の関係上、重複を避けまして、簡単に要点のみ質問申し上げます。 政府は、わが国の食糧自給度について、将来どの程度堅持しようとしているのか。特に、主要穀物について明確なる計画をお示し願いたい。 また、主要穀物のうちの米作については、完全自給すべきであると考えているのか、それとも輸入すべきと考えているのか、この点、明確なる大臣の見解をお聞かせいただきたい。
○西村国務大臣 私は、少なくとも米については一〇〇%安定的な自給はしたい、これはもう当然なことだと思います。問題は、その他につきましては、養鶏とかその他くだものとか、かなり自給率の高いものもございますし、それから酪農につきましては、肉、卵等につきましても、そのものはある程度自給率が高くても、そのもとにあるところの飼料そのものは今度は自給率が低い。こういうようなところを国の実情に合うようにひとつやっていかなければならぬ。 そこでもって、かねがね申し上げているように、秋ごろを目ざしまして、そういったような一連の需給の長期見通しを立てて、その上での生産対策を総合農政の基盤として進めてまいりたい、こういうことでございます。
○樋上委員 あとの輸入の件については、どうお考えになりますか。
○西村国務大臣 一部間違った考え方だと私は思います。カリフォルニア米が安いからそれを入れればいいんじゃないか、そういう単純な議論はとるべきじゃない。そういう考え方はありません。ただ、どうしても国内において自給度の上げにくい条件のものもございます。そういうものについては、やむを得ず外国から入れてこなければならぬものもあろうと思います。
○樋上委員 輸入の件につきまして、東南アジアの米食地帯において、米作の増産率より人口増加の率のほうが多くなってきた。食糧需給事情は今後ますます悪化すると私は考えるのですが、その点について農相はどうお考えになりますか。
○西村国務大臣 世界全体としては、それほどのあれはないのですが、東南アジア自体は、食糧については確かに需給事情が悪い、これはもうおっしゃるとおりでございます。したがって、これ自体については私どものほうも、海外援助の一環として技術その他の援助に人が出たり、いろいろやっている状況でございます。
○樋上委員 そのような国際的な需給事情がますます悪化する状況から判断しても、当然輸入米にたよるべきではないと私は思うのですが、この点どうでございましょう。
○西村国務大臣 米につきましては、先ほど申し上げたとおり、私は一〇〇%自給をしたい、これは続けたいという考えでございます。
○樋上委員 じゃ、古米のだぶつきが問題にされていますが、保有米の必要量はどれくらいが適切だと考えておられるのですか。私の考えでは、不慮の災害、たとえば干ばつや冷害または台風被害等に対処するために、少なくとも半年分または場合によっては一年くらいはあってもよい、こう思うのでございますが、この点いかがですか。
○田中説明員 ことしの繰り越し米につきましては、先般来いろいろ御議論がございました二百六十五万トン近くのものになっているわけでございます。今後、作柄変動その他備荒的な問題を含めまして、どの程度の繰り越し米が適当かどうかという問題につきましては、政府が現在食糧管理法によりまして米を直接統制いたしております現状からいたしまするならば、往年のような備荒貯蓄的な数量は必要であるとは私どもは考えておりませんし、また、その辺が、どの程度持ち越すべきかということにつきましては、いろいろ議論のあるところだと思うわけでございます。したがいまして、今後いろいろのことを考えてまいります場合におきましても、この統制下においてのそういう安定的な米の流通が確保される等の場合におきましては、その量は、かつてのようなそう膨大な数字ではなくてよろしいのじゃないか、こういうぐあいに考えます。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕 そこで具体的には、ことしの二百六十五万トンのような持ち越しは、現在の管理制度のもとにおきましては、これは多過ぎるということを申し上げて差しつかえないと考えます。
○樋上委員 それはどのくらいあればいいかということを聞いているのですよ。
○田中説明員 具体的にそれには答えにくいわけでございますが、昨米穀年度から今米穀年度に繰り越しました政府手持ちの繰り越し米は、約六十万トン近くになっておるわけでございます。この六十万トンにつきましては、現在の配給制度下におきましては、相当配給に苦労をして配給をいたしたというような結果になっておるわけでございます。 したがいまして、この点いまの直接のお答えにはならぬと思いまするけれども、かりにその生産のフレがどういうような——現在の生産水準から見まして、豊凶の変動がどの程度あるのかということを考えました場合に、大体最近の傾向といたしますると、生産水準から、平年に対しまして約五%上下くらいの生産のフレというものが一応考えられるのじゃないか、こういうぐあいにも考えます。それから、やはり流通統制をいたしておりまするので、その面からいたしまして、三、四年前におきましては、古米の繰り越しが約一万トンとか二万トンとか、こういうこともあったわけでございますので、その適正な持ち越し量がどの程度であるかということは、これはにわかにはお答えできにくいわけでございます。
○樋上委員 それでは、余る余るということは言えないと私は思うのですがね。それは、そうあなたがおっしゃるのを聞いておきましょう。 それでは、秋には新米がとれるわけですが、この新米を保管して古米を先にさばいていくということをおっしゃっておりまするが、私は、古米は工業用、酒造用、菓子等に使って、新米は一般消費者に食べさせてはどうか、こう思うのです。また、古米の配給方法の検討をもっと真剣にやるべきだと思うのですが、いつも味の悪い米を食べさせて新米を積んでおく、この点はどうでしょう。配給制度についての方法の検討……。
○田中説明員 まず、これだけの膨大な繰り越し米対策につきましては、私どものほうといたしまして、昨年買い上げました米のこの繰り越し米に充当されるものにつきましては、できるだけ上位等級のものをもって充てていく。品質管理の問題につきましても、今後の配給操作の問題につきましても、今日、上位等級のものを繰り越すような努力をいたしてきておるわけでございます。 それから、御質問の、繰り越したこういう米につきまして、たとえば、一般家庭配給にはできるだけ新米をというような観点からいたしまして、工業用の用途等についてこういう繰り越し米を充当する努力をしてはどうか、こういう御質問のように承ったわけでございますが、私どもも、そのような方向で努力をしてまいりたいということは、もちろん考えておるわけでございます。ただ、工業用用途にいたしましても、工業用用途の大部分が実は酒米になっているわけでございます。酒米につきましては、いろいろ酒の品質保全あるいは酒の醸造技術というようなことからいたしまして、やはり新米に依存するというような要望が非常に強いわけでございますので、工業用用途に充当するにいたしましても、おのずからそこには限界があるわけでございますが、やはりささいな工業用用途等につきましても、できるだけそういうきめのこまかい措置を、ひとつとってまいりたいというぐあいに考えております。
○樋上委員 ところが政府は、このように米が増産されて古米がだぶついてくると、今度はその責任が、あたかも農家側にあるかのごとく国民に訴え、そして生産者米価抑圧に懸命になっているが、これは最も卑劣な、また無責任な態度であると私は思うのです。その点、政府はもっと責任ある態度をとってもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○田中説明員 繰り越し米の問題で、いろいろ配給上の問題等につきましても、私どもも、できるだけこの米が消費者に、少なくとも古米の配給によって不評をこうむらないような努力はいたしてまいりたいと思っておりますし、同時にまた、その繰り越した米によりまして、生産者の側に需給操作上の問題、あるいは米の問題等について非常な刺激を与えるというような考え方は、なるべくとってまいりたくないというぐあいに考えております。 それから同時に、今後の繰り越し米につきましては、先ほども大臣から申されましたように、やはり長期保管というような観点から、たとえば、低温貯蔵の問題にいたしましても、あるいは、最近農林省において各地でやっておりますカントリーエレベーターによるもみ貯蔵というような問題等につきましても、やはり各般の努力をしていくことが、将来のそういう長期保管体制に備えるゆえんだろう、こういうぐあいに考えております。
○樋上委員 農業労働賃金の上昇が、人手不足の農家に与える影響は大きいのですが、この米価決定に際して、農業労働者賃金の上昇を見るのは当然であります。そして農家の納得のいく米価の決定をなすべきではないか。 算定方式でありますが、政府は昨年とった方式と別な方式を考えているようだが、このように政府の考え一つで変えていいのか悪いのか、この点はいかがですか。
○田中説明員 ことしの生産者米価、先ほど諮問試算値ということで御説明した中におきまして、昨年と変わっている点等につきまして触れたわけでございます。特に、やはり大幅に需給が緩和しておる状況下におきまして、従来の生産費・所得補償方式によって、適正な限界農家の生産費を補償するというような考え方につきましては、ここである程度の情勢変化に即応するような調整的な措置が必要ではなかろうかというようなことで、たとえば、限界適正農家の算定の基礎になります平均収量から、標準偏差というものにつきましては、〇・九シグマということを採用したのも一つの事実でございます。 それから、時期別格差の問題ですが、これも、やはり大幅な需給緩和という背景下において、けさ御説明申し上げました暫定加算というような方向で試算いたしておるわけでございます。時期別格差の問題につきましては、昨年の十一月、農林省といたしまして、需給の大幅緩和に伴いまして、こういう制度は整理をするというようなことで閣議の了承を得ておりまして、その線に沿いまして、今年度におきましては、時期別格差は廃止をするかわりに、時期別格差にきわめて大幅に依存しておるという特別な県等に限定をいたしまして、暫定加算というような考え方で処理をしてまいりたい、こういうことでございます。
○樋上委員 大臣にお伺いいたしたいと思いますが、米価の算定でありますが、古米の増加や食管赤字とは関係なく、農民生活の立場に立って私は算定すべきであると思うのですが、需給事情を価格に反映させないために統制するのが、食管制度の眼目であると私は思うのですが、その点はいかがですか。
○西村国務大臣 生産者価格は再生産の確保、これが何といっても旨だ、これは食管法に書いてあるとおりでございます。しかし、その他の経済事情を勘案してと、また同時に書いてございます。その中には、需給の緩和の状況、また消費者米価とこれは無関係のものではございません。そういうような意味からも、古米格差その他を考えまして、消費者にもまた古米は格差をもって将来やるんだというような印象を与えなければならぬ。そういうような経済事情を織り込んで、再生産確保というものを本来の中心に置いて算定すべきだ、こう考えております。
○樋上委員 需給事情により米価が大幅変動したのでは、これは国民生活が常に脅かされるのではないか。また、需給事情を米価に反映させないようにし、価格と需給の安定をはかるために直接統制は堅持すべきである、こう思いますが、いかがでしょう。
○西村国務大臣 需給調整ということばは、食管法の中にもすでにあるのでございます。そして、できるだけ安定供給ということが何といってもねらいでございましょう。国民主要食糧を安定的に供給する安定的確保、したがってそういうことの方向の中で、再生産というものはもちろん大事なことでありますが、経済事情の中へ当然織り込まれていいのじゃないかと私は思うのであります。
○樋上委員 国民一人当たりの摂取量は、三十五年度を基準とした場合、米は四十一年度において減少し、反対に動物性食品は一五〇%伸びている。政府は今後の食糧事情をよく見きわめて、米作以外にも農家が安定した生活ができるようにはかるべきである、こう思うのですが、いかがですか。
○西村国務大臣 実は、この委員会を通しましても申し上げましたように、米は一番中心の大事なものでございます。しかし同時に、時間はかかりましょうけれども、消費者がなるたけ消費してくれるようなよい米に持っていくこと、これまた当然であります。同時に、食生活の変化に伴って畜産その他を奨励してまいる。いわゆる、私が総合農政と申し上げておるのはそれであります。それによって農家の所得も、現在より以上将来に向かっての向上をはかってまいりたい。そのために、私は国が相当な金を使ってしかるべきだ、こういう考えでございます。
○樋上委員 米価問題は、わが国農業から切り離すことはできない問題であり、米価以前の問題に立ち帰って日本農業の科学的な長期構想に取り組み、国民が納得する農政の近代化をはかるべきである、私はかように思います。 農相は配給制度の改善をはかることを考えているようですが、具体的にはどういう点の改善を望んでいらっしゃるのですか。
○田中説明員 配給の改善につきましては、一昨年配給改善協議会等も持ちまして、自来検討いたしておるわけでございますが、まず、配給制度の中におきまして、卸売り販売業者が現在三百九十幾つもあるわけでございますが、これらにつきましては、極力やはり卸売り販売業者の統合による能率向上を目ざしておる。その前提といたしましては、これらの販売業者の側におきまして、消費者に対してやはりサービスの向上あるいは流通の合理化というような観点から指導してまいりたいと思っておるわけでございまして、卸売り業者の統合とか、こういうものをやっております。 それから、小売り業者等につきましても、やはり現在、消費者との結びつきをどういうぐあいに持っていくかというようなことを、検討を進めておるわけでございます。 それから、配給上の問題といたしましては、大型精米等による集中生産による配給米の均一な品質保証というようなことも考えていかなければならぬわけで、現在、この面におきましては相当な助成措置をとって、小袋詰め配給ということで、消費者の信頼を得るような配給に持っていこう、こういうぐあいに考えているわけでございます。 なお、配給制度の問題等について、配給品目の問題、こういう問題等につきましても、やはり消費者米価改定の時期等におきましては、合理的なものに持っていく必要があるのではなかろうか、こういうぐあいに考えている次第でございます。
○樋上委員 最後に、農林大臣にお伺いしますが、食管法施行令第五条の五に、生産者は政府以外に売り渡してはならない、ただし農相の指定する場合はその限りでないとあるが、農相の指定する場合とはどういうときをさすのか。また、米について農相はそのようなことを検討していらっしゃるのかどうですか。
○西村国務大臣 法律解釈の問題のようでございますから、次長からお答えさせます。
○田中説明員 五条の五では、政府以外に売ってはいけないということで縛っているわけでございますが、「但し、命令の定めるところにより、」云々と以下書いてありますのは、特別指定集荷業者に売り渡す場合に、この項目を従来発動したことがあるわけでございまして、これは一年だけ発動したことがございます。それは、国内で相当米を集荷することが必要である——二十七年当時でございますので、やはりこういう制度を設けて、結局はこれを設けることによって政府に米を売らせるようにいたしたわけでございますので、いわば集荷の方法の一つとして、その当時、「この限りでない。」というただし書きを設けて、条文を運用した実例があるわけでございます。
○樋上委員 早場米奨励金でありますが、政府は、従来の方法を変えた方法も考えているようですが、いかなる理由によるのか。また、いかなる方針に改めようとしているのですか。
○西村国務大臣 早場米奨励金というのは、一つの歴史を持っているし、また、その対象農家あるいは地域については、歴史的に生活にも相当関係が深くなっております。しかし同時に、これだけ米穀生産が進んでまいりまして、早場奨励をするという段階はすでに過ぎたとして、過去におきましても、段階的に整理をしようという方針で進んでまいりましたが、そうなれば、むしろそれよりは、形を変えた暫定加算金制度がいいんじゃないかというので、先ほど御説明したような形に、ことしは変えたらどうかというような案をお示ししているわけであります。
○樋上委員 これで終わります。
○足立委員長 柴田健治君。
○柴田委員 農林大臣にお尋ねしますが、今年度の米価審議にあたっては、審議会委員に生産者代表消費者代表を加えないという方針ということでいろいろ物議をかもした。そういう関係で、大臣の答弁をずっと聞いておると、生産者の代表を審議会の委員に出さなくても、十分意見を拝聴してきたという答弁を繰り返しておられるのですが、十分聞いたという前提に立って御質疑を申し上げたいと思いますので、お答えを願いたいと思います。 まずその前に、先ほど工藤君から質問がございましたが、いま米審に諮問いたしておる案に対して、当初予算では八百五万トンの買い上げを見込んでの予算措置をした。ところが、今度は八百八十万トンという数字を出して諮問しておるわけですが、この差額について、予算措置をしなくてもやれるのかどうかという問題が疑問になるわけです。それと同時に、予算措置をするということになれば、総合予算方式はくずれるということになるのですが、その点についてお答えをいただきたい。
○西村国務大臣 私どもは、当面総合予算主義のもとで、補正を組まないという姿勢のもとに考えておるわけであります。
○柴田委員 そうするとどうなるんですか。実際、管理法からいうと、あなたはなかなか日本語がうまいので法理論でごまかしておるんですが、法理論でいっても筋が通らないということになるわけです。できるだけいま予約を受け付けており、二日間で六百万トンも受け付けておるというような御答弁ですが、結局、予約制度がある限りにおいては、これからどの程度申し込みを受けるか、最終決定はまだこれからですが、それにしても、当初予算八百五万トン以上に出てきた場合には、その差はどうするんですか。その点どうですか。
○西村国務大臣 これは、前に予算委員会等で申しましたが、食管会計というのは、単に食糧の買い入れ価格だけではなく、他の要素も相当ございます。したがって、買い入れ数量が八百五万トンというのは、その当時の最高でございます。過去の最高をとって、そうして平年作を見込んでやった。その平年作が数字的に上がってきて、八十万トン多くなった。 しかし、これ以上になってくれば、予算上また別の問題になってまいると思いますけれども、いまの程度ならば、食糧管理全体のいろいろな要素の中で解決していき得る、こういうことで、政府内部におきまして今回の試算を立てた、こう考えていただきたいのであります。
○柴田委員 どういう方法で措置をするのか、その点あいまいでどうもよくわからないのですが、結局は、予算措置をしないことになれば、生産者米価はいまの試算どおり低く押え、消費者米価でやってしまうのだ。消費者米価の引き上げをやってやるのだ。そうすると、消費者米価はうんと大幅に引き上げなければ、つじつまが合わないようになってくる。生産者米価は三%で、いまの試算どおり押えると——これから自民党の米調でどういう話し合いによって、最終決定が二十六日にされるか、二十七日にされるかわかりませんけれども、とにかく生産者米価をうんと押えて消費者米価はうんと上げるということにならなければ、つじつまが合わなくなってくるんじゃないですか。消費者米価はなるべく上げないようにして生産者米価を上げるということになれば、当然予算措置をやらなければならぬ。八百五万トンにあくまで押えていけるならば何とかなるでしょうが、それ以上大幅に、申し込み予約だけは何とか買い入れなければならぬということになると、具体的にどうなるんですか。
○西村国務大臣 私が、この委員会を通して申し上げましたとおり、食管会計というのは大きな会計でございます。したがって、たとえば金利そのものの支払いでも大きい。国庫余裕金というものを使えるようなことによっても、相当金利の負担が違ってくる。そういうような他の要素も十分にかみ合わせて今回の試算が行なわれてきた、こう思うわけであります。
○柴田委員 大臣の答弁はよくわからないのですが、私の質問時間がしわ寄せを食っておりますから、十分質問することができないのは残念に思いますが、あとのだれかにいずれかの機会にやってもらうということにいたします。 今度の米審に諮問されたものについて、生産者のほうからいうと、生産者の気持ちは、やはりほかの物価の問題等を考えて、どうしても生産費が高くつくから、生産者米価は引き上げてくれということで、その中にはいろいろなものがあるわけであります。家族労働費の問題もあり、物財費もある。副産物価額、資本利子、公租公課、付帯労働費、こういうことでいろいろあるわけですが、その中で、特に生産農民からいうと、物財費のほうで相当金がかかる。物財費のほうは、肥料であるとか薬剤、農機具、また建物、土地改良その他含めておるわけですが、これらは生産米価とどうしても関連がある。生産米価を低く押えられるとどうしても赤字経営だということで、農民はそこに不満があるから大挙陳情して、大臣にも関係省にも陳情しておるんだ、こういうことがいえると思うのでありますが、そういうことを考えた場合に、生産資材に必要なものの物価が、いまの米価とはつり合いがとれないというのが農民の声なんですよ。それからいうと、今度の米審にかけている試算を見ると、実際低く押えてある。 大臣にちょっとお尋ねしますが、あなたのむすこさんが百姓をするとして、いま農業基本法では、一町から一町五反をとにかく標準農家にしておるのですが、よし一町か一町五反のたんぼを買って、居宅を建てて、作業場をつくってやって、いろんな農機具その他を備えたら、どのくらい金が要ると思いますか。ちょっとそれを答えてください。
○西村国務大臣 それはおそらく今回の算定基礎の中に、そういうものは建物の償却費として、統計調査部でとりました生産費調査の中に適正に把握をされて、そして試算のデータとなっているわけであります。建物の償却費として計算されておるわけであります。
○柴田委員 一戸の農家を新しくつくる場合にどのくらい金がかかるかという、その点をお尋ね申し上げておるのです。どの程度金がかかるのですか。たとえば、反当たり全国平均三十万なら三十万要る、一町歩だったら三百万金がかかる、居宅が坪当たり何ぼの建設費が要る、作業場が坪当たり何ぼになって、一町歩の農業経営をする場合には何ぼ要る、そういうことを考えて資本を投下する場合に、どの程度金がかかるのだ。大臣は生産農民の立場からよく意見を聞いておると言われるのなら、その程度ぐらいのことは大ざっぱに知っておいてもらわなければならぬ。農家が持っておる資本はどの程度持っておるんだ、一町歩の農家にはどの程度資本が要るのだということぐらいは知っておいてもらわぬと、建物は試算でちゃんと算入しておりますと言われても、それは言うだけであって、実際の現実に即したその数字というのは出ていないと私は思う。その点は大臣にもっと勉強してもらわなければ困ると思うのです。生産農民、生産者側の米審の委員は任命しなくても十分知っておると言うから、私はもう生産農民の気持ちはよく聞いていただいておる、こういうことを前提に理解してお尋ね申し上げておるのです。 それから、大臣、たとえば農業労働というものは重労働とお考えなのですか。どうなんですか、この点は。
○西村国務大臣 労賃につきましても、これはもう非常に長い間の論議の過程におきまして、生産費の中に労賃というものの上がり方によってこれは計算されて出てきておるわけでございます。その中での議論になっております。ただ、農業労働は重労働だ、片方は何だ、こう簡単に分けるわけには私はまいらぬと思います。
○柴田委員 どうも大臣、結局農業労働の位置づけというものをある程度御理解を願って、そういうものを踏まえてお考えを願わないと、ただ五人規模の他の企業とのつり合いをとるんだ、こういう程度では農民は納得しない。いまの農村において、大臣は出かせぎの実態はどう御理解になっておるのですか。あれは好ましい姿であるかどうか、この点どうですか。どういう御理解をされていますか。
○西村国務大臣 私は、出かせぎにつきましてはこういう意見を持っております。もちろん農業生産が上がって、そうしてそれによって所得が上がっていくこともけっこうです。同時に、生産基盤が小さいということによって出かせぎに行かざるを得ない、あるいは季節的な労働関係ができないというようなことから、農外就労として出ていかなければならぬ。出かせぎがあるからどうだと簡単におっしゃいますけれども、その個々の基盤の状況等も考えていかなければならぬし、土地のいわゆる冬季なら冬季の労働力というものが使いにくい状況の場合には、そこに農外就労というものが起こってくる。それをどう受けとめていくか、これは一つの大きな問題だと思います。
○柴田委員 農林大臣はそういう点、これまたわれわれと見解が違うのです。出かせぎについて、ほんとうに十分理解できるような出かせぎならいざ知らず、百姓というものは八時間労働の他の労働と違って、それはもう十二時間も十四時間も十五時間も労働して、えらい目をしてあまり所得が低いために、他で働いたほうがいいじゃないか、こういうことと、また、ほかの物価とのつり合いがとれなくて、農業所得というものが少ない、だから農外所得を得ていかなければもう生活ができないという、その両方の悩みを持っておるわけです。一つは労働の過重ということ、そして労働賃金という評価が米価の中には非常に低い。幾ら反収を上げてみたところでどうにもならぬ、こういうことと、ほかの物価とのつり合いがとれなくて、農業所得だけでは生活ができない。だから農外所得を求めていく。他の農産物の価格政策がないものだから、何をつくっていいやらわからないという農民の悩みがある。そういう点を大臣はもっと理解をして、農業政策に対して農民に対する思いやりをかけてもらいたいと私は思うのです。 田中次長にひとつお尋ねしますが、この生産費の算定基礎の中で、労働時間を百二十四・九と押えてある。これは昔のことばで一反ですが、十アールでこれでやれるという数字をどういうことで出されたのですか。
○田中説明員 統計調査部で、約五千戸の調査農家によりましてずっと毎年連続的にこの調査をいたしておるわけでございますので、この時間につきましては、なるほど積算の時間になっているわけでございますので、これがある期間、稲作期間に分布されていることも事実でございますが、それらの労働時間につきましては、悉皆この調査の中に織り込まれておる、こういうぐあいに理解しております。
○柴田委員 次長、やはり田植えのことなんですが、いま田植えで一時間に苗は、あなた、どの程度とれると思っておるか、苗を一束とるのに。全国的に一反当たりの苗の束数が、二百五十要るところもあれば三百要るところもあるし、百五十で済ますところもある。けれども、一時間に苗を、あなた、どのくらいとれると思っておるか。そして今度その苗を植える場合に、八時間労働として、普通の一人の労働で面積にしてどの程度植わると思うか、ちょっとそれを聞かしてもらいたい。生産者の声を聞いておれば、もうそこまで聞いておるはずだ、あなた、生産者の農民の意見を聞いておるなら、その程度は十分聞いてくれておるはずだと思う。それをちょっと答えてもらいたい。
○田中説明員 ちょっと正確にお答えできかねるので、御容赦いただきたいと思います。
○柴田委員 そればおかしいじゃないか。生産農民を米審に入れなくても、十分意見を聞いておるなら、労働費の中でどういう作業にはどういうふうと、十分御理解をいただいていると思う。生産農民の声を十分聞いておると言われるから、その前提に立ってお尋ね申し上げておるのじゃないか。聞いてくれておるかどうかということを私は確認しておるのだ。その点は、あなた何も知っていないということなら、聞いていないじゃないか。何も聞いていない。一時間に苗が何ぼとれるのか、八時間労働で田植えが何アールできるのか、それを何も聞いていないじゃないか。 そういう点は、もっと生産農民の声を聞いていただかぬと、生産農民というものは——国の予算から見ると五兆八千億、その中で二千四百億だと、大きな数字ばかり言っておる。ところが、生産農民はただ一俵の価格、百円、二百円にどれだけの関心を持っておるか。それだけのきめのこまかい勘定をしているわけですよ。自分の労働というものを標準に置いて考えていく。そういう点はもっと事務当局も考えていただかないといかぬと私は思うのですよ。 たとえば建物ですよ。一町歩の農業を経営するのにどのくらいの坪数の大きさの作業場が要るか。これも、生産農民のことを聞いてくれておるならわかるはずだ。一町歩の農業を経営をする場合に、作業場の面積がどのくらい要るか。
○田中説明員 私どもは、統計調査部で調査、集計した結果を食糧庁としてあれしておりますので、具体的なお話になりますと、ちょっと私どもお答えできる範囲を越えておりますので、農政局なり統計調査部をいま呼びまして、また御返事申し上げることにさしていただきたいと思います。
○柴田委員 たとえば、北海道の農業でも鹿児島の農業でも、作業場がなければ百姓はできないですよ。それから作業場の建物の償却費の中で、いま、たとえばセメントかわら一枚何ぼしているのですか。普通のかわら一枚幾らしておりますか。日本列島は災害で、ひょうのために屋根がわらがいたみ、温度が下がればしみ割れる。一年に何枚も作業場のかわらを差しかえなければならぬ。かわら一枚何ぼしているのですか。やはり建物の償却の中で、農民はほんとうにきめのこまかい勘定をしているのですよ。そういう勘定を一つも聞かずに、統計調査部なんてごまかしてはいけませんよ。それだけ今年度の米価については農民は悲壮な決意をして、真剣に考えているのですよ。 そういうときを迎えて、生産者の代表を米審に入れずにおいて、全部聞きましたと言うが、一つも聞いていないじゃないか。一町歩当たりの農業を経営する場合には、十坪なら十坪の作業場が要るとか、十五坪なら十五坪の作業場が要る。いま坪当たりの単価は、最低建設費が、土間をコンクリにしたら六万円かかる。最低六万円で十五坪なら九十万円の建設費が要る。だから、一町歩当たりに何ぼ作業場の建物が要るのか、年間の維持管理はどうするのか、そういうことを聞いてくれておるかと思ったから聞いておる。そういうことは、大ざっぱに勘で言うてくれては困る。こちらはきめのこまかい、子供の鉛筆一本まで影響するのですよ、ことしの価格が。次長、どうですか、もう一ぺん答えてください。一町歩を経営する場合に作業場がどのくらい要るか、建物の償却を見るなら、その程度の積算の基礎ぐらいは知っておらなければいかぬですよ。何ぼ要るのですか。——一つも聞いていないじゃないか。次長、それで聞いたと言えるのか。 たとえば農機具でも、昔のことばでいえば荒びきなんです。いまでいえば、深耕法で深耕していくわけです。それで、農機具のいま大型、中型、小型がある。中型の場合に、どれだけの能力をあげるのか。一日使ったら、どの程度の面積をやるのか。そして、それに対する消耗の率をどうするのか、償却をどうするのか、ちょっと具体的に言うてごらん、次長。あなたは事務当局の責任者だ。かぶとをぬぐならぬぐで、何も知りませんなら知りませんて言えばいい。 それだから生産者農民の代表を審議会の委員に入れなさい。きめのこまかいのがいままで入っていたでしょう。そういう人の意見を聞いておらずに、生産費の算定の基礎にこうしました、ああしましたでは農民は理解してくれないですよ。われわれ生産農民に説明するときは、食糧庁がいいかげんなことをきめたんで、こう言うよりほかない。こういう方法でこうきめたのだ、多少地域によって、四国、九州、北海道と違うけれども、しかし、全国平均でこうなったのだから農林省はこれを入れたのだと、多少われわれも説明ができるようにやっていただかないと、基礎的な根拠も知っていないということになると困るのです。あなたは役人でいばっていればそれでいいかもしれないけれども、われわれは常に農民の中にあって百姓を知っておる。もう少し真剣に、まじめに受けとめてもらいたいと思うのです。 農民の声を聞いた聞いたと言っても、日本語は便利なものだから、日本語でごまかそうとするところに私は誠意を疑うわけですよ。やはりだれがやったってむずかしいときはむずかしいのだ。しかし、人間社会には誠意がなければならぬ。誠意があってこそ、初めて信頼感が出てくると思う。その誠意というものをどこまでくんでくれたか、こう農民のほうは言っておるのですよ。だから、ある程度科学的な根拠を示してもらわなければいかぬ。 大臣にお尋ねしますが、大臣は、この間から総合農政ということばを盛んに使われておる。今度は量より質だと言われる。これから量より質に変える場合には、どういう方法でやったらいいですか。
○西村国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、農政の転換というものは急にできるものではない。これはもう前提に考えていただかなければならぬ。しかし、それじゃといって、いまのようにただ量産というほうにどちらかというとウエートがいくような方向だけで、国民の期待するところにいき得るかというと、やはり国民としては味のよい米を下さいということは言う。したがって、われわれとしては味のよい米を、相当つくってくだすってはおるが、より以上によい品質とよい味、食味というものを、できるだけそういう方向にみなで研さんし努力していく方向をつくるということは、これは当然のことじゃないかと私は思っておるのであります。
○柴田委員 人間でも血液型は、A型もあれば、B型もあれば、O型もある。いろいろある。これを変えるということになったら、抜本的なことをやらなければならぬ。それから、品種改良の方法はある。しかし、米の品質を変える場合は土壌改良だ。基本的には土壌ですよ。土壌を変える方法というのは客土しかない。客土をする場合に、二センチの客土を三年なら三年続けていく。一反当たり二センチの客土を三年続けたらどれだけの資金が要るか、事業費が要るか。明年度の予算編成で、今度二五%に大蔵省が押える。二五%の予算の範囲内でどれだけ農林予算がふえて、総合農政で品質の改良をする、質を向上させることがどれだけできるのか。二五%でやれる自信がありますか。どうですか、大臣。
○西村国務大臣 それでは、いまのように古米が相当量あって、しかも来年のつゆを越しても古米を配るというようなことでいいのかどうかという、逆の質問にまた答えていかなければならぬ。やはり私どもは、できるだけそういう面もくふうをしていく努力はするという姿勢はとらなければならぬ、こう思うのであります。
○柴田委員 ちょっと大臣、食管法の第六条に、政府が必要と認めた場合は輸入できるとある。あなた法理論うまいのだから、詳しいのだからお尋ねするが、政府が必要と認めたらという必要というのは、どういう場合を必要というのですか、ちょっとお尋ねしたい。
○西村国務大臣 御存じのように一番の必要は、需給調整が食管法の目的ですから、需給調整上でしょう。しかし、需給調整という大きな名のもとに政府が見る場合でも、どうしても通商政策とも多少からんでまいります。それは一番具体的に申せば、中共の今回のシャオチャン米の輸入等は、需給調整よりはやや通商目的のほうが強い、こう見るべきじゃないかと思います。
○柴田委員 需給調整で必要だ。ほかに理由はないのですか。ほかの理由の場合はないのですか。ただ中共、中共と言われるけれども、中共だろうと大共だろうと、そんなことはわれわれは関係ない。とにかく政府がどういう場合に必要と認めるのか、その必要という理由は、何と何の場合を必要というのか。食糧需給、そんなことよりかそれをお尋ねしておる。ちょっと御答弁を……。
○西村国務大臣 たとえば、まだ現在、輸入の中に加工米があります。砕け米とかこういうものは、みそ原料等に使われております。こういうものは、価格の関係も多少あろうと思いますが、そういうような面も、これは大きい意味では需給の関係に入ると思います。
○柴田委員 大臣、うまいこととぼけるから……。どうも時間がございません。いずれ時期を見て農政論をあんたと一ぺんやってみたいのですが、とにかく最後にお尋ねしたいのです。 大臣のそのことばのあやだけで、こうつじつまを合わされるというのではなくて、もっと、たとえば米の価格、米価を、生産米価をことしはこういう方向でやるのだ、しかし他の畜産物の価格——養豚をやれば、豚価格を三年間も連続据え置いて、豚肉政策はいまどうですか。とんとんといってしまう。(「とんとんとはいかぬ、とんころりんだ」と呼ぶ者あり)農民のほうはとんころりんといってしまう。それだから、何をつくっても不作貧乏、豊作貧乏といわれて、生産農民はどっちへいっても両方のびんたを食って、こてんぱんなんですよ。生産米価についてはこういう方法で将来やる、ほかの農産物の価格政策はこうやりますと、もっとはっきりとした誠意があるところを示したらどうかと思うのですが、その辺の見解を聞いておきたい。時間がないので、いずれまたやります。
○西村国務大臣 もちろん、御存じのとおり、現在でも農産物は米をもとにしまして麦、それから野菜あるいは肉類、乳価の一部等について、いろんな制度で価格支持と申しますか、価格安定と申しますか、あります。しかし、私は、価格政策だけでなくして、生産対策も、あるいは生産対策のもとになる基盤対策、こういうものも相当しっかりやらなければいかぬし、御意見はあるかもしれませんが、私は農地の流動化などもひとつ御協力を願って、できるだけ基盤がしっかりしていくようなことも、やはり農業生産の安定に寄与するんじゃないか、こういうふうに考えております。
○柴田委員 どうもありがとうございました。
○足立委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 私は、大臣のたびたびの言明を聞いておって、ことしの米価をきめるにあたって非常に重要な要素として、一つは需給問題、一つは総合予算主義、こういう二つの要因に大いに左右されている、こういうように承っておるわけであります。そこで、大ぜいの方がいろいろの角度から聞きましたから、私は、きょうは焦点を一つにしぼって、総合予算主義とは何ぞや、このことをひとつお尋ねしたいと思うわけです。 先に事務当局にお尋ねしますが、食糧庁としては、総合予算主義とはどういうように理解をしておるわけですか。
○田中説明員 食糧庁が理解しておることを申し上げますが、年度途中において補正を組まないということをたてまえとするものが、総合予算主義上のたてまえであります。
○小沢(貞)委員 先ほど来聞いておると、八百五万トンで食管特別会計への繰り入れば二千四百十五億、こういうことになっているわけです。それが八百八十万トンになって、生産者米価も消費者米価も、当初予算を組んだときと同じ値段であるならば、八十万トン分だけは当然二千四百十五億プラス何がしになるでしょう。約二、三百億になると思います。だから、食管特別会計二千四百十五億プラス三百億程度がさらに繰り入れられる、こういう状態になることは、総合予算主義のたてまえに対して食糧庁としては矛盾をしておらない、私もそう理解しますが、食糧庁としてはそれでよろしゅうございますか。仮定の問題です。これは、いま三%上げたいというような諮問をされて、どういう消費者米価がきまるかわかりません。わかりませんが、とにかく、当初予算を組みましたそのときは、八百五万トン買う予定でありました。生産者米価、消費者米価は現状のままとして、二千四百十五億の食管特別会計への繰り入れである、こういうことです。ところが、最近の情勢では八百八十万トンを買い入れなければならないということになれば、米価、つまり生産者米価も消費者米価もびた一文も動かさないでも、八十万トン分、約二百四十億ないし二百五十億というものは、食管特別会計に繰り入れなければならない。これはあたりまえのことだと思うのだけれども、そういうぐあいにふえていっても、これは総合予算主義に、食糧庁の立場からは抵触いたしませんか。これは事務当局でけっこうです。
○田中説明員 いま八百五万トンの買い入れを予算に組んでおるわけでございますが、それで繰り入れが二千四百十五億ということでございます。確かに生産者米価、消費者米価をそのままにいたしておった場合におきまして、八十万トンの買い入れ増ということは、やはりこの食管の損益に変動する要因になることは事実でございます。 ただ、それだけでは、食管会計の損益がどの程度の規模になるかということはつかめません。先ほどもちょっと触れましたけれども、食管会計の中においては、各種の要因がたくさんあるわけであります。金利の問題にいたしましても、あるいはいろいろな各般の要素の問題があるわけであります。これらを総合的に実際に調べまして、そうしてその上に立って、どの程度の変動を来たすかということを判断せざるを得ない、こういうぐあいに思うわけでございます。
○小沢(貞)委員 答弁をしていないでいけないですよ。ほかの金利や何かの要因はそのままにしておいて、生産者米価も消費者米価もそのままで——次長はいまいろいろ言っておるけれども、そういう要因を抜きにすれば、八十万トン買い入れがふえました、したがって二百四十億ばかりよけい繰り入れなければなりません、こういうことになった場合に、それは総合予算主義のたてまえとしていいことか悪いことか、それは当然であるというように考えるのか、そういうことは総合予算主義のたてまえからできません、こう言うのか、イエスかノーかの答弁をしていただけばよいわけです。
○田中説明員 前提のお話でございますが、ほかの要因を全部同一にして、八十万トンだけの問題で損益がどうなるかということになりますと、現在の繰り入れ規模から見まして、その点は確かに変動要因ということになるわけでございますので、そういう限定した前提に立つ限りにおいては、総合予算主義をこの中で連行しようといたしましても、非常に問題が出てくるということでございます。
○小沢(貞)委員 最近、私、農協からいただいた資料に、ことしは百八十万トンばかりふえて、本年の四月に少なくとも九百八十三万トンの政府買い入れになった、この数量はいいかどうか私はよくわかりませんが、農協の資料にはそうあるわけです。そうなると、いま米価審議会に諮問している八百八十万トンをさらに百万トンもこえる情勢になるのではないか。そうなると、ことしの秋においては九百八十三万トンというのだから、一千万トン近くということになろう。こういうことになれば、当初予算に組んだ八百五万トンから比べると、二百万トンも買い入れがふえる。 先ほど来の大臣の答弁を聞いていれば、まだ先のことについてはいろいろ議論の余地もありそうだし、また、議論もしたそうな大臣の答弁でもあるし、それについては、私たちの考えもまた違う点もあるのですが、それには触れようとは思いません。ことしはとにかく植えつけも済んだので、全量買い入れます、こういうことになれば、昨年の作柄からするならば、まだ二百万トンくらい買い入れ量がふえるのではないか、八百五万トンが一千万トン近くになるのではないか。こういうように考えると、二百万トンというと六百億、現在の生産者価格、現在の消費者米価、こういうもので約六百億の食管会計への繰り入れをふやさなければならない。これは政治的でも何でもない、事務的にふやすのがあたりまえのことだと、こういうことになった場合に、二千四百十五億プラス六百億、こういうものを食管会計の中に繰り入れるということ、そのことはイエスかノーかの答弁をしてもらいたいと思います。それは総合予算主義のたてまえをくずすのか、くずさないのか、それはあたりまえのことで総合予算主義の中のワク内のことであります、イエスかノーかの答弁をしてもらいたいと思うわけであります。
○田中説明員 例に、昨年の超大型豊作、千四百四十五万トンに見合うような買い入れ量九百八十万トンないし一千万トンということが実現した場合においての、それによる食管の損益の変動に対して、この点は総合予算主義に照らしてどうかというお尋ねだと思うわけでございますが、総合予算主義におきましては、もちろん、この総合予算主義の前提になっております各種のいわば諸経費につきまして、著しく大きな変動要因等が出てまいりますれば、それはやはり総合予算主義のワクをはずれるという問題だと私は思うわけでございます。
○小沢(貞)委員 それでいいわけですが、大臣、これは仮定の問題です。いまの生産者米価、いまの消費者米価、八百五万トンで二千四百十五億の繰り入れであります。ところが、いま米価審議会には八百八十万トンと言っているのだが、超大型豊作になっても無制限に買い入れます、こう言っておりますから、二百万トンぐらい予算編成の当時よりはふえる可能性もあるのではなかろうかと私は考えるわけです。そういう場合には二千四百十五億プラス食管会計への繰り入れが六百億近いものになるのではなかろうかと想定されます。しかし、これは事務的にそうなんです。事務的にそうなんだけれども、それは総合予算主義のたてまえをくずすのか、そのワクの中だと考えられるのか、この点をひとつ大臣から……。
○西村国務大臣 ただいまの八十万トン程度のものであれば、食管の中のいろいろな諸要因で一応は出てくるわけでありますが、お説のように、昨年が異常な豊作です。ですから、異常な状態になってまいりますれば、これは総合予算で、ただ予算制度で縛るというわけにはいかない、こういうことは私も十分わかるわけであります。言いかえれば、そこに補正という問題が出てくるでありましょう。あくまでもこれは一つの仮定でありますけれども……。
○小沢(貞)委員 二千四百十五億をふやすのは、あのワクの中では差しつかえないということですね。食管特別会計への繰り入れが、二千四百十五億プラス百億になるか三百億になるか、ある程度の額は総合予算主義のたてまえをくずすものではないのだ、これはいいですね。
○西村国務大臣 食管会計にはいろんな他の要因がございますから、それら全体でいまの八百八十万トンで一応試算をしてまいっておる。これは総合予算主義のたてまえをくずさぬでやれる、こういう考え方のもとにやっておるわけです。
○小沢(貞)委員 大臣にこのことをしつこく聞くのは、ことしは予備費は千二百億だと思います。全体としての予備費は千二百億だったと思います。これから公務員のベースアップの勧告があろうと思います。記憶に間違いなければ、去年は七・九%アップで八月から実施——八月だったと思った。それで補正予算としては五百十八億、こういう補正要因が昨年はあったわけです。食管の繰り入れとともに、そういう補正要因があったと思います。ことしはまた、最近の民間給与の相当な引き上げを考えてみれば、七・九%をこえてさらに一〇%近い給与改定の勧告があろう、こういうことがいまから想定されるわけです。 ところが、そういうことになると、当初予算のときに、われわれの記憶にして間違いがなくんば、四・五%か何かで五百億の財源というものを予備費に計上してあるのだ、これはそういうようなぐあいにわれわれは承っております。そのことも合っているかどうかは別といたしまして、そうすると、ことしは約一〇%前後の勧告があって、昨年と同じような実施時期にするということになれば、これはもう七百億から八百億のベースアップの財源が要るであろう、こういうことはいまから想定されることです。予備費が全体として千二百億ある。そのうちもう公務員の給与改定だけで七、八百億要るであろうということになると、あと予備費として残っているものは四百億前後ではなかろうか、こういうように考えるわけです。 そうすると、この四百億をくずすことになると、それが総合予算主義に反することなのかどうか。私が聞きたいのは、食管特別会計繰り入れば、二千四百十五億にびた一文でもふやすことば、総合予算主義に反することなのか、そこを聞きたいわけです。全体千二百億のワクの中にあるならば、食管特別会計の赤字は、二千四百十五億に百億や二百億プラスされても、それは総合予算主義のたてまえに反しないのだ、こういうようにぼくは理解するが、それでいいかということです。
○西村国務大臣 御質問の趣旨がわかりました。総合予算主義はとにかく補正を組まない、したがって、米のために追加予算をしない、こういう趣旨なんです。米なら米が、いま食管会計としてきまっておりますね。それに対して、一応現在想定されておる総合予算主義の場合では、米のために追加予算を組まない、補正を出さない、こういう趣旨です。
○小沢(貞)委員 そうすると、米のために追加予算をしないということになれば、食管特別会計の赤字を六百億さらに追加させようと三百億追加させようと、それは総合予算主義のたてまえをくずしていないのだ、大臣の答弁からそう理解してよろしゅうございますか。
○西村国務大臣 ですから、今回米価が上がることになりますが、それによって追加予算を組まない、こういう思想でございます。 ただ、私はあるいは質問の趣旨を取り違えているかもしれませんが、非常な大豊作で、さっき言ったように、九百八十万トンあるいは一千万トン近くの買い入れが行なわれた場合に、全然数字がつじつまが合わない状態がくるではないか、そのときはまた別に考え方を変えなければならぬじゃないかという事態が発生するかもしれませんということは、別に申し上げているわけです。
○小沢(貞)委員 今日の時点において、消費者米価をきめながら総合予算主義といういまの考え方を貫かなければならない、こういうのが、おそらく総合予算主義のたてまえに立った食糧庁あるいは農林省の考えではなかろうか、こう思います。おそらく四、五日のうちに、消費者米価をどのくらいにしようじゃないかという想定を考えつつ、生産者米価がきまるのであろう、こういうように考えます。 そこで、ある一定の額がきまったとしても、そのあとに続く、今度は公務員給与の引き上げ、こういうことになると、その上にさらに予備費を食う要因が出てくるわけです。これは私は当然だと思います。その額はまだ未定であるわけです。その後災害か何かあって、ことし三百億ないし四百億要ります、消費者米価もこういうようにきまり、食管特別会計の赤字はことしは三百億追加して済みました、公務員給与の勧告が七百億か八百億要ります、こういうことになると、もう千二百億を食いましたということになってしまう。ことしどうしても補正予算を組まなければならない要因として、災害か何かが発生して、二百億か三百億要る、こういうことになれば、その総合予算主義というものは幻想であって、くずれるのがあたりまえなんだ。これは予算ですから、当然そういうことがあり得るのだ、追加予算というものはあり得るのだ、総合予算主義というものは幻想であるのだ、こういうように理解をするわけなんです。そういうことは理論的にあり得ると思うが、大臣どうでしょう。
○西村国務大臣 それが何と申しましても、率直に申しまして、国会のあの予算の時期にも大いに議論になったわけであります。一体人事院勧告がどの程度に出て、公務員給与が将来どうなるか、その額が予備費の中に一体どの程度に予定されているのか、この額は大蔵大臣もはっきりは言っておりません。ただ、千二百億の中においての計算の中に入れてありますということは言っております。また、米につきましても、食管会計の二千四百幾らの中でもうすでに赤字補てんをしてありまして、その中でやってもらうというたてまえになっております。ただ、あの当時でも、たとえば異常な災害があったとかいうような予期せざる状態が起こったときは、別途考慮しなければならぬ場合もあるじゃないかという議論は、一応出たことは私も了解いたします。
○小沢(貞)委員 予期せざる要因、災害等があった場合に、総合予算主義で補正予算は組みません、こういうこともやはりくずれるのだ、したがって、総合予算主義というものは幻想にすぎないのだ、こういうように私は考えるわけです。そういう場合に、そういうように考えるならば、米がこういう状態になって、非常に豊作で買い入れ量がふえなければならぬ、そうかといって、物価政策上消費者米価を上げるわけにはいかない、こういう前提に立つならば、私は千二百億の予備費というものを、今度の米価の場合に、相当食い込んでもこれは差しつかえない要因だ、農林省、食糧庁としては当然そういうことが要求できるんだ、こういうように私は理解できるわけです。それをあらかじめ、もう金科玉条のごとく総合予算主義を墨守してしまって、どうにもならないんだという前提に立っているので農林大臣が非常に苦しんでいるんではなかろうか、こういうふうに考えるわけです。だから、これは最近の豊作の情勢や、消費者米価を上げてはいけないんだ、生産者米価を上げなければいけないんだ、こういう情勢の中においては、総合予算主義というものは幻想なんだ。だから、当然これをくずすような覚悟で今度の問題に取り組んで差しつかえないんだ、こういう理解で取り組まなければならないんではないか、こういうふうに私は考えるわけです。大臣、どうです。私は農林省だけが、あるいは米の生産者や消費者だけが総合予算主義の犠牲になっているんではないか、こういうように考えるわけです。
○西村国務大臣 あなたのお説もよく理解はできます。しかし同時に、すでにこの問題は予算審議の過程におきましても、しばしば論議がかわされた問題でありまして、しかも、今年度は一応平年作ということでわれわれも推定しているわけでありまして、四十二年度のような異常豊作という状態ではない。平年作として千三百万トン、そのうち八百八十万トンを買い入れるという中でまいりますから、私どもは、総合予算主義というものは幻想ではない、こう考えております。
○小沢(貞)委員 時間が参りましたので、要望だけ申し上げておきますが、私たちは総合予算主義で補正予算は組みませんと言ったところで、予算ですからそういうことがあり得るはずはないと思うのです。災害があれば組まなければならない、民間給与がたくさん上がったから、公務員の勧告は昨年より非常にたくさんになった、こういう要因はあり得るわけです。だから、農林省だけがなぜ総合予算主義の犠牲にならなければいけないか、こういうことを私は今日の時点で考えるわけです。したがって、補正予算を組むことなんかあたりまえのことだ、こういうような立場に立って、農林大臣は、消費者米価を上げません、生産者米価を上げましょう、こういうように大いに御健闘いただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。
○足立委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十三分散会