決算委員会 第7号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/04/09
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十一年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和四十一年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書、昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書(その一)、昭和四十二年度特別会計予備費使用総調書(その一)、昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その一)、以上三件の承諾を求めるの件を一括して議題といたします。 大蔵政務次官より、各件について説明を求めます。倉成大蔵政務次官。
○倉成政府委員 ただいま議題となりました昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十一年度一般会計予備費につきましては、その予算額は四百八十億円であり、このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十一年四月十九日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、三百十九億五千四百万円余であり、これにつきましては、すでに第五十五回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十二年一月六日から同年三月二十八日までの間において使用を決定いたしました金額は、百六十億四千万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の十二件、その他の経費として衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の三十件であります。 次に、昭和四十一年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、三千九十七億二千百万円余であり、このうち、昭和四十一年五月十七日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、六百九十七億八千二百万円余であり、これにつきましては、すでに第五十五回国会において、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十二年一月三十日から同年三月三十一日までの間において使用を決定いたしました金額は、二百六億九千四百万円余であります。 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れ増加に伴い必要な経費、郵便貯金特別会計における仲裁裁定の実施等に伴う郵政事業特別会計へ繰り入れ及び支払い利子に必要な経費等十三特別会計の十九件であります。 次に、昭和四十一年度特別会計予算総則第十条及び第十一条の規定により、昭和四十一年五月十七日から同年十二月二十三日までの間において経費の使用を決定いたしました金額は、二百六十四億三千二百万円余であり、これにつきましては、すでに第五十五回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十二年一月十三日から同年三月三十一日までの間において経費の使用を決定いたしました金額は、九百六十五億一千四百万円余であります。 その内訳は、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れ増加に伴い必要な経費等第五特別会計の九件であります。 以上が昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件の事後承諾を求める件の概要であります。 次に昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十二年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、五百三十億円であり、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和四十二年四月二十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は、二百八十八億四千百万円余であります。その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の三十三件、その他経費として、福岡県選挙区選出の参議院議員の補欠選挙に必要な経費等の十八件であります。 次に、昭和四十二年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、三千五百十億九千八百万円余であり、このうち、昭和四十二年七月十四日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は、八百七億八千万円余であります。その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業等の調整に必要な経費等六特別会計の十七件であります。 次に、昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条の規定により、昭和四十二年十一月十七日において経費の使用を決定いたしましたのは、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れ増加に伴う国内米買入費の増額一千七百十億七千六百万円の一件であります。 以上が昭和四十二年度予備費使用総調書(その一)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
○大石委員長 ただいま説明聴取いたしました各件に対する質疑は、後日に譲ります。 ————◇—————
○大石委員長 昭和四十一年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中科学技術庁について審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。華山親義君。
○華山委員 総理が、昨年の秋にアメリカに行かれました共同コミュニケにおきまして、宇宙開発、人工衛星の打ち上げ等につき、協力の可能性を検討するということの趣旨をうたっておりますが、その後両国間においてこれらの検討がなされておりますか。なされておるとすれば、具体的にどういう点においてなされているのか、承りたいと思います。
○鍋島国務大臣 宇宙開発につきましては、率直に申し上げまして、本年度から、いわば緒についたところかと存じます。そこで御承知のとおり、ちょっと詳しくなりますが、昨年末に、宇宙開発審議会からの答申に基づきまして、しかもその答申の内容は、原子力関係と同様に、国に委員会を設け、それから宇宙開発に関するロケットの開発及びその中心部であります通信衛星、航行衛星等の、いわばたまの開発、これを実際実行する機関としての、特殊法人のようなもの及び事務局をつくっていくというような答申の内容になっておりますが、その第一着手といたしまして、宇宙開発委員会というものの法律案を、実は現在提出をいたしまして、科学技術特別委員会で御審議をいただいておるわけでございます。これを何とか通過させていただいて、日本における宇宙開発の一元化と、それから、いよいよ本年度から本格的に乗り出していく一つの方途を、この委員会において示していただきたいと考えております。 そこで、そういう情勢の中におきまして、昨年秋に総理も行かれ、その後ジョンソン大使が総理をたずねまして、宇宙開発に関する協力方等の覚え書きを持ってまいりまして今日に至っております。その覚え書きにおきましては、いわばいろいろな面における日米間の協力をして、相当程度まで協力をしたいということをいっておるわけです。率直に言いますと、ロケットは自分のほうのを使わぬかとかいうところまでいっておるわけであります。しかし一面、日本の自主開発ということを考えていきますと、アメリカからまるまるロケットなり通信衛星のたまなりを持ってきて、日の丸の旗をつけて打ち上げてもらうということでは、今後における日本の宇宙開発のベースができない、そういうおそれもあると思いますので、あくまで日本は自主開発であり、しかもその自主開発の中において、どうしてもいかぬ制御装置のごときものは、多少はノーハウといったようなことで、外国から技術を導入するというようなことも必要ではなかろうか、そういうわけでございますので、現在アメリカからの覚え書きを、実は科学技術庁あるいは関係がございます郵政省あるいは運輸省等で事務段階で研究中でございます。率直に申し上げますと、宇宙開発委員会ができてから、日本のそういう大きな国策に沿って民主的に御審議を願って、そしてアメリカに対してこういう点は協力をしてもらいたい、こういう点は自主開発するのだというふうに進めていくのが、ほんとうではあるまいかというふうに私は考えております。
○華山委員 ただいまもお話のありましたアメリカの覚え書きというのは、これは公表のできるものでございますか。
○鍋島国務大臣 実はジョンソンが総理のところに来て、書いたメモを持ってまいりまして、そして向こう側のほうも都合があるから、これはメモだからあまり発表しないでくれと申しておるわけでございます。しかし率直に申し上げまして、内容は新聞等にもある程度出ております。いかなる協力もいたしたい、したがってロケットなどでもアメリカでいつでも提供する用意がある。あるいは通信衛星、航行衛星等についても、アメリカで打ち上げてやってもよろしいのだというくらいの協力をしてもらっておるかと思います。ただ問題は、その間に具体的にそれでは日本でもって自主開発に使う場合、どの程度やってくれるかということはまだわかりませんので、そういった点を研究中でございます。
○華山委員 新聞等で伝えられておるところでございますし、私も本会議でも総理にお尋ねをしたわけでございますけれども、私から申し上げるまでもなく、ロケットということになりますと、それはもう使い方によって武器になり平和利用になる。紙一重の問題だと思うのでございます。したがって、アメリカから提供されたいろいろのものにつきまして、当然アメリカ側としましては軍事上の秘密の保護を求めると私は思いますし、また覚え書きでございますか、あるいは申し入れでございますか、その中でもそういうことに触れておるということでございますが、この点につきまして科学技術庁あるいは政府としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○鍋島国務大臣 ロケットの開発につきましても、日本としましては現在の方針はあくまで自主開発を中心に進めてまいりたいと考えております。ただ問題は、制御装置等の問題はあるいはこれは軍事秘密という意味じゃなくて、いわば商業秘密のノーハウといいますか、そういった点の協力は得なければならないかと思います。しかし、宇宙開発をやっていきます場合、日本におきましても御承知のとおりあくまで設置法に基づく委員会によって自主開発、民主的な運営、それからその成果を公開するという原則によっていくわけでございますから、現実の問題としてそれらが平和利用以外の道に使われるというようなことはあり得ないと考えます。しかし今後におきましては、御承知のように新聞等にも発表いたしましたが、やはり宇宙開発基本法といったようなものをつくってその点を明確にしてまいらなければならない、またまいりたいと考えております。
○華山委員 ただいまの御答弁でありましたから、私から重ねてお聞きすることもないと思いますけれども、昭和三十七年に「宇宙開発推進の基本方策について」ということで宇宙開発審議会が答申をいたしておりますけれども、その中で「わが国の宇宙開発は、平和の目的に限り、次の基本原則の下に行うものとする。(1)自主性を尊重すること。(2)公開を原則とすること。(3)国際協力を重視すること。」こういうふうになっておりますが、最近の答申等を見ますというと、この基本原則には触れておらないのでございまして、ちょっと気になりますけれども、第一回の答申のこの基本原則というものは一貫して貫いておる、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○鍋島国務大臣 ただいま華山委員の言われましたとおり、この基本原則をあくまで貫き通しまして、平和利用以外には絶対にやらせないというつもりでございます。
○華山委員 宇宙開発審議会の最近の答申等につきましては、この委員会よりも当該委員会等におきまして御説明御審議があると思いますので、深くは触れませんが、最近の審議会の答申で科学衛星と実用実験衛星とは区別しておられますけれども、これはどういうわけで区別されるのか、その点ひとつ御説明願いたい。
○鍋島国務大臣 それは大学の研究とそれから実際にロケットを打ち上げて通信あるいは航行その他の実用に供する衛星とのいわゆる問題であろうと思います。すなわち、東大におきましては、いわば研究科学衛星として上げておられ、科学技術庁の推進本部では実用ロケット衛星を目的に開発を進めてまいっております。しかし、日本の宇宙開発のためにはどうしてもこれを一元化していかなければならないというようなことで審議会の御答申が出て、そうして委員会を設置して、その委員会を一つの中枢部として進めていくということになりました際におきまして、審議会においていろいろ御審議をいただいたのでございますが、いわば大学における研究分野としては、科学衛星、研究衛星として一・四メートルのものを限度として研究を進めていく。これはあくまで研究の分野で進めていく。一方、推進本部におきまするロケットのほうは、昭和四十五年、四十六年、最終的に四十八年のいわば三万五千キロ上空の静止衛星、しかもそれが通信衛星という形を目的に進めていくというふうに、大体文部省とも話し合いがつきまして、そういう形で一元化をしていこう。しかも、それを進めていく場合におきましては、でき得れば大学の研究も、実用の面には研究の成果を持って日本の自主開発のために参加をしていただく。そのためにはいわゆるお役所、官、それから学者グループあるいは民間も一緒にした何らかの機構をつくって、ひとつ大型プロジェクトとしてこれを進めていきたいというふうに大体の話し合いができておるわけでございます。そういう方向で進めるという意味でただいまのような形になっております。
○華山委員 私もそれを懸念いたしましてお聞きしたのでございますけれども、従来の東大の宇宙研究所というふうなものを包括した一つの機関によってやっていくというふうなことがまだできておらない。どうしても従来からの経緯にとらわれているのではないか。この点につきましては、私は、経費の面からいいましても一元的であって、そして東大宇宙研究所に対する研究については先ほどおっしゃった委員会から委嘱する、仕事を割り当てる——割り当てるというと語弊がありますけれども、そういうふうな方式であるべきではないかと思うのでございますけれども、まだ従来の経緯にとらわれているのじゃないでしょうか。ひとつ長官の御感想を承りたい。
○鍋島国務大臣 現段階におきましては、率直に申し上げまして、まだ御指摘のようなことがございます。しかし、大体審議会の答申にのっとりまして、宇宙開発委員会も幸いにして本年国会を通過すればできるわけでございます。その宇宙開発委員会が中心になっておそらく本年以降、来年ぐらいからいま申し上げたような一元化する体制、そういったものをつくり、あるいは法律を国会に御提出して進めるようにいたした。あくまでその中心は、宇宙開発委員会が予算あるいはその他の面において一元的に進めていくようにいたしたい。ただ大学における研究は別でございますから、その点はひとつ御了承願いたい。
○華山委員 審議会の答申があったわけでございますけれども、審議会の答申の前途につきましてはまだ明確でないと思います。審議会の答申を実行するということにつきましては、一体どのくらいの経費を要するものでしょう。
○鍋島国務大臣 お答えいたします。 審議会の問題は、おそらく委員会の経費と事務局をつくっていくことと、それからいま申し上げました昭和四十八年度の静止衛星を目がけて四十六年度の実験衛星、あるいはその前に数回実験をしていかなくてはなりませんので、そういうようなことからいいますと、本年度の予算は、大体推進本部四、五十億、全体で六十億か七十億かであったと思いますが、将来におきましては逐次これが増加をいたしまして、正確には局長にお答えさせますけれども、数百億、五百億か六百億くらいにふえてくるのではないか、そういう形で進めなければならぬと思っております。
○華山委員 四十五年のインテルサットのことがございますし、そのインテルサットまでには一応の形を整えなければいけないと思うのでございます。そのインテルサットの前までに宇宙開発に要する経費は大体おわかりになっておると思いますけれども、それはどのくらいかかりますか。
○鍋島国務大臣 大体の計画としまして、もうすでに御承知のとおり、昭和四十五年度に低高度の通信関係の基礎的実験衛星、それから昭和四十六年度に中高度、約一万キロでございますが、それの通信実験衛星、それから四十八年度に最終的な静止通信実験衛星、これが三万五千キロであったと思います。それを打ち上げる予定で今後開発を進めてまいりたいと思いますが、現在まだいろいろな物価の関係そのほかで予算の面においては十分ございませんが、先ほど申し上げましたように、少なくとも五百億以上は要るのではなかろうかというふうに見ております。
○華山委員 今年度の予算に、私、勉強してくればよかったのでありますが、時間がありませんでしたので見てまいりませんでしたけれども、国庫債務負担行為は出ておりますか。
○梅澤政府委員 予算の中で、推進本部だけで約十五億円ほどの債務負担がございます。これはやはり計画といたしまして二年計画で設置するランチャーの問題、そういう点で二年計画、三年計画のものの債務負担がそこについております。
○華山委員 まだ基礎的な実際上の施行のやり方もきまっておらないかと思いますので、その点は十分でないのかもしれませんけれども、インテルサットまで、そのような予算の組み方で間に合うのでしょうか。
○鍋島国務大臣 御承知のとおり、インテルサットのいわば仮条約から本条約に移るのは大体昭和四十五年度と見られております。ですから、ほんとうを申しますれば、昭和四十五年度までに少なくとも通信実験衛星か、さらに静止衛星かを上げて、そしてその実績を世界に見せることによってインテルサットが恒久条約に変わるときの日本の発言権を取らなければならないということになるわけでございますが、残念ながら今日の段階の日本の開発状況から見ますとおくれておりまして、どうしてもそれに間に合わない状況なのでございます。したがって、四十五年度にいわば低高度の通信関係の基礎衛星といったものをやって、そして将来において、数年後には必ず静止衛星を上げ得る体制を見せなければならない。これは次善の策に行かざるを得ない今日の状況になっております。これはまことに残念でございますが、しかし、国際的に日本の実力がだんだん認められてまいりますれば、必ずその間における発言権は十分取れるものというように確信をしてそれを行なっておるということで、まことに残念でございますが、ちょっとおくれます。
○華山委員 私もたいへん残念に思いますし、いままでは四十五年のインテルサットまでには間に合うのではないかと思っておりましたけれども、いま初めて間に合いそうもないというふうなことでございまして、意外でもあり、また残念に思います。それにつきまして、大学との研究の分野につきましては先ほどお話がございましたとおり、ミュー型ロケットは大学である。その限度のことまでで——その研究それ自体は別でございますよ。ミュー型ロケット、それまでは大学であるということで私はいいと思いますが、その後大学の研究は杳としてわれわれの耳には入りませんけれども、どんなぐあいに研究が進んでいるのか、今後の見通しはどんなふうなのか。これは文部省からでもどこからでもよろしゅうございます。
○宮地政府委員 東大の宇宙航空研究所の関係でございますが、これにつきましては、御承知のように鹿児島の内之浦の打ち上げ実験場の問題で鹿児島、それからまたこれは科学技術庁の関係もございますが、宮崎県、あの辺の漁民との関係が起こりまして、従来文部省関係はスムーズにいっておりましたが、両者の関係で問題が起こりまして、遺憾ながら四十二年度は打ち上げができなかったということでございます。しかしながらこの問題につきましては、両県知事も非常に心配してくれておりますし、また関係の漁業組合におきましても、文部省なり科学技術庁のロケット関係の意義をある程度認めてくれておりまして、いまのところ私どもといたしましては漸次好転しつつある。できれば新年度に入りましてそう長くかからない時期に両県の漁業関係者との間にも話し合いがつくのではないか、こういった考えのもとに、東大では科学衛星第一号を四十三年度中に打ち上げるべく目下いろいろな実験——打ち上げはいたしませんが、いろいろな研究、準備を進めておるという段階でございます。
○華山委員 少し無理なことをお聞きするかもしれませんが、四十三年度中に東大で打ち上げるミュー型ロケットは軌道に乗る可能性はございますか。
○宮地政府委員 実は東京大学におきましては、漁業関係の問題がなければ、おそくとも四十二年度の末、四十三年度の初めには一号科学衛星を打ち上げたい、打ち上げる自信はあるというふうに考えておりました。私どもといたしましても、これはきわめて専門的なことでありますし、今日まで東大が用意周到にあらゆる知識を集結して研究してまいったことでもございますし、その東大研究所の所長以下の関係者のことばを信頼いたしております。
○華山委員 私は過去のことをかれこれ言うわけじゃございませんけれども、軌道に乗らなかった。これはあたりまえなのであって、何か宣伝のためにやったんだとか、政治上の目的でああいうことをやったんだけれども上がらなかった、とても軌道に乗るようなものではないとか、いろいろな世上の話もあるわけですし、またそれには真実もあるようでございますが、宇宙開発は決してそんなはでなものではないと思うのです。どうも東大の研究所のやり方は少しはで過ぎたんじゃないか・外部的宣伝になり過ぎたのではないか、こういうふうな気もいたしますので、とにかくあまり宣伝なんかはしないで、地道な研究をひとつ続けていただきたいと私はお願いしたいわけであります。 それで大学のほうの研究にはアメリカ等の知識というものは、先ほどおっしゃったようにノーハウの問題等もございますけれども、取り入れているということはないわけでございますか。
○宮地政府委員 アメリカとの関係におきましては、従来から事実上の協力といいますか、そういうことはいたしておりましたけれども、東大といたしましては、アメリカの援助協力を得なくても自分自身で上げ得るという信念も持っておりますし、また科学者として自分らで上げたいという意欲も持っておりますので、現段階ではそのように信じていただきたいと思います。 それから、先ほどいろいろ東大の研究所の態度につきまして御批判もございました。この点につきましては東大自身謙虚に反省いたしておりますし、いろいろな御批判はございましょうが、科学者としては、これに精魂を打ち込んでやっておりますので、しかも謙虚に反省してやっておりますので、一応それを信頼してやっていただきたい、このように考えております。
○華山委員 昨年のこの委員会におきまして、東大の宇宙航空研究所の経理につきましてしばしば問題になったわけでございますけれども、このような発展を伴って、そして予算を使う途中においてもいろいろ計画の変更がある。しかも巨大な経費を要するというふうなものにつきましては、何らか経理制度につきまして改善を要するのではないか、ということを私はかねがね申し上げておりますし、他の委員からもそういう問題が提起されたわけでございますけれども、文部省におきまして、この点につきましていろいろ御研究になったと思いますが、このような経理につきまして今後どういうふうにおやりになるようになりましたか、ひとつ……。
○井内政府委員 東大宇宙航研の観測ロケット関係の経理につきまして、昨年、国会でいろいろ御意見を賜わったところでございますが、文部省といたしましては、東京大学と一緒にいろいろと検討を重ねました結果、次のような諸点につきまして、昭和四十二年度から改善の歩みを始めております。 第一点は、観測ロケットの製造請負契約のやり方の問題でございます。この点につきましては検査院からも御指摘をいただいた点でございまするが、過去におきまして製造実績のありまするものにつきましては、その実績をもとといたしまして最大限精査いたしまして、確定契約を従来どおり結んでまいる。新規開発的なものにつきましても、従来の実績をもとといたしまして、可能な限りの見積もり額で契約をいたしまするが、製造が進行中あるいは製造完了後におきまして、どれだけの原価を要したとか、そういうものをチェックいたしまして、その結果契約額を最終は確定するぞという、いわば条件つきの契約に相なるわけでございますけれども、文部省といたしましてこの新しい契約方式を四十二年度から導入することといたしました。ただ新しい方式でございまするので、文部省、東大といたしましても、関係方面の知識、御経験等をいろいろ承りまして、四十二会計年度におきまして二基ほどこの契約を結びました。これにつきましては新しい契約方式でございまするので、契約の最終段階、確定するところまでまだ至っておりませんが、新しい契約方式につきましては、もうしばらくその実行につきましてお時間をいただきたいと思います。四十二年度、二基ほど新しい契約方式を試みました。 第二点は、これも御指摘をいただいた点でございまするが、東京大学の宇宙航空研究所の事務機構が現状のままでいいのかという御指摘をいただきました。これにつきましては、四十一年度五人、四十二年度五人、四十三年度三人の定員増を一応行ないまして、従来は事務長のもとに直ちに各係が配属されておりましたが、四十三会計年度から事務部制をとりまして、管理課と業務課の二課制を持ちまして、経理の執行につきまして機構も責任体制は明確にし、遺漏なきを期したい、これが第二点でございます。 第三点は、東大の宇宙航研のロケットの経理問題は、東大の宇宙航研のロケットのみに限らず、国立大学で行ないまする新規開発的な設備の製造契約につきましては、共通の課題を含んでおります。その意味におきまして、昨年の秋並びに本年の二月に、大型の研究設備を主として製造いたしまするのは、旧七帝大等が中心でございますので、その現場で実際に担当しております者の特別の研修を、東大宇宙航研ロケットを中心に実施いたしまして、このことは四十三会計年度以降、定期的に新しい研究開発の進展に伴いまして、経理面におきましてこれを十分にこなし得る研修が従来非常におくれておりましたので、この点これを契機といたしまして、国立大学全体のこういう面における能力を高めてまいりたい、かように考えております。 それから、こういう各大学におけるくふう、努力を要請いたしまする以上、文部省といたしましても何らか体制をとらなければならぬということで、四十三年度に会計課のほうに契約専門官と申しますか、一名でございますが、それを設置いたしまして、新しい形、非常に困難な形の契約を、文部省といたしましても各大学の実情を従来以上に把握し、できればやはり文部省といたしましては、これに対する指導助言の責務がございますので、契約の専門官を新たに設置することといたしました。 最後に、従来ややもいたしますると、国立大学のこういった経理の執行につきましては、予算が成立しますというと、各大学に予算を配付いたしまして、それで年度進行中どういう状況になっておるかということが、明確にとらまえられていなかったわけですけれども、自今、年度進行中、その執行状況につきまして、常時密接な連絡をとってやってまいりたい、大体以上でございます。四十二会計年度より、ただいま申し上げました諸点につきましての努力を開始いたしたところでございます。
○華山委員 この点は文部省のみならず、科学技術庁におきまして、特に軍需品の会計につきまして、私から別の機会に申し述べたいと思いますけれども、従来の会計方式では一つの巨大な経費を要して、しかもそれが発展をして、またいろいろな関係から随意契約にならざるを得ない。随意契約を一たん結ばれるというと、それが永久にその企業の独占に帰するというものにつきましては、政府といたしましても特別な関心と監査の方法がなされなければいけない。これが現在の政府に課せられた会計上の大きな問題じゃないかと私は思っております。その点につきまして、ただいま文部省からお話もございましたけれども、またそれを御批判申し上げるだけの頭の回転も私はございませんので、いまここでは申し上げませんけれども、ひとつ模範的なあり方として、御研究を願っていただきたいと思いますし、今後始められる科学技術庁の宇宙開発につきましても、その点は経理上の問題が起きないように、ぜひひとつ十分な検討をしていただきたいと思います。長官から答弁を願います。
○鍋島国務大臣 いま申し上げましたように、宇宙開発一つを取り上げましても大型プロジェクトでございますし、今後本年度だけでやはり六、七十億、さらに来年度からふえていかなくてはなりません。しかもこれはやはり発注をいたすわけでございますから、ただいま華山委員の言われました御趣旨に沿って、決して国費をむだ使いしないように、かつ公正なところでやらなければならない。ただ新しい技術でございますから、競争入札とか何とかできないので、やはり多少はそういった随意契約といった形も今後の面におきまして出てくるかと思います。この点につきましては十分経理の監督と公正なる態度をもって臨んでまいることを私お誓いを申し上げたいと思います。
○華山委員 会計検査院に私から御意見を申し上げたいのであります。会計検査院は昨年の報告におきまして、東大宇宙研究所の経理について概算契約ということを簡単に打ち出しておられますけれども、私はこれは危険なことだと思っている。と申しますことは、概算契約ということが許されるならば、なぜ許されるかということについて、これを禁止する規定がない、こういうふうな御答弁でございますけれども、そういうことが許されるならば、何でも概算契約ができるということになる。したがっていろいろな土木事業であろうと何であろうと、会計法規に禁止してないから概算契約でやるんだ。非常に便利でございましょうけれども、その後今度は生産の段階に入ったときに情実が入ってくる。概算契約ですから安くするということは容易なことだ。そういう点である意味では私は危険性もある提言だと思います。会計検査院におきましていま御答弁があればいただきますけれども、なくてもいいのでございますが、ひとつもう一度概算契約のあり方、法律に禁止してないからいいんだというものの考え方、反省をしていただきたい、こういうふうに思うのでございますが、御答弁あれば伺いたい。
○斎藤会計検査院説明員 私、文部省の担当をしておりませんので、私が答弁したわけではございませんけれども、一般的に考えまして、概算契約でなければできないということ、たとえば先ほどおっしゃったような大型プロジェクトのような問題、新しい技術開発等についての契約、こういう確定契約を結ぶことができないというものについてだけやるべき筋合いのものでございまして、そうでない一般的な土木の請負契約とか何とか、そういうものにつきましては会計法の規定に従って通常の契約を、確定契約を結ぶべきものであるというようなつもりで第二局長もお答えしたものだというぐあいに私は考えます。
○華山委員 昨年のこの委員会で、委員会の連中を会計検査院の答えでぼう然とさせたことは、会計法規に禁止してないからいいんだ、こういうことでは何でもやれることになる。ですから概算契約の制度を設けるのであるならば、これは会計検査院の仕事でもないかもしれませんけれども、概算契約とはいかなる場合にどういうふうにしてやるんだということが、私は法律上明記されなければいけないんじゃないかというふうに考えております。会計検査院のおっしゃることはこれはある面において絶対的な面がございますから、そういうふうなものの考え方、ものの言い方というものはやはりよほど慎重にやっていただかなくちゃいけないんじゃないか、こんなふうに思うわけであります。 それから科学技術庁の種子島の実験場につきましては、ことしになってからだと思いますけれども、お聞きしたところでは、三月末までには宮崎県知事も中に入ってもらっておるので片づくであろうというふうな御見解がございましたけれども、いまどんなふうになっておりますでしょうか。
○鍋島国務大臣 種子島の射場建設の問題は、御承知のとおり、東大の内之浦の射場の問題とともに科学技術庁が政府の窓口になりまして、現在、鹿児島県の漁民及び宮崎県の漁民の方たちとの交渉をいたしております。 そこで実は、昨年末以来たびたび宮崎、鹿児島両県知事にお願いを申し上げ、科学技術庁も誠意をもってこれに対応する漁業振興対策を立てていく。予算の面におきましては四十二年度約三億五千万円の予備費を用意してその交渉に当たったわけでございます。大体一月か二月、三月になりまして——三月の段階を申し上げますと、宮崎県のほうもようやく、いわゆる漁業振興対策についてのものを打ち出したいというような御意向になり、私も二、三日前、土曜日でございましたが、宮崎県の黒木知事ともお会いいたしまして、その点の情報なりあるいはお願いもいたしたわけでございます。したがいまして情勢は、いわば相当好転をいたしておると私は考えます。そこで、早晩ならずしてこれらの交渉も目安がついてくるのではなかろうか。三月くらいにはつくであろうと申し上げたことも科学技術庁としては事実でございますので、おくれておりますけれども事態は決して悪くはなっておりませんので、何とか一日も早くこの点の好転をはかってまいりたいというふうに考えております。交渉の内容はなかなかデリケートでございますので、これ以上申し上げられませんが、御了承願います。
○華山委員 それでは文部省はもうよろしゅうございます。 原子力船のことについて承りますが、三十八年に原子力第一船の開発基本計画がありまして、四十二年三月にまた基本計画がございますが、この船の使用目的が変わっております。これはどういうふうなことでこう変えたのでございますか。
○鍋島国務大臣 原子力船の建造につきましては三十八年度にその開発をいたすことが決定をいたしまして、基本計画を立てました。そうして三十九年度であったと思いますが、これを予算化していただいたわけであり、それに伴いまして原子力船開発事業団をつくって、いよいよ建造に乗り出したわけでございます。当初の予定は海洋観測船ということで出発をいたしておりましたのですが、その後の原子力委員会の検討そのほかは、結局、これをつくりましてから海洋観測船としてこれを運航せしめる際におきまして、相当の経費が第一船でございますのでかかります。これは大蔵省の意向等もあったわけでございますが、そういう点において大体一年に四億くらい運航にかかるというようなことがあって、もう少しいわば経済的になる面がないか、いわば多少特殊貨物船として運航させることによって、収入もはかってペイをするということ、将来またその研究も必要ではないかというようなことから、原子力委員会におかれましてはこの計画変更をせられたと聞いております。 もう一つは、原子力船の将来を海運界として考えて行きます場合におきまして、海洋観測船ということは一つのアイデアではあってもどうしても将来において、いわば現在の海運から、将来における原子力で推進する船ということを考えていきますと、高速コンテナということが当然予想されていく。そういうことになってきますと、大型、しかも高速コンテナ船というのが、海運界における一つの大きな流れである。それをやはり原子力第一船において、日本において十分経験もし、それを繰作する乗員も養成し、そういう方向に進むのが、やはり海洋国の日本としては必要であるというような、一面においては収支経済的な面からと、将来における海運界の動向、いわゆる大型、高速コンテナ船というような動向ということを考えまして、計画の変更を原子力委員会においてせられて、そうして特殊貨物船という形に計画を変更したというのが実情でございます。特に、特殊貨物船の内容は、コンテナということも考えるわけでございますが、さしあたりは核物質の運搬、そういったことも、これだけ発電所等もどんどんできてきますから、そういう点に使用して、そうして経済的にも、四億まるまるもうけるというわけにはまいりません。おそらく半分くらい、いくかいかぬかでございましょうが、経済的に成り立つというか、経済の面も考えていくというようなことの理由だと聞いております。
○華山委員 これは一番初めに、三十九年の予算に芽を出したわけでございますけれども、その際に、三十六億でしたかの数字、間違えておったら訂正してください。——原子力第一船の国庫債務負担行為がついているわけです。その際に、当然国会においては海洋観測船という目的で御説明なさったと思いますけれども、その後目的を変えて、いま長官のおっしゃったような特殊運航船ということになった。その際には国会で御説明なさいましたか。
○藤波政府委員 お話のとおり、当初、三十九年の予算を編成いたします際には、建造費は三十六億であったわけでございます。その後種々の検討をいたしてまいりました結果、その総額を約五十五億六千七百万円に改定せざるを得なくなったということでございます。それに関連しまして、いま大臣から御説明申し上げましたように、この船の将来における使途等にも変更を加えてまいったわけでございますが、その計画の変更につきましては、昭和四十二年の三月二十五日、原子力委員会が、前に三十九年当時立てましたもとの開発基本計画を変更いたしまして、新しい原子力船開発基本計画を決定をいたしまして、内閣総理大臣の決定まで持っていりたわけでございます。 四十二年の予算編成の際には、それを基礎にいたしまして、所要の金額の積算をいたしまして予算申請を行なったわけでございまして、その際に先ほど申し上げました当初の三十六億円に、さらに五億七千五百万円を上乗せをいたしまして、トータル四十一億七千五百万円の債務負担行為。そのほかに民間出資十三億余りを予定しておりますが、国庫債務負担行為といたしましては、四十一億七千五百二十五万円というものを、四十二年度の予算編成のときの国会の御審議を願って、その予算が決定された、こういういきさつになっておるのでございます。
○華山委員 債務負担行為等、予算には書いてあるでしょうけれども、こういうふうに変わりましたということを、国会のほうによく御説明なすったかどうかということ。特別の委員会もあるわけですが、そのときの経過はどうだったのですか。聞いておらぬという人もあるのです。
○藤波政府委員 科学特別委員会におきましては、当時その計画の変更の内容につきましても、御審議、御検討を願っておるわけであります。
○華山委員 見ればわかるかもしれませんが、手数がかかりますので、いつの議事録に出ておるか、ちょっと調べてください。 それから前のものとあとのものとで、トン数等に変更があったのですが、これは使途目的が変わわったから、規模、トン数等につきまして変更があったのでございますか。
○藤波政府委員 お説のとおりでございます。
○華山委員 とにかく初めに三十六億ですか、それでできるということができなくなったということ、これはあまりひど過ぎるのじゃないかという気がするわけです。これは予算編成のしかた、見積りが間違えたのか、あるいは科学技術庁が出した予算を大蔵省が査定をして、それを科学技術庁が承服した結果なのか、あまりに違いが多過ぎる、どういうような経緯で多く出たのか。これでは予算が出ましても、だめになるような負担行為では、ちょっとわれわれ審議のしようがないですね。一体どういう経緯でこういうふうな狂いが出たのです。
○藤波政府委員 最初にわが国で原子力船を計画をいたしました当時は、正直申しまして、その計画を詳細に積算するだけの船価算定根拠に関します情報が不足いたしておったということは事実でございます。特に海外におきまして当時開発されておりました原子力船は、ほとんど軍事用のものでありましたような関係から、海外からの情報もなかなか入らない。しかしながらわが国で将来に備えての原子力船開発を、できるだけ早くスタートしたいということから、当時できるだけの努力はされたわけでございますが、先ほど申し上げたようなことから、結果的に不正確なる推算がなされたということが一番大きな原因でありますが、そのほかにも計画が延びておる間におきまして、材料費とか工賃等の値上がりも、さらにそれに加わったということがいえると存ずるわけでございます。その後計画の内容につきましても、先ほど来お話ございましたように変更があったわけでございますが、船価につきましても、再検討いたす努力がされたわけでございまして、原子力委員会の中に、そのための特別な検討グループを設けまして、わが国内における専門家の意見を徴するばかりでなく、海外にも人を派遣いたしまして、外国におけるメーカー等の資料も検討をいたしまして、最終的に先ほど申し上げましたような船価に落ちついた、こういう経緯でございます。
○華山委員 予算のみならず、これは数年間ほとんど使わなかった国庫債務負担行為、こういうふうなことも、私は決算上は見のがすことができないと思う。われわれはもちろん予算そのものにつきましては、党としては反対をいたしますけれども、国会としてはこういうふうに賛成しているわけです。それがある程度余ったとか、ある程度の追加が起きたということでありますれば、新しい事業でもありますから了解ができますけれども、ほとんどこれが使われないで数カ年をむなしく過ごしてしまった。それで原子力船の建造も三、四年の間おくれてしまったことは、私はやはり政府の責任だと思う。そういう意味でお聞きしたのでございますが、これはもちろん、皆さま方が計画をなさる場合には、きめられるのに多くの造船専門の会社等の意見等も聞かれると思うのでございますけれども、どうしてこれが落札できなかったか。それはやはりその提示した額ではできないということで、みな断わったということでしょうが、われわれといたしましては、将来の日本の原子力船なんだから、造船界にも非常に大きな問題なんだから、とにかくその損失は出ても、造船界で受け持ってでもひとつやろうじゃないかという気魄があってよかったんじゃないか、こんなふうにさえも思うわけでございます。方法といたしましては、この原子力事業団は業界の出資を受けてもいいわけですが、そういうような気魄が一体造船界にはなかったのでございますか。
○藤波政府委員 最初に原子力建造に関しまして入札の努力をいたしましたのは昭和四十年三月でございます。いまお話がございましたように、当時は予定価格が非常に低かったというようなことで、指名競争入札の対象にいたしました造船会社七社、いずれも応札を断わりまして、不調に終わったのでございます。その後、原子力委員会を中心といたしまして、日本原子力事業団も督励をいたしまして、その善後策に努力いたしたわけでございますが、その間におきまして造船工業会にも協力を求めまして、船価の再検討でありますとか、あるいは計画内容等につきまして詰めまして、最終的に先ほどのようなことになったわけでございますが、なお業界の協力という点につきましては、この計画を変更するにあたりましては約二十億の民間出資を出すということをきめまして、そういう資金的な面においても協力をいたすということになったわけでございます。
○華山委員 私がお聞きしておるのは、とにかく造船界は、輸出入銀行等の関係、あるいは従来とも開発金融公庫等の関係、あるいは政府における利子補給、いろいろな点でめんどうを見ておるわけですね。それで、皆さま方の言われるとおり、将来の日本の重要問題におけるところの原子力船につきまして、約二十億の金を、年賦払いでもいいのであるから、これをひとつお互いに持とうじゃないか、そういうふうな気魄というものが一体どうして業界になかったのか。私は非常にこれは不満だと思うのです。そのために三、四年の遅延を来たした、こういう結果になっておるわけである。この点につきましては、私はむしろ運輸省あたりのほうがもっと責任を持ってもらいたかったと思いますけれどもまことに残念だと思う。 それからもう一つ伺いますが、このたびは競争入札でなくて、かつあのときは動力炉も船体も一緒にして一つの形でやろうということでありますけれども、今度は分けて、随意契約に変わったということでございます。御承知のとおり、申し上げるまでもなく、契約は、公開競争入札が原則であり、指名入札がやむを得ないときに認められ、随意契約は特段の場合にだけ認められるところの契約なんです。いま、この際、随意契約を結んだこの二つの会社につきまして、特に問題があるわけはないと思いますけれども、しかし、この席におきまして、これはこういう事情でやむを得ず随意契約になったんだということを明白にしておいていただきたい。これはこの会社のためでもあるし、政府のためでもあろうと思うのです。どういうわけで随意契約になったのか、その理由を明白にしていただきたい。
○藤波政府委員 先ほど申し上げましたように、第一回の入札の際には指名競争入札に付しまして、そのとき七社を対象としたわけでございますが、それはすべて入札拒否ということで不調に終わったわけでございます。その後、先ほども申し上げましたように、造船工業会に対しまして協力を要請をいたしまして検討を進めてまいったわけでございますけれども、造船工業会のほうで業界の意見を反映しまして、石川島播磨が中心になってその検討に協力するということになったわけでございます。自来、原子力委員会の中にもこの特別の検討グループを置きまして、中立的な、船価を中心にいたしまして真剣な検討を約半年にわたって行なったのでございます。この間、実は外国から炉を入れてそれで積んでみたらどうかというような検討もいたしまして、そのときの予想船価等の比較等も行なったわけでございます。その結果、五十六億程度どうしてもかかるという判断をしたわけでございますが、それらの検討に、主として技術的な立場から参画をいたしました石川島播磨に随意契約をするのが最も適当であり、かつやむを得ないと判断をいたしまして、事業団のほうはその方針をきめたわけであります。 原子炉につきましては、実は舶用炉は世界的に見ましても加圧水型の軽水炉以外は実用炉として見通しが立っておりません。そのタイプの原子炉をつくれる能力があるのは現在においては三菱原子力だけであるというようなことから、原子炉はやはり当初の構想どおり三菱原子力工業に発注をし、船体のほうは石川島播磨造船に発注する、こういうことになりました関係で、結果的には船体と炉体が別の会社に発注されることになった、こういうのが経緯でございます。
○華山委員 その経緯を承りましたけれども、これが前提となってもう随意契約でいいのだというふうなことにならないように、あくまでもこれは公開入札及び指名競争入札、それからやむを得ない場合だけが随意契約であるということをひとつ忘れないでいただきたいと思う。あのときこうだったじゃないかということになっちゃ困るという意味で私から申し上げます。 いまお話を伺ったところで何か私もしかたなかったのかなという気はいたしますけれども、しかし本体のことはよくわかりませんので、それを是認するわけじゃございませんから、ひとつそういう点を気をつけていただきたいと思います。 それから三十六億は——これは大蔵省でなくてもいいのですが、三十六億の国庫債務負担行為は年度割りになっておりましたか。予算書では年度割りで出ておりましたか。——わからなかったらいいです。しかし、この際に、事業団に対しましては年度割りで認可しておりますね。そうでございましょう。
○藤波政府委員 現金出資のほうは毎年度の予算できまっておりますけれども、債務負担行為のほうは総額できまっております。当初三十六億は五年間ということで三十六億になっております。途中で、四十二年度の予算におきましてそれの延長を国会で承認願っておる次第でございます。
○華山委員 事業団に対しましては、認可する場合に、年度割りで認可したでしょう、こういうふうに、四十年は幾ら、四十一年は幾らというふうに。
○藤波政府委員 事業団のほうの計画の予定計画というのはもちろんございますけれども、やはり予算総則に載せております数字は、三十六億という一括した数字で載せておるのでございます。
○華山委員 予算総則にそうなっておるのかもしれません、私よく見てまいりませんでしたけれども。しかし、三十六億を、事業団につきましては何年度は幾ら、何年度は幾ら、何年度は幾らと認可しておりますよ。違いますか。
○藤波政府委員 それはあくまで予定の数字でございまして、参考資料としてはそういう数字はございますが、認可といたしましては三十六億総額を載せておるわけであります。
○華山委員 そうしたら事業団が仕事の計画を立てようがないじゃないですか。何年度に幾ら出して何年度に幾ら出すのだということを示されて、認可を受けてはじめて事業の計画も立つのであって、ただ三十六億だけを五カ年間でやればいいのだということだけでは事業団は仕事のしようがないでしょう。
○藤波政府委員 三十六億を債務負担といたしまして認可をいたしておきまして、毎年度につきましては、先ほど申し上げました予定の計画に従いまして毎事業年度予算で現金化をしまして、毎年の事業計画ではその数字を歳入に入れまして計画を立てるわけでございます。
○華山委員 私は見方が違っているかもしれませんが、私の見方と違うようです。いま時間をかけておられませんから、これは書類をもう一度さがしてみてください。何年度は幾らというふうなことで認可をして、初年度分は交付をしているはずです。 それから四十二年度は、先ほどの話とちょっと違いますけれども、私の見方が違っていたら訂正していただきたいのですが、五十五億六千七百万円を国庫債務負担行為にしているのじゃございませんか。
○藤波政府委員 四十二年度で計画を変更いたしました建造費は五十五億六千七百万円でございまして、それが事業団としては債務負担行為のワクになるわけでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり、そのうち十三億九千万円は民間出資によることに計画されましたので、その差額四十一億七千五百万円が国から事業団に対する国庫債務負担行為、こういう関係になっております。
○華山委員 これは予算総則では年度割りになっておりますか。
○藤波政府委員 なっておりません。
○華山委員 事業団につきましては、この年度割りの計画を示したりあるいは認可したりしておりますか。
○藤波政府委員 事業団自身での年度別の計画表というのはございますけれども、それは別に認可の対象といたしてはおりません。事業団が毎年の事業計画を立てます際に、それからまたそれの認可を求めます際に、それまでの進行状況等から判断をしまして、次の年度に必要とする現金が幾ら幾らであるということを積算しまして、そこでその事業年度の事業計画並びに予算の認可を求める、こういうことになっております。で、進行が予定どおりいけば事業団のあらかじめ予定しております数字と合いますし、進行状況いかんによりましては、当初の事業団が考えております予定計画より違った数字になることがあり得るわけであります。
○華山委員 大蔵省に伺いますが、この債務負担行為というものも一応五年ということになっておりまして、年度割りが一応は考えられてつくられると思うのでございますけれども、継続費というものも、これは同じ船なんですけれども、防衛庁のほうは継続費になっている。これはどこでこういうふうな債務負担行為と継続費との区別があるのでしょうか。
○小幡説明員 国庫債務負担行為と継続費でございますが、両方ともに、完成に二年以上を要するものにつきまして、国が後年度にわたる債務を負担する権限を付与する仕組みでございます。ただ継続費の場合は、防衛庁の大型の艦船のように、全体としまして国会の御承認を一括していただく必要がある。しかし、その中の船体とかあるいは機関とか武器とか需品といったそれぞれのものに分割して契約をする、しかも行程におきまして年度を異にして契約する必要がある、こういったものについては継続費でやる。国庫債務負担行為の場合は、当該国庫債務負担行為を計上いたしました年度に全部の債務負担をする、そういうような仕組みになっておりまして、そういうことで継続費と国庫債務負担行為と区別しているわけでございますが、原子力船の場合には、これはやはり国庫債務負担行為を計上いたしました年度に全部の契約ができるし、またしたほうが適正である、そういう見地から国庫債務負担行為の取り扱いにしているわけでございます。
○華山委員 大蔵省についでに伺いますが、大きな橋等がございますね。そしてこれは一年じゃできないというふうな場合に、毎年毎年やっておるというようなこともございますし、またわれわれはふしぎでしようがないのですけれども、建物でも裁判所の建物等につきましては、三カ年計画だとか二年計画だとかいうことで継続費だということもございますが、あれは一体継続費になっているのですか、予算を毎年毎年つけるのですか。
○小幡説明員 先生のおっしゃいました道路とか橋とかいうものにつきましては、現在国庫債務負担行為のほうでやっております。継続費の制度はとっておりません。継続費は現在防衛庁の大型艦船だけでございます。
○華山委員 そうしますと、ああいう橋とか建物等につきましては債務負担行為なんですね。
○小幡説明員 これも毎年度歳出予算でやるものもございますけれども、また国庫債務負担行為でやるものもございます。それはケース・バイ・ケースでやっております。
○華山委員 ケース・バイ・ケースというのは、どういうときに債務負担行為でやって、どういう場合には一年一年つけるのですか。
○小幡説明員 これは国が債務を負担する権限を付与する方式でございますので、完成に二年以上要するもの、しかも契約を一括してやらなければいけないもの、こういうものにつきましては国庫債務負担行為でございますので、大きな公共事業につきましては国庫債務負担行為ということになろうかと思います。
○華山委員 時間が長くなって恐縮なんですが、もう一つ伺っておきたいと思います。 四十一年度の事業団の支出でございますが、原子力船建造費といたしまして支出予算額が二千四百万円、前年度からの繰り越しが五千六百万円、流用が一千二百万円、合計九千二百万円、こういうことになっております。間違えていたら訂正していただきたい。この九千二百万円の支出でございますが、決算によりますと、支出決定は七千三百万円、翌年度に繰り越し一千四百万円、不用が五百二十二万円こうなっておる。これで船はつくっておらないわけでございますけれども、翌年度への繰り越しというのはどういうことでございますか。原子力船建造費の翌年度への繰り越しというのはわれわれちょっと考えられない。
○藤波政府委員 お尋ねの四十一年度の繰り越し金の内容でございまするが、これは大きく分けると、建造費のカテゴリーでございますが、内容は基本設計の関係のものでございまして、造船関係の契約準備とか、あるいは安全審査資料作成に関する経費、遮蔽計算等の経費、さらに定係港関係の基礎設計の費用等を繰り越しておるものでございまして、次の年度にまたがりまして使用しておる、こういう関係のものでございます。
○華山委員 原子力事業団ですから、国の会計でないから、一がいに言うことはできないと思いますけれども、繰り越しというのは、一定の事業のためにやむを得ず明許の場合もありますけれども、それが非常な障害のためにできなかったから繰り越される、こういう性格のものであって、中途はんぱになったからこれは繰り越す、こういう性格のものじゃあるまいと思いますけれども、大蔵省の御見解を伺いたい。
○小幡説明員 繰り越しはおっしゃるとおりでございますが、この場合は政府出資でございますので、おっしゃるのは事業団におきます繰り越しでございます。これは事業団のほうが会計令に従いまして繰り越しておるわけでございます。
○華山委員 一ぺん国から出たものが事業団にいきますと、国の会計法規から離れていいのだ、こういうことになりますか。こういうふうな公の事業団でございますから、やはり国の財政法規というものを少なくとも準用されるなり、その精神にのっとっていかなければいけないのじゃないかと思うのですけれども、どうなんですか。
○藤波政府委員 事業団内部の財務会計に関するルールは、別途、事業団の財務会計に関する命令ができておりまして、その十条に繰り越しの規定があるわけでございます。ただいま御質問の流用金額につきましては、その第十条に基づきまして繰り越されたものでございます。
○華山委員 そういうふうな何か規定があるそうでございまして、私は見ておりますけれども、ああいうふうな規定は、事業団というものだから特別でいいのだというようなことになりますと、事業団そのものがおかしくなってくるんじゃないか。やはり国の会計の準則に従ってやるべきだと私は思いますし、いわんや、この事業団はほんとうの仕事をやっておらない。国でやってしかるべきものをやっているだけの話なんです。これからはそうでなくなるでしょうけれども、そういうふうな段階においてこういうふうなやり方は私はおかしいと思うのであります。 ことに、不用額というものがまた別にあるのですね。繰り越し額と不用額とはどこが違うのですか。
○藤波政府委員 繰り越しされますものは、計画がずれ込みましたために、当該年度では使い切れないけれども次の年度にわたりまして仕事をして、それに支払いをしなければならぬ、こういう意味であくまで必要な金額を繰り越しておるわけでございますが、科目によりましては、その年度に契約をし、あるいは業務を行なった結果、その業務は一応終わったけれども余ったというようなものにつきましては不用に立てる、こういう関係になっておりますので、御指摘の不用というのは、そういう意味の不用額というぐあいに考えております。
○華山委員 しかし、原子力船建造費として九千二百万というものが四十一年度で予算化されている。その中の五千六百万、すなわち六割に当たるものが繰り越されたというふうなことは、私はおかしいと思うのですよ。予算の立て方なり何なりがルーズなんじゃないか。それで四十一年度で九千二百万円の支出があったわけですけれども、そのうち翌年度への繰り越しが一千四百万円ありますね。私は、こういうふうないき方というものは、ほんとうの官庁会計であるならば許されないと思うのでございます。予算の立て方がルーズなのじゃないか。 〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕 それからもう一つ伺いますが、四十年度決算の原子力船建造の繰り越しは五千六百二十四万円でありますが、四十一年度の予算では、五千六百二十四万円がそのまま経常費の繰り越し額ということで載っている。しかるに四十年度の予算では、前年度事業の繰り越しはゼロとなっている。あるときはそのまま繰り越しとなり、あるときは、その翌年におきましては、繰り越しがなくてゼロになっている。前年度におきまして繰り越しがあって、そしてそれが翌年の予算ではゼロとなっているのはどういうわけなんですか。——もう一度言いましょうか。四十年度の決算では、原子力船建造の繰り越しは五千六百二十四万円であって、四十一年度の予算にそのまま計上してあるわけであります。四十年度の予算では前年度の繰り越しはゼロとなっているけれども、三十九年の決算では一億四千万円が計上してある。ある年は繰り越しをそのまま計上し、ある年はこれを計上しないでゼロとしてある。どういうことでこういうことができるのですか。
○藤波政府委員 いまの御質問は、おそらく三十九年度から繰り越されました一億四千万円が、四十二年度では繰り越されていないという点をおっしゃっているのではないかと思いますが……。
○華山委員 建造費としてね。
○藤波政府委員 これの経緯を申し上げますと、当初この一億四千万円は、建造費の一部として出資されておったわけでございますが、三十九年度に、先ほど申し上げましたように、契約不調に終わりましたために、一応四十年度に繰り越したわけでございます。四十年度、契約の努力をいたしましたが、再び四十年度におきましても契約が見通しが立たず、そこで根本的に計画を再検討する腹をきめたわけでございます。したがいまして、四十年度におきましては、当初事業予算を約九億六千万円というぐあいに考えておったのでございますけれども、建造着手をあきらめましたために、必要事業予算は約三億一千八百万円でいいことになったわけでございます。その三億一千八百万円の事業費に対する予算措置をすればいいわけになったわけでございまして、相当額を不用に立てるという変更を年度の途中でやったわけでございますが、その操作をいたします際に、建造費として繰り越されました一億四千万円は、その三億一千八百万円の事業費の一部として計算をいたしまして、なおかつ不足する分だけを四十一年度の出資で見るということにいたしまして、結局約六億二千万円の減額をいたしまして、その予算の変更の国会承認を受けた、こういう結果になっておるわけでございます。その意味におきまして、さらにその次の年度への一億四千万円の流用というものはなかった、こういう関係になっております。
○華山委員 すべて国会、国会といわれますけれども、国会はそうこまかなことまでやっているわけではありませんからね。包括的に国会の承認を得たからといって、それでいいのだということは、なかなか私も納得しがたいのでございます。しかしこれは、そういうふうにしてやろうと思ったけれども契約ができない、したがって出資も不用額になった。それだったならば決算上国の決算としてもこれは不用額に立てて、そしてまた別に新しい予算を出す、こういうことのほうが私は正道ではないかと思うのでございますが、大蔵省の主計局の御意見はどうでしょう。
○小幡説明員 大蔵省といたしましても、予算編成の場合には、当然こういった事業団の繰り越し金の有無というものを検討いたしまして編成いたします。ただ先ほどから先生のおっしゃっておられますのは、どうも繰り越しの会計上の一般原則の問題ではないかと思いますので、少し私から御説明申し上げますと、結局前の年度の繰り越し金が幾らになるかということは、通常なかなか最後までわかりませんので、繰り越した予算というものは、普通は次の年度の歳入予算に計上しないで、繰り越した歳入は繰り越した事業の財源として、繰り越したことによりまして予算の配付があったということで使えるわけでございます。しかしその繰り越し事業ができないということが判明いたしますと、その繰り越した資金は、これはほかの支出の財源に充ててもいいということになりますので、その段階におきまして、予算の繰り越し金のところに計上する、こういう仕組みになっているわけでございます。
○華山委員 少しへ理屈になるかもしれませんが、この一億四千万円というものは建造費であったわけでございますが、これが翌年にはゼロになっている。そしてこの一億四千万というものを一般の繰り越しに入れて、そしてこれが事業団の財源になっている。その財源によって人件費等がまかなわれている、こういうふうなかっこうになる。したがって、建造費というものが人件費に化けてしまった。こういうような結果になるということは、予算をきちんと、だれが見てもわかるように明白にしている意味からは、私はやはり適当なやり方ではないように思うわけであります。今後一つの軌道に乗ったのですから、そういうことはあるまいと思いますけれども、御注意を願いたいと思うのでございます。 一つ伺っておきますけれども、国庫の債務負担が五年ということになっておりますが、こういうことを見ますと、五年、五年ということで二年も三年も続くことは、財政法上からいってどういうことになるのでしょうか、大蔵省の御意見を伺いたい。同じ船をつくるのに、初め五年だった、それからまた五年、そういうことでいうならば、国庫債務負担行為で十年でも十五年でも同じ目的のために計上されるということは、五年を限度としてという精神に反するように思うのですが、その点どういうふうに御理解になりますか。
○小幡説明員 国庫債務負担行為の支出年限の原則はあくまでも五年以内でございます。ただ法規といたしましては財政法の第十五条のただし書きがございまして、「国会の議決により更にその年限を延長するもの」はこの限りでないとなっております。したがいまして、五年以上にできる場合もあるわけでございますが、規定上はおっしゃるように幾らでも延ばせるかもしれませんが、その辺はやはりどの程度が妥当であるかという問題で、良識をもって、そうたびたび延ばすべきじゃない、こういうふうに考えます。
○華山委員 いまのただし書きの規定は何らかの事故によって五年で間に合わなかった、五年ではやれなかったというふうなことを考えているのであって、私、お伺いしたいのは、今度のような場合はほとんど大蔵省でも考えられなかった例外のことなんじゃないだろうか。初め五年で船をつくるつもりであったものが、さっぱりそれが入札も何もできなくて、やり直しになってしまった。だからそれは御破算にして、そしてまた新しく五年の国庫債務負担行為というものをつくったということで、これは例外的なものだというふうに私は考えるのですけれども、どうなんでしょうか。ただし書きはこういう場合を考えておるんじゃないんじゃないでしょうか。
○小幡説明員 最初は、先生のおっしゃるように、最初の三十九年度の国庫債務負担行為を御破算といたしまして、新しく五年の国庫債務負担行為をとるべきではないかという議論もあったわけでございますが、ただこの場合には、これは形式上の問題でございますが、決算上、この三十六億の出資ワク、これは国としては事業団に対して実行しているわけでございます。しかもその一部、 一億四千万円を出資しております関係上、これを御破算にするということは非常にその手続きが——要するに出したものを戻すとか、決算上の数字を直すとか、いろいろ隘路がございまして、そこでこの財政法十五条三項のただし書きを適用するよりほかないということになって、四十二年度に金額の増額とそれから年限の延長の国会御審議をお願いしているわけでございます。
○華山委員 これで終わりますけれども、私、申し上げますが、このようなことで、平和的利用のための原子力船でございますし、その目的を変更されたといいましても、四億か幾らかの節約のためだといいますし、私はそのための船員の養成だったならば、船員の養成としまして——自衛隊の軍艦のためにはほんとうにマラソンでやっているでしょう。練習艦隊として。私はそういう目的に使っていただきたかったと思いますし、ことに今後海洋の開発ということは重要な問題だ、私はそういうふうな平和利用の面に徹した使い方をしてもらいたかったと思いますが、いまさら変更もできないということでございましょう。 一つ伺いますが、先ほどおっしゃいました、これでいろんな原子燃料をこの船によって運ぶということでございますけれども、原子燃料というものはどういうものを運ぶのですか。ウラン原鉱ですか。あるいは他のほかのものでございますか。ウラン原鉱じゃないのですか。
○藤波政府委員 ウラン鉱石は考えておりませんで、それを濃縮をいたしまして、技術的なことばで申し上げますと六弗化ウランといったような形の原材料を運ぶ、たとえばアメリカ等から船で持つてくる、そして日本の国内の加工業者がそれを燃料体まで加工いたすわけでございますが、そういう原材料を運ぶ、こういうことを考えております。
○華山委員 濃縮ウランというのは日本ではつくれないのでしょう。アメリカだけじゃないのですか。
○藤波政府委員 現在日本では基礎研究はやっておりますけれども、つくる能力はいまのところございません。で、アメリカから輸入する。アメリカに委託して濃縮してもらうことを考えております。
○華山委員 その濃縮ウランを運ぶのですか。
○藤波政府委員 先ほど申し上げました六弗化ウランは約三%くらいに、少しでございますけれども濃縮したものを考えております。
○華山委員 先ほど長官は発電のための燃料としてのウランを運ぶのだというふうにおっしゃいましたけれども、いま何を発電のためには使っておるのですか。いまおっしゃった材料でございますか。
○鍋島国務大臣 いまの三%前後の濃縮したものでございます。それを発電用に使います。
○華山委員 私しろうとで全然わからないのですけれども、それはそれほどたいへんな量のものですか。八千トンもの船で年に数回も運ばなくちゃいけないほどの量になるものなのでしょうか。
○藤波政府委員 そのウラン自体が何千トンにもなるわけではございませんが、容積、入れものその他を考えますと相当なものにもなりますし、またものがものであるだけに、ほかのものとの混載制限でありますとか、危険の問題でありますとか、一般貨物とは違った特殊な性格も持っておるわけでございますので、こういう特殊な船ができますれば、その濃縮ウランの運搬はすべてこれで独占するというわけではございませんけれども、これを活用いたしまして、その相当な部分はこれで運んでいただく、こういう考え方でございます。
○華山委員 それからいろんな発電等に伴って出てくるところの汚染されたようなものはこの船で運んで、そうしてむつ市に持っていくのだというようなことも聞きますが、そうですか。
○藤波政府委員 むつ市に持っていくということは計画はしておりませんけれども、お話のようにこの船で考えておりますのは、先ほど申しました核燃料の濃縮ウランを運搬するのみならず、将来だんだんふえてまいります廃棄物を運搬をいたすということも計画に入れておる次第でございます。
○華山委員 先ほどもちょっと触れられましたが、そうしますとこの船は原子——私、学者でありませんので、ことばは少しおかしいかもしれませんけれども、原子核といいますか、そういうことによって汚染されることはないのですか。
○藤波政府委員 運搬に関しましては原子力規制法というのがございまして、いろんな容器でありますとかあるいは積載の方法でありますとかあるいは運搬の方法等につきまして、技術的にきちっとした規制がなされることになっております。この船が汚染をいたしまして乗員に障害を与えるというようなことはないと考えております。
○華山委員 先ほど局長が、ほかのものと混載することは避けなければいけないというふうなことをおっしゃいましたから、私は、船自体が汚染されてしまって、そうしてほかのほうにはもう使えなくなるのじゃないかということをお聞きしたわけでございますけれども、私がこういうことを申し上げることはまことに残念ですし、とてもできないことかもしれませんけれども、私の心の中からほんとうにお願いしたいことは、そういうふうなことに船を使うことは私はやめてもらいたいと思うんです。私は、やはり将来、おっしゃるとおり高速力の原子力船時代が来るということで、そのための従事する人を養成するということであれば、その面に向けてもらいたい。二億とかなんとかいったってわずかばかりの金じゃありませんか。そういう面。それから特に平和のために日本が原子力を使うということであるならば、この船もまたたとえば今後非常な大きな問題になってくるところの海洋の調査とか、そういうことに使っていただきたい。どうでしょうか長官、もう一ぺん考え直しできませんか。私は残念でならないのです。
○鍋島国務大臣 原子力第一船につきましてはもう計画ができておりまして、特殊貨物船という形でこれを使うことを海洋観測船に変えることはなかなか困難であろうかと思います。したがいまして、やはりいま言われましたところの将来におけるところのもののためには、やはりすでに原子力第二船の問題がぼつぼつ話が出ておるわけでございます。これはおそらく民間が主体となってやるかもしれないし、これに対して国が相当額補助をするという形をとるのではなかろうかと思います。したがって、試作と言っては失礼でございますけれども、この点も核燃料のみならず、いろいろな面でこれをフルに利用して、コンテナの問題とかそのほかのいろいろな問題につきまして利用し、あるいは乗員の養成もはかっていくということ、しかも第二船のいわゆる原子力船が現在の船とどの辺でクロスをして原子力船時代というものに来るのか、この見当がなかなかつけかねるということと、それからもう一つは、原子炉の問題で、さらに自主的に開発しなければならぬ問題があろうかと思います。これはほかの国のアメリカとかソ連では原子力炉を使って軍鑑が百とか百五十とか動いているとか言いますが、民間といいましょうか、平和利用としては御承知のとおり、アメリカのサバンナとソ連のレーニンでございますか、そのほか西ドイツくらいで、なかなか開発が進んでない。それらのことを考えながら、船を将来における平和利用のためにぜひひとつ、いま計画はなかなか困難かと思いますが、全力をあげて利用して、それを基礎に新しい平和利用の原子力船をつくるという方向へ向けたいというふうに考えますので、何とぞ御了承願います。
○華山委員 これで終わります。
○小山(省)委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 科学技術はしろうとですけれども、長官はお急ぎですから、簡単に基礎的な問題をまず伺っておきたいと思います。 最近科学技術の問題が政治上、社会経済上非常に大きくクローズアップしてまいった次第でございます。一体科学技術庁の所掌対象は、これは一口に言うならば、科学と技術というものを対象にするのか、自然科学というようなことに限定をするのか、あるいはまた人文科学のみは除くという規定もあるらしいのですが、その辺の概念は、大きく線を引くと対象はどういうふうになるのでしょうね。
○鍋島国務大臣 現在科学技術庁で所管をいたしておりますもの及び今回一年がかりで研究をいたしまして国会に提案いたしております科学技術基本法というものがございます。これらの点を勘案いたしますと、現実の問題として人文科学といわれるものを入れることは、なかなか現在の科学技術庁の内容としては——視点として大型プロジェクト、国の力をもって開発しなければならないような大きなものに重点を置いておるわけであります。率直に申し上げまして宇宙の開発、原子力の平和利用あるいは海洋開発あるいは電子計算機といったような、そういった大型巨大科学といいますか、それらの点に、その実用の面に重点を置いておりますことと、新技術があった場合、これを取り上げて実用化していくためにどうやって企業化するといいますか実用化といいますか、そういう点に力点を置いております。そういう意味におきまして科学技術庁の所管事項というものの向くところは、人文科学、これとは離れましてやはり自然科学の分野であるというふうに一応申し上げてよろしいかと考えております。
○吉田(賢)委員 最近、社会、経済の発達に伴いまして、たとえば海水の汚濁による公害とかあるいは農薬の流出による公害とか、空気汚染による公害、音響等幾多の公害があるようであります。また公衆衛生にしましてもあるいはまた公共の安全にしましても、最近は大きく取り上げまして日々のニュースの題になっておるようであります。あるいは物価問題にしましても、これは生活の全体を支配する重要な関係になっておりますが、こういった面につきましても科学技術庁の対象として、技術行政の対象として取り上げていくということになっておるのでしょうか、そこをはっきり伺っておきたい。
○鍋島国務大臣 ただいま言われましたところの水の汚濁あるいは農薬、空気そのほかいろいろな公害がございます。それらの公害の問題につきましては、今回公害の三法が出ましたように、それぞれあるいは通産省あるいは運輸省あるいは農林省というふうに専門的にやっており、その省によって公害の問題が処理されていくという形になっておりますが、科学技術庁としましてはそれらの点の取りまとめとして、一応公害の点についてのいわば国としての取りまとめをやっておりますことと、なお特別調整費というものを大体十億前後金を持っておりますので、その金を調整しながら、何か、たとえば阿賀野川の問題があればそこに金を出す、あるいは地震が起きれば地震のために金を出す、そうして基礎研究をしてそれに対する対応策を考えていく。あるいは農薬の被害あるいは空気汚染の問題があれば、この研究費用を通産省に渡して、通産省の研究所あるいは通産省自体において研究をしていただくというような形における取りまとめと、実質上の予算操作といいますか、研究実態を進めていくというような形をとっております。
○吉田(賢)委員 それは実施官庁ではない。しかし取りまとめ、総合施策を打ち出していく、企画する官庁として、いま例をあげましたような諸問題は科学技術庁が取り扱う。これはわかりましたが、これは例をあげたにすぎないので、たとえば最近の経済の重要な現象といたしまして、農業の生産性の向上、これはひいては食糧開発になります。あるいは新しい水産資源の開発、これは一つは海洋の調査にもつながってまいりますし、あるいは中小企業の生産の構造改善とか、高度化とか、こういったものが、その他の経済社会に直接重要な関係を持っておるというようなものもあわせて、やはり総合施策の見地から、具体的実施は他の省庁があるといたしましても、科学技術庁は総合施策の一役を買っていくということは、他の自然科学あるいはまた公害対策と同じような趣旨にこれは考えていいのでしょうか。
○鍋島国務大臣 ただいま言われましたようなことについても、現在科学技術庁でやっていることを申し上げますと、情報の面と、それから新しい技術が出た場合にこれを企業化す面とございます。御承知のとおり、企業化す面におきましては新技術開発事業団というのがございまして、これもあまり多くの金はまだ持っておりません。私自身として不満ではございますが、これを、十数億前後金を持って、新しい技術ができた場合、そこに千万円なり二千万円なり、中には地熱発電のように三億円くらい出してこれを企業化していく、そうして現にこれは成功いたしておりますが、そういったような点における推進を講じ、それができ上がると一応通産省なら通産省のほうへお願いをする。たとえばコールドチェーンといわれました冷蔵の問題等は一応見当がついたので、これを農林省のほうにお願いをして、いわば蔬菜類、果樹類等の冷蔵輸送というほうにことしから役立っていくというようなことをやっておりますことと、もう一つは情報でございます。世界各国から来る情報を、これは一日に数百通か数千通か私にはよくわかりませんが、それくらい来ましたものを情報センターで電子計算機で分類をしまして、あらゆる情報をとっておりまして、いついかなる場合でも各省あるいは民間の方が新しい技術の開発の情報をごらんになれるような提供をいたしております。その情報センターも持っておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 これを聞くゆえんのものは、やはり科学技術庁は対象とする行政の総合企画に重点を置いた行政府であるというように私は思いますので、そうしますると、これは非常に範囲が広くなってきまするが、したがってまた重要度もこれは高く評価していかねばならぬことは申すまでもございません。 そこで今度は、具体的に、大学が調査研究をしておる。これは基礎的な純粋な調査研究かも存じませんけれども、大学との関連というものはやはり明確に一線があるものであろうか、それとも、やはり大学といえどもたとえば薬学の研究をしまして、すぐに新薬、新製剤につながっていくとか、あるいはその他の物理、化学、理科系の研究が直ちに工業化につながっていくとか、いろいろなことがございますが、そういったような面もやはりこれは科学技術庁として一役を買って総合企画の線を打ち出して、そうして大学と協議するということになるのであろうか、その辺についての両者の限界、もしくは行政とか分野とか、この出入りの関係、これはどういうふうに規定すべきものでしょうか。
○鍋島国務大臣 現在やっておりますのは、まあ大学は文部省の所管で、特に基礎的な御研究をしていただいております。ただ、その基礎的な御研究の中から、われわれが社会生活をするためにいろいろ必要なものが出てまいりまして、これを企業化したならば非常によろしいのではないか、あるいはさらにこれを別途他の研究所に移してそれを研究することによってすばらしい成果が出てくるのではなかろうかというようなことがあるのでございまして、そういった点は、文部省との連絡あるいは直接大学との御連絡によって、ただいま申し上げました、金額はまだまだ十分とは言えませんけれども、新技術開発事業団においてこれを企業化していく方途を講じていく。これは企業化すまでの段階の金を出していくわけであります。あるいはさらにこれを研究していこうという場合におきましては、特別研究調整費等を文部省からのお申し込みによって出して、実用にいくように研究を進めていく、そういった総合された研究助成といいますか、企業化すための助成というようなことを現在科学技術庁としてはいたしております。ただ、総体的に実際の金がまだ足りませんので、この点はひとつどうぞ……。
○吉田(賢)委員 いずれもこれは、一方はきわめて基礎的な研究の重要な最高の機関であり、他はまた総合施策の中心機関である。そこで、全体、科学技術というのですか、科学と技術というのか、どうも私にははっきりしないのですけれども、ともかく科学技術庁の対象とするあらゆる問題、科学施策等につきましては、基礎的にまず科学技術庁が立案するという行き方になるのか、それとも大学と協議し、あるいはまた審議会というか、科学技術会議等の意見も徴しましょうし、その他等々、いろいろの補助機関、研究機関もあるようでありますから、それらのくみ上げてくる意見を総合いたしまして、科学技術庁がこれは指導的に総合施策を打ち出すということになすべきではないのであろうか。どうもその辺が大学との関係がもう一つ、外から見ますと、はっきりしないものがあるのではないだろうか。お互いに同じ問題を並行的に扱って、むだがあるのではないだろうか。宇宙科学の研究等にいたしましても、両者に機関があって、それは同じことを研究しておるのではないであろうかというようなことも感じるのでございますが、これはせっかく重要な高度な研究でありますから、一切のむだを省いて、一切を合理的に、最も効率的にこれを実施していくということが、特に科学技術庁のごときすべての合理の先端を行く官庁としましては望ましいのでございますが、その辺の総合企画をむしろ主導権を科学技術庁が持っていくということであるのがほんとうではないであろうか。主導権と言うと語弊がありましょうけれども、大学については今度の基本法の法案にもその点は特にうたって第八章を設けておるようでありますが、設置法の三条にもその点は明らかにしておるようでございますけれども、いずれにしましても、国の立場からいうならば、やはり高い視野に立ちまして、科学技術の開発のために、振興のためには行政府も大学も、ある場におきましてはどこかがイニシアをとっていくというほうが最も合理的ではないか、こういうふうな考え方もできますので、伺っておるのですが……。
○鍋島国務大臣 現在まで、御承知のとおり、文部省も包含しまして、総理大臣を議長としました科学技術会議がございまして、これはこまかいことは別にしまして、そのメンバーは、御承知のとおり、民間もお入りになっておりますし、各省の大臣も入っております。文部大臣はもちろんでありますが、さらに学術会議の朝永さんも、会長としてお入りになっている。それらの点で、実は総合をされて、そうして日本の科学技術について、どういうふうにこれをやっていくかという点について、現在総合されておるわけでございます。 なお、今回御提出申し上げております科学技術基本法の問題は、人文は除いておりますが、少なくとも自然科学の点につきましては、それに基づく基本計画を立てて、これは国として、純粋研究は除きますが、大学の御参加も決して拒否しておるわけではございませんので、そういう形で日本の科学技術の振興を進めてまいりたい、そのような考えでおります。
○吉田(賢)委員 古くは三十九年に臨調がこれを指摘し、いままただんだんと新聞等において伝えられますが、優秀な科学技術者が外国に流出するということがひんぴんとあるということが伝えられておりますが、はたしてそうかどうか。あるとすれば原因は何なのか、どのくらいの数がどこに行っておるのだろうか、どこにそんな魅力のある天地があるのだろうか、この辺を簡単でいいですが、非常に重要な課題でありますから明らかにしていただきたい。
○鍋島国務大臣 日本における学者の海外流出につきましては、実は残念ながら旅券の関係そのほかでなかなかいいデータがございません。ただ、アメリカの下院の科学政策委員会におきまして、資料がアメリカにおいて提出されたものがございまして、それから見ますと、三十七年から四十一年、五年間になりますか、その統計によりますと三百九十五名が日本から出かけられております。そのうち、科学技術者と思われる者が二百五十七名、お医者さんが百三十八名前後でございます。他の国の状況等も同時に出ておりますが、他の国はたいへん多いのでございまして、カナダでは四千名、西ドイツで二千名近いというようなものもございます。したがって、これらの出かけられる原因、向こうに住まわれておるわけですから、日本としてはどうしてもこういう優秀な頭脳を引きとめたいと考えますが、結論的に言ってもなかなかでき得ない。結局研究環境の問題、それから法制的にこれをとめるわけにいきませんので、そういった点で、やはり日本よりか向こうのほうが優秀であるから、自分みずからの研究をするためにはどうしてもアメリカなりのほうが都合がいいというようなことで出かけられると思います。したがって、今後この対策は非常におくればせではございますけれども、研究環境の整備、研究費の問題あるいは処遇の問題等について考えるべきものが多くあると思います。
○吉田(賢)委員 これは朝野官民を問わず、一切の企業においても人材の開発とか、人間の開発あるいは頭脳の開発とかいうことはいま重要な課題でございます。したがって、いま科学技術振興ないしは科学技術行政が非常に重大な段階に立ち至っておるというのであるなら、こういう根本問題に対しましては抜本的な防止対策というものを立てねばならぬのじゃないだろうか。環境の問題ということはおそらくその待遇にもありましょう。研究施設にもありましょう。また、これを理解することの不足しておる国民の側にもありましょう。国会ないしはその他の行政官庁の面もありましょう。いうならば、やはり日本の国がこういうような優秀と見られるような頭脳、技術の持ち主を外へ流出させてしまうということはたいへんな損失であります。こんな国際競争が激化の時代におきまして、安閑と見ておる手はありません。即刻これは抜本対策を立てるということが——むしろこれは閣議におかけになって決定すべき重要案件ではなかろうか、一科学技術庁の問題ではございません。その優秀な科学技術者をつくり出すというあらゆる犠牲負担、これに伴いまする経費等から見ましても、これは相当なものでございます。いうならば日本の資本かもわからぬというようなことを思いますと残念でならぬ。これはやはり最高中心の国策としてお考えになってしかるべきと思いますが、どうですか。
○鍋島国務大臣 いま吉田委員の言われましたとおり、私も就任いたしまして流出が相当あることを痛感いたしております。したがいましてこの防止対策について、現実にこれというきめ手はございません。いま言われました処遇とかあるいはそれに伴ういろいろな環境整備とかあるいは国民全般の御理解によって誇りを持っていただく、そのほかの点もございますので、これは官民一緒になって処遇の点、そのほか考慮していくべきだ、私も全力をあげてこれらの点について対処してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 四十一年度の決算でございますが、百九十八億円、四十三年度の一般会計が三百十八億円、まことに貧弱なそれでございます。やはりこれはまず財政措置をいたしませんと、これを大いに引きとめようといたしましても、とてもとてもこれは不可能でございます。だから竹やりで国を守るのと何か同じようなことでございますから、この人らが安んじて打ち込んで研究し得る環境をつくるためにはやはり財政措置をもってまずこの防止をしなければならぬ。これは予算委員会でないから多くは論議いたしませんけれども、根本対策は単純な抽象的な理解では解決しません。政府が責任を持って財政的措置を講じなければならぬ、これが第一義です。これができずしてはから回りして問題はとても解決しないと思います。 試みに昭和三十六年の一切の国ないしは官民の科学技術に対する研究投資の統計を見てみますと、アメリカは五兆三千八百億円、ソ連が二兆九千億円、イギリスにして四千八百億円、西独が三千四百億円、日本は一番貧弱で二千四百五十億円、こういう状態になっております。国民所得に比較しますと、その比は日本は一・七%、こういう状態でございますが、やはり国民に理解せしめると申しましても、もっと国民にこういう基礎科学の研究であるとか科学技術の重要性であるとか、学者が外国に流出してしまうということも数字を示して、実情を示して国民を啓蒙する、PRするということにもっと全力を傾けなければならぬと思います、マスコミ時代ですから。いまのように情報活動も大いに科学技術庁はやっておられるらしいのだが、そんな情報活動をやるなら、最も正確な情報を一億の全国民に流すということ、こういう手から手を打っていきませんと、人のことばかり力を入れてはだめだと思うのです。科学技術庁自体の体質強化にも伴っていく問題である。科学技術の研究自体のほんとうの前進のためにこれは望ましい点だろうと思うのですが、こういう点もあろうと思いますので、いかにして国民にPRするか、いかにして国民の関心を高めるかということの具体的施策がなければならぬと思うのですが、どうですか。
○鍋島国務大臣 PRについては、前からずいぶん研究もし進めてきております。御承知のとおり、科学技術週間というものを設けて、四月には大々的に毎年やってきておりますが、これは非常にじみな仕事でございますので、いわば報道関係等が取り上げる場合におきましても、よほどトピックなものがあって、たとえば原子力とか宇宙とかそういうものがあれば非常にできますけれども、実はそういった面に腐心をいたしております。科学技術週間というもの、全力をそこに集中してやっていろいろな行事もやっておるわけでございますが、まだ十分至りませんし、また金もそれに伴う十分なものがないことも残念だと思います。ただいまの御意見はそのとおりでございますので、私もひとつ今後とも努力をしてまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 先月二十七日でしたか、科学技術会議が行なわれました席上で、佐藤首相から非常に積極的な御意見があったやに新聞に伝わっておりますが、いま申しました点は、長官もしごく御同感のようでございますので、これは具体策をやはり首相とも御相談になりまして、閣議決定をいたしまして、いかにしてそれならさらに前進させるかという御方針をお立てになるということが非常に重要な課題でなかろうかと思っております。これは希望だけを申し上げておきたいのであります。 それから、最近日経にOECDの報告というものが大々的に宣伝されておりました。まことにおもしろい記事として私も読んだ次第でございますが、こういった世界各国における科学格差とか、あるいはこれがひいて経営格差とか教育格差とか、こういったものが大々的に報道されるということで、言うならば画然として科学技術の格差はわれわれの目の前に展開する、こういうようなこともこれは非常に啓蒙に大きな役に立つだろう、こう思うのであります。よくわからぬものでありますから、みんな宇宙時代来たるとかやがて月に旅行ができるのだとか、そういった抽象的な空想のようなことばかり考えるのじゃなしに、具体的なこういうようなことも絶えず行なうという必要があるのではないか。この点も同じ論旨でありますから御答弁は求めません。御要望を申し上げまして、OECDの報告なども国民としては非常に参考になっておりますので、そういった希望と申しますか、指向をもちましてだんだんと国民に迫ることを強く御要望を申し上げておきたいのであります。 それからいま科学技術の開発、振興につきましては、あるいは宇宙時代とかあるいは原子力問題とかいうことに重点が置かれておるようでありますが、日本といたしましては、大きな科学も大事でございますけれども、やはりもっと生活に直結する面を特に重視する必要がないであろうか。資源の乏しい日本でありますので、先にちょっと一例を指摘いたしましたが、農業における新しい技術開発にいたしましても、これはやはりいまのように農業基本法だけでは日本の生産は上がりません。米の値上がりだけを百姓は望んで、向こうはち巻きで東京へ押しかけてくるという状態では、ほんとうの農業の振興にはならぬ、こんなようなことでありますから、十八億ドルも外国から食糧が入り通しなんであります。こういう面につきましても特段に、これは一つの総合政策を立てて、農林省と御相談あってしかるべきものと思うのです。 もう一つは海洋の問題でありますが、たとえば瀬戸内海というようなあの大きな海域、この海底資源の開発というものにつきましても、無限のプランクトンなどもあるようでございますから、えさもあるようでありますから、こういう開発とか、ないしは最近は礫耕栽培と申しまして土の要らない農業が土佐あたりには行なわれておりますが、土の要らない農業、こういった非常に食糧と直結する、生活と直結する面におきまして、科学技術の開発の対象、技術振興の対象が大きく前に出てきておるように思うのですが、これなんかもやはり積極的に、総合施策の一環としてお取り上げになってしかるべきだと思うのですが、これはいかがでございましょう。
○鍋島国務大臣 いま言われたとおりでございまして、先ほどから金が足りないと申し上げておりますように、農業の問題にしましても、たとえば新しい田植え機械ができるアイデアがある、これをどうして実用化し企業化するかということにつきまして、実は新技術開発事業団の審査にかけて、これに資金を投入して実用化す方途はあるわけでございます。そのほか、農業の問題にいたしましても、あるいは中小企業の何かの新しい技術の開発の問題にいたしましても、そういう方途は現在講ぜられております。ただ海洋開発等におきましては、これは現在資源の探査あるいは水産の養殖、そのほかいろいろな面におきまして実はばらばらであることは事実でございます。これは水産関係は農林省、資源の探査は通産省、あるいはその他に属さない点もございます。海洋開発につきましては、これは科学技術庁が本年度から本格的に準備をして取り組みまして、大型プロジェクトとして国の資金をこれに相当入れることによって、海洋開発時代の世界の趨勢におくれないように進めてまいるようにいたしたいということで、いま鋭意これらの点について進めております。なお、生活に直結した点におきましては、いま申し上げましたように、新技術開発事業団等のもっと積極的な活躍を促しまして、ひとつできるだけ新しいアイデアに対し、あるいは新しい一つの技術の開発に対してこれを実用化していくということを今後進めてまいりたいというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 それから行政改革の一環といたしまして、一省一局の削減の問題が日程にのぼっております。そして三カ年間にそれぞれのある種の簡素化も行なうということを本年六月までに各省庁がそれぞれ回答の案を出さねばならぬことになっておりますが、この一局削減の問題につきまして、資源局を廃止してしまって何か資源調査部か調査室みたようなものをつくるとかいう案が出ておるようでございますが、これは本気で——この点は国の大命題といたしましての行政改革は佐藤内閣が強く推進せんとする腹はわかるのでありますが、これに従いまして一省一局の削減の問題に取り組んでおられる、これもよくわかりますが、と同時に、資源局を廃止するということは、いまの国内資源開発の問題と何か矛盾するような気がするわけであります。調査部を設けて看板だけ取りかえるということならばこれはうそです。科学技術庁はうそをついちゃいけません。だから私は、ほんとうに合理的に正しく科学技術の振興、資源の開発等々を行なおうとするならば、この辺何か矛盾じゃないかと思うのですが、どう割り切っておられるんだろうか。
○鍋島国務大臣 率直に申し上げまして、科学技術庁には局を削減する余地はございません。それが私の気持ちでございます。しかし、一つの大きな国としての問題であれば、やはり各省一局廃止の大号令には従ってきております。ただ、内容におきましては、御承知のとおり五%削減、三%削減と申しましても、現実にはそれ以上の人が要るわけでございまして、本年度におきましても、原子力研究所等は削減をしないでおりますし、あるいは動力炉・核燃料開発事業団等におきましては約百名近く、あるいは宇宙開発の中心になります推進本部等は約三十名前後の増員もしておるのでございます。したがいまして、これはそういう面におきましては、ひとつ私としては内閣での発言もお願いして、今後発展していく科学の中心部でございますから、必要最低限の人員は削減するというよりも確保するというほうに進めるつもりでございます。
○吉田(賢)委員 申すまでもなく、釈迦に説法でありますけれども、行政改革といい、行政簡素化というのは、屋上屋を架したもの、あるいは無用になったもの、もう用は足したもの、そういったものを簡素化して能率をあげて、国民へのサービスの万全を期する、できるだけ行政の高度な体制を整えるということが主眼でありますから、これは私は率直にその辺の議論は、置くなら置くでいいのです。何も形式的に看板を、局を廃して部にするとか、部をやめて何とかにするというような、そういうような形式では国民はだまされたことになりますから、だましちゃいけません、こういう問題は。そういうふうなことを強く考えるのであります。 そこで、大臣に一つ最後に伺っておきたいのですが、私はこの科学技術庁というものは、日本の科学行政もしくは技術行政の先端を行く中核であるというような一つの信頼を持ちたいのであります。そういう意味におきまして、行政と財政に膨大なむだがあるということを深く御理解願いたいのです。そこでさきにコンピューターの話がちょっと出たようでございますが、たとえば一切の情報を正確に集めまして、そして広範な情報のネットマークなんかにいたしましても正確なものを集めまして、科学技術庁こそ、財政が、また予算の編成、執行、その効率、決算、こういったようなものにつきまして最も合理的な模範的なものが行なわれるということを、私ども切望してやまぬのです。所管庁は大蔵省です。実施官庁はあなたらのほうですから、大蔵省だけにこんなことを求めるのじゃありません、内閣全体の責任でございますので、どうぞそういう意味におきまして、四十四年度の予算は、四十一年度の決算も参考にし、二年、三年のそれも考慮いたしまして、いま申し上げましたようなコンピューターの広範な利用を一つの枢軸といたしまして、予算作成と取り組んでいく。そうして最も重要な計画、最も必要な予算、最も優先すべきものをまず先にする。そしてその執行は間違いなく、去年の実例も参考にしながら行なうというふうな、そういう態勢で進んでいってもらいたいと思うのです。これは四十一年度の決算をあれこれと見てみまして、私どもいまの時点、いまの段階における国政上の要請とにらみ合わせまして、切実にあなたのほうへ御希望する面なんですが、こういう点についてひとつ模範的にやってもらいたいと思いますが、どういうふうにお考えになりましょう。またこういう問題はどう御理解になっておりましょうか。
○鍋島国務大臣 私も就任してまだ日浅いわけでございますが、少なくとも今日の電子計算機、コンピューターの発展というものは驚くべきものがございます。したがって、これらの点を分析をし、それを明らかにして将来を卜する一つの大きな要素になることは、私は事実だと思います。 ただ、そのコンピューターの操作をどうしていくかという点におきましては、まだ私もしろうとでよくわかりませんけれども、ただいまの御示唆もございましたから、私は、係のほうに情報官もおりますから命じまして、そういった予算の執行の面において電子計算機を使ってどういう方向に打ち出し得るものか、こういった点はひとつ研究課題としておまかせ願いたいと思います。私も非常に興味を持って伺いました。
○吉田(賢)委員 なお、これは大蔵省も積極的に取り組んでいるという情報もございますし、過般大蔵大臣からそのような意向が明らかになったのでございますが、これは各省庁が協力せぬとできません。すなわち、計画別予算とも翻訳されておりますが、PPBSといっております新しい予算、財政の制度でございますが、これは日本におきましては相当な範囲に行ない得るものであるとわれわれは信じておりますので、科学技術庁は率先して積極的に協力せられんことを強く御要請申し上げておきます。これで終わります。
○小山(省)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後一時四分散会