沖縄及び北方問題等に関する特別委員会 第11号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1968/04/23
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 沖繩地域における産業の振興開発等のための琉球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。大村襄治君。
○大村委員 ただいま議題になりました資金の貸し付けに関する特別措置法案について、若干お尋ね申し上げたいと思います。 第一に、この法律案に関連いたしましてお尋ねいたしたい点は、長期経済計画との関連でございます。この点につきましては、前回の委員会におきまして、諮問委員会の設置に関する法律案の審議の際にもお尋ねいたしたのでありますが、時間が十分でございませんでしたので、重ねて若干お尋ねしておきたいと思います。と申し上げますのは、沖繩経済のいままでの特色といたしましては、基地収入に外貨収入の過半を依存していること、あるいは主要産業であるサトウキビやパイナップルの栽培及び加工業の生産性がいままでのところ非常に低い。また県民の所得水準が、いままでのところ本土に比べまして七割ないし八割の低い水準にある。そういったような状況を勘案いたしますると、今後長期経済計画を策定する場合には、どうしてもそういった点に思いをいたして進めなければいけないと思うのでございます。 具体的に申し上げますると、農業、水産業あるいは畜産業などの生産性を高め、またこれらの加工業あるいは化学重工業の方面におきましても、地利を生かしての加工業あるいは観光産業、いろいろ考えられるのでありますが、長期経済計画の重点をどういった点に置いたらよろしいか、その点についての副長官のお考えを伺います。
○八木政府委員 御指摘のとおり、いままでの沖縄経済というものが基地経済に依存しておる、農業の分野においてはサトウキビ並びにパインに依存しておる、そういう形の中で、今後本土との一体化政策というものは、いわゆる沖繩の所得水準が内地の所得水準に匹敵するようにしむけていくということが基本になるわけでございますが、どういう長期計画を立てるかということが今後の一体化政策の最重要ポイントになってくることは、言うまでもないことでございます。もちろん、現在固定的に長期計画ができたということではございませんので、これから策定することでございますが、いままでもたびたび論議されましたように、大来委員会等でも言っておりますように、一方においては農業の近代化、サトウキビやパインそのものの、いわゆる実質所得の向上につながるような生産近代化というものが進められる。その上に新しい課題として畜産等を導入してやっていくという、そういう農業の収入増をはかっていかなければならぬということは言うまでもないことであります。同時に、いまおっしゃったように、新しい課題としての観光収入、それに工業の工場誘致といったような一連のものが考えられてこなければなりません。しかし、それらのことにつきましては、これからそれぞれの専門調査員を現地に派遣をして、そして大来委員会の方向とにらみ合わせながら具体的な長期計画を策定して、結果として沖繩の産業全体の水準が向上し、そこから所得が上がっていくようにしむけていくということがこれからの課題だと言っていいのではないか。われわれは真剣にそれに取り組み、早期に長期計画を策定をし、それを実施するような方向で善処してまいりたい、こう思っております。
○大村委員 長期経済計画の重点についてのお考えはあらましわかりました。私は、そういった長期経済計画の重点が置かれる以上は、その裏づけとしての長期資金の導入が必要であると考えるのであります。そしてまた、現在の沖繩の通貨がドル経済であるということも念頭に置かなければいけないと思うのであります。すなわち、ドル経済であるということは、ドルの裏づけで経済が安定するという利点はありますが、通貨の供給方式に限定があるのであります。すなわち、国際収支が黒字であればその点はかなり潤うわけでございますが、そういったことでない場合には制約がある。これから沖繩経済を長期的に安定させ、成長させていく場合には、こういったドル経済であるという点もどうしても念頭に置いていかなければいけないと思うのであります。そういった意味合いにおきまして、本年度の沖繩財政援助予算において、初めて総額二十八億円にのぼる産業開発資金等の融資が新規に計上されたということは、いま申し上げましたような趣旨から見ましても、きわめて適切妥当ではないかと思うのでありますが、なお、この内容につきましては若干のお尋ねしたい点がありますので、引き続いてお尋ね申し上げます。 まず第一にお尋ねいたしたい点は、今回行なわれる資金的援助は、琉球政府の行ないます長期融資の資金に充当されるものと理解されるのでありますが、琉球政府の資金貸し付けの対象はどういうものであるか、この点をまずお尋ねいたしたい。
○山野政府委員 ただいま御指摘がございました今後の沖繩の産業振興の長期計画との関連において、長期資金というものがどういうウエートを占め、どういう方向で出されていかなければならないかという問題、それから、現在沖繩と本土との関係において、沖繩はドル経済でございまして、したがいまして、そういう資金投入の場合にやはり国際収支の面からの配慮が払われなければならぬ、これは御指摘のとおりでございます。私どもも、いま副長官から御答弁がございましたように、現在諮問委員会あるいは民政府で長期経済計画策定の研究に入っておりますので、それらの推移と相呼応しまして、日本政府としても、日本政府側から見た沖繩の経済に対する展望も具体的に検討していきたい。 なお、ドルの経済圏の問題でございますが、これは大村先生の御案内のように、国際収支の面で、貿易収支から申しますと、本土は毎年約二億ドルの黒字、本土側の受け取りになっておるのでございます。したがいまして、たとえば明年度の二十八億、あるいは出資の援助を含めましても三十六億程度のものについては、そういう沖繩側からの二億ドルの受け取りを考えれば、沖繩との関係にはそうたいした問題は起こらないだろうというぐあいに考えておるのであります。 さしあたり明年度二十八億の融資はどういうことに向けられるのかという御質問でございますが、私どもとしましては、琉球政府といろいろ協議しまして内容をきめたわけでございますが、農林漁業の振興に対する貸し付け金として二億七千万円、そのほかに漁船建造資金としまして一億、それから鉱工業の振興に必要な資金としまして十二億六千万円、それから大衆金融公庫——沖繩の大衆金融公庫は、本土でいいますと、国民金融公庫と中小企業金融公庫を合わせたものでございますが、それに対して九千万円、産業関係ではこういう内訳でございます。そのほか、広い意味で産業関連施設と申しますか、社会資本的な面としまして、住宅建設の資金についての非常に強い要望がございますので、これに対しまして十億八千万円、合計二十八億円を予定いたしておるわけでございます。
○大村委員 大体資金の貸し付け先につきましては、ただいまの御説明でわかったわけでありますが、なお参考資料の一ページの二番目にあります鉱工業の振興開発に必要な資金としての産業開発金融公庫(新設予定)となっておりますが、これの性格、目的、まだ予定でありますから性格もきまっておらないかもしれませんが、わかる限りひとつ御説明願いたい。
○山野政府委員 私どもは、今度の本土側からの長期資金の貸し付けにあたりまして、ここに予定しておりますような産業開発金融公庫を沖繩に新設して、そこを通して融資をするということにいたしているわけでございますが、実はこれは、現在沖繩に開発金融公社という民政府が管理しています公社、これはガリオア資金とかそういう関係の資金を中心にしまして運用されておりますが、これを琉球政府のほうへ移管してもらいまして、そうしてその琉球政府に移管された開発金融公社を母体にしてこういう金融公庫をつくりたいということをずっと計画してきたわけでございます。ところが、諮問委員会のほうでも、そういう琉球政府の要望に対しまして諮問委員会の議題にされまして、諮問委員会におきましては、この開発金融公社の琉球政府への移管は従来からの米側で管理してきた経緯、その資金の原資等の実態にかんがみまして相当慎重に検討したい、そういうことで琉球政府へ移管するという方向は認めておるようでございますが、一応この間の諮問委員会の高等弁務官に対します勧告でまず専門家に調査してもらいまして、半年ぐらいのうちに結論を出してもらって、そしてその結論によって開発金融公社の移管問題を決定していこう、おそらく、まだ人は確定しておりませんが、日本側の金融機関の民間人を長とする開発金融公社移管のための調査団を編成しまして、これはごく小人数でございますが、そうしてそれが現地に行きまして、長くても半年ぐらいのうちに検討してもらいまして、その結論によって処理したい。そこで私どもは、そういうぐあいに新しい時点になりましたので、ここに予定しております産業開発金融公庫というものの新設は、この移管が決定するときまで新設を延期することにいたしまして、その間はこの新設の機関の取り扱う事務を大衆金融公庫に行なわせる、大衆金融公庫の琉球政府の立法を改正いたしまして、そこでこの産業融資を取り扱ってもらう、こういうことで琉球政府、民政府と私どものほうと話し合いが大体まとまっておるわけでございます。
○大村委員 資料の五に、住宅の建設に必要な資金、住宅建設資金融通特別会計十億八千万円とあがっておりますが、これは書いてあるとおり、住宅建設に必要な資金だと思うのでありますが、これもまた特別会計を新設する予定になっておるわけであります。それから、いままで聞いたところによりますと、開発金融公社におきましても相当住宅建設の長期資金を供給しているように聞いておるのでありますが、その辺の関係、及び特別会計新設の予定となっておりますが、その辺の見通しを御説明願いたい。
○山野政府委員 この開発金融公社のほうでも、御指摘のように、住宅に対して融資をしてまいりましたが、ここ数年来開発金融公社の資金が枯渇してまいりまして、融資額が非常に激減してきておるわけでございます。私どもはそういうことも考え、琉球政府の強い要望も入れまして、今回新たにこの住宅建設資金の特別会計を新設して、琉球政府で新設されて、そこへ十億八千万円を流したい。そうして、これによりまして、琉球政府の住宅建設計画によりますと、約一千戸の住宅を建設したいということでございます。
○大村委員 大体融資先はわかりましたが、次に量的の問題を伺ってみたいと思います。 この融資先の農林漁業中央金庫、それから中小企業の振興に必要な資金を供給する大衆金融公庫、昨年夏、私どもが現地を視察しましたときには、非常に資金が不足しておるという声が強かったのであります。また提出された資料を見ましても、ここ二、三年現地の資金だけでは資金量の伸びが停滞ぎみであるという事実が明らかであります。そこで、これだけせっかく本土から応援してつぎ足すのでありますが、一体この程度のもので非常に不足を訴えられておる資金がどの程度充足されてまいるのか、その辺の見通しについて伺いたいのであります。これが第一点。 それから住宅の点は、先ほど、今度本土からの資金が一千戸できるんだというお話でございますが、まだまだこれも不十分ではないかと思うのであります。いままでの建設戸数、今回の建設予定の戸数、さらに将来の見通し、そういった点がもしおわかりになれば、御説明願いたいのであります。 第三点でございますが、今回の融資対象にははっきりあがっておりませんけれども、私は沖繩の公益事業のあり方について非常に関心を持っておるものであります。たとえば一九六六年の琉球政府が編さんしました琉球要覧を見てきますと、電気の供給率が九三・六%、これは沖繩全体でございます。未普及が六・四%、特に沖繩本島の北部が未電化三三%、八重山が二三%ですか、そういったところが非常におくれておるように見受けられるわけであります。また上水道の水道事業につきましても、全体の普及率が七〇%、特に沖繩本島の中部が五七%、非常に低い数字でございます。それから都市ガスにつきましても、同じ年次の普及率が九・五%、LPガスで二九%、これも非常に低いのでございまして、こういった本土に比べて非常に低い公益事業あたりを高めていくためにも相当長期資金の援助が必要ではないかと思うのでありますが、そういった点について資金の量的な問題の見通しなどについて御説明を伺いたいと思います。特連局長にお願いします。
○山野政府委員 沖繩の現在におきます資金需要の全体はどれくらいになるかという問題は、把握が非常にしにくいわけでございます。いろんな機関によりましてそれぞれ違っておりますし、それからまた新規の産業資金をどう見るか、資金需要をどう見るかというのは、必ずしも的確につかまれていないと思うのでございますが、私ども手元に持っております六九会計年度の資金需要としては、大体二百八十億あるいは三百億という資金需要があるのではないか、これもまあ確定的な数字でありますかどうかちょっとわかりませんが、大体の見通しでございます。たとえば、そのうち農林漁業につきましては七十三、四億、あるいは漁船の建造に五億、あるいは産業開発に七十億、住宅建設に二十一億とか、こういう数字を私どもは一応持っておるわけでございます。この約三百億近い資金を、民間資金がかりに五十四、五億というぐあいに想定いたしますと、その場合にあとの民間資金で融通できない百四、五十億のものを自己資金と財政投融資とかいう資金でまかなっていかなければいかぬというぐあいに考えられるわけでございますが、そのうち自己資金がかりに百四十億といたしますと、財政投融資の面からまかなうべき金は、全体では大体八十億近いものになると考えるのであります。これらの資金を、郵政の資金運用部あるいは郵政の手持ちの資金による出資等でまかないまして、日本政府のほうへ要請されたのが出資を含めまして三十六億、こういうことに相なっておるわけでございます。しかし御指摘もございましたように、最近沖繩経済は非常に活発になってきておりますし、産業の開発の意欲が高まってきておりますので、資金需要はますます大きくなろうとしております。したがいまして、この二十八億ないし三十八億の資金をもってして、これで必ずしも十分であるかどうか、そういう点にはいろいろまだ問題があろうかと思いますが、私どもといたしましては、今年度のこの資金の運用の実態を見まして、さらに将来に対処していきたい、かように考えております。 それから住宅の建設計画でございますが、一応事業量として政府ベースで考えております住宅建設計画は、六十九年に一千戸、七十年に千五十戸、七十一年に千三百五十戸。七十二年が千七百五十戸、七十三年が二千二百五十戸、総戸数七千四百戸を予定しておるわけでございます。 それから次は、ガス事業等の公益事業の問題でございますが、沖繩の現在の公営企業というのはきわめて貧弱な現状にございます。その理由は、一つは、御案内のように、電力でありますとか、あるいは水道というものが、やはり基地との関係で米軍の管理しておる公社に依存しておるのでございます。したがいまして、水道におきましても、電気におきましても、公営企業的な分野がきわめて限られておりまして、たとえば本島でいいますと北部とか、あるいは宮古、八重山の市町村で経営しています簡易水道とか、あるいは電気におきましても八重山とか宮古とかの電気事業、こういうものに限られておるわけでございます。御指摘になりましたガス等の公益事業についても、現在はきわめて貧弱な体制にございますので、今後私どもも住民サービスの向上の面からこういう公営企業の開拓のために琉球政府側と十分相談してまいりたい、かように考えます。
○大村委員 関連して資料をお願いしておきます。関係金融機関の原資の資金別構成比、出資とか自己資金とか、いわゆる普通の分類でけっこうです。いままでの分類構成比、今回の本土からの援助ですが、その構成比がどのように改善されるか、お願いしておきます。 次に、今度は資金の質的な問題について若干お尋ねいたします。今回本土から長期資金として貸し付けられる資金の貸し付け条件、すなわち償還年限並びに利回り、この点はどうなりますか。
○山野政府委員 貸し付け条件におきましては、金利は、これは資金運用部でございますから、六分五厘でございます。償還期間でございますが、償還期間は、それぞれ貸し付ける対象の事業によって相違のあることは御案内のとおりでございます。長いものは相当の長期でございますが、また十年以内のものもあるわけでございまして、これらを勘案しまして、運用のときまでに確定をしていきたい、かように考えております。
○大村委員 その金利の点ですが、ただいまの御説明の資金運用部の運用利回りが六分五厘でありますと、沖繩の関係金融機関のいままでの貸し出し金利との関係がどうなるのか。大衆金融公庫あたりは七分二厘で運用しているというふうに聞いておるのでありますが、そうするとほとんど差がない。場合によってはほとんど同じであるとか、逆に下回りますと逆ざやというようなおそれもあるのではないかと思いますが、その辺どのようなお見通しでありますか。
○山野政府委員 金利の問題でございますが、住宅を除きましたたとえば農林漁業金融公庫等の大衆金融公庫におきましては、これは別途八億円の出資もいたしているわけでございます。したがいまして、これは全く援助金の中で交付しているわけでございますから、そういう日本の援助金と合わせての全体の運用利回り等でカバーできるのではないだろうか。ただ、そういう日本の全くの無利子の援助金がない住宅資金のような場合におきましては、いま御指摘のありましたように、六分五厘で政府は貸しますが、向こうは大体五分五厘で貸したいということを言っておるのでありますが、これにつきましては、さしあたり琉球政府の一般会計で一部の補てんはしていきたいというぐあいに琉球政府のほうで申しておりますので、その末端の貸し付け金利の問題については、いまのところ問題がないわけでございます。
○大村委員 その住宅などの逆ざやの点でありますが、さしあたり琉球政府の一般財源で補てんするという点、これはしっかり話がついておるならいいかもしれませんが、建設戸数もふえるということになりますと、また郵政の財政全般を圧迫するという懸念もございます。この分についても、そういった問題が出てくるかもしれない。これは本土からの出資なり何なりとの関連があると思いますが、こういった問題は、せっかく援助する以上は、沖繩の住民の皆さんに喜んでいただくために、政府部内でもよく検討していただきたいと思います。 次に、手続的な点でありますが、こちらのほうからは特別措置法で日本の資金運用部等から貸し付けるわけでありますが、受け入れ側のほうも、これは何か特別会計をつくって、そして関係金融機関のほうでまた、貸し付ける、償還はまた逆に流れてくる、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○山野政府委員 そのとおりでございまして、向こうにおきましても、琉球政府に産業投融資特別会計を新設いたしまして、資金運用部から琉球政府を通じて産業投融資特別会計に入りまして、その産業投融資特別会計からそれぞれの機関に流して運用していくということになります。したがって、また逆の場合も同じようになるわけでございます。
○大村委員 関連してもう一つお尋ねいたします。 今回の援助措置の交渉には地方公共団体が含まれておらないわけであります。先ほど御説明のありましたように、関係金融機関はあがっておりますが、その中には地方団体は含まれていない、予算の説明でもそうでありますし、この特別措置法を見ましても、そういったものは含まれておらないのであります。現在におきましては、いろいろ資料を見ますると、郵政の資金の運用において市町村に対して十数億の貸し付け計画があるようでございます。でありますから、現在の時点では、あるいはそれで一応間に合っておるのかもしれませんが、今後はそうはいかぬのではないか、市町村の行政能力が高められ、単独事業などもふえてくる、あるいは先ほどお話しのありました公社等の再編成等の関係におきまして公営企業が自治体の手によって運営されるということになりますると、資金需要はますますふえてくるのではないか、そういった段階においては、地方団体も本土からの資金援助の対象に加えるべき時期がそう遠くはないのではないかという気もするのでありますが、そういった点についての当局のお考えを伺いたい。
○山野政府委員 従来市町村に対しますいわゆる長期資金の貸し付けにつきましては、開発金融公社とかあるいは一昨年できました資金運用部から貸し付けておるわけでございます。私ども明年度の長期資金の計画にあたりましては、主として産業振興の長期資金が不足しておるというところに重点が置かれておった関係もございまして、私どもはそういう産業資金中心に一応計画を立てたわけでございます。一面、それに対応しまして、市町村の財政強化のためには十億円の交付税を新たに設けて、沖繩の市町村の財政強化をはかることにいたしたのでございますが、いま御指摘になりますような本土の市町村と比較しての起債制度をどうするか、それからまたその財源が琉球政府の内部において十分まかない切れるかどうかという点は、私ども市町村の資金需要等も検討いたしまして、それからまた当該年度における琉球政府の資金の実態、資金供給原資の実態もよく見た上で対処していきたいと思うのであります。大体の傾向といたしましては、いま御指摘になりましたように、市町村の諸般の行政機能も活発になりまするし、それから公営企業その他の分野でも事業がふえていくことは、これは御指摘のとおりでございます。したがいまして、それらの実態をよく見た上で善処いたしてまいりたいと思います。
○大村委員 いまの点にきましては、今後慎重かつ熱意を持って検討されんことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○床次委員長 箕輪登君。
○箕輪委員 大体大村委員が質問されて尽きるわけでありますが、御答弁の中から若干拾い、そしてまた私が疑問に思っております点をお尋ねいたしたいと思います。 この特別措置は、大体本土と沖繩の一体化政策の一環として行なうのであろうと思うわけでありますが、一体化とどういう具体的な関連を持つか、御説明いただきたいと思います。
○八木政府委員 先ほど来申し上げておりますように、今後の一体化施策をやっていくために、一つには行政の一体化、一つは産業経済の一体化という二つの考え方があるわけであります。その産業の一体化のためには、本質的な長期計画を策定して、その長期計画に対応する金融財政措置というものがなされていかなければならぬわけでございます。しかしながら、この法律によってやはり一体化施策が前進するということは変わりがないわけでございます。今後一体化施策の長期展望に基づく長期計画というものができた場合に、この金融措置が拡充強化されて、さらに前進することになると思いますけれども、現時点におきましても、一体化施策のいわゆる促進剤になるということだけは申し上げて間違いないと思います。
○箕輪委員 そこで先ほどもお話に出ておりました従来からあった開発金融公社、これはここ半年の間に相談をいたして、琉球政府に移管させる方向で進めていきたい、こういうような御答弁であったように思うわけでありますが、それまでは産業開発金融公庫は新設しない、こういう方針だと聞いたわけであります。そうすると、従来からあった開発金融公社は一たん琉球政府に移管されたあと、これを産業開発金融公庫に吸収合併する、こういうことでございますか。
○山野政府委員 現在の開発金融公社は、先ほど申し上げましたように、近年資金の強化策がとられていないために資金供給能力は激減しておりまして、昨年度あたりは約二十億の新規資金しか持っていないわけでございます。したがいまして、日本政府から今後供給される長期資金は、私どもは年来、開発金融公社を琉球政府に移管してくれという要請を続けてまいっておりますので、その方針に合わせて琉球政府に移管してもらって、そこを通して産業資金の供給をしたい、そういう提案を諮問委員会に行なったら、半年間くらいひとつ綿密に調査した結果結論を出そうじゃないか、こういうことになったわけでございます。したがいまして、さしあたりの措置としましては、大衆金融公庫というところを通じて資金を供給しよう、この大衆金融公庫というのは、いまの本土の国民金融公庫と中小企業金融公庫を兼ねた、本土ではちょっと理解しがたいような実態でございますから、したがいまして、当面の措置としましては、法律改正によって、この産業資金を大衆金融公庫で取り扱ってもらいますが、将来開発金融公社の認可決定しました場合には、大衆金融公庫の機能、いわゆる中小企業に対する融資の機能というようなものをひっくるめて再検討をしていただいて、こういう産業開発のための特別の金融機関に変えていくということが適当ではないか、かようにいまのところ考えております。
○箕輪委員 そうしますと、新設を予定されている産業開発金融公庫と従来からの開発金融公社と二本立てで産業開発資金を融資しようという考えではないわけですね。将来は吸収合併して、産業開発金融公庫一本でいきたい、こういうことでございますね。
○山野政府委員 そのとおりでございます。
○箕輪委員 それから、先ほど大村委員も質問されておりましたこの貸し付けの条件並びに返済でありますが、各セクションによってその条件や返済の条件も変わってくる、こういうお話でございましたが、いま承っておりますと、わがほうから貸す金利は六分五厘であるという説明はいただいたわけであります。そうすると、わがほうから貸す金利は六分五厘ということはわかったけれども、これは援助資金じゃなくて、貸し付けなのだから、わがほうはいつかは返してもらわなければいけませんね。その期限はどのくらいでございますか。
○山野政府委員 その償還の期限は、いま申し上げましたように、おそらく住宅のような資金は相当長くなると思います。十五年以上になると思います。それからまた、たとえば漁船のようなものに対する資金は、それぞれ本土の漁船に対する貸し付け期間を考えてきめなければいかぬ。したがいまして、それらを考えまして何年平均くらいになりますか、まだはっきりつかんでおりませんけれども、相当長期のものになるのじゃないか、かように考えております。
○箕輪委員 たとえば六分五厘でわがほうが貸しますが、農林漁業にこの資金を使う場合に、大体どのくらいの償還期限を予定されておられますか。
○山野政府委員 設備資金の場合と運転資金の場合と違うようでございますが、平均しますと、七、八年程度になるのじゃないかと思います。
○箕輪委員 七、八年で農業資金を貸して、本土と一体化ということが言えるだろうかと私は思うわけです。たとえば、本土の一つであります北海道の場合を考えてみても、御承知のとおり、私は北海道出身ですが、北海道の農業を考えた場合に、二十五年であります。今度新しいマル寒資金が国会を通りました。据え置き期間は八年です。据え置き期間中はその金利が四分五厘であります。そして据え置き期間が過ぎた九年目から二十五年までの十七年間は五分であります。また土地取得に要する資金は三分五厘です。土地改良、これは大体五分で貸しておりますが、特に利子軽減事業というものがありまして、これを申請しますと三分五厘で資金を貸しております。本土と一体化ということになると、少なくとも七、八年で償還しろ——本土の一つである北海道は二十五年、沖繩は七、八年というのでは、あまりにも沖繩がかわいそうだと思うわけであります。ひとつその点をよく御検討いただいたほうがよろしいのではないか、かように考えるわけであります。御答弁をいただきます。
○八木政府委員 農業金融全体については、御指摘のとおりだと思うのです。いま二十八億の中で答えるからああいう答えが出てくるのであって、今後長期計画というものを策定をして、農業のための基盤整備事業、特に土地改良事業といったようなものをやる場合には、金利は六分五厘ではもちろん話にならぬし、期間もそういうことではない。内地より劣った貸し付け対象をするというわけにはまいりません。そういう意味では、長期計画を策定して、農林金融の場合でも、基盤整備事業の場合にはこうなる、あるいは畜産振興の場合にはこうなる、砂糖産業の場合にはこうなる、そういうものがこれから出てくるはずでございます。ただ、現在のところは、今回の財政措置というものは長期計画に基づく抜本的金融政策ということではないのでございまして、その意味においては暫定措置といってもいいんではないかと思います。そういう意味合いで、今後本土との格差を是正するためにやっていく金融措置というものは、本土よりも条件が悪いといったようなことが考えられる筋合いでございません。今後長期計画を策定し、長期金融を計画する際に十分に御意思に沿うように努力をしてまいりたい、こう思っております。
○箕輪委員 よくわかったわけでありますが、ただいま申し上げたのは農業だけであります。その他鉱工業あるいは中小企業、運輸通信施設、住宅、これらもこれから長期計画をお立てになるということでございますから、長期計画に基づいて長期の金融対策を考えていかれることと私は理解し、そしてこれは長期産業開発計画に基づく長期金融政策を立てる一歩手前の暫定措置だ、こういうふうに理解したわけなんですが、農業、漁業のみならず、ほかの産業に対する開発資金も同様に本土と一体化の方針、格差をあまりつくらない、むしろ本土よりも安い資金を貸してやるくらいの親心を持ってやってもらったほうが、沖繩の人に対してよろしいのじゃないか。これもあわせて御要望申し上げておく次第です。
○山野政府委員 私も先生の御指摘になりますマル寒資金の条件とか農業金融は大体北海道の場合はよく知っておりますが、沖繩の場合は、たとえば水田等はございませんし、北海道の農業の実態と沖繩の農業の実態とは相当違っておるわけでございます。しかし全体としまして、いま御指摘になりましたような諸点は私どもも今後十分検討しなければいかぬ問題だと思いますので、ひとつ将来に向かって私どもは十分検討を加えてまいりたい、かように考えております。
○箕輪委員 時間がないそうでございますから、一つだけお尋ねして、あと社会党の美濃先生に譲りたいと思います。 先ほどこの法で定める資金の貸し付けをする各部門、農林漁業とか鉱工業とか書いておりますが、その各部門での資金需要が合わせて約三百億程度と聞いたわけです。これは四十三年度だけの資金需要ですか、それとも四十三年、四十四年含めてのことでございますか。
○山野政府委員 六九米会計年度、明年度でございます。
○箕輪委員 そうすると、四十五年度以降もやはりこうやって、何といいますか、資金需要がふえてまいると思います。先ほどもお話がございましたように、沖繩の経済も非常に活発になってきた、こういうことでありますから、当然資金の需要もふえてくると思いますが、四十五年度以降も本土から貸し付けをするかどうか、この見通しについて御答弁をいただきたいと思います。
○山野政府委員 せっかく明年度こういう長期資金を貸し付けるという制度が開かれましたのでございますから、私どもとしましては、これは継続的にこういう制度を運用してまいりたい、かように存じております。
○箕輪委員 まだお聞きしたいこともありましたが、全部留保いたしまして、社会党の美濃先生に譲りたいと思います。 以上をもちまして私の質問を終わります。
○床次委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○床次委員長 速記を始めて。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十八分散会