商工委員会 第4号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/03/01
会議録
○小峯委員長 これより会議を開きます。 中小企業に関する件について調査を進めます。 本日は中小企業の振興及び金融に関する問題について、参考人から意見を聴取することになっておりますが、午前の参考人として、全国相互銀行協会会長森本亨君、全国信用金庫協会会長小原鐵五郎君、以上二名の方に御出席を願っております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用の中を本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本日は、中小企業の振興及び金融に関する問題について、特に深い御見識をお持ちになられる参考人から、それぞれの立場で忌憚のない御意見を承り、そして本委員会の調査の参考に資したいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。なお、御意見の開陳はお一人二十分以内くらいにひとつおおさめ願うようにお願い申し上げたいと存じます。次に、お話を承ってから委員の諸君からの質疑がありますので、これも御了承願いたいと思います。 それでは、森本参考人にお願い申し上げます。森本参考人。
○森本参考人 お手元に、「相互銀行の現況」という題で差し上げてあるはずでございますが、それをひとつごらんになりながら、一応私たちの業界の概況をお話し申し上げたいと存じます。 ごらんいただきます表によりまして、最初に、最近のおも立った動きについて簡単に御報告を申し上げたいと存じます。 まず一表でございますが、これで相互銀行の経営規模その他につきましてあらわしておりますが、昨年末で、相互銀行は七十二行あるのでございますが、その資金量総計しましたものが約四兆四千億円でございます。そうして、その資金量に対しまして、融資量が三兆六千億円に達しておるのでございます。この数字は、わが国の金融界全体から申しますと、その中でのシェアは両者とも、その資金量あるいは融資量ともほぼ九%でございます。一表並びに二表をごらんいただけばわかるわけでございます。 それから次は、ページをめくっていただきまして、第三表でございます。中小企業向け貸し出しの最近の状況でございますが、四十二年度中に相互銀行の貸し出し増加額は、五千四百四十三億円でございまして、年間一八%の伸びを示しておるのでございます。これは、昨年の四千三百五十一億円、一六・八%増に比べますと、かなり増勢を示しておるということが申し上げられるのではないかと存じます。ほかの金融機関に比べますと、増加ぶりが必ずしもよろしゅうございますとは申し上げかねるのでございますけれども、相互銀行といたしましては、同じく四十二年中の資金量の増加が六千七百五十五億円、一八・一%の伸びであります。資金量増加とほぼ同じペースで、貸し出しのほうも相互銀行なりに積極的に行なっておるということを御了解いただけるかと存ずるのでございます。この結果、昨年末の中小企業向け貸し出し残高のシェアは二一%弱ということに相なっておるのでございます。 次に相互銀行は、このほか、七表にしるしております中小企業金融公庫または長期信用金庫等の貸し出し、代理貸し業務の取り扱いをいたしておりまして、そのほうでもその他の金融機関に比べましてかなりな成績をあげておると存じておるのでございます。この面からも中小企業の金融疎通にかなり努力をしておるということを御理解いただきたいのでございます。 次に、最近の金融引き締めの措置の一環といたしまして、相互銀行も一部大きいところは日銀の窓口規制を受けておる状況でございますけれども、特に健全な中小企業には極力引き締めのしわが及ばないように配慮いたしてまいらなければならないことは当然でございまして、今後とも取引先中小企業の金融疎通には一そう努力をしてまいりたいと考えておるような次第でございます。 四表、五表なのでございますが、貸し出しの内容を科目別に見ますと、四表でございますが、比較的長期の貸し出し方式である証書貸し付けの割合が高いのが特徴でございますが、これは普通銀行に比較いたしまして、設備資金の貸し出しが、五表でございますが、高いということからきておるのであろうと存じております。 六表でございますが、また最近一年間の貸し出し金利の動きを四半期ごとに見てみますと、各期とも普通銀行より低下幅が大きいのでございます。特に昨年九月、公定歩合が引き上げられましたことによりまして、普通銀行はそれ以後は上昇ぎみでございますけれども、相互銀行はまだ下がり続けておる現状でございます。 それから九表にも記しておりますが、日本銀行との取引も逐次拡大をされまして、現在当座取引を認められておりますものが七十二行のうちで六十五行、まだ七行未取引のところがございますけれども、貸し出し取引契約を結んでおるものが十三行、歳入代理店を認められておるものが五十九行となっておるような次第でございます。 次に八表でございますが、常に問題になっておりまして、先生方からもいろいろ御指摘、御指導を受けておる例の歩積み・両建ての状況につきまして一言御報告を申し上げたいと存じますが、御趣旨に沿いまして、業界の自主申し合わせあるいは大蔵省の通達等で目標をきめまして、鋭意改善に努力しておる次第でございます。少し数字になりますので御迷惑かと存じますが、御承知のように、現在は、いわゆる第二ラウンドということでございまして、整理改善を進めておるのでございます。すなわち、拘束預金比率を引き下げる、また拘束預金については金利措置をして債務者の金利負担を軽減するということで進めてまいっておるのでございます。相互銀行の具体的な目標を申し上げますと、拘束性預金の比率の引き下げは、四十一年五月末を基準にいたしまして、四十四年、来年の十一月末までに一六%をこえる比率について三割、三二%をこえる比率について四割を引き下げるということになっておるのでございます。また金利措置のほうは、同じく四十四年十一月までに、拘束預金の五〇%相当額について、自粛レート以下の金利を適用するということになっておるのでございます。さらに両者とも、中間時点でございますことしの四十三年の五月末で、少なくともこの目標の半分を達成しなければならないということで、そうなるであろうと存じております。これらの歩積み・両建て預金自粛の経過は、お手元の資料の八表をごらんになっていただきたいと思っております。この数字は毎年五月末と十一月末の二回に各行から報告書を徴求して取りまとめておるものでございますが、ごらんいただきますように、第二ラウンドが始まった四十一年五月以後最近の四十二年十一月末までの一年半の間における拘束預金比率は順調に低下いたしまして、現在は二〇・九%ということに相なっておるのでございます。また、拘束性預金のうちの金利措置済みの割合も六六・九%でございまして、相互銀行全体としては、当面の目標を達成した姿に相なっておるのでございます。もちろんこれは相互銀行七十二行全体の平均でございますので、各行別にはこの比率より高いところ、あるいは低いところがあるのでございますが、各行とも期間内にほぼ目標を達成し得るものと確信をいたしておるのでございます。最近のような金融情勢でございますので、努力が怠られがちとなりまして、逆行現象が起きるのじゃないかという御心配をいただきまして、最近商工会議所とか、あるいは中小企業団体等から、陳情等を受けておるのでございまするけれども、私どもはお互いに自粛自戒いたしまして、引き続き改善の実をあげるよう努力いたしたいと存じておるのでございます。 次は、この表とは別の問題でございますが、御承知のように、近く国会で審議されることになっております相互銀行法等の改正法案に対する業界の考え方をちょっと御報告申し上げたいと存じます。 御承知のように金融制度調査会の答申が出されることにつきましては、私も金融制度調査会調査委員のメンバーに委嘱を受けまして、特別委員会にもしばしば出席いたしまして、業界の立場から種々意見を申し述べてまいったのでございます。もちろん私たち業界の希望が一〇〇%取り入れられたというわけではございませんけれども、おおむね業界といたしまして異存がない線にまとまりまして、それが全部織り込まれておるものと存じておるのでございます。したがいまして、国会に上程されました業法の改正案についても、特に問題とするところはないのでございます。むしろ今度の業法改正によりまして、相互銀行の機能が一段と深められることを期待しておるような次第であります。 なお合併・転換法につきましては、それが全部の金融機関に関するものでございまして、何も相互銀行だけに限られたものではないのは御承知のとおりでございますが、相互銀行につきまして、最近一部の新聞等に転換見込み銀行の名前等があげられておりますが、もちろんこれは内部で公の話題になったことはないのでございます。相互銀行が中小企業金融機関といたしまして機能を発揮する上にこの法律が障害となるものではないかという懸念については、私たちは相互銀行制度に対して悪い影響を与えるようなことはないものと存じておるのでございます。 なお九表に相互銀行の取り扱い業務及び先ほど申しました日本銀行の取引状況等詳しくしるしておりますので、ごらんをいただきたいと思うのでございます。 以上、はなはだ簡単でございますけれども、相互銀行の現況等につきまして、一応説明を終わらせていただきたいと存じます。(拍手)
○小峯委員長 ありがとうございました。 次に小原参考人にお願いいたします。小原参考人。
○小原参考人 私、全国信用金庫協会会長の小原でございます。これから申し上げますことは、第一番に信用金庫の現状につきまして一応御説明を申し上げたいと存じます。 現在、信用金庫の会員の数でございまするが、全国ごまんとございます信用金庫の会員の数は三百二十七万人に達しております。その資金量はちょうど昨年末現在をもちまして四兆四千五百億円をこえるようになったわけでございます。それから貸し出しの件数でございまするが、これは百六十一万七千先というふうなぐあいになっておりまして、現在都市銀行さん、地方銀行さん、お隣にいらっしゃる相互銀行さん、あるいは政府の三公庫さんがございまするが、全部の金融機関の貸し出し先数を調べてみますと、都市銀行さんが昨年の九月末で八十五万六千先でございます。それから地方銀行さんが百四十九万三千先、相互銀行さんが百五万九千先、国民金融公庫さんが百三十二万四千先、中小企業金融公庫さんが十二万七千先、商工中金さんが九万三千先、こういうふうなことになっておりまして、現在貸し出し先数におきましては、信用金庫が一番多いではないかということが、昨年の九月末の統計でございます。金額におきましてはむしろ銀行さん等には及びもつきませんが、私ども貸し出し先が一番多いというふうなことは、御案内のように信用金庫は中小企業の専門金融機関であって、中小企業を健全に育て上げるというふうな目標を持っておりますので、そういう面からも数が多いのでございます。 その次にわれわれがビジョンとしておりますことは、国民大衆の経済力を豊かにするということが、やはり信用金庫の二番目の目的、それから三番目には地域の金融機関として、地域開発のために努力するというふうなことになっておりまして、いま申し上げましたように、私のほうは金額は少ないのですが、貸し出し先数が多いということでございます。これはどういうことかと申しますと、私、いつでも申し上げておりますのですが、金融の面につきまして富士山にたとえるのでございまするが、富士山にたとえてみまするならば、一番てっぺんの金融をおやりになっているところは都市銀行さん、その次が地方銀行さん、私ども信用金庫はいわゆるすそ野金融と申しますか、すそ野ですから広い範囲でございます。広い範囲の金融を行なっているのが信用金庫のあり方でございます。 そこで、信用金庫の問題につきまして、実は昨年ですか、ただいま相互銀行の森本会長さんからもお話がございましたが、金融制度調査会の審議の過程におきまして私どもも委員の一人といたしましていろいろとお話しを申し上げてまいったのでございまするが、あの結論が昨年の十月に出たのでございまして、今度合併・転換というふうな道が開かれたのでございまするが、あれは御案内のように、信用金庫が相互銀行さんになったり、あるいは地方銀行さん、都市銀行さんというふうなぐあいになってもいいということ、そのかわりにまた相互銀行さんなり地方銀行さんが信用金庫に転換してもいい、こういうふうな往復の道が開かれたわけなんでございます。そこで、私どもは、特に今度法律がきまりましても、問題は信用金庫が株式会社である銀行に転換するとかあるいは株式会社である方面に転換することはどうもあまり感心しないように思うのでございます。信用金庫はどこまでも中小企業専門の金融機関であるというふうなことから中小企業の心配をしておる。先ほど申し上げましたように、非常に件数が多いということは、現在の信用金庫の制度が会員組織であるというところに貸し出し先数が多いということであって、これが株式会社になってしまいますと、どうしても上の層のほうへだんだんとしわ寄せするんじゃないかというふうなことを考えますので、私どもは、合併するとかあるいは転換という面につきましては、信用金庫は信用金庫同士の合併とか吸収とかいうことに御留意を願いたいということを特にお願い申し上げます。万やむを得ない場合に限って株式会社組織のところへ合併するなり吸収するなりされてもやむを得ないということにお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。 そこで、信用金庫が当面要望しておりまする問題が実は三つばかりあるのでございます。 第一の問題は、信用金庫は地域金融機関といいましても非常に狭い地域にあるのでございます。狭い地域にありまするために、一方では金の余っている信用金庫もあれば、一方では非常に資金需要の多いというふうな地域もございますので、一つの地域をできるだけ広げていただきたいというふうなことを特にお願いをしておるわけなんです。それは、一つの経済圏なら経済圏という地域まで、各信用金庫の地域をできるだけ広げていただきたいということをお願いする次第でございます。 次に店舗の問題でございまするが、信用金庫としてはできるだけ地域内の中小企業のために手厚い心配をしたいというふうなことから、店舗問題につきましては、簡易店舗でもけっこうでございまするから、できるだけひとつ店舗をふやしていただきたいということをお願いするわけなんです。この店舗行政につきましては、これは大蔵省の所管でございまするが、また諾先生の方からもいろいろの御配慮をお願いしたいと思います。 その次に私どもが要望しておりまするのは、公金の取り扱いを銀行と同じようにしてもらいたい、こういうことでございます。たとえてみますと食管代金の取り扱いなんですが、信用金庫はもう北は北海道から九州の奄美大島まで信用金庫があるわけなんで、ことに農村に近い信用金庫が非常に多いというふうな関係からしまして、食管代金の取り扱い、つまり米代金の支払いがひとつ信用金庫にでき得るようなぐあいにお願いしたいということでございます。現在信用金庫も御案内のようにいろいろと国債の消化にも努力しておりますし、また政府保証債の面につきましても努力しております。政府保証債につきましては、政府保証債の発行されます五%というものは昨年も信用金庫が引き受けておるというふうなことで、そういったような政府保証債は引き受けておりますけれども、各種の公庫であるとかあるいは公団であるとかの余裕金の預け入れまでは信用金庫にはでき得ないというふうなことになっております。そういう面から、保証債を引き受けておるというふうな面からも、これはひとつ各種公団、公社の余裕金の預け入れ先に御指定を願いたいと思っております。道路公団であるとかいろいろありますが、そういう面の御配慮を私はお願いしたいというふうに思っております。 それから、三等郵便局に余裕金がありますと、三等郵便局が一時、金を預けておるというふうな面がございまして、三等郵便局の余裕金の預け入れというふうな面も、これもひとつ信用金庫が取り扱えるような何らか法を改正していただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、ことに中小企業の三公庫がございますが、中小企業金融公庫、国民金融公庫あるいは商工中金というふうな中小企業専門の三公庫の余裕金は、これは原則として相互銀行さんなり信用金庫あるいは信用組合といったようなものにひとつ優先的にこの余裕金を預けていただきたいということを、私どもは希望しておるわけなんです。中小企業にせっかく政府が御心配になっても、三公庫に御心配になられましたものが、これがやはり金が大きな銀行等に流れてこれが中小企業に役に立たないということではどうかというふうに考えますので、こういう面からもこれはひとつ原則として中小企業専門の金融機関に預けていただきたいということを、私どもは希望するわけなのでございます。 その次にお願いしたいことは、日本銀行さんがいろいろと御配慮願って、最近信用金庫もかなり日本銀行さんとの口座取引もできたわけなんです。ところが中小企業の輸出の貿手の取り扱いが、現在まだ信用金庫にはやってもらえてないのでございます。この面につきましては、信用金庫の会員の中でもひとつ貿手をできるだけ信用金庫で扱ってもらいたいというふうな希望が非常に多いものですから、この面についてひとつ日本銀行に御配慮を願えればいいのではないかというふうに考えております。 そのほか、さしあたり三月危機とかあるいは六月危機とかいうふうなことを言われておりますので、日本銀行さんも大企業に御心配になっていることもけっこうでございますが、中小企業の面にもひとつ御配慮願いたいということを、私はときどき日本銀行さんにお願いに出ているわけでございます。と申しますことは、なるほどいろいろな機関でまだ金があるじゃないかというふうなことはございますが、できるだけこういうふうなときには安い資金を中小企業に回すというふうなことを考えましたときに、たとえば信用金庫なら信用金庫の連合会に日本銀行さんからそういう危機の金を預託願う。連合会はそれに対しまして一銭も利ざやを取らないでそのまま全国の信用金庫にその金を流す。またその流された金庫もあまり利ざやを取らないで——十分注文はつけてくだすってけっこうですが、こういう面についてひとつ日本銀行さんに御配慮をお願いしたい、こういうふうに思っております。 それから最近の第三四半期ですか、昨年の十月から十二月までの、金融機関の中小企業向けの貸し出し状況でございます。これを私ども調べてみますと、四十一年のちょうど同期を比較いたしますと、だいぶここのところでもって金融引き締めの面が表に出てきておるということがはっきりしておるわけなんでございまして、この面につきましては、都市銀行さんが、去年は六・八%の増加であったのが本年は四・一%、地方銀行さんが八・四%が六・七%、それから、相互銀行さんのことを申し上げてはあれですが、相互銀行さんが、昨年の六・一%が五・七%というふうになっております。私ども信用金庫のほうも、八・四%が八・三%と、コンマ一少なくなったのでございますが、こういうふうなぐあいに非常に引き締めになっておりますけれども、その増加率におきましては、他の金融機関さんに負けないように一生懸命、中小企業のため、また中小企業の倒産を防ぐため努力しておるということでございます。 大体以上申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。(拍手)
○小峯委員長 ありがとうございました。 以上で、参考人の御意見開陳は終わりました。 —————————————
○小峯委員長 これから質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 二点ばかりお伺いをいたしたいと思います。 最初の問題は、実は私、大蔵委員会でずっとやってまいりました歩積み・両建ての問題でありますけれども、まだ私どもの手元には十一月末集計の資料が参っておりません。いま相互銀行のほうの資料を拝見いたしますと、貸し出しに対する拘束性預金の比率は二〇%前後ということで、たいへん改善をされてきておるわけであります。信用金庫につきましても、四十二年の五月末の実情は二八%ということで、これも漸次第二ラウンドとして改善をされてまいっておると思います。ところが、実は公正取引委員会のほうで調査をいたしております。資料の中で特に目についておりますのは、実は私どもは拘束性預金というものを一つのワクとして考えておりましたけれども、最近は、どうもそれ以外に、事実上引き出せない預金、いま大蔵省が指導いたしております拘束性預金というワクには入っていない、しかし、事実上は引き出せない預金というものが別途に大体あるようであります。公正取引委員会の五月の資料を調べてみますと、借り入れ金に対する拘束性預金の比率は、相互銀行の場合には一四%ということになっておりますけれども、ここにいま私が申し上げた事実上引き出せない預金、拘束性預金ということで大蔵省は見ていない部分でありますが、事実上引き出せない預金でありますから、広義に解釈すればやはり拘束性預金でありますが、それらを合わせますと二五・四%。信用金庫の場合は、借り入れ金に対する拘束性預金の比率は一七・四と改善をされておりますけれども、いま申し上げた分を含めますと三〇・〇%ということで、やはり依然としてかなり高い条件にあるようであります。この問題をアンケートの中でちょっと拾ってみますと、口約束や念書による拘束預金がなくなったかわりに、事実上引き出せない暗黙の拘束預金が増加をしたというのが、前回よりは今回の五月の調査でふえておるわけであります。 さらに、もう一つちょっと気になりますのは、新規の貸し出しに際しては拘束せず、時期をずらして預金を拘束するようになったというようなものも見受けられるようでありますし、今度は逆に、預金担保による借り入れを申し入れたが断わられた、これは裏側の問題でありますが、定期預金等を拘束扱いにし、金利処置をしてくれるように申し入れたが断わられたというようなものがやはり少し出てまいっておるわけであります。 私、これは非常にむずかしい取り扱いでありますし、協会長の皆さん御自身の金融機関では、きわめて模範的な金融機関でありますからそういうことはないだろうと思いますけれども、何さま相互銀行七十数行、信用金庫五百行に余るものでありますから、なかなか十分こまかいところに手が届かないかと思いますけれども、どうも大蔵省が指導しておりますワクだけ処置すればいいのだ、目が光っておるところだけ制御すればいいのだということでは、私どもの意図いたしておりますところの歩積み・両建ての解消の方向というものは非常に問題があろうか。やはり問題は、私どもは、どういう形であれ拘束されておるものを減らすことが主たる目的でございますので、この問題については一ぺんまた当委員会に大蔵省なり公正取引委員会なりを呼びまして、もう少しこれらについての指導のあり方を検討してみなければならないと思うのでありますが、まずその点についてどのようにお考えになっておるか、ちょっと両協会長からお答えいただきたいと思います。
○森本参考人 いま堀先生の御指摘の問題、私といたしまして何とも申し上げようのないようなことでありまして、全くお説のとおりでございます。ただ、当局が指示した面、形の上だけで歩積み・両建てをなくしたということでは何にもならぬわけでございますから、いま御指摘のありましたことにつきましては、私たちまた役員会等を開きまして、そうして実情もひとつ調べてみたいと思いますし、なおかつそういうことがあってはならないということは重々戒めるように努力いたしたいと思います。いまはっきりした数字等がございませんので、そういうふうにいたしまして、十分この由を伝えまして指導をしていきたいと思いますので、その辺できょうのところはひとつ御了承いただきたいと思います。
○小原参考人 ただいまの歩積み・両建ての問題につきましては、信用金庫の業界としましても、できるだけひとつ、期間はあるけれども、もっと早く解消するようにということを、私ども全国を回りまして指導しておるようなわけでございますが、いまお話のありましたような、歩積み・両建てのような形ではないけれども、実質的にそういうふうなものになっていやしないか、こういうことでございます。 御案内のように、信用金庫のほうは預金の構成が比較的当座性が少ないのでございます。定期性が多いのでございまして、あれは普通の預金、要求払いの預金にはそれができる。そういうものが非常に少ないというところから、あまりどっさりは信用金庫にはできないのじゃないかと思っておりますが、大体はいまお話がございましたので、私どももできるだけそういう面についてないように今後ともひとつ業界のために注意をしていきたい、こう思っております。
○堀委員 さっき森本参考人のお話を承っておりまして、確かに都市銀行その他の貸し出し金利は最近上がってまいっておりますけれども、私も日本銀行の資料を拝見してみましても、相互銀行については依然として金利が低下傾向にありますことは、私どもこれまでに例のないたいへんいい状況だと思いまして、この点は相互銀行の皆さんが中小企業に対して誠意をもって当たっておられる点に敬意を表したいと思うのであります。特に、日本銀行の資料から見ましても、これまでコールが上がってまいりますと、とかく貸し出しを断わってコールに回す、要するに金融機関の利益を考えるという傾向が確かにございましたけれども、今回についてはまだそのような徴候があらわれていないということは、私その点ではたいへんけっこうだと思っておるわけであります。ただ、貸し出しの問題でありますけれども、最近の状態は、相互銀行の場合には、四十二年の一−三月が前年比二七・二%増、四−六が、これはたいへん伸びて一六六・二%増、七−九は一四五%増、十−十二は九・一%増と、まん中で一ぺんぽんと飛び上がって、ちょっと貸し出し率は漸次下がりつつありますが、信用金庫のほうは今度逆に、一−三がマイナス五・四%、四−六がプラス二・八%、七−九が一五・九%増、十−十二が一九・六%増、こうだんだんと高くなっておるようであります。全体の四十二年中の年間比率は相互銀行二四・五%増、信用金庫が一二・二%増ですから、全体として見ると信用金庫に比べて相互銀行のほうが前年比では貸し出しが伸びておる。こういうふうな状況でありますが、やや後半になってだんだん相互銀行の貸し出しが減ってきているというのはどういうところに原因があるのでございましょうか。その点ひとつ相互銀行のほうからお答えを願いたい。
○森本参考人 いまおほめをいただきました金利、かつては零細な金を集めまして、こういうふうにまとめて、そうしてコールに一本に出しておけば楽でございますから、そういう面が必ずしもなかったこともないと思うのでございますが、少なくとも、これは多少私個人的なことになりますけれども、そういうことが中小企業金融機関の態度といたしましてあってはならないことでございます。零細な金を集めて、そうして大企業に——コールは大企業に全部いくとも限りませんけれども、そういう姿にはなってはならないという考え方を堅持いたしておりますので、これもちょっとそういう状態になりかけたような形になっておりますが、そういうことにならないように一そう注意をしてまいりたいと存じます。 それからいまの、貸し出しが大体において若干鈍化しておるではないかという御指摘でございますが、まさにそのとおりでございます。私もはたしてその原因がどこにあるのであろうかと実は疑いを持っておるのでございますが、伸びた範囲内においてはやはり一応努力はいたしておるのでございますが、資金量の伸びそのものが必ずしも従来ほどでないということは、大企業との取引という、大きな金をぽんと出して、そして何割かはね返ってくるというふうな大銀行のスタイルを幾らかまねたような傾向がございましたが、そういうことを戒めてまいりました結果こういう数字が出たのではないか、はっきりはしないのでございますが、おそらく伸びた資金量を集めた範囲内においてはやはり依然として貸し出しはいたしておると思いますけれども、はっきりしたことは私自身よくわからないのでございます。そういう傾向ではあるまいかと存じておるような次第でございます。
○堀委員 依然としてこの一月も不渡りもたいへんだくさん出ておりますし、倒産もどんどんふえておるわけであります。しかし、こうやって資料から金融機関の貸し出し状況を拝見いたしておりますと、必ずしも貸し出しが現実に締められておるということもありませんし、金利が急激に上がっておるということもないわけでありますから、原因は他に求められるのだろうと思います。それは日本銀行の資料から見まして、中小企業、製造業における経営上のネックというのを見てみますと、最近非常に大きくなっておりますのは、人手不足と人件費の増加並びに設備の不足というのが非常にウエートが高くなっております。ですから、中小企業のこれらの隘路の問題を考えてみますと、やはり問題は、そういう合理化が中小企業は非常におくれておる、そのために人手を必要とするし、それには労働力が非常に枯渇してきて困る。それは設備不足とあわせて一体の問題ではなかろうかと思うのであります。ともかくこれからはひとつ、相互銀行でも信用銀行でもそうであると思うのでありますが、ただ中小企業に金を貸すという問題だけではなく、やはりそういう中小企業の指導といいますか、それにさらに力をかけていただいて、同じ資金をできるだけ有効に使っていただくという指導をやっていただくことによってこの隘路を解決すべきではないのか。資金不足の問題というのは四十年十一月には三五くらいのウエートであったのが、この十一月には二〇くらいに下がっておりますから、そのいろいろな資料全体から見ても、どうやら資金のことだけに問題があるということではないような感じがいたしますので、その点今後のあり方としては、そういう構造改善的な部分に積極的な貸し出しをしていただいて、そういう人手不足による問題と設備不足を合理的な形で改善するように金融機関側としても配慮をしていただきたいと思います。 時間がまいりましたから、以上で私の質問を終わります。
○小峯委員長 佐野進君。
○佐野(進)委員 私は相互銀行の森木さんに対して若干質問をしてみたいと思います。 けさの各新聞で、中小企業の倒産、特に中堅企業いわゆる下請なり関連企業をたくさん持っておる、そういうところの倒産、二月は、手形交換所において四十年以降不渡りの最大の記録を出しておる、こういうことが報道されておるわけです。いわゆる中小企業の危機と称するものは、いろいろな形の中であらわれてくるけれども、実際上の問題としては、倒産という具体的な形の中で、その機関、またその与える影響というものは非常に大きくなってくる。相互銀行が、いま森本さんのお話のように中小企業金融に対して非常に大きなウエートを占めておる、こういう面からすると、相互銀行が倒産というそういう中小企業の最後の破局に与える影響はきわめて大きいと思うのです。したがって、この際、一番最初に、相互銀行が他の金融機関に比較して、倒産というような状況、中小企業者に対して与えているウエートはどの程度か、この現況というものを見たとき、わかっておりませんので、倒産と関連して、抽象的でもけっこうですから、御説明を願いたいと思います。
○森本参考人 数字的なことをお答え申し上げることができませんのでたいへん失礼でありますけれども、私たちは中小企業金融を専門に扱う機関でございますので、平素常に中小企業の皆さま方とはあらゆる面で密着をいたしておると自分たちでは存じておるのでございます。堀先生から前にお話もございましたが、金利の中には私たちは相談料も含んでおるんだという考え方で常に一体になってやっておりますので、倒産の数はいま先生の御指摘のようにたいへんなものになっておりますけれども、これも実際に詳しく見ますと、いろいろの原因があろうかと思いますけれども、少なくとも健全に経営をいたしております中小企業者、私たちの取引先の倒産につきましてはおそらく、そういう問題はあまり起こらないように十分配慮をいたしておりますので、実際に本人が健全に経営をいたしております限り、倒産というものは、あまり、むしろ出ないのじゃないかというくらいに考えておるような次第でございますけれども、いま御指摘のございました詳しい数字、原因等がよくわかりませんので、ここではっきり御返事いたしかねるのでございますけれども、そういう心がまえで経営をいたしておるような次第でございます。
○佐野(進)委員 あなたのほうから出していただいた資料が非常に参考になっておるわけですが、結論から申し上げますと、私もきょうあなたのおいでになるということで、法律的にもあるいは倒産のケースということについてもいろいろな方面で若干勉強さしていただきました。相互銀行の持つ社会的な役割り、特に中小企業者に対する役割りというのは非常に大きいと思うのです。その大きいと思う一番中心的なものは、さっき信用金庫の代表の方もおっしゃっておられましたが、いわゆる中堅企業というものがその取引先の大部分を占めているのではないか。中堅企業というのはその基盤がいわゆる大企業に比べて脆弱であり、しかし小企業に比べて一応安定しておる。したがって、その安定しておるということの信用度から中堅企業に対する多くの関連企業、産業、そういうものがやはり集まっておる、こういうぐあいに考えるわけです。したがって、信用金庫のほうももちろん中堅企業でございますが、取引先を主として相互銀行に求めている企業の倒産というものは必然的に連鎖倒産というものを招き、いわゆる手形交換所の一千万円以上の取引停止処分の対象にならない業者を含めて、非常に大きな社会的な影響を与えると思うのです。したがって、銀行法上にいわゆる相互銀行も、公的な、公共的な立場においてその行員に対する処罰権も法律の中で明記されておるほど重要な職責を持っておると思うのです。そういう面からすると、いまあなたのお話のように、ほとんどないと言われるということはたいへんけっこうなことだと思うのですが、政府関係の三行については資料が出ておるわけですけれども、相互銀行関係についてはなかなか資料が明確につかめないということで、きょうぜひそれをお聞きしたい、こう思っておったのですが、それがないということについてはたいへん残念なんです。信用金庫さんのほうよりもその意味で影響が大きいので、私に主としてきょう中堅企業についてお聞きしたいと思ったので、いま少しひとつそういう面について何かお気づきの点があったらお示しを願いたい。あと、さらに質問を続けていきたいと思います。
○森本参考人 多少個人的なことになるのですが、私、広島の相互銀行でございますけれども、実際の取引面におきまして、ただ私のほう一行だけということでございませんので、各金融機関がもう三行も五行も七行も重なり合っておりますので、いざふたをあけてみると、ほうぼうが取引をいたしておりますので、非常にその面はむずかしい点もあるのでございます。いま信用供与の割合を見ますると、中堅企業という先生のおことばでございますが、中小企業というものは非常に解釈がむずかしいのでございまして、これは数字を見ますと、四十二年九月に、中小企業向けの信用供与の割合が八〇・四、それから小企業向けが六六・〇でございますか、そういうふうな数字になっておりますが、実際に倒産をしたものに対する、どの程度でどうなって、幾ら倒産してということば、協会として、各行のやはり経営内容の問題でございますので、時日をかしていただきませばあるいは数字を出すことができるかもしれませず、その辺は、各行の審査部の秘密でもないでしょうけれども、いろいろ内容にわたりますことでございますので、時日をかしていただきますならば、調べまして御報告することができようかと思いますが、繰り返して申しますように、ただ相互銀行、私のほうなら私のほう一行だけなら話が非常にしやすいのでございまして、いかようにもめんどうを見れるわけでございますけれども、何ぶんにも資金不足で、各行が入り組んでめんどうを見ております関係上、非常にむずかしいわけでございます。もし時日をかしていただきますならば、後刻またそういうふうなものを詳しく調べて差し上げたいと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
○佐野(進)委員 それでは、私東京から出ている国会議員ですから、東京における一つの事実について申し上げて、相互銀行全体としてこういう問題についてどう考えておられるかということをお答え願いたいと思うのです。 東京相互銀行の取引に関連して起きた問題なんですが、去年の六月倒産した一つの会社があるわけです。その会社は、その前年度の実績が、六億円の受注金額に対して、東京都をはじめとする公共団体から四億八千万円の仕事をもらっておった。そうして、四十二年度の受注対象としては、八億二千万円程度の受注に対して、東京都をはじめ公共団体がやはり五億以上の受注対象であった。そして、これに関連する企業が百五十数社あったわけです。そして、昭和二十九年から、東京相互銀行を主たる取引銀行としてその取引をやっておった。したがって、この会社の持つ健全性については、下請企業と称するいわゆる関連産業百五十社はもちろん、地域における金融機関その他においても相当信用があった会社であった。この会社が突然倒産ということで、地域において一大問題が発生した。 その原因を債権者が集まって検討した結果、東京相互銀行の深川支店の支店長が作為的にこの会社を倒産せしむるような方向に持っていったということが、その債権者の調査の結果明らかになった。その作為的に持っていった方法は非常に巧妙でありまして、取引銀行である東京相互銀行が、手形の割引について、一千八百万円程度の手形を割っていただかなければならない、こういう形で、もう十年以上やっておりますから、申し入れをしたところ、それに対応するある金額をその前において集めてくれば手形を落としてやる、こういうことで、その経営者並びに債権者が、みずからの個人的な保証、あるいは債権者の保証という形で金を集めてその銀行へ納めた。そうしたところが、あした手形を割らなければならないという前日、貸し付けが不能だということで、その会社からすればわずかな金額でしたが、その前日そういうことを申し渡した。こういうために、もう半日しかございませんから、手形の金を集めることができないで、その会社が倒産してしまったということで、この会社に債権を有する一般債権者は、一億四千万円程度あったと思うのですが、それが取れないというような形の中で、その百五十社に及び人たちが非常に困った形になって、いろいろ研究していけばいくほど、深川支店長がとった形が、計画的に会社を破産させようとしたということに結論づけざるを得ないということで、一大問題になろうとしておるわけです。 したがって、こういう点について、少なくとも相互銀行というたてまえ上からあり得ないことではないかということで私どももその調査をいたしておるわけなんですが、しかし、調べれば調べるほど、その事実が明らかになりつつある、こういうような点が出ておるわけですが、これは東京の問題ですから全国にはそれほど御関係がないと思いますが、しかし相互銀行という信用の度合いからすると非常にゆゆしい問題ではないか、こう考えますので、この点について一応平面的な経過をお話し申し上げましたが、相互銀行としてこれらの問題についてどのような御指導をなさっておられるか、あるいはこういう問題が発生したときにおいての取り組みはどうされるべきかということをひとつお答え願いたいと思います。
○森本参考人 いま先生のお話、実は初めて伺ったわけでございますが、私たち業界の一人のメンバーといたしまして、どうもまことに面目ないことでございますして、汗顔に存ずる次第でございます。協会は七十二行ございまして、法人組織でつくっておるわけでございますが、私協会長の職を預かっておりますが、事実上、協会の意思決定機関は理事会というものがございまして、各地から選ばれた理事会によってすべてをきめておるわけなのでございます。いま先生の御指摘のような事実につきましては、協会といたしまして、それにタッチいたしましてどうこうということはちょっとむずかしい立場にございます。けれども、総体的に申しますならば、そういうふうないま先生の御指摘のありますようなことはあってならないことでございますので、東京相互銀行はかつても御案内のとおりちょっとああいう問題を起こしまして、どうも面目のないことでございますけれども、私たちは帰りまして、これをひとつ十分参考にいたしまして、重ねてそんな不都合なことのないように十分に戒めたいと存じておるのでございます。先ほど私個人のことを申し上げると申し上げましたが、少なくともそういうことがあってはならないことでございますし、私どももそういうことは、どこまでも中小企業とともにあるのだというたてまえで経営をいたしておりますので、私たちの会社では、そういうことがあれば事前にもうこちらにもわかるわけでございますから、十分取引先とお打ち合わせをいたしまして、ともどもに経営をしていくんだという気がまえでおりますので、起こり得ないことのように思いますけれども、そういうことがございますならば、十分ひとつ参考にいたしまして、また詳しく事情を直接聞きまして、その諸君にも戒めていきたい。重ねてそういうことがございましては、相互銀行全体の信用にもかかわり、また信用もさることながら、中小企業者がお困りになるようなことをいたしましては、社会的にも相済まぬわけでございますので、いかようにもひとつ努力をいたしていきたいと思います。 初めて承りますので事情がわかりませんから、お許しをいただきたいと思います。
○佐野(進)委員 私は具体的の例を一つ申し上げてお考えをお伺いしたい、こう思って質問したわけです。こういうことが、ただこの事件だけでなく、私は、多くあるのじゃないかという気がしたわけです。いま森本さんのお話で、そういうことのないようにという御注意をして指導しておられるということですから、これ以上お聞きすることはないと思うのですが、ただ、私どもが商工委員として、中小企業庁長官や関係局長、部長にいつも聞いたりしておる中で、そういうことはない、一生懸命やっておるのだということをいつも聞かされておりながら、具体的な例として、少なくとも大金融機関として数えられる相互銀行の信用度合いからして、非常に困ったことだなという感じを受けた事実がちょうど私の地元に起きましたものですから、いい機会でありましたのでお伺いしたわけです。 私は、時間もございませんので締めくくりたいと思うのでございますが、なおこの問題については、先ほどもお調べいただけるということですから、そちらでもお調べ願うと同時に、私どもも役所の中でこれらの問題について——これは単なる氷山の一角の具体的な一つの例でございます。倒産ということは、単に新聞に何件出ましたということだけで片づけられるのでなくして、その起きてきた原因を一つ一つ研究する中でそれを防ぐ道も十分研究していかなければならぬ。私も倒産ということが何とか防げないものかと実は本を読んだりしていろいろ研究しておるのですが、結局金融機関における適切な指導というか、その事態を想定した形の中で早期にいまあなたの言われたように相談に乗ってやるということが倒産を防ぐ非常な近道のような気がしておるわけです。この内容については、今度法案として出ております中小企業関係の二法案がありますから、私も通産当局に対してはそういう面からもっと突っ込んだ研究をしてみたいと思っております。しかし同時に相互銀行におきましても、いま申し上げたような事例があるのだということを念頭に置いて、今後の運営に慎重な配慮をして、中小企業振興と倒産防止のためにひとつ御努力願いたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○小峯委員長 千葉佳男君。
○千葉(佳)委員 今度の国会で、先ほど佐野委員からも言われましたように、例の中小企業信用保険公庫法が問題になるわけですが、相互銀行それから信用金庫の融資量のうち、信用保証協会を通じて出てまいります融資量は大体何%ぐらいを占めておるか、それと、その保証協会を通じてきた融資量のうち、さらに結果として倒産とかなんとかということになっておる比率は大体どれくらいになっておりますか、お知らせいただきたいと思います。
○森本参考人 はっきりした数字でございませんので恐縮でございますが、四十一年度で、件数で申しまして一二・一%、金額で一四・三七%、それで、いまおっしゃったはたして幾ら代位弁済したかという数字はいまちょっとわかりませんが、一応保証残高の中に占める相互銀行のパーセントはそういうことでございます。はたしてその中で幾ら代位弁済したかという数字は、恐縮ですが、後刻また出させていただきたいと思います。
○小原参考人 いまの保証協会のほうから保証していただいて貸しておりますような面について、信用金庫の何%であるかということのデータをきょう持っておりませんが、総体の貸し出し額の一二、三%程度じゃないかと考えておるわけなんです。そこで四十一年度ですが、四十一年度までは代位弁済していただくものが非常に少なかったと思うのです。それが昨年あたりから保証協会から保証してもらって代位弁済するという面が最近ふえてきたように思っております。しっかりした数字は持っておりませんが、もし何でしたら、一応調べましてお答えしたい、こう思っております。
○千葉(佳)委員 信用保証協会の制度というのは中小企業にとっては非常に有益なといいますか力強いうしろだてになっておるわけですが、今回のこの法案の審議にあたりまして、そういうバックグラウンドになっておる、そういう実態を私は知りたいと思っていま御質問申し上げたわけでありますけれども、その点もう少し詳しい数字がありましたら、あとでけっこうですから、ひとつお知らせいただきたいと思います。 私のほうで特にこの間問題になりまして、信用保証協会で保証した企業があったのですが、これが将来土地を買うということでやったわけですが、結局全然担保なしに貸し出しをしたということで、誘致企業なんですが、宮城県で起きた事例ですけれども、そういうことも含んで、特に信用保証協会の運用ということについて、おたくのほうから見た問題点といいますか要望といいますか、そういうものがありましたら、ひとつ教えていただきたいと思います。
○森本参考人 信用保証協会は、中小企業金融機関といたしましても、また中小企業側といたしましても、非常に大切な機関でございます。ただ、私たち残念に思われますのは、府県別でああいうふうになっておりますあれが、なまいきなことを申し上げますようでございますが、政府一本で全国同じような姿であったらいいんじゃないかなということと、それからもう一つは、われわれのほうの側から申しますれば、保証料の問題でございます。保証料だけは結局借りるほうの側から言えば負担になるわけでございますから、われわれのほうといたしましても、願わくは保証料の負担だけでも少なくして、そうして借り手側の立場から一言えば、保証をつけないほうが保証料だけ金利が——一種の金利でございますから、私のほうというよりも借り手側のほうから言えば、保証料をもう少し安くするということであろうと思いますが、これは各県によって非常に事情が違いますので残念に思いますけれども、結局保証料を安くするような形、かと申しまして、私も実はかつて広島県の保証協会の会長をしたこともあるのでございますが、やはり保証協会自身の家庭事情にもよりますので、一がいにもいかないかと思いますが、大体全国的に見まして、漸次保証料は下がりつつありますけれども、しかし、なお理想を申しますならば、保証料を安くするということではないかと思うのでございます。
○小原参考人 保証協会の問題につきましては、ただいま森本さんからもいろいろお話がございましたが、大体各保証協会の基金のたしか二十倍とかなんとかというのが保証協会の保証限度というようなことになっておるわけなんです。二十ないし五十だと思います。そうしますと、その基金が少ないような県であるとかあるいは市であるとか、この保証協会も県でやっておるところもあれば市でやっておるというふうなところもあるのですね。それから県と市と両方でやっておるというようなところもある。しかし、その保証協会の基金の二十倍なら二十倍を保証してしまうとそれ以上の保証ができない、こういうふうな面があるわけなんですね。ですから、この基金については、これはいままではいろいろと地方庁なりあるいは金融機関が出資する、こういう形になったんですが、私はむしろ保証協会の基金というようなものは国が御心配願うことが望ましいんじゃないか、こういうふうに思っております。 それからその保証料なんですが、これは全国の各保証協会によって高いところも低いところもある、これが現状でございます。いまもお話がございましたように、だいぶ最近は低くなってきておるわけです。 それから、保証してもらいます借り手側のほうからいきますと、ある一定以下の金額は保証協会が保証して担保を入れるということはどうかというように思うわけです。ですから、保証協会が保証する以上は、担保なくてその人の事業分量に応じた保証をするということがいいのじゃないか。大きな金額になればある程度担保を入れなければいけませんが、担保があって信用保証もしてもらうということはどうも私ども納得いかないのでございまして、むしろこの面は信用で貸せる範囲、いわゆるその人の事業分量に適した金を貸すということが一番中小企業のためにいいのではないか、こういうふうに考えております。
○千葉(佳)委員 どうもありがとうございました。
○小峯委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 時間に制約がありますので、簡潔にお尋ねをしますが、御承知のとおり、中小企業に対する融資というのは、なかなか好況、不況の場合ともゆるまない。特に最近のような金融引き締めというような形になってまいりますと、中小企業に対する融資というものは非常にむずかしくなってきておるように思う。最近の倒産の傾向というものもその一端を私はあらわしておるのではないかというように思うのですが、先般来中小企業庁長官はずいぶん熱心に中小企業の金融の緩和のために取り組んでおられるようであります。 そこで、日銀として中小企業金融緩和のためにできるだけ配慮するようにという特別の指示がされておるのかどうかという点。さらに、この金融引き締めのために都市銀行が窓口規制、選別融資というようなことで、日銀から相当シビアに指示されておる。そのことから、地方銀行であるとかあるいは相互銀行、信用金庫に対して、都市銀行の系列企業に対して融資あっせんをやる、あるいはそうした大企業自身がこの相銀あるいは信金の皆さん方のところに借り入れ申し込みをするという傾向が強く出てきておるということが伝えられておるのです。一方、また国債その他金融債であるとかあるいは地方債であるとか、いろいろな起債の引き受けをされることになる。もちろんそれは預貸率ということにおいて一定の引き受ける基準はあるものの、やはりそのことも中小企業等に対する金融圧力という形になってあらわれてくるきらいなしとしないと私は思うわけです。そういうことが中小企業の金融というのをさらにむずかしくしていく、倒産にも拍車をかけていくというようにも思うわけですが、以上、私が申し上げたようなことがかりに杞憂であればよろしいわけですけれども、そういう傾向がないのかどうかということに対して両参考人から伺ってみたいと思います。
○森本参考人 いま先生がおっしゃるような形は、過去の引き締め時においても起こったことでございまして、都市銀行さんが引き締める、やむを得ぬものでございますから、平素取引のない大企業からもわれわれのほうへ融資の申し込みがあるというふうな傾向がかつてはあったわけでございます。今度の引き締めにおきましても、あるいはこれは地方によっていろいろ事情が違いますので、はっきりしたことを私もよう申し上げられませんが、幾ぶんそういう傾向があるかもしれませんけれども、私たちはどこまでも中小企業金融機関でございますので、今度は、先ほども御説明申し上げましたように、相互銀行の中にも一部窓口規制を受けたところがありますが、そこは別といたしまして、われわれは中小企業が困られることのないように十分配慮をしていきたいと存じておるのでございます。詳しい具体的な数字は必ずしも十分把握しておりませんけれども、少なくとも私たち業界の者はそういう方向で進んでいきたいと存じております。
○小原参考人 ただいまのお尋ねの問題で、いわゆる中堅企業というふうな面の倒産が非常に多いということですが、私ども昨年金融制度調査会の委員として出席しておりました時期に、全国でどういうふうな層が一番失敗が多いかということをお尋ねしたことがございました。大蔵省なり日本銀行さんで調べていただいた結果では、さすがに十億以上の資本金を持っております会社は失敗が少ない。その次に少ないのは中小企業で、一番多いのが中堅企業だというデータがはっきり出たわけであります。 そこで、中堅企業がどうして失敗するのかということを探求してみますと、これは私ども信用金庫といたしましては、従来中小企業の専門金融機関というので、人を使っているのが中小企業基本法にあります三百人以下、資本金が五千万円以下というふうなところがわれわれの取り扱いの対象になっていたわけです。ところが、その中小企業基本法というものは十何年前にできた法律だものですから、今日の実態からいきますと、いま申し上げました五千万円以下というようなことでございますと、いわゆる中堅企業までめんどうを見るということができ得なかったわけでございます。そこで私はあの席上で、卒業生金融ということを言いましたのですが、いわゆるいまの中小企業から幾らか大きくなったというふうな面、人を使っているのが三百人以上になった場合、それから資本金が五千万円以上になった場合というふうな企業を、五人か十人の従業員のうちからわれわれがめんどうを見てそこまで育てた。ところが、今度それがわれわれの対象からはずされるものですから、バトンタッチをしまして銀行さんのほうへお願いをする、こういうふうなことになるわけであります。ところが、小さいうちから育てたようなきめのこまかい融資ができ得ないということがあるわけです。ですから、金融の面からいきましても、どちらかといいましたならば、やはり中堅企業のめんどうを見るという今日一番大切な面が出てきているんじゃないか。ことに資本自由化ということになりますと、中堅企業にはなかなかいい企業がございますので、これらの面が資金的に困るというふうでは非常にまずいんではないか、こういうようにも私たちは考えております。 それから最近、いまお話のありましたように、銀行が窓口規制等によりましてだいぶ貸し出しをここでもってセーブしておりますので、こういう面からわれわれの窓口を見ますと、第一番に、いままで銀行さんなりほかの信用金庫なりというふうな二行、三行等で取引しておりましたのが、銀行さんのほうで手形の割っていた分を最近だんだん減らしておるということは事実なんです。このしわ寄せがわれわれのほうに相当寄ってきているということは事実なんです。それからもう一つは、都市銀行さんが従来取引をしておりました中小企業を最近はだいぶ手放す向きが多いわけなんで、こういう面からいわゆる飛び込みの借り入れ申し込みというものがだいぶんふえてきたということがあるのは事実でございます。以上でございます。
○中村(重)委員 いま小原参考人からお話がございましたように、中堅企業の問題は、確かに一つの隘路というか問題点になるでしょう。やはり中堅企業ということになってまいりますと、いわゆる中小企業の範疇に入る。かといって従来の都市銀行は、大企業でない、中心的な融資という形で扱っていないというので、これは問題点でございましょうし、確かにこの中堅企業対策をどうするかということは重要な問題点として考えていかなければならないんだと思うわけです。その中であなたが言われたような点は当然考慮の中に取り入れるべきだと、私は考えているわけです。 森本参考人から先ほどお話がございました中小企業が困らないようにということは、これは中小企業の民間の金融専門機関でございますから、当然そういうかまえであってもらわなければならない。ところが、具体的に、それならば中小企業が困らないための配慮をどうしておるかということが聞きたいところなんです。先般来、乙竹長官が政務次官と一緒になってずいぶん走り回って取り組んでおられる。それは、中小企業は非常に困るのだから、この金詰まりというのを中小企業だけはしわ寄せがないようにという配慮であろうと私は思う。それならば、具体的に中小企業の専門金融機関である相互銀行であるとか信用金庫という立場においてはどうするのかということを、私は当然話し合いをしてもらわなければならないし、そうしたきめこまかい対策を考えてもらわなければならないのではないか。私が指摘いたしましたように、都市銀行が自分らのほうでどうしても系列企業に対して、資金量の点から、融資の申し出に応じかねるという点がある。それをあなた方のほうに何とかしてもらいたいということであっせんをしたり、直接申し込みをやるということもありましょう。あるいはそうした大企業がかけ込み融資の申し入れをやるということもある。そういう場合にこれをどうするかというようなことは、当然私どもも聞きたいところなのですが、そうした具体的な問題に対して、いまお答えになりましたように、中小企業が困らないということに対しては、どういう措置を協会としてはお考えになっていらっしゃるのかということを、ひとつこの際お聞かせ願えれば非常にけっこうだと思うわけです。
○森本参考人 実際問題に触れてまいりますので、協会といたしましては、ただ一応抽象的に、先ほど申しましたように、お互いに中小企業のために間違いのないように、困らないようにやっていこうじゃないかということ以上は、協会といたしましては、そういう心がまえをきめていきます以外にはないのでございまして、具体的に企業のほうから、いま御指摘がございましたように、都市銀行のほうからこうこうこういう依頼があったがどうしようということは、各行の一つの経営の態度によってまいりますが、繰り返して申しますが、少なくとも私たちのほうがめんどう見ております。ともどもに経営をするつもりでやっております中小企業の皆さま方には困らさない。中小企業の倒産ということを俗に一般に新聞等でいうのですが、これには内容がいろいろございまして、非常に多岐にわたりまして、自分の経営が粗末であったために倒産に持っていく中小企業の方も、そういうことを言うとたいへん失礼ですが、かなりあるんじゃないか。そういうふうなものはやむを得ないと言ってはなんですが、どうもやむを得ないんじゃないか。だから、平素りっぱにやっておられる企業は安い金利の金で十分経営をやっていかれましょうし、そこのところ、具体的の問題につきましては私も何ともよう申し上げられないのですが、結局どこまでも中小企業にこういう不祥事件が起こらないように、小さいところまできめこまかく御指導と言っては失礼ですが、ともどもにやっていこうということを考えておりますので、お許しをいただきます。
○中村(重)委員 藤井政務次官並びに乙竹長官に私は申し上げたい。あらためて質問はします。中小企業の金融が困らないように具体的にどうするのかということについて、もっと突っ込んだ対策をお考えにならなければ、いま私がお尋ねをしたお答えをあなたもお聞きになったが、まだ足りないのだ、もっとやらなければならぬということをお気づきになったと思うのです。そういう点をひとつ精力的にやっていただきたいということを森本参考人に対しましても、政府のほうにも要望しておきたいと思います。 それから、森本参考人から先ほど非常に力強いというのか、私どもが期待するような答弁が先ほどの千葉委員の質問に対してあった。それは保証協会の保証料の問題なんです。当委委会におきまして、保証協会の保証というのは信用補完なんだから、大企業は非常に信用力があるから、その他いろいろなメリットの問題等もあるのでしょうが、非常に利子が安い。負担力の弱いところの中小企業というのが非常に利子が高い。これではいけないのだから、やはり保証協会の保証料というものがそれだけ上積みされるということであっては、それだけまた負担を増すということになってまいると思います。保証協会が保証するということは、信用力がそれだけ高くなってくるわけです。ですから危険負担というものは少なくなる。それならば保証協会の保証づきに対しては、保証料だけを引き下げるのではなくて、もっと金利そのものを引き下げてもらいたいということを実はお願いしたい。ですけれども、そこまでの申し合わせということはできないでしょうが、保証料だけはこれを引き下げるんだという、そういう申し合わせを両協会のほうでひとつやっていただく、それをぜひ要望したいと思うのです。実は三木通産大臣の当時も、それからその後の各通産大臣、それから大蔵大臣もだったと私は思うのですが、必ず引き下げさせますということを言っているのです。ところが、なかなかそういうことが実行されていない。だから、この点は何といっても、あなた方は中小企業に対するところの専門金融機関であります。一番大きなシェアを占めておるわけです。生かすも殺すも全くあなた方の双肩にかかっていると私は申し上げてよろしいと思うのですが、どうでしょう、そういう申し合わせをこの際やっていただくことは。
○森本参考人 いま御指摘の、保証協会が保証しているんだから金利を下げていいんじゃないかというおことばでございますが、現実において保証協会の保証があるんだから下げろ、下げますという具体例も実はあるのでございます。けれども、私たちも商売でございますので、コストの面ということをやはり考えなければなりません。非常に業態のいいお方に対しましては、保証料を取らなくても、私のほうプロパーだけでやっているという例もありますので、個々の問題になってまいりますと、いま小原会長さんもいらっしゃいますが、普通銀行さんもかなりありますので、ただ私たち二人だけが申し合わせましたのでは旗色が悪うございます。要するに御趣旨はよくわかりますので、保証協会と話し合い、保証協会が保証するものは金利は極力安くしていく。これは個人的なことですが、協会はそういうことにはタッチしておりません。私は一つの企業を経営いたしておりますが、私のほうにおきましてもそういう例は、全部とは申し上げかねますけれども、間々あることはあります。しかし、いまの御趣旨はよくわかりますので、十分ひとつその趣旨を体しまして、将来そういう方向に持ってまいります。全部そういうふうになりますとは申し上げかねますけれども、そういう趣旨に沿って計らってまいりたいと思います。御了承願いたいと思います。
○小原参考人 いまお話しの問題ですが、私のほうはこれは全部とは言いませんが、私、実は城南信用金庫というのをやっておりますが、うちでもって普通の保証なしで貸す金利が二銭三厘ならば、保証協会の保証がついたといいますと、それは一厘安くしております。いまお話しのような、保証協会の保証がございますので、危険負担というものがないものは一厘安く貸しておるというのが現実でございます。しかしこれは全部の信用金庫に対しまして、いま御趣旨のような面をできるだけ私どもは指導していきたいというふうに実は考えておるわけであります。
○中村(重)委員 参考人は誠意のあるお答えである、こう申し上げざるを得ないのですが、政府に対しては私は厳重に反省を促したい。各大臣が必ずそう実行させるということを明言してきている。にもかかわらず、いまの私の質問に対していまのような答弁をするということは、あなた方がこの問題に対して積極的な取り組みをしていないということを裏づけている。そういうことじゃだめです。だから政務次官、あなたはなかなか実行力があるから、大臣が約束したことはおれが必ず実現させる、こういうかまえでひとつやっていただきたい。 それから森本参考人にまたお尋ねしますが、信用金庫の場合もそういうことがあるんじゃないかと思いますが、政府資金の代理貸しをおやりになっていらっしゃる。ところが政府資金の代理貸しに対してまで歩積み・両建てをやっておるということで、よく私どもに苦情を持ち込んでこられる。このことも、私どもの問題指摘に対して各大臣は、そういう事実があったならば代理業務を停止するということを明言している。ところが依然として改められていない、そういうこがあるようです。だからこれもひとつ協会のほうで至急調査をされて、そういうことだけはやらないようにこれも申し合わせていただきたい。 まだ下請の金融に対しての問題などいろいろありますが、時間の関係がありますので私はこれで終わりますが、お答えを願いたいと思います。
○森本参考人 いまの政府の代理機関の歩積みということですが、かつてああいう問題がございまして、たいへんおしかりをいただきました。われわれのほうは十分戒心いたしまして、絶無だと思っておりますけれども、なおさらにそういう問題で御懸念がございますならば、もう一度私たちもよくひとつ反省をいたしまして、申し合わせをいたします。絶対にそういうことはあってはならぬことでございますので、もう一度帰りましてお互いに話し合って、戒めて、先生のおっしゃるような趣旨に沿うように十分戒心いたしたいと存じます。御了承いただきたいと思います。
○小峯委員長 塚本三郎君。
○塚本委員 時間が少のうございますから簡単にいたします。民社党の塚本でございます。 中小企業金融制度のあり方に関する答申、これは両参考人の方々は委員として答申を出しておいでになりますが、何か読んでみますると、特に資本取引の自由化あるいは特恵関税等を控えまして、ますます中小企業に対する金融を強化しなければいけない、こういうことの結論から——もちろんそれだけじゃないでしょうけれども、体制を強化するためにこういう答申が出されて、それを受けて実は法改正が出されたのだというふうに私どもは考えております。しかしこの二つの法改正の案ができておりまするが、これを読んでみますと、実は金融機関の相互の体制を強化するという理由だけでございます。しかし中を詳しく調べてみますと、実は極端な表現をいたしますならば、信用金庫あるいは相互銀行、そういうものを普通銀行に吸収、合併することをも可能とした内容が盛り込んであります。このことは結果としては、答申の精神から逆の方向に行くおそれがありはしないか、こういう心配を持つわけでございます。金融機関の合併及び転換に関する法律というものの内容につきまして、御両名から、お二人の立場からこれに対する、答申案に出たいわゆる精神とこの法律となってまいりました案とが相当に結果として違っておるのではないか、こんな感じがいたしますが、見解を承りたいと思います。
○森本参考人 二本の法律になって御承知のようにできたわけでございますけれども、いま先生のおっしゃったのは、あとのほうの合併、転換の問題だと思いますけれども、これはもう少し将来の問題でございまして、その法律ができましたからと申しまして、私たちすぐ相互銀行が普通銀行になるとか、あるいは相互銀行と市中銀行が合併するというようなことは今日の段階では考えていないのでございます。ただ、かつて私自身が経験したのでございますが、昭和三十六年でございますか、信用金庫を合併した経験がございますが、そのときにこういう法律ができていなかったものでございますから非常に不都合を感じまして、営業譲渡の形式をとったことがございますが、いますぐ先生のおっしゃるようなことにはならない、私はそう感じておるので、遠い将来はどうか存じませんが、万一の場合に、そういうことがあるときに便利のいいようにあの法律をつくったのだ、かように考えております。
○小原参考人 お尋ねの転換の問題でございますが、あの転換の問題が出ましたときに、私どもが強く主張しましたことは、何か信用金庫が株式会社である相互銀行さん、それから地方銀行なり都市銀行に合併されちゃうのだ、あるいは吸収されちゃうのだ、こういうふうな一方交通であったわけでありますが、それに対しまして、信用金庫というものと株式会社である銀行さんとは違った性質を持っております。精神も違っております。そういう面から一方交通では困るということを私は申し上げて、往復でなきゃいかぬ。都市銀行さんが信用金庫に吸収、合併ということはおそらくないでしょうけれども、地方銀行さんが信用金庫に吸収、合併もあり得るのだというふうな法律で、双互乗り入れでなければ承認できないということを申し上げました。と申しますことは、なるほど今日金融のシェアからいきまして、金額におきましては都市銀行さんに及びもつきません。けれども先ほど説明を申し上げましたように、貸し出し先数においては、全金融機関の中で一番貸し出し先数をよけい持っておるというのが信用金庫だ、会員組織なるがゆえにそういうふうになっておるわけであります。そういう面で私は決して金額の面からいって、都市銀行さん、地方銀行さんの次が信用金庫というふうな、皆さんがよく雑金融機関というふうにきめつけられることははなはだ遺憾に思っておりまして、私どもはそういう面からも往復でなきゃいかぬというふうに考えております。それで、それが通ったわけでありますが、そこで、信用金庫業界としまして先ほども申し上げましたように、やはり精神が違っておりますし、会員組織なるがゆえに中小企業なり一般国民大衆に結びついておる金融機関である、これを株式会社の面に吸収、合併ということをあまり簡単にやられることはまことに困る。この面については信用金庫は、信用金庫同士の合併はいいけれども、他の金融機関に合併は、どうしても信用金庫でもってそういう道がないというときに初めて考えていただきたいというのが私どもの考え方で、おそらく信用金庫が急にいま申し上げた株式会社に合併するようなものは少ないのじゃないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○塚本委員 私ども、中小企業金融制度のあり方に関する答申、実は、これが逆に——中小企業金融に対する体制強化の目的のために皆さま方一生懸命御努力いただいて、そしてこれを合併するなりあるいは基盤強化をなさるということでなさった。ところが今度、これはおそらく大蔵委員会に出てくるのでしょうが、この原案を見ますと、いわゆる公正な競争を中心とする金融機関そのものとして、中小企業とは切り離した関係で考えて、弱肉強食も自由競争の中においてはあり得る、そんなことは書いてございませんけれども、そういう内容でもってこの法律案が出されております。この点、長官はどんな見解を持っておられますか。
○乙竹政府委員 先生から御指摘、ほかの先生からも御指摘ございましたが、私たち中小企業行政をやる者にとりまして、特に堀先生から最初御指摘がございましたが、いま一番大事なのは、引き締めとともに構造改善をやらなければならぬということになりますと、先立つものは金でございますから、したがってこの金融制度のあり方につきましては、私、長官として実は非常に心配をしておるわけでございます。いま、大蔵委員会に上程される予定の法案につきましても、中小企業金融について、特に構造改善を行ないます場合に、これが前向きで役に立つような制度になるようにということを非常に心配をしておりまして、その点は大蔵省にも強く申し入れをしておりまして、大蔵省のほうといたしましても、いまの合併、転換、これは基準があるそうでございますが、これにつきましては中小企業庁のほうからの心配は十二分に考えておるので、心配せぬように、こういうふうな言質を得ておるわけでございますが、非常に心配をしておる問題でございます。
○塚本委員 長官心配しておいでになるということですが、私どもも心配するわけです。 小原参考人にお尋ねしますが、こういうことは、いまの話で、大蔵委員会のことになるかもしれませんが、御意見としては、ぜひ中小企業者の立場でお聞きしたいと思うのですけれども、もしこれがそのまま法律になりますと、結局都市銀行が、あるいは大きな銀行が小さいのを吸収、合併するほうに力点を置かれてしまう。自由競争ならば公正な競争だということになってきますと、力関係からしてそういう関係にいかざるを得ない。中小企業自身もほんとうならば大銀行、大きなところから借りたいのだけれども、なかなかめんどうだということで、日ごろ貸していただける相互銀行あるいは信用金庫へ行く、こういうことは口癖のように言っておるわけでございます。だから、そういうことで次々といわゆる相互銀行が吸収をされる、あるいはまた信用金庫が吸収をされるというふうな、合併という形でいったとしますと、かえって中小企業の窓口がそれがために少なくなってしまうという危険性を私は中小企業の立場で憂えるわけでございますが、その点小原さんの見解はどうでしょうか。
○小原参考人 ただいまのお尋ねの面は、確かにそういう面は私はあると思います。むしろやはり信用金庫を、まあ都市銀行さんなり地方銀行さんが店舗をふやしたいというときに、既設の信用金庫の店舗があればそれを吸収してやろうという面は確かに出てくるだろうと思います。ですから、私はそういう面については業界の人にもよく注意をしておりまして、信用金庫というものがよくその精神というものを考えたならば、株式会社といったようなものに吸収をするとかなんとかというようなことはなるべく遠慮してくれということを強くみなに指導しております。まあどうしても信用金庫同士で合併ができ得ないというふうな面が出てきたときにのみということに、つまり吸収であるとか合併であるとかいうものは、信用金庫は信用金庫同士の合併ということに特に私どもは心がけたいというふうに考えておるわけでございます。
○塚本委員 森本さんにお尋ねしますが、同じようなことは相互銀行にも言えるのではないかと思うわけです。私どもが心配しますことは、銀行屋そのものよりも、中小企業が簡易に利用し得る窓口が少なくなる。少なくとも、数があっても行きにくくなる。そういう意味では都市銀行あるいは普通銀行に比べまして、おたくたちのほうの相互銀行や信用金庫は相当に入りやすい形になっておることは事実だと思うのです。そのことが少なくなることを私は中小企業という立場から考えると憂えるわけでございます。ところが相互銀行さんは、大きいやつは銀行に昇格になるのだというようなことで、先ほどの森木さんの説明では、賛意を表しておられるようにも最初の意見の開陳がありました。しかしそのことによって中小企業の窓口が狭められはしないか。この答申自身は、中小企業の窓口を拡大し、さらに体制を強化するための答申であったにかかわらず、結果としては、自由競争のおもむくところそういう形になり、相互銀行さんなどはいわゆる一人前という言い方はちょっと御無礼でございますけれども、一般の銀行並みに昇格できるというところで、相互銀行さんの中でも積極的な賛成があったということは、何かしら中小企業とグッドバイというような形が結果として出る心配をわれわれは持たざるを得ないということでございますが、どうでしょうか。
○森本参考人 私のことばが足りなかったかもしれませんが、相互銀行が普通銀行に転換ということは世間ではしきりにいろいろ申しておりますけれども、実際問題としてそういうことを考えておる銀行はないのじゃないかと私は申し上げましたので、私のことばが足りなかったかもしれませんが、相互銀行は、今度ああして御心配いただきました相互銀行法の改正の結果をもちましても、全く中小企業専門の金融機関だ、中小企業に定着ということばがよくはやっておりますが、私たちは中小企業に定着すべきものだというふうに考えております。ただ、いまの合併の問題は、私は全然起こらないとはよう申しません。これはやはり企業体自身をやほりかたく、りっぱにする。何も、合併しましたからといってすぐ企業がりっぱになるというわけではありませんけれども、しかし中小企業金融機関がまず健全でりっぱな内容を整えなければならないというたてまえから申しますと、あるいはそういうことも起こるかもしれませんけれども、起これば起こったままで、やはり中小企業のめんどうをより一そう見られる形に変わっていくだろうというふうに考えておりますので、長い将来はどういうふうに変わるか私もよう考えませんけれども、いまこの法律が出ましてすぐもう自分は普通銀行に変わるのだと新聞では書いておりますけれども、少なくとも私の知っておる範囲内ではそういう形にはならないのではないか、またあれも、簡単に看板さえ書きかえればいいというわけではございませんので、大蔵省の認可事項でございますから、そう簡単に認可もないことでございましょうし、相互銀行はどこまでも中小企業に定着いたしまして、専門の金融機関として精進をしていくであろう、いかなければならない、かように考えておる次第でございます。
○塚本委員 もう一ぺんお尋ねしますけれども、おたくのほうの関係の相互銀行の中で、もしこの法律が通ったといたしますると、日ならずして銀行昇格の動きが起こってくるという心配を私どもいたしますが、そういう心配——心配になるかどうか、おたくたちはより基盤強化されたという認識もあるいはあるのじゃないかと思いますが、そういう点についてしばらくの間そういうことは起こり得ないという判断を下せるでしょうか。その点どうでしょうか。
○森本参考人 私個人の感触でございますので、あるいはそういうものが絶対に起きませんとは私はよう明言いたしませんけれども、当分そういうことは起こらないのじゃないかと、私はさように考えておるのでございます。
○塚本委員 時間がありませんから、簡単に最後に……。 中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法の一部を改正する法律案要綱というのがここにございますが、その中で、小原さんにお聞きしますけれども、貸し出しの限度額を自己資本の百分の二十以内に制限する、こういう制限がつけられた案が今度出されるようでございます。これはおそらくおたくのほうの耳に入っていると思いますが、これは小口金融を要望しております中小企業者にとってはきわめて適切であり、少ない金を多くの人に貸してほしい、こういう希望だと思います。そのことは私は反対の意思を表明するものではありません。しかし、見まするところ、私どもこういう内容のものはいわゆる一般の普通銀行が極端に大口にどさっと貸して、そして世間の悪評じゃございませんが、某銀行等は銀行ではなくて系列企業に対する金集め機関である。多くの人から借りて多くの人に貸す機関ではないというようなことが言われて、わが党においても再三これと同じような内容のものを銀行法改正として叫んだことがございます。今度信用金庫に対してこういう法律案が出されましたけれども、こういうような内容はむしろもっとよけいの資金量を集めております一般銀行にこそ先に適用すべきではないか、こういう気もいたすわけでありますが、これに対する見解を聞かしていただきたい。
○小原参考人 いまのお尋ねの面でございまするが、これは自己資本の百分の二十ということになっておりまして、出資金、積み立て金の合計額、そういうことでありまするが、今度私が要望しましたのは、先ほど来問題になっております大きくなって信用金庫の会員になっておれなくなったという面に対する卒業生金融というのを認めていただくようになったわけなんです。会員としてはいまの資本金の百分の二十でございまするが、今度は総貸し出し額の二〇%の範囲においては小口員外貸し出しといまの卒業生金融を認めていただいた。二〇%という線は前からあった信用金庫に規制されておったわけであります。しかもいままでは大体貸し出しの限度というものは中小企業庁のほうでもってきめておられますが、中小企業基本法によって三百人以下か五千万円以下、こういうことになったのですが、この面についても今度は先ほど来申し上げましたように、基本法というものはだいぶ前にできたものですから、今日の実態に沿わないということで、いろいろお話ししまして信用金庫の面については一億円内外という面で心配をしてもいい、貸し出しをしてもいい、こういうことになったのでございます。といって、私どもは地方の小さい信用金庫があまり一人の人に簡単に一億円の金を貸すがいいか、五百万円ずつを二十人に貸すがいいか、こういう面は問題がございまして、やはり資本金がまだ小さいうちはできるだけ少ない金額を多くの人に貸すということのほうがいいのではないか、いまの自己資本の二〇%という面はその金庫の健全性の面から見てもやはりいいのではないか、こういう考え方を持っております。
○塚本委員 あと一つだけ個人の見解でよろしいからお聞きしたいと思いますが、いまおっしゃったように、私は金融制度本来の姿からいって、そういうのがあるべき姿ではなかろうか。また聞きでございますけれども、アメリカの連邦準備法等におきましては一割以上貸してはならないというようなことも設けられておるとも聞いておりますが、そういう見解からいきまするならば、ひとり信用金庫だけでなくて、ほかの金融機関にも、金融機関の安全性からいっても公共性からいっても、やはりこういうふうな貸し出し限度額の制限を設けることが正しいのではないかと私は思いまするが、小原さん個人の見解だけ聞かしていただけませんか。
○小原参考人 私はそれは、信用金庫に限らずあらゆる金融機関でそういう制度は必要である、これは金融機関の預金者保護というふうな面から必要ではないか、こういうふうに考えております。
○小峯委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 あまり時間もございませんので、簡単にしたいと思いますが、いま預金保険の創設ということが問題になっておりますね。これについての御意見を簡単にお聞きしたいと思います。森本さんから……。
○森本参考人 いまの預金保険の問題でございますが、これは金融制度調査会でも問題になったのでございます。これは単に中小企業金融機関だけの問題ではございませんので、現在金融制度調査会で普通銀行の問題を取り上げておりますけれども、将来に向かってさらに検討を続けていこうということに金融制度調査会のほうではきまっておるのでございます。まだ現在実現はいたしておりませんけれども、これからいろいろの角度から検討していきたいと考えております。
○近江委員 それからコール資金の金利の上昇、こういったところですが、日銀も窓口を相当締めてきておりますし、金利の上昇等考えていきますと、一部では、倒産のおそれのあるそうした中小企業に貸すよりも、そっちへ回したほうがいい、こういう空気が非常に強いというふうに思うのです。この現況、並びに皆さん方がどのように指導なさっておるか、この点をひとつ小原さんから……。
○小原参考人 コールもだんだん上がってきまして、現在二銭四厘にまで上がってまいりました。信用金庫業界といたしましては、コールに運用する面は預金支払いの準備資産の範囲、こういうように考えておりまして、コールが上がったからといってそういったようなコールに依存するということ、貸し出しを減らしてコールのほうへ持っていくというふうなことについのは、コールが高いというのでもって安易に流れてやってしまったのでは、信用金庫の目先の面はいいかもしれませんが、長い信用金庫の将来を考えたときには、やはりコールでなく、できるだけ中小企業にも回すことがいいんだ、こういうふうに私ども考えておりまして、全国の信用金庫に対しては、そういう面は十分注意するようにというふうな指導を現在行なっておる次第でございます。
○近江委員 それから特に信用金庫あるいは信用組合等におきましては、資金コストが非常に問題になると思うのです。資金コストの引き下げということは非常に大きな課題だと思うのですが、これに対してどのような対策をとっていらっしゃるのか、森本さんから……。
○森本参考人 これは非常に大きな経営上の問題でもございます。かと申しまして、中小企業金融機関でありますと、コストがある点までは高いということは一つの宿命的な問題でもあろうかと思いますけれども、極力低コスト、コストを引き下げて安い金利のものを提供するように努力しなければなりませんので、われわれのほうでは特に特別委員会を設けまして、どうしたらコストが引き下げられるかということさえ検討をいたしておりますので、極力そういうふうに努力をしていきたいと考えております。
○近江委員 小原さんから……。
○小原参考人 コストの引き下げにつきましては、信用金庫業界としてはかなり前から毎年毎年計画的にやってまいりまして、昨年の九月末における信用金庫の資本コストは一銭八厘まで下がったわけであります。なお一そういろいろと経費を節約するとか、いままでのいろいろな旅行預金であるとか観劇招待であるとかといったようなむだな経費はできるだけやめまして、そして職員も一人頭のペースをふやすとか一支店当たりのベースをふやすとかいうことに努力いたしましてやりました結果、年々低下しておるというふうな実情でございます。
○近江委員 それから次に現実的な面なんですが、中小企業の金融機関として相互銀行、それから信用金庫、信用組合とありますね。それから政府の三機関、実際これだけを並べて、借りる人に、あなたどこで借りたいかと言いますと、政府三金融機関へ殺到するわけです。そういう傾向が強いわけです。皆さん方も中小企業に対しては全力投球でやっていただいていますし、その点は非常に中小企業も感謝しておるわけです。しかしその中で、もし借りられるものならどこで借りるか、政府三金融機関へ行きたい、この点をどう思いますか。なぜ政府三金融機関へ行くと思いますか。この点について、小原さん……。
○小原参考人 私どもは決して、われわれの信用金庫にお客さまが求めて来ないと考えておりません。それはおそらく、そういう人たちは政府の大蔵省なり、通産省なり、国会の方々にはそういうことを言われるかもしれません。けれども、先ほど来申し上げましたように、今日、政府三公庫の貸し出し先数は、国民金融公庫が百三十二万先、中小企業金融公庫が十二万七千先、商工中金が九万三千先、これを全部合わせても、私どもの信用金庫の貸し出し先数が百六十一万七千先でございますから、信用金庫の会員三百二十七万人の大体半分百六十一万七千先貸しているということは、一般の人が信用金庫に相当依存していることが多いんじゃないかということを申し上げておきます。ただ大蔵省なり、通産省なり、あるいは国会の方にはそうおっしゃるかもしれませんけれども、私は、実際問題はこの数字が示しておるという自信を持っております。
○近江委員 それは、要するに次元のとらえ方の問題ですね。確かに政府三金融機関の貸し出しは非常にワクも小さいので、これを拡大しろといつも言っているのですが、なかなか実現しないわけでありますけれども、そういう必要に迫られて殺到しているという姿にほかならぬ。ここで実際にその本心を聞くと、もし借りられる時点においては三金融機関のほうがいい。なぜなら、先ほども問題が出ておりました歩積み・両建ての問題なんです。お金を借りるときに、これは貸し付け金には関係ありませんと一札入って、現実にやはりやられているわけです。ですから、先ほどもこのデータをいただいて私は見ておりましたが、決してこれは架空のものだとか私は言いません。それは正確なデータだと思います。しかし、現実には歩積み・両建てはやられているわけです。この点については、私もいつも通産局長にも言っておりまして、また大蔵省とも連携をとってその点は是正していきますと、いつも聞いておるわけですが、第一線の皆さん方として、これからの歩積み・両建ての問題は大きな問題だと思うのです。その金さえなければ、もう少し何とか立ち直れたのに、そのわずかなところであぶない場面がよくあるわけです。こういう点で、極力、この歩積み・両建てはなくしていただきたい。これは第一線の皆さんからお聞きしたいと思います。小原さん、今後どのようになさっていくか。
○小原参考人 いまの、三公庫のほうは両建て・歩積みはないけれども、われわれのほうは両建て・歩積みがあるからというお話なんでございますが、両建て・歩積みとかその問題は——実は私どもはこの信用金庫の仕事をもう四十七年ばかり前からやっておりますが、戦前は、こういうふうなぐあいでした。かりに五百万円の預金があって、一千万円の仕事をしようという場合には、五百万円の金を下げる、それで信用金庫が五百万円の金を貸す。これが通例だったのです。いつの間に、戦後において両建て・歩積みのようなものがどこで始まったか、私はわからないのですが、こういうふうな面が出てきたということは、当時やはり資本不足ですか、そういう面からそういうことをやったのではないかと思うのです。私どもは戦前からやっておりますが、いま申し上げましたように、預金は全部下げさして足りない分だけ貸すのだ、こういうやり方を従来やってきたわけです。ですから、信用金庫におきましても、私は両建て・歩積みについてかなりきびしくみんなを指導しておりますが、いま申し上げたように、結局、預金があれば預金を下げちゃって、借りたいだけのものを貸してあげるというようなぐあいにやっていきたいということでもって、そういう面について、できるだけ中小企業者のために心配したい。われわれは信用金庫をやって、何も信用金庫が会員のために金を貸して、そして利息を取ってどうこうというより、やはり中小企業者を育てるというのが信用金庫の精神なんですから、そういう面から言っても、そんな無理なことをするということは感心しないというふうに思いますので、できるだけの指導は考えております。
○近江委員 もう終わりたいと思いますが、一つは、財政投融資の計画が、中小企業関係の比重というものが、いつも非常に低いわけです。私のデータでいきますと、中小企業関係としまして、四十二年度で三千二百九十三億、全体としては二兆三千八百五十四億。四十三年度で、三千八百七十六億、全体計画としては、四十三年度で二兆六千九百九十億。非常にこの比重が、これは直接、間接の場合もありますけれども、こういうふうな比重になっているわけです。こういう点について、皆さん方としてもいろんな御意見はおありだと思うのです。その意見をちょっとお聞きしたいと思うのですが、小原さんに……。
○小原参考人 ただいまのお尋ねの点の三公庫の面でございますが、信用金庫のようなものは、一般中小企業なり国民大衆から資金を集めております。ですから余裕金があった場合に債券を買うとしましても、できるだけ商工中金さんの債券を買う、これがやはり必要だというので、私どもは、自分の金庫なんかでは毎月毎月、これは商工中金さんにお聞きくださればわかりますが、きめて買ってきた。大企業の社債を買うよりも、できるだけやはりわれわれは、中小企業から集めた金だからこれを還元するんだという考え方でもって、そういう姿勢でやってきたわけなんでございます。 そこで、いろいろありますが、中小企業金融公庫さんなり国民金融公庫さんなり、中小企業金融公庫さんは、ほとんどわれわれ信用金庫なり中小企業金融機関の窓口を通じてやる代理貸しというのが多い。ところが国民金融公庫さんは、最近は、全国に支店をこしらえてやっておいでになるというので、どうかと思いまするが、私どもこういう面は、信用金庫はもうほとんど地域金融機関として、北海道から南は奄美大島まであるわけなんですから、かなりきめこまかい配慮ができるんじゃないかというので、これはひとつできるだけ代理貸しということのほうが、どっちかといったらば適切な人たちに貸しつけができる。むしろ公庫さんの直接貸しよりも代理貸しのほうが私はいいんじゃないかというふうに考えますので、われわれが希望しますことは、代理貸しをひとつお願いしたいという希望でございます。
○小峯委員長 近江君、結論に入ってください。
○近江委員 いまの財投の問題について、今後の姿勢ですね、局長……。
○乙竹政府委員 先生御指摘のように、全体の財投の中の中小企業三機関のシェアは若干ずつ上がりつつございますけれども、まだ非常に小さなものでございます。ただ、今回は一応全体の数字の中では一二・九%というシェアになっております。これが三十六年ころは一一・八%、次第に上がりまして、昨年が一二・六ということで、これに比べまして若干上がりまして、いままでの財投のシェアの中では一番大きなシェアになったわけでございますけれども、私たちとしても今後中小企業向けの、先ほど申し上げましたように、金融がやはり一番問題でございますし、それも特に補完的役目を持つのが三機関でございますので、三機関のシェアの拡大に努力をしてまいりたいと思っております。
○近江委員 そこで、先ほどからも話が出ておりましたが、いま中小企業の倒産が非常に深刻な問題だと思います。一月の倒産件数でございましても、一千万以上のデータでありますが、前年の同月に比べますとそれぞれ約五〇%のような、こういう大幅な傾向であります。この年末金融の場合に、前に局長にもその抜本的な対策を立ててもらうように要望しまして、若干の手だてが打たれたわけでありますが、今後三月、さらに六月に入って、さらにこれから内外の情勢の緊迫が感ぜられる、その場合にどうするかと私が言ったときに、局長はそのときになればまた対策を強化して考えていきます。このように言われたわけです。いよいよこの三月危機、さらに三月から六月にかけては史上空前の倒産が予想されるわけです。このまま手をこまねいておったのではさらに犠牲者はふえる一方である。これに対して局長は、あの昨年末に答弁なさったその姿勢からして、どのような抜本的な対策を立てていらっしゃるか、最後にひとつお聞きしたいと思います。さらにまた第一線機関としての参考人の方々は、これだけの危機を控えましてどういう対策を持って、決意を持って臨まれるか、最後にお聞きしたいと思います。
○乙竹政府委員 だんだん金融が引き締まってまいりまして、年末に、先生の御質問に対しましてできるだけ努力をいたしますと申し上げたわけでございますが、その後着々締まってきておるわけであります。そういう状況を踏まえまして、年末に対しましては財投の千六十億の追加を獲得したわけでありますが、その後の予算、財投の折衝におきまして、いま御報告申し上げましたような、いままでで申しますと財投として一番大きな数字を、特に大蔵当局も協力をして一応計上しておるわけであります。しかし、財投といたしましては、財投の占めます中小企業の貸し出し比率は九%弱でございますので、問題は市中金融機関の動向であり、日銀の方針でございます。この点日銀当局及び大蔵当局と密接に連絡をとりまして、健全な中小企業について金融上のしわが寄らないようにということで、種々手配をおのおの担当の機関にお願いをしておるわけであります。なお、いろいろ金融が締まってまいりますと、とっさに手も打たなければならないということでございますので、中央で連絡を密にし、対策を講ずるだけではなくて、各地方、九地方でございますが、九地方に大蔵、日銀、通産の三機関の金融の連絡機関を設け、これはすでにいま発足をしております。すでに各地で今月にも第一回の会合も開きまして、そうして密接に情報を交換し、また金融機関に対する指導にも遺漏ないように手配をしておりますけれども、先ほどから万々御指摘のように、いよいよ事態が悪くなってまいります。したがいまして、私たちとしてもこれから十二分に警戒をし、できるだけの努力をしてまいる覚悟でございます。
○森本参考人 先ほども申し上げましたように、健全な中小企業がそういうふうなことで憂き目を見ることがないように、極力警戒いたしまして、努力いたしたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○小原参考人 この倒産の原因は、金融の面ばかりではないんでございますが、黒字倒産というふうな面で、金融で倒産するというふうなことがあっては、われわれ信用金庫協会としても中小企業の人たちに対して相済まぬと思っておりますので、こういうふうな時期でございますので、私どもは信用金庫のあらゆる資金を全国的にプールなり何なり動員いたしまして、そういうことのないようにひとつ相つとめたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○近江委員 以上でございます。
○小峯委員長 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、たいへん参考になりました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。 午後の日程でございますけれども、参考人、お見えになっておられますけれども、ここまでずれましたから、午後一時半から再開することにいたしたいと思います。 休憩をいたします。 午後零時五十分休憩 ————◇————— 午後一時四十九分開議
○小峯委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。 午後の参考人として、全国中小企業団体中央会専務理事稲川宮雄君、全日本商店街連合会会長中野喜介君、以上二名の方に御出席を願っておりますが、委員各位の集まりが悪く、きょうは参考人の意見を聴取することができませんので、お引き取り願いたいと存じます。 たいへん行き届きませんで申しわけございません。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十分散会