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58回国会衆議院1968/07/12

農林水産委員会 第24号

発言数
230
登壇者
20
会派数
3
開催日
1968/07/12

会議録

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、足立委員長が海外出張のため、委員長の指名によって私がその職務を代行いたします。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず、小澤太郎君。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 梅雨前線の関係で、各地に水害が発生をいたしておりますそのさなかにおきまして、干ばつ対策についてお願いをいたし要望をいたすのは、いささか奇異な感じがいたしますが、先ほど九州、中四国の関係者からの陳情にもありましたように、今年は、昨年の干ばつに引き続きまして七月まで、九州の鹿児島、宮崎を除く各県並びに中国、四国の各県におきましてはほとんど雨が降らない。そのために河川の流量は少なくなっておるし、ため池がかりのところでは、ため池がほとんど水がたまっていないという状況でございまして、昨年に引き続いての干ばつでございますので、農民の人々も非常な焦燥の念にかられまして、どうすれば苗しろができるか、どうすれば植えつけができるかいろいろ心配をし、あれこれとくふうをいたしておったのでございます。  県並びに市町村、農業団体におきましても、この状況を見るに忍びないし、何とか対策を講じたいというので、揚水施設をつくるとか、あるいはかんがい施設を設置するとか、あるいはかえ植えの苗しろをつくるくふうをするとか、あるいは自衛隊にお願いしまして降雨を促すという措置もやり、いろいろやったわけでございます。  そういたしまして、七月の初めに雨が降りまして、ようやく愁眉を開いわげでございますが、その間に中四国におきましては、広島、山口、岡山、愛媛、香川の各県で、おおよそ十一億三千万円金をかけております。さらに九州におきましては、鹿児島、宮崎を除きまして、約十五億円の金をかけておるわけでございます。したがいまして、いかにしてこの善後措置をするかということが、関係団体、府県、市町村並びに農民の悩みになっておりますので、この際政府において、要望の線に従って十分な措置を講じていただきたい、こういうことでございます。  時間の関係もございますので、私は、両方の、中四国農政局、九州農政局の管内からの要望が出ておりますので、それを読み上げます。御当局の御答弁をお願いしたいと思います。  まず第一に、水路の掘さく、動力線の架線、送水管の設置、揚水機の設置及び用水確保のための工事費に要する経費について特別の高率助成措置をお願いしたい。この点について御回答をお願いいたしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林政務次官

○安倍説明員 最初に私からお答えいたします。  西日本一帯は、いまお話しのように、ことしの三月以降非常に寡雨でございまして、昨年に引き続いて大干ばつが起こるのではないかとたいへん憂慮いたしておったわけでございますが、七月に入りまして相当な雨が降りまして、大多数の植えつけが可能になったということで、一応愁眉を開いたわけですが、いま御質問にありましたように、その間における干ばつ、植えつけ不能ということから、いろいろの事業が例年のように行なわれたわけでございます。  これに対しては、全国的な規模で応急対策事業が行なわれた場合におきましては、過去におきまして、臨時特例的にこれを助成いたしてまいったわけでございます。ことしの場合も、全国的ではございませんが、局限はされておりますけれど、非常に局地的に孤立しておるような状態でもございますので、これに対しては、実情の把握にいまつとめておりますけれど、十分に検討をいたしまして、例年のようにひとつ善処していきたいというふうに、いま検討をしておる段階でございます。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 干ばつの場合は、水害の場合と違いまして、いつ雨が降るかわからないということで、いろいろな施策を事前に講じるわけでございます。ところが、一ぺん雨が降ると、もう済んだんじゃないかということになる。いま政務次官のお話しのように、大体植えつけもできた、愁眉を開いた、こういうことで安心をしてしまって、国としては、もう済んだことだからといって流されるおそれがある。このことを心配しておるわけでございます。雨が降ってくれなかったらそれこそたいへんでございますが、降るまでにやった措置について、干ばつの対策としていまお願いした——まだこれから二、三続けてお願いしますが、その第一項目について、まず農地局長、御答弁をお願いしたい。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先ほどお話がございましたとおりの被害の状況が五月、六月に出まして、そして中四国、九州の各県におきましては相当の応急対策をやっております。その報告をわれわれのほうも受けております。  ただ、この応急対策は、全国的な規模でこういう状態が起こりました場合に、毎年臨時応急的にいろいろな措置を政府としてもやっておるわけであります。そこでかなりの事業量にもなっておるわけでありますが、そのことと、それから今後も落水期までにいろんな事態がまだあるかと思います。なるほど植えつけはできましても、そのあとまた雨が降らなかったらまた水が足らぬという問題も起こってまいります。そういうこととあわせまして、先ほど次官が申し上げましたように、そういう措置がとれるように努力をいたしたいというふうに考えております。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 先ほど鹿児島、宮崎を除くと言いましたが、これは間違いでございまして、両県ともやはり同じような干ばつの災害がありますから、訂正いたしておきます。  それでいまの農地局長のお話、一応はわかりますが、災害の程度がどれくらいあればやるというような基準があるわけでしょうか。両方合わせまして、九州と中四国でいま二十七億、おそらく三十億にはなると思います。相当地域も広いし規模も大きいのですから、私どもの要求するところは、従来の干ばつの例に従って、それにとり来たった方法を同じようにやってもらいたいということでございます。  いま私が質問いたしましたのはいろいろの施設、工事でございますが、そのほか第二番目に、揚水機、原動機等諸機械の購入及び借り入れに要する経費について、これまた高率の補助をしてもらいたい。このことはできますかどうですか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 応急対策をとりました場合に、政府で補助する場合には、いま御指摘のような事業も含めまして補助の対象にしております。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 それでは、それはできるということでございますね。  次に、予備苗しろ用の種子の確保に要する経費、これも特別の補助をしてもらいたい。これも従来例があると思いますが、二分の一かの補助をしておったと思います。これもやれますね。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 用水不足に伴いまして、苗しろの再仕立てあるいは追播用の種もみの配布というような事業を、現におやりになっておることをわれわれも承知いたしております。ただいま先生の御指摘のとおり、昨年の例等におきましても、こういったものは助成をいたしておるのでございまして、なお私のほうといたしましては、地方農政局を通じまして実情把握の上、必要とあらば適切な措置を講じてまいりたい、かように考えております。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 やっていただけるということでございますので、それを期待いたしております。さらにもう一つ、農林漁業金融公庫の資金によるところの、いわゆる非補助の三分五厘の融資でございますね。これは昨年の干ばつの際にもかなり要求がありまして、また農民も、補助ということもさることながら、この三分五厘の非補助融資に非常に期待いたしておる。  ところが、昨年は要望額の半額くらいしがなかったようであります。非常に不満であります。昨年私がやはり質問いたしましたときには、むしろ農林当局のお話では、補助もさることながら、この三分五厘の非補助融資に対して、相当これが活用されるべきであるというお話がありました。私もそのことをやはり関係者にもお伝えしておったのでありますが、昨年は大体要求額の半額くらいしかいかなかったという実情であります。  したがいまして、今回もどうか、ひとつ要望にこたえるように、融資ワクの拡大を考えていただきたい。昨年ほどの大きなものではないかもしれませんけれども、十分に行き渡るようにお願いしたい。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 干ばつの恒久対策を含めまして、非補助融資が去年もいろいろ問題になりました。そこでわれわれのほうとしましても、昨年はあとで約三十億近く干害対策を含めまして追加いたした経緯がございます。  本年は、まだ先般割り当てを各農政局にやりましたばかりでございますが、その通達のときにも、そういう対策のほうに重点的に向けるようにという指導をいたしております。そこで、しばらくその様子を見た上であとの措置を考えたいと思います。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 昨年の実績は、私の出身県を申して恐縮でありますが、約三億要求しておるが一億五千万円くらいしか出なかった。たいへんそのことで不満でもありますし、困っておるようです。ですから、今度はそういうことのないように、各県ともおそらく同じ状況だと思いますが、ぜひともひとつ御措置を願いたいと思います。  それからさらに、きょうは自治省は見えていないですか。それではひとつ政務次官、自治省のほうへ伝えておいてください。この災害関係で市町村、県が出しました金、これを特別交付税で大体見てくれるのですが、どうもわれわれよくわからなかったのですけれども、特別交付税の算定基準に制限をつけるらしい。したがいまして、今度は山口県の場合も、県も市町村もたまりかねて単独に、県費補助、市町村費補助の措置も講じて十分努力をいたしておるようでありますが、これは小さい市町村におきましてはかなり大きな財政負担になりますので、これを十分に特別交付税なりあるいは普通交付税でもけっこうですが、見るようにお願いしたい。いままでは、十分見てくれておるという話であったのですが、よく聞いてみますと、なかなかむずかしい基準をつけまして、だいぶ削られておるようであります。これは市町村を助けてやるということで十分いくように、きょう自治省が出てきておらないのは残念ですが、ひとつ農林当局から自治省のほうによく話しておいていただきたい。お願いいたします。

安倍晋太郎自由民主党農林政務次官

○安倍説明員 ただいまの御指摘の点は、例年の例もございますし、私も全くそう思いますので、自治省の当局と十分相談をして、善処するように伝えておきます。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 以上で私の質問を終わりますが、私が要望いたしましたこと、質問いたしましたことは、おおむねそのとおりにやるのだという御回答があったと了承します。それでよろしゅうございますか。

安倍晋太郎自由民主党農林政務次官

○安倍説明員 干ばつ対策については、昨年の例もあることですし、ことしも、昨年の例に準じて適切な措置を講ずるように、農林省としてはただいま財政当局と折衝をいたしております。そういうふうに努力をいたします。

小澤太郎自由民主党

○小澤(太)委員 農林省はたいへんいつもいいことを言われますが、いざ実行となると大蔵当局に押えられまして、それで実行不可能ということを言うわけです。かなりそういう逃げ道を使われる。これは困ることで、しかも、予算にきまった範囲内で実行するのは、これは各省にまかせられるべきことであって、一つ一つ大蔵省にお伺いを立てて、またそのごきげんに従ってやるということではないようにお願いしたいと思います。  これで質問を終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 次は工藤良平君。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 私も干害の問題について、若干重複をいたしますので、きわめて簡単に御質問をいたしたいと思います。  ちょうど六月二十日の懇談会の際にも、九州の干害の実態については口頭で申し上げたわけでありますが、ここに陳情書も出ておるわけでありますが、農林省のほうでは、干害の応急対策として実施をいたしました額についてどの程度把握しているか、御報告をいただきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 私たちのほうで、ただいま県から報告をとっておりますのは、中四国、九州農政局管内でございます。  そこで中四国の農政局管内では、水路等の工事費、揚水機の購入、揚水機の借り入れ等の事業費を合計いたしまして十一億五千万、それから九州管内で、同じような経費が十四億九千万、合計しまして二十六億五千万が使われたという報告を、県からいただいております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 そういたしますと、相当な被害になっているわけでありまして、私どもも当初水稲の作付の可能な期限というのを、大体七月五日か十日程度と見ておったわけですが、幸いにして後半に入りまして雨も降りましたから、一応水稲の作付についてはほぼ完了しているわけであります。  しかし、いま小澤先生からも御指摘のように、それ以前に応急対策をとらなければならなかったという実態からいたしまして、相当市町村によりましては多額の支出をしなければならないだろう、こういうことがいわれておりますし、特に緊急を要する事項でありましたので、市町村としては、ある程度国に期待を持ちながら事業を推進していったという事実があるわけでありまして、その点については、先ほどの御回答からいたしますと、助成については努力をするということでありますが、この見通しは、大体いつごろまでに立てられる予定でございますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 先ほども申し上げたわけでございますが、植えつけは先ほど申し上げましたようにできたわけでありますけれども、今後の状況もございます。それから、先ほどもお話がありました過去のこともございますので、その辺をあわせまして大体落水期、したがいまして、大体九月の終わりごろまでには見通しをつけたいというふうに考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 そうすると、田植え以前の応急対策事業に要した経費と、今後なお予想されるということを想定いたしまして、いま言った落水期で一応一つの結論を出す。それについては、さっきの御回答のように、助成については私どもも昨年に準じた期待を持ってよろしい、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 本年の応急対策につきましては、先ほど次官から申し上げましたように、われわれとしましてはそういう事態を十分認識しておりますので、十分努力をいたしまして、これから財政当局と折衝いたしたいと考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 その際、特に昨年度の干害に助成をいたしました基準と、ほぼ同様だというように理解してよろしゅうございますか。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 昨年は、先生も御承知のように、近来にない大干ばつでございました。そこで別に要綱をつくりまして、激甚災的な取り扱いをいたしたわけでございます。本年は、全部の金額その他から見まして、そういう段階にはまだ達していないわけであります。  ただ、先ほど申し上げておりますように、今後また全然雨が降りませんと、どういう事態になるかという心配もございます。そういうこととあわせまして考えていきたいと思っております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 その点については、昨年に続いた干害でありますから、連続といっても差しつかえないんじゃないか。特に非常に水位が下がっているということですね。ですから、従来の水路に乗っておった水が乗っていないという状態も非常にありますので、ある一部では、日向灘地震の影響ではないかともいわれておりますけれども、相当水位が下がっておりますから、本格的な恒久対策事業等につきましても、やはり抜本的に検討をしなければならない事項もありますので、ぜひ昨年の干害に続いた干害、連続的な干害というふうに理解していただいて、昨年の措置に準じた措置をやっていただきたいということを、要望として申し上げておきたいと思います。  それからもう一つは、特に水資源の整備に対する農林省としての対策、これをどうするか。特に昨年からことしの干害の実態というものを見ますと、水源地域のほうでほとんど干害が発生をしている。下流よりもむしろ水源地域のほうで発生しているということですから、これは相当恒久的な水資源の整備対策を必要とするのではないだろうか、こういうように思うわけでありますが、その点について、長期的なしかも積極的な農林省の考え方をひとつここで明らかにしておいていただきたいと思います。

中野和仁農林省農地局長

○中野説明員 干ばつ地帯の恒久対策といたしまして、先般の通常国会におきましても、衆参両院で小規模ため池等の整備に関する決議もいただいております。その決議の前でございましたけれども、われわれも四十三年度から予算措置を講じまして、小規模ため池等の整備につきまして、特別の水源整備事業をすでに興しております。  本年度は、新規採択をいたしました総事業費が十五億二千万、それの四十三年度の事業費は五億二千万、それに対します補助は約二億九百万ということで、三カ年計画で整備をいたしたい、こういうことで実施をしていきたいと考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 この小規模ため池の問題については、実は社会党のほうから法案の提出をしてまいったのですが、残念ながら実現しませんでしたけれども、いま御回答のように、これが徐々にではありますけれども整備をされるということについては、私ども非常に期待を持っておるわけであります。  ただ、このような干害が頻発をしてまいりますと、やはりもう少し大規模の水資源の総合的な開発というものが非常に必要になってくるだろう、こういうことで、むしろその点については、農林省のほうが非常におくれているのではないかということを、私は農業振興地域の法案の審議の際にも、若干申し上げたおけです。きょうは時間がありませんから、この問題については、詳しく論議をする機会を別に持ちたいと思いますけれども、ぜひひとつそういう点も配慮に入れながら、恒久対策を実現させるように積極的な具体策を示していただきたい。  なお小規模ため池の問題については、いま御回答をいただきましたように、三カ年計画でやっていただくということでありますけれども、ぜひひとつ四十四年度の予算からは、より積極的な姿勢というものを示していただくように私はお願いをしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林政務次官

○安倍説明員 ただいま御指摘のとおりでございまして、局長からお話をいたしましたように、小規模ため池に対する三カ年の整備計画はただいま進行いたしておりますし、それに対する予算措置等も講じておるわけであります。  御指摘のような、もっと根本的な、長期的な水源確保といいますか、対策というものが必要であるということは、われわれも痛感をしております。そういうたてまえに立って、十分ひとつ御意見のような形で、これからわれわれも積極的に、長期的な形で水源対策というものをやっていきたいと考えております。

工藤良平日本社会党

○工藤委員 これで終わりますが、先ほど御回答いただきましたように、落水期までに一応の結論を出すということもわかりますが、地方自治体等におきましては、どうなるだろうかという一つの不安を持っておりますので、ぜひそういった指導については、それ以前にやっていただくように特にお願いをいたしておきたいと思います。  以上で終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 柴田健治君。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 当局にお尋ねを申し上げたいのですが、去る六月二十日の委員会でお尋ねを申し上げようと思っておったのですが、当日は流会になりまして懇談会形式になった。懇談会の席上西村農林大臣に一言申し上げて、あらためて次の委員会でお尋ねを申し上げる、こういうことで保留にいたしておったわけであります。御承知のように農薬に関してお尋ねを申し上げたいと思いますが、時間もないようでありますから簡潔にお尋ねを申し上げますので、御答弁願うほうも明快にひとつお答えを願いたいと思います。  まず、いま問題になっておりますのは、いもち病予防対策に使っておる非水銀系のPCBA剤、これの後遺症といいますか、副作用といいますか、それに関連するナス科、ウリ科の系統の蔬菜類を中心とした、たばこを含めての萎縮病、要するに奇病という名前でいま農民側のほうが騒いでおることは御承知のとおりであります。五月ごろから騒がれてまいりまして、本格的に世論として取り上げられたのが六月になってである。  農林省のほうは、関係都道府県のほうから要請がございまして、至急に調査団、研究班といいますか、そういう班の編成のもとに、農林省の園芸試験場のほうの部長さんが団長として調査に行かれた。該当県は新潟県と岡山県というふうに限定されておりますけれども、聞くところによれば、その他の多くの府県にも発生しておるように聞くわけであります。けれども、新潟県、岡山県に調査に来られまして、その調査の報告によって、農林省は各関係都道府県に対して指示をされた。その指示の要綱を読んでみますと、まことにあいまいな解釈になっておるようである。ある半面から見れば、明快な指示であるといわれるかもわかりませんが、私たちの立場からいうと、どこが明快なのか、ちょっと解釈に苦しむ点もあるわけです。  それは別として、農民のほうから騒いで、農林省があとから気がつくということでは、いまの農林当局の持っておる試験機関というものは、平素何をしておるのかという疑問が出てくる。時代が進めば進むほど、人間と同じように、農作物に対するそうした伝染病の対策、要するに植物のそうした防疫対策については、薬も並行して進歩してくるに違いない。だから新しい農薬がどんどん出てくる。要するに、新薬が出てくることは間違いない。その新薬が出ることによって、農民が受ける利害得失というものはあるわけでありますが、何も新薬を出してくることにわれわれはけちをつけるわけじゃないのですけれども、新薬が出てくる。それを農林省は法によって登録許可をする。薬の主成分について調査研究して、適合したなら、申請者の書類に間違いがないということで登録許可をするわけであります。  ところが、その使用後における弊害というか、そういう利害について、農林省はやはり調査をする責任がある。その責任があるにもかかわらず、農民側が騒ぐ、地方公共団体が騒ぐということで、第一線のほうが早く発見をする。農林省のほうは法によって新薬の登録許可だけをして、これは使ってよろしいという許可をするが、行政指導の中で、やはりそれぞれの調査機関、研究機関があるとするなら、平素もっと研究しておくべきじゃないか、こういう気がするのですが、その点についての解釈はいかがですか。

川井一之農林水産技術会議事務局連絡調整課長

○川井説明員 ただいま先生から御指摘いただきましたように、最近農薬の開発が非常に進みまして、またこれが農業生産上非常に大きな役割りを果たしておるということで、研究機関といたしましても、開発された農薬の効果あるいはその薬害というものの検証につきましては、できるだけ努力をいたしておるわけでございます。しかし、いろいろ農薬の種類も非常に多いということもございまして、国だけではなくて、都道府県ともできるだけ密接に連携をとりながら、それらの害作用を究明してきておるわけでございます。  その害作用につきましては、大体人畜の影響の問題それから、たとえば蚕その他の有用動物に対する害作用の問題、それから作物に対する薬害、大体この三種類がございますけれども、農林省の研究機関といたしましては、その中で作物に対する害及び有用動物に対する害、これを中心にいたしまして、その農薬を作物にかけた場合にどういうふうに害作用が出るか、あるいはその農薬がどろの中に施用された場合にどういうふうに影響が出るかというような試験をいたしております。  そういうことで、農薬の直接の影響につきましてはかなり試験をいたしてきておるわけでございますけれども、ただいま先生もおっしゃられましたように、今回のような非常に成分がいろいろと変化してきているというものから起きてくる問題につきましては、試験研究機関といたしましても、まあ遺憾でございましたけれども、これまでは全く予測できなかった問題でございます。しかし、これは非常に特殊な問題ではありますけれども、今回発生した問題につきましては、非常に重要な問題というふうに考えられますので、応急的な対策を早急に実施いたしており、それからなお基礎的な問題もございますので、これもあわせて研究に着手いたしておるという状況でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 調査団の人がだれか見えておりますか。調査団の代表者にお聞きしたいんですが、調査団が農林省のほうへ調査報告をした、その報告の内容をひとつ少し説明願いたいということと、その後研究されて、このPCBA剤の塩素系の残効性というものの期限というか、どの程度残るものか、この点まだ疑問に思っておるのが農民なんですよ。わらを使わなければいいんじゃないか、残効性でわらに残っておるんだから、そのわらを使いさえしなければいいんじゃないか、こういう御指導のようでありますけれども、わらというものは使い道が非常に多いんです。  わらというものは、御承知のようにいろんな面に使われておる。なわにも使っておる。畳にも使っておる。それで、いまデマかどうかわからないけれども、畳の中身はみなわらなんです。人間にも萎縮病がうつるんじゃないか、そういうこともいわれておる。畳は全部わらなんです。そうすると床の間、人間の住んでおる居間に、そういう残効性のある塩素剤を含んだわらが、われわれの寝ておる下にあるんじゃないかというような、人畜、人間のほうにも飛び火をするんではないかというデマが非常に飛んでおる。それで、わらに残る残効性というものがどの程度の期間あるのか、そういう調査団の見解もひとつ聞かしてもらいたい。

阿部定夫農林省園芸試験場そ菜部長

○阿部説明員 私ども、六月十四日から新潟県とそれから岡山県を回りました。大体両県の発生の状況でございますけれども、本年の一、二月ごろから発生しております。おもに苗床でございます。トマトとかキュウリ、スイカ等々の苗床で発生しております。それから症状はウイルス症状でございまして、葉が変形するわけでございます。  それからこの原因でございますけれども、新潟の園芸試験場、それから岡山県の農業試験場と大学、この三カ所で原因究明の試験を行なっております。それぞれ別個に試験をしておりますけれども、大体試験の方法は同じでございまして、まず症状の出ました床土を試験場なり大学に持ってきまして、そこで症状の出やすいトマトとかキュウリとか、そういうものをつくったわけでございます。それでつくりますと、やはり現地で出ましたと同じような症状が出ます。  それから、なおそれをしさいに追及しますと、どうも床土の中に含まれておる堆肥に原因があるのではなかろうかということで、その堆肥を使いまして栽培いたしますと、同じような症状が出てくる。それから、さらにその堆肥の原料に使われたわらについても、切りわらにしまして土の中にまぜたり、水につけて浸出をしまして、この液で栽培しますと、同じような症状が出ます。結局、わらに原因があるということがわかったわけでございます。  それから、原因がどこにあるかということを、それぞれ三カ所で追及いたしましたが、大体において、問題のわらはブラスチンが散布されておるということでございます。  ところで、この散布というのも、農家が散布したといっているわけでございますけれども、はっきりした証拠がございません。それで、私どもはほぼ九九%は間違いなかろうということでございますけれども、残された一%はまだはっきりしない点がございます。ことに私たちから感じますのは、ブラスチンは昭和四十一年から使われておりまして、かなり広範囲に、かなりの量が使われておりますけれども、被害が発生しておりますのはほんの一部分でございます。  それから、次の御質問の人体への影響は、私のほうの専門ではございませんので……。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 人体の影響はまだ確認できないのですけれども、残効性ですね。わらというものにしみ込んだ残効性というものは、どの期間中残るものか、それは研究されておりますか。

福田秀夫農林水産技術会議事務局研究調査官

○福田説明員 私からお答えいたします。  作物に施しました農薬がどのくらい残っておるかという問題は、現在、いわゆる残留毒性という問題でございまして、世界的に関心を持たれてまいりましたので、農林省としましても、四十二年から各都道府県の御協力を得まして、いろいろな作物に散布されました、使われました農薬の残留がどのくらいあるかというようなことについて大大的な調査を、現在四カ年計画でやっております。その中にPCBA剤ももちろん入っておりまして、これは今度の事件が起こる前からすでに計画の中にもちろん入っておったものでありますが、その結果がまだ出ておりません。この冬になりますと、PCBA剤に対する結果が出ると思います。いままでに大体二、三十の農薬の結果が出ておりますけれども、PCBA剤についてはまだ出ておりません。  それから、いままで出ました農薬の結果から見ましても、また一般的に考えましても、残留というものが非常にその他の環境条件、気象条件ばかりではございませんで、稲体のほうの条件によりまして、またかけられた時期、すなわち、どういう時期にかけられたかということによりまして、非常に幅のあると申しますか、違った結果が出ておりまして、これは当然考えられることですが、そういう結果が出ております。  したがいまして、PCBA剤につきましても、何カ月くらい残っておるかということは非常な幅があるのじゃないかと思われるのでありますが、その辺の平均をとるか、一番長く残ったところをとるか、それからまたこれは次第次第に少なくなっていくものでございますから、分析方法によりまして、ある分析方法ではゼロというか、検出できなくても、さらに精度のよい検出方法が開発されますと、ごく微量あるというようなことになったりしまして、ほかの薬との比較においては論じられますけれども、絶対的なことで、何日たてばなくなるということは、ちょっとむずかしいかと思っております。  それから、PCBAという形といたしましてはなくなるのでございますが、今回の原因としてもうたわれておりますけれども、これがさらに稲のからだの中で次第次第に変化するものでございますから、その代謝生産物まで全部なくなるかということになりますと、最後は何かの形で残っているということになります。これはほかの農薬についても同じことがいわれるわけでありまして、稲なら稲にはいろいろな農薬が今日かけられておりますので、どの薬からスタートした代謝生産物かということの変わり変わっていった果ては、なかなか解析のむずかしい面もございます。  人体とかその他に対する影響になりますと、これはいま阿部部長のお答えいたしましたように、厚生省の管轄になりますので、そこまでちょっとよくわかりませんけれども、現状はいまのようなことになっておりまして、当面PCBAという形でどれくらい残るかは、この冬になれば出てまいるという段階でございます。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 あまりにも試験のやり方がスローモーのような気がするのです。結局、農薬取締法で登録の許可をおろし、直ちにそれを使用するのだから、使用後の後遺性なり副作用の研究をすべきではないか、それが要するに農林省が持っておる責任の分野ではないか、こう私たちは解釈しておるわけです。登録の許可だけ出したらあとはもうどうでもいい、あとは弊害が起きてもどうでもいいのだというのじゃなくて、あとあとまで研究していくのが農林省の役目ではないか。  たとえば、わらに残留性、残効性が残っておるなら、今年度のわらを一年休まして、二年目に使ったら弊害が起きないなら、一年わらを休ましてその次の三年目に使わしたらどうか。そういうところまで研究して指導すべきではないか。わらを一年間休ましたら、全部残留性も毒害もなくなってしまうのだ。もちろんいもち病の予防対策は、これはやらなければならぬ。これは当然生産性を高めるために、特にいもち病の対策には使わなければならぬけれども、やはり後遺性が残るから、一年なら一年わらを休まして、三年目にそのわらを使いなさいというくらいの積極的な試験をやって指導すべきだと思うのですけれども、まだ何年残留期間があるのか、それがわからないというのはおかしいのであって、今後大いに研究してもらいたい、こう思うのです。  それから、私が次にお尋ねしたいのは、阿部部長がブラスチンに大体ほぼ間違いない。とにかくPCBAの害だ、ところが全国特定の県だけ出たんだ、各県が出ていないと言われるのはおかしいのです。それは、いもち病というのは御承知のように、気象条件、気温等によって非常に出るところと出ないところがあるわけだ。北海道の端から鹿児島の端まで、一斉に発生していもちが出るわけじゃない。どこの県とどこの県、そういうただ二、三県出たから、はっきり認定できないんだというのはおかしいのであって、やはり四十一年度でどこにいもちがたくさん発生したか、どこの県に主体としていもちが発生したのかへその根拠と、それから、特定の県だというのではなくして、およそ被害県、被害面積、要するに被害を受けた県なり面積、被害額というのはなかなか困難でしょうけれども、被害の種類とその程度の実態握把をしておられるのですか。これは農政局長がよく知っておられると思うが、農政局長からその点ひとつ御答弁を願いたい。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 ただいま先生御指摘のとおり、確かに本年の春ごろ、新潟と岡山にまず発生したことは事実でございます。その後作物も、ウリ科、ナス科等多種類の作物にわたって発生をいたしたのでございまして、現在われわれが承知いたしております県からの連絡によりますれば、疑わしい疑似症までも含めまして、被害が一ヘクタール以上発生しているのは十六県ということに相なっておりまして、その被害の総面積は大体二百四十七ヘクタール、こういうふうに承知いたしております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 私は手落ちを責めるわけじゃないのですが、ただ疑問になる点は、先ほど申し上げたように膨大な研究費を持っておられる。当局からいえば研究費が少ないという意見もあろうと思いますが、まあ地方公共団体の予算規模から見たら、国の予算規模というものは大きいのだ。それで地方の公共団体の試験機関なり地方の公立学校、国立大学の一先生が研究して早く発見する、農林省があとからやるというのは、どうも国民の側の受けとめ方が、農林省のほうは後手後手にいっているのだ、こういう不信感といいますか、信頼度が薄れてくる。今度の件について農民が受けた心理的影響、それから農林省に対する信頼度というものは、非常に薄れたと思います。その挽回策として、もっときちっとしたけじめと、すなおになってもらいたい。つべこべ言わずに、ある程度農林省としては研究を怠った、申しわけない、これからも、試験研究機関を総動員して、農薬に関する限りにおいては農民の皆さまに御心配をかけないようにやります、そのくらいの謙虚な、すなおな姿勢であってほしいというのが第一点です。  それからもう一つは、試験研究機関の関連性ですが、地方公共団体なり大学に全部——駅弁大学で、各大学に全部委嘱するというわけにはまいりますまいけれども、大体特定の大学とよく関連を持って、密接な連携の上に立って今後の研究をやっていくという、そういう姿勢がほしいのですよ。  それから試験研究機関の整備拡充、予算の拡大、また人員の整備、これは家畜伝染病でもいえるのですよ。家畜伝染病でも、いまだにニューカッスルの感染経路が明確にならないということは、農林省の怠慢だと私は思う。それからもうあらゆる植物防疫に対して、もっと試験研究を充実すべきではないか。そうしない限りは、農民に与えた不信感というものは、もう取り除くことができないと私は思う。その点について農政局長、いまの機構なり人員なり予算で万全なる処置がとれるか。まだ問題点はたくさん残されておるが、その問題点の究明に対して短期間で結論を出すためには、まだまだ予算も組まなければならぬ、人員も整備しなければならぬ、それぞれ地方の出先の試験機関との関連性を高めるためにはどうやったらいいのか、そういう方法と考え方について、ひとつ見解を述べてもらいたいと思う。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 先ほども先生がおっしゃいましたように、農薬取締法によりますと、第二条で。製造業者が販売する場合に農林大臣の登録を受けなければならないということに相なっております。その際その申請書にあわせまして、農薬の薬効及び薬害に関する試験成績を記載した書類を出してもらっておりまして、これに基づきまして、御承知のとおり農林省といたしましては、農薬検査所の職員に検査をいたさせております。  そこで、やや弁解がましく聞こえるわけでございますが、先ほども川井課長からのお話にもございましたように、過去の長期にわたる農薬使用の経験から見ますと、かかる現象の生ずることは想定がつかなかったということでございまして、先ほど申し上げました農薬取締法の二条三項によります検査では、今回のような二次的薬害についての検査というものは、率直に申し上げまして実は行なっていなかったわけでございます。先生の御指摘のとおり、今回みたいな事故が起こりまして農民の方に迷惑をかけましたことは、まことに申しわけない次第でございます。  そこで、今回の事故につきまして、生育障害の発症条件あるいはメカニズム等につきまして、現在、これも先ほど話がございましたが、農業技術研究所あるいは園芸試験場等におきまして科学的な解明をいたしておるのでございまして、この研究成績を参照いたしまして、将来必要とあらば二次的薬害についての検査も行なった上で正式の登録、販売を認めるということに、検査の体制は整備しなければならぬというふうに考えております。  なお、今後の事故に対処する問題につきましては、政務次官からお答えをいただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党農林政務次官

○安倍説明員 ただいま農政局長から御説明いたしましたように、今回の事故は、農林省の試験当局としても予知し得なかった問題ではありましたけれども、たいへん農業者の方に迷惑をかけまして、その点は非常に遺憾に思っておるわけで、この経験を十分われわれは今後生かしまして、再びこうした事故が起こらないように、ただいまも農政局長がお話を申し上げましたように、検査取り締まり体制、試験研究体制並びに使用指導体制の強化を十分にはかっていきたいと考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 政務次官も農政局長も、すなおに悪い点は欠陥を認めてもらったことですから、それ以上私は言いませんけれども、今後時代の流れとともにどんどん新薬が出てくる。これはまたお互いに期待をしなければならぬし、新しい薬が出て、そうした病害虫の対策に大きな役割りを果たしていくことについては、われわれは大いに望んでおるところであります。しかし、その新薬が出るたびに、あとで問題が起こるようなことがあっては困るので、われわれはあくまでもそういうことの起こらないような、これを契機として災いを転じて福にするような方向で取り組んでもらいたいということを強く要望しておるわけですから、その点ひとつ十分御理解の上で、今後の取り組み方に万全を期してもらいたい、こういうわけです。   〔鹿野委員長代理退席、坂村委員長代理着席〕  それから、特にいま農民のほうから、被害を受けた点については責任の問題が出ておるわけです。責任問題というのは、たとえば損害補償の問題をいうておるけれども、損害補償というものは、これは相当の根拠がなければ出てこないということもいえるわけですけれども、結局、いもち病の予防対策また防除対策が、国なり県の指導方針というものは、個人個人が防除するのでなくして、集団防除、共同防除という指導をしているでしょう。だから国はそれに対する防除器具の補助を出す。そこで農民側からいうと、こういうことをやらしたのは国と県の責任だ、こういう言い分も出てくるわけですね。それから、農林省なり国なり県が思いやりで集団防除を督励し、共同防除を督励して、そして一団地なら一団地その日には全部防除日として、日にちをきめて防除をやらした。   〔坂村委員長代理退席、鹿野委員長代理着席〕 その後そのわらを使ったために、ナス科、ウリ科を中心とする野菜物が萎縮病、奇病といわれる害を受けるというのは、これはあくまでも国と県の指導だ、だから国と県にある程度責任があるのだという責任の所在の問題を明らかにしてくれ、こういう意見も出るのです。  そこで、これは参考のために聞いておきたいのです。被害に対する対策、薬だけの対策でなしに、その被害農作物に対する対策、補償責任、こういう問題についての見解を聞いておきたいのですが、どういう考え方を持っておりますか。

安倍晋太郎自由民主党農林政務次官

○安倍説明員 ただいま御指摘のありました被害の補償問題につきましては、この原因がまだ断定できない段階でもありますので、いますぐここで申し上げる段階ではございませんが、原因がはっきりいたしますれば、関係者の御意見等も十分聞きまして、これは良識をもって対処していきたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 この点については、阿部団長重大な責任があるようです。いまの安倍政務次官と阿部さんが責任を持たれるようなんですけれども、園芸試験場の阿部団長さんは九九%までは間違いなかろう、もう一%残っておる、こう言うのですが、九九%ということになると、おおむね結論は出ておるようにしろうと側から見れば判断ができる。もう少し研究上余地があると思いますけれども、この点について明快にひとつ調査団としての結論を——いま大体ぼくら聞くと、九九%というと結論が出たと思うが、しかし、これは中間報告で最終結論でないと思うのです。そこで、その点で農林省のほうへ自信のある結論報告をお願いをしておきたい。  それから安倍政務次官は、先ほど御答弁ありましたように、今後の結論が出次第適切な処置をするというまことに思いやりのある御答弁をいただいて、私もほっとしておるわけですが、額がどうであるとかあとをどうするとかいう数字的な問題でなしに、やはりすなおに責任の問題も明らかにしてもらうと同時に、今後こういうあやまちは起こさないようにやるんだという意味において、農民の方に御迷惑かけた、こういう意味でひとつ何らかの処置を期待をしておきたい、こう思います。ありがとうございました。  それから、今後の問題として私がお願いしておきたいのは、農薬取締法をぜひ改正する必要があるのではないかということです。この間農林大臣にもちょっと申し上げたのですが、いま農政局長は現行法規を中心に御説明を願ったけれども、第二次の副作用、この点についてやはり改正をする必要があるのではないか。今後世の中が発展してまいりますと、いろいろな新薬が出てくることは間違いない。その新薬に対しての第二次の副作用、第二次作用というものについては、実際日本の役所というものは法律によって動かされておるのだから、園芸試験場の阿部団長さんが相当の権威者であっても、法律以外のことまでどんどんやるというわけにもいかないし、法律に定められた人員で、法律に定められた予算において運用をやっているのですから、やはり法律を改正して、第二次の試験、第三次の試験ができるような、そういう法の改正をすべきではないか、こう私は思うのですよ。そうしないと、大蔵省に予算要求するのも、こういう法律がありますからここまで研究しなければならぬのです、この研究費がこれだけ要るのです、登録許可までの試験はここまででよろしいが、使用後における第二次の副作用、後遺性というものについての研究をするためには予算がこう要りますという法理論的な根拠が明らかでないと、大蔵官僚の——大蔵官僚といったらしかられるが、確かにあなた方は大蔵省に頭が上がらぬと思うのだが、やはり理由を明確にしておかなければ予算が取れないと思うのですよ。だから、取締法の改正をこの際次の機会にやるべきではないか、こう思うのですが、見解を聞きたいのです。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 先ほども農薬取締法の運用の問題としてお答え申し上げたわけでございますが、御承知のとおり登録申請がございますと、農薬検査所の職員をして検査をいたさせております。その際、先ほど申し上げましたように、従来の長い農薬行政の経験でこういったことがありませんでしたので、第一次的な薬害の検査しかしていなかった。しかし、今回のような二次的薬害についても農薬の問題としてあり得るということでございますれば、われわれといたしましてはそういった体制で、登録にあたりまして、二次的薬害までを含めました検査をいたす、こういうことを申し上げておるのでございます。  そこで二次的薬害、今回のブラスチンについていいますと、はっきりそういったことがわかりますれば、御承知のとおり第六条で、記載事項に変更があるときには届け出を受けることになっておりまして、この届け出で、私のほうは使用上の注意ということを記載さしておりまして、二次薬害があるということがはっきりいたしますれば、使用上の注意事項にそういうことをはっきり表示させてまいるという考え方で、今後指導に当たってまいりたい、かように考えております。  二次薬害検査の問題は、現行法の二条三項でもできないことはないわけでごございますので、特に残留毒性の問題等につきましては、年々内容を充実するように予算要求もいたしておりまして、今後農薬検査所の職員等体制を整備いたしまして、二次的薬害の問題についても対処し得るようにしてまいりたい、かように考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 まあ農政局長、あなたは自信のほどがあるようですが、私はそう解釈していない。いまの現行法規で万全とはいえないと私は思う。この点将来検討を願いたいと思うのです。いまここであなたと私と論争したって、あなたはいまのような見解であるけれども、これがまだまだ——いまたまたまPCBAだけが問題になっているが、今後どんな薬剤がどんな弊害を起こして第二次薬害が出てくるかわからない。これだけで万全と私はいえないと思うのですよ。大いに検討を願いたいと思うのですが、いかがですか。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 現行法律にさらに検査体制等も含まめして、なお充実をはかってまいる方向で検討いたしたいと思います。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 次に、やはり農林省のいま持っておる試験機関だけでは、私たちも万全と信じたいのですけれども、こういう手落ちがあれば——手落ちというとおしかりを受けるかもしれぬけれども、手落ちがあると私たちは解釈しておるわけですね。  そこで、やはり地方公共団体なり各大学にもう少し試験委託費を出して、もっと一体となってその研究をすべき事態が来ておるのではないか。どんなに農林省がひとり気ばってみたところで、万全な研究ができるとは私は思えない。やはり日本の中にあるものは全部使っていくだけの指導性を発揮してもらいたい。その指導性を発揮するために、ある程度予算を出していくべきじゃないか、委託研究費をもっと出すべきではないか、こう思うのですが、その点についていかがですか。

川井一之農林水産技術会議事務局連絡調整課長

○川井説明員 いまの点につきましては非常に重要な問題でございまして、農林省の試験研究機関といたしましても、その点を最近十分慎重に反省いたしまして、最近、できるだけ地方公共団体並びに各大学関係の研究の方々にも積極的に協力していただくように努力してまいっておりますが、現状決して十分ではございませんので、今後御趣旨に沿いまして、十分その点の拡充をはかってまいりたいという考えでおります。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 もう時間が来ましたから終わりにしますが、最後に、この塩素系のPCBAの農薬はなるべく遠慮したほうがよかろう、わらも使わぬように、こういう内示でもしたらどうか。ことしの気温からいうと、先般もある地域においてはひょうが降った。ひょうが降るような地域には、またいもちが出てくることは間違いない。ことしの日本列島における気温の情勢を見ると、梅雨前線の関係もあるわけでありますけれども、いもちが出る可能性が多分にあるわけです。今後、今年度のいもち病対策については、万全な処置がとられるかどうかということなんですね。この点について自信がありますか。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 御承知のとおり、私のほうでは発生予察事業をやっておりまして、本年度のいもち病につきましても、時々刻々発生の状況についても報道をして指導しておるわけでありますが、そのほか先生御指摘のように、農薬問題が一つあるわけでございまして、御承知のとおりPCBA剤につきましては製造を停止しておりまして、それにかわる分といたしまして、抗生物質あるいは有機燐剤の農薬をメーカーに増産いたさせまして、数量的にもおおむね予定の数量を確保できるという見通しもつきましたので、これら両々相まちまして、いもち病対策につきましては万全を期してまいりたい、かように考えております。

柴田健治日本社会党

○柴田委員 それなら、もうほかの農薬で万全が期せられるという自信がおありでありますから安心はいたしましたが、何としても病害虫対策については、生産者である農民のほうも重大な関心を持ち、生産費の中の経費を見ても、そういう病害虫の予防対策費というものが相当の額にのぼっておることは御承知のとおりであります。相当のそうした防除対策費を生産農民はかげながら、あとで他の裏作といいますか、そういうものに弊害が出るということに対して不安がありますので、総合的な関連、やはり農民の換金作物というものの奨励なりまた農業経営、営農のあり方、こういう面から見て、農薬が一方では利得が出るが一方では害毒が出るという、その利害得失でプラス・マイナス検討してみると、相当の経費をかげながらそのあとで、その残ったわらを使ったために農家所得の減少を来たすということがあっては、今後の営農に対して非常に不安がある。そういうことを考えますときには、もっと農林省も責任のある姿勢で十分取り組んでもらいたい。こういうことを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 以上をもって午前中の審議を終わり、休憩いたします。  午後は一時半より再開をいたします。    午前十一時五十八分休憩      ————◇—————    午後一時三十九分開議

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続いて農林水産業の振興に関する件について質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず田澤吉郎君。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 米価運動に関しましては、毎年熾烈をきわめてきているわけでありますが、特に今年度は非常に最悪な条件がたくさん重なっているようであります。  そこで生産者団体は、過般来四百八十万の署名をとって、あるいは国会に、あるいは政府に、各党に、いろいろ陳情しているわけでございますが、国会議員に会いますと、自由民主党の議員に会えば、まあ一俵当たり九千二百四十四円は妥当であろう。社会党の議員に聞きますと、一俵一万一千円を私たちは堅持するのであるから、九千二百四十四円というのは当然であろう。民社党しかり、あるいはまた公明党、共産党も、いずれも九千二百四十四円という価格を支持しているわけでございます。  ところで、私たちに生産者が言うのでありますが、国会議員の大多数の人たちがこういうように支持しておる価格を政府がのまないで、変なかっこうで結論が出て、そうしてまあまあという形に毎年なるというのは、世論政治、こういう形の政治のもとでこういうことが通るとするならば、日本の国の七ふしぎの一つになりはしないか、こう言うのですが、農林大臣はこういう立場にあるこの気持ちをくんでいただかなければいけないと思うのであります。  ですから、いま米価の問題というのは、先ほど申し上げましたように、食管制をどうするかという問題、あるいは食糧自給の確保をどうするかという問題、あるいはまたスライド制をいろいろ議論している段階において、私は農林大臣こそは生産者の立場に立って米の値段を強調し、これを決定してやろうという意思がなければならないと思うのでありますが、私たちは、そのためには応援団となって農林大臣を支援してまいりたい、かように考えますので、農林大臣、今回の生産者米価決定にあたって、生産者の立場に立って米の値をきめようとするのであるか、消費者の立場に立って米の値をきめようとするのであるか、はっきりした態度で臨んでいただきたい。ほんとうに生産者の立場でひとつ米の値をきめてもらうことを言明していただきたいと思うのでありますが、御所見を承りたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 生産者の諸君が、非常にししとして米をつくっていただくことに対しては、国民の大事な主食であります、主要食糧でありますので、それに対しては非常にけっこうなありがたいことだと思っております。  問題は、価格の決定の問題が御質問の中心であります。農林大臣は生産者の立場を重んずるか、こういう御意見であります。もちろん農林大臣という職責の中には、農業政策また食管法に基づく国民経済の観点から、主食の安定供給を確保していく、この食管法の使命に従って生産者米価、消費者米価、これをきめていくというのは当然の職責であります。  そこで率直に申しますと、生産者の意向というものは十分米価に反映しなければならない、これは当然でしょう。ただ、それでは要求されたる米価そのものが妥当であるかどうかということになると、これはもちろん国民食糧を安定的に供給確保するという国民経済の一つの観点からの議論というものが当然あってしかるべきで、そういう中で生産者の意向も十分反映しつつ決定をしていく、こういう姿勢でございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 どうもはっきりしないのでございますが、国民経済的な立場からもちろん考えるべきでありましょうけれども、私はあとで詳しくお話し申し上げますが、農林大臣としては、やはり土地が高くなっているとか、物価が上がっている現在において、しかも都市と地方との経済的所得の格差がだんだん激しくなっている、こういう状態において、農民の生産意欲をこわさないような米価を決定してやるべきが当然である。それが農民諸君からいわせますと、九千二百四十四円というのは、ほんとうのささやかな私たちの願いであるから、これだけは最小限度として通していただきたいということが、おそらく大臣の手元にもいっているだろうと思うのでございまして、そういう点から、ひとつ生産者の立場からできるだけ多くものを考えて今回の米価を決定していただきたい、これを要望するわけでございます。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 生産者の代表の諸君からは、もうすでに数カ月前から十分その御意見は承っておりまして、私どもも事務当局に検討はさせておるわけでございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 あまり時間もございませんので、次に移ります。  そこで、今回の米価の問題で一番重要な問題は、米価審議会の中から生産者代表あるいは国会議員を除いて、中立米審というものを確立した。それをつくったもとは、もちろん生産者あるいは国会議員を学識経験者として米審の中へ入れていくと結論が出ない。そういうかっこうだから今回ははずして.中立米審というもので進めていくということをやって、今日その米審が動こうとしているわけでございますが、どうしてこういう形の審議会がつくられたのか、その点をまず大臣から御説明を承りたいと思うのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは、もうすでにこの委員会等を通しましてしばしば御説明を申し上げたのでありますから、多くを繰り返しませんが、ポイントは、米価審議会の委員から生産者代表、消費者代表を抜いた、これについて御議論があるということは、私もしばしばこれは聞いておるわけであります。  これには両論があり得るのであります。私は両論があると思います。一つの考え方は、生産者、消費者が入っていくべきだ、これも一つの議論です。しかし同時に、実際にその生産者、消費者が入って、従来はそれに国会議員の方も加わっておったが、そしてその経緯というものは、御存じのとおりの状況下で答申をどうしても得られない、こういうような結果が続いてしまった。  そこで、答申を今日のような——さっきも、米価をきめます上に非常に困難ないろいろな条件があるとおっしゃっておりましたが、そういうような事態の中で、問題を大所高所から議論してもらっていくのには、どうしても中立委員でいこう、中立委員と申しますか、生産者、消費者でない立場でいこう、こういうような形で、すでに私が着任のときには、委員はほとんどが発令済みになっておった。そして麦価決定のときが参りましたので、これはどうしても構成をしっかりし、会長の選出等をして麦価の審議を願った、こういうことでございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 公平な議論をしてもらうために中立米審だけでやるということ、そうでしたら、いま国がやっております審議会は二百八十五あるわけです。その中で、特にその審議会の規則の中で、各利害者代表を入れているのが二、三あるだけで、あとは大体学識経験者という中で生産者なりあるいは中立の委員を出しているわけですが、その二百八十五のうち学識経験者で構成されているのが七十一あるわけです。  私は大蔵省あるいは各省の関係の審議会の材料も持ってきておりますが、その中で、特に食糧庁と関係のある審議会があるわけでございます。甘味資源審議会でございます。これは米価審議会とは全く逆に、ほとんど生産者の代表を入れてつくり上げているじゃありませんか。一体政府は審議会に対する一貫した考え方があるのか。米に対してだけは、何か非常に均衡のとれたいい意見を出すために、生産者あるいは国会議員を入れないといっておりますが、他の同じ食糧庁の扱っている甘味資源審議会ですら、生産者代表がはっきり入っておるのでございます。こういう形では、私は政府の審議会のあり方、諮問する態度自体を疑問に思うのでございまして、私は、あくまで毛米価審議会というものは甘味資源の審議会と同じように、生産者代表を入れてやるのがほんとうの正しい考え方、諮問のしかたであろうと思いますが、その点に対する大臣の考え方を承りたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私は、さっき申し上げましたように、これについては両論成り立つと思っております。生産者と消費者が入ってやるのもよし、また逆にそうでないのも一つの意義がある。  ただ、特に米価審議会の場合には、過去の経緯は、米審委員をおやりになった方は御存じでございますが、非常に複雑な経緯をとって無答申を二カ年も続けている。しかも今日は、先ほどお話しのように複雑な状況に立っておる。それだけに、こういう事態のときにどうしても大所高所から一つの答申を得たい、こういう観点から構成をされた、こう思っております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 政府並びに自由民主党のトップクラスの方々は、生産者の意見を聞くために、田中角榮先生を会長とした米価調査会というものを窓口として、生産者の声を聞いて米価を決定するのであるから、中立米審でいいというようなことを新聞等で書かれているわけであります。これは、自民党の中の窓口を通して生産者の意向を聞こうとしているのでありますが、しからば農林省自体は、生産者の意見を聞く窓口というのは一体どこにあるのでありますか。それを承りたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは、農林大臣として当然の職責でございます。したがって、消費者はもちろん、生産者の意向というものは十分聞かなければならぬ。すでにもう私どもは、いろいろな機会に中央会長とお目にかかったり代表者にお目にかかって、事務当局のほうは事務当局のほうで、またいろいろな御要望を承ってやってまいりました。麦についても同様に、会議所の意見等も承ってまいっております。これは当然の私の職責であると考えております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 ただいまその辺で声がありましたように、ディスカッションにならない単なる生産者の声は、私はほんとうの尊重すべき議論じゃないと思うのでございます。私は、あくまでも米価審議会の中には生産者を入れて、すっきりした形でこの米価というものを決定すべきだ。しかも、四百八十万人の署名をとって、ほんとうに真剣になって動いている生産者の立場を考えてやるとするならば、この米価審議会というものを、もっと真剣な生産者のためのディスカッションの場にしてやるのが、ほんとうの農林大臣の考えでなければならないと思うのであります。  しかも農民の人たちは、中立米審に対して何と言っていますか。政府の御用機関である米審と言っているじゃありませんか。その中で、かりにも正しい米価のあり方が諮問され答申されたとしても、非常に誤解を招く危険がありますので、農林大臣にその点の警告を発し、再度考える必要がないかを御答弁願いたいわけでございます。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 生産者の意向というものは十分私から、また同時に私どもの担当の専門の職責を持っておる者から、米価審議会にも伝えてまいります。また農林省内部におきましても、生産者団体の関係者が十分検討をいたしておるのであります。(「そんなのは雑音だよ」と呼ぶ者あり)これはやはり正式の機関として政府はやっております。決して雑音でやっているわけではございません。農林大臣としてやっておるわけであります。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 どうもはっきりしませんが、どうか大臣、この生産者の気持ちが米価審議会の中でディスカッションされるような形を、今後つくり上げることに努力を払っていただきたいと思うのであります。  そこで、次の問題でございますが、自由民主党とそれから政府のトップクラス、農林大臣も入っていると思うのでありますが、さきにいろいろ決定した、米価に関する基本的な方針があるわけでございます。それは、第一番目には、当面食管制度というものはあくまで堅持する。第二番目には、米の自給度はあくまでも堅持する。第三番目には、米価決定にあたっては、都市と農村との所得の格差を十分考慮しながらこれを検討していこうということを決定されたと、私たちは新聞その他で聞いているわけでございますが、農林大臣はこういう考えでおられますかどうか、ひとつ承りたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 選挙にあたりまして、自民党としては御存じのとおり、これは党の立場でありますが、食管制度の根幹を守り適切な米価を決定する、これが公約でございます。それ以上いろいろ新聞に書いておりますが、私は党の意向はそう考えております。また、私もこの会議を通して、食管制度の根幹は守っていく、こういう御説明を申し上げているわけであります。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 食管制度の根幹というのは、生産者に対しては生産費・所得補償方式、消費者に対しては生活権を守ってやるという、この二つが根幹だと思うのでありますが、生産者に対しては、生産費・所得補償方式というこの形を守っていこうとするのであるか、承りたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 食糧管理制度の根幹というものは、国民食糧の確保及び国民経済の安定をはかるために必要な食糧を政府が管理するということであります。生産者に対しては、米の再生産の確保を保障する、消費者に対しては家計の安定を保障する。これが食管の根幹だと私は解釈しております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 私たちは、農林大臣としてもう少し、当面の食管制度はあくまでも堅持するという態度がほしかったわけです。しかも、自給度をあくまでも堅持しなければならない。それから都市と農村との所得の格差を是正してやって、農村の近代化の諸施策ができ上がるまでは助けてやって、そして農村の近代化のための一助としての米価のあり方をつくり上げていかなければならないという考え方を、農林大臣が主張するかと思ったら、全くそういう点がないのは残念でございます。  そこで、どうかそういう点に関していま一度、食管制度の根幹を守るなどということでなく、食管制度をあくまでも堅持しましょうと言明してもらいたい。これは総理大臣も言明しておられることですので、この点だけでもひとつ言明していただきたいと思うのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 総理大臣も、しばしば食管制度の根幹は守る、こう言っておるのであります。食管制度を守るのではなくて、根幹を守る。その根幹とは、先ほど申し上げましたような趣旨でございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 どうかひとつ、根幹を守るだけでなく、食管制度をできるだけ堅持していただいて、生産者諸君が心配しているこの心配を解決して、もっといい米価のあり方にしていただきたいと、私はこれまた要望せざるを得ないわけでございます。  次に、今年度の米価決定にあたって、多くの悪い条件があるわけですが、その中で、米の持ち越し米が非常に多くある。古米が二百三十四万五千トンも余るので、これではどうもいかぬから、食管制度も変えていかなければならないというところが、その辺にあるんじゃなかろうかと思うわけです。しからば、実際に日本の米というものはそんなに余るだろうか、そんなに古米が出てくるのだろうかと、私は疑問になるわけであります。農村の生産者の方々に言わせると、そんなばかなことはない、農林省は米の値段をきめるときになると、どうも水増しのいろんな持ち越し米の数字を出してきて、何カ月かたつと、今度は米が足りなくなったというデータを出して、消費者、生産者、ともどもに困らしているような状態じゃなかろうかということを言っているわけです。現に、今年度は二百三十四万五千トンでありますが、昭和三十九年なんかは一万三千トンしか持ち越していない。こういう事態が将来ともこないとどうしていえますでしょうか。  ですから、私は過去のいろいろな実績と、将来のこの米の持ち越しの見通しなんかをひとつ、事務当局のほうでもよろしゅうございますから、説明を願いたいと思うのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 出来秋における米の持ち越しが一応二百三十五万トン、これを精算した場合にどういうふうな数字が出てくるか、まだ多少動くかもしれませんが、一応二百三十五万トンということであります。昨年度がたしか六十万トン。したがって、これを配給に直しますと約五カ月くらいになりますか。  そこで、これが今後どういうふうな見通しかというのは、食糧庁長官なり当局から御説明しますが、私どもといたしましてはいろいろ検討いたしました。なるほど今後の気象条件とかいろんなことに制約される面もあるから、一がいには断定できない。この状態が将来ずっと恒常的に続いていくとは、長い目で断定はできませんけれども、当面、当分の間というものは、食糧需給というものは緩和してくるんだ。これはいまの農業の、いわゆるいろいろな技術水準等から見まして、当然そういう結論を持っております。当分は需給が緩和してまいります。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 もう与えられた時間が来ましたので、途中でやめざるを得ないわけですが、どうかひとつ、この持ち越し米に関しましても、はっきりした科学的な計数を出していただきたいと思います。  それからもう一つ、最後でございますが、総合予算主義をとったので補正予算を組むわけにいかぬということをいって、生産者と消費者の米価というものを一緒にやって、そうしてスライドさせようという考えが非常に出てきており、それをまた大蔵省あるいは経済企画庁が大賛成だとかいうことを新聞に書かれ、また財政審議会というものがじゃんじゃん太鼓をたたいているわけでございます。しからば、予備費が千二百億あるわけでございますが、このうちで賃金のベースアップのものが大体四百億か五百億、それに十勝沖地震その他の災害でまた五、六百億から取られますと、千二百億というものはどうしたってなくなってしまうと思うのです。  ですからこういう意味からいっても、総合予算主義というものはとれないばかりではなくて、米の問題に関して総合予算主義を堅持するなどということは、私は非常に重大な問題だと思うのでございまして、こういう点に関しては今後、まだまだそんな段階ではない、オーバーしたらその分だけは赤字として堂々と認めてやりましょうというくらいの農林大臣の考えがなかったならば、総合予算主義を排除していくような農林大臣の考え方がなかったならば、どうして生産者が安心して米をつくることができるだろうか、こう思いますので、この点に関しても、ひとつ農林大臣の明快な御答弁を承りたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 必ずしも御趣旨には沿わぬと思いますが、明快に答えます。政府としては総合予算主義を貫いてまいるというもとに、あとは食糧管理特別会計等の運用その他を考え、その中において価格決定をしてまいりたい、こういうことでございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 これで終わりますが、先ほど劈頭に申し上げましたように、われわれ国会議員は、九千二百四十四円という米価は、最低のささやかな農村民の願いであろうと思っているわけでございます。おそらくこういう考え方を持っている国会議員は数多いであろうと思うのでありますが、この国会議員の願いというものを農林大臣は深く胸に入れて、そうしてわれわれが笑って拍手ができるような生産者米価をつくり上げていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 次は西宮弘君。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 古来、鶏群の一鶴ということばがございます。たくさんの鶏が群れ集まっている中に、一羽のツルがおったということわざでありますが、ただいま田澤委員の質問を聞いておりまして、まさに自民党内における鶏群の一鶴だ、こういう感じがいたしまして、深く敬意を表するのでございます。私は、自民党の中にも一片の良識を持った同志がおられることを承知いたしまして、まことに意を強ういたしたのでありまするが、ただし残念ながら、これに対します政府当局の御答弁は、われわれを納得させることはできなかった。質問をされました御本人も、十分納得ができないことを繰り返し言っておられたのであります。その点まことに残念でありまするけれども、私は、いま田澤委員が指摘をされましたような数々の問題の中で、限られた時間でありまするから、米価審議会の問題についてだけしぼってお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に、田澤委員の御質問に対しまして農林大臣は、考え方は二通りある、しかしそのうちの一つを選んだのだ、こういう答弁を二、三回繰り返されたのでありまするが、それでは二通りある考え方の中の一つを選んだその根拠は何であるかということを、もう一ぺんお尋ねいたしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 一つを選んだといいますか、先ほど来もすでに御答弁申し上げておるのでありますが、従来生産者、消費者も入られまして熱心に論議はされたのでありますが、残念ながら二年にわたりまして、米価審議会の答申を政府は待ちましたけれども答申が出なかった。こういうような経緯を考え、今日の時点においてどうしても答申を大所高所からやってもらわなければならぬ、こういう意味で、今回中立と申しますか、ああいう米審の構成になったというように考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 答申不能という問題ならば、実は前年、前々年、そういう状態におちいりました際に、にもかかわらず米価を決定したという問題でわれわれは指摘をしたわけでありますが、それに対する当時の農林大臣の答弁は、答申はなくても、審議の経過をわれわれは十分聞いた、細大漏らさず聞いたのであるから、皆さんの意見は十分わかったので、それは何ら必要ない、こういう答弁を繰り返しておったわけであります。もし必要なら速記録をお読みいたしてもよいのでありますが、そういう答弁を繰り返しておる。  だから私は、答申ができなかったということだけの理由で、いわゆる生産者.消費者の代表、あるいは国会議員の代表、こういう者をはずしてしまうという理由にはならないと思うのですが、その点はいかがですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米価審議会というものが、きわめて大事であることは御説明申し上げるまでもない。そこで、どうしても答申をいただきたいということも、これも米価審議会というものを構成する以上、大事な要素だと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 昨年は、ここにありまするように、これだけ膨大な資料が、当時の審議会の記録として出たわけです。それで当時の農林大臣は、そのことを繰り返し繰り返し主張されて、答申はなくても差しつかえないんだ、答申はなくてもきわめて有意義な審議会であった、こういうことを強調されたわけです。つまり、それぞれの代表者の意見が開陳をされて、それはきわめて有意義な審議会であった、こういうことを強調されたわけなのです。  それならば私は、答申が出るほうがいいと思いますけれども、たとえ答申ができなくても、それはそれなりに十分の理由があると思うのですが、どうなんですか、その点は。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 答申が出なければ答申が出ないなりに、当時としては審議会の審議の経過を参考にする以外に方法はなかったと思います。しかし、審議会を構成する以上は、答申を求めるために審議会を構成する、それに主点があると思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 とにもかくにも答申だけもらえばいい、こういうことであれば、そういう答申のできそうな人、つまり政府と同じような考えの人だけを選んで答申を求めるならば、それは答申が出ることは当然でしょう。しかし、そんなものを期待して米審の委員を任命したって何の意味もないと思う。最初から政府の方針が非常にはっきりわかっており、またそれに対して、それと全く同じような考えを持った人だけを選んで構成するならば、答申が出ることは当然です。だから、答申を求めるということだけに目的があるならば、それはそれでよろしいと思うのだけれども、そんなものじゃおそらく何の意味もないのじゃないですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 政府の意見に従う人を選んだというふうには、これはすでに任命されておったのですが、そういうふうに私は考えておりません。いろいろな角度から議論がなされて、しかも答申が出る、こういうふうなことで構成されていると思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは二十二名について一人一人申し上げましょうか、今日までどういう言動をしておられるか。これは全部政府の考え方というか、あるいは大蔵省の考え方とほとんど軌を一にした考え方を持っている。そうでない、若干ニュアンスの違う人も一人、二人いないわけでもありませんけれども。もし大臣がそうじゃないとおっしゃるなら、私ここで一人ずつ、いままでお述べになった意見なり、あるいはまたこれらの二十二名の人たちの論説なり、そういうものを御紹介したいと思います。ただ、それをやっている時間がありませんから、また別の機会に譲ります。  しかし、そういう人は、とにかく農林大臣が任意に任命できる委員なんですから、農林大臣が任命する委員が農林省に刃向かう、農林省に敵対する一といっては語弊があるかもしれませんが、とにかく意に沿わない人を任命するはずがない。どうしても私の言うことに納得できないというならば、二十二名について全部詳細に御説明いたします。これは初めから農林省の意を迎える人ばかりです。どうですか、そういうふうにお思いになりませんか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私は、個々の方がどういう意見を持っておるか深くは知りません。しかし、農林省自体がこういうふうに持っていこう、それにただ唯々諾々としてついてくる委員を選んでいる、そういう解釈はいたしておりません。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は農林大臣が、第一どういう考えを持った人であるかも知らないで任命したのは、まことに不見識千万だと思う。もちろん、任命したのは前の農林大臣でありますけれども、どういう考え方を持っておる人か全く知らない、こういう不見識なことはおよそあり得ないことだと思う。  いま、この米審問題について反対をいたしておりますのは、私ども野党だけではありません。たとえば、われわれと同じような考え方を持っております農民組合とか、そういうのはしばらくおくとしても、もちろんわれわれと全く同じ考えを持っておるわけだが、それらはしばらくおくといたしましても、たとえば、農協できょうも決議をいたしております。この前任命されました直後にも、農協は激しくこれに抵抗する、こういう決議をいたしておりますし、あるいはまたごく最近においても、ことばは若干違いますけれども、同じような内容の決議をいたしまして、こういう審議会が構成されて、「われわれの新米審反対の、至極当然な要求にも耳をかさず、この開催を強行せんとしていることは、まさに暴挙以外の何ものでもなく、農民の政府に対する不信の念はつるのばかりである。」こういうような決議をいたしておるわけでありますが、こういうふうに、いわば全く農民団体の代表であります農業協同組合等においても、こういうことを堂々と決議をしておる。  福田幹事長は、口を開けば、だれよりもだれよりも自民党は農民を愛する、こういうことを言われるのだけれども、もしだれよりも愛するならば、なぜ農民がこれほどきらっておる、これほどいやがっておるこの問題を強行しようとされるのですか。幹事長と農相の立場は、政府と党とで違うかもしれませんけれども、ひとつお聞かせを願います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 もちろん私、農林大臣として、当然農民の立場を十分考えつつやりますが、米審の構成自体は、過去の経緯等にもかんがみまして、ああいう構成になったということも、一つの理由が立つのではないかと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そもそも生産者の代表、消費者の代表を入れていない審議会、これはいわば力士のいないところに行司だけが上がっておるようなものだ、こういうことをいっておる新聞がありましたけれども、全くそうだと思うのです。  政府は米を買って、さらに消費者にこれを転売するわけですが、こういうやり方は、単に民主主義に反するということだけではなしに、いわば資本主義の原則にも反するのではないかと私は考えるわけです。売り手と買い手を抜きにして、そこでかってにきめてしまう、いわゆる問答無用式にきめてしまう、こういうやり方は、民主主義に違反することはもちろんでありますけれども、それだけではなしに、資本主義の原則をさえ踏みにじっているのではないか、こういうふうに考えるのですが、大臣の所見はいかがですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私は、生産者の意向が反映しないじゃないかといいますが、農林大臣といたしましては、生産者の意向というものを十分承っております。また審議会にも反映しております。それから同時に、それはそれぞれの党でも御調査がありますが、政府・与党は一体でございますが、私の所属する政党におきましても調査会をつくって、生産者なり消費者なりの意見というものを十分聴取して、当然それは農林大臣へも反映してくると思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 たとえば、自民党に設けられた調査会において生産者の意見を吸収する、こういうお話もありますが、この前開かれた会合には、新聞の報道によりますと、生産者のなまの声を直接聞くというので、第一線の生産者を集めてその会合を開いたという話でありますが、その第一線の生産農民は、非常に張り切って出席をしたけれども、その当時その調査会に出席をされた自民党の委員は、わずかに六名にすぎなかった。五十名の委員の中で六名しか来ない、会長も来ない、こういうことではなはだしく失望した、こういう記事を新聞で読んだのでありまするが、そういうやり方で、その程度のことで生産者の意見を聞いた、こういうことで済まされたのではたいへんだし、同時にまた、そういう形で意見を聞くのでは、これは単に、いわば陳情、請願を聞くだけに終わってしまうと思う。  私はそうではなしに、米審の中に、米審の構成委員として生産者の代表、消費者の代表を加えるということは、単に陳情を聞くのとは違うのです。これは議決に参加をするあるいは議決権を行使するのですから、それと全く根本的に違うのだが、その辺をはき違えているのではないでしょうか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 審議会というものは、一つの政府の諮問機関でございます。米価は政府が決定をするのでございます。したがって、審議会に生産者、消費者の代表の方が入ることももちろん一つのいい方法でございましょう。しかし、従来の経緯から無答申が続いたので、答申を得たい、そこでこういう構成になったと思います。  党におきましても、今後も生産者なりあるいは消費者なりの意向を徴し、私のほうでも不断にその努力を重ねて、審議会というものに映してまいりたい、こう思っております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 いま大臣は、米価は政府がきめるんだ、したがって、審議会の意見は単なる参考にすぎない、こういう話でありますが、それでは審議会と政府、あるいはまた政府と表裏一体をなす自民党の調査会、これはどういう関係にあるのか、お聞きをしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは政党内部の関係になりますが、政府と党というものは、政党政治でいまやっているわけでありますから、当然政府と党は基本的には一体になってまいる。ただ、法律に従って最終的決定の責任は政府にある、これはもうはっきりしております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私の質問は、質問のしかたがまずかったかもしれませんが、私は米審と政府の関係、あるいは政府と一体をなす米調との関係、つまり、両者が違った意見が出た場合にはどうするか。全く同じ意見が出たならばけっこうでありますけれども、たとえば、自民党の政調なりあるいは政府なりが考えている米価を米審の決定が上回るという場合には、それではどうされますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米審が、まだ諮問案も決定しておりませんから、どういう答申を出されるか、これは予測しがたいところであります。また党のほうは党のほうで、一応いろいろな調査を進められております。政府もまた最終的な結論は、答申なり党の意見というものを徴した結果出すのでありまして、できるだけそれが一致する方向で出ることを期待もいたしておるわけであります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 もちろん、両者ともまだ審議をしていないのですから、具体的な数字が出るはずはないので、私がお尋ねをしているのは、その二つの意見が完全に一致をすれば問題がないけれども、一致をしないときにはどちらを選ぶのかということです。  つまり、農林大臣は米審の決定は尊重する、こういうことをしばしば米審で言明をされているわけです。だから、私は具体的に、たとえば政府・自民党の決定よりも米審が上回ったときにはどうするのか、あるいはまた逆に米審が下回ったときにはどうするのか、その点をお聞きをしたいと存じます。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米審においていろいろな角度から検討して、どういう形の答申を出されるか、これも一つの今後の課題であります。同時に、党と政府もできるだけ食い違いがないように、その間の調整につとめてまいりたい、こう思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 もちろん、党と政府の間は完全に一致するでしょう。私はそんなことは聞いていない。私の質問に答えてもらいたいと思うんだけれども、その党と政府、それと米審との食い違いはどうするかということですよ。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは、米審の意向というものを十分われわれはしんしゃくはしなければならぬと思います。また、基本的にはそれも尊重する姿勢でいきます。しかし立場としては、片方が諮問機関、片方政府は決定機関でございます。したがって、しんしゃくをしながら最終の責任は政府において決定をするということであります。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私の質問の内容に具体的に答えていただきたいと思うのですけれども、要するに、米審の決定が政府・自民党の決定を上回ったときはどうするか、下回ったときはどうするか、こういうことでお答えをしていただきます。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 お答えにならないとおっしゃるかもしれませんが、米審の答申がどういう形で、どういうものが出るかを見た上でないと、私は具体的には御返事はできないわけであります。(「そんな仮定を聞いたって答弁できないよ」と呼ぶ者あり)

西宮弘日本社会党

○西宮委員 問題は仮定でも、これはきわめて重大だと思うのです。たとえば、いま政府と自民党は一体だと言われましたけれども、田中米調会長はこう言っているわけですよ。党の米価調査会は政府の米審以上の力を持っており、ことしの米調の決定は党議に等しい、こう言っているわけですよ。党の決定は米審以上だと言っておるのです。だから、それならば党の決定だけでいくんだ、それならそれでそう答えてください。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 法律に従いますと、ごらんのとおり最終の責任は政府にあるわけです。ただし、党も政府も一体的に動きますのと、それからもう一つは、党としては十分民意を反映する努力をすることは、政党としては当然のことだと私は思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 党と政府が完全に一致することはもちろん問題がないし、この前もすでにその問題で、たとえば二十四日の第二回目の米審の際にも、その問題を追及をされて、わざわざ農林大臣は佐藤総理のもとまで出向いて相談してきて、また米審で回答をしている。こういうことで、米審を尊重するのかしないのか、米審の決定をどのように扱うか、この点は米審では強く問題になっているわけですよ。  そこで、もしここで田中米調会長が言うように——党は政府と表裏一体なんですから、米価調査会の決定は米審以上の力があるんだ、こういう考え方ならば、米審なんというものは全く意味がないと思う。どうなんです、その点は。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 そこで、米審がどういう形の決定を出すか、そこいらは決定を見ないとわからないのでございます。ここのところを、ただ仮定の議論としてわれわれが幾ら押し問答いたしましても、結論は同じことでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ただそういうことで逃げるというだけならば、私ども全く無責任きわまると思うのです。それだから、たとえばこっちに来れば適当な答弁をし、あるいはさらに米審に行けばまた再度総理に相談をしなければ答えができない、こういうことにおちいってしまう。まことに無責任きわまると私どもは思うのでございます。  私は生産者、消費者の代表を加えて議論をさせて、その上で中立委員が意見を述べる、こういうことならば意味があると思うのですよ。たとえば、いわゆる労働委員会であるとか、あるいは社会保険審議会であるとか、あるいは最低賃金審議会であるとか、こういうところにも、それぞれ中立委員といわれたり公益委員といわれたりする人がおります、しかしそういう人は、そういう利害関係者が意見を述べ合うことを前提にして、その意見の最後の調整に中立委員が当たるわけです。ところが今回の政府の任命は、そういう利害関係人は全くオミットしているわけです。したがって、そういう点で出てくる結論は、大体見なくてもわかるような気がするんだけれども、しかしそれさえも、そういう意見が出たときにどっちを尊重するかということさえも今日きまっておらない、こういうことでは、私は全く無責任きわまると思うのです。  しかし、同じことを繰り返しておっても時間がたちますから、私はこの米審の構成問題についてちょっとお尋ねをしたいと思うのです。  第一は、きょうは行政管理庁からも来てもらっておるので、あわせて意見を聞きたいと思うのでありますが、兼任の問題ですね。これは、ごく最近またあらためてこの問題を蒸し返しておるわけです。政府では、兼任しておるのはけしからぬ——まあけしからぬとまでは言わないが、不適当である、こういうことで、この問題を五月の末にまた蒸し返してきて、それを再度確認をしておるわけですが、米審については、すでに予算委員会において、わが党の角屋委員から強く指摘されたように、非常な兼任をしている委員があるわけです。こういうのに対して、今日までどういう措置を講じてきましたか。

木下薫行政管理庁行政管理局審議官

○木下説明員 お答え申し上げます。  政府の審議会の設置並びに運営の全般につきましては、昨年の秋に閣議で口頭了解がなされまして、三十九年に出ました臨時行政調査会の意見の線に沿いまして、今後の運営改善をはかるように申し合わせたわけでございます。それは、審議会の本来の目的であります専門的な知識の導入をはかるとか、公正の確保をはかるとか、あるいは各種行政の総合調整をはかるのが審議会の目的であるという趣旨にかんがみまして、審議会の委員につきましては広く人材を求め、清新な意見を政府は聞くことにするというような趣旨でございます。  その線からいたしまして、審議会の委員があまりにもたくさんの審議会の委員を兼ねておられるということは、本来審議会の委員は他に本職がある方でございますので、肝心の審議会の審議がおろそかになるおそれもあるという趣旨から、なるべく兼任を押えたいという趣旨で閣議の申し合わせがなされております。そういうような線に沿って、実際の人選並びに運営等につきましては各省庁でなされておりますので、そういう方法で改善がなされつつありますのが現状でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは農林大臣にお尋ねをいたしますが、その改善がなされつつあるといういまの行管の答弁でありまするが、米審委員についてはどういうふうに改善されましたか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 確かに、兼職が多いということについては、原則的には私どもも避けるべきだと思います。しかし、中には他にかえがたいような立場にある人、こういう者が兼職として多く入っておるということは事実でございます。しかし、これは任期一年をもって任命いたしましたから、その任期の期間中においては、これはそのままにいたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 最後の語尾がちょっとはっきりしなかったのだけれども、これは十二月までの任期だ。したがって、この次には全然そういうことはやらない、こういう意味ですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 今後、任期が過ぎました後におきましては、新しい米審の構成というものは、いろんな過去の経緯、それから米審の運用等の経過に徴しまして、十分いまの兼職問題等も考慮に入れて考えたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 食糧庁長官にお尋ねいたしますが、内閣でこういう大原則があって、それに対していわば例外的な措置を講ずる、こういうときには人事課長会議できめるんだ、先ほどこういう話を聞いたのですが、事実でありましょうか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 審議会の委員の兼職の問題に関しましては、やむなく限度四委員会ということが守れないというような場合には、人事課長会議の審議を経た上で兼職のオーバーする場合を認めるということに相なっておることは、御指摘のとおりでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ちょっとはっきり聞き取れなかったが、それの例外をきめるときは、人事課長会議できめるというわけですか。そうでしょうか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 内閣におきまして、各省の人事課長会議の審議にまかせるということになっておるように承知いたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 大臣にお尋ねをいたしますが、いわゆる閣議の申し合わせ事項には、そういう場合には、人事課長会議できめるというようなことはどこにも書いていないわけですね。およそ閣議の決定というものは、この程度の権威しか持たないものなんですか。つまり閣議の申し合わせば、そういう例外は全く認めていないわけですよ。むろんその中には、いわゆる原則とかそういうことばはありますけれども、それを、いわば閣議できめたことを人事課長会議でかってに適当にきめていく、そういうことが許されるのか。つまり、閣議の決定というのはその程度の権威しか持たないものなのですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 閣議では、確かにそういう者はなるたけ、原則として排除する、このことは私も了承しておりますし、また、当然いいことだと思います。  ただ、どうしても余人をもってかえがたいとか、各界においてのひとつの権威を持っておるというような人の場合におきましては、それは例外措置として弾力的な運用をしてもらう。その場合にも、私は詳しいことはちょっと答えにくいのでございますが、各省の人事課長が集まりましたその席で、さらに各省それぞれがいろいろな審議会を持っておりますから、そこいらとの関係も兼ね合わせてその点審議を経ていくのじゃないか、こういうように解釈をいたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は、それでは閣議の決定なんというものは全く意味をなさないものだと思う。せっかく閣議できめたところが、人事課長会議でかってに修正をされるというような程度のものでは、全く意味をなさぬと思うのでありますが、もう少し議論を先に進めたいと思います。  特に今回の米審の中で特色を示しますのは、いわゆるマスコミの代表が非常に多い、こういう点なのでありますが、これはいかなる理由でありますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 特にマスコミを非常に多くしたということでもないのでありまして、まあこれについても、それぞれの経済の相当な専門家、それからマスコミ関係者でも、あるいはその会社の経営者である人、論説にある人、そんな立場の相違が私はあると思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 特に多くはないという答弁でありましたけれども、これは全部調べることは、さっき田澤委員も言われましたように、百四十五も団体があるわけでありまするから、あまり多過ぎるので、私は両院の同意によって任命する委員会だけ持ってきたのでありますが、それは二十七あります。その中でマスコミの代表が入っておりますのは、国家公務員のいわゆる人事官三人のうちの一人、それから検査官にはゼロ、原子力委員会もゼロ、科学技術会議もゼロ、宇宙開発委員会もゼロ、このようにゼロゼロで、おりますのは行政監理委員会委員六人中に一名、公安審査委員会委員長及び委員六人中の一名、それから旧軍港市国有財産処理審議会委員五名中の一名、中央社会保険医療協議会委員四名中一名、日本放送協会の経営委員十二名中の二名、日本電信電話公社経営委員五名中一名、単にこれだけなんですね。二十七ありますけれども、あとは全部ゼロなのであります。  それに比べて今回の米審は、全二十二名のうちで八名、古い人も合わせると九名が言論人だ、こういうことになっておるのですが、これは一体どういう意図のもとにこういう任命をされたのですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ちょっとここに私は名簿を持っておりませんが、もちろんマスコミ関係者はあります。ありますが、その中にもマスコミそのものをやっている人と、経営者である人と、それからまた論説、立場の違う人もおそらく私はあるのじゃないかと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は、なぜそれを選んだのかという理由をお尋ねをしたので、ただそういう者がおりますということだけでは、私の問いに対するお答えにならない。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 全体の構成から見まして、ある程度のマスコミ関係者が入っても、私は差しつかえないと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 時間がありませんから質問を終わらざるを得ないのでありますが、私は、こういうふうに二十二名中に八名ないし九名の、おそらく経営者であろうと論説委員であろうと、そういう人が入っている。これは、明らかに何らかの特殊の意図を持っているといわざるを得ない。ほかの委員会はそうじゃないのです。いま私が申し上げたように、ほかの委員会とは全く違った形態をとっている。ここには特殊な意味があるといわざるを得ないと思う。これは当然大臣としては、これこれの理由があってこうしたのだという説明があってしかるべきだ。  私はこの米審の問題については、まだまだお伺いしたいことがたくさんあるのでありますが、限られた時間ですからやむを得ません。きょうはこれで終わりにいたしましてあらためて質問いたしますが、その点だけ最後に明確に答えてください。特にどういう意図を持っているのか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私は、特に特別な意図はないと思います。ただ、今日、やはりものごとの事態を把握しながら経緯等をずっと見た場合に、そういう方面の人も加わってやっいくことは、他の委員会におきましても例があるからやっておるというふうに私は見ております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 そういう答弁をされるなら、もう一ぺん尋ねざるを得ないのだけれども、ほかの委員会の例は、いま私が申し上げたのですよ。たとえば二十七委員会の中で、全部合計してもわずかに五、六名だと思うのだけれども、大部分はゼロで、あるところでも十人に一名とか六人に一名とか、せいぜいこの程度しか入っておらないわけです。私は、本来ならばマスコミ関係者というのは、第三者として局外にあって、政府のやり方その他を批判するという立場にあって、そういう立場を確保すべきだと思う。そういう人が一緒に執行部の中に入ってきて、みずから批判の自由を放棄する、こういうことは正しくないと思うのだけれども、そういう議論は抜きにしても、とにかくこの審議会の最大多数のメンバーはマスコミ関係者なんですよ。それは何の理由によるのか、こういうことをお尋ねをしておるわけなんですから、それをはっきり答えてください、その理由を。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは私は、いまのお話の中にも出ましたように、マスコミというのは一つの事態に対して批判をする立場の人だと思います。その中には学者もありましょう。したがって、そういう面からマスコミが加わったというふうに考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは時間がありませんから、また次の機会に質問さしてもらう、こういうことを委員長にお願いして質問を終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 次は佐々栄三郎君。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 私は、まず委員長にお尋ねをしたいのですが、米価が最終的に決定されるまでに、もう一度委員会を開く予定かどうか、これをお伺いしたいと思います。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 米価が決定するまでに、農林委員会をですか。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そうです。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 農林委員会は、十九日と二十日と二十三日と、三日間にわたって委員会を開きます。そして前々からの、農林委員会において十分国会議員の意思を政府に反映させるというこのことを、十分貫くつもりです。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そうしたら、もう一度委員長にお尋ねしたいですが、前回の麦価審議のときに、あなたはきょうは代理ですけれども、あのときに流会になりました。流会になったのは、私はこれは国会議員としての審議権放棄だと思うのです。私は非常に残念に思うのです。おそらくいま委員長がもう一度開くというように言われたのは、きょうは諮問案がまだ決定しておらぬからもう一度開く、国会として、米審に国会議員が参加しておらぬのですから、だからその必要性が当然ある、こういうことで言われたと思うのですよ。  そうすると、前回の麦価のときにも、やはり諮問案が出ておらなんだですね。それで、結局は流会はするし、また農林省のほうでは諮問案も出しておらなかったというような形になったのですが、米と麦とについてそういうような差別的な考え方でよろしいのかどうか、これを私はお尋ねしたい。同時に、前回そういうことになったということが誤りであれば、あなたは委員長代理でお気の毒ですけれども、まことに不手ぎわであったという一言をひとつお願いしたい。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 お答えいたします。  この前麦価の問題について、中断して懇談会に移ったのは、あなたも御承知のとおり、いろいろなあのときの事情からでございます。ただ問題として、あなたはこの委員会の運営上、そうした麦の問題について審議をもう少ししてほしいという意思を、あなたのほうの代表の理事の方を通じてやっていただければ、本日そうした審議の時間もとることができたのではなかったかと思います。あらためてあなたの意思に基づいて理事会にはかりまして、来たるべき委員会の中において審議する時間をつくることも、相談いたすことにいたしましょう。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 それは麦価が決定される前に委員会を開くべきであったのですよ。きょう開いても、国会軽視という責任は免れぬです。それはそれでよろしい。  それで、私は前回麦の問題についてお尋ねしたいと思っておりましたずいぶんたくさんの項目があるのですが、その中で、時間がありませんから二つだけを選びましてお尋ねをしたいと思います。  それは、まず一つは、私どもは従来から麦の価格が安いということについて、これが、耕作放棄の大きな原因だということについて申しておったのですが、最近、聞くところによりますると、百五十億円の麦対策費を五カ年間に出して、そうして来年度においては、そのうち二十億円を予算化する。こういうような考え方があるように承っておるのでありますが、この金を、聞くところによると生産対策費として使われるそうでありますが、いかに生産対策費としてたくさんの金を使いましても、現在の麦の価格をもっていたしましたのでは、これはなかなか麦の増産ということは期待できないと私どもは思うのであります。  そういう点から、麦の価格の引き上げ及び耕作放棄地の飼料作物化のために、この作付奨励金を使う意思があるかないか、そういう点についてお尋ねをしたいと思うわけです。

太田康二農林省農政局長

○太田説明員 ただいま先生お尋ねの、麦価の決定に伴う麦生産対策でございますが、確かに麦生産対策を講じろということが、実は本年の麦価決定の際に、自由民主党のほうから申し入れがあったのであります。  その内容を簡単に申し上げますと、要するに、麦作の集団的組織を育成する、生産構造の抜本的改革をはかるということで、農業協同組合等の協力のもとに、次の施策を総合的に実施するための助成及び融資措置を拡充強化する。その中身といたしましては、土地基盤の整備、あるいは地力の培養、麦作の機械化、一貫体系の整備、集団的生産組織の育成、こういった事業実施のために麦対策費として五年間に百五十億円、初年度二十億円を計上することを目途に検討しなさい、こういう申し入れがあったわけであります。  そこで、われわれのほうといたしましては、やはり基本といたしましては、主産地における生産性の高い麦作の実現を目途に、機械化と集団化ということに重点を置きまして、農家の麦作生産意欲を喚起するような施策を講じなければならぬだろうということで、都道府県の意向あるいは農業団体等の意向も徴しまして、目下農林省内部での予算の編成の作業中でございますので、こういう点を含めまして目下検討いたしておる、こういう段階でございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そういう方面に麦のためにお金を使われましても、先ほど申しましたとおり、現在の麦に対しての生産意欲が農民にないというのは、価格が引き合わないからでありますから、それに目をつむっていて、いかにその他に金を使おうとも、とうていその効果はあがらないということを、私は申し上げておきたいと思います。  その次の問題は、等外麦の問題であります。等外麦が農協の倉庫に検査したあとたまって、相当膨大な麦が滞留しておるわけです。政府はこれを早く買い上げるべきだと思うのですが、これについてのお考えを承りたいと思います。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 麦を生産いたしますと、申し上げるまでもないことでございますが、通常の収穫をいたしました場合にも、一部に等外麦が必然的に生産されるということは当然のことでございます。食糧管理の本来のたてまえは、国民食糧の確保のために必要な米麦を買い取り管理をするということでございます。したがって、食糧として問題がございます等外麦は、原則的には買い入れないで、生産者あるいは生産者の団体の手で処分を願うという考え方をとっておるのでございます。  ただ、災害等におきまして、通常の生産に伴う等外麦の発生とは違うような態様が出ました場合には、これはそのつど等外麦の買い上げ等をやって、一種の災害対策として買い上げを実施しておるということでございまして、本年度産麦につきましても、等外麦の発生の態様等を慎重に配慮いたしまして最終的にきめてまいりたい、こういうふうに思っております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 昨年、一昨年並びに従前、いろいろそういうことをいわれながら、結局は買い上げておられるので、私は買い上げられることと考えておるわけですけれども、いま長官の言われたおことばを聞いておりますと、何か現在の食管法にそういうような、あなたがおっしゃったような規定があるのでございますか。私は間接統制の場合、農民が希望すれば、全量を買い入れるということが間接統制のたてまえだ、こう考えておるのですが、後学のために承っておきたいと思うのです。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 食糧管理法の規定によりますれば、麦については、政府は無制限買い入れということを明確にいたしておるのでございます。ただ、食糧管理法第一条の国民食糧の確保をはかるためということでございますから、これはあまり言いますと、いろいろむしろ自縄自縛におちいるおそれもありますが、等外麦というものは、通常流通する国民食糧としては本来不適格だという規格のものでございますから、原則的には買い入れはいたさない。  ただ、災害等で通常の生産に伴うような等外麦でなく、大量に個々の農家に等外麦が発生するというような場合に、食糧管理特別会計の一つの政策的な機能発動という意味で買い上げておるというふうに理解をいたしておるのでございます。今後もさように考えてまいりたいというふうに思うのでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 ことしは麦作地帯は非常に災害がありましたので、これはぜひともひとつ買っていただきたいと思います。  時間をとりますから、次に米の問題に入りたいと思いますが、総合予算主義、スライド制、この問題ですが、私はこれは食管法四条二項の規定に違反しておると思うのです。総合予算主義で予算を編成するときに、生産者米価をきめれば消費者米価は自然にスライドしていくということなんですが、食管法第四条二項で、「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」ということをきめてあるのですから、そのときにあたって科学的な調査に基づかなければ、生産者米価がきまったときに自然にスライドするというような結果にはならないと思うのです。私は総合予算主義というのは法律無視な考え方だと思うのですが、大臣いかがでしょう。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 総合予算主義そのものは財政上の問題でありまして、食管法自体と直接の関係はないと思います。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 食糧庁長官からお答えをいただきたいと思うのです。どうもいまのお答え私は納得できません。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 大臣のお答えは、簡明率直であったと思うのでございます。私ども事務的に若干補足して申し上げますと、総合予算主義という意味は、本年の財政の基本的な態度として、年度途中に事情の変化があっても、予算の補正を行なわないことをたてまえとする財政の基本的な姿勢を示しておるものであると理解をいたしているものでございます。そのことは、食糧管理特別会計においても例外ではないという趣旨であろうと思っております。  食糧管理法第三条、第四条で、政府の買い入れ価格、売り渡し価格というものが、それぞれ法律の規定で基本的な方向が示されているのでございますが、このことは、私は、お話のように、スライド制ということを予定しているものでもなければ、また両者の関係が全く無関係であっていいというふうに規定しているものでもないと思います。いわゆる生産者米価については、米穀の再生産を確保することを旨として定めるべきであるという見解を示し、消費者米価については、消費者の家計を安定させることを旨とする、言うならば、多少技術的に申し上げれば、家計米価の範囲内でしかきめられないぞということを法律はうたっているのである。その間の問題は、事実問題として総合予算主義と調和するかどうかということはありますけれども、総合予算主義と第三条、第四条と直接に関係があるということではないという意味に、大臣のお答えを理解いたしております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 けさの新聞によりますと、総合予算主義とかあるいは逆ざやの解消とかいうような問題について、大蔵省がいろいろ発表した記事を新聞が書いております。こういうような新聞の記事を私たちが見ましたら、これはいかにもお役人さんが、机の上で考えたことをそのまま実行するというような空気が非常に見えるのです。  しかし、私はこの消費者米価につきましては、生産者米価と同じように、生産費調査、労賃調査というものが基本になって生産者米価がきまるものとするならば、消費者米価についても、やはり同じような科学的なデータに基づいてきめられるべきものであって、役人さんが机上でスライドとか、総合予算とかいうて初めからきめてかかるべき問題ではないと考えている。この点、あなたの見解は私はどうも納得できません。しかし、これで時間とるわけにいかぬから、これはひとつあなたよく考えてください。  それから、私が次に問題にしたいと思いますのは、政府は食管制度の根幹を維持するというておりますが、最近の新聞を読んでおって、食管制度の根幹がゆるがされ、間接統制に移行するのではないかという不安を持たない者はだれもおらぬと思うのです、特に農民は。だから私は、そういうことをいいながら、きょうの朝の新聞のように、なしくずし的に、方向は食管制度の根幹をゆるがし、間接統制化の方向へ進んでいくその道を歩んでいると思うのです。  そのことについて、私はことしこういう議論が大いに論じられるようになりました原因は、やはり一つの基本にあるのは、ことしの異常なと申しますか、非常な豊作だったと思うのです。私はこの豊作という問題について、政府が、今後もこういうような豊作があり得るものと考えておるのかどうか、これは今後も続くと思っておるのかあるいはこれは異常な豊作だ、こう見ておるのか、その点についての見解を伺いたいと思うのです。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 四十二年度産米が、御案内のように玄米トンで千四百四十五万トンというような生産量を示したのでございますが、この数字は、従来の平年作に比べますと一二%増というようなことでございまして、この生産量は明らかに異常なものである、こういうような大豊作が常にあるというふうに考えることは、私は適当でないと思うのでございます。  ただ、この千四百四十五万トンという生産をささえたものの中に、従来からの土地基盤の整備でございますとか、あるいは農業技術の進歩とか、そういうものがあずかっておるということを考えますれば、今後著しい不作というものが、また反対に起こるという危険性も、至って少ないというふうに考えるのが妥当であるというふうに思っております。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 私は、去年の豊作は平常の作柄ではない、異常な豊作だった、こう思うわけです。  そこで農林省としては、最近技術も上がって反収もふえたのだというお考えもあるようですが、大体農林省佐賀統計調査事務所の四十一年度産米についての調査によりますと、これは増産に対する技術と気象の寄与率に関する調査ですが、これによりますと、気象効果が六六%、技術効果が三四%、農林省でこう発表しておるわけです。これをどういうふうに思われますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 その問題につきまして、私ども食糧管理を任務とする者がとやかく言うのは適当でないと思いますが、農林省関係の専門的な技術者が判定をしたものは、これは専門的にそれを批判するだけのデータがない限り、尊重すべきものであるというふうに思います。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 そういうわけで、私は昨年のあの豊作を前提として、昨年千四百四十五万トンの生産があったから、今後食糧が余るのだという考え方の前提に立って、間接統制の方向へ進んでいこうとするのは誤りだ、こう思うわけです。  そこで次にもう一つ、これに関連してお伺いをしたいのは、私は現在のような食糧の滞留状況というものの原因の一つは、いま言った豊作のほかに、もう一つ輸入の問題があると思うわけです。それで、いろいろ調査の結果を検討してみますると、大体昭和三十年から四十一年まで、外国から最低十一万トン、最高九十六万トンの輸入がこの十数年間にあったことになっております。  ところが、この輸入の問題につきまして私が申したいのは、この輸入がいかにも無軌道に輸入されておるように私は思うわけです。たとえば、三十年度過剰が四万五千トン、それから輸入が九十六万四千トン、四十一年度が過剰が二十一万一千トン、輸入が四十七万五千トンです。これは八月から九月を一年度とした計算ですから、食糧年度と違っておりますけれども、こういうように、非常に食糧が過剰であるのに輸入しておる。  それから、不足のときも必要以上に輸入しております。たとえば四十年度四十六万五千トンの不足に対して、輸入が九十四万一千トン、こういうようになっております。それから四十年の八月末の繰り越し在庫が八十一万トンありますが、その後二カ年の間に百四十二万トン輸入しております。そして、その結果として四十二年の八月の末に繰り越し在庫が百九十八万トンと大幅にふえてきておるわけです。  そこで、本年十月末の在庫見込み二百五十万トン、二百六十万トンになった原因が、私は、こういうような無軌道な食糧の輸入に大きな原因があると考えるのでありますが、大臣はどういうふうにお考えになるか、お伺いしたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 細部につきましては、私からよりは、数字の問題ですから食糧庁長官からお答えいたします。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 いま佐々先生からの御質問は、八月末在庫ということでお尋ねになりましたが、私のほうの手持ちの資料は、いわゆる米穀年度の数字になりますので、ずれがあることをお許し願いたいと思います。  御指摘のように、たとえば最近では、三十九年、四十年、四十一年とかなり大量の外来の輸入をいたしております。それが今日の在庫にどう影響しておるかということは、結局は、米穀年度末における古米の繰り越しにどう影響するかということに相なると私は思うのでございます。と申しますのは、年度末の総繰り越し量の中には、新米穀年度以前に買い入れをいたしました新米が入っておるわけでございますので、それも見るべきである。そういうことにいたしますと、昭和四十一年の一米穀年度の年度末における繰り越し在庫は、わずかに十八万六千トンということでございますから、ここでは、輸入米というものが在庫圧力になってあらわれておるというふうには理解すべきではないというふうに私は思うのでございますが、四十二米穀年度は、御案内のように四十一年産米が、従来かなり生産状況が悪かったのが、ようやく平年作水準に戻ったということと、それから従来の経過から見まして、ある程度の輸入米を必要とするであろうということで輸入いたしました四十五万七千トンの外米というものが加わりまして総供給量になった。ただし、その中には工業用として十六万六千トンという、これはある程度外米固有の需要と見てもいいと思いますが、それを差し引きまして、その結果約六十万トンの在庫が米穀年度末にあらわれたという限りにおいては関係がある。  ただ、世間といいますか、一般にいわれておりますように、百万トン近いような輸入をいたしました当時の外米が、今日の在庫圧力になっておるというのは、私は事の経過を見て、そういうわけではないと思いますが、四十二年産米の大豊作を生産される前に食うということは、これはとても不可能なことでございますから、外米の問題を反省いたしますためには、四十二米穀年度以後の問題として私どもは検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 私、時間がもうありませんので、もう少し深くこの問題を申したいのですが、これ以上詳しくは申し上げませんが、ただ、ちょっとかみ合わぬ点は、私、実は農協の食糧月報をもとにしてつくった資料でいま申しておるわけです。そういう点で若干食い違いがあるのです。  ですが、私がこの問題について申し添えたいのは、二年間で、先ほど言ったように百四十二万トンの輸入がごく最近あったわけです。これが、もしもっと控えて三十万トンぐらいの輸入で押えておいたら、それからまた同時に、昨年が異常な豊作でなかったならば、ことしいわれておるような過剰な食糧の在庫ということにはならないんだ。おそらく百万トンぐらいの在庫でとどまったのじゃないか。そこに、現在非常に過剰になっておる原因は、一つは豊作、一つはこういう膨大な輸入、こういうことを私は申し上げたいのです。  そこで、もう一つこの問題に関連してお伺いしたいのですが、四十二年度の輸入は幾らか、それから四十三年度の輸入見込みとして政府は三十三万トンとか二十三万トンとかの計画をしておるようですが、こういう過剰な状況の中で、なぜこういうような計画をしなくてはならないのかということを、御答弁いただきたいと思うのです。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 四十二年度というのを、会計年度で申しますと、輸入米の総量は三十六万四千トンということでございます。米穀年度で申し上げますと、これは期間のズレがございますために、輸入米の買い入れ量は四十五万七千トンということでございます。  四十三年の計画輸入量は、これは——いままで申し上げましたのは、すべて砕米を含んでおりますが、含めまして、会計年度で買い入れ量三十三万トン、米穀年度で見ました場合には、同じく三十三万トンということでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 時間がありませんからもう一、二の問題だけで終わりたいと思いますが、私は、政府の食糧輸入政策について非常に大きな疑問を持っておるのです。米以外の小麦、トウモロコシとかいう飼料、こういうものの自給率がだんだん減少しております。どんどん輸入がふえてきておるが、一体どういうような考え方を持っておられるか。おそらくわれわれがこういうことを言わなかったら、今後もどんどん国内の価格を下げてつくらせないようにして、それで外国からはどんどん入れる、麦と同じようにそういうような政策がとられるのではないかと私は思うのです。  こういう政策がとられる基本にあるものは何かということを考えてみると、これは、私はやはり自民党の性格にあると思う。一つはアメリカのドル防衛に協力し、アメリカのアジア政策に肩がわりしようという、そういう考え方がある。それからもう一つは、高度経済成長政策によって工業製品が非常に過大にできるようになったので、やはり輸出を促進いたしますために食糧を日本へ輸入するというような、そういう政策がとられておるのじゃないかということを私は非常に感じるのですが、いかがでしょう。

大和田啓気農林大臣官房長

○大和田説明員 食糧農産物の輸入が最近におきまして相当ふえておることは、御指摘のとおりでございますが、その理由は、いまいろいろ御指摘されましたようなことではなくて、むしろ日本農業の性格と申しますか、生産力を伸ばすべきところ、あるいは生産力の伸びることの可能なところと、たとえば、飼料作物といいますか飼料穀物といいますか、日本農業の現在の段階におきまして、その生産をふやすことが非常に困難なところで需要がふえ、また輸入がふえるという状況でございます。  日本の農産物の輸入がふえることがこのままの状態で続くことが、日本の農業にとりましても、あるいは国民経済にとりましても決していいことではございませんので、私どもただいまの農政の段階といたしましては、かつて昭和三十七年でございますか、農業基本法に基づきまして農産物の需要及び生産の長期見通しを立てたわけでございますが、その後の事情の変化に応じまして、新しい現在の段階において相当先の見通しを立てて、可能なところにおいてできるだけ増産をはかって、自給度の向上に資したいというつもりでやっておるわけでございます。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 時間が参りましたのでもう一問だけで終わります。  私は、世界の食糧事情が今後ますます逼迫をしていく、こう見ておるわけです。したがって、国内のいわゆる食糧自給政策というものにうんと力を入れなければならぬので、間接統制化の方向へ進んでいくということは、結局農民が米をつくらぬ、麦をつくらぬということになるわけですから、こういうような世界の食糧事情から考えますと、政府としては、やはり農業政策というものが工業政策の犠牲にならないように、十分な注意をしていただく必要があると思います。  それからいまの間接統制、いまの食糧管理法による国内米勘定の損益を見ますと、総額で二千二百九十五億円、そのうちで売買損が一千百一億円で、政府経費が実に一千百九十四億円ということになっておる。その政府経費というのは、これは間接統制に移行しましても、当然流通経費として要りますし、従来、戦前の間接統制の時代を見ても要っております。  そういうようなことを考えますというと、売買損の一千百一億円というような数字で政府がその金を出し惜しみして、食糧自給というこの線をくずすという行き方というものは、私は国の政策として非常にまずいと思うのです。だからひとつ——先ほど農林大臣は、間接統制を考えておらないような、あるいは食管法の根幹を維持するというようなことばでそれを表現されたように聞きますが、冒頭に申したとおり、いま全国の農民は間接統制化の方向へ政府が進みつつあるのではないかという非常な不安の気持ちを持っておるわけです。ですから最後に、農林大臣がこれらの問題についてき然たる態度を示してもらうために、明確な意思表示をお願いしたいと思うわけです。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 食管の制度につきましては、私どもはずっと、党も同じでありますが、根幹を堅持するということで、根幹の御説明はさっき申し上げました。したがって、それではこのままの現状でほうっておいていいかという問題もいろいろございます。そこらも十分見ながら、根幹は堅持してまいりたい、こういうふうに思います。

佐々栄三郎日本社会党

○佐々委員 はなはだ不明瞭でございますが、時間がありませんから、これで終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 次は神田大作君。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 大臣はぼそぼそと答弁しておるようですが、農民代表がこれだけ聞いておるんだから、もっとうしろのほうまで聞こえるように元気を出してひとつ答弁してもらいたいと思う。どうも元気がない。いつも元気がない。  まず、私は大臣に質問しますが、今度の予算で、米価に対することを考慮して総合予算主義をとり、米審には消費者代表、生産者代表を入れないで、そうして米審を開いて、学者、評論家の意見を尊重すると言っておる。財政負担は、財政制度審議会がたびたび言明しておるように、いわゆる食管赤字はこれ以上出さぬという、こういうようなワクをはめられて、自民党から出ておる大臣が選挙中は、農民の前に行っては米価を上げるようなうまいことを言っておりましたが、この三つのワクにはめられて、どうしてあなたたちは、生産者の要求するようなこういう米価を実現しようとするのか、それをまずお尋ねします。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 もちろん、私どもは生産者には再生産確保ということ、それから消費者に対しましては消費家計の安定という食管法の精神というものを生かしながら、その中でやっていくわけであります。ただ、これはそれじゃ別々にいくのかというと、両者とも物価その他の経済条件を勘案しつつ、やはり同じような関連性を持って、その中において両米価を決定していきたい。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これはたいへんなことになりましたな。あなたはだいぶ器用ですね。非常に器用なことを言っておりますが、手品じゃないんだからそんなにうまくできますかね。このように総合予算はやる、財政のいわゆる食管赤字は出さないようにする、こういうことを言って生産者米価を上げようとするような、そんなきわどい、手品使いのようなことができますか。そうするとあなたは、やはり生産者米価を上げると同時に消費者米価も上げてそれを補う、そういうつもりでございますか、お尋ねします。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ですから、これは前の国会におきましても申し上げましたように、生産者米価をどの程度上げるか、とにかく上げる形によっては消費者米価も上げざるを得ない、やむを得ないということを御答弁申し上げております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 そうすると、きょうの朝日新聞には、生産者米価を上げ、それにスライドして消費者米価を上げる、こういうことが出ていたが、あなたは、もういままでわけのわからない答弁をしておりましたが、ここではっきりしましたね。生産者米価にスライドして消費者米価も上げる、そういうことですね。いま一ぺんはっきり答弁してください。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 この間の国会でも私は、食管会計というものは、他の要因もたくさんございますし、それらもにらみ合わせながら、同時に消費者米価にも影響があるということは、これが上がるという場合にはあるでございましょう。ただ、上げ幅によってまた違ってまいります。ただし、それには食管法によるところの家計米価を限度とするとかあるいは再生産確保、こういう一つの基準はあるということは了承していただきたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 きょうの朝日新聞に、「食管改善へ基本構想」として大蔵省が発表したといわれておりますが、これによりますと、「大蔵省は四十三年産米価格決定の際、これに食糧管理制度の根本的改善策を織込む方針で検討を進めてきたが、十一日1、生産者米価と消費者米価を同時に決める2消費者米価は生産者米価の値上げ率に約四%上乗せして値上げし、生産者が自分の食べる米も売って、配給米を買った方が得をするような“末端逆ザヤ”を解消する3末端逆ザヤの解消を踏台にして四十四年度からヤミ米を公認し、米の自由販売を促す4自由米の拡大と並行して生産者米価の引下げをはかり、同時に消費者米価を年三−四%ずつ値上げして、食管赤字を五年ぐらいで完全に解消する、の四点を骨子とする基本構想を固めた。」と大蔵省が発表しておりますが、これはたいへんなことで、いままで選挙を通じまして、佐藤総理大臣をはじめ自民党幹部諸君並びに農林大臣等が、農民の前に公言したこととはこれはたいへんな違いでありますが、このことについて農林大臣は、おれは関知しないと言うにきまっているだろうが、これは同じ内閣でありますから、こんな大事なことを農林大臣の責任ある立場で知らぬということはぼくは言わせませんが、このことに対してどう考えますか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 先にお答えいただいて恐縮でございますが、これはただ朝日新聞が書いているだけで、おそらく政府が発表したものであれば、各新聞が一斉に載せるわけでございます。私どもは、こういう記事の内容は関知いたしません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは、あなたはそう言って逃げるでしょう。しかし、これはたいへんな問題ですから、この次の委員会において、大蔵大臣とあなたと並んだところで私は質問しますから、このことについては(「朝日新聞にも聞け」と呼ぶ者あり)朝日新聞を呼ぶわけにはいかないよ。これは朝日新聞のような大新聞が、根も葉もないようなことを出すわけがないのだからね。だからこのことについて、いま大蔵関係の方、だれか責任者おりますか。——いないですか。残念だけれども、ではこの次まで私はこれを保留しておきますが、大臣が、そういうような口先でいつでもごまかすことはもってのほかでございます。こういうような重大なことを、同じ内閣の中でやっておるのです。一方において農林大臣は、いや生産者の皆さまの御希望に沿うように努力しますと言っておるが、どうしてそれができますか。これはたいへんなことであります。変なことを裏で考えながら、表でうまくごまかそうとしておるわけであります。これはたいへんな問題でありますが、大臣はきょうはこれに対して答弁はできないと思いますから、保留をいたしまして次に進みます。  この間、麦価のことにつきまして米価審議会を臨時に開きましたが、このとき米審でだいぶ問題になったのは、一体食管制度の基本的な問題について、われわれに答申をさせるのかあるいは審議をさせるのか、ただ単なる米価の問題だけというようなそういうばかな話はないということで、だいぶ時間をとって論議をされたようでありますが、この間のわれわれとの懇談会で、食糧庁長官は、米価審議会には食管制度の基本問題についてはかけないということを言明しておりましたが、食糧庁長官はこのことについてどう考えますか。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 前回、当委員会の懇談会の席上で私が申し上げましたのは、米価審議会が設置法上任務とされておりますことの一つが、農林大臣の諮問に応じ、米価と主要食糧の価格の決定に関する基本事項を調査、審議するということになっておりまして、したがって、農林大臣が諮問をする範囲は、主要食糧の価格の決定に関する基本事項に限られる。したがって、食管制度の検討に関する諮問をすることはございませんということを申し上げたのでございます。(「米審においてはどうだ」と呼ぶ者あり)米審においても同様なことを申し上げております。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 食糧庁長官のそのような言明はけっこうでございましょう。しからば米審でもって大臣は、これらの米審委員の質問に対して何とお答えになりましたか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私も同じような答弁をいたしております。ということは、農林省設置法に基づきます米価審議会の職務権限、言いかえますならば、米価その他主要食糧の基本事項の決定に関してこれを審議する、こういうことであります。ただし、それに関連して建議はできるということでございます。したがって私のほうは、基本についていろいろ掘り下げていくことについて押えるというわけにはいきません。これを否定するわけにはいきません。したがって、私のほうから積極的に食管の制度について諮問をすることはいたしません。こうはっきり申し上げておきます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 それで、秋田でもって佐藤総理が、食糧管理制度の基本についてはこれを変更しないというような、そういう談話か何かを発表したときに、そのすぐの日に開かれました米審で毛って、佐藤首相の言うことはわれわれの考えておることとたいへんに違う、それに対して農林大臣はどう考えるのだといって再度追及をされたときに言った農林大臣の答弁は、どういう答弁でした。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 総理大臣も、食管制度の根幹は守りますということを言っておるわけであります。ただその際に、いま自分は政府の責任者である。したがって、食管を自分が直すとか直さぬという論議をすることは、まだいまの段階ではすべきでない、こういう発言でございます。したがって、審議会が価格の決定の基本に触れることをやる場合には、これは審議会自体の法律の中に書いてある権限の中でやることでございますから、これをどうというわけにはまいらないと思います。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 私の聞いているところでは、農林大臣のそのときの答弁は、そういう基本問題について論議するのも、やむを得ないだろうとあなたは言ったでしょう。そういうはっきりわかっておることを、あなたはごまかしたってしようがないんですよ。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ちょっと聞いていただきたいのでありますが、ごまかしではなくて、権限は、米価その他主要食糧の価格の決定の基本について調査、審議するとある。それですから基本ということについては、おそらくそういういろいろな論議が関連して出て議論がされるということについては、私は、これを否定することはできません。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 これは私が米審を傍聴したわけではないし、また速記録を読んでおりませんから、これをきびしく追及するわけにはいきませんが、しかしながら新聞の報道によっては、あなたは食管制度の基本について検討をしてもよいということを言っておるということがちゃんと出ておるわけです。そういう点において米審の答申を尊重する、こう言っておりますね。これを尊重することは、米価審議会を認めて政府がやっておる以上——われわれは認めておらないが、あなたたちは認めてやった以上は、それは尊重することはけっこうだろうが、それでは自民党の米価調査会との間において、これは必ずいろいろな点において食い違いを来たすだろうと思いますが、この食い違いを来たした場合において、米審の意見を尊重するというのと、皆さんの自民党の調査会の意向を尊重するというのと、両方尊重してうまくいきますか。これこそ手品使いになると思いますが、いかがですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは、先ほどからも御質問がありましたとおり、米価審議会は農林大臣の諮問機関でございまして、あくまでもそこで答申が出れば答申を尊重していく、そしてそれを検討して具体化していくわけです。そして今度は、われわれとしては当然党と政府との間のまた連携関係も起こります。そして調整をし合っていく、こういうことでございます。

神田大作民主社会党

○神田(大)委員 それはあなた、口先だからそういうことは言えますが、実際問題となると、具体的に出た場合に、そんなにうまい調子でいきますか。それは大臣、首が飛ばないようにしたほうがいいと思うのだがね。大臣の言うように、それはおれの諮問機関だからいい、そんなものじゃないと思うのだがね。やはり閣議の決定によって設置されたこれらの審議会において、その答申を尊重すると言った以上は、尊重して検討するというのはおかしいですよ。検討することも多少はいいだろうが、基本はこれはくつがえせないでしょう、尊重すると言った以上は。  どうもそういうところに、今度の米審の任命からいたしまして、政府の意図する、さっき私が三つの問題を言いましたが、総合予算主義と中立米審と財政硬直化の問題と、これを予算においてうまく打ち出すというときに、陰においては、今度は米価を皆さんの意向に沿うて上げるんだなんとうまいことを言っているけれども、初めからこんなうまい、調子のいいことができるはずがないのだ。それをあたかもできるように宣伝して、そしてそれらのしわ寄せを、結局は消費者大衆、あるいは農民大衆、そういうところへ転嫁することになるんだろうと私は思うのです。  これは重大な問題でありますし、私はいま角屋君と三十分と約束したから、それ以上きょうはやらないが、(角屋委員「理事会できめたんだよ」と呼ぶ)この次の十九日に、大蔵大臣を呼んだときにやります。  私の質問はこれで終わります。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 あと本日は、農業団体の関係者が農林大臣に会われるというお話を承っております。またけさの理事会で、米価問題はきわめて重要だから、ひとつ国会でも十分目をかけて議論をしよう、この点は、与野党ともに異議なく決定をいたしました。そうして米価問題について十九日、二十日、私どもが反対をしておる御用米審が開かれる二十二日は抜いて二十三日、その審議の状況によってさらに議論をする、そういう気持ちでございますので、きょうは、その機会に詳細の点は譲りたいと思います。  先ほど来、与野党のそれぞれの委員諸君から熱心な御発言がございましたので、この機会に一、二点だけお尋ねをして、私は持ち時間三十分を用いることなく、本日は締めくくることにしたいと思います。  一つは、御承知の、大臣もぎゅうぎゅう苦しめられましたが、三月四日に私が予算委員会で、米審問題にしぼって質問をした。これは四時過ぎから十時まで六時間、この問題だけにしぼって、私は大臣に強く誠意のある回答を求めた。中断もいたしましたが、最終的に、西村農林大臣が政府を代表して、御承知のような答弁をしたわけです。答弁については、私は触れません。要するに、国対レベルでの話と並行して政府としても、この点について十分誠意をもって考慮したいという趣旨の答弁です。  ところが、きょう米審問題の構成その他に西宮委員その他の諸君が触れると、今度は、私の印象では開き直って、何か米審の構成を変えたのは、大臣の答弁だけからいうと、二年間無答申であった、答申を得たい、そのために変えたかのごとき答弁がされておる。これは非常に奇異な感じを抱く。私は多くを触れません。とにかく、米価審議会に生産者代表、消費者代表というものを加えない米価審議会というのは、これは民主的な審議会とは断じていえない。しかも、これは国会の場合でも、与野党を通じて国会議員の諸君に、生産者、消費者代表を入れることに賛成あるいは反対ということで投票させたら、ほとんど——西村さんを除いてということになるかどうかしらぬが、ほとんどの者は、与野党を通じて入れるべきである、こういう投票の結果が出るだろうと思う。しかも、直接売り手であり、買い手である諸君も、こういう米審の構成には絶対反対を唱えて、すみやかな是正を望んでおることは御承知のとおりです。  私は多くを申し上げませんが、無答申なんということを理由にするというのは断じて許せない。もし無答申ということを理由にするのであったら、二年間私どもと一諸に米審をやっておった諸君のうちで、なぜ引き続き米審に任命したのですか、連帯責任にあるべき者を。と同時に、無答申ということを理由にして、新しい編成をやったという話を聞いておると、無答申をやった責任は、国会議員と生産者と消費者代表である、こういうふうにも映りかねない。私はそういうことを理由にして、政府が、ことしからいわゆる総合予算主義、あるいはスライド制、あるいは食管の根本検討、基本的にはそういうところにねらいを持って米審の変革をやったということをおおい隠して、そして何か無答申に理由なき理由をつけてやろうとする。これは私ども米審をやった経験者として、断じてそういうことばに対しは了承できない。  ことに、私の二年間の経験からしても、たとえば去年の米審の生産者米価の諮問、これは御承知のように諮問の主文があり、諮問に対する説明があって、そして試算については指数化方式の試算が出る、それから積み上げ方式の在来方式の試算が出る、それから積み上げの若干の修正をやった試算が出た。これら三つの試算が出て、そして大いに議論を戦わしてもらう、そして答申を求めようというやり方をやっておるわけなんです。これは、多くのいろいろな意見がそこで真剣に戦わされて、坂村さんも一緒に米審をやっておったわけですが、私どもは、答申を求める段階では十数時間にわたって、何とか一致点を見出そうと苦心惨たんをしてやってきたのです。  ところが、各界、各層から出ている関係上、しかも答申そのものがばらばらに出されているということもあって、これを一本化することは、経験からいってもなかなかむずかしいことだった。そういう実態を十分御承知のない西村農林大臣だから、そういうふうに簡単に言えるのかもしれません。私は、そういう無答申で編成がえをしたなどということは、政府答弁としては絶対に許せない。もっとほんとうに自分にねらいがあるなら、はっきり言われたらいい。私はそう思う。むしろ西村さんがやられたのではなしに、倉石さんがやられたのだけれども、倉石さんのやられたねらいは、何かはっきり倉石個人でやったのではなしに、佐藤総理、福田幹事長という、いわゆる政府・与党の首脳部と相談をして、一月二十三日に一方的にああいう御用米審を任命した。それには必ず根本的なねらいがあるはずである。それをおおい隠すというのは正直ではない。そのことを明確にしてもらいたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私が着任いたしましたときには、すでに発令になっておりました。そしていろいろな経緯等も調べました。しかし、いずれにいたしましても二年間にわたり米審の答申を得られない。これにはいろいろな内容はあったでしょうが、とにかく得られていない。しかし答申は求めたい、こういう結果ああいう任命になったと私は聞いておりますし、また、私もそういうふうに受け取っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私がさっき尋ねたように、国会議員、生産者代表、消費者代表を除いたのは、あなたの答弁から引き出すと、無答申の責任ということで除外した、そういう関係者があるという考え方なんでしょうか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 責任があるとかないとかの問題でなくて、結果としてそういう状態が出たものですから、どうしても答申がほしい、また米をめぐる情勢について、国民も何らかそういうものの意見も聞きたいであろうということから発足したというふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 むしろ西村さんが幾つかの機会に述べられておったように、もうすでに生産者代表、消費者代表、国会議員を除いて二十二名任命してしまった。これはやはり私が予算委員会で指摘したように、兼職数その他の問題も含めて任命しようとすると、やはり前任者が首を切られて飛んでしまっただけに、後任者としてはどうもやりずらい、こういうことで、実際はこれは倉石前農林大臣のある意味の勇み足であったという気持ちが西村さんの腹の中にあっても、手直ししがたい政治情勢である。倉石前農林大臣は福田幹事長の子分であるだけに、なかなか手直ししがたいという気持ちが、西村さんの腹の中にあったのではないかという読みも、予算委員会で追及しながら感じておったのですが、それは誤りなんですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私は、二つの意見が成り立つということを最初に申し上げたのであります。しかし、同時に中立と申しますか、今回の構成のような発令もまた一つの方法である、こういうふうに申し上げておるのであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 米審は中立じゃないですよ。学識経験者という範疇の中で任命したのでしょう。中立じゃないでしょう。どうなんですか。中立ということばはどこにあるのですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 その点は、俗称でよくいわれておるから私は言ったのであります。要するに、新しい構成というものも一つの意見として出てきて任命されたわけであります。もう一つ各種の論議があるということも、私は当時知っておりました。  そこで国会におきまして、各党閥で一つの結論が出れば、それを十分尊重し、しんしゃくもいたしたいが、不幸にして結論が出なかったわけであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 生産者代表、消費者代表を除外しての米審構成ということは、民主主義的な審議会の基礎条件に反する。これはすみやかに是正すべきである。国会議員除外の問題について、私どもが三党の申し入れとして言ったのは、本来、これは重要な問題だから国会で決定すべきだ、さようなことになれば、国会で審議決定するのだから、あえて米審に入る必要もなかろう、この二つの関連において国会の問題を考えた。  国会の末期に、米審問題で四党の国対委員長会談が開かれた。そのとき長谷川自民党国対委員長から回答があった。ことしは、米審の編成がえをするということは事実上できがたい情勢になっている、来年度は、ことしのいろいろな経緯から見てかえたいという趣旨の答弁をしているわけですが、大臣がその後答弁されたことと若干ニュアンスの差があるように思いますが、今後の米審の編成がえの問題について、大臣から明確にお考えを聞いておきたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これも先ほど申し上げましたように、今日のような経過をたどってまいりました米価審議会の構成の問題であります。したがって経緯がございますが、またこれが実際にどういうふうに動くかというこも、その経過を見なければなりません。それらと、それから各方面にいろいろな意見の出ていることも知っておりますので、それらもあわせて、任期が切れるときには十分検討を加えたい、こういう考え方でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 任期中というのは、編成がえをする気持ちがないということですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 任期までは、現状でまいりたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 来年は、今日までの経過等を見て、か、えるという考え方を前提にしているわけですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ですから、これは経過とか、現在構成されている米審その他を十分に——それらの諸般の経過を見て、その上で検討を加えたい、こういうことでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、私ども承っているところでは、われわれが反対している御用米審が二十二日から開催される予定である、こういうふうに聞いているわけですが、それと関連して、いわゆる諮問の問題について、最近、田中調査会の問題もありますけれども、巷間私どもが承っているところでは、諮問時点までに与党の調査会の意見をまとめるという方向で、諮問にはそれを織り込んで諮問をする、こういうことが伝えられているわけです。  そこで、まだこれからの問題でありますけれども、従来のような行政ベースの諮問をやろうとするのか、あるいはそうではなくて、ことしの場合は与党の考え方を織り込んだ、従来と違った性格の諮問をやろうという考え方に基づいてこれからやっていくのか、この点について大臣の考え方を承っておきたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 これは、先ほど来申しますように、党と政府との内部関係でございます。したがって、基本の問題につきましては不断に連絡をとってまいりたい、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 大臣、考え方としてはもっと明確にしてもらいたいと思いますが、従来の諮問の要領については、私ども十分承知しているわけです。ことしは、いわゆる米審のあったあとの第二ラウンドといわれた形、そういうふうな形ではなくて、ウエートは、諮問以前において与党内部の考え方を十分まとめる努力をして、それを諮問に織り込むというふうに報道として伝えられているわけです。大臣としてもそういう考え方、方向でことしはやろうというのか、あるいは従来ベースであるのか、あるいは新しいいま言ったような、指摘をされているような考え方を諮問の時点でとろうとするのか、考え方を聞いているわけです。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ですから、これは党において基本的なものがまとまれば、それは一つの意見として、十分私どもは尊重をしながら審議というものをやってまいりたい。ただ問題は、基本的な事柄についてでありまして、それがどこまで運ばれるかというのは、これからの問題であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 基本的な問題というのは、たとえば、諮問の形式として算定方式を、去年のように幾つか並べていかがでございますかというのではなしに、いわば算定方式は、場合によっては一つに集約する。たとえば、去年の例でいえば、積み上げ方式の第二、それを手直しした形の一つについて諮問する、したがって、これは価格的性格も持つ、こういう諮問のしかたも予想としてあるわけですね。だから、算定方式を幾つか並べて、選択をまかせるという従来のようなやり方をやろうとするのか、価格的性格というものがその中に判断されるような形での諮問、算定方式というけれども、限定された形で諮問をしようとするのか。それが、やはり与党の意見を織り込むかどうかという場合には、算定方式を幾つか並べるという場合には、そういう判断は出てこないと思う。もっと集約した形になるかどうかという諮問の形式としては、やはりこれからの問題だろう。その点についての大臣の考え方を聞きたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 その点は、政府と党の内部の問題でございまして、私どもは、ただいませっかくそういう問題について、内部的に調整なり意見の交換をやっておる最中でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いずれをとるかわからぬということですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 具体化問題については、いま御答弁をする段階ではございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、算定方式の問題は、いずれ諮問の形式が出てから私やりたいと思うのですけれども、私は、むしろ算定方式の問題については従来からの歴史的経過があって、そういう歴史的経過を踏まえて、当然ことしの場合も諮問がなされるだろうと思うのですが、従来の算定方式と違った算定方式を、諮問の時点までに農林省として考えるという意向はないと思うのですけれども、その点はいかがですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 いま、まだ、諮問案の内容について、あるいは形式について、お答えする段階にはきておりません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、先ほど神田君もお尋ねしたわけですけれども、米審が食管問題の検討をやるという問題で、いろいろやりとりがございました。私は、農林省設置法の条項であるとか、あるいは米価審議会令の条項であるとか、そういうものを時間の関係上一々述べません。述べませんが、倉石前農林大臣が、いわゆる御用米審二十二名を任命いたし、あの任命された諸君が開会早々から述べておったように、食管問題も月一回くらいの開催でやってもらうということでお願いをし、そういうふうに考えておった。ところが、国会等のいろいろな経過を経て変わってきた。そこで、一体どういうことなんだというふうに審査会では議論がなされたと聞いておるわけですけれども、基本的に食管問題を米審でやるというのは、先ほど食糧庁長官が答えたように、たてまえとしてはなっていない、こう思う。  それと同時に、いわゆる食管堅持をいっておる生産者団体は入らない、あるいは消費者のほうでも、別の立場から食管制度は堅持すべきだという意見の団体も多くございます。そういうものをことしは全部除外してしまって、そういう構成の中で、いわゆる食糧管理法あるいは食管制度の問題を議論しようなんというのは、これはやはり今日の構成において不適当だというふうに断ぜざるを得ないのじゃないですか。いわゆる農林省設置法の第一条問題であるとか、米価審議会令の問題であるとか、そういう問題もあります。そういう問題から食糧庁長官は言われたけれども、その問題に基盤を置きながらも、なおかっこの形において、ことに西宮さんは、二十二名の間接統制論者のだれとだれがこういう所説をやっておるということは、具体的には触れませんでしたけれども、大半がそうでしょう。そういうふうな諸君、食管について堅持するという者はごく一部しかないということで、食管制度を論ずるような構成でない。したがって、立法上からいってもそうだし、構成上からいっても、食管制度の問題はこの舞台では議論すべきでない、こういうふうに私どもは判断しておるわけですが、その点はいかがですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 米価審査会を開催するにあたりまして、私ども政府としての統一的な考え方を述べております。あくまでも米価審査会は法律に従ってやっていってもらうということ、言いかえますれば、設置法に基づきまして、米その他主要食糧の価格の決定の基本についてやる。その価格の決定の基本ということから、食糧管理体制等のあり方等について触れてくることを、われわれは否定はしない。ただし、政府として食管制度についての積極的御諮問は申し上げません、こういう姿勢でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 重ねて聞きたいのであります。いまのような構成の米審でそういうものを議論するのが、適当な構成であるというふうに大臣は思っているのですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 構成がどうであるかということについては、これは必ずしも私はあなたの意見と一致しない場合があると思います。これを直ちに、だれとだれとがどういう論者であるというふうにきめつけ過ぎるのはどうかと思います。しかし、私のほうとして積極的に食管制度をその場で諮問するという、制度をいじくる本来の審議会ではない。価格の決定の基本というものをやりますれば、おのずから食糧管理というものに触れてくることについて、私のほうは否定はいたしません、こういうことであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 最後に一点。いわゆる総合予算主義あるいは生産者米価、消費者米価のスライド論というのがあるわけですけれども、二十二日に諮問予定の農林省からの諮問は、生産者米価についての諮問に限定してやられるお考えなのか、一部に伝えられておるように生産者米価、消費者米価を同時審議するという前提に立っての諮問をする考え方なのか、大臣の今日の時点の考え方はどうなんです。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 今日は、生産者米価も大きな問題であります。同時に消費者米価も大きな問題であります。また総合予算制というのも、政府にとっての一つの政治姿勢であります。したがいまして、これらを考えまして生産者米価を決定する。消費者米価をどう扱うかということについては、その同時決定であるとかどうであるかということについては、これから私どもはよく政府内部におきましてきめてまいりたいという段階であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 西村農林大臣は名古屋で、生産者米価、消費者米価の問題を、これはことばはそのままでないかもしれませんが、一緒に審議をするかということは、参議院選挙後きめたいと言っておられる。参議院選挙は終わったわけですね。しかも、米価問題では最高責任者は大臣なんですね。これは農林省まかせということじゃないと思うのですけれども、もう少し大臣自身のお考えを聞きたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 いずれなるべく近いうちにきめたいと思います。ただ、少なくともここで申し上げますことは、生産者米価をきめる場合におきましても、消費者米価のあり方を念頭に置きながら生産者米価をきめるということだけは、はっきり申し上げざるを得ないと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、ことしの場合は、生産者米価、消費者米価の問題を同時審議をやらないというふうに判断をしております。またやるべきでないと考えておりますけれども、しかし、いま大臣が言われるように、にらみつつというのは、一体諮問の形式にそういうことを、同時審議じゃないけれども入れて、いかがであろうかというつもりなんですか。これは、ことしの時点はお互い情勢の判断というものをいろいろするわけですけれども、私は同時審議、同時決定なんということは、断じてやるべきでないと思いますけれども、にらみつっというのは、諮問の形式としてどういうことを考えておるのですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 今日置かれています米をめぐる諸情勢というものは、生産者にとりまして大事な情勢であります。また、消費者も当然関心を持っております。したがって、これを横に見るとか縦に見るとかでなくて、正しく見ながら……。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは率直に言って、生産者米価問題についての生産者団体の要求というものをすなおに受けとめる、あるいは今日の物価対策上からの消費者米価据え置きの問題について真剣に対処する、こういう立場からいけば、当然総合予算主義というものは変えざるを得ない、こういうことに私はなるだろうと思う。こういう点は、当然今後の問題の中では出てくるということを大臣としても頭の中では考えておられると思うのですが、どうなんですか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 もちろん私は食管法に基づきましても、物価その他経済情勢という中には、今日の財政のあり方というものも経済情勢の一つの要素だと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今後の審議の経過によっては、補正を組むということも当然予想されてくる。大臣はそういうことを考えておられるかどうか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 補正につきましては、いますぐ組む考えはございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 いずれ三日間審議をしたその審議の経過を踏まえて、さらに審議を続けるかどうか、理事会等できめることですけれども、私は、二十二日に備えて大臣が諮問をつくられる時点で、一つは米審の二十二日以降の問題の中で、やはり生産者米価問題というのを中心にして真剣に議論をしたい。また食管問題については、米審の今日の構成では、われわれはもちろん反対であるし、食管問題なんというのは、立法上からもまた構成上からも審議すべきでない、こういうことであり、生産者米価、消費者米価の問題を、食管法の三条、四条で正しく処理する場合においては、総合予算主義をやはり変更せざるを得ない、こういう基本的考え方であることを明確に述べて、本日はこの程度にとどめます。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 この際、石田宥全君より資料要求についての発言を求められております。これを許します。石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 米価の審議は、今後慎重に行なわれなければならないと存じますので、次の資料を要求いたします。  一、三十年以来の各年の米麦輸入量  二、三十年以来の各米穀年度末における前年古米の持ち越し量  三、三十年以来の飼料を含む穀物輸入数量及び金額と、輸入総額に占める比率  四、二十八年以降の生産者総手取り米価の推移  五、二十八年以降の消費者米価の推移と物価、賃金の上昇率  六、三十年以来の三麦作付面積の推移  七、三十年以来の食管会計各費目別内容以上の資料を、十九日の審議会までに本委員会に提出を願いたいと思います。  さらに、昨年、一昨年の米価審議会の記録、これを各委員に配付を願いたい。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 ちょっとお答えしますが、米価審議会は非公開ということになっておりますから、その点は、ひとつ委員長において御善処願いたいと思います。

桧垣徳太郎食糧庁長官

○桧垣説明員 大臣からお答えいたしました資料以外のものにつきましては、御指定の期日までに調製をして提出いたしたいと思います。      ————◇—————

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  すなわち、農林水産業の振興に関する件、特に米価問題について参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、出頭日時及びその手続等につきましては、委員長の御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は来たる十九日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五分散会

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