大蔵委員会 第35号
- 発言数
- 131 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/05/22
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 税制、金融及び証券取引に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。広沢賢一君。
○広沢(賢)委員 私は最近行なわれている金融制度調査会、それから税制調査会の問題について二、三お尋ねしたいと思います。第一番目に、金融の問題ですが、金融制度調査会にいろいろ発表した資料ですね。大蔵省の銀行局が金融制度調査会に提出資料というのがいろいろ発表されております。新聞に若干出ておりますが、たとえばいろいろの専門雑誌には詳しく出ております。ところが、それについては国会にはまだそういう関連資料が出ていないので、正式に国会として取り上げるということには、なかなか資料が不十分だと思うのです。今後やはり七月、八月、九月を目標にして全般的な金融再編成の問題が起こってまいります。それに対して国会としても、十分この問題に取り組んでいかなければならぬと思いますが、今後、国会に対して、金融制度調査会の各種の中間報告についてはいかがお考えになりますか。銀行局長から……。
○澄田政府委員 現在、金融制度調査会の特別委員会で一般民間金融機関に関する問題を検討しておりまして、そのつどいろいろの資料を委員に出しまして検討してもらっているわけでございますが、その間に、たとえば最近でいえば「今後の金融をめぐる環境」というような点についての委員の御意見を中間報告的に取りまとめたものがございます。大体これから先も、ときどきそういうようなことである段階において議論の一まとめをして次に進んでいくということになり、最後はもちろん答申において集大成されるような形に持っていくことになると思います。その過程において、中には議論の途中で資料自体も中間的な資料あるいはその部分的な資料などから補足を要するもの等も多いと思いますが、たとえば中間段階で取りまとめたもの等についてもし御要望があれば、これは十分御検討いただく意味において、大蔵委員会のほうにそういう資料は資料として差し上げるということはもちろんいたすつもりでおりますが、御要望に応じてその辺は適宜やりたいと思います。
○広沢(賢)委員 それでさっそく、いま言われた「今後の金融をめぐる環境」という資料が専門雑誌に出ておりますから、それをもとにして、私は土地の問題について若干お尋ねしたいと思います。 この資料によりますと、日本の金融構造の特色として第一にあげているのは、わが国の経済が従来、民間設備を中心として高度成長を続けてきたその反映として、投資活動のにない手である法人企業が金融面の最大の借り手であり、一方貯蓄形成の主体である個人が最大の貸し手であるという問題です。最近は国債発行によって政府の借り手としての地位が高くなって、企業とほぼ同じだというようなこと、これが第一番目にあげられているということは、私は重要だと思うのです。これは特に物価が上がっているときに非常に重要な問題をはらんでいると私は思います。現在の金融資産の表の中で——表といってもいろいろありますが、統計の中で、個人がいろいろ貯金をしている短期、それから貯蓄性預金、それから信託、保険、全部合わせますと、大体どのくらいになるか。銀行局長から……。
○澄田政府委員 郵便貯金あるいは農協に対する預金というようなものを全部含めましての貯蓄の総額は、四十三年の二月の算定の数字でございますが、四十七兆三千億ばかりでございます。
○広沢(賢)委員 それは法人企業と個人企業と一緒にしているわけですね。個人では、四十年度末では大体二十二兆円くらいですか、個人の貯蓄ですね。
○澄田政府委員 いま手元に個人と分けた数字を持っておりませんが、法人以外の企業も含めた個人というと、大体そのくらいではないかと思います。
○広沢(賢)委員 そうすると、まず第一にお聞きしたいのは、物価が平均して六%くらいずつ上がります。ことしは四・五%の見通しだけれども、消費者米価のスライドがありますから、それではおさまりがつかない。大体年六%とすると、二十兆円か二十二兆円の個人貯蓄の元金にこれをかけますと、一年間に約一兆三千億くらい減価をする。領金のお札の値打ちがなくなるというように解釈していいですね。
○澄田政府委員 物価の問題でいろいろ議論がある点は御承知のところでございますが、消費者物価が上がるという中には、いろいろ消費性向が変わってくるという問題、あるいはその質がよくなる。製品によっては、大量生産の製品等については、質の内容が変わってくるという問題を含め、直ちにいまおっしゃるような二十兆に消費者物価上昇率をかけたものだけが貨幣の減価、あるいは元金の減価、こういうことになるかどうかという点は、いろいろな御意見があるのではないかと思うのです。
○広沢(賢)委員 しかし、大ざっぱにいえば、減価が生じる。これは常識だと思うのです。物価が上がるのだから、それだけの分はやはり値打ちが下がる。ところが、いま私が読み上げましたこれでは、その個人の貯蓄が最大の借り手の法人企業に、銀行を通じ、または金融債を通じ、その他を通じて集中し、法人企業はこれを設備拡張とかその他の土地取得等々に回していく。大体法人企業は物にかえ、株券にかえ、土地にかえる。法人企業のほうは、物価が連続的に上がるような忍び寄るインフレーションのもとでは、これはかえって得をする立場に立っと理解してよろしいですね。
○澄田政府委員 物価上昇によります法人の利害という点も、これもいろいろな面があって、必ずしもそれが全部利益になるというようなものではもとよりないわけでございます。金融機関から法人が借り入れました資金も、それは設備投資、設備資金のほかには運転資金等いろいろあるわけでございます。それが物価上昇によってその反射利益を受けるというようなものにすぐつながる、そういうことはないんではないかと思います。
○広沢(賢)委員 この間、只松委員が質問しましたが、銀行が多くの不動産の子会社を持っている。その銀行の子会社が土地をいろいろ買うということについて、一覧表をお見せして、大体事実としてこういうことがあるということはお話しになりました。大蔵大臣もお聞きになったと思います。 ここにまたもう一つ資料があります。保険会社ですね。保険会社は銀行と違って直接子会社がなくてもいろいろ土地投資やなんかもできることになっていますが、生命保険会社二十社が一九六六年に大体投資している額は、二千九百九十六億円くらいにのぼる。大体それで間違いないと思いますが、調べたことございますか。
○澄田政府委員 どうもおそくなって恐縮でございますが、あとで確かめて御返事申し上げますので……。
○広沢(賢)委員 突然だからあれですが、保険年鑑からとったのでは大体二千九百九十六億円投資している。ところが、同じ年の東京都の、これは二十三区ですね、三多摩を含めない、こういうところでの公共、民間合わせて住宅以外の建設投資が千九百億。というと、これは建設投資、ビルを建てたり建築ばかりやるのじなくて、大部分が、保険会社の投資は土地を買っているということを私たちは推定するのです。 話を変えますが、建設大臣の私的諮問機関の土地問題懇談会というものがありますが、それが発表した地価値上がりを押える根本的な対策というのがきのう新聞に発表されております。この新聞発表でいろいろ対策が講じられていますが、たとえば価格公示制、それから土地の空閑地税、これはあと税制で出てきますが、そういうことをやることに対して産経新聞の解説ではこういうふうに書いてあるんですよ。「また、現在の地価上昇は、需要増を背景に、大企業の思惑による土地買い占めや、投機的な売り惜しみがいっそう拍車をかけている。これをやめさせるのが、最優先の対策のはず。ここに焦点をあてた具体策がほしいところだ。」と書いてあるのですが、この土地問題懇談会の案でもそれについては十分でないということなんです。これはあと税制調査会の問題でお聞きします。 私がいま言おうと思うことは、つまり国民は、国民所得計算のあれを見ると、大体二〇%の大台をこえる高い貯蓄率を示している。この貯蓄率は、社会保障が乏しいからですね。何でも貯金しなければならぬ。その貯蓄の中には、教育費、かわいい子供さんの教育費もあるし、それから老後の心配もあるし、その他ありますが、やはり一つ重要なことは、土地を持って家を建てたいということで貯金をしている人もいると思うのです。ところがその人が、私がさっき申し上げましたように、毎年大体六%の減価だと、五年では五、六、三十で三〇%、一〇〇のうち三〇がなくなっていく。まあ利子が五分だとか四分だとかありますが、しかし損をするということはいえると思う。まして土地の値段というものは戦前から比べると二千二百倍くらいに上がっていると思うのです。その一方でもってこういうようなことが、大きな会社で、貯金を集めたものがとんとんと——たとえば生命保険会社がいまあげた例ですね。そのほか損害保険、それから普通の銀行もこの間只松委員が言ったとおりなんです。だれだってこれは、物価の値上がりよりも土地の値上がりのほうが大きいから、もうけを中心にすればそっちへ行くということになる。そういう状況になれば、簡単にいうと、春秋の筆法をかりますと、国民が土地を買おうと思って一生懸命貯金をしたらばかえって大企業、金融機関を通じて土地の値上がり買い占めに結果するという、こんなばかげたことになると思うのですね。こういうことについて、こういうことはいけないことである、不公平なことであるということについて、大蔵大臣はどう思われますか。
○澄田政府委員 まず私のほうから申し上げますが、ただいま例示して御指摘になりました保険会社の不動産投資でございますが、生命保険会社は御承知のように住宅関係の、住宅と結びついた保険等を保険の種類として出しております。それからこれは保険会社自体あるいは関連の会社というものを通じまして、住宅建設、宅地造成等を、ことに最近はそういうほうに重点を置いてやっておるわけであります。したがいまして、不動産投資がすべて——投資の中には必ずしも住宅に充てられないものもあるというような意味において、いま御指摘のような問題もございますが、不動産投資は一番重点はそういうようなところでございますので、これはやはり住宅問題の一つの解決への努力というような点もないわけでもないわけですので、そういう点を入れて土地に対する投資というものも考えなければならない、かように存ずるわけでございます。
○広沢(賢)委員 私がお聞きしましたのは、京成電車とかその他の電鉄会社がみんな宅地分譲なんかをやっている、こういうことがあると私は思いますが、やっているのはこれはもうけをねらっているのです。いろいろの委員会で、土地開発による値上がり、これをどうやって吸収するかという問題が議論になっているわけです。したがって、税制調査会でも今度は土地税制が問題になると思います。思い切った対策を立てなければこれはだめだということがいわれている。ここに新聞がありますが、たとえば田中角榮さんとそれから社会党の江田三郎さんと、みんな各いろいろ土地対策についての案を出しておる。その案に対して学者の批評した文句は、これだけではきわめて不十分だ、こういう議論がある。これが社会問題ばかりではなくて政治問題になっているのです。そういう点から考えると、私がさっき申し上げましたことは、これは金融機関性悪説じゃないのですよ。いろいろずっと考えてみると、大筋において個人貯蓄がそういう形で大きな企業のいろいろ土地投資その他に、それからあとで宅地分譲しても、その間のいろいろの利益に相当吸い取られるということはあり得ることでしょう。そういう事実は大蔵大臣はあり得ると言われますか。
○水田国務大臣 事実はあり得ると思いますが、しかし、国民全体の貯蓄がどこにこれが有効に活用されておるかといいましたら、まだ土地投資への比率というものはそんなに大きいものではないというふうに思います。
○広沢(賢)委員 私は相当大きいと思います。これは今後調べなければいかぬと思うのです。これは調査してきちっとした資料に基づかなければ、それについての対策が立てられないと思うのです。私がさっき申し上げた生命保険の二十社では二千九百九十六億、その中でビルディングを建てたり何かすることはあるでしょう。そういうものも、生命保険会社が支店をつくったり何かすることを除いても、大体二〇%を除いても、これはたいへんな額が投資されているということはわかると思うのです。これは金融機関ばかりではなくて、もう私鉄の会社から日通からその他が全部総がかりでやっているのです。土地の値上がりというのは、さっき言ったように、物価の十倍、二十倍上がるのだから、これはもうみんなそこへいくのはあたりまえなんです。 そこで、一足飛びにお伺いしますが、税制調査会での今後のいろいろ売り上げ高税の問題とか、その他同時に土地税制について、今度の国会に出さなかったのだから、この次は明確な土地税制を出すということはもう大体きまっていると思うのですが、税制調査会に対して土地税制について大蔵大臣として諮問した、それについてどういうあれがあるかということについてお聞きしたいと思います。
○水田国務大臣 税制調査会では特別の部会を設けて土地税制の問題と取り組んでおりますが、御承知のように土地問題は結局土地政策によって解決すべきで、税の果たす役割りというものはしょせん補完的な機能であって、税制によって土地問題の解決をはかるということは非常にむずかしいと思います。したがって、一時空閑地税というようなものもいわれていましたが、これも土地の利用計画というものが明確に立たぬ以上、何が空閑地であるかも決定できませんので、そういう意味で、税制調査会では取り組んではおりましたが、一方土地政策の確立というようなものを待っている部面もございますので、こういう問題が今度の都市計画法そのほかで解決しかかってきた問題も相当ございますので、これと対応して土地税制のほうの検討も進むと思いますので、大体全部の問題が答申されるか、部分的に答申されるか、これはまだはっきりいたしませんが、なるたけ早く答申を得て次の国会には出したいというふうに考えております。
○広沢(賢)委員 新聞その他によりますと、今度都市計画法が通った、それには土地利用計画がきちっときめられるのだから、今度は土地利用計画をきめて、それに基づいた税制は行なわれるはずである。大体こういう論調ですし、国民みんなの期待だと思います。したがって、この土地税制については、はっきりとした案も早目につくって、みんなで討議しなければならないと思うのです。これは重要だと思います。 それにしても土地の譲渡の分離課税、それからもう一つは空閑地税と、それから価格公示をするというだけでは、いままでの、大きな会社が子会社をつくってどんどん土地を買いあさったり何かしたという既得権はこれはなかなか退治ができないと思うのです。それを産経新聞も指摘していると思うのですが、これについてはどうお考えになりますか、手をつける必要はないですか。
○水田国務大臣 税制の立て方いかんによっては、意図と反してかえって土地の有効利用とか供給というものを妨げる方向へ税が働く可能性も十分ございますので、そこらをいま実際の問題に即して解決できるような税制の研究をやっているというところでございます。いままでいわれておりましたような、税をかけたら土地のほうが流動するだろうというのが、反対の場合も予想されることが多いというような問題がたくさんございますので、慎重にいま検討しているところでございます。
○広沢(賢)委員 大蔵大臣は私の質問には答えてないわけです。私がさっき言った大きな問題は、国民が大体気がつき出して、おかしい、不公平だ、貯蓄をしたらかえって土地建設の妨げに使われた、大きな会社がもうけているばかりだという問題については、国民の貯金でこうした不公平、資本主義はこんなに悪いものだというふうに思っているわけですから、これに対してやはり何らかの対策が必要だと思うのです。 この前、只松委員が質問したときは、税金の問題で主としてお答えになりました。子会社というものをこの前私も取り上げましたが、これを通じてのいろいろの問題についてもっと研究しなければいけないと私は思います。 そこで、話を進めますが、保険会社でこういうことがある。ある関西系の保険会社ですが、この社長さんは自民党から元参議院議員で出ておられます。非常にワンマンで独裁です。子会社の不動産会社を通じていままでさんざっぱら使ってしまった穴埋めに、自分個人の所有の土地を、不動産会社をつくって、それを保険会社に不当に高く評価さして買い上げさせているのですね。極端には譲渡所得税まで保険会社にめんどうを見させようとしておるということで、これは同じ保険会社の重役の中から大きな問題が出ておる。こういう事実について、やはりこれは子会社の悪用だと思いますが、銀行局長は保険会社に対する取り締まりについてどうお考えになりますか、お聞きしたいと思います。
○澄田政府委員 いまおあげになりました保険会社に関する問題は、私ども多少内容を外からも聞いておりますし、それからいままでの検査等を通じても内容を承知をいたしております。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕 現在いろいろ今後の会社の運営についても根本的に検討すべき段階であるというような考え方も、ある程度会社としてもそういうような態度で目下検討中であるようでございます。私どもも十分なおよく事情を検討いたしまして、指導監督等について遺憾のないようにしたいと思っています。
○広沢(賢)委員 つまり、一番手がたいといわれるそういう保険会社でもこういう経理の乱脈、それから個人独裁というような問題があるのですから、やはり銀行、保険会社全般にわたって、銀行局それから大蔵省の監督をきびしくしないと、今後は金融再編成の問題があるわけですし、ことに冷たい風に当たってどんどん倒れてもしかたがないから、とにかくそれでもなおかつ金融効率化を進めるという異常な決意をしておるおりですから、十分督督していただきたいと思うのです。 それから、その次に私がお聞きしたいのは税制調査会の問題ですが、土地税制は先ほど伺いました。これもちょっと中途はんぱですが、まずお伺いしたいのは、売り上げ高税の問題です。この前、大蔵大臣がおられないときにいろいろお聞きしましたら、多くの方は売り上げ高税というのはこれはあまりいい税金ではないんだというお話がありました。ところが、最近のいろいろの新聞で税制調査会の動きを見ると、やはりこの売り上げ高税に持っていくために、サラリーマンの所得減税が必要だ、これは不公平だと、大きく新聞に出ているのですね。それからこの間大蔵大臣も言われたとおり、法人税はこれは斜陽だと言うのです。私はそう思っていませんが、売り上げ高税を今後どういう形で答申があり、それから実施するのか、大蔵大臣は前にはまだ全然準備ができていないからまだまだまだということを言われていましたが、それについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○水田国務大臣 売り上げ税の導入ということになりますと、税体系が大きく変わる問題でございますので、いま当面すぐに実施できる問題として扱っておるわけではございませんで、長期税制のあり方ということにおいてこの問題をいま取り上げて検討しているという段階でございます。やはり将来の税制のあり方として、この問題は一ぺん税制調査会でも真剣に取り組むべき問題だと私は思っておりますので、その諮問をいたしておるわけでございます。長期税制のあり方という観点からいま検討しているところでございます。
○広沢(賢)委員 いま税制調査会も、それから金融制度調査会も、産業金融の非常に大きな変わり目、再編成期にあたって、国債発行が大体限度に来た——限度に来たというか、一応証券市場、それから銀行の意向等から見ると、失敗というか挫折に来ている。そうすると、税収面でもやはり根本的にいまこれからまたもう一回再検討し直そうという時期だと思うのです。だから、たとえば今後の高度成長について、金融制度調査会でも新しい四十年代はどういうふうになるかという根本的な問題の取り組みにいっていると思うのです。そういう場合に、今後の税制のあり方ということについていろいろ議論があるわけですが、その中で法人利潤税の問題が取り上げられています。 その問題に入る前に私はお聞きしたいのですが、ことしの三月期は非常に景気は、予想外に決算の状況はよかった、九月期もそうなるだろうということですね。それから法人所得の問題ですが、四十二年の国民所得で法人所得は好況を反映し三三・一%の大幅増になっているのです。というところから見ると、当初予定したよりも法人税の取りぐあいは案外伸びるんじゃないかと思われますが、主税局長はどうお考えになりますか。
○吉國(二)政府委員 御承知のように、四十二年度補正予算を組みます場合に、法人税について相当な増収を見込んだわけでございます。現在、四十二年度の決算がほぼまとまりつつございますけれども、大体法人税につきましては見込んだ数字程度にまいりました。そういう意味では、いま仰せのとおり、相当な増収を見込めたという結果になると思います。四十三年度三月決算につきましては、現在まだ最終的な申告は五月末でございますので、正式なものは私どもつかんではおりませんが、新聞等で出ておりますように、決算予想もほぼ各社まとまった段階では七・九%の増益が見込まれるとか、九月につきましてもほぼそれほど低下をしないんじゃないかという見通しが出ております。これも大体私どもが本年度見込んだ数字と一致しておりまして、そこまでは見込んでございます。むしろこの状況下でそれが減ってくるかということを非常に心配しておりましたが、ほぼ見込みどおりであるというところでございます。
○広沢(賢)委員 今後もやはり法人税について、私は所得税と並んで直接税対象として重要な地位を占めると思います。この法人税について、法人利潤税が難航しているやに新聞では書いてありますが、これについて難点はどこにあるのか、それからこれは税制調査会でもっての答申が行なわれれば、早急に大蔵省としては踏み切っていくのかについて、主税局長にお伺いします。
○吉國(二)政府委員 企業税制部会は、この十七日に会合いたしました。御承知のとおりに中間答申におきましては、法人税の現在の制度が非常に複雑化して理解しにくい形になっているので、むしろ法人が独立の社会的存在として税負担をにない得るという実態に着目をして、個人の株主と切り離された課税対象として考える方向で検討を進める必要があるのではないかという中間答申が出ております。それに基づきまして、昨年の末近く大蔵省側から事務局の一つの仮案といたしまして、そういう形をとった場合の税制のあり方はどういうものであろうかということと、それに対する問題点を記載した書類を提出したことは御承知のとおりでございますが、その直後に四十三年度の税制改正の検討に入りましたために、この仮案に対しての議論が一回も行なわれておりません。この十七日の会合においてこれが検討されたということでございます。 その際、いろいろな意見も出ておりますが、一つの問題といたしましては、法人の利潤に課税をする場合に、法人の利潤とは何であるべきか、対外的に支払いをなす利子あるいは配当、これが利潤に含まれるべきか含まれざるべきかという議論がございます。利子に対しては、これは経費であるから損金であるということで処理をして、配当については利潤の中から払うからこれは損金に算入しないということになるならば、それは利潤というのは株主が取得すべきものなんで、それに対してさらに配当課税を独立にするということはやはりおかしいのではないか。利潤税を採用するならば、むしろ法人の独立に内部留保されるべき利潤、つまり配当を損金に算入して利子とのバランスをとるのが正当ではないかという議論が一つ出てまいりました。少なくとも配当のうち一般利子率に相当する部分くらいは損金に算入しないのでは、個人、法人を通じた事業の税負担が過重になりはしないか、そういう議論も出てまいりましたし、逆に、むしろこの際、利潤というものは付加価値に近いものを求めるべきで、利子の支払いも含めた、利子を損金に算入しない、いわば総利益を課税対象とすべきではないか。さらに進んでまいりますと、付加価値税として、いわゆる加算法をとって、直接税的な意味の付加価値税のほうがより実態に沿うのではないかという議論も出てまいりました。これも議論がだいぶ錯雑してまいりましたので、それらの議論の内容を整理いたしまして、同時に直接税的な意味の付加価値税——現在EEC諸国が使っておりますような控除法による付加価値税とは違う付加価値税というものについてはどう考えるべきかという問題点もあらためてもう一回整理してみる必要があるのではないか。付加価値税につきましては、学者の御意見では、むしろ法人税よりも転嫁しにくいのではないかという議論が出てまいりました。もし転嫁しにくいとすれば、それは直接税としての体系でものを考えていける。付加価値税というものは間接税系統だけで考えるべきものでもないのではないかという議論も出てまいりました。 そんなことで、実は利潤税そのものの内容からさらに発展をいたしまして、利潤税というものを考えた基礎的な問題を突き詰めていくと、一体何が求められるべきなのかということになりましたので、若干いま議論が錯雑をいたしまして、これを整理いたしまして、次の機会にもう一回議論をすることになっておるわけでございます。
○広沢(賢)委員 法人利潤税が、あながち全部軍配をあげて、これだったらいいというわけではないと思いますが、しかし、現在の擬制説の上に立って配当と利子が不当に優遇されている、減免を受けているということについての朝野あげての批判があるわけです。したがって、この問題について何らかの抜本的な対策を講ずるのがことしの税制調査会だと思います。今後その問題についてやはり国会でも十分、調査会のあれを受けてとことんまで議論しなければならぬと思うのですが、その中で売り上げ高税については十分検討しなければならぬといま言われたが、売り上げ高税は物価にはね返る、どのくらいはね返るかという問題についてはどうお考えになりますか。
○吉國(二)政府委員 売り上げ税あるいはその変形と申しますか。その転形と申しますか、いわゆるEEC諸国でやっている付加価値税というものが物価にどのくらいはね返るかという問題は、すでにOECDの場で非常な議論を呼んでいるのでございます。EEC側はこれはすべて物価にはね返るという前提をとっておりますから、ボーダー・タックス・アジャストメントということで、外に輸出する場合には、その物価にはね返る分だけを排除する意味で付加価値税の免除という形、実際は免税という形になるわけでありますが、それをするし、輸入をする際には、付加価値税のない国で課税された物件であるから、物価水準が違うという意味で課徴金を徴するといったようなことを主張しておるわけであります。現にドイツが今度はEECの統一税制に踏み切りましたために、従来の税額還付の率を引き上げた。これを契機にしてアメリカが問題を投げかけたということになっているわけであります。アメリカの学者によりますと、付加価値税が全部完全に転嫁するということはあり得ない、したがって全額を還付することは一種の補助金を含む結果になるということをいっておりますので、現在この意見は完全な対立になっております。また、税制調査会でかつて売り上げ税を検討した際にも、景気の状況によって実際は転嫁が左右されるのではないか、景気が下降してくるときには十分に転嫁できないで、売り上げ税の負担が一部企業負担になる可能性がある、逆に景気が上昇するときには転嫁がかなりスムーズに行なわれるのではないかというようなこともいっておりまして、具体的な国の経済条件、また、具体的な時の経済条件によって左右されるというのが真相ではないかと思います。
○広沢(賢)委員 主として物価値上げにはね返ると思うのですが、それができないときには、これは卸二段階か三段階、それから小売り商、そういうところにみんな犠牲がしわ寄せされるということになりますね。大体そういうふうになりますね。
○吉國(二)政府委員 売り上げ税にいたしましても付加価値税にしても、その課税形態によって効果がかなり違うと思います。単純な多段階売り上げ税でございますと、転嫁ができない際には、いずれの段階でも転嫁ができない、あるいは一部転嫁ができないという状況が残ると思います。いまのEECの付加価値税のような形でございますと、この転嫁のあり方もだいぶ変わってくると思いますので、一律にはいえないと思います。
○広沢(賢)委員 一律にはいえなくても、大体そこへいく以外に、たとえば二%くらいの税収で、四十一年の総取引高が六十兆円で一兆二千億の税収になる。一%でもたいへんな税収になる。これが一つ魅力である、税金を取るほうとしては。しかし、それは全部過酷な、それだけの税収はどこかにひっかぶってこなければいかぬ。物価が上がるか、それとも卸、小売りにくるか。製造業者にはほとんどこないと思うのです、性質上少ないと思うのです。こういうような形で二段階か三段階でもってやってこられた場合に、これは悪税であるということは明らかだと思うのです。 ただ一つ、最近の新聞その他でもっての解説では、輸出戻し税が可能になるから、だからこれをやらなければならぬという、消極的な理由はそこにきていて、あとはみんな悪いと私は思うのですが、輸出戻し税は、これはほかのやり方でもできるんじゃないかと思いますが、その点について御検討されたことありますか。
○吉國(二)政府委員 輸出戻し税と申しますか、EECのほうでやっておりますのは、ちょうど間接税をかけたものを輸出については免除するという形、もう少しふえんしていえば、多段階売り上げ税の控除方式の形をとっておりますから、前段階において課税された税は控除される。その上、輸出物品については新たな課税をしないという結果で、結局前段階の税の控除分だけが控除されるということになる。戻し税というのはこのような形をとっておるわけでありますが、そういう意味では日本が物品税で輸出免税をやったり、輸出戻し税をやっているのとこれは同じでございます。ただ、日本の場合はあらゆる物品に物品税をかけていないというところから一般的な戻し税ができないということになるわけであります。 もう一つの問題は、間接税というものは転嫁されるとすれば、前段階にかかった間接税が次の段階では潜在しているではないか、いわゆる隠れた税があるんだから、それを戻し税として戻すことができるはずだという議論が——これはイギリスがやりました戻し税で、これはどうも大体においてそれは不当である。なぜかといえば、どれだけのものが転嫁されて、どれぐらいが隠れた税負担であるかということは、実際正確には測定できない。それを何%という仮定をすることは補助金を含む可能性が大きいということで、これはイギリスではやめるということになったわけであります。したがって、いまの段階でもし戻し税的なものを考えるということになりますと、これはやはりガットの規定その他からかなり問題があるので、これもアメリカでもガットの場でウェーバーをもらってやれるかどうかという、むしろ国際収支の点から許されるかどうかという問題はございますけれども、国内税制としてその関連が考える場合にはちょっと考えようがないのじゃなかろうかということでございます。
○広沢(賢)委員 この売り上げ高税については、これは今後具体化するにつれて、私のところへ来ているいろいろの材料でも相当神経過敏に猛烈な反対運動が起きると思います。いろいろ商人の人、それから卸売りの人、全部それぞれの自分たちの立場で考えていろいろ勉強しています。それから税理士会でもこれについてのいろいろな分析をしていますが、 ほとんど反対の意見が強いです。したがって、この売り上げ高税については、強行すれば非常に大きく混乱が生まれる。それからもう一つは、この売り上げ高税をもし法律として成立さしても、今度徴収する段階で、国税犯則取締法を使わなければならぬとか、そういう問題になると思いますが、徴税についてこの売り上げ高税を徴収するということはなかなかたいへんなことである。泉長官、その点についてはどうお思いになりますか。
○泉説明員 わが国でどういうふうな売り上げ税を取るか、あるいは付加価値税を取るか、その取り方によって徴税の問題はいろいろ違ってまいります。しかしながら、もし間接税として売り上げ税あるいは付加価値税を考えていくという場合に、いままでの物品税等と比べてはたしてどうか。もちろん課税対象がふえてまいることになりますから、そういう意味では徴税に要する人員は多く要することになろうかと思います。しかし、もちろんそういうことになれば税収はいままでの物品税等よりは大きくなることは当然であります。そういう面からいたしますと、収入は費用を補って十分余りがあると思うわけでございまして、人員さえ増加いたしますれば、徴税上さほど困難は感じないもの、このように思っております。
○広沢(賢)委員 それはやってみなければわからぬ。かつて取引高税が行なわれたときに相当トラブルが起きたということは御承知だと思うのです。大蔵大臣も記憶されていると思う。どうにもこれは悪税である、それから実行するにもたいへんだということで、取りやめになったいきさつがあります。売り上げ高税については十分検討して慎重にやらないと、今後の税体系の問題で重要な問題だと思います。私がこの間大蔵大臣がいないときに聞いたときには、ほとんどやはり反対の気分が強い、大蔵大臣だけが突っ走っているような感じが私はしました。 それからもう一つ、ついでに国税庁長官にお聞きしたいのですが、大内兵衛さんという学者がいますが、この大内兵衛さんの本を読んではいけないというようなことが税務署の中で言われたり、税務大学校の中で言われたりしている。これは間違っていることですか、それともこれは当然のことなのですか。
○泉説明員 どういうことからそういうお話が出たのか私存じませんけれども、税務大学校におきましては、御承知だと思いますけれども、普通科と高等科と研究科と、こういう三つの研修を行なっております。普通科の場合には高等学校卒業しまして税務職員になろうという志を持っている者を採用いたしまして、これを一年間税務大学の普通科において——全国八つの地方研修所があるわけでありますが、そこで一年間の研修をいたしまして、公務員としての人格、識見を高めるとともに豊かな教養を身につけさせる、また、税務の執行に必要な専門の知識、技能を修得させ、かつその応用能力を育成する、こういう教育をいたすことになっておるわけであります。その教育の過程でいろいろの本を読んで勉強をしろということを言うわけでありますが、大内兵衛さんの本を読んではいけないなどというようなことは申しておるわけではございません。
○広沢(賢)委員 そこで私、実際に証拠を持っているのです。名前をあげてもよろしいですよ。(堀委員「名前をあげなさいよ、そのほうがはっきりしていいから」と呼ぶ)これは東京の税務大学の二十五期生、藤森さんという人です。その人が全部調査表に記入しているのですが、税務大学に在学中皆さんがいろいろの本を自由に読書することについて意見を言われたということがありますか。ありませんと言う人もいるけれども、この藤森さんはちゃんと正直に、大内兵衛の本は赤い本であるから、ということです。それから小林多喜二の文庫本を見つけられたらひったくられて、け飛ばされたそうです。書だながいつも検閲され、ノートの内容が見られている、これが一つ。その次に二十五期生の猪俣さんという人、この人も言われています。それからこの人は、特に、たとえば全国税と二つ組合がありますね、一方の全国税に入ると出世できないということを懇切に何回も何回も言われています。それから阿部さんという人も言われています。阿部さんという人は、社会主義系統の学者が書いた本は読むな、大内兵衛さんを例にあげて言われているのです。健全財政の日銀の吉野さんまでが、やはり大内さんの弟子だと思うのです。ここにも相当おられると思うのです。そういうことに対して、こういうことを盛んに執拗に言っているということは、推して知るべし、税務大学校がどういうような教育をしているかわかるのです。国税庁長官はそういうことについて遺憾だと思いますか、これはいけないことだと言われますか。
○泉説明員 先ほど申し上げましたように、税務大学の普通科におきましては、高等学校を卒業して税務職員になろうとする者につきまして、一年間の研修を施して、りっぱな税務職員としてつとめることができるように教育をいたしておるものであります。したがって、その教育内容といたしましては、専門科目と一般科目、それから教養科目、こういったものがあるわけでございます。もちろんその中で、たとえば国家公務員でありますから、国家公務員法の話をする、そうして公務員としてその職責について話をするわけであります。そういった中で、たとえば労働組合の話をするときに、国税の職場においてはどういう労働組合がある、こういうことはもちろん話しております。しかし、そうだからといって、どの組合に入ったらどうだとか、どの組合に入ってはいけないとか、そういうことは一向言っておるわけではございません。それからまた、先ほどもお話しいたしましたように、税務大学の普通科の一年間の教育というのは相当みっしりと詰まった授業になっておるわけであります。その場合に、教科上参考になる参考書はあげておるわけでございますけれども、そのときに大内さんの本を読むなというようなことは、繰り返して申し上げますが、言ってはいないわけであります。あるいは過去にそのようなことがあったことが、もしかしたらあったかもしれませんけれども、現在においてはそういうことは一向言っておりません。
○広沢(賢)委員 時間がないですから、言った、言わないの水かけ論はやりません。一つ御要望しておきたいのですが、泉さんもなかなか評判はいいのですが、錦上花を添えるためには、この際、労働基準法で規定したとおり、これは九十四条ですが、寄宿舎でもって生活する人の自治ということで、使用者は事業の付属寄宿舎に寄宿している労働者の私生活の自由を侵してはならない。使用者は、寄宿生活の自治に必要な役員の選任に干渉してはならない。それから先ほど言われたとおり、どの組合はいいんで、どの組合に入ったらおまえは浮かばれないぞというようなことでのおどし上げ、こういう粗暴なやり方をとらせないように、今後はそういう点について厳重に——私は税務大学へ突然みんなでそろって行くかもしれません、いろいろ聞いてみることもできるのですから、十分その点、趣旨徹底していただきたい。 もう一つは、この間の週刊雑誌にも書いてありましたが、つまり人種差別はどうかということ。人種差別ばかりでなく、日本の国内ではいろんな差別がありますが、その問題に対して台湾出身の邱永漢、この人は朝鮮系ではないのですよ。中国系でもないのですよ。あの人が座談会に行ったときに、どうも税務署というのはチャンコロと朝鮮人については特別扱いの教育をしているんじゃないかというようなことを言われております。これはこの間の同和信用組合について、あまりにひどい問題について、これは裁判ざたになってまだ決着がついてないが、これは十分究明しなければならぬ。上の人が幾ら民主的でありたい、こうだということでいま言われても、下のほう、まん中ぐらいでどんな教育が行なわれ、どんな命令が下されているのかわからないのです。たとえばこれに出ているのですが、真偽はわかりませんが、同和信用組合に見られるように、税務署の監察と警察が一体となって調査し、直税部長が、法秩序を破る悪い者を退治したというので、局内放送をやって、そのあとで祝賀会をやっているのですね。こういうやり方を十分取り締まるというか、そういうことはないようにしてもらいたい。これは祝賀会をやるほどのことじゃないです。 だから、もっとよく実情をごらんになっていただいて、十分国民が納得する親切な税金の取り方についていろいろとくふうしていただきたいと思うのです。これが民主主義国家の基本だと思うのです。一つは、税金を親切に納得のいく形でもって自主申告に基づいて取っていくということ、それから大口脱税を取り締まるということは賛成です。それから、すべて一切の政治的偏見、差別は持ってはならないということ、これは原則としなければいかぬ。 もう一つは、さっき私が申しました金融の面が、やはり国民は自分が貯蓄した金が、大体さっきの計算では一兆二千億の大どろぼうを毎年やられている、それは物価が六%上がるから。他方大きな会社は、土地を買い占めておる、それから子会社を一ぱい持っておるという例があがっているのです。この問題について、それでは大蔵大臣が言われているとおり、土地の投機に回る金はその中で非常に少ないのだといえば、その少ないということを立証しなければ、これも水かけ論だと思うのです。したがって、金融制度、それから税制のこと、重要な調査会がこれから結論を出す際に、ぜひとも只松委員並びに私たちの提起した疑問、これは国民の疑問なんです。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 これについて十分答えられるような資料、十分答えられるような調査、たとえば何々銀行は不動産会社を三つ持っているけれども、これはしり抜けをしてこういうふうに投機をしているんじゃないのだ、ただ不動産の管理、抵当になった土地の管理をしているだけだというようなことは十分調べ上げられないと、これは重大な問題だと思うのです。私どもは、御答弁で納得いかなければ、今度の参議院選挙の最中に、一兆二千億の大どろぼうだ、われわれの貯金がかえって土地建設を妨げている、美濃部さんが幾ら公営住宅費を苦心して出して、そして大蔵省の主計局が出してみても、こういうからくりでは、これはどうもたいへんなことになるということで、がんがんやっていきます。それは相当国民は納得すると思うのです。これは私が接したいろいろな国民の中から出てきているのです。只松委員もそうなんです。だから、この問題については徹底的に洗い直していただきたい、このように要望して終わります。
○田村委員長 堀昌雄君。
○堀委員 実は私、昨年の五月二十五日の大蔵委員会で、架空名義預金の取り扱いについて論議をいたしました。ちょうど一年たつわけでありますが、まず最初に銀行局長から、当時大臣も御趣旨の線に沿ってそういうふうにやりたい、こういう御答弁をいただき、たしか一月四日から金融機関には掲示等も張り出されておるようでありますが、この件について銀行局としてとられた措置についてお伺いをいたしたいと思います。
○澄田政府委員 昨年の五月二十五日の本委員会において、堀委員から御指摘を受けまして、その後架空名義預金等の受け入れの自粛について、各金融団体に当方の案を提示いたしまして、自主的に各金融団体は規制をするように要望をいたしました。その結果、昨年の十二月に全銀協、それから相互銀行協会、信用金庫協会等もそれぞれ申し合わせをいたしまして、なお、それらの金融機関のほかに、信用協同組合あるいは農業協同組合、商工中金、それぞれの中央団体において同様の趣旨の申し合わせを行なう、こういうことになりました。その申し合わせを待って、こちらのほうでは大蔵省から都道府県知事を通じて指導、指示をする、こういうことにいたしました。それにさらに、郵政省のほうの協力を得まして、郵便局におきましても民間金融機関に呼応して、やはり郵便局でも掲示をする、こういうことになりました。 以上の措置がとられました上で、四十三年の一月四日から店頭掲示が行なわれました。店頭掲示の内容は大体同じようなものでございますが、預金をしてくださいますとき、——掲示でございますからそういうふうなことばを使っておりますが、架空のお名前などを御使用になりますと、あとでめんどうな問題が起こる場合があると存じます。このたび大蔵省から指示がありましたので、御本人の正しいお名前を御使用くださいますようお願いいたします。こういう掲示を一斉にいたしたわけでございます。 以上でございます。
○堀委員 御努力をいただいて、一応まずスタートが切られたと思っております。 実は、私、銀行局として一応全体がそういう気持ちになって取り扱いを進められたことについては、たいへんけっこうだと思っておりますが、問題はこれからだと思うです。ただ店頭に掲示をしたらそれで問題が終わったのではございません。私が目的にしておることは、あとで金融制度調査会での論議の問題に触れますけれども、いま私どもが金融制度調査会で御論議を願っておりますことは、あるべき金融機関という姿を通じて今後再編成が行なわれるならばそれは当然望ましい、こういうことであって、そのあるべき金融機関の姿の一つの重要な桂だと私は思うのです。やはり金融機関というものは、国の法律の定めの範囲に従って、少なくとも税法その他も適正に国民が守ることについては、金融機関としても当然応分の処置が必要であるということを、実はそういう行為の中であらわしてもらいたいということを私は求めておるわけであります。だから、その点では私は、金融制度調査会の論議の中のこれも一つの重要な問題だというふうに銀行局では理解をしてもらわなければ困ると思うのです。私は、端緒として架空名義預金の取り扱いにスタートしておりますが、これは一つの具体的な問題の事例でありまして、問題は、金融機関がやはり正しく適正、公正な預金を受け入れて公正な競争をやるということであるべきであって、こういう不公正なことによって競争をしてきておることを助長してはならないというのが、いまの金融制度調査会で論議をしていただく課題の中の重要な問題だ、私はこう理解をいたしておるわけです。 ですから、その点については、これからあと国税庁長官の報告等について伺いますけれども、銀行検査等の際においても十分この問題は、はたしてそういうことが行なわれているかいないかについては、あらためて何かトレースをしていく必要があるのではないか、こう考えておりますけれども、局長はどうお考えでしょうか。
○澄田政府委員 金融機関の預金を集める態度といたしましては、御趣旨のとおりだろうと思います。掲示を出したということで終わったということであってはもちろんなりませんので、今度のトレースにつきまして、検査等の場合、これは一応匿名ということは金融機関でもわからないで受けているんだということで、いろいろ検査のしかたについてトレースの問題があるかと思います。しかし、その問題を検査する場合に、何か方法をくふうしてみるということも今後努力をいたしたいと思います。それからまた、いろいろほかの場合に、そういうケースがあがりましたときに、十分それを端緒として調べて一般にその徹底を期する、こういうこともやってまいりたい。かように考えております。
○堀委員 昨年の五月二十五日に私はこういうふうに申し上げております。大臣が「そういう方向への指導をしようということでございます。」とお答えになったので、「どうかひとつ、大臣もそういう指導をしようというお考えでございますから、これは税制当局においても犯則調査の際にはこの点をちゃんとしていただいて、ひとつ来年度に——当委員会でおそらくまた税の問題をやるわけでありますから、向こう一年間の調査の間に、全国における犯則調査を、この仮装名義、無記名、実名預金の状態に照らして、これを全部集計をしたものを来年度の通常国会に出していただきたい。そうすると、いまからのことですから、銀行局の指導その他がどういう成果があがったかということが来年度の委員会で明らかになることでもありますから、ひとつ国税庁長官、その点、犯則調査をしたときにそこだけをちゃんとチェックして集計すればいいわけで、そんなにむずかしいことではありませんから、その点について来年の当委員会に資料を提出してもらうということでひとつお願いをしたいのですが、よろしいですね。」泉政府委員が「お申し出の資料は作成いたしたいと思います。」ただ調査は、この三月の分はまだ実施されてない以前のものだからその効果は出ないと思う、こう長官答えられておるので、私もそれはそうだろう。こうなっておるわけです。 そこで長官に、ただ問題は、ことしの分を出していただかないと、今度来年のものとの間で初めてこの問題の効果があったかなかったかわかるわけですから、対比をする必要からも、いま申し上げたこの犯則調査については、サンプルでなく全部の集計したものによってこの資料をひとつ当委員会に御提出をいただきたい、こう思いますが、その点についての長官の御見解を承りたいと思います。
○泉説明員 昨年五月二十五日の当委員会におきまして、確かにそのようなことを申し上げております。私どものほうで集計いたしました結果を若干申し上げますと、これだけですぐに判断できるかどうかにはいろいろ問題があろうかと思いますが、昨年私が申し上げました四十一年度の東京国税局管内で査察をいたしました分で告発をいたしました件数の三十三件について見ますと、預金トータルのうち公表をされた預金が一二・八%でありまして、別口預金が八七・二%ということでありますが、四十二年度中の査察で告発いたしました件数の三十七件について見ますと、公表預金が四五・六%、別口預金が五四・四%というふうに、別口預金の割合が昨年の場合と比べるとかなり減っております。それから別口預金のうち、実名のもの、無記名のもの、仮装名義のものというふうに分けて見ますと、昨年の三十三件につきましては、実名のものが二・四%、無記名のものが四二・八%、仮名のものが五四・八%であったのでありますが、四十二年度の三十七件について見ますと、実名のものが三・一%、無記名のものが四九・七%、仮名のものが四七・二%というふうになっておりまして、これだけから見ますと、実名のものが若干ふえ、仮装名義のものが減って無記名のものがふえておる、こういう結果が見られます。 しかし、これは東京国税局管内での査察事件についてだけでありまして、全国的には四十一年分のほうはまだ集計いたしておりませんので、四十二年分だけを全国的に申し上げますと、全国での告発件数百十二件のうち、預金トータルのうち公表部分が三二・九%、別口預金のほうが六七・一%、こうなっておりまして、この別口預金のうち実名分が二・四%、無記名分が三三・八%、仮装名義分が六三・八%、こういった数字になっておるのであります。もちろん、これは御承知のとおり査察いたしましたものについてでありますから、これをもって直ちに査察を受けない一般の人あるいは法人についての預金の実態を示すというわけにはまいりかねるかと思いますが、一応査察で告発いたしました事件について調べたものの預金の内容は以上のとおりでございます。
○堀委員 銀行局長、いまお聞きになりましたように、これは確かに氷山の出たところだけの話でありますが、こういう事案があります。この事案について、全国及びその他については国税庁としてはどこの金融機関のどの店舗に架空名義預金があったのかということは調査済みだと思います。ひとつあなたのほうは国税庁と十分連絡をとって、四十一年、四十二年、資料が出たもについては一応当該金融機関の本店及びその本店を通じてその当該店舗に対して、あなたのところではこういう事案がありましたよ、二度とこういうことのないようにしてくださいという何らかの注意を喚起しておく必要があるだろうと思うのです。もし注意を喚起されておったところが、再びそういう当該案件に該当した場合には——最初のことは、この問題を取り上げたのはことしの一月からですから、まだこれからの問題ですが、一応注意だけは、あなたのところでこういう事案がありましたよ、この一月からはこうなっておりますから、こういうことのないようにしてくれ、こういう注意を喚起をして、注意を喚起した店舗その他の銀行においてそういうことが次に起こった場合には、それ相当の処置を考える必要があると思いますので、この点についての銀行局長の見解を承っておきたいと思います。
○澄田政府委員 いま仰せのようなことも十分考えるべきことだと思います。具体的な事例をつかまえて、そしてこういうふうな事例を通して趣旨を徹底するというようなことでありませんと、なかなかこういう問題は徹底がむずかしいことでもございますし、いまお話しのようなことを検討してみたいと思っております。
○堀委員 特に、私は銀行局長にお願いをしておきたいことは、とかく国税の調査について金融機関側がたいへん迷惑がったりいろいろする点があると思うのです。確かに業務上はそういう人が来ていろいろ書類を調べられることは、それは望ましいことではないと思いますけれども、これはやはり私は国法の定めるところとして調査をしなければならぬという実態がここにあるわけですね、ごらんのようなことである以上。これは私は国税として調査をするのはやむを得ないと思う。ですから、やはりそれについてはできるだけ協力をして、そういうスムーズな調査によって問題が処理されることが望ましい。ややもすると、金融機関側は国税とのそういう問題について、迷惑だという点はわかりますけれども、必ずしも協力的でない場合もあり得るという事例が、これまでに二、三あるわけです。都市銀行の著名な銀行でそういう問題があった事例を私も実は承知しておるわけです。そういうようなことが今後起きますことは、いま私どもが考えておるあるべき金融機関ということを追求していく中ではたいへん逆行した問題にもなるわけでありますので、十分ひとつ配慮してもらいたいことと、国税庁長官のほうでは著しく不当であるというふうに考えられる金融機関というものがあると思います。実はもう、どう見てもこれはひどいという事案が金融機関の中にも私はあると思うのです。あまりに不当なものについては、私は、場合によっては金融機関名を公表する場合もあり得るというぐらいにきびしい態度で臨む必要があるのではないか、こう考えるわけですが、国税庁長官のこれに対するお考えを承りたい。
○泉説明員 お話しのような点につきましては、従来から金融機関のうちで著しく不当だと思われるものにつきましては、銀行局のほうに連絡いたしまして、銀行局のほうから指導、監督をしていただいておるわけでございます。これをそれでは公表するかどうかということになりますと、金融機関の信用問題とも関連いたしますので、銀行局と十分慎重に相談いたしたいと存じます。
○堀委員 大臣、いまの答弁ですが、たいへん不当なことがある、金融機関というのは不当なことをしてもそれが内緒ごとで済むのだ。けれども、ほかの事業会社でもし不当なことがあったら一ぺんにそれが表に出る。私も小さな不当を一々あげつらうわけではありませんが、著しく不当なものがあるようなときには、やはり多少一罰百戒といいますか、全体の反省を求める点からも、そういうものについては公表しますよ、するかしないかは事案によりますが、しますよというかまえがあれば、金融機関がおのずから自粛をされる場合が多くなるのではないかと私は判断するのです。私はものごとというのは、刀を持っていて、抜くだけが能じゃないですよ。持っておって、いつ抜くかもしれないということで実はやはりみんな注意をするわけです。私は刀を持っておることは重要だと思うのです。抜かなければならぬと思っていないですよ。抜かなくて済むようにやることが私は政治の要諦だと思うのです。しかし刀を持たないで、まる腰だけであなただめですよなんて言うよりは、やはり私はそういうものがあることがまだ必要な段階ではないか、こう思うのですが、大臣どうでしょう。
○水田国務大臣 そのかまえは必要だと思います。しかし、私が聞いた範囲によりますと、一般の預金者のほうが架空名義にしてほしいということよりも、従来はやはり金融機関が相当の過当競争で、むしろ親切な指導というようなものが、こういう別口のものをつくってありますから預金してくれればどう、といった例が非常に多いように聞いております。ところが、これが大蔵省の指導によって、店頭にとにかくこういうふうにと書いてしまったら最後、銀行側から今度はそういうことは言いづらくなったということを聞いておりますので、これはやはりそのとおりだと思います。ああいう措置によって、今後金融機関の自粛というものは想像以上に徹底するのではないかというふうに私は考えております。
○堀委員 私もそれでいいと思いますが、だれが見ても著しく不当なもののある場合には、公表する場合もあり得るという程度のことは確認をしていただいたほうが、おのずから自粛の基準になろうと思いますので、その点、ひとつ大臣、する場合もあり得るということで御答弁をいただいておきたいと思います。
○水田国務大臣 さっき申しましたように、あり得るという姿勢は必要だと思っております。
○堀委員 それではこの部分はここまでにいたしまして、国税庁長官に対する質問を先にやっておきたいと思います。 実は、この間ここで私、酒税の問題に関連をして、酒の値上げはあまり同時に行なわれるのは適当でないし、特に二級酒の値上げについてはリベートその他の問題もあるし、今度は税金が上がらないことであるから、できるだけ時期をずらしてもらいたい、こういうふうに申しましたけれども、現実は、この五月一日に値上げになってから、引き続き一斉に値上げが起こってきておりまして、宮澤経企庁長官等がいろいろな発言をなさっておるのが、実は新聞等でも拝見をしてきたわけですが、一体、国税庁長官、この事態をどんなふうに感じていらっしゃるのか、ちょっと先にそれをひとつ承っておきたい。
○泉説明員 お話しのとおり、当委員会におきましても、私、酒税が五月一日から増税になる、それはよって値上げすることは、これは酒税の性質上やむを得ませんけれども、しかし、別途コストアップによる値上げは、酒税の増税による値上げとは区別して実施してほしいということを業界にも申し入れておいたわけであります。ただ、清酒業界といたしましては、昨年、酒造用米の値上げが行なわれておりまして、それでつくった酒がすでに売られておる関係からいたしまして、なかなかコストアップによる値上げをいつまでもしないでおくということが非常につらかったのかと思います。五月二日に二件ほど届け出をいたしまして、実施は、もちろんそれよりあとだったようであります。その後、昨日までで約千軒をこえる業者——御承知のように、全国に三千六百軒の業者がおるわけでありますが、そのうち約千軒を若干上回る程度の業者が値上げを実施するということを、実施の時期は、税務署に対する届け出から若干ずつおくれておるようでありますが、しかし、届け出をいたしておるということは事実であります。 私としましては、実は、税法が通過いたしました後、四月二十四日に関係の業界の代表者の方にお集まり願いまして、増税分とコストアップ分との値上げは区別してほしいということを強く要請いたしたのであります。業界のほうで、コストアップの分が相当ある関係から、それに耐え切れなく、とうとう値上げすることになったものだと思っております。しかし、いかにも増税と、引き続いてコストアップの値上げということは、消費者に与える影響もかんばしくないので、はなはだ遺憾に思っておるわけであります。 問題は、したがって今後、清酒業界についてどういうふうに持っていくか、これはしばしば堀委員が言われておりますように、清酒業界がもっと自由競争をやって、その正しい自由競争の中から消費者に利益を与えていくということが望ましいのではないかと言われておりましたが、私もそのように考えております。そういう姿の一番典型的な面といたしましては、清酒の生産量を、従来とかく業界としては、資りやすいということをねらいまして、需要に対して少し控え目に生産を希望するという傾向が強かったのでありますが、その点についてわれわれも反省し、また、業界でも反省していただいて、需要に対して低目でなしに、需要について適正な数量まで生産していく、そしてその生産量のもとで自由競争をもっと徹底していく、こういう方向へ進んでいくべきものだというふうに感じておるのであります。
○堀委員 いまの話で、前段のほうは、もうすでに事実として出ておりますから、いまからどうもできないことでありますが、後段の問題は、私の長年の主張でありますけれども、これはひとつ大蔵大臣、やはり今度の値上げの実情については、政府としても必ずしも賛成しておられたわけではないと思います、経企庁長官がああいうたいへんきびしい発言をしておられるわけですから。そこで、この点はひとつ大臣として、来酒造年度の酒造米の割り当てについては、これまでの過去の経緯にとらわれないで、やはり適正な競争がもう少し行なわれるようなかっこうの生産量の割り当てについて、ここでお約束をひとつしていただきたいわけです。 これまで、御承知のように、この前あなたはおいでにならなかったと思いますが、要するに、いまアローアンスという制度がありまして、これは二二%くらいにとってあるのですが、みなとらなければ生産量は減るようになっている。それで、酒造業界の皆さんは、ワクを減らせ減らせと言っておいて、ある程度のところへ落ちつく。ところが、そのアローアンスという自由希望加配をとらなくて、みながやめれば減るものを、いざ希望となったら、みんな手をあげて、よこせよこせといってとる。要するにこの仕組みは、全体としての生産量をいかに少なくして、自分だけはうんとたくさん生産してもうけるかという、まことに前近代的な行ないが歴年行なわれてきておるわけですよ。そうしてその結果が、いまのような国民が期待しないかっこうで値上げが行なわれるということにつながってきておるわけですね。ですから、私は、そういう制度の改善を含めてこの前論議をしておるわけですが、もっとそこらも簡素化しながら——私は、この問題を取り上げて八年、九年になるのですよ。そうしてともかく一ぺんここで自由化しようと言い出して、まだ依然としてそういうところまで来ていない。これが私は、価格問題にはね返っておると思うわけですから、大臣、ひとつここで来酒造年度の米穀割り当てについては、そういうこれまでの慣行を離れて、競争が行なわれるような少しゆるやかな形での割り当てをするということを確認をしてもらいたいと思うのです。いかがでしょうか。
○水田国務大臣 いま国税庁長官が言いましたような対策がやはり将来必要だと思いますので、考えたいと思います。
○堀委員 私も、何も競争さして酒屋さんをつぶそうということじゃないのです。しかし、いまはあまりにも行き過ぎておるということを痛感しますので、米の割り当てというのはことしの九月ですから、まだ三、四カ月ありますが、早晩問題になってくる問題でありますし、米のほうはもうたくさんありますから、幾ら割り当ててももう米の需給に問題がございませんから、二百四十万トンのキャリーオーバーがあるのですから、全然心配のない情勢ですから、十分その点はひとつ御勘案をいただきたいと思います。 次に、実は、最近新聞を見ておりましてちょっと感じますことは、いや金融制度調査会で御論議をいただいておる問題について、大蔵省の見解のように伝えられておる新聞記事をちょいちょい拝見をするわけです。その中に「預金金利を自由化へ」定期預金の金利を自由化するというのが大蔵省の一つの構想だというようなものを伝えたものもありますし、あるいは「大蔵構想互いに「かきね」はずす」ということで、「一年超の定期も都銀、一般預金を募集、長信」こういうような形で実は報道がしばしば行なわれておるわけです。私は、はたしてこれが大蔵省構想なのか、あるいは「大蔵省」と書いた形で、大蔵省はこう考えておるとか、こうしたいというふうに載っておりますから、少しやはりこういう公式な場所で、まず、そうならそうだ、そうでなければそうでないということを明らかにいたしておきませんと、金融制度調査会の今後の審議を何かやや拘束するといいますか、大蔵省はすでにこういう考えなんだということが既成事実のようなことで受け取られたりすることは、たいへん私、望ましくないと思います。いま申し上げた「預金金利を自由化へ」定期預金金利の自由化だ、これは臨時金利調整法のところを少しさわるんだとか、あるいは二年もの定期の問題等は、いまは実は一年ものの定期までしか何も書いてないから、それはやろうと思えばやれるんだとか何だとか、いろいろなことが書かれておるわけでありますから、誤解を招くと思います。特に長期信用銀行に普通一般の預金を集めるなどということは、現在の債券銀行の性格を根本的に変える重要な実は問題提起になるわけですし、それからもう一つ、定期預金の金利の問題などということは、はたしてそんなことが行なわれた場合に——この前、私大臣に金融立法の議論のとき申し上げましたけれども、とりあえずは同種金融機関の競争が主たるものになるのであって、まあオーバーラップするところは当然あるけれども、当面はそうだという御答弁をいただいておるのに、定期金利の自由化なんということになったときに、はたして都市銀行と信用金庫は競争できるかどうかということも重大な問題になってまいりますので、この点についての銀行局側の見解をひとつ明らかにしておいてもらいたい。
○澄田政府委員 金融制度調査会で一般民間金融機関に関する特別委員会を設け、検討に入っておるところでございますが、この問題につきましては、まだこれから十分検討を徹底して行なっていきたい、問題が非常に重要な問題を含んでおりますので、そういうふうに考えておるところでございます。 いまおあげになりました新聞の記事等につきましては、これは全くこれから金融制度調査会で検討すべき、しかも相当検討のうちの中心の課題でございまして、まだ大蔵省が、あらかじめこういう考え方だというものを持っているというようなことは毛頭ございません。金融制度調査会で先般御審議をいただきました、法律になりました答申が出たところの考え方といたしまして、金融の効率化をはかっていく、制度面あるいは経営面両方で効率化をはかっていく、その場合に適正な競争原理が働くように、従来競争をむしろ制限するという面が強過ぎたというきらいもありますので、競争の原理が適正に働いて、競争を通じて体質を強化し、そして資金コストを下げていく、そういうようなことが国民経済上から望ましい、こういう考え方を申しているわけです。当然今後の検討もそういう考え方に基づいてやっていく、こういうことであるわけでございますので、そういうようなところから、競争の場を広げるというような意味において、憶測と申しますか、大蔵省案がこういうことではあるまいかというような記事になったかと思います。 また、二年もの定期とか長期信用銀行の一般預金とかいうのは、たとえはフランスの銀行制度の改革で、預金銀行が長期の定期預金をとる、それから事業銀行が短期の預金をとるというようなことで、その両方の区別を実質的に少なくしていく、同質的な考え方でやっていくというような制度改正が行なわれておりますので、そんなような考え方もフランスの例としてありますようなところから、あるいはああいう記事になったものかとも思うのでありますが、これはまあ私の推測でございます。 大蔵省としては、全くこれから検討すべき問題で、何らそういう意味の態度をきめているという点は全然ございません。
○堀委員 私は、まあどうして出たのかわかりませんからいいのですけれども、やっぱりせっかく金融制度調査会で議論を進められるときに、何か大蔵省の見解というものが大きく新聞に出ますと、どうもそういうものが既成事実のようになったのでは、せっかくの論議にまずいだろうということと、やはり大臣にこの前も申し上げておりますように、金融制度調査会の議論は議論でありますが、ものの考え方としては、いまの効率化という問題と競争の問題というのは一ぺんにいかないということです。ものごとには順序がありまして、だんだんとそういうプログラムをつくっていかないと、一足飛びにこんなことをやれば混乱が起こるだけで、実は望ましくないと思うのです。 さっき私が酒の問題について触れて、酒の自由化の問題を私がここで言い出して九年目にようやく、国税庁長官も大臣も、ややここで踏み切ったところへきていただいた。九年かかった。私は金融機関の競争の問題を唱え出してから、これもやっぱり実は七年ぐらいかかっているわけです。ようやくそういう段階に来た。たいへんけっこうです。しかし、そこからやることは一ぺんにドラスティックにやれということを私は言っているわけではなくて、やっぱりそこにはおのずから順序と段階と、そうしてあるべきところへ到達する目標、こういうものが整理されてまいりませんと、いきなり一ぺんにいまのように都市銀行と長期銀行を競争させるなんて、そんなふうに大体これまで大蔵省はやってきていないわけですね。御承知のように大蔵省の過去における方針というものは、保護もあったけれども、保護でないもう一つの側面というのは、分離主義というか、都市銀行は都市銀行、長期信用銀行は長期信用銀行、信託銀行は信託銀行ということで、これは大月さんが銀行課長当時から信託分離というようなことをやって今日に至った経緯もあるわけです。だから、経緯だけにこだわる必要はありませんけれども、そういう一連の流れからまたチェンジするときには、おのずからそこにはステップ・バイ・ステップのやはり順序が必要だし、長期的な展望が必要ですから、私はそういう点では長期的な展望をまず一つきめましょう、そこへ行く道筋はどうしようかという現状からのアプローチを考えましょうというのが私の発想方法であります。そこらはやはりおのずからその順序なり方法があるのだ、あまり性急な問題が出てくるのはいたずらに混乱を起こさせるもとになりますから、十分配慮をする必要があるだろう、こう考えておりますが、その点について大蔵大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○水田国務大臣 そのとおりだと思います。しかし、こういう問題を検討する場合には、まず長期的な方向から起こり得るいろいろなものを検討して、そうして当面いま言われましたようなステップを踏んでいく。それにはどういう形でやっていくかということをきめるだけでもこれはなかなかたいへんな仕事で、特に今度の一般的な金融機関のあり方というようなことにつきましては、そういう方針でいってもやはり一年以上、相当検討の期間を要するのではないかと考えて、できるだけ慎重にやりたいと思っております。
○堀委員 それから、最近カナダでも金融立法の改正がありました。フランスも改正をやっております。諸国いろいろ改正があるわけですが、やはりこの改正はその国の諸情勢、発展の段階、沿革いろいろなものとかみ合わせての問題なんです。学者の皆さんは頭の中でお考えになることですから、将来に対していい面もあるわけですが、ややもすると外国の例が非常にストレートにこっちにきやすいという問題もあり得るのです。私はそこらについてはやはり何といいましても実体のあるもの、沿革のあるもの、そして諸構造がフランスなりカナダと日本は違うわけです。特に日本は、私はこう考えておるのです。 やはり何と申しましても、中小企業というこの構造がだんだんと最近ウエートを高めてきて、たとえば設備投資その他の資料を調べても、これまで産構審で通産省がコントロールしているものが、かつては五〇%以上ウエートを占めていたものが今日では三〇%台になって、その他は中小企業あるいはサービス業というようなことで、非常に日本の国内情勢はいま変わりつつあるわけです。そういうようなことが他の国においては必ずしも起きていない問題でもありますから、そういうやはり日本の情勢の特殊性に応じて論議していただくということで、ややもするとこれは記事としてはたいへん興味がある記事になりますが、私は、金融制度の問題は記事にならぬでもいいから中身のあるようなものに十分考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。 これで金融問題は終わりまして、次はたいへん困難な情勢になっておると思います国際金融、キーカレンシーの問題その他についてちょっとお伺いいたします。 大臣、この間宇佐美日銀総裁がお帰りになって、お会いになって総裁といろいろお話しになったと思います。昨日、きょうあたりの新聞が伝えているところによりましても、また金価格は、売買量はたいしたことありませんけれども、フリーマーケットではかなり高騰してきておるということ、それからポンドの為替相場がやはりかなり低いところに参っておる、アメリカの諸種金利は一斉に引き上げられておる、フランもゼネストの影響でだいぶん複雑な問題があるようでありますが、これらの諸指標は、吟年初以来続いております国際金融情勢というものはなかなかむずかしい問題をはらみながら、落ちつくのじゃなくてどうも深刻な方向へ動きつつあるような感じがいたします。この間マーチン議長の発言なども、かなり思い切った発言を実はしておられるのを私は新聞で拝見をしたわけでありますが、大臣、これらの現在の情勢及び宇佐美総裁が欧州から帰られたときの報告等をお聞きになって、この情勢をどういうふうにお感じになっておるか、最初にお聞きしておきたいと思います。
○水田国務大臣 一応日銀総裁から、総裁が見てきたいろいろの情勢についての報告を受けました。他国の経済に関する問題でございますので、こうだった、ああだったということを一々は申し上げられませんが、国際経済また国際通貨の今後の動向というようなものについては非常に流動的であるということと、これに対処するためには、一々起こり得る事態を考えて、それによってこちらの対策が動揺するようなことではやはり困るので、どういう変化があらわれようとも、いまの日本の国内経済をどういうふうな方向へ指導していくかというようなことについては、やはり財政政策と金融政策が今後さらに密接な関係を持って善処していく必要があるだろう、こういう結論に達したわけでございますが、国際経済は非常に今後流動的であるというふうに考えます。
○堀委員 通常国会はもう問もなくこれで終わるわけでありまして、これから参議院選挙等がありますから、私どもがこういう場所でこれらの問題の論議をいたします時間がこれから約二カ月ぐらい中断をされるだろうと思います。参議院選挙後の国会においてまた行なわれることでありましょうが、しかし、今日のこの問題は、いまおっしゃるようにきわめて流動的でありまして、この年初一月ごろに、十一月に起きました問題以来の一連の問題が起きた事態と今日の事態と、大臣があのとき持っていらしたお考えと今日の事態とを考えて、どういうふうに感じていらっしゃいますか。私は、今年の下期の問題については当初から——上期については比較的問題がないであろうという感じはしておりましたが、今年の下期というのは、国際収支の面においても非常に問題が出てくる時期だということをかねがね申してきておるわけでございます。しかし、国内的な感じでは、いま前半は少し輸出もいいわけです。いま輸出がいいのには、要するにそれぞれの条件がありまして、すでに成約済みであったものがかなり出ておるものもあるし、あるいは鉄鋼のストライキに対する備蓄用の問題もあるでしょうし、いろいろな状況がプラスをしておりますから、上期はやや情勢がいいだろうということはすでに予測済みでありますが、少しそれがいいものだから、やや最近の国内の感じ方は、日本の経済はこれであんまり心配ないなという感じになっておるのではないかというふうに感じられてしかたがありません。しかし、今日の時点に立って見ると、日本経済の今年の問題というのはいよいよこれからが山場へかかってくるのではないか、その時期における諸外国の情勢は、今年の当初よりはるかにきびしさを増しておるというふうに私は判断しておるわけですが、大臣のその点についてのお考えはいかがでございましょうか。
○永田国務大臣 ポンドの問題、ドルの問題に加えて、最近はさらにフランスの問題までも加わってくるという状況でございますので、国際環境のきびしさという点につきましては、年初当時よりもさらに今後きびしさを増すということでございましょうし、私どもは決して楽観しておりません。
○堀委員 そうしますと、その現状分析は大臣も私も同じでありますが、今後の対策の問題です。対策はこのままで——いま金融の引き締めが日本銀行でも行なわれておりますね。このままの金融引き締めでいいのか、いまの財産はこのままの程度のあり方でいいのか、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○水田国務大臣 いま程度の国際経済の動きは、すでに私どももある程度の予想をしておりましたし、したがって、国内におけるいろいろな政策をもって対処しておったのでございますが、それらの効果がようやく浸透しており、明らかにもう経済は調整の過程に入っておると私どもは思いますので、私どもはこの動きをもう少し見たいと思います。そうしてその間に国際金利の問題とかいろいろな変化が起こりましたら、またそのような対策は機動的にしなければならぬと思いますが、いままでの効果がようやく浸透してきておるときでございますので、もう少し情勢を見てもいいのじゃないかと私は思っております。
○堀委員 柏木局長に伺いますけれども、私は、ポンドの再切り下げの問題よりも、やはり当面の問題は、アメリカの公定歩合のほうが問題としては先へ来るのだろう、こう思うのです。いまの国内の各種レートを一斉に引き上げておる、この現状から見て、私はやはり過去の例から見ても、これはどうも公定歩合が引き上げられる可能性がある——あなたも断定的なことは言えないでしょうが、可能性があるのじゃないかというふうに私も見ておるのですが、その点局長いかがですか。
○柏木(雄)政府委員 アメリカ経済がことしの一−三月から急速に過熱するような情勢を来たしておる、これは衆目の一致するところでございまして、それに対処してアメリカとしては、御承知のように三月に公定歩合が一ぺん上がっております。それから、この数カ月来懸案の増税問題、歳出削減問題についても、行政府と立法府でさんざん交渉して、まだ結論が出ておりませんが、財政政策の活用、フィスカルポリシーの活用という方向に進んでおります。ところが、それがなかなか進まない。その間においてドルの信任の問題についてあれこれ言われる。そういうことから、フィスカルポリシーが間に合わないならば、金融政策を活用するという事態は当然考え得る、実際に公定歩合を上げるとか上げないとかいった——これはわれわれがきめることではございませんので判断できませんけれども、財政のほうがおくれるというふうになれば、金融政策をさらに一段強めるということも考え得る事態かと存じます。
○堀委員 そこでアメリカは、以上のようなことで財政のほうがおくれているものだから、どうしても金融先行ということでいま上がっているということですね。もし日本の場合に、次に何か問題が出てきた、やはりどうしても少しコントロールしなければいかぬという場合に、大臣、日本の場合はどうですか。私は、いま以上に金融を締めてみても、これはもう実需につながりませんから、やはり日本の場合には財政で処置しなければならぬ、財政で処置するということは、アメリカよりは楽なんですよ。アメリカで財政で処置しろということは、増税をやりなさい、あるいは経費の削減をやりなさい、これは繰り述べじゃないと思うのです。あれはもう落としちまえというんですね。日本より非常にドラスティックなフィスカルポリシーの要求になっているのですから……。日本の場合によってはまた繰り述べという手がまだいけるわけですね。結果はどうなるか、また先に行ってからのことですけれども、やはり順序としては、この際何か起きてきて、さらに必要だという場合には、財政が先にいくのが筋でないかと思いますが、大臣、そこはどうですか。
○水田国務大臣 財政政策は当然必要だと私は思っております。しかし、御承知のとおり、今年度の予算編成そのほかについて、そういう国際情勢に対する考え方として、今年度の予算が甘いとかいういろいろな御批判もございましたが、また、この委員会でも御議論されましたように、税制の問題でもとにかくすれすれまで実質減税をしないという、なかなか政治的にはむずかしい問題を覚悟して私は今年度の予算編成に臨みました関係上、しばらく様子を見て、これでもまだ私どもの考え方が甘かったということでしたら、次の財政政策はやはり機動的にとりたいと私は思っておりますが、もう少し見たいと思っております。
○堀委員 もう少しもう少しということですが、われわれ、国会が続いていればいいのですが、これはもう終わりますから選挙中になっちゃうのだろうと思います。大臣、やはりこれまで見ておりますと、そういうときはいろいろな対策が常にちょとおくれぎみなんですね。金融の引き締めも大体タイムラグがあっておくれて発動、財政もややおくれて発動というように、おくれぎみなのが今日までの日本の経済の歴史だと思うのです。ですから、特に今度の場合は日本国内だけの問題ではなくて国際的な非常に条件のむずかしい中ですから、いまおっしゃった機動的にやっていただかないと、これはやはり先になって悔いを残す。いま外貨準備はもう剣が峰に立って皆さん動かれているわけでしょう。ユーロダラーはいまの情勢から見ておそらく七%台とだんだんまた上に上がってきたということになれば、これはもうそう簡単な甘い情勢になると私は思っておらないのです。大胆どうですか、その点は十分覚悟の上のことでしょうね。
○水田国務大臣 御批判はいろいろあると思いますが、アメリカに比べても、イギリスに比べてみても、確かにおそいと言われるかもしれませんが、けっこう先を考えて、わりあいに早目に手を打っておるほうじゃないかと私自身は考えておるのですが、、これは情勢によって機動的にいつでも弾力的な措置をとりたいと思っております。
○堀委員 最後に一つだけ問題をやって終わりたいと思うのですが、最近、証券市場たいへん活況で、私けっこうだと思います。ところが、この問題で非常にふしぎだと思われることが一つありますことは、金が値上がりをする、金カレンシーに問題がある、そうすると国内にインフレが起きてきてインフレヘッジをしなければいけない、インフレヘッジをするためにはそれではどういう株を買えばいいのか、不動産会社の株がいい、損保の株がいい、こういう話が盛んに横行しているわけです。実は新しい証取法の五十条には禁止行為というのがあるのですよ。その禁止行為の中身は「証券会社又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。一、有価証券の売買その他の取引に関連し、株式その他価格の変動する有価証券について、価格が騰貴し又は下落することの断定的判断を提供して勧誘する行為」と、こうあります。私いま、この禁止行為に触れておる行為があると言うわけではありません。断定してやっておるかどうか、そういうことはつまびらかでありませんから。ただ、私のところへも電話がかかってきて、〇〇証券でございますがこの際、たいへん国際金融の情勢がこうなっておりましてインフレは必至でございます。そこでひとつ、何々不動産、まあ旧財閥の名前のある不動産の株をお買いになれば、将来非常にいいと思います。これは、こういう情勢ではもうインフレヘッジには非常に有効ですからと、おそらく私を知らない証券会社のセールスが電話をかけてきたのだと思うのですが、私は、いい電話だと思って、いろいろ聞いてみました。そうしてみると、話を聞いている中では、断定とは言わないけれども、値上がりは必至です、こういうことが出てきたわけです。それはちゃんと、どこどこ証券ですと名前を言って電話をかけてきたのだから、ちゃんとわかっているわけです。 そこで、私は、国際金融のこの不安な状態なり、金が上がることと、日本国内にインフレが起こることと、一体これは同一事項かどうかというところから、実はこれはちょっと問題があると思うのですよ。これ、だれでもいいですが、そこの国際金融局長、いまのこういう情勢があったら、国内にインフレが起こると思いますか。
○柏木(雄)政府委員 インフレが起こるとは思いません。
○堀委員 銀行局長、国内のほうから見てどうですか。
○澄田政府委員 国内のインフレとは関係ないと思います。
○堀委員 そのように事務当局のお二人、外側と内側と両方から答えたから、間違いありませんね。 私は、この問題と国内の問題とは結びつかないにもかかわらず、あたかも結びつくがごとき印象を与えて、そうしてもう一つ問題は、不動産会社や損保の株をすすめておる理由は一体何なのか。土地をたくさん持っているから——さっきだいぶ広沢委員がやりましたが、土地を持っているから、土地は値上がりが必至で、ここへヘッジしておくのが一番間違いないのだ、こういう議論になっているようですね。しかし、私は、土地を持っているのなら、八幡製鉄だとかあんな工場はずいぶんたくさん土地を持っていますよ。土地を持っている点では、そこらの不動産会社よりは八幡製鉄のほうが広い面積の有効な土地を持っていると思うので、土地を持っていることがインフレヘッジになるという点にも一つ問題があるし、国際的な問題と国内の問題とダブってくるということも問題がある。いろいろ問題がある。経済的に事実に相違をしたことが、あたかも事実であるがごとく顧客に思わせて、証券を販売しておる。この行為は、この禁止行為そのものには該当しないけれども、少なくとも新証取法の精神は、そういうことはできるだけやめてもらいたいということだったと思うのです。その中で、たとえばソニーが上がるとか松下が上がるとかいうことは、これは利潤があがるという見通しでしょうから、別の問題ですが、しかし、いまの点については私やや問題があると思うので、証券局長から、そういう勧奨の態度は適当なのかどうなのか、適当でないと思えばどういう指導を行なうのかをお答えいただき、あわせて大臣からそれを確認していただいて、私の質問を終わります。
○広瀬政府委員 ただいま、ある証券会社の投資勧誘態度が問題であるということで御指摘を受けたわけでございますが、こういう問題につきましては、この三月ぐらいから、そういう声も聞こえましたし、投書もございまして、われわれのほうも非常に注意いたして、そういうことのないようにということを何回か警告もいたしております。それにもかかわらず、最近堀先生のところへ直接そういうお電話を差し上げたということ、まことに遺憾だと思います。私どもとしましては、そういうようなことのないようにということで、これは免許制もまさにそういうような投資勧誘態度を戒めまして、りっぱな、ほんとうに投資家のためになる態度で接しなければいかぬということでやってきたわけでございますが、その後も、たとえばこの間の証券大会、五月の連休明けにあったわけですが、そのときには、大臣からもその点に特にわたって訓辞をいただきましたし、私どもも証券業界のほうへ何度もその辺の注意をしております。なお、今後につきましても十分注意をしていきたいと思っております。
○水田国務大臣 国際経済が流動的だといわれておるくらいで、先を予測することはむずかしいというぐらいでございますから、今後いろいろなことが起こるたびごとに、これが科学的に考えられないので、国内との結びつきにまたいろいろな話が出るかもしれません。現にベトナムが和平になったというので、あわてて株式が下がる、一、二日たったらすぐ訂正されてしまうというように、国際情勢との関連では、政府はよほど気をつけてもそういう事態が今後起こるかもしれませんが、そうなりますと、問題はやはり国際情勢の若干の変化があっても、政府はやるべきことをやってき然としてしっかりしておる、国会もまた政局を安定してしっかりしておるというようなことだったら国民を迷わせることがないので、われわれがしっかりする以外にしかたないだろう、こういうふうに思っております。
○堀委員 終わろうと思ったのですが、どうもいまの最後の答弁ちょっと感心しないのです。私が証取法の問題について今日まで努力をしてきましたのは、やはり公正な取引によって証券会社が大きくなってもらいたいのであって、多少でもそういうふうに、経済的な合理性というか科学的に見て、そうでないものをあたかもそうであるかのように宣伝をして顧客に株を売りつけたりするようなことは、新証取法の精神に反しておるわけですから、それについてはもっとフェアにやりなさいということを私は大臣として業界にきちんと望むべきだと思うのです。それが新証取法の精神ですよ。それだけをひとつ答えてくれないと、余分な国会の問題なんか答えられなくたっていいのです。
○水田国務大臣 それはそのとおりに十分指導いたします。
○堀委員 終わります。
○田村委員長 午後三時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時二十二分休憩 ————◇————— 午後三時三十九分開議
○田村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 本日付託になりました国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 —————————————
○田村委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。倉成大蔵政務次官。
○倉成政府委員 ただいま議題となりました国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 公債償還の基本的考え方及び減債制度のあり方につきましては、一昨年の財政制度審議会において慎重な審議を願い、昭和四十一年十二月に報告をいただいたのでありますが、これによりますと、公債政策に関する政府の節度ある姿勢を示すためには、より充実した減債制度を確立すべきであるとされ、さらに、今後の償還財源繰り入れ方式としては、 一、国債残高に対する定率繰り入れを基本とし、二、財政法第六条による一般会計剰余金の二分の一以上の繰り入れをもってこれを補完し、三、さらに、必要に応じて予算措置による繰り入れを行なうこととするのが適当であると述べられているのでありまして、政府は、この報告の趣旨に沿って減債制度の整備改善をはかることといたしたのであります。 このため、政府は、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律を提案した次第であります。 次に、その内容について申し上げます。 まず第一に、国債の元金償還に充てるべき資金の定率による繰り入れの制度を復活し、前年度首における国債総額の百分の一・六に相当する金額を毎年度一般会計または特別会計から国債整理基金特別会計に繰り入れることとしております。 この率は、公債の発行によってつくり出される資産が国民経済の発展向上に役立つものであるところから、公債の見合い資産が平均的に効用を発揮し得る期間をめどとして一般財源による償還が可能となるようにこれを定めることとし、その期間を約六十年と見て、百分の一・六としたものであります。 なお、定率による繰り入れについては、従来から短期証券及び借入金は対象から除外されていたのでありますが、今後は、遺族国庫債券、農地被買収者国庫債券等の割賦償還方式の交付国債も定率繰り入れの対象から除外することとしております。 第二は、予算繰り入れに関する規定の新設であります。これは、定率による繰り入れ及び財政法等六条による一般会計剰余金の二分の一以上の繰り入れのほかに、国債の元金償還に支障を生じないようにするため、必要に応じ、予算をもって定める金額を一般会計または特別会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるべきこととするものであります。 以上のほか、他の特別会計法の例にならい、この会計の収入支出に関する規程は政令をもって定めることを明らかにする等規定の整備をはかるとともに、従来定率を万分の百十六の三分の一とする特例を定めていた昭和七年度以降国債償還資金の繰入一部停止に関する法律及び一般会計について定率による繰り入れを停止していた国債整理基金に充てるべき資金の繰り入れの特例に関する法律を廃止することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由であります。 なお、この法律案は、第五十五国会に提案いたし、衆議院において可決の上参議院に送付されましたが、継続審査となり、今回可決されたものであります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田村委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○田村委員長 これより質疑に入ります。 通告がありますので、順次これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 大臣に一つだけ、あとは奥村さんに伺いますが、ポンドの再切り下げの問題、それからこれに関連いたしまして、ドルの場合、公定歩合もまた上げられるといわれております。それからドル不安というものが起きてくると思うのですが、そういう点について日本で一番関係の深い円がどうなるか、円の切り下げが行なわれるのではないかというそういう声があるのですが、まあ堀君からも午前中質問がありましたが、その点は大臣はここでは、そんなことはないということを言われると思うのですけれども、その考え方を簡単でいいですからお伺いしたいと思います。
○水田国務大臣 御承知のように、英国はいま財政金融政策に非常にきびしい政策を実行中でございますので、この効果を確保するためのイギリス政府の努力、実行力に私どもは期待をかけておるという状況でございます。で、一方米国においても、ドル防衛のためのいろいろな施策がとられようとしております。少し財政政策がおくれておりましたがために、先般公定歩合の引き上げというような金融政策をも米国はとっておりますが、今後米国の増税及び経費の削減というような措置も期待されるところでございますので、こういうものの効果が確保されるということでございましたら、この国際通貨制度に対する不安を落ちつかせることができるんじゃないかと考えております。できるだけそういう国際通貨の不安を起こさないように、各国も国際協力の体制をいま強めておるところでございますので、その協力の一員になりながら、また、自分の国の問題についてはいまやっておる私どもの引き締め政策をゆるめないでこのまま持続するということによって、私どもは国際収支の改善をはかっていく、こういう態度で当面いくのが一番いいんじゃないかと考えておるところでございます。したがって、いまのような御心配の事態、円の切り下げというような事態というものは、いまのところ私どもは全然予想もしておりません。
○佐藤(觀)委員 きょうは柏木さん見えませんから奥村さんにお伺いしますが、先月奥村さんに国際金融の問題についていろいろ御説明を願ったのですけれども、残念ながら私たちの考えておることのほうがどうも的中しておる。きのうも御承知のように四十二ドルに金のあれが上がったという現実は、やはり私たちの考えておるような状態になっていくのではないかという不安があるわけです。 そこで、大臣は立場上いろいろ言いにくいと思うのですが、私たちの考えでは、今度ベトナム戦争のために追加予算を三十九億ドル、アメリカでは通過したといわれておりますし、それからポンドが再切り下げをすればドルが平価の切り下げをやるのではないかといわれております。こういう点について、国際金融局の次長として奥村さんはどのようにお考えになっておられますか。率直簡明にひとつお伺いしたいと思います。
○奥村説明員 ポンドについては、御承知のように最近相場がかなり弱くなっております。これは去年の秋、平価の切り下げをやったわけでありますが、平価の切り下げは国民に対して耐乏生活を要求するという筋合いのものでございます。それに対して賃金の問題、物価の問題、所得の問題、こういう点でいろいろなむずかしい問題がございまして、いまのイギリスの労働党内閣はこういう問題をいかに処理するかというようなことで非常な苦心をしておるわけでございます。私どもは、英国政府がこれについて非常な努力をしているということは認めるわけでございますが、それがどういうふうな経過になっていくか、うまく効果を発揮するかどうかということは、大臣が先ほど申しましたように、これからの実行にかかるわけであります。 イギリスについてはその程度でございますが、アメリカの問題は、やはりいま国会に提案されております増税法案というものが一つのアメリカの国際収支改善のための国内対策の帰趨を占うためのシンボルになっておると私どもは思っております。もっとも時期が少しおくれたという批判もあるわけでございますが、こういうものが一体今後どのようなスピードで、どういうふうに着実に行なわれていくかという、これもやはり実行にかかっているわけでございます。
○佐藤(觀)委員 もう一つ奥村さんに伺いたいと思うのですが、御承知のように日本では外貨が二十億ドルを割れば日本の経済は不安だという声がありました。ところが、いま十九億ドルを割っています。この先どうなるかという問題は、私は明るい見通しはないと思うのですがね。この点で非常に私たち心配しておるのですが、どういうようにその点を考えておられますか、伺いたいと思います。
○奥村説明員 日本の国際収支、外貨準備でございますが、先月末は十九億ドルを若干割り込んだわけでございます。ところが、いままでの情勢を見る限りは、本年の一月から三月まで、かなり実体的には収支はよくなっているわけでございます。これはアメリカの経済の上昇と申しますか過熱と申しますか、この影響を受けている点があろうかと思います。 私ども、今後どういう考え方で臨むかということでございますが、やはり日本の国際収支は、流動する国際経済環境の中にあってみずからをみずからで守る、こういう態度でなければいかぬのじゃないかと思います。そういう意味で、先般来議論がございますように、現在の貿易規模というものを前提といたしますと、外貨準備は二十億ドルでは少ない、こういうふうな考え方もあり、三十億ドルほしいという考え方を持っている者もあるわけであります。したがって、私どもとしては、こういうふうな国際経済環境のもとにあって、単に国際収支の均衡を回復するだけでなくて、黒字を出していく、こういうふうな態度で臨んでまいらなければならぬ、かように思います。
○佐藤(觀)委員 もう一点は、中共貿易にフランを使う声が出てきました。ところが、フランスは御承知のように大ストが行なわれて政情が非常に不安になってまいりました。そこで、ドルはだめ、ポンドはだめ、それからフランもどうかということになってくると、いままでの世界の通貨というものが非常に問題になってくると思います。こういう世界の通貨がやかましくなったときに、世界共通の通貨というものを日本から提案したらどうかと思うのですが、そういう画期的なことを提案するようなことはできるのかどうか、この点だけ大臣の御意向を伺いたいと思います。
○水田国務大臣 これは今後どういうことになるかわかりませんが、たとえばいま問題になっておりますIMFの特別引き出し権というものは、金・ドルの補完の作用をなす準備資産だというふうにいわれていますが、しかし、こういうものが発足するということは、これが将来いまおっしゃられるような方向への通貨として発展する可能性もございますし、こういうものから出発することによって、今後の国際通貨の問題についていろいろな変化が起こるんではないかと思っております。いままでの現状を離れて特別にそういう国際通貨というようなものが生まれるということは考えられませんが、こういうものが一つの萌芽となって、そういう方向の問題が起こってくるんじゃないかということは十分考えられると思います。
○佐藤(觀)委員 そういう問題について堀君から午前中にだいぶん質問があり、大臣その他関係当局から話がございましたからこれ以上申しませんが、国債の額面をだいぶん小さくして、今度は五万円の国債を出されたようです。その消化の見通しはどんなことになっておるのか。これは福田大蔵大臣が——当時吉田君かたしか銀行課長をやっておられて、当委員会で盛んに楽観論を唱えておられましたけれども、今日では国債の買い手がないので非常に持ちかねておる。そういう点で五万円券を発行されておるのでしょうか。この点はいま見通しはどういうようになっておりますか伺いたい。 〔発言する者あり〕
○田村委員長 御静粛に願います。
○鳩山政府委員 本年四月から五万円券を発行いたしましたのですが、この四月につきまして実績が出てまいりまして、金額にいたしまして一億二千万円、二千四百枚ほどの売れ行きがあったわけであります。この程度の金額は、全体の額からすれば三%程度で、さほどそのために消化額が非常に伸びたということはないわけでありますが、もっと幅広い消化層にこの販売を拡大していく一つのよりどころといたしまして、今後その消化に大いに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤(觀)委員 国債の売れ行きが悪いので、いろいろ便宜をはかられ、特に特別の非課税の制度をつくられたわけなんですが、いままでこういう例はないのです。ところが、こういうことをしてもなかなかすべり出しがよくないと思うのですが、この点は鳩山さんどういうようにお考えになっておられますか。
○鳩山政府委員 一般の市中消化のうらで、いわゆる個人向けの証券会社の引き受け分につきまして推移を申し上げますと、本年の一月には証券会社引き受け分を三十三億引き受けた中で、売れ残りが七億五千万円程度出たわけでありますが、これが二月、三月と引き受け額を減らしてまいりましたところ、二月が二十九億円のうち一億二千万円の売れ残り、三月が三十八億円のうち一億一千万円の売れ残り、こういう経緯をたどりまして、四月に入りまして四十二億に引き受けをふやしまして約二億の売れ残りが出たということで、総体の個人向けの消化額は次第に増加しております。五月の状況でも、約四十億の引き受けが、現在までのところ大証券のほうでは大体消化はできる見込みと聞いております。したがいまして、租税特別措置法の影響で二月以降売れ残りが非常に減ってまいったという状況にあると思います。
○佐藤(觀)委員 時間がありませんからあまりいろいろ説明を求めませんが、単に参考にするために、国債の発行状況並びに市中消化の推移と日銀の買いオペのあれを資料として出していただくようにお願いいたします。 それから、私たちはまだ国債償還の問題についてはいろいろ議論がありますが、これはすでに先国会で一応衆議院は卒業しているわけでございますから、最後にお願いしておくのですが、昭和四十八年度から本格的な国債償還が始まるのでありますが、国債の高利借りかえは財政法の精神に違反するということがいわれております。 そこで、借りかえ発行に関する制約がなされていないのは非常に不当ではないかと思うのです。財政法四条の制約と同様の制約を受けるべきでないかと思いますが、この関係いかんということと、もう一つは、国債償還については、今後その根本的なあり方をめぐっていろいろ再検討すべきときであると思いますが、どのようにそのことをあなた方が進めていかれるのか、その点をお伺いして私の質疑を終わります。(拍手)
○相沢政府委員 建設公債の借りかえにつきましては、財政法ではなく、国債整理基金特別会計法の第五条に、「政府ハ国債ノ整理又ハ償還ノ為必要ナル額ヲ限度トシ起債スルコトヲ得」という規定がございまして、この規定によって建設公債の借りかえを行なうことが認められておるわけでございます。この借りかえの規定は、建設公債の実質的な償還予定期間というのは、その対象となるところの資産の耐用年数等を考えまして、大体六十年というふうに想定してございますので、その期間内にその総体が償還されれば、償還の制度としてはほぼ十分ではないかという考え方に立っているわけでありますが、その六十年という実質的な償還期間と、それから現在発行しておりますところの建設公債の形式的な償還期間の七年間というものと結び合わせる制度として、かような借りかえの規定が働くわけでございまして、形式的には新しい公債の発行ではございますけれども、当初発行いたしました建設公債のワクにおいての借りかえであるという点について決してみだりになるようなことはないと考えております。
○田村委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 私は、大蔵大臣に一言だけお答えをいただきたいと思いますのは、財政法六条による剰余金の二分の一を繰り入れていくというものも、年度内の国債発行を減らしていくという措置をとってまいりますから、今後においては多くは期待できない。一般会計からの繰り入れの問題を考えてみましても、現在、四十二年度の予算の中において四十一億四千八百万円というものがこの法律を通すことによりまして特別会計の中に繰り入れられていく。それから、四十三年度分については百四十八億六千九百万円が予算に計上されておる分でございますが、こういうような措置をとりまして、非常に不十分な措置でありますけれども、国債の償還に充てていく財源を特別に用意をするということは私は必要なことだと思うのであります。 ただ、問題は、四十五年度までにはこの国債の依存率というものを一一%から五%程度まで繰り下げていくのだという方針を確かにお示しになっておると思うのであります。その際において、今後もそういうふうな達成の見込みというような問題を考えてみますると、内外の経済情勢の変化と相まって非常にむずかしい部門が相当あるのではないかと思うのであります。それが五%程度に依存率が下がったといたしましても、そのあとにおいてはどうやっていくのかという問題を考えてまいりますると、これも長期的な展望というものが、残念ながらこの前の大蔵大臣の答弁等を伺っておりますると、まだないようであります。そういうような問題は、公債政策の結果、インフレ政策に突入をするような要素もあるわけでありますので、きちんとした国債の償還計画というものをつくって、長期財政計画の中で計画的に削減をして、将来は全廃の方向に持っていくべきであると私たちは考えておるわけでありますが、それに対する大蔵大臣の決意をお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。大蔵大臣の前向きの答弁を願います。
○水田国務大臣 公債論はなかなかむずかしい問題でございますが、もともと税負担との関係において、公共事業というようなものをその年の税において全部行なうのがいいか、こういう何十年にわたって効果を発揮する見合い資産がある以上は、それに対する国債というようなもので処理されることがいいかというような問題は若干あろうと思います。しかし、いずれにしましても、この公債の依存度というものを引き下げることが財政の健全性を保つ上で一番必要なことでございますので、ただいまのような世界で一番高い依存度というものは当然引き下げなければなりませんので苦心しておりますが、一ぺん公債を発行すると、国民負担との関係も出てまいりますので、なかなか一挙にこれがやれない。したがって、経済社会発展計画でいっておりますとおり、ここ数年の間に少なくとも五%程度の依存率になるように努力することがいいという答申も出ておりますので、その線に沿ってできるだけ早く五%程度の依存率へは行きたい、そういう努力はしたいと考えております。
○田村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○田村委員長 次に、討論に入るのでありますが、通告もありませんので、直ちに採決いたします。 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○田村委員長 閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 国の会計に関する件 税制に関する件 関税に関する件 金融に関する件 証券取引に関する件 外国為替に関する件 国有財産に関する件 専売事業に関する件 印刷事業に関する件 造幣事業に関する件の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、申し出の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。 引き続きおはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中設置いたしておりました三小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置し、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行なう必要が生じました場合、議長に対し委員派遣承認申請を行なうこととし、そう手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○田村委員長 本日の請願日程全部及び日程を追加して、中小企業に対する国民金融公庫の融資制度改善に関する請願、請願番号第七〇六三号ないし第七〇六九号、音楽、舞踊、演劇及び映画等の入場税撤廃に関する請願、請願番号第七〇七〇号ないし第七〇八三号を議題といたします。 —————————————
○田村委員長 台湾省民の凍結預金払戻しに関する請願について、紹介議員山中貞則君から紹介説明を聴取することといたします。山中貞則君。
○山中(貞)委員 紹介議員といたしまして、ただいまの台湾省民の凍結預金払戻しに関する件につき、その趣旨について御説明を申し上げて、各位の御了承を賜わるようお願いいたしたいと存じます。 台湾は、かってわが日本の領土の一部でございました。したがって、台湾に住んでおりました当時の人々は、日本の国民としての教育を受け、また、第二次大戦が勃発するや、現在の台湾省民、当時の台湾の人々あるいは高砂族といわれました山岳民族、これらの人々が、日本の軍人あるいは軍属あるいは雇用者の立場等において、それぞれ日本人としての立場において各地に転戦され、高砂族等においては、千何百名の義勇隊のうち、戦死者七百名をこえるという凄惨なる戦闘を続けた記録すら残っておるのでありまして、その戦死者の数においては、わが国の厚生省においてすでに確認したものも数万に及んでおるわけであります。戦いを終えましてからすでに二十数年になるのでありますが、これらのなくなった人々の問題点につきまして、今回の請願は、さしあたりすでに琉球並びに韓国においては処理されておるものでありますところの、それらの軍人及び軍属、雇用者等が戦地の各金融機関、軍艦内においてほとんど大部分の月給、賃金等を半強制的に預金させられておりましたものを、現在の時価に換算をして払い戻してほしいという請願に関する部門であります。 台湾は、日本との間に平和条約を締結しております。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕 国民政府の支配しておる国であることは論をまちませんが、平和条約第三条によってすでに一切の問題が処理されたと考えられておるわけでございまして、これらの点は、非常にむずかしい関係の生ずるところかとも思うのでありますが、しかし、これは旧日本軍に従軍をした、当時の日本人の国籍を持っていた人々の私有財産ともいうべき預金の問題でございますので、第三条にかかわりなく、これらの問題は、旧日本人であって戦没した人々、それらの人々が残していった、結局は遺族のために残されているはずの預金払い戻し、こういう措置については、わが国においても積極的に、すでに韓国、琉球において解決を見ておることでもありまするし、台湾に向かって外交的な立場においても十分の愛情ある、かつての祖国としての措置をとられんことを私は希望してやみません。 台湾の政府におきましては、公式にはこの問題を取り上げることは、台湾側としての立場もございまして、公式文書として、中華民国政府による文書等の要請はないと思いますけれども、しかし、台湾省議会のたび重なる議決その他において、台湾省の省民の人々の、二十何年来続けられた悲痛なる叫びがここに隠されておるということであります。 私は、本問題に関連する第二の問題といたしまして、わが敗戦国家日本は、現在の日本の国民に対しましては、戦没者の遺家族の処遇、その他それぞれ批判もあり、あるいはまた、内容が伴っていたかどうかも議論の残るところでありますけれども、国家としてなさなければならないことをやってまいりました。しかし、台湾のこれらのいまや国籍を異にいたしました人々で、自分のむすこや父を日本の軍人として戦地に送って失った遺族に対しましては、もちろん本人に対して何の措置もなされていないばかりでなく、遺族に対する処置もございませんし、生まれもつかぬ身体障害の立場に置かれておりまする負傷いたしました人々も、生ける英霊といわれるような、横たわったままのからだで、自分のからだに残されたたまを抜くこともできないで呻吟しておる人々もあるやに聞きますけれども、これらの人々に対しましてもやはり、よかったか悪かったかの議論を差しおきまして、また、現在の国際環境下に置かれておる立場も一切を省略いたしまして、旧日本人として従軍して死んだ人々、その遺族、それらの人々に対する処遇も、日本の、かつての祖国としてのあたたかい心が、二十何年たっておくれたといえども、真剣に検討されるべきではなかろうかと私は考えておるわけでございます。 あえて私は、以上の趣旨の説明に立った理由を申し上げたわけでありますが、政府におかれましても、外交折衝上非常にむずかしい、ニュアンスのある問題でございまして、あえて私、ここで請願書の形をとらざるを得なかったのも、そこら辺に事情があるのでございまして、ここで直ちにそういたしますということは、政府間の中で十分検討されなければ言われないことだと思いますけれども、郵政省あたりにおいては、もしこれを払い戻しをする場合には、どれくらいの金額になるのか等の事務的な準備等は整いつつあるやに聞いております。 以上の点をつけ加えまして、同僚各位のあたたかい御配慮を賜わらば、私は請願の紹介者として、これにまさる喜びはございません。 以上でございます。(拍手)
○毛利委員長代理 政府の発言を求めます。倉成政務次官。
○倉成政府委員 ただいま山中先生御紹介の請願の御趣旨に関しましては、よく実情を調査の上研究いたしたいと思います。
○毛利委員長代理 村山喜一君。
○村山(喜)委員 ただいま同僚の山中貞則君のほうから御提唱のありましたこの問題につきましては、私もその心情はそのとおりだということで、御同情を申し上げたいと思うのでございます。ただ、中華民国が今日台湾で統治権を持っておるわけでございますが、この問題につきましては、日華平和条約第三条の特別取りきめの主題となっていることは御案内のとおりでございます。わが同胞の台湾に居住しておりました諸君のかの地におきます在外財産の処理につきましては、まだ、請求権を行使することについて、留保をされておることは御案内のとおりでございます。したがいまして、これらの問題については一括解決すべく、台湾の中華民国政府との間において、幾たびか口上書の提起をし、交渉を再開するように求めている点でございます。それが残念ながら、外務省の怠慢等によりまして、いまだに解決をしない。特に中華民国政府が、この問題については、台湾省の人民に対するそういうような同情心がきわめて少ないがゆえに、今日に至るまで解決を見ていないことは、私もまことに遺憾とするものであります。 したがいまして、この心情においては私も同感の意を表したいのでございますが、事はやはり国益に関する問題でありまするし、そして対外的な交渉を伴う内容の問題でございますので、にわかにこれに対しまして、そういうような方々に対する支払いを一方的に措置するという問題は、きわめてむずかしい問題があるかと思うのでございます。そういうような意味において、相対的な立場において解決をはかっていくために、政府がもう少し努力をしていただくように私は要望を申し上げまして、この問題に対する社会党の見解を申し上げておきたいと思います。 —————————————
○毛利委員長代理 他の請願につきましては、先刻の理事会において協議いたしたのでありますが、この際、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 おはかりいたします。 本日の請願日程中、日程第一ないし第四、第六、第五九、第一五六、第一五七、第二〇〇、第二七六、第三三七ないし第三四三、第三九七ないし第三九九、第五一一、第五九六、第六五二ないし第六六九、第六七四ないし第七一七、第七一九ないし第八六三、第八七〇ないし第八八〇、第八八二、第八八四、第八八五、第八九五ないし第九二二、第九二四ないし第一〇〇五、第一〇〇七ないし第一〇一三及び日程追加の請願全部を採択の上、内閣に送付するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○毛利委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○毛利委員長代理 なお、本会期中参考送付されました陳情書は二十一件でありまして、印刷して配付いたしておきましたので御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会