決算委員会 第16号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/05/13
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。 御承知のごとく、議題といたしました各件は、第五十四回国会に提出されてより今日まで長時間にわたり、予算が効率的に使用されたかどうか等を中心として超党派的に審査を行ない、今日まで一応各省別所管の審査を終了しております。 したがいまして本日は、きょうまでの審査の経過に基づき、各件についての総括質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので順次これを許します。田中武夫君。
○田中(武)委員 通産大臣、日本国際見本市振興会というのがあるのですが、これは団体とも言いかねると思うのですが、一体何をやっているものですか、御存じないですか。
○椎名国務大臣 どうも、私はよく知らないのです。
○田中(武)委員 椎名通産大臣は、私はよく知らない、こうおっしゃったのですが、あなたも役員になっておるのですよ。あなただけでなく、ほかに現閣僚一名、それだけ名前を言いましょう。園田厚生大臣、そのほかにこれは前代議士と、現在——当選しておるのかどうか参議院あたりでは私もわからぬのがおるから、一人二人違うかもわかりませんが、ちょっと名簿拾ってみただけでも、現役の衆議院議員が八名、参議院議員が七名、もちろん自民党ばかりです。したがって、国会議員が十五名、名を連ねています。その中では衆議院の議長の経歴のある方、あるいは参議院の議長の経歴のある人、あるいは前、元の閣僚の肩書きのある人が七名おります。これは武士の情で一々名前は申し上げません。しかし、このようにちゃんと役員名簿に——何でしたら、ひとつごらんになったらいいと思います。あなたの名前のところにもチェックを入れてございますから……。 〔田中(武)委員、椎名国務大臣に資料を渡す〕
○田中(武)委員 そこであなたはどういうものか知らない、そういうことでありますが、あなた自体が役員に入っておるのです。どうして役員になったのか知らないのですか。その間のいきさつをひとつ御説明を願います。
○椎名国務大臣 どういういきさつで私が理事であるか、評議員……。
○田中(武)委員 あなたが評議員の筆頭なんだ。
○椎名国務大臣 評議員の筆頭でもないが……。いつのまにかこういうことになっておるのは、どうもまことに恥ずかしい話ですが、いかにもルーズなようであまり聞こえのいい話じゃないですが、いつのまにこうなっておるのか、よく記憶がないのです。
○田中(武)委員 あなたからほかの同僚代議士にも注意してやってください。お前の名前が入っておるが、どうかと言ってね。 そこで、いま申しましたように、自民党の国会議員が十五名、あるいは前議長、前、元閣僚いわゆる政界の名士がずらりと役員に名を連ねております。その日本国際見本市振興会なるものがどういうことをやっておったか、あるいは現にどういうことをやっておるか、そういうことを逐次明らかにしていきたいと思います。 まず、国際見本市振興会、こういうことでありますので、実はジェトロ等に照会をして、この日本国際見本市振興会なるものが一度でも国際的な見本市あるいは国内で行なう見本市等に参加をするとか、あるいは協力的なことをやったかを調べたら、そういうことは皆無です。むしろ私が調べたところによると、大阪国際貿易センターの常設展示場で展示会を開催するということをあちこちに言い触らして、いろいろの資金等を集めたようです。ところがそれはやっておりません。あるいは、日本国際軽工業見本市を行なうと宣伝したが、企画した事実もございません。また、ジェトロが本年六月に行なうポーランド見本市にあたって日本から代表を選んで送るのだというような宣伝をしておりますが、ジェトロのほうでは、そういうことは一度も申し入れ等もなかったそうです。いうならばインチキきわまりなしというか、国際見本市に対して参加をする、あるいは国外に代表を送る、こういうようなことをいって、それでなくとも金融引き締めで、ほんとうに倒産寸前にある中小企業——というよりか、私の調べたところでは、むしろ四、五名程度、あるいは二名くらいの小企業という零細企業をだまして、一番下では一万円程度、多いのは五万円程度の金を集めて回っておるのです。そのことについて逐次明らかにしてまいります。 そこで昨年の十二月に、通商産業省の貿易振興局と大臣官房調査統計部及び中小企業庁の名で、まぎらわしいところの、そういうものがあるから注意をするようにというのが出ておるわけです。にせ団体に御注意ということが出ております。したがって、この時点において、どの程度か中小企業庁は事実をつかんだと思うのです。ところが、にせ団体に御注意というのが出ておりますが、それの記事を調べたところ、まず昨年十二月十四日の日刊工業紙に出ております。さらに中小企業振興事業団の出しております「中小企業振興」という十二月十五日号に出ておるわけなんです。ところが、いわゆる一般紙にはその記事を見なかったわけです。その辺のところは一体どのようになっておるのか、さらに昨年十二月ならば、椎名さんが通産大臣である。中小企業庁が、あるいは貿易振興局が、このような御注意というようなことで警告を出すに至ったについては、役員がどんなものであるかも知っておったと思うのです。そうするならば、なぜ通産大臣に、あなたも名前が出ておりますよということを言わなかったか、通産大臣は、いま私が言うまで知らなかった、こう言っておる。中小企業庁長官、あなたそういうことを調べておるでしょうから、にせ団体に御注意ということは出ておりますけれども、あなたが役員になっておりますが、どうですかということを大臣に聞いたのですか。
○乙竹政府委員 お答え申し上げます。 この日本国際見本市振興会につきましては、昭和三十三、四年ごろできた団体のようでありまするが、その後通産省あるいは中小企業庁の行政活動とまぎらわしい行動がいろいろあったようでありまして、関係者から、ほんとうに関係があるのかどうかという問い合わせがたびたびございました。よって関係ない旨を数次にわたりまして公告いたしたわけであります。 先生御指摘の四十二年十二月のことでございまするが、全国商工業信用認定制度という制度を四十二年九月当時からこの団体が発足させまして、中小企業者に対しまして金融のあっせん、下請取引のあっせんを行なうということをもちまして、登録料を集めております。このことにつきまして、いま先生御指摘のような昭和四十二年十二月十五日のこの「中小企業振興」——これは中小企業振興事業団の機関紙でございまするが、これに当省と関係なき旨の公告をいたしました。ほかに数種類の通産関係の機関紙等にまた公告をいたしますとともに、関係機関、団体に公告をしたわけであります。 なお、本件調査の結果、通産大臣が評議員に名を連ねている事実があったものでございまするので、この旨を大臣に申し上げ、その結果、大臣といたしましては、この団体に関係がない、したがってもし評議員として名前が出ておるならば削ってほしいという旨をこの団体に通知をいたしまして、これは四十二年十二月五日付でございまするが、この申し入れをいたしまして、その結果、この団体の評議員名簿から削除した旨の連絡をこの団体から受けております。
○田中(武)委員 通産大臣、企業庁長官の話だと、あなたに相談して、知らないということで名前をはずすようにということを先方へ言ったそうね。それはそれとして、中小企業庁長官、名前をはずすということを向こうが承知したといっても、もうすでに印刷した役員名簿とか、あるいはこういう資料にも全部の名前が入っておるのです。こういうのをすでに持ち回っておるわけですよ。私が調べた中で、昨年の七月ごろか八月か知らぬが、夏ごろに、内容証明で名前の取り消しを申し入れた人が国会議員で一人おります。最近、二週間ぐらい前だと思うのですが、これも名前を取り消してほしいということを内容証明で申し入れたようです。ところが、中小企業庁長官、あなたはこういう御注意という警告を何回かにわたってと、こういうことですが、ただ警告の出しっぱなしだったのですか。あとから明らかにしますが、この警告が出てからもたくさんの被害が出ておるのですよ。ただそういうことで、そういうにせ団体があるから御注意くださいということで、関係団体あるいはそういった団体にだけ通知をし、あるいは団体から各構成員に通知をするということであったのかもしれません。しかし、なぜ一般紙に記者会見でもして、一般の人の注意を喚起するような方法をとらなかったのですか。やったですか。すなわち、その警告が、注意が十分に効果あるような方法は、どのような法をとりましたか。
○乙竹政府委員 お答え申し上げます。 四十二年十二月におきまして、先生御指摘の時点でございまするが、四十二年十二月の八日に一般紙、業界紙集めまして、中小企業庁から新聞発表をいたしております。そのほかに、通産省の広報ないしは機関紙的なものでございまする「通産省公報」、「通商弘報」、小規模企業共済事業団の機関紙でございまする「商工共済ニュース」、それから「月刊中小企業」、これは当庁で編さんをしております。それから「中小企業と組合」、これは全国中小企業団体中央会発行の機関誌でございます。これに十二月だけで実は公告をいたしたわけでございます。 それから、先ほど団体関係に連絡をしたと申し上げましたが、その前にまず各通産局、八つございます、これには四十三年一月に、また各都道府県庁には四十三年一月に連絡をし、都道府県からは管下市町村に連絡をいたしております。またNHKのキャンペーン資料として同じく四十三年一月にこの旨を連絡をいたしております。
○田中(武)委員 ところが零細企業の経営者というか、零細企業者は、そういうテレビを見たり、あるいは新聞を見たりする間がないのか知りませんが、ほとんどそれを知らずにひっかかっておるのですね。そういうことがあらかじめわかっておるなら、もっと何回も何回も繰り返し警告するとか、何らかの適切な方法を講じられたものだと思うわけなんです。そこでどういうようなことをやっておるかと申しますと、まず第一の方法はまあ四、五人程度あるいはそれ以下の零細な企業者へ参りまして、仕事のあっせんをしてやる、これは政府が委託というか、認定した——これもわれわれがやかましく言ってやったのですが、下請に対する受注のあっせんをするのが、政府あるいは都道府県が認めたのが何ヵ団体かありますね、それと同じようなことを言って、いかにも政府の認定を受けているような顔をして仕事のあっせんをしてやる、あるいはいま零細企業は人手に悩んでおる。そこで人を世話してやる、あるいは金融のあっせんをしてやる、そうしてこのように名士が名を連ねておるのだから、何でも頼んだらやってもらえるというような印象を与えて回っておるわけなんですね。そうしてもちろん仕事のあっせんなんかは一ぺんもした例はないようです。それでは人のあっせんをしてくれ、こう言いますと、職業安定所へ行け、こういう答えだそうです。また、もし職業安定所へ行けということでなくて、たとえ一人でも金を取ってあっせんしたとするならば、職業安定法第四十四条の違反であります。それから金融のあっせんといえば、これまた国民金融公庫へ行きなさいとか、その程度のようでございます。あるいは中小企業近代化設備資金があるから、県へ行きなさい、府へ行きなさい、さらに都へ行きなさい。さらに会計、税務に対する相談に乗るという、そうしておると、何か人が来るようです。しかし、この人は税理士の資格のない人、それが来て何か指導のようなことをやるようでございますが、別に金を取っております。このこと自体は税理士法の違反ということも考えられるわけです。 その前に、この団体の責任者なるものを明らかにしておかないといけないと思うのですが、私の持っております資料によって見ますと、三十三年ごろに元の外務大臣であった岡崎勝男さんがどうやら設立せられたようであります。その岡崎さんとの関係で、いまになると、私は知らないとこう言っておられるが、その当時承諾をした国会議員もあったはずです。ところが岡崎さんが死にましてから、今度は元の大蔵大臣であった泉山三六さんが代表というかっこうで、規約によりますと、理事長という制度になっておりますが、別に理事長という名前を役員名簿に出していないようです。そうしてこの日本国際見本市振興会事務局という名において行動しておる。その事務局長はこれは岡崎さんの秘書をしておった人だそうです。上田晋三、この人が事務局長としてやっておるそうです。そういうような、人を世話する、仕事を世話する、こういうことを言って回って金を集めたことを御存じですか。
○乙竹政府委員 お答えいたします。 登録会員制度というものをつくりまして、登録会員につきましては、金融のあっせん、労務のあっせんまた国際見本市に参加のあっせん等をするという旨で勧誘をしたということを聞き知っております。
○田中(武)委員 そこでそれは明らかに詐欺行為でしょう。しかも、あなたが責任を持つところの零細企業に対してやっておるというそういう事実をつかむのならば、もっと深く調査をするか、もしできなければ、警察当局等に連絡をする、そうして少しでも未然にこの詐欺行為が押えられるような方法をなぜとらなかったのですか。とったのですか。
○乙竹政府委員 お答え申し上げます。 私たち中小企業庁としては、右関係なき旨を先ほど述べましたように、機会あるごとにお知らせしょうという努力はしたわけでございます。 なおかつ刑事問題になるのではないかということにつきましては、実は警察当局からわれわれに照会もございまして、私たちとして聞き知っている限りにつきましては警察当局に連絡をし、警察当局の活動もあったやに聞いております。
○田中(武)委員 それはあとでその件に触れますが、東京都の経済局長が警察にしかるべくと申し入れたわけです。東京都の経済局長がそういう態度をとっておる前にあなたは知っていたわけなんです。なぜやらなかったのか。それで中小企業庁長官として全国の零細企業の保護育成に当たる職責が全うせられたと言えますか。
○乙竹政府委員 私たち事実を知っておりましたのは、先刻御説明申し上げたような相当早い期間からでございます。それに対しまして、この団体がわれわれに関係のない旨また誤りのないよう各方面、特に都道府県等にも忠告、警戒の要請をしたわけでございます。(田中(武)委員「そんなことは何回も聞いた」と呼ぶ。) なお、本件につきまして具体的事例がございますと、その団体の責任者と称する者にすぐ連絡をいたしまして、その具体的事例につきましては、登録料の返還等も行なわれた、こういうことでございます。私たちといたしましては、そのとき極力できるだけのことはしてきたつもりでございます。
○田中(武)委員 できる限りと言いますが、私は、やはり東京都の経済局長が、これは告訴、告発というような手続じゃなかったと思いますが、警視庁に連絡しておるのです。あなたはそれ以前に知っていてやらなかったということは、私はやはり手抜かりであったと思います。 そこで大臣、どういうようにやるか、ひとつ説明しましょう。まず、やって参りまして、お宅を優良事業所として認定します、こういうことです。それでまず登録業者信用認証制度に対する認証状交付通知というのがくるのです。そうしてこの信用認証制度に対する選定登録の推薦状というのがくる。この推薦状に先ほど話したこれがつくわけです。こうついて、それであけたところに、まず元副総理、衆議院議長益谷さんの名前から始まるのです。こうしてずらりとあなたの名前も含めて書いてある。これがくるのです。どういうことになるかというと、これは一番安いやつだと思うのですが、ともかく登録手続のときに六千円を要求する。そうして資格認定証を出すときに八千円、一万四千円、これが一番下なんです。ところが、どこで違うのか知らぬが、同じようなところであって、さらにまた登録手続のときに一万二千円を、そうして規格登録料として一万六千円を、先ほど言った認証状交付と引きかえに取り立てる。合計二万八千円と倍になっている。これは調べてみると、私のもらっている資料では四万五千円取られたのが一番大きいのです。そうしてたとえば六千円なり一万二千円なりを受け取ったときに、こういう領収書を出すのです。そしてその領収書には、印紙税法第五条の十四による印紙税免除という印刷がしてあるわけです。これはいわゆる法人格は持っておりません。たとえば認定法人であるならば、社団法人とか財団法人あるいはその他の法人であるならば、それをうたってあるはずです。ところがうたっていない。したがって印紙税法によって免税になるはずがないわけです。中小企業庁長官、こういう領収書を見ましたか。もし見たとして何も感じなかったかということ。それから大蔵省、印紙税法第五条の十四というのは何ですか。印紙税法の五条というのは、非課税文書ですが、これは一号から三号までしかないのです。五条の四とか五とか、まして十四なんていう条文はないのです。これはお答えをする前に申し上げておきますが、印紙税法をごらんなさい。一号から三号までは出ておりますが、五条の十四なんていう条文はないですよ。私はこれを見たときに、きわめて悪質であるとともにきわめて狡知である、この領収書を見た瞬間、これはインチキだということがわかったのです。いま言ったように法律にない条文が書いてあるのです。この一事を見ても、おかしいということがはっきりしていると思うのですが、いかがですか。
○乙竹政府委員 お答え申し上げます。 登録料を取っている旨は聞き知っておりましたが、お示しのような領収書を出していることは知りませんでした。
○倉成政府委員 お答えいたします。 ただいまのような領収書は適当でないと思いますが、現物をよく見せていただいて、さらに検討いたしたいと思います。
○田中(武)委員 渡しておきましょうか。明らかなる印紙税法違反です。 それから大臣、認証したということで、こういう認証状を渡すのですよ。これには日本語と英語で書いてあるのです。このでかい判を押して。それからこのマークは、上にジャパン、下にトレード・フェアとあり、Jというマークが上にあり、ちょっと見たらライオンズクラブのマークか、ジェトロと勘違いをするわけです。こういうのを渡すんです。そして六千円なり一万二千円なりあるいはそれ以上の金を払って、中小企業者、ことに零細企業者は、喜んでこれを応接間なり社長のおるところにかけておるわけです。どうですか、そういうことまでやっておるのに、そういうまぎらわしい団体があるという程度しか知らなかったのですか。しかも「優良事業所の認定基準」というような規則までつくって、いかにも役所と関係があるようなことをやっておるわけです。これはどうですか、ほんとうにどう思われますかな、大臣。
○椎名国務大臣 全くあきれたもので、一向どうもそれの評議員に名を連ねておったということも——一体いつごろ私が評議員になったのか、その時日も実ははっきりしないようです。何か日付のない承諾書が入っているんだそうですが、一体どういう経路でそういうものをとらえておるのか、まことにどうも遺憾しごくでございます。
○田中(武)委員 日付のない承諾書があるということは、署名はどうなんですか。もしあなたがしていないとするならば、これは私文書偽造になります。さらに「優良業者選定登録に関する一般規程」、どうも通産省が出しそうなものをこしらえているのです。こういうのを。これは見方によっては公文書偽造ですよ。いかにも公文書のように見せかけておるのです。こういうことは中小企業庁長官、知ってましたか、こういう登録に関する一般規程というようなものを。
○乙竹政府委員 存じております。そのほかにも非常にまぎらわしいことをしておりまして、先生御指摘の選定登録一般規程は、昭和四十年五月十日告示と書いてありますし、同じく五月二十日実施という字がございます。告示というふうなことが、法律系統つまり公権力によります公報公示行為以外に使えるかいなかということも実は調べたのでございますが、これだけでは違法とはいかぬということでございます。先生御指摘のような点は実は所々にございまして、事実は私たちのほうで相当詳しく調べておるのでございますけれども、どうも違法というきめ手はない。しかしどうも零細な中小業者が、私たち中小企業庁ないし通商産業省の活動と誤認する危険性は多分にあるということで非常に頭を悩ましまして、機会あるごとに先刻くどく申し上げましたような方法で周知方をはかっておる次第でございます。
○田中(武)委員 そうしてその勧誘には、あとでまたそれも明らかにしますが、弁説さわやかな人が来て、中小企業、ことに零細企業のおやじさんたちは言いくるめられてしまう。そこへもってきて有名人がずらり名を連ねておる。こういうことでひっかかるわけなんです。言うならば、これは一つの詐欺行為だとかりにしました場合、ここに名を連ねておる有名人は、国会議員、自民党の人衆参合わせて十五名、これはその詐欺に対して援助したことになりますね。そうしてどういうものを出すかというと、こういうステッカーみたいなものをつくって、そうしてこれを事業所等に張るわけです。「優良企業グループに参加しよう日本国際見本市振興会」と書いてあり、ちょっと見るといかにも外国において活動しているように見せるために横文字なんか入れた。パンフレットを出しておる。それからその人たちに対しては企業相談ということで、国内用、国外用のこういう「登録業者希望依頼表」というものを刷って、この青いのが海外用です。そうして黒いのが国内用です。そうしてマル秘となっておる。こういうものを出しておるのです。そこでこれが都会で問題になりました。都会で問題になりまして、東京都会が委員長報告をやっております。これは社会党の議員がこのことを提起しまして、それに基づいて東京都の経済局長が警視庁へ申し入れたようであります。 そこで警察庁にお伺いしますが、警視庁の防犯部で若干調査というか捜査というか、しておるやに聞いておりますが、いまどのような状態でありますか。
○林説明員 関係の政府委員がきょうあいにく東京を離れておりますので、私主管課長ですが、捜査二課長として御説明申し上げたいと思います。
○田中(武)委員 だから実際の説明だけをひとり……。
○林説明員 いま問題になっております件は、防犯の立場からも、それから事件の捜査の立場からもまことに問題の点だと存じます。 いま御指摘の東京都経済局、私どもの報告によりますと、商工部長さんと関係の団体の方が警視庁防犯部長のほうへお見えになって、ただいまの点を御相談になったというふうに聞いております。その点に対しましては警視庁防犯部では、その方々に所要の御注意を申し上げ、防犯上の御注意を申し上げたというふうに聞いておりますが、ただいま警視庁管下でそのことについて告発があるとかあるいは捜査を開始しておるという事実は報告に接しておりません。 ただこれは田中委員御承知かと思いますけれども、この問題になっております日本国際見本市振興会に関する事件は、昭和三十七年大阪府警察において事件として捜査した事実がございます。 以上簡単でございますがお答え申し上げます。
○田中(武)委員 いまそれを言おうと思っておったのですが、まずこれは本部は大阪なんです。大阪で、大阪府警が怪しいということで捜査に入ったというか調査に入った。そこで大阪から広島、名古屋、東京へきたわけです。広島でも相当大きな被害が出ておるやに聞いております。そこで刑事訴訟法によれば、あなたは司法警察官ですね、に対して口頭または文書において告訴、告発ができるというので、私がここで口頭で告発してもよろしいのですが、しかしまた一面犯罪の捜査については、情報その他によって捜査開始ということが刑事訴訟法にあるわけですね、いわゆる捜査の端緒を得た場合ということで。これはどうですかな。まああなたは警察庁ですが、今後これについてどういうように考えますか。
○林説明員 御説明申し上げます。 御指摘のように大阪府警察におきましても、必ずしも刑事訴訟法上の告訴、告発という性格のものではございませんでしたけれども、投書、風評その他をもちまして、すみやかなる捜査を開始している事実がございます。したがいまして、御質問の告訴、告発という刑事訴訟法上の正確なる手続の分にかかわらず、申告罪でもございませんので、この種事件につきましては、風評、投書、申し出によりまして、警察の捜査というものは開始されるものでございます。ただ警察庁とおっしゃいます点につきましては、こういう事件捜査自身、これは御存じのとおり都道府県警察の判断に基づてやるものでございます。 以上でございます。
○田中(武)委員 だから都道府県警察本部ですが、ここに明らかに被害を受けた人の調書があるのです。これは東京の分です。大阪で捜査を開始したが、それがうやむやになっている。三十七年だとおっしゃった。広島、名古屋にもある。そういうことは一応警察庁本庁として各都道府県の警察部へ連絡する必要があると思うのです。いかがですか。さらにその場合は、この名を連ねておるところの国会議員について、どのような関係があったかということを十分に取り調べてもらいたい。どうです。課長段階でできなければまた別の機会にしてもいいですが……。
○林説明員 御説明申し上げます。 大阪府警察の捜査はうやむやというわけではないというように存じます。相当の被害者も調査いたしましたし、刑事訴訟手続に基づきまして厳重なる処分をやるべく立件送致をいたしております。ただ承るところによりますと、昭和三十七年当時の事件は、外国バイヤーに対してある出版物を発行する、その際に広告を出すからその広告料を出してくれ、こういうことが本体にあったようですが、その出版物そのものは曲がりなりにも出ておるような事実もございまして、結局不起訴ということに相なっておるようでございます。 それから最後に、警察庁としましては、先ほども申しましたように防犯上の注意なり、それから全国各地に起こりますということになりますれば、調整の機能といたしまして、各県に対し十分なる注意と、現に内偵なりやっておるところがありますならば、その点も注意させてやるというのがわれわれの仕事だと思います。
○田中(武)委員 全国についてわれわれのほうで入手しているのは、まず大阪、広島、名古屋、東京です。東京の警視庁に対しましては、先ほどちょっと触れましたが、東京都議会におきまして、社会党の大沢委員がこの問題を提起いたしております。それについて委員長報告がなされております。これは全部読み上げる必要もないと思いますが、委員長としては、「経済局長より警視庁当局に対し、防犯上の見地から速やかに同庁において適宜の措置をとるよう、申し入れをすることに決定した次第でございます。」こういうのが公式に都議会において委員長報告でなされておる。言うならば、これは公式に出されてきた。したがって、いまの答弁では私はちょっと満足しかねるのです。十分警視庁のほうと連絡をとって、なおかつ名古屋、広島等ともひとつ連絡をとる、こういうことが約束できますか。
○林説明員 御説明申し上げます。 この席上における田中委員さんからの御指摘の点は、われわれとして十分連絡をすべきものと存じます。またそういうものがございませんでも、各県警察、十分注意してやっておるところだと存じます。
○田中(武)委員 そこで、実は財団法人東京下請企業振興協会、これが政府の指定した、東京都が指導し育成をしておる公式なものです。ここへ四十一社の一これは個人企業もありますから、四十一のところから、このことについてこういう人が来た、こうだという相談があった、そのうち十七社がひっかかっておるわけです。大臣、ここのマルじるしの入っておるのが被害を受けたもの、そしてそれらについて全部調査をいたしました調査票というものがここにあります。それを見てみますと、みんなが、ほとんどが書いておる。どういうことを書いておるかというと、役員に名士の方が大ぜい記載されているので、何か役に立つのではないかと思ったから入った、金を払った、そういうのがほとんどなんですよ。そうすると、あなたも含めてここに名を連ねておる自民党の諸君は、この詐欺行為に対して応援をした、そういうことになるのですが、どうでしょうか。
○椎名国務大臣 うまく利用されたということになると思います。
○田中(武)委員 うまく利用されたと思います、こういうことですが、ならば全部の名前をあげましょうか。ここで……。この日本国際見本市振興会のいまのところ責任者は一応泉山三六元大蔵大臣及び元外務大臣の岡崎さんの秘書であったところの上田晋三、これに対して、その人たちはおれはそんなことを知らないというならば、それぞれがこれに対してしかるべき抗議をするとともに、もし承諾書に自分が署名していないのに入っておるとするならば、私文書偽造です。私文書偽造の訴えをやりますか。そうしなければいけないと思うのです。まず大臣どうします。そこに全部名簿を渡しておりますから、そこの人、一人一人にひとつ忠告してやりなさい。
○椎名国務大臣 私のはもうすでに取り消しておりますが、取り消し以前の名前を使われて、非常に迷惑をしておるわけですから、どういう処置をとるかよく考えてみます。
○田中(武)委員 先ほど言ったように取り消しても、こういう印刷物は全部回るのですよ。もしそういうように良心的であるならば、これに消してあるのがほんとうです。消していない。しかもここにある資料はほとんどがことしに入ってからの資料です。何ならいまの領収証の日付を見てください。ここにあるのは四十二年十一月六日です。大体去年の年末からことしにかけての資料が多いのです。どうですか。——委員長、外務大臣、防衛庁長官、これも要るんだけれども、もう参議院だったら急がない。またの日に譲りまして、きょうはこの問題だけでやります。
○大石委員長 そうしてください。
○田中(武)委員 どうなんです。その責任あるでしょうが。名前を利用されただけで済まされませんよ。中小企業庁長官じゃない、本人に聞いておるのです。椎名通産大臣及び椎名個人の責任を聞いておるのです。
○椎名国務大臣 四十三年の四月の「信用認定制度に対する選定登録の推薦」という紙には私の名前は明瞭に削ってありますが、それ以前のやつは……。
○田中(武)委員 ちょっと見せてください。——私が聞いているのは、もう名前をあげましょう。益谷さん、益谷さんは去年の八月に内容証明で出したというのです。その人の名前が消えておりますか。しかも、こういうように墨で引っぱっておるだけですからね。これはいまこういうことが問題になるから引っぱったとも言えるし、こういうことではっきりと名前を消したものが回っておるという証拠がありますか、もし、それならこういう消すところに判を押すか——消すなら判を押さなければ有効じゃないですよ。と同時にこれこれの各氏は現在役員をやめられましたとか、何か追加すべきですよ。はっきりしないですよ、ぼうっとしているとまだまだ利用せられていますよ。だからどうするのです。
○椎名国務大臣 これに対して私個人としてどういう措置をとるかは少し考えてからきめたいと思います。
○田中(武)委員 同時にそこに名を連ねておる同僚国会議員あるいは前国会議員、前閣僚等にはひとつ通産大臣から、こういうえたいの知れないものの役員になっておるぞ、どうなのか、こう言って直ちに忠告をし、もしほんとうに関係がないとするならばすぐに名を削るように、と同時に新聞広告あるいはその他の適当な方法によってその人たちの連名で私たちはこういう団体とは関係がございません。そういう一般に知らすような方法をとるべきだと思いますが、どうですか。そうでなければ中小企業庁で手に入れたやつは消えておった、これはきのう私がこの問題をやるというので消したとも言えぬことはないですよ。もしほんとうに消すならば判を押すべきですよ、判がなかったら訂正にはなりません。そうでしょう。同時にまた新たなる印刷をするか、そうでなかったら横にでもこれこれの各氏は何年何月から消えております、そう書くべきです。消しておいて書くべきです。だからあなたのところで手に入れたのが消えてあったのか、消えてないやつがきたのをあなたが消したのか、これは私は信用できません。したがって、椎名大臣の名前の載ったものが回っておることはこれは今日においてもほぼ推定はできます。ほんとうに名を抜くのなら、そのような一般に私は関係ないというところの新聞広告でもなさいよ、全部連名で……。そうでなかったら私は関係ないでは済まされませんよ、どうですか大臣。
○椎名国務大臣 よく研究して処置をきめたいと思います。
○田中(武)委員 まあよく研究して措置をする、こういうことであるならば、これはもうこれ以上言いませんが、私が希望するのは、あなた方いわゆる名士、有名人が関係のないということを一般に知れるような方法を講じてもらいたい、そのためにはそこに名前がわかっておるのですから、その名簿によって一々、同僚あるいはあなたの先輩もおる、もちろん後輩もおる、すべて自民党の人です。その人に連絡をして名前を消すように、あるいはどういういきさつで名前が入っておるのかということを確かめて、これはあなた並びにこれに関連する諸君に私が申し上げるのですから、強要はできませんが、いいですか、椎名大臣、まず第一に、そこに名を連ねておる人たちに連絡をして、忠告をしてもらいたい。関係がないのなら直ちに名前を取り消す方途を講じてもらいたい。そうしてそのことを一般に周知できるような方法を講じてもらいたい。なおかつ、そこに名を連ねておる人たちに一応御相談になって、自分たちの名前をこのように利用せられたことに対するどのような措置をとるか、それは告訴ということも考えられましょう。その他の方法もありましょう。そういう方法をとることを要求をいたします。どうですか。
○椎名国務大臣 先ほどから申し上げるように、よく研究して適当なる措置をとりたいと思います。
○田中(武)委員 それでは研究をした結果をどのようにしたかということを、いつどのような方法によって私に知らせてくれますか。(「国会の委員会で要求したことだから、委員会に報告すべきだ」と呼ぶ者あり)委員長、お聞きのとおりであります。したがって、私が申し上げたこと、これは強要はいたしません。しかし、そういうことの上に立って、このような措置をした、こういうことを、委員会で問題を提起したのだから、先ほどの私に知らせてくれということでなしに、ひとつこの委員会を通じて報告を願いたい。時期は今国会中、いかがでしょうか、委員長からひとつ相談をしてください。
○大石委員長 ちょっと待ってください。——田中君、関係者が一人だけでありませんからよく相談していただいて、その結果をこの委員会において報告をしていただくようにいたしましょう。
○田中(武)委員 いまの委員長の言われたような線に沿って、椎名大臣の善処を要望します。必要でしたらこの調査書をお渡ししましようか。四十一にわたっての調査した調査書です。——被害を受けたところと関係者の住所、代表者の名前、その他が全部載っています。そうして政治家が全部この役員名簿から名を除くならば、これは自然に消滅します。政治家が多数、ことに前閣僚とか、現閣僚の名前が連ねてあるので、それでひっかかるわけなんです。それらの人が全部名を除いてしまうとあとはたいした人がないからひっかからないと思うのです。そういうことを強く要望しておきます。 そこで結論を申し上げます。これから外務、防衛庁に聞こうと思っておったんですが、どうも残念ですが、あとはあととして結論を申し上げます。 これは大蔵省も検察庁も、通産省は当然のこと、ひとつ十分に聞いてもらいたい。まず、このことによって考えられることは、刑法二百四十六条による詐欺行為ではないかということが一点。それから代表者は泉山三六さん、この人がどれほど現在この会社との関係があるのかわかりません。しかし、事務局長は、先ほども申しましたように前の外務大臣であった岡崎さんの秘書をしておった上田晋三という人、それ以下本部業務部長、東京事務所長、東京事務所業務部長、名古屋事務所長の名前が、それぞれ同じ名簿ですから入っておると思います。東京にも名古屋にも事務所がございます。必要であるならば、これをお見せいたします。 そこで、その泉山三六さんがいま名前だけであるとするならば、この上田晋三外、直接関係しておる人の脱税が考えられます。こうしてここに持っておりますところの領収書が私のところにだいぶあります。少なくとも、この日本国際見本市振興会事務局にこういう所得があったわけです。それが、所得申告をしていないことは明らかでありましょう。したがって、これらの関係者——これは法人でもございませんから、代表者となると思いますが、その脱税が考えられます。さらに、これははっきりしております。印紙税法違反であります。印紙税法第五条の十四による印紙税免除という判を押し印紙を張っておりません。しかし、先ほど申しました印紙税法の五条には、一号から、二号、三号とありますが、十四号はないのであります。したがって、これだけでも印紙税法違反が明らかであります。 次には、これは、ちょっとつかみにくいと思いますが、その調査書を見てもらうとわかりますが、税務等のことについて世話するということで、資格のない人が来て、何らかの指導をし、そうして、金を取って帰っておるわけです。それは税理士法の違反かと考えられます。それから、人を世話しておるといっておった。しかし、していないと思います。かりに若干人でも世話したとするならば、しかも手数料を取ったとすれば、職業安定法四十四条の違反かと考えられます。あげていくならば、まだまだあろうと思います。この書類をちょっと見て、私が思いついただけでも五、六点の法違反が出ておるわけであります。したがって、通産省、大蔵省、警察庁も含めて、これに対する処置を考えてもらいたい。ことに、三人や五人の従業員とともに働いておる。この被害者はほとんどそうなんです。そういう零細企業者は、警察へ出て行って長く引っ張られたり、事情聴取せられることよりも、働かなければ食えないということで、警察に対する被害届けを出さないのであります。そこにいまお渡しした調書は、こちらから足を運んで聞いたものであります。そういうことも考慮の上、関係各省庁はどう考えますか、最後に一言ずつ答弁を願います。
○乙竹政府委員 中小企業庁として、まずお答えを申し上げます。 本件につきましては、零細の中小企業者が非常に迷惑をしているのでありまして、私たち、これに対する対策を十分とってきたつもりでありましたが、先生御指摘の諸点につきまして至らぬ点が多々あったということを感じます。したがいまして、この点につきましては、特に御指摘の点を中心といたしまして、十分な対策を至急講じまして、特に中小企業者に迷惑がかからないように努力をいたす所存でございます。
○倉成政府委員 お答えいたします。 ただいまの脱税並びに印紙税法、税理士法違反の問題につきましては、もう少し事実関係を明らかにして処置をいたしたいと思います。 それから、先ほどの印紙税法の問題。五条の十四というのはすでにございません。昨年の七月に改正になっております。前にはございましたが、現在はございません。そこで、領収書が昨年の八月ということで、領収書を見せていただきましたので、すでにない条項を書いてあるということになるわけであります。そこで、現在の現行法の中に、大体五条の十四に当たるものが別のところにございます。したがいまして、営利を目的として商売をやってないものについては印紙税法上は免税になる、こういう規定でございます。そこで、事実関係は非常にむずかしいと思いますので、ただいま専門家に検討さしております。しかし、少なくとも、その領収書に関する限りは適当ではないということは言えると思います。
○田中(武)委員 もう一つお出ししましよう。これは昨年の十一月六日です。はっきりと渡しておきます。もう改正になってからです。しかも、営利を目的としないときも、法人でしょう。こういう任意団体にまで適用するのですか。これは法人格はありませんよ。もし、これがいわゆる公益団体として、民法上でも法人であるならば、社団法人とか財団法人とうたってあるわけですよ。まさか福祉法人でもないけれども、何らか法的根拠を持つ法人であるなら、そのことをうたってあるはずですよ。うたってないから、これは法人格を持っておりません。したがって、営利を目的としないものについては云々といっても、資格はないでしょう。
○倉成政府委員 ただいま申し上げましたのは、すでに法律が昨年の七月改正になっておりますから、それ以降五条の十四というものを適用したのは、これは間違いである、適当でないという点が一点と、それから第二の点は、現行法上五条の十四に当たる法律と同じものの性格の条文があるわけであります。したがって、その団体の性格その他、やはりしっかりした事実関係を明らかにしないとしっかりした御答弁ができないということで、ただいま専門家で検討していただいているわけであります。
○田中(武)委員 警察はどうだね、さっきの捜査の関係は。
○林説明員 警察庁の気持ちを御説明申し上げます。 田中委員すでにお気づきのように、この種の事案は、まず被害にかからないように啓蒙指導をすること、それに相呼応した防犯措置をとることだと思います。 それから、もう一つは、この事件はすでに手がけた事件でもございますし、同種のものが行なわれているかという御懸念かと思いますが、これについては、先ほども御指摘のように、実際回ります外務員が弁説さわやかにやるという点が問題だと思います。したがいまして、実際被害者と思われるような方々からの正式の告訴、告発がございませんでも、申告なり御協力をいただいての捜査が進められていくものだと思います。 以上であります。
○田中(武)委員 調査書といいますか、調査したやつをいま通産大臣に渡してありますが、その中に、いまおっしゃられているように、ともかく弁説さわかにやられて、何が何だかわからないうちに、有名な人の名前が書いてあったので、というようなことも書いております。これをひとつ関係省で見てもらいたいと思います。——それからまだもう一枚ありました。 そこで、通産大臣、このことについては私はもうこれで終わりますが、そうでなくても、いま、中小企業の倒産というのはどんどん記録を更新するような倒産がふえているわけなんです。しかも、ここに私が提起している、これにがかったそれぞれの事業者は、いわゆる、その統計にのぼるような、一千万円の負債をかかえて倒産するという、東京商工興信所のデータには出ないものです。そこで、あなたは、これを見て、何か忠告をしたというのですか。いわば泣きつらにハチというか、首をつっているやつの足を引っぱるといいますか、ほんとうにそういうような行為なんですよ。だから、そういうことに対して、通産大臣、中小企業庁長官は、今後もっと視野を広めて、適切な措置と指導を願いたいと思います。大臣いかがです。
○椎名国務大臣 御指摘のとおり、、これは今後かようなまぎらわしい行為によって善良な業者に不利益を与えるということのないように、指導上といたしましても注意して、善処いたしたいと思います。
○大石委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○大石委員長 速記を始めて。 これより始めます。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 大臣が見えたら大臣になお締めくくりを尋ねたいと思いますが、繊維局長来ているんですか。——繊維局長にこの際伺っておきたい二、三の点があるのです。これは現内閣の一つの重要施策になっておる織布業の構造改善の伸展につきまして相当重要な段階に来ておりますので、二、三の点をぜひ伺っておかねばならぬ、こう思うのであります。 一つは、この構造改善は、織布の場合は申すまでもなく優秀な超自動織機の取り入れによりまして生産性を高めるということが一つの骨子でございまするが、最近ヨーロッパからたとえばフランスのグローセー式なども入ってまいり、日本におきましても、北陸の津田駒とかあるいは北陸機械などの従来の自動織機も行なわれつつあるようであります。こういう段階に来ておりまするが、何しろヨーロッパものにしましても一台約五百万円かかる。内地ものにいたしましても、百五十万円が従来の大体の予定価格であったのが、最近は三百万円と唱えております。そうしますと、資金量といたしましてもずいぶんと予想以上に多くなってまいります。それが一つと、もう一つは、超自動織機などの操作が相当むずかしいようでありまするので、こういう点につきましては技術指導が適当に行なわれませんと、完全に生産性を発揮するわけにはいくまいと思うのであります。言いかえますると、新しい機械をばく大な経費を投じて導入しながら、その進展の途上におきまして、技術的に弱体で、条件が整わないというために、構造改善の事業が蹉跌する危険はないか。これにつきましてはやはり政府が積極的に業界を指導し、もしくは工業技術院等とも連携をとりまして適当な優秀な技術のスタッフをたくさんにつくりまして、それをもってこの種の織機を操作するというふうに進めていかねばいくまいと思うのですが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、田川委員長代理着席〕
○金井政府委員 お尋ねの織布業の構造改善につきましては、御案内のように優秀織機を採用しグルーピング等を通じまして織布業の力を向上するということが、最も必要なわけでございます。そういった点から、織機の採用につきましても、私どものほう、通産省当局といたしましては、中小企業の置かれた立場、すなわち後進国の追い上げ等の見地から、相当長期にわたって織布企業が安定するような指導をいろいろいたしておるわけであります。そういった意味合いにおきまして、ただいま先生から御指摘のございましたように、国内においても相当高い織機、あるいは外国からも相当高性能な織機が採用されつつあるのは相当はっきりいたしてまいっておるわけでございます。そういった場合に織機の操作等を中心に技術の指導をやろうということは、これまた御指摘のように非常に必要なことだと思っておるわけでございます。 ただ、実際にいままでの商業のあるいは売買の慣習というものからいたしますると、国内産のメーカーにおきましても、あるいは外国のメーカーにおきましても、その辺につきましては、売るほうの立場から操作につきまして指導をする、また買うほうの実態から申しましても、国内は、もちろん外国等にも工場の操作関係者を派遣いたしまして操作技術を習得しておる、こういうのが商慣習上実態でございます。私ども、将来のそういった織機の操作技術の研修等につきましては、まずそういった商取引の実態に即応して考えていくというやり方を第一義的に考えまして、なお必要がございますれば通産省、工業技術院あるいは府県等におきましても、織機の操作技術の研修等につきまして検討をいたしたい、このように思っておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 簡単でよろしゅうございますから答えてください。 最近の世界的なこの種の機械の進歩、発達の状況もかなりいろいろとでこぼこもあるらしいので、したがいまして、私は国内のみならず世界的に新しい織機などは正確な最近のデータを一切取り集めまして、そして機種の選定に便宜を与える、こういうことも当然すべきではないか。これは指導行政上当然でありますし、また膨大な予算を投下いたしまして構造改善を推進する以上は、この一つの重点につきまして、個々の民間のメーカー等にまかすことなく政府みずからもこのような世界的なデータを集めて、そしてすみやかに実際役立つようにするということが最も必要ではないかと思うのです。この点いかがですか。
○金井政府委員 当初構革を推進するにあたりまして、先ほどもお答えいたしましたように、織機の日進月歩の進展の状況に照らし合わせて、この辺をどう考えるかということをいろいろ議論いたしたわけでございます。その議論をいたしました大方の結論というものは、この辺なかなか将来の技術進歩を予見するということはむずかしい点があるわけでございますので、一応この辺は各企業の自主的な見込みなり意欲というものを第一義的に尊重していこうじゃないか、こういうことになったわけでございます。しかし私どものほうとしては、御指摘のように、世界的に現段階においてどういうような織機がおおむね望ましいかというようなことにつきましては、今後とも指導を続けてまいりたい、このように思っております。
○吉田(賢)委員 時間がありませんから簡単にお答えいただいてけっこうでございます。 それから資金の流れ方につきましてでありますが、これは最近の状況を見てみますると、組合におきまして手続をしあるいは政府においてこれを認可し、実施の段階に来ますには、相当中間に事務的にロスがあるのではないか、こう思いますので、事務を引き締めていくという必要があるのではないか、こう思われます。この点はひとつ御要望申し上げておきますから、特に事業団との契約とかあるいは商工中金その他の金融機関が関与いたしまして、そして資金の手当てをしていくというこれらの段階に若干時間が食い過ぎているのじゃないかと思われます。特に御注意せられんことを御要請申しておきます。 それからいま一点、アメリカの例の課徴金の問題でありますが、これは言うならば死命を制するほどの重大な影響を将来与えるわけです。この点は先刻別の機会に議論して大臣の御意見も伺ったのでありますが、最近はアメリカの情勢はまだ最終決定に至らぬ、こういう状況でありますので、政府としての見通し、いつごろどうなるだろうかという見通しをいまお持ちになっているかどうか、あればこれも簡単に結論だけお述べ願いたいと思います。
○金井政府委員 第一番の構造改善につきましての金融につきましては、今後とも一そう促進をさせたい、こういうように思っております。 それから第二番目の課徴金の問題でございますが、繊維関係につきましては特に別途輸入制限の法案等の提出が滞留しておりまして、ホリングス法案という繊維の単独輸入制限の法案が、例の消費税の延長法案のライダーとして上院で付託されておりますので、非常に心配しておった次第でございますが、先週の末に一応そのホリングス法案はドロップいたした次第でございます。しかしながら下院の歳入委員長のミルズ議員の発言によりますると、六月四日に下院の歳入委員会におきまして公聴会を開きまして、今後アメリカの輸入制限措置の採用等について検討するということに相なっておる次第でございます。 〔田川委員長代理退席、委員長着席〕 そういった点、私どもの率直な感じといたしましては、まだ課徴金は一〇〇%片づいたとは申せませんし、別途とりようによっては課徴金よりももっと日本の繊維業界に被害の大きい輸入制限法案が次々と検討せられるというような見込みがございますので、そういった点十分警戒をする必要がある、このように思っておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 そこで次は、例の労力対策の問題ですが、これもまた決定的な問題でございまして、特に中小企業、零細企業のみといっていいほどの織布産業におきましては、労力不足の劣弱な状態に何とか抜本対策を立てるということにして、そして政策的にはほんとうに自信の持てる大きな柱を立てなければ、いまの状況では、その面から言うなら、労務破産というような脅威がないとはいわれないと思います。非常に重要な問題でありまするので、あなたのほうの専管事項ではありませんけれども、しかし、構造改善を推進する主務官庁といたしましては、労働省との提携等によりまして、行政で可能な限り抜本対策に協力していく、少なくとも、重要な精細な資料を取りかわしつつ、労務の状況あるいはまた業態の実情といったものを、労務行政との関連におきまして、間違いのない、誤りのない基礎資料として整理される、こういう必要もあろうかと思います。確かにこの面は、いまなお未解決であります重要課題でありまするので、この点についてのあなたの御見解も聞いておきたいと思います。
○金井政府委員 御指摘の中小企業の労働力確保ということは、ほんとうに切実な大きな問題でございます。この辺は、個々の労働者の就業に関しまして、私どもは頭の中では非常に気にしておる次第でございますけれども、率直に申し上げて、なかなか名案というものもないわけでございます。ただ、根本的にそういった構革をやる職業等を中心に私どもが指導しておりますことは、できるだけ省力化をやるということのほかに、中小企業労働者が魅力を感ずるような中小企業の経営なり組織なり事業の内容に持っていくというような面を通じて、今後とも積極的に推進してまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 前から論議しておった例の転廃の措置に対する問題でありますが、表向き転廃を実行してしまえば、たちまち退職の問題、機械の整理の問題、借金の問題等々ありますので、これはなかなか困難です。したがって、実質上は転廃の決意をしておりながら表向き閉鎖しないという工場がたくさんあり、これは未解決なのです。しからば廃棄織機をどうするか、韓国へ持っていってあそこで輸出したらどうかという説もあり、現地でそういう話も出たそうでありますけれども、これとても一利一害で、いろいろな問題があるらしいのです。したがって、この転廃問題は、この際四十三年度の計画を立てる最終段階に来ておりますので、四十三年度の計画を推進する上におきましても、転廃対策、スクラップ対策というものは相当重視しなければいかぬと思うのです。もっと積極的に前向きでこれを解決する手というのはないのでしょうか。
○金井政府委員 織布業の転廃問題につきましては、御指摘のように、産地主義その他の関係がございまして、予算の計画から見ますと、実績は相当低めにあるわけでございます。この辺、根本的には、産地主義というような点から転廃が予定どおりいっていないというような原因もございますけれども、もう一つの大きな要素は、上乗せ廃棄といたしまして、たとえば綿スフ織物業の場合に、六割をビルドのかわりにスクラップ化するということになっておりますので、そういった方面にも転廃が活用される実態もあるやに聞いておる次第でございます。いずれにいたしましても、転廃問題というものは、特に近く実施を予想される特恵問題というようなものをあわせ考えますと、私ども行政当局者も、今後とも積極的に対策を講じていく必要がある、このように痛感しておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 通産省関係は、また別の機会に大臣に尋ねることにいたしまして、これで一応終わっておきます。 そこで、行政管理庁長官にお聞きしますが、あなたは御就任以来前大臣のあとを引き受けられまして御熱心に行政改革と取り組んでおいでになりますことは天下周知の事実でございます。非常に重要なことでありまするが、しかしすでに答申が出まして以来三年以上を経過いたしておりますが、いまの時点ではどういう段階までこれが進捗しておるでありましょうか。ごく概要でよろしゅうございますからお述べ願いたい。
○木村(武)国務大臣 私が参りましてから今日までの状況を簡単に御報告申し上げますると、いろいろな角度に立ちまして今度の一省庁一局削減、また、これから三ヵ年間にわたって定員を五%減ずるという法案、許可、認可を若干整理する法案の三つを今度の国会に出してみたのでありますが、それは行政改革といたしましてはほんとうの端緒であります。私は、この法案をちょうど行政改革という山を登るための登山口を一応発見したという程度のものだと言っておりまするが、この登山口を発見したというだけでもたいした効果があるだろう、こういうように判断いたしましてこの三つの法案を出したわけであります。そして一省庁一局削減と許可、認可の法案は、衆議院は通過いたして参議院に送付になっておりまするが、いまだ審議には入っておりません。総定員法のほうは、現在衆議院の内閣委員会で難航しているという状態になっております。 それから三ヵ年にわたる行政改革の問題でありまするが、臨調答申をどうして生かすかという点で苦慮いたしまして、在来臨調答申というりっぱなものがあるにもかかわらず、それが行政改革の中に織り込まれなかった一番大きな原因を私は私なりに発見してみたのであります。それは非常にりっぱなものではありまするけれども、行政管理庁だけがつくったものであって、各省庁がその作成に参加していないというところに、相当各省庁の反対があるらしいのであります。したがって、いままでの内閣の間に臨調答申に基づく改革の意見をずいぶん各省庁に出したそうでありまするけれども、音信不通だったというような過去の経緯にかんがみまして、やはりこの行政改革は全体の行政機構の共同作業にしないとなかなかできないという考えを持ちまして、共同作業に入る、そして現在共同作業に入っております。その各省庁が、どうしたならば各省庁の行政を簡素、能率化することができるかという改革の意見は、この六月一ぱいまでの間に行政管理庁のほうに提出されることになっております。しかし、いまだ各省庁からその答案は提出されてはおりません。しかし、六月一ぱいの約束であります。管理庁は管理庁として独自の立場に立って一つの具体案をつくってみよう。おもに中央的な仕事でありますが、それも目下作成中でありまするが、この二つが二つともでき上がりまするのが六月一ぱいである、こういうような進捗状況であります。
○吉田(賢)委員 非常に重大な問題であると同時に、幾たびか過去において失敗しましたこの行政改革の問題でありまするので、困難が伴うことはよくわかるのであります。しかし、すでに四年近くなりまして、いまなお登山口を見つけたということでは、国民は心細い。国民といたしましては、この問題に対する理解がだんだんと浸透してまいりまして、期待するところも次第に拡大しつつあるというのが現状であります。 そこで、たとえば行政財政の硬直化対策といたしましても、その原因を探求するということになってきますと、やはりぶつかるのは、行政体質、行政構造ないしは財政の体質構造ということに重要なかぎがあるようであります。そういうことがすぐわかる。そして財政硬直化に対しましては、各党も、各委員もあげまして、この打開策に懸命に努力する。しかし、同時にまた、行政改革は進まない。何か、ここに大きな問題ギャップがあるんじゃないだろうか。そもそも一体、行政改革を、いまやっと登山口が見つけたとおっしゃるそれは、何が一体重要な障害であるのか、どこに一体これをはばむものがあるのか、率直に、簡単にその点をひとつお述べ願いたい。
○木村(武)国務大臣 行政改革は、抽象的には国民のほとんどが賛成だと判断しているんじゃないかと思います。ただ、具体的に取り組んでまいりますと、何せ、たとえば各省庁の中で整理の対象になるような機構、こういうことになりますると、幾ら要らなくなったものでも、多年の間使い古したものになりますと、それに限りない愛着をお役人の人がお持ちになるんじゃないだろうか。そういう点で、機構の中でそれ相当の反対がある、それが一つの大きな理由だと思っております。 それから、もう一つは、いままでの例に徴してみますと、局を多くする、部を多くする、課を多くするなどという、そういうような機構を拡大することは、行政機構とそれから政治が連絡をとりましてやっておったようであります。機構を拡大するということには政党もみな賛成だった。そいつが、今度は縮小に入る、整理に入る、こういうことになってまいりますと、在来賛成しておった人々は、やっぱりそれに愛着をお感じになりまして、反対されるということも、大きな理由の一つになっておる。 それから、行政改革という根本問題に対する国民の問の理解も少ないということも、私は、抽象的には賛成ですけれども、力強い賛成にはなってこない、こういうことにあるんじゃないかと思っております。しかし、最近の新聞の論調を見ますると、各新聞が論説を掲げて、行政改革はやるべし、こういうことをいっておるから、最近では、世論は非常に盛り上がってきたように考えております。
○吉田(賢)委員 私は、行政改革の例の臨調の答申が出ましたときに、その経過を調べてみまして、日本のトップクラス、各界を代表したトップクラスが全会一致で賛成した意見、これがいわゆる答申でございましたこと、それから、これに参加し、協力し、作成いたしました人々は、その道のエキスパートであった、そして膨大な経費が使われた、戦後空前の組織と業績といわれるほどのものであった。とすれば、国民を代表する国会がまず最もよき問題の理解者でなければならぬ。とかく理解をしないというところは一体何であろう。私は、率直に言わせば、利害から来るんではないだろうか、あるいは思想的な考えが潜在をしておるのではないだろうか、こういうことも考えられるのであります。私は、日本のあらゆる面におきまして、行政の推進ないしは国民への福祉の増進あるいは平和繁栄策等々にいたしまして、各界の代表がそれぞれと全会一致して意見を取りきめたようなものは、とやかくのえらい議論を言わず、これを実行に移すということでなければ政治というものはありません。もし政治がそれを行ない得ないならば、どこかに重要な陳腐、妨害、欠陥が内在すると言わなければならぬ。それものけられないということであるならば、もう全く国民不在の政治と言わねばなりません。でありまするので、私は、血税を使って、大きな組織を持って、長年かかって、権威者のみが寄って、現地調査もやって、国民の世論も公聴会を開いて聞いて等々、あらゆる手を尽くしました改革案ですから、時勢の、つまり社会、経済の進展に伴いまして変化を生じ、条件に不備を来たしたというようなことがあるなら、それはそれで意見を述べて、意見をかわしましてやればいいのであって、原則的に、国会のこれに理解の乏しいというようなことは、みずから恥ずべきだとさえ私ども考えておるわけであります。ましてや全体の国民に、もしなお理解不十分、不徹底とするならば、これはやはり行政管理庁並びに政府は、この問題に対しましては積極的にこれが啓発、そして趣旨の徹底理解を国民に求める、焦眉の急の重大課題であるというふうに訴えるという、あらゆる手段を用いる。PRの時代でございますので、どんな手段でもあります。でありますから、こうなすべきでないか、こう思うのです。でありまするので、そういう意味におきまして、推進につきましては、過去においても松平長官にも述べたのでありますが、私は、やっぱり白書の問題が重要だと考えております。だから障害をなくする意味においての白書、まずその白書がいつ出るのかということも伺っておきたいのです。おととしですか、去年は出なかったのですかね。おととしじゃなかったですか。だいぶになりますが、ことし当然白書が出なくちゃなりません。まあ出ないということでありますので、白書がいつ出るのか。白書が出るのなら、あんなむずかしい官庁文章でなしに、私も護弁士ですが、裁判所の判決文読むような、無味乾燥な、砂をかむような文章ではなくて、やはりりゅうちょう艶麗化したものによって、週刊誌がみんなに好かれるごとく、目が向かない人でも愛好して読んでくれる、接触する機会を持つ、これがほんとうの生きた行政である、そういうことがほんとうの能率的な行政であると考えますので、そういう意味におきまして、私は、しからば具体的に啓蒙し、啓発する方法いかんということが重要な課題、これが登山口をさらに広げて、そしてのぼっていくところの重要な手段でないか、こう思うのですが、いかがでございましょう。
○木村(武)国務大臣 臨調の答申の問題でありまするが、全く日本のトップクラス級の人が相当の年月をかけて、相当の金も費やしてつくったものでありまして、実にりっぱなものであります。これが今日までたなざらしになっておったなんということは、全く残念なことで、遺憾なことだと思っております。そして、なおかつ、その行政改革が今日まで進まなかったということは、仰せのとおりに、利害的なもの、思想的なものも相当あると思いまするが、そうしたものは、行政改革をやるためには、覚悟の上なんでありまするが、それに上回るような努力が足りなかったということもまた、認めなければならないと思います。私は、吉田委員のおっしゃるとおりに、行政改革をほんとうにやるために何が一番大切かといいますと、やはりいまは政党政治でありまするから、看板だけでなく、ほんとうに政党というものは政党政治に徹することが必要である。それから、内閣といたしましては、自分のやらんとするものは、少なくとも国民の半分以上は説得せしめるだけの努力、能力がなければならないものだ、こういうように考えております。そうでありまするから、八月一ぱいにできます行政改革案が確立されました場合には、それを国民全部に周知徹底せしめるような努力をやってみたいと考えております。 白書でありまするが、去年はつくらなかったそうであります。ことしは目下作成中でありまして、大体旬日を出ずしてできるのじゃないか、こう思っております。そのでき上がりまする白書は、現状のままでありましたならば、吉田委員のおっしゃるように砂をかむようなものであることは間違いないと思いまするが、今度は、それはそれといたしまして、それを台紙にしたようなものをほんとうにつくりまして、国民に徹底せしめるようにやってみたい、こういう考えを持っております。
○吉田(賢)委員 行革の推進役はあなたのほうであり、それからまた、閣僚協議会もすでにできておることであり、本年二月二日の閣議決定におきまして、六月末までに各省からそれぞれの行革案が出されるという約束になっておるはずであります。そこで、いまお述べになりましたが、しかしまだ一省も出ていないという、これはとんでもないことであります。もうしばらくしてこの日が来るのであります。これを果たすことができないということでありまするならば、さっきおっしゃったように、各省自身がかえって阻害因となって妨害するということになっていくのではないかとさえ極言できるのであります。これは強くあなたのほう、もしくは閣議からでも徹底されまして、すみやかに二月二日の閣議決定は実行されるようにということを重ねて要請される必要があるのではないかと思われます。これが一点。 それから、やはり行政改革というものは、行政自体の担荷者は公務員でありまするから、公務員の立場というものがこの死命を制する最終のものであろう、こう私は考えます。しからば、公務員制度の改革ということは、これは非常に重要になってまいります。新しい行政需要は、どんどんとふえてまいります。公害問題にしましても、あるいは青少年問題にしましても、あるいは特殊な教育の問題にしても、社会保障にしても、等々ありまして、日本も、経済社会の変化に即応いたしまして行政需要は激増の一途をたどろうとしております。こういう際でもありまするので、これらともにらみ合わせまして、これに適切に即応し得る体制をつくるということは、行政府のまさに当然の責務であります。そういう意味におきまして、新規の行政需要に応ずるような意味におきましても、公務員制度の改革というものは相当やらなくちゃいかぬじゃないだろうか。何も公務員制度の改革というものは即首切りじゃありませんです。私どもに言わせるならば、公務員はその地位にいつまでもおって、安心して生涯魅力のある地位であること。十分に給与もされるし、また生活も保障されるし、ほんとうにみんな望んでいく地位が保証されるということになるべきでありますから、そういうことも考えながら公務員制度というものは改革していく。いずれにしても、公務員制度に手をつけることなくしてはとても行政改革なんてやれるものではありませんです。ましてや、さっきおっしゃったように、本能的に人間は自分のいすが小さくなったり、いすが減らされたりすることはきらいます。しかもまた部下がふえたり、栄転したりしますると、昔の官吏思想、官僚思想というものはそれを喜ぶ。そういった日本にはまだ古い習慣があるわけですから、こういうものもありまするのでなかなか困難と思いまするけれども、しかしそれは、日本のための、国民のための奉仕者である公務員でありまするから、行政府でありますから、行政府みずからが体質を改善する、これは当然のことなんです。それをするということもこれまた重要な答申の一項目になっておりまして、そしてこれもまた全会一致でございましたのです。政府はこれらの問題につきましてどのような決意と、そしてこれがもし実現するならばいろいろな弊害が生ずるのかどうか、弊害が生じないような十分な配慮がされておるのかどうか、そうした行革のほんとうの大きな高い目的に完全に応じ得るような体制に公務員制度を持っていくというようにするのか、これはやはり行政担荷者が、中央といわず地方といわず一切が公務員ですから、私はこの制度自体の問題は本質的に重要であると考えております。これをすることなくしては、とうてい行革は実現しないと思うのです。この点いかがでしょうか。
○木村(武)国務大臣 行政改革の三カ年計画案の各省庁からの答案は、六月一ぱいに出してもらうことにしておりましたが、五月に入りましたので、あしたの閣議で、間違いなく六月一ぱいに出してくれるように督促をするつもりであります。さらにこの問題につきましては、大臣だけに責任をとってもらいませんで、政務次官にも、政党出身の政務次官ですから、内部で促進してくれるようにその促進方も依頼をしておきました関係上、その方面からも督促さして、予定どおりにこの問題を進まして解決したい、こういう考えを持っております。 それから公務員制度の改革なくしてほんとうの行政改革ができないのだとおっしゃることはごもっともなんでありまして、私も何といたしましても全公務員の了解を得ることが非常に大切だ、これらの人々が積極的に行政改革に賛成してくださる、賛成してくださらないまでも障害にはならない、そういう点を非常に顧慮いたしておったのであります。幸いにも、国家公務員の共闘会議の人々が、私に会いたい、こういうことを言ってこられたものですから、代表者に二度お会いをしてみたのであります。そしていろいろな皆さんの御意見を聞いてみますると、いままでは各省庁によって、言いかえれば設置法によって各省庁の定員がきまっておったにかかわらず、今度は内閣が政令で一手に云々するということになりますると、そこに中央集権的な行政の横暴が生まれるのじゃないかということを非常に心配しておいでになりましたけれども、それにつきましては、昔の軍隊のように右から左に大異動なんというものはできるものじゃない、そういうようなことは毛頭考えてはいないけれども、配置転換だけはやむを得ないだろう、大きなものじゃないけれども、配置転換だけはやむを得ないだろうという、配置転換の問題についていろいろ話し合いをしてみたのであります。そのときに、いままでもあったことであるけれども、そうした配置転換などの場合に、われわれが一番いやな思いをするのは家族別れをして配置転換させられることだ、異動させられることである、こういうことを非常に心配しておいでになりましたが、それはごもっともなことだと私は思ったのであります。私も長く家庭生活をやっておりまするけれども、一番苦痛なことは何だといいますると、家族が別々になって生活しなければならないなんということは非常に苦痛なことであります。われわれは苦痛程度で済みまするけれども、経済がこれに伴いましたならば非常に大きな問題になるに違いない。そういう点が非常に心配だから、閣議の席上で各大臣にその話をしてくれ、こういう要望もありましたので、私はこの前の閣議の席上で、こういう要望があるから、各大臣は心して異動を行なうようにしてもらいたいという要望もしておいたのでありまして、そこまで配慮しながら、全公務員の人々に行政改革の意義、必要性というものを認めてもらうように努力は続けておりまするし、今後も努力を続けてみたいと、こういうふうにいま考えておるのであります。決して無理なことは私はしない。しかし、何と申しましても行政需要が少なくなった場所が相当あるようであります。逆に行政需要が非常に多くなった場所もあります。その場所の増員ができない。金でもたくさんあれば別でありまするけれども、余裕のある日本でもありませんから、できないものですから、そこは十二分に御理解を持ちながら、公務員の人々にも理解をしてもらいまして、この問題の解決をしなければならない。できる限り、自分の庁の許す限り御理解を得られるように、思い切って努力して解決してみたい、こういう考えでおります。
○吉田(賢)委員 最後に、ちょっと一、二点だけ伺って、また別の機会に詳しいいろいろなことを聞きたいのでありますが、一つは、ずいぶんとこの委員会で、もみにもんだ例の特殊法人ですが、百八つの特殊法人。そのうちまた臨調の答申で指摘した幾つかのそれ。われわれも現地調査にも幾つか行ってまいりましたが、この特殊法人の整理というものが一向はかどらない。特殊法人は官僚天下りの巣とまで言われまして、ずいぶんとたたかれたわけでありますが、いろいろな意味におきまして行政を助けてきたことも事実です。しかし、今日は整理しなければならぬことも幾多あるということもどうも事実らしい。このままでいってはだんだん国民の負担が加算するだけであって、一向に業績があがらないということも事実でございます。ここで一々、指摘することはきょうは避けますが、特殊法人の整理が一向はかどらないということが一つある。そこで、今国会におきまして三、四法案をお出しになっておりまするし、いま参議院に一ついっているはずでありますが、これは何とかいくものと思いますけれども、こういう二つや三つのものは、これは極端に言うならばそんなものさっさといってしまうべきで、もっと抜本的な公社、公団、特殊法人につきましては、これは存続の利弊あるいは必要度の有無、また、どれだけの貢献をしたか、また、何ほど予算を毎年使用したか、その行政効果があるかどうかというようなことは、これは相当の分は調査済みなんでありますが、一向にまだ整理がはかばかしくいかない。特殊法人の整理さえできないようなことでは、行革の前途はもうだめじゃないのかとさえ私は考えております。この点について一つ。 それから、もう一点は、公務員制度につきましては例の総定員法が今度出ておりますが、これも重要な法案であります。これはさきに述べました公務員制度全体にかかる問題でありますが、これらにつきましても、この案の運命というものは行革全体にどういうふうに影響していくかということにもなりましょう。いずれにしましても、よければあくまでも通すという強さで、しかし、指摘せられて悪い点があるならばすみやかに改めるということ、そうして、調査研究不十分ならば、それも十分に即刻やるということ、あるいはまた、資料が正確にあらずとするならば、資料は正確なものをつくるというようなこと。いずれにしても、行政改革はいまの政治日程から見ますと、正確な資料によって、国民が当然喜ぶべきものじゃという確信があるならば、やはり堂々とやるべきだ。これは佐藤内閣がどうのこうのいう問題じゃありません。内閣を超越しました問題だと私は思うのです。一億国民のために、もし佐藤会長が言うがごとく行革を実施したら一兆円の節約ができるということであるならば、国民がこんなに手詰まっておるときに、こんなにさいふのひもがきつうなってしまったときに、ほんとうによい財源でありますこの財源を使う道を見つけないということであるならば、これはまた国民不在であるというそしりを免れません。したがいまして、こういう諸案件につきましてどういうふうにお考えになり、どういうふうな利弊あるいはまたどういうふうな現在における諸般の関連影響等、もう少し述べておいてもらいたいのです。今後の日程もあります。ことに公社、公団につきましては、特殊法人につきましては、日程がありますから、どんどんと進めていかなければなるまいと思います。抵抗はありましょう。抵抗はあっても、それはかえって抵抗あるくらいな問題を解決したほうがいいのです。全く抵抗のない、そんな死んだものなら、どっちでもいいのです。抵抗を逆用いたしまして、これは何とかのすぐれた企業家でないが、抵抗を逆用いたしまして、さらに生産をあげ、よい成果をあげるということへ用いていく、こういうふうにすべきだと思うのですが、この点についてお述べ願っておきたい。 これで終わります。
○木村(武)国務大臣 特殊法人の問題でありまするが、おっしゃるとおり天下り人事の巣くつになっておる。ごもっともだと思います。何とか整理しなければならないことは、これも臨調答申にあるようであります。そして今度の国会で整理の対象として四つ出してみたのでありまするが、さてそこで整理ということになりますると、人の問題が伴いましてなかなか困難でありますが、私はそういうものも自分の責任上解決して、なおかつ特殊法人の整理に進みたいと思って現在やっております。北海道地下資源開発なんかそのとおりであります。 総定員法の問題でありまするが、今度、国会にいま出しまして、衆議院の内閣委員会で難航いたしておりまするが、何としてもこれは通してもらいたい、こういう考えで念願をいたしております。ただ私は、行政管理庁でこの法案を出しましたけれども、あながち絶対でないかもしれぬ、それでりっぱな御意見がありましたならば、その御意見を中に採用いたしまして、通してもらいたい。決して固執するものではない。変化に応ずる、どのようなことも変化に応ずる、りっぱなものであったならば、なおよろしい、こういう考えで臨んでおるような次第なんであります。一生懸命努力いたしておりまするから、どうか通してくださるようにお願いを申し上げておきます。
○大石委員長 一時二十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ————◇————— 午後一時四十一分開議
○大石委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。森本靖君。
○森本委員 いよいよ昭和四十年度の決算についても大詰めになったわけであります。三十九年度の決算の際には、不当事項が二十七億円弱あったわけでありますが、今回、四十年度は確かに十六億円程度に減っております。しかしながら改善意見あるいは留意、不当事項というものがやはりあとを絶たない、こういうような現状にあるわけでありまして、確かに昨年度から見ますると十一億円程度は減っていることについては間違いありません。だからそういう点についての努力は、われわれとしても率直に認めたい、こう思うわけでありますけれども、まだまだこの十六億二千二百万円というような批難金額があるということについては、やはり将来政府としては、一そうこの行政機構の問題について、さらにまたこの管理体制について、また財政支出について考えていかなければならぬ点が非常に多いと思います。 そこで、最終的にこの四十年度のいわゆる決算をわれわれはここで締めくくりをする最後の機会に、総理のこれに対する今後の決意をひとつ聞いておきたい、こう思うわけであります。
○佐藤内閣総理大臣 森本君にお答えいたします。 決算委員の方々が熱意を持って終始この決算を御審査願った、私はそういう意味でたいへん感謝申し上げるわけであります。ただいまも批難事項としての件数、金額がやや減った、かように言われますが、しかし御承知のように抜き検査でございますし、また全貌についての検査というわけじゃありません。いまのわずかでも減ったということは喜びにはたえませんけれども、これをもって全部の動向をトするのはまだ早いと思います。なかなか事務の不なれ等もございまして、いろいろ意に満たない点がございます。予算審議においてのあの熱意、やはり予算の執行においても同様の熱意が必要だと思います。ただいまも御指摘がございましたが、この上とも決算につきまして一そう審査において不当あるいは不法等の事項がないように、できるだけ厳正に執行をいたしたい、かように思う次第でございます。
○森本委員 ただいま総理が申し述べられました今後に対するところの決意については、ひとつ総理としても、いわゆる行政の最高責任者として各閣僚を督励をし、一そうこれに対するところの注意というものを怠らずに、この次の決算、さらにその次の決算については、ほとんど皆無であるというところまでぜひ御精進を願いたい、こう思うわけであります。 そこで、総理に緊急問題としてちょっと聞いておきたいと思いますことは、いま新聞紙上でも非常に騒がれておりまするし、また国民の中からも、生命と生活に関する問題として、佐世保におきますところの異常放射能の問題が、いま当面問題になっておることは御承知のとおりであります。しかも昨晩おそく帰ってまいりました調査団が、その調査の結果を一般記者会見をいたしまして発表いたしておるわけであります。その発表を見てみまするに、いままでこれがいろいろいわれておりましたけれども、この問題は最終的には、少なくとも初めに言っておったような原因は、すべてなくなったというふうなことがいわれておるわけであります。最初は、たとえばレーダーの影響説あるいはまた熔接スパーク説あるいは測定器の故障、そういうようなことがいろいろいわれておりましたけれども、こういうものについては今回の帰ってまいりました調査団の発表においてはほとんどない、こういう結論も出ておるわけでございます。その結論によりますと、最終的には原潜による汚染というものが非常に濃厚である。はっきりした確証はまだ得られないけれども、他に言っておった原因はすべてこれは解消された。そうなりますと、残るところは原潜による汚染というものがきわめて濃厚である。さらにこれは再調査しなければならぬというようなことを言っておるわけであります。私も一応科学者の端くれでありますけれども、科学的な問答をここでいたしましても時間がありませんので、そういうことはいたしませんが、こういうものに対して総理としては、今回のこの異常放射能の問題がはっきり解決つかない限りにおいては、この原因の究明がはっきりできるまでは、今後原潜について、あるいはまた原子力艦、いわゆるエンタープライズのようなものについても、一切入港を拒否するというくらいの決意を持っていいのではないか、そういうふうに私は考えるわけでありまするが、これに対して総理の御意見、御見解というものをひとつ聞いておきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 過去たびたび原潜が入りましたけれども、こういうことはなかった。今回異常放射能が検出された。これはたびたび言っているように、直ちに人体、人命に悪影響を及ぼす、こういうものではないようでございます。その程度は異常ではあるけれども、まだ許されるというか、許容されるものだ、かようなことでございます。しかし何と申しましても原因がはっきりしないということは、これはたいへんな問題だと思っております。今回の異常は、程度がただいまのように許容範囲だ、かようにはいいましても、異常であることには間違いありません。そこで政府といたしましては、各方面の力を動員して、ただいま森本君も科学者の一人だと言われるが、ぜひひとつ御協力願って、こういう原因は何なのか、それをひとつ突きとめたい。そのことがまず第一の必要なことでございます。ただいまの状態で、いま森本君が指摘されるように、原潜の入港をとめろ、こういうようなお話にまで発展されますが、そのことよりも何よりも、ただいまの原潜の異常放射能、その原因は何か、これを突きとめることが第一である、かように思っております。
○森本委員 確かにあなたがおっしゃるように、原因を確かめるために、徹底的に、科学的にさらに再調査をしていくということについてはこれは必要であろうと思います。しかし本来ならば、このことをちょっとでも聞きかじっておる者であるならば、若干でも総理が科学的な知識があるとするならば、このソードフィッシュがおる問に、この原因を究明すべきである、こういうことは総理、常識問答として頭の中で考えられませんか。むずかしい科学的な問題は抜きにして、このソードフィッシュが出ていったあとでどうこう言うよりも、現におったわけであります。おったときに異常放射能が出ておるわけでありますから、ちょっと待ってくれ、こう言って、そこで原因を探究すれば、正確な原因が探求できたのではないかということは考えられませんか。
○佐藤内閣総理大臣 森本君の言われること、もっともだと思います。とにかくいまこの原潜が入らなければ私どももそう調査もいたしませんが、原潜がいて、そして異常放射能が出た。その原潜がいるうちに調べた。そこには別に変わりはなかった。しかしそういうことだけで原潜は出ていってしまった。ただいま調べる方法がないかもわからない。いまのデータそのもので、これは不十分ながらも一体どういうような結論が出るか、さらに調査を進めるべきだと思います。またこういう事柄がたびたびあってはこれはたいへんなことでございますから、そういう意味におきましてこれは十分アメリカ側におきましてもこういう事柄に善処するように私ども注意を喚起したいと思います。これはアメリカ自身がどうこうというものではありませんけれども、どうも原潜が入ったときにこういうことが起きたのだから十分の調べがつかないとすれば、原潜自身にそういう原因があるだろう、かようには思いやすい、思われるのが普通でございますから、そういう意味では十分アメリカ側の注意も喚起しておきたい、かように思います。
○森本委員 総理、私は科学的なことを聞いているわけではなしに、常識問答として、異常放射能が観測をされた。そうして科学者たちは三つばかり初めにあげておったわけですね、こういう原因があるんじゃないかということを。その三つばかりがすべて解消された。そうするとこの原潜によるところの汚染というものは非常に濃厚である。こういう一つの意向が出されたということになれば、このソードフィッシュにもうちょっと待ってもらって、そうしてそこではっきりソードフィッシュがどういうことにおいてどういうふうにやったかということを、そこでやはり確かめておくのがはっきりした科学的な調査を求めるのに一番いいんじゃないか。このくらいのことは、やはり日本の総理もアメリカに遠慮なしに言えるのではないか。これだけの重大な問題ですから。そのことを私は常識問答として総理に聞ておるわけです。
○佐藤内閣総理大臣 どうもいまの森本君の言われるところは、常識的にはそうだと思います。しかしこれは出ていくのについて相談なしに出ていったといえばそれまでですが、どうも私どもはそれをとめるというか、さらにその原因を追及しろ、探求しろ、かようには申しましたけれども、いまの原潜自身が出港した後でございますから、たいへん残念だという、率直にその話をしたわけでございます。
○森本委員 率直に残念だというふうに、総理はこれは率直に言われたわけでありますが、本来これはこのソードフィッシュが残っておるならばはっきりとこの問題はつかめたと私は思います。しかしながら出ていったあとにおいていろいろな観点から調査をする方法はありますけれども、それにいたしましても最終的にこのソードフィッシュに原因があったかどうかということについては、これはいろいろのデータの取り方によってもまた変わってくると思うのです。だからやはりこういう場合にはちゃんと残ってもらって、そこで日米の両方の科学者が一緒になって調査をするというふうな方法でも今後とり得るというぐらいの権利が日本になければ、これはやはり重大な問題だろうと思うのです。そこまでやはり日本側が積極的に出ていって、向こうもそれを受けて立つというくらいの、ひとつ日本側にもそれだけの権利を私は総理が持ってもらいたいと思う。そうでなければ、総理は、たびたびあっては困ると言うけれども、今後原潜の寄港についてこれはあるかもしれぬですよ。特にこれはよく言われますけれども、商船の原子力船とこういう原子力潜水艦とは、同じ原子力で動いておっても構造そのものが違うわけです。だからそういう点からいくとするならば、将来もこういう不安定なことはあり得る。だからこういう場合にははっきりと日米が対等の立場においてこれの原因を両方の科学者が探求するというぐらいの決意を、ひとつ今後総理、持ってもらわなくては困る。これは国民が不安でたまらぬ、こう思うのですが、総理どうですか。
○佐藤内閣総理大臣 森本君の御意見は、もっともです。よく伺っておきます。
○森本委員 それではひとつそういう点を、アメリカ側に対して何も私は敵視してそういうことを言えということを言っておるわけではない。アメリカ側に対しても私はやはりそういうことを紳士的にちゃんと申し入れをして、日本の国民がこういう考え方だから、今後こういうことがあっては困るんだからということをひとつ総理じきじき、これをアメリカに積極的にこういう点については申し入れをしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま申しましたように、森本君の御意見、よく伺っておきます。
○森本委員 この点については国民としては非常にこれは関心の深い事項である。また国民自身の生命と財産にもこれは影響してくる問題でありまして、総理も許容量云々と言われましたけれども、だんだん重なってくるとこれはやはりたいへんなことになることは、あなたも御承知のとおりであります。だから今回については異常放射能であるけれども、確かに人体については直接の影響はない。しかしこれが二回、三回重なってくれば、当然これは影響されてくる。そのことは、これはもう常識で考えられるわけであります。 こういう点についてはさらに、この異常放射能についてこういうことになったということは、この放射能の監視体制というものに、いわゆる一つの欠陥がありはしないかということを言われておるわけであります。そういう点についても、これは科学技術庁の所管になると思いますけれども——私はきょうは時間がありませんので全部総理に聞きたいと思いますが、ひとつこういう点についても、総理、笑いごとじゃないですよ。ほんとうにこれは国民の生命財産がかかっておる問題でありますから、そういう点では総理じきじき、ひとつこれはいますぐ科学技術庁あたりでは監視体制はどうなっているのか、ほんとうに新聞紙上で言われておるようになっているのかということを即刻あなたが調査をして、いかぬところがあればいかぬところは直して、いわゆる放射能の監視体制というものを強力なものにしてもらいたい。そうして国民が信頼できるものにしてもらいたい。こういう点、ひとつ総理どうですか。
○佐藤内閣総理大臣 科学技術庁長官もおりますから、具体的にはどういうふうにしているか、ひとつお聞き取りいただきたいと思います。
○鍋島国務大臣 今回のことから反省をいたしまして、今後におきましては放射能のスタッフあるいは係官を派遣することあるいはそのほか計器を増加してさらにいろいろな別の計器も備えて、いかなる場合にも応じるようなことを現在計画をいたしております。しかしてこれの予算が原子力予算で足りなければ、さらに予備費もお願いをして増加いたしたいと考えております。
○森本委員 たとえば、園田厚生大臣あたりはイタイイタイ病についてもはっきり言明をして、なかなか勇気のある態度であるということで、一般世間から非常に好評を得ておる。これは今度の閣僚の中で紅一点だろうと思う。ところがこういう放射能の問題になると、みなしり込みをしてしまう。こういう問題こそほんとうははっきりと言明をすべきなのですね。ところがいま言ったように、科学技術庁長官の答弁を聞いておりますと、まだまだたよりない点がありますけれども、しかしながら科学技術庁長官のいま言ったようなことを信頼をして、いずれ私は科学技術特別委員会あるいはその他の適当な委員会において、この問題についてはさらに私は長官そのものの考え方、それからこういうような体制のあり方、こういうものについて追及をしてみたい、こう思うわけであります。 さらに私は総理に対しまして、この間予備費をここで審査をいたしまして、もう可決されたわけでありますが、あのときに総理にこの委員会に出席を要求したわけでありますけれども、都合で来れなかったので、本来ならば、総理はこの一億数千万円を使われまして諸外国を回られたわけでありまして、具体的にどんな効果があったというふうなやぼな質問をするつもりはありません。ありませんが、しかしながらアメリカに訪問をしてそれから南ベトナムにも訪問をしておられる。そういうような情勢からして、いまパリ会談を行なっておる。このパリ会談の将来についての予測というのは、これはなかなかむずかしい。しかしながら、今後このパリ会談によって和平が行なわれる、ベトナムの戦火がおさまるということについては、これはもうだれしも望むところであります。そういう点について私は総理にちょっとお聞きしておきたいと思いますことは、若干の時間ではありましたけれども、南ベトナムを総理が訪問をしたときに、南ベトナムのいわゆる時の首脳部というものは、このベトナムの戦局の解決について一体どのように考えておったのか、どういう意見があったのか、できる範囲内において——言えないことを言えとは言いません。言える範囲内において、総理があそこへ行っていろいろ懇談をしたということになるとするならば、どういうふうなことを総理が話をしたのだろうということを、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 私が南ベトナム、サイゴンに出かけたのは、申すまでもなく、その当時申しましたように、和平への道、それを探求するにあった、こういうことを申しました。また南の大統領に会いました際も、またキ副大統領に会いました際も、やはり日本に、一つの役割りで、北と話し合いのできるような手づるはないか、そういう話が進むようならば、親書も日本の総理に渡したい、こういうふうな話をしております。したがいまして、当時からもうすでに、南におきましても、和平への道を探っていた、かように私自身はとってまいったのであります。一部で、私が南ベトナムに行ったことは、アメリカの北爆支持あるいは戦争支持だとか、かような非難を受けておりますが、さようなものではない。十分忌憚のない意見を相互に交換し、首脳者自身が努力をしておる。ただいまのような南ベトナムの心がまえというものは、同時に私は、その後アメリカに参りましても、そういう話をしておるわけであります。したがいまして、一部で非常な誤解を受けておりますけれども、さようなものでないことを、この機会にはっきり申し上げておきます。
○森本委員 約束の時間がきましたので、私はこれでやめますが、最後に総理に一つだけ聞いておきたいと思います。 このパリ会談がどういうふうな方向に発展をしていくかということはなかなか予測しがたい問題であります。しかしながら、場合によっては、最終的に関係各国あるいは各国の国際会議というようなこともあり得ると思います。そういう場合に、かりに日本がその中に入ってもらいたいという要請があった場合に、日本としては、そういう国際的な会議に入っていく考え方があるのか、あるいはそれともそういう点については全然考えておらぬというふうに考えておるのか、その点についての総理の見解を伺っておきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 パリ予備会談については、しばしば日本の私どもの態度を申し上げております。ようやく和平への糸口が見つかった、かように思いますので、これはぜひ実らしたい、そうして恒久的な和平がもたらされること、この方向であらゆる協力をするということを実は申しております。ただいま予備会談が始まったばかりでありますが、しかしパリのこの会談はさらに本会議になる多分の見込みがございます。そういうこととも合わせて、さらに二国間だけの問題でなしに必ず国際会議に発展するだろう、そういう場合には日本は一そうアジアにおける日本として、こういうものの終局的な話し合いに十分協力し、そしてこれが実り多きものにするためにあらゆる努力をするつもりでございます。またそういう際には、もちろん日本独自の役割りというものも明確になるだろう、かように私は期待しております。
○森本委員 まだたくさんいろいろ聞きたいことがありますが、約束の時間が参りましたので、時間どおりこれで終わることにいたします。
○大石委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 時間が二十分でございますので、いろいろ聞きたいことを簡単に聞きますから、簡単にお答えください。 まず第一点は、いま森本委員も指摘いたしましたが、四十年度決算で、不当、不正、いわゆる国費のむだ使いが、会計検査院から三百七十二件、金額にして十六億二千二百万円と指摘せられております。それだけでなく、汚職が、いま問題になっているのをちょっとあげただけでも、神戸の海運局汚職あるいは電子計算機汚職、JISマークの指定をめぐる汚職あるいは学校給食用のミルクをめぐる汚職、さらにまた防衛庁の黒いうわさ、数限りなくあるわけなんです。そこで総理がえりを正して綱紀粛正を唱えられてから久しいのですが、その間に具体的に何をやり、あるいは今後何をしてこのような状態をなくしようと考えておられますか、はっきりとお答え願います。
○佐藤内閣総理大臣 どうもこの種の汚職が次々に出ること、まことに私残念に思います。ことに行政の最高責任者として痛切に、ただいまのような不正あるいは汚職、こういうものが引き続き起こることはまことに残念でございます。そこでまずこういう事柄は、基本的には公務員が全体の奉仕者としてその職務の遂行に徹することだと思います。しかしそのためには、もちろん服務規律を厳正にするとか、あるいは責任体制を打ち立てるとか、あるいは内部監査を行なうとか、あるいは会計検査等の検査を厳重にするとか等々のいろいろな事柄があるだろうと思います。あらゆる知恵をしぼりまして、この種の事柄ができるだけ減るようにと一そう努力するつもりでございます。
○田中(武)委員 この不当事項のほかに、たくさん未確認事項というのが報告せられておるわけなんです。たとえば四十年度に会計検査院から指摘せられましただけを見ましても、十五件、金額にして二百四十三億九千六百万円、そして既往の年度、すなわち古いのは三十四年ころからまだ確認せられてないのがあるわけです。それが金額にして二百四十七億四千四百万円、件数にして三十一件、中には八年も九年も前の防衛庁の購入した電気器具あるいは航空機部品、こういうのが確認せられていないわけなんです。というのは、前払いしているが精算していない、あるいは一部アメリカとの関係がある、そういうことで確認をせられていないのです。しかし私はこの論議をしようとすると、時間がないのでやめますが、旧明治憲法の会計という章と現在の憲法の財政という章を見た場合に、憲法のとる態度は違う。すなわち国民財政主義、こういう上に立っていると思うのです。したがって、国民はある程度知る権利がある。それを未確認事項として知らせない、あるいは会計検査院においても検査ができないということは一体どういうことなんです。総理として一体どう考えられます。
○佐藤内閣総理大臣 その未確認というのはどういうことであったか、もっとお話を聞かないとわからないように思いますが、ただいま会計検査のやります監査において、実地調査もできますし、またいわゆる機密事項であろうが何であろうが、会計検査の検査を断わるというようなものは全然ないのでございます。必ず検査はやらなければならない。いま言われる国民は知る権利がある、そういう意味で、会計検査を通じて、そして必ず事態を明確にする、それには変わりはございません。したがいまして、ただいまの未確認事項がどういう原因でできておりますか、これはちょっともう少し話を聞かないとわからないように思います。田中君もよく御承知のとおり、会計検査が、防衛庁の仕事であろうが、検査をしない、また検査を断わられる、こういうことは絶対にございませんから、御了承いただきます。
○田中(武)委員 いろいろ原因はあるのですが、前払いをしておいて精算ができていないというのがあるわけです。しかし総理が、会計検査院の検査は、いわゆる機密事項だとかなんとかいって断われるものではない、こういうことを確認せられたので、了承いたします。 次に、これも先ほど論議になりましたが、佐世保港の放射能によるところの汚染の問題ですが、これはきょうの新聞等に東大の教授だとかいろいろの学者の意見等が出ております。それを総合しますと、放射能汚染以外のものではない、こういう意見が専門家の見解のようであります。そこで考えられることは、冷却水を流したのではないか、こういうことも考えられます。そこでもし冷却水を流したというような事実があるならば、最初の約束とは違います。しかもこの原潜寄港を承認するにあたって、原子力委員会が安全性を確認した。実際はそうでなくて、アメリカの言うとおりになったわけなんです。当時原子力委員会の委員長である科学技術庁長官は愛知揆一さんでありました。私は科学技術特別委員会で相当論議をいたしました。しかしそういうことは絶対にないのだ、こう言ったのが、あったのです。したがって、国民は原潜に対して大きな不安を持っております。また辻佐世保市長は、地元を無視するようであればもう寄港を断わると言っている。よく国民が納得するような調査をすると同時に、もしアメリカ側に、最初寄港のときの約束と違ったことがあるならば、はっきりと寄港を断わるべきであろうと考えます。総理の決意をお伺いします。
○佐藤内閣総理大臣 約束が違っておれば、これは厳重に抗議しなければいけません。もうお説のとおりであります。ただいまの問題とにかく先ほども森本君にお答えいたしましたように、何よりもまず第一は原因をはっきりさすこと、これがはっきりしないためにいろいろの憶測も出るようでありますから、まずそれと取り組む、かように御了承いただきます。
○田中(武)委員 時間の関係で次に進みますが、この四月の三十日の閣議で、田中総務長官から政府が行なったところの憲法に対する世論調査の結果が報告せられたと思います。いろいろ分けておりますが、結論的に言うならば、これは私は新聞で見た程度ですが、いわゆる現憲法は国民の間に定着しつつある、こういうことが結論であったように聞いております。ところが、ことしの五月三日は新しい憲法発布の二十周年記念であります。この二十周年記念を行なわずして、十月二十三日には明治百年祭を大々的に行なう。そうしてその予算は一千八百万円を計上しておられる。そこで、なぜ憲法二十周年の記念行事を政府としてやらなかったのか、なぜ明治百年を大々的に行なうのか、そしてその行事は一体どういうことを考えておるのか。式を考えておる、この間そういうことを聞いたのですが、しかし私は明治百年はやはり旧憲法下と新憲法下に分けて考える必要がある。同時に、これは私の考えですけれども、これは薩長の派閥政治の起点であります。長州出身の総理にはめでたいか知りませんが、この百年の歴史の中には、女工哀史あるいは小作争議あるいは労働者の搾取が続けられて近代的な国家になったと思います。したがいまして、この明治百年の中には、それを祝うと同時に、百年の反省が必要であろうと思いまするが、総理はいかがでしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま新憲法、これは政府はいま憲法祝賀会というものをいたしません。私も最初一、二回皇居前で行なわれたときには出たような記憶がございます。またこの事柄については、今後は大々的に二十一年だから——いま二十周年と言われるけれども、二十一周年、しかしそれについては社会党も声明を忘れたとかいうような批判が新聞に出ておりましたから、あまり言わないほうがいいかと思いますが、とにかくこれは新聞ですから、その記事を私はそのまま御披露するわけです。ともかくも新しい憲法がいま定着しつつある、これは世論調査の結果でございます。それはそのまま認めたらいいだろう。 そこで、明治百年の問題であります。明治百年は、これをひとつ祝うということをきめて、ことしの十月二十三日ですか、そういう祝典を設けるわけでございます。しかし、そのねらいは一体何なのか。これは別に懐古趣味あるいは復古調、それを呼びかけるというものではございません。明治時代、この百年の来し方をいろいろ考えますと、私どもが双手をあげて賛成するものもありますし、中にはわれわれに強く反省を要望するものもあるし、これはいろいろでございます。とにかく過去を十分顧みまして、そうしてこれから先どういうように日本が行くべきか、また国民の力を結集すべきか、こういうようなことをいろいろ考えればいいのだと思います。私はいま申し上げますように、復古調あるいは懐古趣味、そういうものに浸る、こういう意味で百年を云々するわけではございません。したがいまして、いまの祝典、さらにまたいろいろの行事が行なわれます。やはり過去を考えてみますと、反省すべきものもありましたが、すばらしい発展でありますし、ただいま言われましたように、封建制度、これから脱皮しまして、藩閥政府というようなものもありましたが、それがだんだんこわれて、近代的な民主主義の国にまで成長したのでありますから、これらのことを将来のかてにしてりっぱなものをつくりたい、かように思っております。
○田中(武)委員 私は明治百年の記念にあたっては、過去の百年を反省をする必要がある、こう申し上げました。そしてこの百年祭を一番期待しておるのは、選挙違反で現に事件が係属中の人であろうと思います。そこで総理、明治百年にあたって恩赦を行ないますか、行ないませんか。ことに選挙違反に対する恩赦はどうです。
○佐藤内閣総理大臣 きょうも参議院の本会議で、この明治百年の行事として政令恩赦を行なうかどうかということを聞かれました。もちろん私は率直に、ただいまさようなものを考えてないということを申し上げました。ただいま言われるように、こういうひとつの記念すべき事項、そういう際に意義のある恩赦はいたしたいと思いますが、いたずらに問題を起こすような恩赦はしたくないというのが政府の率直な考えでございます。
○田中(武)委員 それでは、選挙違反に対する政令恩赦はやらないと理解してよろしいですか。それを確認します。 それから、今後開発途上国、ことに東南アジアに対して、日本の経済援助といいますか、経済協力、これは、その金額にしてもますます上がってくると思います。そこで、総理は東南アジアの開発途上国に対する援助、これの目的と理念をどのように把握しておられますか。たとえば二月八日ジョンソン大統領が下院に提出いたしました海外援助の特別教書では、ジョンソン大統領ははっきりとこれはアメリカのためだ、こういうようにうたっておりますが、この経済援助について総理はどのようにお考えになりますか。
○佐藤内閣総理大臣 恩赦について、政令恩赦はただいま考えてないということを申しました。したがいまして、選挙違反について特にどうこうというのでなしに、全体についていま考えてない、かように御了承いただきます。 それから経済協力の問題について、ジョンソン大統領が言ったということを引き合いに出されて、日本はどう考えるかということであります。私はアメリカの考え方はアメリカがきめるでしょうが、日本の場合は日本がひとつきめていく。そうしていま御承知のように平和国家として日本は出ておりますが、外部に対する膨張政策、これはもう放棄しております。したがって、軍事的にはもちろんでありますが、経済的にもいわゆる膨張政策というものはとらない、こういう立場でございます。私どもがいま経済協力をいたしますことは、真の平和達成のためには開発途上国の民心が安定する、政治が安定する、そういうことが望ましいのだ。そのためには経済的に繁栄することだ。生活の向上があれば必ず政治も安定する。そういう意味で私どもは協力する。したがって経済協力あるいは技術協力等々の協力をいたしまして、開発途上国の独立の達成に貢献したい、寄与したい、私はかように思います。したがいまして、日本が力以上の協力をするつもりはございません。この点が大事なことでありまして、私は相互に必ず利益を受ける、そういうものがあると思いますが、そういう意味の経済協力をしたい、かように思っております。
○田中(武)委員 これ一問で終わります。 総理も参議院の予算委員会等で、また私ども暫定予算でちょっと触れましたのでその途中のことは省きますが、インドネシアへ輸出した、ところがインドネシアの国立銀行が支払いを停止した。そこで輸出保険金として総額百八十二億という、商社十二社に対して——一億以上が十二社に対して保険金支払いがされておる。こういうような問題につきまして木村参議院議員が参議院で聞いたときに、これはいわゆる公職選挙法に違反しないかというようなことだったのですが、総理は保険金を受けたものは別に束縛を受けない、このような答弁をしておられますが、私はこの保険契約というものは特殊なものであり、そうして損をするところが損をせずに済んだということも、これは利益だと思うのです。したがって公職選挙法百九十九条に違反するものだと思います。さらにその後大手八社が一年間に、四十一年七月一日から四十二年六月の末までに約九千万円の献金を国民協会等を通じていたしております。この行為が百九十九条に違反するのではないか。したがってこの献金を受けましたところの国民協会等は、今度は政治資金規正法の二十二条ですかの違反になるのではなかろうか、こういうように思うわけであります。 そこでもう一つお伺いしますのは、その点と同時に、いろいろと防衛庁の受注をめぐって黒いうわさといいますか問題が起こり、またそれをめぐっていろいろなことがあったことは御承知のとおりであります。そこで丸紅飯田、伊藤忠、日商、これらが次のFX等について受注を受けるであろう。この三社のうちのどれかが数千億にわたるところの受注を受けるであろうということが想像がつくわけなんです。ところがその丸紅飯田あるいは伊藤忠、日商が四十二年上半期だけで国民協会等に献金した金が、丸紅飯田が一千三百万円、伊藤忠が一千二十万円、日商が六百三十万円であります。これは現在の公職選挙法及び政治資金規正法は、現に取引をしてないとかということは除けるようになっているのです。しかしこの間に衆議院の総選挙が四十二年一月に行なわれています。しかしそのときに現に選挙のときに政府と契約してない、こういうものは自民党の修正案によって法律から除かれておるのです。ところが昨年四十二年一月の総選挙は、いわば黒い霧解散と言われて、そうして政界の浄化、いうならば政治資金規正法をもっとはっきりしたものにつくり直すのだ、そういうことが私一つの選挙の目的であったと思います。ところが今日まだ政治資金規正法が成立をしていないということであるならば、私はその総選挙の意義が半減したのではないか、こう思います。そこでいろいろとこの政治資金規正法については、質問をあらゆるところで展開し、また総理も答えておられますが、最近政府案が考えられておる、こういうことでありますが、それはもういままで以上に青天井のものであると聞いております。そうでなくて、島田答申案に沿うところの政治資金規正法をつくり上げてこそ、私は四十二年一月総選挙の意義があったと思います。この政治資金規正法に対してどのように考え、これからの政界浄化のためにどのような行動を総理とし、あるいは与党の総裁として総理は考えておられますか、お伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 インドネシアに対する輸出保険の問題、これは御承知のように保険手続によってただいま実施しておる、その金額が百八十二億。この金額は別といたしまして、とにかく行なわれておる。その商社が同時に政治献金をした、これは明らかに公職選挙法百九十九条の違反ではないか、こういう論旨のように伺いました。私は田中君のせっかくの法律論ではあるが、実はこれには反対でございまして、いわゆる輸出保険というものは、これはだれでもそういう状態が起これば必ず保険として賠償するというか弁償する、こういうものでありますから、商社等が献金をいたしましても、これは常識的な献金であれば問題を起こさないで済むんではないだろうかと思います。私は、ただこういう場合の商社の扱い方、献金する場合においても、くさいにおいが残るようなことは避けなければならない、献金の姿勢にあるだろう、いわゆる法律違反の問題とは考えません。 それから防衛庁の問題について、いろいろお話がございました。ただいま防衛庁におきましても、機密漏洩等についていろいろ規律を厳正にするということで、ただいませっかく努力中であります。しかしこのことが直ちに発注する商社につながって、また特別の商社をとめるとかどうとかいうような処分にまで発展するかどうか、ただいまのところまだ見当はついておりません。 そこでいまの献金の問題といいますか、政治資金の問題こういう方向に発展する可能性はもちろんあるわけであります。私は政治資金規正は、これはぜひともしたい、かように考えて今日までおりました。また前国会におきましても、政治資金規正法案を提案いたしました。しかしこの審議はなかなか困難でありまして、私はその審議の経過にもかんがみまして、今回はよほど後退し、あるいはやる気がないというようなお話がありますが、いわゆる理想に走らないで、現実に即した案で、いわゆる一歩でも二歩でも前進していく、そうして政界の批判のある、国民からの批判のある政界と資金との関係をもっと明朗化する、そういう方向で努力したいと思います。私が申し上げるまでもなく、政治資金の問題は選挙のあり方、選挙制度のあり方、あるいは政治活動の実態、同時にまた国民の政治認識の意識の問題もございます。それらと関連しているたいへん複雑な問題であります。したがいまして、いわゆる選挙制度調査会が答申をいたしましたものは、たいへんものわかりのいい話ではありますが、いかにも政治が悪であるかのような印象を国民に与える。政治はこれはぜひともりっぱな政党のもとにりっぱな政治を行なって、国民の生活の向上をはかるべきものだ、それにはやはり適正な金は要る、いまお互いが選挙に臨んで、会場一つ借りてもそれはただではないはずだ、PRの費用だってたいへんなものだ、かように思うとやはり金は要るんだ、しかし金は要るがその金はどこまでも合法的なものであり、明朗なものであり、清浄なものでなければならない。こういう意味でただいまの政治資金の問題が議論になるわけであります。しかしてこの選挙制度調査会においては、金をとめるほうにはなかなか熱心でありますけれども、現状、実情については十分把握してないように思う。私はそういう点も考えて、現状に即したもので政界の浄化をはかっていく、そのためには不断の努力が必要だ。今回のまず第一は、それは程度もたいへん低いもので不満ではございましょうけれども、まずやらないよりはやるほうが数等いいわけなんだ、かように考えてただいま法案を提案している。これはいずれ委員会を通じましてうんと審議をいただくことだと思います。どうかそういう意味で問題をとらえていただきたいと思います。
○田中(武)委員 時間が来たのですがちょっと総理の答弁が長過ぎたので、公職選挙法の解釈については疑義があります。しかしそれをやっておると時間がありませんからきょうはおきます。 最後にもう一点だけ。フィリピンにおいて日本の商社十八社の閉鎖命令を出しております。これは日比通商友好航海条約ですか、友好条約が批准せられていないということにあると思うのです。ところが昨年総理はフィリピンにも行かれて、そうして共同声明を出しておられるわけです。これの解決に対して——東南アジアではフィリピンがいま日本との貿易量が一番多いのですが、どういうように考えておられますかお伺いします。
○佐藤内閣総理大臣 通商航海条約の批准もまだできていないそういう際に、この種の事件が起きたことは私たいへん残念に思っております。またフィリピン政府もさような意味で、こういう問題が起きているが善処するからしばらく模様を見てほしい、かように申しておりますので、私もあまり声を大にして非を云々するよりも、実際的な妥結の方法をはかるべきじゃないか、かように思ってただいま努力中でございます。
○田中(武)委員 不満ではありますが時間が来ましたので終わります。またあらためて。
○大石委員長 華山親義君。 華山君十分間あります。
○華山委員 先ほどから佐世保のソードフィッシュの問題がございましたけれども、アメリカの協力なくして調査ができるものでございますか。科学技術庁長官にお伺いしたい。
○鍋島国務大臣 私は、現在は日本で結論を出すべく急いでおりますが、アメリカの協力も求めるつもりでおります。
○華山委員 アメリカの協力なくして——その当時修繕をしたというのであるから、どういうふうな修繕をしたのか、そういうふうな実態がわからなければ、総理大臣の言われるような、まず何が原因であるかを究明すると言われても私はできないと思う。その点につきまして総理大臣に伺いますけれども、アメリカに対しましてこの問題の究明に協力を求められるお考えはございますか。
○佐藤内閣総理大臣 もちろんただいま科学技術庁長官がお答えしたとおりであります。これはアメリカの協力も必要だ、かように思いますので、積極的にこの問題を究明するために協力を求めるつもりであります。
○華山委員 しかしこの問題につきましては、結論は日本が出すべきものだ。日本の領土内に起きたことであるから日本が結論を出すべきことだ。アメリカがどういうふうな反対論を言おうとも、日本の学問的な研究の結果によって出されるべきものだと思います。その点につきましてアメリカが同意しないとかなんとか、そういうことで結論が曲げられるようなことがないのかどうか、総理大臣にお伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 日本が結論を出すという、華山君の言われるとおりであります。私はアメリカが協力しないからといってそれで結論が出ない、こういうものではないと思います。あらゆる努力をいたしまして結論を出す。これでひとつ……。
○華山委員 ややもすればアメリカとの意見が一致しないからわからなかったというふうなことになることをおそれて私は申し上げるもので、日本独自の立場で結論を出していただきたい。 次に伺いますけれども、このような事態が起きたあとで、何が原因であるかということを究明するには相当の時日が要るかもしれない。こういうことの起きた以上、その間はアメリカの寄港というものは見合わしてもらう、当然のことだと私は思うのです。われわれ私生活においても当然なものの考え方であって、その当然なことがアメリカに言えないということは私にはわからない。事実の究明のあるまで寄港は断わるべきじゃないか、これが常識なのではないかと思いますけれども、いかがでございますか。
○佐藤内閣総理大臣 いまの日米安全保障条約によれば、日本の施設を米軍が使う、使わすという義務があること、これはもう御承知のとおりであります。そこで問題が起きたものについてそれを断わるという。これは幾ら施設がどうこうでありましても、断わってちっとも差しつかえないと思います。ただこの程度の事柄で断わることに値するかどうか、これはもう少し研究問題だと思います。私はむしろ逆に、この程度のものならば、入港さしてみて、その原因を究明するいい材料に使ったらどうか、こういう説も必ず出てくるのではないか、かように思いますので、いましばらくその結論は待たして、私のほうで研究さすようにひとつ……。
○華山委員 私は、総理大臣がこの程度のものであるならばと言われることには納得がいきません。どの程度のものが今後起きるかわからない。そこに問題があると思うのです。私しろうとでございますからわかりませんけれども、これはこの程度で済んだけれども、将来どの程度のものが起きるかわからない。そこに危険性がある。それで私は、その原因のわかるまでは、それはアメリカとしては寄港するところの権利はあるかもしれませんけれども、遠慮してもらったらどうですか。
○佐藤内閣総理大臣 これは華山君のお話とも実は受け取りにくいのです。私は、科学技術、ことに原子力の問題については、しばしば日本人は核アレルギーにかかっているのではないかといわれますが、いまのお話を聞くとまさしくそういうことじゃないか、かように思います。とにかく私どもは起こるべき事柄について十分注意しなければなりません。しかしおよそ科学的には起こるその危険というものがあるのでありますから、それを全然無視して、もっと重大なことが起こるだろう、かような議論には私そのまま賛成しかねるのです。
○華山委員 核アレルギーも困りますけれども、核無神経も困る。今後どういうふうな——こういうことが起きてから、今度もこの程度で済むだろうというふうな無神経な態度は、ものが核であるだけに私は困ると思う。この問題はそのくらいにいたします。 次に伺いたいのでありますけれども、この前の委員会で東大の宇宙研究所の問題で、武器輸出の問題につきましてお尋ねをいたしました。その後関係各省においていろいろ協議された結果、一応の具体的な原則をきめられたということでございますけれども、どういう原則なのかお伺いいたしたい。通産省の関係の方でもよろしゅうございます。
○椎名国務大臣 武器輸出に関しましては、規制上三つの原則を置いておる。第一は共産圏諸国向けの場合。それから国連決議によって武器等の輸出が禁止されておる国向けの場合。第三は国際紛争の当事国またはその当事国となるおそれのある国向けの場合。この三つを規制しておる次第でございます。
○華山委員 この第三項でございますが、現在南ベトナムにおきましては戦争が行なわれております。参戦七ヵ国とよくいわれますけれども、この参戦七ヵ国はすべて第三の国際紛争の当事国、これに入りますか。
○椎名国務大臣 何とおっしゃったのですか。
○華山委員 現在南ベトナムで戦争があるわけでしょう。これに参戦している国は三項に入っているのかどうかということです。
○椎名国務大臣 わかりました。参戦しておる国は国際紛争に関係がございますから、これに対する武器輸出は規制されるのが当然でございます。
○華山委員 アメリカから武器の輸出ということは言ってこないとは思いますけれども、アメリカも入りますね。
○椎名国務大臣 もちろん入ります。
○華山委員 それで、このようなことがきまりましたあとで、フィリピンに弾丸プラントが出ている。この弾丸プラントは治安警察のためだということでありますが、治安警察のためであるならば武器の輸出はこれらの国々に対しましても許すのでございますか。
○椎名国務大臣 フィリピン向けの銃弾プラントの輸出承認のいきさつでございますが、これは昭和三十一年の五月九日に調印された日比賠償協定の付属品目表に「弾薬工場」ということが特掲されておりまして、当然国会の承認を受けたのであります。その後、本協定に取りきめられておる実施計画に基づきまして、昭和四十年十一月から本プラントを構成する五つの契約について順次認証が行なわれまして、具体的な賠償契約が成立することに相なった次第であります。この間、昭和三十九年八月、フィリピン国のマカパガル大統領からその当時の池田総理大臣あての親書が届きまして、(華山委員「大体経過は知っておりますから、簡単でよろしゅうございます」と呼ぶ)そうですが、もう少しですから……。本件プラントの製品については国家警察のみに使用して治安維持等に用いられることが確認されておるわけであります。この認証に基づきまして、国内法令上の所要の手続をいたしまして、輸出貿易管理令による承認が行なわれた、こういう経過であります。
○華山委員 このフィリピンに輸出されたところの弾丸プラントは、八時間三百日の稼動といたしまして、千五百万発である。警察官一人当たりにいたしますと五百十二・六発。これを日本の自衛隊の一人当たりに考えますと、約五倍の弾丸数になりますし、日本の警察に比べますと、約九倍のものにあたるわけであります。しかも八時間三百日でございますから、千五百万発があるいは二千万発、二千二、三百万発にならないとも限らない。しかも、これにつきまして、警察のために使うのだということは、何らそれにつきましての規制も何も日本ができないわけなんです。それで私は思うのでございますけれども、こういうふうな実態、警察のためだからいいというふうなことで、治安のためだからいいというふうなことで輸出するということは、武器輸出の原則から見て反対であります。 なお、このようなことをお聞きいたしますのは最近韓国に対して武器プラントを輸出するという浮説があります。この点につきましては、私ばかり言うのではない、私の耳にだけ入るのではない、多くのものにそういうことが書いてある。自民党の国会議員の書かれたものの中にも書いてある。私はこの浮説というものは一体あるのかどうか、通産大臣なり総理大臣のお耳に入っておりますかどうか、お聞きいたしたい。
○佐藤内閣総理大臣 いま韓国向けにプラント輸出、しかも弾薬、弾丸等をつくるそういうものがあるというお話ですが、私の耳に入っておりません。入ってないからというだけで責任のがれするわけじゃありませんし、ただいま御指摘になりましたように、武器を直接出すのと武器製造のプラントを出すことと、非常にその性質が、場合によったら、考え方によってはもっと後者のほうが罪が重いとも考えられるでしょうから、このプラント輸出についてはよほど慎重にやらなければならない、これを華山君も御指摘なのではないか、かように思いますが、私もそのとおりこれは慎重にしなければならない、かように思います。
○大石委員長 通産大臣御答弁ありますか。——華山君。
○華山委員 慎重にやるということでなくて、そういうことはいたしませんと、どうしておっしゃれないのですか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの点は、言外を十分御理解いただけるだろう、私はやっぱり慎重だ、かように思っております。
○華山委員 いろいろお聞きいたしたいのでありますが、これで終わります。
○大石委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 総理に、主として行政改革について伺います。 行政改革は四年越しの佐藤内閣の政治的公約でございます。また臨調の答申がございまして以来、しばしば総理は国会等におきまして、その尊重、実現に努力する旨を言明してこられました。こういうような佐藤内閣の歴史的な重要課題でございます。それにまた最近の行政の実態あるいは財政の硬直化の実情あるいは行政並びに広く政界の汚職腐敗事件の続発、こういうような、言うならば悪習陋弊の山積するような状態のもとに、やはりこの制度改革というものは、行政といわず財政といわず、相当重要性が増してきたものと思われます。この際に行政管理庁が主となって、行革の諸般の案が世間に伝えられまするが、私は第一に、やはり内閣の重要な公約でありまするから、これは各省一致して推進するという体制がなければならぬ。総理は、大臣も、どの省においても別の変わった意見がないような言明がございましたが、各省一致の体制を強化する、これは総理の指揮によってあるべきだと思うのですが、この点いかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○吉田(賢)委員 もしそうであるとするならば、これは六月には、本年二月二日の閣議決定によりまして、各省はそれぞれ行政改革に対する自己省の案を持ちよること、出すことになっております。これも必ず実行せにゃなるまい。 それから、一面この国会自身がこの行政改革についてとかく十分な理解がないかのような印象を社会に与えております。したがいまして、これは国会みずから反省する面があるのではないだろうか。阻害因の一に国会議員の意思があるのではないかと考えられますが、これはやはり国会みずからが姿勢を正すような体制になりまして、そして積極的な体制で国民の付託にこたえるということが必要でないか、こういうふうに思われますが、この点いかがでございますか。
○佐藤内閣総理大臣 吉田君がただいま御指摘になりましたように、吉田君はたいへん熱意のある御意見を述べられました。この行政改革は、世の中が進んだ、それに対応しての効率的な行政組織をするのでございますから、それこそが国民のためになるものだ。ところが、これができないのは一体何なのか。行政改革をはばんでおるものはいろいろございます。これは一言にして申せば、いまの機構そのものは、権限意識等からいたしまして、現状維持的な考え方が非常に強く働いておる。また、いま国会のお話が出ましたが、一般的にも抽象論としてはよく賛成されますが、具体的な問題になるとどうも熱意を欠く、あるいは各種団体等におきましてもやはりこの行革遂行への熱意をはばんでおる。これはひとり組合というわけじゃございません。各種団体同様でございます。そこらに官僚機構の悪い点が出ているんだ、かように私は思います。すばらしく世の中が変わってきているそういう際に、やはり思い切って各省が心を合わせて新しい行政需要にこたえる、それにはどうしたらいいか、それを真剣に考えなければならない、かように思っております。
○吉田(賢)委員 四十年度の決算をあげるにあたりまして、これを顧みましてもずいぶんと多額の財政の浪費も出ております。あるいはまた人間労力の浪費ないしは予算執行の途上におけるあまりにも大きなむだ、こういうものが出ておりますが、根本的にはいまお述べになりましたような予算のぶんどりであるとか圧力的な陳情であるとか、あるいは公務員というものは本来持っておると称する、膨張の本能があるそうでありますから、パーキンソンの法則ですか、そういったものもあるそうでありますので、そういうようなものは大きな、高い見地から国民に奉仕するという立場に立って改めていく、自他ともに相一致して助け合って協力するということで、国会と行政庁を一体にしていくという体制まで持っていく。これは総理でもあり行政庁の首長、また多数党の総裁、こういう非常に重要なお立場ですから、私は一そうその姿勢を厳として、国会と行政庁の一体の体制で推進する、これ以外に手はない、これ以外には国民を説得するとかPRするとかいったって手はない、こういうように思っておりますが、いかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 いまのような御意見について、私も賛意を表しますが、ここで一つ例を申し上げたい。それは、いわゆる公共事業体、たとえば鉄道だとか郵政あるいは電電というようなものですね。これはたいへんに仕事の量がふえたにかかわらず、大体定員を固定した——あまりふやさないで、とにかく業務を遂行して乗り切っておる。(「労働過重だ」と呼ぶ者あり)もちろん、いま労働過重というような声も出ますけれども、私は、これはたいへん思い切った、事業体としての労使双方の協力によってのできばえだと思う。いまの状況におきましても、さらにもっとくふうをすべきものだということが指摘されております。ところが、いま事業体のほうはそういうことになっている。そして、いまの時代ですから、いわゆる出血整理というようなことは考うべきではない、だれもさように思っておりますから、そういうことは避けなければなりません。しかし、あまりにも事務的系統、その方向においては少し人がふえ過ぎているんじゃないか、こういう点を指摘せざるを得ないのです。私は今回一省庁一局整理という、これはずいぶん思い切った案を出しました。しかし、これは実はほんとうのはしりでありまして、これはほめられる筋のものではない。しかし、今後総定員法のもとにおいてやはり五%減らすという、これなどは非常に実質的な効果をねらったものであります。しかしこれはどうも関係の皆さん方の協力を得ないでただいまたいへん難航を来たしております。しかし私はこれをぜひとも実施したいと思っております。しかしこれは出血整理というようなものではないのです。いま過剰定員を持っている、そういうところは補充しない。しかし新しく要るところのもの、そういう増員にこの過剰定員を振り向ければ総体としてはまかなえるじゃないか、こういうので、そういうねらいは、私はたいへん役立つことだと思う。ぜひともそういう意味で御賛成を願いたいし、先ほど国会においても協力してやろうというような意気込みでいらっしゃること、ありがたくお礼を申し上げて、ぜひ御協力を願う次第でございます。
○吉田(賢)委員 いまお述べの公務員制度の改革、私は公務員制度の改革につきましては、もっと高い立場に立ちまして、人間を浪費している現在の公務員制度、機構、運用、こういうものに対してメスを入れる、こういう必要があるのではないであろうか。したがいまして、私は根本的に公務員制度の改革の阻害要因を除去するというためには、待遇を十分にして、専門化して、信賞必罰を厳にして、能率を向上させて機構をたえず改善し、魅力のある職域にする、こういう反面が強く打ち出されまして、そして各方面の力を合わせてこの制度の改革を実現する。これをすることができなければ行政改革の看板をおろさなければいけませんです。とてもできません。これは、いうならば、何百万の諸君がこの職域におるのでありますから、重要な関係のあることを申すのではありません。しかしいまのような人間を浪費するような状態を改めまして、それぞれ適職におって、安んじて生涯それに打ち込み得るような立場に置き、生き生きとした成果をあげていく、これがほんとうの行政のあり方だろうと思いますので、この制度につきまして真剣な決意を望みたいと思うがいかがですか。
○佐藤内閣総理大臣 吉田君からただいま御指摘になりましたように、公務員制度そのものにおいても、人を活用するといいますか、そういう意味で生かして働いてもらう、こういうところにいままでも気をつけてまいりましたが、今後とも、御指摘がございましたから、さらにその方向で整備をしていく考えでございます。
○吉田(賢)委員 さらに財政、行政を通じまして、その改革の重要な一面といたしまして、たとえば予算のぶんどりあるいは圧力的陳情政治、こういったいろいろなものがありますが、アメリカの例を引くのではありませんけれども、一九六五年のジョンソン大統領の声明、あるいは六六年における各省庁に対する政府全体への覚え書き、六七年における予算教書、あるいは六七年の三月における議会教書、こういったようなものにあらわれております例のPPBSの制度でありますが、計画性をもって予算を作成するということは、この宇宙時代にふさわしい予算制度のあり方ではないであろうか。ジョンソンは各省に向かって一斉に導入を検討すべしということを号令いたしております。わが国も大蔵大臣の熱意によって、先般アメリカに人を派遣して調査して、財政制度審議会にも報告して、一部実施のことを声明したようであります。たとえば瀬戸内海における架橋の調査、こういうものを実施するのに声明いたしておりますが、いずれにしてもこれは実行の段階に入る面が相当あると思うのです。でありますので、この予算制度の改革というものは、最も合理的に、最も計画性を持った、あやまちのない正確な、あらゆる資料に基く作成をしていく、これに協力する、そうして政策を打ち立てていく、こういうふうな方向へ持っていくことが、私は決算で、あるいは浪費、あるいは違法、不当というものを根絶する最大のかぎであろう、こういうふうに考えておるのでありますが、総理はこの機会に、行政改革を打ち出していかれる以上は、各省に向かって積極的にこの制度の導入、検討を命ずる、こういうことをなお一局削減のごとき勇気をもってなさってはいかがか。四十四年度の予算作成に問に合うところは実行せよ。公共事業のごときは当然できるのでありますから、こういうふうにされてはいかがかと思うのですが、いかがでしょう。
○佐藤内閣総理大臣 たいへんけっこうな御意見をいま述べられました。いまでも予算編成及びその執行にあたりまして、ただいま言われるような計画性を持たすとか、だんだんそういうことにはなりつつございます。しかしながら、まだただいま言われるようなPPBSというようなはっきりしたシステムを採用したわけではございません。したがって、かっこうな問題があるのでありますから、これはアメリカがやったからといって毛ぎらいしないで、全体主義的な行き方は困りますけれども、民主主義的な行き方であれば、私は東側からも新しい制度で効率的な能率的なものを導入することにやぶさかではない。とにかくこういう問題については広く知識を世界に求める、こういう態度でありたい、かように思います。だから、ただいまの問題についてはさらに検討を進める、こういう態度をはっきりしておきます。
○吉田(賢)委員 私は、この機会に総理大臣が各省に向かって具体的に検討をすべしということを命じなさることを御要請申したいのでありますので、この点はもう一度御留意願っておきたいと思います。 それから、行政改革についての本年二月二日の閣議決定がございますが、この閣議決定は、六月末までに各省庁から行政組織事務機構全体にわたり総点検を行なう、そしてしかるべき改革をなす案が出されることになっているはずでございます。これはさっき行管の長官に聞きましたところ、どの省からもまだ出ていない。もう五月の半ばでございますので、これはまことに心細い限りであります。そこで、総理も、各省一致の態勢でこれはやるべきだ、また国会と各省とも一体の態勢で行革を推進すべきだ、こういう御意見だと承りましたので、それならば、この機会に一そう明らかにその態度を表明するために、ふるって各省がそれぞれ一番適当な改革案を出すことを、内閣といたしましても、強く閣議決定を実行すべしということの御要請あってしかるべきだ、こう思うのであります。 そこで、そういうふうに思いますゆえんのものは——いたずらに決算委員会がスキャンダル場を展開いたしましたら、天下の耳目はここに集中いたします。しかし、財政のじみな数字を検討していくということは、委員会におきましても、ごらんのとおりりょうりょうたる状態なんでございます。これはまことに政治の貧困を申さなければなりませんので、これはいかぬと思います。したがって、こういうような一つの機運が盛り上がろうとしておるときでありますので、やはり各省はふるって国民のこの行革の要請にこたえるということで、この六月末までには必ずしかるべき各省の案を持ち出して国民にこたえていく。それならば国民の認識が深まります。それならば、弊害もだんだんそのほうからためられていくことになりましょう。国民の協力を得ることになります。国会もまた積極的な態勢を展開すると思いますので、そういうふうに進めるように、これは内閣といたしまして、総理といたしまして、各省庁はぜひともそれを実行するように重ねて御要請あってしかるべきでないか、こう思うのであります。
○佐藤内閣総理大臣 先ほどの予算の編成並びに執行にあたってさらに計画性を付与するように、この話は実はこの決算委員会に出てまいります前に、正直に申して大蔵大臣とも打ち合わせ済みでございます。これは予算編成に際しまして、大蔵省で各省にいろいろ指導するだろうと思います。PPBSのいい点はただいまの計画性を持つことでありますが、しかし、まずい点というか、いまの点でどうしてもなれないものは、一年ぽっきりの予算というものがいま大部分ですから、そういうものに全部が継続するようになると一年の予算編成でなくなる、こういう点でありますから、さらにそこらをもっと研究する必要があるだろう。それで、私が閣議で各大臣に号令をかけるよりも、大蔵省が予算編成にあたってこの問題と真剣に取り組む、こういうことが望ましいし、また項目別にやはり指導もできることだ、かように思います。 それから第二の行政の総ざらいの問題、総点検の問題、ただいまやや時間がおくれているというような意味のお話でございましたが、しかし、この総ざらいをしなければ、もちろん行政改革の実態としての成果があがりません。そういう意味でそれぞれ項目を定めて総ざらい、点検と取り組んでおりますから、必ず近いうちにそれらの実際の結果が出てくるだろう。それに従いまして、個々の、じみちな問題ではありますが、行政の整理にかかっていく、かようにいたしたいと思っております。
○吉田(賢)委員 終わりに臨みまして、当委員会はごらんのとおりじみな委員会でございますけれども、しかし、政府に向かって改善を要求するような事項につきましては、必ず具体的にこれに対処して、そして次のしかるべき機会に御報告せられますように、この委員会はすべての不当事項を指摘するわけにいきませんので、代表的なもの幾つかを指摘するにとどまりますが、しかし、それはそれによって同じ種類の問題の解決の資料にするというくらいな真剣な取り組みをしていただいて、そして次の予算作成には必ずこれを取り入れていく、こういうふうに活用せられることが当委員会の持っておる使命を生かすゆえんであろうと考えますので、総理に対してこの点についての御所見を伺って、私の質問を終わります。
○佐藤内閣総理大臣 これだけ予算の決算としての審査をしていただきまして、いろいろ得がたい、とうとい御意見を聞かしていただきまして、政府はその趣旨を尊重して着々と進めてまいりたい、かように思います。一時に全部実現はいたさない、そういう意味で期待に反しておる、こういうふうなおしかりを受けるかもしれませんが、着実な歩みを進めてまいりますから、どうかこの上とも御鞭撻のほどをお願いいたします。
○大石委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 同僚議員からいま質問がありましたが、事が重大な問題でありますので、四十年度決算の総括に先立ち総理に質問をいたしますが、米原潜ソードフィッシュの周辺で、異常放射能値の原因が、米原潜による放射能汚染の疑いが濃いという科学技術庁の調査団からの報告が報道されております。三十九年八月アメリカから口上書で、周辺の一般的な自然放射能に測定し得る程度の増加をもたらす放出水その他の廃棄物は軍艦から排出されないとの約束であったが、今度の場合原潜による汚染だとすれば、政府はどのような処置をとるか、総理にまずお伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 先ほど来、この佐世保港の放射能の汚染についてはいろいろお尋ねがございました。政府といたしましては、できるだけ早い機会にその原因をはっきり探究して、これを明確にすることだ、かように思っております。
○鈴切委員 原因を追求するのはもちろんのことであります。しかし、こういう問題は往々にしてうやむやになりがちであります。政府はいつでも結論が出てからということを言っていないで、事国民の生命にとって重大な問題である、そういう観点に立つならば、最悪のことを考え、疑いを起こして対策をとるべきが政府の責任ではないかと思います。その上で考えられる原因を消していくのが本質であると思うのでありますが、いま総理の言われる、他の原因ではないかと考えるというのは、安全性についての考え方が間違っているのではないか、そう私は思います。国民の生命財産を守る総理としてどのように考えられておるか、その点についてお伺いします。
○佐藤内閣総理大臣 時間の短縮上、先ほどの答弁でお許しを得たいと思います。
○鈴切委員 十日の衆議院科学技術振興特別委員会で、同僚議員の質問に対し鍋島技術庁長官が、もし放射能汚染によるものと判断されれば、米側の約束違反を理由に原潜の寄港を拒否することができると答弁しておりますが、それが事実だとすれば、それくらい強い決意をもって総理は臨まれるかどうか、お伺いします。
○佐藤内閣総理大臣 鍋島君の申したとおりでございます。
○鈴切委員 そうすれば当然ここで考えられることは、現在その原因が、総理の話であるとするならば、はっきりしていない。そうならば、今後その原因がはっきりされるまで、安全性が確保されるまで入港については拒否される意向であるかどうか、お伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 これは先ほど華山君にお答えをいたしたように、ただいまのところこれを拒否するというような考えはございません。
○鈴切委員 今回の佐世保の監視体制が不備であったということは科学技術庁の長官は認めております。過去の横須賀、佐世保に入港した原潜に対しても不備不完全と認めざるを得ないか、海底、魚介類、海草類は汚染されていないか、それを調べたかどうか、今後の対策は、また安全は保障されているかどうか、お伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 鍋島君から答弁させます。
○鍋島国務大臣 お答えいたします。 過去におきましては、いままで異常放射能が出たのは三十九年、レーダーによるといわれておる回だけでございますから、十分安全だと考えております。ただし今後におきましては今回のことを考えまして、万全の体制、それはあらゆる面における万全の体制を整えてまいりたいと考えております。
○鈴切委員 原子力船が何回も入港しているので魚介類に放射能が蓄積され、許容量の数倍くらいになっているのではないか、そのようにいわれておるのであります。これは人体にもかなりの大きな影響を与える結果になってしまいます。政府は安保条約のためなら人命に影響があってもよいというのであるか、人命尊重より条約を優先させるのか、総理の所見を伺いたい。
○佐藤内閣総理大臣 日米安全保障条約は、私が申し上げるまでもなく日本の安全、日本国民の安全、その確保のためにやることでございます。それがただいまのように、日本国民の生命をそこなうという、これはたいへんなことでございますので、そういうことのないように、私どもも調査を進めていくし、またそういう事例があれば、それらの善処をすべく対策を立てる、かように御了承いただきたいと思います。
○鈴切委員 決算のときいつも問題になるのは、そのときの総理の政治姿勢であります。私は何も歴代の宰相論をやるつもりはありませんが、佐藤さんの先輩たる総理大臣は、その実効の点は十分とは言えないまでも、たとえば鳩山さんの場合には大臣公邸の廃止、岸さんは三悪の追放、池田さんはゴルフをやめるなど、それなりに国民の合意を求めていこうとする印象を与え、その姿勢を示したのであります。佐藤さんは歴代の宰相に比して、佐藤さんの国民にアッピールする、そういう明るいものがどうしても出てこない、私には感じられない。佐藤さんの政治の基本姿勢というかセンスというか、そういうものについてお伺いしたい。
○佐藤内閣総理大臣 私の政治的な態度というのは、それぞれ所信表明等におきましてはっきりさしておりますから、そちらのほうで十分御了承いただきたいと思います。
○鈴切委員 佐藤さん、私はここに佐藤内閣のもとにおける公務員の汚職事件についていろいろデータを持っております。過日は、井本最高検の検事総長も、検事合同で公務員の収賄の多発していることを警告しています。またLPG汚職については議員逮捕の許諾請求という事態も起こり、国会にも暗い影を落とす結果となり、また長い問堕落し切った日通の不正事件等枚挙にいとまがない実情であります。 佐藤さんの所感なり、どういう責任を国民大衆に感じていられるかについてお答え願いたい。
○佐藤内閣総理大臣 私は、先ほどもお答えしたように、行政の長でありますし、また総理として最高責任者の地位でございます。したがいまして、この種の事件が次々に起こることを私はたいへん残念に思っております。こういう事柄が起こらないようにあらゆる努力をしてこれを防ぎたいと思いますけれども、多数のうちにはそれは不都合な者もいるようでありまして、なおこういう根が断たない。まことに残念であり、私はこの上とも最善の努力を続けていくつもりでございます。
○鈴切委員 LPG一連の動きは三十九年の下期から四十年にわたっております。この時期はちょうど共和製糖事件を契機として、いわゆる黒い霧が政治をおおうかの感があり、佐藤さんは本会議でも委員会でも何十ぺんと政治姿勢を正すとか、えりを正すとか、一本筋が抜けているとか、ことばだけは乱発したわけでありますけれども、そういうことを佐藤さんが言っている時点と同じ時点で今回のようなLPG汚職が行なわれてきたということは、国民は、どうも佐藤さんはまじめではないのではないか、このように見ているわけでありますけれども、佐藤さんの御所見をお伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 私はLPGの事件に実は関係ございません。私も、この種の事件の起きたこと、たいへん残念だと思っております。私は、ただいまのような事柄が次々に起こる、それについて国民に対して率直に私がおわびをしております。しかし、こういうものが起こらないようにする何かいい方法がありますか、鈴切君にもひとつ教えていただきたい。こういうものができれば、これはもう、公明党であろうが、社会党であろうが、私もぜひなくしたいのです、だから、そういう意味で、これこれをやればなくなる、こういうのがあればひとつ教えていただきたい。
○鈴切委員 それは当然総理の姿勢をまず正すということであります。それから、政治資金規正法、これに対しても、答申の線は必ず盛っていかなければならないということであります。私はまずそのことを総理に申し上げたいと思います。 LPGの汚職の関連としてよく出てくる、自民党に対するタクシー業界からの一億円献金について、佐藤さんは、先日の予算委員会での浅井さんの質問に対して、知らぬ存ぜぬの一点ばりで通されましたけれども、それは知らないというたてまえにしているだけであって、人間佐藤としては知らないはずはないと私は思うのであります。タクシー業界の人の話によりますと、一億円献金の際は、業界の幹部が顔を並べた一席に自民党のさる代表が出席して、実は総裁から直接ごあいさつしたいが、都合により参上できないので、よろしく申せと御下命があったことを述べていると伝えられているわけでありますが、LPG汚職にしても、日通の不正事件にしても、必ずといっていいくらいに黒い霧と政治資金と大きな関係を持っております。ゆえに第五次選挙制度審議会が政治資金の問題につき答申を出された一つの動機になったのではないかと考えるが、総理大臣は現在、日本の将来の政治に対して重要な役割りをしている関係上、あなたが勇断をもって今後りっぱに国民の政治に対する信頼を回復するためには、少なくとも、私どもとしてはきわめて不満足ではありますけれども、答申くらいの程度なら勇断をもって法制化すべきであると思います。十日に閣議決定されたといわれる政府改正案が、答申より大幅に後退されて国民はあきれ返っている、改悪である、そのように批判しておりますけれども、佐藤さんの御所見をお伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 先ほどもお答えいたしたのでありますが、昨年の、前回の国会審議の経過等にもかんがみまして、私は、実現可能な案をつくることだ、それがよし理想からは遠いものでありましても、政界の浄化のために一歩でも前進すること、これがわれわれの努力すべきことだ、かように思って今回法案をつくり、そして皆さんの御審議を願っておるわけであります。ぜひとも委員会等を通じまして、さらにその中身を十分御検討願いたいと思います。
○鈴切委員 佐藤さんには、何か目のさめるようなことはできないにしても、公約ぐらいは何とかと国民は期待しております。ことしの初めに言った、庶民の立場に立って物価を抑制していきたいと言われ、本年は物価安定の年とされたことに対しては、国民はだれしも大きな関心を持ち心配しております。経済見通しでは来年度消費者物価を四・八%に押えています。金融機関をはじめ大方の見方は、とてもそれについてはおさまらないであろうというのが大方の意見であります。公約された佐藤さんが四・八%に押えることができると見通しを立てられたその根拠についてお伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 これは宮澤君からたびたびお答えしたと思いますが、四十二年度の物価は、私どもが一応想定したその線内にとどめることができました、四・五%以下にこれをとどめる。したがって、その状況のもとにおいてことしの四・八%というこれは、なかなか困難な問題ではあるけれども、われわれが最善の努力を払って、この線をぜひとも守りたい、ただいまそういうことでせっかく努力している最中でございます。
○鈴切委員 四十二年度の物価が四・五%におさまったということは、何も佐藤さんの政策がよくてそうなったのでなくして、四季野菜が幸いにして安くなったという、そういう原因が多々あるわけであります。本年度に持ち込まれたげたの分三・四%、たばこの値上げが〇・二%、国鉄定期運賃が〇・一%、酒それから物品税が〇・一%、計三・八%であります。総合予算主義をとり、生産者米価が消費者米価にスライドされるとしたならば、本年度許容し得る物価の幅は一体幾らになるのであるか。一年間でその他のものを〇・何%に押えるつもりであるのかどうか。すでにタクシー運賃にせよ酒にせよ、値上げをねらってメジロ押しであるわけであります。さもなければまた四十二年度のように佐藤さんは四季野菜の値段が下がるように神頼みするのであるかどうか、あるいは物価抑制のためストップ令を出すのかどうか、他に確固たる施策をお持ちであるかどうか、お伺いいたします。
○佐藤内閣総理大臣 四十二年の物価の動向、これは私四・三%程度にとどまったのじゃないかと思います。ただいまのように、そんなのは佐藤内閣の手柄じゃないのだ、野菜が自然に下がったのだ、かように言われますが、これはそういうこともあるかもしれませんが、とにかく努力していることだけは、とにかくうまくやった、こう言ってほめてもらいたい。そんなことは政府のやったことじゃないのだ、自然にみんなきまったのだ、そうして、四・八%はどうしてやるのだでは、これも自然にきまるのじゃないですか、これは私は言い方がちょっと気に食わないのですが……。四・三%になれば、野菜の自然な値下がり等もあったかもしれないけれども、とにかく政府は一応努力した、それだけは認めてやる、しかし今度四・八%はなかなかむずかしいが、十分自信があるか、こう言っておしかりを受けるなら私は納得できますけれども、いまのようなお話、ちょっと片手落ちのような気がします。いかがでしょう。
○鈴切委員 佐藤さんがそのように言われるならば、それはある程度認めないわけにもいかないのじゃないかと思いますが、しかし実際には経済企画庁長官が言われたこと、その当時物価が安くなったということは、四季野菜に大いに影響されたということを強調していることは、佐藤さんは認めていただきたいと思います。 そこで経済社会発展計画では、物価の安定を三本の柱の一つとしております。計画の最終年次四十六年は、消費者物価を三%程度にまで下げることを目途といたしております。しかるに昨年は四・五%、本年は四・八%を認めても計画最終年度に三%に低下させるという方向に逆行しているような感じを受けるわけであります。本年度さらに消費者物価上昇率が五%台に政府の見通しをこえたとするならば、計画を改定する必要があるのではないか、かように思うわけでありますが、その点について……。
○佐藤内閣総理大臣 この物価の問題はたいへんむずかしい問題であります。長期見通しとしては最終年度は三%程度にとどめよう、こういうことを実はいっております。ところが先ほど鈴切君が御指摘になりますように、政府は物価を安定さすとか下げるとか言っていながら、次々に上がっているじゃないか、確かにそういう点で、酒も上がった、たばこも上がった、そういうものが一つの導火線になって他の面にやはり強含みの形を示しておる、これは私は、たいへん短期間の問題としては、これらのことは好ましい現象ではなかったと思います。しかしながら、財政の体質をよくするとかあるいは経済の本質をよくする、こういうことをするためには、一時的には値上げもせざるを得ない。したがって、長期的な観点に立ってみれば、必ずこれで落ちつくのじゃないか、かように私は思っております。 したがって、ただいま物価の問題についてはいろいろの見方があります。これからまだ問題になりますのは、必ず生産者米価、消費者米価というような問題にもぶつかるでございましょう。そういうものを政府がどんなに切り抜けていくか、ここに一つのキーがあるといいますか、かぎがある、かように思います。そこで、ただいま御指摘になりましたように、最近どうも物価についての動きあるいは試みなどが、やや政府は安易に見ていないか、こういうようなおしかりは私は当たると思います。したがって、この経済の動向等につきましても、絶えず注意をしておるところでありまして、本来から申せば、国際収支が安定し、そうして経済の成長が、いわゆる引き締めの状態、低いところで安定して上昇する、こういうことになると、物価の見方も非常にわかりやすい形になるわけであります。しかしながら、物価について、日本の経済が非常に景気がいいといえばぴゅっと上昇するし、そうしてまた、景気が悪くなると青菜がしおれたようになる、こういうように非常に変動が大きい、そういう際の物価の動向というのはなかなか見きわめにくいわけでございます。しかし、何といっても経済を安定成長の方向に持っていく、そうしてただいまの物価を、困難なことではありましょうが、しかし私どもがあらゆる努力をして、目標の数字をぜひとも実現するように、この上とも努力をしていきたい、かように思っております。 ただ、こういう際に、随時ときどき値段を上げざるを得ない、こういうものがございますから、その現象だけつかまえて御批判を受けますと、全体がよほど逆の方向に行っている、こういうことにもなろうかと思いますが、政府は、そんなことのないようにと思って、全部を見きわめつつ進めておるような次第でございます。
○鈴切委員 最後に、物価の安定をはかるには、何としても政府自体が公共料金を上げるということが一つは大きな原因になっていると思います。その点について、政府としては、公共料金についての値上げというものは極力それをとどめ、そうしてむしろストップ令を出すくらいの、そういう姿勢でなければ、私はとうていいま佐藤さんが言われたように四・八%の線でおさまるとは思えないわけであります。昨年度も実は米価の値上げ一四・四%をしてからというものは、極度に物価が上がったということを考えたときに、私は今度もやはりそのことは言えるのじゃないかと思いますが、最後に佐藤さんの御所見をお伺いします。
○佐藤内閣総理大臣 御指摘になりましたように、公共料金の扱い方、これはたいへんむずかしゅうございます。だから、そういうものが安易に取り扱われないように、これはできるだけ慎重に、万やむを得ない際に上げる。また上げるについてもできるだけ小幅というか、そういうようにしなければならぬと思います。ただ、いまさらに進んでストップ令をかけたらどうかというお話でありますが、私はストップ令をかけますと、実はその後にくるものがこれはたいへんだろうと思います。期間を設けてストップをかけた、その期間経過したときに一体どうなるのか等々考えますと、これはたいへんなことだと思いますので、必ずしもストップ令をかけることには、これはさらに検討を必要といたしますが、前段において述べられた点、これは鈴切君と私も全然同感でございます。
○大石委員長 これにて昭和四十年度決算外二件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○大石委員長 昭和四十年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付いたしてあります。 これより議決案を朗読いたします。 —————————————
○大石委員長 これより討論を行ないます。 討論の通告がありますので、これを許します。小山省二君。
○小山(省)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま委員長御提案の昭和四十年度決算議決案に賛成の意見を表示するものであります。 われわれは四十年度決算を四十二年六月以来長い日時をかけて審議してまいりましたが、これを、会計検査院の指摘した不当あるいは不正事項の件数、批難金額等の点から見ますると、その件数は三百七十二件、金額は十六億円余にのぼっておりまして、特に農林省、大蔵省、建設省がおもなものでありまして、これらにつきましては、三十九年度決算から見ますると大幅な改善のあとが見られますが、依然として相当件数が指摘されております事例にかんがみ、将来同様のことを繰り返さないよう是正、改善方を強く要望いたしておきます。 次に、ただいま議決案において触れられた事項について、一、二特に申し述べたいと存じます。 行政機構の改革、刷新につきましては、臨時行政調査会の答申以来すでに数年を経ておりますが、この実現はなかなか進んでおらないのが実情であります。各省各庁の一局削減、あるいは公社、公庫、公団、事業団等の整理改革は、これを実行に移そうとする当局の意図はうかがい知ることができますが、依然として行政機構はますまず膨大なものとなり、公社、公団等は年を追ってその数を増そうとしておるのが実情でございます。行政機構の改革は一朝一夕にしてできるものではありませんが、政府は、どうか計画的かつ合理的な視野に立って、これを推進、実行して、国民の期待にこたえていただきたいと存じます。 次に申し上げたいことは、次の世代をになう青少年の健全なる環境を整備するなどの青少年対策についてであります。この問題の重要さにつきましては、いまさら申し上げるまでもありませんが、たとえば青年の家が文部省に、ユースホステル補助金が運輸省で、勤労青年ホーム建設補助金は労働省に予算の計上がなされておるごとく、とかく総合的対策の樹立について不十分と考えられる点が多々あるわけであります。同じ予算を使っても、ばらばらにこれが執行されては実効があがりません。政府は、総合計画の樹立について十分に配慮し、実効ある予算の執行に当たられるよう、要望をいたしておきます。 最後に、私どもは、毎年決算の締めくくりにあたって政府にいろいろと改善要望の議決をいたしておりますが、これらについてその後どのような措置がとられたか、その報告がなおざりにされている傾きがなきにしもあらずであります。今後私どもの決算議決に対しては、政府はすみやかに善後措置を決算委員会に対し報告されることを常例とされるよう要望いたしまして、ただいまの議決案に賛成の意を表する次第でございます。(拍手)
○大石委員長 華山親義君。
○華山委員 ただいま提案のありました決算についての議決案の中の、(三)「前記以外の事項については異議がない。」との項については、日本社会党を代表し、賛成いたしかねることと、そのおもなる理由を申し述べます。 第一は、主要施設の予算について過大な不用額を生じていることであります。たとえば、昭和四十年には夕張、伊王島山野と三つの石炭鉱山において相次いで爆発事故が起こり、その負傷者は千百七十五名、死者四百六十八名も出したのでありす。国会においても当然緊急質問となり、政府は事故の防止に最善の努力をすると述べ、緊急措置として安全を期しがたい中小炭鉱を整理するために、予備費から一億四百万円の支出を決定したのであるが、そのうち実に八六%を不用額といたしたのであります。またこの際に炭鉱保安専用機械を充実するという補助金を計上したのでありますけれども、その四三%を不用額といたしておるのであります、予備費支出のこのような過大な不用額、これだけでも責任を追及さるべきでありますけれども、羊頭を掲げて狗肉すらも売らない政府の政治姿勢には重大な問題があると思います。 また政府は、中小企業対策として近代化、高度化によって生産性を高めることを中心課題とし、物価上昇抑制もこの点にあると常に言われてきました。しかるに中小企業近代化資金は昭和三十九年に四七%、昭和四十年には五八%、昭和四十一年には四四%、毎年ほぼ半分を不用額としております。そしてこの間、この特別会計の運営についてほとんど見るべき方策の進展がないのであります。 また、日本の労働力不足は日本産業の現在及び将来の産業について根本的な問題であり、当然これが対策といたしまして中高年齢者の就職促進がなされなければならないのでありますが、また政府も常にこれを言ってまいっておるのでありますが、このための予算、中高年齢者就職促進措置費は昭和三十九年には七〇%、昭和四十年には七四%、昭和四十一年には六六%、毎年実にほぼ七〇%を不用額として、この間に予算の運営について何ら見るべきくふうがされていないのであります。 これらの事実は、重要な問題については一応予算に計上して一般に見せかけ、一般が予算に注目するが決算に意をとどめないことを奇貨としてやっておるのではないか、こういうふうにすらも考えられるのでありまして、政府の政治姿勢として問題とせざるを得ないのであります。 〔委員長退席、田川委員長代理着席〕 第二に、私はさきに中小企業の生産性の向上に触れましたが、同様に農業にもこれが求められております。物価上昇の抑制の要件もここにあると政府は常に口にしてきました。これについて、農業構造改善事業は検査院の実地調査したもののうち、二三%が事業実施の不当なるものとして指摘されておりますし、これと表裏一体をなす農業改良資金貸し付け金は検査院の実地調査したもののうち三九%が使途不当なものとして指摘されているのであります。驚くべき高率と申さなければなりません。さらに会計検査院は不当とは言わなかったのでありますけれども、この事業によってつくられた乳牛の小屋、鶏の小屋等の設備、トラック等の農業機械で使用されていなかったり、遊休化しているものが二〇%あることを指摘しております。これらの事実は政府の指導の徹底していなかったり、計画の現地の実態に適合しない押しつけであったり、農業経済の推移を誤ったりしたためであります。鶏三千羽を飼おうという計画でつくったところが、三千羽じゃとても間に合わない、そういうことで鶏小屋がそのままになっている、こういうふうなことはあたりまえでしょう。それですから、このような資金は、有名な青森のてん菜にもつぎ込まれて、青森のような実態、あのような集中的ではないけれども、農政の誤りが全国的に散在しているということであります。 かくして政府のいう中小企業も農業も生産性の向上にわずかの予算を計上したのでありますけれども、これすらも効果的に使用されていないのであります。 第三に、近代的要請としての原子力利用と宇宙開発があります。原子力第一船の着工遅延についてはさらに経過を見た上で論及いたします。 宇宙開発については、東大宇宙研究所のロケット打ち上げは、あれほどの宣伝にもかかわらず、これを軌道に乗せて宇宙衛星とすることに失敗しました。これにはまだ十分な技術的、科学的確実性のないものを宣伝したことがうかがえるのであります。日の丸ロケットなどと称して古い国威発揚的な考え方をしたのではないか、そうさせたのは研究所外の政府首脳であったとも伝えられております。これらの功を急いだことや、ややともすれば国家的大事業の意識が経験をないがしろにすることもあって、その経理の内容、契約のあり方等、全く乱雑なものでありました。それにも増して重大なことは、国の費用によって開発されたロケットが外国に輸出され、外国ではこれを軍事への利用、研究に使われたことであります。インドネシアにおいてはこの日本から輸出されたロケットの打ち上げに参列したのは軍人であります。 〔田川委員長代理退席、委員長着席〕 また、国費をもって維持されているところの東大宇宙研究所には外国の軍人が留学しておりました。国費によるものがこのように外国の軍事目的に利用される事態のあったことはまことに遺憾千万と言わなければなりません。 最後に、防衛庁がアメリカ政府に対して概算または前金払いをもって発注した兵器等について、四十一年末にいまだに品物の到着しないもの、清算書の来ないものが、実に八年前にさかのぼる昭和三十四年この方、三十件、金額にして二百四十七億円の巨額にのぼっています。このようなことは国内ではもとより一件もないのであります。また、そのようなことを聞いたことがない。このように決算の本質にもとるものであることを意としない防衛庁の態度は、対米追随から卑屈にまでおちいっているのではないか。このような未決算の事実の中に決算上の問題がひそんでいないとはだれも断言することはできないのであって、四十年決算に異議なしとして議了することは今後問題のあった場合に決算委員会の責任は一体どうなるのか、この意味におきまして、本決算委員会の責任を思うことからも、異議なしとしてこの決算を議了することには賛成できません。 その他の二件についても反対でございますが、時間もありませんので、理由を省略いたします。(拍手)
○大石委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は二、三理由を述べまして、終わりに賛否の結論を申すことにいたします。 決算委員会におきまして審議の対象となっております第一は大蔵省の出しておりまする決算書、それから検査院の検査報告書などでございますが、通覧いたしましてずいぶんとたくさんな不当事項があるのでございますけれども、しかしわれわれも決算委員会といたしましては、その一つ一つについて論議する、もしくは結論づけることは、たとえば数万、数十万にのぼる交通違反の事件を国会において一つ一つについて判断を加えると同じような煩瑣無用なそしりは免れません。 私は、痛感しますることは、一つは政策の貧困に由来するのではないか、二つは、やはり制度の欠陥である、第三は、運営が適切にあらず、こういうように原因を考えられるんであります。そこで、たとえば農林省の検査報告書の指摘事項を見てみましても、一番多いのであります。四九ページから一〇五ページに至りますまで全部農林省の不当事項で占められております。工事があり、物件があり、あるいは保険があり、補助金があり、あるいははかんがい排水事業その他輸入飼料の売り渡し等に至りますまで載っております。しかし、考えてみますると、農林省のこのような補助金の一つ一つについて批難するということをする必要もありますけれども、反面におきまして、やはり農政が十分に論議せられて、農政に対する適切な施策が行なわれていないということに由来するのではないであろうか、たとえば、わが国の国際収支の改善の問題にしても、食糧自給の問題にしましても、物価安定の問題にしても、地価の問題にしても、労働力不足の問題あるいは農民と他産業の従事者の生活なり所得格差の解消の問題にしても、都市過密化、農村過疎化等の根本対策、こういうようなものにいたしましても、言うならば、残されました農林行政、農政改革というものに重大なかぎがあるのではないだろうか、いかに農政を改革するか、いかに農政のほんとうに権威のある施策を立て、これを実行するかということが根本になっておるんでないであろうか、その辺を無視し、よいかげんに扱いまして、そうしてあらわれました現象を追っかけ回して、これはいけない、これもいけない、ということを幾ら言っておりましても、それは先ほど例を引きましたごとく、何百万の交通違反の問題を一つ一つ国会で取り上げるほど非科学的なものでございます。したがって、こういうようなことを考えてみましたときに、私は予算、決算はまずもって予算の段階、執行の段階、しかる上、国会で決算の審査がされるのでありますから、予算の編成に際しまして、原因もしくは問題点が多いのではないか、したがって、これは国民の側にもその原因を与えたものがなしとは言えません。けれども、国会と政府におきまして全責任がありまするから、当然ここにおいて責任を負わねばならぬ。執行段階におきましては政府と地方公共団体がその執行者でありまするから、財政執行は血税の使用であるという自覚が先行しなければならぬことは申すまでもございません。そうして、どうするならば経済的に、もっと合理性を徹底させて、常にくふうをいたしまして浪費を防ぎ、あるいは効率を考え、そうして予算の需要する目的を達成するにはどうしていくべきかということを努力していく、こういうような予算執行上における努力が関係者それぞれと協力してなされていくということ、かくいたしまして、決算は最も権威ある財政の締めくくり段階であるというような自覚が国会みずからなければならぬ。 国会は憲法上、行政並びに財政に対する監督の権限を持っておる地位にあります。したがいまして、すべての国民を代表いたしまして、財政に対する監督権があるけれども、それだけ同時に執行結果に対する責任を負わねばならぬと考えております。といたしますると、国会みずからがその権威を発揮していく、したがって財政は、予算の執行のあと、決算の段階におきまして最も権威を発揮していかなければならぬ、こう考えますので、この点はやはり運用の問題、かまえの問題、あるいはまた制度自体の問題、こういうことに帰着しまするので、根本的にそのような点をいろいろ指摘しなければならぬ。 さしあたって政府に対しましては、指摘されていくところのあらゆる事項のうち、重要と思われ、もしくは早急にこれをなすべしと思われる事項、次の予算作成に重要な参考になるというような事項、こういうことを指摘されていきまするので、この指摘の幾つかがいまあげられておりますが、これは全部ではございません。全部じゃございませんけれども、如上述べましたような根本的な諸般の原因等を考えまして、指摘されましたこの事項は、すみやかにその趣旨を実行に移して、そうして改善措置をとっていくというとこが、これが国会と政府の関係でなかろうかと思いますので、国会の議決に対しましては、決算委員会の議決するところは、権威あるものとして受け取られんことを全政府に向かって要望せざるを得ないのでございます。 したがいまして、国会の決算委員会の審査は、全部にわたって緻密に精密にこまかいところまで調査は行き届いておりませんから、これが完ぺきな審査の結論だということはできませんけれども、しかしわれわれは可能な限り努力したつもりでありますので、ここにあらわれました事項につきまして、幾つかの論点が集約されておるのがただいま委員長の朗読になりました案であろうと考えるのでございます。したがいまして、私は、以上のような観点に立ちまして、この議決は決算委員会の審査の全過程にあらわれました諸般の問題点、意見等を十分にしんしゃくいたしまして、そして国民の負託にこたえて、財政運営の健全に資するということが政府の当然の責任であろうと考えます。これは末尾にうたってございますから、しごくもっともな点でございまして、締めくくりでございます。 以上のように、私は、決算審査の過程における一切の論議を十分に政府は尊重していくものと信じますので、ぜひそのように正直に実行せられんことを強く御要望申し上げたいのであります。 以上のような種々の観点から論議いたしまして、私はこの議決案に賛成するものであります。(拍手)
○大石委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 私は、公明党を代表いたしましてただいま議題となりまして昭和四十年度一般会計歳入歳出決算外三件に対し不承認の意を表明するものであります。この際、特に申し述べたいことは、ただいま朗読されました議決案についてであります。 従来の議決様式は、報告説に基づいて作成されたものと思われ、議決の意味が全く明瞭でないのであります。 わが党の不承認の理由は、「決算のうち、前記以外の事項については異議がない」。という点でありまして、ただこれだけでは、予算執行の責任者である内閣の責任を究明することもできないし、出納責任者の責任をも明確にすることができないのであります。 たとえば四十年度決算そのものを見ると、会計検査院が指摘したもの、及びその他、幾つかの警告事例以外の共和製糖グループの問題、LPGの問題、日通事件、住宅公団の土地購入に関する不正等、これらはすでに四十年度においても何らかの意味において関係のあったことは事実であります。ただし、(一)予算の執行が適切を欠いたためそれが効率的に使用されず、所期の成果があがっていないとする諸事項。会計検査院が指摘した事項、及び政府に対し、制度機構の改正をはかり、官紀の粛正を要望した諸点については、それは当然過ぎる問題であります。 わが党は憲法第九十条の規定に立脚して決算を単なる報告として取り扱うがごとき態度に対しては反対し、どこまでも決算は議案であるとすることを主張し、議会において議決すべきであるとの立場に立って昭和四十年度の決算を承認できないとするものであります。 会計検査院、政府関係機関等の格段の配慮を強く要望いたしまして、不承認の討論といたしたいと存じます。(拍手)
○大石委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決いたします。 昭和四十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大石委員長 起立多数。よって、議決案のとおり決しました。 次に、昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計計算書、昭和四十年度国有財産無償貸付状況総計算書、以上を一括して討論に入るのが順序でありますが、討論の通告もございませんので、直ちに採決に入ります。 両件はいずれも是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大石委員長 起立多数。よって、両件は是認すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○大石委員長 この際大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 ただいま御決議の点は、十分尊重いたしまして、その御趣旨に沿うよう各省各庁と十分連絡いたし、遺憾なきを期したいと存じます。
○大石委員長 次回は、公報をもってお知らせすることといたし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二分散会