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58回国会衆議院1968/03/06

逓信委員会 第4号

発言数
96
登壇者
7
会派数
2
開催日
1968/03/06

会議録

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤六月君。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 先般大臣から所管行政の概略について御説明いただきましたのですが、これを中心に二、三お伺いいたしたいと思います。  まず最初に、先般の所管行政の説明のしまいのほうに、臨時放送関係法制調査会の答申等に伴う所要の改正を行なう電波法の一部を改正する法律案及び放送法の一部を改正する法律案等々が出てきておるようでございますが、これは検討中でありますということを申されておるようでございますが、検討中という内容はどうであるか、あるいは、部内において作業はどの程度進んでおるか、まず承りたい、こう思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 この問題は、郵政省におきましては一応試案の作成が済みましたので、与党との調整のためにお願いをいたしておる、こういう段階でございます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 その内容はわれわれはよく存じ上げていないわけでございますが、いまの大臣の答弁で与党と調整中というお話がございましたわけですが、昭和三十九年のたしか九月の八日だったと思いますが、答申が出まして、四十一年の三月にそれに伴う法改正案というものを出されて流産のうき目にあったことがあるわけでございますが、それらと内容は同じであるか違っておるかということをおおよそ承っておけばいいのじゃないか、こう思いますが……。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは前回国会提案のものをほとんど基礎にいたしまして、必要な数点の追加をいたしておる、これらの内容につきましては与党とこれから十分お話し合い、御審議を願う、こういうことでございますので、その内容等についてはここで申し上げてもどうかと存じますので、差し控えたいと存じます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 ここで申し上げてもどうかとおっしゃられましたのですが、そうすると、その内容は、たとえば巷間伝えられておるところ、あるいはほかの方面、新聞その他で漏れてくるところを聞きますと、一番最初は、NHKの経営委員会の改組、委員報酬の政府支出、あるいはNHK会長の政府任命、あるいはNHK受信料の法定または大臣認可、世論調査機関の設置あるいは番組審議会の全国連合会の設置、民放に対する事業免許制の採用、こういう内容が含まれておると判断してよろしいわけですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは与党の通信部会等において十分御説明申し上げて御相談を願う、こういうことにいたしておりますが、大体の内容としてはNHKの会長任命制の問題は入っておりません。そのほかの問題は大体包含されておると思います。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 きのうあるいはおとといの新聞を見ますと、大臣は放送法改正案は今国会に提出を見送られたというような趣旨の記事を読んだわけでございますが、この点についてはどうでございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは新聞社の今後の国会の扱いにおける想像等によって書かれたと思いますが、これは与党との調整の上で提出をしたい、こういう気持ちになっておりますから、事実はどうなるかは別にいたしまして、そういうことではございません。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 大臣がいろいろな立場で研究せられ、正しい筋を通そうとされておるところには敬意を表するわけでございますが、いまおっしゃいましたような調整、あるいは国会の運営あるいは日程等を判断されて最終的にお腹をきめられるのではないか、いまの御答弁でこう想像できるわけでございますが、私たちとしましては、なるべく正しい放送行政の立場に立ってこの法改正案には臨みたい、こういう決意と覚悟をいたしておりますので、大臣もそこらあたりはよく御勘案の上行動していただきたい、こう思う次第でございます。  その次に伺いたいのは、やはり巷間によく伝えられておるわけでございますが、ことしはFMの本免許をどうしても実施する、さらにはUHFの昨秋免許を出した地区以外の残った地区、あるいは大きく前進して東京、大阪等にもUHFの免許を考慮するような発言を大臣がされたということが巷間にうわさされ、流れておるわけでございますが、このFM免許あるいはUHFの昨秋免許された以外の地区に対する免許に対する考え方はどのように現在持っておいでになるか、それを承りたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 UHFの問題につきましては、御案内のように、昨年十一月一日に全国二十二局免許したのでありますが、その後におきましても、いわゆる複数局を希望するという地域の要望が非常に熾烈でございますので、できるだけこの残りの部分につきましても免許をしたい、こういう考え方でいま検討をしておる、こういうことでございます。  また、FM放送につきましては、もう御承知のように、昭和三十三年から実験をいたしておるのでありまして、すでに十年、また実用化につきましても三十五年以来これをやっておりますので、実験の必要のある技術的事項についてはほとんど目的を達成し、また実用化試験等につきましてもその目的が果たされておる、したがって、今日の段階においては十分にもう実用に耐えるものだ、こういう証明がございましたので、私どもとしましては、FMというものをいつまでもさような不安定な状態に置くべきでない、実用に適するならば、少しでも早くこれを開放することが政府の責任であろう、私はこういうふうな考え方を持っておりまするので、全体的にひとつFMについても全国の配当計画もきめて、その中においてそういうことをやってまいりたい、すなわち、できるだけ早い機会においてFMの実用局を免許したい、こういう方針で検討を進めておるときである、こういうことをお答え申し上げます。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 いま私がお伺いしました中で、東京、大阪のUHFに対する考え方はまだ述べていただいていないのですが……。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 お話しのことは、もう御案内のように、東北方面を除くと、ほとんど全国的にUHFが配当された、こういうことになっておりますが、一番視聴者の多い東京、大阪にはUHFの放送が行なわれない、こういうことは、将来の放送界を展望いたしましても、UHFの普及の点あるいはそのオールチャンネルの普及の点から言うても、最も聴視者の多い東京、大阪にUHFのないことは今後非常な支障を来たすのではないか、すなわち、オールチャンネルの普及上にも非常に支障がありはせぬか、したがって、適当な波があれば東京、大阪においてもUを出すということが考えられるべきじゃないか。これは受け入れ態勢の問題でありまして、採算の問題もあるし、これをお受けになる人があるかどうかは別問題として、できるならば、東京、大阪にもUの波を割り当てることがよいのではないか、こういうことを考えております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 大臣、昨年の十一のこの委員会でも大臣に質問申し上げ、また御意見等も相当申し上げたのでございますが、最近の政府全般における免許問題というのが、単に郵政だけでなくして、免許官庁であるところの運輸とか通産とかその他においてもいろいろ問題をかもしておる点等がございますので、ひとつ、その基準、その方法につきましては、いままで以上に厳格なる基準を当てはめてやっていただくようにしていただきたいということを念を押しておきます。  それからFMの免許につきまして、やはり伝えられるところによりますと、ニュース、音楽を中心としたものにするというようなお話しも出ておるのでございますが、そのように解してよろしいわけでございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これはもうよく御承知と思いますが、FMで一番難点とするのは、現状においては東京地区に波がきわめて乏しい。したがって、これをある一般局的あるいはニュース等に使用するということになると、相当多数の波がなければ需要を満たせない、こういう関係にありますから、これは一応さしむきの問題としまして、波が少ないとするならば、その一般的な需要を満たすことができないから、せめて一般的に最大公約数として認められる音楽局というものは将来においてもこれはなければならぬ局である、また、そういうことが一般に認められておる、したがって、この際においては音楽局以外のものにこれを認めるという余地がない、こういうことでございますから、さしむきはそういう方針でいかざるを得ないのではないか、こういうふうに私は考えております。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 わかりました。  今度は大臣に変わった観点からお尋ねいたしたいと思うわけでございますが、時間がないようでございますので、ごく簡単に申し上げます。  小林郵政大臣は、大臣就任以来一年数カ月で、あらゆる面におきまして、郵政事業と申し上げますか、逓信事業にほんとうに身命をなげうつ気魄でやっておられるということがあっちこっちの面にあらわれまして、内外において非常にいま信望が増しつつあるということはおおいがたい事実でございますが、考えてみますと、昔の逓信省といわれた時代から分かれて、あるものは通産にいき、あるものは運輸にいき、あるものは厚生に、さらに戦後においては郵政と電電が分かれたというようなこと等で、いろいろ歴代大臣に対する評価、あるいは郵政事業、逓信事業に対する考え方等も、時々刻々の世相の変化と同じように変化してきておるわけでございますが、小林郵政大臣は郵政事業中興の祖になるぞというぐらいな話が出てきておるわけでございます。ただ、この中で、大臣があまり郵政業務に詳し過ぎて、何でもかんでも自分でやり過ぎるんではないか、もう少し部下を逼塞させずに十分なる能力を発揮させなければならないという、また別な意味の評価もあるわけでございますが、もちろん郵政事業を大いに中興しようとするならばいろいろな弊害があります。いままで郵政、逓信関係のいわゆるしゅうとめ、小じゅうとめ、こういった者がたくさんおったわけでございますが、こういうものに耳をかさず、こういうものに迷わされずに進んできたというところに小林大臣の非常なよさ、また清廉潔白である剛毅である、悪いことばをもう一つ加えますと、がんこであるというようないろいろ世評のうわさとなってあらわれてきておるわけでございますが、ここで私が一つ要望しておきたいことは、大臣はひとつ部下を信頼して、どしどしその才能を発揮さすようにさしていただきたい。  端的な例を一つ申し上げますと、大臣は御存じないと思いますが、昭和三十九年から四十二年にかけての郵政省職員並びに全逓、いわゆる全逓の中の職員のみの海外出張の数の比較は御存じでしょうか。まあ不意なことでお調べになってないとは思いますが、ここで念のために私が調べた数字を申し上げて参考に供したい、こう思うのですが、海外出張は、昭和三十九年に省側が三十四名、全逓の、これは職員のみですが、これは三十九年に二十七名。ところが昭和四十年になりますと、郵政省側が四十六名、全逓側が六十三名。四十一年は郵政省側が五十七名、全逓側は八十名。これは四十二年の十月末でございますが、役所側五十五名、全逓の職員側は五十八名。日数にしますと、郵政省側が四千四百三十六日、全逓側は五千八十七日、一番短い人で役所のほうが五日、最長百十九日、全逓側は一番短い人が四日、一番長い人は職員で百二十一日出張されております。  なぜ私がこの数字を出したかと申し上げますと、郵政省側の出張される目的、それから全逓の皆さんの出張される目的、いろいろあります。それぞれについて出されておりますが、問題は、郵政省側、いわゆる官側の皆さんで出張される人は定年が間近いから慰労の意味もかねてひとつ出してやろうかとか、あるいは、将来郵政省の中核となって屋台骨をささえていこう、こういう気持ちで、ほんとうの意味の調査研究、勉強に派遣する人、いろいろな種類があると思います。組合のものにも、全逓の皆さんの出張した者の内容等を調べてみますと、もちろんいろいろの名目その他があるようでございますが、要は、組合よりか官側の皆さんのほうの出張が少ない。これで、いろいろな場合に、海外の事情はこうでありますよという話をされたら、管理監督者の立場であるほうの上司は一回も海外に行ったことがない、組合のほうはたくさん行ってきた、やれ、どこの国の実情はどうであった、ああであったというと、端的に言うと負けるわけでございます。こういうことではほんとうの意味のいい行政はでき得ないのではないか。  したがって、私が最後に大臣に要望いたしたいのは、この組合と郵政省との関係を非常に円滑にうまく持っていかれるのが今後の大臣の大いなる任務ではないかと思うのです。そういう意味から、たとえば出張一つの例をいま出したわけでございますが、大いに官側の皆さんにも、能力のある人を海外に出張さして勉強さし、調査研究さす、大いにやっていただくようにしていただきたいということでございます。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 御注意、たいへんありがとうございます。私どもも、管理者のためにも十分ひとつ注意をしてお話しのようなことを実現させたい。ただ、一方組合側のほうは組合の費用でおいでになる、そういうことで、役所としては何か休暇を差し上げておるんだ、こういうことでございますが、いずれにしても、外国を見てこられることは非常にいいことでありますし、官側としてもそういうことをひとつぜひ進めたい、かように考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連して。  先ほどのUの問題とFMの問題についてさらっといきましたが、重要なことがありますので、ちょっと一つ言っておきたいと思います。  FMについて、東京、大阪、名古屋に一応音楽放送局、そういうものを何とかしたいというふうに大臣は考えておる、ところが波が非常に少ない、こういうことであります。しかし、波が少なければ少ないだけに有効に使う方法を考えたほうがいい。  そこで、電波監理局長おりますけれども、御承知のとおり、たとえば、いまFM東海が使っておる波は、一つの波で三つのいわゆる波が出ておる。こういうことになれば、これは七、八年前に当委員会において橋本登美三郎君あるいは私たちが論議をいたしまして、そうして、将来FM放送の問題が問題になったときに、一つの波で三つの波が出る場合には、その波を、それぞれ三つを分けて許可することもでき得るということを当時の大臣が言明しておるわけであります。そういうことになりますと、今日の段階においてFM放送に許可する波が非常に少ない、しかし、非常に許可したいというふうな段階になれば、そういうふうな技術的な問題についても検討していくべき段階ではないか、そうすれば、かなり円満に解決がつけ得る、電波行政ができ得るのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。  この点については、私はいま即答してもらいたいとは言いませんけれども、一つのテーマとしてこれはすでに当委員会においても十年くらい前からこの問題は論争せられておって、そういうことは現実にでき得るという答弁を大臣もしておりますし、当時の電波監理局長もしておるわけであります。だから、そういう点はひとつ——私はどこにどうとかいうことじゃありませんけれども、今後波を有効に使うという面については、そういうことを十分に考えていっていいのではないかというふうに考えるわけであります。  それからもう一点は、東京、大阪、名古屋にUの受像機を普及するために許可をしたい、テレビを許可したいという大臣の考え方についてはわからぬ点もないではありません。しかしながら、今日の東京のように七チャンネルないし八チャンネルもVがある中において、さらにその上にUのキーステーション局をおろすということは、もはやこれは電波行政上からいって非常に無理です。そんなに経済効果の少ないことをやるべきではございません。だから、かりにUの受像機を東京において普及したいということを考えるとするならば、現在のVの波をUに転換していくということを考えるべきである。これならば、電波行政としての正当なやり方であります。この点を考えずに——大臣もそういうふうに考えて新聞記者会見をされたかもわかりませんけれども、新聞記者会見においては、あたかも東京、大阪にもう一つUのキーステーション局をおろすというふうな印象を与えたわけであります。しかし、これでは電波行政というものは、私は間違った方向にいくと思います。だから、東京はこれだけの大きな人口を持って、加藤君も前に言っておったように、Uの受像機を普及する方策はどうするか、それがためには、既設のVの放送局を場合によっては一番無難なところをUにかえ得る、こういうことを考えるべきではないだろうか、私はこれは正論だと思います。  こういう点について、これはひとつ大臣から今後の問題として慎重に私がいま言ったことを検討してもらいたい。これは私は野党とか与党とかいう問題から論じておりません。電波の行政という点から、しかも、政府もやりやすいように、あるいはその他の業界の諸君も妥協しやすいようにという私の考え方です。そういう点についての今後の検討を十分にお願いしておきたい、こう思うわけでありますので、大臣にひとつ、この点については大事な点でありますので聞いておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 ただいまの御意見、ごもっともでございまして、FMの波の活用については、お話のように十分検討いたしたい、かように考えております。  それからUの問題は、私は先般予算委員会でも森本委員にお答えしましたが、東京では一般局は満員でこれ以上許せない、こういうことをかたく政府としても考えておりますから、したがって、Uを使うとしても、娯楽とかああいうふうなものが入った一般局は認めない、こういうことになりますから、ニュースとか教養とか、そういうふうなものに限定される、したがって採算制というものがおそらくなかなか成り立たない、こういうことになれば、受け手もあまりないし、われわれとしても採算がとれるかどうかということは考えなければならぬからして、こういうことはUを出したいと思ってもなかなか事実上の具体化はむずかしかろう。それについて、お話しのように、いまあるVをある程度変換していったらどうか、このことも考えております。いずれの方法か、とにかくUが出るように、こういうことをひとつくふうしたい、こういう考えでおります。

森本靖日本社会党

○森本委員 けっこうです。

加藤六月自由民主党

○加藤(六)委員 時間がきたようでございますので、いろいろ御質問申し上げたいこと、特に郵便貯金、保険その他の問題についても質問いたしたいわけでございますが、本日は、私の質問はこれで終わらしていただきます。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 金丸徳重君。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私は、先般大臣から表明のあられました所管事項についての所信につきまして二、三のお尋ねをいたしたいのでありますが、実は、所管事項全般について伺っていけばいいのでありますが、時間の関係もありまするし、また、公衆電気通信その他につきましては関係法案も出ておる、もしくは出る予定のものもあるようでありまするから、その辺で伺い得るところのものはそのときにやらしていただくことといたしまして、きょうは時間のある中で主として私のお尋ねいたしたい二、三の点についてしぼって御意見を承っておきたいと思います。  第一に郵便関係でありますが、実は所信表明を伺いながら私はやや期待に反した感を抱いたのであります。  といいまするのは、一昨年の法の改正によりまして郵便事業は一つの段階を迎えた。料金改正ということもさることでありまするが、郵便の種別の変改といいますか改変といいますか、そういうことをやりまして、郵便事業といたしましては、郵便事業歴史あって以来の一大変革を来たしたように受け取っております。したがいまして、一昨年七月一日以降、昨年は料金改正後、法改正後初めて迎えた一年間の平年の事業であります。したがって、それらを勘案いたしまして、法改正後における事業の趨勢、これからの見通しというようなものについて触れられてくるのではないか、特に数字をあげてこられるのではないかという期待を持っておりました。といいますのは、一昨年の法改正のおりに、われわれは料金改正にからみまして幾つかの問題を提起いたしておきました。それからまた、時代のいろいろの動きがありまするから、郵便利用者の動向というものも変わってくる、それらを両者勘案いたしまして、料金改正後における物の動き、これを取り扱う人々の苦心の状況というようなことについて御報告があると思っておったのでありますが、ありませんでした。といいますのも、おそらくそういう詳しいことに触れられるのには時間的にも考えなければならないというお考えのもとにそれらは残されておる、かく思います。そこで、私もきょう実はしょっぱなにその点について詳しく掘り下げてまいりたいのであります。しかし、時間の関係もありまするから、きょうは後刻お伺いいたすための資料を出していただくという意味において、そのお願いをいたしたいと思います。  第一に、料金改正後における各種別の物の変化というものを、ごくしろうとにわかりやすいようにお示しが願いたい。定形、非定形という新しい観念をもってこれから郵便は進めていかなければなりませんが、そうした制度がいまの一般の公衆にどういうふうに受け入れられておるのか。また、これらに関連いたしまして料金の基本額が変わってきた、考え方が変わってきましたから、そういうものに対して利用者のほうでどういう受けとめ方をしておるか、数字の上であらわれてきておるのではないか、そういうものをつかんでおいてこれからまた次の段階を考えなければならないと思いまするので、昨年一年におけるそれらについての動向を、ごくしろうとにわかりやすいようにお示しが願いたい。  それから第二点といたしましては、事業運営上いろいろの困難を来たしておるようであります。この所信表明の中にも出てまいっておるのでありますが、あるいは逓送関係において、あるいは配達の関係において、あるいは窓口の関係において要員の獲得が困難であるとか、あるいは速達化の要求が非常に熾烈になってくる、これは時代の要求からいたしまして、そういう意味におきまして、これらについてはよほど詳細なる資料を集め、分析し、どこに困難性があるのか、どうしたらばそれを解決していけるのかということについて、動向、数字的な資料をもって解決案を練っていきませんと、痛いとこころには触れずに痛くないところに一生懸命力が入るのじゃないかという心配を持つものですから、それらについて、ひとつわかりやすいようなグラフでもお示しが願いたい。たとえば取り集めなんかにつきましては、新しい定形、非定形というようなものからいたしまして、何か新しい考え方、あるいは施設を導入する必要があるのではないか、あるいは、ないと考えられるのかどうか、それらを判断する資料として数字をお示し願いたい。  逓送関係につきましては、航空便にかなりかえておるようであります。したがいまして、その点については相当の経費が増してくると思います。どういうふうな経費の増し方をしておるのか、そういう航空便にかえるということからくるところの経費の増高がはたしていまの料金で間に合うかどうかということは、私は当委員会における審議の過程においてたいへん大事な材料になろうかと思うのであります。そういうような資料。  それから、配達関係などにおきましては、今度は所信の中にも出てまいっておるようでありますが、番号制をとるとかあるいはどうとかいうことをしきりにいわれております。そういうことによって救われる面もあるかもしれませんけれども、私の心配いたしますのは、自動車の増加などによりまして非常に交通難が増してきておりますから、そういうものに対する対策というものを番号制だとかなんとかいうものの以前にもう少し考えなければならない。そしてまた、考えられる比較的やさしい、とりやすい問題があるのではないか、そういうことについてどういうようなことを考えておるのか。それも私は、たとえば交通難、交通事故というものが数字の上でどういうふうにあらわれておるかということも数字で示しておいていただくことによって、それらをわれわれもわれわれなりに判断してまいりたいと思います。そういうような数字をお示し願った上で、私はまたあらためてこれにつきましては総括的なお尋ねをいたしたいと思います。  こういう資料をいつごろまでにお出し願えますかどうか。また、大臣が特にこの所信表明の中で触れられなかった基本的なお考えがあるとしますれば、それをしょっぱなに大臣から承りたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 郵便のことについてはあまり触れなかったのでありますが、実は、郵便は非常によくない、こういうことを皆さまにも御認識を願っておきたい。すなわち、最近においてはことにはがきの売れ行きが非常に減っておる。これはおそらく電話との競合だ、こういうふうに思いまするが、大体普通の月においては収入そのものはわれわれの予定額よりか少し減っておる、こういうことが一つの傾向でありまして、私は、郵便事業としては大きな岐路に立っておる、かように考えております。この原因は、前回郵便料金改定の場合の見込み違い、あるいは、ある程度期待が大き過ぎた、こういうことがいわれるのでありますし、私はことに就任以来郵便の収入というものを非常に心配をして、詳しく毎月資料をとっておりまするが、毎月私の期待に反してよくない。こういうことで、昨年のごときは一月に総選挙があり、四月にあれだけの地方選挙があっても収入がふえない。こういうことは私は郵便としては大問題である、かように考えておるのであります。ことに郵便は、もう何といったって人の手足によらなければできない仕事であって、たとえ一部機械化機械化というても、大都市しか機械化はできない、ほとんど大部分のものはやはり手によってやらなければならぬ、こういうことでありまして、郵便工場などというものは東京、大阪、名古屋あるいは京都、こういうふうな大きなところしかできない。これは郵便としての宿命的な問題であるのでありまして、したがって、いま労力不足が訴えられるが、郵便にこれが一番反映してくる、こういうことでございます。何か機械化でもすれば郵便が救えるような錯覚を起こしがちでありますが、これらは私は大きな期待はできない。  それから、さっき郵便番号制度のお話が出ましたが、これは番号をつけても、配達、取り集めには何の役にも立たない。局内の操作だけしか役立たない。人手の足りないのはむしろ外動員のほうであって、内勤員ではない、こういうことからいたしましても、これはなかなか大きな問題である。それで、いま言うように、要するにわれわれの意思の伝達の手段としての信書、郵便がもう電話にその場所を譲ってきておる、こういうことが非常に大きな問題であるのでありまして、これらの点からいたしましても、非常に迂遠な話であるが、日本人がだんだん字を書かなくなったことが一番大きな原因じゃないか。したがって私どもは、もっと学校でも作文でもやってもらいたいし、習字もやってもらいたい。ものを書くということは、人がものを考えること、反省することであるから、その面からいって、また非常に大事なことである。非常にに回りくどい話であるが、そういう方面もわれわれは考えなければならぬということで、郵便はよろしくない。そして、おそらく昭和四十四年度は赤字とならざるを得ない。ことに、私ども考えているのは、速達などが少し高過ぎたせいもあろうが、むしろ減っておる。それから、一番簡便な通信方法であるはがきが極端に減りつつある。私製はがきも減っておるし、官製はがきも減っておる、こういうような状態でありまして、郵便としてはやはり根本的に再検討しなければならぬ、お話しのような事態である、かように考えます。  いまお話しの資料はできるだけ早く整えたい、かように考えます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 大臣からそういうふうな率直な見解を冒頭に承っておきますとよかったのであります。先日承ったところでは、そういうニュアンスが出てきておりません。それからまた、新聞その他によって聞いておりますというと、何か、非常に新しい集中局というようなものをつくる、あるいは、いまの番号制度をつくる、機械化する、合理化するということによって非常に明るく運営されていく、将来一そう明るくなるような感を受けておりました。しかし、どうもそういう感じが私にはなかったのであります。それから、毎月出されておるところの統計その他によりましても、どうも心配のほうが先に立つものですから、そこでこういうお尋ねをいたしたわけであります。これは私ばかりではなくて、各先生方ともそういう感じを持たれるのであります。そしてここでは、いま大臣がおっしゃるように、たいへん危機に立っておる、何か考えなければならないというような意味におきまして、それにつきましてわかりやすい資料を出して、明るいものばかりではなくて、非常に心配の種もあるし、その心配の種を消すためにはこういうような努力をしなければいけないとか、そのためにはこういう金もかかるとかいうようなことを早目に丁寧に訴えておくといいますか、了解を受けておく必要があるのではないか、こういう時代になりますと。そんな気がいたしたものですからお尋ねをいたしたのであります。このことは私のきょうのお尋ねのなにではございません。きょうは時間もありませんので、次の私のきょうの課題に入らしていただきます。  これも所信表明で御説明がありましたし、ただいまの加藤委員のお尋ねの中にも出てまいったのでありますが、世間注目の放送法、電波法の改正を検討中であり、なるべく今国会に間に合わしたいというようなニュアンスの中で御説明が出されておるのであります。これにつきましては、先ほどのお尋ねの中でわかっておるようでありますが、重ねて、私の次のお尋ねに入る前提といたしまして、検討中ではあるが今国会に出される見込みがあるのかどうか、これをもう一度お答えいただきたと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは、先ほど申し上げましたように、与党との調整、審議を経なければそういう段階にならない。急いでお願いをするつもりでありますが、出せるか出せないかという見通しについては、私ははっきり申し上げられません。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 このことにつきましては、先般すでに与党でだいぶ慎重に審議されて、まあまあの案が出てきた。したがって、その後何か別な要素が出てこなければ、検討すべき事項というものはないように——これもしろうとの考えでありますが、検討しなければならない新しい要素というものはどういうところにあるといまはおとりになってその検討の対象となさっておるのでありますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これはまだ党のほうへも説明を申し上げてありませんが、先ほど加藤委員がお話しになったようなことが追加事項として大体含まれておる、こういうことでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 その追加事項として含まれたことについては、前回において一応問題になっている、一応話がついておるようであります。したがって、もし検討するとすれば、それらについて新しい考え方を持ってこられておるのじゃないかというあれを持つわけであります。そういうことをやや気にいたしておるところへ大臣からNHKの会長任命制であるとか、あるいは経営委員の官任といいますか、政府側において任命しようとか、あるいは任命はそうであっても、経費は政府のほうで持とうというようなことが出てまいりましたものですから、そこで、もしかすると、当時も非常に問題になっておる言論統制であるとか、あるいは政府の干渉が一そう強くなるのじゃないか、そういう意味においての検討がされておるのじゃないかという心配を持つのでありますが、これについてはどういうお考えであるか、お考えの基調を承りたいのであります。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 私は、ものごとというのは、いろいろな考えを提起してそれを検討してもらうのが筋道であろうと思います。いまのような問題も、それは郵政省の試案として出ておるが、それは立法事項であるから国会の御承認が要る、したがって、まずもって与党との調整、与党とのお話し合いができなければ出せない問題である、こういうことで、そういうふうな与党の検討のもとをわれわれが提供する、こういうことであります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 いろいろ郵政省の試案を持ちながら、政党内閣としての特殊性を生かして与党ととくと事前にお打ち合わせなさるということについては、まあそういう手順も必要だと思います。ただ、最近のように、放送という社会機能とでもいいますか、機構とでもいいますか、そういうものが産業、経済、社会、文化面に非常に重大な影響力を持っていく、しかもその影響力の持ち方というものは、ここ十年このかた、テレビその他新しいものの普及によって、いままでそうした社会的影響を持つあらゆる機構、機能というようなもの、職能というようなものは比べものにならないほどの重要性、強烈さを持ってきておるように思うのであります。したがって、これに大きな影響を持つようなことにつきましては、相当広い範囲に、また虚心たんかいに御相談をして意見を承り、意見を聴取されて、そして郵政省試案というようなものをまとめておかれる必要があろうと思うのであります。いまの放送法、電波法ができた当時とは全く世の中も変わってきておる。それに対する影響力を持つ放送事業というものは、技術改善その他によってたいへんな時代を迎えてきておるという意味におきましては、私は、従来の考え方とは変わった考え方で、特に公正妥当な、公平なる運営をしなければならない電波であるというものだけに、それについては、主管大臣としては、非常な心がまえの新しさといいますか、時代に即するものを持たなければいけないと思うのでありますが、いかがでありますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これはお話しのとおりでありまして、独善、独断などは特に排さなければならぬ。したがって、実は私はよく放言をするとしかられますが、私が何かの機会にしゃべるからして新聞にも出、また世間も、そういう考えがあるのかということで十分御批判がいただけておるのです。皆さんからいま御意見を承れるのも、そういうことが出ておるからお聞きできるんだ、こういうふうなことも考えられますが、お話しのように、広く皆さんの意見を求めて、その上でひとつきめていかなければならぬということは、おっしゃるとおりでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 大臣が非常に心を使っておられて、世間からは何かと言われるのにもかかわらず、あえて放言までなさって心を配っておられる、そういう意味におきましては、むしろ敬意を表したい。しかし、これはいたずらに世間を騒がせ、いたずらに世間を心配させるだけではいけないのであって、大臣がみずから進んで、そうした大きな犠牲を払った以上は、それに相応するような、世間を納得させるような実益をおさめるように努力をしていただかなければならないと思うのであります。  それにつきましても、先般のUの免許などにつきましては、いろいろと世間で言われておるところもあります。これらにつきましては、今後においていろいろ続いて免許される方針でもあろうと思いますので、そうした世間の動き、世間の批判、世間の反響などを見ながら公正妥当なる態度をとっていかれるのだろうと信ずるのであります。  いままでの日本の放送業務、放送機能というものは、全く公共放送一本であった。民放があとからついてきた。したがって、歴史的に、伝統的に見てみれば、わが国の放送事業は、まあそういうことばが当たるかどうかわかりませんけれども、公主民従だ。公共放送が主であり、民放がそれについていく、しかし、アメリカのほうはそうではなくて、民放全体がようやく最近になって教育放送という名の公共放送を取り入れなければならないような状況になってきた。アメリカにおいては、まさにこれは民主公従である。これはそれぞれの伝統があり、それぞれの歴史があったのでありますが、わが国はいままでの足取りからいくと公主民従であったのですが、最近の実際の動きを見まするというと、これからUの免許が各地に起きる、しかも、そのねらいというものは、各地において二つ以上の民放をも聞けるようにしたい、こういうことでありまするから、ますます民放に力が入っていくように思われます。したがって、伝統的に言いますと公主民従であるけれども、やがて民・公同じレベルにいくのではないか、こんなふうな感じがしないわけでもありませんけれども、大臣としてはどういうふうなお見通しの中でこの問題を処理されていきますか。今後における放送事業の大きな問題だろうと思うので、承っておきたい。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 お話しのように、おいおい民・公半々というような問題になっていって、その上でおのおのの分野をもっと考えなければならぬのじゃないか、ことに公共放送の分野が、単なる民放が競争相手というふうなことでなくて、お互いの分野についてある程度お考えになっていくべきではないか、かように考えます。要するに、いまの放送、NHKと民放とは両々相まっていくということで、どっちが主、どっちが従なんということでなくて、しかも、一つお互いの分野というものについての考え方がなければならぬのじゃないか、かように考えます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 その分野のことなんですが、分野とは何か、分野の定義はどこに置かれるのですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 この定義はむずかしくて、なかなかできませんが、公というものと民というものからいえば、たとえば娯楽ものなんかについて、いまのような形態が一体いいのかどうか、両々相まって競争するというこれらの問題についても、私は公として考えるべきところがなければなるまい、かように考えます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 その点は私は大臣と多少考えが違うかもしれませんけれども、放送業務自体には民も公もない、みんなのしあわせのために、みんなの文化の向上のためにやっておる。一番の分け目は、料金が、公は強制的に聴視者から経費が納められる、それから民は広告料でやる、こういうことであろうと思います。中身においてそんなに違いがあっては困る。もしそういうような違いがありとしますならば、私は放送事業自体において根本的に考えなければならぬ問題が出てくるのじゃないかと思う。問題は、どうしたら公は聴視者から喜んで料金を納めてもらえるか、民放のほうにおいては、どうしたらりっぱな広告主からの協力を得ていい番組が送れるかということにあろうかと思うのであります。この点はどうですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは今後の大きな問題として、私は放送界においては検討すべき問題だと思います。公と民とどういう姿にあるべきか、お互いに同じようなことをやっておるということがいいか悪いかということに私は疑問を持ちます。これらについては、ひとつこれからみんなで検討していくべき問題じゃないか。公と民との分野というか、それぞれの特徴と申しますか、そういうことについてはこれから考えていくべき問題じゃないかと私は思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連して。  ちょっと重要な点でありますので、一点伺ってみたいと思います。これも将来の施策の問題でありますが、元来、Uについては単数局を複数局にするということが、この前の放送法の改正以来至上命題であったわけです。これについては、超党派的に、与党も野党も全部賛成をしておったわけであります。それがUのテレビをとにかく許可をする根本の命題であったのであります。ところが、現実に大臣としては、名古屋あるいは近畿あるいは北九州というふうに、それよりももっとチャンネルの多いところから先に許可していくという形になった。結局、いま大臣が将来やろうとしておるところについても新聞発表になっておりますから、大体われわれも新聞で承知をいたしておりますが、ところが、一番肝心の単数局のところについては、経済的な条件からこれ以上もう一局許可することが不可能に近いというところから、それについての許可が非常におくれておる。だから、至上命題というものが一番あとになって、そうでないものが先にいまの免許はやられておるという形になったわけです。  そこで、前に一億円以上の水揚げがあるところについてはこういうことでやったわけでありますけれども、では、それ以下のいわゆる単数局については免許を一体どうしていくかということを考えなければ、一番最初に超党派的に考えたところの民放の複数局ということがいつまでたってもやれぬということになるわけです。そこで、この問題については、やはり経営をある程度考えていかなければ、これが非常に邪道的な放送になることもあり得る、そういうところから、今後非常にむずかしい単数局のところで、もう一局おろさなければならぬというところについては、従来の考え方を変えて、新しい免許の方式をもっていかなければこれは困難であると私は思います。  しかしながら、単数局を複数局にしなければならぬということは、やはり郵政省としての至上命題であります。そういう点から、ここで私は、非常に困難な、単数局を複数局にするということについてのいわゆる具体的な内容についてはここで申しません。それを言うと相当問題になると思いますけれども、しかしながら、現在経済的な理由によって単数局を複数局にするということが非常に困難だというところについては、先ほど私が言ったようないろいろな案があろうと思います。だから、そういういろいろな案を早急に検討して、そうして、経済効果は少ないが、単数局である、複数局にしなければならぬ、そういうところについての具体的なやり方について早急に郵政省として検討し、それに対するところの一つの案というものを出すべきではないか。そうでないと、いまの大臣がやっておることについては、やりやすいところについては全部やるけれども、むずかしいところはあとになる。そのむずかしいところが、実はほんとうはやらなければならないところである。そういうむずかしいところが、やらなければならぬところであるがなかなかやりにくい。しかしこれは、あなたも非常に賢い人でありますので、私はいろいろやり方があろうと思います。  その点についてひとつ早急に検討願って、いまの単数局をせめて複数局にするということについては早急に成案を得るようにいたしてもらいたい、こう考えるわけでありますが、これはおそらく全国民の私は要望であろうと思うのです。だから、その点についてあなたがひとつ十分に御検討願いたい、こう思うわけであります。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 いまお話しのように、単数局はたとえ経済条件がすぐれておらぬでも、県民の要望としてはぜひつくってほしい、こういうことは非常にごもっともなことだと思うのでありますから、私どもは、まだきまった方針ではありませんが、一応残ったところにはもうチャンネルプランをきめてしまいたい、そしていまのお話のように、どういうふうにしたら経済条件が満たされるか、こういうことについても、新しい見地でもってひとつ皆さんの御意見もよくお聞きして検討していきたい、かように考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私は、Uの免許に出発されるというときには、そういうことも十分検討せられ、さらに私がいまお尋ねいたしましたような基本的な問題についても、大臣の哲学的御判断の中ではっきりと免許基準をおつくりになって、その免許基準によって各地に当てはめていかれて、ここはこれでよろしい、ここはもう少し待つとかいうような判断の中で去年のあの行動があったのではないか、こう思うのでありますが、念のために承りたい。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 お話しのとおりであります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 そういたしますと、それに当てはめてこれからUについてはいくわけでありますが、FMについてはこれから新しく出発されるのだが、その免許基準というものももうできておるのでありますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 まだ基準というものはできておりません。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 実は、それについて先般の予算委員会におきましてもお尋ねがあったのでありますし、大臣からは慎重に検討するというお答えがありました。それについて、もうちょっと詳しくお尋ねをいたしたいのでありますが、FMの実験局として十年この方やっておるところのFM東海について、今年限り実験局としての免許は取りやめるというようなお話があった。それについて世間が非常に心配してきたということでありますが、大臣のほんとうの心持ちというものは、まだ免許基準ができておらぬので、なるべく早く免許基準をつくって本免許に切りかえたいというようなことの前提として、少し早いけれどもそうした考え方を言っておこう、こういうことに了解してよろしゅうございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これはもう御承知のように、先ほど申し上げましたが、とにかく、いつまでも実験をやっておるなどということは不見識なことで、もう実験の必要な技術的な問題もほとんど解決した、そうすれば、一般の国民というものは、FMを早く開放してもらいたい、こういうことがいつわらざる要望でございます。したがって、政府はその要望に沿うようにすべきである。ただ、いろいろの都合で、これは皆さんよく御承知のように、私どもは東京に波がある程度あればそう苦労しないで済む、ところがどうもあいにくテレビのVの波が多過ぎる等の関係もあって、東京ではFMの波がとれない、こういうことのために、よそには、大阪にも名古屋にも、あるいは地方にもある程度配当できるが、東京だけできない。一番大事といえば大事な東京にろくな波がなくて、地方だけこの際先走ってやるということもどうかと私どもは考える。ことに、FMというものは外国との電波混信に対する最後の救済策だ、こういうことをいわれておりますから、私としましては、たとえば日本海とか北九州とか、そういう方面の混信の強いところにFMを配当したいという希望を持ったのでありますが、しかしとにかくFMというものをそういうふうに局地的にやるべきでないので、やるならひとつ全般的なFMのチャンネルプランをつくってやるほうがよかろうというのが郵政省の意見でもありますので、それでいろいろおくれておる、しかし、これを全然やらぬわけにはいかぬから、東京などにおいても、とにかくやれるものはやろうじゃないか、こういうことで、NHKは全国的に、近い将来全部実用局として本免許したい、こういうふうに思っておりますから、それに伴って、民間においてももう実験はやめて本免許にすべきである、こういう考え方を私は持っているのであります。  ただ、本免許にするには、東京には波がないからして、NHKと、場合によってはもう一局か二局しかできない、こういうことになると、電波は国民の宝だとか、あるいは国民のものだとかいうからには、ごく限定されたものに本免許するということよりか、もっと広い基盤に立って国民全般が活用し得るような方途を講ずべきではないか、こういうふうな考え方を私は基本的に持っておるのであります。いろいろの行きがかりもありますが、数が多ければ、これはまた処置のしようもあるが、数がないとするならば、できるだけ多くの国民が活用し得るような基盤と、また、その結果をもたらすような方法がしかるべきものじゃないか、こういうふうな考え方をしております。  しかし、いずれにしましても、現在やっておるところがあるからして、これからどうするかということについては、先般の御質問もあるから、慎重に扱いたいということを私は申し上げておるわけであります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 非常に大事な波であるから、国民全般のために最も有効な方法あるいはスケールあるいは地理的分配においてやりたい、私はごもっともだと思います。ただ、FMが世間に問題にされ出してから十何年になるでありましょう。その間FMの波の特質からしまして、大局集中主義でいくか、小局分散主義でいくかということについては、技術的にも相当長い問検討されてきておると思うのであります。大臣はまだ免許基準がきめられていないということでありますから、そこまでお尋ねするのはいまでは早いかもしれません。大綱としては、いまのお話を承っておりますと、大局集中主義とでもいいますか、あまり小さな局をそちこちにつくらぬでというようなお考えのようであります。しかし、申請者がどっと一度に出てきた当時の情勢からしますと、盆地などにおきましては、この波の特性からしてそれぞれ波が分離できるということから小局分散的にやってもいいのではないかというような考え方もあり得た。これは東京の、ということでなくて、日本全体のこの問題の扱い方の基本としてどういうふうに考えを進めておられますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これはまだきめてありませんが、私は、やっぱり県域放送みたいな形をとるべきじゃないか。東京等においても、必ずしも広域ではなくて、この付近の県にもそれを認めるようなことにいくんではないか。まだきめてはおりませんが、大体私は、広域放送的な考え方ではない、こういうふうに思っています。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 わかりました。まだなかなかそうした政策的な問題については未検討のところもあるようであります。これからそれらについては十分検討をされて、この波の利用の将来にあやまちのないような、遺憾のないような方途を講じたいと、非常な慎重な態度のように承りましたが、それはそういうふうにお進め願うことも大切だと思います。  ただ、そういう大臣の態度の中、今日までとってこられた方針の中において、こつ然と今回のFM東海について本年限りというような意向がどこからともなく伝わった。それで当事者は非常に心配した、こういうことでありますが、そういう大臣のお考えとしますれば、まだ時間は相当あると見なければならないのでありますか、いかがでありましょう。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 東京に現在波が少ないということは、ある程度また県域放送というものを考えておるから、東京に集中すべきでないということを考えておるからして波が少ない。あるいは、近所の県からそういうものを一切配当しないということになれば、いまでも東京に多少ふえるあれがあるそうでありますが、私は、やっぱりこれは相当に分散すべきものだ、こういう考え方でやっておるから東京にはごくわずかしかない、こういうことを申し上げておるわけであります。それからいまの問題は、商業局の免許ということを考えれば当然これに派生して出てくる問題でありまして、これはそこをどうこうという対象にして考えたんじゃないので、FMを実用化したい、実用化するにはどうするか、こういうことから派生してきた問題であって、そこに目標が何もあったわけじゃありません。  それから、いまの、これらの問題について時間があるかといえば、あるとも言えるし、ないとも言えるし、これはこれから検討してみたい、こういうことでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 非常に大臣のお答えはデリケートに聞こえるのでありますし、ことに、時間があるとも言えるし、ないとも言えるし、ということでありますが、問題は、この三月三十一日という期限もあることでありますし、いま大臣のそういうお考えでありますと、それは大臣のさきの放言といってはいけないのかもしれませんけれども、ちょっと長い将来に向かっての考えの一端が先日漏れた、こういうように受け取れるのであります。したがって、これから大臣はいろいろそれについてのお考えを進めていかれると思うのでありますが、それについて、私は大臣にぜひお聞き取りをいただきたいと思うことがあります。  といいますのは、大臣非常におせわしいから、こういうことについてはあるいはお気にもとめておられないかもしれません。また、事務当局としても、先ほどお話の中にもありましたように、大臣は非常にこうしたことについてはかねての権威者である、あらためて大臣にいろいろ進言しなければならない、あるいは報告しなければならないこともあるまいというようなことで報告漏れになっておるかもしれません。  このFM東海について、過去のことについて私は大学のほうから得ました資料を読み上げます。ごくわずかでありますから、一分もかからないと思います。   東海大学は嘗て工学部電気通信工学科及び電子工学科共同の研究テーマとして超短波帯における一つの電波によるFM多重放送方式の可能性について研究することにし、郵政省電波監理局、東京大学及びNHK技術陣との協力により一つの周波数をそれぞれ単独に放送し得る多重放送技術の開発に関する各種の試験研究に着手いたしました。   昭和三十三年実験局の免許を得てからは、その理論的実験的研究を行ない特に送信機・受信機その他多重放送のための濾波器等の研究試作、電波試作、電波伝播等々複雑多岐に汎る技術開発研究に努力いたしました。これらの研究調査の結果は逐一郵政省電波監理局に報告し、我が国FM放送の技術基準制定に寄与したのであります。そしてこの問の努力の結果、東海大学は特種のマルチプレックス放送方式に関する特許権も取得したのであります。   これらの努力研究により超短波帯における周波数変調による多重放送の可能性を見出した本学は、更にすすんでメインチャンネルを音楽放送に、サブチャンネルを教育放送、特に放送による通信制高等学校教育を実施し、中学を卒業して高等学校に進学出来ない勤労青少年に進学の機会を与えると共に、国民の健康的な文化向上に資する音楽を中心とした教育的放送を行うため、さきの技術開発の成果を基礎として実用化試験局の認可を申請し、メインチャンネルについての予備免許を得、更に通信制高等学校を実施することを条件として実用化試験局(技術基準が制定されるまでスポンサーを取り放送による営業可能放送局であり、前例によれば本免許を前提としたもの)も免許を得て、本格的放送を開始しました。勿論サブチャンネルの開発についてもこれと併行して、実験局としてその技術的開発を続けることとし、爾来九年間、教育と教育的内容豊かな放送を実施するとともに、多重放送の諸問題について研究を続けて来ました。この間NHKにさきがけてステレオ放送を実施するなど研究及び経営上多大の犠牲を払い、僅か一キロワットの局でありながら、「FM東海」という名称によって今日の普及を見、高い評価を受けるに到りました。  こういう見解に立って一生懸命今日まで続けておったようであります。この事実につきましては、郵政当局としてはお認めになるのですか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 私は、そのFM東海の実験とか実用化試験の功績と申しますか、そういうものは十分多とすべきものがあると思います。ただ、いまお話しのように、本免許を前提としてそういうふうな免許をしたかどうか、これは別問題。  それから、ことにいまのような通信教育をしておる、通信教育の四年制の学校を認めたことについては、多少われわれとしても手続上不満を持つておりますが、しかし、現在の生徒には何ら責任のないことです。したがって、これらの方々のことを私どもはやはり十分愛情を持って考えるべきである、こういうことははっきり申し上げておきます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 大臣からその事実をお認めになられました。ただ、本免許を前提としてということは、大学の見解といいますか、希望であったかもしれません。ただしかし、そうとばかりも言えないのは、三十四年四月二十七日、放送局開設の根本的基準の一部を改正する省令案に対する聴聞会というものが省主催で行なわれたろうと思うのでありますが、この聴聞会におけるときの放送部業務課長の説明によると、実用化試験局も実際は放送局である、こういう説明をされております。放送局というのは放送、したがって、これがこうしたことを根拠にしてやがて本免許になるであろうという期待を持つことは、私は無理からぬことのように思うのであります。そういう期待のもとにずっと、先ほど読みあげました大学の声明にあるように、多大の犠牲を払いながら今日までの実績を積み上げてきた。しかも、この実際の実情というものは、ひとり大学関係の物心両面における多大の犠牲ばかりではありませんで、この間におきましては、いま大臣もおっしゃられたようなこの放送教育を受けて勉強しておる人々のこれに対する期待、あるいは、まだ海のものとも山のものともわからない十年近く前から多くの犠牲を払って受信機の開発に努力をしてきたところのメーカーの人々、また、その後スポンサーをつけることになりましてからは、これもまた、はたして広告的経費、広告料を払っていいかどうかわからぬのにもかかわからず、将来のFM放送の発展のために、犠牲的考え方から経費の負担を受け持っておられたところの業者の人々、こういうものの好意、善意、熱意、FM放送に対するそういう熱意が結晶して今日の状態を築き上げてきた。この事実については大臣もさっきお認めになられておりまするので、そういうお考えの中でこの問題を慎重に処理していただくという考えになったことだと思います。  もう一つ私は念のため大臣にお聞き取りをいただきたい。せんだって私のところへ参った、この問題について非常に心配をした子供からの手紙であります。これはFM東海の高等学校の子供からです。前後省略いたしますが、   私たちは仕事のかたわら放送を聞き、レポートを書き、毎月二回、日曜日には学校に出て面接指導を受けています。家庭の都合で全日制高等学校に通うことができず、定時制高等学校に通う時間の余裕を持たない私たちにとって唯一の救いの場として選んだのがこの望星高等学校でした。   FM東海の電波を通じて流れてくる聞きなれた先生の声を、仕事の手を休め、赤ちゃんの世話をしながら、また車の中で耳をすませて聞きながら勉強を続けてきました。この先生が私たちのレポートを添削し、面接日にはひざを突き合わせて質問に応じ、悩みを解決してくれるのです。ともすれば孤独におちいり、脱落しそうになる私たちもFM東海の電波から流れる先生の声に叱咤され、励まされ、あたかも教室で学んでいるかのような日々を送っています。校舎は遠方にあっても教室が私たちの身近に移動して、先生が耳もとで説明してくれます。この特色ある通信教育のおかげで私たちは勉強の能率をあげています。   私たちはこのFM東海の放送を聞いて勉強を続けていくことに誇りを感じ、希望を見出しています。 こういうふうに、まだ綿々と、あるいは切々として訴えるのであります。  先ほど大臣は、これを教育的に、もしくは教育放送として使うことのよしあしについては考えなければならぬ点もあると言われた。あるかもしれませんけれども、こうした働きながら勉強する人々の気持ちというものは私は無視できない。とにかく、あたたかい気持ちをもっとくんでやらなければならないのではないかと思います。これからことにこのFMが民放によって取り上げられてまいりますと、FMを通じて、単に波の音質がいいから音楽によかろうということではなくて、この波を通じて、音楽ばかりではなく、あるいは語学においてあるいはその他の科学教育などについてもずいぶん利用し得る点が出てくるのではないかと私には思えてならないのであります。  ですから、大臣がこれから免許基準などを検討なさるにつきましては、このような子供たちが切切たる訴えをする気持ちをも十分腹の中に入れて御検討を願いたい。そうして、この問題をひとつこの人々の心配のないような方法で解決していただきたいと思うのでありますが、いかがでありますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 いまお読みになった手紙なんかは当然なことであります。学校の生徒としてそういう気持ちを述べることは、私はきわめてあたりまえだ、こういうふうに思います。  この問題は、いろいろここで議論するとあなたにも好ましくないことを私は言わざるを得なくなるかもしれませんから、これはこの程度にしておいてほしいと思う。と同時に、私は、やはり天下の公器は一部分の人の独占に帰してはいけない、こういうことはよく考えておりますし、いま申し上げたように、生徒には罪がない、それからそうおっしゃることも無理はないから、こういうことの善後策については、ひとつわれわれとしても十分親切に考えなければならぬ、こういうふうに思っております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 大臣のそのお答えで、私はこれ以後お尋ねする点については保留いたしておきます。大臣の最も善意の御解決をお願いいたしまして、この問題についてさらにお伺いすることは、もしか必要があれば、次回にさせていただくことにいたします。  一応私のお尋ねはこれで終わります。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 米田東吾君。

米田東吾日本社会党

○米田委員 先般の当委員会におきまして、大臣が主管大臣としての本年度の所信表明をなさっておられますので、その大臣の所信につきまして、最も基本的な問題と思われる二、三の点について御質問を申し上げたいと思います。  まず、大臣が主管をされております郵政事業、これは申し上げるまでもございませんが、郵便、電信電話、放送、これが主体でございまして、いわれておりますように、日本の、また産業経済の中枢神経である、あるいは国民大衆の目と耳と口であるというふうにいわれる郵政事業であります。したがいまして、この重要な内容を持つ事業を主管する大臣とされまして、特に私は次に御質問するような問題についてこの際大臣からはっきりした御答弁をいただいておきたいと思うわけであります。郵政事業、特に郵便や電信電話、放送というものは、これこそ最も平和と文化の保障ともいわれる事業でありますので、私は以下のことを聞きたいと思うわけであります。  その一つは、佐藤内閣はしばしば現在の平和憲法を守ると繰り返して公にされておられます。また、先般の予算委員会におきまして、倉石前農林大臣が現行の憲法を否定し、あるいはじゅうりんするような発言をされました。これは、御承知のような経過で倉石農林大臣は責任をとりましたけれども、そのあとの二月二十三日の予算委員会におきましては、佐藤総理大臣が、さらに政府の態度として、現行憲法を守るという内閣の姿勢については変わりがないということを再度明らかにされております。  そこで、その佐藤内閣の有力な閣僚であり、しかも、郵便、電信電話、放送という日本の経済、文化、政治の最も中枢をあずかる主管大臣として、この佐藤総理大臣の憲法を守るという姿勢に、小林大臣自身も同様であり、変わりがないかどうか、これは基本的な問題でありますので、その決意をお聞きしておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 お話しのように、同様であり、変わりありません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 特に私、いま大臣のお答えをいただきましたので、さらに念のためにもう少し掘り下げてお聞きしたいと思うわけでありますが、倉石前農林大臣のあの発言の中にいま一つ重要な問題がございました。要するに、憲法第九十九条の問題であります。これは憲法第九十九条によって規定をされております公務員や大臣、こういう者が現行の憲法を守る、順守するという義務づけであります。したがいまして、私は、平和憲法を守るということと、さらに積極的にこの憲法を順守するという郵政大臣の決意も当然含まれると思いますが、その点、再度お聞きしておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 そのとおりでございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 特に私、もう一つ大臣をわずらわしたいと思いますが、郵政事業が根拠を求めております憲法の条項は第二十一条であります。集会、結社、あるいは表現の自由、通信の秘密、この憲法第二十一条につきましては、主管大臣は、あくまでこの憲法の趣旨に沿って、この国民の権利として保障されておる二十一条を守り通すという決意があるかどうか、これもお聞きをしておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 そのつもりでございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 そのつもりということは、そのとおりだということだと思います。そういうことで私はたいへん安心をいたしました。  そこで、具体的にお聞きしたいのでありますけれども、先ほども自民党の加藤議員から関連して大臣の所信はただされておりますけれども、私はもう少し具体的にお聞きしたいと思うわけであります。  たしか佐世保におけるエンタープライズの入港阻止闘争が激しく行なわれておりました一月十九日であったと思いますけれども、大臣からいわゆる放送法の改正を骨子とする五項目についての発表がございました。この内容は、私はここでは申し上げる必要はないと思います。これにつきましては、その後新聞の伝えるところによりますと、自民党の通信部会でさらに意見の調整が進められておるとか、あるいは、きのうの閣議の大臣の記者会見におきましては、この問題については次期の通常国会に出すというふうにも変わったような記者会見がなされておる。したがいまして、先ほど加藤議員からだされましたが、もう少し明快に、今日ただいまの時点における郵政大臣としてのこの放送法改正にかかわる見解は現在どうなっておるか、もう一回お聞かせいただきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは与党との調整に待つ、こういうことでありますから、このほうの時間がどれだけとられるか私もよくわかりませんから、十分な見通しはいまできません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 その後、時間的な経過を追ってみますと、あなたはきのうの閣議の記者会見では明らかに、この国会には見送って次期の通常国会に出すのだというふうに言われておるようでありますけれども、少なくともこの国会には出さない、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 政府としてはそれをきめておらない。われわれとしては出したい希望でお願いしておるが、これが出るか出ないか、ということについては、政府としてはきめておらぬ、こういうことでございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 そうなりますと、私はこの内容についてやはりただしておかなければならない問題点が実はあると思うのです。  冒頭に大臣が答えられました国民の主権在民の現行憲法、基本的人権を最大限に保障して、平和を守る、戦争を放棄するというこの憲法、その中の二十一条の関係、そういうことから関連をいたしまして、大臣が明らかにされました放送法の改正の骨子はきわめて重要であると思います。しかし、この国会でそういうことはまだ調整の段階でないということが大体政府の方針だということであれば、いまここで議論しても私は始まらぬと思う。私は、法律の内容について議論するのではなしに、そういうことを考えておられる大臣の基本的姿勢について聞いておかなければならぬという立場でございます。  したがって、政府としては、そうしますと、まだ出すとも出さぬともはっきりしない、こういうことでよろしゅうございますか。少なくとも私は、きのうの新聞記事による閣議後の記者会見というこの舞台を考えますと、そういう了解があっての上での大臣の発表だ、こういうふうに実は見ておったわけであります。この点はどうでございましようか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 政府の意見がまだいずれともきまっておらない、こういう段階でございますから、私がああいうふうにはっきり言うたかどうか、十分記憶がありません。しかし、いまの日程からそういう考え方をお持ちになったとすれば、それもやむを得ないことだと思います。

米田東吾日本社会党

○米田委員 さらに聞きますが、大臣、NHKの会長の政府任命という、これだけは残して、他の関係については次の国会に持ち越すというようなことも考えておられるように聞いておるわけであります。そこらあたりの点はどうでございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 いまの点は、森本委員が予算委員会で御質問になったから、私どもの案には会長の任命制は入っておりません、こういうことをはっきり申し上げたのです。

米田東吾日本社会党

○米田委員 そうしますと、大臣が発表されたいわゆる骨子という案の中にはNHK会長の政府任命というものは含まれておらない。——わかりました。時期的に判断いたしまして、中身に入ってもちょっとどうかと思いますが、それではこれはいずれかの機会に譲りたいと私は思います。  ただ、私、大臣に考えていただきたいと思いますのは、少なくとも大臣が私の質問に答えられましたように、日本の平和を守るあるいは平和を保障する、民主主義を保障するということの最大の保障は憲法の条項の中のどこにあるかというと、私は第二十一条にあると思う。私はこの二十一条にかかわるような法律の改正、こういうものは軽軽にやるべきではないし、また、大臣の好き好みでこういうところに手をつけられるべき問題ではないと思う。この中で私どもが最も注目をしておりますのは、放送法の第一条にありますように、何といいましても、放送の公共性それから中立性、これが侵されるかどうかということが非常に重要な問題だと私は思っておるわけであります。  そこで、総体として私は大臣から答弁をしていただきたいと思いますけれども、大臣が考えておるいわゆるNHK会長の政府任命制を除いた改正案の骨子というものについても、憲法の第二十一条あるいは放送法の第一条、この趣旨に反するのではないかと私は思いますけれども、大臣の所信はどうでございましょう。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは二十一条に反しないように当然措置すべであると考えますし、ことに、この問題はみんな立法事項でありますから、私が何を考えても私の自由になるわけではありませんし、皆さんがここで御相談になっておきめになるわけございますから、皆さんの意に反してそういうことが行なわれるとも思わない、こういうことはひとつ御了承願いたいと思います。

米田東吾日本社会党

○米田委員 それは私よくわかます。しかし、そうは言いましても、主管大臣、執行部の最高責任者であるあなたがそういうお考えを持っておられるということが私はやはり重要だと思います。法律の規制に及ばない、これは人間性の問題、思想の問題、そういう部分が当然あるわけであります。したがって、あなたがほんとうに憲法第二十一条の精神あるいは放送法第一条の精神の上に立って、法律上の問題立法府との関係、行政府との関係等は越えて、政治家としてこの精神に沿って主管大臣として仕事をしていくということであれば私は安心ができるわけであります。法律の技術の問題は、確かにこれは私どもの分野にも属しますけれども、主管大臣であり、執行部の最高責任者であるあなたでありますだけに私は非常に重要だと思っておるわけでありまして、そういうふうに問題をすりかえないで、大臣の所信をひとつぜひ聞かしてもらいたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 これは、当然憲法の二十一条に従って立法も行政も行なうべきであるということは、私としても十分心得ておりまするし、また、万一考え方がどうかと言われるようなお考えがある場合には、十分皆さんの御注意も承って気をつけてまいる、こういうことにいたします。

米田東吾日本社会党

○米田委員 どうも議論になりませんので、それじゃ大臣、ひとつ慎重に扱っていただきますとともに、予算委員会の森本委員に対する御答弁の趣旨ですね、この線に沿って、少なくとも今度のこの国会にこういう問題が提示されるというようなことのないように、あわせて、国民やこういう事業に携わる者に不安を与えるようなことのないような御配慮をお願いしたいと思う。  それから、もう一つ私は大臣にただしたいのでありますけれども、大臣も御承知だと思いますが一九七〇年に向けて日本の国内政治体制というもの——これは佐藤内閣の施政方針の基本であると思いますけれども、要するに、すべての面における国家統制を強める、あるいは抽象的なことばで言えば右翼化して、そうして国民の基本的権利、民主主義というようなものについて一定の制約を加えて、憲法改正への路線を敷こうという、そういう意図がありありと見えると私は思うのであります。かつて日本は朝鮮戦争後自衛隊をつくりました。そうしてまた教育について、戦後の民主教育から軍国主義への教育にレールを敷きかえました。いままた言論あるいは放送等、マスコミを含めまして、こういう憲法第二十一条にかかわるような関係の部門というものをやはりこの佐藤内閣の基本姿勢に合わせるように政治的に改革をしている。もっと別なことばで言えば、空洞化している、そういうあらわれというものが出てきておるのではないか。そういうことが、私は小林郵政大臣の考えなり放言なり、形は違いましょうけれども、不用意にそういう問題が、あるいは計算づくかもしれませんけれども、アドバルーンとして上げたりするような、そういう体制になってきているのではないかと心配をしているわけであります。要するに、日本の歴史を見まして、私は非常にこの放送法の改正という問題を重視しなければならぬと実は思っておるわけであります。それだけに、この問題がもしも国会の審議の問題になる、法律改正等の手続を踏むような段階になるということになりましたら、私はこれはたいへんな問題になるだろう、そういうふうに思うわけであります。ということは、倉石前農林大臣の予算委員会におけるあの事件以上の問題になるだろうと私は思うのでありまして、そういう問題が少なくともこの逓信委員会あるいは郵政大臣から引き出されたり、そういう場になるというようなことは、平和と文化のこの郵政事業をあずかる私どもの委員会の本来の任務からいきまして最も好ましくないと思いますので、そういう点についても私は大臣から慎重な御判断をいただいておきたいと思うわけでありますが、このことについても、できれば大臣からひとつ御回答をいただいておきたい、こう思っております。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 米田委員がいろいろこう思う、ああ思う、これは御自由でありますし、また、そうではないという方もありましょうと思います。いずれにしましても、私どもは憲法二十一条に従って法制的にも行政的にもいくべきだということはかたく考えておりますし、またいまの問題は、われわれ先ほど来申し上げたように、党と十分御相談の上、調整してからの問題でありますので、まだなまの郵政大臣の考えにすぎない、こういうところでひとつ御了承願います。

米田東吾日本社会党

○米田委員 では、問題を次に移します。  この問題を除きまして、さらに私が二番目の問題として大臣の基本の姿勢の問題としてただしたいことがあるわけです。それは特に郵政事業の中で一番政治的に問題だと思われますのは特定局の問題じゃないか、こう思う。これはもっと掘り下げますれば、対組合との関係の問題、あるいは特定局長会との関係の問題あるいはその問題の中心をなすであろう局長の任用あるいは局舎問題、こういうふうに考えますが、特定局の問題というものは、郵政大臣として郵政事業の部面については非常に神経も使われるし、政治的に非常に大きなウエートを占める問題ではないかと実は思っておるわけであります。  そこで、大臣にお聞きしたいのでありますけれども、大臣は簡易郵便局法の一部改正法案を国会に出しました。まだこれは委員会の審議はもちろん経ておりませんし、法案の内容について私はきょう申し上げるという意味では実はないわけであります。ただ私は、ここでかたくなな郵政大臣の姿勢、がんこさがこの中にあると思われますのでお聞きをするわけでありますが、この簡易郵便局法の一部改正法案、要するに個人請負に切りかえるこの法案、これが国会の委員会の議を経たのは第五十五特別国会、それから今回出されておりますからこれから始まると思います。今回の場合はどういう審議とどういう決着になるかわかりませんけれども、私が承知しておるところでは、その前の五十三か四国会かわかりませんが、郵政省はその意図を持って国会に打診されておられるわけであります。しかし、当時はまだこれは与党の関係があったのかもわかりませんけれども、国会情勢を判断されて日の目を見ないで、出さないで終わっておるわけであります。そして、その後第五十五特別国会でこの問題が出てまいりました。五十五特別国会のこの問題の取り扱いの結末は審議未了であります。  私は、国会の法案の審議の結末というものについては、国会の意思として三つあると思うのです。一つは、議案を通す、認める、これは国会の第一の意思、第二は、審議未了もしくは継続審議、これは単に議事手続上の問題じゃなくて、一つの国会の意思として、もっとはっきり言えば、あるいは妥協かもしれませんけれども、少なくともそういう国会の意思として審議未了なりあるいは継続審議なりという方法がとられておる。したがいまして、国会の意思としての結末は私は三つあると思う。この法案というものは最初は日の目を見ておりませんからどうだという規定づけはできませんけれども、少なくとも国会の意思としては問題にされない。審議未了になったということは、与党も含めて、この問題についてはまだ時期尚早である、これは審議未了という答えが一番現状に即しておるということからそういう取り扱いになったと思うのであります。それが、まだ幾らもたたないうちにまた今度の第五十八通常国会に堂々と同じ内容のものが出てくる。法案の内容はきょうは私は論議をするつもりはありませんから申し上げませんが、こういうことは一体どうなのか。何か国会の意思というものを無視しているんじゃないか、そうして大臣が、これはとにかく正しいんだから、必要なんだから、あるいは特定局長がひもをつけておるんだからしゃにむにこれは出さなければならぬ、通さなければならぬのだ、こういうふうにして私はこの問題に対処しておられるんじゃないかと実は思うわけでありますけれども、こういう態度は、私は、いたずらに国会審議に混乱を持ち込むだけであって、決して正しいことでもないし、またりっぱでもないと思いますが、これらの関係について大臣はどうでございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 私は、正しいことだと思ってお願いしておるし、ことに、これは与党とも十分協議の上で、与党の賛成を得てお願いしておる、こういう事情でありまするし、前回の審議未了ということは、否決でも何でもない。これは米田委員御存じかどうか知らぬが、次にまた続いて出すというようなことについて多少の御理解があったやらないやら私よくわかりませんが、そういうようなことも私は漏れ承っておるので、私どもが必要なものはぜひひとつお願いしたい、こういうことでお出しをしておるので、否決されておればこれは別問題でありますが、前回の審議未了はさような意味とは私は承っていなかった、こういうことであります。  ことに、いまのような簡易郵便局は、皆さんよく官庁の民主化とかなんとか言われますが、私はおよそ特定局やこの簡易郵便局ほどいわゆる民主化の趣旨にかなったものはない、ことに郵便局の窓口を人口のごくわずかなところへまでも出して、そして住民の利用、要望にこたえるということは必要だ、かように考えてお出しをしておるのでありまして、別段皆さんの意思を軽視したとかそういうふうな問題とは考えておりません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 まだ法案の説明も受けておりませんし、法案審議でありませんから中身に私は入りません。大臣から答弁がありましたけれども、それはそれで私はきょうは触れないでおきます。ただ問題は、絶対多数を握っている自民党の与党の勢力の中で、その与党の政府が出した法案が否決されるなどという醜態はあるはずはないのです。だから、否決されておらないんだからということは私はこれはちょっと大臣の判断としてはどうかと思います。ただ、そういう中でとにかく審議未了になった、それから、いま大臣もおっしゃいましたが、その審議未了になるという最終妥協の段階で、大臣がいまおっしゃるようなことも、あるいはあったかもしれません。しかし、それはそれでいいと私は思います。しかし、われわれの前に明らかにされ、国民の前に明らかにされておるのは審議未了であります。ですから、そういう関係で私はいまのような質問をしたわけであります。  それから、中身はとにかくとして、私は、どうもこの問題につきましては、全国一万五千の局長会の突き上げがある、それから大臣の約束がすでにあるように実は思うわけでありますけれども、この点は、率直なところ大臣、どうでございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 私は、その全国の特定局が全国的に賛成かどうか、そういうこともよく存じていません。しかし、約束をしたことはありませんが、私はぜひこの法案の通過を期待する、こういうことは常に申しております。

米田東吾日本社会党

○米田委員 そこで、局長会のことについてちょっと私は大臣にお聞きをしたいわけなんです。  私は結論から先に申し上げますと、局長会は郵政省が養っておる、しかも国民の税金で郵政省が養っておる。それは局長の人件費を意味しておりません。企業として郵政省が保証をして局長会を養っておる、こういうふうに思うのであります。  それは何かといいますと、私の申し上げるのは局舎料であります。これはきょうそれぞれの局長さんもおいででありますからおわかりだと思いますけれども、現在あなた方が払っておられる特定局長の局舎の家賃、これは大体局長が、郵便局が企業として成り立つようにちゃんと保証されている。大体、局舎に局長が自分の金を投資しても十年でゆうゆう償還できるように、そして、さらに局長会が政治的な活動ができるような資金すら出る余裕をもって局舎料というものが計算されて出されておるように私は思うわけであります。この局舎料は、郵政予算の中では建設会計の予算でありましょうけれども、私はこれはやはり国民の税金だと思う。ですから、この局長会というものについては、何だかんだといっても郵政省が養っておる、こういうふうに思うのでありますけれども、この点はいかがでございますか。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 局長会というものは、役所と離れた任意団体であります。私どもが養っておるなどということは考えておりませんし、また、局舎料はそれぞれ適正の価格によって、何人もこれが納得のできるような計算をとっておって、特別なそういう配慮を加えてあるものとは私は考えません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 局長会は、確かにこれは私的な団体であり、別個である、それはそのとおりであります。それは一つ確認しておきたいと思います。  それから、局舎料は適正だとおっしゃる。これは適正ということばは、主管大臣としてはそういう答弁しかできないと思いますけれども、しかし郵政省が、いま特定局長に対し局舎の提供義務というものをなくしておる、にもかかわらず、現在の特定郵便局舎のほぼ七〇%から八〇%というものは局長の所有の局舎を借りておる、そして局舎料を払っておる。その場合に郵政省がいつでも言うことは、非常に家賃が安いから、こういうふうに言っておられたわけです。適正ということばは使っておられない。安いからだ、こういうふうに言っておられるわけであります。  で私は、主管の、これは郵務局長でございますが、局長からお聞きしたいのでございますけれども、現在の局舎料というものはどういうふうに算出されて、どういうふうに支払いをされておるか、その一年間の総額というものは大体どれくらいになるか、おそらく億だと思いますけれども。それから、それがいわゆる安いからという、その根拠は一体どういうところにあるのか、ちょっとその点を説明していただきたいと思います。

曽山克巳郵政省郵務局長

○曽山政府委員 郵政省といたしましては、郵政事業を経営するにあたりまして、最も合理的、かつまた経済的な形におきましてこれを行なうということは当然でございます。さような立場から、かつて小局につきまして、特に特定局を中心としました小局制度につきまして、いろいろな有識経験者の方がお集まりになった特定局制度調査会の席上でも答申が出ておりますが、大規模な集配特定局、あるいは大都市で地域により新改築が困難だというようなものにつきましては、これは国費で見てまいりますが、あとは借り入れでいくというようなはっきりした答申も出ておるわけでございます。私どもはこの答申に従いまして、民間からの借り入れという形で現在局舎を借りておるわけでございます。したがって、これは御指摘のように局長が所有しておるものがかなりございますけれども、局長が所有しておろうとあるいは第三者が所有しておろうと、とにかく借り入れでいきます以上は、適正な家賃を払うということは当然なことであります。したがって、私どもといたしまして、この算出にあたりましては、すでに御案内のように、一般の借料の算出のしかた、当然局舎を建設あるいは改築いたしました場合に、それに対しまして見るべき借料となってまいりますと、その減価償却費あるいは保険料といったものを主たる基礎にしておりまして、しかも、それを各土地別に、都市、地方別に段階を設けまして算出いたしております。なお、その総額におきましては、四十二年度におきましては借料全体が二十三億数千万円という額になっております。

米田東吾日本社会党

○米田委員 そこで私はお聞きしたいのでありますけれども、政府が提案をしておりますことしの予算を見ますと、建設予算というものは二百五億八百万円であります。これは全部特定郵便局舎の建設に回る金ではないと思います。とにかく建設勘定が二百五億八百万円、そうしますと、いまお聞きいたしました特定郵便局だけの局舎料の四十二年度の総計というものが二十三億数千万円、そうすると、この基礎で十年間大体やっていきますと、ことしの建設勘定、少なくとも局舎をつくろうという建設勘定の予算に見合うようになる、郵便局舎の減価償却、耐用年数というものは、私は十年やそこらではないと思う。そうしますと、これは郵政省の経費節約あるいは郵政省予算の健全性という意味からいっても、ここらあたりについてはもう少し検討の余地が残っておるように思いますが、とにかくこの局舎の問題はもう特定郵便局制度発足以来非常に大きな問題になっているわけであります。しかし、この問題についてあまり郵政省は積極的なメスを入れておらない。ここらあたりの点につきましてはどうでございましょうか。ひとつ検討してみるという意欲はございませんか。

曽山克巳郵政省郵務局長

○曽山政府委員 ただいま御指摘のございました現在国会で御審議いただいております四十二年度予算、建設勘定二百五億円の中にはこの二十三億数千万円は入っておらないわけでございまして、米田委員から御指摘のございましたこの二百五億円はいわゆる建設勘定でございます。借料は損益勘定ということでございまして、したがって、これは別に業務員として支払うことになっておるわけでございます。ただ、御指摘のございました特定局舎の新営予算といたしましては、毎年、土地建物それぞれ百二十局分ずつを予定しております。四十三年度予算におきましてもさような予定をいたしております。  このテンポの問題につきましてただいま御指摘がございましたが、現在全国で改築あるいは新築を要しますいわゆる特定局の不良局舎というものは三千八百局でございまして、そのうち国費でこれを改善しなければいかぬというものが六百局あるわけでございます。これを私ども五カ年計画で、毎年百二十局ということで先ほどの計算が出てまいります。あと残りは私費先ほど申した借り入れ方式でやっていくということであるわけでございまして、これはそれぞれの所有者が改築をし、また新しく新築をしていくというようなことになろうかと思います。ただいま百二十局のこのテンポがどうかということでございますが、私どもといたしましては、このテンポで改築をしてまいる、また、私費につきましても毎年六百程度新築を認めていけば、これで全国の特定局の不良局舎の改善は十分できるというぐあいに考えておる次第でございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 中身はいずれ予算分科会なり、また次の委員会で私やりますから、内容にはきょうは全然入りません。ただ、私が説明を聞いたところでは、郵政省はその意欲さえあれば、これだけの建設勘定を年々持っておるんだから、この特定郵便局の局舎の問題に関する限りは、さっきあなたがおっしゃったような局舎料の関係等から勘案いたしまして、長い目で見れば、十年なり二十年くらいの計画を立てれば全部郵政省の自前の局舎に切りかえることができるじゃないかということを言いたかったわけであります。それはまあそういうことで、わかりました。  そこで、私は大臣にお聞きしたいのでありますけれども、特定郵便局長会は昨年の四月ごろから積極的に——いまの局舎料の改定に基づく算出根拠から計算をいたしまして、局舎は局長が自前で建てても、あるいは金がなければ局長会が融資をする、この局長会の中でそういう制度がございます。そういうところで、どんどん建てなさい、これは十年間でまるまるあなたのものになりますよ、局舎料だけで。こういう書類が全部流れておる。局舎に関する限りは、現行の局舎料で十年間であなたのものになるのだ。だから、いま郵政省は局舎建設についての調査をしておる。自費、私有局舎の関係につきまして、政府のほうで、この計画を立てる資料として全国の特定局長から調書をとっておる、したがって、この機会にあなたは自分で建てるという意思表示と、そういう申請をしておきなさい、金は、あなたが出しても、なければ局長会が出してやっても、十年間でゆうゆうと償還できる、十年間で局舎があなたのものになる、あなたの財産になる、こういう指導文書を出している。これはマル秘でありますけれども、全国の特定局長一万五千に下知をかけているわけです。これは大臣もおそらく御承知だと思うんです。こういうばかげた郵政省の仕事のあり方はないんじゃないか。十年ぐらいで建物が償還されて、局長のものになる。まあ、局舎を提供するということに付随していろいろ省が見てやらなければならない問題もありましょうけれども、局長に郵政省はちゃんと給料を払っておる。奥さんにも子供にも、家族従業員についてはみんな郵政省は給料を払っておる。そして、自分が働くその局舎が、自分が多少二百万なり三百万なり金をかければ十年間で自分の財産になる、そして孫子の代までその局舎は自分のものとして使われるから、局長が次次に出ていくような仕組みになるわけです。こんなうまい話はないわけです。そういうことをちゃんと特定局長会は全国の局長に下知を出してそういう運動をしておるわけなんです。これに口うらを合わせたように、小林郵政大臣は就任以来特定局長会を非常に甘やかしておる。九州へ行こうと東北へ行こうと、とにかく、いままではあなた方はだいぶ郵政省の役人から見放されておったようだけれども、今度はおれが大臣になった以上、そういうことはさせぬ、局舎の建築についても国やあるいは互助会建設等の基準や制限はあるけれども、場合によってはそんなのはどうでもいいんだ、あなた方、どんどんつくりなさい、そういう演説をされておる。私は、あなたがされた演説の内容も持っております。こういうふうにして、郵政省は特定局長を甘やかしながら財産をつくってやっていると私は思うのでありますけれども、こういう姿勢はいいのかどうか。まして、特定局長会というものは郵政省とは無関係の別個の団体です。ほかの役所にこういうケースはないと思う。国鉄が駅長に駅舎をつくってやる、税務署が署長に税務署の建物をつくってやる——まあとにかく、こんなことはもう論議を尽くしておりますからこまかいことは申し上げませんけれども、いずれにしても、私はこれは郵政省としては間違っておるのじゃないかと思いますが、この点について大臣の見解を聞いておきたいし、こういうことを今後もされるのかどうか、あわせてお答えをいただいておきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 いまの文書を私は存じません。また、郵政省が郵便局長の財産をつくってやる手伝いなどもしておるとは思いません。しかし、郵政省の仕事は、とにかく一万六千の特定局というものが非常に大きな役目を果たしておる、したがって、そのあるべき姿において特定局長が動けるようにしたい、こういうことは事業を預かる私としては当然なことであります。したがって、甘やかしておるということはありませんが、ややもすれば、むしろ疎外されておった気味があったのではないかという気が私はしますから、そのあるべき姿にひとつ戻しておきたい、こういうふうなことで、いろいろなことで特定局長を激励はいたしておりますが、いまお話しのような趣旨においてやっておるわけではございません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 きょうは問題提起だけにして、いずれ予算の分科会、次の委員会等で私はさらにお聞きをしていきたいと思います。  この機会でございますので、もう一点大臣にお聞きしておきたいのでありますが、たしか郵政省のすぐ隣ぐらいに、去年からことしに、もう完成したのじゃないかと思いますが、特定局長会のりっぱな会館が、何億という金がつぎ込まれてできておるようであります。これの主管といいましても、どこかわかりませんが、特定局長会を担当しておられる局長がおられましたら、どういう建物が建って、その金はどこから出て、そして現在どうなっておるか、わかったら聞かしていただきたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 御承知のように、特定局長会というものは任意団体でありますから、別段主管の局長というものもありませんが、私が聞いたところでは、彼ら局長会が金を出し合う、そして残りの部分は何億か借り入れてこれをつくっておる。その目的は、彼らの親睦のための場所、あるいは上京の際の宿泊、こういうふうなことのために使われる。すなわち、特定局長会という任意団体の彼らの親睦あるいは彼らの利用の場所としてこれをつくるということで、郵政省には関係ありません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 きょうはさらに深い質問はいたしませんが、これは保留しておきます。  関係はないとおっしゃいますけれども、私は現実は決してそうではないと思う。それから、特定局長会は確かに別個でありますが、特推連は郵政省設置法にちゃんとあるわけでありまして、あなたの監督指導ができる。ですから、この特推連と特定局長会は一体であります。あるときは特推連を看板にし、あるときは局長会を看板にする。私は、そう器用にこれは読みかえたり、あるいは置きかえたりして郵政省あるいは大臣が対処するなどということは実際問題としてはできないと思う。ですから、当然これは関係がある。  それから、別個だから知らないとおっしゃいますけれども、私は、郵政省のどこかの主管でこの問題について何らかタッチしておられると思いますけれども、その点、再度私は質問しておきます。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 いまの建物の費用その他については、むろん関係のないことは御承知と思います。  それから、特推連そのものはございますが、これは郵政局の管内か何かだけで、全国的な組織はありません。したがって、全国の特定局長会連合会に該当するものはない、こういうことでございますし、いま申すように、われわれの役所が主管担当局というようなところの関係は一切ございません。

米田東吾日本社会党

○米田委員 私も部内者ですし、特推連ができたときの経過も知っておりますから、全国組織がないということ、たてまえとしてそうなっていることはわかっている。しかし、それは表と裏の関係です。局長会が、がんとして強大な全国組織とああいう会館をつくって活動をしているわけです。確かに、福利厚生、親睦、表向きはそうでありましょうけれども、私は、郵政省の公然たる一つの圧力団体として、郵政省のすぐそばにああいうビルをつくって、絶えず、ただいまの局舎料の問題ではありませんけれども、あるいは局長の自由任用制の権利を守る、そういう関係というものを持続させていこうとする政治的な魂胆からそうしているのじゃないかと思うのであります。私は、具体的なものをいずれあとでまた委員会で質問いたします。資料を持っております。とにかく、私はそういうことはあまり好ましいことではないと思います。大臣からもう少し局長会をチェックするようなことが必要だとお考えいただけないかどうか。それから、郵政省の高級の役人の方々は特定局長会のほうに入っていかれる方も多い。事務局長だとか、いろいろな関係で郵政省の高級官僚が入っていかれる。そして、それが郵政省あるいは自民党のほうとこれはもちろん関係を持っておりますけれども、言うなれば、圧力団体のようなかっこうになっておるのじゃないかと私は思います。これらのことにつきまして、大臣から判断をいただいて、もう少し私はチェックするように、そういう姿勢が好ましいのではないかと思いまして申し上げておるわけでありますが、御見解を承りたいと思います。

小林武治自由民主党郵政大臣

○小林国務大臣 圧力を感ずる者があれば圧力団体——私はあまり圧力を感じておりませんし、また彼らの行動において、もし趣旨にもとって、出過ぎたことがあれば注意することもあり得る。しかし要は、任意団体であるということ、これはあくまでも事実でございます。

米田東吾日本社会党

○米田委員 きょうはこれで終わりたいと思います。いずれにいたしましても、郵政省の所管事項としては、特定局の問題が非常に重要だと思いますので、十分ひとつ取り扱いと業務指導については大臣として慎重を期していただきたいことをつけ加えて、私の質問を終わります。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 次回は、来たる八日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十四分散会

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