科学技術振興対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/03/27
会議録
○沖本委員長 これより会議を開きます。 去る三月二十二日本会議に付託されました核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
○沖本委員長 まず提案理由の説明を聴取いたします。天野科学技術政務次官。
○天野政府委員 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規則に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 最近における原子力開発利用の進展は、まことに目ざましいものがあり、今後のわが国の経済社会の進展にも大きく貢献するものと期待されております。 このような原子力開発利用を積極的に推進していくにあたりましては、その安全性の確保に万全を期すべきことが不可欠な前提であることは、あらためて申し上げるまでもないところであります。このため、従来とも、原子炉等規制法により適切な規制の実施につとめてまいったものでありますが、最近、核燃料の加工がいよいよ本格的な事業として実施に移されようとしており、また核原料物質を原材料として使用する工業が増加しつつある等、原子力開発利用は一そう本格化、多様化してまいり、これらにおける十分な安全性を確保するため、その規制につきましてもさらに万全を期すべく所要の整備を行なうことが必要となってまいりました。 この法律案は、このような趣旨に基づき、原子炉等規制法に所要の改正を加えようとするものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、第一に、本格的な加工事業が現実に行なわれる段階に至ったことに対処し、加工事業者が加工施設の工事に着手する前に、加工施設に関する設計及び工事の方法について内閣総理大臣の認可を受けなければならないこととするとともに、実際の工事が認可どおり行なわれているかどうかを確認するための施設検査制度を設けることであります。 第二に、核燃料の加工、再処理の事業におきまして、核燃料の取り扱いに関する安全確保にさらに万全を期するため、加工事業者及び再処理事業者は、核燃料取扱主任者を選任しなければならないこととすることであります。 第三に、タンタライト、ゼノタイム鉱等の核原料物質の使用者は、内閣総理大臣にその旨を届け出ることとするとともに、核原料物質を使用するにあたっては、総理府令で定める技術上の基準に従わなければならないこととすることであります。 なお、以上の三点のほか、原子炉等の規制の合理化をはかるために所要の規定の整備を行なうこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○沖本委員長 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。 —————————————
○沖本委員長 これより質疑に入ります。申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君
○近江委員 ただいま次官より提案説明されました法案について審議をしたいと思いますが、しかし、どうしてもそうした背景というものに及んでいかなければなりませんので、そうした点に触れましたときにおいてはひとつ御了承願いたいと思います。 まず最初に、ウランの産出でお聞きしたいのでありますが、日本国内のウラン資源は主として人形峠が中心である、このように聞いておりますが、それ以外の有望な地点があったならばお聞かせを願いたいと思います。また、その埋蔵量等についても聞かせてもらいたいと思います。
○藤波政府委員 お答え申し上げます。現在までに探鉱をいたしました結果把握されましたわが国のウラン資源は、いまお話のとおり、人形峠を中心として、イエローケーキに換算をいたしまして約五千トン、これは品位約〇・〇五%くらいまでのものを考えますと、人形峠はじめ全国で約五千トンというのが現状でございます。その中には、人形峠のほかに有望なところとして東濃地区があるわけでございます。なお、このほかに探査をいたしておりますのは、山口県でありますとか東北地区でありますとか、方々ございまして、今後も引き続き探査を行なう計画にしております。
○近江委員 日本でも、今後の探鉱の結果非常に有望なウラン資源を発見する可能性があるかどうかという問題です。五千万トンと言われましたが、どういう点から推計をしておるか。たとえばフランスやスウェーデン等においては、最初はないといわれたわけですけれども、調査の結果非常に有望なウラン資源を発見しておるわけでありますが、そういうことがわが国で期待できるものであるかどうかという問題なんです。その点、さらにもう少し突っ込んで、少し詳細に答弁いただきたいと思うのです。
○藤波政府委員 ただいま五千万トンと申し上げましたのは、品位が〇・〇五%くらいのところまでを拾ったものでありまして、しかも、確定鉱量のみならず可能鉱量までも一応含めたものでございまして、はたしてこれが経済ベースで採鉱できるかどうかということにつきましてはまだ問題が残されておるといわなければならないと存じます。したがいまして、わが国の将来の核燃料の所要量、すなわち昭和六十年までに累積約九万トンのイエローケーキが必要であるということに対比してみますと、非常にわずかな数量でございます。したがいまして、将来のわが国の然料の確保をいたしますにつきましては、海外よりの導入に大部分をまたなければならないといわざるを得ないかと存じます。
○近江委員 非常に悲観的な見方を局長はなさっておるわけでありますが、私は、要するに、海外より資源を入れたとしてもやはりばく大なお金も要りますし、この点で、さらに、国内の資源をここでもっと重視しなければならない、こういう観点から、ただいまのことをお聞きしておるわけであります。 そこで、日本国内にもさらにウラン鉱がある、そういう話が学者の間でも行なわれておるわけです。たとえば松岩鉱山、これは宮城県の気仙沼というところにありますが、ここでも原鉱ピッチブレンドの酸化ウランの含有量が〇・〇九より一・一二%。しかしながら、これは、まだ未調整のために埋蔵量は不明なわけですが、非常に有望視されておる。また北上山脈系の南部、タングステンを数%含んでいる。あるいはまた、飛行機による空中探査をした結果でありますが、これは地上二百メートルで見たときに二万から五万カウント、最高七万カウントが測定されるという、非常に有望な地区が出てきておるわけです。そこで政府として、どうして産出に、さらに探鉱にもっと積極的に乗り出さないのか、この点についてどのようにお考えですか。
○藤波政府委員 実は人形峠等の探鉱はすでに山を越しまして、現在東濃地区等を重点にやっておるわけでございますが、その後も引き続いて全国的な有望地区探査は継続する計画でございまして、御承知のように、先般核原料物質開発促進臨時措置法も十年間延長をいたしまして、今後年平均二億円くらいの経費をかけまして継続して探査を行ないたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。動力炉・核燃料開発事業団のほうでもそういう今後の探査によりまして少なくとも二万トンくらいのものは見つけたいという目標を掲げて進んでいる現況でございます。
○近江委員 二億円程度とおっしゃいますけれども、土億円がえらい万能に聞こえるのですが二億円くらいのそういう調査費でそれだけの結果が期待できるのですか。私はこれからの原子力の発展を考えますと、さらに国内資源に目を向けていかなければならない。海外等にも目を向けていかなければならないことは当然でありますが、しかしわれわれの足元なんですから、二億円の効果についてひとつ聞かしてください。
○藤波政府委員 年平均二億円という額は、大体従来行なわれてまいりました額とほぼ同等でございまして、従来も年二億円くらいの資金を使いまして、先ほど申し上げましたような結果を生んできておるわけでございます。今後どのような成果が出るかということは、地下資源のことでございますので的確には申しがたいわけでございますけれども、大体従来年々行なわれてまいりました規模でなおしばらく探鉱を続けたい、こういうことでございます。
○近江委員 従来と同じ規模だったら、要するに一つも積極的に開発をしていこうという前向きの姿ではないと私は思うのです。いまのこうした有望なところが学者の間でもいわれている。それでは結局人形峠を中心としたそういうところしか出ていないわけですよ。ですから二億円のそうした調査費というものはほんとうにそれだけの効果が出ていない。 私はここで申し上げたいことは、そのように積極的にやっていくとおっしゃるなら、予算等の点においても、さらに、従来はこうでありましたがそれの何倍の予算をもって今後やっていきます。そういう裏づけがあるなら、私は、なるほどそうですかと、それはわかりますよ。それでは事は足りないですよ。そういう点において今後科学技術庁として、さらに真剣に具体策を持って積極的に国内資源の開発もやっていこうという考えであるかどうかを聞きたい。それを局長と次官にお願いいたします。
○藤波政府委員 お説のとおり積極的に探査を進めていくべきであると存じますが、実は金額は同じ程度でございましても、だんだんに経験を積みまして探査の方法を効率的に行なうことに努力いたしております。従来、坑道探鉱、坑道を掘りましての探鉱等に相当多額の金を使っておったわけでございますが、そういう方式から、ボーリング技術の進歩によりまして、それを活用することによりまして、より効率的に探査を行なうということにずいぶんの努力をしておる、こういうつもりでございます。 なお、今後とも先生の御指摘の点を心得まして、できるだけ積極的にやってまいりたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
○天野政府委員 御承知のように、これから必要とする燃料が非常に不足しておるわけです。しかし、不足分は海外から輸入をするということになるわけでありますが、できることなら国内で生産できるものはあくまでも探鉱を続けて生産をするのが当然だと思います。そういう点で、いま局長から答弁があったように、仕事の操作がなれてきて、いままでと同じような予算でも調査の成績は上がっておるという説明をされましたが、その目的に向かってこの仕事を完遂するためにどうしても必要であるという状態が出てまいりますれば、政府としても十二分に次年度からの予算で考慮をして、全力をあげて探鉱を続けていくように努力をしたいと思います。
○近江委員 効率、効率ということをおっしゃいますけれども、最低の単価というものはきまっておるわけですよ。ですから、ここの段階までは最低これだけの単価が要るからこれだけしかできないという限度があるのです。そういう政策的に、政治的にやっていかなければならない配慮を抜かしておいて、ただそれを技術者なりそういう点だけに押しつけるというのは、まだまだ積極的な姿ではない、私はこのように思うわけです。次官も、今後必要と認めたらふやしていくとおっしゃいましたけれども、必要なことはとうの昔にわかっておるのです。いまごろ、必要ならやっていくということは、少し時点がずれておると思うのです。こういう点でさらに追加予算なり何なりを出すなり、もっと積極的に対策を講じていかなければならない、私はこう思います。この点を特に要望しておきます。 それから、その次にお聞きしたいことは、核燃料費の燃料サイクル全体の関連から見ていきますと、成型加工費の割合は一体どのくらいになっておりますか。
○藤波政府委員 お答え申し上げます。 核燃料体をつくり上げるまでの経費を大分けいたしますと、原料代と申しますか、イエローケーキの段階までのもの、それから、現在電力会社等で使っております軽水炉型の燃料でありますれば、それを濃縮ウランにしなければならぬという濃縮工程にかかる費用、それから、いまおっしゃられたそういう原料をもとにして燃料体までにつくり上げる加工工程の段階と、大分け三つになろうかと思いまするが、大体三分の一くらいが加工工程に必要があると申し上げてもよろしいかと存じます。 やや具体的に申し上げますと、現在日本の中で使われております軽水炉は、ほぼ三%くらいの低濃縮ウランを使っておるわけでございます。その三%濃縮ウランートン当たりに換算してみますと、それに必要な原料、イエローケーキ代が約一トン四千万円くらいかと存じます。それから、それの濃縮代がやはり四千万円くらいであろうと思います。ほぼ一対一になっておりますが、加工は、いろいろな炉のタイプによりまして燃料体の形も違いますので、これは一がいに言えませんし、私どもも的確には把握し得ないところでございますが、大体濃縮代とほぼコンパラブルな金額になるものとわれわれは考えております。それで約三分の一、いまお答えしたとおりであります。
○近江委員 三分の一とおっしゃっていますけれども、日本開発銀行が一月に出している「調査月報」、これの六五ページには成型加工費として実に四〇%があがっている。いま局長は三〇%と言いましたが、一〇%の違いがあるのです。それは局長も、すぐに言われてなかなか資料がなかったと思います。その点は理解しますが、そうなってきますと、要するに、加工業者にとっては一番うまみのある分野になるわけです。したがって、今後は企業の乱立が起こり得ることが考えられるわけです。なお、現在この許可申請が五社出ているそうであります。が、それ以外の申請はいま考えられないのかどうか。その現状をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○藤波政府委員 加工工場を計画するものは、いま触れられました五社申請が出てまいっております。具体的に申し上げますと、三菱金属工業、三菱原子力工業、それから日本ニユクリア・フユエル、それから古河電気工業と住友電気工業、五社出ておりまして、現在これの審査検討中でございます。 それ以外にあるかというお話でございます。が、いまのところ、私ども、それ以外のものにつきましては聞いておりません。
○近江委員 今後積極的に企業をしぼって政府内で助成して、よい、安い燃料をつくるようにするのか。それとも、現時点ですから、その加工事業所を五カ所ないし六カ所、そのようにしてコストを下げていく指導をするのか。現在この原子力五グループは多いと見ておられるのか。その辺のところの政府の見解をひとつ聞かしてください。
○藤波政府委員 現在の日本の原子力関係企業の数が多過ぎるかどうかということはなかなかむずかしい問題でございまして、燃料一つとりましても、燃料の種類もいろいろございますし、それから、燃料の加工の工程でもいろいろな段階があるわけでございまして、それぞれの会社がある程度それぞれの特徴を生かして計画をしているという面もございますし、一がいに数だけで多い少ないということは判断しにくいかと思いますし、さらに、原子力産業全体の規模の問題になりますと、今後の日本の原子力発電所なり、それに関連する原子力産業規模の伸びいかんによっても判断しなければいかぬというふうな問題でございますので、現状の数だけで云々はなかなかむずかしい問題じゃないかと考えております。
○近江委員 はなはだばく然とした答弁をいただいたわけでありますが、この四十三年度の基本計画を見ても、「国内における核燃料サイクルの確立のために加工業の育成につとめる」、このようにいっておられるわけです。具体的には、今後どのような計画をもってやっていかれるのですか。要するに、根本的に政府がこうするという考えがなくて、どっちつかずのそんな話じゃはっきりわからないのですよ。「育成につとめる」ということはどういう計画を持っているのですか、具体的に教えてください。
○藤波政府委員 現在計画され、加工事業の許可の申請が出されております五社につきまして、現在検討中であると申し上げましたが、いま御審議願っております原子炉等規制法の現行法規にも許可の条項がございまして、その許可条件には四つの柱がございますのは御承知のとおりでございます。その一つは、著しく過剰にならないこと、それから、経理的基礎がしっかりしていること、あるいは、技術的能力があること、さらには、その工場の設備が災害防止上支障のないものであるかいなかということでございまして、それらの基準に照らし合わせまして検討するわけでございますが、さらにその場合には、この法律に基づきまして、原子力委員会の意見を尊重して許可の処分をする、こういうことになっております。現在具体的には、この五社に対してそういう検討を進めておるわけでございます。 さらに、それらに対する育成、助成という点になりますと、四十三年度から、それらの事業に対しましての国家資金の融資でありますとか、その他、税法上の特別の措置でありますとか、そういう側面的な援助をいたしまして、できるだけ早く国内における加工事業が実現するようにという方向で指導してまいりたいと考えておるのでございます。
○近江委員 そこで、科学技術の開発に伴って核燃料の国産化——先ほど基本計画でも私が読んだわけであります。ところが、ほとんどの原子炉を外国のメーカーがタッチしてつくっているわけでありますけれども、そうした場合、自社の原子炉に対してはあくまで自社の燃料を使用しなければ保証できないといった方針できている、そのように聞いておるわけであります。この点についてどうなんですか。
○藤波政府委員 原子炉本体と燃料との関係は、お話のとおりなかなか密接な関係がございますので、従来、お話しのように、自分の工場でつくった燃料あるいは自分の工場の関係会社でつくったものでなければ性能保証に応じかねるという傾向は確かにございました。原子炉の技術の進歩過程におきましては、ある程度やむを得ないところかとも存じますが、今後の方向といたしましては、だんだんそういう傾向が薄らぎまして、少なくとも炉体のメーカーのつくった仕様書に基づいてつくられておる燃料体であれば性能保証をするという方向に進むものとわれわれは思っておりますし、また、そうなるべきものと期待をしておる次第であります。
○近江委員 そう思いますとか、期待しておりますとか、政府がただそんな希望的な観測だけでやっていることは、私は問題だと思うのです。そうなりますと、現在の核燃料の加工事業というものは、ゼネラル・エレクトリック、ウエスチングハウス、この両者の影響を今後も大きく受けていかなければならない。つまり、核燃料は、このGE、WH両社のひもつきのもの以外は使用できない、こういうことになるわけです。これは、日本の今後の問題にとって、たいへん大きい問題だと思う。そういう希望的な観測だけでなくして、今後政策的にどういうぐあいに手を打っていくか、それを聞かしてください。
○藤波政府委員 いま各電力会社で計画されております原子炉のタイプは、お話のとおりGEタイプであり、あるいはウエスチングハウスタイプであるわけですけれども、それの今後の第二回目からの燃料につきましては、先ほど申し上げました現在計画中の国内燃料加工業者でつくられた燃料を使うように計画がいま進んでおりまして、そういうことにつきましては、GE、ウエスチングハウスのほうも了解をしておるわけでございます。
○近江委員 今度はもう少し、現在日本でつくられておる原子炉の問題に入っていきたいと思うのですが、原電の二号、それから東電の一号、二号、関電の一号、二号は、燃料はどのくらい要るのですか。炉ごとにおっしゃってください。
○藤波政府委員 いまこまかい数字は持ち合わせておりませんけれども、概略申し上げますと、たとえば関西電力が美浜でつくっております原子炉につきましては、約七十トン程度、それから東京電力が福島に計画しております二号炉、これは少し規模が大きくて七十八万キロワットのものでございますが、これには約百トンの低濃縮ウランが必要であるということになっております。
○近江委員 それは急に言われたから、資料を持ち合わせていないのかどうか知りませんけれども、しかし私はたった五つの最も代表的なものを申し上げておるのですから、正確に言ってもらいたいですね。いま、わかりませんか。——それでは探しておいてください。あとで聞きますから……。 そうしますと、これは、東電の二号で百トンでしょう、関電の二号で七十トン、二つですでに百七十トンか、それ以上と考えていいわけですよ。そうしますと、この新しく日米原子力協定に基づくもの、それを見ていきますと、百六十一トンでまかなわれる、このようなことになっているのですけれども、それでは一体この不足分というのはどうするのですか、これからますます原子炉はどんどんできるのですよ。
○藤波政府委員 先ほどの原子炉別の装荷燃料の量を最初に申し上げます。 東海村にあります原電の一号炉、これは百八十六トンでございます。これは天然ウランでございますので、量が多くなっておるわけでございます。原電の敦賀は六十トン、それから関西電力の美浜の一号基が四十トン、東電の福島一号炉が七十九トン、二炉号は先ほど申し上げましたように約百トン、そんなぐあいになっております。 それからあとの御質問でございますが、日米協定にうたわれております百六十一トンと申しますのは、ウランの中に含まれております分裂性の二三五の分だけを言っておるのでございまして、したがいまして、低濃縮ウランの総トン数にすると、それの換算をいたさなければならぬわけでございます。大体二三五の一トンが、三%の濃縮ウランにいたしますと三十三トンに換算されるわけでございます。
○近江委員 それでは、あとで正確な数値をおっしゃってください。 それから、長期計画でいきますと、六十年度までに要するにウランは累計九万トン、こうなっておりますが、このうち、わが国で加工されるのはどのくらいなんですか。
○藤波政府委員 六十年までにイエローケーキ換算で九万トンということになっておるわけでございますが、現在これに対しましてわが国で手配済みのものはどれだけあるかと申しますと、電力会社が長期契約によりまして四十四年から十年間に一万五千トンを確保しておるわけでございます。したがいまして、さらに今後引き続き、そういう長期契約なり、あるいは海外の鉱山を共同探鉱、開発するなりというような方法で手配をいたさなければならない幅がまだ相当残っておる、こういうことでございます。
○近江委員 要するに五十年まででは五百トンですね。それからさらに五十五年、さらに五十五年から六十年と、すなわち五十五年までは一千トン、それから六十六年までは二千トン、これに年数を乗じていきますと、一万七千五百トンですね、加工の体制がちゃんとそこまでできて。そうすると、九万トンといいますと、これだけの大きな差があるのですよ。国内の加工産業を育成していくなどといったって、これだけの——九万トンから一万七千五百トンを引いてごらんなさい。それだけ不足するということは最初からわかっているのですよ。だから、今後国内の生産体制をどうしていくか、さらに足らない場合にどうしていくか、こういう問題です。
○藤波政府委員 先ほどの私の答弁、少し御質問を取り違えて申し上げましたので、失礼いたしました。 先ほど私の申し上げましたのは、原料のイエローケーキの需給の関係で申し上げました。御質問は加工の問題のようでございますが、加工につきましては、現在五社が計画しております量は、ここ当分の間の需要を十分まかない得る規模で計画しておるようでございます。さらに将来につきましては、需要に合わせて拡充することは、国内の技術と能力で十分可能だとわれわれも考えております。関係各社もそのように考えておるようでございますので、将来は加工段階はすべて国内でできるものと存じております。また、われわれはそのように指導してまいりたいと思っております。
○近江委員 国内だけでまかなえる、あなたはそういうふうにおっしゃっておりますけれども、それはどういう根拠で、そういうことをおっしゃっているのですか。それだけの生産計画を業者は出しておるのですか。
○藤波政府委員 現在出しております計画は、六十年までの長期にわたってはおりませんけれども、加工設備というものはそれほど困難なるものではないとわれわれ考えておりまして、ここ数年の段階の規模のものが計画され、実現されれば、それを拡充して、将来の需要に合わせて生産することは可能だ、こういうぐあいに考えております。加工の初期の段階におきましては、各社が外国の技術の導入等をはかりまして、現在技術の向上につとめておるのはもちろんでございますが、将来につきましては、加工の段階は、われわれとしましては、むしろ日本に適した産業に成長するのではないかというぐあいに考えております。
○近江委員 現在、先ほどの五社の許可申請中の中で、新聞の報道等によりますと、申請中の三菱原子力工業、それからJNFに許可するらしい、こういうような話を聞いたのですが、なぜそういうような状態になったか、その辺の事情をひとつ聞かしてください。
○藤波政府委員 現在申請が出ておりますものに対する検討は、現在まだ継続中でございまして、結論は出ておりませんけれども、いまお話の出ました三菱原子力工業と日本ニユクリア・フユエル株式会社はどういうものであるかと申しますと、三菱につきましては、先ほど触れましたアメリカのウエスチングハウス会社で開発をいたしました加圧水型の燃料を加工することを目標に掲げておるものでございます。日本ニユクリア・フユエル株式会社は、東芝と日立とGEが合弁でつくりました会社でございまして、アメリカのGEで開発をいたしました沸騰水型の軽水炉に適合する燃料を加工することをねらいとしておるものでございます。将来日本の国内で両方のタイプの炉が相当数建造されるということが見通されておりますので、その二つが柱になっていくであろうことは、十分考えられるとわれわれは考えておるわけでございます。
○近江委員 その次に移りたいと思います。 この核燃料物資の輸入にあたって、大半が米国に依存しておるわけでありますが、しかし、このような非常に複雑ないまの世界情勢でもありますし、特にアメリカ等が、そういう状勢によって供給できないというような場合も考えられるわけです。そういう場合、今後この原子力工業というものをどんどん発展させていくけれども、その資源物資の供給がとまったら一体どうするか。これは非常に大きな根本の問題だと思うのです。その点、今後どのように補給対策を考えていらっしゃるか。その辺のところを聞かしてもらいたいと思います。
○藤波政府委員 日本の加工事業者が使います原料は、具体的に申し上げますと、カナダ等で確保いたしますイエローケーキをアメリカのAECの濃縮工場に委託いたしまして、三%ぐらいの低濃縮ウランに濃縮をいたしまして、六弗化ウランというような形にまでいたしたものを持ってきまして材料にするわけでございます。したがいまして、そのイエローケーキの確保の問題、それから、それを濃縮するところの段階の確保、二通りになるわけでございますが、前段階のイエローケーキの確保につきましては先ほど申し上げましたように、さしあたり電力会社が中心になりまして、カナダの鉱山会社二社と契約をいたしまして、今後十年間に約一万五千トンのイエローケーキを購入するということになっております。それによりまして今後十年間の大半の量を確保できておるわけでございますが、それの第二段階の濃縮工程につきましては、日米協定の改定によりまして、ウラン三二五に換算をいたしまして百六十一トンのワク内でこちらが申し込めば、賃濃縮に応じてもらえる、こういう協定が調印されておるわけでございまして、今国会の批准を得ますれば、そのワク内での取引がスタートできる、こういう態勢になっておるのでございます。
○近江委員 しかし世界の各国は、たとえばオーストラリア等では自国のウラン資源を輸出することを禁止するというような、そういう動きが出ておるわけです。そうしますと、カナダやアメリカだけでは、これは足らないわけです。外部のそういう動きに対して、日本政府としてはどういう手を打っていますか。
○藤波政府委員 先ほど申し上げました、電力会社が長期契約をいたしました一万五千トンだけでは将来不足するということは、お話しのとおりでございまして、それにつきましては、新たなる長期契約もやっていかなければならぬことはもちろんでありましょうが、さらに、お話しのように、世界状勢は、必ずしもその方法だけにたよっておることでよいのかどうかということになりますと、問題がございますので、現に日本の企業と外国の企業とが共同をして探鉱から開発までやる計画についても協議中でございまして、具体的には、カナダのカーマギー社と日本の電力会社並びに鉱山会社と現在その折衝を進めておるというような具体例もあるわけでございますが、そういう共同探鉱開発の方法も進めていかなければならぬと思います。さらに、カナダのみならのず、各国の事情も調査をして、より多角的に確保対策を進める必要があるのはもちろんでございますので、現在、動力炉・核燃料開発事業団におきましても、毎年外国のウラン資源事情調査等も行ないまして、その糸口を見つけることに努力をしておるわけでございます。先ほど触れましたカナダとの長期契約なり、あるいは現在話し合いが進められておりますカーマギー社との共同開発の問題につきましても、実は当初のきっかけは、動燃事業団のそのような事前調査の結果が実を結んでおるものでございます。事業団といたしましては、その後も南米でありますとか、オーストラリアでありますとか、そういう事情調査をやっておりますけれども、来年度以降につきましてもそのような努力を続けていきたい、こういう計画になっておるわけでございます。
○近江委員 どうかひとつあとで悔いのないように先手先手を打っていただきたい、この点を要望しておきます。 それから、原子炉の耐用年数はどのくらいであるか、さらに、核燃料の契約期限はどのくらいか、この二点について、まずお聞きしたいと思います。
○藤波政府委員 原子炉の耐用年限につきましては、約二十年というぐあいに計画上は考えておりますけれども、これは実際まだそれまで運転した経験はございませんので、あるいはそれ以上かもしれないという議論もございますが、一応われわれは約二十年というぐあいに考えておるのでございます。 それから、核燃料の契約と申しますと、先ほどの一五万千トンのイエローケーキの長期契約は十年でございます。それからアメリカのAECで賃濃縮を頼む契約につきましては、アメリカ側は、日本が希望すれば、三十年の協定有効期間の範囲内で幾らでも長く契約する用意ありということを言っておりますが、これはこちらの日本側の態度できめるべき問題ではないかと考えております。
○近江委員 そうしますと、核燃料の契約期限というのは非常に長くなるわけです。そうした場合、契約期限の段階で、ほかにさらに良質な、あるいは安く燃料が入るような場合が出てきた場合、そういう場合それを使用するようにできるのかどうかという問題なんです。この点についてはどうなんですか。
○藤波政府委員 いまの日米協定の百六十一トンのワクなりあるいは三十年の協定有効期間なりというものはあくまでワクでございまして、日本側の引き取り義務がついておるのではないのでございます。したがいまして、日本側の努力によりましてそれ以外の加工方法が見つかった場合には、それによるということが妨げられておらないわけでございますので、できるだけ多角的に確保できれば望ましいものと思います。
○近江委員 それから、この安全性と経済性というものが結局一致しないということがよくいわれておりますが、その点、安全性と経済性の結合点をもってこの法案というものが提出された、私はこのように見ておるのですが、その点はどうなんですか。
○藤波政府委員 原子力施設をつくります場合、これは原子炉に限らず、加工施設、再処理施設、すべてそうでございますが、やはり放射能による災害防止というのが一番基礎になる大前提だとわれわれ考えておるわけでございまして、その上に立っての経済性の追求だというぐあいに考えておる次第でございます。したがいまして、今回の改正の主点も、加工事業がいよいよ現実の問題になってまいりましたので、従来あります許可段階での包括的安全検討だけでなく、将来は濃縮ウランとか、さらにはプルトニウムの加工といったようなところまで進むわけでございます。さらに設計、工事方法の段階にも審査をし、さらにその設備につきまして検査も行なう、こういう内容を整備いたそう、こういう趣旨でございます。
○近江委員 それから、特許の問題でありますが、原子力関係の日本の特許の審査は現在どのくらい残っておりますか。いろいろのものがあると思いますが……。
○荒玉政府委員 たいへん恐縮でございますが、突然の調査要求でございまして、いま調査して至急取り寄せたいと思います。といいますのは、原子力といいましても、原力炉部門、炉材関係、アイソトープ、各方面にまたがっておりますので、いま先生の御要求を調査させております。もうしばらく時間をいただきまして、あと追っかけて持ってくると思いますが……。
○近江委員 それでは、この問題はあとにしたいと思います。 そこで核燃料取扱主任者を選ぶ問題でありますが、それに関連をしてくるのですが、政府はこれらの技術者養成に対してどのような対策を立てているか、こういう問題が非常に大きな問題になってくると思うのです。どういうような対策を立てておられますか。
○藤波政府委員 原子力関係技術者の養成につきましては、高級技術者につきましては、御承知のように、大学にもそれぞれの原子力関係講座もだんだんに整備されてきておりまするが、ここで問題になりますような取扱主任者のレベルのものにつきましては、たとえば原子力研究所の研修所でありますとか、アイソトープ研修所でありますとか、そういうところでの教育が相当中心になろうかと存じます。 なお、現在アイソトープを工業に使っておるフィールドは相当多くなってきておりまして、そういうところでの技術者も、それらの経験を積むことによって相当のレベルアップができてきておるのではないかと存じます。 今回改正を試みております主任者につきましては、核燃料の保安に当たらせる、こういう趣旨でございますので、技術的に内容で申し上げますと、放射線の取り扱いの技能、したがいまして、普通のアイソトープを取り扱う技術と似た技能の面が一つと、その上に臨界管理と称しまして、濃縮ウランなりあるいはプルトニウムが一定以上集中いたしますと連鎖反応を起こしかねない、それを防止するという意味の臨界管理の技術能力というものを付加した内容のものを考えておるのでございます。
○近江委員 科学についてはみなそうでありますが、特に原子力という問題から考えますと、要するに、優秀な技術者が確保されなければ、今後はほんとうにその裏づけがないと思うわけです。そういう点では、いろいろなことをおっしゃっていただいたわけでありますが、まだまだそういう養成の政府の体制は非常に不備である。いろいろなことをいま聞いているわけです。きょうは学者の人も、博士も来ておられますし、よくその点はおわかりと思います。こういう点について、抽象的な、それでいけると思います。そういう可能性ばかりを考えておってはどうしようもないわけです。そういう点について、さらにこの技術者養成のそういう抜本的な対策を立ててやっていかなければならない、私はこう思うわけです。その点についてはどうですか、政策面として。
○藤波政府委員 原子力を推進していくために一番大事なものは技術者の養成であるという点は、生先のおっしゃるとおりであると存じますので、各方面の拡充につきまして努力をいたしたいと考えます。
○近江委員 それから、こうした核エネルギーの開発あるいはその利用が進むにつれて、放射性物質を取り扱う場合が急速に増大してきているわけです。このために、放射性物質によって人命あるいは健康が害されることのないようにそうした災害の予防体制というものを直ちに整備していく必要がある、このように思うわけです。これについてもうすでにいろんな事故が起きているわけです。たとえば、放射性の同位元素輸送中の事故等も出ておるわけであります。 昭和三十七年の一二月、これは日本鋼管鶴見造船所、発生場所は長野県です。新潟−東京間の天然ガス輸送用地下埋設鋼管内部の清掃検査のために使用したコバルト六〇、百五十ミリキュリーを紛失しているわけです。現場から貯蔵庫に輸送中トラックから落としたものと判明した。これは発見された。そういうような事故が起きている。昭和三十八年の十二月には日本急送で輸送中に医薬品沃素、これはダイナーボットRI研究所から信州大学付属病院に送るためにトラック輸送中紛失している。昭和三十九年四月に大和運送守口支店、これは大阪府の守口市です。同店内ですが、医薬品沃素を第一化学薬品から大阪医大へ送る途中守口支店倉庫が火災となり焼失した。さらに三十九年十月には、北日本運輸江戸川営業所、これもやはり輸送中、医薬品沃素、これをダイナボットRI研究所から群馬大学医学部付属病院へ送るためトラック輸送中盗難にあった。こういうような事故がぼんぼん出ているわけですよ。そういうような事故はまだまだあるわけです。三十四年五月渋川市にある建設省利根川水系砂防工事事務所が火災で焼けた際、三・五キュリーのアイソトープが紛失して大騒ぎとなったが、地下室に保管してあることがわかってほっとした。こういう危険なものがどこに保管してあるかわからない。こういうようないろいろな事故が起きているわけです。あるいはまた、三十四年以前にも、群馬県と新潟県との県境三国峠で放射性物質を運搬中のトラックからコバルト六〇がころげ落ちて紛失、三国峠一帯をサーべーメーターでさがしやっと見つかった。これも大事に至らなかったが、地元民が騒ぎ出して補償問題まで持ち上がった。要するに、これからのそういう取り扱いとかいろんな点において、まだまだこういう穴があるように思うのですが、こういう点についてどのように局長としてお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○藤波政府委員 放射性物質の輸送に関しましては、現在運輸省令による技術基準が制定されておりまして、その運輸省令はこの原子炉等規制法と、それから放射線障害防止法に基づいて制定されておるものでございますが、その技術上の基準に従ってきちっとやらなければならないという体制になっておるのでございます。 それで、この基準の内容をかいつまんで申し上げますと、臨界防止という観点、それから容易に破損等のしない容器に核燃料物質を収納しなければならないという観点、それから、外から見て明らかにわかるように標識をつけておかなければならないという観点、それから表面の放射能を一定水準以下に保つべきことが数量表示をいたしましてきめられておるほか、積載方法であまりすとか積載限度、それから、ほかの危険物との混載制限でありますとか、運搬の標識、あるいは必要な場合における見張り人の配置等々につきまして規則が行なわれておるわけでございまして、そういう体制のもとに輸送の安全確保をはかっておる、こういう現状でございます。
○近江委員 それは確かに運輸省の取り扱いか知りませんけれども、こういう点について非常に危険である、安全性を叫んでいかなければわからないわけですよ。そういう点について、ただ運輸省令で定めて運送業者が責任を持って運びます。それだけでは無責任だと思うのです。科学技術庁として、そういうような輸送中のものについても今後どのように、どこで統括していくか、それは方法論としまして、そういう事故を聞いて、ただこれは運輸省の責任です。そういう、だれかするという考え方は私は非常に遺憾に思うのです。あくまでも人体に大きく影響することです。生命に危害を及ぼすわけです。こういう点において、そういう傍観する態度は納得できない。科学技術庁はこれに対してどういう対策を立てていきますか。
○藤波政府委員 御指摘のように重大な問題でございますので、われわれも傍観しておるわけでございませんで、紛失とか、いま申されたような事故が起こりました場合は、逐一われわれのほうにも届け出、報告があることになっておりますので、そのつど実情を調べまして、今後の取り扱いの戒めにしたり、あるいは関係方面への注意事項のもとにしたりしておるわけでございます。先ほど御指摘になりました事故につきましても、私どもも報告を受け調査もいたしておりますが、幸いにして少量のものでございまして、その結果に基づく放射線による人体に対する災害等がなかったのは不幸中の幸いであったとわれわれは考えておるのでございますが、事は安全の問題でありますので、先生おっしゃるとおり、今後もますます引き締めまして、安全基準の確保ができますように、関係方面の督励、PRその他に努力いたしたいと考えます。
○天野政府委員 いま近江先生からの御質問ですが、重要性を当局は認識いたしまして、一般の社会人に対するPRをするということで、今年度は予算化もしてありますので、その危険性その他につきまして十二分に具体的な方法を立ててPRをやっていくという方針でございますので、それで御了解願いたいと思います。
○近江委員 次官のさらに具体的な積極的な答弁をいただいたわけでありますが、局長さんも、事故があってからいろいろとまた調査をしてやっていく、それでは後手だと思うのです。これだけの事故が発生しているという事実で申し上げているわけですから、さらに考え方をもう少しすべて積極的にやってもらいたい、こう思います。 それから以下五点について申し上げますが、これに対してどうするかという見解をいただきたいと思うのです。 一つは、放射能廃棄物の化学処理を完全に行なうということ。その処理場を今後国内にどういうように設けていくか、その対策。 二番目に放射性降下物の測定を継続的に行なっていく。その対策強化をはかる。若干の手は打っていらっしゃると思いますが、今後さらにどう強化していくか。 三番目に放射線障害や大気あるいは水、飲食物の汚染に対する調査、その予防策を強化していかなければならない。これに対してどう対処するか。 それから四番目に、先ほど申し上げた放射線を取り扱う事業所あるいは研究所などの保安体制を確立して、災害時の放射線に対する防護施設と防護訓練の対策、これを今後どうしていくか。 五番目に原子力関係作業の従業員などに対する災害補償制度、これを考える意思があるか。 この五点についてお聞きしたいと思います。
○藤波政府委員 お答え申し上げます。 全国各所で放射性物質の使用をやっておりますが、その際に出ます廃棄物の処理につきましては、各原子力発電所等でありますればその事業所内での処理施設もございますが、アイソトープ使用のごとく少量のものが方々で使われておりますような事業所におきます廃棄物の処理につきましては、それを安全な形にいたしまして東海村の原子力研究所の中の廃棄物処理場に集荷をいたしまして、そこで安全に処理するという体系にいたしております。将来使用量が格段にふえた場合に、ほかの場所にもそういう処理場を設けるかいなかということにつきましては、現在決定いたしておりませんが、今後もなお検討を進めたいと思っております。 それから、放射能の測定監視につきましては、いろいろな形で予算をつけてやっておるのでございまして、そのためには、各研究機関とかあるいは地方公共団体、研究所等に協力を求めまして、それぞれの予算も配賦をいたしまして、空中におきます放射線量の測定のみならず、海中あるいは土壌等に含まれます放射性物質の濃度、核種分析に至るまで、体系的にいまやっておる状況でございます。特に特殊な場所につきましては、それに加えて、たとえば佐世保、長崎等のごとく外国の原子力艦船が入ってまいりますようなところにつきましては、特別の自記記録計をつけるとか、あるいは艦船の出入港のたびに精密なる環境調査を行なうというようなこともやっておりますし、それから、中共核爆発等が起こりました場合には、あらかじめ体制を整えてありますので、そのつど、その体制に基づきまして関係各省動員をいたしまして、放射能濃度の測定監視をやるというようなことも行なっておるわけでございます。 それからさらに、最近重要視されております分野に、海域と申しますか海洋への放射性物質の関係でございまして、その関係を解明するために、先般来予算を増加いたしまして、たとえば那珂湊には放射線医学総合研究所の施設をつくりまして、魚族に対する放射性物質の集積効果といったようなものの研究も進めるというようなこともやっておるようなわけでございます。そういうことによりまして、今後ますますふえます原子力関係施設からの廃棄物、放射性物質による障害の防止、予防のために努力をいたしておるわけでございます。 それから防災関係につきましては、もちろん原子力施設は建設の当初からそういう必要がないようにという観点から、厳重なる審査をし、そのようなもとにおいて建設されるわけでございますので、防災訓練等は必要がないようにしたいというのがわれわれの念願でございますが、万々一を考えましての防災体制につきまして申し上げますと、防災基本法に基づきまして、地方公共団体並びに指定機関として、たとえば原子力研究所といったようなものはそれぞれ万一の場合の防災業務計画をあらかじめ立てることになっておりまして、それによりまして災害時の緊急連絡組織でございますとか、その他必要な体制をとることになっておるわけでございます。科学技術庁といたしましても、その防災基本法に基づきまして万々一の場合には長官を本部長とする体制が組織できるようにあらかじめ体制がなっておりまして、必要な措置、たとえて申し上げますと、専門家の現地への派遣でございますとか、地方公共団体の指導でございますとか、あるいは緊急時の措置、炉の停止の指令でございますとか、そういったようなことができる体制にはなっておるわけでございます。 従業員の災害の補償の問題につきましては、現在は労災法のもとに処理されておるのが現状でございますが、この問題につきましては重要な問題でございますので、その災害保険に関します専門部会を原子力委員会の中に設けまして検討いたそうとしておるわけでございます。こういう段階でございまして、現在のところ、原子力特有の法令はまだ整備されておらないわけでございますが、これはわれわれ将来の検討問題であると考えております。
○近江委員 特許庁、来ていますか。——来ていなければ皆さんにも非常に御迷惑がかかりますし、少し数字的なことも聞こうと思ったのですが、いずれにしても原子力に関してのそういう出願というものも外国に比べると非常に少ない。ということは、そういう点の開発がおくれておる。すべて外国の技術導入という形で行なわれておるわけです。確かにそれは進歩のためにはやむを得ないし、必要であると私は思います。しかし、それのみにたよっておったのではならない。したがって、今後科学技術庁として、さらに自国の技術開発にどういう心がまえで推進されていくか、その点をお聞きしたいと思います。
○藤波政府委員 お説のように、今後の原子力開発を推進するにあたりましては、国内技術の確立ということが緊急事であろうかと思います。最近の情勢を見てまいりますと、従前比較的安易に技術導入ができたものが、だんだんに日本がライバル的に見られてくる傾向がございまして、そうたやすく技術の導入ができない、相当多額の金を使わなければ、外国の技術が利用できないという時代に進んでいくのではないかと考えられます。したがいまして、わが国におきましても非常な努力をいたしまして国内技術の確立につとめなければならないと考えまして、先般御承認を願ってできました動燃事業団におきましても、現在、新型転換炉並びに高速増殖炉の自主的開発に鋭意邁進をしておるところでございますが、そのほかの国内一般の民間メーカーにおきましても、このような観点から努力いたすべきものと考えておりまして、その円滑なる推進をはかるためには、政府といたしましても側面的な援助、たとえば特別の融資であるとか税法上の特別措置でありますとか、あるいは補助金の交付でありますとか、こういうことによりましてそれを側面から促進をしていきたい、こういうことに考えておりまして、若干の予算も計上しておる、こういう次第でございます。
○近江委員 荒玉長官、こまかいことはよろしいですから、要するに、原子力関係の審査のスタッフというものが非常に弱体と聞いておるわけです。ここへ来てもらえば一番よくわかるわけですが、それはお認めになりますね。これからの技術開発等も考えて、特許庁の内部としてそれに対して今後どのような対策を立てていくか、その点長官から回答してください。
○荒玉政府委員 全般的な問題は別といたしまして、特に原子力関係はわれわれとしても十分な体制であるとは思っておりません。専門家の審査官を充実するというのは当然でございますが、実際上はなかなかむずかしい面もございます。われわれといたしましては、やはり審査の協力という形がどうしても、特に先端技術の場合には必要だろうと思います。たとえばコンピューター部門とか、あるいは原子炉も当然そうでございます。そういった部門につきましては、やはり外部の適切な機関に調査を協力依頼という形を思い切ってとっていきたい。ただし、これは今後制度改正をやりまして——これは来国会に御審議願いたいと思っておりますが、早期公開といいますか、現在御承知のように出願公告がございませんと世の中の人は知らないわけでありますが、われわれ、一年半たったらこれを早期公開したいと思います。現在ですと、出願中のものは全部秘密でございますから、かりにそういう調査を委託いたしましても、きわめて限られておると思います。もちろん原子力関係は、原子力関係の政府機関が中心になると思いますが、やはり思い切って外部に出すためには出願中の秘密というのが非常にネックになっております。これも先ほど言いました制度改正をやって、一年半たったら公開するということになりますと、やはり思い切ってそういったわれわれのウィークな部面は外部の調査を依頼する。最終的にはもちろん特許庁自身が判断するわけでございますが、そういった外部との協力関係をさらに拡充していきたい、かように思っておりまして、われわれの不足はそういったものの協力関係で初めて万全を期することができるのではないか、かように考える次第であります。
○近江委員 もう時間もありませんので、最後に私は、最もおくれている国内資源の開発、これを特に要望したわけでありますが、次官から、先ほど二億のその話も全部お聞きになったわけでありますから、今後は政治的な配慮として、今後どういう対策をもって国内資源の開発をさらに推進なさっていくか、その点をお聞きして終わりたいと思います。
○天野政府委員 先ほど局長からも答弁申し上げたように、まだ具体的な方策が立っておりませんので、私の主観的な考え方でまことに恐縮ですが、これから部内にこれを反映せしめてやりたいと考えております。先ほど来いろいろお話がございましたように、日本に必要な原料が足りないわけですから、当然、将来原子力が世界的に発展していくということになりますと、輸入ができなくなるような場合もあり得るという想定を立てなければいけないと思います。そういう点で国内資源の開発を重点的にやはりやる必要がある、そう痛感いたしますので、この問題につきましては省内で話し合いをいたしまして、近い機会に、原料確保という面で国内の採鉱をする、その措置につきまして話し合いをつけて積極的にやりたいと考えますので、御協力もお願いしなければいけないと思いますが、よろしくその点お願いしておきたいと思います。
○近江委員 ちょうど特許庁が来られましたから、内部の原子力関係の、何名のスタッフで、しかもいま審査受理中のものは何件ある、いままで何件その特許をおろしたか、いままでのそうした成績等について発表していただきたいと思います。
○荒玉政府委員 まず審査官の関係でございますが、原子炉の関係は三名、それから加速器の関係が一名、無機材料関係が一名、五名で審査をしております。 それから、現在までの出願件数でございますが、三十七年から四十一年まで、これを五年間平均しますと、年間約五百五十件の出願でございます。うち原子炉の関係が約二百六十件でございます。 それから、審査期間でございますが、現在、平均約二年半から二年八カ月くらいの審査期間でございます。 以上でございます。
○近江委員 いま実情を話してもらったわけですが、外国に比べますと、格段にそういう審査がおくれている。これは長官も率直にお認めになったわけでありますから、先ほど御答弁あったように、さらに今後すみやかに——これは何も原子力関係だけじゃありませんが、特許関係はみんなおくれておりますが、特に原子力の審査についてはおくれている。この退勢を早急に挽回していただいて、すみかやに審査ができるように、外国に立ちおくれないようにやっていただきたい。 この点を特に要望して、私の質問を終わりたいと思います。
○沖本委員長 次に、齋藤憲三君。
○齋藤(憲)委員 近江委員の御質問に関連いたしまして、二、三端的にお答えを願います。即答は要りません。即答のできないものはあとで文書をもってお答えいただきたいと思います。 ただいま近江委員からもお話が出ました人形峠は、今日まで十五、六億円の探鉱費をかけたと聞いております。その探鉱の結果、もう探鉱の余地はないという段階に立ち至ったというのでありますが、〇・一%のウラン含有量に換算して確定鉱量七百トンと私は聞いております。あと、なんだかんだ、予想埋蔵量とかいや見込み埋蔵量とか、そういうものをひっくるめて〇・〇五%以上のU3O8で三千トンとか四千トンとかいう数字が出てきている。一年たてば一年たつほど坑道はくずれて補修費が必要だし、そういった点に関して、一体当局はどうこれを始末されるのか。いま即答は要りませんが、大体の考えは、四十四年度にはこれは解決の方向を必ずきめる、そのままつぶしてしまうのか、あるいは採鉱して製錬の原料とするのか、そういう点に対して御回答願いたい。
○藤波政府委員 いま御指摘の点、確かに大きな問題でございまして、われわれいま慎重に検討をしているところでございますが、人形峠につきましては、お話しのとおり、探鉱はすでに終わったと言ってよろしいかと思います。それに関連いたしまして、製錬の試験が若干残っておりますが、これも四十三年度中には終わるものと考えておりますので、その後これを掘るかどうか、掘る場合にどの程度の規模でやるかという問題をきめなければならぬということでございまして、次の予算編成期、すなわち、この夏までには原子力委員会を中心といたしまして検討を詰めまして、方針をきめたい、こういうことで進んでおります。動燃事業団ではその素材となるべき案をいろいろと練っておる段階でございます。もちろん、採鉱に踏み切るにつきましては、やはり一番ベースになりますのは、経済ベースということが裏にどうしてもあるわけでございますが、しかし、そのほかの観点、たとえば製錬採鉱技術の維持でありますとか、いままで投資いたしました諸施設の活用の問題でありますとか、その他の諸観点をも入れまして、総合的に結論を出さなければならぬ問題だと考えておりますので、そういう観点からきめたいと考えております。
○齋藤(憲)委員 これは私の希望として申し上げておきますが、せっかくあれだけの坑道を切って、そして埋蔵量も大体確定しているものをつぶすという手はないと思う。それを原料として、いかに世界の市価に近づける製錬方法を見出すか、坑道の中で、品位を上げる方法もあるだろうし、また、それを処理する方法もいろいろ考えられるだろう。これは先ほども御答弁があったように、世界のウラン鉱を処理する段階において、これは日本の技術陣を養成する絶好の原動力にもなると私は思いますから、国内資源というものは、単に国際市価に合わないから、これをつぶしてしまうというようなことではなく、これを原料としていろいろな方面に研究の手を伸ばして、そして、大きな、世界的な立場からウラン資源の獲得に技術陣の養成をはかっていくというような立場も忘れずしてこの問題の処理をひとつ考えていただきたいと思います。 それから、その他の地区に対しましてですが、やはり相当の力を入れて探鉱を継続していただきたい。これだけは希望としてお願いをいたしておきます。 次に、ちょっと伺っておきたいのは、〇・一%の価格、一トン五千円ですね。あれは一体どこで五千円なんですか。ウラン含有量〇・一%、五千円ということがきまっているのだが、五千円ときめてある、あれはいまでも有効かどうか。わからなければあとで返事をしてください。
○藤波政府委員 いまお尋ねの〇・一%、五千円というのは、最近はこれに関連した話がございませんので、的確にはお答えいたしかねますが、おそらくこういうことではないかと思います。 実は私が前に原子力局にいた当時、昭和三十三、四年ごろだと思いますが、当時日本の国内のウラン資源の民間における探鉱を刺激する意味において、アメリカにおけるような、何か目標買い入れ価格ともいうべきものを設定すべきではないかというお話がございまして、五年間でありますかあるいは十年間でありますかを限ってトン当たり〇・一の品位のもの五千円、品位が上がるごとにプラスアルファのボーナスをつけました表をつくりまして公表したことがございます。そのときの五千円でありますれば山元でございまして、さらに運賃につきましては別途計算をし、運賃の半額は燃料公社が負担するようにするという考え方になっていたと記憶しております。その後それがどういうふうになったのか、ちょっと……。
○齋藤(憲)委員 この人形峠の坑道を歩きますと、一番の富鉱帯が民間所有の鉱区なんです。それを一体買うとか買わないとかいう問題が起きたときに、算定の基準を一体どこに持っていくかというと、この〇・一%、一トン五千円ときめたのだ。買う、買わぬは別だけれども、日本における〇・一%含有のウラン鉱というものは一トン五千円と、こうきめた。これが一体算定の基準になるかならぬかという問題が私は起きてくると思うのですよ。だから、そういうことをひとつ調査しておいていただきたい、これも希望であります。 それから、この法案の提案理由に書いてあるタンタライトとゼノタイムというのは一体どういうものなんですか。初めて聞いたのですが……。
○藤波政府委員 先ほどの問題につきましてちょっと補足的に申し上げますと、あとで詳細調べまして報告しますけれども、あれは国際的に十二ドル・パー・ポンドぐらいの高い水準であった時代をもとにして、当分の間ということできめられた五千円でございますので、現在ですと相当に情勢が変わっているのじゃないか、私はそういう感じがいたしますので、なお取り調べまして御報告申し上げます。 それから二番目の御質問でございますが、たとえばタンタライトという鉱石からは、電子材料でありますとか、ニオブ等の希土類元素をとりまして、合金鉄の中に添加材として入れるということであります(齋藤(憲)委員「放射性物質かどうかということでいい。」と呼ぶ)タンタライトとかゼノタイムという中には、若干のウラン、トリウムが含有されておるのでございまして、その観点から、それらを取り扱う工場を届け出制あるいは技術基準の維持義務を義務づける、こういうことが書いてあるわけであります。
○齋藤(憲)委員 そうすると、核原料物質の中にタンタライト、ゼノタイムというものを今度新しく入れる、これは法定鉱物に指定されてないのかどうか。
○藤波政府委員 このタンタライト鉱、ゼノタイム鉱の中には、ウラン、トリウムを含んでいるということで、すでに核原料物質の範疇に入っている、こういう解釈をしております。
○齋藤(憲)委員 そうすると、ここへはタンタライト、ゼノタイムというものの名前を出しているけれども、核原料物質を探鉱取得するということになれば、これはもう法定鉱物の中に入ってないから、ナンセンスだということですね。そうでしょう。これはウラン鉱ということになってしまうわけだな。そういうことですね。——わかりました。
○福井(勇)委員 関連。ウランのことで齋藤委員から非常にうんちくのある、特に人形峠のことについては、もう何年来心配しておられ、うんちくをいつも聞かされて、私たちも同様心配しておったのですが、たまたまいまそういうことがちょっと出ましたので、原子力局長にも、それから副大臣にも尋ねておきたいと思いますのは、最近、カーマギー社と五大電力会社が燃料の採掘を共同でやるということで、二年ばかり前にやりそうになったり、ストップしたり、いろいろしたが、今度やるようになった。そのことについて当委員会の各委員はきっと聞いておらぬと思うのです。私が聞いておらぬぐらいだから。一々私たちに相談をする必要はないけれども、かりにも日本の貴重なドルが出ていく。これは将来こっちが有利になるために確保しておくという方針についてはけっこうですが、それらのこと、これは重大問題ですから、将来原子力発電の基礎をなすものでありますから、動力炉・核燃料事業団をあしたかあさって呼んでおりますので、そこで尋ねようと思います。関連質問ですから一分間をいただいただけですが、たまたま齋藤委員の発言から、私はすぐ忘れてしまったらいかぬので、念のために。大臣、副大臣あたりにもそういう話をいつも相談をしているが、これは大蔵省なんかにも——政策的に日本の財政経済の上に及ぼす影響を十分考えてやっておるかというような事柄、そうして、人形峠の問題とは切り離して国内の資源も現在岐阜県と愛知県の北設楽郡でやっておりますが、これは見込みがあるかないか、さっぱりわからぬ。そういうようなことについて、大臣、副大臣のところにおいては十分これは監督指導してもらうように希望し、かつ注意を申し上げて私は関連質問を終わります。動燃事業団の理事長が来たときに原子力局長や政務次官にあらためて詳細にひとつ尋ねたい、こう思っております。
○齋藤(憲)委員 さっき近江委員の御質問に対して当局から答弁があったんですが、加工申請者が五社ある。この五社の申請書にはおのおのその加工の技術がついているんですか。どこまで加工業者というのですか、核燃料物質を製錬するというその製錬の方法も加工に入るのですか。どこからどこまでを加工というのですか。
○藤波政府委員 加工といっております範囲は、転換工程と、それからファブリケーションと申しますか、組み立ての段階までをいっておるのでございまして、具体的に申しますと、核燃料、主として六弗化ウランの形で、三%ぐらいの六弗化ウランをアメリカから入れてまいりまして、それをたとえば二酸化ウランのペレットにいたす工程、これは加工でございます。さらに、それを使いましてステンレスなりジルコニウムの管に充てんするとか、あるいはそういうものを燃料体の形に組み立てるというところまでを加工業と考えております。したがいまして、イエローケーキまで粗製錬するとかという製錬段階は含めておりません。それは製錬事業ということで規制をいたすつもりでございます。
○齋藤(憲)委員 そうすると、弗化ウランから金属ウランに還元していくところは加工に入るわけですね。イエローケーキまでは製錬のところに入っていく。イエローケーキで線を引いているということですね。——わかりました。 日本の濃縮技術ですが、遠心分離機でやるという、あれはものになっておるのか、ものになっておらないのか。なっておるのかおらないのかだけ、簡単にひとつ……。
○藤波政府委員 動燃事業団でやっております遠心分離の研究はまだきわめて初歩の段階でございまして、二号機目を回しまして機械的に性能を調べております。中に入れております気体はウランではまだやっておりません。これから三号機をつくりましてウランの気体を入れてやろうというのが来年度の計画でございます。いまそういう段階でございます。
○齋藤(憲)委員 候補地の調査はどうですか。原子力発電所の候補地ですね。六十年までに三千万キロ、四千万キロという構想を持っておる。これに対応するのに原子力発電所の見通し及び再処理工場の候補地、そういうものは一体どういう段階に至っておりますか。
○藤波政府委員 六十年までに三、四千万キロワットを開発するとすれば、一カ所が百五十万なり二百万という大規模の発電所にいたしましても、二、三十カ所の候補地点が必要である、こういうことでありますから、立地の確保は相当大きな問題でございますので、政府といたしましても、原子力予算に基づきまして、年四カ所くらいの地点を選びまして概略調査いたしておりますけれども、最近に至りましては、各起業者たるべき電力会社等が各地区におきまして積極的な調査をやっております関係上、相当候補地が浮かび上がってまいっておりまして、必ずしも反対が強い地域だけでなく、条件がそろえば誘致してもいいという気分の候補地も相当数出てまいっておりますので、そういう地点につきまして十分調査を進めていけば、何とか確保できるのではないかと期待しておるわけでございます。
○齋藤(憲)委員 これは政務次官にお願いいたしておきますが、原子力発電の長期構想というものは、後進地域の開発というものが非常に大きな眼目になるのが国策だと私は思っておるのです。このままほっておきますと、実力のある九電力会社の中のものがどんどん原子力発電をやっていく。そうすると、そこにずっと企業体が密集していってしまう。そうすれば、北海道、東北は後手後手になっちゃって、いつになったら格差解消ができるかわからないと思う。ですから、あるときにこれは国策として、北海道、東北あるいは北陸地方に原子力発電所を優先的に持っていって、そこにエネルギー対策の観点からも近代工業が行くように、そういう構想をひとつ固めていきたいと思うのでありますが、これはいずれ大臣と副大臣とそろっておられるところで伺いたい。 それから、先ほど来近江委員から、いろいろ原子力の問題に対する燃料のお考えが述べられたのでありますが、これは私のしろうと考えかもしれませんが、結局、軽水炉がぐんぐん発達してまいりますと、ウランの取り合いになってしまうのではないか、そこまで行く間に高速増殖炉が完成してウラン二三八も使えるようになったとしても、なおかつ、ウランというものの取り合いになっていく。それ以上はどうかというと、やはり核融合反応の世界というものをねらわなければならないわけです。核融合反応の世界というものに対しては、私は日本も相当な態度をもって研究しておられると思いますけれども、このウラン燃料というものを追求し追求していくと、結局世界的にはウランというものが非常に不足だということになって、せっかくの原子力によるエネルギー対策というものも、日本のごときは一番立場が悪いのですから、ひびが入ってくる。そうなると、一体どこに資源を求めていくかということになると、これはおとぎ話のような話ですけれども、四十億トンの埋蔵量を誇っておる海水からウランをとらなければいけない、そういうことになりはせぬか、こう私は思っておるのです。これは私、最初にアメリカの原子力専門家に会いました昭和二十九年に、原子力の将来は何だと言ったら、「海水からウランをとるからパーペチュアルモーションだ」ということばを残して、そして羽田からアメリカへ帰っちゃったんです。海水からウランをとっていけばパーペチュァルモーションだ、無限動力じゃないかと言って行ったんですが、調べてみると、海水に四十億トン入っている。やはりこういうことを考えてアメリカは原子力エネルギーというものに取り組んでいるんだな、こう思ったんですが、最近の新聞を見ましたところが、英国でやはり海水からウランをとるという研究を始めている写真が載っておったんです。そうなりますと、海水を淡水化するという、いま日本に構想がございますね。この淡水化をすると、一切の元素というものは、どういう形で淡水化するか知らぬけれども、そのときに相当コンデンスをした形でもって残るのじゃないか。金、銀、銅、鉄、鉛、亜鉛、あらゆる元素を海水から分離する方法ができれば、その四十億トンのウランというものも非常に安く入手できるような形が出ないものとも限らない。きょうは特許庁長官がおられますから、もしそういう特許でも出願されたら、きわめて重点的に審査をして、早く許可をしてもらいたい、こう思っているわけであります。 これは余談でございますが、とにかくそういうものも考えていかなければならない時代だ、こう思うのであります。そうなると、東南アジアにありますトリウムなどというものは積極的にやはり調査し、開発していかなければならない。その点で金属鉱物探鉱促進事業団と動力炉・核燃料開発事業団は、このウラン開発に対して、えてして対立をしているという話を聞くんです。ですから、そういうことのないようにしてもらいたいと思うのですが、この金属鉱物探鉱促進事業団をしてやはりウラン及びトリウム鉱の調査開発をしてもらうように積極的に処置をしていただきたい、これも希望でございます。 それから、法案にありますこの「加工事業者」というのと、それから法律案要綱の第二の「核燃料取扱主任者制度を新たに設け、加工事業者並びに再処理の事業を行なう場合における動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力研究所は、核燃料物質の取扱いに関して保安の監督を行なわせるため、総理府令で定めるところにより、核燃料取扱主任者免状を有する者のうちから、核燃料取扱主任者を選任」しろとある、この「主任者」というものは、一般の加工事業者と、それからあとの原子力研究所とか動燃とかというものの再処理その他にタッチするところの者は資格が違うのですか、同じなのですか。
○藤波政府委員 同じ資格のものを考えております。
○齋藤(憲)委員 大体それだけのようですが、せっかく特許庁長官がおいでになりましたからおみやげに申しておきます。 今日の日本の特許の審査期間は非常に長いからこれを短縮して、という御希望も先ほどございました。私も同感でございます。何とかして審査期間の短縮というものをはかっていただきたい。本年度は大いに特許庁長官ががんばられて九十九人の人員増が認められたようでございますので、ひとつそれをなるべく有効に教育をして審査を早めるようにしていただきたいと思うのであります。 ただ私、最近に経験いたしましたのは、日本の審査期間が長いと思っておったら、私が友人の発明をお世話いたしまして外国特許を申請いたしました。その外国特許は、フィリピンと西ドイツにおいて足かけ八年かかった。だから、この点からいくと、日本は短いということになる。しかしなぜ一体八年かかったかということを私はしょっちゅう考えているのですが、外国は一つの特許を審査するにおいても、ナショナルプロフィットということを考えてやっているのじゃないかということです。そうでなければ、一つの特許を許可するのに八年もかかるはずはないと私は思う。だから、そういう点からいくと、拒絶、拒絶とやってきて、そうして時間をかせいでいる間に、これはほんとうに許可すべきか許可すべからざるかという対象を、外国特許に限ってはナショナルプロフィットというところから考えて操作をしているのじゃないかという疑いをぼくは持ったのです。だから日本の特許も、外国特許なんかよりは、やはり日本特許に重点を置いて、早くいい特許は許可してもらいたい。それには、いまの体制でいいかどうということを考えてもらいたい。とにかくエキスパートを窓口に並べておいて、特許の申請を受けた場合には、これは国家のために非常に重要なものであると最初の前提において感じたものは、早いところ特許の審査をして、くだらないものはあと回しでもいいから、いいものを審査の台に上げるようなことが、特許庁長官の行政権限においてできるかどうかということ、できるというならそれをひとつやっていただきたい、こう思う。 それからもう一つは、最近の事例で私びっくりして調査をしてみたのでありますが、審査官が拒絶をします。拒絶をしてその拒絶通知が特許庁を離れるまでに二十日から三十日日時を要している。こんなばからしいことはない。同じ特許庁の中で何のために二十日から三十日の時日を要するか、それは特許審査官が拒絶通知を書いた日付と、その文書の発送日付が二十日から三十日違うのです。これは少なくとも三日くらいに縮めてもらいたい、こう思うのです。 それからもう一つおみやげを申し上げておきたいことは、これはぼくはいま商工委員でなくなったものだから、ここでしか注文をつけられないから注文をつけるのですが、公告を決定しますね、公告を決定すると、その公告決定通知を受けてから印刷物になるのに三カ月ないし半年かかる。なぜ一体こんなに時日を要するかということ。 それからもう一つ、公告決定の通知を受けると、すぐ特許料金を、いつそれまでに納めろといってくる。納めますね、納めて公告中二カ月の間に異議の申し立てが来ますね、異議の申し立てが来ると、一年、二年、二年半、三年と引っぱられる。そうすると異議の申し立てを受けた間は権利未確定です。そうでしょう。ところが異議の申し立てが成り立たずして却下、そうして原特許者が勝つ。そうすると特許の効力は公告決定の日にさかのぼる。そんなばかなことはないじゃないですか。そうすれば二年、三年かかった間の時日というものは一体どうするのですか。これは異議の申し立てのために未決定ですよ。だから異議の申し立てが却下されてほんとうに特許権が確立したときから、異議の申し立てのついたところの特許というものは効力が発生するということでなければならない。だから、たいがい聞いてみると、二年半も異議の申し立てがつくと、特許料を納めるのを忘れて失権している。そうでしょう。それは失権になるでしょう。三年間たってですよ。それは特許庁が特許庁の責任において特許料の納入を書留ででも通知してくれるならいいけれども、いまやっているのは発明協会だ。これは出したり出さなかったりする。だから、そういう点からいくと、特許というものは国際的に非常に重要な問題でありますけれども、日本の特許行政というものは、われわれから見ると、すこぶる欠点だらけな特許行政である。新しく特許庁長官になられたのでありますから、賢明な手段をもって、こういう欠点をひとつ除去していただきたい。御答弁は要りません、おみやげですから。 終わります。 ————◇—————
○沖本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 本案審査のため、明二十八日、参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○沖本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○沖本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次回は、明二十八日木曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時一分散会