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58回国会衆議院1968/05/27

災害対策特別委員会 第10号

発言数
179
登壇者
27
会派数
2
開催日
1968/05/27

会議録

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず、昭和四十三年十勝沖地震による被害状況調査のため、先般当委員会より現地に派遣されました委員から報告を聴取することといたします。  第一班につきましては、便宜、この席から私が報告いたします。  昭和四十三年十勝沖地震による被害状況調査のため、議長の承認を得、去る五月二十一日から四日間、青森県及び岩手県に派遣されました第一班の派遣委員を代表しまして、調査の概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、自由民主党の水野清君、三ツ林弥太郎君、日本社会党の福岡義登君と私、芳賀貢、民主社会党の神田大作君及び公明党の小川新一郎君の六名で、地元選出議員の御参加もいただき、議員一同から拠出せられました災害見舞い金を青森、岩手の両県にそれぞれお届けするとともに、現地の実情をつぶさに調査してまいりました。  今回の十勝沖地震の発生状況でございますが、五月十六日午前九時四十九分、十勝沖すなわち北海道襟裳岬の南東方約百五十キロの海底を震源地とする強い地震が、北海道、東北一帯に起こり、苫小牧で震度六、青森、八戸むつ、函館、浦河、盛岡で震度五を記録、有感地域は、北海道から中部地方にまで及び、地震規模は、マグニチュード七・八で、新潟地震の七・七を上廻り、関東大地震の七・九に次ぐ大規模なものでありました。さらに、この地震の発生による津波の襲来もあって、青森県、北海道、岩手県を中心に甚大な被害を及ぼしたものであります。また、同日午後七時三十九分にはマグニチュード七.五の大規模な余震が発生、被害をさらに大きくいたしたのであります。  私たち調査団は、最も被害の大きかった青森県下においては、八戸市を皮切りに五戸町、名川町、十和田市、六戸町、三沢市、むつ市、青森市の順で調査した後、県庁において説明を聴取、続いて岩手県下の宮古市、山田町、大槌町、釜石市の調査、県庁における説明聴取と文字どおりの強行日程で調査を行なってまいりました。  まず、青森県の調査の概要について申し述べます。青森県では、十三日来降り続いた豪雨の直後で、震源地に近かったため、死者四十三名、行方不明四名という痛ましい犠牲をはじめ、各地で建物の倒壊、火災の発生、交通の途絶、電信電話の不通、水道の断水等が相次いで発生し、また農林、公共土木施設、漁港、港湾施設等も甚大な被害を受け、県の報告によると、二十二日現在、被害総額は二百九十二億円余、おもなるものとしては、建物被害約四十四億円、土木関係約三十八億八千万円、農林関係約五十二億四千万円、水産商工関係約八十四億円、衛生関係約五億四千万円、文教関係約十一億五千万円、八戸第二臨海工業地帯工場用地被害約二億一千万円、国鉄関係被害約三十一億円、通信施設被害約十五億円、電力施設被害約六億二千万円、私鉄関係被害約一億二千万円となっておりましたが、その後、被害は、さらに増大し、五月二十四日正午現在、県の報告によれば、おもなるものとして、建物関係約五十五億円、土木関係約四十四億円、農林関係約八十六億円、水産商工関係約百五億円、衛生関係約十一億円、文教関係約十四億円、鉄道施設関係約四十九億円にそれぞれ増大し、その被害総額は三百九十八億九千万円の巨額になっており、なお増加する見込みであります。  県においては、被害の著しい、青森市、むつ市、八戸市、十和田市、三沢市、五戸町、六戸町、上北町、東北町、百石町、七戸町、下田村及び天間林村の五市八カ町村に災害救助法を発動、の出動を要請し、当面の緊急事態の解決と民生の安定に懸命の努力が続けられ、打ち続く余震に住民はおののきながらも、ようやく復旧に立ち上がりつつある状態であります。  次に視察いたしました市町村の調査の概要を順次申し述べます。  八戸市には、二十一日午後八時市役所に到着、市長から被害状況等について説明を聴取、翌二十二日早朝から市内の被害状況について調査を行ないました。同市では、地震発生とともに市内の五カ所から火災が起こり、また電信、電話、電気、ガス、水道が全域にわたり途絶、土砂くずれ、家屋の倒壊が各所に起こり、加えての津波の襲来は、港湾、堤防等の公共施設に甚大な被害を与え、死者十六名、行方不明一名のとうとい人命を失い、家屋の全半壊五百戸二十日現在の総被害額は、同市のみで百三億円の多額に及んでおります。これは、たまたま十三日から降り続いた豪雨による地盤のゆるみが被害を一そう大きくしたといわれています。  県は、同市に災害救助法を発動するとともに、自衛隊の出動を要請、市当局は避難所の開設、飲用水等の確保、土砂の排除と生き埋め発掘等人心の安定に最大の努力を払ったとのことでありました。市内においても、市庁舎の損壊をはじめ、家屋の倒半壊、路面の亀裂、沈下、路肩の欠損等が随所に見られ、地震のすざまじさを残しておりました。地震、津波による八戸港の防波堤の損壊、港湾の岸壁の沈下、第二臨海工業地帯における衛生センターの被害等を視察した後、田面木地区の国立八戸工業高等専門学校の被害状況を視察しました。鉄筋三階建ての校舎は、一階の柱がほとんど曲がり、鉄筋は露出し、余震のたびにその露出した鉄筋の曲がりがひどくなると校長は不安を訴え、専門家の早急なる調査と復旧についての強い要望があり、すぐ隣の白菊学園とは対照的で、八戸高専の被害については、原因の究明が望まれています。  豊崎地区では、いまなお、土砂くずれのおそれがあり、住民は自衛隊の宿泊用テントに避難中で、顔をまつ黒にして倒壊した家屋を解体していた被災者たちは、ぼう然自失の状態で、復旧に対する国の手厚い援助の必要を痛感した次第であります。  八戸市長からは、これから復旧作業に取りかかるについても、まず激甚法の適用について強い要望があり、東北本線の早急な復旧、農地、用水路等の早急なる復旧と田植え対策、地質調査、災害復旧に対する技術者の派遣について要望がありました。  五戸町は、特に山くずれ、山津波による家屋の倒壊、埋没、農地、農業用施設の被害が大きく、死者十名、行くえ不明一名、家屋の全半壊百九十五戸とその被害額は、二十日現在で十八億一千万円に及んでおります。二十一日現在、志戸岸、豊間内、浅水地区を中心に二百六戸、千二十四名の被災者は、家屋の全半壊、あるいは地割れによる山くずれの危険からの退避命令により、いまなお、小中学校の体育館、倉庫、集会所、テントに避難中でありました。志戸岸では埋没していまなお、行くえ不明者の発掘作業が、自衛隊員によって懸命に行なわれており、特殊土壌のこの地帯は、梅雨季を控え、地すべり、山くずれの危険にさらされており、緊急治山事業をはじめとする早急な地すべりの防止を行なうとともに、地質調査により危険性を判定し、安全なる地域への仮設住宅の建設等適切なる指導、援助を行ない、人心を安定させることが急務であります。また、埋没あるいは亀裂を生じた農地、農業用水路については、田植え時期を控え、早急な復旧が必要であり、財政規模の六倍もの被害を受けた五戸町では、あまりにもその負担は重く、その復旧については、特に高率の国庫補助が必要と思われます。  名川町は、町立剱吉中学校生徒の避難中の土砂くずれによる生き埋めの犠牲者四名、農業作業中の山くずれによる生き埋めの犠牲者二名の死者六名をはじめ、強震による住家、公共施設の破壊、破損、道路、河川、農地、農作物及び山林関係の被害総額は四億七千万円余にのぼったとのことであります。剣吉中学校は、伊勢沢という大きな沢のあったところを切り開いて建てたもので、木造二階建ての校舎が、校庭を見おろす盛り土の上に建てられており、その土手の三分の一近くがごっそりくずれ落ち、ひん曲がった校舎の半分は完全に浮き上がり、土台石をのぞかせていました。二、三年生約四十名が地震発生とともに廊下や窓から飛び出し、土砂くずれにのみ込まれ、校庭にころげ落ちたり、校舎の前の桜の木につかまりやっと助かったものの、四人が生き埋めとなったとのことであります。とうとい若い生命を失った事故現場に八重桜の花びらが悲しく散っているありさまを見て、調査団一同胸迫る思いでありました。校舎建築の不適地に起こった人災に憤りを感ずるとともに、日ごろの徹底した防災訓練の必要性を痛感いたしました。  十和田市においては、死者三名、住宅の全半壊等六百七十九戸の被害をはじめ、農業関係、商工業の施設、商品等に甚大な被害を与え、二十一日現在、約三十五億円の多きに及んでおります。特に農地及び農道、農業用水路、倉庫等の施設の被害は甚大で、農業関係だけでも約十億三千八百万円の損害をこうむっております。田植え時期にあって、稲生川幹線水路の損壊により約六千ヘクタールの水田は通水不能におちいり、また、すでに植えつけを完了した約一千ヘクタールの水田は苗が浮上し、植えかえの苗の不足及び人手不足等と相まって、植えつけ時期の遅延により相当の減収が予想され、地域農民に与える打撃は深刻なものがあります。同市からは、激甚法の適用とともに、農地、農業用水路等の早急な復旧と用水の確保、植えかえ用の苗の確保、また個人の住宅店舗等の復旧に対して無担保による融資についての強い要望がありました。  高清水地区においては、稲生川幹線水路の築堤が約百三十メートルにわたって決壊、自衛隊員三百七十名が、被災農民とともに、懸命に復旧工事の作業を行なっておりました。  六戸町では、被害総額が財政規模の八倍に当たる九億九千三百万円余りにのぼり、学校、役場等の公共建物、一般住家の倒壊、破損、道路、橋梁の埋没、決壊、亀裂等おびただしい被害を受けており、また水田、畑、山林、農道、農業用水路及び施設が埋没、決壊、亀裂するなど甚大な被害を受けておりました。中でも、田植え時期と重なった水田作業には決定的な打撃であります。植えつけを完了した水田の大半は苗が浮上、埋没し、また、二千メートルにわたる用水路の大決壊により、新規開田約二十ヘクタールをはじめかなりの面積の水田が植えつけ不能の状態であり、用水路の復旧が困難で、目途が立たず、苗不足と植えつけ時期の遅延により異常な減収が予想され、農民のとほうにくれた姿を見るにつけても、早急な対策の必要を痛感いたしました。同町からは、道路の早急な復旧、苗の緊急な補給をはじめとし、小規模災害復旧に対する国の補助及び特別利子補給、被災者に対する免税措置を講ずるよう強い要望がありました。特に、昨年、フジ製糖のビート工場閉鎖により、同町農民が受けた大きな損害とあわせ考えるに、国の手厚い援助なしでは、この地域の農民の再起は不可能であります。  三沢市では、総額五十二億五千万円余にのぼる甚大な被害で、火災の発生、水道施設の破損のための給水不能、道路の決壊、亀裂による被害、農業用堤防、用水路の決壊等のため田植え不能の個所が多面積にわたり、住宅、公共建物、商工業施設等の倒壊、破損等による被害が巨額にのぼり、中でも、学校被害が大きく、市内十六校のほとんどが大きな被害を受け、教育的損失ははかり知れないものがあります。視察した県立三沢商業高校は、鉄筋校舎の支柱が折れ、一階がつぶれたため、校舎が二つに折れるなど、四教室、二つの実験室が倒壊したほか、他の教室も亀裂がひどく、使用不能となっており、早急にプレハブ教室を建設する必要があります。学校被害による休校、分散授業等を解消するため、迅速なる援助対策が強く要望されていました。  むつ市では、市庁舎の一部倒壊、学校の破損、し尿処理場の損害、一般家屋の全半壊、農地農業用施設、漁業、商工業等の被害総額が十七億二千万円余にのぼり、いずれも早急な復旧が要請されました。特に、早掛沼の堤防約二百五十メートルの決壊による被害は甚大で、水田約百五十ヘクタール中、百ヘクタールが被害を受け、そのうち二十ヘクタールは植えつけ不能となり、早急な復旧の必要があります。現在、農林省などから大型揚水ポンプを借り入れ、田名部川から揚水して水の確保につとめていますが、苗の緊急補給、農業用水の確保により早急に植えつけができるよう対策を講ずる必要があります。特に植えつけ不能となった二十ヘクタールの水田については、農災法の対象とならない事情にかんがみ、見舞い金等何らかの救済措置の必要を感じます。また、この堤防の決壊により、国鉄大湊線の路床が流失、不通となり、いまだに復旧のめどさえつかず、下北各市町村に大打撃を与えています。物資輸送が少なく、復旧建設資材の値上がりがあらわれているおり、早急な復旧が必要であります。大畑線については、この災害を機に廃線のうわさがあり、下北半島住民の死活問題として、その存続と早急な復旧が強く要請されています。  青森市は、道路、橋梁、河川、港湾、上下水道施設、農林水産施設、公共施設のほか、一般市民の住宅及び商工業施設等に与えた被害総額は、二十三日現在、二十八億円で、さらにその額が増大するものと推測されています。青森駅では、青函連絡船第二乗船口付近の待合室のコンクリートの落下、地盤の沈下によるホームの亀裂、破損、路盤の沈下による岸壁の使用不能個所がでるなどの被害がありましたが、幸いにして九時四十分発の函館行連絡船が出航した直後で人的被害がなかったのは不幸中の幸いでありました。青森港岸壁の各所は、亀裂、断層により大部分が機能を停止し、市のし尿処理場、青森かん詰め会社等は、サンド・クイックにより、工場内部のコンクリートが破損、機械類が潮びたしとなり、操業不能となっておりました、市からは、災害復旧事業にかかる地方負担に対する地方債一〇〇%充当、一般単独事業に対する財政援助の特別立法化、さらに特別交付税の増額等について強い要望がありました。  県庁におきましては、知事はじめ県当局並びに県議会より次のごとき要望がありました。 一、激甚法各条及び天災融資法の早急な適用 一、田植えに間に合うよう、農地、農業用水路等の応急復旧に対する技術、財政、労力面における特別の援助 一、特別交付税の概算払い等特別の財政措置 一、山くずれ危険地帯に対する緊急治山事業による応急措置 一、文教施設、特に危険校舎の早急な診断及び復旧についての高率補助による財政援助 一、農業、中小企業等に関する各種制度金融について融資ワクの拡大、利子の引き下げ、償還期限の延長等の特別措置、特に自作農維持資金融通法の災害ワクの拡大 一、東北本線、大湊線、大畑線の早期復旧 一、約十億円の被害を受けた八戸港の復旧についての特別なる援助 一、地震災害の特殊性にかんがみ、今後の対策樹立の基礎となる調査のため必要な技術団の派遣 一、復興資材等の早急なる確保 一、小災害に対する国庫補助の基準の引き下げ及び起債対象となるものに関する全面的な元利補給の措置 一、八戸市、むつ市のし尿処理場施設の復旧に対する高率の助成 等であります。  次に、岩手県における調査の概要について申し述べます。  岩手県におきましては、太平洋沿岸部は、津波により養殖施設、漁船及び水産物等に甚大な被害をこうむり、また内陸部においては、地震のため六名の死傷者が出、住宅の損壊、商品の破損、ため池の決壊等のほか数多くの公共施設に被害を与え、被害額は、二十日現在の県の報告によれば、水産関係被害の十七億五千七百万円余をはじめ、被害総額は二十四億四千二百万円余に及んでおります。  私ども調査団が視察しました宮古市、山田町、大槌町、釜石市はいずれも、ノリ、カキ、ワカメ等の養殖施設の被害が甚大でありました。漁業構造改善事業の一環として養殖事業を実施し、ようやく軌道に乗り出したやさきに壊滅的被害を受け、零細な漁業者個人では復旧もなかなか困難であり、各市町からは、激甚法及び天災融資法を適用し経営資金の融資並びに漁業施設に対する助成等について強い要望がありました。  まず宮古市では、津波と、これによる神林木材港のラワン材約五千本の港外流失により養殖施設、漁船、漁具、水産物等に甚大なる被害を与え、被害総額は三億三千六百万円余となっております、同市からは特に漁港の災害復旧について高率の補助、貯木木材の流失防止について要望がありました。  山田町では、養殖施設、漁具、漁船の水産施設並びに養殖物等の被害が大きく、被害総額は五億二千三百万円余に及び、これはチリ地震津波のときより被害が大きいとのことでありました。漁業構造改善事業による養殖事業も軌道に乗り、これからというときに、千五百台の養殖施設全部が被害を受け、漁民の打撃は大きく、立ち直り資金等についての特段の援助についての要望がありました。  大槌町では、養殖施設等の被害のほか、港内の船だまりにおける船同士の衝突による漁船被害、津波による水産加工工場等の被害等、その総額は約一億三千万円となっております。  釜石市におきましては、同市箱崎港における養殖施設、漁網倉庫、ワカメ種苗工場等の被害状況を視察した後、市役所において、説明を聴取いたしました。同市における被害は、養殖施設等の水産関係をはじめ、津波による建物、商工関係の被害が大きく、被害総額は五億一千万円にのぼっております。市当局からは、特に中小企業関係に対する災害復興資金の特別ワクの設定、及び釜石港湾、大防波堤の建設方について要望がありました。  最後に岩手県庁において、県下の被害状況並びに要望事項について説明を聴取したのでありますが、県当局の要望は次のとおりであります。 一、激甚法による助成措置並びに天災融資法の適用 一、農林水産業施設、公共土木及び文教施設等の災害復旧に対する早期査定の実施 一、被害漁船、水産倉庫等災害復旧に必要な資金に対する農林漁業金融公庫法に基づく主務大臣指定の措置 一、農林水産業施設災害復旧事業を三カ年以内に完了できるような予算措置並びに初年度予算配分率の引き上げ措置 一、漁船及び水産養殖施設の災害復旧資材として公共用と同様の国有林材の払い下げ措置 一、被害製炭施設の復旧費に対する国庫補助の措置 一、公共土木の災害復旧事業で緊急事業は二カ年以内、その他のものは三カ年以内に完了できるような措置 一、宮古市の木材港防波堤の早急なる延長施工 一、釜石港の湾口防波堤の築造措置 一、被災住宅に対する早急なる災害復興資金及び災害特別貸し付け資金融資ワクの拡大 一、被害中小企業者に対する中小企業金融公庫等の融資ワクの増額 一、普通交付税の繰り上げ交付並びに特別交付税、地方債についての特別措置、政府資金による一時融資等必要な財政的措置等であります。最後に、今次の、災害に関し私たち調査団の感じてまいりました諸点について申し述べたいと存じます。  まず第一に、今回の十勝沖地震による被害の実態にかんがみ、政府は激甚法を速急に適用すべきであり、もし、適用基準に達しない場合は、災害の特殊性にかんがみ、その基準を改正し、各条を全面的に適用すべきであります。  第二に、地震観測について、地震観測網の充実等総合的な対策を講ずるとともに、東北地方には三陸沖など地震多発地帯があり、被害を最小限度に食いとめるためにも、同地方に地震観測所を設置すべきであります。  第三に、地震による被害は、住宅等個人の財産に対する被害が大きく、これら個人災害に対する救済措置について検討する必要があります。  第四に、農地、農業用水路の被害が甚大であり、すでに田植え期を迎えて、これが復旧は一日を争う問題であります。政府は、早急なる復旧と用水の確保に最善の努力を払い、浮き苗による植えかえ用の苗の補給、人手不足の対策等について万遺憾なきを期すべきであります。  なお、植えつけ不能に対しては、農災法に基づく共済金にかわる何らかの救済措置を講ずべきであります。  第五に、沿岸漁民の養殖施設の被害については、これを漁具の被害とみなして、天災融資法を早急に適用するとともに、沿岸漁業改善事業の趣旨をそこなわぬよう特段の助成措置を講ずべきであります。  第六に、地盤の亀裂等により、山くずれ、地すべりの危険のある地域では、いまなお避難中でありますが、梅雨期を控え、緊急治山事業等により早急なる防止対策を講ずることが必要であり、さらに専門技術者による地質調査を行ない、危険地区の住民に対する応急仮設住宅の建設、移転等、民心安定のための対策を講ずべきであります。  なお、現に避難している被災者に対する生活補償についても特段の配慮が望まれます。  第七に、八戸工業高等専門学校、三沢商業高校、むつ市役所等の耐震性の公共施設の被害が目立ちますが、これの原因究明を早急に行なうべきであります。  また、校舎等の建設にあたっては、立地条件等の調査を慎重に行なうとともに、人命尊重の立場からも安全性の確保に努めるべきであります。  第八に、国鉄大湊線の早急な復旧を行ない、大畑線については、地域住民の要望にこたえ、存続することとし、早急なる復旧につとめるべきであります。  また、私鉄である南部鉄道、十和田観光電鉄についてもこれが早急なる復旧とこれに対する国の助成が望まれます。  終わりに、今次調査に御協力を賜わりました両県当局をはじめ、地元関係者の方々に深く謝意を表し、報告といたします。(拍手)  次に、第二班、稲葉修君。

稻葉修自由民主党

○稻葉委員 第二班の調査の結果について御報告を申し上げるとともに、その対策につきこの際政府に対し要望と警告を発しておきたいと存じます。  派遣委員は、自由民主党の私、渡辺栄一君、日本社会党の兒玉末男君及び民主社会党の和田耕作君の四名で、ほかに地元選出議員の御参加を得て、第一班と同様去る二十一日から二十四日までの四日間、北海道における地震及び津波による被害の実情につき調査をいたしてまいりますとともに、議員一同から拠出されました災害見舞い金をお届けしてまいったのであります。  時間の関係で各地の被害状況等の内容の詳細は調査報告書として提出いたしましたので、本委員会議録の末尾に参照として掲載していただくこととし、調査団として感じてまいりました点を中心に簡単に御報告いたします。  道においては、災害発生と同時に救援活動を開始し、災害対策本部を設置して諸般の対策に万全を期したところでありますが、総合的に見て、道及び各支庁、市、町田局をはじめ、警察、消防などの各種機関、団体並びに住民一般に至るまで、避難誘導、防火並びに津波に対する対策など被害を最小限度に食いとめる措置が適切であったため、特に、人的被害、火災による災害が比較的少なかったことば、地震発生が昼間であり、干潮時であったとはいえ、不幸中の幸いであり、これらの処置は適切であり、称賛に値するものというべきであります。  調査時点におきましては、すでに住宅復旧のため並びに中小企業者の立ち直りのため、系統資金などの融資の措置に着手し、農地、農業用施設については、本年の耕作に支障のないところまで応急復旧を完了し、各地で被害が多かった水道施設についても応急復旧が完了したほか、公共土木施設、文教施設などの復旧については、目下査定待ちの状況にありました。  次に、道全体の半分近い被害を受けた国鉄の報告によりますと、五十一億円余の被害中、約半分の二十三億円が函館地方に集中し、その他は太平洋岸の各線に起こったのであります。本土との通信が全く麻痺状態にありました中で、ひとり国鉄の通信網のみが連絡を確保し、不眠不休の努力により輸送力の確保につとめられた結果、調査時点においては全線開通しており、むしろ、東北本線の不通による影響で、平常の七四%程度の輸送状況でありました。目下、道庁はじめ関係機関との間で輸送対策委員会を設けて対策を協議、推進しているとのことでありますが、これらの措置により、優慮せられておりました生鮮食料品をはじめとする諸物価の値上がりを防止し得たことは、その措置まことに適切であったということができるのであります。  われわれ調査団は、二十一日道庁において説明を聴取した後、二十二日苫小牧市及び函館市、二十三日は、室蘭市、浦河町、三石町、二十四日は、様似町、幌泉町、鵡川町の各被災現地をつぶさに見たのでありますが、全行程を通じて印象に残った点を列挙し、調査団の意見及び要望をあわせて御報告いたしたいと存じます。  まず第一に、個人の住家、学校等における暖房のための煙突、北海道でいうておりますところの集合煙筒の被害がきわめて顕著であったのであります。死者二名のうち、一名は、苫小牧市において、自宅の前で子供を抱いて避難中の主婦が、うしろから倒れてきた集合煙筒によって頭を打ったことによるものであり、まことにお気の毒でありました。特に、れんがづくりの集合煙筒は脆弱であり、今後の地震に備え北海道全域にわたり早急に建築技術上の検討を加え、建築基準の改定等の措置が必要であると痛感してまいったのであります。建設省におかれては特段の配慮を願いたいと思います。  第二に、当然のことながら、埋め立て地における被害が顕著であったことをあげなければなりません。最も被害が激甚であった函館港の埠頭、諸施設、函館駅前の商店街をはじめ、室蘭市の港湾施設、富士製鉄室蘭工場内の港湾施設、諸設備、苫小牧市の清水小学校など、地盤沈下、陥没、亀裂がはなはだしく、岸壁のせり出し、傾斜、路線、路面の湾曲に加えて、地下水の湧出による土砂の噴出など、埋め立て地における地震災害被害特有の状態が見られたわけであります。応急復旧を施した後においても一、なお惨たんたる状態でありました。埋め立て地に建てられた学校のうち、清水小学校の本体は九メートルのくいを打つ等、そしてまた、北海道の多くの学校の例として、木造平家建てのため被害を免れている例を見ても、埋め立て地における工作物の基礎工事は十分に行なう必要をあらためて痛感されたところであります。また、これら港湾施設等の早期復旧につきましては、関係機関の特段の配慮を要望しておきたいと存じます。  第三に、商工業者の店舗等、建物及び商品等の被害が顕著でありました。その救済措置として、特に中小企業者に対する金融措置については、相談所の開設等と相まって、特別措置として特利の問題、据え置き期間の設定等、羽越災害等の前例にならい、十分なる配慮が必要であると通産省に警告を申し上げます。  第四に、気象台、測候所等の設備の近代化、人員の確保など、観測施設、業務の拡充強化について抜本的な改善策が必要であることを痛感してまいったのであります。各地の測候所において、地震計の針が飛んでしまったとの話を耳にしたのでありますが、室蘭地方気象台において、実地に計測機器の視察をした際、地震計が想像以上に貧弱であること、前日の落雷による停電で計測不能におちいったという計器など、これを見まして、これでは気象庁の発表した震源地や震度などにつきましても疑問を抱かしめるような状態であるといってもあえて過言ではありません。本調査団は、気象庁の観測業務の充実強化を急ぐよう強く政府に要望するものであります。行政機構の改革についても一考をわずらわしたい。気象庁は運輸省の管轄にありますが、これらは通産省の地質調査所、工業技術院など、建設省の国土地理院などを集めてこれを科学技術庁に統一し、災害の科学的な調査に、予告に万遺憾なきを期するのも政府としては考慮すべきではないかと思うのであります。  第五に、公共土木施設をはじめ、各種災害の復旧にあたっては、関係各省の査定官の早期派遣による復旧の促進が望まれます。  第六に、建設省など関係各省は海岸保全事業の拡充強化につきまして特段の配慮を要すると存じます。  第七に、文部省は、小学校の老朽化した危険校舎が北海道には著しく目につきますが、これらの教育施設は耐震性を考慮して改善する必要があります。  第八に、各地で被害を受けている水道施設とあわせ、これらについては大幅な国の助成措置が必要であると思います。  第九に、農林省に申し上げますが、水産物、たとえばコンブの被害など、これらの被害に対しては、零細な漁業者でありますがゆえに、国のあたたかい援助措置が特に望まれるところであります。  以上、申し上げました一般的な問題に加えて、特に早急に処置すべき問題として、次の三点について政府の特段の措置を要望いたします。  すなわちその一は、函館市の通称朝市と呼ばれる駅前の商店街の早期復旧についてであります。同地区は、市の埋め立て地であり、全域にわたって一メートル程度地盤が沈下し、湾に接している部分は、道路も含めて四メートルぐらい海の中に没している状態であり、魚市場の床は水に没し、建物は傾斜して、地元住民の生活はまことに見るに忍びません。早急に復旧できるよう財政当局の十分なる配慮を強く要望いたします。  その二は函館大学の復旧についてであります。同大学は鉄筋コンクリート四階建ての一階がむざんに壊滅しており、二階以上四階までがそれに乗っかっている状態であります。その原因については調査の結果をまたなければなりませんが、それが復旧は別に建て直すほかに方法はないのであります。私立学校の復旧資金の融資について特段の配慮を要望いたします。  その第三は、幌泉町近浦の海岸危険区域に居住する二キロ、六十戸の住民の集団移転についてであります。同地区は海津を走る国道に面し、すぐうしろは急峻ながけでありますため、全壊家屋が三戸ありまして、今後きわめて危険な状態にあると思われますので、早急に移転を考慮する必要があり、道及び関係当局を鞭撻し、政府の指導により緊急に措置すべきものと判断をいたします。  最後に、今次調査を通じて痛感いたしましたことば、地震災害に対する現行の諸制度がきわめて不十分であるということであります。  御承知のとおり、地震学においては世界で最も進んでおるといわれるわが国において、なお地震予知はいまだその緒につかず、ために被災住民は極度の不安焦燥の中で生活を余儀なくされ、またその及ぼすところの被害はあらゆる部面にわたるのでありまして、現行災害関係の諸法律、制度においてあらかじめ用意された基準に当てはまらないからといって、地震による被害が軽微であると即断することは厳に戒めなければならないものと考えるのであります。  今次の十勝沖地震を契機として、先般の松代地震、及び、えびの・吉松地震等の対策に際しても問題となっております地震による災害対策につきましては、気象観測の拡充強化はもとより、被害を最小限度に食いとめるための積極果敢な処置を地方公共団体の長をしてとらしめるとともに、財政的裏づけについて十分なる配意を用い、激甚災害法をはじめとする災害関係諸法令につき、地震については特別の配慮をするという前向きの姿勢をもって取り組むべきであることを強調いたしたいのであります。政府の善処を要望します。  終わりに、本調査に際し御協力を賜わりました道庁並びに市町当局をはじめ、関係者の方々に深甚なる謝意を表しまして御報告といたします。(拍手)

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 これにて派遣委員の報告は終わりました。派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。     —————————————

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 なお、ただいま報告のございました第二班の派遣委員から、内容の詳細についてその調査報告書が提出されておりますので、これを会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕     —————————————

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 それでは昭和四十三年十勝沖地震による災害対策について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田澤吉郎君。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 ただいま第一班長である委員長から、青森県並びに岩手県の状況、二班長の稻葉先生からは北海道の状況をつまびらかに報告されたわけでありますが、私も第一班の青森、岩手班に参加させていただきまして、青森県の状況をつぶさに調査する機会を得たのでありますけれども、ただいま青森県の知事からの陳情の内容にもありましたように、新聞あるいはテレビがかなり深刻にこの問題を取り扱っておりましたけれども、それ以上に、現地へ行ってみますと、災害が深刻であるということを見てとったわけであります。しかも、私たちが行ったのが一週間後でございますが、いまなお何回も余震が起きて、あるいはまた山くずれがあるのじゃなかろうかということで避難しなければならないという状態が繰り返されているわけであります。よって、災害地の人々というのはいま農繁期を前にしておるのでありますけれども、仕事が手につかないというのが実際の状況でなかろうかと思いましたので、私は再度、今回調査した結果を政府に御質問申し上げたいのでございます。  そこで、県並びに各市町村は、地震の災害というものに対してはふなれであります。むしろおろおろしているような状態なのでございますが、これはやはり政府が激甚災の指定なり天災融資法なりというものをすみやかに決定して、そうして被災地住民に対して安心を与えることが一番の得策であろうと、こう私は考えますので、この機会に総務長官にお伺いいたしたいのは、激甚災の指定についてどういう運びをしようとするのか、まず第一にお伺いいたしたいと思うのであります。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 お答えをいたします。  御案内のとおりに、激甚災の指定という問題につきましては、激甚災の内容が非常に多岐にわたっておりまして、それに該当いたしまする分につきましては激甚災の指定をいたしてまいるわけでございます。  政府といたしましては、直ちに対策本部を設置いたしまして、本日で、隔日に会合いたしておりますが、第五回の会合をいたしました。各部門にわたりまして計数を集計いたしておるのでございまして、それによりますれば、項目別に相当の程度まで当然指定になる段階に立ち至っておることだけを御報告申し上げておきます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 ただいまの御答弁ではどうも満足いかないわけでございますが、この激甚災の指定についての主たる点というのは三つあると思いますが、国民経済に著しい影響があるかどうか、災害による地方財政の負担が大きいという問題、それから災害者に対する特別の助成が必要と認められるかどうかという、この三つの点を中心にして、しゃくし定木的にこれが完全でなければ指定ができないとするならば——過去に起きた松代地震にしても、えびのの地震にしてでも、いまなお結論が出ないということはこういう点にあるのじゃなかろうかと私は思うわけであります。ですから、この激甚災の指定というものは、風水害か何かで、台風何号とかという名のついた風水害があって、それが広範の地域にわたって被害を及ぼしたときにはこれの適用になるわけでありますが、局地的にどんなに激甚な地域であってでもこれが該当しない。私は、少なくとも局地的に一都道府県なりあるいは一市町村なりがきわめて激甚である場合には、やはりこれは認めて指定してやるのが、ほんとうの激甚災の災害に対する指定の法の精神でなければならないと思うのでありますが、そういうようなあり方にこの法を改正する意思がないかどうか、お尋ねいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただいまは激甚災の立法趣旨三項目をおあげいただいたわけでございますが、第三の御指摘のごとくに、この激甚災に対しまする指定の問題は、お説のとおりに、われわれはぜひとも、非常な被害をこうむられました気の毒な罹災地並びに罹災民の方々に対しまして、気持ちの上からもあたたかい処置を早急にとりたいということで、本法にもし不備がございますればこれを改めるにやぶさかではないのであります。  今日の段階は、現地からの集計をどんどんといたしておりまして、できる限りこれらの各般の指定をいたしたいというので、目下鋭意努力中であることを御報告申し上げておきます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 さらに、県からの資料でお話し申し上げますならば、県あるいは市町村の公共事業で被害を受けた状況というのは、農業の部面では三十九億、林業で十億、水産で五十三億、土木関係で五十八億というのが県あるいは市町村が負担して今後これを復興していかなければならない費用なのでございます。これは青森県だけでございますが。そうしますと、これをかりに高率補助でもってやれないといたしまするならば、零細な東北地帯の県としては、他の、県の財政に大きな影響を与えることは必然でございます。そういう点を考えていきますときには、あくまでもやはりこれらの仕事に対しては激甚災の適用を受けさして、そうして、高率補助でこれらの県並びに市町村の公共事業の災害を復旧さしてやるのがほんとうの政治であろうと思いますが、さらに御答弁を願いたいと思うのであります。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 地方自治体のこうむりました非常な損害に対しまして、この自治体を守るという意味から申しましての高率補助でございますが、災害関係の諸立法によりまして、その点は、地元の非常な負担がございませんように十分配慮でき得るものと存じておる次第でございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 次に、この激甚災に対する、適用すべき政令の改正についてでございますが、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の第三条の第三項に、「前二項の政令の制定又は改正の立案については、内閣総理大臣は、あらかじめ中央防災会議の意見を聞いて決定することができる」と、こう書いてあるわけでありますが、そういう点から言いますと、私は、この際ですので、松代、えびのの地震をも含めてすみやかにひとつ、局地的な災害に対しても政令の指定の基準率というものを変えることによって、そうしてこれを適用することができると思うのでありますが、そういう政令改正によってこれを救っていくという道を考えておられますかどうか、お尋ねをいたしたいのであります。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 この第二条の第三項の改正の問題でございますが、もちろん立法の趣旨は罹災いたしましたこの町村の財政を助ける、また罹災者を救済するということにあるのでございます。法の趣旨がそれでございますので、その後に来たりまするあるいは地震というような、特殊なものに妥当いたさないというような面がございますれば、その法の改正なり何なりというものには私は決してやぶさかなものではない。これを今後の現実の問題に即して改めることはむしろ当然である、かように存じております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 ちょっと本部長、法律改正でなくて、政令の改正なんです。そうして指定の基準率を変えてさえいただきますならば、私はえびの地震にしても松代にしても、あるいは今回の地震にしても指定が可能であろうと思いますので、そういう点は先ほど申し上げましたように、中央防災会議の諮問さえ受ければやれるということに相なっておりますので、できるだけ早い機会に中央防災会議を開きまして、この指定基準率というものを下げるなりして、現実に合うような方法をとってはどうかということなんでございますが、その点に対してもう一度御答弁を願いたいと思うのでございます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 基準の問題は中央防災会議によりまする政令で処理できるというお話でございます。私どもも、この基準だけの問題であるならば現実に即するように改めなければならぬ、しかしながら、現在のところ、たとえば地震という特定の罹災原因を対象にいたしまして、これがどの程度妥当しないか、また改めるとすればいかにするかということは、基準の改定でございますから、十分に検討を要しなければならぬ、こういうふうに考えております。現在のところ、今回の震災、あるいは、えびの・吉松の問題等々具体的な問題を踏まえまして、いまや各省庁におきまして検討をいたしておる最中でございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 政令改正に関しては検討中だということでございますので、できるだけひとつその線に沿うて御努力を願いたいと思います。  そこでもし法律改正なりあるいはまた政令改正なりがすぐさまにできないとするならば、政府が常にいっております激甚災害に準じた扱い方ということでございますが、これによりますと、これは昭和四十三年三月二十七日の参議院の予算委員会において、森中君の質問に対して総務長官がお答えしているわけでありますが、「激甚地指定に準ずるような、あたたかい処置をいたしたいということで、昨夜関係各省庁全部集めまして、この二十九日に、特に技術官を中心といたします各省の調査団を現地に派遣いたすことに決定をいたしました。」ということを答弁しておりますし、また同じく昭和四十三年四月十五日の参議院の予算委員会において、原田さんの質問に答えて、総理大臣も「いわゆる激甚地災害としての指定は受けないけれども、その中身におきましては十分実情に即して対策を立てなければならぬと私も考えます。」さらに災害対策特別委員会において、兒玉委員からの質問に対して八木副長官がやはり同じように、激甚災害に対しては準じた特別のあたたかい措置を考えなければならないということを答えているわけでありますが、これはすべてえびの地震の場合でございます。ところがえびの地震が今日までかなりの日時が過ぎておるのにもかかわりませず、いまなお準じた措置というものが行政的にとられておりません。これを一体どういうような形で準じた措置をとろうとするのであるか、その具体的な例を示してもらえれば幸いでございます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおりに、激甚災にいたしましてもあるいはまた天災融資その他の問題にいたしましても、天災融資の場合は若干違いますが、激甚災に準じたという措置は、つまり申すならばその地方自治体の財政負担に対しまして国が高率の助成をいたすということに帰するわけでございます。それを特別交付金によりましてめんどうを見るということでございまして、個々の震災地に対しまする罹災状況の応急の行政措置とは、これは異なるものがございます。でございますから、いわゆる特別交付金というものの明確な自治体の負担、それに対する処理がおくれることは、基準財政需要なり財政上の計数整理ができませんと当てはめられないということで、どうぞ御了承いただきたいと存じます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 準じた扱いに対しては特別交付税以外にない。そうしますと、災害がありますと当然に特別交付税というものは考えられるわけであります。それにさらに激甚災の分としてかさ上げすることができるのでありましょうが、私はおそらくそういうことは現行の財政制度の上では不可能じゃなかろうか。そういたしますと、やはり行政的基準というものを、大蔵省と各省とがはっきり連絡をとって、こういう点でこういうあり方でするのが激甚災に準ずるものであるということをつくり出していかない限り、各省はこの準ずるという行政的な措置に対してはみんな進んでやらないと思うのでありますが、そういう点をもう少しはっきりお答え願いたいと思うのであります。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 お説のとおりでございます。いわゆるそれに準ずるという場合に、その特別交付金なり何なりをいかように激甚災に近からしめていくかということにつきましては、お話しのように、ただいま各省との間で、どれだけのかさ上げをすべきものであるとか、またこの問題はこう処理すべきものであるとかいうようなことを具体的に災害対策本部におきまして検討をいたしつつあるのがいまの姿でございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 どうもその点がはっきりいたさないわけでございますが、この点がいまの激甚災害に対する指定の問題で各県、各市町村が一番関心を持っているのじゃなかろうかと私は思うわけでございます。この点をもう少しはっきりさして、こういうあたたかい手を差し伸べるのだから、皆さんどうぞ大いに復興のために手を染めてくれ、働いてくれとどうして政府は言えないのであるか。これはぜひひとつ、あたたかい政治の手を差し伸べなければこの問題は解決できないと思いますので、いま一度この点に対して明確な御答弁を願いたいと思うのです。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 政府といたしまして、えびの・吉松の問題並びに今回の震災のことにつきましては全力をあげて救済をいたす、この点だけはもうはっきりときめておる次第でございます。その具体的なただいまの地方自治体に対しまする財政補給の面をどうするかということは、どうか政府を御信頼いただいてお待ちをいただきたい、かように存じます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 総務長官が政府を信頼してくれということでございますので信頼いたしますが、どうかひとつすみやかに結論を出していただいて、被害者住民が安心できるような状態にしていただきたいと思うのでございます。  この機会でございますので、次の問題に移りますが、普通交付税の繰り上げ交付に関しましては、繰り上げていただきましたので、非常に各県が喜んでおります。青森県でも四億九千万円が普通交付税として繰り上げ支給されたわけでありますが、どうか特別交付税に関しましても、こういう特別な配慮ができないものであるかどうかを、ひとつお尋ねいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただい事の御質問は、青森県知事が今日この席で資料を御提出になりました第二項の問題であろうと存じます。すなわち、特別交付税について増額並びに繰り上げ交付の問題、これはこのとおりさっそく処置をいたします。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 次に、この前にも質問したのでございますが、昭和四十三年度の予算というのは、御承知のように、補正予算を組まないで総合予算主義というものをとっているわけでございます。そこで予備費でございます。千二百億円の予備費があるわけですが、これは仲裁裁定の関係て公務員の給与費にほとんど充てられるとも聞いておりますが、この十勝沖地震に対して補正予算を組まないで進めていけるかどうか、また、組まなければならないのじゃなかろうかと思うのでございますが、私はそういう点をひとつ本部長にお伺いいたしたいのであります。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ことに、ただいまはまだ五月でございます。これからつゆに入り、あるいはまた長雨やら台風期や何かを迎えるわけでございまして、平年でございますればその時期に至りませんこの時期に、あるいはえびの・吉松地震があり、あるいは今回の地震があった。私どもも、本年の災害の予想につきましては、相当出費があるのではないかということを非常に心配いたしておる次第でございます。しかしながら、総合予算主義のたてまえにおきまして、これが予備金で十分にまかない得るかどうか、この点につきましてはまだ私ども考える段階ではございませんので、懸念はいたしておりまするが、空を見上げて心配をいたしておるというのが、災害対策本部長としての私の立場でございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 本部長、きょうの朝日新聞に「ここに政治を」という欄の中に、写真を入れて「十勝沖地震、救援はどうした」「住いが…暮しが…、襲う心痛、夜も眠れず」ということが書かれているわけでございますが、これはいずれも激甚災の指定を一体どうするのか、それが指定されなかったならば、政府は一体どういう態度でこの予算措置を考えるのか、そういう点が一番大きい問題として陰に隠れているものであろうと私は思うわけでございますが、どうかこの点に関して、政府は責任を持ってこうやるから、皆さんひとつ安心してあしたの仕事のために、復興のために努力を払ってほしいということを、ひとつそういう決意を御披瀝願いたいわけでございます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 この激甚災の指定の問題につきましては、ただいまぜひともそれを実現いたしたいという願望のもとに作業もいたし、一両日のうちにこれははっきりと決定をいたしましてお答えをいたします。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 次に、運輸省並びに国鉄に質問いたしたいと思うのでございますが、東北本線の復旧に関しましては、きょう二十七日で開通したということは、ほんとうに驚異的な努力でございまして、この機会に感謝申し上げる次第でございますが、まだ徐行をしておる、あるいはまた急行の本数も少ないようでございますので、平常運転までさらに御努力を願いたいと思うのであります。  さらに、先ほど委員長からの御報告にもありましたとおり、大畑線と大湊線の復旧の問題でありますが、東北本線を開通しなければ支線を開通させてもどうにもなりませんので、東北本線に主力を注ぐのは当然でありましょうけれども、もう今度は大畑線なり大湊線なりの復旧工事に取りかかっていいと思うのでありますが、その点に対しての御答弁を願いたいと思います。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 大畑線並びに大湊線につきましては、東北本線の単線復旧がけさようやくなりましたので、今後この両線についての復旧工事に早急に着手をいたしたい考えでございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 先ほど委員長の御報告にもありましたように、大畑線が赤字路線であるので、この機会に廃止をして自動車にかえるというようなうわさが、もう向こうのほうでは非常に高く出ておるわけでございますが、そういうようなことを考えられておるのかどうか、お答えを願いたいと思います。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 運輸省並びに国鉄本社におきましては、現在まだそこまでの考えを持っておりませんが、伝えられるところによりますると、地元の盛岡の鉄道管理局のほうで、そのような意見がたまたま内部で出ておるということでございます。現在地元においてまだそういう論議がなされたというところでございます。これにつきましては、地元の利便ということもございますし、また、従来から国鉄の赤字線問題が非常に論議をされておるところでございますが、この点につきましては十分慎重に対処させていただきたいと考えております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 とんでもないことを考えておるので、現地盛岡管理局でかりに考えたといたしましても——うわさの根元がわかりました。皆さん、下北半島においでになってみるとおわかりだろうと思いますが、冬がなければそれでもいいでしょう。冬季間自動車で運ぶなどということは、およそ——東京で生活しておるからであります。四車線の道路をつくれば冬になれば二車線になります。二車線の道路が一車線になるわけであります。最も大衆的な人を運ぶ輸送体制というものは国鉄にある。ですから、赤字でおっても公共事業としての性格を果たしておるので、私たちは感謝いたしておるわけでありますが、こういう災害のおりにみんながどうしようか、この大畑線、大湊線が不通になったために木材とかセメントとかガラスとか骨材が高騰して物価問題に大きな影響を与えておるやさき、住民が一体どうなるであろうかと心配しておるときに、隣の火事でも見ておるようなかっこうで、これを廃止しようなどといううわさを立てることは、もってのほかであります。すみやかにそういう盛岡管理局のうわさをなくすことに努力を払ってもらいたい、もう一度答弁願います。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 ただいまの点につきましては、十分慎重に発言をさすように指導いたします。国鉄本社におきましても、また、運輸省におきましても、現在うわさのようなことについて考えておるわけではございません。こういった問題は全く別途の問題と考えております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 よくわかりましたので、どうかそういう線でひとつ今後も復旧のために努力を払っていただきたいと思うのであります。  次に農林大臣にお伺いいたしたいのでございますが、農業用の施設、特に農業用のため池あるいはまた農業用水路が非常にこわれているところが多いわけでございます。たとえば、むつのため池が全壊したのが三カ所、半壊が九カ所ありまして、この田植え時期を控えてもう農民はどうしたらいいかということで困っているわけでございます。また、農業用水路に関しましては、十和田市、五戸、六戸、ちょうど稲生川というのが十和田市にございまして、これは人為的な水路でございます。もちろん自然的な水路も崩壊しておりますが、この人為的な稲生川がこわれまして、それをいま応急的に、自衛隊が三百六十名来まして、約千メートル以上にわたる決壊場所を突貫工事でやっておる現状を私は見てきたのでありますが、こういうことを考えますと、いずれも、むつ市のため池が決壊したために一千町歩の田植えが不能であろう、あるいは十和田、六戸、五戸、この地帯での水路の決壊によって約六千町歩の水田が田植えをするのが非常にむずかしいだろうということがいわれているわけでございます。そこで、あの地域における田植えが農業の収穫にどういう影響を与えるかといいますと、六月一日では秋になって減収が五%だそうでございます。六月十日には十%の減収を見なければいかぬ、六月二十日には三〇%、六月の末には五〇%、半分よりも収穫ができないということが、向こうの人たちが予想した考え方でございますが、これに対してすみやかなる復旧の手を差し伸べてやらなければならないと思うし、また、農業災害は単に現状の災害だけを見るわけでなく、秋の収穫にも大きな影響を与えるこれらの査定に対して、これらの援助の手をどういうふうに差し伸べようとするのであるか、農林大臣からお聞かせを願いたいわけであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 今般の地震の被害というものは各方面にわたっておりますが、特に植えつけ前におきます、あるいは植えつけしたての水田を中心に相当な被害が起こっていることはお説のとおりでございまして、北海道、特に青森県下におきまして、ため池の決壊等で水田が崩壊する、あるいは同時に浮き稲が生じておる、あるいは用水路で植えつけが不能になっておる、こういう状況は、私どももいち早くよく承っております。したがって、地元あるいは県その他との連携によりまして、あるいは人を派遣しまして、大体の状況は刻刻にとりつつございました。と同時に、何と申しましても、植えつけを可能ならしめる状態に戻し得るところは応急に植えつけ可能ならしめる、それにはまず水の確保でございますので、応急の水路というもの、あるいはため池の応急対策を立てまして、そして、それによってまず五月一ぱいにはその状況にもっていく、もちろん一部には、土砂に崩壊されまして使えないところがあることは当然でございますが、使えるところはそういうふうにしてまいる。それから同時に、いわゆる苗の確保ということをそれぞれつとめておる。それから同時に労力の問題と技術の問題が、そういう復旧とかいろいろな面にございます。それらをすべて手配をしたり現地とお打ち合わせをしながら進めてまいっております。それから、もちろんこれ以外にも、今度は農地の復旧とか水路の恒久的な復旧につきましては、激甚災の指定の方向等をにらみながら、これはおそらくそういう方向に進み得るのじゃないかという推定を持ちながら、そういう線でもって回復をやってまいる。当面は植えつけの完了を少しでも多くする。それから同時に、それでもその間に、おっしゃるように収穫における被害というものが当然予想されてまいります。これは農業共済等を十分運用いたしまして私どもはそれに対処してまいりたいと思うのでございます。先ほども特に青森県の知事さんはじめ大ぜいおいでになりましたが、砂鉄問題で非常にショックを受けられ、またビートで非常に被害と申しますか、ショックを受けられている背景の中で、今回こういう悲惨な災害を受けたということを政府及び行政当局の者は心得つつ、より前向きな態度で農民あるいは地元民に接してまいりたい、こういう考えでございます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 どうかよろしくお願い申し上げます。  時間がございませんので次に移らしていただきます。  先ほど委員長の報告にもありましたように、地すべりがまだ非常に起きているわけでございます。地割れしている山というものは、あの地帯に数多くあるわけでございますが、余震のあるつどやはり退避し、あるいは雨季に入れば当然にその地帯の人たちが退避していかなければならないというような状態にあるわけでございますので、これに対する専門技術員をひとつ派遣いたしまして、専門的に、これはどうしたらいいかという一つの対策を考えていただきたいのであります。  それから地震の予知に関してでございますが、私は三戸の名川町の剱吉中学校のあの生徒諸君が死亡した原因、あるいはまた山くずれで倒れて死亡した方々というものが、五分ぐらい前に地震が予知できたとするならば、あの方々が命を失わなくてもよかったのではなかろうかと思いますので、この際やはり地震の予知に対しては国立地震研究機関のごときものをあの地帯に設けていただいて、ぜひともそういう予知の機関をひとつつくり上げていただきたいと思うのですが、そういう点に対する考え方をお聞かせ願いたいのであります。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 私の所管の分の林地の崩壊の対策の問題を先にお答えいたしておきます。  今回の地震によります山地崩壊の復旧を要する額は、被害地の報告を現在のところまとめますと、林地荒廃が十四億六千万円、治山施設災害復旧が八千万円でございます。この林地崩壊が地震によるものであるために、お説のように山腹に亀裂を生じており、さらに今後崩壊を拡大する、その点は関係住民は相当不安を持つ者もある。そこで私は先ほども内部で会議をいたしましたが、特別緊急治山のような形でもって、いわゆる予算の非常に動かしやすいような状態で応急なりあるいは恒久の対策をこれに進めていくわけでございまして、砂防事業その他の事業と連携をとりながら復旧を進める、それから特に緊急な復旧事業につきましては、ただいま言ったような特別緊急治山事業、治山施設災害の復旧事業、こういうものを実施してまいりたい、同時に、技術員等を数名現地に送って、御相談に——どういう形でそういうものをおさめるかということについては、すでに大体の技術的な方向というものは現地では、先ほど、地元からおいでになりました知事さん等も大体山のおさめ方についての技術については、ほぼ検討が固まりつつある、それによって応急なり恒久の対策を進めてまいりたいと考えております。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 最後に、建設省の建築関係と文部省にお尋ねいたしたいのでありますが、今回の地震で公共建築物の被害というものは非常に大きかった。一般住家よりもさらに公共的な建物が非常に大きかったわけです。特に学校の建築被害というものは非常に大きかったわけでございます。青森県でいいましても、公立、私立、小中高等学校の合計が四百三十九校に相なっているわけでございますが、その中でも国立の八戸高専あるいは八戸商業高校というようなものの被害は、ちょっと私たちの想像がつかないような被害の状況なのでございます。これは公共物あるいはまた学校等の建築にあたって、地震に対してその地盤なり地形なりあるいはその建築の方法なりというものが研究されていない結果によるものじゃなかろうか、こう考えます。ちょうどこの間の視察の際にも、八戸十和田、三沢の被害を見ましてから、むつ市に行くために三沢基地からヘリコプターに乗ったわけでございますが、三沢基地に入りますと、道路は決壊していないし、建物はこわれていない、どうして日本の建築物だけが地震に倒れなければならないのかという疑問を抱かざるを得ないような状況でございますので、私たちは、地震の国日本である関係からして、やはり公共建築物あるいはまた学校等に関しては、特に地震というものを念頭に置いて建築の設計なりあるいは工事なりというものを進めていかなければならないと思うのでありますが、これらの点に対してこれまでどうやってきましたか、今後どうやろうとするのか、お尋ねをいたしたいのであります。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 今回の災害に関しまして学校災害が多かったことは事実でございます。しかも建築年度の比較的新しい鉄筋の校舎に被害が多かったというのが特色の一つにもなっております。  学校建築につきましての基準でございますが、生徒一人当たりの面積ですとか、あるいは学級当たりの面積とか、そういう規模に関する基準は文部省できめておりますが、構造とか強度とか、そういう技術面の基準につきましては建築基準法にのっとっておりまして、文部省で特段のことは従来まではやっておりませんので、今回の災害建物につきましては、一応の調査をしたところによりますと、建築基準法による設計、施工を誤っておったというような状況は必ずしも発見されておりませんが、現実にかなり新しい建物が倒壊しております。そこで文部省の技術者のみならず、建設省の建築研究所あるいは大学の建築関係の学者等にも御協力願って、すでに第一次の調査をやりましたし、その結果に基づきまして原因等を究明いたしまして、今後の復旧になりあるいは学校建設に生かしたいと思っております。  当面の災害復旧につきましては、公立学校につきましては、設置者の復旧の申請によりまして、大蔵省側と立会調査をやって、それで復旧費につきましては共通的に計上されることと思いますが、単にそれだけにとどまらず、原因の究明なり、この災害を将来の学校建築に生かす施策につきましても十分研究して対処していきたい、かように考えております。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 先ほど私に対する御質問の中の、特別交付税の繰り上げ支給の問題は、私、できると申し上げましたが、これは誤りでございまして、訂正をさせていただきます。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 米内山義一郎君。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 農林大臣にまず最初に御質問します。  今度のいろいろな災害につきまして、水路とか、そういう農業の施設災害が多いのですが、特に大きくいっているのは、国直轄で建設した部分に大きい影響を及ぼす災害が多い。今後復旧につきましては二度とこの災害のないような、たとえばいままでは鉄筋の入っていない水路には鉄筋を入れるような徹底的な改良を加えた復旧をしてもらいたいというのが地元の要望でもあるし、それが当然だと思いますので、農業災害に対しては全面的に基本施設については改良復旧を取り入れる御意思があるかどうか。  第二点は、先ほど田澤委員も質問しておりましたが、農業、特に水稲の減収に大きい影響があると思います。秋におきましてこれは必ず被害額に対する農業災害保険の問題が出ると思いますが、すでに作付不能に今日なっているものが、秋において保険の対象になるのかどうか、この点、農林省の見解を承っておきたい。  もう一つは、農業倉庫の被害が非常に大きいのであります。御承知のとおり、今日食糧管理法のある中におきまして、農協というものは乏しい自己資金の中からほとんど出資金以上に農業倉庫に投資しておる。しかも農業倉庫からの上がりというものは、必ずしもこれを償却するとか修理するといったようなところまで見込まれていません。こういうふうな国の食糧政策に基づいて農業協同組合が投資している設備が非常に大きく損壊した場合には、国家としてこれに、単なる融資ではなく、補償的な助成をしなければならぬじゃないか。これが伴いませんと、農協が財政的に破綻するか、あるいは今後国が管理すべき買い上げた食糧がいい状態で保管されないおそれが出てくるわけであります。  この三点についてまず農林大臣からお聞きしておきたいと思います。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 あるいはお答え漏れがあれば再度お尋ねいただきたいのでありますが、まず第一は、農業用施設の改良復旧をどうするのだ。農業用施設の復旧にあたりましては、原形復旧だけでは再度災害のおそれがあるというようなものにつきましては、当然極力災害関連工事をあわせ行ないます。そうして施設の改良復旧は当然行なわれるわけでありますから、そうして再度災害が出ないようにしてまいりたい、こういう考えであります。  それから第二は、植えつけ後の被害を受けたものでございます。と申しますか、植えつけましても、あるいは植えつけができなくて被害があった場合、これに対する保険の適用の問題だと思うのでありますが、これは植えつけ適期であって植えつけられない、適期が来ても植えつけられていないというような場合には全損の二分の一と、それから植えつけて再植えつけができないような、いわゆる本田がだめになってしまったというような場合においては全損の形でもって保険を給付していく、細部にわたりましては事務当局から御説明申し上げてもいいが、こういうような方針で共済の適用をつとめてまいりたい。  それから農協等の共同利用の倉庫でありますが、倉庫に対しては当然暫定法による補助があるわけでありますが、もし農地あるいは農業施設等が激甚法の対象になり得るならば、当然これも激甚法の対象としての率でいきたい、こういう考えでございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 農林大臣にもう一点お聞きしたいのですが、実は今度の地震によりましていままで経験したことのない災害が起きているわけです。これは、植えつけ完了した稲というものは活着しておらなかったのであります。そのためにほとんど一〇〇%ゆられましてその原形をとどめない、こういうふうな損害につきましても、いまの農業災害の、補償なり助成とか、そういうものの対象にお考えくださるでしょうか。

西村直己自由民主党農林大臣

○西村国務大臣 お説のように、水田の面積が、土地改良等によりまして三反歩というような大きな面積になりましたために水面が大きくなった。そのために、水のゆれが激しいために浮き稲という被害が相当大きく出ておる。そこで私どもとしましては、苗の確保と輸送費に対する助成であるとか、こういうもの等々、これに対する対策等は関係省と十分打ち合わせをしておる最中でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 本部長にお伺いします。  実は、私、昨日まで現地に行ってきました。そして極端な災害を受けたところには、昨日二回目の訪問をいたしたのでありますが、こう言われてきました。見舞いはありがたいが、もはや災害後十日にもなっている、政治家はもう少し具体的に何か政策を持ってきてもいい段階じゃないか、こう言われるのであります。私も現地にいて考えたのは、もう一週間たったから政府から何か罹災者なり関係町村長が、これならばすみやかに復旧ができるんだという自信を得るような政策が現地に届くだろうということを期待しながらおったのであります。ところが、災害本部ができたということだけでありまして、きのう現在まで何一つとして国の施策というもの、政治政策というものは届いておらぬ。たとえば、いま大臣が取り消したように、特別交付税を繰り上げてやったというような、少なくとも責任者が国会の委員会で、うそであるか知らないで答えるようなこんな状態では現地は不安でたまらぬ。しかも、その不安が今日政治に対する不信にまで高まりつつあるということを、私はまず率直に申し上げておきたい。  ほんとうに災害本部をつくり、緊急に罹災地を立ち上がらせようとするならば、まず、何と言っても先立つものは金なわけです。まず災害のその日からたくさんの人が出て死体の発掘をやる、水路の補修をやる。みんなが被害者なんです。ところが被害の比較的軽い人が被害の重い人に手伝いをしているにすぎない。こういう事態というものは何日も続くものじゃない。しかもあの地帯はいま農繁期、田植えの最盛期であるべきはずだが、田植えにも手がつかないという事態です。しかも、町村におきましても、火事のあと始末なら一日、二日の消防動員で済むのですが、何日たっても膨大な山津波の土量の中に埋没された遺体というものは発掘できない。すでに生きているとは信じがたいけれども、そこに多数の人が出て掘さくをしておる。たき出しの問題から、昼めしのパンの問題から、経費が伴います。こういうものに対して少なくとも国にほんとうにあたたかい心があるならば、そういうすべての応急的な市町村の経費については、後日に全額を特別交付税で見てやるから手おくれのないようにしろという電話一本でこの問題は片づくはずであった。しかるに、こういうことが一切後手後手なものだから、すべては政府の施策待ちです。むつ市のため池の決壊の場合に、査定が済むまで手をつけてならぬと県の出先が指図をしたというので、関係者が憤激しておる。これは新聞にも出ております。結局何が一番、今日十日間たって地元の本格的な復旧にブレーキをかけているかというと、それは政府の態度です。激甚災害に指定するのかしないのか、準ずるという法律の規定はどこにもない。あたたかい心とか、そんな抽象論じゃなく、もはや政府は具体的に政策を示さなければならない時期だと思うのです。私は、本部長から、まずこの点について決定的な、具体的な答弁を聞きたい。  そしてもう一つは、この災害を特に激甚ならしめておるかなりな責任は、政府自身にあるということです。たとえば、地震というものは、これは自然現象です。だがしかし、あそこに何千年目に起きたものではない。先ほど青森県知事があいさつの中で言われましたが、われわれの知っておる範囲内でもかなりな地震があったし、それにもかかわらず、地震に対する備えというものを国自身が何もやっていない。やってない証拠は何かというと、今度の災害で最も特徴的なものは、国直轄工事の施設の大破壊であります。この間、最も日本でおくれて国道整備が完了したばかりの四号線というものは、ずたずたにこわれてしまった。今年の秋に開通しようとして建設したばかりの複線電化の道床もめちゃくちゃです。さらに国直轄の工業高専の校舎もめちゃくちゃだ。国の工事に限ってなぜこんなに悪いか。しかも、道路にしろ、鉄道にしろ、大地をはい回っておるようなものでしょう。決して消防署の火の見やぐらのようなものじゃない。サルが木から落ちたという話は聞いたが、ヘビが落馬したという話は聞いたことがない。これは明らかに国の技術的な欠陥で、金を惜しんでお粗末な、粗漏な工事をした結果なんだ。しかも、あの地方というのは、日本でも低所得地帯です。こういうふうな破壊のほうが、地震直接災害よりもあの地域の経済全体に及ぼしたこの十日間の損害というものは著しいものがある。さらに北海道に通ずるあの幹線がああいう状態になったのは、北日本の経済、日本全国の経済にも大きい影響を及ぼしておるし、しかも、先ほど田澤委員も言いましたが、現在まである未開発後進地域の鉄道路線を廃止するかもしれないということは、また山くずれが起こるという不安よりももっとその地域に経済的な不安を与えておる。こういうふうな、まるで弱り目にたたり目というか、弱い者いじめをするような対策ではとんでもない話じゃないか。  私は特に建設当局、鉄道当局、さらに防衛庁にも聞きたいのですが、最も火事、地震に強いといわれるのは、われわれの地方ではまれにしかない学校の鉄筋の校舎なんです。あの地方では、都市ならば別ですが、普通の市町村は、単独の財源では鉄筋三階の校舎は建てられない。米軍の飛行機の騒音防止として、防衛庁の補助金を得て学校を建てておるが、これの大部分はこわれておる。行ってみると、実に不可解です。地震が起きた、先生が生徒を避難させようと思って非常階段のとびらを開いたら非常階段がないという状態、鉄筋コンクリートの三階にコンクリートづくりの三階の階段をつけたが、これはまるでセロテープでくっつけたようなものだ。鉄筋のつながりもないし、コンクリートによるつながりもない。これはまるでインチキだ。こういうふうなことで、国のやっておるこのお粗末なやり方が災害を大きくしておるという感じが深い。だから、この責任は明らかに国がとるべきものだ。  さらにもう一つ、第四の問題は、地方財政を困窮にしていることだ。だから当然のこととして、国は有無を言わさず、被害額がある一定の基準にまでまとまらないから激甚災害にならぬということじゃなしに、やるべき責任が国にあると思います。これに対する本部長の見解をお聞きしたいのです。  さらにこういうふうな国の長年の投資の不足というものが、この地域の復興をさえ困難にしているから、当然災害をもとに返すという以外に、もっと積極的に災いを福とするような政策をしなければならぬ。われわれのほうには、こういうことわざがある。こじきの家にふぶきが入る。すき間を通して災害が入るというように、特にああいう低所得地帯に対する自然災害に対しては、被害金額を中心に論ずるよりも、まず被害の実態を考え、人の死んだということを考えなければならぬ。私が災害地を歩きながらつくづく感じたことは、政治の根元の問題じゃないか。人間の命は地球よりも重いんだという話があるが、いまの政治は、人間の命というものをまるで鴻毛の軽きに見ている。現に山割れ地帯の被害状態というものは、一日もそのままにしておかれない状態てありますが、いままでのところ政府としては、こういうふうな緊急を要する基本的な対策についての考え方をどの程度まで前進させておられるか、ひとつはっきりしていただきたい。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 お答えをいたします。  まず罹災されましたお気の毒な方々に対しましては、心から哀悼の誠をささげまするとともに、一日も早くその復興に対しましてわれわれは努力をいたさなければならぬと、対策本部といたしましては鋭意努力いたしておる次第でございますが、いままでのいろいろなお話の中におきまする国の直轄の施設に対しましては、これは当然早急にその復旧なり回復を急いでおる次第でございまして、これは、あるいは建設省、あるいはその他担当からお答えをいたしていただきたいと存じます。  問題は、いろいろと御心配の中におきまして、過去において災害のたくさんの立法がございました。それを集大成いたしまして、一本にまとめましたのが激甚法でございまして、やはりお話の根本は激甚災の指定というものを国として早くやれということであろうと存じます。その中におきましても、しゃくし定木の考え方でやるのではなく、あくまでも現地に適応した、しかも新しい事態に適応するこの指定を早急にやらなくちゃならぬ、こういうふうな関係でございますが、激甚法の中におきまする現在の段階におきましては、五条なり六条なり、あるいはまた小災害に対する元利補給の二十四条なり、こういうふうなものは当然指定でき得る段階にきておりますが、さらにいま検討いたしておりますのが、開拓施設等の七条でありますとか、あるいは天災融資の関係の八条でありますとか、あるいは漁業共同施設、いまお話しのワカメとか、いろいろな三陸沖の養魚関係の施設、その十一条でありますとか、あるいは中小企業の信用関係の十二条とか、こういうふうな点はまだはっきりとした結論が出ないのでこれは検討中でございますが、しかしながら、激甚法といたしましての適用は、これは当然早くいたしまして、そうして安心をしていただき、また今後の復興の目安をつけていただかなくちゃならぬ、かように考えております。  それから、ただいまの査定がおくれておるので一向に進まないというようなお話がございましたが、それは今日では写真撮影をしていただいて、現状が明確になりさえしますれば、査定前にいたしましても、昔のような超過施行でもって地元に負担をかけるというようなことはないように相なっております。  それからまた、道路、建物、鉄道等々の技術的な調査研究は、それぞれ専門家を派遣いたしまして、かえってそういうふうな施設災害が非常に多かった、いわゆる堅牢であるべきものがかえって今回の地震に対しましては非常にもろかったという点におきまする技術的な究明は、目下いたしつつある次第でございますが、何はともあれ、こういうふうな国の直轄の問題でありますとか、あるいは鉄道等の問題でありますとか、かような問題につきましては、早急に復旧を現在続けつつある次第でございます。一日も早くこれが回復いたしまするように、また対策本部といたしましても促進をいたします。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 この機会ですから、建設省ないしは関係の省庁の答弁者がいたらお聞きしたいのですが、大体あの状態を見ますと、もしあの程度の地震が東京などに起きたらどういう結果を来たすだろうという、われわれは国全体の問題としての不安感を持たざるを得ないわけです。震度五といいましても、その下の岩盤の状態といいますか、それによってかなりの違いがあります。それは、八戸市と盛岡市では、同じ震度五であっても建造物の被害には著しい差がありますが、今日のああいう公共建造物の設計の基準になっているものが一体震度幾らに耐え得ることを基本的な条件にして、鉄筋なりあるいは柱の太さなり、そういうものをやっておるのかをまずお聞きして、今後の対策の参考にしたいと思います。  さらに鉄道当局、建設当局から答弁を求めたいのですが、注意をすればああいう災害は起きないということが、今回の地震でも明らかです。東北本線の中で最も大きい被害を受けているのは、尻内駅から野辺地駅までの間です。その中におきましても、三沢駅と上北町駅の間は、明治中ごろの東北本線開通のときにも一大難所であったといわれております。したがいまして、今度の複線電化にあたりまして、あの部分には東京周辺並みの特殊な工法をやっておる。一番地盤の悪いところは全く無病息災、たかをくくったところだけがめちゃくちゃになっている。しかも、道路を土盛りするにあたっても、のり幅を非常に小さくとっているのは、あまりにもけちなやり方である。都会地のようにべらぼうに地価が高いならともかく、ああいう地方においても、まるでしゃくし定木の建設方法をやっているから、工費では節約されたかもしれないが、こういう災害の場合にはべらぼうな迷惑を及ぼし、また金もかかる結果を来たしておりますが、こういうことに対して、今日までの段階できわめて常識的に答弁できるはずだが、何かお答えないものでしょうか。

増田誠三気象庁次長

○増田政府委員 非常に技術的な問題でございますので、ただいま地震課長が来ておりますので、地震課長から答弁いたさせます。

木村耕三気象庁観測部地震課長

○木村(耕)説明員 いま震度の御質問だと思いますが、震度五というのは、うちはこわれませんけれども、壁その他にひびが入り、石どうろう、墓石が倒れ、地面に亀裂が入るというのが震度五の定義でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 鉄筋コンクリートの建物がつぶれてしまうのは何ですか。

木村耕三気象庁観測部地震課長

○木村(耕)説明員 そういう鉄筋コンクリートに対しての基準はございません。

上野洋建設省住宅局市街地建築課長

○上野説明員 地震と震度の関係でございますけれども、現在の建築基準法では、地震の動きを水平の加速度に変えまして、通常の建築の場合は〇・二という加速度を標準にいたしまして建築の耐震設計を行なっておりまして、階数によってそれをだんだんふやすような形をとっております。ただ、今回の地震の場合につきましては、先ほどからお話がございましたように、現在調査中でございますけれども、非常に異常な形のこわれ方をしております。そこで、原因につきましては即断はしかねますが、おそらく特別の地盤の条件、あるいは非常に局部的な地盤の震動状況に伴なうものではないかと思っておりますが、なお慎重な結果を待って対処いたしたい、かように思っております。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本説明員 お答えいたします。  御質問は、先生の御指摘は、どうも東北本線の線路増設工事、これに十分なる配慮がされておらぬ、すぐこわれるようなものをつくったのではないかというふうな御指摘かと思います。もう御案内かと思いますが、一般に土の構造物と申しますのは、一〇〇%の強度を発揮いたしますまでには、何年か安定の時間を必要とするわけでございます。したがいまして、私どもとしては、特に東北本線の盛岡以北、これは御案内のように地盤が非常に悪いところでございます。こういうところで盛り土の構造物をこしらえる、こういうことにつきまして、いろいろな配慮をいたしまして、基礎地盤の地固め、あるいは盛り土の施工法として転圧の回数の増加等につきまして十分な配慮を払ったつもりでございます。その結果といたしまして、区間によりましては、必ずしも新しいものがこわれないで、在来あった、相当強度を発揮しているべきはずのものがこわれている区間も相当ございます。そういうことで、盛り土の施工そのものにつきましては、現段階ではあれ以上の配慮はできないくらいな、実は注意を払ったわけでございますが、結果的には、こわれた。これもよく御承知のように、地震の数日前から連日二百ミリ程度の降雨がございました。その二百ミリ降ったあげくの果てに震度五の地震がまいったわけでございます。あの地方の地盤で、あれだけの降雨量があって、ああいう地震がたまたま盛り土が終わったその直後に起こったということを考えますと、こわれたのは一応いまの技術段階ではやむを得ないということに私どもは考えております。  それから、先生御指摘のように、確かにあの区間で一番地盤が悪い、これはほかに方法がないという区間の約二キロメートルについては、コンクリートの高架橋をつくったわけでございます。もちろんこれに全部いたせばこういう心配は当然なかった。しかしながら、何ぶんにもお金が普通の盛り土に比べますと、七、八倍ないし十倍くらいかかるというふうなことで、私どもも十分配慮を払ったのでございますが、諸般の都合等があって約二キロメートルだけにとどめたというふうな国鉄の予算の事情もございます。  以上が大体御答弁でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 そう言えばそれまでですが、とてもじゃないが、今度のあれを見ますと、幸い今度は汽車が脱線しての人命事故がなかったが、あちこちで脱線しておるのを見ると五分、三分、三十秒で破壊個所に至る列車がたくさんあるのです。雨と地震の偶然性というものは、そうまれなものじゃなかろうと思うのです。これは今後生命保険に入らなければ国鉄に乗れないような不安感があると思う。もっときちんとした——これ以上金の関係でできないといって、いまの事態を言うことは、私は少し無責任ではないかと思う。おそらく今後こういうことでかような事態が起きた場合には、国鉄はすべての責任を負わなければならないということを私は申し上げておきたいと思います。  それから特に本部長に申し上げたいのは、山くずれの事態です。実は一昨日の夕方ですか、八戸市の正法寺というところへ行きましたら、まだ数十戸の人がうちに帰っていません。しかも、その中でトラックに荷物を積んで、赤い花の咲いた植木のツツジまでトラックに積んで、よそへ引っ越すような事態まで起きております。それで埋没した家を発掘しないで、とてもここで、このままではめしを食える可能性がないというので、妻子だけ部落に置いて出かせぎした人もあるし、たった一人発掘できない遺体の、その人の御主人が、すでに自衛隊も引き揚げた、部落の大多数の人も田植えの作業に移ってしまって、何千立米、何万立米あるかしれない、その土の底にいる自分の奥さんの遺体を探すために、私はこれをこのままにしては、北海道にも東京にも出かせぎに行けるものではない、十年かかるかしれないが、私はこの発掘をすると言っております。  このように地震災害というものは、公共施設だけでなく、個人に強くしわ寄せされる。これは地震直後にはわからないことです。ですから、地震というものは雷や水害や火事と違って、あとから痛みが出てくる、いわゆる打撲傷のようなもので、あとになってから骨が折れている、生涯なおらないという事態が出てくるのです。ですから、激甚災害法を適用するかしないかという場合には、いまの事態だけを考えるのでは事実に合いません。こういうふうなことを考えるならば、何ら考慮、ちゅうちょするところなく——これくらいの災害が激甚でないならば、激甚というのはその地域の人間が半分死ぬことかと私は言いたい。これくらいのことで、適用するかしないかの境目だ、検討を要するなんということは、もはや政治ではない。役人の事務ではなかろうか。少なくとも政党政治で国民に責任を持っている——人間の命は地球よりも重いんだというのが政治家の観点でなければならない。経済の側面、財政の側面だけから政治をやるのは、これは属僚がやることです。人間の命を第一に考えて、これらの人たちの命にかかわる不安感というものをすみやかに払拭してやるのが、あなたの責任ではないかと思うが、私は、このことをあなたから最後に聞いて、質問を終わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 全くお説のとおりでございます。私ども対策本部を運営いたします者の一番の眼目は、そういうふうな事務的な現地処理その他の応急処置のほかに、そこにお気の毒なたくさんの住民の方々に対しまして一日も早く安心感をお与えするという政治的配慮というもの、これがなくてはならない。かような意味におきまして、私どもは激甚法の指定をぜひともやろうといたして努力いたしておる次第でございます。

米内山義一郎日本社会党

○米内山委員 善処を要望してやみません。  これで終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 中川一郎君。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 時間もありませんので、さらにまた同僚委員から詳しくそれぞれお話がありましたので、二、三の点だけ、この機会にお尋ねしておきたいと存じます。  特に何といってもいま国民全体が、あるいはわが党、与党含めて、超党派的に激甚災害に早く指定すべきだということをこいねがい、また主張いたしておるわけであります。当委員会も、地震の起きた翌日の十七日と、先週の二十二日でありますか、二回にわたって開会いたしまして、それぞれ政府の見解をただしたわけでありますが、きょう聞いておりますと、総務長官のお話は、何か前よりも後退した一ような気がいたすわけであります。特に前回の二十二日には、きょうの閣議において前向きで検討するということで、いま真剣な検討の段階に入ったということで、大いに期待をかけ、本日ぐらいは、激甚指定にするのだ、明日の閣議では決定をするのだというぐらいの発言があるであろうと思って、委員会に臨んだのでありますが、残念ながら、検討、検討で終始いたしておりまして、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。先ほど田澤委員からもお話がありましたように、激甚災害は、災害の被害が大きかったこと、国民経済に著しい影響を及ぼしたかどうかということが第一点であり、第二点は、当該災害に対する地方財政の負担を緩和するかどうかという二番目の問題を、私は重要視いたすわけであります。聞くところによりますと、公共災害は八十八億程度だから、基準に達しないということで、ずいぶん頭を痛くしていただいておるようでありますが、災害全体を通じますと、農林その他漁業、中小企業、いろんな意味で全体としては先ほどお配りいただきました数字によりますと、鉄道も入りますが、五百数十億という大きな被害をこうむったのが今回の地震でありました。単なる公共災害だけ一つを取り上げて考えるべきものではないのではないか、全体として考えて、今回の地震に限っては激甚災害に持っていくのだ。持っていって、法の精神に合致するのじゃないかと思うのでありますが、この点はどうか。これは法律には、なるほど二章ですか、五条、六条とそれぞれについていたすことになっておることば、私も承知いたしておりますが、例外として、今回もし法律でできないとするならば、防災会議にはかってこういった基準を改めるということも積極的にやるべきじゃないかというふうに考えるわけでありますが、その点、長官の考え方を承っておきます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、激甚法の二十五カ条にわたります各条文がございます。内容によりましておのおの違いますが、激甚法自体の適用は当然いたす、しかしながら、その中におきましても、できるだけたくさんの指定をいたしたい、こういうことで努力をいたしておる、こういう段階でございます。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 そうしますと、基準に合うものだけは先にするということになりますか、それとも全体としての見通しが立ってから指定するものはする、しないものはしない、こういう段階になるわけですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 基準に合いますものから早く指定して差し上げなければお困りだろう、かように存じます。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 聞くところによりますと、農地、農業施設については大体基準に達するのじゃないか、あるいは中小企業についても達するのじゃないかというふうに聞いておりますが、これはいつやられますか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 この農地なりあるいはまた共同利用施設の問題でありますとか、小災害における元利の補給とか、こういうようなものにつきましては、できるだけ早く指定するよう努力いたします。なおまたその間に、さらに開拓施設の問題でありますとか、あるいは天災融資の関係でございますとか、あるいは三陸方面のいろいろな漁協あたりのいろいろな施設、そういうふうな共同施設の問題、中小企業の信用の保険の問題、こういうふうな問題も、できる限りあわせて指定いたしたいものだ、かように考えております。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 あの地震が起きましたときに、御承知のように日本じゅうは大騒ぎをいたしました。マグニチュード八・八で、関東大震災に次ぐ地震が、東北、北海道を襲って連絡もとだえた、国民全体が心配をいたしました。あけてみたところが、関東大震災ほどの被害はなかった、この点はまことに幸いであった。それはなぜなかったかというと、わりに人のいない地帯であったからであります。もしそれが東京や京阪神の地方に起きたとしたならば、これはもうたいへんなことでありまして、激甚災で、こんなことで議論をしておる段じゃない、大騒ぎをしなければならなかったであろうと思うわけであります。そこで、私ども北海道や東北議員は、ひがむわけじゃありませんが、公共投資が非常に少なくて、人口密度が少なかったから、ああいった被害で済んだのだ。しかも今度は激甚災害に指定するときには、公共災害がわりあい少ないから——これは少ない投資しか過去しなかったから、少ないのは当然でありまして、少なかったから激甚災害にしないのだというのでは、国民感情、地元民感情と合わないのじゃないか。わけても、NHKあたりは毎日テレビを開きますと、助け合い運動ということで、全国民が助け合おう、なくなった犠牲者の方あるいは罹災者は、ひとつ国民全体が助け合おうじゃないかという運動が起きておるやさきでありますので、政府におかれても、十分この点はお考えになって、先ほど長官が最後に結ばれました、ぜひともやりたいという本部長の責任ある決意のおことばを聞きまして、これに期待をかけて、一日も早い指定を要望して、この問題は終わりたいと存じます。  次に、運輸省にお尋ねしたいのでありますが、今回の問題で、やはり地震を察知できないものかというのが、これまた国民全体の希望であるわけであります。中曽根運輸大臣が閣議で、百億の予算を計上して十カ年計画でやりたいということを申しておったようでありますが、これはひとつ信頼しておっていいのかどうか、長官から聞かなければわからぬかもしれませんが、運輸省から、この機会にやはり答弁をいただいておきます。

増田誠三気象庁次長

○増田政府委員 お答え申し上げます。  地震災害の非常に多いわが国でございますので、地震の予知ができますと、これは非常に大きな効果があるわけでございます。そこで、先週の閣議におきまして、地震予知の推進につきまして、閣議了解をお願いいたした次第でございます。  今後の計画といたしましては、文部省の機関でございます測地学審議会というのがございまして、ここでただいま今後の段取りを検討中でございますが、今月末から研究を始めまして、七月ごろまでには一応結論を得まして、政府の機関で地震予知の研究計画につきまして推進するという段取りであるやに聞いておる次第でございます。結論が出ますと、それが関係各省庁に建議の形で出るかと存じます。気象庁並びに気象庁以外の政府機関、いろいろございますけれども、正面から取っ組んで、今後の研究計画を推進するという方向になるかと存ずる次第でございます。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 この点、大事でありますので、本部長からも今回の地震にかんがみて、ぜひともひとつ閣僚の一人として、また責任者の一人として、推進していただくようにお願いをし、また長官のひとつ決意のほども承っておきます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただいま担当から申し上げましたごとくに、閣議におきましても、地震予知という問題を真剣に取り上げなければいかぬということで、いろいろと論議が出ました。特に日本海溝を中心といたします地震の発生地、十勝でありますとかあるいは相模灘沖でありますとか、その他、そういうふうな各地に対しましては、海底に地震探知機を埋設して、そうして予知をいたそうとか、あるいはまた研究所のほうにおきましても、陸上の地震の探知装置その他技術的な面を全国的に網羅して、そうして予知と地震の方向とをすみやかに探知しようとか、非常に真剣なお話が繰り返されておる次第でございます。  私どもも、この激甚災害に対しまして、一番ウイークになっておりまする地震災害という問題に対しまして、本腰でぜひとも取り組みたい、こういうふうな、非常に意欲的な気持ちでおる次第でございます。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 それから厚生省に伺いますが、緊急住宅というのですか、とりあえず住まう住宅がなくて非常に困っておる——けさの朝日新聞にも詳しく出ておるところであります。現地はそれ以上じゃないかと思いますが、少なくとも緊急住宅はこれは全戸数にやるべきじゃないかと私は思うのです。何か基準は三分の一しかないので、三分の一しか建たぬというのでは、これは地震その他の災害に対する現実問題と合わぬのじゃないかという気がしますが、基準がそうなっておるのかどうか。そうなっておらないとしたら、いままだ東北で家がなくて困っておる方々がたくさんあるのはどういうわけか、厚生省にお尋ねいたします。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 お答え申し上げます。  いま、応急仮設住宅というのは、全壊家屋の三割と一応基準ができております。これは市町村民税の非課税とか、いわゆる均等割りだけとか、低所得者階層で三割、ただしそれをこす必要がある場合においては、厚生大臣に合議してもらえばよろしい。要求で特別承認というかっこうでやる。それから三割以下につきましては、これは県知事限りで、市町村の状況に応じてつくれる、こういう状況でございます。それで、状況によっては、三割といわずに、五割、六割、七割とやった例もございます。  今度の青森県だけの例を申し上げますと、全壊が七百二十二戸というのでありますから、三割でいきますと二百十ということでございますが、本日の朝までに参りました、最終決定したのは七十三というので、二百十戸の三分の一くらいしか来ていないというので、私どもは三割をこすことはもちろんながら、三割は県限りでできるんだから、なるべく早く事務を進めて、市町村の実情、それは用地がないとか、たんぼに建てるのはいやだとか、いろんな問題が現地にあります。しかしそれをうまく指導して、少なくとも当面必要なものはどんどん建てるという方向で進めてもらいたいというふうな連絡を、私のほうからいまやっております。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 そうしますと、制度上では三割は知事の権限でできるし、三割以上は自治大臣の承認を得ればできるということになっているにかかわらず、七十何戸しか希望がないということは、これは現地が不勉強なのか努力が足りないのか、知らないのか、これはどういうわけなんですか。

今村譲厚生省社会局長

○今村政府委員 お答え申し上げます。  これは末端の市町村のほうでも、そこまでよく知らないという事情があるかと思います。県のほうは係官を派遣しまして、第一番に問題になるのは、水の問題とこの問題でありますので、いま指導しております。それから、県のほうでも盛んに督励しておりますが、用地の問題とか、いろいろ若干のごたごたがあって、おくれておるようでございます。もうしばらくすれば相当数来るだろう、こういうふうに考えております。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 それではその辺はひとつ県、市町村に十分連絡をとってもらって、新聞に出ておるような悲惨なことのないように善処していただきたいと存じます。  時間がありませんので、はしょって申し上げますが、もう一つ、函館大学のあの惨状について、中央から現地調査に行ったはずであります。四日間ほどで調査するという、前回の委員会でのお話でありましたが、調査結果が出ておりますか。どこが担当されたのか、もしおわかりになりましたら、この機会に……。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 函館大学の被害の状況は、一応鉄筋コンクリート四階建ての三千九百平米の建物が半壊ということになっておりますが、これは一階の柱が全面的に折れておりまして、その結果、二階、三階と破壊が進行いたしまして、全面的に使用不可能と考えられます。その原因につきましては、さらによく検討いたしませんと、まだ直接これが原因であるということを申し上げる段階でございません。特に設計とか施工上、先ほども御説明申し上げましたが、建築基準法によって明らかに間違っておるという点はなかったようでありますが、一口で申し上げますれば、やはり地震のエネルギーに対して強度が不足しておったといわざるを得ないわけでありまして、その建築技術上の問題点につきましては、文部省のみならず、専門家の御協力も得まして、十分検討いたしたいと思います。さしあたりの復旧の問題といたしましては、明らかな工事の粗漏等が認められない限りにおきましては、私立学校振興会を通じます災害復旧の融資等の措置が講ぜられることになりますし、また激甚災害の指定を受ければ二分の一の補助金が出せる、こういうことに相なります。その二つの方法におきまして、文部省では目下検討中でございます。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 エネルギーが強度に合わなかったからつぶれた、そのとおりであろうと思います。そのことならば答弁をいただかなくてけっこうなんでありまして、十日もたって、しかも大事な学生を預かる学校が、ああいったみじめなことで、簡単なことでつぶれてしまうというところに、私どもは問題を置いておるわけでありまして、もっと真剣に早目にひとつ原因を追及して、そして今後ああいったことが起こらないようにどうするが。融資だとか、そんな問題ではないのです。大事な学生を預かる学校建設のやり方について問題にしておるわけですから、この点は、ひとつこの次くらいにはもっと明快な回答をいただくように、要望いたしておきます。  最後にもう一つ。災害のたびに思うことは、例の三、五、二でありますか、災害復旧事業は大体三、五、二、三年かかってやる。この制度は、災害国日本としてはもうそろそろ改めていいのじゃないか。東京の地下鉄やあるいは高速道路は、オリンピックに間に合わせようと思えば、われわれの目をみはるような工事があっという間にできるきょうこのごろの日本の状態なんです。そのときに、災害で泣いて苦しんだところを三年間かかって復旧をするということは、文化国家日本としてあり得べきことではないような気がいたします。できるならば一年間で——一年間といわず、三カ月か四カ月か、特急工事でもってやってしまうというくらいの姿勢であっていいと思います。そこまでいかなくても、少なくとも原則として二年でやるのだというくらいのことは、私は持っていていいのじゃないかという気がします。そして例外としては一年もあり得るぞというくらいのところに、前向きで検討すべきではないか。今回の災害のみならず、災害のたびに痛切に感ずることであります。この点も、前に長官は、私の県山口県がそもそも災害の国で痛感をいたしております、私個人としてはそのようにいたします、というお話でありましたが、それだけではなく、もっと突っ込んで、ひとつ閣議にでもはかって、私は断じてやりますと、大野伴睦流の御答弁をお願いいたしたいと思います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 まず、災害の対策は、いろいろと理屈ではございません。すみやかに現地にどしどしと実行するところに、私は対策本部の使命がある、かように存ずるのでございまして、あるいは住宅の問題にいたしましても、あるいはその他いろいろな復旧の問題にいたしましても、その気持ちでもってまず実行からということを考えて、促進いたしております。なお三、五、二の問題は、実は私の年来の主張でもあり、要望でもございます。ぜひともひとつ皆さま方の御協力を得て、これが実現をいたしたいものである、かように存ずる次第でございます。よろしくどうぞお願いいたします。

中川一郎自由民主党

○中川(一)委員 終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 災害対策本部長にお伺いしたいと存じます。  去る五月十七日の本会議の緊急質問に際しまして、長官に御質問の機会がございませんでしたが、特に総理大臣からの御答弁によりますと、今回のえびの地震並びに十勝沖地震のいわゆる具体的な例に見られますように、激甚法の現在の基準には確かに即応しない面がありますけれども、地震のいわゆる局地災害というところに、私は特徴があると思うのでありまして、この点について総理は、今後の課題として十分検討し、対処したい、こういう明確な答弁をされておるわけでございますが、その辺の意図は十分対策本部長も理解をされておると思うのでございますが、一体総理の答弁の意図というものは那辺にあるのか。いままで再三にわたり、激甚指定について強い要請がなされておるわけでございますが、問題は、今回発生しました関連する地震の被害に対応して、地域住民の生命財産を守り、しかもこの災害から早急に立ち上がらせることが政治本来の目的じゃないか。そういう点等から、今回の地震に対応する、いわゆる激甚災の適用ということは当面の急務であるし、しかも現行の基準にかかわることなく、抜本的な対策を講ずべきだと思うのですが、これに対する長官の御所見を重ねてお伺いしたいと存じます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 特にえびの・古松の救済の問題につきまして、総理の意を体しまして、何とかこれを適用いたしたいものだと、目下真剣に取り組んでおる次第でございます。なおそのほか、地震という問題の特殊性にかんがみまして、えびの・吉松、並びに今回の地震等の例も十分に反省いたして、根本的な再検討と申しますか、反省もなさなくてはならぬ、かように考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 重ねて長官にお伺いいたしますけれども、すでにえびの地震が発生して三カ月を経過しております。また今回の北海道並びに東北地方の災害調査にも参りましたが、問題は、これからの予想される地震に対応するための災害復旧ということは、いわゆる耐震構造、耐火構造、こういうもろもろの情勢を勘案しながら復旧計画を立てなければならない。残念ながら、今日の地方自治体における財政事情というものはきわめて苦しい状態にあることは、長官も十分お認めのところであります。そういう点から考えますならば、やはり検討する、ただ気持ちは同感である、というふうな問題でなくして、私はこれに対する対策というもの、具体的なめどというものを確立をしなければ、地域住民も自治体も、復旧の早期計画というものは立たないと思うのであります。こういう点等から、特にこの激甚災の適用ということは、やはりこのような特異な地震に対しましても、この際抜本的な対策を常に各地域において口ずっぱく主張されております。たとえば、現実に水道関係はその対象になっておらぬけれども、例の新潟地震の場合においては、水道復旧に対しましては法的根拠はないけれども、運用面において、百分の八十でございますか、八割のいわゆる補助を適用いたしております。こういうふうに、その現実に即応する対策を住民は渇望しておるわけであります。明日は、本委員会に、総理も御出席なさるそうでございますが、少なくとも十勝沖についても、すでに十日経過しております。吉松・えびのはすでに三カ月以上であります。依然として余震が続いておる。まだ移転の問題もきまらないし、旅館街の移転対策すらできていない、こういうような点は、やはりこの際政府が積極的な施策と明確な方向というものを結論づけるところに、私はポイントがしぼられてきておると思うのでありまして、総理の本会議における答弁を含めて、すみやかにこれの対策について結論を出してもらいたい。このことを強く私は要望申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。  まず第一点、農林省関係にお伺いいたします。特に今回、北海道の鵡川町における農業用水の基幹線が相当距離被害をこうむっております。これに対しましては、地域住民並びに町当局の適切なる指導によって、一応応急復旧はなされておりますが、その実情から判断した場合に、確実に地震による被害であるということが明確に指摘されておるのでありますが、現在のこの農地等の復旧に対しましては、臨時的な措置法がございますけれども、青森県等を含める農業用施設においては、単に原型復旧ということでなくして、やはりこの際、地震等に対応する改良復旧ということを十分配慮しながら対処すべきであろうと思うのですが、これに対する農林省担当者の御所見を承りたいと思います。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 災害の復旧工事につきましては、先ほど農林大臣からもお答えを申し上げましたように、従来ございました機能を回復するというのが復旧工事の基準であり原則でございますが、それにとどまらず、関連工事といたしまして必要な限り改良工事を加えて、今後の災害防止対策をも講ずるという基本的な考え方で処理をしてまいりたいというふうに思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 もう一点、農林省関係にお伺いしますが、特にこの災害復旧につきましては、基準面積に対するところの、いわゆる国の負担割合が非常に低過ぎる。こういう点等から、少なくとも改良復旧等を考えますならば、これに対する負担割合というものをこの際大幅に改定すべきだという要望が、前休会中の本委員会における審査においても、決議をなされておるようでございますが、このような負担割合の増加ということについては、どういうような御所見をお持ちか、お伺いしたいと思います。

和田正明農林省農地局長

○和田(正)政府委員 災害復旧の場合の国の補助率は、農業用施設六五、農地五〇というのが基準でございますが、激甚災指定になりました場合には、金額の高いほうに応じまして補助率がかさ上げになりまして、御承知のように、農業用施設では一〇〇%までの補助ができる部分もございますので、そういう現行の制度をできるだけ活用いたしまして、地元負担の軽減に処してまいりたいというふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 まだあとにたくさんの質問者が控えておりますので、しぼって御質問します。  次に、文部省関係にお伺いいたしますが、特に今回の全体の情勢を見まして、また私の地元の災害からも考えるわけでございますけれども、学校の老朽校舎というものがいかに地震に弱いか。また子供さんたちがこの地震を体験して、非常に地震に対する恐怖心というものがあるわけでございますが、これからたくさんの子供たちがこの老朽校舎の中において授業を受ける状態を考えます場合に、さらにいつどこにおいて発生するかわからない、こういう地震対策として、特に私は老朽校舎の中において教育をされているこの地域におきまして、避難対策を含めたところの緊急の措置ということが強く要望されるのではないかと思うのであります。さらにまた、日高支庁内の様似の小学校等におきましても、ほとんど全部の集合煙筒が倒れている。これも先生方の適切な措置によって、人身被害がないわけでございますけれども、単にこういう地区だけでなくして、老朽校舎関係における避難対策等については、十全の措置がとられるべきだと思うのでございますが、これにどのような措置をもって対処せられようとしておるのか、お伺いしたいと存じます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 お答え申し上げます。  危険校舎の改築につきましては、文部省で危険の基準をきめまして、これは、一番完全な校舎を一万点といたしまして、だんだん減点していくわけでございますが、四千五百点未満を危険校舎として、これは年次計画をもって改築を進めております。現在、公立文教施設費の中で危険校舎改築は、金額におきましても面積におきましても、一番大きな割合を占めておりまして、年々全国で百二十万平米程度の改築を行なっております。今後ともこの措置を進めてまいりまして、一刻も早く危険校舎の解消をいたしたいと思っております。また今回の災害校舎につきましても、改築にあたりましては、これが木造校舎でありましても、必要に応じて鉄筋鉄骨造で災害復旧を行ないまして、危険の解消をはかりたい、かように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。佐藤孝行君。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 それでは、関連で文部省当局に質問いたします。  先ほど来、いろいろ話題になっておった函館大学についてお尋ねいたしますが、本校は、建築にあたっては、函館市の建築許可はもちろんとっておりますし、四十年四月に開校して、現在学生が六百六十五名在学中である。地震に際しては、教職員の適切な指導によって、学生一人がけがをしただけで、他に死傷者がなかったということは、不幸中の幸いであったろうと私は思います。現在授業再開にあたっては体育館を使用し、一教室に約八十名内外のすし詰め授業を余儀なくされている。一日も早い復旧をなし、勉学、学術研究の機関としての機能を取り戻す必要に迫られているのが現状でございます。総務長官も御案内のとおり、最近、私立大学の学生運動が非常に盛んでございます。いい悪いは別として、結局もとをただせば、私立大学の経営基盤が不安定だから学生運動をしてさらに拍車をかけている。この函館大学も私立大学でございます。現在、私学振興会から約一億二千万、市中銀行から一億円の借り入れをしております。また今回の災害復旧については、財政的に約一億三千万の巨額が必要とされております。したがって、激甚災害の指定を受けるか受けないかによって、函館大学が再建できるかどうか、きわめて重大な問題でございます。かりに激甚災害の指定が不可能になった場合、それに準ずる措置といいますか、文部省当局の側から考えると、それに準ずる措置というのはどんなふうに理解しているか、お答え願いたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 函館大学の被害の状況につきましては、御指摘のとおりでございまして、これの復旧につきましては先ほどお答え申し上げましたように、激甚災害の指定が受けられれば二分の一の補助金、受けられない場合には、現行制度では、私立学校振興会を通じます災害復旧費の融資ということに相なります。その間におきまして、激甚災害の指定は受けないけれども指定を受けたと同等の措置ということは、文部省としては考えられないところでございます。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 それじゃ総務長官にお伺いしますが、文部省が考えられなくて、ほかの役所が考えられるというふうに、私は、ひがみかどうか知りませんが、いまの話はそういうふうな印象を受けるのですが、総務長官はどのようにお考えですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ただいまのお話を分解いたして考えますと、二章の適用がないと十七条の適用がない、こういうふうなことに相なると思うのであります。先般来、つまり激甚災害に準じてというふうな、特別交付金で見るんだという、お話のような場合にも、実際文部省といたしましては補助率が一定いたしておる、私学融資がどうだ、ところが、もし激甚災が適用されれば二分の一の国庫補助が得られるんだ。対象外の問題に対して交付金で見るということが不可能であるという可否の問題と、それから二章が適用にならなくとも、十七条というものを何とか活用できないかというふうな問題だとか、まだまだ私、法制上の問題で研究しなければならぬことが残っておると思うわけでございまして、激甚災の適用がなくても、これに準ずるという内容の中には、さようなことが多々含まれておるわけでございます。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 総務長官の御答弁を信用して、そういう期待を持って進みたいと思います。  関連ですから、簡単に申し上げますが、戦後日本で残された北海道、その中で、北海道らしいスケールの大きな人間をつくるんだ、こういうことで生まれたのが、この函館大学でございます。六百六十五名の学生が安んじて勉学にいそしめるように、文部省、もう少し本部長の意向を体して、いかにしたならば函館大学が再建できるか、私学振興会の金利の問題あるいは据え置きの問題とか、いろいろあると思います。前向きで、しかも日本にとってかえがたい学生を養成しているんだ、教育の場なんだ。戦後日本が今日この程度に復興したのは、日本人の勤勉はもとよりですが、やはり何といっても私は教育が徹底しておったそのたまものだと思います。そういう意味で、ぜひ、ひとつもう少し愛情ある配慮を御希望申し上げておきます。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 文部省といたしましては、現行制度の私立学校振興会を通じます融資につきましては、年限の問題貸し付け条件の問題、最大限の便宜をはかるように、振興会のほうを指導いたしたいと思います。それから、なお、激甚災害に準ずる扱いは、文部省としてはできかねると申し上げましたのでありますけれども、かりに、法律の適用はしないけれども、法律の適用があるのに近い、たとえば予算補助をするというようなことが統一的にきめられれば、もちろん文部省としてもそういうことを希望いたしますし、そういうことにきまりますれば、そういう方針で、準じた扱いができるようになってくる、文部省単独では計らいかねるという趣旨で、申し上げた次第でございます。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 お話の趣旨はわかりましたが、主管官庁が文部省ですから、文部省から前向きに、本部に要請しなくても、本部がきめたことをあなたのほうは自動的にそれに従う、そういう態度は私どもは承服しかねる、もっと前向きで、どうしても文部省がやりたいのだ、そういう姿勢を示してもらいたいと思います。答弁は要りません。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 次に国鉄関係にお伺いしますが、昨日東北線が開通しましたが、特に北海道地域におきましても、国鉄の復旧に対して非常に関心を持っておるわけでありますけれども、完全な耐震構造を含めた復旧までには、まだかなりの期間を要すると思うのでありますけれども、今回の十勝沖地震に対する国鉄の受けた損害並びにこれから完全復旧に要する見通しと経費はどの程度あるのか、第一点お伺いしたいと思います。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 国鉄の災害の見込み額でございますが、これは約百三十四億円と現在見込まれておるのでございまして、これにつきましては、既定の修繕費その他の中から一応まかなうように努力させたいと考えておる次第でございますが、本年度予算におきましては、こういった不測の災害等に対処するための予備費といたしましては、群五十億が計上されておりますので、修繕費その他でまかないます。そのあとの不足の場合に対しましてこれを予備費の中からも出しまして使用することによりまして、復旧工事の万全を期する所存でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 再度お伺いいたします。  これは総理府から出されたものだと思うのですが、「昭和四十三年度において実施すべき防災に関する計画」というのが今度の国会に出されました。たくさん文句を言いたいところでありますけれども、いま運輸省のほうから答弁がありましたが、今度の災害でもざっと百三十八億、たとえば函館の岸壁等は、いわゆる耐震性を考慮して考えますならば、まだ私はかなり増大するものと見られるわけでありますけれども、この政府から出されました資料によりますと、今後の災害を防ぐために国鉄が幾ら予算を出しているか、この数字を見てみますと、今後の災害をできるだけ未然に防止する、こういう項目の中に組まれているのが資料の一五ページに載っておりますが、四十二年度は百四十億組まれておったものが、四十三年度は特にこの災害予防施設のために百九億九千三巨万、昨年よりも実質的には三十億でございますか、削減をされておるわけであります。しかしながら予防するために百九億組みながらも、実質の損害は、この十勝沖だけでも、いま答弁がありましたように百三十億、これは総理府の防災対策本部がまとめたものだと思うのでありますけれども、こういうふうな予算の計上というものに、特に本知はえびのをはじめ伊豆七島など、特に地震の多発が予想される状態から考えます場合に、もう少し積極的な施策が必要じゃないか。先ほど同僚議員も指摘しましたとおり、いわゆる経済性と安全性というもののどちらにウエートを置くのか、この辺の問題等十分配慮すべきだと思うのでありますが、このようにいわゆる防災対策の予算が昨年よりも減額されているのはどういう事情なのか、この点お聞かせいただきたいのであります。

松本文彦日本国有鉄道施設局長

○松本説明員 問題が国鉄の出しました数字に関する御質問のようでございますので、私から、あるいは多少違うかもわかりませんが、御答弁申し上げます。  いま先生御指摘の防災のための設備費額といいますのは、確かにいま御指摘のように四十二年度の決算額と今年度の年初の予算額と比較しますと、約三十億ほど少なくなっております。ただこのお金は、一応年度途中に各地でいろいろな災害を受けた、それの復旧をいたしていく過程において、防災的な仕事もさらに加味して行なわれるというふうなのが通例でございますので、年度末になりますると、大体似たようなお金にほぼなる、これは今年度にどういう災害が起こるかということはまだわからないわけでございますが、年度当初は大体毎年百億前後、年度が終わりますると、途中の災害が起ったプラスを加味しまして、大体それくらいのお金になるというふうなのが大体の通例になっておりますので、そういうことであろうかと思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この際、私は総務長官にお伺いしたいわけでありますけれども、国鉄の災害復旧というのは、いま答弁もありましたが、百五十億程度の予備費——しかし現実に年度始まったばかりで、もう百三十八億をこしておる被害をこうむっておるわけです。しかも特に公共性なり北海道地方に対する生鮮食料品の緊急輸送、そういうたてまえから考えますならば、こういうふうな特殊災害に対しましては、当然国家的立場から考えます場合に、独立採算制とはいえ、国からもやはり、こういう予期しない災害等に対しましては、何らかの助成措置というものをこの際考えておくべきではないかと思うのでございますが、災害対策本部長として、総合的な立場から御所見を承りたいと存じます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 御案内のとおり、国鉄の独立採算制の問題とただいまの災害等の問題、これは運輸省と国鉄の間におきまして、さらにいろいろと検討せられて、私のほうに出てくるかもしれません。現在の時点におきましては、直ちにこの災害に対しましての直接の救済ができないのではないかと考えておりますが、また調べましてからお答えいたします。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 時間がありませんので、あと三点にしぼって御質問いたします。  これは自治省と建設省の相関関係でありますけれども、特に今回の地震等を通じまして、北海道の各市町村におきましては、特に火災発生に対しまして、適切な指導を得まして事なきを得ておりますが、これはむしろ時間帯が朝であったことや、あるいはほとんどストーブ等の暖房の火気がなかったというふうな恵まれた条件の中においてあったということによると思うのであります。これが特にたとえば冬の間だとか、夜間だとか、また大都市のいわゆる過密地帯、こういうところにおきましては、当然、火災予防に対する、特に地震に対するところの適切な指導というものが必要ではないかと思うのですが、これに対して、消防庁並びに建設省の火災予防対策として、今後の地震に対するところの対策として、どういうふうな措置をとられようとしておるのか。それから、特に北海道の場合等において見られますように、住宅対策として、特に集合煙筒によってとうとい生命が奪われております。これは、今後新しく復旧する際に、住宅建設の基準なり集合煙筒等に対するところの適切なる指導を通じて、再度このような人身災害が起きないような処置を講ずべきだと思うのでございますが、火災予防と集合煙筒等に対する建設省並びに自治省関係者の御所見を承りたいと思います。

山本弘消防庁次長

○山本(弘)政府委員 お答え申し上げます。  今回の十勝沖地震におきましては、幸いにも発生時刻が午前九時四十九分ということで、ちょうど厨房時間を離れておったわけであります。家庭の厨房における火気の使用はなかったわけでございます。そういった関係からか、意外に地震に伴う火事は少なかったのでございます。しかしながら、なお、北海道におきましては七件、青森県下におきましては二十一件の火災が発生いたしております。しかし、これも大体大火に至らずに消しとめております。火事の原因はいろいろございますが、ちょうどあたかも寒気のぶり返しで、青森県におきましても、石油ストーブを使っておりました。また北海道におきましても同様でございます。そういった関係で、石油ストーブの転倒による火事が多かった。またあるいは、一部の学校あるいは薬局におきまして、塩酸とかあるいは硝酸というような激毒物が流れまして、それが混合いたしまして、発火したというような火事でございます。いずれにいたしましても、そういったことで、結果的には火災は大きな被害をもたらさなかったのでございますが、これが大都市、いわゆる稠密地区におきましては、地震の場合の火災対策というものが当然最も大事な対策であることは申し上げるまでもないのであります。したがいまして、消防庁といたしましては、各府県が、あるいはまた市町村が地域的な防災計画をつくる場合におきましては、地震というものを加味した対策をつくるべきであるということを指導いたしております。ただいま御指摘になりました北海道におきましては、地域防災計画の中で、地震部会を設けまして、そして先年の昭和二十八年でございましたか、十勝沖地震というものがございましたが、そういったことを参考にいたしまして、地震部会におきまして、地震を加味した地域防災計画をつくるようにしておったわけでございます。また、地震といえば津波でございますので、地震に伴う津波の予警報訓練も行なっているのでございます。われわれといたしましても、今後、こういったふうに市町村が防災計画を立てる場合に、地震を加味した対策を立てておくということを今後も指導いたしてまいりたいと思います。  なお、東京におきましても同様に、現在東京都の防災会議におきまして、その中の特別部会でもって、今年、一九六八年十勝沖に起こりましたような、関東大震災級の地震が起こった場合の各種の対策を検討いたしております。いろいろな部会に分かれておりまして、全部の結論は出ておりませんが、たとえば、地震に伴う家屋倒壊、それに伴う消防計画、一例を申しますと、被害を想定いたしまして、火災発生件数を一応見込みまして、それに対する消防活動のやり方というものを検討いたしております。と同時に、また、避難計画というものも検討なされております。しかし、これは非常に膨大なるものでございまして、何と申しましても、交通事情その他から考えまして、消防消火活動にも、あるいはまた避難活動にも、いろいろな想定に基づく活動が、一つの仮定と申しますか、想定と申しますか、そういうふうなことをもととして行なうものでございますから、その想定とか、あるいはまたその基礎が変わりますと、また非常に違った結論も出てまいります。いずれにいたしましても、さようにやっておりますが、われわれといたしましても、こういった大都市、人口稠密地区におけるところの地震対策、こういったものにも大いに力を入れて、今後、都道府県なり市町村に対する指導体制を確立してまいるべきである、かように考えておるわけでございます。

上野洋建設省住宅局市街地建築課長

○上野説明員 建築物の、地震を含みます防災対策につきましては、集団的な防災と単体的な防災に分けましていろいろ検討しております。特に、その中で、単体を中心といたしまする問題につきましては、内装の不燃化あるいは火災防止上の措置につきまして、実は、ことしの夏あるいは秋ごろ施行令を改正するように準備を進めておる次第でございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 林野庁関係にお伺いしますが、現在、林野庁は、この非常災害に対応するために、全額約五万立米のいわゆる建築資材の備蓄があるといわれておりますけれども、特に、問題は、その対象というものが公共施設であって、一般の個人住宅の復旧には特別の措置がないわけであります。現実に、いままでの各地域における地震被災者からの要望というものは、個人の住宅復旧にも、この備蓄材の、いわゆる格安の放出ということが強く要望されておるわけでございますけれども、大体この程度の備蓄で災害復旧に十分適応できるのかどうか。また、価格面におきましても、災害地におきましては、木材の価格の暴騰ということがどうしてもやはり常に予想されるわけでございますけれども、今回の東北並びに北海道地区に対する備蓄材の放出についてはどういうような指導を行なっているのか、この点お伺いいたしたいと存じます。

太田康二農林大臣官房参事官

○太田説明員 先般、農林水産委員会で、農林省のとりました対策について御説明申し上げたわけでございますが、その際申し上げましたように、今回の被災地の管内に農林省の営林局がかなりあるわけでございますが、そこに備蓄いたしております数量は一万一千立方メートルを備蓄いたしておるのでございます。これらにつきましては、災害救助法が発動されました場合に、都道府県が建てます応急仮設住宅、あるいは市町村の要請に基づきまして、市町村の病院、学校等の公共施設に対しましては、ただいま先生のおっしゃいましたように、災害前の時価の五割減ぐらいで売り払う特別の売却措置を講じておるのでございます。ただ、今回の地震の場合に、具体的にそういった要望があるようでございますが、実際に払い下げた数量については、まだつまびらかにいたしておりません。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この際、特に、私は、このような備蓄材の放出につきましては、地方自治体並びに地域住田の要望に十分こたえるように、善処していただきたいことを強く要望いたします。  最後に総務長官にお伺いいたします。  先ほども口ずっぱいほど申し上げましたが、激甚災の適用に関連いたしましては、えびの地震の場合におきましても農林大臣、建設大臣、また佐藤総理も、閣議におきまして、準ずる取り扱いをするということを言明されております。でありますので、今日の状況から考えますならば、たとえば開拓者、あるいは中小企業者、または一般の農漁民という個人の災害に対しましても、何らこれに報いる方法はないのであります。こういう点等から考えますならば、地方自治体等が災害復旧にあたりまして、できるだけ財政上の国からの援助ということを待つ以外に復旧の早急な解決は不可能であります。そういう点から、この際、激甚災に準ずる取り扱い等含めた総体的な結論というものは一体いつごろまでに引き出す考えなのか、その目途を第一に明らかにしていただきたい。  第二点は、先ほど消防庁なり建設省から地震等に対する消火対策等についても御答弁を受けましたが、きわめて抽象的な表現であります。特に消防関係の対策ということは、今回までの地震災害でも見られますように、最も消火に必要な水道管の破損というものがまっ先に行なわれておるわけであります。そういう点から考えます場合に、今後の災害対策の一環としまして、特に火災予防、消防対策というものについては私は重要な関心を持つものでありますが、特に対策本部長として、自治省なり建設省に対しましてももう少し積極的な働きかけ等、これに対する真剣な取り組みが必要であろうかと思うのでありますが、このことについて対策本部長としての御所見を承りまして、私の質問を終わります。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 前段の御質問でございますが、明日の閣議もございますし、なおまた中央防災会議というふうな手順もございますので、激甚災の問題につきましては、今週中には明確に相なる——それに対しまして今週中ということは申し上げてよろしいと考えております。  それから、ただいまのこれに準ずるという問題につきましては、私どもいろいろの施策を考えておりますけれども、財政当局その他との話がなかなか詰まらない面がまだございますので、この点等につきましても鋭意努力をいたします。  なお、建設省その他自治省等に対します本部長といたしましての措置も、おことばどおり現地の救済に遺憾なからしめるために最大の努力をいたしたい、さように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 佐藤孝行君。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 関連なので、一点だけ簡単に質問したいと思います。  先ほど第二班の楢葉団長からの御報告にございましたが、激甚災害の指定を受けるか受けないかによって、復旧にはきわめて影響あることは当然でございます。かりに激甚災害の指定を受けたとしても、今回の場合その恩恵に最も浴さないのは、先ほど来各委員からお話ございました函館駅前桟橋の商店街、いわゆる朝市であります。これは埋め立て地を利用して、連絡船の乗降者並びに二十五万函館市民、それと隣接町村の住民に野菜や鮮魚を供給するのが主体でございます。いわゆる、零細業者でございます。災害対象面積は七千九百三十八平方メートル、これが大体一メートルから二メートル近く沈下もしくは傾斜した。したがって災害戸数は百十五戸、いずれも大破、中破であり、現状のままではとうてい使用不可能であります。この対策として考えられることは、海岸護岸の強化であります。したがって新しく埋め立てが必要であります。地元函館市の調査によると、約二千二百平方メートル、金額にして一億五千万、さらに道路、下水道、水道などで約五千万、二億近い金額が、概算ですが、この復興に必要とされております。いままでの災害復旧だと、原形復旧が災害復旧なんで、改良復旧がどうしてもあまり認められない例が今日までの災害復旧でございます。しかし、この場合どうしても埋め立て地を新たにつくらなければ復旧ができないのだ、そういう特殊な状態であり、また地域でございます。したがってこれに対して、あるいは運輸省か自治省の関係だと思うのでありますが、こういう特殊なものについてはどんな対策なり配慮を現時点で考えられているか、お尋ねいたします。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 中小企業の問題、これは激甚法の十二条の推定ができますればある程度までは救済でき得る面があるのじゃないか、かように思います。これは私どもといたしましては、十二条の指定をぜひいたしたいと努力いたしております。  それから、改良復旧、原形復旧の問題でございますが、災害復旧というものは原則は当然原形復旧でございます。しかしながら最近の傾向と申しますか、特に今回のごとき場合におきましては、私は当然改良復旧の部面が認められなければならぬ面が多いのじゃないか、こういうふうに考えるのでございます。これも対策本部といたしましては、特に各省等々と協議いたしまして、できるだけ現地の御希望に沿うようにいたしたい、かように考えます。

首藤堯自治省財政局財政課長

○首藤説明員 ただいま御質問のございました函館市の朝市関係の問題につきましては、市当局からもその概略を承っております。護岸の改修等の公共事業等との関連もあると思いますので、各種の事業の状況をよく見きわめまして、実態に合った適切な措置を講じてまいりたい、こう考えております。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 本部長あるいは自治省当局のお話を承っていると、何かいわゆる原形復旧じゃなく改良復旧をやりたいのだ、やらなければならないのだというふうに私は印象を受けるわけですから、この問題はこの程度にして、土地の問題が確保できても、家屋や店舗が解決しなければそこで生活することはできないと思います。個人災害については農地等に比較して今日でも非常に手薄ではないか、したがって、いつの場合でも政府のあたたかい配慮が要望されるのはこの個人災害についてではなかろうかと思います。いままで大体平屋建ての店舗が多いようですが、今度は共同店舗とかあるいは近代化とか、こういう場合特ワクなりあるいは特別措置も必要であります。したがって、こういう特殊なケースについては金融的にどんな措置を講じられようとしているのか。これは先日私が地元で手に入れた印刷物で、中小企業金融公庫から出ているものですが、「十勝沖地震で被害を受けた中小企業の皆様へ」こういうことで、災害復旧貸し付けというものは特に中小企業の皆さまの立場に立って貸し付けしたいからぜひ御利用していただきたい。貸し付け条件は、個人、会社三百万円以内、組合は九百万円以内。貸し付け期間は、設備資金については七年以内、据え置き二年以内を含む、長期運転資金は五年以内、据え置き一年以内を含む。金利は年八分二厘。中小企業金融公庫がこういう適切な配慮をされています。御案内のとおり中小企業金融公庫ばかりじゃない。商工中金、国民金融公庫、ほかの金融機関も当然こういう配慮がされていいのじゃないか。あるいは私が知らないで現地でやっているのかもしれませんけれども、災害以来今日まで、つい最近まで私は現地におってそういう話をあまり聞いてもいなければ耳にもしていない。したがって、金融公庫関係の中小企業金融公庫以外の政府関係機関の災害に対する特別な処置と、それから先ほど申し上げた店舗の共同資金あるいは近代化資金、こういうものに対する配慮をひとつお聞かせいただきたいと思います。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 中小企業の金融につきましては、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫におきましてそれぞれ災害特別貸し付けを実施いたすことに決定をいたしまして、現に各災害地の商工会、商工会議所が中心になりまして金融相談をいたしております。その条件は、貸し付けの限度額を通常の限度よりも引き上げます。それから貸し付けの期間につきましても、通常の貸し付けよりも延長をいたします。また、据え瞬き期間につきましても通常の貸し付けの場合の据え置き期間よりも延長いたします。このようなことで、従来の通常の金融よりは簡易な手続で融資ができるような措置をとってございます。なお、用保証協会が中小企業が融資を受けます場合に保証をいたすわけでございますが、この保証につきましても、災害府県におきましては特別の信用保証を実施をいたすことにいたしまして、すでに青森県では発足をいたしております。これにつきましては、信用保険公庫から特別に信用保証協会に融資をいたすことにいたしたいと考えております。なお、共同店舗につきましては、中小企業振興事業団からの融資の道もございますので、具体的に計画が固まりますれば、これについても検討をいたしたいと考えております。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 一点だけ。  いまの答弁だと、これは政府関係の金融公庫は一律に一定のワクをきめてそこまで基準を上げたということですか。それとも個々によってまちまちですか。あなたの答弁を聞いていると、何か一律にこうワクを上げたとか、あるいは貸し出し期間を長くしたというふうにとれるのですが、もうちょっと具体的にお知らせ願いたいと思います。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 貸し付け限度につきましては、国民金融公庫は通常の貸し付け限度が三百万円でございますが、災害につきましては通常の貸し付け以外に三百万円、ただし全体の貸し付けは四百五十万円まで貸し付けをいたすことにいたしております。それから中小企業金融公庫は、通常の貸し付け限度が一千万円でございますが、このほかにさらに災害の場合には三百万円をプラスをして貸し付けをいたします。商工中金は貸し付け限度につきましては通常特にきめておりませんので、災害の場合には必要に応じて貸し付けることにいたします。それから貸し付け期間は、通常は中小企業金融公庫の場合は運転資金が三年、設備資金が五年でございますが、これを運転資金は五年、設備資金は十年まで必要に応じて延期ができることにいたしております。それから、国民金融公庫は通常は七年の貸し付け期間でございますが、これを必要に応じて十年まで延期ができることになっております。据え置き期間につきましては、中小企業金融公庫の場合には設備資金が一年運転資金は六カ月ですが、これをそれぞれ倍まで引き上げることができることにいたしております。国民金融公庫は運転資金二年、設備資金につきましては二年まで延長ができることにいたしております。なお既往の貸し付けにつきまして償還期限のきておるものにつきましても、適宜実情に応じて償還の猶予をいたすことにいたしております。

佐藤孝行自由民主党

○佐藤(孝)委員 答弁は要りませんが、いまの話を聞いていると、たとえば中小企業金融公庫をとっても一千万が限度だ、さらにプラス三百万円する、こういう説明のようですが、これは一千万というのは支店の扱いですね。現実に出張所でできるのは三百万です。したがって、このように特殊な不可抗力の災害等については、支店より係官が出向いてそこで扱うようにせずに、わざわざ被害者がおのおの支店に出向かなければその限度ワクまで借りられない、出張所の権限外だということになると、私は適切な配慮だというふうには理解できないのじゃないか、もっとあたたかい配慮が必要じゃないか。答弁は要りませんが、ぜひひとつ出張所に支店の係官が出向いて、限度ワクということをいまのあなたの発想を聞いていると示しているのですから、その限度ワクまで扱うような配慮をお願いいたします。  私がいま質問したのは、いわゆる北海道函館で言う朝市を主体に質問いたしましたが、その他表面に出ない潜在被害、たとえば温泉街を見ますと、函館には湯川温泉四十何軒があります。そのうち什器備品等の被害が約一億五千万から二億円と言われておる。こういう目に見えない表面にあらわれない被害が非常に多いのであります。先ほど稻葉団長の御報告にあったごとく、地元住民の生活は見るにしのびない方もたくさんいらっしゃいます。どうか被害者の心を心として、適切なる対策の一日もすみやかならんことを関係者にかわってこの席から本部長に御要望申し上げて、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 関連して一つお尋ねいたします。  先ほど長官のお話を聞いておりましたら、激甚地指定の問題で、激甚災害の指定の発動があったとしても、第五条はどうにか見込みがあるようだけれどもというおことばがあったようでありますが、第十二条関係はちょっと困難なようだという話がありました。そうなると中小企業、零細企業についてはいろいろと大きな荷物かかかってくるわけですから——時間がありませんから、こくひとつ短時間に結論を出したいと思います。国民金融公庫一つについてお尋ねをいたします。  いまあなたの御答弁の中に、国民金融公庫の災害貸し付けの限度ワクを引き上げるというお話がありましたが、現在国民金融公庫の中には災害貸し付けという資金量のワクはあるのですか。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 特別のワクは設けておりません。必要に応じて資金量を支店に配布することにしております。

川村継義日本社会党

○川村委員 問題は、そうなると私が心配するのは、一般の業務貸し付けに災害貸し出しということで大きな影響を与えるのじゃないか。やはり国民金融公庫にも、こういう場合には災害貸し付けのワクをちゃんと持つ。そして、一般の貸し付けに悪い影響を与えないように配慮することが大事じゃないかと思う。いままでわれわれが知っている範囲でも一般のやりくりをして災害に対しておる。そうなると、ほかのほうの貸し付けの資金量が低まるでしょう。だから、国民金融公庫に零細な人たちが借りに行ってもなかなか貸してくれない、こういう結果になる。その災害貸し付けのワクをさらに増加する。その意思がありませんか。できますか。早く結論を出しましょうや。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 現在さしあたり各災害地の支店に七億円の配付をいたしております。必要に応じてこれは増額をいたしていく。したがいまして、通常の支店に配付されておりますワクとは別に、災害用のワクは各支店には配付をいたしておりますが、国民金融公庫全体としての一年間のワクというのはきめておらないわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこで、国民金融公庫全体の中に災害貸し付けのワクをつくっていく必要はないか、こうお尋ねしておるのです。それはやりくりできますか、やはり従来どおり、つくりませんか。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 災害復旧資金の需要がどの程度になるかということは、年度当初には見込みがつきませんので、災害資金需要は最優先に扱うということで、災害が起きまして資金需要がございますれば、そのつど支店にワクを配付をしていくということで対処してまいりたいと考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうすると、一般の貸し付けに迷惑がかからないようにはしますね。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 このために、一般の貸し付けに迷惑がかかるというようなことはいたさないようにいたします。

川村継義日本社会党

○川村委員 それから、貸し付けの年限の問題なんですが、先ほどあなたは七年とか設備資金について一年延長したとかいうようなお話がありましたが、私はっきり聞き取れませんでしたが、大体いままでかりに激甚災害と指定された場合の災害の貸し付けをやる場合に、五年間という期限がありますね。しかも、そのうちに激甚災害の指定を受けた。そうすると利子が普通よりも安くなる。いつもならば八分二厘で貸しておる。これも高いですけれども、八分二厘で貸しておる。それを、激甚災害の指定を受けた災害貸し付けについては、六分五厘で貸しておる。しかも、その六分五厘は三年間だけなんだ。五年間貸していいのに三年間である。六分五厘で貸して、あとの二年間はまた八分二厘に引き戻しますね。これは少しひどいのじゃないかと思うのですが、これをうんと下げるあるいは無利子にする、そういう意思はありませんか。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 激甚災害の場合には、金額につき百万円まで三年間六分五、塊に金利を引き下げることになっております。これは、災害を受けられた場合には金利負担が負担になるというのを軽減をする趣旨であろうかと思います。現行制度につきましては、三年間六分五厘ということでございますが、これの全体の利金負担をどうするかについては、現在検討中でございまして、まだ結論に達しておらない次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 長官よくひとつお聞きくださいね。中小企業、零細企業に対するいろいろ金融財政対策をあたたかい心でやるといっても、現実はこういうことなんですよ。  それから、もう一つお尋ねいたしますが、国民金融公庫に貸し付けを申し出る、融資を申し出る。それまでもずいぶん日にちが要るわけですが、これにはいろいろ条件がなければならぬ、審査をするでしょうから、日にちがかかるということは、これは一応考えられます。しかし、今日非常におそい。金をもらうまでにも、またその許可をもらうまでにも、うんと日にちがかかる。その大きな原因は一体何だ、何にその原因があるか、ひとつその原因と思われるものを話してください。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 国民金融公庫は、できるだけ融資手続きを簡素化いたしまして、融資までの期間が短縮できるように努力をいたしております。ただ、国民金融公庫の場合には初めて来られるお客さんが多いわけでございまして、したがって、この調査及び審査に一カ月程度の期間がかかっておるわけでございます。これにつきましても災害の場合には特に迅速にやるように努力をいたしておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 災害の場合に特に努力をしておるとおっしゃっても、現実はそう運ばないのだ。その原因は何だ。いまのは、御答弁はどうも原因になっていない。私が考えるのは、国民金融公庫に対して零細中小業者の皆さん方が融資の申し込みをする、その量が年々増大しておるということが一つありましょう。一体年間何割くらい増大しておりますか。われわれが聞くところに、よると、二割からもっと申し込みがずっと増大してきておると思う。非常に申し込みの量が多くなっておる。それに仕事をする、審査に当たる人、貸し付け業務等に携わっておるところの職員の皆さん方の数が少ないでしょう。だから仕事、かはかどらぬ。こう私がお尋ねすると、おそらくあなたはいや災害のときにはよそから応援に行きますとお答えになるかと思うのですが、そんなのはだめですよ。その公庫に働いておる職員の人たちの人数が足らない。それが二つの原因ではないかと思う。どうでしょう。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 国民金融公庫に対する資金の需要は年々増大をしておりまして、毎年十数%、二〇%近い伸び方をいたしております。これに伴いまして調査、審査等の件数もふえておるわけでございますが、これに必要な人員も年々ふやしておりますが、なお貸し付けの伸びほど伸びないというのが現状でございます。今後とも事務の促進をはかるために人員の充実に努力をしてまいりたいと思っております。  なお、災害の際には災害貸し付けを最優先で取り扱うことにいたしておりまして、必要な場合には本店から当該支店に応援を出しまして、できるだけ迅速に貸し付けができるようにいたしたいと考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 八戸の支店にはいま職員は何人おられますか、青森の支店に何人おられますか。

井土武久中小企業庁計画部長

○井土説明員 現在人員の数については資料を手元に持っておりませんので、後ほど御報告を申し上げたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 私の調べたところでは、八戸にはわずかに十五人、青森三十人程度だと思いますね。そこで私が聞いておるのですよ。これは本店から応援に行きなさることはいいですよ。しかし日ごろから災害がなくても仕事の量はどんどん多くなっていく。だから二カ月も三カ月も仕事が延びるのだ。職員が足らないということ、申し込みの人が非常に多くなっておるということ、これが大体大きな原因ですね。災害などがあったときに、零細企業の皆さん方が申し込みなさってから三カ月も四カ月も先に金を出してやったって助けにならぬでしょう。これをまず解決しなければいかぬと思うのです。これを、災害だから特に迅速にやっていただくことは、方針だと思いますけれども、現実にはいまのようなネックがあって動けないのです。これをやっぱり皆さんのほうで解決してもらわなければどうにもならぬのじゃないか、こう思います。長官、いま私は関連質問ですから、簡単に気がついていることを申し上げたのですが、まず災害の申し込みを消化する。八戸なんかでは、われわれが聞いておるところでも新しく災害のために三百件から五百件の申し込みがあるのです。これはもうおわかりと思いますが、三百件から五百件近くの申し込みがあると思う。これは国民金融公庫の皆さん方が審査してなさるについては二カ月、三カ月の仕事の量なんです。こんな膨大な仕事が出てくる。これに貸し付けを急がなければならぬというときには、まず、いま私が申し上げたようなものを中央災害対策本部としても十分ひとつ握っていただいて、大蔵省あるいは中小企業庁等に対してその解決策を進めていただきたいと思うのです。さっきの貸し付け期間にしましても五年間、しかも激甚災害の適用を受けた場合には三年間は六分五厘で貸すけれども、あと二年間は八分二厘に引き戻す、こういう利子の取り方なんかはあまりひどいじゃないですか。われわれは無利子でやれ、無担保でやれ、こう言いたいところですよ。こういうような問題、貸し付けワクの問題、利子の問題、期限の問題、仕事の迅速にいくところの問題、こういうものを具体的に一つ一つぴしっと解決してもらうことが災害対策、ただ一生懸命やりますというだけでは生きてこないのです。ひとつお答えいただきます。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 ありがとうございます。いまのような具体的な問題を一つ一つ解決するのが私は対策本部の一番大事なことと存じます。なおいまのようなお話の際に、私ども災害地の県知事といたしましてよくやりましたことでありますが、県の単独県費によります代位弁済の問題でありますとか、地元金融機関の動員でありますとか、国民金融公庫のような小口の貸し出し等につきましては、地元の県知事といたしましても真剣に協力して円滑にする面もあると存じますが、またその点は研究させていただきます。

川村継義日本社会党

○川村委員 関連でございますから、国民金融公庫だけについて私申し上げましたが、全般的な対策を進めていただくように強く要請しておきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 きょう私は最後の質問だそうですから、いままで各同僚委員から熱心に青森、北海道の災害について御質問がありましたが、その締めくくりをつけたいと思うのであります。これはやはり国会答弁でずるずるどちらにもとれるような御答弁ではなかなか満足できない。端的にできるならできる、できないならできないとはっきり言っていただかないと非常に人心を惑わすと思うのです。  まっ先に国鉄の関係の方に御答弁願いたい。この災害地でたいへん御苦労なされまして復旧を急がれたことに対しては大いに感謝しているが、さっき特に大畑−むつ市間の鉄道なども早期に回復するだろうという御答弁があったまではこれは上等です。しかし、そのあとがいけない。盛岡の管理局ではあるいはそういうことを考えておったかもしれぬ、それでは全部帳消しです。一体どうなのか、もっと真相を明らかにしてもらいたい。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 大畑線につきましては、現在のところ廃止については全然考えておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは盛岡の管理局できめるものではないのでしょう。少なくともこういう重大な問題は本社段階できめるあるいは運輸省できめることなんで、何か管理局がかってにこれをきめるというようなことはないでしょうね、念を押しておきます。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 現地の局あたりできめるべきことではございませんで、そういうようなことは決していたさせないつもりでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは最後に聞いておきますが、大畑−むつ間の復旧は早くやって、廃止することはありません、こう認識して間違いないのですね。

増川遼三運輸省鉄道監督局長

○増川政府委員 東北本線の今後の全面的な復旧が済み次第、極力大湊線及び大畑線につきましては建設に着手させる考えでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あそこはことのほか交通の不便なところでもございますし、また物資の補給も大切なところでございますから、同時にこれはやはり復旧を急いでいただきたい。  なお本部長に申し上げますが、災害地の人心というのはちょっとしたことにでもずいぶん動揺するものなのです。いま災害を受けて復旧をする前に、権限もないものが線を廃止するとか廃止しないとかいうことはけしからぬ話だと思うのです。きょうは大臣においでになってもらってやりたいのですけれども、こういう場合ですからしかたがございませんが、本部長からも強く申し入れをして、権限もないものがかってに自分たちで役人をかさに着て災害地の人たちにいたずらなる流言飛語による混乱を起こさせないようにきつく戒めていただきたい。これはまさに流言飛語によって人心を惑わす罪に該当するものです。その点は十分に取り締まっていただきたい。  なお農林省にお聞きします。この前私が質問しました場合に、復旧工事を急いで、田植えの水や苗の手配なども全然障害を起こさないように十分いたしているという御答弁でしたが、あれからまただいぶときがたっております。進行状況を御報告願いたい。

松井芳明農林省農地局建設部災害復旧課長

○松井説明員 用水路、ため池等の被害が非常に多くて植えつけを急ぐ段階でたいへん問題になっておりますが、ため池で大きな被害を受けました早掛の地区につきましては、その後応急用のポンプを五月二十一日に入れまして、ポンプによって水を確保するということと、もう一つは仮締め切りを行ないまして、できるだけ多くの水を確保して用水に支障のないようにということで努力しております。なお、ポンプの揚水開始はすでに行なっておりますが、大体植えつけ完了見込みは六月半ばごろぐらいにはおそくとも全部やってしまいたいということで、現在努力しております。  それから稲生川の用水路の問題でございますが、三本木幹線並びに支線で亀裂による被害が出ておりまして、数千町歩に及んで植えつけ不能ということで非常に憂慮されておりますが、すでに二十一日から自衛隊の応援を得まして現在概成水路の断面を復旧するまでに至っておりますので、本日から試験通水をいたしております。最初三トンないし四トンの水を通しまして、様子を見ながら漸次多量の水を通すように考えておりますが、まだ支線の末端のほうでいろいろ植えつけ不能の地区があるように聞いておりますが、できるだけこれにつきましても、早く支線の応急復旧を行なって、植えつけを促進してまいりたいというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もう二点お聞きしたいのですが、十和田市の地区に相坂という地区があるのですが、約四百町歩のたんぼがこれまた植えつけ不能になっている。これは水路と隧道の場合なんですが、どうなっていますか。  それから、平内の松野木という部落に、これはため池はこわれておりませんけれども、いま一息でこわれるというため池ができております。いつどうなるかわかりません。これに対する御配慮はどうなっておりますか。

松井芳明農林省農地局建設部災害復旧課長

○松井説明員 ただいまの答弁で、大きな地区を二つ落としまして申しわけございません。追加して御説明いたします。相坂平の水路につきましては、途中の隧道等に地震による落盤がございまして、これの応急復旧が急がれておるのでございますが、大体、直ちに水を通すことの困難なところにつきましては迂回水路を設けまして、これで通水する、また土かぶりの浅いところにつきましては、上から掘りまして応急復旧をやっていくというふうな工法をいまとっておりますが、大体これにつきましても、六月の半ばまでには植えつけを何とか間に合わせるということで努力してございます。  それから、松野木のため池でございますが、これはただいまのお話のとおり、まだ完全な被災には至っておりませんが、かなり亀裂が出ておりますので、この亀裂に対して、ほっておきますと、今後降雨あるいは余震等によりまして被害が増大いたしますので、とりあえずの応急工事として、クラックの部分に粘土を詰めて漏水を防止する。できるだけ安定を保つように現在応急復旧を行なっておりますが、同時に貯水池の水位を下げまして、今後の余震等でまた越波することのないような方法を講じておりますが、このためにもし下流で水不足が出るような場合には、応急ポンプ等をつけて、何とか水を確保したいということで考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのほかにもずいぶんあると思いますが、かりに水が何とか間に合ったとしましても、植えつけの苗などは不足しないかどうか。この前に私が聞いたときは、はっきり、不足いたしませんという御答弁を得ておりますが、どうも私は、不足しているんじゃないかと思うのですがね。その点はいかがですか。

田所萠農林省農政局参事官

○田所説明員 お答えいたします。  先般の委員会におきまして、県の報告によりますと、大体田植えが、その当時稲の作付面積の五%完了しておるという報告でございまして、その点から考えていきますと、十分苗しろが残っておりますので、稲の苗につきましては、県の報告によりますと、自県内で十分まかない得るという報告があったわけでございます。その後の状況につきまして、こちらのほうから実は県のほうに問い合わせたわけでございますが、県のほうでは本日稲苗の対策協議会を開いたその結果、災害町村からの希望といたしまして、改補植をいたしたい面積が五百十六ヘクタールという報告でございます。それで実際問題として、現在田植えの最盛期でございますので、品種的な調整をする必要があるわけでございまして、その点で町村の意向をいろいろ聞いたところが、五百十六ヘクタールのうち二戸五ヘクタールにつきましてシモキタという品種がほしいというわけでございます。しかし青森県の場合には、従来九割程度はなかての品種でございまして、わせというのは一割足らず、平年作付しておるわけでございまして、そういう点で、シモキタという品種だけで補うということは、なかなか困難である、若干不足するということでございます。ただ、現在まで田植えの最盛期でございますので、試験場その他と連絡をとりまして、技術的にいろいろと検討して、現在は従来つくっておりますなかての早いものとか、そういうもので補いがつくのじゃないかということも考えられますので、県に対しましては、そういう点を十分検討して、農家が混乱しないように、技術的な指導をするように現在話をしておるところでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 せっかく御努力をお願いしたいのです。  本部長にお願いしておきますが、もうすでにいまでも六月の半ばの田植えが、私のほうの地方では、田植えもおくれますし、水もあるいはいろいろな御努力にもかかわらず、できないところもあるかもしれませんが、やはり災害によって植えつけができなかったところは、すみやかに農災法適用、あるいは、これは激甚法が先決ですけれども、そういう万全の処置をとっていただきたい。それからよしんば、田植えができましても、ことしはやはり秋になっての収穫が心配されますし、これもやはり一つの天災としてはっきり御認識くだすって、共済その他の方法を遺漏なく御処置をいただきたいと思うのであります。これは希望でございます。  それからもう一つお願いしたいのですが、青森県の死者四十一名、中に行くえ不明がまだ二名ありますようですが、八戸に一名、五戸ですか、豊崎、あそこに一名ですか、その不明が目下どういうふうに処置されておるか、ひとつお答えを願いたいと思います。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 前段の農災の問題につきましては、淡谷先生のおっしゃるように、救済処置がとれるようにいたします。これは融資の問題、その他の農災の問題もできると存じますが、苗の問題は、先般も知事さんともお話しいたしましたが、地元でもってまかなえる、こういうことでございますから、この点は解決できると存じます。  それから行くえ不明者の二名の問題につきましては、担当のほうからお答えさしていただきます。

津田武徳警察庁警備局警備調査官

○津田説明員 お答えいたします。  二名の行くえ不明者につきましては、地元消防団や地元の人方は、植えつけの関係がございますので、植えつけ終了後にしたいということで中止をいたしておりますけれども、警察が六名、自衛隊七名で、遺族と協力をいたしまして、現在も捜索を実行いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは二つの例が違いがあると思いますので、もう少し詳しい実情をお聞かせ願いたいと思います。八戸ともう一カ所ありますわね。

津田武徳警察庁警備局警備調査官

○津田説明員 実は行くえ不明者は現在まだ四名ございます。そのうち地すべりによる不明者が二名、それから堤防決壊による不明者が一名、船上から転落をして行くえ不明になった者が一名でございます。いずれも先ほど申し上げました要領で現在なお捜索を実行中でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは災害地の皆さんの気持ちを考えますと、たいへんだろうと思うのです。あと始末はしなければならないし、植えつけはしなければならないし、特に行くえ不明になっている人の家族の身になりますと、これは生きていないと思っても、いつまでも捨てておくということはどうにもたまらない気持ちだろうと思うのです。この際やはり家族の気の済むまで、人手がなかったら消防なりあるいは自衛隊なりに御出動を願って、せめても、家族の気持ちを済ませるわけにはいきますまいが、何とかあきらめのつくような処置をとっていただきたい。全然かまわないでほっておいたらこれはたまらぬ気持ちだろうと思いますから、その点はくれぐれも私から申し上げておきます。  次に文部省ひとつ。学校の子供さんたちの死んだことは、何んといっても言い切れないほど痛ましい思いですが、これは青森県に限ってかまいませんが、現在危険校舎かあるいは老朽校舎として改築したいという希望の学校が、中学校、小学校入れましてどれくらいありますか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 現在危険校舎と認定されておりますものは全国で約八百九十万平方メートルほどございます。そのうちで青森県は十七万五千平米、全国の割合にいたしますと、約二%でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは早急に改築するようなお手配ができますかどうか。また地震があってつぶれるようなことが起こらないかどうか。天災はやむを得ないとしても、天災による災害が人為的なことのために大きくなることを私は非常におそれます。危険校舎、老朽校舎を見ておりますと、よくこの地震でくずれないものだといったような学校がずいぶんあるのです。これはひとつ公立であると私立であるとを問わず、子供たちの身体、生命の安全のために、ぜひとも早急にその希望をかなえてあげてほしいのですが、お見込みはどうですか。

村山松雄文部省管理局長

○村山政府委員 公立文教施設費によりまして、危険校舎の改築に対しましては国庫負担をいたしております。年々約百二十万平米程度やっておりますので、今後とも一そう促進して、これが解消をはかりたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 特に再々地震等の災害に襲われます地方については、特段の御配慮をお願いしたいと思うのであります。  なお伺いしたいことがたくさんございますが、最後にひとつぜひともこれはやってもらいたいのは、流言飛語に関する問題なんです。佐藤総理の流言飛語です。まず災害が起こると同時に、これは激甚指定をしなければならぬということを言っている。実行されるならこれは私は流言飛語とは言いませんよ。すぐ一日か二日置いて今度は木村官房長官がこれはしないと言っている。非常に地元が混乱したのです。さっきも総務長官の御答弁を聞いていますと、どうも私には納得がいかない。五条、六条、これはどうにか条件がかなっているというので、これは農業災害共同施設等の条文なんですが、あとは七条は開拓者の災害の問題、八条は資金融通の問題、十一条は漁業災害の問題、十二条は中小企業の問題これはいずれも相当災害にかかっているし、これは激甚法の性質上みんなそろわなければだめだというものではないのでしょう。これは都会の災害と農村の災害じゃ違いますよ。したがって、適用の範囲というものはおのずから法文に明らかでございましょうけれども、今回の青森県の災害に総理はこれを適用すると言い、官房長官は適用しないと言い、いまになってこれに準ずるとかなんとかこれを適用するように骨を折ると言っておりますが、各党の委員さんたちが全部こぞって激甚災の適用をすべきだということを言っているのですね。調査に行った皆さんも、これはひどい、一日も早く指定をしてもらわなければならないということになってきている。それをまだもってはっきりした御答弁ができないという理由は、率直にいってどこにあるのですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 やはり法の適用にあたりましては、条件が具備いたしませんと行政官庁におきましては処理いたしかねる、こういう点から当然激甚災に指定をいたさなくちゃならぬと考えましても、そのいまの災害の規模やあるいはまた現地からのいろいろな被害報告というものが所定の条件を満たすまでに達しませんと非常にむずかしい。そういうことから現地からの報告を待たなければならない、こういうふうなことに相なります。しかしながら実際の問題といたしましては、災害が起こりましてから今日までの計数の整理は他のいわゆる風水害や何かと違いまして相当早かったと存じます。  官房長官が中間におきまして言われましたことは、その中間の過程におきましての計数がまだ満たないということでございます。また私が今日申し上げるのも、やはり所定の手続と申しますか中央防災会議によりまして、これは基準に従って指定ということを確定しなければならないという法の事務手続上のものがまだ完了いたしておりません。そういう点でいささか歯切れの悪い点もございますが、しかし激甚災の指定ということは朝野をあげてその方向に向かっておりまするし、またそれを実現いたすことに相なると存じます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もう少しさっぱりお答え願えぬでしょうかな。青森の災害がどのくらい金額が少ないのか、区域が狭いのか、そういう点をもっとざっくばらんに言っていただきたい。それからこれは査定のほうがまだ十分できないといえばそれまでですけれども、報告している額がまだ足らぬというのか、なぐられ方が少ないというのか、そこいらはもう少しはっきりと言ってもらいたい。  私はこの前の委員会で言いましたように、農業災害が非常に大きいので、金額は見方によってはさまざま違うだろうし、また大都会の災害と違ってあるいは金額が絶対的には低いかもしらぬけれども、地元の罹災者の受けた打撃というものは全く致命的なものなんです。その打撃の大きさも十分顧慮していただきたいということも言っております。それからなお、これは打ち身みたいな災害で、農業災害というものはそういうもので、だんだんこれは災害が大きくなることは目に見えているから、その際水増しだとかかけ引きだとか思わないで、これは十分認めていただきたいということを言っておきましたが、まだ地元から上がってくる災害の実績というものは少ないですか。これはざっくばらんに言っていただきたい。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 公共災害につきまして公共施設の問題につきましては、まだ数字がだいぶ少なうございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 たいへんぶしつけに伺って済みませんけれども、一体どのくらいの額に達すればこれは激甚災の指定を受けられるのですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 この公共施設災害におきますBの局地的なものでありますが、最低の基準が二百五十七億でございまして、今日の査定の累計は約九十億でございます。  詳しいことは上田参事官から……。

上田伯雄内閣総理大臣官房参事官

○上田説明員 お答えいたします。  数字の問題でございます。長官の申しました二章の公共土木施設関係につきましては、現在の査定見込み額を一応九十億と押えております。これに関します小さいほうの基準が二百五十七億円でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 査定は九十億に押えたというのですが、実際の地元から出ております公共施設の災害は幾らに出ているのですか。

上田伯雄内閣総理大臣官房参事官

○上田説明員 地元からの被害の報告額は百二億円でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もし公共施設の面で額に達しないとしても、あとの災害で、それを補うような額になると、全般的に見た場合やはりこれは適用を受けられるでしょうな。これはどうですか。

上田伯雄内閣総理大臣官房参事官

○上田説明員 あとの災害と申しますと——災害といいますのは、この地震を一つの災害と考えておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 全般の災害の総計がどれくらいの額に達すると激甚災の指定を受けるのか。これは、パーセンテージはわかっていますよ。ですから、全体の災害でどのくらいの災害になった場合に、あまり頭をかしげないで指定できるかどうかという問題です。

上田伯雄内閣総理大臣官房参事官

○上田説明員 お答えいたします。  いろいろ災害の態様がございますので、全体でどれくらいという相場といいますか、そういうものは、ちょっとお答えするのは無理なところでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それがなかったら、やはり調査のあとを見まして——これはだれの目にも激甚災に指定しても無理がないということが、もう大体その腹になっているのですから、いろいろ技術上の操作はございましょうし、法文もございましょうが、総理も端的にそういうことも言っておるのだし、本部長もそっちに努力をすると言うのですから、まずこれは、ひとつ激甚災の指定をしてやるという腹をおきめ願えませんか。いろいろな事務上の手続も要るだろうし、今後また査定の関係もありましょうが、やはり根本的にはこれは指定してやるんだということを、ひとつはっきり腹をきめてくれませんか。

上田伯雄内閣総理大臣官房参事官

○上田説明員 激甚災の指定の、少し事務的な話でございますが、激甚災の指定になりますと、それぞれの項目によって、その災害の態様によりますところのそれぞれの項目が特別措置として行なわれるわけでございまして、その特別の措置に関します基準がいろいろあるわけでございます。したがいまして、その一つでも基準に該当いたしますと、これは激甚災害として指定し、したがって、こういう仕事、こういう特別措置をやる、こういうのが指定の内容でございます。したがって、その災害の態様等によりまして、全体がどうであるからという議論には、にわかにはつながらぬわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 わかったようなわからないような御答弁なんで、事務当局の答弁は法文がありますから、それでしかたないが、しかし私は、現実の災害が激甚災として指定すべきだという世論もあり、また長官のそういうお考えもあるのであれば、やはり被害地の人々の災害を何とか負担を軽くしてやることが、これは法の精神だろうと思う。法は変えられますけれども、災害は変えられぬのです。基準、政令は変えられましょうとも、あの打撃を受けた災害地の人々の生活の苦しみというのは変えるわけにいかない。これはやはり政治の本質からいって、変えらるべきものは変えて、この災害にあった人たちの生活を、何とかこの際明るいほうに向けてやるのがたてまえだと思うのです。これは事務当局の御答弁ではそういう話はできないでしょうから、大政治家である災害対策本部長、何とか政治的な御答弁をはっきり出していただきたい。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○田中国務大臣 激甚災の指定はいたすことに相なります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 わかりました。それでけっこうです。ありがとうございました。  では私の質問はこれで終わります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員長 本日はこの程度にとどめ、次回は明二十八日午後、零時三十分理事会、午後一時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後六時五分散会      ————◇—————

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