沖縄及び北方問題等に関する特別委員会 第18号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1968/05/23
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題並びにその他の固有領土に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 この二十七日に、本土沖縄一体化調査団が沖縄に参ることになるというふうに伺っておるわけであります。このことにつきまして、少し詰めてお尋ねしてみたい、こう思います。 まず第一には、一体化調査は、諮問委員会の最初の勧告に基づいてなされるわけですね。その勧告は、三月十一日の諮問委員会の発表を見ますと、日本政府及び琉球政府により提案のあった調査団の代表を、諮問委員会と四月に会議するために招請する、こうなっておりますが、勧告の内容というのは、要するにこれだけなのかどうか。そこで、あとは、勧告が三月十一日、つまり四月に調査についての話し合いをしよう、こういう勧告が出されたわけですね。それが具体的に、四月につまり行って、諮問委員会とどう話し合いをしたのかどうか、それが一つ。 それから、その内容はどういうことなのか。それから、結局、これは弁務官がこの勧告——つまり三月十一日の勧告というのは、要するに、日琉の代表団と調査について話し合えというだけの勧告なのか、もう少し先があるのかどうか。まずそこらから、お尋ねします。
○田中国務大臣 ただいまお話しの問題につきましては、たまたま山野特連局長が打ち合わせその他に現地に参りましたり、その後の各省会議や何かの経過もございますから、担当局長からお答えをさせます。
○山野政府委員 ただいまお話しのような、第一回の勧告がございまして、四月の二十日に私、現地へ参りまして、二十二日に諮問委員会を開いていただきまして、そしてそこで、諮問委員会の要請に応じた日本政府の調査団の派遣についての基本的な考え方を説明したわけでございます。 その内容を申し上げますと、一体化の事項は全行政分野にまたがって調査をしたい、それから、そういう関係から、調査団の構成は十五省庁ぐらいになるだろうという話をいたしました。そうして調査団を派遣する場合には、五月の二十七日から一週間ないし八日間かかるであろうという話、それから、その調査の結果をまとめるには大体一カ月ぐらいはかかるだろう、そうしてその結果を諮問委員会と日本政府の双方に報告したいというようなことにつきまして、いろいろ説明しまして、そうして諮問委員会では、その内容を了承されまして、したがって、この十日前に、調査団の調査項目その他の詳細を知らせてほしい、さらに、再度打ち合わせしたいという申し入れがありましたので、この十日前に及川総務課長を現地へやりまして、調査項目を示してお打ち合わせをした、こういうことでございます。
○川崎(寛)委員 そうしますと、その話し合いによって調査項目を示しましたね、日本政府側が案を出したそれに対してオーケー、一応それでよろしいということについては、要するに、そうすると、日米間の話し合いがまとまったやつが、今月の二十一日の発表ですか。
○山野政府委員 そのとおりでございます。
○川崎(寛)委員 そうしますと、この諮問委員会のほうに出して日米間で話し合う、その場合の調査項目の中には、裁判制度の問題とかあるいは基地周辺の問題とか、つまりそうした最もいま現地で要望しております人権問題、人権の保障の問題が一番強いわけですね。ところが、その点は二十一日の発表から見ると落ちておる、こういうふうに見ておりますが、どうして落ちたわけですか。
○山野政府委員 大体いま御説明申し上げましたように、今回の日本政府の調査団は、日米琉諮問委員会の招請に応じて調査団を派遣するということになっておる関係で、この調査の対象は主として諮問委員会の権限の中における一体化施策ということが原則であります。しかし、ただいま御指摘になりましたような、たとえば人権のいろいろの問題、そういう問題は、調査項目の法務省の関係の最後のところに、「人権擁護行政」というような問題もちゃんと項目として入っております。それからまた、各行政分野にわたります調査項目で、関連した事項も入っておるわけでございます。それから基地周辺の諸問題がございますが、これは各行政分野で関連する面もございますし、特にその問題だけ取り上げて調査しなくても、結果的には大体問題が含まれる、もし含まれない分野がありましたならば、これは調査団という性格ではなくて、私ども総理府の立場から調査をすることができるというぐあいに考えておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 いまのは詭弁というものですよ。人権は人権擁護委員会関係で入っているんだ、こういう言い方をしておりますけれども、基地周辺の問題あるいは沖縄の警察官の米軍人、軍属に対する犯罪の問題、そういうふうなものは最初日本政府の案にあった、こういうふうに聞いているんですね。あったものが落ちたわけでしょう。だから、落ちたということは、要するにこれは諮問委員会の権限外なんだ、こういま言われた。それならなぜ最初に出したのですか。諮問委員会に対して、一体化の調査の項目を提示したわけでしょう。しかし、その際には入り得るという考え方があったから入れたのじゃないかと思うのです。そしてまたそのことは、現地の要望が一番強い人権問題であるから入れたはずなんですね。ところが、それが落ちているわけなんですよ。落ちているということは、つまり諮問委員会の権限外だということになると、このことは、今回の一体化調査団というものがたいへんこう麗々しく打ち上げてきたけれども、実際にはそういう肝心のところは落ちていくということがもう調査項目の段階でも明らかになってきたわけですね。このことが一つ。 それから、これは弁務官に対するものじゃなくて、諮問委員会に対するものですね。ですから、今度八日間行かれて調査をされて、その結果というものをまとめて、今度はまた諮問委員会に出すわけですね。ですからまず第一に、最も要望の強い軍人、軍属の犯罪の問題であるとか、あるいは基地周辺の問題、裁判所の制度の問題とか、そこらが落ちているということになりますと、いままで日本政府が援助として取り上げてきた、要するに格差を是正する、つまり非常におくれているのでそのレベルを引き上げるという範囲を越えない。つまりこれは制度の一体化だ。制度の一体化だということは、沖縄の県民を本土の国民と差別しない、つまり、憲法は適用されていないけれども、憲法で保障されている本土の国民が受けておるそういう内容というものを、制度はストレートにはならぬかもしれぬけれども、それを一体化しょう、つまり、法律がそのまま適用はされないけれども、しかし中身としては変わらないものにしていく、こういうことが一体化なんですね。まあわれわれ社会党が考えているのとはまた違いますけれども、しかし少なくとも沖縄県民が考える一体化というのは、そうでなくちゃならぬわけです。ところが実際には、肝心の基本的人権に関するものは落ちていって、そして経済的な、あるいは社会福祉とか、そうした面のごく一部のレベルアップに終わらざるを得ないということが、この一体化調査の項目を設定する段階ですでに明らかになっているわけなんです。その点どうですか、長官。これは基本の問題ですからね。局長、たいへん失礼ですけれども、これは基本の問題ですから。一体化、一体化というのは制度の一体化だ。あまり羊頭を掲げて狗肉を売るようなことは、沖縄県民を惑わすことになるわけです。だから、そういうことはしちゃいけない。
○田中国務大臣 川崎先生、いろいろの御議論が立つかも存じませんけれども、しかし、われわれがただ一体化ということを口にするだけでは実効があがらない。そういうことから、一〇〇%のわれわれの希望が一挙に遂げられたとは存じせまんけれども、少なくとも日米琉の諮問委員会をして日本政府に対する調査団の派遣を要請させ、しかもその項目というものは一本化についての非常に広範なかつまた具体的なあれだけの項目について、政府機関を動員して調査をするに至りましたことは、私はこれは非常な一大躍進であり、また一本化に対しての長足の第一歩を踏み出したものである、かように考えます。川崎先生がただいま御指摘になりました人権の問題あるいはまたその他の裁判制度の問題というふうなものも、もちろん一体化の重要な一環ではございますが、今回の調査団がそのテーマの中にそれを明確に規定されないから、今回の調査団の派遣がナンセンスだ、国民を愚弄するものだというのは、少し私はあれじゃないかと思うのであります。私どもは、この項目の中におきましても、山野局長からお話しいたしましたように、露骨にその問題を表現はいたしませんけれども、しかし、人権の問題にいたしましても、やはり法務省なり何なりの調査の中にはテーマの一つとして掲げられておりまするし、また諮問委員会の権限外の事項にわたりますことは、今回の政府調査団が行ないまする調査以外にも、やはり総理府なり、あるいはまた外務省なり、日本政府の機関がさらにこの問題を追尾して、今後ともにこの人権の問題その他の問題の解決に努力を続けるものである。この調査団だけであとはやらぬという問題ではないのでありますから、この調査団は調査団で諮問委員会の要請に従い、同時にまた諮問委員会の権限内の事項に基づく広範な一体化の調査をいたします。それからその間におきましても、所期の目的にできるだけ近づくことを努力いたしますし、また権限外の事項でございます場合におきましては、ただいまも申し上げましたように、別途これに対しまして政府は努力をいたします。
○川崎(寛)委員 総務長官は心底からそう思っているかしらぬですけれども、やはりもっとぎりぎり詰まっているのですよ。現地における受け取り方というのは、そういう表面のきれいなことじゃないですよ。そこで、先ほど理事会でもちょっと話も出ておったわけですけれども、調査なくして発言なしです。この調査の項目の設定ということは、私はたいへん大事なことだと思うのです。ところが当初日本政府側が入れようとしたこと、ぼくはこれは正しいと思うのです。しかしそのことが事前調整の段階で——調査に入っていよいよ採択という、その項目に従って実施するという段階じゃなくて、調査項目自体の事前調整の段階で落ちざるを得ないというところに、今日の諮問委員会のあり方というか、限界があると思うのです。その諮問委員会自体が限界があるし、その前にもう一つまた大きなワクがあって、自由に動けないというワク、そういうものががっちりあるということを痛切に感ずるわけです。ですから、調査の項目自体が事前調整でこれだけ詰められていくわけです。そうすると、調査の項目を立てるという段階で、すでに全体的な一体化だということをうたってきた日本政府の言い方というのは、それはそうじゃなかったのだということを、長官はまずお認めになりますか。
○田中国務大臣 いろいろな表現もあるかもわかりませんが、しかし一体化ということを口頭禅でやるのじゃなくて、あれだけの広範な項目についてほんとうに日本政府の各省あげて具体的な調査に取り組むようになったということは、ひとつ川崎先生におかれましても、ようやったということでおほめをいただきたいと一方には思います。同時にまた、その中で先生の言われる項目が落ちたことにつきまして、これは遺憾の点もございます。それからなお、本調査団だけではございません。さらに総理府の立場からあるいはまた外務省の立場から、この諮問委員会の要請による今回の調査以外のケースにつきましても今後ともに努力もいたし、また交渉も継続してまいりますということを申し上げたいと思います。
○床次委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○床次委員長 速記を始めて。 川崎君。
○川崎(寛)委員 いまの総務長官の御答弁に対して、認めてくれ、こういうのですが、認めたいのだけれども、そうはいかぬですよ。というのは、六二年に沖縄についてのケネディ新政策が発表された。そのあとは、当時の総務長官を先頭にして各省庁課長クラスがワーッと行ってやったのです。たいへんな力を入れた。長期計画をつくるのだということでやった。しかしそれはどうですか、日の目を見なかったのですよ。六二年にもうすでにそういうことは一ぺんやったのです。しかし、結局それはわれわれのところにも、何べんも要求したけれども、これは出なかった。あるいは琉球立法院の議員諸君も、その中身については審議しようとしても審議できなかったのです。それから七、八年たってようやくいままたこういう調査というところに来ているわけです。ですから、壁が厚いのだ、ようやくここまで来たのだという意味であなたが言われるなら、まあようやく来ましたね、こういうことで認められますよ。しかし沖縄の施政権をアメリカが持っているがゆえに、すでにそういう段階を経ながらもまともに前進してきていなかったということ、このことはひとつシビアーにお考えいただかぬと、ただ制度全体、全体的なんだ、積み上げじゃないのだ、積み上げじゃなくて全体なんだ、こういう言い方をしてきているけれども、実際は単なるレベルアップだ、そのレベルアップが少し範囲が広がったという程度にすぎないという本質的なものについてはお認めになりますでしょう。
○田中国務大臣 いままでのいろいろな経過もございましょうが、少なくとも今度は新時代を迎えまして、新しい諮問委員会も発足いたしました時点におきまして、いままでのようなかっこうでは絶対にあらしめてはならないということを強く覚悟いたしております。——ちょっと他で決議がありますから……。
○川崎(寛)委員 それでは特連局長にお尋ねしますけれども、今後の作業の経過というのは、行かれます、調査をします、それは本土政府独自の調査ですか。それともこれは向こうで何らかの形の共同調査になるのですか。
○山野政府委員 今度の調査団は、向こうへ行きまして、民政府それから琉球政府あるいは住民関係諸団体、そういうものからの聞き取り調査、それから意見交換、現地視察、そういうものを通じまして、日本政府の派遣調査団としての立場で調査をいたすわけでございます。もちろん必要な分野があれば、向こうからアシスタントを頼んで共同でやる場合もあるかと思いますが、現在の時点ではそういうことは具体的には必要を感じていません。したがいまして、日本政府の調査団としての立場から調査をする、こういうことになります。
○川崎(寛)委員 前に特連局長が沖縄に行って琉球政府に示したといわれる一体化施策案というものの新聞報道があるわけですけれども、これを見ますと、大統領行政命令十一節を廃止または大幅に改正という、たいへん大向こうから打ち出しているわけですけれども、こういうことが制度から見た一体化施策の中で今回検討になるのですか。
○山野政府委員 先ほど来申し上げますように、今回の調査団は諮問委員会の招請による調査団でございまして、その調査の結果を諮問委員会を通じて具体的に一体化の施策として実現していくための調査でございます。したがいまして、この調査団が諮問委員会の権限内の事項についての調査であることは、これはもう性格上やむを得ないことであります。しがしながら、諮問委員会の権限外の事項につきましても、総理府の立場で、私の立場で調査をして、その調査の結果を、所要な手続をとってその実現をはかっていくことは、これは向こうでも認めておりますので、したがいまして、調査団としては諮問委員会の権限に拘束されますが、私の立場から権限外の事項についても調査をして、所要の措置を要請することはあり得るわけでございます。
○川崎(寛)委員 私はそういうことを聞いているのじゃないのです。大統領行政命令十一節を廃止または改正——沖縄の県民はこれを読んだら、これはすごいなと思うですよ。だからこのことはどうなんですかというのです。具体的にどうなんですか。これはもうトップレベルの問題ですよ。総理とジョンソン大統領との、昨年の十一月なら十一月の、そういう段階の問題なんですよ。行政ベースで出せるような問題ではないわけでしょう。基本の問題ですよ。これは諮問委員会の性格の際にも外務大臣に対して何べんも質疑いたしてまいりました。だから、なぜこういうものを出したのですか。やれることじゃないのでしょう。やれることでないことをなぜ出したのですか。ぼくはだから、これは十一月の選挙に向けてあまりにも選挙運動過ぎる発表のしかたが憤慨にたえないわけです。そういういいかげんな答弁じゃだめですよ。なぜ出したのですか。
○山野政府委員 ただいま御指摘のものは公式に政府のほうから発表したものでございませんので、したがいまして、私としてはそれについて公の場で言及する権限を持ちませんけれども、しかし日本政府の立場、あるいは総理府の立場から、沖縄住民の福祉の向上あるいは本土と沖縄の一体化の立場からいろんな改善意見を必要なところに要請することは、これはあり得ると思うわけでございます。
○川崎(寛)委員 総理が日米首脳会談をやる前に、今度の議題の中にひとつ入てやってみたい、相手の壁はどうかわかららぬがやってみたいというならわかるのですよ。しかも、ほかの今度の調査項目の中に一緒にこういうものを入れている。あるいはあなたは公式のものじゃないと言われるかもしれないけれども、しかし、これは向こうで一斉に出ているのですよ。しかも十一月の主席公選に向けてこうものを政府ベースでやるということは、たいへんな選挙運動ですよ。けしからぬですよ、こういうことは。 では、次の援助方式の改定、具体的にどう進んでおるのですか。
○山野政府委員 ただいま御指摘になりました内容につきましては、去る一月に総務長官が沖縄へ参りましたときに、高等弁務官その他必要な関係方面に、本土政府から見た改善意見についてるる説明されました。その内容の一部を御指摘のことと思います。 ことしの一月に限りませんで、従来から機会をとらえて、いろいろな根本的な問題につきましても日本政府としては要請を続けてきてまいっておるわけでございます。ただいま御指摘になります援助費の決定方式の問題でございますが、今年度の援助費の決定につきましては、従来とは相当違った、両院の決議の趣旨も十分政府としてそんたくいたしまして、日本政府がこのイニシアチブをとった形で実質的にきめていくというような方向へ、十分努力を払ったわけでございます。 なお、今後の問題につきましては、私ども、明年度以降の援助費決定につきましてもさらにそういう方向を一段と進めてまいりたい、かように考えております。
○川崎(寛)委員 だから、あなた方が打ち上げる、つまり総務長官が打ち上げるというのはそれはいいですよ。ところが、打ち上げたことが日米首脳会談では少しも出てこぬのですよ。日米首脳会談ではもうこれっぽっちも出ない、日米協議委員会でも出ないものをこういう中でぽんぽん打ち上げる、しかも期待を持たせる、こういうやり方がけしからぬと私は言うのです ではこれは、大統領行政命令の廃止ということはいつになるかわかりませんけれども、そういう日米首脳会談で次は必ず出るという政府内のあれが進んでいるのですか。
○山野政府委員 個々の具体の問題につきましては私は答える立場にはございませんが、沖縄における米国施政のあり方の改善につきましては、将来にわたって必要な機関でそれぞれ要請が続けられていくことは間違いない事実であろうと考えます。
○川崎(寛)委員 これは責めてもいけないと思いますからこれにとめますけれども、ただしかし、こういう打ち出し方は慎んでもらいたい。首脳会談でなければやれないこと、それは全体的な基本になるかもしれない。しかし全く諮問委員会の権限外でもあるし、また行政ベースの権限の外の問題でもあるわけだ。だからそこらはきちんと整理をして県民に示さなければ、これはまさに羊頭を掲げて狗肉を売るですよ。だから立法院の権限の拡充、裁判移送制度の撤廃、こういうふうに新聞、ニュースには出ていくのですよ。県民はわからぬでしょう。わからぬですよ。そういう方向にもう進んでいるのかな、たいしたものだな——たいしたものだなという期待を持たせるところがねらいだと思いますよ。しかしそういうことは慎まなければいかぬ。こういう打ち出し方というものについては、そこの整理をきちんと分けて、行政ベースでやれることとやれないこと、このことはやらなければ、口では、国会では、総理をはじめ、アメリカに施政権がございますから、こう言って全部逃げておる。ところがあなた方は、沖縄に行くと、総理をはじめ事務官に至るまで、何でもやっていけるような、また進めるような口ぶりで宣伝をされる。これは私は沖縄県民を愚弄するもはなはだしいと思うのです。ですから、そうした点については、これは総務長官に後ほどもう一ぺん念を押しておきたいと思いますけれども、そういう整理ということはきちんとしていただきますことを厳重に申し上げておきたいと思います。 じゃ具体的にお尋ねしますが、布令百十六号については、改正というのが前に出ておる。しかし、今度は労働条件ということでたいへんあいまいになっておりますけれども。布令百十六号については、日本政府としてはどういう腹で臨まれるのですか。時間のむだを省きますために、もっと端的にお尋ねしましょう。松岡主席は、総合労働布令については出さないでくれ、こういうことをカーペンターのほうに申し入れをしておりますね。ところが日本政府のほうは、布令百十六号の改正、こうきておる。そういたしますと改正の段階ではない。これはもう前に中谷委員から布令百十六号の問題についてはこまかい質問もございました。しかし、この点については琉球政府は、総合労働布令を出すことについて待ってくれ、こういう形での要請をしておるのでありますけれども、日本政府はこれは具体的にどういう考え方で臨みますか。
○山野政府委員 まず最初の点につきまして若干誤解を受けておりますので、ちょっと御説明申し上げておきますが、ただいま御指摘になりました根本的な施策についての改定の意見というのは、政府としてはきわめて機密の高い取り扱いをいたして関係方面と接触してきたものでございまして、私のほうからいやしくも積極的に発表した内容ではございませんので、その点はひとつ御了承をいただきたいと思います。 第二点の布令百十六号の問題でございますが、これは最近非常に情勢が変わってまいっておりまして、御案内のように、全軍労の十割休暇の実施をめぐりまして布令が改正されて団体交渉権が認められたというような改正も行なわれましたし、それから聞くところによりますと、米国政府でもこの問題はさらに慎重に検討中のように聞いております。したがいまして、何らかそのアメリカ側の意向が示された場合には、外務省なり総理府として十分日本政府側の意見を述べることになろうと思いますが、第一次的にはアメリカ政府があるいは琉球政府と御相談の上決定されるべき問題でございます。しかしまあその間におきまして、日本政府もそういうものが具体化する段階では意見を申し述べる機会もあろうかと思いますが、現時点では、具体的に日本政府の意見がきまっておるわけではございません。
○川崎(寛)委員 もう少し詰めてお尋ねしますけれども、琉球政府とアメリカ側との話し合いの問題だと、こう言われる。しかし、これは一体化案なんでしょう。一体化をうたっているのです。そうしますと、本土の駐留軍労働者と沖繩の軍労働者の雇用形態が違います。雇用形態が違いますから、この点については根本の問題があるわけですね。しかし、これを差別をなくす、そういう方向に行こう、こういうことであるならば、当然にこの点の内容についてはしかるべき政府側の、つまり日本政府側の考えがあっていいと思うのですね。だから、受動的に琉球政府とアメリカ側の問題だ、こういうふうに傍観者的なことではなくて、一体化をあなた方が打ち出しているのだったら、その中身にふさわしい進め方をしなければならぬわけです。ところが、肝心のところは全部抜けるのですよね。それが私に言わせると、一体化案というものの中が、しりが抜けておる。大きなしりが抜けておることを指摘をせざるを得ないのです。それでこの軍労働者の問題についても、琉球政府側は、いま、どんどん、どんどん希望は出しておる。しかも具体的に総合労働布令ということで進んでおるわけですね。その中で、アメリカと琉球政府の問題です、これでは傍観者じゃないですか。
○山野政府委員 いま申しましたように、適当な時期に、日本政府としましては、労働省、外務省、総理府、三者十分慎重に検討しまして、日本政府の意向が有効に反映する措置をとっていきたい、かように考えております。
○川崎(寛)委員 適当な時期といって、そのうちに出されちゃったらどうするのですか。
○山野政府委員 ある日突然出されるというようなことは、私どもはいま考えておりません。
○川崎(寛)委員 しかし出される前に、こっち側の考え方を言うべきですよ。そしてあるいは考え直せということでやるべきですよ。それは沖縄の現地の軍労働者が昨年の暮れの臨時国会でここに来まして、臼井前委員長の特別の計らいで参考人としてここでるる申し述べる機会を与えてもらいました。それらの諸君が口をきわめて言っているわけですよ。彼らのいまの権利のない現状というものについて言っているわけだ。しかし、それはアメリカの施政下、米軍の軍の維持上ということで手をこまねくならば、先ほどの人権問題その他と同じであって、全くそういう肝心のところは手がつかぬということをまさに表明をしておる、こう思うのです。ですから、これはある日突然出されるようなことはない、だから適当な時期にということで適当な答弁をされるわけですけれども、それはもう少しきちんとした点、どうですか。それから外務省のほうも何かありましたらひとつ……。外務省来ていますでしょう。
○山野政府委員 重ねての御質問でございますけれども、現在米国政府のほうで慎重に検討中でございまして、その基本的な改正の考え方というのは、私どもはまだつかんでいないわけでございます。考え方が固まりませんと、私どもが承知できる段階にもならないわけでございますから、先ほど適当な機会にと申し上げたわけでございまして、決して逃げておるわけでも何でもございません。
○川崎(寛)委員 そうなると、これはおさまらなくなるのです。これは中谷君が前に質問しました際にも、新聞情報程度しか知らぬということだったのですよ。そういうことでどうするのだということで、あのときの委員会でも議論になったわけでしょう。まだ中身はわからぬわけですか。
○山野政府委員 現在まだ、この間の全軍労に対する団交権はもう緊急の措置としてとられた改定でありまして、全体としてどういうぐあいに持っていくかということについては、米国政府としては案を持っていないというぐあいに聞いています。
○川崎(寛)委員 それは十割休暇というあれだけの支配下の中で異常な決意をして沖縄の軍労働者の諸君がやったんですよ。その前に、私は外務大臣に対してもこの点については外交ルートを通じてやれ、外務大臣はやりますということだったのだ。しかし実際には沖縄事務所の権限が拡大されたという、——総務長官がいないとどうも政治責任の追及がしにくいのだけれども、沖縄事務所が、じゃ、このことについて具体的に何をやりましたか、経過を説明してください。外務省でもいいです。
○山野政府委員 これは、日本政府としましては、従来から沖縄の軍労働者の地位の向上につきましてはずっと要請を続けてまいっておりして、一月の総務長官が行かれましたときにも、これは高等弁務官あるいは民政官に具体的にいろいろ改善についての話し合いをしているわけでございます。今度の問題は突然の改定でございましたが、そのときにも私は実は現地にいたわけでございまして、いろいろ話も承っておったわけでございますが、特にこれに対してどうこうということをいま申し上げるわけにはまいりませんけれども、高等弁務官がきわめて精力的な折衝を重ねられた結果、こういう改定が行なわれた、かように聞いております。
○川崎(寛)委員 それは軍の労働者の代表の諸君が命がけでやったんですよ。琉球政府や日本の沖縄事務所がやったのじゃないのです。所長がその間に立ってあっせんしたりあるいは努力したりということは何もないのですよ。軍の労働者みずからが、権利がない、権限はないけれども、体当たりをして進めておるわけです。ところが、今度権限が拡大されて、協議する権限が沖縄事務所にはできたのだけれども、この問題についてどうですか、外務省のほう、そういう具体的にあの十割休暇に入るときに、何らかのアメリカ側との協議、あるいはやったあと弾圧その他をやらないようにというふうなことについての申し入れ、せめてそれらのことはやりましたか。
○千葉説明員 お答え申し上げます。 ちょうどあの十割休暇がありました直前に、高等弁務官のほうから新しい団体交渉に関します規則を公表したわけでございます。御承知のとおりでございます。ちょうどそのときこちらにおられます山野特連局長と、それから私は外務省の北米課長でございますが、ともにこのたびの政府調査団の打ち合わせのために行っておりまして、それぞれに米側の幹部と会っておりましたわけでございますが、その中で、この労働問題につきましてはやはり重要な問題であることにかんがみ、それぞれ別々ではございますが、先方の考えも聞き、またいま先生のおっしゃいましたような重要性にかんがみまして、善処方を一応非公式には話し合ってございます。その際、先方もなるべくこういう問題はすべてが円満にいくようにやりたいと思っておる、そう申しておった次第であります。ただし、その翌日から団交が始まりましたために、それ以上の話はしないうちに帰ってまいりました。
○川崎(寛)委員 それは調査項目の事前調整の話し合いでアメリカ側と話し合っておったわけですね。その中で非公式に言ったということであって、つまり沖縄の所長が持った権限拡大による協議ではないということは明らかですね。
○千葉説明員 おっしゃいましたとおり、所長はそのとき別に一緒におったわけではございませんものですから、狭い意味ではそういうことでございますが、たまたま非常に急な話だったものでございますので、一応所長とも協議の上でただいまのような話をいたしたわけでございますので、間接的には所長も貢献しておるかと思います。
○川崎(寛)委員 ことばというものは便利ですから、何とでも言えますけれども、それでは今度拡大された、つまり外務大臣の指揮監督の中に入る部門についての沖縄の所長の協議できる範囲というものは何ですか。何と何が協議できるのですか。
○千葉説明員 これは必ずしも非常にはっきりといたしておるわけでございませんので、これはいいとかこれはいかぬとか、ここからここまではと列挙しておるわけではないことは御承知のとおりでございます。これは一口に申しますと、外交交渉に準ずるものといったようなふうにいわれておりますので、始終これから実行していく上におきましてだんだん全貌が出てくる、そういうふうに了解しております。
○川崎(寛)委員 それでは時間の関係もありますから、次に進みます。 放射能の汚染問題で、那覇の軍港あるいはホワイトビーチあるいは那覇の商港その他、いま現地では原子力潜水艦が年中遠慮会釈なしに出入りをし、停泊をしておりますから、たいへん問題になっている。空気中用のいわゆるガイガー管を海の中に突っ込んでやっているというたいへん時代おくれな写真も現地の新聞には出ておりましたけれども、そういう原始的なことでしかいま沖縄の琉球政府はできぬわけですよ。これについて三木外務大臣が高瀬諮問委員に訓令を発したと、これは本土の新聞にも出ておったわけでありますけれども、その訓令に基づいて高瀬氏がどういうことをやったという報告が参りましたか。
○千葉説明員 お答え申し上げます。 五月十八日の午前中に外務大臣からさような指示がございましたので、直ちに高瀬代表及び高杉所長とも連絡をとりまして現地の状況を調べるとともに、具体的には港でくみ上げた水のことでございますので、その水をこちらへ送ってこられることについて、障害があるならばそれを除去するように側面的に援助せよということを伝えたわけでございます。それで、それに基づきまして直ちに高瀬代表及び高杉所長はそれぞれ琉球政府及び米側ともいろいろ協議いたしたわけでございます。その結果判明いたしましたことは、琉球政府のほうでいま少しやはりその当時の状況を科学的に調べまして、こちらが分析するにいたしましても、もう少しはっきりしたことが言えるようないろいろな資料を集めたほうがよろしいという判断を下した上で、もうちょっと現地で作業を進める、そういうことになったという報告が後ほどございました。 また米側に対しましては、米側としてはこの件を決して阻害するつもりはない、ただし問題が問題であるだけに、現地当局のみではなくして、もっと上級の当局にただいま報告中で、そちらの決裁が下るのを待っておる、そういう答えがあったそうでございます。
○川崎(寛)委員 科学的に調査をするのに、沖縄の現地の琉球政府に科学的に調査する手だて、能力、そういうものがあると日本の外務省は判断をしておるのでありますか。
○千葉説明員 琉球政府自体の持っております種々のそういう装備その他につきましては、私ども外務省としますれば、直接そういうものを専門にいたしておるのでございませんので、実はわれわれ自身でそれを掌握しておったわけではございません。むしろこれは総理府のほうがよく御承知かと思いますが、いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたことは私どものほうでそういうふうに判断いたしたというものではございませんので、現地のほうでそういうふうに御判断なされたと聞いております。
○川崎(寛)委員 そうすると、高瀬さんは具体的に、日本政府として場合によっては調査団を出しましょう、日本政府からすぐれた専門家を出しましょう。そういうところまでは外務省としてはやっておらぬわけですね。ただ、向こうのくんだ水を本土に持ってくるというだけのことについてあれこれやっているわけですか。
○千葉説明員 ちょうど先週の土曜、すなわち十八日の時点では、とりあえず、やはり水がどうであるかといった点が琉球政府としては最も焦眉の急であったと承っておりますので、その点の琉球政府の御要望等にこたえるべく指示をいたしたと私どもは伺っております。
○川崎(寛)委員 それでは総務長官、沖縄の現地でいま原子力潜水艦の放射能汚染の問題でたいへん大問題になっておりますね。そこで、施政権があって基地の自由使用だから文句言うなということでは済まないと思うのです。沖縄の県民は施政権がない。アメリカの施政下にあろうとも、同じ日本国民なんですから、その不安を取り除くために、やはり本土政府としてはできる限りのことをむしろ積極的に、向こうから何か言ってこなければやらないということではなくて、調査団を出すというふうなことについて、あなたは外務大臣その他科学技術庁長官、そこらで話し合いをされたことはありますか。
○田中国務大臣 私の聞き及びますところによりますれば、まだこの問題は先方から日本のほうには申してまいっておらないようでございます。 それから、かかる問題につきまして当委員会におきましてもよくお話が出たのでございますが、私のほうは一日も早く日本本土との一体化を促進するためにこん身の努力を払っておる次第でございます。かような諸問題につきましてはやはり政府部内につかさ、つかさがございますので、それにつきまして科学技術庁のほうもいろいろと検討いたしており、また外務省もいたしておると存じます。私どもの所管といたしましては、もっぱら一体化の問題につきましてただいま調査団を派遣しよう、それからそれにつきましていろいろと交渉をいたしたい、かような過程にあることを御報告申し上げます。
○川崎(寛)委員 日本政府につかさ、つかさがあって、つかさどっておることがいろいろあるし、おとどとしてはなかなかその口を出せないといういまの状況のようで、たいへんのんびりした、かすみのかかったような話を御答弁でございますけれども、やはりこれはもう少し、もう遠慮せぬで、こういうことについては琉球政府に対してもあるいは沖縄の事務所長を通してそこらについてはもっと積極的にアドバイスするなり、あるいは出そうかといって話し合うなり、もう少し積極的にやれぬものですか。いまの状況ではそういうことはできない。施政権がアメリカにあるのだからそういう失礼なことはできないのだという状況で、つかさ、つかさにまかしてある、こういうことでございますか。
○田中国務大臣 政府といたしましても、かような問題につきましては、あるいは外務大臣あるいは科学技術庁長官等が鋭意いろいろと努力もいたしておる次第でございます。
○川崎(寛)委員 話し合ったことがありますか、というのですよ。外務大臣、総務長官、科学技術庁長官で、この問題について、たいへんだなあ、何とかせなければいかぬなという程度は話し合ったことはあるのですか。
○田中国務大臣 私のほうは本件に関しましてはまだ何にも発言をいたしておりません。
○川崎(寛)委員 次に、それでは、高瀬諮問委員に外務大臣が訓令を出す。そうすると、高瀬氏の権限というのは何ですか。諮問委員会において諮問委員として動く高瀬氏の役割というのはどういうことなんですか。それから、この諮問委員会を通してアメリカ側と話し合いをするという、そのクッションなんですか、諮問委員会というのは。
○山野政府委員 諮問委員会における日本政府代表の役割りと申しますか、それは、本土と沖縄の経済、社会その他の関連事項についての一体化を進めるための協議並びにその協議の結果、合意を見たことについて高等弁務官に勧告をするということでございます。
○川崎(寛)委員 そうすると、放射能汚染の問題は、これは経済、社会の問題ですか。
○山野政府委員 日本政府代表としての職能と申しますかは、いま申し上げたとおりでございますが、たまたまこういう問題がありまして、非常に機微に触れた問題でございますから、事実上の問題として、あるいはまたその他の配慮からいろいろなルートを通じて問題を折衝を進められるものと考えられますので、そのような趣旨から外務大臣が高瀬代表にそういう指示を与えられたものと考えておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 これは外務省にお尋ねしますが、なぜ高瀬氏にこういうことを訓令をするのですか。所長にできないのですか。所長は協議の権限を持ってきたのでしょう。今度の法律改正からそういうふうになったわけですね。なぜ沖縄事務所長に——そういうことについてアメリカ政府側と諮問委員会というクッションを通しておそるおそるものを言うということをやらぬで、なぜ所長にやらぬのですか、できないのですか。
○大河原説明員 外務大臣からは訓令といたしまして、沖縄にあります高杉沖縄事務所長に対しましてその問題に対する調査その他の指令を達しております。一方高瀬代表が現地におきまして諮問委員会代表といたしまして多面的な接触を持っておりますので、高瀬代表に対しましてもこの問題の重要性について十分承知の上でいろいろできることがあればやってほしい、こういう趣旨のことを申したわけでございます。
○川崎(寛)委員 高瀬氏の行動については先ほど北米課長から御答弁がありました。 それでは、高杉所長に——これは指令ですか。
○大河原説明員 外務大臣から訓令として出ております。
○川崎(寛)委員 そうしますと、高杉所長は琉球政府側とこの放射能汚染の問題について、沖縄におけるその問題について具体的にアメリカ側と交渉をし、その結果について外務大臣に対して報告があったわけですか。
○大河原説明員 高杉所長は民政府ともまた琉球政府とも訓令に基づいて接触をいたしております。その結果は随時報告が参っておりますけれども、民政府といたしましては、現状におきまして目下この問題を検討中、こういうことを言っております。
○川崎(寛)委員 琉球政府から要請があれは——これは総務長官になるか、外務大臣にお尋ねしたかったわけですけれども、日本政府側としては調査団を出しますか。
○大河原説明員 現地におきましても海水の調査その他現実の調査をやっておりまして、沖縄現地におきましてすでにいろいろな調査が行なわれておるわけでありますので、そこらの情勢をもう少し待ちました上で考えればよろしいのではないか、こういうふうに思っております。
○川崎(寛)委員 それでは次に移ります。 タクシー汚職の問題が沖縄の現地でずいぶん問題になっているわけです。これは松岡主席のいろいろの談話等を見ても、行政機関が私物化されておる、そしてこれはまさに積年の悪習だ、こういうことを言っております。今回の調査項目の中にも公務員制度の改善ということが掲げられておるわけです。公務員制度及びその運用の状況ということで調査項目に入っておるわけです。これは松岡氏が端的に言っておりますように、行政機関か——あそこの局長は特別職でたいへん政党との関係があまりにも癒着してしまっているということで、行政機関が私物化されておる。これは前に太田氏の時代にもそういう問題があったわけです。やはりこれはタクシーの問題であったわけですけれども、そういたしますとこういう汚職が、つまり主席が責任を問われないという今日の機構上の問題、それからそういう局長が、つまり一般公務員としてではなく、特別職として政党と癒着しやすい状態に置かれている、こういうことがタクシー汚職のこうした問題を生み出してきたと総務長官はお考えになりますか。
○田中国務大臣 それは制度上の欠陥ということもいろいろいわれるかもしれませんが、いままでもいろいろ官公吏の汚職の問題、綱紀の紊乱の問題というふうなものは、制度的に見ました人事管理、服務規律というふうなものの弛緩もございますかもしれませんが、主たるところは本人の心がけの問題になると思います。
○川崎(寛)委員 本人の心がけといっても、非常にたくさんこれは出てきたわけですよ。だからこれは琉球政府あるいは国家事務と市町村事務と県段階の事務との区分けその他は、これから本土政府側としても返還に備えていわゆる一本化というのであれば、そうした点も当然いろいろ調査され、提案もなされるだろうと思うのです。これはただ単に個人的な問題だ、こういう沖縄という異常な行政組織の上から生み出されたものではない、全く何がしという個人の問題だというふうにあなたはお考えですか。
○田中国務大臣 私どもが調査項目の上に書きました公務員の問題は制度上の問題を検討いたしたい、かように考えておるのでございまして、具体的な汚職の問題につきまする……(川崎(寛)委員「そういうことは質問しておりませんよ。」と呼ぶ)そういうことではございません。かような意味におきまして、今回ここにございまする問題につきましても、これはまことに遺憾な話でございますが、今回参りまする調査団がこの問題を取り上げて検討するということには相ならぬのではないか、かように存じます。
○川崎(寛)委員 それでは最後に総務長官にもう一ぺん。 先ほど特連局長にはいろいろお尋ねしたわけですけれども、一番基本は、これは諮問委員会設置の際にも何べんも議論になってきた点でもありますけれども、大統領行政命令自体が一番基本にあるわけです。この諮問委員会のあり方等についても私は常に疑問を投げかけてきておるわけです。それは、大統領行政命令自体を変えなければだめだ、なくさなければだめだ、こういうことを言ってきておる。ところがこういう調査項目の中に、つまり制度的な社会保障とか行財政だとかいうものと一緒くたに大統領行政命令十一節の廃止あるいは大統領行政命令九節の改正ということを麗々しく掲げることは、羊頭を掲げて狗肉を売るにひとしい、こう言って私は先ほど指摘をしたわけです。こうした点は、これは十一月の立法院選挙に向けてあなた方は政府ベースでこういうようなやれないこと、あるいは佐藤総理がジョンソン大統領とぶつからなければやれないこと、しかも佐藤総理が一ぺんも口にしないような、やれと言ってもやってこないこと——これは私は前に何べんも言っておる。ところがやれと言っても佐藤総理がやることもできないし、約束もしてこない、そういうことを行政ベースで麗々しく打ち出して県民の気持ちを惑わすということは絶対にやらないようにきびしくやっていただきますことを、特にこれから秋に向けてはたいへん政治の季節ですから、私は政府側がそういうことをやるのは明らかに十一月の主席公選や立法院議員選挙に向けての選挙運動である、こういうふうに指摘せざるを得ないのです。そういう利益誘導のやり方は戒めてほしい、総務長官の御見解をお尋ねします。
○田中国務大臣 私がいま中座いたしておりまする間のお話かとも存じますが、麗々しく今度の調査の中に書いてない(川崎(寛)委員「前に出ている」と呼ぶ)私が高等弁務官と交渉したあのケースですか、——それは秘密に属することでありまして、決して私どものほうから公にいたしたことではございません。と同時に、また私どもがやはり人種の問題なり裁判制度の問題なり、それは総理なり何なりがまだやっていないじゃないかとおっしゃるかも存じませんが、それらの問題につきまして、やはり一体化については重大な問題だといたしまして、公には一切いたしたことはございませんが、しかし、その問題につきまして、情熱と申しますか、努力をいたしておりますことは、どうぞ日本国民としてひとつ御了承なり今後とも御協力いただきたいと思います。
○川崎(寛)委員 最後に、日本国民として理解をいたしますので、それでは具体的にお尋ねをいたします。 一体化を進める際に、それが一番重要な基本だ、人権の問題にもかかわってくるし、そこで次の来たるべき日米首脳会談においては必ずそれが議題として取り上げられるということを、あなたがそのとき総務長官であるかどうかはわかりませんけれども、そういうことが政府内では基本として据えられておるのだ、そういうことに努力していると言われた。努力しておるということは具体的に行動をされておる、進められておる、こういうことですか。そういたしますと、それが取り上げられる、そういう取り上げる方向にあるのだというふうに理解してよろしいのですか。
○田中国務大臣 その問題は、私が在職いたしますか、また後任者が扱いますか存じませんが、その点につきましては当然努力をいたすものと考えます。それがすなわち施政権返還でございます。
○川崎(寛)委員 終わります。
○床次委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 科学技術庁にお尋ねをいたします。要するに、お尋ねいたしたいのは前後七十回に及ぶといわれている沖縄那覇港における原潜の入港に伴う汚染調査がはたして行なわれているのか、あるいはまた汚染調査の監視体制が現在のような状態のもとで、沖縄百万県民の安全性が確保されるのかということについての疑問を提起をいたしたいと思うのであります。 すでにこの問題についてはあらゆる人が引用することでありまするけれども、かつて日本学術会議が「原潜入港は一時的な原子炉設置と同じように考えるべきものであって、特に周辺住民に対する潜在的危険性から公式に安全性の検討と確認を行ないたい。」という勧告をした事実があります。そこで現在の本土におけるいわゆる観測体制については、科学技術庁の説明によりますと、たとえば常日ごろからボートあるいは海底あるいは海中、プランクトン、魚介類等の調査をしている。そうしてその調査については、いわゆる今日の技術の少なくとも一番上の水準をいくような観測を行ないたいというふうに考えているというのが科学技術庁の公式の説明であります。そのような状態であるにかかわらず、佐世保においては国民に対して非常な不安と疑惑を与えました。発表の問題についての不手ぎわがあった、あるいはまた観測体制そのものについてその後多くの欠陥が指摘されました。そういうふうな状態を踏まえて、科学技術庁の専門家の方に、技術者としての率直な御答弁をいただきたいと思うのでありますけれども、空中、大気を調査をするいわゆる測定器、そのようなものを保持をしている。そのようなもので、いわゆる海水の汚染度の調査などというものは信頼できるのかどうか、はたしてそのような測定が、科学的な水準から見て信頼できる測定であるというふうなことが言えるのかどうか。測定の場所、方法、時間というようなものを一切捨てまして、いわゆる測定に要する機械が、空中の放射能を測定するような機械で、海水の放射能の測定ができるなどというふうなことは、われわれしろうとが考えましても、きわめて幼稚な、おかしなことだと思うけれども、この点について、ひとつ率直に御答弁をいただきたい。
○赤羽説明員 放射能のカウント数を数えますには、本質的に空気中と海水と差があるわけではございません。ただ、海水用の場合には、ぬれます関係上、絶縁をよくしておかなければいけないというような特別な注意が必要でございます。したがいまして、それさえ十分できておれば、どちらでもよろしいかと思います。 なお、海水のはかり方につきましては、海水の中にいきなり測定器を突っ込む方法もありますし、あるいは海水を採集した後に処理して調べる方法、これですとまた別の、たとえば空中のと同じような計器を使うような方法もあるかと思います。
○中谷委員 いずれにいたしましても、測定器が不備だというふうなことだとするならば、いわゆる測定の成果についても十分な期待ができないということは、いわゆる技術的な観点から見て当然のことだと思われますが、いまそういうふうなお答えがありませんでしたが、もう一度端的に御答弁いただきたい。
○赤羽説明員 現地でどういう計器を使っておりますか詳細を伺っておりませんので、ちょっとそこの判断はいたしかねる次第でございます。
○中谷委員 測定器が不備で、厚生局は測定器具はありません、きわめて不十分なもので測定をせざるを得な一状態だというふうに言っているわけです。そういう前提だとすると、測定成果については信頼ができないということ、これは当然のことだと思いまするけれどもいかがですかと聞いているわけです。幾ら努力をしても、要するに、そういう測定というのは、人間のそういう努力を幾らしても、機械そのものが不十分であればどうにもならないだろうと思うのですが、この点はどうですかと、ただ確認的に御答弁を求めているのです。
○赤羽説明員 放射能をどの程度まで検出すればいいか、そういう精度の問題といたしますと、これもやはり現在使っておるものがどの程度の精度を持っているかわかりませんので、はっきりしたことは申せませんけれども、一般の測定器はかなりの精度を持っていると理解していいと思います。
○床次委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○床次委員長 速記を始めてください。
○中谷委員 それでは、長官お急ぎのようですから、先に一点だけ長官にお尋ねをしておきたいと思います。 長官にお尋ねをしたいと思いますのは、このただいま起こっておるいわゆる佐世保で誘発されたこの原子力潜水艦の放射能の測定の問題、汚染調査の問題はさておいて、次のようなことだけは長官としてどのようにお考えになるかをお尋ねをいたしたい。要するに那覇港における汚染度の調査、すなわち安全度の測定というのは、これは当然琉球政府がしなければならない仕事だと私は考えている。安全性の問題というのは、言うてみれば、交通事故の整理と私は同じことだと思う。結果が非常に重大であり、危険性を伴っているということであるけれども、当然そういうようなことだと私は考える。何か原子力潜水艦そのものの内部へ入って調査をするというふうなことについて本土においては多く主張しておるからこそ、問題がいろいろ出てくるけれども、海水が汚染しているかいないかということの調査は、きわめてすなおに考えて、琉球政府がそのような調査ができることはあたりまえのことだと私は考える。ところが、先ほど答弁を私は求めたあと、さらに質問を続けていきまするけれども、こういう調査については、海水中の放射能を測定する低バックグラウンドの測定器があるというふうなことは、これはもう常識なんです。これは最低限度の必要な測定器なんだ。ところが、現在、琉球のほうの政府が持っておるのはどんなものかというと、大気汚染測定用のガイガー測定器というもので、きわめて大ざっぱなものしかない。こういうようなものです。 そこで、本土一体化ということを盛んにおっしゃる中において、少なくとも、島民が現在、一番関心を持っておるのは、原子力によって港が汚染されていないかどうかという問題、こういう問題についての科学技術庁からの技術者を含めての援助、継続的な調査のための援助というものを本土政府としてはしなければならないと私は思う。この点についてはいかがでしょうか。
○田中国務大臣 その問題は、現在、琉球政府から正式の要請がございますればまた格別でございますが、あえていまの時点におきまして、潜在主権こそございますけれども、施政権下にございません琉球につきまして、そういうことはどうかと私は考えます。これは総理府の総務長官として言うよりも、むしろ常識といたしまして申し上げる次第であります。
○中谷委員 ちょっともう一点だけお尋ねしたいと思うのです。簡単に終わりますから……。 要するに、日本政府は、沖縄援助ということで、不十分ではあるけれども、相当の金額を沖縄に対して持って出る。これはもう当然、本土一本化ということで持っていっておるわけなんです。要請があろうがなかろうが、汚染されていないかどうというふうなところの安全性を測定する体制というのは、百万の県民が住んでおれば当然しなければならないことなんです。本来そういうふうなことについて、本土一本化という観点でなぜ援助することをしないのか。この問題があったから、この問題の調査ということはさておいておきましょう。少なくとも、測定についてのいろんな監視体制の強化、測定器械の援助をする、そういうことをしなければならないのじゃないですか。琉球政府から言うてこないからというような問題じゃないじゃないですか。問題のきっかけは、佐世保の問題であり、横須賀の問題です。それを一つの契機として、そういう監視体制の確立のための援助をすべきであると考えるかどうかと、こういう質問なんです。
○田中国務大臣 私が申し上げたいこともそこでございまして、ひとつさような意味におきましても、一日も早く沖縄が日本に返ってまいりますようにいたしたと考えます。
○中谷委員 どうぞ長官、お帰りになってください。 科学技術庁の方にお尋ねをいたしますけれども、先ほど私、質問の中で引用いたしましたけれども、現在、本土政府が佐世保あるいは横須賀等において監視体制の中において使用しておる測定器というのは、少なくとも現在の日本国民に対して原子力潜水艦の入港に伴う安全性を確保するための技術的には最高水準であり、しかし同時に、安全性確保のためという観点からは、これはもう安全性というのは要求されてもされ過ぎるということはないと思う。必要最小限度の体制であると私は考えている。それと同様の体制というものが、少なくとも、沖縄においても私はなければならないと思う。ところが、先ほど引用したように、少なくとも最低、低バックグラウンドの測定器がなければならないということがいわれておる。ところが、大気汚染測定に限るところのガイガー測定器を使っておるだけだ、測定器一つをとってみても、というふうなことであれば、測定そのものがきわめて不十分な結果しか生まないだろうということは、おおむね予想できるけれども、いかがでしょうか。
○赤羽説明員 具体的にデータを持ち合わせておりませんので、ちょっと予想しがたいわけであります。
○中谷委員 じゃ、お尋ねいたしますけれども、科学技術庁としては、本土における放射能の監視体制はこうなっているということはわかっていますね。沖縄における放射能の監視体制がどうなっているかということについては、全く白紙なんですね。少なくとも、そうすると、具体的な資料を持っていないということだけれども、本土のような監視体制がしかれておらないということになると、安全性についての測定、放射能の汚染度についての測定は不十分だ、そういうふうなことではいけないんだということは言えますか、佐世保の問題との関連でひとつお答えいただきたい。
○赤羽説明員 日本では、ボートによります測定のほかに、陸からの測定、それから、そのほか定期的な調査を総合的に行なっております。こういうものを総合的に重ねまして、まあ十二分と申しますか、あるいは、ある見方からしますと、必要以上の丁寧さで調べているともいわれております。したがいまして、日本と同じにやらなければ十分でないということは必ずしも言えないかと思いますけれども、やはりこの程度までやることが好ましいことであると思います。
○中谷委員 そこで、外務省と特連局にひとつお尋ねいたしたいと思いまするけれども、先ほど特連局長は、何か私の質問のときに、ちょっと若干疑義をお持ちになったような感じがするので、確かめておきたいと思いますが、沖縄がアメリカの施政権下にある、そういう状態の中において、那覇港が放射能で汚染しているかどうかということに関する放射能の測定をするという権限は、琉球政府に本来的にある、施政権下の琉球政府にあっても、本来的にあると考える。これが何か米軍との関係においてそういう調査権限とういものが制限をされるとするならば、一体どのような根拠で制限をされるのか、これは私はよくわからない。もちろん、調査の場所については、那覇軍港と那覇商港の問題は私は若干出てくるだろうと思うけれども、少なくとも琉球政府がその調査をすることは、私は、琉球政府の権限であると同時に、義務であり責任であるというふうに考えるけれども、何かその点について、そういうものでないんだというふうな考え方がもしあるとすればたいへんなので、これはひとつ念のために聞いておきたい。これは特連局長にお尋ねします。
○山野政府委員 琉球政府の法的地位と申しますか、そういうような問題をいろいろ検討すれば、いろいろな問題が出るかと思いますが、本件の問題に関します限りにおきましては、琉球政府のほうで現に調査をやっておられるようでございます。
○中谷委員 そうじゃないんです。私の言っているのは、本件で調査を始めたという点に私はむしろ不自然さがあると思うのです。前後七十回入港しているわけなんだから、常時の、もっと以前から、横須賀、佐世保と同様の監視体制と調査体制というものが私はしかれておらなければならないかったと思うのです。そういう前提でお尋ねをするのです。調査が継続的なものとして、そういう調査体制が沖縄においても行なわれていなければならなかったと考える。そういう調査体制というのは、施政権下に琉球政府があるからといって、それは琉球政府にそういう権限がないんじゃなしに、本来琉球政府としてしなければならない仕事なんだというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうかと聞いているのです。
○山野政府委員 従来の経緯のことは、私はどういう経緯で実施されていなかったか承知しておりません。ただ、琉球政府と申しましても、これは厳密に申しましたら、全く独立した琉球政府というものではございません。したがいまして、いろいろ問題があろうかと思いますが、少なくとも沖縄の内政につきまして、住民福祉の立場から、第一次的に責任が相当な分野においてまかされておる、そういうような見地から、今回琉球政府が調査されたんだろう、かように私は考えております。
○中谷委員 第一次的な住民福祉、住民の生活の安全についての責任は琉球政府が持っておる、そうなってくると、当然港内における海水の放射能測定、放射能で汚染しているかしていないかという問題は、琉球政府の仕事になってくる。そうすると、従来本土政府はいろいろな援助をしておりますが、そういううふうな放射能の測定に関する、放射能の汚染調査に関する体制は少なくとも本土並み、それこそ本土一体化のようなことについての援助をし、そのような体制強化のための努力をすべきだと私は考えるけれども、いかがですか。
○山野政府委員 現在のところ、沖縄に対する日本政府からの財政援助は、日米協議委員会において決定されておるわけでございます。したがいまして、その内容は、いろいろ琉球政府の側面的な、裏面的な要請というものを、民政府なり日本政府が十分反映され、また日本政府の考え方も示して決定されるわけですが、日米協議委員会で最終的に決定されます。したがいまして、ただいま長官から申されましたように、やはり琉球政府のほうで要請があれば、これは十分検討していかなければいかぬ、かように考えます。
○中谷委員 本来那覇の港における測定の体制が不十分だということは認めざるを得ないと思うのです。念のために、その点は、局長はお認めになるのですか、どうですか。
○山野政府委員 専門的なことは、私はよくわかりませんが、本土に比べれば測定の能力は劣っているんじゃないか、かように考えます。
○中谷委員 そういうようなことで何か私、原子力の放射能の問題になると、非常にお答えが貧困だと思うのです。なぜそんなに、原子力の放射能になってくると口がかたいのか、やはりその点に非常に私は問題があると思う、もう一度申しますけれども、港における海水の汚染の問題、汚染しているかしていないかという放射能測定の問題は、道路において交通がひんぱんで、交通事故の起こる可能性があるかどうかというふうな問題を琉球政府が測定をし調査することと、本質的に何ら変わらない。少なくとも、海水汚染の測定ということに関しては、そういうふうな問題について劣っていることはもう明らかなんです、局長は非常に現地のことにお詳しいのですから。向こうの厚生局長が測定器がないからだめなんだというようなことで嘆いている。そんな状態をいつまで放置しておいていいとは私は思わない。それらのことについて、技術者の派遣だとか、調査方法の指導だとか、あるいはそれらについての測定器を送るとか、そういうことは早急にすべきではないのか、こういうふうに私はお聞きしているのです。
○山野政府委員 本土の立場から申しますと、いろんな考え方はあろうと思いますが、現実には米国の施政権下にありますし、沖縄の住民の福祉については琉球政府が第一次的に責任を持っておりますから、したがいまして、琉球政府が妥当な判断を下されて、本土政府に要請されるべき問題だ、それに基づいて日本政府は所要の措置をとるべきであるというふうなぐあいに私は考えます。
○中谷委員 そうすると、琉球政府のほうから、測定器であるとか、あるいは測定に必要な技術者の派遣であるとか、調査方法についての指導であるとか、そういうようなことについての要請があった場合には、これに応ずるということでございますね。
○山野政府委員 先ほど来申し上げますように、私は、技術的にはあまり専門でございませんので、正式に要請がありますれば、日本政府としては、十分協議をしてその態度をきめたいというぐあいに考えております。
○中谷委員 技術的にはということじゃないのです。そういうことが技術的に見て、本土より見て、きわめて不十分だということが判明した場合には——不十分であるという前提で話をしておるのですが、話の論理としては、そういうふうに申し上げなければお答えが出てこないから申し上げる。だとするならば、そういうことについて要請があれば、援助をされますね。当然これはあたりまえなことなんですが、お尋ねをしたい、こういうことなんです。
○山野政府委員 この問題は、総理府だけで最終的に決定できる問題というよりは、やはり関係省庁が協議しなければいかぬわけでございますから、したがいまして、正式に要請がありましたら、関係省庁協議をして対処をしたい、かように考えます。
○中谷委員 次に、外務省にお尋ねをいたしたいと思います。 特連局長と私との間の質疑応答で、若干問題を私は焦点をしぼれたと思いますけれども、先ほど外務省の御答弁の中に、いわゆる放射能の測定の問題がアメリカとの関係において微妙なものを含んでおるというふうな趣旨のお話があったように私は承ったのです。もしそうでなければもう一度あらためて御答弁をいただきたいけれども、私がお尋ねをいたしたいのは、那覇港における海水を採取して、これを調査するということは琉球政府の権限であり、第一次的な仕事であり、むしろ責任だということは、外務省としてもお認めになりますか。
○大河原説明員 先ほど特連局長から御答弁のあったとおりというふうに承知しております。
○中谷委員 特連局長の答弁というのは、——じゃ、もう一度私のほうから申しますけれども、第一次的には責任が琉球政府にあるのだ、調査することは、私の理解ではあたりまえのことなんだというふうに理解をいたしまするけれども、それでよろしいのですね。
○大河原説明員 琉球政府といたしましては、琉球の島民の福祉のために第一次的な責任を持っておる、こういうことでございますし、現にそういう考え方に基づきまして那覇商港の海水の検査が行なわれているわけであります。
○中谷委員 そこでこの問題で問題になっておりますのは、当然海水を採取をして、そうして採取された海水について、これを科学的に調査をするということが必要であることは言うまでもないわけなんです。この点について民政府のほうの意向は、要するに海水採取の場所、方法など、どれだけ科学的に出されるかどうか疑義がある、だから、したがって、本土での調査結果がどれだけ科学的な結果が得られるか疑問だということで不承認の意向を表明したというふうなことが報ぜられているわけですね。もしそうだとすれば、本来海水の調査なんですから、この記事を読んだ私の感想は、かりにそのようなものであったとしても、全面的に、そういう民政府の係官あるいは民政府の意向というものを百歩譲って、千歩譲って認めたとしても、問題はその海水がどの程度放射能を含んでおったか、汚染されておったかという点が調査の結果判明することは事実なんです。あとそれに対するマイナスの要因といいますか、結局それは採取の場所とか送る方法によって、それが原子力潜水艦によらないものであるかもしれないということは言えるかもしれませんが、海水を調査するということは、この機会においてむしろ十分意義のあることだと私は思う。こういうような民政府の、海水を本土に送ること、科学技術庁におくることについて非常に消極的な態度については、外務省としてはどういうふうに思いますか。
○大河原説明員 その点につきまして高杉所長からの報告によりますと、民政府としてはそれを拒否したということではなくて、全般的ないろんな検討をやっておりますので、それまで待ってほしい、こういうことであったというふうに承知いたしております。
○中谷委員 検討しているというのは、どのような方法で、だれがどこで検討しているということを外務省としては承知しておられますか。
○大河原説明員 民政府としましては、これは当然軍にも関係ある問題でありますから、軍とも相談しているであろう、こういうふうに承知しております。
○中谷委員 そこで外務省にお尋ねいたしますけれども、アメリカの出先の軍のそういう放射能の測定に関するあるいは採取海水等の汚染調査に関する能力などというふうなものが——本土の佐世保ではたいへんな手違いがあって大問題になりましたけれども、本土の科学技術庁の水準に及ぶなどというふうなことはわれわれはとうてい考えられない。そういうようなことで、もしこの問題の真相を究明するということになれば、科学技術庁に一日も早く海水の調査をさせることだと私は考える。そうすると外務省としては、そういうふうにアメリカのほうで調査は待ってくれということについて了承したということなんでしょうか。要するに、逆に言うと、本土に海水を送らないことについて外務省としてはけっこうですとオーケーを与えたことになるのですか。
○大河原説明員 民政府のほうで、高杉所長に対してこれは拒否というふうなことではなくて、現在検討している、ちょっと待ってほしい、こういうことを言ってきたという報告がございますので、それを待っておる、こういう状況でございます。
○中谷委員 そこでいつまで待ったらあとはどうなるかというふうなことについて、見通しはあるのですか。 科学技術庁にお尋ねいたしまするけれども、採取された海水についての安全性の調査というのは一日も早くしてもらいたいというのが国民の気持ちだと思うのです。いわゆる米軍のほうで何かそういう調査をしているからその間科学技術庁のほうに対して依頼ができないというふうな状態では、私は非常に不十分だと思うのです。この種の調査というものは、かりに採取した海水の場所、方法等に手違いがあれば、さらにすみやかに適当な場所から採取するということを考えなければなりません。それをじんぜん日をおくって、そうして送ってきた海水の採取した場所、方法が違う、不適当だということになって、何日もたったあとで採取して調査の意味がありますかどうか、この点はいかがでしょうか。
○赤羽説明員 原子力潜水艦から排出されると思われます水の中の放射能は時間とともに減ってまいります。しかしながら、海水を分析して調べる場合には、寿命の非常に長い元素を対象にいたしますので、少しくらいの時間の経過では減ることはございません。
○中谷委員 そうじゃなしに、採取した海水というのはすでにあるわけなんですね。そういう場所と方法で採取したものではいけませんよといって科学技術庁があらためて指示する。そして何日かたってあらためて採取しても、それは調査としては意味のないものになってくるわけでしょう。だから結局採取した場所とか方法というようなものも、科学技術庁が調査の依頼を受けた場合には、すみやかに指示をしてあげなければならないわけです。その点を聞いているのです。
○赤羽説明員 これは今回、日本の佐世保の場合でもわかったことでございますけれども、潜水艦の周辺の海水でも、別の測定によって、カウントが上がっている場所でなければ分析では検出できません。したがいまして、もし海水の調査をやろうといたしますと、非常にたくさんの地域から海水をとるか、あるいは測定器によってカウントの多い場所、多い海水を見きわめてそれを採取するかしないと、分析の結果はあがらないと思います。
○中谷委員 そこで外務省にお尋ねをいたしますけれども、外務大臣から所長に対して訓令を発せられた。そうしたらアメリカのほうはちょっと待ってくれと言った。それで結局待っておる。そういう状態の中で、採取して保存してきた海水は一体どれだけあるのか。どの場所から採取したのか。採取した琉球政府の方法は正しいのかというふうなことについては、待てば待つほどそのことについての結局取り返しがつかないことになって、うやむやになってしまうということは、いま科学技術庁の答弁からも明らかなんです。そういうようなことについて、待ってくれ、はい待ちますというふうなことでいいのでしょうか。これは私は一つの素朴な疑問を提起をいたしたいと思います。要するにアメリカのそういう調査というものは、一体信頼できるのですか。アメリカは調査をしますから待ってくれというふうなことで調査したことによって、沖縄県民諸君、日本の国民が納得すると思われますか。この点は一体いかがですか。
○大河原説明員 いずれにせよ、琉球政府が採取しました海水を、検査のために本土へ送るという措置は現在とられておらないわけでありますけれども、この十七日に琉球政府といたしまして独自に那覇商港の海水を採取いたしまして検査をいたしましたその結果を、十九日に発表いたしております。それによりますと、数字的には特に異常はなかった、こういうことを琉球政府の厚生当局は発表いたしております。
○中谷委員 外務省、一体どういうことをおっしゃっているのですか。五月の十七日に、あなたのほうは共同の放射能調査を突然中止したのでしょう。それでやむなく琉球政府の厚生局のほうが調査をした。しかし、情けないことには、大気用のガイガーの測定器しかなかった。そういうふうな状態で調査をしたのでは、どうにも調査にならない。結局厚生局長自身が発表した中で、測定器が不十分だ、しかも、とにかく調査方法については軍港に入っていけなかった、そんないろんな問題があって、情けないけれども、こんな結果しか発表できません。発表した結果については、いまあなたが言ったようなそのような状態ではあるけれども、この結果は私としては全面的に信用していいかどうかわかりません、こういうふうに言っているのでしょう。あなたとしてそれじゃ一体どういうことなんですか。厚生局が調査をして、そうしていわゆる自然数値しかなかったということだから安心しろとでも私におっしゃるのですか。沖縄県民に外務省としてそういうことを言われるのですか。十九日に厚生局が独自に調査をして、その調査の結果が出たということが、一体どれだけの意味が分析にあるのですか。あなたはそのことに何か意味を持たしたようなことでおっしゃっておるのですが、そういう調査をしたけれども、やむなくしたのだ。全く調査としては科学的な根拠もいわゆる権威もない調査なんだということを、調査している琉球政府自身が嘆いているじゃありませんか。その点について、測定値がいわゆる平常値であった。だから安心しろ、安心できるとあなたはおっしゃるのですか。いかがですか。
○大河原説明員 私が先ほど申し上げましたのは、琉球政府の厚生当局は、調べた限りの、また与えられた限りの機械によって調査した限りではそういうことである、ただしこれは従来から原潜の汚染の程度について十分な検査が行なわれていないので、それと比較して云々ということはできない、また測定そのものが限られた手段であり、今後ともできるだけ十分な機械類その他の測定方式を整えたい、こういうことを琉球政府の当局者が言っているということを申し上げたわけでございます。したがいまして、私は何もそれをもって安心しろとか、それでもって十分であるとかいうことを申し上げたつもりは毛頭ございません。
○中谷委員 この一点で終わりますけれども、だから科学技術が相当高い水準に達している科学技術庁の調査あるいは指導というものを受けなければならないのじゃないか。そのことについて、アメリカが待ってくれというから、それに対してオーケーを与えて、じんぜんと日を過ごしていった場合には、調査というものは事実上できないことになるじゃないかという点が私の言いたい第一点なんです。 いま一つは、外務省としては、今後の継続的な調査体制というものについて、少なくともアメリカ側と交渉をすべきだと思うけれども、いかがでしょうか。
○赤羽説明員 前半の御質問につきましてちょっと参考に申し上げますが、海水の分析をいたしますのは、早期発見と申しますか、予防的な措置でございます。現在の状態が問題あるまでになっているかいないかは、これは世界的に共通の方法としましては、海底のどろを検査するというのが一番正確な方法とされております。その面では時間的に若干ずれましても、データは同じものが得られる。
○中谷委員 どのくらいずれてもいいのか、御答弁いただけませんか。
○赤羽説明員 何年でもだいじょうぶです。
○大河原説明員 沖縄における放射能の調査の問題につきましては、現に佐世保における異常放射能の原因につきまして、アメリカから専門家が参りまして、日本の専門家と一緒に専門機関に対していろいろデータを突き合わせながら話し合いをやっております。その結果がいずれ出てくることと思いますので、これらを見た上で考えるべき問題ではないかというふうに考えております。
○中谷委員 次に特連局長にお尋ねをいたします。 本土・沖縄一体化調査団調査事項についてお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、まず先ほど川崎委員のほうからも発言がありましたが、要するに現在沖縄の県民が最も期待をし、また不満を感じている問題、これらの問題が調査項目に入っているか入っていないのか、ことに施政権に関する、直接施政権そのものの批判にわたるような事項については除外されているとするならば、結局本土一体化という名に隠れたところのきわめて行政事務的な調査でしかないのじゃないかということを私も感じます。 時間もないようでありますが、ひとつ私は項目別にこの調査は一体どんなことを調査するのかということについて、お尋ねをいたしたいと思います。 いわゆる法務の関係でありまするけれども、民事関係法令に関する事項と土地の権利に関する事項というのがございます。これはいゆわる黙認耕作地の問題、あるいは土地の接収に関する問題、あるいは土地の接収についてのいろいろの県民のこれに対する反対の意思表示の実態、これらについては調査の範囲に入るのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○山野政府委員 調査項目全体を通じましてまず申し上げておきたいのは、調査をいたしました結果、行政各分野における水準を上げるという問題が一つあります。それから、制度面から見まして、アメリカの施政権がありながら、何とかほんとうの施政権の返還に備えて本土の制度と同じようなものを沖縄側でつくるという問題が一つあります。それから施政権が違うけれども、本土の制度とつないでいくという問題もものによってはあろうかと思います。したがいまして、そういう全行政分野について、そういう視点から私どもは全体としてながめていきたいと思いますので、項目、項目が単独に、ほんとうにその専門的な項目、項目がピックアップされて具体的な調査細目になって、単独でおるというわけではございません。相互に関連しつつ考えていきたい。 御指摘になりました法務関係の調査アイテムでございますが、これは法務省と協議いたしまして、法務省としましては法務省の所管全行政の分野について相当精密な調査を行ないたいという要望に基づきまして、法務省がこの項目を取り上げたわけでございます。したがいまして、この問題に関連してただいま御指摘になりました具体的な問題がどの程度入ってくるかというような問題は、現地におきまして十分、調査期間中、打ち合わせをしながら調査をしていくことになりまして、どの範囲まで入るか、ここでそのまま申し上げられませんが、調査だけはできるだけ広い範囲にわたって調査をする。ただそれを具体的な報告にどういう形でまとめるかには、いろいろ先ほど来申し上げましたように、諮問委員会の権限の範囲内というような制約がございますから、どの程度入ってくるかという問題になろうかと思いますが、調査自体はできるだけ広範囲にフランクに率直に調査して、あるがままの実態を把握したい、かように考えております。
○中谷委員 調査だけをされるということであれば、むしろわれわれはもうすでに資料として日弁連報告書というものを持っているわけです。むしろ基地の最も切実な問題について鋭角的にとらえたのが日弁連報告書だと考えている。 そうするともう一度お尋ねいたしますけれども、局長は団長におなりになるそうでありますけれども、そういう黙認耕作地の問題、土地接収に関するいろいろな状態の問題、法規の問題、これらの問題はこの日米琉諮問委員会に対する報告の中に当然載るべき事項だとお考えでしょうか。調査をするというようなことは、調査の範囲を非常に広くかつフランクにやりたいということと、それを一つの団の意思表示とされるかどうか、団としてそれを報告書にまとめられるかどうかということに問題があるのであって、その点は当然報告書に記載さるべき事項であるというふうにお考えになりますかどうか。
○山野政府委員 この黙認耕作地の問題等につきましても、いろいろな角度から問題があるわけでございまして、私どもとしてはできるだけ全体の姿をとらえて、そうしてできるだけこの制度全体としての見地から一体化をどういう方向へ進めるかという報告を出したい。もし当面するいろいろな具体的な問題であって諮問委員会の権限の外に出るような問題がありますれば、総理府の別の立場から同時に私あるいは補助職員をして調査をしてまいりまして、そうして、その取り扱いにおいては別途適当な措置を通じて改善方を求めていくということになろうかと思います。
○中谷委員 そうすると、土地の権利に関する事項、民事関係法令に関する事項というのは、沖縄において一番問題は黙認耕作地の問題であり、土地接収の問題であることは、私は言うまでもないと思うのです。沖縄県民のAとBとの間の所有権の争いなんというものは、本土同様の土地関係の法令の整備ということは必要でしょうけれども、そんなことは切実な問題としてあることではないと思う。そうすると、いまあなたの御答弁ではそれらの問題が明確に調査団の調査の対象になり、しかもそれが諮問委員会の中において議題とされるところの報告になるというふうなことになって、要するに団の報告書の中の記載事項になるということについては明確にお答えできない。要するに一番切実な問題について何か故障が出てきたらその点で調整したいということで、いまここで明確に報告書の記載事項になりますということは言えないということですか。
○山野政府委員 ただいま御指摘になりますのは、具体の当面の問題として黙認耕作地をどうするかという見方から、当然調査報告を出すべきだというような御指摘でございますけれども、私どもは沖縄の制度全体をわが国の府県制度全体の中にどう近づけていくかという全行政分野から、制度的にあるいはまた行政技術的な面から検討して、一体化をできるだけ計画的に進めていきたいというための調査でございまして、いま御指摘になりましたような点が重大な問題であり、当面の非常に関心事項であるということはわかります。しかし、そういう視点で問題を調査しようというわけではございません。したがいまして、全体の調査をやりますから、当然そういう問題も入ってまいりますが、しかし、それだけをピックアップして個々に解決をするという調査のしかたではございません。
○中谷委員 同じく、先ほど川崎委員の質問について、法務の中の人権擁護行政という項目を6のところに最後にまとめております、こういうふうな御答弁がありましたね。では、重ねてお尋ねいたしますけれども、いまのような局長の御答弁であるならば、人権擁護行政というのは、現在本土の法務省がやっておる人権擁護行政の水準から見て、沖縄の人権擁護行政がどのようなものかということについての調査、そうしてそれの問題点を指摘するということであって、沖縄の県民の人権が最も侵害されておるいろいろな問題、ことに基地との関係の問題、米軍人軍属との関係の問題、それらの問題については、問題はあげられるのですか、そうして、それに対する対策と改善、修正をすべき点、これらの点についての見解をお述べになることなんですか、そういうことのもくろみで調査に行かれるのですか、どうなんですか。これはいかがですか。
○山野政府委員 人権の問題につきましては、いまお話がありました人権擁護制度の問題もありますし、また警察の分野では、警察制度なりあるいは犯罪の現状なり、いろいろな問題がございます。それからまた、一般的に申しまして、住民福祉の体制の調査もありますから、人権問題はいろいろな分野で中に入ってくると思います。しかし、そうした調査の結果を報告するにあたっては、高等弁務官の権限あるいは諮問委員会の権限の範囲内のことを報告をしなければ、これは諮問委員会で取り上げまして勧告していくわけでございますから、したがいまして、その範囲内のものに限られていくことはやむを得ないことでございます。しかしそれらの問題に含まれない分野の問題は、またその取り扱いを別途適当な方法で解決を促進する方法を見出したい、こういうぐあいに私どもは考えておるわけでございます。
○中谷委員 一般論をお聞きしておるわけではないわけなんです。 そうすると、人権擁護行政という中で、たとえば、現在の法務省の人権擁護局が不十分ではあるけれどもやっておる公害ということによる人権侵害の問題、基地公害の問題、これらの問題は取り上げられるのですか、どうか。これはひとつ具体的にお聞きしておきたい。 第二に、米軍人軍属の沖縄県民に対する犯罪などということを中心とする、犯罪に至らなくても、不法行為というようなことでの人権侵害がある。その実態についても調査をされるのですかどうですか。これが第二点。二つだけお聞きしておきます。こういうことは調査の対象になるのですか、ならないのですか。
○山野政府委員 諮問委員会の権限外に属する事項は、総理府の立場で私がある程度調査をすることになっております。また、そういう了解も受けています。しかし、調査団としましては、いま申しましたように、あくまで高等弁務官なり諮問委員会の権限内の事項に限るということでございますから、御指摘になりましたように、基地問題というようなそういうとらえ方の調査なり報告はストレートにはできない、しないというぐあいに私は考えております。しかし、その問題は、私の総理府の特連局長の立場で調査をして適当な措置をとっていくということでございます。
○中谷委員 時間もないようですから、私は終わりますが、こういうふうな見解だけは述べておきたいと思います。 基地の問題について、基地を撤去すべきだとかどうとか、こういう問題について、調査団が調査できるような一つの役割りを持っているとも意欲を持っているとも私は思わないのです。しかし、基地があって、基地公害というふうな問題についてまで私があなたにお尋ねしたのは、そういうものは調査されますかと言った、そうしたら——その調査されますかという質問の前提は、基地公害という問題は当然諮問委員会の中において問題にできることなんだ。というのは、あなたは、頭から、できそうにないということで、諮問委員会の権限外だ、外だと全部はねられておる。そうすると、一体この調査というのは何なんでしょうか。要するに、全く行政事務のレベルにおける単なるいわゆる調査でしかない。ほんとうに沖縄県民が嘆き悲しみ苦しんでおるような問題について、本土のほうから行ってこの問題について調査しようという調査ではない。一体化ということをおっしゃいますけれども、施政権というものによって沖縄県民が大きく権利がえぐられておる、人権が制限されておる、その暗い面は一体何かというところに光を当てようという調査ではないじゃないですか。だから、この調査について私はあまり期待できないというように思います。しかし、そういうことを言っておってもしかたがないので、もう一点お聞きしておきますが、たくさんのうち「米軍および本土警察との共助関係を中心とする捜査体制」というのがありますね。ここに一つ頭が浮かび出してきておる。要するに、この問題で私がかねてからこの委員会で質問しておる米軍人軍属の犯罪に対する、特定の犯罪についてしか現行犯逮捕できないから、その範囲を拡大しなければいけないだろうというような問題だとか、あるいはある程度の米軍人軍属に対する捜査権は現在の琉球政府に与えるべきだろうというような問題は、調査を通じて問題点を指摘される意欲をお持ちですか。それさえもないということになれば、私は、この調査団の調査結果というものはあまり大きく宣伝されないほうがいいと思うけれども、いかがですか。
○山野政府委員 警察の分野におきましてもできるだけ広く調査いたしますから、私はそういう問題も当然含まれると思うわけでございます。
○中谷委員 日弁連が調査に参り、あるいはもうすでに各党が調査に参っておる。そうして、それらの調査というのは必ず調査したことを調査結果として広く国民に知らせておるのです。あなたのほうは、広く調査すると言うけれども、それをあなたのポケットの中に入れておったら調査にならぬじゃないですか。あなた自身の、何か政府の何人かの公務員の知識であって、それが公の場所において提示されない限りは、そんなものは調査と言えない。そういうものは何らの政府の意思表示でも何でもないじゃないですか。そうすると、結局、警察の問題について広く調査しても、実態を調べてみても、それが土台になるのかどうかについてはここで言えない、むしろ諮問委員会の権限外のことくさいというふうな、最後はきわめて雑な言い方をしますけれども、というふうな御答弁でしかないわけなんですね。
○山野政府委員 ただいまの御意見も十分拝聴いたしましたから、私ども鋭意全力をあげて調査をして、適正な報告書をつくっていきたい、かように思います。
○川崎(寛)委員 関連。諮問委員会の権限外のことについては、私が調査することを話し合っているのだと、たいへん大みえを切った。それではお尋ねします。では、具体的に適当な方法でというのは、どういうことですか。
○山野政府委員 一体化を全体として進めます場合にも、諮問委員会を通じて処理できる問題もございますれば、あるいは協議委員会とか外交ルートとかその他の方法、ルートもあるわけでございます。したがいまして、そういうことを含めましてさように表現したわけでございます。
○川崎(寛)委員 これはあまり大げさな言い方はしないほうかいいと思うのですよ。諮問委員会の権限の中で今度調査をするわけです。そうすると、その限られたやつが、調査がきまりますと、またアメリカ側から当然にいろいろチェックが出ます。そうすると、これが諮問委員会に報告をされて、そしてあと具体的にいわゆるレベルアップの作業が進められるわけですね。ぼくは、一体化といわない、要するにレベルアップだ、そういう作業が進められると思うのです。そうすると、これを進めていくには、この調査のあと何カ年計画という形で、それを長期の財政的な、つまり日本本土政府全体がこれに対して長期計画として固めていく基礎になるのかどうか、それからまた何カ年計画というものになるのかどうか。
○山野政府委員 調査全体を通じまして、先般もお答えしたかと思いますが、緩急の順序をつけるという観点から調査をしていきたいのでございます。したがいまして、当面実施できるもの、それからある程度期間のかかるもの、そういう区分けはしていかなければいけませんが、いまの段階で何カ年計画という計画の中へはっきり入っていくかどうか、私どもはまだ確信がないわけでございます。 ————◇—————
○床次委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 本委員会としては、閉会中もなお審査を行なうため、川崎寛治君外九名提出の沖縄県における公職選挙法の適用の暫定措置に関する法律案、及び、多賀谷真稔君外七名提出の沖縄に対する財政措置その他の援助に関する臨時措置法案、並びに、沖縄及び北方問題並びにその他の固有領土に関する件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になり、現地調査の必要が生じた場合は、委員長において、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、派遣地、派遣期間、派遣委員の選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○床次委員長 今国会において、本日までに当委員会に参考送付されました陳情書は十五件であります。この際御報告申し上げます。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十三分散会