社会労働委員会 第21号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/04/26
会議録
○八田委員長 これより会議を開きます。 この際、社会保険労務士法案起草の件について議事を進めます。
○八田委員長 佐々木義武君より発言を求められておりますので、これを許します。佐々木義武君。
○佐々木(義)委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党、四党委員の協議に基づく試案を、各委員のお手元に配付してありますが、四党を代表して私からその趣旨を御説明申し上げます。 今日、社会経済の進展に伴い、労働社会保険関係の法規はその重要度を増すとともに、その内容も次第に複雑かつ専門的なものとなりつつあります。一方、今後の経済成長と労働力不足傾向を考えますと、労務問題の重要性は将来ますます高まり、特に中少企業における労務管理の近代化が切実な問題となってくると思われます。 このため、これら労働社会保険関係の法規に通暁し、適切な労務指導を行ない得るような専門家が多く生まれることはきわめて望ましいことでありますし、また中小企業では労務及び社会保険関係の専門部課を企業内に持つ余力もないため、これらの専門家を部外に求めているのが現状であります。 労働社会保険関係の事務は、経営者のため的確に処理する必要があるだけでなく、労働者の権利の確保にも関係するものであります。 このような観点から、国家が一定の資格者について試験を行ない、その合格者に対し免許を与え、その業務の適正をはかるため、社会保険労務士制度を定めるものであります。 そのおもなる内容を申し上げますと、第一に、社会保険労務士とは、主務大臣、すなわち厚生大臣及び労働大臣の免許を受け、社会保険労務士の名称を用いて、労働社会保険諸法令に基づく申請書、届け出書、報告書等の書類の作成及び労働社会保険に関する事項について相談、指導を行なう者をいうことといたしました。 第二に、社会保険労務士試験に合格した者及び弁護士は、社会保険労務士となる資格を有するものとし、社会保険労務士試験の受験資格は一定の学歴または経験を有する者とすることといたしました。 第三に、他人の求めに応じ報酬を得て、社会保険労務士の事務を業として行なう社会保険労務士は、あらかじめ、氏名その他の事項を主務大臣に届け出ることとし、また、社会保険労務士でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、労働社会保険諸法令に基づく書類作成の事務を業として行なってはならないことといたしました。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び税理士、公認会計士等がその業務に付随して行なう場合にはその制限に触れないことといたしました。 第四に、社会保険労務士は、労働争議に介入してはならないこととするとともに、社会保険労務士の資質の向上をはかるため主務大臣が必要な援助を行なうことといたしました。 第五に、以上のほか社会保険労務士の業務の適正をはかるため所要の規定を設けるとともに、法施行にあたり当面の需要を満たすため、主務大臣の選考により一定の知識及び能力を有する者に社会保険労務士となる資格を与える等必要な経過措置を定めること等であります。 この社会保険労務士制度の創設によりまして、中小企業の労務改善に画期的な役割りを果たすととともに、労働社会保険行政の外延的存在として、行政の浸透にも大きく役立つものと考えられ、特に今後の労働社会保険の小規模事業所への適用拡大の実施にあたっては、欠くべからざる存在となるものと期待されるところであります。 この際、私は四党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○八田委員長 ただいまの佐々木義武君、河野正君、田畑金光君及び伏木和雄君提出の動議に対し、発言があればこれを許します。——別に御発言もありませんので、この際、本案は予算を伴う法律案でありますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたしたいと存じます。労働大臣小川平二君。
○小川国務大臣 政府といたしましては、本法案が成立いたしました場合は、本法案の目的に従い、その円滑な運営に遺憾なきを期してまいる所存でございます。 —————————————
○八田委員長 採決いたします。 佐々木義武君外三名提出の動議のごとく、お手元に配付した草案を成案とし、これを本委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○八田委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 なお、法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○八田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 この際、午後零時三十分まで休憩いたします。 午前十時三十二分休憩 ————◇————— 午後零時四十三分開議
○八田委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 内閣提出の戦傷病者戦没者遺族援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
○後藤委員 大臣のほうが、時間が十分ないそうでございますので、まず第一番にお尋ねいたしたいと思いますのは、大東亜戦争当時、第一線なり、いわゆる戦場へ慰安婦がかなり派遣されておったと思うのです。私も内々これらの派遣されたいきさつにつきまして、できるだけ、どういうふうな計画でどういうふうにやられたかを調べようと、かなり苦心をしたわけでございますが、聞くところによりますと、無給軍属ということで派遣をしておる。さらにこの派遣につきましては、それらの業者と軍との間で、おまえのところでは何名派遣せよというようなことで、半強制的なようなかっこうで派遣されておるというようなことも私聞いておる次第でございますが、さらにこれらの派遣された慰安婦につきましては、戦場におきまして、戦闘がたけなわになると、あるいは敵の急な襲撃等があった場合には、看護婦の代理もやっておる。さらに弾薬も運ぶというような、さながら戦闘部隊のような形でやられておるというような実績もかなりあると聞いておるのです。 いま申し上げましたような、この慰安婦に対する現在の援護法の適用の問題でございますけれども、これも、過去において五、六十名適用したこともあるというようなことも聞きました。これは、たとえば自分の家族なりきょうだいなりが戦場に派遣された——振り返ってそういうことは言えるわけでございますけれども、しかしながら、あまりかっこうのいい話ではございませんので、言いたくても言わずにしんぼうしておる人があるんじゃないかというふうなことも推察できるわけなんです。いま申し上げましたような、先ほど言ったように、戦場で、あるときには戦闘部隊になり、あるときにはたまを運ぶ、あるときには兵隊さんを肉体的に激励する、こういうふうないろいろな苦労をした慰安婦に対しまして、この援護法との関係、いままでの経過、さらにこれからの問題につきまして、どういうふうな方向をとっていこうとされておるのか、この点につきまして大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○園田国務大臣 ただいまの御指摘の問題は、その実情が、海軍と陸軍とで関係も違っておりますし、それからもう一つは、戦争の初めごろと終わりごろとではまた資格、契約等のことも変わっておるようでございます。また終戦後の混乱時については、御指摘のような点もございますが、事の本質上、この問題として援護することは実態もなかなかわかりませんし、調査も困難でございますので、じかにこの問題として取り上げることはなかなか困難な問題が多いわけでございますが、委員の御指摘の点、私もそのように考えますので、たとえば無給軍属の契約をしておる、あるいは戦争の混乱時で後方勤務をやったとか、あるいは弾薬運びをやったとか、あるいは看護婦さんの仕事をやったとか、そういうものはそういう面からできるだけ広げていって、将来こういう方々にも何とかお報いができるような方針で、事務当局で検討したいと考えております。
○後藤委員 いま大臣が言われたのは、こちらがやかましくてあまり十分聞き取れなかったわけでございますけれども、私はこのいま申し上げました問題について、別に厚生省なり政府としても、そういう関係にあった者については援護法を適用しますというようなPRも全然していないと思うのです。さらに通達その他につきましても、例示等をして、こういう件については援護法が適用されるのだ、こういうふうなことも全然されておらないと思います。先ほど言いましたように、五十名ないし六十名が適用されておるというのは、だれかに聞いて、聞いた者だけがうまくやったと言うと語弊がありますけれども、そういう人だけは適用されたのではないかというふうに思うわけでございますけれども、当時大臣も兵隊に行っておられて、慰安婦等の数なりその他につきましては、千名や二千名ではなかろうと思います。おそらく数千名の慰安婦が第一線なりその他多くの戦場に派遣されておった、これはもう間違いないと思うのです。その中の、先ほど申し上げましたような犠牲者が、全部うまく把握されて援護法の適用をされておるかというと、そこまではいっておらないと私は思います。それなら一体、先ほど申し上げましたような条件にある人を、その援護法の適用対象にする、そういうようなことになったといたしますと、それなりの何かの手続をしていただかないと、せっかくそういう条件にありながら、ありがたい法律が適用されないことになってしまう、こういうふうに思うわけでございますけれども、その辺のところはいかがでありましょうか。
○実本政府委員 いま先生のお話にございますいわゆる慰安婦と申しますか、そういった人々の問題につきましては、援護法のたてまえからいたしますと、先ほど大臣も申し上げましたように、ちょっとそういう見地からの適用のことを考えたことがございませんので、実は何らそういう面からの実態を把握いたしておりません。ただ、大臣が先ほど申し上げましたように、現実に本来の慰安婦の仕事ができなくなったような状態、たとえば昭和二十年の四月以降のフィリピンというような状態を考えますと、もうそこへ行っていた慰安婦の人たちは一緒に銃をとって戦う、あるいは傷ついた兵隊さんの看護に回ってもらうというふうな状態で処理されたと申しますか、区処された人たちがあるわけでございまして、そういう人たちは戦闘参加者あるいは臨時看護婦というふうな身分でもってそういう仕事に従事中散っていかれた、こういうふうな方々につきましては、それは戦闘参加者なりあるいは軍属ということで処遇をいたしたケースが、先ほど四、五十と申し上げました中の大部分を占めておるわけでございます。したがいまして、こういう人たちの実態というものは、先生が先ほどちょっと触れられましたように、現実には何か相当前線の将兵の士気を鼓舞するために必要なわけで、軍が相当な勧奨をしておったのではないかというふうに思われますが、形の上ではそういった目的で軍が送りました女性というものとの間には雇用関係はございませんで、そういう前線の将兵との間にケース、ケースで個別的に金銭の授受を行なって事が運ばれていた模様でございます。軍はそういった意味で雇用関係はなかったわけでございますが、しかし、一応戦地におって施設、宿舎等の便宜を与えるためには、何か身分がなければなりませんので、無給の軍属というふうな身分を与えて宿舎その他の便宜を供与していた、こういう実態でございます。いま援護法の対象者としては、そういう無給の軍属というものは扱っておりませんで、全部有給の軍属、有給の雇用人というものを対象にいたしておりまして、端的にいいますと、この身分関係がなかったということで援護法の対象としての取扱いはどうしてもできかねる。しかしながら、先ほど申し上げました例のように、戦闘参加者なり、あるいは従軍看護婦のような臨時の看護婦さんとしての身分を持った方々につきましては、そういう見地から処遇をいたしておるわけでございまして、もしそういう意味での方がこういう方々の中にまだ処遇漏れというふうになっておりますれば、援護法は全部申請主義でございますので、そういう人があれば申請していただくということになるわけでございます。ただ、時効の問題その他ございますが、そういう面で援護法の適用をそういう方々にしてまいりたいというのが、このケースの処理としていまのところ援護局と申しますか厚生省の態度でございます。
○後藤委員 そうしますと、いま言われましたように、たとえば第一線へ派遣されたその人らが戦闘に参加した、あるいは看護婦という身分にはなっておりませんけれども、看護婦と同じ作業に従事させられたというとおかしいのですが、従事した、それでなくなった、こういうふうな人もあると思うのです。それらの人に対しては援護法を適用してもよろしい、そういうことなのですか。
○実本政府委員 いま先生のおっしゃいますようなケースといたしましては、戦闘参加者なり、あるいは臨時看護婦としての身分でなくなられた人については、当然請求をしていただいて裁定する、こういうことに相なります。
○後藤委員 そうしますと、いまあなたが言われたように、当時第一線なり戦場へどれくらいの数の慰安婦が派遣されておったか、数千人だろうというふうな想像をいたしておるわけでございますけれども、これらの中に、先ほどの援護法を適用してもよろしいというような条件に該当する人があったとしたならば援護法の適用をされるわけなのです。ところが、局長も言われるように、これは申請しなければ問題にならない。しかしそれらの条件に該当する遺族なりそれらの人は、全然そういうことを知らないと思うのです。百人のうち一人や二人は知っておる人があるかもしれませんが、ほとんどの人がわからない。わからなければ申請をしない。申請をしないからこのままいくのだ、こういうふうなかっこうに進んできたのが今日であり、これからもそういうふうになるのではないかと思われるわけでございますけれども、局長がせっかくそこまではっきりきちっと言い切られましたら、それらの条件に該当する人については、これは援護法の適用がされるのだということで、やはり連絡なり、PRなり、通達なり、それらに十分なる手配をとっていただく必要があると思うのです。 それと同時に、こんなことを申し上げるとまことに失礼かもしれませんけれども、それらの条件に該当する人は、生活も裕福な人は少なかろうと思うのです。いわば生活に非常に苦しんでおられる家庭の人が多いのじゃないか。しかも遺族の人も、まことにいい話ではございませんので遠慮しがちになってくる。全然声が出てこない。そういうところへこの援護法等の適用につきましても手を差し伸べていくのが政治の力であろうと私は考えるわけです。だから、これは具体的に局長として、いま申し上げました問題をどう進めていこうとされておるのか、もう少し具体的にお答えいただきたいと思います。
○実本政府委員 先生のおっしゃることはまことにごもっともなことでございまして、単にいま先生のおっしゃるケースだけではなくて、やはり同じような法の適用が受けられるケースというもので、現実には当たっているのだけれども、当たっているかどうかわからないままに、たとえばこれは、法律ができましてからいろいろな請求の時効は七年の期間を与えておりますが、七年間徒過してしまったというふうな人がほかにもあるわけでございます。特に援護法とか恩給法とかいうものは、非常に難解でございまして、そのときそのときでまたいろいろ範囲の拡張とかあるいは給付の対象になる人の拡大とかいうふうな改善が行なわれまして、継ぎはぎ継ぎはぎで、専門家が見ましても非常に難解な法律になっておりますので、その点は特にそういう方々にとっては、条件の逆に働いている場合だと思います。ただここで私が申し上げましたように、現にこういう方々であって、援護法上の準軍属なり軍属として処遇されていた方々は、これはもうはっきりとそういうケースとして、軍のほうから戦闘参加を要請したというケースが事実としてあり、あるいは日赤の従軍看護婦のような臨時に雇った者につきましては、そういう事情がございます。それから、ある前線からある前線へ大量の人を輸送船で運んでいた。それが海没したような場合につきましては、はっきりそういう人たちのケースがわかっておりますので、ほんとうに先生がおっしゃられるような準軍属なり軍属として取り上げてもいいような人たちについては、おおむねそういうケースとして処遇してきたつもりであります。しかし、それの数は、さっき先生が言われましたように、われわれのほうとしても的確な数字を持っておりませんが、大体四、五千というふうなことを聞いております。そのうちの四、五十人ということでございますから、あるいはまだほかにそういったケースも、知らないために眠っている、あるいは泣いているという方があることが考えられます。これは援護法のほかの対象者にもそういうことがございますので、この問題のみならず、常にそういった人たち全体についてのRRなり徹底の方法といたしまして、月並みではございますけれども、年に二回、都道府県の部課長会議を開いて、そういった意味での徹底を、窓口でございます市町村の援護係のほうにさせるようにやっておるわけでございます。そういった都道府県、市町村のルートを使いまして、こういった問題、特に法律改正があるとか、あるいはいろんな特別措置が行なわれるとかというようなことになりますときには、その問題と同時に、そういう意味でのPRをして、一人でも漏れのないようにしていくということをやっておるわけでございますので、そういう際には、こういうケースは必ず徹底するように運んでいく、いまの段階ではそういうことを考えております。
○後藤委員 そうしますと、いま局長が言われましたように、さっきのような条件につきましては援護法の適用はされるんだ。だけれども、いままで知らずに漏れてきた人——四、五十名は過去において適用されておりますけれども、それ以外で漏れておる人があるとするならば、これは援護法の適用になる。ところが、一般国民の中には、そういうことを全然知らない人もあろう。だから、あらゆる機会を通じまして——これだけではございません。ほかの条件で漏れておる人もあろうかとは思いますけれども、この問題については十分徹底をして、漏れておるような人のないように今後やっていきたい、こういうことでございますね。
○実本政府委員 お示しのとおりでございます。先ほど先生のおことばにもありましたように、こういう人たち並びにその御遺族の人は、何といいますか、外へ出たくないというようなグループですから、特にそういう面についてはそういう観点から、遠慮しないで出ていらっしゃいというような導き方といいますか、引き出し方をするように指導してまいりたいと思います。
○後藤委員 次の問題は、南満洲鉄道株式会社の関係でございますが、いままで厚生省のほうへも、満鉄の社員で、しかも腕をなくしたり、あるいは両足切断されたり、いろいろな障害者がおいでになると思うのです。これらの人はいままで、厚生省でひとつ援護法を適用してくれぬか、こういう強い申し入れがかなりあったと思うのです。聞くところによりますと、却下されておる件もあり、却下されずに、いわゆる受理をしておられる件もあるわけなんです。その却下された分と受理をされておる分との内容を見てみますと、申し上げることはいろいろあるわけでございますけれども、そのことはあと回しにしたといたしましても、一体満鉄関係の職員、しかも軍事輸送にもっぱら従事しておった職員、これらの人の障害年金なり遺族年金等については、現在適用されておらないわけでございますけれども、これは一体どういう条文に照らして適用されずに今日に至っておるのか。きのうも満鉄の、昭和二十年十二月八日ですか、それ以前の分も、恩給公務員については継続する、これらの満鉄につとめておった職員の人がいわゆる恩給期間に加算される、こういうふうな改正の方向で決定したような次第でありますが、それらの点を考えてくると、御承知のように満州には関東軍司令官でございますか、各停車場には停車場司令官というふうなことで、総動員法こそ発動しておりませんけれども、それ以上の体制であの戦争当時は臨んでおったし、しかも満鉄で働いておる社員全部がほとんど軍の命令で動いておったといっても間違いないと思います。それらの人が、いま援護法の適用を全然受けておらない。両足のないような実に気の毒な人もおいでになるわけですけれども、厚生省に出せば却下される。もっぱらどうとかと書いてあるからこれには該当せぬのだ、こういうふうな話が今日出ておるわけでございますけれども、厚生省としてどういう条文に照らして、間違いのない今日までとってこられた方針の御説明を、ひとつお願いいたしたいと思うわけです。
○実本政府委員 遺族援護法におきます満鉄職員の処遇というものにつきましては、援護法の第二条第一項第四号に「もとの陸軍又は海軍の指揮監督のもとに前三号に掲げる者」——つまり軍人と軍属とがあります。「掲げる者の業務と同様の業務にもっぱら従事中の南満洲鉄道株式会社の職員及び政令で定めるこれに準ずる者」というふうに、軍人軍属の定義の中の第四号に入っておりまして、身分としてはそういう人たちが入っておるわけですが、援護法というものは、業務上の負傷もしくは疾病によりまして死亡したりけがしたりした人についての援護を目的としている法律でございますので、こういう人たちが現実に業務上の負傷をした、あるはい死亡をしたということでなければ、現実に給付が行なわれない。そういう南満洲鉄道の人たちが、軍属としての身分は持っておりますが、これが現実に、業務上の死亡または負傷ということになります場合に、まず在職期間内に業務によって死亡したということでなければ、いろいろな諸規定が働いてこないということになるわけでございます。同法の第三条に「在職期間」ということがございまして、三条の一項の四号には南満洲鉄道株式会社の方々については「昭和十二年七月七日以後」——支那事変勃発以降「期間を定めないで、又は一箇月以上の期間を定めて事変地又は戦地における同号に規定する勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間及び当該勤務に就いていたことにより昭和二十年九月二日以後引き続き海外において抑留されていた期間」というふうに、在職期間というものを限定いたしております。この在職期間内において、軍の指揮監督のもとに軍人、軍属と同様の勤務の状態で業務上なくなっていった、あるいは傷ついたという条件に該当した者については、それぞれ死亡された方には御遺族に遺族年金、それから負傷された方には傷害年金というものを給付するということにいたしておりますので、現にそういった南満州鉄道の職員であられた方であっても、そのいま申し上げたような条件に該当されない場合は、これは支給されない、援護法の対象にはならないということで推移してまいっております。したがって現に同じ南満州鉄道の職員であられても、その条件を満たしていない者については給付が行なわれていない、こういうふうな推移をたどってまいっておる次第でございます。
○後藤委員 そうしますと、いま局長が言われた第三条の一項四号ですか、「昭和十二年七月七日以後期間を定めないで、又は一箇月以上の期間を定めて」と、それからずっと書いてあるわけですが、この条文を読んでみると、昭和十二年七月以降については、満鉄で軍需輸送その他に従事した場合、死亡したりけがをした場合には、援護法が適用されるんだ、こういうように解釈していいわけですか。
○実本政府委員 そういうふうに解釈していただいてけっこでございます。ただし、それが軍の指揮監督のもとに軍人、軍属と同様の態様において業務上負傷し、または疾病にかかり、あるいは死亡したということの条件さえ満たしておれば、それでけっこうでございます。
○後藤委員 そうしますと、もう少し具体的に言いますけれども、南満洲鉄道株式会社に入っておって、当時ああいうかっこうで全く軍の指令で全部動いておった。そこで、昭和十二年の七月七日以降軍隊輸送列車でけがをした、そういう場合には、援護法が適用されるのかされないのか、これをひとつお尋ねします。
○実本政府委員 おっしゃるその軍隊輸送でございますがそれが南満洲鉄道自体の、何と申しますか、鉄道の輸送の列車であったということであれば、これはもう少しケース、条件をいろいろ分析してみないと一がいに申し上げられませんが、原則としてそれはスースに当たらない。それが軍の装甲列車であったり軍用列車として、また特にその列車を指揮監督して輸送に使う、こういうケースの場合でありますれば、これは援護法の対象として採用する、こういうふうに仕分けができてまいっております。
○後藤委員 そうしますといま言われたのは、昭和三十二年ごろだったと思いますが、満鉄会という会がありまして、満鉄で働いておって非常に不幸にあわれた、あるいは満鉄に長くつとめたという人が満鉄会をつくっておられる。そこで昭和三十二年ごろに、厚生省のほうに陳情書が出ておるわけなのです。十年ぐらい前だと思いますが、それ以後今日におきましても、当然これは該当してもらっていいのだという問題がまだまだ該当されておらないということですが、もう少し具体的に申しますと、いま局長が言われたように装甲列車なり先駆列車、これに対しては適用しますよ。ただし軍隊輸送列車ということは、現在におきましても適用されておらぬわけなのです。ところが、満州のハルピン機関区におきましても、先駆列車であろうと、装甲列車であろうと、あるいは軍隊輸送列車であろうと、乗務員が順番にこれはダイヤで運転をしておる。さらに危険なことにおいては変わりがない。しかも、当時の満州におきましては、先ほど言いましたように関東軍司令官ですか、その下に野戦鉄道司令官があって、しかも大きい駅には鉄道司令官があって、それらが全部指揮をして軍隊輸送をやっておるわけなのです。これはもうはっきりすると思うのです。これらに従事をしてけがをした人に、軍隊輸送列車には適用されておらないというところが私にはわからないわけです。なぜ一体これが適用されないのか。当然適用されてしかるべきだと私は思うわけでございますけれども、この点いかがですか。
○実本政府委員 その具体的ケースをつまびらかにいたしませんと、いろいろな前提条件が違いますが、一応先生がお話しになられました事柄を前提といたしまして申し上げますと、結局会社自身がとにかく自分のルートダイヤを組んで、自分のルートダイヤで、会社のダイヤどおりに動いている。そこにたまたま一般の乗客にはさんで軍隊が輸送してくれと言ってきた、こういう場合は、軍隊を輸送いたしましても、全く会社自体のダイヤに従っていろいろな作業に従事しておった、こういうことで、援護法とは関係がないのだ。しかしそこへ軍隊が、軍のほうからいろいろな条件を出し、あるいはダイヤをあらかじめ選定して特別に委託したような事柄が入ってきている、こういう場合におきましては、これは軍の指揮監督という条件のもとに運転されたということで、そのケースはとる。ですから、そういう実体的な事実の認定なり判定の差が、そういうふうに適用不適用にあらわれてきているのじゃないか。これは具体的なものですから、事実のいろいろな見方があるわけです。まあ二十何年前の、しかも外国におきますケースについてのデータとか、そういうものを前提としていま審理を進めますのに、いろいろ不便な点があったり究明できないケースがありますが、しかし概論的にいって、いま私が申し上げたような形式的な条件というものに最後はぶつかるものとぶつからないものとで、適用、不適用の線が分かれてくるのではないかというふうに考えられるわけであります。
○後藤委員 これはくどいようにお尋ねしますけれども、この問題にかなり関心を持っておられる人もたくさんありますので、もう少しいま言われたことに対してお尋ねしたいと思うのであります。 どうもいま局長が言われたことは、聞いておっても十分わからないわけなんです。満鉄のダイヤで、お客をはさんで軍隊を輸送したときは適用されない。そうではなしに、一個列車全部軍隊の列車だ。しかもそれは軍の命令によってその軍隊列車を動かしておる。それに乗っておる機関士、機関助士もありましょうし、あるいはその列車を途中で入れかえする場合の入れかえ連結手等もおりましょうが、いずれにしても、その汽車は一個列車全部が軍隊輸送列車です。それに関連した作業によってけがをした人には援護法が適用されるのかされないのか、その点なんです。ただ、先ほどあなたの言われた満鉄のダイヤで、一個列車に軍隊が乗っておる、あとのほうにお客さんが乗っておる、こういう場合なら私はいまのところどうこう言うつもりはございませんけれども、少なくとも一個列車全部が、停車場司令官の命令によって軍隊輸送をやる。この入れかえ等で負傷した、足をちぎられた、そういう人がたくさんおるわけなんです。これらの人が昭和三十二年から何とかひとつ適用してもらえぬだろうか。世の中で働こうと思っても働けない、こういう悲しい人がいらっしゃるから、くどいように私は念を押すわけでございますけれども、いま申し上げましたような点についてひとつはっきりとお答え願いたいと思うのです。
○実本政府委員 いま先生のお話の昭和三十二年の満鉄会から出されております陳情のケースとしては、私ちょっとここでどういうケースであるかつまびらかにできませんが、要は装甲列車、先駆列車等で、とにかく本来ならば軍人が乗ってきて、その列車全部を軍人自身で、とにかく指揮して動かすというふうになっておるものはもちろん問題がないわけですし、それからそういうものを、軍人が来ないで、全部満鉄の職員に代行させた、そういう形でまるがかえの列車が事故にあったというふうな場合は、これはもちろん適用になる。しかし、全部その列車に兵隊さんだけしか乗っていなかったけれども、それが満鉄なら満鉄の会社自体のダイヤの中にたまたま乗っているお客さん全部が兵隊さんばかりだったというケースはこれはとらない、こういうふうにいままで推移してまいっております。
○後藤委員 そうしますと、いまあなたの言われたのは、たとえば全部兵隊の乗っておる列車を運転する。その場合に軍隊が輸送をするのを代行して満鉄の社員がやった、こう言われますけれども、そういうことはおそらく考えられぬのじゃないですか。運転も兵隊がやる、機関助士も兵隊がやる。車掌も兵隊がやる、軍隊列車であるならば、それなら何もこういう負傷者は出ないわけです。そうではなしに、関東軍司令官と野戦鉄道司令官と各停車場の司令官からの指令によって、何時にこれだけの列車を編成して、これだけの列車を動かせ、これが軍隊輸送の形式だったと思うのです。その輸送列車で作業中に負傷をしたり死んだり、いろいろな場合にこれらが適用されておらぬのが現実です。なぜ一体適用することができないのだろうか、そこなんです。どうもあなたの言われるのは、失礼な言い方ですけれども、子供だましのような説明になってきまして、納得がいかないわけなんです。こうこうこういうふうで、いままではこういうふうにやってきたけれども、今日の情勢からはこうなるのだ、こういう方針だというのをもう少し明快にしていただきたいし、ただ、私は何回も同じことをくどく申し上げようとは思いませんけれども、私の手元へ両足切断された人が二人も三人も言ってきておるわけです。ところが、それがどういう要件かというと、軍隊列車を駅で編成する場合に、伍長の兵隊さんがわざわざ来て、済まぬけれども命令だ、おまえやってくれということで入れかえをやって、その途中で視界が悪かったものですからけがをした。直接軍人が指揮しておるわけです。そういうようなところもあなたのほうは却下しておるのですよ。それができぬといって私のほうに持ってきたのです。満鉄の問題については、御承知のように総動員法以上のきびしい体制にあったことは間違いないと思うのです。それと同時に、軍隊輸送列車につきましては、何べんも申し上げる必要はございませんけれども、やはり軍の指令によって全部編成し、全部輸送をしておった、これは間違いないと思います。満鉄の会社の列車のダイヤに乗ろうと乗るまいと、そんなことは関係ないのです、軍隊輸送ですから。そんならこの列車を取り消して軍隊輸送にしようと言えば、それまでの話ですから。そこで足を切られたり、負傷したりあるいはなくなったりした人、こういう人が三十二年から陳情しておるけれどもいまだに認められない。こういうふうなことになっておりますので、その点についても、もう少し明快にしていただく必要があろうと思います。
○実本政府委員 もう少し三十二年の具体的なケースをつまびらかにしないと、先ほど申し上げた以上のことはいまここではちょっと申し上げられませんが、もう少し検討さしていただきまして……。ただ、いままでの方針は、とにかく装甲列車といい、先駆列車といい、それは本来軍のものなので、軍隊以外のものの目的でそれを使ったり、一般の市民の人をそれに乗っけたりすることはないわけですから、これによる乗務員のけがとか事故とかいうものは、この場合は全く問題がないのではないか。ただ、いま申し上げている先駆列車とか、装甲列車でない、本来的には満鉄の車である、そうしてそれが本来的に満鉄のダイヤで動いている、こういう場合に、それがある程度軍隊が乗っていた、あるいは全部乗っていたといった場合には、これは一応筋として、援護法における軍属として採用していない。いままではそういうことで推移してまいっておるわけですが、もう少し三十二年のケースをよく、つまびらかにいたしませんと、何と申しますか、これ以上の見解をいまここで申し上げることはむずかしいと存じます。
○園田国務大臣 ただいま局長が検討しますと申し上げましたのは、ただいままでは援護法では、申し上げたような処理方針でやってきておりまするが、御指摘のとおりに、逆に論功行賞の面で言いますると、この輸送に従事した者は論功行賞が当然あったわけであります。ですから逆にその裏返しに、これに従事中の負傷とかあるいはその他については論功行賞と裏返しに判断するのは当然であるし、また、昨日満鉄におった方々の恩給の面が新しく適用された時期でございまするから、いままでどおりならば筋が通らぬと私は考えます。したがいまして、いままでこのとおりにやっておりますから、いまここでじかに御返事できませんが、御指摘のようなことを考慮しつつ前向きの線で検討いたさせたい、こういう意味でございますから、御了承願いたいと思います。
○後藤委員 いま大臣が言われましたので、そういうことで早急にひとつ検討をしていただくようお願いしたいのです。 それでもう一つ、先ほど局長が言われた先駆列車というのは、これは軍の列車でも何でもございません。南満洲鉄道株式会社の汽車なんです。これは関係ないわけです。軍隊の列車じゃないわけです。その点はひとつ誤解のないようにしていただきたいし、そうして先ほどから何回も申し上げておりますように、両足がない、片足がないということで、まことに苦しい生活をしていらっしゃる人もたくさんあるわけでございますので、ぜひひとついま大臣が言われました方向で早急に検討をしていただいて、きのうもああいうかっこうで改正された時期でもございますので、よろしくひとつお願いをいたしたいと思います。 それからその次には、日赤関係の問題でございますが、戦争当時の日赤看護婦の問題でございますけれども、聞くところによりますと、軍のほうから日赤へ指令があって、日赤独自という立場で戦場へ看護婦を派遣しておった。もちろん、これは軍属だと思います。で、戦場における賃金であるとか、手当であるとか、そういうものにつきましては、日赤のほうで全部負担をしておるということは、これは間違いないと思います。ところが、その戦場で戦死された人ですね。あるいは障害者ですね。これらの人が一体今日どういうふうな扱いをされておるんだろうか。途中で何か改正されたようなことも聞いておりますけれども、そこがもう一つわかりませんので、いまの問題についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○実本政府委員 いまのお話の、日赤の看護婦で軍から救護召集を受けた看護婦の処遇の問題でございますが、これは救護員と称しまして軍からも手当が支払われておりました点にかんがみまして、有給軍属と解釈いたしまして、そういう救護員が準戦地あるいは戦地に派遣された場合には、援護法上の軍属といたしまして、内地の軍病院等に派遣された場合には、これはまた準軍属といたしまして処遇をいたしておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、いまの問題は別に何にも問題なしに、そういう条件の人については全部援護法で適用されておる、そういうことでよろしいんですか。
○実本政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○後藤委員 大臣が一時間ほどおくれておそく来ましたので、問題をしりのほうから入りましてこれから頭のほうへかわろうと思うのですが、今度の援護法の一部改正で軍人軍属及び準軍属というようなことで援護法の改正が出ておるわけでございますけれども、援護法の中心になるのは軍属に準軍属、これを救うということがやはり中心であろうと思うわけなんです。ところが、軍人が入っておるわけでございますけれども、この軍人というのは一体どういう範囲の人がこの援護法の適用になっておるのか、さらには、どれくらいな数になっておるのか、さらに軍属においてはどれくらいな数になっておるのか、準軍属についてはどれくらいになっておるのか、昭和四十二年には一体これらの予算はどれだけかかったのだ、今度改正によってどれだけかかるのだ、この点をひとつお尋ねいたしたいと思います。
○実本政府委員 援護法におきます対象者といたしましては、先生いまお示しのように、軍人軍属及び準軍属というふうな二つのグループが規定されております。最初この法律ができましたときには、いわゆる軍人恩給というものが停止されておりまして、そういう人たちについての処遇を何とかしなければならないのじゃないかというふうに叫ばれておったころでございましたが、そういう軍人恩給がストップされておりましたときにおきまして、昭和二十七年に、そういう本来ならば軍人恩給、いわゆる恩給法のほうで処遇されてしかるべき人たちも含めまして、この援護法が国家補償の精神に基づいて、そういう人たちの援護をするということで発足いたしました。したがいまして、この法律の発足当初、軍人と申しますと、いわゆるいまの恩給法の中で処遇されております軍人さんがそのまま入っておりまして、そのほかに援護法といたしましては、ここに法律の第二条の一項一号、二号、三号、四号に書いてございますような、もとの陸海軍部内の有給の嘱託員あるいは文官というふうなものも入っておったわけでございますが、この法律ができました翌年二十八年に、恩給法が、いわゆる軍人恩給が復活いたしまして、恩給法でもともと処遇されるべきいわゆる軍人というものが全部そちらのほうへほとんど抜けていった。ただしかし、抜けていきます場合に、恩給法で受け入れられる軍人というものは、形式的な要件が非常にきびしゅうございまして、たとえば軍人の遺族にいたしましても、妻の場合をとりますと、形式婚でないものはとらない。したがって、内縁の妻といったような軍人の遺族は恩給法のほうに迎え入れられない、こういうふうなことになっておりましたので、そういう人たちのグループは、軍人に関するグループは援護法に残ったということになっております。 それともう一つは、刑法上の罪を犯した者については、本来軍人であって恩給法の対象になる者も対象にしない、こうなっておりますので、軍人さんの中でそういう受刑の人たち、それからもう一つは、恩給法を請求するのに請求時効になってしまっているというふうな、請求期間の切れた軍人さん、こういうものが援護法の中に軍人として処遇される対象に残ったわけでございます。そういう意味で、援護法の中に書いてございます軍人といいますのは、恩給法とは本来的には一緒のものであるはずなんですが、そういう条件のものが入っておる。しかし、先生の御指摘になられましたように、いまの援護法の対象は、大部分軍人恩給の復活と同時に恩給法に抜けてまいりましたので、現在援護法の対象としての一番数の多いものは、軍属、準軍属となっております。 援護法の対象の全体の数は、大体概数で申し上げますと、二十一万というふうになっておりますが、そのうち、遺族年金に関しましては、軍人軍属が約十八万、それから準軍属が四万、そういうふうな内訳になっておりまして、障害年金は、非常に少のうございまして、これはちょっと両方ふるい分けができませんのですが、全部で約三千五百といったような数字でございます。大体二十二万、そのうちの十八万が軍人軍属、それから準軍属が四万、障害年金の関係分が約三千五百、こういうふうな部類になっております。 それから、これに対します予算でございますが、四十二年度におきましては百九十億でございまして、今回の改正分が四億一千万、こういうふうな予算の状況になっております。
○後藤委員 今度の増加率についてでございますが、大体昭和四十一年度を基礎に増加率が出されておる。私たちの考えるのは、四十一年度を基礎にせずに、四十二年度、去年の分を基礎にすれば、支給されるほうとしてもわかりやすい。恩給のほうもそうでございますけれども、今度の増額につきましても、増加率が四十一年度を基礎にされておる。しかも去年よりか率が悪いということになろうと思うのです。四十一年度を基礎にされておるというのは、一体どういうわけで四十一年度を基礎にされたんだろうか。しかも増加率そのものは去年よりか悪い。去年一〇%でことし二〇%、去年の一〇%もその中に含まっておりまして、計算すると九%、最低は五%くらいになると思うのです。去年よりか悪いわけなんですね。この辺は一体どういう考え方でこういうパーセントを出され、しかも四十一年度をこれはどういう理由で基礎にされたんだろうか、この点の御説明をひとついただきたいと思います。
○実本政府委員 援護法におきます今回のベースアップの問題でございますが、これはすべて傷病恩給、軍人遺族に対する公務扶助料等の増額、すなわち恩給法の増額に関連して、援護法におきましてもそういう増額を行なった、こういうふうなことに相なっておりまして、実は恩給のほうがそうしたから、これもそういうふうに上げた、こういうことになっております。ただ、私が恩給のほうから承っておりますところでは、先生のおっしゃる、なぜ四十一年度を基礎にしたのかというお話でございますが、それは、私の承っておる範囲では、昭和二十六年から公務員のほうのベースアップは毎年やっておりますけれども、恩給法の中でそういうベースを、公務員と同時にいじくったことがなかったそうでございまして、それをずっと四十年に至りますまでそのままにしておいたものだから、四十年に、これじゃあんまりひどいじゃないかということで、四十一年度の恩給法のベースアップということが行なわれたのだ、こういうふうに承っております。ですから、そういう長年の間ベースアップをしていなかったということであって、それを四十一年度にベースアップをしたわけで、援護法もそれにならった。 ところが、ベースアップをいたしましたのでございますが、その当時、最近に恩給に関する重要事項について答申が出ました例の恩給審議会が開催中でございまして、その恩給審議会の開催中に中間報告が出まして、とにかく恩給についてはいま根本的なベースアップの方法なりやり方については審議しておるけれども、二十六年以来たいしたことをやってないから、とりあえずそういった状況を考えながら、恩給審議会からはどうせ根本的な答申が出るけれども、そういうことを考えながら、いまとりあえず、経済事情等の変動を勘案して、一〇%程度のものを上げたらどうだというふうな中間報告が恩給審議会から出まして、それでもって恩給のほうでは、四二年度のペースアップをやった。それが大体四十一年度に対します一〇%程度の引き上げであった。それを来年度にまたもう一ぺん、恩給審議会の根本的な答申が出る前に四十三年度でまた上げましたという理由は、これは私はこういうふうに聞いております。四十二年度にベースアップいたしましたときから、その後の物価の変動があって、四十一年、四十二年、この二年間の物価上昇を見ますと、約九・八%ということであるので、またもう一割上げたらどうか、こういうふうな考え方で、四十一年度を基礎にして考えますれば、大体二割方上げるというふうな恩給の上げ方が行なわれたわけであります。それに伴いまして、われわれのほうもそういう上げ方をした、こういうふうにわれわれのほうでは恩給のほうから理解しておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、その次の問題としましては、軍人軍属、準軍属ですね、これは、障害年金にいたしましても、それから遺族年金、遺族給与金というようなことで、軍人軍属のほうは非常に——非常にというとおかしいが、金額が高い。準軍属のほうはその七割、こういうふうなことに相なっておるわけなんですが、これは、同じ人間が命を捨てた、あるいは同じ人間が負傷をしたというようなことなら、同じような扱いをするのが当然じゃないか。これを故意になぜ一体こういうふうに一〇対七というような比率で差をつけて——しかも援護金をですよ。これは援護金だと思うのです。なぜ一体こういうふうに差をつけるんだ、この点について御説明いただきたいと思います。
○実本政府委員 御承知のように、この援護法ができましたときには、遺族年金なり障害年金の、いわゆる年金の給付の対象として考えましたのは、現在の軍人軍属だけに限られておりまして、その理由は、軍人軍属は、国の身分を持った国の使用人である。ところが、援護法が発足しましたときに、この準軍属というものもこの援護法の中に対象になってはおりましたが、身分が、軍人軍属のような身分がない、ただし、総動員法の第五条によりまして徴用されたり、あるいは動員学徒のように動員されたりした、そういう総動員法の法律上の強制的な力によりまして、三菱重工とかその他の軍需工場へ強制配置になった、身分はその強制配置された会社の従業員ということであって、国家公務員ではない、こういうことでございましたので、そこにそういった年金とそうでない準軍属、身分のない人につきましては一時金、有期年金というふうなことで発足したわけでございます。その後しかし、先生のいま御意見にもございましたような点も勘案されまして、これは年金に切りかえるべきであるということで、昭和三十四年に有期年金が無期年金と申しますか、準軍属について軍人軍属と同じように年金になった。その際に、しかしそれは身分のある人とない人とではやはり差があってしかるべきじゃないかということで、軍人軍属の十に対して準軍属の場合に、無期年金にはするが軍人軍属の十分の五、二分の一ということで発足をいたしました。その後また、こういうバランスがいいかどうかというふうなことがいろいろ議論されてまいったわけでございますが、昭和四十一年におきましてこの比率を十分の七に改めたらどうかということになりまして、現在の形の処遇が行なわれておるというふうなことで、その法制定当初からの推移を見ますと、その辺のバランスというものが、いまのかっこうで一応均衡がとれているのではないかというふうに、いまわれわれのほうでも考えておるところでございます。
○後藤委員 これは私たちが考えますと、同じ人間でありながら片方十万円、片方七万円というようなことにつきましては納得のできないところでございますけれども、まあいろいろ過去の経過があって、こういうふうにようやくここまで持ってきたのだ、こういうふうな説明でございますが、これは今後の問題としてさらに努力をしていただくということでお願いしたいと思います。 もう一つ準軍属というのは、学徒なり女子挺身隊、徴用さらには沖縄の戦闘参加者あるいは満洲開拓青年義勇隊ですか、これ以外に準軍属に属するのは何があるのですか。
○実本政府委員 援護法の第二条三項に準軍属の規定が書いてございますが、先生がいまおあげになりましたもの以外には第二条三項三号に書いてございます国民義勇隊、それから五号に書いてございます特別未帰還者、こういった人たちが入っております。
○後藤委員 それで一番冒頭に申し上げました慰安婦の問題でございますけれども、先ほど局長はそういう該当者があれば援護法の対象にする、しかもわからぬ点については十分PRもしていきたい、こういう言明をなされたのですが、これは軍属のほうに入るのか、準軍属のほうに入るのか、あるいは特別の措置を何とか考えるのか、その点はいかがですか。
○実本政府委員 ケースによって二つに分かれると思います。たとえば先ほど申し上げましたように、臨時看護婦、従軍看護婦というようなかっこうで野戦病院等で働いていただいた人につきましては、そういう事実がある人につきましては、第二条一項二号の「もとの陸軍又は海軍部内の有給の嘱託員、雇員、」といったような軍属として処遇するということに相なるわけでございます。 そのほかにフイリッピン戦争の末期におきますような戦場の中で、とにかく慰安婦も何も一緒にたまを取って働いた、あるいはとにかく抵抗したというふうな人につきましては、戦闘参加者ということになりまして準軍属というふうに処遇することが考えられておるわけでございます。
○後藤委員 ほかにもまだ問題がございますけれども、ちょうど本会議の時間になりましたので、ここで中止をさせていただきたいと思います。
○八田委員長 午後三時三十分まで休憩いたします。 午後一時五十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕