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58回国会衆議院1968/05/21

地方行政委員会 第31号

発言数
44
登壇者
7
会派数
2
開催日
1968/05/21

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  第五十五回国会内閣提出にかかる都道府県合併特例法案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河上民雄君。

河上民雄日本社会党

○河上委員 先般からお伺いしておりますけれども、府県合併が行なわれた場合に、県会議員の県会の議席の数は百二十名と頭が押えられておりますので、一人当たりの人口の数が非常に膨大になり、へたをいたしますと、国会議員一人当たりの場合よりも多くなるようなことも、可能性としては考えられないことはないような気がいたすわけであります。  それはさておきまして、そうした場合に、県議会の選挙区のつくり方、分け方がかなり問題になると思うのでありますが、郡市を単位として考えた場合に、一人一区がかなり多くなることが考えられるのではないかと思うのでありますけれども、そういうような予想といいますか、そういうものは自治省では考慮に入っておるのでしょうか。御意見を承りたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 実際の府県について合併したものを、その県会議員の選挙区の配置というものを洗い直して検討してはおりませんので、的確なお答えはできませんが、一人一区に限定されるということには必ずしもならないと思っております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 一人一区に限定されないまでも、選挙区の配置が、全体の規模からかなりのパーセンテージのものが一人一区になるという可能性は多くなるのではないでしょうか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 かりに阪奈和合併というようなケースを考えてみますと、いわゆる郡部と申しますものでやってみますと、これは推定でございますが、現在は郡部出身の県会議員というのが大体四十三人くらいになっておるわけであります。それが今度の合併の県議会になりますと、十七人くらいに郡部に配置される議員というのは減ってまいります。そういうことでございますので、郡部の関係で見ますと、推定でございますが、いわゆる議員一人当たりで割りました有権者の数が平均の有権者の数より郡部の関係が平均の二分の一以下の数字になりますと、これは合区をしなければならぬというようなことが起きてまいりまして、合区した結果、郡部として残ったものが十七人くらいになってしまうということが起こるように思われます。そういうことになりますと、そういう郡部については、お話のようにほとんど一人一区になってしまう、こういうことは十七人についてはこれは御指摘のとおりではなかろうかと考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 そうなってまいりますと、国会の場合、選挙区制の問題でしばしば激論の的になりますのは、中選挙区がいいか、小選挙区がいいかというようなことでございまして、このことだけでも国をあげての政治問題になるわけでございます。そういうことを頭に置いて考えますと、いまおっしゃったようなことが事実であり、また当然予想されることでございますが、だといたしますと、これは単に府県合併をしたというだけではなくて、選挙区制の本質にかなり重大な変更が加わることを意味してくるのではないか、こう思うのでありますけれども、その点はいかがでございますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 県会議員の定数の配当を、選挙区の郡市の区域に分けましてそうして配当する、そういう場合に一人一区のものがある。たとえば昭和二十八年以後に合併でできました新しい市というようなものになりますと、人口も非常に少のうございますので、そういう市においても相当一人一区があるわけでございます。そういうことでありますから、従来から郡市を区域の単位にして配当いたします場合に、人口の多さ少なさによりまして、一人区になりましたり、あるいはまた、一人区に満たないというので、合区をされまして二人区なり何なりになっていくということは従来からあったわけでございます。  そこで、この府県合併の結果が都道府県会議員の選挙区を小選挙区に置き直したという結果になりはしないかというお話でございますが、私はそれとこれとは全く別なんだ、郡市の区域を単位にして選挙区を設けて配当する結果、一人区というものができるということがあり得る、その傾向が少しふえるとかふえぬとかいう問題はあるかと思いますが、だからそれがいわゆる小選挙区というものを推進するとかしないとかいう問題とは、これは直接には必ずしも関係がないというふうに考えております。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いまのような問題は、政治という問題と制度というものとの微妙な関係から見て、私は非常に重大なことだと思うのであります。  そこで、少し観点を変えましてお伺いしたいのでありますけれども、民主主義において、自治体の規模がどの程度が適当かということをきめる場合に、先日のこの委員会で赤澤自治大臣は、知事の監督が行き届くかどうかということを一つのメルクマールにあげられたのでありますけれども、もう一つのめどとして、逆に住民のほうの監視が自治体の理事者に及ぶことが可能かどうかという一つの限界があると思うのであります。そういう点から見ますと、議員の定数というものは、あまり多いと自治体に財政的な負担を与えたりいろいろいたしますけれども、しかし、あまりにも少ないと、今度は住民と議員との対話が非常に困難になってまいります。あるいはあまりにも広いと、今度は首長と住民との対話が非常に困難になるのではないかと思うのであります。自治大臣は、昔と違って最近科学技術の進歩でコミュニケーションの手段が開発されておる。電信、電話、テレビ、そういうものがあるので、かなり広域になっても、それは十分やっていけるのではないかというようなお話でございましたけれども、しかし、政治におけるコミュニケーションというものは、科学技術的な手段によってのみ十分な効果をあげるのではなくて、やはり人と人との関係というものが基本になると思うのであります。つまり住民との対話というものが非常に重要になってくる、つまり知事から住民へという流れだけではなくて、住民から知事への流れというものこそ、実は大事ではないか、こんなふうに私は考えるのでございますが、そういう観点から見まして、どの程度の規模が適正であると考えるか、自治省の御見解、ことに政務次官のお考えを承りたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 従来から府県合併の規模につきましてはいろいろ説がございまして、最初に、戦後においてそういう意見を表明いたしましたのは、御承知のように地方行政調査委員会議でございまして、この場合には弱小府県の再編成と申しますか、そういう考え方によりまして、大体二百万を目途にして合併をすべきだという考え方が出ております。これが規模を指摘いたしまして申しましたものの中で一番最小のと申しますか、そういう単位であったと思います。  それからその次に、地方制度調査会におきまして、ちょうど地方制が議論になりました調査会において、昭和三十二年でございますが、三、四府県の合併ということを主張されましたいわゆる少数意見と申しますか、そういう意見のときのお考えによりますと、いろいろな案がつくられておりますけれども、大体全国を十五県あるいは十六県ないしは十七県程度に分割されるというのが、その当時のいわゆる府県合併を全国的にやって再編成をするというころの説のお考えであったわけでございます。それによりますと、たとえば十六県案で見ますと、一番小さい府県としてお考えになりましたのが富山、石川、福井を合併をいたすというかっこうにしておりまして、これが約三百万程度でございます。それから、一番大きい府県ということで考えられましたのは関東地方の合併でございまして、この当時は人口がまだ少なかったころでございますが、それにおきまして大体千百九十一万、これを一番大きな単位として考えておられたわけでございまして、おおむねそういう意味で、三十二年ごろの地方制度調査会の地方制を答申しましたときのいわゆる少数意見、これは地方六団体も、それから学識経験者も、多くの人がそういう三、四府県の統合が適当だということを言われた。少数の差で破れまして少数意見でございますが、そういうもので見まして、人口の限界というか上限というものでは大体一千万程度のことをお考えになっておったというふうに思われます。  これは、それをどの程度こえればいかぬかいいかという議論ではなくて、御指摘がございましたように、住民の側から見ましても、やはり同一の府県としてその府県に帰属して、そして住民としての意思なりそういうものを十分に反映せしめ得るとするような確信のできるような、ある意味の距離、こういうものが自治体というものを形成する場合には一番必要ではないだろうかというふうに考えられると私どもも思います。それを逆に言いますと、大臣が申し上げましたように、府県の管理主体のほうから見て、十分に住民なり府県行政というものが把握できる程度の距離といいますか、範囲というもので考えるべきだということにも、裏返しをすればそういうことも言えるかと思うのでございます。人口であらわしたものを見ますと、従来から見まして大体二百万ぐらいから一千万程度のところでは現行の府県制度というものが成り立ち得るのではないかという考え方に立っておると思います。  それから、今度は県会議員の定数の問題でございます。御指摘のように、東京都の上にさらに加えるというようなことを考えます場合には、これは人口もちょっと問題になると思いますが、同時にまた議員定数というものも、御承知のとおり問題になるだろうと思います。現状におきまして一番大きい合併と世間で予想されております阪奈和地域というものを考えました場合には、市町村の数を合計いたしまして百四十ばかりでございますから、ただ市町村を普通に合計しただけでは、大阪市とかそういう大都市もございますから問題になりませんが、大体百四十ばかり、とすると百二十人、これは平均することには非常に危険がございますけれども、その自治体の意思をまずまず県政なり何なりに、そういう一番小さい地域社会にしろ、反映させ得る最小限度の定数に百二十人というものは相なるのではないかというふうにも考えられるわけであります。

細田吉藏自由民主党自治政務次官

○細田政府委員 これまでの経緯その他についていま行政局長がお答えいたしましたが、首長と住民との対話と申しますかコミュニケーション、こういう点は都道府県の制度を考えていきます場合にたいへん大切な問題でありまた非常にむずかしい一つの問題のポイントであろうと思うわけでございまして、御指摘のとおりだと思います。私ども考えなければならぬことは、これは人口だけでは実はまいらない問題だと思います。ということは、現に東京都という問題——これはいいか悪いかは別といたしまして、東京は一人の首長で一千万以上の人口を擁しておりまして、問題が実はあろうと思うのでございますけれども、こういうものがございます。都道府県の合併を今後やるといたしまして、先日も河上先生から一都七県の合併というお話が例として途中にございましたが、私どもがたぶん地方から出てくるものだということで一応予想しておりますものは、人口一千万程度になるものは実は考えておらない。東京都がいいかどうかという問題は、これは議論が分かれると思います。しかし、これは人口だけではいけないのではないか、地域的な広さ、同時に地域的な面から言うと交通機関がどうであるか、道路の状況がどうであり、輸送機関の状況がどうであるということも関係いたしますし、また、大臣も先日申しましたように、コミュニケーションということであればこれは対話のメディアの状況にもよると思います。そこらがやはりむずかしい。どれが最も正しいかということについては、人それぞれいろいろな議論があるだろう、こう思うわけでございます。  そこで、それではこういうものを無責任に出してそれでどうするのだ、こういうことになると思いますが、これには私どもかねがね申し上げておりますように、地方議会なりあるいは住民の意思なりで、この程度であればプラスのほうが多いのではないか、どうせ大きくなるのですから、そして首長が三人おったものが一人になり、二人おったものが一人になるというわけですから、それだけ対話の機会が少なくなる、直接の対話が少なくなる、これは理屈上当然でございます。それでもなおかつプラスであるというものについて案が出されてくる。そこに、無責任のようでありますけれども、一つの安全弁を見出していると、かように申し上げなければならないのではなかろうか、こう思うわけであります。絶対的な、どういうものが正しいかということについては、いろいろむずかしい御議論もあろうかと思います。これは私も個人的な見解はいろいろ持っております。東京都はこれでいいのかどうかという問題もいろいろ持っておりますけれども、もちろん、おっしゃった点は今後とも十分検討しなければならない。地域的な広さ、それから人口の問題、交通手段、通信手段——通信と申しますと非常に広い意味でのテレビ、ラジオみなひっくるめまして、そういうことの相関関係で実は立って何か出なければならぬ。たいへん高等数学かもしれませんが出なければならぬ。また、実はいまおっしゃったような点につきましては、やり方もいろいろありまして、具体的な例をわれわれ見ておりましても、市民なり県民なりみんなと知事との対話というものでも、やり方いかんによってはずいぶん違います。現状では人数の少ないところが必ずしもうまくいっているわけではございませんので、たいへんむずかしい問題と思いますが、御指摘のような点を今後とも十分考えていかなければなりませんし、また、都道府県合併にあたっても十分考えなければ、これはいいか悪いかという結論は出せない、かように思っているわけでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 一般的に申しまして、いま次官が言われたように、数だけできまらないという面は御指摘のとおりだと思うのですけれども、と同時に、国会なんかについても、議員の数を減らせばいいということも言えないのでございまして、むしろ、やはり民意を吸収する一つの毛細管として議員の数が多いほうが民主主義がうまくいくという面もかなりあるわけであります。ところが、国会と違いまして、県会の場合は百二十名という一つのワクがあるということもありまして、いまのままでございますと、府県合併の結果、県議会の定数は減らされる。しかし、われわれの体験から申しますと、国会議員の仕事と比べて県会議員の仕事というのは、市民の生活に非常に密着した、苦情処理的な性格もかなりあるわけでありまして、そういうことから言いますと、どうも国会議員と同じような規模になってしまうということは、非常に問題があるような気がするのであります。そういう点について、次官、どういうふうにお考えになっておりますか。

細田吉藏自由民主党自治政務次官

○細田政府委員 私も同様に考えます。県議会議員は国会議員よりも平均的により少ない人数の代表として出るということのほうが、私はすなおに考えた姿ではないかと思います。そこで、いろいろ御心配の点があるのです。これはやや私見で、自治省の役人の人とまた違うかもしれません。これはやはり百二十人という頭打ちのところに問題がある。これは別に研究しなければならぬ、検討しなければならぬ問題だ。たとえば東京都についてもこれでいいのかどうか。いまでも東京都は、わが島根県などとはけた違いに違います。もうえらい違いになっております。私のほうはもう一郡で一人は出せなくなって、合わせなければいかぬというようなところが過疎地帯においては現に出ております。ですから、これについては、都道府県合併の問題に関連してはおりましょうけれども、都道府県会議員の定数あるいは選挙区というものは一体どうであるべきかということについて、これは検討をしなければならない問題である、かように思っておるわけでございます。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いま言われたような問題は、府県合併と別に都市人口集中という現象とあわせて登場してきた問題だと思うのであります。しかし、府県合併を推進いたしますと、それに逆行するような結果になるわけでございますし、ことに府県合併の例としてあげられているところは大体都市人口の集中の激しいところであるというようなことから、多少御議論に事実の上において混乱が生じてくるのじゃないかという気がいたします。  次に、府県合併ということで生じてくる問題の一つとして、あらためて、府県とそこに所在しております大都市との関係という問題があろうかと思うのであります。これは現在でもすでにいろいろ問題があることは御承知のとおりでございますが、府県合併をいたしました場合に、たとえば阪和奈というようなものがもしかりにできた場合、大阪市というものの役割り、地位というもの、あるいは合併された府県と大阪市のような大都市との関係はどういうふうになるか、あるいはなるべきかという問題が出てくると思うのであります。それについて自治省のお考えはいかがでございましょう。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 御指摘のとおり、現在府県合併という問題が現実に議論として出ておりますところは、大体大都市を中心にした地域ということに相なっております。そのことの一つは、たとえば大阪で申しますと、大阪市というものを中心にいたしました大都市圏といいますか、そういう広がりというものが、一つは、大阪府というものをさらに越えまして、奈良、和歌山という方面にも相当伸びてきている、圏域が広がってきている。そういう点で、県の境を越えて都市施設なり広域的な公共施設なり事業なりを一体として計画をしていくということが必要になったというわけでございます。そういう場合に、かつて起こりましたような特別市問題というようなものは、その広がりの中で考えなければならないという時代でございますから、大都市だけを抜き出しましてそういう関係から隔絶したようなものの考え方をするということは、これはとうていできないことだと考えております。そういう意味で広域になりました府県と大都市との関係というものは、従来ともすれば対立的な一つのものの考え方でよく世間で取りざたされておりましたけれども、そうじゃなくて、大都市及びその周辺の一体性というものを補完をし、その関係を、計画的と申しますか、混乱のない形で秩序づけていく、そういう役割りを新しい府県というものが行なうことによりまして、大都市を中心にした都市圏域の機能の能率をより高めていく、結局、住みよい地域社会といいますか、そういうものをつくっていく上で貢献をする、そういう意味では広域県といわゆる大都市というものは相対立するという形でなくて、むしろお互いに足らざるところを補いながら、大都市の集積の利益というものをなるべく広域の範囲にまで及ぼしながら、それぞれの機能発揮につとめていく、こういう協力関係というものを考えていく体制を立てなければならない、こういうことではなかろうかと思います。

河上民雄日本社会党

○河上委員 いまの局長の御返事でございますと、大阪市というようなものを固定化して、そこに特別な地位を与えるということには反対——反対というか考えておらない、むしろ大阪市という一つの活動主体の実態に即して広域的な行政が必要になってくるのではないかという予測を持っておられるように印象づけられたのでありますが、そういう場合、東大阪市とかそういうようなものも含めて考えられておるのかどうか。また、大阪市の中でいろいろ区があるわけでありますけれども、そういう区というものがどういうようになるのか、東京都の場合、いわゆる二十三区ですか、そういうものが非常に特殊な地位を占めているわけですけれども、そういうような区の存在はどういうようになってくるのか。これは大阪だけを例にとるのは適当かどうかわかりませんけれども、いまお話が出ておりますので、もう少し詳しく見解をお示しいただきたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 将来の広域の県の役割りというものは、先ほど申し上げましたように、その圏域の中のいろいろな都市群があると思うのでございます。そういうものの中心をなしておりますものは、現在いわれておりますようなところは大都市が一つの中心になりまして、そして衛星都市と申しますが、それを取り巻いておるところの多くの都市が所在をしておる。それからまた、同時に、その関係は一つの府県にとどまりませんで、他の府県にも及んでおる、こういうかっこうになっておるところで、広域な県ができます場合に、府県の任務としましては、基本的には大都市及びその周辺の衛星都市群を通ずるところの広域的な根幹的な施設ないし事業なりというものを促進をいたしまして、そして、それぞれの都市間の連携なり、それぞれの地域的な役割りというものを純化して、都市機能というものの効率を非常に高めていく、こういう使命を持たざるを得ないと思います。  また、都市相互の間におきましても、やはりそういう意味のいろいろな関係というものは、隣接しておることでもございますし、経済的にも社会的にも一体をなしておる圏域でございますから、非常に密接な関係があると思います。そういう意味で、府県のレベルで分担していきますところの任務と、市町村のレベルで分担していかなければならない任務というものは、おのずからそれぞれあるわけでございますが、そういう意味の市町村レベルで分担していきますものにつきましては、大都市を中心にして一つの共同処理といいますか、一つの連携によって相互に都市機能をそれぞれ相助け合うという形で推進をしていくということになろうかと思います。市町村間についてはそういうことで考えていかざるを得ない。  また、都市の中の組織についてどうなるか、それからまた、そういう大きな都市が将来さらに行政区域を拡大をしていくということがどうなるか、この二つの問題があろうかと思うのでありますが、これは私どもが、ここについてはこうだということをいま必ずしも断定的に申し上げるだけの用意はしておりませんけれども、ばく然として考えられますことは、大体大都市の区域というものを今後も合理化していく必要はなおあるだろうという感じはしておりますが、現在の大都市の状況から言いますと、これをあまりにも拡大していくということは、やはり基礎的な地方団体としての大都市の機能というものが、十分住民との間で直結した形で行なわれるという意味では相当限界があるのじゃなかろうか。むしろそれよりは、関係の市町村の間の提携といいますか、連携というものをどのようにはかっていくかということで、それぞれの自治の基礎を固めていくという体制をとるべきではないか。最近、そういう意味で一部に、たとえば大阪などにつきまして、大阪府下全域と大阪市というものを一応再編成をいたしまして、そして、ちょうど東京におきますところの都制と同じような区制をしくというような意見が新聞に出たのを私ども読んだことがございますけれども、そういうことがはたして妥当かどうかという点については、私どもはなお検討の余地があるのじゃなかろうかという気がいたしております。  しかし、確かに都市もだんだんそういう一体的な規模を十分とり得る、そして十分自治体としての機能が発揮し得るという点で合理化をし、区域を拡大していくということが将来ともに予想されるわけであります。そういう場合に、都市の内部的な組織をどう考えていくか、あるいはロブソンさんなどが言っておられるような、いわゆる自治体の中の二重構造というものを考えていくべきではないかというような議論もやがて出てくるかもしれないと思いますが、現在のところは、大都市の中の区を、さらに何か別の形のものをつくっていくということまで直ちに考える必要はないのじゃないか。と申しますことは、大都市の区域をいま直ちにさらに拡大していくということには、いま少しく他の市町村との関係等を検討した上で、それが都市機能の純化なり都市機能の効率をいよいよ発揮させるために有効であるかどうかを見きわめた上で考えていくべきものではないか。もしそういうことで拡大をしていくということになりました場合には、やはり都市の中の内部組織というものが、東京を除きまして、御承知のように六大市は行政区というものだけではたしていいのかどうか。そこに自主的な要素を入れるほうが——非常に大きな都市の中のそれぞれの小さな地域というものは、またそれぞれの異なった条件を持っておるわけでございますから、そういう意味の民主的なコントロールの中で、都市の一部がある程度自主的なそういう行政運営をはかるという道を開いていくということも考えるときがくるのじゃないかというふうには思いますけれども、現在の規模の程度でございましたならば、いま直ちにそういう方向をとらなければならないとは考えておりません。なお検討を要すべき問題だと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 太田君の関連質問を許します。太田君。

太田一夫日本社会党

○太田委員 長野局長さん、あなたは頭脳明晰にして学識に富み、常に著書をもってわれわれに地方自治の本旨や公務員のあり方等をお示しをいただいておりまして、たいへん敬意を表しておりますが、いまの話などをずっと聞いておりますと、地方自治における民主主義というものはどうもだんだんと形が変わってまいりまして、都市の機能というものも県から独立していったほうがいいのじゃなかろうかというふうに聞こえる。しかし、大都市が県から独立するかしないかということはこの法律の中に書いてないから、いままでどおりでございましょう。今度はいわゆる新都市計画法ができて、県というものがいささか大きく、その県の地域内の都市計画、都市化地域というものを、どこからどこまでの区域にするのか、あるいはまた、いわばいまの状態において都市化を防ぐ地域はどこからどこまでにするかということをきめるということ、これは非常に県に権力が付与されてまいりまして、大きくなってまいりまして、町村のほうは、どちらかというと、議会がその意見の反映を期するという程度ぐらいしか扱われておらない。そうなってくると、あなたは、都市がだんだん大きくなってくれば、都市がある程度大きく育つことを、独立することを望むようなお話だが、実は県そのものをよほど強化しなければいかぬのじゃなかろうかと思うのです。  そこでぼくは、最初の話に戻ってちょっとまずいのですが、最初、河上さんから県会議員の選挙の態様について長い質問があった。あなたは一つの例を引いて、市町村数が阪奈和において百四十二ある、百四十二ある中で百二十人ということになると、いろいろなことが考えられますというお話でありましたが、これを私は少し具体的にかみ砕いてみますと、たとえば奈良地域が十二人の定員の割り当てとなったといたしまして、現在市が八あって町村が三十九あるとすれば、市という地域に一人の県会議員を置いても、これは八人要るわけであります。町村は三十九ですから、そこへわずか四人しか割り当てられないということになるし、和歌山地区におきましては、七つの市と四十三の町村がある、それで十五人の県会議員ということになれば、市を中心として一人ずつとっても七人要るわけでありまして、あと四十三の町村というのは、これは、そういう分け方が適当であるかどうかは別として、五カ町村で一人ぐらいということになりまして、その選挙区も非常に広域になり、しかも選挙すべき議員の定数というのはおそらく一人——二人ということじゃなくて一人ということになる可能性が多いと私は思います。そういうことになるために、それではなかなか地方の実情が県政に反映することはできないから、なるべく大都市並びにその衛星都市というものがそれぞれりっぱに育っていくことを望む、いわば独立していくように望む、指定都市の地域を広げることを望むというような意味に解されてくるのですが、その辺のところはどういう御趣旨でありますか、もう一回具体的に、たとえば奈良県と和歌山県の県会議員の定数、そこからひとつ説明してください。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先ほどの百四十ばかりの市町村で百二十人が定員ということになりまするので、それを単純に比較はできないわけですけれども、大体地域社会というものの意思を代表するということは可能なことではないだろうかということを申し上げております。  先生御指摘のとおり、それをさらに具体なところに割り込んでまいりますと、町村段階ではあるいは四、五カ町村、あるいはさらに十カ町村ぐらいのところで一人出すというようなところが出てくることになるだろうと思います。これはまあ町村の規模なり町村の人口なりとの相関関係でございまして、市だからたくさん議員を出す、町村だから少なく出すという意味じゃなくて、これは現在の府県会議員の定数というものも、国会議員も同じでございますが、いわゆる人口というものを基礎にして、何人に一人ぐらいが妥当かどうかというような考え方が基礎にあると思いますけれども、そういうことでやっております。それと両方かみ合わせました場合に、まあ四、五カ町村なり七、八カ町村なりから一人出るというかっこうに実はなるわけでありますけれども、それも一応いまの郡市の区域によるという考え方からいけば、必ずしも足らぬものではないのではないかという気がするわけであります。  議員の数が減るから、おまえは、都市を育成して、大都市に自治体の機能の重要なものを受け持たせることによってそれをカバーしようというのであるかということをお尋ねでございますが、そういうことでこれを考えておるというわけじゃございませんで、今後この都市化といいますか、大都市への過度な人口、産業の集中というものがなお続くことが望ましいとは決して思っておりませんけれども、現在はすでに行政区域、区画としての大都市からはみ出しまして、そうして大都市の周辺に衛星都市なり、さらにその先に新しい新市街地というようなものが出てくるというのが、これが現実の状況でございます。  そこで、その都市間におけるところのいろいろな都市機能とか都市施設というものが非常にふぞろいで無秩序にできてまいりますと、市民生活の上では非常に不便をこうむり、いろいろな弊害が出てくる。これはもう現在われわれが目前にしておるところでございます。  そういう意味でこの都市計画というようなものは行政区画をこえて計画をしていくということ、市町村の単位をこえることが必要になってまいりますから、都市計画法におきまして、将来の市街化区域とか市街化調整区域とかいうものを広域な観点から府県がつくっていくということは、これはある程度現実の事態として認めざるを得ないのじゃないかという感じもいたすわけでございます。そういうことでありまして、府県がそういう広域の都市計画のワクをつくりますが、個々の市町村は、その市町村の内部におけるところの住居地域でありますとか、商業地域でありますとか、工業専用地域でありますとかいうような都市計画の具体の内容をきめていくということに相なります。しかし、それをきめるにいたしましても、市町村間のおのずからの関係というものを考えながら、全体としてのその地域全体の調和がとれるような形で都市施設の整備をはかっていかなければならないということになります。そういう意味で、市町村の連携をはかるということももちろん市町村間において必要になってまいりますし、それからまた、同時に、府県がそういう市町村間の広域的な計画というものを府県全体の立場から考えていくということ、この両方は、両々相まってこれからの地方行政というか、地方自治行政というものの発展のために両方の作用を、どちらを重しとするわけには実はまいらないと思います。しかし市町村の場合には、なお区域の合理化といいますか、市町村間で協力をするということをさらに踏み込みまして、行政的に一体になるという作用も市町村としても考えることは当然出てくるわけでございますので、それほどまでに一体化が成熟してきた地域につきましては、市町村の規模の合理化というものはさらに進んでいくだろう。しかし、その場合に、市町村があまりにも規模が大きくなるようなときには、市町村の内部組織の自主的な体制というものをしっかりとっていく必要もあるのじゃないか、こういうことをちょっと申し上げたのでございまして、府県の作用が否定されてしまうことがいいとも思っておりませんし、やはり広域的に府県の段階でその地域の調節をする、市町村間の調節をするということは、市町村だけの協力とか提携だけではなかなか十分でない。また、仕事の分担から考えましても、府県が担任しておる仕事についてそういう考え方をとり、市町村の担任しておる仕事についてそういう考え方をとる、こういうこともございますので、これは両々相まってものを考えなければならぬのでありまして、県会議員の数が減るからその役割りを市村町にだんだんかぶせていくということで必ずしも考えるわけではございません。

太田一夫日本社会党

○太田委員 長野さんの気持ちわからぬわけじゃありません。わからぬわけじゃないけれども、いまのように、この政府案によりますと、県会の議員の数も減ってきて、地方の実情は反映を期しがたくなってくるということになれば、一人で相当広い何カ市町村というものを受け持たなくちゃならない。選挙地盤にするということになれば、民意の集約ということは非常に困難になる。  そこで私は、勘ぐっておるわけじゃありませんけれども、あなたのほうでは、やがて大都市というものは県と同等の地方自治体ぐらいなものにさせたいものと考えていらっしゃるのではないか、県と同一程度の自治体としたいと考えていらっしゃるのではなかろうか、こう思うのですよ。そういうふうに思うと、百二十人頭打ちというのもちょっと理解できるような気がするわけです。大都市は、いわゆる指定都市というものは府県と同格だということになれば、それは県会議員というものはあとのその他の市町村に回されてまいりますから、選挙区そのものはそう大きくならぬでありましょうし、一人だけの一人区というものもそんなに数多く出てこないだろうと思う。人口割りだなんということになればみんな都市にとられてしまいますから……。そういうことを考えて、指定都市は将来別に扱うのだ、その底意があるから、そういうねらいがあるから、この都道府県合併法案は、こういうような地方議会の構成でもやっていけると思う、こうおっしゃるとわれわれははっきりするわけです。新都市計画法というのは、おっしゃるとおりに市街化区域と市街化調整区域に分かれておる。いわば市街化区域というのは都市計画区域である。それが相当広範囲にわたってきまずからね。それは県知事がきめる。県の責任である。市町村というものはそれにタッチはいたしますが、きめるものではない。あとで施行の責任は負いますけれども、計画をきめるのは県知事でございますということになると、指定都市は府県と同格でございますというように変えていくことは私は不可能なような気がする。だからぼくは、あなたのほうの考え方と、現在建設省を中心として進んでおる全国の国土利用計画、開発計画というものとは一致しないという気がする。そんなことはないですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 府県合併という考え方は、いわゆる指定都市の扱いについて府県から独立させるというような考え方の逆でございまして、大都市というものが問題を多くかかえておる、大都市問題は大都市の区域だけで片づかない、むしろ大都市の区域の外側、非常な広がりの中に多くの問題をかかえておるわけでございます。そういう意味で、府県の広域化ということによってそういう大都市圏域といいますか、ことばは必ずしも熟しませんが、そういうものについての府県の役割りというものを大きく考えていかざるを得ないということでございますから、大都市を府県の区域から抜き出しまして、それを独立さして、おまえはかってにしろというようなかっこうにするのとはむしろ方向が逆でございまして、大都市というものも、そういう大都市圏の中で、それと大いに関連のある、結びつきのあるという意味で大都市としての正しい位置づけをしなければなりませんけれども、大都市を抜き出して、府県とかそういう地域圏とか、そういうものから全く独立させるということはむしろ逆でございます。そういうことはあってはならない。そういう意味で、昔地方自治法の中に、いわゆる特別市という制度があったわけでございます。特別市が独立するとかしないとかという議論をしておりましたけれども、現在、あの当時のような議論が再び起こるかということになれば、これは私見でございますけれども、私どもは起こりようがないと思う。それほど大都市というものは大都市だけの存在でなくなってしまった。全部の周辺との密接な関連というものを断ち切るわけにはいかない。そういう中に大都市というものは位置づけられているということになってしまったんだと思うのでございます。そういう意味で、大都市を府県と同格に扱うということは、府県に関する限りはあり得ないということになりまして、大都市地域の中でも、府県の役割りというものは厳然として残るということに考えざるを得ないと思うのであります。  都市計画のお話がございましたが、都市計画あるいは国土の利用計画というものも、そういう意味で、私ども都市計画法の立案の際に参加していろいろ議論をいたしましたが、元来都市計画というものは、都市づくり、町づくりの基本でございますから、ほんとうはその都市自体が自主的に決定をする。それは都市の建設なり経営の基本の計画の一部でございますので、非常に基本的なものでございますから、そうあるのが私どもは当然だと思います。  ただ、現状におきましては、市町村の区域を越えまして、都市というものは非常に広域的に連担をしております。つながっております。そうして将来の市街化地域として考えるべきもの、あるいは市街化を抑制する地域、いわゆるいろんな意味の緑地とか保全区域とかというもの、全体として大きく地域区分を考えていかなければならないというときには、どうしてもそれぞれの都市で考えていくということでは合理性を欠くということが出てまいりますので、そういう部分については、広域的な団体であるところの府県というものの役割りにせざるを得ないであろう。ただし、それできめられました市街化区域なり市街化調整区域なりの中におけるところのそれぞれの都市が、そういう都市計画の内容をどういうふうに組み立てていくか、この点につきましては、私どもはなるべくそれを市町村の決定するところにゆだねたいというのでいろいろ折衝をいたしまして、現在成立いたしましたような都市計画法というものができたわけでございます。  これもある意味では、従来都市計画というのはすべて建設大臣がつくり、建設大臣がきめるということでありましたものを、地方自治の側に引きずりおろすことが多少ともできたという意味でございまして、決してこれが非常にりっぱな、完全ないい内容だとは私どもは思っておりません。今後の運用によって、なおなお改善を遂げていかなければならないと思いますが、ただその場合にも言えますことは、広域的に都市間におけるそれぞれの機能というものをいかにつなぎ合わせて、いかに矛盾なくそれらの機能が発揮できるようにしていくかということについては、都市間の協力はもちろん必要でございますが、同時に、もう一つ上の段階におけるところの、現在ではそれは府県がその調整の役割りをせざるを得ない。また、府県が担任しておりますところの水資源の開発利用でありますとか、大規模な基盤整備事業でありますとか、道路とか河川とか、そういうようなものは、やはりそれにふさわしい任務でありますから、そういうことがどうしても必要になる、このことは認めざるを得ないというふうに考えております。

太田一夫日本社会党

○太田委員 これからの時代は、私は自治省が中心となって日本列島を総合開発するというぐらいな気がまえがほんとうは必要だと思うのですよ。住民自治という地方自治の本旨に基づいて、上から天下ってくる地域開発計画だの、上から天下ってくるところの総合開発計画なんてあり得ない、そう思います。思いますけれども、だんだん簡便法をとられてまいりまして、建設大臣の権限が県知事に移ったといったところで、それは単に形式的なことでありまして、県知事に移れば移るほど、今度は市町村と県との間の関係というのは、いままで以上に緊密でなくちゃならぬことになります。ところが、この府県合併法案というのは、なるべく市町村と県との関係を疎遠にしようというねらいでしょう。なるべく疎遠にして、親戚づき合いをやめちゃおうという考えでしょう。これは逆じゃありませんか。だから百二十人頭打ちという県会議員の定数という問題が起きて、奈良県、和歌山県の例で言うと、ほんとうに一つの市にせいぜい一人定数がもらえるのがやっとこさということではありませんか。それで県の都市計画の審議会というのは県知事の諮問機関である、これは主として県会議員が入るだろうということを説明の中では言われておる。それは県会議員が一番よく地方の実情を知って、住民の意思を代表しておるものと思われておるからそこに入ってその意見を聞いて県知事がきめるということになれば、議会というものはタッチしないけれども、それは大体地方自治の本旨にのっとるであろうということでありますけれども、これも住民自治の原則からはずれちゃ困るわけです。それで私は、なるべくその意見がよく反映せられるようにするためには、県会議員の定数が百二十人頭打ちということはもってのほかだと思っておるが、あなたはどうもそれがしごく合理的なようなことを考えておる。ついこの間、中部圏開発整備計画というものの素案が出ました。このときに、新聞に伝えるところによれば、地方がそれぞれ持ち寄って希望したものは、いま建設大臣が担当大臣ですが、整備長官は、それはいささかエゴイズムが多いからだめだといって大幅にその計画を修正をされておるのでございます。そういうことですよ。だんだん大規模に広域化されたいろいろな開発計画というのが今後進んでいくということになってくると、それをどう住民の意思と結びつけるかという大問題は、初歩の初歩のうちに解決しておかなければいかぬじゃありませんか。もしそれがないとするなら、地方行政法にして、地方自治法をやめてしまえばどうなんですか。あなたは地方自治法というのをいろいろ解説なさったが、地方行政法にしてしまう、そこまで変えてしまえばまた別ですよ。県会議員もみんな代議制度になってくる。それならまた話が違うわけです。県会議員は代議士じゃないでしょう。そういう点からいって、あなたがいろいろな御説明をなさることは、近代化されたいろいろな発想のように思うけれども、大事な大事な点において一つの誤りをおかしておる、こういう気がしてしょうがないのですが、御所見はどうですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 どうもたいへんむずかしい問題でございまして、先生のお尋ねにお答えできるかどうかあれでございますけれども、言ってみれば、府県合併というのは、いままで三つのかまえのものを相手にしておったものを、今度は十のものを相手にするというぐあいに、区域を広げてものを考えざるを得ないというところが一つあるわけでございまして、そういう意味では、三軒の家のめんどうを見ておったものを、十軒の家のめんどうを見るということになれば、なかなか手が回りかねるようなことではないかというような御議論は確かにあると思います。そこで、それをどういうふうにしていくかという——だがそれを百や二百にしていくということは、これは限界があるけれども、いまのところ三県のものを十県なり十二県くらいまでにするのはまずまず何とかやっていけるではないかというのが一つの発想の基本になる、こう御了解を願いたいと思います。  それから中部圏のお話がございました。確かに中部圏の整備計画はその原案というものを府県の単位にいたしまして、それで提出をいたしました。そうして中部圏の中で取りまとめていくという形をしております。そして、これを国のほうで承認するとかしないとか、こういう問題になるわけです。そのときに、往々にして従来からあるブロック単位のいろいろな計画ということになりますと、無理からぬ事情もいろいろあるとは思いますが、それぞれの府県の要求というものも大体バランスをとりまして——そういうことがあってはならぬことでございますけれども、これがそうだというわけではございませんが、多少総花的に計画をつくるということが起こり得る。そういう場合に、それを中央政府のほうで見た場合に、そいつは少し肉がつき過ぎているというような議論が出てくる、こういうことがありますが、もしこれを広域の県ができまして、いままで十の府県がやっておりましたものを三つなり四つなりの府県が考えていくということになりました場合には、それぞれの地域バランスというものもありますけれども、それをとにかく三つなら三つのところに集約をしてしまう。集約をしてとにかく調節をしなければそういうものを持ち上げてくるわけにはいかないということでございますから、地元の中でいろいろと理解をし合って計画が統一づけられるという余地が多くなる。われわれの自治体の手元の中でそういうことが起こる。そうして国が、そういう意味で肉がつき過ぎているからといって削ってくるという余地を少なくすることが、自治体の中でできる面もあろうかと思います。そういう意味では、それだからどうというわけではございませんが、自治体の手でより広域的な観点からものを整えていくということをするのがいいのか、おのおのの自治といったものを国の手で肉を削られるようにするのがいいのか、例をそういったふうにとることは非常に恐縮な点がございますけれども、そういうことでもあるというふうにも言えやしないかと思うのでございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 依田君の関連質問を許します。依田圭五君。

依田圭五日本社会党

○依田委員 河上さんと太田さんの話を聞いていまして、関連してお聞きしたいのですが、大都市行政の問題、いま河上さんが提示しております二十三区の問題とか、大都市の広域行政の問題についてお聞きしたいのです。たとえばいま太田先生が言っておられるのは、県会議員の面から申し上げておるのですが、私もちょっといま試算してみたのです。東京の場合、行政局長は一体どういうような構想をお持ちなのですか。大体この合併法は、初めからビジョンがないということを各委員から言われておるのです。私も、これは全然ビジョンがない案だ、行き当たりばったりといいますか、形は自主的といってけっこうな話なんですが、内容は地方自治法を骨抜きにしたいというか、抹消したいというか、反面から言うと、自治省の権限拡大というようないろいろな言い方があると思うのです。まず東京を中心とする広域行政のアイデアについて、局長からひとつ、東京都は将来どういう府県と連携し、あるいは話し合いをして、府県合併法成立の暁には対処したらよろしいかをまずお聞かせ願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 東京の場合が実は一番の難問でございます。正直に申しまして、東京自体は区域はそれほど広いことはございませんけれども、人口においてすでに一千万を擁しておるところの大きな団体でございます。そこで、しかしながら首都圏というのは、いろいろ言われておりますが、東京を中心にいたしまして、いまや三十キロ圏内はおろか、五十キロ圏内に及んでおるというふうに考えるべきじゃないかというような意見もあります。そういうことで考えました場合には、当然に千葉県、埼玉県、神奈川県なんというものは首都圏の中にすっぽりはまってしまっておると言っても過言ではないというような状況であろうと思います。そういうときにいろいろの意見がございまして、意見を同じくする人は、そういう場合には、かまわないから千葉、埼玉、神奈川も東京都と一緒に合わせてしまったらいいという非常にはっきりした意見も中にはあります。しかしながら、そこまでいく前に、やはり首都圏というものについての東京を中心にした広域行政体制といいますか、そういうものをもう少し順を追って、段階を追って考えていくということのほうが実際的ではないかという意見もございます。そういうことについては、いろいろ議論が分かれるところでございまして、必ずしも一定した、こうだということには、人によって必ずしもならないのが、これはもう正直に言って現状でございます。  ただ、その場合に、またこれは先生いつも御指摘になるのでございますけれども、いわゆる特別区二十三区というものと都との関係をどう考えていくのかということも、これももう一つどうしても解決しなければならない問題だと思っております。と申しますのは、常に申し上げるようで恐縮でございますが、都がほかの県と違うという制度をとっておるということになっておりますけれども、どこが違うかといえば、二十三区の区域においては、東京都は市役所と同じ仕事をしておる。ここが違うだけのことなのであります。したがって都政というのは、都が二十三区の区域で市役所をやっているということ、極端に申しますと、違うということもございますが、しかし現在の都政の重点というものは、むしろ二十三区の区域よりさらに広がりまして、いまの姿勢から考えれば、少なくとも三県くらいにまで広がった、そういう大きなスケールで都政というものを考えていかなければ都政にならぬじゃないかという議論も一方に出てくるわけであります。そうしますと、特別区二十三区、あるいは三多摩も含めまして、そういうものと都との関係をどういうふうに解決をしながら、首都圏区域というものにおけるところの東京都のあるべき姿を反映させていくか、首都圏の中に投影させていくのか、そのまま現在の状態をなるべく正確に投影させていくかということが、これが一番問題でありまして、その場合に、先ほど申し上げました、統合してやっていくほうがいいじゃないかという意見もあります。そこまでいくのはあれだから、自治体側からいったって、もっと広域的な行政体制をとれないかという問題あるいはまた、国の側からいきますと、臨時行政調査会などの意見がややそれに近いと思いますが、いっそのこと首都圏に首都圏庁というものをつくって、各省の権限をこの中にぶち込んでしまう。そうして一大総合行政官庁をつくって首都圏全体の行政を、自治体との間を調整しながら強力に推進していく、こういう考え方が出てくる。極端に言いますと、自治体のほうの考え方の延長としての大統合した組織をつくるというはっきりした考え方、逆のほうにいきますと、国の直轄行政というものを全部総合して、首都圏の中で統一的な執行官庁という意味の実施主体をつくっていく、こういうことを考えて、行政の面で東京問題を解決しようというような考え方、まあ両方に分かれておるようであります。  私どもは、そういう意味でどちらをとるんだということになりますと、現段階におきましては、いろいろ議論は分かれますけれども、やはり東京というものの持っておる位置を正確に首都圏に反映させる、そういう方法をどう考えていくかということではないかというので、いろいろ検討いたしておる段階でございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 いろいろお話を聞きましたが、全然内容がないわけですね。広域行政が必要だ、二十三区もその中において考えたい。首都圏のことについては、いろいろ合併したほうがよかろう、いろいろの話はありますが、内容がない、私は実は関連質問ですから、二十三区の問題や東京都の問題につきましては、あらためて時間を両三日十分もらって、また細谷先生と重複しないように御質問をしたいと思って準備しております。きょうは河上君の関連質問ですから、結論的なことだけ二、三、二十三区以外のことで聞きたいと思います。  まず、お聞きしたいのは、この合併法の成立の暁には、一体、行政局長は——東京都に対してのあなたの個人的な見解でもけっこうです、もちろん自主合併でありますから、各関連都道府県が自主的な判断をして意見を盛り上げてくるという形にはなっています。しかし、全国的な規模から判断することの可能なあなたの立場から、一都七県を考えるべきがよろしいのか、あるいは一都三県ぐらいがいいのか、一都四県ぐらいがいいのか、具体的な提案と理由を、ひとつお考えがあったらここで明確にしてもらいたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 具体的な提案をまだ持っておりません。けれども、言えますことは、一都七県というふうな広大な区域についての問題を直ちに考えようということは適当ではないと思っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 それなら、一都七県が適当でないとならば、一都三県がよろしいのか、一都四県がよろしいのか。自治省にある電子計算機の結果として、こういうようなことだ。しかし、自主的な意見を尊重をして、法律の趣旨に従ってやってくださいよ。しかし、しいて意見を求められれば、自治省としては、あるいは個人長野局長としてはこういう見解を持っておりますということを、もう少し明確にしてください。そういうことがないから、この問題はビジョンがないとか、行き当たりばったりの法律だということが言われるんですよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 将来の府県行政と申しますか、広域行政をとるという形をどこまで徹底して考えるかということは、時間と距離と見方によって、人によっていろいろ違うと思います。しかし、私、いま直ちに言えますことは、これは個人の考えでございますが、少なくとも東京と千葉、埼玉、神奈川、こういうものはもうすでに一つの目的、密接な一体的な形を実質的に形成しておるところではないか。そういう点について、とりあえず広域行政をどういうふうに形づくっていくかということをいま考えるというのは、おそ過ぎるくらいでありまして、まだそれができていないというところに一番問題のむずかしさもあるわけでございますが、ぜひそういうことについて真剣に取り組んでいきたいと考えております。しかし、問題はむしろ関係の都道府県の考え方との調節をしてかからなければならないわけでございますけれども、少なくともその辺の範囲についての問題の処理というものを早急に取り上げて検討すべきだと考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 長野さんは、いまあなたの考えによると、一都三県というのですか、それはどういう理由によるのですか。自治省の行政局長という指導的な立場にある方の意見が、一都三県で首都圏の府県合併をするということは、重大な意見です。もちろん形式はあくまでもこの提案中の法律の趣旨に沿っていくものですから、当然自主的に府県から意見を盛り上げてくるのです。そういうことはわかっているのです。ですから、ここでお話を聞きたいのは、一都三県というものがどうして客観的にあなたの意見となり、そういうアイデアを背景としてこの法律が作成されたのか、考えられたのかという点を、もっと堀り下げて聞きたいと思いますが、きょうは時間がありませんし、関連ですから、この程度にして次回に譲りますが、太田先生の言われた県会議員の面からだけ、さらに一歩を進めまして、ちょっと問題を提起しておきたいのは、たとえば東京、神奈川、千葉、埼玉の県会議員の総数が三百五、六十になるのですね。これはやはり各県会とも三分の一にせぬといかぬですね、百二十という神聖不可侵のワクがあるのですから。そうすると、東京は三十九から四十になるのです。その場合——東京の代議士は二、三年前に十二名定数をふやしたのですが、われわれもその一環で衆議院にかわって出てまいったのですが一これは二十七万人に一人の代表なんですね。山梨県の国会議員を、すぐ近所ですから例にとると、十四万人に一人の国会議員です。ちょうど半分ですね。これは、先ほど太田先生が阪奈和の問題でやっておられましたところの、一つの市から一人の県会議員しか出せぬと言っておられますけれども、サービス行政を中心にして、きめのこまかな、ほんとうに末端までいくローカル的な政治のいろいろな利害関係を地方の議会において調節しようとする府県会議員より、全国的な立場に立って外交、防衛を考えようという国会議員が半分の住民代表で少ないというのは、一体どういうように調節なさるつもりですか、そういうようなことをとっくにお考えの上でこの法案を提案なさってこられたものと私は考えておる。その辺のことは微に入り細にわたって、対策というか、アイデアというか、いろいろのことを考えられて、そうしてやられて、決して府県行政を抹殺するようなことはない、地方自治を骨抜きにするようなことはないと説明されたはずです。それが、県会議員のほうが三倍くらい多いのですよ。こういうことをよく説明してもらいたいものですがね。私がちょっと数字をはじいたところでは、国会議員は十四万人に一人、県会議員は二十七万人に一人というのを、一体どういうように御説明なさるのですか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 数字のほうはちょっと私もよくわかりませんが、いまの都道府県会議員の定数百二十人頭打ち、この問題は、確かに東京のような合併を考えました場合には、先生御指摘のとおりちょっと問題になることは明らかなんです。むしろ東京の場合は、合併を考えませんでも、すでに二十三区と埼玉の関係におきまして、この百二十人が少な過ぎるという意見が都議会で決議をされておるような現状でございまして、一つの限界、飽和点というような感じを強く持っておられるように思います。したがいまして、そういう場合にどうするかということについてこの合併特例法ははっきりしておらぬではないか、お説のとおりでございます。これは地方自治法一般の問題として考えなければならないというように先ほど政務次官も申し上げましたが、そういうふうに考えておるわけであります。そこで、この合併というものがそういうことでだんだんと進んでいく場合には、この法案についてなお考慮しなければならぬ面は確かに出てくるだろうと思っております。  ただ、申し上げたいことは、この合併は、私ども、東京都についてお前どう考えるかというお話でございますから、一都三県というような個人的な考えを申し上げたのでございますが、東京都について現在そういう圧倒的な考え方があるということは寡聞にして実は知らないのでございます。そこで、そういう機運が合併特例法の成立とともに強くなってまいります場合には、これはそういう意味の地方自治法全般の問題として考えていかなければならぬということになってまいりますが、特例法としてその点を特別にここだけを始末しようというふうには考えていないのであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 この合併法の目的といいますか、当面阪奈和と、東海三県、要するに東海道メガロポリスの合併でしょう、事実問題は。もしそのほかにあるならば具体的にひとつ聞きたいのです。たとえば北陸がどうなるとか、四国がどうなるとか、九州がどうなるとか、具体的に自治省としてはあるのですか。当面阪奈和と東海三県の大都市でしょう。また、国の社会資本の投入も、あらゆる計画も、みんなそれに向かって進んでいるわけでしょう。今度政府が出した都市再開発法もそうですが、これは東京だけの問題じゃないですよ。もうすぐ中京圏もそうなるし、大阪もすぐそうなるのですよ。あなたは東京だけを例外に考えているようだけれども、もしそれ以外にあるなら具体的に言ってくださいよ。それ以外に、北陸は富山とどこが合併したらいいとか、あるいは鳥取と岡山がどこにいったらよろしいというのがいまあったら聞かしてくださいよ。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 この法案は、これは最初から何回も申し上げていることでございますが、いろいろ御議論がありましたように、府県合併を自主的に行なうという体制を整えるということで考えておるわけであります。現在直ちにわが国の府県の再編成を全国的にやっていこうというところまで考えているわけではない。と申しますのは、この法律の前段、一条とか初めのほうに書いておりますように、合併の基本というものは、自主的な合併ということであります限りは、自然的、社会的、経済的に一体性のある区域、あるいは将来一体性のある区域として発展する可能性のある区域、これは受け取り方、見方が人によって違うかもしれませんけれども、やはりそういう意味の現実の基盤があるところであるから、自主的合併ということも当然に合理的なものとして取り扱えるのではないかという考え方に立っておるわけでございます。また反面、これを申しますことは、現在の都道府県の置かれておりますところのこういう各種の条件というものは、必ずしも全国的に同じじゃございません。東北の各県あるいは九州地方の各県というものが、それほど県相互間におきまして社会的、経済的にほんとうに緊密な一体性を持っておるということは必ずしも言えないと思うのであります。  そこで、主としてそういうことが出てまいりますのは、大都市及び大都市を中心にする地域ということに相なるわけでありまして、その点から言えば、一番の問題は、名古屋とか大阪という問題じゃなくて、むしろ東京じゃないかという議論はあり得るわけでございます。当然そうじゃないかという議論は私はあり得ると思っております。しかし、現在そういう意味の話といいますか、意見というものが出ておりますのが、東海地区とか関西地区とか、あるいは広島、島根とかいうようなところに出ておる。こういうことになっておるわけでありまして、そういう意味の自主的合併を行なう地域というものが具体的にどうなるかということは、はっきりいまここで申し上げるわけにはまいりませんけれども、そういうところがかりに一体的な熟度の高いところとして合併するということは、これは国が別個の観点から再編成を考えるときでも、それほど矛盾背馳するものじゃあるまい、こういう考え方が基礎にあることは確かでございます。そういう意味で、全国的な一つのデータとか計画を持っていないじゃないかという御指摘でございますけれども、これはこの特例法の性質上、持たないというか、全国再編成というものを考えないのだという立場に立っておるのでございますから、その点は御了承いただきたいと思います。

依田圭五日本社会党

○依田委員 関連ですから、いいかげんなところでやめようと思うのですが、どうしてもやめられない。局長はそういう御答弁をするけれども、大体この法律は昭和三十二年ですか、第四次地方制度調査会が地方制を答申し、そのときに少数意見もありまして、それが国会で粉砕されたわけだ。そのあとでもって、その少数意見を骨子とするようなアイデアでもって提案されてきたわけです。ですから、形は確かに府県合併のような民主的な装いをいたしておりますけれども、その実はアイデアは何もないわけですね。しかし、現在の実情から言うと、これは十年間の時限立法なんです。十年たったら廃止になるんです。十年でできるのは東海三県と阪奈和、それから東京を中心とする大都市圏くらいなものなんです。そんなに全国で府県合併が十年間に簡単にできるとは実は思えないんです。また、そんなに強力な指導力が自治省にあるとも思えないんです。その間に情勢がどういうように変わってきたかというと、昭和三十六年には総合開発計画が出されて、新産都市その他の新しいアイデアが出てまいったわけです。しかも人口の集中密度は、新産都市でも四%をこえない。これは全体の全国平均よりも新産都市、この拠点都市に対する人口集中が少ないわけです。なぜかといったら、阪奈和、東海、首都圏関係の人口の集中が多過ぎるからです。過密、過疎の現象があまりにもその傾向が強いからなんです。それで経済企画庁は、この秋には全面的に新総合開発計画を立てよう、全面改定をしようということを二、三日前の当委員会で、これは細谷委員の質問に対して経済企画庁が答弁しているのです。この提案で出している法律は三十二年の地方制から尾を引いている。地方制がだめになっちゃったから、それにかわるべき民主的な装いで、とにもかくにも財界の要求で府県だけを合併しよう。県会議員が国会議員より数が半分に減ろうと、そんなことはかまわぬ、あるいは東京の二十三区の制度がどうなろうと、そんなことはかまわぬ、ケース・バイ・ケースで片づけていくのだ、ともかく民主的な形の中で、全国的なビジョンも何もないけれどもやっていこうじゃないか、こういうことなんです。その間に、新総合開発計画もみっちりひとつお聞きしたいと思うのですが、経済企画庁は手直しをやりますよ。その手直しをこの府県合併法は受けてどういうように消化していくのですか。あと二、三カ月か半年のうちに全面手直しがありますよ。たとえば首都圏の問題だって、中央区に二百五十万昼間人口が集まる。あるいは千代田区に百八十万昼間人口が集まる。これだけでもたいへんな問題なんです。しかも昭和六十年には二百三十万の人口を誘致するというのが新しいアイデアです。ですから、政府が出しておる都市再開発法、あるいは新しい地域の開発と既成市街地の再開発とどちらがコストが安くつくかということを建設省が試算してけさの新聞に出ております。目の色が変わるように変わっているのです。通勤圏の問題も、新幹線通勤鉄道をつくるということをいま運輸省の都市交通課では真剣に詰めておるわけですよ。そういうことを全部ネグって、そういうことと全然無関係にこの法律をお出しになって、これだけをひとつまとめてもらいたいというのは、一体どういうことなんですか。とても納得がいかない。昭和三十二年時点のものを、十年たって、その間の激変をしておる経済界、あるいは通勤圏、生活圏、経済圏の一切のファクターをネグって、民主的な法律だからよかろう、全国的なビジョンがないのは法の本来のたてまえだということを言ってお出しになるということについては、個々の問題を私まだ一つ一つ詰めませんが、私は非常に問題だと思いますよ。その点について御答弁願いたいと思います。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 全国総合開発計画を改定してこの秋経済企画庁がお出しになるということも私どもは聞いております。そういうものが出るときに、おまえいまごろうろうろしてどうするのだというお話でございますが、私はそういう計画が出ましても、ここに書いておりますような個々の自主的な府県合併について真に、自然的、社会的、経済的に一体性のある区域を、全国総合開発が新しい広域行政体制をとるからといいましても、それを分割したり、それをひん曲げたりして計画を立てることはありようがないと思っております。これは必ず合致するものであります。そういうものを曲げて考えることが合理的な総合開発になるということはナンセンスであります。ありっこないことだと私は思っております。  それから、都市再開発なり通勤新幹線なり、いずれもけっこうです。ちっともかまわない。問題は、将来大都市過度集中がやむかやまぬか、私どもはぜひやめてもらいたいと思いますけれども、そうなるぎりぎり極限を考えましても、やはり広域行政体制が必要だという必要性は増しこそすれ、ちっとも減らない、これは私どもは確信しておっていいことだと思います。ですから、その点でどういう計画が新しく広域的な都市計画ができましょうとも、広域的な市街地開発をやりましょうとも、あるいは旧市街地の開発をやりましょうとも、この広域行政体制をとるという方向とそれらは矛盾背馳するものではないという確信を私どもは持っております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 局長のお考えは重大な問題点があるのです。あなたが前提として先ほどはっきりお認めになりましたように、この秋に経済企画庁を中心に全面的な総合開発計画の手直しがある。これは、いまあなたが御答弁になりましたように、自治省よく知っておるわけです。そこで、私たちは問題を起こすのですけれども、経済企画庁は全面的な手直しをするのだ、大都市行政、新産都市の反省、通勤新幹線の問題、こういう問題があるからしばらく待てぬか、経済企画庁の新しい総合開発計画の基本のアイデアが煮詰まるまで都道府県合併法をしばらく待てぬか。いや待てない、早く出して早く合併させておいたほうが経済企画庁もやりやすい。それならさらに聞くと、どういう形で合併するのか、たとえば東京は一都七県とするのか、一都三県とするのか、一都四県とするのか、その間における行政組織はどうするのか、都区財政組織をどうするのかと聞いたら、それは全然考えておりません。それならば、県会議員と代議士が逆になっておる、この数は府県会の否認になるから、ネグることになるから、府県を抹消するということをこの法律の第一に書いてあるならともかく、そうでなくて、地方自治法を尊重するというなら矛盾があるのじゃないか。  〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕 この矛盾に対して一体どうするのかとお聞きしましたら、それはケース・バイ・ケースで、そのときになって考えましょうというのですね。だからわれわれは、ビジョンもなければアイデアもなくて、ただこの法律でこういうことをやると、ものすごい混乱が起きますよと言うのです。なぜ、半年先の新総合開発計画の策定を、しかもそのアイデア、骨子、綱領の形成ぐらいを待つことがあなたのほうでできないのですか。その前に出すというのなら、その前提をなすべきもっと詳細なものを、もっと煮詰まったものを出してもらわなければ審議にならぬじゃありませんか。せっかくあなたは、秋には企画庁で全面改定があるということを大前提としてお認めになっていただきましたから、そこからわれわれはこの問題に対する審議を開始したいと思います。  時間がありませんから、一言だけ御答弁を聞いて……。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 先ほどから申し上げておるとおりでございまして、経済企画庁はいろいろおやりになるかもしれません。依田先生御指摘のように、関東を一都七県という広域行政体制をつくれとおっしゃるかもしれません。しかし、そうなった場合に、そういう広域行政体制というものをかりにそのまま受け取るとしたならば、それは一体自治体の姿として受け取れるかということになれば、それは自治体の姿として受け取ることができないかもしれない。しかし、われわれの考え方から言えば、自治体のサイドから広域行政体制をとるというのは、いまであろうが、半年先であろうが、一年先であろうが、これは当然考えなければいけない。むしろ考えるのがおそ過ぎたくらいであって、その点で府県の合併というものを府県が自主的に考えるということなんであります。いろいろな要請によって考えるとか考えないとか御議論があるようでありますが、それは府県の議会で、府県の住民代表が考える、われわれは自治体を信頼しておるわけであります。それを、府県というものに決定権をゆだねればどこかの勢力で動かされるのだというお考えのほうがむしろおかしい。そのほうが地方自治体に対する不信じゃないか。われわれは地方自治法を信頼して、地域住民の総意によって一体性をとるなら一体性をとったらいいじゃないか、これだけのことを考えておるわけであります。

依田圭五日本社会党

○依田委員 局長、私は別に一都七県がいいなんて、そんなことは一言も申し上げてないのです。私たちは、一都七県にも、一都三県にも、まだ時期が尚早だと言っているのです。いずれはそういう時代が来ます。それは近い将来来るかもしれません。広域行政をわれわれのほうも否認しているのじゃありませんから。しかし、いますぐやると言うから、それなら一都三県がよろしいのか、一都七県がよろしいのか、一番データの集まっておるあなたのほうにお聞きしておるのです。ですから一都三県がよろしいというあなたのほうの個人的見解——局長としての個人的見解かどうか知らぬが、お話しになったから、しからばその理由は何ですかということを聞いておるのです。私は一言も一都七県がよろしいとは言ってない。一都三県にも、四県にも、七県にも反対です。いずれ一都三県、一都七県の時代が来ます。しかし時期が早い。いつが適当な時期かというと、この秋に企画庁が、全体を見て、そして計画を手直しして、あらゆるデータ、ファクターをそこへ集めた上で、それを見て、これは東京都議会なり千葉県議会なり、われわれも参加して、これは局長もひとつ講師に呼んで、あなたの御意見も最大限に尊重して、そこで一都三県がよろしいか、四県がよろしいか、七県がよろしいか、そのときには私もまだ時期尚早だなんということは言いません。いまは時期尚早だ。なぜか。経済企画庁が全面手直しをやる前夜にある。ここ半年、一年がなぜ待てないのか。いまやるとえらい混乱になります。混乱はありません、県会議員のアンバランスはこういうふうに解消します、水はこういうふうにします、二十三区はこういうふうにいたしますと、あなたが質問にどんどん答弁してくれるなら、私は、お聞きしてきょうこの法案に賛成しますよ。御答弁してくださいますか。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 私ども考えておりますことは、もういま申し上げたとおりでございまして、つけ加えることはございませんが、要するに私は、総合開発計画ができるまで待って、府県の将来の計画図を考えたらそれがうまくいくのだというお考え方もそれはあろうかと思います。しかしながら、それは、私どもとして考えました場合には、一体自治体のサイドから広域行政体制をとるという保証が出てくるだろうか、私は非常にそれを疑問にもし、問題にもしなければならぬという気がいたすのであります。だから、この特例法案というものは、やはり府県合併というものを自主的に府県の側から考えていって広域行政体制をとっていくということは、どういう変化があろうが、これはとっていってしかるべきことであるということで、それを発想の基礎として考えることが適当であるというだけにすぎないのでございます。この問題は、私どもが何も押しつけようとか、おまえのところでやるのだろうというお話もございますが、いやしくも府県という地域団体というものは、これが合併の可否、合併の時期、これらの問題については、いつか細谷先生のお話にありましたように、知事会の意見にもありますように、総合的に、科学的に、慎重に検討して、あらゆるデータを積み上げて結論を出すことにきまっております。私どもはその結論を大いに信頼していくというふうに考えておるのでありまして、どこがどうやるからどうだということでは実は考えていないのでございます。その点はあくまでも自治体の発意によって原案提起の道を開いていくことが大切だということに尽きるわけでございます。どうも繰り返し申し上げて恐縮でございますが、そういうことでございます。

依田圭五日本社会党

○依田委員 昭和三十二年にこの法律の淵源があるわけですよ。昭和三十二年の第四次地方制度調査会の答申の中にある。それから十年越しこの問題が出だして、そして何度も審議すら与えられずに、日の目を見ずに、いま十年目に審議しておるわけですよ。その間に、目のこをかえるように、世界及び日本の経済情勢、特に大都市、東海道近辺の様子は変わっておるわけですよ。ますますメガロポリスの爆発した大都市行政の矛盾と弊害を助長する以外の何ものでもないのです、この法律は。ですから、なぜしばらく待てないのかということを私は申し上げておるのです。もう十年も前から提案をされてなかなかまとまらなかった。その間に事情は変わっておる。しかも経済企画庁が手直しするのだ。なぜ三月や半年が待てないのかということなんです。  たとえば県会議員の問題一つでも、あなたのほうでは具体的にどういうように御答弁なさるのですか。県会議員のほうが数が多い。代議士が十三、四万の代表で、県会議員が三十万近い住民の代表だということで、どうして府県行政などできますか。これは、この問題一つだけでも具体的にはっきり答弁してくださいよ。それによっては、十分にわれわれも、この法律については真剣に考えますから。

長野士郎自治省行政局長

○長野政府委員 この特例法の中でも、合併に際しましては、合併関係の都道府県会議員全部の定員をもって暫定的に議会を構成する、こういう道を開いておる。そういう意味で、暫定的に二年間は少なくとも現在の議員の全部の身分を保障するという形になっておるわけでありまして、議員定数全体の問題につきましては、さいぜんから申し上げますように、そういう間に地方自治法一般の問題として検討をしていく、私はこういうことでやっていけるものと考えております。

依田圭五日本社会党

○依田委員 地方自治法全般の問題としてこれを考えていくとか検討していくとかいうことでは、この法律の成立に間に合わぬですよ。自治省でしょう。自治省は地方自治法の責任機関じゃありませんか。そんなことはもうとっくにあなたのほうの電子計算機の中では解決がついて、そして明快なる御答弁をいただけると思ったのですが、法律が通ってから地方自治法全般の問題として考えるとか、そんなことでは答弁にならぬですよ。ほかの者ならともかく、少なくとも自治省の行政局長のお立場にあるあなたの御答弁としては答弁にならぬ。自治法の改正は国会で審議するわれわれが責任を持つと言いますよ。しかし、この問題は、もう時間がありませんし、ほかの人にも迷惑になりますから、私は関連ですから、あらためて後日この問題に関して御質問いたします。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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