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57回国会参議院1967/12/20

予算委員会 第5号

発言数
499
登壇者
43
会派数
3
開催日
1967/12/20

会議録

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨日、市川房枝君が辞任され、その補欠として石本茂君が選任されました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 昭和四十二年度一般会計補正予算、昭和四十二年度特別会計補正予算、昭和四十二年度政府関係機関補正予算。  以上三案を一括して議題といたします。  本日は、一般質疑を行ないます。稲葉誠一君。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 順序をちょっと逆にいたしまして、タクシー汚職に関連をして、關谷勝利代議士の逮捕状を請求したということが伝えられておるのですが、そういう事実があるかどうか、まず法務大臣からお答えを願いたいと思います。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えします。  検察当局から、關谷勝利代議士の逮捕について了解を求めてまいりました。事情をいろいろ調査いたしました結果、やむを得ないものとして了解を与えました。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 はっきりしないのですが、法務大臣が了解を与えるというのは、どういうわけですか。法務大臣にそんな了解を与える権限があるんですか。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 検察当局から、こういうことをやるから了解してくれというお話がきましたので、私は了解を与えた、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 あなたが了解を与える権限は、法律の根拠はどこにあるのですか。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 私は法律の根拠よりも、検察当局として逮捕をする考えであるから、法務大臣に通知をして一応了承を求めたいと、こういう事実上のあれがありましたので、私は事情を聞いたところが、やむを得ないものとして了承を与えたという意味でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 法務大臣はそういう仕事に対してはしろうとだから、あまり聞きませんけれども、じゃ刑事局長、その間の経過を答えてくれませんか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 昨日検察当局から、取り調べを進めた結果、証拠隠滅のおそれがあると認められるので、逮捕して取り調べを進めたい、こういう連絡がございましたので、法務当局としてこれを聞きおいた、こういう事柄でございまして、了承したと大臣申されましたのは、そういうふうな趣旨に御了解賜わるのがいいかと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまのを聞くと、いかにも法務大臣が検察庁を指揮監督する権限が——検事総長に対してはありますけれども、ほかのものに対してもあるように聞こえるのです。なかなかむずかしいところですから、ことばはよく注意して、よく勉強して答えてください。その問題はあとにします。  小笠原の返還問題に関連するのですけれども、奄美群島が返還されたときは鹿児島県に帰属したのですが、その間の経過はどういうことですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) その間の詳細な経過は、担当官からお答えをいたさせます。

山野幸吉総理府特別地域連絡局長

○政府委員(山野幸吉君) お答えいたします。  その当時の所管は、だいぶ前の話でございまして、詳しい経緯は私は存じませんが、奄美群島が日本に返還されましたときには、そのまま鹿児島県の区域に帰属いたしたわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それはどういう根拠で鹿児島県に当然帰属したのですか。

山野幸吉総理府特別地域連絡局長

○政府委員(山野幸吉君) 私としましては、地方自治法第五条の、都道府県の区域はなお従前の区域によるという、その従前の区域ということで、奄美群島が鹿児島県に属したものと考えます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 小笠原の返還の場合にはそれと違うのですか、違わないのですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) 小笠原の問題につきましては、奄美群島と非常に違いますことは、住民が昭和十九年に強制引き揚げで日本に帰ってしまっておりまして、その後に約百七十何名が戻っているわけでございます。何しろ二十四年間というものは非常に荒廃いたしておりまして、土地の権利関係その他もあらためて詳細に調査しなければならぬといったようないろいろな事情がございまして、かような関係から、今回対策本部を設けまして、各省庁十分に実態調査も行ない、また、そういうふうな詳しい調査をいたしまして、それから決定しよう。その対策本部の決定にまちたい、かように考えている次第でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 私の聞いているのは、奄美のときに地方自治法第五条第一項が適用があった、こういうわけでしょう。小笠原の場合にはそれが適用になるのかならないのか、いまあなたの言ったのは事実上の事情を言っただけですね。そこはどうなんですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  私は現実の姿に立脚いたしましてお答えを申し上げたわけでございますが、その法制上の詳細な問題は、ひとつ法制局長官のほうからでもお願いをいたします。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げます。  先ほどお尋ねがありましたように、奄美大島の返還の際は、先ほど政府委員から説明がありましたとおりに、鹿児島県の区域に属するものと考えて立法措置を講じたわけでございます。今回の場合に実はどうするかというお尋ねでございまして、これはもちろん法制上の問題より実態上の問題だと思いますけれども、法制上の問題としては、属させることも可能であるし、また、属させないことも可能であるという考え方を持っております。むろん属させないことにする場合は、別途法律が必要であろうと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 私の聞いているのは、奄美のときに地方自治法第五条が適用になって、そのまま鹿児島県の帰属になったわけでしょう。それといまの小笠原の場合と同じじゃないか、こう聞いているわけです。田中さんの言うのは事実上、そこに住民がどうとか何とかということは事実上の問題であって、法制的には地方自治法の五条が当然適用になるのじゃないかと、こう聞いているのです。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) でございますので、奄美大島のときと同じように、東京都の区域に属させる、地方自治法の五条の適用として属させることにすることがもとより可能でございます。それから、そうしないで、法律でもって別途に考えることができるかといえば、できないわけではございません。そのどちらをとるかは、おそらく当局において検討中のことであろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いや、地方自治法の五条というのはあれでしょう。「普通地方公共団体の区域は、従来の区域による。」ということなんだから、当然東京都へ帰属するんじゃないですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) もう少し別の角度から申し上げますと、地方自治法の御指摘の条文の特則と申しますか、別段の法律的措置を講じないでそのままほうっておいたらどうなるかという御質問であれば、東京都の区域に属することになります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、黙っていれば東京都に帰属するんですね。これはわかりましたね。別段の何か手段というのは何ですか、どういうことなの。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げます。  別段の措置というのは、これは実際問題としてどういうふうな処理をするのか、その処理の方針は別途に検討されると思いますが、法制上の問題だけに限ってむろん申し上げますが、要するに従前の区域とするということが自治法のいまのたてまえでございますが、別段の法律はどういう法律かといえば、そういう区域に属させないことにする法律、そういうことを内容とする法律になります。そのいずれをとるか、これはまさに政策上の決定問題でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その場合に憲法の九十五条との関連はどういうふうになるんですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 憲法九十五条との関係の問題、これは申すまでもなくきわめて重大な問題でございます。要するに、法律は国会の両院で議決したときに法律になるわけでございますが、御存じのように、九十五条で「一の地方公共団体のみに適用される特別法」、これは国会の両院の議決だけでなしに、住民の投票に付して、そして法律ができ上がるというたてまえになっております。したがって、いわゆる地方特別法に該当するものであれば、むろんそういう手続をしなければいけませんし、また、地方特別法に該当しないものについてそういう手続をとれば、これはむしろ憲法違反になるということに相なります。したがって、この問題は、そういう意味で非常に重大でございますが、まず第一に……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 わかるように説明してくださいね。わかりにくいんだ、あなたのしゃべっているのは。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) いま申し上げた点はよろしゅうございますか。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いや、初めからやってください。わからないよ。しろうとにわかるように話してください。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 法律の制定手続をひとつ申し上げたわけですが、これは両院の議決によって成立する。ところが九十五条は、そのほかに住民投票が必要であるというわけでございますね。そこで憲法が、いわゆる地方特別法でないものは国会の両院の議決だけで成立するということを要請しておるわけですね。それから、地方特別法になれば、そのものだけに限っては住民投票が要るというわけで、そこの区別を誤りますと、いずれにしても憲法違反の問題が生じてくる。これは非常にやさしく言っているつもりでございますが、おわかりいただいたと思います。  そういう重大な問題でございますので、この問題については相当慎重に考えなければならぬと思っております。そこで、ただいま私のほうとしていまだ結論を出しているわけではございませんけれども、せっかく勉強を、そういうような重要性のある問題でございますので、せっかく勉強したいと思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その地方特別法というのは何なの。何かあなたの話を聞いていると、地方特別法にいろいろのものがあって、内容によって性質が違うようにもとれるのだよね。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 稲葉先生にそこまで御説明申し上げるのは釈迦に説法だと思いますが、これはいままでの例からもおわかりになりますように、通常の地方公共団体とは違った特別の法的拘束を加えると申しますか、そういう違ったステータスをそこに認めることにするということ、きわめてラフな言い方でございますが、大体から言えばそういうことだろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それは地方自治に対する特例だから、それだけの合理的な理由がなければいかぬわけですな。合理的な理由なしにそれをやりゃ、それは憲法違反になりますね。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 合理的な理由と申しますか、まさにいま申し上げたような他の地方公共団体と異なった特別の、おそらくはそれは合理的理由によって指示されなければならぬと思いますが、そういう関係の法的拘束を加えると言ってよろしいかと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 たとえば、その理由としてはどういうことが考えられるのですか、田中さん。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。  ただいま申し上げましたように、ほとんど荒廃に帰して、無人島に近いような島々もたくさんございます。そういうふうないろいろな問題をまずもって先に十分調査いたしまして、それからさらにいろいろな道路、その他の公共施設等に先行投資やいろいろなこともしなければなりません。そういうふうな事前の調査並びに今後どうするかということは、対策本部のほうで慎重に考えて善処してまいりたい、かように考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そんなことを聞いていないのでね、東京都に帰属するのは当然だと言うんでしょう、そこまでわかったわけだ。特例を設ければ、それにかわるべきものができるけれども、その特例を設けるために合理的な理由が必要だということなんです。そこもわかったわけだ。そうでしょう、そこまで。そうなれば、小笠原を東京都に帰属させないための合理的な理由というのは一体何があるか、それをこっちは聞いているわけだ。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) お答えをします。  合理的な理由なり根拠という御質問でございますが、そういうこともまだこれから十分に調べてみなければわからない、どんな理由が出るかも、またこれは調べてみなければわかりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 調べてみなければわからないけれども、いまあなたのおっしゃったのでは、そこが非常に荒廃しているとかなんとかかんとかいうことを言っているんでしょう。そういうことが理由になるという意味じゃないのですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  ただいま、もちろん外交折衝の過程にありますことは御承知のとおりであります。のみならず、また属させるとか属させないとかいうことも、まだ何らきめているわけではございません。そういう点をどうぞ御承知いただきます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 普通の場合は当然東京都に帰属するのだということは、いま法制局長官答えたんですから、それを妨げるだけの合理的理由があるかないかということが問題になってくると思うのです。これは外務大臣、どうなんですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) おそらくこういう点をいま検討することになると思います。二十数年だれもあすこに住んでなかった、だからすぐに生活する条件というものはなかなか整っていない、そういうことの配慮が要るかどうかという問題が、実際的な問題として起こってくると、何か開発して何かしなければ、ほとんど人間が生活していけないような地域もあるわけです。そういうような配慮で、むろんこれがいま法制局長官の言うように、ほっておけば東京都になるわけです。それを国民が納得するような理由で東京都に帰属されないということならば、そういうことであるならば、その明白な合理的な理由と、また法律、憲法による手続を必要とする。いまは政府のほうとして検討しておるときでありますから、総務長官としても、こういう理由でこうだと結論が出てないですから、お答えしにくいんだけれども、もしかりにそういう場合があったならば、法律、憲法の手続によって政府はそれを明白にする責任があることは当然でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いろいろ配慮しなければならないということの中に、小笠原の防衛問題ということも当然含まって配慮されるのですか、そこはどうなんでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 防衛の問題は、これは自治体の問題でないわけですから、したがってこの問題が大きな配慮に私はなると思われない。したがって、帰ってくれば安保条約の適用を受けるわけですから、それはもう自治体の権限ではない。そのことの配慮のためにということでは私はないと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、三木さんの言われることは、そこが荒廃しているとか、いろいろ開発しなければならないとかいうこと、そういうことは東京都でもできるんじゃないですか。東京都でできないというのは理由はどこにあるのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) だから結論をまだ出していない。いろいろな角度から検討して、とにかくあそこに旧小笠原諸島に住んだ日本人で帰りたいという希望者が相当あることは事実ですから、人間が住むのですから、その人間が住むような条件がなければならぬわけです。そういう点で何か特別な処置が要るのかどうかということは、まだ結論が出ていないわけでありますから、いまあらゆる角度から検討を加えておるさなかでありますので、どういう理由だということをここで申し上げるまで、そこまでいっていないということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、東京都へ帰属するのが当然の原則だと、それで国が直轄というと、ことばが悪いかもしれませんけれども、それをするのはむしろ例外だと、こういうふうに承ってよろしいですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) そうだと思います。その例外というか、それだけの合理的な理由がなければならぬ。それはまた特別立法を必要とするわけです。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまの答弁でけっこうですから。そこで、憲法九十五条にいう住民というのは、小笠原の場合は、かりに、前へ進んだ議論として、住民というのはどれをさすというふうにとっているのですか。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) まずその稲葉先生御指摘のいわゆる特例法、これはちょっとそれに関連してつけ加えさしていただきますけれども、つまり何が原則であって、例外であるかという問題は、これはあくまでもいまの法制のたてまえからいって、ほっておけば残る配慮、何か立法すれば別だというだけのことでありまして、法制上のたてまえについて原則と例外という問題が出てくるだけだと私は思います。その点だけつけ加えて申し上げさしていただきます。ところで、特別法でございますけれども……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いや、憲法九十五条の話を聞いてるんだよ。憲法九十五条の住民というのはどれを言うんだと、それはあなたの解釈だ。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 九十五条との関係は、いまおっしゃった問題の前に、私どもとして非常に気にかけております問題が一つございますので、それを率直に申し上げたほうがいいと思います。つまり、憲法の問題でございますから、憲法の地方公共団体というのは一体何をいうのかというのから始めていかなければなりません。これについては御存じの特別区の区長の選任制が憲法に違反しないかという問題がかつてございまして、最高裁はそれに対して、私どもが立法の、立案の際にとった考え方と同じ考え方でございますが、憲法にいう地方公共団体というのは、その基盤に社会的実体、住民の共同生活体としての社会的実体がある。それをもとにした地方公共団体が憲法にいわれる地方公共団体であるという最高裁の判決が出ております。  そこで、小笠原についての関連の諸問題を憲法九十五条の関係に照らして考えてみます場合には、小笠原の住民と、これは小笠原の区域内における一つの公共団体的基盤と申しますか、その問題と、それから小笠原における住民と、それから現在の東京都の区域における住民との間に、現在判決で言っておりますような社会的な生活共同体的基盤がはたしてあると言えるのかどうか。これは行政分離なり、あるいは施政権のもとに置かれた状態、そういうものを考えていきました場合に、はたして判例で示されているような、私どもがこういうふうに、そう考えておりましたが、そういう考えのもとでの公共団体的性格というものがあるのかないのか、その辺の検討から始めないと、この問題を究極的に解決することにはならぬのではないかというような考えを持っております。したがって、どこの住民の特別投票にかけるのかという問題は、そこを卒業してからの問題になりますので、一言それを申し上げたいと思います。もしも、いま申したような観点から、憲法の九十五条の地方公共団体ということにならないとすれば、これはすなわち憲法九十五条の特別法としての取り扱いを受けないことになりますので、そこをきめないで先に進むわけにまいらぬわけでございます。そのことだけ申し上げさしていただきます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、これは内閣全体の解釈として受け取ってよろしいですか。小笠原の帰属の問題に関連をして、憲法九十五条の適用がない場合もあると、こういうふうに受け取ってよろしいですか、どうもそういうふうに聞こえるのですがね。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げます。  いま内閣の見解を申し上げる段階ではございません。これはいま申し上げたようなことをあれこれ考えておるというのがほんとうでございます。で、しかも内閣法制局は大学の研究室と違いまして、やはり具体的な政府の施策、これと相照応しながら法律的な正しさを求めていくというところでございますので、そういう方面の実態的な政策の考え方、それが必ずしも常に法律上正しいとは申せませんから、法制局がいろいろ意見を申し述べるわけでございますが、ともかくもその中身と少なくも相伴って検討を進めていかなければならぬというわけで、いまお尋ねの、内閣としての見解と受け取っていいかという点は、受け取っていただいては困るということでございます。(「委員長、どういうことになるの、いまのあれは、さっきからの議論は」と呼ぶ者あり)

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 委員長に聞かれるよりも法制局長官にもう一ぺん聞かれたらどうですか。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは防衛庁長官にお尋ねするんですけれども、小笠原島の戦略的な価値というものは、どういうふうに防衛庁では判断しておられるわけですか。アメリカ側がどういうふうに判断したのか、また、防衛庁は現在はどういうふうに判断しておられるのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) この一月に調査団が参りまして、その中に防衛庁の職員も相当数入れてまいるつもりでございます。その結果申し上げさしていただきます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 従来は小笠原はアメリカ軍にとって——これは海軍ですね、アメリカの、どういうふうに利用されていたんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 従来は父島に若干のアメリカの主として海軍がございます。それから硫黄島に長さ約一万フィートの滑走路のある飛行場がございます。それから同じく硫黄島に人工衛星の追跡ステーションがございます。これはまあ軍事とは関係ございません。それからロラン・ステーションと申しまして、見えない電波の燈台みたいなものがあるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 アメリカは、だから、何のためにそういうふうなものを小笠原に持っていたわけですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) これも父島、母島、硫黄島等へ一月に自衛隊の者が相当数参りますから、その調査の結果申し上げさしていただきます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠君 そうすると、小笠原のアメリカ軍のそうした防衛上の体制というか、それをあれですか、防衛庁としても大体同じ程度に今度引き継ぐわけですか。引き継ぐということばが悪いかもしらぬけれども、同じような程度に小笠原防衛体制を整えたい、こういうことですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 小笠原が日本に復帰するわけでございます。日本の本土並みの扱いを受けるわけでございまして、そこで防衛の責任は、従来私も、また総理大臣、関係大臣が申し上げておりますとおり、防衛関係は小笠原諸島——これは南鳥島、沖ノ鳥島も入るわけでございます。孀婦岩というところから南のほうの諸島でございまして、琉球諸島を除いたものでございます。それに対してわれわれは防衛の責任がある。その防衛の責任はどのくらいあるかと申しますと、領土、領海、領空に対して防衛の責任がある。こういうことはわかっておりまするが、具体的にどういうふうにすればよろしいかということは、一月に調査団が参りまして、その結果を待って結論を得たい、こう考えておる次第でございます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ちょっと関連して。いまの増田長官の御答弁だというと、小笠原に関する限りは、つまり正式に返還になった場合ですね、その場合には、内地並み以上の条件がつくことはない。内地並みですね。つまり、現在の内地ですよ。返ってくれば小笠原は内地になるんだから、それ以上の条件がつくことは何もない、防衛上の問題ですよ、それでいいんですね。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 内地並み以上の条件がつくことはございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 関連。外務大臣ね、そうおっしゃいますけれども、日米共同声明をよく見ますとね、その中では小笠原地域で米国が持っているこの軍事的役割り、こういうものを徐々に日本が肩がわりをすると、そういうことを条件にしてその小笠原の返還というものが合意されたと聞いているわけです。で、いろいろの新聞報道等もありますが、こういう立場に立って、防衛庁は小笠原に基地新設という必要があるかどうか、そういうところまで増田防衛庁長官は、あなたのところはいろいろ考えているんじゃないですか。たとえば可能性として、対潜水艦の警戒基地、これはP2Vの哨戒機あるいは駆潜艇の配置というものが必要ではないかと考えられているとか、または地対空ミサイルのナイキ・ハーキュリーズの試射場にしようというようなことが考えられているとか、具体的にそういう問題が俎上にのぼっておるんじゃないですか。だからね、そんなただ日米安保条約に基づいて、当然この基地がこちらに——日本が条約に基づいてやるんだなんて、そういう私はことではないように思う。そこにいわゆる、さっきから論議されている、なぜ小笠原を自然の姿で東京に行政帰属させないかという問題がついているんですよ。それはあなた奄美大島だって当然鹿児島県に自然に返ってきたじゃないですか。それと何も相違はない。それなのに国が直轄するということはですね、要するに、そういったねらいを持っているからこそ、あなた方は直轄化をこだわっているわけです。それは法律論なんか言っておりますが、そういうものでないのです。高辻さんがおっしゃっていますけれども、あなたの言っているのは、それより政治問題です。あなたがそんな答弁してみたって、法律問題じゃない。だから、そういう点に私はあると思うのですよ。そういうふうなことをよく考えてみると、東京都の議会においてもすでに、あなた方の自民党も一緒になって、全会一致で小笠原を東京に帰属してくれ、そうして平和的な島としてぜひ繁栄させてもらいたい、こういう決議をしている。そういう決議に反するような中央政府がそういう態度をとることはおかしいのだ。それは幕府時代の天領的な考え方をあなた方は持っている。天領というのは、辞書を引いてみればわかるのですよ、要するに、政治的ねらいを持ってやることだ。そんな天領ということばは衆議院でも出ているようだけれども、まことに私は奇々怪々で納得できない。それとあわせてひとつ答弁してもらいたい。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 さっきのことをちょっと補足しておきたいのですが、私が言った内地並みというのは、奄美大島が返ってきたときと同じ条件で、自然のままという意味で、今度小笠原が返る場合には、自然のままの姿以上のものが、何らかの日米間の話し合いで新しい防衛的施設がプラスされるのではないか、そういうことがあるかないかということを言っている。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) それもございません。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 詳細なことは、この一月に調査団が参りまして調べてまいりますが、伝えられているようなことを、鈴木さんの御質問、羽生さんの御質問がございましたが、三木外務大臣がお答えしておりますとおり、自治関係と国防関係とは違うのでございまして、直轄行政でございます。あるいは国税行政というものが自治団体にございましても、直轄行政である。あるいは地方通産局があって、直轄行政をそれぞれ日本の四十六都道府県に行なっております。そういうようなものと同じものでございまして、直轄行政としてどういうふうにしたらよろしいかということを一月に行って調べてくるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ぼくの質問に対して委員長もひとつよく聞いていただいて、適切なお答えがないときには、むしろ答弁者のほうに何とか注意してもらいたい。  私は第一点として、さっきの答弁を聞いておりますと、何か非常に形式的な答弁をしているのだが、日米共同声明からいうと、よく読んでみると、やはり日本の自衛隊というものがいまの米軍にかわってここを防衛する。そういう姿、しかも、その内容については、あなた方が考えている中に、かなりいま私が具体的な例としてあげたような問題が考えられていないかということを私は聞いているのですよ。そういうことがないならないとはっきり——調査しなければわからぬということは、調査したその上でそういうことをやるというのか、そういう質問に対するよく国民にわかるような答弁をしてもらいたいと私は言っているのですよ。  それからもう一つは、それが根本にあるからして行政帰属についても、国がこだわっているのではないか。そんな法律的な解釈なんということをいろいろ言っておりますが、そういうものは、要すれば政治的な問題ですよ、最後には国会だとあなたもよく言われておるのだから。そういうふうないわゆる小笠原の基地を増強していこうというそういう考え方があるからこそ直轄化にこだわっているのであって、それでなかったら何もこだわる必要がない。そういう点を聞いているのですから、大事なところだからもっと親切にわかるように答弁してください。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 御承知のように、防衛庁としても現地に行ったことはないのですね。一月に防衛庁の調査団の中に防衛庁のスタッフを現地に派遣して実情をよく見てみたい。その結果、防衛の責任が日本に返ってくるわけですから、現状でいいのか、あるいはこれをもう少し増強する必要があるか、それをその調査に待って態度をきめたい、こういうことでございます。全然現地というものを、二十何年現地に行ったこともないわけですから、それはやむを得ないものだということは、そういう防衛庁が立場をとることは当然だと思いますので、それを御了承を願いたい。  直轄のことについては、やはり私は防御関係はこれは全体としての日本の防衛計画、安保条約、地位協定になるわけですから、そのことが東京都に帰属するとかしないとかいうことではなくして、別の安保条約によってするのですから、東京都に帰属すれば、そういう点で都合が悪いからという、そういうふうなことの配慮ではない。いま法制局長官の言っておるように、二十数年も日本人住んでいなかったわけですから、共同社会を今後維持していくための条件というものが一体あるかどうかという角度が、主たるやはり政府が検討する中心の点であります。人間が帰って住まなければならぬのです。共同社会を営むような条件というものは一体あるのかないのか、ないとするならば、一体どういうふうに今後やっていかなければならぬのかということが、考えておる検討する中心の問題点であると御承知おき願いたい。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 防衛庁長官、東京都の知事は革新知事ですね。そうすると、そこのところへ帰属すると、防衛のいろいろな設備をしたり施策を行なう上でいろいろ支障が来るということも考えているのですか。反対運動なんか起きますわね。そういうことを考えているわけですか。考えているなら考えているで——考えているのがほんとうだと思うのだけれども——そこのところはどうなんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) まだ調査する前でございまするから、お答えは的確には稲葉さんにも鈴木さんにも羽生さんにもできにくいのでございますが、ただワクとして言い得ることは、コミュニケの中に、アメリカのこれら地域に対する治安の責任を徐々に多くの責任を肩がわりする、こういうことが書いてございます。そこで、われわれはどういうことを言えるかといいますというと、小笠原諸島が返った場合に、日米安保体制にあることは日本本土と同じでございます。それでございまするから、いわゆるという字を使いますが、いわゆる共同防衛でございます。それからロラン・ステーションとか——これはあると伝えられております——おそらくあるでしょう。これは電波による灯台みたいなものでございます。その電波の灯台みたいなものは肩がわりはすぐできないでしょう。それから人工衛星追跡ステーションなんというものは、これはちょっとわれわれと関係ございませんし、ただ、聞いておるところは、要港らしきものがある。小ちゃい要港らしきものがあって、そうして小ちゃな軍艦はそこに寄港し得る。こういうことを聞いております。これは父島でございます。それから硫黄島は要港はございませんで、軍の使っておる長さ三千メートル弱の滑走路を持っておる飛行場がある。こういうことでございます。これは共同に使用させてもらいたい。これはワクで申しておるのですが、(「そんなこと聞いていないですよ」と呼ぶ者あり)そういうことを考えておる。これはやはり防衛に関係のあることですから、それですから、それくらいのことは考えておりますが、やはり親しく現地へ参りましてから調査した結果お答えいたしますが、これは鈴木さんと羽生さんのお答えになりますが、稲葉さんの最後の御質問に対するお答えといたしましては、自治体になると、国防関係は直轄行政であるからやりにくいのではないかどうか。(「革新知事だから」と呼ぶ者あり)そういうようなことは私どもはあまり考えておりません。日本本土というものは全体としてこれは国土でございまして、国権の最高機関である立法府、行政府、司法府等が所轄するわけでございまして、地方自治というものは法律によって許された範囲の権限を当該公共団体が行なう。これだけのものでございまして、まず第一義的には日本本土全体は、国権の最高機関である立法府、それから他の二権である司法府、行政府が所管するわけであります。でございますから、営林行政等も国防行政と並んで、もし向こうに国有林があるならば、直轄行政で行なうわけでございまして、地方自治というものは、ここに法制局長官もいらっしゃいますけれども、法律で許された範囲の自治権を行使する、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 小笠原の問題はいずれ今後の非常に大きな問題になってまいりますから、通常国会等で——きのう私どもの党でも意見を発表いたしました——また追及されると思いますが、沖繩の問題に移ると、メースBが三十六基ある、こう言われましたね。これはどんなものなんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) これは確たることはわかりませんでございまして、あくまでも、われわれが各種のものを調べた結果の情報の集積ということでお答えさせていただきます。 メースBは、われわれの得た情報によりますというと、三十六基という——というのは、ランチャーが三十六でございます。三十六基ございまして、そうしてその一基はどんな力があるか。キロトン級である。キロトン級というのは、メガトン級に対応するものであります。メガトン級以下のものであって、核兵器であって、そうして有力なミサイルである。ターボジェットのプロペラかなんかで、無人の、まあ無人飛行機でございますね、そうして〇・九マッハのスピードで飛んでいく。到達距離は二千二百キロである。こういう範囲のことを知っておるわけであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 二千二百キロの距離というのは、沖繩から発射するとどこまで飛んでいくのですか、どこら辺が入りますか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 東のほうはちょっとわかりませんけれども、北のほうは津軽海峡の辺まで参ります。それからずっと沿海州を参りまして、あとは昔の満州の新京あたりに参りまするし、それから重慶と成都との間がちょうどそのラインになります。重慶はカバーしますが、成都はカバーしない。それから広東、広西それからフィリピンのちょうどミンダナオ島のまん中辺というところまで参ります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そのメースBというのはあれですか、日本の憲法でも持てるの。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 日本の憲法の下におきましては、外国に脅威を与えない範囲の自衛のための実力部隊以外は持てないと思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いや、そんなことを聞いているのじゃなくて、メースBというのは持てるのか持てないのかということを問いているのですよ。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) でございまするから、日本の戦力としては、日本の武力としては、日本の実力としては持ち得ない。外国の日米保安条約に基づく武力としては持ち得ます。得ますけれども、日本も三原則というものがあるわけでございます。本土並みになった場合は、しかし、その関係が研究課題でございまして、白紙の状態で臨んでおる、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは防御用の核兵器なの。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 戦術兵器じゃございません。戦略的核兵器に近い攻撃用のものでございます。二千二百キロも飛びますから。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、いままでの解釈では、防御的な核兵器は日本の憲法でも持てる、こういう解釈ですか。これは防衛庁なりあるいは法制局なりどうですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 日本の憲法の解釈では、戦術的の核兵器、すなわち純防御的、たとえばナイキ・ハーキュリーズ等に核をつけるという場合、これは日本ではつけませんけれども、全然構造も違いまするしランチャーも違うわけでございますが、戦術的のものであるならば外国に脅威を与えるわけではございませんし、内地を守るだけのものでございますから持ち得る、こういうことになっておりまするが、しかし、原子力平和利用法、原子力基本法あるいは政府のとっておる三原則に照らして持ち得ませんし、持たないということでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 戦略的とか戦術的とかいうことはどういうことなんですか。攻撃用とか防御用とかいうこととどういうふうに関連するんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) そのものの存在によって外国に脅威を与えるかいなかによってきまると思います。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答えを申し上げます。  まずこれはかつて稲葉委員から御質疑があった点でございますが、核兵器の所有関係、これは憲法で言えばむろん九条の戦力を保持しないというところに関係があるわけでございますが、この戦力を保持しない主体は一体何であるかという問題が一つございまして、これも御承知のように、わが国が維持管理するものについての戦力の保持をしないという規定である。これは最高裁の判例でございますけれども、したがって、わが国に駐留する外国軍部隊の所持する戦力については、憲法の関係は一応除外して考えてよろしい。そこで日本の持つ戦力について、憲法の関係だけ申し上げます。つまり、原子力基本法とかそういうものを除いて考えました場合に、私どもがこれもよく申しておるところでございますが、簡単に言いますと、自衛の正当な目的と限度にとどまるものであれば、憲法が否認している戦力には当たらない。保持を否認しておる戦力に当たらないという考え方でございます。したがって、ただいま防衛庁長官がおっしゃいましたのも、観点としては、そういう観点を現実の武器に照らしてほぼ説明があったものと考えます。憲法上の御説明としてはいま申し上げたとおりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それと、攻撃用と防御用ということと戦略、戦術ということをよく使うでしょう。どういう関係であるかということがわからないから聞いているのですがね。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) まあ法制局長官が申し上げましたとおり、自衛関係をわれわれは逸脱してはならない、こう考えておるのでございまして、いわゆる戦略、戦術ということでお聞きでございますから、つまり、外国まで侵略し得る、たとえば防衛のためというよりも、外国まで攻撃し得るというようなものはいわゆる戦略的の兵器である。これは持ち得ないと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、戦術というのはどういう意味なんですか。戦術用と防御用というのは同じ意味ですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 大体において、そういう意味に考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうするとあれでしょう。何でその区別するの。攻撃用と防御用、何で区別するんですか。攻撃は最大の防御と言うのでしょう。これはそういう理屈があるわけなんだ。どうなんですか、これは。いままでは防御用と考えられていたものが相手の国の脅威の増大とか、科学の進歩とかいろいろな防衛力の増大によって、防衛用のものが今度は日本でも攻撃用に転化するということもあり得るわけですか。相対的な概念ですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 結局、常識できまるわけでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 常識ということは、私の言っているのは、相対的な概念で、かりに相手の国はどうか別として、それの脅威というものは増大するに従って、防御用が転化していく、攻撃用に転化することがあり得るかと聞いている。ぴちっと分かれているわけではないでしょう。それを聞いているわけですよ。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 私が従来答えておるところは、戦略的の、たとえば長距離爆撃機とか、こういうようなものは持ち得ない、自衛の範囲を逸脱すると、こう考えておる次第でございます。また、戦略的の核兵器はいけないと、こう考えておるわけであります。戦術的の核兵器は、憲法の範囲ならば、憲法に照らしてみれば、原子力基本法その他は別といたしまして、持ち得るのだということは、高辻法制局長官が申しましたけれども、これは政府の持っておる三原則、並びに原子力基本法によって持たない、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 戦術用の核兵器というのは、具体的にどういうものとどういうものですか。現実にいまの状態でそれを列挙してください。いますぐでなくてもいいです。考えてからでもいいです。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) いま覚えている範囲のことを申しておきます。あとで詳細に申してもよろしいですが、ナイキ・ハーキュリーズ、ナイキ・アジャックス等に、これは大体ハーキュリーズは百五十キロ飛ぶといわれております。それに核兵器をつけるということは、これは純粋防御的なものでございますけれども、そうしてまた核兵器をつければ防御の目的は非常に達成し得ますけれども、持たないというかたい決意のものに、ハーキュリーズを外国からも、ランチャーあるいは電波装置等は買います。それからミサイルは日本でつくりますが、ランチャー——発射装置も、弾頭自身も核をつけ得ないしかけに最初からつくるのでございます。外国に存在しております——大体沖繩にあるであろうといわれておるナイキ・ハーキュリーズには核兵器がついている模様でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、それは射程距離できめるの。攻撃用と防御用は射程距離できめるのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) まずこのごく外国の近いところを例にとられると困るのでございますけれども、六キロしか離れていないところもあります。たとえば与論島は日本の施政権外にあります。一応の外国と勘定しまして——これは外国じゃございません、領土主権が潜在的にあるわけでございますから。これは六キロしか離れていない。こういうようなところは別といたしまして、まず百五十キロくらいのものにすぎない場合は、戦術的核兵器があった場合、核兵器と言えるのではないか、戦術的核兵器と言えると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 ABMというのはこれは防御用でしょう。そうじゃないですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) ABMのことは、実はよくわからないのでございまして、ただスパルタンというのとスプリンターというのがある。しかしながら、すべてこれはことばの示すとおり、防御的の武器であることと私は思っております。しかし、核であることは間違いないようでございまして、その核からX光線が出る。強大なる放射能によって相手のものを未然に撃ち落としてしまう。それで核爆発が起きないようにする。こういうしかけのようでございますが、しかとはわかっていないのでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、あなたの話はあれですか、防御用ととっていいんですか。威力は大きいのでしょう。威力とは関係ないわけですね、防御用は。向こうから向かってくるのをある国で撃ち落とすというのですから、そういう意味で防御用なんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) ABMの距離というのは百五十キロよりはるかに長いようでございまして、防御用ではございますが、戦術的の防御用兵器とは言えないと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 あまりこういうことを議論してもあれですから続いてやりますが、あなたの話はどうもよくわからないのですね。戦略、戦術と攻撃、防御とがさい然と分かれているのじゃなくて、入りまじっているようにも聞こえますしね。そこで、あなたは自主防衛、自主防衛と言うでしょう、このごろ。これはどういうことを言っておるのですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 安保体制のもとにおいて、でき得る限りみずからの国はみずからの手で守りたい、こういうことを自主防衛というのでございまして、自主防衛中立というのではないのでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 自主防衛中立なんて、そんなことばは初めて聞いたけれども、そんなことは聞いていないのです。自主防衛というのは前から言ってないのでしょう。このごろになって急に言い出したのは、どういうわけなんですか。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) このごろ急にということは私はあまり存じませんが、漸次わが国自身の自分の防衛力を漸増するという線をこの前の安保条約にも書いてございまするし、昭和三十五年に改定されました安保条約にも同じ意味のことが書いてございまして、このことをわれわれは自主防衛というふうに呼びたいと思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは三木さんにお尋ねしたほうがいいかとも思うのですけれども、きのう福田幹事長が談話で、中共と積極的に論争していくほうが好ましいというふうな意味の談話かなんかを発表しておるようですね、正確じゃないかもわかりませんけれども。それに対して三木さんとしてはどういうふうにお考えでしょうか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 中共、論争……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 ええ、積極的に論争していくほうが好ましいということを言っておるのですよね、福田さんが。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 福田君がどういう意味で言ったのか、論争することが好ましいとは一体何を論争するのか、どうも本人から直接聞いたことでないので、私がお答えするのに適当でない。論争と言っても、何で論争するのか、何をやろうとするのかわかりませんから、お答えは適当でないと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは一部に伝えられたところですからね。ただ中共を敵視するだけではなくて、それで、その中で論ずべきものがあれば、お互いに胸襟を開いてもっとお互いの立場を主張し、同時に論じ合うということも必要じゃないかと、こういう意味じゃないかと思うのですが、これは三木さんに聞いたのは、あなたは福田さんとライバルであるかどうか知らぬけれども、そういう意味もあって、いまお聞きしたわけですけれども、それはあれとして、そこで、あなたのお考えは、三木さんの考え方は、中共はやはり膨張主義者で毛沢頭は何とかかんとかと増田さんがこの前言ったけれども、あれと同じなんですか、フルシチョフの言ったのを引用しておるのだけれども。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 中共が最近非協調的であることは事実であります。自分の好きな国以外とはやはり共存の原則というものは認めてない。したがって、中共が孤立してはいけない、世界各国と協調のできる中共になってもらいたい、そういうふうな中共になってくれなくては、アジアの安定というものは来ない、そういうことを願っておりますけれども、個々の中共のやり方に対してどうこうということではございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 だから、そのためには日本としては中共とどういうふうにやっていったらいいということになるのですか。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) やはり中共を封じ込めることはよくない、やはり接触をして中共との間に、中共の考えておる以外に、中共の考え以外の考え方を持っておる人たちが世界にたくさんおる、中共以外にも違った行き方、違った考え方がたくさんいる、中共の外にも広い世界がある、そういう世界とやはり一緒になってやっていかなければならぬ、そういう考え方にどうしたら早く中共がなるように促進できるかということが、中共対策のやはり中心点だと私は思う。そのためには、封じ込めよりも接触をしたほうがいいんだという意味で、日本は貿易にも、あるいは人間、文化、そういう点で不徹底な点もありますけれども、しかし、接触のとびらは開いておく、これは閉ざさないほうがいい、こういうことでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 沖繩に対してアメリカがいろいろつぎ込んでいる金があるわけでしょう。これはどのくらいつぎ込んでいるわけですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) アメリカが沖繩につぎ込んでおります金につきましては、詳細この間も申しましたが、ただいまちょうど資料がございません、担当の局長からお答えいたします。

山野幸吉総理府特別地域連絡局長

○政府委員(山野幸吉君) 従来、沖繩の援助費はここ数年来千二百万ドル、プライス法の限度額を出しておるわけでございます。そのほかに、ほぼ同額の高等弁務官資金がございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それは一体アメリカの琉球政府に対する、どうなんですか、貸し金というか、債権なんですか、沖繩が日本に返還のときに、それは一体どうなるんですか。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) 沖繩の施政権をアメリカが持っております以上、アメリカが沖繩に対しまして行政上の必要経費を出すことは当然だと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、沖繩は日本に返還されるときに、アメリカがつぎ込んだ金というのは日本が払わなくていいんですね、そういう見解ですね。

田中龍夫自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(田中龍夫君) 私はさように心得ます。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) アメリカが施政権を持ってやっているんですから、その間につぎ込んだ金を日本が施政権返還の場合に払わなければならぬとは考えておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それではほかの問題に移りますが、さっき、タクシー汚職に関連して關谷代議士のことをお聞きしたわけですが、この全体を通じて、警察はタクシー汚職の問題について、赤澤さん、警察はこの問題についてどの程度関係したのですか。関係というのは、どの程度捜査したりなんかしたのですか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 警察は何もやっておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、警察はこういうふうな事件が前々からあるということは全然知らなかったのですか。関心持たなかったの。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) もちろん、捜査のほうでは、日ごろ、不正、汚職などは摘発する努力をいたしておりまするけれども、これには関係いたしておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 だから、どうして関係しなかったのかと聞いているんですよ。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 政府委員から答弁いたさせます。

内海倫警察庁刑事局長

○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。  ただいま大臣から申しましたように、今回の事件につきましては、警察は全然タッチをいたしておりません。なぜかと言われますれば、私どもは、犯罪の容疑があれば、そしてまた、それを警察が探知すれば捜査に入りますけれども、そういうような容疑を探知しておらなかったから、こういうようになっておる次第であります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 国会議員の贈収賄の問題で、これは職務権限というか、国会議員が金をもらった場合に贈収賄に問われるというのは、最も典型的な場合はどういう場合ですか。それから金をもらってはならない場合、いろいろあるでしょう。その辺を説明してくれませんか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 国会議員の職務に関して提供された金品が給付の関係にあり、職務行為が反対給付の関係にあり、要するに、職務行為と提供された金品との関係が対価関係にあるというような場合に、その提供された金品はわいろとなる、これが刑法上いうところの素朴な法律上のわいろの概念となる、こういうように理解いたしております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それはそのとおりなんですね。だから国会議員の職務というのは一体何かということなんですね。それを例をあげて説明していただければ一番いいわけです。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 国会議員の職務は非常に多岐にわたるようでありますけれども、憲法並びに国会法の規定に基づいて私ども理解しております範囲におきましては、主たる職務は、国会に提案される予算案ないし法律案についての審議、表決というような点が、最も典型的な基本的な国会議員の職務関係だろうと、かように考えます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、それに関連をしての金銭の授受で対価関係に立てば贈収賄になるという意味ですね。その所属の委員会、どの委員会に所属したかということは直接関係はないわけですね。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 県会とか府会とか、あるいは市町村議会の場合と、それから国会の場合とは、私ども、法律、規則の関係からいいまして、やや、何といいますか、趣旨の変わったものがあるようにも理解いたしております。しかしながら、基本的には、その意味において本来審議される事項である事柄につきまして審議、表決をする権限を与えられておるということは、やはり職務権限の基本になるものではないかと思うのであります。ただ、府県議会ないしは市町村議会、いわゆる地方議会なんかの関係におきますというと、国会のようにたくさんの委員会に分かれて、職務権限が必ずしも明確になっておりませんで、全体が一つの国会における委員会のような関係において審議されておるというような実情に相なっておりますので、国会における委員会の委員の職務権限と、それから国会議員としての職務権限というようなものは、ややまた変わったものがその間にあるようにも理解をいたしております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、わいろの場合は、公然性があっても、わいろの性格には変わりはないということは言えるわけですか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 法律的、理論的に申し上げまして、そのとおりだと思います。ただ、御承知のとおり、実務運営におきましては、わいろというのは秘密裏に授受されるというのが実情に相なっておりますので、公然性を持った場合においては、そのわいろ性の立証には、実務の面でかなり困難が伴うと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 政党が金をもらって、そうして、それが、中に立った人が贈収賄になる場合もあるわけでありましょう。第三者供賄、これはどういうものでしょうか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 御承知のとおり、刑法に第三者供賄の規定がございまして、公務員が職務に関して相手方にいろいろ便宜の取り扱いをいたしまして、その代償を直接自分が受け取らないで、第三者に受け取らしたというふうな場合におきましても、わいろ罪が成立する、こういう規定があることは御指摘のとおりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その規定が前に適用をされたのは何のときですか。あるいは適用されそうになったのは何のときですか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) いま手元に確実な資料をきょうは持ってきておりませんけれども、過去においてそういうふうなことが適用になっていいのじゃないかということの議論のあった例は、有名な事件について、たしかありました。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 やけに遠慮しているな。それは遠慮しないでだいじょうぶですから、あなたに迷惑かからないからしゃべりなさいよ。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 遠慮しておるわけではございませんで、必ずしも記憶が明確でありませんので、指揮権発動の造船汚職のときに、第三者供賄の規定の適用が議論されました。そのとおりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 この課税の法案といいますか、LPGについて課税をするようになったというのは、どういうふうな見地から課税をするようになったのですか。それがだんだん減ってきたり何かしておりますね、金額がね。その経過はどうなっておるのですか。

細見卓大蔵省大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) 事実の経過でございますので、私から便宜申し上げさしていただきます。  LPガスを課税しなければならないというような議論が起こりましたのは、三十七年ころから自動車のエンジンの燃料としまして、ガソリンにかえてLPガスが使われる車が非常に多くなりまして、御承知のように、揮発油並びに軽油につきましては、多額の目的財源としてのガソリン税あるいは軽油引取税がかかっておるわけでありまして、それとのバランスで課税すべきではないかという議論がございまして、三十九年の税制調査会におきまして、三十九年の暮れに、いろいろ検討の結果、課税すべきものである、トン当たり一万七千五百円という答申が出ております。それを受けまして政府は、四十年の二月に政府原案を、LPガスにつきまして一キログラム当たり十七円五十銭を課税する案を提案いたしております。それが四十年の六月に、四十八国会でついに継続審査になりました。そのあと、四十九国会が、四十年の七月から八月まで臨時国会が開かれておるわけでありますが、ここにおきましても継続審査になっております。その次に行なわれましたときは、二回臨時国会がございまして、四十年の十月からの臨時国会、第五十臨時国会におきましては審議未了になっております。次の五十一国会にこの法案が、再度政府原案を提出いたしまして、四十年の十二月二十七日に大蔵委員会に政府原案として提案いたしております。その二十七日に同委員会は、自民、社会、民社、三党共同修正案が出されました。その修正点は、一キログラム当たり十七円五十銭を一月一日から課税するとしておりましたものを、四十一年十二月までは一キログラムにつき五円、それから四十二年十二月までは一キログラムにつき十円、そのほか、納期そのほかの問題について若干の手直しがございますが、大きなところはその点が修正されまして、修正可決ということになっております。四十年十二月二十八日には衆議院の本会議を通りまして、以下、参議院において可決され、法律第五十六号として公布されております。また、この四十二年四月の五十五国会におきまして、政府原案といたしまして、負担の激増というような点を考慮いたしまして、一キログラムにつき十円の、いま申しました暫定減税率を適用される期間をさらに二年間延長する法案を提出いたしまして、可決を見ておる次第であります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 昭和四十年の六月十日に、自民党本部に大阪タクシー協会から六千三百六十四万、兵庫県乗用自動車協会から一億八千百八十万ですか、それから京都の乗用自動車協会、それから大阪旅客自動車協会、全部合わせて約一億の金が献金されているわけですけれども、この四つの団体、協会からそれ以前にどの程度自民党本部にというか、献金があったんですか。事務当局でいいですよ。

降矢敬義自治省選挙局長

○政府委員(降矢敬義君) 届け出書によりますと、それ以前にはございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 何……。

降矢敬義自治省選挙局長

○政府委員(降矢敬義君) 政党からのわれわれに対する収支報告書によりますと、それ以前にはございません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いままでなくて、突如として約一億の金が献金されたわけですね。そうすると、大蔵大臣、これは四十年六月一日に、この課税の法案は継続審査ですか、継続審査になったわけだから。そうすると、また継続審査だから、当然次の国会に提案されるということになっておったわけですね、そのときの状況は。それはどうなんですか。

細見卓大蔵省大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) そのとおりでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いままで全然出てないような多額の金が突如として出てくる、しかも、その課税の法案が継続審査になっておる、そこで、その次にまたこの法案が審議未了にしなければいけない、こういうふうな意味で、そして、この金は献金をされた。そういう意味を含んで献金をされたというのが常識的に考えられて私はいいと思うのです。その四十年六月二十八日に、關谷代議士が大タクの定時総会に行って、LPGの課税は来年度まで延期されたが、次回の国会で議案が通過するようであれば、過日審議未了にした意味がなくなるので、寿原氏とともども手を打っていきたい、こういう発言をしておる。これは議事録、資料の中に出ているわけですね。そうすると、継続審査になった、その次出る、そこで、またこれは通っては困るというので、いままで献金しておらないのに、非常に多額な金をまとめて献金をした、こういうふうなことが経過としてあらわれてくるわけです、常識的に言って。そうすると、法務省に聞くのですけれども、政治献金であっても、その法案なら法案を審議未了にしてほしいと、そういう意味を込めて献金をされたということであれば、それは刑法の贈収賄に該当することがあり得ると、こういうふうに当然なると思うのですけれども、お聞きしてよろしいですか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 現に捜査中の案件に密接に関連する具体的な事項でありますので、そのものずばりでお答えすることはお許しをいただきたいと、こう思うわけでございますが、御指摘のような想定された事案を一般論として申し上げますというと、先ほど申し上げましたような第三者供賄罪というようなものが設けられておりますので、そのような関係においていろいろ検討を要する問題もあろうかと思うわけでございますけれども、それらを含めて今日全体の問題として大阪地検が真剣に取り組んでおりますので、その結論は、大阪地検の捜査の結論をもってお答えにかえることを許していただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大阪地検では、この一億円の献金が刑法百九十七条ノ二の第三者供賄に該当する疑いがあると、こういうことで捜査を進めて、最高検に再三連絡をしたのではないですか。最高検はきわめて消極的で、もしこれがそうでなかった場合にはたいへんなことになるから、失敗したらたいへんだ、失敗したらたいへんだということで、非常に大阪地検の捜査をチェックしたのではないですか。この点はどうですか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) このいままで検察庁、かなりたくさんのこの種の事件を手がけましたけれども、今回の事件は、法案そのものが御指摘のように、かなり長期にわたって複雑な推移をたどって行なわれておりまするし、それから金品を提供したほうの側が一つの社ではありませんで、たくさんの業者が集まった複雑な関係から献金がなされておりますし、その間に立った人たちも、相当大ぜいの人たちが中間に立っておるというような関係で、非常に内容は複雑な模様でございます。  それからもう一つ、先ほども御指摘がありましたように、国会議員の職務担当をめぐってのこの種の事件についての判例といたしましては、御承知のとおり、非常に少ないわけでございます。高等裁判所の判例はありますけれども、大審院、最高裁判所の判例の固まったものはございませんので、私どもといたしましては、事、国会議員の職務に関する重大な問題でございますので、あらゆる角度から慎重な法律的検討を加えまして、その法律的な検討の上に立って、慎重に集められた証拠を整理検討いたしまして、犯罪の成否を決するということが望ましい、申すまでもないことでございますけれども。そういうふうな特に慎重な態度をとって、かなり早くから地検、高検、最高検は密接な連絡をとってこの事件に取り組んでまいったわけでございます。御指摘のように、第一線の地検が積極の見解を、ある事項について持ってきた、それについて指揮監督の立場にある最高検察庁がこれを押えた、こういうような事例は全くございません。御了解をいただきたいと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 押えたかどうかは別として、それに対してとにかく慎重にやるように、慎重にやるようにと指示をしたことはあるでしょう、いま言った一億円の金の動きについても。それはあるわけでしょう。そこまでここで言えませんか。言うとまずいということなら、かんべんしてくれというなら、そう言っていただければ、ぼくはそれでいいと思うけれども、それならそれでいいけれども、それはやはりそういうことは答えはかんべんしていただきたいと言えば、それでぼくは了承しますが。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) 政党に対する献金の問題については、非常に具体的ですから、これは平たく言えばかんべんしていただきたいのですけれども、その検察権の行使ないし裁判の始まる前に、ここで、権威のある国会の場で責任ある当局から公にすることは、もし将来裁判にかかるものならば、裁判の公正に影響を与えるので控えさしていただきたい、こういう態度でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その点は私もわかりますから了解していいんですが、なぜこういうことを言うかというと、寿原前代議士、拘留されているでしょう、これがおれは小ものだと言っている——おれは小ものだ、もっと大ものがいる、一億もらった大ものがいて、それがなぜひっかからないのだ、こう言っている、拘置所の中で。これはうそじゃない。そういうことがあるからぼくは聞いているわけなんです。しかも、それに対して最高検は、非常に慎重にやれ慎重にやれということで——これは慎重にやるのはいいけれども、問題が大きいから、そういう形でどうもチェックしたような、チェックする意図はなかったかもしれないけれども、現実にそういう形が生まれてきた可能性があるのでぼくは聞くわけなんですが、これは検察庁の側と法務省のあり方にも問題があると思う。もうさっき法務大臣は關谷氏のあれについても了承を与えたというようなことを言うわけだね。これは間違いなんだけれども、法律的にいうと。そういうようにいままでの捜査の中においても法務省がどの程度タッチしていたかということが私は問題だとこう思うのですよ、一つはね。  それから、検察庁の最高の人事の問題のときに、それは検察内部の自律性で行なわれるのじゃなくて、政党内閣の一員である法務大臣というものの承認というものを得て人事が行なわれているというところに、どうしても検察庁の最高の幹部が時の政府の言うことを聞かざるを得ないようなところに現実に追い込まれてくるという問題点があるわけです。そこに問題がぼくはあると思うのです、これはね。だから法務大臣にお尋ねをいたしたいのは、これはちょっと悪いかも——悪いというか、あれですけれども、司法権の独立というものと、検察庁の独立といいますかね、そういうふうなものとはどう違うのか、どうあるべきかということですね、政党政治と検察庁の関係ですね、それをどうお考えになっているかということをお尋ねしたいわけなんですがね。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。  法務大臣は、稻葉さんよく御承知のとおりに、検事総長を指揮するというのはあります。個々の検事正その他の検察官を指揮するということは認めてないことなんでございます。私は検察当局というものを非常に信頼をいたしまして、十二分に活動をしてもらって職務を果たしてもらうということを根幹といたしております。法務大臣といたしましては、もちろん公平無私は言うに及ばず、不偏不党、公正な検察が行なわれるということに最も力を、外部からの力というものを一切徹底的に排撃してやる。私は検察当局というものはいままでも非常に国民一般の信頼が高いと考えております。なおひとつ検察を通じて国民の信頼をますます高めるように、常に検察陣とはそういう意味において大いに連絡をとっていきたい、かように考えておるわけでございます。今度の事件につきましても、私は検察当局を信頼して、十分検察本来の使命を果たしてもらう、こういうことを根幹にいたしてまいっておるわけでございます。まあ御承知のように、一番詳しいと思いますが、司法権の独立、裁判所はこれはわれわれとは関係がありませんが、検察当局も私個人の考えから言うと準司法というような考え方でいくことが実際に適合しているのじゃないか、かように考えております。御了承願います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 なぜこういうことを言うかといいますと、赤間さんはそんなことないんですけれども、この近来にあったのは、法務省の最高検察庁のいわゆる最高人事をめぐって、だれが見てもちょっと考えられないような人事の異動が行なわれたわけです。これはそれ以上言いませんよ、ぼくは。それは自民党のある特定の大臣なら大臣の人のあれ以外に考えられないような人事が行なわれていたのだ。これはもうそう言えば検察庁内部ではみんな知っていますよ。かえってその人も迷惑しているのだから。それで自民党の連中はその人が新聞に辞令が出たらもう祝電を打っているのですからね、自民党の前の某国会対策委員長なんかが。これ以上ぼくは言いませんよ。だからほかの検察庁の連中みんなおこっていますよ。ああいうふうに自民党のほうと結びつく形の人事が行なわれるのでは、検察庁というものの捜査というか、そういうふうなものも制肘を受けるのじゃないかというようなことを言っているのです。ぼくはこの段階ではこれ以上言いません。これは検察庁内部の人はみんな知っていますから言いませんけれども、そういうことがあって、人事に介入し過ぎるのですよ、法務大臣がいままで。それが一つの問題になってくるわけです。介入するから、どうしてもそういう方面の意向をある程度上のほうの人が受けなければならないようになってきちゃって、そういう重要な捜査についてのチェックが行なわれるわけです。これはそういうことのないように十分御注意願いたいと思うのです。  それから別のことですが、出入国管理令の改正の問題がどういうふうになっているかということと、それから人道上の問題としての例の往来の問題ですね、これをどう前向きに対処していこうとするのか、この二点ちょっと法務大臣にお伺いしたいと思います。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げます。  御承知のように、本年の六月九日に法務省の中に出入国管理令の改正の準備会を設けまして、改正作業についていろいろと勉強をいたしておるのであります。まだ勉強中でございますが、私といたしましてはなるべく早い機会にひとつこの改正令を国会に出したいと考えておる次第でございます。なお、この改正令につきましては、昭和二十六年にこれができたのでございます。その後日本の非常な発展に伴うて外国人等の出入りも非常に多いというような関係もありまするので、短期の旅行者、いわゆる九十日以内の旅行者について、旅行についての手続その他をできるだけ簡単にしていくような方法についていま盛んに勉強いたしておる。それからもう一つは、国民生活に影響を及ぼすような在留外人の活動等につきましても、そういうものをもっとはっきりさせられるような方法はないか、こういう点について勉強をいたしておる次第でございます。  それから第二の問題は何でございましたか。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 往来の問題です。朝鮮人の北朝鮮との往来の問題。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 北朝鮮との往来の問題につきましては、これは人道的なものはできるだけ便宜を与えてやりたい。しかし、政治的な含みのあるものについては、なかなかそう簡単にいろいろな状態でいきにくい部面があります。それで結論といたしましては、ひとつケース・バイ・ケースよく事情を調べて、見てやっていきたい、かように考えております。なかなかこの北朝鮮との間は、御承知のように、いろいろな政治的な問題が起こりやすいきらいが非常に多いと考えておりまするから、ひとつケース・バイ・ケース具体的に調べて善処していきたい、こういう方針をとっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまのタクシー汚職でもう一つは、大阪のほうだけあれだけ行なわれて一生懸命やっておって、東京のほうは一体どうなったのですか、東京地検のほうはどういうふうにしているのかな、そこはどうなんですか。

川井英良法務省刑事局長

○政府委員(川井英良君) タクシー汚職は全国的に関連を持つ事案でありますので、まず大阪地検が大阪の関係について捜査に着手をしたという関係でありますので、今後どういうふうに発展していくかは本省としても注目しているところでありますけれども、現在直ちに東京地検がこの事件の東京関係について手をつけるという態勢にはなっておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 では問題を変えて、大蔵大臣にお尋ねしたいのは、明年度の予算編成について、その方針というのはどういうふうな方針をもって予算編成をやられるのか、そういう点からお聞きしていきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま日本の経済を国内的な目から見ましたら、需要はなかなか旺盛であり、それに対する供給体制もそれに伴っているということで、内需が盛んであり、同時に鉱工業生産も衰えていないというようなことで、姿から見ましたらこれは相当拡大された均衡経済という姿で、国民生活には不況的ないろいろ影響というものを与えるような状態ではございません。で、その点は非常にいいんでございますが、問題は、国際的な観点から見た場合にどうかということになりますと、何としてもここで国際収支の均衡をはからなければならぬという情勢にいま直面しているというのが実情でございます。で、ポンドの問題にしろ、ドルの問題にしろ、やはりこの国際協力の線を強化すると同時に、自国の通貨をはっきりと守るということがいま国際間のもう責任であり義務であるということでございまして、日本は何としてもこの国際収支の均衡というものについて最大の努力をしなければならぬという必要に迫られておりますので、したがって、その観点から申しますというと、来年度の予算編成は相当抑制的なものでなければいかぬ。漫然と予算を膨張させるということはできない。こういうような一連の国際収支対策ということからの思い切った措置を国内経済のいかんにかかわらずとらなければいけないという事情に直面しておると思いますので、そういう線から来年度の予算編成方針を私どもはきめたいと思います。  そこで、そういう観点から予算編成をしようとしますというと何が障害になってくるかと申しますと、国際収支の問題さえなかったらあるいは日本経済はもう少し伸びるかもしれません。そうすれば自然増というものを期待される。したがって、硬直化の問題が叫ばれておりますが、あと一年ぐらいのしんぼうができないという事情でもないということは考えられましょうが、そうじゃなくて、いまのきびしい国際情勢に対処する予算を編成しなきゃならぬということになりますと、もう税収を期待する経済政策ないし財政政策というものは来年やはりとれないというふうになってきますというと、この新規政策は実行しなければなりませんし、そういう意味の予算の弾力性というものが必要でございますが、この弾力性を欠くということでしたら、この国際収支の問題についても財政政策をとれないということになりましたら、ドイツと同じように金融政策によってこの事態に処さなきゃならぬということになりましたら非常にたいへんな問題を起こすということでございますので、硬直化の問題がことし初めて問題になったということはそういう意味からも特に問題でございますので、国際収支改善のための弾力的な財政政策をとるという前提としてやはり硬直化の問題の打開に一歩を踏み出さなければならないというふうにも考えておりますので、そういう方針からのいま予算編成方針をせっかく内部で検討しているという次第でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 国際収支の現状はどうなんですか、現状とそれから見通しはどうなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 国際収支の問題を私どもは心配して、御承知のような財政金融政策はとっておりますが、これは本年度もうすでに若干の効果が出てまいりましたが、本格的に効果があらわれてくるのはやはり一月以後だろうと考えます。で、その効果を一応計算に入れて見ましても、やはり六億ドル前後の本年度赤字というものは避けられないいま情勢でございますので、そのままにいくというと来年以後一年かかっての国際収支の均衡というものは非常にむずかしいと思われますので、新しい予算編成においてこの政策のもう一歩の推進の裏打ちをしなければならぬというふうに私は考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 どういうわけでそういうふうに国際収支が日本の場合は悪化してきたのですか、その原因はどこにあるわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) やはり三十九年、四十年という不況のときの設備投資の停滞そのほかがございます。そうして四十一年度における不況克服の財政政策をとった。これが相当効果を発揮しまして、一たび経済が上昇過程に向かうということになりますというと、なかなか日本経済には底力ができておりますから、これをそう簡単に途中で抑制ということはむずかしいと、相当思い切った抑制笹をとったにしても、財政政策でやる以上は相当効果は先になるというような事情もございまして、なかなかこの経済の好調を予定どおりに押えられなかったということが、一つと、今度は同時にイスラエルの問題そのほか予測しない問題が起こって貿易外収支の赤字がふえるとか、あるいはこれを中心にして各国が金利用の競争とはいいませんが、金利高の傾向を示し、そうして各国の経済成長率というものがみんな引き締め政策によって鈍化するということでございますので、したがって日本の輸出は内需の問題と一方国際経済の——他国の経済の状況によって伸び悩みが起こっているということで、国際収支の赤字が予想以上に出ているというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そういう状態の中では、結局ドル防衛ということで日本にアメリカが協力を求めても、それに応ずるということの限度があるわけでしょう。アメリカ側としては日本に対してどういうふうな要請を経済的にしてくるわけですか、それに対して日本としてはどう対処するわけですか、これは大蔵大臣と外務大臣両方からお伺いしておきます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 結局、ドルを守ることは、御承知のように、いまの国際経済のもとにあっては同時に日本の円を守ることでございますので、ドル防衛にはひとり日本だけでなくて世界各国主要国がいま協力しているところでございますが、まずアメリカも、他国の協力を求める前に、アメリカ自身が国内政策をはっきりしてくると思います。どういう政策をアメリカがとるであろうかということになりますと、まずやはり財政金融政策において大きい引き締め政策をやる、そうして増税と経費の支出削減というようなことをやる国内政策をとると思います。もしそうだとするというと、これはアメリカ経済は相当抑制されることになりますので、そういう点においては、日本の貿易収支にやはり影響があるということが考えられますし、さらにそれだけじゃなくて、アメリカが保護政策をもっと強くする、それから対外投融資の規制をするというところまできますというと、貿易収支だけじゃなくて、今度は資本収支の影響も日本が受けるということになりますので、日本がドルに協力するという場合には、いろいろのしかたがあると思いますが、日本の円を困らせる形において協力するわけにはいかぬと、そういうことでここには当然限度もあることでございますが、こういう問題については、来春から両国においていろいろ話し合って相談しよう、こういうことになっております。

三木武夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(三木武夫君) 日米合同委員会の小委員会を今度持たれる。まだアメリカ側と日時その他打ち合わせ中であります。大体一月中に開かれるのじゃないかという予定でございます。そこでいろいろ話し合うことになると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その一つの問題として、たとえば中期債の買い入れの問題だとか、買い付けの増額だとか、対外援助の肩がわり、自由化の推進、いろいろな問題がありますね。そういう問題に対処する態度というものは、基本的にはきまっているでしょうけれども、具体的にはどういうふうにするのか大体きまっているのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まあよく中期債の問題の御質問受けるのでございますが、アメリカがドイツそのほかに中期債の協力を求めたというときには、やはりアメリカとしましては対外ドル債務が金の購入に向かってくるというような事態をも考えてこういう措置をとったんだと私どもは思っておりますが、日本はこういう点においてドルをもって金を買うというような方針はとりませんので、こういうこともわかっておると思いますし、そうしますというと、日本の流動性を害するこういう提案というものをアメリカが求めてくるかどうかということについても私は疑問と思っております。もしきても、こういうものは両国が実情を述べ合って相談すれば解決することであって、少しも私どもはこの問題についてそう大きい心配はしておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君  いま予算の編成に関連して言われているのは、財政硬直化の問題ですね。財政硬直化ということの原因なりあるいはそれの打開の方向というのをどういうところに求められるわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この硬直化の原因の根は非常に深いと私は思っております。で、いつも言うことでございますが、法律、制度、慣行というものによって、いわゆる当然増経費というものが財政の調整力の及ばないところにある。これが年々膨大になって、そして予算を膨大にさせるこれが原動力になっておる。この現状をそのままにしておきますというと、もう新たに収入増というものが見込れましても、これはそういう経費をまかなうだけで精一ぱいで、もう新規政策を行なう余地というものは全然ないと、ほんとうに弾力性を欠いてしまうという見込みがはっきりとついてきておるのが現状でございますので、これは是正しなければならぬ。そうしますというと、原因を除去しなければこの解決にはなりませんので、原因と見られるいろいろなものについて来年度からこれの解決の糸口を求めるということをやらないとおそくなるのじゃないかと、こういうふうに思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ちょっと簡単に。いま稲葉委員は財政硬直化の問題に入りましたが、その前に国際収支の問題に関連してドルの防衛に対する協力の問題を質問されましたが、それに関連して、今後このドル防衛協力については日米合同委員会で——小委員会ですか、話し合うことになっているという話でしたが、その際提案があるのですがね。アメリカとドル防衛協力について話し合うにあたりましては、アメリカ自身にドルが危機になっている原因をはっきりと追及して、ドルは御承知のように国際の基軸通貨であるし、決済通貨であるから、アメリカ自身が国際収支の改善にみずから努力することを求めるべきだと思うのです。そうしないで、アメリカのドルの危機の一番大きい原因になっているのはベトナム戦争だと思うのです、それ以外にもヨーロッパに非常に資本輸出をやっていることもありましょうが、一番大きい原因はベトナム戦争だと思うのです、そうしてベトナム戦争で赤字がどんどん出てきている、そのあと始末をドル防衛協力という形で日本にさせるということでは、これは私は筋が違うと思うのです。今後日本の国際収支が非常に悪くなり、あるいはスワップ協定をやるとかそれを利用する、あるいはIMFの借り入れをやる場合、いろいろ日本は条件をつけられると思うのです。ですから、そういうこともありますから、アメリカみずからまず国際収支の改善に努力を求めて、そうしてその後においてのドル防衛協力というなら、話はわかります。ところが、みずからちっとも国際収支の改善という努力をしないで、むしろベトナム戦争を拡大して、そうして防衛費をどんどん使って国際収支の赤字を多くしておきながら、ドル防衛に協力して日本に多くの犠牲を要求するということは、筋が通らぬと思うのです。 ですから、ドル防御に協力をかりにするにしても、その前にアメリカに十分にそのことを私は要求しなければならないと思うのですが、今度の小委員会でそういう要請をする意思があるのかどうか、この点大蔵大臣なり外務大臣に対して御所見を伺っておきたいと思うのです。そうでなければ、あまりにも自主性がなさ過ぎると思うのです。 この点伺っておきたいのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、英国も二十九億ドルの国際協力を得るためには非常にきびしい条件がついて、英国の国内政策はこれからなかなかたいへんだと私は思っております。同様に、ポンドの問題から発足したドルの安定ということについては、協力する世界各国は最も関心を持っておる問題でございますので、日米間でそういう話し合いがあるときには、私どもも、このまあ保護政策的な傾向に対する問題、アメリカ自身がこれは貿易収支では大きい黒字をもってドルの価値というものを維持しているのですから、そのあとの国際収支の回復のしかたについてはまたアメリカに求めるものが当然国際的にもある現状でございますし、同時に、こういう相談に入りますと、日本自身もやはりまず国際収支の回復というものは一つの義務とされる要請も出てくるでございましょう。こういうもの全般についての話し合いが行なわれるだろうと私は考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その財政硬直化ということについては、いつごろからそういう現象が起きるだろうということを気がついたのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これはいつごろというわけにはまいりませんが、少なくともここ三、四年来こういう問題は財政当局としてはもう常に警告を発して、予算折衝のときには、後年度においてこれが非常に影響が大きいというんで、まあやれるだけの力は尽くしてこの硬直化を避ける努力はしてきたと思いますが、何しろ当時日本経済がちょうどドイツなんかと同じように伸びているときでございますので、やはり自然増収というものが結局たってみるとあとから確保されたという事情でございますので、どうしてもこれはやはりみな安易にならざるを得なかったというのが実情だろうと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまにして思えば、その当時どういうふうにすればよかったというふうに考えるわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) やはりこれは財政の力でなければやれない、財政固有の責任であるというものと、ただ国費に余力があるから財政の範囲を逸脱して手を伸ばしてもいいというふうに、民間が負担すべきものあるいは企業が負担すべきものというような範囲にまで安易に財政の手が伸びているという問題が非常に多いと思います。また、社会保障の面にしましても、生活保障のように税の形で国民に負担してもらって国の財政で保障するものと、そうでなくて、もう税という形で国はとらなくて、保険料というような形で保険制度の運用によって果たしてもらう社会制度と、こういうようなものも、やはり財政が安易な時代にはこのけじめがある程度くずれておって、余裕があるならこれも国費にみな依存していいじゃないかということでやられた、こういうような情勢がやはり相当全般的に行き渡っていましたので、この累積がいま硬直化の現象になってきているということでございまして、なかなか、いつから始まったと言われますというと、ずっともう私の考えでは独立直後からこの傾向はもうはっきり始まっているということが言えると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いまの大蔵大臣の話は、非常にぼくは問題を含んでいると思うんですよ。ということは、あなたの話を聞くというと、いわゆる応益負担というか、受益者負担というものを原則とするというような考え方にあるように思うんですが、そうなってくれば、結局において低所得者、やはり一般大衆にそうしたもののしわ寄せが現実にくるということになってくるんじゃないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いや、私はいう思いません。もし生活力のないという方に対しては、やはり社会保障制度をもって、生活保護制度とかいろんなものをもってこれは対処すべきであって、困る人と困らぬ人みんな平等に取り扱ってこれに対して国費をもって、税をもって補給するというようなやり方は一番財政の効率を欠くやり方であって、こういうけじめのないやり方というようなものはここらでやはり再検討さるべきものであるというふうに考えています。やはり応益者は応益分の負担をするし、これを漫然と一般国民の負担に全部するというようなやり方はここらで私はやはり反省すべきだというふうに考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうなってくると、具体的には来年どういうふうにしたいということなんですか、いまのあなたのおっしゃった結論から出てくることは。おっしゃったことから出てくる結論は、明年度どういうふうにしたいということになってくるんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) たとえば電話料金というようなものを例をとってみますと、電話をどうしても引いてほしいという人はいま非常にたくさんございますが、この受益者に負担をかけないでこれを全部国費の補給に待つというようなやり方がいいかと申しますと、電話を使わない人にまでこの負担をかけるというのは明らかに間違いでございますので、そうすれば、この電話を引く人に対して、架設者に対して架設費についての若干の負担をさせるというようなことも私は考えていいというふうに、いままで行なわれていたいろんなやり方に対して一つ一つここらで吟味をしてみたいというので、いまその研究をしているところでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 一つ一つ吟味をするということ、いまあなた電話の例を引かれましたけれども、ほかのものは何をどういうふうに吟味するんですか、何と何と何を吟味するというんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) その種のものはたくさんございますので……。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 何ですか、それは、いままでのもので何です。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 公共料金と称せられるものはほとんど全部やるということであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そうすると、あなたのお考えは、硬直化を打開するために結局来年は公共料金をみな値上げしたいということに通ずるわけですか、そう承ってよろしいですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) やはり応益負担の原則を貫いて、それと実情との調整をどうしようかという問題になろうと思います。長年にわたって行なわれてきたものですから、一挙にそういう考えを貫くというわけにはまいりませんので、公共性に準ずる国の負担分と、そうでなくて応益者の負担分というものをどう調整するかという努力があってしかるべしだと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 経済企画庁はそれに対して物価対策上どういうふうな考え方を持っておるわけですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いまお話を伺っておりまして、私は非常に将来に向かっての大切な問題を提起されておると思って伺っておりました。と申しますのは、財政硬直化というものの原因なり何なり、先ほど大蔵大臣から言われましたとおりでありますが、これをこの際打破するということは、私どもにとりましてはたいへんな仕事でございます。かなり摩擦を伴う仕事でございますから、決してやさしいとは申しませんが、実はこの問題は、そうやって硬直化が打破されたあとでどういうイメージの国づくりなり政府なりを考えるかということのほうがもっとむずかしい問題だと思います。私ども福祉国家ということをいままでずっと口にしてまいりましたけれども、私どもは福祉国家というのは働く意思と能力のある人は働く機会があるということがまず第一でなければならぬと思いますが、そうして意思なりあるいは能力なりを欠いておる、ことに能力を欠いておる人をお互いに助けていく、それをできるだけ手厚く助けていこうということが第二段にあるわけでありますが、そうしますと、われわれは、今後いわゆるチープガバメントというものを相変わらず考えていくか、あるいは振替所得等が相当大きいところのやや大きな政府を考えていくか、そのどっちかということにやがて突き当たらなければならないときが来ると思います。私自身も、そのいずれであるかということ、自分でもまだはっきりいたしておりませんが、いずれにいたしましても、もし少し大きな政府を考えますときには、国民負担を少し余分にお願いしなければならないことになると思います、振替所得などの関係で。そのためには、政府が国民から預かった、あるいはちょうだいしたところの税金は非常に効率的に使っておるのだという、そうしてその効果が国民に見えるようにまた使われておるのだという十分なる信頼を得なければならないと思います。大きな政府をつくるにしても、小さな政府をつくるにしても、そうだろうと思いますので、そこでこの際の財政硬直化の打破ということの終局的な目標は、とにかく国民から預かった金は大切に使おうではないか、効率的に使おうではないかということに帰着すると思うのであります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 宮澤さん、それはわかるんですよ。私の聞いておるのは、いま大蔵大臣が言ったような形の応益負担というか、そういうふうなものの基本的立場でいった場合に、それが物価政策の中でどういうふうにはね返ってきて、どういうふうに一般国民に影響があるかということを聞いているわけです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それで、それはさしづめ来年度予算との関係でのお尋ねとしてお答えを申し上げますが、たまたま本年度の消費者物価がしり上がりになりまして、来年度は相当苦労をいたさなければなりませんが、しかも、相当かなり高い消費者物価を今年度に対して見込みませんといけないような事情になっております。それは今年度から持ち越しますものが三%ぐらいはあるものでございますから、年度内全く平準といたしましても、年度対比では三%の上昇ということになるわけでございますから、その上に何がしかを積まなければならぬ。しかも、定期預金の利子と同じような消費者物価を政府があらかじめ見込むということは、かりにそういうことになりますと、それの与える影響は非常に心配すべきものがあると思います。ですから、私としては、受益者負担ということは、やはり原則としては私はそうあるべきものだと思いながらも、ただこの際政府が左右し得る料金なりサービスの価格が主導をとって消費者物価が上がっていくんだという印象を与えるということは、どうもこの際として私はうまくないんじゃないか、まずいんじゃないかということを思っておるものでありますから、明年度の場合にはたまたまそういう事情があるので、できるだけ財政の許す範囲で政府の左右し得る値上がりを抑制してもらえないだろうかと、こういうことを財政当局にお願いをしておるわけであります。まあ、先日来、たとえば運輸大臣が定期の値上げの問題について、これは国鉄総裁の言うことはそれとしてはもっともであるけれども、物価との関係もあり、財政とよく相談をしたいということを言っておられるような、そういう発言に見られるような考慮を、私としても財政にある程度お願いしたいと。このことは、受益者負担からいえばやや変則ではないかと言われると思います。私もそうだと思いますが、しかし、どれだけのものを公共が負担し、どれだけのものを受益者が負担すべきかというルールが、実はあるようで確立されておりませんから、これも明年のうちに何か全般に通じて確立をしたいというふうに考えておるわけであります。他方で、何でも財政に持っていけばいいかといいますと、これは受益者負担というルールに相反するのみならず、その結果、財政の総需要が大きくなるということになりますと、これがまた逆に消費者物価を上げる要因になりますから、その辺は、来年度の場合、適当なバランスを打ち出すということに尽きるのではないかと思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大蔵大臣と企画庁長官との話は、結論的には何か同じようなことを言っているけれども、その中のニュアンスは、非常にこう、何か違うように私には感ぜられたんですがね。これはまあ、いずれ大きな議論になるところだと、こういうふうに思います。  もう一つの問題は、減税の問題で、一体日本の税金は、租税負担は、ほかのヨーロッパやその他の国と比べて非常に低いんだという考え方が大蔵当局にあるんですか、どうなんですか。租税負担率が非常に低いんだという考えがね。ほかの国と比べて。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 国民所得に対する国民負担の率というものだけで見ますというと、日本の国民負担というものは欧州主要国に比べて負担が低いということが言えようと思います。特に、社会保険料の負担というようなものにおいては格段に日本は低い地位にあるということは言えると思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 そこで、その大蔵省の人の考え方によると、いままで租税負担率が低い、減税をし過ぎたと、それが一つ財政硬直化の原因になっているような意味にとれるようなことを言う人もいるわけですね。だけどあれでしょう、あなたとしては、やはり一千億の所得税の減税ということは公約なんだから、硬直化の中においてもそれを果たしていきたいということは、これは考えているわけでしょう。そこはどうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) たとえば、所得税で言いますというと、累進税率が適当に直って、そこらに変更が加えられればまた別でございますが、現行法でいきますというと、税の調整をしなければ、そのままにしておけば増税になるという構造を持っておりますので、したがって、私どもとしましては、四十五年までにせめてここまでの課税最低限というものを実現するという公約をいままでしておるのでございますが、そういう形で、とにかく最低限というものをもう少し上げることをやって、それからこの率の問題とか、いろいろ取りかかるべきだと思いますが、いまのままでは、ほうっておけば増税になるという構造を持っておりますので、したがって、経済情勢から見た来年度の税をどうすべきかという非常にむずかしい問題がございますが、所得税だけは、従来の方針どおり、これは減税するという方針をいま私ども持っておるところでございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 所得税を減税しても、ほかのものを上げて、それに見合うという形をとるわけですか。それじゃ結局意味ないじゃないですかね。そこはどういうふうに考えておられるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは、先ほども申しましたように、国際収支をほんとうに均衡させるどういう財政政策をとるべきかと申しますと、各国がやっているように、やはり総需要を抑制するという見地から、経費を思い切って削減するか、しからずんば、それができない場合には増税をもって臨むかというのが、一つのやはりやり方だろうと思います。しかし、私どもは、財政政策としては、経費をできるだけ膨張させないというところに主力を置いて、そう大きい減税をやるということは避けたいという考えで、この二つを適当に組み合わせる財政政策が日本の場合いいのじゃないかと、そういうような一応の観点から、来年度の予算編成方針といま取り組んでおるところでございますが、結論はまだ全く出ておりません。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 その財政硬直化ということのしわ寄せが、さなきだに低い社会福祉の予算にしわ寄せをされると、こういうふうなことがいま考えられてくるわけですね。それに対して、厚生大臣としては、どういうふうにお考えになって、どういうふうにしたいとお考えになっておられるわけですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 財政硬直の上から社会福祉関係の予算はこれを押えるべきではなくて、逆に、財政硬直ということは、この予算を消費者物価に見合って引き上げていかなければならぬことだと考えております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 あなたとしては引き上げなければならぬと言うけれども、あなたとしては、来年、厚生行政の中でどういうこととどういうことはぜひやりたいと、こういうようなことをお考えでしょうか。それに対して、どういうふうな一つの決意というものを持っていらっしゃるのでしょうか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 生活保護費の引き上げ、それから身体障害者、母子家庭、あるいは精神薄弱児、こういうものに対する施設は非常におくれておりますから、これら部門を拡大をして、充実をしていかなければならぬ、こう考えております。そこで、この際、閣議並びに大蔵大臣にも御理解を願いたいことは、社会福祉施設関係の予算というものは、これはふところが余っておるからふやそうとか、あるいはふところがつらいから見過ごそうとかという慈善事業では断じてない。これは憲法に規定し、審議会の答申にもあり、内閣の経済社会開発の計画の中にはっきり明示してある点であって、私は、むしろ、こういうものの予算は、消費者物価の上昇に見合ってスライドしていかなければならぬ、これは政府の一つの義務である、こういう確信から、予算その他についてお願いをする所存であります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 いま厚生大臣が言われたあれですが、そのことに対しては大蔵大臣としてはどういうふうにお考えなんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 社会保障制度は、よくするにこしたことはございませんが、現に、ドイツのような財政におきましては、経済安定成長法というような法律によって現行の社会保障制度も停止するというところへ追い込まれましたし、イギリスも、きょうの新聞によりますというと、総理大臣はイギリスの社会保障をカットするというところまで来ておりますが、財政の放漫化は最後にはそこまでいくということでございますから、そういうことのないように、これを避けるために私どもはこの予算の編成に苦しんでいるところでございます。社会保障を切るために新政策をやっているとか、あるいは硬直化打開対策をやっているというわけではございません。これを怠ったら、社会保障制度も、せっかくここまできたのもカットしなきゃならぬという事態をおそれてのことだと御了承願います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 それは最終的な段階の話でね。そこへいくまでの話、来年はどうするかということを聞いているのです。いま厚生大臣が言ったことに対して、来年はあなたとしては社会保障関係をどういうふうにしたいのかと、こういうことを聞いているわけです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) たびたび申しますように、もう義務的経費となっているものは、これはそう簡単に手は触れられません。そういうものでもう九割以上を占めるというのが実情でございますので、私どもは、この義務的経費に類するものを、将来新たにいろんな、後年度膨大化の原因をつくるものは来年度は一時待とうとか、いろんな努力は当然いたすべきだと思いますが、すでにできている義務的な、法律を根拠にしたものについては、一年でこれを解決するなんというようなことはできないので、義務的経費は経費として当然計上することになろうかと思います。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 物価の問題で、バス料金の値上げがずっと認可されていますね。これは、ここのところ、ことしになってからどの程度ずっと認可してきたのですか。わかっている範囲でいいですが。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 正確な数字は、事務当局をして答弁させます。

蜂須賀国雄運輸省自動車局業務部長

○説明員(蜂須賀国雄君) 約二十社でございます。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 どの程度上がったの。

蜂須賀国雄運輸省自動車局業務部長

○説明員(蜂須賀国雄君) 大体二割ないし二割五分でございます、増収は。したがって、賃率で申し上げますと、二割ないし三割ぐらいになっております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 ところが、バス料金値上げに関連をして、区割りを変更したりなんかする関係で、実際に使う人には二割や二割五分の値上げじゃなくて、倍になっている人が相当あるわけですよ。たとえば、私のところの宇都宮なんですけれども、関東バスというのがあるのです。これは小平久雄さんがやっているわけです。あの人のやっているところなんかは、今度は値上げ申請したでしょう。どういう理由で値上げ申請して、どういう理由で許可になったのですか。実際には利用者は倍の料金を払っているわけですよ。十五円とこを三十円払う、五十円とこを百円払うという形になるわけですね、区間を改正しちゃっているから。区間から区間までちゃんと乗れば二割か三割かもわからぬけれども、途中から乗って途中でおりれば、もう倍になっちゃうのですから、そういうやり方をしてきて非常に収入を上げるわけですね。そういうことを全部含んで認可したんですか。関東バスの場合、どういうふうになっていますか。

中曽根康弘自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 関東バスの場合は、四十年十二月二十日付で申請が提出され、キロ当たり基準賃率で三円九十銭に基づく運賃を五円二十銭に変更したいという内容でありました。それに対し、運輸審議会に諮問するとともに経済企画庁とも協議の上、申請内容を詳細に査定し、運輸審議会の答申を得て、キロ当たり五円に基づく運賃として十一月二十四日に認可したものであります。個々の区間運賃の中では大幅な値上がりになっているものがあるという話も聞いておりますので、いまそれを是正するように処置をいたしつつあります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 これは、上がるのは二割か三割に見えても、実際は倍に上がるのですよ。それで非常に不平不満が起きておる。いま中曾根さんが是正したいと言われるのだから、それを信頼しますが、そこで、この物価対策の問題で、宮澤さん、ぼくは常に疑問に思っておりますことは、一体物価対策の中で経済企画庁というのはどれだけの役割りを果たしているのだろうかということなんです。変な話だけれども、これはどういうお考えなんですかね。実は、大蔵省の連中なんかに聞くと、経済企画庁というのはばかにしているのですよね。あんなところで幾ら企画したってあれはあれだよ程度の考え方を持っているのですよ。ぼくは非常に疑問なんですよ。経済企画庁の権限というものについて、どういうふうにお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 私のささやかな経験でありますけれども、経済企画庁というものが固有の権限をあまり持つことはどうも結果としてはよろしくないようでありまして、物価対策の面から申しますと、総理を中心に関係閣僚自身に、常に消費者の立場というものを考えるように行政を指導していただきたい、そういうことを、自分で土俵に乗りませんで、うしろのほうからお願いをする立場をとったほうが、どうもやはり、各省行政に活殺の剣を持っておられるところにそういう意識を持って行政をやってもらったほうが、私どもが権力がないのに直接に手を触れてやるよりは、どうも結果がいいようである、リモートコントロールのほうが、やはり結果がいいようであるというふうに考えて行政をしております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 だけど、国民は、経済企画庁に、いま宮澤さんの言うようなことを期待しているんじゃないじゃないですか。もっとしっかりとした権限を持って、もっとしっかりやってもらいたいということを期待しているんじゃないですかね。それが現実にできないのはどういうわけなんですかね。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、御承知のように、各省、通産行政なら通産行政、農林なら農林行政、そういう縦割りの行政があるわけでありますから、その上に立って、価格だけの権能を持つということは、実際上もちょっと可能でないと思います。現に、生産行政を指導する人たちが、昨日も申し上げましたが、結局、生産の目的は消費でありますから、同時に消費者のことも考えて行政をやってもらうような頭になってもらう、そういうことのほうがどうも結果はいいようでありまして、一応私どものほうでその物価を一々、こうきめる、ああきめるという権限でも持てば、形はたいへんにいいようでありますけれども、実際は、そういう権限は、かりにありましても、直接行使することはむずかしいのではないかと、私はそう思っております。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 どうも、宮澤さんのいろいろな体験から出たことばでしょうから、そのままにしておきますが、最後に、文部大臣、ちょっとお尋ねしたいのは、実は、私のところの日光で、東照宮と輪王寺というのがあるですね。あれが、けんかばかりしていてしようがない、裁判ばかりやっていて。あすこの文化財をめぐって、どうにもしようがないのですね、けんかしていて。みっともないんですけれども、これは、文部省としても何か中へ入って、ある程度の解決策というものはできないんでしょうかね。どうなんでしょうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 輪王寺と東照宮との間で所有権をめぐって争いがあるということは、私も就任した後に話は伺ったわけであります。だんだん伺っておりますというと、これは非常に古い話のようでございまして、ただいまちょうど訴訟事件になって、裁判所のほうで審理中でございますので、現在の時点においてわれわれがかれこれ申すことがいかがであろうかと、このような考え方をいたしておる次第でございます。できるだけ円満な解決を望んでおります。

稲葉誠一日本社会党

○稲葉誠一君 大体、沖繩から、小笠原の問題、いろいろその他の問題、LPの問題から、明年度の予算の問題等、ちょっと範囲が広かったかもわかりませんけれども、質問をいたしました。納得のいくところもあるし、納得のいかないところもあるし、将来への問題として残しておかなければならない問題もたくさんあるように思いますが、時間がきましたので、きょうの私の質問はこれで終わります。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして稲葉君の質疑は終了いたしました。  午後一時半から再開することといたしまして、これにて休憩いたします。    午後零時四十九分休憩      —————・—————    午後一時四十五分開会

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから予算委員会を再会いたします。  午前に引き続き質疑を行ないます。船田譲君。

船田譲自由民主党

○船田譲君 私は防衛、文部、科学技術、農林、大蔵及び自治の各大臣に若干の質問を申し上げたいと思っております。  まず第一番目に防衛庁長官にお尋ね申し上げます。佐藤総理は、今回の国会の所信表明演説におきまして、「国民一致してみずからの国をみずからの手で守る気概を持ち、現実的な対策を考えること」の重要性を強調せられました。そして、そのことがやがては近い将来の沖繩の祖国復帰につながるものだと述べておられますけれども、これは全く当然のことであり、またこのことが決して日米共同コミュニケに書かれた文言のほかに何らの隠された重荷を背負っているものではないということを私は確信するものでございます。それで私は、まず沖繩の基地とアメリカの核戦略の変化について長官の専門的な御意見をお聞きしたいと思います。  私は核基地としての沖繩の価値は、一九五〇年代のダレスのいわゆる大量報復戦略時代と、一九六〇年代のマクナマラの柔軟反応戦略時代とでは大いに変化したと思うのであります。柔軟反応戦略におきましては、幅の広い軍事スペクトルを幅一ぱいに使いまして、それぞれの段階において柔軟に反応していく、そういう戦略でございますから、そういう戦略下にある沖繩の位置といたしましては、必ずしも沖繩に戦略あるいは戦術核兵器を置く必要がなくなってきたのではないかと思うのであります。これはいま置かれております唯一の核兵器といわれておりますところの音速以下の有翼ミサイルであるところのメースBのような旧式のものは、遠からず不必要になってしまうのではないか、そういうふうに私は考えております。またUSニューズ・アンド・ワールド・レポートの七月三十一日号には、グアム、マリアナの線にアメリカの核第一線を後退させることも考えられるというような記事がございました。これは一応当局者の否定は受けておりまするけれども、将来はあり得ることであろうと思います。こういう見地から、むしろわれわれは沖繩の核基地を固定して考えないで、協議なしの自由使用基地から次第に内地並みの基地に持っていく、そういうような方向で返還交渉を進めていくべきだと考えております。また返還された後は、全く内地と同様に自衛隊による防衛をかぶせていくべきであると、こう考えますけれども、以上につきまして、防衛庁長官の御見解を承りたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 船田さんにお答え申し上げます。  コミュニケにおける内容、それから総理大臣の所信表明の中の、みずからの国はみずからの手で守っていくということについては、船田先生御自身が御解釈なさっておりますから、そのとおりと私は考えております。それからその次に沖繩のことをお聞きでございまするが、核の使い方につきまして、私はマス・リタリエーションと、それからヴァルネラビリティというマクナマラの戦術と、アイゼンハワーのころの戦術がそう変わったとは私は思っておりません。ただ、ことばの使い方の相違くらいのものでございまして、むしろ一九六〇年代になってだんだん変わってきつつあるのはABMが変わってきておる、こう考えておる次第でございます。それから一九六八年以後におきましては、ポラリスの中にしかけるポラリス・ミサイルが、ABMでも突破できるような長距離のものにするとか、あるいは三方へ分裂して破裂するとか、つまりポセイドンでございますが、ポセイドン・ミサイルに変わる、しかし、これはいずれもポラリス潜水艦から発射する中距離弾道弾でございます。これはだんだん変わってくると私は思っております。いよいよ開発されてくると思っております。そこでそういう見地から見て、沖繩のメースBは時代おくれではないかというお説は承っておきますが、まだ私どもはUSニューズ・アンド・ワールド・レポートの七月の末のマリアナ、グァムの線まで後退してもいいのだということはどうかと思っております。つまり、一応の否定あがったというよりも、むしろアメリカの政府としては全面的に否定した。USニューズもなかなかいいことを書いてございます。書いてはございますが、あの記事だけでは私は肯定できない、形式的な否定ではないとこう考えておる次第でございます。  それから総理がいつも申されておる点は、沖繩の核基地をどうするかこうするかということは、この二、三年間のうちに解決する問題であって、いまのところ白紙である。そこで、どういう条件をもって解決していきたいか、その条件を三つ提唱されております。すなわち、国際情勢の変化というのは、時とともに変わる国際軍事情勢の変化と私は心得ております。科学技術の進歩というのも、軍事科学技術の進歩と防衛庁長官は考えておるわけでございます。それから世論の動向というのは、もう文字どおり世論の動向でございまして、この三つの条件をものさしとしつつ、白紙の態度で沖繩の核基地に対処いたしまして、そうして返還の実をあげたい、こういうことでございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、小笠原の防衛についてちょっとお尋ねいたします。返還後の小笠原の防衛については、衆議院の予算委員会の質疑応答におきまして、総理は領土、領海、領空に限るということを限定されておられます。ただ、その各島嶼間の公海及び本土との間の航路に当たる公海を通るところのわが国の船舶の警備については、当然自衛隊法八十二条の海上における警備行動に該当すると思いますし、また同海域でかりに自衛艦に対しまして攻撃が加えられてきた場合には、いわゆる正当防衛と緊急避難の場合と考えまして、武器の使用は許可されるべきであり、また出動部隊の指揮官は命令できると思いますけれども、長官のこれに対する御見解をお聞かせ願いたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 小笠原島の防衛のしかたでございまするが、返ってきた場合には本土並みでございます。すなわち日米安保体制のもと——もとと言うと、何かその下みたいでおかしゅうございまするが、つまり共同防衛という関係において自衛隊が防備をします。もとより米軍の防備もあるわけでございます。そこで米軍自身は、ほかのほうに展開することがこれはあり得ますが、それはこの内地における米軍の基地も同様でございまして、すなわち事前協議の対象になるわけでございます。日本の自衛隊自身はどうしているか、日本の自衛隊自身は、小笠原諸島の領土、領海、領空の守りに任ずるわけでございます。それから本土と小笠原との公海においてはどうするか、これはわが国の軍艦はどこへ参りましても——護衛艦とかその他の船艇と言ったほうがいいですが、かりに許していただきますが、そういうものは日本の領土扱いをするわけでございます。相手方の領海の中に入りましても、いまそういう容認を受けております。それから相手方の領海でない公の海の上、それから日本の領海の上における日本の船舶というものは日本の領土でございまして、これはもとより守る義務があるわけでございます。ただ守り得る実力があるかどうかということは、守る義務があるだけでございまして、実力まではちょっとこの際肯定できません。一切の船について守らなくてはならぬと思っておりまするが、奄美大島と鹿児島県本土との間の船舶も守らなくてはなりませんが、守っていない状態でございます。そこで何か事があった場合にはどうするか、私は自衛隊の出動というものは、自衛隊法に規定してございまするが、その精神はあくまで刑法の三十六条、三十七条に該当するような線でなければ動いてはいけないと。ほかの文句もございます。たとえば上官が指揮すればどういう行動をとり得るということもございまするが、その指揮者というものはあくまで刑法三十六条、三十七条の精神に基づいて指揮をしなくてはいけない、こう考えておる次第でございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 で、小笠原が返還された後は、自衛隊の防衛のカバレージの中に入るわけでございますけれども、そのためには基地を設け、部隊を駐とんさせるということに当然なってくると思いますけれども、それに関連して防衛二法の改正とか、あるいは三次防の一部の手直しは必要ではないかと思うのですが、その点はどうでございましょうか。  また、それにあわせまして、日米共同コミュニケの発表直後に長官が言われました、小笠原にナイキ・ハーキュリーズ及びホークの試射場を設けたいというようなお考えを伝え聞いておりますけれども、それについてはいかがでございましょうか、お尋ねいたします。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) お答え申し上げます。  小笠原島の施政権が返りました場合には、まず安保条約でございまするが、安保条約は第五条の第一項に、わが日本の施政権下における領域に、本土に武力攻撃が、日米双方の施設に対して、あるいは日本としては日本の領土でございます、領土は領海、領空を含みますが、これに対して攻撃が、武力行使があった場合に共同して対処をすると、こういう文言がそのまま延長されていく。わが国の領土がそれだけ——もちろん領土主権は潜在的にあるわけでございまするが、この際そういう意味でなくて常識的なことばを使わせていただきます。すなわちわが国の領土がふえたわけでございまして、そのふえた地点は施政権が及ぶわけでございますから、日米安保条約の第五条の一項は変える必要はないと思っております。また、防衛庁設置法と自衛隊法、防衛二法でございまするが、この二法は変える必要がないと思っております。  それからその次にナイキ・ハーキュリーズあるいはホークの試射場を設けたらどうかというようなことは、目下検討中でございまして、ことに一月に調査団がまいりますから、その際に各般のことを見てまいるつもりでございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、国防会議のことについてちょっとお尋ねいたしたいと思います。自衛隊の大原則は長官のいわゆるシビルコントロールでございます。そしてシビルコントロールの要髄は、文民たる総理大臣の指揮監督、それから防衛庁長官の統括のもとに常に置かれるということと同時に、実際的には国防会議とそれから文民からなっておりますところの参事官による内局幹部によりまして、計画とか、審議とか、指示、承認が行なわれるというところにあると思います。しかし、そのわりにいたしましては、国防会議の設置につきましては、わずかに防衛庁設置法の六十二条で設置され、構成に関する法律及び同施行令で補足されているだけでございまして、また会議そのものも、この十一年間にわずか十五回、一年当たりにいたしますと一・三六回しか開かれてないというのはちょっと心細いような気がするのでございます。で、シビルコントロールの本場のアメリカが、国家安全保障会議をもって国防の最高機関として実際にひんぱんに会議を開かれるのと比べてみますると、名称の問題はともかくといたしまして、設置法の扱い方なり、活用のしかたなりに考慮を要するところがあるかと思いまするけれども、これについてお尋ねをいたします。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 国防会議につきましては、私どもは大いに活用したいと思っております。そこで御指摘のとおり、正式の会議はそう頻回にわたっては開かれていないのでございます。昭和三十二年から勘定いたしまして、正式には約十回前後でございます。しかしながら国防会議の議員である国務大臣の懇談会というものはしばしば持たれておりまするし、本日も国防会議の議員と私が話をしたようなわけでございまして、随時閣僚をもって構成しておりまするから、その閣僚間の話し合いはあるものと、こういうふうに船田さんにおいても御了解願いたいと思っております。  それからなおシビルコントロールのことは、もうおわかりでございまするから申し上げることは繰り返しませんが、なるべく強力なものにせよという御意見は承っておきたいと思っております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 防衛庁長官に最後に、各地の自衛隊の駐とん部隊の隊舎であるとか、車両庫、あるいは整備工場などを私ども視察してみまするというと、老朽化がはなはだしかったり、非常に数が足りない。そのために貴重な車両等が野積みになっておるというような状況をよく見るのでございます。隊員の健康であるとか、車両あるいは武器等の保全のためにも、ぜひともこういうような、直接の国防力にはならないかもしれませんけれども、隊舎あるいは車庫、整備工場、あるいは隊員のうちで営外居住する者の宿舎等につきましても十分な御配慮をわずらわしたいと思いますけれども、この点について御意見を承りたいと思います。

増田甲子七自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(増田甲子七君) 野積みにしていいものもございまして、たとえば施設等のものはたいてい野積みでございます。しかしながら野積みだとやっぱりさびがきたり、あるいは効用が減少する等のものもございます。でございまするから、なるべくこれに遮蔽をするようにと、それからその他の点については遺漏なきを期するようにこれからも努力したいと思っております。  それから隊員の宿舎、それから隊の設備その他が老朽化しておったり宿舎の数が足りないではないかという御理解のある御発言はありがたくいただきまして、私も努力をいたしておりまするが、財政の許す限り充実整備してまいりたい、こう考えておる次第でございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、私は文部大臣に二、三の質問を申し上げたいと思います。  まず第一番目に、大学制度につきましてお尋ねをいたします。明年度は大学生の急増のピークでございまして、新聞の伝えるところによりますと、二十八万あまりの入学定員に対しまして実に七十六万に余る進学希望者があるといわれております。これが対策にはよほど思い切った手を打たなければならないと思います。これも一つでありますけれども、しかしこの量の対策にもましまして大切なのは質の対策だと思います。ことしの三月に経済企画庁が出しました経済社会発展計画におきましては、わが国の労働力の需給の見通しにつきまして、この計画の当初におきましては毎年大体二%弱の新しい労働力の増加があり、またその学歴も高卒、中卒、大学卒の順序であるけれども、この計画の末期におきましては、新しい労働力の増加が一%をはるかに下回ってしまい、学歴も高卒、大学卒、中卒というふうに中卒と大学卒の順序が逆転をする。しかもその割合は中卒のほうが半減するのに対しまして、大学卒は二倍以上になるということを言っております。この結果、いわゆる技能労働力が極端に不足をいたしまして、反面事務系労働力が過剰ぎみになるということを述べております。この際、技能者あるいは中堅技術者の養成と、それから高度の専門職の養成という二点に大学あるいは後期中等教育の焦点を合わせられまして考えていかなければならないと、こう思うのであります。そのためには一つには、いわゆる暫定的な措置であった短大が一応恒久的な措置となりましたが、さらに各種学校の検討等も行なわれておりますので、この短大と各種学校の高級なものとあわせたような二年制の大学の充実と、あるいは工業高等専門学校、商船高等専門学校まで広げましたけれども、さらにその科目を拡大することによりまして、以上によって中堅技術者の養成に万全を期するとともに、四年制の大学につきましては、いわゆる学部——アンダーグラジェートにおきましては、一般教養——リベラルアーツを十分にやりまして、今後いかなる技術革新がありましても、それに応じ得るような基礎学を十分にそのアンダーグラジエートの間にたたき込んで、そして専門学は大学院において十分な基礎の上に積み上げていく。大学院に進むときには、専門のそれぞれの選択がえができるようにする。そういうようにしまして、医師であるとか、法律家であるとか、教師であるとか、科学者、高級技術者——テクノクラートというようないわゆる専門職を養成すべきではないかと思います。現在の普通の大学におきましては、一般教養も、また専門学もどっちつかずの大学卒業生を大量に出すような傾向がございまするけれども、これだけでは経済社会発展計画の心配している事態が現出してしまうのではないかと思うのでありまするけれども、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。  学生生徒の教育の問題につきましては、それぞれの学生生徒の個人の知識、技能を高めていく、またりっぱな人を養成するということが、根本的に大事なことであろうと存じます。同時にまた社会の変化に応じまして、やはり社会の要請にこたえるということもあわせて考えてまいらなければならぬ問題だと思います。産業経済の進展に伴います、それの必要とする人材を十分に供給していくということも、大きな教育行政上の仕事ではないかと、このように考えておる次第でございます。学校の制度の問題につきましては、御承知のように新しい制度をしきましてから、もはや相当の年数がたってまいって、世の中もいろいろ変わってきておるわけでございますので、そのときそのときに応じまして、若干の手直しをしてまいっておりますけれども、この辺で一度いわゆる新制度に対しまして、慎重に過去を顧みて検討も加え、将来を展望して間違いのないりっぱな制度を考究すべきじゃなかろうか、こういうふうな考え方もあるわけでございまして、御承知のように、現在文部省といたしましても、現在の教育制度の基本について検討をするようということで中央教育審議会にも御諮問申し上げておる、こういうことでございます。これは、しかし申すまでもなく、単に一時の思いつきや何かでやるべきことではもちろんない。十分に時間をかけて慎重に制度の基本にわたっての検討は行なってまいらなければならぬと思いますが、当面必要とする問題につきましては、またそれに応じた可能な限りの手を加えていく、こういう意味におきまして、いまお話しになりましたいろいろな例につきまして、私ども十分御趣意のあるところを尊重いたしまして、今後の検討の材料にはいたしてまいりたいと存じております。そのようにひとつ御承知を願いたいと思います。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、私学振興の力点の置き方について、ちょっとお伺いしたいと思います。文部省は私学振興を文教政策の重要な柱の一つにあげておられ、ます。これはたいへんけっこうなことだと思います。ただ私をして言わしむるならば、力点が少し大学に片寄りすぎているように思われるのでございます。たとえば、この六月には臨時私学振興方策調査会が答申を出しましたけれども、その答申のほとんど全文が大学にさかれておりまして、高等学校以下に言及したことはごく少しでございます。また中央教育審議会の委員の選任におきましても、私学関係といわれるものはほとんど大学側でございまして、高校以下を代表する者はわずかに臨時委員に一名入っているだけでございます。で、高校生激減期を迎えましたところの私立高校の現状は、一部の地方におきまして望ましくないいわゆる新入生の勧誘競争さえ生じております。あらためて公私立の高等学校及び教員の適正配置を指導し、適切な援助を行なうことが必要だと思われます。また、大半を私立で占めておりますところの幼稚園は、今年度が整備七カ年計画の第四年目に当たっておりますけれども、この計画の完了後には、できるだけすみやかにいわゆる学校教育法の一条学校たるにふさわしい基準に持っていくために、今後の指導、助成が必要だと思います。これらの点につきまして、大臣のお考えをお聞きいたします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) お尋ねの御趣意につきましては、私ども同感の意を実は表したいと思うのであります。私学振興につきまして、問題は実に広範にわたっているわけで、ただ単に大学だけの問題じゃないということも、私どもよく承知をいたしておる次第でございます。その大学についてさえ私どもとしましてはもっとやりたいと、こう思いましても、思うにまかせないのが現状でございます。高等学校以下の私立学校に対する国の直接の手当てというものが十分でないことは、よく承知いたしております。願わくは、少なくとも、国も心配しなければなりませんけれども、高等学校以下の段階におきましては、やはり都道府県におかれましても、これの育成なり、あるいは強化なり、あるいは困難な点を緩和するなり、そういう問題についてぜひ国と歩調を合わせて御努力を願いたいものだ、かように考えております。決しておろそかにするという意味で申し上げているわけじゃございませんけれども、そういうことをぜひお願いしたい。あわせまして、私学の基礎を強化する、あるいは私学の役割りをもっと大きく発揮していただくと、こういう方向に向かって努力してまいりたいと思っております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、小学校の教育課程につきまして、去る十月三十日に教育課程審議会の答申が出されましたが、私はその中で特に漢字学習と体育についてお尋ねをしたいと思います。  第一の、漢字学習でありますが、私は、決してがんこな表意派ではございませんけれども、いまの児童生徒の漢字能力ははなはだ心細いものがございます。大学生でも自分の姓名を書くのにうそ字を書いておる者がございます。漢字の学習は、一種のパターン認識のようなものでございますから、若ければ若いほど修得が早いと思います。したがって、小学校における漢字学習の幅を広げまして、中学校における学習によく関連づけるとともに、他の教科の学習語句に使用されておりますところの漢字についても、並行して学習していけるようにしていただきたいと思います。そうしないと、将来の複雑な情報を迅速に伝達するというような、そういう進んだ社会についていけなくなるのじゃないか、そういう心配があるのでございますが、これにつきまして、まず大臣のお考えを聞きたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) いまの子供さんが漢字に弱いということは、私もそのように感じておるものでありますが、御承知のように、小学校の教育課程の改善について、せっかくいま作業をいたしておるところでございます。教育課程審議会の答申におかれましても、漢字の読み書きの能力を高めるために、低学年から現在よりも多くの漢字が学習できるように、また各学年で学習する漢字の字数の幅を広げますとともに、高学年では、当用漢字別表、これを教育漢字と言っておられるそうでありますが、この当用漢字別表以外の当用漢字につきましても、ある程度学習できるように答申をしておられるのでございます。文部省におきましても、この答申の趣旨を尊重いたしまして、漢字学習の改善をはかる方向で作業を進めてまいりたいと思っております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、体育につきましては、答申に盛られておりますような趣旨を生かすためには、いまの小学校三時間、中学校の保健一時間、体育二時間というような形では、あまりに授業時数が小な過ぎると私は思います。戦前の児童生徒は、体育のほかに教練だとか作業だとか、いろいろなからだを動かす科目がございまして、そういうようなものを合わせますと、週六時間ぐらいはあったと思います。きのうの東京都の教育委員会の体力調査の発表を読んでみましても、戦前の子供に比べまして、体格の向上に比していわゆる体力、運動機能の低下というものが非常に目立っておるということが言われております。これは極論でありますけれども、このごろ若い人による交通事故その他の事故が非常に多いというのも、この人たちがいわば運動機能がふだん低下しておるということからきておるのじゃないかとさえ考えられるわけでございます。これは体育の時間をふやすということは、他の教科との割り振りもありますから、直ちに大幅な改定は無理だと思いますけれども、今後どのように検討していかれますか、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 児童の体力を向上しなけりゃならぬということは、およそどなたもお考えになっていらっしゃるところではないかと思うのであります。私どもとしましても、この点については深い関心を持っておるつもりでございます。教育課程審議会のこれに関する答申におきましても、教育課程改善の基本の方針として、強健な身体と体力の基礎を養うこととし、児童の体力を高めるため体育科及び学校における教育活動全体を通じて体育の指導を充実するもの、こういうような趣旨のことが言われておるのであります。私どものところにも、だいぶ体育の時間をふやせ、こういう御要求がずいぶんあるわけでございますが、お話の中にもございましたとおりに、全体の関係もございまして、いま体育の時間を特にふやすというようなことは困難ではないかと、かようにも考えておる次第でございますが、これはやはり体育科並びに学校における教育活動全体を通じまして、体育の指導をさらに充実していっていただきたい、かように考えております。  すなわち、体育科における指導の充実をはかりますとともに、たとえば特別活動において体育的なクラブ活動でありますとか、保健体育的な行事でありますとか、あるいはその他の体育的活動など、学校における全教育活動を通じまして、いまのような趣旨が達成されるようにくふうしていただきたい、努力していただきたい、かように考えておる次第であります。そういう方向で、また私どもとしましても指導もし、教育もしてまいりたいと思います。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、教職員の処遇の改善についてお伺いいたします。  教員の給与は、昭和二十三年に新給与制度に切りかえになりました際に、勤務の特殊性にかんがみまして十七割切りかえが行なわれ、また職務給別給与制度に移行の際も、一号ないし四号の調整積み上げが行なわれております。そのかわり、超過勤務手当は支給しないという原則が立てられたわけであります。しかるに、三十二年の等級別給与制度採用による俸給表切りかえ以来、勧告によるベースアップごとに、教員にとって不利になってまいりまして、いまやわずかに初任級がやや高いところになごりをとどめているだけでございます。この際教員給与の改善措置として予算要求をしておられますところの金額は、昭和二十三年当時の原則を再確認せられまして、超勤手当としてではなくて、本来の給与の中に織り込んで、処遇改善を行なうべきであると思いますけれども、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 教員の給与に関しまして、これまでの経過につきましては、お述べになりましたような経過をたどってきておるように思います。私ども、教員の給与問題につきましては根本的に考えなければならぬものがあるのではないか、つまり一般の公務員と同じような給与体系でやってよろしいものかどうか、こういう点につきましてかなり問題があろうかと思いますが、文部省としましては、教員の給与体系というものについて再検討を加える、こういう意味で調査もいたしてみたいと思ったのであります。  ただ、それとは別に、当面の問題といたしまして、教員の時間外勤務、この問題に関連いたしましていろいろな経緯がありますことも、船田さんよく御承知のとおりでございます。文部省としましても、次の予算におきましてこの問題を何らか解決したい、こういう心持ちを持っておるわけでございますが、御承知のような職務の性質、内容等、いろいろ議論もあれば問題もある問題でございますので、どのような形においてやっていくかというふうなことにつきまして、まだ実は結論に達しておらないのでありますが、私としましては、これまでの経緯もあることでもございますし、この問題について何らかの解決をぜひしたいものという考えのもとに、目下慎重に検討いたしておるところでございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 以上で文部大臣に対する質問を終わりまして、次に科学技術庁長官にお伺いしたいと思います。  まず、核拡散防止条約についてでございますけれども、これに対する科学技術庁としての態度をお伺いしたいと思います。  本条約の草案を伝え聞いたところによりますと、締約国でありますところの非核保有国の平和目的の原子力研究あるいは生産、使用の促進は妨げない、また核爆発の平和利用から生ずべき利益は各国に平等に提供されると、こう書いてございますけれども、核爆発の平和利用そのものは非核保有国には禁ぜられているように解釈されます。いま直ちにそういうことがあるとは思いませんけれども、将来の可能性を考えましたときに、非核保有国たるわが国も平等の権利をいまここで主張しておくことが必要であると私は思うのでありますけれども、この線に沿って外務当局に督励をしていただきたい、こう思いますが、長官の御意見を承ります。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) お答えいたします。  核拡散防止条約につきまして、政府が原則的にその趣旨に賛成をしておることは御承知のとおりであり、なおまた、外務大臣がそれぞれ交渉をいたしております。特に昨年十一月等は、アメリカの委員と交渉を持ったことは事実でございます。  そこで、わが国の原子力の平和利用は、要するに原子力基本法によりまして、これはもう平和利用一本でございまして、何らそれ以外にございません。ただ、その際において、核拡散条約がどうできるかまだわかりませんけれども、これを延べていった場合、あるいは二、三問題がいま御指摘のとおりございます。  その一つは、査察の問題、いわゆる査察をどうやっていくか、各国平等にやり、軍事目的にならないように平和利用一本でいくわが国のようなところには、どういう形においてこの査察をするかという問題が一つあるわけであります。なお、原子力利用の中で、さらにそれがもちろん軍事目的じゃない、平和利用の、たとえば発電の動力炉といったような問題について進めていきます場合、やはりある部面において商業的な秘密といいますか、各会社の外部に漏らしたくない、そういうところまで査察を及ぼして、世界各国にこれを公表するものかどうかというような点、いわゆる軍事目的じゃ全然ないんでありますけれども、その査察をどうするか、こういうような問題が一つございます。  それと、いま御指摘の核の爆発の問題がございます。これは御承知のとおり強大な殺人兵器として使われるのでございましょうが、ずっと将来、あるいは近き将来かもわかりませんが、平和利用としてこの爆発力を使われる場合があるかもしれないということは一応考えられます。しかし、一面において、核拡散条約というものがどういう形かで締結される場合、やはりその国が開発をしていったものを、いわゆる開発力と言いましょうか、研究を進めていく場合において、平和利用という面にこれを利用する場合、そこに格差ができてはいけない。いわゆる差ができてはいけない。したがって、核兵器を持っている、軍事目的に開発しているものであっても、平和利用にでき得る研究なり何なりがあれば、それは当然平和利用として非核保有国にも公表していただかなければならぬ。そうして全人類が原子力の平和利用という恩恵に公平に浴するようにしなければならぬ、この点なのでございます。この点につきましては、直接私たちは交渉はいたしておりませんけれども、政府として外務省を通じて、この核拡散防止条約に対しまして、この締結についてそれぞれ強い意見を述べて、そういう形に進むようにしたいと考えている次第でございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、原子力の平和利用につきまして二、三の点をお聞きしたいと思います。  一つは、ことしの春、原子力委員会が決定をいたしまして、内閣総理大臣から各省庁に協力を要請せられました原子力開発の長期計画でございますけれども、それによりますと、昭和五十年度には原子力発電の規模を六百万キロワット、六十年度には三千万ないし四千万キロワットということを目ざしております。ただ、これには相当な予算がかかりますし、現在のいわゆる財政硬直化のもとにおきましてこの目的がはたして達し得るかどうかという見通しを、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) いま御指摘のとおり、原子力発電は現在十数万キロでございますが、あと十年足らず、昭和五十年でございますかには約六百万キロ、それから六十年には大体三千万ないし四千万キロワットぐらいを出力する予定で基本計画を立てて、これを推進いたしております。これはまあでき得るかどうかという問題になりますと、なかなかむずかしい問題でございますが、もうすでに、御承知のとおり東京電力、中部電力、あるいは関西電力というふうに、三十万、五十万キロワットのものを現在もう建設中でございますし、大体順調に進んでいるかと思います。なお、これに伴いまして、あと五年後、十年後におきましては、現在の発電用の原子炉が在来炉からあるいは転換炉、あるいは増殖炉とまではいくかどうかわかりませんけれども、そういった性能のいい、そして一つの発電所において二十万、三十万じゃない、百万キロワットというものすらでき得る態勢にあり、先進国では現在これが行なわれている面もございます。したがって、これは予算、人員、あるいはそのほかの関係が、要素がいろいろあると思います。特に原子力発電所を設ける場合におきましては、立地条件といいますか、地元の御協力といったような、立地条件あるいは地元の御協力を得るというような、いわば本来の仕事の外の環境整備、これに実は非常に力を入れなければならぬし、多くの方々の御理解を得なければならぬ面がございます。したがいまして、必ずできますと私明言はできないにいたしましても、もうすでに実施段階に入っている原子力発電の状況でございますから、目的はまず達成できるように努力をいたしますということをお答えいたしておきます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 その原子力長期開発計画では、天然ウラン精鉱の六十年度までの所要量を九万トンと言っておりますが、現在の国内資源、あるいは海外の市場、海外の探鉱などの現状から考えまして、この量を確保することはかなりむずかしいのではないかと思います。また、今後の国内での核燃料サイクルの自主性と申しましょうか、逆にいえば、アメリカによるシングル・パッケージ・システムにおちいらないようにするためには、どうしたらいいかということを私心配に思うのでありますが、長官のお考えを伺いたい。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 船田議員たいへんお詳しいので、私もその間なかなかわからぬところがございますが、大局的に申し上げまして、その原料たる天然ウランの確保については、現在最善の努力をしておりますとともに、日英原子力協定、それから日米原子力協定が現在交渉中でございます。したがって、来春になりますと、おそらく原料供給に対するこの協定が順次、まあ大体妥結できるかと考えておりますので、そうしますと、その協定を国会にお願いして御審議を願わなくちゃなりません。こういうものがある程度できてまいりますと、大体いま申し上げましたような、まあ原料といいますかについては、まずまず確保できるという段階にくるのではないかと考えております。なお、国内資源の問題、いわゆる人形峠の天然ウランをどう開発していくかという問題につきましては、いま探鉱中でございますから、大体の見当はもう船田さん御承知のとおりついております。したがって、これをいわば採掘をして天然原料ウランとしてもっていくかどうかについては、いろいろ説がございますし、現在私もどちらにすると申し上げかねる状態でございますが、原子力委員会そのほか等によくおはかりをしまして、そうしてこの問題については方向を定めてまいりたいというふうに考えております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 いまも長官から日米原子力協定のお話が出ましたが、いよいよ改定期が来たわけでございます。これが来春早々ですか、改定が成功したといたしますと、それに伴いまして、関係国内法の改定を行なわなければならないかと思います。それについての見通し、それから特殊核燃料物質の民有化にいつから踏み切られるのかということについて、お教えをいただきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 法律、案といいますか、各法律の改定につきましては、まだいまの話ではそう改定する必要はなかろうということでございます。なお、第二に言われました民有化の問題でございますね、この点につきましては、新しい協力に伴いまして、民有化のほうに一歩踏み込みたいというつもりで現在研究いたしております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 特殊核燃料物質の民有化の政府のスケジュールとしては、たしか四十三年の八月と承ったのでございますが、それでよろしいですか。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 四十三年度、来年度八月からということで大体の閣議了解がとれておりますので、その方向に進めたいと思います。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に、宇宙開発の一元化についてお聞きしたいと思います。これはほかの委員からすでに御質問もございましたので、詳しいことは申し上げません。ただ、私個人の見解を——見解ですか、感じを遠慮なく申さしていただきますと、どうも科学技術庁が東大の打ち立てた既成事実に遠慮し過ぎているような感じがするのでございます。予算の効率的な使用ということから考えましても、どうかひとつ、宇宙開発審議会の答申どおりに、それを中心にいたしまして、単にトップレベルだけが一元化したというだけじゃなくて、実際に実施機関の面におきましても文字どおりの一本化の実があがりますように、長官の御意見を承りたいと思いますのと同時に、それに関連いたしまして、内之浦の東大の射場の今後の管理権の移管の問題はどうなっているかということをお聞きしたいと思います。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 宇宙開発の一元化の問題につきましては、おそらく本日または数日中に宇宙開発審議会の御答申が出て、きまりまして、内閣総理大臣に対して答申があるかと考えております。おそらくその内容は、中枢部である頭脳ともいうべきもの、及びその事務局及び実施機関というような三段階についての御意見が出てくるかと思います。この間いろいろ、いわば大学関係者そのほかとの関係がございまして、伝えられたことも私存じておりますけれども、この答申を機会としてこれを実施に移すわけでございますから、来年度から少なくともこれを実行してまいらなければならぬわけでございますから、大学側とはよくお話をして、そうして私全力をあげてひとつこの間の融和と融合をはかってまいりたいと思います。少なくとも宇宙開発の問題は、何としましても、政府も、それから学者の方も、民間の方も、一丸となってやりませんというと、これはもうとうていでき得ないことでございますし、日本の宇宙開発が大体、昭和四十六年に実験衛星、四十八年に静止衛星といった目標を計画部会から出されております。それを実行するにしても、膨大な資金と膨大な頭脳と、それからいま申し上げました官学、民間に至る強力な一致努力がないとでき得ないと私は思いますから、私の責任において全力をあげてその間の融合をはかって、ひとつほんとうに一心一体となるように、この答申の趣旨に沿うように、実施を進めてまいりたいと思います。なお、内之浦の問題につきましても、御承知のとおり、そういう形で今度の新しい機構ができ、新しい体制に入れば、おのずからひとつ解決をしてまいるように進めてまいりたい。いま具体的に私ちょっとよく聞いておりませんのでわかりませんが、そういう趣旨でございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 以上で科学技術庁長官に対する質問を終わりまして、次に、農林大臣にお伺いいたします。実は私は米価に関してお伺いしたがったのでありますけれども、新聞等によりますと、大体財政当局と農林当局のお話し合いがまとまったように感ぜられますので、この問題は省かしていただきまして、農地法改正の問題につきましてちょっとお伺いしたいと思います。  農林省は去る八月に省内に構造政策推進会議というものをお設けになりまして、農業地域の保全と振興に関する法律の作成に当たっておられると仄聞いたしておりますけれども、それは次の通常国会に御提案になられる御予定であるかどうか、承りたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 農地法改正を次の国会に提案できるように努力をいたしている最中でございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 自立経営農家を育成して、生産性の向上や国際競争力、あるいは自給率の上昇、価格安定、そういうことをはかるためには、農地法の一部を改正いたしまして農地の流動性を高めることが必要であろう、こう考えられるわけでありますけれども、次の問題点につきまして大臣はどのようにお考えになりますか、お聞きしたいと思います。  第一点は、農地の賃貸借契約の解除あるいは解約の制限の援和をどうするかという問題、第二点は、在村あるいは不在村地主の土地所有制限の上限をどの辺に押えるか、第三点は、小作料の最高限の統制撤廃のことにつきまして、第四点は、農地移動の手続の簡便化をどうするか、第五点は、農業委員会の農地あっせん、あるいは紛争処理の権限の強化をどうするかという問題、以上の五点につきまして、簡単でけっこうでございますから、お答えいただきたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお話しになりました事柄、ただいま農地法を来たるべき通常国会に提案する目的で検討をいたしておる中で、まだはっきり方向のきまっておらないものもございますが、いま御指摘のように経営規模を広げますために流動性を持たせるということは必要でございますので、不在村地主もこれは認められるように、御存じのように、現状では在村しておらない者が田を持ったままよそに出て働くということになりますと、政府の買い上げの対象になります。したがって、非常に流動性がはばまれておるわけで、そういう点も改正してまいりたいと思います。  それから小作料につきましては、したがって農地法の改正に伴って改廃をいたしてまいりたい。それから持っております土地についての上限、これは広げなければならないと思っておりますが、その点についてはまだ検討中でございます。もう一つは何でしたか。

船田譲自由民主党

○船田譲君 農業委員会の権限、あっせん。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは農業委員会というもの、すべて農業者団体については、もう少しこれらの機能を活発に動かしていただくように指導してまいりたいと思って全般的に考慮中でありますが、ことに農業委員会の効用というものについては、私は全国にああいう形で存在いたしております農業委員会を、たとえば仲裁等にも活用していただきたい。農業委員会がいろいろな面で農地法を改正して経営規模を広げてまいるという方針に沿うように活動のできるように改めてまいりたい、こう思っております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 以上で農林大臣に対する質問を終わりまして、次に大蔵大臣にお聞きしたいと思います。米価の問題は省略いたします。  ポンドの切り下げに伴いまして国際決済通貨でありますところのドルの不安が云々されます。ヨーロッパの金市場におけるいわゆるゴールドラッシュが依然として続いております。ソ連のごときは、遠くルーズベルト時代に設定された金一オンス三十五ドルというこの建て値が法外に割り安なんだ、だから産金が進まないのだ、ドルはその後ずうっと実勢が落ちているのだから、この際対ドルの金価格を上げれば産金量もふえて世界の通貨の問題は解決するのだと言っております。で、わが国の保有外貨の大半はドルでございますし、金の手持ちは三億ドルにすぎないのでありますから、それを非常に不安に思う方もおりますけれども、大臣はどのようにお考えかお聞きしたいと思います。なおこれに関連いたしまして、IMFの提案しておりますところのいわゆる新準備資産の実現の見通しにつきましてもお答えいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御指摘のとおり、日本の外貨、保有外貨中に占める金の比重は非常に少ないと思っております。各国に比べて金の保有率は非常に少ないということは事実でございますが、これはいままで日本の手持ち外貨で金を買う余裕というものがなかったということ、金を多く買う余裕がなかったということが一つ、それから金で、金そのもので運用するよりもドルで運用するほうが利益であったと、こういうようなことから金の保有をふやさないで今日に至りましたが、それではこういうような、これはひとり日本だけではございませんで、各国においても国際経済が伸び、国際貿易は伸びているのに金の生産高がそれに伴わないということからくる流動性の問題をどう解決するかということにつきまして、四年越しの研究を経た結果、本年IMFの総会において初めてこれに決着をつけることができました。いわゆる特別引き出し権という新しい準備資産をつくる。これは金に直接結びつかない資産であるということで、日本にとっては非常に有利なものでございまして、これが配分されればそれだけ日本の国際収支の天井が高くなる。したがって、国内政策もいままでのように国際収支の天井に制約されていろいろそのときどきの政策を拘束されることが非常に少なくなるというようなことがございますが、これは日本だけでなくて、各国にも言われることでございますので、こういう形によって国際流動性の問題が解決されようというところへもういままいっております。で、来年の三月までに実際協定の案文がつくられる。これができますと、各国はこれをそれぞれ批准する、自国の国会において批准を求めるということをやると思いますので、来年一年はこの発動に至らないかもしれませんが、再来年の春には当然この引き出し権の発動というものがあるだろうということで、先に解決方法というものがもうできておったにかかわらずいまのような事態が起こったということでございますが、そこでこういう先の解決案も準備されておるときでございますので、米国政府は再三もう金の一オンス三十五ドルの値段は下げない、ドルの価値は維持するということを再三言明しておりますし、またこれが国際基軸通貨である関係から、世界各国もこのドルの防衛に協力するという態勢をとっておりますので、私はドルが切り下げをするという事態はなくて済むというふうに考えております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に自治大臣にお伺いいたします。  住民税は所得税に比べまして非常に課税の対象者が多うございますし、また課税最低限も低いわけでございます。今後その課税最低限の減税の引き上げのスケジュール、もしお持ちでしたらお示し願いたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 住民税の引き下げと申しますか、課税最低限の引き上げは非常に強い要請がございます。前々国会でしたか、衆参両院の地方行政委員会でも附帯決議をもって、しかも具体的に数字にまで入った御決議もいただいておりますので、私どもといたしましても、地方財政の現況は御承知のとおりでございますけれども、前向きな姿勢で解決しなければならぬと考えまして、税制調査会などにもはかっておる次第でございます。

船田譲自由民主党

○船田譲君 次に国鉄の納付金の扱いについてお伺いいたしますが、きのう大蔵大臣は免税の方向で検討するというような御答弁がございましたけれども、もしその場合には何かそれにかわる、たとえば基地の基地交付金、ああいうようなものが見込まれるのかどうか。またほかの公社の財産についての固定資産税につきまして、何といいますか、連鎖反応がないかどうか、そういうことをお聞きしたいと思います。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 大蔵大臣が免税の方向で検討するのだと言われたことは、私この席におりませんで、気がつきませんでした。それはたいへんなことでございまして、きのうかおとといか、この席でるる申し上げましたようにこれは単に国鉄の納付金だけの問題ではないわけでございます。ほかの公営あるいは私営あるいは法人、個人みなそれぞれ固定資産税を納めておるわけでございますので、すぐに波及します。国鉄と同種のこういう公社あるいは国有財産、全部に波及する可能性もありますし、他の財源で大蔵大臣がお考えいただきます場合においてはいさぎよくこれはお返ししていいと思いますが、それがない限りはなかなかむずかしいというふうに御了承おきをお願いいたしたいと思います。

船田譲自由民主党

○船田譲君 最後に競輪、競馬、競艇等の市町村の施行権についてお尋ねいたしますけれども、道徳的な問題はしばらくおきまして、非常に貴重な財源でございますが、これの先行きはどういうふうにお考えになっておりますか。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 公営競技調査会の総理大臣あての答申が出ております。大体ギャンブルですから、まあたいへん不安定な財源でもありますし、それからまた地方団体で財政需要額をうんと上回った収入があるところもありますし、不公平のそしりがありまして、かねて問題になっておったわけであります。この答申を十分尊重いたしまして善処いたしたいと思っております。

船田譲自由民主党

○船田譲君 以上で質問を終わります。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして船田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、千葉千代世君の質疑を行ないます。千葉千代世君。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 まず経済企画庁長官にお尋ねいたします。  昨今の異常な物価高のしわ寄せは家計簿の中のどういう費目に、どの程度に集中されているとお思いになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 最近のことで申し上げますと、ことにきわめて最近で申しますと、やはり食料、食費、その中でも主食、それから生鮮食料品の中で野菜でございます。それから今年は衣料にわりに大きな影響がございました。それからここ一、二年ずっと継続的に上がっておりますのは教養娯楽、保健衛生という雑費に属する分でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 教育費はどの程度の比重を占めているとお思いになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとお待ちくださいまし、いまウエートの表を調べてみますから。——失礼いたしました。CPIの中での教育費のウェートは五二五だそうでございます。これは一万の中の五二五でございます。そこで最近の消費者物価の上昇の中でいわゆる雑費に属するものが一割——二二%ぐらい上がっておりますから、まあ教育費はそれにウエートをかけたものということになるかと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうすると、いまあげられました費目の中で何とか倹約すればできるもの、それからどうしても削れないものは何でしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) それはまずエンゲル係数の内容になるものはどうしても削れないものと思います。これが第一かと思います。それからまあ保健衛生、光熱などは削りがたいと思われます。まあ教育、これは義務教育は一応コストがないことになっておりますけれども、しかし義務教育でないからといって教育費なんかもやはり削りにくいものではないかと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 一国の経済企画庁長官のいまの答弁の中で教育費も云々ということを言われたのですが、現実に国民の実態というものはそういうものではないということを示しております。私はここで理想論を言ったり、討論する意思は毛頭ありませんが、ちょうど五百家族について家計簿を見せていただきました。それはごく最近の十一月一カ月の家計簿でございます。これは年間を通して家計簿をつけていらっしゃる方々ですが、この十一月のところを、重くてこれだけを抜いてきたわけですが、これは全国にわたっております。その中で重点的にあげられますものはやはり食料費と教育費、保健費がこれは一番ウエートを占めています。その中でどうしても削ることができないものというのに教育費を一様にあげていられるということ、このことを後ほど文部大臣にお尋ねいたしますが、あなたはこのことについてどのようにお考えになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は多小、生活の経済面ということから申し上げましたけれども、実態はおそらくどこの父兄も多少御自分の不自由は忍んでも子供の教育は絶対にやろうというお心がまえだと思いますし、まあそれでわが国が実際今日あるのだと思いますから、そういう意味では削りがたい筆頭の一つに実際なっておるんじゃないかと思っております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 重ねてお尋ねいたしますが、一番苦しい年齢と申しますか、夫の年齢がどのくらいのときが家計が一番苦しいと——みんな苦しいですよ、特に苦しいという年齢はどの層だと把握していらっしゃいますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) たぶん三十から三十七、八ではないかと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私は時間がないので詳しく申し上げませんが、私の見ました資料はこれは政府統計を見たんです。総理府統計を見たんですが、それで見ますと四十二歳から四十七歳にまたがる間、四十五歳が一番苦しい。これは食べ盛り、子供の教育盛り、その他あります。この中で四十五歳が一番苦しい。給料も伸び悩み。これが賃金要求で、ざっくばらんに言って、お子さんが三人ありました場合には、いまの給料の四〇%から五〇%上げてもらわなければ生活ができない。それでできないのを内職で補っておるという実例が示されておるわけですけれども、三十八歳という根拠はどこからお出しになったのですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) どうもまことに相すまないことでございますが、まあおそらく私は子供さんが四つから十一、二という感じで申し上げたのでございますが、二人、三人とふえた場合のほうがより苦しいとおっしゃられれば、なるほどそれは私の思い違いかと思います。二、三人考えますと、やはりおっしゃったような年ごろになるかと、ちょっと自分の考えが足りなかったかと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 総理府の統計を見てまいりますというと、その中にもたいへん、総理がよく発表していらっしゃいます中でも違いがあると思うのです。たとえば総理府統計の中では五段階に分けてこれを集計しておりますし、その中で平均をおっしゃるのです。いま言った年齢別の構成を見ていきますと、たいへんな違いが出てくるということを一つ指摘しておきたいと思います。  そこで食料品の物価高ということがつらいということがございましたが、きのうのテレビの中に食料品はまだどんどん上がる、来年ももっと上がる。特にこの暮は、いま、きのうの日よりもこの暮にいきますと二割上がるということがいわれておりますけれども、その点について見通しは、これは農林大臣でしょうか……。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私もラジオ等で、朝の番組でそういう放送も聞いておりますけれども、私どもの手元で調査いたしたものによりますというと、御存じのようにことしは干ばつもございました。それから豪雨もございました。そういういろいろな関係もありましたし、それから秋、冬の蔬菜の出回りがいま申しましたような事情で若干おくれてまいっておりますので、十一月は御指摘のような状態もあったかと思いますが、昨今では逐次出回りがよくなってまいりまして、値段も安定いたしてまいって、大体物によっては若干昨年に比べると安いものもありますが、概して蔬菜は横ばいである、そういうふうに私どもは理解いたしております。それからして、その他肉類、豚、鶏卵等は新聞の社会面にもございますように、政府は肉の高騰を防ぐために年末を予定して輸入をいたしまして、それが比較的値段が安いので皆さん方が、まあ奥さん方が殺到してお買いになっていらっしゃる写真なども出ております。そういうことで秋野菜、冬野菜については前々から手当をいたしておりましたので、私どもの見通しでは大体横ばいにいくんではないか。御存じのように蔬菜の中で何と申しますか、三巨頭といいましょうか、大根と白菜とキャベツでございますが、これは地方の市場及び農林省等の調査をしてみますというと、いま申し上げましたように大根はやや上がっておりますが、あとキャベツ、白菜はむしろ十一月よりはるかに落ちてきておりますので、年末、年始のお勝手もとはそう一部で伝えられておりましたような高騰はないんではないかと、こういうふうに見ております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 去る十六日の小柳勇氏の質問に対して農林大臣は、年末の野菜等は手配しているが、そう心配はないだろうと、生産対策はまずまずだとおっしゃっている。それから流通機構についても改善をしたとおっしゃっているわけです。それから現実には二割上がるということが言われておって、現にそこで売っていらっしゃる商人の方々は、年末はずいぶん高くて売りにくいけれども、サービスする。そのかわり他の一年間で取り返すということを言っているんですね。そうすると、まあかりに二割上がったと、しかしそれは自分のもうけが少ない。それでも、もうけが少ないと言って、卸が高いからと、こう言っているんです。そうすると、年間を通じてはこれはたいへんな物価高になるということが来年予想される。ことしの暮れに少し出血しても来年取り返すということを言っているわけなんです。それは流通機構とたいへん違った観点になるわけなんですが、その点どうお考えになりますか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、年末、年始のお勝手もとを考慮いたしまして、農林省は早目にいろいろな手を打ちました、時間の関係でそう詳しいことを申し上げられないかもしれませんが。そこで、小柳さんのときにはお時間も少なかったようでありましたが、ちょっと年末、年始だけじゃなくて、いま企画庁長官もおっしゃいました家計の中で重要な部分を占める生鮮食料品、農林省は生産対策はもちろん力を入れますけれども、昭和四十二年度の予算をごらんくださってもおわかりのように、流通機構の改善には格段の力を入れておるわけでありますが、いま申し上げましたように、この年末における生鮮食料品価格安定対策を決定いたしまして、いろいろ施策を講じました。たとえば大消費地域、まあ東京なり名古屋、大阪などのようなところでありますが、これに応じた供給の確保をはかるための秋冬野菜の出荷の調整措置を事前にやっております。  それから第二は専用列車の編成等青果物の計画的輸送を運輸省、鉄道と話しまして、そういう手だてをいたしました。  第三には、畜産振興事業団による乳製品、それから豚肉等の放出をいたしております。肉牛については先ほど申し上げましたように、輸入もいたしまして、調整はいたしておるわけであります。  それからその次は、冷凍魚の消費及び水産物年末輸送の円滑化、これもいま申し上げました野菜と同じ手段で特段の力を入れてやっております。  第五は、中央卸売市場におきまして荷さばきの円滑化と小売り段階における指導の強化、これは幸いに市場を営んでおります者及び仲買い人、小売りの人たちも私どもの方針に協力をいたしまして、年末年始における野菜及び魚介類の流通の合理化について特段の配慮を協力してやっております。そのようなことをいたしますと同時に、先ほど申し上げましたように、品物が普遍的に出回りますように心がけをいたしておるということを小柳さんの御質問にもお答えいたしたかったわけであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 いま触れられました価格の差でございますが、地方と中央、それから都市の中でも、だいぶ違いますね。たとえば六本木で大根一本買ってまいりました。この大きなのが百円から百二十円、麹町でこれが八十円になります。それからもう少し四谷市場へ行きますと、これくらいのが三十円です。こういうふうになっている。ネギが二本で四十七円です、いいネギを買いますと。ぐちゃぐちゃになって、半分かたくて食べられないのは三本で三十円、こうなっております。そうすると、たいへん格差があるということをまず指摘したい。これはやはり、根源するところは、新しいもの、古いもの、この流通機構にあるのじゃないか。いまお述べになった中では、確かに流通段階のことを指摘されましたけれども、私はもう一歩進めて公営の卸売り市場の増加とかあるいは機構の民主化とかそういうものに手を入れていかなければならないし、消費者の発言力についてももっと考えていくことが必要じゃないか。これは生産とか流通とか消費とか、これはやはり価格的な連係の上に立っていきますから、第一の生産と出荷の段階、第二の卸小売りの流通機構、第三の生協の問題、これは企画庁長官も消費者の育成ということをおっしゃったが、こういう中でやはり、価格的の連係が長期的な政策の中で消化していかなければならないのじゃないか、こう思うのですけれども、その点で公営卸売り市場の問題についてお答えいただきたいのですが。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 私どももまことに同感でございまして、ただ地域地域の市場における大根、ネギの格差もあるようなことについて、つまびらかにいたしておりませんけれども、御存じのように本年度以降において中央卸売市場を都内だけでも六カ所新しく増設をする。さらにいまの築地の市場の狭隘でありますことにかんがみまして、大井にいわゆる大井市場、これはさらに大きな計画をもって中央卸売市場を東京都とも話し合いをして増設することにいたしておりますが、そのようにいたしまして、秋冬に限らず、年間、生産地——いま御存じのように野菜については、数はちょっと忘れましたが、三百何カ所全国で生産地指定をいたしておりまして、そこと大消費地とを直結できるようなシステムにだんだんと取り運んできておるわけでございますので、お話のような私ども同じ考え方で流通機構の整備をしてまいりたい。それから、また、さらに四十二年度予算でも若干の予算をいただきましたけれども、生産地と消費地との価格に対する知識を、生産地の生産者がよく承知しているということも必要でございます。たとえばリンゴの産地で、東京の市場にはリンゴはたくさんあるのに、名古屋の市場はからっぽである、そういうことの状況を、いまは農林省に地方の統計事務所からその日その日の状況を報告してまいって、農林省ではまた全国の統計を集めて地方支部に流してはおりますが、その支部に流されておるものを地方の生産地のマーケットで扱っておられる人々に周知徹底せしめることができれば、荷が非常に倉庫に一ぱいであって、値段も安くなっておるようなところへどんどん集中するよりも、そういう品薄で非常に困っているようなところへ供給することによって、消費者も便利であり、生産者も早く現金化することができるということで、そういうようなことも新しく予算にお願いをいたして整備をしようというわけでございまして、ただいまの御指摘と同じような思想で私どもはさらに一段と流通機構の整備に力を入れてまいりたい、こう思って、そういう計画を着々進めておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 五十一国会に物価安定緊急措置法というのが提案されて、これが審議未了になっているわけなんです。私は、先日の宮澤長官の答弁の中に、一つの省庁の中にそういう部を設けたらどうかという質問に対して、いまその段階にないような御答弁があった。私はそれよりも、やはり物価安定緊急措置法で、名はどうでもよろしいのですが、実際にやはり生産と消費、これがなるべく直結に近い形——直結が一番いいわけですが、そういう方法がとれるということ、このことを望んで質問しているわけですが、いま農林大臣がリンゴの問題に触れられたんですが、そこでひょっと思い出したことは、カキがことし大豊作で、あれはカロチンがあってたいへん栄養があるわけですね。ところが、あまり豊作でもって、買い手もないし、食べ手もないという段階なんです。いいものはいいのですよ。こんなすばらしい、岡山とかほうぼうの、いいのはよろしいのですが、そうじゃなくて、千葉県の農村へ行ってみますと、たんぽのあちこちに一ぱいあって、くれてもいやだというのです。私は、それを各省ばらばらな政策でなくて、厚生省なら厚生省のほうで施設に回すとか、おやつが、施設の子どもは一番初め三円のおやつから五円、七円、十円と、こうなりましょう。そうなった場合には、カキだって、もし運搬料さえ出せばたくさん手に入るんじゃないか。それを全然腐らしてしまうわけなんです。だから、そういうふうな各省間のばらばら、そういうものを是正するために、いま農林大臣がおっしゃった流通機構の改革案だけで来年できるのかできないのか、どうなんでしょうか。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) カキは私もどうも好きでありますが、本年は昨年に比べて大体一五%ほど増産があったようであります。しかし、これについて、いまお話のように、一部手の届かないところでむだになっているところがあったかもしれませんが、これも農林省では地方の農協、生産者等とも話しまして、できるだけこれがつくっておられる人の経済効果があらわれるようにいたしたわけでありますけれども、なお、いまお話がございましたようなことも考えられますので、より一そうそういうことについて研究をして、むだのないようにいたしたいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 物価安定法についての考え、つくる気持ちがあるのかないのか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは以前にも申し上げましたが、どうも権限を持った物価安定の機構をつくるということは、何かそういうものをつくりますとうまくいくというようにも考えられるのでございますが、実際いまのわが国の行政、それから行政官といったようなもの、あるいは行政の習慣というようなものから考えますと、なかなかその機構をつくりましてもうまく動きませんで、やはりこの生産面を指導している実際の権限を持っている人たちが消費者の観点も入れて行政指導をするということのほうがどうも実効があがるように私は思うものでございますから、中央に一つそういう機構をつくるということには、前回申し上げましたように、私としてはやや消極的な気持ちでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次は、教育の問題についてお尋ねいたします。ことしの大学の受験希望数が非常に多いわけなんですが、具体的に四十二年の三月に大学受験を志願した者、国公私立合わせてどのくらいか。合格率はどのくらいで、入学した者はどのくらいか。そうすると、去年合格しなかった者がことし受けるわけです、大体。そうすると、ことしの高校の新卒と合わせて、ことしの志願者、そして今度は合格率を大体どのくらいに予想していらっしゃるか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 昨年の三月の状況を申し上げますと、新卒業者が五十四万七千ばかりで、いわゆる浪人と称せられる者が十五万五千、合わせて七十万二千というのが昨年の志願者総数であります。これに対しまして入学者が四十三万四千、合格率が六一・八%ということになっておるようであります。本年のこれは推定でございますが、新卒業者が五十五万三千、いわゆる浪人といわれておる者が十八万七千、合計で約七十四万というふうに推定せられておるわけであります。これに対しまして前年度の、つまり昨年度の合格率の程度は入学できるようにいたしたいものと、せっかく検討いたしておるところであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 いま大臣の御指摘になった合格率、それから、いわゆる浪人と申しますか、この方々はその後いろいろの学校にお入りになってしまったので、純浪人が十五万とおっしゃいましたか、だという数に把握してよろしゅうございますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 十五万五千と申しましたのは昨年の数字でございます。ことしはそれが十八万七千ぐらいになるであろう、こういう推定をいたしておるところでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 現在の大学数、国公立、私立合わせて幾つになっておりますか。国公立と私立別々に。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私も数字に弱いほうでございますので、正確なことを申し上げかねますので、政府委員からお答えさせていただきます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 いいです。大学の数が国公立百七十四、私立五百八十五、そうすると、いまの受験者数と学校数と、合わせて十八万七千人の浪人が出る、こういう予定だと、こうおっしゃったのですが、それについて大蔵大臣は、予算編成に際して大学に大なたをふるう、で、そのことについては、今後文部大臣と大蔵大臣とで話し合うけれども、押されぎみだ。何か押したり押されたりしているということが新聞にあったわけなんですけれども、この浪人問題については、私どもの把握と人数に多少違いがございますが、きょうは触れませんけれども、私の質問の要旨は、大蔵省が大学についての大なたをふるうという人数の査定でございます。そのことについてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まだ査定は決定しておりませんが、私のいまの考えを申しますと、ここ数年来、国立大学の学生定員も年々相当大幅に増加する措置をとってまいりました。で、来年がピークのときでございますが、来年度を過ぎると、そのあとは生徒の数はずっと年々減っていく、こういうことでございます。そこで、増加するときには国立大学だけではなかなか設備を拡張して間に合わせることが十分でございませんでしたので、相当教育部面を私学に頼んで、私学に依存しているという事情もございますので、ここで来年をピークにして、今後学生数が減っていくというときに、この国立の大学だけの定員を多くふやすことはどうか。やはり私学との全体のそういう調節も調整も考えなければならぬというふうに考えますと、定員はふやしますが、学生はふやしますが、ふやし方についてはそういう考慮も私は来年度払いたいというふうに考えておるわけであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 国立大学の学生の一年間にかかる費用、それから、私立大学の学生の一年間にかかる費用はどのくらいと推計していらっしゃいますか。文部大臣にお答えいただきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 政府委員からお答えさせていただきます。

村山松雄文部省管理局長

○政府委員(村山松雄君) 学生一人当たりの経費の計算方法はいろいろございますが、昼間部の四年制の大学学部ということで、総経費を学生数で割りますと、国立が約四十二万円、それから、私学が約二十六万円という程度になります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 学生たちはいずれも国の大事な宝ものでございます。先日来、当委員会でも、青年の愛国心とか、国家を大事にしなければならないというようなお訓示をずいぶんいただいたわけですが、私は、やはり次をになう青年たちに希望を持たせるということ、希望を持って将来の設計を夢見ていくことができるという、国の発展とともに個人のしあわせが約束されるということ、あるいは個人の約束と同時に国家が栄えていくという、そういう関係の中で、青年がいま受験勉強でもって、いまおっしゃった七十何万人の学生たちが一生懸命勉強し、予備校があふれるようで、図書館はだれもすわる席がないほど満員だという。こういう中で、一方には自分たちが行く学校は、国立にしろ私立にしろ、たいへん狭い門であって、そして今度は費用についてもこういう差異が出てきた。そこで、私立大学の中では一斉値上げということが新聞では報じられて、一五%から二〇%という、これは当然増だということをおっしゃられているわけなんです。そこで、私は、国として私立の学校、私学に対する振興対策、これはやはり抜本的に考えてやらなければならないのじゃないか。これは欧米の例を引くまでもなく、日本の私学対策は非常に貧弱だということを痛感するわけなんですが、それに対して来年度の概算要求はどのくらいになっておりましょうか。それに要する私学振興、あるいは助成金といいますか、貸し付け金その他の内訳は。

村山松雄文部省管理局長

○政府委員(村山松雄君) 私立大学に対する助成といたしましては、補助金と、それから、私立学校振興会を通じます長期低利資金の貸し付けがおもなものでございます。補助金といたしまして、私立大学理科設備補助金、それから、私立大学研究設備補助金、これがおもなものでございますが、現在四十二年度予算でそれぞれ約二十八億、十五億計上いたしておりまして、来年度はほぼ五割増し程度の増額の要求をいたしております。それから、私立学校振興会の貸し付け金でございますが、本年度三百十億の事業費を計上いたしておりますが、来年度につきましては約百億円余りの増額の要求をいたしております。さらに、来年度新たに要求いたしますものといたしましては、私立大学の経常的教育研究費がございます。これは臨時私立学校振興方策調査会の答申によりまして、従来、私立大学に対しましては、施設費のいま申しました融資、それから、設備費の補助が中心であったわけでありますけれども、経常的な教育研究費につきましても補助すべきであるという答申を得ましたので、この答申に基づきまして、新たに九十億円ほどの経常的教育研究費の補助を要求いたしております。その他、私立学校共済組合の運営費に対します若干の助成金等がございます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま政府委員からお答え申し上げました数字は、文部省が大蔵省にお願いをしておる数字でございます。御承知のように、これからが、実は予算がきまる段階でございますので、これで動かないというふうなものではない。私としましても、もちろん希望する目的をできるだけ達成したいと存じておりますが、御承知のような財政事情の際でもございますので、一面においては国務大臣として考えなければならぬ面もございますので、十分大蔵大臣とも御相談したい、このように考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 灘尾大臣のお気持ちはよくわかりますけれども、また横道にそれて恐縮ですが、先ほど船田委員の質問の中に、教職員の超過勤務手当のこともあったわけですけれども、前文部大臣の劔木大臣、それから、引き続いて灘尾大臣も、超過勤務は出すべきだという、こういうたいへん積極的な姿勢であったのが、どういうぐあいか、自民党のそれぞれの事情がおありになったようで、いつの間にか教職員の待遇改善という名目で号俸を上げていこうという、こういうふうにしてすりかえられるという形勢があるわけです。これはいまそのことを責めるのではありません。たいへんな問題ですが、これは時間の都合上省きますけれども、そういう例がございますので、灘尾大臣は今度はそういうことはないと思いますが、いまの問題も、やはり大蔵大臣と四つに取り組んで、これが通らなかったらすわり込む、大蔵省に。そうしたら全国の学生は続いていって、ほんとうに正常な——いまも正常ですが、正常な発展をしていくという希望を持っているという、それだけの気概がほしいということを考えておりますが、もう一骨折って自民党をまとめていくという——あれこれかってなことを言ってもしようがないですよ。あなた方与党なんですから、これをまとめていくという決意を披瀝してもらいたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) たいへん激励していただきまして、まことにありがとうございます。もとより私どもは、われわれの念願とするところを達成するために極力努力するということは当然のことでございます。そのつもりで大蔵大臣と御相談をしたいと、かように思っておるわけでございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 主管の大臣と十分御相談いたします。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 くどいようですが、私立学校の皆さんに伺いますというと、現状の経営では、やはりもう十倍もなければならないという——政府のいわゆる貸し付けとか助成ですね、なければやっていけないということを言った。その根源をいろいろ聞いてみますと、その中のほんの一つですけれども、篤志家があって寄付した場合にはそれに税金がかけられるという。これではたいへん寄付するほうも足踏みする。寄付した方々に、教育費に寄付したものについて税金の免除を考慮するように希望するわけですが、それについてどのように考えていらっしゃいますか。

細見卓大蔵省大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) 現行制度の技術的なことでございますのでお答え申し上げます。  私学の振興につきまして、おっしゃるように、寄付金によっておるものがかなり多いわけでありますが、学校法人に対します寄付金の免税措置につきましては、本年度かなり大幅な改正をいたしまして、私どもが考えますと、従来とさま変わりに変えたつもりでございます。一つは、従来は私学が寄付を集められる場合には、新しく設備を建設するということがはっきりして、その設備に充てられるということの所要資金を指定寄付金の対象範囲に入れるということにしておったわけでございますが、今回の改正によりまして、すでに設備はできておって、そのときに借金があった、その借金を返済する資金も、この際、指定寄付と申しまして、一般の寄付金と違いまして、その寄付が出た限り、全部会社の経費として見ますというものでございますが、その指定寄付金のワク内に入れております。それから、もう一つ申し忘れましたが、いまの設備の借金だけでなくて、いろいろ教育費がかさんでまいりますので、育英資金にも使える、それを指定寄付金に入れております。  それから、所得税につきましては、御案内のように、従来は所得税額控除ということで、いわば所得金額全部じゃなくて、高額所得者については、当時は払いました金額の三割程度を税額から引くということになっておりますので、その残り、その人にかかっておる税率が、かりに四〇%でありますと、その差額一〇%は自前ということになっておったわけですが、今回はそれを所得控除ということに改めておりますし、また、従来三十万円までの控除はこれは考えないということにしておったのでありますが、これを二十万円ということに改めております。  それから、また、私学が非常に経営が苦しいので、いろいろ収益事業をあわせ行なうので、それをその私学の経営に充てておられるという場合があるわけでございますが、そのそこに生じました利益、これは法人税の上におきましては本来は課税するものでございますが、その半額は非課税にするというようなことにいたしております。  それから、そのほか、御承知のことと思いますが、私学の振興のために出しました寄付金につきましては、一般の限度額の別ワクとして、一定限度、普通の限度額同額までは支出できるようになっておることは御案内のとおりでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 続いて、今後の方針もそのままでいくつもりなんですか。

細見卓大蔵省大臣官房財務調査官

○説明員(細見卓君) それらの点につきましては、明年度の税制改正の一環として、各方面の要望も承りながら検討中でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 文部大臣にお尋ねいたしますけれども、四十二年の四月、つまりことしの四月ですね、大学に入学したときに要ったお金、特に私立大学の、東京中心でよろしゅうございますが、入学金がたいへん多いわけなんです。多いところは四百万円、少ないところは二十七万円、こういうふうに私は調べたわけなんですが、文部省ではどのように把握していらっしゃるか。全部の大学というわけにいきませんが、十ぐらい調査がありましたらばお答えいただきたいと思うのですが。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) その点も政府委員からひとつお聞き取り願いたいと思います。

村山松雄文部省管理局長

○政府委員(村山松雄君) これは若干の例を申し上げますと、たとえば慶応大学の場合を申し上げますと、文科系で、授業料、入学金、その他所要経費合わせまして十八万円という数字になっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 施設費も含めて。

村山松雄文部省管理局長

○政府委員(村山松雄君) 施設拡充費等含めまして十八万円、それから、工学部で二十一万四千円、医学部で五十三万四千円というふうな数字になっております。  それから、日本大学の例を申し上げますと、文科系で十八万円、それから理科系二十四万円、それから医学部六十五万円、歯学部六十一万円ということになっております。わかりました限りの私立大学を平均いたしますと、文科系で十六万円、理科系で二十二万四千円、医学、歯学の系統で六十七万円、それから、国立大学の場合ですとこれは均一でありまして、授業料一万二千円、入学金四千円、合わせまして一万六千円という数字になっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 文部省は、これは学校に公式ベースで問い合わして御返答いただいた分でございますか。

村山松雄文部省管理局長

○政府委員(村山松雄君) 文部省では、私立大学の場合、毎年入学要項の決定次第送付を受けておりまして、その入学要、項で授業料、入学金、施設費等、学生から納付すべく定めておる金額を集計したものでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 校友会費とか、そういうものは一切抜いてあるわけですね。

村山松雄文部省管理局長

○政府委員(村山松雄君) その他募集要項に記載のないものにつきましては計上いたしてございません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 文部省の調査とはたいへんに違っているわけです、私の調べましたものは。学校の名前は申し上げませんけれども、調べた中では医学部が一番多いわけですね。で、正式に受かった者と、それから、補欠で入った者はたいへん違うわけなんです。補欠も、Aの補欠ですと百万円、Bですと二百万円、C、Dと段階がありまして、代々親が医者だし、どうでもいれなければならないというのは四百万円。しかも、これは堂々と学校の会計課長の受け取りをくれるわけです。そうして銀行なら銀行へやって、そうして今度は落ちた場合にはこれを返すのです。ですから合法的だと、こう言っているのです。入学してしまえばそのお金は寄付するということになる。この問題について、私調べてみますと、何も法的には規制がないのですね。法的に規制がないからといって野放しにしておったのでは困る。私が調べました家計簿の中には、大体四十歳前後で、給料が三万から四万、五万、多い人で特別の職にある場合には七万、八万というのはありますが、とてもそのお金は出ないという数字が出てきたわけです。だから内職をやってお金をためているのだということ。おとうさんの交際費も、たばこも、値上げするからやめるのじゃなくて、子供の教育費にするからたばこをやめたと、こういう例がある。たまたま今月は何とかよかったという報告がありましたが、これは愛媛県の新居浜の別子鉱山の主婦の方ですが、何とか生活が今度はよかった、主人が交通事故にあって見舞金を三万円もらったので、それで何とか楽だった、いつもこのくらいもらえればいいけれども、いま切り詰めても切り組めても五千円が赤字だと、こういうことが出ているわけなんです。そして、今度、からだの弱い奥さんは、内職もできないで、たいへん非観しているんですよ。こういう現状の中で子供たちはみんな勉強しているわけです、一生懸命に。親は、また、自分が学歴がない——学校へ行くはかりかいいとは言いません。けれども親が学歴がないために、子供を何とかやりたいというときに、お金がうんとかかるんですね。四百万円のお金をどうして出すんだろうかと考えてみて、まあ平均百万出している方がずいぶんあるんですね。しかも、これは学校に納めるのですから、東京の学校に行くためには下宿するわけですよ。そして、子供はアルバイトする、おかあさんは内職をする、おとうさんは月給が上がらない。少し本気になって人事院勧告の完全実施の運動でもやれば、今度は賃金カットだとか、停職だとか、訓告だとかって、どうでしょう。そういう実態の中で、子供に何を希望を持てと言うかということを考えたときに、少なくともやはり大学の入学に対してお金がかからないということが大事じゃないかと、このように考えまして、規制ということは申し上げませんけれども、何か、基準とか、そういうものに対する適当な政策というのはないんでしょうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えいたします。  御指摘の点は、非常にむずかしい問題だと思っております。文部省の調査は先ほども申しましたような調査でございますけれども、それ以外にいろいろお金がかかっておるというようなことを聞かないではございません。また、中には、よくそんなお金が払えるものだと思うくらいのお金を使っていらっしゃる方もおるやに伺うのでございます。いかにもそういうことは教育の関係から申しましても正常な姿とは思えないので、何とかそういうことを正していかなければならぬということは思いながら、さて一体どうするかということになりますと、なかなか的確な方策というものが出てまいらない。また、同時に、そういう問題と、今度は、国というか、政府というか、そういうふうなものと結びつけて考えます場合には、またいろいろな問題がそこに出てくる。それに対してどのような考え方をしていくかと、こういうことについても大きな問題が横たわっておるようなわけでございます。実は苦慮いたしたところであります。お話にもありましたように、直接現状においては文部省が規制をする手もございませんし、ただ、やっておりますことは、いわば間接に各大学の財政負担をいわゆる私学振興という名においていろいろなことをやってきておる。同時に、また、就学する学生に対しますいわゆる育英奨励の道を拡充していくと、このようなことをやっておるわけでございますが、何とか根本的な改革の道があるか、そこには大きな問題があろうかと存じておりますが、衆知を集めて私どもも検討いたしますし、また、お気づきの点はひとつ十分御教示をいただきたいものと存じます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 いま大学の問題を取り上げたのですが、幼稚園から大学まで、日本の教育は父母の負担がたいへん多いわけです。時間の都合で詳しいことはやめたいと思いますけれども、公費と私の費用つまり父母が払った費用の比率を考えていきますというと、非常にウエートが父母にかかっているということなんでございます。それをひっくるめて考えていった場合には、日本の文教対策の中で予算がたいへん少ない。これは、この間の新聞にあったことですけれども、国税庁がまとめた各会社の交際費の総計が六千億になっていますね。それで、日本の当初予算の文教費が約六千億です。六千二百四十六億ですから、六千億ですが、こういうふうな矛府もやはり解決していくというこのことは、ひとり文教だけではなくって、低所得層にいる方々に対する政府の政策の重点じゃなかろうかと思っておりますけれども、企画庁長官——これはだれですか、文部大臣ですか。じゃ、文部大臣。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 子供さんの教育費につきまして家庭の負担が重いということは、これは否定するわけにもまいらぬと思います。ことに、まことに申しわけないことでありますけれども、本来公費——公の費用をもってまかなうべき経費までPTAのごやっかいになっておるという事実がいまなお残っておるわけです。なかなか一挙に解決するということは困難でございますから、われわれといたしましては漸次その改善の方向に向かって進めておるわけです。しかし、なかなかPTAの会費というものはそれに比例して必ずしも減っておるとも言えないような状況にあろうと思います。で、これらの点につきましては、PTAの方にもひとつよくお考えを願わなければならぬ点もあろうかと存じます。はたしてどうしても出さなければならぬ経費であるのかどうかというような点についても、よくPTAの方とも御相談してみないといけない点もあろうかと思います。いずれにせよ、私どもの立場から申せば、公の経費をもって負担すべきものがそのようなPTAのごやっかいにはならぬようにするという方向で努力してまいりたいと存じます。同時に、また、いわゆる低所得の階層の方々、こういう方面に対しましては、御承知のように、いろいろな点において従来それぞれ配慮はしてまいっておりますけれども、やはりこの点は常に念頭に置きまして施策を進めてまいらなければならぬと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 文部大臣に質問いたします。いまの前の問題の関連でございます。  前の千葉委員の質問、私大のいわゆる裏口入学の問題の点です。私どもの周囲にもたくさんその例がございますし、私どももそういう問題を扱いまして非常に不愉快に思いますし、たいへん困ったことだと考えております。したがって、いままでのその私大の——これはいま始まったことではございません。もう過去数年そういう話を聞いておりますが、大学局としてこういう実態をお調べになった統計なり調査があるのかどうか。もしないとするならば、もう来年すぐに入学期でありますが、来年の入学期には、私大など裏口入学の実態について詳細を文部省が調べてこれを公表する、このくらいのことをお約束できないものであろうか。で、一つは、大学局長——役所の官僚のほうから御報告を願います、いままでのことをですね。大臣がおかわりになった直後でありますから、大学局のほうから御報告を願うし、あとの問題は、大臣の御決意を聞いておきたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 いまの問題に関連して。さっき灘尾文部大臣から、よくもこんなに金を出すものだというような、そういう私たちから見ればたいへん意外な御答弁をいただいた。これは、その金を出した者の立場、あるいは大学教育のいまの現状というものをお考えになった御発言だとはちょっと私は思われないわけです。そこで、一番その根本になる問題として、一体、教育というようなものをどうお考えになっておるのか。教育にお金をかけるというようなことが、政府においてはこれが何かむだ金を使っておるようなお考えなのかどうか。少なくとも日本の現在の状況は、問題点は多少あるにしろ、産業の面でも、その他の面でも、学問、文化の面でも、日本の戦後のあの状態から現在までなった状況を考えれば、その中における学校教育の果たした役割りというものは非常に大きいと思う。ある意味での非常に有効な投資をやったと私は思っておる。そういう観点からしたら、私はいま大学の例を一つとれば、国立大学というようなものを考えた場合、私立大学と国立大学の学生の収容数のことを考えにゃいかぬでしょう。ここで私立大学が日本の学問の上において果たした役割りというものを考えてもらわなければいけない。その際、先ほど来千葉委員からるる申し上げておるように、一人の学生の費用の問題さらには入学のときにおけるところの国立と違った大きな負担、そういう問題をいままでも何べんか取り扱って、そのために私学はどうあるべきかということについて審議会を設けていままでおやりになったでしょう。その抜本対策がいまにわからぬということはない、そんなことは。私は、そういうことを言うなら、これは非常に怠慢な話だと思っている。でありますから、政府はこれに対してどういう手当てをするのか、そういう根本の問題についていまどんなお考えを持っているか、私は第一にお伺いをしたい。  それからまあ七千億足らずの文部省の予算であります。大学について、私立大学が年中行事のように授業料値上げでごたごたやっているでしょう。これは学生と学校側に幾らまかしておいたって解決できない問題だと思う。その際に、授業料を上げることによって学生の日常勉学する上においてどれほどの苦労をしているかということは、おわかりになっているはずだ。出す親にしても、出せないからそういうことになっている。それが各大学において非常に大きな問題を起こしている。それを言われたところで、大学の当局は、学生にもっともだと思ったところで、その対策はないわけであります。そういうことを考えますと、一体幾ら金を出したらいいのか。そういうめどをはっきりあなたたちは対策上どうあるべきかということをお考えになっているかどうかということです。幾ら金があったならばそういう問題の解決になるとお考えになっているか、金額をあげてひとつはっきりと述べてもらいたい。  それからいま起こっている対策ですね。あなたたちがびっくりするほどよくもまあこんな金を出したものだと言われるような、そういうことをやらなければならないことになっているわけでありますから、いつからあなたたちはそれに手をつけるんです。文部省としては、四十三年度、四十四年度、四十五年度と考えて、どういう計画的な対策があるのかどうか、それを明らかにしなければいかぬと思うんです。これはしかし大学のことだけ申し上げましたけれども、私立学校の経営者の面からいえば、大学偏重だと言っているんです。私立の高等学校あるいは幼稚園、中学校等を経営している者からいえば、大学に偏重されている。非常に困難を起こしている大学の側以上に困っているところの初等、中等の教育の私学の経営者があるわけです。それをどうするかという問題です。私は、この私学の問題が解決しなければ、日本の教育の問題の根本的な解決はないと思う。それに対する政府の具体案がない。わりあいによけいなところに精力を使うくせがある。研究や学問上の問題についてさまざまなこと——よけいなことと私は言いたいくらいのことをやっている。もっと学問や教育が進展するという立場から文部省がやるべきことがあるんです。戦後、文部省というものは、教育が最もよい環境のもとに置かれるようなそういう仕事をやるサービス機関である。その大事な仕事を忘れて、現在はよけいなところに手を伸ばしているような傾向が非常に強いと私は判断しています。そういうことからいって、私学の問題について、どういう計画を持つのか、審議会の結論からどういう結論をいま立てつつあるのか、いつそれが実を結ぶのか、明らかにしてもらいたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど、私は、よくもこんなに出せるものだというようなことばを申し上げたのでありますけれども、あるいは誤解があるのじゃないかと思います。私はその金額の大きいことを申し上げたのであります。それが、それを決していいことだとか是認すべきことだというふうな心持ちで言っているわけじゃございません。それほど多額の金が現に取られておるということを考えましたときに、問題が非常に大きいというようなつもりで実は申し上げたので、その点をひとつ誤解のないようにお願い申し上げたいと思います。  私学の振興の問題につきましては、もうすでに皆さんも御承知のとおり、政府としましては、私学振興方策についての方策を改善するための審議会の答申もいただいておるわけであります。その答申の線に沿ってできるだけこれが実現に努力していこう、こういう態度で今日進んできておるわけであります。明年度の予算の問題にいたしましても、その線に沿うてできるだけのことはしていこう、このような気持ちから予算の要求もいたしておるようなわけであります。何さま大きな問題でございますので、一挙に問題を解決することはもとより困難でもありますし、国の財政上の点からいたしましても非常に困難を伴う問題であります。われわれとしましては、最善の努力を尽くして私学の助成のためにやっていこう、こういう心持ちで進んでおる、このように御了解を願いたいと思うのであります。現在、私学の状況について、それでは政府なり国なりが何もかも解決することができるかということになりますと、これはもう非常にたいへんな問題になってくると思うのでありますけれども、どういうふうに今後あるべきかというような問題の根本策につきましては、お互いにひとつよく考えて適切な方途を見出したいと思いますけれども、非常に困難を伴う問題である、こういうふうに御了解だけはしておいていただきたいと思うのでございます。

小林武日本社会党

○小林武君 具体的な案はどういうことなんですか。大臣の案はどうなのか、それは具体的な案があるのかないのか、聞いているんです。審議会は何のためにあるのか。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) いまの質問に対して御答弁があれば、再答弁してください。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 政府で、先ほど申しました審議会の答申をいただいております。その答申の線に向かって努力をしていくということでございます。別に何年間にどうする、そういうような計画はまだできておりません。

小林武日本社会党

○小林武君 たいへん私は残念だと思うんですよ。私学の一番大きな問題は授業料の問題から始まっているということは、皆さん御存じなんです。経営が困難で勤労青年対象の夜学の高等学校が廃校しなければならぬ、そういう歴史的に非常に大きな役割りを果たした学校がやめなければならぬというような事態も起こっておることは、もう新聞で御存じだと思うのです。そういうことを考えました場合、審議会をやっていろいろな意見を集めたら、一体どうするかという対策がいまないというのがおかしいんですよ。私も、決して文部予算だけたくさんとって、ほかのほうの予算はどうでもいいというようなことを言うわけではない。しかしながら、教育というものをもっと重大に考えた場合には、それに対して少なくとも審議会を開いて審議会の答申を得たならば、それに沿うて将来の私学はどうあるべきかということをきめないというのはおかしいんです。それは時間的にまだそこまで到達しないというなら私は納得するけれども、審議で答申を得てもそれに対して対策がないというようなことを言うならば、私は全く不親切なやり方だと、こう思う。ないというならば、ないということをもう一ぺんはっきり言っていただいて、それから後にまたもう一ぺん意見だけ述べさしていただきます。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) どうも、私のお答えがあるいはずれておるのかもしれません。私どもとしましては、私学振興のための方策を一応答申としていただいておる、その答申の線に沿って予算的措置を講じてまいりたい、こういうことを実は申し上げたわけでございます。私学全体のあり方等につきましての根本的な問題ということになりますれば、よほどこれは時間をかけて検討しなければならぬ問題でございます。いまその結論を持っていない、決してこれをおろそかにする、こういうような心持ちで実はお答えいたしているのではないのでございます。その点につきましての的確な結論を申し上げることができない、このことを正直に実は申し上げているわけであります。そのように御了承願いたいと思います。

小林武日本社会党

○小林武君 これでやめますが、文部大臣も御存じのとおり、あなたもいま初めて文部大臣をやった方じゃないのですから、五回も六回もやられた方なんですから、私学の現状についてはよくおわかりだと私は思うのです。そうして、一体問題として起こっておるのは何かということも、これはもう答申を待つまでもなく明らかなことなんです。そうしてそのことを解決しなければ、もう学校の中にもいろんな問題が起きるし、あるいは国公立の大学に比べて、私学のいまの貧困な状況から起こる質的な低下というようなものは、日本の国力の将来に非常な影響を及ぼすということは、量的な関係からいって明らかなんです。そうでしょう、でありますから、私があなたに申し上げたいのは、確かに困難な問題だと、困難な問題ではあるけれども、これは国際的に見ても、私学というもののあり方に大きな変化が起こっていることは、皆さん御存じのとおりなんです。いまやかっての私学とは違うのです、どこの国でも。そういう状況になったのですから、日本の場合も、いつまでも一体その対策がないというようなことではこれは済まない問題だと、こう私は考えますから、どうぞひとつせっかく御勉強いただいて、私学経営者に対して——私は私学経営者というのは、何かもうけ仕事の経営者になってもらいたくないのです。あくまでも教育の一翼をになうという使命感に立った経営者になってもらいたい。そういう角度からひとつ安心を与えるような、あるいは将来学生との間に混乱が起きた場合には、学生にもその説得力のきくような国家の努力というようなものを、経済面から明らかにすることこそが、いまの文教政策の重要な課題であるとこのように考えますので、私も決して文部大臣にかみつくことをもって言っておるわけでもございませんから、十分この点をひとつ御理解をいただいて、早急にそういう対策をお立ていただきたいということを要望申し上げておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私のは具体的な質問と提案です。それは千葉さんの質問は、法的なあるいは一般的に常識で許せる裏口入学の実態が、質問の俎上にあがりました。私はそれ以外にもいろいろ聞いております。たとえば個人の教授のうちに裏口から参って合格したとか、あるいは入学できたとか、そういうことまでいろいろ聞いております。しかも、それはことしだけではございません。数年来聞いておりますから、文部省としては、そういう実態も当然御調査あっておるものであろう。したがって、そういうものを、目に余るようなものがあるならば、ここでひとつ教えてもらいたい、これが第一の質問でございます。  第二は、いま大臣もおっしゃったように、あるいは文部省としては私立大学のそういうものまで十分の抑制もできないであろう、コントロールもできないであろう。しかし、何らかの措置をしなければならぬ。それにはいまマスコミも十分世間に力を持っておりますから、来年の入学には文部省が、担当官が誠意をもって調査に努力する。そうしてその調査結果については公表いたしますということが、もし大臣の御決意でここで国民の前に、この国会の場を通じて話されるならば、それが一つの大きな方向を示すことになりはせぬかと、こういうことを考えたから、私は提案をいたしまして、具体的な大臣の決意を聞いておるところであります。したがって、私の質問と、大臣の御決意、御見解をお聞きしておきたいと思うところであります。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私学の財政的に苦しい状況は、よく御承知のことと存じます。いろいろ苦しいところがありますので、いろいろな方法によって収入の道をあげておるというのが、残念ながら現状であろうかと思うのであります。それにつきまして、従来私は文部省で一々のことについて調べたことはないと思います。ただ、文部省といたしましては、入学試験というふうなものが、ほんとうに暗いところのない、明るい入学試験であってほしいわけであります。したがって、私学におきましても、公正な選抜方式によりまして、そして入学をさせる、妙なことで妙な入学が行なわれるというようなことは、文部省としては最も望まざるところであります。この点は明らかにいたしたいと思いますが、一々のことを係官をもって調査をするというようなことは、現在の文部省をもってしましては、なかなかむずかしいことである、そういうふうにひとつ御了承願いたいと思うのであります。私はあくまでも明るい公正な選抜方法のもとに入学ができるように、各私学においても御努力を願いたいと、かようにここではっきり申し上げたいと思うのであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 教育費の父母の増額というのは大学だけじゃなくて、幼稚園から始まっているわけなんですが、    〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕 幼稚園の年度計画ございますね。七カ年計画でございますか、保育所の五カ年計画でしょうか、この計画の年数がちょっと私はっきりしていませんが、その現在の進行状況について御説明いただきたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいまの幼稚園の七カ年計画は、たしか三十九年度から始まったと、このように聞いておるわけでございます。大体計画に近い線で今日まで進行いたしておるように聞いております。詳細はひとつ政府委員から。

天城勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(天城勲君) 幼稚園の振興のための七カ年計画でございますが、三十九年から七カ年で、大体人口おおむね一万以上の市町村における就園率、これは小学校一年の児童の中で幼稚園を終了した者の比率から出すわけでございますが、四十五年度までに六三・五%という計画を立ててあるわけでございます。その六三・五%と申しますのは、保育所に収容すべき者、特殊児童、通学距離の関係で入園ができない者等を省きますと、大体六三・五%になるのでございますが、これによりまして一万五千八百学級の増加をはかるという計画で進んでまいりました。四十二年度までの新増設されました学級数が六千三百十三でございまして、現在のところ、ほぼ計画どおり進んでいる状況でございます。ただ、若干その普及の状況が都市に片寄っておりまして、農村地区の設置がややおくれているわけでございますが、なお今後計画の進行におきまして、そういう方面の充実について努力いたしたい、かように思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 内容は省略いたしますが、要するに幼稚園に働いていらっしゃる先生方の給与の問題ですが、これは全国非常にまちまちでございます。行政職あるいは教育職を適用されている者等たいへんまちまちでございますので、一般の教員と同じように国庫負担をしてもらいたいと、それはまあ二分の一でなくてよろしいから三分の一でもしてもらいたいという、こういう要望が文部省にいっているはずなんですが、これに対して大臣はどのような努力をお払いくだすったか、今後もどのようにお払いくださるつもりか、お聞かせいただきたいと思います。

天城勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(天城勲君) 公立幼稚園の先生方の給与の問題でございますが、御指摘のように、現在市町村——設置者の負担でございまして、給与の多寡にかなり差がございます。これを義務教育並みに県費負担にして半額国庫負担にしてほしいという御要望は、かねがね承っております。ただ、現在公立幼稚園の設置状況が全国的に見た場合に、非常に格差がございまして、きわめて公立幼稚園の設置のよい地方と、公立幼稚園のほとんど普及してない地方とがございまして、財政措置の上でなかなか一律の措置がしかねております。現在第一段階といたしましては、やはり地方財政上で幼稚園の教育費の充実をはかることが第一段階と、こう考えておりまして、毎年その面での努力をいたしておるわけでございまして、一挙に国庫負担という形は、いまの状況ではなかなかむずかしい状況じゃないかと、率直に申し上げる次第でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは幼稚園の一学校区一幼稚園、一保育所と、こういうふうにおかあさん方は要望しているわけなんですけれども、その増設と一緒にいまの給料の問題についても、やはり総合的な対策を立てていただきたいと思うのです。  次に、学校給食についてお尋ねいたしますが、なま牛乳に、生乳と申しますか、なま牛乳に全部切りかえていく、脱脂粉乳をなま牛乳に切りかえていくというこの計画は、どういう進捗状況を示しておって、全部の生徒に、義務制、定時制の高校、その他特殊学校等に給食する場合に、なま牛乳が一体幾らあったらば全部に行き渡るか、この総体的な量を出していただきたいと思うんです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) なま牛乳に切りかえるという計画は、今日まで大体順調に進んでおると思います。あと三カ年ぐらいの間に何とかケリをつけたいと、こういうつもりで実は続けておるようなわけでございます。詳しいことは、政府委員からお聞き取り願いたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 なま牛乳であればいいか、全部やるのについて総合の。

赤石清悦文部省体育局長

○説明員(赤石清悦君) 御承知のように、昭和四十一年度から五カ年計画で年次を追いまして完成いたしたいと考えております。御指摘のように幼稚園、小中、定時制みな含めてやっておりますが、完成年度の四十五年度におきまして、三百二十四万石必要であると、こういう数字が出ております。これが完成できますれば、ただいま先生御指摘のような各段階の幼稚園、小中学校の児童、生徒全部の完全給食が行き渡る、こういう計算になっております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは農林省との生産計画と連絡済みですか。

赤石清悦文部省体育局長

○説明員(赤石清悦君) これは農林大臣のむしろ計画でございまして、私どもの資料と完全に一致いたしております。農林、文部両方の共同の作業でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そこで牛乳に対する補助、それから小麦粉の一円打ち切り、そのことが大蔵省のほうで少ないものについては、この際整理する云云と言われたそうですけれども、私はやはりこれはたいへん大きな問題を含んでいると思うのです。むしろやはり、実費は国で持って、子供たちの栄養確保と食生活の改善と、あわせて今後国に対する愛情、そういうものを含めて実費は国で持つぐらいの考えでほしいと思うんです。そういう観点から、文部大臣は一円補助打ち切りに対して、大蔵省とどういう折衝をしていらっしゃるのですか、非常に消極的だと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省としましては、従来の形を変えるつもりはございませんで、大蔵省に対しましてその問題についての格別な折衝はいたしておりません。従来の態度を堅持したいと思っておりますが、予算の問題としましては、先ほど申しましたように、これからだんだんと御相談をするという問題になってまいりますが、そういうふうにひとつ御承知を願いたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次は、心身障害の問題について、厚生大臣並びに労働大臣にお尋ねいたしますが、厚生大臣はたいへん心身障害については、たび重なる答弁の中に深い理解を示されているわけですけれども、やはりこれは国の責任でもってもう少し補助の手を加えていただきたい。具体的には重度心身障害者、たとえば昨年初めて予算計上されました筋萎縮症その他の問題なんですけれども、心臓の問題については、大臣からこれは御答弁があったので私省略いたしますが、特に重度心身対策、身体障害児、障害者対策について御答弁いただきたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりに、この面の福祉施設は他のものに比べて非常におくれております。施設ばかりでなくて、この対策も他の面で非常におくれておりまして、四十一年度から重点策としてこれを取り上げてまいりまして、公法人立の施設にあわせて国立の施設の設置を積極的に推進してまいりましたが、いまなおその設備あるいは内容等については不十分でございますから、御指摘のとおり特にこの面につきましては十分意を払いまして、在宅の指導あるいは在宅中の患者の治療、あるいは重症心身障害者のための棟を病院の中に設ける等、各方面について積極的に推進したいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次に、身体障害者の雇用対策についてお尋ねしたいと思いますが、身体障害者の雇用促進法に基づく雇用率の達成状況は、どうなっているのか、あるいはまだ未達成の事業所もずいぶん見られるように聞いておりますけれども、これは強制的にすべきものだと思いますけれども、どうなんでしょうか、この点について。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。  御承知のとおり、官庁並びに民間に対しまして、法定の雇用率を設定いたしておるわけでございます。全体としてはこれが達成されております。個々の工場、事業所等ではまだ達成されておらないものもございますので、指導をいたしておる状況でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 雇用促進法の中に、企業の何%は身障者を雇え、たとえば全電通あたりの、鈴木強さんあたりの調べたのを見せていただいたのですが、その中に、全電通では三千人の身障者を、労使一緒になって相談して雇うというふうにあったのですが、そういうふうに積極的に多数身障者を雇用する事業主に対して、何らかいい措置と申しますか、表彰ということばではございませんが、何か企業について報いられるような方法を考えているかどうか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 身体障害者を雇用いたします事業主につきましては、雇用促進の融資という制度がございまして、住宅あるいは作業のための施設、そういうものをつくりまする場合に、低利の融資をするという制度がございます。将来の問題といたしましては、身体障害者を雇用いたしました場合に、たとえば法人税で税額控除をしまするとか、あるいは石炭離職者、駐留軍離職者に対していま認められておりますような雇用奨励金、というようなことも考えてまいりたいと思っております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 予算要求しているのですか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) ええ、いたしております。  それから、先ほどの御質問でお答えを漏らしたのでございますが、強制的に雇用することを考えてはどうかというお尋ねでございます。やはり、身体障害者の方に、一人でも多く就職していただくことは必要でございますが、ただ、その量の問題だけ考えてまいるわけにもいきませんので、からだの悪い方ですから、肉体的に職場に適応してもらうことも必要でありますが、同時に心理的と申しますか、気持ちよく働いてもらうことが必要ではなかろうか。法律で強制いたしました場合に、法律があるから、やむを得ずやっかい者をしょい込んだというような気持ちになられたのでは、十分能力を発揮していただくことができないであろうというようなことも考えられますので、その問題はまだこれから慎重に考えてみなければならないことじゃなかろうと、そう存じております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 身体障害者の中に、特に重度の身体障害者、その方々が適当な技能訓練を経まして働きたいなと思っても、現在の職場、通勤の状況等でなかなかできにくいと、こういう状態にありますので、その打開策はないか、こういう点についてお尋ねいたします。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 重度の心身障害者に対しましては、やはり一つの標準を定めておりまして、たとえばマッサージにおいては七〇%まで、目の見えない方を雇用しなければならないというような制度も設けております。今後の問題といたしましては、たとえばそういう方が通勤をする場合の通勤用の自動車に対して助成をする、まあ一つの例でございますが、かようなことを考えていきたい、実行していきたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 自動車は、これは今年度の新規要求ですか。初めて——そうですが。これは大蔵大臣にお尋ねいたしますが、身体障害者については、厚生大臣の決意にあったように、一生懸命対策をする。それから進んで、今度大きくなって働く場合のたいへん隘路がありますから、その打開策について述べられたわけですが、私は身体障害者の中で不自由な方、特に重度の方々に自動車の要求をしたというのですが、非常に具体的だと思うのですが、これまた少ないからって、ばっさり切るつもりじゃないんですか。

村上孝太郎大蔵省主計局長

○政府委員(村上孝太郎君) 特殊な問題でございますので、私からお答え申し上げます。  身体障害の方々が通勤の上で感じておられますハンデキャップについて、先ほど労働大臣の述べられました住宅融資も一つの対策でございます。もちろんそれで十分ではないと思うのですが、いま言及なさいました通勤者専用の自動車の融資制度という要求があることは承知いたしております。限られた資源の中で、他の施策とも総合的に勘案をいたしまして、慎重に検討をいたしてまいりたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 大蔵省の事務当局の考えで総合的な立場ということはわかりますけれども、厚生大臣はさっきこう言ったんですよ。予算があるとかないとか、税金が多いとか少ないとかよりも、政府の責任でこれをやりたい、義務だと、こうおっしゃったんですよ。そうすると、やっぱり優先的に考えるという姿勢、重点政策というものがなければならないと思うので、毎年毎年予算がない予算がないといって、低いところは全部切られていくんじゃ、これはとてもかなわないわけなんで、特に御配慮いただきたいと思っております。これは大蔵大臣答えてくださいよ、やっぱり。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) たとえば身障児にしましても、昨年の予算の八億に対して二倍半、本年度は二十一億というふうに、身体障害者に対する予算は年々相当強化しておりますので、要求されたいろいろな財政需要の中で、いま事務当局が言いましたように、この均衡によって、どれが一番優先的に予算強化をしなければならぬかというような問題との考慮において、予算の強化をしたいというように考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 厚生大臣に伺いますが、大臣は先ほどの船田委員への御答弁でこうおっしゃったわけですね。生活保護の切り下げについてはこれは困ると、だからいまにスライドしていきたいと、こう言ったのですね。私はスライドだけではだめだと思うのです、ほんとうに国の義務としてやるならばですね。もとが少ないんです。たいへん少ない。それに対して大蔵大臣は西ドイツとかイギリスの例でお答えになったんですが、あそこはまた違うんですね。老後が保障されていますし、最低賃金法はしかれ、日本のような業者間協定ではなくて、ほんとうの意味の最低賃金法がしかれておるし、いろいろな面について社会保障がすでにできているわけなんです。もとが高いんですから、ですから、それと率を合わしてものを考えると困るわけですから、厚生大臣はね、ただスライドでなくて、いま保護費を切り下げられるというときだから、そうおっしゃるのかもしれないけど、やっぱり腹に持っているものは、もとが低いんだ、そういう意味の要求をしていただきたいと思いますが。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおり、ことばの不足でございまして、審議会の答申にも、答申の後から十年以内に西欧先進諸国の水準に追いつくようにやれということでございまするから、スライドという意味は、物価の動向それから国民生活の向上等々にらみ合わして、おくれた分を取り返しつつスライドと、こういう意味でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 次に、家内労働対策について伺います。  臨時家内労働調査会の報告を受けて、どのような対策を進められているか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 調査会から報告をいただいておりますが、何ぶんにも家内労働は、作業場の規模が零細であります上に分散をしております。また、問屋なり製造業者から末端に至る経路等も非常に複雑で、把握に困難な実情でございます。目下のところ、審議会にお願いをいたしまして、これから先必要な法的措置をも含めて御検討をいただいておるわけで、この設置の期間が四十四年、明後年の三月までとなっておりますが、そこに至りません前に、一刻も早く結論を出していただこうということで、いま御検討をいただいております。目下やっております措置といたしましては、最低賃金法に基づきまする最低工賃を設定する、あるいは申し合わせで標準工賃をつくってもらう、あるいはまた雇用条件などを明記、はっきりさせますために、家内労働手帳を交付する、そういうことをただいまやっておる段階でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 家内労働について、労働省はどのように実態を把握していらっしゃるかというその点について。   〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま申し上げましたようなわけで、なかなかこの実態を正確につかむということに困難を感じておるわけでございます。ことに内職の形態で行なわれている家内労働等は、世間に言いたくないというような事情の人もずいぶんあるわけで、正確に把握することが困難でございますが、四十年の末に家内労働調査会で調査していただいた結果によりますと、全体で家内労働に従事する人が八十四万人ということになっております。その内訳を申しますと、専業的な家内労働者、これが十二万人で一四%を占めております。内職的な形態のものは六十七万人、八〇%でございます。副業的なものが五万人、六%、こういうことになっておるわけでございます。これに対して仕事を出しておりまする問屋あるいは製造業者、これが約五万七千事業所がございます。仲介人と称するものが九千人いる、かような形になっておるわけでございます。  そこで、たとえば燕の洋食器のような専業的な形でやっておりますところは、相当な収入も上げておりますけれども、副業的な形あるいは内職的な形のところは、概して申しますれば収入が非常に低い。場所により、業種、労働の態様により異なりますけれども、そう一がいには申せませんけれども、これは非常に低い。こういうふうな状況でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 家内労働法の制定については、予算委員会、本会議あるいは社労委員会等で、ずいぶん私の承知しているだけでも七、八回論議されておるんですが、まだ出ないんですけれども、家内労働審議会の審議状況とかその見通し、あるいは法制定の見込みはどうかということについて。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、一刻も早く答申をちょうだいしたい、明年早々ぐらいにいただけまいものかと考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、答申をいただきました上でありませんと、法律案が出せるかどうか、決心をつけかねておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私どもの調べました中でも、すごく賃金が低いんですよ。ですから、法制定までにどういう対策をするつもりでいらっしゃいますか。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま申し上げましたような最低工賃を設定する、あるいは標準工賃をつくる、あるいは労働手帳を支給するというようなこと、いずれも適正な労働条件を維持していきたいという考え方のあらわれでございます。基準法に違反する等のことがありますれば、適切な指導もあわせて行なっていきたいと、こう考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それから、人材銀行といわれておりますが、いわゆる知識階級ですか、それで一般の高年齢層対策について現状を述べていただきたいのです。

小川平二自由民主党労働大臣

○国務大臣(小川平二君) 人材銀行については、御承知のとおり、相当の効果をあげておるわけでございますが、こういうふうな特殊な経歴、技能等を持たない一般の中年層、高年層の方々は、こういう労働力不足の時期であるにもかかわらず、なかなか再就職は困難だという実情で、ございます。そこで、安定所とか市役所にそういう方々のための特別なコーナーを設けまして特に手厚い指導を行なうと、かようなことをやっておる実情でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 あと建設大臣に伺いますが、あなたはこの間の日曜日に公団住宅それからアパートを見ていらっしゃいましたですね、家の中ばかり。あのまわりに児童の遊び場所がどのくらいあったかお気づきになったでしょうか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 回りました団地の中で、赤羽台団地でありますとか桐ケ丘団地とか、いまできつつあります金町団地、こういうところは、外国の事例等見ましても、まあいい環境じゃないか。ただ問題の民営のアパートの付近、全然あき地がないというわけじゃございませんけれども、子供たちの十分な遊び場はないということは申し上げることができると思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 公害対策の中に特に交通事故が多いわけですが、この交通事故の中でも子供たちの事故、その中の約五〇%は自動車の事故によるということが統計に出ておるわけなんです。私は、そういう意味と少年の非行対策という意味から考えまして、子供の遊び場、児童公園それから遊園地、これがぜひほしいと思って、ずっと婦人議員はじめ、それから男の議員さんもみなまじって相談しておったわけです。ところが、建設省ですというと、道を広げたり橋をかけたりというとえらいやっきになるようですが、こういう大事なことについて、都市計画の中の児童公園対策について、どうもあまり——骨を折っていらっしゃるようですけれども、予算で切られるときになると、どっちをとるかというと、何か目に見えるところをとるような、たいへん勢いのいいところと悪いようなところがあるのじゃないか——想像なんですよ、事例で。そういう意味で伺いますけれども、この児童公園あるいは遊園地、これらの都市計画の中で、どのような割合でどういうふうに考えて、どういう対策をされていらっしゃるか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 私は、いま千葉委員のお話のとおり、総理大臣が人間尊重の社会開発を施政理念として打ち出されましたのも、そういうところに私は意義があると思っております。非常に目立つ大きなことには熱心になりますけれども、大事なことで、小さいことで、ともするとそれが人間の不在といいますか、そういうことになりがちであるから気をつけねばいけぬじゃないか。私は、先日テレビを見ておりまして、神戸のちびっこ広場をつくられておる。篤志家がわずかばかりの土地を寄贈されて、その付近のおかあさん方がなれない手つきでちびっこ広場をつくっておられる。あの状態を拝見しまして、非常に考えなければならぬじゃないか、子どもたちが、とにかくお話しのように、路地までも遊び場を取り上げられて、自動車に追い出されておる。その子どもたちがはね回っておる姿をほとんど町で見かけることができないというようなことにつきましては、これはやっぱりおとなが責任があるのじゃないか。おとなの責任ということは、やはり政府、公共団体、民間みんなそれぞれできるだけそこに着目をしてやってもらわなければならぬじゃないか。私は就任しましてから、何とかそういうところにくふうはないものか、もう少し次の時代を背負う子どもたちが伸び伸びと育ち得るような環境を整えるくふうはできないものかと、大いに大蔵省にお願いをしておるようなことで、置き忘れられたきわめて大事な問題だと私は思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 都市計画の中の公園は大体どんなふうな構想になっておりますか。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) 大体都市計画上で期待いたしております——これちょっと遠いことになりますけれども、まあ一万人について、児童公園といいますか、四カ所ぐらいは最低で——広い狭いはありましても、そのくらいは必要じゃないか、それをねらっているわけです。現状は一・二といったようなことで、これに十分力を入れていきたい。それで、現在全国で六千三百六十七カ所、四十二年度の計画は六百九十六ということになっておりますけれども、これを達成していきます上にも、地方でもだんだん土地が少なくなりますし、要請はますます強くなるし、達成するのには隘路がますます狭くなってくるというようなことで非常に困難を感じておりますけれども、そのくらいには何とか早くこぎつけなければいかぬじゃないかというふうに考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは住宅建設の場合に、住宅公団その他設置者のほうで設ける部分と、それから公団でなくて、一般の市街地の場合は、自治体と国とがどういうふうにもつていくという、どういう隘路があるかという問題なんですね。結局は、補助金その他についても、地方自治のほうで本気にならなければだめなわけでしょう。それに積極的にどういう指導をしていらっしゃるかということ、それから住宅建設の中に、住宅公団なら住宅公団が公団住宅を建てる場合には、学校とか保健所、そういうふうなものを考えるわけでしょう。その中にそういうものの対策というものが——一応図面の上では私見ました。たいへん理想的にいっておるのですが、実際にはそういうふうにいきにくい、このごろは少しよくなったのですがね。そういう構想を伺いたいのです。

保利茂自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(保利茂君) この間拝見しました限りにおきましては、私は、まあまあじゃないかという感じを持っております。だんだんそういうふうにくふうをされて、したがって、いわゆる高層化されておるところは、それがまた非常に理想的にいっているのじゃないか。これはある程度こういう方向で進めていかなければならないのじゃないか。ただ、お話しのように、地方自治体でこれをやっていきます上におきましても、何さま、国の補助方式といいますか、たいへんむずかしい、窮屈になっておるものでございますから、地方におきましても、やはり土地を手に入れるということはなかなか容易でない。都市計画法を進める、都市計画を実施していく過程におきまして、できるだけそれを確保してまいるというようなことがやはり一番大事だと考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもって千葉君の質疑は終了いたしました。     —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、矢追秀彦君の質疑を行ないます。矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 初めに、電電公社総裁に工事の契約の状況についてお伺いしたいのですが、電電公社の指名業者のランクに特一、いわゆるビッグ・スリーというのがあるといわれておりますが、どこですか、その名前をあげてください。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。  電電公社といたしましては、全国の電信電話の建設をやっておる次第であります。この電信電話の建設をやる場合に、その価格が安いということと、その質が完全であるということが二つの要素になっております。この公社の技術は、逓信省以来三十数年の努力によりまして、現在ヨーロッパを抜き、アメリカとほぼ対等なところにいっております。しかし、この技術の進歩というものは非常に激しいのでありまして、最近で言えば、ダイヤルの即時というようなものも行なわれておりますし、また、ここでボタンを押しますと、一つ電流を押せば全国の津々浦々まで電流が通ずるというぐあいで、非常に工事自身が完全なものでなければならない。そういうために、特にその業者といたしまして、資格を審査いたしまして、三社をきめております。一つは日本通信建設、それから第二が協和電設、それから第三が大明電話工業、この三社であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その三社の四十年度の年間契約金額をそれぞれあげてください。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 詳細な数字はいまちょっと覚えておりませんが、大体日本通信建設が百億、それから協和が約百億で、大明が約五、六十億だと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この三者に対して電電公社の課長以上の退職者が就職をしておりますが、そのもとの役職と現在の地位をあげていただきたい。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 課長以上と言われまして、だいぶ前に退職した人もおります。十年前に退職した人もおります。それからわりあいに最近退職した人もおります。協和電設で現在役員になっておりますのが四人おります。これは重役が協和電設は十五人おりますが、十五人の中で四人が電電公社を退職した人であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 一つ一つあげてください。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) それじゃ、協和電設の社長の平山温、名前はちょっとわからないところは名字だけにするかもしれませんが、副社長が庄司新治、それから常務が久保威夫、取締役が藤田栄吉、それから日本通信建設は……。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その人の前の、電電公社をやめたときの役職を対比してください。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 平山温社長が総務理事でやめました。それから庄司新治、これは郵政省の監理官から、ちょっと公社にしばらくおりまして、入りました。久保威夫は、これはやはり郵政省に長くおりましたが、理事、監査局長でありました。藤田栄吉は東京中央電報局の局長でありました。  それから日本通信建設は、役員が十四人おりまして、その中で四人公社から行っております。一人が平井始、これは十三年前に公社をやめまして、理事、関東電気通信局長でありました。それから船津重正、これは専務をやっております。これはやはり理事で関東電気通信局長、それから佐藤睦、これは理事で監査局長であります。遠藤正孝、これは東京市外電話局長であります。  それから大明電話工業は、役員が十二人おりますが、その中で三人入っておりまして、伊藤誠、これが社長でありまして、理事、計画局長、それから井上力夫、これは台湾に行っておりまして、その後アメリカにいて、ごく最近帰ったのでありますが、これは総裁室調査役で、専務であります。それから仙頭由之、これは常務でありまして、保全局の即時網保全管理室長ということであります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま言われましたように、重要なポストは全部電電公社の幹部の方がしておられるわけです。いま官公庁や、あるいは公社、公団の天下り人事ということが非常に問題になっております。国民もこれに対しては非常にひんしゅくを感じておりますが、このような状態で工事の請負等に公正を欠くきらいがないかどうか、その点をお伺いしたい。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) ただいま御指摘ございましたが、電電公社の人は、大体大部分は技術屋でありまして、その技術能力をかわれているというのが主であります。したがって、公社から入る場合も、必ずしもいきなり社長になったというわけではないのでありまして、顧問をやるとか、あるいはまた非常勤の取締役になるとか、いろいろな過程を経てこういうふうな形になっております。いずれにいたしましても、公社をやめた人がこういう会社に入っている、また、その会社と契約するような場合には、それが世間に疑惑を抱かれないように、公社側といたしましても特別に注意いたしておりまして、先般建設部長会議なんかがありましても、公社の先輩であるからといって、一切特別待遇をしてはならないというようなことを強く言っている次第であります。

二宮文造公明党

○二宮文造君 関連。いま総裁の説明でありますが、手元に資料がありますが、たとえば協和電設の社長の平山さんは、四十一年の五月に同社に入社をして、四十一の十一月に社長に就任しておりますよ。それから常務の久保さんは、三十七年の六月に入社して、三十七年の十二月に常務に就任しております。さらに今度、日本通信建設のほうも、専務の船津さんは、四十一年の五月に入社をして、四十二年の一月に専務に就任しております。さらに常務の佐藤さんは、四十二年の二月に入社して四十二年の八月に現職に就任しております。相当の間ほかの役職についてという総裁の答弁は訂正していただきたい。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。  ただいま御指摘の人は確かにそのとおりでありまして、たとえば平山君は四十一年五月に入って四十一年十一月に社長に就任しております。しかし、たとえばこの中にあります遠藤正孝君とか、あるいは藤田君みたいに、しばらくいわゆる役員にならないでおるという人もあります。全般的に申しましたらそこは訂正いたします。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それでは四十年度の本社契約の主要工事、これの契約業者の内容を言っていただきたい。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 先生、特一だけでいいですか。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 はい、特一だけでいいです。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 先ほど申し上げましたように、特一といたしましては三社がございまして、その三社のおもな工事といいますと、本社の契約するものと、あるいは通信局で契約するものと、いろいろ分けております。本社で契約いたしますおもなものは、先ほど申し上げましたように、世界的水準にあります同軸ケーブルであるとかあるいはマイクロウェーブであるとか、まあそういったものでございます。いわゆるそういう非常に新しい技術、こういうものを本社で契約しております。それから通信局段階において契約いたしますものは、最近でいいますとステップ・バイ・ステップよりクロスバーの交換機のほうが多いのでありまして、そういうクロスバー交換機であるとか、わりあいに技術的に高度のもの、あるいはまた量が非常に多いもの、こういうものを三社が契約しておる次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 具体的に答えていただきたい。では問題を出しますが、一億円以上の契約で、この四十年度の例をとって、どれだけの契約があって、そのうちのどの業者とどの業者がやったか、そういう点です。本社の主要業務、本社契約のみの。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) お答えいたします。  四十年度の工事、一億円以上の本社工事につきましては、十五件でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その内訳はどうなっていますか。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) その内訳は、米原−大津間同軸ケーブル方式工事、それから東京−伊勢原間同軸ケーブル方式工事、関目局開始工事、高松市外局開始工事、上田−長野間同軸ケーブル方式工事、横浜市外局開始工事、名古屋−津間同軸ケーブル方式工事、長野市外局開始工事、銀座局分局開始工事、浜松市外局開始工事、沼津−静岡間同軸ケーブル方式工事、西宮局分局開始工事、八王子−吉田−甲府間同軸ケーブル方式工事、平野局分局開始工事、唐ケ崎市外局開始工事でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それでどこがやったのか。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) 米原−大津間から、先ほど申し上げました沼津−静岡同軸ケ−ブル方式工事までは日通建でございます。それから西宮分局開始工事から唐ケ崎市外局開始工事までは協和電設でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 三十九年と四十一年の同じ本社契約のものはどうなんですか。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) 三十九年工事について申し上げます。難波市外局開始工事、仙台−山形間同軸ケーブル方式工事、中津−大分間同軸ケーブル方式工事、札幌南局分局開始工事、小倉−中津間同軸ケーブル方式工事、以上が日本通信建設株式会社でございます。それから豊橋−岡崎−名古屋間同軸ケーブル方式工事、瀬高−熊本間同軸ケーブル方式工事、岡山市外局開始工事、小田原−熱海間同軸ケ−ブル方式工事、梅ヶ枝局開始工事、伊勢原−沼津間同軸ケーブル方式工事、以上が協和電設株式会社でございます。  それから四十一年度工事について申し上げます。四十一年度工事は、静岡−浜松間同軸ケーブル方式工事、船場局分局開始工事、新潟市外局開始工事、静岡市外局開始工事、山口−下関同軸ケーブル方式工事、松山市外局開始工事、仙台局ユニット増設工事、津−奈良間同軸ケーブル方式工事、奈良−大阪間同軸ケーブル方式工事、札幌大通局ユニット増設工事、姫路市外局開始工事、以上で、後段に申し上げました津−奈良間同軸ケーブル方式工事から姫路市外局開始工事までが協和電設で、あとは日本通信建設でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま説明にありましたとおり、主要な工事は全部その二つの会社に限られておるわけです。さっき総裁は、技術がないとかそういうふうにおっしゃいましたけれども、それでは具体的にこの四十年の中で六月の契約である米原−大津間の同軸ケーブル方式工事の入札の経過について説明をしてください。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) お答え申し上げます。御指示の米原−大津間の同軸ケーブル方式工事について申し上げます。  これは指名競争入札の結果、日本通信建設が落札いたしたものでございますが、工事の内容は、金沢、福井等の北陸方面の即時——電電公社は即時の電話サービスをやっておりますが、その即時を維持するために回線を増設する必要がございまして、米原−大阪間の通話の流れます、伝送路と申しておりますが、伝送路を増設のために同軸ケーブルというケーブルを増設した工事でございます。で、主要工程は九・五ミリの発信の同軸……。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 入札に至るその経過ですよ。何回ぐらいその入札の見積もりをとって、最初はどうで、最後は幾らになったか、そういうこと。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) 入札の経過を申し上げます。日通建——日本通信建設株式会社と協和電設株式会社に、指名競争入札によりまして、原契約が九千八百五十万、これに対しまして最初の第一回目の入札は、日本通信建設が一億一千五百万、それに対しまして協和電設が一億一千八百万、第二回目に日本通信建設が一億一千万、協和が一億一千三百万、三回目が一億七百万、一億九百万、四回目一億五百万、協和が一億七百万、五回目が一億三百万、同じく一億五百万、六回目が一億百万、協和が一億二百五十万、七回目が一億に対しまして協和が一億百五十万、それから八回目九千九百万に対しまして一億八十万、九回目に九千八百五十万に対しまして一億三十万、このようなことになっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総裁にお伺いしますが、いま読み上げられたように、一回目から九回目まで、全部日通建のほうが安いわけです。こういうことはどう考えられますか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。電電公社といたしまして契約の場合にはまず予定価格をきめるわけでありまして、これは積算関係の委員会を過去三年ぐらいにわたりまして開いて、厳格な積算の基準というものをつくりまして、その予定価格をきめて指名競争入札をやっているわけでございます。ところで入札をした場合に、予定価格より以上の場合には契約しないことにしておりますので、したがって、何回も繰り返されるという事態がまず一つ起こります。それからもう一つは、最初入れたのがいつも上で、あと下だという問題につきましては、これは私は、この同軸ケーブルのようなものは非常に特殊な技術でありまして、たとえば例を申し上げますと、これは一つのケーブルで二千七百回線電話をとる。外国ではせいぜい九百六十回線しかとれないのでありますけれども、日本の場合には二千七百回線とるという、非常に高度になっております。したがって、この高度の同軸ケーブルというものは、ただ埋めるだけではなくて、それを相互に接続しなければならない。したがって、ある会社がほかの同軸ケーブルをもし受けていたと仮定いたしますと、二つやる能力がないというような場合には、あるいはまあ辞退したいというような意味において高いのを出すこともあり得るんじゃないかというふうに考える次第でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 辞退をするために高いのを出す可能性もあり得ると、こう言われましたが、これはこの問題だけではなしに、あらゆる場合に全部こういうことが言えるわけです。四十年度だけ取り上げましても、多いので九回、その次が八回、七回が三件と、このようにあるわけです。そうしますと、いま総裁の言わ ましたように、業者が辞退をするためにやると 言われますけれども、私は、ずっと並べて見てみますと、どうしても話し合いをしたのではないか、談合したのではないかということを疑うのは、これはもう常識であると思うわけです。しかも、この二つの会社だけではなしに、そのほか数社並んでいる場合も、その順位は第一回から第七回、あるいは第八回と、その回数全部同じ順位が並べられているわけです。こういうことに対して総裁は疑惑を感じられないわけですか、どうですか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。先ほど、最初にお答えいたしましたように、公社といたしまして資格審査ということをまずやっておる次第でありますし、その資格審査に合う業者を原則として指名競争入札をさせるということでやっておる次第であります。また、その資格審査も線路とか機械とか、あるいは伝送保線とか、種別ごとにやっております。それからまた一級、二級、三級、四級といろいろな程度があるわけであります。それから先ほど申しましたように、公社としては、予定価格を厳格にきめておりまして、それ以上のものでは契約しないのでありまして、公社としては損害は受けない形になっております。  いまのような疑惑の点でありますが、私たちは業者間における談合というようなものは絶対やってはいかぬということを強く言っておりますし、また、そういう事実があったら今後とも厳正な措置をとりたいと思っております。

二宮文造公明党

○二宮文造君 関連。前の総裁の答弁にも触れるわけですが、総裁は、非常に仕事が錯綜して、一つの工事を請け負っている場合にはもうその会社は入札を辞退したい、請負を辞退したいというふうな気持ちを持っておるかもわからぬ、こういうお話でございました。それでは何のためにその会社を指名会社として指名されたか。これは協和電設にしても、それからまた日通建にしても、一〇〇%電電公社に仕事を依存しております。したがって、公社の発注状況を見ますと、この会社は能力以上のいま請負をとっている、こういうことがわかるはずです。わかっておりながらそれを指名業者に指名する、こういう私疑惑が出てくる。そこで、指名競争入札というのは公正妥当でなければならないのに、指名の段階において公正を欠くではないか、談合の疑いがここにも出てくるではないか、こういう観点が一つ。  もしこれ公明に入札がされたとしますと、いまの場合を見まして、協和電設は第八回目には一億八十万円の入札をしております。当初は一億一千八百万円の入札をしております。八回目までに約一千万円、一千数百万円下げております。ほんとうに仕事をとるため請負に参加しようとして入札をするなら、この第八回目の金額は三回目か四回目に出ても当然なんです。ところが落札業者であるところの日通建、いつも日通建に上回ったような入札金額が出ている。しかも、いま矢追委員からお話があったように、これ一件じゃありません。電電公社から出された資料によりますと、全請負工事が常に落札業者が安い値段を入れ、何回入札し直そうと、あえて競争会社は常に上位の金額を入札しております。こういうことは、しろうとから見てもなれ合いがある。そこで、先ほど冒頭にお話があったように、これらの会社の執行部、もうその最高役員のところへ電電公社の幹部が横すべりしている。こういうことを関連して考えてみますと、総裁の答弁ではありますけれども、国民は納得できないと思うのです。以上の点について御答弁をいただきたい。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) この本社の工事というものは、先ほども申し上げましたように、たとえば同軸ケーブルであるとか、あるいはマイクロウェーブみたいなもの、あるいはクロスバーにおきましても、市外クロスバーのように非常に高度のものでありまして、私は先ほど外国の例を引きましたが、同軸ケーブルにいたしましても、たとえば外国では九百六十しかとれないのに日本では二千七百回線をとると、それからマイクロの問題につきましてもそういうふうに非常に高いわけであります。したがって、能力という、やっぱり技術者が必要なんでありまして、たとえばマイクロの技術者といってもそうたくさんいない。したがって日通建、協和——電電公社としてはそれ以外のものにはやらせないというわけではないのでありまして、資格があれば必ずしもこれを閉鎖的にしているわけではございません。ですからマイクロなり同軸でも、そういう能力があるならばその会社を入れるということは、決して閉鎖しているわけではないのでありますが、たまたま現在の時点におきましては、同軸ケーブルにしてみれば、たとえば日通建と協和しかそういう技術者を備えていない、あるいはマイクロにしても備えていないというために二社にしていると、こういう次第でございます。  それからもう一つ、電電公社から、あるいは逓信省の時分から行った人が役員になっておるという点について、これはわれわれとしても非常に注意をしているところでありまして、そういう点は公社の建設部門等に私も絶えずやかましく言っておりまして、また、建設部門の人も私はそういう点を十分注意してやっているというふうに思います。  それから予定価格につきましては、先ほど申し上げましたように厳格な積算のもとにやっておる、こういうことでございます。

二宮文造公明党

○二宮文造君 委員長、答弁漏れです。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) それじゃ再質問許しますから。

二宮文造公明党

○二宮文造君 総裁、答弁が漏れています。仕事が手一ぱいなために当初から辞退したい、そういう気持ちで入札に参加しているかもわからない。これは公社のほうで——また繰り返しますが、その仕事が手一ぱいかどうかは、公社が発注状況を見ればわかるわけですから。そうでしょう。一〇〇%依存しているのですから。したがって、そういう入札の当初から仕事が一ぱいだから辞退したいというような気持ちで入札に参加することは、いわゆる指名競争入札の公正の原理に反するではないか、これを私はお伺いしたい。  それからもう一つ、もしここで公正に競争するならば、金額の推移が当然あってもいいんじゃないか、それがいつの場合もない、こういう二つのことについて具体的な御答弁がなかった。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 最初のことにつきましてお答えいたしますと、たとえば同軸ケーブルにいたしますと、エンジニアがいないために結局二社以外のところに頼もうと思っても頼めない。しかしまあ公社といたしまして、指名競争入札でやりたいわけでありますから、その二社を選んでやる、こういうことであります。ですから、もしも、辞退するかしないかということは公社はわからないわけでありまして、あるいはまあそういうような意味においてやることがあり得る、可能性があるということを申し上げたのであります。  それから第二の点は何でしたか、ちょっと……。

二宮文造公明党

○二宮文造君 金額が同じように下がっている。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) それは、私は確かにそういう疑惑の点もお持ちかと思いますけれども、私たちといたしまして、とにかく予定単価というものを厳格に考えております。したがって、確かに何回もやらせて、そういうような形をとるのはあるいはそこにやはり何といいますか、初めから辞退したいかという可能性もあるのじゃないかというふうに考えます。したがって、結局われわれといたしましては、能力ある技術者のおる会社が出てくれば決してそれを拒んでいるわけではございません。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ちょっと関連して。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 関連質問ですから簡単に願います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いまの総裁の答弁だと、必ず一方は辞退するという決意でこういうようにやっているのだろうということは、また能力がないから辞退するのだろう、それを認めているわけです。認めているということは、公社自体がこれは談合を認めたということですね。総裁はこれは、こういう契約は特殊な技術なんだから談合以外ないじゃないか、こういう御答弁と承っていいですね。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 私は、いまの御質問に対しましては、談合というものに対しては厳重に注意するようにいたしておりますので、そのように考えておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いままでの話を聞いておりまして、どうして絶えず一つの業者が安い見積もりが出てくるか、それに対する理由ですが、全然はっきりしてないわけです。もう一つ、私がこれにつけ加えて、絶えず安いということと、絶えず安いその価格の差というものは、絶えず同じようなきれいな数字が出てきている。たとえば米原−大津間の同軸ケーブルにいたしましても、第一回目が三百万、二回目が三百万、三回目が二百万、四回目が二百万、五回目が二百万、六回目が百五十万、七回目が百五十万、八回目が百六十万、九回目が百八十万、これで原契約は日通建におりているわけです。これは全部そうなんです。これだけじゃないわけです。あらゆるものに出ているわけです。それでもなおかつ総裁は先ほどからいろいろ技術者がどうだとか、やれ何だかんだと答弁をそらされますけれども、これでも談合の疑いは絶対にないと言い切れますか。全部データはそろっているわけです。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 私も資料をよく見まして、もし談合のような事実があれば厳重に措置いたしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 資料をよく見ましてと言われますけれども、きのうからちゃんと質問の通告もしてあるんです。おたくからちゃんとこのデータいただいたわけです。しかもこの契約書まで見せていただいたわけです。これで私は簡単にずっとありのままに見ただけなんです。そうして一つの表をつくったにすぎないわけです。いまの答弁は私は納得できないんですが。

小平芳平公明党

○小平芳平君 委員長。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと待ってください。いま答弁があるかもしれない。答弁ありますか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) 私は、談合のようなことは厳重に注意しておりますので、ないと思いますけれども、なお資料をよく見まして、そのような事実があれば、厳重に措置したいと思います。

小平芳平公明党

○小平芳平君 関連。資料をよく見ると言いましても、いま矢追委員が言っているように、きのうから要求していた問題でもあるし、また、こうした百万円、二百万円の違いで、ちょうど並行して二社がだんだん下げていくと、九回が九回とも並行してだんだん下げている、これははっきりしているんですから、なんだったらあるいはこれごらんになって答弁してくだすったらいかがでしょうか。こんな簡単な資料をそんな何日もかかって見なければ答弁できないような資料ではないだろうと私たちはしろうとながら思いますので、ただ資料を見て考えますというだけでは、議事進行上困ると思いますが、いかがでしょう。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) いまここで拝見いたしますと、同軸ケーブルを主体にしておるようでございます。同軸ケーブルは、先ほど申し上げましたように、ただケーブルを埋めるだけじゃなくて、接続もしなければならないというようなものでございますから、ここに出ておるのでは、この同軸ケーブル自身があるところで工事しておれば、おそらくほかのほうでは同時に引き受けても予定期日に達するかどうか。いわゆる技術者の技術能力の問題が私は関連しているというふうに思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これは非常に回数の多いのだけを選んだのでありまして、いま、同軸ケーブルだからそうだと言われるなら、昭和四十年の九月二十一日足立局ユニット増設工事、これは六社が指名競争をやっております。これは大明に入札がきまっておりますが、これの順位も全然変わってないわけです。これはどうですか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。  足立局のものは実は私はまだ見ておりませんので、よく調べましてお答えしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 困った問題になれば、いつもよく調べてと言われますけれども、さっきから言っているように、きのうからちゃんと通告してあるんです。こまかい質問の内容まで私は言いました。こういう疑いがあるから、こういうデータからこういう疑いが出る、これについてははっきり答弁を願いたいと。それを勉強してないとか、やれ調べてないとか、この予算委員会をあなたなめる気ですか。お伺いしたい。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) 御指示によりまして資料をお出ししたわけでございますが、お話のごとく一番札と二番札との間が大体順序どおりになっておりますので、しかし、これが談合であるということにつきましては、私ども十分な証拠がございますので、事実を調査いたしまして、もしそれがわかりましたら、しかるべく措置をしたいと、かように考えます。(「まだ質問に答えておらない」と呼ぶ者あり)私、ちょっと質問を聞き漏らしたかと思いますが、足立局が同様に、足立局は回数が五回でございますが、入札されておりまして、それに対しまして、一番と二番が同じような順序で並んでいる、こういう御質問かと思いますが、さようでございますか。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それはどうしてかというと、さっき総裁は同軸ケーブルだから、こういう差がはっきり出るのだ。それでは今度は違う仕事について同じような傾向が出ているけれども、これはどうですかと聞いているわけです。同軸ケーブルだから同じような差が出る。絶えず一つの会社が下回って、その差額はよく似たものだ。これは同軸ケーブルに限ってというふうに言われたけれども、じゃほかのデータで同じような傾向が出ているのは、じゃどうですかと聞いているわけです。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) このような工事につきましては、同軸にいたしましても、あるいはクロスバーにいたしましても、技術的に高度であることは同じでございますが、ただいまのお話につきまして、調査いたしまして、もし、私ども具体的な事実が出てまいりませんと、処理するわけにまいりませんので、調査いたしまして、もしはっきりいたしますれば、しかるべき措置をしたいと、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 総裁にお伺いしますけれども、いまの答弁は、いままでの答弁を聞いておりますと、その場限りに問題をそらそう、そらそうとしているわけです。ちっともこちらがいま言いましたように、あらゆるデータでふしぎなくらい順序が最初と最後は全部きまっている。途中も全部同じです、いまの二つだけの場合は。たくさんの場合はそうなっていませんと、そう言われるかもしれないけれども、いまのは六社の場合、七社の場合もあります。それだって全部最初と最後は一番低いのは絶えずきめられているわけです。こんなつじつまが合って、こんなふしぎなものはだれが見たっておかしいと思いますし、しかもそれに対する回答が先ほどから、やれケーブルだとか、やれ工事がむずかしい、工事がむずかしくてややこしければややこしいほど、この数字だっていろいろなものが出てくるはずじゃないですか。いろいろでこぼこがあるのは当然じゃないですか。それを最初からつくったような、そういうふうな感じを抱かせるような資料がここに提出されている。おたくから出ているのですよ。こっちでつくったのじゃないですよ。それに対して明らかにこれは談合の疑いがある。そう疑ってかかって、電電公社としては、この契約の問題の処理をしていかなければいかぬのじゃないか、こうさつきから聞いているわけですけれども、あなたは答弁をそらしてばかりです。やれ回数がどうの、最初は電電公社のPRです。私はそんなことを聞いているわけじゃないのです。こういうものはだれが見たっておかしいですよ。これは高校生あたりでも、このデータ見たらおかしいと思います。それに対して明確なる答弁を願いたい。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。  資料をなおよく詳細に検討いたしまして措置をいたしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 押し問答ばかり続いておりますけれども、私はもう一つの疑惑の点から同じことを追及してみたいと思います。それはいまお渡ししたデータの下のほうでありますけれども、今度は原契約と最終契約の間に値段の開きが非常に多いわけです。たとえば昭和四十年の五月二十八日の東京−伊勢原間の同軸ケーブル、この工事についての原契約、途中の契約変更、最終契約の金額、これを言っていただきたい。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) お答えいたします。  東京−伊勢原間の工事でございますが、原契約が一千六百三十万円であります。最終契約高は一億二千九百四十万円であります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 途中、何回変更したのですか。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) それに追加契約がございまして、第一回が千九百五十万円、第二回が三千六百七十万円、第三回が八百二十万円、第四回が千三百九十五万円、第五回が二千百十万円、第六回が五百四十五万円、第七回が八百二十万円で、このようになりますことは、東京−伊勢原間だけではございませんが、道路工事に関連いたしまして、道路の中にケーブルを埋めてまいりますので、道路の事情等によりまして、一挙に一括して契約ができないわけでございまして、準備と外部折衝のととのったものから契約いたしてまいります。最終の、国民の要望による電話の開通というものはきめられておりますので、全体的な工期を短縮する意味におきまして、こういうことになるのでありますが、たとえば東京−伊勢原、いまの工事でございますが、本工事の一部のルートに等々力の付近の工事がございまして、等々力の道路工事に関連いたしまして、その折衝が済むまで契約ができない。それから当時建設中の同じく工程の中に第三京浜国道の問題がございまして、その道路の進捗状況と見合いながら工事を進めなければならぬ、こういう問題がございます。なお、同様に東名高速道路、それから多摩川の橋梁、それから相模橋等の橋梁の関係がございまして、これらの折衝をいたしながら、折衝の片づいたものから工事をやっていく、こういうことでございますので、片づき次第契約いたしてまいったのでございます。なお、それ以外に長遠にわたる工事でございますので、途中に無人中継所がございまして、中継所の敷地の買収にかなり時間を要するわけでございまして、その買収等の事情によりまして、この買収が片づいたときに、それに関連する工事をする、こういうことで以上のようなことになったわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま道路の買収云々と言われましたが、それでは横浜の市外局、この問題、四十年の十一月十一日ですか、これもそうですか。道路ですか。

大谷昌次日本電信電話公社建設局長

○説明員(大谷昌次君) お答えいたします。  ただいまのは線路工事でございますが、機械工事につきまして、局内でやる機械工事でございますが、そのような事情がございまして、内容は違いますが、その横浜市外局は御承知の市外即時網に横浜を編入するということで、この局の中に交換機とそれから搬送の機械、電力設備と、こういったことでございます。こういう局内の工事は、一般的に申しますと電力工事が先に出まして、その電力によりまして機械に電流を流しましていろいろ試験をするということでございますので、どうしても電力工事を先に着工しなければならぬという事情がございます。したがいまして、一般的には電力工事が先に出る。これは受電装置と無停電の電力装置でございます。それから、その次に、同じ局内と申しましても、市内の交換機とそれから市外用の交換機、それに先ほど申し上げました市外に電力を送るための局内装置、まあ電送装置といっておりますが、そういうものがからみ合ってまいりますので、大体八カ月から一年二カ月ぐらいの全体の工期を要するわけでございますが、その間をこのような工事——大体におきましてサービスする時期というものはサービス計画がきめられておりますので、その一年半ないしは一年という期間を有効に工事をやるために、それらの順序を配列いたしまして、どうしても先に出してそれを使う、工事中使うというものを着工するという順序になっておりますのでこのようなことになるわけでございます。もちろん、 これは一括して準備が整いましてそれができればよろしいのでございますけれども、まあそういったものに対する改善は、そのサービス計画をある程度、これはおくらすわけにまいりませんので、こちらのほうの努力でこの順序を詰められるものももちろんございますので、その点については今後改善いたしていきたいと思います。

二宮文造公明党

○二宮文造君 関連。もう少しですね、答弁を的確にお願いしたいのです。焦点がずれてしまっているわけです。いま質問の趣旨はですね——よく聞いてくださいよ——原契約とあとからの追加の契約と、追加の契約が多過ぎて原契約のはるか何倍かの最終契約になっているのではないかという問題が一つ。  それから、原契約が、たとえばいまの横浜の市外局の点に関しましては、原契約が四千八百万円、そうしてその契約の年月日が昭和四十年十一月の十一日、これは確かに指名競争入札になっております。しかし、指名競争入札はこの原契約だけで、あとは——いいですか——十一月の十一日に原契約があって、十一月の二十二日に第一回の追加、十二月の三日に第二回の追加、十二月の十五日に第三回の追加、翌年の一月三十日に第四回、二月の二十六日に第五回、四月の二十八日に第六回、九月の七日に第七回、九月の二十九日に第八回、十二月八日に第九回、あとの三つは別としまして、少なくとも前の六つあるいは五つはですね、この原契約の昭和四十年十一月の十一日に競争入札の中に入れてよろしいのじゃないですか。しかも原契約に対する最終契約は、原契約が四千八百万円であり、最終契約は二億八千万円になんなんとしているわけです。しかもあとの部分は競争入札がないのです。この点の説明はどうでしょう。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。公社といたしまして契約はなるべく一括して契約するのが本筋だと思います。最初にお話が出ました同軸ケーブルのような場合はいわゆるどこに中継所をつくっていいか、その場所がきまらない。しかし、なるべく早く工事をしたいということで、まず契約を指名競争入札でやるわけでございますが、その際には残りの追加工程としてはこういう工程が出るということを一応全部書き上げましてそうしてやっておる次第であります。  それから横浜の場合につきましては、これは本来ならなるべくまとめてやったほうがよかったと私はいまお話を聞きまして思います。しかし、その中身をよく見ますと、それがもし同じ局内であれば、これは明瞭なんでございますが、たとえば電力、事工伝送工事というふうに多少場所が違っていたがためにそういうふうになったのじゃないか。しかしこの問題につきましては、公社の事務手続によって契約が分かれるというのは望ましくないと考えております。ただしかし、道路の問題とか、あるいは土地が買えなかった、ケーブルのようなものはやっぱり一直線に引っぱって、ある区間ごとに中継所をつくったりしなければならないがために、といってまたサービスをなるべく早くして、国民のためになるということから、全体の工程として、追加工程としてはこういうものが出るということを明らかにしながら指名競争入札でやる、こういうふうなこともやむを得ずとっていくこともあり得ると考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまやむを得ずあり得ると言われましたけれども、これもさっきと同じくあらゆる工事について全部原契約よりいわゆる追加契約のほうが、契約変更の金額が全部上回っているわけです。一番最初上げたのが約八倍、次が七倍、六・五倍、六・一倍、五・八倍、こういうふうに全部最終はもとの原契約をはるかに上回っているわけです。いまあり得るとか、一部の可能性のようなニュアンスの御答弁でありますけれども、これはどの工事についても全部あとのほうが多いわけです。一番回数が多いのでは九回やっているわけです。それがあり得るとか一部の可能性で済まされますか。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。局内の問題につきましては、私は今後なるべくまとめて一括して契約するようにさせたいと思います。  それからケーブルのようなものにつきましては、これは公社の外側に、たとえば中継所の敷地がまだ買えないとか買えてから工事契約いたしますと、全体の工期が半年とか、あるいはうんとおくれるようなことになりますので、そういう場合にはやむを得ずいまのような方法をとらなければならないかと思っておりますが、公社自身の事務手続がおくれるというようなことによって契約が分割されるのは今後やめたいと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 今後やめたいとか何とか言われますけれども、三十九年、四十年、四十一年全部同じなんです。あらゆる仕事が全部そうなっているのに、あなたの答弁は全然悪くないような今後改めればいいんだ、ケーブル工事はやむを得ない、局の内部についてはそういうふうにしたいとか、さっきからの答弁はほんとうに誠意を欠きます。こういう事実を国民が見たら何か業者との間におかしいんじゃないか。最初ちょっとだけ契約しておいて、あとの追加全部やらしてやるからと、そのままずっと契約してしまう、あとの業者全部一緒なんです。見積もりだってそんな何回もとっていない。しかもさっきのずっと申し上げていました二つの問題とからんで、この電電公社の工事に対しておかしいことはないか、談合はなかったか、談合の疑いが十分あるんじゃないか、そうしてしかもそのビッグスリーといわれる会社の役員は全部電電公社の天下り人事である、こういった点からは国民が疑惑を感ずるのは当然だと思うわけです。これに対して総裁の誠意ある答弁をお願いしたいと思います。

米沢滋日本電信電話公社総裁

○説明員(米沢滋君) お答えいたします。契約の履行につきましては今後とも一そう厳正に処置するように努力いたしたいと思います。  それから追加契約の問題につきましては、他動的な、たとえば中継所の位置がきまらぬとか何かのために全体の工事をおくらせますと、結局これは国民のためにならない。サービスがおくれることになりますので、そういう点はやむを得ないかと思いますが、そうでない部面につきましては厳正に処理していきたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最後に、法務大臣と郵政大臣にお伺いしたいのですが、いままでの話のやりとりを聞かれまして、特に法務大臣はやはりこれは刑法の談合罪に触れる、このような疑いを持たれると思いますけれども、これに対するお考え、並びにこういう問題をどういうふうに処理していくか、見解をお聞きしたい。

赤間文三自由民主党法務大臣

○国務大臣(赤間文三君) 不正談合罪の規定は刑法の九十六条の三の第二項に「公正ナル価格ヲ害シ又ハ不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ談合シタル」ということが条件になっておりまするし、談合というのはどういうことかといえば、もともと競売人または入札者が互いに通謀をし合って、ある特定の競落または競落希望者をして契約者とするために、他のものは一定の価格以上または以下に付け値または入札をしない、こういうことを協定することが、この談合ということに承知をいたしております。こういう罪が成立するためには、特定の公入札、または公競売について、入札または競売参加資格者数名が入札価格について事前に協定を遂げるということが私は一つのこの罪の成立の条件である。  なおもう一つは、右協力者において、公正な落札価格をつり上げまたはつり下げる意図があったか、あるいは談合金の分配等、不正な利益を得る意図があったということが条件の二つに考えておるのであります。  こういうふうな談合罪のあれから見まして、お尋ねの場合は、はたしてこれがいま私が申し上げました談合罪に当てはまるかどうかということは、にわかに談じることはむずかしい、かように私は考えております。御了承願います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの問題を郵政大臣お聞きになって、この電電公社の工事の下請について、やはり国民が疑いを持つのは当然であると思います。このことに対して郵政大臣として今後どのように処理をしていかれるか、責任ある答弁をお願いします。

小林武治自由民主党郵政大臣

○国務大臣(小林武治君) ただいまの経過をよく承りましたが、談合罪に当たる当たらぬという、こういうことは別といたしまして、いやしくも世間の疑惑を招くようなことはすべきでない。また疑惑があるとすればこれを解明する、こういうことにつとめるべきである。私どもは今後注意をいたしまして、さような疑惑を受けないようにひとつやってもらいたい、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がなくなりましたので、簡単に公害問題について伺います。  最初に厚生大臣に、今回厚生省試案の公害防止四法案につきまして、通常国会における成立の見通し、またその決意をお伺いしたいと思います。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) お尋ねの公害対策防止の厚生省四試案は、ただいま関係各省の担当課長の連絡会議にこれをかけて、さらに特別に関係のある省には個々に説明するなど、各省と検討中であります。これを早急に成案にして通常国会に出す準備をいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 関係各省の考え方をそれぞれお伺いしたいと思います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) さきに私から……。  公害基本法は、ご存じのように、厚生関係で人命に関することが主として考えられております。しかしそういうことから類推いたしましても、動植物関係についてもやはり幾多公害がございますので、私ども所管の動植物について、この公害基本法に十分に検討して加味いたしてまいる、こういうことで対処いたしておるわけであります。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 公害対策基本法に基づく関連諸法に関しましては、その重要性にかんがみ、現に当省におきましても鋭意検討いたしておるところでございます。今回厚生省から発表されました公害四法に盛られている内容については、あわせて検討中でございます。なお、それら公害関係諸法につきましては、公害対策会議におきまして政府としての統一的な見解をまとめまして、国会に提出いたし御審議をわずらわすということになっておることを申し上げます。

町田直運輸大臣官房長

○政府委員(町田直君) 公害対策を積極的に推進いたしてまいりますことにつきましては、運輸省としても大賛成でございます。ただいま御指摘の四つの法案の具体的内容につきましては厚生省からの御照会もございましたので、現在事務的に検討中でございます。御承知のように運輸省関係といたしましては、自動車の排気ガス、それから航空機等の騒音その他海水汚濁というような公害関係がございます。で、自動車の排気ガス、航空機の騒音等につきましては、現在法律によりましてこの対策を講じておりますので、こういう面につきましてはよく厚生省のお考えと調整をはかってまいりたいというふうに考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 財政面から大蔵大臣、自治大臣にお考えをお伺いしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は、企業は本来その事業活動の結果として生じた損害を賠償する責任があると思います。その意味でやはり企業の無過失損害賠償責任、この体系を確立することが先であって、この公害に対してすぐに国がこの賠償を負担するという理論的根拠というものは非常に薄い。いずれにしましてもこれは非常に大きい問題でございますので、基本法によってきめられておるいろいろな審議会等でこの原則的な問題を根本的に検討していただいて慎重を期してもらいたい、こういう考えを持っております。

赤澤正道自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(赤澤正道君) 公害問題は最近非常にやかましくなってまいりましたが、それぞれ地域地域で特性があるようでございます。科学的な対策はともかくといたしまして、地域住民の考え方が対策に反映できるような方法を十分検討していかなきゃならぬ、かように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの大蔵大臣の答弁の御趣旨はよくわかりますけれども、いままでの経過から見まして、この公害に対して企業が積極的に、これは私が悪かったんだ、私のほうが原因でこういう病気が起こった、あるいはこういう被害が起こった、そうやって金を出した例は全然ないわけです。したがって、公害裁判とか、あるいはいろんな研究等が行なわれて、現在も検討中のものが非常に多いわけですけれども、その間その公害に悩む人たちをどうするか、やはりそれは地方公共団体なり、国が私は負担をしてあげるのが、やはりこれが福祉社会であると、また佐藤総理の言われる人間尊重にも私はなると思うんですが、そういった意味から言えば、いまの大蔵大臣の答弁はちょっと納得できないのですが、その点いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 原因者がわからないというような場合につきましては、やはり第一次は地方公共団体、第二次には国が一定の費用負担ということもやむを得ないだろうと考えております。しかしその前に、やはりいままでぼけておった企業者の無過失損害賠償責任という体制がはっきり確立しないといけない問題だというふうに思っています。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それでは、次にお伺いしますが、この四つの法案が出ましたが、この中に毒物による水質汚染のために発生した公害防止に対する法案が含まれておりませんが、これはどういうわけですか。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 特定毒物に関する規制の法律案は、ただいま水銀関係の工場等の類型別に全国調査をいたしております。すでに水俣工場は終了して、これと同様の工場を調査しておりまするから、この調査の結果と、並びに法案作成に必要な資料を準備し次第、法律、案をつくるべく準備いたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 現在水質保全法あるいは工場排水規制法というのがございますけれども、これを改め、いま厚生大臣が言われたような趣旨で、この水質汚染を防止していく考えを経企長官のほうはお持ちでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 公害基本法の関係では、水質保全法は改正をしなければならないと思っております。それは一つは、いわゆる環境基準を設定する必要がございますのと、もう一つは、規制の対象を広げるという必要があるからでございます。  それからただいまの、特定の物質についての水質の問題ですが、現在の水質保全法ですでに幾つかの鉱物については水質基準をきめております。シアンとか、フェノールとか、弗素、マンガンなどであります。それから有機水銀、銅、カドミウム等についてはまだ設定されておりません。いま前に申しました四つ五つのものでかなり多くの川をすでに水質基準としてカバーしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いままでの公害が起こりましていろいろ問題になったのは、ほとんどがこの水質汚染の問題が非常に多いわけです。ところがこの問題につきましては、現在までほとんどといっていいほどその原因が解明され、それに対して十分な対策が講じられていないといっても過言ではないと思うわけです。特に大きな問題となって現在尾を引いておりますものは渡良瀬川、それから水俣市、それから阿賀野川、そうして神通川、大体大きな問題はこの四つであると私は思います。その四つの河川あるいは地域において、いままで政府が公害問題に対して、公害発生に対してとってきた施策並びに現状はどうなっておるか、これに関係をしておられる各省からお答えを願います。

倉石忠雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(倉石忠雄君) 渡良瀬川について申し上げます。  昭和三十五年、三十六年の二年、それから三十九、四十の二年、合計四カ年にわたりまして鉱再被害地域の確定、農業用水の水質調査、被害状況調査等の諸調査を行ないました結果に基づいて、水質保全法による水質規制の措置を関係各省と協議中でございます。なお水質規制と並行いたしまして、すでに蓄積されました有害物質による被害を解消する方法といたしまして、客土をいたします事業の実施についても検討いたしておるわけであります。実施方法の検討に資するために、昭和四十二年度以降被害地区に私のほうで試験圃場を設置いたしまして、継続してこの調査を進めておるわけであります。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 渡良瀬川は、いま農林大臣から御答弁を申し上げましたから、自余のものについて申し上げます。  神通川に流入する上流の鉱山の現在の排水については、まず現在においては問題はないと考えております。しかし過去の排水については必ずしも明らかでないので、当省が厚生省とともに調査中であります。  それから水俣川及び阿賀野川につきましては、有機水銀との関連が問題にされてきております。水俣川につきましては窒素水俣工場に対しまして排水処理設備を完備させ、現在では有機水銀は検出されておりません。阿賀野川の鹿瀬電工はすでに水銀を触媒として使用する設備は撤去いたしました。いわゆる阿賀野川事件に対する厚生省調査団の報告書につきましては、当省としても検討中でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) いいですか。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 科学技術庁、阿賀野川。

鍋島直紹自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(鍋島直紹君) 渡良瀬川及び水俣の問題につきましては、各大臣の御報告のとおりであります。科学技術庁として阿賀野川の問題に関係をいたしておるわけでございますか、本年の九月に各省から意見を求めることになりまして、現在意見が参っておりますのは厚生省、農林省及び経済企画庁でございます。通産省からはまだ意見をいただいておりません。これも間もなくいただけるかと思いますが、その意見が出そろいましたところで、科学技術庁として、この意見に基づいてさらにこれを慎重に研究をし、見解を明らかにするという予定でございます。なおその間におきましては、二、三の専門家等の意見も徴してやりたいというふうに考えておる次第でございます。さらに神通川の問題につきましては、まだ各省からそういった申し入れがございませんが、申し入れがもしありといたしますれば、特別研究調整費という費目をもって直ちにこれの研究あるいは調査ということに移るようになっておりますので、前向きにおいてこれはいたしたいと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま各大臣からのお話を聞いても、結局この問題解決については各省がばらばらであるし、特にいまの阿賀野川のことについても、厚生省の諮問機関ははっきりと昭和電工というものが原因であると出しておるわけです。にもかかわらずまだ通産省から出ていない。それが出てから全部あわせて科学技術庁として結論を出すと、こういう、同じ政府の中で、同じ省の中で、同じ政府の機関でありながら、お互いが信頼できていない。厚生省で黒と出たらそれをそのまま信用すべきだと私は思うのですが、こういうふうに行政がばらばらであったのでは、私は決してこの公害問題は解決をしない。そのために公害基本法ができ、今度は四つの法案ができると、こう言われるわけでしょうけれども、いまのお話を聞いていると、全部中途はんぱで終わりです。水俣の問題などはうやむやで、これはほったらかしなんです。阿賀野川も、いまいったように、同じ省の中で、同じ政府の中で検討中とかなんとかでのがれておる。神通川に至っては、やっと、私が産業公害の委員会で追及をしたところが、厚生省で研究案をつくっていただいて目下検討中。こうやってうやむやにしておる間に患者さんは死んでいるわけです。病人もふえている場合もあります。じゃそれに対して何ですぐ対策が講じられないか。患者の医療保障の問題、あるいはこの公害裁判を、今度紛争処理機関をつくられますけれども、これもはたして権威ある学者を集めて、またその力もはっきりと、費用に対しても言い切っていける、そういうしっかりした公害の審議会などができるかどうか、この点を含めまして、今後の公害に対する、この公害が今後産業界の発展とともにますます問題が大きくなりますけれども、いまあげましたような悲劇が二度と今後起らないように絶対やっていくと、そういう決意を厚生大臣お持ちであるかどうか、また具体的に方向を示していただきたい。  以上で質問を終わります。

園田直自由民主党厚生大臣

○国務大臣(園田直君) 公害対策については御指摘のとおりのような点が多々ございます。しかも各省にわたっております。しかも各省にわたることは、今後産業が高度に発達をし、社会が複雑になればなるほど各省にわたってまいると思います。したがいまして、本日中央公害対策審議会の第一回の会合を開いて、これに諮問をお願いいたしておりまするが、先般試案をつくりましたように、各規制あるいは紛争の処理、調停、仲裁、この法律案を準備しておるわけであります。したがいまして特にいま仰せの調停の制度は、これは国会の承認を得る特別職として身分を保障して、しかもそれは公正取引委員同様に権威あるものとして、その人選については十分注意するばかりでなく、権限としては強制調停までやってもらうということを考え、最終的には、両者の同意を得られなければ裁判にも持ち込み得る道を開きたい。なおまた仲裁、調停のほうにつきましては、御承知のとおりに経営者とそれから被害者との調停は非常に長引きますから、そこで救済の方法を講じて、責任者である企業者とそれから国と市町村とでまず救済をしておいて、そうしてあとの訴訟によってこれを解決をする、このように考えているわけでありますが、いずれにいたしましても、こういう被害ができる前にまず仰せのごとく企業責任を明確にすると同時に、また終わったあとについてもこの点ははっきしていきたい、こう考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 以上をもちまして矢追君の質疑は終了いたしました。  以上で一般質疑通告者の発言は全部終了いたしました。  一般質疑は終了したものと認めます。  明日は午前十時から締めくくりの総括質疑を行なうことといたしまして、本日はこれをもって散会いたします。    午後六時四分散会

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