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58回国会衆議院1968/03/11

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
58
登壇者
6
会派数
4
開催日
1968/03/11

会議録

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  科学技術振興の基本施策について質疑の申し出がありますので、これを許します。石川次夫君。

石川次夫日本社会党

○石川委員 先般、第五十八回国会における科学技術庁長官の所信表明を拝聴いたしましたけれども、例年のものに比べて比較的簡にして要を得ているという点を評価をするにやぶさかではございません。しかしながら、問題は、実態がどうかということであろうかと思うのであります。実は、科学技術基本法も今国会に提案になるようでありますから、その機会に細部にわたっていろいろと質問をするつもりでございますけれども、きょうはこの施政方針演説に述べられたことに関して、非常に大ざっぱな質問だけを申し上げたいと思っております。  それでこの施政方針演説を見ますと、「産業の振興、社会開発の促進等、幾多の大きな課題が山積をしておる」ということから、科学技術の使命というものは重大である。したがって「産業技術だけではなく、公害及び自然災害の防除、交通事故の防止等、従来にも増して多くの分野において、研究開発の画期的な推進につとめることが強く要請されておる。」これは、私は御趣旨はまことにもっともだと思うのでありますけれども、たとえば、この中で具体的に述べられました公害防除、災害防除、交通事故の防止、こういう点を、具体的に科学技術の面から、どう研究開発の促進をされようとしておるのか、その点を伺いたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 最初の、所信表明において申し上げました大型プロジェクトのほかに、現在必要といたしますところの公害、交通事故及び災害の防止の問題がございます。  御承知のとおり、科学技術庁におきましては、災害につきましては防災センターというようなことで、いわば他省でやっておる以外の問題等につきまして、基本的な問題について、あるいは研究分野というような点、たとえば地震の問題あるいは気象調節の問題等をしておるわけでございます。交通等におきましては、御承知のとおり運輸省あるいは警察庁、公害等におきましては通産省あるいは厚生省、そういうところに対しましてお互いに協議をして、そうして、現段階におきましては、これに研究調整費から研究費を差し上げて調査をしていただく、あるいは研究をしていただくというような段階しか実はできておりません。率直に申し上げまして、御承知のとおり、今日それ以上のものを科学技術庁として直接タッチしてやっていくという事態ではまだないのでございます。しかし理想といたしましては、さらにひとつ科学技術庁として、連絡協議会等からそういう点を命題を出してもらって、いわば調査研究をして、科学技術庁自体におけるもっと掘り下げた研究をしたいという希望を持っております。現段階におきましては、そこまでいっていないという状態でございます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 私はやはり、大臣のおっしゃるとおりだろうと思うのであります。まだまだ具体的に科学技術庁としてそれを取り上げるというところまでの力は持っておらない。しかしこういうことを所信表明で述べられたヒントといいますか、それはおそらくOECDから出ているのじゃないかと思うのであります。今国会で特別委員会を設置されている公害防止の問題、災害対策の問題あるいは交通事故防止の問題というのは、全部OECDの科学政策委員会の中で取り上げようとしておるわけであります。したがいまして、そういう実情にならって、科学技術庁もこれを取り上げたいという意図はわかるのでありますけれども、現在のところは、残念ながらお題目だけに終わっておるという実態であります。したがって、将来はこれを何とかして科学政策の面で取り上げるという必要性が出てくるかと思うのでありますが、しからば、その公害や災害や交通事故を取り上げる基本的な理念は一体どこにあるのかということを、まず確立をしてもらわなければならぬ、こう思っておりますけれども、この点はどうお考えになっておりますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 御質問の趣旨は、取り上げ方の基本的な理念でございましょうか。

石川次夫日本社会党

○石川委員 はい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 そういう点におきますと、それぞれ各省がやっておられますので、科学技術庁としては、それを取りまとめながら、その間において技術庁独自のそれぞれ研究なりあるいは広く全般的な科学技術の分野に任務を持っておりますから、いわば示唆を与える、あるいはみずからの研究機関のあるような災害等の場合は、そこで研究をしていくといういわば総合されたものとして、各省でばらばらといっては語弊があるかもしれませんが、各省自体の独自の立場でやっておられるものを、科学技術庁としてはやはり総理府的な立場に立ってまとめ上げて、一つの線を出していくというような形が必要ではあるまいか。いわば各省ばらばらで——ばらばらというと語弊があるかもしれませんが、そういったような点を総合した企画を国として立てていくところの中心になっていく必要があるのじゃないかというふうに考えております。

石川次夫日本社会党

○石川委員 これは、いずれまたあとで、じっくりとお話し合いをしたいと思っておるのでありますけれども、産業技術だけにとどまらず、かくかくのものが必要である。ところが、産業が発展をし、都市が発展をすることに伴って生ずるところの弊害というものが公害であり、交通事故という問題であるわけであります。したがって、そういうものから人間を守っていくんだ、人間の安全性を確立するんだという、人間の安全性を守るという科学の立場に立ってこういうものが必要である、こういう基本理念に立ちまして、実は産業の発展とかあるいは利潤の追求のために生ずるところの人間性喪失を守るという立場の科学というものを確立するためには、公害の防止、災害防止、交通事故の防止というものが必要になるのだ、こういうふうな基本理念というものを確立した上に立って、科学政策の立場でこれを重視をしていくということのためには、やはり強力な科学政策というものを、ここでむしろ一元化していくというくらいの気概を持たないと、ただ単なるお題目に終わる危険があるのではないかという点を私は懸念しておるわけであります。そういう点は、私の質問も非常にぼうばくたる質問でありましたから、ピントの合わない御答弁をいただいたわけでありますけれども、基本理念というもの、なぜ科学の政策という面でこれを取り上げるかということをぴしっときめて、熱情を込めて取り組むという姿勢が大切であるし、それがなければただ単に各省にまたがるものをまとめるだけということに終わってしまうということを私は申し上げたかったわけであります。  それではその次に、第一の科学技術振興の基盤強化ということについて、二つ私は問題があろうかと思っております。  その一つは、えらい具体的な話になりますけれども、研究学園都市の筑波の問題であります。この問題については、なかなか進捗をしない。私の茨城県のほうの関係の問題でありますけれども、土地の買収もまだ六八%ぐらいしか済んでおりませんし、移ると予定をされておる各研究機関や学校などにおいても、なかなか反対が強いというようなことで、この実現性が危ぶまれておるといいますか、なかなか困難ではないかというような見通しがされておるような現実であります。  そこで、研究学園都市のことにつきまして、この機会に若干質問をしたいと思っておりますが、計画局長、来ておりますね。——この移転計画の総括というものは一体どこでやっているのか。これは科学技術庁だという説もあれば、あるいは建設省じゃないかというようなことで、この取りまとめの中心は一体どうなっているかということがさっぱり明確になっておりません。したがって、この筑波学園都市の問題で非常な困難が、あるいは混乱が今後予想されるのでありますけれども、一体どこを窓口にして話をしたら話がまとまるのかということがさっぱり見当がつかない。各委員会に顔を出さなければならぬということになるのじゃなかろうかということを私は懸念いたしております。計画局の科学調査官が一応の総括をやっておるというふうに聞いておるわけでありますけれども、この移転の取りまとめは一体どうなっているか、これをまずお知らせを願いたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 詳細は計画局長より申し上げますが、いま言われましたように、私自身も、実を言うと、そのように感じておる点がございます。一応総理府に学園都市推進本部というものがあって、それが総括をすることになっておりますが、相当の地位の人であって、それに専念して、実際一生懸命になって推進をはかっていくというような事態にまで、実は他に兼務等があってなかなか進んでいない。したがって、どうしてももう一回といいますか——ここまできた以上は、どうしてもこれを完遂させなければなりませんし、三月一ぱいでは大体七〇%くらいの、日本住宅公団による土地の買収もできるようでございますし、三十六の移っていく機関の中において、そのトップを切って、大型耐震実験装置をつくるということに予算化しておる実情等もございます。一面また、無機材研も移ることになっておりまして、現在無機材研が借りておる理研の建て物も手狭で、新しい予算をつけてやっても、率直に言って、その拡張の余地がない。また拡張できても、その研究をするのにもなかなか不十分であるというふうな状態を考えますと、やはりもう一ぺん、この研究学園都市の推進問題については私も真剣に取り組んで進めなくちゃならぬというふうに考えておるわけでございます。  なお、詳細は計画局長から申し上げます。

武安義光科学技術庁計画局長

○武安政府委員 ただいま大臣から御説明ありましたとおりでございますが、学園都市の全体の計画につきましては、御案内のように、総理府に設けられました推進本部において行なっておりまして、それの事務的担当は首都圏整備委員会の事務局が当たるわけでございます。  御承知のように、学園都市の中に包括されますものとしましては、公共施設あるいは住宅等も必要になりますし、大学、各省の国立研究機関、そういったものが入ってまいりますので、当庁としましては、国立研究機関につきまして、その移転側省庁の計画を総合調整するという立場で、その施設の基準、移転場所の調整ということで参画しまして推進しておりますが、なお十分努力いたしたいと思います。

石川次夫日本社会党

○石川委員 筑波学園都市の問題は、私がずっと以前に建設常任委員会におりましたときに、両方にまたがって、いろいろこういうふうなことを考え出した一人でもあるわけでございますが、なるほど過密都市を何とか防止をするというねらい、それから研究施設というのは各省庁にまたがって非常にばらばらになっておる、この施政方針演説にもございますように、細分化されると同時に、これを総合しなければならぬということのためには、まず場所だけでも一元化したらどうなんだろうかというようなことが端緒となって、こういう筑波研究学園都市という構想が具体化してきたわけでございます。私はねらいそのものは必ずしも誤っておるとは思わないわけでありますけれども、何かこれを進める中心というものがはっきりしておらない。科学技術庁の関係では、科学技術関係のものを取りまとめるということの総括の担当にはいま計画局が当たっておるわけでありますが、これはどういう部門が行くことに予定されて、どういう構想になっておるかということが全然あからさまになっておらない。これはどこかでは発表されておるのかもしれませんが、非常に不明確だと思うのです。したがって、その総括の内容、そして、何かそういうことについての会議をし、連絡調整の打ち合わせをしたというようなことがあれば、その総括打ち合わせの議事録というふうなものがあれば、それをひとつ出していただきたいと思うのです。それが全然ないものですから、質問するのに手がかりがないという実態なんです。それをひとつお示しを願いたいと思っております。私は反対運動が相当強いということは承知しておりますけれども、反対せんがための反対はしようとは思いません。しかしながら、何としてもいまのままでは成功がおぼつかないのではないかという感じがするわけです。したがって、そういうことに関する資料がありましたら、この委員会のほうに御提出をお願いしたいと思います。この件につきましては、その資料を拝見した上で、あらためてこの委員会において質問をしたいと思っております。  それから、科学技術振興の基盤の強化ということについての一つの具体的な例として、研究学園都市という問題が取り上げられておる。その研究学園都市が必ずしも軌道に乗っておらないという点で私は取り上げたのであります。それからあと一つは、科学技術の振興の基盤整備という問題であれば、この基礎研究というものは不可欠の条件である、こう私は考えておるのです。基礎研究をいかに充実させるか、その点についての配慮がこの施政方針演説の内容には触れられておらないという点が、私は実は残念に思う点なのであります。科学技術庁それ自体は、基礎研究というよりは、目的研究とかあるいは大型プロジェクトというものを対象とするのが重点になっておるようでありますけれども、科学技術振興の基盤の強化ということをうたい上げる以上は、どんなことをしても、日本で一番立ちおくれておる基礎研究というものをここに取り上げなかったのはおかしいではないか、こういう意見を私は持っておりますが、この点については別に御意見を伺いません。  その次に、「第二は、原子力の平和利用の推進であります。」ということが書いてあります。原子力時代ということばを、佐藤内閣総理大臣が、どういう魂胆があったか、「核時代」ということばに置きかえたわけでありますけれども、原子力の平和利用の推進は、何としても将来のエネルギーの問題でありますから、これは何とか一日も早く自主独立の技術というものを開発しなければならぬということで、昨年動燃団というものができたわけであります。そこでちょっと伺いたいのでありますけれども、動燃団——動力炉・核燃料開発事業団が行なう仕事は、これはあくまでも応用開発の問題であります。これはなかなか基礎研究——目的づけられた基礎研究も、当然その前提条件としては必要でありましょうけれども、動燃団のやることは、基礎から始めるわけにはまいりません。したがって、これは原子力研究所というものとの不離一体の関係を促進しなければならぬ、こう思うのであります。  ところで、原子力研究所の予算は、この予算の説明によりますと九十三億三千万円ということになっておって、動力試験炉の出力上昇計画というものもあり、あるいは材料試験炉というものも試運転をしなければならぬというふうに、原子力研究所で新たに取り上げなければならぬプロジェクトというものはだんだんふえてきておるわけであります。ところが、この原研の来年度の予算の中で、増員計画が一つも取り上げられておらない。これは一体どういう理由なのか。ほんとうに動力炉開発をやりまして、日本の将来のエネルギー源を自分の力で開発をしていくんだという熱情をもって動燃事業団というものをつくられた以上は、それと不離一体の関係をなす基礎研究部門でありますところの原子力研究所の増員がゼロ、こういうことがからんで——実はあらためてこれもこの委員会でもっていろいろ参考人を呼んで事情聴取したいと思うのでありますけれども、そういうことがからんで、今日原子力研究所の労使関係——というのは、ちょっとことばが適当でないかもしれませんが、相当の混乱が起こっておる。片一方のほうに新しい設備ができ、そこに人間が移動する。増員計画はない。したがって、一人一人の研究テーマがあって、それに自分で取っ組んでおるのが、かってにどんどんすり変えられて、研究テーマが中止になるというようなことで、基礎的な研究の必要な原子力の研究も、この原子力研究所におけるところの増員というものを全然認めない予算だというようなことで、はたして原子力の平和利用を推進するという熱意があるのかどうかということを、私は非常に疑問に思うわけであります。その点、増員計画ゼロということになりましたその理由、原子力研究所の増員がゼロになっても、なおかつ、研究が進められるという自信を持っておられるのかどうか、この点をひとつ伺いたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 総括的にお答えを申し上げまして、原子力局長から補足してもらいます。  その前に、研究学園都市の問題につきまして、私の考えを一言申し上げておきたいと思います。  実は私も現地に参りました。ということは、どうしても科学技術庁が先頭を切ってあそこに移るような状態になっておりますので、現地を調べる必要もあり、ちょうど機会もございましたので参りました。私の感じとしては、どうしても推進本部をさらにネジを巻いて——あの研究学園都市が、もう七〇%ぐらい土地が買収できておりますから、それに対する道路計画なり、あるいは職員の厚生施設あるいは住宅、そういう点についてもっと具体化して実態を明らかにしないと、多くの研究所があそこに移転するというかけ声だけではいけないんじゃないか。実際私自身の、たとえば大型耐震実験装置をつくるといたしましても、つくるのはよくても、それに働く方に対して十分国としてそれだけの道路計画なり厚生施設なり、水道そのほか環境整備をやり得る自信がないと、私自身ですら、率直に申し上げて、なかなか持っていくことがちゅうちょされるというような気分を私は持って帰りました。しかし気分だけ言ったのではだめでございますから、さらに、いま申し上げました推進本部なり、あるいはその他関係閣僚との懇談なりで、一たんきまった研究学園都市の建設について、私は微力ではございますが、ほんとうにひとつ、予算もきまったことですから、努力をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。  それから原研の問題でございますが、原研につきましては、詳しく申し上げますが、いろいろ予算査定の際において非常に難航をいたしましたことでございます。そこで行管のほうからは、各事業団について一律の減員計画を立ててまいりまして、増員はおろか、減員を慫慂されるような状態であったので、終始一貫これに伴う増員についての折衝をいたしましたが、私の微力のいたすところ、どうしてもこれが進めることができずして、いわば減員されたものを増員して大体原状復帰というようなところで、特別扱いということでその実態をのまざるを得なかった。したがって、原研の首脳部に対しましてもその実情を述べて、原研首脳部自体も非常に不満がございましたけれども、ことしはそれによってやっていただくというようなことでございまして、決して私はいまの人員で十分であるとは考えておりません。今後再度、来年度予算そのほかにも努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。この点は、私も今回非常に気がかりな点でございましたが、そういうことをまあ率直に申し上げたわけで、実質が伴わなかった点はまことに残念であったことを申し上げておきたいと思います。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○藤波政府委員 若干つけ加えて御説明申し上げますと、原子力研究所の人員の予算折衝は、いま大臣から申されましたように、われわれ非常に努力をいたしました問題の一つでございますが、当初原子力研究所のほうでは、来年度の人員につきましては、新たに動き出す予定の材料試験炉に配置すべき運転者でありますとか、あるいは先生先ほど御指摘がございました動燃事業団との協力研究業務等のために新たなる増員が必要であろうということで、約百五十人余りの増員を要求しておったわけでございますけれども、結果におきましては、ただいま大臣から説明がありましたとおりになったわけでございます。したがいまして、さしあたり来年度におきましては、きまりましたワクの中で何とか善処していかなければならないと考えておるわけでございます。原研におきましては現在二千名の人員で仕事をやってきておるわけでございますが、すでに十年を経過いたしておりますので、中には、たとえば原研第一号炉のごとくすでにその目的の大半を終了しつつあるものもございますので、そういうものの整理等も含めまして全体の業務計画の再検討、それに伴います人員の再配置等を現在真剣に検討いたしておる段階でございます。  それからさらにつけ加えますと、動燃事業団のほうには新たに百十名余りの新規増員も認められておりますので、この事業団との業務の協力をやる際におきまして、これらの人員ワク等の有効なる活用といったことにもくふうを加えまして、何とか切り抜けていきたいものであると考えておる次第であります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 長官の答弁で筑波学園都市の問題がまた出たようでございますが、資料をいただいた後にあらためてこのことは検討したいと思っておりますので、きょうは質問は先ほどの程度にとどめたわけです。  と申しますことは、たとえば環境整備の問題につきましても、上下水道は一体どうなるのだ、住宅は一体どうなるのだ、あるいはまた、具体的に向こうに移った場合に手当が一体どうなるのだということがかいもく見当がつかないというような状態で、さあ研究所ができたから移れといわれてもなかなか移る気にならないというのが実態だと思うのです。たとえば道路の問題にしましても、筑波学園都市を国家の事業として取り上げるということになった場合には、現在の道路を使うということではとうてい短時間のうちに目的を達することができないというようなことで、常磐高速道路をつくるということに閣議決定を見ておったわけです。ところが今度の高速道路の審議会で発表された案を見ますと、常磐高速道路なんかどこかへ吹っ飛んでしまっているわけですね。そのときそのときの御都合主義でもってそういうふうな方針をきめられるというやり方であったのでは、筑波学園都市に行けば何とかするのだというふうなお題目を唱えても、現実に一体上下水道はどうなる、環境整備の問題はどうなる、手当の問題はどうなるのだということの前提条件が解決されないと、ただ移れといっても絶対成功できない、ぼくはこう見ておるのです。したがいまして、そのことにつきましては、あとで具体的な資料をいただきましたときにあらためて、この筑波学園都市を軌道に乗せる方途をどうするということを探る意味で質問したいと思っておりますけれども、その点を一応申し上げておきたいと思います。  それから、いま原子力研究所の問題について御説明がありましたけれども、動燃団というのはあらためて今度新しいプロジェクトとして発足したのであって、基礎研究みたいなものはこれの中には含まれておらぬわけです。基礎研究は、あくまでも原子力研究所と不離一体の関係でこれを促進するということがなければ、絶対にわれわれの目的としている動力炉の開発は不可能、核燃料の開発も不可能じゃないか、こうわれわれは常々考えておるのです。これはだれも否定できないと思うのです。新しい設備はできたわ、新しい仕事はできたわ、しかし増員は絶対にやらぬというようなことで、はたして原子力の平和利用を積極的に進める意図があるのかどうか。非常に勘ぐったものの言い方をすると、原研なんかどうでもいいのだというような考え方で動燃団設置の目的を達しようとすると、これは砂上の楼閣になるのです。どう考えてもできるはずはありません。そういうことで、いま原研の中では非常な不満がうつぼつとして出ておるということ、これは決して労働組合の面で言っているのではないのです。一人一人の研究者がせっかく取り組んでいるテーマというものがもう三十も四十も全部削られているわけです。この点はやめろというような一方的な話になって、片一方にどんどん移動させられておるというような状態の中で、はたして原研が取り持っておる日本の中心的な原子力の基礎研究というものの発展ができるかどうか。そういう上に立って動燃開発事業団というものをつくってみても、それがはたして成功するかどうかということをほんとうに真剣に考え直してもらわなければならぬと思うのです。この原子力の平和利用というのは、佐藤総理も施政方針演説の中で大みえを切っておる。最初にみえを切った第一項目です。ところが実態はどうかというと、実態はそうなっておらぬということをひとつよく考えておいてもらいたいと思うのです。この点につきましては、いずれ原研の関係者などを呼び、あるいは動燃団の関係者などを呼んで、つぶさに私は検討をしたいと思っておりますけれども、きょうはへき頭に申しましたように、施政方針演説に対して通り一ぺんの質問だけで終わるつもりでありますから、掘り下げた質問はいたしませんけれども、とにもかくにも、そのような姿勢で原子力の平和利用を積極的に進めたとはいえない。何か原研というものに対して、これを何か非常に疎外をするといいますか、原子力研究所はどうなってもいいのだという考え方がここに出ているのではないかという懸念を持っているために、そこには一体何があるのかということを、この委員会でいまは申し上げません。しかしこんなことでは原子力の平和利用の健全な発展は望めないような実態になっているということだけを結論的に申し上げておきたいと思います。  それから、あとは資料の要求をしたいと思っておるのでありますけれども、海洋の開発利用ということにつきましては、科学技術庁関係の予算としてはたいしたことはございませんが、これは各省にまたがってやっておると思うのです。それを総合的に、どういうふうな予算になっておるかということの資料をこの委員会に提出をしてもらいたい。その全体を見通した上でないと、科学技術庁の関係だけの予算をもとにした海洋開発の質問はちょっとできないと思うので、この資料をひとつ出していただきたい。ひとつ委員長において取り計らってもらいたいと思います。  それから、こまかい点を申し上げますと、いろいろあるのでありますけれども、第六で試験研究費、これは税額控除制度の拡充ということがうたわれております。これは「わが国独自の国産技術開発の促進であります。」ということになっておりまして、その内容として「試験研究費に関する税額控除制度の拡充を行なう」、こういっておりますが、私不勉強でその実態がよくわかりませんものですから、ひとつそれを御説明を願いたいと思います。

武安義光科学技術庁計画局長

○武安政府委員 試験研究費に関する税額控除制度の拡充でございますが、これは四十二年度から、一定年度に会社が支出しました研究費を上回る研究費部分につきまして、基準年度に対しまして二五%程度の税額を控除するという制度ができたのでございますが、四十三年度における制度としまして、通常の企業平均以上に増加しました分についてはさらにこれを上のせして税額の控除制度を拡充する。具体的に申し上げますと、年間通常の企業における研究費の増額が基準年度に対しまして一二%程度をこえて増加した分につきましては、さらにその増加分について五〇%の税額控除を認めるという制度が四十三年度から創設されることになります。

石川次夫日本社会党

○石川委員 税額控除制度についてはいろんな考え方があるわけで、いまの制度がいいかどうかということについては再検討の余地があると思います。その点については、あとでまた、あらためて質問をいたします。  それからコールドチェーンについて、科学技術庁でたいへん鳴りもの入りでいろいろやってこられたと思いますけれども、ことしの予算では、このコールドチェーンの関係の予算というものはあまり多くはなくて、大体完了に近づいたというふうな形の予算になっておるのではないかと思っております。したがいまして、このコールドチェーンのいままでの試験研究をいたしましたその結果といいますか、報告といいますか、これは非常に精密なものでなくてもけっこうであります。私たち全然存じませんですから、ひとつこれも資料として提供をしてもらいたいと思います。これも委員長にひとつお願いをしておきたいと思います。  それで、きょうは、たいへん大ざっぱな質問で恐縮なんでありますけれども、最後に「昭和四十三年度政府予算案におきまして、科学技術庁の予算は、一般会計予算の伸び率を大幅に上回り、総額三百十八億円余、前年度に比べ、約三二%の増となっておりますが、これも皆さま方の御支援のたまものと厚く御礼申し上げる」ということでございますけれども、外交辞令としてはこれはやむを得ないと思うのです。  しかし、御承知のように、科学技術関係の現在までの予算があまりにも少な過ぎたという実態は、これは長官に言われなくてもわかっておると思うのです。先進国に比べて、アメリカ、ソ連は例外といたしましても、たとえば原子力だけの予算につきましても、どの予算をとってみましても、比較にならぬほど少ない。しかし大型プロジェクトだけではなくて、研究費全体の予算の中に占める政府支出の割合というものも、ほかの国では七割くらいであるけれども、日本ではわずか三割ということで、問題にならぬほど貧弱であるということを考えますと、財政硬直化という名前のもとに予算の伸びが少なかったといっておりますけれども、その中で科学技術庁の予算が伸びたということだけでわが世の春を謳歌するようなこういう見解は、私は少し不見識ではないかと思うのです。こんなもので日本の科学技術の発展がはかれるかどうかということをわれわれは常に心配しているわけなのであって、そのときに三〇%ふえたからまあまあ成功だ。一般には三〇%なんて伸びないということになっているのだから、その範囲内では三割ふえたということは確かに成功であるかもしれませんけれども、もとがもとなんですから、現状が非常に貧困であるということを考え、また、佐藤総理大臣が大上段に振りかぶって科学振興ということを言う以上は、この絶対額がわずか三百十八億くらいに伸びたところで、とてもほかの国に追いつき、そしてこれを追い越して日本の国民の福祉、繁栄をもたらすというにはまだまだ不十分であるということを肝に銘じて、長官としては責任を感じてもらわなければいかぬと思うのです。これは、外交辞令としてこういうことは一応了とはいたしますけれども、ほんとうの腹の中はこんなものではだめなんだ、こんな予算ではとても日本が先進国に追いつくわけにはいかぬのだということを考えてもらいたいと思うのです。先ほど申し上げたように、たとえば原子力の問題につきましても、原研の増員がゼロなんというような予算の取り方では、原子力の平和利用が、額にいたしましても、ほかの国に比べてそうなんでありますけれども、とてもとてもほかの国に追いついていくというわけにいかない、こういうのが実態なんです。  そういう点で、長官におきましては、こう言われることは一応了としながらも、こんなことではとても、日本の将来の繁栄の基礎になる科学技術の推進をもたらすには、まだまだ決意としては不十分であるということを私は申し上げたいと思うのでありますけれども、その点について何か御意見があれば伺いたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま石川委員からお話がございましたが、確かに予算の面におきまして、平面的に前年度対比、あるいは他省とのいろいろな予算獲得の率からいえば、これは三〇%をオーバーしているというような状態でございます。しかし、ひるがえってその内容あるいは今後における科学技術の問題等からいえば、もちろんわれわれは満足いたしておりません。こんなことでは、他の国の予算に比べて——ドイツなどでも五百億をオーバーしておるかと思います。六百億近いのではないかと思います。これは原子力の関係だけでございますが、したがいまして、そういったことを考えながら、ただいまお話しになりましたことも肝に銘じて、ひとつ今後さらに伸ばすように努力をいたしたい。決してこれで満足いたしておるわけではございません。どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。

石川次夫日本社会党

○石川委員 科学技術基本法が提案になっておりますから、そのときに各論にわたって詳細な質問をしたいと思いますから、きょうは非常に形式的な質問になりますけれども、一言申し上げますと、イギリスのウィルソンが政権をとりましてから教育科学省と科学技術省と二つの省になっておりますね。そういうことで科学技術の推進こそは国の命運をきめるもの、基本的な条件であるということで、税の増収分は全部科学研究のほうにつぎ込んでおる。あるいはドイツは、財政硬直化という問題で財政の組み方が非常に苦しくなった時期においても、科学研究の予算だけは全面的にこれをとっている、こういう取り組み方をしている。それに比べると日本の佐藤内閣のもとでは、お題目だけはきれいに並べておりますけれども、本格的な科学技術の振興というものが日本の将来の命運をきめるところのきわめて重要なものだというほどの気魄は、まだまだ私は見るわけにはいかぬ、こう思って非常に心配をいたしておるわけなのでありますけれども、きょうは一応長官の所信表明につきましてほんの上つらだけの質問で恐縮なんでありますが、私個人の時間の関係もありますので、きょうはこの程度にいたしておきます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次に内海清君。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 いま石川委員から、科学技術庁長官の所信表明に対する質問がありましたが、私も大体これによりまして、きわめて浅い質問でございますけれども、質問を一通り申し上げたい。したがって多少重複する面が出てくるかもしれませんけれども、なるべく重複を避けまして、御質問申し上げたいと思うのであります。  この所信表明を見ますると、わが国の国民経済の発展と、国民福祉の向上の基盤としての科学技術の振興、これにつきまして、長官から六項目の所信表明が行なわれておるわけであります。どの問題につきましても、私どもはきわめてけっこうなことである、こういうふうに考えるのであります。しかし、これはやはりこの政策が十分に推進されて、そうして、これが国民経済の発展と国民福祉の増進ということに役立ってまいらなければならないわけであります。  そこで私は第一番に、「科学技術振興の基盤の強化」という大臣の所信表明でございますが、この問題を一つ考えてみましても、やはり政策の遂行ということがきわめて大事なことでありますし、同時に、そのためには資金というものと、それから設備あるいは人材、こういう方面の裏づけができてまいりませねばどうもならぬわけであります。その一つがいわば予算にあらわれておるわけでありますので、いま石川委員からもいろいろお話ございましたけれども、四十三年度のこの予算を見まするというと、なるほど前年度に比べまして約三二%の増ということで、これは大きく評価されておるようでありますけれども、わが国の科学技術の現状からいえば、なおこれは考えなければならぬ問題が多いのじゃないか。そこでわが国の全体の科学技術の研究投資の面から見ると、わが国は、諸外国に比べましてなお縁の遠いものがかなりあると思うのであります。特にこの際申し上げておきたいと思いますのは、研究投資の総額に占めまする国の投資の割合であります。これはたしかわが国は三〇%程度にすぎないと思うのであります。しかし諸外国の例を調べてみますると、これは大体五〇%から六〇%、これが先進国の例であります。たしかアメリカは六四%程度になっておったと思うのでありますが、これから考えまするというと、半分近くである。遠く及ばないことは御承知のとおりであります。でありますから、わが国も早急に、少なくとも五〇%程度までは国の投資総額の比率を引き上げる必要がある、こう考えるのであります。この点につきまして大臣の御所見をひとつお伺いいたしたいと思うのであります。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま御指摘のとおり、研究投資といいますか、それの割合が、他国に比べまして非常に悪いことは事実でございます。これらの点につきましても、一ぺんにはいきませんが、先進国といいますか、ドイツあるいはイギリスは六〇%、あるいはそれ以上といったような国がございます。したがって、さしあたりそこまではいかないでも、日本の三〇%前後というものを一〇%ないし二〇%上げて、四〇%ないし五〇%ぐらいには、ここ一、二年のうちに持っていけるようにあらゆる努力をいたしまして、また、総理自体もああいうふうに言っておるわけでございますから、それらのことによって、今後とも来年度予算要求なりそれらの点を進めてまいりたいというふうに強く考えております。現実の問題として、率直に申し上げまして、日本は三〇%前後で少のうございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 さらにまた、国民所得に占めまする研究投資額の面から見ましても、現在日本はたしか一・七%程度であると思うのであります。ところが、これまた先進国の例を見ますと、大体最低が二・五%程度ではなかろうかというふうに考えております。この経済社会発展計画を見ましても、昭和四十六年度には最低二・五%程度を目標といたしておるようであります。こういう面から考えましても、今後のこの研究投資額に対しまする科学技術庁の役割りというものは、非常なものがあるだろうと思う。総理並びに長官におかれましても、総理の今日までの言明、長官の今回の所信表明を見ましても、科学技術の振興には最大限の力を入れるということでありますので、今後これらの面につきましても非常に考えていただかなければならぬ問題が多い、早急に解決すべき問題を含んでおるように思うのであります。この国民所得に占めます研究投資の面、これにつきましても長官の御所見があれば、お伺いしておきたいと思うのであります。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 ただいま御指摘のとおりでございます。手元にございます資料によりましても、昭和四十一年度の国民所得に対する割合は約一・七%でございます。これに対しまして、大体その年度に該当する調査といいますか、を引いてみますと、アメリカで四・三%、イギリスで二・九%、約三%、ソ連の場合もよくわかりませんが約三%前後、フランスであっても二・一%というふうに、やはり日本より数段上でございます。いまあげました国々は、日本の場合に比べて、その水準がわりあいに進んでおる面が多いのではなかろうか。したがって、日本とすれば、そういう水準にまで追いつくにもさらに一段の努力を要し、それに追いついて追い越さなくちゃならぬような状態に、戦争の影響そのほかがあって、あるのではなかろうかというふうに考えられます。したがいまして、パーセントだけですべてを評価するわけにはまいりませんけれども、やはりこれを目標に、さしあたりは二・五%前後を目標に、どうしても予算面そのほか進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これらの問題につきましては、いろいろ掘り下げるべき問題もあると思うのでありますけれども、いずれ、これはまた機会を得てやるといたしまして、その次にお尋ねをしたいと思いますのは、技術開発費でございます。  これにつきましては、いまいろいろこれを節約するために、国際協力による分業的な面も考えられてきておるというふうな状態であると思うのであります。国際協力によります研究開発の分業というふうなことがヨーロッパあたりではかなり行なわれておる面もあるようでありますが、これについてひとつ御質問いたしたいと思うのであります。そういうあり方について日本としてはいろいろ立地条件の問題もあると思いますが、どう考えたらいいのかということであります。しかしやはり日本といえども、できることなら、これに関連しまして、国際共同研究開発体制というふうなものを確立する必要があるのではなかろうかというふうな気がいたしますが、これに対します大臣の御所見を一応承っておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 技術開発に関します国際分業の問題でございますが、現在、御承知のとおり、だんだんと大型プロジェクトができてきまして、たとえばEEC諸国というように近接した国々によって国際協力といいますか、分業化及びその協力ということができておることは事実でございます。また、そうあることが便利な面も非常に多いかと思います。ただ、日本の場合におきますと、日本の置かれた他位というものがございまして、国を接しておるわけではございませんし、いわばアジアにおける先進国という形であるわけでございますから、簡単に近所の国と国際協力するというわけにもまいらない点がございますとともに、現在の日本の立場においては、国際協力をして直ちにその技術を受け入れることが、場合によっては日本の基礎的な科学というもの、自主的な開発というものを阻害するおそれもあるのではなかろうか。ただ受け入れるだけというのではなくして、そういう面を考えてまいりますと、日本は日本として国際協力ということを行なうことに決してやぶさかではないのでございますが、少なくともそこにはやはり限度があって、日本は日本としての自主開発、主体性を失わないというようなことがどうしても必要じゃなかろうかというふうに、これは今後の問題じゃないかと思いますけれども、私自身としては考えておるわけでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これは、先ほど申しましたように、日本の置かれた立場もございますし、なおヨーロッパのような一、二時間ですぐ連絡できるような立場にございません。きわめて困難な問題はあると思いますが、私は、その問題は、いま長官のお話しになりましたような、向こうのものを受け入れるという、そういう立場のみで考えるべきではないと思うのであります。少なくとも国際的に共同研究開発の体制をつくるということは、おのおのの自主性を生かして研究をお互いにやっていくという立場だと思うのであります。でありますから、ただ単に、これは日本のいままでの行き方がそうであったからそうお考えになるかもしれませんが、向こうの進んだものを受け入れる、研究されたものを受け入れるという立場であってはならぬと思うのであります。しかし、これはいまお話しのように、若干の時間がわが国ではなお必要なんじゃないかという点も考えられるわけでありますけれども、この点も、こういう位置にある国だからそういうものは必要でないという考え方は、この際やはりとるべきではないのだというふうに私どもは考えるわけでありまして、この点につきましても今後一そうの御研究をひとつわずらわしたい、かように思います。  それから科学技術振興の基盤強化の問題で二番目にお尋ねしたいと思いますのは、人材の養成の問題であります。長官も所信表明でこの人材の養成に触れておられます。これはまことにけっこうと思うのでありますが、ここで二、三お尋ねいたしたいと思いますのは、たとえば原子力関係についてひとつ見ましても、科学技術庁の調査によりますと、昭和五十年には大体三万人の原子力技術者が必要、こういうふうにされておると思うのであります。ところが一方、大学では、今日の状況から見ると、大体年間二百名、この程度の新卒があるにすぎないようになっておると思うのであります。また、こういうふうなことに関連しまして、すでに設立されました動燃の事業団、これあたりも確かに人材を集めるのにいろいろ苦労されているようであります。ただし四十三年度は百五十名程度の採用がきまったようで、まことにけっこうでありますけれども、政府は、これらの人材の養成に対しまして、どういうふうな具体的な見通しを持っておられるか、また、政策を持っておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。  さらにまた、これに関連いたしまして、大学の研究用の原子炉の建設計画、これも科学技術庁で知らぬわけにはいかぬわけでありますが、これはどういうふうになっているか、これをひとつお尋ねいたしたいと思うのであります。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 詳細は原子力局長より申し上げますが、人材養成につきましては、実はいま御指摘のとおりでございまして、数字的に、現在の大学卒あるいはそれに伴う養成施設等から見ていきますと、昭和五十年でございますか、原子力の三万人の養成ということはなかなか困難な状態にございます。したがいまして、これは文部省にもお願いをし、それから文部予算もうんととっていただいてそういう目的に進めますとともに、特に原子力発電の面におきまして、各電力会社が自主的に、将来十年間に十三基ぐらいできるわけで、現在直ちに二、三基は、御承知のとおり来年、再来年には発電をしていく状態にございます。そういうようなことも総合いたしまして、やはり官民あげてこの養成をする方法をとらなければならない。実際において、具体的にはいま原子力局長等も考えているかと思いますが、私自身として、やはり非常に達成困難な状態にある、ことしぐらい正確にひとつその目標といいますか、計画といいますか、それを立てて、政府も民間も一緒になってこの養成を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  なお、原子力局長から……。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○藤波政府委員 補足して申し上げますと、大学の研究計画、それから原子炉の設置計画等につきましては、直接科学技術庁はタッチいたしませんが、ただし原子炉の安全確保の見地から定められております規制法の条項は全部守るわけでありまして、原子炉を設置する場合には、大学のものといえども規制法上の規制は全部かぶるというふうになっております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 どうもただいまの御答弁では私は納得しかねるのでありますが、きょうはあまり議論をする時間がございません。少なくとも官民あげてという人材の養成につきましての長官の御意見でありますが、そこには具体的な見通しと政策がなければこれはとうてい達成できないと思うのです。少なくとも昭和五十年にこの技術者が三万名必要ということであるならば、それまでにこれが充足できるような一つの具体的な見通しと政策が早急に立てられるべきであると私は思うのであります。これはいまの御答弁は私はたいへん遺憾に思いまするが、さらに大学等の原子炉の問題も、もちろん安全等の問題にタッチされますけれども、これもやはり正面から科学技術庁が取り組んでどうこうという問題でないかもしれぬけれども、関係方面と十分連絡をとって、この人材の養成に事欠かぬだけのものはやはり伴ってこなければ相ならぬ問題ではないか、こう思うであります。これらの点につきましては、いずれまた時期を得て掘り下げたいと思います。  さらに人材の養成の問題につきましても、この間も海洋開発の問題に大臣も触れておられまして、いろいろ御質問もございましたが、この面から考えてみても、これは同様と思うであります。いま国立大学での海洋研究者の養成というのはきわめて微々たるもので、これはすでに御承知だと思うでありますが、最近海洋開発が非常に取り上げられておる。それに着目いたしまして、ある私立大学、これは申し上げてもいいと思いますが、東海大学でありますが、ここでは年間五百名の海洋学士を送り出そうと、すでにやっておられるわけであります。政府は、この原子力関係と同様に、海洋関係につきましても、人材の養成を私企業にまかすとかあるいは私学にゆだねるとか、こういうことでいいのだろうか。さらに、宇宙開発の問題にも同様に考えられると思うのであります。この点につきましての、前の問題と関連いたしますけれども、長官の御所見をこの際承っておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 人材養成につきまして重ねて、原子力のほかに海洋開発あるいは宇宙開発、これらの点につきまして、私は率直に言って、五十年なら五十年、六十年なら六十年にどれくらいの人間が入って、どれほどの人材を養成すべきであるというようなことの報告は、あるいは計画を、まだ不勉強で受けておりません。しかしながら、やる一つの基本計画があって、それを実行する以上、それだけの人間がなければ、率直に申しまして、実行できないわけであります。したがって国立大学においても文部省と、あるいは私立大学の傾向と、それらの点をさらに科学技術庁としては総合的に研究をさせまして具体的な案をひとつ、これはちょっと時間がかかるかと思いますけれども、これはぜひ必要なことだと思いますので、御報告できるように研究いたしたいというふうに考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これは少なくとも、海洋開発の問題を大臣の所信表明で取り上げられます以上は、そこまでの配慮が伴わなければ何にもならぬと思うのであります。原子炉にしましても、私企業の原電のほうで養成しておりますが、そういうものを私企業にただ単にまかしておいていいか、いろいろこれは問題があると思うのでありますが、これらにつきましては、ひとつ十分今後具体的な案を立てていただきたい、こう思うのであります。  さらに、人材の問題に関連いたしまして、私は、人材の海外への流出あるいは海外留学生の問題、こういう問題があると思うのであります。わが国の科学者が海外へ出ていく、いわゆる頭脳の流出でありますが、これは依然として大きいようであります。問題になっておることは御承知のとおりでありますが、同時に、私調べてみまするというと、東南アジア等からのわが国に対する留学生、これを呼ぶことはきわめてけっこうであると思います。ところが、これらの留学生が、日本で専門的なそういう教育を受ける、そうすればそれらの諸君は、日本にとどまってその研究の成果を発揮するか、あるいは自国に帰ってこれをやるというのなら、これはきわめてけっこうだと思うのでありますが、いろいろ聞いてみまするというと、それらの留学生の諸君が、日本にもとどまらず、なお自国にもとどまらないで、アメリカ等への就職がきわめて多いということでございます。これは私はまことに遺憾と思いますと同時に、問題であると思うのであります。このわが国の科学者の海外流出を防ぎますと同時に、留学生、これらが修得いたしました専門的な知識というものを、彼らの本国か、あるいはわが国にとどまってこれを生かすような方向に指導すべきではないかというふうに考えるのであります。これに対する御所見もひとつお伺いしておきたいと思うのであります。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 日本におきまする頭脳の海外流出の点につきましては、日本の旅券の問題等々の関係からなかなか詳細なデータがございません。ただ逆に、アメリカの下院におきまして、科学政策委員会資料というのがございまして、これはそこに報告されたものでございます。それによりますと、昭和三十七年から昭和四十一年まで科学技術者——これはどういう範疇であるかわかりませんが、科学技術者といわれているもので二百五十七人、それからお医者さま、医師で百三十八人、合計三百九十五人、約四百人が、いわば向こうに住んで研究しておるというような状況でございます。ただ、同資料によりますイギリスやドイツなどを見ますと、ドイツ等においては三千人とかいうような、イギリスにおいても相当、より多い数千人を算しております。しかしそれはそれとして、アメリカのほうがいろいろな研究環境がいいせいでございましょうか、あるいはそういったとどめるということ、そのこと自体について、日本で現在規制をする措置がなかなかでき得ない、この点まことに残念でございますが、日本自体としても、やはり、アメリカにおけるより、本国でほんとうに研究をやって役に立てていただく環境をつくり、それだけの、もちろん待遇そのほか環境に今後留意しなければならないというふうに考えております。また、その具体的な点は、それぞれひとつ研究もし、あるいは世間に関心を持っていただいて、日本にとどまって、日本のために研究をしていただくというふうに進めなければならないと思います。  なお、東南アジア方面から日本に留学いたしまして、そうして、ある程度の学問を身につけられ、科学技術の学問を身につけられて、そうして、本国に帰らないで次にアメリカなりあるいは他の先進国に行って勉強をするというケースも相当あるやに聞いております。率直に申し上げまして。ただ、この実数そのほかがつかめません。これもやはり日本におけるいわゆるウエートといいますか、そういった研究のウエートが信頼されればできてくるわけでございます。日本にとどまりあるいは本国に帰ってでございましょうから。これをまた規制する措置というものも、具体的には、そうはいうものの実際どうすればいいかということになると、ほんとうに困るわけでございます。この点はもう少し調査も進め、これらの実態に触れて、どういう点に足りない点があって他の国に移っていくかという点も、やはり調べてみる必要があろう。文部省とも相当関係がございますから、これは文部省との関連において進めてまいりたいというふうに思っております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 この問題は、なかなかむずかしい問題だと思いますが、わが国に科学技術者が今日足らないという状況の場合にそういう現象が出るということは、やはり国としては十分考えなければならぬ問題だと思う。わが国の科学技術者が海外へ出るということにつきましては、確かにいま大臣のお話しのような点がおもな点じゃないかと私も思いますが、これは今後、具体的に——今日まで、これはたびたび問題になってきた、それでなおかつこれが防止し得ないということ、これには、やはり国としてもある程度の思い切った措置をとる必要があるのじゃないか。何も、日本人でありますから、よそに行って就職し、研究するということを、本人自身も好むところではないと思うのであります。ただ、わが国におりましては十分なる研究ができないということ、さらに研究の成果を十分生かし得ないという面、あるいは待遇の問題もございましょう。これらの問題が解決されてくるならば、私は、これはある程度防げるものではないかというふうな気もいたします。これにつきましては、ひとつ、国としましても、今日まで長年論じられた問題でありますので、早急に解決できる方向に御努力願いたい。  きょうは突っ込んだ話ができませんでたいへん恐縮でございますけれども、次に、大臣は原子力の平和利用の問題について触れておられるのでありますが、私は、今度の核拡散防止条約の問題とかいろいろございますが、これはひとつ十分お考えいただきたいという程度にとどめたいと思いますが、ただ、ここで先ほど石川委員もお触れになりましたけれども、申し上げておきたいと思いますのは、御承知のような動燃事業団が発足して、そうしてナショナルプロジェクトに真剣に取り組んでいく、そうして、動力炉の開発に着手したということはまことに喜ばしいことと思うのでありますが、しかし、私ども考えまして、この原研との関連、これがなお不明確な点があるのではなかろうか。先ほど石川委員も触れられましたように、最近、原研の内部で労働問題が発生いたしておるわけであります。原研に対しましては、科学技術庁は監督官庁である、こういう立場があるわけでございます。もちろん、これらの問題は、あるいは労使と申しますか、そういう方面で解決さるべき問題でございましょうけれども、原研内部におきまする労働問題というふうなことは、もちろん、この原研内部の問題でありますけれども、むしろ私は、政府の動力炉の開発方針について、実はこれに徹底を欠く面があるのではなかろうかという気がいたすのであります。これらに対しまする大臣の御所見がございましたら、お伺いしておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 この方針の詳細につきましては、原子力局長からお答えするかと思いますが、やはり原研と動力炉は、動力炉の面におきましては、一応基本的な、基礎的なものは原研でやっていただく、そうして、その間においての研究成果を、あるいは試験炉あるいは原型炉というふうに動力炉でやっていただく、したがって、その間やはり、先ほど石川委員が言われましたように、一体化となってこれを進めるという形にいかなければ、同じようなものが二つあってお互いに相競い合うようなことがあり、あるいは相競い合って大事なところが抜けておるようなことがあっては困りますので、そういった点についてはやはり緊密な連絡とともに、そういった点の連携を、研究分野といいますかあるいは実験分野と申しますか、そういうものに連絡を密にして、むだのないようにこれを進めていくということが必要であろうという基本的な考えを持っておるわけであります。  なお具体的には原子力局長から申し上げます。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○藤波政府委員 動燃事業団の業務を進めてまいります場合に、原研とどの程度協力し、原研をどのように活用していくかということにつきまして、現在両者で真剣に検討を進めておりますが、本年度の予算の執行にあたりましても、設置すべき試験設備等の設計につきましては、従来原研が行ないました成果をそのまま取り入れまして行なうということが決定されて、すでに試験装置の製作発注の段階に至っておるわけであります。来年度以降につきましても、相当の部分を原研に委託した形で業務を遂行するという面が相当考えられておるわけであります。  なお、この際つけ加えて申しておきますと、将来原研をどういうぐあいに活用していくか、どう持っていくかというようなことも含めまして、実は先般の国会で附帯決議されました原子力推進のための開発体制の再検討、そういう懇談会を原子力委員会の中に設けまして、原子力委員会のみならず原研の今後の問題、あり方ということも検討をされる予定になっております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 いろいろございましょうが、私どもが外部から見ておって考えられますことは、今度の原研の人の問題もそういうことから出ておると思いますけれども、結局動力炉の開発方針というものがほんとうに徹底しておるならば、政府の原研に対する考え方ももう少し変わってきたのではなかろうかという気もいたすわけであります。委員会の中でそれらの研究機関ができればまことにけっこうでありますが、この点は早急にお考えいただいて、これが開発方針が徹底されて、それに対応するような原研のあり方を科学技術庁としてもお考えにならなければならぬのじゃなかろうか、かように考えるわけであります。  それから次に、平和利用の問題で原子力船の問題について若干お尋ねしたいと思うのであります。  申し上げるまでもなく、原子力商船の開発の状況は、アメリカ、ソ連がすでにできておりますし、西ドイツにおきましても、ほぼ完成したという段階であります。わが国におきましては、これはすでに五年ないし十年のおくれをとっておるわけでございます。したがいまして、この第一船の建造計画につきましては、定係港の建設を含めまして、これは着実に実施されなければならぬ。はたしていまの原子力船事業団の——これは時限立法であります。その間に着実にこれが予定どおりにできるかということにつきましては、いまから申し上げるのは早いと思いますけれども、私は、実際の状況を見ながら、いささか疑問を持つものであります。  この原子力船の就航に伴いましてお尋ねいたしたいのは、運航技術並びにこの港湾管理ということです。こういう問題を早急に解決する必要があるだろう、こう考えております。この問題についてのお考えをひとつお伺いいたしたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 原子力船につきましては、日本の原子力第一船は、三十八年から御承知のとおり時限立法によって計画を立てられて、当初は海洋気象調査船というような形でこれを進めてまいり、予算は三十六億前後であったと考えております。ところが、これらの点についていろいろ問題が出てまいりまして、これの入札そのほかにおいて、十分な入札ができなくて、だいぶ難航したことも御承知のとおりであろうと思います。  その後、四十二年度になりまして、予算の変更を国会にお願いいたしまして、また、運航計画等から考えて、海洋気象調査船というのは、相当——年間四億と思っておりましたが、かかる、したがって、一面において、これらがあまりにも高価であるというような点、そのほか、将来におけるコンテナ船とか大型高速原子力船の経済ベースに乗るものを考えていくべきではないかというようないろいろな話が出て、四十二年度になりましてから、御承知のとおり、現在の計画に変更せられた次第でございます。それが八千三百トンの原子力第一船、特殊貨物運搬船という形でございます。したがって、これらの点につきましては、今年度大体詳細設計が終わりましていわゆる船体起工を始める、そうして、四十六年度までには——いま三菱原子力工業に契約しております原子炉が載って就航できるという形に大体進め得るのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。  したがって、それを中心に運航技術なり何なり、人員を相当養成して、将来における第二船あるいは第三船というものに対して備えていかなければならないというふうに考えて、現実にその計画を進めておるというのが実情でございます。  なお、港湾管理につきましては、これも御承知のとおり、横浜港はどうであるかというようなことから、陸奥湾、いわゆる旧大湊港にこの係船母港の決定がされたのでございますが、これにつきましては、四十三年度から四十四年度前後まで——その前に、御承知のとおり、土地買収の問題がございます。これは青森県の埋め立て地でございますので、大体母港となる棧橋、そのほか必要な部面においては、青森県知事との交渉が大体成り立っておりますが、それの周辺の土地の問題及び価格の問題で、現在ほとんどこの交渉は終末に至ろうとしております。提供していただくことは、これはもう確定をいたしておりますから、この点は早晩土地買収はできると考えております。したがって、それに伴う施設の面を四十三年度、四十四年度で、大体係船に要する、いわゆる原子力施設ではなく、たとえば上屋とか、あるいは岸壁とか、あるいはそういった施設を四十四年度くらいまでに講じ、それから四十五、六年にこの原子力の再処理の問題とか放射能対策を完全にする問題とか、いろいろな施設を講じていく、それから港湾設備の予算が大体六十億、それから船自体の予算が五十六億ということで進めてまいりたい、こういうふうに思っております。  詳細は、また御質問ございますれば、原子力局長から御答弁させます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これは大体私ども承知いたしておりますが、この問題につきましては、予定されておりますような進水時にこれが進水するかどうかということで、その後の問題がまたきまってくると思いますので、いずれ時期を見ましてまたお尋ねする機会があるかもしれません。  いずれにいたしましても、この運航技術、港湾管理の問題ということもあわせて解決しておかなければならぬ問題だ、こういうふうに考えるのであります。  港湾管理にいたしましても、これははたしてどこがどういうような責任を持ってやるのかということでございます。一般港湾とは確かに違う面も出てくるだろうということを考えるわけであります。それらの問題に対しましても、いずれまた時期を見てお尋ねいたしたいと思います。  次には、いま長官もおっしゃいましたが、最近におきまする商船というものは非常に高速化する、あるいは大型化する、あるいはコンテナ輸送化するということでございます。近い将来、確かに特定の航路につきましては、原子力船が在来船よりも有利になる、こういうことが予想されておるのであります。これは、詳しいことは申し上げません。したがって、そうなりますならば、海運国であります日本としても、これは十分それに対処していく体制をつくらなければならぬ。  そこで、私が特に実は心配いたしておりますのは、原子力第二船以降の国産原子炉の問題であります。この開発推進に対しましては、よほどの体制を整えていかなければならぬと思いますが、これに対します長官の御所見はいかがでございますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 原子力の第二船が大事なことは申すまでもございません。したがいまして、実は二月の初めであったかと思いますが、運輸省、運輸大臣も出席せられまして、私ももちろん出席いたしまして、日本一流の船舶関係の方と原子力産業会議の方々との懇談会がございましたが、この原子力第二船についてのいわば懇談的な話をいたしておるわけでございます。  そのときに問題になりました点を申し上げますと、現在の状況からいって、原子力を推進力とする原子力船が当然必要である、あるいは次の時代をになっていくということは当然であろう、それでは現在の船舶運航の実態から見て、いつの時代にこれがペイするような時代になるであろうかというような論議がいろいろあって、まだ決着いたしておりません。しかしこれについて、それぞれ真剣な御論議があったということ、さらに、いま御指摘であった原子炉の問題、いわゆる発電用原子炉とは別に船に積む原子炉の問題を国でどうやって開発するか、あるいは、これをどう用いるかという点につきまして、真剣な意見の開陳等もございましたが、これについては、科学技術庁はもちろんでございますが、やはり原子力産業会議等においても、十分関心を持って研究をして、第二船、第三船は、いわば試験船ではない、十分ペイできるような原子力船に持っていきたいというようなことでやっているわけでございます。  いまお話のございました国産原子炉の開発というのが大きな問題になるということの指摘は当然当時ございまして、私としましても、これは科学技術庁の総力をあげて国産原子炉であるとともに船舶用原子炉の研究、これも何とかしなければならぬのではないかというふうに  船舶用といいますか、商船でございますが、その原子炉の研究をやるべく努力しようということになっておるわけでございます。発電と船舶用ではやはり多少違うのではないか、私、しろうとでよくわかりませんが、違うのではないかと思いますので、それらの点も原子力局に言いまして、何らかの体制をつくってこの研究をやっていくべきであろう、こういうふうに考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 ただいま長官のお話しになりましたものは、私も実は承っております。御承知のように、原子力開発の長期計画というのは、たしか昨年春でございましたか策定されておるわけであります。ですが、これを推進するのにはどうしていくかという問題、これはもう具体的にきまって、大体構想ができておるのかどうか。さらにまた、それらに関しまして、原産にも何か原子力の懇談会か何かをつくろう、同時に原子会委員会の中に、それらの推進の機関を設置するという計画が、これも昨年の夏ごろからうわさされておると思うのです。聞くところによりますと、原産によります原子力懇談会ですか、そういうふうなものもこの三月ないし四月には発足しようという話も聞くのでありますが、政府関係のものは、そういうふうな推進機関がいつ発足するのかもこの点をお伺いいたします。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○藤波政府委員 お答え申し上げます。  原子力船の第二船につきましては、御指摘のように、先般つくられました原子力開発利用長期計画の中にもその構想が盛られておりまして、昭和五十年代には、世界的に見まして、原子力による高速コンテナ船等が実用期に入るであろうという想定のもとに、昭和四十年代の末を目途として第二船を建造するということを目標に掲げております。それの実施につきましては、民間主体ということを考えておるわけでございます。  いまお話がございました、これの具体的な推進機関をどう考えているかということでございますが、先ほど大臣からもお話しいたしましたように、原子力産業会議の中に、まず懇談会形式で各界、と申しますのは、造船業界はもちろんでございますが、海運業界、それから学識経験者、それにわれわれ役所のほうも参加いたしまして、そういう形で原子力第二船をいかにして建造するか、それを推進する場合にはどういう措置を講ずべきか、もちろん主題は、先ほどもお話が出ましたように、炉の開発が先行しなければならぬということがクローズアップされておりますので、その辺を中心にして討議を重ねよう、こういうことになりまして、お話しのように近く——おそらく今月中に発足するというところまでいっていると承知しております。原子力委員会の中に原子力第二船に関する専門部会を設けようという構想は、お話しのとおり、かねてからあるわけでございますが、これとの関係をどうするかということも、実は先般の、先ほど大臣が触れられましたあの会合でも話が出まして、原子力委員会の専門部会は、原子力産業会議の中の懇談会での議論がある程度進んだ後に設けたほうが、人も内容もある程度ダブることもございますので、二段階——あとの段階で設けるという方針になったわけでございます。場合によれば、原子力産業会議のほうの検討の内容が非常にまとまりよく、非常に進んだ段階のものにまとまるのであれば、原子力委員会のほうでは必ずしも専門部会という形をとらずして、特に原子力委員会そのものの審議にのぼせて推進することも可能ではないかということも含めまして、そういう二段階形式で進めていくのが適当ではないかということになっております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 いまの局長の御答弁でありますが、第二船等は大体民間を主にしてやるということのようでありますが、それはけっこうだと思います。思いますが、その推進機関は、やはり原子力委員会でも、これは強力にやるべきであると思うのであります。原産の状況を見てということは、委員会はきわめて消極的であるという感じを受けるのであります。委員会のほうで、そういう将来の原子力商船の見通しがあるならば、むしろもっと業界を指導啓発するという意味から申しましても、当然考えるべきではないかと思うのでありますが、これらの議論はきょうはいたしません。  そこで、この問題で一つ大臣に特にお願いしておきたいと思いますのは、御承知のように、わが国の造船業というのは、ここ十数年常にその建造量におきましても世界のトップをいっておるわけであります。この優位性というものはどうしても確保しなければならぬのじゃないかという気がいたすのであります。したがって、ぜひともこのナショナルプロジェクトとしての舶用炉の開発の推進ということ、これはそう簡単にできるものではございません。発電炉とかなり違うわけでございますから、したがって、これの推進というものは、早急に進めていかなければならぬ、こういうふうに私ども考えておりますので、ひとつ長官のこれに対しまする御奮起をお願いしておきたい、こういうふうに存じます。  それから、平和利用の問題につきまして、もう一点お尋ねしておきたいと思いますのは、核燃料の問題でございます。最近業界を中心といたしまする核燃料調査団が、カナダのウラン資源を調査いたしましたことは御承知のとおりであります。ところが、政府は将来のわが国のエネルギー問題、それの最も重要なキーポイントでありまする核燃料資源の確保についてどのような見通しを持っておられるのかということ、また、早急にこの問題を解決する必要があると思いまするが、それに対しまして、どのような解決の時期の見通しを持っておられるのか、こういう点につきましてお伺いをいたしたいと思うのであります。  確かにいま中心になっておりますのは、鉱業というふうなものを中心にして行なわれておるようであります。しかし、これには膨大な資金が要るわけでありますから、政府としてもこれらに対して当然お考えになる必要があるだろうと思うのであります。なお、たとえば在来炉につきましては、電力会社では、依然としてアメリカにたよるという傾向もあるようであります。そういう点を考えますときに、これらの問題につきましても、実は心配いたすわけであります。ひとつ御所見をお伺いいたしたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 これも詳細は原子力局長から申し上げますが、基本方針といたしまして、御承知のとおり、核燃料物質については、日米協定等もでき上がりまして、当面一応発電その他に使うもの、それから増殖炉等の実験に使う燃料等は確保せられておりますが、今後の問題として、やはりアメリカのみに依存するということは、はたしてどうであろうか。石油と同様に、日本に資源が乏しいならば、やはり他に原料を——数個所から求めるようにして、万一の場合にこれを用意しておくということ、それから、日本内地における加工施設をさらに十分でき得るように、すでに各社から、実は、過当競争ではないかと思われるくらい申請があります。したがって、これをいかにして整理する、と言うと語弊がございますから、ちょっとあれですけれども、その申請を、どうやって実態に即するようにしていくかという、大きな方針の問題があるわけでございます。そういったことにつきまして、速急に、かつ慎重にこれを処理いたしまして、日本の核燃料に対する方向を定めてまいりたいというふうに思っております。  詳細は原子力局長から申し上げます。

藤波恒雄科学技術庁原子力局長

○藤波政府委員 将来のウランの所要量は、先生御承知のとおり、昭和五十年度までにはイエローケーキに換算して累計約一万トン、六十年度までの累計が約九万トンと推定されておるわけでございます。日本の国内の資源は御承知のとおりでございますので、ほとんど大部分を海外に依存しなければならないということでございまするが、その場合の方法といたしましては、スポット買いもありますけれども、長期安定の見地から、長期購入契約を主体としなければならない。さらには、外国の鉱山の共同開発にも努力する、こういう方向で進んでおりまして、現在、御承知のように、電力会社におきましては、まずこの長期契約の第一計画といたしまして、カナダのデニソンマインズ、それからリオアルゴム社と契約を結びまして、今後十年間に約一万五千トンのウランを購入するということになっております。今後十年間のほぼ過半数に当たる相当の量かと存じております。  さらに、現在計画中の各電力会社の原子炉は、大部分がアメリカの軽水炉型でございますので、それを濃縮いたさなければ、核燃料として使えないわけでございますので、その濃縮につきましては、新しく改定されます日米原子力協定に基づきまして、アメリカのAECで賃濃縮してもらう、こういう構想のもとに、新協定におきましては、ウラン二三五に換算いたしまして百六十一トンの賃濃縮のワクが設定されておるわけでありまして、この量は今後五年間に建設に着工される原子炉約十三基を想定いたしておりますが、その原子炉が協定期間中連続運転した場合に必要とされる燃料を積算したものでございます。その後に建設される炉の燃料につきましては、あらためてそのワクの拡大交渉を必要とするわけでございます。  いずれにいたしましても、現在のところでは、そのような形によりまして、今後当分の間の原子力発展のための燃料確保をやっていきたい、こういう構想でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 いまの問題につきましては、なおいろいろ詳細に聞かなければいかぬわけでありますが、時間がないようですから、きょうはその程度に一応お聞きしておいて、またあらためてお尋ねすることにいたしたいと思います。ですから、これは私のほうもひとつ要求しておきたいと思うのですが、それらに対する資料ですね、これをひとつ御提出いただきたいと思うのです。  それから、大臣は、海洋開発について触れておられるわけでありますが、これについて若干お聞きしたいと思うわけです。  海洋開発は、御承知のように、最近世界各国で取り上げられておる。米国では、四十三年度に約二千億の予算が計上されたと聞いておるのであります。わが国では、わが国の独自の研究と、世界各国に負けない、利権、たとえば石油資源の開発等を確保する努力が必要ではないかというふうに思うのであります。そこで、水産関係についてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、わが国の国民のたん白摂取量というのは、その六〇%が海洋に依存していることは御承知のとおりであります。したがって、この水産資源に関連いたしまする海洋開発、これは世界に先がけて実施する必要があるのじゃなかろうかというふうに思うのであります。たとえて申しますると、最近運輸省が海底ブルドーザーともいうべき金竜丸を完成さしたのであります。沿岸の水産に利用する海底の耕うん機として開発することを考えたわけでありますが、それらについて科学技術庁は——これはもちろん科学技術庁だけではございません。水産庁あるいは運輸省とも関係がありますが、そういう関係機関では、そういうふうな問題を——これは、海底を耕しますというと、海洋資源の養殖と申しますか、それが非常に豊富になってくるということを聞いているのでありますが、調査したことがあるか、ないか、これをまずお伺いいたしたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 海洋開発につきましてのお話で、資源の開発、これも石油資源を中心に、そのほかだいぶいろいろ問題が差し迫ってまいりまして、この点につきましても、率直にといいましょうか、早く手をつけて、一つの方向を定めなければならぬ状態になってきていることは事実でございます。  次に、ただいま御指摘の養殖の問題でございますが、実は、いま調整局長に聞いてもずいぶんおくれております。これから調査にかかる、調査中である、こう言っておるわけでございますから、水産庁及び運輸省関係とあれいたしまして、そして、その適地とかそのほか十分調査して、技術庁としてもできるだけ主導権をとって、海洋開発、いわゆる養殖の問題に乗り出すというふうにいたしたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 金竜丸というのは三井造船でつくりましたが、これは海底のブルドーザーですね。ことにたん白資源は日本ではほとんど海洋資源によっているわけであります。そういう点からいえば、この問題は、わが国の国民生活にとりましても非常に重要な問題でありますから、こういう問題につきましてはただ水産庁あるいは運輸省にまかすということでなしに、やはり科学技術庁としてもこれは研究されるべきじゃないかという気がいたします。調査ができましたら、またお聞きすることにいたしたいと思います。  それからいま一つ、海底資源の開発の問題ですが、これはこの間も近江委員からいろいろお尋ねでございましたので、私、特別に取り上げる必要もないと思いますが、その際お話ございましたように、最近の石油資源の開発、海底探査ということにつきましては、世界的に大きく取り上げられておるということ、しかも、海外資本のもとにわが国の企業が参加しようとしておるということ、これは長官の所信表明にありますように、どちらかといいますと、長官の所信表明のは学問的な研究開発ということのようであります。それも私はけっこうであると思うのですが、これらのわが国の資源の確保、そのために政治的な配慮あるいは資金援助ということが出てこなければ、学問的な研究開発ということのみでは、現時点においては手不足ではないか、こういう気がいたします。これは長官どう考えられますか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 いま御指摘のとおりだと思います。これは相当大きな資金を要する問題でございますし、諸外国からその探査をする場合、たとえばシェルが二十億円出すというふうな形をとって、日本独自でやろうとすれば、やはりそれ以上の資金を用意してこれに対抗をして、早く手を打つというような必要があろうかと思います。これは一科学技術庁の問題と申しますよりも、通産省あるいは政府の問題として解決をしていかなければならぬ大きな問題であろうと思います。したがって、通産省も先般言っておりましたように、やはりどうしても、外国の調査で外国にその資源を半分以上も持っていかれるような事態にいたしたくない、こういうわけでございますから、そういった意味において、私はいわゆる民族資本と申しますか、日本国の国益のために進められるように、あるいは資金の面そのほかも、科学技術庁としてもあるし、国務大臣としてもそういった点を進言して進めてまいらなければならぬ、かように考えておるわけであります。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 大臣が触れておられますのは、いま申しましたような学術的な、学問的な研究開発ということが主でございますけれども、いまの現状からいえば、やはり政治的な配慮あるいは資金の援助、こういうことが早急に進められなければならぬと思いますので、これまた、関係官庁と連携の上善処されたい、こういうふうに思うのであります。  それから、海洋開発につきまして、これは大臣の所信表明には明らかに表明されておらぬように思うのでありますが、海洋エネルギーの利用の問題であります。たとえば潮汐発電、これはソ連では現在あるわけであります。御承知のように、最近、たとえば中四国の連絡道路の問題がやかましくなっておりまして、わが国の国土開発の一環としてそういう大きな橋などが設置されるような問題が出ておるわけでありますけれども、国土の総合的開発利用の判断のもとに、そういう海洋エネルギーの利用というようなこともあわせ考えなければいかぬのじゃないか。こちらが気がついてそれを利用する時分には、すでにそういうことが利用できにくいような状態になっていたのではどうもならぬと思うのであります。そういう点で、このような問題につきましても十分お考えいただきたいと思いますが、たとえば瀬戸内海の長大橋も、建設省の問題だ、あるいは運輸省の問題だから科学技術庁はノータッチだということでは、いま申しました海洋エネルギーの利用というような問題は、たちまち障害を食うのではないかというふうな気もいたします。これらにつきましての大臣の御所見はいかがですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 最初に触れられました潮汐の発電、いわゆる潮を利用した発電につきましては、実は私もまだ勉強不足でございます。したがいまして、これは科学技術庁としてよく調査をして、いつの日か、できるだけ早くこれらのことにつきまして手をつけて、報告申し上げるなり、あるいは手を打つなりしてまいりたいと思います。  それから、国土開発に関連をいたしまして大きな橋等ができる場合の状態でございますが、御承知のとおり、先般四国・中国を結ぶ橋の構想ができて、おそらく明年度中には実施計画が発表され、そして建設会社等によってこれが実施になるかもわかりません。その際すでに建設関係から私聞いて科学技術庁の担当に命じておりますのは、御指摘のあった海底百メートル、二百メートルですかの中のいわゆる居住性の問題でございます。したがって、その点については、まだ日本としてはほとんど手がついていない。諸外国はこれらの点についてどういうふうにしておるか、あるいはどういう形でこれを研究していくか、結局これらのことが相当深いところの橋の建設には密接な関連を持ってくる、こういうことでございますので、これらの点については、科学技術庁としても速急に調査もし、あるいは研究もし、進めてまいりたいと考えて先般命じたところでございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 だいぶ時間がたって恐縮でございますが、もう一、二点でやめたいと思いますので、ごしんぼう願います。  宇宙開発の問題がございますが、これは私はいわば全くしろうとでございますので、この点はまた本委員会でもいろいろ論議されると思いますので、その節に譲りたいと思います。  そこで、重要総合研究の推進ということがあるわけでございます。これについてひとつお尋ねしてみたいと思いますのは、素粒子の研究所のようないわゆるビッグサイエンス、こういう基礎となりまする研究所の発足がおくれておりますことは、わが国の科学技術の発展の上にとってきわめて大きな問題じゃないかというふうに考えるわけです。これらは科学技術庁としては当然もっと早く考えられなければならぬ問題じゃないかと思うのでありますが、その点に対しまする所見をお伺いしておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 これは、素粒子は御承知のとおり文部省のほうでやっておりますが、文部省の管轄の中で新聞等にも発表されておりますし、私も承知しておりますが、やはり国として、大きくビッグサイエンスとして取り上げて進める場合においては、科学技術庁が密接な関係を持ってくると思います。したがいまして、いま原子力の平和利用あるいは宇宙の開発、海洋というようなものは一応基本——海洋まではいきませんが、宇宙開発あるいは原子力平和利用等においては、その基本計画を立てて、その計画に基づいて、委員会、審議会の御了解あるいは御決定を得て進めております。基本法等が成立いたしますれば、当然素粒子等の問題も取り上げられるべき問題ではあるまいか、そうして国をあげて、あるいは官、学者グループあるいは民間をあげて、それに国の資金もできるだけ投じてこれらのものが行なわれるというふうになるのではあるまいかと思われます。したがって科学技術基本法に戻るわけでございますが、これを取り上げていく場合、素粒子を取り上げるようなことになれば、それに基づいて開発が進められていくということになろうかと考えております。そのほか、そういったものに類する幾多の問題があろうかと思いますが、そういうふうな形で取り上げれば、科学技術庁としても十分取り上げていける問題であろうと思います。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 それから次に、科学技術の自主開発の成果の公開の問題について伺います。  わが国では、エネルギー問題の長期的な解決、あるいは将来の発展してまいりまする産業政策の立場からいたしまして、動燃事業団も設立して、高速炉あるいは新型転換炉を中心といたしまする自主開発をやろう、こういう自主開発路線が確立されておるわけであります。ここで、原子力基本法にいいまする公開の原則、この問題が考えられると私は思うのであります。多額の研究開発投資によりまする成果の財産権の確保の問題、このノーハウの公開は、国家的損失じゃないかというふうな気もいたします。この際、科学技術の流出の防止と関連しまして、公開の原則について長官はどういうふうにお考えになるだろうか、お伺いいたします。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 これは原則として公開せらるべきものであろうと思います。ただ問題は、やはり商業機密、その間におけるノーハウの問題がございます。これはある程度やむを得ぬ問題があろうかと思いますけれども、やはり三原則、自主開発、民主的な運営及び公開の原則というものは曲げられません。したがって、科学技術基本法がまだ案でございまして、御提案申し上げておるわけでございますが、これが通過いたしますれば、その基本計画は科学技術会議にかかってきめられ、あるいはそれに伴う成果は国会に報告せられるような状態になっておりますから、その原則はやはり貫くべきであろう、このように思います。ただ、こまかい問題としてのノーハウの問題等は、これはやはり多少商業機密もあろうかと思いますので、この点は、多少はございましょうけれども、原則として公開原則でいくべきである、このように思います。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 基本法の原則は、あくまでも守らなければならぬと思うのであります。ただその場合に、いまのノーハウの問題等がございます。この限界ははっきりしておかないと、今後やはり問題を起こすと思うので、この点は強く要望しておきたいと思います。  最後に申し上げたいと思うのでありますが、長官はこの中で、科学技術の普及啓発活動の強化には特に意を用いたい、こう言われておるわけです。具体的にはどのようなPR活動を実施しようと考えておられるのか。  これは一つの提言でありますが、私はたとえば国民すべてからのアイデアを募集する、上からおろすのでなしに、アイデアを募集する。あるいはそれらを検討するアイデアセンターというものを考えたらどうか。あるいはまた、一つのテーマで何々週間、たとえば原子力の日、科学技術週間もありますが、そういうふうな国家的行事がある際を利用いたしまして、広く国民からアイデアを募集することによって、これはよい普及活動になるのではないか。ことに、わが国の原子力問題におきましては、この普及活動ということが一そう重要なのではなかろうかという気がいたします。そういう場合の事務処理は民間の、たとえば原子力産業会議でもいいでしょう、あるいは科学技術館でもいいでしょう、そういうところに委託すればできる問題ではないかと思うのでありますが、この点についての御所見をお伺いしておきたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○鍋島国務大臣 普及宣伝活動につきましては御承知のとおりと思います。予算の中に、二階堂前長官の非常な御努力によって、そのあとを受け継ぎまして相当額を予算折衝いたしましたのですが、本年度約二千万円だけようやく芽を出したという状態でございます。これは新規でございます。これをどう使うか。従来のように映画をつくったり、パンフレットをつくったり、講演会をしたり、あるいは地方科学技術振興会議等のごときを各地方において主要都市で催して、普及宣伝につとめるというのも一方法であろうと思います。これは、いま言われましたように、国民のアイデアを募集して、それに基づいて技術庁がいいものを取り上げて実用化していくとか、あるいは、これをさらに研究を進めていくというようなこともでき得る予算内容にはなっているのではなかろうかと考えております。したがって、これはひとつ事務当局におろしまして、いまの御提言も十分研究していきたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これで終わりますが、いずれにいたしましても、最近の科学技術というものは非常な巨大科学となっておる、かつ、進歩も非常にめざましく、したがって、総合的な研究調査が十分必要な時期にきておると思うのであります。そういう計画実施にあたりましては、単に一省庁の問題のみではないような場合が多いのじゃなかろうか。たとえば原子力の開発につきましても、わが国では大体十年前の組織をそのまま継続してやってきておるわけでありますが、たとえば米国の原子力委員会のような強力な組織を必要とする時期、これがわが国にもきておるのではなかろうかというふうな気もいたすのであります。また、海洋開発にいたしましても、公害対策にいたしましても、あるいは交通問題にいたしましても、みなそうである、こういうふうに思うのであります。この科学技術の進歩に伴いまして、長官はいろいろ施策を述べておられますが、ひとつ国民のために勇断をもってこれらの問題に当たっていただきたい、強く要望申し上げまして、質問を終わります。

沖本泰幸公明党

○沖本委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十七分散会

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