運輸委員会 第31号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1968/07/25
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 陸運に関する件及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 この際、最近の鉄道事故概要について、政府当局から説明を聴取いたします。中曽根運輸大臣。
○中曽根国務大臣 最初に、最近たび重なる重大事故が続発いたしておりまして、多数の負傷者を出しましたことにつきまして、国民の皆さまに深くおわび申し上げたいと思います。 最近の事故の概要を申し上げますと、お手元に資料が差し上げてあるはずでございますが、東海道本線米原駅構内における列車衝突事故、上越線群馬総社駅構内における列車衝突事故、鹿児島本線東郷駅構内における列車脱線事故、東海道本線膳所駅構内における列車衝突事故、山陰本線湖山駅構内における列車脱線事故、中央線御茶ノ水駅構内における列車衝突事故、伊豆急行列車接触事故、京成電鉄列車衝突事故等でございます。 これらの事故の原因を見ますと、六月から続発した伊豆急の川奈駅構内における列車接触事故、国鉄東海道本線膳所駅構内における列車衝突事故及び中央線御茶ノ水駅構内における列車衝突事故は、多数の人命を預かる重大責務を有する運転担当職員の過失によるものと推定されるのでありまして、まことに遺憾にたえないところであります。 この点にかんがみ、運輸省といたしましても、事故発生直後に、服務規律の厳正、労務管理の適正化をはじめ、教育訓練の徹底、車両及び保安施設の整備等、抜本的に各般の事故防止対策を講じ、運転事故の絶滅を期するよう通達し、七月一日から九月三十日までを特別訓練期間として、全運転関係従事員の再訓練を実施し、かつ事業経営責任者みずから率先してこれに当たるよう指示をいたしました。 鉄道輸送の安全確保につきましては、かねてから国鉄、民営鉄道ともに線路容量の増大をはかるとともに、運転保安施設の整備拡充、服務規律の厳正、労務管理の適正、教育訓練等による従事員の資質の向上等、その対策につとめてまいったのでありますが、なお一そうの教育訓練を実施するとともに、服務規律を厳正にすることにより運転事故を防止いたし、国民の期待に沿いたい所存でございます。
○大野委員長 次に、町田鉄道監督局長。
○町田説明員 ただいま最近の鉄道事故につきまして、大臣から御報告がございましたが、お配りいたしました資料に従いまして、少し詳しく御説明を申し上げたいと存じます。 なお、この資料のほかに、国鉄関係につきましては、工事関係事故あるいは踏切事故、それから六月十六日の横須賀線の大船における爆発事故等がございますが、それらのものは便宜この資料には省略いたしました。また、国鉄関係につきましては、大体本年の初めごろからの事故を書いてございます。 私鉄関係につきましては、本年の一月に起こりました南海鉄道の天下茶屋駅の事故等がございますが、これにつきましては、すでに前国会におきまして資料を出して御説明してございますので、それらは省略してございます。 まず第一の、東海道本線米原駅構内の列車衝突事故でございますが、本件は、昭和四十三年二月十五日に米原駅構内で起こりました、下り客車が同じく下り貨車に衝突いたしまして、軽傷五名を生じた事故でございます。 状況は詳しく書いてございますが、簡単に申しますと、下り客車が第二出発信号機の停止信号を冒進いたしまして、貨物四番線から進出中の貨車に衝突いたしまして、電車が三両、貨殖が九両脱線し、先ほど申しました五名の負傷者を出した事故でございます。 この原因は、下り客車の運転士がATSのスイッチの投入を忘れたまま運転し、米原駅下り第二出発信号機の停止信号を冒進したためでございます。 それから二番目が、上越線の群馬総社駅構内における衝突事故でございます。 内容は、「状況」のところに書いてございますように、上り客車が同じく上り貨車に衝突したものでございます。負傷者は軽傷六十九名を出しております。 この原因は、たまたま当時構内の分岐器更換のために場内信号の現示を一時停止しておりましたために、構内掛が上り客車の進行手信号が現示された後に、列車の運転順序を誤って、中線に進路を構成したためでございます。 それから三番目が、鹿児島本線東郷駅構内における脱線事故でございます。 これは、内容は上り貨物列車が脱線した事故でございます。 原因は、乗務員が精神もうろう状態で運転したために、転轍機の制限速度を超過したというふうに考えられております。 それから四番目が、東海道本線の膳所駅構内における衝突事故でございます。 これは本年の六月二十七日でございまして、下りの貨物列車が上りの貨物列車に衝突した事故でございます。 この原因は、動力車の乗務員が疲労から仮眠状態で運転し、転轍機の制限速度を超過したためと推定されております。 それから五番目が、山陰本線湖山駅構内における列車脱線事故でございます。 同じく六月二十八日、山陰本線湖山駅構内におきまして、下り急行列車が脱線した事故でございます。 この原因は、機関車の後部台車側の推進軸十字継手が破損したために、推進軸が脱落したためでございます。負傷者は、重傷一名を出しております。 それから六番目が、中央線お茶ノ水駅構内における列車の衝突事故でございます。 七月十六日でございまして、状況は、お茶ノ水駅で下り電車が、客扱い終了後、乗客のちょっとした事故がございまして、急ブレーキをかけてとまっていたところに、その直後に進入してきた電車がその停止中の電車に追突したものでございまして、負傷者は重傷十名、軽傷百九十六名、合計二百六名の負傷者を出しております。 この原因は、追突いたしました下り電車の運転士が、第二場内信号機の制限速度四十五キロを超過して運転したことと、ブレーキの取り扱い時期がおくれたために、第三場内信号機の停止信号を冒進したためと推定されております。 以上が国鉄関係の事故でございます。 それから七番目の伊豆急の接触事故は、六月十八日に起こりました本線の川奈駅構内における接触事故でございます。上り電車の運転士が川奈駅の場内信号を確認いたしましたけれども、そのまま七十メートルばかり進行いたしました地点でさらに停止信号現示を確認しておきながら、意識もうろうとなって、ホームをはずれた地点で気がつきましたけれども、入ってまいりました下り列車に接触した事故でございます。重傷が二名、軽傷が四十八名、計五十名の負傷者が出ております。 この原因は、上り列車の運転士が十分睡眠をとらなかったために、疲労によりまして川奈駅構内において意識がもうろうとなって、制動時期を失して衝突した事故でございます。 それから八番目は、やはり私鉄の京成電鉄の列車衝突事故でございます。六月二十六日でございまして、これは事故発生前に信号機の故障のために当時列車の運行に相当な遅延が生じまして、先の車が二台とまっておりましたのに、そのあとから来た列車が衝突した事故でございます。負傷者が十九名出ております。これは上り普通電車の運転士の信号無視と推定いたされております。 以上、大体最近の事故の内容を御説明いたしましたが、これらに対しまして運輸省といたしましては、まず伊豆急の事故がございました際に、通達の2と書いてあるほうにございますが、伊豆急行株式会社の社長に対しまして「運転事故防止について」という通達を出しまして、服務規律の厳正を期すること、労務管理の適正を期すること、指導監督の徹底、従業員の教育訓練、ATS等保安施設の強化、こういうようなことを至急に措置されたいという通達を出し、かつ、七月十八日までにその内容の改善策を提出されたい、こういうことで通達をいたしました。さらに同じことを各陸運局長を通じまして、管下の各私鉄に対して通達いたしまして、十分な指導監督をするようにというふうに通達いたしております。 それから、その後に京成電鉄の事故あるいは膳所駅の国鉄の事故等が起こりましたので、六月二十八日に「運転事故防止について」という通達を各陸運局長に出しまして、前に出しました通達を十分実施するとともに、七月一日から九月三十日までを特別訓練期間として、全運転関係従業員の再訓練を実施するように、それからこれを行なう場合には経営責任者が率先してこれに当たるように、こういう趣旨の通達を出しております。 また国鉄に対しましては、膳所駅の事故あるいは湖山駅の事故等がございましたので、資料の1にございますが、「運転事故防止について」という通達を出しまして、この際あらためて労務管理の適正化をはじめ、教育訓練の徹底、それから車両、保安施設の整備充実等抜本的に各般の事故防止対策を講じ、運転事故の絶滅を期するように、これについての実施計画並びに結果について報告されたい、以上の通達を出し、かつ、各担当者においでいただきましてよく事情を話し、十分な事故防止対策を講じていただいておる最中でございます。 簡単でございますが、以上をもちまして報告を終わります。 —————————————
○大野委員長 質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
○加藤(六)委員 本年度に入りまして一連の交通事故、特に国鉄事故が発生いたしました。私はこの関係に関しまして、主として日本国有鉄道を中心に質問いたしたい、こう思います。 日本国有鉄道が、いわゆる国鉄として戦後のわが国の経済復興、繁栄に尽くしてきた役割りというのは高く評価され、またその任務も非常に重かったということでございます。ところがことしになって、いろいろな一連の事故並びに春闘等に対し、国民の不安あるいは批判というものが激しくなりまして、国鉄に対して寄せられておった国民の信頼が裏切られた、安心感がなくなったという激しい世論が巻き起こっておるわけでございます。そしてその内容は、一体国鉄は何をしておるのか、あるいは何度事故をやれば済むのか、さらには使命感が足りない、責任感がない、精神的に弛緩しておるといったような問題が激しく起こってきたわけでございます。さらにそれに関連して、ATSの機能の問題、あるいは組合の姿勢の問題、あるいは国鉄当局あるいは現場における管理能力の問題、公私混同の問題、さらには発展しまして、私生活におけるマージャン論争というところまでいったわけでございますが、私はこの一連の起こった問題に対しましては、やれ当局の責任である、やれ精神が弛緩しておるといった問題ばかりでなくして、また罪を一方になすりつける、事故の責任を回避する、こういった問題で一連の起こった国鉄事故の問題を糾明し、さらに事故の防止に取り組むようなことがあってはならないのであって、徹底的にこの問題を糾明し、そしてそれぞれがそれぞれの立場において責任を自覚し、行なうべきものは安全施設あるいは精神教育、実設訓練、管理能力、それぞれの立場において徹底的に行なっていって、この際国民の不安と裏切られた信頼を取り返すような努力をしなくてはならない。また、それはわれわれ国会においてもやらなくてはならないという立場を強く持つものでございます。 したがいまして、先ほど運輸省当局より御説明ありましたが、事故の原因はいろいろあるようでございます。動力車乗務員に起因するもの、あるいは車両関係に起因するもの、工事関係に起因するもの、踏切に起因するもの、妨害に起因するものというような問題がございますが、本日は動力車乗務員に起因するものを中心といたしまして質問さしていただきたい、こう思います。 ただいま当局よりいただきましたものの中に、動力車乗務員の中に起因する事故とその原因と対策というものを書いてございますが、この大部分を見まして、動力車乗務員の信号確認不良——東海道線米原、鹿児島本線東郷、動力車乗務員の信号確認不良、東海道本線膳所、動力車乗務員の信号確認不良、中央線お茶ノ水、動力車乗務員のブレーキ取り扱い不良。その対策としては、信号確認の厳正、ATSの取り扱いの厳正、休養管理の強化、いろいろ出てくるわけでございますが、まず第一にお伺いしておきたいと思いますのは、今回の一連の事故に関して、特に東海道線米原、中央線お茶ノ水、この二つにおきましてATSの機能の問題がずいぶん議論されておるようでございます。 われわれが毎年予算を編成しますときに、国鉄の苦しい財政状態等も加味しながら、なおかつ安全施設の充実を強く要望し、また国鉄当局も、この安全施設の充実には非常なる努力を払ってもらっておる、こう思うわけでございます。いま私が質問せんとしているATSあるいは自動信号機、継電連動装置、踏切施設、こういった問題の安全施設に相当数の犠牲を払ってもやってもらっておるわけでございますが、ATSの機能は一体どうなっておるのか、またATSによって安全が確保できるのかという、まずごく初歩的な質問から入っていきたいと思いますが、これはどうなっておるでしょうか。
○石田説明員 ATSその他の問題につきましては、担当の常務から答弁いたさせますが、まず私は国鉄を代表いたしまして、本年の二月から七月にかけて、六件もの非常に大きな事故、それがために多数の方に非常な迷惑をかけた、全く申しわけない。実は輸送の安全のことにつきましては、私は就任以来、とにかく国鉄の仕事というものは輸送の安全あっての輸送力なんだ、安全のない輸送なんかナンセンスだということで、まず施設の面においては、もうできるだけの投資をして、輸送安全設備について努力をしております。第三次計画などにおきましても、約二千四、五百億の金をつぎ込んでやっておる。今後ともこの問題につきましては、もうすべてをあとにして取り組むということ。 同時に、いかにわれわれが輸送安全設備の完成をしましたところで、結局やはり最後のかぎを握るものは人の問題であるということで、第一、運転士などに対する待遇の改善、さらに指導訓練の問題というものについては、もう国鉄に事故があるときはもちろんでございますが、ほかの私鉄などに事故があるときでも、自分の国鉄に事故があったと同じように考えて、そのたびごとに注意をして、警告して、最善を尽くしておるのでございますが、どうもああいう事故が起こるところを見るというと、まだまだわれわれは油断できぬ。輸送安全設備の問題、さらに従事員の指導、監督、訓練の問題についても、今後ともほんとうに細心の注意をもって努力したいと存じております。詳しいことにつきましては担当常務から説明いたさせます。
○湯川説明員 ATSの機能について御質問がありましたが、国鉄でATSを採用いたしましたのは、一番最初に山手、京浜東北線等におきまして二十九年から考えておりまして、その後全国的に急速に整備いたしましたのは、三十八年から四十一年の三月、四十年度末までに全国二万キロ完了したということになっております。今日国鉄で採用しておりますATSは、運転士が信号機を見まして、信号機の現示によりまして、進行あるいは注意あるいは停止という操作をいたしまして運転の万全を期しておるというのが、国鉄の従来からあります全般的な設備でもありますし、鉄道一般の運転方式になっておるわけでございますが、運転士も人間でありますので、こういった信号機をときに見誤るとか、あるいはまたふとしたはずみで、制動の時期を失うとかいうことがあって、その結果として前方の車に当たるとか、あるいは所定の位置にとまらないということが起こりましては非常にいけない。国鉄の従事員はかねてから鉄道の運転に対する非常な責任感で訓練をしてまいりまして、多年にわたって、こういった事故についてはきわめて例が少ないのでありますけれども、そういった事態に対しても、現在のような状況の中で十分配慮をして、万が一のそういった運転士のミスを防護する、その結果といたしまして、列車の脱線とかあるいは衝突とか、あるいはお客さまに危険が及ぶとか、ひいてはまた、運転士それ自体にも危険が及ぶというようなことが起こらないようにしようということで考えてきたものであります。したがいまして、現在の設備は、正常に運行しておりますときには働かないというたてまえになっております。ときに列車がお客さまの扱いその他でおくれたりいたすこともあるわけですが、そういうときには前方の列車と接近するということもございますし、信号機が所定の時間よりも早く赤信号になることもございます。そういったときに、運転士は、その信号機を確認して制動機をかけていくわけでありますから、そういった操作を正常に行なっている限りにおきましてATSは作動しないというたてまえにしてございます。したがいまして、運転士の運転の操作を簡単に申しますと、信号機が青である、あるいは黄色、つまり注意信号である、あるいはまた赤信号であるということを目で確認して、手で制動機を操作するのでありますが、ただそれだけでは、あるいは錯覚もありますので、信号確認ということを喚呼を行ないまして、みずから前方の信号機は赤である、あるいは注意であるということを喚呼をいたしまして、耳からまた自分に確認をして運転するということをしております。したがいまして、ATSをつけましてからは、そういったことで運転する限りにおいてATSは作動しないのでございますけれども、いまの喚呼なりあるいは信号機を目で確認するというのが時間的におくれました場合におきまして警報が鳴ることになっております。この警報が鳴りますと——いまの目で確認をし、あるいは自分で口で確認をして、耳から聞いて確認をする、さらにまた警報が鳴って、そういった事態に対して、前方の信号機は赤であるぞということをはっきり外部的にも警報によって運転士に確認をさせるという設備になっておりまして、したがいまして、そういった状態になりましたときには、運転士は自分の制動機をとりまして、その確認をしたという証拠のためにボタンを押すことになっております。ボタンを押しますと、これはもう本人が明確に三つの段階をとりまして、前方の信号機は赤であることを確認しておりますので、正常な運行に当然入るわけでありますから、そういった形で、おれはもう十分に前方の信号機は赤であるということを確認したということを証拠にいたしまして、制動機を正常な運行の形でとるわけであります。そういった形で、信号機の手前でとまるということになっておるわけであります。したがいまして、ATSによりましてとめながら走っていくというような形のものではないわけであります。 以上、簡単でございますが、御説明申し上げます。
○加藤(六)委員 わかりました。 それで、たとえば先般の中央線お茶ノ水の事故の問題のときに、われわれ、ごく簡単な疑問でございますが、なぜATSを切っておったのか、入れていなかったのかという問題が当然出てくるわけであります。その問題についてはまたあとからいろいろ言いたいと思いますが、なぜATSを切っておったのか、これはお茶ノ水の駅には事故があったからこの問題はわかったが、ほかの地区でも、あるいはほかの列車でも、乗務員か機関士がATSを切って走っておるのではないかという問題が、もし想像をたくましゅうして考えられるとするならば、これは何のためにATSを置いたか。また、ATSを置いたときについての作業基準というものは厳重に定められてあると思うのです。それをなぜ守らないのかという問題が出てくると思います。ここに、ある面で申し上げます国鉄の弛緩の問題、かりに九十九人の人間がATSを完全に入れて、いい操作をしておる、ただ一人の人間がそれを怠ったのか、あるいは多くの人間が怠っておるのかという問題は非常に重要ではないか、私はこのように考えております。しかしその問題はまたあとから質問するといたしまして、このATS問題についてはもう一つ御質問しておきたいと思うのです。 いまおっしゃった、警報が鳴りますね、その場合の警報の持続装置の問題についてお考えになっておるかどうか。それから弛緩の問題、作業基準を励行しないという問題は別にいたしまして、ATSのいわゆる電源等に、車が動けば自動的にATSに入るのだという装置等がいま国鉄当局で研究されておるやに聞いておりますが、これはどの程度研究され、あるいはどの程度実施されておるかということを、ATS問題について承っておきたい、こう思います。
○湯川説明員 ただいまのATSの警報の持続につきましては、現在の設備は先ほど申したような機能で働かしておりますので、、五秒間は持続することになっております。それで自分で五秒間の間に押しますと、とまるわけですが、とまってから制動をかける時間までにまた手動の操作がおくれたりすることがあってはいけませんので、そういった点について停止するまで持続するということについて考えておりますということで、いま一部で試験をしつつ、乗務員の鳴動しているものについて不快感がないかということも含めまして、検討しております。 それからスイッチを入れておくということにつきましては、当然車両が整備されて発車するときにやるわけでありますが、そういった点につきましても、失念のないように、ブレーキハンドルと結びつけて自動的にスイッチが入るようにすることについてもさらに考えていきたいということで検討しております。
○加藤(六)委員 それではその次にお伺いしたいと思うのですが、いまのいわゆる安全施設の問題、これは物的対策、私はこういうように考えているわけですが、国鉄当局においては三河島、鶴見事故以後、いわゆる労使を超越して事故防止委員会というものを開いておられるように承っておりますが、その成果はどの程度あがっておるか承りたいと思うのです。
○井上説明員 ただいま先生御指摘のとおり、三河島事故を契機といたしまして、労使を越えた事故防止委員会を設けるということに組合との話もつきまして、その後大体原則的に一年に何回というような回数を定めてやっておりますが、重要な問題が起きましたような場合には、特に臨時の会議も開くというようなことで、今日まで二十三、四回ほど会議を開催いたしております。 その成果につきましては、物的対策といたしましては、今日まで国鉄がいろいろやっておりますATSをはじめといたしまして、いろいろな保安設備につきましても、組合との十分な了解のもとに円満に進めてまいっておりますし、かなりの成果をおさめておると思います。 ただ、事故防止につきましては、何と申しましても物的対策だけでは十分ではございません。どういたしましても、やはり人的対策ということも問題になります。この人的対策につきましては、やはり組合の立場もいろいろございまして、なかなか話がつきにくいという場面もございます。しかし私ども、事故防止対策を論議することは団交ではないという強い立場のもとに、人的対策についても極力進めてまいっておりますけれども、多少の摩擦があるということは率直に申し上げておきます。
○加藤(六)委員 私は、多少の摩擦があっても、実施せられておるならこれはいいと思うのです。はたして実施されておるのか実施されていないのか、どの組合がどういう文句を言って、理屈をつけてこれに抵抗しておるのかということを、それぞれの現場、それぞれの部署の内部にとどめることなしに、こういう事故防止をやる立場からいったら、その両方の主張、言い分というものを広く国民に発表してもらいたいと思うのです。労使を超越して事故防止委員会をつくるといっておきながら、私の調べたところによりましても、それぞれのところにおいて、いま理事がおっしゃったような団体交渉的な、職場闘争的な場面の中に持ち込まれておる、これは私ははなはだ残念に思う次第でございますが、私が調べたところ、当局の人的対策という問題については、まず、職場規律の確立及び現場管理体制の強化、いわゆる現場管理者の管理能力と指導能力をまずあげるようなことをしなくてはならない。その次は適正管理の強化、いわゆる適正選別、要管理者に適切な管理指導を行なう。三番目は指導訓練の実施、基本動作、基準作業、異常時の取り扱い、こういったものについての訓練その他を十分にやる。これが事故防止の人的対策である。 内容は実にりっぱな項目をあげられ、しかもそれをやらんとしておる熱意はあるわけですが、この人的対策が十分に行なわれておるか行なわれていないかというところに多くの国民は注目しておるわけであり、また当局や全職員、国鉄の皆さんがこの問題にいかなる姿勢で臨んでおるかということを注目しなくてはならぬわけでありまして、特定の組合あるいは特定の現場においてこういった人的対策に反対する動きがある、また現場の管理者がなぜこれを完全実施しないのか、またなぜできないのかという問題について国民は注目しておるわけであります。 事故が起こったときに、責任は当局にあるとか、過密ダイヤにあるとか、合理化に問題があるとか、あるいはいま申し上げました管理能力に問題があるというようなことが言われるわけでございますが、なぜこの人的対策に真剣に労使双方が取り組まないのかということは、多くの国民が疑問を持っておることでございます。いま私が申し上げましたような点を国民が知るときに、国民不在の国鉄、使命感を忘れ責任感を忘れた国鉄ではないか。先ほど総裁が申されました、スピードよりもサービスよりも安全が大切である。人命尊重を忘れた国鉄というような問題が浮かび上がってくるわけでございます。 私の意見はこの程度にするとしまして、引き続きこの人的対策その他に関連する問題として、地方管理局で机上あるいは実設訓練は完全に行なわれているかどうかということについて承りたいと思います。
○井上説明員 ただいま先生後指摘になりました職場の規律の問題でありますとか、あるいは乗務員についての適正管理の問題でありますとか、あるいは指導訓練、基本訓練、異常時訓練、こういった問題は、実は事故防止委員会にかけるまでもなく当局が前々から推進していることでございまして、これは強力にやってまいっております。特に最後に御質問がありました指導訓練、基本訓練、異常時訓練、これは各局とも、完全という度合いがどの程度になるかちょっと測定はむずかしいと思いますけれども、かなり熱心にやっておると思います。 ただ先生、おそらく念頭に置いておられるでありましょうところの実設訓練の問題でありますが、この実設訓練というものは、いま申しました基本訓練、異常時訓練、こういった訓練の結果をどの程度身につけておるか、いわば試験みたいなものでございます。この試験につきましては、戦前は、たとえば信号機の電気を抜いてみたり、信号を急にぱっと変えてみたり、ああいう落とし穴を設けるようなサプライズテストというものを戦前はやっておりました。しかし戦後はだいぶ列車密度も高まっておりますし、こういうテストは現にお客さまを乗せた列車でやるわけでございますから、昔のサプライズテスト、そういったものはなかなかやりにくいというのが実情でございます。したがって、閑散線区を持っておりますような局ではこの実設訓練もかなりやっておりますけれども、列車の密度の高い線区では事実問題として、この実設訓練はやりにくい情勢にあるということだけは言えるかと思います。ただ基本的な問題の訓練であれば十分にやっておりますし、またそういうサプライズテストをやらなくても、それを身につけておるかどうかということは、添乗指導なり添乗監査というものは常時やっておりますので、それによって、特に要注意の乗務員につきましては特別に指導員が乗って、大事なところでどういうふうな動作をとっておるかというようなことも厳重にチェックし、その場その場で指導をいたしてまいっております。
○加藤(六)委員 次に添乗監査の件をお伺いしようと思っておったのですが、先に若干答弁がございましたが、実設訓練をやるのは、いまのお答えでも完全にやっておるとは言い切れない、こういうお話がございましたが、この実設訓練がなぜ完全にできないのか。事故に対処する能力あるいは事故が起こるのを防ぐのには、実設訓練が一番いいのではないかと私は思う。もちろん机上訓練、さきに三つ四つ平素のなにがありましたが、その実設訓練をやらんとする場合に、私が聞いておる範囲内においては、過重労働になるとか、あるいは実設訓練に対して超勤手当を出せとか、そういったような問題が出てきて、当局はようやらないところがあるのだという話を承ったのですが、それはそうですか。
○井上説明員 いま申しましたように訓練の基本というものは、基本訓練、異常時訓練、そういう実際の訓練でございまして、実設訓練というのは試験でございますので、この試験をやってどの程度成果をあげておるか確かめるということはもちろん必要だと思いますけれども、試験が主体ではないので、平素の訓練が主体でございます。その試験をやるかやらないかということにつきましては、先ほど申しましたように各局各局でいろいろ実情が違いますので、必ずしも完全には行なわれていない。また現在やっております局といえども、戦前のようなサプライズテストは、これはやっておらないということでございます。 それから確かに御指摘のような、それをやるならば超過勤務手当を出せとかなんとかいうことを言っておるところもございますが、これは本来そういった超過勤務手当を出してやるというような問題ではございませんので、その辺で組合と話し合いがつかないまま実設訓練をやらないでおるという局も、これは現実にあると思います。
○加藤(六)委員 この問題だけ論議しましても相当時間がかかると思うのですが、私の持ち時間もあまりございませんので、先ほど乗務員の添乗監査ということの御説明がございましたので詳しくお伺いしませんが、この乗務員の添乗監査をいま十分おやりになっておるというお話がございましたが、添乗監査をやりたいとして拒否せられた例がございますか、ございませんか。
○井上説明員 私の聞いております範囲では、拒否されたという実例は実は聞いておりません。
○加藤(六)委員 それではもう少し突っ込んでお尋ねいたしますが、組合が違うということによって拒否されておる例、あるいはおまえはおれのなにに添乗することはまかりならぬということで、指定しておった人が添乗できなかったという例はございませんか。
○井上説明員 確かに、組合が違うのでおまえの添乗にはいま当方はつき合わぬぞというような言い方をしたことはあるかもしれませんけれども、添乗指導、添乗監査というものはこれは業務命令でやるのでございますから、添乗を受ける乗務員がいやだとかどうだとかいってみてもこれは始まらないのであります。乗る者は乗るのでございます。ただ問題としては、普通ですと、添乗を受けておる職員と話をする、これはもちろんいけませんけれども、おのずから和気あいあいたる気持ちの通い合うのが普通だと思います。運転台に二人乗っておるわけであります。ただその場合に、組合が違いますととげとげしい気持ちで相対しておる。ものも一つも言わない、こういう事態が現実にあるということは言えるかと思います。
○加藤(六)委員 いま和気あいあい、あるいはそれは組合との添乗監査というのは問題ではないというようなお話がありましたが、結局これはまた次の質問のいわゆる管理能力、指導能力の問題に移るわけでございますが、いろいろ調べたり、また実は私の友だち等もたくさん動力車乗務員として働いておるわけでありますが、その連中と話をした場合に、いわゆる管理体制の弱体化、前は強かったがいまは弱くなったというような管理体制の弱体化ということではなくて、現場管理体制の動揺ということ、あるいは職場慣行の弊害ということ、職制の麻痺ということ、こんなようなことがまず話に出てくるわけであります。いまの答弁では、添乗監査にしましてもあるいはほかの問題についても、和気あいあいということばがございますが、私はその問題と別な観点から、たとえば東京近くのある電車区において、ある管理局の総務部長が新任になったからあいさつに行って現場に入れてもらおうと思ったら入れてもらえなかった、ある組合の妨害によって入れてもらえない、こういう事態が起こっておる。あるいは東北方面のある機関区において、若い人が機関士の試験を受ける。ところが職場の悪い慣行によって、基準に従って試験を受け合格したけれども、その人間は村八分にされておる。組合の慣行を破ったということで村八分にされておる。あるいは、自分のある思想的な考えによってある組合をやめた。そうすると、乗務員自治会から村八分にされておる。民泊設備をとってやっておる場所に行っても、いままでの民泊にとめてもらえない。それでは非常に困る。いろいろな問題で、列車の中に寝てまじめにつとめようとしておる連中がおる。こういう問題を、はたして当局の皆さん方は御存じかどうか。まず一番最初にこれを承っておきたい、こう思います。
○井上説明員 ただいま先生の御指摘のありました事実については、全部私も承知いたしております。ただ、それが全般的な動きではないということだけは申し上げておきたいのでありまして、ごく特殊な例としてそういった例はある。しかし、特殊な例といえどもそういった例があるということは、やはり現場における職場管理が従前に比べて弱まっておるのではないかということを、私ども痛切に反省せざるを得ないと思うのであります。この点につきましては、私ども今後十分現場も指導いたしまして、職場管理、職場規律の確立ということについては、従前もやってまいったつもりでありますけれども、こういうような結果が出てきておるということは、やはりその努力が足りなかったということもございます。今後十分心して、心を戒めてやってまいりたい、かように存じております。
○加藤(六)委員 いろいろたくさんお伺いしたいことがあるんですが、どうも時間が来たようでございますので、非常に残念に思うわけでございます。私は、したがって質問はもうあまり時間がございませんので、一応私の意見を申させておいていただきたい、こう思います。十数項目の質問をやりたいこう思っておって、実際は二点ほどしかできなかった。多くの問題を含んでおるわけでございますが、先般の東海道線膳所駅の事故の問題を、第三者的に冷静に反省してみますと、やれ過密ダイヤだ、やれ過密信号だ、やれ乗務員は要員が不足で超過勤務になり過ぎておるとか、いろいろな問題がある方面から次々に出てきております。私は、田中機関士の六月一ぱいの交番表、いわゆる勤務表を見てみますと、田中機関士は六月二十六日十二時までの間において、十二日間の休暇をとっております。それは公休、年休、代休など二十六日の間十二日間休暇をとっておる。これはあるいは一つの大きな今後の乗務員対策として考える問題があるんではないか。また、二十四日と二十六日、支部大会に出席しておる。二十六日の支部大会の内容がどうであるかということを私はこの席で申し上げません。ただ、よく世上にいわれておる、いわゆる働く者の味方をしておればいいといったような風潮、同情しておればいいといったような風潮から今回の交通事故問題を私は簡単に片づけてはいけないと思う。彼の過去一カ月間の交番表を見れば、そのうちに十二日間の完全休養、それはもちろん公休、年休、代休、いろいろありますが、その機関士並びに機関助士が、二人とも山科駅を過ぎるころから膳所の事故のあるところまでほとんど眠っておった。それに対してすぐ特定の人々は、当局がいろいろ超過勤務をしいたとかあるいは要員不足だとか、いろいろなことを言われますが、私はそういった問題だけでこの問題の原因を究明するような態度は許されないという問題で、この膳所事件についてももう少し詳しく突っ込んだいろいろな質問を申し上げておきたかった。また、乗務員関係全般のいろいろな問題についてもお願いしておきたかったわけでございますが、時間がないので、最後にもう一つ私の意見のうち特に要望しておきたい点は、私は現場管理体制の強化ということについてお願いし、また意見を申し上げておきたいのです。 現場といってももちろん大小あります。大きな駅あるいは機関区、電車区、それぞれ違うわけでございますが、一般的に申し上げまして非組合員の数が非常に少ない、そしてまた組合の職場闘争によって、特定の、あるところの現場管理者は、さわらぬ神にたたりなしといったような態度で終始しておる。そういうことではいけないので、事故を防止する立場からいっても、あまりこういった問題で職場闘争に巻き込まれず、また、管理運営事項に対して組合と相談したり、あるいは組合の了解を得なければできないような現場管理体制であってはだめであります。こういった観点から、現実には非組合員の数が少ないところとか、駅の運転掛、機関区の指導機関士、指導運転士、こういったものに対する待遇あるいは組合員、非組合員の問題等今後よく研究していただきまして、現場の管理体制の強化ということといま少し真剣に国鉄は取っ組んでもらいたいということを注文して、私の質問を終わらしていただきます。
○大野委員長 野間千代三君。
○野間委員 最近の鉄道事故の問題について、きめられた時間がございますので二、三質問をいたしたいと思います。 最近の新聞の報道によると、運転士の過失あるいは居眠りといいますか怠慢といいますか、そういう例が二、三出ておる。この問題については、少なくとも十分に労使双方ともそれぞれ戒心をして、かかる原因による事故の発生がないように十分な措置が必要であるというふうに存じまして、この件については、なお本人が留置をされておる例がたくさんありますしいたしますので、その調査の内容をまって具体的に問題の解明をする必要があると思う。この件については、その時期にあらためて質問をしたいというふうに存じますが、気持ちとしては、そういう原因による事故が全く根絶されなければなりませんし、そのためにはいろいろな施策が必要であるというふうに考えますので、それはそういうふうに申し上げておきたいと思います。 さて、そこで、最近の事故の問題の中で、たくさんございますが、一つの問題として、御茶ノ水の事故の問題ですけれども、ATSの機能の関係は先ほど湯川常務がお答えになりました。そこで、当然ATSという機能、装置そういうものは信号機との関係があるわけですね。信号との密接な関係によって効果があらわれるという形になるわけでありますけれども、実は私、山手線の縮小図を持ってまいっておりますが、これは正確な一万分の一であります。委員長のりしろにありますのは四十二年の十月現在、左が三十五年の四月現在、約七年間の隔たりがあります。筋が書いてあるのは、これは当然レールであります。その間に入っている黄色いのが駅です。赤いのが電車です。そして丸い印がついておりますのは信号であります。これはいかに電車が込んでおるかということを——これはある時間をとらえて書かれてあるものですから、平均をしておるわけです。そうすると、この図面で見ると、電車と電車の間が、大体八百メートルから一キロメートルの間に四十二年の山手線はある。三十五年の電車はこれだけ閑散になっている。これは見れば明らかですね。こういう関係にあるということが第一であります。 第二に、次のきわめて重要な問題は、三十五年の四月現在にはない信号が四十二年十月現在にある。その特徴は、駅の中間に信号が一つある。入場と出発との間の駅の中間に一つある。これがぼくは問題だと思うのです。これは昔たしかゼロ号信号というふうにいっておったのですが、このゼロ号信号というのはいまはどうなっておりますか、あるのですか、ないのですか。
○湯川説明員 いまお話のありましたゼロ号といっておりましたのは、第三場内ということでございます。
○野間委員 四十二年の十月で——現在四十三年の七月ですが、やはりいまでもゼロ号信号というのが、第三信号というふうに名前が変わってあるというお答えであります。実は私当時多少承知しておったのですが、ゼロ号信号というのはきわめて危険である、したがってゼロ号信号を廃止すべきだという意見が、たしか運転に携わる方面から当局側に出たことがあったと思うのですが、いかがですか。
○湯川説明員 それは、私は危険であるというふうなことを聞いておりませんですけれども……。
○野間委員 これは国鉄の方に伺いますが、結局こういうことになるんじゃないですか。入場信号が赤の場合にATSが始動する。ところがいわゆる第三信号のところに電車がまたがっているときは、入場のほうは注意信号になるわけですね。それが第三信号をはずれると、後続の電車は入っていいわけでしょう。そうなりますね。第三信号のところに電車が重なっておる。第三信号がここにあると、ここに電車が入っておる、またがっておるという場合には、入場信号は黄色、注意になっている。ところが、第三信号、つまり駅の中間にある信号を電車がちょっと通り抜けると、入場信号に入っていいわけでしょう。
○湯川説明員 信号機は原則としまして、第三である、あるいはゼロであるという呼び方は別といたしまして、信号機の手前またはまたがっておりますときには、その手前の信号機は赤になります。お説のとおりです。これは駅の中間であろうと駅の中にあろうと同じことです。したがいまして、信号機が三本ありましてその間に区間が二つありますが、この二つの間に列車が入るような運転はしないことになっております。したがいまして、どこにあるか宿問わず、原則は同じことであります。
○野間委員 そうすると、したがって、第三信号のところに、さっき言ったように電車がまたがっておれば入場には入れない……。
○湯川説明員 入れません。
○野間委員 ところが、またがらずにちょっと通り過ぎると、つまりまだホームにあるのですよ、中央だ。ホームにあるんだが、第三信号を通り過ぎると、これは入り得る、こうなりますね。ここにぼくは問題があると思う。しかも第三信号と出発信号の間は、山手線では九十メートルくらいですね。そして車両の長さは二百メートルくらいあるでしょう。電車は二十メートルですけれども、十両重なれば二百メートルになる。つまり、きわめて狭い範囲の中に相当長い車両が入っておって、しかも駅の中間に信号がある。そして入場信号と第三信号の間も、やはり九十メートルくらいですね。そこでATSを操作する場合に、あなたがさっき言った確認ボタンを押して、そして運転士が自分で手動する、自分で減速をするという作業をしなければならぬということになるわけですね。ATSは自然に発動して、うっちゃっておけばとまるわけだ。ATSはそういう機能になっているわけですね。ところが、そうしたのでは危険なんです、信号の五十メートルくらい前でとまるんだから。そこでとまると、今度は走り出すのに、電車の構造上二分から二分五十秒以上かかる。そうすると、ATSが完全に始動してとまった。とまった結果衝突はしなかったが、次に走る場合には二分何秒かかってしまうから、あとの電車が全部とまってしまう。二分間隔にならない。あととまるということになるから、したがって確認ボタンを押して運転士が自分でやるということになっているわけですね、そうなっているわけでしょう。一応聞きましょう。
○湯川説明員 いまのお話でございますが、最初にお話しましたので、ダブったことを申しませんが、ATSによってとまって運転をするというたてまえではございません。ATSは、列車に接近したり——つまり前の信号機が赤のときに、これは赤であるということの警告としてベルを鳴らすわけですから、これを確認といっておりますが、まさにそのとおりでありまして、これは前の信号機が赤であるということを十分確認させる意味で鳴るわけで、これを押しまして、自分がまさに確認したということで制動をかけていくということでございます。 それからいまのお話に関連いたしまして申し上げますけれども、信号機にまたがってとまる、あるいはまたがっている間に前方の信号機が赤であるということは、駅の中間にある信号機でありましても、駅のホームの中間にある信号機でも同じであります。それから駅に進入してくるときの信号機の距離が駅の中間よりも短いということにつきましては、これは速度が非常におそくなっておりますから、短い区間に信号機が置いてあるわけです。これは国鉄の場合には、速度によって信号機の間隔をきめるわけですから、いまのような形になっておりますが、その他の鉄道におきましても、速度のおそいところでは駅間においても信号機の距離が非常に短いところが幾つもございます。
○野間委員 御説明のとおりなんです。その御説明をぼくは否定するのではなくて、そうであるということは、たとえば山手線の例をとると、ATSという機能、装置、それをつけておっても、やはり運転士の、よくいう職人的な操作あるいは名人的な操作、そういうものに最終的には期待しなければならぬということになっているということなんだね、結論を申し上げると。そういうことに、山手線のこの図は表現されるというふうに思う。 そこで、運転士の勤務時間なり勤務体制というところに相当余裕を持たしたり——そういうふうに名人芸に期待される部分が多いので、むしろ機械的な作業によって最終的にはとめられる、あるいは危険が排除できるというふうにするためには、いまのこの山手線の現状ではできない。もう一本山手線をつくって、そして車両の間隔をもっと置いて、二分でなくて四分なり五分なりという間隔を置いて運転ができるような線をつくらないと、つまり過密ダイヤを解消しないというと、事故を絶対になくすということがきわめて困難だということになりはしないかというのです。それはどうです。
○湯川説明員 いまのお話、私はそうは思いません。と申しますのは、速度の違いによりまして速度のおそいときは信号機の間隔が短くなる、あるいは速度が速いときは長くなるということは、二つのセクションをおかさないようにしていくという条件のもとで信号機を設置するわけでありますから、速度のおそいところでは短い距離で置くことが非常に効果的でありますので設置しておるわけであります。それからいまのような信号機が中間にあることによって赤になりますから、それを見てとまるということで信号機を中間に置いてあるわけでありますので、いまのようなお説とは違うと私は思います。
○野間委員 常務、それはよくいう机の上で計算をしていくとそうなる。しかし実際に生きている、たとえばピークのときは、いまは山手線は定員のどのくらいですか、三倍くらいでしょう。三倍をこえていると思いますよ。それから中央線でもそうですね。乗客の込んでいる割合は二八〇から三二〇、三三〇でしょう。しかしそれでもなお乗りおくれる人がホームにあふれている。したがって客扱いは非常にむずかしい。いま、運輸大臣乗られてよく御承知でしょうけれども、ホームにあふれる人をしりを押して一生懸命やって三倍、四倍乗せて電車は走っているわけですね。そういうふうな環境の中で、いま常務の言ったような図面のとおりにはなかなかいかないです。必ずこれはダイヤがおくれてくるでしょう。客扱いがおくれてくるでしょう。いろいろな不測の事態が起きている中で運転しているのです。しかもこれだけのこまかい信号があり、百三十メートルの間隔の信号機があって、しかも駅間にはいま新しくつくっている、こういう環境に置かれている中で、過密ダイヤでもって運転するというのが、いまの国鉄の運転士なんです。したがって私は別に、だから事故が起きるというのじゃないですよ。それはもちろん職員が最終的な責任を持って名人芸でもって運転するのだけれども、しかしもう少し名人芸の範囲を狭めるというか緩和するというか、運転士がもう少し安心して運転ができるというようなダイヤにしなければ、これは非常に無理だ。いま言ったように、運転者だけに責任をかぶせるということは無理だというふうにぼくは思うのです。したがっていま最終的にはようやく第三次七カ年計画で通勤輸送に何百億かをつぎ込むことになったけれども、それまでは総裁は通勤輸送はもうからないと言って、いまでも総裁はそういうふうに考えて、通勤輸送のほうには重点を置かない。したがって過密になっている通勤輸送のところがどうしても事故が起きる可能性が強くなっているというのが、いまの事故の原因じゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。
○湯川説明員 御意見としてよく承りますが、ATSをつけましたのも万が一運転士が誤った場合にこれを助けよう、あるいは結果として事故にならないようにしようということでつけたものでありまして、ただいまのような、ATSを確認して確認ボタンを押して、さらにミスがあるかもしれないということについて考えるとすれば、それについてはさらに、ATSがなかったときにATSをつけたと同じような考え方で、安全な装置で防御してやる。非常に狭められた範囲の事故ということになりますが、そういうことをおもんぱかってやるということについて検討、研究はしております。しかし現在あるATSは、先ほど申したような機能で運転できる状態として信号機の設置すべきだということでございます。
○野間委員 ATSをもっとこまかく作動するようにして、その機能によって事故を未然に防ぐというために、いまお答えのようにいろいろな手段がとられ、研究をされている。これは私はいいと思う。それは否定しません。そういうふうにしてなるべく運転士の責任の範囲を緩和をしていくということが必要ですから、それはしなければならぬ。ですからそれは進めていって、それがすみやかに装置されるように期待したいのだが、もう一ぺん運輸大臣にお伺いするのですが、そういうふうに国鉄が労使双方それぞれの立場で努力をするにしても、いまの山手線なり中央線なりのピークの二八〇から三二〇、三三〇の割合での乗客を乗せながら、なおかつ客扱いに非常な混乱を生じておるような環境の中で、しかも二分ヘッド、一分五十秒ヘッドというようなダイヤの編成で電車を走らせているということでは、人力では排除できないような事態が起きる。ささいなことが起きる。そのささいなことが起きたときに、乗客が満載されている、あるいは列車のヘッドが短い、したがって、それが大きな事故に発展をするということにいまはなっているわけですね。したがって、基本的にはやはりもっと通勤輸送に対する投資をして、地下鉄をつくるなり、あるいは山手線を拡大をするなり、そういうふうな基本的な、ダイヤをもっと緩和をするような措置が通勤電車に対しては必要だと思うのですが、この点に対してはいかがですか。
○中曽根国務大臣 通勤輸送に対していろいろ手当てをして混雑を緩和するということは、全く同感であります。またATSを開発し改良していくということも非常に大事であると思いまして、運輸省としてもこれを促進していきたいと思っております。 ただ、いままでお話を承っておりまして、名人芸というおことばが出ましたけれども、私は名人芸なんというものは別に必要でない状態だと思います。普通の注意をもって規則を守ってやっておれば事故は起きない状態にあると、自分で乗ってみて感じました。ともかく八百メートルくらいの間隔があって、二つのセクションの間に車がないという原則を厳重にばか正直に守っておれば、追突事故なんということは起こらないです。いままで起きた事故を見ますというと、ATSが悪かったとかあるいは車両の設備が悪かったというのじゃなくて、みんな運転者の不注意の場合が多いです。ただ山陰線の場合だけ動力車の軸が割れたというようなことがございましたが、それ以外のものはほとんどポイントの切りかえの間違いであるとか、運転員の過失であるとか、そういうものからきておるのであって、一番大事な点は運転員が責任を持ってその公共的使命を果たしてもらう、そういうことに私はあると思うのです。それが直らない限り、この国鉄の事故の危険性は去らないと私は思う。 それを直すためにどういうことが必要であるか。労使ともこれは共同の責任として、また運輸省も責任の一端をになって、みんなで解決していかなければならぬ問題だと思うのです。私は今回の事件等を見まして、ともかくこの短時日の間に六回も事故が起こるということは、これは看過すべからざることであって、国鉄のそういう全国的な注意レベルとか職場規律というものが低下しているのではないかということをおそれております。つまり不注意による事故が多いからであります。これは一局所にたまたま起こった事件ではない。全国的レベルで規律やそういうものが弛緩しておったという原因からきているのだ、私はそう思うのです。国民はそれを一番心配しているだろうと思うのです。したがって当面の問題は、そのような使命感や責任感を国鉄労使双方が持ってもらって、共同の問題としてこれを解決していくということ以外にないと思うのです。 そういうような解決のために何が必要であるかということを考えますと、これはとげとげしい関係では解決できないと思うのです。たとえば私が感心した話に日本航空の例がありますが、カナダエアラインが濃霧の中で激突しました。あのときに日本航空の飛行機は、その前にきた飛行機だったと思いますが、濃霧であぶないというのであそこへは着陸しないで、板付へおりておる。おりたパイロットは、自分はきょうは疲れているから羽田までこれから回るのをほかの人にかえてもらいたい、そういう言ってほかの人にかわってますね。そういうことを申し出るパイロットもりっぱであるし、そういうことをやらしておる日航も私はりっぱであると思うのです。そういうように、実はゆうべ悪いことをやった、マージャンをおそくまでやってくたびれておるので、区長さん、まことに申しわけないけれども、きょうはかえてくださいとか、ゆうべはいろいろな仕事があったり、あるいは家族に病人が出ておそくまで看護して、きょうは疲れているので、まことに申しわけないけれども、だれかにかえてください。そういうことを上司に申し出て、上司が、ああいい、そう言って別の人にかえられるような職場の雰囲気をつくっていくことが、私は大事だろうと思うのです。そういうような職場の雰囲気と規律を、お互いの共同の問題として、どうしてつくっていくか、そういうことが、案外忘れられた非常に大事なポイントではないかと私は思います。そういうふうなところをつくっていくために、ぜひとも労使双方において御研究も願いたいと思います。
○野間委員 いまの大臣のお答え、原則的にはいいと思います。ただ大臣、お乗りになったのは一回ですからね。一回乗られて、それで全部だいじょうぶだというのは、それはちょっと早計ですよ。
○中曽根国務大臣 一事が万事だと思います。
○野間委員 それはあなた、毎日違うのだからそうはいかない。電車の実態というのは、これは事情が毎日違うのです。違う環境の中で、しかもあれだけ込んでいる乗客で、込んでいるダイヤで、そこでやっているのですから、一回乗っただけでオーライ、それは早計だと思う。ただしかしやはり自分自身で、乗客をあずかっているという責任感あるいは使命感、そういうものが運転士になければならぬことは言われるとおりです。そのためにはやはり国会としても、十分な措置なり対策なりを考えなければならぬというふうには思います。 それともう一つは、いま言われた労使双方の関係ですね。これは時間がないのであらためてまた伺いたいのですが、たとえば、いま五万人の合理化が問題になっている。その五万人合理化の中には、たとえば、EL、DLの二人乗務を一人乗務に変えるとか、あるいは湯川さんの専門の電修場の問題、つまり信号機ですね、ああいう問題であるとか、そういうふうにたくさん問題があります。直接運転に関係のある問題がたくさんある。実はこれは運転に関係あるものがどれくらいあるかというふうに聞きたかったが、時間がありませんから聞きませんが、聞きたかったことはたくさんあります。そういうものが、これは管理運営の問題だからということだけ、あるいは組合が承知をしないということだけで無理押しをされるということにも問題があるのです。それはやはり、いま大臣が最後に言われたような環境にならないのは、合理化の問題にしても、それが運転の問題になり事故の原因の問題になり、電気の問題であるというふうに、国鉄の機能に重要な関係のある問題であれば、これはやはり労使双方が十分に協議をして、そしていわゆる闘争という関係ではなくて、団体交渉が煮詰まってから実施をする、そういう良識が双方になければならぬのじゃないかと思うのです。その辺については私は多少問題がありそうな気がする。したがって、これは希望ですけれども、この前も合理化のときに申し上げて、御回答が、双方で合議に達してから実施をしたいというので、見送られた問題もありますし、たいへん良識的にやられましたので、あらためて御回答はいただきませんが、いま大臣の最後に言われたような気持ちが、労使双方の環境の中であらわれるようにするのには、やはり一番中央である本部・本社間、労使双方の頂点の本部・本社間が、労働問題あるいは安全の問題、あるいは運転事故の問題等について、十分に協議をして、そしてたとえば合理化の問題でも、協議がととのってから実施する、そういう環境が労使双方にちゃんと頂点で生まれれば、今度は職場でもいま協議が行なわれますけれども、職場の協議もそうなりましょう。したがって大臣の期待されるような環境に職場がなっていくというふうに思うのです。私はそういうふうに思いますが、総裁どうでしょうか。
○石田説明員 さっき野間さんのお話を聞いておったのですが、私は率直に国鉄の立場を弁明しなければならぬ。いまの山手線にしましても、あるいは中央線あたりにしましても、二分とか二分十秒とかの間隔であるという、あの運転の方法については、危険というものを知ってやっておるわけではない。われわれは十分あれで安全にいくという確信のもとにやっておるのであって、したがってその結果から見ても、定時、つまり運転士が注意してやれば一つも事故は起こっていない。これはどうかひとつ、国鉄は輸送力増強に怠慢のために、それにかうるのに、非常な二分間隔とか二分十秒間隔というようなことではない、こういうことだけは御承知願いたい。 さらに通勤輸送の増血につきましては、これは御承知であると思うのだが、国鉄としては全力を尽くしてやっておる。第三次計画のごときは約七千億以上の金を投じてやっておる。独立採算のもとに経営しなければならぬ国鉄としては、責任を回避する気持ちがあるなら、とてもそんなことはできないと思います。私は自分の責任において、もう独立採算なんというものは眼中に置かないで、とにかく何とかして輸送需要に応じたい、こういう一心からやっておるのでありまして、決してわれわれがリスクをおかしてまでもあの非常な過密ダイヤをやっておる、こういうことじゃない。たとえばこの間の御茶ノ水の問題なんかにしましても、何も別に過密ダイヤのためにあの事件が起こったのではない。五分間隔であってもやはり起こるときには起こる。一体なぜ起こるかということをひとつよく研究してもらいまして、短時間のゆえである、あるいは過密ダイヤのためであるというような簡単明瞭な結論は、ひとつお考え願いたいと思います。
○野間委員 最後に一つ。総裁が通勤輸送に第三次計画で力をお入れになっているということについては、私もかねてから承知をしております。ただそれまでの間に、つまり二八〇とか三〇〇になる前に、どうして通勤輸送にもう少し手を加えていかなかったのか。せめて二〇〇くらいのところであるようにすれば、これほどの問題にはならなかったのではないかということが一つ。ですから今後ぜひひとつ、いま言われるような決意で通勤輸送に力を注いでもらいたいと思うのです。 もう一つは最近ちょっとマージャン論争とか居眠り論争の起こるような事故があった。ですから私も最初に言ったように、そういう問題については国会としては自戒をしていただくというふうに思いますが、だからといって、過密の問題や設備の問題や工事の問題、いろいろな問題について、いままでもそういう事故はあったのです。それを原因とした事故もたくさんあったのです。ですから最近の例だけをとらえて、そこだけに目くじらを立てて職員をやっつけるということではいけない。いま最後の大臣のお答えでは、やっつけるのでなくて労使双方で仲よくやって、事故のない環境をつくってくれということだから、私はそれはいいと思うのですね。そういうふうに考えて労使双方の関係をつくってもらいたい、こうお願いしておるのです。以上で終わります。
○大野委員長 水野清君。
○水野委員 先ほど当委員会に「最近の鉄道事故概要について」という資料が提出されました。これに基づいて少し質問したいと思いますが、私は問題の焦点を事故の原因にしぼって、それも勤務者の勤務に上番する以前の生活状態あるいは精神状態というものにしぼって、ひとつ質問したいわけであります。 これは結論が先になりますが、資料を拝見しますと、一口に言って国鉄全体の、失礼ですが士気の弛緩というか、あるいは制度の欠陥がどこかにあるのではないかというふうに思われる。最初に警察庁に、この事故の起こった原因でありますが、先ほど申し上げましたように、特にその以前の生活状態その他について私の伺いたい点を、警察庁、あるいは警察庁で不備なところは国鉄の公安部のほうで御説明をいただきたいと思うのですが、運転士あるいは乗務員がどういう状態にあったかということを伺いたい。 具体的に申し上げますと、鹿児島線の東郷駅構内の場合、動力車乗務員が精神もうろうの状態にあったということであります。これは公安部のほうでけっこうであります。 それから第二は、東海道線膳所の構内で動力車乗務員の、これは田中さんという方ですが、これには出ておりませんが、新聞その他で、マージャンなどを前日やっておった、そういう疲労から仮眠状態で運転をしておったというふうになっておりますが、その事実を伺いたい。また伊豆急の川奈駅構内の場合も、前日の勤務終了後遊戯などを続けて行ない、十分睡眠をとらず云々と書いてあります。このことについてもひとつ伺いたい。簡単でけっこうです。先ほどから非常に問題が何べんも応答が繰り返されておりまして、大ぜいの方にむだな時間を費やしておるようではいかぬと思いますから、事故の起こる以前の運転士あるいは乗務員の生活状態を簡単にちょっと伺いたい。
○田村説明員 ただいま御質問のございました点のうち、私のほうは膳所駅の構内における貨物列車の脱線転覆事故について捜査をいたしておりますので、まだ全部捜査が終結した状況でございませんので確定的ではございませんが、ただいままでに判明いたしておりますところを御説明申し上げたいと存じます。 この事件は業務上過失往来妨害罪として私ども捜査をいたしておりますが、この直接の原因は、この上り貨物列車は膳所駅で上り副本線に入りまして、同駅構内で待避停車をする予定になっておったのでございます。ところがこの機関士並びに助手が大体山科駅あたりから居眠りをいたしまして、この副本線に入るポイントのところを大体制限時速三十キロ以下に減速をすべきところを、居眠りをいたしておりましたために、大体時速七十キロくらいの速度のままにこのポイントを通過しようといたしまして、そのために脱線をいたしたというのが直接の原因であるというふうに考えております。 それから、それではその勤務につく以前の状況はどうであったかということでございますが、私どものところでただいまのところ承知いたしておりますところでは、この機関士のほうは、当日午前四時ごろに勤務を終了いたしまして、それから機関区内で朝食などをとりまして、八時半ごろから十時ころまで健康診断を受けまして、それから十時ころから五時ごろまでは組合の会議に参加をいたしまして、夕食をとり、その後六時ごろから吹田市内のマージャン屋に行きまして、それで午後九時五十分ごろに出勤をしたというふうに言っております。 それからまた助士のほうにつきましては、同じく当日の午前四時ごろに勤務を終えまして、六時ごろに寮へ帰りまして、それから娯楽室で遊んだりしておったわけでございますが、夜の九時五十分に出勤をいたしております。この間約四時間くらい睡眠をとっておる、こういうふうな状況でございます。 なお御指摘の他の二件につきましては、手元に資料がございませんので、まことに申しわけございませんが、ちょっとお答えができませんけれども……
○水野委員 そうしますと膳所の場合だけがわかったわけですが、伊豆急と東郷駅構内の場合は、後ほどでも調査資料を提出していただけばありがたいのですが、私の伺いたいのは、これはいまの一つの例でないという前提から伺うのですが、国鉄当局にしましても伊豆急の当局者にしましても、監督責任者が乗務員が勤務につく場合に精神状態であるとかあるいは肉体上の疲労度、そういったことを何か検査をして、あるいは申し出制度でもけっこうですが、そういうことを行なった上でやっているのかどうか。結局前の日にマージャンをやっていようと——マージャンというのは非常に聞こえが悪いけれども、さっき大臣の話のあったように、たとえば家族が死亡したとか、交通事故にあって前の晩一晩病院に行って看病していたというようなこともあるわけです。そういう場合にも自分の疲労度を黙って勤務につくということがチェックされているのかどうかということを伺いたいのでありますが、これは鉄道監督局長ですか。
○町田説明員 ただいまの伊豆急の件につきましては、警察御当局のお調べがいずれはっきりすると思いますが、私どもが伺っております範囲ではやはり前夜二十一時三十分ごろまでテレビを見ておって、それから四時ごろまでマージャンをしていた。七時三十分に出勤した、こういうふうに聞いておる次第でございます。まだはっきり結論は出ておりませんので、その程度で御了承願いたいと思います。 それから第二番目の始業前の点検でございますが、これは国鉄、私鉄ともやっております。国鉄のほうは国鉄の方からまた詳細御返事いただけると思いますが、伊豆急の場合につきましては必ず始業前の点検をやる。そして前の晩に何時間寝たかという申告をさしておるようでございます。しかしながらこの仁科運転士の場合は、これも会社からの報告でございますけれども、前の晩六時間何十分寝ております。こういう報告を受けてそのまま勤務した、こういうことになっております。 そこで先ほど私ども申しました労務管理なり綱紀なりの厳正という点の中でも、この始業前の点検につきましてもそういういわば形式的な報告を受けて形式的にそれを認めるということでは困るので、やはりもっと、先ほど大臣がおっしゃったようなことでございますけれども、ほんとうにどうなのかということを親身になって話を聞いて、また申告するほうもそういうふうな気持ちで申告をするということに持っていくような方法をいろいろと考えてもらいたいというふうな指導をいたしております。それについてまた、会社側からは一応の案が出ておる次第でございます。
○水野委員 いまお話しのように申告はしているというのですが、これは御承知のように国民大衆が自分の命を預けて、電車というものは安全だと思うからみなその命を預けて電車に乗っておるわけです。私どもの生活もそれによって成り立っているわけです。単に運転士の申告だけで、しかも虚偽の申告をしていたから伊豆急の場合はそういうことになったのである。そういうふうな状態を国鉄、私鉄とも今後とも続けることに一つの問題点があるのではないか。たとえば上番前に何時間かは必ず自宅において休養せよ、あるいは生活環境が悪い場合は会社ないし国鉄の指定するベッドで休養しろというような義務規定というものをつくってほしいと思うし、現在あるのかどうか。それも伺ってみたい。
○町田説明員 私鉄全般の例で申しますと、いまおっしゃいましたような勤務時間外の義務規定というのはございませんと思います。具体的には勤務時間外の指導というのは、事実上非常にむずかしい点がいろいろあるかと思いますけれども、いま私鉄各社で考えておりますのは、たとえば仮眠所の設備あるいは寮の設備等につきまして、非常に追い込みでたくさんの人が休むような設備でございますと、どうしてもたくさんの人が一緒にいて、いろいろな遊びとかそういうことに走ってしまうというようなこともございますので、そういう設備を、たとえば個室あるいは運転士と車掌の二人組みで入れるような部屋をつくるというようなこと。それから、その場合の寮の寮長と申しますか、そういう指導者を置きまして、そういう者にただいまお話のございましたように事実上の指導を十分してもらうというようなこと。それから、もちろん何年に一ぺんかの適性検査。それから身体検査等は絶えずやる。それから、いまお話のございました始業前の点検等におきまして、もっとお互いに心を打ち割った親密な話し合いというものができる雰囲気をつくる。そのために、別の方法でございますけれども、従業員の家族を一月に一ぺんとか三月に一ぺんとか会社が呼んだり、あるいは会社のほうで出かけていったりして、家族とのおつき合いを密接にする、そういうことによって、家族から運転者の健康管理とかあるいは家庭の状況とか、そういうものを十分保つというような方法をいま考えて実施に移しているということでございます。
○水野委員 考えて、実施しているのですか。
○町田説明員 はい、実施に移しております。
○水野委員 私は、実は日本航空の場合はどうだろうかと思って調べてみたのです。日本航空の場合は、たとえば乗務者は、十二時間前以降に飲酒した場合の勤務は部内規定で禁止をしている。その他具体的に安全確保に関する規定というものがあるわけです。国鉄のほうはどうかということで伺いますと、これは国鉄のほうに出してもらった資料だからこのままだと思うのですが、従業員は常にさわやかな気分で勤務できるように心身の休養につとめなければならない、それから、従業員は酒気を帯びて勤務しまたは勤務中酒を飲んではならないという、この二つのことがあるたけであって、しかも、この二つのこともさほど厳格に行なわれていない。たとえば極端な例をいえば、今度の事故には出てこないけれども、酒を飲んで運転をしても、それを実質的にだれもチェックしていない。私は膳所駅の田中武士さんという人の勤務につく前の二十四時間の資料をきのう委員部を通じて出してもらったのですが、これを見ると、ほとんど寝ていないわけです。しかもこの人はいわゆる国鉄の労働組合の幹部であって、労働組合の組合活動をして、しかもそのあと組合の幹部同士でマージャン屋でマージャンをしている。その辺に、労働組合の幹部の方々も少し惰性になれているのじゃないか。あまりにも勤務の重大さということを忘れておられるのじゃないか。おそらく、幹部でありますから、田中さんと一緒にマージャンをやっている相手も、私は、この人が翌日勤務ということを知っていると思うのです。それを、マージャンをやっているのは二十一時二十分でありまして、勤務に到着しているのは二十一時五十分なんですから、いわば三十分前までマージャンをやっているわけなんです。いよいよ、おれもう行かなければいかぬのだが、あともう一回ツモったら行くよというようなことでやっているのだろうと思うのです。その辺がまことにのんびりしていて、自分の職務に対する責任感が欠除している。一緒にマージャンをやっている人も、おまえはあれだろう、一時間やったら早く寝ろよ。少なくとも三時間か四時間寝ていたら——たとい二十七歳の人であっても、一睡もしないということは事故を起こす最大の原因だ。しかもそれを当局というか区長さんというかのほうも全然チェックしていない。組合の幹部も知っていて見のがしている。私はここに事故の本質的原因があると思う。 それからさっきの鹿児島線の東郷駅構内、これは精神もうろう状態というのですが、精神もうろう状態にあるような人をなぜ勤務につかしたか。私の申し上げたいのは、一方交通みたいな話なんだが、たとえば普通の陸上の自動車の運転手は随時警察官によって点検されるわけです。免許証の携帯の状態がどうであるとか、あるいは飲酒運転をしていないか。そうして酒を飲んで飲酒運転しておれば、すぐ警察へ引っぱっていかれる。ところが国鉄にしても私鉄にしても、レールの上を走っておる一つの企業体の中であるので、警察当局も常に臨検することはしないわけです。そこに、一つの城の中に、閉鎖された中にいるために安心して、労使ともに弛緩している点があるのではないかと私は思う。特に経営陣について私は申し上げたいのですが、組合運動というものに対する遠慮からこういうことをながめておるのじゃないか。あなた方は組合に対して、お互いにお客を乗せて走るための電車会社であり公社であるのだから、これはまず安全ということが大事なんだ、安全でなかったらわれわれの企業は崩壊するのだから、お互いにその公約数においては協力してくれ、また、協力をしない、おかしな精神状態で勤務する者に対しては、もっと積極的な対策を、先ほどカウンセラー制度みたいな話をしておられたけれども、もう一歩進んで、たとえば自動車の運転手だったら風船をふくらまして酒気を調べるわけです。そういうような機械を置くとか、あるいは疲労であるとか精神状態を調べるために医師の簡単な診断を受けるとか、そういう具体的な方法があろうと私は思うのです。そういう点についていま実施しようとしておられる——鉄監局長の御答弁も非常に歯切れが悪かったように私は思うのですが、もうちょっと具体的に、どういうことをやっておるのか、やっていないのなら、今後どうしたいのかということを少し答弁してもらいたい。
○町田説明員 現在やっておりますことは、先ほど申しましたように、適性検査をまずやる、それから健康診断をやる、それから始業前の点検をやる、これを励行いたしております。そういうことのほかに——ほかにと申しますか、それをさらに徹底させるために、私がただいま申しましたような、たとえば出勤点呼の際には形式的でないように、具体的に申しますと、本社の指導員がそれぞれ立ち会って指導するというようなこと、それからカウンセラー制度と先生おっしゃいましたけれども、家族とのつき合いをやる、それから寮の設備を十分にして、前の日に翌日の勤務に差しつかえないような休養をとらせる、そういう具体的なことを現在実施に移しているということでございます。
○水野委員 もう一つ、御茶ノ水の事件でありますけれども、御茶ノ水事件の中で、これは私は実は新聞その他で読んだのでありますから、違っておれば御訂正願いたい。これは警察庁のほうで御訂正いただいてけっこうですが、おそらくいろいろな調査で間違いないと思うのですが、山中さんという運転士が事故のあと姿をくらましているわけです。自宅へ帰っていた。この人は、善意に解釈すれば、独身でおかあさん子で、母親の顔を見てそれから死にたいというようなことを言っておるのだそうですか、たとえば、もちろん船と電車は違うかもしれませんが、船長は船が沈むときは一緒に沈むというような規律があるわけです。電車のほうは事故を起しても現場から逃避するというような——これは一つの例かもしれないが、私はそこに国鉄の従業員に対する服務規律の、規則はあるようですけれども、きびしさが足りないのじゃないか、こう思うのですが…………。
○田村説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、御指摘のとおりでございまして、事故後現場から帰宅をしたということについて、本人について現在まで調べておりますところでは、たいへん大きな事故を起こしまして、気が転倒して冷静さを失い、もう死んでしまいたいというようなつもりで、深く考えずに自宅に帰ってしまった、こういうふうに聞いております。
○水野委員 一連の事故の原因その他乗務員の精神状態についてはこれで質問を打ち切りまして、もう一つ、ちょっとこれは付帯的なんですが、ATSの問題は加藤君から質問があったのですが、一つ伺いたいのは、ATSがあってもだめだったという新聞記事その他を見ているのですが、ATSがあったために危うく事故を未然に防いだという例はあるのかどうか、あれば少し伺いたいと思います。
○湯川説明員 ATSができましてから、先ほど申しましたような危うい状態を未然に助けたという例は多々あると思います。それは実際には警報機が鳴って運転士が操作をしてとまるということでありますので、それがすべてそういう状態であったかどうかということについて、数字的に全部を明らかにすることは非常に困難でございますが、ATSが整備されましてから本線上で起こる事故が激減しておりまして、そういったことから間接的にわれわれはATSの効果を十分に発揮しておると考えております。
○水野委員 次に、これは去る三月の春闘のときだと思うのですが、電車にビラ張りが非常にたくさん行なわれた。そのことについて伺いたいのです。 実は私の手元に、これは新聞社に行って写真を買ってきたのですが、電車に非常にビラが張ってある。しかも、電車の運行に差しつかえるのではないかというようなビラが張ってあるわけです。これに対し国鉄当局はどういう処置をとっているか、ちょっと伺いたい。
○井上説明員 原則的にこのビラ張りの問題についてまず申し上げておきますと、組合に対しては一定の場所を限って掲示板を掲げる場所を定めておりますので、それ以外のところにいろいろなものを張るということについては厳重に、これはまかりならぬということで各局長、各現場長から組合員に通告しておりますし、それからまた、ビラ張りが行なわれそうな事態になりました場合にも、またあらためて警告を発するというようなことで極力つとめておりますけれども、何ぶんにも最近のビラ張り行為というものが、夜間に覆面をいたしまして、いわばゲリラ的に張っていくという行為が行なわれます。管理者の数というものは、先ほどもちょっと話が出ましたけれども、大体現場においては組合員十二人に一人くらいの割合で管理者がおるわけでございますが、それでもって実力的にこれを全部阻止するということは非常にむずかしい。したがって、現実にビラを張られることはお目にとまりましたとおりあるわけです。張られましたあとは極力管理者並びに、組合員といえども職員でございますから、職員を動員いたしまして、これをはがすということにまず全力をあげてやってまいっておりますけれども、なおかつビラ張りの個所が多いものでございますから、それを全部はがすということも事実上できかねる場合もあるということでございます。それでこの問題につきましては、大体みずからの商売道具をみずから汚すようなことでは、国鉄職員のモラルの低下といいますか、士気の弛緩といいますか、こういうことで一体どうなるのかということを全職員に訴えなければならないということで、実は部内で「つばめ」という機関紙を毎月二回発行いたしておりますが、それの号外に二ページ大にわたりまして詳細に具体的に、これで諸君が国鉄を守ろうという気持ちは一体どこへいったのかというところまで突っ込んだ書き方をいたしまして、これは四十七万枚特に刷りまして、全職員に手渡すということもやりました。この効果は、実はまあいろいろな組合からの情報などを総合してみますとかなりあるように思いますけれども、現実にその効果は今後の闘争の場合にどういうふうにあらわれてくるかということを見ませんとしっかりしたことは申し上げられませんが、いままでのところではかなりの反省を職員に促しておるというふうにも考えます。 それからもう一つ、車両にビラをべたべた張って、そして運転にもし差しつかえのあるような張り方をいたしました場合には、これは器物損壊罪それから往来危険罪ですか、罪名はちょっと私間違えておるかもしれませんが、とにかく刑法上犯罪に触れることは間違いないと思います。ただ問題は、先ほど申しましたように一体だれが張ったかということになりますと、これははっきりつかまえることができない。これがはっきりしておれば直ちに捜査もいたしますし、それから処分もいたしますけれども、なかなか実際に張った者がつかまえられないということで、私ども実は苦慮いたしておるというのが現実でございます。
○水野委員 いまだれが張ったかわからぬというお話だったのでありますが、私はその辺に、先ほどの事故の原因であった勤務状態の問題とあわせて、自分たちの——大体国鉄にしても私鉄にしても、私は意地悪く言えば、これは独占企業であり、公共企業なんで、競争者が他にない場合が多い。バスとか陸送の場合はあるのでありますが……、大事な自分たちの商売の基本である、お客さんを安全に運ぶことだとか、運ぶ電車をきれいにしておくというような基本的な問題に対して、観念が低下しているんじゃないかと私は思う。たとえばここに、こういうようなビラを許可しておくことがおかしいのですが、これはたまたま手に入ったので、どの電車か私はわかりませんが、三月の春闘のとき、東十条の駅付近でとった写真だそうですか、宮澤死ね、宮澤首つり、宮澤ギロチン、ごますり助役出て行け、こう書いてあります。こういうビラを張って、こんな電車を走らせているのかどうか知りませんが、私はこういうことを単に犯人がつかまらないからというふうに言っておられるところに、国鉄当局も、さっき申し上げたように、組合運動に対して言うべきことを言わないのじゃないか。私は弾圧しろと言うのじゃありません。さっき申し上げたように、企業の基本問題として言うべきことはきちっと言う、それを常識で考えて受けるべきことは受ける。ただし、不当なる労働強化であるとかそういうことに対して組合側がそれに対する反対行動をとられるということは、私は現在の社会観念からいって当然だと思うのですけれども、そういう問題と混乱しておられるのじゃないかというふうに思うのですが、これは大臣からひとつ御答弁をいただけませんか。
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、職場規律の弛緩ということは、これは遺憾ながら認めざるを得ないと思います。職場規律の弛緩がなぜ起きてきているかという根源を国鉄当局においてよく究明されて、その根本的な対策を講ぜられる必要はあるだろうと思うのです。しかしその中には、単に組合を責めるだけが能ではないのであって、いろいろな複合的な要素もあると思いますし、国鉄の各支社あるいは管理局等、各部局部局の諸君がトップマネージメントをもっと徹底的にやって、そして自分が率先して士気を鼓舞するということも必要であると思いますし、またそういうふうな率先した行動が出てくれば組合員のほうも同じように、同じ職場でやっている諸君でもありますから、感奮興起することもありましょうし、特に大事なことは国家の財産、国民の財産をお預かりしているという観念だと私は思うのです。公共精神がやはり一番だと思うのです。先ほど労働問題云々ということがありましたが、労働問題以上に最も重点を置いて国民が期待しているのは、公共精神の固持ということだろうと私は思います。そういう国家的な重大責任を負っているということをもっと徹底させてやってもらいたい、そう私は思います。
○水野委員 以上で私の質問は終わりますが、写真は御参考までに大臣に……。個人的なことまで書いてあるのです。
○大野委員長 渡辺芳男君。
○渡辺(芳)委員 いろいろ最近頻発する鉄道事故について問題になっておりますが、運輸大臣にお伺いしますけれども、先ほどからの答弁によりますと、不注意ということが盛んに強調されておる。端的にいえば精神主義、ひとつ弛緩しているからたたき直さなければいかぬ、こういうふうなことが非常に強調されておるのですが、事故のそれぞれの本質を究明したら、その中に本人のきわめて不注意な場面の事故もあったり、そして一つには御茶ノ水の電車の追突事故のように、これは本人の不注意だけを責めるというふうなことばかりでは少し酷だと思うような事故もあるわけです。伊豆急の事故がありまして、私も数日後に会社に参りました。国鉄の職場でもそうですけれども、会社全体がたいへん申しわけないことをしたと、こういう何か世間から指弾をされて、運転に関係のない人たちでも反省をしておる状況にあるわけですね。 私はその状態というものを見て、一面的には再び事故を起こさないというふうにみんなが考え、決意をしておるというふうに感じたわけです。先ほどからの議論を聞くと、あそこでも事故が起きたじゃないか、ここでも事故が起きたじゃないか、こういうふうに、簡単にいえばあやまちを追及するだけに終わっているような気がするのですよ。私はこういう議論は、国会の場でも一面的にはいいけれども、しかし時間の関係もあるからそれが完全に究明をされないにしても、いずれにいたしましても、事故の究明に対して、安全施設の確保なり、あるいは私生活を少ししっかりしろ、あるいは労使間に問題がある、それも一面的にあると私は思うのです。あるけれども、しかし事故というものは、私は悪条件が重なって起きたと思うのですよ。一つだけが問題になって起きたというふうな単純なものではないと思うのです。そこに私はこれから事故の再発を防ぐという一番重要な課題があると思うのです。 ひとつ、運輸大臣にお尋ねしますが、新聞によりますと、あなたが二十日の朝中央線に同乗されました。まあこれは少し酷な見出しだろうけれども、「過密ダイヤじゃないよ」と、こういうふうに出ておるのですね。これは少し認識が甘いのじゃないかというふうに私も思うのですよ。二分間隔の、電車の運転というものは並みたいていの状況じゃないと思うのです。これ以上狭めるという状況じゃないと思うのです。この点の認識が非常に甘いと思うのですが、あなたはいまでもそういうふうに考えておるのですか。
○中曽根国務大臣 これは表現の問題でありますが、私は過密ではないと思います。しかし稠密ではある、そう言っておるのです。稠密ダイヤではあるけれども、過密ではない。なぜかというと、過ということばが出ますと、過保護時代におきましてはすぐ、危険であって、これは規則を逸脱した事態を国鉄は強行しておるのだという印象を民衆に与えておるのです。私はしかし国鉄総裁の議会での答弁を支持しておって、順法闘争というのが行なわれましたときに、あれは順法ではない、要するに国鉄というものはリズムで運転しておるのであって、そのリズムを破ればなおそれは危険性が出てくる、だからかえって、順法闘争と称しておくれたり何かしたりする場合には運転士が非常に疲労度を加算される、そういうことを私は聞いたことがあります。やはり一つのリズムでサークルを描きながらみんなの協力で運転しているところに正常性と安全性が生まれているのであって、それが一つがたがたっと乱れてくると、全体が大きな緊張を生み、事故の危険が出てくる。リズムを維持するということが一番の根本だ。私はしろうとですけれども、そう思うのです。そういうような観点から見ますと、二分間隔という面と、私は現に現認しまして八百メートルの余裕はある。ツーセクションは車が置いてない。そういうことは、十分やれるようになっている。いま御指摘になりましたように、ずいぶんATSや何かできまして、信号や何かずいぶん次々と出てきますけれども、安全を確保するためにこれをやっているのであって、前よりもむしろ安全になっているとすら言い得るのです。私はそういう点から見ても、これが過密として、危険性を伴うような印象を与えるようなことばを国民に与えることは適当でないと思うのです。一番大事なことは、機械に人間が支配されてはいかぬ。一番根本はやはり人間の精神の集中なんです。それで、これはまあ極端な表現ですけれども、一番苦しい作業をしているのはだれかというと、私はワンマンバスの運転手だと思う。あれはともかくマイクをやって、料金をとって、車を運転する。車は前後左右から来るのです。距離はどうかというと、前五メートルもない場合が多いでしょう。しかし、国鉄の場合は前後しかないのです。わきから来るという可能性はないのです。しかも八百メートルなり千メートルの余裕がある。またATSというものすらついているのです。そういう点からいえば、タクシーの運転手のほうがあるいは危険な労働をやっているかもしれない。いまカミカゼやっているのはどこから飛んでくるかわからない。車間距離は五メートルもないでしょう。そういう緊張の連続の度合いを見れば、国鉄の運転士が正常な注意をもって、ばか正直に規則を守ってやれば、それは過剰な労働をしいているものではない。聞いてみると、稠密時間帯は一回やれば二回とはやらない番組みになっているようです。そういうようなことから考えてみましても、朝一回とか夕方一回やれば、二回とはその時間帯の中においてはやっていないという状態になっているということも聞きまして、決してこれは過密で危険であるという様相にはないと私は思うのです。しかし、それでもって安心してはならない。それはさらに改善に努力するということは当然でありますから、ATSあるいはその他においても改善の努力はしなければなりませんが、いまの国民経済は、これだけ日本が高度成長しているもとで米英を追い越そうとしている事実は、何らかのところへそういうしわ寄せがきて、みんなががまんし合いながら、そしてほかの国より伸びているという根本はそこにあると思うのです。日本の高度成長をあきらめるなら別です。しかし国民所得のパー・アヘッドも上げていこうという国民の意欲があるならば、西欧よりももっとがまんしたところで、次に伸びていくために、苦労して飛躍の基礎を培養していると思うのです。国鉄の問題はその一つの大きな場面であると思うのです。そういう面からいたしましても、これはなるほど運転士の皆さんや何かは御苦労なすっているだろうけれども、国鉄がいろいろ検討されてダイヤのタイムテーブルを組んだりしてやっているということは、安全率を見てやっているのであると私は確信をしております。
○渡辺(芳)委員 まあ都市の人口集中から通勤輸送にたいへんなしわ寄せがきて、国鉄が矛盾をしょっているようなものなんですよ、高度経済成長政策のね。しかしそれは別として、本日はやめとして、私は技術論争をするつもりはございませんが、二分間隔の過密ダイヤで——あなたは稠密ダイヤと言っておりますが、これはラッシュ時に非常に乗客が多くて、乗降に手間をとって三十秒なり四十秒おくれると、運転士はダイヤの上では二分間隔の運転をしなければならぬ、そうすると、おくれた分の取り戻しをしなければならぬ。端的にいえば、机上で立てたダイヤをそのままあなたが言うようなリズムで運転できないですね。ですから、理屈と実際の現実というものは違っているわけです。しかもATSの装置が三十六、七年ごろからつくられまして、二分間隔は戦前からもやっておるにしても、最近は特に中央線などは十両編成で、新宿から郊外のほうへ行く場合には信号機の間隔というものは多少延びているけれども、しかし東京の周辺、ほんとうの東京駅を中心にしたまわりというのは、十両編成の電車ですと、二百メートル以下の間隔にある場合があるでしょう。お茶ノ水の電車の追突事故の場合でも、信号機の間隔は二百メートル以下なんですね。ですから、私はこういう現実を見ていきますと、常に運転士の緊張が要求されるし、大げさに言えば、ある意味では危険というものが同居していると思うのです。ちょっとATSのブザーが鳴ったから確認ボタンを押して制動をかける、おろそかになっていくと追突事故が起きがちだというふうな危険性というものがあるのです。これが今日過密ダイヤ——稠密ダイヤでも日本語の用語ですから多少譲ったとしても、こういうところに問題があると思うのですね。ですから、私は、いま根本的な問題の解決といえば、それは国鉄の通勤輸送の複々線化などをずっとやって——総武線などもやっておるけれども、現実には財政的にも苦労しているのでしょう。説明によると、一メートル線路を敷くのに三百万円かかるところもある。こんなふうじゃ幾ら金を投じてもとてもしようがない、国鉄の財政力じゃできないという状況がある。今日そういうことが根本的に議論されてきておるけれども、事故が起きると本人の不注意、こういうことだけで片づけるだけではいけないと私は言うのですよ。政治の責任だと思うのですよ。一半はですよ、すべてがそうというふうな三段論法は私はやりませんけれども。ですから、危険と緊張が同居している今日の電車区間のこの運転状況というものについて、あらためてわれわれが認識を深めて、一体これについて一番必要なことは何か。私はしかることは一番簡単だと思うのだが、運輸大臣が先ほどの答弁の中に言われた、職場で管理者に体の不調を訴えて勤務交代ができるように、日航の操縦士のようになったらよかろうということ、これは私はあなたに共鳴しますが、この実行は今日の状況ではたいへん——総裁を前においてたいへん失礼な話だが、五万人の合理化というのは、これは議論をしていくと長くなるからやめますけれども、途中で何べんも配転をされて、鉄道にいるのがいやだといってやめていく人がずいぶんあります。それは四十過ぎになったら、ほかの仕事にかわるということはいやなんです。こういう無理が今日の状況はどうしてもありがちだ。それはそれとして、そういうことは、現実にいま職場では要員がなかなかそう潤沢な状態にありませんから無理だとは思うが、この実行ができると思いますか。これは総裁、特に運転士の環境についてこういうことができると思いますか。
○石田説明員 五万人の合理化問題についてお話がありましたが、その五万人のうちの大部分の合理化というものに対しては、これは組合ともちゃんと合意ができておる。あと残るところは二人乗務を一人にする、こういうことなんで、われわれの考えからいえば、決してこれは輸送の安全を犠牲にしての合理化じゃないのだ。そんなものは合理化じゃないのだ。そんなものは不合理化だ。これはもう現に国鉄のこれまでの事故の歴史を調べてみると、二人乗務のときよりは一人乗務のときのほうが事故が少ないということである。これが組合のほうとしては一体どういう動機で二人乗務というものを主張しておるのかわかりませんが、私は組合というものはもう少し冷々淡々として、自己の欲というものを離れて考えてみれば、輸送の安全を保持しつつ二人を一人にするということについては、私は反対する理由はないと思うんですよ。これはひとつ渡辺さんも社会党と組合との関係なんというものを忘れて、ほんとうに公平な立場になって考えてくだされば、国鉄というものの合理化をするということは当然なことである、できることである、何らその間に不合理はないということを御了解くださるというように私は考えております。
○渡辺(芳)委員 二人を一人にしたほうがいいというようなお話がありましたけれども、これは私了解できかねます。 お茶ノ水のあの事故のことについて少し立ち入って伺いますけれども、お茶ノ水の電車事故は本人の不注意があったことは、私も重々そういう面では考えられます。気が小さいかどうか知りませんけれども、もう少し年をとっておったならば、経験があれば、事故を起こしたにしても気が動転しないで、いろいろな教育を受けたことをとっさの措置でやったと思うのですよ。これは少し頭にきてしまって、結局行き着くところ自宅に帰ったということは、どうも運転士としてよくない、あたりまえのことなんだが、本人にすればどうにもならぬ状態にあったと思うのですよ。私は、どろぼうに三分の理屈じゃないけれども、同情しておりますよ。第一場内の信号機、第二場内の信号機があって、先ほど野間さんから質問があった第三場内の信号機がホームの中間にある。その次にホームのはずれには出発信号機がある。この距離がきわめて短いのですね。一審大事なことは、電車が二百メートルですから、閉塞区間が非常に短かいのですね、距離がないのですから。たとえば、時速四十五キロメートルで走って、早く気がついて制動をかけた場合に百七十メートル走ってしまう。五十キロならば百九十メートルも走ってしまう、こういう状況にある。この短小区間の閉塞区間というものが、ちょっとの不注意でこういうふうになったと私は思うのですが、第三場内の信号機をつくったこと自体について、そういう事故の発生について、技術的にはいろいろ問題が現実的にありはしませんか。この点はどうでしょう。
○湯川説明員 信号機の距離についての御質問でございますけれども、信号機の距離につきましては、電車の長さとかには関係ございませんで、前方が赤信号のときに急制動がかかってとまるという距離さえあればいいわけであります。それにはその区間における速度が前提になっておりますから、速度がおそいところでは、非常に短小な区間でも十分な制動距離があればいいということで設定しております。
○渡辺(芳)委員 技術的にはそれは、第三場内信号機をつくったのですから、いま考えればぐあいが悪いとはいえませんでしょう。第一場内から第二場内のホームのはずれまで、進入するはずれまでの第二場内の信号機の間が、聞くところによると、これは百九十六メートルの間隔だというのですよ。それから第二から第三のホームのまん中の新しくつくった信号機は、これはつい最近つくったのですな、そうそう十年も二十年も前につくったわけじゃないでしょう。今日の輸送需要に対して、特にラッシュの打開策としてこういう信号機をたくさんつくっていって、一個列車でも、一両でも二両でもよけいに線路へ入れなければならぬ、そうしなければ輸送需要に応じられないじゃないか、こういうせっぱ詰まった状態からこういうものをつくっているのでしょう。ですから、技術的にはいいかもしれませんが、ちょっとの不注意で、これはいけないよ。ATSのブザーが鳴ったか鳴らないかということは、新聞ではいろいろいわれていますからこれはわかりませんが、いずれにしても不注意からこういうことが起こりかねないということについて非常に懸念をするのですよ。事故発生につながるような状況にあるような気がするのですね。ここで第三信号機を撤去しなさいとか、まずいじゃないかというふうなことはいえませんけれども、こういう関係については特に要注意の場所ではないかと思うのですが、どうでしょう、この点は。
○湯川説明員 先ほどお話ししたとおりの繰り返しになって申しわけありませんが、電車の性能も高加速、高減速になっておりまして、赤信号の場合に、ATSが設けてありますからそのまま操作をしなければ急制動で十分にとまれる距離になっております。それから確認をするということについては、先ほど御説明いたしましたけれども、それによって自分が正常な運転制動をするという前提で確認ボタンを押すようになっておりますから、その措置さえ十分とれておればとまるということでございます。
○渡辺(芳)委員 それはその程度にしておきます。 お伺いしますけれども、これは新聞にも当初の議論と、それからあとの国鉄当局のそれぞれの担当者の談話などが載っておりますが、ATSが作動するとき確認ボタンを押して制動をかける、つまり鳴りっぱなしで非常ブレーキをかけられるような状況にはしないという指導をしておるのですね。これは結局過密ダイヤの関係で、確認ボタンを押して、そしてそれから制動をかける、そういうふうな指導をしているのですね。これはブザーが鳴って自然的に非常ブレーキがかかって、それから発車するまでにはたいへんな時間がかかるから、そういうことに指導しておるわけですね。
○湯川説明員 ただいまの御意見ではございません。これは先ほども少し長いといってしかられたのですが御説明をいたしたわけですが、信号機を喚呼して正常な運転をするというたてまえになっておりまして、それを誤って見失うというようなことの場合に働くという設備でございますから、そのときに本人が喚呼して作動がおくれるというような場合にも働くわけです。その場合に警報が鳴りまして他動的にも信号機は赤だぞともう一度知らしてくれるということでありまして、したがってそういう形で制動を正常に扱うというたてまえでありますから、構内の信号機の短小区間はもちろんのこと、駅の中間におきましても、電車が異常な状態で前方にとまるということがありましたらそういうことが起こるわけでありまして、全く同じ動作でATSが働くように、また操作をするように指導しているわけです。
○渡辺(芳)委員 総裁にお伺いします。こういう事故の頻発についていまいろいろと現場に通達を出しておるようでありますが、端的に言えば、事故の一つ一つを検討すると、きょう報告された事故概要ですね、これと多少違う面もあると思います。中心的なこれからの指導方針というのは、精神の弛緩弛緩ということが盛んにいわれて、国鉄職員なりあるいは私鉄の職員が、繰り返して言うわけじゃありませんけれども、たるんでいるのじゃないかというふうなことをいわれるが、そのことばかりでは私はいただけないと思っておるのです。一番中心的なことは、平凡なことばで言えば、事故防止に対して一致協力するようにしなければいけないと思って、具体的にこれからの、特に重大事故の発生などについて、私もそういうことがないようにしなければいけないと思っています。三河島や鶴見事故の教訓をくんでいろいろな安全装置もやっておりますが、当面とるべき対策について、特に重点的なことについてお伺いいたしたいと思います。
○石田説明員 私は監査委員長を六年やっていたのですが、そのとき起こったのが例の参宮線の事故です。これで数十人の犠牲者を出したのでありますが、そのときに私が審査委員長で、審査の結果つくづく感じたことは、つまり運転士の責任はすこぶる重大である、これに対しては職務給というものを設けなければいかぬということでした。運転士の責任が重大であれば、われわれがそれに対する給与を手かげんすることは当然やらなければいかぬということで、時の総裁十河氏に私は進言いたしまして、運転士に対しては特別の給与をやったらいいだろうということで、はなはだ軽少であったが三百円のエキストラをやった。組合のほうの諸君が私のところに来まして、委員長、三百円の給与は多くない、しかし三百円でもほかに比べて多いということはわれわれとしては実に気持ちいい、プライドを持って仕事ができる、それだけ責任を痛感するんだということを申していました。その後国鉄はその方針に基づきまして、はなはだ少なくはあるが、財政の許す範囲において職務給というものを運転士に対しては認めておるということであります。 それからさっきからいろいろ話が出ましたが、運転士に対する指導というものについて、直接に接するのは職場の管理者である。この間職場の管理者が一団となって私のところに参りまして、まことに申しわけないということでありました。私は、とにかく指導管理というものについての直接の責任者は君たちなんだ、一体どういう心がけでやっていくかということについて、私は説教する意味じゃないが、やはり管理者として、管理される人間を指導するについて一番大事なことは、彼らの立場になってものを考えてやることだ。それには愛の精神とむちが必要なんだ。根本には愛の精神を発揮してやれ、そうしてやれば運転士も気持ちよく働けるということで、はたしてこれが正鵠を射ているかどうかは知らぬが、私は少なくともそういう愛の精神をもってやることにおいて指導管理というものが徹底すると考えております。 さらに国鉄としていまやっておることは、運転士の素質の問題であります。これはひとつ大いに考えなければいかぬということで、三十九年から高等学校卒業生をとにかく一年に約二百人前後採用いたしまして、それに対しては四カ年の学習、実習訓練をして運転士を養成していくというようなことで、これまでのように一般に国鉄に入ってきた人間から希望者が試験を受けて助士になり運転士になるというのではなしに、初めから運転士にするということでやる、それによって運転士というものの質の改善ができるんじゃないか、こういうことで、これは近く卒業する者が出ますので、その結果を見て、さらにこのやり方を助長していったらどうか、こういうようなことで、まあひとつ決定はしませんと思いますが、気づいたことから着々としてやっておる、こういうこと。さらに私としてやりましたことは、とにかく休養という点について、たとえば駅、区などにおける休息所というようなものはほんとうに休息がとれるような設備にしなければいかぬ。たとえば寝具なんかは非常によごれているようなことでは寝られやせぬということで、最近ここ二、三年における沿線の休息所の改善というものはすこぶるよくいっておると思う。これはひとつ渡辺さんにおいても御実見の上でさらに御意見があれば、ひとつ聞きたいと思う。というようなことで、まずわれわれとしては、輸送の安全というものに対しては設備の問題、人間の養成ということについては費用というものは度外視してもやるということで一生懸命やっておる次第です。
○渡辺(芳)委員 最後に一つ、私の提案みたいで恐縮でありますが、労使間のいろいろな争いなり、あるいはうまくいった話なり、それはいろいろあると思いますが、事故防止について事故防止委員会がせっかくあるのでありますから、なお一そう活用していただいて——これはテーブルを囲んで話をする場合に、一番いい労使間の間柄だと思うのですよ。そういう意味では湯川常務理事はひとつ奮発をしていただくほうがよろしいと思うのですが、この点いかがですか。
○湯川説明員 事故防止の労使間の委員会については、先ほどお話がありましたように、従来から続けておりますし、おことばのとおり、さらに深めてまいりたいと思います。
○渡辺(芳)委員 終わります。
○大野委員長 山下榮二君。
○山下(榮)委員 冒頭に総裁と運輸大臣に伺いたいと思うのですが、先ほどから御茶ノ水あるいは米原その他の事故の事件についてはいろんな角度から質問がなされておるのであります。私はきょうの委員会でおそらく冒頭に運輸大臣あるいは国鉄総裁から、過去の事故の究明を行なって、かようかくかくの関係からかような結果が生じたので、これに対しては今後かかることを再び繰り返さないために、事故絶滅のために、国鉄としてはかような処置をとり、かような方針で経営者、職員もろとも奮起してやっていく、こういう何かごあいさつがあって、国民に対して安心感を与えるようなことばがあるんじゃなかろうかと想像をいたしておったのであります。しかるに、何らのことばもないというのはまことに遺憾千万でございます。 また運輸大臣といたしましては、運輸行政の最高責任者として、最近ひとり国鉄のみならず、私鉄あるいは自動車その他頻発する交通事故に対し、大臣として今後これらの問題に対してかような方針で対処し、これを絶滅する対策をとる、こういうことが何らかのかっこうで国民の前に誓われて、国民が安心をする交通運輸行政というものが確立されるものと想像をいたしておったのであります。しかるに運輸大臣は、これに対する何らのことばもなかったことは、ただ質問に対する答弁だけに終わっているということはまことに遺憾でございます。これに対して大臣並びに総裁からお伺いをいたしたいと思います。
○中曽根国務大臣 冒頭に私はごあいさつを申し上げましたが、その最初のごあいさつの中において、これこれの処置をとってやります、そういうことを申し上げたつもりでございます。この最初のごあいさつをお読みいただけば、運輸省としての決心とこれからの措置が大体おわかりいただけると思うのであります。
○山下(榮)委員 大臣のあいさつは、ただ通り一ぺんのあいさつであって、何らの具体性がないと私は思うのであります。もっと行政の長としてこれらに対する具体的な施策というものを定められるということがきわめて必要ではないか、こう考えたから申し上げたのでありまして、まあ今後臨時国会等もあることでもございますし、ぜひ運輸行政の最高責任者としてこれらの問題に対処する具体的な方策をひとつ今後お考えを願いたい、これをお願いを申し上げておきます。 次に総裁の答弁を願います。
○石田説明員 国鉄がこの輸送の安全ということについていかに努力しておるかということは、私は、この席においてるる申し上げぬでも十分御了解くだすっておることと存じておったのでありますからして詳しいことは申しませんでしたが、要するに国鉄というものが心底まで痛感していることは、輸送力なんというものは輸送の安全あっての輸送力なんだ、安全のない輸送力なんてナンセンスだ、まずもってこの輸送の安全については完ぺきを期さなければいかぬ、こういうことは国鉄四十七万の人間の心底に横たわっておる考え方なんだ。そこで、その輸送の安全というものにつきましては、輸送の安全設備の完備ということと人の問題結局私は二つに帰すると思う。これにつきましてはさっきも申し上げたので詳しいことは申しませんが、とにかく輸送の安全設備の完備ということについては、この長期計画を見ましても二千四百億以上の金をつぎ込んでやっておる。これでもってわれわれの精神が大体どういうところに向いておるかということは御了解くださることだと思います。しかし問題は、いかに輸送安全設備の完備をやってみたところで、結局この目的を達するか達せぬかということは役者の問題だ。いかに舞台をりっぱにしてみたところで、「申し上げます」役者が出た場合には意味をなさぬ。結局人の問題。人の問題も、この人間をどうするかというようなことにつきましては、さっきからるる説明申し上げたことでありまして、要するにわれわれとしては、この輸送の安全の問題についていかに努力しておるかということについては御了解くださることと思います。 さらに、最近における事故からだけ申しておりましたが、国鉄はこの人命という点について最大の、何とかこの危険を少なくしょうということでやっておるのは踏切事故であります。これで一年にとにかく千三百人以上の人間の死者、負傷者が出ている。これは輸送の関係から出る死傷者より多い。こういうものにつきましては一向御質問がありませんが、国鉄というものは思い切ってやっておる、この踏切の事故のリスクをミニマイズするということにつきまして。ということで、こういうことから考えましても、国鉄というものが輸送の安全を確保するということで人の見えないところにいかに努力しておるかということは、十分ひとつ御了察くださるようにお願いしたいと思います。
○山下(榮)委員 石田総裁は自分だけは非常に張り切っておられる姿が拝見されるのであります。しかし、国民の間には、国鉄企業というものにはどこかびょうが一本抜けておるのではないか、たるんでおるのじゃないか、こういうことばすら聞くのであります。これは先ほどの渡辺君の質問の中にもあったと思うのですが、私は、国民にそういう疑惑を与えないように、総裁が抱いておられる理想というものが、あるいは考え方というものが、下、職員に至るまで徹底するような方策を樹立されなければとうてい事故というものの絶滅は期しがたい、かように考えておるのであります。どうかそういう点にもっと深く留意をされるようにお願いを申し上げておきます。 次に伺いたいと思いますことは、もう事故の問題についてはそれぞれの角度からお話がありましたから、私は角度を変えて今度はほかの問題を伺いたいと思うのであります。 六月十六日横須賀線において、大船で爆破事件がございました。この事件は、ちょうどいまから一年前に兵庫県の姫路から神戸に通っている山陽電車でも同じような爆破事件がございました。二つともいまだ犯人がわかっていないようでございます。この捜査の経過結果というものがいかように相なっておるか、今後これらに対するところの国鉄としての対策はどうお考えになっておるか。新幹線における問題だけは即座に犯人がつかまったようでございますが、このいま申し上げた大船あるいは山陽電鉄の二つについてはいまだその手がかりすらないというような実情のようでございますが、これはまことに遺憾なことでございまして、国民は電車に乗るにも恐怖の念を持って電車に乗らなければならぬ、こういうようなことではまことに困ったことだと思うのですが、その捜査の経過並びに結果、あるいは国鉄当局としての今後これらに対する対策、考え方というのをこの際伺いたいと思うのであります。
○石田説明員 横須賀線における爆発事件の犯人というものにつきましては、これは警察当局のほうで全力を尽くしてその犯人をさがし出すことについて尽力してくださることと存じております。 今後とも国鉄といたしましては、ああいうような事故が起こらないようにできるだけ監視を厳にして、ああいうことの繰り返しのないようにしたい。 さらに御参考までに申し上げますが、私が新幹線の輸送について一番心配しているのは障害物でございます。実におそろしいです。ああいう非常なスピードで走っているところへもってきて、もしも障害物でもあって脱線でもしたら目も当てられないということで、これは見通しの悪いところなんというものに対しては夜昼を分かたずウォッチマンをして監視しておる。どうも新幹線なんかにおきましても、ときどき大きな障害物を置いて困る。 さらに御参考までに申し上げますが、置き石の問題だ。これは全国的に一向に減らぬ。毎年二千件以上ある。これに対しては国鉄としては全力を尽くして防止すべく、地方の教育家その他にも働きかけてああいうくだらぬことをやらないようにしてもらいたいということで、国鉄としては全力を尽くしてやっておりますが、しかしこれは国鉄の力だけでは解決できない。やはり国民の教育というものに持っていくことでありますから、ひとつ山下さんにおかれましては、政府のほうにお話しくださって、何とかこういう問題について最善の努力をしてくださるように御協力をお願いしたいと存じます。
○山下(榮)委員 その答弁だけではちょっと納得いたしかねるのですが、捜査当局、お見えになっておるでしょうか。——ちょっとその経過をお伺いしたいと思います。
○田村説明員 山陽電車と横須賀線の電車の爆発事件につきまして捜査経過の概要を申し上げます。 山陽電車の爆発事件は昨年の六月十八日に発生しまして、すでに一年余を経ました。それから横須賀線は去る六月の十六日でございまして、これも一カ月余を経ておりまして、両事件とも警察といたしましては全力をあげて捜査につとめておるのでございますが、まだ遺憾ながら犯人に到達できない。いままでも非常な努力を重ねてなおかつつかまらないのでございますけれども、これに屈することなく、今後ともできるだけの力を尽くしてこの解決に努力をしてまいりたい、こういうふうに存じております。 それで、まず山陽電車のほうから御説明を申し上げますが、この種事件につきましては、御承知のように人の面からする捜査と物の面からする捜査、大体この二つの方向からの捜査を私どもやっておるわけでございます。 それで人の面からする捜査でございますが、当時の山陽電車は二両連結でございまして、私どものほうで大体つかんでおりますところでは、一両目の車両に八十名くらい、二両目の車両に百名くらい、両方で大体百八十名近い人が乗っておったというふうに思われるのでございますが、いままでの一年余の捜査によりまして百八十人近くの中から百六十五名の乗客を確認をいたしましていろいろ御協力をいただいたわけでございますが、それらの人々あるいはそれらの人々が目撃しておるというものの中からは犯人を見つけ出すことができなかったのでございます。まだ十数名未確認でございますが、これについて現在なお鋭意捜査を続けております。 それから電車内に遺留されましたものは、時計、新聞紙、鋼管、塩素酸カリ、ヘアドライヤーのあき箱等でございます。若干こまかい数字で失礼でございますけれども、たとえば時計は精工舎製フラワーで、昭和二十七年の十一月に製造されたものでありまして、七千二百八十四個当時生産されております。それからこれを包んでありました新聞紙は「デーリースポーツ」でございまして、四十二年六月十八日、当日付のものであります。当時の印刷部数は十四万四千八百六十五部でございます。そうしてこれは兵庫県はもちろん近畿一円に販売頒布されておるのでございますが、この十四万四千八百六十五を全部追及するということはいわば不可能に近いことでございますので、これを兵庫県内と京都、大阪にしぼりまして、しかもこの新聞に使いました用紙がそれぞれ時間によりまして会社が違うわけでございます。そういうことがわかってまいりましたので、それからさらにしぼりをかけまして、現在までのところ、この兵庫、京都、大阪を中心にこれに使用された新聞と同じ用紙の新聞が印刷された時間というものを割り出しまして、こういうふうなほうからいろいろしぼりをかけて最も容疑の濃いようなところを全部洗っておるわけでございますが、いままでのところ三千五百八十四部について解明をいたしましたが、その範囲ではいまだに到達できない。それから鋼管でございますが、この爆発体を入れておった容器でございます。これは大阪の堺市の丸一鋼管というところでつくられたものでございまして、大体昭和四十一年から五万五千六十三本つくられており、販売されたものが四万三千三百二十六本でありまして、この販路は全国に及んでおります。もちろん販売店の経路全部調べ上げまして捜査いたしておりますが、これもなお未解決のものがございます。それからふたに使われました鉄板、これは通常の鉄板でありまして、これを打ち抜くにつきましては五十ないし百トンの油圧プレスを使っておるようだという推測のもとに、しかもそのプレス、プレスによりましてそれぞれ打ち抜くときの傷あとに違いがございますので、これは京都大学などの御協力を得まして、そういうふうな特徴についても現在兵庫県全域にわたって、特に神戸市中心でございますが、そういう捜査も続けております。それから塩素酸カリでございますが、これは四百ないし五百グラムくらいが使用されたと思われるのでございますが、この製造量につきましては会社側でも、日本曹達もしくは保土谷化学というふうに考えられるのでございますが、会社側でもその生産量がつかめないくらいの多量のものでございまして、薬屋等についてこの塩素酸カリの販質経路についても捜査をいたしております。 それから、この爆体が入っておったと思われますヘアドライヤーの箱でございます。これは松下電工製のヘアドライヤーでございまして、これは三十九年から約四十六万個販売されております。これにつきましてもいろんな面からしぼりをかけまして、いままでのところ約五千個につきましてその経路を解明できておるのでございますが、なお行き当たることができない。それで現在兵庫県警察本部におきましてはなお捜査本部を設置し、捜査員百名をこれに充てまして捜査を続けておるのでございますが、ただいま申し上げましたように、物からの捜査というのは数が非常に多うございますので、非常に困難な点がある。 そこで、それではどういうふうなものが犯人としての適格性を有するかというようなことをいろいろ考えますと、ガス、電気、溶接及びボール盤が使用できる立場になければならないだろう。それから溶接についての技術というものがなければならない、だろう。それから爆薬につきましても、普通のしろうとでは無理でございますので、そういう知識経験があるであろう。それからこれをつくるときに使用しましたボールト、ナットがあるのですけれども、こういうふうなものが入手できる立場になければならない。それから工作が相当精密にできておりますので、工作始きでこり性であるというような性格も必要ではなかろうか。それから職場あるいは自宅等にそういうふうな工作をする場所があって、しかも工具や材料が使える、そういうふうな適格性と、先ほどの物というものとを結びつけまして、それで先ほど申し上げましたような陣容で鋭意現在なお捜査につとめておる。山陽電車につきましては、概要でございますが、そういうふうな状況でございます。 それから次は横須賀線の関係でございます。横須賀線につきましてはまだ一カ月余でございますので、現在のところ捜査本部を設けて百四十名の要員をもってこの捜査に当たっておりますが、まだ山陽電車ほど解明が進んでおりません。 それでまず当時の人の面からの捜査でございますが、当時の電車には全乗客が一体どのぐらい乗っておったであろうかということは現在のところまだほぼこれぐらいという推定ができておりません。しかしながら爆発した車両でございますが、これにつきましては乗客約六十六、七名、そのうち現在までのところ六十名を解明いたしております。それでなお未解明の者が五、六名残っておりますけれども、現在まで解明いたしました六十名につきましては、もちろん犯人もおりませんし、そういう方々が犯人らしい者を見たというようなこともいままでのところ出ておりません。 それから物の面の捜査でございますが、これにはナショナル製のタイムスイッチが使ってある。これは大体昭和三十八年から九年にかけて約一万個つくられまして、これが全国に出回っておるわけでございますが、内部をあけてみますと、やはりいろんな特徴がございますので、そういうふうなものからさらにその販路をしぼっていこうという捜査を現在やっております。 それから中に電池を入れておりましたケースがあるのでございますが、これはクラウンCTR五三一〇型というテープレコーダーに使っておるものでございまして、三十九年の十一月から四十年の四月までに国内用として約一万三千五百台販売をされております。これにつきましても、現在販売店、購入者等について捜査を進めております。 それからやはり爆体を包んでおったと思われます新聞紙は、毎日新聞の四十三年四月十七日付の十三版の東京都下版でございまして、これは六万八千部印刷されて三多摩地方に販売されております。これは警視庁当局と神奈川県との協力で現在のところ販売店、それから購入先、こういうふうなものを全部解明するという方針のもとに着々と進んでおります。 それから爆体を入れておりました菓子箱でございますが、これは名古屋市内のもなか製造業者が使用したものでございますけれども、これはちょっと業者も見当がつかないくらい量が多いというのでございますが、これも何か手がかりにならないかということで、いろいろ現在のところ調べておる状況でございます。 それから、これを全部入れておりました底が角型になっておるショッピングバッグがございますが、これが四十一年から現在まで約五十万枚製造されておりますので、これにつきましても現在実物あるいは実物そっくりのポスター等をつくって街頭、駅等に掲げていろいろと御協力を願っておるわけでございます。 それから爆体を入れておりました三方継ぎ手でございますが、これは日本鋼管で作成されました、ガス、水道、プロパンガス等の配管に使われるものでございまして、大体月産一万三千くらいで、昭和九年以来大体それくらいつくられておるというので、ばく大な数字にのぼるわけでございますが、比較的新しいものではないかという推定でございますので、これにつきましても現在鋭意追及をいたしております。 それから火薬は日本油脂製のSSと判明をいたしまして、これは四十二年中大体年間六十トン生産をされまして、猟銃用の火薬として使用されております。これにつきましても、猟銃は幸い警察でその所持許可等を扱っておりますので、東京、神奈川、周辺府県の猟銃所有者というふうなものにつきましても、全部これを調べ上げてまいりたい、こういうふうなことで、鋭意神奈川県警察は関係府県の協力を得て捜査を進めております。 なお、この横須賀線爆発事件が起こりました際に、私どもといたしましても事件を重視いたしまして、さっそく関連事件を担当しております兵庫県、それから隣接の警視庁等を集めまして、さっそく会議を開きまして、特に物の捜査は全国的になりますので、そういう面につきましては警察庁もこれを統轄して全国的な捜査を進めるという体制で現在やっております。 それで私どもといたしましては、できるだけの努力をいたしておるのでございますが、なぜこの種の事件がなかなかあがらないかということでございますけれども、一つは、この犯人を目撃したという犯人の目撃者というものがないということが、一つ非常に大きなむずかしさになっておると思うのでございます。 やや余談になりますけれども、先般、新幹線のひかり号を爆破しようとして源氏物語の中にダイナマイトをしかけておいて未遂に終わった事件が、昨年ございました。この犯人を検挙いたしたのでございますけれども、三月でございました、検挙してからいろいろ聞いてみましても、当時の鉄道の関係者あるいは乗客等にその写真などを見せていろいろ聞いてみましても、その少年がしかも一等車に置いておるのでございますが、その少年を見かけたという記憶がどうしても出てこない。一例でございますけれども、それだけ犯人というものの目撃というものが非常にむずかしい、しかも時限装置を使っておりますので、その箱に犯人が乗っておるということはまず期待できないのじゃないかというようなことから、ますます目撃者というものがつかみにくい。それから、もちろん犯人は外見的な特徴もこれはございません。そういうふうなことで、この目撃者を得がたいということがこの種事件の、いままでもいろいろございましたけれども、捜査の経験から見てむずかしいことの一つであるというふうに考えております。 それからもう一つは、爆発物を一般の所持品のように見せかけて網だなとか座席に置いておりますので、爆発物かいなかということを事前に少しでも早く見つけるということがなかなかできにくいという点がございます。それから、ただいまも申し上げましたように、物の捜査につきましては、非常にばく大な量にのぼりますので、これの追及ということが非常に時間がかかってなかなか早急にまいらない、こういうふうな事情があるわけでございます。 しかしながら、こういうふうなほんとうに何の関係もない人を殺傷するというような事件は、ほんとうに社会公共の敵ともいうべきものと思います。いずれにしても、これを検挙するのが私ども警察の責務であるということを痛感をいたしておりますので、今後とも国民の皆さまの御協力を得てできるだけの力を尽くして、一日も早く解決に努力をいたしたい、こういうふうに考えます。
○山下(榮)委員 時間がございませんから、ぜひこれは犯人追及にもっと全力を尽くしていただきたい。いたずらにいたしましては、あまりにも大げさな問題でございます。もし精神異常者にいたしましても、あまりに緻密なやり方でございます。いかような方面から考えましても、これはたいへんなことでございまして、国民が真に安心して交通機関が利用できるように、犯人捜査が何よりも第一だ、こう考えますので、ひとつ全力を尽くされることを望んでおきます。 次に、この問題で伺っておきたいと思うのは、死者が一人と負傷者が二十八名でございます。その負傷者、死者に対する対策はいかように国鉄当局はおとりになりますか。ちょっと簡単でよろしいですから御説明を願いたいと思います。
○井上説明員 死者のお見舞いにつきましては、国鉄の責任であります場合には賠償金としてお支払いいたしますけれども、今度の場合、国鉄の責任とも言いかねますので、これは単なるお見舞い金として差し上げざるを得ないというふうに考えております。ただ、そのお見舞い金にいたしましても、常識的に国鉄が考えております金額が一体妥当なものであるかどうかという点について、多少御遺族の方にも御意見がおありのようでございまして、まだ話はついていないと思いますけれども、これは遠からず円満に話がつくと思います。
○山下(榮)委員 この問題についても、直接国鉄当局には責任がないとはいいながら、国鉄のお客さんに間違いはないのでございまして、その辺のところを十分ひとつ御考慮がいただきたい、かように考える次第でございます。 最後に、これは次の機会に伺いたいと思うのでありますが、きょうひとつこの機会に資料を要求いたしておきたいと思うのでございます。 六月二十二日の朝日新聞によりますと、国鉄総裁の諮問機関であり、委員長が原安三郎という人で、その小委員会、小委員長は島田孝一早大名誉教授ですが、六月二十一日に国鉄本社で小委員会を開いて、赤字路線の廃止基準をきめられたようでございます。これによりますると、廃止が予定される線路が八十四路線、キロ数にいたしまして二千五百キロ、こうきめられまして、同委員会は、参議院選挙が終わったら七月中に石田総裁へ正式に答申する、こういう新聞記事を拝見いたしたのでございます。これはなかなかたいへんな問題だ、私はこう考えるのであります。一体国鉄総裁は国鉄というものの事業をいかように認識しておられるか、これは国鉄というものの事業認識の上から考えなければならぬ問題ではなかろうかと思うのであります。正式に答申があったのか、いまだ答申がないのか、もし答申があったら、これにどう対処されるのか、その辺のことを伺いたいのであります。 時間がありませんから、羅列的にちょっと私の考え方だけを申し上げておきたいと思うのでありますが、国鉄は決して一つの営利事業的な企業であってはならぬ、こう私は思っておるのであります。どこまでも公営企業でございますから、公共優先の立場に立った運営というものを考えられなければならぬのじゃなかろうか、こう考えるのであります。こういうことに対する総裁の意見を伺いたい。 また、公営企業というもののあり方というものがどうあらねばならぬか。先ほど総裁は、今度何がしかの国費を投入するというお話がありましたが、いずれにいたしましても、日本の財政事情というのは公共事業というものに対する投資が非常に少ないのでありまして、この際国鉄等については特別の配慮をやはりすべき問題ではなかろうか、こういうことを考えておるのであります。いずれこれらの問題については、次の委員会等で実は詳細にわたって質問を申し上げたい、こう思っておるのであります。ただ簡単に、これは赤字だから廃止をする、こういうことにもしなったといたしますならば、農林水産資源の搬出、あるいは供給地域の開発、沿線住民の利便等の国策というものがゼロになってしまう、こういう結果におちいることは論をまたないのであります。 私はこういう点から考えまして、この問題はきわめて重要な問題である、こう考えておるのであります。もしこれが答申どおり実施される、答申どおりじゃなくとも、その半分でも実施されるということになりますならば、いま都市が過密化して、先ほどの交通事故等の問題でもやかましく言われてまいったのでございますが、ますます農山漁村の人口は都市に集中いたしまして、これは国土全体の上から考えましてゆゆしき問題である、こう考えるのであります。国鉄こそは国土全体を有効に活用して、均衡ある国民の福祉向上に全力を尽くす、こういうことが国鉄運営の大きな使命でなければならぬのじゃなかろうか、こう考えておるのであります。 これらの問題につきましては資料を一つ提出願いまして、次の委員会の機会にさらに質問させていただきたい、私はかように考えておるのでありますが、以上申し上げました点について、何か総裁ひとつ御答弁がございますならば伺っておきたいと思います。
○大野委員長 山下委員に申し上げますが、約束の時間も過ぎまして、いまの問題は非常に重要で各委員から発言の要求がございますので、しかるべき機会にその時間をとりたいと思います。したがってあなたの御質問のうちで、その答申が出たのか出ないのか、出ないなら出ない、その一点だけに総裁の御答弁を制限していただいて、余は資料に譲りたいと思います。
○石田説明員 小委員会をつくりまして、諮問委員会の中でこの赤字線をどうするかということについて検討いたしまして、近く諮問委員会の総会にかけまして結論を得る、こういうことになっております。といって、この結論が出ましたからといって、これをどうするかということは、国鉄総裁の頭だけではできぬ。ここに運輸大臣がおられるが、まず運輸大臣のオーケーを得なければならぬ。これはしかし難中の難、また国鉄として簡単明瞭に赤字なるがゆえにこれを廃止するというくだらぬことはやらぬ。どこまでもやはり地方の人の立場を考えて、また国鉄の国家的使命を考えてやるということに御了解を願いたいと思います。
○山下(榮)委員 これで質問を終わります。
○大野委員長 松本忠助君。——松本委員に申し上げますが、大臣は二時に他出する約束でございましたので、大臣に対する質問をその時間までにお願いいたします。
○松本(忠)委員 大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、先般、国鉄事故の頻発にかんがみまして、大臣がみずから進んで中央線の快速電車に乗られたという新聞記事を見まして、私も大臣の実行力に敬意を表するわけであります。特に、用意された電車よりも一本前の電車に乗ったのは、なかなか芸のこまかいことを大臣なさった。普通大体国鉄で予定された電車というのは、最優秀の電車、運転士、そういうものがそろっているにもかかわらず、その前に乗られたということは、大臣のたいへん目先のきいたところだと思うのでありますが、願わくは私は、山手の環状線池袋、上野、秋葉原、東京駅、この間を一ぺん大臣に一緒に乗ってみてもらいたいと思う。そうしなければ、実際の問題はわからないと思うのです。快速電車はもう非常にスムーズにできておりますし、しかも途中停車駅というものが制限されております。そうでなくて、山手線の非常に込んだこの稠密ダイヤのところを、大臣がみずから運転台に乗って、または乗客の一人として一般の方々と一緒に乗られて、その体験をせられることを希望しておきます。 そこで大臣が試乗された後の記者会見では、二分間隔の運転は決して無理だとは思わない、ばか正直に運転規則を守りさえすれば安全だ、こういうふうな発言があったように承知しております。この発言に対しまして、輸送力の増強、このたてまえからだけの発言であって、人命尊重の精神を忘れている。こういうふうな面を言っている方があります。私もまことにこれは同感であります。大臣が人命尊重という線を忘れているとは思いませんけれども、このように事故が頻発している状態から考えまして、このような発言は国民に不安を与えるものと思いますので、厳に慎しむべきではないかと私は思いますが、いかがですか。
○中曽根国務大臣 私は人命尊重の面から見ても危険ではない、そう思っておるのです。学者が何かそういうような発言をしておりますが、学者の考えは、私の考えと違うようであります。これは専門家が技術的に判定をしてみて、安全であるか危険であるかを判定すべきものであると思いますが、専門家は私の考え方と同じだろうと思っております。
○松本(忠)委員 私は輸送の安全、人命尊重という点を第一番目に考えた場合に、人間性の問題だと思っております。現在の国鉄、私鉄の従業員の方々は、この精神面に一本欠けている点があるように私は思います。いかに機械がりっぱに整備されていたといたしましても、これを運転する者、これを使う者はやはり人間であります。そこでその人間の問題、これをもう一歩突っ込んで考えなければいけないんじゃないか。単なる運転管理とか、いわゆる労務管理とかというようなことも大事ではありますけれども、それよりもう一歩突っ込んだところの精神的な根本的な問題を解明しなければ、この事故の解決は期し得られないと思いますが、大臣はいかがですか。
○中曽根国務大臣 御意見のとおりです。あの事故が起きたのは五分間運転のときに起きたのであって、二分間隔のときに起きた事故ではないのです。したがって、その余裕の時間があるかないかという問題も一つのファクターではあると思いますが、それ以上に本人の注意力、責任感、あるいは多数の人命を預かっているという、そういう公共精神、そういう問題が一番問題にさるべきであると私は思います。
○松本(忠)委員 大臣はもうけっこうであります。 国鉄総裁に対して、いまの点に対して国鉄総裁はどのように考えるか。
○石田説明員 さっきからもるる申し上げましたとおり、国鉄というものは、とにかく輸送の安全というものを守るべく最善の努力をしております。輸送力のために輸送の安全を犠牲にするということは絶対にこれはせぬということで、まず第一に、それには輸送安全装備の完遂、それからその次には人の指導、訓練ということに最大の努力をいたしておるのであります。
○松本(忠)委員 さらに事故の問題について若干お伺いしておきたいわけでありますけれども、国鉄の列車の運転事故は、ことしの前半ですでに十八件起きているように思います。そのうち死傷者の出た事故が、前年同期の六件に比べまして十件と増加しているわけでございます。六月だけでも衝突事故一件、脱線事故六件というふうに事故が集中しております。さらに七月に入りまして、追突事故が御茶ノ水でありまして、それから脱線事故が山陽本線と東北線の尾久駅でそれぞれ発生しております。また、けさの朝刊によりますと東北線の特急がやはり、わずかな事故でありますが出ておるようであります。こういう点を考えまして、この事故の多発化に対しまして国民は、国鉄に対する不信感を抱いていると思います。事故防止の具体的の措置を示さなければ国民は納得できないと思いますが、この点について早急に防止の対策を広く国民に示すべきである、このように思いますが、総裁はいかがですか。
○石田説明員 最近事故が頻発しておりますことは実に申しわけない。この事故防止対策につきましては、国鉄としては三河島事故以来最善を尽くしてこの防止につとめておるのでありますが、どうも最近における情勢はきわめて遺憾であります。この点につきましてわれわれとしては、よくその原因を究明いたしまして、今後とも最善の努力をいたしたいということであります。
○松本(忠)委員 きょう配付されました資料の中に、六月二十八日に鉄監局長から国鉄総裁に対しましての「運転事故防止について」の通達が出ております。この通達に対しまして総裁はどのように対処されますか。
○湯川説明員 この通達がございまして、この以前から毎年の例といたしまして、夏から秋にかけまして事故防止運動を展開しておるのでありますが、そのさなかにこういう問題が頻発してまいりましたので、御指示を受けました点も十分に配慮いたしまして、現場の管理につきまして特段の監査をするということも含めまして、いままでの事故防止運動は大体七月を準備期間としまして八月にやっておるのでありますが、現場の管理機関の実態を調べ、これに対する諸施策を講じていくということのために、この期間にかかわらず、全国の、特に乗務員の従事しております機関を中心にいたしまして、あるいはその他の施設関係あるいは電気関係、工場等におきましてもそういった管理の面を中心にしたものに特に重点を置きまして総点検をするということで、その点につきまして当局に対して御報告を申し上げておるところでございます。
○松本(忠)委員 鉄監局長に伺いたいのですが、こういう通達を出す場合に、この最後のところでありますが、「この事故防止の実施計画並びに結果について報告されたい。」こういうふうにいわゆるお役所式に書いてあるわけであります。私はこういう時点につきましては、すべからく何月何日までに報告せよというくらいのことがあってしかるべきではないかと思う。これではいつまでに報告されても決して文句を言えない。国鉄総裁としては善意をもってなるべく早くこの結果の報告をすることは私は当然だと思いますが、少なくとも鉄監局長としてはこういう重大な問題に対しては、七月十五日までとか、あるいは七月一ぱいに報告せよとか、こういう期限つきの報告を求めるのが当然のことではないかと思いますが、そういう点について鉄監局長はどう思いますか。
○町田説明員 御指摘の点はまことにごもっともな御意見と思います。実はその前に、きょう資料としてお配りしてございます伊豆急に対する措置に対しましては、一カ月以内という期限を付しまして出しております。国鉄につきましては、これを出しました当時いろいろ調べましたところが、いまも湯川常務理事から御説明がございましたとおり、七月中をすでに安全期間としてやっておられまして、その結果をもっと、何と申しますか、強力にやるという趣旨と伺いましたので、そういうこともございまして、特にいつまでという期限はつけなかったわけでございます。ただ、結果的には七月二十三日付で運転事故防止についての報告が一応私のところには参っております。なお、その結果についてはまた報告をしてもらえるように考えております。
○松本(忠)委員 国鉄にお伺いしたいわけでありますが、この事故の原因が運転士の居眠り運転、あるいは信号の見落とし、あるいは尾久駅のようにポイント操作の誤り、いろいろあるわけでありますが、いままでの国鉄の事故としては考えられない事故がこのところ続発しているように思われる。こういう点を考えますと、国鉄の労務管理が徹底して行なわれていない具体的な証拠であると私は思うわけであります。特に残念に思いますのは、御茶ノ水の例でありますが、事故を起こしました運転士が、どのような理由があったにせよ、その現場から姿をくらまして自宅に帰った、こういうことは運転士の責任上まことに考えられないことだと思っております。ところが、現実にこういう問題が出ておるわけでありまして、このことに対しては世の中でも非難ごうごうでございます。こういう点を考えましても、もっと労務管理を厳重にすべきであると思いますが、これに対して具体的にどのようにされるか、方針を伺っておきたい。
○井上説明員 ただいま先生御指摘の点は、まさにそのとおりでございます。私どもも労務管理の点について必ずしも十分でなかったということについては、痛切な反省をいたしております。ただ反省だけではどうにもなりませんので、今後どうするかということでございますが、ただ、問題は非常に深刻でありまして、単に何らかの施策を一つやっただけですぐ片づくとか、あるいはまた時日も、たとえば一週間とか一月とか、そういう短日月の間に片づくというような問題ではございません。もっと深刻な問題を実ははらんでおる、かように考えておるわけでございます。 まず当面私どもがやろうとしておりますことは、とりあえず全国の管理局長を本社に集めます。これは、事故防止委員会というものを毎月やっております。これは本社のみならず全国でもやっておるのでありますが、少なくとも月に一ぺんはほかの仕事を全部離れて、事故防止に徹する日を設けようじゃないかということで、いままでやっておるわけです。本社の事故防止委員会に全国の管理局長を集めまして、問題を動力車区の労務管理という問題に重点をしぼりまして、この点を徹底的に、現場長の意見を代表した管理局長の意見も聞き、また本社で考えておりますことも心から端的に訴えて、今後どうすべきかということを話し合いをいたしたいと、まず考えております。 それから問題は、やはり四十七万全職員に対して、われわれの気持ちをどうやって訴えるかということが根本でございます。これは実は最近よく管理者と部下職員との対話ということがあちこちでいわれておりますが、まさにそれは必要でありますけれども、事実問題として対話ということはなかなかむずかしいわけでございますが、やはりこれはある程度活字の力を借りてやらざるを得ないと思いますので、先ほどの水野先生の御質問にお答えしました中で、実は部内に「つばめ」という機関紙を持っておりますが、それについて、ビラ張りの問題については四十七万枚刷って全職員にこれを手渡してこの趣旨を徹底せしめたということを先ほど御報告申し上げましたが、それと同じように、これら最近続いております一連の事故について、一体国鉄職員はこれでいいのかということを端的に訴えて、もはやきれいごととか何とかということでなくて、率直にこれでいいのかということを腹から訴えるような、これもやはり二ページ大の号外になると思いますが、これを四十七万枚刷ります。そして、各職員全部に手渡して、これを読んでもらい、そして反省を求めるということをいたしたいと思います。 それから一方、何と申しましても直接現場管理の責任を負っております現場管理者の腹がまえと申しますか、心がまえ、これがやはり率直に申しましてまだまだ手ぬるい面があったと私ども反省せざるを得ないのでございますので、その現場管理者の再教育という問題については早急に計画を立ててやるということも考えておるのでございます。 それからもう一つは、とかくいままで現場におきましていろいろ問題が紛糾いたしておりました一つの現象的なあらわれといたしまして、現場における管理者と部下職員との話し合いというものがいわば無秩序であり、ルール化されていなかった面がございます。したがって、ともすれば何か話し合いをするとなるとつるし上げみたいなことになって、ほんとうに腹を割って話し合うという機会がなかなか実現しない、こういうこともあったのでございますが、これは七月の一日から、現場における職場協議制というものをはっきりルール化いたしまして、このルールを双方ともに厳守をして、そうしてつるし上げとかあるいは中傷とか、ばり雑言とか、そういった雰囲気のない中で、しかも双方の代表者はごく少数のものに限って、原則的には双方五人ぐらいで話し合いをする。いままではそういうルールがないもんでございますから、話し合いとなると、現場長や助役を相手に多人数押しかけてわあわあやるということでございましたが、そういうことは一切やらない、双方同数の代表者で、ほんとうに腹を割って話し合うことをやろう、これを職場協議制と申しておりますが、これをルール化いたしまして、これによって現場の管理者とそれから部下職員とほんとうに対話のできる場面をつくっていきたい、かように考えております。 そのほかまだいろいろ——全国の管理局長を集めて会議を開きます場合に、当然管理局長としても現地の仕事に即したなまの意見をいろいろ持っておるはずでございますから、その意見も十分聞きまして、今後の施策に役立てていきたいと考えております。
○松本(忠)委員 きょうはATSの問題につきましては、相当論議をされております。多少重複する点があると思いますが、国鉄は自信を持ってATSの装置をやったわけだと思うのです。膳所の脱線事故は、スピートが制限速度をこえていたためにその効果がなかった。また先日の御茶ノ水の追突事故におきましても、ATSの作動後の運転操作にミスがあったための事故だ、こういうことになりますと、はたしてATSなるものは万全であるのかどうか、一般の国民は非常に危惧の念を持ってみておるわけでありますが、こういう点についてはっきりした見解を述べていただきたいと思うのです。
○湯川説明員 ただいまの御質問につきましてお答えいたしますが、膳所の事故は、ATSには関係ございません。これは先ほど御報告がありましたように、三十キロ制限のポイントにさしかかり、列車がそれ以上の速度で走ったということでございまして、関係ございません。それから御茶ノ水のは、先ほど来御説明申したとおりでありますが、ATSの扱いは、あくまで運転士が正常な運転をしているという条件のときには必要のないものでありまして、異常の状態のときにこれが働いて、まず警報が鳴る。警報が鳴りましたならば、それによって前方の信号機が赤であるということを確認いたしまして、自分の正常な運行に入るというのがたてまえでございます。さらにそれが手おくれになるというようなときに自動的に働くというわけでありまして、確認ボタンを押すような状態のときは、本人は赤信号を確認して運転するのでありますから、その条件が解除されておるということでございます。
○松本(忠)委員 ちょっと伺っておきたいのですが、御茶ノ水の場合は、これは朝のラッシュのような二分間隔のダイヤではなかったわけですね。そういう時点においてああいうような事故が起きるということはわれわれは信じられなかったわけでありますが、先行の電車も、乗客の客扱いに問題があってちょっと停車した、しかしそれがもう先発したあとに突っ込んでいるわけですね。こういう点から、ある新聞によりますと、運転士が何と申しますか、自分の運転技術を非常に信じていたのか、あるいはその機械の取り扱いについて十分に措置をとっておらなかったのではないか、こういうふうな新聞の記事が出ておりましたが、この点については正しく運行をされておりましたものですかどうか、その点はどうですか。
○湯川説明員 正しく運行されておりますと、ああいう状態は起こりません。これは五分間隔のときでございますし、前方に列車がおりますものが早く抜けていくだろうということで運転したものと考えておりますが、そういう状態でなければ当然制動をかけるわけでありまして、赤信号がある場合には前方の状況のいかんにかかわらず絶対的に停止の手配をとっていくということを怠っておるというところに問題があります。それ以外には問題は起こりません。
○松本(忠)委員 次に伺いたい点は、国鉄はこの十月に輸送ダイヤの大変革をやるわけでありますが、新聞でも発表になりましたように非常に輸送力が増強され、スピードアップされる、こういうふうになって新しいダイヤが発表されました。私ども思いますのに、あくまで安全第一というたてまえから考えるべきであって、十月のダイヤ編成については安全という面については十分考慮されていることとは思いますけれども、この点についてはっきりとこの際国鉄の当局からもお答えを聞いておきたいし、また鉄監局長としても、新ダイヤが輸送の安全という点からは絶対だいじょうぶであるという確認を私は得ておきたいと思うのです。この点、お願いいたしたい。
○湯川説明員 十月の時刻改正によりましていままでの設備の増強、保安の強化等やってきましたことを集約をいたしまして増発がなされるわけです。したがいまして、そういった十全の保安措置を考えております。
○町田説明員 ただいまの点は非常に私どもも重要な点と思っております。ダイヤが全面的に改正されますと、その際にたとえばふなれな点の事故というようなこともあり得ないわけではございませんので、その点は十分国鉄にも申してございますし、また現在実施しております事故防止月間の措置も、それを前提にしたことも含めて非常に厳重な事故防止の訓練をやっておるということでございますので、万が一のことがないように、そういうことを確信しております。
○松本(忠)委員 最後にもう一つ、鉄監局長に伺っておきたいわけであります。 私鉄の事故でありますが、私鉄の事故も南海の事故に引き続きまして最近、事故が二件関東側においても起こっております。こういう点を考えまして鉄監局長からも通達が出ているわけであります。運転士の訓練と経営責任者が率先してこれに当たるということを強調しておりますけれども、安全管理の点につきまして各私鉄の会社から事故防止対策の報告書というようなものを提出させて実行させるようにすべきだと思いますが、この点はどうでしょう。 〔委員長退席、福井委員長代理着席〕
○町田説明員 お説のとおりでございまして、先般出しました通達におきましても、各陸運局を通じまして事故防止の計画を提出させる。それから実施に際しましては、陸運局長並びに陸運局の職員が実際に現場に参りまして、事故防止の実際の状況をよく把握する。それから、三カ月間という期限を切って特別訓練期間といたしておりますので、それが済みました十月にはその結果を報告するということも示達してあります。また、大臣の考えでは、特に東京近辺の大手私鉄については、運輸省の本省におきましても大臣以下必要によって現場に行って実施の状況を見る、こういう計画にいたしております。
○福井委員長代理 大野君。
○大野(市)委員 時間がありませんので簡潔に述べたいのでありますが、いままでの審議を承っておりまして痛感しますのは、国鉄当局のPRの方法が不足であったのではないかという印象を受けたのであります。それで、この十六日の事件が起きまして以来今日に至りますまでの間において、十八日の朝刊から二十日の日に至る三日間が新聞紙上を通じての世論形成でありました。各紙つぶさに世論の動きを見まして、これをまた確認せざるを得なかったわけです。つまり先ほどから問題になっております。過密ダイヤかATSかというふうなテーマで社説にまでこれが取り入れられて、国民に不安感を訴えておるのであります。この不安感は、私は今後の具体的な施設の改善、そういうようなものを含めてのことでございますけれども、この事件直後から今日に至るまで国民の抱いておる不安感というのは非常に精神面の問題が一つあります。それからATSというものの性能、その目的というもののPR不足であります。 このような観点で二、三の質問をいたさせていただきたいのでありますが、先ほど御説明をいただいたとおりに、私どもの解釈は、国鉄は人命尊重が第一である、輸送はその次でなければならぬという順位を国鉄総裁から明確にされております。当然だと思います。それを出発点といたしまして、その次に、人命の尊重をやりますためには輸送の規則があると思います。輸送の規則の厳守という事柄は当然だろうと思います。この輸送規則の厳守の中で、今回のお茶ノ水の事件の中では顕著にその背反があらわれたわけであります。特にその点で論説などを通じて大混乱を起こしておりますのは、三点ほどあるのであります。 国鉄の、特に山手線と限ってもいいでしょう。国電関係の稠密なダイヤが組まれております地帯に限ってよろしいと思います。それでもよろしい。それが顕著な例であります。そこで、ダイヤを改正するにあたっても慎重にという松本君の発言もありましたが、当然でありますが、ダイヤ改正にあたって担当者は、私どもの確認したところでは、まずツー・セクション・クリアというのだそうでありますが、いわゆる二列車の間に十二分の区間をとってやるのだそうでありまして、その間に信号機三本の間隔を必ず置くのが原則である、この原則に基づいて一個ずつのダイヤが取り組まれておるので、ダイヤの作成の過程において技術的な意味合いにおいては絶対に心配のないダイヤを組んだということを、私の調査では当局の言明を得ております。時間の関係で御答弁、確認その他はあとでお願いしますが、これが第一の出発点であります。 そういう形で、ツー・セクション・クリアの原則がダイヤに確立せられるという前提でその次の問題に入るのでありますが、これを組むときにもう一つ取りきめがあった。それは、グリーンと黄色のYGの信号機が目に入ったならば運転士は六十五キロ以下に減速をせよというルールがあるというのであります。それから、黄色を目に入れたら四十五キロ以下に減速せよという鉄則がある。黄色・黄色のYYの危険信号を見たときには二十五キロ以下に減速せよという規定があるのであります。この規定を守るものとして安全ダイヤが取り組まれて、安全ダイヤがさらに安全に確保せられる第二の規格であります。 今回の事件は、伝えられるところ、六十キロのスピードで突っ込んだというような話でありまするから、この点で、前提となる信号機を確認した上でのスピード減速という事柄が忘れられておったのではないか、かようにわれわれは調査の結果見たわけであります。そうするとこれは、ATSの問題と問題が全然別なのであります。三日間にわたる新聞の報道を通じて得た感想は、これがごっちゃなのであります。ごちゃごちゃにされて、ATSという神さまみたいな機械がついたので、手ばなしで行ったらとまると思ったらとまらなくってぶつかった。しかも、聞くと、確認ボタンを押すとその急速ブレーキが自動的に作用するのが解除されちゃうので手でやるのだ、何のために機械をつけたのかというような論争が、れっきとした大新聞の大きな活字で論ぜられた内容のように、私の調査ではなっているわけであります。 そういうように分析をしてまいりますと、もう 一点錯覚をした問題があります。信号機の中で、絶対停止信号と許容信号の二種類が、国鉄の運転士のイロハのイで、これはお互いに了解してあると聞いております。これも後ほど確認をとりたいと思います。すなわち、駅の間の先ほど申し述べた黄色、黄色・黄色とか青・黄色とかいうふうな信号、そのときにはあるいは赤が出る場合もあるかもしれませんが、その場合には駅と駅の間であれば、時速十五キロ以下に減速をして先の出方を見守れという第三の原則があると、私どもは調査の結果聞かされたのであります。これらの問題が一新聞の報道では、ある、たとえば朝日新聞には非常に正確にこれらの問題は載りました。しかし、新聞によりましては、そういう問題は全然取り扱っておらない新聞がむしろ多かった。でありますので、安全運転のためには、原則として、運転士は、熟練者とあるからには、この方たちは、これはもうイロハのイとして御承知でなければならぬルールであります。これは私がまず冒頭に申し上げたいことで、総じてこれを安全の原則というて国鉄で徹底を期しておられると当局からは聞きましたが、実施状況が乱れたのがこの原因でございます。この事実関係について間違っておるならば後ほど当局から御指摘をいただきたいが、便宜のためにさらに私の発言を続けさせていただきますると、まさにどういう状況にあったかというと、お茶ノ水の事件でけが人が出てお気の毒だ、こういう議論はもう何の発想よりも前に、人間であれば持つのは当然でございますが、そういう現象自体を追うのでなくて、それを一つの例として見た場合に、運転の安全性に対して非常な不安動揺が国民の間に起こっておる。その媒介物は、今日のマスメディアの時代では新聞、ラジオ、テレビでございますが、私は新聞ことごとくを、東京にある新聞全部を三日間にわたってこれを克明に比較検討して見た結果、基本的な問題はPRがないのです。そうして、しかも決定打を打ちましたのが、私どもはそういうことに触れたくないのでありますけれども、国鉄労組の神戸委員長の談、藤井副委員長の談というのが、たとえば七月十九日の読売の社説、「国鉄事故は繰り返す」という記事の中に引用せられておる。「国鉄労組委員長によると、組合はATSが作用すると、すぐ停止することを義務づけるように要求しているのに、当局は注意しながら徐行運転するように規定しているという。」これはダイヤ確保の理由である。だからこの過密ダイヤは見込み運転という職人芸によってささえられているということになると、この社説は結論づけておるのであります。重要な問題であります。 また七月十九日の朝日の朝刊によりますと、「非はすべて当局に」という大見出しでありましたので驚いて読みますと、中身は逆でありまして、と言ったそうだという記事でございまして、十八日の国労大会で、この朝刊の記事によりますと、藤井副委員長の「列車の本数をふやすために信号と信号の距離を極端に短くするから運転士が赤信号に気づいてブレーキをかけても間に合わない」という発言を引用しておられたのであります。私は大会に行ったわけではありません。しかしこの有数な新聞社の記事あるいは論説の中に引用せられるからには、やはり何か根拠があったものと思われるのでございまして、あえて未確認でございますが、新聞にありましたものを、すなおに率直に、重要であるがゆえに、これがほんとうだとするとたいへんだという感じで、決して対立感情、そういうことでなくて、国民の立場でたいへんだと思って、ただいま引用を許していただいたのでありますが、これではいかに管理体制を強化せられると言われても、私は心もとない。 大臣は他出されましたが、大臣の先ほどの御答弁によって、話し合いでできるはずだということで国民の生命財産を守る立場を強調されましたから、私は大臣おられないでも安心して、国鉄総裁以下説明者のおられる席でこの点を問うのでございますが、こういうような前提でずっと見てまいりますと、新聞の論説や記事になったことは、国鉄当局の主張はほとんど消されておるのであります。八十島教授の同乗記もそのとおりの文章でありました。これは私は後ほど確認をとりますが、国鉄当局が怠慢だと具体的には断ぜざるを得ない。先ほども、これからの対策として四十何万枚のビラを、新聞をつくって国鉄の直接関係者に送られるというけれども、それは国鉄の内部の問題でございますので、これらのことに対して、第一段階に私が申し上げた安全運転の原則というものに誤りがないものでありまするならば、これは当然全国民に対してそれらの前提の厳守をお互にやるように努力をしておるし、御理解がいただきたいと声明せらるべきものでありますが、この点いかがであるか。これが先ほどの確認と調査の第二点であります。 念のために、ほんとうにおそろしいくらいに社説、解説が間違った方面に飛んで——私は先ほどのが事実だとしたならば間違った報道だと思うわけですから確認を求めるのですが、たとえば七月十八日のサンケイは、使わなかったATSという記事の中で、ラッシュ時には山手線は一周する間にブザーが二十回も鳴り、一々停車していたらダイヤがめちゃめちゃになるという解説が載っております。 それから七月十八日東京新聞の社説では、「ATS警報のブザーが鳴るたびに確認ボタンを押し、ブレーキを手配していたのでは二分間隔のダイヤは大混乱におちいり、収拾がつかなくなる」とまで極論をしているのであります。ですから、この確認がない限り、東京新聞の社説を読む読者諸君はこれを信じておって、そのほうが正しいのであれば、われわれは国鉄当局に、国会議員としても声を大にして改正を迫らなければならぬ重大事であります。この記事が誤った報道に基づくものであるならば、是正をしてもらわなければならぬ大事な問題であります。とにかく、それらの記事は、日付やその他を総合しますると、十七日に取材したものか十八日に取材したものかの二つでありまして、国鉄労組委員長、副委員長の談話と符合する内容でありますることに私は非常に心配をして、国鉄当局があぐらをかいて眠っておるんじゃないかということを心配したのであります。 以上、私の聞きたいことは、一番最初の、安全確保のルールで私の申し上げたことが間違っているかいないか。第二点は、先ほどのそれにことごとく尽きるわけでありますが、PRに対して具体的な対策の発展を私は要望するわけでありまして、その具体的対策、この二点を御質問いたしたいと思います。この点は、石田総裁もおいででありますが、政策的な面をことさらに除去していただいて、純粋な国鉄運営の事務的な見地から、国鉄の副総裁に、あえてこの点に対して確認をいただければしあわせだと私は思います。
○磯崎説明員 ただいま大野委員長から非常に克明な御質問、御意見を承りまして、全く感銘いたしておりますが、まず、過般の事故以来、いろいろな物的、人的問題に対する世間の誤解というものがあったことも事実であります。また、それに対して私どもも、どうも積極的にその誤解を解かなかったということも、率直に申しまして事実だったと思います。その点は確かに怠慢のそしりを免れないというふうに思っておりますが、もう少し時間をかしていただきまして、極力その辺の誤解を解いてまいりたいということを前提として御答弁申し上げます。 第一の、ダイヤを作成する際の安全の原則でございますが、これは世界各国いずれの国の鉄道に例をとりましても、ツー・セクション・クリアで、これが鉄道運転の最高の原則でございまして、これをふえんいたしまして全般のダイヤができてまいるわけでございます。したがって、いかに密度が込んでおろうとも、これは必ずツー・セクション・クリアでございます。そのほかに、たとえば運転のカーブの問題だとか、あるいは徐行の問題等を見まして、多少のアローアンスをプラスすることがありますが、最低ツー・セクション・クリアが、国鉄におきましても私鉄におきましても大原則でございます。 次に、先ほどおっしゃいましたように、各信号の種類によりまして速度がきまっております。これももちろん乗務員たる者は必ず知っているべきでございますが、これとATSとの関係を申し上げますと、私のほうのATSは速度とは一応無関係でございます。したがってこのATSは、速度を必ず守る、あるいは規則どおりに運転するということを前提としてのATSでございます。しかし、人間でございますから、たとえば居眠りをするとか、あるいは失心をするとか、あるいは一時ぼう然となるというふうなことで、信号の確認をいたしませんで、そうしてブレーキ作動を怠ったために事故が起きるということもあり得ないことではございませんので、その乗務員の緊急事態に対する対策としてこのATSをとったわけでございまして、ATSは決して無人運転の機械でも何でもないのです。その点が世間に誤解されて、何かATSは無人運転もできるというふうに思われておりますが、これは全くの間違いでございまして、乗務員の超緊急事態と申しますか、それに対する物理的な対応策というふうにお考え願いたいと思います。最近私鉄がつけてまいりましたのは、このATSにさらにスピードチェックをつけまして、ある程度のスピードが出ると、そこでブザーが鳴るようになっておりますが、これも乗務員がそのスピード以内で通過いたしますればこれは作用いたしませんので、やはり信号をおかすことはあり得るのでございます。こういう機械は、自動運転でない限り、乗務員というものは必ず信号を守り、運転規則を守って運転するものだということを前提としての最後のとりでと申しますか、それをATSでカバーしておるわけでございますので、その点私どもの言い方が、何かATS万能のような世論に対していままでほとんど反駁していなかったことはたいへん遺憾に存じますが、その点、今後ATSというものはほんとうに乗務員の緊急事態を救うための方法であるということを徹底いたします。 したがって、先ほどのお話の中にもございましたが、ATSでとまっていたら運転にならない、これはあたりまえのことであります。ということは、乗務員というものはあくまでも正常な状態で運転するんだということを前提としてダイヤを組んでおるわけでございます。したがって、ATSが作動して電車にブレーキがかかるということは、乗務員の緊急事態でございます。したがって、そんな緊急事態がしょっちゅうあったら、その乗務員は乗務員として不適格だと申すべきでございます。ATSというものはそのおい立ちの過程から見ましても、これは初めは車内警報装置といっておりました。いわゆる車内赤信号のブザーを鳴らすだけの機械でございまして、信号が赤だぞということを乗務員に機械的に教える機械でございまして、ただブザーをつけただけであります。したがって、乗務員がATSのたびにとまるということをやること自身が全く原則を誤ったものだというふうに解釈いたしておりますので、ATSが作動いたしましたときに、その乗務員が正常な状態でありますならば、確認ボタンを押して自分でブレーキをかけるのが当然なことでございます。その点部内にも多少誤解があったような気もいたしますので、まずその点もっとはっきり部内の意見聴取及び部内に対する趣旨の徹底をはかり、さらに部外に対しても誤解のないようにいたしてまいりたいと思っております。 それから次の赤信号の問題でございますが、これには絶対停止の赤信号と、十五キロの速度なら赤信号でも入っていってもいいという許容の二つの信号があります。絶対停止と申しますのは、たとえば、駅の場内信号あるいは駅の出発信号、これはいかなることがあっても赤信号をおかすことができない。もし赤信号が消えていても入ってはいけない信号であります。ところが、駅の中間地点では往々にして停電等で信号が消灯することがございます。その際に全然動かないということになりますと、非常にお客さん等に不安を感じさせますから、絶対停止できるという十五キロの速度ならば信号が消えておりましても入っていいというふうにいたしませんと、駅と駅の中間に列車がとまることがございますので、それを防ぐために、許容信号と申しまして特別なサインをつけて、この信号がもし赤であっても、あるいは消えておっても、十五キロで入っていいというふうにしてございます。 次に、先ほどの、うちの組合の神戸君あるいは藤井君の談話でございますが、これを社説がそのまま取り上げて議論をしておられるということは私どもたいへん残念でございますが、やはり多少言い方その他に何か不正確な点があってそういうふうにとられたの、だと思っておりますし、まさか神戸君や藤井君がそこで言っておるようなことを本気にそう思っておるとか、あるいはほんとうに誤解しておるとかいうふうに解釈することはできないというふうに私どもは思いますので、何かことばの足りなかった点がそういう誤解を生んだのではないかと思います。これは一ぺん会ってゆっくり話をするつもりであります。 それから、それと関連いたしまして、一昨日の北海道新聞でございますが、これの投書欄に、長くなりますから全部は省略いたしますが、ある四十二歳の国鉄機関士という名前で投書いたしておりますが、この中の一節だけ読ませていただきます。「最近、相次いで起きている国鉄の列車事故に対し、私も機関士の一員として、一言申し述べたいと思います。」以下ずっといろいろございまして、「多数の中のごく一部の者の言動によって国鉄全般を非難されることは、われわれその業務に携わる者にとってはなはだ遺憾なことですが、何といっても第一線に立つ者は、安全に対する心がまえが絶対条件であります。」「安全の二字を心に銘記し、各人がその立場において全力を尽くしたいものと思います。」これは率直な、偽らざる私どもの現場の第一線の職員の声であると思います。この点いろいろ間違って伝えられたことは、やはり私どもの不徳のいたすところと思いますが、今後十分そういう方面に努力してまいりたいと考えております。
○大野(市)委員 最後にもう一点だけ。これは希望でありまして要請しておきますが、そんなぐあいで、部内のほうはお仲間のことであるから、どうか十二分にひとつお確かめ願いたい。 それから同時に、こうやって社説に載って多数の読者が読んで心配しているのです。しかもある記事によりますと、当局側は精神主義で、働く現場の方々は今度は、ただ押しつけであぶなくてしようがないというふうな摩擦になっておると出ておりますが、たとえば総点検闘争を用意しておるというふうなことが伝えられまして、総点検闘争をやるもよかろうが、よもや乗客に迷惑はかけまいねというふうな、非常に皮肉なことばで結んでおるのさえ見たのでありますが、これが国民の声だと思います。どうか部内だけではなくて、これは国鉄総裁談話でもけっこうですが、各マスコミの代表の方々に、今度のことで、いま確認をいただいたこと、自信がおありなのでありますから、それをひとつ論説の方々にまで徹底して、世論の指導を、誤った事実に基づいて間違いの起きないように、ひとつやっていただきたい。ひとつこれを要望いたしておきます。終わります。
○野間委員 ちょっと関連して。 いまの質疑で、ちょっと気になるところがありますので伺っておきたいのですが、お茶ノ水の事故が五分間隔のときであった、したがって、過密ダイヤの問題とは、事例としては適当でないということ、これはぼくもわかります。ですから私も、質問の際の前提として、職員が注意しなければならぬ点もあるだろう、これは大いに注意をしなければならぬということを申し上げました。ただ問題は、私がわざわざ四十二年の例と三十五年の例を持ち出してきたのは、つまりこれほど、ダイヤでなくて信号そのものを稠密に配置しなければならなくなってきた、しかもこれほど稠密にある信号をATSだけの機能にまかせておいたのでは、これは当然運行がなっていかないという事態ですね。そこで、やはり、当然だけれども、運転士の技術にまたなければならぬ。これは当然です。しからば、これほど詰まっておる信号、そうして、しかも二つの信号の間に車両が入っている場合は、あとの車は入ってはいけないという規則、こういうものを守らなければならない。しかも、そういうきちっとした規定の中で運転をしておって、これがからならばいいですよ、そうじゃなくて、ものすごい多数の人間が乗っている。駅の客扱いもふえてくる。しかもダイヤは守らなければならぬ。そこに現実の問題として、自分で職人的な技術でもって、ときには多少の見込み運転もして入らなければならないことがある。ツー・セクション・クリアも無視するわけではないが、実情として厳格にしにくいという事態は常に起きているのですよ。これは認めてください。どうですか。
○磯崎説明員 いかにダイヤが込みましても、絶対信号だけは、これはもう絶対守らなければいけないもので、これを見込み運転でやったんでは、私は、当然弁解も通らないと思います。その絶対信号も守れないような芸当をやらなければならないということはあり得ない。むしろその場合には、ホームのお客さんを整理して、あるいは改札どめをして、そして列車の運行を安全にするのが当然なんであります。絶対の停止信号を無視して入らなければならないなどということは、私どもは、言うこと自身が非常におそろしいことだと思います。
○野間委員 わかりました。そこなんです。そこで、それではそこの点をはっきりしてください。しかし実際の問題、確かに私も主張するんだけれども、絶対信号まで犯して運転士が入っているとは思わない。思わないけれども、しかし運転士の気持ちとすると、あとにずっと満載した電車が続いておるのですよ。満載した電車に追いかけられている。そういう環境の中に置かれている。したがって、絶対入ってはならない信号も犯さなければならぬような気持ちにさせられながら運転をしておることは事実なんですよ。したがって、今後、これは絶対犯すな、その場合には客どめをする、客を乗せないこともする、むしろ乗るお客をひっぱがす、そのくらいの態度でもってしなければならぬのがいまの山手線なんですよ。その事態を使用者側のほうもはっきり認識してもらって、その対策を立てるというふうにしてください。それならはっきりしている。それなら、その必要はないのです。ですから、それをはっきりしてもらって、さて、そこで、はっきりしていくとすると、相当乗りおくれをするお客、あるいは改札どめしなければならぬ時期が必ず起きると思う。したがって、それはそうならないようにしたいんだけれども、そういう危険性もあるから、通勤輸送にもっと力を入れて、そうしてむずかしいでしょうことはわかっているけれども、線増をするなり、地下鉄を国鉄がするなり、もっと多角的に山手線、中央線、京浜東北線なりのお客の緩和措置をもっと抜本的に考えていくということをしなければ無理ですよということを言いたい。
○磯崎説明員 その点の抜本的措置につきましては、いま東京都内の随所に、ごらんのように、五方面の複々線化をやっております。これはたいへんなお金をかけて現在やっている最中でございます。これは根本的な解決法でございますが、それまでに、あるいは先生のおっしゃったように、運転士の注意力にたよらないで無人運転ができるようになればこれは別でございますけれども、無人運転になればまた乗務員が要らなくなるという問題が起こってまいります。ですから、私どもとしては、無人運転にいかないまでも、たとえばいま営団の地下鉄がやっておりますように、ATC運転ができるかということをいろいろ技術開発をいたしておりますが、やはりここ当分の間、乗務員がある程度注意力を払って運転するということを前提としてダイヤを組み、さらに機械装置をやるという以外にないと思います。さらに、私ども、車両の性能の向上等につきましても、この二つの図面がございますが、この間において車両性能をずっと上げております。そういう点もお考えの上で、ただ単に物理的にただ信号機を入れたということだけでなしに、車両の高加速、高減速が非常によくなったということ、ごらんのように、ほとんどいまブドウ色の電車はなくなって、新しい色の電車になっております。これは全部新性能であります。非常に加速、減速も早いということなども頭に入れまして、ただ輸送量が多いからむやみに信号機を突っ込んだというふうにおとりになられることは非常に私どもとしては残念なんで、その点、ばく大な金をつぎ込んで車両についても整備しているということを御了承願えれば、たいへんけっこうであります。
○野間委員 最後に、ぎりぎりのところにダイヤがあり、ぎりぎりの乗客倍率にある、したがって、ぎりぎりの線のところで乗務員は運転をしているという実態をひとつ、いま御理解のようですから、それを前提にして諸般の施策を進めてもらいたいというふうに存じます。
○福井委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十八分散会