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58回国会衆議院1968/04/10

外務委員会 第9号

発言数
129
登壇者
7
会派数
2
開催日
1968/04/10

会議録

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 これより会議を開きます。  日本国とニュー・ジーランドとの間の漁業に関する協定の締結について承認を求めるの件、及びメキシコ合衆国の領海に接続する水域における日本国の船舶による漁業に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上両件を一括して議題といたします。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。藏内政務次官。

藏内修治自由民主党外務政務次官

○藏内政府委員 ただいま議題となりました日本国とニュージーランドとの間の漁業に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、ニュージーランドが国内法によって昭和四十一年一月一日より領海三海里をこえ沿岸から十二海里までの漁業水域を設定したことに対して、沿岸国の一方的な措置による漁業水域の設定は国際法上認められないとの基本的立場からこれに異議を唱え、この問題の解決についてニュージーランド側と交渉を行ないました結果、ニュージーランドに隣接する水域における日本国の船舶による漁業に関して両国間の協定を締結することについて最終的合意を見るに至りました。よって、昭和四十二年七月十二日にウエリントンにおいて、わがほう竹内大使とニュージーランド側ホリオーク首相兼外相との間で、この協定に署名を行なった次第であります。  この協定は、本文六カ条からなっており、その内容は、日本国政府により正当に許可を受けた日本国の船舶が、母船の隻数及びトン数に関して両国政府間で合意される規模で、ニュージーランド北島の沖合い及び南島の北部の沖合いの沿岸六海里から十二海里の部分において、一九七〇年十二月三十一日まで底はえなわ漁業に従事することを認め、ニュージーランドの当局は、協定の規定が順守されていることを確かめるため日本国の船舶を臨検することはできるが、協定違反の処理については、両国政府間の取りきめに従って、両国の当局のいずれか一方が行なうことを定めているものであります。  なお、わが国船舶の操業規模につきましては、別途の合意により、母船の数は十七隻、及びそのトン数については一隻を除いて五百総トン以下と取りきめられておりますが、これは従来からの操業実績を確保するものであり、また、管轄権の行使については、現在両国政府間に成立を見ている取りきめにおいては、協定違反の処理は第一次的に日本国政府の責任であるとされており、したがって、ニュージーランド側は日本漁船の違反を発見し、通告するにとどまり、違反に対する必要な措置は日本側によってとられた上でニュージーランド側に通報されることとなるわけであります。  この協定の締結により、わが国の漁船は、一九七〇年末までニュージーランドに隣接する水域において従来の実績による規模の操業を引き続き行ない得ることとなるので、両国間の漁業関係は安定し、ひいては両国友好関係の増進にも寄与するものと考える次第であります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、メキシコ合衆国の領海に接続する水域における日本国の船舶による漁業に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、メキシコが国内法によって昭和四十二年二月より距岸十二海里までの漁業水域を設定したことに対して、沿岸国の一方的な措置による漁業水域の設定は国際法上認められないとの基本的立場からこれに異議を唱え、この問題の解決についてメキシコ側と交渉を行ないました結果、メキシコに隣接する水域における日本国の船舶による漁業に関して両国間の協定を締結することについて最終的合意を見るに至りました。よって、昭和四十三年三月七日にメキシコ・シティにおいて、わがほう石黒駐メキシコ大使とメキシコ側ガビーノ・フラガ外相代理との間で、この協定に署名を行なった次第であります。  この協定は、本文十一カ条からなっており、その内容は、日本国政府により正当に許可を受けた日本国の船舶が、太平洋のメキシコ周辺の九海里と十二海里の間の部分のうち、一定の禁止区域を除いた水域において、一九七二年十二年三十一日までの五年の期間に、はえなわ漁法により、主としてメバチ、キハダ、バショウカジキ、マカジキ及びメカジキを一万五千五百トン漁獲すること等を規定しております。  この協定の締結により、わが国の漁船は、メキシコ周辺の水域において、従来の実績を維持しつつ引き続き漁業に従事することとなるので、両国間の漁業関係は安定し、ひいては両国友好関係の増進にも寄与するものと考える次第であります。  よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につきまして、何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 以上両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ————◇—————

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約の締結について承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。青木正久君。

青木正久自由民主党

○青木委員 国際海上交通の安全を守るために、船舶の積載限度ですか、これを規制することは当然必要でございまして、現在も一九三〇年に作成された国際満載喫水線条約というのがあるわけであります。今度できました一九六六年の新条約、これにつきましては、やはり最近における造船技術の進歩、それに即応するための新条約だと思います。ただ、この条約はたいへん技術的に難解な条約でありまして、わかりにくいわけでありますけれども、若干の点につきまして御質問申し上げたいと思います。  まず初めに、この新条約は全くの新しい条約でありまして、一九三〇年の条約の改正とはなっていないわけでありますから、この結果、新条約が発効いたしますと、旧条約と併存する形になると思うわけでありますけれども、この点で不都合はないだろうか、その点をお伺いしたいと思います。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 ただいま御承認を求めております千九百六十六年の満載喫水線に関する国際条約においては、第二十八条の規定に基づきまして、ことしの七月二十一日に発効いたす予定になっております。これに伴いまして、法律的に申しますと、一九三〇年の旧条約とこの六六年の条約とが併存いたす結果になります。しかし、実際上、この新条約におきましては積載限度をかなり緩和いたしておりますので、現在の条約に入っておりますほとんどすべての国が、最近のうちに新条約に加入するということが見込まれておるわけであります。したがいまして、法律的にはなるほど七月二十一日現在あるいはそれから相当期間の間は新旧両条約が併存するということが考えられますが、近い期間のうちに全部の国が新条約に入るということが考えられる次第であります。  なお、この新条約採択の会議におきまして勧告が採択されました。この勧告の中では、この新条約が発効後二年間のうちにすべての国が新条約に入るようにという趣旨の決議を採択いたしております。そういうことが実は予定されておりますので、厳密に法律的に申しますと、この二年間の間には併存いたすことが考えられる次第であります。

青木正久自由民主党

○青木委員 次に、たいへん技術的な条約であるわけでありますけれども、新旧両条約の相違点を簡単に御説明いただきたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 船舶局長が運輸委員会のほうに出席いたしておりますので、かわりまして御答弁申し上げます。  ただいま御質問の第一点でございますが、長さ二十四メートル以上の国際航海に従事する船舶につきまして適用するものでありまして、従来は百五十総トン以上の国際航海に従事をする船舶に適用していたものが変わったのでございます。  第二点は、従来、適用範囲が近隣諸港間の航海にのみ特定の場合について条約の適用が免除されておったのでございますが、新条約におきましては、水中翼船等の新形式の船舶及び輸出船等の回航のための単一の国際航海に従事する船舶についても免除するようなことが可能となったわけであります。  第三点といたしまして、船の乾舷、これは船の上甲板、つまり、一番上の暴露しておりますデッキから満載喫水線までの距離でございますが、これをフリーボードといっておりますが、この基本的なフリーボードの表が、大型船の出現によりまして従来よりも適用範囲が明確にされました。すなわち、長さ三百六十五メートルまでの船につきまして基本フリーボードが制定されたというのが第三点でございます。  第四点といたしまして、大型船舶の基本フリーボードが、近年の造船技術の進歩に伴いまして、二平方メートル前後の船舶において約四、五%有利になるという改正が行なわれたわけであります。  第五点は、船舶の表の船首の高さでございますが、これは水面からの高さが規制されたという点でござています。  第六は、従来の条約におきましては、船舶の構造を考えて喫水を算定する方法と、それから船の形を考えて船の満載喫水線を計算いたします、そのいずれかシビアーなほうをとるという考え方でございましたが、今回の条約におきましては、船の構造というものは、造船技術の進歩によってもう十分に維持されており、また維持されるような条件を基本的に定めまして、それに基づきまして、ただ形状によってのみ満載喫水線を計算するという方法かとられてまいりました。  第七点は、気象観測の発達、航海技術の進歩に応じまして帯域制限が緩和され、これに伴いましてわが国に関係する部分といたしましては、日本海及び三陸沖が年間を通じて夏期帯域にされまして非常によくなりました。  以上七点が今回の改正の要点でございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 新条約は全般的にわが国にとっても有利だと思いますが、一つの問題点は、長さ二十四メートル以上の船が適用範囲だ、長さ二十四メートルというのは大体百トンだと思いますが、百トン以下の小船舶で新しく新条約の適用を受けるわが国の船舶は、大体何隻くらいありますか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 ほとんど皆無でございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 それから帯域、区域、それから季節期間、これはだいぶ修正されておりますけれども、この新条約を交渉するにあたっては、わが国はどういう点を主張され、どういう点が日本にとって有利になっておるか、具体的に代表的なことを御説明願いたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 大型タンカーにつきまして特に満載喫水線を深くとれるような提案をいたしまして、これが第一点の有利な点であります。第二点は、ただいまも御説明したとおり、日本海、三陸沖が夏期帯域に変わった。日本にとって有利な点と申しますと、大きな点はそういうふうなことでございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 わが国の船舶が出ていく場合、日本海の日本の周辺だけではなくて、やはり太平洋、大西洋、いろいろ世界じゅうにあると思うのですが、たとえば油を運んでくる船、これが有利になるとか、あるいは喜望峰の南を回る船が有利になるとか、そういう点の主張はされなかったのでありますか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 アラビア海につきましては、日本も提案いたしましたし、ほかの国も提案いたしまして、熱帯期間が長くなったということがございますが、これは日本の単独の提案ではございませんので、先ほど御説明申し上げませんでしたが、これは日本も共同して主張したもので、有利になった点と思います。もう一点は、他の国の提案いたしましたケープタウンが軽減されまして、日本の船はたいへん有利になりました。さらに地中海におきましても有利な帯域の取り扱いがあります。これは世界各国の海運界が有利になりました。

青木正久自由民主党

○青木委員 この帯域、区域、季節期間を見ますと、日本とかイギリスなどのような海洋国の周域がたいへん有利に設定されたような気がいたすわけであります。たとえば、いま御説明のありましたとおり、今度日本海がシーズナルウインターゾーンからはずされたということをはじめとして、海洋国の周辺がたいへん有利に修正されている。これはけっこうなことだと思うわけでありますが、規制が緩和されておる結果、安全がそこなわれる、つまり、無理にシーズナルウインターゾーンをはずしたことによって、安全がそこなわれるということはないですか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 今回の改正にあたりましては、世界各国過去数年間、少なくとも日本の場合におきましては十年間の気象海象の状況をつぶさに調べまして、それをこの会議の場におきまして検討いたしました結果とられたものでありまして、船舶の安全性確保の上で支障になるようなことはないと考えております。

青木正久自由民主党

○青木委員 日本の周辺を見ますと、シーズナルウィンターゾーンからはずされていないところが北海道の一部に残っておると思うのですが、その残っておるところのおもな港があるかどうか、もしあるとすれば、そこから出る船舶は、日本のほかの港から出港する船に比べまして不利になると思うのですが、その点の御説明をお願いします。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 稚内、留萌、港といたしましてはその程度になるのではないかと考えられますが、これらの港から出ます外航船といいますと、わずかに樺太に行く程度でございまして、隻数といたしましても、また頻度もきわめて少ないので、それほど影響はないと考えます。

青木正久自由民主党

○青木委員 次に、フリーボードの曲線を見ますと、ただいま御説明のとおり、だいぶ緩和されているわけでございますけれども、緩和されたことによって積載量が当然ふえることになると思います。どの程度日本全部で積載量がふえるのか、また世界全体でどのくらいふえるのか、その数字がわかったら教えていただきたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 トータルは航海の態様によって異なりますので、数字としてはつかめておりませんが、一隻ごとに試算したものがございますので申し上げますと、たとえば二十万トンのタンカーでございますと、載荷量は八千七百トンふえまして、従来に比べて四・三五%の増加ということになっております。それから五万トンをとりますと、二千百トンの増加でございまして、従来より四・二%、それから一万トンを見ますと、百八十トンでございまして一・八、大きな船ほど有利になる。総合計では四%ないし五%という感じがいたします。

青木正久自由民主党

○青木委員 帯域の改正による積み荷のふえる量はわかりませんか。たとえば日本から油を買いにアラビア半島に行って、アラビア半島から持ってくるような場合です。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 まず、日本近海の場合で申しますと、一万総トンの貨物船でございますと、約三%積み荷の量がふえるというぐあいな数字が出ております。それからアラビア海につきましては、向こうで油を積んで日本に帰ってまいります場合、途中で熱帯から夏期帯にかわるということで、その間の積み荷の量は燃料消費量分だけが大体多く積めるという感じがいたします。それはほぼ満載喫水線が指定されております喫水に相当する喫水の四十八分の一という量に相当するものと考えていますので、大体四ないし五%積み荷量がふえるのではないかというぐ、あいに考えております。

青木正久自由民主党

○青木委員 これは直接この条約に関係することではありませんけれども、満載ではなく、反対に積み荷が少な過ぎる場合も、船の安全が問題になると思います。そういう場合は、タンクに水を入れるとか、いろんな方法があると思いますけれども、この点の国際的な取りきめというのはあるのですか、ないのですか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 旅客船についてのみSOLAS条約できめてございますが、それ以外はすべて船長判断にまかされておるわけでございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 それから、これまでの旧条約で、これに違反をして実際に安全を害した事件、実例があるかどうか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 日本船舶で外国に参りまして一、二隻あるように聞いております。

青木正久自由民主党

○青木委員 具体的にわかりませんですか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 これは引き船が日本では条約適用船ではございませんが、たまたま貨物を積んだ場合には、向こうの政府が貨物船という解釈をいたしまして、それで満載喫水線を標示してないという指摘を受けたという例がございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 新条約ができまして、この条約に違反した船が出た場合、これはどういう措置がとられるのか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 日本船舶でございますと、ただいま御審議願っております船舶安全法の改正に伴いまして、これが実施されますと、罰則の適用がございます。それから外国に行った場合には、出港停止という処分が向こうの政府から出されるということでございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 それから、この新条約、旧条約の加盟国でありますけれども、中共はどうなっておりますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この新条約への加盟につきましては、規定がございまして、第二十七条に、「国際連合、いずれかの専門機関若しくは国際原子力機関の加盟国又は国際司法裁判所規程の当事国の政府は、次のいずれかの方法により、この条約の当事者となることができる。」ということになっております。中国につきましては、御承知のとおり、二つの政府がそれぞれの主張をいたしておりまして、現在国連加盟国としての代表権の問題として未解決になっております。したがいまして、中共につきましては、この問題が解決いたしますれば、国連加盟国として当然本条約につきましては加盟することが法律的には可能でございます。現在は中華民国が中国を代表するということで現条約に入っておる次第でございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 現在中共は旧条約には入っていないわけでございますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 中華民国でございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 そうしますと、現在わが国の船が中共に行った場合、実際いろいろ証書なんか出すわけですけれども、それはどうなっていますか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 中共に参りました場合、現在わが国が発行しております満載喫水線証書を一応向こうの港で見て、まあそれを確認する程度で、別に異議の申し立てばないという状態でございます。   〔穗積委員「向こうから来るのは…」と呼ぶ〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 発言を求めてください。穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いや、一緒に答弁してもらえばいいのです。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 向こうから参ります船は、条約証書は持っておりませんが、これは当然監督できるわけでございますので、船舶安全法に基づきまして、外国船舶につきまして船舶安全法を準用するというのが法律にございますので、それに基づきまして監督しております。したがいまして、非常に満載喫水線を越えて荷物を多く積んでおるという状態があれば、それは相応の処分をとるということになっております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 検査をしているのでしょうか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 立ち入り検査を全隻ではございませんが、やっております。これは海上保安庁が主としてそういう点を担当しているわけでございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 沖繩の問題もたいへん微妙だと思いますけれども、具体的に沖繩の船舶、これはどういう取り扱いをしているのですか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 ただいま沖繩船舶は貨客船が四隻、貨物船が二十一隻、それが外航船舶としてわれわれ承知しております。

青木正久自由民主党

○青木委員 その取り扱いはどうなっているわけですか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 沖繩船舶で日本の造船所で修繕を受けた船舶につきましては、向こうの沖繩政府からの要請がございましたら、条約証書を発給しております。

青木正久自由民主党

○青木委員 次に、わが国がこの条約を締結する場合、条約の内容を見ますと、国内法に何らかの措置が必要になるのではないかと思いますけれども、その点について御説明願いたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 船舶安全法の改正が必要となります。

青木正久自由民主党

○青木委員 その内容を簡単に御説明願いたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 条約に関係いたします部分と、それから条約以外の部分と、二つございますが、まず、条約に関係いたします部分といたしましては、近海区域を航行区域といたします総トン数百五十トン未満の船舶、沿海区域を航行区域といたします長さ二十四メートル以上の船舶、これは国際航海に従事しております総トン数百五十トン以上のものは除いてございますが、それ以外のただいま申し上げました船舶、第三としまして、総トン数二十トン以上の漁船、これらにつきまして、満載喫水線の標示を義務づけるという改正をいたします。それ以外にも、船舶の安全性の向上のために、内航船舶並びに漁船について、若干満載喫水線をつけさせるということを今回御審議願っておるわけでございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 この条約の発効要件ですか、二十八条に規定されておりますけれども、これを見ますと、通常のものとは異なって、たいへん厳格になっておるような気がいたしますけれども、その理由はどういうわけでございましょうか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 これはロンドンに本部がございます政府間海事協議機関というのが中心になってつくった条約でございまして、海上における人命の安全のための国際条約とか、あるいは船舶の油による海水の汚濁の防止に関する条約、すべてそういう条約を担当いたしておりますが、要するに、世界の主要海運国がとにかくこの条約の中心国となって加入することが大事であるという観点から、そういう国が含まれない限りは条約は発効させないというたてまえで、こういった規定の方向でいっているものと考える次第でございます。

青木正久自由民主党

○青木委員 最後に、この条約には膨大なる附属書が三つついておりますけれども、その内容をわかりやすく説明していただきたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 まず、附属書のIでございますが、これは船舶にフリーボードを指定するための条件が定められたものでございますが、その内容は、大別いたしまして、船舶の風雨密性、これは風、雨に対して密閉されているということを普通風雨密性と申しておりますけれども、風雨密性を保持するための要件、及び船員の安全のための要件、並びにフリーボードの計算方法に関する規定が附属書Iに書いてございます。この附属書Iは、もっぱら新船について適用されるものというふうになっております。  次に、附属書IIでございますが、これは世界の帯域を、海面の波浪状態に応じまして地理的及び季節的なこうした観念を取りまとめまして、冬期、夏期及び熱帯に分けて定められておりますが、船舶は、その航行する帯域並びに季節に従いまして、異なった積載限度を順守しなければならないということが規定されたものでございまして、この附属書IIは、新船と在来船につきまして両方適用がございます。  それから、附属書IIIでございますが、満載喫水線証書及び免除証書の形式、ひな形が定められてございまして、これは新船と現存船の両方に適用されます。

青木正久自由民主党

○青木委員 私の質問をこれで終わります。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 外務省からお尋ねいたします。  一九三〇年条約、それから六六年のこの条約で、加盟国でダブっていない、一方だけに入っておる国。——わかりませんか、質問の意味が。それじゃ順を追うて聞きましょう。  一九三〇年条約に加盟している国数は何カ国でございますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 現在の条約に入っております国の数は七十四でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それから、六六年のこの新条約に調印しておる国は何カ国でございますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 現在までに新条約に署名し、かつ批准しておる国は十八カ国でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そのうち、もう承認手続が済んでおるのは何カ国になりますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 ただいま申しましたのは、全部署名かつ批准を済んだ国であります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それで、済んでいない国は……。日本をはじめ済んでいないでしょう。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 調査いたしまして、後ほど御答弁いたします。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そういたしますと、この十八カ国の中へはまだ日本は入っていないのですね。入っていませんな。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 もちろん、まだ国会の御承認をいただいておらないわけでございますから、当然入っておりません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、締約国の数ぐらいわかるでしょう。未批准であっても、署名しておる国。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この条約の一番最後に各国の署名がございますが、五十二カ国でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それで、前の七十四カ国とあとの五十二カ国は、全部前の三十年条約に入っておりますか。いずれか一方にだけ入っておる国は何カ国でどこどこですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先ほど申しました十八カ国は、現在の条約にも当然入っております。ですから、これは重複しておるわけであります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いや、それで、いまの署名しておる五十二カ国ですね、これはトータルでしょう。この中に十八カ国を含むわけでしょう。そうすると、五十二カ国と七十四カ国ですから、二十二カ国が今度のほうが少ないわけですね。ただ、今度入っておる五十二カ国は前の三〇年条約にみな入っておるのか、入っていないのか。三〇年条約に入っている国で今度入っていない国があるのか。——これは意地悪の質問をするんじゃなくて、並行するから聞いておるのですよ。それで聞いておるのですから、もし調査がなければ、あさってまたやりますから、そのとき私の質問に対してメモで出していただいても口頭でもけっこうです。それじゃ前に進みましょう。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 そのようにさしていただきます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、先ほどの春永さんがおっしゃいましたように、三〇年条約と六六年条約とでは六、七点の相違があるわけですね。それは新たにするならいいけれども、並行するわけでしょう。並行いたしますと、その間において、前の条約に入っていて今度の条約に入っておるもの、それは当然今度の条約による規制に従うわけでしょう。前の条約からは免除されるわけですね。権利義務関係は解除されるわけでしょう。どうなりますか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 このような例と同じような例の場合と常に同様に、新条約と旧条約が並存いたします場合、ある国が新条約に入り、ある国が旧条約の加盟国であるという関係におきましては、旧条約だけがその二国間では適用いたします。したがって、新条約が適用されますのは、新条約にともに加盟している国の間だけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうしますと、旧条約に入っていて、新条約に新たに入った国は、旧条約の制限からは完全に解除されるわけでしょう。何もオブライジされないわけですね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 絶対的にというとちょっと語弊がございますが、法律的に申しますと、依然として旧条約に加盟しておってまだ新条約に加入しない国との関係におきましては、その関係においてはやはり旧条約の権利義務関係が存続するということでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 聡明な高島さん、私の質問はそんなことを聞いていませんよ。時間がかかってしょうがない。いいですか、前条約に入っておる国で今度の条約に入った国、それは前条約の制限その他のオブリゲーションからは解除される、この条約によってのみオブライジされるのだ、こう解釈すべきですね。だから、喫水線の標示その他の権利義務関係というものは、日本は旧条約に入っておって新条約に入ったんだから、新条約の制限にのみオブライジされる、当然そうでしょう。相手国がどうかということはこれから聞くのです。前の条約に入っておって今度の条約に入ったものは、前の条約のいろいろな制限は完全に解除されて、自分自身については条約はなきにひとしい状態になる。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この条約の第二十四条に規定がございまして、従前の条約とこの条約との関係についての規定がございます。そこの第二項に「もっとも、このような条約又は取極がこの条約の規定に抵触する限りにおいて、この条約の規定が優先する。」ということでございますので、穂積先生のおっしゃったように、新条約に入れば新条約の権利義務関係が発生する。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうですね。新条約にないものについては前の条約の権利義務関係が残っておる、そういうことですね。同じ事項については旧条約の制限からは解除される、そうなりますね。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 そのとおりでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうですね。そうしますと、ちょっとお尋ねいたしますが、今度はある国が旧条約にのみ入っておる、それからこちらは新条約に入ったという場合、そのときには一体どういう基準によってこの問題を処理されますか。−ちょっと聞いてください。そうすると、新条約に入った日本は新条約の喫水線規定を受ける。それから、まだ相手国が旧条約に残っておって、こっちに入っていないときは、旧条約の権利並びに制限は残っておるわけですから、今度はそれと交流するとき、相互航行するとき、入港するとき、それはどっちでやるかということなんです。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先ほど申しましたとおり、新条約締約国と旧条約締約国との関係におきましては、法律的に申しますと、旧条約で法律関係が規制されますので、日本の船が旧条約加入国の港に行った場合には、その旧条約関係によって律せられるわけでありますけれども、しかし、先ほど申しましたとおり、この旧条約に入っている国は、ほとんどこの二年間のうちにすべて新条約に切りかえるという方針でございますので、実際上は、そのような場合に、新条約の精神に基づいて取り扱われるものと考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 ちょっとその解釈はおかしいですね。継承されるものならば別ですよ。あるいは新条約に、旧条約は廃棄した、それで、新条約にはまだ入っていないが、二年後には入るというこのときには、新条約の基準によって便宜的に取り扱うということをやることは、お互いの了解でそれはあり得るでしょう。ところが、旧条約が継続しておるわけでしょう。しかも、二年の後にこれで打ち切りだとどこにも書いてない。この新条約にないでしょう。私ちょっと見落としておるかもしれぬが、そうすれば、旧条約に入っておって新条約に入っていないものは、旧条約の権利義務関係というものは残っておるのですよ。それが日本へ入港してきた、こっちは新条約で向こうへ渡航して行った。そのときの喫水線の検査並びに権利義務関係あるいは違反関係、これは新条約によってすべて律するなんといったら、旧条約は廃棄と同じじゃありませんか。当然向こうの権利はまだ生きているのですよ。旧条約にのみ生きている。しかも、さっきから話を聞きますと、従来はトン数でやっておったのを、今度はキールの長さでやるわけだ。そうすると、積載量が違うのですよ。一例を言えば、そういう矛盾が出てくる、さっき言った七つの点が全部違うのだから。どっちでやるかということを聞いている。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先生の御指摘のとおり、確かに法律的に申しますと、新旧両条約が並存することになって、法律的に非常に複雑な関係が生ずるということは認めざるを得ないと思います。ただ、二年間のうちに各国が旧条約を廃棄するという手続をとるように勧告に出ておりまして、そういう方向で各国が努力するということでございますので、実際上の便宜的取り扱いによってその矛盾を克服していこうというのがたてまえではないかと思います。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 あなたはとても善意かつ寛容な、トレレートな態度でこれを運用されようとしておるけれども、必ずしもそうじゃないと思うのだ。二年の後に廃棄することがあるのだと言うけれども、この次に聞こうと思ったのは、二年の猶予期間というものは、どういう意味でこういうものを残したかということ。それは造船技術とかあるいは建造のための経済力がまだ十分でない、一ぺんに切りかえられては困るというので、いま就航しておる船は、旧条約によって二年間は猶予期間を置いて、その間に新造船はもとより、旧造の改築をどんどんやりながら、そしてこれにアダプトするように変えていこうというので、勧告の趣旨は、二年間というものは、おそらく経済的、技術的理由から猶予期間を置いたのだと思う。そうなれば、これが発効したらすぐ新条約で規制することになれば、旧条約だけに残ってもらって、旧条約に権利関係を残してもらった相手国というのは、意味がないじゃありませんか。そうなると、二年間並行して存続させるメリットというものはないでしょう。おかしいと思うのだな。これは売国的ではありませんけれども、とにかく論理的におかしいわ。  先ほど理事会でお話ししましたように、議事進行についてちょっと申し上げますが、きょう議了するわけではないので、いまの点は私はあえて追及しませんから、あさってまでにもう一ぺん外務省、運輸省の間でよく打ち合わせされて、統一解釈をもってあさって答弁をしていただきたい。それまで私はこの問題については留保しておきましょう。いかがですか。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 けっこうでございます。——どうでございますか、外務省、いま答えられれば……。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 よく打ち合わせをしてからやってください。実際やるのは外務省じゃないのだから。これから聞きますけれども、これの施行にあたっては、外務省が所管じゃないんでしょう。主務管庁は運輸省ですね。海上保安庁が実際をやるわけでしょう。だから、所管が違うわけですから、条約づらだけで善意のある解釈をされましてもちょっと困りますから、よく打ち合わせをされてから答弁をしていただきたいのです。そういうことにしましょう。  それでは次にお尋ねいたしますが、こちらは加盟国で、向こうは新旧ともに入ってない国、さきに中国の例も出ましたけれども、その取り扱いの基準を示していただきたい。中国は国交回復をしていないから問題が一点あることと、それから加盟していないことと、問題が二つありますよ。未承認の場合には政治的な理由がありますけれども、ここで私が特に言いたいのは、中国を含む未承認国であっても未加盟国があるでしょう。あり得るわけですね、船を持っておる国が五十二カ国ではないわけですから。だから、新条約にも旧条約にも入っていない国と、それから新条約に加盟している国との相互航行についての取り扱いは、何を基準にしておやりになりますか、一般的原則として伺っておるわけです。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 先生の御指摘は、私の考えでは、新条約に全然入っていない国の船舶が日本の港に来た場合、どういう取り扱いを受けるかという問題でございますが、(穗積委員「こっちからその相手国に行った場合もある」と呼ぶ)さようでございます。そのような場合には、条約関係はございませんので、日本の国内法によって規制される。また、日本の船舶がそのような国に参りました場合は、当該国の国内法によって規制されるというように考えます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 国内法じゃない、これは国際法ですよ。だから、国内法が相互違ったときはどうなりますか。日本の例をとれば、運輸省の法律かまたは省令か知りませんが、そういうものをやったときに、この国際基準で堂々といけると思って中国へ行ってみたら、中国の国内法によってそれは違うのだというので、あそこで検問を受ける、拒否をされる。中国はそういう態度はとりませんけれども、一例を言えばそういうことだ。例として言うのですよ。特定の国のことを言っているのではない。いいですか、私の質問はこういうことです。旧条約にのみ入っていて新条約に入っていない国と、新条約に入っている国との間の交流の取り扱い、その食い違いは何を基準にして善処されますかということを聞いている。それから今度は、新条約に加盟しておる国、たとえばわが国、それと、新旧ともにいずれにも加盟していない国、その国の中には、日本が未承認の国もあれば、国交を回復している国もあるわけだ。その場合、もし未加盟国であれば、国交未承認の国と承認しておる国との間の区別は、これは技術的な問題だからないと思うのです。ないと思うが、もしあれば、それも外務省として、いま答弁してもよろしいし、あとで答弁してもよろしい、その二つについて聞きたいのです。  いいですか、承認している国でいずれの条約にも加盟してない国、未承認の国でいずれの条約にも加盟してない国、それと日本との関係はどう取り扱うか、また、相手の加盟国の未承認国と承認国との間で差別待遇があるのかないのかということ、この二点です。  さっき中国問題についての青木さんの質問に対する御答弁がありましたが、私はあんなことでは納得できない。あんな便宜主義で、政府が変わればいつでも変わるというふうな不確定要素を持っていますよ。国際的にこっちが堂々と中国へ荷物を持っていく以上は、そこに何らかの了解事項というものがあるか基準がなければならぬはずだ。それを便宜的にかってにやっておる。ケース・バイケースで、しかも日本側の政府のものの考え方が変わればいつでも変わるかもわからぬという不確定要素、そして相手に対しては、新条約加盟国としての日本が、旧条約によって堂々と上海だろうが天津だろうが入港する権限を持っているかのごとく錯覚を起こすというのは大きな間違いだ。相手にそんな義務はありませんよ。日本が発行した航行証書に従わなければならぬ義務はどこにありますか。未加盟国に対して、しかも相手は未承認国だ、そんな権限はありませんよ。したがって、向こうから来る場合も同様でしょう。それがアトランダムに変わっては困るから。  こういうものは、電話と同じで、世界の外航刑に使っておる船を所有している国は全部参加するのが望ましいわけですよ。だから、そういう点で、これは実際問題としては特に運輸省においてその実益を生ずるわけですから、いま私は理論的に一般的に伺っておるわけですけれどもね。さっきの、それに参考になる御答弁は、中華人民共和国とわが国との入港、出港の関係についてちょっと御答弁がありましたが、あれでは全然問題解決になっていないので、これはぴちっとしたものを伺っておきたいということです。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 具体的な問題ではなくて、理論上の問題として一応お答えいたします。  先生御指摘のとおり、このような性質の条約につきましては、世界のすべての国が同日にみんな入って、それによって画一的に規制されるというのが望ましいことは申すまでもございません。だがしかし、世界の現状がそのような形になっておりませんので、この条約に加入しない国と日本との関係におきましては、何らそこに相互間に国際条約が存在しないわけでございますので、遺憾ながらそれぞれの国の国内法によって律せられるというのもやむを得ないかと存じます。ただ、その場合、国内法の制定ないしは運用につきましては、当然こういう国際条約があるということは心に入れられるだろうというふうにわれわれは考えております。これは一般論でございます。  それから、一般論といたしましてまた、このような多数国との国際条約におきまして、承認国と未承認国との関係は、われわれ国際法の解釈といたしまして、日本が承認していない国がたまたまその条約に加入するという場合におきましては、その国との関係においては条約上の権利義務の関係は生じないというようにいままで適用してまいっております。たとえば、この前御承認いただきました宇宙条約においても、そのような御質問がございましたけれども、東独が現にあの条約には加入しておりますが、東独と日本との関係は承認関係にございませんので、たとえ東独があの条約に加入いたしましても、日本と東独との関係においては、条約に基づく法律上の権利義務の関係は生じないというような説明をいたした経緯がございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは、いまのは未整理の問題が多くて、答弁を留保された問題は残して、もう少し前へ進んでみましょう。  特に、これは運輸省としてはいまの条約解釈論だけで済まされない、実際もう現実にあるわけですから、それの取り扱いの必要に迫られているのは運輸省だと思うのです。そういう意味で、両方で聞いていただいて、どちらから御答弁いただいてもけっこうです。  第一、いまの一九三〇年条約に入っていて、それでまだ新条約に入らない国々が、二年をめどとして新条約にみな入ってもらう、そうするならば、三〇年条約は自然に解消になってしまう、こういうことが期待されておるわけですね、このたてまえは。そのときに、見込みとしては一体どういうことでしょうか。私は、二年間は勧告でございますから、期限つき条約ではないと思うのですよ。無期限だと思うのです。それをめどとしてやるということの勧告にすぎないのであって、相手を二年間で縛るなんという効力のあるべき筋合いのものではないと思うのです。それに対する見通しを伺いたい。あるいは交渉の経過があったら、それも報告しておいていただきたい。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 非常にむずかしい質問でございますが、新条約は、旧条約に比べて技術的に非常に有利な点がございますので、まず大多数の国が新条約に加盟するのじゃなかろうかという期待のもとにこの条約が署名されたということが考えられます。したがいまして、先生の御指摘のような心配はまず必要なかったというのがわれわれの考えでございまして、理論的に申しますと、確かに御指摘のとおりでございます。したがいまして、いまの御質問に対しまして、二年したら廃棄するということの点でございますが、これは条約という性格から考えまして、加盟国の数が少なければ実効が伴わないということで、二年ということはある程度延長されることも国際的に考えられる情勢も起こってくるのじゃないかという気もいたしますし、その辺は今後情勢を待たなければわからない点でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 続いて運輸省にお尋ねいたしましょう。  これはいわば事務条約、事務協定的性格のものでありまして、国交承認、政権承認とか、そういう政治性は非常に少ないわけです。未承認国との間に事務協定を結んだことが相手政権を承認したことになるかならぬかということは、これは国際法の解釈上議論が分かれるところです。ところが、従来、役所が違いますが、たとえば郵政省が未承認中国との間で郵政協定を結びたい、これは事務協定である、政権承認問題とは切り離してやりたい、それから運輸省はかつて、北京−東京間の航空協定もできたら結びたいという意思を表明され、それができないならば日航と北京航空との間で民間協定の形式でもいいから結びたい、こういうことは自然発生的にあり得ることです。また、それが合理的であり、国益に合致することでもあります。そういう意味で、私は、あなたのほうに、そういう事務的な立場で——あなたの答弁をひっかけて、国交承認だ、そういう質問ではないことを理解した上で、質問に即して答えていただきたいのです。  そうなりますと、未承認国あるいは国連未加盟の国であっても、事実上相当の国際海上交通のある国は、この協定に参加することが望ましいと私は思うのです。いかがでございますか。それがもし国連加盟国ということ、国連における代表権があるということがこの協定の前提条件であるというならば、その未承認の特定国との間の二カ国事務協定でもいいと思うのです。これは私は大いに一考に値することだと思うのです。(「事務屋では問題が大き過ぎる、答えにくいだろう」と呼ぶ者あり)いや、実情を聞いているのですよ。政策を聞いているのじゃないのですよ。実際の運航上の実情を……。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 現状から考えまして、両国の国内法によりまして、それぞれの船が出入国して支障なくやっておりますので、そのような状態が今後も続くのじゃないかと考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 政務次官、打ち合わせが済んだら、ちょっとこれは政治的なことだから、あなたに敬意を表して質問をしたいと思います。

藏内修治自由民主党外務政務次官

○藏内政府委員 ただいまの穗積委員の御質問でございますが、未承認国との間における事務的協定、これは必ずしもいわゆる国交承認というような政治的な問題とは別個に、理論的には可能であるという見解をとっておるようでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そういうふうに、特にアジアの近隣諸国の中で、未承認国、たとえば朝鮮、たとえば中国、たとえば北ベトナム、そういう国とは最近貿易交流が非常に多いわけですよ。年を追うてふえておる。これらの国とは、もしこの多数国の国際条約に入ることが困難であれば、それは日本としては打開すべきだと思うのだが、電話と同じですよ、多いほうがいいのですから。海運国、貿易国としては、そういう積極的なイニシアをとるべきだと思う。それに対する政務次官のお考えを伺いたい。もしそれがどうしても不可能であり、現実、日々の実情から見て、何らかの相互間における一定の基準を持った、できればこの協定に一致するか近い条件で、二国間の事務協定を結ぶことが私は望ましいと思うが、それについてどういうお考えであるか。特定の一カ国だけで聞くのではありません。未承認諸国との関係については、そういうものの運び方をすべきではないかというふうに思いますが、それについての要望を申し上げて、お考えを伺いたい。

藏内修治自由民主党外務政務次官

○藏内政府委員 いまの穂積先生の御質問でございますが、そういう未承認国の間といえども、通信、航空、郵便あるいは今回のような海洋関係の安全に関する取りきめ、こういうものが理論的には未承認国との間にも可能であるという見解をとっております以上、こういうものの積み重ねによりまして、それらの間との国交関係を逐次正常化していくというか、積み重ねていく努力は、わが国としても望ましいことであろうと思います。それらの関係を推進いたしますについては、先方との関係、その交渉に至る時期あるいは両国の国益関係等、十分慎重に検討はいたさなければならぬ点があろうかと思いますけれども、可能な限りそれらの点に進むことについてはやぶさかではございません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 わかりました。具体的に中国、朝鮮等とのわが国の交流、相互航行の取り扱いについては、これは次回にお打ち合わせの上で統一解釈を示していただきたいと思います。  次にお尋ねいたしますが、三〇年旧協定と新協定との間で適用範囲が変わったわけですね。トン数からキールの長さ等でそれがやや拡大されたわけでしょう。それば何か技術的な理由によるものでしょうか。たとえば船舶建造の技術が進んだので、積載量をふやしても安全だという、そういう技術的進歩というものが大きな原因ではないかとわれわれしろうとは推測するわけですが、こういうふうに基準を変えましたおもなる理由といいますか、そういうものをちょっとお示しをいただいておきたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 総トン数で従来規定しておりましたが、総トン数は、各国の国内規則によりましてはかり方が異なっております。したがいまして、同一の船舶でございましても、国によってトン数が若干違っておるという不合理な点がございました。これを長さに改めれば同一の基準になるということによって、総トン数からメートルのほうへ基準が変更になったという点が第一点でございます。  第二点といたしまして、先ほど申しましたフリーボードの算定の際に表定フリーボードというのがございますが、その表定フリーボードは、船の長さに応じて幾ら幾らというような数値のきめ方をとるということで、船の長さを基準にしたわけでございます。  第三点といたしまして、総トン数百五十トンの船舶のうちで、長さの最も小さい船が二十四メートルぐらいであるということで、百五十総トンを二十四メートルにしたという内容のものでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、トン数は減りますね。トン数でいくというと、今度百五十トンよりずつと低くなっておりますね。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 さようでございます。二十四メートル、大体百トンくらいでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうなりますと、小型船でも安全だということになるのですか。規制の範囲を広めたことになるわけですね。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 先生の御指摘のとおりでございます。範囲が広がりました。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうなりますと、日本としてはどうですか。トン数であえていえば、従来は百五十トン以下のものは規制をされなかったのが、今度は百トン以上のものが規制をされるということによって、日本はその実際の影響はたくさん受けますか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 百五十トンから二十四メートルの間の船は、国際航海に従事する船は現在一隻もございません。というのは、こういう小さい船は国際航海に適しないということで、影響はないという状態でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、近隣国との間でも貿易積み荷で影響はありませんね。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 韓国との間には若干ございますが、これは現在免除しておりますので、影響は生じないということでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 どうもしろうとの質問で申しわけないのですけれども、先に技術的なことを聞いて、あとで政務次官に政治的なことをお尋ねする、そういう順序でお尋ねしたいと思うのです。  木製のハッチ・カバーが従来小船にはありますね。それは一体まだたくさん残っているのか、それに対する技術的な規制といいますか、今後どういうふうにされるつもりか、それをちょっと実情を教えていただきたいと思います。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 木製ハッチ・カバーを持った船は、小さい船ではまだございますが、外航船につきましては漸次減少してまいっておりまして、新造船につきましては全部が鋼製ハッチ・カバーに変わりつつあるという現状でございます。  それから、取り扱いをどういうぐあいに変えるかという御質問でございますが、今回の条約におきまして、木製ハッチ・カバーを持った船と鋼製ハッチ・カバーを持った船の喫水線の位置を若干変えております。   〔委員長退席、鯨岡委員長代理着席〕 その理由は、鋼製ハッチ・カバーを持った船のほうが安全度が高いという観点に立つものでございまして、したがって、有利な取り扱いをすることになっております。そういう取り扱いを受けるようになりますと、漸次木製ハッチ・カバーの船から鋼製ハッチ・カバーを持つように改良されていくのではないかという期待を持っておるわけでございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 さきに私ちょっと席をはずしておりましたから、青木さんがすでにお尋ねになったかもわかりませんが、今度の変更では、冬期帯域から夏期帯域に日本はほとんど全域切りかえられましたね。これは日本の貿易あるいは船舶業者には有利な緩和になっていると思うのです。そうなりますと、たとえば一万トン級の船に例をとってみて、冬期から夏期帯域への切りかえによって、わが国としては何%ぐらいの積載量の増加になりましょうか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 高速貨物船の一万五百トンの船の実例について試算いたした結果でございますが、載貨重量が一万一千八百トンに対しまして、載貨量の増加は三百七十三トンになりまして、積載量の増加は三・二%という状態でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 どうもありがとうございました。  それから、これは私見落しておるかもしれませんが、この条約の発効期日はいつを予定していますか、七月ごろですか。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 この条約の規定に基づいて、現在までに十八カ国が批准の手続を終わりまして、七月二十一日に発効することになっております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それから、発効要件として、万万総トン数以上の国が加盟をしておる必要がありますね。それは現在までに何カ国ぐらい受諾をしておる国がありましょうか。わかりましたら、たくさんではありませんから、ついでに国名を言ってください。

高島益郎外務省条約局外務参事官

○高島説明員 規定上百万総トン以上の船腹を有する七つの国が必要でございますけれども、現在までにそのような状況を備えた国は八カ国ございます。その国名を申しますと、パナマ、ソ連、米国、フランス、リベリア、デンマーク、英国及びオランダ。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そのほかの百万総トンを保有しておる国は、加盟国で何カ国ぐらいありますか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 ただいまのもののほかに、百万総トン以上の船腹を所有しております現条約加盟国は、ノルウェー、日本、ギリシャ、イタリア、西ドイツ、スウェーデン、スペイン、カナダ、インド、ブラジル、アルゼンチン、ポーランド、ユーゴスラビア、フィンランドであります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それで十何カ国になりますかな。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 十四カ国です。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 加盟をしていない国で百万総トン以上持っている国がありますか。ありませんね。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 現条約ではないと考えております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 新条約では、百万総トン以上持っている国で加盟していない国はありますか。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 ただいま述べました十四カ国がその該当した国でございます。新条約のまだ批准を終えていない国でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 批准は終わっていませんが、署名は終わっていますね。それで、署名していない国は。

春永盛生運輸省船舶局首席船舶検査官

○春永説明員 いま調査いたしまして、さっそくお答えいたします。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 いまお急ぎにならなくていいです。この次、あさってまでに調べておいていただいて、さっきのと一緒に報告していただけばけっこうです。  それから、委員長と政務次官に、議事進行について御相談ですけれども、これからおもにあなた並びに高島参事官に、沖繩の船の取り扱いの問題と、それから韓国との関係の問題について、これは両方とも政治的な重要な意味を含んでいるわけですが、先ほど青木委員もちょっとお触れになりましたが、私はさらに基本の重要な点についてお尋ねをしたいと思っておりますが、どういたしましょうか。

鯨岡兵輔自由民主党

○鯨岡委員長代理 それではちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

鯨岡兵輔自由民主党

○鯨岡委員長代理 それでは速記をやってください。  本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる十二日午前十時より理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時三分散会

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