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58回国会衆議院1968/04/17

産業公害対策特別委員会 第6号

発言数
79
登壇者
14
会派数
2
開催日
1968/04/17

会議録

山崎始男日本社会党

○山崎委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。橋本龍太郎君。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 昨年の国会において公害防止法ができましてから一年間、先般、当委員会で事業団法のみが成立をし、今日、公害に関する各案件について十分な調査を進められておる最中でありますけれども、この国会に最初から提案を予定されておりました案件の中で、大気汚染防止法あるいは騒音防止法、また当委員会に直接関係が――ここへ提出される案件ではない、しかし、公害に関して非常に重要な役割りを占めております工業立地適正化法、こうした法案が、今日なお国会に提出されておりません。ところが、従来までの話によりますと、厚生省当局あるいはその他関係各省が、大気汚染防止法にしても、騒音規制法にしても、三月の中旬には国会に提出をします、ということを何回か公言をしてこられた。きょう時間の制約のある際ですから、こまかい点は申しませんが、すでにもう四月のなかばを過ぎております。しかも、公害による生活環境の汚染というものは日々に深刻さを加えてきておる。どうやって国民生活のよりすぐれた環境をつくるかということは、当委員会のみではなく、国会全体に与えられた大きな責務であるにもかかわらず、行政当局から、今日に至ってもこうした法律案が提出されていないということは、私どもとしては非常に遺憾なことであります。今後、当委員会の審議を進めていきます上に重要な関係がありますので、本日、私は最初の時間をちょうだいして、関係各省から、これらの案件が現在どういう状況にあるか、いつごろ国会に出されるのか、こうした点を伺ってまいりたい、このように考えております。  まず最初に、所轄官庁であります厚生省の政務次官にお尋ねをいたしますけれども、厚生省の所管にかかる大気汚染防止法また騒音規制法の二案件の法案作成の状況は一体どうなっておるか、また、国会にはいつ提出できるのか、この点について明確なお答えをちょうだいしたい。一カ月以上、提出の予定時期よりはすでに経過しております。一応、議運あるいは各党の国対段階では、新規の提出は原則としてやめるといわれてから相当な日時がたっておる。これ以上遷延することは許されません。この二案件について、作業の進捗状況、あるいはつかえておる点があるとするなら、それはどういう点なのか、いつごろまでに国会に提出ができるのか、こうした点についてお答えをいただきたいと思います。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 いま御指摘がございましたように、大気汚染防止法及び騒音規制法の二法案につきまして、各省の折衝調整が難航して大幅におくれてまいりまして、そのために法案の提出がたいへんおくれておりますことはまことに申しわけないことと考えておりますが、現在、二法案とも、すでに各省の折衝をほぼ終わりまして、法文化を急いでいる段階でございます。大気汚染防止法のほうが少し早く進んでおりますが、両法案ともに、来週には国会に提出できる見込みで進んでいる状況でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 来週前半に出せますか。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 大気汚染防止法に関しましては、来週の前半に提出できる見込みでございます。騒音防止法に関しましては、若干おくれますが、来週中には提案ができる、こういう運びの順序でございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 昨日の新聞等でも、阿賀野川の水銀中毒事件の問題等で、関係各省の意見が非常に食い違いを見せているというような報道がなされております。具体的な問題について、きょう私はここでお尋ねをしようとは思いませんが、ただいまの政務次官の御答弁によれば、関係各省の意見の調整もほぼ終わった、来週前半には提出ができるということでありますので、この点は、おことばどおりに実施をしていただきたいと思います。ただ、実は、新聞紙上等に報道されておりますものをずっと今日までながめてまいりますと、厚生省で当初準備をせられた段階では、大気汚染の防止法にせよ、あるいは騒音規制法にせよ、許可制で御検討になっておられたように報道されておりました。ところが、現在作業されております案件、具体的にはこの二法案は、私どもの聞くところによれば、その許可制が届け出制に変えられた。各省庁の話し合いによって、許可制が届け出制に変えられた。これについて、世間からは、この内容が非常に後退しているということを言われております。これについて、事実そのような変更がなされているのか。また変更がなされたとするならば、これは非常に後退ではないのか。具体的には法案が提出された時点で伺いますが、この点について、まず第一に政務次官から御答弁を願いたい。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 いま御質問のございました許可制と届け出制の問題でございますが、確かに、許可制が届け出制に変わりますことは、規制の上から申しますと、若干の後退をしておるという印象が与えられるかと思います。これはしかし、各省それぞれの関省それぞれの関係をいたしておりますところとの折衝の結果、こういう形になっておるわけでありますが、届け出制と申しましても、その内容等は、普通に言っております届け出制とかなり違っておるように私たちは考えております。いずれ法案の詳しい内容に関しましては、提出いたしましたあと御質疑があることと思いますが、騒音規制法案につきましては、届け出をいたしましてから一定期間の間は、実施の制限をいたしますし、さらにその間に、計画変更の指示をすることができるようなたてまえをとっておりますので、確かに許可制ということと届け出制ということの問題につきまして若干ありますが、普通の届け出だけで済むというのとは性質が違うように感じておりますので、提案いたしました際に、いずれ御質疑に対してお答えをいたしたいと思います。  大気汚染防止法案に関しましても、環境基準を越えまして汚染されておりますような地域につきましては、排出基準をきびしく指定して、きびしい基準を設けることができるようなたてまえにいたしておりますので、これの運営いかんによりますと、これもかなりのところまでやれるのではないか。環境基準に排出基準をきびしくいたしますその度合いによりまして、許可制と同じというわけにはまいりませんが、事前の許可制ということでもありませんけれども、かなりのところまでいくのではないか、両法案ともに、いろいろと見方がございましょうけれども、少なくとも従来の状況から比べますと、その点に関しましては、大幅な進歩をしておるものだと私たちは考えまして、提案をいたすことにいたしておるわけでございます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 この法案自体の問題は、それこそ法案が提出されました時点で、ゆっくりあらためてお尋ねをいたします。  この際、もう一点お尋ねをしたいのは、公害対策に関して、この基本法を実施していく段階での具体的な法案、ほかにどのようなものか準備をされておるものがあれば、それをお示しいただきたい。これは厚生省の政務次官からお答えをいただきたいと思います。  それと同時に、時間の関係上、まとめてお尋ねをいたします。  工業立地適正化法、伝えられておりますところでは、その内容に産業部門の大気汚染の問題あるいは水質汚濁の問題、こうしたものが含まれておったように聞いております。ところが先般来新聞によれば、通産省と建設省の間に、重大な意見の食い違いがあり、通産省当局が工業立地適正化法の提出を断念したということが伝えられております。これは事実であるのかどうか。また、食い違いがもしあったなら、どういう点が食い違っておるのか、工業立地適正化法自体を今後提出される御意思があるのか。これは通産省当局及び建設省政務次官から、これについてのお答えをいただきたい。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 厚生省のほうといたしましては、先ほど御説明申し上げました大気汚染防止法及び騒音規制法のほかに、いわゆる公害の発生いたしました場合の調停あっせん等、紛争の処理をいたしまする法案、その中には、私たちの現在の考え方では、救済基金と申しますか、そういうようなもので、責任者がまだ不明確な段階におきましても、被害を受けました人たちに対する対策のできるような仕組みも入れました法案を実は用意いたしておるわけでございます。これは、ただし、制度の問題でございまして、広範な関係もございますし、相当に慎重に扱っていく必要もございます。また、御存じのように、公害基本法によりまして公害関係の審議会ができております。もちろんこの大気汚染防止法それから騒音規制法等につきましても、この審議会の御意見を受けなければならぬのでありますが、いま申しました紛争処理、それから救済基金の問題につきましては、審議会のほうから、特に、これは各省の調整が要るだろうけれども、厚生省はどういう考え方でおるかという意見を問われまして、審議会のほうに、実はまだ素案と申しますか、厚生省の考えを提出いたしておりまして、審議会のほうでも積極的に小委員会をつくってこれの検討をやっていこうというような段階になっておりますので、これは私たちといたしましては、できるだけすみやかに関係方面の意見をまとめまして、提案をいたしたいこういうような状況で進めておるわけでございます。  それから公害に関しましては、確かに工場等の立地規制法の中にあります公害関係の問題、それからそれぞれの水の汚染いたしました場合の対策の問題等がございまして、公害とはきわめて大きい関係がございますが、これは所管省が、窓口が変わっておりますので、私から申し上げますのは不適当だと思いますので、以上で私のお答えといたします。

藤井勝志自由民主党通商産業政務次官

○藤井政府委員 このたび、工業立地適正化法案が提出の運びに至らなかった事情につきまして、お答えをいたしますが、適正化法案は公害と過密の大きな原因をなしております。いわゆる工場の無秩序な立地を規制するということがまず前提でございますが、それと同時に、工場の分散を進めていく、誘導していく助成、それからあらかじめ工場用地を確保するという、こういう前向きの施策、こういったものをひっくるめたいわゆる総合的な立法でございまして、通産省としては、昨年末来、、このような法案は当面の公害対策を考えた場合に、また公害基本法の精神を具体的に具現する道としてぜひ必要であるというので、いろいろ関係方面と意見の調整をしてまいったわけでございますけれども、何しろ、いわば土地に対する大きな制限立法というようなことにもなります。同時にまた、現在首都圏整備、特に大都市を中心にした過密に対しては首都圏整備法という法律がすでにあるわけでございまして、見よう見方によっては、屋上屋を架する結果にも相なるというようなこともございまして、関係方面と慎重に意見の調整をはかっておるうちに、いわば時間切れということで、この国会の提案には問に合わなくなった。まことに遺憾なことでございますけれども、われわれは、今後も決して、このような必要性を感じないとか必要ではないというような、こういう見方ではございません。その間においては行政指導を強化するというようなことで、将来この行政指導を法的に裏づけるためには、われわれ一応案として考えております適正化法というもの、これを基礎にして、関係各省とも意見の調整をよくはかって、今後の検討をいたしまして、できるだけ今後公害が根本的になくなるような対策について善処していきたい、このように考えております。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷政府委員 公害基本法に基づいて、公害関係立法は当然やらなければならぬことでありまして、そういうふうな立法に対して、何か建設省が特別に反対をしているとかいったようなことがいわれておるようでありますが、決してそういうことはございません。それは誤解でございます。ただ、通産省の提案しようとしておる工業立地適正化法案は、公害と過密の、大体二本の柱になっておると思うので、その中の過密の問題が、やはり先ほど通産政務次官からもお話がありましたように、首都圏の整備法とかその他の関連する法案といささか重複、抵触する面がございますから、そういう面をよく調整をして、そして円滑に進めなければならない、調整の段階においていささか手間どっておるというのが、提案がおくれておる一つの理由になっておるのじゃないか、かように存じておりますので、御了承いただきたいと存じます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本(龍)委員 私はこれ以上この問題を追及しようとは思いません。ただ、ただいま通産政務次官及び建設政務次官の御答弁をいただきまして、新聞紙上に一ころ報ぜられておったような、通産省及び建設省の間にこの法案について大きな食い違いがあるのではないということを、ここで声明をいただいた。そうして通産省としても、あくまでもこの法案を提出されるという御決意を伺いました。私はこれでやめます。ただし、この点だけは特に関係各省ともに申し上げておきたいと思います。  私どもは、当委員会として、この工業立地適正法化の行くえというものに、実は重大な関心を持っております。この法案の行くえによりましては、今国会、来週提出をされると言われました大気汚染防止法あるいは騒音規制法等につきまして、私どもは相当大きな考え方をいたさなければならない、そうした事態も起こり得ます。ただいまの御言明のとおり作業をお進めをいただきたい、この点を私から付言して申し上げ、島本委員にあとを譲ります。

山崎始男日本社会党

○山崎委員長 島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 私は、いま提案を予定されております公害実施法につきまして、橋本委員が質問されました中で、初めから各省の態度と立法に対する熱意の問題に対して、若干お聞きしたいことがあったのです。せっかく橋本委員が触れましたから、その問題を突破口にして、次々と質問させてもらいたいと思うのです。  いま通産政務次官並びに建設政務次官、厚生政務次官のほうからそれぞれ意思の表明がありました。その中で、工場立地規制法の問題、これは考え方として、過密と公害の問題に対処するための法律案である。初めからこの問題は、公害基本法ができたあとで、どうしてもこれに対処する姿勢でなければ、今後の過密状態の対策にはならない。それから、この辺からがっしりと公害の規制をするのでなければ、次から次と発生してくる公害に対する対処はできない、こういうような態度でこれは待たれる法律案の一つだった。したがって公害関係実施三法の一つだ、こういわれるゆえんのものはそこにあったわけです。いまいろいろ答弁がございましたけれども、調整の段階で手間どったのである、こういうようなことでございますが、それは三省の問で調整の段階だけで手間どったのですか。まだそのほかに、内容の問題で各省間の意見が不一致のために、これは出せなくなったのですか。もう一回、通産、厚生、建設の順で御答弁願いたいと思います。

藤井勝志自由民主党通商産業政務次官

○藤井政府委員 申し上げるまでもなく、健康保護というものと産業の発展と、この調和を求めるということが現代政治の宿命的課題、こういうことにもなると思うのであります。単なる役所のセクショナリズムで時間を遷延すべきものではさらさらない、これは島本委員と私、同感でございます。  なぜその基本となるべき工業立地適正化に関する法案準備がおくれたかという、この問題の事情でございますが、各省とも真剣に公害問題を考えているということが、これが実はおくれた一つの大きな背景でございます。まじめに考えて審議をしておる。その中心は、先ほどもちょっと触れましたように、やはり大都市のいわゆる過密規制について、その規制効果を最も確保するためには、現在通産省が考えているような考え方ではなしに、また建設省のほうでは、首都圏整備というようなそういうもので十分やれるではないか、かえって屋上屋を架してはいけない、こういう角度からの意見もあります。そういったことが中心で、実は一番肝心なところの問題点が詰めに入る前に、国会の現在の審議日程、こういったものをあれこれ考えて、結局時間に間に合わなかったということでございまして、決してこれを放棄するとか、うしろ向きになっておる、こういうことではございませんから、しばらくひとつ時間をかしていただいて、われわれとして十分いろいろな方面から考えて、自信のある法案として御審議を願いたい、このように考えておる次第であります。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 厚生省のほうといたしましては、大気汚染防止法と、それから先ほどの工場立地適正化法との関係が一番大きな問題になるかと思います。大気汚染防止法のほうのつかまえ方と申しますのは、いわゆる大気、したがって発生源である工場その他の排出基準、それをどういうふうにきめるか、さらに排出基準でなく、その発生源である工場その他にどの程度に入っていくか、こういうふうに、大気のところから、発生源の中の組織の中に入ってまいるわけになります。さらにそれを広めていけば、工場そのものの設置、あるいはその地帯全体として、工場はどういうようにしたらいいかというところに入るかと思うのですが、要するに行政の範囲としてどこまでこの大気汚染防止法のところから入っていくか、また片一方、通産省のほうの工場の所管をしておられる立場から、どの範囲までお互い同士の調整範囲をやっていったらいいか、こういう問題でございまして、実は現在考えておられる工場立地適正化法にあります許可制その他の規制の問題を、大気汚染防止法の中で書こうかということで進めたこともございます。しかし、工場立地適正化法のほうと大気汚染防止法のほうと、政府が出します二つの法律に同じ規制が出るのは、、これはどうもおかしいじゃないか。どちらのほうにやるかという議論がございまして、したがいまして、主管省の争いと申しますよりは、どちらのほうで書いたほうが適当か、こういう問題で折衝があったわけでございます。したがいまして、私たちは大気汚染防止法の中で措置をいたしておりますが、できるだけ早い時期に、この工業立地規制の法律が提案されて、両々相まってやっていくことが適切である。今度時間切れで出ておりませんのは非常に残念に思っております。先ほど来お話もございましたように、また私たち通産その他と連絡をいたしております中におきまして、できるだけすみやかな法律案の提案という考え方で進んでいただいておりますので、その法律の中で、いまのような点がはっきり解明されるであろう、こういうふうな考え方で、期待をいたしている次第であります。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷政府委員 先ほど御答弁を申し上げたとおりでありますが、通産省の提案しようとする工業立地適正化法案は、公害と過密が大体二本の柱になっておるようでありますし、公害の問題は、われわれのところはあまり関係ございませんが、厚生省といまやっているようでありますから、けっこうだと思います。  ただ、過密の問題については、先ほど申し上げましたように、首都圏整備法あるいは首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律、こういう法律等がございまして、すでに一応の規制ができる形に相なっております。  したがって、この上にさらに通産省関係の法案が出てくると、やはりそこに一つの重複あるいは調整を要する問題ができてくるわけでありまして、これは決して役所間のセクショナリズムによって問題を解決するものではなくして、あくまでも受けて立つ国民の立場から、この法律が施行された場合にどうなるかということを真剣に検討をする必要があとるいうことについては、確かに時間を要しました。そういうことで実は若干手間どったわけでありますけれども、法案の成立に対して、われわれは反対しているものでは決してございませんので、御了承願います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうでありますと、私はこの法案の扱いで、もっと関係省間ではっきりした結論が早く出ると思うのです。出ない理由の中に――これは私の手元に当時の四月二日のそれぞれの新聞があるのでございますけれども、その中で、二日の閣議後、椎名通産大臣から保利建設大臣に、今度は調整がつかなかったために、今国会の提出を見送ることにした、さらに関西を中心とする財界の反対や、建設省への説得もうまくいかなかったので、通産省もあきらめざるを得なかったものだ、こういうような報道が各紙になされているわけであります。まさかこれはうその報道じゃないと思うのです。関西を中心とした財界の反対があった、こういうようなことだとすると、これはゆゆしい問題です。ことに、私がいまこれを中心にしてお聞きしたいのは、これは一つの総合規制方式の運営を考えたもののようです。立地規制法の中で、はっきりした許可制をまずとろう、そうして今後は公害面は厚生大臣がタッチして、でき上がったものに対しては大気汚染防止法、これによって今度は指導していく、この両方が対になって、これが完全に行なわれる。片っ方が失われて、あとのものは許可制でなく届け出制でやったら、どういうような効果があるのですか、これはザル法といわざるを得ないじゃないですか。十分措置して出てくる法案に対しては、これは届け出制にしても全然差しつかえないものであるのかどうか、この内容は重大ですから、ひとつこの考え方を発表しておいてもらいたいと思うのです。これは厚生省どうなんです。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 これはいずれ大気汚染防止法が出ましたときに、おそらく詳しく御質疑があることと思います。思いますが、いまここで、二重になるかもしれませんが、大気汚染防止の大体の考え方を申し上げておきたいと思います。  これは排出基準をどうするかという問題でございますが、ばい煙の発生施設の規制に関しまする指定地域をまず設置いたします。ばい煙の発生施設が集合して設置されることが予想される地域に対しまして、一定の要件がございますが、この地域を指定地域にいたします。そういたしまして、排出基準は、ばい煙の排出速度、また温度がございますが、これらのものに応じまして定めることといたしますが、同時にまた、大気の汚染が著しい区域、この場合には特別の排出基準を定めまして、いわばきびしい基準を設定いたしまして、これを守っていくようにしてもらう。それから緊急事態が起きました場合には、都道府県知事にばい煙の排出量の減少のための措置ができるような規定をする。そのほか、もちろん自動車排出ガスの問題がございます。こういうようなことでやってまいりたい。したがいまして、排出基準をきびしくいたしまして、その基準に違反いたしておりまするものに対する指導をやっていくということになるわけでありまして、先ほど申しましたように、いずれ提出を考えられておりますところの、今度の国会には無理であるようでありますが、工業立地規制法のほうにおきまする工場そのものの立地の許可制、この問題と並びまして、完全なかっこうになっていくと思います。したがいまして、この場合にも、厚生省としては、それにもちろん通産大臣とともどもに、所管大臣といたしましてタッチをしていくことになります。もちろん今度の国会にこの提案が見送られたことは、したがいまして非常に残念に思います。残念に思いますが、関係各省のほうからのお話その他によりまして、私たちも期待をいたしておるのでございますが、これは少なくとも今度の国会がだめであれば、一番早い機会の国会に提案されるということを私たちは予定をいたしまして、この現在の私たちの法案をお願いをしておる、こういうことでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 したがいまして、いま工業立地適正化、この面で許可制としてはじめて、あとの関係法律案が総合的にりっぱに生きてくる、いまあなたがおっしゃったとおりなんです。ところが、この方面は行政措置で今後はやっていきたいというように、通産省ではおっしゃっておるわけであります。行政措置でやっておいて、あと法律で今度は届け出制にして、ただこれを運営するならば、あなたがいかにやっても、四日市でもどこでも、単に届け出て規制をそのままに――届け出による規制は、許可じゃありませんから、禁止がございません。ただ善意にまつだけです。善意にまつようなこういうようないき方、ことに行政措置だとすると、なおやわらかくなるのです。これをやっておいて完ぺきを期するという考え方は、やっぱりしり抜けの証拠になるじゃありませんか。私はそれを一番おそれているのです。今度出さなかったこの工業立地適正化法案の中で規制しようとする過密と公害の問題、これを許可制にしてはじめて生きるわけですが、これが片手落ちになったあと、これは建設省なり通産省なり、今度行政措置でこれをやろうとしますが、この面に対して法律と同等に扱っていけるのですか。ここをはっきり聞かしておいていただきたいと思います。これは通産、建設の順に、はっきり断言してください。

藤井勝志自由民主党通商産業政務次官

○藤井政府委員 ただいま厚生政務次官のほうから答弁をされましたわけでありますが、確かにわが省が提案をし、御審議をお願いしたい予定で運んでおった立地適正化法とのセットにおいて、この公害基本法の精神が具現されるという点においては、私も全くそのとおりだと思うのでございます。したがって、われわれは先ほどもお話ししたように、適正化法の法的規制は、今後も法律の形においてこれが成案を進めたい、このように考えておりますが、その間における過渡的な措置としては、先ほどもお話があったようでございますが、今度なるほど大気汚染防止案に盛られておるのは届け出制になっておりますけれども、これは六十日前に前もって届け出をして、実質的に都道府県知事がこの適不適を十分審査できる、しかも規制基準が非常に厳格になっておる、こういうこともございますので、十分その点において所期の目的が達せられるということを、われわれは考えておるわけでございます。  同時にまた、従来、通産省において、御案内の産業公害総合事前調査、こういったものは強力に行政指導をやっておりまして、現に水島地区におきましては、集中超高層の煙突十一本、これに要する経費は二百億、これを行政指導によって企業側にやらせるということによって、このばい煙に対する規制というものが現実になされる態勢に進んでおる、こういうことでありますから、とりあえずそういう方法によって規制をしながら、元口を整備するというこの法案は、今後ぜひ前向きで、できるだけ早い機会に御審議願うように準備を進めていきたい、このように考えております。

仮谷忠男自由民主党建設政務次官

○仮谷政府委員 大気汚染防止法の届け出あるいは許可制の問題でございますが、これは私どもの所管外の問題でございますけれども、われわれは決して許可制をとることに反対はしておりません。この点ははっきり申し上げておきます。  それからもう一つ。先ほど、関西財界の何とか、いろいろ御意見があったようでございますけれども、これは率直に申し上げますと、陳情書が来ております。この陳情書は、地域開発の関係法律の整理統合に対して意見書が出ておるわけであります。一般論として、建設大臣も、あまり地域立法が重なってできることは好ましいことではない、むしろ現実には整理統合しなければいかぬ状態ではないかという一般論を持っておるわけであります。これは、私どももそういう考え方を持っておりますけれども、たまたまそういう一般論が、この法案に反対をしておるような印象を受けておるのですけれども、そうではございません。この問題は、事務的に調整がつけばそれでいいのだという考え方で、いままで調整を続けてまいったわけでありますが、これはひとつ誤解のないように、御理解を願いたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは、今後誤解のないようにしてもらいたいのは、むしろ私のほうです。今後の扱いで誤解を受けないように、十分成果をあげ得るようにしていただきたい。私に言うのはちょっと筋違いです。  なお、この問題で一つだけ通産省に聞いて、次に移りますが、行政指導だけでは当然行き詰まります。行き詰まった場合には強制措置、こういうようなものも必要になりますが、行政措置で強制措置を伴うようなものに対しては、立法化が必要になる。やはりこれは立法化しないと成果はあがらないということになってしまいます。私は、この点は十分知っておられると思うのですが、この問題については、また今後新しい法律、立地適正化法案は出さなければなりません。もう日にちがないと言いますけれども、議員立法なら、なくてもすぐすうっと通るのです。こういうようなものだったら、審議しなくてもいい。りっぱなものであったら、短時日でも通しますよ。野党がそれを全部待っておる法律ではありませんか。逆に与党が遠慮して出せないのじゃありませんか、また政府間の折衝によって。いいものだったら幾らでも出せるのですから、短時日なんて言わぬで、堂々と成案を得て出しなさい。橋本委員がいま要望したのは、その趣旨だと思います。最近もこういうような点で、私どもはどうも政府の姿勢が、公害基本法ができるまでは熱心でしたが、できた以後また少し後退したような感を受けます。私はこれはほんとうに遺憾です。今後そういうようなことがないようにしてもらいたいと思います。  それで、いま言ったようにして、強制措置をとるような段階になった場合には、行政措置の面でやると言いますが、これはできますか。

藤井勝志自由民主党通商産業政務次官

○藤井政府委員 先ほどもお話ししたように、ワンセットといいますか、そういった角度から法案が準備されたにかかわらず、一つは少し時間がずれておくれるということは、通産省としてもまことに残念に思うわけでございます。その間過渡的な措置として、行政指導によって万全を期したい、同時にまた、行政指導を裏づけるための必要な法的規制である今回の工業立地適正化法案、これを基礎として、今後一そう内容の充実したりっぱな案を、自信の持てる案をつくって、関係各省と相談して、できるだけ早い機会に御審議いただきたい、このように考えておるわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 公害基本法の精神は、国民の健康を守ることが第一義です。そういうようなことからして、やはりその問題が重点でなければならないことは、私が説明をする必要はないと思います。しかし、いまいろいろ報道されている面を見ますと、どうもその点が一つ一つ後退しているようです。許可制が届け出制に変わった、これはセットでやる場合には、ある場合はいいと思いましたが、セットでも出てこない。逆に一つが減った。法律が出ないような結果になった。そうすると、許可制には禁止が前提条件になりますから、そういうような強制措置がなくなった。届け出はオープンですから、やはりこれは行政措置でやる、こういうようなことになりましても、当然そのあとには強制措置がとれるような段階にはならない。その点では当然行き詰まる。しかしながら、これよりもっと後退したのは、いろいろな制限条項が削除されるようなことがあってはいけないと思います。新幹線の騒音、高速道路の騒音、空港周辺の建物、それを買い取らせる措置、こういうようなものに対しては、いろいろ意見が合わなくて削除されたということを聞いているのですけれども、関係省、これに対してどういうような考えで、こういうような問題が全然削除されるようになったのですか。それはやはり野放しでいいのですか。たとえばこういうような問題で悩む人の健康状態、こういうようなものに対して、なくてもやっていけるというような考えなのでしょうか。私の質問が間違いであるならば私はうれしい、こう思って質問するわけですが、これに対しましての態度をお聞かせ願いたいと思います。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(琦)政府委員 ただいま新幹線等の騒音の問題についての御質疑がございましたけれども、その点は、厚生省当初試案のときには考えておりました。その後、運輸省と折衝いたします過程におきまして、いろいろ技術的に、どの線で、いま先生がおっしゃいましたように買い取りその他の措置をするかというような点について、現在両省間で検討中でございまして、実は来週の法案提出までにこの点の検討が終了しないので、この点は、現在のところ法案に入っていないわけでございます。決してこれは、将来ともこの問題を考えないということではなくて、運輸当局におきましては、十分これを検討されているということでございます。それからまた飛行場の問題等につきましては、すでに昨年の国会で法律ができまして、現在運輸当局が、この実施面につきましては鋭意努力されておるところでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは当然振動等についても公害規制はすべきだと思いますが、建設省、この点ではどう考えましたでしょう。それから交通騒音も、当然これは規制すべきだ、こう思いますが、運輸省の鉄監局長ですか、この点はどういうふうなお考えで、この関係法の中で措置されたのでしょうか。

景山久運輸省自動車局整備部整備課長

○景山説明員 ただいまの件は、内村参事官のほうから御説明申し上げたいと思います。私のほうの所管ではございませんので……。

武藤き一郎厚生省環境衛生局公害部長

○武藤(琦)政府委員 ただいま御指摘の振動の問題あるいは交通騒音の問題についてお答え申し上げます。  振動につきましては、現在二、三の府県で条例で取り締まっているわけでございますが、この問題は、振動を一般的に法律の段階まで取り上げるかどうかということにつきましては、まだ技術的に基準その他が専門家の間でもいろいろ検討が不十分でございます。したがいまして、今回につきましては、振動の問題は個々の地域的な地方公共団体の間で条例等で現在どおり取り締まっていただくというふうに現在考えております。しかし振動の問題は騒音の問題を取り締まりますと相当ダブる面もございますので、実際上は相当取り締まることができる、かように考えております。  なお、交通騒音につきましては、これは現在道路交通法でそれぞれの順守義務が運転者に課せられております。そのほか条例等で、それぞれ地域に応じました取り締まりが行なわれておりますので、現在のところ、それにゆだねよう、こういう考え方でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 はっきり法律が出た場合には、私は、いままでの答弁を総括して、やはりまた、その間に各省間でそれぞれやるような一つの考え方の上に立って、総合的に立法されて出される法律じゃないかと思います。出た上で、これははっきりこれに対処しなければなりません。ただ、私どもは、原則としてこれは許可制とするのが一番いいのです。これが届け出制になった。それだけじゃなくて、これはやはりその中で条項が削除されている点なんかもあるということは、一歩も二歩も後退です。私はそういうような点からして、今後いろいろ考えなければならない、こういうふうに思うわけなんです。政府の態度が、どうも最近、私は後退しつつあると思うのです。そういうようなことだったら、とんでもないことだと思います。現に私どものほうで、最近科学技術庁のほうの態度、こういうようなものに対しましては、どうも理解しかねるわけです。これでひとつお伺いしたいのは、各省にお伺いいたしますが、それは先年特別研究促進調整費という名で、九百六十四万円、科学技術庁のほうで、これは厚生、通産、農林、経済企画庁のそれぞれに、調査費として、調査を委託されたかのように聞いております。その結果、各省ではどのような結論が出たのか。これは厚生、通産――農林省は来ておらぬと思いますが、経済企画庁いかがでございますか。それでは一つずつ……。厚生省これはどういうふうなことで調査いたしましたか。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 お答えいたします。  研究費の総額といたしまして厚生省分としていただきましたのが、約八百二十万円でございます。それに基づきまして、試験研究班、臨床研究班、疫学研究班の三研究班を組織いたしまして、約二年間にわたりましての研究をいたしました結果を、昭和四十二年の四月に、科学技術庁に研究報告といたしまして提出いたしたわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それでは厚生省のほうに聞いておきますが、その際に、通産省も農林省も経済企画庁にも、それぞれ特別研究促進調整費を配分し、調査の依頼をした、こういうふうに承っておるのですけれども、私の質問が間違いでしょうか。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 ただいまの御質問の中で、私どものほうの研究促進調整費を配賦いたしまして直接に御研究を願いましたのは、厚生省と農林省両省でございます。なお全般的な研究のやり方と申しますか、これにつきましては、先ほど御指摘のございました関係四省庁と、それに私どもが加わりまして、五省庁におきまして、研究の方面づけ等につきましては当初協議いたしまして、その決定に基づきまして、ただいま申し上げましたとおり、具体的な研究の担当は厚生省及び農林省であります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは新潟県の阿賀野川水域の水銀中毒の調査の件だけですか。それともそのほかのイタイイタイ病に対するいろいろな調査、そのほかの水俣病その他の調査、こういうようなものは一切含まないのですか。個々の地域指定だけは、はっきりしてあったのですか。この点等も少し念のため聞かしておいてください。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 本件の研究の対象になりましたのは、御指摘の、今回の阿賀野川の流域におきますところの慢性水銀中毒に関する研究のみに限定しております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そうすると、農林省と厚生省からそれぞれ結果が出た、こういうようなことでございますけれども、厚生省、農林省の結論は、これに対してどういう結論でございましたか。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 厚生省の、先ほど食品衛生課長から御説明になりました当初の御報告は、これは厚生省のほうで三つの研究班を構成の上に、研究調査をお進めになったわけでございますが、その三班の臨床班、疫学班、それから試験研究班、この三班の研究の報告がそのまま提出の形と申しましょうか、そのような形で御提出になりましたので、総合的な見地から、この三班の報告をさらにおまとめいただきたい、こういうことを厚生省にお願い申し上げたわけであります。これにつきまして、厚生省におきましては、詳細御説明があると思いますが、食品衛生調査会の議に付せられまして、その結果を厚生省見解といたしまして、昨年の九月に当庁に御提出いただいたわけでございます。農林省の研究は水棲生物、底棲性の魚が主でございますが、これにおきますところの水銀汚染の分布の調査をしていただきました。これはただいま申し上げました厚生省の研究の結果につきまして援用されております。  以上でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 問題は結論なのでございます。私はその結論をはっきり承っておきたいと思うのです。というのは、その決定の態度が、私は一番問題だと思いますので、一つは長期汚染、もう一つは長期汚染プラス短期濃厚汚染、この二つに分けてそれぞれ調査をした、この事実には相違ございませんか。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 御指摘のとおりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 そして、それに対して結論がはっきり出たのは一つであり、そのほかは資料なしあるいは資料が足りない、こういう結論で、ただ一つ結論が出たのは、阿賀野川上流の昭和電工鹿瀬工場がメチル水銀を流した、これだけは確かだが量が不明である、これが結論の一つであり、あとは資料不足、資料なし、こういうふうな結論だった、こういうふうに報告を受けているのですが、これに相違ございませんか。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 多少ふえんして申しますと、厚生省の最終的な御見解は、四十二年の八月三十日に食品衛生調査会から厚生大臣に答申のございました、四十二年四月二十日厚生省環第四三四号の諮問に対しますところの答申でございます。この点につきまして、三つのパラグラフに分かれておりますけれども、第一番目は、昭和電工の鹿瀬工場から、アセトアルデヒドの生産に伴いまして、メチル水銀を含む化合物が水中に流出しておりまして、それで長期広域にわたりまして阿賀野川を汚染して、それが魚に蓄積し、さらに食習慣その他によりまして、住民の体内の水銀保有量が高められたことが基盤となっている。二番目は、そのような状態だけでも、メチル水銀の中毒患者の発生の可能性があるけれども、今回の三十九年の八月から四十年の七月にわたりまして、一定期間中に多数患者が発生しました原因は、いま申し上げました長期汚染のほかに、短期的な侵襲、これに魚の多食というような外的条件が加わりましたために、両者加わりまして発生したものと推定される。それからいま触れました短期的な侵襲の原因につきまして、幾つかの考えられます事象をあげられておりますけれども、これにつきましては、それを原因であると断定するような資料がない、大体こういうことでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 いまの厚生省案に対して、農林省、経済企画庁が賛成、通産省のみが、いろいろ資料不十分、複数原因説を採用し、疑わしきは罰せずという基本論に立って、これを論駁したということでございますけれども、通産省はこれに対してどういう調査をし、これを論駁したものであるか、その通産省の立場をお知らせ願いたいと思います。

吉光久通商産業省化学工業局長

○吉光政府委員 お答え申し上げます。  通産省といたしましては、現地調査等はいたしておりません。先ほど御紹介ございました厚生省の調査機関の御報告書、並びに私どもと厚生省との間で質疑を取りかわしましたもの等を基礎にいたしまして、結論を出したわけでございますが、通産省といたしましても、あの事件がメチル水銀によりますところの有機水銀による中毒事件であるということ、また昭和電工鹿瀬工場からもメチル水銀が排出されておったという事実につきましては、これを否定いたしておるわけではないのでございます。ただいろいろの資料から勉強いたしました結果、それだけの資料ではなお、公害の加害者と申しますか、原因者を特定のものに断定するというふうな意味での確信を持てなかったというわけでございます。その旨を科学技術庁に申達いたしたわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 実地調査した厚生省が、はっきりそれに対しての加害者と断定し、その他の原因はまず若干はあっても、それはさほどでもないから無視してもよろしいという態度を示した。農林省も経済企画庁も、厚生省と特に見解の異なるところがない。それに対して、調査したのは、いまの報告によると農林省と、厚生省であります。調査した両省が一致した見解を持っているのに、調査しない通産省が、それに対して、有機水銀の汚染源にいろいろの説もあり、資料も不足であって、それは考えられるけれども決定的じゃないから、これはもう疑わしきは罰せずの基本線だ、こういうようなことだと、あまりにもこれは政治的ではありませんか。学術的に調査し、行政的にそれをはっきり定義して、それから政治的に、どういうふうにしていいか、この問題に対して処置をすればいいのです。通産省が、自分で調査しないで、これはあいまいだとか、複数原因説を採用するとか、こういうようなことを言うのはおこがましいじゃありませんか。自分の調査機関がはっきり調査して、はっきり出せばいいのです。明らかにこれは政治的です。政策的です。こういうことは、私はどうも理解に苦しむのです。それに対して科学技術庁のほうも、今度はやはり自分で調査したのではない。調査したのではないのに、通産省と同様の見解を出す。こういうことになりますと、はっきり調査したところで結論を出しているのに、調査しないほうで、これははっきりその反対の意思表示をする、こういうようなことになると、科学技術庁自体が、科学技術庁でありながら、科学的に明らかにされた事実に対して、それを無視して、非科学的なそういうような結論を出したように思われて、その点ではまことに私は遺憾です。こういうようなことは、姿勢として、今後政府全体の問題として、正さなければならないと思うのです。厚生省、これに対して、あなたたちの見解が無視されたということになると、とんでもないことだと思うのです。政務次官、御意見を伺っておきたいと思います。

谷垣專一自由民主党厚生政務次官

○谷垣政府委員 いまの科学技術庁のお話は、まだ結論に達していないと私は考えております。私たちのほうにも、科学技術庁のほうからいまいろいろと意見の交換をいたしている状況でございまして、先般新聞等で私も拝見いたしましたけれども、科学技術庁との間に、厚生省としての意見を、また意見が出ましたことにつきましての説明を、科学技術庁に対していたしておるのが現在の段階でございます。公害という問題につきましての取り扱い方が、したがいましてかなり問題になるかと思います。一〇〇%白でなければこれは黒であるという断定がいいかどうかというような問題が、公害ではほかにたくさんあるかと思います。厚生省といたしましては、先ほど当方の意見といたしまして科学技術庁にも申し上げましたように、それぞれの資料に基づき、また食品衛生調査会等におきますそれぞれの専門家の意見も十分にお聞きいたしました上での見解でございますので、今後ともに科学技術庁に対しまして、厚生省がこのような結論を出しましたことについての説明を十分にしたい、かように考えている次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 科学技術庁の考え方について、科学技術庁では、科学的に明らかにされた事実を、君としてはこれは尊重したといえませんが、それで結論を出して、そして救済を価値づけるものであるという井上事務次官の発言もあるようです。原因を不明にして、大事な救済を価値づけるものであるというようなことはどういうようなお考えでしょうか。原因がはっきりするからこれに対して救済を明確にする、これならいいのです。原因を不明にしておいて、今度これで政府間の統一見解がなったから、救済を価値づけるものである、これが私は論理としてわかりませんが、 この辺もはっきり教えていただきたいと思います。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 先ほど厚生政務次官からお答えになりましたように、ただいま私のほうでは、今回の研究というものは、関係各省庁の行政によって、お互いに影響が多うございまして、当初申し上げましたように、各省庁の研究連絡会という形で事を運んでおります次第でございます。  ただいま各省庁と、政府統一見解と申しまするか、全体の統一見解を出します事務段階といたしまして、お話し合いをいたしておる最中でございます。したがいまして、まことに申しわけない次第と存じますけれども、私どもの態度を的確に申し上げます時期でございませんことを、御了解を願いたいと思います。したがいまして、ただいま御指摘のございました事務次官でございますかにつきましては、私直接に耳に入れたり目にしたりしたことがございませんので、それが事実といたしましても、どういうような意図から、次官がそのように発言いたしましたか、恐縮でございますけれども、私の一存ではお答え申し上げられない段階でございます。御了承願います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これはどうも、大臣が来ておりませんし、これは事務次官が言ったことですから、あなたのほうで言って、この見解だけは、次に明日ありますから、明日明確にしてもらいたい。私はこれでわからないのは、有機水銀とカドミウム等の重金属の工場排水防止のため、工場排水について連続分析、記録のため、監視機構をつくる必要があり、そしてなお、これに対しては救済を明らかにしなければならない、こういうように言っておるのです。私はどうもこれが全然わからぬのです。これは水銀だとかカドミウム、こういうようなものの防止のために、今後明らかにしなければならないならば、原因を明らかにして結果もそれによって明らかになる、したがって、対策も明らかになる、これならわかるんです。これを不明のままで、これが対策だけは十分やらなければならない、そのためには分析記録のために監視機構をつくる必要あり、こんなことを言わなくても、もうやっているのです。やっていてもなおかつこれが再発しているのです。私はこの態度がわからぬのです。こういうようなことでは全然だめだと思います。今後これに対して、もう一回この発言の真意を事務次官に聞いて、そして次回のこの対策委員会で答弁してもらいたいと思います。これは私は逆だと思います。結果をはっきりさして、その結論の上に立って対策をするのが私は普通だと思う。結論をぼかしておいて、これによって対策をはっきりさせるということは、私は、古いことばですけれども、木にのぼって魚を求むるのたぐいじゃないか、画竜点睛を欠く考えじゃないか、こういうように思うわけです。これは十分聞いておいてもらいたい、こういうように思います。この問題に対しては、はっきり次回にその真意を答弁するように、事務次官に要請しておいてもらいたいと思います。それはよろしゅうございますね。

高橋正春科学審議官

○高橋(正)政府委員 御趣旨に沿うように取り計らいたいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣、せっかくいらっしゃいましたが、時間が短いので残念であります。四十分に来るというのに、いま四十五分ですから、五十分に帰ったら、五分しかなくなってしまうのです。この質問しない間の時間は帳消しですから、それを十分考えておいてもらいたいと思います。  大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほど橋本委員からも質問のあった工業立地適正化法案の問題なんです。この問題は大臣のほうから――建設省と調整がつかないために、今国会提出を見送ることになった、このことを、二日の閣議が終わったあと、あなたから保利建設大臣に連絡した、こういうことになっておるわけです。その点ははっきりしておるわけです。この背後には、関西を中心とした財界の反対や、建設省への説得が通産省としてうまくいかなかったためである、こういうふうなことがいわれておるわけです。次官のほうからはそうではない、一生懸命やったけれども、時間がなくなったし調整がつかなくなったためである、こういうことを言っておるけれども、ほかの人はそれを信じておりません。せっかく大臣がいらっしゃいました。これは公容実施法の中でも重要な法律なんです。これに許可制を持ってきて、あとは関連させることによって、大気汚染防止法というふうなものが生きてくるし、関係法が関連的に生きることになっておる大事な法律の一つの目なんです。これがなくなってしまっておるということは、あとの法律が画竜点睛を欠くおそれもあるのです。大臣はなぜこれで納得されて、強力にこれを出さなかったか。佐藤総理大臣が、今後無過失賠償制でも、救済の問題でも、防除の問題でも、基本法ができたあと実施法で完全にこれをやりますと断言されておる。これをあなたは行なわなかったことになる。これのいきさつはどうですか。また今後早い機会にこれをすぐにでも出す意図があるかどうか、この決意を承っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 結論的には、結局調整がなかなかつかなかった。それで、もう時間の制約もございますし、どうも今国会には間に合いそうもありませんので、一応見るこ送とにしたわけであります。しかし通産行政のほうからいっても、それからまた工場を中心とする公害の防止という点からいいましても、やはりただ公害だけに跼蹐して問題が解決するものではない。やはり新しい立地の点まで十分に用意をしてそこに追い込んでいく、こういうことをやらないと、行政としては片ちんばになるので、これはやはり将来とも、やるべきことだ、かように考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣、しっかりしないといけませんよ。政務次官のほうから、これは公害と過密対策の一つとして出すんだとはっきり言っておったし、これはそのための法律で、公害実施法の一つだということは天下周知の事実です。大臣まだそういうふうな考えだったら、今後建設大臣、椎名通産大臣、これが公害実施法を阻害する二大勢力であるというふうなことを言われかねませんから、発言はもちやもちやしてもいいから、十分真意をついて間違いのない答弁をしてもらいたいと思うのです。これははっきり今後の過密対策の一つであり公害対策の一つである、この二つの要素を持った重大実施法なんです。これをその規範から離れたような答弁をされては困るのです。その考えは間違いないでしょう。したがってこれは間違いない法律ですから、各省間で難航したと言っておりますけれども、二日の日にあきらめるのは早いです。これからも出す法律はあるじゃありませんか。それなのになぜ二日の日にあきらめてしまったのですか。関西を中心とした財界の圧力があったのですか。その辺はっきりしてください。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 全然圧力なんかは感じませんでした。ただあまりもたもたしておるということでは、いかにも権限争いで時を移しておるようにとられてもいけないし、実際上この場に臨んで調整がつかないということでは、これは時間的にも制約があるし、むずかしい、こう思ったものですから、さっと引いて、次の機会をねらうということにしたわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 次の機会に出しますか。出さないで、これを行政措置にしておいて、そうして次の機会にじっくり考えたいというような説もあるかのように聞いているのですが、これは私から言うのもおかしいのですが、ここにいる橋本委員も強力に、出してもらいたいと発言をした一人なんです。与野党一致した見解なんです。それなのに、あなたは二日の日にもうあきらめているのです。あきらめるのは早いのです。なぜ二日の日にあきらめてしまったのですか。これからだって、あなた方のほうで政治資金規正法を出そうとしているじゃありませんか。そうすると、あれは通す意思もないのに出すのですか。これはあきらめるのが早過ぎる。二日の日にあきらめるのは早いですよ。どうなんです。(発言する者あり)不規則発言もいろいろ言っておりますけれども、そんなことはたいしたことはございませんから、開き流しておいてください。  それで、公害発生源である企業が、防止対策と救済の責任を果たさない、こういうようなことになる以上、公権力による規制を強化する以外にはない、これは常識です。したがって、今後、公害基本法があるけれども、基本法自身少しなまぬるいとこう思いながらも実施法で具体的な問題の解決をはかる、こういうようなことで了解されておることです。その一つに、いま言った立地規制法があるのですから、これは十分検討して出していただきたい。このことを心から希望いたしまして終わりますが、終わるからといって、答弁しなくていいということではありません。答弁してください。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○椎名国務大臣 前に申し上げたように、表から見れば過密対策であり、裏のほうから言えば工業の立地条件を伴っておる問題でございましてこれは表裏一体をなして問題を処理するにあらずんば、完全に処理できない、そういうかたい信念を持っております。適当な機会に…(島本委員「適当な機会ではなくて、早い機会に出しなさい」と呼ぶ)できるだけ早い機会に出したいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 終わります。

山崎始男日本社会党

○山崎委員長 浜田光人君。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 私の質問する防衛庁関係が来ていませんから、ちょっと待ちます。   せっかく待ったんですが、部長だけですが、長官はどうしたのですか、委員長が注意されると思うのだが。おそくても十一時ないし十一時半だと言ってあるのに、十二時過ぎておるのにまだ答弁者がそろわないというのは、実にけしからぬと思うのです。部長がかわって答弁するというのでしょうが、そう政策的な答弁なんか、あなたにできるわけがないと思うのでありますけれども、まあしかたがないから……。  本委員会は、産業公害の委員会でございますので、私は、まず第一には、基地が百四十カ所も国内にありますが、過日、沖繩の調査団として沖繩へ行ってみますと、沖繩の基地公害というものはずいぶん住民にしわ寄せを来たしておる。たとえば燃料等の漏出によってずいぶん井戸が使えなくなっておる。かつてこの東京付近、府中、この基地にもそういうケースがあったわけですが、そういう基地の公害というものが、今日、国内でどういう個所にどういう危害を及ぼしておるか。まさか日本の基地付近で、いま井戸水が飲めないというようなところはないと思うけれども、あるいは弾火薬庫等がその付近でいろいろ住民にしわ寄せを来たしておるケースがあろうかと思うのです。たとえば弾火薬庫から千五百メートルは家を建てちゃいけないとか、そういういろいろな、日本の法律を無視したような設定のしかた、こういうものを県知事なりあるいは地方自治体に対していろいろ軍が要求したケースがあろうかと思うのです。国内にそういうケースがあるとするならば、現在と過去に分けて御説明いただきたいと思うわけであります。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 基地があることによりまして、周辺にいろいろな障害を及ぼしておるということ、たとえば飛行場の周辺にガソリンがわき出たというようなことで井戸水が汚染した、そういうような事例もございます。そういう事例につきましては、従来、地元の皆さまのそれに対する原状回復等、そういういろいろな御要望がございますが、それにつきましては十分配慮いたしまして、補償なりあるいは周辺対策を講じておるわけでございます。また、弾薬庫があるために、その周辺に一定の保安距離を設けなければならないという問題もございますが、それにつきましても、地元の皆さまの御協力を得て、そういう所要の土地を買収するなりあるいは賃貸借契約によって借り上げるという措置を講じておるのが現状でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そういう一般的な御説明をなさっておるのですが、現実にそういう基地周辺で、建築基準法なんかの権利を制限する、そういうことによっていろいろトラブルが起きておる個所はございませんか。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 これは浜田先生すでに御承知だと思いますが、実は、今国会におきましても、いろいろ各委員会等で御審議がございました問題でございますが、全国に通信施設がございますが、その周辺に、一定地域の電波障害緩衝地帯を設けたいという要求が米側から参っております。そのうちの一つといたしまして、神奈川県にございます上瀬谷の通信施設につきましては、周辺のそういう緩衝地帯を設定する際に、地元の皆さまと話し合いの上、民事契約によって、不作為ないしは届け出の義務を内容といたしました契約を結んで処理しておるというのが例でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 あなたはただ電波のことだけ言っておられますが、むろん電波も広い意味の基地公害ですが、実際、過日も王子の病院の調査に参りました。あそこでも住民は衛生の面では非常な心配をしておる。どういうようになるんだろうか……。広くいえば風紀関係もやはり基地公害なんですが、それらはさておきましても、いまの衛生の問題、あるいは弾火薬庫の付近では、確かにわれわれ日本人が考えてはふしぎなくらい距離をとって、そして建築制限をしておる。これはもう二、三年前にも、広島でも安芸郡の江田島の弾火薬庫、ここではそのいうことがあって大きな問題になってきた。やはりこれも再度、軍が県知事には要求しておるやに聞いておる。そういうように、基地があるために、住民あるいは自然体、そういうところにたゆまないしわ寄せがきておるわけです。したがって、これらを根本的に解決するためには、特に防衛庁、施設庁がどういう取り組み方をしようとするお考えなのか。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 基地の扱い方につきましてはなかなかむずかしい問題でございますが、政府といたしましては、米軍の基地につきましては、やはり条約上の履行の責務があるわけでございまして、どの施設を返還しろとかこの施設を返還しろというようなこともございますけれども、そういうことを米側と折衝する際に、米側としましては、使用していない施設につきましては、これは地位協定の二条の精神によりまして、応ずる場合もございます。しかし現に使用しておる施設につきましては、なかなか日本政府側の要求をいれてくれない。したがいまして、こういう施設につきましてはどういうことをすべきかということになりますと、やはり私どものほうといたしましては、いままでもそうでございましたけれども、将来とも基地の集約移転、二つの施設をできるならば一つにするというようなことで、基地があるために地元の開発がおくれておる、あるいは地元の皆さまに相当の御迷惑をかけておるというような基地がある場合には、米側と協議いたしまして、もしそういう集約をするということが可能であるならば、そういうことで米側とも話をつけ、そして日本政府の費用によって、そういう措置を講ずるというようなことを、従来もとってきましたし、将来もそういう方針でこの問題を処理していきたいというように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 ただいま部長の答弁によると、条約上なりあるいは地位協定上、当然そういうように集約とか一部返環をやろうこういうように言っておられる。たとえば王子にしましても、二カ年間も使っておらなかった。あるいは私らのほうにも基地が四つも五つもありますが、それにしてもずいぶん使っておらない。十カ年間も使わないような個所がある。聞くところによると、弾火薬庫関係は、再び接収することは困難だから、実際上長い間使わぬでも返さぬだろうから、日本政府は返すような折衝もしておらぬ、こういうケースがたくさんあるやに伺っておるのですが、なぜそういう機関に――根本的な基地公害――基地公害というものは、これは具体的に個々の問題をいえば、たくさんあるのですよ。それを集約して解決するなら、やはり基地をなくする、たとえなくされぬにしても、いま言われたように、縮小、集約、こういう方向にいかないと、この基地公害というものはたくさんのしわ寄せをどうしても住民に来たしておるわけです。そういう点で、なぜいままでそういう交渉をされなかったのか、あるいは交渉されてそれらが返環の見通しのできておる個所があるならば、発表を願いたい。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 基地の周辺に障害をもたらしておるということにつきましては、これを抜本的に除去ないしは緩和するために、一昨年の七月に防衛施設周辺の整備等に関する法律を制定いたしまして、これによって、おそまきながらそういう障害の除去なり、民生安定施策なりを講じようということでございますが、基地そのものをどうするかということにつきましては、先ほど私が申し上げましたような考え方で、日米間の交渉も行なっておる次第でございますが、しからばそういう問題が具体的にどういう個所で行なわれているかという御質問でございますので、具体的な例を申し上げますと、弾薬庫の関係におきましては、広の弾薬庫が数年間使用されておらなかったわけですが、昨年これを使用したい、再開したいという申し出がございましたが、弾薬庫そのものを見ておりますと、若干その提供面積において、利用しなくても――不必要とまでは申し上げられませんが、その部分はなくても済むのではないかというような個所がありまして、その個所につきまして、米側に返環の申し入れをしたわけでございます。当該個所につきましては、いろいろな施設がある、鉄道側線もあれば道路もある、警備所もあるということで、アメリカ政府としましては、そういったような施設を集約してくれるならば、日本政府側の要望しておる個所を一部返環してもさしつかえないという内々の話が参っておりまして、その米側の要求に対しまして、財政当局とも協議いたしまして、近々その問題について正式の回答をいたしたい、米側からまだ正式な要求が参っておりませんが、そういう要求が参りました暁には、その米側の要求を受諾いたしまして、一刻も早く、日本政府が要望しておるところの一部返環の実現をはかりたい、かように存じておる次第でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 どうも部長、歯切れが悪いのですが、そういう問題は後日に譲ります、大臣、施設庁長官に来てもらって。  具体的な問題に入ります。さっき御説明なさった広島県の弾薬庫から九州まで、あの国道二号線を通って、そして弾薬をトラックで輸送しておる。その五百何十キロの沿線の人たちは戦々恐々としておるといって、これは全国のニュースにも出ておる。さらにその付近では、大きなトラックがたんぼに落ちて、とんでもない危険な状態におちいっておるということも新聞報道しております。こたは御案内のとおりだと思います。しかも私が昨年内閣委員会で質問したときには、危険な状態ではない、そういう状況は起こさせない、しかも運ぶたまというものは、昔の日本の三八の小銃弾かあるいは榴弾程度のことだということをしばしば答弁なさっておる。ところがこの新聞報道によると、ロケット弾を六トンも積んであるということが報道されております。実際あの地区にどういう種類の弾薬が揚げられて、どこにどういう方法で、何の目的で輸送されておるのか、その点について解明を願いたいと思う。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 弾薬のことにつきましての御質問でございますが、現在輸送しております弾薬につきましては、前国会でも御答弁申し上げましたとおり、小火器砲弾類でございまして、ロケット弾が積んであったかどうかというようなことにつきましては、確認をいたしておらない次第でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 確認しておらないと言うて――あなたはさっき条約上云々と言われたんですが、安保条約の六条からくる地位協定の三条では、「通信又は陸上交通を不必要に妨げるような方法によっては執らないことに同意する。」 こういう条文があることは御承知だと思うのです。しかるにその内容を、日本政府が、どういうものを輸送しておるのか――住民は、ただ火薬類を輸送するだけでも非常に危険だ、こういう不安がつのっておるのに、それを解明するためには、ただ口でアメリカが、信管をはずしておるから安全だと言うだけでは、なかなか住民が納得せぬだろうし、あなたたちも、アメリカが言うのをそのままうのみにしておったらいかぬと思うのです。よく内容を確かめて、当然これはこういうように安全なんだということを日本政府が確認をして、自治体や住民に安心感を与えなければならぬ。まず、輸送してけしからぬのだけれども、どうしてもあなたたちが、条約上公の道路は通らせるのだというなら、この条文からいって、きわめて危険の少ないようなことにしなければいかぬです。また、危険性のあるものは輸送させないようにしなければならないと思うのですが、そういう点で、これだけ大きく新聞各社が報道しておるのに、すでに五日も六日もたつのに、その内容も確認しておらぬということでは、実際あなたたちが在日米軍との窓口となってやっておる防衛施設庁としては、いささかもの足らない感じがするのです。だから将来気をつけてもらわなければなりません、そういう点については。そこで、どうしてもこういう延々何百キロというようなところを七台も八台も連ねて弾火薬を――国道二号線がどのくらい交通量があるかということは皆さん御承知だと思いますから、数字をあげませんが、そういうところを通らさなければ、ほんとにそこまで輸送できないのかどうかという問題、日本政府は何の根拠でそうまでしてやらしておるか、そういう点について見解を聞きたい。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 この基地間の弾薬の輸送につきましては、地位協定第五条の路線権に基づく措置だということでございまして、逃げるわけではござませんが、実は所管が施設庁ではございません。しかし、この弾薬庫があるということで、周辺の皆様あるいは沿道の皆様にもいろいろ御迷惑をかけておるということにつきましては、かねてから非常にわれわれも心を痛めておるわけでございます。したがいまして、この輸送の問題につきましては、施設庁も、それはもうどうでもいいのだというようなことではございません。この輸送のことにつきましては、前国会でも、いろいろ先生からも御質問がございました。鉄道輸送でやったらどうか、あるいは鉄道輸送でできない場合には、極力交通事故の起きないような措置を講ずべきではないか、いろいろ御示唆がございまして、そういうことで、施設庁といたしましても、この問題と真剣に取り組んでおるわけでございます。したがいまして、この輸送の問題につきましては、さらに施設庁といたしましても関係の向きと協議いたしまして、米側にも極力こういうようなことのないように、中央からも十分話し合いをしたい、かように存じておる次第でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 あなたはむろん、道路のことは道路運送なり危険物取り扱い、そういう点で所管外だと言われるのでしょうが、そうすると、いまあなたは、できるだけ軍にはこれこそと言われるのだが、さっき申し上げた地位協定は、条約の解釈とかそういうものは、あるいは外務省でやるでしょうが、それを実施するのは施設庁なんでしょう。したがって、そういう条文からきて、なぜこの輸送の路線の取りきめというか、そういうことぐらいは、公共の安全を考えて、防衛庁は在日米軍と話し合いをして、住民に不安を抱かせない方法をとられないのかと思うのですが、具体的にそれができるのかできぬのか。条文やら、あるいは過去においてもそういう話し合いをされたことがあるのかどうか、そういう点について……。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 弾薬輸送のことにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、できるならば鉄道の輸送が好ましいわけでございますが、この事情につきましては、前国会でも、先生の御質問に対しまして、とりあえず鉄道輸送が不可能であるというような事情も御説明申し上げた次第でございまして、この輸送の問題につきましては、施設方としましても、先ほど申しましたとおり、非常に気を配っておる問題でございまして、いままでも米側とも数回となく話し合いも行ないましたし、今後も十分その点については話し合いを行ないたい、かように存じております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 あなたは少し勘違いをしている。それは、何千という弾薬を短期間に鉄道輸送ということは、いろいろ鉄道の輸送計画等もあるから、できないかもしらぬけれども、今回これだけの住民、広島県から九州までの人々、特に警察は要所要所みんなその安全のために警戒したというのですね。しかもそのトン数を見ると、きわめてわずかなんだ。トラックは大型にしたところで、十トン積みでも七台といえば七十トンでしょう。こういうような輸送が、貨車輸送でできないこともないし、さらに問題は、日本のトラックで輸送させておるときには、危険物の取り扱いによって届けをするわけですね。ところが、米軍のトラックで輸送するときには、そういうことはやらぬでいいと言って届けさせぬから、実際住民が知らぬ間に、そういう火薬類をどんどん輸送しておるというケースがある、だから、どういう法規定に基づいて、駐留軍はそういう届けをせぬでいいのか。この条約から見ると、そういうように危害を及ぼさないようにといっておる。当然私はそういうように米軍とも折衝してやらさなければならぬと思う。さらに、海上輸送などはそういう届けも必要ないようにはなっておりますが、それだけに安全性があると思うのですね。まして島から陸地部に、繁華街に揚げて、繁華街から二級国道を通って、そして下関の海底国道を通る、こういうような迂回した輸送ということはきわめて危険ですよ。そういうことを、日本政府はなぜ交渉してやめさせられぬか。あるいはそれをやめさすことができないとするならば、いま言った、もっともっと安全な輸送方法があると思うのです。それらをどうしてやらせないのか。そういう点について……。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 安全な輸送方法ということにつきましては、先ほどからもお話し申し上げておりますとおり、そういう陸路を行かないで、直接門司なら門司のほうへ海上輸送ができないかどうか、こういった点につきましては、今後米側とも話し合ってみたいと思いますが、この火薬類の運搬につきましては、先生すでに御承知かと思いますが、昭和三十五年に火薬類取り締まり特別委員会なるものが、合同委員会の下部機構にございまして、火薬類取り締まり特別委員会の結論を合同委員会で取り上げまして、米軍の火薬類を運搬する際のいろいろな取りきめを行なっておるのが実情でございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 そうすると、おかしいじゃないか。そういうことを取りきめたというなら、地位協定の三条で、「交通を不必要に妨げるような方法によっては執らない」、こういうことを取りきめておるのに、そういう特別委員会で、ことさらに特権を与えるというのはおかしいと思うのだ。そういう点、どうでしょう。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 この問題につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、実は防衛施設庁の所管でございませんで、当時のことはよくわかりませんけれども、いま申し上げました取りきめの内容のうち、ここの関門トンネルを通過する際のことにつきましても、実は取りきめがあるわけでございまして、小火器、弾薬等を、関門トンネルを通す場合には、道路公団の関門トンネル管理事務所との話し合いの上で運搬することができるというような、具体的な取りきめも実はあるわけでございます。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 やっておらぬじゃないかそれを。  交通委員会のほうへ、時間が来ておりますから参ります。いろいろ問題があるが、またの機会に譲りますが、最後に、安全な輸送方法をやらすかどうか、そういうことを協議するのはおたくなんですよ。警察なりそういうところというものは、届けが来て、それから発動するのですからね。それはいいとか悪いとか言うところなんです、公安委員会というものは。在日米軍と、そういうことを事前に話し合いするのはおたくなんです。施設庁ですよ。防衛庁ですよ。やらなければならぬ義務があると思う。そこで、そうしたいと思いますでなくして、具体的に現地の人たちの事情を局から聞かれたのかどうか知りませんが、たとえばそれだけのトン数なら海上輸送――おそらく在日米軍が、今日ドル節約でこういうばかげたことをやっているのだと思うのですが、小さい船を雇っても、周防灘を通って、関門のあの狭い海峡を渡らなくても、アメリカの、その港湾の積み場があるのでしょう。ですから海上輸送するのが一番安くついて、そうして安全であり、住民に危害を及ぼさない方法がとれるはずなんだ。こういうことは、かりに金がかかっても、当然アメリカに要求すべきなんだ、これから、そういうことをアメリカときちっと交渉される意思があるかどうか。

鐘江士郎防衛施設庁施設部長

○鐘江政府委員 この問題につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、たとえば外務省あるいは公安委員会、そういう関係の向きとも協議いたしまして、米側とも十分話し合いを行ないたい、かように考えております。

浜田光人日本社会党

○浜田委員 話し合いは向こうのペースじゃだめだよ。  それでは、向こうへ行きますから、これで終わります。

山崎始男日本社会党

○山崎委員長 次回は、明十八日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十七分散会

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