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58回国会衆議院1968/05/17

外務委員会 第23号

発言数
73
登壇者
9
会派数
3
開催日
1968/05/17

会議録

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。帆足計君。

帆足計日本社会党

○帆足委員 昨日、放射能の問題につきましては、政府としても前向きの姿勢で御返答があったことは御同慶の至りですが、御承知のように、専門家の言によりましても、放射能の測定というのは非常に困難でありまして、たとえばこの中にストロンチウムやセシウムなどがありますときには、わずかな分量でも二十年、三十年と食用の貝などの中にもひそんでおりますし、また一秒間に光の早さの数分の一という早さで地球を回るほどの微粒子でありますし、海の中にありましても空中にそれを感ずることもあります。非常に困難な調査でございます。  そこで、アメリカと共同調査といいますけれども、立ち入り検査をともどもにやるとかでなければ不可能ですし、軍機密と言われれば、結局うやむやに終わってしまう。ごく微量検出されましても、その内容次第では非常に人体に害のあるものがあります、たとえば、何万人に一人というような反応が出るわけですから。結局調査のしかたではうやむやになってしまうということで、特に軍用の原子力潜水艦は、平和利用と違って、戦術上の考慮が第一になっておりますから、日本の原子科学者約千七百名は、今日の段階では、海国日本としては原子力潜水艦の出入は好ましくないという回答をしております。日本に来ます回数と外国の港に入る回数とは、日本のほうが非常に多いように聞いておりますが、それがどうなっておるか。それから立ち入り検査を共同でなさる意思があるかどうか、沖縄ではそれを取りやめたということですけれども、また軍機密という名でもって調査ができるかどうかということで、結局この問題はうやむやになるおそれがあると思います。非常にむずかしい。外務大臣としては、非常にむずかしい問題でしょうけれども、国民が心配するのは当然のことですから、いまの三点についてお答え願いたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 いま帆足君は、原子力潜水艦の寄港は日本が一番多いのではないかということですが、そういうことはございません。多いわけではない。世界にはもっと多い個所もあるわけでございます。いま御指摘のような、この問題の調査にはやはり軍艦であるということのいろいろな制約もありますけれども、しかし、今度の場合はうやむやにしないつもりです。しかし、どこまで徹底的に原因が究明できるかということについては、なかなかやはり問題はあろうかと思う。しかし、これを中途はんぱで終わることはしないで、どうしてもそこは、こういう点が解明できなければ解明できぬということを明らかにして、国民の理解と納得を求めるような努力を今回はしたいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 外務大臣の御誠意はわかりますけれども、それでは、共同立ち入り検査ができるかどうか、それから軍機密という名のもとに十分な資料が得られないこと、私は、ここに重大な障害があるように思います。それから、すべてが決定するまでは原子力潜水艦を入れないこと、これは総理は善処するということばで言われましたけれども、他の大臣は、それが明確になるまでは御遠慮を願う、明確にお答えになったように理解をいたしておりますが、その三点を重ねてお尋ねしたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 軍艦のことでありますから、立ち入り検査というのは、向こうはこれに対して拒否すれば、これを日本が強要することはできぬと思います。また、立ち入り検査というものに対しては、軍艦の立ち入り検査では、国際的にも、これが先方の意思に反して立ち入り検査をするという国際的な慣習は成り立っておりませんし、したがって、この点は、御指摘のように、非常にむずかしい問題を含んでおると思います。しかし、実際問題として、立ち入り検査をしなければ、この放射能が非常に異常な形において増加したという原因が絶対に究明できないとは考えていない。やはりいろいろな調査が、立ち入り検査以外の方法においても、この原因を究明する方法というものはあるということで、これはただ軍の機密であるということで、そういう形においてうやむやにすることは、国民の不安を解消する道ではないので、アメリカに対してもこれは協力を求めて、そしてただ軍の機密というようなことばでこれがうやむやにならないような努力をいたしたいと思います。そしてまた、いまこういうふうな問題が起こって、安全性というものに対して国民の納得が得られるまでは、それはやはり原子力潜水艦の入港は適当でないと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 とすれば、総理の善処という意味は、いま外務大臣がおっしゃる意味に理解して差しつかえないわけでございますね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 これに対してある程度の調査というものの結果、国民に対しても、今度の放射能が非常にふえたということに対して理解が求められるような——いまちょうど調査を、専門家がアメリカからも来ておるし、日本もやっておるわけですから、その結果が出るということがやはり国民の不安を解消する道でありますから、これが何にも目鼻もつかないときに原子力潜水艦が入港してくるということは、国民に対して不安な感じを与える。だから好ましくないという見解を日本政府は持っております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 好ましくないということは、好ましくないと思っても、言わない人と、言う人がおりますが、アメリカに対して意思表示をするという意味ですね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 これはアメリカ自身から考えてみても、こういうさなかに原子力潜水艦が入ってくるということは、国民に不安を与えますから、したがって、これは拒否とかなんとか、そういうふうなことをわれわれが申さなくても、日米間の話し合いによってそういうふうな善処のしかたをしたいと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 それではわかりました。表現の方法は別として、とにかくこういう結果のわからないうちにアメリカの原子力潜水艦が良識として入ってこないものと理解する、これでよろしゅうございますね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 そうです。

帆足計日本社会党

○帆足委員 それからその次にお尋ねしますが、ただいま南ベトナムに軍需品を送っている、兵器を送っている事実はないという外務大臣のお話でした。これは貿易管理令によりまして、戦争のおそれのある場所、危険ある場所、また戦争している場所には政府のほうでそれを制限する、禁止することができるという法律がありますから、ただいまは南ベトナム、それからラオス、カンボジア等にも兵器の輸出は禁止しておりますか。どことどこを禁止しておりますか。時間がありませんから簡潔に……。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 この南ベトナムのような、これは戦争の当事国でありますから、武器、弾薬を日本が輸出していることは絶対にありません。参戦国ですね、兵隊を出しておる国、そして紛争の起こっておる、紛争地帯と見られるベトナムに近接しておる地域、これには輸出は認めておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 関連で、ちょっと放射能関係でお聞きしたい。二つあります。  一つは、昨日アメリカから来た専門家のW・ウェグナーを団長とする三人の方が記者会見をして、その記者会見の席上で、「原子力軍艦は日本に寄港中、放射性物質を含む一次冷却水の放出を禁止されてはいない。」こういうことを言っているのですが、これは口上書の内容、われわれの理解と非常に食い違っている。この点、やはり国民は非常に疑義を持ちますし、またその限度の問題についても非常にあいまいです。この点について明確にひとつしていただきたい。  それからもう一つは、先日も、本委員会で原子力局長は、口上書に対しては場合によっては内容の変更を求めることもあり得る、こういうことを言ったことに対して、外務省は、口上書の変更は必要がないということを新聞で強調されているようです。そういうような指示を大臣は与えているかどうか。関連ですから、この二点だけひとつ……。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 冷却水は事務当局からお答えをいたします。  第二点は、この調査の結果によって口上書の変更を求めることがあり得る、これは検討をいたすという考えでございます。そのままでいいという指示は与えたことはございません。

大河原良雄外務省北米局外務参事官

○大河原説明員 ただいまの冷却水の問題でございますけれども、三十九年八月に米国大使館から外務省へ参っておりますエードメモワールによりますと、「通常の原子力潜水艦の液体排出物は、日本国の法律及び基準並びに国際基準に完全に適合するものである。」こういう表現がございまして、当時これを受けまして、わがほうの原子力委員会は、原子力潜水艦の入港に際します安全性の問題につきましていろいろ検討いたしました際に、合衆国政府が次のようなことを明らかにしておるので、安全性の問題はだいじょうぶであるという結論を出しました。その一つの項目といたしまして、わが国の港において、周辺の一般的なバックグラウンド放射能に測定し得る程度の増加をもたらすことになるような放出水その他の廃棄物は原子力潜水艦から排出されることはなく、ということを申しておりまして、排出そのものを否定しているのではございませんで、排出によりまして放射能濃度の大きな変更というものを来たさない、こういうことを申しておるわけでございます。

帆足計日本社会党

○帆足委員 それでは、停泊中にわずかな分量だったら放出するということもあり得ると解釈できるわけですか。

大河原良雄外務省北米局外務参事官

○大河原説明員 当時了解されました点はそういうことでございまして、ただし、この問題は、今回の措置におきまして、佐世保に停泊中の原子力潜水艦が放出したかどうかということについては、まだ事実は確認されておりません。

帆足計日本社会党

○帆足委員 多少の制限をつけて放出するというようなことばは、非常に常識的なことばで、非常に危険なことばだと私は思います。それから、軍機密ということで、軍は非情冷酷なものですから、大臣の御努力にもかかわらず、私はうやむやになるおそれがあると思います。したがいまして、この問題は、重ねて条約局においてももう少しさらに厳重に御検討になることを希望しますが、御検討くださいますか。大臣ひとつ。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 この調査の結果に基づいて、口上書については検討をいたしたいと思っております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 先ほどの兵器の質問の続きでありますが、朝鮮戦争のときはナパーム爆弾その他が直接輸出されました。しかし、今次の場合は、ナパーム爆弾等は兵器として南ベトナムに輸出してないと言われますけれども、通常の税関手続をとらない輸送、裏口輸送というのが行なわれておりますから、その中に弾薬、ナパーム爆弾等がありはしないかと推察されております。それから間接に、たとえばタイとか韓国とか台湾に出して、そこから南ベトナムに入るというおそれがある。この二つのことを専門家が指摘いたしておりますが、これにつきまして簡潔な御答弁を願います。  それから、時間がありませんので続けてお聞きしますが、第三に、北ベトナムに平和物資を出すのに、今度外務省のほうでおちょっかいしたということを伺っておりますが、私は、平和建設に役に立つものならば、すなわち、兵器でない輸出ならば、南北を問わず出すというのが公平な立場であろうし、また、一々政府からそれが制限される理由はないと思うのです。そういう法律上の根拠は外務省にないと思いますが、外務省がそういうおちょっかいをしたのか。何の法律に従ってそういうことをなさったのか。もしそういうことが事実であるならば、ひとつお答えを願いたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 特需も、兵器の特需はございません。したがって、特需からそれがまたベトナムに流れておるという事実はないと考えております。それからタイとか韓国とか、そういう、先ほど申したように、ベトナム戦争に対する参戦国は、武器弾薬の輸出を認めないという方針が適用されておるわけでございます。また、通常の貿易に対して北ベトナムにおちょっかいを出した事実はございません。

帆足計日本社会党

○帆足委員 おちょっかいしたことはないとおっしゃるわけですか。きょうの新聞におちょっかいしたように出ております。きょうの新聞をごらんになったでしょう。北ベトナム再開配船に対しておちょっかいした。ところが、通産省としてはこれはすでに出港したものであるし、また運輸省としてもこれを禁止する法律はない。外務省はおろかなことを言ったものだと私は思っている。これは海員組合の危険性があるということで一時中止しておったのでありまして、いま安全になりましたので、船が出たわけです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 私は報告は聞いていないのですが、ああいう戦闘行為がまだ行なわれておる地域でありますから、安全とか、そういう配慮がいろいろあるのかもしれません。しかし、これを外務省がやめさすというおちょっかい、おまえやめろと言う権利は外務省にはないと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 外務省は、そういう安全についてよくいろいろ言われますが、私は十七年前にモスクワに行くというのを、不安全だ、おまえの身体を保護してやるといって、パスポートをくれなかったのです。ところが、その前年に肺炎になったときには見舞いにも来てくれなかった。私の家内は許可しているのに、新宿のバーなどに行くよりも、モスクワに行くほうが安全だ——私は行ってきました。そして裁判をしましたけれども、裁判は私が勝ちました。外務省が負けたのです。  それで、これは政治的おちょっかいのように思いますから、ほんとうにコレラがはやっているとか、砲煙弾雨の中といったならば、勧告なさらなくても、おそらく業者はもっと調べておりますから、業者の知らないニュースを知らすという程度にとどめるべきだと思います。したがいまして、新聞に出ておりますことがほんとうでありますならば、入港中止を申し入れたとしたならば、一体どこの局がなさったのであるか。以後はそういうおちょっかいをしない、そして資料を与える、こういう危険があるという情報が入った、慎重な考慮を望むという資料を与えるべきであって、おちょっかいする資格は、法律上の根拠はない、こう思うのです。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 先ほど申したように、私は報告は受けていないのですけれども、これをやめろという権利は外務省にはないと考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 それでは時間がありませんから、一言申し上げます。  中国との関係は非常に重要であるということは、三木さんよく御承知で、中間派の——中間派といえば失礼にあたりますから、いわば中庸派の三木外交——私は古井喜實氏の論文を読みまして、非常に条理が整っているのに感心いたしました。古井さんあたりともひとつお話し合いになって、よく実情をお調べになったらいかがかと思います。小型ジョンソンといわれる佐藤さんは、もう大体命運はきまっているように世間では申しております。したがいまして御自重あらんことを切に希望するわけです。  中国は、いずれの国とも、敵対政策をとらない国とは平和共存するといっております。また、社会主義、資本主義だからといって、戦争をしなければならない理由はない。政経分離という意味は、そういう意味ではないのです。すなわち、政治と関係なく経済、貿易交流をしてもいいというときの政治は、平和共存という意味ではないのです。ただ、政治三原則、すなわち、敵意を持ってチンコム、ココムとか、アメリカと一緒になって包囲政策に参加する、あるいは二つの中国を認める、ちょうど沖縄を独立国にしようとするようなものです。台湾のことをお考えになるときには、沖縄をお考えになればいいと思うのです。台湾と沖縄はよく似ています。沖縄を独立させようとしたり、日本から離そうとすれば、われわれはわめくでしょう。台湾を独立させようとすれば、いかにも公平なようですけれども、中国はわめくと思います。すなわち、中国に対する分断政策になります。第三は、国交の正常化を妨げようとする、国連への加入など普通の正常な国際関係に対して日本が撹乱しようとする、この三つのことはいやだ、そういうことをするならば貿易はしたくない、こういう意味だと思いますので、私もよく考えてみますと、これは古井さんが申されたように、筋が通っていると思います。このことを外務大臣にこの機会に私はまず質問よりも御説明したかったのです。特に台湾と沖縄は非常によく似た立場に置かれておる。聰明な外務大臣にはよくおわかりでしょうから、どうか佐藤さんが今日のように中国から攻撃を受けているのと同じ状況にならないように、ひとつ中庸の道というか、合理主義政策を貫いていただきたい。  したがいまして、結論として、中国と平和共存をしようとするならば、この政治三原則はこれを肯定される、そうして、輸銀をあれはケース・バイ・ケースということにして、吉田書簡は無効になったと声明されましたが、わざわざケース・バイ・ケースなどと言われなくたって、すべての商売はケース・バイ・ケースです。アルゼンチンに出すのもどこに出すのも、貸して返らないような金は、国策会社の金ですから出さないですね。したがって、ケース・バイ・ケースという意味には、もはや政治的吉田書簡の意味はないというふうになるかどうか、その点について正確な……。(「時間、時間」と呼ぶ者あり)もう時間がありません。田中さんがこうして気をもんでおりますから、ひとつ正確な御答弁を願います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 日本が敵視政策をとってないことは御承知のとおり。日本は、何原則とは言いませんけれども、一つには、政治形態は違ってもどこの国とも平和共存をやっていく、そうでなければ、政治形態が違うから、あるいはすききらい、そういうことで共存はできぬということになれば、世界の平和はないわけですから、普遍的な原理として平和共存の考え方を確立する。それから内政に干渉しない、お互いの立場を尊重する、こういうことでやっていくということが平和の推進の基礎になるわけであります。そういう立場に日本の外交は立っておるので、中国に対して敵視政策は持ってない。貿易のことについても、政治形態は違っても、日中貿易というものはこれを拡大していこうという方針でありますから、そういうことで今後やっていく。吉田書簡に対しては、いつまでも吉田書簡、吉田書簡といって、繰り返し国会において論議されることが私は好ましいことだとは思ってない。もう四年も五年もたって、毎回毎回、吉田書簡、吉田書簡、こういうことは、私は日中関係のためにもあまり好ましいことではない、こういうふうに考えております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 もう時間はとりません。  以上のようなことで、大臣の言われることが実行に移されれば、私は賛成だ。しかし、現在のところ、まだ実行に移されておりません。すなわち、台湾に対しては、分離されているのを支持政策をとっておる。それから輸銀については、政治的考慮がまだ残っておる。それから国交の正常化については、国連加盟に対して、すなおに加盟することを妨げる力が動いておる。これらの事実がありますから、中国側は佐藤内閣を信用していない。これらの事実を解きほどいていくように外務大臣に切望いたします。私は、古井さんたちの努力に対して援護射撃のつもりで、与党の中の理性派の諸君に敬意を表して、いまのことを御助言申し上げたわけであります。現状はいいと決して思っておりません。

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 曽祢益君。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 ベトナム戦争終結を目ざしたパリ会談が開かれ、すでに約一週間にならんとしておりますが、一方においては双方が表面的には相当かたい態度、特に北側は相当宣伝的な態度はとっておりますものの、現実にはかなりやわらかい線もあるやに見受けられて、必ずしも原則論だけでいかずに、アメリカの北に対する全面的な攻撃停止がすべてのスタートであるという基本的立場をとりながらも、むしろ北ベトナムが、この会談を、予備会談というよりも正式会談、公式会談ということばすら使っている。非常にその点にわれわれは希望を持つわけです。いまからだれも困難ではあるけれども、外務大臣はこのパリ会談にどういう見通しを持っておられるのか。相当な時間はかけても大体会談の方向に大きく進んでいるというふうにお考えであるか、またどのくらいの期間を予想されるかについて、お考えをお示し願いたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 いま曽祢君の御指摘のように、これを予備会談でなしに本会談にしようという、これはハノイ側の希望、アメリカ側もむろん予備会談を望んでいるわけではない。アメリカ自身も問題を解決したいというのですから、本会談で問題が成果のあがるような話し合いになれば、アメリカとしても希望するところです。この会談の性格がだんだんと本会談的な性格を持ってきた、これが一点。  もう一つは、あとへは返れなくなった。このパリ会談が決裂して、戦争がエスカレートするということは世界の世論も許さないし、またそういうことになることはもうあってもらっては困るし、世界もまたそういうふうなことは考えてもいない。非常に戦争当事者を制約しておると思います。何とか解決しなければならぬ。この責任、制約のもとにパリ会談は開かれておる、これが一点であります。  もう一つは、その場を宣伝の場とハノイもしない。自分の立場は、いろいろ主張はしますけれども、このパリ会談を主として宣伝の場とするというよりかは、やはり現実的なものの考え方で、そうして何とか現実的に解決しようという努力も当事者の中にある。したがって、一方的に他を非難して、自分だけの名誉ある解決というのではなくして、両方の歩み寄った一つの解決というものを考えておるような雰囲気が生まれてきておる。こういうことから、パリ会議というものを長い目で見れば、私は悲観的には見ていないのです。いろいろ紆余曲折がありますし、これから南ベトナム自体の問題が出てくればいろんな複雑な問題がありますが、しかし、いずれにしても、パリ会議の方向は、時間はかかっても、これを悲観的に見る材料はいまない。これは時間がかかっても解決に向かって努力がなされるに違いない。時間はいつぐらいかということでありますが、これは非常に困難だ。困難だというのは、どのくらいの時間がかかるということをいまここで予測することは困難だ。しかし、これの劇的な解決というものはむずかしいであろう。やはり時間をかけていろんな話し合いをしながら問題を煮詰めていかなければなりませんので、相当な期間がかかるということは覚悟しなければならぬ。劇的にぱっと目がさめてみればあくる日は解決しておったという性質のものではない、こういうふうに考えております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 ドゴールが、パリに帰るやいなやハノイの首席代表に会う、その直後またアメリカの首席代表に会うというようなことを言っているようです。いよいよドゴールさん御登場かなというような感じがしないでもありませんし、そういういい面があるけれども、さて、一体いつごろまでかかるか、これはだれもわからないのですが、やはりジョンソン大統領に相当不人気な戦争終結の責任を負わして、いまから十一月までのうちに両方ともめどをつけるということが平和解決のかぎではないか。もしこれをはずすならば、どの大統領が出ても、なかなか不人気な戦争終結の役割りはむずかしい。そこはハノイ側も相当読んでいるのではないかという感じがいたします。大体、そんなことを言って予測すると、たいていお互いに失敗する場合が多いのですけれども、私はそんな感じを持って見ているわけです。  そこで、お互いに評論家ではありませんから、現実の問題に返りまして、国際会議がいよいよ最終的にはどうしてもジュネーブ型の国際会議になる可能性が多いと思うし、そういう場合に、わが国の基本的なかまえとして、どうも北側、共産側も、ソ連と中共の間の非常な葛藤がありますから、何か中共が会議に出ないことをやや歓迎するか、あるいはもう出ないときめてかかる傾向が一部にあると思うのですけれども、私は、これは非常な間違いではないかと思う。ちょうど中共の立場は、五四年のジュネーブ会議のアメリカの立場と同じなんです。非常に大きな関係者で、最大の関係者であるけれども、直接手を下していないもので、アメリカはあの会議に出て、最後には協定には調印しなかった。しかし、参加して一応方向を指示した。少なくとも中共がこの国際会議の段階でこれに加わることがきわめて望ましい。そうでなければ、南ベトナムの将来に対していかなる——たとえば独立、中立の保障ということも、中共が加わらない保障はあまり意味がないという意味において、わが国もこれらの会議に代表を送られることになるかもしれませんが、少なくとも日本の参加ということとあわせて、わが国としても、中共の参加の実現に極力努力するということが、ほんとうの戦争の終結、和平の成立、その後の状態の安定のために絶対必要だと思うのですけれども、それらの点についての外務大臣のお考えを伺いたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 一体、このパリ会議、結局最後には、一九五四年のジュネーブ協定の会議のようなものになるのではないか、そういうものを必要とするのではないかという相当有力な見方もありますが、人によったら、そういう国際会議というものは今度は開かれないのではないかという説をなす者もあって、パリ会談の今後の進展いかんによらなければ、どういう形の国際会議——国際会議は一体必要とするか、また、必要とした場合にどういう形の国際会議であるかということは、ちょっとやはり見通しの困難な点もございます。しかしながら、国際的な保障などという場合には、そういう国際会議というものが要るのではないかという感じもわれわれとして持っておるわけでございます。とにかくジュネーブ協定の精神は、これはやはりその精神によってベトナムの解決をはからなければならぬけれども、今回のベトナム戦争の解決が、前のジュネーブ協定の会議そのままの形を再現しなければならぬとも私は思わない。それは内容は変わっていいわけです。しかし、長続きのする平和というものを考えた場合に、やはり中共というものも無視することはできないのではないかと私自身は考えております。しかし、中共自身がどういう態度をとるかということもわかりませんし、また、一体国際会議が開かれるのかどうか、開かれた場合に、議長国というものは相当な役割りを果たすことになるのですが、その議長国というものが一体どういう国々を招請するようになるのか、いろいろなものが不確定な今日でありますから、予測は困難でございますが、今回のベトナム戦争が、ただ停戦をしたということだけでなくして、非常に長期にわたって平和を確保できるような解決であってほしいというのが、日本政府の切に願う点であります。そういう点で、国際会議を開かれるとしたならば、その招請される国々も、前の会議の形そのままの踏襲ではなくして、長続きのする平和を確立するためにふさわしい国際会議であってほしいという願いでございます。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 何人も、必ずしも五十四年のパターンそのままで、構成国が全部そうであるという必要はないと思いますけれども、いわゆる永続的な国際保障ということか望ましいということになれば、どうしても中共の存在、それでできるならば積極的加入が必要である、これは議論の余地のないことだと思います。  そこで、もう一つの問題は、停戦及びその後の外国軍隊の撤退なり、相対立する軍事組織の引き離し、これは必ずしも北ベトナムとアメリカだけでなくて、いわゆる南ベトナム政府軍とベトコン部隊との事実上の停戦のことも考えると、やはり何らかの形で国際的な休戦の監視チーム、そのことが場合によったらさらに進んで軍隊撤退の監視チーム、あるいは総選挙が公正に行なわれることを見届けるというような、現地におけるそういう国際的な平和的な部隊なり監視チームというものが、非常に今後有力な平和への手がかりになると思います。そういう場合に、わが国がこれに参加を求められることは非常にあると思う。この前もこの問題を私は提起いたしまして、外務省でもお考えのようですけれども、少なくともわが国はそういう場合にシビリアン、文官を——部隊でなくて、チームを強化し、停戦の監視チーム、あるいは軍事的撤退を見届けるチーム、あるいは公正なる選挙が行なわれることを見届けるチームというような、非常に平和的の性格のものならば、私は、わが国が進んでシビリアンを、文官を、文民を派遣するのが正しいと思います。その点についてすでに結論を得られたかどうか、また得られないにしても、そういう方向でお考えになっているかどうかについてお聞きをしたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 曽祢君の御指摘のように、最後にはアメリカ軍隊の撤退、北の正規軍の南からの撤退、これは当然に大詰めの問題として問題になることは明らかでありますが、アメリカも戦争目的として、力による政治形態を強要することはいけない、自由にベトナム人がみずからの運命をきめられるような条件をつくるのだ、それをアメリカは軍事的に介入した大義名分にしておるわけですし、ただ、あとどうなるかというので、撤兵することもアメリカとしてはなかなかしにくい点もある。そこに国際保障という問題が現実的に起こってくるし、また撤兵という事実を見届けるためにも、あるいはまたきめられた平和的な解決、この協定が守られるかどうかを監視する必要もありましょうし、何か国際的な協定の監視委員会のようなものができ上がる可能性は大いにあると思います。そういう場合には、日本はこれに協力するという方向においてこれを検討いたしたいと考えております。そういう申し入れがあったら協力するという立場から今後検討していきたい、こういう態度でございます。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 日中問題については帆足委員も触れられたのですけれども、私も二点ばかり伺いたい。  第一は、いま申し上げたように、ベトナム平和解決を契機として中共が国際会議に出てくる、これは中共の硬直し姿勢を直すためにもいいことじゃないかと思います。そういう線も見えてきた。したがって、ことしの秋の国連総会では中国の代表権問題というものをほんとうに真剣に——いままではまるで手続問題、どちらの政府の代表者の信任状を認めようか、したがってこれが過半数で決定されるとか、いや三分の二の多数決だとかいうことで、とにかく中国代表権問題を国連の総会で、政治委員会で真剣に討議するということではなく、手続論でそういう取り扱い方できたことは根本的に間違っておるし、少なくともそういうやり方はもう許されない。わが因みずから、そういう意味で国連の場を通じて、世界の圧倒的の、三分の二をはるかにこえるような自由諸国あるいは非同盟諸国、さらに加えて東ヨーロッパ等を中心とした共産主義の諸国も加わったような形で、大体納得する線で、中国の代表者は中共である、ただし、台湾問題は、これは中国の内政問題の面と国際緊張の重大な面があるから、台湾問題だけは非常に慎重な取り扱いが必要だ、こういうような線でいろいろ国連の中のコンセンサスを求めるといいますか、大多数の意見を出し合って——根本的解決なんということは簡単にできません、分裂国家の問題は。しかし、少なくともモーダスビベンダィ、暫定的な前向きの一つの解決へのアプローチということに努力するのが当然に国連の仕事であり、また、日本の立場は、形式論にかまけて、たとえばみずからいわゆる重要事項指定方式の提案者になるというような、そういう姿勢ではいけないのではないか、こういう問題がそこに存在する。この点については、いままでの考えから一歩も数歩も前進した、ただ中共が強いのだから中共に迎合するというのではなくて、ほんとうの日本の自主性の上に立った前進ということを考えなければ、少なくともだれが考えても、重要事項指定方式の提案国に従来の関係でおつき合いしているという逃げの姿勢はこの辺で考え直さなければいかぬという考えですが、大臣のお考えを伺いたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 かなり具体的に、曽祢さん国連総会における中国問題の取り扱いをいま御指摘になりましたが、私は、曽祢さんよりも複雑な問題を中国問題は含んでいると思う。それは単に国連の場という問題もございますが、やはりアジア情勢の全般の改善ということも必要なんで、大きくいえばあるいは世界情勢といったほうがいいかもしれませんが、国連の場でもこれは解決しなければならぬ問題でありますが、その国連の場の解決の場合には、アジア情勢あるいは世界情勢全般の関連性も非常に中国問題にはあるということで、曽祢さんの言われるように、非常に明快な解決がこの秋の国連総会で出るかどうかに対しては非常に疑問に思いますが、いずれにしても、これは国際政治の問題として解決をされなければならぬ問題であることば事実でございます。ちょうどアジアは、ベトナムの問題をめぐるパリ会談が行なわれているときでもございますし、アジア情勢に対する大きな変化も起ころうとしているときでありますので、こういうこともにらみ合わせて、まだ時間もあることですから、十分な検討を日本政府は加えることにいたしたいと思っております。

曾禰益民主社会党

○曽祢委員 何も私は国連の場だけの問題だというのではなくて、バックグラウンドが非常に世界的である。したがって、ややもすれば日本と中共との話だけですぐにストレートに国交調整をやる、私は、そういうことば非常に至難であると思う。世界が頭を悩ましている中国の代表権の問題、中共の処遇の問題を、日本だけがあまりにも責任感を感じるような気持ちがあるもので、バイラテラルに解決するというきびしい考え方に間違いがある。たとえば国連という場を通じて前進的にかまえていく、そこで、中共の国連の場における取り扱いも、手続事項としてでなく、こういう問題をたとえば政治委員会に実質的に検討させるべきだ。結論がどのように出るか。どういう結論を出したって、北京と台湾の二つの政府がなかなか賛成する問題ではないけれども、一つの中国だ、一つの中直だといっているだけでは実際上は何もできはしない。政府のように一つの中国は台湾で、実際上は大きなほうの中共というものに対しては政治的に取り扱わない、それはフィクションだ。フィクションというもの、擬制というものは長続きしないのですから、大勢を察知して、私は、政府も一歩前進をする必要があるということを申し上げたい。重要事項指定方式の提案者にだけはひとつならぬほうがいいのではないかということを、御答弁は別として、さらに強く要請しておきます。  最後に輸銀の問題です。これも触れられたところですが、この国会でいま審議されている海外経済協力基金の法案が通って、これからは政治的な動機に基づく援助の問題は全部海外経済協力基金でやる、輸銀というものは完全にコマーシャルベースの輸出の促進に当たる、はっきり性格を分けたらいい。これはいままでも当然そうすべきであったのに、そこがあいまいになっていた。そこに持っていって、吉田書簡みたいなよけいなものが出た。私はよけいなものと言いたいのです。そこで、どうして吉田書簡のお葬式を出すかというと、いままでの政府の正式の答弁は、ケース・バイ・ケースでということですが、帆足委員も言われたように、コマーシャルベースの取引でも、輸銀の借款をつけるつけないは、これは実際上はコマーシャルベースのケース・バイ・ケースで解決されるのが当然だ。ところが、政府のいうケースバイ・ケースはそうではなくて、何らか、吉田書簡の写令が生きている生きていないは別として、許すか許さないかは、政府が政治的な観点でケース・バイ・ケースに口を出し得る、そういうふうにとれるケース・バイ・ケースだ。それがいけないんで、中共を含む貿易について輸銀のクレジットを与える与えないは、純粋にコマーシャルベースの問題である。台湾が口を出すのは大間違いであるし、政府がその点について干渉する必要はないんだ、しないんだ、そういうふうにするのが本来の正しい行き方だ、こう思うのです。そういう方向に御賛成であるかどうか、はっきりお伺いします。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 いま国会で、われわれも心配しておりますけれども、国会の良識を信じて、海外経済協力基金は御承認を受けるものだと考えております。そうなれば、いわゆる援助は基金、貿易の拡大は輸銀ということに、将来の海外経済協力というものはそういうふうに整備されることが好ましいと私は思っております。ただしかし、海外経済協力基金もまだ金額が少ないし、輸銀が援助を受け持っておった部分もあるんですね。まだそういうことで一気にできませんけれども、そういう方向で整備されていくならば、輸銀というものに対する諸外国のものの考え方も必ず変化してくるに違いない。そういうことで、整備されることが望ましいと私は個人的には考えております。

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 先ほど放射能の問題で、私は中途はんぱな質問しかしなかったのですけれども、今度の放射能の問題について、アメリカから三人の専門家が来て、それは共同調査ではないけれども、協力を求める、そういう調査のしかたをしているわけですが、しかし、先ほども御質問申し上げたように、記者会見でウェーグナー氏が言っていることばの中の第三点で、第一次冷却水が口上書の中に書かれているような状態だということで、停泊港の中においてもそれを放出することは禁止されていないということを特に強調しているわけです。この点は、もちろん口上書によると、先ほど政府委員からの説明があったように、「周辺の一般的なバックグラウンド放射能に測定し得る程度の増加をもたらすような放出水その他の廃棄物は、軍鑑から排出されない。廃棄物の処理基準は、国際放射線防護委員会の勧告に適合している。」というa項の問題を言っているわけです。これはことばの上ではわかることですけれども、事実上は、これがどの程度のものであるかということ、それを証左することは日本の側には全然ないわけです。したがって、この口上書の二項のa項というものは、これは日本の安全性に関心を持つ立場からすれば、非常に問題の多い点だと思います。先般、原子力局長が、口上書の内容についても検討しなければならぬということを言い、大臣もまた、趣旨はそのとおりだと言ったが、特にこういう点について、国民大衆が疑義を持っている点について、われわれはやはり強調しなければならぬものがあると思います。大臣は、そういう点を含めて、先般の原子力局長の口上書に対する考え方というものを肯定なさっていると私は思うのですが、そういう点についての大臣の率直な見解をひとつ聞かせていただきたい。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 これからいよいよ調査をやろうというわけでありますから、この調査がもっと進んでまいりますれば、いま御指摘のような問題も含めて、口上書というものに対して検討を加えたいと考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 ジョンソン声明が行なわれて後の世界並びにアジアの情勢というものは非常に変わってきていると思うのです。先ほど曽祢委員や帆足委員からもその問題についていろいろ触れておりました。特にパリにおけるところの会談が、見方によっては順調にいっていると見られるし、見方によってはこれはなかなかむずかしいという見方もある。私の感じでは、北の主張は、戦線の問題について、アメリカが全面的な戦線の停止をするという体制がないとなかなか話は進んでいかないのではないだろうか、実はこういう素朴な見方をしているわけです。また、それでないと、南の側における解放戦線の動きというものも、パリ会談との見合いの中で冷静化していくことはなかなか困難であろうと思います。そういうことについての大臣の見方をひとつお聞かせいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 いま私は曽祢君の御質問にもお答えしたのですが、あの会議を見ていると、いろいろ自分の立場をお互いに宣伝もし合ってはおりますが、現実的に問題を処理しようという態度も両当事者の間にかなりある。そういうことで、アメリカの戦闘行為の停止、またアメリカからすればハノイの戦闘行為の停止というようなことが当然に問題になってくるわけでありますから、私は、これは時間がかかっても、和平への世界の世論というものが非常に高まってきているので、両方がほんとうに平和的にこの問題を解決しようという気持ちはないのだけれども話し合ってみようというような、そういうゼスチュアだとは、今度の場合思わないのです。両方とも、この問題を軍事的に解決できぬということはだれの目にも明らかですから、話し合いによって解決しようということで、平和的解決への追求というものがかなり真剣な問題として両国の代表によって扱われている。だから、時間はかかるけれども、これが御破算になってもう一ぺん戦争がエスカレートするような事態にはならないのではないか、こういう見方を私はするものでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 参議院のほうでやはり時間がほしいと言っているのだそうですか、質問がきわめて中途はんぱになってしまって困るわけなんです。委員長、委員会を持つには、こういう大臣の所在の問題について大臣がおることが不確定な場合は、委員会の運営についても、もう一ぺん理事懇か何かやって、あらためてひとつ協議してもらいたいと思うのです。きょうの理事会でそういう話し合いだということですから、私は、参議院のほうの要求に応じて、大臣に向こうへ出席をしてもらっていいと思いますけれども、とにかく運営についてはひとつ考えていただきたいと思うのであります。  一つだけお聞きしておきたいのですが、中国問題で、国連の場に中国を入れるというようなことを積極的にやれという意見も一つあります。だけれども、日本の立場からしますと、日本と中国とがまず仲よくなる、友好関係が確立するということが先行しなければ、国際的な場合、幾ら努力しようとしても、それは全く足場のないところへはしごをかけているのと同じようなことで、何の意味もない、こう思うのですが、そういう点について、大臣は、中国問題についてわが国がとろうとしておる外交的な考え方、その問題をどういうふうに考えるかということを、ひとつここで明確に述べていただきたいと思います。

三木武夫自由民主党外務大臣

○三木国務大臣 日本も、中国も、日中関係というものは、どんなに困難でも、時間がかかっても、この関係を改善する以外に両国が生きていく道は私はないと思う。そういう意味で、方向としてそうであるならば、長期的に考えたら、それよりほかないんですから、そういうことで、むろん、できないこととできることとありますけれども、できる範囲内から日中関係の改善への努力を積み上げていくことが必要である。また、そういうことはいろいろ今後可能な場合が出てくるのではないか。そういうことをいきなりドラスチックな革命外交をわれわれはやるという考えはありません。革命的な外交方式を自民党はやろうといえはない。したがって、現実に一歩一歩関係を改善していこうというのがわれわれの立場でありますから、やれる範囲内から日中関係を改善しようという意図のもとに、やはり前向きに取り組んでいきたい、こう考えておる次第でございます。

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 速記を始めて。      ————◇—————

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 航空業務に関する日本国政府とレバノン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とセイロン政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とデンマーク王国との間の条約の締結について承認を求めるの件、船員の厚生用物品に関する通関条約の締結について承認を求めるの件、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件、以上五件を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。田中榮一君。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 ただいま委員長から読み上げられました、参議院から送付せられました五件の条約案につきまして、私は、簡単に外務省当局に質問をいたしたいと考えております。  まず第一に、デンマークとの租税条約につきまして質問いたしたいと思います。  デンマークとの間には、昭和三十四年に締結された現行条約が現存しております。なぜ今回このような条約を改正する必要があるのか。ことに、私の考えでは、この種の改正というのは、何も本条約を改正しなくとも、議定書か何かしかるべきもので部分的に改正することによって行ない得るのではないか、これは私の考えでありますが、今回このように全面的に改正をせねばならないという理由は那辺にあるか、その点についてまずお尋ねしたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 お尋ねのデンマークとの租税条約は昭和三十四年に締結したものでございまして、日本が締結しました租税条約としては非常に古いほうでございます。その後、OECDが昭和三十八年にこの租税条約につきましての一つのモデルをつくりまして、OECD加盟国相互間におきましては、条約の締結または条約の改正の際にはこのモデルに従って締結すべきことという勧告がなされております。日本は昭和三十九年にOECDに入りまして、自来、OECDに入りまして以後はこのモデルに従って租税条約の締結交渉をいたしております。このデンマークとの租税条約は、そのように昭和三十四年に締結されました非常に古い条約でございますので、このモデルと比べますと、いろいろ違っておる点がございます。そういう点を全面的に改正したというのが今回の条約でございます。デンマーク側におきましても、OECDのモデルに従いまして全面的に改正するということについて非常に熱心でございまして、そのような趣旨から、議定書等による一部改正によらず、全面的な改正にするというたてまえになった次第でございます。  おもな改正点といたしましては、投資所得に対します源泉地国における課税権をなるべく制限するという趣旨にのっとったOECDのモデル条約に従った規定でございますので、源泉地国における課税権が一般的に制限されておるというのがこの趣旨でございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 ただいま、OECDのモデル条約案に従ってデンマークとの租税条約を改正しようというのでありますが、そうしますと、セイロンとの租税条約もやはりOECDのモデル条約案に従って条約を作成するのではないかと思うのでありますが、しからば、セイロンの場合においては、先進国との条約とどのように異なった点があるのであるか、そのおもなる点についてちょっと御説明願いたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 セイロンとの租税条約は、先ほどのデンマークとの租税条約に比べまして非常に対照的な点がございます。と申しますのは、セイロンは、その経済構造がいわゆる後進性の国でございまして、デンマーク等のごとき先進国との租税条約とは同様な取りきめをすることはできません。そういう関係で特別の考慮を払っております。  大体三点ぐらい違った点があるかと思いますが、まず第一点といたしましては、航空機及び船舶による所得、つまり、日本の船がセイロン島に寄港して、そこでいろいろ貿易をする、それに伴って所得が生じました際にセイロン側が課税をするということにつきまして、先進国の相互間でございますと、そういう航空機または船舶による所得につきましては相互に免除するというのがたてまえでございます。これがOECDのモデルの内容でございますが、セイロンにおきましては、そういうように全面的に免除するということにいたしますと税収が非常に削減されますので、今回の条約におきましては半額免除、半額の軽減という措置にいたしております。これが第一点でございます。  第二点におきましては、投資所得に対します源泉地国の課税権、つまり、日本の進出した企業に対しますセイロンの課税権が、OECDのモデルに従いますと非常に制限されるわけでございますが、これもやはりセイロンの税収一般に非常に影響がございますので、これも先進国との租税条約に見られるような低い制限税率は課さないというたてまえにいたしております。  第三番目に、みなし税額控除方式というのがございまして、セイロンにおきます日本の進出企業に対する優遇措置がございます。特にセイロンにおきまして、セイロンの経済開発に資するようなそういう企業の所得に対しましては、税の減免措置がなされております。日本におきまして、その進出した企業に対して居住地国として課税をいたします場合に軽減あるいは免除された税金を、実際には払ったものとして課税をいたしております。そういうことによりまして、実際に進出いたします企業については非常に刺激になりまして、セイロンの経済開発に貢献するという結果をもたらしているわけでございます。そのようなみなし税額控除方式というのは、日本がいままで締結いたしましたアジア諸国との租税条約及び昨年御承認いただきましたブラジルとの租税条約におきましても認められておりまして、これは先進国との間におきまする租税条約にない一つの大きな特色でございます。これがOECDモデルの条約と違ったおもな相違点でございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 ただいまのセイロンに対する租税の非常な特別な待遇でございますが、こうした相手国の経済開発を考慮した租税のみなし税額控除であるとか、あるいは日本の進出企業所得に対する——これは日本側にはたいへん有利な点でございますが、このほかに何か東南アジアについてこれと同様な租税の取り扱いをしているような国は、いま二カ国ほどあげられたのですが、ほかに何かこういうような同様な例がございますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 現在日本が開発途上国との間で締結しております租税条約は、ブラジルのほかは、アジアにおきましてパキスタン、インド、シンガポール、マレーシア、タイと五ヵ国ございまして、セイロンとの条約が第六番目の条約でございます。なお、現在韓国あるいはフィリピン等と租税条約の交渉をいたしておりますけれども、現在まで締結されました条約は、セイロンを含めまして六条約でございます。そのいずれにおきましても、ただいま先生御指摘のございましたみなし税額控除方式という方式は全部採用されております。それからその内容につきましては、若干の相違がございますけれども、いずれもそのような国におきまする経済開発を促進するような措置を税制面で協力するということをはかっております。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 租税の条約につきましては、大体了承いたしました。  次に、日本政府とレバノン政府との間の航空協定につきまして質問したいと思います。  現在、わが国は関係諸国との航空協定によりまして、すでに日航は南回りのヨーロッパ線の運航を行なっておるのでありますが、今回レバノンとの間の航空協定を締結いたしまして、また新たな航空路線を設定するわけでありますが、これはどういうために特にレバノンとの間の航空協定を締結する必要があるのでありますか。まずそれについてお伺いしたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 わが国の南回り航空路線は大体におきまして整備されておりまして、あまり拡充の余地はないわけでございますけれども、従来テヘランからカイロ経由でローマに回っております中近東経由の路線を、それだけにとどめておきますと、中近東におきまして航空市場の上で非常な経済価値がございますベイルートが抜けます関係上、日本の南回り欧州行きの航空路線に一つのバラエティが欠如いたしますし、またかたがた、そのような代替地点を持っておりますことが、日本の南回り航空路線が充実したものになるという観点から、かねがねテヘラン−ベイルート−ローマと、ベイルート経由の航空路線を設けたいという希望を持っております。そのところを、昭和四十一年にレバノン政府側からぜひ東京まで乗り入れたいという希望を申し入れてまいりましたので、この機会をつかみまして航空協定の締結交渉に入りました。その後、交渉がうまく進捗いたしまして、ここに御審議をいただいているような協定の作成ができた次第でございます。これによりまして、日本の中近東経由南回り欧州行き航空路線が非常に充実され、新しくカイロのほかに代替地点が設けられ、かつベイルートという非常に航空市場上価値のある地点に日本が乗り入れることができるという利点を得たわけでございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 もう一つ本件につきましてお伺いしたいのは、今回新しくレバノンコースができましたことは、ベイルートに日航のルートができましたことは、たいへんいいと思うのですが、ただ、こういう場合において非常に相手国ががめつくて、いろいろな経済的な条件を持ち出すという場合が非常に多いのですが、この点については、何か今回相当がめついような条件とかそういうものを持ち出しておるのでしょうか。もちろん、今回そういう条件をのみ込んで大体協定が成立したものと私は考えておりまするが、何かそうした点についてお聞かせ願いたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 レバノンのほうで日本に乗り入れることを希望した主たる理由は、レバノンに貨物専用の航空会社がございまして、それが中近東におきまして荷物を集荷いたしまして、それをレバノンを基点として日本に輸送するということをねらったわけでございます。日本のほうはこれに対応いたしまして、先ほど申しましたとおり、レバノン経由欧州に回り、さらに欧州からアメリカへ行って、アメリカからさらに日本へまで帰ってくるという、非常に長い航空路線を獲得することができました関係上、レバノン側の要求もさることながら、これに対応いたしまして日本側の対価も非常に大きいものだとわれわれ考えております。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 そういたしますと、今回の日本・レバノン航空協定によりまして、わが国の航空事業としては相当プラスになった、こう見て支障がないのでしょうか、どうでしょうか。その辺のお見通しをひとつお聞かせ願いたい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この航空協定は、非常に経済的な要素が背景に多くございまして、一方的に日本だけが利益を得る、あるいはレバノン側だけが利益を得るということでは、とうてい協定の締結に至らない次第でございます。そういうわけでございますので、もちろん日本だけが特別大きな利益を得たということは決してございませんが、しかし、従来ございましたテヘラン−カイロ−ローマという路線がさらに充実されて、その路線が欧州からアメリカまで延びるということによりまして、日本の航空企業上非常に利益が大きいということは事実でございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 次に、船員の厚生用物品の通関条約につきまして、一点だけお伺いしたいと思いますが、わが国は世界の主要な海運国の一つでありますから、船員のためにこのような条約に加入することは、船員の福利厚生のために非常にけっこうなことだと考えますが、こういう条約に加入したために実際に船員が享有できる実益といいますか、どういう点が便益になるのであるか、あるいは負担になるようなことになりはしないか、その点について簡単にひとつ御説明していただきたい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この条約は、もともとILOが提唱いたしまして、非常に長い航海に従事いたします船員のレクリエーションのためにいろいろ船上で使いまする厚生用物品、ここに書いてございますような「文化上、教育上、レクリエーション上、宗教上又はスポーツ上の活動のための物品」、こういったものを船舶上で使いますために、その船が寄港いたしまする港におきまして無税輸入を認めてもらっておいて、そこへ船が着いた際に、そこでその物品を引き取って、そうして船員が航海中に使うという趣旨のものでございます。そういう意味で、これは日本のような海運国にとりましては、日本の船員が非常に利得するわけでございまして、そういう意味では、いままで長い航海のために、船舶航海中に非常に無脚をかこつとかいうふうなこともございました船員が、これによりまして、映画フィルムあるいは書籍、雑誌その他いろいろなスポーツ用の物品等を自由に、無税で船舶上で受け取って、これを使えるということによりまする利益は非常に大きいものと考えております。  なお、そのほか、日本が海外に六カ所ほど船員のための厚生施設を持っておりまして、そういう厚生施設におきましても、この条約に入りました国との関係におきましては、そこでもって、六カ月の期間の範囲内でございますが、再輸出を条件といたしまして、無税輸入が認められる。したがって、たとえば映画フィルム等も、日本からそこの日本の海員のための厚生施設のあります港に送ります際には、無税で輸入され、六カ月間その映画フィルムが使われるということになるわけでございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 最後に、アジア=オセアニア郵便条約の件につきましてお尋ねしたいと思います。  現在、郵便に関する連合としては万国郵便連合という世界的な連合体が実際にできていまして、日本もこれに加盟しておるわけであります。そこで、このような非常に有力な万国郵便連合というものに日本がすでに加入しておるにかかわらず、さらに一部的な一これはもうおそらく、アジア=オセアニア郵便条約というものは極東のごく一部の国だけしか加入してない小さな郵便条約ですが、さらに今般このようなアジア=オセアニア郵便連合に加盟しようとしているのですが、どうして小さなこういうものに加入せねばならない理由があるのか、それが第一。  それから第二に、しからば、アジア=オセアニア郵便連合に加入した結果、万国郵便連合に日本は加入していますが、それの関係、日本が負担する義務の関係、権利の関係、そうしたものはどのような関係があるのか、その点を第二点にお伺いしてみたいと思います。  それから第三点は、この条約に加盟することによって、非常にわずかな加盟国でありますので、実際に日本の郵便業務に一体どのような利益がもたらされるのであるか、その点について、ひとつ受益の程度を……。  以上三点について、ひとつ御説明願いたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先生の御指摘の万国郵便連合というのは、もうほぼ百年ほどたちます古い国際機関でございますが、この万国郵便連合憲章の第八条に、このような地域的な限定連合についての規定がございまして、「加盟国又は、その国の法令に反しない限り、その郵政庁は、限定連合を設立することができ」るという規定になっておりまして、この限定連合といたしまして、現在までに世界に、このアジア=オセアニア郵便連合を含めまして、八つございます。欧州あるいはアメリカあるいはアフリカ等のそれぞれの地域におきましてそういう組織がございまして、アジア=オセアニア郵便連合もその一つでございます。  このアジア=オセアニア郵便連合は、そのような小さい、万国郵便連合のワク内で、その地域内の関係国が、郵便業務に関しまして技術的あるいはその他いろいろの面で相互に密接に協力するための組織でございます。日本がこれに入りますことによって得る利益は、このようなアジア=オセアニア地域におきまする各国との郵便関係を非常に緊密ならしめることが第一点でございます。第二点といたしましては、これによりまして、通常郵便物の料金が、その関係国間におきましては、外国郵便料金に比べまして六〇%になる、そういう引き下げ料金が適用されるわけであります。これによりまして、一般の人々のこの加盟国に対する郵便につきましては、通常郵便物に関する限り非常に低廉なもので郵便が出せるということになるわけであります。第三番目に、実は万国郵便連合の大会議、これは総会に相当するものでございますが、これを来年の秋十月東京に招集いたしております。その大会議を控えまして、地域的な組織を固め、地域的な協力関係を強固なものにしておくという実益が実はあるわけでございます。  なお、この郵便業務上の実益がどういうものであるかという点につきましては、郵政省のほうから御説明をしていただきたいと思います。

石井多加三郵政省郵務局次長

○石井説明員 お答えいたします。  ただいまの外務省のほうの御答弁を補足いたしますが、郵便の分野におきまして、具体的には、先ほどお話がありましたように、加盟国相互間で交換されまする船便による通常郵便物には、原則として国内郵便料金と同額または外国郵便料金の六〇%以下の料金が適用されるものとなっておるわけでありまして、それだけ利用者の方々が有利になるわけでございますが、そのほか、船便によりまして仲介国を通じて送られます通常郵便物に対しましては、その仲介国に払われます運送料、継ぎ越し料と申すものでございますが、これは原則として免除されるということになっております。それから、郵便業務の改善のための職員の交換を相互に活発化しようということも書いてありますし、いろいろ郵便の業務上の協力関係を強化するような内容が多々含まれておるわけであります。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 私しろうとでよくわからないのですが、たとえばアジア=オセアニア郵便条約にかりに加盟したしまして、いままでエアメールがかりに十五セントなら十五セントで行ったというのが六割になる、そうすると九セントになる、それからシップメールもやはりそのように六〇%の料金になる、締約国の間はそういう料金減額の恩典に浴するということに考えてよろしいのでしょうか。

石井多加三郵政省郵務局次長

○石井説明員 ただいま御指摘のございました中で、船便につきましてはおっしゃったとおりでございまして、そういった安い料金になりますが、エアメールにつきましては、実はそういった優遇措置は講じておりません。これはどういうわけかと申しますと、いま申し上げましたように減額措置を講ずるということは、その地域の国民の利用の皆さま万にはそれだけ安い料金になるわけでありますけれども、それぞれの所管の郵政庁にとりましてはそれだけ減収になるわけでございまして、航空便の占めるウエートが非常に大きいものでございますから、いままでそういった例は他の世界の限定連合の中でもとっていないのが通例でございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 高島参事官にお伺いしたいのですが、万国郵便連合の規約を私まだ調べていないのですが、郵便連合の規約の中には、連合の加盟国が地域的な、たとえばアジア=オセアニア条約のような郵便条約を締結することができるという何か根拠規定があるのでしょうか。それから、このアジア=オセアニア郵便条約というものは、なお東南アジア諸国にも加盟を今後奨励していくことになるのでしょうか、どうでしょう。その辺の方針を承りたい。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、万国郵便連合憲章の第八条に、この限定連合を設立する規定がございまして、読みますと、「加盟国又は、その国の法令に反しない限り、その郵政庁は、限定連合を設立することができ、また、国際郵便業務に関する特別の取極を締結することができる。ただし、関係加盟国が当事国となっている文書に規定されているところに比して公衆に不利な規定をこの取極に入れないことを条件とする。」とありまして、これに基づきましてできました各地域の限定連合を申し上げますと、第一番目に米西郵便連合というのがございます。これは一九一一年に設立されました連合でありまして、南北両アメリカ諸国及びスペインの二十三カ国でございます。それから北欧郵便連合、これも非常に古うございまして、一九一九年に設立されております。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランドの五カ国でございます。三番目にアラブ郵便連合、一九五四年に設立されておりまして、アルジェリア、サウジアラビア、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、モロッコ、シリア、アラブ連合、スーダン、チュニジア、イエメン等々全部で十八カ国でございます。四番目にアフリカ郵便連合というのがございます。これは一九六一年に設立されまして、加盟国はアルジェリア、ガーナ、ギニア、 マリ、モロッコ、アラブ連合、合わせて六カ国でございます。五番目にアフリカ・マダガスカル郵便連合、これも一九六一年に設立されております。加盟国にアフリカの諸国十四ヵ国でございます。六番目にバルカン郵便電気通信連合、これは郵便連合だけではなしに、さらに電気通信の分野に関しまする協力関係も定めております。これはギリシア、トルコ、ユーゴスラビアの三ヵ国でございまして、一九五五年に設立されております。第七番目にヨーロッパ電気通信連合、これも同じく郵便関係のみならず電気通信関係につきましての協力関係も含んでおります。一九五九年に設立されまして、ヨーロッパ諸国の二十郵政庁と、それからOECDが入っております。そういう関係から申しまして、アジア=オセアニア郵便連合というものは非常に新しい郵便連合でございますし、また加盟国もまだ四ヵ国と非常に少ないことでございますので、日本が入ることによりまして、オーストラリア、ニュージーランド、オセアニア地域の二カ国が入る可能性を非常に強くわれわれは見ておりまして、さらにまた、それ以外のアジアに位置します諸国が次々と入ってくることをわれわれは期待し、かつ勧誘しようということでございます。

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

秋田大助外務委員長

○秋田委員長 速記を始めて。  本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる二十二日午前十時理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会

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