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58回国会衆議院1968/06/03

社会労働委員会 第29号

発言数
52
登壇者
10
会派数
2
開催日
1968/06/03

会議録

八田貞義自由民主党

○八田委員長 これより会議を開きます。  労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 本日は、米軍基地と労働災害との関連について、二、三質問を行なってみたいと思います。  そこで、それに関連をして、昨日の夜十時四十五分ごろ、目下建築中の九州大学工学部の校舎に、米軍第五空軍に所属いたしますジェット戦闘機F4ファントムが墜落をいたしまして、そして炎上するという事故が発生をしたわけであります。従前は百名前後の作業人員がおったそうでありますが、幸いにしてきのうは日曜のことでございますし、人員は一もいなかった。しかし、いずれにしても学園に迷彩を施したジェット戦闘機が墜落をする、このこと自身は、非常に重大な点だと思うわけであります。特に今日まで板付基地周辺におきましては、墜落、不時着、爆弾、補助タンクの落下等の事故というものが、すでにもう三十数件発生をいたしておるところでございますが、それらによって、かなり人命に損傷を与えてまいりましたし、物的な損害を与えてまいったわけでございます。そういうことで、今日まで福岡市民というものは常に戦々恐々とした生活を送ってまいったとも言えるわけであります。特にこの板付の場合は、都市周辺の基地でございますから、そういう意味では特に市民の不安というものが大きいと思います。そういう意味で、きのうの事故は、学園であるということ、また周辺が家屋の非常に稠密な地点であるということ、そういう意味で、きのうの事故というものは、私どもはきわめて重要視をいたしておるわけでございます。これらについて、ひとつ防衛庁当局の御見解を承りたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 昨夜福岡市におきまして、米軍のF4Cファントム機が墜落いたしました事故は、まことに遺憾しごくでございまして、かねてからいろいろ御心配の向きに非常な影響を与えたことを遺憾に存ずる次第でございます。  昨夜の事故につきまして、当防衛施設庁といたしましても、さっそくにこの原因の調査をいたし、今後かような事故の起きないように厳重に米側にも善処を求めるつもりでおるのでございます。  この事故は、幸いにして、不幸中の幸いと申しますか、人命には被害はございませんでしたが、施設その他にばく大な被害を与えたのでございまするから、かような事故が二度と繰り返されないようにするためにはいろいろな措置も講じなければならないと存ずるのでございます。とりあえずの措置といたしまして、これらの損害の賠償につきましては、早急に調査の上、米側に善処を求めるという考えでございますし、また、かような事故の再発防止、そのための原因調査については、直ちに措置いたしたい、かように考えておる次第でございます。とりあえずお答えいたします。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いま長官のお答えを承っおりますと、原因調査ということが主として申し述べられたようでございますけれども、この原因をいかに調査しようと、基地が存在する限りはやはり私はこの種の事故を完全に防止することはなかなかむずかしいというふうに断ぜざるを得ぬと思うのでございます。特に、今日まで航空事故が頻発をした。私の承知する範囲におきましても百八件、死者だけで二十数名ということでございますが、最近板付基地周辺で起こってきた事故だけを若干拾ってまいりましても、この昭和二十六年の五月十日に二股瀬というところでジェット戦闘機が墜落をいたしまして、六人の死亡者を出しております。それから三十年の六月十五日にはこれまた同じ個所におきまして墜落事故が起こり、死者が一名出ておるわけであります。さらに昭和三十二年の十一月十三日におきましては、その近くの吉塚五丁目というところで墜落事故がございまして、これまた一名のとうとい人命をなくしておるわけでございます。このように事故が頻発しておりますことは——そのつど原因調査ということが言われてまいりましたけれども、原因は幾ら調査しても、このような事故が起こることは否定することはできないわけですから、そういう意味で私はやはり基地の存在というものが、特に板付の場合は、世界に類例がないように、都心部にあるというところに私は非常に大きな問題があると思うのです。  それからもう一つは、——時間がございませんから申し上げますが、もう一つは、パイロットの人命もとうといかもわかりませんけれども、日本国民、日本の市民の生命というものが、非常にとうといにもかかわらず軽視をされておる傾向があるのでないかという疑惑というものが存在をするわけでございます。それは今日までたびたび事故を見てまいりましてもわかりますように、パイロットはいち早く脱出する、そうして無人飛行機というものがほとんど墜落をして、そのために人的あるいはまた物件に対して非常に大きな損害を与えてきた。この日本国民の生命よりも、市民の生命よりもパイロットの生命のほうが重要視されておる、こういう傾向があるところに私は、この種の事故において反省すべき点があると思うのです。そういう意味において、防衛庁は今日までどういう態度で米軍側に臨んでこられたか。これは非常に重要なことでございますから、人命尊重の立場からきわめて重要なことでございますから、この際率直な御意見を承っておきたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 福岡におきましては人口稠密、あるいは住宅その他施設が相当ございまするので、基地の問題につきましてはいろいろ地元の関係者におかれましては非常な不安を感じておられるのでございまするが、今回の事故で直ちに基地の撤去ということはこれはまたむずかしい問題ではないかと思いまするが、これらにつきましては政府の部内でも大きな方針として十分に協議してまいらなければならぬ問題だと思っております。  ところで、従来の米軍の飛行と、かような問題に関連して人命尊重の問題でございますが、申すまでもなく人命尊重ということは第一義的に考えなければならぬことであると、われわれも米側にも常に要求いたしておるのでございます。米側も、そういう点については十分承知しておるはずでございます。たまたま、今回の事故につきましては、詳細なる原因がまだ明確ではございませんから申し上げかねるのでございまするが、さようなつもりでおったのが、やむを得ざる結果としてかような墜落事故になって、海上に出られなかったというような結果になったのではないかとは想像されるのでございますが、これはまだ想像の域を脱しませんので、今後ただいま申し上げました原因調査——私どもはこれはさらに政府部内でも協議いたしまして、合同委員会の下に事故分科委員会というものもございますので、これらの機関において十分検討いたしまして、その際にもかような人命尊重の趣旨については十分に反映するように善処いたしたい、かように考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 人命尊重に配慮したいということでございますけれども、これはきょう起こったことではないわけですね。いままで、過去においてそういう事例というものが多々あった。そのパイロットはいち早く機内から脱出して、飛行機だけが日本の基地周辺の人家に落ちて、そうして物的、人的な被害を与えてきた、こういう事例というものがしばしばございますから、特に私はきょうはこの点を強調しておるわけです。しかも今度の事故についても、パイロット二名はほとんど軽傷も負わないで脱出に成功しておる。そういう点から想定しますと、ひがみじゃないけれども、やはり日本の市民なり住民の生命というのが従的な存在になっておる、こういう国民感情を強くぶつけざるを得ないというのが率直な私どもの気持ちでございます。  特に今度の場合も、九大があるあの地区一帯は、戦災にあっていない地区ですから、そういう意味では福岡市内におきましても、最も人家が密集した地域でございます。しかもこの九大の校舎に墜落をしたということでございますけれども、その墜落をした隣接地には、九大の原子核実験室があって、この原子核実験室においてはコバルト六〇が置かれておる。もし、この原子核実験室に落ちたならば、一体どういう事態が起こったのかということを私どもが想定してまいりまするというと、全く肝のめいるような感じもいたすわけでございます。そういう意味で、結果論でございますけれども、どうも最後までベストを尽くしたならば、あるいはこういう事故というものが防止できたのじゃなかろうかというような感情というものは、これは市民すべてが持っておると思うのです。  そこで、いま長官のほうから人命を尊重するようにというような申し入れをやったということでございますけれども、実際には私はあまり反省が認められないと思うのです。今後、政府としてはどういう処置をおとりになるつもりであるか、そういう点について、ひとつ確固たる信念を承っておきたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 ただいまもお答えいたしましたように、人命尊重をいたさねばならぬことは申すまでもないところでございますので、今後の原因の調査なり、あるいは対策の検討の段階におきまして、この点については率直に、この人命尊重ということが行なわれまするように、強く善処を求めるつもりでおります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 これは、よほどき然たる態度をとられぬことには、今日までの事例が示しておるように、反省の色はなかなか見られないというのが率直な私ども市民の感情でございます。  そこで、文部省にもお尋ねをしたいと思うわけでございますが、今度建設中の校舎は、電子計算機という近代的な内容を持つべき校舎だというふうに承っております。そこで、こういう事故によって教育というものが阻害をされる、このことを私はまことに残念に思うのでございます。そういう点について文部省としてはどういう見解を持っておられるのか、この際、率直にひとつ御見解を承っておきたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 九州大学工学部の大型電子計算機センター、これは鉄筋コンクリート六階建て、三千五百七十平米、八月三十一日完成の予定で目下工事中のものでございますが、これに米軍の飛行機が墜落いたしまして、工事中の仮ワクが炎上いたしました。  被害は六階と五階にわたっておりまして、六階、五階についてはおそらくやり直しをしなければならぬのじゃないかという状況であります。これが善後措置につきましては、まずもって本日十時より、九州大学で評議会を開きまして検討中でございます。いずれ御連絡があると思いますので、それによりまして文部省でも対策を講じたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 今度の問題は、いままでかねて心配されておったことが現実になってあらわれてきたということだと思うのですね。  そこで従来から、申し上げますと、板付基地の周辺に九大の学舎があることは好ましくない。そういう意味で積極的に基地の撤去については意見の具申があっておったところでございます。その際は、一つにはいっその飛行機が墜落するかわからぬというような問題がございます。いま一つは、この飛行機の騒音のために——すうっと飛行機が降下する地点でございますから、あるいはまた飛行機が基地から上昇する地点でございますから、したがって、このジェット機の騒音のために講義というものが非常に阻害される、こういう二つの点からこの板付基地の米軍使用は困る、こういう意見を常に表明をされてきたところでございます。  ところが、その後どうもやや消極的となっておるようでございますが、期せずして従来心配しておったことが、今日このような不幸な事件になってあらわれてきたわけですから、やはりこの際、単にこの建築中の建物の五階、六階が破壊されたというような簡単なことではないと思うのです。法律的には、いま申し上げるように、基地がある以上は、いつ今度は原子核実験室に墜落をして、そうしてコバルト六〇に対して、ものすごい影響を受けるかもはかり知れないというような問題もあるわけですから、具体的に、文部省としてもこの際、この基地問題については徹底的に取り組まれる必要があると思うのです。私はやはり学問という問題、あるいはまた人命という問題、そういう問題からこの際、文部省としても積極的にこの基地問題に取り組まれる必要がある、こういうふうに考えるわけですが、その辺の御見解を承りたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 文部省の意見と申しますか、私は建物を建設管理する立場から申し上げますると、学校の施設が各種の公害、たとえば騒音でありますとか、大気汚染でありますとか、それから飛行場の騒音でありますとか、そういうもので妨害をされることが望ましくないことは言うまでもないわけでありまして、私どもはその種の公害につきましては、原因をなるべく除去していただきたい。できれば発生しないようにしていただきたいというのが希望でありますが、現実の問題としましては、除去いたしかねる場合もございます。そういう場合には、被害防止のほうをそれぞれの立場でやっております。軍施設や飛行場につきましては、防衛庁及び運輸省で騒音防止工事をやっておられますし、それ以外のものにつきましては、文部省で予算を計上いたしまして、被害軽減の工作物面からの配慮をいたしております。  一般論といたしましては、原因そのものがないのが望ましいわけでありますし、原因が一挙に除去できないとすれば、防除につとめるのが文部省の従来からの立場でありますし、一そう努力いたしたいと思います。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そういう抽象的なことでは、ものの解決には役に立たぬと思うのです。というのは、騒音等の公害除去のために努力をするとおっしゃっても、そのことによって飛行機の事故というものが防止できるものではない。やはりこれは基地がなくならぬ限りは、そういう墜落事故という問題が除去できるわけではないわけですから、これが原因に対する対策だと思うのです。騒音のために授業が阻害される。それに対する対策というものは、それは消極的な対策であって、根本的なこの問題の解決というものは、やはり基地を除去する以外にないと思うのです。それに取り組まないでおいて、そうしてこの問題の解決に当たろうたって、それはとうてい困難なことであって、私はやはり日本政府としては、学問の自由、人命の尊重というものを堅持しようとするならば、やはり抜本的に取り組む必要があると思うのです。いまのような抽象的な答弁では、私どもは満足することができません。もっと、き然たる態度で臨んでもらいたい。今度の場合には夜間のことですから、学生もおらなかったということでしょうけれども、もし昼間で学生がおったならば一体どうなるのか、特にプエブロ事件以後、戦闘機の離着陸というものが非常にひんぱんになっておる、こういうように地元では言われておる。やはりそういう問題の根本的な解決に取り組まなければ、先ほど申し上げたような問題を解決するわけにとうていまいらぬわけですから、もっとき然たる態度で取り組んでもらいたい。それに対する御見解をもう一度お伺いいたしたい。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 文部省としては、先ほども申し上げましたように、学校周辺においてあらゆる種類の公害が起こることが望ましくないことは申すまでもございません。しかし個々具体的なものにつきまして、いかに処理するかにつきましては、文部省でできることにつきましては限界がございまして、その限界の範囲内で最大の努力を払っておるわけであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いまのような消極的なことでは納得するわけにいかぬのであって、むしろ学園の問題ですから、やはり文部省が先頭に立って、防衛庁、外務省、そういう政治機関を動かしてこの問題の抜本解決に当たる、こういう心がまえでなければならぬと思うのです。そうして防衛庁もやった、外務省もやった、しかし、アメリカががんとして聞き入れなかったということなら別問題ですが、やはり多数の学生をかかえた大学でございますから、また尊い研究をやっておる大学でございますから、文部省がそういう学園の自由なり研究の尊重なりということを考えるならば、もっともっと前向きに、積極的な態度をとるべきだと思うが、そういう点では私は非常に残念に思います。  そこで、いま一つお尋ねをしておきたいと思いまする点は、きのう墜落事故が起こった、そして関係者が陸続としてこの現場にはせ参じた、そこで問題になりましたのは、従来、かつてないことでございますけれども、アメリカ兵がカービン銃を持って学内に入り込んだ、この点が学生をはじめとして関係者の非常な憤激を買っておるところでございます。警察官を導入しても、学園の自由を奪われた、学園の自主性というものが奪われたということで問題になるのにかかわらず、アメリカ軍の兵隊が、銃を持って学園に入り込んだことについては——これは非常に重大な問題だと思うのです。こういうことで、平和であるべき学園の自由というものが守れるのか、平和であるべき学園の自由というもの、あるいは自主性というものが尊重され得るのか。私どもはこの事態を知って非常に残念に感じておるところでございます。この点について文部省、それから防衛庁の次官も御出席でございますから、御見解を承りたい。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 火災当時の米軍なりあるいは警察官の事故対処のための行動につきましては、実はまだ詳細に報告がまいっておりませんが。御指摘のようなことがあったことはどうも事実のようでございます。それらの対策も含めて、現在九州大学でも協議会で検討中でございます。私どもの感じといたしましては、たいへん緊急の事態であるにせよ、もし管理者に無断で、あるいはその意向に反して入ったということであれば、たいへん遺憾なことだと思います。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 ただいまの、米軍がカービン銃を持って入ったということは、私どもも報告を受けておりまして、まことに遺憾だと思っています。特にいま先生の御指摘のように、学園の内でございます。特に平和な日本の体制の中へ、そういう装備のもとに入ることは適当でなかったのではないかという私ども考え方を持っておるわけでございます。そういう点については、なお現地の調査も十分いたしまして対処いたしたいと考えておるところでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 こういったことは、日本の歴史にもない、きわめて不幸な事態だと思うのです。ですから、この際、政務次官からも御見解がございましたように、厳重にアメリカ側に対して抗議をしていただきたいと思います。  そこで、時間の制約もございますから申し上げますが、こういうことを考えてまいりますと、やはり板付基地というものは平和利用であって、米軍の使用というものは認むべきではない、私どもはそういう結論を持たざるを得ないと思うのでございます。そういう意味で、今後この板付基地に対して、市民もあるいは関係者も、それぞれ撤去してほしいという声が猛然と起こってくると思うのですが、そういう市民の声に対してどういうふうにこたえようとするのか、政務次官からひとつ御見解を承りたい。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 昨夜の事件につきましては、防衛庁といたしましてはきわめて重大な事態だと受け取っておるのでございます。昨夜来、種々情報をキャッチいたしまして、現地に職員を派遣する等の処置をいたしたことは、すでに長官から申し上げたと思いますが、そういうことで、この事件自体一つのそういう墜落事故ということだけでなく、先ほど来先生が申されますように、人命の問題あるいは教育の問題とも関係をいたしておりますし、今日まで現地においていろいろ問題になっております、板付基地使用の問題とも関連しながらこの問題に取り組んでまいらねばならぬという考え方のもとに立って、将来のこの対策につきましては、とりあえずは事故発生のいろいろな原因あるいはその後の事情等を具体的に調査も進めているわけでございますが、そうした教育の問題あるいは人命の問題、板付基地使用の問題等と関連しながら将来の対策については今後いろいろ検討を進めてまいらねばならぬというようなことで、ただいま検討を進めているというような事情でございます。いまこの席で、将来の板付基地をどうするかというような基本問題について私から御回答申し上げる段階ではございませんので、その点御了承願いたいと思うのでございます。しかし、きわめて重要な問題として取り組んでまいる姿勢はとっている次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 時間がございませんから、最後に一言見解を承っておきたいと思いますが、それはこういうようないろいろ不幸な事件が次から次へとたび重なって起こってくることを考える際に、この板付基地というものがほんとうに望ましい状態であるのかどうか、特に都市の中心地にあるし、また今日までしばしば事故が発生しているというような現象等から見ても、板付飛行場を基地として使用することが望ましいことであるのかないのか、一言でいいですからお聞かせ願いたい。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 きわめて重要なお尋ねでございまして、いま次官としてここに御回答申し上げる立場も許されませんし、また防衛庁だけで問題が解決するわけではございません。しかし、先ほど申し上げましたように、板付基地問題というのは、一つの多年の大きな問題となっておりますし、政府関係者とも御相談し、なお米軍に対しても、将来板付基地をどうするかといったような問題につきましては、先生の御意思もよく承っておりますし、十分御相談を進めてまいるということでお許しを願いたいと思うのでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ちょっと関連して一問だけ質問しておきます。  本日、午後の本会議で緊急質問する予定でございますから、多くはその場に譲りたいと思いますけれども、簡単に二、三、一緒に質問をしますからお答えをいただきたいと思います。  この墜落したF4ファントムは、御案内のとおり第四次防に装備される予定のFXの有力な機種であります。そのことはさておきまして、まず第一番目に、夜間の飛行訓練は、板付では米軍との話し合いでやらないことになっておったはずであります。1最近の板付基地の現状は、いま河野委員がおっしゃったとおりであります。この点は、一体米軍との間でどうなっておったのか、それが第一であります。  第二点は、最近のベトナム情勢あるいはプエブロ以降の韓国の情勢に対応して、このF4ファントムは、スクランブル用なのかどうなのかわかりませんが、緊急発進格納庫に絶えず四、五機入っております。それがあるいはスクランブル用に飛んでいってこういう事故になったのか。スクランブル用のF4ファントムであったのかどうか。それが二番目であります。  三番目は、パイロットの脱出地点は一体どこであったのか。  四番目に、四月十日以来、板付基地のレーダーの一部が故障をして作動しておりませんでした。そしてこれが五月一日以降どこからか新しいものを持ってきて作動を始めたといわれておりますが、新聞の報道するところによると、昨日の事故機は、レーダーが作動して着陸姿勢の高度が低過ぎるという指示をやった直後に起こったということが報道されております。一体この事故を起こしておったレーダーは、完全に現在も作動しておるのかどうか。  この四点についてお伺いします。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 夜間の飛行制限につきましては、かねて地元からのお話もございますので、三十八年末、施設局長から米側に対して夜間の飛行制限を申し入れておったのでございます。これにつきましては、夜間の飛行については、並びにエンジンの調整については、緊急事態が発生したときを除いては運用上必要最小限度にとどめる。そして飛行の危険防止をするということを当方から申し入れて、米側も大体これを了解しておったと私ども承知いたしておったのでございますが、今回の事故の発生にかんがみまして、今後事故防止委員会等におきまして、この点についてはさらに明確にこれの処置がなされるようにいたしたいと私ども考えておる次第でございます。  その次の、この飛行機が緊急発進であったかどうかということにつきましては、私どもこれについては一応訓練と承知いたしておるのでございますが、なお詳細につきましては、今後調査をした上で、その段階でまたお答え申し上げたいと存じます。  パイロットの脱出地点につきましては、遺憾ながら、現在までのところ、正確な資料を私ども持ち合わせておりませんので、いずれ調査した上でお答え申し上げたいと存じます。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 先生御質問の、第四番目の件でございますが、着陸誘導装置につきましては、先般来機能が若干不良であるということで、米側もこれを検討いたしておりましたが、五月の十六日に新品に取りかえまして機能を回復したということを、現地の施設局から報告を受けております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ただいま連絡によりますと、午後の緊急質問を自民党は拒否したそうですから、それじゃここで若干追加してやります。  時間がありません。関連ですから、お答えになれぬ分は後ほど文書をもって御回答いただきたい。  現在の板付基地の性格、特にベトナム、韓国情勢とどういう関連があるのか、この問題であります。三十九年以来、板付は予備基地あるいは訓練基地といわれておりますが、実情はそうではなかった。特にベトナム情勢が険悪になった段階、最近のプエブロ事件以降、完全に第一線の基地としてこれが使用されておる、こういう点について一体日本政府はどう考えておるのか。  それから二番目に、この事故を起こしましたF4ファントム、これの所属は第五空軍といわれております。しかし、迷彩を施しておるから、これは当然ベトナムへ出動しておる実戦機であると思います。したがって、この事故機は一体どこから板付基地に飛んでまいったのか、また何の目的で来たのか。事故の原因、責任の所在を一体どう考えておるのか。  それから、九大の上空は、発着コースからはずすということを昭和三十二年以来交渉してそうなっておったはずなのに、どうしてそういうことになったのか。  それから、事故補償はどうするのか。  今後の対策もさっき聞きましたけれども、ここで議論はやめます。  これは本来内閣委員会等でやるべき題題でありましょうが、事が緊急であるし、ほかに委員会が開かれておりません。本会議で緊急質問したいと言っても拒否したのです。やむを得ませんからお許しをいただきたいと思います。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 板付基地が、最近いろいろベトナム方面と関連があるかという御質問でございますが、板付基地に参っております飛行機につきましては、あるいはベトナム方面で活躍した飛行機もあるかと思いますが、板付に参りました段階では在日米軍の管轄下にございまして、私どもの手元の状況では、まだ、いつどこからという点については、明確な資料を持ち合わせておらないのでございます。  事故がどうして起きたかという原因並びに責任の所在につきましては、ただいまも申し上げましたように、昨夜来すでに調査を始めてはおりまするが、現段階では、まだ明確な事故原因というものは判明いたしておりません。エンジンの故障であろうということまではほぼ推定されておりまするが、その内容その他につきましては、今後いろいろ調べてみなければわかりませんし、あるいはその他の原因もあり得ることも考えられますから、今後の調査を早急にやってはっきいりたさせたい、かように考えております。  なお、私どもの考えでは、この責任の所在は当然米軍にあろうと思います。  政府といたしましても、これらにつきましての賠償その他については、安保条約に基づきまして——これは新築工事中であると伺っておりまするし、まだ文部省に引き渡していないものでございますので、現地の銭高組と申しますか、この関係者に当然賠償をいたさなければならぬと考えておる次第でございます。これにつきましては、最終的には米側から、安保条約の比率に基づく金額の求償をいたすことになっておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 ここでまた本論に戻しまして、基地と労働災害ということで質疑を展開してまいりたいと思います。  具体的な例でございますけれども、北九州市の小倉区にございます山田弾薬庫に対して、弾薬の輸送問題というもので、全港湾労働者をはじめとして、市民一体となった反対運動が起こっておることは御承知のとおりだと思います。このように、市民は不安におののくし、それから荷役作業に対しましては、港湾労働者が、労働安全、危険防止という点から、就労を拒否するという問題が起こってまいっておることも御案内のとおりでございます。ここでは北九州市の小倉区にございます山田弾薬庫でございまするけれども、さらには、横須賀からジェット燃料がタンクローリーで輸送されて、川崎あたりで非常に問題になっているという事例もございます。  そこで、こういう危険物の輸送に対して、政府としてはどういうかっこうで対処されようとしておるのか、また、労働省としては、それらに対して、労働者の安全あるいは危険防止という点についてどういうふうに対処されようとしておるのか、まず、そういう点についての御見解を承りたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 弾薬類の輸送につきましては、これの運搬の安全を期するために、三十五年末以来——合同委員会の火薬類取締特別分科委員会というものがございますが、そこにおいて輸送の安全を期するための措置についての合意が行なわれておるのでございまして、これに基づいて、運搬上の危険がないように、安全な運搬ができるようにということについての基準が設けられておるのでございます。したがいまして、これらの輸送については、一応危険のないようにされているとわれわれ承知いたしておるのでございまするが、なお今後も、地元の御感情もありましょうし、関係機関とも十分に連絡をとりまして、安全を期するよう米側にも申し入れたい、かように考えておる次第でございます。  なお、山田弾薬庫の場合におきましては、進入道路などが都市の中を通るというような事情もございますし、そういう点から見ますと、今後あるいは進入道路その他について特段の整備をしなければならぬというような問題もあろうかと思います。これらについては、市当局ともよく協議いたしまして、御要望があればこれに協力してまいりたい、かように考えておる次第であります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 合同委員会でいろいろ基準が策定をされておるということでございますけれども、そうかといって、私はこの安全が期せられるかどうかにつきましてはやはり疑問が残ると思います。特に四月十四日には、広島県の江田島から六十二トンの弾薬が七台のトラックに積み込まれまして、しかも事前の通告もなく、白昼堂々と関門トンネルを通って北九州市の山田弾薬庫に運ばれておる。この関門トンネルというような非常に重大な地点に対して、何ら事前の連絡もなくこの弾薬が輸送される。これはもし事故でも起こったらたいへんなことだと思うのです。特にこの二月十九日の午後には、米軍山田部隊の弾薬輸送大型トラックが、これまた北九州市戸畑のバイパスで小型トラックと正面衝突するというような事故も起こっております。この際は、たまたま板付へ弾薬を運んで帰る車でありましたから、たいして大きな事故にはならなかったということでございますけれども、弾薬輸送車と小型トラックが戸畑のバイパスで衝突するという事故も二月には起こっておるわけであります。ですから、いま長官からお答えになったように、市街地を弾薬輸送車が疾走するということは、いま申し上げまするように非常に重大な問題だと思います。合同委員会でいろいろ取りきめが行なわれて基準がつくられましても、また、日本における火薬類取締法等を見てみましても、非常にこの法の規定のしかたというものが簡単であって、これでは安全だという保障はどこにもないと思うのです。いまの長官のお答えになったようなことで安全がほんとうに期せられるかどうか、重ねてひとつ御見解を承っておきたいと思います。   〔委員長退席、田川委員長代理着席〕

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 道路輸送の安全性の確保につきましては、警察庁当局のほうから御答弁をいただくのが至当かと存じますが、私どもといたしましては、この安全につきましては、弾薬というものは輸送上信管その他は抜いてあり、かつ、輸送途上におけるいろいろな警戒あるいは積みおろしのしかたその他について、取り締まり当局におかれても万全を期してやっていただいている、かように承知いたしておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 いまのようなお答えでは、なかなか市民も不安から解放されることはないと思うのです。警察当局も、たとえば、先ほどの事例ではございませんけれども、関門トンネルを通ったけれども何ら事前に通告がなかった、こういう一方的な輸送が行なわれておる。しかもこの五月二十二日には、米軍山田弾薬庫の問題について、谷北九州市長は防衛施設庁に対して善処方を申し入れておるわけですが、これに対して現地の施設局長は、新聞談話で次のようなことを語っておられる。「万全を期しており、輸送についても施設局の関係ではないが、警察その他で十分手を尽くしていると思う。それを危険だ、危険だとことさら騒ぐのはおかしい」、どうして市民が危険だと騒ぐのがおかしいのですか。私はむしろそういうことを言う防衛施設庁の姿勢に問題があると思う。こういうことについて一体施設庁はどういうふうにお考えになっておるのか、ひとつ率直な見解を聞かしていた、たきたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 福岡局長の発言につきましては、この弾薬輸送の安全性につきまして、十分な理解なりあるいは説明が行なわれていなかったのではないかという点にかんがみて、地元の理解を得るためになされたものと承知をいたしておるのでございます。したがいまして、われわれとしては、安全なんだから文句を言うなというような考えは毛頭持たないのでございまして、安全性の確保につきましては、今後いやが上にも、これなら安全だという方法についても十分考えていかなければならないと思っておるのでございまして、関係機関とも十分協議いたしまして今後も努力をいたしてまいりたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 少なくともこの新聞談話で見る限りは不謹慎ですね。市民は不安を持っておることは事実ですから、危険だ、危険だと言うことがおかしいんじゃなくて、むしろ市民に対して納得のいくような方法を示していくことが、私は先決だと思うのです。そういう方法を示さないで、かえって心配をする市民を非難するがごときは、私は承服できないと思うのですよ。これはやっぱり率直に市民におわびすべきだと思うのです。政務次官、どうですか。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 弾薬輸送等の危険物の対策につきましては、万全を尽くしても、これでだいじょうぶという絶対性を私どもが明確にするということも困難だというほど、私どもは重要視いたしております。そこでそういう立場から、いまのお話ございましたように、まずは、市民に御了解を願い理解を願う前に、やはり対策としては、安全性の施策を万全をするということをとらねばならぬ。そして市民の方々の不安に対しては、できるだけ不安を解消願う努力をすべきだ、先生の御意見のようにいたすべきだと考えておる次第でございます。そういう点で、先ほど長官が申しましたように、今後に対しましては一そうこの面に意を尽くしたい、施策を施したいと考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 時間がございませんから次に進みますが、ぜひひとつそういう発言については反省してもらいたいと思う。そして市民の不安というものを一掃する努力をしていただきたいと思うわけです。実は、火薬取締法につきましてもいろいろ論議をしてまいりたいところでございましたが、時間がございませんから、その点は省略いたします。  そこで、私どもが指摘したい点は、火薬類取締法という法律の規定はございますけれども、非常に簡単な規定である、一般の火薬に対する規定であって、弾薬に対する規定ではない。ところが法律は、それがそれぞれ規制をするということでございますから、今後これらについても再検討の必要があると思いますけれども、それはひとつこの際たな上げいたしまして、次に移りたいと思うわけですが、今度、朝鮮から千八百トンの弾薬を積んで、門司の田野浦港にアメリカ軍のチャーター貨物船でございますエクスマウス号が入ってまいったわけですが、この際は、全港湾労働組合門司支部の労働者等の荷役拒否によりまして、三分の一の約六百トンの荷揚げだけは終わったけれども、三分の二は残して、これが実は広島の呉のほうに回送をされた。そこで一つ問題がございますのは、この広島の江田島のほうは、この港湾労働者は、組合に加盟しておられる労働者というものが八名ということで、非常に組織が弱かった。そういうところを選んだというところに一つ問題がございます。それからもう一つは、これは呉の防衛施設局も言われておるわけですが、このエクスマウス号で運ばれた弾薬は、もともと、山田弾薬庫に予定されている弾薬であるから、おそらく今度は陸送によってこの広島のほうから山田弾薬庫に運送されるだろう、こういうことが言われておるわけです。そうしますというと、一応門司港におきましては、荷役拒否によってこの問題が回避されたけれども、今度は陸路によって輸送される。今度は陸上輸送に対する心配が新しく出てまいっておるわけです。  そこで、私ども承りたいのは、海上であろうと陸上であろうと、こういう危険な弾薬が輸送されることは、この道中におきまする住民あるいは施設、特に九州の場合は関門トンネルがあるわけですが、こういうところに非常に大きな危険性があるわけでございます。そこで、海上輸送がだめだから陸上がよろしいというわけじゃないわけです。ところが、どうも承るところによりますというと、新しく陸上におきます輸送ルートというものが考えられておるというふうに言われておるわけですが、この点はいかがですか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 山田弾薬庫に入れる予定でございました弾薬が、門司におきますところの港湾労働組合の荷役拒否というような情勢から、荷揚げができなくなりまして、その一部が、先月二十五日でございましたか、秋月に輸送してこれに陸揚げしたということでございまするが、これにつきましては、当初、おっしゃるように、米側も陸送したいというような計画を持っておったようでございますが、この点につきましては、かような陸上輸送ということが問題を起こしても危険でもあろうというようなことから、中止方を米側にお話しし、その結果中止となったのでございまして、陸上輸送の経路を別に考えておるというようなことは、現在私ども承知いたしておりません。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、もう一つ市民の不安に思っておりますのは、今度は鉄道輸送が行なわれるのじゃないか、軌道輸送というものが行なわれるのじゃないかという心配がもう一つございます。そこで、いま地元の人がいろいろ心配しております中に、たとえば日豊本線の南小倉駅から山田弾薬庫、約三キロでございますが、この間に引き込み線がございます。最近では交通が非常にふくそうしてまいりましたので、この引き込み線があまり利用されておらぬから、それをひとつ道路に変更していきたいという意向があって、北九州市におきましても道路建設計画をやっておるようでございます。ところが、これについては現地の施設局も、非公式でございますけれども、一部は道路に譲ってもよかろう。要するに、線路幅の四・五メートルだけ残してもらえばよろしいという意向を表明されておるようでございますが、海上輸送もまかりならぬ、陸上輸送もまかりならぬ、そういうことになりますと、今度は鉄道輸送ということで、せっかく地元が期待しておりました、南小倉駅から山田弾薬庫に至ります引き込み線を道路に変更するという道路建設計画というものが、これはもう大体青写真もできて、工事費七億で実施しようという計画になっておるそうでございますけれども、これがまたぞろ変更せざるを得ないのではなかろうかという心配が出てきておるそうでございます。  そこで、お伺いしたいのは、海上がだめだった、陸上がだめだった、今度は鉄道輸送だということになる心配がないのかどうか。あるいは北九州市が計画しております道路計画を変更しなければならぬようなうき目になるのじゃなかろうかという心配に対して、ひとつ御見解を承りたい。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 先ほど申しました以上に、米側として現在どこへ輸送するという計画を私ども聞いておりませんので、それ以上のことは申し上げかねると思います。  なお、山田弾薬庫に至る軌道の活用の問題でございますが、これは軌道の両側に、この地域の土地を共同使用的に用いまして、そして道路を建設したいという計画が地元のほうからあることを承知いたしておりまして、これにつきましては、われわれといたしましても、できる限り御協力を申し上げて道路の輸送問題に支障のないようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 だんだん結論に移りたいと思いますが、米軍の弾薬庫としては、九州では北九州にございます山田弾薬庫のみのようでございます。佐世保にございますけれども、これは佐世保湾内の針尾島という島にあるということであって、都心地にございますのは山田一つということに私ども承っております。しかも山田の場合は三百四十五万平方メートル、これはぴんときませんけれども、よく承ってまいりますと、小倉に野球場がございますが、この小倉の野球場の二百八十倍の広さに相当するそうでございます。そこで、町のまん中にこういった弾薬庫がございますのは、都市という形態から見てもきわめて重大な問題でございますし、そういう意味で、米側に対して撤去してもらいたい、こういう強い希望も出ておるようでございますし、私どもも、市民が今日いつ事故が起こるかわからぬというようなことで不安を持っているわけですから、そういう意味で、やはりこういう弾薬庫というものが都心地にあるということは好ましくない。しかも野球場の二百八十倍という広大な面積をとっているわけですから、これは地域の開発に対しても非常に大きな影響を持っているわけですから、そういう意味で、この山田弾薬庫の撤去については、当然米側に対して強く交渉せらるべきだというように考えるわけですが、この点、政務次官いかがですか。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 この問題は私ども地元の問題でございますし、北九州の開発の上にきわめて重要な影響を持つということで、かねがねから要請を受けておるわけでございます。そこで、施設庁におきましても、米側にはその旨を再三通じて折衝をいたしてまいったところでございますが、弾薬庫使用の重要性につきましては、米側も非常に重要な施設であるということで、代替地を準備していかねばならぬという問題もございまして、まずは現在のところでは、現在の弾薬庫の安全性、その輸送の安全性を確保するということでまいったような事情でございます。  そこで、いま地元の要請については十分われわれも承知をいたしておりますし、今後も引き続いて、適当な代替地でもございますれば、一そう強力に米側とも折衝してまいらねばならぬと思います。現在の段階におきましては、いま申し上げますように、現在の施設を安全性を確保し、輸送等について安全性を確保するということで進んでまいっておるような事情でございます。そういうことでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 時間がございませんから最後に労働省にお伺いします。  これは、先般板付でもドラムかん爆発事件があって、とうとい人命に損傷をもたらしたわけですけれども、事故が起こってからではおそい。そこで、こういう問題については、港湾労働者も荷役を拒否した、やはり労働災害ということを考えて拒否したわけですが、事故が起こる前に、やはりそういう事故が起こらぬための万全の措置というものをはからなければならぬ。そういう意味で、労働省としても重大な関心を持ってもらい、さらにまた米側に対しても強い態度で臨んでもらわなければならぬと思うのです。そういう点について、最後に労働省の見解を承っておきたいと思います。

石黒拓爾労働大臣官房長

○石黒政府委員 ただいまの河野先生の御発言、まことに私どもも同感でございまして、火薬類等につきまして、御指摘のものは、すべていろいろ所管省が分かれておりますし、また米軍がからんでまいりますと、よけいいろいろ複雑な事情がございますので、私どもといたしましては、港湾荷役あるいは陸上貨物取り扱いというのは、かねて行政の安全衛生の重点にいたしておりまして、防衛施設庁あるいは通産省その他関係各省と、従来ともできる限り連絡をとりまして行政の充実につとめております。今後ともこの点につきましては、御注意の趣旨を体しまして、できる限りの努力を関係各省とともに尽くしてまいりたいと考えております。

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいまの山田弾薬庫並びに輸送問題に関連して質問いたします。労務問題は労働大臣がおりませんが、三原政務次官がおいでですから、主としてそういう問題にしぼって関連質問をいたします。  さっきもしばしば質疑応答などに出ておりましたが、いまベトナムが和平の方向に向いておる。しかるに国内を見ると基地はむしろ活発に活動し始めているのですね。特に弾薬庫しかりですよ。山田の弾薬庫しかり。中国においても、広島、呉は非常に活発に弾薬が移動しておる。これはどういう理由なのか。たとえば中国地区においても、施設庁は昨年からしばしば言っているように、岸壁から八本松までの米軍の弾薬庫に運ぶだけだと言っているが、さっきも御指摘になったように、呉から九州の山田に運び、あるいは池子に運ぶ、延々一号国道、二号国道を通る、これは危険きわまりないのです。それを言うと山上長官は、輸送は警察の問題だ、こう言う。確かに火薬取り締まりからいけば、そういう点は警察かもわからぬけれども、原因はみな米軍がつくっているのですよ。そうしていまも合同委員会で協定をつくっておるのだ、こう言う。その協定が私は間違いだと思うのだ。何のためにそういう協定をつくるのだ。日本人が日本のトラックで運ぶときにはいまの十九条二項でチェックできる、こう言う。アメリカさんが運ぶのは、これはどうもしかたがないのだという協定をわざわざつくっているのですよ。むしろそれのほうが危険でしょうが。そういうように米軍が輸送するのを、むしろ日本政府がチェックできるように協定を結ぶのがあたりまえだ。野放しに協定を結んでいるのだ。これがまず間違いである。  そういうように、今日問題はたくさんあるのだけれども、時間がないから次官にお聞きしますが、この間、二月、三月にも問題を起こして、日本海では演習をやらさぬ、こう言っている。今度は日米合同で演習をやると言う。国際緊張が緩和の方向に向かっているというのに、逆に日本政府が刺激している。まず日本海における合同演習をやめる意思がないかどうか、それが一つ。  それから、さっき言うた、基地は逆に活動が活発になっているが、日本政府はこれをほんとうに約束したとおりにやらす。たとえば試射場、射爆場というのはさまっている。内地に三カ所あるでしょう。ところが平気で接収地域で弾薬の試射をやったりした。こういうことは当然やめさせねばいかぬが、そういう点について次官ひとつ御答弁いただきたい。

三原朝雄自由民主党防衛政務次官

○三原政府委員 日本海における合同の訓練につきましては、これはいろいろなアジアの情勢が云々というような問題とは直接関連のないことでございまして、年度当初におきます基本訓練の教育方針に基づいてやっておることでございます。例年そういう基本計画を立てて実施いたしておりますので、特別そうしたアジア情勢等とは関連なしに自衛隊の訓練上やっておることでございます。この点はひとつ御了承賜わりたいと思います。(浜田委員「刺激するから関連が起きる」と呼ぶ。)いま、それがいろいろな情勢上国民を刺激するところが大だからやめてはどうかという御意見でございますが、この点につきましては、いまのところこれをやめるという考え方はございません。ただ、国民を特に刺激するようでございますれば、広報関係でそういう点をやらねばならぬと思うのでございまして、演習については、そういう例年の教育計画に基づいてやっておることでございますので、その点は御了承賜わりたいと思います。  なお、米軍の弾薬輸送等と関連をして、米側のそういう処置を何とか規制すべきではないか、そうした合同委員会等で話し合いをして決定をすること自体に問題があるではないかという御指摘でございますが、この点につきましては、これは非常に危険なそうした弾薬の輸送等でございますので、大事をとるために、そうした会合のもとに話し合いをしたことでございます。  また、弾薬を輸送するいろいろな行為について、そうしたことをやむべきではないかという御意図も漏らされたようでありますが、こういう点についてはなお米側ともよく話し合いをいたしませんと、ここで私が明確にやむべきであるというようなことを申し上げることもできませんし、いまの御意見を尊重いたしまして、米側にも、そういうようなことはできるだけやむべきではないか、最小限度にとどむべきだというようなことは要請をいたしたいと思うのでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 次官はよく御承知じゃなかろうと思うんだ。さっき私が申し上げたのは、日本のトラックに下請に出して——あなたの選挙区の九州運輸が下請で、輸送するときには警察がチェックできるのです。十九条二項でその性状やらそういうものをチェックできるようになっている。ところが日本政府が結んだ協定では、アメリカのトラックで直接運べばそういうことはできなくなっている。野放しになっている。それから、あなたは安全のためにそういうことをやったと言われるが、安全じゃないでしょう。ほんとうにどういう危険物を積んで運ぶのだろうか、それを調べることもできないのだ、アメリカのトラックでは。そういう協定を結ばなければ、完全ではないけれども、日本の国内法によってどうにかチェックできるはずなんです。チェックできないように協定ではずしているんだ。だから、安全を確保しようと思って結んだと言われるけれども、そうじゃない、逆なんです。それを私は言っているのです。だからこういうことなんかは、むしろ今日のように、もう国内あらゆるところでこの弾薬輸送、危険物輸送が問題になったら、日本政府は自主性を持ってそういう協定を破棄して、当然日本政府みずからが国民のために安全を守ってやる、こういう姿勢でなければならぬと思う、これは当然のことだから。  さらに、さっきの日本海でもそうですが、また漁民にたいへんな問題が起きますよ。たとえば私の選挙区だが、アメリカが今回三回も延期している。漁労する人には四十八時間前に通告するようになっている。ところが、三十日で一応切れておったのが、三十一日から三日まで、三日から九日まで、こうなると漁労ができなくなるのですよ。特に沿岸漁業なんというものは、えつけ漁労といいまして、何日かえつけをして、そして漁民は漁労するんだ。それが四十八時間前の通告でできなくなるでしょうが。こういうことになったら、だれがこの漁民なんかの安全や操業を確保してやるのですか。だから次官、たいへん恐縮ですが、今日この米軍が国内においていろいろなことをやっておる、この認識の度合いというものは、非常にぼくは足りないだろうと思う。言えば山ほどある。せっかく自治体が、この路線だけは安保条約によってしかたないと言って、知事も市長も町村長もがまんして、それで了解する。ところがそれをすぐ拡大するんだ。こういうことじゃ、自民党政府が自治体を、これは自分たちの言うことよう聞いてくれるくらいに思うておられましたら、逆になりますよ。これもしばしば具体的な問題として起きておる。  いまの漁業問題と、自治体がどうにかがまんして約束した範囲以外にそういう輸送なんか絶対させぬという、そういうように強力に政府が米軍に申し入れる意思があるかどうか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 漁業制限につきましては、お尋ねのように事前の通告をいたしておるのでございますが、漁業者の生活に非常に影響を及ぼすような状態でもございますので、これらにつきましては、ことに広地区の場合、今後どういう方法でやるか、さらに漁業関係者と納得のいくような方法の発見につとめたい、前向きで検討したい、かように考えております。  それからもう一つ、米軍の輸送の問題につきましては、先ほど私が申し上げたような日米間の合意もございまするが、さらにこれの実施については、日本の国内法、火薬類取締法によるところのやり方、日本の国内業者によるやり方というものとの間に、規定のしかた等において差がございます。したがって、われわれとしても、この米側の輸送についても、さらにこれらの安全の確保が行なわれるように米側とも話し合いをいたしたい、かように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 もう一つ、自治体が——たとえば具体的に言ったでしょう、黄幡から八本松までの自治体は了解したが、それ以外は輸送しない、こういう問題です。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 呉を中心とする弾薬輸送につきましては、お尋ねのように、川上を中心に、川上への搬入ということを原則といたしておりまして、したがって、呉を国内の弾薬輸送基地にするということはないように米側にも話し、了解をいたしておりますが、今後もこの点について善処してまいりたい、かように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そしてさっきも、問題があった事前の通告もせずして関門のトンネルなんかをどんどん通行をすると言ったんですが、やはり同じなんだ。現地へちっとも知らさないから、住民が非常に不安を持つ。したがって事前通告ということは、アメリカと約束するようにしたかどうか。

山上信重防衛施設庁長官

○山上政府委員 陸上輸送するときの事前通告については、米側も了解いたしております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 終わります。

田川誠一自由民主党

○田川委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会

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