決算委員会 第4号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1968/03/28
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 昭和四十一年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、会計検査院所管及び総理府所管中、科学技術庁について審査を行ないます。 当局から順次その概要説明を求めます。宇ノ沢会計検査院事務総長。
○宇ノ沢会計検査院説明員 昭和四十一年度会計検査院所管一般会計歳入歳出決算の大要を説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額百八十五万六千円に対しまして、収納済み歳入額は五百九十四万四千四百二十三円でございまして、差し引き四百八万八千四百二十三円の増加となっております。 収納済み歳入額の増加のおもなものは、建物売り払い代三百七十三万一千円、公務員宿舎の貸し付け料二十七万六千五百八円であります。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額十三億四千八百二十八万八千円に、前年度からの繰り越し額七千百八十一万六千円、予備費使用額一千四百二十八万五千円、給与改善に伴う予算補正追加額四千四百六十二万三千円を加えまして、これから節約による既定経費の減少百六十五万円を差し引きました予算現額十四億七千七百三十六万二千円に対しまして、支出済み歳出額は十四億七千六百三万百九円でございまして、その差額は百三十三万一千八百九十一円となっており、これは全額不用額であります。 支出済み歳出額のうちおもなものは、人件費十一億八千八百三十万五千円、検査旅費一億百二十七万一千円、物件費七千五百二万三千円、庁舎等施設費一億四百四十万三千円となっております。 不用額となったおもな経費は、人件費であります。 以上、はなはだ簡単でございますが、会計検査院所管の昭和四十一年度一般会計歳入歳出決算について説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願いいたします。
○大石委員長 天野科学技術政務次官。
○天野政府委員 科学技術庁の昭和四十一年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、歳出予算現額は百九十七億八千七百七十二万八千円でありまして、これに対する支出済み歳出額は百九十六億四百五十九万三千円、翌年度繰り越し額は一億三千九百十四万二千円、不用額は四千三百九十九万三千円となっております。 次に、支出済み歳出額のおもなる費途についてその大略を御説明申し上げますと、第一に、原子力関係経費として百十七億二千四十九万五千円を支出いたしました。これは日本原子力研究所における材料試験炉等の研究施設の整備、動力炉の研究開発及び原子炉の運転等、原子燃料公社におけるウラン資源の探鉱、核燃料の開発、使用済み燃料再処理施設の設計、放射線医学総合研究所における放射線による人体の障害とその予防及び診断、治療等放射線の医学的利用に関する調査研究及び民間企業等の原子力試験研究の助成等原子力平和利用の促進をはかるために支出したものであります。 第二に、試験研究機関の経費として三十六億六千六百二十万円を支出いたしました。これは当庁付属の試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所における垂直及び短距離離着陸機等航空機に関する試験研究及びロケットに関する試験研究並びにこれらに必要な研究施設の整備、金属材料技術所における超電導マグネット材料の研究及び材料試験等金属材料の品質向上に関する試験研究及びこれらに関連する研究施設の整備、国立防災科学技術センターにおける洪水用シュミレーターによる洪水流出機構の研究等防災科学技術に関する試験研究、宇宙開発推進本部におけるロケット及び人工衛星に関する研究開発並びにロケット発射施設の整備、及び無機材質研究所における無機材質の創製に関する研究並びに設備の整備のための経費として支出したものであります。 第三に、科学技術試験研究費補助金等として水質汚濁防止に関する試験研究等多数部門の協力を要する総合的試験研究及び各種研究に共通する基礎的試験研究を実験いたしますための委託費、コールドチェーンの調査として低温食料流通の事例的実施調査を実施いたしますための委託費及び発明奨励のための発明実施化試験費補助金等を交付するため三億二千三百八十五万三千円を支出いたしました。 第四に、重要総合研究等の推進をはかるための特別研究促進調整費、国立試験研究機関の研究公務員等の資質向上をはかるため内外への留学研究を行なうための経費、理化学研究所、日本科学技術情報センター及び新技術開発事業団の事業を行なうため必要な資金に充てるための政府出資金のほか、科学技術庁一般行政費等として三十八億九千四百四万五千円を支出いたしました。 以上、簡単でありますが昭和四十一年度の科学技術庁決算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○大石委員長 次に、会計検査院当局より、以上の各決算について検査の概要の説明を求めます。斎藤会計検査院第一局長。
○斎藤会計検査院説明員 昭和四十一年度における会計検査院及び科学技術庁の決算について検査をいたしました結果は、特に違法または不法と認めた事項はございませんでした。 以上でございます。
○大石委員長 これにて説明の聴取は終わりました。 ————◇—————
○大石委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 会計検査院当局に質問するにあたりまして、一言申し上げておきたいのでありますが、決算重視は当委員会が何回も繰り返し在来主張してきたことでございますし、また、その重視すべきことの重要性は言うまでもございません。つきまして、私は検査院の職務の実態、職責の重要性にかんがみまして、やはり院を代表いたしました検査院長に重要事項はぜひ伺っておくことが、決算の審査の完全を期する上において最も重要な根本問題と思いまするので、きようもし参議院の都合で出席が困難でございましたら、なお、重要点について質疑を留保しておきたいと思いますので、御了承願います。
○大石委員長 けっこうでございます。
○吉田(賢)委員 一応逐次項目を分けまして、伺っていきたいと思います。 憲法九十条によって、検査院の、国の収支の検査の重要性が基本的に規定されております。つきまして、会計検査院が新憲法上国の財政監督の上に占める地位、使命はきわめて重大であると考えております。きようもし御答弁いただけるのならば、いまの日本国憲法によって、昭和二十二年に会計検査院法が制定せられましたが、旧憲法時代に比しまして、会計検査院の使命、特質は本質的に変わってきと思います。 それは一つ重要な点は、旧憲法時代におきましては、天皇直属の財政監督の機関でございました。新憲法におきましては、国民のために国の財政を監督する機関になりました。こういうふうに見てまいりますると、検査院の使命は、憲法の変遷を契機といたしまして、本質的に重要な思想が変わっております。しかし目的とするところは、きわめて重要な使命、任務を持って存立する機関である、こういうふうに考えております。 こういう観点に立ちまして、具体的にお尋ねしたいことは、一点は、旧憲法に比しまして、新憲法下における検査院の権能、使命はどういうふうに違いがあるのであろうか。二点につきましては、検査院法の第一条によりますと、「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」と明記しております。内閣に対して独立の地位を有するというような行政府、官庁は、他にないのであります。あればこれは裁判所であります。そういうふうに思いますると、第一条の検査院の地位、内閣に対して独立の地位というものは一体何なのかということを明らかにすることが、私は基本的な問題であろうと思いますので、もし御答弁がいただけましたならば、この二点につきまして、最初に明確にしておきたい、こう思います。
○宇ノ沢会計検査院説明員 ただいまの吉田委員からの御質問でございますが、会計検査院の使命が、旧憲法の時代と新憲法になってから本質的に変わったかどうかという点でございますが、旧憲法におきましても、会計検査院の使命というのが、国の歳入歳出の決算の確認ということでございまして、この点につきましては、新憲法におきましても、やはり会計検査院というのは、国の歳入歳出の決算を確認して、これを国会に報告するということでございまして、その大筋においては、私は格別の変化はないように考えておる次第でございます。 それから、内閣に対して独立するという点でございますが、この点は旧憲法におきましても、御承知のように天皇に直隷し、内閣に対して独立の地位を有するということでございます。天皇直隷の関係は、新憲法になりましてからは消えまして、現在の会計検査院法では、内閣に対して独立の地位を有すということだけでございます。しからば、その内閣に対して独立するという趣旨はどうかということでございまするが、一口で申し上げますと、予算、それから人事、それから仕事をやってまいります上においてのいろいろな法規が必要でございまするが、旧憲法時代におきましては、そういったようなものがすべて勅令等によってきめておられたものを、新憲法になりましてからは、検査に必要な規定などにつきましては、すべて検査院が独自の立場で自主的に定めていくことができるという点、これらの点をひっくるめまして会計検査院の独立性というものが確保されておる、こういうふうに考える次第であります。
○吉田(賢)委員 重要な点は、最初にお答えになりました、会計検査院の任務は国の歳入、歳出の確認、である。確認というようなお考え方では、私はほんとうの検査院の使命は全うできないのじゃないだろうか、こう思います。やはり旧法時代にも内閣に対して独立の地位を保障し、新法も内閣に対して独立を明記しておる。それほどに特殊な規定を置くゆえんのものは、やはり財政の重要性に由来すると思います。したがって、財政の収支確認というよりも、財政の監督でなければならぬと思うのです。確認ということであるならば、これは会計事務でないであろうか。いやしくも財政を検査するのは、監督をするということがむしろ主眼で、根本で、あるいはそれが最終かもわかりません。だから監督の実をあげるということが職務の内容になり、監督の目的を達するということが検査院存立のゆえんである。ただ確認に終わるのならば、これは単純な会計事務に終わるおそれがありますから、どうしても、いろいろと文献によってみましても、財政監督の重要使命は会計検査院にあり、こういうふうに私は思うのですが、これはどうですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 確認ということばの内容になるわけでございまするが、われわれは確認ということが単なる数字の当否、あるいは法令なり予算なりに違背しているかどうかというだけにとどまらず、予算の使い方等について不経済なり、あるいは不合理な点があれば、そういう点についても、歳入歳出決算を通じて、そういうものはあるかないかという点を検査しておるわけでございまして、ただいま吉田先生おっしゃるように、監督が重要じゃないかということでございまするが、そうした確認をしていく上において、検査の過程において、なるほどそれは手段としては監督ということになるかもしれませんけれども、基本としては、国の歳入歳出の決算を確認するということが大前提にあるのではないか。そのやり方として、個々の会計経理について監督し、あるいはそれについて適正を期するとか、あるいは是正をはかるというようなことが行なわれるわけでございまして、基本的には国の歳入歳出決算を確認する。しからば確認ということはどういうことかといいますと、私のいま申し上げたようなことになるのじゃないか、かように考えている次第でございます。
○吉田(賢)委員 私はそれは根本的に認識が違うと思います。確認はあくまでも事実の確認だろうと思うのです。たとえば交通事故あり、はたしてセンターラインをどの車がオーバーしておったか、衝突はどちらに原因があったか、事実の確認で評価じゃない。やはり評価までいくのでないと使命は全うされないのではないだろうか。次にくるところの職務権限ということに入っていくと、どうしても評価に重点を置くということでないと、確認だけならば、極端にはどんなに乱費しようと、どんなに効率があがるまいと、要するに法律に触れないならそれでいいということになるおそれはないだろうかということにも考えられますので、この点は、純粋な会計経理的な考え方よりも、国会も検査院も、予算執行の内閣に対して財政の監督の地位にある、こういうので初めて内閣に対して独立という、その法律のねらいが生きてくるだろうと思うのです。国会は直接財政監督はできませんから、会計検査院が財政監督をして、国会はさらに審議の過程を通じて、国政調査もあわせて、そして財政の監督をする。そこで、財政執行の政府に対して、財政のにらみをきかしていくというのが国民の願いです。だから検査院も旧法時代に独立の地位を保障されておったとはいえ、今日は国会とともに国民に対する奉仕以外に何ものもありません。ここが根本的の違いであります。国民の願いというものは、これは申し上げるまでもございませんけれども、国の予算は大部分は税金でございまするので、四十二年をちょっと開いてみましても、専売益金を入れると国の予算の八割が税金です。だから税金を支払う者の立場から見れば、血の出る思いをして支払っておる。税金の行方を探究する、適正に妥当な使い方がせられておるかどうかということをゆだねられておるのは、私は国会並びに検査院だろうと思うのです。それほどの地位が検査院に約束されておる。そういうふうに実は希望的に見たいのです。そうでなければ内部監査もございますし、大蔵省にしましてもできぬことでもなし、やはり検査院という独立した機関が厳として存在する以上は、私はやはり国会とともに監督の実をあげていくということが本来の使命である、こういうふうに思いますので、確認の事務に終わってはこれはたいへんであります。この点については、これは意見になるようでありますけれども、本質に対する認識の問題でありますので、ちょっと御意見だけ伺っておいたほうがいいと思う。
○宇ノ沢会計検査院説明員 重ねて申し上げますが、確認ということばの中にどういうものが含まれるかということを、くどいようですが、もう一ぺん申し上げます。 先生おっしゃるように、われわれは確認ということを、単なる事実の確認だけとは考えておらないのでございまして、先生は、事実の確認というのは事実の確認だけだ、価値判断は含んでおらないんだ、こういうふうにおっしゃいますけれども、われわれはそうじゃなくて、事実の確認のほかに、やはり経理なりの中に当、不当、あるいは不合理、不経済がないかというような点を、個々の経理について検査をいたしまして、そういうことについての判断といいますか、個々の経理について評価をするというようなことが、確認ということばの中に含まれておるのだ、こういうふうに解釈しておるわけでございまして、先生がおっしゃいましたようなことは、会計検査院法二十条をごらんになればはっきり規定されておりますように、検査院の権限としては、会計経理を常時監督して、適正を期し、是正をはかるということであります。
○吉田(賢)委員 わかりました。 次に身分保障の問題について伺いたいのですが、検査院は行政府に対して、独立の地位を有する以上は、もっと身分保障を充実する必要はないか。旧憲法時代の多数検査官は、全員身分保障がございました。今日は三名の検査官のみが一種の身分保障がされておる。他の職員は公務員並みではないだろうかというふうにも考えます。この可否、利弊は議論のあるところであろうと思います。そこで全員裁判官のように——裁判官につきましては憲法七十八条、裁判所法四十八条により、また検察官におきましても、類似の身分保障の規定がございます。特に検察官などに比しまして、一段と国の政治、行政、憲法の見地からしたら重要性にある検査院、この検査院構成の職員が、全員身分保障をせられるということの可否、もしくはこれでよいのであろうかという点、こういう点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 吉田先生、多少誤解をなさっておられるような点がありますが、旧院法時代におきましては、会計検査院の職員は、全員身分保障があったのではないかというふうに先生お考えになっておられるようでございますが、決してそうではございません。御承知のように、旧院法時代の会計検査院では、課長以上には身分保障がございました。課長以上で構成する検査官会議というものがございまして、これが検査院の意思決定機関、現在の新院法の三人の検査官会議がこれに当たるものでございます。そういったようなことで、旧院法時代におきましては三百何人かのうち完全な身分保障のある者は課長以上であり、あとは身分保障というものはない。ところが、新院法におきましては三人の検査官、これは御承知のように旧院法時代と同じような身分保障があるわけでございます。その他の一般職員につきましては、これは現在の検査院の事務総局の職員は一般公務員と同じような身分保障があるわけでございまして、その点を考えますと、古い院法時代の検査院の職員から比べますと、かなり高度の身分保障が現在の国家公務員法でなされておりますので、その点については旧院法時代と比べまして、一般職員の身分保障もかなり強化されておるといいますか、身分は保障されているといっていいのではないかと思います。 しからば現在の程度の身分保障でいいかどうかという点でありますが、われわれ新院法になりましてから二十数年検査を現在の体制でやってきておるのでございますが、格別いまの程度の身分保障では困るということは考えておりません。
○吉田(賢)委員 私は身分保障について、旧憲法時代に検査院の職員全員身分保障を採用しておったということを申しておったんじゃないのです。少なくとももっと多数の検査官が身分保障をされておりまして、上位の者も身分保障されておりまして、現在よりもなお内閣に対して独立の地位は強かったという認識を私はいたしますので、その点に触れたわけであります。 そこで、身分保障の問題ですが、身分保障をあまり広く強化しますと、たとえば裁判官にしても検察官にしましても、検察ファッショということもあり、裁判官が老朽化して化石化するということもあり、いたしますので、必ずしも漫然と何もかも身分保障するということにいたしましたら、独善的になる危険がありまするから、それの可否は私はやはり議論があると思いますが、検査院の職員の方々がその必要性を感じるとか感じないかということじゃなしに、いまの検査院の任務の重要さ、使命の重大なことにかんがみて、一そう独立的な地位を確立するのでなければやりにくくはないのかという観点から、私は考えてみたいのであります。そういう意味におきまして、もっと身分保障を強化するということは必要ではないだろうか。現実の職員がこれでよろしい、満足しております。そんなことを聞いておるのじゃありませんのです。たとえば、まことに悪い例でありますけれども、最近のイギリスあたりのあの実情について見ますると、先般もある雑誌に、もとの東京銀行の頭取さんの記事によって見ると、銀行支店の小使いさんがあまり優秀だから行員に引き上げたいと思って、こちらは喜んでうなずくだろうと思ったところが、要らぬことを言ってくれるな、この小使いでよろしい、これで満足しておりますと言うので、人世観、世界観が違うのかなと思ってあ然としたという記事がございます。私は問題は、主観的に観察するのでなしに、検査院の重要性にかんがみまして、いかにしてこれを強化すべきか、強化の要なきやということを絶えずみずから反省することが必要ではないだろうか。私ども決算委員会が声を大にして国の財政の浪費を叫び、決算の重要性を叫び、いかにして財政を粛正すべきかということを幾ら叫びましても、いまの政情、政界の実情からいたしましたならば、これはもう至難なんです。それほど重要なことでありまするから、せめて具体的に数千名の職員を擁して、全国の行政機関の財政執行を一つ一つ検査し得る職権と能力を持っておる職員を擁しておるのですから、何かこれを賢明に、独善におちいらずに国民の期待に沿うように機能を発揮し得るよう、それにはもっと身分保障をするのでなければいけないのではないかということを思うので申し上げておるのでございまして、これに満足しておるのかどうかということ、そんなことを聞くのではなしに、総長もそんな意味でお答えになったとは思いません。思いませんが、私はこの激しい時代の、流動の激しい変動のさなかにおきまして、財政の組み方につきましても根本的に財政制度の改革が叫ばれておる際、したがって、検査のあり方についてもあらゆる知能を動員し、科学を動員いたしまして、検査を最も正確に、最も正確な情報を集めて、そうして敏速に、人間も少なくて実効が上がり得るよう、検査院がトップを切って進みつつあるというくらいの、すばらしい先進的な体制を検査院に見るというようにあってほしい。 何もこれは、いまの検査院の方が、何千名の方が問題というのじゃなしに、財政の腐敗紊乱というような面から考えると、検査院の使命の重要なことを思うので、身分保障について欠くるところなきや、もっと何か保障されたほうがよいのでないか、せぬでもよいのか、別の原因があるのか、これでよいのか。結論はその辺なんです。これは繰り返しになって失礼ですから、多く御答弁は要りません。これに御意見ありましたらちょっと聞かせてもらいたい。
○宇ノ沢会計検査院説明員 先生がおっしゃる身分保障の内容が、実は私不敏にしてよくわからないのでございまするが、要はやはり、会計検査院が使命の重大性にかんがみて職員一致協力して重要な使命の達成に邁進できるような体制に持っていくことが必要なことは、私から申し上げるまでもないことだと思うのですが、そういう意味におきまして、私たちとしても、職員がいま申しましたような使命に徹しまして、専心職務に従事できるような体制に持っていくようにいろいろなことを考えないわけではございませんけれども、私たちの努力の至らないためもございまして、必ずしも十分であるとは私申し上げることはできませんですが……。
○吉田(賢)委員 私の身分保障というのは、裁判官の身分保障、検察官の身分保障、そういうものとひとつ比較していただきまして、これは法制上一目りょう然でありますので、御検討願いたい。公務員法による一般公務員としての処遇を受けて、任免その他のいろいろ規制を受けておりまするのが一般会計検査院の職員であろうと思いますので、そういうところに何か強く出られない要因はないかどうか。裁判官を身分保障するゆえんのものは、裁判の独立を尊重し、司法の独立こそ憲法の重要な使命であると信ずればこそ、私は保障してほしいと思いますので、それに関連するところの検査院の待遇があってしかるべきでないかというふうに思うので、実は申し上げた次第であります。これらにつきましてはなお若干問題が残りますので、またひとつ院長からもはっきりした御答弁を伺っておいたほうがいいだろう、こう思います。 それから、こういうことに関連いたしまして、職階制が一般の公務員には実施されておりませんですから、こういう問題につきましてもこれは人事院の関係になりますので、主としてそのほうに譲ることにいたしますが、ともかく公務員の職務を完全に果たさすためにその辺の問題もかなり重要でないかと思います。 それからちょっとあとへ戻って失礼ですけれども、検査院の行政との独立の関係ですが、これも院法などによってみまして、職務執行についての独立性があるようであります。あるいは人事権につきましても、これは発案権が内閣にあるといたしましても、事実上任命は院内でしておられまするし、あるいはまた任期につきましても検査官につきましては七年ということが保障されておるし、あるいはまた予算につきましても内閣が削った場合に二本立てにし得るということも財政法の十七条以下に書いてあります。これも最高裁と同格に扱っております。したがいまして国会とか最高裁とか検査院というものは一般行政に比較いたしまして、財政上予算作成の権限等につきましても重要な特権を与えられておるというようなことも特筆すべき一つの立場だろう、こういうふうに考えております。しかしこうは言いましても、そんなことを羅列するゆえんのものは、いかにして検査院の職責を全うしてもらうかということから来るのであります。これも私は意見というよりもわかり切ったことでありますから御答弁は要りません。 続いて伺いたいのでありまするが、検査院の運営の問題でありますが、運営の面におきまして検査院法の二十条によりますると適正、是正ということばが出てまいります。二項です。一体適正とは何ぞや、是正とは何ぞや、これは簡単でよろしゅうございますから端的に述べておいていただきたいと思います。
○宇ノ沢会計検査院説明員 端的に申し上げます。 適正を期するといいますのは要するに個々の会計経理について非違が生じないようにするということでございます。それから是正につきましては、一度生じました非違事項を正常な道に返すということでございます。
○吉田(賢)委員 ちょっと聞き落としました。もう一ぺん繰り返してください。
○宇ノ沢会計検査院説明員 非違が生じないようにする、一口に言えばこういうことだろうと思うのでございます。
○吉田(賢)委員 三十四条には不当という字が出てまいります。不当とは何ぞや。
○宇ノ沢会計検査院説明員 違法または予算に違背したかどうかということ以外に、予算の使い方等について不経済なりあるいは非効率あるいは不合理な点がないかどうかというのが、一口に申し上げますれば不当事項の内容になるわけでございます。
○吉田(賢)委員 違法は院法二十九条の三号によりまして法律、政令また予算に違反し、それから不当と別に書いておりますね。だから少なくとも違法と不当とは同一の概念でないように思うのでございますが、不当の場合は違法とかあるいは予算に適合しない、つまり法律、予算に違反するという法規的な趣旨でないほうがむしろ不当に該当するのではないであろうか。法規的な法律二十九条の三号の法律、政令、予算に違反しまたは不当。だから不当とは、法律、政令、予算に違反しというような違法とは異なる概念じゃないかと思うのですが、これはどうなのでございますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 重ねて申し上げますが、不当といいますのは、法令に違反したりあるいは予算に違反したこと以外に、予算の使い方その他について不経済なり非効率な事態があった場合に、これを総称して不当というふうにわれわれは考えております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、経済性を無視した予算の執行のしかた、はなはだしく非効率な予算の使い方、能率を無視した不良な予算の使い方というものは不当に入る、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 そのとおりでございます。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、さらに突っ込んで、一体予算を使ったけれどもはなはだしく効率を害した、もしくは予算自体が非経済的な経済性を無視した、経済的合理性を無視した予算の作成である、どろ沼にお金を捨てるような予算の作成のしかた、そういう目的に予算を作成した、要らぬことに予算を組んだ、無用なことに、言いかえるならば国民のためにほんとうのサービスにならないことが明らかな予算を作成したというところまで、これは不当の概念で追及し得るのですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 ただいまの御質問の点は、予算の編成なりあるいは作成の内容に関することじゃないかと思うのでございますが、この点は国会で審議される内容になりますので、われわれといたしましては、やはり会計検査院は歳入歳出の決算、予算の執行の結果について判断するのが使命でございますので、予算の編成等に関しましてくちばしをいれますことは国会の予算の審議に対して容喙するということでございますので、その点までは会計検査院の権限は及ばないもの、こういうふうに考えております。
○吉田(賢)委員 そこはやはり問題だろうと思うのでございますね。三十六条の改善意見を提起し得る。この内容は法令、制度、行政に関して改善意見を必要とするときは改善意見を提起し得るということになっております。そこで、国家予算を審議するのはこれは国会の権限、国会の予算審議を通じて予算が成立する。これも憲法の当然の仕組みであります。そこでいかに経済性を無視した予算であるか、無用なる予算であるかということは、そこまで批判するのでなければ、これはほんとうに経済性、効率性、能率などの改善意見というものにはならぬこともあるのではないか。しばしば私も指摘したのでございますが、たとえば一億円を投じましてある道路を整備する、ところが道路整備にあたってはいろいろ手抜きもあった、あるいはまた材料等についても見積もりが悪い、あるいはその他不正なことも介在する、これはまあ別といたしまして、少なくとも経済効果を本意として考えたならば、八千万円でこれは完成し得る。これは今日の日進月歩の経済の発展、技術進歩の実情、科学進歩の実情等々から考えてみまして、つとめて効率化しよう、経済化しよう、合理化しようというのが企業の実情、経済の実態でございますので、そういう観点から見ると、これは全くむだだ、もっと予算を削限してもこの程度のことはできるというようなことが、例を道路とか橋とか、そういうような物的な予算の執行について考えてもたやすく批判し得ることがあろうと思う。そういったときに、将来予算の作成にあたっては単価のきめ方はもっとこういう点を注意してもらわなければいかぬ、ものの評価についてはこういう点を考えなければいかぬのじゃないかということが行政等についての一つの改善、つまり批判の実をなすのではないだろうか、そこまでも、ものは言えませんか。国会が予算審議するのですから、それならあそこは一億円を使った行政庁、ここは八千万円でやった行政庁、あそこは住宅の敷地一坪単価一万円で買うた、こちらは二万円出して買っている、考え方によってはこれは八千円で買えるのじゃなかったかということがあれば、これはやはり検査院が、予算の執行について経済性を少し軽視しているんじゃないだろうかというようなことぐらいは、言ってしかるべきじゃないだろうか。それも言えないということではどうか。その辺、どこに線を引くかということはむずかしいです。政治の介入になる。あるいは、それは国会の任務である、これは検査院の仕事、その境界線を引くことはむずかしいことですけれども、少なくとも三十六条に法律は権限を与えておるのでありますから、不当というのは経済性とか効率性とか能率というようなことが内容とされる以上は、二十九条の三号というものもそういうふうな広い趣旨に理解することが検査院の機能を発揮し得る一つの道ではないだろうか。また、いまの時勢に一番必要な財政監督の使命、任務といたしましては、検査院から重大な示唆を受けた、検査院の指摘されたことは重大な示唆を含んでいるというふうになるのではないだろうか、問題はここなんです。どうでしょうね。
○宇ノ沢会計検査院説明員 説明が不十分で恐縮ですが、先生が御心配になっておるような点につきましては、従来私たちとしても、成果は必ずしも先生が考えておられるようにはなっていないかもしれませんけれども、予算の使用の結果を見まして、不経済なりあるいは非効率なり、非能率なことになっておらないかどうかという点につきましては、十分検査をわれわれとしてはいたしておるつもりでございまして、その結果、もしそういう事態がございました場合、そうしたような事態についてかつて改善意見を出したこともありますし、また不当事項として掲記いたしたこともございます。 先ほど私がちょっと申し上げましたことを補足させていただきますが、仮定の問題で恐縮でございますが、かりに編成の当時において非常に不経済なり非効率的な予算が組まれたということがわかりましても、その段階ではわれわれとしてはそれについて批判はできない。ただ、かりにそういう予算が組まれてそのとおり実行されれば、初めから予算が不経済なり不合理なんですから、結果としても不合理になる、あるいは不経済になる結果が出てくる場合があるわけです。そうした場合に、われわれはその使ったあとを見て、こういうふうな予算はこういうふうに不経済になっており、こういうふうに不合理になっておるじゃないかということで、不当なりあるいは改善事項として指摘しまして、それを翌々年度なりの国会審議の参考に供するということで予算について批判するということでありますれば、それはできないわけじゃない。ただ、審議の段階において、あるいは審議された予算が実際実行にも移っていないときに、予算だけを見て、ただ不合理ではないか、不経済ではないかと言うことは、これは国会の審議権を侵すもので、われわれとしてはそこまでは権限を与えられていないというふうに考えます。
○吉田(賢)委員 そんなことを言っているのじゃない。執行もしない予算をかれこれ批判しなさいとか、そんなことは一言も言っておりません。また、検査院がしばしば指摘されまして、単価が安過ぎたとか高過ぎたというような御指摘も、これはわかるのであります。私は、そんなことじゃなしに、もう一つ突っ込んで、もっと効率的に予算は執行すべきでないか——たとえば、戦後五千億なら五千億、何年間かに日本の農業政策に使っておる。農業の生産性を高めて、食糧を増産して、そして自給体制を強化して外国の食糧輸入をできるだけ減らして、かつまた農家の生活も向上せしめ、所得も向上せしめる、農村にも文化が普及していくというふうな、広範な大きな使命を持った農政における予算についても、いたずらに補助金の横流しとか、批難されるようなことのみがあって、積極的に、もっと構造改善ならば、もっと基盤整備ならば、もっと酪農、あるいは基本法の実施にあたっても、もっとこういう面にこれを使うならば、ほんとうの増産、ほんとうの生産性を高め得るのでないかというような角度から批判するのが、ほんとうの経済性の批判、効率性の批判になるのじゃないだろうか。ただ数字が合うておる、あるいは足らぬ、あるいは単価が安い、高いというだけでは私は食い足りない。もっと立体的に多角的に検討いたしまして進む余地はないであろうか。いや検査院はそこまでいけないのだということもわかりますけれども、可能な限り、やはり一歩広げていくくらいにすべきが、私はいまのあなたの院の使命が全うでき得るゆえんではないか、こういう角度から考えているのです。だから、言うならば、このごろは巧妙になったか知りませんけれども、やっぱり検査院の検査報告書にしましても、戦後は、ずいぶん小さいのが大きくなって、またこのごろ小さくなってしまっておりますが、できればやはりどんどんと意見なりあるいはまた事実なりを指摘なさって、もっとこうかんな報告でもできぬかということをほんとうは内心思うのでございますけれども、そんな最をいたずらに求めるというのは終局の目的でも何でもないのです。何でもないのだけれども、要するにその使命、任務を高く評価するゆえに、いま言ったような不当事項の指摘、改善要求の御意見につきましても、もっと積極的に範囲を広げていくことは、法律の原理解釈からいたしましても可能ではないか。憲法の趣旨、あるいは新法ができましたゆえに、時代の変遷及び財政の変遷から見ても、そういうふうにいくのがいいんじゃないだろうか、こう思いますので、いまの二十九条の三などを指摘いたしまして、いわゆる不当事項の概念、内容、適用のことを伺っておった次第であります。 そこで、いまのそこまで広げて改善意見を—三十六条で行政の改善などを主張して意見を出していかれまするが、枝葉の末端だけやなしに、広くもっとこうするならば効率的にというような、そういうくふうも兼ねた改善意見というものは—これはそこまで言ったら検査院また行き過ぎになるわけですか。その辺はどうなんです。質問の旨、ちょっとわかりかねますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 その改善意見を出という場合に、やはり方向といたしましてはこいうふうにしたほうがいいではないかということは、これはもう当然のことでございます。そういうことを言って差しつかえないと思います。ただ、問題によりまして、必ずしも会計検査院がその方向までについてこまかに指図することが適当でない場合もありますので、そうした点については、やはり受検庁当局のその後の、本院が提出しました改善意見に対する対策とかというような点について、本院が考えておるのと同じような考え方で善後措置がとられるかどうかということについては、必ずしもこれは私たちも予測できませんので、そこまでこまかくは……。
○吉田(賢)委員 わかりました。要するに、私はやはりこの会計検査院のあり方の基本的な問題を伺っておるのでありまするから、これらの点につきましてはやはり事務的問題じゃなくして、検査院の非常に重要な内閣に独立した使命という角度に立って伺っておりまするので、なお一、二残りまするから、これは後日にします。 そこで、ちょっとこの機会に数字的に伺っておきたいのですが、検査院が長年の間国の収支を検査されました御体験から、一体、国の財政上、浪費とか乱費というものはどのくらいあるというふうに推定することが妥当、適正か、そんな数字は、これはとても読めません、推定することは不可能でありますということになるのか、その辺について数字を、おそらく一般会計、特別会計、その他地方財政あるいはこれに直接つながるところの各公務員のそれぞれの行動、あらゆる面から見て、国の財政上浪費しておる、乱費しておるというようなものは大体どのくらいであるというふうに見たらいいのだろうか。一体そもそも乱費とは何ぞや、浪費とは何ぞやという定義からきめていかなければならぬと思いますけれども、とにかく批難し得る、批判し得る、もっと改めたらどうですか、小さく言うならば、家庭においても、もっと改めましょう、節約しましょう、むだですな、まあ企業、会社経営におきましても、これは効率的でないな、そんなことをやったら会社つぶれますぞというように批難し得ること、あるいはまた経営上これはとんでもない間違いだというようなことを言い得ること等々、つまり違法とか予算に適合しないとかというような面、あるいはさっきの不当というような面、こういう面と、もっと広げまして、いわゆるむだ、常識の浪費でもよろしゅうございますが、そういうもので推定いたしまして、どのくらいというふうに踏んだらいいでしょうか。そういうことは数字でつかむことが不可能な問題ですか、どうでしょう。
○宇ノ沢会計検査院説明員 ただいまの乱費がどのくらいあるかということに対する数字は、私のほうではつかんでおりません。ただ検査の結果、これだけの不当事項があったという金額につきましては、毎年度検査報告に掲記しておるとおりでございます。
○吉田(賢)委員 それはよろしい。この三十九年に臨時行政調査会が答申いたしまして、この予算、会計に関することは会計検査院に最も重要な関係がございますのですが、この意見は、大体におきまして、全面的に会計検査院の意見は賛成のようでございましたが、予算制度を相当改めなければいかぬという問題であります。これはいわゆる事業別予算制度ということに答申がなっておりましたけれども、予算制度自体にかなり大きなむだがある。 〔委員長退席、四宮委員長代理着席〕 年々の陳情、毎年の年がら年じゅうの陳情による浪費にしましても、予算作成の過程における浪費と認識し得るのですが、この改善意見がたくさんに出ておりますので、これは一々読み上げることは煩瑣ですからもう取りやめますけれども、この予算編成から執行、あるいはまた決算の充実から補助金の合理化、あるいは特別会計及び政府関係機関の整備の問題等、かなりこの行政改革はいま手をつけようと力んでおりますけれども、特に予算、財政面から見まして特段に推進を必要とする、もっと早く、もっとそれは適切にと思われる面がかなり私は検査院の角度から見てあるのではないだろうか、こういうふうに思いますが、その点は——こういう御質問はあらかじめ通告しておくべきですけれども、申しておりませんから即答はできないかわりませんが、お気づきのことがございましょうか。たとえば院議におきまして、検査官会議におきまして、臨時行政調査会が広範な検査院に関係するような事項の意見、指摘をしておるが、それらの点についてはもっとこうあるべきだという辺についてのかなり意見がなければならぬ、こう思うのですが、その辺についていま御答弁できましょうか、どうでしょう。
○宇ノ沢会計検査院説明員 行政調査会が政府に対して、予算、会計制度についてかなり多くの勧告を出しておることは私たちも承知いたしております。そうして、その点につきましても会計検査院といたしまして、政府から意見の聴取を求められましたものについては、それぞれ会計検査院としての見解を述べておるわけでございます。私、いま手元に資料を持っておりませんのですが、会計検査院の意見は、先生いまお手元に資料をお持ちであろうと思いますが、大体そこに書かれておるようなことでございます。
○吉田(賢)委員 そこで、やはり最近は財政の制度まで根本的にメスを入れて、そこから立て直してくるのでなければ、財政の硬直化も打開はできないし、浪費の道をふさぐわけにいかないし、時代進展の、社会、経済、国際情勢の進展の激しい速度に対応しまして、日本の財政の健全な運営は至難である。財政の制度自体に取り組んでいかなければならぬという段階に来ておるということは、私が申すまでもなくもう御承知のとおりであります。各企業におきましてもすでにコンピューター・システムなどがずいぶん研究もせられておりますし、国鉄のごときも、私が昨夜大阪で新幹線「ひかり」の切符を依頼いたしましたら、七、八秒でこれがきちんと応答して、そして切符を発行するというふうになっております。要するに、時間は極度に短縮される機械が現にあらわれつつございますし、テレビによってすわりながら世界情勢を目で見、耳で聞くような時代になっておりますし、超音速ジェット機が飛ぶならば、ニューヨーク−東京間が片道三時間で行けますし、大阪−東京間が三分間で行けるというのでございます。要するに、空間も時間も、あらゆる面におきまして極度の短縮がされつつあるという現状でございますので、広範なマンモス的な日本の行政、財政運営の実態を千五百人の職員をもってつかむことはなかなか困難でございますけれども、やはり世界的なこういった最新の科学を活用するという面から、かなりあなたのほうの能率をあげて、そして情報も最も正確なものをあらゆる方面から収集して、一々出ていって、手不足、足不足、人間不足でなかなか仕事の能率があがりませんというようなことではなしに、そういった面がどんどんと進められていくべきであって、会計検査院に行くならば最も進歩的なそういう機械が現に用いられておる、あるいは研究途上にある、やがてあそこへ見に行けばすべて学ぶことができるというように進むべきだと私は思うのですが、そういう辺につきましての開発は相当されておるのでしょうか。御意見もしくは実情について伺っておきたい。
○宇ノ沢会計検査院説明員 機能、会計検査についても最新の科学なり何なりの技術などを取り入れて十分な検査をしろ、こういう御趣旨だと思うのですが、できるだけ御趣旨に沿うように今後検討してまいりたい、かように考えております。
○吉田(賢)委員 アメリカにおきましては、国防総省においてすでに例のPPBSが実施されておりますし、世界的な話題になっております。大蔵省は調査しておりますし、すでにこれは明らかでございますので、あるいは通産省においても企画庁においても労働省におきましても、事実相当なそういう機械あるいは技術等が導入されておることも明らかでございますので、すべての日本の官庁におきましても、これは漸進的ですけれども、取り入れる態勢になっておることは間違いございませんが、私は検査院こそその辺は最も先端を行くべきでないかという角度から伺っておりますので、これはもう少し突っ込んだいろいろな実例を申し上げましてきょうは伺ってみたかったのでございますけれども、ひとつできましたら正確な情報だけでけっこうですから、あなたのほうでどう取り組んでおられるか、お考え方いかん、効率があるのかないのか、日本においては適用が不可能なのか、あるいは半年くらいたてばどうなのか、こういうことをやったら非常に正確に全体の財政執行の実態を把握し得るのかし得ないのか、その辺についてできるだけ精細な意見をまじえた答弁が望ましいのです。そして、おそらくはアメリカ等の実態については十分御調査になっているかと思いますけれども、その辺についても伺っておき、その効率性というようなものも具体的に聞いてみたい、こう思いますので、きょでなくてよろしゅうございますから、検討の上で当委員会に対して答弁することにしてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 答弁になりますかどうかわかりませんが、一つの例で申し上げますと、現在日本の各省庁におきまして、公団等も含めまして、事務合理化の面から電子計算機、これが相当大量に取り入れられておるわけでございまして、会計経理の面でも相当に活用されており、今後そうした面についての電子計算機の分野というものが相当広範囲に取り入れられるのではないかということで、これに対する検査をわれわれといたしましてはどういうふうにするか、これは将来の問題でございまするが、そのために、電子計算機の扱い方その他につきましても、当然検査上専門の職員を必要とするわけでありまして、現に工業大学に三人研究のために若手の調査官を派遣しているようなこともございまして、今後そうした電子計算機を含めました新しい技術の修得、研修なりを職員にやらせまして、先生の御期待に沿うようにできるだけやっていきたい、かように考えております。
○吉田(賢)委員 予算作成の特別の権限も持っておるくらいな検査院でございますから、その点は実際に、研究ということでなくて、実施して成績をあげてだんだん広がりつつあるというアメリカの実態を、検査院から、そのうちの有能な者を二、三人それこそ派遣して御調査になって、これの取り入れが可能かどうかということの範囲、研究などを実際にしてはどうか。日本の工業大学でそういった手先の技術だけ研究するというよなことじゃちょっと間に合わないのじゃないだろうか、こういうふうに思います。大阪の万博の中核的な一つの構想をいろいろ聞いてみましても、そういった方面には相当進出しております。そんな時代になっておるのですし、日本人はまね好きですから、きゅう然としてそういう方面は開発されていきます。だから、コンピューター・システムなんかにつきましての研究は旺盛です。そんなこともございまするので、いまの電子計算機の扱い方なんかも専門の学校もできて大はやりだそうです。検査院が工業大学に人をやって研究さすということは、それもよろしいですけれども、実際にアメリカあたりのやっている実態を直接研究さして、そしてもう取り入れるものはさっと取り入れるというふうにすべきでないかと思うのです。だから、そういう必要があるのかないのか、その方面は積極的にせられたらどうか、こういうことをおすすめいたしておきます。どうですか。これで終わっておきます。
○宇ノ沢会計検査院説明員 御意見十分拝聴いたしたいと思います。
○四宮委員長代理 森本靖君。
○森本委員 会計検査院に簡単にちょっとお尋ねしておきたいと思います。 いまのコンピューターの点でありますが、直接電子計算機の問題ではございませんけれども、会計検査院の構成の中で技官に値するような人がどの程度ありますか。この検査報告の中で、現在の総定員千二百十二人となっておるけれども、実人員は千百八十四人である。その中で技官に値するという人がどの程度ありますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 何もかもひっくるめまして、大体八十数名と了解しております。
○森本委員 特にこの会計検査院の項目の中で、第二局それから第五局、こういう方面に至ってはかなり専門的な知識を持たないと、今後会計検査を行なうこと自体においても、実際問題としてその機械の値すらなかなかわかりにくい。それからまたそれを不当であるとか不良であるとかいうこと自体もなかなか専門家でなければわかりにくいという点が、今後非常に早急に出てくる。そういう点について、この八十名の技官というものは、各省から出向してきておるわけでありますか。それとも会計検査院自体で養成をしてまいった技官ですか。 〔四宮委員長代理退席、委員長着席〕
○宇ノ沢会計検査院説明員 現在おる技官が各省から出向してきた者であるかどうかという点でございますが、各省から出向という形ではなくて、もう検査院に来っぱなしという者もおりますし、それから新卒の工業関係あるいは土木関係、農学関係の知識を学習してきた者を本院で採用したものもございます。大体そういうことでございます。
○森本委員 この八十名の中で、会計検査院自体で養成をしてまいったという技官はどの程度おりますか。最初から会計検査院で大学の新卒を雇ってずっと会計検査院で養成してきたという人は……。
○宇ノ沢会計検査院説明員 いまの八十数名の中の大部分は、すでに専門のそういった技術について学習をしてきた者を検査院で採用したというものが大部分でございます。
○森本委員 それでその八十数名というものは、そうすると技術を修得してきた者を会計検査院で雇った者が大部分ということで、各省におったという経験はないわけですね。
○宇ノ沢会計検査院説明員 大部分の者は各省につとめた経験はございません。
○森本委員 私が、特に会計検査院当局に申し上げておきたいことは、やはりこれは会計検査院自体でこういうふうなものがわかる者を最初から養成していかなければ、各省から出向してきたような形においては、完全に会計検査院になりきっても、やはり古巣との関係というものはなかなか断ち切りがたいものがあるという点からいくとするならば、今日のようにこれだけもう科学技術が進歩、発展をしてくると、単に帳簿だけを見ておったのでは会計検査院の任務は全くつとまらぬ。そこで技術的な問題についてはどうしてもある専門的な知識というものが会計検査院のいわゆる調査官の中においては必要になってくる。その必要なものについては、これは会計検査院自体がこれを養成をし、そして専門的なところまでのし上がっていくというふうな形にしてやらないと、その人自体もなかなか将来性の問題について、技官専門でやっておるのでは、これはまたどこかほかの専門職にかわったほうが、技術屋というものはずっと待遇がいいわけでありますから、そういう点で今後こういう方面の検査自体がなかなかむずかしいのではないかというふうに私は心配をしながら、会計検査院も将来、こういう面においてそつのないようにしてもらいたいというところから申し上げているわけでありますが、その意のあるところをひとつ十分にくんで、きょうは院長はおりませんが、会計検査院としては将来の人間の養成というものについては当たってもらいたい。特にこの第二局の防衛庁、あるいはまた鉄道、電電というふうなところについては、これはもう新しい機械がどんどん入ってきておるわけでありますので、もう三年たてば全くわからぬ、自分がやっておる技術自体においてすら、もう三年やってなかったらわからぬというほどの日進月歩になっておるわけであります。そういう点で、この機械が不良であって取りかえに値するものであるかどうであるかというような点についてもなかなか見分けがつかぬという点で遺漏がないかというふうに聞いてみたわけでありますが、この八十名の技官が、専門的分野において大体どの程度に分かれておりますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 ちょっとすぐに即答申し上げることができるようにこの資料が整理されておりませんのですが、大体機械と土木と建築、大まかに申し上げますと大体そういうことになっております。その中に電気工学とか電気科関係、そういうふうな者も数名おるのが実情でございます。
○森本委員 たとえば、この間予算委員会で問題になったバッジシステムなんというものは、これはかなり高度の専門的な知識を持っていないと、あの金額がはたして妥当であるかどうであるか、それからこれはまだ検査も残っておるはずでありますが、あのやり方が実際に妥当であったかどうであったかということについても、相当これは高度の知識を持ってないとわかりにくいという点があるわけであります。 そこで、機械、土木、建築というふうに三つに大別すると、この八十名というものは、人間の数がどういうふうに分かれるわけですか。わかりやすく言うと、機械の専門の人が何人おって、土木の専門の人が何人おって、建築の専門の人が何人おるというのは大体どの程度の数字になりますか、こういうことです。
○宇ノ沢会計検査院説明員 旧制大学以上の者で拾ってみますと、四十八名おるわけでございますが、その内訳を申し上げますと、土木が十三名、電気が八名、機械が十四名、造幣が一名、建築が二名、それからあと鉱山機械、無線電信、冶金、採鉱冶金、電子が一名ずつ、それから鉱山、金属がそれぞれ二名ずつ、こういうふうになっております。
○森本委員 大体それでこの技官の構成はわかりましたが、たとえばその無線の部においても、それは大体一人ですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 そうです。
○森本委員 その関係の機械だけでもおそらく、これは鉄道、公社、防衛庁合わせましたら購入する機械が年間数千億円にのぼると思います。そういう点からいくとするならば、これはやはり私はある程度専門的な知識を有する者を会計検査院は要求する権利を持っておるのではないか、正確な検査をしようと思えば。たとえば防衛庁のそういう電波兵器にしても、私の考え方では相当なものだと思います。だからそういうものが一体正当なものであるかどうであるか自体がこれはわからぬと思います。だから私はひとつ会計検査院としても、この会計検査をやる方法についてはそれは従来の方法でけっこうでありますけれども、それが不当であるか不良であるか、その品物を見きわめる、またそういうふうに設置したほうがよかったのか悪かったのか、その効能がどうであったかということについてはかなり専門的な知識を要する、そういう点からひとつこの技術的な問題についての解明を、今後、会計検査院としては最少の人員で最大の効果をあげるについて一体どういうふうにやったらいいかということについては、新しい日進月歩の科学技術時代に即応する体制を考えてみなければならぬ段階にもはや立ち至っているのではないか、こういう点を私は会計検査院を見ておってつくづく感ずるわけであります。決してこれは、現在の会計検査院のやり方が悪いとか、内容がどうとかということを言っておるわけではありません。やはりそういう人員と機構と組織というものを考えていかなければ、新しい時代に即応した、新しい機構に対するところの検査というものは完全になし得ないではないか。それにいま申し上げましたように、新しい機械というものは相当の経費を食うわけであります。おそらく今後の国家が購入するところの経費の中で、いま私が申し上げました電波兵器あたりだけでも相当な金額にのぼると思うのです。そういう点で、会計検査院当局としても、そういう方面における専門的な検査、やり方、それから会計検査院自体の機構、人員の養成、そういうものについてもひとつ新しい角度から検討してみる必要があるのではないか。そしてそれが必要であるとするならば、当然私は国会にその点を要求し、予算あるいはその他の面においても、会計検査院としてはでき得るように、当然要求する権限があるのではないかということを私は言いたいのであります。これは検査院長から最後に答弁を聞いておきたいと思いましたけれども、ちょうど院長がおりませんので次の機会にいたしますが、事務総長からひとつ最終的に御回答がいただければ、私の質問はこれで終わりたい、こう思っております。
○宇ノ沢会計検査院説明員 各省庁、公団等において新しい機械なり設備というものが年々相当多額に購入されておる。これに対してわれわれとしても、日進月歩のそうした新しい製品に対して、どういうふうな検査方法をしていくべきかということについては日ごろ頭を悩ましておるわけでございまして、これはどの程度そうしたものに対する検査をやるべきかという限界の問題もあろうと思いますけれども、必ずしも現在の体制で十分であるというふうには考えておりません。ただいま森本先生から御意見のございましたような点については十分検討して、できるだけわれわれも検査の点で遺漏がないように考えてまいりたい、かように存じております。
○大石委員長 次回は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会