交通安全対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/04/23
会議録
○門司委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がございますので、順次これを許します。太田一夫君。
○太田委員 私はきょうは、先回制定されましたダンプ規制法、これに対する問題と、それからまた、先国会以来継続審査対象と相なっておりますむち打ち症に関する問題、この二つを焦点といたしましてお尋ねをいたしたいと思います。 一番最初には、むち打ち症のほうから入っていきたいと思います。これは総理府にお尋ねをいたしますが、追突による事故の死傷者というものは、何かはっきりした数がわかっておるでしょうか。死傷者、特に負傷者——死んだほうは出ておると思いますけれども、負傷者の数というものが記録がありましたら、お答えをいただきたいと思います。
○鈴木(光)政府委員 追突事故につきましては、四十二年度で、正確な数字をいま出しますけれども、大体約十万件弱でございます。
○太田委員 四十二年度一年間に十万件弱、約六十万の負傷者といたしまして「六%くらいですね。全体でそれくらいである。ところが、これはある「つの六百台ほどのトラックを持っておる会社の統計でありますが、昨年六カ月間、ある期間こまかく調べた。百三十六件の事故が起きまして、その中で追突事故というのは六十件、五〇%出ております。その次に多いのが接触事故、二〇%の二十八件、次が衝突二十三件、人身事故九件、その他十六件ということに相なっておる。追突が六十件もあったということは、半年間の六十件は総事故件数の五〇%でありますが、それがどういうところで起きたかを見ると、直線で二十五件、それから交差点が二十二件、カーブで七件、その他六件となっておるわけです。どういうわけかと調べてみると、前方不注意が二十八件、車間距離の不適正が十七件、運転未熟が五件、わき見三件、スピードオーバー三件、その他四件と相なっております。これは実際に六百台も持っておる大きいトラック会社の統計でございますから、想像でも何でもないわけで、こういう点から考えてみますると、かなり追突事故というものは多いと見なければなりません。警察庁のほうからお答えがありました。これも一つの参考の資料と思って、十万件くらいであろうということですけれども、十万件といたしましても、たいへんな数だと思う。そういう統計は、総理府のこの間の統計資料の中には、宮崎さん、出ておりませんね、四十二年の末に出ましたあの白書の中には。あのどこかにあるでしょうか。
○宮崎(清)政府委員 御指摘の追突事故につきましては、最近いわゆるむち打ち症との関連で非常に大きな問題になっておりますので、昨年十月に警察庁が特に集計いたしましたので、実は安全白書の編集時期にはまだ間に合っておりませんでしたので、白書には記載いたしておりません。
○太田委員 私はむち打ち症の対策を考えます場合には、事故件数から出していかなければいかぬと思いますので、あまり少なければそう問題にすることはない、多いとするならば、今国会に至りましていまだにむち打ち症対策なるものが政府のほうからも御提案がなければ、厚生省の予算さえもどうもあまりはっきりしておらない。私はむち打ち症が忘れられておるじゃないか、対策が忘れられておるじゃなかろうかと思うのですが、総理府としていかがでしょうか。
○宮崎(清)政府委員 いわゆるむち打ち症につきましては、従来からもあったわけでございますが、先生御承知のように、特に大きな社会問題となってまいりましたのは昨年の下半期でございます。そこで政府は何をしていたかというおしかりでございますが、政府もいろいろこの対策につきましては、関係省庁集まりまして打ち合わせをいたしまして、これは公に外には出しておりませんが、昨年末に一応の政府部内の意見の取りまとめをいたしております。公にいたさなかったのは、交通対策本部決定というような形ではいたしておりませんが、政府部内では一応の取りまとめをいたしております。 〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕 中身を簡単に申し上げますと、これは当然のことでございすが、大体四つの柱を立てまして、第一の柱は、何と申しましても、いわゆるむち打ち症が起こりますのは、大部分は自動車の追突事故が原因なのでございまして、その追突事故の防止についていろいろな対策を考えよう。 それから第二は、不幸にしてむち打ち症にかかった場合にその医療関係、これが若干十分でない点もございますようで、そのいわゆるむち打ち症に関します救急医療体制をさらに整備してまいろう。 それから第三は、同じく不幸にしていわゆるむち打ち症になりました患者の賠償関係、特にこれは労災補償の問題でございますとか、あるいは自賠責の後遺症の問題がございますので、これらの点につきまして、足りないところをすみやかに改善する。 最後に、いわゆるむち打ち症につきましては、医学的にもまだ十分解明されていない点がございますので、これらの研究を推進してまいろう。 大体この四つの点につきまして、政府の今後とるべき対策について取りまとめをいたした次第でございます。 なお、予算につきましては、御指摘のように必ずしも十分とは申せませんが、一般的に申しまして、いわゆるむち打ち症対策を含めた救急医療体制の整備につきましては、昨年度に引き続きまして四十三年度におきましても約三億九千万でございますか、予算を計上しておりますし、特にむち打ち症関係につきましては、労働省関係におきまして四千万の予算をもちまして、主として労災補償の適用を合理化すると申しますか、適正ならしめるための調査研究を行なう。それから厚生省関係でも一部いわゆるむち打ち症対策の予算を実施の段階において計上いたす予定になっております。
○太田委員 それではもう一つ聞きますが、これは総理府の人の御認識を承りたいと思いますが、車対車の事故というのは追突がその中で相当多いと思うのです。車対車の事故の中に占める追突事故の割合というものはどのくらいあると御想像なさっていらっしゃいますか。
○鈴木(光)政府委員 四十二年の統計を申し上げますと、先ほど追突事故十万件弱と申し上げましたが、正確な数字を申し上げますと、九万八千二百十九件、ただいまお尋ねの車両相互の事故が非常に最近ふえてまいりまして、車両相互の事故を調べたわけでございますけれども、全事故が四十二年は御承知のように五十二万「千四百八十一件ございますが、そのうちで車両相互の事故が三十二万九千五百八件でございまして、全事故の六三・七%に当たっております。 それで、この車両相互の事故の中に、衝突の形態がいろいろあるわけでございますが、四十一年について見ますると、出会いがしらの衝突というのが一番多うございまして、二二・九%が出会いがしら。それから追突が二一・二%、右折時の側面衝突というのが一七・四%という数字になっておりますが、四十二年に至りますと、が然追突が一番になりまして、先ほどの数字のうちの二九・八%が追突事故でございます。四十一年で首位を占めておりました出会いがしらの衝突は二一%、右折時の側面衝突が一五・二%ということでございまして、追突事故が非常にふえておるということが、この統計によっても言えると思うわけでございます。
○太田委員 まあ車対車の三分の一は追突事故だと見なければならぬ。したがって、追突事故の中から必ずむち打ち症が発生する。そのむち打ち症の発生というのは約十万件四十二年度にあったとすれば、四十三年度はさらに飛躍的にこれは拡大されるであろう。したがって、これは政府としては、少なくともむち打ち症対策については、あらゆる面において完全な対策を講じておかなければならない。今国会に提案される必要があるものがあるとするならば、これは提案されてしかるべきであった。それが出てこない。それじゃ現行の予算と現行の法規の中においてそれが完全になされておるのかどうか、これは疑わしいのでありまして、たとえば労災適用の適正化というような問題があるといたしましても、私はこの対策については非常に疑わしいものがあると思います。これは総理府いかがでございますか。むち打ち症対策というのは、何ら法案は御提案がありませんけれども、十分現状にこたえ得るところの対策は用意されておるというふうに理解をされていらっしゃるのでありましょうか。
○宮崎(清)政府委員 先ほども申し上げましたように、昨年末に関係各省が集まりまして今後の対策を協議したわけでございますが、その時点におきましては、ただいま先生が御指摘になりました労災補償の適用関係、これはその当時すでに労災補償関係は改正済みでございまして、自賠責の後遺症の等級の格づけに一つ問題が残っておりましたが、この点は本年の二月から、自賠責の後遺症の等級格づけを改正いたしまして、たしか九等級だったと思いますが、七十八万円程度の給付ができる等級を、いわゆるむち打ち症に関しまして新設いたしております。 それ以外の点につきましては、先ほどは柱だけを申し上げたわけでございますが、それぞれの柱の中身につきましては、現行法令の範囲内で、これは一応取り締まりなり行政指導なりを徹底すればやっていけるのではないかというのが当時の私たちの考え方でございます。
○太田委員 現行法令の中でやっていけたならば問題は起きません。いまのように自賠保険についても九等級にランクをしたということでありますけれども、そんななまぬるいことでいまのむち打ち症が解決されると思いません。 それじゃ運輸省にお尋ねをいたします。 自賠保険は欧米の十分の一というようなぐあいに、この保険の内容についても非常に低い低いといわれております。障害の頭打ち五十万でございますから、そういう点からも非常に安いといわれておるのでありますけれども、今度むち打ち症というものに焦点を当ててどう改正されたのでありますか。一度その内容を御発表いただきたいと思います。
○鈴木(珊)政府委員 御説明申し上げます。 むち打ち症につきましては、むち打ち症でも特に後遺障害を残すものと残さぬものとございます。そこで、最初の後遺障害を残すものにつきましては、先生も御承知のとおり、昨年の八月に自賠法の保険金額の引き上げをいたしました。これは、それまでは七万円から百五十万円でございましたのですけれども、十一万円から三百万円というふうに改正いたしました。なお、後遺症を伴わないむち打ち障害、これはいわゆる一般の障害でございます。これにつきましては、昨年実は障害一般といたしましては、五十万円の限度引き上げを見送りました。これにつきましては、今後障害の賠償額の実勢等を勘案いたしまして、それから死亡につきましても同じでございますけれども、全般的に検討いたしまして、その必要があれば引き上げのほうへ前進的に考慮いたしたいというふうに考えております。 それからなお、先ほど宮崎室長さんからも御説明がございましたけれども、先生、手ぬるいとおっしゃられましたけれども、後遺障害の等級表の別表を、これは本年の二月でございますけれども、改正いたしまして、中程度のものにつきまして金額を引き上げたという改正をいたしました。 以上が、むち打ち症に対します自賠法関係の現在まで措置し、また将来措置したいという意向でございます。 それからなお、つけ加えて申し上げますけれども、私どもの関係いたしております車両の安全関係におきまして、実はこれは先般、この委員会に私ども資料としてお配りいたしたのでございますけれども、むち打ち症対策の一つといたしまして、まだ実施しておりませんが、近く実施する予定でございますけれども、安全ベルトの備えつけの義務制、シートベルトでございますね、シートベルトの備えつけの義務制、それから安全まくらの備えつけの義務制、これを私どもの所管しておりまする道路運送車両法によります保安基準という省令がございますが、その中につけ加えるべく、いま準備しております。近くその省令を出す予定にしております。 以上、つけ加えて御説明いたします。
○太田委員 何等級と何等級にランクしてあるか、具体的に内容を言ってください。
○鈴木(珊)政府委員 後遺障害の等級表でございますか。——これは、昨年の八月までは三百万円の中に——第一級が三百万円でございますけれども、その中に「精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」、それから「半身不随となったもの」、これは昨年改正いたしまして三百万円にしたのでございます。それから昨年までございましたのは、下のほうの階級で、十二級の中に「局部に頑固な神経症状を残すもの」、これは三十一万円でございます。それから一番最後に、十四級で、「局部に神経症状を残すもの」、これは十一万円でございます。そうでございましたのを、この二月に改正いたしまして、第九級という項目の中に新たに二項目つけ加えまして、第九級と申ましすのは七十八万円でございますが、その中につけ加えましたのは、「精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」というものを入れました。それからもう一つは、「神経系統の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」というのを二つ加えまして、これを第九級の七十八万円の中へ新設したということでございます。
○太田委員 九級、七十八万円の適用例がございますか。
○鈴木(珊)政府委員 申しわけございませんが、資料がございませんので、いま説明できませんけれども、至急調べてきます。
○太田委員 それは七十八万円をつくったから、自賠保険の制度ではむち打ち症に対して理解が生じたということには相ならぬと思う。十一万円と三十一万円、七十八万円、これは非常に荒いですね。十四級、十二級から九級、これは各級もう少しきめこまかにランクする必要があるのじゃありませんか。七十八万円は出せないけれども、十一万円なら少ないという——私はその辺のところをもう少し本気になって、現代のむち打ち症はんらん時代に備えていただかなければ困る。こんな荒いあれじゃ困るじゃありませんか。なかなか七十八万円はもらえないと思うな。それをもう少し症状に応じてきめこまかにランクするということにもう少し御検討いただきたいと思いますが、お考えはいかがですか。
○鈴木(珊)政府委員 御指摘のとおりと思います。したがいまして、きめこまかい方法で今後さらに改善していきたいというふうに考えております。
○太田委員 それが先ほど宮崎さん、総理府のほうのおっしゃった患者と賠償問題についての改善しようとする内容になってくるわけでございますから、これはやろうという、そういうことをやりたいという意思だけあっても、具体策がなければたいへんです。一日もすみやかにこれは改めるところを改めてほしいと思います。法律的な措置の必要のないものは、すみやかにひとつそれを所管省の政令等改正によっておやりいただきたいと思います。 そこで、次に厚生省にお尋ねをいたしますが、厚生省のほうではこのむち打ち症に対しましてはどうなんですか。先ほど総理府からおっしゃったように、医療方法の充実あるいは医療方法の解明、研究、こういうようなことをおっしゃっていらっしゃるのですが、まだそんなむち打ち症対策、治療対策の入り口にしかいまないのですか、わが国の医療は。
○上村説明員 お答え申し上げます。 昨年の十二月十四日の本委員会でございましたか、医務局長から答弁申し上げましたように、いわゆるむち打ち障害というものは、学者の間では一つの症状の発生起点を示すものであって、患者によっていろんな症状があるんだというふうに御答弁申し上げたと記憶しております。ややふえんして申し上げますと、けがをしたときの衝撃のいかん、あるいは乗っているときの姿勢でありますとか、そういったいろんな要因でけがをする部位あるいは種類の程度が違っております。椎骨を損傷する人もあれば、血管なり神経なり筋肉を損傷する人もあれば、そういったものが組み合わせの形で起こるものもございますし、そういった身体的な所見が明らかでなく、患者の自覚症状だけが主体をなすようなものもあるわけでございます。私どもむち打ち症に対して医療面で取り組んでおりますのは、先ほど総理府からも申し上げましたように、救急医療対策の一環としてやってまいっておる。そしてその多くは現在の医療の技術でなおり得るものでございます。しかしその中にはまだわからないものもございますので、わからない部門については四十三年の予算をもちまして診断治療に関する研究を解明したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○太田委員 むち打ち症の問題が社会的に大問題になってからだいぶ時間がたっておるわけですが、近代医学の粋をもってしてもなおこれが不明解である。もう情けないじゃありませんか。治療のきめ手がなしなんということだったら、年に十万件も起きておるとするならば、いままで何十万という人たちがむち打ち症の恐怖のもとにさらされっぱなしになっておる。そういうことは少なくとも天下に冠たる日本の国の厚生省の医療対策としてはいささか問題じゃありませんか。どうして治療のきめ手がないのですか。いまのところはそれでは開業医の思うままの研究にまかしてあるのですか。
○上村説明員 むち打ち症的な症状を呈するもののすべてについて診断治療の方法がないというふうに申し上げているわけじゃございませんで、その多くのものは現在の医療の技術で解明し得る、治療し得るものである。しかしその中には外形的にわかりませんで、その本人が症状を訴えるものがある。そういうものはさらに究明をしなければ診断治療のきめ手が見つからない、こういうふうに申し上げたわけでございます。すべてがわからないということを申し上げたわけじゃございません。
○太田委員 しからば頭痛、しびれというものをしばしば訴える患者が多い、目まいを訴える患者が多いのでありますが、そういう交感神経を刺激して発生する症状に対しては、最高の治療方法というのは解明されておりますか。
○上村説明員 私医師でございませんので、その点わかりかねますが、いま私ども非常にわかりにくい分野と申しましたのは、頚椎なり何なりに異常があることが外見的にあるいは各種の診断機械を用いましてわかるもの、そういうものに対しては、ここに原因があるというふうなことが究明できる。しかしわからないものについては、つまり外部からなりあるいは機械を用いてもわからないものについては、どこに原因があってそういった症状を訴えるのかなかなかわからない、そういうふうに考えております。
○太田委員 さて、これはたいへんでございますね。それじゃむち打ち症なんというものの対策をこの国会に出して、これだけの予算がほしいの、こういう法律をつくるのなんということはできっこないわけですね。患者の訴えるのを聞いてみても、それはほんとうですか、あなた目まいするはずはありませんねなんという話をやっていたら、これはあなたとんち問答じゃありませんか。それから傷があるとか、確かにレントゲンで写しますと何か形の上にあらわれてくるものがあった場合にはわかるとして、神経糸のものは全然わからぬというふうなことになってしまいましたときには、一番大事なむち打ち症の中心が解明されないままにほってあるということになる。私は効果的な治療方法の研究ということはもうすでに終わって、一つの段階に来て、むち打ち症に対する治療方法に一つの定型化されたものがある、実はそう思いたいのですが、あなたは別に医師の診断、お医者さんの専門のことをお答えいただかなくてもいいんです。私も専門じゃありませんからね。けれども、そういうものはないのですか。定型化された治療方法というものはないのですか。
○上村説明員 先ほどから申し上げておりますように、傷害の程度によっていろいろありますが、一つの典型的な例について申し上げますと、三つくらいの段階に分かれるわけでございますが、一番最初に傷を受けました直後の、医学の上で新鮮期と申しておりますが、新鮮期の治療としては局所の出血なり浮腫それから断裂、切れるということでございますが、圧迫、そういったものの処置として、その部分の、局所の安静なりそれから免荷と申しまして重荷を免らしめるような措置、そういった措置が必要でございます。このためには局所に湿布をするなり弾性包帯で固定をするなり、カラーその他の装具を用いて固定をするなりというような方法、あるいは薬として消炎剤なり筋肉をゆるめる筋弛緩剤、そういったようなものを用いるようでございます。重い場合には入院させまして、あおむけになった姿勢で首の両側に砂袋を置きまして、頚部の運動の制限をはかる。これが新鮮期の治療方法の典型的な例だそうでございますが、二週間たってもまだ症状がよくならない、そういう場合には、炎症をとめる消炎剤でございますとか、筋弛緩剤なり血管を拡張する薬、ビタミン剤、そういったものの治療、それに加えまして電気療法なり温熱療法なりマッサージ、牽引といった理学的な療法も行なうというふうにいわれております。おおむねこういった典型的な例については二週間以内で治癒するものが最も多く、長いものでも三カ月以内、まれに一年以上かかるものもあるというふうにいわれております。
○太田委員 あなたは直接医療関係をやっていらっしゃらないとするならば、私もしいてお答えを求めたいとは思いませんけれども、きょうは委員長、そういうことに完全な責任ある答弁ができぬ人が厚生省から来ているというのはどういうわけです。
○大竹委員長代理 医務局長が参議院の社会労働委員会のほうへ出席しているのだそうであります。これはひとつ連絡とってみてくださいませんか。
○太田委員 だれかあなた以外の専門の人おりませんか。
○上村説明員 きょうは私一人だけです。
○太田委員 その勇気を多として進めましょう。 それでは、この辺のところは、ちょっと私独自の説でございますが、むち打ち症というものは不安感というものを除くということと、そういう対精神的な療法とあわせて物理学的には直後に安静にするということの二つの条件は絶対不可欠だと思うのです。湿布だとかなんとかいうことはどうでもいいけれども、安静にしない方は必ず二、三日していろいろな症状を訴える。安静にするということが第一であります。同時に精神も安静にさせなければなりませんから、健康上の自信を持たせて、いまのむち打ち症の対策は十分近代医学の粋を集めた治療方法がありますよということをちゃんとそういう方々には教えておかなければいかぬ。何となれば、イワシの頭も信心からでしょう。信心をさせておきなさい。イワシの頭でなおりますよ。こんなたとえ話はおかしいが、むち打ち症とはそういうものですよ。それをあなたのようなことでは困るのであって、一つの定型化されたものがある、ありますからこれをおやりなさい、じっとしていらっしゃい……。それからとにかくこのむち打ち症というものは首の骨が折れた場合は別として、健康上にも後遺症など起こるものではありませんよという精神に安心感を与えるということが大事だ。同時に、先ほど運輸省から御答弁がありましたが、すぐに自賠保険のほうでも相当額を出すということが必要です。労災保険のほうも思い切ったこの補償をするということが必要。生活と健康の不安を除く、将来に対する健康の不安、当面する生活の不安を除くということの対策が必要です。厚生省の上村課長さんお帰りになりましたら、ひとつ有名な園田大臣にも御進言をいただきまして、抜本的に革命的な総合的な対策を早急に確立されるように進言してください、私はそう思う。 そこで、もう一つあなたにお尋ねいたしますが、救急病院、さてだれがそういうことを言うかというと、お医者さんでないといかぬですね。いかに何といってもあなたではいかぬわけだ。お医者さん、ドクターでなければいけませんが、救急病院が非常に少ないですね。私ちょっと聞いてみたら全県下に公私合わせて二つというのがありますね。山形県二カ所しかない。鳥取県が七カ所、島根県が八カ所というので、一けたの病院しかないところが三県もある。五十カ所以内のところは二十一県もある。だから、半分の県が病院が五十カ所以内という少ない数しかない、そういう状態らしい。それでは救急車をつくっても運ぶところがない。むち打ち症になっても治療してもらえる病院がない。これでは困りますね。どういうことでしょうね。何か見通しありますか。
○上村説明員 いま御指摘を受けましたように、消防法に基づく告示で救急病院、診療所としておりますものの数が去年の暮れで三千六百五十三でありまして、その中にはこれまた御指摘をいただきました一つの県でまだ二カ所しか告示がされておらないようなものもあるわけでございます。 〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、昭和三十九年にこの告示病院の制度をつくりまして以来、私ども鋭意各地方庁の衛生担当部局を督励いたしまして救急告示病院の普及をはかってまいったわけでございます。現在は三千六百五十三でございますが、三十九年発足当時千百カ所程度であったことを考えますと、相当伸びてきておるんじゃないか。ただ、私ども、これだけで十分であるとは考えておりません。目標といたしましては、全国で約五千ぐらいの救急病院、診療所というものがなければならないのじゃないかと考えております。
○太田委員 総理府としてはどうでしょうね。救急病院の制度化を考えていかれる場合に、どのくらいあったほうがいいですか。当面どのくらいを目標とされますか。
○宮崎(清)政府委員 救急病院と申しますと、これは単に交通事故だけではございませんで、いろいろなケースがございまして、それに適用するということになりますので、交通事故の被害者の救済という点からだけこの救急病院のことを考えたことは実はございません。したがいまして、ただいま厚生省のお答えになった数字でよろしいんじゃないかと私も思います。ただ、救急医療センターにつきましては、これは主として交通事故による脳神経外科の外傷患者を中心に救急医療を行なうことを目的といたしておりますので、これは従来から申し上げておりますように、大体人口百万人につき一カ所というような規格がございまして、現在わが国におきましても、全国で百十カ所程度の救急医療センターをつくるということを目標にして推進いたしております。
○太田委員 センターはそれでよろしいでしょうけれども、実際上、救急病院というものは、運ぶところは事故の起きた近くじゃないといけませんから、これは多々ますます弁ずでありまして、五千などという数じゃまだ少ないんじゃないか。四十六都道府県から考えて、平均百ちょっとですね。それじゃ少なすぎる。 最近、こういうことがあるのですね。これは県の医師会が決議したことですけれども、マイカーを救急車にいたしまして、その救急車の中に、医師会の会員たちが救急バッグを備えつけることを申し合わせた。救急バッグの中には、包帯、ガーゼ、薬品類、ハサミなどの救急用品一式そろえている。そして、赤十字マーク入りのステッカーをつけることにして、そのお医者さんがマイカーでどこかへ出ていった。救急患者があったときには、そこですぐに応急の処置をしよう。この県では約千四百人の会員があるそうですが、千四百人が一つの車を持っていれば、千四百の移動する救急出張所ができるわけですね。このアイデアをとっているのが愛知県。つい二十一日の日にきめたことでございますから、まだほやほやでございますけれども、アイデアとして非常にいいことであるし、それくらいのことでもしませんと間に合わない。助かるべくして死んでいく人も、数が相当多いと思う。少なくとも本格的にこれをやってほしいと思うのですね。厚生省いかがですか。
○上村説明員 いまお話しになりましたのは、各医師が自分の車の中にそういったものを持つような仕組みを普及しろというお話か、あるいは救急病院、診療所というようなものの網の目をもっとこまやかにするようなお話かということでございますが、前段のものは、一つの団体の自主的な意思によるものでございますので、私ども積極的にこうやりなさいと言うわけにはまいりませんけれども、おりあるごとに、そういったことをPRさしていただきたい。それから、救急病院、診療所の網の目をこまやかにすることにつきましては、現在あります病院、診療所の配置にも関係してまいりますけれども、先ほど申しましたように、現在三千七百カ所ぐらいで、いまなお不十分でございますので、さらにふやすように指導してまいりたいと考えております。
○太田委員 マイカーのお医者さんの話は、とにかく一つの県で千四百台の車がそういう働きをするなら、社会的にはずいぶん有意義なことなんです。そういうような善意をも、アイディアをもわれわれは取り上げざるを得ないくらい、現在の救急医療体制というものはまだ不十分だということを申し上げて、すみやかに完備されるように御努力いただきたいと思います。 労働省にお尋ねいたしますが、労災保険のことですね。この労災保険、最近ちょっとよくなったように思いますと、どうもむち打ち症には定型化された治療法がないものですから、ある程度、これ以上治療法はない、さじ投げの形になると、あとは労災保険では打ち切りの一時金で済まされてしまう場合があるようですね。労災保険で、むち打ち症の関係について何か改善された点がございますか。
○長岡説明員 ただいまのむち打ち症の対策につきまして、先ほど自賠法で精神障害あるいは神経障害等につきまして、相当程度の労働の制限を受けるということで、九級の対象を昨年の十月二十四日に規則の改正をいたしたわけでございます。その点について、先ほど先生から御指摘ありましたように、まだ十分でないというところから、昨年の二月に——労災補償保険法に規定してあります一級から十四級までの障害等級の問題につきまして、最近の代償機能の開発であるとか、あるいはリハビリテーション医療の医学の進歩といったような問題を含めまして、根本的にこの障害等級の改定を行なうための作業を現在続行いたしております。それから治療方法等につきましては、厚生省とも連携をとりまして、労働省としましては四十一年、四十二年、さらに四十三年、それぞれむち打ち症の診断と治療に関します研究やら、むち打ち症の病態、生理に関する脳神経医科学的な研究、それから四十二年度におきましてはむち打ち損傷の研究といたしまして、その損傷患者に対します総合的な診断治療あるいは障害認定に関します研究等を行ないまして、さらに四十三年度におきましては、特別会計予算額といたしまして三千九百四十八万四千円、さらに一般会計予算額といたしまして百四十万一千円というような予算を計上いたしまして、このむち打ち損傷に対します対策について現在進めておるところでございます。 さらに整形外科あるいは脳神経外科あるいは眼科というふうに、このむち打ち損傷の症状が複雑多岐にわたっておるというようなところから、それぞれの専門家の先生に御委嘱いたしまして、現在せっかく検討いたしておるというような状況でございます。
○太田委員 このむち打ちの保障につきまして障害等級の改定を行なう作業をしておる、これはけっこうだと思うのです。早くやってほしい。現在は十二級から十四級程度で非常に低い、一時金しかないようです。せめて七級、八級、九級、十級ぐらいまで上げなければうそだと思うのですけれども、一時金にしたところで、むち打ち症というのは非常に低いところで押えられておる。非常に評判が悪うございますから、早くやってもらいたい。 それから、これはどうなんですか。労災病院などに入っておりますと、わりあい長いことと治療してくれますね。一般の病院、救急病院等におきましては早々に出されてしまうんですよ、一たん治癒したと認められますと。あと再発したときなんかには全然労災はききませんし、たいへんなんです。どうなんですか、そういうような現状は御認識でございますか。
○長岡説明員 ただいまの障害等級の級別の状況でございますが、四十一年度と四十二年度につきまして調査を実施いたしたのでございますが、それによりますと、三級、五級あるいは六級、七級、八級それから先生さっき御指摘の九級というような重篤な方々に対しましては、そのような障害等級の決定をいたしております。先ほどきめが荒いという御指摘でございましたが、精神神経症状を伴う障害につきましては、一級、三級、五級、七級、十二、十四、こうなっておったわけでございますが、精神症状あるいは神経症状に障害を残しまして、労働に相当制限を受けるというようなものにつきましては、九級を設定することが、先ほど申しました障害等級の専門家会議で必要であるということでこの級を設定いたしたわけでありますが、その点につきましては、さらに引き続いて現在検討を進めております。 それから労災制度上の問題といたしまして治癒という問題でございますが、従来労災の障害等級ができました当時におきましては、手であるとか足であるとかといったけがを中心に設定されておるといったようなうらみがございます。最近の工業の有害用品、特に一酸化炭素であるとかあるいはその他の精神神経症状を呈するようなもの、あるいはむち打ち症といったような神経症状、複雑な精神障害を伴うというようなものもございますので、そのような面についてはさらに引き続いて検討を進めていくということで進めておるわけであります。ただ先ほど先生御指摘の点につきまして、不安感あるいは生活に対する不安というような問題も否定できないところでありますので、そういった面についてはリハビリテーション等を充実いたしまして、現在全国に労災病院が三十八カ所、日本医師会に委託診療しております施設が五カ所、それから労災指定病院、診療所が約一万二千指定をいたしております。そのようなところで必要な医療を行なっていくという体制を進めているところでございます。特に労災制度上の治癒という問題が、いかなる医療効果も期待し得ない状態に立ち至った場合を治癒といたしておるわけでございますが、その点が社会的な治癒、全治あるいは医学的な治癒という問題と制度上若干異にいたしております。その内容につきましては、先ほど申し上げましたように、一級から七級につきましては年金によりまして、八級から十四級につきましては短期給付、一時金というような、障害に応じた障害給付を行なう、このような状態になっておるわけでございます。もちろん再発いたしました場合には医療給付を行なっていく、このような態度で対処をいたしておる次第でございます。
○太田委員 再発したときには医療給付をさらに引き続いて行なっていくということは、私は非常にいいと思うのです。現在のところは再発した者に対してなかなかそういう処置をとってくれません。それから現実には全快しなくても症状が固定すれば治癒、先ほどのいろいろの表現の方法はありますけれども、全快したと本人が思わないのに、ある程度症状がはかばかしくないというような状態のときに、治療もあるいはいろいろな補償も生活保障も打ち切られていく、こういうのが非常に多くて、労働者は非常にいまの制度には泣いておるわけですから、これはあなたのほうがかりに再発したときには心配要らないとおっしゃるなら、心配要らないという点を明らかにされると同時に、一級から七級の年金に対するむち打ち症をどこにはめるかあるいは八級以下の一時金のランクはどうするかということについては十分きめこまかく、形はあっても実行せぬではいかぬから、なるべく多く生活の不安を除くという立場から考えていただきたいと思います。あなたもそうおやりになるというなら私も別に異議があるわけじゃないからそれをやってください。いま時分になってこんなことをやっているというのがおかしいのであって、もうこうなっておりますという明快な答弁があると思っておったが、それがない。さらにむち打ち症がどんどんふえているということを私は心配するわけです。 それじゃそれに関連をいたしまして、運輸省にお尋ねいたします。 車両の整備ということは運輸省の関係でありますが、ブレーキというものはどうなんですか。ブレーキがきかなくて追突したなんて言う運転手がしばしばあるのですが、ほんとうでしょうか。これはどう思いますか。
○堀山説明員 ブレーキはかけ方の問題があろうかと思います。当然停止距離というものがございますから、停止距離の範囲内でブレーキをかければ、まあその辺たとえば非常に接近して走行しておって前の車が徐行した、極端な場合に急停車した、そのときには間に合わない、いろいろなケースがあろうと思います。いずれにいたしましても、前の車との間隔におきまして適当な距離でブレーキをかければとまるというふうに考えております。
○太田委員 したがって、その車間距離を適正に保持するというのは大問題でございます。あなたのほうの車間距離が不適正なために追突事故が起きる。鈴木さんのほうの取り締まりは何をやっているかということだ。車間距離を適正に保持することが追突事故防止ならば、車間距離の適正保持ということは交通安全のために徹底的にやらなければいけない。このごろそういう声が少々出ておりますけれども、これは相当交通規制を強力にやらなければなりませんから、いまの交通巡査ではやれないということになりましょうね。車間距離不適正ということで追突事故が起きる。これはブレーキがきかなかったということの言いわけがそこにあるわけですね。何か今後車間距離を適正に保持する秘策がありますか。
○鈴木(光)政府委員 前にも太田先生から車間距離の取り締まりの強化を御指摘受けたのでございますが、車間距離というのは速度に応じた車間距離でございまして、取り締まりの技術としては非常にむずかしいわけでございます。そういうことでございますので、これはやはり私は、安全運転という立場でドライバーに教育をせにゃいかぬということでございまして、追突の話が出ましたので、ブレーキの問題とも関連するわけですが、いま私どものほうで追突事故防止の安全五則というものをドライバーの教育用に使っているわけですが、御参考までに申し上げますと、一つは、いつでもどこでも速度に応じた車間距離、もう一つは、追突されないために予備制動、三番目は、制動とブレーキ点検を確実にやる、四番目は、無理な追い越し、わき見運転はしない、五番は、早目の合い図と早目のブレーキということで、これはなかなか取り締まりだけの問題では片づかないことでございまして、ドライバーに対する安全教育、呼びかけ、そういったようなことで現在の交通事情下にありましては取り締まりだけで片がつく問題ではないというふうに考えておりまして、せっかくの御督励ではございますけれども、車間距離を徹底的に取り締まるということについては非常に技術的にはむずかしい問題があるということを御認識をお願いしたいと思います。
○板川委員 ちょっと関連して。 いまの速度に応じた車間距離ですが、こういう速度に応じた車間距離というのは、私の調査で、警視庁から聞いたものですが、四十キロの速度で十五メートル以上、三十五キロが十三メートル、三十二キロが十メートル、三十キロが九メートル、二十五キロが八メートル、二十キロが六メートル、十五キロが五メートル以上、五十キロが十八メートル、五十五キロが二十メートル以上ですね。その他こまかくあるようですが、東京都内の主要な道路は大体時速四十キロですね。四十キロのいまの許容されているスピード、それでいくと十五メートル以上の車間距離を持たなければならぬ。ところが実際の実情というのは平均四メートルだそうですね。これは十五メートル——いま言った距離は、おそらく雨降りでないときの普通の舗装道路の上の距離だと思うのです、警視庁のですからね。しかし雨が降れば、この倍もあるいは三倍もということになるでしょう。しかし、実際の東京の交通事情からいくと、四十キロで道路の車間距離が普通の交通状態のときは平均四メートルだそうであります。そうするといま太田さんが言ったのは、ブレーキがきかないというのは車間距離をとっていないんだ、こう言うから、それなら車間距離を、道交法の二十六条にいうとおりに必要な車間距離をとったらどうだということになれば、東京都では時速十五キロ以下のスピードで五メートル以上ですから、おそらくこれは十二、三キロでしょう。こういうスピードでしないと、必要な車間距離じゃないですね。そうなったら、これはもう東京都の交通というのは全く渋滞をして、都市交通の用をなさないという状態になります。だからここに、私はいまの都市交通の交通安全に対する大きな危険性がはらんでいると思うのです。だから、これは確かに取り締まりだけでは解決しません。だから解決するとすれば、制限時速をずっと落とすほかないですね。しかし、それじゃ交通状態が麻痺する。だからそういう現実があるんだから、これは車間距離を正確にとらせるというよりも、自動車のブレーキの性能をひとつ高めていく。高めていくと多少ショックがある場合もあるかもしれないけれども、当面は性能を高めていく必要があるんじゃないか。しかし問題は解決しない。交通安全に対する危惧というものがこういうところにあるんだということをひとつ認識してもらわなければいけないと思うのです。片一方は制限するのは事実上困難だ。片一方は安全な車間距離をとっていれば心配ないんだ。ブレーキはいいのだということでは問題の解決にならぬ。その辺の認識をしておく必要があるということで、いかがです。
○鈴木(光)政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、私どものほうもそういう観点から、車間距離ということを正確ないわゆる安全停止距離——非常に安全性を確保するための安全停止距離というものは無理だと思います。そういう観点から指導的な意味でやっていく。取り締まりで、これをみな罰金をかけていくということはまた技術的にもなかなかむずかしゅうございますし、そういう観点で、先ほど申し上げましたような安全教育、呼びかけといったようなことで、運転者の自覚に待つという色彩が非常に強いわけでございます。 それから平均四メートルということですが、東京都内の場合にはいろいろなスピードを出せるところもありますし、四十キロと申し上げましたけれども、もう四十キロも出せないようなところもございます。それで追突事故の多くを見ますと、交差点で非常に多いのです。交差点に近づいた場合の注意力が非常に問題だと思います。ほとんどスピードはゆるんでおるわけですから、その程度の車間距離というのは、徐々にスローダウンしていくわけですから、運転のしかたによってその辺のことはできないはずはないわけですけれども、そういうことで交差点の事故——普通は車がずっと流れている場合には、横からの飛び出しでもない限りはほとんどないわけでございまして、その辺の交通事情とマッチした指導、取り締まりをやってまいりたいということで、御了承をお願いしたいと思います。
○太田委員 安全五則の上で、車間距離というものは五十キロで十八メートルということですけれども、ほんとう言うと、大体スピードの半分持てとドライバーは言っていますよ。昔から四十キロの場合は二十メートル、六十キロの場合は三十メートル持てと言っております。それをあなた方のほうで下げていらっしゃるようにいま板川さんのお話でありますが、その辺もひとつ常識化しなければなりません。 それからいまあなたがたまたまおっしゃった中で、交差点で追突事故が多いとおっしゃっているけれども、最初私があるトラック屋さんの事故を申したときには、直線での事故が一番多かった。この交通事故が激増する中でどういうのが悪いかというと、ダンプカーとマイカーなんです。そのダンプカーとマイカーがどうしてそんなに事故が多いか、これを確かめた人がありますか。私はどうしてダンプカーの事故が多いか、マイカー族の事故が多いか——いま青ナンバーの車は事故がわりあい少ないのですよ。これはだれか、総理府の方は御存じありませんか。
○宮崎(清)政府委員 現在の交通事故の分析がそこまで内容に立ち入ってやっておりませんので的確なことはわかりかねますが、推定されますことは、ダンプカーにつきましてもマイカー族の一部につきましても、やはり運転技術の未熟であるとかあるいは安全運転教育が不徹底であるとか、そういうことが大きな原因になっているのではないかと考えております。
○太田委員 これも実際に調べたものから出ているのですが、ダンプカーのそういう交通事故が、一番の元凶は何にあるか、過労に基因する居眠りだという。マイカーのほうは飲酒、無免許、無謀という、交通道徳に反するようなものが原因している。いま言った未熟も原因の一つとして出てきますけれども、飲酒、無免許、無謀運転、こういうのがマイカーの一番悪い点で、ダンプの場合は居眠りです。それに私はよほど気をつけなければいかぬと思うのです。 運輸省についでにお尋ねしますが、ダンプのブレーキはどうなりましたか。あれは二重ブレーキにするということになっておりましたね。
○堀山説明員 昨年の大型車対策といたしまして、ブレーキにつきましては二重ブレーキにするということはおっしゃったとおりでございます。ただブレーキというのは非常に複雑な構造もございますので、これの実施につきましては、ダンプの新車につきまして四十三年八月一日から実施することにしておりますので、現在の車はまだその装置は現在のところ全部にはついておりません。
○太田委員 ダンプはかさがずいぶんあるのですから、ダンプのブレーキはダブルにしなければならぬということは当然なんですが、新車のダンプについてのみ八月一日から実施される。するとセコハンは依然としてあぶない。しばらく事故は天下ごめんで通りそうですね。何とかこの辺も考えなければいかぬと思います。 それではもう一つ運輸省にお尋ねいたしますが、タクシーの問題でありますけれども、例の二級通達といわれるものがあるのですね。これは現在円満に運用されておりますか。
○鈴木(珊)政府委員 二級通達は昨年の二月でございましたか出まして、実施に移されております。しかし必ずしもそれが守られているというふうにはわれわれは見ておりません。
○太田委員 守られておらぬというのですが、二級通達自身もあまり内容が近代的でないと思うので、それをさらに守られておらぬとすれば事故が多くなるのはあたりまえです。これは守らぬ者に対して免許取り消しか何かをした者がありますか。守らないなら守らないほうが得だということですか。
○鈴木(珊)政府委員 免許取り消しでなしに、使用停止処分にした例はございます。
○太田委員 使用停止なんかあまり痛くないのじゃありませんか。九州のある町で、これは三十六年に免許を受けた者が、三年間も免許どおりにやらなくて、めちゃくちゃに、営業区域はかってだというので、やっておったダンプカーがある。それがどうもあまり好ましくない評判があるのですよ。運輸省は手も足も出ない。おひざ元の東京においても二級通達何を言っているかということがいろいろあるのじゃありませんか。例の乗車拒否の問題をはじめとして、安全運転違反でございましょうね。けさの新聞にも営業停止の車が何両というような会社が出ておりましたけれども、もう少しきつくおきゅうをすえなければだめですよ。 そこで、鈴木局長さん、運輸省にお尋ねいたしますが、タクシーの一勤務当たりの走行キロ三百六十五キロ、大阪は三百五十キロですか、これをおきめになったのはたしか十年くらい前じゃありませんか。いまではそんなもので走らせようとすれば、この二級通達そのものが非常に悪用されてきておるわけです。これはもっと減らしてはどうですか。その辺いかがですか。
○鈴木(珊)政府委員 走行キロの距離の制限につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、これは三十三年の、例の神風タクシー対策ということで取り上げられたものでございます。それから見ますと、現在すでに十年たっておりますけれども、確かに、おっしゃいましたように、特に大都市では車の増加というもの、渋滞というのは非常に多うございます。したがいまして、実情に合っていない点が多いと思います。 それからなお、二級通達の関係でございますけれども、やはりこういったような距離できめるという問題と、時間で過度な労働を防ぐという両方あると思いますので、この点総合いたしましてひとつ検討いたしたいというふうに思っております。
○太田委員 それはぜひ検討する必要がある。 二時に車庫に帰る、八時から二時までという勤務がありますけれども、二時に車庫に帰っておりたら、ノルマだけなかなかかせげないというんですね。三百八十五キロも走らなければ水揚げがないからしょうがない、何言っているんだというんで、じゃんじゃん走る。皆寝ていらっしゃる。鈴木さんも寝ていらっしゃれば、総務長官も寝ていらっしゃる。宮崎室長も寝ておられる。鈴木さんなんかも同じことで、あなたも寝ずに調べておるわけにいかぬだろうから、安気なものですよ。ですから、乗車拒否も出てくれば、ある程度事故というようなことにつながるいろいろなものが出てくると思う。神風タクシーも夜になればいまだに相当あるんじゃなかろうか。こわいと思います。三百六十五キロをもう一ぺん検討してくださいよ。いまじゃ三百キロ以下でなければとても走れないということも言っておる。必ず二時に車庫に帰るという点をポイントとしながら、ひとつ再検討してほしいと思います。その点は、あなたのおっしゃったことで、信頼しておりますからぜひやってください。 そこで、警察庁にむち打ち関係の事故、そういう事故に関連してお伺いいたします。 路上放置の車の取り締まりということがあります。路上放置は合法と非合法と両方あるけれども、路上放置の車に突っ込んでぶつかったり、狭くなっているためにぶつかったり、いろいろありますが、路上放置車の取り締まりは相当きびしくやっていらっしゃいますか。
○鈴木(光)政府委員 御指摘がありました駐車の取り締まりにつきましては、私どももずいぶん督励してやらせるようにしておるわけですが、駐車の取り締まりというのは、立証技術的に非常にむずかしい問題がございまして、思うにまかせない点がございますけれども、今後こういうような状況下にあって、路上駐車の取り締まりをさらに技術的にも十分検討いたしまして、取り締まりを強化してまいりたいと思います。
○太田委員 強化するとおっしゃることはけっこうです。ほんとうに強化してください。こういう傍若無人なことを、いつまでも、何べんでも議論しておることは残念だ。 先ほどおっしゃった、交差点における事故が非常に多いというのですが、これは、交差点において右折禁止ということが不徹底な向きもある。いっそのこと、大都市においては九〇何%くらいまで右折禁止にしてはどうですか。御検討なさったことがありますが。
○鈴木(光)政府委員 右折禁止は漸次強化しておるわけでございますが、御承知のように、交差点における右折禁止をやる場合には、一つは、交通渋滞の非常に激しい場合、それからもう一つは、右折交通による事故が多発するような場合に右折禁止の規則をかけておるわけです。ただ、右折を禁止いたしましても、御承知のように、日本の道路の状況から、右折の交通需要は変わらないわけでございますから、どこかにそのしわ寄せがいくということも十分考えなければならぬわけでございまして、交通の流れ、交通量、交通容量、それから代替道路の状況といったようなものを十分調査の上やりたいと思っておりますが、考え方といたしましては、特に東京都などにおきましては、右折禁止をさらに強化していかなければならないというふうに考えております。
○太田委員 たとえば、国会の裏からプリンスホテルへ行くとしますと、そうすると右折禁止じゃないから右折できるわけです。右折できるところはあるけれども、右折すると、今度は左折する道というのは、まさにその辺の子供たちが遊んでいるような道をプリンスホテルのほうへ向かっていくわけです。それからプリンスホテルヘぶつかって右へ曲がりますが、あの道などは、実際上あんなところを自動車をどんどん通しているということは、あの付近の屋敷にいる方はたいへんだと思う。この道は自動車は通ってはいけないということで、この道は右折禁止だ、右折してはいけないということにしたらどうですか。徹底的に交通秩序を近代的に変えたらいかがですか。ニューヨークなどでは、向こうは右ですけれども、隣の町へ行くのに右々と曲がっていくのだからずいぶん時間がかかります。これはあたりまえだ、当然だといえば当然ですね。あまり寛大にしておくとぶつかる。だらだらやるべきじゃありません。バックミラーを見ると、うしろからダンプカーがえらい勢いで走ってくる、これはおれの車にぶつかるかもしれないと思ったから外へ飛び出したら、案の定ぶつかった、おれは先見の明があったといばっておった人がありましたけれども、こういうばかげた話、どうもこういうことは文化国家においては語るに恥しい話だ。右折禁止をぜひほんとうに十分考えてもらいたい。あるいは交通制限をやってもらいたい。 そこで、運転未熟ということのお話が先ほどもありましたが、運転未熟による事故というものがたくさんあるとおっしゃった。私も、運転未熟は考えなければいけないと思います。特に女性ドライバーのうしろへつくなという話があるくらいでありますから——女性は運転未熟だと言うことはおかしいのですけれども、このごろの事故というのはいささか運転未熟によることが多いということを自動車のドライバーの人が言っておりますが、そこで、事故の中に運転の未熟ということは目立っておりますか、目立っておりませんか。
○鈴木(光)政府委員 二年ぐらい前までは、事故の原因で、運転未熟という原因調査をやったわけでございますが、最近はそういう調査をやっておりません。かつてやった当時は、全事故の非常にわずかな部分が運転未熟という統計が出ておりましたが、運転未熟というのは一体どういうふうに認定するか。警察官が現場で運転未熟という原因を主観的に判断するわけでございますけれども、結局、いわゆるペーパードライバーで、あまり運転したことがない、たまに運転するというようなことは運転未熟であろう。 それからもう一つは、免許を取ってから一年もたてば、未熟ということは、よほどのものでない限りは言えないと思いますが、二、三カ月の間は未熟といわざるを得ないと思います。 そういうことで、未熟が原因だという、その未熟を早くなくさなければいけないわけですが、運転免許を与える段階において、未熟ということがない状態で免許証を与えるということは総体的になかなかむずかしいと思います。結局、運転というのは、経験を経ないと熟練しないという要素が非常に強いわけでございますから、未熟というものの定義いかんによると思います。
○太田委員 いまおっしゃったようだと、やはり経験が熟練なんだということになれば、これはあぶなくて走れませんわね。われわれも対面交通で、歩道のない道は幾らでもある。歩いていて、向こうが未熟だったら、左へ寄るべきものが右へ寄ってきたり、右へ寄るべきものが左へ寄ってきたりしたらたいへんですよ。少なくとも、未熟というものは、制度の上においては最小限度にする方法が必要だ。そのためには、自動車学校の制度にメスを入れられてはどうですか。あなた方のほうはいま学科試験をやるわけだね。学科試験で最終的に免許証を与えるか与えないか——技術のほうは学校にまかせ切りだ。逆にしたらどうですか。技術のほうに重点を置いて、規則のほうなどどうでもいいということにしたらどうですか。
○鈴木(光)政府委員 そういう考え方もあると思いますけれども、現在の自動車教習所におきます技能検定というのは、私たちが試験場でやる試験官による試験実施の要領と全く同じでございまして、合格基準も同じでございます。また、不正検定が行なわれないように警察職員が検定に立ち合うということで、実質的な監督も行なっておりますので、技能検定につきましては現行制度でおおむね適切なものであるというふうに考えております。 それからもう一つの学科試験について、学科試験を免除したらどうかということですけれども、学科試験を教習所にやらせるということになりますと、やはり学科試験の特性から申し上げまして、試験問題の管理上の問題がございまして、学科試験を自動車教習所へまかせるということにはなかなか踏み切れないわけでございます。 そういうことで、技能と学科試験を自動車教習所にどういうふうにするかということは、十分検討の上でこういうふうになったわけでございます。ただ、技能試験については、いま私が申し上げましたように、おおむね適切に行なわれておるということでございますけれども、やはりまだまだ実質的な監督を十分やっていかなければならない面が若干残されておりますので、そういうことのないようにして、指定自動車教習所制度の運営の万全を期してまいりたいと考えております。
○太田委員 局長さん、あなたはいまのやつをほんとうに真剣に検討をされたことがありますか。アクセルとブレーキを踏み間違えて、踏切で汽車にぶつかって死んでしまった人が幾らでもある。アクセルとブレーキを間違えて前の車に追突した者が幾らでもありますよ。われわれは歩くときに、足で歩くべきものを手のほうを先に出したなんというのはないでしょう。その足も二本一緒に出したということはなく、必ずどちらかの足を先に出して安定を保つ、重心を保つということを、本能的にわれわれは習熟している。自動車の運転は、自動車が自分のからだの一部にならなきゃうそです。そんな人に日本の国で運転をさせられますか。してみれば、実地試験こそが問題です。技能が問題です。学科なんて何ですか。どれが正しいか適当なところにまるをかけなんて、あんなばかげたことをやって……。自動車学校の校長先生になるのは警察の人が多いからというので、ひいきしちゃいかぬ。一億の日本国民のため、七十万の死傷者のために、教習所のあり方、自動車学校のあり方というものを再検討すべきだと私は思います。なぜもっと徹底的に技術というものを重視しませんか。アクセルとブレーキを間違えるなどというつまらぬことがじゃんじゃんあるじゃないですか。そうすると、路上教習を強化することが必要であるし、ハイウエーがあればハイウェーを一ぺん走らせてみることが必要である。もう一ぺん自動車教習所の制度に抜本的な検討を加えてみるという考えはありませんか。
○鈴木(光)政府委員 指定自動車教習所におきまして、従来、いわゆる箱庭の技能を十分教えておったつもりですけれども、それではやはり現在の交通事情では、いざ外へ出た場合に問題だということで、路上教習を義務づけまして現在やっておるわけですが、いま御指摘のように、路上教習をさらに強化するということについては、私どものほうも現在検討中でございますので、御意見を十分尊重いたしまして検討してまいりたいと思います。
○太田委員 検討中……。この辺のところは、私もあなたと議論するつもりはない。ただ、いかにして事故を少なくするかということです。先ほど宮崎室長もおっしゃったけれども、未熟運転による事故がかなりあるということです。われわれはそういうものを見れば見るほど、未熟運転を撲滅するためのかぎは自動車学校の教習のいかんにあると思う。だから技術的にアクセルとブレーキを判断して、どちらがブレーキでどちらがアクセルかな、ああこちらがブレーキだといってアクセルを踏んでみたり、こちらがアクセルだといってブレーキを踏むようでは間に合わないのですよ。からだの一部になるためにはよほど修練させなければならない。だから教習の内容についても、そんなおざなりの、何教程済んだからよろしいなんということにならずに、もっと徹底的に技術中心にやってもらいたいと思う。その点を再検討してください。あなたは検討中だと言うが、路上教習だけでなくて、自動車学校も再検討する必要があると思いますが、どうですか。念のためにもう一ぺん検討してみますか。あなたがふに落ちなければ、再検討してほしいと思うのです。
○鈴木(光)政府委員 いまの自動車教習所の制度を再検討する場合に考えられますのは、いまの指定制度というものはどうかということだと思います。これはかりに許可制度にしましても、やはり許可の基準は、いまの指定の基準というのは相当厳重にやっておりますので、そう変わったものにはならないのではなかろうかということでございまして、あとはやはり教習所でわれわれがきめた基準どおりの教習をやるかやらぬかということだと思います。アクセルとブレーキを踏み間違えるような者にはもう検定を与えないという考え方でやってもらわなければいけませんけれども、私どものほうに監督不十分な点があればさらに徹底してやってまいりたいと思います。
○太田委員 その点は私は了解いたします。アクセルとブレーキを踏み間違えるような生徒は卒業させない、免許証を与えないとあなたがおっしゃられたことには、私は非常な喜びを感じます。大収穫です。それはあなた、たいした名答でございます。ぜひすみやかに実現してもらいたい。 そこで、今度はダンプ規制法についてお尋ねをいたしますが、運輸省はなぜダンプというものを全部あの規制法によって規制する対象にしなかったかという点であります。これは全部といってはいささか言い過ぎるかもしれませんが、いま漏れているダンプが多過ぎてどうもダンプ規制法がしり抜けだと言われておりますが、運輸省としていかがでございますか。
○宮崎(清)政府委員 この点はおそらく政令で指定した内容についての御疑義だと思いますので、当面の責任者でございます私から御答弁いたします。 ダンプ規制法では、御承知のように、土砂その他これに類するものを政令でその内容として指定することになっております。法の御趣旨をいろいろ私たちは考えたわけでございますが、結局やはりある一定の原則を立てまして、その原則に合うか合わないかによりまして政令で指定するものをきめるべきであろうというところから関係各省が集まりまして、昨年末以来いろいろ協議したわけでございます。その結果、政令で指定いたしますものといたしましては、三つの要件を満たしていることが必要であろうということで、第一点は、そのものが通常ダンプカーで運搬されるという実態にあるもの、それから第二が、これはいわゆるダンプ規制法立法の御趣旨の一つの大きな要素かと思われますが、そのものが価格が低廉で、いわゆる運賃ダンピングの対象になりやすい実態にあるもの、それから第三点が、やはりこれもダンプ規制法立法の御趣旨の一つと思われますが、通常過積載されやすいもの、この三つの要件を一応原則といたしまして、これに該当するものはいわゆる政令で指定していわゆるダンプ規制法の対象にする、こういうことを考えたわけでございます。 この結果、いろいろ振り分けをしてみたわけでございますが、一応土とか砂利、砕石等に似ているものといたしまして、陶土でありますとか粘土でありますとかアスファルト乳剤でありますとか、鉱滓、石炭からでありますとか、れんが、モルタル、鉱業法上の鉱物とか、いろいろございます。これらを一応いまの原則に当てはめて振り分けてみました結果、たとえば陶土とか粘土とかいうものは本来、土、砂利、砕石でございますし、また、アスファルト乳剤処理混合物、セメント処理混合物、こういうものも三つの要件のいずれかに該当いたしておりますので、これは政令で指定する。また、鉱滓、廃鉱、石炭からも同じように三つの要件のいずれかに該当いたしますので、これも政令で指定する。それからコンクリート、れんが、モルタル、石灰、これらのものも同様でありますので、政令で指定する。ただ、おそらく御指摘の点は鉱業法上の鉱物の一部のものを御指摘だと思われますが、これらはこの三つの要件にちょっと該当しないという判断をいたしましたので、これを除外したわけでございます。 以上が政令で指定しましたものをきめましたときの考え方の基準でございます。
○太田委員 いわゆる鉱業法上の鉱物を運ぶダンプは、この規制からはずされた。推定ダンプの数、それはどれくらい、いまありますか。
○宮崎(清)政府委員 これらのものをダンプで運んでいる実態につきましては、たいへん申しわけございませんが、まだ手元に資料がございません。これは現在と申しますか、昨年来総理府におきましてもダンプの実態調査をやっておりまして、この調査が、現在総理府で集計中でございますが、これらの結果を見ますと、ある程度のことがわかるだろうと思っております。
○太田委員 もうそろそろ自重計も整備し、背番号も整備するというときは参っておるわけでありますが、その鉱業法上の鉱物を運ぶダンプだけは、これを除外するということについて、資料が十分でない。私は、これはたいへんなミステークだと思うのですね。たとえば、みがき砂を運ぶんでも、あれは鉱業法上の鉱物ですね。これも規制にならない。土砂という砂ではあるけれども。これは何かわれわれがこの前立法する際に、骨材、建築用の材料という点を多分に議論したために、その政令が片寄ったんじゃないかという気がしてしようがないのですが、もう二重ブレーキの問題であるとか、あるいは重量計の問題であるとか、背番号の問題であるとか、あるいは協業化の問題であるとか、労務管理の徹底さというような問題といったいい点を持っている今度の規制法でございますから、それらをも極力把握する、入れるということに改むべきであると思いますが、御所感はいかがですか。
○宮崎(清)政府委員 昨年末に関係省庁が集まりまして、いろいろ協議いたしました際には、以上の三つの原則から見て、鉱業法上の鉱物は大体はずれるのではないかという判断をいたしておりました。その最大の理由は、大体におきまして鉱業法上の鉱物は、それ自体相当な価値がございまして、いわゆる運賃のコスト割れをするということがあまりないのじゃないか、こういう判断をしたわけでございます。しかしながら、その後いろいろ実態を調べてまいりますうち、ものによっては必ずしもそうではないんじゃないかという疑問が出てまいりましたので、今後は御指摘のとおりもう一回その点につきまして検討いたしたいと思っております。
○太田委員 再考されること、非常にけっこうです。そうしてくださいよ。たとえば、いま話もありました石灰石もそうであるし、それからいまのみがき砂のごときもそれに入るわけでございまして、たいへんなものが抜けちゃうわけですね。ぜひそうしてほしいと思います。 それから、これはまた、やはりいよいよ近く実施を控えて通産省にちょっとお尋ねいたしますが、ダンプ規制法がいよいよ発動するということになって、骨材がそのために値上がりするという傾向。それによって、ダンプというようなものの需要が減ってくる、車ですね。車そのものの売れ行きも減ってくるというような、あるいは車の価格そのものにも影響して非常にやりにくくなったというような傾向が、通産省のほうでは入っておるでしょうか。それとも全然関係がないということになっておるでしょうか。
○本田説明員 ダンプ規制法に伴いまして、販売台数あるいは販売価格についてどういう影響があったかということだと思いますが、販売台数につきましては、過積載規制の徹底ということからいきますと、台数がふえるあるいは大型化するということが一応予想されるわけでございますが、今後の実施でございますので、過去の実績が出ておりません。ただ、いままでの登録台数の状況を見ますと、四十年度は、三十九年度に対して横ばいであったものが、四十一年度にはかなり大幅に伸びて五二%の増になっております。昨年度に一九%の増にとどまっております。ただ五トン、六トンの車と七トン以上の車の関係は、やはり大型化の傾向がございまして、昨年の四十二年度では五トン、六トン車では九九%の対前年度比でございますが、七トン以上のものは四〇%以上の増、全体が二割弱でございますので、大型車は四〇%という結果になっております。 それから価格の点でございますが、価格につきましては、すでに運行記録計と速度表示装置、これにつきましては実施に移っておるわけでございまして、建て値といたしましてはディラーが取りつける場合には三万五千円から四万円強、それからメーカーが組みつけて取りつける場合には三万円から三万五千円くらいの建て値としてのプラスというふうに発表されておりますが、実際の取引では大体従来どおりの価格で取引されておるようなのが一般的な傾向のようでございます。今後、自重計がつけられることになりますが、こういう傾向から申しますと、自重計が全部需要者のほうに転嫁されるかどうかという点につきましては、必ずしもそういうことにはならないかもしれないというふうに思うわけでございます。
○太田委員 自重計の問題については、先回他の同僚委員からも質疑があったそうでありますから、あまり触れませんけれども、非常に安くなってきたという点が、ダンプ規制法をやってもユーザーのほうにはあまり大きな悪影響がなかったというふうに認めてもいいと思いますね。これは一つ安心いたしました。ただ骨材の値上がりということはどうですかね、これは予想されますか、だれかわかりますか。
○竹村説明員 一昨年の十二月に愛知県のいわゆる猿投事件が起こりましてから、骨材の価格は次第に値上がり傾向を見せておるわけでございまして、数字で申し上げますと、それより前までは一立米当たり千八百五十円程度であったものが、最近では二千四百五十円程度にまで値上がりしておるわけでございます。しかもダンプ規制法の施行に伴いまして、従来、過積みをやっておったわけでございますけれども、その適正化をはかるために、砂利業界といたしましては、トン当たり二百円程度の値上げをしてほしいということを現在要望いたしております。
○太田委員 そういう猿投事故以来ということになりますと、これは正常化されたので、ダンプ規制法によるものではないと思いますが、非常に心配していた点です。通産省においても、そういう点については今後いかに適正な価格にするかということについては、何か配慮が要るような気がいたしますね。きょうの新聞ですか、読売新聞を拝見いたしますと「ダンプさまのお通りだい」というあれがありますね。どこですが、静岡県芝川町、いわば富士川の砂利が、上流へ上流へと採掘の場所が移動したことによって子供も通れないというんですね。この写真を見ると、ダンプさま一日二、三千台狭い道を通るそうでございますが、こういうことになってくると、安全という点もたいへんですが、通産省としては、それによっていろいろ無理なことをすることによって、人命は損傷するわ、物は高くなるわで、私はたいへんだと思う。ですから、もしそういうふうにここの砂利を取っていいということは、建設省と相談して、ここならいいのだと遠いところを指定してダンプをあまり変なところに追いやらぬようにしてもらいたいと思いますが、価格に関係あって、通産省の仕事じゃないかもしれませんが、これはどうですかね、建設省でもない。交通規制は鈴木さんだが、静岡県の芝川町はどうです。このようなことがあっては困るじゃありませんか。
○竹村説明員 現在砂利の採取につきましては、現行に砂利採取法という昭和三十一年にできた法律があるわけでございますが、必ずしも最近頻発しておりますような砂利の災害あるいは公害問題につきまして的確に対処し得るような法体系になっておりませんし、しかも河川砂利等も一応除外されておりますような法体系になっておりますので、現在、河川砂利も取り組みまして、丘砂利、山砂利の砂利全部について規制を行ないますような新しい砂利採取法を立案し、建設省と通産省とで共同で提案いたしまして、現在衆議院で御審議をいただいておるような状況でございます。
○太田委員 ひとつ大いにあれしてください。 最後に労働省にお尋ねしますが、ダンプカーがそういう無理なノルマを課せられて、いまなお働いているという点は事実だと思う。したがって、交通事故も起きれば自分も追突することによって相手にむち打ち、自分もどうとかなるということも多いように思います。過労に基因する居眠りというのがダンプカーの事故の一番多い問題だと指摘する向きがありますが、それでこのダンプカーの今度の協業化あるいは労務管理の適正化をはかるという法案の内容からいいまして、過労に基因する居眠り運転というものを絶対なくすということはどうでしょうね、監督課長さん。
○藤繩説明員 ダンプカーにとどまらず、自動車関係の事故が運転者の過労に基因するという問題は、かねてから当委員会その他広く指摘されておりまして、労働省といたしましても、先ほど先生がおあげになりました昨年二月九日の通達等をもちまして、また強力な春、秋の監督等を通じまして指導いたしてまいっておりますが、特に御指摘のダンプカーにつきましては御指摘のとおりでございますので、この春にもまた交通安全週間に際しまして、ハイタク、トラック等の監督もいたしますが、その際もとよりダンプカー等も対象に加えまして、強力な指導を実施いたしたいというふうに思っております。ただ私ども監督指導を通じまして苦慮いたしておりますのは、ダンプカーと申しましても、雇用関係のあるものにつきましては労働基準法に基づく監督ができますし、今度の規制法についても明らかにされておるわけでございますが、いわゆる一人一車という問題につきましては、雇用関係がございません場合には、いわゆる基準法入るべからずということになりまして、私ども現場に参りますと、雇用関係があるもの以外にそういった一人一車という実態を多く見るわけでございまして、したがいまして、総理府の関係各省の会議等におきましてもこの問題を御報告申し上げ、また事実私どもは現場で発見いたしました場合には陸運局等にも通報いたしまして、相ともどもにそういったものについても是正の措置を講じていかなければならない。また雇用関係の把握にいたしましても、単にその運転者が車を持っているというだけで即雇用関係がないということでなくて、事実上の親方による使用従属関係あるいは保険の適用関係等を見きわめまして、できるだけ雇用関係の実態があれば基準法に基づいて監督指導をする。どうしても雇用関係のないものにつきましては、いま申し上げましたような通報等によって各省が力を合わせてその改善につとめたいというふうに思っております。 それからまた、これもダンプカー業界に限りませんけれども、業界の指導的な立場にある人を労務管理改善推進員に委嘱しまして、そうして業界みずから労務管理の改善に対する熱意を盛り上げるというようなことについても指導をいたしておる次第でございます。
○太田委員 課長さん、事業所に直接おいでになりまして、雇用をする事業所で直接労働条件、労務管理の実態についてお調べになった例はございますか。
○藤繩説明員 一昨年の猿投町の悲惨な事故がございましたその直後に、大量に私ども監督官を動員いたしまして、ダンプカーの現場の臨検監督をいたしております。それからまた重大事故を発生いたしました場合には、ダンプに限らず、必ず現場の臨検監督をいたしておりますし、それから春、秋の交通安全週間のときには全国一斉の監督をいたしております。その際には、もちろんできる限りダンプカーの事業所にも参っております。 それから建設業につきましては、かねてから労働基準監督の面でも重視いたしておりまして、夏場におきまして建設業の一斉監督を行なっております。これは現場における労働災害の防止あるいは寄宿舎の問題、賃金不払い等の問題が主でございますが、あわせましてダンプの使用につきましてもその適正化をはかるように、やはりそういう際にも監督を加えておるというようなことでございます。
○太田委員 けっこうです。ひとつ大いにその点を強化してください。 それからついでに、いまの一匹オオカミの問題については、これは運輸省ですね、運輸省が登録ナンバーを交付される場合に、一匹オオカミに対してはどういう方針をとっていらっしゃいますか。
○宮崎(清)政府委員 先生御承知のとおり、法のたてまえは業種別に届け出をいたしまして、それに対して業種別の番号を付与することになっておりますので、たとえて申しますと、建設業であるとか、あるいは砂利採取業、採石業という内訳で出てくるわけであります。 なお、それに関連いたしまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、総理府が昨年の秋以来、比較的ダンプカーを多く使用していると思われる六道府県に対しまして単独の実態調査をいたしました。これが三月末に総理府のほうに上がってまいりまして、現在私の手元で集計中でございます。中間でございますが、いままでわかった点を申し上げますと、たとえばダンプの使用者でございますが、会社その他でございませんで、個人が使用しておりますのが全体の六六%という数字が出ております。それから従業員が一人というのが三二・二%という数字が出ております。それから自動車が一台というのが四六・二%という数字が出ております。これは回収率が大体六〇%くらいでございますので、未回収の分はおそらく一匹オオカミが多いのではないか、こういう推定をいたしておりますので、数値としてはこれよりもう少し多くなろうかと存じますが、大体の傾向としてこういうことではないかと思っております。
○太田委員 これで終わります。
○門司委員長 板川君。
○板川委員 いま、基準監督署で実態調査したら、一匹オオカミ的なもので、雇用主がいない、こういうダンプが多い。いまの宮崎さんの報告によっても、同じように一匹オオカミ的なものが多い。今度のダンプ規制法を通じて、これを将来どうするかというのは実は大きな問題だと思うのです。実際は、道路運送法からいえば、自家用車が有賃でものを運べば道路運送法違反ですよ。その取り締まりはなかなか実際はやれないし、やっておらないのです。今度の登録に際して、砂利販売、砕石販売ということで自家用車でナンバーをとっておる、登録指定をとっておる、しかし実際はそれは砂利を販売しているのではなくて、ある業者に委託されて運搬しているのですよ。運搬しておるけれども、自家用車で有賃の運搬は道路運送法違反です。その問題を、これはいかぬというならば、相当のトラックをこれは違法なトラックとして登録停止しなければならない。しかし、実情はいま言ったような状態です。だから、これを協業化するなり、違法な有賃運搬をさせない、こういうたてまえの方向にこれを組織していかなければいけないのじゃないかと思うのです。この点について、まず当面運輸省としてはどういうふうに考えておりますか。
○鈴木(珊)政府委員 ただいまの件でございますけれども、今度のダンプカーの届け出は今月の末で一応締め切ります。その結果、たとえばどういう業種が何台あるかというような実態もわかると思います。それから、先ほど宮崎室長からもお話しのような調査もございます。そういった点から、調査結果をもとにいたしまして実態が把握できますので、それによって手を打ちたいと思っておりますが、特に一匹オオカミでしかも輸送を業としておるというものにつきましては、これはもちろん協業化という問題がございますけれども、協業化し得ないものもあるのではないかと思います。したがいまして、この点につきましては、まだきまっておりませんけれども、場合によってはそういうのも運送業として認めてやる、青ナンバーを持たせるということもあるかと思いますので、そういう点も将来検討したいと思っております。
○板川委員 一匹オオカミを運送業として認めていくというと、これまた交通安全というたてまえからいうと必ずしも歓迎すべき組織形態じゃないのですね。といって、そういう一匹オオカミが実は一番いまおそれているのは、道路運送法違反で取り締まられるというのを一番こわがっておるのです。だから、道路運送法違反という一面のあれを持ちつつ、やはり協業化なり、何台か集まってやるなり、やはりそういう方向へ指導したほうがいいのじゃないですか。一匹オオカミそのまま認めていく、将来それを認めていくという形をとると、交通安全やそういうたてまえからいうと、ちょっと問題があるのじゃないか、こういうふうに考えますが、いかがですか。
○宮崎(清)政府委員 政府といたしましては、大体先生の御指摘になった方向のことを考えております。ただ自動車局長が申しましたのは、かりに一匹であっても、安全運転管理能力がもしありとすればという前提でございまして、何もやみくもにすべて一匹オオカミに免許を与えようというわけではございません。この点につきましてはまだいろいろ問題もございますので、なお政府部内で検討させていただきたいと思います。
○門司委員長 次回は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十二分散会