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58回国会衆議院1968/04/25

交通安全対策特別委員会 第9号

発言数
73
登壇者
9
会派数
3
開催日
1968/04/25

会議録

門司亮民主社会党

○門司委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がございますので、順次これを許します。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 きょうは飲酒運転による交通事故防止対策について、若干の質問をいたしたいと思います。  その前に、一問だけ建設省それから警察庁関係に伺いますが、昨日東名高速道路が開通をいたしました。一般に開放されました。けさの新聞によりますと、「東京−厚木間は午前一時すぎ各インターチェンジで車の進入を禁止、開通間もなく全面交通止めとなった。また富士−静岡間も上り線が交通止めになった。」せっかく開通しました東名高速道路が開通と同時に事故が相次いで起こり、次々に玉つき追突が行なわれましたためにこういう非常措置をとった、こういうふうに本日報道をされております。この事故の原因は、「現場の下り線を車が片側三車線にびっしり並んで走っているうち、乗用車がパンクしてスリップした。これを後続の車が避けようとしてハンドルを切ったところ、左右前後とも車間距離が十分ないほど車がつまっていたため、乗用車七台、ライトバン二台、オートバイ一台の十台が次々と追突、接触した。」こういう記事であります。もう一つは、「この事故にあって車から脱出した人たちが、暗やみの中で中央分離帯に逃げようとサクをまたぎ越えたところ、この部分の分離帯は上り線と下り線の間が約一メートルあいているため、そのすき間から十五メートル下の道路へ次々と落ちたらしい。」こういう記事が出ておりますが、そこで建設省に伺いますが、時速百キロというところでは車間距離は何メートルでありますか。これは建設省ではなくて警察庁ですか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 正確な数字はあれですが、大体百キロですから百二十メートルくらいをとらないと、安全停止ということにはならないと思います。その程度だと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 時速百キロですと百二十メートル、この百二十メートルの車間距離を設けなければいけないという表示はありませんか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 表示は現場には出ていないと思います。これは実は「高速道路の正しい走り方」というものを、きのう開通まぎわに、こういうものを配ってドライバーに呼びかけておるわけでございますが、その中にそれまでは書いてないかもしれませんけれども、そういうことを自動車教習所あたりでは教えておるわけですが、なおきょうああいうことがありましたので、もう少し安全運転の呼びかけを現場でやるように、車間距離の問題もそういう具体的なことを教えてやったらどうかということでけさ出がけに指示してきたわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 日本では高速自動車道というのにまだドライバーがなじんでおらないんですね。ですから、時速百キロということであれば、その下に車間距離は少なくとも百二十メートルなら百二十メートルは通常の天候の状態のもとで必要だということを、念のために時速表示のところに一緒に出しておったらどうでしょう。そうすればこれは百キロでいいのだな、この区間は八十キロだ、前の車とこのくらいの間隔を置かなければいけないなということの一応の基準になるのじゃないか。これをやるべきだと思うのですが、この表示を出したり何かするのは警察庁ですか、建設省ですか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 これは建設省道路公団と打ち合わせまして道路の入口に十分やりたいと思っておりますが、実はこの安全運転の「高速道路の正しい走り方」という中に車間距離は十分とることということで、時速百キロの場合は百メートル、八十キロの場合は八十メートルが安全の目安ですということでこの中に書いてございますが、なお入り口でそういうことを当分の間少し教育したいと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 入り口で百キロといったって全部百キロじゃない。ある地域は八十キロ、ある地域は六十キロというふうに制限区間があるでしょう、場所によっては。だから、これは時速表示をする下に一応そういう安全と思われる車間距離というものを念のために表示をすることをやったらどうでしょうか。そういうことがほかにはないようですけれども、高速道路にはあってもいいような感じがしますね。百メートル、八十メートルといっても、安全な距離をとれといったって、低速で走っている習慣があるから二十メートルもあれば十分のような感じがするのじゃないですか。だから、そういうパンフレットを配ることも悪いという意味じゃないですが、一番わかりやすいのは時速表示の下にそういうものをあわせて表示する、こういうふうにしたらいかがでしょう。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 御意見につきましては検討いたしたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ではその点はさっそく検討してそうやってもらいたいと思います。  それから道路公団、建設省関係ですか、第二の問題にありますように事故が起こった、車が疾走しておる、あぶないから中央分離帯に逃げようと思ってさくをまたいで分離帯に入ったつもりでおったら、上下線の間に一メートルばかりの穴がずっとあいておって、下に落っこちて大けがをしたというのですが、この穴はさっそくふさぐ必要があるのじゃないでしょうか。この点どうお考えになりますか。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 現場の状態をまだ十分私も報告を受けておりませんので、詳しいことは申し上げかねますけれども、おそらく高架構造のところだろうと思います。そういうところは上り下り線とも別構造になっていまして、分離帯の部分にたしか一メートル数十センチの間隔があると思います。本来人がまたぐところじゃございませんが、しかも夜間で暗かったために下へ落ちたということじゃないかと思います。そういう区間は高速道路にかなりあると思います。これはかつて名神で一回トラックがその間にはさまって下へ落っこちかけたという事故がありました。そういうことがありまして、下に道路があるとかいうようなところにつきましては何か遮蔽物を設けるというふうなことをいたしておりますけれども、それ以外のところに人間がそこをまたぐと予想して何か転落防止の施設を設けることの可否の問題でございますが、これは十分状況を聞きましてから検討いたしたいと思います。大体そういうところは人がまたぐところじゃないのですから。

板川正吾日本社会党

○板川委員 いや、またぐところでないから落っこちるのですよ。またぐところなら気をつけるだろうと思う。事故を起こした、また暗やみだし、向こうからどんどん車が来て、端におったのではあぶないから、たまたま中央分離帯に若干用地がありそうだからさくを越えてそこにいれば危険じゃないだろう、こういう気持ちを持つのはあたりまえですよ。そこでさくを越えたところが十五メートルばかり下——もちろん高架ですよ。高架でなければ落ちやしないのだ。十五メートルばかり下に落っこちてけがをした、こうありますが、こういうことが事実としてあらわれると、そういう高架の部分について万が一を考えて、トラックが中へもぐることは別として、人が落ちてけがをしない程度の遮蔽物を置く必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 東名高速道路で申し上げますと、今回の東京−厚木間、片側三車線でございまして、道路の構造といたしましては、走行車線の側方に二メートル五十程度の路肩をとっております。これはいろいろな事故があった場合、車が一時そこに停車するための路肩でございます。また人が事故の場合にそこへおりて待機するための構造設計になっておるわけでございます。したがいまして、普通の場合ならばそこで待機をするというのが常道じゃないかと思います。対向車線のほうに分離帯を越えていくということは、私かえって危険じゃないかと思いますが、その辺まだ日本のドライバーはなれておりませんし、東京で初めての高速道路の供用開始でございますので、御指摘の点も帰りましてから十分検討いたしたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 さくがあるとそこで一応、ガードレールじゃないけれども、危険性が防護されるという感じがするのじゃないですかね。片一方は低速路の一番左側に多少余裕があるかもしれないけれども、それは中には不心得の者があってどんな勢いで来るかわからぬ。さくの向こうはガードレール式でまあ多少安心だという気持ちで移動したのじゃないかと思うのです。いずれにしましても、そういう錯覚で事故の起きないようにさっそく現地を調べて必要な防護措置をしてやってほしいと私は思うのです。そういうことは普通起こらないことだといっても実際起こっているのですから、さっそく現地を検討して、ひとつそういうようなところには間違っても落ちないような遮蔽をしてもらいたいと思います。  この新聞の中には大学の教授の意見として、「時速百キロで走った場合、タイヤのきしみ、風を切る音などが交錯して車内の騒音は百十フォンほどに達する、」だから「警笛による警告は不可能に近いことを、まず運転者に徹底させなくてはいけない。それよりも、高速道路の専用警笛を開発する時期だ」、こういうようなことを言っておりますが、私はこの意見に反対です。高速道路では警笛でどうこうするという性質のものじゃない。やはり車間距離をとり、うしろの様子をバックミラーで見、前後を注意して運転するので、音で、警笛をもって相手をどうこうするという交通状態じゃない、こう思います。これは私は反対のような感じがします。いずれにしましても、こういう事故が起こったのですから、さっそくこれを検討して同様の事故が今後起こらないように防護の措置を講じていただきたい。そういうことを関係者に要請をいたします。  そこで本論の飲酒運転と交通事故の関係について伺いますが、去る三月三十日、戸叶代議士が飲酒運転のトラックに衝突をされ重傷を負ったという交通事故について、その後当局が調査した事実関係について報告をしていただきたいと思います。その運転手が飲んだ酒の量、酒を飲んだ所、提供者という関係について、どういう調査をなされたか。特に相手方がその運転手が運転をすること、ハンドルを持つことを承知で酒を提供したかどうか、この点について調査の結果を報告願いたいと思います。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 戸叶代議士関係の交通事故につきましては資料で御報告申し上げておきましたが、加害者の酒気帯びの程度は、加害者についてさっそく取り調べまして、呼気一リットル中〇・五〇ミリグラムという数字が出ております。それからこの加害者が飲んだ先は、加害者の勤務先の隣にあります、場所は宇都宮市中戸祭一丁目二番四号の大衆食堂「神の家」というところで、同僚二名と一緒に清酒〇・三リットルぐらいを飲酒したという状況が出ております。この大衆食堂の「神の家」というのは、勤務先の会社にすぐ隣接しておるところでございまして、加害者が常時食事とか飲酒などで利用しておった家でございまして、この事件が起きましてからこの大衆食堂につきまして取り調べておりますが、大衆食堂のほうでは本人が運転するということは知らなかったということでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 トラック会社の隣に飲食店があり、酒を常に提供できるという状況はあまり芳しい環境じゃないのですが、悪質な交通事故すなわちひき逃げ、無免許運転、あるいは重大事故、こういう事故は飲酒運転に起因するものが非常に多いと思います。  これは法務省の資料でありますが、昭和三十七年一月一日から四十二年十月三十一日までに二年以上の自由刑の言い渡しがあった事例として報告があった第一審の判決を調査してみましたところ百七十九件あり、七件は鉄道関係でありますが、飲酒運転が百十件あります。引き逃げ事故が九十四件、飲酒して引き逃げしたものが七十一件あります。そしてこういう重大事故のうちで圧倒的多数が飲酒運転です。ですから、この飲酒運転というのは、これから厳重に取り締まっていかないと、悪質交通事故というのはなかなかなくならないのじゃないかと思います。交通安全の対策上一つの重要なポイントであろう、こう思います。  そこで法務省に伺いますが、飲酒運転は道交法六十五条で禁止をされておる。御承知のように、懲役一年、五万円以下の罰金、こういうことになっておりますが、これは飲酒運転をして事故を起こしたかどうかということは規定していないが、これらに対しては懲役一年、罰金五万円、場合によっては併合罪でもよろしい、さらに百二十二条では、それを加重する規定もありますが、酒類を販売する飲食店が、お客が明らかに自動車を運転して行くのだということを承知で、客の求めに応じて酒を出した場合、これは酒気帯び運転の幇助罪になるかどうか。この人は運転手である、しかもすぐ運転を継続していく人であるということを明らかに承知の上で、たとえば飲食店等で酒を出した場合には、これは道交法六十五条に規定する酒気及び運転の幇助罪になるかどうか、この点について伺います。

吉田淳一法務省刑事局参事官

○吉田説明員 お答えを申し上げます前に、先ほど資料のことでございますが、国会に提出いたしましたときに一緒に誤記の訂正表を出しておると思いますが、三年以上と読めます部分はミスプリントでございまして、二年以上の実刑ということでございまして、それが百七十九例ということでございますので、御了承願いたいと思います。  それからただいまお尋ねの点でございますが、道路交通法では、いわゆる酒気帯び運転というものを六十五条で禁止しておることはおっしゃるとおりでございますが、この酒気帯び運転そのものを刑罰で罰則にかけているということではないわけでございます。罰則にかかるのは一体どういう行為かと申しますと、これは言うまでもなく百十七条の二の一号で、ちょっと読み上げてみますと、「第六十五条の規定に違反した者で酒に酔い車両等を運転したもの」この「酒に酔い」というのは、どういうことかということが法律にカッコ書きではっきり書いてございまして、「(アルコールの影響により車両等の正常な運転ができないおそれがある状態にあることをいう。)」というふうに定義づけております。そこで、この点がいまのお尋ねの点に多少関係があるのではないかと思うのでございますが、まず第一の点は、再び運転を継続することがはっきりわかっていて酒類を販売して、そこで飲酒させたという点でございますが、通常の幇助犯とはやや違うということは言えるのではないかと思います。というのは、本人が酒を買いたいということで代金を支払って、その求めに応じて売買としていわば酒を出すということでございますので——店のほうでむろんそれを断わることはできるわけでございますけれども、そういう売買の形態をとっているという点ですぐ幇助にいけるかどうか、若干問題はあるかと思います。  さらにもう一つの点は、なるほど酒を飲んだ、それが正常な運転ができないおそれがある状態に立ち至らしめているかどうか。酒は強い人もあり、弱い人もあり、いろいろあるだろうと思います。もちろん酒を飲んで運転すること自体いけないことではございますが、それがそういう状態で運転することになることを十分知っていて酒屋がその酒を出したかどうかというような事実関係なども実際の事件では問題になるかと思いますが、そのような場合に全然幇助犯が成立しないものかというようなことを私も申し上げるつもりはないわけでございますが、事実関係をいろいろ調査しないと確定的なことを断言するというわけにはまいらないのではないかというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私ちょっと省略しましたけれども、酒気帯び運転、これは政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態、そういう意味で言っているということで、規定以下の人を言っておりませんから、その点ことばが足らなかったかもしれませんが、そういう意味ですから理解願いたいと思います。  それでは、酒気帯び運転の幇助犯にかかわる裁判の判例がありますか。これを知っておりますか。これの一番いい例は、昭和三十九年六月二十五日の名古屋簡裁での判例であります。  これは簡単に読み上げますと、被告人Aは昭和三十八年一月二十七日午後二時ごろより同日午後四時ごろまでの間、愛知県西春日井郡師勝町大字六ツ師五百四十八番地の自宅において、Bが自動車の運転手であり、そして自動三輪車を運転して帰宅することを知りながら、清酒三合を飲酒させ、もって同人をして同日午後四時五十五分ごろ名古屋市西区庄内通り一丁目七十四番地付近路上において酒気を帯びて、その影響により正常な運転ができないおそれがある状態で自動三輪車の運転するのを容易ならしめてこれを幇助したものであるという主文で、この酒を飲ました知人に対して罰金三千円を科しておりますが、これは車に乗って帰るということを承知で引っ越し荷物を手伝ってくれたということで一ぱい飲ましてあげたのです。それが判例として酒気帯び運転の幇助罪が成立した、こういう判例でありますが、これはどうお考えですか。

吉田淳一法務省刑事局参事官

○吉田説明員 この判例につきましては、このような事案の関係で、事実内容の詳しいことは存じませんけれども、妥当な判決ではないだろうかというふうに考えております。御承知のように、いわゆる幇助罪というものは相当広い概念でございまして、実際に運転行為そのものをしなくても、いろいろほかの方法でそれを助けるというようなことがいわゆる幇助だというふうにいわれておりますので、このように、明らかにこれからまた運転をしてまいる、しかも、それは単に謝礼ということだけではなくて、こういう引っ越しの手伝いなどをやる間柄でしょうから、どの程度酒が強いか弱いかということもあるいは知っているんじゃないか、そういう事実関係で、なおかつ、酒を飲ましてそのまま帰させるという事実関係では、本件に幇助罪が認められるのはけだし妥当ではないか、そういう考えを持っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 警察庁交通局長に伺いますが、いま法務省でも、こういう明らかに自動車を運転して帰るという者に、友人の間柄であろうが、知人の間柄であろうが、酒を飲ませて、そして正常な運転ができないということを知りつつ酒を飲ました場合には幇助罪が成立するだろう。こういう判決もありますし、今後そういう立場で、飲酒運転による事故を起こした場合に、その飲酒先、提供者、提供した事情、明らかに承知でやったのかどうかという点を、今後十分そこまで調査をして、場合によっては幇助罪を適用するという方向に捜査の手を伸ばしていく必要があるのじゃないか、こんな感じがするのですが、いかがでしょう。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 従来からも御意見のような方向でやっておりますけれども、さらにこれを徹底してやってまいりたいと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 飲酒運転に対する外国の罰則というのはどういう程度になっておりますか。日本では酔っぱらい天国だなんていわれておりますが、外国における飲酒運転者に対する交通罰則、こういうものはどの程度のものですか。外国といってもたくさんありますから、一応アメリカを言ってみてください。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 外国の基準は、その国によっていろいろ違っておりますが、アメリカの場合には、血中濃度を測定いたしまして、裁判できめるというかっこうになっておりまして、州によって若干違いますけれども、大体日本の基準であります血中濃度が〇・五プロミルでは、まずめいていでないというふうに推定しているようであります。それから、一・五プロミルになりますと、まあ個人差がありますので、いずれとも推定されない。一・五プロミル以上になりますと、めいていというように推定するという裁判所の取り扱いになっておるようでございます。  それから、あと参考までに申し上げますと、西ドイツでは、血中濃度が一・五プロミルで、判例におきまして、これ以上は処罰するということになっております。オーストリアは〇・八プロミル、これはアルコールによって障害を受けているとみなされるという取り扱いになっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それは飲酒が違法かどうかの基準をいま言われたのですが、そうじゃなくて、罰則の重さ軽さ、これはどういう程度ですか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 申しわけありませんが、罰則の資料を持ち合わせておりませんので、後ほど調べてお届けしたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私の手元の資料によると、罰則は、違反により有罪判決を受けた者の処罰には、罰金と拘禁刑並びに運転特権の取り消しがある。そして罰金及び拘禁刑は、六カ月以下の拘禁刑、五十ドル以上五百ドル以下の罰金またはその併科、さらに、再犯を重ねた場合には一年以下、二千ドルというぐあいに、こういうふうな基準になっておるようですね、アメリカは州によって多少違いますが。しかし、これはどうも罰則は、日本よりもアメリカのほうがきびしいですね。  この血中濃度の基準にしましても、これは私は必ずしも、その民族の体格というのですか、それから、飲酒の習慣、こういうものからいって、日本のやつが特に低いというふうに見ないのですがね。かえって、私は、日本のほうが逆に、血液一ミリリットルについて〇・五ミリグラムという血中濃度の基準というのは、この酒を飲む量からいうと、何か高いような感じがする。一体国民一人当たりどのくらい酒を飲むかということを調べてみました。そうしましたら、日本を一〇〇にしまして、イギリスでは約二倍、西ドイツでは二・五倍ベルギーでは三倍、スイスでは四倍、イタリアでは四・三倍、フランスでは十倍ですね。アメリカの資料は実はないのですが、アメリカもフランス並みじゃないかと思うのですが、外国人は体格がいい。国民一人当たり酒を非常に飲む。ビールをお茶がわりに飲むというのですから、そういう意味では、私は外国の基準が一・五プロミルですか、だから、比較的日本からいえば高い、日本は基準が低いということには何かならない感じがするのです。この日本の基準から言いますと、血液一ミリリットルについて〇・五ミリグラムのアルコール、呼気一リットルについては〇・二五というのは、普通の人が酒を飲むとどのくらいの量なんですか。酔っぱらい運転の基準というものは、血液濃度じゃなくて、呼気じゃなくて、酒の量にすると、どのくらい飲むとこういう程度になるのでしょう。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 清酒ですと、大体お銚子に一本、それから、ビールにいたしますと一本半ぐらい、それから、ウイスキーにいたしますとダブル一ぱい、大ざっぱですけれども、その程度がこの基準になります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私は、あまり酒がいかぬからかもしれないけれども、どうも、お酒一合一勺程度だと聞いておるのですが、ビールは一・四リットルですから、大体大びん二本という見当になる。七合七勺ですね、昔流で言うなら。計量法違反かもしれないけれども、そういう表現は。ビール二本、酒一合一勺ということになると、年とった人はいいですけれども、どうも若い人なんかにはややこの基準が高いような、日本人の風習からいって、酒をたしなむ量からいって、ビール二本というのは高いような感じがするのです。そして運転台であたたかい熱気に当てられて、いい気持になって吹っ飛ばして事故を起こすという例が多いように思うものですから、この酔っぱらい運転かいなかをきめる基準は、やや甘過ぎるような感じがするのですが、いかがですか。これは外国との比較ではなくて、日本人の酒をたしなむ風習、日本人の体格、風土、そういったものから考えると高いような感じがするのですが、いかがでしょう。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 お説のような御意見を私どもたびたび耳にするわけですが、実はこの基準をきめる際に、私どものほうにあります科学捜査研究所におきまして、相当長い期間にわたって実験をしたわけでございます。数百人の人に酒を飲ませまして、そのあと酒の影響を受けているかどうかということでいろいろなテストをやったわけです。しかも車に乗せたテストも含めましていろいろなテストをやった結果、これは御承知と思いますけれども、非常に個人差がありますし、それから酒を飲む時間、どのくらいかけて酒を飲むか、それから酒を飲んだあとどのくらいたったときの状態か。それから個人差もありますけれども、身体の状態によって非常に違うわけです。空腹時に飲んだ場合といったようないろいろな条件があるわけでございますけれども、大体この基準の血中濃度〇・五プロミルというので実験いたしますと、若い人たちも含めまして、大体七〇%の者がこれによって何らかの影響を受けているという線をとったわけでございます。あと三〇%の者はもう全く、それは個人差その他の状況によって影響を受けないという数字が出たわけですが、大体七〇%のところをとって一応基準としてきめたわけでございますけれども、そのパーセンテージをさらにこの基準を引き下げてもう少し低目でいいじゃないかという御意見もありますし、また私どももこのような状況でございますので、もう少しシビアーにということでさらに現在いろいろな角度からもう一度実験をしてくれということを検討を命じておりますが、ただ問題なのは、これは現場で警察官が要するに検査をしなくちゃいけないわけです。現在は血液をとってやれば一番確実なんですけれども、御承知のように風船をふくらませて呼気の中の濃度をとっているわけでございますが、これがいまの基準以下に下げますと、きわめて不完全なものでとれないわけです。いまの基準がもうぎりぎりだということでございまして、そういうものが開発されない限りは、いかに低い基準をきめても現場で警察官が判定できない。血液をとれば別ですが、取り締まりの最中に血液をとってやるという権限を与えてもらえれば別ですけれども、そういう非常に技術的な問題もございます。確かに私どもももう少し下げてもいいんじゃないかというふうに感じは持っておりますけれども、その技術的な問題もありますので、それらも含めまして御意見について検討をいたしたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうですね。ぜひひとつ、もう少しきびしくする必要があるんじゃないかという立場から、再検討をしていただきたいと思うのです。  それともう一つは、呼気でもう少しわかりやすく濃度が出れば一番——これもひとつ開発が必要かと思います。外国の例なんか言うと、血液をとる——血液をとることを黙秘権じゃないけれども拒否するというような例で争いがあるようですね。しかし自動車という大きな空間を占有するものを持って公共の道路をその面積だけ占有するんだ、だからこれはもう血液をとるのを拒否する権利はないというようなことで、血液をとることを警官に権限を与えておる国もあるようですね。それが日本でいいか悪いかは別として、私は当面はもうちょっとこの酔っぱらい運転をきびしく取り締まる意味において、先ほどの基準をさらにきびしくするように再検討願いたいと思います。  そこで飲酒運転の事故を防止するためには、私は社会教育によることも大切だと思いますが、同時に、警察による指導取り締まり、食品衛生法による厚生省の指導取り締まり、こういう二本立てでこの酔っぱらい運転の事故を防止する事前対策というのが私は立てられなくちゃならないんじゃないかという感じをいたします。そこで警察庁に伺いますが、警察庁としては飲酒運転予防のため、従来どのような取り締まりをしておったんだろうか、また今後どのように取り締まっていこうとする方針であるか、この点をひとつ伺っておきます。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 飲酒運転につきましては、取り締まることを従来からもやってきておりますが、本年度は私どものほうではこの飲酒運転の取り締まりについて最重点にいたしまして、それで実はことしの予算でもこれは補助金でございますけれども、従来の例の風船を買う予算を四十一年の倍くらいの予算にしまして、そして大いにやれということで、いろいろ私どもの取り締まりの最重点ということでやらしております。なかなか技術的に飲酒運転を取り締まるというのは、夜間しかもやはり十一時過ぎてからやるのが最も効果的なんであります。そういうことで勤務体制の問題もございますけれども、大いにやれということでやらしております。それで年々取り締まりの件数がふえてまいりまして、件数を御参考までに申し上げますと、昭和三十八年までは年間飲酒運転の取り締まりの件数が全国で三万八千四百六十六件程度でございましたが、四十一年では九万八千九百五十五件ですから、三十八年当時に比較いたしますと二・五倍になっておりますが、四十二年はさらに十一万五千九百四十九件ということで、三十八年当時に比べますと三倍近くになっております。ことしはさらにこれを大いにやりたいと思っておりますが、取り締まりをやはり強化していくということで効果的に、なかなか勤務体制の問題もございますけれども、取り締まりを大いにやりたい。それと同時に、お話しの中にもありましたように、取り締まりは限界がございまして、やはりドライバーに対する安全教育、呼びかけ、そういったようなこともきわめて大切だと思うわけでございまして、そういうドライバーに対する安全教育の面それから呼びかけの面、そういった面につきましてもいろいろな各種団体、安全協会等も含めまして各種団体と提携いたしまして、そういう教育面、広報面につきましても警察といたしましては大いにやってまいりたというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 厚生省に伺いますが、食品衛生法によって飲食店を開業する場合には許可を受けなくちゃなりません。その許可をするかしないかは厚生省が知事にまかした権限ですが、厚生省の許可を受けるというたてまえになっております。この許可をした飲食店が食品衛生法上の失態をおかした場合には営業の一時停止なり許可の取り消しなりができるし、また許可する場合に条件をつけて許可することができるように食品衛生法ではなっておりますが、厚生省としては、飲食店を許可する場合に、酔っぱらい運転を防止するような対策というものを考えたことがあるかどうか、そういう点でひとつ厚生省の見解を伺っておきたいと思います。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 飲酒運転によります事故の多発というものは非常に大きな問題であろうかと思いますが、現在の食品衛生法そのものが、いわゆる飲食物に起因します衛生上の危害を防止する、それから公衆衛生の向上に寄与する、こういうふうな目的をもって施行されておるわけでございまして、また許可の条件といたしましては、現在施設基準によりまして、その基準に合っておれば許可をする、こういう形になっておるわけでございます。  その後の監視の問題につきましては、これは主として衛生上不衛生な食品が提供されるのではないかというふうな点を重点といたしましての監視が置かれておるわけでございまして、現在の食品衛生法では非常にむずかしい点ではないかというふうに考えておるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 食品衛生法の一条の目的には、「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止」するためということで、「衛生上の危害」というふうに限定されておりますね。ですから従来はそういう意味で、飲食に起因するけれども衛生上でないからということで、厚生省ではあまりその問題には関心を持っていなかったと思うのです。しかし最近のように、いま警察庁が言われましたように、飲酒運転が非常に多くなる、しかもその事故は非常に悪質なものが多くなってきているという現状からいうと、これはどこかで飲酒運転を事前に注意をし、防止するような対策を打つ手があっていいと思うのですよ。といって、警察が、酒を飲んでいるところに行って、あなた運転するのですかという昔の臨検式をやったら、これはいまの憲法下においては行き過ぎだといわれましょうし、われわれもそれは好ましいことだとは思っておりません。といって、飲食店の許可権限を持つ厚生省は衛生上だけだというのでは、これまた酒飲み運転を事前に防止するにはポイントが抜けておるのですね。  そこで、食品衛生法を若干手直しをして、たとえば、これは一例としていうならば、飲食に起因する衛生上等と、「等」ということをいって、必ずしも衛生ばかりじゃない、それによって酔っぱらい運転の事故を防止するということで、明らかにこの人は運転する人だということがわかっていて酒を提供する、持って帰るというならしようがないけれども、そこで飲むのを提供するというようなことの場合には、業務停止なり何かあるぞ、こういうことになったほうが注意するのではないかと私は思うのです。  食品衛生法の第一条で規定する目的の目的は、人間の生命と健康を守るということが目的だと思うのです。飲食に起因して人間の健康と生命を守る、これが食品衛生法上の目的の目的だと思うのです。だから、飲食に起因して自動車事故を起こし、生命、健康に危害がある状態になることを防ぐように、この目的の項目を拡大すればいい。そういう面から、飲食運転という非常な悪質事故が乱発しておる今日、厚生省としてもこれを防止するに一役買ってもいいのではないか、こう私は思うのですが、いかがですか。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 お説のとおりでございますが、現在の厚生省の設置法上の関係あるいは公衆衛生に対します一般的な概念の関係、あるいは飲食物に起因します危害の防止というふうなものが、現在の法律では、いわゆる食中毒をねらった形でやられているものでございますので、その点からは、いまの段階では非常に困難な問題ではないか。私ども、何とかして、飲酒運転によります交通事故を防止するような形で——これは予防が一番大事なことであろうと思っておりますけれども、どうも現在の食品衛生法では非常にむずかしい問題ではないか、かように考えておるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 だから、必要な改正をするならできるのではないか。厚生省設置法の中にも、私もちょっと目を通したけれども、解釈すれば解釈できない点はないでしょう。設置法の四条の何項目かにあると思いますが、国民の健康と、何か安全とかいうのがあるのじゃないですか。私は、設置法の四条かを見ても、厚生省が全くこのことに対する権限の外にある、厚生省の管轄じゃないということは、言えないと思いますよ。まして、この食品衛生法というのは、必要な改正をすれば——いまのままで急にできないというならば、この目的の目的から考えまして、必要な改定をしたらいい。それも大幅な改定じゃないですね。やる気があれば、衛生上等という程度のことで読め得るのではないか。厚生省という名前からいったって、厚生省はやはりそういう面から酔っぱらい運転の事前防止ということに一役買わなくちゃいけませんよ。検討し、必要があれば改正し、そういう方向に努力していく、食品衛生法の改正を考慮しつつ努力するという意思がありますかどうか。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 その問題につきましては、現行の食品衛生法そのものからは現在では非常にむずかしい問題ではございますが、いろいろ実態の問題ともあわせまして十分検討していきたい、こういうふうに考えます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 聞くところによると、食品衛生法を全面的に改正しようという機運があるそうです。ですから当然そういうことも検討の上に厚生省も、飲食店の許可行政を持っているのですから、飲食店の許可に際して、この中から酔っぱらい運転を防止するような一役を買う積極的な姿勢をひとつ出してもらいたいと思います。それから、次に伺いますが、最近できました高速度自動車道等におけるドライブインの扱い方といいますか、ドライブインをどういうふうに扱っておるのですか。この点は建設省に伺いたいと思います。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 ドライブインの関係でございますが、私どものほうでは、高速自動車国道とか自動車専用道路、そういう道路がだいぶわが国にもできてまいっておりますが、そういう道路は御案内のとおり完全に出入制限をいたしております。しかも高速走行の設計になっております。つまり一般道路に比べまして非常にサービスの水準の高いものを提供しているわけでございます。でございますから、やはり道路を利用する者のために道路本体と不可分なものとしてそういうドライブインといいますか、そういうサービス施設を付帯施設として道路管理者が適当な間隔をもってそれに配置しているということにいたしております。現実のやり方といたしましては、道路公団がいま有料道路をやっているわけでございますが、公団自身が高速道路の沿線に適当な間隔をおきましてサービスエリアというものを置きまして、これは駐車場が主体でございますが、この駐車場に付置いたしまして、ガソリンスタンドでありますとか休憩所でありますとか給油でありますとか、そういうものを設置するということになっております。施設の関係ではそういう状況でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 建設省道路局長の建設省道政発第九十一号、四十二年十一月十四日、によって、高速度自動車国道または自動車専用道路における休憩所、給油所、これについては許可制をとっておりますね。そして、許可の基準が出ておるということが一つ。  それから、施設の経営について条件をつけることができますね。これは「施設の経営」というところで、「道路サービス施設の占用主体は、当該施設の営業を原則として第三者に委託するものとする。この場合において第三者の選定は、原則として競争入札により行なうものとする。」ロとして「前記の委託をする場合には、道路管理者の指示に従い、通行者の利便及び交通の安全を図るために必要な条件(営業時間、営業品目、定価等)を附する」ことができる。だから、営業時間や営業品目やそれから定価等ということで条件を付することができる、とありますね。そうしますると、この国道や高速度道路の休憩所周辺にドライブインが許可されてできますが、ここで酒を大体販売するのが多いようですが、酒類の販売ですね。この場合に、この高速度自動車道というのはドライバーが非常に中心に動く道路ですから、そこでドライブインというのはドライバー相手の商売ですから、ここで酒を販売する場合に、どうしても運転手が飲みやすいですね、ドライバーが。そこで、この条件をつける場合に、明らかに運転手と見られた者に酒を提供しちゃいかぬぞ、こういうような条件をつけて許可するということをやっておりませんかどうか。

吉兼三郎建設省道路局次長

○吉兼説明員 先ほど先生が引用されました私どものほうの通達は、高速自動車国道とか自動車専用道路、そういうものについての占用の許可基準でございまして、これのやり方は、先ほど私申し上げましたような趣旨で、こういう施設は道路と不可分一体のものであるということから、そういう区域は道路区域に入れております。道路管理者がそういうパーキングエリアを買収いたしまして道路の施設としてできております。ただしそういう施設を道路管理者つまり公団あるいは公団にかわるものが つくりまして、営業は道路管理者みずからやることは好ましくないという趣旨から第三者に委託をする、そういう場合の条件をここに書いておるわけでございますが、現実にはそういう高速道路の性格上酒類の販売はやらないという条件で委託契約を結んでおる次第でございます。ところが一般の道路でございますが、一般の道路はこれは自動車専用道路でございませんで、全く混合交通、人も自転車も自動車も混合して利用しておるわけでございますが、そういう道路の沿道にドライブイン等がたくさんできておりますけれども、これは道路の区域でございませんので、私どものほうで道路法の関係の権限でもって規制をするということは非常にむずかしいという問題があるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そのことを聞いておるのじゃないのだけれども、この高速自動車国道、この場合は道路管理者が第三者にサービス施設の経営を委託する、その場合にはドライブイン等を委託した場合には道路管理者が酒を販売しないということを条件に許可しているということで、その点はわかりました。私が質問しているのはその点の、特にドライバー相手の商売をするところで酒を自由に売るということになればやはり問題だろうというふうに、特に国道、国が管理しておる地帯で明らかに法律違反になりそうな品目を売るのはどうかと思うものですから、売らないという条件で許可しているかどうかということを伺ったのです。売らないということで、その点ではわかりました。  そこで次に伺いますが、ドライブインですね、全国といってもあれですから、東京周辺の国道におけるドライブインがどのくらいあるだろうか、それからそれに対する酒類の販売をしているのがどの程度あるのか、この点を答弁してください。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 ドライブインという定義がなかなかむずかしいのでございますけれども、一応私どものほうで、警察のほうで、駐車場を持って主としてドライバーを相手に商売していると思われるものを調査しておるわけですが、それによりますと、一号線沿いではドライブインと思われるものが百九十七カ所ございます。それから四号線につきましては二百七十二カ所、一号線の百九十七カ所のうちほとんど大部分は酒も提供しております。提供していないのはわずかに五軒、四号線の場合は二百七十二軒のうち酒を提供しないのは十七軒という数字が出ております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 大体一号線では二キロに一軒の割合で、四号線では二・五キロに一軒の割合でドライブインがあり、そこでほとんどが酒類を販売しておる、こういうことですね。ドライバー専門に商売しようという飲食店で酒を自由に売る——売って悪いということは言えないかもしれませんが、売る場合に十分な注意をさせる必要があるんじゃないかと思うのですね。これは、厚生省にも警察庁にも注文したいのですが、酔っばらって出たやつをつかまえて、風船をふくらまして、お前は飲んでいるぞと言うのは、腐ったものを置いてハエが飛んできたからハエをたたくようなもので、そのもとを片づけない限りは、幾らハエをたたいたところで根絶できないですね。だから、こういうドライバー相手に商売をする飲食店、こういうところでの酒の提供ということについては、厚生省と警察庁でぜひ手を携えて、予防できるような指導をしてもらいたいと思うのです。たとえば、厚生省なり警察庁なりで、運転する人はお酒を飲むと法律違反ですよ、ですから、ひとつ運転する人は飲まないでくださいということ、また、提供してはいけませんぞということを、各ドライブイン等に張り紙をして公告をする。そして従業員や運転関係者に注意を促す必要があるんじゃないか。もっとも、ある新聞にこの間報道になったのですが、運転する人には酒を売りませんという張り紙の下で、とっくり三本ばかり立てて飲んでいるという写真が新聞に出ていましたから、そういうことをやっても一〇〇%の効果はないかもしれませんが、しかし、各飲食店にそういうポスターが掲示されるようになれば、酒飲み運転は悪いことだということがだんだん、一種の社会教育になって、そういう人たちにもわかってくると思うのですね。いまは酒飲んで運転することは、事故でも起こせばしまったなと思うけれども、事故さえ起こさなければいいんだという気持ちが多いのです。酒を一定量以上飲んで運転すれば、これは一年以下の懲役になり罰金五万円にもなるぞということを知らないのが大部分ですね。事故を起こさなければ酒飲んだっていいんだ、こう思っているんですよ。だから、そういう点を、そうじゃないんだ、酒を一定量以上飲んで運転するのはいけないんだぞということをわからせるために、そういう関係飲食店に掲示をするようにしたらいかがでしょう。この点、厚生省、警察庁、どう思いますか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 御説ごもっとでもございまして、私どものほうも、従来そういう方針で各県の警察に、安全協会等とタイアップしてそういう張り紙をドライブインに掲示させておるつもりでございますが、なお十分でない点があるとすれば、さらにやりたいと思います。  実は、今度の春の交通安全運動は、総理府を含めまして、われわれも一緒になってやるわけですが、その際重点の中に、飲酒運転の追放という重点を掲げてございまして、私どものほうでもそういう観点からの——取り締まりはもちろん警察としてやらなければならないのですけれども、それ以外に、そういう追放に関連したいろいろな運動を展開していこうということで、総理府とタイアップいたしまして、今度の安全運動には壁新聞をやろうということを検討しておるわけでございますが、そういうものもドライブインに張っていくということで、御趣旨の線に沿ってさらにやってまいりたいと思います。  それから、ついででまことに申しわけありませんけれども、先ほどのお話の中に、運転者の意識の問題で御指摘がございましたが、実は私どものほうで、去年、十一月中のある十日間につきまして、全国の飲酒運転で事故を起こしたものについて徹底的に調べた。その中にはいろいろな調査の項目がございましたけれども、飲酒運転者の罪の意識があるかどうかというのを調べたものがございますので、御参考までに申し上げますと、酒酔い運転で罪となる意識のある者は、調査の中で——これは取り締まったものですけれども、五千八百三十五人のうち四五・四%が、酒酔い運転をやると罪になるんだということを意識しております。ややある者というのが二四・七%で、あと残った者は全く罪の意識がないというような調査結果も出ておりますので、そういったようなことも参考にいたしまして、実はかねてから飲酒運転の追放の問題につきましては、取り締まりとあわせまして、警察だけでやれない部分もございますから、いろいろな関係団体とタイアップいたしまして、御趣旨のような線についてやっているつもりでございますけれども、なお御意見の点も十分取り入れましてやりたいと思います。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 先ほどから申し上げておりますように、現行の食品衛生法ではどうにもならない非常にむずかしい点があるわけでございますが、実は先般来、食品衛生協会——日本食品衛生協会というのがございまして、その傘下団体といたしまして、各都道府県に食品衛生協会があるわけでございますが、そちらを通じまして、何とか飲酒運転を予防するような措置は講ぜられないものかということで話し合ってまいったのでございますが、現実に、ある県の実例を申し上げますと、山梨県では、交通安全委員会の中に食品衛生協会の代表者が入りまして、その相談の中で、そういうふうな——私どものところは必ずしもドライブインだけでございませんで、すべての飲食店が含まれるわけでございます。食品衛生協会の代表が交通安全委員会の中に入りまして、そこで必要なポスターあるいはチラシなどをつくりまして、各飲食店の関係でこれを掲示してPRにつとめる、こういう方法を講じているということがわかったわけでございまして、この方法で日本食品衛生協会を通じまして、各都道府県に何らかの形で食品衛生協会が協力をいたしまして、交通安全というものを再認識し、また飲酒運転を追放するという方向でやるようにということで、先般来食品衛生協会のほうに話を持っていっている状態でございます。今後ともこの方針は続けていきたい、またその方法等につきましても、警察庁とも十分相談いたしながら進めていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 いまの厚生省設置法第四条を見ましたら、「社会事業、災害救助その他国民生活の保護指導」、こういうふうに「国民生活の保護」ということがありますから、これにひっかかれば、それは厚生省に権限なしとしないと私は思う。この点いかがですか。ただし、食品衛生法上の法律に基づいた権限は、それは異論のあるところでしょう。しかし、こういう設置法の規定からいえば、行政指導の範囲でそういうことをやっても決して越権ではない、こう思うのです。当然の厚生省の任務の一つである、こういうふうに考えるわけです。ですから所要の法律改正は検討の後を待つとしましても、山梨県か長野県か一県じゃなくて全国的にそういう運動に協力するようにひとつ積極的な指導をしてもらいたい、私はこういうふうに考えます。  まあ自分で酒を飲んで運転すれば、これは道交法違反になる。他人が運転することを承知で酒を飲ませてやれば、これは幇助罪が成立する。飲食店がもうけのために運転することを承知でありながら酒を提供すれば、これは将来営業停止ということもあり得る、こういうような点から攻めていかないと、この飲酒による罪の意識というのを持つ人がまだ半分です。いまの統計によっても、半分は酒を飲むことが法律違反だということはわかっているけれども、半分ぐらいは事故さえ起こさなければ酒を飲んだっていいじゃないか、そういう気持ちを持っているんです。だから事故を起こさなくても一定量以上酒を飲んではいけないのだぞ、こういう意識を持たせることが飲酒運転による事故を防止する第一の道だと思うのです。ぜひひとつ厚生省も積極的に取り組んでいただきたい、こう思います。  時間がありませんが、最後にひとつ警察庁に伺いますが、これは去る二十一日に十六号国道で起こった酔ぱらい運転による事故なんですが、事故現場で現場を調査中の警官が酔っぱらい運転にひかれて重傷を負ったというのが記事でございました。この交通ひんぱんな国道というようなところで事故を起こして、現場をそのままにして測量したり写真をとったりなんかするという調査をするのはなかなか危険ですね。特に夜間などで酔っぱらい運転が多いときはなおさら危険ですが、こういう場合には調査しておる警察官の生命の危険を防止するような対策というものをとっておるのでしょうか。この点、ひとつどういうふうな——警察官が調査しているうちにうしろから酔っぱらい運転でやられたということがあるものですから、これはやはり調査しておる警察官のほかに、その警察官の安全を守るような防護措置も考えて乗り出す必要があるのじゃないかと思うのですが、この点はどうやっておられますか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 事故現場におきます警察官の受傷事故の防止につきましては、かねてから私ども厳命をいたしましていろいろな対策を講じておるわけでございますが、事故現場で警察官が事故の実態をいろいろ調べる、救護活動等も含めていろいろ調べるわけですが、その際にやはり交通整理の警察官も一緒に参りまして、交通整理の警察官が立っているだけじゃなくて、事故現場には交通事故処理中である、一時停止とか徐行というような反射性の立て看板なんかも立てたりして実はやっておるわけでございます。  御指摘の事件は、越谷に起こった事件だと思いますけれども、これも実は警察官が灯火によって交通整理をやっておったわけです。それで相手の者は酒を飲んでおりましたから、おそらく酒飲み運転の取り締まりでもやっておるのではないかということを、あとで調べましたら言っておる。そこで逃げようという感じで突っ込んでしまったということでございまして、あのときには受傷事故防止の対策も講じておったわけでございますが、相手が何しろたまたま酒を飲んでおったものですから取り締まられたらいけないということで急にハンドルを切って逃げようとしたということがあとでわかったのであります  そういうようなことで、非常に不幸な事案だったわけですが、受傷事故防止対策は講じておりますと同時に、交通も円滑に流していくという措置も同時にとりながら警察官の受傷事故防止もはかっていくという方針で、たくさんの交通事故が起こっておりますが、すべてそういう方針でやらせておる次第であります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 最後ですが、それは警察官が懐中電灯をぐるぐる回してというとそういう錯覚を起こす人もあるかもしれませんね。たとえばそこに大きな立て看板を置いて、事故調査中とかなんとかいうことであれば、あるいは向こうも多少安心して行くという気持ちもありますね。突然人が出て、赤の懐中電気をぐるぐる回すということでもあるとそういう錯覚を起こす人もありますから、事故現場に調査に行くときには事故調査中とかいう立て看板を置く、そのほか人がおる、そのほうが安全のような感じがいたしますね。通行人の人命安全も警察官の人命安全も同じですから、ぜひその点にも注意をしてもらいたいと思います。  それから、酔っぱらって八十キロ程度スピードを出して通過しようとした運転手に酒を提供した先、それから運転することを承知して飲ませたかどうか、そういう点の事情はどうなんですか。調査をいたしましたか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 もちろん埼玉県警ではやっておると思います。私のところにはまだ報告は参っておりません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 あとで調査したらひとつ資料を出してください。  以上をもって終わります。

門司亮民主社会党

○門司委員長 田中榮一君。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 外務委員会の理事戸叶里子議員が去る三月三十日午後九時十五分、宇都宮市の市外国道におきましてめいてい運転の犠牲になりまして、夫君とともに重傷を負われまして、現在戸叶議員は入院加療中で全治三カ月の重傷を負われたのでありまして、私も外務委員会の理事をいたしまして同議員を訪問、お見舞いを申し上げたのでありまするが、その際に御子息の談話を承りまして、うちの母は、ドライブインで飲酒をした運転手がセンターラインをオーバーして正面衝突をしたというお話で、このことをせんだって本委員会で私は申し上げたのでありますが、その後警察庁のお調べによりますと、右の加害者である運転手は、ドライブインにあらずして宇都宮市の中戸祭にありまする大衆食堂「神の家」というところで飲酒して、その後約七キロ走ったところで戸叶議員の乗っていた自動車にセンターラインをオーバーして正面衝突をしたのであります。  そこでこの飲食店「神の家」というのは、道路沿いの民家と並んで所在をして、店舗前には普通乗用車一、二台を置けるスペースがあって、普通ここで自動車の運転手が飲み食いをしておる大衆食堂だそうでありますが、こうした国道筋の各食堂あるいは一ぱい飲み屋、酒店というようなところには自動車の二、三台くらいの置き場、いわゆる駐車場があって、そこに貨物自動車の運転手、そのほかの自動車が駐車しておりまして、大体酒店と書いてある看板があるならば、そこで酒を飲んでいるくらいのことは大体推定ができるのでありまするが、そういう場合において、一体取り締まりというのは従来どうなっておるのであるかということであります。私の判断では、国道沿いあるいはドライブウエーのいわゆるドライブイン、モーテル、軽食堂、一ぱい飲み屋といったところでの運転手の飲酒に関する取り締まりについては、乗客は別といたしまして、運転手に対する取り締まりということについては、大体において——板川議員の質問をずっと私も聞いておりましたのですが、ほとんど放任状態、もう全然取り締まりをしてないのじゃないか、かりにいたしましてもある程度形式的に、道交法六十五条にめいてい運転してはならないというような規定がありますので、それに基づいて一応形式的な取り締まり、指導的な取り締まりをやっているにすぎないかも存じませんけれども、通達に基づく紙の上のデスクプランの取り締まりはしておるかもしれませんが、実際保健所の指導員なり白バイ等の警察官が現実に全然取り締まりをしてないと私は推定しておるのでありますが、その辺いかがなものでございましょうか。  せんだって私からも資料を要求いたしまして、その資料を拝見したのでありまするが、資料の中には現実にこういう取り締まりをした件数がこうなっておりますということは全然ないわけなんでありますが、これはほんとうに現実に取り締まりをしておるのかいないのか、その点率直にはっきりお答えを願いたいと思うのです。これはまず警察庁、その次は飲酒の関係につきましては厚生省関係からお答え願いたい。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 田中先生の御質問の中に取り締まりというおことばでしたが、取り締まりは、直ちに飲食店に警察官が入って取り締まるという根拠法規はございませんので、取り締まりということではなくて、おそらく先生の言われる意味は防犯的な、防犯活動だと思います。ドライバーには酒は飲ませるなよという意味の防犯活動だと思いますけれども、そのことにつきましては方法がいろいろあると思いますけれども、先ほど来からお話ししておりますように、ポスターを張るとか、それからそういう飲食店の組合を集めて、組合を通じてドライバーには酒は飲ませるなよ、それからドライブインだけの明確なところではそういう業者を集めてそういう広報活動もやっておるわけでございますが、具体的に警察官が前に車がとまっているから入って飲ませるなよというようなことは率直に申しましてやっていないと思います。しかし、だんだん防犯活動という観点から方法論はいろいろあると思いますので、御意見も含めまして防犯活動という観点から、いろいろ強化をしてまいりたいと思います。

野津聖厚生省環境衛生局食品衛生課長

○野津説明員 先ほど来申し上げておりますように、現在食品衛生監視員というものが保健所あるいは都道府県におりまして、これが食品衛生法に基づきまして立ち入り検査あるいは指導というものを行なっているわけでございますが、主目的といたしますのが、食中毒の予防なりあるいは不衛生な食品の提供が行なわれないようにするという点が主体になっておりますので、そういう形での取り締まりあるいは監視ということは行なわれているわけでございますけれども、そこで運転者に飲酒をさせるとかさせないとかというふうな面につきましての指導は、現在行なわれていないわけでございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 私はいまの交通取り締まりの上から申しましてドライブインに白バイが乗り込んでいって、そうして「何ごとぞ花見る人の長刀」で、せっかく楽んで飲食をしているところへ制服の巡査が乗り込んでいって、取り締まりをしろというようなやぼったいことを申し上げているのではないのでありまして、たとえばお酒を販売している酒屋の前にトラックが数台とまっている。そうした場合においては、その店に入る必要はないけれども、かりに、しばらく待っておって、その運転手が出てきたときに、「君、どうだ酒飲んだか」と言うぐらいのことは、一応職務質問程度のことはしても、決してこれは職務権限の違反にならないと思うのですね。そのくらいの熱意はあってしかるべきじゃないかと思うのです。  それからこのことにつきまして、一体国家公安委員会と厚生省の関係の局、課などと、めいてい運転防止、飲酒運転防止のための会議等を特別にやり、それによって何か対策を練って、特に地方の衛生部あるいはまた県の公案委員会あるいはまたそれによって県の衛生部から、今度は各地の保健所あるいは警察署、それからそれによってさらに、ドライブイン等に何か、そうした通達でも流したことがあるかどうかということをこの前もお聞きしたのでありますが、どうもそのこともないようでありまするが、一体こうしたことはいまお話を聞きますと、警察はポスターを張ったりなんかして、一生懸命やっておる。それからまためいてい運転に対しましては、交通安全協会もやる、それからまたドライブインに対しましては、食品監視員が出て、ドライブインの指導をやっていると言っておりますが、これはてんでんばらばらにやっているだけであって、両方で一つの共通な目的に向って、連絡、協定をやっているのではないのであって、ただ、各自がてんでんばらばらにやっているように、私は思うのでありまするが、何かそういう中央において、地方において、そうした協議会を持ち、会議を開いたような実例がありますでしょうかどうでしょうか、ひとつそのほうからお聞きしてみたいと思います。

宮崎清文内閣総理大臣官房陸上交通安全調査室長

○宮崎(清)政府委員 ドライブインにおきます酒類の提供をなるべくさせないという行政指導につきましては、これはその実効性の問題は若干ございますが、従来から政府としては方針として打ち出しております。その一つの具体的なあらわれは、先ほど板川先生の御質問に交通局長がお答えいたしましたように、春秋行ないます全国の交通安全運動旬間でございますが、この重点項目の一つに飲酒運転の追放というものを取り上げまして、これは関係各省庁全部集まってきめておりますので、一応政府としてはそういう方針としてはきめている。これは具体的には関係各省庁及びその外郭団体等を通じましてあるいは都道府県、市町村等の地方公共団体に流しまして、少なくともその運動旬間中は、特に重点的に飲酒運転の追放を行なうことをきめているわけでございます。ただ、その具体的な個々の方策につきまして、警察庁なり厚生省なりとその点だけについて特に協議したということはございませんが、そういう一般方針はきめておりますので、関係各省庁は、その方針に従いましてそれぞれ飲酒運転の追放、特にドライブイン等におきます酒類の提供を行政指導でやめさせるということについて、実施をいたしていくことになっておるわけでございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 私が先般質問しましてから一週間後に、ちょうど私の自宅は三田小山町という大蔵省の専売病院の前にございますが、朝六時にけたたましいサイレンが鳴り響きますので、すわ何事が起こったのかと思って飛び起きましたところが、約五メートル斜め手前におきまして、自動車が三、四台折り重なってまるでくず鉄のようになっておりまして、その一台の中には、四人の若人が血まみれになっておりました。一人の若人は、ガードレールとドアのガラスの間に首がはさまりましてどうしても抜けない。われわれも出まして、約一時間半血みどろになってその青年を助け出してすぐ病院にかつぎ込んだのでありますが、これはだめでありました。行ってぱっとのぞいた瞬間に気がつきましたのは、車内に満ちたアルコールのにおいです。これは三台とも全部アルコールのにおいがする。めいてい運転であることはもうはっきりしている。午前六時でありますから、横浜かどっかの飲み屋で飲んで車を運転してきて、やや細い道において最初の車がガードレールにちょっと触れて、触れた瞬間にその車が百八十度転回した、その瞬間に次の車が百八十度転回し、三台全部がぶつかった、こういうことであります。  私はけさの新聞で、東名高速道路の一部が開通いたしまして、すでに八名もの重軽傷者が初日に続出したという記事を拝見したのでありますが、陽気もよくなりますし、もしこれからどしどし繰り出すといたしましたならば、かりに東名高速道路であらずしても、ちょっと酒を飲んで運転した場合におきまして、これが非常に重大なるハンドルの誤りではなくとも、ガードレールにちょっと触れただけで——自動車というのは、相当スピードが出ておった場合におきましては、必ず百八十度くるくるっと転回するわけであります。転回した瞬間に次の自動車がぶつかる、その車がまた百八十度転回して、転回しながら向こう側へ飛んでいくのであります。次々にそういうことが起こりましたならば、たいへんな二重衝突、三重衝突、四重衝突です。これは最初の一台目の車が軽い飲酒をして、その飲酒の関係で軽くガードレールに触れただけで——自動車というものは、ちょっと触れただけで百八十度何回もくるくるっと転回するのです。これがいままでの事故の一つのもとになっておりますが、それによってとうとい人命が損傷を受け、また他の自動車が損傷を受けるわけであります。  こういうことから見ますと、先ほど板川委員が質問し、また要望されましたように、飲酒運転の呼気の係数のとり方をもう少しシビアーにしても差しつかえないのではないかと私は思います。現在のあの程度の係数では少し寛大ではないかという気がいたします。ことに最近は、自動車の数が非常に多くなってまいり、高速道路もできまして、相当のスピードで走っている場合におきましては、もしこれが道路の端に車輪が触れ、あるいはガードレールにちょっと触れただけで、もう車というものはどうにもならぬことになるわけであります。ことにスリップしたならば、いかなるハンドルに対して自信がある運転者でも、物理的にどうすることもできない状況に自動車がなってしまうわけであります。そういうことを考えますと、現在のめいてい運転あるいはめいてい運転の場合の酒の飲み方の係数というか呼気の係数なども、もう少し厳重にしたらどうかという板川委員の御質問に対しては、われわれも全く同感でございます。これについてどうするかということについて、もう一度はっきりしたお答えを願っておきたいと思うのであります。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 飲酒運転による事故の重大なことは当然でありまして、私どもも、そのために飲酒運転の取り締まりを本年度の最重点ということでやっておるわけでございますが、お話しのありましたように、やがてゴールデンウイークもやってまいりますけれども、ゴールデンウイークには酒酔い運転の取り締まりを重点にやるように指示しておるわけであります。そういうことで、酒酔い運転の取り締まりについては、あらゆる機会に、限られた警察力ではございますけれども、せっかく努力してまいりたいと思います。この基準の問題でありますけれども、先ほど板川先生の御質問にもお答えしたのでありますけれども、私どものほうも、基準をもう少し下げたらどうかということで、下げるにつきましても、もう少し合理的な実験データがほしいということでいま検討させております。  それから、かりに下げた場合に、呼気の検出方法については現在の検出器では不可能でございまして、開発をしてもらうように業界にも頼んでございますけれども、なかなかむずかしい。世界的にも呼気でやることはむずかしいということでございます。ただしかし、取り締まりをやっている間に、必ずしも御承知のような基準以上に達しておっただけでは直ちに罰則はかかりません。取り締まっているものの半分くらいは基準量に達しており、あとの半分くらいは基準量に達しなくても、その場で、酒を飲めばあぶないですよということでやっておりますから、指導面では十分効果を発揮しておることになります。それから警察官にとめて調べられれば一ぺんに酔いがさめてしまうということもございまして、取り締まりを強化していくことが指導の面にも十分役立つと思います。全部ひっかからぬでも指導面で十分役に立つと思いますので、お説の基準の引き上げの問題につきましてはもう少し検討させてただきたいと思いますが、そういう取り締まりを強化していく段階でいろいろ指導面について十分力を入れてまいりたいというふうに考えております。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 いただきました資料を拝見しますと、たとえば、東京から大阪までドライブインが百九十七ございますが、その中で酒を提供しているドライブインが百九十二、酒を提供せざるものが五で、合計百九十七であります。それからモーテルでは酒を提供しているのが五十六で、提供してないのが八です。また、東京から青森までは、ドライブインで酒を提供しているのが二百五十五、酒を提供してないものが十七で、二百七十二の中で酒を提供しているドライブインは二百五十五というように、ほとんど全部が酒を提供しておるわけでありまして、酒を提供しなければ経営が成り立たぬのではないかと思っております。私はドライブインで酒を提供することがいけないとは言っていないのでありますが、理想としては、ドライブインというのは名前のごとくにドライブインでありますから、運転者あるいは乗客を相手にするのでありますから、少なくとも自動車に関係しておりますから、できれば酒は提供しないほうが理想と思います。しかしながら酒を提供しないということは、実際問題としてはむずかしい問題ではないかと思うのであります。そこで、このむずかしい問題を処理する場合において酒の提供を合理的に制限をしていったらどうか、こういうむずかしい問題に取り締まり当局、衛生関係もぶつかるわけなんです。そこで、私どもは、先ほど板川委員からもいろいろお話がございましたが、たとえば、ドライブインの許可の場合に、許可の条件か何かにそういうことを入れたらどうかという質問に対して、食品衛生法では、設備であるとか、衛生であるとか、そういう方面だけの取り締まり権限しかなくて、酒を提供しちゃいかぬというようなのは、おそらく条件にはつけることができないんだというお答えであると思ったのですが、しかしこれは知事が認可するわけですね。そこで、知事が認可するときに、これをたとえば公安委員会に合議する。その場所がたとえば非常に交通上支障を来たすような場合においては、これは公安委員会にも合議するし、あるいは建築のほうにも合議しましょう。合議というような行政措置によって、あるいは私は、許可の際に、警察のほうで、これはどうもあぶないから、こういうところでは酒を売らせぬようにしたらどうかという場合に、そのことを許可の条件にもしつけることができなければ、業者のほうに別途口頭によって示達するとかなんとか、何かそういった方法があるんじゃないか、こう思うわけです。  それからもう一つは、警察署長の名前で、ドライブインの中に、運転者の諸君、あなたの生命が危険であり、乗客の生命が危険であるから、飲酒はやめましょうというぐらいの宣伝ポスターぐらいは出したって、壁新聞を出すという話もありますが、署長名でそれぐらいのことは出したところで、決して臨検にはならぬと思うのですね。運転者の諸君、生命をお互いに守りましょう、だから飲酒はお互いにひとつ注意しようじゃありませんか、そのぐらいのことは警察署長としてもやっても差しつかえないんじゃないでしょうか。たとえばいろいろなところに、こういうところは火気はあぶないから、防火上注意してくださいという消防署長の指示があるわけですから、それと同じような立場において、生命尊重の意味から、私は、警察署長の名前において、あるいは保健所長の名前において、その程度のものぐらいは掲示しても、何ら憲法違反にならぬ、こう思うのですが、いかがでしょうか。ひとつ警察と厚生省からお答え願いたいと思います。どうでしょうか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 お説のような方法も確かにあると思います。従来、大体私どもやる場合には、交通安全協会と警察署長の連名で出しております。そういうことで、さらに、それでは交通安全協会なんか入れなくて、警察署長、という御意見もあろうかと思いますが、方法論につきましては検討さしていただきたいと思いますけれども、御趣旨のように、ドライバーに注意を換起していくということについては、さらに徹底していきたいと思います。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 それから、箱根、東海道通いのトンボ返りの長距離運転の貨物自動車の業者が、お互いに連絡をとり、協調いたしまして、貨物自動車の運転者の飲酒をお互いに自主的にひとつ監視しようではないかというので、かつてそういう組合をつくって監視員を出しているような事実も私、聞いておるんですが、こういうような制度は私は非常にいいと思うので、できれば業者自体——オーナードライバーまではなかなかむずかしいと思いますが、少なくとも運送業者あるいは貨物自動車の業者等は、自主的にひとつそういう監視制度をつくってみたらどうかと思うのですが、そういう点につきましては、これは運輸省関係になるかもしれませんが、御計画とかそういうものは別にありませんでしょうか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 お説のようなことは私も聞いておりまして、確かにいろいろな団体で自主的に飲酒運転を控えていくという施策は、あらゆる施策を私は講じていくべきだと思いますので、私どももそういう関係団体との打ち合わせ会もしばしば持っておりますので、そういう方法も紹介しながら、自主的な飲酒運転の規制ということにつとめてまいりたいと思います。幸い今度、春の交通安全運動に飲酒運転を最重点に掲げておりますので、そういった御指摘のような方法も参考にいたしまして指導してまいりたいと思います。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 最後に、先ほど板川議員のほうから、厚生省設置法によって国民生活の保護という規定があるじゃないか、こういう国民生活の保護という立場から、保健所系統のいわゆる飲食店の取り締まりというものは、単に設備とか中毒とか、そういうようなこと以外に、もう少しドライブインの酒類販売の取り締まりというようなところまで拡張してやっていただけないかという非常によいサゼスチョンがあったのですが、私も全く同感です。すべて社会というものは法が動かしていくわけですから、現実の生きた社会において、やはり法というものは、食品衛生法は単に中毒だとか厨房の設備だとか、そんなことじゃなくして、大事なのは生命で、生命保護の上から食品衛生法というものは成立しているわけですから、めいてい運転なんかも、ひとつ警察庁と十分連絡をおとりになり、国家公安委員長と連絡をとって、何らかの協力をするという体制をとって、そして許可条件にもそういうことをうたっておくというようなことをぜひお願いしておきたい、こう思っております。  私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。

門司亮民主社会党

○門司委員長 丹羽久章君。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 委員長にお許しを得ましたので、ごく簡単に二、三点お尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に、総理府が中心になっていただきまして、そして警察庁あるいは建設省、あるいは運輸省等と御協力いただいて、人命の尊重という意味で交通安全対策に対する相当の予算をいただき、そのうち特にガードレールあるいは歩道橋というものが多数設置せられたことは、非常に私ども喜んでおるわけでありまするが、歩道橋をつくっていただきながらも、歩道橋を利用せずして、交通整理員と申しますのか、それが立って、歩道橋のそばで、しかもお通りなさいと言って通しておるというような状況があちらこちらで見られるのです。これでは一体何のために歩道橋をつくったか。子供の登校時間になりますると、歩道橋を渡らずして、その下を渡らせる、近いから渡らせるというような状況です。私が休んでいるうちにどなたかが質問せられたか知りませんので、重複するか知りませんけれども、これについては、そのようなものができれば、歩道橋のあるところは必ず歩道橋を渡りなさいということが最も必要なことでないか、そういう意味で、われわれが苦心に苦心をし、そして予算をいただき、あなた方も御苦労していただいてでかしていただき、そのでかす場所も相当研究してつくっていただいた。それについて建設省あるいは警察庁はどういうお考えを持っていらっしゃるか。この歩道橋を渡れというような法的な措置をとるようなお考えを持っていらっしゃるかどうか、それともそれはやむを得ないことだ、歩道橋はできたけれども、渡りたかったら歩道橋を渡っていけ、そうでなかったら下を走れ、そんなものではない、そういうところに事故が発生するもとだ、私はこう思うのですが、この点ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 お説のような事例があるということはまことに好ましくないわけでございまして、歩道橋ができた場合に、その周辺きわめて近いところにあります横断歩道は廃止するという基本方針でございまして、間々付近の住民から歩道橋を取りつける条件に、横断歩道を廃止しないでくれというような意見もつけて歩道橋の設置の承諾を得たという事例もあるようですが、私どもの指導といたしましては、もう歩道橋ができれば横断歩道を廃止する、したがって横断歩道でないところを渡るということはこれはいけないことでございますから、それを交通指導員が整理しているということになりますと、もってのほかだと思います。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 横断歩道橋があって、横断する個所は取りやめられちゃった。しかし前にあったからということで、横断場所でない、全然関係のないところ、そこで補導員が出て朝そういう整理をするというようなことがあれば、これは私は何のためにつくった歩道橋だか意味がわからない。それはひとつ局長厳重にあなたの管轄だったら、断じてそういうことをさせないというような通達を出していただけませんか。それは何か通達を出すと、法令違反だとか憲法違反だとかなんとかになるのでしょうか、その点どうでしょうか。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 法令違反にはなりません。要するに横断歩道を、従来公安委員会が設置しておったわけですね。横断歩道を渡っていくのが非常に危険だ、平面交差しておりますから。それで歩道橋にしたわけですから、歩道橋をつけたら、その付近にあった横断歩道は廃止するというのがたてまえでございまして、かりにそういう状況があるといたしますれば具体的な場所をお教えを願いまして、私どものほうから調査の上処置をいたしたいと思います。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 具体的な事例をあげろということになると、いささかいろいろと問題がありますから申しませんが、全国的にそういう傾向がありますよ。だから一応全国的に御調査をひとつしていただきたいと思うのです。歩道橋をつくったところは歩道橋を利用する、かつどんな程度であるか。そして下を通る、横を通る人はどんなふうであるかということを一ぺんお調べになりますと、大体おわかりなるだろうと思います。それによって指導していただきたいと思います。  それからきょうは運輸省は局長が内閣委員会のほうに出ていらっしゃるそうですから、課長が都合して御出席になりましたのでちょっとお尋ねいたしますが、かねてこれは私が何度も何度も交通対策委員会でお願いというのか、構造改良をしてもらいたいといって局長さんにも話したときには、局長はそれは非常にいいことであるように思うから十分な研究をするということを——整備部長は、そのときはできませんという答弁をしたけれども、あとで私が本省に行って話したところが言い直して、研究してみようということだった。私はうしろにストップライトがつくならば前にもストップライトをつけなさい、そうすると手をあげて渡るときにストップとなれば、みずからを認識してくれたんだなということによって、ある程度安心して渡れるんだという、こういう前提のもとに前にもストップライトをつけろ、こういうことを言ったんです。その自動車の構造にたいへんな金がかかるとか、あるいはその自動車自体に対していろいろの面に非常な支障があるとかというもので私はないと思っている。なぜならば、私自身も自動車の免許証を三十年近く持っておるのであるから、大体わかるのです。そこで、私は東京のタクシーに乗って、六十台の運転手に前にこういうものをつけたらどうだと言って聞いたら、そのうちでそれはいいことですよと言って賛成してくれたのは、五十七人まで賛成しているんです。いいですか。もしあなたが運輸省の課長さんならば、私は申し上げておく。それがその後名古屋で中日新聞にも出ていたが私と同じ考えのことをやって非常に好感を持たれて、どうぞお通りくださいというのをつけて、そしてストップをする、そうすると安心して通っていったというのが新聞に出されて、非常にいいことだというような報道がせられている。私は自信を持ってこれはいいことだと思って、あなたのほうの整備部長さんに申し上げたことがある。これは個人のパテントをとるとかあるいは利益のためにやるんでなくて、国の施策の一つとして、もし私の言ったことがあまりよくなくて、もっといいことがあるんだというんだったら、それをひとつ考えて、歩行者が安心して渡れる自動車の構造を考えてくれということを何度も言ってはあるはずです。いまだに何の返事もなければ何の答えもない。研究しておりますと言うが、お役人というものはいつまででもそういうふうな考え方を持たれ、そしてわれわれが質問をして、こういうことはどうですかと言ったことが、どういう点が悪いからこれはもう絶対にできない、どういうところに支障があるからそういうことはだめだというような確答をしてもらえれば、私は納得ができるのです。いいですか。ひとつその点、あなたに聞いてみても初めての話だから答弁はおそらくできないと思いますから、お帰りになったら局長と整備部長さんに、異動でかわっていらっしゃらなかったらひとつ十分に話をして結論を出してください。私はタクシーに乗って、わざわざ六十人近い人に聞いたらみんな賛成だと言っている。うそだと思ったら、課長さん、きょうタクシー拾って乗ってみて、そして町を歩いてみて、そういうものをつけたらどうだ、どう思うと言って運転手に聞いてみなさい、それはいいことですよと言ってくれると思う。そんなものをつけたらたいへんですよとはおそらく言わないと思う。だからお帰りになったら、そういう点をひとつよく局長ともう一ぺん相談してもらいたいと思うんですね。  それからこれは警察庁の交通局長さんにお尋ねするんだが、ほんとうを言うとこれは検察庁の問題だと思いますけれども、これは道交法に関係しておることですからお尋ねするんです。岐阜県の金野判事ですか、この人は事故を起こしても警察に報告する必要はないという判決をした。しかもそれは違憲行為だ、憲法違反だ、警察に届け出ることは憲法違反だということを言っている。最高裁ではそうでなくて、これは当然届け出なければいけないという判例を出しておるにもかかわらず、そういうことを私はこれは絶対にそうでないと思うんだ、こういう判決で無罪にしている。検察庁ではこれを不服として、一応高裁へ上告したということになっておるわけなんですが、このときに少なくとも日本の道交法の総元締めである鈴木局長は、この新聞を見られたか見られなかったか知りませんが、交通局長はどうして声明をせられなかったか。いままでこれがために懲役になった人もあるし、届け出なかったからといって処分を受け前科になった人がずいぶんある。こういうような一審によってすべてがきまるわけのものではないけれども、そういうような判例を下したときに、直ちにあなたの立場として声明すべきであると私は思うが、そのときの声明は、岐阜県の一警察署長が、全く遺憾なことである、大きな間違いであるといって声明をしておる。岐阜県の警察署長だったか交通課長だったかがそういう声明をしたにすぎない。これは日本の重大な問題である。そうすると国民はどう考えるか。前の判決がどうあろうとも、そのようなものは届け出なくたっていいんだ。憲法違反だなんていうことを平然として言って、これはいよいよ訴追委員会へ請求せられてきましたので、中村梅吉委員長が取り上げられて、その結果によっては弾効裁判所に送られて、そして金野判事が罷免せられるかどうなるかこれは別ですけれども、この時点において、こういう判決を一審で出したときに、あなたはどんな気持ちでこの新聞を読まれたか。これをひとつ鈴木局長にお尋ねいたしたい、こう思うのです。

鈴木光一警察庁交通局長

○鈴木(光)政府委員 御指摘の判決につきましては、私も聞きまして、まことに意外に思いまして、まことに意外に思いまして驚いたわけですが、実はあの判決に関連して、御承知と思いますけれども、現在の道交法に規定しておりますような、事故を届け出ることにつきましては、違憲でないという三十七年ごろの最高裁の判決があるわけでございます。そういうこともありますので、私どものほうとしてはまことに意外に思ったわけですが、判決は判決をもって争っていくということが筋だと思いますので、せっかく現地の警察署にも控訴しなさい、これは検察庁と打ち合わせしてのことでございますが、そういう指導をしたわけでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 これは現地の署長にそういう訓令を出された、そして検察庁もそれを了として高裁へ控訴したということなんですけれども、こういうようなことが憲法違反である、しかも届け出なくたって差しつかえないなんていうような一審の言い方は——少なくともいままでやってこられたことは、道交法違反というものは当然処罰を受けるものであるとわれわれは考えておったに、憲法違反だなんていうことを一審で平然と言っている。それを一署長が遺憾であるなんて言うようなことよりも、私はそういう場合にやはり日本の交通取り締まりの大責任者である鈴木局長の声明を出してもらいたい。そして三十七年の最高裁で合憲であるとちゃんと判例が出ておる。そういうことは一地方の問題でないのですよ。この新聞は相当大きい新聞であるから全国にばらまかれているのに、一警察署長だって日本の交通取り締まりの総責任者である鈴木局長の言明でも同じことだというような考え方ではないと私は思う。だからもし局長でなかったら警察庁の長官なりが、そういうことを取り締まる上において何らかの声明をしてもらいたかったと私は思う。これは見解の相違かもしれません。そのときにどうして鈴木局長が堂々と、こんな判決を下すことは最も不当だと私は思うというくらいなことを言わなかったかとさみしさを感じたから、ちょっとそれをきょう申し上げたわけです。これは別にあなたにこれ以上とやかく言おうと思っておりません。  そこでもう一点お尋ねいたしたいと思う点は、酒を飲んで運転をして事故が発生した。そのときに、すぐ連絡をし、すぐ行きますよといって警察は受けてくれても、都合が悪くてすぐ来れない。そして酒を飲んでいるのを警察へ連れていったときには相当の時間がたっておった。そうすると、今度風船を吹かしたときにはもう酒の酔いはほとんど抜けてしまっているという事態がある。片方は事故を起こしたときには酒を飲んでおったじゃないかといたって、風船を吹くときには酒の量というものは出てこない。そうすると警察は、これは酒の量は一定の量よりも少ないから、飲んでおったかしらぬけれども処罰の対象にはならないということで、やったときの時点といよいよそれを裁定してもらうときの時点というこの時の間隔というものを考えてみると、もう少し機敏な動き方をしなければいかぬが、これは全国的な問題だと思うが、これに対して局長はひとつ研究してもらいたいと思うのです。そういうときには何をおいても酒を飲んだ事故に対しては最優先的に現場にかけつけてみて、そうして処置をとるということをひとつ考えていただきたい。  それからもう一点は、もう答弁は要りません。時間もだいぶおそくなってきているので、私がこういう質問をいつまでもしておっては御迷惑ですからもうおきますが、自動車が衝突をした場合に、ばんと衝突したら現状保存だといって車をそのままにしておかれる。そうすると国道なんかでは、それがために何百台の車がだだあっと並ばなければならぬような事態がある。だからそれは写真なら写真をとって、その車を直ちに両脇へ片づけるなら片づけさせる。そうして交通の円滑化をはかるというような処置をとるべきであると私は考えるが、この点もひとつ御研究を十分にしていただきたい。これで終わりますから、どうぞひとつその点を御研究して、次回にまたゆっくりいろいろあなたの御意見を聞きたいと思います。

門司亮民主社会党

○門司委員長 次回は公報をもって御通知することといたしまして、本日はこれで散会いたします。    午後零時五十八分散会

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