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58回国会衆議院1968/04/02

地方行政委員会 第16号

発言数
37
登壇者
9
会派数
2
開催日
1968/04/02

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  地方財政に関する件について調査を進めます。  本日は昭和四十三年度地方財政計画及びその他の地方税財政に関する問題につきまして、参考人から意見を聴取することといたします。  この際、申し上げます。本日参考人として御出席を予定いたしておりました神戸市長原口忠次郎君より、昨夜健康上の都合により出席できない旨の届け出がありました。つきましては、この際、神戸市助役宮崎辰雄君を参考人として本日意見を聴取することにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  参考人は、東京大学経済学部教授遠藤湘吉君、全国知事会代表、岡山県知事加藤武徳君及び指定都市代表、神戸市助役宮崎辰雄君、以上三名の方々であります。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用中のところ当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本問題につきまして、それぞれの立場から何とぞ忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。  なお、議事の順序でありますが、初めに御意見をそれぞれ約十五分程度に取りまとめてお述べいただき、次に委員諸君からの質疑に対してお答えをお願いいたしたいと存じます。それから御意見の開陳の順序は、遠藤参考人、加藤参考人、宮崎参考人の順序でお願いいたします。  それでは遠藤参考人にお願いいたします。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 遠藤でございます。初めにお断わり申し上げたいのですが、私少しからだのぐあいが悪くて、声がたいへんお聞き取りにくいかと思いますが、この点はあらかじめ御了承いただきたいと思います。  それから、第二は、非常にたくさんいろいろな問題がございまして、何を申し上げていいか迷ったのでありますが、私、御承知のようにいつも抽象論、一般論を勉強している立場から、きょうもあまり具体的な問題に立ち入ることを避けて、そういう点で意見を述べさせていただきたいと思います。  まず第一に、地方財政計画についての意見でありますが、意見というよりは、この計画に触れての意見でありますが、この計画を見まして、ここに私はしばしば問題になっておりますところのフィスカルポリシーが採用されておる場合に、中央の財政と地方の財政がどういう関係になければならないかという問題についての多少の示唆が与えられているように感じられるのであります。ある一つの意見は、フィスカルポリシーのもとにおいては、地方財政もまた中央財政と同歩調をとらねばならないという主張であります。それからもう一つの意見は、それとは全く逆に、中央財政と地方財政とはそれぞれ独自性を持ったものであり、財政主体も異なるのであるから、両者が協調の歩調をとることを考える必要はないという意見であります。  私は、抽象的、一般的に申しますならば、一つの国の中で中央と地方が、ある同じ問題、つまり財政のあり方、財政政策の動向といった同じ問題について、全く百八十度異なる態度をとるということは妥当ではないのではないかということを考えております。しかし、これはあくまでも一般的、抽象的原則でありまして、具体的な事態を考えていきますならば、こういう抽象論、抽象原則というものを常に必ずしも維持していく、これに忠実であるということは適当ではないだろうというふうに思うわけであります。そう思いますことにつきまして、この地方財政計画を見ますと、一般に昭和四十三年度の地方財政は好転しているというふうにいわれるのでありますが、確かに地方財政の状態があまりよくなかった状態と比べるならば、四十三年度は若干の余裕があるというふうに一見見える。しかし、それと同時に、この四十三年度の地方財政計画は、地方税収入や交付税収入がかなりの伸びを示しているのに対して、いわゆる投資的経費と申しますか、あるいは公共事業あるいは普通建設事業費が相当に押えられているというところからきている余裕ではないだろうか。この場合、地方の歳入の伸びがある程度あるのにかかわらず、こういう面を押えたということからして余裕が生じているということは、あるいは余裕が生じているように見えるということは、はたしてその地方財政あるいは行政のために好ましいことであるかどうかということを考えてみなければならないと思います。その場合、地方の財政需要、ことに公共事業や普通建設事業、いわゆる社会資本の充実という面における財政需要というものは、高度成長過程における私的資本と公的資本のギャップの増大によっていわば無制限にふくれ上がっているといってよろしいかと思うのでありますが、そういう状態のもとではたしてこういうものを押えることが妥当であるのかどうか、それからまた、現実の問題として押え切れるものであるかどうかということについて、私はかなりの疑問を持つものであります。地方財政計画は、種々のやむを得ざる原因があってそうなるとは思いますけれども、例年計画額と決算額とに非常に大きな開きがあるのでありますが、四十三年度の計画額についても、おそらくは同様の事態が出てくるでありましょう。そうして、その決算額が非常にふくれるという場合に、その中身としてはかなり中央の方針にもかかわらず、この投資的経費がふくれ上がるということが、そのギャップの中で見られるのではないかというふうに思うわけであります。もしもこういういわば自然の勢い、あるいはやむを得ざる必要に基づいて歳出が膨張していくという場合に、これをいたずらにフィスカルポリシーの要請であるということで押えるならば、押えた結果それがどこに流れていくかという場合に、一部分は将来の需要に備えて財源を留保するというところに向かうかと思いますが、一部分は必ずしも生産的ではない、あるいは絶対に必要不可欠とは見られないような消費的な方面に支出されるということも、従来の日本の地方団体の財政の実態というものに照らして十分予想されるわけであります。しかりとするならば、そういう特殊な状態のもとにおいて、特殊な事情のあるもとにおいて、あまりにもそういう形で形式的な中央、地方間の財政政策の協調ということにこだわるのは、かえって好ましからざる結果を及ぼすのではないかというふうにも予想されます。多少迂遠なことになりますが、中央、地方の間に財政政策的な意味での協調が行なわれるという場合には、さまざまな条件がなければなりません。たとえて申しますならば、地方の税収入あるいは一般財源というものに比較的景気弾力性が弱いという場合には、そしてまた、同時に地方の歳入の財源としては国もしくは上部団体からの補助金、交付金が多い、あるいは地方債収入が多いというふうなものであり、しかもその国、地方の補助金、交付金の財源が景気弾力性の高い税収である。しかしながら、地方の税収は、比較的景気弾力性が弱いというふうな場合には、おのずから中央、地方の景気に対する財政政策面の協調というのは出てこざるを得ない。おのずからそれが可能にさせられるということになるかと思います。具体的にはアメリカなどではそういうふうに、税制自体があるいは歳入の構造自体がなっている面が強いと思われますが、日本のように地方税自体もかなり景気弾力性が強いという場合、しかもそれが中央の財政とその収入面において一年ギャップがあるという場合には、なかなか簡単に財政政策面の協調を維持していくことは困難である。そういう面でこの地方財政計画というものは、いまのような問題についていろいろ考えてみますと、かなり現実の問題として示唆的であるという感じを持つのであります。  それから次に、地方財政計画に融れて申し上げたい点は、この地方財政計画ではいろいろな点が問題になるかと思いますが、時間の関係上、また次の論点との関係上、一つだけ申し上げますならば、この策定方針においては特にそれをうたっているというわけではありませんけれども、地方債への依存度を引き下げるということが重要な項目としてあげられております。これは事実としてこの地方財政計画ではそうなっているという程度のものにすぎないというふうに私は了解するものであります。ただ、この財政計画の説明について、大臣がなされた説明の中では、ややこの点を強調されていたかのように私は感じたのでありますが、こういう考え方は、もし今年度限りということでなしに、一般的な考え方であるとするならば相当問題がある。と申しますのは、地方自治法の思想がそうであり、日本における財政当局の思想が長らくそうであったということからくるものでありますが、地方債の依存度が高いのは、直ちによろしくない、不健全であるというふうな考え方がきわめて根強い。もっとも最近数カ年においては、適債事業などもある程度広められておりますし、要件も若干緩和されつつある傾向に向かっておるのでありますが、私はこういう傾向はさらに助長されなければならない、特にこの社会資本の充実ということが急がれている場合に、相当地方債にその財源を増すという方針をとる、特に都市等において地方債の発行を緩和していくということは、きわめて必要ではないかというふうに考えるものであります。そういう意味で地方債への依存度が少ない、あるいは地方債発行額が全体として累積額が少なくなったということを直ちに喜ぶというのは、少し窮屈過ぎる考え方である。今後はその点をもう少しというか、あるいは、さらに一そう広めていくような積極的な態度がなければ、社会資本の充実あるいは都市問題の打開ということがなかなか緒につかないのではないかという感じを持つものであります。  この地方債の問題と関連するわけでありますが、たとえば今度の交付税額の決定について、地方債の問題と、それから四百五十億の繰り入れというような問題とが、非常に複雑にからみ合ったような様相を呈しておるのでありますが、今後の交付税制度というものを考えていく上で、地方債の問題というものもやはりそういう角度から見直される必要があるのではないか。と申しますのは、この交付税の税率をめぐっていろいろな混乱が生じておりますが、それにつきましては、やはり交付税制度のあり方というものがここらでそろそろ本格的に検討されなければならないのではないかということを今度の問題は示唆しているように思います。  そうなりますと、交付税制度というものは、本来経常的な需要を保障するものであるのか、あるいはさらに、臨時的な投資的な需要をもさらに保障するものであるのかという問題が出てこざるを得ないでありましょうし、その場合に、そういう両者をもっと進んでやるということになれば、いろんな補正やあるいは単価その他の決定の上でいろいろとむずかしい問題が出てくる。そのむずかしい問題を避けるための一つの方法としては、投資的な経費あるいは臨時的な経費というものをもっと大幅に地方債へ切りかえていくということも一つの方法ではないだろうかという気がするのであります。もっとも、そのことによって具体的にはいろいろ技術的にめんどうな問題が出てくるかと思いますが、大きな方向としてはそういう二つの、つまり地方債への依存度を高めることによって、交付税制度のいわば静態的な性格というものをさらに維持していくという考え方と、そうではなしに、従来どおりのようなやり方を続けていくということと、大きな方向が二つ出てくる。そういう方向の中で交付税制度というものはどうなければならないかということを考える。その上でいまのように、絶えず交付税率の改正ということが一つの争点になるという状態も整理されていかなければならないのではなかろうかというふうに思われます。  もう時間も参ったようでありますから、たいへん抽象的なことだけで恐縮でございますが、私の最初の説明はこれで終わらしていただきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次に、加藤参考人にお願いいたします。

加藤武徳全国知事会代表岡山県知事

○加藤参考人 四十三年度地方財政につきまして、自治省はもとよりでございますが、地方行政について造詣深い皆さま方の御配意によりまして、従来懸案となっておりました幾つかの事項が、この機会に解決願いましたことは私ども感謝をしておるところでございます。ただ、四十三年度の国の予算編成にあたりまして、国の財政硬直化が論議されます段階で、硬直化の大きな原因の一つに、交付税の交付税率がその大きな原因になっておるがごとき言い方がなされましたことは、私どもといたしましては納得のできなかった点でございまして、交付税なるものは、私どもの認識は、本来的な地方財源でございまして、便宜的に国税三税の何十%、かような形をとっておるにすぎない、かような認識を持っておるのでございますし、この点につきましても、地方行財政について造詣の深い皆さま方の十分な御認識がいただけましたことは私どもの幸いとしておるところでございます。  それから、四十三年度の地方財政があたかも余裕があるがごとき、あるいは好転したがごとき言い方が一部にされておるのでございますが、決してさようには私どもは認識をしておらないのでございます。地方行政は地域住民に密着をいたしました日々の行政を担当しており、したがって行政需要は無限にあるのでございますが、これをどのように整理し、どのようにカットをしていくかが日々の悩みでもございまして、決して好転などの言い方がなされるような現状ではないのでございます。なるほど昭和四十一年度の決算状況を見てみますと、何がしかの黒字が出ておることは事実でございます。しかし、一千二百億円という特別事業債を充当することによりましてまかない得たことを思いますならば、決して好転であるとは言い得ないのでございますし、また四十一年度の決算におきまして、いわゆるワク外債なるものが一千三百億円前後に達しておるのでございます。これは退職金に充当したものもございますし、また緊急事業に充当せざるを得なかったもの等もあるのでございます。また、四十二年度におきましても、おそらく六百億円程度のワク外債ということではございましょうが、これをはるかに上回るであろうことが予想されるのでありまして、この一事をもっていたしましても、地方財政はたいへんであるということが御理解いただけると思うのであります。今後も私どもあらゆる機会に皆さまに御理解をいただき、地方財政は決して楽なことではないのだという御認識をいただかなければならぬ、かように考えておるのでございます。  それから、先般公にされました地方財政計画と、また去る三十日に議決施行を願った地方税法の改正並びに交付税法の一部改正を御審議いただいておるのでございますが、その中におきまして住民税と事業税につきましての何がしかの減税の取り運びがなされておるのでございまして、課税最低限を引き上げられましたことも、また専従者控除につきまして配意がなされましたことも、方向としては私ども了承できるのでございますし、また、今後もさような方向での御配意を願いたい、かように考えるのでございます。ただ、所得税の課税最低限やあるいは専従者控除と、地方税におきます、なかんずく住民税、事業税等におきますこの限度が同じであっていいのかどうかにつきましては、私どもいろいろ議論を持っておるのでございますが、しかし、その議論はこの機会にはいたさないことにいたしまして、ただお願いをいたしたいことは、国の政策減税が行なわれ、そしてそれが地方へしわとして寄せられますことにつきましては、私ども了承し得ないところでございます。四十三年度の地方財政につきましてはやむを得なかったといたしましても、今後は国の政策減税等に基づきます地方財源の歳入欠陥の補てんにつきましては、御配意をぜひ願いたい、かように考えておるのでございます。  それから、自動車取得税についてでございます。新たに創設されました税目でありますだけに、なかなかむずかしい問題がありますことも承知をいたしておるのでございます。特に中古車に対します免税点等につきましても議論のありますことは理解できるのでございます。第一線で徴税事務を取り運ぶ立場からいたしましても、なかなかむずかしい問題がございます。特に作為等によります低額の売買契約書等を提示いたしました場合の現場での処置につきましては、むずかしい問題がございまして、これをいかに捕捉をするか、また、過少申告の場合、これをどのように更正決定をするか等の問題がございますが、しかし発足当初のことでもございますし、今回は、議決を願いました、また施行されましたような方向で、とりあえず四十三年度は取り運んだ上で、その結果に基づきましての再考をお願いできればありがたい、かように考えておるのでございます。  なお、県税として徴税いたしましたものの性格上、市町村に対しまして七割の交付率は高きに失しておるのではないか、かような議論が知事会内でもないではないのでございますが、しかし、本来的に市町村道の目的税源という点に重きが置かれておりましたことを考えます際には、かような議論は現段階ではすべきではないのではないであろうか、かように思うのでございます。  それから、減免処置につきまして、自治省でただいま基準を御検討なすっておられると思うのでございまして、ただ、私どもは、自動車税に対します減免の取り扱いと今回の取得税につきましてのものは同一のものさしであるべきではないという考え方を持っておるのでございますが、具体的には自治省の御指示等によりまして、各地方におきまして処置をしてまいらなければならぬ、かように考えておるところでございます。  それから、私はこの機会にむしろ要望いたしておきたいことが三、四点ございます。  それは、国の財政が硬直化しており、そして今後行政機構の改革なりあるいは定員の削減等を強力におやりにならなければならぬと思うのでございますが、地方においても全く同様であるのでございまして、これは国と地方との事務の再配分をどのように取り運ぶか、また税源をどのように再配分いたすかということと密接不可分の関連を持っておるのでございまして、地方におきましても、行政機構の改変やあるいは定員の圧縮等にずいぶん配意をいたしておるのでございます。岡山県の場合を申しまして恐縮でございますが、四十年度、四十一年度、四十二年度の三カ年にわたりまして、行政需要が無限に広がり、また行政事務も膨大化しておるにかかわらず、三カ年間でおおむね五%の定員削減を行なったのでございますし、また許可、認可事項でございますとか、あるいは決裁権限のあんばいでございますとかという処理をとることによりまして、地域住民へのサービスを低下せしめずして行政費を削減し得ました例もあるのでございまして、今後自治省が強力に指導が願えるとは思うのでございますが、たださような場合、率先してできるだけの努力をいたしました公共団体に対しましては、国ができるだけのめんどうを見てくれる、かような体制がうらはらでとられますならば、さらに私は推進できるのではないであろうか、かような考え方を持っておるのでございます。  それから、今後の問題といたしまして、地方の自主財源を強化願う方向での御配意がいただきたいのでございます。四十三年度におきましては、自動車取得税が創設をされはいたしましたものの、私どもは、道路計画が改定をされました際に、燃料税に手をつけておらないことはなかったのでございまして、当然燃料税に手がつけてもらえると思っておったのでございますが、結果としてはいろいろな事情でそうはまいりませんでした。しかし、四十四年度以降におきまして、私はぜひ燃料税に手をつけていただきますことがよろしいと思っておるのでございます。また、自主財源を強化願えます方法で具体的に知事会としても二、三考え方を持っておるのでございますが、今後御検討願いまして、自主財源の強化の点で格段の御配意がいただきたい、かように思うのでございます。  それから、過密対策と同時に、過疎対策が地方におきますきわめて重要な行政上の、あるいは財政上の、また政治上の課題として浮かび上がっておるのでございます。今回の地方財政計画を見ましても、また、交付税法の一部改正の考え方におきましても、過疎対策の一翼として起債の面なりあるいは交付税の面で御配意が願えておるようでございますが、中堅都市構想もございます。私は画一的な過疎対策ではなく、やはりその地方地方、各地域の特性に応じました過疎対策が必要であり、それも単に税の面でありますとか、あるいは財政の面で気を配るということではなく、もっと前向きの積極的な開発構想を織り込んだものでなければ、なかなか抜本的な過疎対策にはならないのではないだろうか、かような感を深ういたすのでございまして、大都市におきましても過密問題がございますが、これと同様に過疎対策につきましても、今後十分な御配意がいただきたい、かように思うのでございます。  同時にまた、このことは、きょうは指定都市の代表として神戸市の助役さんがお見えになっており、御意見が伺えるかと思うのでございますが、指定都市におきまして財源の問題で御苦労のありますことは私どもよくわかるのでございますが、同時にまた、府県におきましても同様の問題があるのでございまして、ぜひ御配意を十分にいただかなければならぬ、かように考えておるのでございます。  それから、今国会に各省で土地利用に関します法案が幾つか準備されておるようでございます。通産省におきましては工業立地適正化法案を近い機会に国会に上程いたしたい。また、農林省におきましては、農業振興地域を設けます法案を準備されておるようでございますし、また、運輸省におきましては、特殊沿岸の土地利用等につきましての法案をと、かようなことでございまして、もとよりこれらの法案はそれなりの理由はございましょうが、私は土地利用に関します包括的な、あるいはもっと基本的な法体系が確立されないことには、地方では非常な混乱が起こるのではないか、かような気がしてならないのでございまして、かような立法化等につきましての御配意がいただければありがたい、かように考えておるのでございます。  それから最後に、公害対策のことでございます。公害対策費を重油関税の還元によってまかなっていただける方法がないものであろうか、かように思うのでございまして、岡山県南部新産業都市は、新産工特のうちで熟度のきわめて高い地域であるといわれておるのでございますが、試みに岡山県南新産都の昭和三十五年度から四十二年度までの八カ年間の事業投資額を拾ってみますと、一千三百七十二億円という投資額でございますが、その中で国が資本投下を行ないましたものは一割に満たない百三十一億円でございます。県が四百八億円、市町村が三百二十一億円、公社、公団、事業団等が五百十二億円、かような投資額でございます。ところが、岡山県南新産都のうち、工業開発の中心である水島のみをとらえてみました際でも、水島地区を中心の税収は非常な伸びでございますし、そして圧倒的に国税の伸びが大きいのでございます。先ほど申しましたように、八カ年間の県南三十一カ市町村への投資額が百三十一億円にとどまっておるのでございますが、水島のみを中心にした国税の税収が、四十二年度のみでも実に三百五十三億円、かような高額になるのでございまして、その内訳は、もとより法人税や所得税もございますが、関税が九十億円に達しており、揮発油税が二百二十億円、かような高額でございます。物品税が十九億円、かような数字であるのでございます。ところが、県税や市町村税は、投下資本の大きいわりには税額として捕捉できますものはきわめて少額であるのでございます。今後地方におきまして公害問題が悩みの種でございまして、単に新産工特のごとき工業開発の進んでおるところのみならず、騒音、振動等に及びまして、非常に問題が複雑であり深刻でございます。私は少なくも石油化学のコンビナートあるいは鉄鋼コンビナート等におきまして関税等が大量に確保できます地域におきましては、その一部をぜひ公害に還元願うような具体的な御配意をお願いをいたしたい、かように思うのでございます。  与えられた時間が参りましたので、一応の発言をこれで終わらせていただきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次に、宮崎参考人にお願いいたします。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 本日指定都市の税財政につきまして特に実情をお聞きいただく機会を与えられましたことを、厚くお礼を申し上げます。同時に、このたびの委員会におかれまして、地方税法の改正に関する法律案の御審議に際して、明年度の大都市の税源の充実を具体化するよう附帯決議をいただきましたことは、まことに感謝にたえません。厚くお礼を申し上げます。  まず最初に、指定都市がどの都市も財政的に非常に困っている実情について申し上げたいと存じます。幸いに、去る三月二十八日に自治省から地方財政白書が発表されておりますので、これによりましてまず昭和四十一年度の収支の状況から見てまいりたいと存じます。  第一に、指定都市は大部分が赤字団体であることでございます。昭和四十一年度の普通会計の実質収支におきましては、都道府県で黒字団体が四十三、赤字団体が三となっております。市町村では黒字団体が三千四十、赤字団体が三百九となっております。すなわち、府県、市町村いずれにおきましても、赤字団体は全体の一割以下でございますが、これが都市になりますと二割以上に当たる百十六市となっております。さらに指定都市につきましては、六市のうち実に四市が赤字となっておるのでありまして、指定都市では三分の二が赤字でございます。  第二に、健康保険会計を加えますと、指定都市の全部が赤字団体になるのであります。前項に申し述べましたように、赤字はいわゆる普通会計だけのものでございますが、これ以外に普通会計に準ずるものとして国民健康保険会計を考えなければならないのでございます。国民健康保険会計では全市町村のうち約三割の市町村が赤字となっておりますが、指定都市は全部が赤字でございます。地方財政白書の中でも指摘されておりますが、全国の国民健康保険の赤字百五十四億円のうちその三分の二に当たります九十九億円が指定都市と東京の特別区の赤字でございます。そこで、普通会計の収支にこの国民健康保険会計の収支を加えますと、指定都市はすべて財政収支は赤字であることになります。この点を十分お考えいただきたいと存じます。  第三に、さらに申し上げますならば、東京都も四十一年度決算では赤字を余儀なくされておるのであります。しかも東京都の赤字の原因が、府県と大都市双方の性格を持っております東京都の性格のうち、大都市の性格として生じておるものであろうと存じます。  第四に、公営企業について申し上げねばなりませんが、地方財政白書によりますと、四十一年度の地方公営企業法適用企業は全国で六千四十四企業ございますが、その累積赤字額は一千二百三億円の巨額に達しております。このうち指定都市と東京都の赤字額は九百二十三億円で、全国のほとんど八割近い額を占めているのであります。これは府県市町村すべてを含めました地方財政全体の四十一年度黒字額七百五十七億を上回っている額でございます。最近の決算にあらわれました地方財政の特徴として都市、特に大都市の赤字が目立つことは白書に指摘しているとおりでありますが、その実情はただいま申し上げましたような次第でございます。  それでは、指定都市はなぜこのような赤字に苦しまなければならないのか、これにつきまして若干私の考えを申し上げてみたいと思います。  簡単に申しますれば、要するに大都市の現状から、仕事はふえる一方であるのに収入が伴わないということでございます。過密化した市街地の再開発、あるいはまた公害対策、交通安全対策等の財政需要はふえる一方でありますが、大都市の税収入のふえ方は、現行の制度におきましては一向に思わしくございません。少なくとも数年前までは、大都市といえば富裕団体の代名詞でございましたが、いまは大都市といえば赤字団体の代名詞でございます。このように大きく財政状況が変わったことについて、私は次のように考えるのであります。  まず、財政事情が大きく変化した時期は昭和三十五年から三十七年にかけてであります。お手元に衆議院地方行政委員会提出資料として神戸市から提出しておる資料がございますが、これを見ていただきましても、三十五年ごろから各収支について三角じるしがつき始めております。普通会計あるいは国民健康保険会計、また次に交通事業会計の収支等の表を差し上げておりますが、三十五年から三十七年にかけての三年ほどの間に生じた目ぼしい現象を見てみますと、第一に、指定都市の財政はほとんどこの時期に黒字から赤字へ転落いたしました。第二は、この時期に指定都市はすべて地方交付税の不交付団体から交付団体へなっております。第三に、後年大問題になりました公営企業会計の赤字がこのころから発生し始めておるのであります。第四に、この時期から指定都市の市税収入の増加率が他の団体の増加率に比べましてはっきり見劣りするように相なりました。  ところが一方、昭和三十五年から三十七年にかけての時期は、国の財政や地方財政全体にとっては、別の意味で一つの転換期であったように考えられます。いわゆる高度成長政策、所得倍増政策が叫ばれたのがこの時期なのでございますが、このころから政府予算、地方財政、それに指定都市の財政もその増加率が急激に大きくなりました。たとえて申しますと、それまでは一年間の前年度対比の財政の伸び率が約一〇%程度でございましたが、この時期から二〇%前後に大きくなりました。経済の成長に伴って社会資本の不足の立ちおくれが顕在化してきた時期であると存じます。最近は恒例的になっております給与改定も、昭和三十五年から毎年実施されるようになったのでございます。これらのことをいろいろと考え合わせてみますと、現行制度のままでは、大都市はいまに日本全体の経済発展や国民生活の向上についていけなくなるのではないかと懸念されるのであります。このような懸念を抱かせる財政上の特徴につきまして、若干私見を申し述べてみたいと思います。  まず最初に税の伸び率であります。現行の税制では、税制がほぼ固まりました昭和三十年度をもとにいたしまして、昭和四十一年度の人口一人当たり税収の伸び率を見ますと、府県税は約五・六倍となっております。これに対して、市町村税はぐっと下がりまして、三・三倍、指定都市はさらに下がって三・一倍にとどまっております。  次に、歳入の構成でございますが、歳入全体に占める一般財源のウエートは年々低下を続けています。府県では、この構成比はほぼ一定の水準が保たれておりますが、市町村は若干下がりぎみであり、指定市は累年低下の一途をたどりまして、四十年度では、ついに五〇%を割っております。  そこで、次に、指定都市の税財政をこのような状況におとしいれている要因として、現行税制では、指定都市の実情に即応していないということを申し上げたいと思います。  まず第一に、税制では、人口とか生産あるいは取引等が大都市に集中いたしておりましても、その市の税収に反映する程度は、国税、府県税に比べましてきわめて少ないのであります。指定都市内で徴収される国、府県、市の税収割合を見ますと、国が大体七割前後、残り三割の半分より少し上が府県、半分足らずが市へ入ることになっておりまして、その差はますます開きつつございます。  次に、企業活動からくる税源の配分が都市にきわめて僅少であることであります。具体的に申し上げますと、昭和四十年度を例にとれば、六大都市地域内の法人企業所得課税の配分は、国が六九%であり、府県が二六%、市に入るのは五%にすぎません。結局、企業収益に対する税の負担が非常にアンバランスでございます。  次に、昼間人口にかかる税。大都市は昼間人口が非常に多いのでありますが、これはたばこ消費税のみでありまして、夜間人口に対する課税が税の主体になっておることであります。土地に対する固定資産税につきましては、現在、負担調整措置が行なわれておりますが、まだ実情に沿ったものということはできないと存じます。一般の世間では、大都市は非常に富裕であるというふうな印象がございます。これは大都市の区域内における市民所得が非常に多いのでありますが、それが大都市の税収入にはなっていないというところにギャップがあるわけでございます。その一例をあげてみますと、神戸市では、昭和二十八年から総事業費八百八十億で六甲山の山をくずしまして埋め立てをいたしました。ところが、そのためにできました工業用地が、その生産額が年間約四千億円と推定されておりますが、これから入ります税収入は、固定資産税その他で約三十億でございます。これに対して国税は、約百三十億、県税は四十億円の増収に相なります。そういうふうに、結局、大都市の税収入がその地域の実情に合っていないということに根本の原因があろうかと思います。  さらに、道路目的財源が相当考慮されましたが、なお不足であるという点でございます。たとえば、都市計画税あるいは地方道路譲与税、石油ガス譲与税、軽油引取税、交付金等の道路目的財源は指定都市の場合、道路事業費全体の三四%を占めておるにすぎません。残りの六六%が一般財源でございます。地方団体全体の道路目的財源の平均は大体五一%くらいになっておりまして、国の場合はさらに八四%になっております。こういうふうに、一般財源の不足、また道路目的財源の不足、さらには国庫補助金の超過負担の問題等々、いろいろな原因が重なりまして、現在の大都市の窮乏を来たしておるのであると存じております。われわれといたしましては、お手元に差し上げておりますような「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」をぜひ実現させていただきたいという考えでお願いを申し上げておるのでありまして、どうか諸先生方におかれましても、この点について御理解を賜わり、われわれの要望を実現させていただきますよう切にお願いを申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 以上で参考人の方々からの御意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  なお、質疑の際は、参考人の御氏名をまずお示し願います。大石八治君。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 遠藤参考人にお伺いをいたします。  先ほど、私の聞き違えかと思いますが、そこはちょっとはっきりいたしませんが、日本における地方団体の税源というのが、景気弾力性が、アメリカの場合と比べて、日本の場合は強いというふうに私に聞こえましたが、概念的に私どもは弾力性が少ないというふうに、外国との比較でなしに、国内的に見て弾力性がない。特に市町村の場合には、それが非常に固定的であるというふうに解釈をしておりますが、府県の場合はやや違うと思います。その点は、アメリカとの比較においては、アメリカはさらに固定的なように、聞き違えかどうかわかりませんが、そういうふうに聞こえましたので、その点をちょっと伺いたいと思います。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 おっしゃいますとおりに、日本の地方税の景気弾力性は、日本の国税と比べると非常に小さくなっておりますが、アメリカの場合と比べますと、アメリカの地方税は、御承知のように一番基本的な団体では主として財産税であります。つまり日本の固定資産税に相当する税であります。それから州税になりますると、いわゆる取引税、販売税、それからガソリン税といったものが主体になってまいりまして、日本の地方税におけるような所得課税というものの持っているウエートは州によっていろいろ違いがありますけれども、全体を通じてみますと、非常に少ないというふうに言ってよろしいかと思います。  少し蛇足になりますけれども、御承知のようにアメリカ、イギリス等におきましては、投資的経費の財源をほとんど起債によってまかなっておるわけです。したがって、景気の変動によりまして、日本のように国の資金に依存するというよりは、市場資金に依存する度合いが強い起債の場合は、景気の変動によって起債におのずから金融市場面からの制約が加わってくる。そこで税制はわりあい安定的であります。弾力性が少なく、安定的であり、むしろ起債の面で景気の弾力性といいますか、起債収入において景気弾力性が強いということになりますので、ある程度国の中央の財政の動向と地方の財政の動向とは一致し得る経済的な条件が存在している。しかし、日本の場合は、いまも申しましたように、アメリカに比べますと、所得課税の要素が強いために、それだけ景気弾力性が強くなる。しかも起債の面では、もちろん公募債等もありますから、その面では景気の変動の影響を受けますけれども、国家資金の占める割合がアメリカ等よりかなり大きいために、その面では景気の変動ということから受ける制約というのが小さくなってくる。そういう両者の関係によりまして、アメリカよりは日本のほうが地方税の景気に対する感応度というものは多少強いというふうにいってもよろしいんじゃないか、こういうふうに考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 それで、先ほど地方債の問題の御意見があったわけでありますが、私も多少そういう傾向で考えるべきだと思います。しかし、その返済というのは、やはり財政需要に戻ってくるわけであります。そこで、いまの交付税制度の場合は、災害の償還財源というものは対象になるわけです。それから、一つ特定事業債というものがあるわけでありますが、この点をもう少し交付税制度に取り入れる考え方はどうかと思う。何を取り入れるかということについては、いろいろ全体に影響することでありましょうから、検討しなければならぬと思いますが、たとえば義務教育の教育施設などの起債等に関連するものは、これをどの程度はどうかということは別ですけれども、いわゆる償還費財源というものを見ることは、国の姿勢という形からいってもそういうふうに考える可能性はあるのではないだろうか。その場合に、たとえばいま話題になっておりますような指定市の問題があって、指定市なるがゆえにいろいろ財源的な要求もあると思いますが、そういう交付税制度というのは、何としても政治的なものだと思うのです。これを意欲的に方向づけようという性格と、その最低限の行政水準を維持しようという思想とは、そううまくは一つの制度の中に入り切らないというふうに思います。そこで、少しでもカバーできるものをしていってもいいのじゃないか。たとえば義務教育の問題とか、あるいは県の高等学校の教育施設の問題等を考えても、それは指定市のように人口膨張のところでは、急速に学校をつくらせなければならぬ、そういう問題も起きるわけであります。それは一般的な方向なんですけれども、片方は学校を閉校しなければならぬというような事態のところに、片方はもう急激にばりばりつくらなければならぬということを考えても、必ずしもなじまないわけではないというふうに思いますが、少し交付税制度にそういう点の項目を考える必要があるのではないか。ただ、そうしていきますと、今度は交付税率それ自体をそのままにしておくという問題ではできないように考えられますが、そういうふうにしていく方法はどうだろうというふうに思いますが、その点の御意見を伺いたいと思う。  それと同時に、これは神戸の助役さんにもお伺いしたいのですが、いま指定市の財源問題についていろいろいわれておるわけですが、それを税金の制度で全部埋めるかといえばなかなかそうはいかない。そういう意味では起債の問題等あると思いますが、指定市なるがゆえにある行政というものがあるわけです。ほかの都市ではない、つまり指定市なるがゆえに行政として特に与えられているものがあるわけですが、問題を一部分解決するという意味で、そういう行政に伴う財源といいますか、そういうものを具体的にいまの税制の中で何がなじむか。いまお配りをいただいているようなものは、ある程度行政上指定してあるからもらうという形ではなしに、大都市が持ち得るような財源、つまり法人税割りというものになるのですが、もう少し実務的に、指定市なるがゆえにもらえるような税目というものを御検討をなさっておりますかどうか、その辺をお伺いします。  そして、それでカバーできるわけではないですから、いわゆる公共事業をやっていかなければならぬ点が非常に多いわけです。そういう点は全体の予算制度なり補助なり国庫負担の問題もあると思います。税制の中でそういうふうにお考えになって御検討なさっているか、ひとつお伺いします。  それから、私は、土地に関する固定資産税というものが、特にこれは地価の高騰とか何かという問題が大都市の中に非常に多くなってきている。それは固有の市の税源目的に対してプロパーのものだというふうに思うわけです。その値上がりをそのまま反映させれば、出てくる財源として非常にいい。また公共施設をする、そういうことから値上がりするということでも、都市計画税のことは別として、そういうふうに思うのです。ところが、それは非常に議論を呼ぶ課題だろう。純粋に考えれば、そういう財産がふえたという形でそれに課税するいわゆる財産税のようなものですから、非常にあれで、いま調整率をかけていますが、調整率をかけているというのは、ある意味では激増を押えておるという思想だろうと思うのですが、それに対して市民感情というものがあると思うのです。たとえば、私どもの中でも議論が出るのは、そこで経済活動をしている場合においては――まあ問題でないことはないが、その上がり分というものを税金にはね上げることは、意味がわかっても、たとえば私はそこに居住しているだけで、いわゆる完全な宅地、住家ということでいる分に、それによっては私は何も収入が現実的には上がるわけではないので、それをただ評価がえして上げられるのは不当であるという、非常に簡単なといいますか、しかもうなずける議論もあると思うのです。これらについていわゆる当局としてどういうふうにお考えになっているのか。その点について遠藤教授にも、土地に対する固定資産税というものに対する考え方をわれわれはどういうふうにまとめていいか、ちょっとお伺いしたいと思います。  それから、知事さんにちょっとお伺いしたいのですが、先ほど人員整理のことをお話しになりましたときに、その人員整理について、そういうことをした結果について国が見てもらいたいというふうに聞こえましたのですが、それは具体的にどういう意味のことをお考えになっているのですか、お伺いしたいと思います。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 基準財政需要を見る場合に、その中にそういう建設費をどこまで見るかという御質問かというふうに伺ったのでございますが、指定都市というような特定の団体の問題だけを考えますと比較的事柄ははっきりしておると思いますけれども、現在いわゆる中都市以上の都市というのがほとんど人口の増加傾向を続けておる、指定都市以外の相当の地方のいわゆる中堅都市といいますか、拠点都市といいますか、そういうところでもかなりの人口が増大しておるというときに、ある特定の事業について何か財政需要で考慮するということになりますと、その特定の事業以外に、いろいろな事業にそれが波及していって、学校建設以外に、この事業も見ろ、あるいはあの事業も見なければならないということになって、非常に財政需要の見方が複雑になってくるのではないか。現在人口補正もございますし、それから事業費補正というような特殊な補正もございますけれども、私は、ああいうやり方というのは、もうかなりの限界に来ておるのじゃないかという感じを持つわけであります。そうだとするならば、もう一つ、そこのところでこういう建設的な投資的な経費を基準財政需要にどういうふうに見ていくかということについて整理することが必要ではなかろうか。もし整理するという場合に、やはり考えられる一つの方法は、かなりこういった事業についての起債の充当という点を広げていく、そして、いわゆる減価償却費的な考え方で財政需要に見ていくというのが筋ではないだろうか。そのほうが交付税の財政需要の算定もすっきりしてくるのではないかというふうに見ておるわけでございまして、直ちにいまそこで純粋に静態的なものに戻ったほうがいいとかなんとかいうことを主張するわけではありませんけれども、大体その見方として、あるいは技術として、いまの財政需要の算定基準というものは、もう限界ぎりぎりに来ているのじゃないか、こういう感じを持つものでございますから、これ以上の社会資本の充実の需要というものは、もう少し起債収入に切りかえていったほうが、さらに混乱するということを避ける意味でいいのではないかということを申し上げたわけでございます。  それから、固定資産税のことでございますけれども、私は固定資産税という税は非常に都市的な税であるというふうに考えております。そこで、都市としては、もっとこの固定資産税というものを活用なさる。都市限りでそれが非常に困難な場合には、できるだけ国に働きかけて、そういうことが可能なような方向に持っていくべきである。いまおっしゃいましたように、できるだけ現実の時価を反映させるような形で課税標準を上げていくことが望ましいと思います。そのほうが、やはり都市における財源を確保していく意味でも、それから負担の公平というようなことを考えていく意味でも、妥当ではないだろうか。ただ、おっしゃいますように、確かに定年退職者が小住宅を建てた場合の宅地などというようなものまで一律に見るということには、いろいろ問題があろうかと思いますが、たとえば、これは私必ずしも熟した意見ではございませんけれども、その一定の面積というようなものを基準にして、そこで軽減税率を考える。宅地についてはそういう税率を考えてみるというようなこともあり得るのではなかろうかというふうに思うわけでございます。  なお、これは蛇足でございますけれども、どうもいろいろ指定都市等で都市向きの税源を確保せよという御意見が出て、それには私も十分同感できるのでありますが、他面、現行税制の中でおやりになれる限りはやられるという努力も一方では必要ではないか。確かに住民感情等はありますけれども、率直に申しまして、私は都市には地方にないやはり便益というものがあって、その便益を都市の住民が享受するからには、ある程度負担が高くなるということは避けることができない。これが一般的趨勢でなかろうか。そうであるとするならば、それぞれの理事者の方も、そういう点は十分住民に納得させる努力をなさりながら、一方では税収を確保するという努力も行なわれてしかるべきではないだろうかということを、蛇足ながら感じているというふうに申し上げたいと思います。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 第一点の都市的な税目の問題でございますが、われわれは、都市は企業活動が中心でございますので、企業収益に対する課税、いわゆる法人課税の配分というものを修正していただきたい、こういう考え方が基本でございます。しかしながら、いま御指摘のございましたように、都市のいろいろな仕事に見合ったような税金というものがないかということでございますが、そういう点から言いますと、消費課税のあるものを取り上げていくというふうなことが一つの考え方ではないかと思います。ただし、現在の消費課税につきましては、府県等――国もございますが、そういうふうな関係もございまして、どういうふうに現実に配分をするかということになりますと、非常にむずかしい問題であろうかと思います。しかしながら、われわれとしては消費課税を大都市にもう少し配分すべきである、こういうふうに考えております。  なお、固定資産税のうち償却資産について都市計画税等を設定するというような考え方をとりまして、企業活動のためにいろいろな道路その他の公共施設をやっておるわけでございますから、そういうふうな償却資産についても都市計画税の税負担をしていただく、こういうふうな考え方をとったらいかがか、かように存じております。それから土地の値上がりの問題ですが、土地が売却されまして譲渡所得の形になりますと、これは国のほうで所得税として大部分をとるわけでございます。もちろん、それが市民税にもはね返ってくるわけでございますけれども、そのはね返りの分は現実からいえば非常に少ないのであります。また、それでは毎年徴収いたします固定資産税の課税を、現に売買されておりますような価格にまで持ち上げるということになりましたときにはいろいろな問題があろうかと思います。御指摘がありましたように、住居の場合、特に庶民の住居の場合に、それだけの時価に持ち上げるということは、市民感情としてなかなか納得してもらえぬのじゃないか、かように思います。それから、未利用地がございます。これなんかは、ある意味からいえば、その値上がりを待っておるという部分もございますけれども、全部がそうでもございませんので、そういうふうなものを、世間でいわれておりますような売買の価格といいますか、そういうところまで持ち上げることがはたしてできるであろうかというふうな気もいたします。ただ、土地を利用して収益を生んでおります土地については、十分それに見合う時価と申しますか、そういうところへ持っていくべきではないかと思いますが、これらの土地をそういうように区分するということに非常にむずかしい面がございますので、ある程度から一律に時価主義をとっていきまして、ある部分については減免をするというふうな考え方をとらなければ現実にはできないのではないか、かように存じております。  以上でございます。

加藤武徳全国知事会代表岡山県知事

○加藤参考人 行政費の節減努力をいたしました公共団体に対しまして、それを助長するような方向で考えていただく具体的なものといたしましては、現行制度におきましては、私どもはそういう努力をした公共団体が積極的に行政効果のあがる事業と取り組もうとしております場合に、その事業に対します起債の認可等につきまして、できるだけ心を配ってもらいますとか、あるいは交付税の交付につきまして特別の御配意を願いますとか、さようなこと以外には現行制度におきましてはむずかしいことであり、それも私は特別に大幅な処置が期待できるとは考えておらないのでございますが、ただ、中央におきます姿勢として、そういう考え方を持っていただきますことが、行政費の節減を努力いたします方向へ各公共団体が向かうのではないであろうか。これは努力をいたします公共団体へ積極的にそういう考え方を持ってもらいますと同時に、消極的な面といたしましては、そういう努力をいたさない公共団体に対しましては、むしろ消極的な配意を願うような気持ちを持ち、両々相まっての助長策でなければならぬのではないだろうか、かように思います。ただ、実際の問題といたしましては、さほど大きな財政上の効果があがるとは考えられませんが、そういう姿勢を打ち出していただくことが、私は助長策ではないだろうか、かように考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 もう一度遠藤先生に伺いますが、先ほどのお答えは、起債問題についてもう少し積極的に考えろという最初の御意見がもう一カ所出て、私もそれはいいと思うのですが、それを今度は、起債の償還額全体、その団体の持っている起債の償還、それは年次別になりますが、それをどの事業と言わないで、その地方団体の持っているウエートという問題に関連して交付税の算定の中で考えたらいい、こういうふうな意味なんでしょうか。その交付税のほうのことはもう考えなくてもいい、起債をもっとどんどん拡充して、そういう事業ができるようにしてやりなさいという意味だったのでしょうか。そこのところをもう一度お伺いしたい。  それから、神戸の助役さんにお伺いしたいのは、私の質問が不正確であれですが、固有事務の事務再配分とか、それに関連して税制のほんとうにふるい分けをしなさいという問題は、ことばとしてはいろいろありますけれども、なかなか動かないものですから、私どもはそのまま放置できないので、とにかく何とか早く手をつけさせたいと思っているわけです。そこで、先ほど、指定市なるがゆえに行政があるという意味は、いろいろ人口が多くなるとかなんとかという意味ではなくて、指定市なるがゆえに法律上ほかの市とは別個に受けている行政事務があるわけです。それは、簡単には余分だ、そういうことに関連して、税制上いわゆる再配分をするといいますか、それはわりあい何となく通りやすい理屈だと思う。というのは、たとえば今度の自動車取得税で、一般市町村に七を分けるが、指定市については、いわゆる管理する道路が別個に多いので、その分は別なんですよ、こういうふうに区分けができているわけですね。そういうふうな観点で、私はそれだけで問題が解決するとは思いませんけれども、そういう観点で何か実務的に御検討をなさっておりますかと、こういうふうにちょっとお聞きしたわけです。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 交付税における財政需要の算定と全く無関係に地方債をどんどん発行させろというふうなことは申しておりませんので、やはりその償還に伴う財政需要というのは、それぞれの事業なり団体の性質において見ていく必要があろうかと思います。ただ、そこで一つつけ加えておかなければなりませんのは、ややきょうの問題からそれると思いますけれども、私は起債を活発化していくということについて、ことに財政力の弱い団体のためには、長期低利の資金というものをもっと豊富に消化のために供給する必要があるだろうと思う。そのためには、これは全く思いつきでありますけれども、地方公営企業公庫などをさらに発展させて、公営企業のみならず地方開発金庫というふうなものにまで持っていって、資金を豊富に供給して、その消化に伴う財政負担というものがあまりにも過重にならないようにということを他方でやっておく必要がある、そういうことを腹の中で考えておるものですから、いろいろおわかりにくい点があったかと思いますが、申し上げました。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 特別指定市でありますがために、いろいろな仕事が法律上来ておるものがございます。たとえば道路あるいは港湾その他十六項目の移譲等、いろいろな面でございますが、個々にそれではその仕事にマッチする税目を何か考えておるかというお尋ねにつきましては、実は非常にむずかしいものでございますから、一つ一つについて考えていくというふうな考え方は実はいたしておりません。ただ、私のほうからも指定市全体として要請しております企業税目、それから固定資産税の問題等でございますが、先ほども申しましたように、われわれとしては大都市がやっておりますサービスがいろいろな点で人の集中また慰楽、そういうふうな面にも大きな関係を持っておりますので、料理飲食税とかあるいは娯楽施設利用税とか入場税とか、そういうものの配分に若干の考慮を加えていただくということができないものかどうか。それからまた、これは指定市全部が持っておるわけじゃございませんが、大部分が港湾を持っておりまして、港湾が指定市の所管になっております。したがって、特別とん譲与税をいただいておりますけれども、この額が非常に僅少でございます。これの増額とか、また実際問題といたしましては、国は関税を非常に大きく取っておるのであります。したがって、その関税の一部移譲とか、そういうふうなことをひとつ考えていただいたらどうだろうか、こういうふうに私たちは現在思っておりますが、詳しい検討というのはむしろこれからの問題かと存じます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員 参考人に対する御質問でありますから、一問一答式な反復の質問をいたしませんから、ひとつ明確にお答えいただきたい。  まず遠藤教授にお尋ねしたいのであります。フィスカルポリシーというものと地方財政との関係について、遠藤教授の御意見というのは、フィスカルポリシーという国の政策に地方財政はじゃまはしちゃいかぬけれども、何も進んで協力する必要はないのだ、こういうふうな御意見だと私は受け取ったわけです。そこで、この点についてお尋ねしたいのであります。  大体自治省もそういう見解を昨年の九月、大蔵省が財政硬直化、こういうことを盛んに宣伝し始めたときには、かなりはっきりと地方財政と国の財政とは違うんだ、だから何もフィスカルポリシーに従う必要はないのだ、こういうはっきりとした態度をとっておったのでありますけれども、今度の地方財政計画の内容、あるいは交付税に加えたり減らしたりしたいきさつ、それから、全体の地方財政計画というものを見ますと、あるいは大臣のお経読みのことばを見ますと、完全にフィスカルポリシーのわだちの中に組み入れられた、こういうふうに私は理解しておるのであります。これについて遠藤教授、今度の地方財政計画どうごらんになっているのか、これをひとつ、フィスカルポリシーと地方財政計画というものについて、地方財政計画はいまやもう独自性はなくなったのだ、こういうふうに見ていらっしゃるかどうか、まずお尋ねしたいのであります。  それから第二の問題点は、昨年、遠藤教授は「地方財政」という雑誌に――いまごろだったと思うのでありますけれども、かなり地方交付税制度に痛烈な批判をその巻頭言で加えられておったわけです。痛烈ということばは少し過ぎますけれども、やや批判をしておる。いまの質問に対するお答えでも、今日の地方交付税制度というのは、世界に冠たる精緻巧緻をきわめたものだと、自治省は自画自賛をいたしておるわけでございますけれども、私は、その精緻巧緻というのの積み重ねのために、かなり現実離れをして、実情に即しないものが出てまいっておると思うのであります。したがって、今日この段階では、その枝葉の精緻巧緻というものよりも、より根本的な問題に振り返ってみて、先ほど教授がおっしゃった交付税制度の本質的なあり方、そういうものを踏まえた新しい配分の方法を検討すべき時期にきておるのではないか、こう私は考えております。この点について先生どう見ていらっしゃるのか、お尋ねいたしたいと思うのであります。  それから、地方債の件について御意見があったのでありまするが、私は今日の地方債の発行状況というのは、厳密な意味でいきますと、地方財政法五条違反である、こういうふうに私は考えておるのであります。したがって、今日の地方財政、地方債計画というものをどうすべきかということについては、根本的な結論と同時に、やはり法の改正というものに取り組む必要があるのではないか、こう私は見ております。この点について御意見を伺っておきたいと思うのであります。  それから、この際お尋ねいたしたいもう一つの点は、現在地方公営企業というのが、先ほど神戸市の助役さんがおっしゃったのでございますけれども、三十六年ぐらいから急激な赤字を増大いたしまして、年々三百億円前後の赤字がふえてきております。四十一年度に地方公営企業法という法律の改正が行なわれ、そうして、そういう企業は独立採算という原則が打ち立てられたのでありますけれども、その独立採算というのは、言ってみれば職員の労働条件を切り下げることと、毎年毎年大幅な独立採算の名のもとの料金値上げだ、この二つに要約されている再建計画だと言ってもいいと思うのであります。こんなことはなかったのでありますけれども、いま毎年毎年四割も五割も料金の値上げが行なわれている、しかも労働条件の切り下げ、地方公務員でありながらベースアップすらも難くせをつけておる、地公企法の原則すらも踏みにじられておる、こういう現況であります。こういうような、今日の社会経済の大きな激変というものを踏まえない形で、料金の値上げと労働条件の切り下げだけで都市交通やあるいは水道の再建をはかろうとするやり方は、誤っているのじゃないか、こういうふうに私は考えております。これについて教授の御意見を承りたいと思うのであります。  それから、知事さんにお尋ねいたしたいのでありますけれども、「都道府県展望」の四月号の冒頭に知事さんと自治大臣との対談が載っております。この対談で、自治大臣は、たいへん努力していただいたということで、たいへん感謝をされておるのでありますけれども、その感謝のことばから出た大臣のことばの中に――ちょっと雑誌を持ってきていませんけれども、ちょうど知事さんがいらっしゃっていますから……。自治大臣が知事さんに答えたことばがあるのです。特別事業債の元利償還については、禍根を残してはいかぬから、きちっと制度として償還交付金という形でこれは年度割りにして返すという法律をつくってしまうつもりです。そうしておけば異議はないわけですからと、知事さんに明確に答えているわけです。  ところが、今度の交付税は、ちょびっとその附則のほうにそのことだけを書いて、九十億円というのがことしの分であって、今後の問題は一切政令に譲っちゃっているわけです。大臣が知事さんに答えた内容とだいぶ違うわけですよ。例の覚書、出世払いを取り消す大蔵大臣とのあれには法制的にと――その前に法律的ということばがあるのですけれども、法制的に確立すると書いてあるのですね。その法制的に確立するというのは、知事さんにはっきり、法律でぴしゃっと問題が起こらぬようにする、こうお答えしているのです。ところが、事実はそうなってないのです。これでは知事さんに対する大臣の約束が違うと私は思っておるのでありますが、ちょうど知事さんいいときに来ましたから、ここではっきりとひとつお伺いをしておきたいと思うのであります。  もう一つ知事さんにお尋ねしたいのでありますが、先ほども御質問があったのでありますけれども、指定市の財政問題ということであります。これも三十六年ぐらいから急激な赤字があったのであります。これはあとで宮崎さんにもお尋ねしたいのでありますけれども、指定市も一体だらしないのですよ。指定市という指定をされてから、当時はちょっとふところに金がありましたから、財源のことを考えないで、事務だけよこせ、よこせと、事務だけふところに入れちゃって、そして三十五、六年ぐらいから財政が急激に悪化してしまって、そして赤字が出てきた。指定市ともあろうものが、柴田次官のことばをかりれば、不名誉きわまる交付税というおすそ分けをもらって生活をする段階になってあわて始めているのですから、これは指定市の市長さんたちの不明を私は指摘しなければいかぬわけでありますけれども、まあそう言ってもいかぬわけで、これはあとで宮崎さんにお尋ねしますが、そういいましても、この税財源の再配分、府県と市町村の税財源の再配分というのは、国と地方という形ではなくて、府県と市町村間の税源の再配分、しかも遠藤教授が言っておりました税目の個々の弾性値というものを十分配慮した形で検討が加えられなければならないと私は思っております。ところが、指定市というのは、自治法の二百五十二条の十九に基づく十六項目のものなり、あるいは個別法の事務移管をもらいながら、財源的には一文も措置してもらっておらぬ。これは指定市が悪いのでありますけれども、悪いといっても、今日何とか解決してやらなければいかぬわけであります。私は、やはり国と地方という根本問題がありますけれども、考え方としては、今日のたとえば料理飲食税、これは言ってみれば府県税でありますけれども、やはりちりあくたというのは市がやるわけですから、やはりしりぬぐいは市がやっている。税だけは府県に入っていっているというのでありますから、これは全部と言わぬでも、一部分はやはり指定市にやる。全部の市と私は申し上げているのではありません。法律的にやはり事務がいっているのでありますから、そういうものは指定市にやるべきじゃないか、あるいは不動産取得税というようなものについては、やはりその一部を指定市にやるべきじゃないか、こういうことが言えると思うのであります。現実に、今日指定市はたった六つで二百億円ぐらいの交付税をもらっておるのですね。二百億円の交付税を指定市にやるのなら、傾斜配分してもっと過疎地帯にやったらもっと進むと思うのですよ。そういうことからいきまして、移した事務だけでも今日大体三百五十億円くらいになるというのであります。四十三年度になりますと四百億円をこすだろう、こういっております。この事務移管の費用がいっていないのでありますから、私はずばり申し上げまして、知事さん、知事さんのほうは指定市がありませんから関係がないのでありますけれども、少なくとも知事会として、自分のほうで要求せぬで事務だけがめつくとった、指定市は三分の一くらい持ったらどうか、県も本来なら指定市にやるべきだから、その三分の一ぐらいやろう、国のほうも三分の一だ。たとえば、四百二、三十億といたしますと、百四、五十億円は県から、百四、五十億円は国から、百四、五十億円は指定市がみずから自弁で持つというくらいの、あるいは法人活動がありますから法人に持ってもらう、これくらいのことは大所高所に立って今日やるべきことであろうと思うのであります。特に知事さんは、知事会の税財政の委員長をなさっておるようでありますから、これはひとつ、おれは県だぞ、県のやつは触れちゃいかぬ、おまえのほうはほしければ国から持ってこい、こういうのではなくて、地方と国という形で大きく分けて、そして地方間において合理的な県と市町村との間の配分をやることが必要じゃないか、私はこう思うのでありますが、この点について岡山の知事さんの、大所高所に立った、放すものは馬のくそでも放さんぞということでなくて、ひとつ大所高所からの御意見を聞かせていただきたい、こう思うのであります。  それから、もう一つちょっとお尋ねしておきたいのであります。いま自治省のほうから、好いたところの府県は合併しなさい、結婚しなさい、私のほうは何もビジョンがありません、好き合うなら恋愛結婚で議会の議決を持ってきなさい、総理大臣が処理してあげます、こういう法律が出ているわけです。都道府県合併特例法という法律であります。こんなけしからぬ法律はないと思うのですよ。今日の社会経済の激変の中において、東京都の区長の公選という問題、区長の問題はどうするのかたいへんな問題になっております。あるいは東京都全体をどうするのかというたいへんな問題が起こっております。あるいは府県制度というのはどうあるべきかといういろいろな議論が起こっておる。あるいは指定市というのは、特別市という市制をしかなければならぬのじゃないか、そうなった場合に、府県というのはどうすべきかといういろいろな議論が起こっているにもかかわらず、明治二十二年、ことしは明治百年だ、もう八十年もたつ、八十年も前の県の境は古いから改めろ、明治百年記念だということで、好いたもの同士結婚させるから法律をつくってやるというような、こんな不見識な法律は私は許されないと思うのです。そこで、いま提案されておるような、好きなもの同士は結婚したいのならさせてやろうというような、そういう意味の府県合併特例について意味があるのかないのか、必要だとお思いなのかどうか、この辺をひとつ知事さんに御意見を率直にお伺いしておきたいと思うのでございます。  宮崎さんには、指定市は責任を感じないのか、いま困って文句ばかり言っているけれども、もとをただせばあなた方に先見の明がなかったところにあるのだからということですね。先ほど、原因では、いや高度経済成長政策のおかげだとか、あるいはベースアップが毎年行なわれたからだとか、こういう理屈をつけておりますけれども、これも指定市に限ったことじゃないのです。どこでもやっていることですよ。そういう点について、指定都市の赤字の原因というのは、そういう御指摘のような点もありますけれども、出発点は指定市自体の覚悟が足らなかった、こう私は思うのでありますが、いかがですか。  最後に遠藤教授にお尋ねしたい。  私は、今度の財政計画を見ますと、教授御指摘のように、確かに税の比率は四二%と上がっておるのですね。いままでは四〇か四一%であります。一%上がった、交付税率も一%上がった、だから地方財政は出世した、こういうことを言われております。何のことはないですよ、公共事業が従来のペースで伸びておれば、従来の構成比率になってしまうわけですね。ところで、いま自治省あたりが盛んに言っていることは、地方財政の硬直化の原因というのは人件費の毎年毎年の伸びだ、こう言っております。私はそれも若干あるということは否定しておりませんけれども、もっと根本的な原因は、高度経済成長政策によって国が地方の財政をあげて公共事業に協力さしたからですよ。試みにちょっと昭和三十年から三十三、四年ぐらいのあれを見ますと、やはり地方税の比率というのは四割ぐらいです。交付税の比率も一八、九%なのです。いまと変わりないのです。何が変わったかというと、支出のほうで、給与関係費というのは当時は四割あったのです。四〇%でした。今日は三四%ですよ。五%から六%下がっておるのですよ。五%か六%下がったのがどこへいったかといいますと、国庫支出金というのが四、五%上がっているのです。公共事業の補助金です。その公共事業の補助金の四、五%上がったのと人件費を削った五、六%を合わしたものが一〇%、それは公共事業が当時の二二%から三十数%に伸びたその一〇%伸びたのとちょうど合っているのです。言ってみますと、国のフィスカルポリシーに地方がかり立てられて、それに織り込まれ過ぎて公共事業をやった。確かにギャップはあります。そこに問題があると私は思っております。ですから、地方財政計画をながめてみますと、人件費による硬直ではなくて、国の財政計画に協力してきた――フィスカルポリシーにそのときはありませんでしたけれども、国の財政計画の中に織り込まれた地方財政の運用のしかたが根本的な地方財政硬直化の原因だ、こういうふうに申し上げなければならぬと私は思っております。この点について遠藤教授の御意見を伺っておきたいと思います。  再質問はしないつもりでありますけれども、場合によっては一、二あるかもしれません。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 第一番目のフィスカルポリシーの問題でありますが、最初に私が申し上げた表現が不十分であったかと思いますけれども、私の真意は、地方は中央のフィスカルポリシーを先生のおっしゃるようにじゃましてはいけないが、協力する必要はないとまでは言っておりませんで、できる限度において協力するということであります。ですから、同じようなことかもしれませんが、若干ニュアンスが違うというふうに考えていただくほうが、私の言った限りにおいては正確になるのではないか。つまり、協力する必要はないというふうには私は言い切れない面もあるのではないかというふうに感じるわけでございます。しかし、できないのに無理して協力する必要はないということは、私の言った内容に含まれております。  そこで、今年度の地方財政計画が、無理して協力しているのではないかというお尋ねのようでありますが、私はこの地方財政計画なるものは、実は非常に含みがいろいろありまして、たいへん事態を単純化し、それから向こう一年度にわたる事態を、自治省は自治省としていろいろ念頭に置きながら、形だけ整えるという性格がありますので、そういうところまでいろいろ見て分析してみないと、すぐにおっしゃるように点数をつけていいものかどうかという点について、若干留保しております。つまり、形はなるほど協力ぎみであるけれども、しかし、現実にたとえば決算にあらわれた姿は、必ずしもそうはならないだろうということを、自治省自体もある程度は予想しているのではないかというふうに考えまして、まあそれがいいのか悪いのかは別でありますけれども、必ずしも協力したというふうには私は見ておりません。  それから第二の、交付税制度ははなはだ精緻になったという点でありますが、私は技術的にいうと確かに精緻――まあそれを自慢しているかどうかは知りませんけれども、精緻であるということは言えると思います。私が昨年「地方財政」に書いたのは、痛烈とおっしゃいまして、あとそれほどでもないというふうに言われましたが、痛烈かどうかはともかくといたしまして、もう技術的にいろいろ操作していくということは限界に来てしまっているという意味のことを昨年書いたつもりなんです。さらに、四十一年度以来、国における公債発行というような問題が非常に大きな問題になってきますと、なおさらこの交付税制度というものは、技術的のみならず、本質的な点でも検討しなければならない。さらに、その税率を引き下げろというふうな議論が出てくるようになりますと、一そうその本質に立ち返って考え直す時期が来ている、そういう意味で先ほど来交付税制度の問題を申しました。実際問題としては、こういう制度を本質的に立ち返って考え直すということについては、議論百出と申しますか、問題点があまりにも複雑多岐であって、そう簡単にできることだというふうには予想しておりませんが、できるだけ早くこれを検討するという機運が出てくることを私としては希望しております。  それから、三番目の地方債の問題でありますが、なるほど地方財政法の第五条は、地方債の発行についてかなりきびしいといいますか、慎重な言い方をしておりますが、しかし地方債の発行、地方債の制限その他につきましては、これ以外にも再建法でありますとか、あるいは新産都市法でありますとか、工特法でありますとか、いろいろなところに発行の規定が分かれておりまして、そして、現実においては、必ずしもこの第五条というものをそのまましゃくし定木にやっているというふうには私は考えておりません。それゆえ、この第五条を直さなければだめではないか、何もできないではないかというふうにはすぐにならないと思います。けれども、地方開発関係の法規等がやはり整理を要求されている現在において、そういう地方債関係の法規があまりにもばらばらに単独法によってきめられているということは好ましい事態ではないので、やはりこれも、実際にやりますと立法技術上むずかしい問題が出てくると思いますけれども、なるべく早くその基本法規たる地方財政法において明確な基準が示されることが望ましいというふうに思います。  それから、地方公営企業の問題であります。これにつきましては、地方公営企業制度調査会というのが先年設けられまして、私もその委員の一人として列席いたしました。私はその際発言もいたしましたが、本来、地方公営企業というものは、独立採算という線を踏みはずすべきではないという考え方を持っております。ただし、その独立採算ということの内容にはいろいろな留保がつくわけで、一般会計の負担というものも当然あり、そういうものをもちろん十分に見ていかなければならないという上での独立採算でありますけれども、無制限に一般会計から繰り入れて赤字を埋めていくということは、地方公営企業そのものの運営なりあるいは存在価値をかえって疑わしめるような結果になりはしないかという心配を持っておりますので、一応独立採算ということは、先ほど言いました限定をつけた上で本来の原則ではないだろうか、こう考えるわけでございます。もっとも、そこでもう少しこまかいことをいろいろ言わなければいけませんけれども、その一般会計の負担ということについては、地方公営企業というものが地方行政の一環をなしているということに即して考えられるべきであるということであります。しかし、それならば公営企業が独立採算という本筋を踏みはずすべきではないのですが、そのために私は基本的な条件が幾つかあると思います。  その第一は、ことにいまの大都市における公営企業においては都市政策というものが何ら確立をされておらない、無制限な都市の膨張ということからくるしわ寄せが地方公営企業にいっているということでは、独立採算ということをいっても非常にその維持は困難になってくる。ですから私は、独立採算を守らなければならないと思いますが、同時に、他面において、都市政策をできるだけ早く確立し、無制限な膨張、無制限な過密状態というものをできるだけ早く整理していくという政策が立てられなければならない。それからいま一つは、地方公営企業のような企業においては、やはり長期低利の資金というものが十分に供給されなければならない。本来、公営企業であるならば資本を持たなければならないわけでありますが、残念ながら日本の公営企業においては、資本というものに相当する資金が不足しております。それを不足しているのをいまさらあらためて出資をするということも非常に困難であるとするならば、事業の性質から申しましても低利長期の資金というものがもう少し豊富に供給されなければならない、その上でやはり独立採算というものを維持していくということが必要でありまして、一方ではその原則を守りながら、いま申したような条件ができるだけすみやかに整備されることが願わしいという意味で、私はあのときの答申に賛成した者の一人でございますし、その考えはいまも変わっておりません、ということでお考えにかえたいと思います。  それから、地方財政の硬直化でありますが、私は人件費というよりも――それも確かにあると思いますが、同時に、中央、地方を通じる行政機構の硬直化ということが非常に大きな問題であろう、地方団体限りで人件費を軽減したりあるいは整理できないという面が、中央、地方を通じる行政機構の中にあるということが非常に大きい問題ではなかろうかというふうに思っております。補助金等が大きいといわれることは、他面からいえばそういう問題になってくるのではないだろうか。それからもう一つ、地方財政の硬直化の原因というのは、何といっても税収の硬直化である、つまり税収の伸びが思うようにいかないということは、税財源の配分というものがまだ十分に結論が出ていないということであって、その二つのほうが実は硬直化の問題においてより本質的な問題ではなかろうか。個々の事業ももちろんそうでありましょう、公共事業もあるいはおっしゃるとおりかもしれませんが、さらにそれを突っ込んでいくと、いまのような問題に帰着するのではないだろうか、こういうふうに考えております。  以上でございます。

加藤武徳全国知事会代表岡山県知事

○加藤参考人 私への御質問は三点でございまして、まず第一点は特別事業債についてでございまして、御承知のような一千二百億円の特別事業債は、通常の状況下においては当然交付税で見らるべきものであることが予想されますものが約九百二十億円はあったと考えられるのでございます。そこで私ども、四十二年度におきまして、利息につきましては予算的な措置を願ったのでありますけれども、四十三年度において元本に関してもぜひ見てもらいたいというのが強い願望であり、そしてその措置がなされておるのでございます。そこで、交付税法の一部改正の附則におきまして、九項から十四項まで六項にわたり元利償還についての詳細な規定がなされておるのでございます。四十三年度におきます元利償還に必要といたしますものは九十億円、かように私ども計算いたしておるのでございまして、四十三年度において元利を完全に償還し得ます予算措置ができておるのでございますから、四十四年度から五十六年度までの間は「各年度分にあっては政令で定める基準」云々と書いてはございますが、その年度年度の元利に関して完全に見てもらえるものと期待をいたしておるのでございます。したがって、法制的にどうかという点は議論があるのかもしれませんが、私どもは政府を信頼いたしておるのでございます。  それから、二番目の指定都市との関係でございまして、先ほど神戸市の助役さんの発言にございましたように、指定都市が非常に御苦労なすっておられることはよくわかるのでございますが、ただ、現段階におきまして税制上の特別措置を指定市についてとることにつきましては、私はいろいろ問題があると思えるのでございます。これは指定市でない中あるいは小都市におきましても、むしろ指定市に産業や人口が過度に集中しておりますのと集中度においてはあまり変わらない程度の人口や産業が急速に集中しつつあります都市もずいぶんあるのでございまして、さようなところでもずいぶん苦労がございます。そこで私どもは、起債等につきまして特別の措置を願いますとか、あるいは交付税等につきまして格別の配意を願う等の措置を強力にとっていただきますことが現段階において必要なことであり、税制につきましての特別措置につきましては、私は国と地方を通じ、また県と市町村を通じました全体的な問題として慎重に御検討願わなければならぬことではないだろうか、かように考えておるのでございまして、今後もそういう基本的な考え方のもとに、知事会内におきましてもいろいろ研究をしてまいりたい、かように思っておるのでございます。  それから、三番目の御質問の府県合併特例法案でございますが、合併の機運が醸成されました際に生ずるであろう障害をあらかじめ除去しておきたいというのが法案のねらいであろうかと思うのでございまして、私の県は、ただいままだ恋愛関係にはないのでございますが、友だちにさようなところが何県かあることも承知しておるのでございまして、私はあらかじめその障害を除去しておきたいという限りにおきましては、この法案の意義があるのではないであろうか、かように考えておるのでございますから、こいねがわくは早い機会に通過成立さしていただきたい、かように思う次第でございます。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 指定都市の財政が現状のように困窮をいたしましたことについて、当局者といたしまして御指摘のように責任を深く感じております。したがいまして、この窮状をいかにして打開するか、その努力を重ねまして、正常な財政状態に持っていくことがその責任に応ずる道ではないか、かように考えております。  先ほど細谷先生から御指摘がありましたが、事務移譲が行なわれます場合に、指定都市が富裕であったから事務移譲だけ受けて財源の移譲をなおざりにしたというわけでは実はないのでございまして、昭和三十一年に十六項目の移譲のございましたときには、われわれとしては特別市制を要請いたしたのであります。特別市制におきますと事務の移譲とともに府県税に相当するものは特別市に入るわけでありまして、ともに移譲を受けたいというのがわれわれの願いであったのでありますが、そのときのいろいろな政治情勢その他によりまして十六項目の事務移譲だけで泣かされたというのが実は現状でございます。なお、その後におきましても、たとえば定時制高校の教員の給与移管の問題につきましても財源の要求をいたしたのでありますが、どうしてもそれが認められなかった。その他個々の法律が出ます場合に、指定市の事務になりますものについて、われわれとしてはいつもそれに見合う財源を要求しておるのでございますが、なかなかそれが参らなかったというのが実情でございます。今後、諸先生方の御理解を得まして、何とかその財源対策について格段の御配慮を願いたい、かように考える次第でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 すでに細谷委員から御質問申し上げておりますので、私は二点だけお尋ねいたしたいと思います。  一点は、地方交付税に関係する問題であります。第二点は財政硬直化に関連いたします行政の簡素化といいますか、人員の削減といいますか、この点につきましてお尋ねいたしたいと存じます。  すでに遠藤先生の御意見は承ったわけでありますが、地方税と地方交付税の比率は大体地方税が四〇%、地方交付税が二〇%という、その前後をしておるわけでありますが、しかし今日府県、市町村を通じまして、経済の変動その他の事情により、府県もそうでありますけれども、市町村はことに流動しておると思うのでありますが、この中で順次この比率が、当然交付税の性格からいってもそうでございますけれども、町村は交付税に依存する。しかし一面、大都市も交付税に依存せざるを得なくなる。本来、交付税をたてまえにいたしておりました府県では、大都市を包含しておる府県は裕福になり、その他の府県は依然として交付税中心であるというふうな実態であるわけであります。確かにお話にございましたとおり、この際、地方税と関連いたしまして地方交付税の根本的な改正をしなければならぬというふうに私ども感じておるわけでありますが、どういう方向でこの点をお考えになっておるか、御意見を承りたいと思うのであります。  先ほど岡山県知事から、府県としての自主財源の強化という御要望もあったわけでありますが、私ども地方公共団体を見ますと、府県の自主財源の強化も必要であるわけでありますが、むしろ市の自主財源の強化、ことに大都市の自主財源の強化という方向にいかなければならぬじゃないか。また、むしろ衰退しておる町村におきましては交付税本位にならざるを得ないかと思うのでありますが、その辺の関連につきまして、遠藤先生、それから岡山県の加藤知事さんに、今後の流動しておる地方公共団体のあり方から見て、交付税のあり方、それに関連しての地方税のあり方につきましてお伺いいたしたいと思います。これが第一点でございます。  第二点は、やはり財政硬直化に関連いたしまして、国の行政簡素化と人員の削減に関連した問題でありますが、私ども、地方公共団体は、長い間いわば地方自治というたてまえではなくて、国に従属するかっこうで今日にきておると思うのであります。したがって直接末端と接触しております市町村はもとより府県におきましても、行政の簡素化その他人員の適正配置といいますか、この辺につきましては地方自治法施行以来努力を続けてまいったと思うのであります。したがって、今日国の方針に従って地方公共団体が、余地がないとは言いませんけれども、行政簡素化を強行し、あるいは人員の節減をする余地は乏しいのではないかというふうに考えられるわけでありますが、むしろ地方公共団体の悩みの種は、国が行政簡素化を多年にわたってなおざりにしておったというところに地方公共団体の事務の繁雑さがあった。本来住民のための行政を行なうことに支障があったというふうに私どもは見ておるわけであります。これらについての御見解、したがって、先ほど岡山県知事さんから過去三年間において三%の人員削減を行なった、当然人員削減を行なう余地のあるところはけっこうであるわけでありまして、これに対する国の特別の配慮というふうな――真意をはかりかねたわけでありますが、もし私ども間違っておれば失礼にわたると思うのでありますが、また、それに対する御答弁等も十分に把握できなかったわけでありますが、私どもは、やはりこれらの人員の問題は、当該公共団体のいかに地域住民の福祉を増進するかという立場でやるべきであって、仕事の増高につれてむしろ増員しなければならぬところもあるわけであります。しかもそれを、人員の整理と国の配慮というふうな関連を持たせることは、今日重要な段階にある地方自治のたてまえから言いましても、少し筋違いではないかというふうに考えるわけであります。ことに国と同一歩調でこういう問題に対処しようとする政府の立場から言いますと、今後の地方自治体のあり方に非常に支障を来たすというふうに考えております。極端な事例を申し上げて恐縮でありますが、地方公共団体の中にはある程度まで増員を差し控えて、そして労働過重になった職員のために、あるいは国の方針に反するわけでありますが、人事院勧告の線に沿うベースアップの時期を早めたことによって、特別交付税で交付金の査定の際に手心を加えられたという事例があるわけでありますが、私ども地方公共団体はいろいろあっていいと思うのであります。十分な人員を、将来に備えて、当然優遇すべきあるいは従来低給であった職員の優遇をはかるという際に、たまたまその年度における交付税の交付に裁量を加えるということは、本来公共団体の自主的財源であるこれらの問題について、私どもは地方団体側としては相当考えておかなければならないというふうに考えますので、重ねてこの点御見解をお聞かせ願いたいと思います。  しかも今日、行政簡素化にしてもそうでありますが、外郭団体等の整理にいたしましても、中央における外郭団体の支部的存在が府県にあり市町村にあるわけでありまして、整理をするにいたしましても、中央からやらないとむしろそれらの整理ができないというのが現状であるわけであります。それから、人員整理の事務は、中央には主として、一部の省を除きましては管理事務なわけでありますね。しかし、地方では現業事務が非常に多いわけであって、人員の削減ができない。もし人員の削減をするとなれば、これも自治省にいずれお尋ねしたいと思っておる問題でありますが、当然地方公共団体でやらなければならない。事務によってはそうでないものもありますが、やらなければならない事務を、民間委託することによってその責任を回避しながら、行政経費の節約をはかるという方向に向かわざるを得ない。このことは、いまですから地域住民の要望にこたえ得ない地方公共団体としては、地方公共団体の方向としては非常に誤った方向をたどるおそれがある、こういうふうに私考えておりますので、この二点につきましては加藤知事さん、神戸市の宮崎助役さんにそれぞれ――神戸市は大都市ではございますけれども、貧弱市町村の立場をもいろいろお考えになって、御意見をお聞かせ願いたいと思います。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 一番初めの地方団体の歳入の構造でありますけれども、おっしゃるように、現在市町村の経済的なあるいは社会的な動向というのが非常に流動的でありまして、団体によってはかなり年々の変化が著しいわけであります。私はそういう意味から申しましても、地方債の活用ということを考える余地があるのではなかろうかというふうに、先般来申し上げておるわけであります。  そこで、地方税と交付税の割合についてお話しがございましたが、その次の御質問の行政簡素化ということと関連はいたしますが、私は国庫支出金、特にいわゆる補助金と称せられるものについてはかなり整理すべき点がありはしないか。それが整理されることによって浮いてくる地方の歳出相当額というものはあるいは地方税に移譲する。なお地方税に移し切れない面というのがあるわけでありますが、そういうものは交付税で吸収するということにより、つまり国庫支出金をある程度減らしながら、その減らした分を地方税と交付税と地方債収入の比重の増加というところに持っていく。それからさらに、地方債については、特定の都市あるいは府県等については、そういう支出金からの振りかえ相当分をこえたもう少し積極的な財源調達ということに活用すべきではないかということを感じております。  行政簡素化でございますけれども、行政簡素化はやはり第一はいまの中央、地方を通ずるいわゆる補助金行政というものの簡素化、まず第一にその簡素化をはかることによって地方団体として非常に繁雑な事務に追われないで済む人員というものが生まれてくるのではないか、それが、あるいはその地域住民に直結する行政にいくかどうか、それをそのほうに振りかえる必要があるのかないのかということは、それは全国の多数にのぼる地方団体のそれぞれのあり方によって結論すべきことであって、一律に、現在住民のための行政に向けられる人員が不足しているということはなかなか言い切れないのではないかというふうに私は感じておるものであります。一般的に申しまして、私は地方団体の性質にもより、またそれぞれの地域住民のものの考え方にもよりますけれども、一般的にいって、日本の地方団体の事務というものが、はたして合理的に行なわれているかどうかということについては、検討の余地があるのではないだろうか、それが直ちに人員整理ということにいくかどうかという前に、その検討がなされてしかるべきではないかというふうに思います。そこで、住民の要求がある場合には必ずしも整理されないという場合もありましょうし、あるいは住民の要求があって整理をしようということになれば、それは整理するのもやむを得ないので、一がいに、足りないから現在足りないというふうな結論を出すことはなかなかむずかしいのではないかという感じを持っております。つまり具体的な団体の実情に応じて決定せらるべき問題である、こういうのが私の持っておる感じでございます。たいへん抽象的なお答えで申しわけございませんが、この程度にいたしておきます。

加藤武徳全国知事会代表岡山県知事

○加藤参考人 税源が地域的に片寄っております現在といたしましては、交付税制度はやむを得ない制度であろうと思うのでございますが、ただ、これが配分につきましては、できるだけ実情に沿い得ますようなことであってほしい、かように思うのでございます。大きな方向といたしましては、過疎地域に対します十分な処置でありますとか、あるいは産業や人口が過度に集中しておる大都市等へ十分に気を配りますことも必要でございましょうが、ただそういう中におきまして、標準公共団体等に対しまして若干手薄であったのではないか、かような感を強く持ったのでございますが、先般このことにつきましても配意が願えておるようでございますから、今後いろいろの面で検討すべきことはございましょうが、私は交付税制度は必要な制度であろうと思うのでございます。また、現在の三二%という交付税率に満足しておるのでは断じてございませんで、今後交付税率の引き上げにつきましても格段の御配意を願いたい、かように考えるのでございます。  それから、公共団体に対しまして自主財源の強化につきましても、私は先ほど、従来道路計画改定の際に燃料税に手をつけなかったことはなかった、かような言い方をいたしたのでございますが、ガソリン税にいたしましても、あるいは軽油引取税にいたしましても、私は当然引き上げてもらうべきものだ、かような考え方をいまも持っておるのでございますし、次年度以降につきまして特別な御配慮を願いたいと思うのでございます。同時にまた、国税の中で地方税に移譲していただくべきものが、また可能なものが私はあると思うのでございまして、さような税源の移譲につきましても御配慮を願わなければならぬ、かように思っておるのでございまして、さような方途を多元的にとっていただくことによりまして、地方公共団体の自主財源の強化の方向での御配慮をいただきたい、かように思っておるのでございます。  それから、人員整理の点でございます。たまたま岡山県の場合三カ年で五%の人員整理をやったことを先ほど申したのでございますが、これは知事部局のみならず、警察官も、また教職員も同様の措置をとったのでございまして、ただいたずらに機械的に人員整理は行なうべきではないという基本の考えで実施をいたしたのでございます。行政事務の簡素化をはかりまして、必要でない許認可事項等は大幅に整理をいたしたのでございますし、また決裁の権限等につきましても、大幅に下部へ移譲する、かような措置等をとりましたし、また、出先機関につきましても、大型化を考えまして、近代的な行政組織に持っていこう、かような努力と相まっての人員整理であったのでございまして、結果といたしましては、地域住民へのサービスを低下させることなくして、むしろ向上せしめながら人員整理が可能であるのではないであろうか、かような見方をいたしておるのでございます。ただ、しかし、各都道府県や市町村によりましていろいろ実情が違います。一律に各市町村、各都道府県に同様なことをしいますことは非常な無理があることもよくわかるのでありまして、日ごろからそういう努力を絶えずしておりまして、安い地方公共団体の行政という考え方に徹しておりますところもあるのでございますし、また、そうではないところもございましょうから、その辺は各公共団体の実情に応じた措置をとっていただかなければならぬのではないであろうか、かように私どもは思っておるのでございます。  ただ、国の場合もそうでございますが、というよりも、国の考え方を今後大幅に変えていただかなければ、なかなか地方公共団体のみで努力をいたしましても十分な成果があがりにくい、かような感じを強く持っておるのでございます。国は依然として縦割り行政を強く考えまして、出先機関の強化を頭に描いておると思えるのでございますから、さようなことであってはならぬと私どもも思うのでございます。現在の国の出先機関にいたしましても、大幅に整理が可能でございます。また、地方事務官等につきましても、年来私どもが要望を続けてきておるのでございますし、また、補助金につきましても、あまりにも小さい補助金が出ており、また、その補助金を理由にいたしまして、公共団体に何といいますか、影響力を強く与えようというような意欲が中央に強く残っておりますことは、私どもが日ごろ残念だと思っておることでございますから、さような面についても今後十分な配意を願わなければならぬのでございますし、それから中央の政策でございますが、私どもは、財政の硬直はむしろ政策の硬直化だ、かような言い方をさえいたしたのでございます。中央が一つの政策をきめまして地方においてこれを実行に移す、そうして、その政策が十分こなれ尽くしておらぬ段階でさらにこれが改変されますとか、新しい政策が次に生じてきますとかというようなことが、地方では実際の行政上の混乱を招いておる、かような場合も多いのでございますから、中央におきましても、ぜひそういう面に十分な気を配っていただかなければならぬ、さようなことを総合いたしまして初めて地方公共団体がしゃんとしてくるのでございまして、財政の面でも、また行政の面でも、中央と地方はさような相関関係がございますので、ぜひ中央においてもそういう御配意を十分にしていただくことが必要ではないであろうか、かように感じておる次第でございます。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 人員整理なり機構の縮減なりの問題につきましては、われわれ都市におきましては、中央とまた違った観点に立たなければならぬと思います。  第一点は、管理部門、事務部門と現業部門、この二つをまず分けて考えなければならぬと考えます。管理部門あるいは事務部門におきましては、コンピューターの採用あるいは事務のやり方、そういうものによりまして削減可能な機構なり人員なりは削減いたしますが、現業部門におきましてはそう簡単にまいらないと存じます。特に保育所とかあるいはその他の社会福祉施設、また病院とか、学校とか、そういうものが新しくできてまいりますので、むしろ増員しなければならぬ現実の要請がございます。これに対して事務部門で事務の改善によって削減し得た定員を回すという考え方をとっております。したがいまして、第二の方針としては欠員不補充ということをできるだけやっていく。したがいまして、現実に人員を減らすのではなくして、新しく起こる需要を事務の改善によって生み出した人員でもって埋めていく、こういう考え方をとっておるのであります。  なお、人員を削減いたしますときには、それが労働強化にならないように事務を平均化する。ある部門におきましては過重になり、ある部門におきましては過去から若干の余裕がある、そういうふうなものをできるだけ事務量の計算をいたしまして平均化していって、労働強化にならないように努力する、こういうふうな方針をとっておるのであります。  なお、現場におきましても、たとえば最近実施いたしました学校無人化等によりまして現業員等は配置転換をすることも現実にはできたのであります。したがって、事務事業のやり方によって縮減をする、しかもその縮減は増員のあと埋めにしていく、こういうふうな考え方を現在神戸市ではとっております。したがって、現実に人員整理ということを行なってはおりません。  それから、外郭団体の問題でございますが、御指摘のありましたように、中央なり府県なりの統制下にある外郭団体もございます。こういうものは政策によって決定されなければならぬ問題でございますし、その他の市独自の外郭団体につきましては、むしろ事務量の増高等によりまして外郭団体で処理をするのが適切であるものがございます。その範囲でありまして、そうたいした数ではございません。  また、民間委託の問題ですが、これには二種類ございます。一つは、民間に委託することによりまして地方公共団体としてのサービスが低下するようなものは民間委託すべきではない、かように考えております。しかしながら、たとえば有料道路の切符を徴収するとか、そういうふうなだれがやりましても別にサービスにそれほどの影響のないようなものにつきましては、民間委託あるいは外郭団体委託というふうなことを行なっております。  以上でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 関連ですから簡単にお尋ねしたいと思います。  まず、岡山県知事さんにお尋ねしたいと思うのですが、ただいま山本委員のお尋ねの中で、地方事務官の問題をちょっと触れられましたが、私は、少なくとも知事会の代表でおいでいただきます方に一番期待いたしましたのは、五%人員云々というようなこともありましたが、そういうことではなしに、二十二年間、長い間懸案になっております地方事務官の制度に対して、知事会としても相当長い間運動もしてこられたでしょうし、はっきりした見解をお持ちだと思うのです。もう少し冒頭からこのお話はあってしかるべきだったのではないかと思うのでありますが、この地方事務官制度に対する知事会としての御見解をお示しいただきたいと思うわけであります。  第二の問題は、神戸市の助役さんにお尋ねしたいと思うのですが、いろいろ中央で配慮いただきたいというお話は聞いたのでありますが、指定市が健康保険を三十六年にお始めになりましたね。その際にもそうであります。それから、さらに事務移譲をされました昭和三十一年、この場合もそうだったのではないかと思いますが、地方財政法の十三条に「あらたな事務に伴う財源措置」という項がございまして、地方公共団体が法律、政令に基づいて新たな事務を行なう義務を負う場合においては、中央の財源措置について不服がある地方公共団体は、内閣を経由して国会に意見書を提出することができるという規定がございます。少なくとも、こういう規定を堂々とお使いになることが必要ではないだろうか。何か中央政府に対して配慮いただきたいというようなお願いの姿勢ではなしに、法律的に許されております地方公共団体の権限をもっとお使いになる、こういう点が足らなかったのではないかという気が私はいたすのです。これに対するお考え方はどうでしょうか。  それから、さらに、いただきました資料を見ますと、超過負担について指定市の場合は非常に多いということを言っておられます。そうした場合は当然、これまた地方財政法の二十条の二に「支出金の算定又は支出時期等に関する意見書の提出」という項がございまして、支出金の算定等にあたって不服がある地方公共団体は、自治大臣を経由して内閣に意見書が提出できるという規定もあるわけでございます。こういうものをやはり同様にお使いになる積極的な姿勢が地方公共団体としては必要ではないだろうか。いままで調べますと、この二十条の二とか十三条をお使いになったケースというものはないそうでありますが、そういうところに現在の地方公共団体の姿勢の足らなさがあったのではないかという感じを強くいたします。今後この財政法の十三条、二十条の二を使うという積極的な姿勢がございますか、お尋ねをいたしたいと思うのであります。  最後に、遠藤教授にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、地方公営企業が非常に危機に立っているという状況については教授のよく御案内のとおりであります。単に独立採算を強調するだけではこれは何ら解決にならぬということも御指摘のとおりであります。したがって、教授があげられました長期低利の融資をもっと考えるべきではないかというようなお話であります。そういうことに対して、私どもも、独立採算の強調だけではだめだ、もっと長期低利の融資が必要であるという点については、お互い理解しているところでありますが、具体的にどのような構想を持ってこれに取り組まれたらよろしいのか、もしそういった具体的な構想があればお教えをいただきたいと思うのであります。  以上です。

加藤武徳全国知事会代表岡山県知事

○加藤参考人 地方事務官制度の廃止は、知事会が年来主張してきておるところでございまして、ぜひ早期に実現をしていただきたいと思うのでございます。ただ、現状におきましては、事務処理の上でも、また人事の問題につきましても、厚生省、労働省が十分連絡をとってくれており、実際上の弊害はさほどないのでございますが、理論的にはきわめておかしいと思うのでございまして、ぜひ早急に廃止を願いたい、かように思うのでございます。  それから、御質問はなかったのでございますが、国の出先機関につきましても、先ほど申しましたように、ぜひ、整理すべきものは大幅に整理をし、公共団体に移譲すべきものは大幅に移譲をしていただきたいと思うのでございまして、それが地方公共団体の自主性を強化していくゆえんだ、かように考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 健保あるいは事務移譲等につきまして地財法十三条の申請をしたかどうかというお尋ねにつきましては、実はいたしておりません。われわれといたしましては、陳情を申し上げたり、あるいは市議会の意見書を提出したりいたしまして、それによって解決をしたい、かようにいままで考えておりまして、やってまいりました。  なお、超過負担の問題について地財法二十条の二の申請も現在まではいたしておりません。これも同様の見解でもってやってきたのであります。しかしながら、今後一体どうするかという問題につきましては、指定市全体でよく相談し、できるだけこの法条を活用するような方向に努力いたしたい、かように存じます。

遠藤湘吉東京大学経済学部教授

○遠藤参考人 公営企業の問題は、どうも私もお答えするような名案がございませんけれども、さしずめ考えられることは、とにかく借りかえの措置をできるだけ大幅に認めていく、そして、その借りかえ債についての利子補給を国がかなり大幅に供給するということであります。  それからなお、一般会計負担分については、もちろんそこで一応の限度はありますけれども、その一般会計負担分の中でやり得る余地がないかどうかということを、それぞれの企業において検討される余地がまだ残されているのではないかという感じがいたします。しかし、公営企業の状態というのは、御案内のように交通事業、水道事業、病院事業、それぞれによって、またその団体によって事情が違いますので、いま申しましたことは、それぞれの個々の団体に即してできるかできないかということを考えてみなければ、にわかに一律に言い切れない面もあろうかと思います。私は、非常に残念なことでありますけれども、ある程度は料金が上げられていくということも、事業の性質によって、それからその地域の実情によって避けられないこともあるであろう、ただ、その場合に、その料金の体系というものが、従来考えられていたような体系でいいのかどうかということについても根本的に検討してみる余地がまだ残されているのではないか。と申します意味は、つまり利用の状況に応じてかなり料金に段階をつけると申しますか、あるいは、それこそ受益の度に応じた料金の体系というものを組み直すということもなお検討の余地があるのではないか、料金改定についてはそういうことを考えております。  大体以上でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 時間も迫っておりますから、せっかくおいでいただいておりますので、私簡単にひとつお聞きしたいと思います。  地方行政の大家も見えておりますし、それから関西の実際に地方行政をなさって御苦心をなさっておる両巨頭が見えておりますので、この機会ですからお話し合いをするかっこうでいろいろな御意見を承り、お教えをいただきたいと思います。  私も地方行政に初めて出まして、わからぬことが多いですから聞きたいのです。簡単に申しまして、私三つふしぎな点をきょう話を聞いておって感じたのです。  その一つは、岡山県知事さんも、それから神戸市の助役さんも、お話しの中で、非常に地方財政上御苦労なさっておる姿が如実に出てきたですね。行政の担当者としてここまで追い詰められてしまって、そして国のほうから補助金だとか、あるいは交付税だとか、あるいは国税の中で移管するべきものがあるだろうとかいうようなことをいろいろ述べられておるのですが、事ここに至るまでにこれを解決できなかったのかどうか。これは、もちろん思いがけない都市に対する人口の過度集中ということも、それは不測の事態としてあっただろうと思うのですけれども、なぜこれが解決できなかったか。こういうことを考えてみますと、山口さんもその話に触れられましたけれども、知事会あたりで相当に強く言うべきことはまとめて言われる必要があるのではないかと思う。良二千石といって、知事さんといえば私はもうちょっと、中央にそんなに隷属するかっこうでなくて、中央を叱咤激励するくらいなかっこうでおられるのかと思っていたら、きょうも見ておって、どうもそうではないので不審で納得がいかぬのですよ。どうかお願いします、皆さんのあれでというような、まあ謙虚な姿勢はいいですけれども、そういう感じがひしひしとして、知事さんというものはなかなか御苦労な仕事だなと思って驚いたのです。しろうとが言うことですから失礼に当たっておったらお許しいただきたい。いま知事さんから非常に力強い一面を見せていただいたのですけれども、それを言うと、やっぱり周囲におられる方に差しつかえる面もあるのかもしれませんが、その辺をひとつ聞かせてもらいたいと思います。  次に、私も社会党の国対のほうに顔出しておりますと、最近ギャンブルをやかましくあっちこっちから言うてこられる。こんなものは大体やめるはずだったのです。それをやっぱりこんなところに根拠を置いて地方行財政をやらねばならぬところに私は悲劇があるのではないかと思う。これはやっぱり地方の政治姿勢も正し、中央の政治姿勢も正す中から何とか是正しないと、それで七億とか十四億とかの財源があるといっても、それは庶民のなけなしの金を、何とかもうかるだろうと生活が苦しいあまりにそういうことを考えるのですが、逆に生活苦におちいってしまう。こういうことが連鎖的に起こっているのですね。これを地方行政の長となる方が、それに目を向けないで国会に陳情に来なさる、私らのところへどんどんやって見える。情けないさたの限りですね。これも私ふしぎに思う第二です。  第三は、幸い私は兵庫県ですから、鳴門架橋のことには力を入れております。宮崎さんも力を入れておられるのですが、岡山県はまた瀬戸大橋で、両巨頭がここにおいでになっているのですね。そういう地域の考えを抜きにして私はお二人に聞きたい。私は国のお金があればどっちにもつけたいですよ。しかしながら、それはいかぬ。国はさてどっちにもつけてあげるというようなかっこうで、ほんとうに、まあ悪く言えば、地方の自治体をちょろまかしておるというか、えさをぶら下げているようなかっこうです。根っからようきめない。そうして、両方とも可能だというようなかっこうです。こういうかっこうでありますけれども、これに両方とも多少ペースに巻き込まれているのではないかと思う。どっちが悪いか知りませんけれども……。そこで、こういうことに地方の経費の持ち出し、超過負担、それから公営企業の赤字というものがあるのですね。この中にこういう問題をどう位置づけるのか、ここに持ち出しが相当あるのではないかと思うのです。これは宣伝もしなければならぬし、こういうことに持っていったのにも私は両方とも問題があると思うのです。事ここに至ってどろ仕合いをするなら、両方とも引き分けということになります。だからその点は、どういうように両方とも考えておられるのか、これはお二人おいでですから、ぜひ聞かせてもらわないといかぬと思うのです。お答えによってはまた再質問します。私は納得がいかぬともう一ぺん聞かせてもらいたい。せっかくおいでになっているのですから、知事さんにお話しする機会がありませんからよく聞かせていただきたいと思います。

加藤武徳全国知事会代表岡山県知事

○加藤参考人 御鞭撻をいただきましてありがとうございます。知事会としましても、また私個人といたしましても、強く政府にアッピールいたしておるのでございますが、そのやり方等につきましてもいろいろございましょう。ただ、現在の地方公共団体は国と密接な関連を持たざるを得ない制度なり組織であるので、したがって、私どものみが大いに意気高く発言をいたしましても、なかなか実効のあがりにくい面がございます。声の大きい小さいによって結果が云々というようなことは考えないのでございますが、声が小さくても私どもの意のあるところは十分にひとつ御了解を願いたい、かように思うのでございます。  それから、二番目の御質問のギャンブルの点でございますが、戦後二十数年を経過いたしまして戦災復興でもあるまいと私どもは思うのでございますが、ただ現在施行しております公共団体等では、いろいろ内部の事情があるようでございまして、ここで私ども知事会としての画一的な意見が出しにくいのが残念に思うのでございます。  それから、本四連絡橋のことにつきましてたいへんに御配慮いただいておるのでございますが、私どもは政府に対しまして、正しいものさしを持つべきだ、このことを主張してきておるのでございます。それは、限られた財源によりまして建設をされるのでございますし、また直接、間接に国民の負担にかかることは申すまでもないのでございますから、技術的にかけやすい点を選ぶのが当然でございますし、また建設費が安く、そして経済効果のすばらしいものでなければならぬのでございましょうし、また海上航行の安全も大きな要素でございますし、また国土総合開発的な見地からお選びになるのが当然でございましょう。私どもは、さようなものさしを政府がしっかり持ちさえすれば、ただいま鉄建公団なりあるいは建設省が調査をしております正確な調査資料に基づきましてものさしを当てさえすれば、おのずから結論が出るのでございまして、その結論には私どもきん然と従うつもりでございます。ただ、本四連絡橋の架橋につきまして、ただいたずらな競争などはすべきではないということで、私ども戒めてまいっておるようなことでございまして、このために冗費等は使用すべきではないという基本の考え方で臨んでおるのでございますから、これまた御了承いただきたい、かように思う次第でございます。

宮崎辰雄指定都市代表神戸市助役

○宮崎参考人 いままで財政が困窮するままにまかして、どうしていままでに解決できなかったかというお尋ねでございますが、指定市におきましては、組織として市長会並びに指定都市の事務局を持っております。しかしながら、市長会におきましては、何と申しましても少数の数でございますので、われわれの現状を御説明申し上げ、あるいはまた、いろいろな御要望を申し上げても、市長会全体として取り上げていただくということが非常にむずかしい状況がございます。したがいまして、いままで指定都市のみで運動を続けておったのでありまして、そういうことでなかなか解決をいたさなかったというのが現状でございます。現にわれわれは、できるならばみずからの自主財源によって大都市の行政需要をまかなっていきたいと考えておるのでございますが、国家制度全般の中の地方行政でありまして、それがなかなかできないという現状でございます。そういうふうなことでいままで解決を見なかったというのが実情でございます。  それから、第二点のギャンブルの問題につきましては、御指摘のようにわれわれも考えております。しかしながら、これも現状の財政事情から見ますれば、いま直ちにこれを失うということはとうていできないことでありまして、したがって、何とか財源の確保をはかり、その上でこういうものを徐々に整理していくというふうな方向をとりたい、かように考えておる次第であります。  第三点の本四連絡橋の問題につきましては、われわれは経済効果のあがるものをやるべきであるという観点に立っております。しかしながら、これらの点については、政府においてすみやかに決定せられますれば、それに伴ういろいろな問題が起こらないのではないか、したがって、すみやかに決定していただくことが最良の策である、かように考えております。われわれが使っておりますいろいろな経費につきましても、むしろ調査費、すなわち明石海峡についての潮流、水深あるいは風速、耐震の程度、そういったものに対しての調査を中心といたしておりまして、運動費的なものは比較的少額でございます。しかしながら、それも現実には若干の支出をいたしておりますので、なるたけ早く決定していただく、そして、そういうような支出が少なくて済むようにしていただきたい、かように考えておる次第でございます。  以上でございます。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  次回は、明後四日木曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時七分散会

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